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開成高校の元校長が教える、「思春期のイライラ」との上手な付き合い方

2020年12月31日 公開

柳沢幸雄(北鎌倉女子学園園長)

 

親は先回りをせずに、上手に質問をする

私は、子どもたちには意見や気持ちをはっきり言うように常に言っていました。察しがいいほうではないので、言わなければわからないぞ、と。

それを意識して子育てをしてほしいと思います。たしかに親なら子どもが何も言わなくても、してほしいことを察することができます。赤ん坊の泣き方ひとつで気持ちがわかるでしょう。

しかし、アメリカ人の親は、あえて察するようなことはしません。特に18歳を過ぎたら、相手が欲していないのに先回りするのは大人をバカにする行為だ、そんなことを子どもにしてはいけない、と思っているのです。

思春期の子どもがますます口をきかなくなるのは時期的なものなので、仕方がないことです。それでも自分の考えや行為を人にわからせるときには、きちんと筋道立てて話をしないといけないのだ、ということはしっかり伝えてください。

何を言いたいのかよくわからないときには、「それってどういうこと?」と質問をして引き出しましょう。「うるせぇな」などと悪態をついても、聞かれれば多少は答えるでしょう。

「ああ、そうなんだ、よくわかった、なるほどね」などと相づちを打てば、話すこともそう悪くない、と思うのではないでしょうか。

とにかく思春期であろうと子どもには自由にしゃべらせることが大切です。自分から声を発して、発することで考えをまとめて、自分なりの結論が出せるようにしたいものです。

けれど、保護者は、「勉強したの?」と質問したにもかかわらず、子どもが答えるまでもなく「してないじゃない! どうするの、そんなことで!」などと、自分で答えを言ってしまうことはありませんか?

子どもと親の会話は、「2対1」で子どものほうが多くしゃべることを心がけましょう。

しかし、ほとんど「メシ、フロ、ネル、うるせぇ」くらいしか子どもが言わなくなり、何も言わずに黙って部屋にこもってしまうなんてこともあるでしょう。

「2対1」で話そうとしても、「無理」だと思ってしまうかもしれません。ただ、小学生でも中高生でも、子どもの本性は「自分のことを説明したい」という、ある意味、承認欲求に近いものがあります。

だからこそSNSが出始めたら、自由に自己表現ができる場として大いに広がりました。普段は口数が少なくても、SNSで語るときは非常に饒舌なんていう子も多いのではないでしょうか。

自分の意見もどんどん言う。自分の意見を遮るものがなく、語れる場があれば語るのです。

 

悪態をつかれても怒らない、話を否定しない

もし、子どもが「今日は部活で疲れた」と短く言ったとしたら、「そう、お疲れ」とねぎらったあとに、「何をやって疲れたの?」などと質問をしてみましょう。

「うるせぇな」などとつぶやいたとしても、そのあと、「筋トレ」などとぶっきらぼうに答えるのではないでしょうか。

ここで、腹を立ててはいけません。思春期の男子なら、答えただけマシだと思いましょう。

根掘り葉掘りではなく、短い会話を続けていくことで、だんだん長くしゃべるようになります。機嫌がよければ、自分がどれだけ今日がんばったかの自慢話や、部長がどれだけ理不尽な練習を課してくるかの愚痴など、言ってくるのではないでしょうか。

こんなとき、保護者はまた、「自慢ばっかりして」「部長が言うことも当然なんじゃないの?」など、子どもの言うことを否定してしまいがちです。そうなると口を閉ざしてしまいます。

「そうか、がんばったんだね」「そうか、練習、きつかったね」など、オウム返しのように言い、共感する。

いきさつがわからないことは質問する。こうしているうちに、「オレも、もう一息がんばらないとな」「要するに部長はこう言いたかったんだな」などと、自分で解決策に結びつけることができるのです。

基本的には、小学生も中高生も、思春期でも問いかけ方は同じです。共感する、質問する、そしてまた共感する。どれも大人は短い言葉と笑顔を心がけます。

 

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