ホーム » 経営・リーダー » 「アートに触れると社員が成長する」人気企業の社長がたどり着いた結論

「アートに触れると社員が成長する」人気企業の社長がたどり着いた結論

2019年07月23日 公開

石川康晴(ストライプインターナショナル社長)

 

面白い会社が選ばれる時代

創造性も再定義もイノベーションを生み出す「種」になる可能性を秘めていることに変わりはなく、そこに優劣はありません。

「再定義はイノベーションではない」と言う人もいますが、私からすると立派なイノベーションです。

陸上競技の400mハードルの日本記録保持者・為末大さんは、もともと100mランナーでもありましたが、400mハードルに種目を絞りました。これも再定義の一つでしょう。

ポジションを絞って世界選手権で二度銅メダルを取った為末さんを、「ハードルに逃げた」と非難する人はいないはずです。再定義したから、勝てた。これは立派なイノベーションです。

実際、私の頭の中では、つねに創造性と再定義が混在しています。「何でもいいから改革したい」といつも思っています。

最近は売り手市場で、新卒の学生がなかなか集まらないと嘆く企業も多いと聞きます。そんななか、ストライプインターナショナルは、「学生が選んだアパレル・ファッション業界で『就職したい企業』ランキング」(繊研新聞社)に3年連続でトップになりました。 

売り上げ規模で圧倒する会社がいくつもあるなか、学生に選ばれる会社でいられるのは、創造性と再定義を繰り返しながら改革をし続ける姿勢を「面白い」と感じてもらっているからではないでしょうか。

必ずしも、売り上げ上位の企業が学生の理想の会社ではありません。
さらにいまの若者は、社会貢献や地域貢献に対する意識が非常に高いです。その意味では、当社は「SDGs」にも力を入れています。

事業改革をしながら、一方で、自然環境にも目を向ける。その両輪を回し続ける企業として、今後も学生だけではなく、世界から注目される企業であり続けたいと思っています。そのために「再定義」は欠かせないのです。

 

「安定は死」か、それとも「安定こそ善」か

いま、ビジネスパーソンは、大きく2つのタイプに分かれると思います。

一つは、社会の急激な変化に不安を感じて、できるだけ現状維持で、いまの会社で働き続けたいと思う「安定志向」タイプです。もう一つは、ITを駆使してノーボーダーで世界とつながりたいと思う「挑戦志向」タイプの人材です。

経営的な視点では、「安定は死」なのですが、組織で働く人の多くは「安定志向」タイプです。その人たちの多くは、安定こそ効率性を高めるものであり、異動や転勤も「せっかく仕事の要領をつかんできたところなのに……」とネガティブに捉えます。そして、会社が安定性を追求した結果、どうなるかまで考えてはいません。

経営者は「安定は死」と捉え、社員の多くは「安定こそ善」と捉える。この構図を変えられないまま、多くの企業が成長する機会を逃している。これが日本の現状です。放っておいたら「挑戦志向」タイプは退職していき、「安定志向」だらけの会社になってしまいます。

この2つの志向性の違いをうまく機能させて、一緒に走ってこそ結果が出せる。それが会社という組織です。そこで、経営者には、会社を変革するタイミングをしっかりと見極め、実行に移す力が求められるのです。

次のページ
シアターを借りて社員総会をする理由 >



関連記事

編集部のおすすめ

「ネガティブ思考」がクセになると“一言”で失敗する

石川康晴(ストライプインターナショナル社長)

Googleで人材育成をしてわかった「年齢で衰える人の共通点」

ピョートル・フェリクス・グジバチ (著)

グーグルに買収されたスタートアップ 知られざる「その後」

大熊希美(翻訳家)
東京・京都で開催! 大杉日香理先生トークセミナー 3年先の未来を創る2020年の過ごし方

アクセスランキング

東京・京都で開催! 大杉日香理先生トークセミナー 3年先の未来を創る2020年の過ごし方
  • Facebookでシェアする
  • Twitterでシェアする

ホーム » 経営・リーダー » 「アートに触れると社員が成長する」人気企業の社長がたどり着いた結論