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高橋洋一 猿芝居だった安倍叩き

2017年09月07日 公開

髙橋 洋一(嘉悦大学教授)

天下りキングがヒーローに

 加計学園加計学園問題は、前川喜平・前文科事務次官が問題視したことにより、問題の本質がマスコミ報道で大きく歪められた。問題は彼がいかに行政の論理を逆立ちさせて規制緩和を阻んだかであったが、マスコミ報道で彼は安倍政権に逆らう勇気ある人になっていた。

 しかも、半年前には、文科省の天下り斡旋問題の首謀者であり、それだけで懲戒免職になってもおかしくない。さらに、天下り問題の発覚を恐れて、文科省内で口裏合わせまでした「天下りキング」ともいえる人が、どうしてヒーローに転じたのか。まったく報道ぶりの掌返しには驚くしかない。

 前川氏は「行政が歪められた」といい、マスコミがそれを連日報道するので、多くの人は、文科省の行なう大学設置認可が総理の意向で歪められた、と思っただろう。まず、問題の本質を整理しておこう。

 特区法は、規制緩和を行なうための仕組みだ。その場合、対象となっている規制を明確化する。加計学園の場合、対象となっている規制は、文科省告示(平成十五年三月三十一日、文部科学省告示第四十五号http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k20030331006/k20030331006.html)である。

 この内容は、獣医師大は医大などと共に、設置認可を申請してはいけないというものだ。これは、筆者のような元官僚から見れば驚きだ。認可制度がある以上、認可するかどうかは別として申請は自由である。ここ3年間、内閣府と文科省のあいだですったもんだの末、この文科省告示の特例という形で規制緩和がなされた。2017年1月文科省は文科省告示の特例をつくることとなった(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/pdf/170104_kokka-monka.pdf)。

 この特例は、あくまで設置認可の申請をしていいというだけだ。前川氏のいう「行政が歪められた」というのは、認可申請において「門前払い」が「申請してもいい」となっただけだ。最終的な大学の設置認可権限は、文科省が手放すはずがない。この「特例」に基づき、申請したあとは、文科省により審査が行なわれて、それにパスすれば、設置が認可されることとなる。

 いま前川氏を好意的に扱っているマスコミは、前川氏のいう「行政が歪められた」を正しく報道していない。もっともこうした議論は、国会ではきちんと議論されている。マスコミが報道しないのである。

 さすがにひどいので、テレビにもこうした報道姿勢を疑問視する声が寄せられている。

 放送倫理・番組向上機構(BPO)のホームページには、2017年7月に視聴者から寄せられた意見として「国会審議におけるテレビ各局の報道姿勢が、政権批判や総理批判などに偏り過ぎているのではないか」が挙げられている(http://www.bpo.gr.jp/?p=9187&meta_key=2017)。

(本記事は『Voice』2017年10月号、高橋洋一氏の「猿芝居だった安倍叩き」を一部、抜粋したものです。全文は9月8日発売の10月号をご覧ください)

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著者紹介

高橋洋一(たかはし・よういち)

嘉悦大学教授

1955年、東京都生まれ。東京大学理学部数学科、経済学部経済学科卒。博士(政策研究)。1980年、大蔵省に入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣参事官などを歴任。2008年、退官。著書に、『日本人が知らされていない「お金」の真実』(青春出版社)ほか多数。

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