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損している気分が「満足感」にかわる“自己中心心理学”



2012年08月01日 公開

石原加受子(オールイズワン代表、心理カウンセラー)

 職場であなたは「気が利いているね」とほめられました。
 そうやってほめられたことで、あなたは「気が利いている」と言われ続けるために、アンテナを張って、常に気が利く私でなくては、と考えませんか。

 誰かに「頭がいいね」とほめられました。
 その人の前では特に、「ドジを踏んではいけない」と思いませんか。

 まだつき合いだして日の浅い恋人に「あなたの笑顔が素敵だね」と言われました。
 翌日、あなたは職場で年下の女性に嫉妬して不機嫌です。仕事が終わった後で、恋人が「会おうよ」と言ってきました。あなたは、不機嫌そうな顔を恋人に平気で見せることができますか。あるいは、無理に笑顔を作ろうとしたら、どんな気持ちになっていくでしょうか。
 どっちに転んでも、あなたは否定的な気持ちになるに違いありません。

*相手の立場を自分に置き換えてみるレッスン

 あなたはこれまで自分の眼から見た「相手の得する場面」ばかりを切り取っていました。けれども、自分を相手の立場に置き換えてみると、どうでしょうか。
 あなた自身が、贔屓されている女性になりきってみると、どんな気持ちになるでしょうか。新入社員として贔屓されていたときに、あなたはどんな振る舞いをしていたでしょうか、今一度、振り返ってみましょう。
 あなたは、相手に好かれるように無理をしていませんでしたか。
 相手が雑用を頼んでくれば、“笑顔”で引き受けていませんでしたか。
 贔屓されたり特別扱いされれば、相手の期待に応えなければならないと無意識に思ってしまうものです。他者中心の人ほど、「それに応えなければならない」と思って、それが重荷になっていくでしょう。
 こんなふうに、「あの人は、えこ贔屓されていて妬ましい」と思うのは、自分の一方的な見方です。その人になったつもりで推測してみれば、決して、あなたの眼から見えるような、「得する」ことばかりではありません。
 言い方を変えれば、あなたの眼から見た「妬ましい人」が陰でしているであろう努力や感じているであろう心理的プレッシャーや心労を、あなたは背負わないで済むという点で、「得している」のです。

 

「プラス感覚」に敏感になるレッスン

 「損する」という思いが頭を占めているとき、感情や五感といった感覚を“感じる”ことが疎かになっています。それは、「思考」と「感じる」ということを同時に体験することができないからです。
 「損する。損する」と心の中でつぶやいていれば、心も「損する」気分になっています。けれども、思考に囚われているゆえに、心は「損する」気分になっていながら、それを自覚することはできません。そのために、「損する。損する」と言えば言うほど、気づかずにどんどん「損する」気分に囚われていくのです。

 例えば、あなたは友だちと喫茶店で、四方山話に花を咲かせています。話が拡がっていって「損する」話題になっていきました。
「○○を習っているんだけど、先生が可愛い子をえこ贔屓するのよ」
「夫の親とは同居したくないのに、姑が『帰ってくれば、お家賃もいらないでしょう』ってしつこく言ってくるんだ」
「いまどき、長男の嫁だからって言われてもねえ」
 といった話をすればするほど、自分が損をしているという思いが強くなって、貧乏くじを引いた気分になっていくでしょう。
 あなたはそんな話の途中で、コーヒーをひと啜りしました。
 またひとしきり喋って、またコーヒーをひと啜りしました。
 話をしている途中で、あなたはむせてしまい、咳をしました。何度か咳をすると止まったので、あなたはまた、話に戻りました。
 あなたはお喋りで喉が渇いたので、また、コーヒーを啜りました。
 こんなとき、こう問われると、あなたは答えることができるでしょうか。
 「何度もコーヒーを啜っていますが、コーヒーを飲んでいるとき、味わいながら飲んでいますか?」
 お喋りに夢中になっていると、コーヒーの香りや味をゆっくりと味わう暇もないでしょう。
 思考に囚われている状態も同じです。

 さらに、あなたは話の途中で、咳をしました。
 「咳が止んだとき、あなたはどんな気分でしたか?」
 咳が出ているときは苦しいから気になるけれども、咳が止まれば、すぐにお喋りに戻ります。
 このときあなたが、咳が止まったことに焦点を当てて、もう少し時間をかけて自分を感じようとするなら、“ほっとしたり、喉が楽になったりしている”感覚を感じることができるでしょう。
 マイナス感覚や感情を感じる感度は高くても、こんなプラス感覚や感情を感じる感度の低い人が多いのです。その感度の低さが、さらに「損する」という思考に囚われていく元凶となっています。
 そんな負の思考の連鎖から抜け出すには、その時々に感じているプラス感覚や感情に気づく分量を増やし、それを味わっていくことが早道なのです。



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