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やればできる。でも「最低限」しか動かない(カメルーン)

2017年10月03日 公開
2017年10月03日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(26)石澤義裕(デザイナー)

250の言語が飛び交う「ごった煮国家」


ものすごく暇そうな従業員。書類の類が一切ない事務所です。

軽自動車で地球を流れる、放浪夫婦です。
起きて半畳寝て一畳と言いますが、一畳もない軽自動車のベッドに寄り添って寝ています。
結婚して20年……。
心身ともに狭いです。

修羅の国ナイジェリアを全速力で逃げ出し、カメルーンに入りました。

BenefitとProfitを座右の銘にするマネタイズ一辺倒なナイジェリアと違い、カメルーンは「アフリカのミニチュア」と呼ばれるほどに「具だくさん」です。

日本の1.2倍程度の国土に、砂漠地帯から熱帯雨林、山脈からサバンナまで各種取り揃えた、アフリカ大陸の縮図感。ラーメンにたとえるなら、全部のせ。

人口は日本の6分の1もいないのに、250もの民族が暮らし、250もの言語。日本の各都道府県が皆、違う言葉を喋ったとしても、その5倍!
「話し合えばわかる!」が通じそうにない、闇鍋的寄り合い所帯です。

内戦が名物のアフリカにおいてこの民族のごった煮感は、毎日クーデターが勃発しそうなダンジョンですが、意外にも独立以降、平和を保っています。

反政府デモの噂を聞きつけて、インターネットを3カ月間も遮断した大統領は、勤続35年の大ベテラン。
話し合う気のない、国難突破上手です。

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著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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