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		<title>PHPオンライン</title>
		<link>https://shuchi.php.co.jp/</link>
		<description>PHP研究所が運営する「悩み、不安、心理」がテーマのWEBメディア。著名人のインタビューや専門家のアドバイスなどから、「無理なく生きる」ヒントを紹介。</description>
		<dc:language>ja</dc:language>
				<copyright>Copyright PHP研究所　All rights reserved.</copyright>
		
				<pubDate>Fri, 01 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
						
				<item>
			<title>手帳は真っ白、新聞は見出しだけ　経営者が実感してきたアイデアが生まれる瞬間  中野善壽（実業家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14188</link>
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			<description><![CDATA[スケジュールをなるべく詰め込まず、物も持たない実業家の中野善壽さんが実感するアイデアの生まれる条件とは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="中野善壽" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizleader.jpg" width="1200" /></p>

<p>スケジュールは秘書に任せ、手帳には渡航予定しか書かない。新聞は見出しをざっと眺めるだけ。情報もモノも、できる限り頭と手の中に詰め込まない。</p>

<p>伊勢丹、鈴屋での新規事業立ち上げと海外進出を経て、寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOとして老舗大企業を機動力溢れる組織へと変貌させた実業家・中野善壽（なかの・よしひさ）さんは、そんな「余白だらけ」の生き方を実践しています。</p>

<p>「分刻みのスケジュールを自慢するようでは、重要な情報が入って来なくなる」と語る中野さん。忙しいほどえらい、情報は多いほどいい。そんな常識を華麗にひっくり返すアイデアの生み出し方をご紹介します。</p>

<p>※本稿は『ぜんぶ、すてれば』（ディスカヴァー・トゥエンティワン）を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>予定を捨てる。ひらめきのための余白をつくる。</h2>

<p>僕の手帳は真っ白だ。いつも持ち歩いている手帳には、滞在する国の渡航予定のみ書き、細かいスケジュール管理は秘書に任せているのですが、「できるだけ詰め込まないでね」とお願いしています。</p>

<p>意思決定する役割を持つリーダーは、いつでもアンテナを張っていないといけないし、思いつきの相談をいつでも受けられる余裕を持っていないといけない。分刻みのスケジュールを自慢するようでは、重要な情報が入って来なくなる。</p>

<p>アイディアのひらめきは、バラバラに入ってきた情報が思わぬ組み合わせで結び付くことで生まれる場合が多い。「もしかして、さっき見かけたアレと、2週間前に言われたアレは関わるかもしれないな」というふうに。</p>

<p>だから、&quot;ぼんやりと考える時間&quot;を意識的に持つことがとても大事だと僕は思っている。現場の仕事で忙しい年代だったとしても、定期的に「何もしない時間」をつくって、ぼんやりお茶でも飲む習慣を持ってみるのがおすすめです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>新聞を捨てる。見出しで想像すればいい。</h2>

<p>情報は最小限しか入れない。情報源の一つである新聞に関しても、それをじっくり読む習慣は捨てました。</p>

<p>あるとき、気づいたんですね。日々変わるビジネスや政治の情勢をだいたい把握するためだったら「見出し」だけで十分じゃないかと。最近は、iPadに入れている「日経電子版」の記事一覧をパッと見て、そこに並ぶ見出しをザーッと眺めるだけで終わり。それでだいたいわかります。</p>

<p>見出しというのは要約中の要約だから、その十数文字から想像するだけで記事の中身はだいたいわかるんです。間違っているかもしれないけれど、細かいことを多少思い違えても、どうってことないかなと思います。</p>

<p>本当に詳しく知りたいニュースだけは心に留めておいて、後から詳しく調べます。優秀なスタッフもいますし、全部自分の頭だけに溜め込むのは、かえって非効率だと思っています。</p>

<p>僕は昔から記憶力は結構いいほうで、「あの日に、たしかこんなことがあったよな」と引っ張り出してきて、後から検索することもあります。大事なのは、すでに起こったことではなく、未来について考える時間をより多く取ることです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>実物を捨てる。極上の遊びは、頭の中にある。</h2>

<p>モノに執着しない生き方を好むようになった原点はいつからか。遡って考えてみると、それは子どもの頃からでした。</p>

<p>小学校低学年の頃に夢中になっていたのは、ダイアグラム。架空の駅の名前を適当に考えて、線路をつなぎ、どんどん駅をつくっていく。すると、街ができ、国ができあがる。</p>

<p>街の中には家や店を書き、その一つひとつに想像上の名前を書き込んでいくと、それだけで日が暮れるまで遊べるんです。</p>

<p>オモチャなんていらない。紙と鉛筆だけでいつまでも遊んでいられる子どもでした。</p>

<p>あの頃、もし「鉄道模型のオモチャを買ってあげようか」と言われたとしても、僕は「いらない」と答えたでしょう。なぜなら、実物そっくりのミニチュアが目の前にあったら、自由な空想ができなくなってしまうから。</p>

<p>僕にとって最高の遊びは、自分の頭の中で心置きなく想像をめぐらせて、自分だけの世界をつくること。すでに現実世界でできあがっているものや既製品では、ゼロからつくり出す自由を奪われちゃう。<br />
極上の遊びは、僕たちの頭の中にあるのです。</p>
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						<pubDate>Fri, 01 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中野善壽（実業家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ「さみしさ」は強い怒りに変わるのか？　攻撃性のメカニズムと孤独感の癒し方  中野信子（脳科学者）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14157</link>
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			<description><![CDATA[激しい怒りの裏にあるのはさみしさ？セロトニン不足などの脳内現象を解説し、人間関係における「適度な距離感」の重要性を説くとともに、SNSや占いオンライン相談など、現代におけるさみしさの受け皿を考えます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="中野信子氏は人間関係における「適度な距離感」の重要性を説く" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Peoplegrean.jpg" width="1200" /></p>

<p>心を通わせたいと強く願うほど、イライラして怒りをぶつけてしまう――その衝動の裏には、「さみしさ」が隠れているのかもしれません。そんな「孤独感」はどうしたら癒されるのでしょうか。本記事では、怒りとさみしさの意外な関係を脳科学の視点からひも解き、SNSやオンライン相談など、身近に相談できる人がいなくても心を癒すことのできる、現代ならではの方法を探ります。</p>

<p>※本稿は、中野信子著『「さみしさ」に負けないための脳科学』（アスコム）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>衝動が止められなくなり、自分で自分を追い詰める</h2>

<p>一緒にいたいと思う人が忙しくて都合がつかない。それが長く続いてさみしくなる。<br />
一緒にいるのだけれど、思いが通じないことが増えてきて、それが重なってさみしくなる。</p>

<p>そんなとき、さみしがりやの人ほど、相手を責めてしまいがちです。その結果、相手の心が離れていき、ますます孤独になってしまうという悪循環をもたらしてしまいかねません。<br />
また、特定の人でなくても、誰かといたい、誰かに自分の気持ちを知ってもらいたいという思いがあり、それがかなわない場合にさみしさがつのっていく、ということもあります。</p>

<p>そんなさみしいという感情は、ときに、思いどおりにならない相手や社会に対する強い怒りへと変わることがあります。</p>

<p>さみしさによってストレスにさらされているときに脳内で起こっている現象のひとつとして考えられるのは、セロトニンの分泌が十分でないという可能性です。セロトニンには、「闘うホルモン」ともいわれるアドレナリンを抑える働きがあるのですが、セロトニンが十分に存在しないと、アドレナリンによって駆動される攻撃の仕組みがコントロールできず、本当に相手に対して攻撃的になってしまうということが想定されます。</p>

<p>愛している相手に対して攻撃を加えるというのは、冷静になって考えればあまりやりたくないはずのことでしょう。けれども、さみしさのあまりに、この衝動が止められなくなってしまうというのは悲劇的です。自分で自分をより苦しい方向に追い詰めるような行動を、なぜ人は断ち切ることができないのでしょうか。</p>

<p>思っている対象の人に会うことができれば、そのさみしさはたしかにそのときは癒やされるでしょう。しかし、どんな人が相手であったとしても、24時間ずっと一緒にいるわけにはいきません。離れなければならないときを迎えると、あるいはそれを想像するだけで、さみしさにつきものの心の痛みがよみがえってきて、また相手を攻撃してしまうということも起こってしまいます。</p>

<p>これでは、相手の存在はむしろあなたの心の痛みを助長する引き金になってしまっているようなものです。相手と一緒にいるときの心の安らぎや、心地よさが大きければ大きいほど、それを喪失する痛みは強くなり、耐え難いものになっていく。</p>

<p>あなたの痛みを癒やすのは、相手の存在ではない、ということに、本当はあなたも気づいているのではないでしょうか。相手よりも、もっと別のところに、あなたのさみしさを上手に扱うための機構を、求めていく必要があります。</p>

<p>それは、仕事に打ち込むことかもしれませんし、自分の価値をより感じられるように、注力できるなにかを探すことかもしれません。さみしい、という気持ちがどこから生まれてくるのか、わたしたちはなぜさみしさを感じるのか、ということをじっくりと1人の時間をとって考えたり、数多くの過去の人が同じようにさみしさに苦しんできたことから得た知見を学んでいくことであったりするかもしれません。</p>

<p>さみしさがあっても、充実した人生を送ることは十分に可能なことです。</p>

<p>また、 適度な距離感の友だちを持つことも、ときには大切なことでしょう。<br />
人が必要とする友だちの数は、人それぞれに違います。性格も環境も異なりますし、たくさんの友だちとにぎやかなときを過ごしたい人もいれば、深く語り合える仲の友だちが1人いれば十分だという人もいます。</p>

<p>ただ、ここで「適度な距離感」と書いたことには理由があります。人間は距離が近くなれば相手の嫌な部分が目に入り、相手にも自分の嫌な部分が目に入り、良好な関係を持続していくのが難しくなっていくからです。</p>

<p>互いに、困ったときには打ち明けることができ、けれども依存的になることなく自立しているという関係をつくることができればとても理想的でしょう。<br />
とはいえ、理想に縛られて窮屈さを感じるようであれば、それは本末転倒です。みっともない状態の自分で友だちを傷つけてしまった、ということがもしあったとしても、残念なことは残念なこととして、 受け止めていけるだけの心の弾力を持ちたいものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>さみしいときの居場所として機能してきたもの</h2>

<p>さみしさとは、本当に面倒な感情です。<br />
そんなさみしさを癒やすものは、人とのつながりであり、気軽な話し相手や相談できる人の存在だと思います。&nbsp;<br />
たとえ身近に友だちがいなくても、まわりに気軽に話せる人がいなくても、自分が癒やしを求めて話せる人がどこかにいてくれさえすれば、だいぶ心は楽になります。</p>

<p>歴史的には、様々な共同体や職業が、そうした受け皿となって機能してきました。<br />
村や町など地域の共同体や、長老や大家さん、町の世話役といった、友だちではないけれど、相談に乗ってくれたり話し相手になってくれたりするような人たちが、どこの村や町にもいた時代があります。<br />
また、村や町で行われるお祭りや、自治会や青年会といった組織なども、人とのつながりを構築し、さみしさの受け皿となってきました。</p>

<p>その後、村や町の共同体の代わりにその役割を担ったのが、会社・企業といえるでしょう。<br />
村落的なヒエラルキーと同様、ほとんどの日本の企業は年功序列制度を導入し、終身雇用で、企業年金もあり、むかしの村のように企業体が丸抱えで面倒を見るという体制があった時代には、会社に属することで大きな安心感を得られたと思います。<br />
職場には 「やらなくてはいけないこと」「明確な役割」「肩書」があり、それさえ守っていれば認められ、居場所を与えられ、孤独になることもなかったといえます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>占い、カウンセリング、宗教もさみしさの受け皿</h2>

<p>占いも、さみしさの受け皿を担ってきたものといえるでしょう。<br />
自分の心のうちを語り、「わたしはこの先どうしたらいいのだろう？」という不安に答えてくれるのが、占いの存在でした。<br />
突然襲ってくる不安やさみしさに対する「答え」を求めて、人々は古くから占いを頼ってきました。</p>

<p>一方、欧州では占いよりもカウンセラーに相談するのが一般的です。<br />
カウンセラーは相談に乗るプロではありますが、お互いの相性もあるので、自分に合わない人もいます。ですから、いろいろなカウンセラーに会い、自分に合う人を探すのです。</p>

<p>また、彼ら彼女らは、心がつらくなってから通うのではなく、日常的に通います。常に話を聞いてもらえる場所をつくっておき、心のメンテナンスを行うというわけです。</p>

<p>日本でカウンセラーがなかなか普及していないのは、おそらく医療的なイメージが強過ぎるからではないでしょうか。<br />
カウンセリングに通っている人は、周囲の人から「病気なのではないか」と疑われたり、なにか精神に問題を抱えているのではないかという目で見られたりしてしまうのかもしれません。</p>

<p>そして、宗教もさみしさの受け皿となってきたもののひとつです。<br />
最近はネガティブなニュースでも取りざたされていますが、そもそもお寺の住職さんなどの宗教家に悩みを相談することは、古くからの日本の伝統でもありました。<br />
故・瀬戸内寂聴さんのように、話をしてくれたり聞いてくれたりする存在が、あらゆるところに身近にいたのだと思います。</p>

<p>その後、宗教解体、共同体解体の時期に、代替物として現れたのが新宗教です。<br />
伝統仏教とは一線を画する、19世紀末以降に現れた宗教団体や新宗教系の人々が、さみしい人々の声を聞くという役割を果たしたことで、一定の勢力にまで発展した歴史があったと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>さみしさが時代を動かしている</h2>

<p>現在は、メディアもさみしさを癒やす役割を担っているといえるでしょう。<br />
なんらかのコミュニティに属していなくても、例えばラジオ番組やWEBメディア、YouTubeなどにメッセージを投稿し、様々なことを相談することができます。匿名だから相談しやすいということもあるでしょう。<br />
相談して誰かに話を聞いてもらうという行動により、さみしさを紛らわせることができます。</p>

<p>同じように、さみしさを共有したい人がネットのなかに集まり、自分の意見に近い意見を拾っていくことで癒やしを得ているようです。自分が抱えているモヤモヤに対して、明確に答えてくれるかのような人がいると、一躍ネット上の人気者になることもあります。<br />
ネットという特性上、移り変わりが激しく新旧の交代が早いですが、この先もそうした傾向は続いていくはずです。</p>

<p>最近では、自宅にいながら全国の僧侶に悩みごとを相談できる、有料のオンライン僧侶クリニックなどもあります。<br />
また、コロナ禍では人と会えないさみしさを、テレビやネット番組にはまることで発散させていたという人も多いでしょう。Netflixに代表されるサブスクリプションサービスがコロナ禍に会員数を大幅に増やしたのも、さみしい人が支えて、盛り上げていたのが1つの一因であるように思います。<br />
そういった意味では、大変興味深いことに、さみしさが時代を動かしているといえるのかもしれません。</p>
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						<pubDate>Fri, 01 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中野信子（脳科学者）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>部下を「お前」と呼ぶ上司が不快⋯どうすれば？（働く女性のための相談室）  藤井雅子</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12246</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012246</guid>
			<description><![CDATA[月刊誌『PHPスペシャル』の連載「働く女性のための相談室」より。言葉遣いの悪い上司と働く方より寄せられた悩みに、公認心理師の藤井雅子さんがアドバイスします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="悩む女性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamibizwoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>月刊誌『PHPスペシャル』での連載「働く女性のための相談室」に寄せられた、言葉遣いに問題のある上司に苦しむ方からのお悩み。公認心理師の藤井雅子さんがアドバイスします。</p>

<p>※本記事は月刊誌『PHPスペシャル』2024年4月号より抜粋・編集したものです<br />
※記事内の写真はすべてイメージです</p>

<p>【回答者・藤井雅子（ふじい・まさこ）】<br />
&nbsp;公認心理師。女性のためのカウンセリングルーム 「メンタルエステ ココロの部屋」 主宰。感情のコントロール、コミュニケーション、アダルトチルドレンのサポートがライフワーク。著書 に「ココロを軽くする考え方のレシピ」 (清流出版)などがある。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>Q　【相談】上司の言葉遣いが不快</h2>

<p>上司と話すたびに嫌な気持ちになります。 部下を「お前」と呼んだり、他部署の人の陰口を言ったり･･･。「ムカつく」 「キモい」は日常茶飯事。 さらに上の上司や人事部に相談しても、彼らには良い顔をしているようで、状況が変わりません。 上司が異動になる可能性は低そうです。 かといって、上司のせいで私が異動するのも納得がいかず、悩ましいです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>A　【回答】言葉の暴力もパワハラに該当する</h2>

<p>このような環境では、毎日ストレスが溜まりますよね。 そんな中、すでに上の上司や人事に相談されたとは立派です。 自分を守るために行動されたのはすばらしいことです。</p>

<p>企業には、スタッフが心身ともに健全な環境で働けるよう配慮しなければならないという安全配慮義務が課せられています(労働契約法第5条)。 部下の管理監督が業務である管理職にも、その役割と責任があります。</p>

<p>安心安全な環境を整えなければならない上司自身が、業務中に暴言を吐いたり悪口を言ったりするのは論外です。 また、そうした相談を受けても上の上司と人事が動かないとなると、残念ながら組織全体に自覚が足りない可能性があります。</p>

<p>見過ごされやすいのですが、暴言や悪口、物にあたることは、間接的な暴力であり、パワハラに該当します。 悲しいことに世の中には、まだまだこうしたパワハラに無自覚な組織や経営者、管理職があちこちに 残っています。</p>

<p>被害者であるあなたが異動することに納得がいかないのは当然です。 今回にかぎらず、自分に被害があるときは、自分を守るために行動することが大切です。 でも、今回のように、すでに動いているのに事態が変わらないと困ってしまいますよね。</p>

<p>努力が報われないときは、方向性や方法を見直しましょう。 今回は方法、つまり作戦を見直してください。 具体的には、会社にパワハラの認識をもってもらえるように、今後は上司のパワハラ言動をできるだけ詳細に記録します。 録音してもかまいません。 そして、人事に「パワハラだと思うから、適切に対処してほしい」と改めて願い出ます。 そこまでやっても動かない組織なら、あきらめて納得して次の道に進めるのでは。</p>

<p>被害を受けたとき、受け身のままでは事態は変わりません。 自分を守るためには、建設的に動くこと。 うまくいかなければ、別の方法を試すこと。 必要な情報を探すこと。 専門家に相談すること。 動けば必ず道はひらけます。 もう少しだけ頑張って！</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamibizwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 30 Apr 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[藤井雅子]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>『不思議の国のアリス』が母との橋渡しに　岸田奈美×小川公代が語る“物語とケアの関係”  岸田奈美（作家）,小川公代（上智大学外国語学部教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14155</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014155</guid>
			<description><![CDATA[岸田奈美さんのラジオに、ゲストとして登場した上智大学教授の小川公代さん。小川さんは、パーキンソン病を患う母との会話に『不思議の国のアリス』を用いたという。文学の有用性とは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="岸田奈美×小川公代" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260417kishidanamiogawakimiyo.jpg" width="1200" /></p>

<p>「100文字で済むことを2000文字で書く作家」と自称し、『傘のさし方がわからない』（小学館文庫）をはじめ、発表するエッセイや小説が常に話題となるのが岸田奈美さんです。岸田さんが主宰するポッドキャスト番組「岸田奈美のおばんそわ」に、初のゲストとして登場したのは、ケアに関する言説を幅広く展開する上智大学教授・小川公代さんでした。</p>

<p>後編でおふたりの話は、ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』を介して話すと母親との衝突をプラスにできた話、ケアする側とされる側の葛藤、「ゆっくり歩く」ことの大切さを見出していくエピソードなどへと広がっていきます。同じ環境と問題を共有し、お互い「打てば響く」状態のおふたりによるトークの様子を、ご紹介します。</p>

<p>構成／山内宏泰</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>病の本質は「できていたことができなくなる」ことの傷</h2>

<p>【岸田】『ゆっくり歩く』でもお母様の話がたくさん語られていて、小川さんにとってその関係性は重要で、また大きい転換点にもなっているのだと感じます。パーキンソン病になられているお母さんを見て、どういう病気だと思われました？</p>

<p>【小川】腕や足、顔などが激しくふるえる「振戦（しんせん）」の症状が出ます。最初のころは1日に数時間かちょっとふるえるかなという程度でしたが、年を経てだんだん深刻になっていき、頭の先から足の先まで全身がふるえてほとんど止まらない状態で、硬直も酷いです。そうなると、ケアを必要とする場面がすごく多くなります。</p>

<p>最初のころは母も料理ができたのでひとりで暮らせたのですが、だんだん包丁も握れなくなってくると、だれかがそばにいて食事を作らなくてはいけなくなって。数年前に和歌山から東京に来て、私の家の近くのサービス付きマンションに住むことになりました。ある程度の自由とサポートがどちらも得られる環境は大事ですね。「あわい」の世界を実現するには、このような施設がちょうどよいのかもしれません。介護施設だと過保護になりがちなので。</p>

<p>【岸田】それ、よくわかります。うちの母がミャンマーに行ったとき「ちょっと居心地が悪い」と言っていました。ミャンマーの人は「自分の徳を積むため」に、何から何まで助けてくれるので。</p>

<p>私の母は、心臓の病気の後遺症による下半身麻痺です。下半身麻痺が「こういう病気です」という説明はできるんですが、病の本質は「できていたことができなくなる」ことの傷だと私は感じています。「できていたことができなくなる」のが自尊心をどれほど削るのか、母を見て実感しています。</p>

<p>【小川】『ゆっくり歩く』のなかでは、ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』の話を母に語って、「できていたことができなくなる」ことについて母と対話した内容を紹介しています。何でも自由にできる健康体だった母が病気になって、当たり前と思っていたことができなくなったとき、その変化をどう受け止めたらいいのかを、文学作品の物語を借用して考えていくという。</p>

<p>【岸田】文学作品をフックにして、お互いへの理解を深めていくという親子関係はおもしろいなと思いました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『不思議の国のアリス』を介していまの母と話す</h2>

<p>【小川】うちはもともとすぐ衝突する母子関係でした。二人の間で「タブーワード」もあります。「これが一番いいに決まってるやん」などと言ってしまうと、母親は悲しそうに「あなたはわかったような口をきいてるけど、パーキンソン病のつらさがわかるの？」となる。</p>

<p>そういうときは「いや、ごめんごめん！ もう一回ちょっと巻き戻します」と言ってやり直します。「こうしたらいいんじゃない？」じゃなくて、「そういえば『不思議の国のアリス』って物語知ってる？」というふうに言うんです。</p>

<p>家族間で「タブーワード」を言ってしまって口論になることってあると思うんですが、「衝突しない方法」をぜひ皆さんにお伝えしたい。自己と他者の身体が違えば、わかり合えなさは絶対に生じます。お互い何とかしたいと思っているはずですが、乗り越える方法論が見つからないのです。</p>

<p>母の場合、娘にわかった気になってほしくないと思っているし、私としても「お母さんの気持ちわかる」とは言えない。結局「わからへん」と言うしかないのですが、そう言った瞬間、冷たく拒絶したように聞こえるわけです。もう八方塞がりです。だから先ほど言ってくださったような、「自己と他者のあわいを揺れながら葛藤する」という態度が必要になります。</p>

<p>さらには、揺れながら葛藤するプラットフォームも必要となってきます。それが文学です。そこにとりあえず物語の登場人物に仮託するんです。</p>

<p>たとえばルイス・キャロルのアリスの物語を、私は、ままならなくなる身体の象徴として使いたいわけです。母親は自分の身体をコントロールできず、信用できない。思えばアリスもまったく同じシチュエーションなんです。アリスは身体が大きくなったり小さくなったりしますが、それを自分でコントロールできていない。</p>

<p>【岸田】その話を聞いたら、お母様は「あっ、これは私の物語だ」と気づくんですか？</p>

<p>【小川】それ以前に「アリスは身体がままならなかった」ということに母は驚愕します。大きくなったり小さくなったりするのは知っていたけど、そのことに苦しんでいるとは思っていなかったようで。</p>

<p>アリスは自分の身体をコントロールできないつらさから、泣いてしまいます。その姿と母の生きづらさがぴったり重なった瞬間を私は見ています。文学というプラットフォーム上で語り合っていれば、私は「お母さんのことわかった」とか「わからない」とか言わないで済みます。「私は少なくともアリスの気持ちはわかるよ」と言えばいい。</p>

<p>アリスが泣いているとき、芋虫が出てきて哲学的な問いを投げかけます。「お前はだれだ」と。母親は以前から「もう元の本当の私は死んでいる」と私にこぼしていましたから、「でもさお母さん、芋虫ってそもそも蝶々になる虫だよね。虫から蝶々に変化するのが当たり前の世界で、『どっちが本物？』なんてだれも考えないよ。お母さんが、前のいろいろできていた自分といまのできない自分を比べるのも、おかしくない？」と言ってみると、母は目から鱗が落ちたような顔をしていました。</p>

<p>【岸田】お母さんの気持ち、なんだかわかる気がします。アリスの物語が「病気でつらくてもがんばって生きようね」と言うのを目的につくられた話だったら、たぶん響かなかったんじゃないですか。「どうせ啓発でしょ」みたいになって。</p>

<p>アリスの話は作者がおもしろいと思って書いた話なんだけど、それが小川さんの「ケア」の視点から見れば、人間の本質的なところを表す物語としても読める。お母さんからしたら、「この物語に当然のように書かれているということは、私のこの苦しみは他の人にも理解してもらえることなんだ」と実感できたんだと思います。</p>

<p>【小川】文学には普遍性が必ず含まれています。アリスの物語にも、人間も生きものも生きているかぎり必ず変化する、といったメッセージがあるのだと思います。変化を受け入れられるためにはどうしたらいいかみたいなことを、ひとりで悩むのではなく、文学を介してだれかとしゃべるのが大事です。そうすると、母の苦しみを一瞬だけでも忘れさせることができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日頃の私たちはとかくせっかち</h2>

<p>【岸田】『ゆっくり歩く』ではタイトルの通り、ゆっくりしか歩けないお母様といっしょに歩く話も出てきます。井の頭線のホームで、出発ベルが鳴っているときに「早く行かなきゃ、でも早く行けないし」と焦っていると、車掌さんが「ゆっくりでいいですよ」と言ってくれて救われた......、と書かれていますね。運行時刻を守り管理するべき立場の車掌さんが、お母様の姿を見てぽろっと本音を言ってしまうのがいい。</p>

<p>【小川】そうですね。車掌さんも「よし、いいことをしよう」みたいなことで言葉を発すると、わたしたちも感動などしない。「こんなふうにしよう」と計算しても、うまくいかないものです。偶発性が大事なのでしょう。</p>

<p>井の頭線といえば、岸田さんの短編小説『どんヤナギの回復速度』を拝読しました。そこには『ゆっくり歩く』で私がどうしても伝えたかったことが、たくさん含まれていました。</p>

<p>【岸田】ありがとうございます。小学生のころからどんくさかった男の子が電車の運転手になって、遅れてきた乗客を待つか待たないか......という話ですね。</p>

<p>【小川】日頃の私たちはとかくせっかちで、早く成果を出さなきゃとか、効率よくやらなきゃとばかり考えています。でも本当は、ちょっとした時間くらいなら相手を尊重するために使うことはできるはずなんです。</p>

<p>そして相手を待つというのが、いかに大事なことか。最近ではそういう物語が語られなくなりつつありますから、そのあたりに目を向けさせてくれる岸田さんの作品は、これからもっと注目されていくのだろうと思います。</p>

<p>【岸田】ありがとうございます。ぜひ皆さん『ケアの物語―フランケンシュタインから始める』も『ゆっくり歩く』も読んでみてくださいね。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 30 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[岸田奈美（作家）,小川公代（上智大学外国語学部教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>出産を機に「統合失調症」が再発...それでも再び笑顔を取り戻せた理由  広岡清伸（精神科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14127</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014127</guid>
			<description><![CDATA[出産を機に「統合失調症」を再発した春香(仮名)さんは、いかにして日常を取り戻したのか――診察を担当した精神科医の広岡清伸さんが、そのプロセスを解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="広岡清伸著『ごめんなさい、もうこれ以上頑張れません』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_zetsubowoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>上司のパワハラによって「統合失調症」を発症した野村春香(仮名)さん。クリニックに通院しながらデイケアに参加することで日常を取り戻しつつありましたが、出産を機に統合失調症が再発したそうです。</p>

<p>今では平穏な暮らしをしているという春香さんは、どのようにして立ち直れたのか――クリニック理事長である広岡清伸さんに話を伺いました。</p>

<p>※本稿は、広岡清伸著『ごめんなさい、もうこれ以上頑張れません』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>※本記事は特定の治療法を推奨するものではありません。実際の治療・服薬に関するご判断は、必ず主治医または専門医にご相談ください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ライフステージの変化で症状が再発</h2>

<p>初診から1年後、春香さんは、自分で探した職場で働き始めました。大学を卒業するときに入社したかった食品メーカーではありませんでしたが、入社面接のときの担当者や会社の雰囲気に安心感があったのが理由だそうです。数年後には、その会社で後に夫となる人と出会うことになります。「先生も来てくださいね」と招待された結婚式に、わたしも参加しました。</p>

<p>心の病は長期的に診ていくケースが多く、患者さんとは長いお付き合いになることがよくありますが、こういううれしい出来事は何度あっても心が温かくなります。春香さんに「人を信じられる」感覚が戻ったことがうれしかったですね。これで、社会への不信や被害的思考も薄れていくことになるでしょう。</p>

<p>初診から6年目のことでした。3カ月ぶりに診察室を訪れた春香さんから、またもうれしい報告がありました。</p>

<p>広岡「状態は変わらず安定しているようですね」</p>

<p>春香「先生に相談があります」</p>

<p>広岡「えっ、どうされました」</p>

<p>春香「実は、妊娠しました。子どもができたんです」</p>

<p>広岡「おめでとう。よかったじゃない」</p>

<p>春香「それで相談なのですが、薬を飲み続けるのはよくないですよね。わたし、健康な子を産んで、母乳で育てたいんです」</p>

<p>広岡「それでは、しばらく薬を飲むのは中断しましょう。安定しているようですからね。元気な赤ちゃんが生まれるといいですね」</p>

<p>春香「ありがとうございます」</p>

<p>無事に出産し、病院から退院した日の夜、春香さん、ご主人、お母さんの3人で祝杯をあげたそうです。グラスの中は麦茶だったようですが、子どものこれからの話で盛り上がったと言っていました。</p>

<p>ところが、産褥期(出産後の体が元の状態に戻るまでの期間。およそ6〜8週間といわれる)に入った春香さんの状態が悪くなります。産褥期は再発リスクが高い時期で、春香さんにも統合失調症の症状が現れるようになったのです。</p>

<p>春香さんは赤ちゃんの泣き声に過敏に反応するようになりました。夜中の授乳が続き、眠りは細切れになり、日中もぼんやりと意識が遠のく瞬間があったといいます。</p>

<p>ある夜、赤ちゃんが泣き止まない時間が続いたとき、春香さんは急に震え出し、ご主人にしがみつくようにしてこう言ったそうです。</p>

<p>「この子を守らなくちゃいけない」</p>

<p>翌朝、母親が様子を見に行くと、春香さんは座ったまま赤ちゃんを抱きしめ、怯えた目で部屋の隅をにらんでいました。「誰かが赤ちゃんを連れて行こうとしている」と繰り返したといいます。</p>

<p>この頃には、睡眠不足と産後のホルモン変動が重なり、以前の&quot;替え玉妄想&quot;に似た恐怖感が再び芽生え始めていました。家族が傍にいても、安心感が十分に届かなくなっていたのです。春香さんは、クリニックへ行くことにも抵抗したといいます。</p>

<p>春香「広岡先生を信じられない。広岡クリニックには行きたくない」</p>

<p>母親「広岡先生を信じないで誰を信じるの。行きましょう」</p>

<p>お母さんと一緒にクリニックを訪れた春香さんは、すごく疲れた顔をしていました。</p>

<p>春香「怖いんです。眠れません。助けてください。薬を飲みます」</p>

<p>広岡「大丈夫ですよ、春香さん。また、薬を飲みましょうね。前のようにすぐに落ち着いてきますから」</p>

<p>その日から、春香さんは抗精神病薬の服用を再開しました。初診の頃から長い時間をかけて築いてきた信頼関係があったからこその治療再開です。</p>

<p>服薬を再開した春香さんの症状はすぐに安定してきました。一緒に住んでいたお母さんとご主人のサポートがあったことも、大きな要因です。ご主人は、真夜中に眠れない春香さんに寄り添い、肩を抱きながら「大丈夫だよ」と声をかけ続けたそうです。そうした日々が、夫婦の絆をいっそう強めたのは言うまでもありません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>それでも生きていいんだよ</h2>

<p>発症から25年以上が経過しました。春香さんは服薬を続けつつ、平穏で安定した生活を送っています。幻覚・妄想は完全に消失。温かな家庭を築き、教育費のためにパート勤務を続け、夫婦で支え合いながら子どもの成長を楽しんでいます。お嬢さんは明るく思いやりのある性格で、高校生の頃から看護師を志し、念願の看護大学に入学しました。</p>

<p>入学式の日、春香さんは少し緊張した面持ちで娘の背中に手を添えていました。白い壁に花束の香りが漂う式場で、娘の手が小さく震えるのを見たとき、かつて、お母さんに支えられた日を思い出したといいます。</p>

<p>「あなたなら大丈夫」</p>

<p>今度は春香さんが、かつてのお母さんの言葉をそのまま娘へと伝えました。その話を聞いたとき、わたしは、母から娘へ、そして娘から次の世代へと、静かな絆のバトンが渡されたように感じられました。現在も、ご主人、お嬢さん、お母さんが、ときに不安定になる春香さんを支えています。それでも、外来で春香さんは穏やかに語ります。</p>

<p>春香「先生、あのときは本当に真っ暗でした。でも、あの闇の中で生きてこられたから、いまの自分がある気がします」</p>

<p>25年前に「本当のお母さんではない」と恐れた春香さんは、いまや家族をつなぐ中心的存在です。世代は巡り、支え合いの輪は静かに続いています。</p>

<p>統合失調症の人たちが聞く幻の声は、たいてい厳しく、冷たく、時に残酷です。「おまえはダメだ」「消えてしまえ」......その声は、社会の中で生きる誰もが一度は浴びたことがある否定や嘲笑が凝縮された残響なのかもしれません。しかし、わたしたちの心には、どれだけ深く傷ついても、その声を打ち消そうとするもうひとつの声を聞く力が残っています。</p>

<p>「それでも生きていいんだよ」</p>

<p>「一緒にいるよ」</p>

<p>春香さんの場合なら、お母さんやお父さんのまなざしや、デイケアでの笑い声の中から聞こえてくるものです。それが、外の世界にある優しさです。わたしが行っている治療は、この&quot;優しい声&quot;を再び聞き取る旅だと言っていいでしょう。</p>

<p>薬が脳の嵐を鎮め、安心できる人々とのかかわりが、心の奥で閉ざされていたドアを少しずつ開いていく。幻聴の中で荒れ果てた世界に、ほんの一瞬、誰かの微笑みが差し込むとき、その瞬間こそ、現実が再び温度を取り戻すときです。</p>

<p>統合失調症とは、絶望の病ではありません。それは、人間の心が不条理な世界の中でもなお、他者を求めようとする証でもあります。闇の中で聞こえてくる優しい声は、「あなたはここにいていい」と告げています。わたしたちは、その声を見失わない限り、何度でも、現実の光の中に立ち戻ることができます。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 30 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[広岡清伸（精神科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「AIに選ばれる宿」が生き残る？　熾烈な競争に勝つために見直すべき7つのポイント  内藤英賢（合同会社Local Story代表）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13968</link>
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			<description><![CDATA[年々利用率が増しているAI。観光ビジネスでも、いかに上手くAIを使いこなすかが重要になっていると、合同会社Local Story代表の内藤英賢さんは語っている。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="内藤英賢著『観光ビジネス』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_AI2.jpg" width="1200" />世界と比べてAIの利用が遅れている日本。ところが、若い世代を中心に利用率は高まっており、旅行にAIを活用している人もいるでしょう。そうした状況も踏まえ、観光ビジネスもAIを上手く活用する必要があると、合同会社Local Storyの代表で観光業にも長年携わる内藤英賢さんは語ります。</p>

<p>本稿では、日本と海外のAI利用率の違いやAIに選ばれるために必要な要素について見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、内藤英賢著『観光ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AI利用率日本30％／世界60％の衝撃</h2>

<p>「全ての産業においてAIの影響は避けられない」</p>

<p>昨今では、そのように言われますし、事実AIの目覚ましい進歩を見て、そう思わない方はいないでしょう。観光業界も例外ではありません。AIが観光業界に及ぼすであろう様々な出来事について、未来予測も含めながら見ていきたいと思います。</p>

<p>そもそもですが、日本は生成AIの活用について世界より遅れをとっているという事実を認識しなければなりません。総務省が発表した「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究２2025」の2024年の生成AIサービスの利用経験調べによると、「使っている」と回答した人がアメリカ68.８％、ドイツ59.２％、中国81.２％に対して、日本は26.７％という低さとなっています。</p>

<p>さすがに2026年現在では、さらに上昇しているとは思いますが、2024年時点では異例の低さとなっていたのが実態です。このことは日本の観光ビジネスにおけるガラパゴス化を生み出しかねません。</p>

<p>なぜなら、世界の観光ビジネスは既にこのAIとの融合を見据えて動き出しているのに対して、日本ではユーザーたる旅行者の生成AI利用率が低いと、ビジネスとしてアプローチする動機付けが薄くなってしまうからです。したがって、今後の観光ビジネスを見据える上で、日本国内の動きしか見ないと世界の動きからは取り残される可能性があるので注意が必要です。</p>

<p>観光ビジネス&times;AIでもっともポピュラーな影響は「旅行先を探す際にAIを活用する」ということでしょう。すでに40％以上の人が、旅行の検索先にAIを活用していると回答しており、今後、加速度的に増えていくことが予測されます。</p>

<p>まずAI検索の特徴としては、キーワード型検索から自然言語検索になるということが言えます。端的に言うと、これまで「箱根 ホテル」などと検索していたグーグル型キーワード検索が、「4月8日に箱根で夫婦2人で行くのだけど、予算1人2万5000円以内で私たちの好みに合ったものを探して」と言うような自然言語での探し方に変化していくということです。</p>

<p>これは、AIがより詳細な情報を与えた方が質の高いアウトプットを出力するため、このような自然言語での入力がよいためです。生成AI活用が26％止まりの日本ですが、20代に限って言えば、40％以上が活用し、10台に至っては60％がAIを活用しているというデータもあるので、今後はAI検索をするユーザーが増えるのは必然と考えられます。</p>

<p>こうなると当然発生する議論は「うちの観光地、うちのホテルは、AIに選ばれるためにどうすればいいんだ！？」という議論です。まずは「AIで自然言語型検索をする層」というのが、相当数すでに存在しているということを理解しておくことが大事になります。</p>

<p>つまり、今後は旅行者に選ばれることと同じくらいに、AIに選ばれることが大事になってくるということなのです。これは、2000年代に起きたインターネット革命に近いインパクトとゲームチェンジを引き起こすことになると予測されます。</p>

<p>すでに、そのことを強烈に意識しているのは海外OTA(エクスペディアやアゴダなどの店舗を持たない旅行代理店)です。AIをうまく活用できれば海外OTAのビジネスをさらに成長させる可能性もありますが、AIの登場によって旅行者と事業者が直接結びつけば、自分たちの存在を脅かされかねないという危機感も一方で認識している訳です。</p>

<p>観光ビジネスにおいても、AIというゲームチェンジを引き起こしかねない要素をめぐり、熾烈な戦いの火ぶたが切って落とされているのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AI時代を生き抜くためのチェックリスト</h2>

<p>AIがあらゆる産業に影響を及ぼすことが不可逆な時代において、私たち観光事業者は具体的に何をしなければならないのでしょうか？「AIに選ばれる(AIO)」ためのアクションを、明日から使えるチェックリストとして整理しました。</p>

<p>【AIに選ばれるための7つのチェックリスト】</p>

<p>①ターゲットの明確化</p>

<p>AIがマッチングしやすいよう、「誰のための場所か」を尖らせていますか？AIは「誰にとっての最適解かを探しています。「30代・女性」といった広い括りではなく、「都内で働く30代独身女性、週末は自然の中でサウナに入りたい人」いわゆるペルソナレベルまで言語化できているかが勝負です。</p>

<p>②よくある質問の充実化</p>

<p>ターゲットの悩みや興味(文脈)に応える記事や情報を発信していますか？単なる施設案内ではなく、ターゲットが検索しそうな悩み(例：「子連れで雨の日の箱根での過ごし方」）と、それに対する「答え」となるコンテンツを拡充する必要があります。</p>

<p>③クチコミの資産化</p>

<p>AIの推奨根拠となる「良質なクチコミ」を能動的に集めていますか？AIの推奨根拠の大部分は「実際の利用者の声」にあります。クチコミを増やす施策はもちろん、ネガティブな声への誠実な対応(AIは返信内容も読んでいます)も評価対象になっています。</p>

<p>④情報の統一</p>

<p>店名・住所・電話番号の表記は、全ネット上で一字一句統一されていますか？グーグルマップ、公式HP、SNS、OTAすべてで表記(Name, Address, Phone)が一致していないと、AIは「同一実体」として認識できず、評価が分散してしまう(認知漏れが起きる)リスクがあります。</p>

<p>⑤世界観の統一</p>

<p>写真や言葉選びのトーンを揃え、AIにブランドイメージを学習させていますか？公式HP、SNS、OTAの写真や文章の雰囲気がバラバラだと、AIはブランドの個性を学習できません。「この宿＝〇〇な雰囲気」とAIに覚え込ませる統一感が必要です。</p>

<p>⑥権威性の活用</p>

<p>信頼できるメディアや専門家に言及され、AIからの信頼スコアを高めていますか？自画自賛だけでなく、信頼できるメディアやインフルエンサー、公的機関のサイトで紹介されているかどうかが、AIにとっての「権威性の担保」になります。</p>

<p>⑦構造化データ化</p>

<p>WebサイトをAIが読み取りやすい形式(FAQなど)に整備していますか？Webサイトは人間だけでなく、ロボット(クローラー)が理解しやすい構造や記述になっている必要があります。</p>

<p>これらは、いわばAI時代における「身だしなみ」です。これらをサボるということは、AI時代において「存在しない」ことと同義になってしまうからです。AIがあらゆる産業の根底を塗り替えている今、観光業界もその例外ではありません。AIがどうビジネスに組み込まれていくのかを理解し、使いこなす事業者とそうでない事業者の間では、集客効率や業務生産性において埋めがたい差が生まれるでしょう。</p>

<p>しかし、最後にひとつだけ、決して忘れてはならないことがあります。それは、「観光ビジネスは、結局のところ人間対人間のビジネスである」という真理です。この点こそが、AIに完全にディスラプト(破壊)される産業とは異なる、観光ビジネスの希望であり面白さでもあります。どれだけAIが発達して、便利で、完璧なガイドをしてくれても、人間味あふれる、じいちゃんばあちゃんのガイドの方が人間の心を動かす可能性が大いにある訳です。</p>

<p>AI対策を実施して、いかに上っ面をよくしてAIに選ばれたとしても、実際に訪れた時の「リアルの体験」がお粗末であれば、旅行者は二度と戻ってきません。そうなれば、悪い評判がデータとして蓄積され、結局はAIにも人間にも見放されることになります。</p>

<p>デジタル化が進めば進むほど、「生身の人間が接客する」ことの価値は高騰します。AIにはファンがつかないかもしれませんが、「あなた」という人間にはファンがつくのです。AIが推奨しただけの場所よりも、地域住民が「よく来たね」と笑顔で迎えてくれる場所の方が、また行きたくなる価値ある観光地になるのは必然です。</p>

<p>AIを最大限に活用しつつも、このヒューマニズムを忘れない観光地だけがAI時代にも支持されることは間違いありません。なぜなら旅行するのはAIではなく、心を持った人間だからです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 30 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[内藤英賢（合同会社Local Story代表）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ仕事が速い人はスマホを手放すのか　集中力を上げる3つの習慣  菅原洋平（作業療法士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14168</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014168</guid>
			<description><![CDATA[仕事が速い人はスマホやパソコンと上手く距離を取っている。そう語る作業療法士の菅原洋平さんが、仕事が速い人になるためのコツを紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="菅原洋平著『仕事が速い人があたりまえにやっていること』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmansmile.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事ができる人・速い人ほど、常にスマホを上手く駆使している――そんなイメージを持つかもしれませんが、実は仕事が速い人ほど「デジタルデトックス」(スマホやパソコンなどと距離を取ること)していると、作業療法士の菅原洋平さんはいいます。</p>

<p>本稿では、菅原さんがオススメする「仕事が速い人になるためのコツ」について見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、菅原洋平著『仕事が速い人があたりまえにやっていること』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>仕事が速い人は実践している「デジタルデトックス」</h2>

<p>「余計な情報」があふれているものの代表格といえば、スマートフォン(以下、スマホ）。放っておいても情報が流れ込み、多くの人が情報を抱え込みすぎています。</p>

<p>一見、なんでもその場でサクサク検索して調べてしまう人のほうが、要領がよく仕事が速いと思いがちですが、実際はその逆。適度にデジタルデトックスをしたほうが、自分がやるべきことに集中できるようになります。スマホやタブレットと距離を置く簡単な一例を紹介しましょう。</p>

<p>①寝る1時間前になったら戸棚にしまう</p>

<p>②帰宅後はバッグの中に入れたままにする</p>

<p>③玄関に置いて外出時だけ使用する</p>

<p>④休日の午前中や入浴後の時間は、画面を見ない</p>

<p>私の場合、打ち合わせの行先などはあえてプリントアウトをして、外出時にはスマホを見ないようにしています。また普段の生活では、スマホではメールやSNSを見ないと決めています。</p>

<p>「デジタルデトックス」のポイントは、自分の意志とは関係なく、スマホを見ることができなくなる環境をつくること。なかには、「インターネットに接続するルーターの電源をタイマーで切ってしまう」という人もいます。延長コードにダイヤルがついているものを使用して、時間になったらインターネットがつながらなくなる環境をつくるのです。</p>

<p>まずは1時間、情報から離れることから始めてみましょう。入浴中やストレッチ、ジョギングをしている間など、「それ」をしている間は情報から離れる、という環境をつくります。スマホを置いてスーパーに買い物に行くのもいいですね。それができれば、「休日の半日」「外出中」という感じで、場面を限定して一定期間離れてみましょう。意志の力で行動を変えるのは難しいですが、環境を変えてしまえばおのずと行動は変わります。</p>

<p>最初は落ち着かない感じがしますが、そのままやりすごしていると、情報から解放されて、文字どおり視界が明るくなります。交感神経の過剰活動によって収縮していた瞳孔が、開いていくからです。この解放感を得られると、情報と一定の距離をとることにストレスを感じなくなります。</p>

<p>ちなみに最近では、受付でスマホやタブレットを預けて宿泊する、「デジタルデトックスプラン」がついたホテルや旅館もあるようですね。旅行や出張のときに、宿泊先の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか？</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>作業・習慣の「順番」を変えるのも有効</h2>

<p>デジタルデトックスなど新しい生活習慣をつくるのは、ハードルが高いという人もいるかもしれません。そこで、新しい作業を加えずに、いまの作業の順番を変えることで、不必要な情報に注意を奪われるのを防ぐ方法もあります。</p>

<p>無自覚にスマホを見始めると、いつになったらスマホを見ることが終わるのか、脳が予測することができません。いつくるのかわからない利益に期待し続けてしまいます。そこで、損失を未然に回避するのです。</p>

<p>「利益と損失？」と思った方、これから説明するのでご安心を。たとえば、夕食をとった後に入浴する習慣の人の場合。夕食後にソファでスマホを見ていたら入浴するのが面倒くさくなり、だらだらネットサーフィン。ようやく入浴したら0時すぎになってしまい、寝不足になりがち......。そんなときは、帰宅後すぐに入浴し、その後で夕食をとるように順番を変えてみましょう。</p>

<p>この場合、入浴が遅れることで寝不足になってしまうのが「損失」、その損失を生み出すのが「ネットの目新しい情報という利益」への期待です。そこで、ネットの情報という目の前の不確かな利益によって、少し先の未来に起こる寝不足(損失)を避けるため、「入浴する」という行為を前にもってきます。</p>

<p>人間の脳は、計画どおり行動できると、その達成感から同じ行動を続けようとする反応が生まれます。さらに、「なにか目新しい情報」という不確かな利益に対して脳が期待しなくなるため、だらだらとネットサーフィンをしてしまうのを自然と防げるようになるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「1作業・1スペースの法則」で、高い集中力を維持できる</h2>

<p>リモートワークが増え、「パソコン作業をする席で食事もしている」という人も多いのではないでしょうか。実はこれ、余計な情報に気が散って、「仕事が遅い人」になってしまう原因となるためおすすめできません。</p>

<p>なにかの作業をすると、それに対応して血圧や心拍数が高まっていきます。そしてこの反応は、「その作業の空間情報」とセットにされて記憶されます。その記憶に基づいて脳があらかじめ作業の準備をするので、作業場所に行くと速やかに集中することができます。たとえば、「会社のデスクについた瞬間に仕事モードに切り替わる」という人はまさにこれです。</p>

<p>ところが、パソコン作業をする席で食事もとるなど、同じ場所で複数のことを行うと、脳の準備が遅れて作業をするときに慌てて代謝が高められるため、負担が大きくなってしまうのです。さらに、予定なく高められた代謝活動は、作業終了後も低下しにくくなります。この影響で、席についてもなかなか作業に集中できなかったり、作業を終えても不必要な情報をだらだら見たりしてしまいます。</p>

<p>そこで、1つの作業を選び、その作業だけを行う場所を設定してみましょう。</p>

<p>たとえば、仕事用の席を決めたら、その場所では、スマホを見たり、飲み食いをしたりすることは避けます。席を立ってスマホを見て、なにも持たずに席に戻る。こうすることで、あっさりと作業に集中することができます。</p>

<p>1つの作業は、1つの場所で行う。これだけで余計な情報に振り回されず、高い集中力を維持できるはずです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmansmile.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 30 Apr 2026 07:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[菅原洋平（作業療法士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>思考のデトックス習慣...思ったことを「そのまま書く」だけで心が軽くなる  竹下綾美（セルフブランディング講師）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12237</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012237</guid>
			<description><![CDATA[モヤモヤが少しでも軽くなる習慣とは。セルフブランディング講師の竹下綾美さんに教えていただきます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="心がラクになる習慣" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_writing_woman.jpg" width="1200" /></p>

<p>多様な生き方が選べる現代、「生きているだけで疲れる」と感じることもあるかもしれません。頭の中を整理し心の負担を減らす「ジャーナリング」のメリットとは。セルフブランディング講師の竹下綾美さんに教えていただきました。</p>

<p>※本稿は、『PHPスペシャル』2025年4月号より、内容を抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>想いを書き出す</h2>

<p>働き方、お金の増やし方、エンタメの楽しみ方......。あらゆることが多様化し、選択肢が増えたことで、私たちを取り巻く状況は目まぐるしく変わってきています。</p>

<p>そんな今の時代において、「生きているだけで疲れる」という方も多いのではないでしょうか。</p>

<p>そこで、この連載では、心がラクになる習慣をテーマに分けてご紹介していきます。日常的に取り入れて、ぜひ効果を体感してみてくださいね。</p>

<p>さて、今回のテーマは「想いを書き出す」、いわゆるジャーナリングと呼ばれる習慣です。頭の中にあることを言語化して、ひたすら書き出すことで、自分の気持ちや希望に気づきやすくなるという効果があります。</p>

<p>自分の気持ちがわからないとき、人は大きなストレスを感じてしまいます。やりたいことがあったり、「なんとなく嫌だ」と思っていたりするのに、それを言葉にしていないがゆえに自分の気持ちに気づけず、苦しんでいる人が、じつはとても多いのです。</p>

<p>他にも、複雑な状況下に置かれて迷っているようなシーンでは、「自分が本当はどうしたいのか」がわからなくなりがちです。</p>

<p>そんなときは、「今、感じていること」を紙に書き出しましょう。</p>

<p>書くときのポイントは、きれいに書こうとするのではなく、思ったことを「そのまま」書くこと。「つらい」「◯◯さんの言葉」「お金」など、頭によぎった単語を書くだけでもOKです。</p>

<p>まとまらない気持ちを思いつくままに書くことで、つかめていなかったモヤモヤの正体が次第にはっきりしてくるはずです。漠然とした不安の正体がわかると、「大丈夫そう」「こうすればいいかも」などと思えるようになります。</p>

<p>書き出すことをおすすめする理由は、書くという行為が、体の実感をともなうからです。「手」を動かして書き、書いたものを「目」で見る。それにより、思考のデトックスを体感でき、心身ともに軽くなるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【竹下綾美(たけした・あやみ)】</p>

<p>株式会社Bright Muse代表取締役。「全ての人の才能を開花させ、人生を輝かせる」ことを使命に、コンサルティング事業のほか、色や香りに関する知見を活かした天然石ジュエリーの制作やアロマブレンド、手帳などの商品プロデュースを手掛ける。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_writing_woman.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 29 Apr 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[竹下綾美（セルフブランディング講師）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>働き方の二極化...「エリート」か「静かな退職」か? 企業が提示する新たなキャリアパス  海老原嗣生（サッチモ代表社員/大正大学表現学部客員教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12226</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012226</guid>
			<description><![CDATA[従来の日本型労働に「静かな退職」コースを設ける新たな雇用システムを構築、導入する方法について、雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏に解説して頂く。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_chukonenG.jpg" width="1200" /></p>

<p>働いてはいるけれど、積極的に仕事に意義を見出していない「静かな退職」状態のビジネスパーソンが、日本にも浸透し始めているという。</p>

<p>一方で日本に蔓延していたのは「やっている感」を醸し出すブルシット・ジョブを繰り返し、労働時間がいたずらに延び、結果として生産性が低い日本型労働。</p>

<p>雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏は、従来の日本型労働に「静かな退職」コースを設ける新たな雇用システムを構築すべきと説く。その導入方法について解説して頂く。</p>

<p>※本稿は『静かな退職という働き方』（PHP研究所）より一部を抜粋編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「静かな退職」コースを軟着陸させるには</h2>

<p>「静かな退職」コースはどのように導入したら良いでしょうか？</p>

<p>確かに、大手の古い企業だと、こちらに進む男性は少なそうです。一方、未だに家事・育児の多くを請け負う女性社員は、この「静かな退職」コースを歓迎する人も多いでしょう（実際、女性は8割以上が希望しているという調査もあります）。</p>

<p>結果、「静かな退職」が、巨大なマミートラックとなってしまうという危惧が見受けられます。この問題をしっかり考えていかないと、「静かな退職」コースは定着しないでしょう。</p>

<p>そこで、「静かな退職」コースに男性社員をどのように増やしていくかが企業に求められることになりそうです。</p>

<p>当然、このコースへの移行は「本人希望による選択」が必要です。従来コースと並べて提示し、どちらがいいかを考えさせるわけです。</p>

<p>①「静かな退職」志向を認める。若年でそういう働き方をしている人を矯正しない。</p>

<p>② 「静かな退職」のあるべき姿を広める。きっちり仕事はする。無理はしない。給与や役職といった見返りは求めないという働き方の良さを伝える。こうして志向者の裾野を広げる。</p>

<p>③ 定期の査定を厳しくし、その評価分布や各人のレベルを伝える。昇進・昇級が難しい人たちには、自覚させる。</p>

<p>④ 主任や係長などの「管理職手前」の段階で長期滞留者を増やす。一律昇進などはないことを知らしめる。</p>

<p>⑤30代半ばからは「静かな退職」を査定のたびに促す。</p>

<p>⑥有望な女性社員には、「諦めず、上を目指す」意欲喚起を続ける。</p>

<p>⑦ 短時間勤務などのマミートラックからは「昇進が可能」とし、一方、「静かな退職」コースは昇進ができないと、その主旨を反映して差をつける。</p>

<p>この他にも、査定方法について、私にはアイデアがあるのですが、ここでは割愛させていただきます。</p>

<p>ただ一方で私は「静かな退職」コースへの誘いは、けっこううまくいくと、楽観的に考えています。たとえば、多くのメガバンクのように50歳、もしくは一部の超大手メーカーなら55歳で新天地を探すべきだという圧力がかかるケースがままあります。</p>

<p>こうした企業で「静かな退職」コースを選べば、今の会社にいられると示せば─―少なくない人がこちらに動くと思われるからです。</p>

<p>一方で、滅私奉公して50歳になっても管理職になれない人がすでに過半数で、これから先、さらに増えそうです。こうした状態であれば、「静かな退職者」らの豊かな私生活を見せられた後進は、こちらを選ぶ人が増えていくでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「静かな退職者」に甘えるのも、彼らを甘やかすのもダメ</h2>

<p>あとは、彼ら「静かな退職者」と常時接することになる上司や周囲の意識改革です。</p>

<p>ここで参考にしたいのは、「静かな退職」が既に広まっている欧米企業経験者談です。向こうで「緩く楽に」生きている人も、言われた仕事を為しえなければクビになる。</p>

<p>「静かな退職者」は遊んでいて良いわけではなく、職務、目標、決められたタスクなどに関しては今以上に責任を求められるべきなのです。「遊び」や「甘え」は決して許されません。</p>

<p>現在の日本は、ジェネラリストの何でも屋だからこそなれ合いで、成果や細かいタスクには逆に「なあなあ」になっています。むしろ、職分がしっかり決められた「静かな退職者」に対しては厳しいマネジメントをしても良いと考えてください。</p>

<p>そして、仕事も勤務地も決まっている「静かな退職者」に対しては、その職分を果たせなかった時には、解雇を迫ることも、ジェネラリストより容易だと、伝えてかまわないでしょう。</p>

<p>一方で、職分が不明確なタスクを「やっとけ」という指示や、「部のみんなの和を乱すから」といった無形のプレッシャーこそ、もうやめるべきと念頭に置く。</p>

<p>そうしたものは、本来、社員の厚意による持ち出しだったわけで、今まではそれが「当たり前」「無料」だったものが、今後は（少なくとも「静かな退職者」には）特別なものなのだと、ここも認識を変える必要があるでしょう。</p>

<p>そうした部分は、今までの日本型マネジメントの「甘え」だったのです。欧米ではそうした持ち出しは、リワードやアプリシエイトなどという呼び名で「付加給の対象」にまでしています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本型雇用と欧米型雇用の絶妙な接ぎ木</h2>

<p>私は、いたずらに欧米を礼賛する者ではなく、日本型雇用に関しても、一定の評価をしています。とりわけ、「誰もがエリート」を夢見て階段を上れる部分は、全廃にはしたくありません。</p>

<p>大学を出たばかりの何もできない人の大量入職が可能で、その上、実務をしっかり積み上げ、かなりハイレベルな仕事ができるように育っていく。メガバンクの法人融資などはその典型でしょう。</p>

<p>職業訓練制度が浸透している欧州でも、こういう高年収の仕事については、訓練されるのは「入り口」部分だけであり、しかもその訓練の多くは民間企業への委託（要は企業派遣で雑用をさせられる）です。</p>

<p>有名なドイツのデュアルシステムなど「低年収でのたたき上げ」そのものであり、さらに、この制度が企業の採用・選抜の代行にもなっているほどなのです（欧米礼賛者は夢ばかり見ています）。</p>

<p>そうした欧州の入り口よりも、日本型の入り口はそこそこ良い面もあるといえるでしょう。ただ、日本型の問題は、キャリアの後半にあります。</p>

<p>ある程度ポテンシャルのある若い人を叩きあげれば、そこそこの仕事をこなせるようにはなる。そこまでは一律育成でもいいでしょう。ところが、その先、課長・部長・経営側に上がっていくには、やはり能力差が出るから一律管理は無理です。</p>

<p>そして、多くの人は脱落する。</p>

<p>こうした厳しい現実を隠して、50代まで「誰もがエリート」とむやみに働かせ、結果、半数以上が管理職にもなれず、なれた人とて55歳から社内でぶらぶら。</p>

<p>そして、大方のシニア層は首筋に寒さを感じる...つまり、日本型の大きな問題がキャリアの後半にあるのは間違いありません。そこで、中盤に分岐点を作る。</p>

<p><img alt="日本型と欧米型の接ぎ木" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250427Taisyoku.jpg" width="1200" /></p>

<p>今までのように遮二無二働くコースと、ゆったり「静かな退職」コース。</p>

<p>遮二無二働くコースに行ったとしても、会社が目をかけて育てるのは、優秀な一部だけにする。そして、選ばれた優秀な一部の人たちには、欧米並みの綿密なリーダーシップ開発プログラム（LDP）を課す。</p>

<p>そんな欧米と日本のいいとこ取りシステムが、今後の日本には必要です。</p>

<p>今よりは厳しい制度となるでしょうが、それでも、大学を卒業して15年程度は「夢を見られ」、しかも年収650万円くらいの、欧米ならノンエリートとエリートの境くらいまでは賃金も上がります。</p>

<p>その後、エリートコースに行けるかどうかは狭き門でしょうが、それとて学歴ではなく15年間の業績と評価で決まる。</p>

<p>キャリアの入り口でコースが決まってしまう欧米型よりも、日本人にはよほど受け入れやすいでしょう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_chukonenG.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 28 Apr 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[海老原嗣生（サッチモ代表社員/大正大学表現学部客員教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「今日がすべて」75歳・実業家がたどり着いた答え  中野善壽（実業家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14186</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014186</guid>
			<description><![CDATA[実業家として第一線で活躍し続けてした中野善壽さんが大切にする&quot;人生の哲学&quot;について紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="中野善壽" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_man_lake.jpg" width="1200" /></p>

<p>家も車も時計も持たない。お金は生活に必要な分を除いてすべて寄付する。メディアにはほとんど姿を現さず、社員にさえ本当に実在するのか疑われていた。</p>

<p>伊勢丹、鈴屋での新規事業立ち上げと海外進出を経て、寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOとして老舗大企業を機動力溢れる組織へと変貌させた実業家・中野善壽（なかの・よしひさ）さんは、そんな「何も持たない生き方」を75年間貫いてきた人物です。</p>

<p>何も持たないからこそ、過去に縛られず、未来に悩まず、今日を大切に生きることができる。本記事では、そんな中野さんが「何より伝えたい」と語る言葉をご紹介します。</p>

<p>※本稿は『ぜんぶ、すてれば』（ディスカヴァー・トゥエンティワン）を一部抜粋・編集したものです。<br />
※同書は2020年に発売した書籍を携書化したもので、内容やプロフィールは発刊当時のものとなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>今日がすべて。颯爽と軽やかに。</h2>

<p>僕が何より伝えたいのは、「今日がすべて」という言葉です。情報が多く、将来のことも、周りの人も気になる時代において、「今に集中する」のはどんどん難しくなっているのかもしれません。</p>

<p>しかし、事実として、夢中になって楽しむことができるのは今しかありません。今この瞬間、ここにいる自分をもう一度見つめてみる。過去にとらわれず、未来に揺さぶられず、確かに味わうことができる今日に集中して精一杯楽しむ。その結果は、先々にいろんな形となって巡って来るはずです。</p>

<p>明日地球が滅びるかもしれないし、誰かをあてにしてもしょうがない。自分を花開かせることができるのは、自分自身に他ならない。すべては因果応報。将来をつくるのは、今日の自分。</p>

<p>今日の自分を妨げるものはぜんぶ捨てて、颯爽と軽やかに、歩いていこうじゃありませんか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>今日できることは、今すぐやる。明日死ぬかもしれないから。</h2>

<p>僕は目覚めるとすぐ、スタッフに電話で指示を出します。そのあと風呂や朝食、お祈りなど、支度をしてから出かける直前にもう一度電話。「あれやった？」と。</p>

<p>最初の電話から2時間くらい経っていますから、進捗を聞きます。それから出かけて、お昼くらいにまた「どうなった？」。ずいぶんせっかちですね、と笑われそうですが、僕はそうは思わない。</p>

<p>なぜって、明日死ぬかもしれないから。</p>

<p>「明日がある」という希望は持つべきだけれど、本当に明日が来ると信じてはいけない。僕は75年以上を生きてきたから、「明日が来ること」が絶対ではないのだとわかります。</p>

<p>今日できることは、今日のうちやる。今すぐやる。「何から先にやればいいのか」なんて考えなくていい。思いついた順に、なんでもすぐやれば、後悔することはありません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人生は取るに足らないもの。生まれて死ぬまでの時間は、ほんの一瞬。</h2>

<p>「思い切ったことをしたいのに、勇気が出ない」と踏み出せない人は、こんなふうに思ったらいい。地球のずっと外側、宇宙空間から眺めてみれば、自分の人生なんて、見えるか見えないかの取るに足らないもの。</p>

<p>人が一人、生まれて死ぬまでの時間は、宇宙に流れる時間のほんの一瞬、まばたきにも満たないほどでしょう。それは誰もがそうであって、この世に存在するものすべてがそう。</p>

<p>大したことはないし、この世に永久に役立つものなんてつくり出せない。そう思えば、なんでも気楽にやってみてもいいんじゃないかと、踏ん切りがつきませんか。そう、自分が役に立つ存在になるなんて考えるのは奢りです。もちろん役立とうとする努力は大切ですが、今日一日を楽しくありがたく味わって過ごしたい。</p>

<p>仕事で失敗したって、明日死ぬわけじゃない。なんでも許される若い時ほど、肩の力を抜いて思い切ればいいと思います。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_man_lake.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 28 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中野善壽（実業家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ定年後は「さみしくて、怒りっぽい」のか　セロトニン不足を補い、人生を豊かにする処方箋  中野信子（脳科学者）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14154</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014154</guid>
			<description><![CDATA[人との別れや役割の喪失、加齢など、「大人ならではのさみしさ」とどう向き合うか。定年後の不安や70代の心身の変化、セロトニン減少なども交えながら、心の拠り所となる「安全基地」の重要性を説きます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="大人ならではの「さみしさ」といかに向き合うか。中野信子氏が脳科学者の視点で説く" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_racismG.jpg" width="1200" /></p>

<p>誰もが「さみしい」という感情を持っています。しかし「心の弱い人だと思われるのでは？」「ネガティブな感情に巻き込んだら迷惑をかけるのでは？」といった心配が先行し、なかなか「さみしい」とは口にできない人も多いでしょう。脳科学者の中野信子さんは「大人だってさみしい」のではなく、「大人だからさみしい」ということがある、と語ります。大人ならではの「さみしさ」の根底にあるものとは？大人世代が直面する孤独の正体を明らかにし、心の拠り所である「安全基地」を持つことの重要性を提示します。</p>

<p>※本稿は、中野信子著『「さみしさ」に負けないための脳科学』（アスコム）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大人世代に必要なのは心の「安全基地」&nbsp;</h2>

<p>成人する。<br />
親から独立する。<br />
社会人となる。<br />
「大人」になって自立すると、親や養育者の庇護下にいた頃とは違った、様々なさみしさを感じることになります。<br />
「大人だってさみしい」 のではなく、「大人だからさみしい」ということが起こってくるのです。</p>

<p>とはいえ、「さみしい」と簡単に口に出しにくい社会にわたしたちは生きています。<br />
いまの時代は、子ども時代や思春期とはまた違ったさみしさを抱えながらも、他人にはさみしいことを吐露できる環境になく、さみしさを悶々と抱えながら生きている大人が相当数います。</p>

<p>たとえば、大人になればたくさんの出会いと別れを経験します。<br />
仕事で出会い別れる人の数は、子ども時代の比ではありません。<br />
1つのプロジェクトが進行しているあいだは、寝食をともにするほど密に過ごしていた仲間と、それが終われば二度と会わないこともあります。&nbsp;</p>

<p>異動や転勤も普通のことですし、「みんなとはお別れか...。次の職場では、どんな人たちが待っているのだろう」、そんな期待と不安の入り混じった感情を抱くことも多いでしょう。<br />
1つひとつの別れに対しては耐性がついて、大きなストレスは感じにくくなっていくかもしれませんが、そのこと自体が人と人との距離の遠さを感じる要素ともなっていきます。</p>

<p>もちろん、少なからぬ人が、恋愛でも出会いと別れを経験していくことでしょう。また、家族関係も同様です。結婚する人もいれば、離婚する人もいます。<br />
「結婚したくない」「子どもも欲しくない」などといっていた友だちが1人、また1人と結婚したり、子どもが産まれたりすると、おめでたいという気持ちもありながら、自分とは違うフェーズに行ってしまったようで取り残された感じがする。そんなさみしさも、大人ならではのさみしさといえるかもしれません。</p>

<p>現代社会では、常に追い立てられるように時間が過ぎていくため、深い人間関係を築く時間もなかなか取れず、様々な人たちとの出会いと別れを繰り返していきます。&nbsp;<br />
ふと自分を見つめ直すと、心から付き合える人はいなくて、自分は1人であることに気づいてしまう。仕方がないと思いながらも、ふと湧いてくる情動を持て余してしまうこともあるでしょう。</p>

<p>アメリカの発達心理学者メアリー・エインスワースが1982年に「安全基地」という概念を提唱しています。これは人間の愛着行動に関するもので、子は養育者との信頼関係によって、いつでも戻ってきたときには安心して迎え入れてもらえるということを知ることで、外界を探索することができる、という考え方です。</p>

<p>近年ではこの概念は大人にも適用できると考えられており、それに則るのならば、安心してなにごとかに挑戦していけるというのは、この安全基地を持っているかどうかに係ってくるといえます。しかしながら、現実的には、職場も家庭も、必ずしも安心できる居場所とはなっていないこともあります。</p>

<p>大人にとってのさみしさは、別離だけではなく、自分の限界を知ることや、それまであった能力の喪失、心の拠り所である安全基地をうまく持つことができなかったり、見つけられなかったりすることなどをとおして、折々に湧きおこってきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>役割を失っていくことによる不安と孤独感</h2>

<p>日本の企業が終身雇用であるといわれていたのは、長らく、平均寿命の年齢より定年が上だった時代が続いたという要因が無視できません。</p>

<p>明治から昭和のはじめにかけて、企業で55歳定年制がはじまりました。現代では想像するのも難しい話かもしれませんが、当時の平均寿命は40代半ばから50代前半でした。定年が来る前に寿命が尽きることも多かったわけで、まさに終身雇用という言葉が文字どおり実現されていた時代でもありました。</p>

<p>戦後、平均寿命が延びたため、寿命と定年の逆転が起こり、1970年代になると、平均寿命が70歳を超え、定年後の「老後」が長くなってきます。</p>

<p>企業の定年は、1980年代に60歳、2013年に65歳（公務員は2023年4月1日から段階的に引き上げ）になりましたが、寿命ははるかに長くなっていますから、定年後をどうやって生きるかが、個人としても、社会的にも問題となっていきます。<br />
以前は55歳、あるいは60歳が定年で、年金もしっかりありましたから、老後はつつましやかながらものんびり、といった人生があったことでしょう。</p>

<p>ところが、これからはそういうわけにはいきません。<br />
年金制度は親たちの世代で限界を迎え、若い人たちのなかには、すでに年金を受け取ることを期待すらしていない人も多いようです。<br />
「好きな趣味三昧」という老後は、ごく一部の恵まれた人に限られたものになるのかもしれません。</p>

<p>そんな時代を生きる60代ですが、かつて夢見たであろう老後というのは、いまははるか先の話です。定年を迎えたあと、会社から放り出されて、これからどうやって生きていけばいいのか。いまの会社に非正規として延長雇用されるか、別の働き口を探すのか...そんな不安を抱える人もいます。</p>

<p>一方で、心身の加齢による変化も著しくなってきますが、それを感じさせないほど元気で、気力に溢れている60代の人も数多くお見受けします。<br />
おそらく、若い頃に比べれば体力に自信がなくなり、記憶力などの能力の衰えを意識することもあるのかもしれませんが、周囲が驚くほどエネルギッシュに、若々しく過ごしている人も多いように思います。</p>

<p>60代は体力や能力の衰えよりも、むしろ役割を終えるさみしさが強くなっていく時期でもあります。<br />
部長ではなくなり、上司ではなくなり、会社員でもなくなる。<br />
こうして少しずつ役割を失っていくことに、孤独を感じてしまうのです。<br />
「まだまだやれる!」という意識と、社会から世代交代を迫られる圧に揺さぶられ、迷いを感じることも多い時期かもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>年をとると怒りの感情を抑制するのが困難になる</h2>

<p>70歳になると、保険証とは別に「高齢者受給証」が交付され、75歳になると後期高齢者となります。病気や死が、自分自身も含めてますます身近になってくる年代です。<br />
人生100年時代に大事なのは健康寿命で、その分岐点になるのが70代だといわれています。</p>

<p>以前に東京大学が行った調査によれば、男性で70％、女性で88％の人が、70代の半ばから自立する力が衰えはじめ、なんらかのサポートが必要になってくるとしています（『東大がつくった高齢社会の教科書：長寿時代の人生設計と社会創造』東京大学出版会）。</p>

<p>70代になると、体の自由も徐々に利かなくなり、若い頃のようにはいろいろなことができなくなります。しかし、経験は豊富で、知識の蓄積もあり、経験や知識による理解力、考察力、適応力といった知能は若い人に比べて劣っていないどころか、むしろ優れている部分もあります。</p>

<p>よく、「すぐに名前を思い出せない」「頭の回転が鈍った」などといいますが、それは、あくまでも知能の一部でしかありません。</p>

<p>なかでも、言語性知能と呼ばれる、言葉を使って表現したり、考えたりする知能は、年を経るごとに向上していくとされます。体の活動能力は低下していくものの、知能の活動能力はむしろ高まっていく時期といえるでしょう。</p>

<p>そのため、老いの悲しみ、失われるさみしさの反動で、自分の能力や経験をひけらかし、説教したり、叱ったり、文句をいったりしがちになるということにも気をつけなくてはならないフェーズに入っていきます。</p>

<p>こういった傾向が現れてくるのには理由があり、人の精神面に大きな影響を与える神経伝達物質であるセロトニンの合成量が加齢により減少してくることで、怒りの感情を抑制することが困難になるのです。</p>

<p>セロトニンは、食事や日光浴でも補うことができるので、バランスの取れた食事や散歩などを心がけるのもひとつの手です。<br />
高齢者の知識や経験、それらに裏打ちされた知能は、本来、尊敬されるべき能力ですので、ぜひとも、その能力を有意義に活かしていただきたいものです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_racismG.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 28 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中野信子（脳科学者）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>フランケンシュタインはホラーではない　岸田奈美×小川公代「ケアの倫理」で見えてくる怪物の孤独  岸田奈美（作家）,小川公代（上智大学外国語学部教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14151</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014151</guid>
			<description><![CDATA[岸田奈美さんのラジオに、ゲストとして登場した上智大学教授の小川公代さん。岸田さんは、小川さんが言及したケアの倫理という考え方に救われたという。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="岸田奈美×小川公代" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260417kishidanamiogawakimiyo.jpg" width="1200" /></p>

<p>「100文字で済むことを2000文字で書く作家」と自称し、『傘のさし方がわからない』（小学館文庫）をはじめ、発表するエッセイや小説が常に話題となるのが岸田奈美さんです。岸田さんがパーソナリティを務めるポッドキャスト番組「岸田奈美のおばんそわ」に、初のゲストとして登場したのは、ケアに関する言説を幅広く展開する上智大学教授・小川公代さんでした。</p>

<p>おふたりの話は、フランケンシュタインの物語は単なるホラーではないということ、「ケアの倫理」という考え方に救われたエピソード、介護する側の心の問題......と、多様にそして深いところにまで降りていくものとなりました。同じ環境と問題を共有し、お互い「打てば響く」状態のおふたりによるトークの様子を、ご紹介します。</p>

<p>構成／山内宏泰</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>怪物が出てくるホラー？ 『フランケンシュタイン』の誤解</h2>

<p>【岸田】ポッドキャスト「岸田奈美のおばんそわ」、46回目の配信にして初めてゲストが来てくださいました。小川公代さんです。改めてご紹介すると、上智大学外国語学部英語学科の教授であり、18世紀の医学史や英文学の研究者です。</p>

<p>『ケアの物語―フランケンシュタインから始める』をはじめ、『世界文学をケアで読み解く』、『ケアする惑星』、『ケアの倫理とエンパワーメント』など、ケアに関する著書を多く書かれています。</p>

<p>以前の配信でも『ケアの物語―フランケンシュタインから始める』を取り上げさせていただきました。この本で、小川さんはメアリー・シェリーが書いた『フランケンシュタイン』を引用してケアの話をされているんです。ただ私、勘違いをしていて、「フランケンシュタイン」は怪物の名前だと思っていました。</p>

<p>【小川】それはよくある誤解ですね。怪物をつくったヴィクター・フランケンシュタインという科学者の話です。</p>

<p>【岸田】『フランケンシュタイン』は怪物が出てくるホラーかと思えば、よく読むと「ケアを受け取ることができなかったゆえに、怪物が身も心も怪物になってしまった」話です。これは私が知るべき物語だと思いました。私自身が家族に障害があったり、父親を亡くしてたりするなかで、気がつけばケアとともにあった人生だと気づくきっかけになった本となりました。</p>

<p>小川さんはその後、シリーズ「ケアをひらく」から『ゆっくり歩く』を出版されます。病気になられたお母様について思いを巡らされたエッセイであり、言葉のやり取りについて大きく取り上げたドキュメントです。笑えるお話もしみじみさせられるお話もあっていいですし、作中に聞こえてくる和歌山弁の響きもいい。</p>

<p>【小川】ありがとうございます。確かに和歌山弁は優しい感じがしますよね。トーンが柔らかいというか。編集者が関東の方なので、ときどきコミュニケーションがうまくいかなくて、たとえば仏壇に手を合わせるとき「まんまいちゃん」と言うんですけど。</p>

<p>【岸田】「まんまいちゃん」、うちも言います！</p>

<p>【小川】ですよね。担当編集者にはそれが「通じないんじゃないか」と指摘されて。結果的にこの表現をそのまま使ったんですけど、知らない人にとっては「何なんだこれは」となるんですね。</p>

<p>【岸田】小川さんがケアについて研究を始められたのは、お母様のことがきっかけですか。</p>

<p>【小川】はい、そうです。それまでオカルトやゴシックしか研究しておらず、ゾンビは人に噛み付くし吸血鬼は人の血を吸うしで、ケアと反対の方向性を持ったジャンルをかれこれ20年、30年研究してきました。でもよく読むと、たとえばフランケンシュタインは「ケアが欠落するとどうなるか」という仮説のような物語です。</p>

<p>【岸田】私も読んだとき、フランケンシュタインにけっこう感情移入しちゃいました。</p>

<p>【小川】怪物というか、このクリーチャーが、どうして復讐をするようになってしまったのかといえば、「親ガチャ」という説明もできますよね。どういう家庭に生まれ落ちたいか自分で決められるわけではありませんから。</p>

<p>私も、岸田さんもそうかもしれませんが、わりと愛にあふれる家庭に生まれ落ちてラッキーだったのかもしれない。普通の家庭で育って教育もつけてもらえた人にとっては、クリーチャーのように、生まれた瞬間に捨てられるような境遇で育つ人の苦しみを想像するのは難しいです。だれかの苦悩を、なかなか想像できない。結局「想像力」の問題です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>他者の物語に触れる意味</h2>

<p>【岸田】クリーチャーが物語の中で旅をして、優しくされたりもするんですよね。盲人の方と出会って、目が見えないから怖がられず、優しくされたと思ったり。でも盲人の息子にやっぱり追い出されてしまう。人として扱われる、人権を与えられるチャンスかと思ったのにそれが与えられず、絶望します。そういうことって、現代を生きる私たちでも共感できると思います。</p>

<p>【小川】犯罪を犯してしまった人たちが最初から悪だったのか。親の暴力を受けたりネグレクトにあったりという経験があって、追い込まれて犯罪に手を染めざるを得なくなったことも多いのかもしれません。他の人たちが生きてきた足跡みたいなものを、文学や物語は語ってくれます。だから他者の物語に触れるのはすごく大事なことだと思います。岸田さんのご本も、他者と出会う物語ですよね。</p>

<p>【岸田】私もよく「障害のあるお母さんと暮らして偉い」「たいへんね」と言われたりしますが、私はこの人生しか知らないからわからないんです。</p>

<p>車椅子の母とミャンマーに行った話を書きましたが、海外だと改めて「こういうふうに見られてるんだ」とわかったりします。ミャンマーではいろんな人が車椅子を押して、あちこち連れていってくれるんです。それが仏教的に「徳を積む」ことにつながるみたいで。なので車椅子の人がいたら絶対に助ける。でも「前世に悪いことをしたから障害者になった」という感覚もすごくあって、そこは前近代的です。</p>

<p>【小川】『フランケンシュタイン』のクリーチャーって「究極の他者」なんですよね。日頃「マジョリティ」として生きやすい人生を歩んでいる人が、「マイノリティの人たちの苦しみなんて知らない」と言い切ってしまったら終わりです。社会は何も変わらなくなる。そういうことに気づかせてくれるという意味でも岸田さんの書くものは重要だし、影響力があると思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ケアの倫理」を知って衝撃を受けた</h2>

<p>【岸田】私は本当にあったことだけを書いているんです。ミャンマーでのこともそうですけど、いろんな出会いによって自分の思い込みがなくなったり、生きやすさをちょっとだけ感じたりすることがある。でもなぜそうなるのかはわかっていませんでした。そんなときに小川さんの「ケアの考え方」を聞いて、「あっ、これか！」みたいになった。「ケアの倫理」という考え方に、私はすごく救われました。</p>

<p>小川さんが引用されていますが、ケアの倫理とは、キャロル・ギリガンさんという方が提唱されたもので、「自己と他者の関係性の間で揺れ動きながら葛藤し、容易には答えを出さずにいる姿勢」というもの。</p>

<p>私はケアと聞いて「優しい」とか「思いやり」とか「障害者や弱い人に正しい行いをする」ということだと思い込んでいたので、自分には当てはまらないと考えていました。私は性格が悪いし、間違ったこともいっぱいしているから、いい人じゃないと思っていたんです。でもそうじゃない、「こっちかな、あっちかな、この人が助かるのはどっちかわからないけど、間に立って揺れ動いている」という姿勢自体がケアなんだと知って、衝撃を受けました。</p>

<p>【小川】岸田さんは沖縄にお母様と旅行する話も書いておられますけど、自分のために旅行するのとはまったく違ってきますよね。お母様のために準備をするとなると、やっぱりたいへんでしょう。移動ひとつとってもそうだし、目的地に着いてからもホテルはバリアフリーかどうかなど、調べ上げておかないといけない。</p>

<p>私もいま介護を何年間か続けていて、たいへんなことだらけなので。擦り切れて疲弊するし、手間ばかりかかるのに結局うまくいかないことが多かったりする。「こんなこと続けていたら自分はどうなるんだろう」と不安になってしまいます。近代人然として、つまり個人という単位でものを考える人は「正義の倫理」の人です。ケアの倫理は自己と他者の間で揺れるのですが、正義の倫理は自分の人権を守ろうとします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>介護を始めて直面した「ヴァージニア・ウルフの矛盾」</h2>

<p>【岸田】行ったり来たりするのが大事だと思います。完璧に両立するのはかなり難しいでしょう。小川さんは、最初は正義の倫理の側に立たれていたんですか。</p>

<p>【小川】どちらかというと正義しか知りませんでした。学生時代イギリスに留学していて、個人主義の国なので、自分の権利を主張しなければ生きていけない。突き詰めていくと、人のことにかまっていては自己実現ができないことになります。</p>

<p>でも、そればかりだと結局孤独になってしまうわけです。だれとも関係性を構築しないまま「自分だけよければいい」となる。その代わりにお金を稼ぐみたいなところもあります。自立するお金さえあれば身の回りのことはできますし。</p>

<p>これを私は「ヴァージニア・ウルフの矛盾」と勝手に呼んでいます。ヴァージニア・ウルフはフェミニズムを牽引した女性として知られていて、「500ポンドと自分ひとりの部屋があれば仕事を始められる」と言った人でもあります。お金を稼がないと部屋も借りれず、自立もできないと言ったのです。</p>

<p>ですがウルフはじつは、自己実現ばかり考えていた人でもない。彼女の小説を読むと主人公は「専業主婦」の物語がほとんどなんです。「自分の部屋なんてとうてい持てない女の人」のことを書いています。そこに矛盾があるような気がします。</p>

<p>私にとって母の介護を始めてからの数年間というのは、ずっとこの矛盾と向き合う日々だったのかなと思います。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 27 Apr 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[岸田奈美（作家）,小川公代（上智大学外国語学部教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>“強迫症”に苦しむ女性　小さな成功体験で得た「やらなくても、何も起きなかった」安心感  広岡清伸（精神科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14126</link>
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			<description><![CDATA[「湯船につかって100数えないと恐ろしいことが起こる」&quot;強迫症&quot;に苦しんでいた女性が日常を取り戻したプロセスを、精神科医の広岡清伸さんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="広岡清伸著『ごめんなさい、もうこれ以上頑張れません』" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityLI/pixta_NayamiWomanLI.jpg" width="1200" /></p>

<p>「湯船につかって100数えてから出ないと、母に良くないことが起こる」――そんな不安に襲われ、大人になってもお風呂での儀式を続けていた高橋楓(仮名)さん。ところが、精神科専門医の広岡清伸さんの下に通い始めると、「100秒&rarr;70秒数える」に変えられるようになるなど、少しずつ不安が薄れていったそうです。</p>

<p>本稿では、「強迫症」という心の病で苦しんでいた高橋さんが&quot;自分らしい日常&quot;を送れるようになった軌跡を、広岡さんに伺います。</p>

<p>※本稿は、広岡清伸著『ごめんなさい、もうこれ以上頑張れません』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>※本記事は特定の治療法を推奨するものではありません。実際の治療・服薬に関するご判断は、必ず主治医または専門医にご相談ください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>儀式から自然な習慣へ</h2>

<p>高橋さんは入浴前にシミュレーションを行い、70まで数える日々を続けていきました。来院時に話す声や表情は、少しずつ落ち着きが戻ってきています。入浴のときも、「前より呼吸が楽になりました」と話していました。数を減らしても何も起こらない。その実感が、確かな安心につながっていったのです。</p>

<p>ある日の診察で、わたしは次の段階として「50まで数える」練習を提案しました。数カ月前までは100数えないと湯船を出ることができなかった高橋さんです。さすがに短くすることに不安な表情を浮かべましたが、70のときと同じように、診察室で何度もシミュレーションしてから挑戦することになりました。1カ月ほど経つと、高橋さんは「50でも大丈夫」という手ごたえを得ます。</p>

<p>高橋「最近、また70まで数えてみようと思うことがあって」</p>

<p>広岡「何かありましたか？」</p>

<p>高橋「数ではなくて......50だとお風呂に入った気がしないというか」</p>

<p>広岡「湯船につかったら、しっかり体をあたためたいですからね。ゆっくり数えてみるのはどうですか？」</p>

<p>高橋「ゆっくり......そうですね。やってみます」</p>

<p>この70から50へのチャレンジをくり返していく過程で、「顔を半分だけお湯につけて数える」という決まりごとも、「ゆっくり呼吸をしながら数える」に切り替わっていきました。つまり、簡略化(短くする)を続けているうちに、やり方を替える(代替)という流れが自然に始まったのです。わたしはとてもいい傾向だと思いました。</p>

<p>高橋さんの入浴は、「不安をやわらげるための儀式」から、「体をあたためるための自然な習慣」へと戻ってきていたからです。やがて高橋さんは、「母の病気と自分の行動は無関係だった」と、頭ではなく体験として理解できるようになりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>やらなくても何も起きない</h2>

<p>それからの診察では、お風呂の決まりごとを変えるだけではなく、通勤時の行動にも変化を与えていきました。たとえば、彼女は必ず歩道の左側を歩くのが決まりごとでした。そこで、わたしは「横断歩道を渡って右側を歩いてみませんか？」と提案しました。といっても、絶対に渡る必要はありません。</p>

<p>・「できない」と思ったら、やめる</p>

<p>・「できるかも」と思ったら、渡ってみる</p>

<p>・右側を歩けそうなら進んでみる</p>

<p>・「無理だ」と思ったら、戻ってかまわない</p>

<p>ここでのポイントは、「無理強いはしない」ということです。無理をすれば患者さんの心をより深く傷つけてしまう恐れがあるので、わたしは絶対にやりません。</p>

<p>世界で広く行われている強迫症の治療法のひとつに、決まりごとを行う場面にあえて入り、その場で強迫行動を止めて、不安が静まるまで耐えるという方法があります。入院して行うときは医師や看護師が、家庭では家族がストップ役を担います。</p>

<p>うまくいけば、「儀式をしなくても大丈夫だった」という体験を通して、不安が弱まっていきます。しかし、すべてがうまくいくわけではありません。途中でつらくなって治療を続けられなくなったり、「やらされた」「苦しかった」という思いだけが残る人もいます。</p>

<p>病棟を持たない精神科クリニックの外来では、恐怖や拒否感から、途中で脱落する人も少なくありません。そのため、実際の日本の外来診療では、この方法を積極的に取り入れている医師は多くなく、薬物療法が中心になっているのが現状です。</p>

<p>わたしは、患者さんの不安心(心の中のネガティブな成分)だけに焦点を当てて「我慢させる」治療よりも、平常心(心の中のポジティブな成分)にある主体性を大切にしたいと考えています。病気になったからといって、その人の人格や意思を軽んじたくないのです。</p>

<p>そこでわたしが行っているのが、「平常心での段階法」です。正式には「広岡式代替え療法・段階的強迫儀式改善法」と名付けています。この方法は、以下の順番で進めます。</p>

<p>・無理に止めない</p>

<p>・平常心でイメージする(シミュレーション)</p>

<p>・少しずつ行動を変える</p>

<p>・成功体験を積む</p>

<p>高橋さんの場合も、いきなり「100まで数えずに出ましょう」と言っても、恐怖が強すぎて実行できません。そこでまず、診察室で、70まで数える「心の中のリハーサル」を行いました。</p>

<p>湯気やお湯の感覚、呼吸のリズムを思い浮かべながら、「70で止めても大丈夫だった」という場面を静かに再現していきます。不安や恐怖を感じる脳の部分と、落ち着いて判断する部分は、練習を通して新しい結びつきをつくっていきます。</p>

<p>平常心でのシミュレーションと代替行動の成功をくり返すことで、「やらなくても大丈夫だった」という安心の記憶が少しずつ増えていくのです。この「平常心でのシミュレーション+代替行動」の過程こそ、わたしの提唱する肯定的体験療法の実践的な形です。「不安を我慢させる訓練」ではなく、「不安を感じながらも落ち着いて行動できた」という成功体験を積み重ねる訓練なのです。</p>

<p>さて、高橋さんは横断歩道を渡れたのでしょうか。翌週、高橋さんはこう話してくれました。</p>

<p>高橋「一度だけ渡ることができました。2、3歩右側を歩いて戻ったんですけど、特に何も起きませんでした。それから......」</p>

<p>広岡「それから？」</p>

<p>高橋「横断歩道を渡ったとき、少し風が気持ちよかったんです」</p>

<p>不安でいっぱいだった頃には、きっと気づけなかった&quot;心地よさ&quot;。このような小さな快の知覚こそ、回復の大切なサインだとわたしは思っています。それからも少しずつですが、高橋さんの中にある「確実にできなければならない」という強いこだわりは、ゆるやかなものになっていきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>不安があっても、きっとやり過ごせる</h2>

<p>数カ月がたち、高橋さんの生活は決まりごとの連続ではなく、だんだんと&quot;普通&quot;を取り戻していきます。お風呂は「数を数える決まりごと」から、「1日の終わりに体と心を休ませる時間」へと変わりつつあります。洗う順番を間違えても気づかないままお風呂場を出ることがあると、笑いながら話してくれました。</p>

<p>ある日の診察で、彼女はふと話し始めました。</p>

<p>高橋「わたしの儀式のひとつに、電柱と壁の間を通るというものがあったのを覚えていますか？」</p>

<p>広岡「ああ、ありましたね。最近はどうですか？」</p>

<p>高橋「3日前、歩道を歩いているときに、「あれ？」と思って振り返ったんです。2つくらい電柱が見えました。前は、あの隙間を通らないと悪いことがあると思っていたのに、この間は隙間を通ったかどうかが気にならなくて」</p>

