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		<title>PHPオンライン</title>
		<link>https://shuchi.php.co.jp/</link>
		<description>PHP研究所が運営する「悩み、不安、心理」がテーマのWEBメディア。著名人のインタビューや専門家のアドバイスなどから、「無理なく生きる」ヒントを紹介。</description>
		<dc:language>ja</dc:language>
				<copyright>Copyright PHP研究所　All rights reserved.</copyright>
		
				<pubDate>Fri, 12 Jun 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
						
				<item>
			<title>会話がはずむ人は何が違う？　「また話したい」と思われる雑談のコツ  有川真由美（作家/写真家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14456</link>
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			<description><![CDATA[話していても会話が続かない人と話がはずむ人の違いは何か？作家の有川真由美さんが、会話をはずませるコツを紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="有川真由美著『一緒にいると楽しい人、疲れる人』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meetingWoman.jpg" width="1200" />一緒にいるとなぜか楽しい人。盛り上がってついつい話し込んでしまう人――普段親しくしている友人や同僚の中に、そんな人はいませんか。そうした一緒にいると楽しくて話がはずむ人には特徴があると、作家の有川真由美さんはいいます。</p>

<p>「会話がはずむ人になるにはコツがある」と語る有川さん。本稿では、話すのが苦手な人でも実践できる雑談術を紹介します。</p>

<p>※本稿は、有川真由美著『一緒にいると楽しい人、疲れる人』(PHP文庫)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>会話のきっかけは、あたりさわりのないことからでいい</h2>

<p>「会話がはずむ人」は、話の切りだし方がうまいものです。でも、初対面の人、よく知らない人に話しかけるのは苦手、という人は多いのではないでしょうか。</p>

<p>相手がなにが好きで、なにに興味があるのか、どんな仕事をしているのか、見当もつかない。情報がないからといって、いきなり「ご趣味は？」とか「なんの仕事をされているんですか？」と訊ねるのも不躾な気がします。</p>

<p>または、上司や同僚であっても、飲み会や移動で一緒になったときに、「どう話しかけていいかわからない」という人もいるでしょう。仕事の話も堅苦しいし、プライベートの話題も、なんとなく気が引ける......ということもあるものです。</p>

<p>そんなに難しく考えることはありません。気のきいた話、中身のある話をしないといけない、ということもありません。話のきっかけは、だれもがするような、あたりさわりのないことでいいのです。</p>

<p>いちばん手っ取り早いのは、天気や季節の話です。ただし、さりげなく「自分の話」や「相手に振る質問」を織り交ぜるのがポイントです。「今日は冷えますね。私、南国育ちなので、寒いのが苦手で......」なんて言うと、「私も苦手なんですよ。だから、寒さ対策をバッチリしています」とのってきたり、「へー。南国育ちって、どこの出身ですか？」と質問してくれたりするものです。</p>

<p>「ここに来るとき、桜が咲いているのを見たんですよ。この時期に珍しいですよね」と言うと、「へー。めずらしい。桜といえば......」と、話をふくらませてくれるかもしれません。話のきっかけを探っているのは、相手も同じ。世間話をするように、気楽に話を提供すると、相手もほっとして応えてくれるはずです。</p>

<p>「視界に入ってきたもの」から思いついたことを言ってみるのもいいでしょう。「この会場、素敵ですね。食事もおいしいし、ランチにも使えそうですね」「ブルーのシャツがお似合いですね。私もその色、好きなんです」というように。「電車のなかで見かけたこと」「今朝、ニュースで聞いたこと」「その場の雰囲気から感じたこと」「相手を見て素敵だと思ったこと」など、自分が見たり、聞いたり、感じたりしたことを素直に話すことで、自分についても知ってもらえるはずです。</p>

<p>会話の始まりは、小さな勇気と自己開示から。「あなたと話したい」という気持ちが伝われば、じゅうぶんです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>話が途切れたときは「て・き・に・ち・か・し」でリスタート</h2>

<p>うまく話が続かず、気まずい空気が流れてしまうとき、さりげなく話題を提供して、会話をふくらませられる人になりたいものです。そこで、ピンチのときに役立つ6つのキーワードが、「て・き・に・ち・か・し(敵に近し)」です(とくに深い意味はありませんが、たとえ敵に見えても近しい関係なれると覚えて)。</p>

<p>「て」(天気・季節)&rarr;「 明日から雨になるようですね。今週はぐずつくみたいです」</p>

<p>「き」(近況)&rarr;「先週、お休みをもらって京都に行ってきたんですよ」</p>

<p>「に」(ニュース)&rarr;「ニュースによると、若者の海離れが顕著で海水浴客はここ20年で4分の1以下になっているそうです」</p>

<p>「ち」(地域・まわり)&rarr;「 駅前にきれいなイルミネーションができていましたね」</p>

<p>「か」(体・健康)&rarr;「 いつもお元気ですが、健康に気をつけていることはありますか」</p>

<p>「し」(趣味・仕事)&rarr;「最近は、山登りはしていらっしゃいますか」</p>

<p>このように、「て・き・に・ち・か・し」と順番に話を進めていくか、このなかから、よさそうな話題を選んで振ると、あっという間に時間が経ってしまいます。間が空いたときの話しはじめは、「そういえば......」とか、「あ、そうだ。......」とか、「ところで......」と、ふと思いついた感じでOK。自然にリスタートできます。</p>

<p>「そういえば、この間、こんなことがあったんですよ」というように。さらに、「〇〇さんは、こんなとき、どうされますか？」なんて振って、相手が発した単語から、「〇〇といえば......」と、連想ゲームのように新たな話題につなげればいいのです。</p>

<p>いろいろある雑談のネタのなかでも、聞き手がいちばん引きこまれるネタは、「こんなことがあった」「こんなものを見た」という、本人が実体験したことです。もっともリアルで鮮明に伝えられるので、相手も興味を示し、話がはずみます。</p>

<p>雑談のネタをストックするためには、積極的になにかと関わるクセをつけることです。小さなことでいいのです。たとえば、タクシーに乗ったら、運転手さんと話してみる。新しいショップができたら、なんだろう？と覗いてみるというように。すると、「タクシーの運転手さんが面白い人で......」「1階のカフェのドリアがめちゃおいしくて......」というように、「言わずにはいられない！」というネタが自然に集まってきます。</p>

<p>「相手に少しでも楽しんでもらおう」というサービス精神で、会話を盛り上げてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>声をかけてもらえない人が、声をかけられるようになる方法</h2>

<p>中学、高校のとき、遊びに誘われたり、学級委員に推薦されたり、グループ分けで「一緒にやらない？」と声をかけられる人といったら、ちょっと目立っていて、みんなから人気のある子、興味をもたれる子だったのではないでしょうか。</p>

<p>私はまったく目立つ要素がないために、なかなか声をかけてもらえず、しかも引っこみ思案で、自分から「仲間に入れて」とも言えない。そんな状態にひっそり傷つくこともありました。でも、声をかけてもらえない私が、声をかけてもらえるように心がけていたことが2つあります。</p>

<p>①だれに対しても、挨拶だけはきちんとする</p>

<p>好き嫌いの分け隔てなく、広く挨拶をしていたら、ひょんなところで会話がはずむことがあります。笑顔で挨拶をするだけで、声をかけてもらえる確率はぐんと高まります。</p>

<p>②声をかけてくれた人には、精一杯の感謝を示す</p>

<p>声をかけてもらったら感謝をこめて、相手のためにできることをします。簡単なことでいえば、会話のなかで、相手の興味のある情報を提供することなどです。</p>

<p>つまり、最初の声をかけてもらう努力をするより、声をかけてくれた人が&quot;ふたたび&quot;声をかけてくれるように努力をするということです。お店でいえば、新規顧客を獲得する努力をするよりも、やってきてくれたお客さんに満足してもらう努力をする、リピート率100％を目指すということ。これは、いまもまったく変わらないスタンスです。</p>

<p>仕事がなかったフリーライターのころ、声をかけてくれた編集者には、「相手がなにを求めているのか？」をとことん考えて、自分のできるかぎりの最高の記事を書くことを目指してきました。その結果、多くは、ありがたいことに長いつき合いになりました。</p>

<p>「声をかけてもらえない」と嘆いている人、ちょうどいいではありませんか。1人でいるときに、できることもあります。焦らずに、それを楽しみましょう。でも、もし声をかけてくれた人がいたら、感謝すること、その人のためにできることをしてください。たとえ、小さくても。そして、一緒にいる時間を楽しんでください。</p>

<p>そんなふうに相手を大切にしようとするところから、ほんとうのつながりができていきます。何度も声をかけあえる関係は、人生の財産の1つだと思うのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 12 Jun 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[有川真由美（作家/写真家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>8000歩で死亡リスク激減！「横断歩道をちょっと早歩き」からの新習慣  歌島大輔 (整形外科医)</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14403</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014403</guid>
			<description><![CDATA[歩数と死亡リスクの関係をデータをもとに医師が解説。いきなり高い目標を掲げるのではなく、「今の平均＋1000歩」を目指し、「横断歩道をちょっと早歩き」など、日常の移動を運動に変えて無理なく健康を守る習慣術を提案。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="1日の歩数が7000〜8000歩前後に達すると、死亡リスクが大幅に下がるという" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_WalkingShoes.jpg" width="1200" /></p>

<p>「健康のために運動しなきゃ」と思いつつ、仕事や家事に追われてまとまった時間が取れない、という人は多いのではないでしょうか。しかし、いきなりランニングや筋トレなどのハードな運動を始める必要はありません。1日の歩数が7000〜8000歩前後に達すると、死亡リスクが大幅に下がることが分かってきました。必要なのは、日常の動きを少しだけ増やすこと。本記事では、整形外科医として診療に携わりつつ、医学論文に基づいた情報発信を積極的に行っている歌島大輔氏が、歩数と長寿の関係をデータをもとに解説。時間がなくても無理なく歩数を伸ばすステップを提案します。</p>

<p>※本稿は、歌島大輔著『科学的に証明された 突然死を招く習慣・長生きする習慣』（高橋書店）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>まずは歩数を数えること</h2>

<p>「運動しなきゃと思っているけど、なかなか続かないんです」――こうした声を、私は何度も聞いてきました。<br />
そこで私が提案するのが、まずは歩数を数えること。そして、ランニングや筋トレを始めるより前に、歩くこと。これがもっとも再現性の高い長寿戦略です。</p>

<p>近年は、スマートフォンや加速度計で、歩数を客観的に追えるようになりました。アメリカで行われた加速度計による追跡調査では、1日の歩数が多い人ほど死亡率が低いことがわかっています。とくに、8000歩に達すると、死亡リスクが大きく下がっています。［1］</p>

<p>また、別の研究では7000歩前後を境に死亡リスクが大きく下がると報告されています。［2］<br />
これは、いわば「健康の分岐点」です。<br />
特別な才能も道具もいりません。必要なのは、日常の動きを少しだけ増やすという発想です。<br />
歩くことは、心臓や血管、さらには脳の働きにも効果的です。歩いてふくらはぎが動けば、足の静脈の血液を心臓へ押し戻す「筋ポンプ」が働き、血流のよどみが減ります。<br />
座りっぱなしが長い現代人にとって、歩行は血流をリセットするもっとも手軽な方法です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>最初は「プラス1000歩」を目標に</h2>

<p>スマートフォンのヘルスケア機能や歩数計アプリで、直近1週間の平均歩数を見てください。それがもし4000歩なら、いきなり7000歩をめざすより、まずは5000歩を目標にする――こうした「現実的なステップ」を踏むことが、続けられる人に共通する特徴です。</p>

<p>私の外来ではよく、「まずは今の平均プラス1000歩」を合言葉にしています。<br />
1000歩は、だいたい10分前後歩くことに相当します。これなら仕事の合間やちょっとした移動でできますし、体への負担も小さくすみます。<br />
これを2週間〜1か月続けたら、さらに500〜1000歩プラスします。こうして段階的に7000歩に近づいていくのが安全で確実です。</p>

<p>次に、私がよくおすすめするのは、食後に歩くこと。<br />
朝・昼・晩の1回で良いので、食べたあとに近所を一周する――これだけで血流が上がり、1日の歩数も安定して増えます。平日が難しければ、週末に少し長めの散歩を取り入れることで、週全体の歩数が底上げされます。</p>

<p>また、歩数は、運動の時間をわざわざ確保するよりも、移動そのものを運動として取り入れたほうが増えやすいというのもあります。<br />
たとえば、最寄り駅の一つ手前で降りてみる、エスカレーターではなく階段を使う、通常より5分ほど遠回りして帰る――こうしたちょっとの工夫です。さらに、音楽やラジオを聴きながら行うと、習慣になりやすくなります。</p>

<p>実際に、通勤や移動を、歩いたり自転車に乗ったりといったものに変えると、車や電車、バスだけよりも、将来的に心臓や血管の病気になるリスクや死亡のリスクが低くなることがわかっています。［3］</p>

<p>どうしても時間が取れない人は、「歩きに強弱をつける」という方法もあります。<br />
たとえば、横断歩道を渡るときだけ少し早歩きする、散歩や帰宅の際に最後の坂道だけペースを落とさずに進む――そんなちょっとしたスピードアップです。<br />
こうした工夫で心肺への刺激が増え、短時間でも達成感を得られます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>無理せず「ゼロを一歩に変える工夫」を</h2>

<p>ひざや腰が痛い、持病があって歩行が不安、という方もいるでしょう。その場合は歩数にこだわらず、主治医やリハビリの専門家と相談しながら、負担の少ない運動に置き換えてください。<br />
たとえば、エアロバイクや水中歩行は、関節への衝撃を減らしつつ心肺を動かせます。また、靴を見直してみたり、痛みがある日は歩く距離を減らしたりなど、体の声も大切にしてください。</p>

<p>「今日は歩けなかった」と落ち込む必要もありません。7000歩は毎日のノルマではなく、長く生きるための目安です。雨の日は室内で足踏みを3分&times;数回行う、買い物ついでに店内を一周多く回ってみるなど、まずは「ゼロを一歩に変える工夫」から始めましょう。<br />
なお、歩行中に胸の痛み、強い息切れ、めまい、冷や汗などが出る場合は、無理をせず中止し、医療機関に相談してください。安全に続けることが、結局はいちばんの近道です。</p>

<p>［１］ Saint-Maurice PF, et al. JAMA. 2020;323:1151-1160.<br />
［２］ Paluch AE, et al. JAMA Netw Open. 2021;4:e2124516.<br />
［３］ Celis-Morales CA, et al. BMJ. 2017;357:j1456.</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_WalkingShoes.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 12 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[歌島大輔 (整形外科医)]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「正論なのに傷つけてしまう」のはなぜ？　相手に誤解されない「伝え方」の技術  三上ナナエ（研修講師）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14360</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014360</guid>
			<description><![CDATA[口数が少なめな控えめの人が話す時に気を付けたいこととは――研修講師を務める三上ナナエさんが、2つのポイントを紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="三上ナナエ著『控えめでも存在感のある人がしていること』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmeeting.jpg" width="1200" /></p>

<p>相手のことを想って事実を伝えたのに、なぜか心の距離が開いてしまった――普段口数が少ない人の中には、そんな経験をしたことがある人もいるかもしれません。</p>

<p>たとえ事実や正論であっても、相手が責められたと感じることがあるため、「言葉に体温を持たせることが大切」だと語る、研修講師の三上ナナエさん。本稿では、三上さんに誤解を与えない話し方のコツを紹介していただきます。</p>

<p>※本稿は、三上ナナエ著『控えめでも存在感のある人がしていること』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「責めない言い方」の魔法の法則</h2>

<p>◎「事実だけ」では勘違いされやすい</p>

<p>控えめな性格の方は、コミュニケーションにおいて、とても素敵な強みを持っています。それは、冷静に「何が起きているか」という事実（ファクト）を見つめる力です。激しい言葉で相手を圧倒するのではなく、客観的な視点を持って淡々と語る。その知的で穏やかな姿勢は、本来、周囲に安心感を与える大きな武器になります。</p>

<p>けれど、こんなふうに悩んだことはありませんか？</p>

<p>・相手のために伝えているはずなのに、なぜか相手がムッとしている......</p>

<p>・正しいことなのに、心の距離が開いてしまう気がする......</p>

<p>それは、あなたが伝えた「正しい事実」がとても正確だったからこそ、体温の通わない「無機質なもの」として相手に届いてしまったからかもしれません。そこで提案したいのが、「事実という骨組み」に「自分の意思という体温」を通わせるという魔法です。</p>

<p>感情をぶつけるのではなく、今の気持ちを説明する。「体温を通わせる」といっても、無理に情熱的に振る舞ったり、感情をむき出しにしなくても大丈夫です。大切なのは、今あなたが心の中で感じていることを、ひとつの「大切な情報」として、事実にそっと添えてあげることです。</p>

<p>◎「アイ・メッセージ」で温もりをプラス</p>

<p>たとえば、何度も締め切りを守れない同僚に、声をかける場面を想像してみてください。</p>

<p>「期限が3日過ぎています。至急提出をお願いします」</p>

<p>これは間違いのない事実です。でも、これだけだと相手は「責められた！」と感じて、心を閉ざす可能性があります。ここに、あなたの「体温」をほんの少し混ぜてみます。</p>

<p>【具体例1】感じていることに、柔らかい「思い」を乗せる</p>

<p>【事実】期限を三日過ぎています。</p>

<p>【体温】このままだと、他のメンバーに負担がかかってしまわないか、（私は）少し心配です。今日中に進捗を教えてもらえますか？</p>

<p>【具体例2】言葉に血を通わせる</p>

<p>【事実】期限から3日が経ちました。</p>

<p>【体温】もしかして、1人で抱え込んでいることはないかな、と気になっています。状況を教えてもらえたら、一緒に調整を考えたいです</p>

<p>「心配している」「困っている」「本当は助けたいと思っている」、そんなあなたの内側にある柔らかな想いを、「私（I）」を主語にして伝えてみてください。これが、相手の心に届く「アイ・メッセージ」の力です。</p>

<p>全部を完璧に言おうとすると、最初は難しいかもしれません。そんなときは、一言、「抱え込んでいるかなと思って」「忙しいのかなと思って」など「〜かなと思って」を付け加えるだけで、言葉に血が通います。控えめな人が事実を大切にするのは、相手に対して誠実でありたい、嘘のない言葉を届けたいという「優しさ」があるからです。その温かな根っこを、事実の裏側に隠してしまうのはもったいないことです。</p>

<p>「事実」という鋭い刃をそのまま手渡すのではなく、あなたの「想い」という柔らかい布で包んで、手渡してあげてください。「私はこう願って、この事実を伝えているんだよ」という体温が伝わったとき、あなたの言葉は、相手の心を動かす本当の力を持ちはじめます。</p>

<p>＜POINT＞</p>

<p>「控えめな人」が「〜かなと思って」を加えることは相手が一歩踏み出す弾みになる</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「だと思います」を言い換える</h2>

<p>◎「遠慮がちで控えめすぎ」に注意</p>

<p>プロフェッショナルとして、あなたはこれまで真摯に知識を蓄え、経験を積み上げてこられたはずです。目の前の課題に対して、深く、慎重に考えを巡らせている。それにもかかわらず、意見を交わす場で自分の意見がすんなりと通らなかったり、周囲から本来の意図とは裏腹に「頼りない」と受け取られたりしてしまう......</p>

<p>原因は、ただ、あなたの話し方が「遠慮がちで控えめすぎる」のかもしれません。周囲の状況を察する能力に長けている分、「自分の意見を押し付けたくない」「相手に不快な思いをさせたくない」、そんな気持ちが先に働いてしまいます。</p>

<p>そのため、無意識のうちに言葉のトーンを落としたり、断定を避ける話し方を選んでしまうことがあります。しかし、この配慮が、ビジネスというスピード感のある現場では、ときとして「自信のなさ」や、「責任の回避」という形に、「誤解」されてしまうことがあるのです。</p>

<p>相手に自信のなさとして伝わってしまう言葉として、代表的なものは「〜だと思います」という言葉です。あなたが配慮として添えたこの言葉が、聞き手の耳には「確信が持てていない」という不安材料として届いてしまう。これは、誠実に仕事に向き合っているあなたにとって、もったいない損失です。</p>

<p>厄介なのは、この言葉は「無意識」のうちに口から出やすいということ。私自身、話し方の練習をしていたときに、録音した音声を聞くと、「思います」という言葉を、想像以上に使っていることに驚きました。</p>

<p>◎断定できないときの伝え方</p>

<p>とはいえ、ビジネスには、どうしても現時点では断定できない不確定要素がつきものです。そんなとき、逃げに聞こえる言葉を使う代わりに、「確信の度合いを具体化する」という手法があります。ポイントは3つです。</p>

<p>①確率や条件を添えて言い切る</p>

<p>曖昧な表現を使う代わりに、条件を明確にして言い切ります。</p>

<p>「来週には終わるかと思います」ではなく、「現時点の進捗率から逆算すると、来週中に完了する見込みです」「不測の事態がなければ、来週月曜日に納品できます」</p>

<p>②「わからないこと」を言い切る</p>

<p>「はっきりとはわからないですが、たぶん......だと思います」と濁すのが、一番信頼を損ないます。わからないときは、わからないという「事実」を言い切ります。</p>

<p>「その点については、現時点では確実な回答を持ち合わせておりません。確認し、改めてご報告します」</p>

<p>③それでも不安なら、言い切ったあとに相手に返す</p>

<p>「......です。いかがでしょうか？」</p>

<p>これで相手の反応を確認することができます。明日から急にすべての語尾を変えようとしなくて大丈夫。まずは、会話の中で、自分が「思います」と言ったときに、「あ、今、自分は『思います』と言ったな」と自覚するところからはじめてみてください。もし、「思います」と言ってしまったら、その後に一言だけ事実を付け加えてみましょう。</p>

<p>「......と思います。理由は、〇〇だからです」</p>

<p>その練習をしておくと、どうして言い切れなかったのかが自分でも明確になってきます。でもまずは、無意識に使っていた言葉に意識を向けるだけでも一歩前進です。</p>

<p>＜POINT＞</p>

<p>「控えめな人」が断定できないときは「理由」をつけると言い切りやすくなる</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 12 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[三上ナナエ（研修講師）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>パリで学んだ“ちょうどいい人間関係”　どんなに親しくても疲れたら距離を置く  小栗きくこ（暮らしのコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14296</link>
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			<description><![CDATA[仲が良くても距離を置きたければ距離を置くというフランス人の人間関係。心地よい人付き合いをするためのコツを、パリ在住の小栗きくこさんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_paris02.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事終わりにみんなで飲みにいく習慣がほとんどないというフランス。パリで20年近く生活するコンサルタントの小栗きくこさんは、「フランスでは無理のない人間関係を築けるから、自分を大切にできる」といいます。</p>

<p>「これ！」といった確固たる正解がなく、難しい問題でもある人付き合い。本稿では、小栗さんが実際にパリで暮らして感じた、人間関係が心地よい理由について紹介していただきます。</p>

<p>※本稿は、小栗きくこ著『パリ時間』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>その日、その気分で距離感を選ぶ。広く浅くではない、ちょうどよさ</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="1600" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko14.jpg" width="1200" /><br />
自然と寄り添う、ちょうどいい距離。</p>

<p>私がパリに来て最初に驚いたのは、「人との距離の取り方がとても軽やか」ということでした。学校でも職場でも、「誰かとずっと一緒にいないといけない」という空気はありません。</p>

<p>仲良し同士でも、挨拶を交わしたあとは、それぞれ好きな場所へ戻っていきます。子供の学校での過ごし方を見ていても、長女は「昨日は○○ちゃんと遊んだけど、今日は別の子だったよ！」と、その日その日の気分で自然に関わる相手が替わります。</p>

<p>私が日本で過ごした幼少期には（特に女子は）、小さなグループで過ごすことが多かった記憶があるのですが、こちらでは、その自由さがとても新鮮でした。もちろん、フランスにも「親友といつも一緒」というタイプの子はいます。次女はそういうタイプでしたし、どちらが正しいわけでもありません。ただ、パリでは人との距離の取り方にはいくつもの形があって、それぞれが尊重されているように思うのです。</p>

<p>大人の世界でも同じで、日本でよく見られるような「固定のママ友グループ」はこちらではあまり見かけません。「今日はこの人たち」「次はまた別の人たち」と、そのときの自分の気持ちに合わせて心地いい距離を選べる自由さがあります。</p>

<p>職場でも、仕事のあとにみんなで飲みに行く習慣はほとんどありません。フランスでは仕事が人生の中心ではなく、「自分の時間を大切にするための手段」という考え方が根づいていて、そのゆるさが人付き合いにもそのまま表れているのです。「無理に誰かに合わせず、仕事とプライベートの境界をきちんと守る」という考え方が上下関係を薄くし、フラットな関係を生んでいます。</p>

<p>人と距離を置くことが、自分を尊重するひとつの方法として受け入れられているからこそ、必要以上に気を張ったり、「うまく合わせなくちゃ」と頑張りすぎたりすることが少ないのだと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>距離を置きたいときは距離を置いて、またつながればいい</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="1600" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko15.jpg" width="1200" /><br />
仲良くしたいときは思い切り仲良く。</p>

<p>人との距離は、近づくこともあれば少し離れることもあるように、一度決めたら変えられないものではありません。環境や立場、日々のリズムが変われば、自然と距離の取り方も変わっていくものです。私の身近には、そう気づかせてくれた人がいます。</p>

