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「給食まで母親と一緒に」一人で学校に通えない子どもの現実



2021年03月18日 公開

水野達朗(大東市教育委員会教育長),山下真理子(家庭教育アドバイザー)

 

通えているから楽というわけではない

母子登校は、不登校に比べて、家に引きこもっているわけでもないし学校にも母親が一緒であれば行くことができているのだからという理由で、社会的にもあまり問題視されていない傾向があります。

「子どもの成長とともに母子登校は自然と解決するから、いまのまま母親は学校までつきそってください」というアドバイスを学校やカウンセラーからされるケースもあります。

しかしながら、母子登校で悩んでいる親御さんにとっては、単純に「不登校の子よりは楽でよかったわ」とは考えられません。

母子登校といっても、ケースはさまざまです。

校門まで一緒に登校するというケースもあれば、教室まで一緒に登校、もしくはお母さんがいないと不安だという子どもだと教室の中までお母さんに入ってもらい授業中もつきっきり、なんていうこともあります。

母親にかかる精神的、身体的、時間的負担のことを考えると、母子登校状態は不登校状態と比べても、その悩みは決して少なくはありません。

このような母子登校の特徴としては、お母さんの負担がとても大きく、がんばるお母さんが疲れてしまいやすい傾向があります。

お母さんによってはお仕事をしている方もいらっしゃいます。

母子登校のケースでは、朝から子どもにつきそって学校まで行かなければならないため、職場に迷惑をかけることもあります。

また、主婦の方も決して暇ではありません。

毎日、給食の時間だけ学校へ行き、子ども用の机とイスに座って心からの笑顔で給食を食べられるお母さんが、果たしているでしょうか。

「子どものことを考えれば、これくらいの労力はしかたない。私がつきそったら子どもは学校には行けるんです」とおっしゃる方もいます。

授業参観などでわが子の学校での様子を見るのは、親にとって幸せな瞬間だと思います。

しかし、毎日ひとりだけ教室の後ろに立って自分の子の授業風景を眺める親の気持ちを考えると、胸が痛みます。

多くの専門家は残念ながら母子登校になってしまった「子ども」を分析しがちです。

小学校の母子登校のケースでは「子ども」ではなく、家庭教育の当事者である「親」を分析していくことで、子どもがなぜそのような状況になってしまったのかが見えてくることがあります。

お母さんから離れるのをいやがったり怖がったりすることで母子登校は始まります。

もちろん学校環境にうまく適応できずに母子登校になっているケースもありますが、それも鶏が先か卵が先かの話です。

子どもではなく家族をひとつの支援対象ととらえて分析を進めていくことが、母子登校の解決につながるのです。

 



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