<p>その言葉を聞いたとき、わたしは、強迫症の「治る」とは何かを改めて考えました。高橋さんの日常を縛りつけていた決まりごとは、明らかに少なくなっています。しかし、不安が完全に消えたわけではありません。いまでも高橋さんは、湯船の中で「数が抜けたかも」と気になったり、歩道の右側を歩きながら違和感を覚えて戻ったりすることがあります。</p>

<p>高橋「でも、その不安をやり過ごすことができるようになりました」</p>

<p>広岡「いま、高橋さんの日常は快適ですか？」</p>

<p>高橋「快適ではないこともありますけど、快適になってきています。それに、母の状態も安定しているので」</p>

<p>わたしはカルテに一行、こう書き足しました。</p>

<p>「がんじがらめの決まりごとから解放されつつある」</p>

<p>わたしは、強迫症の「治る」とは、不安がゼロになることではなく、不安があってもやり過ごせて、日常生活を自分らしく送れることだと考えています。</p>

<p>高橋さんは、症状が落ち着いた後も、変わらずお母さんのことを思いやる優しい人でした。かつてはその優しさが、自分を追い詰めていたのは確かです。けれどいまは、その思いを&quot;支える力&quot;へと変えることができています。</p>

<p>最近高橋さんは、お母さんが好きな音楽のCDをかけてみたり、昔の家族写真を見たりしながら、お母さんと一緒に語らう時間を大事にしているそうです。「母はいつも家族の真ん中にいました。母が笑ってくれると、こっちも元気になるんです」と、少し照れくさそうに話してくれました。</p>

<p>以前は、&quot;何か悪いことが起きないように&quot;と行動していた高橋さんが、いまは、&quot;母の笑顔を見たいから&quot;と動いている。強迫症は、高橋さんの優しさを苦しみに変えてしまいました。しかしその優しさは、いまや強さに変わり、自身とご家族を支える力になっています。</p>

<p>強迫症とは、自分の心と行動への信頼が、そっと失われていく病です。不安心の霧の中で、人は儀式という細いロープを握りしめます。こうしていれば大切な人を守れる、こうしていれば自分は壊れずにいられる――そんな切実な願いから編まれたロープです。</p>

<p>けれどそのロープは、いつしか心を締めつける縄となり、息をすることさえ難しくしていきます。回復とは、その縄を断ち切ることではありません。平常心という、静かで確かな場所から、少しずつ、ゆっくりと、健全な生活行動へと編み直していくことです。</p>

<p>「やらなくても、何も起きなかった」</p>

<p>その小さな体験をひとつ積み重ねるたびに、不安心はほどけていきます。そして、気づけば、かつて自分が信じられなかったはずの心が、もう一度、自分を支えてくれるようになります。強迫症の回復とは、自分の精神と行動への信頼を、ふたたび取り戻していく旅路なのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 27 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[広岡清伸（精神科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ツキノワグマのフンに80個超も！ 「マイクロプラスチック」が動物に与える影響  木口達也（日本シーム株式会社 代表取締役CEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14093</link>
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			<description><![CDATA[野生動物のフンの約80％からマイクロプラスチックを検出。レジ袋や食品包装が雨風で山中に運ばれ、食物連鎖を通じて人体にも影響が及ぶ可能性を、調査データをもとに解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="環境問題" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_earth_2.jpg" width="1200" /></p>

<p>2023年の国際研究によると、海の表面だけで171兆個（約230万トン）のマイクロプラスチックが漂い、海底にもさらに1400万トン以上が蓄積しているとされています。</p>

<p>「マイクロプラスチック」とは、紫外線や風・波の力で砕けて直径5ミリ以下になったプラスチックの粒のことで、これが何十年、ときには何百年も自然環境の中で分解されずに残ってしまいます。</p>

<p>この汚染は海にとどまらず、山奥の野生動物の体内からも確認されています。ツキノワグマやカワウソのフンから見つかったプラスチック粒。その出どころは、実は私たちの日常生活のすぐそばにあります。書籍『僕が使ったペットボトルはどこへ行く？ 13歳からのサーキュラーエコノミー超入門』より解説します。</p>

<p>※本稿は、木口達也著『僕が使ったペットボトルはどこへ行く？ 13歳からのサーキュラーエコノミー超入門』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>陸の野生動物のフンにもマイクロプラスチック</h2>

<p><img alt="" height="1540" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatsuya24.jpg" width="1200" /></p>

<p>これまでプラスチック汚染は主に海洋生態系の問題として注目されてきました。</p>

<p>しかし、国際環境NGOのグリーンピースが台湾で行った調査によると、陸上の野生動物もマイクロプラスチックの深刻な影響を受けていることが判明しています。森林に生息する野生動物のフン、そして生息地の水の約80％からマイクロプラスチックが検出されたのです。</p>

<p>こうした状況は、私たちが日常生活で出しているプラスチックごみが、野生動物の体内にまで入り込んでいることを示しています。</p>

<p>ちなみに、この調査対象となったツキノワグマやカワウソ、テンなど哺乳類の生活圏から採取したフンや水のサンプルからは、最大で1グラムあたり80個以上のマイクロプラスチックが見つかっています。これは、ティースプーン1杯のフンに、80個もの小さなプラスチック粒が混じっていたということです。</p>

<p>また、動物の生息地である川の水や森林の土壌からも、私たちがふだん使っているプラスチックと同じ成分（ポリエチレン、ポリプロピレンなど）が検出されました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>山奥のごみの「出どころ」も実は私たちのすぐ近く</h2>

<p><img alt="" height="1155" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatsuya23.jpg" width="1200" /></p>

<p>プラスチックごみによる汚染は、単に「環境が汚れている」というだけの話ではありません。</p>

<p>それは、私たちがふだんの暮らしで出したごみが、目に見えないかたちで自然を壊し、私たちの体にもその影響が戻ってきているという証拠でもあるのです。</p>

<p>前項で触れた台湾での調査をもとに、その実態を次の5つの視点にまとめてみました。</p>

<p>①汚染の「出どころ」は私たちのすぐそば、②フンに潜むプラスチック粒の大半はほぼ見えない、③生態系への深刻な影響、④私たちもすでに「食べている」かもしれない、⑤解決のカギは「減らす」と「リサイクルする」。</p>

<p>それぞれ、簡単に説明します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>①汚染の「出どころ」は私たちのすぐそば</p>

<p>レジ袋や、お菓子の包装、壊れたボールペンなどのプラスチックごみ、洗濯の際に流れ出た化学繊維などは、雨に流され、風に飛ばされ、山や森にたどり着きます。</p>

<p>つまり、たとえ山の中で人間が生活していなくても、プラスチックごみだけが自然に入り込んでいるのです。しかも、それが分解されずに残り続けています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>驚くほど小さなマイクロプラスチックから動物の体が受ける影響</h2>

<p><img alt="" height="1604" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatsuya22.jpg" width="1200" /></p>

<p>②フンに潜むプラスチック粒の大半はほぼ見えない</p>

<p>野生動物のフンの中に含まれていたマイクロプラスチックの多くは、サイズが1ミリ以下で、肉眼ではほとんど見えないほどの大きさです。それらは、植物と一緒に食べられたり、水と一緒に飲み込まれたりして、知らないうちに動物たちの体の中へ入っていたのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>③生態系への深刻な影響</p>

<p>体内にマイクロプラスチックを溜め込んだ動物たちは、消化がうまくできなかったり、体内の臓器にダメージを受けたりする可能性があります。</p>

<p>また、汚染が続くことで、動物たちの数が減り、植物や昆虫、鳥などを含む「自然のバランス」そのものが崩れてしまう危険もあるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>マイクロプラスチックの食物連鎖</h2>

<p><img alt="" height="1197" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatsuya21.jpg" width="1200" /></p>

<p>④私たちもすでに「食べている」かもしれない</p>

<p>マイクロプラスチックは、小さな魚 &rarr; 大型の魚 &rarr;人間へと、食物連鎖を通じてつながっていると言われています。</p>

<p>そして実際に、魚介類の内臓のほか、塩、はちみつ、飲み水、空気中のちり、人間の肺や胎盤などからも、マイクロプラスチックが検出されているのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>⑤解決のカギは「減らす」と「リサイクルする」</p>

<p>マイクロプラスチックは、とても小さく、いったん自然に出てしまうと、あとから集めることはほとんどできません。</p>

<p>だから大切なのは、はじめから減らすこと。そして何より、きちんと回収して、必ずリサイクルすること。使い終わったプラスチックを「ごみ」にせず、もう一度材料に戻し、新しい製品に生まれ変わらせる。この繰り返しこそが、地球を守る力になります。</p>

<p>「使って、捨てる」社会から「使って、集めて、また使う」社会へ。リサイクルを広げることが、未来を守るいちばん確かな道なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_earth_2.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 27 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[木口達也（日本シーム株式会社 代表取締役CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「アクセスが悪いから客が来ない」は間違い? 遠くても行きたいと思わせる観光地の共通点  内藤英賢（合同会社Local Story代表）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13967</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013967</guid>
			<description><![CDATA[世界の観光トレンドである「体験価値」。日本ではアクティビティ市場が発展しきっておらず、まだまだチャンスが豊富にあると内藤英賢さんは語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="内藤英賢著『観光ビジネス』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hiking.jpg" width="1200" /></p>

<p>旅行するときに「重要視すること」はなんですか？料理、ホテル、イベントーー旅行の目的は人それぞれですが、世界に目を向けてみると博物館めぐりやガイドツアーなどの「体験価値コンテンツ」が観光トレンドになっていると、観光地のマーケティング・ブランディングを手がける内藤英賢さんはいいます。</p>

<p>内藤さんいわく、「日本のアクティビティ市場は世界最低水準で、まだまだチャンスが眠っている」とのこと。日本の体験アクティビティの可能性について、語っていただきます。</p>

<p>※本稿は、内藤英賢著『観光ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>チャンスしかない！日本の体験アクティビティビジネス！</h2>

<p>世界の観光トレンドで押さえておきたいポイントの1つが、「世界の旅行のトレンドは体験価値を求めている」こと。つまり、体験価値コンテンツの需要はますます重要になることは間違いがない訳です。そして、その世界のツーリストが日本で増えることもまた追い風になります。</p>

<p>つまり、この体験コンテンツは非常に伸びしろがあるジャンルだと言えます。このことに最も気づいているのはどこでしょう？そう外資ホテルたちなのです。</p>

<p>海外で体験価値は旅行の中核をなす価値だという認識であり、体験アクティビティに多額の費用を払う旅行客がいると知っているが故に、日本のマーケットを見ると必然的にチャンスしか感じないのだと思います。</p>

<p>例えば、イギリス最大手のチェーンホテルIHGのインディゴブランドシリーズでは、地域との連携をブランド体験の重要なポイントに組み込んでおり、フランス最大手のアコーグループのグランドメルキュールシリーズでも、同様のコンセプトで展開されており、いかに外資系ホテルが地域特有の体験価値を宿泊体験に組み込むことを重要視しているかが分かります。なぜでしょうか？</p>

<p>それは地域固有の体験価値が、売上と予約の質に直結するからです。英国のトラベルテック企業Turneo(トルネオ)社のデータによれば、ホテルで体験アクティビティを予約したゲストは、そうでないゲストに比べてキャンセル率が30％も低くなることが分かっています。さらに、滞在期間も長くなり、結果として客室単価やホテル内消費額も向上するという相関関係が実証されているのです。</p>

<p>したがって、多くの外資系ホテルの公式Webサイトを見ていただくと「experience(体験)」というページがわざわざ用意されているのです。日本の旅館ホテルの公式Webサイトをご覧いただくと、「客室、料理、お風呂(温泉)、館内案内、観光案内、アクセス」というコンテンツはあれども、「experience(体験)」というコンテンツを持つところは驚くべき少なさであることが分かると思います。</p>

<p>ここでもまた、外資の方が日本の魅力を良くわかっているというパラドキシカルな現象が起きているのです。そうまさにホテルと体験コンテンツがドッキングしていくというのが今後の日本の観光ビジネスにおいて極めて大事なポイントになるでしょう。</p>

<p>旅行者はその宿に泊まりたいから旅行に行くのでしょうか？(もちろんそういうデスティネーションになりえる宿も世の中には存在しますが)多くは、見たい景色や、食べたい料理や体験したいことがあり、そこに行きたいから近くの宿に泊まるという順序なのではないでしょうか？</p>

<p>そうであれば、旅行者に対して、宿泊事業者も一体となって地域の魅力的なコンテンツを紹介するというのが当たり前なのではないでしょうか？そのための「experience(体験)」コンテンツなのです。</p>

<p>ここでもうひとつ大事な点があります。それは、「紹介する観光コンテンツは不平等であれ！」ということです。少しあえて強い表現を使ったのは、日本での体験コンテンツ紹介となると、変に平等主義が過ぎて、全ての体験コンテンツを画一的に一律に紹介して「はい。この中からお好きなものを選んでください」というスタイルが非常に多いです。</p>

<p>これは一見親切のように見えて、非常に不親切な設計です。遠方から来る旅行者はどの体験コンテンツのどの事業者が優れた体験価値を提供してくれるのか分からないので、むしろ「この観光地に来たらこれをやれ！」くらいの強いお勧めを旅行客は望んでいるのです。</p>

<p>そして、宿泊施設の公式Webサイトは旅行計画時の事前閲覧率が非常に高いのです。観光に行くために、旅行者は様々な下調べをしますが、飲食や体験などが当日決めることが多いのに対して、宿泊は事前に見てしっかり決めることが多いので、宿泊施設が体験コンテンツをしっかり紹介して上げることは、「その地に行く」という意思決定を含めてとても大事な活動になります。</p>

<p>今後、このことに気付き、宿泊施設と体験アクティビティを一体となって紹介販売していくエリアは世界中のツーリストから選ばれるエリアになることでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>辺境の地から始まる日本アクティビティの逆襲！</h2>

<p>「でも、どうせ日本人は買わないでしょ？」という意見も出るかと思います。これに関しては、まだ大筋そのとおりなのですが、私の意見では「少しずつですが確実に日本も体験コンテンツにお金を払うようになってきている」と感じるところがあります。</p>

<p>全国を巡る中で、「北こぶしが凄い」という意見を聞くことが多々あり、実際に赴いてみました。北こぶしとは北海道、知床にあるリゾート旅館「北こぶし ホテル＆リゾート」のことです。</p>

<p>知床はアイヌ語で「さいはての地」を意味するくらい、日本でも最果ての地です。しかし、ここで、日本の観光の未来が凝縮したような素晴らしい取り組みをしているリゾートと場所があるので、紹介したいと思います。</p>

<p>北こぶしは最寄り空港の女満別空港から車で2時間という立地にあります。このホテルのコンセプトは「ネイチャーリゾート」、自館のことを全面に出すのではなく、知床という圧倒的な大自然がコンセプトであるという発想です。</p>

<p>これは正に前述した「人はホテルを目的地にするのではなく、その土地、観光地を目的として来ている」と言うことを正しく理解している結果だと思います。したがって、そのネイチャーリゾートを最も体験価値として提供してくれる存在であるガイドが最重要コンテンツとして位置付けられているのです。</p>

<p>北こぶしの桑島専務は次のように語ります。「ホテルのスタッフがお客様と触れあえるのはチェックインと夕食の時のわずかな時間です。ところがガイドは何時間もお客様と共に時間を過ごすので、お客様から得られる情報やお客様に与える印象が桁違いなのです」と。</p>

<p>まさにそのとおりで、ガイドを受けた旅行者は、その土地の自然、文化、歴史に深く触れることになり、その旅は心の中に深く刻まれることになります。それこそが体験価値となるのです。北こぶしの公式Webサイトを見ると、やはり「エクスペリエンス」というページが存在し、この地が提供できる体験価値を紹介しているのです。</p>

<p>いや、それは北海道知床の大自然があるのだからできるのだという声もあるでしょう。いえ、それはそんなことはありません。</p>

<p>例えば、福井県あわら温泉のホテル八木さんが提供している「蓮如上人の足跡を巡るガイドツアー」ですが、福井県あわら温泉には北海道のような圧倒的な大自然はありません。どちらかというと、バブル期に流行ったであろう全国で良く見かける温泉街です。</p>

<p>ところがひとたび、外に出てガイドを受けると、戦国動乱期に京都を追われた本願寺蓮如上人が追手から逃げてあわら温泉近くにある吉崎という地で、一大拠点を築いていたというストーリーを知ることができ、当時、「蓮如の話を聞くために、全国から数万人とも言われる人が車もない時代にこの吉崎を訪れた、蓮如はスーパースターだったのです」――このような説明を受けると、その土地に関する造詣がぐっと深まり、その土地のファンになるのです。</p>

<p>今後、このような取組みをして観光地のファンを増やしてリピーターを獲得できる観光地、体験価値を国内外の旅行客に提供できる観光地だけが発展していくことでしょう。よく地方の観光地に行くとこのようなことを言われます。「ウチはアクセスが不便だから観光客が来ないんですよ」</p>

<p>しかし、それは全くの間違った見解であると思います。人は見るべき、食べるべき、体験すべきコンテンツがあれば這ってでもいくのです。海外の人がこぞって訪れる山形県蔵王や銀山温泉は東京から5時間近くかかります。年間400万人が訪れる草津温泉も東京から4時間近くかかります。電車も通っていません。それでも人は訪れるのです。なぜでしょうか？</p>

<p>そこに行くべきコンテンツがあるからです。そして、人の往来が増えれば、アクセスは必ず整備されます。なぜならビジネスになるからです。</p>

<p>「コンテンツはアクセスを凌駕する」これは私が様々な観光地を見てきた中で言える真実です。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 27 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[内藤英賢（合同会社Local Story代表）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「集中できない」を10秒で解決　作業療法士が教える“簡単な思考リセット術”  菅原洋平（作業療法士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14167</link>
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			<description><![CDATA[他のことに気が散って集中できない時の対処法とは――作業療法士の菅原洋平さんが、10秒程度で簡単にできる思考をリセットする方法を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="菅原洋平著『仕事が速い人があたりまえにやっていること』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_confusion.jpg" width="1200" /></p>

<p>やらなければいけない仕事・課題があるのに、全然集中できない――そんな経験をしたことがある方は多いと思います。そうした状況に陥ったときには、「いったん作業と行動の間に&quot;すき間&quot;を作ることが大切」だと、作業療法士の菅原洋平さんはいいます。</p>

<p>本稿では、集中力が続かないときに簡単に実践できる「思考リセット術」を見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、菅原洋平著『仕事が速い人があたりまえにやっていること』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>脳の暴走を「10秒」で止める必殺技</h2>

<p>「やばい！あれこれ気になって、やるべきことに集中できてない！」</p>

<p>そう思ったら、早急にドーパミンを抑えて、本来やるべきことに意識・行動を切り替えましょう。ドーパミンによる欲求行動は、欲求と行動の間に「すき間」をつくることができれば収まります。いったん作業や思考をストップし、席を立って10秒歩き、また元の作業に戻ってみましょう。これだけで、ドーパミン欲求回路の暴走はスーッと消えていきます。</p>

<p>「そんな簡単なことで？」と思うかもしれませんね。このときの脳内では「デフォルトモードネットワーク」が働いています。デフォルトモードネットワークとは、安静にしているときに脳の複数の領域が働いてつくられるネットワークのことで、それまでに得た情報をまとめ、スッキリと整理する役割を担っています。これは、自動車のアイドリングのようなもので、次に動き出すための準備をしている状態でもあります。</p>

<p>逆に、「デフォルトモードネットワーク」の機能が弱まっていると、脳内で情報がぐちゃぐちゃに散らかったような状態になってしまいます。書類やゴミが散らかっているデスクをイメージしてもらえればわかりやすいかもしれません。</p>

<p>そこで、欲求と行動の間に「すき間」をつくって情報から離れることで、この「デフォルトモードネットワーク」を意識的に働かせれば、ドーパミンによる欲求を抑制できるということなのです。</p>

<p>加えて、実は「デフォルトモードネットワーク」が起動すると、創造力やひらめき力が高まることにもつながります。これは、脳内の情報が関連づけられるからです。</p>

<p>たとえば、仕事で「女性の冷え性を改善する商品」の企画を考えていたとしましょう。冷え性についての議論をしていて行き詰まったとき、いったん席を立って歩いていると、頭の中ではこんなことが起こることがあります。</p>

<p>「女性」&rarr;「子どもを抱っこしているイメージ」&rarr;「乳児が眠いときの反応」&rarr;「耳が温かい」&rarr;「耳を温めると血流がよくなると聞いた」&rarr;「女性のために耳を温める商品はどうか！」</p>

<p>こんな感じで、脳が勝手に周辺情報を関連づけ、別の視点から新しいアイデアが浮かぶことがあります。「たかが、ぶらぶら歩くだけで......」と軽視しがちですが、その効果は侮れないんです！関連づけられ、情報の意味が再評価されることで、同じ情報でも意味が変わり、ひらめきとして自覚されます。</p>

<p>よくクリエイターの方が言う、「リラックスしているときにアイデアがおりてくる」という言葉も、この仕組みを知っていれば納得なのではないでしょうか。集中力を持続したい、ひらめきがほしいときにも、意図的に席を立って、10秒ほどぶらぶら歩いてみるのがおすすめです。</p>

<p>ちなみに、ドーパミンが過剰になっているときは、体に次のようなサインが表れます。これらの変化を見つけたら、「あっ、いま自分の脳がドーパミンに乗っ取られているな」と思うようにしてください！</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>休日に仕事のメールをつい見てしまい、イヤな気分にならない方法</h2>

<p>欲求と行動の間に「すき間」をつくって「デフォルトモードネットワーク」を起動する。こうして衝動を抑え、余計な情報を排除する方法は、さまざまな場面で使えます。10秒どころか、一瞬で実践できる方法もあるんです。たとえば、こんなシーンを想像してみてください。</p>

<p>今日は、家族と紅葉を見にドライブ。サービスエリアで車を止めて、トイレ休憩をしようと歩き出したとき、ふと、思ったより時間が経っていることに気づきます。外部の連絡から離れる時間がいつもより長いことに不安を感じたあなたは、メールをチェックしたい衝動にかられます。そこでメールを開いた瞬間、目にする景色は一変します。</p>

<p>「社内で検討しました。来週以降で打ち合わせの時間をいただきたいのですが、ご都合いかがでしょうか」</p>

<p>この文章を見た瞬間に、たちまち周囲の景色が遠ざかっていきます。あなたの頭の中は、提出した企画の内容、先方の反応、それまでのメールの文面から察する態度、来週以降のスケジュールの埋まり具合、次に話をするときの切り出し方などがどんどん湧き出てきて、いっぱいいっぱいに。</p>

<p>家族の問いかけには生返事になり、紅葉を見ても細部を堪能することもできず、帰りの運転はどんなルートで帰ったのかもよく覚えていない――。</p>

<p>こんな経験がある人は、多いのではないでしょうか。とくに仕事に追われている人は、休日でも仕事用のメールやSNSを確認しがち。ドーパミンの「衝動」によってストレスフルな環境から抜け出しづらい傾向があります。</p>

<p>そこで、衝動を感じたら、行動の前に一瞬の「すき間」をつくり、別の行動につなぎ換える訓練をしましょう。たとえば、次のような方法です。</p>

<p>①「やめた！」「キャンセル！」などと頭の中でつぶやく</p>

<p>②お守りを握る、お香をかぐなど簡単にできる動作をする</p>

<p>③真っ白いキャンバスを思い浮かべる</p>

<p>こうしたことをすれば、衝動はすぐに過ぎ去ります。休日に気になったメールも、本当に必要な状況でなければ、「見てみようかな」と思った瞬間に、頭の中で「やめた！」とつぶやいてみてください。その後は「なにかきているかな」という衝動は起こりません。</p>

<p>私の場合、「やめた！」とつぶやくこともありますし、もっと簡単な方法として、自分が電池切れになったようなイメージで、「はぁー」と力なく息を吐いてダラーッとすることもあります。期待に高まって硬くなった体の力が抜けると、そこからまた行動を起こすのが面倒くさくなるので、「これをしなくちゃ」という衝動が弱まります。</p>

<p>また、作業をし続けているときには、アロマオイルを1滴ティッシュペーパーに垂らして手元に置いておくこともあります。衝動的になっているときは息が止まっているので、香りをかぐことで自然に息が吐かれて衝動が収まります。</p>

<p>こうして一瞬の「すき間」をつくるだけで、あなたの脳は余計な情報から解放され、「仕事が速い人」になっていきます。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 27 Apr 2026 08:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[菅原洋平（作業療法士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>面倒な仕事を渡す?　「静かな退職」のための後輩指導  海老原嗣生（サッチモ代表社員/大正大学表現学部客員教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12222</link>
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			<description><![CDATA[「静かな退職」を職場で全うするための後輩指導とは？雇用ジャーナリストの海老原嗣生に解説して頂く。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_jyoushibuka.jpg" width="1200" /></p>

<p>働いてはいるけれど、積極的に仕事に意義を見出していない「静かな退職」状態のビジネスパーソンが、日本にも浸透し始めているという。</p>

<p>そんな「静かな退職」を職場で全うするための後輩指導とは？雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏に解説して頂く。</p>

<p>※本稿は『静かな退職という働き方』（PHP研究所）より一部を抜粋編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>あんがい後輩は、丁寧な指導より「静かな指導」を望む</h2>

<p>ここで、質問です。あなたがもし新入社員だったら、「親切が過ぎるほどで、やたらと細かく教える」先輩についてどう思いますか？　</p>

<p>これは心理学的にも、またマネジメント則でもよく言われることなのですが、上司は親切なつもりでも、度が過ぎると、相手は以下の２つの反応をするのです。</p>

<p>①細かな「指導」にがんじがらめとなり、うまく行動できなくなる。</p>

<p>②「こんなわかり切ったくだらない指導、聞いてられるか」と見下すようになる。</p>

<p>どちらも経験があるでしょう。</p>

<p>家電の使い方マニュアルを読んだ時のことを思い出してください。事細かに書かれ過ぎていて、何をやればいいのかわからなくなりませんか？</p>

<p>「まず初めに電源を入れます」という指示を見て、「わかってるわ！」と読み飛ばしませんか？</p>

<p>部下も同じなのです。度を過ぎた指導（「何をやるべきか＝What」の羅列という意味で&quot;What&quot;型指導と呼ぶ）は、効果が薄く、部下を疲弊させます。だから必要最小限の、ともすると「そっけない」指導で十分。それは「静かな退職者」の行動原則に合っているでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>後輩指導「４つの鉄則」</h2>

<p>ただ、必要最小限のそっけない指導をする際、注意すべきことが4つあります。</p>

<p>1つ目は「マナー」。</p>

<p>高圧的だったり、ぶっきら棒だったり、面倒くさがったり、といった態度は厳禁。それらが重なると、「そっけない指導」は「不親切」という心証に変化してしまうでしょう。</p>

<p>そう、ここでも心証点は大切です。指導は少なくても良いので、いつも笑顔。そして、丁寧な言葉遣い。決して怒気を含んではいけません。</p>

<p>これだけ注意すれば、後輩からは少なくとも嫌われることはなくなるでしょう。</p>

<p>2つ目は、「業績につながる可能性が高いこと」を集中的に伝える。これも「静かな退職者」の行動そのものですね。</p>

<p>過剰指導者はえてして「必要もないこと」や「極めて可能性の低いこと」まで指導し、その延長線上で「精神論」に及ぶことが多いのです。それは、部下の行動の成功確率を確実に下げ、頭を大いに混乱させるでしょう。</p>

<p>対して、「業績につながる可能性が高いこと」に絞ったスリムな指導は、その主旨を理解するのもたやすく、情報量も少ないから身につけやすく、そして、ある程度の業績が必ず上がります。</p>

<p>つまり、指導するあなたは楽をしているのに、相手の部下も満足できるという良き関係を築けるでしょう。</p>

<p>3つ目は、自分の「静かな退職」哲学をうまく伝えること。</p>

<p>「俺（私）は、合理的な人間で、うまくいく可能性が高いことに絞って仕事をする。やっておけば将来どこかで役に立つ、というような確率の低いことはしない。</p>

<p>そういう部分は教えられないが、仕事の中核である業績に直結した部分については、俺（私）から学べるはずだ。あとは、ほかの先輩に付いた時に、学んでほしい」旨、伝えておくのです。</p>

<p>そして4つ目。これが難しいのですが、「Way」で指導すること。</p>

<p>あれやれ、これやれと、細切れに多々言う指導法をWhat 型と言いましたね。対してWay型は「この通りにやれば、うまくいく」という、つまり&rdquo;成功への道筋&rdquo;を示す型の指導法を言います。</p>

<p>以下、事例で考えてみましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>WhatではなくWayを基本にする</h2>

<p>たとえば新人に営業の仕方を指導する場合、以下のような教え方になりませんか？</p>

<p>先輩　「いいか、これからは週に50万円売れよ。それが目標だ」</p>

<p>新人　「それって、何をすればいいのでしょうか？」</p>

<p>先輩　「まず、1日に2件は必ず顧客訪問しろ」</p>

<p>新人　「そのためには、何をすればいいのですか？」</p>

<p>先輩　「30件は電話かけをしろ」</p>

<p>新人　「そのためには、何をすればいいですか？」</p>

<p>先輩　「50件リストを集めろ」</p>

<p>次々に「What」が出てきましたね。こうした指導をしていると、新人はその通りに行動したあと、こんな泣きを入れてくるはずです。</p>

<p>新人「先輩の言う通り50件リストを集めて、30件電話をかけましたが、1件もアポが取れません。どうしましょう...」</p>

<p>この場合、新人は先輩の言う通り行動しているのだから、文句は言えないでしょう。だから、先輩はこんな言葉を返すしかないはずです。</p>

<p>先輩「そうか、よく頑張った。じゃあ、明日からリスト集めを100件にしよう！」</p>

<p>こういうタイプの指導者は永遠にWhatしか出てこないのです。</p>

<p>一方、Way型の先輩の指導は、こんな感じになるはずです。</p>

<p>「いいか、30件電話をかけると4〜5件は、かつてわが社を使ってくれていたのに、今はライバルに逃げてしまった顧客が出てくるはずだ。</p>

<p>そうした時に、しっかりと、わが社のどこがダメだったか、聞け。相手は失望や怒りがあるから、それをぶつけてくれる可能性は高い。</p>

<p>それはお前の勉強にもなるから、本気で吸収し、感謝をしろ。そして最後に、こう言ってみろ。</p>

<p>『ありがとうございます。勉強になりました。ただ、それから3年も経って、わが社もだいぶ改善しました。今度、パンフレットをお届けさせてもらえませんか』」</p>

<p>この指導であれば、100％ではなくとも、かなりの確率でアポが取れるでしょう。</p>

<p>ではなぜ、この先輩はWhat ではなくWayを語れたのでしょう？　その理由は、「確率の低いことを連綿とこなす」ことを指向せず、「うまくいく可能性の高い道筋」を追求し続けたからと言えるでしょう。</p>

<p>すなわち、Wayを語るという行為と、「静かな退職」は親和性が高いのです（まあ、ここまでできる人であれば、「静かな退職」よりもスピード昇進を選ぶかもしれませんが）。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>面倒な仕事を後輩に渡すコツ</h2>

<p>また、後輩には指導の一環として、自分が担当している「面倒な仕事」を渡すこともできます。</p>

<p>ただし、闇雲にこれをやると、「あの先輩は後輩に対して雑な扱いをしている」と、悪い評判がたちまち蔓延し、心証点を下げることにつながるでしょう。</p>

<p>なので、面倒な仕事をやってもらう場合には、前もって計画的に、いつ、どのような仕事を任せるかを伝え、その意義（この仕事をやっておくと、○○の能力が身につくなど）もしっかり示すようにしてください。</p>

<p>後輩から「飲みに連れて行ってほしい」と頼まれた場合、これは自由意志でイエス/ノーを示せばよいでしょう。後輩相手なら気を遣う必要もなく、自分のペースで話せます。</p>

<p>しかも、気兼ねなく断ることもできる。仕事ではなく、余暇の楽しみと思えるような相手であれば、もちろんOKすればよいでしょう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Sun, 26 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[海老原嗣生（サッチモ代表社員/大正大学表現学部客員教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>AIに勝てない時代、人の価値とは？ 初タイトル獲得時の一力遼が示した答え  田中章（共同通信客員論説委員）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13709</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013709</guid>
			<description><![CDATA[「一力番」記者として、一力遼五冠のキャリアを見続けてきた著者。後にいくつものタイトルを獲得する、その最初の一冠はどのように奪取したのか。その詳細を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="田中章氏「二刀流の棋士」" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_AI.jpg" width="1200" /></p>

<p>多くの名勝負を制し、囲碁界を席巻した一力遼（いちりき りょう）五冠。今回は、初のタイトル獲得となった、第45期碁聖戦の最終局を振り返るとともに、その後に寄稿した記事「進化するAIと囲碁」を紹介する。</p>

<p>※本稿は、田中章著『二刀流の棋士 一力遼』（日本棋院）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>入段10年で悲願の初タイトル</h2>

<p><img alt="田中章「二刀流の棋士」" height="900" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/202602TanakaSho04.jpg" width="1200" /></p>

<p><img alt="田中章氏「二刀流の棋士」" height="900" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202602TanakaSho03.jpg" width="1200" /></p>

<p>第2局から11日後の8月14日、東京都千代田区の「日本棋院東京本院」で第3局が打たれた。羽根の黒番。黒は右上と右下、左下の3カ所で地を取り、白は勢力、とこれまでの2局と同じ形で進行する。午前中に46手まで進み、AIの評価は互角だ。</p>

<p>昼食休憩1時間の後、午後に入って白は上辺を固め、地を広げる。黒は上辺から中央に石を運ぶが、まだ大きな戦いは起きない。じりじりした時間が続き、互いに秒読みになる。そこで羽根が満を持して左辺の白に襲いかかった。白のシノギ勝負になる。</p>

<p>局面図の黒1の出が問題だった。白2に石が来たことでダメがつまる形になり、白4のツケから白6のハネが手になった。白10を見て羽根が投了した。160手で白番中押し勝ち。</p>

<p>黒1で単に参考図の黒1と打つと、やはり白2とツケて白6まで生きている。この後、ヨセ勝負だが、白がわずかに残っているという。実戦のように白aがあれば、同じように打つと白6では当然、白b切りとなる。この図の形を前提に実戦では白6のハネが手になった。</p>

<p>この日が44歳の誕生日だった羽根、1年で碁聖を返上する無念の1日となった。「気づいたときには苦しい形勢で、中盤までの進行がおかしかったのかなと。今の力は出し切れたと思う。それでも足りなかったということです」。「貴公子」と形容される紳士の羽根らしい潔い敗戦の弁だった。</p>

<p>一力は開口一番に「入段して10年、やっとという感じでホッとしています」。実感がこもっていた。これまで5回、挑戦したタイトル戦で悔し涙を流した背景がある。</p>

<p>対局室は大勢の報道陣が詰めかけている。碁聖奪取の興奮から少し冷静になって「序盤から前例のない進行で判断が難しく、形勢も分かっていなかった。最後、生きることができて少し残るかと思いました」と振り返り「1局目は紙一重の碁。2局目は負け碁で勝てたのは運がよかった。3局通して難しい碁でしたが、自分の力を出せたのはよかった」と分析した。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>記者として書き記したAIとの向き合い方</h2>

<p>10月16日、東京で碁聖の就位式があった。記念して河北新報は「囲碁　広がる魅力と可能性」の大見出しで2ページ特集を組んだ。そこに一力は「進化するAIと囲碁」と題する記事を書いている。引用する。</p>

<p>「8月、七大タイトルの一つ『碁聖』を獲得することができました。仙台で幼年期から応援していただいた多くの方々の支えによって結果を出すことができました。改めて感謝申し上げます。</p>

<p>囲碁の世界は、4年前に大きな転換期を迎えました。グーグルの人工知能（AI）『アルファ碁』が人間のチャンピオンにハンディなしで勝利したのです。アルファ碁が登場する前は、チェスや将棋では人間より強いAIが現れていたものの、囲碁で人間を超えるのはまだ先だと誰しも思っていました。</p>

<p>囲碁は局面のパターンが無限に近いほど存在しており、将棋のような『相手の王を取る』といった明確な目的もないため、AIにはハードルが高いと考えていたからです。アルファ碁の勝利は、人間が抱いていた固定概念を打ち破り、全世界を震撼させました。</p>

<p>その後、日本や中国をはじめ多くの国で強いAIが誕生しました。今は人間をしのぐAIが数多く存在し、人間とAIとの関係に変化が生じています。3年ほど前までは対決が多かったのですが、AIが人間を超えた現在は人間がAIを活用して勉強するようになりました。</p>

<p>人間同士の対局にも、AIが大きな影響を与えています。AIが推奨する手には以前では考えられなかったような打ち方も多く、極端に言えばAI登場の前後で囲碁が全く異なる競技になった印象です。</p>

<p>私はその変化について『AIが囲碁の奥深さを再認識させてくれた』と考えています。常識外れと思われた手法が有力であることは、すなわち囲碁がそれだけ自由であることを示しています。私自身、AIの考えを取り入れることにより発想の幅が広がったと感じています。</p>

<p>AIが高いレベルに達した現在、人間同士の対局にはどのような価値があるのでしょうか。私は、個性を表現することが大事だと考えています。AIが人間を超えたのは事実ですが、全くミスをしないというわけではありません。AIが気付かない手が最善となる局面も多々ありますし、形勢が悪くなると暴走することがあります。そのため、AIに依存しすぎるのは危険です。</p>

<p>AIの長所をうまく吸収しながら、自分らしさも出していく。これからは『AIとの共存』が重要になるでしょう」</p>

<p>AIと囲碁の関係を分析した小論文だが、囲碁だけでなく社会全般に対しても示唆する内容を含んでいる。2045年はAIが人類の知能を超えるシンギュラリティ（特異点）になるという予測がある。その影響について人間がAIに支配されてしまうという悲観論、利用すればいいだけでそのようなことは起こらないとする楽観論さまざまだ。</p>

<p>囲碁や将棋の世界では既に人間を超えている。それを実感として日々触れているプロ棋士として出した結論が「共存」という態度だ。「依存しすぎるのは危険」「長所をうまく吸収しながら、自分らしさ（人間らしさ）を出していく」ことがこれからAIと人間の関係でもあろう。</p>

<p>碁聖を獲得したからといって浮かれていられない。国内戦や国際戦、まだまだ先がある。次のステップを踏まなければならない。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_AI.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 25 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[田中章（共同通信客員論説委員）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>パニック、脱走、避難生活のストレス　災害時に愛猫と生き延びるための3つの備え  川嶋伶（猫壱カンパニー CEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14142</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014142</guid>
			<description><![CDATA[猫壱の代表・川嶋伶さんは、猫と暮らす人がすぐにでも始めた方がいい災害への備えについて紹介してくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="猫の防災" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_cat4.jpg" width="1200" /></p>

<p>「猫の避難は犬よりも難しい」。これは、猫と暮らす飼い主が直面する、重い現実です。</p>

<p>2024年1月1日に発生した能登半島地震から約1年半が経過した2025年夏の調査では、発災直後に高まった飼い主の防災意識が徐々に低下し、「何から準備すればよいかわからない」と回答する層が約2.5割にのぼる実態が明らかになりました。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000026351.html)&nbsp;</p>

<p>なぜ猫を連れての避難は困難を極めるのか。最新のデータや猫の習性からその理由を紐解き、飼い主が今日から始めるべき「日常の備え」について考えます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>なぜ「猫の避難」は犬より難しいのか？3つの構造的要因とは</h2>

<p>1.行動特性の違い：猫ならではの反応と行動</p>

<p>犬の場合、訓練や主従関係を通じてパニック時でもある程度の制御や指示が期待できます。しかし、猫は犬とは異なり、人の指示に従うことを前提とした動物ではなく、パニック時には野生の本能が強く働きます 。飼い主と一緒の避難を試みても、暴れたり逃げ出したりするリスクが犬よりも極めて高く、避難の難易度を押し上げています。</p>

<p>2.法的枠組みの欠如：逃げ出した後のリスク</p>

<p>意外に知られていないのが、災害時にペットが逃げ出してしまった際の「法的保護」の差です。犬には狂犬病予防法に基づき、収容・保護する公的な仕組みが確立されていますが、猫には同様の法的枠組みがありません 。一度屋外へ逃げ出してしまえば、自力での再会は犬以上に困難となります。</p>

<p>3.避難生活でのストレス耐性</p>

<p>アンケートによると、避難生活で飼い主が最も懸念しているのは「猫のストレスと体調不良（96.3％）」です。(https://digitalpr.jp/r/114244) 猫は環境の変化に非常に敏感であり、避難所での騒音や人の出入り、慣れないケージ内での長時間の拘束は、猫にとって命に関わるレベルの過度なストレスになり得ます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>新たなリスク：猫を介した感染症「SFTS」の脅威</h2>

<p>近年、避難や保護の現場で無視できなくなっているのが、マダニが媒介する感染症「SFTS（重症熱性血小板減少症候群）」です。私たちもこの問題を、単なる動物の健康問題ではなく「人と猫の双方を守るべき課題」として強く認識しています。2025年には、三重県で猫の診療に関与した獣医師がSFTSを発症し、死亡する事例が報告されました。(https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/IASR/Vol46/546/546r08.html)&nbsp;</p>

<p>猫はSFTSウイルスに対する感受性が高く、感染すると致死的な症状を示すことがあります。被災地や避難時など、屋外との接点が増える環境では、猫を介した人間への二次感染リスクも前面化します。獣医療関係者向けの手引き（2024年版）でも、猫の診察時における防護具（PPE）の着用や、非侵襲的な検査手法の重要性が説かれています。(https://www.niid.jihs.go.jp/images/vet/animal-borne/animal-borne-2_2024-07-04.pdf) 安全に猫を隔離・搬送できる能力は、今や飼い主自身の身を守るための「公衆衛生上のスキル」でもあるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>避難の成功を左右する日常の「ケージ慣らし」</h2>

<p>防災グッズは「備えて終わり」ではありません。私たちが多くの飼い主様と接する中で感じるのは、「日常に取り入れられていない備えは、いざという時に機能しない」という現実です。最新の防災指針では、非常時の負担を軽くするために日常使いしながら備える「フェーズフリー」という考え方が主流になっています。</p>

<p>1.ケージを「安心できるシェルター」に</p>

<p>多くの飼い主は、ケージやキャリーを押し入れにしまい込み、通院などの「嫌なイベント」の時だけ取り出します。これでは、猫にとってケージは「恐怖の象徴」となってしまいます。</p>

<p>対策として、普段からリビングにケージを広げておき、中でおやつを与えたり、フリースマットを敷いて寝床として開放したりすることが重要です。</p>

<p>2.「おちつくネット」の併用</p>

<p>パニックで暴れる猫をそのままキャリーに入れるのは至難の業です。こうした際、洗濯ネットのように猫が落ち着くことのできる網状の袋に入れることは、猫の視界を遮り、狭い場所を好む習性を利用してリラックスさせる効果があります。</p>

<p>ネット越しに注射や診察を受けられるため、避難所や病院でのストレスも最小限に抑えられます。この「ネットに入れる習慣」も、爪切りなどの日常ケアを通じて慣らしておくことが不可欠です。</p>

<p>3.ポータブル製品の活用とシミュレーション</p>

<p>住宅の倒壊や車中避難、避難所での生活を想定し、折りたたみが可能で持ち運びに適した「ポータブルケージ」や「ポータブルトイレ」の準備が推奨されます。</p>

<p>私たちも猫のストレス軽減と飼い主の扱いやすさの両立を目指し、日常から使えるポータブルケージの開発・販売に取り組んでいます。</p>

<p>実際に猫がそのトイレで排泄できるか、ケージ内で食事ができるかなど、平時に「お泊まりごっこ」としてシミュレーションしておくことが、非常時の生存率を左右します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>備えは愛情の形</h2>

<p>環境省はペットの同行避難を推奨していますが、現実には自治体の受け入れ体制には依然として課題があり、「避難所で猫は受け入れてもらえないのではないか」という不安を持つ飼い主は8割を超えています。(https://digitalpr.jp/r/114244)&nbsp;</p>

<p>私たち猫壱は、防災専業のメーカーではありません。しかし、「猫と人がより良く暮らす社会をつくる」という視点から、この課題に向き合う責任があると考えています。だからこそ、「猫のための防災マニュアル」を無料で提供し、日常の延長線上でできる備えの重要性を伝え続けています。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 24 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[川嶋伶（猫壱カンパニー CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ゾウの乱獲を防いだ「プラスチック」発明の歴史と、150年後に訪れた深刻な問題  木口達也（日本シーム株式会社 代表取締役CEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14095</link>
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			<description><![CDATA[象牙の代替品として誕生したプラスチック。「夢の素材」はなぜ世界的な環境問題の元凶となったのか。発明の歴史から高度経済成長期の大量消費社会の形成までをわかりやすく解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="プラスチック" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_plastic.jpg" width="1200" /></p>

<p>ペットボトルやレジ袋など、プラスチックは今や私たちの生活に深く入り込んでいます。その普及の歴史をひもとくと、便利さの裏で拡大してきたごみ問題や、マイクロプラスチック汚染との切り離せない関係が見えてきます。プラスチックの誕生から高度経済成長期までをたどりながら、私たちの暮らしとの関係を考えます。書籍『僕が使ったペットボトルはどこへ行く？ 13歳からのサーキュラーエコノミー超入門』より解説します。</p>

<p>※本稿は、木口達也著『僕が使ったペットボトルはどこへ行く？ 13歳からのサーキュラーエコノミー超入門』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ゾウを救った!? プラスチックの歴史とは</h2>

<p><img alt="ゾウを救った!? プラスチックの歴史" height="1370" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatsuya01.jpg" width="1200" /></p>

<p>プラスチックの発明は、象牙（ゾウのキバ）を守るために役立ったと言われています。</p>

<p>いまから150年以上前、1870年ごろのアメリカでは、ビリヤードの玉に象牙が使われていました。象牙はとても高価なため、ゾウの乱獲にもつながっていました。</p>

<p>そのころに登場したのが、象牙の代わりになる人工素材「セルロイド」です。これは、天然由来の材料をもとに人の手でつくられた「人類初のプラスチック」でした。</p>

<p>しかし、もともとは動物の保護に役立ったと言われていたプラスチックが、やがて、海や陸で分解されないまま何十年、何百年も残ってしまう「プラスチック汚染」などのさまざまな問題を生むことになろうとは、当時の誰も想像していなかったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>合成プラスチック時代の幕開け</h2>

<p><img alt="ベークライト" height="1277" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatsuya02.jpg" width="1200" /></p>

<p>セルロイドの開発から40年ほど経った1907年、ベルギー生まれのアメリカの化学者レオ・ベークランドが、世界で初めて「合成ポリマー」からプラスチックをつくることに成功しました。</p>

<p>その名も「ベークライト」。</p>

<p>熱に強く、電気を通さず、さまざまな形に加工できるという性質を持っていて、電話機やスイッチ、ラジオの部品などに広く使われるようになりました。「合成プラスチックの時代」は、ここから始まったのです。</p>

<p>ちなみにベークライトは、1950年代にポリプロピレンなどのより性能のいいプラスチックが普及するまでの間、多くの製品に使われることになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【豆知識】<br />
「ポリマー」とは、「モノマー」と呼ばれるとても小さな粒（分子）が数百〜数万個以上もつながってできた、分子量の非常に大きい「高分子化合物」のこと。そして、石油などを原料に人工的に合成された高分子化合物を「合成ポリマー」と呼びます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>プラスチックの黄金時代</h2>

<p><img alt="プラスチックの黄金時代" height="1475" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatsuya05.jpg" width="1200" /></p>

<p>その後、20世紀前半から中盤にかけての約30年間は「プラスチックの黄金時代」と呼べるほどの発明ラッシュが続きます。</p>

<p>・1920年代： ポリスチレン（発泡スチロールなどの原料）がポリマーとして認識される<br />
・1930年代： ポリエチレン（レジ袋やボトル類）、ナイロン（衣類）などが発明される<br />
・1940年代： ポリエステル、アクリル、ビニールなどが次々と開発される<br />
・1950年代： プラスチックは安くて軽くて便利な「夢の素材」となり、その用途は食品容器・家庭用品など生活の中に一気に広がる</p>

<p>わずか30年ほどの間に、私たちの暮らしを大きく変える素材が次々と生まれたのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第2次世界大戦期は軍需品として重宝される</h2>

<p><img alt="第2次世界大戦期" height="1591" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatsuya06.jpg" width="1200" /></p>

<p>この時代の最も大きな出来事は、なんといっても戦争です。</p>

<p>第2次世界大戦（1939～1945年）の期間中、プラスチックは軍需品として大量に使われるようになります。<br />
金属が不足する中で、軽くて加工しやすいプラスチックは、兵器や飛行機、通信機器の部品として重宝されたのです。</p>

<p>そして戦後、プラスチックはさらなる転機を迎えます。技術が広く民間へと移り、プラスチック製品が一気に家庭に広がっていくことになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>高度経済成長期が普及を加速した</h2>

<p><img alt="高度経済成長期" height="1682" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatsuya04.jpg" width="1200" /></p>

<p>家庭にプラスチックが大きく普及していくきっかけとなったのが、高度経済成長期でした。</p>

<p>日本における「高度経済成長期」とは、一般的に1954年（昭和29年）ごろから1973年（昭和48年）のオイルショック直前までの約20年間を指します。この時期、日本は戦後の復興を終え、年平均で実質10％前後の経済成長率を記録しながら、世界有数の工業国へと成長していきました。</p>

<p>そしてその中で、次のような生活基盤がどんどんできていったのです。</p>

<p>・大規模なインフラ整備（新幹線・高速道路）<br />
・大量生産・大量消費社会の始まり<br />
・家電の「三種の神器」（テレビ・冷蔵庫・洗濯機）の普及<br />
・スーパーマーケットの普及</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>いつの間にか、身の回りにあふれたプラスチック</h2>

<p><img alt="身の回りにあふれたプラスチック" height="1181" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatsuya07.jpg" width="1200" /></p>

<p>この便利な暮らしは、次のような3つの流れを生み出しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>①家庭用プラスチック製品の登場と普及</p>

<p>この時代に、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を使った家庭用品が急増しました。もともと木や金属、ガラスなどでつくられていた洗面器やバケツ、コップ、弁当箱、おもちゃなど、身の回りの多くのものがプラスチックに置き換わりました。</p>

<p>②使い捨て文化の定着</p>

<p>「衛生的」「軽い」「安い」という理由から、食品包装・レジ袋・使い捨て容器の使用が急拡大し、プラスチックが、一度使ったらすぐ捨てる「消費スタイル」の中心となりました。</p>

<p>③大量生産・大量消費・大量廃棄の時代へ</p>

<p>「早く、安く、たくさんつくる」という価値観が社会全体に広がり、プラスチック製品が毎日のように消費されることが「当たり前」となりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「夢の素材」が「捨てることが前提の社会」をつくってしまった</h2>

<p><img alt="豊かさの象徴" height="1570" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatsuya03.jpg" width="1200" /></p>

<p>このように、プラスチックは一時期、「豊かさの象徴」でもあり、「夢の素材」として歓迎されました。けれど、その裏で、「捨てることが前提の社会」が着々と形づくられていったことも確かです。</p>

<p>『昭和60年版環境白書』によると、東京都で集められたごみの中でプラスチックの占める割合は、高度経済成長期の1965年から1970年のわずか5年間で、3.8％から10.1％へと一気に3倍近くに増加していたとのこと。</p>

<p>高度成長期はプラスチック社会の始まりでした。同時に、いま私たちが直面している「ごみ問題」や「マイクロプラスチック汚染」も、この時代からすでに始まっていたのです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 24 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[木口達也（日本シーム株式会社 代表取締役CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>“話すのが苦手”でも雑談を楽しめる　プロが教える「話を引き出す質問のコツ」  ひきたよしあき（コミュニケーションコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14087</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014087</guid>
			<description><![CDATA[話すのが苦手な人は、質問者として雑談に加わったらいい――そう唱えるコミュニケーションコンサルタントのひきたよしあきさんが、会話を弾ませる質問術を解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_chatting.jpg" width="1200" />雑談と聞くと、「自分も何か発言しなきゃ...」「楽しい話をしないと...」と思うかもしれません。ところが、雑談には「話す」以外の役割があり、「雑談が苦手なら無理して面白い話をしようとせず、&rdquo;聞き専&rdquo;から始めればいい」と、コミュニケーションコンサルタントのひきたよしあきさんはいいます。</p>

<p>では、聞き専を目指すにあたり、どのようなことを意識すればよいのか――本稿では、楽しく会話を続けるための質問術を解説します。</p>

<p>※本稿は、ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>雑談でトスを上げ続けられるかは、「質問の技術」にかかっている</h2>

<p>「この人と話をしていると、なんだか楽しい」という人がいます。話をしていると楽しい人って、どういう人でしょうか。</p>

<p>・面白い話を、たくさんしてくれる人</p>

<p>・テンションが高く、盛り上げ上手な人</p>

<p>たしかにそういう人も、会話が楽しい人ですよね。</p>

<p>もうひとつ、こういうタイプの人も会話の楽しい人です。それは、「会話のトスを上げ続ける人」。一緒にいると会話が弾むのだけど、よくよく考えてみると、相手は「会話のトス」を上げてくれているだけで、つい自分がおしゃべりになって話してしまう。こういうタイプの人です。</p>

<p>話すのが苦手ならば、会話のトス＝相手に聞く、質問することで雑談に加わればいいわけです。では、具体的に相手に質問を続ける方法を紹介します。</p>

<p>まず、気をつけたいのは、答えがYES・NOで終わってしまう質問は、すぐに会話が終了してしまう可能性があるので、避けたいところです。</p>

<p>「もう、お昼食べましたか？」</p>

<p>「あなたの嫌いなものはキュウリですか？」</p>

<p>「明日って、水曜日でしたっけ？」</p>

<p>という質問に対しての答えは、「はい」「いいえ」だけで終わってしまいます。それを防ぐために、質問するときには、英語の「5W1H」を使います。5W1Hとは「When、Where、Who、What、Why、How」のことです。この「5W1Hを活用しましょう」ということはよく言われます。</p>

<p>ただし、いざ質問をするときに、5W1Hがいまいちパッと思い出せないという話をよく聞きます。英語だとイメージしにくいのかもしれません。そこで私は、こう覚えてくださいとすすめています。</p>

<p>・When(いつ)&rarr;「時間の質問」</p>

<p>・Where(どこで)&rarr;「場所の質問」</p>

<p>・Who(誰と・どんな人と)&rarr;「人の質問」</p>

<p>・What(何を)&rarr;「モノの質問」</p>

<p>・Why(なぜ)&rarr;「理由の質問」</p>

<p>・How(どのように)&rarr;「手段の質問」</p>

<p>時間、場所、人、モノ、理由、手段。そう覚えておくのです。使い方は、こんな感じです。「私は、前職で営業をしていました」と相手が話したら、</p>

<p>「いつまで(その仕事を)されていたのですか？」(時間の質問)</p>

<p>「どこで(その仕事を)されていたのですか？」(場所の質問)</p>

<p>「どんな人と一緒に仕事をされていましたか？」(人の質問)</p>

<p>「営業で、何を売っていたのですか？」(モノの質問)</p>

<p>「なぜ、今の仕事に変わられたのですか？」(理由の質問)</p>

<p>「どのようにして、今の仕事に変わられたのですか？」（手段の質問）</p>

<p>というように、「6つの切り口」から質問を作ることができます。質問をゼロから考えるのではなく、まず「6つの切り口」に当てはめて質問する。相手が、質問に答えるように話してくれたら、その内容から、また「6つの切り口」を考える。これであなたは、会話のトスを相手に上げ続けることができます。たとえば、先ほどの「前職が営業」という話の続きであれば、こんな感じです。</p>

<p>相手「私は、前職で営業をしていました」</p>

<p>あなた「なぜ、今の仕事に変わられたのですか？」(理由の質問)</p>

<p>相手「この仕事をやりたいと思っていたからです」</p>

<p>あなた「それは、いつからそう思っていたんですか？」(時間の質問)</p>

<p>相手「10年ほど前からです」</p>

<p>あなた「今は、どんな人と一緒に仕事をしているんですか？」(人の質問)</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>話の最後に質問を付け加える</h2>

<p>会話のトスを上手く上げる方法が、もうひとつあります。それは、「自分の話の最後に、必ず質問をつける」という方法です。たとえば、以下のようなイメージです。</p>

<p>例：昨日のサッカーの試合の話をふられる</p>

<p>「テレビで見ました。私は大興奮でしたが、○○さんはいかがでした？」</p>

<p>例：リモート会議について意見を求められる</p>

<p>「リモート会議のほうが個人的にはうれしいのですが、みなさんはどうお考えですか？」</p>

<p>自分の話の最後に質問を入れ、会話を回していくイメージです。会話のトス役に徹すると、特に自分から話さなくても、口下手に見えません。それどころか、話を回しているように見えます。ぜひ、質問を上手く使って、相手の話を盛り上げる技を身につけてください。</p>

<p>経営学者、経営コンサルタントのピーター・ドラッカーは、こう言っています。「コンサルタントとしての私の最大の長所は、無知になり、いくつかの質問をすることである」雑談も同じ。無知になって、相手にどんどん質問する。そうすれば、相手にも喜んでもらえるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>雑談の極意は「聞き手の好奇心」にあり</h2>

<p>会話を大きく分類すると2つに分かれます。対話と雑談です。対話は、相談すること。雑談は、教えてもらうこと。学生たちに、私はこう教えています。対話は、対等な立場でお互いが意見交換しながら、共通のゴールに近づく相談をすること。会議で売り上げを上げるための議論をすること、相手とWIN&minus;WINの関係を構築する交渉、夫婦で子どもの教育について話し合いをすることは、対話です。</p>

<p>一方、雑談は、決まった目的やゴールがない会話です。雑談で大切なことは、相手に気持ちよくなってもらい、親睦を深めること。だから雑談では、相手に「教えてもらう」という態度を示すことは、極めて有効です。人は、誰かに何かを教えることが好きな生き物です。</p>

<p>・教えることで、「感謝されたい」という欲求が満たされます</p>

<p>・教えることで、自分に自信が持てます</p>

<p>・教えることで、頭のよさを示せます</p>

<p>・教えることで、「いいことをした」という自己肯定感が高まります</p>

<p>人に何かを教えるって、気持ちがいい行為なんです。だから、相手を「教える立場」にしてあげる。これも、雑談が上手くいく極意です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>相手が「もっと話したいこと」を見つける</h2>

<p>相手が教えたいことを探すコツは、こんな感じです。</p>

<p>たとえば相手が、「このところ出張続きで、さすがにバテ気味です」と、言ったとします。この言葉には、「疲れている」という内容のほかにもうひとつ、「がんばっている私を認めてほしい」という意味が含まれているかもしれません。このとき、あなたが何を教えてほしいと伝えたら、相手は喜ぶでしょうか。そのためには、こんな感じで聞いてみてください。</p>

<p>「教えてほしいんですが、出張続きなのに、どうしてそんなに元気なんですか。何か健康のためにやってるんですか？」「教えてほしいんですが、出張先のホテルを選ぶコツってありますか？私、いつも失敗してるんですよ」と、「教えてほしいこと」を質問する。</p>

<p>このときのコツは、「自分が聞きたいこと」ではなく、「相手がしゃべりたそうなこと」を探すことです。ポイントは、次のような気持ちをくすぐること。</p>

<p>・認められたい</p>

<p>・ほめられたい</p>

<p>・共感されたい</p>

<p>・同情されたい</p>

<p>この4つのポイントを「察する力」を磨くことです。ただし、毎回、相手の気持ちにジャストフィットする質問ができるわけではありません。ひょっとして、外れちゃうことのほうが多いかもしれません。でも、そこでがっかりしないでください。</p>

<p>相手の気持ちになって考えた経験は、確実にあなたの雑談レベルを上げています。「しまった、ちょっと当たりが外れたかも」と思うたびに、あなたの中で、チャリンチャリンと経験値がたまっているのです。経験値の貯金は、自分にとってすごい価値になるはずです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_chatting.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 24 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ひきたよしあき（コミュニケーションコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>富裕層はなぜブランドに執着しない？ 資産家と浪費家を分ける「心の持ち方」  川口幸子（金融コンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13419</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013419</guid>
			<description><![CDATA[FPとしてお金に関する多くの相談を受けてきた川口幸子さんが、お金持ちに共通する、ある姿勢を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="富裕層は何よりも時間を重視する" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hourglass.jpg" width="1200" /></p>

<p>富裕層には、案外質素に暮らしている人が多いものです。彼らはなぜあまりお金を使わないのでしょうか。その価値観の中心に置いているものとは？お金を無駄遣いせず、幸せに暮らす方法とは？長期にわたる海外生活で欧米人の富豪らと交流を持ち、ファイナンシャルプランナー（FP）として、多くの人からお金の相談を受けてきた「かわゆ先生」こと川口幸子さんが、富裕層に共通する「心の持ち方」を解説します。</p>

<p>本稿は、川口幸子著『FP歴30年の母が20代の娘に伝えたい人生が変わるお金の話』（日本実業出版社）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>本当に豊かな人たちに共通していること</h2>

<p>「今、自分が持っているもので満足できる」<br />
この感覚を身につけられた人は、人生の土台が安定していると思います。<br />
お金の使い方には、その人の心の在り方がそのまま表れます。<br />
そして、長くファイナンシャルプランナー（FP）として多くの家庭や個人を見てきた私は、本当に豊かな人たちには、ある共通点があることに気づきました。<br />
それが、「足るを知る」姿勢です。</p>

<p>欧米の富裕層から学んだ中で、印象に残っている言葉があります。<br />
あるご夫婦が言いました。</p>

<p>「私たちは、すでに持っているものに感謝しているから、買い物で自分を満たそうとは思わないの」</p>

<p>彼らは資産的には十分に富裕層でしたが、暮らしはとても質素で、愛用の家具や日用品も、何年も前のものを大切に使っていました。</p>

<p>一方、見た目には裕福に見えても、常に「もっと新しいもの」「他人より上に見せたい」という気持ちで消費を重ねる人もいます。こうした消費は、本人に自覚がなくても「心の不足感」を埋めるために行われていることが多いのです。<br />
どちらが本当に豊かなのかは、言うまでもありません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>&nbsp;価値観に合った「もの」・「こと」にお金を使う</h2>

<p>「満足する＝何も買わない」ということではありません。<br />
そうではなく、「本当に必要なもの」「自分の価値観に合ったこと」にお金を使えるかどうかです。お金は道具です。それを比較や見栄のために使い始めると、人生の軸がどんどんずれていきます。</p>

<p>逆に、自分が大切にしたい基準を持ち、満足を感じられる人は、無理のない範囲で自然にお金が貯まっていきます。</p>

<p>20代は、どうしても人と比べてしまいやすい時期です。<br />
SNSを開けば、同世代の誰かが旅行に行き、高級なものを買い、新しい生活を始めている。それを見て「自分は遅れている」「もっとがんばらなきゃ」と感じるのは自然なこと。<br />
でも、他人の生活を基準にしていては、いつまでたっても満足は得られません。</p>

<p>むしろ、「自分にとって大切なものは何か」「今あるものをどう活かせるか」といった視点を持つことで、本当に豊かな暮らしが始まります。<br />
たとえば、使い慣れたノートパソコン、親から譲り受けた家具、丁寧に磨いたお気に入りの靴...。<br />
それらに価値を感じられる人は、物もお金も、人間関係さえも、長く大切にできる人です。</p>

<p>私が家計相談でよくお伝えするルールがあります。<br />
「満足できる人は、収入の範囲で十分に暮らしていける」<br />
逆に、満足できない人は、どれだけ収入が上がっても足りなく感じてしまうのです。<br />
その違いは、金額ではなく「心の基準」の問題なのです。</p>

<p>これから人生を歩んでいく中で、収入は変化していきます。<br />
昇給したり、転職したり、結婚や出産などのライフイベントもあるでしょう。<br />
でも、どんな時も「今あるもので満足する感覚」を持っていれば、あなたの家計も、心も、大きく崩れることはありません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「買う」のではなく「選ぶ」</h2>

<p>イタリアのミラノやローマでは、ブランド店で買い物を楽しむ旅行客が多く見られます。<br />
しかし現地の富裕層女性たちは、ブランドに対する執着がほとんどありません。<br />
彼女たちは「ブランドを買う」のではなく、「良いものを選ぶ」ことに価値を置いています。そのため、全身をブランドで固めた姿を見ることは少ないのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ブランドに興味を示さない4つの理由</h2>

<p>富豪がブランドに興味を示さない背景には、いくつかの理由があります。<br />
第一に、過度な消費に対して慎重な姿勢を持っていることが挙げられます。物質的な豊かさではなく、人生の質そのものに価値を見出しているのです。<br />
高級ブランドは生活の証ではなく、時に価値観を惑わせる存在にすらなり得ると考えています。</p>

<p>第二に、自己認識を高める方法を知っているからです。<br />
経験や教育、人との関わりを通じて成長する術を理解している彼らにとって、ブランドは人格や強さを示す手段ではありません。</p>

<p>第三に、自信に裏打ちされた選択眼を持っていることも理由の1つです。<br />
質の良いものは選ぶが、人の目のためにブランドを選ぶことはしません。<br />
それは、ブランドに頼らずとも自分らしさを表現できるという信念があるからです。</p>

<p>第四に、文化や芸術への深い関心があります。芸術や歴史、建築など、精神的に満たされる趣味を通じて、より豊かな人生を歩もうとする人が多いのです。<br />
このような趣味を持つことで、ブランドに対する興味が薄れるのは自然な流れかもしれません。<br />
もちろん、ブランド品を嫌っているわけではありません。デザインや品質に魅力を感じれば購入しますし、プレゼントすることもあります。<br />
ただし「ブランドだから買う」という価値観はほとんどないのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>高級品を持っていても、お金があるとは限らない</h2>

<p>ブランドを気にしない姿勢の背景には、消費への考え方、自己認識の高さ、自信、そして文化への関心があります。<br />
周囲にブランド品ばかりを身につけた人がいれば、その人は本当にそのブランドが好きなのか、それとも自分を認めてほしいのかもしれません。<br />
そんな人に出会ったら、ビジネスのきっかけとしてほめてみるのも1つの戦略です。<br />
高級車も同じです。富裕層でも車を所有しない人もいますし、危険だからと運転手を雇う人もいます。</p>

<p>あなたが女性であれば、高級車や高価な時計だけで男性を判断せず、その人の中身を見る力を養ってほしいと願います。<br />
その人が身につけている高級品は全財産かもしれませんし、怪しいお金で買ったものだったり、ローンやリースの可能性だってあるのです。<br />
なぜそこまでして高級品を持つのか、一度冷静に考えてみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「お金」よりも「時間」</h2>

<p>富裕層とは、豊富な資産や高収入を持つ人々を指します。日本円にしておよそ1億円を投資に回せるレベルが1つの目安とされます。そして彼らにとって、最も貴重なのが「時間」です。<br />
先にも述べたように、お金は失っても取り戻せますが、時間は一度失えば二度と戻りません。そのため、富裕層は時間を何よりも重視します。</p>

<p>彼らはまず、時間をビジネスの成功に直結させています。効率的に働き、成果を最大化するため、予定管理に妥協がありません。細かく計画を立て、生産性を上げています。<br />
一方で、趣味やライフスタイルも大切にしています。<br />
旅行やスポーツ、美術鑑賞など、自分の人生を豊かにする活動に時間を割くことが彼らの幸福感につながっているのです。</p>

<p>さらに、家族との時間も重視します。とくに子どもとの時間は教育や愛情形成に欠かせないと考え、意識的に時間を確保しています。心の安定も得られます。</p>

<p>また、目標達成や成長に時間を投資することも彼らの特徴です。成功体験から得られる満足感は大きなモチベーションとなり、人生の質を向上させます。<br />
時間を通じて自己実現を図る意識が強く、時間をどう使うかが人生そのものを左右すると理解しているのです。</p>

<p>富裕層の多くは、自分の時間に対する明確な価値基準を持ち、時間の浪費を極力避けます。そのため優先順位を明確にし、必要な業務を他者に任せる決断力も持っています。<br />
自己投資にも熱心です。読書、学習、人脈構築などに時間を使い、長期的な成長と成功を見据えています。自分の時間を最大限に生かす意識が、結果的に富を築く土台となるのです。</p>

<p>時間の使い方こそが、人生を決める鍵。それに気づいているからこそ、富裕層は「時間」に最も価値を置くのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 23 Apr 2026 19:20:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[川口幸子（金融コンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「なんで私ばっかり」そのイライラをコントロールする5つの方法  井上智介（産業医、精神科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12185</link>
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			<description><![CDATA[一日をできるだけ機嫌よく過ごす方法について、精神科医の井上智介さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="井上智介" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nervouswoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事上のちょっとしたミスで「あぁ、やってしまった」と落ち込む、「頑張っているのに評価されない」とイライラする、そんなあなたに、気持ちを切り換えて持続可能な&quot;上機嫌&quot;を手に入れるヒントをお届けします。</p>

<p>※本稿は、『PHP』2024年3月増刊号より内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>そもそも&quot;機嫌&quot;って何？</h2>

<p>一日をできるだけ機嫌よく過ごすのは、あなたの人生の満足度にも大きく影響します。</p>

<p>たとえば職場には納期のドキドキや、人間関係のイライラなどがつきものです。しかし、いつもニコニコしながら仕事をしている人もいて、一体何が違うのだろうと考えたことはありませんか。</p>

<p>実際に、不機嫌の延長線上には精神的な負担の抱え込み過ぎがあり、人によっては療養が必要な状態まで悪化する場合もあります。ここでは、そうなる前に自分にのしかかる負担をコントロールしながら、機嫌よく仕事をするコツについてお話しします。</p>

<p>あなたの機嫌は、「気持ち」と密接に関係があります。では、気持ちとは何なのかについて紐解いてみましょう。実は、気持ちというのは、細かく分けると「情動（エモーション）」と「感情（フィーリング）」に分けられます。</p>

<p>何か起きたとき、まず情動が発動され、次に感情が出てくるという順番です。難しそうな話ですが、あなたも日常的に経験していることなので、安心してください。</p>

<p>情動とは、出来事への瞬間的な心理的な反応です。たとえば、棚の上から何かが落ちてきたら「ドキッ！」とするでしょうし、ビンゴで大きな賞を当てたときは「やった！」と反応するでしょう。大小の差はあれど、だいたいの人で同じような心の反応になるのが特徴です。</p>

<p>しかし、この情動に対して、認知というプロセスを介して、人それぞれで違った感情が生まれます。</p>

<p>たとえば、仕事のミスで叱られる瞬間は、「やってしまった」というネガティブな情動が発動されるでしょう。それに対して、「周りにバカにされるかも」という認知での恥ずかしいという感情や、「降格させられるかも」という認知での不安の感情が渦巻くかもしれません。</p>

<p>その一方で、「自分のために言ってくれている」という認知での感謝や、「これで自分の課題が見えた」という認知でのやる気向上という感情になる人もいます。同じ出来事でも、これだけ感情は異なってくるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「色眼鏡」を取り換えて、物事を捉え直す</h2>

<p>この認知というのは、起こった事実の見え方を変える色眼鏡です。</p>

<p>あなたの価値観や思考のクセとも言えるものであり、今までの知識や経験によって作りこまれているため、Ａが起きているときに「Ｂに違いない」という思い込みや「Cをすべきだ」という決めつけも働きやすく、不機嫌から抜け出せないこともよくあります。</p>

<p>つまり、機嫌よく仕事をするコツは、この色眼鏡をうまく扱うことにあるのです。</p>

<p>大前提として、忘れないでほしいことが一つあります。それは「自分が色眼鏡をかけていると認識すること」です。</p>

<p>何を今さらと思われるかもしれませんが、イラッとしたり意気消沈したときは、今の感情が色眼鏡のレンズを通して生まれている感情であることを、つい忘れてしまいます。</p>

<p>そのネガティブな感情に引きずられず、機嫌よく過ごせる人は、この色眼鏡を柔軟に取り換えて、目の前で起きた物事を捉え直しているのです。ある意味で、自分のなかに落ち着いた感情が生まれるように、都合のよい色眼鏡にパッと取り換えるのが上手です。</p>

<p>それだけ多くの選択肢を持っているという意味でもあります。</p>

<p>ここからは、色眼鏡を取り換える、つまり気持ちを切り替える5つの方法を紹介します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>気持ちを切り替える5つの方法</h2>

<p>【鏡を見て自分を客観視する】</p>

<p>1つ目は、自分の顔を鏡で見る方法です。</p>

<p>色眼鏡を取り換えるには、今の自分の状況を俯瞰的に見るのが有効な手段です。とくに、イライラしているときには効果抜群。鏡に映るあなたは目つきが鋭く、顔全体に力が入って顎や頬の筋肉が張って、とても怖い顔になっていませんか。</p>

<p>「自分を追い込みすぎている」「無理しすぎている」と、自分を客観視するきっかけになり、気持ちを切り替える効果があります。</p>

<p>さらに、鏡のなかの自分に「よくがんばってるよ」と声をかけてあげるのも、等身大の自分を認めて心おだやかにする方法です。</p>

<p>【他の人ならどう動くか考える】</p>

<p>2つ目は、「あの人だったらどうするだろう」と想像する方法です。</p>

<p>あなたが尊敬する人でもいいし、漫画やアニメのキャラクター、歴史上の人物でも構いません。同じ場面に遭遇したとき、あの人だったらどうするか考えるだけで、自分と異なる価値観を手に入れることができます。</p>

<p>また、多くの人と関わることは、より多くの価値観に触れることでもあります。そのため、普段から家や職場ではない地域のコミュニティーや趣味の集まりなどのサードプレイスも積極的に作るように。普段は関わらない人の話を聞くだけでも、「そんな生き方してもいいんだ！」という発見があるものです。</p>

<p>【イラッとしたら真似してみる】</p>

<p>3つ目は、真似をすることです。</p>

<p>人間は誰でも悔しい思いをしたり嫉妬をしたりします。「がんばっているのに評価されない」という不満だけではなく、「あの人は手抜きの仕事しかしていない」「偉い人に媚びてるだけ」と決めつけてはイライラしっぱなしのことも。</p>

<p>そのようなときは、あえて相手を観察して真似してみましょう。学ぶのは真似するところからです。その人がうまくやっているコツや秘訣がわからないときは、素直に「どうすれば、それだけ早く仕事をこなせるのですか」と聞いてみるのも効果的です。</p>

<p>時には、高いプライドという色眼鏡を外して相手に関わることで、はじめて見える景色もあるものです。</p>

<p>【自分が恵まれている部分を探す】</p>

<p>4つ目は、下方比較することです。</p>

<p>これはつらいときに自分よりもっと大変な人を想像する方法。落ち込むときに「もっとブラックな会社もあるし、まだマシか」や「各地で戦争があるのに、衣食住が安定しているだけでも幸せだ」と考えてみることです。</p>

<p>どれだけつらいことがあっても、自分は恵まれているほうだと思うことで気持ちを切り替えるきっかけを作ります。自分より苦しむ人を探すことに抵抗があるかもしれませんが、これは他人ではなく見逃している自分のプラス要素を探す行動なのです。</p>

<p>【小さなケア方法をたくさん持つ】</p>

<p>5つ目は、普段からのストレスケアです。</p>

<p>生きていると誰しもストレスがのしかかるため、抱え込みすぎずに心身のケアをする習慣を持ちましょう。それによって、認知をコントロールする余裕を持てます。</p>

<p>ケアの方法は、たくさん寝ることや好きな音楽を聴く、サウナに行くなど人によって違うので、あなたに合ったケアを見つけておきましょう。</p>

<p>海外旅行に行くような大きなケアだけではなく、高級な入浴剤を使う、メイク道具を変える、コンビニスイーツを買う、デリバリーフードを頼んでみるなどの小さなケア方法を数多く持っている人こそ、ケア上手な人です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「色眼鏡」を柔軟につけ換えてみる</h2>

<p>「色眼鏡」というのは否定的に使われる言葉かもしれませんが、人間は誰もがそれを持っていることを受け入れるほうが大切です。</p>

<p>自分だけではなく、相手も色眼鏡をかけていることを忘れないでください。他人と価値観が違うのは当然で、共同社会で生きるには折り合いをつけることも必要になります。</p>

<p>たしかに、それには時間もエネルギーも消耗することでしょう。しかし、たくさんの色眼鏡を柔軟につけ換えることで、ストレスを抱え込みにくくなったり、折り合いをつけやすくなったり、トラブルが起きても他の方法を見つけやすくなったり、自分のキャパシティに合わせた持続可能な機嫌のよさを手に入れられるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【井上智介（いのうえ・ともすけ）】<br />
兵庫県生まれ。島根大学医学部を卒業後、大阪を中心に産業医、精神科医として活動。産業医として毎月30社以上を訪問し、精神科医としては外来でうつ病をはじめとする精神疾患の治療にあたる。『どうする？ 家族のメンタル不調』（集英社）など著書多数。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 23 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[井上智介（産業医、精神科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>さみしいのは脳が正常な証拠　学校教育が植え付けた「ぼっち＝悪」の呪縛を解く  中野信子（脳科学者）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14150</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014150</guid>
			<description><![CDATA[人はなぜ「さみしさ」を感じるのか。脳科学者の中野信子氏は、「さみしさ」は人類が生存し続けるための「生存戦略」と説く。学校や家庭で刷り込まれた「友だちは多いほうがいい」という価値観を見直し、自分を大切にする考え方を提案します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="脳科学者の中野信子さんは、「さみしさ」は、人類が生き延びるために必要な「生存戦略の一つ」と説く" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_alone.jpg" width="1200" /></p>

<p>ふとした瞬間、「さみしい」と思うのは誰でも経験することですが、人はなぜ「さみしさ」を感じるのでしょうか。脳科学者の中野信子さんは、「さみしさ」は、人類が生き延びるために必要な「生存戦略のひとつ」と説きます。ではなぜ「友だちがいないこと」や「一人ぼっち」でいることが「よくないこと」のように扱われるのでしょうか。子ども時代から刷り込まれてきた呪縛の正体を解き明かします。</p>

<p>※本稿は、中野信子著『「さみしさ」に負けないための脳科学』（アスコム）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>生きるためのセキュリティシステム</h2>

<p>大人になると、「さみしくなってしまうのは心が弱い人間だからだ」と自分を責めてしまう人が多いかもしれません。<br />
でも、それは違います。<br />
さみしさを感じるのは心が弱いからではなく、「孤独な状態は危険である」ことを、脳が不快な感情を生じさせることで知らせているからです。</p>

<p>生物学的な観点から「適者生存」を考えると、自然のなかで生き抜く強い肉体を持つのと同じくらい、自身の生存に対する危険や、種の存続の危機を知らせてくれる 「さみしいという感情」を持つことは重要だったのです。</p>

<p>さみしいという心の痛みを伴う感情をとおして危機を感じることができたから、人類は生き延びることができたともいえるでしょう。</p>

<p>いわば、さみしさは、人類にとって生存戦略のひとつであると考えられます。<br />
現代社会においては、ポジティブな感情こそが善で、さみしさなどのネガティブな感情は悪であり、とにもかくにも、ポジティブな感情へ切り替えることがいいとされているように思います。</p>

<p>でも、さみしいという感情は生きるためのセキュリティシステムであり、なくすことはできないものなのです。</p>

<p>さらに、さみしさを感じる度合いは人によって大きく異なりますが、さみしさに対する感受性の差異もまた、人類が生き延びるうえでは必要だったといえます。</p>

<p>さみしさに苦痛を感じ、他人とのつながりを維持しようとする人がいる一方で、仲間とのつながりを自ら断ち、未知の世界へ出て行くことを厭わない人が存在するからこそ人は多様性を保ち、絶滅することなく生き延びてきました。<br />
さみしさを感じるのは、人が進化してきた証なのです。</p>

<p>わたしたちの遺伝子には、他人とつながっていない状態の不快・不安感が組み込まれていて、今日まで受け継がれてきました。ですから、さみしさを感じるのは、他人とのつながりを求める生物としてあたりまえのことなのです。<br />
さみしいのはその人の責任ではなく、その人が劣っているわけでもなく、むしろ脳が正常に機能している証拠といえるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「友だちがいないのは悪」 という刷り込み</h2>

<p>ぼっちをもっとも強く意識させられ、生きづらさを感じさせられる場所が、学校ではないでしょうか。<br />
特にそう思わせられるのは、小学校・中学校時代かもしれません。<br />
なぜなら、親や先生たちのぼっちへの見方が固定されていることに加え、人の流動性が低く、自分が所属している場所を移動・変更することが非常に困難な環境だからです。</p>

<p>学校生活のなかでは、友だちが多いことがいいとされ、友だちがいないことはまるで悪いように扱われる場合が多いかと思います。<br />
自宅でも学校でも、大人たちから「友だちと仲良くしなさい」「友だちをたくさんつくりましょう」といわれ、事あるごとに「友だちできた?」「友だちと仲良くできている?」「いま一番仲のいい友だちは誰?」といった質問を何度も受けて育ちます。</p>

<p>こうした「友だちありき」の一問一答をくり返すことで、多くの子どもたちの脳内にそれが刷り込まれ、「友だちがいないとダメなのだ」「友だちがいないと親や先生を不安にさせるのだ」と思い込むようになります。</p>

<p>高学年になり、1人で過ごすことが平気になっても、1人で本を静かに読んだり、1人でお弁当を食べたりしているだけで、まわりから「友だちがいないのは、みんなから嫌われているからでは」と疑われてしまうこともあります。</p>

<p>集団で活動し、共同作業のなかで協力し合って問題を解決することは社会生活に必要なことであり、学校生活をとおして身につけていくべきスキルだとは思います。<br />
しかし、友だちをたくさんつくることは、学校生活の本来の目的なのでしょうか?<br />
これは、議論の余地があるかもしれません。</p>

<p>社会人になってからは、友だちという存在をそれほど強く意識させられることは少ないでしょうが、学校生活のなかでは、友だちの有無が突然クローズアップされることがあります。とても面倒な瞬間ですよね。</p>

<p>例えばそれは、学校行事や体育の時間、また具合の悪くなったときなどです。先生から、「2人1組でペアを組みなさい」「好きな人同士でグループになりなさい」「保健室（もしくは自宅）にいる〇〇さんに、一番仲のいい人がプリントや荷物を持っていってあげて」などと指示されるシーン。そんなとき、わたしがそうだったように「仲のいい友だちがいない」場合は、ちょっと面倒なことになります。</p>

<p>まあ、大して困りはしないのですが、先生が荷物やプリントを保健室に届けてくれたり、「余った人同士でペアを組みなさい」という指示に従ったりするという解決策がとられることになり、やや気まずい。<br />
こうした出来事が繰り返されると、「友だちのいない人＝人に迷惑をかけるやつ」「余りものはやっかい者だ」 とみられてしまうというわけです。</p>

<p>学校は、友だちという社会関係資本の多寡に重きを置いてヒエラルキーをつけようとする、非常にアンフェアな環境と考えることもできます。<br />
学校生活において無意識のうちにそのような価値観が刷り込まれ、それが固定されてしまった人がいるのなら、とても残念なことです。学校は、数多く存在する集団のうちのたったひとつでしかなく、そこでの基準が全世界に通用する基準ではないからです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「他人に迷惑をかけるな」という教育の呪縛</h2>

<p>さみしさに苦しんでいる人の多くは、その苦しみを1人で抱え込んでしまっていることでしょう。</p>

<p>さみしいという気持ちを誰にも打ち明けられない、どう伝えていいかわからないということが、問題をより深刻にしていることがしばしばあります。<br />
「わたしはさみしい」と他人におおっぴらにいうことは、恥ずかしいことだという刷り込みもあるのかもしれません。</p>

<p>「さみしい」といえば、心の弱さを吐露するようなもので、そうして他人の関心を引いたりするような「イタイ人」 とみられかねない。承認欲求の塊のように思われるのは嫌だ。だから、さみしいという感情は、自分で解消すべきだという風潮になってしまうのかもしれません。</p>

<p>「さみしいけれど、それは自分の勝手な感情なのだから、誰かを巻き込んで迷惑をかけてはいけない」「他人の時間を、自分の気持ちの処理のために使わせるのはいいことではない」などと、つい遠慮してしまうのではないでしょうか。</p>

<p>なぜそう思ってしまうのかを解明するうえで、日本の家庭教育もその一因として考慮する必要があります。</p>

<p>日本における保護者の多くは、子どもに対し、他人に抜きん出て能力を高めることよりも、組織や共同体から外れない人になることを望んでいるということを示唆する統計があります。「他人に迷惑をかけない人になってほしい」と願う親が、他国と比べてとても多いのです。</p>

<p>周囲への配慮を欠かさないことは、長いあいだ日本人としての美徳とされてきました。そのため、多くの日本人は、個よりも社会を優先するマインドセットを有するように育てられてきているといえます。</p>

<p>しかし、海外の子育てでは、「人に騙されてはいけない」「困っている人がいたら助けよう」「自分の得意なことでトップを目指せ」など、各国の文化を反映した声かけが強調されます。<br />
子どもに対しても、「子どもは他人に迷惑をかけながら育つもの」という、そもそもの認識があるためか、誰かが自分勝手な行動を取ったり、あるいは互いに頼ったり頼られたりすることに対して寛容なことが多いようです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>さみしいと打ち明けることは迷惑をかけること？</h2>

<p>内閣府が行った「小学生・中学生の意識に関する調査（平成25年度）」のなかで、保護者を対象とした「教育で重視すること」の調査結果は、次のようなものでした（複数回答）。</p>

<p>第1位 「基礎学力をつけること（69.6%）」<br />
第2位 「友達と仲良く過ごせること（65.7%）」<br />
第3位 「礼儀・規律や心の持ち方を学ぶこと（57.9%）」<br />
第4位 「考える力や創造力・表現力をつけること（51.8%）」<br />
第5位 「音楽・芸術・スポーツや自然体験・社会体験など幅広く学ぶこと」（23.8%）<br />
第6位 「安全で安心して勉強できること」（13.8%）<br />
第7位 「希望の学校に入れる学力をつけること」（6.8%）</p>

<p>この調査結果を見ると、保護者は「基礎学力をつけること」と同じくらい、「友達と仲良く過ごせること」を子どもに望んでいることがわかります。<br />
さらに、創造力や表現力を高め幅広く学び体験することよりも、友だちと仲良くすることや、礼儀・規律を守ることを重視していることが読み取れます。</p>

<p>ですが、わたしたちの誰もが、他人にまったく迷惑をかけずに生きていくことは不可能です。<br />
また、他人に迷惑をかけずに生きようと自分を厳しく律すると、他人に迷惑をかける人に対して向ける視線は厳しいものになります。「自分は我慢をしているのに、この人はなんだ!」という気になるのです。</p>

<p>いうまでもなく、わざわざ人に迷惑をかけるような行動を取るのはナンセンスですが、さみしいと打ち明けることが迷惑をかけることだという思い込みは、再考の余地があるのではないかと思います。</p>

<p>さみしいということを、信頼できる人に打ち明けるだけで救われることがあるかもしれません。身近に打ち明けられる人がいないなら、SNSで気持ちを発信してみたり、ラジオやWEBなどのメディアにメッセージを投稿してみる、あるいは信頼できるプロのカウンセラーに相談したりすることも一案です。<br />
「さみしさに1人で耐えることが美徳」と考えるのは、わたしは違うと思います。</p>

<p>さみしさは非常に強い感情であり、長時間抱え込んでいると、心身に様々な悪影響を及ぼすこともあります。<br />
そして本当に心が弱ってしまうと、悪意を持った人が寄ってきやすくなり、騙されやすくなるという弊害もあります。</p>

<p>さみしさで心が完全に弱ってしまう前に、日頃から、頼ったり頼られたりしながら、「お互い様」と言い合える人間関係を少しずつ築いたり、ぶらりと立ち寄って気兼ねなくいろいろな話ができるような行きつけの店を探してみる、そんな工夫も必要なのかもしれません。</p>

<p>「迷惑をかけるな」という教えに縛られて、さみしさを解消する術を持たず、1人で耐えもがくことだけが、唯一の手段ではないと気づくべきなのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_alone.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 23 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中野信子（脳科学者）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>バルセロナは全廃決定　日本でも進む“民泊規制強化”の行方  内藤英賢（合同会社Local Story代表）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13966</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013966</guid>
			<description><![CDATA[2010年代に火がついたインバウンドブームにより、拡大した民泊ビジネス。短期間で急成長した民泊の光と影、そして今後の展望を内藤英賢さんが語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="内藤英賢著『観光ビジネス』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_touristkyoto.jpg" width="1200" /></p>

<p>宿泊施設と聞いたら、何を思い浮かべるでしょうか？多くの方がホテルや旅館を思い浮かべるかもしれませんが、宿泊業界において急成長を遂げているのが「民泊」です。</p>

<p>インバウンドブームに火がついた2010年代に大きく市場を拡大した民泊――そんな民泊の光と影、そして未来について、観光業のコンサルティングおよびマーケティングに15年以上も携わる内藤英賢さんが解説します。</p>

<p>※本稿は、内藤英賢著『観光ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>民泊という新しい宿泊形態が日本を揺らす</h2>

<p>現在新たに注目を浴びている宿泊形態の1つが「民泊」です。民泊とは簡単に言えば、住宅を宿泊者用に提供する形態ですが、この民泊が今、日本の宿泊業界を揺るがしています。まずは、日本における民泊の歴史から見ていきましょう。</p>

<p>民泊の現代史はインバウンドの増加と密接にかかわっています。2006年に観光立国推進基本法が制定され、国家として明確に観光を成長産業とすることが明示されました。その後、呼応するように2010年から中国や東南アジア各国にビザの要件を緩和し、これがインバウンドブームに火をつけることになりました。</p>

<p>それが証拠に2012年までは800万人前後で推移していた訪日外国人数が2013年から爆発的に増えていきます。</p>

<p>・2012年：836万人(2012年以前は800万人前後で推移)</p>

<p>・2013年：1036万人</p>

<p>・2014年：1341万人</p>

<p>・2015年：1974万人</p>

<p>とくに2014年〜2015年にかけて、「ホテル不足」「ホテル難民」という現象が、東京や京都などの観光都市で起こり始め、ニュースを記憶している方もいらっしゃるかと思います。そして、この時にホテル不足の受け皿として民泊が勃興し始めるのです。</p>

<p>当時はとくに法整備も追いついておらず、「Airbnb(エアビーアンドビー、以下エアビー)」という民泊の巨大プラットフォームに牽引される形で市場が拡大していきます。エアビーを利用した外国人宿泊者も加速度的に増えていきます。</p>

<p>・2014年：約20万人</p>

<p>・2015年：約130万人</p>

<p>そして、2017年にピークを迎えます。</p>

<p>・2017年：訪日外国人2869万人／エアビー利用者585万人</p>

<p>2014年からわずか3年で20倍以上にマーケットが拡大していることが分かります。そして、ここで日本民泊史に大きな転換点が起きます。それが住宅宿泊事業法(いわゆる「民泊新法」)です。これにより民泊の営業には、「届出」が必要となり、2018年6月に施行されます。</p>

<p>これは私自身も非常に良く記憶に残っていますが、本当にエアビーが届出のない民泊を登録から抹消したため、今度は「民泊難民」になった外国人の予約がホテルに一気に流れ込み、ホテル価格が高騰しました。</p>

<p>その後は、民泊新法に適応し、届出をした民泊が順調に増えていきますが、今度はコロナショックが襲い掛かります。海外ゲストは全くいなくなり、民泊は壊滅的なダメージを受けました。これもまた、日本民泊史に残る出来事でした。</p>

<p>コロナ後、インバウンドの戻りと共に、再び民泊市場も戻り始めて、今では3万5000軒(2025年9月時点)にまで回復をしています。コロナ収束期の2023年5月時点が1万9000軒なので、著しく増加していることが分かります。</p>

