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リモートワーカーに嫌われる「8つのNG」

2021年01月11日 公開
2023年03月10日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(58)石澤義裕(デザイナー)

リモートワーク歴15年の筆者が語る「やっかいな人々」

リモートワーク

コロナのために、モロッコに閉じ込められた旅フーフです。

12月14日のイタリア行きフェリーを予約していましたが、イタリアで感染者が急増したため、欠航となりました。

モロッコで年末年始を迎えました。

非常事態宣言に襲われた2020年は、リモートワーク(テレワーク、モバイルワーク)が流行りました。

続々と、リモートワークの専門家なる方々が現れて、通信環境、書斎づくり、上手な休憩のとり方等々を解説していて感心して読んでいたものですが、よくよく考えるに、ボクこそがリモートワーカーでした。

なにしろ、世界一周の15年間はノマドとして食いつないでいるのですから。

リモートワーク歴15年の間に、ひとつだけマイルールができました。

やりとりは、メールだけにすること。

電話は出ません。

流行りのオンライン会議も受けません。

ときどきリモート時代に向かない残念なビジネスマンがいて、仕事が混乱するからです。

とくにトーク術に長けた人や昭和な人が厄介。彼らは「伝える技術」に欠けていて、

1 簡単な仕事を複雑にする

2 急ぐほどにスケジュールが厳しくなる

3 仕事相手をイライラさせる

とくに3の「イライラさせる」が肝です。

仕事を重ねるほどに愛せなくなるので、なんとかならないものかと、彼らの「あるある」を8つにまとめてみました。

自分のクライアントに説教を垂れるように心を込めて書いたので、心あたりのある方はぜひ改心してくださいませ。

愛してくれとは言いません、愛したいのです。

 

簡単なことを、わざわざ複雑にして送ってくる

〈あるある1〉バラバラ攻撃

リモート時代に向いていない人の諸悪の根源は、よく確かめもしないで、右から左に原稿や資料を流すこと。

こういう人、多いです。

ボクはデザイナーなので、資料類を受け取るところから仕事が始まるのですが、彼らはとにかくやたらとバラバラに原稿や資料類を送ってきます。

とくに説明もしないで(中身を見ていないから、説明できないのでしょう)。

はやく原稿を送れば、その分はやく仕事がフィニッシュすると考えているのでしょうが、そんなことはありません。

全体像が見えないうちは、作業にかかれませんから。←ここ重要!

寝室やトイレや階段の設計図をバラバラと手渡しされても、家は建てられないのです。

ボクのような川下の立場からしてみれば、よくわからないものが説明もなしに次々に流れてくるのは、ゴミを捨てられているように悲しいものです。

バラバラ原稿をひとつひとつ丁寧に拾っても、多くの場合、次の〈あるある2〉で泣かされます。

 

〈あるある2〉複雑の見える化

バラバラと原稿を送りつけるだけなら、まだいいのです。許します。

でも、たいていは二次攻撃がセットになります。

バラバラ氏は、全体が揃ったところではじめて原稿を眺め、いろいろと思いつくのでしょう、「訂正・修正・アイディア」を送ってきます。

これがまた、五月雨式に。

原稿「A」に訂正を入れて「A-修正版」を送ってきたと思ったら、数時間後、Aの修正は原稿「B」におよんでいることに気づいたのか、「B-修正版」もやってくる。それが「C」に影響することは珍しくもなく、「C-修正版」。もちろん前言撤回的修正もありますから「A-修正版-01」というのも加わり、芋づる式に原稿が増えます。

結局、最初に送ってきた原稿の半分くらいは訂正版と入れ替えです。

そして厄介なのは、「A-修正版」の項目3は「生き」で、項目4以降は「B-修正版」の項目2の3行目から12行目までで、よろしく!みたいな難解な指示が加わります。

そんな指示は、たいていどこかが綻んでいます。

そして、さらなる問題につながります。

訂正を入れた本人が、複雑に進化した修正を把握しきっていないこと。

校正するたびに「どうしてこうなるの!?」って驚いてますから、それ以上に現場は大混乱です。

 

〈あるある3〉リモート時代は電話禁止

「五月雨訂正」の最悪のケースは、電話です。

古いタイプのビジネスマンは会話を重視するところがあるので、というか、なんでも電話で済まそうとします。

電話の場合、喋りながら訂正具合を考えていることが多いので、興に乗ると、いつまでも喋り続けます。

刻々と修正内容が変化し、収拾がつかなくなります。

それをメモるボクの苦労たるやを知らないで、「どう思う?」って訊かれても、知らんがなっ!

ついつい、冷たい態度をとってしまいそうになるので、携帯が鳴っても出ないのです。

もちろん〈あるある2〉同様、ご本人は喋ったことを微妙に忘れます。

後日、「ちょっと違うなあ……」的なことをおっしゃって、ボクは泣くのです。

リモート時代は、電話禁止でお願いします。

 

〈あるある4〉無料解読サービス

ごくまれに、1回でビシっと原稿を送ってくることがあります。

が、油断禁物。

拝見すると、メールの文章に原稿の一部があり、添付されたPDFにも原稿があり、Wordにもある。

原稿が3分割されたように見えて、部分的に重複し、ところどころ内容が違う。

たぶん、あっちこっちの部署から流れてきた文書類をよく見ないで転送しているだけなのでしょう。

リモートワーク

結局、矛盾と不明が多すぎて、ただひたすら解読作業に時間を取られます。

解読料を請求してもいいですかね?

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最後に帳尻を合わせようとして大迷惑 >

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