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「いじめを絶対にゆるさない!」が生み出してしまう“新たないじめ”

2020年02月21日 公開

工藤勇一 (千代田区立麹町中学校長)

子どもを持つ親なら心配なのが、いじめ問題。子ども同士のトラブルは尽きないものだが、どのくらいの段階で、どのように大人が介入するべきなのか――その見極めはかなり難しい。

そこで、革新的な教育改革で注目される麹町中学校長であり、2人の息子の父親でもある工藤勇一氏に、子どものいじめと大人の対応法、そして大人が子どもに伝えるべきことなどを聞いた。

※本稿は工藤 勇一著『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』(かんき出版)より、一部を抜粋編集したものです。

 

「いじめかどうか」の特定よりも大事なこと

親御さんなら誰でも一度は「うちの子はいじめられていないか」もしくは「いじめをしていないか」と気にしたことがあるのではないでしょうか。
とくに平成18年度、いじめの定義が変わってからは、とても広い範囲でいじめを定義するようになりました。

「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。

注目すべきは「自分より弱い者に対して一方的に」が「一定の人間関係のある者から」に変わり、「継続的」な攻撃でなくても(=1回だけでも)「いじめ」にあたるというふうに、いじめの定義が広くなった点です。

文部科学省がこのように定義を変えた最大の理由は、いじめによってかけがえのない子どもたちの命が失われるという痛ましい事態が、何度も重なって起きたからです。

そういった子どもたちを救うために、よりいじめの定義を広げて些細なサインを見逃さないようにしようと考えたからであり、これ自体は悪いことではありません。

しかし、いじめの定義が広くなってからは、何がいじめで何が単なるトラブルですませられるかの線引きが曖昧になりました。
また、同じ出来事でも、重く受け止めるか気にしないかは人それぞれです。

ですから、いじめについて考えるときは、「いじめかどうか」を特定することではなく、子ども同士のトラブルに対して、大人がどのように支援をするかが大切なのです。

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