<p>そして、昨今よく話題に挙がる「特区」の存在があります。これは「民泊特区」においては民泊新法の180日ルールの適用外として、特区内のルールで運営することを許可するというもので、これまた特区内で様々な問題が噴出し、再び規制のフェーズに入っていると言えます。こうして見ると民泊の現代史は、ビジネスマインドによるダイナミズムによる発展と、加熱した市場を規制で制御するということの繰り返しだということが良く分かります。</p>

<p>ホテル1万3000軒、旅館3万8000軒、簡易宿所4万2000軒、民泊3万5000軒という今の日本の宿泊施設の軒数を見れば、いかに民泊がその存在感を増しているかがお分かりいただけるかと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>民泊の光と影</h2>

<p>さて、民泊がいかに短時間で急成長したマーケットであるかということを見てきた訳ですが、ここでは民泊の生み出した光と影と今後について考察していきたいと思います。まずは民泊の光の部分です。</p>

<p>①誰でも簡単に宿泊ビジネスを可能にした</p>

<p>民泊の最大の特徴は手軽に宿泊ビジネスをスタートできるという点だと思います。今まで宿泊ビジネスを始めるのであれば、旅館業法に沿った申請と、多額の設備投資が必要なビジネスでした。</p>

<p>それが、民泊は「空き家」「一軒家の空いている部屋」「マンションの1室」から宿泊ビジネスをすることを可能にしました。それは多くのプレイヤーを宿泊業に呼び込み、宿泊業界を活性化させました。</p>

<p>②あふれる宿泊需要を提供する受け皿となった</p>

<p>また、急速に拡大するインバウンド需要を受け止める受け皿として、あるいは高騰する宿泊料金のストッパーとして、民泊は機能しました。やはり2014年当時で13平米のセミダブルが2万円や3万円で売れていく姿を見て、その異常性を感じていました。さすがに高すぎるなと。とくにファミリーやグループなどの大人数で泊まる際に一棟貸しがベースの民泊は強い味方です。</p>

<p>・ホテル旅館：1名2万円&times;4名＝8万円</p>

<p>・民泊：一棟4万円&divide;4名＝1万円 ※民泊のほうが明らかに安いケースもある</p>

<p>一方で民泊の光と影の「影」の部分です。</p>

<p>①近隣住民とのトラブル</p>

<p>よく話題にも上りますが、ゴミ出しのルールを守らない。スーツケースを捨てていく。あるいは夜中まで騒ぐなどの問題は昨今でもよく取り上げられます。とくに「家主不在型」の民泊タイプで起こりやすく、目が行き届かないので、野放図になりがちです。</p>

<p>②住宅価格の高騰</p>

<p>インバウンド客がよく訪れるエリアは、住宅用に貸し出すよりも民泊として運用する方が利回りがよいので、住宅用物件がなくなる、あるいは高騰するという現象が起きるというものです。</p>

<p>とくにヨーロッパではこの問題が先行して起こり、オランダのアムステルダムやスペインのバルセロナなどは、住宅価格が高騰し、住民が住めなくなるという状況に陥りました。これは今の日本でも起きており、今後さらに問題が激化していき、規制が厳しくなっていくと予想しております。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>民泊の光と影から考える「民泊の未来」</h2>

<p>さて、このように外的要因に、振り回されてきた民泊ですが、それでも多くの人や事業者がチャレンジするのは、それだけ魅力的な市場だからでしょう。180日ルールがあると言えども、空き家や空き室の1室を2万円で180日売れたとすると、360万円の収入になります。</p>

<p>サイドビジネスや副業として魅力的に映る理由も分からなくはないです。今後、民泊業界はどのようになっていくのでしょうか？予想してみたいと思います。</p>

<p>これから起こること①：規制強化</p>

<p>結論から言うと、先行するヨーロッパやアメリカのように規制が強くなることは免れないでしょう。東京や大阪で規制が厳しくなってきていますが、他の都市でも行き過ぎた民泊は規制の対象となりやすいので、大局観としては規制が厳しくなるという前提で見ておいた方がよいと思います。なお、先行する欧州では</p>

<p>・ロンドン：年90泊上限</p>

<p>・パリ：年120泊上限</p>

<p>・アムステルダム：年30泊</p>

<p>・バルセロナ：2028年までに全廃</p>

<p>と、180日ルールもまた絶対的ではないことも念頭に入れる必要があります。</p>

<p>これから起こること②：プロ民泊事業者の増加</p>

<p>そして、プロ民泊事業者が増えることになると思います。どんな産業でもそうですが、最初のグレーの間は有象無象のプレイヤーが入ってカオス状態になります。やがて法整備が整い、一定の産業に育つと、大資本がやってくるという流れです。プロ民泊事業者は「テクノロジー投資」「好立地物件の取得」を駆使して、市場のシェアを高めていくことになるでしょう。</p>

<p>こうなると、とくに「家主不在型」で運営していた民泊ホストはかなり厳しくなることが想定されます。家主不在であれば、差別化要素は「立地」「ハード」「価格」になるケースがほとんどですので、大資本でない限りはハードにかけられるコストは限られているので、「立地」の目利きが相当に必要になると想定されます。しっかりと自分の目で物件を確認して「宿泊ビジネス」としての目利きが重要になります。</p>

<p>これから起こること③：ホスト型民泊は強い</p>

<p>一方で、「家主在住型」自らホストとなり、ゲストを迎えて運営する民泊の場合は、その限りではありません。ホスト型民泊は、「ハード」「立地」「価格」以外に「オーナー」にお客様が付くためです。「あのオーナーに会いたい」「あのオーナーは東京のいいスポットを紹介してくれる」みたいな付加価値は「ハード・立地・価格」を超えます。</p>

<p>中小の民泊オーナーさんが勝ち残るには、オーナー自らが異国の地をもてなすパターンにシフトすると勝ち筋はあると言えます。</p>

<p>これから起こること④：地方での民泊は「まだ」勝機あり</p>

<p>一方で地方での民泊は可能性が大きいのではないかと思います。地方で宿泊代が高騰するのは限られたシーズンやイベントの時だけということが多いので、そのためだけにホテル旅館を建設するのはビジネス的にもナンセンスなため、そのシーズンだけ民泊を営業するというのは至極合理的です。日本でも徐々に民泊の利用数が増えていくので、今後はホテル／旅館以外の選択肢としても民泊は存在感を強めていくことになると思います。</p>

<p>また、参入プレーヤーも少ないため、ライバルが少ないという利点もあります。実際に、地方でも民泊は増加の一途を辿っています。ただし、過当競争に陥るリスクははらんではいます。</p>

<p>紆余曲折あるものの、今後も民泊は拡大を続けるのは明らかであると思います。とくに季節変動の大きいエリア&times;民泊というサイドビジネスは非常に相性がいいので、地方で拡大をしていくものと感じます。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 23 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[内藤英賢（合同会社Local Story代表）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ナフサは何に使われている？ 身近だけど知らなかった「プラスチックの正体」  木口達也（日本シーム株式会社 代表取締役CEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14094</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014094</guid>
			<description><![CDATA[プラスチックは石油→ナフサ→モノマー→ポリマー→ペレットという工程でつくられます。「なぜ石油なのに臭くないの？」という素朴な疑問から、プラスチックの化学的な性質をわかりやすく解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ペットボトル" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_plasticbottle.jpg" width="1200" /></p>

<p>毎日使っているプラスチックは、実は石油からできています。しかしプラスチックから石油のような匂いはしません。それはなぜでしょうか? その仕組みを知ると、プラスチックの見方がきっと変わります。書籍『僕が使ったペットボトルはどこへ行く？ 13歳からのサーキュラーエコノミー超入門』より解説します。</p>

<p>※本稿は、木口達也著『僕が使ったペットボトルはどこへ行く？ 13歳からのサーキュラーエコノミー超入門』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>身近だけど知らなかった「プラスチックの正体」は?</h2>

<p>いまではプラスチックは、私たちの生活に欠かせない素材です。でも、プラスチックが「何からできていて」「どのようにしてつくられているのか」、みなさんはご存じですか?</p>

<p>実はプラスチックは、地中からとれる「石油」からつくられているのです。</p>

<p>「えっ!? 石油からどうやってプラスチックをつくるの?」</p>

<p>そう思った方も多いのではないでしょうか。</p>

<p>では、その仕組みを見てみましょう。プラスチックは、石油&rarr; ナフサ&rarr; モノマー（ブロック）&rarr; ポリマー（鎖）&rarr; ペレット（材料） &rarr; プラスチック製品という変化をとげてつくられているのです。</p>

<p>この流れをもう少し詳しく見てみましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>石油からプラスチックがつくられる工程</h2>

<p><img alt="" height="1416" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatasuya34.jpg" width="1200" /></p>

<p>プラスチックの原料となる石油は、何億年も昔の海の生き物や植物が地中で変化してできた、「化石のしずく」とも言われる天然資源です。</p>

<p>その石油を工場で熱して分けることで、「ナフサ」という液体が取り出されます。このナフサこそが、プラスチックの素なのです。</p>

<p>このナフサをもっと高い温度で加熱すると、「モノマー」という、小さな分子が生まれます。この分子をブロックのように何千個、何万個となが〜い鎖のようにつなげてできるのが、「ポリマー」と呼ばれる物質です。</p>

<p>このポリマーは、いったん溶かされて細長く延ばされ、細かく切られることで、「ペレット」という小さな粒になります。このペレットが、工場で溶かされて形を変えられ、コップやボトル、袋などのいろいろなプラスチック製品に生まれ変わるのです。</p>

<p>ちなみに、「モノマー」の「モノ」とは、「1つ」、「ポリマー」の「ポリ」は「たくさん」の意味。「マー」は「単位」という意味です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>なんでプラスチックは石油のにおいがしないの?</h2>

<p>ここでみなさんに質問です。</p>

<p>「石油のにおいってガソリンや灯油と同じようなにおいだよね? それなのに、石油からつくられるプラスチックは、なぜにおわないの?」と、ちょっと不思議に思いませんか?</p>

<p>実はその答えには、においというものの正体と、プラスチックの変身のしかたが深く関係しているのです。</p>

<p>ここからしばらくは、「におい」と「プラスチックの性質」という視点で見ていきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>においに関係しているプラスチックの性質</h2>

<p><img alt="" height="1440" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatasuya33.jpg" width="1200" /></p>

<p>まず、「におい」とは、どのようなものでしょうか?</p>

<p>目に見えないくらい小さな粒（分子）が空気に混じって鼻に届くことで、私たちはにおいを感じます。石油やガソリンは液体で、すぐに空気中にその粒が飛び出します。ですから、私たちは、すぐににおいを感じます。においがするものは、だいたいのものが、空気中に簡単に飛んでいける小さな「においの分子」を持っているんですね。</p>

<p>では、プラスチックはどうかというと、固くて、冷たくて、空気中に何かが飛んでいく感じがないですよね。プラスチックは分子がとても大きくて重いため、においとして飛び出しにくい性質を持っているのです。</p>

<p>つまり、「におわない」のではなく、「においが飛んでこない」というわけです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>プラスチックは石油とまったく別の性質のものになっている</h2>

<p><img alt="" height="1440" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatasuya32.jpg" width="1200" /></p>

<p>もう少しわかりやすく、別のものを例にして考えてみましょう。</p>

<p>みなさんは、牛乳からチーズができるのを知っていますか?</p>

<p>牛乳は白くてトロッとしています。でもチーズは、固くて形もぜんぜん違いますよね。元の材料は同じでも、つくり方が変わると、別のものになるのです。</p>

<p>プラスチックも同じです。プラスチックは石油からつくられます。でも、石油をそのまま固めているわけではありません。一度、小さく分けて、並べ直して、新しい物質につくり変えているのです。</p>

<p>だからプラスチックは、石油とは違う、別の性質の材料になっていて、石油のようなにおいもしないというわけです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>じゃ、新品のビニールのちょっとツンとしたにおいの正体って?</h2>

<p><img alt="" height="1168" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260408Kiguchitatasuya31.jpg" width="1200" /></p>

<p>でも、新品のビニールや、プラスチック製のおもちゃなどから「ちょっとツンとしたにおいがする」と思ったことがありませんか?</p>

<p>実はそれは、プラスチックそのもののにおいではなく、以下のような別のもののにおいなんです。</p>

<p>・プラスチックをつくるときに入れる「薬」のにおい（やわらかくするための添加物など）<br />
・工場で使われたオイルや接着剤のにおい<br />
・包装に使われた印刷インクのにおい</p>

<p>プラスチックが、石油とはまったく違う「におわない物質」に生まれ変わったからこそ、こうした別のもののにおいが感じられるということです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_plasticbottle.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 22 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[木口達也（日本シーム株式会社 代表取締役CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ五冠棋士は早稲田に進学し、新聞記者となったのか？一力遼が選んだ二刀流という生き方  田中章（共同通信客員論説委員）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13702</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013702</guid>
			<description><![CDATA[「一力番」記者として、一力遼五冠のキャリアを見続けてきた著者。記者と棋士の二刀流という異色の実績は、どのように積み上げられていったのか。その詳細を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="田中章氏「二刀流の棋士」" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/Pixta_bunkitenbizG.jpg" width="1200" /></p>

<p>新聞記者と囲碁棋士の二刀流という異色の経歴をもつ一力遼（いちりき りょう）五冠。どのような経緯で、そのようなキャリアを歩むこととなったのか。進学前後の周囲の反応や、記者としての働きを語ってもらった。</p>

<p>※本稿は、田中章著『二刀流の棋士 一力遼』（日本棋院）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>棋士として異例の大学進学・就職</h2>

<p>2016年春、早稲田大社会科学部に入学した。大学進学はプロ入りした時、親との約束だった。井山裕太九段をはじめ多くの棋士は囲碁に専念するため義務教育で終えている。中国や韓国のトップ棋士たちも同じだ。</p>

<p>囲碁界では、一力が高校進学した時でさえ「進学しないで囲碁一本に絞れば、もっと強くなっている」という声は多かった。棋士になってから高校に進学し、七大タイトルを獲得したのは小林覚九段、羽根直樹九段ぐらいしかいないという現実があった。</p>

<p>一力が高校に進学する少し前、囲碁教室でプロを目指す子どもを教えているある指導者は「高校に進学したい」と言ってきた子どもに「進学するのであれば、責任を持てないので教室をやめてほしい」と申し渡した事があった。その子は進学を断念して碁の勉強に打ち込み、プロ棋士になった。その後、タイトル戦に挑戦するレベルまで強くなり、その子の場合、選択は正しかったということになるかもしれない。</p>

<p>一力の場合、事情が違った。高校、大学進学はいわば至上命令みたいなものだ。<br />
2014年9月、都立白鴎高校2年の時、新人王戦で優勝した。新人王戦は若手の登竜門、優勝は棋士としての将来が約束されたともいえる。トッププロへの道が見えているのなら、なにも大学に進学する必要はない、と親も本人も考え直すのではないか。どうも師匠の宋は密かにそう期待したようだ。</p>

<p>だが、一力家の大学進学の方針は変わらない。新人王戦優勝祝賀会の時、宋は「これで（新人王戦優勝で）進学の話はなくなるのではと思ったが、駄目でしたね」とつぶやいていた。一力が囲碁に専念すればさらに早く強くなれるという確信が宋にはあった。</p>

<p>社会科学部は政治、経済やメディア論など幅広い領域を対象にしている。一力は数学好きで「統計解析など数字の絡む講義があったことがこの学部を選んだ一因です」と言い「年上の人と接することが多い囲碁界と違い、大学では同世代と付き合える。生活も規則正しく、碁にプラスになる」と新聞社の取材に答えていた。</p>

<p>棋院の対局日となっている月曜と木曜は対局を優先し、授業は週11コマというペースで大学に通う日々。当初は「規則正しい生活」だったが、タイトル戦出場が多くなると授業や試験と重なり、日程調整に苦労したようだ。語学は予習が必要だし、他の授業もノートを取るだけでは不十分、関係する論文や本を読まなければならない。二兎を追う心配はあった。</p>

<p>2020年3月、入学から4年で早稲田大を卒業し、河北新報社に記者として入社した。「囲碁を主にして、大学の授業はゆっくりそれなりにやって8年かけて卒業するぐらいでいいのでは」というアドバイスもあったが、4年できっちり単位を取っている。何事にも手を抜かない性格なのだ。かつては授業に全く出席せずに卒業する有名スポーツ選手が多数いた。時代は変わっている。</p>

<p>入社した河北新報社では東京支社編集部所属となった。通常、新人記者は支社や支局に配属され、警察や市役所を担当して取材と記事の書き方のイロハを覚えることから始める。</p>

<p>しかし、対局日程がぎっしり詰まっている一力にはその余裕はなく、囲碁の話題を集めたコラム「一碁一会」を書くことになった。棋士と記者の二刀流生活の始まりである。このコラムは共同通信社を通じて各地の新聞社に配信され、掲載されている。24回目の記事を紹介する。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>コラム「一力遼の一碁一会」</h2>

<p>「超越する四つの壁」　　囲碁が持つ魅力</p>

<p>今回は、囲碁が持つ魅力を「超越する四つの壁」という着眼点で紹介します。<br />
まずは「年齢」です。国内には500人近い棋士がいます。その中で最年長は94歳の杉内寿子八段、最年少は12歳の仲邑菫二段です。さまざまなプロの競技のうち、82歳もの年齢差があるのは囲碁だけでしょう。</p>

<p>杉内八段の夫の故杉内雅男九段は97歳で逝去するまで生涯現役を貫き、80年もの長い間、棋士として活躍されました。95歳の時には15歳の若手と対局し、「80歳差対決」と注目を集めました。90代になっても常に最新型を取り入れ、囲碁の真理を追究される姿勢は棋士のかがみでした。</p>

<p>次に「性別」です。他の競技でも男女でペアを組み試合を行うことはありますが、囲碁界のように同じ土俵で戦うのは極めて珍しいと言えます。従来は男女で差がありました。年々、女性トップのレベルは上がっており、最近では男性の一流棋士に勝つこともよくあります。トップ棋士の証明であるタイトル戦のリーグ入りも近い将来、実現する可能性が高いでしょう。</p>

<p>三つ目は「国境」です。日本、中国、韓国、台湾といった盛んな地域に限らず、全世界に愛好家がいます。黒と白の石を交互に置くという非常にシンプルなルールの囲碁は、石が共通言語の役割を果たしているのです。国内で活躍する海外出身の棋士は数多くいます。東アジアのほか、米国やフィンランド、東南アジアから日本に来てプロになった例があり、国際化が進んでいる証しと言えるでしょう。</p>

<p>最後は「視覚」の壁です。中学1年の岩崎晴都さんが今年4月、弱視として初めてプロ候補生の院生になりました。碁盤の線が立体になっていて、石を盤に固定できる「アイゴ」という用具があります。目が不自由な人のために作られ、岩崎さんはこれを用いて他の院生と対局しています。アイゴはアマの大会でも使用されており、視覚にハンディがあっても楽しむことができるのです。（2021年9月22日）</p>

<p>このほかコラムは「プロは何手先まで読むか」「棋士築いた価値観一変　囲碁とAI」「囲碁由来の言葉」など囲碁に関する話題を分かりやすく書いている。</p>

<p>連載は2021年9月で一旦終了し、その後は、読者が打った碁に関して「どう打てばよかったか」と質問を受け、それに図入り回答するコーナーを担当。2022年4月からは「一碁一会」を再開している。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/Pixta_bunkitenbizG.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 22 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[田中章（共同通信客員論説委員）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>専門医がうつ病患者に伝えた“休むための20の技術”  広岡清伸（精神科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14125</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014125</guid>
			<description><![CDATA[「うつ病」に苦しんでいた坂本(仮名)さんに、精神科医の広岡清伸さんが伝えた言葉とは。心と体を労わる20の休む技術を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="広岡清伸著『ごめんなさい、もうこれ以上頑張れません』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityLI/190410doctorLI.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事をきっかけに「うつ病」を発症した坂本正志(仮名)さん。真面目な人ほど成果が出ないと自分を責めてしまいがちですが、精神科専門医の広岡清伸さんが経営に訪れることで笑顔を取り戻し、仕事に復帰するまでに至ったそうです。</p>

<p>眠れずに塞ぎこんでいた坂本さんが、いかにして「うつ病」から回復したのか――本稿では、専門医の広岡さんが坂本さんに伝えた「休む技術」を紹介します。</p>

<p>※本稿は、広岡清伸著『ごめんなさい、もうこれ以上頑張れません』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>※本記事は特定の治療法を推奨するものではありません。実際の治療・服薬に関するご判断は、必ず主治医または専門医にご相談ください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「休む技術20」：心と体の休息編</h2>

<p>わたしが時間をかけて坂本さんに伝えてきた&quot;休む技術&quot;を整理してみると、次の20の項目になりました。</p>

<p>【A】心の休息(思考と感情を休ませる)</p>

<p>①淡々と生きる</p>

<p>感情の波に流されず、落ち着いて現実を受け止めるようにしましょう。</p>

<p>②自分をネガティブに追い込まない</p>

<p>ネガティブな思考を繰り返すと心が傷つきます。ネガティブな思考になったら、早めに切り替えるようにしましょう。</p>

<p>③何もしない勇気を持つ</p>

<p>「何かしなければ」という焦りから解放されましょう。何もしない時間、遊ぶ時間、くつろぐ時間も、立派な&quot;生きる時間&quot;です。</p>

<p>④比較の世界から一歩外に出る</p>

<p>他人との競争や評価の枠からいったん離れましょう。相対的な物差しの中で生きると、心は常に誰かとの比較で疲弊します。</p>

<p>⑤絶対的プライドを意識して育てる</p>

<p>「生きているだけで価値がある」という感覚を育てましょう。結果や評価に関係なく、自分の存在を肯定する心が、絶対的プライドです。</p>

<p>⑥同じ心配を続けない</p>

<p>同じ心配を繰り返すことで苦悩が増幅します。意識を別の方向に向けて、思考のループを断つ練習をしましょう。</p>

<p>⑦プラスを増やし、マイナスを減らす</p>

<p>完璧を求めず、欠点を含めて「丸ごとの自分」を受け入れましょう。ポジティブな刺激を増やし、否定的な環境や情報から少し距離を取ることも大切です。</p>

<p>【B】体の休息(体を回復・整える)</p>

<p>⑧疲労をモニタリングする</p>

<p>心と体の「疲れ度」を数値化して見える化します。気づけば無理を減らせます。</p>

<p>⑨計画的に休憩を入れる</p>

<p>限界まで頑張る前に、意識的に休息を入れる。「早めに立ち止まる」習慣が再発を防ぎます。</p>

<p>⑩睡眠を整える</p>

<p>起床・就寝時刻を固定し、睡眠を妨げる光や音、カフェインを調整しましょう。睡眠の質は、心の安定の土台です。</p>

<p>⑪食事を摂る</p>

<p>空腹や偏食は、気分にも影響します。少量でも栄養バランスを意識し、食べる行為そのものを&quot;自分を養う時間&quot;として大切にしましょう。</p>

<p>⑫ストレッチやテレビ体操などの軽運動を取り入れる</p>

<p>体を動かすことで脳が整います。やれる範囲でかまいません。続けることが目的です。</p>

<p>⑬散歩を心がける</p>

<p>リズム運動は、脳と心を整えます。外の空気や光に触れることで、気分が自然に上向きます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「休む技術20」：生活の休息編</h2>

<p>⑭趣味の時間を確保する</p>

<p>&quot;楽しい&quot;と感じる時間は、心を温める最良の回復薬です。小さな楽しみを取り戻しましょう。</p>

<p>⑮動物とのふれあいを持つ</p>

<p>ペットや小さな生き物と関わることで、無条件の安心感を得られます。観察でも十分癒しになります。</p>

<p>⑯自然に触れる</p>

<p>都市で生活していても、花や木、風や光に目を向けるだけで&quot;生命のリズム&quot;を取り戻せます。</p>

<p>⑰家族を大切にする</p>

<p>家族は人類の自然な支えの単位です。日頃から「ありがとう」「大切だね」と伝え合うことが、心の安心をつくります。</p>

<p>⑱職場の人間関係を大切にする</p>

<p>人はひとりでは生きられません。思いやりをもって働くことで、仕事が再び&quot;生きる場&quot;になります。</p>

<p>⑲キャパオーバーを避ける</p>

<p>自分の限界を把握し、上司・チームと早めに共有して優先順位を整える勇気を持ちましょう。</p>

<p>⑳キャパオーバーになったら、疲労回復を最優先する</p>

<p>頑張り続けると、心に蓄積疲労が起こります。立ち止まり、眠り、休む――それが回復の第一歩です。</p>

<p>休むとは、怠けることではありません。それは「自分という生命を整える力」です。休息を学ぶことは、人生を学ぶこと。紹介した20の技術は、心・体・生活三層に同時に働きかけ、日々&quot;やわらかな強さ&quot;を育てます。</p>

<p>たとえば「散歩」は、体を動かすだけでなく、自然のリズムに触れて心を鎮め、生活の流れも整えます。「淡々と生きる」という心の技術は、呼吸や筋緊張を安定させ、人との関係も穏やかにします。三層は連動します。今日の自分に合うものをひとつ選び、小さく始め、無理なく続ける――それだけで回復力(レジリエンス)は確かに育っていきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>うつからの回復は、&quot;心の花&quot;を咲かせるということ</h2>

<p>うつ病は敵でもなければ、退治すべき「病魔」でもありません。それは真面目に生き、責任感を持ち、人を思いやる人ほど抱える「生きている証」です。</p>

<p>わたしの精神科医としての役割は、うつ病を抱える患者さんを丸ごと受けとめ、安心と信頼を与えることです。そして、焦らず、ゆっくりと時間をかけ、共に歩む。その積み重ねが、再び人生を楽しむ力へとつながっていくと信じています。</p>

<p>この10年で、坂本さんの表情には、だんだんと笑みが増えていきました。その笑顔は、長い冬を越えたあとの春風のような温かさが、診察室に流れるようでもありました。坂本さんの笑顔は、何かが完全に治ったというより、「もう一度、生きてみよう」と心の奥で灯がともった瞬間だったように思います。</p>

<p>人の心は、折れながらも、もう一度まっすぐに立ち上がる力を秘めています。それは、理屈ではなく、誰かとのつながりの中で静かに育まれていくものです。坂本さんにとってのそのつながりは、家族の支えであり、デイケアで交わした小さな笑い声でした。肯定的な体験とは、そうした「小さな安心」の積み重ねにほかなりません。</p>

<p>わたしは、患者さんにこう語りかけることがあります。</p>

<p>「生きているだけで成功ですよ」</p>

<p>「結果を出せなくても、うまくいかなくてもかまいません。それでも、わたしの人生には確かな価値がある......」</p>

<p>そう思えるときこそが&quot;絶対的なプライド&quot;を持っている状態です。人が人として生きる根本の力です。これが持てるようになるほど、心の根が太くなり、折れ難くなっていきます。何度でも立ち上がれるようになっていきます。</p>

<p>「人見るもよし　人見ざるもよし　我は咲くなり」</p>

<p>作家・武者小路実篤のこの言葉は、人に評価されることを目的とせず、自分の生をそのままに咲かせる勇気を語っています。心の花は、&quot;絶対的なプライド&quot;の象徴です。わたしたちは、とかく他者の目を気にし、うまく生きられない自分を責めがちです。</p>

<p>花が人に見られるために咲くのではないように、人間も同じです。人生もまた&quot;評価されるため&quot;にあるのではないのです。人が見ていようと見ていまいと、自分のペースで咲き、生きていること自体に意味があります。</p>

<p>では、「自分だけの花」とは何でしょうか。それは、光も影も、喜びも苦しみも、すべてを含んだ&quot;丸ごとの自分&quot;です。失敗や挫折、迷いもまた、その人の花弁の一枚であり、その総体こそが、かけがえのない生命(いのち)のかたちをつくっています。</p>

<p>苦悩を抱えるとき、人は「咲けていない」と感じます。けれども実は、苦しみながらも一歩を踏み出しているその姿こそが、誰にも似ていない花が咲く瞬間なのです。人は誰もが、自分という花を咲かせながら生きています。うつからの回復とは、この&rdquo;花&rdquo;が再び陽の光を受け取り、静かに、その人らしい色で咲きはじめることなのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 22 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[広岡清伸（精神科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「僕はマナティに似てる、くるまは動きを止められないマグロ」 松井ケムリさんが初の単著に込めた思い  松井ケムリ（令和ロマン・お笑い芸人）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14175</link>
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			<description><![CDATA[令和ロマン・松井ケムリ初の単著『ナマケモノの朝は午後から始まる』が4月23日発売。紀伊國屋書店新宿本店で行われた、動物愛あふれる記者会見とお渡し会の様子をお届け。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="松井ケムリ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260421matsuikemuri01.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年4月21日、東京・紀伊國屋書店新宿本店にて、お笑いコンビ・令和ロマンの松井ケムリさんによる初の単著『ナマケモノの朝は、午後からはじまる。』（4月23日発売）の発売記念イベントが行われました。</p>

<p>芸能界きっての動物好きとして知られるケムリさんが、独自の視点で動物たちの不思議で愛らしい生態と、自身の人生観をユーモラスに綴った本作。記者発表会では、執筆の裏側や「親孝行」と語る出版への想いが明かされたほか、会見後にはファンとの交流を楽しむサイン本お渡し会も行われました。ケムリさんらしい笑いと、動物への愛に包まれたイベントの様子をお届けします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>初の単著出版は「親孝行」</h2>

<p>会見の冒頭、ケムリさんは初の単著を出版した率直な感想を語りました。以前、コンビのYouTubeチャンネル「僕らの別荘」として本を出したことはありましたが、自分一人の名前が背表紙に刻まれる「単著」という形には特別な思いがあるようです。</p>

<p>「背表紙に自分の名前があるのは親孝行だなと思い、すごく嬉しい。胸を張れる」と、喜びを噛み締めていました。</p>

<p>自身の自己採点は「81点」。内容には非常に満足しているものの、「自分が書いているという恥ずかしさ」で少しだけマイナスしたという回答に会場は温かな笑いに包まれました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「頑張りすぎない」生き方の提案とマナティーの共通点</h2>

<p><img alt="松井ケムリ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260421matsuikemuri02.jpg" width="1200" /></p>

<p>本のタイトル『ナマケモノの朝は午後から始まる』には、ケムリさんの独自の視点が込められています。今の時代に多い「バリバリ働く」というマッチョなスタイルとは少し距離を置き、エコに、そして自分らしく生きるナマケモノのようなスタイルを伝えたいと考えたそうです。</p>

<p>自身を動物に例える場面では、天敵がいない環境で優しく育つ「マナティー」を挙げました。その理由を「僕も親の力で天敵がいない場所でぬくぬく育ったから」と分析。自身の生い立ちを笑いに変えつつも、動物の生態と自分を重ね合わせる鋭い視点を見せました。</p>

<p>芸能界での「天敵」について問われると、「いるとしたら週刊誌ですかね」と冗談めかしつつも、「僕は（撮られて困ることはないので）大丈夫です」と笑顔で即答。</p>

<p>一方で、相方のくるまさんが似ている動物については「常に動き続けないと死ぬマグロに近い」と評し、対照的な二人の個性を浮き彫りにしました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ソロ活動での「役割の変化」と意外なメリット</h2>

<p><img alt="松井ケムリ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260421matsuikemuri03.jpg" width="1200" /></p>

<p>最近増えている一人での仕事について、コンビの時との違いを問われると、芸人としての責任感に触れる場面もありました。「令和ロマンでいたら絶対くるまがやってくれる『ボケる役割』を、一人の時は自分がやらなきゃいけない」と語り、役割の変化に新鮮さを感じているようです。</p>

<p>ただ、一人仕事には嬉しい副産物もあるようで、「楽屋が広いんですよ」と嬉しそうな表情。さらに、魚嫌いのくるまさんに気を遣うことなく「どのお弁当を食べようか自由に悩める」と、一人時間を満喫している様子を明かし、会場を沸かせました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>読んでほしい人は「奥さん」と「ニカゲームのメンバー」</h2>

<p>この本を誰に読んでほしいかという質問に対し、ケムリさんは「奥さん」を挙げました。本の中にはケムリさんの弱気な一面や意外な人生観も綴られており、「僕のことをもっと知ってもらえると思う」と語ります。</p>

<p>また、現在テレビ番組「ニカゲーム」で共演しているKis-My-Ft2・二階堂高嗣さんや、timelesz・猪俣周杜さんにも「お互いを知っていく途中なので、ぜひ読んでほしい」と名刺代わりに自身の想いが詰まった本書を読んでほしい考えを明かしました。</p>

<p>気になる相方・くるまさんの反応については、「まだ渡していない」としつつも、くるまさんから「帯を書きますよ」という提案があったそう。「あんま相方が帯書くことはないと思うんですけど」と少し困った表情を見せました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>熊猿の豆知識は...？</h2>

<p>会見では、動物愛好家としての知識も披露されました。最近知ったという「とっておきの豆知識」として、キリンの頭蓋骨が年齢を重ねても成長し続けるという驚きの事実を紹介。</p>

<p>「首を振り合って喧嘩をする時の遠心力を出すために、カルシウムがついて大きくなっていくらしいんです」と専門的な知見を明かしました。</p>

<p>さらに、M-1グランプリ2024のネタで登場した&quot;熊猿&quot;については「意外と触ると柔らかい」と表現、会場に笑いを誘いました。</p>

<p><img alt="松井ケムリ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260421matsuikemuri04.jpg" width="1200" /></p>

<p>記者発表会に続き、同店内でサイン本お渡し会が実施されました。ケムリさんが待っていたファン一人ひとりを優しく迎え入れる姿が印象的でした。</p>

<p>遠方からこの日のために駆けつけたファンの方や、直接会えた喜びに胸を熱くする方、さらには「(5月に控えている)令和ロマンの単独ライブも楽しみにしています！」と笑顔で報告する方など、会場は終始穏やかな活気に包まれました。</p>

<p><img alt="松井ケムリ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260421matsuikemuri05.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 21 Apr 2026 20:45:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[松井ケムリ（令和ロマン・お笑い芸人）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「偏差値」と「学ぶ力」は無関係　慶応大教授が考える、生きた知識の身につけ方  今井むつみ（慶応義塾大学教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12050</link>
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			<description><![CDATA[学習を楽しみながら続けるには？今井むつみさんが、生きた知識を獲得するための前提条件を教えてくれました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="学び" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_reading.jpg" width="1200" /></p>

<p>認知科学、言語心理学などを専門とする慶応義塾大学教授の今井むつみさんは、「学び」のモチベーションを報酬にしてしまうと持続性が失われてしまうと話します。学び続けるための好奇心を育むには？詳しくお聞きしました。<br />
構成・文：<img alt="" src="../image/gaiji-taka-gb.png" />高松夕佳</p>

<p>※本稿は、月刊誌『PHP』2024年4月号より内容を抜粋したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「学び」をつまらなくする要因</h2>

<p>まず私がお伝えしたいのは、知識とは教えられて覚えるものではなく、自分で作るものだということ。そして、そうした学びはとても楽しいということです。</p>

<p>最近は日本の教育界でも「主体的な学び」をキーワードにさまざまな試みがなされています。にもかかわらず、知識は教えてもらうもの、テストでよい点を取るためのもの、というマインドが染みついて抜けていない。そのことが「学び」をつまらなくしているように思います。</p>

<p>そもそも私たちは誰しも自分の力で知識を得て大人になってきました。その最たるものが言語習得です。赤ちゃんは誰から教わるでもなく言葉を覚えます。赤ちゃんは環境内にある言語を自ら分析し、仮説を立てて使い、修正するというサイクルを自然と繰り返しているのです。</p>

<p>言葉にかぎらず、子供は世界を探索しながら、経験を通して知識を蓄積しています。ところが学校に入ると、学びとは教室で座って先生の話を聞くこと、テストで効率よくいい点を取ることとされてしまうのです。</p>

<p>現代社会はとかく相対的な序列で学力や知的能力を測ろうとしますが、偏差値やランキングなどの相対的な位置づけは、自ら切り拓く学びの力とは関係がありません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>学びの喜びは自分が変わること</h2>

<p>分野にかかわらず、一流の熟達者で「一番になる」とか「お金を稼ぐ」ことを目標にしている人はいません。彼らはもれなく、「今までできなかったことができるようになること」に喜びを見出し、自分が少しでも成長すること自体を報酬にしているのです。</p>

<p>目標に向かって取り組む中で、自分自身が日々変わっていくのが楽しい。そういうマインドを持てればしめたものです。</p>

<p>「モチベーションを上げるために報酬を与える」という考え方がありますが、外からの報酬には注意が必要です。しばらくのあいだは効果があっても、ある時点で頭打ちになるからです。効果を持続させるには、報酬を上げ続けなければいけません。</p>

<p>それを実現しているのがテレビゲームです。ゲームの報酬には際限がありません。プレイヤーの技術が上がれば上がるほど報酬が上がり続けるようにできているから、ハマるのです。</p>

<p>でも現実には報酬は上がり続けません。報酬をモチベーションの源にするかぎり、いずれ燃え尽きてしまう。志望校合格だけを目指した結果、大学入学後に目的を見失ってしまう人がいるのもそのせいです。</p>

<p>知らなかったことを知ることで自分自身が変わっていく楽しさは、一度味わうと病みつきになります。学びの本質的な喜びを体感できるような教育が、今求められていると思います。</p>

<p>探求したいものや好きなことは、人によって違います。先生がクラスの子一人ひとりを手取り足取り指導するのは不可能です。だからこそ、自分で「学び方」を体得することが大切なのです。</p>

<p>そこでの教育者や保護者の役割は、引っ張り上げるのではなく、下から支える「足場かけ」。子供から疑問を投げかけられたとき、「それは先生に教えてもらいなさい」と言ってしまうと、「知識とは先生に教えてもらうものなのだ」という思考を植えつけてしまいます。</p>

<p>まずは「おもしろいね。一緒に調べてみようか」と子供の好奇心に寄り添って足場をかけ、徐々に足場を外していきましょう。そうすれば子供は学び方を覚え、自分でどんどん学んでいきます。</p>

<p>そのようにして獲得した「生きた知識」には終わりがありません。しだいに応用力がついてきて、結果的にテストでも高得点が取れるようになります。</p>

<p>私たちは日常で出合うさまざまな事象を理解する際、つねに自ら「行間を補って」います。このとき行間を補うのに前提となる常識的な知識を、心理学では「スキーマ」と呼びます。</p>

<p>たとえば、算数が苦手な子は、このスキーマ自体が間違っているパターンが多い。2分の1と3分の1でどちらが大きいかがわからない中学生が25パーセントもいるのです。こうしたつまずきに陥っている人に正解や問題の解き方だけを教えても効果はありません。まずはスキーマ自体をほぐしてあげることが大切です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>失敗するから修正できる</h2>

<p>スキーマを確立する上で重要なのは、自らの経験に紐づけることです。とくに骨格となる概念は経験を通して自分で作っていく必要があります。</p>

<p>経験にもとづけば生きた知識が作れますが、人間ですから間違うことも当然あります。でも、間違うことは悪いことではありません。間違った知識を獲得しても、使ううちに過ちに気づき、修正していけばいいからです。</p>

<p>絶対的に正しいスキーマは存在しないし、誤ったスキーマを作ってはいけないわけでもありません。そもそもスキーマを持たなければ人は学ぶことができないのですから。</p>

<p>実際、幼い子供は7、8割合っている程度の言語力で、どんどん言葉を使っていきます。そのおかげで語彙が一気に増える。</p>

<p>自ら学ぶ手がかりを探し、試行錯誤を重ねて増やした知識は、次の学びに使えます。さらに知識を増やし、学び方も修正できる。子供は母語習得において自然とそうした学びを行なっているのです。</p>

<p>生きていく上で修正力は非常に大事で、間違わなければ修正力も身につきません。昨今は保護者も教育者も、子供が失敗しないようにとお膳立てをしすぎていますが、失敗は重要なのです。失敗を経て何かを学び、克服できたとき、人の精神力は最も鍛えられますし、自己肯定感も高まります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>学びを続けるコツ</h2>

<p>はりきって始めたのに続けられないという人は、目標設定を見直してみましょう。大事なのは自らの成長を実感できること。5年は続けなければ達成できないことを始めたのに、半年で成果が見えないと「もうダメだ」とあきらめていませんか？</p>

<p>自分は今何ができて、何ができないのか。冷静に自己分析し、現実的な目標設定をすれば、どこまでできるようになったかを毎日実感することができます。短期的な成長という報酬を自分に与えつつ、長期的なビジョンを見据える。この両方が、学びを続けるコツです。</p>

<p>また、間違ったスキーマを一生持ち続けてしまうと、新たな学びが得られません。無意識のうちに染みついた自分のスキーマを振り返り、意識的に修正していくことが非常に重要です。</p>

<p>外国語学習が難しいのも、スキーマの違いのせいです。スキーマは生活経験から作られるもの。大人は修得したい外国語のスキーマを持たないので、その言語には通用しない母語のスキーマを使ってしまいがちです。こんなに英語を勉強しているのに身につかないという人は、スキーマの部分から見直して英語を探求してみると、おどろくほど伸びると思いますよ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【今井むつみ】</p>

<p>1989年、慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。&#39;94年、ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得。専門は認知科学、言語心理学、発達心理学。著書に『学びとは何か』『英語独習法』（以上、岩波新書）、『言語の本質』（共著、中公新書）などがある。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_reading.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 21 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[今井むつみ（慶応義塾大学教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「厳しい上司」と「優しい上司」 どちらが成果を出せるチームをつくるのか  鈴木亜佐子（スタンフォード大学認定コンパッション・アンバサダー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14092</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014092</guid>
			<description><![CDATA[部下を成長させるために、リーダーに求められる態度とは。鈴木亜佐子さんが成果を生み出すコンパッション・リーダーシップについて紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="成果を出せるチーム" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmtg4.jpg" width="1200" /></p>

<p>部下を成長させるためには、厳しく接するべきか、優しく寄り添うべきか。多くのリーダーが「優しくしたら成果が出ないのでは」という葛藤を抱えています。しかし、コンパッション（いたわり・優しさ）は単なる理想論ではなく、エンゲージメントや創造性を高める「最強の戦略」です。</p>

<p>本稿では、スタンフォード大学認定コンパッション・アンバサダーである鈴木亜佐子氏の著書『スタンフォード式 自分をいたわる人がうまくいく』より、優しさを組織の「仕組み」に変え、成果を生み出すコンパッション・リーダーシップについて紹介します。</p>

<p>※本稿は、鈴木亜佐子著『スタンフォード式 自分をいたわる人がうまくいく』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「優しくしたら成果が出ない」という呪い</h2>

<p>良心的で誠実なリーダーほど、「優しさを出しづらい空気」との葛藤を抱えています。</p>

<p>会議で部下の意見をていねいに聞けば「甘いマネジメントだ」と言われる。</p>

<p>一人ひとりの成長ペースを尊重すると「厳しさが足りない」と評価される。</p>

<p>その背景には、「歯を食いしばってがんばれば道は拓ける」「愛のムチこそ人を育てる」といった長く日本社会に根づいてきた価値観があります。</p>

<p>その結果、「優しさ＝甘さ」「成果と優しさは両立できない」という誤解が、ごく自然な常識のような顔をして広がってしまったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>優しさが封じられた職場で起きること</h2>

<p>誰かが悪意を持っているわけではありません。</p>

<p>むしろ、「ちゃんとしなければ」「厳しくしなければ」という善意から、優しさが引っ込んでしまうのです。けれど、その結果として次のようなコストが積み重なっていきます。</p>

<p>上司は、本当は助けたい気持ちを押し殺し続け、共感する力がすり減っていきます。部下は、「助けて」と言い出せず、一人で抱え込みます。小さなミスが重なり、やがては大きなトラブルや突然の休職につながってしまいます。</p>

<p>チーム全体では、「声をかけづらい」「弱みを見せづらい」空気が広がり、心理的安全性が低下します。誰もリスクを取りたがらず、新しい挑戦やアイデアが生まれにくくなっていきます。<br />
本書ではこれを、「優しさの不在コスト」と呼んでいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>優しさを「仕組み」に変える技術</h2>

<p>「一人ひとりは優しいのに、組織全体の雰囲気はギスギスしている」「よい人が多いのに、助け合いが個人の善意に任されている」。そんな違和感を抱いたことはないでしょうか。</p>

<p>理由は、とてもシンプルです。優しさが個人に依存している限り、組織の空気は変わらないからです。忙しくなれば、思いやりは真っ先に削られます。場の緊張が高まれば、思いやりは後回しになります。だからこそ必要なのは、思いやりを「仕組み」にするという視点です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>優しさを「仕組み」にしたリーダーたち</h2>

<p>実際に、コンパッションを経営の仕組みとして組み込み、成果にまでつなげている企業は存在します。彼らがしているのは、優しさを「思いつき」や「その人の性格」に頼らせず、日常のルールや制度の中に、あらかじめ組み込んでしまうことです。</p>

<p>世界最大級のビジネスSNSを運営するリンクトインの元CEOジェフ・ワイナーは、議論がヒートアップしたとき、「ちょっと待ってください。彼がそこまで強く主張している背景に、どんな経験や感情があるのか理解できているでしょうか」と一言挟みました。相手を言い負かす議論が、対話に切り替わります。優しさは、対立を創造的なエネルギーに変える「場づくりの技術」なのです。</p>

<p>アウトドアブランドのパタゴニアは、「社員の人生が豊かでなければ、会社の仕事も決して豊かにはならない」という哲学のもと、社員の人生を丸ごと支える制度として優しさを形にしました。</p>

<p>セールスフォースとユニリーバは、社会への貢献やコンパッションを企業理念や経営の核に据えました。</p>

<p>どれも、「たまたま優しい人がいたから」続いているわけではありません。会議のルールとして、人事制度として、企業理念として、意図的に設計されているのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>優しさは、もはや「理想論」ではなく、戦略</h2>

<p>「優しさが大事なのはわかる。でも、本当にそれで成果は出るのだろうか」という疑問もあるでしょう。</p>

<p>しかし今、世界中の研究ははっきりと別の方向を指し示し始めています。</p>

<p>大規模な国際調査では、「職場で尊重され、人として大切に扱われている」と感じている人ほど、仕事へのエンゲージメント（熱意・没頭・誇り）が著しく高いことが報告されています。人は、「ここでは自分が大切にされている」という感覚を持った瞬間、脳の中の「脅威モード」が緩みます。「失敗したらどうしよう」という防御のエネルギーが弱まり、その分、創造性や問題解決に力を使えるようになるのです。</p>

<p>優しさは、エンゲージメントを高め、離職を防ぎ、顧客満足度を底上げし、創造性と挑戦を支える。つまり、単なる「いい人であろう」という姿勢ではなく、成果を生み出すための「構造」そのものなのです。</p>

<p>短期の数字だけを追いかけ、人を消耗させる経営は、もはや長く持ちません。優しさは、もはや「理想論」ではなく、人間らしさをそのまま競争力に変える最強の経営資源なのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmtg4.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 21 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木亜佐子（スタンフォード大学認定コンパッション・アンバサダー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「初対面の人と会話が続かない」を解決　コミュ力に頼らない“すぐに使える会話術”  ひきたよしあき（コミュニケーションコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14086</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014086</guid>
			<description><![CDATA[初対面の人と話すのが苦手な人は、どのようなことを意識すればよいのか。「名前」と「時間・空間の共有」を使った、人見知りの人でもできるコミュニケーション術をひきたよしあきさんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Bizcommunication.jpg" width="1200" /></p>

<p>入学や入社、転職...新たなスタートを始めると、「はじめましての人」と関わる機会も多くなりますが、「人見知りだから何を話していいか分からない」と不安になる人も多いかもしれません。</p>

<p>現在「言葉のプロ」として活躍するひきたよしあきさんも、昔は人と話すことが苦手だったそうですが、雑談のコツを知ったことで、楽に雑談できるようになったとのこと。本稿では、ひきたさんが編み出した「はじめましての人とも話せるコツ」を紹介していただきます。</p>

<p>※本稿は、ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「観察＋感情」で話しはじめる</h2>

<p>「はじめまして」の人としゃべるのがつらいのは、共通点がないから。どんな話をしたらいいか、まるでわからない状態です。でも、実は、共通点は作れるのです。私は、次の2つのステップで、共通点を発見しています。</p>

<p>①観察：一緒にいる空間を観察して、共有できるネタを探す</p>

<p>②感情：その観察についての、「自分の感想」を述べる</p>

<p>ポイントは「空間」です。たとえば、飲み会で同じテーブルについたなら、こんなふうに......</p>

<p>観察：隣の席で注文した焼きそば、美味しそうですよ</p>

<p>感情：あ〜、なんか急にお腹減ってきたなぁ</p>

<p>という感じ。そのあとに、「中華、よく来るんですか？」とか「注文、もう決めましたか？」などと、相手に質問して、相手にも口を開いてもらいます。</p>

<p>この方法が編み出せたのは、ある人の言葉がきっかけでした。それを教えてくれたのは、若き政治家です。政治家は、とにかく人とよく会います。はじめましての人とも頻繁に会い、コミュニケーションを図らないといけません。だから、初対面の人に慣れていると思い、質問しました。</p>

<p>「どうすれば、知らない人と仲良く話すことができるのですか？」</p>

<p>すると、彼はこう教えてくれました。「同じ釜の飯を食ってる感、を出すことです」相手も自分も、今この瞬間は、同じ時間と空間を共有しています。これこそ、話のネタにしやすいですよね。</p>

<p>たとえば、「このレストランは内装がおしゃれですね。こういうレストランにはよく行かれますか？」とか、「このスープ、すごく味が深いですね。スープはお好きですか？」とか。同じ時間と空間で、同じように五感をはたらかせていることを強調します。そうすれば、持っている話題がなくても、観察次第でいくらでもネタが出てくるそうです。</p>

<p>「あぁ、話すネタがない。話が続かなくなったらどうしよう」と悩んだら、深呼吸して周囲を見回してみましょう。五感のすべてをはたらかせて、周りを観察します。そして、今、自分がどんなことを感じているかを考える。観察し、感情をつぶやいたあとに、相手に話をふってみる。話題に行き詰まったら、再び観察して、次の話題を見つける。雑談はその繰り返しで成り立っていきます。</p>

<p>大事なのは、ライブ感です。今、この瞬間、自分たちが何を共有していて、どう感じているか。まずは、自分が感じたことを口に出して共有してみてください。そこを、上手く共有して乗り越えられれば、相手と仲良くなれる。最低でも、お互いの印象がよくなることは間違いありません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>名前の話でファーストコンタクトを制す</h2>

<p>はじめて会った人に、たったひと言で自分が相手に興味を持っていることが伝わるコツを知っていますか。それは相手の「名前」を呼ぶこと。名前は、生まれてこのかた、その人が最もよく聞く親しみ深い言葉のひとつです。名前を呼ぶことで、相手に興味があることを示すことができます。</p>

<p>たとえば、はじめて会った人とは、こんな自己紹介をしていませんか。</p>

<p>「はじめまして、○○と申します」</p>

<p>「どうもどうも、はじめまして、△△です」</p>

<p>こんな感じで、自己紹介をお互いに終わらせるのはもったいない！では、どうすればよいか。具体的に相手の名前を呼んで好印象を与える方法を紹介します。</p>

<p>初対面のとき、ビジネスシーンであれば名刺交換をします。まず、名刺をもらったら、とにかく相手の名前を声に出すこと。これを心がけてください。受け取ると同時に、「鈴木紗香さん、ありがとうございます」と、名前の読み方が間違っていないか確認します。ビジネスシーンでなくても、名前を聞いたら、相手の名前を口に出してリピートしてください。</p>

<p>そして、「紗香さんの紗は、糸へんの紗なんですね。間違えないようにします」などと、名前の話題を続ける。名刺をもらわないシーンであれば、相手の名前の漢字をどう書くか、確認してください。これだけの短い会話の中に、相手の苗字と名前を何回も口にしています。これで、かなりの印象度アップになるはずです。</p>

<p>さらに、名前の話を続けたり、話の途中に名前のことを折り込んだり、名前を通して相手に関心があることを繰り返し伝えていきます。たとえば、漢字の組み合わせ方など、名刺を目にしたときに自分が気になったことを聞けばよいのです。具体的には、こんなことが話のタネになると思います。</p>

<p>・読み方</p>

<p>・漢字(好き、難しい、めずらしい、見た目がきれいなど)</p>

<p>・画数(多い、シンプル、書きやすそうなど)</p>

<p>・名前(親戚・友人、タレント、マンガの主人公と同じなど)</p>

<p>「素敵なお名前ですね」「俳優さんみたいですね」「はじめて見ました」など感想や自分の気持ちをつけ加えるといいですね。そして、以後の会話は、「鈴木さん」を主語にして話すように意識しましょう。</p>

<p>改めて重要ポイントを繰り返します。相手の名前は、出会った瞬間に何度も声にして覚える。ぜひ実行してください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分の名前をネタのひとつにする</h2>

<p>【Q】あなたは、自分の名前の由来を語れますか。</p>

<p>私は、大学で講義をする際に、まず学生たちに「名前の由来」を紙に書いてもらうようにしています。「私の名前は、晴香です。私が生まれた日は晴れていて、晴れの日の香りがするようにと、両親がつけてくれました」「私の名前は、響です。父が好きなお酒の名前だそうです」</p>

<p>最近は、キラキラネームや読み方のわからない名前も多く、多くの小学校で「名前の由来」を調べる授業をやっています。だから若い世代は、スラスラと自分の名前の由来を語ってくれる。ご両親が好きだったマンガやアーティストの名前からつけられたものも多く、それだけで話題が広がっていきます。相手をよく知るきっかけにもなります。</p>

<p>このように、自己紹介の際の話のネタとしては、「自分の名前」もかなり使えます。話を展開するときに、＜自分の名前について話す&rarr;相手にも聞いてみる＞というやり方もあるからです。雑談が苦手な人も、自分の名前についてだったら、自分から話すこともできますよね。</p>

<p>もしも、これまで自分の名前を活用してこなかった人は、自分の名前の由来を語れるようにまとめておくことをおすすめします。ちょっとした話で大丈夫。名前だけを言って終わるよりも、由来もつけて説明することで、あなたの名前は、より相手の印象に残るはずです。</p>

<p>由来は、名づけ親に聞いてみるのも一手ですが、名前に使われている「漢字の起源」を調べておくだけでもいいと思います。たとえば、私の名前を漢字で書くと「吉昭」ですが、この「吉」という字は、お鍋の中に幸福を詰め込んで、上から蓋をしている状態を示しているとか。</p>

<p>こういう話を自己紹介に入れると、「吉」という字のつく名前だったのかと、相手に印象深く伝えることができます。名前は、雑談の突破口になる言葉。活用しない手はないです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 21 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ひきたよしあき（コミュニケーションコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「自己肯定感が高いけど自己評価が低い」松井ケムリさんが思う、くよくよの抜け出し方  松井ケムリ（令和ロマン・お笑い芸人）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14076</link>
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			<description><![CDATA[令和ロマンの松井ケムリさんは、自身をくよくよした性格だと話す。そんなケムリさんに、楽しく生きていくための処世術を教えてもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="松井ケムリ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331matsuikemuri052.jpg" width="1200" /></p>

<p>M-1グランプリで2年連続で王者に輝いた、令和ロマンの松井ケムリさん。多忙な日々を送りながら、自身の内面については「自己肯定感は高いが、自己評価は低い」「実はくよくよしがち」と意外な分析をしています。</p>

<p>著書『ナマケモノの朝は、午後からはじまる。』（Gakken）を刊行したケムリさんが実践する「くよくよ」との向き合い方や、人との心地よい距離感を保つための考え方をうかがいました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人によって態度を変えるのは好きじゃない</h2>

<p><img alt="松井ケムリ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331matsuikemuri032.jpg" width="1200" /></p>

<p>――本の中で「誰かをなめないって大事」とおっしゃっていましたね。</p>

<p>【ケムリ】なめた態度を取っていた人が偉くなるかもしれないし、なめられないようにするのは生き方として正解だと思います。僕は苦手ですけど。</p>

<p>――人をなめない態度として、ご自分の中で心がけていることはありますか？</p>

<p>【ケムリ】どんだけ知らない人にもちゃんといじられてあげること、流行りの言葉で言えば「すかさない」ことです。</p>

<p>人によって態度を変えることがまず良くないと僕は思っていて、それが人をなめないことにつながるんじゃないかなと思います。「この人ならこれをしてもいいだろう」とあんまり思わないようにしています。</p>

<p>――若いうちはそれができない人のほうが多いのかもしれません。</p>

<p>【ケムリ】不安なんでしょうね、やっぱり自分の立ち位置とかそういったことが。その気持ちもわかります。</p>

<p>――ケムリさんご自身は、将来への不安はなかったんですか？</p>

<p>【ケムリ】不安はありましたが、欲がないんで「仕事がなくなってもいっか」と思っていました。元々そんなに働きたくもなかったので。僕らの別荘もあるし、そっちで暮らせばいっかと。</p>

<p>多分、自分に自信があるんでしょうね。なんとかなってきたから、これからもなんとかなると思ってる。実力があるとかじゃなくて、自己肯定感が高いだけです。</p>

<p>――育ってきた環境の中で、自己肯定感を高めてもらえたきっかけはありますか？</p>

<p>【ケムリ】あんまり実感はないんですよね。</p>

<p>小さなことの積み重ねや、愛されているという自覚だったり。親がサポートしながら、サポートされた感じを与えないようにしてくれたのかもしれないです。自分の力でやってきたように感じているのかも。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「くよくよする性格」に悩んでいるならホラーゲームを？</h2>

<p><img alt="松井ケムリ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331matsuikemuri04.jpg" width="1200" /></p>

<p>――一方で、ご自身の性格を「くよくよしがち」ともおっしゃっていますね。</p>

<p>【ケムリ】自己肯定感が高いけど自己評価が低いんですよね。でも、くよくよしている自分も好きなんです。悩んでいるおかげで前に進めている気がしちゃう。仕事のことはくよくよしがちですよ。「あの時あれを何で言っちゃったんだろう」とか。</p>

<p>――それはどれくらいの時間をかけて考えますか？</p>

<p>【ケムリ】最近はありがたいことに忙しいこともあって流れていくスピードが早くて、寝たらあのくよくよ感はなくなっていますね。ただ、悪い記憶が忘れられていくことが怖くて、本当は何かに悩みながら学びたいなと思っています。僕みたいなタイプがくよくよしなくなったら終わりですよ。</p>

<p>失敗を恐れず失敗して次の成長につなげることって大事だと思うんですけど、僕は極力ミスんないように生きたいんです。だからトライの回数が少ないのに、くよくよしなくなったら挑戦して何も考えず帰ってくるやつになってしまう。</p>

<p>――くよくよする性格に悩む人もいると思いますが、どうすればいいでしょう？</p>

<p>【ケムリ】気にせず失敗したらいいと言いたくなるけど、そういうことじゃないんだろうな...。どうしたらいいんだろう。うーん。</p>

<p>でも、勇気だと思うんですよ。一歩前に踏み出す勇気。</p>

<p>だから、勇気をつけるためにホラーゲームをしたらいいと思います！怖いところに自分の操作で入っていかなきゃいけない能動的なマインドのトレーニング。守っていれば安全地帯にいますけど、そんな自分にはサヨナラした方がいいですよ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>趣味がないです。助けてください。</h2>

<p>――ちなみに、最近は本屋大賞の本を遡って読んでいらっしゃるとか。</p>

<p>【ケムリ】たしかにどこかでそんなことも言いましたね(笑)本屋大賞作品は『カフネ』までしか読めてないんです。</p>

<p>でも結局、趣味ではないんですよね。仕事になればと思って読んでいるだけで。</p>

<p>――『めぞん一刻』が面白いというお話もされていましたね。</p>

<p>【ケムリ】アニメで全部見ました。好きでしたね。最近はみんなが読んでいるのに知らない漫画が多すぎるので、『北斗の拳』『チ。』『ブルー・ジャイアント』とかも読んでみました。『幽遊白書』も全部読みましたし、『デスノート』や『鬼滅の刃』も読みました。</p>

<p>趣味が本当にないんですよ。休日にやれる楽しみがなくて。もっと言えば何かをして感情が揺れ動くことがあんまりない。何かに夢中になれないんですよね。どうしたら夢中になれるんですかね。</p>

<p>――趣味のない人は、そのことに悩むという話も聞きます。</p>

<p>【ケムリ】趣味探しが趣味なんだろうなと思って。でも趣味がないです。助けてください。</p>

<p>（取材・執筆・撮影：PHPオンライン編集部 片平奈々子）</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 20 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[松井ケムリ（令和ロマン・お笑い芸人）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>部下の「心理的安全性」を高める5つのコツ　職場の雰囲気は上司の言動で決まる  ピョートル・フェリクス・グジバチ（プロノイア・グループ株式会社 代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14065</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014065</guid>
			<description><![CDATA[上司が悪気なく行っている言動が、部下のモチベーションを下げる可能性がある。部下と仕事する上で意識したい5つのことを、ピョートル・フェリクス・グジバチさんが紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ピョートル・フェリクス・グジバチ著『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_feedback.jpg" width="1200" /></p>

<p>部下と信頼関係を築いてより良いチームを作る上司と、部下との関係をなかなか構築できない上司――その違いはどこにあるのでしょうか。</p>

<p>人材育成や組織開発に長年携わってきたピョートル・フェリクス・グジバチさんは、信頼関係を築けていない上司が「日常の何気ない言葉で部下のモチベーションを下げている可能性がある」と指摘します。本稿では、最高のチームを作るために意識したい5つの行動について見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、ピョートル・フェリクス・グジバチ著『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>部下の「長所」を伸ばす</h2>

<p>日本企業の上司は、部下の「欠点」や「短所」に目を向けがちです。「なぜ、言われた通りにできないんだ!?」とか、「いつまで同じことをやっているんだ!?」と部下の問題点ばかり気にしていると、部下が萎縮するだけでなく、上司のストレスも蓄積します。お互いの成長のためには、「部下の長所を伸ばす」という視点を持つことが大事なポイントとなります。</p>

<p>人は自分が得意とする領域においては、最も速いスピードで学び、最も深い成長を遂げます。シリコンバレーを中心に、世界中の企業で注目されている「ポジティブ心理学」は、単なる理想論ではありません。ポジティブ心理学の強みや長所を活かすアプローチは、学習効率や持続力、主体性を飛躍的に高める......という極めて実践的な知見に基づいています。</p>

<p>日本の「メンバーシップ型雇用」(職務内容や勤務地を限定せず、新卒などを長期的に育成する日本特有の雇用システム)においては、割り当てられる仕事と個人の適性の間にミスマッチが生じることは避けられません。</p>

<p>このような環境下で弱点を責めるマネジメントをすると、組織内の摩擦を増やすことになりますが、強みを活かすマネジメントを選択すれば、個人の可能性を大きく広げることができます。長所に注目するマネジメントは、部下を甘やかすことではなく、組織が成果を最大化するための合理的な選択といえるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「一方通行」の会話をやめる</h2>

<p>成果を出せない上司に共通する特徴は、部下との会話のほとんどが「一方通行」で、言葉のキャッチボールができていないことです。</p>

<p>日本の上司で最も多いのが、指示や指導、業務連絡などを一方的に伝えるだけで、何ひとつ部下に意見を求めないタイプであり、極端な場合には、部下の意見だけを聞いて、何も具体的なフィードバックをしないタイプもいます。どちらの上司も、部下と信頼関係を築けないことは間違いありません。</p>

<p>一方通行の会話が危険なのは、上司が指導や激励、感想のつもりで何気なく発した言葉が、部下には「叱責」と伝わって、モチベーションを下げてしまうことです。部下のやる気を失わせる上司の一言には、次のようなものがあります。</p>

<p>・「こんなこともできないの？」(能力の否定)</p>

<p>・「ホントに、やる気あるの？」(人格の否定)</p>

<p>・「前にも言ったよね」(自尊心の否定)</p>

<p>・「ちょっとレベルが低いな」(具体性のない叱責)</p>

<p>・「普通はこうするだろう」(価値観の押し付け)</p>

<p>こうした発言は、パワハラと認定されるリスクがあり、部下の萎縮や離職につながる可能性が高くなります。世界の一流の上司は、自分の意見を積極的に話すのではなく、部下への問いかけを重視しています。指導の際には、部下の人格について触れるのではなく、具体的な「期待」と「基準」を言葉にします。</p>

<p>例えば、「今回の期待値は〇〇であり、現状との差分は△△であるため、次は□□に変えてほしい」と、客観的な基準に照らした指示を伝えます。併せて、「あなた自身はどう考えたのか？」「これからどうしたいのか？」という問いを投げかけます。こうしたアプローチは、部下自身の思考を深く促すとともに、自らの仕事に対する責任感を引き出す効果をもたらします。</p>

<p>双方向の対話は、単なる部下への優しさとして提供されるものではありません。複雑化する現代のマネジメントでは、チームの成果を最大化するために不可欠な「最低限の技術」と考える必要があります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>部下の前で「愚痴」をこぼさない</h2>

<p>日本企業には、会社に対する不平や不満があると、部下の前で愚痴をこぼす上司が少なくありません。同じチームという安心感なのかもしれませんが、軽い気持ちで、「うちの社長はビジョンがハッキリしなくて困るよ」とか、「うちの会社は方針がコロコロと変わる」などと部下にボヤいているのです。</p>

<p>最も多く見られるのが、「役員が決めたことだから、課長の立場では何も言えないよ」という日本の中間管理職に特有の弱気な発言です。こうした発言を耳にした部下は、上司に責任を引き受ける意思がないことを即座に見抜きます。その瞬間に、上司の発する言葉はチームを動かす力を失います。</p>

<p>現場の苦労を理解しようとせず、自分の上ばかり見ている上司を、部下は「ヒラメ上司」と呼んで嘲笑していますが、上司本人は知る由もありません。手軽なストレス発散くらいのつもりで、部下に愚痴をこぼしています。</p>

<p>上司から聞かされる愚痴を、部下が額面通りに受け取ったり、上司に同情したりするようなことは滅多にありません。「あの人は信用できない」と感じたり、「自分も陰で何を言われているかわからない」と考え始めたりして、上司に不信感を抱くようになります。「自分より高い給料をもらっているくせに、何をやっているんだ!?」というのが部下の本音です。</p>

<p>部下に愚痴をこぼすことは、チームの士気を下げて、信頼関係を損ねる可能性が高くなります。上司から会社の悪口を聞かされて、不快な感情に陥ったり、精神的な苦痛を感じて仕事に支障が出たりする場合には、パワハラで訴えられることもあります。軽い気持ちで部下に愚痴をこぼすことは、どんな状況であっても「厳禁」と考えることが大切です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「好奇心」を持って部下との会話に集中する</h2>

<p>上司と部下が信頼関係を高めるためには、部下に対して好奇心を持ち、お互いの会話に集中することが大事なポイントです。部下が「報連相」(報告・連絡・相談)のために、上司のデスクに来て話を始めても、書類に目を通しながら聞いたり、パソコンの画面を見つめたまま耳を傾けたり......という態度は、どんなに忙しくても避ける必要があります。</p>

<p>こうした上司の姿勢は、傲慢な振る舞いと受け取られて、部下のやる気を削ぎ落とすことになります。部下が上司に求めているものは、「自分の行動に関心を持って、注視してくれている」という実感を得ることです。上司が好奇心を持って部下と接することは、部下の安心感につながります。きちんと相手の目を見て、ポジティブな表情と仕草で向き合えば、それだけで部下の心理的安全性が高まります。</p>

<p>逆に言えば、上司が好奇心を持って向き合わなければ、部下に投げかける質問も思い浮かぶことがなく、一方通行の会話が始まることになります。1on1ミーティングが部下にとって「拷問」のような苦痛な時間に変わってしまうのは、上司側の好奇心が欠如していることが主な要因です。相手への関心を欠いた対話は、何ら価値を生むことなく、ただ貴重な時間を消費するだけの行為に成り下がってしまいます。</p>

<p>日本の上司に多く見られるのが、自分で質問しておきながら、部下の答えを待たずに、自分で答えを先に言ってしまうパターンです。自分を偉く見せたいのかもしれませんが、こうした行動は、部下に好奇心を持って接していない証拠です。もっと言えば、上司が自分にしか興味がないことを物語っています。部下に対して「興味がない」という態度を示しても、何のメリットも生み出さない......と考える必要があります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>部下を一人の「人間」として見る</h2>

<p>世界の一流の上司は、「人に優しく、成果に厳しく」という意識を徹底させることで、チームの心理的安全性の確保とパフォーマンスの向上を両立させています。その根底にあるのは、部下を一人の「人間」として見る......という考え方です。</p>

<p>自分の部下は何を望んでいて、どんな夢を持っているのか？部下を「役割」として見るのではなく、一人の「人間」として見なければ、上司はこうした視点を持つことができません。この視点を持っていないことが、上司と部下の心理的な距離を作り出しています。</p>

<p>現代の若手社員は、会社に対して忠誠を誓うために働いているのではありません。彼らが求めているのは、自己の成長や、意義のある仕事を通じて、社会と密接なつながりを持つことです。携わる業務が社会に与えるインパクトを具体的に実感できなければ、若手社員にとって、離職はごく自然な選択となります。</p>

<p>若手社員のニーズに応えて、彼らの成長を促すためには、一人ひとりの部下に目を向けて、細かなフィードバックや適切なコーチングをする必要があります。そのためには、部下を一人の「人間」として見る......という視点を持って、絶えずそれを意識する必要があります。マネジメントの基本は、可能な限り部下の考えを尊重して、自律的な働き方ができるように、これからの道筋を明確に示すことなのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 20 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ピョートル・フェリクス・グジバチ（プロノイア・グループ株式会社 代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>売上No.1のカギは“捨てる”こと　「専門店化した宿」が伸びるワケ  内藤英賢（合同会社Local Story代表）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13965</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013965</guid>
			<description><![CDATA[「あれもこれもできる宿」よりも「ターゲットを明確化した宿」の方が高い満足度を得られる？観光ビジネスに長年携わる内藤英賢さんが、マーケティングのコツを解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="内藤英賢著『観光ビジネス』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tourist.jpg" width="1200" /></p>

<p>あれもこれもできるホテル・旅館と聞くと、「宿泊者が増えそう」と思うかもしれません。ところが、「何でもできる宿です！」というプロモーションでは、なかなか売上を伸ばすことは難しいと、観光業に長年携わる合同会社Local Story代表の内藤英賢さんは語ります。</p>

<p>観光ビジネスをする上で、どのようなことを意識すればよいか――本稿では、マーケティングのコツを紹介していきます。</p>

<p>※本稿は、内藤英賢著『観光ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>専門店化した宿が売上No.1になる時代</h2>

<p>「あれもこれも取ろうとする」集客戦術が、もはや通用しなくなっていることは、如実に数字にも表れてきています。以下は、楽天トラベルの全国売れ筋（売上）ランキング(51室〜100室ゾーン)です(2025年夏)。</p>

<p>1位：アンダの森 山形天童店</p>

<p>2位：道後温泉 大和屋本店</p>

<p>3位：アンダの森 伊豆いっぺき湖</p>

<p>4位：水上温泉 みなかみホテルジュラク</p>

<p>5位：有馬温泉 有馬御苑</p>

<p>6位：ホテル＆スパ アンダリゾート伊豆高原</p>

<p>7位：黒川温泉 優彩</p>

<p>8位：TAOYA日光霧降</p>

<p>9位：VIVOVIVA石垣島</p>

<p>10位：アラハマハイナ コンドホテル</p>

<p>上記の順位を見ると、あることに気付きます。</p>

<p>1位：アンダの森 山形天童店</p>

<p>3位：アンダの森 伊豆いっぺき湖</p>

<p>6位：ホテル＆スパ アンダリゾート伊豆高原</p>

<p>なんと、同じ屋号のグループ施設が、全国トップ10の中に3施設もランクインしているのです。これは凄いことですよね。</p>

<p>では、このアンダの森グループが行っている戦略は何なのでしょうか？それは「明確にターゲットを絞っている」という点です。公式Webサイトを見ていただければ分かりますが、一発で「ファミリーターゲットだ」ということが分かります。</p>

<p>代表的に使われている写真はどれもこれも「子どもが楽しそうに遊んでいる写真」です。見せ方、演出、客室、食事、サービスを全てファミリーに照準を合わせることでファミリー層を集客しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「あれもこれもできる」は魅力にならない</h2>

<p>ここで、ある疑問が浮かびます。「ファミリー層以外はどうしているんだ？」</p>

<p>答えは明白で「集客ターゲットとして捨てる」です。これが本当に日本の観光ビジネスでは苦手な手法なのです。</p>

<p>「ターゲティング」はマーケティング上は定石中の定石ですが、これがいざ実行するとなると、皆さんなかなか踏み出せない。「こんなにファミリーに寄せてしまうと、夫婦のお客様が......老人会のお客様が......」とマイナス面に目が行き踏み出せない。要は「捨てる」ということが「不安」なのです。</p>

<p>人間にはどうしても「損失回避の法則」という心理が働き、「捨てた方がいいということよりも、捨てて万が一失敗する方が嫌だ」という心理の方が勝ってしまうという性質があります。ここまで圧倒的な成功事例があってもです。</p>

<p>別業界ですが、飲食業界は先行してこの波に吞まれました。総合居酒屋という、言うなれば「あれもそれもターゲット」にした居酒屋が廃れ、「○○専門居酒屋」が増えていきました。街を見ても、「魚料理専門」「から揚げ専門」「焼き鳥専門」という店がいかに多いか気づくことでしょう。これは明確な消費者ニーズの変化です。</p>

<p>団体旅行時代は様々な人が混在するため、最大公約数的な施策が求められました。つまり「あれもこれもそれもに対応するスタイル」が良しとされたのです。しかし、個人が観光地や宿や飲食店を選ぶ時代となり、個人の趣味趣向は多様になり、そこに合ったお店とのマッチングが行われるようになりました。</p>

<p>ご夫婦旅行であれば、ご夫婦の雰囲気に合った宿が選ばれますし、ファミリーであれば、ファミリーに合った宿が選ばれるのです。そして、各事業者は毎日1000人など集める必要はないのです。多くても数百人かそこらの集客をすればいい訳で、そうなればターゲットを絞って、そこに向けて集客する方が合理的な訳です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大切なのは「ターゲットの明確化」</h2>

<p>これはサービス設計や顧客満足度を考える上でも重要なポイントになります。ファミリーであれば、ファミリー(もっというとお子様)が喜ぶ仕掛けを考えればよい訳です。「あれもこれもそれも」旅館は、全てに対応しようとするがゆえに全てが中途半端になり、誰にも刺さらないという現象が、顧客満足度においても起こります。</p>

<p>そして、来る客層も、それを目当てにくるのでミスマッチングが少なく、満足度が高いという訳です。「アンダの森　天童店」のクチコミをご覧いただければ分かりますが、元々は破産してしまった旅館とは思えない評価を得ていることが見て取れます。</p>

<p>恐らく飲食、小売り、アパレルなどの方がこの話を聞けば、「そんなの当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、観光ビジネスではその波が「これから」くるのです。これを知っていると知らないとでは、ビジネスの成功確率がかなり違ってくることでしょう。</p>

<p>実際、新しくOPENする宿、若手がやる宿は、そのように「ターゲットを明確に絞った宿づくり」になっていると感じます。</p>

<p>・アドベンチャーツーリズム専門宿</p>

<p>・美味しい野菜を食べさせる宿</p>

<p>・インバウンド専門旅館</p>

<p>そして、軒並み人気店となっています。今後はターゲットを明確化した様々なビジネスが生まれることでしょう。</p>

<p>・ひとり旅専門の旅館</p>

<p>・50代／60代の落ち着きたいご夫婦専門の旅館</p>

<p>・大自然とサウナに浸るネイチャー専門ホテル</p>

<p>これは、宿だけに当てはまる話ではありません。観光地も同じです。いや、むしろ観光地の方が失敗事例が多いと言えるでしょう。「うちの地域は自然があり、料理もおいしくて、伝統と文化があり、人も優しい地域なので、ぜひお越しください！」というプロモーションが最悪になる訳です。</p>

<p>恐らく、そう聞いて皆様の頭には何ひとつ具体的な地名は浮かばなかったでしょう。ところが、「うちはうどん県です！うどん食べに来てください！」こう聞くとどうでしょうか？真っ先に「香川県」が頭に浮かんだことだと思います。</p>

<p>香川県だって、自然があり、料理も美味しくて、伝統と文化があり、人も優しい地域なのですが、あえて「うどん」という他県と比較して、圧倒的に差別化になる要素を全面に押し出した訳です。結果、「うどん食いたい人は香川県に行く」という、ブランドを確立しました。</p>

<p>繰り返しですが大事な点は「ターゲットの明確化」です。観光地も、宿泊施設も、飲食店も、お土産屋も「誰でも来てください」というPRは「どの層にも刺さらない」のです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tourist.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 20 Apr 2026 11:49:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[内藤英賢（合同会社Local Story代表）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>令和ロマン・松井ケムリさん「コンビで意見が違っても、お互いの判断を信頼している」  松井ケムリ（令和ロマン・お笑い芸人）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14038</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014038</guid>
			<description><![CDATA[お笑い芸人の松井ケムリさんに、程よい距離感で人間関係を築くコツや、コンビで活動するにあたっての意識をうかがった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="松井ケムリ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331matsuikemuri012.jpg" width="1200" /></p>

<p>M-1グランプリで史上初の二冠を達成したコンビ・令和ロマン。どんなボケに対しても冷静に、かつ的確に返すツッコミの松井ケムリさんは、人との距離感をどのようにとらえているのでしょうか。</p>

<p id="title">初めての著書『ナマケモノの朝は、午後からはじまる。』（Gakken）を刊行したケムリさんに、人間関係を心地よく築くコツについてうかがいました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>もしも動物と漫才するなら...</h2>

<p><img alt="松井ケムリ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331matsuikemuri08.jpg" width="1200" /></p>

<p>――この度は出版おめでとうございます。最初から変な質問なんですが...本ではいろんな動物が登場する中で、ケムリさんが一番漫才を一緒にしたい動物はいますか？</p>

<p>【ケムリ】すっごい変なこと聞いてますね(笑)</p>

<p>ちょっと待ってください。（本を確認して）......ミーアキャットですかね。</p>

<p>――ミーアキャット。群れの中でそれぞれに役割があるんですよね。</p>

<p>【ケムリ】やっぱり自分の役割を分かっている人の方がいいですよね。それを遂行してくれる人の方が、お互い計算が立ちやすいです。</p>

<p>――予測不能な人よりかは。</p>

<p>【ケムリ】ボケの内容は予測不能でいいですけど、立ち回りを分かっている人の方がいいですね。</p>

<p>――本の中のゴリラの項で「コミュニティは大切にしたい」とおっしゃっていました。その人がいると場の空気が和むな、というタイプで思いつく人はいますか？</p>

<p>【ケムリ】和む必要があるのか、とも思いますけどね。別に和まなくても、いいのかも。</p>

<p>あえて言うなら、100%悪気のないミスをしてくれる人がいたら和みますよね。しかも大きな損害にならないミス。それが一番和みます。</p>

<p>あとは、プライドが高くないというか、「ありがとう」と「ごめんなさい」を言える人がいたらいいと思います。人間関係はそれが大事な気がします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「燃えるほうへ行こうとする人」を引き戻すのは自分のため</h2>

<p>――ケムリさんはお友達が多い印象があります。例えば、YouTubeチャンネル「僕らの別荘」の中での振舞いを拝見すると、炎上しないラインに引き戻して、みんな機嫌よく終われるようにしている。すごい才能だなと感じます。</p>

<p>【ケムリ】嬉しいです。ありがとうございます。（シドニー）石井がね、すぐ燃えるところに行こうとする人なんで(笑)</p>

<p>あとは空気悪いの苦手っていうのはありますね。ただ自分のためにやってるんでしょうね。自分にとって心地いい空気にしようとしているだけなんですよね。</p>

<p>――得意な人、苦手な人ははっきりしていますか？</p>

<p>【ケムリ】僕はマックスで苦手な人にでも全然笑顔でいれるんですよね。めっちゃ嫌なんですけど、外から見たらそんなにこの人のこと嫌いには見えないと思います。</p>

<p>――苦手な人と距離を取ったりはされるんですか？</p>

<p>【ケムリ】距離を取っていることを悟られないようにはします。その場から立ち去る理由をちゃんとつけるとか。「この後用事があるから」などと伝えて。</p>

<p>距離を取りたい時に、その人に嫌われる必要ってないと思うんですよね。たまにいますよね、わざと嫌われるほうを選ぶ人。一矢報いてやろうとするのは、正直愚かだなと思いますね。</p>

<p>――プライドが高すぎて負けが許せない人もいますよね。</p>

<p>【ケムリ】勝ち逃げしたい気持ちがあるんでしょうけど、敵を作るような行動をする人の気持ちは本当にわからないですね。</p>

<p>――動物はその目線から見るとどうですか？</p>

<p>【ケムリ】動物はプライドがないですから、そこはすごいですよ。ちゃんと逃げるし。それを見習いたいですね。</p>

<p>――他者との関係作りが上手な動物は何か思い浮かびますか？</p>

<p>【ケムリ】マナティーとか、ゴリラとか。僕が自分と似ていると書かせてもらったのはマナティーなんです。仲間がやられたら助けに集まってきちゃうんですよ。それで結局自分もやられちゃったりするんですけど。優しいんです。余裕があって優しい点は、一緒にいたら楽しいでしょうね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>コンビ間に「どちらが正しい」かは存在しない</h2>

<p><img alt="松井ケムリ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331matsuikemuri062.jpg" width="1200" /></p>

<p>――コンビ間の人間関係は、具体的にどんな気にかけ方をされていますか？</p>

<p>【ケムリ】コンビはどうなっても1対1なんで、どっちが正しいとかないんですよね。良いも悪いもないし、どっちが多数派ということもない。意見が違うことが当たり前として臨むということなんじゃないですかね。</p>

<p>――正しさを求めない、ということですね。</p>

<p>【ケムリ】二人でやっている以上、自分の意見が通ると思うのはかなり厳しいんじゃないかな。お互いの判断がそこまで無茶苦茶ではないと信頼し合えているから成り立っているんでしょうね。</p>

<p>――お笑い芸人の世界は自分が一番正しいと思っている人が集まってきそうなイメージがあります。その中でバランスを保った考え方をされている方は珍しいんじゃないかなと思ったりもします。</p>

<p>【ケムリ】僕とくるまは関係性として、お互いの判断がそこまで無茶苦茶ではないことを、なんとなく信頼し合えてるんですよね。 だから違う意見があっても、なんか成り立ってるんでしょうね。&nbsp;</p>

<p>喧嘩もないですし、コンビを組んだ当初からそんな感じでしたね。</p>

<p>（取材・執筆・撮影：PHPオンライン編集部 片平奈々子）</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331matsuikemuri012.jpg" />
						
						<pubDate>Sun, 19 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[松井ケムリ（令和ロマン・お笑い芸人）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>碁と電卓に夢中の5歳児に家族は…五冠棋士・一力遼を育てた決断とは？  田中章（共同通信客員論説委員）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13700</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013700</guid>
			<description><![CDATA[「一力番」記者として、一力遼五冠のキャリアを見続けてきた著者。後に日本囲碁界を席巻する才能は、どのようにして磨かれたのか。その詳細を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="田中章氏「二刀流の棋士」" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/PIXTA_igo2.jpg" width="1200" /></p>

<p>新聞記者との二刀流という異色のキャリアを歩みながら、五冠を達成した囲碁棋士・一力遼（いちりき りょう）五冠。その類まれなる才能は、どのように磨かれていったのだろうか。一力氏の躍進を見続けてきた田中章氏の著書より、その足跡を振り返る。</p>

<p>※本稿は、田中章著『二刀流の棋士 一力遼』（日本棋院）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>7歳ですでに光っていた一力遼の才能</h2>

<p>2004年12月、仙台市の河北新報社本社の会長室で一力一夫会長から最近の新聞界の話を聞いていた。ネットを使って記事を発信することなどが話題になった。一段落したところで「会長、今、お孫さんとは何子で打っているのですか」と聞いた。</p>

<p>孫とは一力雅彦副社長の長男、一力遼だ。以前、「孫と碁を打っている。5子置かせているが、強くなっている」と話していた。一力会長は囲碁を趣味としていて高段者だ。</p>

<p>一力会長はすぐ返事をしなかった。やや間があいて「最近、打っていない」と言う。当然「どうしてなのですか」と尋ねる。<br />
「孫を相手に黒石を持つわけにはいかんだろう」</p>

<p>少しはにかみながら79歳の祖父が明かした。当時、一力は7歳、小学1年だった。9子置かせて始めた祖父と孫の対局が、早くも白黒逆転したというのだから驚いた。<br />
「それではもう五、六段になっているのですか」<br />
「打ってないから分からないが、それくらいあるかもしれない」</p>

<p>興味がわき出した。囲碁を覚え始めてまだ2年だという。そんなに早く強くなれるのだろうか。</p>

<p>私は社会人になってから囲碁を覚えた。「これは面白い」と思い、初心者向けの囲碁の本を買ってきて勉強した。やがて大竹英雄名誉碁聖の「大竹囲碁講座」5巻本を購入、全巻読み終えたころやっと初段ぐらいになった。</p>

<p>小学1年で五、六段とは。翌年2月、仙台市で開かれたボンド杯争奪全日本こども囲碁チャンピオン戦の東北大会に出場した一力を見に行った。最上級のクラスで打っていた。</p>

<p>そっと近づいて碁盤をのぞき込むと、一力の白番。右下に星からケイマにシマッた黒に白が手をつけたまま放置してある。続けて打つとコウになる形。やがて中央で戦いが始まった。そして放置してあった右下隅を動きだし、コウにする。中央の戦いをコウ材として使い、あっという間に黒の大石を取ってしまった。「小学1年生が何という高等戦術を使うのか」とただ感心するばかりだった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>祖母の後押しでプロの世界を目指す</h2>

<p>漢字の「遼」は遼遠などと使われるように「はるか遠い」という意味だ。広い視野と心を持ってほしいという両親の願いから名付けられた。字の構成要素に「『日（太陽）』『辶（道）』『大』『小』が入っているのが気に入っています」と母親の久美。</p>

<p>5歳の時、碁を覚えた。「オセロなどいくつか遊んでいたゲームの一つだった」が、すぐに碁が一番のお気に入りになった。もう一つのお気に入りは電卓。久美は「とにかく電卓さえ持たせておけばおとなしい子でした」と懐かしむ。電卓をたたいて数字で遊ぶ。次々に変化する数字に興味を持つ。ファンタジーの世界と認識したのであろうか。数字に対する特異な才能はこのころから芽生えたようだ。</p>

<p>子どもの時、母親の買い物について行くと、買った商品の値段を見て暗算し、レジに並ぶ前に「合計で○○○円だよ」と教えていた。まさしく「歩くレジ」である。今でも走っている車を見ると、プレートナンバーの四つの数字から「（足し算、引き算、割り算などをして）10になる組み合わせを考えます」と言う。それを一瞬でする。</p>

<p>囲碁を覚えるとたちまち虜になった。仙台駅近くにある「国際囲碁大学囲碁教室」に通いだす。祖父と打つ。自宅に配達される河北新報の囲碁観戦記を見て石を並べる。夢中になってやれば、強くならないはずはない。</p>

<p>この囲碁教室に2カ月に1回、宋光復九段が指導に来ていた。一力が6歳の時、初めて6子で指導碁を打った。「終わった後、検討をしようとしたら、遼はすぐさま石を片付け、いなくなってしまった。後で聞いたらトイレで泣いていたようです」と宋。教室の指導者が日ごろ「泣くのなら教室ではなくトイレで泣け」と言っていた。</p>

<p>「4カ月後、5子で打ったら、子どもですからパンパンとノータムで打つのですが、手どころでは手を止めて考える。感じが随分違っていました。局後にアドバイスをすると、こちらの目をちゃんと見て聞いている。『この子は強くなる』と思いました」</p>

<p>プロ棋士の指導碁は通常、初段で9子置く。5子だと五段格となる。祖父との手合割が白黒逆転したのも無理はない。</p>

<p>小学2年の時、宋が院生になることを勧める。だが、それは大きな家庭問題だった。祖父の一夫は当初「なにもプロになる必要はない。社長たちの間で『あんた碁が強いね』と言われるぐらいでいいのだ」と言っていた。</p>

<p>背中を押したのが祖母の博子だった。「才能があるのなら伸ばしてやりなさい」。博子は日銀職員だった時、日銀担当記者の一夫と出会った。日銀当時、才気活発な才女として有名だった。結婚後に住んだ仙台では赤いスポーツカーを乗り回していた。</p>

<p>すごい記憶力の持ち主で、初対面の簡単なあいさつをした程度なのに半年後に出会ったら「あーら、田中さん、お元気？」と話しかけられ、面食らった。私の顔も名前もとうに忘れているだろうと思っていた。一力の抜群の記憶力は祖母ゆずりだ。</p>

<p>祖母の力強い後押しもあって小学2年で院生になる。院生になるにはアマチュア六段相当の実力が必要だ。一夫は「相撲でいえばふんどし担ぎだな」と笑っていた。もう対局するには自分が何子か置かなくてはならない孫の成長を楽しみにする姿だった。一夫は日本相撲協会の横綱審議委員会の委員長に就任したこともある相撲通。かつては幕下以下の力士を「ふんどし担ぎ」と言っていたが、今では「若い衆」と呼び、死語になりつつある。ようするに徒弟制度の中でいう「したっぱ」である。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/PIXTA_igo2.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 18 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[田中章（共同通信客員論説委員）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>厳しい指導で学生が離れていった　大学教授が気づいた「ほめる」ことの意外な力  齋藤孝（明治大学文学部教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14117</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014117</guid>
			<description><![CDATA[明治大学の齋藤孝教授は、学生たちをほめたほうが授業はうまくいくと語る。周囲から評価される人の傾向とは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ほめる" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_discussion.jpg" width="1200" /></p>

<p>ほめることは相手のためになるだけでなく、自分の心にも返ってきます。相手に良い影響を与えるだけでなく、自分にとっても毒消しにもなります。負の感情が芽生えた時にあえて相手をほめるとそうした感情は消えていきます。長年、大学の教壇に立ち数多くの学生を導いた齋藤孝教授がその極意をお教えします。</p>

<p>※本稿は、齋藤孝著「ほめるは人のためならず」(辰巳出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>授業はほめた方がうまく行く</h2>

<p>気持ちのいい会話をする技術があると、気持ちのいい会話ができる相手が増えていきます。</p>

<p>私は職業柄、さまざまな職場、テレビ局や大学へ行きますが、「ほめる」ことの必要性を日々実感しています。</p>

<p>30年間、大学生とつき合っているうちに年々、ほめた方が授業はうまく行くという傾向が強くなってきました。少々厳しめのことを言って気合いを入れ、反発心というものを期待するという時代が30年ほど前にはありましたが......。</p>

<p>しかし、反発心や反骨心を期待することがムダだということを年々学習しました。厳しめのことを言って、レジリエンス＝復元力を活用して伸ばすことを期待するのは大変リスクがあると身をもって感じたのです。厳しく言えば、それだけ学生が減るという経験をしました。</p>

<p>講義を受講する学生が減ったのでは伸ばすも伸ばさないもありません、講義に来てくれないと話になりません。</p>

<p>ですから、私の講義では、学生たちを初回からいろいろな形でちょっとほめる、あるいは４人１組で課題をひとつ与えて、それをやったら、お互いにほめることだけを言ってもらうことにしています。ほめコメントしか言わないという限定つきでやると、安心してプレゼンテーションができるようになるのです。待っているのはほめることだけですから、ストレスなく発表ができるというわけ。それを順々にほめていってもらって、「誰が一番ほめ上手だったのか？」ということまで投票で決めています。</p>

<p>これを毎回授業でやった結果、出席率がすごくよくなりました。要するに、辞める人がいなくなったのです。</p>

<p>安心して発表ができる。自分が準備したものに対して必ずほめてもらえるので努力しがいがある。そういう声があって、それが当たり前になってくると今度は人をほめることがむしろ楽しくなってくるのです。</p>

