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2013年注目の地方選挙を展望する

2013年01月28日 公開

茂原 純(政策シンクタンク PHP総研 地域経営研究センター コンサルタント)

 

 2013年は、統一選の年ではないにもかかわらず大きな地方選挙が目白押しだ。まず知事選が、岐阜・山形・千葉・秋田・静岡・兵庫・茨城・宮城・広島の9県で続く。政令市長選も、名古屋・さいたま・千葉・仙台・横浜・堺・岡山・川崎・神戸と、全政令市20市中、9市の選挙が行われる。だが、地方選挙といっても自分の住んでいる自治体の選挙以外にはなかなか関心を持てないのが一般的だろう。そこで、今回は、2013年注目の地方選挙を整理してみたい。

 まず、名古屋市長選(4月21日投開票)を挙げたい。地域政党減税日本の党首である河村たかし現市長は続投の意向を示しており、自民党が対抗馬をぶつけてくる可能性が高い。かりに、河村氏が落選することになれば、減税日本の求心力が急落しかねない。減税日本にとっては党の盛衰を左右する重要な選挙と言っても過言ではないだろう。

 次に、千葉市長選(5月26日投開票)である。政令市長最年少の熊谷俊人現市長(現在34歳)が、どのような選挙戦を展開するのかに注目したい。同様に、今年は山中光茂松阪市長(同37歳)、吉田雄人横須賀市長(同37歳)、松尾崇鎌倉市長(同39歳)などの若手の現職が続投を目指す市長選が多い。山中氏は1月27日の選挙で再選を果たし、その他の投開票は横須賀市長選が6月30日、鎌倉市長選が10月26日(見通し)となっている。彼らが踏みとどまれば、若い世代の首長選への進出に拍車がかかるかもしれない。

 第三に、夏に行われる参院選の前哨戦と目されている東京都議会議員選挙(6月23日投開票)だ。前東京都知事で日本維新の会の共同代表である石原慎太郎氏の下、維新の会がどれだけ議席を伸ばすのかに注目が集まる。また、昨年の衆院選で惨敗を喫した民主党であるが、現在、都議会では第一党の座を維持している(都議会議員125人中45人を占める)。東京選出の海江田万里新党首の下、危機に瀕した民主党がどこまで踏みとどまるのかにも注目したい。いずれにしても、有権者からの各党への信頼がストレートに映し出される選挙になる可能性が高い。

 第四に、堺市長選(選挙日程未定、任期満了は10月7日)である。現職の竹山修身氏は前回の選挙で当時の橋下徹大阪府知事の支援を受けて当選したが、橋下氏が進める大阪都構想に反対する立場を示しており、維新が対立候補を擁立するのは必至だ。維新にとっては大阪都構想の実現へ向けて弾みをつけられるかどうかの試金石となるだろう。ただ、昨年の結果を見ると、大阪維新の会が公認や推薦をして勝利した首長選は、以外にもゼロである(猪瀬直樹氏が当選した東京都知事選は日本維新の会が支持。大阪維新の会は日本維新の会の支部ではなく、交流団体とされた)。今年1月20日投票の四条畷市長選では公認した土井一憲氏が当選したものの、候補者の人選も含め、今後の首長選へ向けた周到な準備が必要だろう。

 最後に、宮城県知事選(選挙日程未定、11月20日に任期満了)、仙台市長選(同未定、8月21日に任期満了)といった被災地での選挙を挙げておきたい。現職の村井嘉浩知事、奥山恵美子市長ともにまだ続投の意向を表明していないが、柔軟性のない政府の政策への批判が高まる中、現職・新人ともに候補者がどのような復興ビジョンを示してくるのかに注目したい。

 以上、2013年の注目選挙を挙げてみた。総じて言えば、地方選挙は民主党政権下においても自民党が強い傾向にあり、昨年の衆院選の圧勝を受けて、自民が地方選でも更に波に乗る可能性がある。それに対して地域の自立を標榜する維新とみんなの党がどこまで勢力を拡大するか、というのが基本構図になるものと予想される。また、目下、自民党が参院選からのネット選挙の解禁に向けて準備をしており、地方選でも解禁される可能性がある。こうした点も加わって、各政党がどのような戦いを繰り広げていくのか。是非、今年の地方選挙に注目してもらいたい。

  

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