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ふるさとの先人×SDGs~歴史活用による持続可能な地域づくり



2020年06月09日 公開

寺田昭一(PHP総研シニアコンサルタント)

【PHP総研シンポジウム】歴史で地域を強くする ―ふるさとの先人をまちづくり、人づくり、心そだてに活かす―
PHP総研シンポジウム「歴史で地域を強くする ―ふるさとの先人をまちづくり、人づくり、心そだてに活かす―」(2019年2月7日)
 

ふるさとの先人という宝さがし

嚶鳴協議会という集まりがあります。ふるさとの先人をまちづくり・人づくり・心そだてに活かす、全国の自治体の集まりです。

平成20年(2008)に、名君として知られる米沢藩主・上杉鷹山の師、細井平洲のふるさと愛知県東海市の提唱で始まりました。現在では、北は岩手県釜石市から、南は沖縄市まで全国15の自治体が参加しています。北海道からは正式の参加はありませんが、間宮林蔵を顕彰する稚内市や、開拓精神を引き継いでいる”ひまわりの里”北竜町などと交流しています。

もともと、この集まりは、作家の童門冬二氏、平洲会(細井平洲の顕彰会)会長で株式会社カゴメ会長(当時)の故蟹江嘉信氏、東海市の鈴木淳雄市長が、「歴史街道」の鼎談で集まったことに始まります。

東海市では細井平洲没後200年を迎えるにあたり、1994年から6年間の顕彰事業として、米沢市はじめ細井平洲にゆかりのある自治体に声をかけて、「平洲サミット」を開催。細井平洲やゆかりの人物の生き方・考え方を通して、21世紀の人づくり、心そだてを共に考える事業を展開しました。

鼎談は、その6年間の事業を振り返りつつ、作家、企業家、行政マンのそれぞれの立場から、先人たちの事績を通して地域づくりを改めて話し合おう、という趣旨でした。その鼎談の中で、

「全国で、地域の先人を顕彰しているところはたくさんあるが、ただ、えらいえらいと言っているだけではもったいない。どこの地域にも、探せば、ふるさとの先人や、先人にまつわる事件・出来事は必ずある。それは、最も身近でわかりやすい歴史の事例である。ならば個人の興味や趣味に留めるのではなく、地域の宝物として掘り起こすことで、地域づくりの素材にまで高めよう。そして、細井平洲が江戸に開いた私塾『嚶鳴館』での『嚶鳴』という教えに基づいて、心ある地域にも声をかけ、共に歩んでいこう」

ということになり、協議会設立への準備が始まったのです。
 

SDGsの先例としての先人

以来十余年、嚶鳴協議会では、年に一度の嚶鳴フォーラムを中心に、市町長、教育長、職員、市民が交流と連携を行なってきました。その中で、「ふるさとの先人」をキーワードとすると、意外なつながりや広がりが発見でき、何より人々に勇気や自信、楽しさを与え、地域が元気になることが実感できました。また、先人たちの歩みは、いま国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の先例に満ちていることもわかってきました。

本年1月、この嚶鳴協議会の歩みを基に、PHP研究所の研究本部と歴史街道編集部で、「歴史活用による地域活性化戦略」についての提言発表を行ないました。

歴史の楽しみ方はいろいろありますが、これから、まちづくり・人づくり・心そだて、とりわけ、SDGs≒持続可能な地域づくりを考え実行する素材としての「ふるさとの先人」を、さまざまな事例と角度から考えてまいります。



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