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生き方

松岡修造 僕は日記を書くことで「成長」してきた

松岡修造(プロテニスプレイヤー)

2015年11月25日 公開 2015年11月27日 更新

松岡修造 僕は日記を書くことで「成長」してきた

『修造パワーダイアリー』より

僕と一緒に「自分ワールド」をつくっていきましょう!

 

感じたこと、考えたことを2、3行でいいから書いてみよう

 子供の頃の僕は日記を書くのが嫌いでした。小学校では毎日、日記を書く宿題が出ましたが、遊びに夢中でいつも忘れてばかり。自発的に日記をつけ始めたのは、テニスの強豪・柳川高校に転校した高校2年の時です。当時のテニス部のキャプテンが精神的な葛藤を日記に書いていることを知り、そこに彼の強さの秘密があるような気がしました。テニスが強くなりたい一心の僕は、尊敬する先輩の真似をして日記を書くことにしたのです。

 始めてみて、「これほど面白いものはない!」と感じました。自分の良い点も悪い点もありのまま出せる。好きな女の子のことも、思いっきり書ける。途中でやめても、誰からも文句を言われない。

 日記感覚でブログを書く人は多いと思いますが、人の目を意識して本音や本心が出しにくいかもしれません。でも、日記は「人がどう思うか」を気にしなくていい。誰に見せるわけでもないので、何を書いてもいい。それが重要なんです。本音を出しにくい時代だからこそ、2、3行でも自分の思いを素直にぶつけられる世界が必要な気がします。

 僕は日記を書くことでテニスプレーヤーとして成長してきました。本当の心のうちを、すべて日記に記してきました。僕にとって日記は、自分に向き合い、自分を叱咤し、激励し、血と汗を心に刻んだ結晶なのです。

 でも、現役を退いてからは、毎日の忙しさにかまけて日記から遠ざかっていました。新しい世界に飛び込んだのですから、続けていれば、きっと自分にとってものすごい宝物になっていたでしょう。そんな反省も込めて、改めて思うのは、「毎日の気持ちを素直に書き込み、成長の糧にできるようなものを持ちたい」ということです。パソコンを使うより自筆の方が「自分と向き合っている」実感があり、素直な気持ちを吐き出せると思います。また、筆跡からも自分の状態がわかります。悩んでいる日は筆圧が弱いとか、書いているうちに疲れてヨレヨレになった文字とか、そんなところからも、その日の自分がどんな思いでいたかがわかります。

 自分自身を知り、応援し、夢に向かって突き進むパワーを生み出すために『修造パワーダイアリー』はあるのです。日記に親しみ続けてもらうきっかけになればと思い、7日ごとにみなさんへの応援メッセージも入れました。僕の公式サイトや著書にある「みんなを本気で元気にしたい!」という気持ちから生まれた言葉です。

 さあ、僕と一緒に「自分ワールド」をつくっていきましょう!

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著者紹介

松岡修造(まつおか・しゅうぞう)

プロテニスプレーヤー

1967年、東京都生まれ。10歳から本格的にテニスを始め、慶應義塾高等学校2年生のとき、テニスの名門である福岡県の柳川高等学校に編入。その後、単身渡米、86年プロに転向。95年のウィンブルドン選手権で、日本人男子としては62年ぶりのベスト8進出を果たすなど活躍。98年に現役から卒業。現在はテニス界の発展のため、テニス活性化プロジェクト「修造チャレンジ」などを通じてジュニア育成に尽力。また、オリンピックのキャスターを務めるなど、メディアでも幅広く活躍している。

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