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日本のメディアはまだGHQの占領下にある

2016年08月28日 公開

ケント・ギルバート(米カリフォルニア州弁護士)

WGIPがもたらした悪影響

どの局も同じような報道

 40年以上前に初めて日本にやって来て、徐々に日本語がわかりはじめるいよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人ようになったころ、最初に不思議だなと感じたことの一つが、日本のメディアがあまりにも共産党や社会党を持ち上げ、あるいはソ連や共産中国(PRC)を賛美していることでした。

 アメリカでは、共産主義活動が連邦法で禁止されていますからね。日本は自由主義と民主主義を採用した西側諸国の一員であり、政府自体も安定した自民党政権なのに、なぜテレビや新聞は左翼ばかりを賛美しているのか、理由がわからなかったのです。

 実際、テレビ放送でも、圧倒的多数の支持を誇っていた自民党の発言機会は少なく、社会党の主張に多くの放送時間が割かれており、自民党が何か一言発すると、社会党には反論をする時間が10倍ぐらい与えられている感じがしましたし、新聞媒体なども大半が左翼的な意見で埋まっていました。メディアはあからさまな意図をもって左翼思想を喧伝していました。その結果、日本人の多くは保守政権を支持しながらも、自由主義と民主主義の解体を目論む社会党・共産党に対して、それほど警戒感をもたなくなったのではないかと思います。

 その主な原因は、戦後、GHQ(連合国軍総司令部)がWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)を通じて、日本人に「自虐史観」と「東京裁判史観」を効率よく刷り込んだことでした。左翼人士は大手メディアや教育界、法曹界を通じて日本人全般を洗脳し弱体化させることで、わが世の春を謳歌することができたのでしょう。

 他方、アメリカではメディアが非常に発達しています。ユタ州にある拙宅では、ケーブルテレビの基本契約をしただけで400チャンネルくらいの視聴が可能です。だからこそ、メディアに対して疑問を抱く習慣も発達しています。政治的見解などは、放送局によっていうことがバラバラなので、疑問をもたざるをえないという側面もあります。たとえば、CNNとFOXニュースを見比べたら、「どっちの話が本当なの?」と誰でも考えます。

 一方の日本では、NHKとTBSがまったく違う見解を報じたりはしません。私にいわせれば、どの局も気持ち悪いくらい同じような報道ばかり行なっています。世の中ではもっとさまざまな出来事が起きているはずなのに、報じられるニュース内容はどの局も不思議なほど同じで、放送の順番までそっくりです。

 日本人は、とにかくお人好しで騙されやすいのが最大の弱点です。「オレオレ詐欺」などという犯罪は日本人の「人の好さ」に付け込んだ犯罪で、日本特有のものといっても過言ではないでしょう。物事を疑う習慣のない人がパニック状態に追い込まれると、簡単に騙されます。これは日本人が、政治的プロパガンダに乗せられやすいことを意味します。

 日本人のもう一つの弱点は、とにかく権威ある職業や組織(学者、医師、弁護士、大企業、大手マスコミなど)から発せられる情報であれば、ほとんど疑うことなく、すべてを信じる傾向があるということです。

 このような、「お上」には逆らわず、「長いものには巻かれろ」という感覚は、決して日本人が、純粋無垢で従属的だったからではないと私は考えています。むしろ、かつての日本の権力者や大商人というものが、伝統的に庶民の信頼を勝ち得ていたからではないでしょうか。庶民は、権力者を信じて付いていけば決して悪いようにはならない、と感じていたのです。

『古事記』の「因幡の白兎」、あるいは「海幸彦・山幸彦」などの神話、仁徳天皇の「民のかまど」の逸話、数多くある「恩返し」の昔話などから、日本という国は太古の昔から、「正直で誠実に、そして慈悲深く仲良く暮らしていれば、きっと良いことがある」と教えられ、それを信じることのできる社会が、現実に存在したのです。

 このようななかで、歴代天皇はもちろんのこと、将軍や大名、あるいは武士にせよ、大商人にせよ、農村の長にせよ、世の中のリーダーは民の信頼を決して裏切ってはならないと考え、逆に民は、権威あるリーダーに全幅の信頼を寄せて精進しさえすれば、いつか必ず報われるというコンセンサスがあったのではないでしょうか。

 こうした日本人の特性は、GHQにとって、占領政策を実行するうえで予想以上に好都合であったことでしょう。GHQにしてみれば、彼らがやるべき最初の仕事は、自らが「権威」になることでした。その結果、マッカーサーを頂点とするGHQは、天皇陛下に代わって新たな「神」となったのです。

 戦後すぐに撮影された、昭和天皇とマッカーサーが一緒に並んで写った写真は、まさに「神の交代」という意味を無意識のうちに日本国民に植え付けたはずです。そして、新しい神であるGHQによる、邪悪で巧妙な日本解体作戦が、あまりにも功を奏した結果、戦後の日本は71年間も自虐史観に苦しめられ、汚名を着せられ、国家は計り知れないほどの損失に苦しんできたのです。

なぜ左翼思想が広まったか >

iyashi

著者紹介

ケント・ギルバート(Kent Sidney Gilbert)

米カリフォルニア州弁護士、タレント

1952年、米アイダホ生まれ。1971年に初来日。1980年、国際法律事務所に就職して東京に赴任。TV番組『世界まるごとHOWマッチ』に出演し、一躍人気タレントへ。最新刊は『不死鳥の国・日本』(日新報道)。公式ブログ「ケント・ギルバートの知ってるつもり?」で論陣を張る。

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