<p>学生または子どもをほめて自分がうれしくなる、伸びていく学生または子どもの姿を見るのがうれしい。これが先生または大人のメンタルに変わっていくということです。だから大人になったと実感するためには、ほめるのは楽しいなと思えるようになること。これが大人になる通過儀礼となります。</p>

<p>ほめる技術がある。ほめるのが楽しいと感じる。今の時代、これが社会人としてのひとつの通過儀礼だと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>感じのいい人が評価される</h2>

<p>先日、学生100人全員が発表して、ひと言ずつ全員をほめていくというのをやりました。ひとり15秒ずつ発表していく中で、ひと言ほめて100人。まるで100本ノックです。普通の人はやらないでしょうが、私は日常的にやっていて全ての発表に対してほめています。すると、「自分たちの発表に自信がなかったのにちょっと自信を持てた」「ポジティブに言ってくれるので、すごくよかった」と好評でした。</p>

<p>ほめることが習慣になっていると、ネガティブなことを言うことができません。ネガティブなことが出てきそうなのを戻してしまうというか、出ないようになる回路ができているのでしょう。これは訓練で誰でもできるようになります。</p>

<p>私は東京大学の法学部にいたので論理的な能力に非常に自信を持っていました。論理に自信があるということは、自分の見方で相手を反駁できるのです。要するに相手の痛いところを突くようなことを得意としていました。</p>

<p>そうした結果、友だちが減ってしまったのです。もちろん論理は使えるものですが、論理力というものが人を幸せにすることはあまりない、ということがわかったのです。コミュニケーションのためには気持ちのいい会話を心がけた方が結局いいのだと。同級生の中にも大会社の役員になっている人もいますが、みんな感じのよい人ばかり。</p>

<p>「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず」という孔子の言葉があります。これは「かしこい人は迷わずに判断できる、心がしっかりしている人は心配しない、勇気がある人はおそれない。この３つの心が大切だ」という意味です。知、仁、勇の３点があるということですが、とりわけこの仁の気持ちと優しさというものが感情として表れているのですね。</p>

<p>感じのいい人がみんなに評価され、こんなに上に行く（出世する）時代だというのをとくと感じます。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_discussion.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 17 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[齋藤孝（明治大学文学部教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>イライラを鎮めるには？ 僧侶が教える「心を落ち着かせる」ルーティン  大愚元勝（住職・慈光グループ会長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14072</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014072</guid>
			<description><![CDATA[裏切りや理不尽な出来事に湧き上がる怒り。ぶつければ口喧嘩に、抑えれば心に積もる...。そんな怒りとの向き合い方を解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="イライラする女性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamibizwoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>「どうして自分だけがこんな目に...」他人に裏切られたり、物事が思い通りに運ばなかったとき、心の奥からふつふつと怒りが湧き上がってくることはないでしょうか。その怒りを相手にぶつければ「売り言葉に買い言葉」となり、口喧嘩へと発展することも。</p>

<p>怒りの感情とは、いったいどう向き合えばいいのか。書籍『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ？』から、その対処法を紹介します。</p>

<p>※本稿は、大愚元勝著『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ？』（アスコム）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人生は思いどおりにならなくて当たり前</h2>

<p>怒りとは、自分の心の中で起こる火事のようなものです。放っておくと、燃え盛る炎がどんどん大きくなっていってしまい、簡単には消せなくなってしまいます。</p>

<p>大切なのは、火事を起こさないようにする予防策と、起こってしまったときの素早い初期消火です。</p>

<p>大前提として、「人生は自分の思いどおりになることなどほとんどない」そして「他人は自分の思いどおりになどならない」ということを心に留めておきましょう。これがなによりの予防策、不要な怒りを持たないで済む方法になります。</p>

<p>「家族は、友人や恋人は、同僚や部下は、私の思いを理解してくれるはずだ」「私がこれだけ尽くしたのだから、相応の見返りがあるはずだ」などと、他人に対して都合の良い期待をしないことです。</p>

<p>期待をしたことが実現されないから、「どうして私の思いどおりにならないんだ!」という失望が生まれ、それが怒りになってしまうのです。</p>

<p>決してマイナス思考を推奨しているわけではありませんが、最近は理想を追い求めすぎて世の中の明るい部分ばかりを見て生きている人が増えた気がします。</p>

<p>しかし、人生はそんなに甘くはありません。</p>

<p>私が申し上げたいのは、なんでも自分の都合の良いように考える楽観思考になりすぎないように、ということです。</p>

<p>それでも、人間ですから腹が立つ瞬間は訪れるでしょう。怒りの感情がこみ上げてきてしまったら、できるだけ火種の小さいうちに消火をすることがとても大事です。</p>

<p>火事は、酸素と乾燥した燃えやすいものがなければ燃え広がりません。ほどなくして火は消えます。怒りもそれは同じで、一瞬カッとなって火がついたとしても、&quot;燃料&quot;になるものを投下しなければ長続きはしません。</p>

<p>ですので、そんな状況を自らつくってあげましょう。</p>

<p>対象が物であれば、それを遠ざける。対象が人であれば、その場から離れる。</p>

<p>これが最善策になります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大事なのは怒りに燃料を投下しないこと</h2>

<p>例えば、夫婦で意見が食い違って、口喧嘩になったとしましょう。お互い相手に対して怒っていて、一歩も引かなかったとします。</p>

<p>しかし、その際にくり出される「売り言葉に買い言葉」が、怒りの燃料になっているのです。</p>

<p>最初は「今日の洗濯物を洗濯カゴに入れていなかった」のが発端だったとしても、「そういえばこのあいだはゴミの捨て方が間違っていた」とか「前から思っていたけど食器の洗い方が雑だ」などと、その日の話とは関係のないネタが燃料としてどんどん投下され、ボヤで済むはずが、大火事に発展してしまうわけです。</p>

<p>こうなると、喧嘩に勝つこと、あるいはなんとかして自分が正しいことを認めさせることが目的になり、相手に打ち勝つためにあらゆる材料を探して火にくべている状態になります。</p>

<p>まさに、不毛の争いです。</p>

<p>ここで大事なのは、「自分で燃料を投下している状態」になっていることに気がつくことです。</p>

<p>気がついたらまず、その場から一度離れましょう。「逃げるの？」などと言われても無視をして、なにか言い返したくなる気持ちもグッとこらえて、一目散に退避してください。</p>

<p>そして、相手のいない場所に移ったら落ち着いて深呼吸。すると、さっきまでカッカしていた自分がまるで嘘のように、冷静さを取り戻すことができます。</p>

<p>相手もそれは同じ。</p>

<p>燃料さえくべなければ、怒りの炎は鎮まるものなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「単純作業」で心と体を切り離す</h2>

<p>深呼吸以外では、体を動かすことも効果的で、私は「掃除」をお勧めしています。</p>

<p>怒りの対象から離れても、ひとりで部屋にこもってじっとしていると、「でもちょっと待てよ、やっぱりどう考えても私は悪くない」などと、また燃料投下が始まってしまうんですよね。</p>

<p>こうなるともう相手はいないので、完全にひとり相撲です。そうならないために、例えば床や机の隅に溜まっている埃をひたすらきれいにする、服を整理整頓するなど、掃除や片づけに集中して、たんたんと体を動かしてみましょう。</p>

<p>すると、心と体が切り離されるので、余計なことを考えずに気持ちを落ち着かせることができます。実際に部屋もきれいになるので、一石二鳥です。</p>

<p>仕事中であれば、あまり考えずにできるようなルーティンワークに取り組むのがいいと思います。</p>

<p>また、水に触れることでも心を落ち着かせることができるので、流水を手で触る、あるいは温かいお風呂に浸かって、リフレッシュするのもいいでしょう。</p>

<p>怒るのは良くないことだと考え、「怒っちゃだめ」と自分に言い聞かせて我慢しようとする方もいらっしゃいますが、これはもう火が付いてしまっているのに、「燃えないで!」と念じているだけの状態なので、正直効果はありません。</p>

<p>最初にお話ししたとおり、怒りは本能によるものなので、なくすことができないのです。<br />
それよりも、予防策と初期消火を意識するほうが、自分にとっても相手にとっても良い結果をもたらします。</p>

<p>家族、パートナー、友人、同僚、上司や部下、憧れの芸能人―相手が誰であっても、自分の思いどおり、理想どおりにはなりません。</p>

<p>怒りの感情が生じたときは一歩引いて「自分の妄想が原因だな」「自分に都合の良い期待をしてしまっているな」と認識すること。</p>

<p>そして相手と喧嘩になってしまった場合には、燃え広がるような燃料を投下せず、その場から離れて冷静になること。これが、怒りで心を消耗させない秘訣です。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamibizwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 17 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大愚元勝（住職・慈光グループ会長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「なんとなくつらい」は気のせいじゃない　医師が説く、4月に心が折れやすい理由  野上徳子（医師／心理カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14108</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014108</guid>
			<description><![CDATA[4月は心身の不調が増える季節。新生活のストレスが体に与える影響と、眠れない・気力が落ちるなどのサインへの対処法を医師が解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="春の不調" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_OchicomuBizman.jpg" width="1200" /></p>

<p>もし今、なんとなく眠れない夜が続いているなら、それは性格や気の持ちようのせいではないかもしれません。4月は、日本では新しい生活が始まる季節です。入学、入社、異動、転勤、引っ越しなど、多くの人にとって生活環境が大きく変化します。街には新しいスーツを着た新社会人や新しい制服の学生の姿が見られ、社会全体が新しいスタートの空気に包まれます。</p>

<p>しかしその一方で、この時期には心身の不調を訴える人が増えることが知られています。医療機関でも、春になると「眠れない」「胃腸の調子が悪い」「頭痛やめまいが続く」「食欲がない」「気分が落ち込む」といった症状を訴える人が増える傾向があります。</p>

<p>実際に、年度替わりの時期はメンタル不調の相談や休職が増える傾向があることが報告されています。また、厚生労働省が公表している新規学卒者の離職状況（2023年度）によると、新卒社員の離職は入社後早い時期に集中し、3年以内に約3割が離職しています。新しい環境への適応が、大きな心理的負担になることが示唆されています。</p>

<p>このように4月は、心と身体の両方にストレスがかかりやすい季節なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>なぜ4月にメンタル不調になる人が増えるのか&nbsp;</h2>

<p>4月に不調が増える背景には、単に忙しいからではありません。人の心と身体を不安定にする要因がいくつも重なっています。まず大きいのが、環境の急激な変化です。</p>

<p>新しい職場、新しい学校、新しい人間関係、新しい役割など、生活環境が一気に変わります。人間の脳は未知の環境に置かれると「危険があるかもしれない」と判断し、身体を緊張モードに切り替えます。このとき自律神経のうち交感神経が優位になり、心拍数の上昇、筋肉の緊張、呼吸の浅さ、胃腸機能の低下といった反応が起こります。つまり新生活は、無意識のうちに身体を常に緊張状態にしてしまうのです。</p>

<p>次に、日本社会に特徴的な心理的要因があります。新しい環境では「最初が肝心」「迷惑をかけてはいけない」「しっかりやらなければ」「期待に応えなければ」と考えがちです。その結果、弱音を吐かない、無理をする、休まないという状態になりやすくなります。最初は踏ん張れても、その頑張りが続くと心身は次第にエネルギーを失っていきます。</p>

<p>これが、4〜5月にかけて体調や気力が急に落ちる「5月病」と呼ばれる状態につながります。5月病は病名ではありませんが、新しい環境に適応しようとした心身が限界を迎えるサインとも言えます。</p>

<p>さらに、春は自律神経が乱れやすい季節でもあります。寒暖差、気圧変動、花粉、日照時間の変化など、身体に影響する要因が多く、疲労感、だるさ、頭痛、めまいといった症状が起こりやすくなります。このように春は、心理的ストレスと身体的ストレスが同時に重なる時期なのです。</p>

<p>また、この時期の不調は単なる気分の問題ではなく、実際の疾患として現れる場合もあります。代表的なものとして、適応障害、うつ状態、自律神経失調症、過敏性腸症候群、緊張型頭痛などがあります。</p>

<p>さらに、不調の起こりやすさには心理的な傾向も関係すると考えられています。例えば「完璧にやらなければならない」「人に迷惑をかけてはいけない」「期待に応えなければならない」といった思考パターンが強い場合、自分を追い込みやすくなり、ストレスを溜め込みやすくなる傾向があります。環境の変化だけでなく、その環境への向き合い方も心身の状態に影響すると考えられています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>メンタルを保つためにやってはいけないNG行動3選&nbsp;</h2>

<p>新生活でメンタルを崩す人には、共通する行動パターンがあります。</p>

<p>一つ目は、最初から100％で走ることです。 新生活は短距離走ではなく長距離マラソンです。最初から全力で走れば、1か月後には息切れしてしまいます。6割くらいの力で始めるくらいがちょうどよいのです。</p>

<p>二つ目は、弱音を吐かないことです。 「弱音を吐くのはよくない」と思われがちですが、感情を言葉にすることはストレスの解放になります。話すことで感情が整理され、脳の緊張が緩み、自律神経も安定しやすくなります。つらさを抱え込むほど、心身への負担は大きくなります。信頼できる人に話すことや相談することは、ストレスの調整に役立ちます。</p>

<p>三つ目は、睡眠を削ることです。 新生活では残業や歓迎会、生活リズムの変化などで睡眠が削られがちです。しかし睡眠は、脳と心を回復させる時間です。睡眠不足が続くと、不安感、イライラ、集中力低下が起こりやすくなり、メンタル不調を悪化させます。また、メンタルの安定に関係する神経伝達物質であるセロトニンの働きにも睡眠が関与しているとされています。</p>

<p>ここで一度、自分の状態を振り返ってみてください。朝起きるのがつらい、休日でも疲れが取れない、仕事や学校に行くことを考えると気分が重い、人に会うのが面倒、集中力が続かない、イライラしやすい、食欲が落ちた、眠れない、頭痛や胃腸の不調が続いている。こうした状態が複数続いている場合は、ストレスが溜まっているサインかもしれません。</p>

<p>大切なのは、「まだ頑張れる」と無理を続けることではなく、早めに自分の不調に気づくことです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本企業に根付く「過緊張構造」&nbsp;</h2>

<p>個人の努力だけでなく、働く環境の構造もメンタル不調と深く関係しています。</p>

<p>日本の企業文化には、「失敗してはいけない」「迷惑をかけてはいけない」「空気を読まなければいけない」といった無言の圧力があります。こうした文化は、人を常に緊張状態に置きます。慢性的な緊張状態は、自律神経の乱れ、不安、抑うつなどにつながりやすくなります。特に4月は、新入社員や異動したばかりの人が、この過緊張の中に一気に入る時期です。</p>

<p>本人は「自分が弱いからつらい」と思いがちですが、実際には社会や組織の側にも、人を緊張させやすい構造があるのです。「つらいのは自分だけ」ではなく「この環境が人を追い詰めやすい」と知っておくだけでも、心の負担は少し軽くなります。だからこそ、日常の中でこまめに自分を整えるセルフケアが大切になってきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日常生活でできる春のセルフケア&nbsp;</h2>

<p>では、この時期をどう乗り切ればよいのでしょうか。医師としておすすめしたいのは、特別なことではなく、日常の中でできるシンプルなセルフケアです。</p>

<p>まず大切なのは、朝日を浴びることです。 朝の光を浴びることで、体内時計が整い、セロトニンの分泌が促されることが知られています。これは睡眠リズムや気分の安定にも関係しています。</p>

<p>次に、軽い運動です。 ウォーキングなどの軽い運動は、ストレスホルモンを下げ、自律神経を整え、気分を安定させる助けになります。1日15分程度でも十分です。</p>

<p>そして、深呼吸。 ストレス状態では呼吸が浅くなる傾向がありますが、ゆっくりとした深い呼吸は副交感神経を働かせ、身体をリラックスさせる効果があります。</p>

<p>さらに大切なのが、頑張りすぎないと決めることです。 完璧を目指しすぎないこと。自分を責めすぎないこと。できない自分も認めること。こうした心の余白が、心と身体の健康を守ります。</p>

<p>多くの病気は突然始まるわけではありません。身体は必ず、その前に小さなサインを出しています。眠れない、疲れが取れない、食欲が落ちる、気分が落ち込む、頭痛や胃腸の不調が続く。こうした症状は、身体からの大切なメッセージです。</p>

<p>4月は、新しい環境に適応しようとして、多くの人が無意識のうちに頑張りすぎてしまう季節です。けれど大切なのは、頑張ることだけではありません。頑張りすぎないことも、同じくらい大切です。</p>

<p>もし今、「なんとなくつらい」と感じているなら、それは身体が出しているサインかもしれません。少し立ち止まり、自分の心と身体の状態を見つめてみてください。自分を大切にすることが、結果として健康を守り、長く元気に働き続けることにつながるのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 16 Apr 2026 11:55:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[野上徳子（医師／心理カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>会話が続かない人が、雑談中に意識すべき「2つのポイント」  ひきたよしあき（コミュニケーションコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14085</link>
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			<description><![CDATA[雑談が上手になるためには、話す技術の向上やメンタルの克服よりも大切なポイントがある。雑談中に意識したい重要なポイントを、「言葉のプロ」ひきたよしあきさんが解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="雑談が続かない" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmtg.jpg" width="1200" /></p>

<p>「雑談が上手になるコツは何だと思いますか？」と質問されたら、何と答えますか？トーク力を鍛えたり、面白い話題を探したりすることが大切だと思われがちですが、その前に「感じのよさ」を身につけることが大切だと、「言葉のプロ」として活躍するひきたよしあきさんはいいます。</p>

<p>では、感じよくするために、どのようなポイントを意識すればよいのか――本稿では、第一印象が会話に与える影響や感じよく見せるコツを紹介します。</p>

<p>※本稿は、ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>雑談で大切な「3段階ピラミッド」</h2>

<p><img alt="雑談で大切な「3段階ピラミッド」" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260402zatsudannokotsu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>どうしたら雑談が上手になるか。よく言われるのはこの2つです。</p>

<p>・雑談の技術を磨く</p>

<p>・雑談が苦手というメンタルを克服する</p>

<p>どちらも正解です。でも実は、もっと手前に、苦手な雑談を克服するためのとても大切なことがあります。それが、「感じのよさ」です。ぶっちゃけ、最悪これさえできれば、雑談なんて、なんでもいいんです。</p>

<p>上の図は「雑談の3段階ピラミッド」です。</p>

<p>①感じのよさ</p>

<p>②メンタル</p>

<p>③技術</p>

<p>雑談において土台となるのが「感じのよさ」です。感じのよさを身につけるだけで雑談の苦手を大きく減らすことができます。</p>

<p>「え？感じよくするだけでいいの？そんなバカな」そう思った人もいらっしゃるでしょう。そんな方に質問です。あなたが雑談をして、「うわ、なんか嫌な感じ！」と思った人のことを思い出してください。</p>

<p>・雑談がへたくそな人ですか？</p>

<p>・雑談に自信がなさそうな人ですか？</p>

<p>・雑談のときに感じが悪い人ですか？</p>

<p>圧倒的に最後の人じゃないでしょうか。つまり、雑談が苦手な人は、まずは「感じよく」するところからはじめればいいのです。これまで、いろんな本を読んでも、いまいち雑談力が上がる実感を得られなかった人も、「感じよくする」ことなら、すぐにでもできるような気がしませんか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>思った以上に、あなたは笑顔を作れていない</h2>

<p>「感じをよくするなんて簡単じゃん！」そう思った方もいらっしゃると思いますが、この感じのよさって意外と難しく、できていない人も多いです。</p>

<p>突然ですが、大人が1日に笑う回数は何回くらいだと思いますか？たったの15回だそうです。ちなみに、子どもは1日平均400回笑うそうです。そう思うと、15回って少なすぎません？思っている以上に、大人はしかめっ面をしているのです。</p>

<p>さらに、雑談が苦手な人ほど、無意識に「他人が怖いし緊張するから、人と会ったとき、相手にわかる形で避けたりする」といったことをほぼ自覚なくやってしまっています。たとえば...</p>

<p>・沈黙の間が嫌で、気まずそうな顔をしている</p>

<p>・普段から「不機嫌そうに見える」顔で下ばかり見ている</p>

<p>・話すときに、視線を常に下や横にそらしている</p>

<p>といったようなこと、思いあたりませんか？</p>

<p>昔の私も、緊張のあまりにこうなっていたようです。無意識のうちに出ている態度なので、それがまわりからどう見えているかまでは、自分でも気づけないものです。本当は「もっと仲良くなりたい」「話したい」と思っているのに、気づけば「怖さ」のほうだけが表に出てしまっていたのです。</p>

<p>だからこそ、意識して、笑顔を作っていくことが重要なのです。最初は作り笑いでも大丈夫。とにもかくにも、笑顔でいることが大切です。こちらが笑顔でいれば、それを見た相手は安心して心を開いてくれる。こちらが冷たそうな表情をしていれば、相手は身構えてしまう。笑顔は、相手から好感を勝ち取り、警戒心を解くための、手軽で効果のある武器なのです。</p>

<p>そうは言っても、笑顔が苦手、笑顔になろうとすると顔がひきつるという人もいるでしょう。笑顔を作るときのポイントは、感情とは別に、口角を鍛えて頬を上げること。感情ではなく、筋肉を動かすかどうかの問題です。笑顔が苦手な人は、口角を上げることからはじめましょう。</p>

<p>まず、口角がどのくらい上がるかをチェック！　鏡を見ながら、ニッと笑った顔をしてみてください。思っていた以上にきついはず。日ごろ、いかに頬などの筋肉を使っていないかがわかります。</p>

<p>まずは、朝に髪をセットするときなど、鏡を見るついでに、口角を上げて笑う練習をしましょう。繰り返すうちに頬などの筋肉が鍛えられて、自然と笑顔が作りやすくなります。人は、誰かと一緒だと30倍も笑いやすくなるそうです。雑談はまさにこの環境にあります。人と会うときは、まずは「口角を上げる」ことを基本の表情にしましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「感じのよい人」になる1丁目1番地は「見た目」</h2>

<p>さきほどの笑顔と同じくらい、「感じのよい人」になる重要なポイントがあります。それが「見た目」です。なぜなら、人は言葉よりも先に「印象」で相手を判断するからです。</p>

<p>どんなに素敵な話をしても、最初に「怖そう」「疲れてそう」と思われたら、その時点で心のシャッターを閉じられてしまう。逆に、明るい表情や清潔感のある佇まいがあれば、どんな話をしても「この人、感じいいな」と思ってもらえるのです。</p>

<p>つまり、「見た目」は会話の入口であり、あなたの「第一のリアクション」でもあります。相手に安心してもらう最初の一歩として、ここを整えるだけで、雑談のハードルはぐっと下がります。まずは鏡の中の自分を見つめてください。顔だけでなく、姿勢や服装もしっかりと見てください。</p>

<p>・しかめっ面になっていませんか</p>

<p>・笑顔になっていますか</p>

<p>・思ったより疲れた顔をしていませんか</p>

<p>・髪の毛がボサボサではないですか</p>

<p>・猫背になっていませんか</p>

<p>・服にシワはありませんか</p>

<p>・指を映してください。爪が伸びていませんか</p>

<p>・髭はきれいに剃れていますか</p>

<p>・まさか......鼻毛は出ていないでしょうね？</p>

<p>ただ鏡の前に立つといっても、チェックすることはこんなにもあります。そうなんです。「感じのよい人」になる1丁目1番地は、「見た目」なんです。</p>

<p>一般には、「見た目」よりも「内面」が大切だと言われます。しかし、理想論ではなく、いつも現実論を展開した『君主論』の著者マキャベリは、「人は一般的に、内容よりも外見で判断する。内面を判断できる洞察力を持つ者はまれである」と語っています。嫌な話ですが、これは現実。目からの情報で他人を判断する人はとても多いのです。</p>

<p>また、イギリスの小説家リットンは、「美しい顔が推薦状であるならば、美しい心は信用状である」と言いました。「美しい顔」とは、外見のことをさすと考えたらどうでしょう。感じよく見られるように見た目の印象を整えた姿は、相手に自分を推薦する役割を果たすはずです。まずそれがあってから、内面の「信用状」が相手に届くのです。</p>

<p>だから、話す内容や、声の大きさ、話すスピードなどを気にする前に、まずは、「見た目」から「イイね！」と思ってもらえるように、整えることが大事なのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 16 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ひきたよしあき（コミュニケーションコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>他人の成功や自慢話に「いいね」と言ってみる　悪い感情が消える一つの技  齋藤孝（明治大学文学部教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14116</link>
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			<description><![CDATA[齋藤孝さんは、嫉妬などの嫌な感情も「ほめる」ことによって解消できると話す。ほめることの効能とは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ほめるは人のためならず" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_casualmeeting.jpg" width="1200" /></p>

<p>ほめることは相手のためになるだけでなく、自分の心にも返ってきます。相手に良い影響を与えるだけでなく、自分にとっても毒消しにもなります。負の感情が芽生えた時にあえて相手をほめるとそうした感情は消えていきます。長年、大学の教壇に立ち数多くの学生を導いた齋藤孝教授がその極意をお教えします。</p>

<p>※本稿は、齋藤孝著「ほめるは人のためならず」(辰巳出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ほめる人生」は2種類ある</h2>

<p>人を「ほめて伸ばす」とはよく言われることですが、これはほめる側の人間にも言えることで、ほめると人は伸びていくのです。</p>

<p>まず、「ほめる人生に入っているか」。これが問題です。「もう迷わずほめるんだ、ほめることを中心に生きていく！」このように、ほめる意思を固めてください。こう決めれば、ほめ方は自然と工夫されていくようになります。</p>

<p>「ほめる人生」は「ほめられたい人生」と「ほめたい人生」のふたつ。「ほめられたい」のは子どもの人生で、「ほめたい」のは大人の人生ですから、どこかで転換する必要があります。</p>

<p>ですから、教師がほめられたいと思うのは少しおかしいのです。たとえば「先生、１年間お世話になりました。先生の授業がよかったおかげで、勉強が好きになりました」と生徒から言われるのはいいでしょう。それは結果ですから、全然かまいませんが、ほめられたくて授業している先生はあまりいないと思います。でも、生徒は「ほめられたい！」と思っています。それは子どもの心のあり方です。</p>

<p>つまり、どこかで自分自身が「ほめられたい」と思っている側から、「ほめたい」と思う側へと転換する。これを意識的にやった方がいいと思います。その境界線をきちんと踏み越えることが大切なのです。とは言え、ほとんどの人が境界線を踏み越えようとハッキリ意識したことはあまりないと思います。</p>

<p>私が見ている限り学生から教師になっていくプロセスにおいて、これはすごく大きなことです。</p>

<p>では、何が違うのか。自分の存在自体を認められたいという存在承認欲求を抱えているかどうかです。その状態から他者の存在承認欲求を満たす人生へと欲求を変えるようにしましょう。つまり、他の人の存在承認欲求を満たすことで満足するということです。</p>

<p>相手の喜んでいる顔が見たいのが大人の態度だと思います。子どもがプレゼントをもらってうれしそうにしている顔を見て、うれしいと感じるのが大人です。もちろん返礼が欲しいわけではなくて、それを見てうれしく感じるのです。</p>

<p>このように大人への境界線は「ほめる」に表れていると思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ほめることを技にする</h2>

<p>時として、人には悪い感情が芽生えてしまうことがあります。優れた人の才能を羨む。同僚の出世を妬む。競争相手を憎む。他人の成功に嫉妬する。そういう悪い感情を芽生えさせると、つい他人の悪口を言いたくなる。</p>

<p>そんな時は、「いいね！」とほめてしまいましょう。すると、悪い感情の元になっている競争心や劣等感から一気に解放されていく......そういった体験を私は何度もしています。</p>

<p>世の中には悪い感情を芽生えさせる情報があふれています。SNSでは一般の人たちが、流行を先取りしたとか、お金儲けをしたとか、こんなにルックスがいいとか、自慢話をあふれさせています。</p>

<p>自慢話に触れて、悪い感情が芽生えないようにするには、いくら気に入らなくても、「これもいいよね！」「人気あるんだ、すごいね！」ととりあえずほめます。そうすると、客観的に物事を見ることができ、悪い感情が不思議と消えていくのです。</p>

<p>このように、ほめることを悪い感情の毒消しに使うこともできるのです。</p>

<p>ほめることは一種の技。技は習慣です。</p>

<p>私は「技の理論」をずっと研究してきましたが、ポイントは「量質転化」です。基本を繰り返すと、ある瞬間に「量質転化」を起こして一生使えるようになると『弁証法・認識論への道　武道講義入門』（三一書房）で空手家の南郷継正さんが語っています。</p>

<p>これは量を重ねていくと、ある時に質的な変化が起きるという考えですが、普通、量と質は別のものだと思われています。たとえば、物作りでは質をよくしようとすると量が限られる、量を増やすと質が下がる、そういう関係だととらえられています。</p>

<p>しかし、技はそうではなく量と質はお互いに浸透し合う関係にある。特に技の理論としては反復練習を重ねて量が増えてくると、ある時、質的な変化が起こる。</p>

<p>これは面白い発想だと思いました。自転車で考えればわかりやすいのですが、自転車は１度乗れるようになると一生乗れる。そのためには練習量が必要になるのです。かけ算の九九も同じで一生使えますよね。これが技というものです。</p>

<p>無意識に使えるもの＝技。ですから、最初は上手にほめることができなくても、練習をして数をこなしていくうちに無意識にほめることができる「技」となるのです。ほめるの技化です。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 15 Apr 2026 11:55:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[齋藤孝（明治大学文学部教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>日本は部下を「育てる」、世界は「活かす」　人材育成の決定的な違い  ピョートル・フェリクス・グジバチ（プロノイア・グループ株式会社 代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14064</link>
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			<description><![CDATA[日本と世界では、「上司が果たすべき役割」について、大きな考え方の違いがあります。マネジメント方法などにどのような違いがあるか、ピョートル・フェリクス・グジバチさんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ピョートル・フェリクス・グジバチ著『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizkaiwa.jpg" width="1200" /></p>

<p>部下を「育てる」のか、それとも部下を「活かす」のか――日本と世界では、マネジメントに対する考え方が大きく異なっており、一見「冷たい」と思われがちな世界のマネジメント方法に学ぶことがあると、プロノイア・グループ株式会社の代表取締役であるピョートル・フェリクス・グジバチさんはいいます。本稿では、キャリア支援の方法などにも触れながら、日本と世界の部下教育に対する考え方の違いを見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、ピョートル・フェリクス・グジバチ著『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本の上司は部下を「育てる」 世界の上司は部下を「活かす」</h2>

<p>ジョブ型雇用が一般化している欧米企業や外資系企業では、上司が果たすべき役割そのものが日本企業とは根本的に異なります。日本の上司は部下を「育てる」ことを前提にマネジメントを考えますが、世界標準の上司は部下が持つ能力を「どう活かすか」という問いを起点にしています。これは単なる言葉の使い分けではなく、マネジメントの根底にある思想そのものの違いによるものです。</p>

<p>日本型の組織では、人は会社が時間をかけて形づくる「これから育てる存在」であると見なされています。これに対して世界標準の組織では、人はすでに市場に立つプロフェッショナルであるという前提に立っています。</p>

<p>そのため、組織において問われるのは「どう育てるか」ではなく、「どの場所で最も価値を生むか」という点に集約されます。上司の役割も、人を鍛えることではなく、個々の能力が最大化する配置を設計することに重心が置かれているのです。</p>

<p>日本企業のマネジメントが「人を育てる」のに対して、欧米企業や外資系企業では、特定の役割に対して個人の「今ある強みを最大限化する」という発想が主流です。この意図の違いが、キャリア支援のアプローチにも反映されています。世界の一流の上司は、次のような3つのキャリア支援に注力しています。</p>

<p>①部下の「市場価値」を高める</p>

<p>世界の一流の上司は、部下の「市場価値」を高めることに全力を尽くします。ジョブ型雇用が前提となる欧米企業では、自社の中だけで通用する人材を育てるのではなく、社外でも高く評価される能力を身につけさせることを目指しています。こうした姿勢は、日本的な感覚では、「会社に対する裏切り行為」と捉えられがちですが、実際にはまったく逆の効果をもたらします。</p>

<p>どこでも通用するという自信を持つ人材ほど、目先の保身に走りません。自分の価値が外部でも通用すると理解しているからこそ、主体的に判断し、結果に責任を持つ姿勢を取ります。こうしたプロフェッショナルは、単に組織にしがみつくのではなく、組織の成果に対して本気で向き合うようになります。</p>

<p>市場価値の高い人材を育てることは、組織に対する裏切りではなく、チーム全体の基準を引き上げる最短ルートです。どこでも通用する人材が増えるほど、組織の競争力は構造的に強固なものに変化するのです。</p>

<p>②多様な部下を「均等」に育てない</p>

<p>世界の一流の上司は、多様な部下を「均等に育てない」という方針を貫いています。国籍や年齢、専門領域が多岐にわたるチームには、全員を同じ型に当てはめて育成する......という発想は存在しません。上司が重視するのは、全員を一律に成長させることではなく、個々の強みが日々の業務の中で最大限に発揮されているかどうかです。</p>

<p>すべての部下を平等に扱う育成は、チームに一時的な安心感を与えますが、突き抜けた成果を生むことはありません。多様な個性を活かしきるマネジメントは、単なる親切心によるものではなく、部下を同じ型に押し込まないという、極めて難度の高い意思決定を伴う任務なのです。</p>

<p>③明確な「キャリアパス」の提供</p>

<p>世界の一流の上司は、部下のキャリアパスを曖昧にすることを嫌います。部下が「どこを目指せるのか？」「何が足りていないのか？」「今の状態を続けると、将来どのようなリスクが生じるのか？」といった現実を、可能な限り、早い段階で明確に伝えています。</p>

<p>日本ではあえて言葉にしないことが配慮とされがちですが、世界基準では情報の曖昧さは無責任な態度と見なされます。厳しい現実を伝えない、言わないという「優しさ」は、部下の将来を守るどころか、自らのキャリアを主体的に選ぶための選択肢を削っているにすぎません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本企業と欧米企業に見る「マネジメントの違い」</h2>

<p>欧米企業や外資系企業では、上司が自らチームを編成することが一般的ですが、管理職としての真の役割が問われるのは、プロジェクトが終了し、チームが解散を迎える「その後」の局面にあります。チームの解散の時期が近づくと、部下は社内における自分の必要性や、次に向かうべき場所があるのか......について考え始めます。</p>

<p>スキルの高い部下には、他部署や経営層から自然と声がかかりますが、どこからも誘いを受けない部下もいます。その際、誘いのない部下に残された選択肢は、自ら空きポジションに応募するか、割増退職金を受け取って会社を去るか......の2つしかありません。</p>

<p>ここで上司には、自らが採用した部下に対する覚悟が求められます。上司は社内を回り、部下を積極的に売り込んで次の居場所を探しますが、これは単なる人情ではなく、マネジメントという職務の重要な一部です。</p>

<p>欧米企業で採用前に行われるリファレンス・チェックでは、元上司に対して「この人をまた雇いたいか」という問いが投げかけられます。この問いに誠実に答えることも、部下に対するキャリア支援の一環です。</p>

<p>解雇や契約終了といった決断は、一見すると冷淡な対応に映るかもしれませんが、グローバルビジネスの世界では、個人の評判は蓄積され、一度離れた相手とも将来どこかで再び交差する可能性を視野に入れています。こうした地続きのつながりがあるからこそ、上司は部下のキャリアに対して、最後まで責任を持ち続けなければならないのです。</p>

<p>日本のマネジメントは「人を大切にしている」と語られがちですが、現実には組織を守るために、個人の立場を曖昧なまま放置しているケースも少なくありません。世界のマネジメントは一見すると冷徹に見えますが、その代わり上司には、部下をプロフェッショナルとして扱い続けるという明確な責任が課されています。</p>

<p>この責任の有無こそが、日本的な「育てる」という概念と、個人の能力を最大限に「活かす」という概念の決定的な違いといえます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>部下の「キャリア」を最優先で考えてくれた上司</h2>

<p>僕自身も上司の優しさに触れて、涙が出るほど嬉しかった経験があります。僕はモルガン・スタンレーを経て、グーグルに入社しましたが、転職を決断する際、直属の上司として大変お世話になったモルガンのエグゼクティブ(上級役員)が、親身になって僕のキャリアを考えて、温かく送り出してくれたことを今でも鮮明に記憶しています。</p>

<p>僕が転職を考え始めたのは、2008年のリーマン・ショックの直後で、モルガンでも大幅にスタッフが減って、大混乱の時期を迎えていました。僕のキャリア・ステージを考えた時、会社から与えられた選択肢は、香港に行くか、ロンドンに行くか、ニューヨークに行くか......という3つに限られていました。</p>

<p>「どうしようか？」と判断に迷っていたら、絶妙なタイミングでグーグルからのオファーが届いたのです。当時のグーグルは、急成長を遂げたテクノロジー業界のリーディング・カンパニーですから、給料が高いだけでなく、「いろいろと新しいことを学べる機会が増えるだろう」と考えていました。</p>

<p>それでも自分の考えがハッキリと決まらないため、僕のメンター的な存在で、上司と部下の関係で何度も一緒にプロジェクトをやってきたエグゼクティブのポールさんに、「モルガンを辞めて、転職しようかと考えています」とチャットを送ったのです。ポールさんは、新卒からモルガンに在籍するスター・プレーヤーで、転職の経験は一度もないはずですが、素早く反応が返ってきました。</p>

<p>「どこに行くんだ？」</p>

<p>「グーグルです」</p>

<p>「であれば、行くべきだな」</p>

<p>会社のピンチに直面していた人事部長には、「何とか残ってくれないか」と再三の引き止めをされましたが、直属の上司は、明快に転職を応援してくれました。</p>

<p>「これからのピョートルのキャリアを考えるならば、グーグルはチャンスのある会社だと思う。迷わず行きなさい」</p>

<p>普通の上司であれば、辞める理由を含めて、あれこれと質問をすると思いますが、ポールさんは部下のキャリアだけを考えて、即断即決で背中を押してくれたのです。</p>

<p>上司の温情に今でも深く感謝していますが、もし逆の立場だったら、僕に同じような判断ができただろうか......と考えることがあります。会社がどんな状態であっても、「部下のキャリアを優先して考える」という元上司の決断に、多くの学びを授けられたように思います。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 15 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ピョートル・フェリクス・グジバチ（プロノイア・グループ株式会社 代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>死ぬ間際に「もっとメールを返せばよかった」と思う人はいない　本当に守るべき資産とは  デヴォン・プライス(著), 佐々木寛子(翻訳)</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14089</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014089</guid>
			<description><![CDATA[デヴォン・プライス博士が、現代人が陥っている「仕事量＝自分の価値」という危うい思考の罠について解説してくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="なぜ休むことに罪悪感を覚えるのか" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_confusing.jpg" width="1200" /></p>

<p>「もっと成果を出さなければ」「メールはすぐに返さなければ」</p>

<p>私たちは日々、まるで見えない誰かに追い立てられるように「生産性の向上」を求め続けています。しかし、その先に待っているのは、本当に私たちが望んだ幸福なのでしょうか。</p>

<p>『なぜ休むことに罪悪感を覚えるのか』では、あるエリート学者の衝撃的な決断を通じて、現代人が陥っている「仕事量＝自分の価値」という危うい思考の罠を暴いています。</p>

<p>※本稿は、デヴォン・プライス (著), 佐々木寛子 (翻訳)『なぜ休むことに罪悪感を覚えるのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>キャリアの絶頂で「終わりのないレスポンス」を捨てた女性</h2>

<p>産業組織心理学者のアネット・タウラー博士は、職場の生産性や従業員のウェルビーイングを研究する専門家でした。彼女はシカゴのデポール大学で「テニュア（終身在職権）」という、学者として最高の栄誉と安定を手に入れていました。</p>

<p>しかし、ある日彼女は、そのすべてを捨てて大学を去る決断をします。</p>

<p>きっかけは、自身の研究対象である「職場の有害さ」が、自分自身の足元にも蔓延していると気づいたことでした。そこでは教員も学生もストレスにまみれ、休憩も取らずに高い業績を出すプレッシャーが常にありました。</p>

<p>誰もが「誰がどれだけ動いているか」に目を光らせ、疲れ果ててイライラし、自分より立場の下の人を叩くことでストレスを解消する――。心理学の専門家として「健やかな職場」を追求してきた彼女は、皮肉にも、届き続ける要求に対して「常に反応し、生産性を証明し続けなければならない仕組み」の一部になっていることに耐えられなくなったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「仕事量」という呪縛からの脱却</h2>

<p>大学を去ったアネットは今、マラソンに参加し、アート作品を作り、ミステリー小説を執筆しています。もちろん仕事もしていますが、それは彼女にとって「やりたいこと」を選んだ結果です。かつてのように、外部から押し付けられる締切や、絶え間ない連絡を最優先にすることはありません。</p>

<p>彼女が手に入れたのは、仕事の成果によって定義される自分ではなく、「自分の意志で時間を使う自由」という名の資産でした。</p>

<p>私たちは、「人間は8時間程度は座って作業をこなせるはずだ」という前提の中で生きています。しかし、本書はこの前提そのものが非現実的であると指摘します。</p>

<p>生産性が低い、と自分を責める人は多いが、実際には、私たちは健康でいられる業務量をはるかに超える仕事をしている。</p>

<p>私たちは、すでにキャパシティを越えた「返信」や「作業」を自分に課しているのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>あなたが本当に守るべき「資産」とは</h2>

<p>仕事に没頭し、誰よりも早くメールを返すことは、一時的な達成感や「自分は必要とされている」という安心感を与えてくれるかもしれません。しかし、人生の終わりに「もっとあの時、メールを返しておけばよかった」と後悔する人は、おそらく一人もいないでしょう。</p>

<p>あなたが本当に守るべき資産は、組織から与えられた肩書きや、日々のタスクを処理するスピードではありません。それは、アネットがそうしたように、「優先順位をつけて、自分にとって大事なことに時間や関心を割く自由」です。</p>

<p>もし今、あなたが「生産性が低い」と自分を責めているのなら、それは能力不足ではなく、心身が発している「これ以上は限界だ」という自然な警告サインです。</p>

<p>一度立ち止まり、問いかけてみてください。<br />
「今日、私が本当に大切にしたかった時間は、画面の中の反応だっただろうか？」</p>

<p>他人の期待に応えるための仕事量を減らすことは、怠慢ではありません。自分らしい人生を取り戻すための、最も勇敢で知的な決断なのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_confusing.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 14 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[デヴォン・プライス(著), 佐々木寛子(翻訳)]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「雑談が苦手」を克服するには？ 会話が上手い人がやっている1つの習慣  ひきたよしあき（コミュニケーションコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14083</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014083</guid>
			<description><![CDATA[雑談が苦手な人は、その理由を「共通の話題がないから」と考えがちですが、実は「自信のなさ」が大きく起因しているそう。「言葉のプロ」であるひきたよしあきさんが、雑談のハードルを下げる方法を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/jyoseiegao.jpg" width="1200" /></p>

<p>家族や親しい友人とは気軽に話せるのに、外ではうまく話せない――そんな悩みを抱える人は少なくありません。その原因は「相手との共通した話題がない」ことではなく、「自信のなさ」にあると、コミュニケーションコンサルタントのひきたよしあきさんは語ります。</p>

<p>では、どうすれば雑談のハードルを下げることができるのか。本稿では、自然に&quot;会話脳&quot;を鍛えられるコツを紹介します。</p>

<p>※本稿は、ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>雑談が苦手な人が見落としがちなこと</h2>

<p>私は小・中学校でも授業を持っているのですが、保護者から相談が来ることが頻繁にあります。「うちの子は、家ではよくしゃべるのに、学校や外に出ると全然しゃべれないんですが、どうしたらいいでしょうか？」</p>

<p>子どもも、雑談できないことに悩んでいます。家族や友だちなど、親しい人とは話せるのに、それ以外の人(学校の人など)とは話すのが苦手。大人も、子どもも同じです。自分と相手との共通点がわからない、心の距離がある、そんな相手を前にすると、何を話してよいのかわからず、沈黙してしまう。こういうことは、めずらしいことではありません。</p>

<p>「内弁慶の外地蔵」ということわざがあります。「『うち』では源義経の家来・弁慶のように威張っているが、『そと』ではお地蔵さんのようにおとなしい」という意味です。雑談が苦手な人は、この「外地蔵」の傾向が強く、「そと」での会話が苦手ということになります。</p>

<p>ちなみに、「うち」は家族や友人だけでなく「ネット空間」の場合もあります。ネット上では、なんでも書き込めるけれど、リアルな場では話せない人も増えてきています。なぜ、「そと」での会話が苦手になるのでしょうか。「そと」との会話が苦手と思っている人に、その理由を聞くと、こんな答えが返ってきました。</p>

<p>「相手との共通の話題がわからないから何を話していいのか......」</p>

<p>では、共通の話題があれば、雑談が苦手ではなくなるのでしょうか。実は、この「雑談が苦手だと思っている原因」に誤解があります。「共通の話題がわからない」と回答した人に、さらに深く聞いていくと、本人も気づいていないような苦手の要因が出てきました。</p>

<p>「実は、自分に自信がないんです」</p>

<p>「知らない人に心を開くのが苦手で、警戒心が強いんだと思います」</p>

<p>「会話が上手くいかず、失敗するのが怖いです。恥ずかしがり屋なので、失敗したら恥ずかしい」</p>

<p>よく聞いてみると、上手く話せない原因は、相手との共通点が見出せないことだと思っていたけれど、実は一番の理由は自分の心の中にあったということなのです。雑談が苦手な原因は、ここに大きなポイントがあります。</p>

<p>であれば、「自信がついて、心の壁を低くして、恥ずかしさがなくなるようなコツを教えてください！」となりますよね。そのとっかかりになる秘けつをお伝えします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>コンビニやレストランで「ありがとう」と言うだけで会話脳が育つ</h2>

<p>さて、早速「自信がついて、心の壁を低くして、恥ずかしさがなくなる」ための秘けつをお伝えしましょう。実にシンプルです。知らない人、利害関係のない人にもあいさつをしてみる。これだけです。</p>

<p>たとえば、コンビニやスーパーのレジの店員さんから商品を受け取ったら、必ず「ありがとう」と言う。外で食事をしたときは、帰り際に「美味しかった。ありがとうございました」と言うクセをつける。たったそれだけです。</p>

<p>「なんだ、あいさつ程度のことか」とバカにしてはいけません。知らない人、利害関係のない人にあいさつをしているうちに、他者に対する心の壁はどんどん低くなっていきます。これは、スピリチュアルな話ではありません。脳の仕組みに即した、科学的にも実証されている、効果的な「脳のだまし方」です。「ありがとう」と他人に声をかけ続けていると、脳の中ではどんなことが起きるかというと、こうなります。</p>

<p>他人に対しては、そう振る舞うものなのだ ＞ 相手との関係が深いかどうか</p>

<p>脳は、怠け者です。なので、もともと「人に話しかけるのは面倒だ」と考えやすくできています。そこで、そのクセを変えるために、利害関係のない人に声をかけるクセをつけてあげるのです。</p>

<p>たとえば、「ありがとう」と声をかけると、相手からも「どういたしまして」「こちらこそありがとうございます」などの反応が返ってくるかもしれません。こういう相手の反応があることで、脳は喜びを感じるようになり、それが「小さな達成感」につながります。これを続けていくと、「人に話しかければ達成感が得られる」と脳が学習するのです。</p>

<p>ここまでくれば、心の壁が低くなっていきます。「自分に自信がない」「知らない人に心を開くのが苦手」「失敗が怖い」「恥ずかしい」という心理的な障壁が、あいさつを続けることで、「あ、そんなに気にすることはないんだ」「もっと軽く考えればいいんだ」ということに気がつき、脳を「雑談ができるモード」に変換できるのです。</p>

<p>そもそも、雑談のスタートもあいさつからです。「おはようございます」「お久しぶりです」「お疲れさまです」あいさつを習慣にできると、雑談の出だしもスムーズになりますよね。あいさつの習慣はどんどん広げていってください。駅員さん、ビルの守衛さん、掃除をしてくれる人、会社の人と、どんどん広げていく。</p>

<p>「おはようございます」「ご苦労さまです」「ありがとう」程度の言葉で十分。あいさつされて不快になる人は、まずいません。むしろ、これだけで、あなたは相当感じのよい人だと思われるはずです。</p>

<p>できれば、あいさつは少し大きな声でしてください。「キャラが変わったみたいに思われるのは嫌」というのなら、時間をかけて徐々に変えていくのでもいいと思います。すると「最近、○○さん、元気だな」と言う人が現れはじめます。ここまでくれば「外地蔵」も解消です。</p>

<p>ギリシアの哲学者アリストテレスは言っています。「『垣根』は相手がつくっているのではなく、自分がつくっている」内弁慶の垣根を、他人とあいさつを交わすことで取り払いましょう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 14 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ひきたよしあき（コミュニケーションコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>他人の幸せを喜べない...僧侶が説く「苦しい嫉妬の感情」を手放す方法　  大愚元勝（住職・慈光グループ会長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14073</link>
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			<description><![CDATA[SNSで他人と比べ、嫉妬で心が苦しくなっていませんか。ブッダが説く「三毒」の教えをもとに、最も扱いが難しいとされる嫉妬心を手放すヒントを探ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="嫉妬を手放す方法" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smartphone.jpg" width="1200" /></p>

<p>SNSで他人の幸せそうな投稿を目にしたことで、「なぜあの人ばかり...」と気づけば嫉妬心に心が蝕まれていく...。そんな経験をしたことはないでしょうか。</p>

<p>約2500年前、ブッダは人の心身を狂わせる根本的な毒として「三毒」を説きました。「貪（とん）＝欲」「瞋（じん）＝怒り」「痴（ち）＝無知」。その中でも嫉妬は怒りの一種とされ、三毒のうちで最も手ごわい感情だといわれています。</p>

<p>嫉妬はどうすれば手放せるのか。書籍『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ？』から、その対処法を紹介します。</p>

<p>※本稿は、大愚元勝著『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ？』（アスコム）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「嫉妬」は他人に対する強い怒り</h2>

<p>「自分の好きな人がほかの人と付き合ってしまった」<br />
「職場で若くてきれいな同僚だけがチヤホヤされている」<br />
「友達がSNSに楽しそうな投稿をたくさんしている」</p>

<p>このような場合、相手に対して「羨ましい」「妬ましい」という嫉妬の感情が湧いてしまうことがありますよね。</p>

<p>意外に思われるかもしれませんが、仏教において嫉妬は「怒り」のグループに分類されています。</p>

<p>「いいなぁ」と相手を羨みながらも、ほかの人が幸せであることに強い怒りを感じている。</p>

<p>それはいったい、どういうことなのか?</p>

<p>好きな相手を自分のものにしたい。周りから好かれたい、もっと良い扱いを受けたい。人よりも充実した楽しい生活をしたい。</p>

<p>これはなにかに近づきたい、手に入れたいと願う「貪（欲望）」の気持ちが働いているということです。</p>

<p>でも、好意を寄せている相手や職場の仲間たちは、私ではないほかの誰かに愛情や関心を向けている、友達や知り合いが私よりも楽しそうな生活をしている、「そんなことは許せない!」という怒りの感情を持ってしまうわけです。</p>

<p>「嫉妬」には、怒りだけでなく、不安、憎しみなどさまざまな感情が複雑に絡み合っていることも大きな特徴といえるでしょう。</p>

<p>恋愛感情がもつれると「好きなのに嫌い」「嫌いなのに好き」というような、なんともいえない感覚に襲われることがありますよね。</p>

<p>いろいろな感情が入り乱れている状態なので、心の混乱状態といっていいかもしれません。知性も理性もあるはずの大人でも混乱して、相手を罵ったり、時には物理的・心理的の両面で相手を攻撃してしまう―嫉妬は、とてもやっかいな感情なのです。</p>

<p>心を濁すとされる毒のなかには、簡単に抑えられるものもあれば、非常に解毒が困難なものもあり、その処理の仕方もさまざまです。</p>

<p>そのなかでも嫉妬は難易度最上位ランク。</p>

<p>仏教でも扱いが難しい感情とされています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>嫉妬の反対は喜び</h2>

<p>「すぐに人と比べて嫉妬してしまう自分が嫌」</p>

<p>それこそ現代ではSNSなどで他人の生活や行動が丸見え状態なので、不必要な嫉妬の感情を抱いてしまう方が多いのも無理はありません。</p>

<p>じつは嫉妬に対する処置は至ってシンプル。</p>

<p>「他人の喜びに対して、あなたも一緒になって喜んであげること」</p>

<p>これが最も効果的です。</p>

<p>ただ、誰しもどうしても競争心があって、ついつい相手を妬ましく思ってしまうものなので、なかなかすぐにはできないでしょう。</p>

<p>例えば、私たちはオリンピックを見ながら「頑張れ!」とスポーツ選手のことを応援したりしますよね。</p>

<p>まったく知らない赤の他人なのに、金メダルを取ると「やったー!」とその活躍ぶりをみんなで喜びます。</p>

<p>そもそも仏教では「嫉妬」の反対語が「喜び」なので、「自分ごとのように、本当に喜んであげることを練習しなさい」とブッダも説いていました。</p>

<p>嫉妬は怒りの一種であり、毒のひとつですので、ずっと持ち続けると心を破壊していきます。</p>

<p>全然知らない人、自分とはレベルが違っていて敵わないと思える人に対しては素直に喜べるのに、これが自分の知り合いや自分と似たようなレベルの人（だと思い込んでいる人）だと、妬ましく思ってしまう。</p>

<p>野球の大谷翔平選手やゴルフの松山英樹選手、あるいは世界的に活躍しているアーティストに対して「妬ましい!」と思う人はほとんどいないでしょう。これが自分のチームメイトや同僚、友達だと嫉妬してしまい、その成功を素直に喜ぶことができないのです。</p>

<p>だからこそ、意識的に喜ぶ練習をしなければなりません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「それは本当にほしいものか?」を見極める</h2>

<p>そうはいっても他人の成功を喜ぶことはなかなか難しい......と思ってしまう方には、それ以外の対処法もお伝えしておきたいと思います。</p>

<p>ひとつは、競い合わないで済む人間関係をつくることです。</p>

<p>年の離れた人、まったく違う業界の知り合いなど、ふだんの自分の生活とは関係のない場所で出会った人や、属性が異なる人であれば、比較したり、競争したりするところがあまりないため、フラットな気持ちで付き合うことができるでしょう。</p>

<p>誰かに対して「いいなぁ」と思ってしまうのはしょうがないことですし、それ自体がダメなわけではありません。けれども、そこから「どうしてあの人ばっかり!」「自分のほうが......」などといった黒い気持ちに吞まれないことが大切なのです。「いいなぁ。でも、私は私で頑張ろう」と、自分とは切り離して、切り替えて考えられるようにできれば、苦しい気持ちにとらわれることは減っていくでしょう。</p>

<p>また一方で、「いいなぁ」と感じてしまうことは、「本当に自分が求めているものなのか?」を自問自答してみるのも良いと思います。</p>

<p>例えば、毎日たくさんの人に囲まれて食事や遊びを楽しんでいる人や、高価なブランド品に囲まれている人。「たくさんの友達がいる人は優れている」「高価なブランド品を持つのは成功している証だ」などといった、世間の価値観に惑わされていないでしょうか。</p>

<p>よくよく考えてみたら、あなた自身はひとりで静かに過ごすほうが好きだったり、高価なブランド品よりも自分が本当に気に入るものを探すほうが好きだったりするかもしれません。</p>

<p>自分の心を見つめ、「自分が本当に大切にしたいものはなにか?」を考えてみると、苦しい嫉妬の感情がじつは「錯覚」だったことに気がつけるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smartphone.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 14 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大愚元勝（住職・慈光グループ会長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「相手が全盲と気づかずメール」が原点　吉川英治文化賞に輝いた「EyeMoT」開発者の信念  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14119</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014119</guid>
			<description><![CDATA[第60回吉川英治文化賞の贈呈式レポート。選考委員・田中優子による選評と、受賞者・伊藤史人のスピーチ全容をお届けします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260413Itoufumihito01.jpg" width="1200" /></p>

<p>第60回吉川英治文化賞の贈呈式が開催されました。本賞は、日本文化の向上につくし、讃えられるべき業績をあげながらも、報われることの少ない人、あるいは団体に贈られる名誉ある賞です。今回、重度障害者の意思疎通を支援する視線入力技術「EyeMoT（アイモット）」の開発と普及に尽力した、岩手県立大学ソフトウェア情報学部講師の伊藤史人さんが受賞しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>意思がないと思われてしまう人々に、言葉を取り戻す　田中優子さんによる選評</h2>

<p><img alt="田中優子" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260413Itoufumihito02.jpg" width="1200" /></p>

<p>選考委員を務めた田中優子さんは、「私たちが報道などで目にすることの少ない事実を、この文化賞を通じて知るようになりました。この賞を差し上げることで、より多くの方がその業績を知ることは非常に大事なことだと考えています」と、賞の意義を強調しました。</p>

<p>今回受賞した伊藤史人さんの業績については、視線入力技術と訓練用ソフト「EyeMoT（アイモット）」の開発を紹介しました。ALS（筋萎縮性側索硬化症）や脊髄性筋萎縮症など、声を発したり体を動かしたりすることが難しい重度障害者が、目の動きだけでパソコンを操作できる技術です。</p>

<p>「重度の障害がある方は、自ら意思を表明することが難しいため、周囲から『意思がないのではないか』と思われてしまうことがあります。しかし、この技術によって、何を感じ、何を考えているかを外に知らせることができる。これは重大なことです」と、その社会的価値を述べました。</p>

<p>さらに、この技術が障害者支援にとどまらず、「これは障害者支援だけでなく、これからの高齢化社会においても非常に重要な開発です」と祝辞を贈りました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ネット空間では障害が「見えなくなる」</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260413Itoufumihito03.jpg" width="1200" /></p>

<p>受賞の挨拶に立った伊藤史人さんは、自身の活動の原点となった、ある「衝撃的な出会い」から語り始めました。</p>

<p>それは1990年代半ば、伊藤さんが岩手の大学に通っていた頃のことです。パソコン愛好家だった伊藤さんは、インターネットを通じて知り合った人物と意気投合し、メールを重ねていました。</p>

<p>「何度かメールをやり取りして意気投合し、いざ食事に行きましょうと会ってみたら、その方はなんと全盲だったんです」&nbsp;</p>

<p>メールをしていた最中は、相手が全盲であることに全く気づかなかった。その事実が、当時の伊藤さんに強い衝撃を与えました。「今思えば変換が少し変だったり、改行がやけにきっちりしていたりという点はありましたが、当時は分かりませんでした」と振り返ります。&nbsp;</p>

<p>「コンピューターとネットワークがあれば、その空間の中では重い障害があっても障害はなくなるんだ、と強く思ったのです」&nbsp;</p>

<p>この原体験が、のちの視線入力技術の開発へと繋がっていきます。伊藤さんが現在取り組んでいるのは、全身が動かず意思疎通が困難な重度障害児・者の「わかっている」という事実を明らかにすることです。</p>

<p>「視線入力によって『こんなこともわかっているんだ』と判明すると、周囲は希望を持ち、『じゃあ、こんなこともやってみよう！』と結果として子供を取り巻く環境が良くなっていくのです」&nbsp;</p>

<p>一方で、こうした活動は「研究にも、産業にもなりにくい」と厳しい現実についても率直に述べました。</p>

<p>スピーチの締めくくりに、伊藤さんはアニメ映画『この世界の片隅に』を引用しました。戦時中を懸命に生きる女性を主人公にした作品です。物語の終盤、主人公は「この世界の片隅に、うちを見つけてくれてありがとう」と言います。</p>

<p>「まさに今、そのような気分です。この世界の片隅で活動している私を見つけてくださった皆様、そしてこれまで伴走してくれた皆様に、心から感謝します」と結び、会場は温かな拍手に包まれました。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260413Itoufumihito01.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 13 Apr 2026 14:30:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「休んでも疲れが取れない」のは時間だけが問題ではない　思考と体の本当の整え方  鈴木亜佐子（スタンフォード大学認定コンパッション・アンバサダー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14091</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014091</guid>
			<description><![CDATA[休日にがっつり休んだつもりなのに疲れが取れない…。これは「ケア」が適切に行き届いていないサインかもしれません。鈴木亜佐子さんが解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="取れない疲れ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman_2.jpg" width="1200" /></p>

<p>「週末はしっかり休んだはずなのに、月曜の朝にはもう疲れている」「考えごとが止まらず、夜眠れない」......そんな慢性的な疲労感に悩んでいませんか。休んでも回復しないのは、時間が足りないからではなく、「ケア」が適切に行き届いていないサインかもしれません。</p>

<p>本稿では、スタンフォード大学認定コンパッション・アンバサダーである鈴木亜佐子氏の著書『スタンフォード式 自分をいたわる人がうまくいく』より、今日からすぐできる「体のケア」と「思考のケア」の実践的なノウハウを紹介します。</p>

<p>※本稿は、鈴木亜佐子著『スタンフォード式 自分をいたわる人がうまくいく』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>休んでも回復しないのはなぜか</h2>

<p>休んでも回復しないのは、単に「時間が足りない」からではありません。心と体に必要なケアが、適切に行き届いていないからです。</p>

<p>たとえば、仕事の合間にスマホを眺めて過ごすことを「休憩」と思っていても、実際には脳は情報処理を続けており、本当の意味では休めていません。</p>

<p>セルフケアというと「休む」「癒す」といったイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実際にはもっと広く、もっと奥深いものです。それはまるで、自分という存在を支える柱のようなもの。本稿では、特に現代人が疲弊しやすい「体」と「思考」に重点を置きつつ、実生活にすぐ取り入れられる工夫を紹介していきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>体のケア：「休んでも回復できない」を脱する</h2>

<p>ビジネスパーソンの多くが最初に感じるのは「体の疲れ」です。朝起きても体が重い、会議中に集中力が続かない、休みの日もぐったりしている......。この「疲労が回復しない」状態こそ、体ケアが必要だというサインです。</p>

<p>最新の神経科学の研究によれば、睡眠は単なる休息ではありません。記憶や感情を整理するプロセスであり、脳と体を修復する最強のセルフケアです。睡眠の質を高めるには、次の3つのステップがあります。</p>

<p>1. 光をコントロールする</p>

<p>まずは就寝90分前からスマホやPCを閉じることです。ブルーライトは脳を「昼」と勘違いさせ、メラトニンの分泌を妨げます。寝室を暗くし、照明を暖色系に切り替えるだけでも効果があります。</p>

<p>2. 体温リズムを整える</p>

<p>人は深部体温が下がるときに眠りにつきやすくなります。入浴は寝る90分前に済ませると、体温が自然に下がるタイミングで眠気が訪れます。</p>

<p>3. 寝床を「睡眠の場所」に限定する</p>

<p>ベッドで仕事やスマホ操作をすると、脳は「ここは覚醒の場だ」と学習してしまいます。ベッドは「寝る」か「休む」だけに使う習慣をつけましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>思考のケア：頭の中を静める</h2>

<p>「体は疲れているのに、考えごとが止まらず眠れない」「休日なのに仕事のことが頭から離れない」。こうした経験は、多くのビジネスパーソンが抱えているものです。体の疲労と同じくらい、場合によってはそれ以上に深刻なのが「思考疲労」です。</p>

<p>人間の脳には「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれる特徴があります。これは進化の過程で「危険を見逃さない」ために備わった仕組みで、ポジティブな出来事よりもネガティブな出来事のほうを強く記憶し、繰り返し思い出す傾向です。その結果、私たちは「やり残したこと」「ミスしたこと」「これから起こるかもしれないリスク」ばかりに意識を取られ、頭が休まることがありません。</p>

<p>日本社会には「準備不足は失敗につながる」という強い文化があります。そのため多くの人が「もっと考えなければ」と頭をフル稼働させ続けます。夜になってもパソコンの画面やスマホを見ながら、仕事の延長をしてしまう。ベッドに入っても「明日の資料は大丈夫か」「上司の反応はどうか」と考え続け、気づけば午前2時。そんな生活を続けていれば、思考疲労は限界に達してしまいます。</p>

<p>・頭の中を書き出す（ジャーナリング）</p>

<p>思考のケアには、脳を休ませる時間を意識的につくることが大切です。最もシンプルで効果的なのは、頭に浮かんでいることを紙に書き出す「ジャーナリング」です。</p>

<p>やることリスト、心配ごと、後悔、いら立ち......頭の中をそのまま文字にすると、不思議と気持ちが整理されます。考えを巡らせているとき、脳は同じ情報をぐるぐる反芻し続けがちです。しかし書き出すことで「外部ストレージ」に移すような効果が生まれ、脳は「もう覚えておかなくていい」と安心するのです。ある研究では、寝る前に5分間、明日やるべきことを書き出した学生グループは、そうしなかったグループに比べて入眠が早く、睡眠の質も高かったことが報告されています。</p>

<p>【思考を休ませるジャーナリング・ワーク】</p>

<p>必要なのは紙とペンだけ。寝る前の5分間を使って、頭の中を整理してみましょう。</p>

<p>1. 今日一番、心に残ったことは？<br />
2. 今、頭の中でぐるぐるしていることは？<br />
3. それは自分が今すぐできること？ それとも考えても仕方ないこと？<br />
4. 今日、自分をねぎらう言葉をひとつ書くとしたら？</p>

<p>この4つの問いを寝る前に書き出すだけで、脳は「考えを整理した」と感じ、思考の過剰なループから解放されます。紙に言葉として書き出すことで「頭から出して、置いておく」。これが、思考に居場所を与え、脳を休ませる最も効果的な方法なのです。</p>
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						<pubDate>Mon, 13 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木亜佐子（スタンフォード大学認定コンパッション・アンバサダー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>贈り主はどこへ行ったのか? 舞鶴の桜の名所「共楽公園」に20年以上残された“日系米兵”の謎  細川呉港</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14060</link>
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			<description><![CDATA[舞鶴・共楽公園の「アロハ桜」。母の願いを胸に日系米兵が贈った100本の苗木と、20年以上贈り主が謎とされた理由とは。戦後の絆を描く知られざる歴史秘話。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="桜" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_cherryblossom.jpg" width="1200" /></p>

<p>シベリアからの引き揚げ港として知られる舞鶴にある共楽公園には、かつて進駐軍の日系アメリカ兵が植えた「アロハ桜」がある。戦後の貧しい時代に植えられた桜は、時を経て見事な花を咲かせ、人々にその存在を知らせた。いったい誰が、どのような思いで植えたのか。その主が、プランテーションで働くためにハワイに移り住んだ日系二世、フジオ高木だ。</p>

<p>高木は戦後、岩国に住む母に貯蓄を差し出すも「米兵の金は受け取れない」と拒絶された。その時の母の言葉を胸に、彼は桜の苗木100本の寄付を決意する。1949年、苗木の到着と同時に転勤が決まった彼は、植樹を他の日系兵に託し、舞鶴を後にした。歳月とともに寄付者の名は忘れ去られ、美しい花を咲かせる桜の贈り主は、その後20年以上にわたり街の空白となった。</p>

<p>※本稿は、細川呉港著『舞鶴に散る桜』（飛鳥新社）の内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>桜を植えた日系アメリカ兵と迫水周吉</h2>

<p>フジオ高木には、ずっと考えていることがあった。一度は岩国の母に、家の修理代として提供し、断られたお金のことである。「アメリカ兵の金は受け取れない」と母が拒絶したお金だ。母親だって咽から手が出るほど欲しかったはずである。</p>

<p>「もし、お前に日本人の血が流れているのだったらその金を、この惨めな日本人のために使いなさい」と母が言った。</p>

<p>高木は、父親ともいえる迫水に相談した。迫水はこれまでにも何かにつけて協力を惜しまない男だった。</p>

<p>高木は、桜の木を植えるのはどうかと提案した。</p>

<p>桜の木なら、日本人は誰だって喜ぶだろう。それに日系のアメリカ人は親から散々桜について聞かされている。桜を見ないうちは、日本人の心は分からないとも。</p>

<p>「前から、桜のことをフジオはよく口にしていた」と、後に結婚することになる迫水弥生も証言している。</p>

<p>迫水は元々、庭にバラをつくっていて、愛好会にも入っていたから、花や木には造詣が深かった。話はすぐに決まった。迫水が大阪の池田市から桜の苗木を取り寄せてくれることになった。池田は昔から、埼玉県の安行のような植木や苗木の町であった。</p>

<p>しかし一度に100本。終戦後、いくら池田といえどもすぐには揃わなかったと思われる。あるいは何カ月もかかったかもしれない。なぜかというと戦争中は何がなんでも食料増産が叫ばれ、とても植木どころではなく、むしろ桜の苗木を育てることさえ禁止されていたのである。</p>

<p>それは、京都の代々続く桜で有名な植木職人、桜守の佐野藤右衛門のところでもそうだった。15代目の藤右衛門は、大谷光瑞の要請で、アジアからヨーロッパまで、「桜の街道」をつくるべく、桜の苗木100万本の増植計画を立てていたが、国家の一大事に、桜などつくるのはけしからんと、苗木の大半を引き抜いて食料の増産をさせられたのである。おそらく池田市も同じようであったろうと思われる。</p>

<p>一方で、「迫水の娘、弥生からの紹介だといって布川治に共楽公園に桜を植えたいという相談があり、布川から当時の舞鶴市会議員、矢野健之助に連絡した―」という記述が、舞鶴で発行された『碑とその語るもの』（1975年、瀬野祐幸著。私家版）という小冊子に書いてある。</p>

<p>舞鶴の共楽公園の丘に桜を植えるというのだから、当然、市の許可が必要だったのであろう。布川はどういった人物かよく分からないが、「クリスチャン仲間」と書いてあるから、迫水弥生はクリスチャンで、布川と同じ教会に通っていたのかもしれない。この時の仲介のお礼のつもりだったのか、布川治の家の上には桜の木が一本贈られていて、現在でも布川の自宅の裏手の広場に枝を伸ばしているとも書かれている。『碑とその語るもの』という冊子の中の「共楽公園地区の碑その六」である。</p>

<p>この冊子のことは、『ハワイ報知』（The Hawaii Hochi）という新聞の座談会の中でも引き合いに出てきて、延国千恵という女性が座談会にこの冊子を持参している。延国千恵は、舞鶴出身で、やはり駐留していた日系米兵と結婚し、ホノルル在住の女性だ。</p>

<p>1949年11月に、池田からソメイヨシノの苗木百本が東舞鶴駅に着いた。その同じ日に、高木は軍の編成替えで京都に転勤になった。高木は桜の苗木百本を東舞鶴駅で確認し、その植え付けを、その時駅で偶然に出会った日系二世アメリカ兵たちに頼んだのである。お互いに顔見知りだったかどうかは分からないが、舞鶴駐屯のハワイ出身日系アメリカ兵ということでは同じ仲間だった。高木は名前も聞かないままだったらしい。兵隊たちは快く引き受けた。高木は翌日舞鶴を後にした。</p>

<p>高木は、仲間のアメリカ兵が、日本人がいまこんなに飢えているのになぜ、食料を援助しないのかと言われたと、後に証言している。それからまた、桜は高木が寄付しただけではなく、この時桜の植え付けを頼んだ日系のアメリカ兵たちも、自分たちの集めた金で桜の苗木をさらに買い、舞鶴市内のあちこちに植えたのだ、とも言っている。</p>

<p>おそらく舞鶴にいた日系アメリカ兵だけでなく、迫水周吉も舞鶴造船の部下を動員して、桜の植え付けに協力したのに違いない。ひょっとしたら市の代表として市会議員の矢野健之助も参加したかもしれない。矢野はそれから24年後に共楽公園に「ハワイ日系二世をしのぶ友好平和のサクラ」碑を建てている。この碑が、後にさまざまな疑問と問題提議をもたらすのである。</p>

<p>桜は舞鶴港を見下ろす共楽公園の丘に70本、残りは市立和田中学校ほか近くの学校に植えられたとされている。</p>

<p>桜を植えたのは1950年（昭和25年）の春だったという。これは後に述べる日系アメリカ兵エドウィン今村の証言である。しかし、高木自身が語るところによれば、1949年の11月に桜の苗木が東舞鶴駅に着いた―というから、おそらくその年のうちに植えられたと見るのが正しいと思われる。翌年は朝鮮戦争の起こった年である。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>舞鶴の丘が桜の名所になる</h2>

<p><img alt="フジオ高木・弥生、長女（セシリア）が舞鶴市に 招待される。1994年4月。" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331hosokawagokou02.jpg" width="1200" /><br />
フジオ高木・弥生、長女（セシリア）が舞鶴市に招待される。1994年4月。</p>

<p>100本のソメイヨシノは、舞鶴に残っていた日系のアメリカ兵と、迫水以下舞鶴造船の青年たちによって植えられたが、やがて、共楽公園の丘の上で、次第に枝を張り大きくなった。10年たち、20年たち、見事な桜に育った。年ごとにその桜はたわわな美しい花を咲かせ、舞鶴の桜の名所となった。それまではあまり気づかなかった市民の人たちも、春になると次第に丘の上に押しかけるようになった。</p>

<p>それでも最初の10年くらいは、その桜を植えたのは終戦当時舞鶴に進駐していた日系のアメリカ兵、それもフジオ高木ということを知っていた人もいたはずである。しかし、20年もたつと市会議員だった矢野健之助も、共楽公園に桜を植える許可を求められたフジオ高木の名前を忘れ、またその仲介をしたクリスチャン布川治も、舞鶴造船の迫水周吉ももうこの世にいなかったのかもしれない。</p>

<p>1973年（昭和48年）になって、市会議長をやっていた矢野健之助は、あの時の日系アメリカ兵のことを思い出し、苗木を寄付してくれた男と、彼に代わって100本の桜の植え付けを手伝ってくれたほかの日系アメリカ兵たちのために、記念碑を建てようと思い始めた。</p>

<p>それより前、舞鶴駐在の日系アメリカ兵と舞鶴造船の青年たちが、何度か親善の野球試合をしたことがあるのも思い出した。新聞にも何度かそのことが報道された。舞鶴の青年たちは「オール舞鶴」という寄せ集めのチーム。日本もだいぶ復興し、落ち着いてきた頃である。</p>

<p>その頃、矢野が聞いた話は、かつて舞鶴にいた日系アメリカ兵たちは、1950年からの朝鮮戦争に駆り出され、「全員が死亡した」という話であった。矢野は心を痛めた。その昔、桜を寄付し、日本の青年たちと一緒に植えてくれた日系アメリカ兵たちが全員戦死した―。</p>

<p>それならばこの見事な桜の下に、彼らの記念碑を建てて、桜を植えてくれた日系アメリカ兵の霊を弔わねばと思った。いま共楽公園で毎年見事な花を咲かせる丘の上のソメイヨシノは、その時の兵隊たちのおかげだ。終戦4年目、その頃の日本人は食べる物にも不自由をし、その日暮らしで、とても桜を植えるようなゆとりなどなかったのだから―。</p>

<p>そこで矢野は、いろいろな人に会って、桜を最初に寄付してくれた人の手がかりを尋ねたが、誰も覚えている人はいなかった。果してその人が生きているかどうかも分からない。朝鮮戦争で死んだのかも知れなかった。</p>

<p>矢野健之助は、ハワイから来た日系アメリカ兵が共楽公園に桜の植樹の許可を得に来たことだけはハッキリ覚えていたのだが、どうしても名前を思い出すことができなかった。あの時きちんと名前を書いておけばよかった―。</p>

<p>ちょうどそうした折に、終戦後、日系二世の兵隊と結婚した舞鶴の女性、延国千恵が法事でハワイから里帰りしていた。矢野は、その噂を聞き、延国千恵の家を訪ねて、「終戦後に共楽公園の丘の上に桜を寄付した日系アメリカ兵を知らないか?」と尋ねた。もちろん延国も知らなかった。戦後、舞鶴駐屯軍の日系米兵と結婚し、ハワイに住んでいる女性はたくさんいたけれども、そんな話は聞いたことがなかった。</p>

<p>何とかそのアメリカ兵に感謝の意を込めて、記念の石碑を建てたいという矢野に、延国千恵はホノルルに帰ったら、地元の新聞に舞鶴に桜を植えた人を探す記事を書いてもらうことを約束する。</p>

<p>延国は、帰国後、早速ホノルルで『ハワイ・タイムス』という日本語新聞社を尋ね、桜の記事を書いてもらう。しかし反応はいまいちだった。その記事を読んで、ひとりエディー・ハシモトという人から延国に電話があったが、ちょうど延国が留守だった。そしてその後は一度もかかってこなかったという。おそらく舞鶴に桜を植えたことを知っている人間だったか、あるいは実際に桜を植えるのを手伝った日系アメリカ兵かもしれなかった。もちろん桜の贈り主そのものも現われなかった。</p>
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						<pubDate>Mon, 13 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[細川呉港]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>朝井まかてさん『どら蔵』が吉川英治文学賞を受賞　「読者を江戸に誘う」圧倒的筆力  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14118</link>
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			<description><![CDATA[第60回吉川英治文学賞の贈呈式レポート。選考委員・浅田次郎による選評と、受賞者・朝井まかてのスピーチ全容をお届けします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="朝井まかてさん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Asaimakate03.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年4月10日に、第60回吉川英治文学賞の贈呈式が開催されました。受賞したのは、朝井まかてさんの『どら蔵』（講談社、2025年9月刊）です。朝井さんは2014年に『恋歌』で直木賞を受賞して以来、数多くの文学賞を重ねてきた作家で、今回の吉川英治文学賞はその集大成ともいえる受賞となりました。贈呈式では、選考委員を代表して浅田次郎さんが選評を述べ、続いて朝井さんが受賞スピーチに立ちました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「本賞」が意味するもの　浅田次郎さんによる選評</h2>

<p><img alt="浅田次郎さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Asaimakate02.jpg" width="1200" /></p>

<p>登壇した浅田次郎さんは、まず吉川英治文学賞の位置づけについて説明しました。</p>

<p>「俗に私たちの業界では、この吉川英治文学賞のことを本賞と通称します。これは他の賞と比べてこれが本賞だという意味ではなくて、数多ある文学賞の中から一歩ずつ段階を踏んでいって、極まった賞がこの吉川英治文学賞であるという意味だと私は捉えています」</p>

<p>そのため選考も、候補作一作のみを評価する場ではないと浅田さんは語ります。「その方が今までに書いてこられた作品の実績や、文学界に対する功績を加味して討論を重ねる」といいます。今回はそのような協議を経て、朝井まかてさんの『どら蔵』に票が集まりました。</p>

<p>浅田さんが特に高く評価したのは、朝井さんの時代小説が持つ「読者を昔の世界に誘う力」です。</p>

<p>「『どら蔵』のお話は、現代から見た江戸時代の話ではなくて、読者を昔の世界にすっと抵抗なく誘ってくれる。時代小説の読者は、それを望んでいるんですよね」</p>

<p>その具体例として浅田さんが挙げたのが、一つの言葉の使い方でした。</p>

<p>「作中の人物は「行ってきます」とは言わず、「行って参じます」と言うんです。この言葉一つで江戸時代の世界にすっと読者を連れて行ってくれる。これが「行ってきます」ではダメなんです」</p>

<p>こうした言葉の選択が作中のいたるところに細かく配置されており、しかも膨大な資料調査を背景にしながらも「資料の影がない」と浅田さんは述べました。</p>

<p>「これは小説家の一番優れた書き方だと感じました。これからも一読者として作品を楽しませていただこうと思います」と締めくくりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>一つの人生の原風景を誰かと共有できる幸せ</h2>

<p><img alt="朝井まかてさん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Asaimakate01.jpg" width="1200" /></p>

<p>朝井まかてさんのスピーチは、賞の名を冠する作家・吉川英治の幼少期の情景から語られました。</p>

<p>「吉川英治が子供時代を過ごしたのは、現在の横浜市南区にあたる高台です。そのなだらかな丘陵には、かつて一面の百合畑が広がっていたといいます。毎朝、桜やユキヤナギが波打つ坂道を駆け下りて学校へ向かう少年の姿を、母は門の前に立って見送っていたそうです」</p>

<p>吉川英治の晩年の随筆には、次のような言葉があると朝井さんは紹介しました。</p>

<p>「毎日を、花の香に染められて通った頃の童心の幸福感が、老いたる今もどこかに潜んでいるものだろうか。以後、長じて人生の辛酸な道へ出てゆくほど、そのなつかしみは深くなっていた。」</p>

<p>受賞の知らせを受けた当初は驚くばかりだったという朝井さんですが、少し落ち着いてきてから脳裏に浮かんできたのが、百合畑の中に立つ少年と母の姿だったといいます。</p>

<p>「文章はこのように、一つの人生の原風景を誰かと共有できる。今、つくづくとその幸運を思います」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「運だけで生きてきました」</h2>

<p>「今更ですが、本当に私は運だけで生きてきました」と朝井さんは語ります。ただしその運は、多くの人に支えられてきたものだという自覚があるとも述べました。</p>

<p>デビュー以来ともに走ってきた担当編集者、本づくりに関わるすべての人々、書店員や読者、作家仲間への感謝を述べたうえで、朝井さんはこう続けました。</p>

<p>「こんなドラ娘を、もうドラおばさんですけれども、ずっと応援し続けてくれている友人たち、ヒヤヒヤしながら見守ってきてくれた夫と母と妹にも感謝します」</p>

<p>スピーチの最後、朝井さんはこう語りました。</p>

<p>「受賞者の言葉としては相応しくないかもしれませんが、この世界に生きている人間の一人として、あの戦争、この戦争が一日も早く終わることを願います。支配欲によって、誰かの命や人生や誇りが奪われる、そんなことが一日も早く終わりますように心から祈ります」</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 20:10:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>雑談の上手さは“リアクション”で決まる　会話を弾ませる「魔法の言葉10選」  ひきたよしあき（コミュニケーションコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14082</link>
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			<description><![CDATA[雑談が苦手で会話が続かない人が、苦手を克服するためには何をすればよいのか。コミュニケーションコンサルタントのひきたよしあきさんが、雑談をする際に仕える魔法の言葉などを紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmen.jpg" width="1200" /></p>

<p>「人と話すのが苦手で、なかなか会話が続かない」「上司や同僚と話すと緊張する」――そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。</p>

<p>300以上の企業や行政機関でコミュニケーションスキルを教える「伝え方のプロ」ひきたよしあきさんも、以前は雑談が苦手だったそうですが、「雑談がラクになる仕組み」を知ったおかげで楽しめるようになったとのこと。本稿では、雑談を楽しめる人が行っている「反応のコツ」を紹介していただきます。</p>

<p>※本稿は、ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>話せない原因は「リアクションの語彙不足」だった</h2>

<p>雑談が苦手な人の中には「リアクションするのが難しい」と感じる人も少なくありません。たとえば、相手の話にただうなずくだけで終わってしまう。「うん」とか「そうなんだ」といった単調な返事ばかりになってしまう。そんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。</p>

<p>これらに共通するのは、リアクションに使える言葉のバリエーションが少ない、いわゆる「ボキャ貧」の状態です。雑談が苦手な人は、自分が思っている以上に、同じあいづちしか打っていません。たとえば「たしかに」「なるほど」を何度も繰り返してしまう。これは多くの人に見られる傾向です。</p>

<p>このあとも触れていきますが、雑談が苦手な人はリアクションだけに限らず、さまざまな場面で「語彙」が足りていないことが多いのです。そんな方に役立つのが「鉄板リアクション」です。まずは、使い勝手がよく、とっさの場面でもすぐに使える言葉を覚えてみましょう。</p>

<p>次に紹介する10のリアクションは、知っているだけで雑談がぐっとラクになります。ぜひインプットして、実際に意識して使ってみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>困ったら思い出せ！「あ行＋す」の魔法ワード</h2>

<p>たとえば、「なるほど」「そうですね」だけを連呼する。相手の意見に同意したりするときに「はいはいはいはい......」と「はい」を連呼するパターンも、語彙不足によるものです。</p>

<p>では、どのようなリアクションが効果的なのでしょうか。それが「あ行」と「す」の鉄板リアクションです。</p>

<p>①ああ！(思い出しと同調)</p>

<p>②いいですね！(共感)</p>

<p>③うわぁ！(純粋な驚き)</p>

<p>④ええ〜？(本当に？　という驚き)</p>

<p>⑤おお！(感心・納得)</p>

<p>「あ行」には、人に共感する言葉、自分の感情を示す言葉が集中しています。「す」のリアクションとは、次のものです。</p>

<p>⑥すごい！</p>

<p>⑦すてき！</p>

<p>⑧すき！</p>

<p>⑨するどい！</p>

<p>⑩すばらしい！</p>

<p>「す」からはじまる言葉には、はじめてのものを見聞きしたときの、新鮮な驚きを好意的に伝える言葉が集まっています。こんな感じに使ってみましょう。</p>

<p>「これ見てくださいよ」&rarr;「うわぁ！なんです、これ！？」</p>

<p>「これ、新しく買った時計なんです」&rarr;「へぇー、いいですね！」</p>

<p>「禁煙して、やっと1カ月だよ」&rarr;「すごいじゃないですか！」</p>

<p>「今日はお弁当を作ってきたんです」&rarr;「おお！すばらしい！」</p>

<p>相手の発言に対し、「あ行」「す」のさまざまなリアクションを返す。10の鉄板リアクションが、雑談を盛り上げてくれるはずです。最初から全部覚える必要はないので、まず、自分が試しやすいものをいくつかやってみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ひと言キャッチで流れを作る「奪取の技」</h2>

<p>反応で会話に勢いをつけることは大切ですが、それだけで終わってしまう可能性もありますよね。もちろん上手くリアクションできたときに、相手が乗ってどんどん話してくれる場合もあります。</p>

<p>けれど、たとえば「へぇー、いいですね！」と返したとしても、「そうなんですよ......」で会話が途切れてしまうこともある。そこで会話がフェードアウトしかけてしまう、というのはよくあることです。だからこそ、次のステップがあります。</p>

<p>リアクションにプラスして「とにかく相手の言葉のうち、どこかひと言に反応してつなげる」ことをやってみましょう。相手のひと言をキャッチして、流れを作るのです。「難しそう......」と感じるかもしれませんが、実はとてもシンプルです。やることは、相手の言葉の中で気になったフレーズを拾って、繰り返すだけ。これも立派な反応です。</p>

<p>たとえば、相手のお家にお邪魔したときに、いい香りがしたとしましょう。こんなふうに会話を続けることができそうです。</p>

<p>自分：「この部屋、とってもいい匂いがしますね」</p>

<p>相手：「ああ、頂き物のディフューザーがありましてね、その香りかもしれまん」</p>

<p>自分：「ええ～！頂き物！」</p>

<p>相手：「いいですよね」</p>

<p>自分：「こんな素敵な贈り物をされる方がいらっしゃるんですね！」</p>

<p>相手：「そうなんです」</p>

<p>自分：「素敵！ディフューザーなんておしゃれなもの、贈ろうとも思ったことありませんよ、いいなぁ」</p>

<p>相手： 「その方がすごくおしゃれな方で、私が○○(ブランド名)が好きだということを覚えてくれていたんですよ」</p>

<p>自分：「○○(ブランド名)ですか！たしかに身につけられている物にも多い気が......」</p>

<p>どうでしょうか？このように、相手の言葉の一部に反応するだけで会話はつながっていきます。特に「頂き物(贈り物)」「ディフューザー」「ブランド名(固有名詞)」など、相手の言葉を拾って反応すると、自然と会話が広がるのです。</p>

<p>もちろん、それでも会話が途切れることはあります。けれど、まずは「つなげてみる」という意識が大事です。反応を少し重ねていくだけで、会話がフェードアウトせずに続いていく可能性はぐっと高まります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>実はNG！会話を止める3つのあいづち</h2>

<p>ここまで、リアクションの力についてお伝えしてきました。反応の仕方ひとつで会話が自然に転がり出す......そんな実感を持っていただけたのではないでしょうか。</p>

<p>しかし、実はその「リアクション」には注意が必要な側面もあります。というのも、リアクションの中には、会話を前に進めるどころか、ピタッと止めてしまうものがあるのです。</p>

<p>「えっ、そんなことあるの？」と思うかもしれません。でも、これは多くの人が無意識にやってしまっている&quot;会話ブレーキ&quot;です。それが、「なるほど」「たしかに」「そうなんですか」。どれも一見、丁寧で前向きな言葉に思えますが、使い方を誤ると、相手の話を終わらせてしまう危険なあいづちなんです。さらに、「なるほど」や「たしかに」は本来、目上の人が評価するときに使う言葉でした。だから、下手に使うと、相手を小馬鹿にしている印象を与えてしまうリスクもあります。</p>

<p>「なるほど」を使って相手の共感を得るには、「なるほど」を感嘆詞として使うことです。つまり、「へぇー！」「ほぉー！」「ふーん！」と、あなたの心が動いたときに、こう使います。</p>

<p>「なるほど！そういうことだったんですね」</p>

<p>「なるほど！それはいけますね」</p>

<p>「なるほど！夜は焼肉ですか」</p>

<p>と、何に「なるほど」と感嘆しているかということまで、しっかりつけてリアクションすると、より相手に気持ちが伝わります。ただ「なるほど」だけを多用すると、適当に返事をしている、または上から目線で返答しているととられることも。そういうときのために「なるほど」のあとに、気の利いた言葉が出てこない場合は、気持ちを添えてください。</p>

<p>「なるほど！びっくりです」</p>

<p>「なるほど！面白い」</p>

<p>「なるほど！美味しそう」</p>

<p>これで、立派なリアクションになります。繰り返しになりますが、雑談の上手い人の多くは、「リアクション」が上手いのです。話題を提供しているわけでもなく、人の話にリアクションで花を添えているだけなのに、それが、場のいい空気を作っていく。そんな人、いますよね。</p>

<p>まずは、お試し。「なるほど」「たしかに」のあとには気持ちを添える。「あ行＋す」という鉄板リアクションから使ってみて、効果を感じてください。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ひきたよしあき（コミュニケーションコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「戦争に勝ったからといって、威張るんじゃない」進駐軍の日系兵が直面した母からの拒絶  細川呉港</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14044</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014044</guid>
			<description><![CDATA[ハワイで働き、後に米兵となった日系二世フジオ高木。進駐軍として帰郷した彼を待っていた母の拒絶と岩国空襲の記憶。舞鶴に「アロハ桜」を植えるに至る彼の心の軌跡を追う。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="舞鶴湾" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_maizuruwan.jpg" width="1200" /></p>

<p>シベリアからの引き揚げ港として知られる舞鶴にある共楽公園には、かつて進駐軍の日系アメリカ兵が植えた「アロハ桜」がある。戦後の貧しい時代に植えられた桜は、時を経て見事な花を咲かせ、人々にその存在を知らせた。いったい誰が、どのような思いで植えたのか。その主が、プランテーションで働くためにハワイに移り住んだ日系二世、フジオ高木だ。</p>

<p>戦後、諜報部隊CICの一員として再来日したフジオは、12年ぶりに岩国の実家を訪ねる。ハワイで独り働き抜いて貯めたお金を、困窮する家族のためにと差し出した彼を待っていたのは、母ユキによる拒絶だった。凄惨な空爆の記憶が残る故郷で、二つの祖国の狭間に立たされたフジオ。作家の細川呉港氏がその軌跡に迫る。</p>

<p>※本稿は、細川呉港著『舞鶴に散る桜』（飛鳥新社）の内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フジオ高木、両親に再会</h2>

<p>突然のジープに乗った進駐軍の訪問に家族はびっくりした。森助、ユキの両親は健在であった。12年ぶりにあったフジオの成長した姿に母親は胸を熱くしたが、顔には表さなかった。因果を含めて、本人も納得ずくでハワイに置いてきたわが子だった。立派に育っていた。しかもアメリカ兵として、アイロンのかかった新しい制服を着て、ギャリソン帽を斜めにかぶって颯爽としていた。</p>

<p>だが会話は、その後すぐには弾まなかった。あまりにも長い別離とフジオの変わりよう、しかも相手は日本を占領統治に来た進駐軍だった。身分が逆転していた。その上、日本中が荒廃し、食べるものもなかった。高木家だけではない。日本人みんなが呆然としていたからである。</p>