<p>その人とは、フランスに来たばかりの頃に知り合った、母のような年齢のフランス人マダム。マダムは、学生だった私にフランス語を一から教えてくれました。私が結婚して娘を出産して、住む場所も少し離れたことで、以前のように頻繁に会うことはなくなりましたが、どちらかがふと思い出して電話をすると、まるで昨日の続きのように会話が始まります。</p>

<p>昔の話を繰り返すわけでも、無理に近況を埋め合うわけでもなく、関係が薄れたようには感じません。むしろ、必要なときに思い出し、そのまま声をかけ合う関係が続いていることを心から嬉しく思います。急に連絡をしても、驚かれたり理由を聞かれたり、間が空いたことを気にされたりすることはありませんし、こちらも気負わずに連絡することができます。距離が近いことだけが、いい関係の証ではないのです。</p>

<p>パリで人と接する中で、頻繁に会わなくても関係は続くものだと感じるようになりました。距離を置くことは、関係を断つこととは限りません。付き合いを続けることも続けないことも、その人に近づくことも離れることも、その時々の選択として行き来していい。今の距離がちょうどいいと感じられるなら、それで十分なのかもしれません。</p>

<p>そして、いつかその距離感を変えたくなっても、自然なことなのだと思います。人との関係は、固定されるものではなく選び続けていくもの。パリに住んで、その選び方は、そのときの自分の感覚に委ねていいのだと感じるようになりました。</p>

<p>就職や結婚、出産など、人生にはさまざまな変化がありますよね。どんなに親しい関係でも、少し距離ができる時期があるのは自然なことなのかもしれません。そのときの自分にとって、無理のない距離を選びながら関係を続けていくことも、またひとつの在あり方なのだと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>お誘いを断るのに、理由はいらない。答えは、oui（はい）かnon（いいえ）だけ</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="1600" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko16.jpg" width="1200" /><br />
パン屋に立ち寄るひとり時間。お誘いを断る日があってもいい。</p>

<p>あるとき、パリに来て間もない頃に知り合った日本人の友人から、「今度、一緒にランチどう？」と誘われました。けれどその日、私は日帰りでひとり旅に出かける予定を入れていたので、いつものように「忙しいから」「余裕がなくて」などと理由を伝えようとして、ふと「本当に、そこに説明が必要だろうか」と、立ち止まりました。</p>

<p>そして私は友人に、ただ「その日はひとりで過ごすつもりなの」とだけ伝えたのです。伝えたあと、友人に何か詮索されるのではないかと少し身構えていましたが、何も聞かれません。自分の中に残ったのは、罪悪感ではなく、思っていたよりも静かな軽さでした。</p>

<p>パリに来て感じたのは、「今は忙しくて」「余裕がなくて」といった説明をしなくても、空気が重くならないということでした。誰かの誘いを断るときに、理由を細かく説明する人がほとんどいません。ひとりでいたいなら、そのままひとりでいるだけで、距離を置きたいときも、理由を探さなくていい。「ひとりでいたい」という気持ちは、ちゃんとした理由として扱われているように感じています。</p>

<p>先ほどもお伝えしたように、パリでは、「距離を置く」ことが、「相手を避けている」と受け取られることがほとんどありません。何かを説明しなくても、関係が急にぎくしゃくしたり、空気が重くなったりすることがないのです。</p>

<p>それは、放っておかれているということではなく、「何も言われないけれど、無関心でもない」という感じで、ただ、それぞれが相手の選択を自然に尊重し合っているような距離感です。このような感覚に慣れてくると、「理由を説明しない」ということが、冷たい態度でもわがままでもないのだと、少しずつ理解できるようになりました。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_paris02.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 12 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小栗きくこ（暮らしのコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「昔の病気」ではなかった...いま結核が増えている”他人事ではない”理由  武井智昭,吉澤恵理</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14462</link>
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			<description><![CDATA[日本では今も毎年1万人以上が発症する結核。「昔の病気」ではない実態と、注意すべき症状を医師が解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="体調不良" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/86077576px.jpg" width="1200" /></p>

<p>結核というと「昔の病気」というイメージを持つ人も少なくありません。しかし現在でも、日本では毎年1万人以上が新たに発症しており、およそ1,500人が亡くなっています。長引く咳の陰に結核が隠れている可能性もゼロではありません。今回は、高座渋谷つばさクリニック院長の武井智昭医師に、結核の現状と注意すべき症状について話を聞きました。（文・吉澤恵理）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>結核は「過去の病気」ではない</h2>

<p>福岡県では、2024年12月29日から2025年5月17日までの結核患者の累計は286人で、前年同時期より24人増加しているという報告がありました。</p>

<p>一方、SNSでは、「咳だけがずっと続く」「コロナでもインフルでもない」「熱はないのにだるい」といった、謎の体調不良を訴える声も広がっています。もちろん、その多くは一般的な感染症と考えられます。しかし、こうした長引く咳の陰に、結核が隠れている可能性もゼロではありません。</p>

<p>ただ、結核について実はよく分からないという人も多いのではないでしょうか。</p>

<p>武井医師は次のように説明します。</p>

<p>――結核は過去の病気ではないと考えるべきでしょうか？</p>

<p>「そうですね。多くの方が、昔の病気という印象を持っていると思います。実際、戦後しばらくの日本では、結核は国民病と呼ばれていました。1951年頃には年間およそ59万人以上の患者がいたとされ、死亡者数も年間10万人を超えていた時代があります。当時は若い世代の死亡原因としても非常に多く、不治の病と思われていました」</p>

<p>「大きな転機になったのが、抗結核薬の登場です。1940年代後半に現在の治療の中心となる薬が次々に登場しました。さらに、栄養状態の改善、衛生環境の向上、BCGワクチンの普及、定期健診や胸部レントゲン検査などによって、日本の結核患者数は大きく減少していきました。その結果、日本は2021年にWHO基準で『結核低まん延国』となりました」</p>

<p>――2021年というと最近ですね。低まん延国とは、まだ感染はあるということですね？</p>

<p>「はい、&quot;ゼロになった&quot;わけではありません。現在でも毎年1万人以上が発症していますし、特に高齢者では、若い頃に感染して体内に潜んでいた結核菌が、加齢や免疫低下をきっかけに再活性化するケースがあります。つまり結核は、昔流行した病気ではあるけれど、終わった病気ではない。古くて新しい病気と言えます」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>風邪と似た初期症状、特に注意すべきサインとは</h2>

<p>――結核の症状とはどういった症状ですか？</p>

<p>「結核の初期症状は、咳・痰・微熱・倦怠感など、一般的な風邪と非常によく似ています。そのため、最初は『風邪かな』『気管支炎だろう』と考えられ、別の診断で治療されているケースも少なくありません」</p>

<p>「結核で特に注意してほしいのは、『2週間以上咳が続く』という点です。さらに、体重減少・血痰・寝汗・食欲低下などがみられる場合には、結核の可能性も考える必要があります」</p>

<p>――最近では、結核を診察したことがない医師も増えていると言われますが、実際にはどうですか？</p>

<p>「はい。特に若い世代の医師では、教科書で学んでも実際に結核患者の診察を経験していないケースは珍しくありません。一時期、日本では結核患者がかなり減少しましたから、診察する機会自体が少なくなっています。そのため、『まず結核を疑う』という経験値が少ないこともあります。ただ、だからこそ重要なのが、長引く咳を軽く見ないことです」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>診断から治療まで――結核はすぐに確定できない</h2>

<p>――結核が疑われた場合は、どのように診断していくのでしょうか？</p>

<p>「まず胸部X線検査を行います。そのうえで、CT検査・喀痰検査・PCR検査・IGRA（T-SPOT、QFTなど）を組み合わせて診断していきます。ただし、結核はその場ですぐ確定診断できる病気ではありません。喀痰検査では菌が検出されるまで時間がかかることもあります。そのため、結核かもしれないと考えて検査につなげること自体がとても重要です」</p>

<p>――結核を発症した場合、必ず抗菌薬の治療が必要なのでしょうか？</p>

<p>「はい。基本的に、活動性結核を発症した場合は、抗結核薬による治療が必要になります。放置すると重症化したり、周囲へ感染を広げたりするリスクがあります。また、途中で自己判断で薬をやめてしまうと、再発や薬剤耐性の原因になることがあります」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>感染力とBCGワクチンの効果</h2>

<p>――結核は、どのくらい感染力があるのでしょうか？</p>

<p>「結核は、空気感染する病気です。患者さんが咳やくしゃみをした際に、空気中に結核菌が広がり、それを吸い込むことで感染します。ただ、インフルエンザや新型コロナのように、短時間で次々に感染するというタイプとは少し違います。一般的には、長時間同じ空間にいる、換気が悪い、家族や職場など濃厚な接触、こうした環境で感染リスクが高くなります」</p>

<p>――多くの人がBCGの予防接種を受けていますが、効果はあるのでしょうか？</p>

<p>「はい、BCGワクチンには一定の効果があります。特に、結核性髄膜炎や粟粒結核など、乳幼児の重症結核を防ぐ効果が重要とされています。ただ、BCGは感染そのものを完全に防ぐワクチンではありません。そのため、『BCGを受けているから絶対に大丈夫』とは言い切れません」</p>

<p>――予防接種を受けていれば、感染しても軽症や自然治癒することもあるのでしょうか？</p>

<p>「感染しても発症しない人は多くいます。ただし、BCGを打っているから自然治癒する、必ず軽症で済むとは言い切れません。特に高齢者や免疫が低下している方では、潜んでいた結核菌が再び活動を始めることがあります」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「謎風邪」の陰に結核が隠れている可能性は？</h2>

<p>――SNSで広がる謎風邪の陰に、結核が隠れている可能性はあるのでしょうか？</p>

<p>「可能性としては、あるといえますが、謎風邪と呼ばれている症状の多くは一般的な風邪だと思われます。ただ、結核も初期症状は非常に風邪に似ていますので、咳が2週間以上続く、体重減少、血痰、こうした症状がある場合は、一度医療機関を受診してほしいと思います。結核は、早期発見・早期治療が非常に大切な病気です」</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/86077576px.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 11 Jun 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[武井智昭,吉澤恵理]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>コンサルに言われた「準備は3割」の真理　成果が出ない人に共通する完璧主義  三上美幸（おうち起業コンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12387</link>
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			<description><![CDATA[完璧を目指し過ぎて、動き出しが遅くなっていませんか？三上美幸さんは「準備は3割」でいいと語ります。その理由とは？]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="すぐやる人" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmtg3.jpg" width="1200" /></p>

<p>「完璧を目指すあまり、失敗が怖くて行動できない」「自分に自信が持てない」...このような悩みを抱える人は、先送りグセの持ち主かもしれません。</p>

<p>おうち起業コンサルタントの三上美幸さんもかつてはその一人でした。しかし「すぐやる」ことを心がけてきた結果、充実した人生を送ることができてきたと振り返ります。</p>

<p>三上さんが実践してきた「すぐやる」ためのコツがまとめられた著書『結局、「すぐやる人」がうまくいく』より、完璧主義から抜け出す効能についてご紹介します。</p>

<p>※本稿は、三上美幸著『結局、「すぐやる人」がうまくいく』（PHP研究所）より、内容を一部抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>料理の腕が上がるのを待っていたら、いつまでも彼にご馳走できない　</h2>

<p>何かを始めるときに、つい完璧を目指して準備に時間をかけていませんか。</p>

<p>多くの人が「もう少し準備ができてから」「もっと知識がついてから」と考えがちです。実はその思考が「すぐやる」ことの妨げになります。準備をしすぎると、結局動き出せずに時間ばかり過ぎてしまうのです。</p>

<p>私はもともと慎重なタイプで、「完璧にできるようになってからやろう」と考える完璧主義でした。完璧主義になった背景には、過去の経験が影響しています。</p>

<p>実は、小中高時代にいじめにあっていました。当時の私は「勉強もできない」「運動もできない」子でした。そうか、私は「何もできない」からいじめにあっているんだ。すべてできるようになれば、こんなひどい目にあわないはず。私はすべてできる人（＝完璧にできる人）にならなければいけない......。</p>

<p>いつしかそんな風に考えるようになりました。社会人になってから、その考えが如実に表れていたのです。</p>

<p>完璧主義偏重の考えに変化が訪れたのは、起業がきっかけです。物事がなかなか前に進まないという現実にぶつかりました。</p>

<p>「あれもできていない。これもできていない。だから、次のステップに進められない。いったい、どうしたらいいんだろう」</p>

<p>考えあぐねていたところ、あるコンサルタントにこう言われました。</p>

<p>「準備は3割でいいんです」</p>

<p>えっ、そうなんだ。子どもの頃のいじめの影響もあり、何もできない自分にコンプレックスを感じていたので目からウロコでした。その目の覚めるようなひとことで、思い込みによる呪縛が解け、考えを変えていきました。</p>

<p>言われてみれば、その通りだと腑に落ちたからです。</p>

<p>思い出したのは、かつて、つきあっていた人に手料理を食べてもらおうと思ったときのことです。当時は、「つくってあげたいけどまだ下手だし、もっとおいしくつくれるようになってから披露しよう」と考えすぎてしまったのです。</p>

<p>ただそれだと、なかなか料理の腕は上がらないし、どの段階なら「おいしい」と喜んでもらえるのかゴールもわかりません。結局、いつまで経っても実現できず、料理を振る舞う機会を逃してしまいました。</p>

<p>起業においても全く同じことが起こったのです。準備ばかりで行動に移せず、収入につながらない。しかし、コンサルタントのひとことで、完璧主義をやめ、準備3割で動き出すと、徐々に成果が出るようになったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>頭では「準備3割」と思っても、実際には7割できていることが多い</h2>

<p>先ほどお伝えした「準備3割」。それはどのくらいの準備の量でしょうか。</p>

<p>イメージとしては、自分では「まだ準備が足りていない」と感じる程度が準備3割の量です。これが、すぐやる人の「準備に対する基準」となります。</p>

<p>私自身、最初にイベントの日時が決まってから動き出すことが多く、時には0割の状態からでもスタートします。</p>

<p>「まだ準備が足りない」という状態でスタートしていい理由は、「準備３割」といっても、たいていの場合、私から見れば「7割くらいできている」ことが多いからです。</p>

<p>自分の視点と客観的視点に差があり、自分では「まだ準備が足りない」と感じる段階であっても、実際には十分にスタートできる状態である（準備が3割以上はできている）ことが多いということです。特に日本人は真面目なので、自分ではできていないと思っていても他人からはできていると思われるものが多いと思います。</p>

<p>私はイベントの企画・運営なども行っていますが、一番最初にリアルイベントを開催したとき、決まっていたのはイベント名と場所だけでした。詳細な運営方法やルールは未確定だったのです。</p>

<p>それでも出店者と対話しながら調整し、イベントを形にできました。結果として、出店者や来場者に喜んでもらえ、次の開催につながりました。</p>

<p>あらゆる準備をしてからイベントの場所や日程を決めていたのでは、どんどん開催が遅れるばかりか、開催そのものが危ぶまれる場合もあるでしょう。</p>

<p>特にイベントは、参加者の人数や天候、交通の遅れなど予測できない要素がつきものです。予測できない要素が多いものほど、細かい計画を立てすぎるより、動きながら改善していくほうが正解です。</p>

<p>最初の段階では完璧を求めず、ある程度の方向性を決めたら、実践しながら修正を加えていくことが成功のポイントになります。</p>

<p>ただし、準備不足でスタートしていいとはいえ、何もかも無計画に進めていいわけではありません「締め切り」と「最低限の譲れない目標」の2つはしっかりと設定しておくといいでしょう。</p>

<p>たとえば、イベントを開催する場合、開催日（締め切り）が決まれば、それに向けて準備を進めていかなくてはなりません。出店者の募集、チラシの作成、告知などをスケジュールに組み込めば、自然とやるべきことが明確になります。</p>

<p>どんなプロジェクトでも同じです。「いつまでに何をするか」（○月&times;日にイベントを開催する）が明確になると、自然と行動は加速していきます。</p>

<p>2つ目の「最低限の譲れない目標」も大切な要素です。たとえば、料理の練習をするとき、「子どもの誕生日までに野菜がゴロゴロ入ったカレーをつくれるようになる」と決めれば、締め切りと具体的な目標が設定されます。</p>

<p>同じように、ダイエットをするなら「7月には女ともだちとプールに行くから6月末までに3kg減らす」と決めることで、行動が具体的になります。周りの人を関わらせた目標設定にするのがポイントです。</p>

<p>締め切りが決まると、やるべきことが明確になり、優先順位がつけやすくなります。そして、完璧ではなくとも、まずは走り出すことができるのです。</p>

<p>もし「まだ準備が足りない」と感じて、なかなか行動に移せないなら、自分が思っているよりも早くスタートして大丈夫だと考えてみてください。 「準備３割で進める」どころか、「まだ０割かも」と思う状態でも、走り出してしまえば、実は十分だったと気づくことも多いのです。</p>

<p>いきなり準備３割といわれても、と思うなら、小さなことから始めてみましょう。小さな成功体験をすることで、「準備３割でも全然OK」であることがわかってきます。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmtg3.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 11 Jun 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[三上美幸（おうち起業コンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>着てみたら「安っぽい服」を避けるには？ 高見えする服を選ぶ１つのポイント  池上陽子（ファッションコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14409</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014409</guid>
			<description><![CDATA[デザインで服を選んでいるのに、なぜか安っぽく見えてしまう...その原因は？ 高見えする素材を選ぶ秘訣を、ファッションコンサルタントの池上陽子さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_womanfashion.jpg" width="1200" /></p>

<p>忙しい朝、鏡の前で「今日は何を着よう」と迷った末に、結局いつもと同じ服を選んでしまう......そんな経験はありませんか？じつは「時短なのにおしゃれに見える人」には、ある共通の法則があります。さらに大人のファッションを格上げする鍵は、デザインよりも意外なところに隠されていました。ファッションコンサルタントの池上陽子さんによる書籍『服を味方にする「わたし」の魅せ方』より解説します。</p>

<p>※本稿は、池上陽子著『服を味方にする「わたし」の魅せ方』(三笠書房)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>迷ったときの王道コーディネートとは？</h2>

<p>忙しい朝、着る服にあれこれ迷って、焦った経験はありませんか？どうしても時間がないときに、「これさえ着ておけば！」という王道コーデを決めておくと安心です。</p>

<p>おすすめなのが、ワンピースをメインにしたコーデ。</p>

<p>1枚でもサマになりますし、アレンジ次第で着回しもきくワンピースは、時短コーデの救世主です。</p>

<p>&nbsp;・ 本当に時間がないときは、着映えする柄ワンピをさらりと1枚で。<br />
&nbsp;・ 会議や打ち合わせがあるときは、ジャケットを羽織ってかっちりした雰囲気に。<br />
&nbsp;・ 帰りに友だちと会うときは、おしゃれ見えするよう無地ワンピに、アクセントカラーの小物を足して。<br />
&nbsp;・ スタイルアップして見せたいときは、ベルトでウエストマークを。</p>

<p>こんなふうに、いくつかシチュエーション別のワンピースコーデを用意しておきましょう。きっと「忙しいはずなのに、いつもちゃんとおしゃれしている人」という印象が作れます。</p>

<p>なお、ワンピースは3着持っておくと用途ごとに着回しできて便利です。</p>

<p>まずはデイリー用の1着。普段着として使えるジャージ素材のものがおすすめ。次にきれいめの1着。AラインやIラインを意識したシンプルなものを。最後に、華やかな1着。写真映えを考えた勝負服として使えるものです。アクセサリーなどの小物も追加して、合わせながらコーディネートを楽しんでください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「高見えするかどうか」を基準に素材をチェック</h2>

<p>服を選ぶとき、デザインだけに注目していませんか？</p>

<p>若いころは、ペラペラの素材の服でも、デザインがよければそれなりにおしゃれに見えます。肌そのものにハリやツヤがあって、ボディラインにもメリハリがあるからです。</p>

<p>でも、肌の質感や体型が変化してくる大人はそうはいきません。いくらデザインが素敵でも、ペラペラでテカテカ光る安っぽい素材は、大人の肌をくすませ、体型もだらしなく見せてしまいます。</p>

<p>あなた自身の価値を下げてしまわないためにも、肌をきれいに見せてくれ、ボディラインを拾いすぎない素材を選ぶことが必要になってきます。</p>

<p>一方で、質のよい素材はお値段もそれなりなので、無理に全身そろえる必要はありません。インナーはプチプラでOK。</p>

<p>その代わり、長く着られるシャツやパンツ、カーディガンなどのベーシックアイテムは、ラグジュアリーな素材のものを選びましょう。</p>

<p>ざっくり分けると、次の3つが代表的な素材です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>① 天然繊維</p>

<p>ウール、シルク、綿、麻など。光を吸い込むので、落ち着いたシックな色合いになるのが特徴。</p>

<p>② 化学繊維</p>

<p>ポリエステル、ナイロン、アクリルなど。光を反射して、キラキラしたツヤを発するのが特徴。</p>

<p>③ 再生繊維</p>

<p>レーヨン、キュプラ、テンセルなど。自然の原料を化学処理したもの。とろみや落ち感があるのが特徴。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>一般的には、天然繊維が最も高価で高級感がある素材です。</p>

<p>しかし、最近では「シルクライク」「リネンライク」「ウールライク」と呼ばれる化学繊維や再生繊維など、&quot;高見え&quot;するものが続々と登場しています。また、天然繊維は毛玉やシワができやすいものもあるため、&quot;安見え&quot;してしまうこともあります。そのため、天然素材を基本にしながらも、「高見えするかどうか」を基準に素材をチェックしてみましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>高見えする素材を選ぶポイント</h2>

<p>&quot;高見え&quot;する素材を選ぶポイントは、次の5つです。</p>

<p>①ツヤやとろみのある素材を選ぶ</p>

<p>光があたったときにテカテカ安っぽく光らない、テロンとしたとろみのある素材は高見えします。</p>

<p>②レースやシフォンはプチプラを避ける<br />
繊細なレースやシフォンは、質の差が表れやすい素材。プチプラアイテムは避けるのが無難です。</p>

<p>③柄物より無地のシンプルなものを選ぶ</p>

<p>柄の緻密さや色数などの細部に安物感が出てしまう柄物アイテムよりも、シンプルで色がたくさん使われていないアイテムを選ぶようにしましょう。</p>

<p>④透けていないものを選ぶ</p>

<p>インナーが透けてしまうような薄くてペラペラした生地は、チープに見えるので避けましょう。</p>

<p>⑤シワになりにくい素材を選ぶ</p>

<p>マメにケアできる人には天然素材がおすすめですが、お手入れが苦手ならポリエステルや、ポリエステル混の素材もおすすめです。光があたったときに安っぽく見えないかどうかチェックしましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_womanfashion.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 11 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[池上陽子（ファッションコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>忙しい日本を離れ、英国のガーデナーに転身...イギリスで見つけた「本当の豊かさ」  加藤栞（ガーデナー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12391</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012391</guid>
			<description><![CDATA[イギリス在住の加藤栞さんが、移住、そしてガーデナーの仕事について語ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p dir="auto"><img alt="イングリッシュガーデン" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250520Katoushiori02.jpg" width="1200" /></p>

<p dir="auto">皆さんは「庭」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか？</p>

<p dir="auto">花が咲き誇る癒やしの空間でしょうか？縁側から望む小さな森林のような空間でしょうか？それとも家の片隅にある小さなスペースでしょうか？</p>

<p dir="auto">私は日本を離れ、イギリスで&quot;庭をつくる人&quot;として生活しています。連載1回目となる本記事では、なぜ私がこの道を選んだのか、イギリスでの暮らしや庭文化についてお話ししたいと思います。</p>

<p dir="auto">&nbsp;</p>

<h2 dir="auto">なぜ私はイギリスで「庭をつくる人」になったのか</h2>

<p dir="auto">大学を卒業した私は、就職活動を熱心にするわけでもなく、ただ「実家を出たい」という衝動で就職先を探していました。唯一内定をもらったのが、お花と植物を扱う会社。その頃は特にお花に興味があったわけではありません。</p>

<p dir="auto">しかし、あるフラワーアーティストとの出会いが私の人生を大きく変えました。</p>

<p dir="auto">職場に月に数回、デザイン指導に来てくれていた彼は、ただ目の前の注文をこなしていた私に、お花そのものをじっくり観察し、それぞれの花が持つ個性をどう活かし、魅せていくかを教えてくれました。</p>

<p dir="auto">「命あるお花を扱っているからこそ、その命と真摯に向き合う覚悟が必要」</p>

<p dir="auto">そんなお花への情熱が、私の心を打ちました。そして「私もこの道を極めたい」と決意したのです。「なんとなく10年続ければプロになれる」と信じて。</p>

<p dir="auto">会社では、お花の配達からギフトの制作、観葉植物の納品やメンテナンス、店舗運営まで、植物に関するあらゆる仕事を経験しました。特にギフト制作では、花束やアレンジメント、生け込みなど、フローリストとしての基本を徹底的に叩き込みました。</p>

<p dir="auto">数年が経ち、私も「自分でお花をデザインしたい」という思いが募り、転職を決意しました。転職先では空間装飾やウエディング、イベントの花を手がけるように。5つ星ホテルのアトリエでは、毎日が分刻み。朝は市場へ仕入れ、日中は打ち合わせや制作、夜は発注・請求業務......。気づけば終電、あるいはそれを逃すこともしばしば。</p>

<p dir="auto">「自分の好きなことで食べているし、やりがいはある。でも、これが本当の豊かさなのか？」そんな疑問が心に芽生えていきました。正直、働いている時はそんなことを考える暇さえなかったですが。</p>

