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メダリスト・有森裕子の「やめたくなったら、こう考える」



2012年07月23日 公開

有森裕子(元マラソン選手、スペシャルオリンピックス日本理事長)

仕事を替える前に、自分を変える

 一度やめると癖になる。そのことは、スポーツの世界に限った話ではないと感じます。会社を「なんだか嫌だから」と一度やめてしまうと、ほかの会社に行っても辛抱がきかなくなります。やめることに抵抗感がなくなって、「また嫌になってきたからやめよう」と、容易に選択できてしまうのです。

 いまは、現場を替えられる、会社を替えられる、実業団を替えられる、監督・コーチも替えられる。ともすれば学校の先生も替えられ、親はさすがに替えられないにしても、友だちやパートナーですら替えられると、とにかく何でも替えられる社会。

 そのため、環境や仕事を替えることへの抵抗感がどんどん薄れているように感じます。嫌だと思ったら転職する、上司が嫌になったらやめればいい……。本来は、自分自身も何かを変えて、相手に合わせることも必要なはずなのに。

 途中でギブアップしたいと思ったときには、ほんとうにやめるべきかどうか、わたしもそうとうに悩みます。みなさんも悩んでいないわけではないでしょうが、いざ、やめるとなると、それなりに理由がないと決断できないのではないでしょうか。

 理由のなかには、自分からの理由、自分が原因となっている理由があるはずです。

 「嫌だから」は、「あの人が嫌だ」「あの時間が嫌だ」と、相手やまわりに向けているようですが、嫌だという感情をつくったのは、ほかでもないあなた自身ですよね。まわりをそういう存在にしたのは自分にも理由があるわけで、自分自身の心が関与しているのです。

 わたしはまず、そうした自分の理由を考える。とことん考えて、そこから自分を変えようと試みます。何が問題かを見つけて変えてみたら、解決するのはよくあること。わたしが安易にやめないと決めたのは、そうしたこともあるからです。

 もちろん、自分を変えてもどうにもならないことは、なきにしもあらずですが、たいていは自分が変われば変えられるものです。

 「これが嫌だ」「これでダメだ」と思ったら、「こっちはどうだろう?」と思考をめぐらせてみる。いまはそうした発想をする前に、嫌になったらその感情を優先させて、この条件が満たされなかったらとにかくダメ、と決めつけてしまう……。「こうでなければダメということはない」という発想をもちあわせていない人が多いように感じるのです。

 同時に、ルーティン、つまり変えないということに対して、ネガティブな印象が強まっているようにも思います。同じことを長く続けることが、我慢できない時代になっているようなんですね。

 変えないことには強さがあります。

 もちろん、その強さは結果がともなわなければ証明できません。結果が出ない、進歩が見えないとなると、何かしら変えなければ続けられません。

 だからといって、「何も結果が出ない。もう嫌だ、やめてしまおう」となるのではなくて、「こっちの方法をとってみたらどうだろう?」と考え、試してみることが大切なのです。



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