<p>高木の実家は壊れていた。空襲で焼けたのではない、なぜか破壊されていた。</p>

<p>古い壊れた家を見て、フジオは持っていた貯金通帳を示し、「これで家を建て替えてくれ」と母親に言った。高木としてはいま自分ができる最大限の両親へのお土産であった。とにかくハワイにいる日本人は、お金を貯めて日本に送ることが目的だったから、フジオも若い時からお金を貯めていたのである。いつか両親に渡せる時を楽しみに働いてきた金だった。</p>

<p>だが母親の返事はそっけないものだった。</p>

<p>「いくらわが子の申し入れとはいえ、アメリカ兵の金は受け取れん」</p>

<p>たったこの間まで、敵として思ってきたアメリカ兵の好意は受けない。明治生まれの女の意地もあったろう。それだけではない。母親は言った。</p>

<p>「いま日本人は惨めにしておる。食べるものもない。しかしアメリカが戦争に勝ったからといって、フジオ、お前、威張るんじゃないよ。日本人にきつくあたったら承知しないよ。お前にこの家を建て直してやろうという気持ちがあるのなら、その金で日本人みんなのために何かをしてやれ。」</p>

<p>かつてハワイで暮らしたことのある母は、アメリカ兵となったフジオをそうたしなめた。かなり厳しい言い方だった。</p>

<p>フジオは、がっかりした。ハワイでずっとひとりで大きくなってきたから、両親の愛情にも薄かった。彼は、自分の貯めた金を母親が喜んで受け取ってくれると思ったのである。そして母親に褒めてもらいたかった。寂しかったろうがひとりでよく辛抱した。頑張ってたくさんお金を貯めたね、と笑って受け取ってもらいたかった。そうやさしく言って欲しかったのである。彼にとってはそれが長い間の夢であった。そのためにこれまで頑張って働いてきたのだ。</p>

<p>フジオが、岩国に行って母親に会った時の話で、残っているのはそれだけである。後に、周りの者に語った数少ないエピソードである。しっかりした明治の母親だったのであろう。フジオはその後何度か岩国の家を訪ねている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>岩国大空襲の実態</h2>

<p>なぜ、母親は息子のせっかくの好意を拒否したのか。それは単に、母親が昔風の「日本人として凛と生きる大和撫子」だったためだけではなかろう。</p>

<p>「母親の拒絶」の理由を捜していた時、私はある重大なことを発見した。これはずっと後になって判明したことだが、それは、終戦時の異常なまでの米軍の岩国への空襲であった。</p>

<p>岩国もまた、日本各地と同じように空襲を受けている。アメリカ陸軍航空司令ヘンリー・アーノルドが綿密な作戦をたてて始めた「日本本土消滅作戦」である。工場地帯や、軍事施設の爆撃だけでなく、彼が考えたのは、市街地の消滅作戦であった。木造住宅の多い日本の市街地を、焼夷弾という「火を噴く筒」を、大量に撒くことによって町全体を焼き尽くすことができると。高高度から落とされる焼夷弾は瓦屋根を突き破って座敷に到達し火を噴く、それは絶大な効果を発揮した。</p>

<p>もちろん軍事施設には250キロ爆弾という強力な爆弾が投下されたが、室蘭、日立市、そして名古屋などでは軍艦による海からの市街地への艦砲射撃が行われている。軍事施設を狙ったものだ。東京空襲では、10万人が亡くなっている。15万人が負傷した。原子爆弾に次ぐ被害である。</p>

<p>岩国では、昭和20年3月から全部で9度の空襲が行われている。この岩国の空襲を細かく日を追って調べていて、私はあることに気がついた。そしてそれが、フジオ高木の母親が息子のお金を断った本当の原因ではなかったかと思うようになった。</p>

<p>岩国のような割りと小さな地方都市に空爆があったこと自体、私には信じられなかったが、空襲は3月から終戦前日の8月14日まで執拗に繰り返されたらしい。</p>

<p>詳細にいうと、まず3月19日に、岩国の南、山陽線に沿った海の縁にある藤生、通津、そして由宇の町々(いまは岩国市内)が、艦載機グラマン戦闘機に襲われた。元々、住宅密集地ではないから、畑に農夫、港に漁師、また駅周辺の住民、駅にはわずかの駅職員くらいしかいないところであるにもかかわらず、機銃掃射で狙い撃ちされたのである。</p>

<p>いわゆる空襲とは違う。航続距離の短い戦闘機が来るぐらいだから、敵の空母がかなり近くまで来ていることを示すのだが、多くの日本人はすでにそうしたことに気を配るだけのゆとりはなかった。畑で作業していた農夫や駅職員などが死亡。</p>

<p>小さな地方都市にもかかわらず、岩国が狙われたのは突き出した半島に海軍航空隊と、陸軍燃料廠があったからである。周辺の町に戦闘機が飛んできたのは、ある意味で偵察に、また相手の反応を見たのであろう。どのくらい対空砲火があるのか、迎撃機は飛んでくるのか。そういったようすを見たのかもしれない。</p>

<p>そして5月10日、海に張り出した陸軍燃料廠と、隣接した興亜石油の精製所が爆撃された。これはすごかった。B29の大きな爆撃機が100機以上、一気に大空を覆い、爆弾を驟雨のように投下した。その数2,000発以上といわれている。陸軍燃料廠はすぐに燃え上がり、大爆発を起こした。炎はその後消えることなく4日間も燃え続けた。それは岩国の町民にも大きな衝撃を与えた。</p>

<p>2カ月後、今度は岩国沖の柱島諸島が再びグラマンの戦闘機に襲われた。</p>

<p>岩国側と対岸の呉市や江田島に囲まれた内海のような安芸灘には、柱島、黒島、端島の三つを中心に円を描いて小さな島々があった。中心の柱島でも島民は何百人もいる島ではない。むしろ孤島といっていいほど。特に黒島は島民百人、半農半漁の小さな島である。グラマンはこの島にも10機編隊で襲いかかり、小学生の低学年が避難していた防空壕に爆弾を投下し命中、子供たち全員が生き埋めになった。</p>

<p>2日後にも黒島にグラマンはやってきた。今度は山林に逃げ込んだ生き残りの小学生に、機銃掃射を繰り返したという。母子3人が狙われ、ひとりの子供が亡くなり母子は大怪我をした。島の大人6人、子供たちは全部で22人亡くなっている。まるで、機銃掃射のゲームをするように、なぜ、このような軍事施設もない孤島の民間人を執拗に襲ったのだろうか―。それはいまもって謎である。</p>

<p>7月28日には、岩国の新設された第十一空廠への爆撃。</p>

<p>そして8月9日、海軍航空隊への爆撃と機銃掃射。もちろん日本側はもう反撃する力も航空機もなかった。日本の戦闘機を収納保護する、厚さ20センチのコンクリートで固めた掩体壕(えんたいごう)が狙われた。その中に多くの整備兵も避難していたのだ。彼らの多くは掩体壕が、爆撃で崩れるとともに生き埋めになった。周辺の民家も機銃掃射を受け、多くの民間人が亡くなった。</p>

<p>そして8月14日、ちょうど終戦の前の日である。おそらく翌日が終戦というのはアメリカ軍にも伝わっていたと思われるのに、空襲は14日夜まで続いた(この終戦前日の日の爆撃は、ほかに東京周辺の都市、小田原、伊勢崎、熊谷、高崎などでも行われた)。しかし、この14日の岩国への爆撃は、常軌を逸していた。</p>

<p>さして大きくもない市街地のある岩国駅の周辺に、焼夷弾ではなく、なんと250キロ爆弾が、何百発と落とされたのである。爆弾によって、家も商店街も吹き飛ばされ、土は舞い上がって大きな穴が無数にあいた。大きいものは直径30メートルの巨大な穴であった。後でアメリカ軍の公表した写真を見ると、岩国市街地が、まるで蜂の巣状に穴が開いている。体験者によると、家の柱も土台もあちこちに吹っ飛んで舞い上がり空が黒くなって周囲が見えなくなったという。後は形のあるものがすべてなくなったと。</p>

<p>焼夷弾ではなく、爆弾の恐ろしさはまさに人間が声も出せないほどのもので、爆弾投下は住民を打ちのめした。蜂の巣状に開いた穴に、さらに爆弾が、落ちてきて、新しい蜂の巣をつくったのだという。多くの人間が、建物と一緒に肉片となって飛び散った。その光景はまるで地獄以上だったという。小さな町だったのに1,000人以上が亡くなり、6,000人が負傷し手足をもぎ取られた。</p>

<p>この話は、もちろん岩国の爆撃や空襲を免れた人々にも、また周辺の田園地帯にもすぐ伝わった。当然のことながら高木森助や母親ユキにも生々しい声が伝わってきた。「アメリカはむごいことをする―」岩国の人々はみんながそう思った。</p>

<p>この米軍の、柱島における、農民や漁民を執拗に狙った機銃掃射や、岩国駅や周辺の市街地に落とした異常なまでの多くの爆弾は、後々まで、なぜこのようなことをしたのか話題になった。理由は分からない。</p>

<p>住民の間には、対岸の呉の工業地帯や造船所、そして港の周辺にいた多くの軍艦の爆撃の帰りに、余った爆弾を、遠く南方の基地まで持ち帰るわけにも行かないから帰りがけの駄賃に、通り道だった岩国にすべて落として行った―という人もいるし、また15日に終戦になることが分かっていてこれで最後だからと暴れ回ったという説明をする人もいる。真相はいまでも分からない。</p>

<p>最近、軍艦の歴史についていろいろな本を読んでいる呉の知人によると、「柱島? 柱島は戦艦大和の泊地だった。いや大和だけではない連合艦隊の泊地で、その柱島沖で戦艦武蔵が謎の爆発を起こして沈んだんだ」と言う。</p>

<p>泊地というのは洋上の戦艦の停泊地のことで、ちょうど呉港から近く、柱島諸島で囲まれた中海のような、瀬戸内海の中でも特に波の穏やかなところだ。アメリカ軍は、その泊地のある周辺の小さな島に、軍艦に乗る乗組員がいると思ったのかもしれない。</p>

<p>こうしたわけで、岩国の人々は、とりわけ進駐軍に対して憎しみを持っていた。そんな中に、息子とはいえアメリカ兵が母親を訪ねて「颯爽と」ジープに乗ってやってきたのだ。</p>

<p>「戦争に勝ったからといって、威張るんじゃないぞ。日本人をいじめたりしたらこの母が承知しない」と母ユキは息子にクギを刺したのである。だから、息子のお金の提供にも素直に受け取れなかったのに違いない。それは周囲の「世間」に対しても、顔向けが立たないからであった。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[細川呉港]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「スマホを1時間眺める」のは実はあなたの命を救っている？　罪悪感の裏の生物学的防衛反応  デヴォン・プライス (著), 佐々木寛子 (翻訳)</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14088</link>
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			<description><![CDATA[スマホに１時間費やしてしまうのは、単なる怠惰ではないとデヴォン・プライス博士は説明する。休むことへの罪悪感の正体を解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="スマホを長時間見てしまう" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smartphone_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>「今日も気づいたら1時間もスマホを眺めてしまった」「やるべきことがあるのに、体が動かない......」</p>

<p>そんな自分を「怠惰だ」「ダメな人間だ」と責めてはいないでしょうか。SNSで流れてくる他人の精力的な活動や、深夜まで届く仕事の通知にさらされる現代において、私たちは常に「もっと生産的であらねばならない」という無言のプレッシャーに晒されています。</p>

<p>しかし、『なぜ休むことに罪悪感を覚えるのか』の著者、デヴォン・プライス博士は、こうした「怠惰」だと感じてしまう状態こそが、実は私たちの心身が発する「命を守るための防衛反応」であると説きます。</p>

<p>※本稿は、デヴォン・プライス (著), 佐々木寛子 (翻訳)『なぜ休むことに罪悪感を覚えるのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>成功しているアーティストが抱えていた「恐怖」</h2>

<p>マイケルという新進気鋭のアーティストの例を見てみましょう。彼は世界中を旅して壁画を描き、デジタルアートでも成功を収め、周囲からは「努力家で才能あふれる成功者」と見られていました。</p>

<p>しかし、マイケル自身は深い罪悪感に苛まれていました。「自分は恐ろしいほど怠惰だ」と。</p>

<p>彼は家を持たず、ホステルや友人のソファで寝泊まりしながら、日中は屋外で汗だくになって壁画を描き、夜はデジタルアートの制作に没頭する。そんな過酷な生活を送りながらも、「もっと自分を追い込まなければ、すべてが終わってしまう」という恐怖に突き動かされていたのです。</p>

<p>彼にとって「怠惰」とは、成功と失敗を分かつ境界線であり、一度でも飲み込まれたら二度と這い上がれない底なし沼のようなものでした。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「怠惰」は存在しない。あるのは「エネルギー不足」だけ</h2>

<p>多くの人がマイケルのように、「やる気が出ないのは自分に問題があるからだ」と考えがちです。しかし、プライス博士は断言します。</p>

<p>「『怠惰』は存在しない」のだと。</p>

<p>私たちが「怠惰な気分」になる時、そこには必ず、目には見えない「障害」や「困難」が隠れています。</p>

<p>・脳や体が休息を痛烈に必要としている<br />
・燃え尽き症候群の寸前にいる<br />
・過度なプレッシャーで集中力が枯渇している</p>

<p>「スマホを眺めて1時間が過ぎてしまった」という状態は、単なる時間の無駄遣いではありません。それは、過負荷になった脳がそれ以上のストレスを受け付けないよう、強制的にシャットダウンし、エネルギーを温存しようとしている生物学的な防衛反応なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「しばらく生産性への期待値をぐっと引き下げる」という解決策</h2>

<p>では、この罪悪感から抜け出し、本当の意味で健やかな生活を取り戻すにはどうすればよいのでしょうか。</p>

<p>提案する具体的な解決策は、驚くほどシンプルです。それは、「しばらく生産性への期待値をぐっと引き下げること」です。</p>

<p>頑張りすぎて疲れた人は、睡眠をしっかり取り、思考と感情のエネルギーを充電する必要があります。そのためには、生活の中に「余裕」を無理にでも確保しなければなりません。</p>

<p>「休みたい」「リラックスしたい」という欲求を持つことは、恥ずべきことではありません。むしろ、そのサインを無視して自分を追い込み続けることこそが、回復不能な病気や完全な燃え尽きを招くリスクとなります。</p>

<p>「時間の無駄遣い」は、人間が健やかに生きるための基本的欲求です。<br />
もしあなたが今、怠惰な自分を責めているのなら、まずはこう自分に言ってあげてください。</p>

<p>「この『怠惰』な気分は、私を守るための大切なサインなのだ」と。</p>

<p>この事実を受け入れることこそが、バランスの取れた、より穏やかで生産的な人生を始めるための第一歩になるはずです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smartphone_1.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 09 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[デヴォン・プライス (著), 佐々木寛子 (翻訳)]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>部下のやる気が上がらないのはなぜ?　上司が語るべき、仕事の「本当の意味」  ピョートル・フェリクス・グジバチ（プロノイア・グループ株式会社 代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14063</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014063</guid>
			<description><![CDATA[世界の一流の上司は、部下をやる気にさせるための作戦を知っている。部下のモチベーションを高めるための3つの戦略を、ピョートル・フェリクス・グジバチさんが解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ピョートル・フェリクス・グジバチ著『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_joushi2G.jpg" width="1200" /></p>

<p>「それが仕事だから」「とりあえず頑張ってみよう」――こんな言葉を部下にかけたことはありませんか。部下のやる気は、上司が何気なくかけた一言によって大きく左右し、仕事の意欲を奪ってしまうこともあると、人材開発に長年携わっているピョートル・フェリクス・グジバチさんはいいます。</p>

<p>では、上司のどのような行動が、部下のやる気を上げることに繋がるのか――本稿では、世界の一流の上司が実践する「やる気を引き出す実践的なアプローチ」について解説します。</p>

<p>※本稿は、ピョートル・フェリクス・グジバチ著『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>部下の「やる気」を上げる言葉、下げる言葉</h2>

<p>世界の一流の上司には、際立った共通点があります。日常の様子を冷静に観察することで、部下それぞれに見合った「やる気」に火をつける作戦を展開していることです。</p>

<p>1週間に一度の1on1ミーティングや空き時間の雑談などを通して、部下が抱えている不安や不満、ストレスやジレンマに目を向け、必要と思われる「言葉のエネルギー」をチャージすることで、部下のモチベーションを高めているのです。モチベーションの研究で知られるアメリカの作家ダニエル・ピンクは、人が「やる気」を出すためには、次の3つの要素が欠かせないといいます。</p>

<p>①「自律性」：自分の意思で課題を決める</p>

<p>②「熟達」：高みを目指して経験を積む意識</p>

<p>③「目的意識」：会社や社会への貢献などのやりがい</p>

<p>これら3つの要素が欠けている状態では、たとえ周囲が「頑張れ」と励ましの言葉をかけたとしても、本人の中に持続的な動機が生まれることはありません。3つの要件を満たして部下のモチベーションを高めるためには、上司と部下が自分たちの会社や仕事の「本質」を共有することが不可欠です。</p>

<p>世界の一流の上司は、そのためのアプローチを3つの戦略に分類して、適切と思われる情報を部下に提供しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「会社の存在意義」「仕事の意味」を伝える</h2>

<p>【戦略①】会社の「存在意義」を教える</p>

<p>自分たちの会社は、何のために存在しているのか？誰に対して、どのような価値を提供しているのか？こうした根源的な価値観を共有することは、新入社員や若手社員だけでなく、キャリアを重ねたベテラン社員にとっても、重要なエネルギー源となります。</p>

<p>目先のタスクに追われる毎日を過ごしていると、「自分は何のために、この会社で仕事をしているのか？」と考え始めて、目的意識を見失うことがあります。仕事の方向性がわからなくなって、独善的な判断に走ることもあります。</p>

<p>自分たちの会社には、こういう世界観があって、こんなに素晴らしいプロダクトやサービスをしている......という価値観を折に触れて確認することは、部下のモチベーションに大きなインパクトを与えることになります。</p>

<p>【戦略②】仕事の「意味」を教える</p>

<p>仕事に追われる毎日を過ごすビジネスパーソンであれば、多忙を極めていたり、疲れていたりする時ほど、「この仕事に、どんな意味があるのか？」と考えるようになります。自分が納得できる答えが見つからないと、疲労感が一気に増して、余計なストレスを溜め込むことになります。部下のメンタルが不安定であることに気づいたら、世界の一流の上司は、部下に対して自分たちの仕事の意味を伝えています。</p>

<p>膨大な請求書の作成に追われている経理部の部下が、「自分は毎日、何をしているのだろう？」と悩んでいたとします。会社にとって、大事な役割であることは理解していても、「なぜ自分がやる必要があるのか？」という素朴な疑問が浮かぶこともあります。</p>

<p>上司が「それが君の仕事だ」と突き放して説明を終えるのは簡単ですが、そのひと言は部下から意欲を奪い、業務を機械的な作業へと変質させてしまいます。世界の一流の上司は、仕事の意味を伝えて、部下の「やりがい探し」をサポートしています。</p>

<p>部下が正確に整えているお金の流れがあるからこそ、会社は顧客に対して継続的に価値を届けられるのだ、と業務の意義を具体的に伝えています。目の前の仕事の背後にある構造を丁寧に示せるかどうかが、指示を遂行するだけの実行者を育てるのか、自ら考えて判断できる人材を育てるのか......という大きな分かれ道になるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「部下のエンゲージメント」を高める</h2>

<p>【戦略③】部下の「エンゲージメント」を設計する</p>

<p>エンゲージメントとは、会社の進むべき方向性と自分自身の成長が、互いに矛盾なく結びついている状態を指します。自身の持てる力を発揮することが、組織の具体的な成果に直結していると実感できた時、個人は誰に指示されることもなく自発的に動き出します。</p>

<p>こうした状態は、個人の根性や気合といった精神論によって生み出されるものではありません。組織としての仕組みを整える「構造」と、相互理解を深める「対話」を積み重ねることによって、初めて構築されるものです。</p>

<p>部下のエンゲージメントを高めることは、モチベーションのアップや自発的な行動を促すことにつながって、生産性の向上や離職率の低下にも効果が期待できます。世界の一流の上司は、次のような取り組みを通じて、部下のエンゲージメントを高めています。</p>

<p>・「企業ビジョン」の共有</p>

<p>・「柔軟な働き方」のサポート</p>

<p>・「キャリア成長」支援</p>

<p>・「評価」の透明性と公平性の担保</p>

<p>日本企業では、上司が独断で部下を評価して、それを人事部や社長に申告するのが一般的ですが、欧米企業や外資系企業には「キャリブレーション」と呼ばれる評価規範があります。キャリブレーションとは、複数の上司が集まって部下一人ひとりの評価結果を議論し、評価基準のズレを調整する「目線合わせ」のシステムを指します。</p>

<p>この仕組みの最大の特徴は、評価を一人の上司だけで完結させない点にあります。具体的には、複数のマネジャーが公開の場で、個々の評価が妥当であるか、あるいは他部署と比較して甘すぎたり厳しすぎたりしないかを相互に検証します。こうしたプロセスを経ることで、評価を「密室」から引き出し、組織全体での透明性と公平性を確保しています。</p>

<p>評価の偏りを防ぐことは、部下が不必要なストレスを抱えることなく、前向きな姿勢で仕事に打ち込める環境を整えることにつながります。部下にとって、上司から正当に評価されていないと感じる瞬間は、やる気を喪失させる決定的な要因となります。</p>

<p>上司による評価は、単なるフィードバックの結果ではなく、時には本人の成長を加速させる原動力となり、時にはその歩みを止めるブレーキともなります。多くのグローバル企業では、評価の透明性や公平性を、個人の意識の問題として片付けるのではなく、揺るぎない制度として設計しているのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_joushi2G.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 09 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ピョートル・フェリクス・グジバチ（プロノイア・グループ株式会社 代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>僧侶が師匠から学んだ「人生最期に後悔しない」ための生き方  大愚元勝（住職・慈光グループ会長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14074</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014074</guid>
			<description><![CDATA[「あのときこうしていれば」と後悔を繰り返し、心が疲れ切っていませんか。僧侶・大愚元勝さんの師が説いた「早く墓穴を掘れ」という教えから、後悔を手放す生き方を考えます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_glasslandwoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>「あのときこうしていれば」「もっとうまくやれたはずなのに」</p>

<p>過去を振り返り、後悔を繰り返すうちに、心はじわじわと消耗していきます。後悔は誰もが抱えるものですが、それに囚われ続けることで人生の喜びを見失ってしまう人も少なくありません。では、後悔を手放し、満足のいく人生を歩むにはどうすればいいのでしょうか。</p>

<p>僧侶・大愚元勝さんの師匠はかつて、こんな言葉を繰り返し口にしていたといいます。</p>

<p>「早く墓穴を掘れ」</p>

<p>一見不思議なこの教えの中に、後悔から解放されるためのヒントが隠されています。書籍『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ？』から、後悔を手放す方法を探ります。</p>

<p>※本稿は、大愚元勝著『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ？』（アスコム）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「後悔」は心の自傷行為</h2>

<p>「反省はしてもいいけれど、後悔をしてはいけない。まったく意味がない」</p>

<p>ブッダは後悔というものを非常に厳しく諫めました。</p>

<p>「あのときこうしておけばよかった」「あんなことしなければよかった」という後悔は、心の傷口を自分で刺しているのに等しいこと。過去に抱いた嫌な気持ちを、わざわざ、自ら、もう一度味わっていることになるのです。</p>

<p>同じ失敗を何度も悔やむということは、グサッ、グサッと自分をめった刺しにしているのも同然と考えましょう。</p>

<p>いったん気持ちが落ち着いたとしても、その1年後、2年後に再び思い出して......ということをやっていると、全身傷だらけ、トラウマまみれになってしまいます。</p>

<p>いうなれば&quot;心の自傷行為&quot;であり、自分で自分を痛めつけていることになります。</p>

<p>後悔の念が生まれるのは仕方がないことですが、ただ悔やむのではなく、なぜそれをやってしまったか（やらなかったか）を冷静に分析して、未来につなげる糧として活かそうとする姿勢を持つことは大切です。</p>

<p>これは後悔ではなく「反省」であり、ブッダも推奨しています。あえて後悔を楽しむのであれば、それもありでしょう。</p>

<p>「あのときは俺もガキだったなぁ。なんであんなことをしたんだろう。若気の至りって怖いなぁ」</p>

<p>こんなふうに自分のなかで、あるいは他人に対して笑い話にできるのであれば、自分の感情や過去の言動を客観的に見つめられているということです。いわゆる&quot;黒歴史&quot;を明るい話題に変えることができているのなら、思い出したときに心に傷を負うことはありません。要は、過去に起こった出来事をどうとらえるか。どのように考え、自分のなかでいかに処理していくかが重要ということです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「誰かのせい」にしても苦しみは消えない</h2>

<p>自分で選んでやった（やらなかった）ことだと自覚する。決して他人のせいにしない。</p>

<p>これらも、後悔してしまったときにとるべき、有効な対処法です。</p>

<p>「親がこの学校のほうがいいというから入学したのに」<br />
「○○さんの言葉を信じたせいでひどい目にあった」</p>

<p>こういった考え方は、他人に責任を押しつけてしまっています。</p>

<p>相手とどんな関係にあろうが、いかなるアドバイスをされようが、最終的に行動に及んだのは自分自身。その決断を下したのは、あくまでも自分なのです。</p>

<p>ひとしきり悔やんだあとは、他人に責任転嫁せず「自分がバカだった。もう同じことはくり返さないようにしよう」と反省しましょう。</p>

<p>そして、あとになって他人のせい、なにかのせいにしないように、行動したり決断したりするときは、「本当に自分がやりたいことなのか?」「本心から望んだことなのか?」を自分自身に問いかけたうえで実行していくようにしましょう。</p>

<p>自分と向き合うこと、自分の頭で考えることにはパワーが必要で、とてもしんどい作業です。「誰かの言っていること」を鵜呑みにして決断するほうがずっと楽なので、ついそうしたくなってしまいます。でも、後悔のない人生を歩んでいくためには、自分で考えることを諦めてはいけません。</p>

<p>とことん考え抜いて自分の判断で行ったことであれば、たとえどんな結果になったとしても「自分で選んだ道だから仕方がない」と納得することができます。後悔をゼロにすることはできないかもしれませんが、頻度は少なくなるはずです。</p>

<p>また、起こってしまったことに対する評価を変えるというのも、ひとつの方法です。</p>

<p>私は子どものとき、親の言いつけを守らずに大けがをしてしまったことがあります。</p>

<p>「危ないからストーブの前で着替えちゃダメだよ」</p>

<p>母親にこう言われていたのに、両親が留守のあいだにストーブの前で着替えようとして、私の真似をしようとした妹と場所の取り合いになり、ストーブの上のやかんをひっくり返して足に大やけどを負ってしまったのです。<br />
そのやけどの跡は、一生消えない傷として残りました。</p>

<p>何度も手術を受け、一時は車いす生活にもなりました。当時はそれがすごくショックで、「どうして言いつけを守らなかったのか」という後悔と、親への申し訳なさでいっぱいでした。</p>

<p>でも、大人になるにつれて、この出来事は自分に対する戒めなのだと思えるようになりました。今では「調子に乗っちゃいかんな」「やってはいけないことをやるのはダメだな」と、傷を見るたびに思うようにしています。<br />
失敗をくり返さないためのありがたい傷。</p>

<p>こう思えるようになるには、人によってある程度時間が必要になるかもしれません。それでも、このように見方や評価を変えることによって、後悔とさよならすることもできるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>生きているうちに墓穴を掘れ</h2>

<p>人生において究極の後悔は、自分が死ぬ直前になって、「あれをやっておけばよかった」「あの人にこれを伝えたかった」などと思ったり、亡くなってしまった人に対して「もっとこうしてあげればよかった」などと思ったりすることです。</p>

<p>そんなタイミングで悔いが発生してしまうと、そこから取り戻すことは難しくなってしまいます。</p>

<p>だから、後悔は若いうちにたくさんして、手放すテクニックを磨いていくに越したことはないと思います。</p>

<p>失敗はいい。<br />
反省もいい。<br />
でも、後悔は良くない。</p>

<p>今からこれを、強く意識しましょう。</p>

<p>元気に生きているうちは、償いや埋め合わせができます。「明日があるさ」が通用します。</p>

<p>しかし、当たり前のことですが、人はいつ死ぬかわかりません。これは自分だけでなく、相手や周りの人だって同じです。後悔しない人生を送るためには、今現在抱えている心のモヤモヤへの対処を先送りせず、そのときそのときにしっかりと向き合っていくようにしましょう。</p>

<p>私のお師匠さんは、よくこう言っていました。</p>

<p>「早く墓穴を掘れ」</p>

<p>墓穴を掘るとは、「自ら身を滅ぼす」という意味で使われる慣用句ですが、お師匠さんは違う意味で使っていました。生前に自分のお墓を建てる、文字どおり墓穴を掘ると幸せな人生を送れるようになるというのです。</p>

<p>これは霊的な力が働くとか、そういうスピリチュアルな話ではなく、自分のお墓をつくる、つまり死を意識すると「いつか自分はここに来るんだ」という自覚が芽生え、残された人生を無駄にせず、一日一日を一生懸命生きねばならないという覚悟が決まる―そんな意味合いを含んでいます。</p>

<p>この言葉を最初に聞いた瞬間はきょとんとしてしまいましたが、今ではその真理がよくわかりますし、まさにそのとおりだと実感しています。</p>

<p>生きているうちに墓穴を掘ることは、後悔のない人生を強烈にバックアップしてくれる有効な行為なのです。</p>

<p>だから、明日死ぬつもりで決断し、今日を全力で生きるように意識してみてください。自分の行動や言動に対して後悔するケースは、今よりも格段に減っていくと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 09 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大愚元勝（住職・慈光グループ会長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜこんなに疲れるのか？　あなたを蝕む「見えない疲れ」の正体  鈴木亜佐子（スタンフォード大学認定コンパッション・アンバサダー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14090</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014090</guid>
			<description><![CDATA[疲れが蓄積してしまうのは、努力が足りないからではありません。鈴木亜佐子さんが慢性的な疲労の根本原因と解決策を教えてくれます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="見えない疲れの正体" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_zutsuu.jpg" width="1200" /></p>

<p>毎日一生懸命働いているのに、なぜか心が満たされず、ただ疲労だけが蓄積していく......。そんな「がんばっているのに疲れる」という悩みを抱えるビジネスパーソンが増えています。</p>

<p>しかし、その原因は、決してあなたの「気合い」や「努力」が足りないからではありません。&nbsp;</p>

<p>本稿では、スタンフォード大学認定コンパッション・アンバサダーである鈴木亜佐子氏の著書『スタンフォード式 自分をいたわる人がうまくいく』より、現代人が抱える慢性的な疲労の根本原因と、その解決へのアプローチを紹介します</p>

<p>※本稿は、鈴木亜佐子著『スタンフォード式 自分をいたわる人がうまくいく』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>情報洪水で、神経は「ブレーキとアクセル同時踏み」になる</h2>

<p>気がつくと、私たちの一日は情報であふれています。</p>

<p>SNSでは、批判と賛辞が途切れなく流れ、注意をさらっていく。メールには「至急」「要対応」。</p>

<p>チャットには未読のメッセージが積み上がり、通知も止まらないまま。</p>

<p>たとえ小さなタスクでも、脳にとってはどれも「早く」「今すぐ」という合図です。そのたびに体は軽い緊張モードに入り、呼吸は浅くなり、肩には力が入り、心の余裕が少しずつなくなっていきます。</p>

<p>大きなトラブルがあるわけでもないのに、なぜか疲れてしまう──。</p>

<p>これが、いま多くの人が抱えている「見えない疲れ」です。</p>

<p>外からの刺激に注意を奪われ続け、「今、自分は何を感じているのか」「自分にとって何が大事なのか」という自分の軸が見えにくくなる。</p>

<p>軸がブレると、集中は浅く、言葉はとがり、判断力が低くなる。</p>

<p>たとえるなら、ブレーキとアクセルを同時に踏んだまま街中を走っている状態です。エンジンはうなり、燃料は減るのに、思ったほど前へ進まない。夕方にぐったりするのは、むしろ自然な結果なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>過剰なまでに比較してしまう</h2>

<p>疲れを深刻にするのが、過剰な比較です。</p>

<p>いつもSNSで触れているのは他人の&quot;ベストな瞬間&quot;。ついつい等身大の自分と比べてしまい、心の中の厳しい声が強くなります。</p>

<p>そこにAIとの比較も重なります。24時間、疲れず、ミスなく、一貫した品質で出力し続ける存在が身近にある今、「これは自分の成果だと言えるのだろうか」「私の価値はどこにある？」という焦りも生まれやすくなるでしょう。</p>

<p>さらには、頭の中の「理想の自分」も大きな存在です。「本当なら、もっとできるはず」「前の自分なら、ここでやり切っていた」。完璧な理想像は、現在の自分を否定し続ける装置になりがちです。</p>

<p>こうしてあちこちから比べてばかりいると、心の中で叱責が増えていきます。「早く対応しないと」「もっとがんばらないと」。努力のアクセルを踏むほど、内側では不安というブレーキも強まる。過剰比較と自己否定の小さなループが、心の底に流れ続けます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>燃え尽きとインポスター感</h2>

<p>このループが続くと、やがて2つの影が濃くなります。</p>

<p>1つ目は、燃え尽き（バーンアウト）です。最初は高い責任感とエネルギーで走れていたのに、ある朝突然、心も体も鉛のように重くなる。集中力が続かず、興味も色あせ、寝ても完全には戻らない。まるで見えないブレーキが常にかかっているような状態です。</p>

<p>実際にバーンアウトに陥った人の声を拾うと、「気づいたら心が空っぽになっていた」「休んでいるのに休めていない感じ」「何をしても楽しくない」という共通点があります。身体的には不眠や胃腸の不調、慢性的な肩こりや頭痛などが出やすく、心理的にはイライラや虚無感が強まり、人間関係の摩耗も避けられなくなります。</p>

<p>そして厄介なのは、真面目な人ほどバーンアウトに陥りやすいということです。責任感が強く、他人の期待に応えたいと願う人ほど、「もう少しがんばれるはず」「ここで止まったら迷惑をかける」と自分を追い込みます。その結果、体力と気力の残量を冷静に測れなくなり、限界ラインを越えるまで走り続けてしまうのです。</p>

<p>中には「仕事が楽しすぎて休みたくない」と言う人もいます。けれど、それも神経にとっては回復の時間を奪われている状態。楽しさと疲労は、同時に進行してしまうのです。</p>

<p>いわば、バーンアウトは「真面目さの副作用」。本来は美徳であるはずの誠実さや努力が休息機会を奪い去ったときに、突然スイッチが切れるかのように訪れます。</p>

<p>2つ目はインポスター感。実力があるのに「自分は過大評価されているのでは」と感じる心の癖です。<br />
映画『ハリー・ポッター』で成功を収めたエマ・ワトソンでさえ、「自分にはその価値がないのでは」と不安になったと語っています。元米国大統領夫人ミシェル・オバマも、名声を得るたび「ここにいるべき人間ではないのでは」と感じたと明かしています。</p>

<p>世界の第一線に立つ人でさえそうなのです。ましてAIが&quot;それっぽい成果&quot;を瞬時に生むいま、「これは私の力ではないかも」という疑いは増幅されやすくなります。</p>

<p>心理学の知見から見ると、その背景には「条件付きの自尊心」、いわば「自己証明欲求」とも言える働きがあります。これは、自分の価値を周囲や自分自身に証明し続けなければ、安心できなくなる心の状態のことです。</p>

<p>努力が成果として見えた瞬間も、「まだ足りない」「次も証明しなきゃ」と内なる声が追い立ててくる。いわば心に「永遠の試験監督」が住んでいて、休むことに合格点をくれないのです。</p>

<p>そして、この自己証明欲求がインポスター感と燃え尽きに燃料を注ぎます。証明し続けるために休めない&rarr;疲労が蓄積して燃え尽きが近づく&rarr;余裕を失い「やっぱり私には価値がないのかも」とインポスター感が強まる&rarr;さらに証明しなければと無理を重ねる......こうしてループは加速します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>回復時間は、贅沢ではなく戦略</h2>

<p>では、どうすればこの流れを反転できるのでしょうか。鍵は「回復の時間」を生活に組み込むことです。多くの人は「休む＝怠け」「止まる＝遅れる」と考えてしまうようですが、実際には逆です。トップアスリートが練習と同じくらい休養を戦略的に組み込むように、ビジネスパーソンにとっても回復は成果の一部。むしろ、計画的に休む人ほど、長く、安定して成果を出し続けます。</p>

<p>回復の時間は余計な贅沢ではなく、未来の生産性を保証する投資です。たとえば「今日はここまで」と線を引く。昼に5分、呼吸を整える。仕事を区切って少しだけ人に頼る。これらは小さいけれど、神経にとっては確かな回復のための行動です。休みを入れないまま走り続けると、結局は燃え尽きに近づきます。セルフ・コンパッションは、この「回復を行動に組み込む技術」でもあるのです。</p>

<p>あなたの努力は、すでに十分です。足りないのは&quot;負荷を減らす行動&quot;に落とし込むことだけなのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 08 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木亜佐子（スタンフォード大学認定コンパッション・アンバサダー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>舞鶴に桜を植えた米兵の正体　真珠湾で爆撃に遭い、“スパイ”と罵られた悲劇の記録  細川呉港</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14042</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014042</guid>
			<description><![CDATA[舞鶴の桜を植えた日系二世フジオ高木。真珠湾攻撃でスパイと疑われ銃口を向けられた衝撃の過去。差別や日本の機銃掃射を乗り越え、米国への忠誠を証明するため情報部隊MISを志した男の数奇な半生を辿る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="桜" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityLI/pixta_sakuraLI.jpg" width="1200" /></p>

<p>シベリアからの引き揚げ港として知られる舞鶴にある共楽公園には、かつて進駐軍の日系アメリカ兵が植えた「アロハ桜」がある。戦後の貧しい時代に植えられた桜は、時を経て見事な花を咲かせ、人々にその存在を知らせた。いったい誰が、どのような思いで植えたのか。その主が、プランテーションで働くためにハワイに移り住んだ日系二世、フジオ高木だ。</p>

<p>山口県の岩国にルーツを持ち、15歳で家族が帰国した後も独りハワイで育った彼は、ハウスボーイをしながら真珠湾の浚渫船にて整備工として働いていた。しかし1941年12月、日本軍による真珠湾攻撃が彼の運命を大きく変えることになるのだ。</p>

<p>※本稿は、細川呉港著『舞鶴に散る桜』（飛鳥新社）の内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>真珠湾攻撃の日</h2>

<p><img alt="パールハーバー詳細地図" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331hosokawagokou01.jpg" width="1200" /><br />
真珠湾の地図。三つの入り江の真ん中の中湾に落ちた日本の艦上爆撃機。その入口に高木の乗った浚渫船がいた。アメリカ人の上官と高木は、救命ボートに乗って駆けつけるが、パイロットは自決。高木は、ほかに日本の潜水艦も見つける。</p>

<p>ついにその日がやってくる。1941年（昭和16年）12月7日朝、その真珠湾に、突如として日本軍が空からの攻撃を始めた。湾内の艦船は、日本の攻撃機から投下される爆弾や魚雷による轟音とともに次々と炎上した。</p>

<p>いくつかの戦艦が火の玉となり、炎が黒煙とともに空に舞い上がった。基地内は大騒ぎとなった。フジオ高木は目の前に起こる大爆発を前に、この現実をどう捉えていいか分からなかった。</p>

<p>多くのアメリカ兵もみんな仰天したと言う。まさに青天の霹靂だった。頭が混乱した。日本人である自分が住むハワイに、祖国日本が爆弾を投下しているのだ―。信じられない。</p>

<p>フジオ高木は、この時、いくつかある真珠湾の入り江の、中湾と呼ばれている湾の入り口にいた。アメリカ軍から請け負った浚渫船に乗っていた。この時のようすを、その後、多くの知人が高木から聞いているが、パールハーバーから45年後、『ホノルル・アドバタイザー』（Honolulu Advertiser）紙に、「真珠湾攻撃―ほろ苦い思い出」(Pearl Attack : Bittersweet Memories）という記事を書いたマーク・マツナガは、高木に会って詳細にインタビューをしている。</p>

<p>その朝、高木は浚渫船「マーシャル・ハリス」に乗り、機械工として仕事をしていた。おそらく船底か作業室にいたのだろう。旋盤をいじっていたらしい。かなり忙しく仕事に集中していた。</p>

<p>その時、チーフ・エンジニアのチャーリーが飛び込んで来て叫んだ。「War! war! Japs attacking! Japs attacking!（戦争だ、戦争だ、ジャップが攻撃してきた）」。高木はそんなバカな話がと、とっさに思った。急いで旋盤を止めデッキに出た。</p>

<p>ちょうど南の方、ワイピオ半島の上を、攻撃機の編隊が低く飛んで来るのが目に飛び込んできた。しかも一機は機体と翼の下が火の玉となっていた。それを見てフジオは初めてこれは戦争だと思った。彼は再び仕事場に戻り、手短に工具を片付けた。自分の大事な工具一式である。</p>

<p>キャプテンから、ブリッジに双眼鏡を持ってくるように命令が入った。高木がデッキに上がった時、東南の陸地側のヒッカム基地から煙が上っているのが見えた。その方向から魚雷が何本かフォード島の反対側に停泊しているたくさんの戦艦に向かって飛んで行った。</p>

<p>そこは、アメリカ海軍の主だった戦艦や駆逐艦がずらりと並んで停泊しているところである。フォード島は、山のない低い平らな島だが、高木のいた中湾からは、隊列するアメリカの戦艦は見えなかったけれど、低い島の木々の上に、戦艦のマストがみんな見えた。</p>

<p>その戦艦が、日本軍の爆撃により、大破し、黒煙と火柱を上げて、マストや船の上部構造が、飛び散るさまがよく見えた。上空高いところから急降下爆撃機がハラワ・バレイの方向からも現れた。多くの戦艦が炎を上げ、さまざまな姿勢で沈んでいった。まるでアメリカの戦艦は生贄のようであった。</p>

<p>高木は、数百ヤード先に浮上している潜水艦を見つけた。高木は双眼鏡で確かめた。すると近くにいた駆逐艦が一斉に射撃を始めた。その駆逐艦は東湾から来たモナハンという船で、しかも体当たりで潜水艦にぶつかっていった。</p>

<p>その時になって初めて高木は双眼鏡をキャプテンに渡したのである。その時、大きな4発エンジンの航空機がワイピオ半島を越えてくるのが見えた。極めて低く飛んできて、まるでサトウキビ畑の穂を撫でるようだった。高木は最初、チャイナ・クリッパーの飛行艇かと思ったが、後で考えるとＢ17爆撃機だった。ちょうどアメリカの西海岸からハワイに飛んできて、日本軍の攻撃の最中に到着したのだった。</p>

<p>高木が浚渫船の船尾に回った時、彼の前方に日本の攻撃機が低く飛んでいるのが見えた。それは次第に高度を下げ、おおよそ200ヤード先で不時着水した。かなりの衝撃だったろう。高木は、ふたりの一等航海士と他の仲間とすぐさま多目的ボートに乗って日本機に向かった。</p>

<p>飛行機はまもなく沈没し、パイロットが海の上で上下に揺れていた。高木は、ボートの先でうつぶせになり、パイロットを捕まえようとした。あと数フィートというところで、パイロットは水面から消えてしまった。高木は、彼は自殺したのだと思った。透明な海水が血で染まっていたからである。高木はかろうじて、男のライフ・ジャケットと、帽子とゴーグルを回収した。</p>

<p>その男の飛行服と帽子とゴーグルを、浚渫船「マーシャル・ハリス」に持ち帰ると、仲間たちは最初は面白がって日本のパイロットの持ち物を見ていたが、ジャケットに名札のようなものが縫い付けてあるのを見て、高木にこの文字を読めと言った。</p>

<p>高木はその漢字が読めなかった。するとひとりの仲間が、「お前は日本のスパイか。分かっているのに言わないのだろう」、と言った。「スパイだ。スパイだ」。周りのみんなもそう言い始めた。そして胸ぐらをつかまれ、首を絞められた。「ジャップ、白状しろ」。</p>

<p>デッキでいさかいが起きているのに気づき、キャプテンが駆け付けた。見るとＡ45という銃を持っていた。キャプテンは言った。「お前は船から降りろ」。それで船は急遽そこから一番近い岸ベであるクリッパードックの傍に向かい高木は船から降ろされたのである。</p>

<p>それはパールシティから続く、長く半島のように突き出た先っぽ、半島の西側の岸であった。高木は、そこでひとりになった。あたりには誰もいなかった。周りは田んぼばかりであった。</p>

<p>高木は北に向かって歩き出した。すると山側の方から、日本のゼロ戦が近づいてきた。乾いた音とともに機銃掃射の弾がこちらに向かってくるのが見えた。「まるで映画のようであった」と高木は言っている。最後の瞬間、高木は傍の流れの激しい排水溝に飛び込んだ。</p>

<p>高木は後に言っている。日本の戦闘機は、決して市民を銃撃しないと本に書いてあったのに。しかも日本人の私を撃つとは。その後、高木はひとりで歩いてオアフ島の反対側、北の海岸にあるワイアルアまで歩いて帰ったのだと言う。</p>

<p>おそらく30数マイルはあろう。キロにしても40キロ以上。途中ワヒアワの高台もある。ずっと歩き続けたとしても、夜中まで、あるいは夜半までかかったと思われる。ひとりぼっちの暗い夜道。いや逃避行であった。サトウキビ畑とパイナップルの畑が延々と続いていた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日系人たちの恐怖</h2>

<p>8時間、あるいは途中休んだとすると、10時間以上歩いたかもしれない。精神的にもかなりショックを受け、肉体的にも疲労困憊したのは言うまでもない。</p>

<p>真珠湾攻撃の後、白人たちの日本人に対する憎悪は計り知れなかった。これからハワイの日本人はどんなひどい目に逢うのか、それは若い高木にとっては強烈な恐怖感につながった。その晩、高木は恐ろしくて眠れなかったと言う。後で分かったことだが、ワイアルアの日本人の中には、山の洞窟に隠れた人もいると。</p>

<p>実際、その日のうちに、日本人の主だった地方議員、日本人会の各地の責任者、実業家、お寺の僧侶、教員といった人たちは、すぐにFBIに連行されている。それはオアフ島だけでなく、ビッグアイランドと呼ばれるハワイ島やほかの島でも同じように日本人が収監されたのである。すでにそういった「要注意人物」名簿が日頃から作られていたことになる。</p>

<p>一週間もしない間に、各家の天皇陛下や皇室の肖像画は降ろすように通達された。日本語の新聞は休刊となり、またその後、何年間にもわたって日本色が廃止された。新聞のタイトルを日本語から英語に変えた新聞もある。ラジオや新聞も読めなくなった日系人の家では、日本からの短波放送の聞けるラジオを購入した者もいた。</p>

<p>連行された人間は、一様に尋問を受けた。そして最後に「アメリカと日本が戦争をして、お前はどちらが勝ったらいいと思うか」と聞かれた。隠れキリシタンではないが一種の「踏み絵」であった。日本から渡ってきた多くの一世たちは、返答に困った。日本が勝ったらいいと言ってもまずいし、アメリカが勝つというのも自分の心に正直ではない。それで中には、「両方が勝って、戦争が終わったらいい」と言った人もいる。そう言った人はみんな連行されたという。</p>

<p>次の日、高木は出勤しなかった。夜中まで歩いて疲れていたせいもあった。宿のゴッドフリー夫人が、高木の真珠湾での経験したことをゆっくり聞いてくれ、そして高木にこう言った。「もし仲間があなたのことをスパイだと言うのなら、逆にあなたは明日職場に出勤するべきでしょう。そうすればみんなは、あなたのことをスパイだと思わない」。</p>

<p>翌日、高木がおそるおそる出勤すると、仲間はまだ怒っていて、さらに「ジャップ、ジャップ」と口汚く罵倒され、銃を突きつけられた。そして、ついに船長から正式に解雇を言い渡され、彼は再び職場から追い出された。彼は最後に自分の大切にしている工作道具一式を返してくれるよう訴えたが、それもかなわなかった。高木はこれからどうしていいか分からないほど悲しかった。</p>

<p>ところが数日後、（職場の者から）高木に連絡があり、ケワロ湾まで降りて来るように言われた。そして、大事な自分の工具一式を返された。高木はほっとした。それどころか、ありがたいと思った。これがあればまたどこかで、機械工として働けるからだ。アメリカも捨てたもんじゃない、そう思ったと言う。</p>

<p>数週間後、高木は、今度はウィーラー空軍基地で機械工として働くようになった。機械工は人手不足で、結構受け入れられたのである。そこの将校たちはとても親切で、高木を敵としては扱わず、働きやすい環境だった。高木はいつまでもその上官の将校たちの名前を忘れなかったという。</p>

<p>彼はその後、軍隊に志願した。しかし、日本人ということで入隊を拒否された。彼は仕事を辞め、今度はワヒアワのUSスチールのエンジニアリング部門に就職した。親方はワヒアワの人だった。あまり居心地はよくなかったが、給料はよかった。</p>

<p>しかし、すべての日系人は「危険人物」とされ、みんな黒いバッジを付けさせられた。そのバッジを付けている者は、島の海岸には近づいてはいけない、また会社の重要な会議にも参加できなかった。あくまで敵性人物だからであった。海岸に近づけないというのは、いつまた日本軍が攻めてきて、上陸するかも分からないからであった。日本人は日本軍の手引きをする可能性があった。</p>

<p>1944年の春になり、高木は再び軍に志願した。後にヨーロッパ戦線で名を挙げた有名な第100歩兵大隊である。しかし、今度も入隊はかなわなかった。というのは彼の機械工としての専門職の腕を買われ、軍隊に入るより、その方がアメリカのためになるとして入隊はできなかったのである。</p>

<p>しかし彼はあきらめなかった。今度はホノルルに行き、「日系二世の情報部隊」として兵を募集していたのに応募、テストを受けた。しかしこれも落ちてしまった。だが、担当の将校は高木に解答のコピーをくれながら、勉強して再度トライするように促した。そして2回目に受かった。</p>

<p>こうして高木が入隊することになった部隊が、日系人による「情報部隊MIS（Military Intelligence Service）」である。日本軍で言えば、特務機関で、アメリカ軍が作った「日本語のわかる情報部隊」である。</p>

<p>1943年、高木は25歳でアメリカ軍のMISに入隊した。自分はあくまでアメリカ人だという気持ちは変わらなかった。これは日本にいる日本人には理解できないが、ハワイで生活している多くの日系人、特にハワイで生まれた二世の多くはそう思った。アメリカ本土の日系人もそう考えた人が多い。できるだけアメリカ人に近づきたいと―。</p>

<p>多くの日系人が、アメリカに忠誠を示すことによって、ハワイや、アメリカ本土で「生きていく道」を考えたのである。収容所に入るより軍隊に入った方がいいという人も大勢いた。「生みの親より、育ての親。しかし、この東洋人の顔は替えられない」と、そういう人もいた。</p>

<p>それに高木は、日本のゼロ戦から機銃掃射を浴びて、間一髪で助かったのだ。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityLI/pixta_sakuraLI.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 08 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[細川呉港]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「回転率こそ命」は間違いだった　つけめんTETSU創業者に学ぶラーメン店の新常識  井手隊長（ラーメンライター）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14077</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014077</guid>
			<description><![CDATA[ラーメン業界で「常識」とされてきた「回転率重視」の罠を鋭く分析。行列店と一般店がとるべき戦略の違いを明確にし、無理なく効率化を図る工夫を提示します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="『ラーメンビジネス』で井手隊長が生き残るラーメン店の条件を語る" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_ramen.jpg" width="1200" /></p>

<p>ラーメン店の経営で重視すべきは「回転率」だーーこれは長らく語られてきた「常識」だが、それは果たして本当か。「つけめんTETSU」創業者の小宮氏は、「行列のない店が回転を上げることに注力するのは逆効果」と指摘する。では、行列のない店がとるべき戦術とは？全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター井手隊長が、人口減少や多様化が進む現代で生き残るラーメン店の条件を語る。</p>

<p>※本稿は、井手隊長著『ラーメンビジネス』（クロスメディア・パブリッシング）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>行列店の「常識」は意味を持たない</h2>

<p>ラーメン業界を語る際、しばしば持ち出されるキーワードが「回転率」である。駅前の狭小立地・限られた席数・昼夜を問わぬピーク需要─こうしたイメージが強く結びつき、ラーメン店は客席の回転を最優先に考えるべきだという通念が半ば常識として語られてきた。しかし、「つけめんTETSU」創業者の小宮氏は、この&quot;回転論&quot;が実態を大きく誇張しているという事実を指摘する。</p>

<p>そもそも回転率に悩むのは、行列のできるごく一部の繁盛店に限られる。行列があるからこそ、1時間あたり何人をさばけるかが死活問題となる。<br />
一方で、行列のない店が回転を上げることだけに注力してしまうと、かえって店内がガラリと空いて見え、逆効果になる場合すらある。<br />
雨の日に「どうぞゆっくりしていってください」と声をかけるような店で、回転率をあえて引き上げる必要性は薄い。むしろ多くの店にとって優先すべき課題は、回転以前の「集客」そのものにある。</p>

<p>にもかかわらず、業界全体が「ラーメン店＝回転命」という固定観念に強く縛られてしまっている背景には、駅前の人気店を中心とした語りが一般化してしまったことがある。しかし、実際のラーメン業界はもっと多様であり、回転を意識しているお店ばかりではない。行列店の事情がすべての店の前提として語られてしまうのは、やはり極端すぎると言わざるを得ない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ロット制」のデメリット「食券制」のメリット</h2>

<p>ラーメン店が回転を高めようとする際、しばしば引き合いに出されるのが「ロット制」のオペレーションだ。席の埋まり具合に関係なく、数杯ずつまとめて調理し、客席が一斉に交代するシステムで、確かに効率はいい。</p>

<p>しかし、ロット制は行列が常態化していて需要の読める名店だから成立する手法であり、新規店や客入りが安定しない店がこれを目指すと、逆に「席が空いているのに提供が遅い」という失望を生む恐れがある。つまり、目指すべきは有名店型ではなく、目の前の1杯に集中しつつ、無理のない範囲で効率化を図るバランス感覚である。</p>

<p>興味深いのは、回転重視をしない店でも、工夫次第で自然と回転は上げられるという指摘だ。代表的なのが「食券制」の導入である。客が店に入ってから注文を決め、支払いを済ませるまでにかかる時間は数分。行列がある場合、この数分の積み重ねが回転率を大きく左右する。事前に食券を買ってもらい注文が確定していれば、着席する前から調理を開始でき、提供も格段に早くなる。</p>

<p>さらに意外な盲点として、注文の聞き間違いや客側の注文忘れといったトラブルも、食券なら解消される。オーダーミスの防止は、単なる心理的ストレスの軽減にとどまらず、オペレーションの遅延防止に直結する。店主いわく、「客が券売機でどのボタンを押すかを見て、食券が渡される前に作業に入ることもある」というほど、細部の工夫が積み重なることで、自然と回転が上がるのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「回転重視」から脱却している店の戦略</h2>

<p>では「回転重視」から脱却できている店は、どのように成立しているのか。近年の動きとして挙げられるのが、予約制や記帳制の導入、そして売価を上げるという戦略である。客数あたりの収益を押し上げることで、回転への依存度を下げ、ゆとりある導線を確保しているのだ。</p>

<p>しかし、この方式は立地・ブランド力・価格帯など、いくつもの条件が揃って初めて成り立つ。すべての店が同じ方法を採れるわけではない。回転を気にしなくていい店と回転を気にせざるを得ない店を同列に論じても意味がないのだ。</p>

<p>結局のところ、ラーメン店が回転から脱却できるかどうかは、単純な二項対立では語れない問題だ。行列店は回転が必要。しかし多くの店は、回転以前に集客の課題がある。そして、回転を無理に上げなくても、日々の工夫によって自然と効率化は実現できる。</p>

<p>人口減少や客層の多様化が進む中、ラーメン店が生き残るために求められるのは、画一的な「回転命」モデルから距離をおき、店の規模・立地・ブランドに合わせた柔軟なオペレーションを設計することである。行列店の特殊な事情が業界の常識として語られてしまう風潮こそ、いま見直すべき時期に来ているのではないだろうか。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 08 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[井手隊長（ラーメンライター）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「不満を感じやすい人・気にしない人」の違いとは？ 仏教の教えからわかること  大愚元勝（住職・慈光グループ会長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14075</link>
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			<description><![CDATA[不満や怒りの根本にあるのは、自分の「思い込み」への執着かもしれません。ブッダが説く「三毒」の視点から、心が満たされない本当の理由を探ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="不満を感じやすい人" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_woman_sea.jpg" width="1200" /></p>

<p>人間関係や日常のあらゆる場面に不満を抱え、いつも心が満たされない....そんな感覚を持つ人がいる一方で、同じような状況でもさほど気にしない人もいます。この差は、いったいどこから生まれるのでしょうか。</p>

<p>約2500年前、ブッダはその答えを「三毒」という概念に凝縮しました。「貪（とん）」「瞋（じん）」「痴（ち）」――欲・怒り・無知という3つの毒は、人の心身を蝕み、人生そのものを狂わせると説かれています。</p>

<p>僧侶の大愚元勝さんによれば、他者への不満の正体は「貪」、すなわち「こうあるべき」という思い込みへの執着。そして、その思いどおりにならない現実が「瞋」の怒りへと変わっていくといいます。</p>

<p>あなたの心を縛る不満は、実は自分自身がつくり出した&quot;妄想&quot;かもしれません。書籍『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ？』から、その深層に迫ります。</p>

<p>※本稿は、大愚元勝著『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ？』（アスコム）より内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>その不満は誰に向けられたものなのか</h2>

<p>今の自分が置かれている状況に納得できない。<br />
つねに物足りなさを感じながら生きている。</p>

<p>こういった「不満」を抱えながら毎日を過ごしている方は、多いのではないでしょうか。</p>

<p>自分自身の能力が不足している、望ましい環境が整っていないなど、そこにはさまざまな原因があるでしょう。しかしいずれにしても、心の中にモヤモヤした不満を持ちながら生きるのは、しんどいものです。</p>

<p>不満は、内的要因であれ、外的要因であれ、いずれにしても自分の望みがかなえられていないときに生じてくる感情です。</p>

<p>この感情に対処する際に、まず考えていただきたいのは、「不満の対象は誰か?」ということです。</p>

<p>自分に不満があるのか?<br />
他人に不満があるのか?</p>

<p>これは不満という感情の取り扱い方を考えるうえでも、大きなポイントになります。</p>

<p>まず、自分に対する不満。</p>

<p>「まだこれだけしか給料がもらえていない」<br />
「本当はもっと違う仕事がしたい」<br />
「やりたいことがたくさんあるのに時間が足りない」</p>

<p>あくまでも自分の現状に対して、その自分自身が満足していないという不満です。</p>

<p>こういった自分に対する不満は、悪いものではありません。</p>

<p>なぜなら、いずれも自分のモチベーションや向上心につながる不満であり、これから成長していくうえでも糧となり得る感情だからです。</p>

<p>しかし、他人に対する不満は、そうはなりません。</p>

<p>「あの人のこういうところが気に入らない」<br />
「部下（あるいは家族など）が自分の思いどおりに動いてくれなくてイライラする」<br />
「会社が給料を全然上げてくれない」</p>

<p>こういった不満は、友人、家族、恋人、子ども、上司や部下、同僚など自分以外の他人に対して感じているものですよね。</p>

<p>しかし、はっきりいってしまえば、他人に対する不満は、持ち続けていてもなにもいいことはありません。</p>

<p>相手に対して不満を感じたところで、あなたが成長することはいっさいなく、ストレスにしかならない無駄な感情ということです。</p>

<p>この感情の裏には、「もっと〇〇をしてほしい」「なんで〇〇してくれないの?」などといった思いが隠れています。最も大切に扱われるべき「私」が尊重されず、「どうして私ばっかりこんな思いをしなければいけないのか!」という怒りを感じてしまっているわけです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「おいしくない食事」を食べ続けていないか</h2>

<p>先ほども述べたように、他人への不平不満を持ち続けることは、あなた自身のストレスにしかなりません。また、「あなたが不満を持っていること」を相手が知らなければ、ただ自分のなかで悶々としているだけなので、相手にとってはまったく関係のないことです。</p>

<p>「今の職場、上司が全然使えなくてありえない!」「うちの夫は（妻は）家事も育児もなにもやってくれない」「〇〇さんは、いつも自慢話ばかりで鼻につく」などと、つねに他人への不満ばかり言っている人は、いわば「おいしくないとわかっている食事をずっと食べ続けている」ようなものなのです。</p>

<p>本気で今の状況をなんとかしたいと願っているのであれば、不満に思っていることを相手にはっきりと伝えて改善できるようにしていくか、「おいしくない食事」から離れる、捨てる、あるいはあなた自身が割り切ることでしか変えることはできません。</p>

<p>また、多くの方が実感されていることだと思いますが、他人を変えるのは非常に難しいことです。</p>

<p>使えない上司、頼りにならない夫や妻、感じの悪い友達にあなたの正直な気持ちを伝えるのは悪いことではありませんが、それによって劇的にあなたへの対応が良くなるということは、なかなかないでしょう。</p>

<p>お互いに「我」があるので、あなたが「こうしてほしい」と思っていても、相手には相手の「こうあるべき」があるわけです。改善が見込めないことに対して、あなたの大切な時間を費やしたり、心を消耗したりしてしまうのは、非常にもったいないことです。</p>

<p>不満の内容が軽いグチ程度であれば、人に話すことで発散できたり、気持ちを共有し合うことで仲間同士の絆を深めることにつなげられたりしますが、強い不満はストレスとなり心身を蝕んでしまいます。「どうにもならないこと」に心を消費してしまわないよう、離れる、捨てる、時には割り切るという判断をしていくことも大切だと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自分は正しく、相手が間違っている」が苦しみのもと</h2>

<p>他人や周りの環境に対して不満を感じやすい人と、あまり感じない人がいます。</p>

<p>その違いはどこにあるのでしょうか。</p>

<p>これは「我」が強いことに原因があります。現代風の言葉であれば&quot;エゴが強い&quot;ともいえるでしょう。あらゆることにおいて「私は悪くない! あいつが悪い!」と考えてしまう。つねに「自分は正しい」と思ってしまっている状態です。</p>

<p>この世で最も大切にされるべき「私」が不利益を被っている......。</p>

<p>その現実を受け入れることができない苦しみですよね。</p>

<p>「私の常識からすると、あなたは道理を外れていて間違っている」</p>

<p>こういった思考に陥ってしまう人は、自分に対しての「貪（欲）」が強すぎるといえるでしょう。一生満たされることのない欲に毒されている状態なのです。</p>

<p>自分は絶対に悪くないわけで、一方的に被害を受けたと感じてしまう。しかし、「悪いのは全部○○だ!」と言ったところで、それは責任転嫁にすぎなかったりします。</p>

<p>仏教には「知足」を大事にする教えがあります。</p>

<p>&quot;足&quot;ることを&quot;知&quot;る―自らの分をわきまえて、必要以上に求めないということです。</p>

<p>不満は「我」という人間の基本的な欲求を刺激する感情なので、他人や周りに対して不満がありすぎる人の心は、ずっと苦しい状態のままになってしまいます。</p>

<p>とらえ方の問題になるのかもしれませんが、自分は絶対に悪くないと思い込んでいるからこそ不満がどんどん増えていくともいえるでしょう。</p>

<p>先ほどの「まだこれだけしか給料がもらえていない」と「会社が給料を全然上げてくれない」は似ているようで違います。</p>

<p>「なぜ給料が安いのか?」という不満に対して、前者は自分の能力が足りていないのかもしれないと真摯に向き合っていますが、後者は自分の能力に原因があるとは1ミリも思っていません。</p>

<p>「自分は高い給料をもらえて当然の存在だ」</p>

<p>その勘違いに気づいていない。すなわち、無知であるということですね。</p>

<p>もちろん、能力があり一生懸命に努力しているにもかかわらず、あえて安い給料で働かせているというブラック企業の場合はこの限りではありませんが、まずは「自分は本当に給料に見合う仕事ができているか?」ということを客観的に見つめ、自省することが大切だと思います。</p>

<p>業績不振により、「会社をリストラされた」という話は昨今よく聞かれます。「なんで私がリストラされなければいけないんだ?」と会社に対して強い不満や憤りを感じてしまう方が多いかもしれませんが、正確にいえば「会社があなたをリストラした」のです。</p>

<p>会社をクビになったあなたと、あなたをクビにした会社。本当の意味で不利益を被っていたのは果たしてどちらなのか? あなたが会社にとって本当に必要な人材であれば、リストラなどされなかったかもしれません。</p>

<p>厳しい言葉になるかもしれませんが、自分に対する自分の評価と、自分に対する会社の評価が、まったく違うことに気づいていなかった......その可能性も否定できません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「他人の心」はどうにもできない</h2>

<p>他人への不満＝満たされない欲求は、「こうあるべき」という自分の思い込みに縛られた「貪」の状態。そして、その自分の思いどおりにならない腹立たしさが「瞋」の怒りへとつながるのです。</p>

<p>先ほどもお話ししたとおり、「自分から見えている自分」と「他人から見えている自分」のズレが、満たされない欲求を生み出してしまっています。</p>

<p>「あなたが自分をどう思っているか」ではなく、「他人があなたをどう思っているか」を知らなければ、この差を埋めることはできません。</p>

<p>自分自身が無知であるがゆえに、自分にとっても残念な結果を生んでしまうのです。本気で解決したいのであれば、誰に対する不満なのかを改めてしっかりと考えなければいけません。それが自分に対する不満であれば、向上心となって高みを目指していくことに利用しましょう。</p>

<p>しかし、それが他人に対するものであったとしたら、自分の「我」に端を発した不満でしかありませんので、捨てる、対象から離れる、割り切るなどの判断をしていきましょう。</p>

<p>自分のことは自分で努力できますが、他人のことは自分には努力できませんので、「どうしよう?」と考えたところで仕方がないですよね。</p>

<p>どうにもならないことに不満を漏らす。</p>

<p>その労力のほうがもったいないと考えて、あなたの心が楽になるように導いてあげましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 07 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大愚元勝（住職・慈光グループ会長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ鉄道会社がダンス？西武鉄道「エミダン！！」第2弾　プロのレッスンで高校生50名が沿線アンバサダーに  PHPオンライン編集部&lt;PR&gt;</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14066</link>
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			<description><![CDATA[西武鉄道の地域活性化プロジェクト「エミダン！！」第2弾をレポート 。プロの指導を受けた沿線11校の高校生がアンバサダーとなり、所沢でダンスを披露 。鉄道会社がダンスで笑顔を届ける理由に迫ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「エミダン！！season2」の高校生たち" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331emidan3.jpg" width="1200" /><br />
指で西武鉄道のシンボルマークを表現</p>

<p>東京の北西部から埼玉にかけて路線を展開する西武鉄道は、鉄道事業だけでなく、地域の活性化にも積極的に取り組んでいます。昨年からは、ダンスで沿線を盛り上げるプロジェクト「エミダン！！～西武線沿線を彩るダンスプロジェクト～」を実施。2026年3月、所沢でお披露目イベントが開催され、沿線11校から集まった高校生が圧巻のパフォーマンスを披露しました。ダンスで地域を活性化とは&hellip;？熱気あふれるイベントの模様と、プロジェクトに込められた想いをレポートします。<br />
（取材・文：ＰＨＰオンライン／次重浩子）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>今年のテーマは「お祭り」</h2>

<p><img alt="「エミダン！！season２」イベントにて円陣を組むメンバー" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331emidan1.jpg" width="1200" />円陣を組む「エミダン！！」メンバー</p>

<p>イベントが行なわれたのは、2026年3月20日（金・祝）、場所は複合商業施設エミテラス所沢のイベントスペースです。このプロジェクトについて、西武鉄道株式会社の貝田雅尭さん、入口愛梨奈さんにお話をお伺いしました。</p>

<p>――そもそも「エミダン！！」は何の略なんでしょうか？<br />
貝田さん：「我々西武グループのスローガンが『でかける人を、ほほえむ人へ。』でして、その『笑み』に『ダンス』を足して短くしたのが『エミダン！！』です。2024年12月にプロジェクトがスタートし、今年は2年目の『season２』となります。西武線沿線を中心とした高校にお声がけさせていただき、11校・50名の高校生が参加してくださっています」</p>

<p>――地域活性化にダンス、というのはあまり聞かない気がするのですが。<br />
貝田さん：「中学校の体育でダンスが必修になっていることもあり、高校にダンス部が創設されるなど、ダンス人口が増えていることに着目しました。たとえばサッカーやバスケットなど、スポーツ大会を開催するのも有意義だと思いますが、出場できる人数は限られています。それに対してダンスには人数の制限がなく、しかもみんなが主役になれる。イベントを開催すれば、ご家族や友達が見に来てくれて、人の輪ができやすいと考えました」</p>

<p>――「エミダン！！」プロジェクトでは、参加している高校生全員で一つのダンス作品を作り上げるんですね。<br />
入口さん：「今年はオリジナル楽曲『ViViVi（ビビビ）』が本プロジェクトのために制作されました。振付とダンス指導は昨年に続いて、プロダンスリーグD.LEAGUEのCHANGE RAPTURES（チェンジラプチャーズ）&nbsp;に所属するTANUKI選手にお願いさせていただいています。今年のテーマは『お祭り』なんです。懐かしさを感じられて、子供から大人までが親しめる雰囲気もありつつ、高校生が楽しんで踊れるようにとミーティングを重ね、流行のモチーフも取り入れた素敵な作品に仕上げてくださっています」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>気持ちを合わせて、心から楽しんで</h2>

<p><img alt="「エミダン！！season２」息の合ったパフォーマンス" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331emidan2.jpg" width="1200" /><br />
息の合ったパフォーマンス</p>

<p>小さいお子さんを連れたご家族、高校生グループ、買い物途中の方など、大勢の観客が見守る中でイベントがスタート。舞台上には背中に「祭」と書かれた揃いの法被を着た高校生が登場し、軽快な音楽に合わせて、フォーメーションを複雑に変えながらスピード感のあるダンスが繰り広げられます。</p>

<p>このお披露目イベントに参加しているのはフルメンバーではなく42名とのことですが、迫力満点。躍動感と熱気がすごいです。盆踊りを思わせる円形の動きがあったり、組体操で櫓を表現したり、「祭り」の要素が取り入れられ、誰もが見ていてわくわくするパフォーマンスとなっています。</p>

<p>イベント後、初めて「エミダン！！」に参加したという高校生にお話を伺うことができました。</p>

<p>「学校の先生に勧められて友達と一緒に参加することにしたんですが、他校の子たちともたくさん仲良くなれました。練習では新しいダンスも覚えられてすごく楽しかったです」（鷺宮高校・藤山るなさん）</p>

<p>「先輩たちが去年から参加していたことと、TANUKIさんが僕の学校の卒業生ということもあって、いい機会だからと思い参加しました。TANUKIさんからは、『ダンスのレベルを上げるよりも、みんなで楽しむことのほうが大事』という言葉をいただいて、発表ではダンスを心から楽しんで踊れたと思うし、みんなで気持ちを合わせて、会場を盛り上げることができたと思います」（所沢高校・峰岸要さん）</p>

<p>「ダンスがすごく好きで、TANUKIさんに指導していただけると聞いて参加させてもらいました。普段踊っているダンスとは違うので『難しいな』と悩んだこともあったんですけど、他のメンバーがすごく優しく教えてくれたので、練習の時間もいい思い出として心に残っています。私は一人で参加しているんですが、私が参加しているのを見て、来年は『参加したい』って言ってくれる子がいたらいいなって思います」（府中高校・勝沢萌衣さん）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>メンバーの一人ひとりがアンバサダー</h2>

<p><img alt="「エミダン！！season２」イベントの様子" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331emidan4.jpg" width="1200" /></p>

<p>振付とダンス指導を担当するCHANGE RAPTURESのTANUKIさんは所沢出身・所沢高校の卒業生で、昨年に続いて2年目の参加となります。高校もダンスのレベルも違う子たちを指導するのは難しかったのではないでしょうか。</p>

<p>TANUKIさん：「たしかにダンス経験はまちまちですが、みんなやる気のある子たちでテキパキ動いてくれたので、進行しやすかったです。普段高校生と関わる機会があまりないので、『テスト大丈夫？』とかいろいろな話をして、ダンサーとしてだけでなく、プラスアルファの部分も含めてみんなと関わっていけたら、と思いながら参加させてもらいました。<br />
みんな本当に熱心だし、自分が高校生の時よりもすごくうまい。今後の活躍が楽しみだなって思いますね」</p>

<p>「エミダン！！」は今回のお披露目イベントを皮切りに、ミュージックビデオの制作、各種イベントでのダンス披露など、地域の人々へ笑顔を届ける活動を継続していく予定だそうだ。貝田さん曰く「メンバーの一人ひとりが沿線のアンバサダー」とのこと。キラキラした瞳の若きアンバサダーたちを目にすることがあったら、ぜひ応援してあげてほしい。</p>

<p><img alt="主催者よりダンサーTAKAHIROさんの書籍をプレゼント" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331emidan5.jpg" width="1200" />世界的ダンサーTAKAHIROさんのエッセイ『「私なんて」と考えてしまうあなたも、絶対に前向きになれる40の言葉』が贈呈され、笑顔を見せる「エミダン！！」メンバー</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260331emidan3.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 07 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部&lt;PR&gt;]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>豪華な料理より「精神性」　訪日客が日本の旅館に求めている、言葉を超えた“一期一会”  鈴木良成（株式会社ホテルはまのゆ代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13962</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013962</guid>
			<description><![CDATA[旅館「浜の湯」の代表取締役である鈴木良成さんに、言葉を超えて訪日客の心を掴むおもてなしの本質について語っていただいた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="鈴木良成" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2024/2024A/240731suzukiyoshinari.jpg" width="1200" /></p>

<p>旅館「浜の湯」の代表取締役社長を務める鈴木良成さん。観光の主役が「モノ」から「体験」へと変化する中、鈴木さんは本物の日本文化を伝える場として、茶室「ZEN」を新設されました。バブル期の遺物と化した「形だけの文化」を排し、人間国宝の道具や立礼式を取り入れ、一期一会の精神を体現されています。</p>

<p>本稿では、言葉を超えて訪日客の心を掴むおもてなしの本質について語っていただきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>なぜ今、日本文化が求められるのか？</h2>

<p>かつての観光は、豪華な建物や贅沢な料理といった「モノ」の消費が中心でした。</p>

<p>しかし今、訪日外国人客が日本に求めているのは、目に見える豪華さよりも、その背景にある日本の精神性や美学に触れる「体験」へと明確にシフトしています。</p>

<p>そんな中、私は、自身の経営する旅館&ldquo;浜の湯&rdquo;でも訪日外国人に日本文化を体験してもらえるような場所を造りたいと考えました。</p>

<p>そうして誕生したのが、外国の方でもより茶道を簡単に楽しむことができる茶室「ZEN」です。</p>

<p>この茶室「ZEN」を構想した根底には、旅館こそが日本文化の正統な伝承者であるべきだという危機感に近い信念もありました。</p>

<p>バブル期、多くの宿に形ばかりの茶室が作られましたが、その多くは今や物置と化して使用されていません。</p>

<p>私はそうした「形だけの文化」ではなく、対価をいただくに相応しい、研ぎ澄まされた「本物の茶室」を体験してもらいたいと考えました。</p>

<p>この茶室を、あえてお客様が必ず通るエレベーターホールのすぐ横に、ガラス張りの開放的な設計で配置したのも、文化を特別な誰かのためのものではなく、日常の延長線上で「魅せる」ためです。</p>

<p>こうした開放的な設計を採用したのは、この茶室を敷居が高い存在としてではなく、国内外のお客様問わず、より身近に日常風景として感じていただくためです。</p>

<p>そして、実際に運用を始めて気づかされたのは、日本のお客様の反応でした。</p>

<p>この茶室は想像よりもずっと国内のお客様に評判で、現在では茶室の利用者の半数以上が日本のお客様です。</p>

<p>日本文化をより身近に、そして静寂に浸る時間を、想像以上に多くの日本人のお客様も求めていたのです。</p>

<p>忙しない日常の中で、五感を研ぎ澄ます「体験」は、今や最大の贅沢となりつつあります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>訪日客に感心される日本の伝統文化――「総合芸術」としての茶の湯</h2>

<p>茶道は単に抹茶を飲む作法ではありません。</p>

<p>それは建築、美術、工芸、そして相手を慮る精神が融合した「総合芸術」です。<br />
茶室を運営する中で、亭主（お茶を点てる者）から受ける報告には、経営者としても多くの学びや気づきが含まれていました。</p>

<p>私たちは、茶道具一つにしても一切の妥協を怠りません。</p>

<p>釜は人間国宝の手によるもの、茶碗は裏千家御用達の名工や歴代の作家による名品を揃えています。</p>

<p>驚くべきは、こうした「本物の道具」が放つ力が、言葉を超えてお客様に伝わる点です。誕生日や結婚記念日といった節目のお客様には、夫婦円満を象徴する「貝合わせ」の模様や、長寿を祝う「鶴亀松」の茶碗を選んでお出しします。</p>

<p>こうした設え（しつらえ）の背景を丁寧に伝えると、文化背景の異なる訪日客であっても、その「心遣い」に深く感銘を受け、場に心地よい緊張感と安らぎが生まれます。</p>

<p>実際に、亭主からは中国からの訪日外国人観光客の方で、中国のお茶に詳しいお客様が日本と中国の茶道の違いや日本の茶室の在り方について感動されていたとのお話も伺っています。</p>

<p>亭主自身も、お客様にかしこまって茶室体験を受けていただくというよりもリラックスして体験していただけるように、親しみやすく話すことや会話に緩急をつけて話すことを意識しています。</p>

<p>こうした伝統文化を通しての交流や、茶室という場での居心地の良さを体験してもらうことこそがおもてなしになるのではないかと亭主も私も考えます。</p>

<p>また、訪日外国人観光客の方々は正座というスタイルに慣れていません。</p>

<p>そのため、正座による身体的な負担を避け、椅子に座る「立礼式」を採用したことも大きな鍵でした。<br />
これにより、身体の痛みを気にすることなく、亭主の所作の美しさや、空間に満ちるお香の香り、釜の煮える音に集中し、日本文化の品格に没入できる環境が整ったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>文化的体験がもたらす価値――「一期一会」という経営資源</h2>

<p>また、茶室「ZEN」での体験は各回約25分間となっています。</p>

<p>そして、多くのお客様が宿に到着されたばかりのチェックイン頃の時間帯、もしくはチェックアウト直前での時間帯で茶室体験を希望されます。</p>

<p>そのため、茶室での体験は、宿泊客にとって旅の「第一印象」を決定づけ、あるいは「最後を締めくくる記憶」となります。</p>

<p>この短い時間の中でも、お客様が亭主に対して「先生」と敬意を込めて呼んでくださるような、深い信頼関係が築かれることがあります。</p>

<p>これは、旅館におけるおもてなしが、単なる「マニュアル化された接客」から、プロフェッショナルな知識と技術に基づいた「一期一会の歓待」へと昇華した瞬間です。</p>

<p>私たちが訪日客に真に伝えたいのは、単なる作法の知識ではなく、言葉に頼らずとも相手を思いやり、準備を尽くすという、日本のおもてなしの本質なのです。</p>

<p>そして、この茶室という総合芸術の場を通して、より日本の文化に興味を持っていただけたらと感じています。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 07 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木良成（株式会社ホテルはまのゆ代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「はっけよい」は神様につながる言葉　大相撲が今も守る「神事」のルーツ  池田訓之（株式会社和想 代表取締役社長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14031</link>
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			<description><![CDATA[古事記の神話に遡る「日本最古のスポーツ」大相撲。武道や神事の精神性、「はっけよい」の語源、階級で厳格に定められた着物文化。和の専門家が解き明かす、伝統のルーツと今なお世界を魅了する真の魅力。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="相撲" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sumo.jpg" width="1200" /></p>

<p>なぜ大相撲は「日本最古のスポーツ」と呼ばれるのでしょうか。</p>

<p>その起源は『古事記』や『日本書紀』に記され、神話の時代にまで遡ります。</p>

<p>いま再び世界が注目する大相撲の&quot;本当の魅力&quot;について、神社・お酒・歌舞伎・相撲など日本文化の様々なルーツがあるとされる山陰地方（鳥取・島根）で呉服店「和想館」を経営。和と着物の専門家である池田訓之氏が解説します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>相撲はいつ生まれたのか？　神話と史書が語る起源</h2>

<p>先日の冬季オリンピックで、日本がスノーボードを中心に過去最多のメダルを獲得すると、外国人記者から、「相撲とスノーボードは日本の国技だ」なんてコメントが飛び出してきました。スノーボードが国技であるかはさておき、相撲が国技である点は、このように世界中が認めるところですね。日本相撲協会のHP上でも「国技である相撲道」と明記されています。</p>

<p>相撲の起源は、今から約1300年前（712年）に編纂された日本最古の史書「古事記」の中に記されています。舞台は実在の歴史以前、いわゆる&quot;神話時代&quot;。天照大神（あまてらすおおみかみ）が出雲の国を納める大国主命(おおくにぬしのみこと)に国を譲るように、建御雷（たけみかづち）を使者として遣わせますが、大国主命はこれを拒み、息子である健御名方神(たけみなかた)と相撲をさせます。建御雷に健御名方神は屈して、大国主命は出雲大社の建立を条件に出雲の国を明け渡したと記されています。</p>

<p>また「日本書紀」にも、垂仁天皇の前で当麻蹴速(たいまのけはや)と野見宿禰(のみのすくね)という二人の力自慢が相撲を披露したとの記録が残っています。これは紀元前23年頃、今から約2000年以上前の話とされています。</p>

<p>このように相撲は最も古い史書に記録があり、その後江戸時代の浮世絵にも相撲観戦シーンが散見できますし、現在も人気のスポーツです。そして昨年は大相撲の全６場所が満員御礼、ロンドン公演もチケット完売と、その人気は国内でも海外でも爆上がりなのです。</p>

<p>なぜ相撲がこんなに人気なのか？相手と組み合って倒すスポーツは、モンゴルのブフ、韓国のシルム、トルコのヤールギュレシなど他国にもありますが、日本の相撲には、武道や神事の側面がある点が異なります。どんどん変わりゆく世界の中で、古来より変わらない日本らしさが、日本人だけでなく世界中の人の目に新鮮に映るからだと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大相撲は「武道」である</h2>

<p>垂仁天皇の前で力自慢が相撲をとって以来、武士は心身の鍛錬として、つまり武道として相撲を取り続け、今の大相撲にもその精神が流れています。</p>

<p>力士には厳格な身分制度があり、横綱、大関、関脇、小結、前頭の約42名ほどが、「幕内」力士と呼ばれ、16時過ぎからのテレビ放送に、化粧まわしをつけて土俵入りをし、その後対戦します。その下に十両が存在し(28名)、この十両以上の70名ほどのトップランクが「関取」と呼ばれています。</p>

<p>そして関取の下の力士は、「幕下」と呼ばれます。幕下、三段目、序二段、序ノ口という階級から成り、なんと500名ほどの力士が関取を夢見て、研鑽の日々を送っているのです。大相撲の取り組みは朝の8時過ぎから始まり、テレビが映しだすのはトップの40人程だけなのです。</p>

<p>大相撲の勝敗を決するのは行司ですが、あの格好は、烏帽子(えぼし)に直垂(ひたたれ)といって、武士の正装になります。行司にも力士と同じく格付けがあり、行事は自分と同じか格下の力士の取り組みしか裁けません。一番格の高い横綱と同位の行司は「立行司」と呼ばれ、直垂に烏帽子という武士の正装に、軍配、足袋、草履、印籠、そして短刀を備えています。「三役格」(大関、関取、小結)、「幕内格」、「十両格」と力士と平行して格付けがあり、「幕下格」以下になると烏帽子と直垂に軍配のみを備えて裸足です。軍配は軍陣を仕切る道具ですし、横綱と立行司が太刀を備えているのも武士の出で立ちになります。</p>

<p>また、勝った後にガッツポーズをしないことにも武道の精神が現れています。茶道、武道、相撲道&hellip;、日本独自の修業法には「道」という文字がつきます。この道は心を研ぐ道であり「禅」という精神修養の道です。「茶禅一如」、「武禅一如」との言葉があるように、「道」は「禅」の修行を伴い、目指すところは、所作を学ぶこと以上に心を研ぐことにあるのです。</p>

<p>相撲の世界では「勝負がついた瞬間、勝者は敗者の胸中を察して過ごすべし」と教えられます。敗者への配慮を忘れて喜びを表すのは心を平静に保てていない現れです。過去に勝ってガッツポーズをした力士が協会から厳重な注意を受けたことが何度かありました。相撲では注意で済んでいますが、剣道では勝利の喜びを表に出すと負けになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大相撲が今も神事である証拠</h2>

<p>「古事記」で最初に相撲をとったのが、建御雷（たけみかづち）を健御名方神(たけみなかた)という神様であったように、相撲には神事としての流れもあります。日本に古来より流れる和の心とは万物に神様を感じて感謝し調和を重んずる心、相撲にも八百万の神への感謝の気持ちが流れているのです。</p>

<p>垂仁天皇の前での天覧試合は７月７日の七夕に開催されました、それは秋の豊作を祈願する日であります。現在でも、７月７日に「一人相撲」といって、神社で見えない相手である稲の精霊と村人が相撲をとって秋の豊作を祈願する地域があります。</p>

<p>大相撲の取り組み前には水で口をゆすぎ、塩をまいて身を清めて、四股をふんで大地を踏みしめます。また行事の「はっけよい」との掛け声は「八卦」つまり運気がよい、あるいは「初氣よい」つまり神々の祝福が得られているぞという、神様につながる言葉なのです。</p>

<p>勝った力士が懸賞金を頂くときには左右真ん中と三回手刀を切りますが、順に神産巣日神(かみむすびのかみ)、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、天之御中主神(あまのみなかぬしのかみ)という五穀豊穣の守り神への感謝を現しています。</p>

<p>また神社の境内に張られた綱は、神域を示す注連縄（しめなわ）であり、場を清め、結界の役割を果たしています。相撲においても土俵を囲む俵は円形の結界を形づくる象徴であり、横綱も注連縄を模した綱を締めて、場を清めて結界を張りめぐらしています。</p>

<p>そもそも土俵を作る際には「土俵祭り」といって、土俵に穴をあけて、塩、昆布、するめ、勝栗、洗米、かやの実といった縁起物を埋めて、行事が神官の装束を着て、五穀豊穣、安全、国家の安泰、興行の成功祈願をこめた祝詞をあげて初めて、土俵は完成するのです。</p>

<p>さらに、大相撲の土俵の上には大きな屋根が設置されていて、その東西南北の角には、青、白、赤、黒の大きな房が下げられています（厳密には、北東、南西、南東、北西になる）。これは青龍、白虎、朱雀、玄武という四方角の神様を祀っているのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>相撲に「着物文化」が色濃く残り続ける理由</h2>

<p>このように、武道と神事の側面を備えた相撲ですが、その「相撲道の伝統と秩序を維持」(日本相撲協会の目的より)していくために、大相撲の力士たちの装いは日本の伝統にならい着物姿と定められています。男性の着物姿の正装といえば、着物の上に羽織と袴姿です。相撲界では関取以上がこの姿に成ります。</p>

<p>関取になって一人前。それまでは相撲部屋の中でも個室は与えられず、独り立ちできていないので、袴の着用や白足袋までの着用は許されていません。入門してから序二段までは、「お仕着せ」と呼ばれる部屋の名前が入った浴衣の着用を強いられます。冬はお仕着せを重ねて着て寒さをしのぎます。三段目以上になると着物と羽織の着用が許されますが袴は履けません。</p>

<p>ちなみに、関取と幕下では着物姿の優劣以外に、月給（月100万以上）がもらえるか場所手当（隔月で7～17万円）のみか、大銀杏という立派な形の髷を結えるか、付き人がつくか、化粧まわしをしめて土俵入りができるか、懸賞金がもらえるか（6万円、幕内以上）、稽古や風呂食事の順番までも異なります。</p>

<p>大相撲ブームは、若者や外国人ファンの増加も一因です。それは大相撲が単なる力比べのスポーツではなく、武道であり神事であり、常時着物を装い、古来から日本に伝わる芸術文化を守り続けているからでしょう。あるいは、相撲中はまわしで、それ以外は着物の帯でぐっと肚を締め丹田に氣を落とし、自我をコントロールする、その凛々しい姿が清々しく映るからではないでしょうか。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 06 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[池田訓之（株式会社和想 代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「ただ休んでも疲れは取れない」　アメリカのエリートが休日は趣味に没頭する理由  河原千賀（アメリカ在住ジャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12091</link>
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			<description><![CDATA[アメリカのビジネスエリートは、なぜ休日にスポーツに熱中するのか? アメリカ在住のジャーナリスト、河原千賀さんが教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="running" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_running.jpg" width="1200" /></p>

<p>膨大なタスクに追われ、毎日クタクタになって帰宅する......そんなビジネスパーソンは多いだろう。変わらない日々を過ごしがちだが、グーグル社員をはじめとするアメリカのビジネスエリートは、休日はダラダラせず「趣味に熱中」するという。それはいったい何故か。ロサンゼルス在住の河原千賀佳氏が解説する。</p>

<p>※本稿は『グーグル社員はなぜ日曜日に山で過ごすのか』（PHPビジネス新書）より抜粋・編集を加えたものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>過酷なトレイルランの末に見えた絶景</h2>

<p>『アラフィフからの自分探しの旅―アメリカ大自然を走る』（つむぎ書房）というタイトルの本を読み、衝撃を受けた。ロサンゼルス在住の著者・出口岳さんは、40代半ばにして、ひょんなことからランニングを始めた。</p>

<p>ロサンゼルスマラソン10年連続完走、スイム・バイク・ラン合計226キロのアイアンマンレース完走、そして100マイル（160キロ）レースのような過酷なトレイルランをしている。</p>

<p>繰り返すが、40代半ばからのスタートだった。</p>

<p>大企業に勤め、2児の父親でもある彼は、どのように家族との時間を大切にしながら、フルタイムで働き、レースの準備をしているのか。そのことに興味を持った</p>

<p>私のインタビューの要請にも気軽に応えてくれた。</p>

<p>日系の大手保険会社に勤務する彼は、火曜と水曜日だけオフィスに出勤。その他の曜日は自宅で働く。トレーニングは、在宅勤務時の平日夕方に10キロくらいを「さっと」走るそうだ。</p>

<p>土曜日は20キロから30キロ走るので、家族との朝食の時間から逆算して、早朝4時に起きる。朝食は家族と必ず一緒に取ることに決めているからだ。</p>

<p>そんなスケジュールなら睡眠時間が気になるところだが、毎日7、8時間しっかり眠るという。「人生で起きられる時間は決まっている」という彼なりの仮説を持っていて、長生きするためにも、睡眠時間は日々しっかり確保する。</p>

<p>では、なぜ走るのか。</p>

<p>出口さんは「理想とする自分に、一歩でも近づくため」と答える。</p>

<p>そんな彼のアイデンティティは、家族を大切にして、探究心を忘れない人間であること。走ることで、50代半ばにして自らの真の姿が見えてきた。</p>

<p>走り続けて得た自信。そして、自らを肯定する力。それは、鏡に映る自分の姿を見れば、一目瞭然だ。</p>

<p>初めてウエットスーツを着てウナギのように見えた過去の姿も、いまではなかなかのものだと満足している。何百時間というトレーニングを積んできた、その努力の積み重ねの成果が目でも確認できる。</p>

<p>当初、大海原で泳ぐのは恐怖だった。エイドステーションの栄養補給が体に合わないこともあった。職場の課題を解決するように、試行錯誤して知恵を積み重ねていった。</p>

