松下幸之助が創刊した雑誌が、いま、職場で読まれている理由

『PHP』は、心あたたまるエピソードや感動エッセイが詰まった雑誌。社員の人格形成や職場活性化にも役立つと、現在、全国1,000社以上の職場で愛読されています。
2021年02月19日 公開
東京・亀戸に創業1805年の歴史を持つ「船橋屋」。看板メニューの「くず餅」は、芥川龍之介や永井荷風、西郷隆盛などに愛されてきた。まさに「老舗」の和菓子屋が、いま若者から注目を集めている。
その理由が、“若手を主役”、“イノベーション”などまるでベンチャー企業のようなカルチャーが浸透していること。
さらに、マーケティングにも工夫を凝らす。老舗でありながら、ツイッターやフェイスブックといったSNSを積極活用し、若年層にむけたブランド認知を高めている。
本稿では、船橋屋8代目当主を務める渡辺雅司社長の『Being Managemet 「リーダー」をやめると、うまくいく。』より、老舗企業が取り組む、ファンを増やすためのSNS戦略について紹介する。
※本稿は、渡辺雅司 著『Being Managemet 「リーダー」をやめると、うまくいく。』(PHP研究所)より、内容を一部内容を抜粋・編集したものです。
私たちの事業である「くず餅」を、SWOT分析視点で見ると、じつは多くの「弱み」があることがわかります。
たしかに、「くず餅」は江戸時代から続く伝統和菓子であり、また和菓子唯一の発酵食品ということで、健康に資するという、ほかにはない特徴があります。
さらに、熟練の職人たちが長い経験をもとにデータ化した製造方法による絶妙な餅の弾力感を有するので、他社がそう簡単に真似できないという独自性もあります。
しかし、一方では、食品ビジネスとして致命的なマイナス要素があるのです。ざっと羅列するだけでもこれだけあります。
・製造に約450日かかってしまう
・消費期限がわずか2日
・「亀戸天神のお土産物」というイメージが強すぎる
製造から販売まで大変な手間暇と時間がかかるにもかかわらず店頭に並べても、2日しか日持ちがしない。食品ビジネスをするうえで、こんな大きなハンデはありません。
だからといって、私たちは効率良く生産するため、先人から受け継いできた仕込みの工程を変えたり、日持ちを長くするために、添加物を使用することはしません。「ありのままの自然」を第一義にモノづくりをすることこそが、私たちが、最も大切にしていることだからです。
これはマーケティングにも当てはまります。
とにかく売上や利益という目標ありきで、さまざまな施策を打ったところで、ほとんどのお客様は動きません。なぜなら、お客様は「商品」ではなく、その「商品を購入した後の幸せな気持ち」を買っているからです。
マーケティングにおいては、商品購入の「前後」でお客様の幸福度やライフスタイルが向上する仕組みづくりこそが最も大切な要素となります。
「船橋屋」のマーケティングは、すべてこのような考え方に基づいて戦略が組み立てられています。最もわかりやすい例が、「SNSマーケティング」です。
「創業200年以上の老舗がSNS?」と意外に思われるかもしれません。しかし、「船橋屋」では2010年から、SNSマーケティングに注力してきました。
SNSを効果的に活用することで、「船橋屋」の存在すら知らなかった10代や20代という若い世代の方たちに、認知を広げることができました。
実際、SNS戦略を実行する前後で数字に大きな変化が出ています。
SNSマーケティングを実行する前、「船橋屋」の公式Twitterのツイートがどれだけ見られたかを示す「インプレッション数」は月平均3万9686でした。
しかし、実行した月には、149万3543と急増しました。その増加率は3763%となっています。
その間に、何か話題になるようなPR動画を作ったわけでもありませんし、世間をアッと驚かせるような斬新なキャンペーンも仕掛けてはいません。
どうすれば私たちのSNSによって、世の中の人に「幸せ」を感じてもらえるのか、ということを突き詰めていった結果、数字につながっただけです。
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ネット通販だけでなく、実店舗の売り上げも上昇 >
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