<p dir="auto">そのきっかけは、周囲の仲間たちの変化でした。自分は心も体も丈夫だったので乗り切れていたのですが、先輩や後輩、同僚たちが次々と精神的に病み、突然職場を離れていくのが&quot;当たり前の光景&quot;になっていました。 「みんな好きで始めた仕事なのに、それで自分を壊してしまうなんて...」 その現実がとてもやりきれず、「働き方」や「生き方」そのものを見直したいと思うようになったのです。</p>

<p dir="auto">&nbsp;</p>

<h2 dir="auto">そして、イギリスへ</h2>

<p dir="auto"><img alt="イングリッシュガーデン" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250520Katoushiori01.jpg" width="1200" /></p>

<p dir="auto">もともとイギリスには漠然とした憧れがありました。グラフィックデザインや音楽など、私の「好き」はなぜかイギリスに繋がっていたのです。</p>

<p dir="auto">そして、「切り花」だけでなく「生きた植物」ともっと深く関わりたいという思いが芽生え、ガーデナーという新たな道を選びました。切られた花を生かす世界から、これから咲こうとする植物を育てる世界へ。</p>

<p dir="auto">イギリスは、ガーデニング文化が根付いた国。多くのガーデナーがこの地で経験を積んでいました。私もその土を踏み、イギリス人の&quot;庭と共にある暮らし&quot;に触れたいと思ったのです。</p>

<p dir="auto">実際に住んでみて驚いたのは、ほとんどの家に庭があるということ。ロンドンのような都市部でも、家と庭はセット。「庭がないなんて考えられない」と言うボスの家には、実は庭がないのだけれど（笑）。</p>

<p dir="auto">イギリスでは、庭は生活の一部。晴れた日には庭で子どもが遊び、大人が読書や日光浴を楽しみ、BBQやパーティーが開かれる。ライフステージに合わせて庭も姿を変えていきます。</p>

<p dir="auto">この&quot;時間を愛する&quot;ような暮らしぶりは、かつて東京で忙しく働いていた私にはとても新鮮でした。</p>

<p dir="auto">&nbsp;</p>

<h2 dir="auto">ガーデナーという仕事</h2>

<p dir="auto">現在私はロンドン郊外で、プロのガーデナーとして働いています。朝7時にボスと集合し、契約先のガーデンへ。剪定、除草、植栽、水やり、清掃など、日々の手入れを通して植物と向き合います。</p>

<p dir="auto">ある日、何年も放置されていた茂みの手入れ中に、大きな鹿の頭蓋骨を見つけました。命の営みを間近に感じて、植物だけではなく生き物たちとの共生もこの仕事の魅力だと改めて実感しました。</p>

<p dir="auto">また、お客様の庭で季節ごとに違う花が咲くのを見届ける喜びもあります。一週間経てば、一週間前に咲いていた花は枯れ、また違う花が満開になっている。日々、お庭の表情や色も変わっていくのです。</p>

<p dir="auto">大規模な邸宅と呼ばれるお家では、広大な庭に無数の動物が共生し、池や川、林や、果物の木々、温室まであります。そんな&quot;自然を切り取ったような庭&quot;を管理するのも私たちの仕事です。</p>

<p dir="auto">仕事の時間は基本的に日中のみ。夜まで働くことはありません。週に一度はチームでパブへ行き、ボスはいつもアサヒビール、私はギネス。そんな風に心と身体に余白のある暮らしを楽しんでいます。</p>

<p dir="auto">庭で過ごす時間は、ただの趣味や装飾以上の意味を持っています。植物と向き合うことで、忙しい日常の中に&quot;ゆとり&quot;や&quot;本当の豊かさ&quot;を見つけられるのです。</p>

<p dir="auto">この連載では、イギリスでの経験を通して、イギリス式のガーデニング、フローリスト目線のお花の楽しみ方、そして日本とイギリスの働き方や文化の違いなど、私だからこそ伝えられることを発信していきたいと思っています。</p>

<p dir="auto">お花は特別な日を彩る「装飾」だけではなく、日常から隣にあるような「共に生きるもの」。植物と過ごす時間は、物質だけでは得られない本当の豊かさを教えてくれます。</p>

<p dir="auto">&nbsp;</p>

<p dir="auto">【加藤栞（かとう・しおり）】<br />
日本ではフローリストとして、5つ星ホテルのウェディング装飾やブティック・イベント・撮影現場での装花、ギフト制作などに携わる。2024年よりイギリスへ拠点を移し、ロンドン郊外でガーデナーとして活動中。</p>

<p dir="auto">&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250520Katoushiori02.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 10 Jun 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[加藤栞（ガーデナー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「なんとなく」は思考停止のサイン　本音を言語化するセルフワーク  川岸宏司（株式会社DIL 共同創業者）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14359</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014359</guid>
			<description><![CDATA[「なんとなく」は言語化から逃げる合理的な理由。思考停止から抜け出し、本音を伝えるためのワークを川岸宏司さんが紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="なぜ、あの人の言葉は心に響くのか" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamiwoman_2.jpg" width="1200" /></p>

<p>自身の行為に対して理由を聞かれたら「なんとなく」と答えてしまう人は少なくありません。起業家の川岸宏司さんは著書『なぜ、あの人の言葉は心に響くのか』にて、「なんとなく」は言語化から逃げる最も合理的な理由だと説明します。</p>

<p>同書より、内側にある本音を「なんとなく」で片づけないためのワークを紹介します。</p>

<p>※本稿は、川岸宏司著『なぜ、あの人の言葉は心に響くのか』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「なんとなく」の理由を言語化する</h2>

<p>本稿の言葉のタネは「なんとなく」です。</p>

<p>服を買いに行ったとき、その服を選んだのはなぜですか？ランチで、なぜそのお店に入りましたか？　なぜ、電車でその席に座ったのですか？</p>

<p>おそらく、9割の人がこう答えるはずです。「え？　特に理由は......なんとなく」。</p>

<p>この「なんとなく」という言葉、一見、謙虚で無害な言葉に聞こえますが、言語化においてこれほど危険な言葉はありません。前回の記事でも説明した「ヤバい」が思考停止のスタンプだとしたら、「なんとなく」は「言語化から逃げる最も合理的な理由」です。</p>

<p>私たちが「なんとなく」と言うとき、頭の中では必ずなんらかの感情が動いています。ちなみに、その大半はネガティブな感情です。その感情があまりにネガティブだったり、認めたくないほど情けなかったりするからこそ、脳が無意識に蓋をして「なんとなく」というラベルで封印してしまう。この封印を解くには、それなりの「努力」が必要です。</p>

<p>脳が隠し、言葉では抽象化したがる不都合な真実を、あえて掘り起こす作業なので、痛みも伴います。でも、その痛みと向き合う努力の先にしか見つからない、極上の「言葉のタネ」があるということも覚えておいてください。</p>

<p>「なんとなく」の蓋を開けると、ドロドロとした人間臭い感情が詰まっています。</p>

<p>表面：「なんとなくこの服にした（地味な色の服）」<br />
&rarr;裏側：【不安】「自信がないから、目立ちたくない。失敗しない色に逃げたい」</p>

<p>表面：「なんとなくこの店に入った（チェーン店）」<br />
&rarr;裏側：【恐怖】「知らない店に入って、店員と会話するのが怖い。1人で浮くのが怖い」</p>

<p>表面：「なんとなくあの人を避けた」<br />
&rarr;裏側：【怒り】「前回の会議で否定されたことを、まだ根に持っている」</p>

<p>表面：「なんとなくタスクを後回しにした」<br />
&rarr;裏側：【恐怖】「手をつけた瞬間に『できない自分』が露呈するのが怖い」</p>

<p>心当たりは、ありませんか？　これらを見ないふりをして通り過ぎることは簡単です。しかし、それでは永遠に自分の感情を掴むことはできません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「尋問テクニック」で感情を引きずり出す</h2>

<p>では、どうすれば言葉のタネにするための素直な本音を掻き出せるのか。私が行った対策は「選んだ理由」の可決視点ではなく、「選ばなかった理由」の否決・却下視点で問うことです。</p>

<p>次の3段階の尋問フローを見てください。今日の「服選び」を例にします。</p>

<p>ステップ1：自白させる 問：「今日、なぜそれを選んだ？」&rarr;答：「なんとなく、この黒いシャツを選びました」&rarr;まだ本音は出ません。</p>

<p>ステップ2：逃げ道を塞ぐ 問：「ほかにも選択肢はあったよね？」&rarr;答：「ええ、白いシャツもあったし、紺色のジャケットもありました」&rarr;事実を認識させます。</p>

<p>ステップ3：感情を吐かせる 問：「なぜ、白や紺を却下して、黒にした？」&rarr;答：「......白だと汚れが気になるし、紺だと気合が入っていると思われそうで。今日は誰にも会いたくなかったし、空気のように目立ちたくなかったんです」&rarr;確保！これが本音（言語化のタネ）です。</p>

<p>「なぜ選んだか」を問うと、人は建前を語ります。一方で「なぜほかを捨てたか」を問うと、そこには必ず「避けたい痛み」や「隠したい欲望」が隠れています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>無意識の選択に隠れる「4つの感情パターン」</h2>

<p>私の経験上ですが、この尋問で出てくる感情は、大きく4つのパターンに分類できます。まずは入口として参考にしてみてください。</p>

<p>①【快】（接近&times;自分軸）<br />
&rarr;理由：「好きだから」「心地いいから」 例：「このカフェ、ＢＧＭが好きだから選んだ」</p>

<p>②【承認欲求】（接近&times;他人軸）<br />
&rarr;理由：「褒められたい」「すごいと思われたい」 例：「センスがいいと言われたくて、この服を選んだ」</p>

<p>③【不安】（回避&times;自分軸）<br />
&rarr;理由：「失敗したくない」「面倒を避けたい」 例：「午後眠くなるのが嫌で、ラーメンではなく蕎麦にした」</p>

<p>④【恐怖】（回避&times;他人軸）<br />
&rarr;理由：「嫌われたくない」「浮きたくない」「否定されたくない」 例：「Ａさんに否定されるのが怖くて、Ｂさんに話しかけた」</p>

<p>驚くべきことに、私たちの「なんとなく」の多くは、③の不安や④の恐怖といった「回避（逃げ）」の感情からきています。</p>

<p>恥を忍んでですが、私の「自白録」を公開します。些細な行動の裏に、どれほど情けない感情が隠れているか、笑ってやってください。</p>

<p>ケース1：カフェの席選び</p>

<p>表面：「なんとなく窓際の席にした」</p>

<p>尋問：「なぜ奥のソファ席を却下した？」</p>

<p>発掘された感情（不安・恐怖）：「背後に人がいると落ち着かない。何かあったときにすぐ店を出られる位置じゃないと怖い」</p>

<p>気づき：私は常に「逃げ道」を確保しないと安心できない、「臆病で警戒心の強い人間」だった。</p>

<p>ケース2：SNSの「いいね」</p>

<p>表面：「なんとなく『いいね』を押した」 尋問：「なぜその投稿？　他にも流れてきたよね？」</p>

<p>発掘された感情（承認欲求・不安）：「この人に『見てるよ』と伝えておかないと、関係が切れるのが怖い。次会ったときに気まずくなりたくない」</p>

<p>気づき：私の「いいね」は共感ではなく、単なる「人間関係の維持コスト」だった。</p>

<p>ケース3：タスクの後回し</p>

<p>表面：「なんとなく明日やろうと思った」</p>

<p>尋問：「なぜ今日やらなかった？　時間はあったよね？」</p>

<p>発掘された感情（恐怖）：「手をつけた瞬間に、うまくできない自分が露呈しそうで怖い。明日になれば魔法のように能力が上がっていると期待したい（そんなわけないのに）」</p>

<p>気づき：先延ばしの正体は、怠惰ではなく「無能さがバレる恐怖」だった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分の中の「人間味」を掘り起こしていく</h2>

<p>見てわかる通り、自分の本音を知ることは、最初は痛みを伴います。「自分はこんなにも臆病で、見栄っ張りで、計算高い人間だったのか」と、直視するのが嫌になるかもしれません。</p>

<p>だからこそ、脳は「なんとなく」というオブラートで包んで、あなたを守ろうとします。そして気づくと言葉で蓋をし、感情の言語化が下手になる。</p>

<p>でも、オブラートを剥がす「努力」を放棄しないでください。美しい言葉や、人の心を打つ言葉は、自分の中にある、目を背けたくなるような「弱さ」や「ズルさ」を、汗をかいて掘り起こした先にしか見つからないからです。</p>

<p>だからこそ、今日から、寝る前の1分間だけでいいので、自分への尋問を行ってみてください。「なぜ、ほかの選択肢を却下したのか？」その問いと向き合う泥臭い努力こそが、あなたの言葉に圧倒的な「人間味」を宿らせてくれると思っています。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamiwoman_2.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 10 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[川岸宏司（株式会社DIL 共同創業者）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>プロが教える「ファッションが楽しくなる」習慣　無難な服ばかり着ていない？  池上陽子（ファッションコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14408</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014408</guid>
			<description><![CDATA[年を重ねるごとに失われがちな「おしゃれを楽しむ気持ち」を思い出すには？ ファッションコンサルタントの池上陽子さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smilewoman02.jpg" width="1200" /></p>

<p>着る服がない、年相応の無難な服ばかり選んでしまう......そんな悩みを抱えていませんか？</p>

<p>じつは多くの働く女性が、ファッションへのときめきやワクワク感をいつの間にか忘れてしまっているといいます。おしゃれ心を取り戻す最初の一歩は、意外なほどシンプルなところにありました。ファッションコンサルタントの池上陽子さんによる書籍『服を味方にする「わたし」の魅せ方』より解説します。</p>

<p>※本稿は、池上陽子著『服を味方にする「わたし」の魅せ方』(三笠書房)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>まずはファッションを「楽しむ」気持ちを思い出して</h2>

<p>「服はたくさんあるのに、着る服がない」<br />
「年相応の無難な服ばかり選んでしまう」<br />
「おしゃれ度が低いせいで、正当に評価されていない気がする」</p>

<p>こんなふうに悩んでいませんか？でも安心してください。全部解決できますから！</p>

<p>ただ、自分の魅せ方のテクニックをいろいろお話しする前に、みなさんに一つお願いがあります。</p>

<p>それは、ファッションを「楽しむ」気持ちを思い出すこと。</p>

<p>ファッションコンサルタントとして、多くの女性経営者や働く女性とお話ししていると、「この服かわいい♡」というトキメキや、「早くこれを着て出かけたい！」というワクワク感を忘れてしまっている人がとても多いのです。</p>

<p>もちろん、それは決して悪いことではありません。</p>

<p>一人の働く女性として、母親として、職業や役割にふさわしい自分を優先させてきたことのあかしでもあるからです。</p>

<p>でも、あなたはもう十分すぎるほどがんばってきました。</p>

<p>だからこそ今日から、仕事や家族のために二の次にしてきた「本来の自分の好み」や「おしゃれ心」を思い出してほしいのです。</p>

<p>私の場合で言えば、小学生のとき年上のいとこのお姉さんたちから、おさがりを山のようにもらっていました。ダンボールを開けて、自分でコーディネートを作って着てみたときのワクワク感は今でも忘れられません。</p>

<p>高校も、制服がかわいいという理由だけで決めました（笑）。</p>

<p>初めて袖を通したときの気持ちや、かわいく見せようとあれこれアレンジを加えたこと......そのすべてが、今の私のおしゃれを楽しむ気持ちにつながっています。</p>

<p>外見ブランディングというのは、ただマニュアルどおりの服を着て、おしゃれに見えればOKというものではありません。</p>

<p>人は、「なりたい自分」を「自分が好きなファッション」で表現するからこそ、魅力的に輝いて見えるのです。</p>

<p>まずは仕事での立場や、妻やママとしての自分をいったん忘れてください。</p>

<p>一人の女性として、鏡の前でああでもないこうでもないと考えたり、似合うものが見つかったりしたときの気持ちを思い出してみませんか？</p>

<p>それがすべての始まりです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>気軽に立ち寄れる「リアルのお店」に行ってみよう</h2>

<p>とはいえ、「ファッションを楽しむ心を思い出せって言われても......」と、戸惑ってしまう人もいるかもしれませんね。</p>

<p>でも、じつはおしゃれ心を取り戻すのは、とっても簡単！</p>

<p>まずは気が向いたときに、ふらりとアパレルショップに立ち寄ってみるところから始めてください。</p>

<p>ただ、ここでネックになるのが、「最近はネットでばかり服を買っているから、百貨店で高い服を買うのはハードルが高い」「店員さんに話しかけられるのが怖い」という気持ちでしょう。</p>

<p>お店の前までは行ってみるものの、</p>

<p>店員さんに話しかけられる<br />
　　　&darr;<br />
　試着する<br />
　　　&darr;<br />
高い服を買わなくてはいけない</p>

<p>というプレッシャーを感じて、結局お店に入れなかったという声もよく聞きます。</p>

<p>ここで足が止まってしまう人は、ZARAやH＆M、ユニクロやGUといったファストファッションのリアル店舗に行くところから始めればOKです。</p>

<p>ファストファッションのお店は、店員さんが話しかけてくることが滅多にありません。気楽に入れて、自由にいろいろな服を試着することができるので、おしゃれ心を取り戻す「最初の一歩」にぴったりです。</p>

<p>「買わなくちゃいけないのかな」「店員さんと話さなくちゃ」と身構える必要はありません。まずは気軽に立ち寄れるリアル店舗に、足を運ぶところから始めていきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>とにかくいっぱい、服を着るところから</h2>

<p>リアル店舗に足をふみ入れたら、とにかくたくさんの服を試着してみてください。</p>

<p>試着をするときのポイントは「似合う」「似合わない」を気にしないこと。</p>

<p>服選びのときに、じつは「自分の目」ほどあてにならないものはありません。「こういうデザインや色は似合わない」というのは、ほぼ100％思い込みです。新たな自分に出会うためにも、片っ端から試着していきましょう。</p>

<p>ネットでの買い物に慣れていると、試着が面倒に感じるかもしれません。</p>

<p>でも、試着しないで服を選ぼうとすると、「ぽっちゃり下半身が目立たない、お尻が隠れるチュニック丈にしよう」「明るい色は派手だからネイビーにしよう」と、今までどおりの無難なデザインや色を選びがち。</p>

<p>そのため、新たなチャレンジがしづらくなってしまうのです。</p>

<p>おしゃれを楽しむドキドキ、ワクワク感は、「新しい自分」と出会うことでよみがえってくるものです。鏡の前でこれまで着たことのない服を着てみたら、「意外によかった！」ということはたくさんあります。</p>

<p>私も、クライアントさんと一緒にお店に行く機会がよくあります。</p>

<p>最初は「私に似合う服なんかあるはずがない」と不安な顔をしている人が多いのですが、いろんな服を試すうちに、表情がどんどん輝き始めるのがわかります。</p>

<p>あれこれ試着をしていくうちに、お店でキラキラした服たちを目で見て、生地の質感を手で触って感じ、実際に着てみるときの心が浮き立つ気持ちは何ともいえないものですよね。</p>

<p>クローゼットをいくら眺めても、「着られる服がない」と感じるのはなぜでしょうか？</p>

<p>きっと、そこにある服が「高かったから」「必要だから」「悪目立ちしないから」という理由で残してあるだけで、&quot;今&quot;の自分を素敵に見せてくれる服ではないから。</p>

<p>ぜひ、いろんな服を試着しながら、今の自分をときめかせ、素敵に見せてくれる色やデザインはどれかを整理していきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smilewoman02.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 09 Jun 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[池上陽子（ファッションコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>朝食抜き×遅い食事は突然死リスク増！血管を守る「バナナ1本」からの新習慣  歌島大輔 (整形外科医)</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14389</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014389</guid>
			<description><![CDATA[朝食抜きや夜遅い食事のリスクを医学研究データを元に解説。血管をボロボロにし突然死を招く生活習慣から体を守るため、「バナナと牛乳」など5分でできる簡単な朝食の工夫や、遅い夕食の現実的な対策を提案します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="歌島大輔医師は、朝食抜きと夜遅い食事が血管に悪影響を及ぼすと説く" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_yogurt.jpg" width="1200" /></p>

<p>「忙しくて朝食を抜きがち」「帰りが遅くて、夕食も遅い時間に食べている」という人は多いのではないでしょうか。しかし、心臓や血管の健康を考えた場合、その習慣には恐ろしいリスクが隠されています。<br />
本記事では、整形外科医として診療に携わる一方で、医学論文に基づいた情報発信を積極的に行っている歌島大輔氏が、「朝食抜き」や「遅い夕食」がなぜ血管をボロボロにしてしまうのか、そのメカニズムについて医学研究データを元に解説。あわせて、「バナナと牛乳だけ」など、忙しい朝でも実践できる、体内時計と代謝のスイッチを入れる食習慣を提案します。</p>

<p>※本稿は、歌島大輔著『科学的に証明された 突然死を招く習慣・長生きする習慣』（高橋書店）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「朝食をまったくとらない人」は、心血管疾患による死亡リスクが1.9倍</h2>

<p>心臓と血管の観点から見ると、「朝食を抜く」という習慣は、想像以上に大きなリスクをはらんでいます。<br />
スペインの銀行員、約4000人を対象にした研究では、1日のエネルギーを朝食でほとんどとらない（朝食抜きに近い）人は、しっかりとる人に比べて、動脈硬化が起こる割合が2倍以上だったと報告されています。［2］</p>

<p>また、アメリカ在住の40〜75歳の男女6550人を、最大で23年間追跡した研究では、「朝食をまったくとらない人」は「毎日とる人」よりも、心血管疾患で亡くなるリスクが、約1.9倍高いことが示されています。［3］<br />
さらに、世界の約240万人をまとめた研究では、「朝食を抜く人」は「きちんと食べる人」よりも、心血管疾患全体のリスクが約1.2倍、心筋梗塞や脳卒中などによる死亡リスクも有意に高いと報告されています。［1］</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>朝食抜きから「血管を痛める生活」が始まる</h2>

<p>なぜ、朝食を抜くだけでここまで血管にダメージがたまるのでしょうか。</p>

<p>一つは、「体内時計」とのズレです。<br />
本来、朝日を浴びて朝食をとることで、「1日のスタートスイッチ」が入り、血糖や血圧、ホルモン分泌のリズムがととのいます。<br />
ところが、朝食を抜くと、このスイッチが入らないまま、夜遅くまで食べ続けやすい――すると、血糖値や中性脂肪が大きく乱高下し、インスリンの働きが鈍くなったり全身の（慢性）炎症が進んだりし、血管の内側（内皮）が傷つきやすくなります。</p>

<p>もう一つは、ほかの不健康な生活習慣とセットになっていること。<br />
朝食を抜く人ほど喫煙・飲酒が多く、身体活動量が少なく、しかも夜更かしをしがち、という傾向が、多くの研究で報告されています。［2］［3］</p>

<p>そして、見逃せないのが「夜遅い時間の夕食」と組み合わさっていること。<br />
日本在住の約8万人を対象とした調査では、夕食が20時以降、あるいは時間がバラバラな人ほど、脳卒中など心血管疾患で亡くなるリスクが高いと報告されています。［4］</p>

<p>とくに、これらの人は朝食を抜くことが多く、「夜遅くドカ食い&rarr;朝食抜き」という流れは、血管にとって最悪のコンビネーションだといえます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「朝食を抜けば、摂取カロリーが減ってやせる」の間違い</h2>

<p>「朝食を抜くことでカロリーを減らしてやせたい」という人もいると思います。<br />
たしかに、短期的には体重が減るというデータもあります。ただし、その裏では動脈硬化の原因となるLDL（悪玉）コレステロールの上昇が、示されています。［5］<br />
つまり、血管という観点からみると、かえって危険なのです。</p>

<p>また、朝食を抜いても、1日の総摂取カロリーが変わらないか、むしろ増えてしまうことも多々あります。空腹の反動で、昼食・夕食の量や甘い飲み物・お菓子が増えるためです。<br />
結果的に、血糖値や中性脂肪が一気に上がる「ドカ食い」に近いパターンが増え、動脈硬化の進行を加速させます。［1］［3］</p>

<p>「夜遅い食事」も同様に、血管に悪影響を及ぼします。<br />
寝る直前に食事をすると、高血糖の状態で横になることになります。<br />
本来、睡眠中は胃腸と代謝活動を休ませますが、そのタイミングでフルに働かせることになり、結果、血管の炎症や酸化ストレスが高まりやすくなるのです。［4］</p>

<p>つまり、「朝食を抜く」「夕食が遅い・不規則」「ドカ食いする」という三つの要素で、血管はボロボロになっていくと考えてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「少量でも口に入れる習慣」で突然死を防ぐ&nbsp;</h2>

<p>とはいえ、「朝は食欲がない・時間がない」「どうしても夕食が遅くなる」という現実も......。そこでのポイントは、「完璧な朝食」や「理想的な時間」にこだわりすぎず、できる範囲で「血管を守る最低ライン」をつくることです。<br />
まずは、「ひと口朝食」からやってみましょう。<br />
たとえば、<br />
　・バナナ1本＋牛乳または豆乳（無調整）<br />
　・小さめのおにぎり1個＋みそ汁（インスタントでも可）<br />
　・ヨーグルト＋ナッツひとつかみ<br />
　・オートミール＋牛乳<br />
など、5分もあれば食べられる組み合わせを決めてしまいましょう。<br />
量は少なくても、「朝に固形物を口に入れる」ことで、体内時計と代謝のスイッチが入ります。</p>