<p>こうして身につけた障害を乗り越える知恵は、仕事にも活かせている。取引先を前にしたプレゼンの緊張は、大海原で泳ぐことに比べたら何てことはない、と思えるそうだ。</p>

<p>習慣化すること。6階のオフィスまでは階段を登る。仕事は立ったまま。スナックにはナッツ。仕事を終えて夕方のランニング。考える余地を与えず、&quot;Just do it&quot;。すべて、走ることを始めて得られたスキルだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自然の中を走ると、仕事の悩みが軽減される」</h2>

<p>もうひとつ、出口さんから聞いた印象的な話がある。</p>

<p>マラソンを続けていると、速く走ることに気を取られて（時計ばかりを見てしまう）、途中の景色が目に入らない。そのことに気づいてからは、森の中や海沿いのロードを選んで走るようになった。</p>

<p>「車に乗っていたら見えない景色に出合えると、仕事やプライベートの悩みが軽減されていく。感性が研ぎ澄まされていくような気分。あまりの美しさに涙を流すこともあった」と言う。ランニングの途中、岩の上で瞑想する日もあるそうだ。自然の中を走るメリットは、ほかにもある。</p>

<p>単純な反復運動をしていると、良いアイデアが浮かんだり、思いつきがあったりする。奥さんの誕生日に花をプレゼントするといった大事な約束を思い出すことも。それらを忘れないように、走りながらスマホに吹き込む。</p>

<p>出口さんにとって、未来は日々の積み重ねの先に存在するものなので、いまが幸せなら10年後も幸せに違いない。</p>

<p>考え過ぎるより、まず行動する。</p>

<p>出口さんにとっての自己実現とは、一つずつ楽しい「いま」を積み上げていくこと。一歩、一歩、着実に前進するマラソンのように。</p>

<p>彼の将来の計画は、奥さんとフランスからスペインに続く800キロの巡礼の道、カミーノ・デ・サンティアゴを歩くことだそうだ。その未来に向けて、今日も走る。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ただ休むだけでは「休息」にならない</h2>

<p>週に40〜60時間もコンピュータやスマホのスクリーンを見つめていれば、心身ともにヘトヘトになってしまう。だからといって、休日にダラダラと過ごした結果、かえって疲れを感じたりしないだろうか。</p>

<p>アメリカでは「ディーププレイ（深い遊び）」が注目されている。本業のほかに没頭できる趣味や活動は「休息」につながるという関連性も明らかになっている。『シリコンバレー式 よい休息』（アレックス・スジョン＝キム・パン著、野中香方子訳、日経BP社）によれば、ディーププレイの特徴には、次の4つが挙げられる。</p>

<p>1. 問題解決に、時間を忘れるほど没頭できる<br />
2. 仕事で使うのと同じようなスキルを、違う分野で使う<br />
3. 仕事以外のことで、仕事で得られるのと同じような報酬がある<br />
4.&nbsp;プレイする人の過去と結びついている（たとえば、子どもの頃習ったバイオリンを大人になってしっかり習い直してみる）</p>

<p>思考停止でスマホの動画を見ているような、受け身の休息とは明らかに違う。スポーツで汗を流したり、楽器を弾くことであったり、どのような趣味であっても、仕事と同じくらいのエネルギーを使って本気で遊べば、しっかり心身を休ませられて仕事にも良い影響を与えるのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_running.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 06 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[河原千賀（アメリカ在住ジャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>科学的に実証された「正しい休み方」　脳の疲労を回復させる方法とは?  河原千賀（アメリカ在住ジャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12089</link>
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			<description><![CDATA[脳の疲労を回復させる「正しい休み方」とは？ アメリカ在住のジャーナリスト、河原千賀さんが教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="正しい休み方" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_berandaman.jpg" width="1200" /></p>

<p>膨大なタスクに追われ、毎日クタクタになって帰宅する......そんなビジネスパーソンは多いだろう。変わらない日々を過ごしがちだが、アメリカのビジネスエリートは、「ある工夫」をしながら効果的に休む術を知っている。本稿では、ロサンゼルス在住の河原千賀佳氏が、科学的に証明された「正しい休み方」について紹介する。</p>

<p>※本稿は『グーグル社員はなぜ日曜日に山で過ごすのか』（PHPビジネス新書）より抜粋・編集を加えたものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>リラックスした脳でこそ「ひらめき」が生まれる</h2>

<p>アリゾナ大学における研究で、50デシベル（騒音レベルを測定する単位）が最も生産性の高い音だと発表されている。静か過ぎても、うるさ過ぎても生産性には良くない。</p>

<p>50デシベルは優しく降る雨、小鳥のさえずりと同じだと言う。自然の中では、私たちの脳波はアルファ波になりやすい。</p>

<p>集中するには、まず脳をリラックスさせる必要がある。</p>

<p>せっかく一生懸命勉強したのに試験で緊張して、答えが出てこなかった。それなのに、試験を終えてほっとリラックスした瞬間に、答えを思い出した、という経験はないだろうか。これは、緊張感から解放され、アルファ脳波に切り替わったのが原因だ。</p>

<p>アスリートも極限状態でハイパフォーマンスを発揮するために、脳波を自在にコントロールする訓練を課している。</p>

<p>効率よく仕事を進めたり、プレッシャーの中で能力を発揮したりするうえでも、脳波のコントロールをマスターする習慣が求められるだろう。緊張感を持ちながら集中力も維持させることがハイパフォーマンスの秘訣、とされていたのはひと昔前の考え方なのだ。</p>

<p>あえてリラックスして休むことで、「アハ・モーメント（ひらめきの瞬間）」を誘発するメリットもある。</p>

<p>アハ・モーメントは、ベンチャー界隈では、ユーザーがコンテンツの価値に最初に気づく瞬間としてこの言葉が使われており、馴染みがあるビジネスパーソンもいるだろう。</p>

<p>「視覚の化学的生理学的基礎過程に関する発見」でノーベル生理学・医学賞を受賞したラグナー・グラニト博士は「無意識が働いているあいだは、とにかくリラックスをして休み、その過程を意識で邪魔しないことが大切である」と述べる。</p>

<p>リラックス状態でこそ、無意識が活発に動き「アハ= ひらめき」が生まれるのだ。</p>

<p>「どんな分野でも世界レベルに達するには、1万時間の練習が必要だ」という話は聞いたことがあると思う。ベストセラー『天才! 成功する人々の法則』（原題Outliers、マルコム・グラッドウェル著、勝間和代訳、講談社）で詳しく知られるようになった。</p>

<p>しかし、そこには言及されていない「視点」がある。</p>

<p>「1万時間の練習」からバーンアウト（燃え尽き）せずに、ハイパフォーマンスを続けた人たちの共通点として、約1万2500時間の意識した休憩、そして、約3万時間の睡眠があったという、フロリダ州立大学心理学部のアンダース・エリクソン教授のスタディ「10,000時間ルール」を、アレックス・スジョン＝キム・パンは『シリコンバレー式 よい休息』のなかで指摘している。</p>

<p>自然の中で読書することで、アルファ波が学習能力を高めてくれる。そして、あえてぼんやりとする時間を持つことで、アハ・モーメントが訪れ、行き詰まっていた問題が解決したり、思いがけないアイデアがいきなり浮かんだりするといった効果も期待できそうだ。</p>

<p>アルキメデスはお風呂の中で、ニュートンはリンゴの木の下で、アハ・モーメントが訪れたのも、考え抜いた挙句、あえてリラックスして休む時間の効用のようだ。日本の天才数学者・岡潔もこう語っている。</p>

<p>「発見は、常に問題を考えたあとの、自然の中で自然に起こるのだ」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>休憩時間になったら、あえて「ぼんやり」過ごす</h2>

<p>オフィスでPCや会議の資料に一点集中させて、仕事をしていた。しかし、ある時点から、机周りを整頓しなくては、とか、仕事の後、あの雑誌で見たお店に行ってみよう、とか、たわいないことに気がとられ出す経験は、誰でもあるのではないだろうか。</p>

<p>集中していなくてはいけない、と思っているのに、ついスマホを手にして、SNSをチェックしてしまっている。ハッと気づいて、自己嫌悪に陥ってしまう。しかし、それは仕方がないことらしい。</p>

<p>じつは、ひとつのことに集中した状態は、90分が限界で、それ以上続けても集中力は減ってくる。このことは、ミシガン大学の環境心理学者レイチェル＆スティーブン・カプラン夫妻によって提唱された注意回復理論（ART）で証明されている。</p>

<p>同理論では、減ってしまった「方向性注意」（集中力）を回復させるには、自然の中で過ごすことを推奨する。</p>

<p>自然の中では五感すべてを使用し、注意が分散された状態になる。矛盾するようだが、そんなぼんやりとした状態での注意（「選択性注意」と呼ぶ）が、集中力を取り戻すのに効果的なのだ。自然の風景を眺めていると、日常の煩わしさから解放される。</p>

<p>また、自然の中を歩くとき、自然とマインドフルネスにもなりやすい。</p>

<p>頬に当たる風を意識して感じ、樹木の間に差し込む日光のキラキラとした輝きを見つめ、呼吸をしながら身体の感覚に意識を向けるとき、日常の煩わしいことへの思いや、否定的な自分との会話から解放される。</p>

<p>こうした開放感は、脳が「デフォルトモード・ネットワーク」に切り替わった証拠だ。デフォルトモード・ネットワークは、ワシントン大学の神経学者マーカス・レイクルの論文で知られるようになった。安静時にもかかわらず活動を示す脳領域の存在が複数証明されたのだ。</p>

<p>ぼんやりとした状態でも、仕事や勉強をしているときより、脳は15倍ものエネルギーを使うという説もある。そして、このぼんやりした状態が、仕事や勉強での注意力の減少を回復してくれる。</p>

<p>だからスマホを見て息抜きをしてしまっては、逆に刺激を受けるばかりで脳の疲労は回復しない。休憩時間はあえて、ぼんやりしよう。</p>

<p>その際注意が必要なのは、ぼんやりすると、自己批判やネガティブな考えが次々に浮かんでしまうことだ。</p>

<p>そういうクセを自覚する人は、自然の中でマインドフルネスを実践することで、その傾向を避けることができる。「いま、ここ」に意識を向けて、緑の多い公園の中を10〜15分歩くだけでも、副交感神経が整い集中力を回復できる。机の周りに植物を置くと、注意力は回復する。</p>

<p>外の自然に触れる時間がなければ、せめてオフィスや部屋にいくつかの植物を置いてみよう。ケアレスミスがなくなるかもしれない。会議が始まる5分前に、資料の準備をしているようではダメだ。あえて植物の前でぼんやりと過ごすだけで、その会議は生産性の高いものになるはずだ。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_berandaman.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 03 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[河原千賀（アメリカ在住ジャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>親の老いと向き合って初めて分かった...「老後に本当に必要な準備」とは？  工藤広伸（介護作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12083</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012083</guid>
			<description><![CDATA[介護作家の工藤広伸さんは、親の介護は&quot;未来の自分が老いた姿&quot;を見ることと同じだと気付いたといいます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="老いた親の様子に「アレ？」と思ったら" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_lifestage.jpg" width="1200" /></p>

<p>12年以上、親の介護を続ける工藤広伸さん。介護を通して、老いていく親の姿を間近で見ていると、日々の生活がいかに変化していくかを実感したといいます。</p>

<p>工藤さんの著書『老いた親の様子に「アレ？」と思ったら』より、介護から得た学びについて話した一節をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、工藤広伸著『老いた親の様子に「アレ？」と思ったら』（PHP研究所）を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>親の老いを通して自分の老後を予習する</h2>

<p>【K】結局、親が倒れてからではなく、元気なうちから親の老いについて考えるって、どういうことだと思いますか？</p>

<p>【くどひろ】老いていく親に、自分の未来を重ねることだと思います。親の老いを通して、自分がこれからどうなっていくかの予習ができるんです。</p>

<p>【K】自分の老後の予習ですか？</p>

<p>【くどひろ】はい。母の老いていく姿を間近で12年以上も見ていると、毎日いろいろな発見があります。それって、介護を経験する前の自分にはなかった発想だなと。</p>

<p>【K】たとえば、どんなことですか？</p>

<p>【くどひろ】母は足が不自由なので、いっしょに外出するとき、わたしは母と腕を組んで歩いています。当然、母にスピードを合わせないといけないので、ゆっくり、ゆっくり歩くしかありません。しかも、歩ける距離が限られているので、わたしの足なら５分で行ける歯医者に、わざわざタクシーで通院しているんです。</p>

<p>【K】それは大変ですね......。</p>

<p>【くどひろ】はい。タクシーを呼ぶ手間もかかるし、車が来るのを待つ必要もある。わたし１人なら歩いてたったの5分でお金もかからないのに、母といっしょだと20分もかかるうえに、毎回1200円もかかってしまうんです。</p>

<p>【K】わたしなら、イライラしてしまいそうです......。</p>

<p>【くどひろ】ですよね。でも、あるとき、ふと思ったんです。ささいな行動の1つひとつに時間と労力、お金がかかる母の姿は、30年後の自分の姿なんだと。</p>

<p>【K】くどひろさんが、ちょうどお母さんくらいの年齢になったときの......。</p>

<p>【くどひろ】そうです。そう考えると「この経験は無駄じゃないな」と思えたんです。Ｋさんが「親の歩くスピードが遅くなった」と話してくれましたが、わたしは普段から母の歩くスピードを自分の体で実感しているので、80歳になったときの自分の歩く姿をはっきりイメージできます。しかも、自分の親だから、どこか遺伝する部分もあると思っているので、よりリアルに。</p>

<p>【K】まるで、お母さんの老いを追体験している感じですね。</p>

<p>【くどひろ】まさに、そんな感じです。それに母は重度の認知症なので、わたしが代わりに病院の手続きや薬の準備などをやっているんですが、まるで自分の病気や薬の種類が増えているような感覚になります。</p>

<p>【K】病気や薬までリアルに......。</p>

<p>【くどひろ】母自身も若いころのように動けなくなった自分にもどかしさを感じていて、その気持ちがよくわかるので、本当にいい勉強になりますよ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>こうやって人は老いていく</h2>

<p>【くどひろ】ほかにも、家の間取りやつくりにも目が向くようになりました。これも、未来の自分の住まいについての予習になります。住まいの購入を考えている人にとっては大きな判断材料になると思いますよ。</p>

<p>【K】たとえば、階段ののぼりおりとかですか？</p>

<p>【くどひろ】わかりやすいのは、そうですね。だんだん上下の移動が難しくなって2階にあがれなくなり、1階で過ごす時間が長くなっていきます。家の玄関も同じで、大きな段差があると手すりにつかまってあがるしかなくて苦労するんです。</p>

<p>【K】普段、わたしが意識もしないようなことが、歳をとるといちいち壁になって、目の前に立ちふさがるわけですね......。</p>

<p>【くどひろ】はい。それに、苦労するだけでなく、たった数センチの段差が、ときに命とりになることもあります。実際、つまずいて転倒する母の姿を何度も見てきましたから。</p>

<p>【K】段差のない家や平屋がブームになっていると聞きますが、老いた体への負担を減らすことを考えた結果なのかもしれませんね......。</p>

<p>【くどひろ】そうですね。加齢によって身体機能が衰えると、行動範囲もどんどん狭くなっていくんです。そうなると、さらに筋力が衰えて、立ちあがるのが難しくなります。なので、母には小さなお願いをよくしているんです。</p>

<p>【K】小さなお願い？</p>

<p>【くどひろ】はい。たとえば、「タオルたたんで」とか「お皿洗って」とか。少しでも母が動ける機会をつくって、筋力の維持に努めています。何気ない日常生活のすべてが、リハビリになりますからね。</p>

<p>【K】へ〜、そういうものなんですね。</p>

<p>【くどひろ】老いを遅らせるこうした試みも、いつか自分の体が動かなくなったときに役に立つと思っています。親の老いと向き合ううちに、未来の自分に活かせる情報をたくさん収集できるんです。それに、自分の老いを受け入れる準備にもなりますよ。</p>

<p>【K】親の老いではなく、自分の老いを？</p>

<p>【くどひろ】はい。だれしも、自分の老いを受け入れるのって簡単ではないと思うんです。特にビジネスパーソンのみなさんは、アスリートほど明確に衰えやパフォーマンスの低下を感じるわけではないので、余計に自分の老いを把握しづらいんです。</p>

<p>【K】たしかに。わたしも少しずつ老いを感じてはいますが、「まだまだ若い。ちゃんと仕事をこなせているから大丈夫」と思っているところがあります（笑）。</p>

<p>【くどひろ】そうですよね。いつまでも若くいたいという気持ちも大切ですけど、自分の体力や身体機能の低下を少しずつ受け入れることも必要です。じゃないと、運動会で転ぶお父さんみたいになりますから（笑）。</p>

<p>【K】はは（笑）。頭のなかのイメージではめちゃくちゃ速く走れているのに、体のほうがついていかなくて、大けがするやつですね。</p>

<p>【くどひろ】それです（笑）。親を通して老いを疑似体験しておくと、「人は、こうやって老いていくのか」ということが理解できて、自分の老いを客観的に見つめられるようになりますよ。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 03 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[工藤広伸（介護作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ソフトバンク「本当の一代目は親父」 孫正義が敬愛した父・三憲の豪快な人生  大賀康史（フライヤーCEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14056</link>
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			<description><![CDATA[フライヤーCEOの大賀康史氏が、『一・五代目 孫正義』（井上篤夫著、実業之日本社）を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="大賀康史" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2022/2022A/220705OogaYasushi03.jpg" width="1200" /></p>

<p>ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier（フライヤー）」（https://www.flierinc.com/）。こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。</p>

<p>今回、紹介するのは『一・五代目 孫正義』（井上篤夫著、実業之日本社）。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人はなぜ経営を志すのか</h2>

<p><img alt="『一・五代目 孫正義』" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260330Oogayasushi01.jpg" width="1200" /></p>

<p>この本にはソフトバンクグループの創業者の孫正義（そん・まさよし）と、その父親の孫三憲（そん・みつのり）が中心に描かれています。そして、孫正義という創業経営者がどのように育ったのか、どういう価値観を持った経営者なのかについて、背景から理解の深まる一冊です。</p>

<p>孫三憲が創業者として影響を与えていたため、孫正義自身が自分のことを一代目ではなく一・五代目だと話し、本書のタイトルは『一・五代目 孫正義』とされています。</p>

<p>この本には感情が揺さぶられるところが多くありました。私はフライヤーの創業当初に孫正義の弟の泰蔵（たいぞう）さんにお世話になっていたことがあり、少しだけ孫家の教えについて話していただいたことがありました。当時うかがった話は強烈な体験に根差していたことを本書から知りました。</p>

<p>第一のインパクトは巻頭の写真にあります。親子のツーショット、バラック小屋の正義の生家、青年時代の兄正義と弟泰蔵の写真。どれも想像を超える苦労と様々な挑戦の末に今の姿があるということを生き生きと伝えるものです。</p>

<p>そして、全員が強い原体験をもとに志を抱くのではないとしても、深く刻まれた実体験に根差した志には重みと価値があるとも気づかされます。時系列は前後しますが、本書の順番にならい三憲の葬儀から紹介していきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>孫正義による弔辞</h2>

<p>孫三憲はがんとの闘病の末、　2023年11月4日にその豪快な人生の幕を閉じました。その人生がどのようなものであったか、孫正義の弔辞からうかがえることが多くあるので、引用していきます。</p>

<p>その弔辞は嗚咽で声にならないほどだったと本書には描写されています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>「ばあちゃんとじっちゃんと、ゼロからのスタートじゃないもんな、マイナスからのスタートやったもんな」<br />
「朝鮮人!」「朝鮮人ってバカにされても、こんちくしょうと歯を食いしばって頑張った」</p>

<p>「アメリカに行くときに戸籍謄本取りに行ったよ。住所に佐賀県鳥栖市五軒道路無番地って書いてあったもんな。『無番地ってなんや、これ、なして無番地なんや』って聞いたら、『あそこはお前らが生まれた場所』『正義、しょうがないばい。国鉄の土地でね、線路脇に勝手に住み着いた。国鉄の人から出て行けと言われて、一、二日したら、また戻って住み着いた』。逞しかったなあ」</p>

<p>「バラックに豚を飼って...豚の小便、クソにまみれながらも、それでもね...。楽しかったばい。みんなで五軒バラックの跡地を見に行ったら、線路のすぐ脇や...。ガタン、ガタンと電車の音がした...。お父さん、お母さんが、焼酎を作って賑やかだった」</p>

<p>「お父さんと、お父さんの兄弟みんながそれなりに社長になった」</p>

<p>「マイナスからのスタートやったけど、俺、覚えとるよ。お父さんが酒飲んで酔っ払ったら、『正義、正義、俺たちの代は生きていかないかんかった、生きていかないかんから、パチンコやらなんやらしたけど、お前の代はね、そげんことせんでよか、金のための仕事せんでよか、立派な人間になってくれ。金のための人生はいやだ』と何回も何回も言ったよな」</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>印象の強かった箇所を抜粋しましたが、一言一言がすべて故人を表すようで、心に響く言葉が続きますので、ぜひ本文を見ていただきたいところです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>再び日本に住むまで</h2>

<p>日本の敗戦当時、日本国内では朝鮮から渡ってきた在日朝鮮人がおよそ250万人ほどいたといいます。終戦と同時に「日本人ではない者」として差別を受け、特に九州では在日朝鮮人に対する差別が強かったそうです。</p>

<p>孫三憲がまだ子供だったころ、一度一家は韓国に戻ったものの生活が困窮を極めたため、再度日本に戻ろうと密航船に乗りました。</p>

<p>対馬を過ぎ、壱岐のあたりまで来た時、船の底から海水がなだれ込んできたそうです。必死にバケツで汲み出しても到底水の勢いには追い付かず、とうとうエンジンが止まりました。その後も手桶で水を汲み出し続けたがどうにもならず、全員が死ぬ運命だと思われました。</p>

<p>その時、遠くの海にかすかに漁船の灯火を見つけました。必死に叫んで漁船の船長が近づいてくると、密航船を日本に連れて行けないと。万事休すと思われたとき、難破船の奥にいた一人の男が数十万円の札束を見せ、それを全て渡すから助けてくれ、と伝えました。しばらくの沈黙の後、船長は船を曳航し始めました。</p>

<p>いかにぎりぎりの綱渡りで日本に戻ってきたかをもの語り、孫一家の強運を表すエピソードとも言えそうです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>父三憲の言葉</h2>

<p>孫正義の父三憲の言葉のうち、代表的なものをいくつか紹介します。子である泰蔵には、「学校の先生は嘘ばかり言うけんな! 先生の言うことば聞いたらいかんぞ!」と言ったそうです。多くの親が子供に伝える言葉とはおそらく逆で、自分の子供にこのように伝えられる親はなかなかいないのではないでしょうか。人の言うことをうのみにせず、自分の頭で考えて行動しなさい、というよりもインパクトがあるのは間違いなさそうです。</p>

<p>また三憲の最後に遺した言葉は、「虎は死して皮を残す、人は死して名を残す」というものでした。子供たちに対して最後の場面でもなお、高尚な生き方を示したと本書で記されています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>一生を捧げられるものが見つかる</h2>

<p>どのような商売をするにせよ、構造的大局的にそのビジネスモデルをとらえ、頭がちぎれるほど考え、答えを出していく姿勢は親子ともに共通するところです。</p>

<p>そして、孫正義氏は、売上を豆腐のように1丁2丁（1兆2兆）と数えるような会社にすると言い、それを実現すると時価総額を200兆円にすると言い、その目標に際限がありません。</p>

<p>ほとんどの経営者はどこかに一定の目標があって、それを実現すると個人の趣味、教育、社会貢献などに力を注いでいきます。しかし孫正義氏は違います。その際限のない欲求こそが、経営者としての圧倒的な強みとなっているようにも思えるのです。ここまでくると、おそらく個人の欲求ではなく集団や組織としての幸福を追求しているものでもあるようにも感じられます。</p>

<p>その際立った意思の強さがなぜ生じているのか。本書にはその答えが各所にちりばめられているようです。経営を志す人やスケールの大きな経営者と接する人であれば、本書を通読することをお薦めします。今までとは異なる解像度で経営者の内面を見られるようになるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 02 Apr 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大賀康史（フライヤーCEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「自分には価値がない」と思う人が体調不良を抱える理由　102歳の医師が授ける“愛を受け取る”処方箋  グラディス・マクギャリー（医師）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14002</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014002</guid>
			<description><![CDATA[102歳の医師が、自己肯定感の低さと身体の不調の関係を解き明かします。幼少期の心の傷から「自分は愛される価値がない」と思い込み、不調を抱えた女性を救った、心身を癒やすための「愛を受け取る処方箋」です。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="医師のマクギャリー博士は、愛を受け取れるようになることが大事だと説く" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hearts.jpg" width="1200" /></p>

<p>幼い頃に愛されなかった、認めてもらえなかったという記憶は、「自分は愛されるに値しない」という思い込みとなり、心や身体の健康に影響することがあります。<br />
本稿は、102歳まで医師として活躍したグラディス・マクギャリーの著書『102歳の医師が教える 健康と幸せを保つ6つの秘訣』から、自己評価と健康の関係について語る一節を紹介。愛を受けいれ、幸せを選び取るための道筋を示します。</p>

<p>※本稿は、グラディス・マクギャリー著『102歳の医師が教える 健康と幸せを保つ6つの秘訣』(&amp;books/辰巳出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「あなたはかわいくなかった」家族の&quot;ジョーク&quot;に心を削られた日々</h2>

<p>自分は愛を受けいれるのに値しないと思うような事態に私たちはよくおちいる。人が去っていく、傷つけられた、あるいは愛情をかけてくれないなど。虐待やネグレクト、無関心といったつらい体験は、私たちがどういう人になるかを形づくることがある。無意識に痕跡が残り、健康や幸せに大きく影響し得る。</p>

<p>過去に傷ついた経験があると、愛を受けいれるのが怖くなることがある。だからこそ、愛に意識を向けなければならない。恐れを乗りこえるのは大変だが、そうすることでもっと多くの愛を受け取れる。</p>

<p>患者のひとり、パメラは自分が愛されるのに値すると、なかなか思えないでいた。60代で私のところに来たときには、身体のあちこちに不調を抱えていた。カウンセリングを通じてわかっていたのは、彼女が自分は愛されるに値すると信じていないことだった。パメラは学校のカウンセラーとして問題を抱えた子どもたちの力になるというすばらしい働きをしているのに、自分の人生に価値を見いだしていなかった。いつでも他の人たちと自分を比べて、劣等感を抱いていたのだ。心の奥深くでは、人生を生きるのにも値しないと思っているのではないかと感じた。</p>

<p>しばらく話し合ったあと、私はパメラに、問題の根本になっていると思うことを話した。「私には、あなたが自分は愛されるのに値すると信じていないように思える」そしてきいた。「そうだとしたら、なぜなのか、思い当たることある？」&nbsp;</p>

<p>パメラは笑った。「その言い方、うちの母親みたい」彼女は言った。その反応には驚いた。いったいお母さんに何を言われていたのだろう。どういう意味か、私は尋ねた。</p>

<p>「私が幼いとき、母は私を愛せなかったんです。かわいくなかったから......。愛したかったけど、あまりに恥ずかしかったんです」彼女は言った。未熟児で生まれたため、かなりやせていたのだという。子どものころ、よく聞かされた話がある。友達が赤ちゃんを見にきたときは、いつもパメラをタオルで包んで、顔だけしか見せなかったというのだ。「そうすれば、やせているのがわからなかったから」と母親は言っていた。2年後、健康な弟が生まれた。パメラが&quot;かわいくない&quot;赤ちゃんで、弟は愛らしい赤ちゃんだったから、母親は弟のほうを贔屓にしていたというのが長年、家族で&quot;ジョーク&quot;として語られてきた。</p>

<p>話しながら、パメラも気がついた。私はとうに気づいていたが、ジョークなどではなかったのだ。母親に繰りかえし聞かされていた話は、彼女を深く傷つけていた。どうして自尊心がこれほど低いのか、傷つくとわかっているのに自分を他人と比べてしまうのかを理解したのだ。私たちはこのセッションを、長い長いハグで終えた。彼女を抱きしめながら、私はパメラがこれまでずっと、当然受けるべきだった愛を、目いっぱい与えようとした。</p>

<p>その後のセッションでは、パメラの身体的な症状ではなく、愛されることに焦点を当てた。まず初めに、パメラは私の愛を受けいれることを学んだ。それから生徒たち、ご両親の愛も......。みんな彼女のことが大好きだった。それからようやく、自分自身を愛しはじめることができるようになった。すると、身体の不調はほぼ消え去った。&nbsp;</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>幼い頃の体験が自己評価をつくる</h2>

<p>パメラは、乳幼児のころから愛を受け取るのに苦労してきた。そんなに早くからと思われるかもしれないが、私たちの自分に対する信念や評価は、もっと早くから形成され得る。私たちは人生のすべての瞬間、愛されるべきなのだと知ってほしい。その思いから、私は自分のキャリアの大半を愛ある出産に注力してきた。&nbsp;</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>魂が収まった人のオーラには、まとまりがある</h2>

<p>1969年、私はイギリスで有名な霊能者の講演を聞きにいった。彼は話しながら、人のまわりに見えるオーラを図で示した。私にはオーラは見えないが、他の人の体験には心を開いて耳を傾けることにしているので、静かに座って聞いていた。彼の描くオーラには、ふたつのタイプがあるのに気づいた。落ち着いていて、頭の上を渦巻いて、下に戻っていくタイプ。もうひとつは、頭の上でからまって塊になっている。私がそのことを尋ねると、生まれたときに魂が&quot;収まった&quot;人たちのオーラは、まとまりがあるのだという。そうではなかった人たちのオーラは、ねじれたり、からまったりするというのだ。</p>

<p>彼の描いたオーラのイメージと、&quot;収まった&quot;という考え方は印象的だった。そこで当時私が推奨していて、その後何十年も続けることになる、愛ある出産と結びつけることにした。私はこれまでに何千人もの赤ちゃんを取りあげてきて、なかには2世代、3世代にわたって出産に立ち会った家族もある。赤ちゃんを両手で受け取るとき、私は愛を持ってその子をこの世に迎えいれ、世界は安全で優しいところで、魂がここに戻ってきたのは神の意志だと伝える。敬虔な気持ちで、その大切な頭を両手で抱く。そして生まれてきてくれたことに感謝する。そのとき、天使の歌声が聞こえると感じる。&nbsp;</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分が生まれた瞬間を想像してみる</h2>

<p>ここでいったん読むのをやめて、自分が生まれた瞬間を想像してみてほしい。無防備かつ完全な存在だった自分を......。初めて小さな目を開いて、世界を見たときの様子も......。&nbsp;<br />
よかったら、天使が歌っているのも想像してみよう。&nbsp;<br />
歌声が大きくなっていくのを聞こう。<br />
幼い自分が黄金の光に包まれて、この世に歓迎された様子を思い描こう。&nbsp;<br />
このささやかなエクササイズをすすめるのは、自己愛にアクセスするには、私たち自身の奇跡を理解するのが大切だからだ。</p>

<p>詳しく見てみよう。あなたは母親のなかで生を受け、この世に誕生した。生物学的な母親と父親のもと、両親のものを受け継ぎつつ独自のDNAを形成して、目的を持ってここにやってきた。あなたの魂の旅は、育ててくれた人、あるいは人たちによって形づくられている。それは両親かもしれないし、どちらか一方、あるいはまったく別の人かもしれない。ここにいるあいだ、あなたは世界を変える。少なくとも小さな変化を起こす。他の人たちとつながり、彼らが人生を形づくるのを助ける。あなたは美を生む。ギフトを与え、経験をわかちあう。どれほど大きくても小さくても、あなたの影響力は、あなた自身には永遠にわからない形で広がっていく。</p>

<p>自分の人生を、なんらかの創造的な力によって意図されたもの、あるいは長くランダムな出来事の結果の産物など、どうとらえようとかまわない。いずれにせよ、奇跡的であることに変わりはない。</p>

<p>人生と調和すると、愛のエネルギーが心に流れこむ。それでも私たちは傷つくことも多い。生まれたときに魂がきちんと収まらなかったのかもしれないし、その後つらい体験をしたのかもしれない。愛から遠ざかるのは、そうした痛みに対する反応だ。でも、痛みは癒やすことができる。そして他の人たちはサポートはできるものの、あなた自身が参加しないことには始まらない。痛みを癒やす、魂を収める、自身の奇跡を感じるのを、あなた自身が選ぶことが大切だ。その選択は、洞窟のなかのマッチの灯だ。自分の価値について嘘を吹きこんでくる不安を克服する始まりであり、あなたを自由にする力を持っている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>愛を取り戻すと、健康と幸せがついてくる</h2>

<p>人から愛を受け取るのは難しく、動物から始めるほうが楽な場合もある。これは、理にかなっていると思う。動物は人と比べて意見してこないので、私たちも心穏やかでいられる。犬や猫、それに馬を通じて愛を受けいれるようになった患者をこれまで何人も見てきた。私自身、多くの犬と暮らしてきて、とくに子どもたちが小さかったころ、その犬たちと触れあったのは大切だったと感じている。動物は無条件の愛を与えてくれ、こちらも愛情を感じやすい。私たちは愛されることができるし、愛することもできると、思いださせてくれる。たとえ私たちが忘れていたとしても......。&nbsp;</p>

<p>愛を受け取れるようになれば、健康と幸せはついてくる。そうすると、自然と会う人みんなに愛を広めていくことになる。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 02 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[グラディス・マクギャリー（医師）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>一流コンサルは商談中に落書き？　ロザン菅×安達裕哉が語る「本音」を引き出す会話術  菅広文（ロザン・お笑い芸人）、安達裕哉（ティネクト株式会社 代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13974</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013974</guid>
			<description><![CDATA[お笑い芸人のロザン菅氏と多くの企業コンサルを手掛けてきた安達裕哉氏が、会話による信頼構築について対談。菅氏が道案内ロケで駆使した技術とは？安達氏の上司がとった驚きの行動とは？実戦的会話術を披露します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="左：ロザン菅広文さん、右：安達裕哉さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260316RozanSugaAadachi01.jpg" width="1200" />左：ロザン菅広文さん、右：安達裕哉さん</p>

<p>「初対面の相手と話すのが苦手」「通りいっぺんの表面的な会話しかできない」。そんな悩みを抱える人は少なくありません。17年間、番組の企画で8000人以上にも及ぶ人を道案内し続け、『学力よりコミュ力』を著したお笑い芸人のロザン・菅広文さんと、一流コンサルタントとして、クライアントの「本音」を引き出す訓練を積んできた『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』の著者・安達裕哉さん。一見、対極にあるように見える「芸人」と「コンサル」の世界ですが、実はその根底には共通するものがあったようです。</p>

<p>構成：次重浩子（PHPオンライン編集部）<br />
写真：中西史也（PHP研究所／ビジネス・教養出版部）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>オープニングで10回ボケても1個しか使われない</h2>

<p>安達：『学力よりコミュ力』には、17年もの間、テレビ番組の企画で見ず知らずの人を道案内してきたと書いていらっしゃいますが、初対面の人とうまく話すコツってあるんですか？<br />
実は私どもは、初対面の人とうまく話すコツって教わらないんです。というのも、基本的に黙る方が推奨されていまして、話すのは8割がお客様で、2割だけ話しなさい、と言われています。</p>

<p>菅：「ロザンの道案内しよ！」っていう、テレビ番組の１コーナーで、道に迷っている人を目的地まで案内する企画があるんですけど、たしかに僕らも、自分たちの話をすることはあまりないです。ロケに協力してくれている方の話を聞くようにしていますね。そこからコミュニケーションを深めていきます。</p>

<p>初対面の人と話すコツについては、実はぶっちゃけて言ってしまうと、最初の頃は、「この人にはもう今後会うこともないだろうし、嫌われても好かれても、僕の人生に1ミリも影響ないし」っていう捉え方をしてました。</p>

<p>それも間違いではないと思うんですけど、だんだん考え方が変わってくるんですよ。<br />
道案内する時間はわずか5分程度ですが、それがいい思い出になってくれたらいいなって思うようになったんです。楽しませてあげたいっていう気持ちが勝ってきた。素直にそう思えるようになってから、番組としてうまく回っていったところはありましたね。相手のことを思う気持ちって、やっぱり大事なのかなとは思います。</p>

<p>安達：本の中では、道案内をする時に3つを基本にして質問をしている、と書かれていましたね。<br />
・どこに行くつもりですか？<br />
・なぜそこに行くのですか？<br />
・行った後は何をしますか？<br />
話の入り口と真ん中と出口を決めて、初対面の方を楽しませているのかなと思ったんですが。</p>

<p>菅：そうですね。それで言うとね、結構若手の子にやりがちなミスがあるんですよ。<br />
ロケに行くじゃないですか。オープニングがあって、現場のロケやって、エンディングがあって、と起承転結みたいな感じで、ある程度分けられるんですけど、若い子ってオープニングでしかボケてないんです。オープニングで10回ボケたところで、その尺は限られているから1個しか使われないです。だから「うわ！たくさんボケたのに、全然使われへんかった！」ってなる。</p>

<p>だから、最初でも真ん中でも最後でもボケるのが大事なんです。道案内でやってることも同じで、最初だけウケても真ん中や最後がおもしろくないと、最終的には「おもしろくなかった」ってことになってしまうから、ボケを分散させるんです。</p>

<p>安達：そういうことなんだ。結構テクニカルなんですね。</p>

<p>菅：そうなんですよ。だからコンサルとはちょっと違うかもしれませんね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ロザンと日帰り温泉に行きたい</h2>

<p><img alt="安達裕哉さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260316RozanSugaAadachi05.jpg" width="1200" />安達裕哉さん</p>

<p>安達：コンサルで大事なのは第一印象で、そのあと変なことをしゃべってボロを出さなければ問題なく進みます。だからあまりしゃべるなと言われるんですけど。</p>

<p>ただ、「こいつすごいな」って思わせる重要な行為がありまして。それは「相手が考えていることを言い当てろ」ってことなんです。たとえば「社長、今売り上げの話をされていらっしゃいますけど、もしかしたら先ほど話されていた営業マンの退職率の方を悩まれている感じがしたんですが、どうでしょうか？」と。そうするとすごく信頼してもらえる。プライベートでも「こういうのを食べたいと思っているのでは？」とか、「こういうところへ行きたいと思っているのでは？」と言い当てると、相手にめちゃくちゃ刺さる。</p>

<p>菅：おもしろい！安達さんからしたら、そういうの結構簡単なんでしょ。</p>

<p>安達：実は、前の日に聞いといた（笑）</p>

<p>菅：でしょう！（笑）僕も道案内している人の職業を当てられるんですよ。たとえば女性を道案内する場合、ロケをだいたい火曜日の午前中にやっているので、まずは「今日はお仕事お休みですか？」って聞くんです。そうすると主婦なのか、働いている人なのかがわかる。働いている人だとわかれば、爪をきれいに切っていたら保育士さんかなとか、きれいにネイルしていたら美容師さんかな、とか。顔つきや見た目である程度わかるようになってくるんですよね。</p>

<p>安達：確かに。上級コンサルタントほど、言い当てが本当にうまいです。お客様が抱えている本当の課題を見つけて解決法を提案できなければ「大丈夫です。社内で対応できますので」と言われてしまって、提案書を書かせてもらえないので。</p>

<p>菅：ちなみにロザンをコンサルするならどうします？</p>

<p>安達：まずですね。一緒に温泉行きたい。</p>

<p>菅：裸の付き合い？本当に普段されているんですか？</p>

<p>安達：やっています。都内の日帰り温泉によく行きます。</p>

<p>菅：何がいいんですか。一緒にお風呂入るって。</p>

<p>安達：「うちの部長、あの時はかっこつけてあんなこと言ってましたけど、実際やってることは別なんですよ」っていうのがすごい出てきます。</p>

<p>菅：おもしろい！やっぱ、裸の付き合いって意味あるんやな。体つきとかも気にされるんですか。コンサルとしたらあんまり筋肉隆々やないほうがええな、ちょっと緩めにしとこうか、とか。安達さんの体が緩めやって言ってるわけじゃないですからね（笑）。そこまで考えるんかなと思って、髪の色とかもあるじゃないですか。</p>

<p>安達：髪の色というよりは「若く見せるな」とはよく言われましたね。若い方って細身のスーツを着たがるんです。かっこいいから。コンサルティング会社とかに入ると「イキってる」感じになっちゃうんですよ（笑）。だから、まずお前はスーツをどうにかしろ、もっと四角いスーツを着ろって言われるわけです。</p>

<p>菅：あー、たしかにコンサルの人って、シュッとしてるイメージありました。でも安達さん、すごい安心感ありますもん。そういう風になっていくんですね。</p>

<p>安達：これは本当に最初の頃に指導されます。コンサルタントはただでさえ敵を作りやすい商売で、でも敵視されてしまったら仕事ができないから、できるだけカッコつけるな、その会社の雰囲気に合わせろと。だから、工場とかにお伺いすると、ラジオ体操は絶対一緒に参加してやります。</p>

<p>菅：結局そこが大事なんですよね。信頼を勝ち得るっていうのが。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>営業中に上司が横で落書きしていた</h2>

<p><img alt="ロザン菅広文さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260316RozanSugaAadachi04.jpg" width="1200" />ロザン菅広文さん</p>

<p>菅：失礼な言い方になっちゃうんですけど、コンサルの受注営業って全戦全勝にはならないですよね。うまくいかない時はどうするんですか。</p>

<p>安達：大体3か月ぐらいの期間で契約をいただけるかどうかが判断されるので、だいたい2週間に1回ぐらいお邪魔して、そこの担当者とどういうやり取りをしたら信用に繋がるか、会社に持ち帰ってみんなで議論します。これ、1人でやってると鬱になっちゃうぐらい辛いんで。</p>

<p>相手の関係者すべてのプロフィールをチームみんなで共有していて、攻略対象の方の役割を演じてもらいながら会話をシミュレーションしてみる。それで「これならうまくいきそうだ」っていうのを次回は試す。</p>

<p>菅：でも、誰が交渉するかで意味合いが違ってくると思うんですけど。僕らの仕事やったら、そのセリフ、菅は言ってもええけど、（ロザンの相方の）宇治原は言ったらあかんやろ、みたいな。</p>

<p>安達：そこがおそらく芸人さんとの大きな違いでしょうね。コンサルは個人のコミュニケーション力に頼りません。誰がやっても通用するものを作ることを考えます。入社1年目でも、初めてのお客様でもできないといけないので、その標準化をするんです。</p>

<p>菅：すごい！</p>

<p>安達：例のひとつとして「会話をかぶせるな」って言われるんです。「これどうなさいますか」ってお客様に回答を求める時があるんですが、そういう時、相手が話し出すまで絶対黙っていなさいと。</p>

<p>菅：でもずっと黙ってるの大変じゃないですか？</p>

<p>安達：ですよね。私も上司が本当にそれをやっているかどうかチラチラ見ながら確かめたことがあります。会社さんにお伺いして、「営業の強化をしましょう」っていうご提案を差し上げたんですが、社長さんはどうしようかなって感じで考えて、ずっと黙っていらした。そしたら、私の隣にいる上司がなにか書き出したんですよね。なに書いてんのかなって思ってちらっと見たら、落書きしてるんですよ。多分、落書きするぐらい暇だったんですが、そんな時もなにもしない。相手が話すのに完全に委ねている。</p>

<p>菅：なるほどね。</p>

<p>もうひとつお聞きしたかったのは、どういう風にコミュニケーションを取ればいいか、戦略が社内に浸透してるじゃないですか。社内の上司を説得する場合はどうされてるんですか。手の内がばれてますよね。会話をかぶせないで結論を委ねられてるな、こいつ落書きしはじめたんちゃうか、とか（笑）</p>

<p>安達：手の内を知っているもの同士では事情が違いまして、よく「結論から言いなさい」って言うじゃないですか。部下がそれに対応して「安達さん、ちょっといいですか。あえて結論から言わないんですけど」っていう前置きをしてくる（笑）</p>

<p>菅：なるほど！基本をわかった上でやってるんですね。</p>

<p>安達：コミュニケーションがいいのか悪いのかよくわからない（笑）</p>

<p>菅：お笑いでいうところの「絶対ボケれるよ」っていうとこでボケない、みたいな感じですよね。ボケへんのかい！みたいな。お笑いとコンサル、違うところもあるし共通するところもあっておもしろいですね。</p>

<p>安達：ほんとうですね。お話していておもしろかったです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260316RozanSugaAadachi01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 01 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[菅広文（ロザン・お笑い芸人）、安達裕哉（ティネクト株式会社 代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>揚げ寿司にフルーツ寿司まで...驚くほど自由な「世界のSUSHI」  ながさき一生（株式会社さかなプロダクション代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13971</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013971</guid>
			<description><![CDATA[寿司といえば「握り寿司」を思い浮かべる人も多いですが、世界には多種多様な寿司があるそう。世界各地の一風変わったSUSHIについて、ながさき一生さんが紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ながさき一生著『寿司ビジネス』" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityLI/pixta_owanOHASHILI.jpg" width="1200" /></p>

<p>寿司といえば、どのような見た目の寿司を思い浮かべるでしょうか？恐らく多くの方は握り寿司または軍艦巻きが頭に浮かぶでしょう。ところが、あまり見かけることのない一風変わった寿司が親しまれている地域や国もあると、東京海洋大学の講師も務めるながさき一生さんは語ります。</p>

<p>本稿では、世界各地の「SUSHI」の楽しみ方や多種多様な寿司について見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、ながさき一生著『寿司ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>世界におけるSUSHIの現在地</h2>

<p>寿司文化への入口としての役割を担ったロール寿司のように、寿司は日本で完成した形のまま広がったのではありません。各地の文化や価値観に合わせて、少しずつ姿を変えながら広がっていきました。</p>

<p>現在、世界で食べられている「SUSHI」は、一つの決まった形を持つ料理ではありません。ある国では高級料理として特別な日に楽しまれ、別の国ではスーパーやフードコートで気軽に買える日常食として親しまれています。同じ「SUSHI」という名前で呼ばれていても、その意味や価値は国や地域によって大きく異なっています。</p>

<p>例えば北米では、寿司はヘルシーでおしゃれな食事というイメージと結びついて広まりました。生魚に抵抗を感じる人も多い中で、アボカドや加熱した具材を使ったロール寿司が受け入れられ、寿司は身近な外国料理として日常の選択肢に加わっていきます。一方で、高級寿司店では、日本の技術や素材、職人の仕事が重視され、寿司は特別な体験として提供されています。同じ寿司でも、場面によって役割が異なっているのです。</p>

<p>ヨーロッパでは、寿司は味だけでなく、見た目の美しさや創造性も重視されています。色使いや盛り付けに工夫を凝らした寿司が多く見られ、現地の美意識と結びつきながら独自の広がりを見せています。寿司は、食べるものとしてだけでなく、楽しむものとして受け取られていると言えるでしょう。</p>

<p>また、アジアや中東の地域では、宗教や食習慣に配慮した寿司が広がっています。豚肉やアルコールを使わない寿司や、現地の香辛料や調味料を取り入れた寿司など、その土地の価値観に合わせた形が選ばれてきました。ここでも、日本の寿司をそのまま再現することよりも、受け入れやすさが大切にされてきたことが分かります。</p>

<p>このように見ていくと、SUSHIは世界各地で、それぞれの暮らしに合わせて形を変えながら広がってきた食文化だと言えるでしょう。日本の寿司がそのまま広がったのではなく、受け取る側の生活や考え方の中で、新しい意味を持つようになっていったのです。</p>

<p>大切なのは、こうした変化を「本物ではない寿司」と否定しないことです。寿司はもともと、日本の中でも時代や環境に応じて姿を変えてきました。その柔軟さがあったからこそ、寿司は世界のさまざまな場所で受け入れられ、身近な食べ物として根づいてきたのです。</p>

<p>現在のSUSHIは、日本の食文化であると同時に、世界各地の暮らしの中に溶け込んだ食文化でもあります。国や地域ごとに違った意味を持ちながら存在していること。それこそが、寿司の現在の姿だと言えるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>伝統的、ワールドワイド、多種多様な寿司</h2>

<p>寿司というと、握り寿司を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし実際には、寿司は時代や地域に応じて姿を大きく変えながら受け継がれてきました。ここでは、日本各地や海外で見られる、少し変わった寿司をいくつか紹介します。</p>

<p>【1】返し寿司(岡山県倉敷市)</p>

<p>倉敷の返し寿司は、見た目だけでは寿司だと分かりません。具材を下に、酢飯を上にして箱に詰め、食べる直前にひっくり返すことで完成します。この寿司が生まれた背景には、江戸時代初期に出された倹約令の存在があります。贅沢が厳しく制限される中で、庶民は派手さを表に出さず、「隠す」工夫から生まれました。見た目は質素でも、ひっくり返した瞬間に華やかさが現れる返し寿司は、そうした時代の知恵の産物と言えるでしょう。</p>

<p>【2】こけら寿司(高知県、和歌山県)</p>

<p>寿司といえば、にぎりや巻き寿司を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、切り分けて食べる寿司として親しまれてきたのが、こけら寿司です。木の薄い板で作られた「こけら箱」に、酢飯と具材を何層にも重ねて詰めるのが特徴で、見た目の華やかさも魅力のひとつです。主に祭りや祝いの場で振る舞われ、大勢で分け合う食べ方が定着してきました。こけら寿司は、寿司が日常の食事だけでなく、人が集まる場を彩る料理として発展してきたことを示しています。</p>

<p>【3】酒ずし(鹿児島県)</p>

<p>寿司といえば酢飯を使うもの、という常識を覆すのが鹿児島の酒ずしです。酒ずしは、炊いた米に日本酒を加え、魚介や野菜とともに仕込み、蒸して仕上げる寿司で、酢の強い酸味はありません。江戸時代の南九州では酢が貴重だった一方、酒造りが盛んだったため、酢の代わりに酒を使う工夫が生まれました。主に祝い事で食べられてきた酒ずしは、寿司が土地の条件に合わせて形を変えてきた食文化であることを分かりやすく示しています。</p>

<p>【4】ホットロール(メキシコ)</p>

<p>メキシコでは、巻き寿司をパン粉をつけて揚げた「揚げ寿司」が一般的に提供されています。チーズやスパイス、フルーツを組み合わせることも多く、現地の揚げ物文化と融合した形です。寿司が冷たいという概念を覆し、日本料理としてではなく、地域の食文化の一部として受け入れられていることがよく分かります。</p>

<p>【5】フルーシ(欧米)</p>

<p>イチゴやマンゴーなどのフルーツを酢飯に乗せて巻いたりなどする創作寿司のことです。スイーツ感覚で食べられることが多く、そのヘルシーさも人気の理由です。生魚が苦手な人向けに開発されたり、リゾットのような現地の米料理から派生したりした背景があり、寿司の多様さを表していると感じられます。</p>

<p>【6】スシピザ・スシタコス(北米・中南米)</p>

<p>シャリを土台にピザのように具材を乗せたスシピザや、トルティーヤに寿司ネタを乗せるスシタコスも登場しています。これらは寿司の要素を残しながら、既存のローカルフードに組み込まれた例です。寿司が「型」に囚われることなく、多様化していくことを表しています。</p>

<p>これらの寿司に共通しているのは、「型」を守ることよりも、その土地で受け入れられる形へと変化してきた点です。寿司は固定された料理ではなく、環境や文化に応じて姿を変える柔軟な食文化なのです。この多様性こそが、寿司が世界中で生き続けてきた理由なのかもしれません。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityLI/pixta_owanOHASHILI.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 01 Apr 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ながさき一生（株式会社さかなプロダクション代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ひとり歩きする認知症の親...「鍵をかけて行動制限」はやってはいけないのか？  工藤広伸（介護作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12082</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012082</guid>
			<description><![CDATA[介護の正論と現実に板挟みでつらくならないためには？介護作家の工藤広伸さんが、ご自身の経験を踏まえて語ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="『老いた親の様子に「アレ？」と思ったら』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nintisyou.jpg" width="1200" /></p>

<p>介護をしていると、予想もつかない事態にたびたび遭遇します。介護本に書かれた専門家の意見を厳守しようとすると、現実との板挟みになってしまうと介護作家の工藤広伸（くどひろ）さんは語ります。</p>

<p>世の中にあふれる介護の&quot;正論&quot;との距離間はどうつかめば良いでしょうか? 工藤さんの著書『老いた親の様子に「アレ？」と思ったら』よりご紹介します。</p>

<p>※本稿は、工藤広伸著『老いた親の様子に「アレ？」と思ったら』（PHP研究所）を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ひとり歩き（徘徊）する親に、どう対処する？</h2>

<p>【くどひろ】介護では、たくさんの情報を集めることが大切だとお伝えしましたよね。でも、いざ親に介護が必要になったときに、その情報通りにやっても、うまくいかないことが結構あるんです。</p>

<p>【K】せっかく情報を集めたのに、なんでですか？</p>

<p>【くどひろ】目の前の現実との板ばさみになるからです。ちょっとわかりにくいと思うので、具体例をもとにお話ししていきますね。</p>

<p>【K】お願いします。</p>

<p>【くどひろ】たとえば、少し前に「認知症の人がひとり歩き（徘徊）をして、行方不明者が年間1万9000人をこえて過去最多になった」というニュースがありました。もしも自分の親が行方不明になったとしたら、Ｋさんは、どうしますか？</p>

<p>【K】そりゃ必死になって探しますよ！</p>

<p>【くどひろ】そうですよね。命を落としてほしくないから必死になって探すし、そんなことがまた起こらないように対策もしますよね。</p>

<p>【K】もちろんです。</p>

<p>【くどひろ】そのときに、たとえば、認知症の親が外に出られないように、玄関の内側に鍵をいくつもかけて親の行動を制限する家族もいます。</p>

<p>【K】命にかかわることなので、それも仕方がないと思います。</p>

<p>【くどひろ】でも、専門家のなかには、「鍵をかけて外出を制限することは、認知症の人の不安を強めたり、筋力低下を招いたりする可能性もある」と主張する人もいるんです。</p>

<p>【K】な、なるほど......。</p>

<p>【くどひろ】それは１ミリも否定のしようがない完璧な正論で、鍵をかけた家族は「自分は親にひどいことをしたな」と思ってしまうわけです。</p>

<p>【K】わたしが同じ状況になったとしたら、専門家の意見と目の前の現実のしんどさのあいだで、身動きがとれなくなりそうです......。</p>

<p>【くどひろ】正直、こういう正論と現実の板ばさみになるような情報が多くて、わたしも本当に頭を抱えています。</p>

<p>【K】くどひろさんでさえも......。</p>

<p>【くどひろ】鍵をかけないと、いつまでも介護する家族の不安は解消されません。それに、鍵をかけずに親が行方不明になって命を落とすようなことになれば、それこそ一生後悔します。専門家の主張は正論ではあるんですが、現在進行形で介護をしている人の正解になっているとは限らないんです。</p>

<p>【K】もし、くどひろさんがこの状況になったら、どう対応しますか？</p>

<p>【くどひろ】わたしなら、まずわたしなら、まず鍵をかけます。命より大切なものはないので。ほかに、GPSを使って親のいる場所をいつでも確認できるようにするし、認知症高齢者見守りネットワークにも登録します。あわせて、介護のプロの力を借りながら、親が外出する機会を増やして、筋力が低下しないように対策をします。</p>

<p>【K】どんどん現実的な策が出てきますね。</p>

<p>【くどひろ】「介護には正解がない」って言葉を聞いたことがありますか？</p>

<p>【K】い、いえ......。</p>

<p>【くどひろ】１人ひとり、体の状態や症状、環境などが違っているので、唯一絶対の答えがないってことです。でも、正解がないからといって、そこで考えることをあきらめるのではなく、正論をふまえながら、現実的な正解を見つけるようにしています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>正論だけでは介護はできない</h2>

<p>【K】ほかに、正論だけど正解ではない例ってありますか？</p>

<p>【くどひろ】「地域や社会全体で高齢者を支えよう」という言葉ですね。</p>

<p>【K】よく耳にする言葉のような......。</p>

<p>【くどひろ】そうですね。これも正論なのですが、都市部では近所づきあいがかなり減っているし、地域との関係も希薄化しています。</p>

<p>【K】たしかに、広島の実家は近所づきあいがまだ多少は残っていますが、東京のわたしの家は隣にだれが住んでいるかも知らないです......。</p>

<p>【くどひろ】共感や相互理解で、すべての介護の課題を解決できたら最高なんですけど、地域や社会が変わるのを待っている余裕のない介護者も多くいます。</p>

<p>【K】何十年もかかってしまいますもんね。それじゃあ介護が終わってしまいます......。</p>

<p>【くどひろ】ですよね。さっきから何回も「○○って言葉があるんです」とか「△△って聞いたことがありますか？」とＫさんに問いかけていたのですが気づきました？</p>

<p>【K】い、いえ......。まったく気づかなかったです（汗）。</p>

<p>【くどひろ】実は、それらの言葉って介護の本によく出てくる有名なフレーズなんです。これからＫさんが情報収集していくなかでも必ず目にすると思います。でも、いざわたしが母のことで現実的な介護をせざるをえなくなったとき、「こんなことをしていいのだろうか？」と悩みました。ちゃんと情報収集していたからこそ、介護の正論にふれすぎてしまっていて、新しい不安が増えてしまったんです。</p>

<p>【K】正論と現実の正解のあいだには、やっぱり溝があるんですね......。しかも、くどひろさんは、いろいろ発信活動をされているから、余計に悩みそうです。</p>

<p>【くどひろ】そうなんです。わたしがやっているリアルな介護の姿を発信したら、専門家の意見に反していると思われて、炎上するんじゃないかって何度も思いました。</p>

<p>【K】実際にクレームなどが来たことはあったんですか？</p>

<p>【くどひろ】はい。たとえば、見守りカメラで母を見守ることですかね。「監視だ」とか「プライバシーを侵害している」とか。でも、正論を理解しつつも、現実的な介護をしないと認知症の母の面倒なんてみられないし、「最期まで自宅で暮らしたい」という母の願いも叶えられなくなると腹をくくってからは、葛藤もふくめて、そのままリアルな思いを発信しています。</p>

<p>【K】まさか、ちゃんと情報収集したことで、かえって悩むことになるなんて......。正論との距離感、わたしも気をつけたいと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nintisyou.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 31 Mar 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[工藤広伸（介護作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>93歳母が最期まで「しあわせ」だった秘密...後に見つけたノートの中身  有川真由美（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12097</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012097</guid>
			<description><![CDATA[作家の有川真由美さんが、毎日取り入れられる「明るい心をつくる習慣」を教えてくれます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="有川真由美" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_note.jpg" width="1200" /></p>

<p>イライラ・モヤモヤして心が落ち着かないとき、ちょっとした習慣を取り入れるだけで気分が上向くかもしれません。作家の有川真由美さんが、実際にやってみて効果を実感した小さな習慣を紹介してくれました。</p>

<p>※本稿は、月刊誌『PHP』2024年7月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>朝の「ささやかな達成感」</h2>

<p>「元気を出そう」「ポジティブになろう」と思っていても、じっとしていては、心はなかなか変わってはくれないものです。</p>

<p>手足を動かし、体を動かしているうちに、「お、なんだか元気になってきた」「だんだん楽しくなってきた」「もっとやれそう」などと思うものではないでしょうか。</p>

<p>私は、無理なくできて、ちょっと気分がよくなる小さな習慣をもつことが、心を整える習慣になると、実感しているのです。</p>

<p>そんな習慣のなかで、いちばん長く続けているのが「朝起きたときにベッドを整える」というもの。シーツの皺をぴんと伸ばし、枕をパンパンと叩いて形を整え、布団をふんわりとかぶせる。たった1、2分のことで、すっきりした気分になります。</p>

<p>きれいに整ったベッドを眺めると「さて、活動を始めましょうかね」と一日のスイッチが入り、つぎの行動への弾みがつきます。</p>

<p>ときには朝起きるのがつらくて、布団をぐちゃぐちゃなままにしたくなる日もあります。しかし、習慣になっていると、やらないとどうも落ち着かない。そんな日こそ、ちゃんとやったことで、「よしよし。よくやった、私」と自分をほめたくなります。</p>

<p>この朝の「ささやかな達成感」が、私の生活を支えてくれているような気がするのです。</p>

<p>あとで知ったことですが、ウィリアム・Ｈ・マクレイヴンという元アメリカ海軍大将も、母校テキサス大学の卒業式で「世界を変えようと思うなら、まずベッドメイクから始めましょう」とスピーチしていたそうです。</p>

<p>「毎朝、ベッドメイクができれば、その日の最初の任務完了。それによって、ささやかな誇りと、つぎの任務に向かう勇気を得ます」と。そして一日の終わりにはたくさんのことを達成し、それがいつしか大きな達成になっていく、というメッセージです。</p>

<p>ベッドメイク一つで、朝の心がすこやかに整い、その日一日の心が整うのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>10分間、手足を動かしてみる</h2>

<p>私はもともと、心配性なところがあり、仕事や人間関係のことが気がかりだったり、グサリとくることを言われたりすると、一日中、クヨクヨ、イライラしながら考えてしまう傾向がありました。</p>

<p>そんなとき、もっとも効果的な気分転換になってきたのが、「10分間、丁寧に片付けをする」という習慣です。</p>

<p>キッチンタイマーを10分にセットして、スタート。「テーブルの上だけ」「引き出しのこの部分だけ」と範囲を決めて、あえてゆっくりと丁寧に片付けるのです。</p>

<p>「丁寧に」が大事。気が焦っているとき、昂っているときは雑にやってしまいがちですが、丁寧にすることで、自然に心がこもり、いつの間にか無心でやっているもの。10分が過ぎるころには、「もうちょっと片付けたい」と思うほどですが、あえてストップ。その流れでやるべきことに移ると、丁寧に向き合うことができるのです。</p>

<p>「15分間、散歩する」という習慣も、ネガティブな気持ちになったときの気分転換として効果的。15分間歩くと、約1キロ。物理的に景色が変わり、前へ前へと進むので、心も後ろ向きにはなりにくいのです。</p>

<p>昔、母が薬の副作用でうつになり、私に当たるようになったときも、私までいやな言葉を吐かないよう、ムカッとしたら、よく近所の公園まで歩いていました。「星がきれい」「花が咲いていたんだ」なんて思いながら歩いていると、帰宅するころには心もリセットされて、笑顔になれたのです。</p>

<p>そんな母が、約半年前、93歳で他界しました。最後の数年間は、うつから解放されて、気分もおだやか。テレビでの野球やラグビーの観戦を楽しみにしていて、私ともその話で盛り上がっていました。</p>

<p>大往生だと思いつつ、私にとって唯一の家族を失った寂しさは意外に堪えたようです。ときどき心がぽっかり空いたような、こころもとない悲しみが襲ってきたのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>思い浮かんだことを書き出そう</h2>

<p>そんな私に、「ジャーナリング、やってみる？」と提案してくれた友人がいました。彼女も夫を亡くして1年間、悲しみから抜け出せずにいたところ、頭に浮かぶことを紙に書き出すというシンプルな心理療法「ジャーナリング」を毎日やることで癒やされていったと言います。</p>

<p>ものは試しと、朝起きてすぐ、コーヒーを飲みながら、「寂しい」「ありがとう」など、素直な気持ちをノートに書き殴ってみたところ、2週間もすると、「もう大丈夫」という気分に。自分の気持ちとともに、現実も受け入れられたのです。</p>

<p>自分の心の状態を客観的に見られて、そこから気づきがあったり、解決策を見つけたり。いまもジャーナリングは、感情や思考を整理するための習慣になっています。</p>

<p>最近、見つけた母の日記には、「リハビリの先生と冗談を言って笑った」「『PHP』を読んだ。いい話が書いてあった」「大谷選手がホームランを打った」など幸せなことが9割と、「体が痛い」などの苦しみが1割書かれていました。</p>

<p>毎日のように、母が「私はほんとうに幸せ」と言っていたのは、書くことで、幸せを噛み締めていたのかもしれません。</p>

<p>心を明るく整える習慣は、日々の生活や人生を肯定することにつながっていくように思うのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【有川真由美（ありかわ・まゆみ）】<br />
化粧品会社事務、塾講師、新聞社広告局編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的な存在として書籍や雑誌などで執筆する。「なぜか話しかけたくなる人、ならない人』（PHP文庫）など著書多数。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_note.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 31 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[有川真由美（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>グーグル社員が実践する「マインドフルネス瞑想」　科学的に証明された効果  河原千賀（アメリカ在住ジャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12090</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012090</guid>
			<description><![CDATA[アメリカのビジネスエリートは、なぜ瞑想に取り組むのか。アメリカ在住のジャーナリスト、河原千賀さんが教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="マインドフルネス瞑想" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_breath_.jpg" width="1200" /></p>

<p>膨大なタスクに追われ、毎日クタクタになって帰宅する......そんなビジネスパーソンは多いだろう。変わらない日々を過ごしがちだが、アメリカのビジネスエリートは、「ある工夫」をしながら効果的に休む術を知っている。本稿では、ロサンゼルス在住の河原千賀佳氏が、グーグル社員が実践している「マインドフルネス瞑想」について紹介する。</p>

<p>※本稿は『グーグル社員はなぜ日曜日に山で過ごすのか』（PHPビジネス新書）より抜粋・編集を加えたものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>グーグル社員が実践するマインドフルネス瞑想</h2>

<p>マインドフルネスとは、過去を振り返ったり、未来を想像したりせず、「いま、自分がいる、ここ」に意識を向ける状態をいう。「いま、この瞬間」に意識を集中させて、思考や感情にとらわれず、客観的にただ観察する心の状態だ。</p>

<p>もともとは、スリランカやミャンマーの上座部（テーラワーダ）仏教において、仏典に用いたパーリ語「サティ」の英語訳で、欧米文化に馴染むように、宗教色を取り外したものがマインドフルネスだ。</p>

<p>マサチューセッツ大学医学教授のジョン・カバットジンがマインドフルネスを医療分野に取り入れたところ、科学的にもその効用が証明されたことから欧米人に受け入れられた。</p>

<p>健康やストレス解消のみならず、集中力の強化、仕事の効率アップなどの効果を期待してマインドフルネスを取り入れるビジネスパーソンも多い。</p>

<p>さて、グーグル流のマインドフルネスは、「サティ」をわかりやすく体系化したことで、いまや多くの企業にも導入されている。</p>

<p>『サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』（チャディー・メン・タン著、柴田裕之訳、英治出版）によると、マインドフルネスの目的は、どこか別の場所へ行くことではなく、いま、この場所に完全に存在し、その完全な存在と意識の力を、いまこの瞬間に認識すること、とある。</p>

<p>言い換えると、マインドフルネスは「己の内を探る旅」であり、幸せとはトレーニングで身につけることができる「技能」だという。</p>

<p>努力次第で、幸せも手に入れられる。アメリカ人好みの考え方で、いかにもグーグルから生まれた即効性のある、実用的なプログラムのようだ。</p>

<p>そこで、SIY（サーチ・インサイド・ユアセルフ）グローバルサイトにアクセスしてみた。</p>

<p>SIYは神経科学、マインドフルネス、EQ（心の知能指数）の3つの軸から成り立ち、マインドフルネスは注意力トレーニング、とも呼ばれている。4週間のプログラムはオンラインでも受けられる。</p>

<p>実用的かつ、科学的根拠に根差した方法で、EQ、ウェルビーイング、忍耐強さ、個人的、企業的リーダーシップを向上することが約束されている。</p>

<p>20カ国以上で、10万人以上の人がこのプログラムを受け、93パーセントの人がこのプログラムを推薦する、とアンケートに答えた実績まで記されている。</p>

<p>お寺で無心に瞑想する僧侶の姿を目にしている日本人にとっては、トレーニングと呼ばれるマインドフルネス瞑想は、実用的すぎて、少し違和感があるかもしれない。</p>

<p>なんとなく、初めてアメリカで「カリフォルニアロール」というアボカドとマヨネーズの入った寿司を見たときのような気分だが、これがけっこう美味しい。初めは生の魚に抵抗を感じていても、そこから一般的な寿司にチャレンジするアメリカ人は多いものだ。</p>

<p>あまり難しく考えすぎず、ジムに行くような感覚で、マインドフルネス瞑想を体験してはいかがだろうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>時間がなくても、まずやってみる</h2>

<p>『サーチ・インサイド・ユアセルフ』では、「瞑想は運動のようなもの」と語られ、目的に合わせたいくつかの「エクササイズ」が用意されている。そのなかから、最も簡単な「2分間でできる瞑想」の要点だけを紹介する（もっと詳しく知りたい方は、一読をすすめたい）。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●2分間でできる! マインドフルネス瞑想</p>

<p>【準備1】良い意図を生み出す</p>

<p>この「良い意図を生み出す」という行為自体が、瞑想の一形態なのだ。「私は落ち着いている」「いまの自分に集中しよう」など、同じ意図を何度も生み出し、習慣化し、行動を導く。</p>

<p>【準備2】呼吸をたどる</p>

<p>意図を生み出したら、呼吸のプロセスにそっと注意を向ける。これだけでいい。気が散ったら、呼吸のプロセスに注意を戻し、再び集中する。このとき、自己批判やネガティブな自己評価が頭をよぎったら、自分への優しさや好奇心に満ちたポジティブな考えに促すこと。</p>

<p>ここまでできたら、実践しよう。</p>

<p>【実践】</p>

<p>まずは、リラックスして、ラクな姿勢で座る。</p>

<p>続いて、ゆっくり3回深呼吸をする。自然に呼吸し、鼻の穴、お腹、呼吸する体全体におだやかな注意を向ける。<br />
吸気と呼気のあいだを意識する。感覚や考えや音によって気が散っても、ただそれを認め、経験し、優しくそれを放してあげよう。こんなイメージだ。</p>

<p>息を吸い込みます。私は穏やかです<br />
息を吐き出します。そして微笑みます<br />
いま、この瞬間は素晴らしい、と感じて終了</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>これなら、簡単に始められそうだ。大切なのは、続けること。筋トレと同じだ。そして、少しずつ時間を増やしていこう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 30 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[河原千賀（アメリカ在住ジャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>70歳目前で夫の不倫・離婚　102歳の医師が語る、どん底で出会ったもう一人の自分と「光の決意」【後編】  グラディス・マクギャリー（医師）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13997</link>
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			<description><![CDATA[70歳目前、夫の不倫と離婚。人生の「茶番」に絶望し怒りの咆哮――。どん底で出会った「もう一人の自分」の導きで、自ら幸せを選択し、新たな人生を切り拓いていった経験を、102歳の医師が綴ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="70歳目前で人生のどん底を味わったマクギャリー博士はどのようにして立ち直ったのか" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_forest1.jpg" width="1200" /></p>

<p>人生には、これ以上耐えられないと思うほどの出来事が突然訪れることがあります。医師のグラディス博士は、46年連れ添った夫に不倫されたあげく、離婚を申し渡されてしまいました。従順なよき妻でいようと努力した結果の裏切り。信じていたものが崩れるとき、人はどのようにして立ち直るのでしょうか。<br />
本稿では、幸せな人生を送るための哲学を『102歳の医師が教える 健康と幸せを保つ秘訣』に綴った医師のグラディス博士が、大きな試練と向き合い、どのようにして自分のマインドを立て直していったのか語ります。</p>

<p>※本稿は、グラディス・マクギャリー著『102歳の医師が教える 健康と幸せを保つ6つの秘訣』(&amp;books/辰巳出版)より、内容を一部抜粋・編集したものの後編です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「誰かを理解したかったら、その人の靴を履いてみることよ」</h2>

<p>その日の夜、ビルはゲストルームに移動し、その後まもなく家を出ていった。&nbsp;<br />
出ていくときには、自分のものは、ほぼすべて持っていった。戻ってくるつもりがないことの、意思表示だったのかもしれない。残していったもののひとつが、例の古いスリッパだった。彼が去ってから、うめきながら、泣きながら家のなかを歩きまわった。不安に閉じこもらないように、 身体を動かそうとしていると、スリッパが目に入り、まるで私にウィンクしているように感じた。&nbsp;</p>

<p>とうとう、グラディス博士が声をあげた。「いいこと、グラディー、ママがいつも言っていたでしょ。誰かを理解したかったら、その人の立場になって考えてみることって。その人の靴を履いてみることよ。ビルのこと、わかろうとしてみて」&nbsp;</p>

<p>そのアドバイスに従うには、持てる生命力のすべてを動員する必要があった。&nbsp;<br />
そして彼のスリッパを履いて1日中歩きまわり、夜になって目的もなく、庭に出た。そこでとまり、吠えた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>怒りの叫び、そして新しい未来の予感&nbsp;</h2>

<p>数カ月がたち、ビルからまた手紙を受け取った。今度は郵送で、結婚式の招待状だった。彼と、例の看護師から管理者になった女性との結婚式。私たちのものだったクリニックの管理を彼女に任せ、ふたりで運営していけるように、私は去ることを余儀なくされていた。結局のところ、彼の魂はそれほど長くひとりでいなくてもよかったようだ。&nbsp;</p>

<p>疑ってはいたものの、単なるいい友達だという彼の言い分を、ずっと信じようとしてきた。それに私たちの結婚は盤石だと思っていた。あらゆる面で、真のパートナーだと感じていた。彼が別れを選んだことでそれは崩れ、あの招待状を送ってきたことで、理由もはっきりした。結婚していた数十年間は茶番のように感じられた。これほど傷つき、屈辱を感じたことはなかった。</p>

<p>よりによって、彼が招待状を送ってきたのは、私の新しいクリニックだった。私は歯を食いしばってその日を乗りきった。でも帰り道、ハンドルを握りしめてハイウェイを走りながら、叫びはじめた。庭で、身体のなかから出てきた苦悩のなげきではなかった。もっと深いもので、うめき声から、うなり声、咆哮へと変わった。それは怒りだった。運動場で右フックに込めたのと同じ怒り、生き延びるために闘うことを要求したのと同じ、純粋でシンプルな怒りだった。神様に向かって叫び、ビルに向かって叫び、宇宙に向かって叫び、人生そのものに向かって叫んだ。十分間くらい、叫び続けた。もうやめられないと思った。やめたくないと気づいた。</p>

<p>それから、叫びはじめたのと同じくらい突然、私はとまった。<br />
その瞬間、何か未知のものがやってくるのに気づいた。グラディス博士が現れて、主導権を握ったのだ。それまで、私の将来はビルと結婚していることだった。だが今、想像もしていなかった未来が目の前に開けたのだ。そしてその未来には、私が感謝するに値するものがあった。この先にはチャンスが待っている。この経験には、何か学びがあった。その&quot;何か&quot;がなんなのかは、その時点では見当もつかなかったけれど。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「幸せでいること」を選ぶという決断</h2>

<p>シルクのようにやわらかくて強い、母のことを思いだした。大学時代、他の女の子たちからなんと呼ばれていたかがよみがえってきた。&quot;ハッピー・ボトム（幸せなお尻）&quot;。名前の&quot;Gladｰass（グラッド・アス）&quot;の意味を取って、少し上品な言い方にもじったものだ。ビルの決断を変えることはできないが、こちらの反応を変えてglad（幸せ）でいることはできる。「何かしら感謝することはあるものよ。この状況でも」グラディス博士がカウンセリングを行い、グラディスは車の運転を再開した。数日後、新しいナンバープレートを申請した。その後何年も、私の車のうしろについていたものだ。&quot;BE GLAD（幸せでいること）&quot;</p>

<p>フェニックス都市圏を縦横に、車を走らせた。結婚の解消が公になったにもかかわらず、感謝していた。そして娘のヘレンと始めた真新しいクリニックの駐車場に車をとめた。私自身は一般的には引退する年齢をすぎていたが、ヘレンなら個人ローンを組めたのだ。何をすべきかわかっている自分に耳を傾け、学びを見つけ、人生は続いていくのだと悟った。</p>

<p>どれほど打ちひしがれていても、どうすればいいのかわからなくても、私たちのなかにはどこかしら、はっきりと何をすべきかわかっている部分がある。人生が何を投げこんできても、必ず小さな声が導いてくれる。私はその賢い自分を、グラディス博士と呼んでいる。あなたは自分を導く声を、好きな名前で呼ぶといい。でもあなたのなかにも必ず存在している。それだけは保証する。私たちはそれぞれに、もう無理だと思う瞬間を、乗りこえる知恵を持っている。それを信じることが大切だ。</p>

<p>人生でもっとも困難な試練に直面したとき、私たちの生命力を再び燃えあがらせるのは、車のなかで私が体験したようなことだ。知恵を求め、どれだけ傷ついていても学びを探すことだ。体験すると、それとわかる。気分が高揚し、飛び跳ね、突然動きに自由を感じる。計り知れないパワーを感じる。実際にそのパワーがあるからだ。</p>

<p>そして人生は、続いていく。もう無理だと思う前と変わらない。新たな課題が現れ、私たちは光を選ぶという決意の前で揺らぎ続ける。選択した瞬間に、一気に治癒はしない。それは進行していくプロセスだ。でも進んでいくにつれ、魔法のようなことが起こる。過去の痛みから、多くのものを引きだせるようになるのだ。古い傷跡からも学び続けることができ、次に起こることにどう対処するかに影響を及ぼす。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 30 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[グラディス・マクギャリー（医師）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>『ハゲタカ』次作の舞台は宇宙かフランス？ 真山仁が明かすシリーズの次なるテーマ  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13900</link>
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			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="真山仁さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260304Mayamajin03.jpg" width="1200" /></p>

<p>小説家・真山仁さんの最新作『チップス&nbsp; ハゲタカ6』は、前作『ハゲタカ5 シンドローム』から8年。主人公・鷲津政彦が「半導体覇権」と、緊迫する「台湾有事」に対峙します。</p>

<p>刊行を記念して行われたトークイベントでは、日経BPの担当編集者・白壁達久さんが聞き手を務め、真山さんの「小説家」という肩書へのこだわりやキャラクターの作り方、そして今後の『ハゲタカ』シリーズの構想までが深く掘り下げられました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>64歳になった鷲津政彦の変化</h2>

<p>――主人公の鷲津政彦は現在何歳という設定なのでしょうか。20年近く続いているシリーズなので、鷲津自身も変化してきている部分があるのではないでしょうか。</p>

<p>【真山】鷲津は私と同い年という設定にしています。私は昭和37年生まれなので、今年64歳になります。つまり、鷲津も64歳です。シリーズ作品では登場人物について、二つの選択肢のどちらかを選ばなければいけません。</p>

<p>一つは、年齢をまったく変えないという方法です。例えばエルキュール・ポワロは、登場したときすでに70歳前後でしたが、1920年から50年間ほとんど年を取っていません。おそらくアガサ・クリスティ自身、ポワロを長く書き続けるつもりがなかったのだと思います。</p>

<p>もう一つは、年齢をきちんと重ねさせる方法です。アメリカのハードボイルド小説などでは、主人公が年を取っていくケースが多いです。『ハゲタカ』シリーズの場合、作品の中で「何年何月」と時代を明示している以上、年齢も重ねていくしかなかった。</p>

<p>問題は、同い年だからこそ、自分自身の変化を客観的に見るのは難しいことです。私は自分では大人になった、変わったと思っていますが、知り合いに言うと、「何言ってるんですか、全然変わってないでしょう」と笑われたりします。そこをどう表すかは悩むところでしたが、変える努力はしています。</p>

<p>――どのあたりを変えようとされたのでしょうか。ネタバレにならない範囲で教えてください。</p>

<p>【真山】これは私自身の目標でもあるのですが、尊敬しているイギリスの小説家が二人います。P・D・ジェイムズとジョン・ル・カレです。</p>

<p>P・D・ジェイムズはアガサ・クリスティの系譜に連なり、英国ミステリーの女王とも言われる存在です。もう一人のジョン・ル・カレは、スパイ小説のキングですね。</p>

<p>この二人は若いころ、とても難解な小説を書くことで知られていました。読むのが大変だと言われるような作品ばかりです。例えば映画化された『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』（『裏切りのサーカス』の原作）は、読むだけで自慢できると言われるくらい難解な小説でした。</p>

<p>ところが二人とも、70歳を過ぎてから作品がとても読みやすくなったのです。何よりすごいのは、若者を瑞々しく描けることです。</p>

<p>自分が70歳になったとき、同じように書きたい、そのためにはどうすればいいかと考えました。おそらく一度、自分が持っていたものを手放す必要があるのだと思います。言い方を変えれば「枯れる」ということです。人は枯れて、そこから円熟に向かうのではないか。</p>

<p>最後まで戦い続けて前に倒れて死んでいく生き方もあると思いますが、個人的には大人として成長し続けたい。だから私自身の目標は「円熟」です。円熟へ向かうには、必然的にどこかで枯れていかなければならない。</p>

<p>ですから、鷲津も枯れさせたい。私は小説を書くとき、登場人物とずっと会話をしています。鷲津とも「どうする」「君はどう大人になっていくんだ」と対話し続けているような感覚です。</p>

<p>今回はかなり意識して、「鷲津、変われ」と念じながら書きました。変わったかどうかは、読者の方に判断していただくしかないと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分と価値観の違う人物を描くには</h2>

<p><img alt="チップス" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260304Mayamajin05.jpg" width="1200" /></p>

<p>――『チップス&nbsp; ハゲタカ6』には多くの登場人物が出てきます。読んでいて「こんな人物も描けるのか」と驚かされる場面も多いのですが、キャラクターに命を吹き込むとき、登場人物同士の対話はどのように組み立てているのでしょうか。</p>

<p>【真山】私は新聞記者を2年半で辞め、その後はフリーライターとして広告系の原稿を書く仕事をしていました。エンターテインメントに関する原稿を書くことが多かったのです。</p>

<p>正直に言うと、「この音楽のどこがいいんだろう」とか、「この芝居は退屈だ」と思うものを、魅力的に書かなければならないことがありました。</p>

<p>そんなときは、「これはどういう人が面白いと思い、好きになるのだろう」と考えて書いていました。その作品を好きになる人の立場に立つことを、自分のミッションにしていました。</p>

<p>当時は、小説家になるための訓練だという意識もありました。好きなものについてなら誰でも書けます。難しいのは、自分とは価値観の違う人の視点で書くことです。</p>

<p>例えば、私は納豆が嫌いですが、納豆を「ものすごくおいしい」と言う人がいる。その人は、そのおいしさをどう表現するのか。そういうことを考え続けてきました。その経験が、キャラクターの幅を広げることにつながっていると思います。</p>

<p>もう一つ大事なのは、登場人物を際立たせるための「カウンターパート」です。よく対立構図と言われますが、単純な対立とは少し違います。モノローグだけで人物の性格を伝えるのは難しいのですが、2、3ページほど会話をさせると、二人の性格が自然と浮かび上がってきます。</p>

<p>例えば、まだ輪郭がはっきりしていないキャラクターがいる場合、その人物を際立たせるために、別の人物があえて圧をかける場面をつくる。そして会話や内面描写を通して、その人物の性格を浮かび上がらせていきます。そうやって、それぞれの場面で「この人物ならどう振る舞うのか」を考えながら、会話を組み立てています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>戯作者こそ社会を照らす存在</h2>

<p>――『ハゲタカ』はデビュー作でもありますが、真山さんにとってどのような存在なのでしょうか。</p>

<p>【真山】デビューから21年が経ちました。『ハゲタカ』は本編が6作、スピンオフを含めると8作あります。間違いなく自分のライフワークとなるシリーズです。</p>

<p>1作目は単行本の時点でもそれなりに注目されて売れましたが、やはりNHKでドラマ化されたことが大きかった。正直、「こんなに本って毎週売れていくんだ」と実感した作品でもあります。『ハゲタカ』がなければ、いまここに私はいないと思います。それくらい大きな存在です。</p>

<p>私にとって『ハゲタカ』は大好きな作品であり、自分の小説の基本でもあります。今でも頭の中には、『ハゲタカ』を書いていたときのワクワクした感覚が残っています。どの作品を書くときにも、「あのワクワクを超えているか」と自分に問い続けています。そういう意味でも、とても大切な作品ですね。</p>

<p>――今回のイベントの告知文で「人気作家・真山仁」と書いたところ、「作家」の部分に赤字を入れて「小説家」に修正されていました。これはどういった理由からだったのでしょうか？</p>

<p>【真山】「人気」のところにも赤を入れませんでしたか？（笑）。</p>

<p>「作家」という言葉は、どこか芸術家のような響きがありますよね。それよりも、私はエンターテインメント小説の「戯作者」だと思っています。</p>

<p>別に、自分を卑下しているわけではありません。むしろ、戯作者こそ社会を照らす存在だと思っています。</p>

<p>例えば歌舞伎です。映画『国宝』の影響もあって歌舞伎を見る人が増えましたが、歌舞伎は、言ってみればワイドショーのようなものです。実際に起きた心中事件などを題材に舞台にしている。</p>

<p>脚本を書いた人たちは、もともと「戯作」を書く人たちと呼ばれていました。そこには人間の真実が描かれている。同様に私も高尚な文学を書いているつもりはありませんし、「作家」という言葉には少し芸術家的な響きがあるので、敢えて「小説家」でありたいと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『ハゲタカ』シリーズ、今後の構想</h2>

<p>――6作目が出たばかりですが、今後についてはどのように考えていらっしゃいますか。</p>

<p>【真山】実は、三つほどテーマを考えています。</p>

<p>一つ目は、フランスの某巨大ファッションメーカーを題材にした話です。ただこれを連載すると広告が取れなくなる可能性が高いので、なかなか実現が難しい（笑）。</p>

<p>二つ目はスタートアップです。今回の作品に登場する台湾の半導体メーカーは、時価総額が130兆円を超えます。日本の国家予算より大きいくらいです。そんな企業を買収できるのか、という世界ですよね。今度は逆に、規模は小さく将来性の大きいスタートアップの世界を書いてみたいと思っています。</p>

<p>三つ目は宇宙開発です。民間企業が宇宙ビジネスを広げていく流れは、世界のトレンドです。それなのに日本では、いまだに宇宙を「夢」として語っている。宇宙は本来、ビジネスになり得るものです。</p>

<p>最近では、小惑星にレアアースが存在する可能性も指摘され、理屈の上では、プラチナだけの星や金だけの星があるかもしれないとも言われています。アメリカや中国、ヨーロッパなどが月に拠点を置き、無人探査機を飛ばして小惑星を採掘する構想も出てきています。</p>

<p>小惑星は誰のものでもないので、最初に到達して旗を立てた国のものになる。こうした分野は巨大企業でなくても参入できる可能性があります。そこも面白いテーマになると思っています。</p>

<p>もう一つ付け加えるとすると、最近の『ハゲタカ』では、アングロサクソンの世界と対峙する構図が多いのですが、今度はフランスを舞台にしてみたいですね。</p>

<p>関心があるのは「食」についてです。これからはエネルギー以上に、世界の食料供給が大きな問題になる可能性がある。現在でも食料備蓄はありますが、小麦や米を圧倒的に独占している企業はほとんどありません。</p>

<p>そこで、世界有数の美食の国であるフランスを舞台に、鷲津を活躍させる物語も面白いと思っています。もし『日経ビジネス』が連載してくれるなら、喜んでフランスやオランダに取材に行きます（笑）。</p>

<p>いずれにしても、次は8年もお待たせするつもりはありません。連載から単行本までには最低3年ほどかかりますが、3年後には次の作品を出せるように頑張りたいと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 30 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>31歳で仕事をやめ、医学部受験　勉強へと奮起させた「20代のがん闘病経験」  松浦美郷（研修医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12067</link>
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			<description><![CDATA[32歳で医学部に合格した松浦美郷さん。そのきっかけは、自身のがん闘病経験だったといいます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="松浦美郷 医学部受験" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Study.jpg" width="1200" /></p>

<p>研修医の松浦美郷さんは30代で医師になると志し、医学部に入学。きっかけは、自身のがんでした。目標に向かって勉強に励む松浦さんにお話しを聞きました。</p>

<p>取材・文：鈴木裕子</p>

<p>※本稿は、月刊『PHP』2024年4月号より、内容を抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>24歳で訪れた闘病生活</h2>

<p>31歳で仕事をやめ、医師を目指そうと勉強を始めました。約9年前のことです。まさか自分が医師の道を志すなんて、思ってもみませんでした。</p>

<p>幼いころは絵を描くのが好きで、頭のどこかで「将来は美術の道に進めたらいいな」と思っていました。高校を卒業し、香川から上京して理系の大学に進んだのですが、自分がやりたいのはもっと別のことだと気づいて退学。改めて美術系の大学を受験し、空間デザインの学科で学び始めました。</p>

<p>授業やアルバイト、部活で忙しく、課題の締め切り前は2、3日徹夜することもありました。体調がすぐれなくても、「疲れがたまったかな」と気にしませんでした。</p>

<p>24歳で大学2年生だったある日、肩こりがひどく、大学病院の整形外科を受診しました。念のために血液検査を受けるように言われて採血をしてもらうと、翌日、病院から「すぐに血液内科を受診するように」と連絡が入り、先生から「悪性リンパ腫という病気だと思う」と告げられました。</p>

<p>実は当時、それほどショックは受けませんでした。病名を聞いたことがなく、ピンと来なかったんです。先生に抗がん剤治療の副作用について説明され、「大変だと思うけど、一緒にがんばりましょうね」と言われても「あ、はい」という感じで（笑）。</p>

<p>治療を始めると、想像以上に大変でした。体はだるくなり、髪の毛も抜けて......。でもそれ以上につらかったのがメンタル面です。その年に計画していたことを何一つ進められず、友人たちの近況を知ると、自分だけ置いていかれた感覚でした。1カ月後に父の勤務先である香川の小児病院に移って治療を続けたものの、この生活がいつまで続くのかと孤独感がつのりました。</p>

<p>8カ月の治療を終えて寛解し、翌年の4月に復学したのですが、約1年後に再発。ショックでした。初発のときはわけもわからず治療を受けましたが、今度は治療の内容もわかっているので「あの苦しみをまた味わうのか」と落ちこみました。</p>

<p>ただ、体への負担は大きかったものの、精神的にはしっかりしていました。病棟でがんと闘う同世代の2人の女性に出会えたからです。たわいない話ができ、苦しさやつらさを共有できることに救われました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>勉強しなかったら一生後悔する</h2>

<p>都内の病院での治療を終え、再び寛解と診断されたため復学。卒業後はデザインの仕事に就いたのですが、自分の病気について改めて知りたくなり、講演会などに足を運ぶようになりました。そこで、「AYA(アヤ)世代」を知ったのです。</p>

<p>「AYA世代」とは、15～39歳の世代を指す言葉で、この世代でがんになると、進学や就労、妊娠、友人関係など多くの悩みを抱えることになります。それらの悩みに直面したからこそ、課題を解決するために自分にも何かできるかもしれないと思いました。</p>

<p>また、空間デザインを学んでいた身として、長く入院していたときから「病室は人が『住む場所』としてデザインされていない。もっと患者に寄り添った空間にする必要があるのでは」と考えていました。医療者になれば、この空間を変え、芸術と医療をつなげられるのではと思ったのです。</p>

<p>この2つの思いから、医師を目指すと決めました。予備校に通い始めると、知識の吸収力の低下を実感し「こんなにも覚えられないのか」と愕然としましたが、ここでくじけてあきらめたら一生後悔する、とにかく1年はがんばろうと勉強を続けました。</p>

<p>昼間は授業に出て、帰りにカフェで復習や予習をし、わからないところは、授業動画をいつでも見られる「スタディサプリ」を活用しました。予備校の授業や教科書だけでは理解できなかった内容も、くり返し視聴して習得しました。そうして大学入試センター試験を受け、その得点で受験できる国公立大学を探し、無事に32歳で旭川医科大学医学部に入学しました。</p>

<p>大学での勉強は予備校以上に大変でしたが、解剖で人体の仕組みを学ぶなど、知らなかったことにたくさん出合えました。自分に近い病気はより興味を持って勉強しましたし、絶対に留年しないようにテスト前は猛勉強してなんとかついていきました。</p>

<p>そのかたわら、旭川でAYA世代の患者会「アヤシップ」を立ち上げました。交流会の様子をSNSで伝えたり、実際に会って相談を受けたり。私自身、たがいに弱音を吐ける相手がいたからつらい闘病を乗り越えられたので、ひとりで悩む人の力になりたいという思いで活動を続けています。</p>

