PHPオンライン衆知 » スキルアップ » 「子どものお金の使い方」に親が口出ししない方が良い理由

「子どものお金の使い方」に親が口出ししない方が良い理由

2022年08月05日 公開

奥田健次(専門行動療法士、臨床心理士)

 

成功経験と失敗経験をバランスよく

成功経験を積むと、自分に自信をもて、やる気が生まれる。反対に失敗をくり返すと、自尊心が弱くなり、やる気のない子に育つ。これはある一面では事実です。だから、「子どもには成功経験をどんどん積ませましょう」と言う人はいくらでもいます。

最近の親の9割が、「わが子に失敗をさせたくない」と言います。かわいいわが子が転んで怪我するのを見てられないから、子どもがつまずく前に失敗の原因になりそうな石をとりのぞこうとします。

そんな親の援助つき、セーフティネットつきの成功に何の意味がありますか? 失敗を回避して子どもは傷つかずにすんだかもしれないけど、逆に「俺って、何でもできる」とカンちがいさせることになりませんか?

成功はいいこと、失敗は悪いこと。そういう単純な思い込みがあると、子どもの失敗経験を成長の機会としてとらえることはできないでしょう。

人間は、痛い目にあって大事なことに気づきます。成功経験と同時に失敗経験も重ねることで、よりよく成長できるのです。ノーベル賞を受賞した科学者たちは、まちがいなく人一倍、失敗経験を重ねているのです。

 

失敗経験が全然なければ立ち直るのも大変

私が小学校4年生のとき、クラスメートに100点しかとったことのない頭のいい女の子がいました。まるで雲の上の、触れてはいけない高貴な存在のように、クラスのみんなが思っていました。

ところがその子が、ある日突然、学校にこなくなったのです。私たち庶民は、「病気になっちゃったのかな」「どこか有名私立に転校するのかな」などと、心配していたのですが、1週間ほど経ってやっと学校へきたとき、休んでいた理由がわかり、びっくりしました。

「このあいだのテストで99点をとっちゃったのがショックで...」
彼女は、入学以来、オール100点だったのに、たった1度、2ケタの点数をとってしまったせいで、「平均100点」は不可能になりました。それで立ち直るのに1週間かかったというのです。

私は心の中で「アホかこの子は? 俺なら80点とったら母親に見せびらかして赤飯炊いてもらうで!」とあきれました。

と同時に、「100点をとったことはまれにあるけど、悪い点もふつうの点もとったことがある俺ら庶民のほうが強いのかも。雑草って、強いんやわ」と思ったのを覚えています。

次のページ
「子どもがつまずく石をわざと置く」 >

関連記事

編集部のおすすめ

いい学校を出るのだけが「高学歴」じゃない...子どもの自信をつちかう親の方針

出口治明(APU(立命館アジア太平洋大学)学長)

「ダメでもあきらめない子」を育てる親のひと言

大野萌子(公認心理師、一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事)

しつけはいつから必要? 研究で明らかになった「乳幼児の脳」との関係

養老孟司(東京大学名誉教授)、小泉英明(日立製作所名誉フェロー)

ザストリングス表参道にてダイヤモンド、宮殿、共鳴をベースに再誕しサインを得るワーク

WEB特別企画<PR>

アクセスランキング

WEB特別企画<PR>

ザストリングス表参道にてダイヤモンド、宮殿、共鳴をベースに再誕しサインを得るワーク
  • Facebookでシェアする
  • Twitterでシェアする

ホーム » スキルアップ » 「子どものお金の使い方」に親が口出ししない方が良い理由

×