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開成の元校長が語る「親の子ども時代の写真を見せること」の効果



2020年11月24日 公開

柳沢幸雄(北鎌倉女子学園園長)

開成高校の校長が親に伝えたいこと

2020年3月まで開成中学・高校の校長を務め、現在は北鎌倉女子学園の園長である柳沢幸雄氏。

同氏の著書『ハーバード・東大・開成で教えてわかった 「頭のいい子」の親がしている60のこと』では、50年近い教員生活の経験と、親としてアメリカでの体験を踏まえ、親が子どもとどう関わればよいかをアドバイスしている。

本稿では、子どもが失敗をしたときに、つい口をはさみたくなる親が取るべき子どもとのより良い接し方について柳沢幸雄氏が語った一節を紹介する。

※本稿は『ハーバード・東大・開成で教えてわかった 「頭のいい子」の親がしている60のこと』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです。

 

失敗する人生を受け入れよう。それこそが次の成功のチャンス

かつて、私はとても悲観的な人間でした。最悪のことを考え、絶望を受け入れなくてはならない、というような考え方でした。

たとえば、大学受験についても、非常にナーバスになっていました。

私の実家は東京下町の商家で、学歴があまり必要なく、大学受験をする親戚もそれほどいませんでした。ですから、いざ受験となると、周囲に経験者もいない上、「失敗してはならない」という強いプレッシャーにさいなまれ、夜も眠れないほどになりました。

そんな折、道ばたでばったり、小学校6年生のときの担任の先生に会ったのです。きっと私は青白い顔をしていたのでしょう。心配になったのか、近くに住んでいるからと、自宅にあげてくれました。そして、唐突にこう聞いたのです。

「君は、何歳まで生きるつもりだ?」

当時、男性の平均寿命は60歳代でしたので、それより少し長生きしたいと考え、「うーん、70歳ぐらいですかね」と答えたら、ニコニコされて、こう言いました。

「そうか、大学を落ちたら71歳まで生きなさい」

それを聞いて、すーっとラクになりました。

挑戦することは大事だけれど、それに自分が打ちのめされてはいけない。
時間はあるのです。だめなら来年また受けて、卒業が1年遅れた分、1年長生きすればいい。

まして、今の世代の人たちは、人生100年時代です。最大の努力をして、よりよい選択をして、それでもうまくいかなかったら再チャレンジする時間は、たっぷりあります。

人生、気長にいきましょう。

 

子どもの失敗、大いにけっこう! 親が先回りして失敗を防いではダメ

学校の勉強、友達関係、受験や部活動……。

保護者は、つい子どもが心配になり、先回りして、失敗しないように手はずを整えてしまいがちですが、それはやらないほうがいい。

失敗しない人生を目指さなくていいのです。保護者の方も、考えてみれば、たくさん失敗してきているはずです。でも、ちゃんと生きています。失敗したからこそ、今の自分があるのです。その自分に自信を持てばいい。

むしろ、保護者の方は、子どもに失敗したときのことを話してあげてください。親が子ども時代のことを、子どもに伝えるのはとても大切なことです。親にも子ども時代があったのだと。

そのときにはやんちゃだったり、忘れん坊だったり、恥ずかしがり屋
だったり、自分のリアルな様子も話すと、子どもはほっとします。

「試験の前なのに小説ばかり読んでいて、ちっとも勉強しなくて最悪の点数だった」
「試験の前日、友達といかに勉強していないかを夜中に電話していたら朝になった」
「部活をサボっていたらレギュラーをはずされた」

などなど。実は保護者だって、そんなにちゃんと勉強していなかったのです。品行方正でもなかったでしょう。

それなのに、子どもにばかり要求するのも、おかしなことなのです。

さまざまな失敗をし、親や先生に怒られながら、それでもなんとかかんとか大人になって、今がある。そのエピソード自体が、子どものロールモデルになるのです。でも話を盛ってはいけません。武勇伝を語る必要はありません。

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