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「月にアーティストを」盟友だけが知るZOZO前澤元社長の”素顔”

2019年09月13日 公開

石川康晴(ストライプインターナショナル社長)

石川康晴(ストライプインターナショナル株式会社代表)
(写真=長谷川博一)

ファッション通販サイトを運営するZOZOは、ヤフーからの株式公開買い付け(TOB)を受け入れ、資本業務提携契約を締結すると発表。創業者である前澤友作代表取締役社長は退任することとなった。

「アパレル業界の風雲児」と称された前澤社長だが、一匹狼だったわけではない。同業他社の経営者同士というライバル関係でもあり、公私にわたり親交があったのが、ストライプインターナショナルの石川康晴社長だ。

果たして、石川氏は「前澤社長」をどう見ていたのか。本稿では、石川氏の新著『学びなおす力 新時代を勝ち抜く「理論とアート」』 (PHPビジネス新書)より、前澤氏の知られざる素顔に迫る。

 

一緒に直島に行く仲

いま、アパレル業界は斜陽産業で、閉鎖的な世界です。でも、アートに関わることで、新しいビジネスのアイデアが浮かんできたり、新たな可能性が開けてくる。

私にとって、アートはビジネスを推し進める上での潤滑油、そして突破口になっています。

たとえば、アートを通じて、普通ならまず出会えないような人に会うことができます。私は2016年から、生まれ故郷の岡山で、「岡山芸術交流(Okayama Art Summit)」という国際現代美術展に関わっています。

2016年に第1回を開催し、2019年が2回目となりますが、岡山市、岡山県、私が理事長を務める石川文化振興財団をはじめとした実行委員会が開催するこのイベントには、多くのアートファンやアート関
係者が岡山まで足を運んでくれます。

じつは以前、イギリスの「テート」(Tate、4つの国立美術館の運営やコレクションの所蔵・管理などを行なう組織)のアートの有識者や支援者からなるグループから、岡山を訪問したいという連絡がありました。そのリストを見ると、大富豪や貴族の肩書をもつ人から、某グローバル企業の会長など、著名人の名前ばかり。

彼らとの会話はスケールが違います。驚きながらもその一方で、「自分はまだまだだな、もっと頑張ろう」と思いました。

そう思わせてくれた経営者の一人が、アパレルECサイトZOZOTOWNを運営するZOZO代表取締役元社長の前澤友作さんです。私は、前澤さんと一緒に直島(香川県香川郡)のアート巡りをしたこともあります。

アートをフックにしながらビジネスのネットワークが広がることは、これまでの経験でも多々ありました。日常的にアートに触れている人たちは、つねに新しいことを考えています。

私の場合は経営者とアートコレクターを両方やっているから、なおさらそう思います。競争相手が考えもしないことをつねに探していて、自分の発想や新しい概念を想像もつかないアプローチで組み合わせてコンテンツやサービスに変えていく。そのとき、アートはさまざまなヒントを与えてくれます。

ビジネスでは、経済学や経営学だけではなく、工学や心理学、哲学などとの連続的な組み合わせがイノベーションを生み出していきますが、じつはアートを巡る環境も同じようなメカニズムで動いています。

アートを通してビジネスを見直してみると、これまでにない面白い見方ができるかもしれません。さらに私の場合、ただアートに触れているだけで自然と目線が高くなり、「ビジネスマインド」が刺激されるのです。

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