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政治塾ブームの深層 - 既成政党の取り組みは?



2012年05月25日 公開

茂原 純 (政策シンクタンク PHP総研 地域経営研究センター コンサルタント)

  大阪維新の会の「維新政治塾」をはじめ、地域政党で政治家等を養成する政治塾の活動が活発になっている。現時点では地域政党の政治塾に注目が集っているが、実は既成政党も以前から政治塾を運営している。そこで今回は、与野党第一党の民主党と自民党について、その現状を見ていきたい。

 まず、民主党は都道府県総支部連合会ごとに「政治スクール」を開講している。2002年の栃木県連の「民主塾」の開講を皮切りに、38都道府県連がスクールを設置(民主党ウェブサイト参照)。ただし、今現在、継続して開催しているのはこのうち、半分以下のスクールに限られる。

 民主党は国政では政権交代を果たしたが、地方議会では、まだまだ議員数が少ないのが現状だ。人材を育てて地方議会に多くの人材を送り込んでいくことは、党の基盤を拡大する上でも重要と考えられるだけに、全体的に見てスクールの活動が活発でないのは、機会を逸していると言えるのではないだろうか。

 もちろん、中には成果を挙げているスクールも存在する。例えば、東京都連のスクールである「民主党大学東京」では、今年の第6期の募集までに、首長1名、都議会議員2名、区・市議会議員33名が誕生。また、政治家のみならず、ソーシャルアントレプレナーなど、社会の変革を担う人材を育てるとしており、マニフェストの検証等をプログラムに組み込んでいくなど、特色を出している。

 一方、全国的に着々と政治塾を運営しているのが自民党だ。その特徴は、1955年の立党の際に構想されて設立された「中央政治大学院」(党本部の組織)が存在する点と、都道府県支部連合会に設置されている「地方政治学校」と合わせ、これらの機関がきちんと党則に位置づけられているということにある。党本部の組織が存在せず、政治スクールも党則で規定していない民主党とは対照的だ。

 中央政治大学院は「人材を発掘、育成するための指針を示し、地方政治学校と連携を図り、その運営に当たっては、積極的にこれを支援する」(党則第68条)役割を担っている。また、異業種勉強会、大学・大学院のゼミ・研究室との交流・支援を目的とした「まなびと(学ぶ人)プロジェクト」を定期的に開催しており、国会議員が中心となり、党の政策などについて講演する機会を設けている。

 地方政治学校については、現在24都道府県連で設置されているが、そのほとんどが、継続的にプログラムを提供している。一例を示すと、「HOKKAIDO政治塾」では、合宿で「北海道開拓の村」などを実際に回り、北海道の歴史を学ぶプログラムを組み込んだり、一部のオフレコ講義を除いて塾の開催状況をブログで丁寧に説明していくなど、精力的に活動している様子が伝わってくる。また、政策発表会を設けた「愛知政治大学院」のように、実践的なプログラムを導入する塾も増えてきている。

 実績についても、民主党と同じく東京の例(「TOKYO自民党政経塾」)で見ると、2011年10月24日までに、国会議員1名、首長1名、都道府県議会議員2名、区市町村議会議員90名を輩出。また、地方で初めて開校された政党主催の政治大学校で、既に13期も継続してきた「かながわ政治大学校」の場合、国会議員2名、県会議員5名、市議会議員6名の自由民主党公認・推薦の議員を送り出している。

 このように、民主党と自民党の政治塾を比較すると、自民党の方が運営面で優れていると言えそうだ。ただし、プログラムの中身を見ると、両党とも国会議員や有識者の講演で終わっている塾が散見される。地域政党が台頭してきた今、スピーチやディベートの訓練や、街頭演説などを組み入れるなどして、既成政党もプログラムを充実させ、しっかりと人材を取り込み、育てていくことが急務と言えるだろう。

 

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