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世界的コンサルタントが語るモチベーションの源とは?

2017年10月16日 公開
2023年01月11日 更新

ジェイ・エイブラハム(マーケティング・コンサルタント)

一流のコンサルタントがマンネリと無縁な理由

前向きなエネルギーにあふれるエイブラハム氏は、マンネリズムとはほど遠い人生を歩んでいる。仕事や人生を常に面白がれることは、やる気を維持する重要な条件だが、一体どうすれば常に好奇心を持ち続けられるのだろうか。

「周りの人や事象、すべてのものに対して好奇心を持つことができれば、マンネリやモチベーションダウンとは無縁でいられます。
私が人生において大事にしている考え方を紹介しましょう。
まず、ビジネスでもプライベートでも、『人と会ったら必ず、私との出会いでその人の人生が少しでも良くなるように』心がけること。そのためには相手が何を価値と感じるか知る必要があるので、相手を大切に思い、話をよく聞くようになります。
次に『異なる価値観を尊び、理解し、受け入れ、感謝する』こと。人はそれぞれ異なるものの見方をします。価値観が合わない人と接するとイライラする人もいるかもしれませんが、自分の目線とは違うものの見方を人が教えてくれると考えれば、違ってくるのではないでしょうか。逆もしかりで、私たちは常に、先生と生徒の立場を同時にやっているのです。
私は、『自分はやれる』と信じること、そして『すべての人や物事に対して好奇心を抱くこと』で、心の炎を灯し続けてきました。
日本のビジネスマンのみなさんにも、自分で自分の限界を決めつけたり、この世界をつまらないものだと思い込むことなく、みなさん自身の無限の可能性を信じ、モチベーション高く仕事や人生に向き合っていただきたいと思います」

 

一流の奇妙な習慣、その理由とは?
エイブラハム氏は、出張で外国に行った初日、必ずホテルのロビーやエレベーターで何時間も過ごすという。そして、あたりの人に微笑みかけ続けるというのだ。さらに、ホテルで掃除をする人や、料理を運ぶ人にも話しかけるという。加えて、エイブラハム氏は、新聞の死亡欄を読むことを日課にしている。一体、これらの奇妙な習慣には、どんな意味があるのだろうか。
「出張先での習慣は、見ず知らずの人々や自分とは違う仕事をする人々に少しでも触れ、理解したいからです。新聞の死亡欄を読むのは、そこに載っている人々の成し遂げたことを知るため。誰もが知る有名人ではなく、自分のコミュニティに貢献したごく普通の人々が何をやり遂げたのかを知りたいのです。
こうして私は、すべての人々の価値を理解し、その人たちに習っているのです。人から学び、人に与える。私の人生のモチベーションは、ここにあると言えます」

 

《『THE21』2017年10月号より》

著者紹介

ジェイ・エイブラハム(Jay Abraham)

マーケティング・コンサルタント

1949年生まれ。30年以上におよぶ豊富な経験から、「卓越の戦略」(Strategy of Preeminence)と呼ばれるマーケティング哲学を提唱。そのコンサルティングのクライアントはIBM、シティバンク、マイクロソフトといった世界的な大企業から、街のクリーニング店、歯科医、税理士などの中小零細企業に至るまで、業種を問わず多岐にわたる。全米をはじめ世界中にファンを持つ。カリフォルニア州バロスヴェルデスで妻子とともに暮らしている。著書に『ハイパワー・マーケティング』(インデックス・コミュニケーションズ)、『クラッシュ・マーケティング』(実業之日本社)などがある。

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