<p>現在は、北海道大学病院で初期研修を終えて、専門が小児科に決まり、専門医の資格を取るために約3年の後期研修が始まるところです。AYA世代や子供の患者さんと向き合いたくて、この道に決めました。</p>

<p>勉強は医師国家試験に受かったらなんとかなると思っていましたが、医学は日進月歩で、がんについてもどんどん新しい治療法や薬が見つかります。同じ病気でも副作用の少ない薬を処方するようになるなど、私が治療を受けていたときよりもはるかに進歩しています。</p>

<p>それらを取りこぼさないよう、治療法が確立されていない病気は論文を読んだりして、常に情報と知識をアップデートする必要があるのです。</p>

<p>学んでも学んでもきりがないというのが正直なところで、志をしっかり持たないと、日々の忙しさに飲みこまれてしまう。だからこそ、自らの闘病体験を念頭に、この仕事は私にしかできないと思いながら、学び続けていきたいです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【松浦美郷(まつうら・みさと)】<br />
1984年、香川県生まれ。2008年、24歳で悪性リンパ腫と診断される。治療を経て、32歳で旭川医科大学に入学。19年、旭川のAYA世代患者をサポートする「AYAship-アヤシップ」を立ち上げる。22年に大学を卒業し、現在は北海道大学病院に勤務。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Study.jpg" />
						
						<pubDate>Sun, 29 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[松浦美郷（研修医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>休日に長く寝てもすっきりしない人が抱える「睡眠負債」 その危険性は?  西野精治（スタンフォード大学医学部精神科教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12024</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012024</guid>
			<description><![CDATA[多くの現代人が抱えていている「睡眠負債」。その危険性について、スタンフォード大学医学部精神科教授・西野精治さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sleepyman_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>平日の睡眠不足を取り戻そうと、休日は長く寝ている、という方は多いでしょう。しかし、長時間寝てもすっきりしないという人は「睡眠負債」を抱えているかもしれません。スタンフォード大学医学部精神科教授・西野精治さんによる書籍『スタンフォード大学西野教授が教える 間違いだらけの睡眠常識』より、睡眠負債の危険性について解説します。</p>

<p>※本稿は、西野精治著『スタンフォード大学西野教授が教える 間違いだらけの睡眠常識』（PHP研究所）の一部を再編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>休日に長く寝てもすっきりしない人は......</h2>

<p>いまだに多くの人は寝だめについて誤解しているようです。</p>

<p>「週末に寝だめする」などとよくいいます。しかし残念ながら、睡眠は&quot;貯蓄&quot;できません。</p>

<p>「来週忙しくて睡眠不足になる可能性があるから、いまのうちにたくさん寝ておきます」</p>

<p>こんなことは不可能なのです。プリペイドカードのように、「チャージしてあるので、ここから差し引いて」という気持ちでいても、脳も身体もそうは認識してくれないのです。</p>

<p>休日には、平日よりもいくぶん長く眠るという人が多いと思いますが、それは事前の寝だめではなく、すでに睡眠が不足している分を補塡しているのです。</p>

<p>眠りたいという欲求を「睡眠圧」といいますが、たとえば徹夜をした後は、睡眠圧が強い。目覚ましをセットしないでいい状態ならば、おそらく普段より睡眠時間は長くなります。睡眠不足分を補おうとするからです。</p>

<p>同様に、2〜3日ぐらいの睡眠不足でしたら、その後の休日に長めに眠ることで不足分を取り戻すことができます。つまり、清算できるわけです。</p>

<p>ところが、3週間、4週間と不適切な睡眠量がつづくと、取り戻せなくなります。睡眠不足が慢性化して、借金が雪だるま式にふくらんで返済のメドが立たなくなってしまう。そのにっちもさっちもいかなくなってしまう状態が、「睡眠負債」なのです。</p>

<p>ただ、脳がどうやって「睡眠が足りている」とか「不足している」というのを測っているのか、またその代償機序（不足を満たすための仕組み）はあるのかなどは、まだわかっていません。ですから、どうしたら睡眠負債を代償できるか、という根本的なところもわからないのです。</p>

<p>したがって、いまいえることは「とにかく眠るしかない」ということです。</p>

<p>休日に普段よりも長く寝ても、疲れがとれた感じがしない、すっきりしないという人は、すでにかなり睡眠不足が累積している可能性があります。</p>

<p>普段よりよけいに眠らずにはいられない......、その状況がすでに慢性の睡眠不足、睡眠負債の兆し。自分では貯蓄のつもりでとっていた週末の長寝、じつは膨大な借金を一部返済しているに過ぎないのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>こんなに危険な「睡眠負債」</h2>

<p><img alt="睡眠負債のイメージ" height="737" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250324Nishinoseiji01.jpg" width="1200" /></p>

<p>「睡眠負債（sleep debt）」という表現を用いて、積み重なる睡眠不足に警鐘を鳴らしはじめたのは、アメリカ人のウィリアム・C・デメント教授です。</p>

<p>私も籍を置くスタンフォード大学睡眠研究所の創設者で、今日の睡眠研究を牽引してこられた第一人者。米国では「睡眠医学の父」とよばれています。レム睡眠を発見したシカゴ大学のクライトマン研究チームのひとりでもあり、急速眼球運動のある睡眠のことを「レム睡眠」と呼びはじめたのもデメント教授でした。残念なことにデメント教授は2020年6月に92歳で逝去されました。</p>

<p>「ヒトは一定の睡眠時間を必要としており、それより睡眠時間が短ければ、足りない分がたまる。つまり眠りの借金が生じる」</p>

<p>デメント教授はこれを「sleep debt」と呼び、「借金がたまると、脳や身体にさまざまな機能劣化が見られる。睡眠不足は危険である」と呼びかけたのです。1990年代のことです。アメリカでも、日本と同じように「睡眠不足（sleep insufficiency）」という言葉は一般によく使われています。</p>

<p>では、睡眠不足と睡眠負債はどう違うのか。</p>

<p>いうなれば、「手持ちのお金が足りず、借りをつくるものの、すぐに返済できる状態」が「不足」、「借金に次ぐ借金で、借りがどんどんふくらみ、返すあてもなく、にっちもさっちもいかなくなる」のが「負債」。こう考えると違いがわかりやすいでしょう。睡眠不足が積み重なり、慢性化してしまうことで、睡眠負債に陥るのです。</p>

<p>日本で「睡眠負債」という言葉が流行語になるほど広まったのは、2017年にNHKの番組が取り上げたことがきっかけでしたが、睡眠研究に携わっている人たちは以前から使っていた言葉でした。</p>

<p>ただ、睡眠不足の累積を意味する比喩表現として用いていたので、睡眠負債の概念そのものを議論し、医学的に定義づけするようなことはあまり行われてきていません。そのため、睡眠負債についての認識は、研究者によって微妙にニュアンスが違うようなところもあります。</p>

<p>しかし、睡眠不足の蓄積が、がん、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、うつ病などの精神疾患、認知症など、さまざまな発症リスクを高めることが、各方面の研究結果から明らかになってきており、睡眠負債の増大に歯止めをかけなくてはいけないという共通認識は、研究者の間で非常に高まっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>4週間におよぶ実験でわかったこと</h2>

<p><img alt="毎日14時間ベッドに入るとどうなる?" height="937" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250324Nishinoseiji02.jpg" width="1200" /></p>

<p>デメント教授が睡眠負債について説明するときに、よく用いていた実験結果があります。1994年に行われた4週間におよぶ睡眠時間計測の実験です。</p>

<p>若く健康な8人の被験者に、毎日同じ時間にベッドに入り、好きなだけ眠ってもらいます。ルールとして、眠れても眠れなくても、必ず毎日14時間ベッドで横になっていることを課しました。そして4週間にわたっての睡眠時間の変移を調べたのです。</p>

<p>もっとも典型的な被験者の場合、実験前の平均睡眠時間は7.5時間でした。はたして睡眠時間はどう推移するのか。</p>

<p>実験初日は、ベッドにいなければいけないと決められた14時間のうち、13時間眠れた。2日目も、13時間近く眠れた。ところが、日を追うごとに睡眠時間は減少し、1週間ぐらいすると、ベッドに入っても4〜5時間は眠れないようになった。</p>

<p>これをつづけたところ、3週間後に、睡眠時間が8.2時間になり、それ以上睡眠時間が減ることはなくなりました。そこで固定したのです。このことから、この被験者が生理的に必要とする睡眠時間は、8.2時間であろうと判定されました。</p>

<p>健康で睡眠に特に問題はないということで実験に参加した人にも、じつは約40分（実験前平均7.5時間&rarr;実験後平均8.2時間）の眠りの借金がありました。本人の自覚がないなかで借金はたまっていたのです。</p>

<p>さらに見逃せないのは、その約40分の睡眠不足状態から、自分にとって適正な睡眠時間に戻るためには、毎日好きなだけ寝ても3週間もの時間を要したことです。</p>

<p>たまった睡眠不足は容易に取り戻せない。だから負債になっていきやすいのです。そこに留意してほしいと、デメント教授は一般の方向けの講演でよくこの実験のことを語っていました。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sleepyman_1.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 28 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[西野精治（スタンフォード大学医学部精神科教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ロザン菅×安達裕哉「高学歴なのに仕事がうまくいかない人」に欠ける本当のコミュ力とは？  菅広文（ロザン・お笑い芸人）、安達裕哉（ティネクト株式会社 代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13973</link>
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			<description><![CDATA[お笑いコンビのロザン菅氏と企業コンサルタントの安達裕哉氏が、人の心を動かす「コミュ力」について対談。高学歴でも仕事ができない原因とは？顧客の「本音」や「信頼」をつかむ技術について語り明かします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ロザンの菅広文さんと安達裕哉さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260316RozanSugaAadachi02.jpg" width="1200" /><br />
左：安達裕哉さん、右：ロザンの菅広文さん</p>

<p>高学歴なのに、仕事ができないのはなぜか？そんな疑問の答えは、「コミュニケーション力」にありました。<br />
昨年上梓した『学力よりコミュ力』が話題のお笑い芸人・ロザンの菅広文さんと、『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』の著者であり、一流コンサルタントの安達裕哉さんが対談を実施。「コンサルは男芸者である」「最新技術より、昔ながらの親父のやり方が選ばれる理由」など、仕事の本質を左右する&ldquo;信頼のつかみ方&rdquo;を解き明かします。&nbsp;</p>

<p>構成：次重浩子（PHPオンライン編集部）<br />
写真：中西史也（PHP研究所／ビジネス・教養出版部）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>最新技術より「いつもの親父のやり方」</h2>

<p>菅：昨年『学力よりコミュ力 無理しないコミュニケーション術』を出版した、お笑いコンビ・ロザンの菅広文です。よろしくお願い致します。<br />
安達：『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』を執筆した安達裕哉と申します。よろしくお願い致します。</p>

<p>菅：安達さんの『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』、僕読ませていただいてすごいびっくりしたんですよ。なんでかっていうと、言ってることがほぼ同じなんです。安達さん、ちょっとパクりました？パクりましたよね（笑）</p>

<p>安達：いやいや（笑）でもそうですね。同じようなこと書いていますね。</p>

<p>菅：そうですよね！でも実は、安達さんのほうが僕より先に執筆されているんですよね。ってことは、僕がパクりました！（笑）っていうぐらい、言ってることが共通しているんですよ。僕の『学力よりコミュ力』を読んでおもしろいなって思っていただいた方は、ほんまに読んでいただきたい。僕の本が初級みたいな感じで、安達さんの本は上級というか、仕事で活かせる本っていう感じですね。</p>

<p>安達：ありがとうございます。私が『学力よりコミュ力』を拝読させていただいて思ったのは、菅さん、本当にサラリーマンやったことないの？ってことなんです。この本には、会社で指導されることが結構そのまま書いてあるんですよ。</p>

<p>菅：いや、それね。従兄弟にも言われました。従兄弟はサラリーマンやっているんですけど、「菅ちゃんサラリーマンやってたっけ？」って。</p>

<p>安達：もう新人研修で50回ぐらい言われるようなことが書いてあるんでびっくりしました。先ほどおっしゃっていただきましたけど、根っこの思想は本当に同じなんだなと思いましたね。<br />
私は新卒で入ったコンサル会社に12年ほど勤めたんですが、そこでは新人さんを徹底的にトレーニングするんです。朝と夕方の２回、当日や前日にお会いしたお客さんとのやりとりを上司に報告するんですが、そのときに上司が「じゃあ俺はお客さん役をやるから、ちょっとやってみろ」って言って、お客さんとの折衝をロールプレイングさせます。そこでうまくできないと何回もやり直し。私の本では、その時の教えを書いています。</p>

<p>菅：はー、おもしろい...！でも、コンサル会社に入られる方って、学力の高い方が多いわけじゃないですか。だからといってコミュ力が高いかっていうと、また別の話なんですよね。</p>

<p>安達：そうです。勉強ができてもコミュニケーション能力が低いと、どうしても会社でうまくいかない。菅さんも『学力よりコミュ力』でまさにそのことを書いておられて、このあたりをどう考えていらっしゃるのか、今日お伺いしたいなと思って来たんです。</p>

<p>菅：なるほど。実は最近ちょっとおもしろいと思った話があってね。<br />
同級生が父親から受け継いだ歯医者をやっているんです。歯科医療の世界もテクノロジーが進化して、新しい治療法がどんどん開発されているんですけど、親父の代から通ってくれている患者さんが決まって言うセリフがあって、それは「お父さんがやったやり方でやってほしい」なんですって。<br />
「うん。だから新しい機材があってね、これでやった方が治ると思うんですよ」って説明しても、「いや、そんなのはええねん。お父さんがやったやり方でやってほしい」って言われるんですって。<br />
これはつまりどういうことかというと、最新テクノロジーよりもお父さんの方が、信頼度が高いってことなんです。</p>

<p>安達：おもしろいですね。これは技術ではなくて、人のほうに信頼感がついてると。</p>

<p>菅：そうです。つまり勉強をしても使えなかったら意味がないんです。どれだけ学力が高くても、すごいテクノロジーを持っていても、相手が了承してくれないと結局使えない。それを左右するのはコミュ力じゃないかなと思っていて。<br />
「新しいテクノロジーが素晴らしくて、親父がやっていたこととはちょっと違うけれども、こっちの方がいいんですよ」ってことをどう相手に説明できるか。これが僕はコミュ力やと思ってるんですよね。</p>

<p>安達：結構似たような話があって、私がコンサル会社に入社して最初に言われたのは、「お前ら、クライアントに提案するのがコンサルタントの仕事だって勘違いしてないか？」ってことなんです。</p>

<p>菅：どういうことですか。</p>

<p>安達：「お前らが提案しても、お客さんは『やりたい』って絶対思わないから提案するな。まずはお客さんに気に入られなさい」と。「コンサルタントの別名は、男芸者だ」とも。</p>

<p>菅：なるほどね。</p>

<p>安達：私も入社した頃は、業績の話とか戦略の話ができるのかなって思っていたんですけど、まずはお客様に気に入られる会話をしなさい、としか指導されなかった。我々がやる仕事は、お客様がやりたいことをサポートすること、というのが実は基本であると。</p>

<p>菅：でもそれ、すごい大事ですよ、本当にね。</p>

<p>安達：そうなんですよね。じゃないとやっぱり話を聞いてくれないんです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>コンサルの仕事は、お客さんの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を探すこと</h2>

<p><img alt="ロザン菅広文さんと安達裕哉さんの対談の様子" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260316RozanSugaAadachi03.jpg" width="1200" /></p>

<p>安達：芸人さんだと、お客様がやりたいことが明確になってない状態で、どういう風にコミュニケーション取るんですか？&nbsp;</p>

<p>菅：僕らの仕事は笑うっていう反応があるから、わかりやすいんですよ。笑ってくれたらこれはいいんだな、笑ってくれないんだったらダメなんだなって、判断基準がしっかりあるんですよね。</p>

<p>安達：なるほど。たしかに我々の場合は、面談で結構笑ってくれたなと思ったら不採用だった、というのはよくある話で（笑）。</p>

<p>菅：僕らは笑ってもらうことが一番大事なんですけど、普通のお仕事されている人って、相手の表情を見て、どう感じているか察しないといけないから、僕らよりも大変なんじゃないかなとは思いますね。<br />
だって、笑わすことはそんなに難しいことじゃないから。</p>

<p>安達：えー？（笑）<br />
観客：えー？（笑）<br />
菅：え、ちょっと待って（笑）。俺そんなすべってる？</p>

<p>安達：そうですか（笑）やっぱり世界が違いますね。<br />
反応という点でいうと、コンサルの現場でお客様は笑ってくれないし、ずっとむすっとしてる場合もすごく多いです。そういう時にどうするかというと、本当は何を考えておられるのかを突き詰めるために、色々質問をするんです。</p>

<p>菅：なるほど。反応を見てるってこと？</p>

<p>安達：そうですね。お客様に「課題はなんですか」って聞くコンサルタントが結構いますが、「採用です」っていう答えが返ってきた時に、ダメなコンサルタントは「あ、採用ですか。採用ならこういうことやれます！」ってすぐ営業を始めちゃう。これ、絶対やってはならないと言われたことのひとつです。<br />
では何をするかというと、もう少し質問して確かめるんです。「では採用について、具体的に今やってらっしゃることはなんですか？」とか。で、「いや特に何もやってないんだけど」って返ってきたら、そこが課題だと判断する。そのための材料を少しずつ集めていかないといけない。</p>

<p>菅：でもそのお客さんと別の担当者に聞くと、言ってることが180度違うやん、みたいなことはないんですか。</p>

<p>安達：めちゃくちゃあります。おもしろいことに、人間って言ってることと考えてることが一緒じゃないんですよね。</p>

<p>例えば「カレーが食べたい」って言っている人をカレー屋に誘うと「いや、ちょっと今日は違うんだ」って言われたりする。これは仕事でもよくある話でして、「うちの会社、もっと売り上げを伸ばしたいんだよね」って中小企業の社長が威勢よく言うんだけど、実は内心売り上げを伸ばしたいとは全然思ってない、ということもよくある。</p>

<p>菅・それはなんなんですか。本音と建前ですか。</p>

<p>安達：というよりも「言わされている」。好きな食べ物はなんですか？って質問されたから、好きな食べ物を無理やりひねり出した、という状態。好きな本はなんですか？って聞かれた時に、ちょっとかっこつけて言ってしまうことあるじゃないですか。『アルジャーノンに花束を』とか...。だから、発言されたことをそのまま鵜呑みにしちゃいけないぞっていうことをすごく言われましたね。</p>

<p>菅：これ言っといたらいい感じに映るんちゃうか、みたいなことですかね。ほんまは小難しい映画よりも娯楽映画が大好きやのに、「好きな映画は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』です！」とは言いにくい、みたいな。コンサルのお仕事は、お客さんの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を探す仕事ってことですか。</p>

<p>安達：まさにその通りですね。そうしないとお金を出していただけないというのが、コンサルタントという仕事の本当のところです。だから、クライアントに提案するのがコンサルの仕事ではない、というのはそういうことなんです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260316RozanSugaAadachi02.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 27 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[菅広文（ロザン・お笑い芸人）、安達裕哉（ティネクト株式会社 代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>意外と知らない「寿司のルーツ」　実は“東南アジア発祥”の食べ物だった？  ながさき一生（株式会社さかなプロダクション代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13970</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013970</guid>
			<description><![CDATA[好きな食べ物ランキングの上位になることが多い寿司――意外と知らない寿司の歴史やルーツ、現代の寿司の由来である「江戸前寿司」について、ながさき一生さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ながさき一生著『寿司ビジネス』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sushisyokunin.jpg" width="1200" />日本が世界に誇る食文化「寿司」。海外でも「ロール寿司」をきっかけに世界各国で食べられるようになりましたが、実は「寿司の発祥は日本ではない」と、株式会社さかなプロダクション代表取締役のながさき一生さんはいいます。</p>

<p>好きな食べ物ランキングの常連でもある寿司は、どこで生まれ、どのように親しまれるようになったのか――本稿では、寿司の起源や歴史について紐解いていきます。</p>

<p>※本稿は、ながさき一生著『寿司ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>寿司のルーツは東南アジアの保存食</h2>

<p>私たちは、「寿司＝日本の伝統文化」と、当たり前のように考えています。国内外を問わず、「SUSHI」は日本を代表する食文化として広く認識され、和食ブームの中心的な存在でもあります。実際、寿司は日本の食文化を語る上で欠かすことのできない、象徴的な存在だと言えるでしょう。</p>

<p>しかし、歴史をさかのぼってみると、寿司は最初から日本で完成された料理ではなかったことが分かります。寿司のルーツは、日本ではなく、東南アジアで生まれた魚の保存食にあると考えられているのです。</p>

<p>冷蔵庫や冷凍技術が存在しなかった時代、魚は非常に傷みやすい食材でした。特に高温多湿な地域では、獲れた魚をいかに長く食べられる状態で保つかが、人々の暮らしに直結する重要な課題でした。魚を獲ることと同じくらい、それを保存し、無駄なく食べきる工夫が求められていたのです。そこで人々は、魚を塩と米で漬け込み、発酵させるという方法を編み出しました。これが、寿司のはじまりとされる「なれずし」の原型です。</p>

<p>当時のなれずしでは、米はあくまで発酵を促すための役割を担っており、食べるのは魚だけでした。現代の寿司とは見た目も味も大きく異なりますが、「魚を無駄にしない」「保存期間を延ばす」という目的においては、極めて合理的な仕組みだったと言えるでしょう。これは洗練された料理というよりも、自然環境と向き合う中で生まれた生活の知恵であり、同時に持続可能な食のあり方でもありました。</p>

<p>注目すべきなのは、この保存方法が特別な料理人や権力者によって生み出されたものではないという点です。日々の暮らしの中で生まれた工夫が、人から人へ、地域から地域へと受け継がれていきました。その過程で、この技術は東南アジア一帯に広がり、中国を経て、日本へと伝来します。寿司は、最初から一国の文化として閉じた存在ではなく、複数の地域の知恵が重なり合うことで形づくられてきた食文化だったのです。</p>

<p>寿司は最初から特別な料理として生まれたわけではありません。寿司の出発点は、限られた環境の中で魚をどう食べ、どう残していくかという、人々のごく日常的な問いにありました。寿司は「文化」として語られる以前に、「暮らしの中の知恵」として存在していたのです。</p>

<p>この視点で寿司の歴史を見てみると、寿司がなぜ現代において世界中へと広がっているのか、その理由が少し見えてきます。寿司は、日本が世界に誇る伝統文化であると同時に、環境や社会の変化に寄り添いながら姿を変えてきた、柔軟性の高い食文化でもあります。</p>

<p>さて、この後は、日本の寿司がまずどこから来たのかを押さえていきます。寿司の原点を知ることは、寿司の現在、そしてこれからの未来を考える上で、欠かせない視点になるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>寿司の国日本での最初の&ldquo;すし&rdquo;</h2>

<p>日本では、魚と人との関係は、寿司が誕生するはるか以前から、すでに社会の中に深く根づいていました。その様子は、『万葉集』に残された数多くの歌からもうかがうことができます。漁労の情景や海の恵みを詠んだ歌は少なくなく、魚介類が当時の人々の暮らしに欠かせない存在であったことが分かります。</p>

<p>さらに、これらの歌や記録を読み解いていくと、魚介の利用は単なる日常の食事にとどまらず、政治や祭祀とも結びついていたことが見えてきます。朝廷の儀礼や祭りごとにおいて、魚介を安定的に供給することは重要な意味を持っていました。漁労や流通は、すでにこの時代から社会の仕組みの一部として機能していたと考えられています。そんな中で、日本で最初のすしは、一説として、中国からの律令制度の流入とともにもたらされたと考えられています。</p>

<p>文字資料上の重要な手がかりは、701年施行の『大宝令』や、後の『養老令』の注釈書などに見える「鮓」の記述です。また同時期の文字には「鮨」の文字も見られます。このことから、飛鳥時代から奈良時代に移り変わる頃には魚を加工した食品「鮓」や「鮨」が日本に存在していたことが分かります。</p>

<p>この頃の寿司の形は文献から読み解くことはできませんが、都への税として長距離輸送されていたことは読み解けるため、少なくとも保存食であることは分かります。なお、寿司の歴史を長年研究してきた日比野光敏氏によると、「すしが米を使う料理であることからその伝来は、稲作と期を同じくすると考えることもできる」ことが指摘されています。</p>

<p>時代が進み平安時代になると、「鮓」「鮨」の形に関する記述も文献に見られるようになります。927年の「延喜式」には、魚と塩と白米が材料であることが載っており、所々の文献の情報を集めると、いわゆる「なれずし」の形であることが前述の日比野氏によって解釈されています。なれずしでは、米は専ら発酵のため用いるもので、ドロドロに溶け、食べるものではありませんでした。</p>

<p>やがて時代が進むにつれ、発酵のために使われていた米も食べるようになり、「なまなれずし(生成ずし)」や「早ずし」へと姿を変えていきます。この変化は、単なる味覚の変化ではありません。保存期間が短くなる一方で、寿司を食べる場面やタイミングが広がり、次第に日常の食事としての役割を強めていったことを意味しています。</p>

<p>そして江戸時代、寿司は大きな転換点を迎えます。酢飯に生魚をのせる握り寿司が誕生し、屋台を中心とした町の「食い物屋」で提供されるようになりました。人が集まる都市空間で発展したことで、寿司は保存食から、作ってすぐに食べる即時消費型の食文化へと大きく舵を切ります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>現代の寿司は、江戸前寿司である</h2>

<p>私たちが現在、寿司と聞いて思い浮かべるものの多くは、握り寿司ではないでしょうか。酢飯の上に魚をのせ、その場で食べる。この形式は、寿司の長い歴史の中では比較的新しいものであり、「江戸前寿司」に由来しています。</p>

<p>江戸前寿司が生まれた背景には、江戸という巨大都市の存在がありました。江戸時代後期、江戸の人口は急増し、町人文化が大きく花開きます。人が密集し、忙しく行き交う都市では、「手早く食べられる食事」が強く求められるようになりました。時間をかけて発酵を待つ寿司よりも、その場ですぐに食べられる寿司が、生活に合っていたのです。</p>

<p>こうして、保存を前提としていた寿司は、都市生活に適応するかたちで変化していきます。発酵をほとんど行わず、酢で味を整えたシャリに魚をのせる寿司が登場し、屋台で提供されるようになりました。これが、現在のにぎり寿司につながる江戸前寿司の原型です。</p>

<p>江戸前寿司の特徴は、単に魚を生でのせたことではありません。江戸湾、現在の東京湾で獲れる魚を使い、酢で締める、煮る、漬けるといった下処理を施すことで、鮮度や保存性に限界のある中でも美味しく食べられる工夫が重ねられてきました。こうした下処理は「仕事」と呼ばれ、江戸前寿司を特徴づける重要な要素となっています。</p>

<p>この時代の寿司は、決して高級料理ではありませんでした。屋台で立ったまま食べる、庶民のための手軽な食事だったとされています。現在の寿司にある「特別な日」「高級」というイメージは、後の時代に形づくられたものです。江戸前寿司は、まず都市で暮らす人々の日常を支える食べ物として広まっていきました。</p>

<p>江戸前寿司の成立を語る際によく名前が挙げられるのが、江戸時代後期の寿司職人、華屋與兵衛(はなやよへい)です。與兵衛は、酢飯に魚をのせた寿司を屋台で広めた人物として知られています。現在では、彼一人が寿司を発明したというよりも、新しい寿司の形を江戸の町に定着させた象徴的な存在として位置づけられることが一般的です。彼が活動したとされる東京都墨田区には、「與兵衛寿司発祥の地」とされる碑や像が残されており、江戸前寿司がこの土地の暮らしの中で育まれた文化であることを今に伝えています。</p>

<p>こうして江戸で成立したにぎり寿司のスタイルは、時代とともに全国へと広がっていきます。一方で、日本各地には箱寿司や押し寿司、柿の葉寿司、ますのすしなど、地域の環境や生活に根ざした寿司文化も残り続けてきました。つまり、現代の寿司は、江戸前寿司を軸としながらも、多様な寿司文化の重なりの上に成り立っていると言えるでしょう。</p>

<p>現代の寿司を「江戸前寿司の延長」として見ることは、寿司をより身近に理解する手がかりになります。寿司は特別な料理として突然完成したのではなく、都市の暮らしや人々の生活リズムに合わせて、少しずつ形を変えてきました。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sushisyokunin.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 27 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ながさき一生（株式会社さかなプロダクション代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「言いたいことが言葉にならない」がなくなる　言語化のシンプルな3ステップ  ひきたよしあき</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13963</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013963</guid>
			<description><![CDATA[今日から実践できる「言語化」のコツを、ひきたよしあきさんが教えてくれます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="言語化" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_chatting.jpg" width="1200" /></p>

<p>自分の気持ちをうまく言葉にできず、モヤモヤしていませんか？今日から実践できる「言語化」のコツを、ひきたよしあきさんが教えてくれます。</p>

<p>※本稿は、『PHPスペシャル』2026年4月号より内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「言葉が出ない」のは、あなただけじゃない</h2>

<p>目の前にある花を見て、「きれい」と口に出す。これが「言語化」です。言語化とは、頭の中にあるイメージや感情などを言葉にすることで、誰もが日常的にしていると思います。</p>

<p>では、その花の様子を他人に伝えるときは、どうでしょうか。「きれい」だけでなく、「花びらの形が繊細で美しい」「赤と白の色合いが鮮やか」「サイズが小さくて、かわいらしい」など、他人がその花をイメージするための情報が必要ですよね。</p>

<p>このように、自分の伝えたいことが相手に正しく伝わるように言語化する力を「言語化力」と言います。</p>

<p>現代人の言語化力は、低下の一途をたどっています。「イメージはできているのに、言葉が出てこない」「説明しても、相手にうまく伝わらない」「気持ちを表現するときに、LINEのスタンプに頼ってしまう」という人も多いのではないでしょうか。</p>

<p>その背景にあるのが、インターネットやスマホの急速な普及による情報化社会です。</p>

<p>たとえば、スタンプや絵文字など言語に代わるさまざまな表現方法でのやりとりが当たり前になったり、TikTokから日々大量のショート動画が流れてきたり&hellip;&hellip;。人間は、細かいインプットの量が増えすぎると、アウトプットを面倒に感じてしまうものなのです。</p>

<p>また、生成AIで文章が書ける時代になり、自分の気持ちや体験を自分の言葉で語らずに済んでしまうという状況も、言語化力が下がる原因の一つです。「多様性の尊重」「顧客満足の最大化」など、巷にあふれている型にはまった言葉を入力して語った気になってしまう人も少なくありません。</p>

<p>今を生きる私たちは、意識して言語化力を上げていく必要があります。言語化がうまくできないと、気持ちが相手に伝わらずにモヤモヤするだけでなく、そのモヤモヤまでも頭の中に閉じ込めてしまい、ストレスを感じやすくなるからです。</p>

<p>とはいえ、難しく考えなくて大丈夫。簡単なトレーニングをするだけで、言語化力は必ず向上します。それではさっそく、具体的な方法を見ていきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>言語化が苦手な人が陥りがちな3つのパターン</h2>

<p>まずは、自分が普段どんな言葉を使っているかを振り返ってみてください。</p>

<p>①物事への感想が、短い形容詞になる</p>

<p>何かにつけて「やばい」「すごい」「かわいい」「きもい」など、反射的な一言で片づけてしまっていませんか？　これらはすべて、LINEのスタンプでも代替可能な表現です。「言葉のスタンプ化」に慣れてしまうと、どんな物事や状況に出合っても、そう感じた理由などを説明できないまま、感想を一言で終わらせてしまいます。</p>

<p>②指示語や専門用語を頻繁に使う</p>

<p>自分や一部の人にしか理解できない言葉をよく使うのは、言語化力が低い人の特徴です。「これお願い」「あれが良かった」などの指示語、「シズル感」「コンバージョン」などの専門用語やビジネス用語のほか、社内でしか通用しない「社内方言」や、年齢層によって浸透の度合いが異なる「若者方言」の多用にも、注意が必要です。</p>

<p>③話が長くなりやすい</p>

<p>言語化が苦手な人ほど、「最初から話したほうがいいのではないか」「先ほどの内容は、もっと詳しく言っておこうか」などとあれこれ考えすぎて、話が長くなりがちに。結局、相手はもちろん、自分でも何を言いたいのかわからなくなってしまいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>言語化力を高めるための3STEP</h2>

<p>言語化がうまくなるヒントを、3STEPに分けて紹介します。１度きりで終わらせず、日頃から意識しておくことが大切です。</p>

<p>【STEP1】物事を観察し、「なぜ」を明確に</p>

<p>私たちがつい使ってしまいがちな「やばい」は、あらゆる状況に対して使える便利な言葉です。しかし一方で、状況や気持ちの細部が伝わらず、相手の記憶に残りづらい表現でもあります。そこで、「やばい」という言葉を使うときは、「何がどうやばいのか」を合わせて言葉にするようにしましょう。</p>

<p>具体的なテクニックとしては、「やばい」に2つのフレーズをつけ加えると◎。たとえば、おいしいラーメンを食べて「やばい」と思ったら、ラーメンの味や見た目をよく観察し、「なぜそう思ったか」を明確にします。</p>

<p>その後、「スープがさっぱりして」＋「チャーシューが大きいから」＋「やばい」などと言語化しましょう。「やばい」という言葉自体が悪いわけではありません。一方で、「やばい」と思った理由を深掘りするうちに、「おいしい」「すばらしい」「危ない」といった、別の表現に変わることもあるはずです。</p>

<p>ほかの短い形容詞についても同様です。「なぜ」を考えることを習慣にしていると、物事に対する観察眼が鍛えられ、言葉選びが上手になっていきます。</p>

<p>【STEP2】文章にして、声に出す</p>

<p>何かを語る際は、誰にでもわかる文章にして語るようにしましょう。チャットなどであれば、そこだけを読み返したときにも内容がわかるのが理想です。</p>

<p>たとえば「Ａ案で！」というセリフは「私はＡ案のデザインが素敵だと思います」、「そんな感じ」は「私は送ってもらった写真のような色味で進めたいです」というように、面倒でも主語や述語を添えることが大切です。この作業を「プロンプト化」と言います。</p>

<p>プロンプト化の上達にもっとも効果的なトレーニングは、アナウンサーが行なうような実況中継です。自分の日常を細かくシナリオにするイメージで、「今、私は右手を動かしてマグカップの取っ手をつかみ、ゆっくりと口元に持っていきました」などと、自分の行動を声に出して中継しましょう。</p>

<p>さらに、五感を働かせて得た気づきも言葉にしていきます。「窓の外には、気持ちのよい青空が広がっています。赤い屋根の家も見えますね。窓を開けると朝の澄んだ空気の匂いがして、私は早起きして通学していた頃のことを思い出しました」といった具合です。</p>

<p>脳がとらえた情報を、五感を使いながらどんどん言葉にしていく。それによりプロンプト化が自然とできるようになり、言語化力がアップします。</p>

<p>【STEP3】伝えたいポイントを絞る</p>

<p>人に何かを伝えるときに長々と語っていると、相手が途中で飽きてしまったり、「結局のところ何が言いたいの？」と思われたりするものです。書いた文章も、長すぎると読んでもらえず、スルーされがちに&hellip;&hellip;。</p>

<p>せっかく頭の中に浮かんだイメージを言葉にしても、相手に拒否されてしまっては、元も子もありません。</p>

<p>言語化力を向上させるための最後のSTEPは、ポイントを絞って語るということです。たくさん伝えたいことがあったとしても、あえて3つに絞るようにしましょう。</p>

<p>一人で過ごす時間を使って、「テレビや映画を観ておもしろかった点を３つ挙げる」「その日の楽しかったことを３つ挙げる」など、日頃からポイントを絞る練習をしておくのがおすすめです。慣れてくると、いざ他人を前にしたときも、端的な説明を難なくできるようになります。</p>

<p>また、頭の中がスッキリと整理されることで、自分自身の気持ちやストレスにも気づきやすくなり、毎日を快適に過ごせるようになるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>＜実践ワーク＞あなたが好きなカフェを紹介してください。</h2>

<p>ここまでに学んだことを活かして、自分のお気に入りのカフェを、相手はそのカフェについて知らないと仮定し、声に出して紹介してみましょう。紙に書き出すのでもＯＫです。</p>

<p>【悪い例】<br />
やっと見つけたこのカフェ、やばいです！　入ってみたら、とってもかわいい。都会にありながら静かで落ち着くし、本を読んだり考えごとをしたりするのに最適です。気がついたら３時間も過ごしちゃいました。長居もしやすい。明日も行きたいと思う、まさに神カフェです!</p>

<p>【良い例】<br />
ふらりと立ち寄って読書や考えごとができる場所があったらいいなと思いませんか？　私が見つけたのは、にぎやかな銀座という街にありながらも静かなカフェ。読書に適した机や、一人で落ち着ける半個室があるのは、嬉しいポイントです。あなたもきっと素敵な自分時間を過ごせると、私は思います</p>

<p>●解説 ここがポイント<br />
やばい」「かわいい」「神」といった抽象的な表現に頼らず、「何がどうなのか」を具体的に説明しましょう。そのカフェが気に入った主な理由（例では、街中なのに静か・読書に適している・一人で過ごしやすい）を簡潔にまとめて伝えてください。</p>

<p>また、自分の感想や体験ばかりを話すのではなく、相手の存在を意識して語ることも大切です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>失敗しても落ち込まないで</h2>

<p>常に適切な言語化をするのは、難しいものです。どんなに練習し、意識していても、「相手に理解してもらえなかった」「言葉選びを間違えた」など、うまくいかないことはあるでしょう。</p>

<p>でも、落ち込む必要はありません。言葉はあくまでコミュニケーションツールであり、相手がいる限り、「完璧」「正解」はないからです。言語化において自分一人の力で目指せるのは、せいぜい60点くらいで、残りの40点は相手側にゆだねられているということを覚えておいてください。</p>

<p>何より大切なのは、「どんな言葉を使えば相手に伝わるのか」を意識しながら、言語化を続けていくことです。その経験を積み重ねれば、「いつのまにか細部まで丁寧に語れるようになった」「相手に伝わる言葉が自然と出るようになった」「語彙力が増えた」など、自分自身で成長を感じられるときが必ず訪れます。</p>

<p>最後に、私が続けている「3行日記」をご紹介しましょう。私は１日の終わりに、言葉に関する気づきを３行の短い文にして書いています。</p>

<p>書き込むのは、「いいな」と思った言葉や、うまく伝わらなかった言葉など。書き溜めた日記は、自分だけの言葉辞典です。言語化力アップのための貴重な資料として活用できます。あなたもぜひ、「3行日記」をつけてみてはいかがでしょうか？</p>

<p>【ひきたよしあき】<br />
早稲田大学卒業後、博報堂に入社。クリエイティブディレクターとして数々のCMを手がける。現在はスピーチライターとして活動するほか、講演や執筆、大学での講義などを通して、コミュニケーションスキルを発信している。『人気スピーチライターが教える モヤモヤを言葉に変える「言語化」講座』（PHP研究所）など著書多数。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 26 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ひきたよしあき]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ケンブリッジ大学の学生はどう休む？ 世界最高峰の学びを支える「休暇の過ごし方」  飯田史也（ケンブリッジ大学工学部教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13631</link>
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			<description><![CDATA[ケンブリッジ大学の学生は休暇をどう過ごすのか。世界最高峰の学びを支える「休む力」に注目し、書籍『世界最高峰の学び』より紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ケンブリッジ大学" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Cambridgecampus.jpg" width="1200" /></p>

<p>ニュートンやダーウィンをはじめ、数々のノーベル賞受賞者や世界的リーダーを輩出してきたケンブリッジ大学。800年にわたり「学びとは何か」を追究してきた世界最高峰の教育機関です。</p>

<p>卓越した学びには、「休むこと」もまた重要です。ケンブリッジの学生たちは、どのように休暇を過ごしているのでしょうか。書籍『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』より、その実態を紹介します。</p>

<p>※本稿は飯田史也著『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』（日経BP）より一部を抜粋・再構成したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>障害にぶつかったとき、あるいはぶつからないための自由時間の活かし方</h2>

<p>学びという無限ゲームの中では、スランプに陥ることは避けられません。しかし、そのような状況に直面したときにどのように立ち直り、学び続けることができるかが真価を問われる瞬間です。どのような状況に陥っても、しぶとく学びを続けられるセーフティーネットはいろいろな方法でつくることができます。</p>

<p>ここでは、どのように学びを意識した自由時間やリクリエーションを実現できるか考えてみましょう。ケンブリッジ大学でも、学生たちはとても多くの困難やストレスに見舞われるので、自由時間や余暇の過ごし方にも、とても気を使います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>・試験の後は充電期間に充てる</p>

<p>まず、一番大切なのが、大きな試験やストレスを感じる時期の後に充電期間を設定することです。どんな超人でも永遠にマラソンを走り続けることができませんし、充電期間が無ければ、いざというときに速く走れません。適当な充電期間は、「最高峰の学び」の一番大切な要素のひとつです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>・チームビルディングを意識したリクリエーション</p>

<p>一緒に気分転換を楽しめる仲間づくりも大切です。気の合う友人との自由時間は一番効果的な時間になります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>・あえて長期休暇を取って人生を俯瞰してみる</p>

<p>もし必要であれば、長期休暇を取るのも大切です。どうしてもスランプから抜け出せないときや、大きな迷いがあるときは思い切って長い休暇を取ることも必要です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>・新しいことに挑戦してみる</p>

<p>時間的、精神的に余裕があるときには、積極的に新しいことに挑戦してみましょう。新しい言語を学んだり、異分野体験をしたり、体を動かす活動に積極的に参加したり、自由研究などをしてみるのがよいでしょう。</p>

<p>特に、優秀で、本気の学生ほど、ひとつのことに集中しがちです。集中できるのはとても大切な能力ですが、障害にぶつかって、スランプに落ちいったときには、どこかに気分転換や、視点を変える方法を準備しておく必要があります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ケンブリッジ、休みの過ごし方</h2>

<p>ケンブリッジ大学の学生も教員も、いつも忙しく全速力で走り回っています。個人指導、宿題や予習復習に加え、フォーマルディナー、部活動や課外活動まで、「よくこれだけのことを1日24時間、週7日の中でこなせるものだ」と感心するほどです。</p>

<p>しかし、この嵐のような日々が1年中続いているわけではありません。</p>

<p>実際には、このような活動期は年間の半分ほどです。ケンブリッジは3学期制で、1学期は8週間と決まっています。つまり、1年間52週のうち、学期中の忙しい期間は24週間。残りの28週間は休暇期間、つまり自由時間です。なんと、1年の半分以上が休みというわけです。</p>

<p>内訳としては、冬休みが約7週間、春休みが約7週間、そして夏休みはおよそ14週間に及びます。長い休みがあるからこそ、学期中は全力で走り続けることができるとも言えますし、逆に、休みが長いからこそ、短期間に多くのことを詰め込む必要があるという側面もあります。この「学期中の集中」と「休暇中のゆとり」のコントラストもまた、ケンブリッジの学びを支える大きなしかけのひとつと言えます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>長期休暇中に学生は何をするのか？</h2>

<p>では、この長い休みの間、学生たちはどのように過ごしているのでしょうか？</p>

<p>休暇中にやるべきことは大きく2つあります。</p>

<p>まずひとつ目は、しっかり休むことです。8週間の嵐のような学期を終えた学生たちは、文字通り疲れ切っています。</p>

<p>ほとんどの学生は、カレッジという&quot;缶詰&quot;の場から解放され、家族のもとへ戻ります。休みの最初の1、2週間は、実家で家族とゆっくり過ごし、心身を回復させます。</p>

<p>しかし大切なのはここからです。遅かれ早かれ、この心地よい自由時間から現実に戻り、再び勉強モードへ切り替えなければなりません。</p>

<p>楽しい休みから、自らの意志で勉強に戻るのは誰にとっても大変なことです。だからこそ、学生一人ひとりが自分なりの方法で勉強モードをつくり出すよう指導されます。</p>

<p>指導教官にとって重要な、「腕の見せ所」は、この「切り替え」の手助けです。学期末には、休みを前に浮き足立つ学生たちに、どうすれば休み期間中にスムーズに学びを再開できるかを話し合います。</p>

<p>具体的には、休み明けに模擬試験を用意し、そこに向けて学習計画を立てさせます。特に自制心が揺らぎがちな学生には、あらかじめ詳細な学習計画を立てさせて指導教官がチェックします。</p>

<p>多くの場合、学生の計画はあいまいで、「この辺で勉強を始める」といった漠然としたものになりがちです。そこで重要なのは、どれだけ具体的で、成果や進捗がわかる計画を立てさせるかという点です。</p>

<p>試験が控える冬休みや春休みは、十分な勉強時間が割り当てられますが、その一方で、試験が終わり、新学年に備える夏休みは少し様子が異なります。</p>

<p>夏休みには、できるだけ普段の生活とは異なる経験を積むことが奨励されています。長期の旅行に出かけたり、多くの学科では企業でのインターンシップやボランティア活動が義務づけられていたりします。</p>

<p>こうした勉強以外の活動も、厳しい学びのモチベーションを高め、その意味をより豊かにしてくれます。</p>

<p>夏休みは「学びの外」に飛び出す貴重な時間です。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 26 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[飯田史也（ケンブリッジ大学工学部教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>スマホを置いて、フィンランドの森へ　9年連続「世界一幸せな国」で過ごす夏の7日間  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14028</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014028</guid>
			<description><![CDATA[9年連続で世界一幸せな国に選ばれたフィンランド。デジタルを離れ、自然やサウナで心身を整える「フィンランド流の幸せ」を体感する7日間の滞在招待企画をご紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="Chill Like a Finn" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260323visitfinland01.jpg" width="1200" /></p>

<p>国連の「世界幸福度報告書 2026」において、フィンランドが9年連続で首位に選ばれました。その幸福の鍵は、スマートフォンの通知音から離れ、自然の中で静かな時間を過ごすという、ごくシンプルな習慣にあるようです。</p>

<p>現在、フィンランド政府観光局は、こうした「フィンランド流の幸せ」を実際に体験できるキャンペーンを実施しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自然との距離を縮め、心に「余白」を持つ暮らし</h2>

<p>フィンランドの人々にとっての幸せは、決して特別なものではありません。澄み切った湖で泳いだり、森を散策したりといった、日常のささやかな瞬間の中に宿るものだと考えられています。</p>

<p>特にヨーロッパ最大級の湖水地方「レイクランド」では、数千の湖と広大な森に囲まれ、常に自然がすぐそばにある暮らしが営まれています。予定を詰め込むのではなく、あえて「余白」を楽しむそのライフスタイルは、多忙な日々を送る私たちに、心地よいゆとりを思い出させてくれます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本のサウナファンも共感する、本場の文化</h2>

<p>昨今の日本におけるサウナブームにより、サウナは心身を整える手段として定着しました。フィンランドのサウナ文化は、日本のファンにとっても親和性が高く、同時にさらなる深い体験を与えてくれるはずです。</p>

<p>本場では、伝統的なサウナで汗をかいた後、目の前の湖へとダイブする光景が日常的に見られます。デジタルデバイスを置き、自然の音だけに耳を傾けながら自分自身と向き合う時間は、まさに究極のリフレッシュといえるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>厳しい冬を越えたからこそ感じる、夏の特別な空気</h2>

<p><img alt="Chill Like a Finn" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260323visitfinland02.jpg" width="1200" /></p>

<p>フィンランドの夏は、長く厳しい冬を乗り越えた人々にとって、一際特別な季節です。</p>

<p>湿度の高い日本の夏とは異なり、現地の夏には穏やかで清々しい空気が流れています。ありのままの自然体で季節を慈しむ現地の人々と過ごす時間は、きっと特別な時間になるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>7日間の「フィンランド流チル」を体験する</h2>

<p>今回の「Chill Like a Finn（フィンランド流のチル）」チャレンジでは、このフィンランド流のウェルビーイングを体感する7日間の滞在がプレゼントされます。</p>

<p>＜体験内容＞<br />
・ 湖畔のコテージで過ごす静かなひととき<br />
・ 伝統的なサウナと、澄みきった湖での水浴<br />
・ 森や豊かな自然に身をゆだねる時間<br />
・ 旬の食材を味わい、心地よい仲間と過ごすひととき<br />
・ そして何より大切なことは、しばらくの間スマートフォンから離れること</p>

<p>募集人数： 6組12名</p>

<p>応募締切： 2026年3月29日（日）まで</p>

<p>当選発表： 応募期間終了後、選出された方へご連絡いたします</p>

<p>応募には「なぜ今、自分に本格的な夏のリセットが必要なのか」というエピソードを添える必要があります。デジタル過多な日常から少しだけ距離を置き、世界で最も幸せな国の空気に触れる旅へ、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。</p>

<p>詳細については、Visit Finlandのキャンペーン特設サイトで確認できます。</p>

<p>https://www.visitfinland.com/en/chill-like-a-finn/</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260323visitfinland01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 25 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>台湾の半導体産業は世界一でいられるか？ 小説『チップス』が描く“盛者必衰の理”  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13887</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013887</guid>
			<description><![CDATA[真山仁氏の人気シリーズ最新作『チップス』刊行記念イベントをレポート。8年ぶりに帰ってきた鷲津政彦が挑む「半導体覇権」と「台湾有事」の舞台裏とは？真山氏が語る“現在進行形のクライシス”の創作秘話やサイン会の熱気を凝縮してお届けします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="真山仁さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260304Mayamajin04.jpg" width="1200" /></p>

<p>小説家・真山仁さんの大人気『ハゲタカ』シリーズ最新作、『チップス&nbsp; ハゲタカ6』の刊行を記念したトーク＆サイン会がブックファースト新宿店にて開催されました。前作『ハゲタカ5 シンドローム』から8年。主人公・鷲津政彦が今回対峙するのは、「半導体覇権」と「台湾有事」です。</p>

<p>生成AIの急速な普及により、半導体をめぐる国際競争はこれまで以上に激しさを増しています。物語では、時価総額130兆円を超える台湾の半導体企業を、アメリカや中国が虎視眈々と狙います。</p>

<p>本イベントでは、『チップス&nbsp; ハゲタカ6』担当編集者である日経BPの白壁達久さんが聞き手を務め、真山さんの創作の深部に迫りました。真山さん自らが「現在進行形のクライシス・ノヴェル」と語る本作は、いかにして生まれたのか。鷲津政彦にとってシリーズ最大のミッションとなった本作の舞台裏をお届けします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>8年ぶりの『ハゲタカ』シリーズ新作</h2>

<p>――前作『ハゲタカ5 シンドローム』刊行から8年経っていますが、それはなぜでしょうか。</p>

<p>【真山】NHKでドラマ化された頃から、多くの方がこのシリーズを「歴史小説」のように捉えてくださっています。そのため、四作目の『グリード』を書いた頃からは、「大きな経済的事件がない限り、『ハゲタカ』の続編は必要ないのでは」と考えるようになったのです。逆に言うと、「次に大きな経済事件が起きたら書こう」と決めていました。</p>

<p>前回の大きな節目は、2011年の東日本大震災でした。その後も個別の企業の破綻など、さまざまな問題は起きていましたが、「歴史に残るほどの大きな事件か」と考えているうちに、8年の歳月が流れていました。</p>

<p>――この8年の間には、例えば2020年のパンデミックがありました。それでも、「台湾有事と半導体」を最新作のテーマに選ばれた理由は何でしょうか。</p>

<p>【真山】かつて半導体は「産業の米」と呼ばれていました。つまり、産業にとって最も重要な栄養分のような存在という意味です。しかし『2030 半導体の地政学』という本を読んでいたら、もはや半導体は単なる産業の基盤ではなく、国家のインフラであり、極端に言えば国家の未来を左右する存在になっていると書かれていました。</p>

<p>そのため、産業政策の問題ではなく安全保障の問題として、各国のトップが最先端の技術を手に入れようとしのぎを削っている。ところが、その中に日本はまったく入っていないのです。一方で、「日本はいまでもモノづくり大国、半導体大国だ」と考えている人も少なくありません。</p>

<p>私が書く小説には、多くの人が思い込んでいることが、本当にそうなのかと問い直す要素があります。半導体によって、これから歴史が変わっていくかもしれない。そう考えると、問題提起として取り上げる意味があると思いました。</p>

<p>また、「台湾有事」は防衛問題や、「貿易戦争」という文脈でざっくりと語られがちですが、もっと具体的に踏み込めば、半導体の先端企業や先端工場を巡る争いという側面が見えてきます。小説であれば、そこに「仮説」を立てて踏み込むことができる。</p>

<p>あえて振り切って、「半導体」というテーマから「台湾有事」を考えてみるのは面白いのではないか。そう考えた結果、今回のような形になりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>台湾での現地取材を経て変わった印象</h2>

<p><img alt="チップス" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260304Mayamajin05.jpg" width="1200" /></p>

<p>――台湾でも現地取材をされたとのことですが、実際に訪れてみて印象が変わったことはありましたか。</p>

<p>【真山】大きく三つあります。</p>

<p>一つ目は、「台湾は親日国だ」という認識の微妙さです。台湾から日本への旅行者はとても多く、かなり通な場所にも行きます。例えば「小京都」と呼ばれる地域や、一般的な観光ルートではない場所に長く滞在したりする。日本をよく知っていて、日本を愛していると感じる部分は確かにあります。</p>

<p>さらに、電波の関係で日本の衛星放送がほとんど映るということもあり、日本のコンテンツに多くの人が触れている。そういう意味で日本が好きなのは確かです。ただ、その「好き」という感情が、どの程度のものなのか。そこは実際に行ってみて、少し違う感覚として理解できた部分がありました。</p>

<p>二つ目は、今回の小説の根幹にも関わる話ですが、台湾には軍隊があり、パスポートもありますが、国として認められていません。国連に加盟しているのは中華人民共和国だけで、かつて国連に加盟していた台湾は、中国が加盟した際に外されました。</p>

<p>つまり、「国ではないような国」として存在している。この状態をどう理解するのかという問題です。「中国に戻るのか」「独立するのか」という二択で考えがちですが、実際はそんな単純な構図ではありません。台湾の存在は、その枠組みだけでは説明できないものだと感じました。</p>

<p>三つ目は、台湾には世界最大の半導体企業があり、盤石だと思われている。しかし関係者に取材をしていると、「本当にそうなのか」という疑問を感じました。</p>

<p>これらの答えについてはぜひ小説を読んでいただきたいです。いまお話したことを頭の片隅に置いて読んでもらうと、物語の理解に少し深みが出るかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「現在進行形」のクライシス・ノヴェル</h2>

<p>――帯には「現在進行形」のクライシス・ノヴェルと書かれていますね。</p>

<p>【真山】大げさで、すみません（笑）。</p>

<p>――「現在進行形」という点は、『ハゲタカ』シリーズとしては初めての試みですよね。そこには難しさもあったと思いますが、その点はどのように感じていましたか。</p>

<p>【真山】そうですね。今回の小説には、一つ特徴があります。それは、現実に起きている出来事を横目で見ながら書いたという点です。</p>

<p>先ほど『ハゲタカ』は歴史小説だと申し上げましたが、これまでは、少なくとも出来事から3年から5年ほど時間が経ったあとに書いてきました。歴史的出来事は、だいたい3年くらい経たないと、その当時何が起きたのか見えにくいものだからです。</p>

<p>ただ今回は、「台湾有事」についての誤解を、いま解きたいという思いが強くありました。そのため、書いている内容が現実の時間と競走しているような感覚で、状況の変化に合わせて内容が変わっていく部分もありました。</p>

<p>実際に起きていることを小説の視点から読む体験を通じて、現実を少し斜めから見て、何が起きているのかを理解してもらえるという意味では、こういう書き方を選んで良かったと思っています。</p>

<p>ただ、現実世界はどんどん変化する。けれども、小説は、週に一度しか掲載されないうえ、原稿はだいたい3週間前に入稿しています。つまり、3週間先の状況を予測しながら書いていました。フィクションですから、現実の通りである必要はありませんが、その点は少し大変なところではありました。</p>

<p>――『日経ビジネス』での連載から単行本化する際には、物語内の時制をすべて1年ずらすという作業を行われましたが、かなり大変だったのではないでしょうか。</p>

<p>【真山】ラストの日付は、近未来に設定しています。発表時点より未来を書きたいからです。なぜかというと、読みながら現実との答え合わせをされたくない。それは本来の小説の楽しみ方とは違うと思うからです。</p>

<p>さらに世界の政治状況の変化もありました。連載を始めたころはアメリカはバイデン政権でしたが、トランプ政権に戻りました。最近では中東情勢も大きく変化しています。そうした動きを見ていると、連載中の時間軸で書籍化するのは難しいと感じました。連載が3分の2くらい進んだ段階で、「単行本では時間をずらさないといけない」と考えていました。</p>

<p>これまでの作品は、過去の出来事を現在から振り返る形で書いていました。しかし今回は、まだ歴史としての結果が出ていないテーマです。一方で、小説は物語として何らかの結末を提示しなければならない。だからどこかで現実を追い抜く必要がある。そのことは最初から意識していました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>底流にあるテーマは「諸行無常」</h2>

<p>――今作では、章タイトルが『平家物語』に由来していますね。</p>

<p>【真山】そうですね。台湾で半導体関係者に取材したとき、毎回こんな質問をしました。「台湾の半導体産業は、この先もずっと世界一だと思いますか」と。すると、ほとんどの人が「当たり前だろう」と答えたのです。</p>

<p>1980年代後半、日本が半導体王国と言われていたころにタイムスリップして、「日本の世界一はずっと続きますか」と聞いたら、日本人も同じように「当たり前だろう」と答えたでしょう。しかし現実はどうなったか。かつて世界一だった日本の半導体産業は、いまでは見る影もありません。</p>

<p>人でも組織でも、栄華を極めてトップに立った瞬間から、あとは落ちていくしかない。例外なのはアメリカくらいです。なぜならアメリカではプレーヤーが入れ替わるからです。失敗した人は退場し、次のプレーヤーがすぐに出てくる。二番手、三番手が常に待っているから、持ちこたえることができる。</p>

<p>ただ、普通はそうはいきません。結局のところ、「諸行無常」や「盛者必衰」は当たり前の摂理なんです。しかしトップにいるときには、誰もそれに気づかない。</p>

<p>今回の取材をしている間、ずっと頭の中で『平家物語』の冒頭が繰り返されていました。だから作品の底流には、栄華を極めたものがやがて滅びるというテーマがあります。ただし、『チップス&nbsp; ハゲタカ6』では誰がどこでそうなるのかは、読む人によって違ってくると思います。</p>

<p>台湾とシンガポールは、よく似た国だと思っています。私は小説『タングル』を書くため、2010年代にシンガポールを取材しました。当時シンガポールでは日本はもう「終わった国」と言われ、「なぜ日本は高齢者をあそこまで救うのか」「国がお金を使ってそんなことをする意味があるのか」と言う人がいました。</p>

<p>しかし現在シンガポールでは、建国の功労者たちが高齢者になり始めていて、このまま彼らを見捨てるのかという問題が出てきました。それはできないと気づいたとき、「日本から学ぶものがある」と言い始めたのです。</p>

<p>自分が上手くいっているときには、他人から学ぶ必要がないと思う。でも状況が変わると、急に学ぶべきことが見えてくる。</p>

<p>台湾でも同じような話をしました。取材中ずっと、「世界一であり続けることはできない」と言っていたのですが、「それは負け惜しみだ」と言われました。でも私は、敗者の言葉も大事だと思うのです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 25 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>46年連れ添った夫から突然の離婚宣告　「もう無理」と絶望した医師が人生を立て直すまで【前編】  グラディス・マクギャリー（医師）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13994</link>
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			<description><![CDATA[102歳の医師が、46年連れ添った夫から突然離婚宣告を受けた人生最大の試練を告白。良き妻であろうと自分を抑え続けた末の裏切りに絶望しながらも、自らの人生を立て直していく再生の記録です。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="グラディス博士は46年連れ添った夫から離婚を言い渡され、人生のどん底を経験する" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_DesertG.jpg" width="1200" /></p>

<p>人生には、これ以上耐えられないと思うほどの出来事が突然訪れることがあります。長い時間を共にした関係が終わるとき、信じていたものが崩れるとき、人はどのようにして立ち直るのでしょうか。<br />
本稿では、幸せな人生を送るための人生哲学を『102歳の医師が教える 健康と幸せを保つ秘訣』に綴った医師のグラディス博士が、人生最大の試練に向き合ったときの経験を語ります。</p>

<p>※本稿は、グラディス・マクギャリー著『102歳の医師が教える 健康と幸せを保つ6つの秘訣』(&amp;books/辰巳出版)より、内容を一部抜粋・編集したものの前編です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「順風満帆」に見える人生の裏側</h2>

<p>私がもう無理だと感じた瞬間について、お話しするときがきた。70歳近くになって、第5の秘訣（すべては先生）を試される、最大の試練がやってきたのだ。&nbsp;</p>

<p>80代の初めごろ、旅先で出会った人に、とても幸せそうに見えるから順風満帆だったんでしょうねと言われたことがある。私は笑って答えた。「どんなに大変なことがあったか、お見せしたいくらいよ！」&nbsp;</p>

<p>そのとき、人生でもっともつらい10年間から抜けだしたばかりだった。しかも私の苦悩は、公然になっていた。コミュニティの全員が、何があったか、細部に至るまで知っているようだった。ビルが私たちのパートナーシップを解消したこと。それも結婚とビジネス両方で。しかも私たちのクリニックの看護師といっしょになるために。</p>

<p>みんなが知らなかったのは、結婚生活を終わらせることを考えたのは、今回が初めてではなかったということだ。その話はほぼ誰にもしていなかった。オハイオに住んでいたときにも、もうひとり、別の看護師がいた。彼は認めなかったし、私も疑ってはいたものの、彼の言うことを信じていた。確実にわかっているのは、実は離婚届を半年間ずっと持ち歩いていて、すぐにでもサインしてほしいと、彼が突然私に切り出したことだ。当時、10歳に満たない子どもが4人いて、離婚は今ほど一般的ではなかった。私はショックを受けた。何も悪いことはしていないのに......。彼が兵役で不在だったときには子育てをし、他の州に駐在しているときはクリニックの運営もやってきた。</p>

<p>クリニックの看護師は、やはり他の州に病気の母親がいるということで、たびたびお見舞いに行くので、とくに大変だった。この話も疑わしかったことに、そこで気づいたわけだが。私は自分の立場から話をした。あの日、祭壇で誓い合ってから12年間、誓いを守ってきた。いっしょに人生を歩んできて、子どもたちを授かり、私はまだいっしょにいたいと思っている。何かうまくいっていないことがあるのなら、いっしょに解決したいと。</p>

<p>私たちはカンザスまで出かけて、1週間の集中的な結婚カウンセリングを受けた。そしてセラピストのアドバイスどおりに、もっとおとなしくなろうとした。ビルにとって私は我が強すぎるというメッセージを受けとめた。私の野心は、支配的に見えていたのだ。</p>

<p>ビルと私の関係は、アイデアを共有し、長い哲学的な議論を交わし、ビジネスパートナーとして、配偶者として、互いに協力し合うというものだったが、それは不健全だということだった。夫婦のお互いに対する態度として、間違っていると言われた。当時は1950年代で、女性は従順であるものという考え方を私も知っていた。ただビルと結婚したとき、彼は違うタイプで、違うタイプの妻を求めているのだと思っていたが、それは間違いだったようだ。失望し、混乱したが、それでも私はいい妻になろうとした。少しうしろに下がるようにして、彼にリードしてもらうようにした。&nbsp;</p>

<p>それからまもなく、彼はアリゾナへと私たちを導き、私たちは代替医療に興味を持ちはじめた。やっぱり!と私は思った。妻だけじゃなくて、ビジネスパートナーも求めているってことじゃない！私たちの仕事上の関係は強くなり、友情も深まった。</p>

<p>その後の数十年間で、ふたりとも大きく成長したと思う。いっしょにワークショップやセミナー、シンポジウムを主催し、ニュースレターを印刷して、封筒に切手を貼って世界中に発送した。私たちの経営していたクリニックは名が知られるようになり、成功を収めた。それにコミュニティの友人たちは、私たちの結婚を、ふたつの偉大な頭脳がいっしょになるとどんなことが可能になるのかを示すものとして見てくれていた。ふたりで夜遅くまで話し合い、お互いに理解や可能性を広げていった。</p>

<p>私たちはいいチームを組んで子育てをしていたし、アリゾナではめでたく、さらにふたりの子どもを授かった。結婚セラピストのアドバイスが、私たちをすばらしい人生の次のステップへと押しすすめてくれたように思えた。議論は彼に勝たせてあげ、公の場では彼に主導的な役割を任せていれば、私の活発で好奇心旺盛な性格は歓迎されていたのだ。子どもたちは成長して結婚し、孫もできた。人生は続いていた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>46年連れ添った夫の、想像もしなかった裏切り</h2>

<p>そしてある日、最初に離婚を切り出してから35年後、ビルがある看護師を私たちの忙しいクリニックの管理者にするよう、働きかけはじめた。そうなると、私はリーダーシップの役割から退くことになる。この提案は、唐突な感じがした。</p>

<p>彼女はいい看護師だったが、どう見ても天性のリーダーシップがあるタイプではなかったし、あまり好かれてもいなかった。彼女を気にいっていたのは、ビルだけのように思えた。いっしょに出張に行ったり、オフィスで遅くまで残業したりしていた。私は何度か、ビルに彼女との友情について、質問した。働きはじめてからだいぶ深まったように感じたからだが、彼はいつでもそれを一笑に付した。</p>

<p>私は管理者の提案については難色を示し、ビルには、私たちが魂を探求するときに行くお気に入りのスポットであるオーク・クリーク・キャニオンに行って、彼女か私か考えてみるようにすすめた。もちろん仕事上という意味でのことだった。</p>

<p>週末のあいだずっと、私が知っている善良なビル・マクギャリーが我に返るよう祈った。自分のなかのふたりのグラディスも、何度も対話をしていた。まだ闘いたいと思っている小さなグラディスと、彼女を正しい方向に導こうとする聡明なカウンセラーのグラディス博士だ。グラディスは怖がっていたが、グラディス博士は、何が起ころうとも、乗りこえられると確信していた。</p>

<p>次に起こったのは、想像を超えた最悪の事態だった。少なくとも当時はそう思えた。ビルは帰宅すると、突然手紙を渡してきた。私たちの6人の子ども全員と、クリニックの理事会にも、すでに同じ手紙を渡し終えていた。そこには、彼の魂はひとりになる必要があり、その結果、彼と私は離婚すると書かれていた。私にはまったくの初耳だったが、他の人たちはみんな知っていたのだ。こうするのが正しいんだ、魂の本質的な部分なのだとビルは言った。私の魂の道は考慮されなかったということだろう。46年間、結婚していたのに。&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 25 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[グラディス・マクギャリー（医師）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>職場の人間関係をラクにする技術　臨床心理士が教える「苦手な人」への接し方  中島美鈴（臨床心理士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13942</link>
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			<description><![CDATA[なぜ職場の人間関係でストレスを抱えてしまうのか？ 本稿では臨床心理士の中島美鈴さんが、認知行動療法の視点から、自分を守り、対人関係を劇的にラクにする考え方と行動のコツを伝授します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="人間関係の悩み" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" width="1200" /></p>

<p>職場の人間関係がうまくいかないのは「スキーマ（思い込み）」のせいかもしれません。</p>

<p>スキーマは、成長過程で身についた「世界を捉えるフィルター」のようなもの。一旦身についたスキーマは、私たちの信念やコンプレックスとして、仕事の成果や人間関係にも影響を与え続けます。</p>

<p>本稿では、臨床心理士・中島美鈴さんの著書『会社でいちいち傷つかない　認知行動療法が教える、心を守り成果を出すための考え方と行動』より、このスキーマを調整するテクニックを紹介します。</p>

<p>※本稿は、中島美鈴著『会社でいちいち傷つかない　認知行動療法が教える、心を守り成果を出すための考え方と行動』（日経BP）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「わりきる」って具体的にどうするんですか？</h2>

<p>--------------------------------------<br />
いわゆるポーカーフェイスができないタイプ。社会人になるとみんな本音と建前をうまく使い分けて、会社では感情的にならずにやってる。でも私はどうしても好き嫌いが顔に出てしまう。大人気ないけど。パワハラとか言われてしまったらどうしよう。<br />
--------------------------------------</p>

<p>人間関係にまつわるイライラや好き嫌いの感情は職場ではつつしむべきということは誰もがわかっていることでしょう。しかし私たちは感情を持つ生き物。なかなかコントロールできないので苦労するわけです。</p>

<p>現に職場におけるストレスの中でも、大部分の人が悩んでいるのが「人間関係」の問題です。対処法を知っていれば、ずいぶんとストレスを減らすことができます。具体的にどうしていけばいいのでしょう。</p>

<p>まず、お伝えしたいのは、職場の人間関係におけるネガティブな感情そのものは悪いものではないということです。</p>

<p>好き嫌いを抱いてしまうことそのものは防ぎきれないし、しょうがないものです。この好き嫌いの感情だけなら、割とシンプルな話なのです。しかし、私たちがつらくなるのは、その背景に「この人とうまくやらなければ」という思い込み（スキーマ）がある場合です。</p>

<p>私たちは物心ついた頃から「みんなと仲良くしましょう」と教えられてきました。揉め事を起こす人よりは上手く収める人の方が重宝されます。そのため過度に「人に対してネガティブな感情を持っていてはいけない」と自ら抑圧しているのです。嫌いな人にはそれなりの対応でよいだろう、と思えるともっとラクなのですが。ではどうしたらいいのでしょう。「みんなと仲良く」といった規範を、働く大人向けにアップデートするのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スキーマを職場に合わせて調整する</h2>

<p>スキーマを現在の職場に合わせて調整するのです。具体的には、「職場は学校やプライベートの人間関係と違って、あくまで生産性を上げて利益を追求する場なのだ。人間関係がいいと円滑ではあるけれど、あくまでそれは副産物であって、最大のアウトプットは生産性なのだ」と考えるのです。簡単にいえば「仲良くできるに越したことはないけれど、重視すべきは仕事の結果」ということです。</p>

<p>こうしてスキーマレベルで書き換えを試みても、すぐには変われないものです。そこで、行動レベルでもう少し変化を加えます。苦手な人から不意に話しかけられたことを想定して、事前に対応を考えるのです。こういう「不意打ち」の時には、慣れ親しんだスキーマが反射的に出てきてしまいます。咄嗟に「仲良くしなくちゃ！」と思ってしまうのです。</p>

<p>やること、やらないことを事前に決めて、それ以外は、あくまで仕事の生産性を下げないために、最低限の交流を保つように気をつけます。</p>

<p>例えば、こんなふうに、すること、しないことを決めてみるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【職場で苦手な人にもすることリスト】</p>

<p>・仕事のいわゆる「ほうれんそう」<br />
・挨拶<br />
・謝罪<br />
・ランチタイムや飲み会などでの複数人での雑談</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【職場で苦手な人にしないことリスト】</p>

<p>・その場を取り繕うための雑談<br />
・心にもないお世辞を言う<br />
・プライベートな旅行のお土産を渡す<br />
・業務の範囲を超えたお願いを聞くこと<br />
・プライベートなことへの質問の回答（代わりに「まあ、まあ、まあ......」などと濁す）<br />
・プライベートの相談<br />
・その人から褒められよう、好かれようと期待すること</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>リストアップしてもなお、「そんなことしたらどう思われるか」と心がざわついてしまう方は、スキーマが関連していないか見直してみましょう。</p>

<p>「みんな仲良く」「この人とうまくやらなければ」といったスキーマが発動していませんか? もう一度言いますが、職場は生産性を上げる場所で、そうしている限り文句を言われませんし、クビにもなりません。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 25 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中島美鈴（臨床心理士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>長野県で“サラダ軍艦”が人気No.1に？　人気ネタに表れる「寿司の地域性」  ながさき一生（株式会社さかなプロダクション代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13969</link>
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			<description><![CDATA[寿司には地域の文化が反映されるため、「よく食べられるネタ」が地域によって大きく異なります。地域ごとに人気のネタや土地に根差す町寿司の魅力をながさき一生さんが紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ながさき一生著『寿司ビジネス』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sushi.jpg" width="1200" />マグロ、サーモン、いくら、鯛...日本人が大好きな寿司には、さまざまなネタがありますが、「寿司は地域の文化が色濃く反映される食べ物」だと、「さかなの会」主宰で株式会社さかなプロダクション代表取締役を務めるながさき一生さんはいいます。本稿では、地域ごとに異なる人気の寿司ネタや町寿司の魅力について、見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、ながさき一生著『寿司ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>地域別人気の寿司ネタ</h2>

<p>寿司には、地域の文化が色濃く反映されやすいという特徴があります。例えば、同じ回転寿司チェーンで、同じメニューが並んでいたとしても、地域によって「よく食べられるネタ」は驚くほど違ってきます。ここでは、そんな寿司の地域性を、人気の寿司ネタから北から順に覗いていきましょう。</p>

<p>【1】北海道：〆鯖（しめさば）</p>

<p>「魚の宝庫」として知られる北海道ですが、意外にも人気ネタとして名前が挙がるのが〆鯖です。北海道といえば、鮮度抜群の「生」のイメージが強いかもしれませんが、実はサケやニシンなど、保存食文化が古くから根付いている地域でもあります。</p>

<p>脂の乗った鯖を、酢でしっかりと締めるという「ひと手間」を加えた味わいは、北海道の食文化には自然と馴染んできました。キリッとした酸味と鯖の旨味のバランスを好む感覚は、保存食を大切にしてきた土地柄とも重なります。</p>

<p>【2】長野県：サラダ軍艦</p>

<p>海のない県、長野で圧倒的な人気を誇るのが「サラダ軍艦」です。かつて鮮魚の入手が難しかった時代、保存性のある練り製品やマヨネーズを使った軍艦巻きは、子どもから大人まで楽しめる「ご馳走」として定着していきました。</p>

<p>さらに大きいのが、長野県発祥の回転寿司チェーン「かっぱ寿司」の存在です。県内に早くから店舗を展開し、サラダ軍艦を定番商品として提供してきたことが、食文化として根付く大きな要因になりました。長野県では、マグロやサーモンを抑えてサラダ軍艦が売上1位になる店舗も珍しくなく、もはや立派な「ソウル寿司」と言える存在です。</p>

<p>【3】石川県：かっぱ巻き</p>

<p>さまざまな海の幸のイメージが強い石川県ですが、実は「かっぱ巻き」の消費量が多い地域として知られています。なぜなのかは定かではありませんが、テレビの報道によると、その背景にあると言われているのが、石川県ならではの家庭環境です。</p>

<p>共働き世帯が多く、祖父母の家で育つ子どもたちが、庭で採れたきゅうりをおやつ代わりに食べて育つ。そんな光景が、ごく自然にある石川県では、家庭菜園できゅうりを育てている家が多いこともあり、石川県民にとってきゅうりは身近で親しみのある存在になっているとのこと。その延長線上に、かっぱ巻きの人気があると考えると腑に落ちます。</p>

<p>【4】愛知県：鉄火巻</p>

<p>「なごやめし」に代表されるように、しっかりとした味付けを好む傾向がある愛知県では、鉄火巻が人気です。愛知は三河湾を有し、海苔の生産が盛んな地域です。そのため海苔へのこだわりが強い人も多く、パリッと香ばしい海苔と赤身マグロの濃厚な旨味の組み合わせが高く評価されます。</p>

<p>また、通常1皿に4貫以上のる鉄火巻は、握りと比べてお得感が強いのも選ぶ理由として挙げる人が多くいるとのことです。</p>

<p>【5】愛媛県：オニオンサーモン</p>

<p>真鯛の養殖日本一を誇る愛媛県ですが、回転寿司では「オニオンサーモン」が売れているそうです。愛媛の食文化を見ていくと、実は甘めの味付けを好む傾向があります。麦味噌文化などがその代表例でしょう。それに加えて、愛媛には、薬味文化もあります。柑橘の皮や果汁、ねぎ、みょうがなど、香りや軽い辛味・酸味を添えて味を立体的に整える食べ方が根付いています。</p>

<p>脂の乗ったサーモンに、スライスオニオンと甘めのマヨネーズ。この組み合わせは単なる洋風アレンジではなく、「甘味と旨味」を土台にしつつ、オニオンの辛味と香りで後味を締めるという、愛媛の味覚構造に合ったものといえるでしょう。甘さを受け止めながら、薬味でキレを出す。その感覚にぴたりとはまっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>町寿司に行こう！</h2>

<p>以前は、どの町にも当たり前のようにお寿司屋さんがありました。日常のランチを食べたい時、お祝い事の特別なディナー、家族へのお土産、あるいは出前を頼む時など、町寿司は実にさまざまな役目を担っていました。</p>

<p>ところが現在では、日常食は回転寿司、お祝いの場は高級なカウンター寿司、持ち帰りはスーパーや駅ナカの寿司コーナー、出前はデリバリー寿司といった具合に役割が細分化され、分業が進んでいます。そんな中で、町のお寿司屋さん、いわゆる「町寿司」は、今どんな役割を担っているのか。町寿司が大好きな私自身、日頃から考えているテーマでもあります。</p>

<p>町寿司とは、高級寿司でも回転寿司でもない立ち位置で、町に根ざして営業しているお寿司屋さんのことです。家族経営や個人店が多く、何十年も同じ場所で続いている店が少なくありません。</p>

<p>寿司1人前ランチ1000円前後、ディナーでも3000円前後という価格帯でありながら、回転寿司のように大量に規格化された冷凍魚や養殖魚に依るのではなく、その日の仕入れに向き合い、季節の魚介を寿司として提供していただける。この存在は、子どもたちへの食育や地域の食文化を守るという意味でも、非常に重要だと私は感じています。</p>

<p>町寿司の魅力の一つは、地域性や経営者の個性が色濃く出る点です。例えば、私の地元である新潟県糸魚川市の人気店「地魚料理 すし活」では、地場の白身魚を中心としたネタ構成が特徴です。</p>

<p>糸魚川沖は地質の関係でミネラル分が多く、白身魚でも味が濃い。その魚に合わせて、味のしっかりしたコシヒカリのシャリを使っています。土地の魚と米の相性を、長年の経験で作り上げてきた町寿司らしい一軒です。</p>

<p>山間部にあり、熟成を効かせたネタと、しっかり酢を効かせたシャリで、独自の寿司を提供してくれる町寿司もあります。「山で寿司」という意外性がありますが、冷蔵技術が発達した現代においては、魚の扱いさえ適切であれば、場所を問わず美味しい寿司が成立します。</p>

<p>当然ながら都市部にも町寿司は数多く残っています。派手な演出はなくとも、丁寧な仕込みと安定した仕事で、地元の人や働く人に長く愛されているお店も少なくありません。こうしたお店では、寿司の流行よりも、日常としての寿司が大切にされています。</p>

<p>私が町寿司で特に好きなのは、家に帰ってきたかのようなアットホームな空気感です。大将や職人が黙々と寿司を握る中、女将さんがさりげなく声をかけてくれる。店の片隅には小さなテレビがあり、バラエティ番組の笑い声やニュースのアナウンサーの声が流れている。この昭和を思い出すようなノスタルジックな雰囲気に、いつの間にか心がほどけていきます。</p>

<p>物価高騰や人手不足など、町寿司を取り巻く環境は決して楽ではありません。それでも、多くの店が以前と大きく変わらない価格で寿司を提供し、地域の文化を守り続けています。その姿勢には、頭が下がる思いです。</p>

<p>こういった町寿司を少しでも応援しようと、私が主宰する「さかなの会」では、「machisushi_daisuki」というアカウントで町寿司のInstagramを立ち上げました。まだ、投稿数はそんなに多くありませんが、ぜひ皆さんも町寿司に足を運び、この文化を一緒に支えていきましょう。寿司の本質は、意外と身近な町寿司にこそ詰まっていると私は思っています。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sushi.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 24 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ながさき一生（株式会社さかなプロダクション代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「できない前提で動き出す」 0からフィンランド移住をかなえた人の考え方  chika</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13802</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013802</guid>
			<description><![CDATA[20歳の頃にフィンランドに一目ぼれし、30代で移住に挑戦したchikaさん。何もない状態から挑戦する際の心がけとは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika04.jpg" width="1200" /></p>

<p>20歳のときに「フィンランドに住みたい」と心を奪われ、その思いを胸に30代で移住をかなえたchikaさん。現地の寿司店で働き始めるも店の倒産を経験し、その後は個人事業主として独立。</p>

<p>人気コミックエッセイシリーズ最新作『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』では、さらに大学進学という新たな挑戦の日々が描かれています。</p>

<p>思いがけない出来事に直面しながらも、前を向き続けるその姿勢はどこから生まれるのでしょうか。フィンランドでの暮らしのなかで育まれた、chikaさんの&quot;心の保ち方&quot;について聞きました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フィンランドで気づいた「自分の性格のクセ」</h2>

<p><img alt="『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より" height="1763" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika01.jpg" width="1200" /><br />
『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より</p>

<p>――chikaさんのマンガは、ご自身の心の動きが丁寧に描かれている印象です。<br />
フィンランドで生活することで、これまで気づかなかったご自身の性格や思考のクセが浮き彫りになった瞬間はありましたか？</p>

<p>【chika】移住して感じたのは、職場でも生活でも「しんどい時に誰かが察して助けてくれる」ではなく、「必要なら自分から助けを求める」ことが前提になっていることです。</p>

<p>制度や支援先はあるけれど、それらは自分から声を上げないと始まらない。声を上げたらみんなが助けてくれるのですが、どうしても最初は自分の癖として「一人で頑張らなきゃ」と思いすぎるところがあったので、「声に出して助けを求める」ことは訓練が必要な部分だと感じました。</p>

<p>――心がしんどいとき、回復するためのルーティンや頼りにしているものはありますか？</p>

<p>【chika】日記を書くことが、ずっと大きな支えです。小学生の頃から毎日日記を書いていて、モヤモヤしたことも嬉しいことも全部書きます。</p>

<p>ストレスが溜まったときには、今感じていることを言語化しながら「なんでかな？」を掘っていき、最後は「どうしたらいいかな？」まで書き切るようにしています。自分にとって日記は日課で、同時にセラピーのようなものです。</p>

<p>それから、家でも職場でもない「サードプレイス」を持つことも大切にしています。フィンランドでは、職場と家の間にある静かなビールバーに寄って気持ちをクールダウンしたり、休日にはお気に入りの小さな島で水面を眺めたり、コーヒーを読んだりして過ごしています。</p>

<p>――フィンランドでの人間関係は、日本と比べてどのような違いを感じますか？</p>

<p>【chika】人との距離感が、踏み込みすぎない形で保たれていると感じます。<br />
自分のペースを尊重してくれるけれど、必要以上に干渉しない。「尊重と無関心の間」という表現が近いです。</p>

<p>例えば、一緒に旅をしていても別行動が自然に成立することがあります。</p>

<p>友達とサンタクロース村へ行ったとき、相手が「自分は疲れてるから車で寝てるね。チカは楽しんでおいで」と言ったことがあり、最初は驚きました。</p>

<p>けれど「一緒に来たから一緒に楽しまなきゃ」という罪悪感がなく、それぞれが自分らしくあることが許されている。そんな距離感を心地よく感じました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>移住、大学入学、ぬいぐるみ作り...挑戦し続けるためのコツ</h2>

<p><img alt="『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より" height="1763" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika05.jpg" width="1200" /><br />
『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より</p>

<p>――フィンランド移住そのものが大きな挑戦だったと思いますが、さらに現地の大学に通ったり、ぬいぐるみを制作して販売したりと、chikaさんは絶えず色んなことに取り組んでいる印象です。<br />
無理なく挑戦を続けるための心構えはありますか？</p>

<p>【chika】大きく二つあります。</p>

<p>一つ目は、期日を決めることです。移住前に「とりあえず3年」と決めたのもそうですし、ずっと続くと思うと単調に感じたり息苦しくなることでも、期限を区切ると「いつか終わるから大切にしよう」と思えるようになります。</p>

<p>二つ目は、挑戦は「100％準備はできない」と思うようにすることです。これは寿司学校時代、いつまでもスキルに自信が持てず海外への挑戦を先伸ばす私に、先生が伝えてくれた言葉です。</p>

<p>完璧になってからではなく、「できない前提」で挑戦して、その都度学んでいく。そう捉えることで一歩を出しやすくしています。</p>

<p>――いざ挑戦しようと思っても一歩踏み出せない場合、どんなことに意識を向けたら良いと思いますか？</p>

<p>【chika】「いつかやります」ではなく、小さなことでも「今やっています」に変えることが一つのコツだと思います。</p>

<p>私自身、会社員を続けながら週末に寿司学校に通ったり、まずは独学でぬいぐるみを作り始めたり、いきなり環境を全部変えずに、できる範囲で挑戦を積み重ねてきました。</p>

<p>安全と挑戦を両立させながら「まずやってみる」の心持ちで踏み出す選択肢も良いと思います。</p>

<p>また、不安や焦りがあるときは、原因をじっくり考えて先回りして潰すようにしています。漠然と抱え続けるよりも、ネガティブに感じる要素を書き出して、それに対して対策を立てる。できるところまで準備したら、あとは「これ以上はできない」と思える地点で腹をくくる。</p>

<p>自分は夢見がちなところがある一方で、リアリストな面もあるので、そこでバランスを取っています。準備の限界はありますが、できる対策を積み重ねることで「大丈夫だよ」と自分を安心させられるようにしています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フィンランドの「幸せの講義」から受け取った二つの視点</h2>

<p><img alt="『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より" height="1763" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika09.jpg" width="1200" /><br />
『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より</p>

<p>――マンガに描かれた「幸せの講義」を受けたお話が印象的でした。その講義を経て、糧になっていることはありますか？</p>

<p>【chika】この講義は、私自身「人の役に立ちたい」「新しいことに挑戦したい」という気持ちが先に立つ一方で、気づかないうちに限界を超えてしまうことがあり、仕事だけではなく人間関係や生活も含めて、長く自分らしく続けていくには何が必要なんだろう、と悩んでいた時期に受けました。</p>

<p>その中で先生が、「嫌なことや負荷がかかること、落ち込むことを全部避けることが幸せなのではなく、そういうことも含めて経験していくことに人生の意味がある」と話してくださったのが、特に心に残っています。</p>

<p>しんどさを感じる自分を否定しなくていいんだと安心できましたし、自分が大事にしたいと思ってきた方向性は間違っていなかったのかもしれない、と感じられたのが嬉しかったです。</p>

<p>もう一つ大きかったのは、「人とつながることと同じくらい、自分とつながっていることが大事」という言葉です。</p>

<p>誰かのために頑張ることでも、頑張りすぎると続かなくなってしまう。だからこそ、できる範囲を明確にして、必要なことにはNOと言いながら、自分の意思で選び直していくことが大切だと教えていただきました。</p>

<p>授業後の個別の質問でも、「小さなギビングを、できる範囲で長く続けるほうが、お互いにとっていい」というお話をしてくださって、それが当時の私には具体的な道筋になりました。</p>

<p><img alt="『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より" height="1763" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika10.jpg" width="1200" /><br />
『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika04.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 24 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[chika]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「いい感じにやっといて」は地雷?　丸投げ依頼に振り回されないための受け方  渋谷亜也（一般社団法人日本接客アドバイザー協会名誉顧問）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13961</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013961</guid>
			<description><![CDATA[「丸投げ」や「いい感じに」という曖昧な依頼がなぜ起きるのか？渋谷亜也氏の実体験を元に、引き受ける側の負担を減らし、仕事の価値を再認識するためのマインドセットを解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="丸投げ" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_zangyo2G.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事の依頼が「ざっくり」すぎて困ったことはありませんか？指示が曖昧な「丸投げ」は、引き受ける側の善意や努力によってなんとか維持されているのが現実です。</p>

<p>一般社団法人日本接客アドバイザー協会・名誉顧問の渋谷亜也さんの著書『ヒトもAIも仕事は&quot;引き受け方&quot;が9割』より、丸投げが起こる構造と、渋谷さんの苦い経験から得た「雑務の価値」、そして「自分を守るための受け方」についてお届けします。</p>

<p>※本稿は、渋谷亜也著『ヒトもAIも仕事は&quot;引き受け方&quot;が9割』（インプレス）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>仕事を丸投げする人</h2>

<p>特に具体的な指示をせず、「これお願いします」「これやっといてね」のように仕事をまるっと依頼されることがあると思います。過去に経験やレクチャーがあって、その指示だけで着手／完了できる時はよいですが、経験や情報が足りず、いわゆる「丸投げ」だった場合。みなさんも経験があると思います。</p>

<p>お願いの内容にかかわらず、人に何かを依頼する時、「完成系まで見えていて、それを踏まえてお願いするかどうか」で、依頼のしかた（相手に伝えること）は変わってきます。</p>

<p>たとえば、あなたがご家族から「明日ごみのの日だから、ごみを捨てておいてね」とおねがいされた、と仮定します。普段からごみ捨てをやっていれば、</p>

<p>・翌日の曜日を確認し、ごみの種別を確認する&rarr;可燃ごみの日だった<br />
・台所やリビングなど、家の中のごみ箱から回収してまとめる<br />
・翌朝、所定の時間までに、回収場所に出す</p>

<p>このような手順や段取りを把握できます。</p>

<p>ただ、やったことがない／普段からそんなにやっていない場合、</p>

<p>・明日は何のごみのなの日なのか<br />
・家のどこのごみを回収すればよいのか<br />
・どこに、いつまでにごみを出せばよいのか<br />
・そもそも、どれがごみなのかなのか</p>

<p>と、どこから手をつけてよいのかわからない状態で引き受けることになります。</p>

<p>同じように仕事を依頼された時、どれくらいの細かさで、どれくらいの完成度で、どれくらいの時間をかけていいのか、という具体的な要素がなければ、依頼された側は困ってしまいます。</p>

<p>先ほどのごみ捨ての例で言うと、「ごみを捨てておいてね」という依頼事項だけになると、どこのごみか分からないと、その人が認識しているごみしか捨てません。リビングと自分の部屋のごみだけを捨てていたら「台所と洗面所のごみは？」と後から指摘されるでしょう。</p>

<p>そのため、引き受ける側が「作業をする上でのポイント」を相手から引き出すことが重要になります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>経験談その１...当たり前と思われるやつ</h2>

<p>私自身の苦い経験なのですが、バックオフィスを担当していた頃、バリバリ動いている営業さんからの依頼案件を引き受けていました。</p>

<p>依頼自体は本当にざっくりしていたけど、そこから「ここはこうやって進めてよいですか」「こういう風にもできますが、どうですか」と、作業だけでなく提案もしながら資料作成や依頼事項を遂行していました。</p>

<p>繁忙期を過ぎ、閑散期になっても、営業さんたちからの依頼はざっくりしたものでした。状況によっては本当に「これやっといて」だけのことりもありました。「繁忙期だから」こちらでできることは巻き取ろう！と思ったのに、その期間で「こちらが自発的に拾って行動する」ということが当たり前になっていて、結果「あの人は言わなくてもやってくれるから楽」と思われ、便利屋さんになっていました。</p>

<p>これはいけない、私自身の負担が増えてしまう&hellip;&hellip;と危機感を覚え、そこから少しずつ、依頼する際のテンプレートを整えました。また、相手とコミュニケーションを取る中で「こうしてもらえると嬉しい」を少しずつ伝えることで、こちらの負担は少しずつ減りました。</p>

<p>「よかれと思ってやったら、それを当たり前と思われる」こと、仕事を引き受ける側の立場にいると、結構な頻度のあるあるだと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>経験談その２...いい感じにやっといて</h2>

<p>自分の仕事をストレスなく完遂したい！そのために必要事項は事前に聞きたい！と思っても、「いい感じにやっといて」という、言っている側は気持ちが良いかもしれないけど、受ける側には何の情報も得られない言葉が返ってきたり。さらに突っ込んで聞くと「いちいち細かいな」とブツブツ文句を言われることもありました。</p>

