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開成の校長先生が語った「将来のリーダーになる子」の資質

2020年11月20日 公開

柳沢幸雄(北鎌倉女子学園園長)

 

決断力を持てるリーダーは一握りしかいない

日本人は、決断が苦手な人が多い。周囲の人と調和しようと思いすぎるのです。また、決断による責任からも逃れようとします。だから、毒にも薬にもならないような、責任を取らなくていいような内容にとどめてしまう。

そうなると、決断による結果もまたたいした成果をあげず、予算をとってやってもお金の無駄ということにもなりかねない。

責任を負うところまで突き詰めて考える力を持ち、どんな結果でも責任を持つリーダーはごくごく少数しかいないのです。そこは、資質なのです。

しかし、ともあれ判断ができるところまでの力を持った子どもを教育する。それが、新学習指導要領の要かなめでもあるのだと、私は思っています。

新学習指導要領では、小学生、中学生、高校生に共通して 「思考力、判断力、表現力」を求め、これらの力がつくように教育します。その土台として、知識や技能を有することが必要でもあります。

私が育てるべきと考えている「リーダーの素養のある子ども」も、これによってある程度育つと考えています。学校で教師の講義を聴いて得た知識や技能は、リーダーの素養である判断力の根拠になるでしょう。

その上で、アクティブ・ラーニングとしてテーマを深め、プレゼンテーションで表現力を高め、プログラミング的思考で論理的、数値的にものごとを解釈し思考していく。

家庭でも、ぜひこうした視点を持ち、お子さんたちのリーダーとしての資質を磨いていってほしいと思います。

 

リーダーになるには自己肯定感を持つこと。自分の決断に自信を持てる子どもを育てよう

では、リーダーになる資質とはどういうものでしょうか。

さまざまありますが、最初に「自己肯定感が高いこと」を挙げたいと思います。

自己肯定感とは、文字通り「自己」を「肯定」する感情のことです。自分のあり方を積極的に評価できる感情により、自らの価値や存在意義を肯定することです。

リーダーになるためには、データの解析などを行い、状況を判断した上で、「決断力」がなくてはなりません。それには、どんな自分も受け入れ、肯定することで、外側からの評価で揺さぶられることなく、自分の決断を信じ、自己承認できることが大切です。

日本の子どもや若者は、他の先進国に比べて自己肯定感が低いとデータが語っています。

『令和元年版「子供・若者白書」内閣府』によると日本の若者のうち、自分自身に満足している者の割合は、「そう思う」「どちらかというとそう思う」を合計して5割弱(アメリカは87%)。

また、自分には長所があると感じている者の割合は「そう思う」「どちらかというとそう思う」を合計して6割強(アメリカ、フランス、ドイツは9割以上)で、いずれも7カ国の中で日本が最も低いのです。

リーダー気質に関係するような設問に関しても、軒並み低い結果です。

「うまくいくかわからないことにも意欲的に取り組む」に、「そう思う」とはっきり告げている人は10.8%。「自分の考えをはっきり相手に伝えることができる」に「そう思う」と答えた人は13.8%にすぎません。

自己肯定感が低いと、失敗にめげず立ち向かう力や、社会貢献をしたいという視野を広くした意欲も弱いということになります。

この結果を踏まえ、子どもたちを少しでも自己肯定感が高く、意欲ある若者に育てていきたいと思います。

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