歴史に大きな影響を与えた「女性」ランキング

男性において「歴史に大きな影響を与えた」とすると、多くの領地を得た、戦で大きな活躍をした、という人々がランキングを占めますが、女性の場合はそれとは違う「影響」も数多く挙がりました。社会の発展に貢献した、「傾国の美女」として世を乱した、偏見や差別と闘った……何が歴史において最も「大きな影響」かは、非常に難しい問題です。
 

結果発表トップテン

今回のお題は「歴史に大きな影響を与えた『女性』」です。これまで、日本史・世界史を交えたランキングとしても、日本史に票が大きく偏りがちでしたが、今回は世界史上の人々も上位に入りました。みなさまが思い浮かべた女性の名前はありましたか？　それでは、結果を細かく見ていきましょう。
 

卑弥呼を抑えて、2022大河で注目の北条政子が第１位

見事第１位に輝いたのは、源頼朝の妻・北条政子！ 2022年大河ドラマの主人公・北条義時の姉としても知られています。「夫が亡くなった後も、鎌倉幕府及び北条一族を支え続け『尼将軍』と呼ばれた」（40代、男性）、「女性が政治の表舞台に立つことはほとんどない時代にもかかわらず、大きな影響力を持っていた」（60代、男性）のほか、承久の乱での御家人への演説など、幕府を支え、執権政治を確立させた功績に、多くの票が集まりました。義時の大河ドラマ発表前のアンケートでこの結果は、何か運命的なものを感じます……。

過去の「好きな歴史上の女性人物」ランキング第１位の卑弥呼ですが、今回は惜しくも第２位という結果に。しかし、「卑弥呼がいたから倭の国がまとまった。いなかったら、他国に付け込まれていたかもしれない」（20代、男性）など、弥生時代に邪馬台国をはじめとする国々をまとめた女王として、「歴史に大きな影響を与えた」のは間違いないでしょう。
 

世界史に名を残した女性たち

ここからは世界史上の女性が続きます。第３位にランクインしたのは、古代エジプト最後の女王、クレオパトラ七世。「絶世の美女」として広く知られる女王ですが、当時のローマ帝国の権力者・カエサルを虜にした点などが挙がりました。

続いて、「フランス軍に加わり、わずか17歳の時に英国との戦い（百年戦争）で兵士の士気を高めて、オルレアンを解放したから」（20代、男性）という、戦う女性ジャンヌ・ダルクが第４位に。ランキング内で唯一、戦での功績が理由に挙がった女性です。

そして第５位は、20世紀初頭にノーベル物理学賞と化学賞を受賞した、ポーランドの女性科学者、マリー・キュリー。「科学の発展に寄与し、女性による学問分野の先駆者のひとりであるから」（30代、女性）という称賛の声も。

一口に「影響を与えた」といっても、様々なかたちで歴史を〝動かした〟女性たちが、上位に並びました。

第６位にランクインした淀殿（茶々）ですが、残念ながら「豊臣家を滅亡へ導いた」という、負の面が注目されてしまいました。

卑弥呼同様、高い人気と知名度を誇る女性、紫式部は第７位。『源氏物語』が文学史に与えた影響は大きいですね。

第８位には二人がランクイン。一人は、「豊臣秀吉の天下取りを支え、加藤清正や福島正則を子飼いの武将として育てたので」（30代、男性）などの意見から、秀吉の妻・高台院 （北政所、ねね）。もう一人は、三代将軍・徳川家光の乳母であり、江戸城大奥の基礎を築き、実権を握っていた春日局。「徳川幕府の基礎固めに寄与した」（70代、女性）という意見が大半を占めました。

そして第10位のヘレン・ケラーには、「障がい者の権利を考える上で、彼女の功績は非常に大きいと思います」（20代、女性）などのコメントが届きました。

ここからは、興味深い意見をまとめて紹介します。

▼マーガレット・サッチャー「女性が世界的に政治を引っ張っていくことが、当たり前と思えた」（40代、男性）

▼クララ・バートン「アメリカ赤十字社を設立。戦場に女性がいる事が非常識である中、懸命な手当てで、敬愛されるまでになった」（20代、女性）

▼持統天皇「律令政治の礎を築き、日本という国名を決めたともいわれる」（60代、男性）

歴史に触れるとき、どうしても男性を中心に考えてしまいがちですが、女性に焦点を当ててみると、いつもとは違った発見があるのではないでしょうか。たくさんのご投稿、ありがとうございました！