<p>それには「前夜に朝食を用意しておく」ことも有効です。<br />
前晩におにぎりをつくって冷蔵庫に入れておく、皿に入れたオートミールをテーブルに準備しておいて、朝、牛乳を注ぐだけ、といった工夫で、「朝に迷わない」状態をつくると続きやすくなります。</p>

<p>また、夕食が遅くなる場合は、「分割して食べる」というのが現実的です。<br />
たとえば、18〜19時ごろに主食とたんぱく質をある程度食べ、あとはスープやサラダ、少量の主食にとどめる――つまり、寝る2〜3時間前までに「メインの食事」を終えておくイメージです。</p>

<p>とはいっても、どうしても遅い時間にしっかり食べざるを得ないときもあるでしょう。<br />
その場合は、<br />
　・脂っこいものを避ける<br />
　・炭水化物は「腹8分目」にとどめる<br />
　・アルコールを飲まない<br />
だけでも血管へのダメージはかなり減らせます。</p>

<p>最後に、これだけは意識してください。<br />
　・週のうち3日だけでも、なにかしらの朝食をとる<br />
　・寝る直前に食事をとることを減らす<br />
ひと口の朝食と、早めの夕食が心筋梗塞や脳卒中を防ぎます。</p>

<p>［１］ Zhang H, et al. Front Cardiovasc Med. 2025;12:1565806<br />
［２］ Uzhova I, et al. J Am Coll Cardiol. 2017;70(15):1833-1842.<br />
［３］ Rong S, et al. J Am Coll Cardiol. 2019;73(16):2025-2032.<br />
［４］ Tang J, et al. Nutrients. 2021;13(10):3389.<br />
［５］ Zhang L, et al. Front Endocrinol. 2023;14:1256899.</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_yogurt.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 09 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[歌島大輔 (整形外科医)]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>控えめな人が会話でやりがちなミス　互いに疲れない「聞き方」の工夫  三上ナナエ（研修講師）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14357</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014357</guid>
			<description><![CDATA[相槌が多いと逆効果？相手に共感しすぎると自分も辛くなる？心を疲れさせないための聞き方を、研修講師を務める三上ナナエさんが解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="三上ナナエ著『控えめでも存在感のある人がしていること』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_danran.jpg" width="1200" /></p>

<p>相手が話している時にたくさん相槌したり、相手に共感しすぎて心が疲れてしまったり。思いやりがある優しくて控えめな人ほど、話をする時にそんな経験があるかもしれません。</p>

<p>では、控えめな人が持つ「相手を深く理解しようとする聞く力」をどのように活かせばよいのか――企業研修などの講師を多数手がける三上ナナエさんが、信頼を勝ち得るための聞き方を紹介します。</p>

<p>※本稿は、三上ナナエ著『控えめでも存在感のある人がしていること』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>相槌は「あえて減らす」</h2>

<p>◎多すぎると、かえって話しづらい</p>

<p>相槌は多いほど良い、と思われがちです。「うんうん」「なるほど」「そうなんですね」、会話の合間にこれらの言葉がリズミカルに返ってくると、一見、会話が盛り上がっているように感じます。特に、自分を出すのが苦手で遠慮がちで控えめなタイプの人ほど、「相手を不快にさせてはいけない」「ちゃんと聞いていることを証明しなきゃ」というプレッシャーから、つい相槌の回数を増やしてしまいがちです。</p>

<p>しかし、この「安心させたい」という親切心が、皮肉にも相手の「話したい意欲」を削いでしまうことがあります。テンポが良すぎると、話し手は「自分の言葉が咀嚼される前に流されている？」と感じてしまいます。そして、矢継ぎ早の相槌は急かされているような印象を与え、相手が言葉を選ぶ間を奪ってしまうのです。</p>

<p>私がある研修に参加者として伺ったときのこと。「聞き方」のトレーニングをしているときに、「相槌が少し多くて、話し手のペースに合っていないかもしれませんね」と言われたことがあります。そのことに自分ではまったく気づいていなかったので、ハッとしたのと同時に、指摘してもらえてありがたい気持ちになりました。</p>

<p>話し手のペースと合わない相槌は、無意識のうちに「話しづらさ」を生み出します。まだ言葉を探している途中なのに「はいはい」と入れられたり、気持ちが高まる前に「わかります！」と先回りされたり、そんな経験はありませんか？</p>

<p>「今そこじゃないんだけどな......」と心の中でブレーキをかけてしまいますよね。「聞いてもらえている」というより「作業的に相槌を返されている」、そんな印象になってしまうのはもったいないことです。</p>

<p>◎「1秒待つ」「1つ減らす」まずはここから</p>

<p>相槌には、いくつかのコツがあるので、そのポイントを紹介します。</p>

<p>①声の代わりに、黙ってうなずく</p>

<p>声に出す相槌は相手の会話を妨げてしまうことがあります。それを減らすには、まず「無言でうなずく」に切り替えるのが近道です。その際には、表情、視線、姿勢で「聞いています」を伝えること。すると、言葉の相槌は自然と減らせます。沈黙＝無関心ではありません。むしろ「ちゃんと考えながら聞いてくれているんだな」という安心感を届けることができます。</p>

<p>②相槌は「リズム」ではなく「意味」で入れる</p>

<p>相槌が多い人は、話の区切りではなく、自分の癖で入れてしまっていることが多くあります。そうならないために、相槌のルールをつくるのがひとつです。「感情が変化したとき」「結論っぽい一言が出たとき」こういったタイミングで相槌を入れると決めるのです。それ以外は、心の中で「今は待ち」と唱えましょう。</p>

<p>③相槌は「量」より「間」が大事</p>

<p>最大のコツはこれです。相手の話に被せるのではなく、ひと呼吸置いてから反応しましょう。すぐに「はい」「ええ」と返さず、できれば「1秒待つ」こと。この「間」があるだけで相槌の数は適正になります。</p>

<p>この3つのポイントはどれも大切ですが、一度に全部やろうとすると相手の話よりも自分の相槌のほうが気になってしまいます。それでは本末転倒なので、まずはひとつずつ。「今日は相槌をひとつ減らしてみよう」くらいがちょうどいいかもしれません。</p>

<p>＜POINT＞</p>

<p>「控えめな人」は「安心させたい」と思うあまり、相手の「話したい意欲」を奪うこともある</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ポイントは「評価」も「解決」もしないこと</h2>

<p>◎自分の心も疲れない「共感の仕方」</p>

<p>誰かの話を聞くときに、「相手と同じ気持ちにならなければ」と一生懸命心を寄せてしまうことがあります。相手が悲しんでいれば自分も胸が締め付けられ、相手が怒っていれば「それはひどいね」「許せないね」と感情を増幅させてしまう。これは共感しているようで、実は「同化」している状態です。</p>

<p>そうやって相手の感情を自分のようになぞり寄り添う姿は、一見すると理想的な聞き手に見えるかもしれません。しかし、話し手が本当に求めていることは「同化」ではないことが多いのです。</p>

<p>大切なのは、「あなたの話を受け止めています」を伝えることです。その際のポイントは、「評価」も「解決」もしないこと。たとえば、「辛かったんですね」と、相手の気持ちをそのまま繰り返して伝えてみましょう。そして、その後に、「かなり我慢されたのが伝わりました」など、少しだけ感情を具体化して返します。</p>

<p>評価も解決もせず、ただ「私はちゃんと受け止めました」と言葉で示すのです。感情をなぞりすぎない聞き方は、相手を突き放しているように見えるかもしれませんが、そうではありません。話し手が自分の感情を客観視し、気持ちを整理するきっかけを与えることにつながります。</p>

<p>◎大事なのは、相手との「境界線」</p>

<p>そして何より、感情をなぞりすぎないことはあなた自身が長く「聞き手」であり続けるために不可欠です。控えめな人は空気を読み、小さな変化に気づく繊細なセンサーを持っています。そのセンサーを全開にして相手の感情をなぞり続けてしまうと、あっという間にあなたの心はオーバーヒートしてしまいます。</p>

<p>話を聞いたあとにどっと疲れてしまった経験がある方は、話を聞くとき、心の中でこんな線引きをしてみてください。</p>

<p>・これは相手の感情</p>

<p>・私が感じているのは「理解しようとする感覚」</p>

<p>この一歩引いた視点があるだけで、心の消耗の度合いは大きく変わります。また、聞き終わった後におすすめなのが、「私は今、何に反応していたのかな？」と振り返ることです。</p>

<p>・「助けなきゃ！」と思った</p>

<p>・「怒り」に引っ張られた</p>

<p>明確な答えを出す必要はありません。ただ言語化するだけで、絡まった感情は自然と手放されていきます。</p>

<p>「ここまでは聞く、ここから先は背負わない」</p>

<p>控えめな人にとってのセルフケアは、感情の境界線を確認することなのです。相手が「私が悪いんですよね......どうしたらいいんだろう......」、こんな言葉を発した場合、正解を出さなきゃ、助けなきゃと思うと、自分に負荷をかけてしまいます。</p>

<p>線を引くには、「自分を責めてしまう気持ちが強くなっているんですね」と受け止め、「いくつか選択肢はありそうですが、まず整理をしたい事はどんな事ですか？」など、主導権を相手に返します。</p>

<p>評価も解決もしない、助けすぎないことが、相手の自立も、あなたの心も守っていきます。この境界線を持てるようになると、「聞く力」を長く安定して発揮できるようになります。</p>

<p>＜POINT＞</p>

<p>「控えめな人」は「共感」を越え、相手と「同化」し疲れてしまうことがある</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自分の考え」は「質問」へ変換しよう</h2>

<p>◎「何て返せばいいんだろう......」と悩みがち</p>

<p>控えめな人は、話を聞いているときほど、心の中が騒がしくなります。</p>

<p>「何か返したほうがいいのかな」</p>

<p>「聞かせてもらったのだから役に立たないと......」</p>

<p>そんな思いが浮かんできます。それは、でしゃばりたいからではなく、せっかく話してくれた相手に誠実でありたいという思いからです。ただ、話を聞く場面で、その気持ちが強く出ると、相手の思考を先回りしてしまうことがあります。</p>

<p>「それは困りますよね」</p>

<p>「あなたは間違ってないですよ」</p>

<p>こうした発言は相手を思うからこそ口にしたくなるものです。けれど同時に「助ける側」と「助けられる側」を無意識のうちに分けてしまうことがあります。すると、相手との決まりきった関係性の中で会話をしないといけなくなるので、相手も自分もだんだん窮屈に感じてしまいます。</p>

<p>そうならないために、自分の気持ちはいったん、心の中に留めておきましょう。役に立ちたい気持ちは消さずに、まずは「今、私は役に立ちたくなっているな」と心の中で気づくことです。その気持ちは言葉で伝えずに、一度横に置いておきます。</p>

<p>◎「もう少し教えてもらえますか？」と伝えよう</p>

<p>そして、役に立ちたい気持ちを「質問」に変えてみてください。「答え」を与えるのではなく、「考えを支える問い」を与えるのです。たとえば...</p>

<p>・「それは困りますよね」と言いたくなったら、「その中で、特に引っかかっているのはどの部分ですか？」と聞いてみる。</p>

<p>・「あなたは間違っていない」と伝えたくなったら、「ご自身では、どこが一番悩ましかったですか？」と問いかけてみる。</p>

<p>質問に変えることで、相手は考える主体でい続けられます。相手の思考を一歩前に進めることができるのです。</p>

<p>質問は、相手の力を信じているという、静かなメッセージでもあります。ただ、良い質問をしようと構える必要はまったくありません。</p>

<p>「もう少し教えてもらえますか？」</p>

<p>「そのとき、何を一番大事にしていましたか？」</p>

<p>そんな素朴な問いで十分です。大切なのは、「理解しようとする姿勢」です。役に立ちたい気持ちは、抑え込むものでも、否定するものでもありません。形を変えれば、相手の考える力を引き出す支えになります。</p>

<p>控えめな人が差し出すひとつの質問は、場を動かす言葉ではなく、思考が深まる余白をつくる言葉です。聞くこと、待つこと、問いを添えること。それだけで、控えめな人はもう十分に、役に立っているのです。</p>

<p>＜POINT＞</p>

<p>「控えめな人」の質問は場を動かす言葉ではなく思考が深まるきっかけになる</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_danran.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 09 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[三上ナナエ（研修講師）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「新卒一括採用は悪」は本当か？ 日本の就活システムが持つ意外な強み  大賀康史（フライヤーCEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14399</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014399</guid>
			<description><![CDATA[問題視されがちな「新卒一括採用」は本当に問題なのか？ 客観的なデータと著者の経験に基づく主観的な意見から新卒一括採用の全容を解説した書籍『日本の就活 ――新卒一括採用は「悪」なのか』を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="大賀康史氏" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2022/2022A/220705OogaYasushi03.jpg" width="1200" /></p>

<p>ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier（フライヤー）」（https://www.flierinc.com/）。こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。</p>

<p>今回、紹介するのは『日本の就活 ――新卒一括採用は「悪」なのか』（常見 陽平著、岩波新書）。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本の就活は問題なのか</h2>

<p><img alt="日本の就活──新卒一括採用は「悪」なのか (岩波新書 新赤版 2088) " height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601Oogayasushi01.jpg" width="1200" /></p>

<p>人生において思うようにならないことは多いものです。学生の間でも、友人、恋愛、学業、部活動、受験、など次々と人生の難題がふりかかってきます。誰もがその一つ、あるいはいくつかで大きな失敗経験があるのではないでしょうか。</p>

<p>そして、学生生活の最後の砦として立ちはだかるのが、本書のテーマである就活です。内定難易度ランキングのような記事は大量にあり、好待遇で知名度の高い優良企業の少ない椅子をかけて、激戦が繰り広げられます。もはやそれこそが、偏差値教育のなれの果てとでも言うべきものに見えます。</p>

<p>求める人材像についても、コミュニケーション能力、主体的思考力、リーダーシップ力などから始まり多様な側面に及びます。そのような人物だったら即社長ではないか、と感じる人も私だけではないはずです。さらに応募者により自分こそがその希少な人材です、というアピールを繰り広げられます。</p>

<p>もうそのような就活はやめにしよう、という意見がメディアで繰り返されるのもわからなくはないでしょう。しかし、本当に日本の新卒一括採用という仕組みは悪いことばかりなのかというと、そうとは言い切れなさそうです。本書はそのような就活を総合的に俯瞰できる一冊と言えるでしょう。新卒一括採用とは何を表すのか、という原点から本書の内容に触れていきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>新卒一括採用</h2>

<p>厚生労働省が設置した今後の若年者雇用に関する研究会によると、新卒一括採用は次のように定義されるといいます。</p>

<p>「企業が計画的・継続的に、卒業予定の学生・生徒に対象を限定し（近年は概ね既卒3年以内の者を対象に含む場合も多いもの）募集・選考を行い、卒業時（通常春季）に一括して採用を行う慣行。大企業を中心とした、基幹人材を基本的にこうした新卒採用及びその計画的養成により賄う人事方針（中途採用等は新卒採用の未充足、見込を上回る転職等が発生した場合のあくまで補充的位置づけ）としての側面を指す場合も多いもの。」</p>

<p>これはたしかに私たちが認識している新卒一括採用だと言えるものです。卒業予定の学生・生徒に限定した募集・選考があるということは、これから仕事を探そうという人にとっては便利な側面もあります。日本の若年失業率は世界の各国と比較して低く抑えられており、このシステムは未経験者の就業機会をなかば強制的に提供できる仕組みとして有効とも言えそうです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>4つのマッチング手段</h2>

<p>実際に人を採用する役割になってみると、内定企業のレベル分けなどの議論がいかに本質とは離れているか、ということに気づかされます。適切な学校の選択が重要である以上に、会社こそ多様な存在でその個人に合っているかどうかが大事です。ほぼ均一に定義された人材像であることを演じるのではなく、生身の人間として等身大の姿を面接で見せ、アピールすべきことはしっかり伝えることが大事です。そのスタンスで臨み会社に合っていると言われるようなところがその人に合った会社なのだと思いますし、面接をする人は飾られた姿ではなく求職者の真の姿を見る目が必要でしょう。</p>

<p>今の就活には4つに分類されるアプローチがあって、それぞれ本書で紹介されています。就職ナビに代表される「メディア」、中途採用同様の「エージェント」、公開した自分のプロフィールに対して企業側からアプローチがある「スカウト」、社員の紹介からの採用である「リファラル」の4つが該当します。</p>

<p>その中でも「スカウト」や「リファラル」は近年発達してきた手法で、会社側の視点からも知名度に頼らず個々の会社の魅力を具体的に伝えられる点で特長のあるものです。スタートアップ企業など特色ある会社の個性と求職者の個性を結びつけるためにも、幅広いアプローチを駆使していくことも重要と言えます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>一般的な就活の姿</h2>

<p>インスタグラムやXなどのSNS上ではいわゆる有名大学出身者が有名企業に内定していく様子がポストされ、メディアでも取り上げられていきます。ただ、就活生の大多数は違った景色を見ています。著者の常見氏は一貫して採用領域に関わってきた後に中堅の大学の教員として就活の支援も担われています。</p>

<p>就活の現場では、大学3年になる前後から複数のインターンシップを経験し、多数の会社説明会に参加するような学生はむしろ珍しいといいます。何から始めたらいいかわからず、きめ細やかなサポートが必要な学生も多いそうです。他にはやりたいことが見つからない、というのも就活生の共通の悩みのようです。</p>

<p>これは社会人に聞いても実際は同じようなものかもしれません。今は転職も一般化していることに加え、自己研鑽という観点でも本や新聞などに限らず、有料・無料の動画やサービスを活用すれば、あらゆることが学べる時代です。つまり、その人次第という自由度がある一方で、その人次第という残酷なまでに自己責任の時代でもあります。そこで輝かしいキャリアを歩めるかどうかという点で、はじめに入る会社は大事な一歩です。理想通りとはならなくても、少なくとも自分自身が納得して自分で決めたというプロセスはしっかり提供してあげたいものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>新卒一括採用の是非</h2>

<p>新卒の就職者は、直近5年間において年間45万人弱にもおよぶと本書でも言及されています。海外の就職のように経験者を優遇する仕組みになると、若年層の失業率にも悪影響があるかもしれません。加えて、今は生成AIの時代です。今まで求められた事務作業、分析作業、議事録作成などの社会人としての基礎力を習得できる機会は減っていくでしょう。だからこそ未経験者とキャリアの接続点は大事になってきます。</p>

<p>すでに一部の職種では、未経験者よりも上位の経験者を今まで以上に優遇する動きは始まっています。そのような社会の変化から、新卒一括採用の大枠の仕組みは残し、個々の課題は対策をしていくべきだとも感じます。</p>

<p>本書で語られていて印象的だったのは、企業が求める価値観・志向・職種の多様性と採用プロセスの多様性を区別せず、新卒では定まったプロセスがあることを理由に、日本の人材に多様性が生まれないとする乱暴な議論はすべきでない、ということです。多様性の優れた人材獲得と採用プロセスの活用はうまく組み合わせられるもので、採用する側も批評する側も解像度の高い議論が求められます。</p>

<p>本書は、客観的なデータと著者の経験に基づく主観的な意見のバランスが優れ、新卒一括採用の全容を理解できる頼りになる作品です。経営層や人事、就活生に限らず、子供を持つ親やただ就活への理解を深めたい方など、幅広い人にお薦めできます。気になる方はぜひ手に取ってみて下さい。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2022/2022A/220705OogaYasushi03.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 08 Jun 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大賀康史（フライヤーCEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>パリジェンヌは安さで選ばない？　価格より「納得感」を重視する理由  小栗きくこ（暮らしのコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14295</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014295</guid>
			<description><![CDATA[パリの人々が買い物をする時に大切にする価値観とは？暮らしのコンサルタント長年パリに住む小栗きくこさんが解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_paris01.jpg" width="1200" /></p>

<p>「○○％引き」「今だけ○○円！」セールのときにお得さにつられて、ついつい爆買いをしてしまう。そんな経験をしたことがある方は少なくないはずです。ところが、パリの人々はそうしたセールのときでも価格に振り回されないと、パリ在住の小栗きくこさんはいいます。本稿では、パリの人々が大切にする「お金に対する価値観」を紐解いていきましょう。</p>

<p>※本稿は、小栗きくこ著『パリ時間』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>働いてお金を稼ぐのは、「自由」を守るため</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="1600" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko11.jpg" width="1200" /><br />
雨上がりの空にやわらかな虹を見て立ち止まります。</p>

<p>この国で暮らし始めて、私は「お金の話があまり話題に上らない」ということに気づきました。もちろんフランス人も、将来のためにお金を貯めることは大切にしていますが、それは、ただ安心するためというより、「自分が大切にしたい時間を守るため」。私の周りにいるフランス人も、バカンスに家族で旅行へ出かけたり、友人と食事をしたりと、大切にしたい時間にお金を使っています。</p>

<p>つまり、お金とは、好きなことをしたり、家族や友人とゆっくり過ごしたりするためにあるもの。そんな位置づけに近いように感じています。ここでは、「暮らしの中でお金をどう使うか」よりも、「どんな時間を過ごしているか」「その時間のためにお金をどう使うか」といったことが大切にされているように感じます。</p>

<p>そして、働くこともその延長線上にあるようです。大事なのは、忙しさで1日を埋めるより、立ち止まる時間をちゃんと持つこと。何かを我慢して得る未来より、今この瞬間を大切にすること。同じテーブルを囲み、たわいない話をして笑い合うような、家族や友人とゆっくり過ごす時間を優先すること。そんな考え方が、お金の使い方にも自然と表れているように思うのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ブラックフライデーは、「お得さ」より「納得」</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="1600" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko12.jpg" width="1200" /><br />
気に入った物を納得して選びます。</p>

<p>ブラックフライデー（秋の大型セール）の時期になると、パリは一気に賑わいます。ショーウィンドウには大きな割引表示が並び、人の流れも増える中で、「安くなるから、今がチャンス！」という空気もありますが、 実際は、「とにかくお得だから買う」「まとめて買わないと損」という熱気とは少し違います。フランス人は、セールであっても、やはり必要な物だけを選びます。つまり、「自分の中で、買う理由をきちんと説明できる物」だけを選び取っているのです。</p>

<p>私自身も、パリで暮らすうちに、自然と「安くなっている」からではなく、「今の自分の暮らしに必要かどうか」を基準に考えるようになり、ブラックフライデーの時期に何かを買うとしても、前から必要だと思っていた物だけ。割引を理由にいくつものお店を見て回ることはなくなりました。</p>

<p>日本では、年始の福袋のように、中身が見えなくても「安いから」「お得だから」と買う楽しみ方がありますが、パリでは、こうした買い方はあまり一般的ではありません。パリの人たちは、「セールはきっかけになっても、買う決め手にはならない」と考え、うまくお金と付き合っているように感じます。これは、「お得を嫌っている」というよりも、先ほどお話ししたように「なぜこれを選ぶのか」を大切にしているからだと思います。</p>

<p>買い物の基準は、値段の前に「理由」。つまり、「今の自分の暮らしに合っているか」「本当に使うイメージが持てるか」「流行っているからではなく、長く付き合いたいと思えるか」といったことです。</p>

<p>たとえば、私の友人のマリーズさんは、アンティークショップが好きで、週末になるとパートナーと一緒に小さなアンティークショップを巡るのが楽しみのひとつです。セールの時期でも「安いから」という理由では購入しません。部屋の空気に合うか、長く使いたいと思えるかといったことを基準に、古い木の椅子や小さな器などをゆっくり選びます。</p>

<p>「今の暮らしの中で自然に使い続けられるか」ということが、彼女にとっての「自分に合う」という感覚なのだと思います。高価な物を買うときほど、その基準が明確。その背景や質、作り手の姿勢に納得できるかどうかも大切にしているようです。</p>

<p>つまり、「これは私に必要か」という問いに、自分なりの答えを持っているのです。こうした感覚は、お金との付き合い方にも通じていて、パリの人たちは、経験や学びになること、自分の世界を広げたり心を満たしたりすることにお金を使うといった「納得のある選択」をしています。</p>

<p>私がフランスに移り住んだのは20代の頃で、当時は、安さやお得さを意識して、お金はできるだけ減らさないようにと考えていました。けれどここでの暮らしを重ねる中で、お金を見る視点が少しずつ変わり、お金とは、「減らさないために抱え込むもの」というより、「人生の中で、自分と向き合い、その都度選び直すためのもの」だと捉えるようになりました。</p>

<p>安さを楽しむ文化を否定しているわけではありません。ただ、選び方が違うのです。価格よりも、理由。お得さよりも、納得。そんな基準があるからこそ、お金は振り回されるものではなく、暮らしを支える味方として存在するのだと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>少し傷がついていても、手入れをしながら使い続ける</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="2135" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko13.jpg" width="1200" /><br />
でこぼこでも、色あせてても、世界に1つだけの宝物。</p>

<p>パリの人たちは、物を選ぶときに「理由」を大切にしています。そしてそれは、買ったあとにも続いていきます。</p>

<p>パリの人にとって、物は「自分自身を主張するもの」というより、暮らしにそっと寄り添う存在として扱われているように感じます。そのため、新しい物を次々と買い替えるよりも、気に入った物を手入れしながら長く使い、少し傷がついていても、それを「味」として受け入れているのです。</p>