<p>「いい感じに」としか言えないのは、依頼者の「完成形に至るまでの【道のりの解像度が低い】から」です。見えていないことは指示はできません。この「道のりの解像度が低い」それ自体で、依頼者を責める意図はありません。完成形は見えていても、そこに向かう過程が現時点でない（考えていない）、という意味で書きました。</p>

<p>次の事例は、私が実際に経験した内容です。年末の書類発送が立て込んでいる時に「今日の集荷に間に合うように、添付したファイルを印刷して郵送してください！」という依頼が来ました。メールで届いたファイルは、Word、Excel、PDFと形式は様々。依頼自体は午前中の早い時間に打診されたので、集荷までには時間的な余裕はありました。それでも、時間に追い立てられるとどうしても焦ってしまうので、早めに着手しました。</p>

<p>【届いたファイルを開いて印刷する】</p>

<p>・PDFはそのままファイルを印刷<br />
・Wordファイルは、ファイルを開いた後の自分の操作で文字が入ってしまう可能性があるため、慎重にPDFに変換してから印刷<br />
・Excelはそのまま印刷したらB5サイズで、他の書類とのサイズが合わない&rarr;依頼元に確認して、A4へ拡大して印刷する</p>

<p>このように「印刷するだけ」ではすまないことがいくつも出てきました。都度確認して、なんとか印刷は完了。</p>

<p>【今日の集荷に間に合うように郵送する】</p>

<p>・今日の集荷に間に合うように&rarr;普通郵便で送付すると、以前より＋1&minus;2日かかるので、「必着日はいつなのか」を確認&rarr;明日必着だった<br />
・明日必着＝レターパックやゆうパックで送付すると安心（配達完了の確認もできるため）&rarr;レターパックで送付することを依頼主へ伝え、郵便局窓口へ出向き発送完了</p>

<p>と、「添付したファイルを印刷して、今日の集荷に間に合うように郵送してください」の中も、掘り下げていくと文字外のことがたくさんありました。</p>

<p>後工程になればなるほど時間的な猶予が少なくなるため、「納期に敏感になる」必要もありますし、ミスも許されない度合いが高まります。ただ、ほとんどの企業では「資料を作る人」は資料を作ることだけに集中するので、そこまで気が回らないことがほとんど。バックオフィス側でそういったところを巻き取って、いろんなところで無理をして期日に間に合わせている現実もあると思います。</p>

<p>性格上、そういった細部の作業が苦手な方もいますし、本当に業務が手一杯で捌いているだけの人もいます。そこを全部巻き取って、納期に間に合わせるように頑張っているバックオフィスのみなさん、えらいです。尊敬します。でも、それを当たり前だと思われないと、悲しくなりますよね。</p>

<p>もちろん業務だから、やるのは当たり前。ただ、「それはそちらの仕事だから」と依頼元から言われると「あなたのためにやっているのではない」とブチギレそうになるのもわかります。あくまで「自分の業務だから、業務範囲のことを、責任を持ってやっているだけ」なのですが、そこを勘違いして「俺だからやってくれる」って思う人もいるんですよね。</p>

<p>なぜか特に役職／肩書きを持っている人は「自分が部長／課長だからやってもらえている」って思うケースもあります。仕事だからやってるんです。あなたが偉いからではありません。</p>

<p>私が大事にしている考え方に「雑務という仕事はない」があります。どんな仕事も、小さな仕事の積み重ねでできあがっているから、雑務と呼んでいい仕事はない。それを、瑣末な仕事だからと軽く扱ってよいわけではないし、それをやっている人を軽く扱っていいわけがない。</p>

<p>小さい仕事を堅実にやり遂げる人がいるから、会社が回っている、と、部下を持つ方には理解してほしいと願います。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_zangyo2G.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 24 Mar 2026 07:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[渋谷亜也（一般社団法人日本接客アドバイザー協会名誉顧問）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>マセラティのロゴは「ボローニャの噴水」が由来？ 日本橋三越とも繋がる、高級車と海の神の意外な関係  ラテン語さん</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13909</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013909</guid>
			<description><![CDATA[高級車マセラティのロゴは、ボローニャの広場に立つ「海の神」の武器がモデル？日本橋三越に飾られた彫刻との意外な共通点や、あえて「未完成」で残された巨大聖堂など、ラテン語のプロがボローニャの魅力を綴ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="840" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260309latingosan05.jpg" width="1200" />死せるキリストへの嘆き</p>

<p>ボローニャの街を歩いていると、広場に立つ壮麗な噴水に目を奪われた。よく見ると、日本でもなじみのあるものとのつながりが隠されていた。高校2年生でラテン語の学習を始め、2016年からX（旧Twitter）でラテン語の魅力を毎日発信し続けるラテン語さん（東京古典学舎研究員）。その新著『今に生きるラテン語を求めて　「永遠の都」ローマ滞在記』から、ボローニャの広場で出会った意外な発見を紹介する。(写真提供：ラテン語さん)</p>

<p>※本記事は、『今に生きるラテン語を求めて　「永遠の都」ローマ滞在記』（PHP研究所刊）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>15世紀の彫刻に圧倒されたサンタ・マリア・デッラ・ヴィータ教会</h2>

<p>偶然にボローニャを観光することになったので、サンタ・マリア・デッラ・ヴィータ教会にある15世紀の彫刻家ニッコロ・デラルカが製作したテラコッタの作品「死せるキリストへの嘆き」（Compianto sul Cristo morto）を見ることにしよう。</p>

<p>亡くなったキリストが横たわっていて、その周りを6人が囲んでいる。人々の嘆きの表情がすさまじく、これほど感情が表れている彫刻は珍しい。この像を見るために8ユーロの特別料金がかかったが、その価値は十分にある体験だった。</p>

<p>待ち合わせの時間が近づいてきたので駅に戻り、イレーネに会う。町の名所であるマッジョーレ広場まで歩くとしよう。もちろん、会話は全てラテン語である。道の途中で、何やら言い合いをしている人たちを見た。イレーネは、「イタリアだとこれが普通だよ」と言った。ヤマザキマリ先生との共著『座右のラテン語』に収録する対談をしたときに先生から教わった通りだった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>マセラティのロゴの由来はボローニャの噴水</h2>

<p>やっとマッジョーレ広場にたどり着いた。まず目についたのは、ネプトゥーヌス（ネプチューン）の噴水（Fontana del Nettuno）だ。噴水のいちばん上に、海神ネプチューンが武器である三叉の銛を持って凛々しく立っている。この三叉の銛は、ボローニャで創業した自動車メーカー、マセラティのロゴの元になっている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本橋三越にも同じ彫刻家の作品がある</h2>

<p>このネプチューン像は、彫刻家ジャンボローニャによってデザインされたものだ。彼が作ったメルクリウス像のレプリカが、日本橋三越本店の入口の上に飾られている。また、ネプチューンの噴水のネプチューン像のレプリカは、広島県の呉市海事歴史科学館で見ることができる。海の神にふさわしい場所だ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>完成しないまま時が止まったサンペトロニオ聖堂</h2>

<p>マッジョーレ広場には他にも、大きな時計が目を引く「アックルシオ宮」がある。外壁にある聖母子像（マリアと幼児キリストの像）は、先ほど私がサンタ・マリア・デッラ・ヴィータ教会で見た彫刻「死せるキリストへの嘆き」と同じ、ニッコロ・デラルカの作品だ。</p>

<p>ただ、この広場で一番目を引くのは、なんと言ってもサンペトロニオ聖堂だ。初めて見る人は、何とも奇妙なファサードだと思うだろう。というのも、部分的にしか大理石に覆われていないからだ。大理石で覆う作業はずっと前に中断され、今後も完成することはないだろう。</p>

<p>騒がしい広場とは違って、教会の中は静けさにつつまれている。天井が高く、大変広々と感じる造りになっている。日中でもうす暗い教会の真ん中で、黄金の磔刑像が美しく輝いており、しばらく釘付けになっていた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>工事中で入れなかったボローニャの2つの斜塔</h2>

<p><img alt="ボローニャ中央駅" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260309latingosan04.jpg" width="1200" />ボローニャ中央駅</p>

<p>他にもボローニャにある2つの斜塔（ガリセンダの塔、アジネッリの塔）にも上りたかったが、工事中で中に入ることは叶わなかった。イレーネの合唱の時間が近づいてきたので、塔の付近で別れた。あらためて、彼女が大学時代に受けた扱いにくじけたままにならず、今はラテン語を楽しく話せるようになって本当によかった。</p>

<p>街中で市バスに乗り込み、ボローニャ中央駅を目指す。バスの中で、ローマ・テルミニ駅に帰る電車の切符も買った。これでバッチリ。しかし、バスは中央駅のそばで停まらず、どんどん駅から遠ざかってしまった。停まったバス停から、慌てて走って駅を目指す。ただでさえバス停から駅は距離があるのに、私が行く高速鉄道（フレッチャロッサ、イタリア語で「赤い矢＝freccia rossa」）のホームは地下4階にあり、地上からたどり着くのに時間がかかる。</p>

<p>息も絶え絶えダッシュして、18時7分発の電車にギリギリ間に合った。遅れずに無事乗れた喜びで、列車のテーブルが食べ物の油やソースでベタついていることも気にならなかった。しばらくして赤い矢はローマ・テルミニ駅に到着した。時刻は20時15分。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260309latingosan05.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 23 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ラテン語さん]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>“前向きな言葉”がストレスの種に...脳に負荷をかける「手放したい3つの言葉」  西剛志（脳科学者）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13805</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013805</guid>
			<description><![CDATA[一見前向きに聞こえる言葉でもストレスになり、自分を苦しめることになる。どんな言葉がストレスの種になり、どうすれば悩まずに済むか、脳科学者の西剛志さんが紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="西剛志著『脳科学でわかった仕事のストレスをなくす本』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamiwoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>「毎日頑張って日記を続けよう」「失敗しないように注意しよう」こうした心の中で繰り返す自分との会話を「脳内トーク」といいますが、一見前向きな言葉でも脳に余計な負荷になってしまうことがあると、脳科学者の西剛志さんは語ります。</p>

<p>では、どんな言葉が自分自身にストレスを与えてしまうことになるのか――本稿では、「無意識に使っている3つのストレスが溜まる言葉」と、その対処法について紹介します。</p>

<p>※本稿は、西剛志著『脳科学でわかった仕事のストレスをなくす本』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>真剣にやらなければいけない</h2>

<p>何かに真剣に取り組んでいる人は恰好よく見えますし、パフォーマンスも上がりそうに思えるかもしれません。しかし、何事も真剣にやりすぎると、脳にマイナスに働きます。過度な集中は脳の疲労物質「グルタミン酸」を溜め込み、かえってパフォーマンスを下げてしまうからです。</p>

<p>もちろん、真剣に取り組むことで一時的に成果が出ることはあるかもしれませんが、それを長く続けると脳が疲れ、脳内トークの質も落ちてしまうのです。</p>

<p>被験者を「真剣に考えよう」と脳内トークするグループと「肩の力を抜いてやってみよう」と脳内トークするグループに分けた実験では、後者のほうが前者よりも、複雑な作業の効率が平均10〜25％ほど高まるという結果が出ていますし、私も研修や個人サポートの現場で、それを実感しています。</p>

<p>スポーツやビジネスの世界で成果を出す人を観察すると、「真剣にやりすぎる」というより、むしろ肩の力が抜け、リラックスしているように見えます。ゾーンに入っているときの状態(フロー状態)は、リラックスと集中が共存するゲームをしているときの感覚に近いかもしれません。</p>

<p>どの分野においても、うまくいく人ほど遊んでいるように見えますが、彼らはまさにゾーンに入っている状態に近く、すべてをゲーム感覚で楽しんでいるのです。あらゆることをゲーム感覚で楽しむようになると、脳内トークも自然と前向きになり、効果も大きくなります。一つの方法でうまくいかなかったとしても、「やり方を変えてみようかな」「これを組み合わせたらどうだろう？」と柔軟に考えられるからです。</p>

<p>逆に、「真剣にやらなければいけない」という脳内トークにとらわれていると、脳が緊張で固まり、ストレスが溜まりやすくなります。もしあなたが「いつも全力で頑張らなきゃ」と思っているなら、その言葉こそがストレスを消えにくくしている原因かもしれません。</p>

<p>だからこそ、この脳内トークを少し緩めて「今日は肩の力を抜いて、ゲーム感覚で一度試してみよう」と言ってみることが大切です。そのたった一言が脳をリラックスさせ、ストレスを和らげるきっかけになることがあるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>失敗してはいけない</h2>

<p>完璧主義の人は、「失敗してはいけない」という脳内トークを使いやすい傾向があります。特にスポーツの世界にいるアスリートは負けず嫌いで、完璧を求めるあまり、「エラーしてはいけない」「1点も取られてはいけない」と自分自身に負荷をかけることがしばしばあります。しかし、そう考えるほど緊張が強まり、パフォーマンスはかえって落ちます。</p>

<p>また、失敗を避ける人は、頭が良くなりにくいこともわかっています。マウスを使った迷路実験では、2回目の迷路をもっとも早くクリアしたのは、1回目に失敗をたくさん経験したマウスでした。しかも、同じ失敗を繰り返したのではなく、多様な失敗をしたマウスほど学習効率が高かったのです。つまり、たくさんの多様な失敗を経験するほど、私たちは学習し自己成長が起きるということです。</p>

<p>失敗を恐れるあまり緊張してしまう人は、「エラーは1試合に2つまではOK」「1点くらい取られても大丈夫」などと考えたほうが、むしろリラックスしてミスが減る効果まで期待できます。ちなみに、同じ練習を繰り返すよりも、異なる種類の練習を組み合わせたほうが、スポーツにおける身体能力の伸びが早いこともわかっています。</p>

<p>実際に脳は、失敗を通じてより多くの情報を取り込み、次の行動に活かす仕組みを持っています。たとえば、テニスプレーヤーの大坂なおみさんは、負けず嫌いで完璧主義者、そして短気だったため、かつては試合中に、悔しさから冷静さを失うことがよくありました。</p>

<p>ところが、サーシャパインというコーチに「相手に1点を取られても、なおみなら大丈夫。いつだって地球は丸く、草は緑だ。すべてはうまくいく」と言われて以来、プレーが一変。メキメキと頭角を現して、世界有数の実力者になりました。これも、「失敗してはいけない」という常識から抜け出した結果です。もちろんこれはスポーツ選手だけでなく、私たちの仕事や日常生活でも同じです。</p>

<p>「会議で1回くらい意見がうまく言えなくても大丈夫」</p>

<p>「資料に小さなミスがあっても、やり直せばいい」</p>

<p>「今日中に全部終わらなくても、明日やればいいこともある」</p>

<p>こうした緩やかな脳内トークを持つことで、私たちは完璧主義の呪縛から解放され、リラックスした状態になるため、むしろミスが少なくなります。結果として成長のスピードも上がり、本来の能力を発揮しやすくなるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>毎日続けなければいけない</h2>

<p>あなたには、長い間続けている趣味や習慣がありますか？</p>

<p>毎日の散歩、読書、家庭菜園、日記を書くこと......。人によっていろいろな答えがあると思いますが、中には「自分は三日坊主で続けられない」「どうしても途中でやめてしまう」と嘆く人もいるかもしれません。</p>

<p>しかし、三日坊主は決して悪いものではありません。むしろ、「毎日続けなければならない」と考える人より、「できるときにやればいいかな」「好きなときに書けばいいや」くらいのおおらかな気持ちの人のほうが、うまくいきやすいことがわかっています。</p>

<p>ここで、ある興味深い実験を紹介しましょう。被験者を、「感謝日記」(その日にあった、感謝すべき事柄を綴る日記)を週に3回書くグループと、日曜日だけ書くグループに分け、どちらのグループのほうが幸福度が高くなったかを測定したところ、後者のほうが幸福度は高かったのです。</p>

<p>なぜかというと、週に3回続けて書いていたグループは、最初はよかったのですが、続けているうちに、感謝日記を書くことが「義務」になり、感謝の気持ちがなくなってしまったからだと考えられます。どんな良い習慣も、「毎日やらなければ」と思っていると、効果がなくなってきてしまうのです。</p>

<p>これは仕事や日常生活にも当てはまります。「毎日残業して頑張らなければ」「毎日勉強しなければ」といった脳内トークは、自分を追い詰め、ストレスを増やしてしまいますから、「三日坊主も悪くない」「好きなときにやるのが一番だ」といった具合に、気楽に脳内トークをしてみることをおすすめします。</p>

<p>何事も気楽に考えたほうが、むしろ長く続けられるのです。私自身、この事実を知ってから、ずいぶん楽になりました。毎日欠かさず続けるよりも、「やりたいときにやる」ほうが、むしろ成果が出やすいことを実感しています。気ままに自分の気持ちを大切にすることが、結果的に脳内トークの質を高め、ストレスも軽くしていくことにつながるのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamiwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 23 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[西剛志（脳科学者）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ケンブリッジ大学は生徒の帰宅を禁ずる？ 天才を生む「カレッジ制」の実態  飯田史也（ケンブリッジ大学工学部教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13629</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013629</guid>
			<description><![CDATA[ニュートンやダーウィンを輩出したケンブリッジ大学。800年続く世界最高峰の教育の秘密は、独自の「カレッジ制」にありました。書籍『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』より、知の巨人を育て続ける驚異の学習システムを詳しく解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ケンブリッジ大学" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Cambridge.jpg" width="1200" /></p>

<p>ニュートンやダーウィン、そして数多のノーベル賞受賞者たち。なぜケンブリッジ大学は、800年もの間、時代を動かすリーダーを輩出し続けられるのでしょうか。その答えは、世界でも類を見ない独自の教育システム「カレッジ」に隠されていました。書籍『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』より解説します。</p>

<p>※本稿は飯田史也著『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』（日経BP）より一部を抜粋・再構成したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>カレッジは学生と教員を「缶詰」にする場所</h2>

<p>ケンブリッジの学生たちが充実した学生生活を送ることができる理由は、「カレッジ」という独自のシステムにあります。ケンブリッジ大学とオックスフォード大学は、世界で唯一の「カレッジ制大学」として知られており、カレッジの存在はこの２大学が成功するための秘策とも言えます。</p>

<p>カレッジは、いわば小さな大学のような独立した組織です。</p>

<p>ケンブリッジ大学には29の学部生用のカレッジがあり、それぞれが独自に運営されています。各カレッジには独自の図書館やダイニングホール、校長もいて、まるで29の小大学がひとつの大学内に存在しているかのようです。</p>

<p>ケンブリッジ大学全体に設置される学部や学科に加えて、それぞれのカレッジが独自の医学部や工学部、心理学科や哲学科などの科目を教え、入学試験も各カレッジが独自に行っています。普通の大学の中にさらに29の小大学が存在しているため、一見すると非常にむだが多い体制に見えますが、こうした複雑なしくみが必要なのは、学生に最高のエリート教育を提供するために他なりません。</p>

<p>この独自の体制こそが、ケンブリッジで学ぶ学生たちにとってかけがえのない教育環境をつくり出しています。</p>

<p>新入生は必ずいずれかのカレッジから入学許可を受け、ケンブリッジの29あるカレッジのいずれかに所属します。すべてのカレッジは全寮制の教育施設で、地元出身の学生であっても必ずカレッジの寮に住むことが求められます。学期中は、特別な事情がない限り実家に帰ることは許されず、カレッジ内に閉じ込められる形となります。</p>

<p>また、教員も例外ではありません。原則としてケンブリッジを3日以上離れることが禁止されており、出張などには特別な許可が必要です。100年ほど前までは、カレッジに所属する教員が結婚して家庭を持つことも禁じられていたと言われています。</p>

<p>つまり、先生も学生もカレッジという「缶詰」の中で生活することになるのです。このような厳しい生活規則は、おそらく何世紀も前の修道院のような制度に由来しているのでしょうが、いずれにせよ、こうした閉ざされた環境こそが最高の学びの原点となっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>学びは授業時間だけではなく、生活そのもの</h2>

<p>ケンブリッジの1学期は8週間と短期間ですが、その間、朝から晩まで、週末も含めてさまざまなことが次々と起こります。</p>

<p>大学の授業は学部全体での集団授業から始まります。私が所属する工学部では教養科目や専門科目が開講され、すべてのカレッジから学生が集まります。</p>

<p>この点は他の大学とあまり変わりませんが、ケンブリッジではこれらの授業がすべて午前9時から12時までの間に集中して行われ、他の大学なら1日かけて行う授業を半日で終わらせます。</p>

<p>午後の時間は、カレッジ独自の学習に使われます。</p>

<p>カレッジの学習とは主に授業で出された宿題に取り組むことですが、ここにケンブリッジならではのエリート教育が凝縮されています。カレッジの学習は、まず自分で宿題を解き、さらに先生と一緒に議論する個別指導が組み込まれています。これは、ひとりの教員が2、3人の学生を指導するとてもぜいたくなシステムです。それぞれの学生は、毎日何時間にもわたって、このような個別指導を受けます。</p>

<p>個別指導では単なる答え合わせにとどまらず、宿題をしていない学生にはお説教や生活指導がなされます。</p>

<p>また、宿題を完璧にこなした学生には掘り下げた議論が行われ、宿題の背景や関連知識について話し合います。学年末試験に備えた対策や、苦手分野の克服のために追加の宿題も出されます。このように、授業に出席し、宿題に取り組み、個別指導の準備と復習を何科目にもわたって行っているうちに、学びは生活そのものとなっていきます。</p>

<p>風邪をひいたり、体調が優れない日もあるかもしれませんが、それでも次々と押し寄せる課題をこなさなければなりません。</p>

<p>この学びは100メートル走のような瞬発力ではなく、マラソンのようにペースを配分し、遅れてしまったときには少しずつ取り戻し、計画に沿って生活のリズムをつくることが求められます。</p>

<p>このような生活を通じて、教師陣だけではなく、学生たちもそれぞれの生活をカレッジのペースに合わせていくことになり、そこでのさまざまな人との濃密な交流を通じて、自然と全員が「特別なコミュニケーション」を実践していくことになります。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Cambridge.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 23 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[飯田史也（ケンブリッジ大学工学部教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>【イベントレポート】人生の質を左右する「睡眠の正体」　医学的視点から紐解く最新知見  三村將（慶應義塾大学予防医療センター特任教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13991</link>
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			<description><![CDATA[大名誉教授・三村將氏が説く睡眠の最新知見をレポート。認知症予防に直結する「睡眠の質」の重要性や、寝床でのスマホ禁止など、健康を守るための実践的な改善策を分かりやすく解説します。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="睡眠" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/86077576px.jpg" width="1200" /></p>

<p>近年、日本人の睡眠時間の短さが国際的にも注目される中、睡眠への関心はかつてないほど高まっています。3月10日、麻布台ヒルズで開催された「Sleep Biz 2026」では、睡眠をビジネスやヘルスケアの文脈で捉え直す企業の出展や講演が繰り広げられました。</p>

<p>その中でも注目を集めたのが、予防医療の最前線に立つ三村將さん（慶應義塾大学予防医療センター）による特別講演です。「よい睡眠なくして健康なし」と題された本セッションの内容をレポートします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>睡眠は「もったいない時間」ではない</h2>

<p>私たちは人生の3分の1から4分の1を眠って過ごします。多忙な現代人にとって、この時間は一見「もったいない」と感じられるかもしれません。しかし、三村さんは「睡眠は生命維持に不可欠なシステムである」と断言します。</p>

<p>睡眠中、体内ではダイナミックな変化が起きています。特に重要なのがホルモンの分泌です。深い睡眠（ノンレム睡眠）のときには、子供の成長だけでなく、成人の組織修復やアンチエイジングに不可欠な「成長ホルモン」が分泌されます。一方で、覚醒に向けては「コルチゾール」というホルモンが上昇し、活動の準備を整えます。</p>

<p>三村さんは、睡眠と覚醒のリズムを司る物質として「オレキシン」に言及しました。これは、突然眠り込んでしまう「ナルコレプシー」の研究から筑波大学の柳沢正史教授らによって発見された物質です。現在、このオレキシンの働きをブロックする新しいタイプの睡眠薬が主流となっており、睡眠医学の進歩を象徴しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「量」よりも「質」――加齢と睡眠の真実</h2>

<p><img alt="三村將" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260318mimuramasaru.jpg" width="1200" /><br />
三村將先生</p>

<p>「何時間眠ればいいのか」という問いに対し、三村さんは加齢に伴う変化を理解する必要があると指摘します。乳幼児期に最も長かった睡眠時間は、加齢とともに減少します。70代であれば、6時間程度の睡眠で十分である場合も少なくありません。</p>

<p>三村さんが強調するのは、睡眠の「時間」そのものよりも「質」の重要性です。睡眠の質を語る上で欠かせないのが、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルです。ノンレム睡眠は深さによって複数のステージに分けられますが、高齢になると眠りが浅くなり、中途覚醒（途中で目が覚めること）が増える傾向にあります。</p>

<p>質の高い睡眠を確保するための鍵は「体温調節」にあります。体温が下がるタイミングで眠気が訪れるため、寝る前に一度体温を上げておくことが効果的です。夕食に温かいものを摂る、軽い運動をする、あるいはぬるめのお風呂に浸かるといった習慣が、スムーズな入眠を助けます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ストレスと「緑茶」の意外な関係</h2>

<p>講演では、オフィスワーカーを対象とした最新の研究「JN オアシス研究」の結果も紹介されました。ウェアラブルデバイスや唾液検査を用いたこの調査では、ストレスと睡眠の関係が浮き彫りになりました。</p>

<p>特に注目すべきは、炎症やストレスに関連する免疫成分「IL-6（インターロイキン6）」の値です。IL-6が高い人ほど、睡眠の質（特に深いノンレム睡眠の第3層）が悪いという相関が見られました。</p>

<p>興味深いことに、このIL-6を下げる要因として「緑茶」の摂取が挙げられました。緑茶は認知症予防に良いとされていますが、免疫機能を高めることで睡眠にもプラスの影響を与える可能性があるのです。一方で、二世帯住宅での生活がストレス値を高めているといった、住環境が睡眠に与える意外な側面も示唆されました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>脳の掃除機能と認知症予防</h2>

<p>睡眠の質は、将来の健康リスク、特に認知症とも深く関わっています。アルツハイマー病の原因物質とされる「アミロイド&beta;」は、中途覚醒が多い人ほど脳内に溜まりやすいことが分かっています。</p>

<p>睡眠中、脳内では「グリンパティック・システム」と呼ばれるリンパ系のような仕組みが作動し、脳内の老廃物を洗浄・除去しています。しかし、睡眠の質が悪いとこの掃除機能がうまく働かず、老廃物が蓄積してしまいます。つまり、毎晩の質の高い睡眠こそが、最強の認知症予防策と言えるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>睡眠障害への向き合い方：無呼吸と不眠の「負の連鎖」</h2>

<p>不眠症には、寝つきが悪い「入眠困難」、途中で目が覚める「中途覚醒」、ぐっすり眠った感じがしない「熟睡困難」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」といった様々なタイプがあります。三村さんは、「不眠は症状であり、その背景にうつ病などの病気が隠れていることもある」と指摘します。</p>

<p>対策としては、まず「非薬物療法」が重要視されます。朝日を浴びて体内リズムを整える、布団の中でのスマートフォン使用を控え「布団は寝るだけの場所」と脳に覚え込ませる（刺激制御法）、さらには今後保険収載の可能性がある「睡眠の認知行動療法（CBT）」などが有効です。</p>

<p>薬物療法が必要な場合も、かつての主流だったベンゾジアゼピン系ではなく、依存性の低いオレキシン受容体拮抗薬などが現代の第一選択肢となっています。</p>

<p>一方で、睡眠時無呼吸症候群では、酸素濃度が劇的に低下し、身体は「エベレストを無酸素で登っている」ような過酷な状況に置かれます。無呼吸といびき、そして昼間の眠気という「3つのS」に心当たりがある場合は、専門的な検査が必要です。</p>

<p>恐ろしいのは、不眠症と無呼吸が併存すると、生命予後が著しく悪くなるという事実です。この「負の連鎖」を断ち切るためには、無呼吸を悪化させない適切な睡眠薬の選択（デエビゴなど）や、CPAP（シーパップ）、マウスピース、あるいは「横向きに寝る」工夫など、個々の症状に合わせた治療が不可欠です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>健やかな暮らしのために</h2>

<p>三村さんは講演の締めくくりに、改めて「質の高い睡眠が、慢性疾患の予防、労働生産性の向上、そして将来の認知症予防に直結する」と強調しました。</p>

<p>会場との質疑応答では、無呼吸症候群の治療器（CPAP）が合わない場合の対処法として、マウスピースの作成や「横向きに寝る」ための寝具の活用といった具体的なアドバイスも送られました。</p>

<p>睡眠は、単なる休息の時間ではなく、私たちがより健康に、より自分らしく生きるための「投資」の時間です。あらためて自分の睡眠の質を見つめ直し、緑茶を飲む、寝る前のスマホを控えるといった小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【三村 將（みむら・まさる）】<br />
慶應義塾大学名誉教授。予防医療センター特任教授。医学博士。専門は老年精神医学、神経心理学。認知症や老年期うつ病の診療、研究に従事している。近年は認知症とうつ病の予防プロジェクトに力を注いでいる。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/86077576px.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 20 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[三村將（慶應義塾大学予防医療センター特任教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>【イベントレポート】睡眠の質は「昼間」に決まる　夜ぐっすり眠れるようになる「気を巡らせる」習慣  大木都（株式会社310LIFE代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13993</link>
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			<description><![CDATA[310LIFE代表・大木都氏による「睡眠養生」のレポート。日本人の多くが陥る「ピンチモード」の解説や、心身を整える投資としての睡眠、今日から実践できる具体的な改善ステップをまとめた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="睡眠" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sleep.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年3月10日、麻布台ヒルズの「ヒルズハウス」にて、睡眠をビジネスとライフスタイルの両面から捉え直すイベント「Sleep Biz 2026」が開催されました。</p>

<p>登壇者の一人、大木都（おおき・さと）さんは、株式会社310LIFEの代表であり、Webメディア『睡眠養生』の編集長も務めるヘルスケアコーディネーターです。</p>

<p>かつて自身が過労で入院した経験から、「忙しくても実践できるヘルスケア」を提唱する大木さん。本レポートでは、「頑張らないコーチング」をモットーとする彼女が語った、現代人が知っておくべき睡眠の真実と、具体的な改善メソッドを解説します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本人の8割は「ピンチモード」？睡眠不足が招く恐ろしい代償</h2>

<p>データによれば、働く日本人の過半数が、国が推奨する「6時間」の睡眠を確保できていません。大木さんは、ウェアラブルデバイス等から得られた膨大なデータをもとに、「現代人の約8割は慢性的な寝不足状態にある」と指摘します。</p>

<p>では、寝不足が続くと体はどうなるのでしょうか。睡眠は単なる休息ではなく、体内の「メンテナンス時間」です。睡眠が足りないと脳内には「アミロイド&beta;」などの老廃物が蓄積し、頭にモヤがかかったような「ブレインフォグ」を引き起こします。</p>

<p>さらに恐ろしいのは、体が「ピンチモード」に突入することです。「生命の維持」を最優先するため、体は美容（肌の再生）や生殖機能（生理など）といった「今すぐ死ぬわけではない機能」を後回しにします。脂っこいものを欲したり、エネルギー消費を抑えようとしたりするのも、体が生存の危機を感じて「バグ」を起こしている証拠なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「3秒で寝落ち」は気絶と同じ。誤解だらけの睡眠常識</h2>

<p><img alt="大木都" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260318ookisato.jpg" width="1200" /></p>

<p>大木さんは、多くの人が陥りがちな「睡眠の誤解」についても鋭く切り込みました。</p>

<p>特に印象的だったのが、「のび太くんのように、布団に入って3分、あるいは3秒で寝てしまうのは、実は『過労』のサインである」という話です。睡眠医学の世界では、これは健康的な入眠ではなく、限界を超えて「意識を失っている（気絶）」状態に近いと考えられています。</p>

<p>また、「自分はショートスリーパーだから大丈夫」という言葉も、多くの場合が誤解です。本当のショートスリーパーは、短時間睡眠でも日中に全く眠気を感じず、パフォーマンスが落ちない人を指します。移動中にすぐ寝てしまう、午前中に頭が回らないといった症状があるなら、それは単なる睡眠不足です。</p>

<p>大木さんは、「〇時間寝なければならない」という数字の呪縛を解き、「睡眠休養感（起きた時に、よく寝た！と思える感覚）」をゴールに設定することを推奨しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>最強の「メンパ」と「コスパ」を実現する「睡眠投資」</h2>

<p>大木さんは、睡眠を「コスト」ではなく、人生を豊かにするための「投資」であると定義します。</p>

<p>「睡眠改善は、サプリやエステにお金をかけるよりも、はるかに低コストで美容やパフォーマンス向上を実現できる。最近流行りの『タイパ』ならぬ、メンタル的な心地よさを表す『メンパ（メンタル・パフォーマンス）』においても、睡眠は最強の投資先です」</p>

<p>調子よく眠れている状態は、自分史上最高のパフォーマンスを発揮できる「無敵モード」。この「勝ち組」の状態を手に入れるために必要なのは、気合ではなく「技術」としての睡眠改善です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>今日から実践できる！快眠への3ステップ</h2>

<p>講演の後半、大木さんは今日からすぐに始められる具体的なメソッドを伝授してくれました。</p>

<p>1.睡眠の「可視化」から始める</p>

<p>「自分の睡眠が良いか悪いかは、自分では気づけません。研究では、81％の人が自分の睡眠の質の悪さに無自覚でした」まずはスマートウォッチやスマホアプリを活用し、自分の睡眠を客観的なデータとして「見る」ことが、改善の第一歩です。</p>

<p>2.「3時間前から」の環境づくり</p>

<p>現代人は、寝る直前までスマホの通知に脳を刺激され続けています。</p>

<p>3時間前：リラックスモードに切り替える。</p>

<p>光のコントロール：寝室の明かりを消す。夜中に目が覚めた時に明るいと、脳が起きてしまいます。</p>

<p>パジャマの着用：意外と軽視されがちですが、パジャマでを着用することも良質な睡眠に関係しています。</p>

<p>3.栄養と日中の活動で「眠りの質」を仕込む</p>

<p>睡眠の質は、夜ではなく「昼間」に決まります。</p>

<p>気を巡らせる運動：激しいトレーニングである必要はありません。階段を使ったり、ラジオ体操をしたりして、リンパや血流（気）を巡らせることが、夜の深い眠りにつながります。</p>

<p>寝る前のマルチビタミン・ミネラル：「途中で目が覚めてしまう」という方は、栄養不足が原因かもしれません。メンテナンスに必要な「建築資材」である栄養素（特にマグネシウムなどのミネラル）が足りないと、体はメンテナンスを中断してしまいます。寝る前にサプリメントを摂取するだけでも、中途覚醒が改善されるケースが多いそうです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>小さな「積み上げ」が未来を変える</h2>

<p>「いきなり完璧を目指す必要はありません。エスカレーターを階段に変える、ラジオ体操をやってみる。そんな続けられる小さな習慣を積み上げていけば、いつの間にか体は心地よい状態へと変わっていきます」</p>

<p>睡眠を整えることは、自分本来の健やかさを引き出す大切なプロセスです。「Sleep Biz 2026」で大木都さんが示したのは、忙しい日々の中でも無理なく取り入れられる、自分を労わるための現実的な指針でした。</p>

<p>【大木都（おおき・さと）】<br />
株式会社310LIFE代表取締役。ヘルスケアコーディネーター。Webメディア『睡眠養生』編集長。自身の過労経験から、忙しい現役世代でも実践できる「頑張らないヘルスケア」を提唱。企業向けセミナーやアプリのコーチング、共同研究など多方面で活躍中。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sleep.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 19 Mar 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大木都（株式会社310LIFE代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>仕事が早い人・遅い人の違いは？ 臨床心理士が明かす「効率を上げる」2つの方法  中島美鈴（臨床心理士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13941</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013941</guid>
			<description><![CDATA[仕事が遅い人の3つの問題点とは? 臨床心理士の中島美鈴さんが「今すぐ実践できる2つの技術」を紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="仕事が遅い人" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamiteam.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事の効率が上がらず悩んでいる人が、今すぐ実践できる改善策はあるのでしょうか。本稿では書籍『会社でいちいち傷つかない　認知行動療法が教える、心を守り成果を出すための考え方と行動』より、臨床心理士の中島美鈴さんが、認知行動療法の視点から導き出した「2つのテクニック」を紹介します。</p>

<p>※本稿は、中島美鈴著『会社でいちいち傷つかない　認知行動療法が教える、心を守り成果を出すための考え方と行動』（日経BP）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>仕事の要点がわからず、いつまでも終わらない</h2>

<p>--------------------------------------<br />
30代会社員のヒナタさん。いわゆる要領が悪いタイプで、決してさぼっているわけではないのに仕事が遅い。仕事の要点も外しているらしく、上司からの評価もよくない。仕事が早い人と遅い人の違いはどこにあるのでしょうか。<br />
--------------------------------------</p>

<p>職場におけるストレスの中でも、働き手不足による仕事量の多さは深刻な問題です。長時間労働につながり、心身の健康を蝕みます。個人にできる解決策のひとつとして、すぐにできることは時間あたりの生産性を上げることです。「人より仕事が遅いかも」と悩んでいる方にはぜひお読みいただきたいです。</p>

<p>会社員のヒナタさんもまた、いわゆる要領の悪いタイプで、仕事の仕方を見直すべき時期に来ています。仕事の仕方でも、運転の仕方でも、私たちは慣れたパターンがあるわけです。まずはそのパターンに気づいて、「ああ、いつもこのやり方だから仕事が遅くなるのか」と認識して、他のやり方を試してほしいのです。</p>

<p>これは時間管理スキルの中でも、ゴール設定とそこに到達するための手段の選択にかかわる部分です。これらができるようになると、仕事の要点を外さずに時間も圧縮できて、予定している仕事がこなせるようになるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【相談の要点】<br />
&bull; 仕事が遅い<br />
&bull; 仕事の要点を外しているので評価もよくない</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>認知行動療法の視点で捉える</h2>

<p>「仕事が遅い」という悩みには、少なくとも3つの問題があります。</p>

<p>・仕事のゴール設定ができていない<br />
・仕事の要点を押さえていない<br />
・時間に間に合うための方法を選べていない</p>

<p>という3つです。ひとつずつ見ていきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>1. 仕事のゴール設定ができてない</p>

<p>仕事の指示を受ける時に、仕事の完成形が浮かんでいれば、スムーズに着手できますね。完成形の解像度が高いほど、そこに到達する手段も描きやすくなり、行動に移しやすくなります。</p>

<p>仕事が遅い、終わらない理由のひとつには、仕事のゴールが曖昧なまま引き受けてしまうことがあります。その場で聞けない背景（「こんなことも知らなかったら、失望されそう」などの認知）についても修正してほしいのですが、仕事の指示の受け方をなるべく具体的にする、ということも大切です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>2. 仕事の要点を押さえていない</p>

<p>業務の中で、どこが外せないポイントなのか、どこを省略してもよいのか、なかなかピンとこないという人は案外います。こうした人たちは、いつも同じやり方で仕事をこなそうとするので、仕事が増えた分だけ残業が増えていきます。時間内におさまるように要点を意識しながら仕事をこなす方法を覚えていきましょう。要点を抽出するために、タスクを小さな要素に分ける、要素分解のやり方があります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>3. 時間に間に合うための方法を選べていない</p>

<p>私たちはつい慣れたやり方で仕事をこなそうとしてしまいます。これまでずっと手書きだった人に、急にパソコンを使うように言っても抵抗を示すでしょう。仕事のやり方を変えないのは、これと近いことかもしれません。時々、自分のやり方を疑い、視野を広げ、効率のよい方法を模索してみましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>認知行動療法のテクニックを使う</h2>

<p>さて、ここからは仕事の遅い会社員のヒナタさんを通して、業務改善のための認知行動療法のテクニックをお伝えします。ヒナタさんは上司から「会議のためにコーヒーを50名分用意してほしい」と依頼されました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【テクニック1】指示受けの時にゴールを明確にする</p>

<p>仕事の指示を受ける時は、業務内容に関するすべての質問を済ませて、受け終わる頃には、仕事の完成形が見えている状態を目指します。これまでのヒナタさんは、上司からの指示を聞いてメモを取っていても、わからな<br />
いことを質問しませんでした。</p>

<p>・コーヒーカップはどこにあるのか<br />
・大量のコーヒーを入れておく容器はあるのか<br />
・予算はいくらなのか</p>

<p>確認するべきことはいくつもあるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【テクニック2】問題解決技法</p>

<p>コーヒーを準備するのに、このような条件があったとしましょう。</p>

<p>・ホットコーヒー50名分<br />
・質にこだわる<br />
・予算はある程度かけていい<br />
・少しカジュアルな会議であるためソーサーまではいらない<br />
・コーヒーも大事だが、それ以上にプレゼン準備に注力してほしい</p>

<p>ヒナタさんは、給湯室のコーヒーメーカーが同時に10名分抽出できるので、5回抽出して、保温ポットにいれておき、紙コップで提供しようと考えました。上司の要件を満たしてはいます。しかし、ヒナタさんはプレゼンの準備もしなければなりません......。</p>

<p>このような時には、「問題解決技法」を使います。</p>

<p>これは認知行動療法の中でも代表的なテクニックです。ある問題を解決するための方法を、一旦評価せずに幅広く並べた上で選択していくというものです。この「一旦評価せず」という部分が肝心です。質より量でこれまでの自分の思い込みをとっぱらってどんどんアイデアを出していくのです。ブレーンストーミングとも呼ばれます。</p>

<p>そうして、アイデアが出尽くした後で、それぞれのメリットやデメリットを考えながら選択したり、いくつかのアイデアを組み合わせて解決法を決定するのです。</p>

<p>ヒナタさんは次のようにアイデアを書き出しました。</p>

<p>・となりのコンビニで買ってくる<br />
・同僚に手伝ってもらう<br />
・近くのコーヒーショップに注文する<br />
・家からコーヒーメーカーを持ってきて2台同時に抽出<br />
・Uber Eatsに配達してもらう<br />
・コーヒーメーカーをレンタルする<br />
・ケータリングサービス業者に頼む</p>

<p>いろいろ出てきましたね。こんなふうに立ち止まってアイデアを出していくと、自分がいつもやっていたやり方以外にも、たくさんの方法があるとわかりますね。</p>

<p>結局ヒナタさんは上司に許可を取り、Uber Eats に配達してもらうことを選び、プレゼンの準備に集中することができました。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamiteam.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 19 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中島美鈴（臨床心理士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ストレスを一気に消し去る　脳科学者が身をもって実感した「感情を紙に書ききる」効果  西剛志（脳科学者）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13804</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013804</guid>
			<description><![CDATA[苦手な人はその場にいなくても、思い出すだけでストレスの対象となってしまう。そうしたストレスを解消するための方法として、脳科学者の西剛志さんは「感情書ききり法」を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="西剛志著『脳科学でわかった仕事のストレスをなくす本』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_diary.jpg" width="1200" /></p>

<p>苦手な人のことを思い出すだけで胸がざわざわする...ストレスが溜まっていて、なかなか心が落ち着かない...今までにそんな経験をしたことはありませんか。</p>

<p>そうした状況になると、「幸せを司る脳内物質」が出にくくなってしまうと、脳科学者の西剛志さんは話します。本稿では、苦手な人を思い出すだけで心がしんどくなる仕組みやストレス解消法を解説していきます。</p>

<p>※本稿は、西剛志著『脳科学でわかった仕事のストレスをなくす本』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>脳は恐怖を感じた相手を「危険人物」として記憶する</h2>

<p>ストレスは次のようにして発生します。</p>

<p>外部刺激(苦手な人の言動)&rarr;扁桃体が反応&rarr;ストレス発生</p>

<p>まず、苦手な人からメールが来る、苦手な人の顔を見るなどの外部刺激があり、脳の前頭前野がそれを「危険である」と判断すると、扁桃体の警報ボタンが押されます。原始時代なら、ライオンや毒蛇を見つけたとき、扁桃体が「逃げろ！」と警報を鳴らしてくれるおかげで、人類は危険を回避し、生き延びることができました。ところが現代では、扁桃体は「苦手な上司や同僚」にも警報を鳴らしてしまうのです。</p>

<p>さらに、この扁桃体の反応は、「海馬」という記憶を司る部分にも伝わります。たとえば、会議で上司から「お前は本当に使えないな」と大勢の前で叱責され、前頭前野がこの上司を「危険だ！」と判断すると、扁桃体が警報を鳴らし、情報が海馬に送られます。</p>

<p>そして海馬は「この人物は危険だ」という情報を、長期記憶として脳に刻み込んでしまうのです。一度でも強い恐怖や屈辱を感じると、脳はそれを「生存に関わる重要情報」として永久保存してしまうわけです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>苦手な人は目の前にいなくても、脳をコントロールしてくる</h2>

<p>ここからが本当に恐ろしい部分です。脳は「現実」と「想像」を区別できません。つまり、苦手な人のことを思い出すだけで、扁桃体は「今まさに攻撃されている！」と勘違いし、警報を出してしまうのです。</p>

<p>家でゆっくりしているときも、家族や友人と公園や遊園地などで楽しく過ごしているときも、その人のことを思い出すたびに、扁桃体は警報ボタンを押し、脳は戦闘モードになり、ストレスホルモンを分泌し続けます。すると、何が起こるのか。</p>

<p>まず、ドーパミンが出にくくなります。ドーパミンは、脳が「この先に報酬がある」と予測したときに分泌されます。会議で褒められたり、ささいなことでも「成功した」と感じたり、「次はうまくいきそうだ」と思ったりするだけで、ドーパミンが分泌され、やる気や集中力が一気に高まります。</p>

<p>ところが、苦手な人がチームに加わったり上司になったり、無言のため息や見下す視線を浴びたり、「こんなこともできないの？」と否定されたり、「いくら頑張っても、この人にはわかってもらえない」と思ったりして、脳が何度も「もう見込みはない」と感じると、ドーパミンは分泌されにくくなります。そして、目の前にいなくても、そうした苦手な人のことを考えると、やはりドーパミンは出にくくなるのです。</p>

<p>さらに、苦手な人のことを思い出し、ストレスを感じ続けると、オキシトシン、セロトニン、&beta;-エンドルフィンなども出にくくなります。ドーパミンやオキシトシン、セロトニン、&beta;-エンドルフィンなどは「幸せを司る脳内物質」であり、私はドーパミン、オキシトシン、セロトニンの頭文字をとって、これらを「DOS」と呼んでいます。</p>

<p>DOSは、ストレスホルモンであるコルチゾールの働きを抑制し、脳を「ポジティブモード」に切り替えてくれます。また、ドーパミンは集中力と行動力を高め、セロトニンは心を安定させ、最後までやり抜く力を与えてくれます。つまり、DOSがたくさん出ていると、脳はストレスを感じにくくなり、かつ最高のパフォーマンスを発揮できるようになるのです。</p>

<p>逆に、DOSが出にくくなると、「やる気を出そう」と思っても動けず、仕事の効率が落ち、正しい判断ができなくなり、嫌な気分が続いて、何も楽しめなくなります。目の前にいなくても、苦手な人のことを考えてストレスを感じてしまう状態。それは、脳科学的には、「苦手な人に扁桃体の警報ボタンを押され、DOSのバランスを崩され、脳の機能を低下させられている状態」「苦手な人に、自分の脳を良くないほうにコントロールされている状態」だといえます。</p>

<p>苦手な人に四六時中脳をコントロールされ、せっかくの休日さえ楽しめなくなるのは、とてももったいないことだと思いませんか？</p>

<p>ただ、漠然と「ストレスがある」と感じているだけでは、原因や正体がわからず、ストレスは増す一方ですが、「自分がストレスを感じているのは、苦手な人が扁桃体の警報ボタンを押しているためだ」とわかれば、対処することが可能となります。苦手な人から脳が自由になるために有効なのは、以下の2つです。</p>

<p>①苦手な人が自分の脳に侵入できないよう強力なバリアを張る</p>

<p>②自分の力でDOSのバランスを整える</p>

<p>バリアを張ってしまえば、相手は扁桃体の警報ボタンを押すことができません。あるいは、自分の力でDOSのバランスを整えることができれば、たとえ相手からストレスを受けても、それをリセットすることができます。この2つを簡単に実践できる方法を1つお伝えします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>溜まったストレスを一気に消し去る「感情書ききり法」</h2>

<p>・やり方：嫌な相手への気持ちを、何も出てこなくなるまで紙に書ききる</p>

<p>・得られる変化：相手への怒りや恨み、ストレスがなくなる</p>

<p>・効く相手：長年恨んでいる相手や、ストレスを感じている相手など</p>

<p>・こんな場面で：長年の怒りや恨み、人間関係の根深いストレスを抱えているとき</p>

<p>感情を書き出すことは、ストレス対策として非常に有効です。たとえば「私は怒っている」と書くだけでも、「ストレスホルモンが低下する」「扁桃体の過剰反応を抑制できる」といった効果が期待できます。</p>

<p>「文字にして書く」という作業を行うには、ある程度の冷静さが必要なため、扁桃体の働きが抑制されます。また、ぐちゃぐちゃした思いを一度文字にして外に出すことで、頭の中が整理で、自分の感情を客観的に眺めることもできます。</p>

<p>1986年、テキサス大学のペネベーカー博士が、感情を書き出すことの効果を科学的に証明して以来、世界中で数多くの研究が積み重ねられてきました。その結果、「メンタルが安定し、医療機関にかかる頻度が下がった」「血圧が下がった」「免疫機能が向上した」など、書くことが心身に及ぼすさまざまな効果が報告されています。「感情を日記に書くこと」をすすめるカウンセラーや書籍も少なくありません。</p>

<p>しかし、人間関係の根深いストレスや、何年も心に突き刺さったトゲのような怒りや恨みは、ただ単に感情を書きだすだけでは、なかなか消すことができません。そこで、私が実践し、クライアントのみなさまにもすすめている方法があります。</p>

<p>それは「もう何も出てこなくなるまで書ききる」ことです。この方法は、私自身の経験から生まれたものです。</p>

<p>私はかつて、長年積もりに積もったある男性へのストレスに苦しんでいました。しかしあるとき、体調を崩し、「怒りが原因で、自分が病気になったのでは」と思ったのを機に、「この怒りを、完全に自分から追い出そう」と決意したのです。「ストレスを感じたら、感情を書き出すといい」と聞いたことがあったため、私は紙とペンを用意し、相手への思いを書き始めました。</p>

<p>「この野郎」「よくもあのとき......」「○○でしまえ」人には絶対に見せられない言葉が、次から次へと溢れ出てきます。書き始めて30分たってもまだ書くことがあり、積年の恨みとはこれほど深いものかと、自分でも驚きました。</p>

<p>ところが、書き続けて40分を過ぎたころ、ついに「もう書くことがない」という瞬間が訪れたのです。その瞬間、私の中で何かが変わりました。以来、彼に対する怒りを感じたことは一度もありません。脳科学的に見ると、この現象には明確な理由があります。</p>

<p>①感情の完全な枯渇</p>

<p>怒りのエネルギーを使い果たすまで書くことで、扁桃体が「もう反応する必要がない」と判断する。</p>

<p>②記憶の書き換え</p>

<p>何度も何度も書き出すことで、「相手＝怒り」という神経回路が疲労し、新しい回路に置き換わる。</p>

<p>③認知的完結</p>

<p>「もう書くことがない」という感覚が、脳に「この問題は終了」というシグナルを送る。</p>

<p>つまり、中途半端に書いて終わるのではなく、感情の井戸が完全に枯れるまで書ききることで、初めて脳は「この件は完了した」と認識するのです。</p>

<p>なお、書く際には、できれば感情(悔しさ、怒り、悲しみ、不安など)だけでなく、「あの人はどうしてこんなことをするんだろう」といった思考も同時に書き出すと、より高い効果があります。また、書ききった後の紙について、私は1か月以上机の引き出しの奥に入れて見ないか、シュレッダーやハサミで微塵切りにするか、燃やすことをおすすめしています。</p>

<p>自分の中で、その紙の存在がなくなっていくことにより、「もう自分の中にはない」という確信が生まれます。この不可逆的な行為が、心理的な完結をより強固なものにするのです。心の底から、その人への怒りや恨みを追い出したいと思ったときは、ぜひこの「感情書ききり法」を使ってください。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 19 Mar 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[西剛志（脳科学者）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>三省堂書店本店が開店！ 800人が行列、浅田次郎氏・北方謙三氏も登壇した式典をレポート  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13996</link>
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			<description><![CDATA[2026年3月19日、三省堂書店神田神保町本店が約4年ぶりに新装開店。開店前には約800人が列を作った記念式典では亀井社長、千代田区長、浅田次郎氏、北方健三氏が登壇。「歩けば世界が広がる書店」の誕生をレポートします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="三省堂書店" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260319Sanseido05.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年3月19日（木）午前10時、三省堂書店 神田神保町本店がグランドオープンを迎えました。開店を前に店頭には約800人もの来店客が列を作り、本の街・神田神保町に4年ぶりに書店の灯がともりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>亀井崇雄社長「しおりを外し、第2章が始まる」</h2>

<p><img alt="亀井崇雄社長" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260319Sanseido01.jpg" width="1200" /></p>

<p>式典の冒頭、三省堂書店の亀井崇雄社長が登壇。2022年の旧店舗閉店から今日に至るまでの想いを語りました。</p>

<p>「本日、約4年間挟んでいた『しおり』を外し、三省堂書店の第2章が始まることを宣言いたします」</p>

<p>亀井社長は、書店業界が厳しい状況にある中で、現状維持ではなく「未来への挑戦」として建て替えを決断したと強調。新店舗のコンセプト「歩けば世界が広がる書店」を紹介し、「本との偶然の出会いという、リアル書店の魅力を最大化する仕掛けを散りばめた」と説明しました。</p>

<p>「この開店はゴールではなくスタートです。書店には世界を照らす力がある。本を通してもっと世の中を豊かに、明るく灯していきたい」という決意表明に、会場からは大きな拍手が送られました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>千代田区長・樋口高顕氏「情報リテラシーを育む場として期待」</h2>

<p><img alt="樋口高顕氏" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260319Sanseido02.jpg" width="1200" /></p>

<p>続いて登壇した千代田区長・樋口高顕氏は、「父に幼い頃連れられ、また学生時代にも通った本屋さん」として三省堂書店への個人的な思い入れを語りました。</p>

<p>1881年（明治14年）の創業以来、145年にわたる同店の歴史を「日本が誇る出版文化・読書文化そのものの歴史」と称えつつ、SNSやAIが急速に普及する情報過多の時代だからこそ、書店が果たす役割は大きいと述べました。</p>

<p>「情報リテラシーは、子供の頃から文字・活字に親しむことによって鍛えられます。書店員さんが選んだ書棚を歩けば、思いがけない本との出会いもある。一冊の本がその人の世界を大きく広げ、情報を見極める力になる」</p>

<p>千代田区として、神保町の街の再生と若いクリエイターたちの挑戦を東京都・国と連携しながら全面的に支援していくことも約束しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>浅田次郎氏「本を食って生きてきた」</h2>

<p><img alt="浅田次郎" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260319Sanseido03.jpg" width="1200" /></p>

<p>神保町のすぐ近くで育ったという浅田氏は、「三省堂さんはご近所の本屋さん。神保町で育っていなければ小説家になっていなかった」と振り返ります。</p>

<p>「読書は娯楽以上のもの。一番ぴったりくるのは『本を食って生きてきた』という感覚です。資源のない日本が繁栄したのは教養主義があったから。これからも三省堂書店に美味しいものを買いに来ます」と、読者の一人として再開を喜びました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>北方謙三氏「この街は私の作家としての原点」</h2>

<p><img alt="北方謙三" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260319Sanseido04.jpg" width="1200" /></p>

<p>1967年頃から神保町に通い続けてきた北方氏は、青春時代の思い出を生き生きと語りました。</p>

<p>「ほとんど一年中この街を歩き回って、こんなにいろんな本が選べるのかと驚いた。ここで作家の名前を覚えて、その作家の作品を読んで......神保町は私の精神を作ってくれた街であり、小説家の原点です」</p>

<p>お金のなかった当時、りんご箱に入れて一冊50円で売られていた古書を買い、別の店に持っていくと800円になったこともあったと懐かしそうに振り返りました。今では神保町周辺を歩くと出版社の人に捕まって「原稿はどうした？」と声をかけられるため「気をつけているのですが」とユーモアたっぷりに話しながら、「これからどういう展開をされるのか、注目しております」と新店舗への期待を寄せました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「しおり」が外れた日</h2>

<p><img alt="三省堂書店店内" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260319Sanseido06.jpg" width="1200" /></p>

<p>開店を前に店頭に集まった約800人の来店客が見守るなか、三省堂書店 神田神保町本店は新たな一歩を踏み出しました。ネット書店では味わえない「偶然の出会い」を楽しめるこの場所は、再び本を愛する人々にとっての「心の居場所」となるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>三省堂書店 神田神保町本店<br />
住所：東京都千代田区神田神保町1丁目1番地（1〜3階）<br />
グランドオープン：2026年3月19日（木）午前10時<br />
営業時間：10:00〜20:00</p>

<p></p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260319Sanseido05.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 19 Mar 2026 11:15:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「聞く」は自分を守る技術　仕事の抱え込みから抜け出すためのマインドセット  渋谷亜也（一般社団法人日本接客アドバイザー協会名誉顧問）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13960</link>
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			<description><![CDATA[「頼むのはわがまま？」「聞くのは恥？」仕事をお願いできない、質問できない人が、心のブレーキを外してチームの信頼を築くためのヒントを抜粋してお届けします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="抱えすぎ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_confusing.jpg" width="1200" /></p>

<p>「人に頼むのが申し訳ない」「こんなことを聞くのは恥ずかしい」......。そんな優しさや責任感ゆえのブレーキが、自分を追い詰めていませんか？</p>

<p>一般社団法人日本接客アドバイザー協会・名誉顧問の渋谷亜也さんの著書『ヒトもAIも仕事は&quot;引き受け方&quot;が9割』より、お願いという行為に伴う心理的な重圧の正体と、聞くことを「恥」ではなく「自分を助ける花」と捉える効用についてお届けします。</p>

<p>※本稿は、渋谷亜也著『ヒトもAIも仕事は&quot;引き受け方&quot;が9割』（インプレス）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「お願いすること」にも、実はエネルギーがいる</h2>

<p>「なんだ〜！そんなことならもっと早く言ってくれればよかったのに！」というフレーズ、誰しも言ったこと・言われたことがあると思います。（この本を手に取られている方は、おそらく言われたことの方が圧倒的に多いと思います）。</p>

<p>「他人に何かをお願いをすること」、これ、実はかなりエネルギーが必要な行為です。</p>

<p>・お願いする相手の状況を想像してしまう&rarr;相手の負担や気持ちを先回りして考える、やさしい人ほどここで止まる（そういえば、別の案件で大変そうだった、今日はちょっと体調が悪そうだった）<br />
・お願いする内容を、うまく伝えなくては、というプレッシャー&rarr;伝え方に不安がある人ほど、&Prime;お願い&Prime;がハードルになる<br />
・断られるのが怖い、相手に断らせるのが申し訳ない&rarr;「頼むこと、頼ること＝自分の価値を下げること」のような思い込みがある<br />
・そもそも迷惑をかけたくない&rarr;頼むくらいなら自分でやる、「やさしさ」と「責任感の強さ」</p>

<p>「頼む」という行為を自らブロックする感情は、やさしさや気遣いがあるからこそ生まれるものです。だからこそ、お願いするにはエネルギーが必要で、余裕がないときほど「やっぱりいいです」と引き返してしまいやすくなります。</p>

<p>ただ、相手にお願いすることは、相手を信用しているからできること。「（あなたを信用しているので）これをお願いしたい」特に仕事に関しては、職場でのやりとりで可視化されやすいですよね。</p>

<p>......とはいえ、実際の現場ではそう受け取れないこともあります。「丸投げされた」「責任を押しつけられた」と感じる&Prime;お願い&Prime;のほうが、印象に残っている人も多いかもしれません。</p>

<p>けれど、だからこそ。本当に信頼している相手に向けた「お願い」は、それをやる負荷以上に、プラスの感情を残します。</p>

<p>たとえば、<br />
・いつも忙しそうにしている上司に資料のチェックをお願いしたら、「お、頼ってもらえるってことは、少しは信用してもらえた？」と笑って引き受けてくれた。<br />
・体調を崩した時に同僚に仕事をお願いしたら、「任せて、いつも頼ってばかりだから」と言ってくれたその一言で、自分の肩の力がすっと抜けた。</p>

<p>適度に頼ることは、負担ではなく「信頼の証」です。信用していない人にお願いできませんからね。誰かに必要とされること。誰かの力になれること。それは、お願いを&Prime;された側&Prime;にとっても、自分の存在を確かめるきっかけになるのです。</p>

<p>仕事を抱えすぎていた頃の私は、自分以外の全員が「味方ではない」と思っていたことすらありました。敵ではないけれど、味方でもない──そんな感覚です。でも、少しずつお願いをしてみたら、ちゃんと受け止めてくれる人がいた。思っていたよりも、世界はずっと優しかった。</p>

<p>だから、ダメ元でも聞いてみましょ。その一歩が、思っていた以上に自分も、誰かも、救うこともあるから。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>聞けるうちが花、黙るは枯れ</h2>

<p>日本人は「わからないことを質問すること」や「人に頼ること」に罪悪感を抱きやすい文化的背景を持っています。それは美徳として培われてきた「寡黙さ」や「空気を読む力」の裏返しでもあります。</p>

<p>ただ、現代社会、特に実務分野では、その美徳が時に「自滅」につながる可能性があります。加えて、恥の文化（他人の目を気にする）もあり、「失敗を隠す」「知らないことを表に出さない」行動が多くなり、「こんなことを聞いたらバカにされるのではないか」「こんなことも知らないと思われるのか」と、「無知を見せること＝評価を下げること」と考え、さらに質問や確認がしにくくなって何も聞けなくなる状況に陥ります。</p>

<p>「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」という言葉があります。一見すると「わからないことは素直に聞いたほうがいい」という教えに見えるのですが、その前提には先ほど挙げた「聞くこと＝ちょっと恥ずかしいこと」という感覚があります。</p>

<p>でも、ふと思ったのです。そもそも、聞くことって本当に「恥」なのか？自分が抱えていた「聞けない」の根っこを、根本的に揺るがす問いでした。冷静に考えると、むしろ「聞かずに、わからないままでいること」のほうがずっと困るし、後から恥ずかしい思いをすることも多いのでは...？</p>

<p>なのに、「質問するのはちょっと気が引ける」「こんなことを聞いたら変に思われないかな」と感じてしまう人は、年齢を問わず意外と多くて、それはもしかしたら、「聞く＝恥ずかしいこと」とする感覚が、まだ私たちの中に残っているからかもしれません。</p>

<p>そんなとき、「わからないことを聞ける自分」でいることを、自分で認めてあげましょう。「言ってもらえるうちが花だよ」と、忠告を受けた時などに使われるフレーズがありますが、お願いや確認が必要な時は「聞けるうちが花、黙るは枯れ」。質問や確認をしようとして気持ちが立ち止まった時は、これを思い出していただけるといいなと思います。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_confusing.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 19 Mar 2026 07:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[渋谷亜也（一般社団法人日本接客アドバイザー協会名誉顧問）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>世界一幸せな国、フィンランド移住3年　心地よさは「自分で作る」ものだった  chika</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13801</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013801</guid>
			<description><![CDATA[フィンランドに移住し、3年を迎えるchikaさん。&quot;幸せの国&quot;として知られる同国に住んでみて感じたこととは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="北欧編集部chika" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika08.jpg" width="1200" /></p>

<p>世界一幸福な国と称されるフィンランド。都市と自然がほどよく近く、サウナやコーヒーの文化も根づくこの国に、どこか憧れを抱く人も多いかもしれません。</p>

<p>そんなフィンランドで暮らし始めて3年目を迎えたchikaさん。現地の寿司店で働くところから始まった生活は、店の倒産という思わぬ出来事を経て、個人事業主、さらに大学進学へと広がっていきました。</p>

<p>人気コミックエッセイシリーズの最新作『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』（世界文化社刊）には、その試行錯誤の日々が率直につづられています。</p>

<p>フィンランドで暮らすなかで、どんな発見や変化があったのでしょうか。chikaさんに、現地での日々のことを聞きました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>住んでも変わらなかった「フィンランドの好きな部分」</h2>

<p><img alt="『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika06.jpg" /><br />
『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より</p>

<p>――20歳のとき、フィンランドに一目ぼれしたそうですね。具体的にどのような部分に惹かれたのでしょうか？</p>

<p>【chika】20歳のときに初めてフィンランドを訪れて、いろいろな国に行った中でも初めて「ここに住みたい」と思いました。</p>

<p>一目惚れの理由は、大きく二つあります。</p>

<p>一つは、自然との距離感です。ヘルシンキは首都なのに森や湖が街の中にシームレスに存在していて、「都会か自然か」の二択ではなく、便利さと自然が一緒にあることが田舎育ちの自分にはとても心地よく感じました。</p>

<p>もう一つは、人との距離感です。人々がそれぞれの好みやスタンスを大切にしていて、「私はこれが好き、あなたはそれが好き。それでいいよね」という、尊重と無関心の間のような距離感がありました。幼い頃から「普通でいなきゃ」「みんなと同じでいなきゃ」と考えやすいところがあったので、そんな距離感がより嬉しく、心地よく感じたのだと思います。</p>

<p>――実際に住んでみて、「これは想像と違った」と感じたことは何でしたか？</p>

<p>【chika】フィンランドは夏休みが長いイメージがあったのですが、長いサマーホリデーは勤続1年後からの取得で、初年度はありませんでした。しかも祝日数は日本のほうが多く、移住1年目は社会人人生で一番出勤日の多い一年になりました。</p>

<p>ただ、その中で同僚たちが「無給でいいから休みを取る」と選択していたのを見て、お金だけではなく休息の時間を大事にして、自分に必要なものを意思を持って守る姿勢を学びました。</p>

<p>私自身は最初その発想がなくて遠慮してしまったのですが、だからこそ「もっと自分で人生をデザインしていくものなんだ」と気づけた出来事でもありました。</p>

<p>――反対に、「ここは想像以上によかった」と思えた点はありますか？</p>

<p>【chika】一番は、20歳のときに惹かれた「距離感の心地よさ」が、住んでみても揺るがずに変わらなかったことです。</p>

<p>街と自然の距離感、人と人の距離感が、日常の中でそのまま続いていました。生活の中では、森できのこ狩りをしたり、友達とピクニックをしたり、そういう時間が週末のレジャーとして自然に根付いたことも嬉しかったです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「一人で抱えなくていい」ことを知った</h2>

<p><img alt="『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より" height="1763" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika07.jpg" width="1200" /></p>

<p>――フィンランドでの暮らしは、chikaさんのメンタル面に何か影響を与えましたか？</p>

<p>【chika】大きかったのは、「孤独」の捉え方が変わったことです。移住後に、孤独にはソリチュード（積極的な孤独）とロンリネス（消極的な孤独）の２種類があると学びました。</p>

<p>誰かと一緒でも「自分らしくいられる時間」を持てること、一人でも温かく過ごせる時間があること。そして一方で、ロンリネスを感じた時には「自らコミュニティを探すことができる」という道を知ることができました。</p>

<p>また移住１年目、職場で寿司シェフが自分一人になった時期があり、長時間労働と制作を両立しようとしてバーンアウトしかけたこともあります。</p>

<p>そんな中、同僚達の生き方を間近で学ぶ経験も通して「フィンランドに来たら自動的に理想の暮らしが手に入るのではなく、どこにいても暮らしを作るのは自分なんだ」と学びました。</p>

<p>――落ち込んだとき、フィンランドの環境や人に救われたご経験はありますか？</p>

<p>【chika】あります...！落ち込んだときほど、「一人で抱えなくていいんだ」と思わせてもらえた出来事がいくつかあります。</p>

<p>一つは、働いていた寿司店の倒産後に就業支援窓口で相談したときです。<br />
「あなたができることではなく、本当にしたいことは何ですか？」と問われ、転職や学び直し、起業支援などの選択肢を一緒に整理して、必要な窓口へつないでいただけたことが大きな支えになりました。</p>

<p>助けを求めればちゃんと道が開ける一方で、自分から言葉にしないと始まらない国だと実感し、「助けて」と言えたこと自体も私にとって大事な一歩でした。</p>

<p>もう一つは、同じ趣味や志を持つ仲間に出会えたことです。個人事業主になってから、ビザや税金などの手続きで小さな「できないこと」が重なり、無力感や孤独が強まった時期がありました。</p>

<p>でもその孤独をきっかけに仲間探しを始め、今はフィンランドの漫画コミュニティの友人たちと出会えました。クリスマスマーケットで一緒に本を売ったり、ぬいぐるみを作ったりしながら、抱えていたものを共有できるようになって、心強さが増しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フィンランドの暮らしに馴染みやすい人とは</h2>

<p>――国連の幸福度ランキングで1位のフィンランドは、「幸せの国」というイメージが根強いと思います。実際に住む立場から、その辺りをどう感じますか？</p>

<p>【chika】住んで感じたのは、「フィンランドに来たら自動的に幸せになる」というよりも、「自分の幸せの基準を自分で決めて、それを自分で作っていく」という姿勢が根付いているということです。</p>

<p>できないことにはNOと言い、自分が大事にしたいものは意思を持って守る。大事にしたいものは人によって違って、自然の中で過ごす時間だったり、好きなことをできる自由時間、家族と過ごす時間だったりします。<br />
そういう&quot;自分の宝物&quot;をちゃんと守って人生を形作っていく姿を、身近な人たちから学んだ気がします。</p>

<p>――フィンランド移住に憧れる日本人も少なくないと思います。フィンランドの暮らしに馴染みやすい性格、相性がよくない性格はあると思いますか？</p>

<p>【chika】あくまで私の経験の範囲になりますが、フィンランドの距離感を「冷たい」ではなく「心地よい」と受け取れると馴染みやすいと思います。<br />
「私はこれが好き、あなたはそれが好き」という違いを、そのまま受け止められる空気があります。</p>

<p>一方で、助けが必要なときには自分から「助けて」と言うことが前提になる場面も多いので、困っていても自力で何とかしようと我慢してしまう、私に似たタイプの方は、最初はしんどさを感じるかもしれません。<br />
口に出せば助けてくれる人や支援先はあるものの、ちゃんと言葉に出して言わないと始まらないので、そこは練習が必要だと感じます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フィンランドの「いいな」は、現状の暮らしにも取り入れられる</h2>

<p><img alt="『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より" height="1763" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika02.jpg" width="1200" /><br />
『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より</p>

<p>――マンガにあった、フィンランド人のガイドさんによる「8つの季節」の話が興味深かったです。日本にいながら取り入れられることは何だと思いますか？</p>

<p>【chika】フィンランドで感じた「いいな」は、フィンランドだからできるのではなく、意思次第で今の暮らしにも取り入れられると思っています。</p>

<p>例えば、予定を詰めすぎずに、あえてぼんやりする「余白」の時間を作ること。<br />
水辺のカフェで一息つくような感覚を、日本でも散歩や近所の好きな場所で再現すること。<br />
大きなイベントではなくても、自分の暮らしの中に&quot;小さな楽しみのルーティン&quot;を作っていくこと。</p>

<p>そういう積み重ねが、季節のグラデーションを味わうことにつながる気がしています。</p>

<p><img alt="『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より" height="1763" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika03.jpg" width="1200" /><br />
『北欧こじらせ日記 決意の3年目編』より</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260305chika08.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 18 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[chika]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ニュートン、ダーウィンを輩出...ケンブリッジ大学で800年続く「天才が育つ勉強法」  飯田史也（ケンブリッジ大学工学部教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13630</link>
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			<description><![CDATA[ケンブリッジ大学で800年受け継がれている教育とは？ ケンブリッジ大学工学部教授の飯田史也さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ケンブリッジ大学の教育" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_glasses.jpg" width="1200" /></p>

<p>世界最高峰の名門ケンブリッジ大学は800年もの間「対話を重視する学び」を実践しています。それは、言葉のやり取りの中にこそ、学びの本質があるからです。</p>

<p>知識を一方的に受け取るだけではなく、能動的なコミュニケーションを通じて学ぶことで、まるで「理想の家庭教師」がそばにいるかのような学びの環境が生まれます。人生の可能性を大きく広げる、ケンブリッジ流・「人の手を借りる学び」を書籍『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』より紐解きます。</p>

<p>※本稿は飯田史也著『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』（日経BP）より一部を抜粋・再構成したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>学びはひとりでやらない</h2>

<p>読む、聞く、理解する。そして自分の言葉で考え、表現する、こうした一連の営みは、誰かと話すだけでなく、ひとりで日記を書くような「自分との対話」でも実現できます。自分自身を相手にする対話だけでも、学びは深まります。</p>

<p>しかし、学びを飛躍的に深め、広げるために欠かせないのが「他者の存在」です。</p>

<p>自分では予想できなかった視点、自分では気づけなかった問いかけ、自分の思考のあいまいさを突く指摘など、これらは、生身の人との対話の中でこそ生まれます。</p>

<p>どれほど時間と手間がかかっても、やはり「人と人が向き合うこと」は、深い学びへの最短ルートです。</p>

<p>たとえば、ケンブリッジ大学では、少人数の個別指導や、週に何度も開かれるフォーマルディナーなど、学生と教員が集まり深く交流するしくみに多くのリソースが注がれています。</p>

<p>ケンブリッジを支えているのは、一人ひとりの優秀さだけではありません。教員、学生、スタッフがつながり、互いに問いを投げかけ、知識を共有し、時には批判し合い、共に考える。そうした人間関係のネットワークが、学びを深めるチームとして機能しています。</p>

<p>どれほど優秀な人でも、自分ひとりでは限界があります。</p>

<p>自分の専門の外にある知識を持つ人、異なる立場から問いを投げかけてくれる人、自分の考えを正直に批判してくれる人、そのような多様な人が集まることで、ひとりの思考が、個人では到達できない深さまで至ります。</p>

<p>このような理由で、ここでは、「学びのチーム」という考え方を深掘りしていきます。自分の学びを支えてくれる人々を意識的に集め、人とのつながりをどのように育て、どのように活かし、どのように「チーム」にしていくのか。これが、ここからの学びに不可欠な姿勢です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>他人の手を煩わすのは大変、それでも避けて通れない</h2>

<p>学びとは、多くの場合、自分自身への投資です。将来の自分がもっと多くのことを知り、できるようになるために、誰もが多少の苦労を覚悟して、時間と労力をかけます。</p>

<p>それが「自分のため」である以上、できれば他人の時間や手間を取らせずにすませたい、と考えるのは、ごく自然なことです。</p>

<p>しかし、簡単なことではないからこそ、ケンブリッジ大学では人と人のつながりを最大限に掘り下げ、意識的に活用するしくみが整えられているとも言えます。深い学びには、他人の存在がどうしても必要だからです。もちろん、どれだけしくみがあっても、こうした人間関係は一朝一夕には築けません。</p>

<p>では、どうすれば「人の手を借りる学び」を自分の中で機能させられるのでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>学びを支える「チームメンバー」はどこにいるか？</h2>

<p>「最高峰の学び」は理想の家庭教師につきっきりで教えてもらうようなものです。しかし、優秀な教師を見つけることは大変ですし、現実には学びたいことすべてに家庭教師をつけることもできません。</p>

<p>では、どうすれば良いのか。答えは、多様な役割を持つ人たちをあなた専用の「学びのチーム」として意識的に集め、つながることです。</p>

<p>学びを支えるのは、ただ知識を授ける先生だけではなく、さまざまな立場からあなたを支える人々です。</p>

<p>ここでは、代表的な5つのタイプをあげてみます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>・教員</p>

<p>専門知識を授け、学問の基盤を築いてくれる存在です。知識だけでなく、あなたの潜在能力を引き出す視点を持つ人が理想です。学校の先生でなくても、自分が必要な専門知識を授けてくれる人たちをたくさん見つけましょう。</p>

<p>・チューター</p>

<p>学業や生活の相談役です。必ずしも専門家でなくても、教育や学びを支える知識を持つ人が望ましいでしょう。学びには、実にさまざまな障害があります。それを自分で抱え込まずに、相談できる相手を見つけましょう。</p>

<p>・先輩・後輩</p>

<p>同じような学びを最近経験した人や、これから同じことを学ぶ人。知識や経験を共有し合える心強い存在です。先輩だけでなく、後輩と関わることで自分の理解が深まることも多いものです。</p>

<p>・家族や生活支援者</p>

<p>健康や安心を支えてくれる人たちです。勉強が手につかなくなるのは、学問の問題ではなく、生活の問題であることも少なくありません。</p>

<p>・仲間・友人</p>

<p>何でも話せる気のおけない存在です。学びを支える心の土台です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>こうして見てみると、普段は「学びには関係ない」と思いがちな人たちも、実は深い学びを支えていることに気づきます。学びは生活と切り離せないからこそ、学びのチームには生活を支える人も含まれます。</p>

<p>「チーム」といっても、すべての人が常に協力し合う必要はありません。普段は存在を強く意識しなくても構いません。大切なのは、何かがうまくいかないときに、助けを求められる信頼関係があることです。メンバーに「私たちは同じ学びのチームである」という意識を持ってもらうようにしましょう。</p>

<p>特に、優秀で真面目な人ほど「助けを求めること」をためらいがちです。しかし、どれほど頭がよくても、どれほど努力家でも、他人の力を借りずに学びを深め続けることはできません。</p>

<p>遠慮せずに他人の手を煩わせることを、学びの一部として受け入れるということは、わがままではなく、学びを支える必然な行為です。本気で学びを深めたいという意気込みがあれば、助けてくれる人を見つける努力をしましょう。そのような人は、必ずどこかで見つかるはずです。</p>

<p>そして、ここで一度、相性の問題を考えてみましょう。人間は誰しも得意不得意、好き嫌いを避けて通ることはできません。それは自分だけでなく、教員やチューターも同じです。</p>

<p>コミュニケーションを中心に据えた学びにおいては、自分ではなく他の学生に肩入れをしてしまうような先生もたくさんいます。それは不公平に感じることもあるかもしれませんが、人間である以上、とても自然なことです。</p>

<p>だからこそ、学ぶ人たちそれぞれが、自分を最高まで高める学びのチームを、相性も考えた上で築き上げる必要があります。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 18 Mar 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[飯田史也（ケンブリッジ大学工学部教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>言語の天才少女が「ラテン語が話せる」ことを隠した理由とは？　YouTubeで世界的な人気を誇るイタリア人の話  ラテン語さん</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13908</link>
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			<description><![CDATA[「ラテン語を話すのは馬鹿げている」と隠さざるをえなかった大学時代。そこから独力でオンライン学校を創り、YouTubeで世界中に生徒を持つまでになったイタリア人女性。ラテン語のプロが師と再会し、その情熱を辿ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="イタリア・ボローニャの町並み" height="840" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_ItalyBologna.jpg" width="1200" /></p>

<p>ラテン語は「死語」と思われがちだが、今もラテン語で話し、教え、発信している人たちがいる。ボローニャで出会ったイタリア人女性もその一人だ。高校2年生でラテン語の学習を始め、2016年からX（旧Twitter）でラテン語の魅力を毎日発信し続けるラテン語さん（東京古典学舎研究員）。その新著『今に生きるラテン語を求めて　「永遠の都」ローマ滞在記』から、現代においてラテン語を生きた言語として使い続ける女性の物語を紹介する。（写真提供：ラテン語さん）</p>

<p>※本記事は、『今に生きるラテン語を求めて　「永遠の都」ローマ滞在記』（PHP研究所刊）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ラテン語でボローニャに招待された</h2>

<p>今日はヴィヴァリウム・ノヴムを一時的に離れ、イレーネに会いにボローニャに向かう。イレーネはイタリア生まれのラテン語の先生で、「Satura Lanx」（様々な果物が載った大皿）というYouTubeチャンネルも運営し、動画では最初から最後までラテン語で話している（音声版はポッドキャストで聞くことができる）。とある動画の始まりは、このようなものであった。</p>

<p>Salvete et bene venistis apud Saturam Lancem. Mihi nomen est Irene, natione Itala, nata sum in Italia.<br />
こんにちは。そして、Satura Lanxにようこそ。私の名前はイレーネで、イタリア生まれのイタリア人です。</p>

<p>私のイタリア滞在中に、同じくイタリアに住むラティニストのイレーネとも話したいと思い、私からコンタクトを取った。彼女はローマから遠いパルマに住んでおり、当初は会うことが難しかった。しかし、イレーネから「近々ボローニャに行くから、そこで会えないか」というメッセージを受け取り、その地で会うことになった。</p>

<p>Salvus sis! Die 28 huius mensis Bononiam petam ut vesperi cum grege concinentium concentum edam. Si volueris tu quoque Bononiam petere (iter a Roma est II horarum tramine ferriviario), possim tecum diem agere antequam mihi canendum est! Quid censes?<br />
こんにちは！ 今月28日に、合唱隊と夕方に合唱するためにボローニャに行くんだよね。あなたもボローニャに行きたいと思うなら（ローマからは鉄道で2時間）、私は合唱の前に日中あなたと過ごすことができるけど、どう？</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ボローニャの街は「屋根付きの歩道」で覆われていた</h2>

<p>約束の時間よりだいぶ早くボローニャ中央駅に着いたので、市内を散策する。ボローニャの町にある建物は上層階が歩道にせり出しているため、歩道に屋根があるような状態になっている。この屋根のおかげで、雨の日でも濡れずに通りを歩くことができる。これは「ポルティコ」（portico）といい、日本でも同種の「雁木」が本州の日本海側の町で見られる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>幼い頃から突出した言語の才能</h2>

<p>広場に行く途中、私たちはFORNO BRISAというベーカリーで軽食を食べることにした。私は、彼女がどのようなきっかけでYouTubeチャンネルやポッドキャストを開くことになったのかを尋ねた。</p>

<p>ミラノ生まれのイレーネは子供の頃から言語の能力が突出しており、幼いながらも複雑な文を組み立てて話すことができていた。さらに、子供向けの本だけではなく、大人が読むような難しい本も読むことができた。彼女が高校（リチェオ）を選ぶ際、様々な種類の高校がある中で、数学や英語、歴史や科学のみならずラテン語と古代ギリシャ語を教えるリチェオ・クラッシコに進もうと決心した。決める前はその2つの言語に触れていなかったが、「自分はリチェオ・クラッシコを好きになるだろう」と思ったらしい。</p>

<p>この学校のラテン語、ギリシャ語の先生は、授業中にラテン語で話すことはしていなかったが、イレーネがラテン語、ギリシャ語を特に好いているのを感じ、彼女に、自分と一緒にミラノラテン語サークル（Sodalitas Latina Mediolanensis）の会合に参加するようにすすめた。先生自身も、ラテン語が話せるのである。</p>

<p>はじめはうまく話せなかったイレーネも、このグループの会合に何回も通って、話す回数を重ねることで会話が上達していった。さらに、ウィーンなどヨーロッパ各地で開かれるラテン語サマースクールに参加し、ラテン語会話の経験を積んだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大学で「ラテン語を話せること」を隠さざるをえなかった</h2>

<p>しかし、大学に入るとラテン語を話すのをやめてしまった。というのも、教授たちがそのような行動を馬鹿にしていたからだ。大学生活を通してイレーネは、自分がラテン語が書け、話せることを隠さざるをえなかった。</p>

<p>大学卒業後に結婚し、夫の仕事場があるベルギーに移り住むと、長年の夢であったラテン語教師になることを目指して教員免許を取得し、ラテン語を教えはじめた。公立校でも私立校でも教えていたが、私立の方が自由度は高く、ラテン語、ギリシャ語で両言語を教えられるところもあった。ただし、そのような学校が全てではなく、たいていの学校は教員がやりたいように授業を行う自由がなかった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ないんだったら、自分で作ればいいのよ！」</h2>

<p>それでも「ラテン語やギリシャ語を話すことは楽しいだけでなく、語学力の向上に大いに役立つ」と確信していたイレーネは、自分で教える場をインターネット上に開設して、オンラインでラテン語を教えはじめた。</p>

<p>私は、彼女の行動力に驚嘆した。被雇用者として望み通りのやり方で教えることができなければ、自分で学校を開いて世界中から生徒を募集する。中学２年生の時に見ていたアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の主人公・涼宮ハルヒのセリフ「ないんだったら、自分で作ればいいのよ！」が思い出された。</p>

<p>ラテン語の学校を開いたところで実際に人は集まるのか？ と疑問に思う人もいるかもしれない。だが、ラテン語でラテン語を学ぶ需要はたしかに存在し、私も5年前に彼女のコースを取っていた。それだけでなく、私は同じくイレーネからラテン語を学ぶ人たちと定期的にインターネット上でビデオ通話をしていた。</p>

<p>私のかつてのマギストラ（magistra、ラテン語で「先生」）との会話を楽しんでいるうちに、フォカッチャを食べ終えた。マッジョーレ広場へ再び歩を進めよう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_ItalyBologna.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 18 Mar 2026 10:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ラテン語さん]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>【現地レポ】三省堂書店本店がリニューアル！ 蔵書50万冊、進化した店内の見どころは？  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13977</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013977</guid>
			<description><![CDATA[4年ぶりに新装開店した三省堂書店神田神保町本店の店内を徹底レポート！ 蔵書50万冊、2400棚を誇る圧倒の店内の魅力をご紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="三省堂書店" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido18.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年3月19日（木）午前10時、三省堂書店 神田神保町本店がいよいよ新装開店を迎えます。</p>

<p>2022年のビル建て替えにともなう一時閉店から約4年、本の街・神田神保町の一丁目一番地に、まったく新しい書店が誕生します。本稿では、生まれ変わった店内の様子をレポートします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>コンセプトは「歩けば、世界がひろがる書店。」</h2>

<p><img alt="亀井崇雄社長" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido10.jpg" width="1200" /><br />
亀井崇雄社長</p>

<p>新店舗のコンセプトは「歩けば、世界がひろがる書店。」。代表取締役社長・亀井崇雄氏は次のように語ります。</p>

<p>「お客様には、ぜひ店内を歩いていただきたいと思っています。知的好奇心が刺激される、偶然の出会いを店の設計において特に重視しました」</p>

<p>ネット書店が充実したいまの時代、リアル書店に求められるのは「網羅性」よりも「偶然性」だという信念のもと、今回のリニューアルは設計されています。</p>

<p>「在庫が豊富にあるネット書店がある時代、リアル書店に求められるのは偶然性だと思っています。そのためには、店内を歩いていただくことが肝。とにかく歩いて、偶然の出会いをしていただけるように設計しました」（亀井社長）</p>

<p>リニューアルにあたっては各店舗の在り方を根本から見直し、「今までの書店を抜け出して、未来の書店とはどういうものか」を核に考えたといいます。内装コンセプト・デザインは、建築家・長谷川豪氏が担当しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>1階　インパクト大の「知の渓谷」</h2>

<p><img alt="知の渓谷" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido09.jpg" width="1200" /></p>

<p>・知の渓谷</p>

<p>1階は、中央のメイン通路にある書棚の高さが低く、両側に向かってだんだん高くなるという段差のある構造が特徴的です。自分が見ている棚の向こう側も視界に入り、次の棚へと自然に誘導される設計になっています。</p>

<p>亀井社長も「1階の設計が一番苦労した」と明かしており、レジの配置や、インパクトある見せ方をどう実現するかで何度も検討を重ねたといいます。</p>

<p><img alt="知の渓谷の本棚" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido15.jpg" width="1200" /></p>

<p><img alt="ガイドの机" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido11.jpg" width="1200" /></p>

<p>・ガイドの机</p>

<p>1階の一番端には、著者やクリエイターがいちばん好きな本を紹介する机を設置。記念すべき第1回目は亀井社長の必読書5選が並びます。</p>

<p><img alt="神田神保町本店限定カバー・限定帯" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido16.jpg" width="1200" /><br />
神田神保町本店限定カバーや限定帯の書籍も販売されています</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>2階　出会いのときめきを大切にした棚づくり</h2>

<p><img alt="発見のさざ波" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido14.jpg" width="1200" /></p>

<p>・発見のさざ波</p>

<p>2階に上がってすぐのスペースでは、人文系の書籍を中心とした「強みのジャンル」が展開されます。人文書のコーナー「発見のさざなみ」は、棚を45度に振って配置し、他の棚が目に入るよう工夫されています。</p>

<p><img alt="没入キャビン" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido08.jpg" width="1200" /></p>

<p>・没入キャビン</p>

<p>本を精査して選びたい方のための、落ち着いたスペースです。じっくりと一冊を選べるように設けられています。</p>

<p><img alt="探求の洞窟" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido07.jpg" width="1200" /></p>

<p>・探求の洞窟</p>

<p>新書コーナー「探求の洞窟」では、一般的に壁面に沿ってまっすぐ設置されがちな棚を、ひだ状に配置。囲まれた空間を演出することで、没入感を生み出しています。亀井社長が「特にお気に入り」と語る新書コーナーは、国内トップクラスの品揃えを誇ります。</p>

<p><img alt="ゆさぶりの島" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido17.jpg" width="1200" /></p>

<p>・ゆさぶりの島</p>

<p>「自分自身を深め、心をゆさぶる一冊を」というコンセプトのもと設けられた「ゆさぶりの島」は、「島什器（しまじゅうき）」と呼ばれる什器を使用し、担当者の想いがこもった一冊を手に取ってもらえるコーナーです。</p>

<p><img alt="トキメキの島" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido06.jpg" width="1200" /></p>

<p>・トキメキの島</p>

<p>新刊と話題の本が集まるコーナー。タイトルのとおり、出会いのときめきを大切にした棚づくりがされています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>3階　楽しくぐるぐると回れるフロア</h2>

<p><img alt="みちびきの渦" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido02.jpg" width="1200" /></p>

<p>・みちびきの渦</p>

<p>3階は、棚が放射線状に配置されており、どこに何があるかが一目でわかるレイアウトになっています。児童書を展開するフロアとして、他の階とは異なる「楽しくぐるぐると回れる」設計を意識。棚の端を円形パーツとしているのも、棚から棚へとスムーズに移動しやすくするための工夫です。</p>

<p><img alt="積読サイン" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido04.jpg" width="1200" /></p>

<p>・積読サイン</p>

<p>各棚には「積読サイン」と呼ばれる標識が設けられており、棚番号とジャンルが記されています。その下には新刊「ルーキー本」を配置。ロングセラーの売れ筋本は面出しで並べられ、その棚の個性を視覚的に伝えます。</p>

<p><img alt="喫茶ちそう" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido03.jpg" width="1200" /></p>

<p>・喫茶ちそう</p>

<p>また、3階には「喫茶 ちそう」が設けられています。店名の「ちそう」は「地層」が由来でもあり、看板メニューは店名とかけた、ミルクレープ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>歩いて発見する場所へ</h2>

<p><img alt="三省堂書店オリジナルグッズ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido12.jpg" width="1200" />オリジナルグッズも充実。&quot;神&quot;保町とかけたジンも販売。ラベルには小説が印刷されている。</p>

<p>蔵書数は50万冊、2400棚。書籍売り場の面積は旧本店の6〜7割程度となりましたが、その分だけ徹底的に「偶然性」と「体験」に振り切った設計がなされています。ネットやメディアで代替できるコンテンツはあえて絞り込み、コミックや文芸に重点を置いているのも特徴です。</p>

<p>今回のリニューアルは、「在庫を探す場所」から「歩いて発見する場所」へと、書店の役割を再定義する挑戦です。偶然性を最大化する空間設計と、ジャンルごとの体験設計が、リアル書店ならではの価値を生み出しています。棚のあいだを歩けば、きっと世界をひろげる一冊と出会えるはずです。</p>

<p><img alt="三省堂書店" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido01.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<p>三省堂書店 神田神保町本店<br />
住所：東京都千代田区神田神保町1丁目1番地（1〜3階）<br />
グランドオープン：2026年3月19日（木）午前10時<br />
営業時間：10:00〜20:00</p>

<p></p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260317Sanseido18.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 17 Mar 2026 16:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				
	</channel>
</rss>
