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石平 異変!中国不動産市場

2017年07月07日 公開

石平(評論家)


  今年5月から突如、中国全国の不動産市場で異変が生じた。各大都市を中心に、新規分譲住宅の契約件数が前年同期比で激減したのである。

 たとえば首都北京の場合、5月の新規分譲住宅のネット契約件数は2912件で、16年5月と比べれば38%も減った。

 もう一つの経済大都市である上海では5月の新規分譲住宅契約件数は前年同期比で28・09%減、同じ華中地域の大都市南京市のそれは62%減となった。

 華南地域の大都市の広州の場合、5月の新規分譲住宅のネット契約件数は、前年同期比で50%も減少した。

 新規分譲住宅契約件数の激減は上述のような大都市だけの話ではない。

 山東省首府の済南市では、今年5月の契約件数は前年同期比では62・65%減、湖南省首府の長沙市のそれは70%減、福建省首府の福州市は69%減となった。

 浙江省首府の杭州市の5月新規分譲住宅契約件数は前年同期比で59・14%減、同じ浙江省にある紹興酒の産地として有名な中型都市の紹興市では、契約件数は前月比で44・21%減であった。

 中国国内の民間研究機関である易居研究院は6月6日、当研究院が定期的に観測している全国50都市の新規分譲住宅の売れ行き最新情報を公表したが、それによると、今年5月において、この50都市の新規分譲住宅契約面積は前年同期比では16%程度減、前月比でも5%減であったという。

 契約件数激減の傾向は6月に入ってからも続いた。この原稿を書いている6月20日現在の最新情報によると、5月28日から6月4日までの1週間、上海市内の新規分譲住宅契約面積は15・9㎡で、前週比では19・1%減であった。

 あるいは首都北京の場合、6月前半の新規分譲住宅ネット契約件数は961件、前年同期比では49・3%減、今年5月前半と比べても28・2%減であった。

 このようにして、今年5月に入ってから、全国の大都会を中心にして、新規分譲住宅契約件数の激減が広がっていることがわかる。中国の不動産市場は突如、急速に冷え込んできているのである。

(本記事は『Voice』2017年8月号、「凍結された中国不動産市場」から一部、抜粋したものです。続きは7月10日発売の8月号をご覧ください)

iyashi

著者紹介

石 平(せき・へい)

評論家

1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。1988年来日、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。著書『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(PHP新書)が第23回山本七平賞を受賞。

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