<p>たとえば、縁が少し欠けたお皿も丁寧に使い続けていたり、祖母の代から受け継いだ器を特別な日のためだけでなく日常で使っていたり......。そうして選ばれた物は、手に取るたびに気負うこともなく、雑に扱うわけでもなく、生活のリズムの中に少しずつ溶け込んでいきます。</p>

<p>そこには、「いい物を持つ＝豊か」ではなく、「自分の暮らしに合った物と、どう付き合っていくか」という考え方があります。そして、その根底には「背伸びをしない距離感」があると思うのです。この「背伸びをしない」というのは、「今の自分の身の丈を知り、その中で心地よく選ぶ」ということ。物に振り回されず、物を通して自分を大きく見せようともしません。</p>

<p>それは、物だけではなく、建物にも当てはまります。パリの建物の多くは、新しく建て替えるよりも、外観を残し、内装を手入れしながら大切に使われています。有名なオルセー美術館も昔は駅舎でしたし、石造りの建物や古いアパルトマンも、その姿を保ちつつ暮らしに合わせて手入れされています。住む人は入れ替わっても、建物は、風景を守りながら長い時間を受け継いでいくのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_paris01.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 08 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小栗きくこ（暮らしのコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ大人にヤングアダルト小説が人気？ YA作家・福木はるさんが語る「癒しの力」  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14156</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014156</guid>
			<description><![CDATA[YAはなぜ大人にも響くのか。福木はるが語る“祈りのような物語”の力と、社会を映すテーマ、そして次回作への展望。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ピーチとチョコレート" height="826" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260501Fukugiharu06.jpg" width="1200" /><br />
装画：WAKICO</p>

<p>最新作『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』の著者・福木はるさんは、元小学校教員という経歴を持ちます。なぜ、大人向けの小説ではなく「YA（ヤングアダルト）」というジャンルで執筆を始めたのでしょうか。そして、創作の根っこにある想いとは。年齢を問わず、心が疲れたすべての人に届いてほしい、YA小説の持つ「癒やし」の力について語ってもらいました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>児童書の作家は、「君たちを幸せにしたい」という祈りのような魂で書いている</h2>

<p><img alt="『女の子がハッピーに生きるための３つのこと』" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428Fukugiharu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>――福木さんはもともと、小学校の教員だったそうですね。YA小説の作家になられたきっかけは何だったのでしょうか？</p>

<p>【福木】教員をしていた頃、体調を崩してしまって。もう何もできないと思って、閉じこもっていた時期がありました。このままではいけないと思って選んだリハビリの場所が、図書館だったんです。子どもの頃から通っていた地元の図書館へ、車を走らせて向かいました。</p>

<p>つらい時期って、細かい字を追うのが難しくなるんですよね。長い小説にも没頭できなくて、「せっかく来たのに読めないな」と思いながら児童書を手に取ってみたら、不思議とするっと読めたんです。そこから週に2、3回通って読み続けるうちに、児童書の持つ力の大きさに気づかされました。</p>

<p>児童書やYAを書いている大人たちは、「子どもたちを幸せにしたい」という思いを込めて書いているのではないかと感じています。優しくてふわふわとしたものだけが児童書ではありません。暗くて重たいものを、子どもを侮ることなく手渡す。そうした大人たちからの信頼もまた子どもにとっての幸せだと思います。とにかく、その祈りのようなものが伝わってきて、「自分はこのまま生きていてもいいんだ」と思えた。そうやって本に救われた経験がありました。</p>

<p>ずっと読んでいたら、頭の中で誰かが語りかけてくるような感覚になってきて、「このままにしておくとまずい」と思い、言葉を一気に書き出したんです。そして、「これが物語を書くということなのかもしれない」と気づきました。ちょうど読んでいた作家さんの多くが講談社児童文学新人賞の出身だったこともあり、自分も応募してみようと思い立った、というのがきっかけです。</p>

<p>年齢的には少し遠回りをしたかもしれない、という思いもあります。それでも、教員時代に「目の前の子どもたちを幸せにしたい」と願いながら向き合ってきた日々は、今の自分の根っこになっている。そう考えると、あの時間は決して無駄ではなかったのだと、今は感じています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>YA小説を書くことの意味</h2>

<p>――大人向けではなく、YA小説を書かれていることに理由はあるのですか？</p>

<p>【福木】一般小説にも青春小説はありますよね。それとYA小説の違いは、大人に向けて書かれているのか、それとも当事者である世代の読者に向けて書かれているのか、という点にあるのかなと思っています。</p>

<p>YA世代のティーンの子たちは、物語の中に自分を投影したり、ロールモデルを探したりしながら読んでいる部分がある。だからこそ、その子たちに直接届く形で書きたいという思いが強いです。これまで子どもたちと関わってきた経験もあって、彼らを大切にしたいという気持ちが、自分の中にずっとあるんです。</p>

<p>昔は、テレビをつければ子ども向けの番組がたくさんあって、夜の7時台でも子どもが楽しめるコンテンツが普通に流れていましたよね。コンプライアンスの面では社会は大きくアップデートされたと思いますが、その一方で、「子どもを楽しませたい」という空気そのものは、少し弱くなっているのではないかと感じています。</p>

<p>その影響もあってか、最近言われる「漫画離れ」のような現象も起きているのではないかと感じていて。子どもたちが、大人たちからその存在をまるごと祝福されながら成長できる社会が健全だと思うのですが、今は少し違う方向に進んでいるのではないか、という感覚があります。もちろん、少子化の影響もあって、商業的には大人向けの方が成立しやすいという現実も理解しているのですが...。</p>

<p>――よく考えてみると、話題のアニメや漫画も大人向けなものが多いですね...。</p>

<p>【福木】かつては子ども向けの作品を大人も一緒に楽しむという構図が多かったと思いますが、今は大人向けのコンテンツを子どもが共有している、という逆転した状況も生まれているように感じます。だからこそ、子どもたちに向けた作品をしっかりと作り続けることに意味があると思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大人にとってもYA小説が果たす役割は大きい</h2>

<p><img alt="『ピーチとチョコレート』" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428Fukugiharu02.jpg" width="1200" /></p>

<p>――私も以前より『ピーチとチョコレート』を拝読していましたが、YAの読者は大人にも広がっていると言われています。その理由はどのようにお考えですか？</p>

<p>【福木】先ほども少しお話ししましたが、私自身、大人になってからYAに強く励まされた経験があります。YAって、「子どもたちを幸せにしたい」という祈りのような思いが詰め込まれている作品が多いと思うんです。</p>

<p>そのまっすぐさが、しんどい時に大人の心にも届くことがある。あるいは、過去に置き去りにしてきた子どもの頃の小さな傷と向き合うきっかけになったり、それが癒やされたりすることもある。そういう意味で、YAは大人にとっても大きな役割を持っているのではないかと感じています。</p>

<p>もともとは子どもたちのための物語として書いていますが、大人が読んでも得るものは大きいと思いますし、実際に私自身も読み続けています。だからこそ、年齢に関係なく、もっと多くの人に手に取ってもらえたらうれしいですね。</p>

<p>――仕事で疲れているときなど、長い文章を読むのがつらい場面もありますし、そういう意味でも児童書の役割は大きいと感じます。YAのテーマには、トレンドや変化のようなものはありますか？</p>

<p>【福木】はっきりと「昔はこうで、今はこう」というふうに整理できるわけではないのですが、今の社会を反映した作品は多いのかもしれませんね。セクシュアルマイノリティの問題だったり、『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』で書いたような子どもの貧困だったり、社会の課題がリアルタイムで物語に刻まれている。</p>

<p>子どもたちは大人の影響をダイレクトに受ける存在なので、自然とそうしたテーマが浮かび上がってくるからではないかと思います。</p>

<p>YAを読む時期というのは、それまでの「自分中心の世界」から少し外に出て、他者もまた自分と同じように大切な存在だと気づき始めるタイミングでもあります。そこから、人との関わりや、さらに広い社会との関係へと視野が広がっていく。だからこそ、その時代の社会が物語に反映されやすいのだと思います。</p>

<p>――今後もYAを書かれる予定ですか？ 今から次回作が楽しみなのですが、構想はあったら教えてください。</p>

<p>【福木】YAも引き続き書いていきたいですし、もう少し低い年齢に向けた物語にも挑戦してみたいと考えています。これまでは女の子を主人公にした作品が続いたので、次は男の子が主人公の物語を書きたいと思っています。</p>

<p>対象年齢に関わらず、読み終えたときに「ああ、楽しかった」と思ってもらえること。そして、読んでいる途中に、親が「ご飯だよー！」と声をかけても「もう少しだけ読ませて！」と思ってもらえるような、夢中になれる物語を届けていきたいです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260501Fukugiharu06.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 08 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>黒く沈んだ部分が際立たせる光　アルコールインクアートが映した感情の均衡（連載「描き屑の瞬き」第2話）  いのうえまりこ（画家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14386</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014386</guid>
			<description><![CDATA[画家・いのうえまりこさんの連載「描き屑の瞬き」では、いのうえさんがその時々に抱いたあれこれを絵とエッセイで綴ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="いのうえまりこ　アルコールインクアート" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601inouemariko02.jpg" width="1200" /></p>

<p>画家のいのうえまりこさんは、アルコールインクを主な画材に、自分の内側にあるものと向き合いながら作品を描いています。</p>

<p>アルコールインクアートとは、インクと無水エタノールを紙に垂らし、ドライヤーなどの風や紙の傾きでインクを広げていく抽象的なアート。</p>

<p>本連載「描き屑の瞬き(かきくずのまたたき)」では、いのうえさんがその時々に抱いたあれこれを、絵とエッセイで綴ります。第2話も前回と同じく、担当編集との対話のなかで描きあげられた絵と、そのときの言葉や感情をもとにしたエッセイです。</p>

<p>悲しみ、怒り、恐怖――。つい押し込めてしまいがちな感情を、いのうえさんはどう受け止めているのでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>虹の反対側を見つけた日</h2>

<p>空に、大きな虹がかかっていた。</p>

<p>誰もが夢中で見上げていた。</p>

<p>振り向くとその反対側で、雲間の晴れ空と濡れた地面が静かにキラキラしていた。</p>

<p>誰も見ていない景色が、いつもよりきれいに見えた。</p>

<p>そんな日だった。</p>

<p><img alt="いのうえまりこ　アルコールインクアート" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601inouemariko01.jpg" width="1200" /></p>

<p>編集の方との対談は前回から続いている。</p>

<p>また新しい絵を描いている。</p>

<p>今度の絵は、少し意図的に色を動かしてみた。画面上で色を混ぜるように動かした。</p>

<p>色の基本原理に「減法混色(げんぽうこんしょく)」というものがある。感覚的にもわかることだけれど、いろいろな色を混ぜれば混ぜるほど、やがて黒に近づいていく。</p>

<p>手元の画面にも黒が生まれ、どこか重力を帯びていた。気づけば、対談の内容もまた、重たいものになっていた。</p>

<p>あまりにも大きなテーマで軽々しく語れるものではないけれど、世界情勢についての話にもなった。</p>

<p>編集の方は、戦争のことを考えると怖い。怖いのにずっと情報を追ってしまい、それでまた怖くなる。そんな胸の内を吐露してくれた。</p>

<p>私は申し訳ないくらいニュースを見ない生活をしていて、同じ感覚を返すことはできなかったけれど、「怖さ」などの負の感情について絶えず考える日々ではあった。</p>

<p>世界の出来事と並べるにはあまりに個人的で恐縮だけれど、日常の中で、ふいに心が痛むことが最近よくあった。悲しみや怒り、理解できない怖さ。いろんな感情が噴き出して止まらない時期があった。</p>

<p>数々の自己内省系の本を読んできた身としては、「起きていることにはすべて意味がある」と、どこかで知っているつもりでいた。それでも、頭で分かっていても、この感情をどう扱えばいいのかわからなくなることがよくあった。</p>

<p>絵の中の色は、混ぜれば混ぜるほど黒に近づいていく。現実の感情もまた、向き合えば向き合うほど重くなっていくように思えた。</p>

<p>けれど、ちょうど頭の片隅に引っかかっていた言葉があった。対談のほんの2日前、ふと浮かんできた考えだった。</p>

<p>「もしかしたら、増えているのは不安じゃなくて、受け止める皿のほうなのかもしれない。」</p>

<p>対談の中で、怖さや悲しみについて話しているうちに、その言葉がもう一度浮かび上がってきた。</p>

<p>嫌な出来事が増えているのではなく、受け取れる量が広がっているだけなのかもしれない。</p>

<p>「幸」と「不幸」の感情は対極に並んでいるものではなく、体でいうなら右腕と左腕のようなもので、良いことがあれば右腕がぐっと伸び、嫌なことがあれば左腕もまた遠くまで伸びていく。</p>

<p>片腕だけでは何かを抱えることはできない。両腕を大きく広げられるようになったからこそ、いずれやってくる幸福も、こぼさずに抱きしめられるのかもしれない。</p>

<p>対談の中で、自分が話すその言葉に触れているうちに、内側の景色が少しずつ動いていくのを感じた。</p>

<p><img alt="いのうえまりこ　アルコールインクアート" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601inouemariko03.jpg" width="1200" /></p>

<p>後日、もう一度、描いていた絵を眺めてみた。</p>

<p>混ざり合った色の中には黒く沈んでしまった場所もある。その沈んだ場所があるからこそ、周りの色はいっそう強く光って見えた。暗さが、明るさを照らしているようだった。</p>

<p>色彩論を学んでいた頃、印象に残っている話がある。私たちの目は、色よりも&quot;明るさの差&quot;に強く反応するらしい。明暗を感じる桿体細胞(かんたいさいぼう)のほうが、色を感じる錐体細胞(すいたいさいぼう)よりもずっと多いのだという。</p>

<p>どれだけ多くの色があっても、目は自然と光と影の境界へ引き寄せられていく。コントラストの強い場所に、気づかないうちに視線を向けている。</p>

<p>影があるから光は輪郭を持つし、暗さがあるから、キラキラと揺れているものの美しさに気づける。</p>

<p>それはきっと、絵だけの話ではないのだと思った。</p>

<p>　</p>

<p>誰もが虹を見上げていたあの日。<br />
幸福の象徴をたくさんの人が夢中で写真に収めていた。</p>

<p>その反対側で、雲の亀裂から差し込む青空と、静かに濡れた地面を見つけた。</p>

<p>誰も見ていない、黒く濡れたアスファルトだった。そこに雲間の光がうっすらと反射していた。</p>

<p>ただそれだけだった。</p>

<p>虹の反対側、影の景色に<br />
こんなにも静かな美しさがあることを<br />
見つけられてよかったと思った。</p>

<p>空いっぱいに、両腕を広げてみたくなった。そんな日だった。</p>

<p><img alt="いのうえまりこ　アルコールインクアート" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601inouemariko04.jpg" width="1200" /></p>

<p>今回使用した画材：アルコールインク</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601inouemariko02.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 05 Jun 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[いのうえまりこ（画家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>疲れ果てた心が回復する習慣とは？ 専門家が勧める「やったことリスト」の書き方  佐野創太（退職学（R）研究家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14276</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014276</guid>
			<description><![CDATA[やる気が出ない、何も感じない——そんな状態から抜け出すヒントは「習慣」にあります。感情が止まったときの、無理なく動き出すための具体的な方法を紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="習慣" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_woman_looftop.jpg" width="1200" /></p>

<p>やる気が出ない、何も感じない...そんな状態から抜け出すヒントは「習慣」にあると、退職学(R)を研究する佐野創太さんは語ります。感情が止まったときの、無理なく動き出すための具体的な方法を、紹介書籍『70％で働く　「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』より解説します。</p>

<p>※本稿は佐野創太著『70％で働く　「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』（日経BP）より一部を抜粋・再構成したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>感情が止まっているときは、「習慣」を動かす</h2>

<p>「悩みすら出てこない」<br />
「もう何も感じない」</p>

<p>そんな状態に追い込まれるときも、あるかと思います。働くことだけでも大変なのに、そこに子育てやら介護やら心身の不調やらが乗っかってくるわけですから。</p>

<p>相談者のVさんは、「基本的人権が守られる暮らしがいいですね」と真顔で言っていました。それくらい感情が止まっているとき、最初は落ち着きを感じるかもしれません。</p>

<p>でも実際には、冷蔵庫の電源が抜けたような状態であることがほとんどです。</p>

<p>音はしないけれど、中身は少しずつ傷んでいく。<br />
考える気力が湧かない。<br />
眠っても疲れが抜けない。<br />
以前は好きだったものにも、ときめかない。</p>

<p>こんなときこそ、「考えよう」「前向きになろう」「もっと頑張ろう」と自分を鼓舞しないでください。</p>

<p>私たちは０％、つまり「戻って来れない状態」になるわけにはいかないのです。守るものがあります。だからこそ、10％でも5％でも「戻って来れる余地」を残すための休み方を知っていただきたいのです。</p>

<p>まず必要なのは、「考えること」ではなく、「休むこと」です。</p>

<p>休み方も再設計しましょう。休みにも種類があるのです。</p>

<p>ひとつは、消極的な休み。休めばやすむほど「もっと休みたい」と動けなくなります。私は無職になったとき、この状態でした。</p>

<p>もうひとつは、積極的な休み。自分からリフレッシュする休み方です。休めばやすむほど「よし、やろう」と充電された状態になります。</p>

<p>問題は消極的な休みです。休みを取れば取るほど動けなくなるわけですから、何か工夫が必要です。</p>

<p>そんなときに役に立つのが、感情ではなく「習慣だけを動かす」ことです。ここで言う習慣とは、筋トレや朝活など、頑張る系の習慣ではありません。「頑張れないとき」を想定したものなので、むしろ、こんなレベルです。</p>

<p>●パジャマのままでもいいから、30秒だけ外に出る<br />
● コンビニで雑誌を手に取る（買わなくていい）<br />
● 朝ごはんを、パンひと口だけかじる</p>

<p>つまり、「これ、意味ある？」と思うくらいが、ちょうどいいのです。</p>

<p>なぜなら、意味を感じないことのほうが、実行のハードルが下がるからです。</p>

<p>「脳は変化を嫌い、行動の繰り返しを好む」という私たちの怠け者な性質を生かした習慣術を紹介する『小さな習慣』（スティーヴン・ガイズ著、田口未和訳、ダイヤモンド社）では、「小さ過ぎて失敗しようがない」行動が推奨されています。</p>

<p>だからこそ、やる気に頼らず、ほとんど負荷のない行動から入る。この設計が、マイナスにまで落ち込まないためにはとても有効です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「やったことリスト」が回復の道しるべになる</h2>

<p>「意味があるか」「これで足りるか」を判断するのは頭です。</p>

<p>でも、感情が止まっているとき、頭はうまく働いてくれません。むしろ、「意味ないじゃん」「これじゃ足りない」と、さらに自分を責めがちです。</p>

<p>だからこの時期は、「やった感覚」よりも、「やれた事実」を大切にします。ここでおすすめなのが、「やったことリスト」です。</p>

<p>ノートでも、スマホでも構いません。書くのは、本当に小さなことだけ。</p>

<p>私自身、先が見えず、気持ちが落ちきっていた時期のリストは、こんな内容でした。</p>

<p>「朝、起きれた」<br />
「パジャマを着替えた」<br />
「コンビニに行けた」<br />
「メモを1行書けた」</p>

<p>これだけです。</p>

<p>しかし、これを積み重ねていくと、ある日ふと、「もう少し何かできるかも」と思える瞬間がきます。それが、止まっていた感情が、動き始めた合図です。</p>

<p>感情は、無理に動かそうとすると、かえって動きません。頭と心が別方向に動くと、アクセルとブレーキを同時に踏む状態になり、エンストします。</p>

<p>だからこそ、エンジンがかかるまで「待つ時間」が必要です。</p>

<p>しかし、ただ「待つだけ」は、かえってもどかしく苦しくなるかもしれません。</p>

<p>「やったことリスト」を書くくらいの負荷をかけてみてください。このリストがあれば、どんなに落ち込んでいても、「ここから始められること」が目に見える状態になるので、休むことへの罪悪感を軽減できます。小さな行動を積み重ねるたびに、リストにチェックが増えていくので、それを見返すだけで、「自分は何もできていないわけではない」と実感できます。</p>

<p>感情が止まっていても、ここから少しずつ動き出せるような回復のスタートラインがはっきりわかる場所として、リストをつくるのです。</p>

<p>そうすると、「何もしていない日」なんてなかったことに気づきます。あるのは、「何もしない日を選んだ日」だけです。その記録が、回復の道しるべになります。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_woman_looftop.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 05 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[佐野創太（退職学（R）研究家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「母子家庭の子はヤンキーになる」と言われ　“ギャルママと娘”を描いた物語が抗う偏見  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14191</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014191</guid>
			<description><![CDATA[福木はる最新作『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』刊行インタビュー。シングルマザーや貧困への偏見をどう乗り越えるか。当事者が自分を肯定できる結末にこだわる理由と、著者を支えた映画の存在を語ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="821" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260501fukugiharu01.jpg" width="1200" /><br />
装画：しらこ</p>

<p>最新作『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』で、シングルマザーの家庭や貧困、思春期の葛藤を真っ正面から描いた福木はるさん。</p>

<p>前作『ピーチとチョコレート』での「容姿への悩み」に続き、今作でも「周囲の目」や「属性による偏見」に縛られ、息苦しさを抱える子どもたちが登場します。なぜ福木さんは、厳しい現実を抱えた主人公たちを描き、そして「ハッピーな結末」にこだわるのでしょうか。</p>

<p>その背景には、福木さんご自身の経験がありました。生きづらさを抱える子どもたち、そしてかつて子どもだった大人たちへ贈る、YA小説の持つ可能性について伺いました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>当事者がエンパワーメントされる結末で描きたい</h2>

<p><img alt="『ピーチとチョコレート』" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428Fukugiharu02.jpg" width="1200" /></p>

<p>――『ピーチとチョコレート』では体型に悩む萌々ちゃん、『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』では貧困の母子家庭に育ち、ギャルのママを恥ずかしいと感じているかふうちゃんが主人公です。2作品に共通して、周囲の目を気にする思春期の葛藤が描かれていますが、どのような思いでこのテーマを書かれたのでしょうか？</p>

<p>【福木】ティーンの時期って、それまで自分が世界の中心にいるような感覚で過ごしてきたのが、急に周りが見え始めて、「あれ、自分って大丈夫かな」と不安になる時期だと思うんです。</p>

<p>私も小学生の頃までは自然体でいられたのに、中学校に入ってからは「自分はここでどんな役割を求められているんだろう」と考えてしまうようになりました。でも、これは特別な体験ではなくて、一見明るく見える子たちも、それぞれに緊張感を抱えながら生きているはずなんですよね。だからこそ、その息苦しさを少しでもやわらげるような物語が必要だと思って書いています。</p>

<p>――『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』には、スナックのママやギャルのシングルマザーなど、偏見を持たれがちな大人たちも登場します。これにはどのような意図があるのですか？</p>

<p>【福木】これは自分の中にずっとある問題意識です。私も子どもの頃、「母子家庭の子はヤンキーになるんでしょ」といった言葉を投げかけられたことがあって。人はどうしても、見えている情報だけで他者を判断してしまう。その前提に揺さぶりをかけたいという思いがあります。</p>

<p>例えば『ピーチとチョコレート』の萌々のキャラクターでいえば、「太っている子」は内気か、あるいは自虐的に明るいか、というようにイメージが固定化されがちですよね。こうしたイメージは、メディアや物語の中で繰り返し再生産されてきた側面があると思いますし、その蓄積が当事者を傷つけてしまうことも少なくないと感じています。</p>

<p>特に若いシングルマザーに対するSNS上の言葉は厳しいものが多くて、その背景には映画などで描かれてきたイメージの影響もあるのではないかと思います。また、若いシングルマザーが登場する作品では、ラストが悲劇的に描かれることも多いですよね。ティーンの時期は、物語の中に自分の未来のヒントやロールモデルを見つけようとする時期でもあるので、「この環境に生まれた人はこういう結末になる」と無意識に刷り込まれてしまうと、とても息苦しくなる。</p>

<p>だからこそ、そうではない物語を、自分の手で少しずつ増やしていきたいんです。愛ちゃんのようなお母さんも、かふうのような子どもも、『ピーチとチョコレート』に登場するブラックミックスの莉愛のような子も、当事者が自分自身を肯定できるような結末で描きたい。そういう思いで書いています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>息苦しさを、物語を通して少しでもほぐしてあげられたら</h2>

<p><img alt="『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428Fukugiharu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>――『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』には、理想的な家族のもとで暮らす杏ちゃんも登場します。一方で、彼女は中学受験のプレッシャーを抱え、「家族ガチャに失敗した」といった発言もしています。とても現代的な悩みだと感じましたが、今の子どもたちを取り巻く社会について、どのように見ていますか？</p>

<p>【福木】一度コースから外れたら取り返しがつかない、という感覚を、常に突きつけられているような気がしています。そのプレッシャーが、子どもにも親にも大きな負担になっているんじゃないかと思うんです。</p>

<p>多様性については、社会全体として少しずつアップデートされて、人に対しては寛容になってきているはずですが、その分、自分自身に対しては厳しくなっているのではないか、とも思います。</p>

<p>例えば、歌やダンスで成功したいなら、有名なチームに入らないとプロにはなれない、と子どもが考えてしまう。私は子どもの頃、安室奈美恵さんに憧れて家でずっと踊っていたんです（笑）。当時は、「誰でも夢を持っていいし、もしかしたら叶うかもしれない」という、どこか開かれた感覚がありました。</p>

