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豆魂に出逢った…京とうふ藤野・藤野清治社長

2016年03月11日 公開

櫛原吉男(マネジメント誌「衆知」編集主幹)

 

実はこんな商品が、こんなお店が、こんな人が……思わず教えたくなる。

ヒット商品、人気スポットを次々と生み出す男がいる。京とうふをブランドにした男。人は彼のことを「豆魂」と呼び、自らは「小さい体に、大きな魂」と言う。

私が初めてお会いしたのはもう20年以上も前の話。私の仕事の師匠である大歳昌彦先生から紹介してもらい、北野天満宮の近くの『豆富百撰』(京とうふ藤野・本店)で京とうふ藤野の藤野清治社長に出逢った。

「初めはウチもどこにでもある『町のお豆腐屋さん』でした。ある日の出来事が私を変えました。京の冬は厳しい。早朝から家族総出で豆腐をつくる。ホンマにつらい。それをスーパーにお届けする。ところが、店頭でウチの豆腐が特売品として一丁5円で売られていたのです。

たった5円ですよ!両親が身を粉にしてつくったのに。悲しいというより、怒りがこみ上げてきました。それで、『一生懸命、丹精込めてつくった豆腐は、自分で値段をつけて自分で売るしかない』と決めたのです」。

そこで、どうしたら、他の豆腐と差別化できるかを考えたそうだ。

「洋服のブティックへ行けば、いろんな服がありますね。豆腐だって木綿・絹ごしだけでなく、いろんな豆腐があっていいじゃないか。そんなことから、石川県仁江海岸の塩苦汁、丹波の大豆と京の名水といった選りすぐりの素材を使った豆腐「苦汁豆富」をはじめ、胡麻豆富、柚子豆富、おぼろ豆富、湯葉豆富など、64種類もつくりました。それをブテッィクのようなお洒落なショップで売るのです。それが評判になって有名百貨店にもおいてもらいました。また、お中元には冷奴セット、お歳暮には湯豆腐セットを贈答品として百貨店で取り上げて頂き、大評判になりました。

次に、京の台所・錦市場に豆腐屋さんのデザートショップ『こんなもんじゃ』をオープンしました。特に豆腐ドーナッツ、豆乳ソフトクリームがヘルシー志向のOLの皆さんの人気を集め、行列のできるお店として多くのマスコミに取り上げられ、人気スポットになりました」

一度話し始めると止まらない。豆腐の話なら、何時間でも話せると豪語するだけのことはある。

その後、JR京都駅のジェイアール京都伊勢丹に豆腐料理専門店「京豆富不二乃」をオープン。大成功を収め、破竹の快進撃が始まる。急増する需要に対応するため、京都府加悦町に、日本で初めての豆腐専門工場を立ち上げ、いち早く、ハセップ(HACCP)も導入した。昨今の豆乳ブームの中、『けんこう仕込み 豆乳』はコンビニで人気沸騰中。早速、工場の増設にも着手した。

「たかが豆腐、されど豆腐」極めればすごいことになる。

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