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「ダメでもあきらめない子」を育てる親のひと言

2022年07月14日 公開

大野萌子(公認心理師、一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事)

大野萌子

家事や育児に追われていると、ぐずったり聞き分けが悪いわが子に対して「なんでいつもそうなの」「お兄ちゃんなんだから」など、つい否定的な言葉で子どもを叱ってしまうこともあるでしょう。

公認心理師で産業カウンセラーとして活動する大野萌子氏は「人格否定されて育った人は心に深い傷を負い、大人になってからの人格形成に影響を及ぼすこともあるため、親はできるだけその子の「よいところ」を見て言葉を交わすことが大切」と、言います。

では、親として子どもの魅力や能力を伸ばして導くために、どんな言葉をかければいいのでしょうか。

大野萌子氏著『よけいなひと言をわかりあえるセリフに変える親子のための言いかえ図鑑』の中から、「親子の会話」で気を付けたい言葉について書かれた一節を紹介します。

※本稿は、大野萌子著『よけいなひと言をわかりあえるセリフに変える親子のための言いかえ図鑑』(サンマーク出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

親の固定観念が、子どもの自由を縛る

私も含めて親世代の人で、「女の子なんだから」「男の子なんだから」と言われて育った人は多いと思います。

子どもの頃は、そういわれることに抵抗を覚えた人でも、自分が親になってみると「気がつけば同じことを言っていた……」という人もいるようです。

「女の子なんだから、そんな服は着ないで」「男のくせに泣かないの」と言われて育った子は、自分が好きなことややりたいことがあってもためらって、ブレーキを踏んでしまうようになります。

親の刷り込みの力は強く、よほど意識しなければなかなか取り除くことができません。そのため無意識のうちに古典的な価値観を引きずって、生き方や働き方も自分で枠を決めてしまいやすくなります。

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×よけいなひと言 「女の子(男の子)なんだから……」
◎わかりあえるひと言 「自分の好きなことを大事にしてね」
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そもそも「○○らしく」というのはその人の固定観念ですから、他人に強要してはいけません。子どもには子どもの選択の自由がありますから、自分が好きなことを大切にするように伝えたほうがいいでしょう。

性差で差別することなく、その子自身が選んだことで魅力や能力を発揮できるように導いてあげてほしいものです。

もし本人が迷っているなら、「自分の好きなことを大事にしてね」「自分がやりたいと思えることをしてね」と"本人の意思"を尊重しましょう。

「お母さんだったらどうする?」と聞かれたら、もちろん自分の意見を伝えるのは構いませんが、押しつけがましく言わないように。

 

「表現できない気持ち」にアプローチする

性格的に落ち着いてのんびりしている子どもは、何か問題が起きても平然としているように見られがちです。けれどもそれは、外から見ればそう見えるだけであって、本人の心の中ではショックを受けて落ち込んでいるかもしれません。

特に勉強や習いごとなど、子どもは子どもなりにがんばったことの結果が悪かったときは、本人が一番悔しい思いをしているはずです。

そんなときに「よく平気でいられるね」「考えが甘いじゃない」などと言われると、誤解されていると思ってダメージが深くなります。

一方、「気持ちの切り替えができるといいね」と言えば、自分に寄り添ってくれていると感じられるでしょう。

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×よけいなひと言 「よく平気でいられるね」
◎わかりあえるひと言 「気持ちの切り替えができるといいね」
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自分がやったことに対して親からバカにされたり蔑まれたり、反省を強要された子は、ありのままの自分を受け止めてもらえないと感じ、言いたいことを我慢するようになります。

さまざまな人間関係のなかで生きていく子どもにとっては、これはデメリットでしかありません。

子どもの成長をうながすためには、「次はどうすればいいと思う?一緒に考えようか」とやはり未来に向けたスタンスで話し合いましょう。

子どもはまだ言いたいことをうまく言語化できませんから、「表現できない気持ち」にアプローチする対応が望ましいです。

良いときも悪いときも、ありのままを受け止めてもらえる体験を積み重ねていくことが、将来、人を受容することにもつながるのです。

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