<p>でも今は、SNSなどによって情報が可視化されすぎている分、現実的な条件が先に見えてしまい、以前よりも自由に夢を描きにくくなっているのではないかと感じています。</p>

<p>そうした息苦しさを、物語を通して少しでもやわらげることができたらと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ハッピーに生きるための「映画」</h2>

<p>――『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』では、「ハッピーに生きるための３つのこと」の一つに「映画を見ること」が挙げられていますね。なぜ映画なのでしょう？</p>

<p>【福木】私も、母子家庭で育って、姉たちとも年齢が離れていたので、『女の子～』のかふうのように、遅くまで一人で家にいる時間が長かったんです。ビデオテープに録画した映画を、セリフを覚えるくらい何度も繰り返し見ていました。振り返ると、あの時間が自分を支えてくれていたんだと気づきました。</p>

<p>映画の中のちょっとした一言や、そこで味わった感情が、ふとした瞬間に自分を救ってくれることがある。小説に限らず、ドラマでも映画でもアニメでもバラエティでも、現実から少し離れて別の世界に没頭できる時間はとても大切で、その中で自分にとって意味のあるものに出会える。そういう実感があったので、「映画を見ること」は必ず入れたいと思いました。</p>

<p>――具体的にはどんな映画を見ていたのですか？</p>

<p>【福木】ティーンの頃に一番好きだったのは、ドリュー・バリモア主演の『25年目のキス』です。少し前のラブコメですが、主人公は新聞記者で、中学時代は見た目が冴えず、一軍のクラスのイケてる子たちにいじめられていた女性なんです。大人になっても思うようにいかない中で、上司から「イケている高校生の生活を潜入取材してこい」と命じられる。</p>

<p>「冴えなかった自分でも主人公になっていい」「見た目が魅力的だから愛されるわけではない」ということを、その作品から教えてもらった気がします。当時は、きれいな女の子が主人公になる作品が多かったので、すごく衝撃的でした。その感覚は、『ピーチとチョコレート』にも少なからず影響していると思います。</p>

<p>――『25年目のキス』、観てみます！ 他にも作中では様々な映画が登場しますが、その選定基準も教えてください。</p>

<p>【福木】『ローラーガールズ・ダイアリー』や『ハートストッパー』など、ティーンの子たちが楽しめて、共感できそうな作品を選びました。『旅するジーンズと16歳の夏』は、もともとYA小説が原作で、揺れ動く気持ちをそのまま体感できる作品です。</p>

<p>それに加えて、母と娘のすれ違いを描いた作品も入れています。本作のテーマと重ね合わせながら、リストを組み立てていきました。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260501fukugiharu02.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 05 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ハーバード大で授業より価値があった「寮生活」　隣部屋にStripe創業者、ノーベル平和賞候補...  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14107</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014107</guid>
			<description><![CDATA[なぜ今、リアルな「カレッジ」が必要なのか。HLAB代表・小林亮介氏がハーバードでの原体験をもとに、日本における居住型教育の可能性とSHIMOKITA COLLEGEの挑戦を語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya10.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年4月5日、東京・下北沢の「SHIMOKITA COLLEGE（シモキタカレッジ）」にて、ケンブリッジ大学・飯田史也教授の新刊『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』の刊行記念イベントが開催されました。</p>

<p>会場となったSHIMOKITA COLLEGEは、本イベントの登壇者である小林亮介氏が代表を務めるHLABが運営する、日本初の「居住型教育施設（カレッジ）」です。高校生、大学生、そして社会人という異なる世代が寝食を共にし、日常的な対話や共同生活を通じて互いに学び合う「多世代共生」のコミュニティです。</p>

<p>なぜデジタル化が進む今、あえて「リアルな場」を共にするカレッジが必要なのか。本稿では、小林氏が語ったカレッジの重要性についてレポートします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>なぜ今、カレッジなのか</h2>

<p>「なぜデジタル化がこれだけ進んでいる世の中で、カレッジが今必要なのか」「それが日本で実現可能なのか」「我々がどういう形でそれを実現しようとしているのか」という三点をお話しします。</p>

<p>簡単に自己紹介をすると、私は19歳の時に現在の会社を立ち上げ、全寮制の教育とカレッジをどう作るかということを専門に取り組んできました。</p>

<p>そもそものきっかけは、ハーバード大学に留学した時の経験でした。学びの多くは授業の中ではなく、寮の中にあったのです。</p>

<p>すごいなと思った同級生が二人いました。一人は、寮で隣の部屋に住んでいたジョン・コリソン。決済企業Stripeを創業した人物です。1年生の頃から何かを作っているなとは思っていたのですが、2年生になっても戻ってこず、私たちが卒業する頃にはStripeがビリオンダラーカンパニーになっていました。</p>

<p>もう一人は、アマンダ・グエンという友人です。彼女は在学中に性暴力の被害に遭い、その経験から法律の問題に向き合い、NPOを立ち上げ、27歳でノーベル平和賞候補に挙げられました。</p>

<p>こういう人たちが身近にいると、良い意味での焦りが生まれます。遠い存在ではなく、同じ食堂でご飯を食べて、同じ授業で苦労していた仲間。そのような近い距離感にいる人が、自分の学びやモチベーションに大きな影響を与えるのです。これはハーバードだから起きることではなく、本来どこでも起き得ることだと思っています。</p>

<p>寮での体験、友人との関係...それらが大学に通った中で最も大きな価値だったと感じています。「なぜこれが日本にないのか」「どうすれば実現できるのか」という問いが、今の仕事につながっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大学という場で得られる体験の価値</h2>

<p>全世界の教育テクノロジーへの投資額は、2020年のコロナ禍を境に大きく増加しました。2022年頃からは世界中の大学の授業がオンラインで無料公開され始め、情報がタダに近づいていく流れが加速しました。</p>

<p>デュオリンゴやカーンアカデミーのAI家庭教師、edX、Coursera、YouTube――今や専門的な学びはほぼ無料でできる時代になっています。これ自体は、非常に良いことです。</p>

<p>一方で、「アンバンドリング」という言葉があります。これまで大学にひとまとめにされていた機能――例えば、学位というシグナリング、授業などのコンテンツ、家庭教師的な指導補助など...が学校から切り離されてスマホで提供されていく中で、「学びのプロセスや体験そのものや、そこで出会う人のコミュニティに教育の一番の価値があるのではないか」という議論が生まれています。</p>

<p>ディズニーランドはYouTubeで見ても、体験したことにはなりません。それと同じように、大学という場で得られる体験やコミュニティの価値が改めて問い直されているのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ハーバードが「居住型教育」を重視した理由</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya05.jpg" width="1200" /></p>

<p>2012年、私がまだハーバードに在籍していた頃、大学は授業をオンラインで公開するという取り組みを始めました。</p>

<p dir="ltr">もともと大学は「知の拠点」でした。しかし活版印刷の発展によって書籍が広まり、図書館が知の拠点となったようにり、情報が安くなるにつれて、ついには授業そのものまでオンライン化されるようになりました。</p>

<p>こうした流れを受けて、ハーバード大学は「デジタル」と「レジデンシャル（全寮型）」という2つを柱に据え、ビジョンとミッションを書き換えました。</p>

<p>ビジョンには「居住型のリベラルアーツ教育における世界的なスタンダードをつくる」と掲げ、ミッションには「多様な住環境の中で、異なる背景を持つ学生が集まり、アイデンティティを成長させながら知的変容を起こし、社会の変革につなげていく」と記されています。</p>

<p>これは、カレッジの機能そのものを明確に定義したという意味で、非常に大きな転換でした。</p>

<p>これまでの教育は、何を学ぶべきかがあらかじめ与えられている「Known Unknown」の世界でした。数学Ⅲのように、学ぶべき内容が定まっている世界です。そうした学びはデジタルでも効率的に実現できます。</p>

<p dir="ltr">しかし「何のために生きるのか」「どんな問いを解くのか」といった、そもそも問い自体が定まっていない「Unknown Unknown」の世界は、デジタルだけでは対応しきれません。何を探せばよいのかもわかっていないからです。人と人とが向き合い、対話を重ねる中でこそ出会える世界や生まれるものがあると思っています。</p>

<p>今、世界に目を向けると、ハーバードに限らず日本や欧州の大学でも、全寮制教育を重視する動きが広まっています。学生同士が同じ時間を共有することで生まれる価値、「出自や関心、経験が異なる互いから学び合う」経験が、改めて見直されているからです。</p>

<p>「うちの学生には無理です」「日本人にはできません」と言われることも少なくありませんでした。</p>

<p dir="ltr">しかし実は、アメリカでもカレッジ型教育は最初からあったわけではありません。当初はドイツ型の研究大学をモデルに作ったものの、学生同士が互いを知らないために授業への出席が減り、学ぶ意欲が失われていった。そこで1900年代頃に入り、イギリスのカレッジ制度を取り入れたのが始まりです。後から移植された文化が、今や世界中に広がっています。日本にも、慶應義塾や松下村塾のように、師匠と学生が共に学ぶ伝統は深く根付いています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本でカレッジをどう実装するか</h2>

<p>しかし日本では、学校、塾、部活で時間がほぼ埋まっています。その中でカレッジ的なものを入れようとしても、場所が残されていません。</p>

<p>そこで私たちは、夏休みという時間に着目し、サマースクールという形で始めました。</p>

<p>2011年以来、毎年夏、全国各地で世界中の大学生を集め、日本の高校生と共に短期間を過ごすプログラムを実施しています。</p>

<p dir="ltr">最初は、私がハーバードの同級生20人を日本に連れてきて、「ハーバード生と枕投げしましょう」と声をかけて集まった高校生と一緒にと自分の高校の後輩と一緒に泊まり込むという形で始まりました。わずか1週間のプログラムですが、参加した高校生たちがその後、一緒に過ごした海外の大学生の寮に押しかけて宿泊するということをやり始めたんです。こうして日本からた海外大学への進学の動きが加速したことを受け、奨学金制度も設立しました。</p>

<p dir="ltr">柳井正さんが初年度のサマースクールにスピーカーとして来てくださったことがあり、それが柳井正財団の海外奨学金の設立と300名近い学生を海外のトップ大学に送り出すこととの提携にもつながっています。</p>

<p dir="ltr">今後は、SHIMOKITA COLLEGEを皮切りに、全国でカレッジを増やしていく活動を続けていきます。自社で全国に10〜15拠点というレベルで展開できれば、「ただの寮」ではなく「学びのための場所とソフト」を作ろうという意識が、社会に広がり、日本の大学が全寮化したり、一般的な学生マンションが学びの場になったり、カレッジが広がっていくのではないかと思っています。</p>

<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya09.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya10.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 05 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>出会ってすぐ「真面目ですね」と決めつけられる理不尽　だって実は僕は（なかむたの「絶望型平和主義」第1話）  なかむた（お笑い芸人）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14387</link>
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			<description><![CDATA[芸人・なかむたさんの連載「絶望型平和主義」第1話。なかむたさんが出会って間もない人に「真面目」だと言われることに対するモヤモヤを綴っていただきました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="なかむた" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601nakamuta01.jpg" width="1200" /></p>

<p>「どうせ死ぬよ！」をはじめ、SNS上にアップしているコント動画で人気を集めるお笑い芸人のなかむたさん。穏やかに生きたいがゆえに、ささいなことで考えすぎしまう。その結果、日常に絶望することも少なくないそうです。</p>

<p>連載「絶望型平和主義」では、なかむたさんが生活のなかで考えてしまうこと、人間関係のモヤモヤなど、その頭のなかをエッセイとして綴っていただきます。</p>

<p>第1話は、会って間もない人に「真面目」と言われることへの、なかむたさんの言い分です。</p>

<p>*毎月1回更新予定です</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「真面目ですね」に引っかかる</h2>

<p>「なかむたさんって、真面目ですね」<br />
「なかむたって、真面目だなあ」</p>

<p>知人や仕事相手から、その言葉を言われるたびに「芸人なのに真面目だと思われたということは、貴方つまんないですね、という烙印を押されてしまったんじゃないか？」と心の中で思ってしまう。</p>

<p>そう、僕は一応、吉本興業でお笑い芸人をやっている。自分を面白いと信じて福岡から上京して13年経ったが、芸人として信じられないぐらい結果が出てない。学生時代、勉強や運動がいまいちの僕にとって、たまに言われる「面白い」が命綱だった。そんな命綱を引っ提げて上京してきたが、吉本の養成所の授業でスベりまくり、相方のおかげでウケた時もあったが、自分の力ではひと笑いも取ってないので命綱を捨てた。そこから面白さを諦めて、アボカドと自撮りをして、浅はかな人気を狙ったりしていたら、アボカドと一緒に芸人として腐っていった。</p>

<p>芸歴5年目の時に当時の相方と解散して、ピン芸人になり、人生で初めて自分と真剣に向き合った。すると自分が芸人として、どれだけ崖っぷちのところにいるのかを思い知り「お前はこの5年間で芸人として何をした？言ってみろ.........アボカドと自撮り？.........芸人を辞めたらどうなんだ...！」と、イマジナリー船越英一郎に詰められる夜もあった。</p>

<p>そこから自分なりに「面白い」をたくさん考えた。考えれば考えるほど周りから「真面目」と言われることが増えた。</p>

<p>振り返れば、昔からずっとそうだった。前述した通り学生時代は勉強、運動がいまいちで、真面目に授業に取り組んでも良い点が取れず、野球部で真面目に素振りをしても誰よりも打てなかった。僕の人生における「真面目」とは、常に成果の出ない惨めさとセットだったことを思い出した。</p>

<p>となると、芸人になった今も「真面目」と言われるということは成果が出ないんじゃないか、努力は報われないんじゃないか、芸人のくせに「真面目」が漏れ出てるのは良くないんじゃないか、そんなことになるならもう一度アボカドと自撮りした方がいいんじゃないかと再度血迷いそうになったが、アボカドもそんなこと望んでない、自撮りなんかせずに早く調理してあげて、サラダやポキ丼として食べた方がいいと判断したので、どうにか持ち堪えた。</p>

<p>自分には「真面目な面」、「不真面目な面」、それ以外にも『ライオンのごきげんよう』のあのサイコロぐらい、いやそれ以上に色んな面があると思っている。てか人間全員色んな側面がある。だから「真面目ですね」という言葉に引っかかるし、言い切らずにもっと時間をかけて判断してほしいなと思ってしまう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>「真面目ですね」という言葉は関係が浅い人に言われることが多い。数年前に仕事で共演した初対面のタレントさんに本番前挨拶をした。</p>

<p>「ご挨拶失礼します。吉本興業のピン芸人なかむたと言います。本日はよろしくお願いします。」</p>

<p>するとそのタレントさんは目バキバキでこう返してきた。</p>

<p>「〇〇です。よろしくお願いします。芸人さん？何か凄い雰囲気が真面目ですね。芸人さんなら本番はふざけてくださいね。真面目にやられても困るので。」</p>

<p>&nbsp;</p>

<p><img alt="なかむた" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601nakamuta02.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<p>嫌いになった。</p>

<p>「真面目ですね」って言った後の、芸人なのに真面目なんだみたいな少し引き攣り気味のあの顔が脳裏にこべりついて取れない。</p>

<p>きっとその人にとって芸人は常に元気にボケて、ツッコんで、1発ギャグを振ったら全力でやって、振ったくせに後処理をしない優しくない人にも全力で「ちょっと待ってくださいよ〜！！」と言って、舞台衣装は蝶ネクタイに半ズボンで、六畳一間の木造アパートでゴツ盛りをオリジナルブランドの発泡酒で流し込み、ユニットバスはカビだらけ、洗濯表示を見ずに洗濯して、しわくちゃになった生乾きの洗濯物を統一性のないハンガーで部屋干ししてるみたいなイメージをいまだに持っているだろうから、僕みたいな、「無害そうな澄ました顔」で、「妙にハキハキとした受け答え」で、「一切ボケようとせずに佇む姿」を見たら「真面目だな」と思っても仕方のないことだと思うし、言った側も悪気はないと思う。</p>

<p>でも僕みたいに「真面目ですね」と言われて気にしてしまう人もいる。もしいつかまた、表面上の情報だけで決めつけて「真面目ですね」という言葉が僕に向かって放たれたら「誠実ですねと決めつけたその言葉は不誠実ですね」とゼロ距離で言いたいと頭の中で何度も思い描いている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>僕のなかにある「真面目」と「不真面目」</h2>

<p><img alt="なかむた" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601nakamuta03.jpg" width="1200" /><br />
「何かポーズとってください」とお願いすると渋々ピースをしてくれました</p>

<p>自分で思う「真面目な面」は、できるだけ遅刻をしない、3分程度の遅刻でも相手にLINEをする、期限を守る、などの「欠けたら縁切る3セット」ぐらいなもの。</p>

<p>よく知りもしない人に見えている僕の「真面目な面」の「無害そうな澄ました顔」は、この顔でこの星に生まれたんだからどうしようもないので、もし文句があるなら、タイムマシーン開発して僕の両親が愛し合った日々に乗り込んで僕が生まれてくるのを阻むしかないよと言いたいし、「妙にハキハキとした受け答え」は、ボソボソ喋るよりこの喋り方のほうが相手も気持ちいいだろうなで喋ってるし、その結果過去に初対面の女性に「芸人さんなのに新人のアナウンサーみたいですね」と無垢な顔で残酷な言葉を言われたことがあるけれど変える気はないし、「一切ボケようとせずに佇む姿」に関しては、やる時はやるから放っといてほしい。</p>

<p>そして「不真面目な面」も勿論ある。アルバイトを5つ飛んできたり、消費者金融3社から借金して首が回らなくなって関係が浅い人にお金を借りようとして怒られたこともあるし、どうしようもなくて、みっともない色恋沙汰だってあったし、マッチングアプリで少しでも多くマッチしようとプロフィールに俳優の卵ですと嘘をついてみたり、僕のことを良くしてくれていたバイトリーダーに貧乏漫談を披露して冷蔵庫を奢ってもらったり、お金が無さすぎてファンの方から頂いた差し入れを売って生活費にしたり、すみません「不真面目な面」っていうマイルドな言い方してたんですけど、僕カスなんです。根っこがカスなんです。だから表面上の情報だけで僕を「真面目」な人間と判断するのは危険ですと言いたいんです。何かしらの犯罪に引っかからないでくださいねと言いたいんです。</p>

<p>前述したカスな過ちの、ほとんどが十数年以上前の出来事です。でもやってしまったことは取り返せないし、迷惑をかけてきた人もたくさんいるので、ここ数年は「禊の人生」だと思って生きるようにしました。すると、「芸人なのに真面目ですね」と言われることが増えたというわけです。</p>

<p>過去のカスを必死に隠そうと「禊」に励んだ結果、「真面目」と思われる。僕は、いつの間にか手作りの地獄を作り上げていました。</p>

<p>居心地が良いとは言えないが、人生は好転している気がするので、今後もここに住んで苦しみながら生活を送ろうと思います。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601nakamuta01.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 04 Jun 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[なかむた（お笑い芸人）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>感動しても困っても「ヤバい」しか言えない　怠けた脳をほぐす二つのコツ  川岸宏司（株式会社DIL 共同創業者）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14358</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014358</guid>
			<description><![CDATA[便利な「ヤバい」「すごい」といった言葉。あまり多用すると思考が徐々に浅くなっていくかもしれません。川岸宏司さんが、怠けた脳をほぐすコツを紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="なぜ、あの人の言葉は心に響くのか" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_discussion_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>会話のなかで「ヤバい」や「すごい」をつい多用していませんか。これらの言葉は万能である一方、物事をとらえるための思考は徐々に浅くなってしまいます。</p>

<p>かつては「ヤバい」を多用していたと振り返る起業家の川岸宏司さんは、著書『なぜ、あの人の言葉は心に響くのか』にて「ヤバい」に束ねられた感情をひもとく2つの武器を紹介しています。</p>

<p>※本稿は、川岸宏司著『なぜ、あの人の言葉は心に響くのか』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ヤバい」「すごい」が出た瞬間こそチャンス</h2>

<p>「このラーメン、マジでヤバい」「あの映画、すごかったよね」「推しが尊すぎてヤバい」。私たちは日常的に、この便利な言葉たちに救われています。</p>

<p>「ヤバい」や「すごい」は、いわば会話における「万能調味料」です。美味しくても、不味くても、驚いても、引いても、とりあえずこれを掛けておけば会話という料理は成立してしまう。だからこそ、脳はこのコストのかからない言葉が大好き。そして、人の思考は徐々にゆっくりと浅くなっていく。</p>

<p>ただし、最初に補足しておきたいのですが、私はこの言葉を日常から完全に排除すべきだ、と言っているわけではありません。むしろ、「ヤバい」は人間関係を育むための「必要悪」でもあります。説明を尽くした論理的で丁寧な言葉は間違いなく伝わりますが、どこか他人行儀です。一方で、「これヤバいね！」「わかる、ヤバい！」といった直情的で文脈に依存した言葉は、お互いの感情をダイレクトに繋ぐ、素直で強力な接着剤になります。</p>

<p>ただし、ここには笑えない落とし穴があるからこそ、伝えたいことがあります。</p>

<p>「ヤバい」しか言えない人の周りには、得てして「何がヤバいのか気づかない人」しか集まりません。互いに「ヤバいね」とうなずき合うだけで、その「ヤバい状況」の本質には誰も気づけず、問題は永久に解消されない......という地獄のようなループが生まれます（笑）。</p>

<p>居酒屋で友人と盛り上がる分には、そのループは心底楽しい。ですが、ビジネスや人生の重要な局面でそれをやってしまうと、あなたは「思考を省略してしまった人」と認定され、結果としてあなた自身が周囲から「ヤバい人」扱いとなります。</p>

<p>重要なのはTPOに合わせて「言葉の解像度」をスイッチできるかではないでしょうか。友人と笑い合うときは「ヤバい」という接着剤を使い、思考を深めるときは解像度を上げてメスを入れる。</p>

<p>言語化力を鍛えたいと願うなら、まずは無意識に口をついて出る万能調味料の使用を「禁止」してください。つまり、「ヤバい」という言葉で思考を完結させることを禁止する、という意味です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>そのとき、脳内で何が起きているか</h2>

<p>正直に告白すると、私自身が「ヤバい」という言葉に脳を汚染されていた人間でした。感動しても「ヤバい」を使い、困っても「ヤバい」と伝える。語彙の貧しさは、思考の貧しさそのものです。</p>

<p>だからこそ、なぜ自分がこれほどまでに思考停止してしまうのか、自分の脳内を徹底的に解剖すると、私の脳内では、次の3ステップで思考が停止していました。</p>

<p>ステップ1：心が動く</p>

<p>美味しい、美しい、恐ろしい、感動、驚き......。外界からの刺激を受け、たしかに私の心は動いています。ここまでは正常。</p>

<p>ステップ2：脳が処理をサボる</p>

<p>ここで脳の悪癖が出ます。「分析するのがめんどくさい」と判断し、詳細な処理をすっ飛ばして、手元にある一番手軽な「スタンプ」を押しにかかります。</p>

<p>ステップ3：出力</p>

<p>「ヤバい」「すごい」。結果として、口から出るのは手垢のついた言葉だけ。これでは何も伝わらないし、誰とも差別化できない。最悪の場合、自分が本当は何を感じたのか、その感情すら忘れてしまいます。</p>

<p>ここまで聞くと絶望的に感じるかもしれません。ですが、「ヤバい」と言いたくなった瞬間は、実はチャンスだと思っています。それは、脳内で「まだ言語化されていないレアな感情」が見つかった合図だから。思考停止ワードが出たということは、裏を返せば「既存の言葉では処理しきれないほど心が大きく動いた」という証拠。そこには必ず、あなただけの言葉のタネが埋まっています。</p>

<p>では、どうやってそのタネを掘り起こすのか。「ヤバい」という圧縮された感情を解凍するための、2つの武器をお渡しします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>武器①：「ヤバい」を分解する4つのレンズ</h2>

<p>私がイメージしつつ実践しているのは、カメラのレンズをカチャカチャと切り替える作業です。「どの部分」が「どう」ヤバいのか？　これらを自問するためのレンズは、経験上4つしかありません。わかりやすく、先ほどの「ヤバいラーメン」を例に、1つの対象を4つのレンズでたとえてみます。</p>

<p>レンズ①：期待とのズレを見る</p>

<p>レンズを通すなら、まずは、真っ先に「何が想像と違ったのか？」を脳に聞いてください。人間が感動するのは、予想通りだったときではなく、いい意味で予想を裏切られたときだけだからです。</p>

<p>（脳内の言語化）「店構えは油でギトギトの床、頑固そうな店主。どう見てもこってりした男飯が出てきそうなのに、出てきたスープが透き通るように繊細で、料亭のお吸い物みたいだった。このギャップがヤバい」&rarr;「意外性」に言葉のタネがある。</p>

<p>レンズ②：細部のこだわりを見る</p>

<p>次にズームレンズを使います。「具体的にどこのパーツが効いているのか？」と問うイメージです。なぜなら必ず心を撃ち抜いた「特定のパーツ」があるはずだからです。</p>

<p>（脳内の言語化）「スープもすごいけど、よく見るとチャーシューが違う。煮豚じゃなくて、低温調理されたローストポーク。しかも、スープの熱で火が通りすぎないように、丼の縁に避難させて盛り付けられている。この配慮がヤバい」&rarr;「構成要素」に言葉のタネがある。</p>

