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学生に大人気の老舗企業が実践する「努力と頑張り」の否定

2019年07月01日 公開

渡辺雅司(船橋屋 代表取締役八代目当主)

 渡辺雅司(船橋屋 代表取締役八代目当主)  写真提供=株式会社船橋屋
 渡辺雅司(船橋屋 代表取締役八代目当主)※ 写真提供=株式会社船橋屋

<<東京・亀戸に創業1805年の歴史を持つ「船橋屋」。看板メニューの「くず餅」は、芥川龍之介や永井荷風、西郷隆盛などに愛されてきた。まさに「老舗」の和菓子屋が、いま若者から注目を集めている。

その理由が、“若手を主役”、“イノベーション”などまるでベンチャー企業のようなカルチャーが浸透していること。毎年、数名の採用枠に17000人が応募する人気企業となった。

しかし、そこに至るまでに「試練」があった。老舗ののれんを継いだ8代目当主は、経験のない環境を目の前にして苦悩する。本稿では、船橋屋8代目当主を務める渡辺雅司社長の新著『Being Managemet 「リーダー」をやめると、うまくいく。』より、人材開発の考え方について紹介する>>

 

人財開発は「場の力」づくりから

大企業であっても中小企業であっても、組織は「人」から成り立っています。その組織い成績を挙げる人ではなく、自らルールをつくっていける人が必要とされます。

その組織がうまく機能するか否かは「人」にかかってくる。組織を成長させていくには「人」を成長させるしか道はない。今さら言うまでもなく、多くの企業が「人財開発」に力を注ぐのは、これが理由です。

それは「船橋屋」も然りで、社内では「人財開発」をこのように表現をしています。

「場の力をつくる」

「船橋屋」の組織は、「一燈照隅」すなわち一人ひとりが輝くことで、会社の隅まで明るく照らし、さらに社会まで照らしていくというマネジメントポリシーを掲げています。したがって、私の仕事とは、一人ひとりが光輝くことができる環境、つまり「場」をつくることです。

「場」に力をつければ当然、一人ひとりが発する光も強くなっていきます。「船橋屋」では、「場の力」をつくるということが、まず「人財開発」で最初にすべきことと捉えています。

私はよく、この「場の力」づくりをポップコーンに喩えます。ポップコーンを作るには、まずコーンをフライパンに入れて、熱し続けます。すると、遅かれ早かれ、どんなコーンもポンポンポポンと、弾け出します。

このコーンが「人財」であり、フライパンという「場」を温め続けることによって、個々のスピード感の違いはありますが、いずれすべてのコーンが弾けて、ポップコーンになっていくのです。

そんな「船橋屋」の「人財開発」については、ありがたいことに各方面からご興味を抱いてくださるようで、全国各地の経営セミナーや講演などに招かれます。その地域の経営者の方たちとお話をすると、ほとんどの方が「人財開発」について頭を悩ませていらっしゃいます。

「なかなかいい人財が集められない。どうすれば、船橋屋さんのように新卒希望者が殺到するようになりますか?」
「社員のやる気を起こさせる方法を教えてもらいたい」
「うちの社員は一人前になったと思ったらすぐに辞めてしまう。愛社精神を持ってもらう
には何が必要でしょうか?」

このような「人財」にまつわるご相談が非常に多く、その悩みを解決する糸口として、「船橋屋」の取り組みを参考にしたいとおっしゃるのです。

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