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ケント・ギルバート GHQが日本国憲法に隠したもの

2017年05月08日 公開
2023年02月01日 更新

ケント・ギルバート(米カリフォルニア州弁護士)

5月3日の憲法記念日に、安倍首相は2020年までに憲法を改正、施行したいとの意向を示した。国会で与野党の議論が沸騰するなか、ケント・ギルバート氏はいまの憲法に隠されたある秘密について明かす──。


 1952年のサンフランシスコ講和条約によって日本は「独立」を回復しました。とはいえ、引き続き米軍が駐留したことで、日本は自国の防衛をアメリカにゆだねることになりました。講和条約以降も、日本が「属国」であったかはどうかはともかく、少なくとも安全保障に関しては完全なアメリカ依存を続けてきました。

 にもかかわらず、日本は「平和憲法」によって守られていると、頭から信じ込んでいる人が多い。じつはその「平和憲法」も、日本人がつくったものではなく、GHQ謹製でした。学校で習う「民定憲法」ではなく「米定憲法」が正解です。当時の日本は被占領国であり、日本国民に主権などありません。アメリカに対するこの二重の従属(とその隠ぺい)こそが、「戦後日本」の真の姿であったといえるでしょう。

 日本国憲法前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあります。文法的に助詞の誤りがある上、悪文で意味が取りにくいという人がいますが、意味がわからない本当の理由は、真の主語が隠されているからです。

 そこで、私が主語を補いつつ、この文章の本来の意味が正しく伝わるものに校正してみましょう。
 

 「GHQ」は、平和を愛する諸国民の公正と信義を(自分たちは信じていないが)日本に信頼させることで、武力を完全に放棄させ、その代わり在日米軍に依存させることを通じて、日本の安全と生存を守ることを決意した。
 

 だいぶ意味がわかりやすくなりました。いまや「平和を愛さない」北朝鮮という独裁国家の登場や、「不公正で信義にもとる」中華人民共和国の台頭によって、日本国憲法前文の前提が完全に崩れている(本当は最初から無い)こともよくわかるはずです。北朝鮮からミサイルを撃ち込まれる前に、こうした事実にすべての日本人が気付かなくてはなりません。

(本記事は『Voice』2017年6月号、「日本人よ、国を守る覚悟はあるか」から一部、抜粋したものです。続きは5月10日発売の6月号をご覧ください!)

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