<p>レンズ③：変化の度合いを見る</p>

<p>今度は時間軸のレンズです。「BeforeとAfterで何が変わったのか？」を見てください。</p>

<p>（脳内の言語化）「半年前にも来たけど、あのときはもっと麺が太かった気がする。スープの繊細さを際立たせるために、あえて麺を細く、しなやかなものに変えたんだ。現状維持を選ばない進化がヤバい」&rarr;「成長幅」に言葉のタネがある。</p>

<p>レンズ④：背景や文脈を見る</p>

<p>そして、最後は広角レンズ。「なぜ今のタイミングでこれなのか？」を俯瞰して問います。目の前の現象だけでなく、その背後にある「意図」や「時代の流れ」を読み解く視点です。</p>

<p>（脳内の言語化）「このエリアは最近、若者向けの『二郎系』や『家系』の出店ラッシュで飽和している。そんな中で、あえてターゲットを少し上の世代にずらした『淡麗系』で勝負に出た戦略がヤバい」&rarr;「背景・意図」に言葉のタネがある。</p>

<p>「ヤバい！」と思ったら、すぐにこの4つのレンズのどれかに当てはめてみてください。「あっ、私はこの店の『戦略』に反応したんだ」と気づくだけで、言葉は一気に具体的になります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>武器②：感情の解凍語彙マップ</h2>

<p><img alt="感情の解凍語彙マップ" height="1810" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260528kawagishihikoji02.jpg" width="1200" /></p>

<p>4つのレンズを使っても、まだ言葉が出てこないこともあります。というより、そんなことばかりだと思いますので、自分の感情を「逆探知」する必殺技も添えておきます。</p>

<p>ゼロから言葉をひねり出すのは難しいですが、並べられた言葉から「選ぶ」ことなら脳は抵抗なくできます。上図は、私がいつも脳内に貼っている「感情の解凍語彙マップ」です。「あっ、これに近いかも」というタグを選ぶことで、思考を強制的に起動させます。</p>

<p>使い方は簡単です。「このデザイン、ヤバい！」と思ったら、「この表があったな」と思い出してみてください。「『緻密』かな？　いや、もっと目に焼き付く感じだから『鮮烈』に近いかも」。そうやって選ぶ過程で、あなたの感情の輪郭は驚くほどはっきりしてくるはず。</p>

<p>人は言葉の中でしか思考を深めることはできません。だからこそ、言葉を見ることで逆探知し、思考を深めることができると思っています。</p>

<p>思考停止ワードを飲み込んで、レンズを当て、タグを選ぶ。まずはここから始めてみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>痛みや違和感こそ、「宝の山」</h2>

<p>「承知いたしました。精一杯やらせていただきます」</p>

<p>あなたは上司の目を見て、爽やかな笑顔でそう答えます。脳内では「ここで仕事を引き受ければ評価が上がる」「断る理由もない」と、完璧な計算が弾き出されているはず。</p>

<p>しかし、その言葉を口にした瞬間、ズン、と胃が重くなる感覚がありませんか？あるいは、喉の奥がキュッと締まり、呼吸が浅くなるような感覚。口は笑い、脳は納得しているのに、なぜか内臓だけが強烈に拒絶している。</p>

<p>このとき、正しいのは言葉と身体のどちらでしょうか？言うまでもなく、正しいのは「身体」です。</p>

<p>前項で、脳は平気でサボり、嘘をつくとお伝えしました。対して、身体は決して嘘をつきません。驚くほど素直で、無垢で、脳が論理で言葉を繕うよりも早く、身体は本音を検知し、痛みや違和感としてアラートを鳴らしてくれます。</p>

<p>多くの人は、このアラートを「体調不良」や「気のせい」だと無視してしまいます。一方で、言語化が得意な人は、この痛みを「宝の山」だと捉えているケースが多い。なぜなら、そのズキズキする痛みの中にこそ、今の状況を正しく認識するための「2つの言語化のタネ」が埋まっているからです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_discussion_1.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 04 Jun 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[川岸宏司（株式会社DIL 共同創業者）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「控えめな性格の人」に対する誤解　意外な二つの強み  三上ナナエ（研修講師）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14356</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014356</guid>
			<description><![CDATA[マイナスな性格だと考えがちな「控えめな性格」を持つ人の強みとは。研修講師を務める三上ナナエさんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="三上ナナエ著『控えめでも存在感のある人がしていること』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>自分を強く主張するのではなく、一見すると「遠慮がち」に映る――いわゆる「控えめな人」は、積極的に前に出ないことから、自分でもその性格をマイナスに捉えがちですが、「控えめな人ほど周囲から頼りにされる」と、企業研修などで講師を務める三上ナナエさんはいいます。</p>

<p>では、控えめな人はどのような強みを持っているのか。三上さんに解説していただきます。</p>

<p>※本稿は、三上ナナエ著『控えめでも存在感のある人がしていること』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「遠慮がちで控えめ」は、ポジション選択のひとつ</h2>

<p>◎「周囲を見る」「察知する」能力に長けている</p>

<p>控えめな人は自分を前に出すよりも「場を見る」ことに自然に意識が向いています。発言のタイミングを探ったり、空気を読んで周囲の反応を確かめたり。その姿は一見目立ちません。しかし、周りの人が見落としがちな変化を細やかに拾い上げています。</p>

<p>たとえば、相手の声のトーンが少し下がった、いつもより言葉が短い、目線が合いにくいなど、こうした細かな変化は、場をリードしようと前に出ている人には気づきにくいものです。一方で、静かに周りを見渡すことができる人は、「相手が今どういう状態か」に注意が向いているので、変化の兆しを敏感に察知できるのです。自分では無意識であっても、その感度の高さは周囲にとって、大きな支えになっています。</p>

<p>CAの頃、チームの中に「誰よりも早くメンバーの変化に気づく人」がいました。体調が万全ではない様子、いつもより口数が少ないこと、動きのリズムが微妙に違うこと。本人が言葉にする前のほんの小さなサインを見逃さない人でした。</p>

<p>そして決して大袈裟な聞き方をしません。「大丈夫なの？」と詰め寄ることもなく、自然なトーンで声をかけ、さりげなく状況を確認します。相手が話しやすい空気をつくるのがとても上手で、結果として本音や実情を聞き出して、共有してくれるのです。</p>

<p>「今日のフライト時間、長いね」と雑談の形をとって、「実は朝起きたときから若干頭が重くて......」と状況を引き出したり、「さっきよりペースを少し落としてる？」など、評価や心配を全面に出さなかったり、「見えた事実」だけそっと置く言い方なのです。共通しているのは心配以上に配慮が勝っているということ。</p>

<p>そして得た情報は変に広めず、必要な形に整えて上司に伝えます。「今日は疲れが出ているようで朝食も進まなかったようです」「喉の調子からはアナウンス担当は避けたほうが良いかもしれません」と判断材料として伝える情報を簡潔に共有するのです。感情的な評価や憶測は添えません。</p>

<p>その方の配慮のおかげで、人員配置を考える際の精度が上がり、チーム全体が無理なく動けるようになっていきました。目立つ役割ではありませんが、現場が安定する存在。前に出ないからこそ、全体を支える力を発揮していた人でした。</p>

<p>◎周りを支える静かで大きな力</p>

<p>こうした行動は成果として数値化されにくく説明しづらいものです。そのため控えめな人ほど「自分は何もしていないかも......」と感じがちです。しかし、実際には周囲が安心して動ける土台を静かに支え続けています。</p>

<p>前に出ないことは消極性ではありません。むしろ、周囲に目を配り、変化を感じ取り、必要なときにそっと手を差し伸べるための「ポジション選択」です。控えめな人が放っている安心感は空気のように目には見えませんが、空気と同じようになくてはならない存在です。</p>

<p>そのポジションを担っているということ。何もしていないのではなく、前に出ないからこそできていることが確かにあるのです。</p>

<p>&lt;POINT&gt;</p>

<p>「控えめな人」は無理なアピールより周囲が&quot;安心して動ける&quot;土台づくりを選んでいる</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>選び抜いた言葉を、最善の場で使う</h2>

<p>◎「言葉選び」のプロフェッショナル</p>

<p>控えめな人は話し上手という印象はあまりないかもしれません。けれど「どんな言葉を使うか」にはとても慎重です。思ったことを勢いで口にする前に、「この言い方で相手はどう感じるだろうか」と一度立ち止まることができるからです。そのワンクッションが周囲との関係性を確実に守っています。</p>

<p>たとえば、誰かのミスに気づいたとき、相手によっては「それ間違ってますよ」と伝えることももちろんあるでしょう。でも控えめな人は相手を見ながら「念のため確認してもいいですか」「私の理解が違っていたらすみませんが」と言葉を添えられます。内容は同じでも受け取る側の衝撃を和らげることができます。相手は「責められた」というより「助けてもらった」と受け止めやすくなるのです。</p>

<p>こうした言葉選びは優しさというより「配慮の技術」に近いと言えます。相手のプライドや立場、今の心理状態を読み取り「必要以上に傷つけない表現」を選んでいます。</p>

<p>興味深いのは、配慮の技術が高いこの人が、決して何も言わない人ではないという点です。選び抜いた言葉で、言うべきことはきちんと言う。「あの人の言葉はキツくないけれどなぜか納得できる」「指摘されても嫌な気持ちを引きずらない」そんな印象を持たれる人は、組織の中でとても重宝されていきます。</p>

<p>◎場所とタイミングも絶妙</p>

<p>その選び抜いた言葉を、どこで使うか、その使う場所やタイミングにも敏感です。</p>

<p>CA時代のチーフ昇格研修のときのことです。私はその研修を受ける立場でした。事前提出が必要な書類があったのですが、しかしながらその存在自体をすっかり忘れていました。気持ちだけは前向きで「よし！　今日からしっかり学ぶぞ」と意気揚々と会場に入り席につきました。</p>

<p>そのとき、サブのトレーナーの方がそっと私の横に来て、周囲には聞こえないように耳打ちでそっと告げました。「〇〇の書類は今持ってきていますか？」と。その一言で「しまった」と私は気づきました。けれど不思議と大きなショックはありませんでした。皆の前で指摘することなく、「確認」という、こちらの状況を察しながら最小限の言葉で要点を届けてくれた、その配慮が瞬時に伝わってきたからです。</p>

<p>もしここで「提出書類を忘れたんですか？」とみんなの前で言われていたら、おそらく私は、恥ずかしい気持ちと自分を責める気持ちでいっぱいになり、その後の研修内容なんて聞ける状態ではなくなっていたと思います。サブトレーナーの方はさらに「大丈夫ですよ、用紙は用意するので休憩時間に書きましょうか」と解決策まで提示してくれました。</p>

<p>この出来事から言えるのは、選んだ言葉を適切な場所で使うこと、それもスキルのひとつなのだということ。「伝えにくい」と思うからこそ、最善と思う場所とタイミングを選択して伝えることができる。空気に敏感な人だけができる技なのだと感じました。</p>

<p>ちなみに、事例に登場したサブトレーナーの方は、その後20年もかからずに、異例のスピードで会社の役員に昇格されました。言葉を選ぶこと、場所やタイミングを選ぶことは、ときに遠回りに見えるかもしれません。しかし、かえってその時間が、事をスムーズに進める大きなカギになっていることも多くあります。</p>

<p>控えめな人は、当たり前のことをしているだけだと感じるでしょう。でも無駄に人を傷つけないように選択することは、簡単なようで簡単ではありません。その配慮こそが評価と信頼を同時に積み上げている、確かな強みなのです。</p>

<p>&lt;POINT&gt;</p>

<p>「控えめな人」は「ワンクッション」によって、無駄に人を傷つけない</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 04 Jun 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[三上ナナエ（研修講師）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>認知症の親を施設へ　家での介護は「もう限界」と感じた時の伝え方  繁田雅弘（精神科医、認知症専門医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14247</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014247</guid>
			<description><![CDATA[認知症の人、そしてそのご家族に寄り添いながら診療を続けてこられた精神科医で認知症専門医の繁田雅弘氏に「施設への入所」について解説して頂きます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="施設、どうする" height="744" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/kaigoimg201805.jpg" width="1200" /></p>

<p>今、振り返ると、かつての認知症医療には、本人の気持ちが置き去りにされていたところがありました。「話してもわからないだろう」「どうせ忘れてしまうだろう」と考えられていたからです。</p>

<p>そう語るのは、認知症の人、そしてそのご家族に寄り添いながら診療を続けてきた精神科医で認知症専門医の繁田雅弘氏です。本稿では、そんな繁田氏に「施設への入所」について解説して頂きます。</p>

<p>※本稿は、繁田雅弘著『認知症になって幸せな人、不幸せな人』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「僕たちのため」「母のため」両方の想いを話したらいい</h2>

<p>今、何時かがわからない。この場所がどこかもわからない。<br />
認知症の人の心理は、「安心安全」が保ちにくい状況です。<br />
認知症の人、そして家族が互いに「安心安全」を保てなくなってきたとき、考えるのが、施設への入所です。<br />
認知症の人を抱える家族が、切実に悩まれる問題でしょう。</p>

<p>アルツハイマー型認知症と診断された85歳の女性は、外出を勧めると「家にいたい。おっくうだ、人と話すのは嫌」と繰り返し、日に日に悲観的な言動が増えていきました。介護をしていた息子さん夫婦は共働きのため、なかなか散歩や運動につき合ってあげられないなど葛藤を抱え、かなり疲弊していました。</p>

<p>私は息子さんと本人それぞれに、「施設入所も選択肢の一つではないか」と伝えました。その時は二人とも黙って私の話を聞いていました。</p>

<p>このとき息子さんは、「母の性格からすると、精神的に落ち着いているときなら、『僕たちのために入ってくれる？』と説得すれば受け入れてくれるような気がします」と語ったうえで、「『僕たちの余裕がなくなってきちゃって、これ以上、対応できないんだ』とお願いしたほうがいいのか」「それとも、お母さんが安心して暮らすために入ったほうがいい」なのかと、語り口を悩んでいました。<br />
私は「両方話せばいい」と、背中を押しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「家族にだまされた」なんて思ったら、その後生きてくのが大変</h2>

<p>入所を考えるとき、「きっと施設に入りたくないだろう」と家族は勝手に気をまわして、本人と話をしなくなってしまいます。<br />
でも「家族の正直な気持ちを伝えること」には意味があります。<br />
家族と本人の関係は、その後もずっと続いていくからです。<br />
仮に施設に入った後は「会いに行くつもりがない」家族であっても、その後ずっと、心の中で引きずっていくことになるでしょう。</p>

<p>認知症の人だって、相手が本当のことを言っているかどうかくらい、わかります。<br />
ちゃんとした説明がなく施設に連れていかれた人は、「裏切られた」と思うでしょう。「だまされた」と。</p>

<p>だますと、わかるのです。<br />
本当の絶望でしょう。「認知症」と診断されることより、はるかに深い絶望なのではないでしょうか。だって、家族を失って「孤独」になるのですから。<br />
家族に、「見捨てられてしまう」わけですから─。<br />
「家族にだまされたなんて思ったら、その後生きてくのが大変」と、先の息子さんは語りました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>妄想ではない。家族の「真意」を見抜いている</h2>

<p>ある方も、親を施設に「1週間だけのショートステイだから」と噓をついて入れてしまったそうです。施設で親は、2階から飛び降りようとしたり、「帰る！ここは私の居場所じゃない」と言って暴れたといいます。「知っている人がいない、怖い、眠れない」と。</p>

<p>「『暴れるのは認知症特有の症状』と考えていたけれど、先生に『認知症の人もわかっている』と教えてもらってから、自分が親の立場だったら、『見捨てられた』と思ってパニックになるだろう、暴れるだろう、と理解できるようになった」とお話しされていました。</p>

<p>よく、認知症の方に対して「見捨てられ妄想がある」と言いますが、全部が全部、妄想ではないと思うのです。<br />
家族の真意を、本人が直感していると思えることもあります。<br />
家族への迷惑を考えて施設に入ろうと思った本人の気持ちも、施設に入ったらさみしくなってやっぱり帰りたいと思った気持ちも、両方わかってあげてほしいと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>施設に入っても「わからない」のではないか</h2>

<p>65歳のアルツハイマー型認知症の母をもつ娘さんは、お母さんの認知障害が高度に進行して言葉をほとんど発しなくなったとき、施設への入所を考え始めました。</p>

<p>娘さんは「家で頑張ればまた戻るんじゃないか」と期待しており、「施設に預けるのは、本人のそういう可能性を諦めることではないか」と、その判断にかなり悩んでいました。<br />
しかも、お母さんがまだ元気なときに、「施設には絶対に入らない！」と話していたことを記憶していたそうです。</p>

<p>一方で、「これだけ物事がわからなくなってしまった母なら、施設に入っても『わからない』のではないか。また、家族のために生きてきた母なら、『家族のために』入ってくれるのではないか」との想いも抱いていました。</p>

<p>私は「わかるか、わからないかはわからない。でも、お母さまはわかっていると考えて話したほうがいい」と伝えました。<br />
「意思表示ができなくても、感じていることがあるはず」と。</p>

<p>家族が本人の気持ちを推し量って代理で判断する場合、「家族に迷惑をかけるようなら施設に入ったほうがいい」と考えるだろうという推測ではなく、まずは「自分らしく暮らすためには、どの環境が合っていると考えるだろう」と考えてほしいのです。<br />
決して簡単なことではありません。だけど本人にとっても家族にとっても大切な決断を下すには、それが適切なやり方のように思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>すべて「わかっている」</h2>

<p>すぐに施設入所というわけにはいかなくても、「家族が出かけてしまって、お父さんが家で一人になっちゃうから、お泊りの練習だけしておかない？」などと、練習する機会を少しずつ増やしていった家族がいました。まず一泊、次に二泊、三泊と。</p>

<p>そのことも本人は「わかっていない」のではなく「わかっていて」、受け入れていくのだと思いました。<br />
「申し訳ない、少しずつ諦めていってほしい」という気持ちです。</p>

<p>今の日本の社会では、認知症の人が一人で暮らすことはとても難しいことです。その悲しさ、孤独、絶望を、ちゃんと周りが理解することが大切です。<br />
日本の医療は認知症患者さんに多くを背負わせています。現状では、デイケアも、施設も、十二分に個人を尊重する環境を用意してあげられないのは、どうしようもありません。</p>

<p>「ごめんなさい。本当にどうしようもなくて」という気持ちで本人にアプローチをすることができたら、本人の気持ちも違ってくるのではないでしょうか。</p>

<p>もしかしたら「そうなの、仕方ないね、わかったよ」「あなたがそう言うなら、私がつらいこともわかってくれているなら」と言ってくれるかもしれません。</p>

<p>本人は全部わかっていて、折り合いをつけたのだと、周りは思っていたほうがいい。泣く泣く、いろいろな可能性を諦めて、自分自身が折れて折り合いをつけたというふうに理解することが大切です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「父のためを思って」</h2>

<p>72歳のアルツハイマー型認知症の父親を抱える家族は、排泄の失敗などが続き、自宅での介護に限界を感じていました。施設への入所を考え始めるも、なかなか本人に切り出せずにいました。<br />
家族は私に「日中は一人なので何か起こったらいけないと心配だし、本人のためと思って」と言いました。</p>

<p>私は「お父さまをいかに納得させるかということより、あなたたちの正直な気持ちをお父さまに伝えることのほうが大切だと思います。一見して穏やかに事が進んだように見えたご家族でも、よくよくみると本人が諦めて入所していることが多いから」と家族に伝えました。</p>

<p>もしかしたら家族が父親を心配する気持ちより、父親が家族を心配する気持ちのほうが強いのではと思ったのです。父親自身も、「お父さんのため」などと家族から言われるより、「子どものため」と考えて自分で決断するほうが、後々、自分自身を保てると思われました。<br />
それは父親としての尊厳と言えます。</p>

<p>後日、子どもたちが意を決して施設入所について父親に話そうと思ったとき、父親から「そろそろ施設に入ろうかと思う」と言われたそうです。<br />
子どもたちは、自分たちが取り越し苦労をしたと思ったでしょうか。</p>

<p>私は父親のことを真剣に心配し話し合った子どもたちの想いが、父親の前でその態度に現れていたのではないかと思いました。そしてそれを感じとった父親は、自ら入所を切りだしたのではないでしょうか。</p>

<p>--------------------------------------------------------------------------<br />
施設の入所を説得するときには、<br />
家族の想いを正直に伝えてほしい。<br />
その真意はすべて、見抜かれています。<br />
「だまされた」という気持ちを抱えて生きるのは大変です。<br />
--------------------------------------------------------------------------</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/kaigoimg201805.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 04 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[繁田雅弘（精神科医、認知症専門医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「余計なものがあると思考の邪魔になる」写真家・上田優紀さんが苛酷な自然で培った習慣  上田優紀（ネイチャーフォトグラファー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14302</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014302</guid>
			<description><![CDATA[ネイチャーフォトグラファーの上田優紀さんは、人がなかなか行くことができない風景を写真に収め、届けている。そんな上田さんにメンタル面の保ち方や、やりたいことへ突き進む方法についてうかがった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="撮影：上田優紀" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260519uedayuki06.jpg" width="1200" /><br />
撮影：上田優紀(ネパール アマ・ダブラム 2018)</p>

<p>ネイチャーフォトグラファーとして、ほとんどの人が足を踏み入れることのできない世界の絶景を撮り続ける上田優紀さん。2026年6月には、10年間の活動で撮影した約100点を収録した写真集『ARCA』を出版します。</p>

<p>人間関係も持ち物も必要最小限にし、「悩みはない」と言い切る上田さんが、やりたいことへ真っすぐ進み続けられる理由とは。写真を届けることで人々にもたらしたい&quot;心の豊かさ&quot;についてもうかがいました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>肋骨を骨折した状態でアマ・ダブラム登山</h2>

<p><img alt="上田優紀" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260519uedayuki02.jpg" width="1200" /></p>

<p>――過去に書かれていたエッセイで読んだのですが、ヒマラヤ山脈のアマ・ダブラムで肋骨を骨折された状態で登り続けたとのこと。その時はどうやって足を前に進められたのでしょうか。</p>

<p>【上田】その時は割と冷静でした。滑落して肋骨を折ってしまったんですが、息を吸うとこれぐらい痛い、歩くとこれぐらい痛い、という痛みの度合いを確認して、自分の体力も含めていけると判断しただけです。</p>

<p>肋骨が折れたからといって心が折れているわけじゃない。絶対に登りたかったから。病院まではヘリコプターで行くしかない場所だったので、手持ちの道具でどう調整できるかを全部やって、こういう歩き方、こういう呼吸の仕方だったら頂上まで行ける可能性があると思ったんです。</p>

<p>しかも一度、頂上まで300mというところまで行っていたんですよ。天気が悪くなって、これは登ったら死ぬと判断して一回下まで降りて、その途中で怪我をしました。頂上が見えるところまで行けたから、この痛みだったらいけるかもしれないと思って、じゃあ行こうと。</p>

<p>成功率は30～50%ぐらいかなと思っていましたが、途中でどうしてもダメとなったら自分の足で下りれる範囲で引き返すつもりでいました。痛みで歩けなくなったらやめるけど、痛くても足が進むのにやめる、という考えはなかったですね。</p>

<p>――山では持ち物やできることも限られているから、より合理的な判断ができるのかもしれないですね。</p>

<p>【上田】そうかもしれないです。シンプルにしていくことが重要なんだと思います。余計なものがあると、いろんなことを考えてしまって思考の邪魔になる。山や苛酷な自然環境では特に、判断がシンプルになるから決断も早いし、できることをやるという思考になりやすい。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>やりたいことはやる。余計なものは周りに置かない</h2>

<p><img alt="撮影：上田優紀" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260519uedayuki07.jpg" width="1200" /><br />
撮影：上田優紀(ネパール　エベレスト 2021)</p>

<p>――日常の中で何かに悩んだりすることは......日頃、過酷な環境に身を置いていらっしゃるので、個人的な印象ではあまり悩むことはないのではと思ってしまいました。</p>

<p>【上田】悩まないですね。逆に何か悩みがあるんですか？</p>

<p>――やっぱり悩みがちなのは人間関係などでしょうか。</p>

<p>【上田】友達と呼べる存在が2人ぐらいしかいないので、悩まないんですよ。余計なものを周りに置きたくないんです。人でも物でも。多いことが好きじゃないというか、周りにたくさんある状態が居心地悪く感じるので。友達も多い必要はないと思っているし、仕事も一人でやっているし、人間関係の悩みがない。</p>

<p>――人からどう見られるかもあまり気にならない、と以前インタビューのなかで答えていらっしゃいましたね。</p>

<p>【上田】気になりませんね。僕は自分に対して正直で、やりたいことはやる、やりたくないことはやらない、置きたくないものは置かない。</p>

<p>そういう生き方をしているので、自分を良く思っていない人もいると思うけど、変えられないじゃないですか、自分の生き方は。変えようとも思っていないし。だから、この生き方を肯定してくれる人、写真を見て喜んでくれる人の方を向く方が建設的だし、他人の評価を気にしても自分の生き方が良くなるわけでもない。</p>

<p>こういうアートの世界って、他人の評価が直結することもあるんですけど、それを気にしていたら新しいものは作れない。こういう写真の方が売れるからこういう写真にしようとか、そういう雑音を入れたくない。自分の生き方に墨のように黒いものをポタっと一滴でも落としたくないから、周りの目を気にしないのはそこからきています。</p>

<p>――そのような生き方に至るまでに、参考にされてきた人物はいますか？</p>

<p>【上田】あまりいないんですけど、父親が割とそういう人でした。考古学者で、もう亡くなったんですが、本当に自分の好きなことしかやらない人で。子どもがいるのに1年のほとんどを海外に行って発掘調査をして、たまに2週間ぐらい帰って、また半年行く、といったことをずっとやっていた。</p>

