ホーム » スキルアップ » イマドキ部下との「飲みニケーション」のコツ

イマドキ部下との「飲みニケーション」のコツ



2014年10月16日 公開

高城幸司(セレブレイン社長)

『THE21』2014年10月号より》

人間関係を円滑にする手段として、いわゆる“飲みニケーション”が最近見直されている。緊迫感がある業務時間中に比べ、リラックスした話ができるからだ。しかし、ただ部下とお酒を一緒に飮むだけでは、今どきの若者に煙たがられる可能性が高い。時代に合った飲みニケーションのスタイルがあるのだ。

 

部下の本音を聞くという目的を意識して誘おう

 飲みニケーションの最大のメリットは本音で話せることです。職場で自分を上手に表現できない部下も、食事やお酒の場では人間性を垣間見せてくれます。

 しかし、ただ飲みに誘えば本音を聞けるわけではありません。何気ないことのように思えるかもしれませんが、飲みに行く“きっかけ”作りが重要。今の上司世代が若かった頃は、上司が誘ったら、部下は有無を言わさず連れて行かれたことでしょう。しかし、今の若い人には「なぜ、この人と飲みに行くのか」が納得できる理由が必要なのです。

 上司にしてみれば、飲み二ケーションは仕事の延長線上にあるという感覚でしょう。確かに、会社や部署の全員が参加する宴会なら、業務の一環です。しかし、飲みニケーションは任意のもの。そのため、誘うタイミングや理由に工夫が必要です。「仕事がひと段落したから」「君が好きそうな良い店を見つけたから」「20代の社員と順番に飲みに行っているから」など。「行きたい」「行くべきだ」と思える理由がないと、部下は喜んでついてきませんし、心を開いてはくれません。

 部下が誘いに乗ってくれたから、誘った上司はホストに徹すること。その日の主役は部下です。お店選びも主役に合わせましょう。お酒を飲めない部下なら、飲めないなりに楽しめる店を。食事が美味しい店、夜景が綺麗な店などです。また、しっかり話を聞きたいのですから、騒がしすぎる店は不向きです。

 

部下と飲んで話すのは上司の自己投資の1つ

 店に入ってからも、誘った上司がホスト。メニュー選びも部下に任せてはいけません。嫌いなものを聞いたり、逆に自分が勧めたいものを教えてあげたりと、もてなしましょう。コミュニケーションを取りつつ、リラックスできる雰囲気にします。

 もちろん、聞きたいことがあるから部下を連れ出すのです。だからと言って、単刀直入に話を切り出すのはどうでしょうか。「なんでノルマが達成できないの?」などと聞かれたら、誰だって答えづらいはず。まずは部下が率直に話してもいいと思える状況を作るべきです。ただでさえ部下は上司と一緒で緊張しているかもしれません。アイスブレイクの時間を設けましょう。

 リラックスした雰囲気になったら本題に入ります。とはいえ、ダイレクトな問いかけは、やはりNGです。かと言って、「最近どう?」という漠然とした質問では、部下も答えようがありません。相手が答えやすい言葉を選びましょう。

 「最近、変わったことあった?」「この仕事に就いて3年だけど、仕事していて楽しい?」など、仕事のことなら躊躇なく話せる人も、自分のこととなると慎重になる人もいます。まず頭の中で言葉にするタイプの人です。しゃべり出しが遅い部下の場合、上司からしゃべってはいけません。部下が話し出すまで待つ。主役はあくまで部下です。

 飲みニケーションは、使い方によっては有効なものです。しかし、絶対に必要なものではありません。数ある選択肢の中の1つです。本音を聞くならランチの時間で十分かもしれません。

 良いスーツを着る、新聞を購読する、自腹で勉強会に参加する、といったことと同じように、飲みニケーションも自己投資の一種です。部下の人柄についてより深く把握したい、コミュニケーション能力を磨きたいということなら、投資に値する対象だと思います。

 

高城幸司(たかぎ・こうじ)

〔株〕セレブレイン代表取締役社長

1964年、東京都生まれ。同志社大学文字部卒業後、1987年に〔株〕リクルートに入社。通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。独立起業専門誌「アントレ」を創刊、事業部長と編集長を兼任する。2005年に人事戦略コンサルティングを行なう〔株〕セレブレインを設立、代表取締役となる。『知らないと損する会社と職場の歩き方』(東洋経済新報社)など著書多数。


<掲載誌紹介>

2014年10月号

<読みどころ>今どきの会社員は、プレイングマネジャーとして上司と部下の両方の立場であることが多く、また会社員人生の中でその時期はとても長い。どちらの立場でも、縦横のバランスを保ち、円滑な人間関係を築けることが、プロのビジネスマンの条件だが、実際にはここで悩みを抱える人が多い。ひどいときは、人間関係によって体調を崩すことや、キャリアの妨げになることも。会社のためにも自分のためにも、組織で思う存分力を発揮するためには、人間関係の良好さは必須条件。そのための対人術やセルフコントロール術について、各界で活躍している方々や専門家の方々に指南していただいた。

THE21

 

BN

 



関連記事

編集部のおすすめ

部下指導のコツ~「きみに任せた」がなぜこれほど部下に嫌がられるのか?

本田有明(本田コンサルタント事務所代表)

[リーダーのコミュニケーション]部下に慕われる心理法則とは

渋谷昌三(目白大学大学院教授)

お悩み別 初対面の際に押さえるべきポイント12

THE21編集部

1万人の体験から学んだ「聞く技術」――他人と心を通わせるコツ

大塚 寿(エマメイコーポレーション代表取締役)

“池井戸潤”はなぜ社会現象になったのか?

特別対談:香山リカ(精神科医)、土井英司(ビジネス書評家)

日本最大級の癒しイベント出展社募集中

WEB特別企画<PR>

アクセスランキング

WEB特別企画<PR>

日本最大級の癒しイベント出展社募集中
  • Facebookでシェアする
  • Twitterでシェアする

ホーム » スキルアップ » イマドキ部下との「飲みニケーション」のコツ

×