<p>子どもながらに、それだけ好きなことがある人はかっこいいなと思っていました。親としては失格だなとも思っていましたけど、生き方は人としてかっこいいなと。もしかしたらその影響を受けているかもしれないですね。</p>

<p>――もしも読者から「考えすぎてしんどい」という悩みを受けたら、何と言葉をかけますか？</p>

<p>【上田】難しいですよね。考えなきゃいいじゃん、とは簡単に言えない。僕はこうだけど、この生き方が全員に当てはまるとは思っていない。人それぞれベストの回答があるのが人生だから、こうしなさいとはなかなか言えない。</p>

<p>強いて言えば、自分がいいと思う人生を進むために必要なことは何か、を掘り下げてみることじゃないかと思います。</p>

<p>どう生きたいか、死ぬ時に後悔しないためには今何をしなきゃいけないか。その前提の中で、周りからの声にどうアクションするか。無視するのか、受け入れるのか、従うのか。どれを選ぶかは人それぞれですが、今自分の周りにある手段の中からシンプルに選んで考えていくことなのかなと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>見たことのない風景が心を豊かにしてくれる</h2>

<p><img alt="撮影：上田優紀" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260519uedayuki08.jpg" width="1200" /><br />
撮影：上田優紀(トンガ ババウ島 2024)</p>

<p>――世界一周中に撮った写真を他国の人に見せたら反応がすごく印象的だったと過去におっしゃっていましたが、それが原体験として今に直結しているということでしょうか。</p>

<p>【上田】その経験がそのまま今に直結しています。この地球の隅っこの方にある美しい風景を誰かが知る、ということが何かの喜びになってくれればいいなと思っているし、それを写真というものを通じてやっていきたい。ラッキーだったのは、まだ何者にもなれる時期にそれと出会えたこと。あの経験があって、今があります。</p>

<p>――「見たことのない風景が心を豊かにしてくれる」とよくおっしゃっていますが、その「豊かさ」をどう定義されますか？</p>

<p>【上田】僕が届けている風景は、多くの人が行くことができない場所、出会うことが難しい現象や動物、エベレストのように一生見ることなく過ごしていくような風景です。</p>

<p>生きていく分には必要がない風景なんですよ。でも、こういう想像もできないものと出会った時に、人の心に好奇心や想像力が生まれると思うんです。その好奇心を持ったり、ちょっと挑戦してみようかなという気持ちになっていることって、心が豊かになっているということの一つなんじゃないかと。</p>

<p>しかもこれって、人間の原始の部分に近い感情だと思っています。僕たちの祖先がアフリカで誕生して、ヨーロッパへ、北米へ、南米まで「グレートジャーニー」を歩いて今の人間になっているわけですが、わざわざ危険な場所を旅し続けたのって、好奇心なんじゃないかと思うんです。</p>

<p>未知への憧れや好奇心は、みんなが原始から持っている感情で、それを刺激した時にドキドキする。それは豊かになっている瞬間じゃないかと。そういうことを写真から感じ取ってもらいたいなと思っています。</p>

<p>（取材・執筆・撮影：PHPオンライン編集部 片平奈々子）</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260519uedayuki06.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 03 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[上田優紀（ネイチャーフォトグラファー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>無駄を避けていた私がパリで痛感した「目的のない時間」の大切さ  小栗きくこ（暮らしのコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14290</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014290</guid>
			<description><![CDATA[何かと効率を求めがちな現代。パリ在住の小栗きくこさんが、「急がない」が根底に根付く土地で暮らして得た「かけがえのない豊かさ」について解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="パリ時間" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hourglass.jpg" width="1200" /></p>

<p>旅行先でも何もしない時間を作るなど、ゆったりと過ごす時間を大切にするというフランス人。長年パリで暮らしている小栗きくこさんは「パリに住んでから何かしないと...！という気持ちがなくなった」といいます。</p>

<p>小栗さんが「かけがえのない豊かさを手に入れた」というパリでの暮らし。本稿では、その暮らしの一部や感じたことを紹介していただきます。</p>

<p>※本稿は、小栗きくこ著『パリ時間』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>旅のプランは、「どうしたい？」「何を食べたい？」と自問して決める</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="870" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko08.jpg" width="1200" /><br />
その土地の食材で旅の食卓を彩ります。</p>

<p>フランスでは、1年を通してバカンスが何度もやってきます。学校は6週間通うと2週間の休み。夏は2ヶ月の長い休暇になり、夏休みの宿題もありません。大人も3週間ほど休むことは珍しくなく、小さなお店が1ヶ月閉まることもあります。</p>

<p>こんなふうに、暮らしの中に「休む時間」が組み込まれているのです。そしてフランス人のバカンスは、予定を詰め込まないことから始まります。「今日は何しよう？」ではなく、「今日はどう過ごしたい？」と、そのときの気分に任せるのです。そのゆるさが、旅の豊かさにつながっています。</p>

<p>私がフランスで家族旅行をするときは、よくホテルではなくキッチン付きのアパートメントを借ります。以前、フランスの田舎にあるホームステイ式の宿に泊まったときのこと。その宿は、「退職後に好きな料理で人を迎えたい」という夢を叶えた、フランス人とロシア人夫婦の自宅でした。</p>

<p>到着した日の夕方、「今日はよく煮込んだすね肉があるよ」と、ご主人が嬉しそうに鍋の蓋を開けて見せてくれたのです。前菜、メイン、デザートまで、家庭的でありながら季節の素材を使ったフランスの伝統を感じる料理。「アペロだけ一緒にしよう。ゆっくり食べてね」と言われたものの、会話が盛り上がって、ご夫婦は結局、最後までテーブルに残ってくれました。宿泊者と時間を分かち合うことを当たり前のように大切にする、その場にいる人との時間をゆっくり味わう。そんな「予定を作らない豊かさ」こそ、フランスのバカンスの魅力なのです。</p>

<p>また、フランス人は観光地を巡るよりも「その場所でどう過ごすか」ということを大切にしています。たとえば、ビーチで本を読みながら一日中寝そべって過ごす。家族や友人とゆっくり話す。ハイキングをしたり、サイクリングに行ったり、自然の中でのんびり過ごす人もいます。</p>

<p>以前の私は、旅先でも「いかに効率よく動くか」ということに意識を向けていたのですが、フランスの人たちには、「せっかく来たから、あれもこれも見なきゃ」という焦りがありません。そんな人たちを見ていて、私も「予定を詰め込まないほうが、心に残る旅になる」と気づきました。</p>

<p>私も夫も日本人で、夫婦で約20年前からパリで暮らしています。私たち夫婦の間では、「ただ日々のために作る食事」とは少し違う、その土地ならではの食材を使った料理を楽しむことが、旅での大切な儀式になっています。マルシェで買った旬の野菜や地元のチーズ、パン屋の焼きたてバゲット。時には現地で購入したお惣菜も取り入れながら、「今日は何を食べる？」といった会話で、旅の時間をふだんの自分たちの生活リズムに戻していきます。</p>

<p>夕方のひとときに料理をしながら、フライパンの音やオーブンの熱、窓の外から聞こえてくる街の気配や、地元のパリとはちょっと違う教会の鐘の音に、耳を澄ませて過ごす。そんな「暮らすように過ごす時間」のひとときに、自然と心がほぐれていきます。</p>

<p>旅先で、ずっと外食続きだと、どうしても「あらかじめ決めた予定」の中で食事をしてしまいがちですが、 こんな「ゆるさ」のある旅をすることで、その土地の空気や人との温度感がじんわりと伝わってくるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「待つ」ひとときに、思いがけない会話が生まれる</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="1600" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko09.jpg" width="1200" /><br />
夏のリュクサンブール公園で子供のヨットを眺める、のんびりした時間。</p>

<p>パリでは、スーパーのレジの列が長く、役所の事務手続きも日本より時間がかかるので、日常のあちこちに「待つ時間」があります。けれど、その「ゆっくりさ」は不思議と心を急かしません。</p>

<p>スーパーのレジでは、店員さんとお客さんが雑談することも。たとえば、レジの前で待っているときも、誰かが困っていれば助けようと手を伸ばし、子供がぐずれば「かわいいわね」と微笑む。こんなふうに見知らぬ人同士でも自然と声をかけ合っています。はじめは「まだかなぁ。早く進まないかなぁ」とモヤモヤしていましたが、今では、そのやわらかな空気がなんとも心地よく感じるようになりました。</p>

<p>ある日、よく行く靴の修理屋さんに靴を持って訪ねたとき、修理屋のムッシューが作業の手を止めて「今日はどんな1日だった？」と私に声をかけてくれました。そこから自然と会話が広がり、ムッシューの息子さんが東京で働いていること、日本の食べ物が好きだということまで楽しそうに話してくれました。</p>

<p>その会話を聞いていた隣のお店のマダムが横から「私も去年日本に行ったのよ。とても楽しかった！素敵な旅だったわ！」と笑顔で話しかけてくれ、近くにいた人たちも次々と会話に加わって、店先がまるでカフェのテラス席のように賑わったのです。ただ靴の修理に訪れただけなのに、店を出る頃には心があたたかくなっていました。</p>

<p>こんなふうに、思いがけない出会いや会話が生まれることが、パリでは珍しくありません。「急がなくていい」という捉え方が根底にあり、「待つ時間＝無駄な時間」とは誰も考えないのです。</p>

<p>あるとき、近所のパン屋の帰り道のこと。焼きたてのバゲットを抱えてふと顔を上げると、街の建物に反射した夕陽が驚くほど美しく、その思いがけない景色に、つい足を止めてしまいました。私自身、フランスに来るまで、「効率よく動くこと」「無駄な時間を作らないこと」が何より大事だと思っていました。</p>

<p>でも今は、待つ時間の中にある静けさや偶然の出会い、誰かとのささやかなやりとりを、とても豊かなものに感じています。スーパーのレジを待つ数分のやりとりも靴の修理屋さんでの会話も、帰り道に見た夕陽も、どれも急いでいたら気づけなかったことばかり。</p>

<p>「待つ」ことや「足を止める」ことは不便ではなく、むしろ心をほぐすための小さな合図のようです。「時間を効率よく使う」のではなく、「時間に身を委ねる」という考え方が、この国の人たちのゆったりした雰囲気を作っているのだと思いました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>土曜の午後は、「何もしない時間」を、あえて作る</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="675" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko10.jpg" width="1200" /><br />
セーヌ川のこの場所は私のお気に入り。</p>

<p>日本で暮らしていた頃の私は、忙しく過ごすことが当たり前のように感じていました。でも、パリに住んで、生活のリズムの違いに気づき、私の中にいくつかのルールができたのです。</p>

<p>そのひとつが、「土曜日の午後にあえて予定を入れない」というもの。週の終わりで、少しだけ気持ちがゆるむこの時間に、家族は思い思いに過ごし、私は部屋のソファに腰をおろして、ゆっくりとお気に入りの本を開きます。</p>

<p>窓の外では、近所の教会の鐘の音がやわらかく響き、キッチンからはお湯の沸く音が聞こえる。寒い冬の日には、あたたかい飲み物を片手に、雨が窓を叩く音をただ静かに聞いて過ごす。そんな何気ない音が、心の奥から緊張をほどいてくれます。</p>

<p>また、夏になると、パリでは街を歩く時間が増えます。土曜の午後には、活気のある通りを散歩したり、テラスで友人や家族とたわいない話をしたりすることも増え、夜9時を過ぎても空が明るく、つい時間を忘れてしまうこともあります。のんびりしすぎて夕食の時間が遅くなるのも、夏を感じるひとときです。</p>

<p>パリに来る前の私は、常に「何かしていなければいけない」という気持ちがどこかにあり、ただ座っていることにさえも罪悪感がありました。でも、ここでは誰もが当たり前のようにくつろぐ時間を楽しんでいます。カフェでも公園でも、ベンチに座ってただ空の移り変わりを眺めている人たちがいて、彼らを見ているうちに私の中にあった小さな罪悪感はいつの間にか薄れていきました。</p>

<p>さらに、パリに来て習慣になったのが、目的のない散歩です。私は、気持ちが少しざわつくときは、決まって外に出ます。セーヌ川沿いを歩き、川のほとりで本を読む。橋の欄干に寄りかかりながら、観光船が行き来するのをぼんやり眺める。カフェのテラスから聞こえてくる笑い声と、石畳を踏むブーツのリズム。通りすがりの人たちの会話が、風に乗って響くのをただ感じる。そのどれもが、ただそっと寄り添うように心を静かに整えてくれるのです。</p>

<p>このような時間があることで、急ぎ足では気づけなかった美しい景色があるのだと知りました。何かを成し遂げるためではなく、ただ、今の自分の状態に戻るための時間が気分を落ち着かせてくれるということ。その感覚を知ってから、私はひとりで過ごす静かなひとときを、以前よりずっと大切にするようになりました。</p>

<p>フランスでは「誰かと一緒にいなければならない」という空気はありません。それぞれが自立しているからこそ、家族であってもお互いを尊重し、ひとりの時間を持つことが自然に受け入れられています。「家族全員が集まる食卓を大切にしつつ、それ以外の時間は自由に過ごす」という距離感がパリらしさであるように思うのです。</p>

<p>何もしない午後。静かな散歩。雨音を聞くだけのひととき。心が疲れたときこそ、何も予定を入れず、ゆっくりと流れる時間に身を委ねる。そんな贅沢が、パリでは日常の中にそっと息づいています。私にとって、「何もしない時間」を大切にすることは、ここに来て手に入れた、かけがえのない豊かさです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 03 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小栗きくこ（暮らしのコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>年収300万円でも「満足」な人がいる理由　給与明細に載らない本当の報酬  佐野創太（退職学（R）研究家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14279</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014279</guid>
			<description><![CDATA[年収に不満があるのに転職に踏み切れない、なぜか報われない気がする——その正体を「体感年収」という概念で整理する、仕事の満足度を可視化する思考法。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_woman_drinking2.jpg" width="1200" /></p>

<p>給与明細を見て、なんとなく損をしている気がしたことはありませんか。でも本当に「もらっているもの」は、数字だけには表れていないかもしれません。あなたの働き方の価値を、まったく新しい視点で見直す方法があります。書籍『70％で働く　「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』より解説します。</p>

<p>※本稿は佐野創太著『70％で働く　「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』（日経BP）より一部を抜粋・再構成したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>働き方の満足度を「体感年収」で測る</h2>

<p>「年収、もっともらってもいいんじゃないかな?」<br />
「こんなに頑張っているのに、なぜか報われない気がする」</p>

<p>そんなふうに感じたことがある方に知ってほしい考え方があります。</p>

<p>それは「体感年収」です。</p>

<p>体感年収とは、給与の金額だけでなく、人間関係や成長機会、働き方の自由度など、自分にとって価値のあるものをすべて合わせた年収のことです。</p>

<p>私たちはつい「年収＝金額」と考えがちですが、実際にはまったく同じ金額でも、人によって感じ方は違います。</p>

<p>たとえば、年収300万円を「生活がギリギリ」と感じる人もいれば、「ありがたい」と思う人もいます。</p>

<p>相談者のJさんは、デザイナーとして働きながらこう悩んでいました。</p>

<p>「給与だけを見ると少し物足りないけれど、仕事や環境には満足しています。だから、自分にとって本当に価値のあるものを整理して、数字にしてみたいんです」</p>

<p>Jさんの月の手取りは20万円ですが、給与以外の価値について話を整理していくと、こんな数字になりました。</p>

<p>● 職場の人間関係の良さ：月10万円相当<br />
● 上流工程の経験が積める：月5万円相当<br />
● リモートワーク勤務：月5万円相当</p>

<p>合計で月20万円分の「精神的報酬」。手取りと合わせると月40万円、年換算では約480万円の体感年収になります。給与明細には書かれていない報酬が、確かに存在していたのです。</p>

<p>体感年収は、自分にとって本当に価値のあるもの（＝プラス）を数値化し、逆に負担となっているもの（＝マイナス）を自覚させてくれます。そのため、自分が大切にしているものは何かも見つけやすくなるのです。</p>

<p>ここでの数字は、客観的に評価されたものではありません。</p>

<p>あくまで自分が「これがあると嬉しい」と感じる価値を、お金に換算したものです。たとえば、もし今、「明日、この1万円で自分が一番喜ぶことをしなさい」と言われて受け取ったお金があったら、どう使いますか? ぜひ、ちょっと考えてみてください！</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>（考えていただく時間を確保するために、ここに余白を設けますね）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自分が幸せを感じること」を、お金に換算してみる</h2>

<p>いかがでしょうか? たとえば、次のように、いろんなことが想像できたかと思います。</p>

<p>● ライブや映画に行く<br />
● 本を何冊かまとめて買う<br />
● 美味しいランチを贅沢に楽しむ<br />
● ずっと欲しかったシャツを買う<br />
● 1日中、スパでのんびり......など</p>

<p>体感年収は、このように、ただただ「自分が幸せを感じること」を、お金に換算してみるのです。難しく考える必要はなく、感覚で十分です。</p>

<p>つまり、体感年収の数字は、「自分自身の幸せ換算」で決まります。</p>

<p>大切なのは、他人と比べることではなく、「自分にとって何が価値か?」を見える化することです。まずはこの感覚で、あなた自身の体感年収を書き出してみてください。</p>

<p>給与だけでなく、「職場の人間関係」「やりがい」「自由度」など、自分が幸せを感じるものをすべて月収として金額換算してみると、今の働き方の価値が驚くほどクリアに見えてきます。</p>

<p>その一方で、体感年収は、マイナスにも働きます。</p>

<p>終わりの見えない残業、先延ばしにされる約束、慢性的な人手不足、意味を見出せない日々のタスクなど、こうした要素は、体感年収を大きく下げます。終わりの見えない負担は、とくにエネルギーを奪うからです。</p>

<p>「いい会社のはずなのにつらい」<br />
「大きな不満はないのに、辞めたい気持ちが強い」</p>

<p>その違和感の正体は、体感年収の低下かもしれません。</p>

<p>体感年収に目を向け、「いま、自分はどこにマイナスを抱えているのか」に気づくことは、次の一歩を考え、行動に移すための力になります。</p>

<p>自分にとって価値があるものは何か。<br />
それはどれくらいの価値なのか。<br />
反対に、価値を感じにくいものは何か。</p>

<p>体感年収がはっきりするだけで、「今の会社にとどまるべきかどうか」「働き方を変えるかどうか」といった深い悩みにも自分の答えが出せるようになります。</p>

<p>給与明細だけでは見えない、自分にとって大切な価値を確認すること、それが「体感年収」を意識する意味です。</p>

<p>今の働き方や環境で、何がプラスで、何がマイナスかを書き出すだけでも、次の行動への道筋が見えてきます。</p>

<p>そして、そのプラスとマイナスのバランスを見ながら、「どの要素を増やし、どの要素を手放せば、自分にとっての体感年収が最大化されるか」を具体的に検討すると、今のあなたにとってちょうどいい働き方が見えてきます。今のあなたは、本当は張り詰めた糸を緩めるように70％で働きたいのかもしれない。反対に、120％に振りきりたいのかもしれない。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_woman_drinking2.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 03 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[佐野創太（退職学（R）研究家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>第25回「R-18文学賞」大賞・水登マヤさん「小説家になることを疑っていなかった」  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14405</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014405</guid>
			<description><![CDATA[窪美澄さんや宮島未奈さんらを輩出した「R-18文学賞」の第25回授賞式が開催。1052作品から選ばれた大賞・水登マヤさんと友近賞・白木凛さんが、創作への覚悟を語ったスピーチを詳報！]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="左から白木凛さん、水登マヤさん、窪美澄さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601R1801.jpg" width="1200" /><br />
左から白木凛さん、水登マヤさん、窪美澄さん</p>

<p>第25回「女による女のためのR-18文学賞」の授賞式が、2026年6月1日に開催されました。</p>

<p>本賞は、これまでに窪美澄さん、町田そのこさん、宮島未奈さんなど、現在の文芸界を牽引する多くの人気作家を輩出してきたことで知られています。</p>

<p>第25回となる今回は、1052作品にのぼる応募が寄せられました。厳正な選考の結果、大賞には水登マヤ（みと・まや）さんの「水を得にゆく魚」、友近賞には白木凛（しろき・りん）さんの「曇る母へ」が選出されました。</p>

<p>選考は、新潮社の女性社員による一次〜三次選考を経た後、選考委員を務める窪美澄さんと東村アキコさんが最終候補作品の中から受賞作を決定。また、タレントの友近さんが単独で選考する「友近賞」も設けられています。</p>

<p>本稿では、大賞・友近賞を受賞したお二人のスピーチを紹介します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>受賞作品のあらすじ</h2>

<p>大賞を受賞した水登マヤさんの「水を得にゆく魚」は、市役所で働く女性・真由子と、二人の外国籍女性との関わりが描かれます。住民税滞納で口座を差し押さえられ、市役所で真由子に窮状を訴える女性・ラン。真由子の叔父の妻で、フィリピンへの帰省を間近に控えるリカ。二人の行き場のない苦悩に触れた真由子は――。</p>

<p>友近賞を受賞した白木凛さんの「曇る母へ」は、28歳の皐月と母の物語です。母は、離婚や別れた父の死去、パート先の退職を経て、徐々に心身ともに衰弱してゆきます。明るく、太陽のようだった母の変化は、皐月には抱えきれないほど重く......。「母と娘」という永遠のテーマに真正面から対峙しています。</p>

<p>（出典：株式会社新潮社プレスリリースより）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>水登マヤさん「覚悟を持って書かなきゃいけない」</h2>

<p><img alt="水登マヤさん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260602R1803.jpg" width="1200" /></p>

<p>水登さんはまず、授賞式のスピーチを準備していた際のエピソードを披露。「スピーチで面白いことを言った方がいいですか」と担当編集者に聞くと、「そういうのは大丈夫です」と食い気味に返されたといい、「今日は落ち着いて、厳かにお話したいと思います」と語って、会場を笑わせました。</p>

<p>本賞への応募に至るまでの経緯については、幼い頃から小説家になることを「なぜか疑っていなかった」と振り返りつつ、本気で小説を書き始めたのは約4年前だと明かしました。以来、本賞に応募を続け「こうして今年拾っていただけて、本当にありがとうございます」と感謝を述べました。</p>

<p>小説に対する思いについては、「あらゆる表現方法の中で一番、人間の肉体に近いもので、その分ごまかしの効かないものだと思っています」と語りました。受賞によって書き続ける場を得たことへの責任と怖さを感じながらも、「どんどん書きたいことが出てきている状態なので、覚悟を持って書かなければいけないと思っています」と力強く述べました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>白木凛さん「この年齢でも夢を叶えられる、夢がある世界」</h2>

<p><img alt="白木凛さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260602R1804.jpg" width="1200" /></p>

<p>続いて登壇した白木凛さんは、現在37歳で、小説家を志したのは35歳頃だったと明かしました。今回の受賞については、「この年になってもまだ夢を叶えることができるんだ」と驚きを語るとともに、「すごく夢がある世界だなと思いました」と喜びをにじませました。</p>

<p>また、受賞作「曇る母へ」が実体験を下敷きにした作品であることにも触れ、「見たことのない景色を母とも一緒に見ることができて、感無量です」と思いを語りました。</p>

<p>白木さんは終始穏やかな表情を浮かべながら、「感謝の気持ちを忘れず、いい作品を紡いでいけるように精進してまいります」と締めくくりました。</p>

<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260602R1801.jpg" width="1200" /></p>

<p>受賞作、受賞のことば、ならびに選考委員による選評は、「小説新潮」5月号に掲載されています。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260601R1801.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 02 Jun 2026 13:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>沖縄発の児童書が描く“本土とは違う日常” 「教科書に電車が出てくるのが不思議だった」  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14190</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014190</guid>
			<description><![CDATA[福木はるさんの最新作『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』。デビュー作『ピーチとチョコレート』に続き、沖縄のリアルな日常を舞台に紡がれる物語。執筆に込めた想いを伺いました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="装画：しらこ" height="821" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260501fukugiharu01.jpg" width="1200" /><br />
装画：しらこ</p>

<p>YA（ヤングアダルト）小説作家・福木はるさんの最新作『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』が刊行されました。</p>

<p>デビュー作の『ピーチとチョコレート』は、容姿に悩みを抱える女の子がヒップホップに出会う物語。続く今作では、シングルマザーの愛海（らぶみ）と娘のかふうが、二人三脚で「車の免許」を取るために奮闘する姿が描かれています。</p>

<p>どちらの作品も舞台は沖縄。戦闘機の音が響き、車がないと生活がままならない、この土地ならではの「日常」を描いています。なぜ沖縄を舞台に書き続けるのか。作品の背景にある思いを、福木さんにたっぷり伺いました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ヒップホップと沖縄の文化はシンクロする</h2>

<p><img alt="『ピーチとチョコレート』" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428Fukugiharu02.jpg" width="1200" /></p>

<p>――『ピーチとチョコレート』はヒップホップを題材にされています。児童書では非常に斬新だと思いましたが、なぜでしょう？</p>

<p>【福木】最初からヒップホップの話を書きたいと思っていたわけではありません。当時はまだコロナ禍の名残がある時期で、頭の中に、女の子同士がマスクをつけたまま向き合っているシーンがポンと浮かんだのです。そこから「この子たちが最後にマスクをえいっと外して、お互いに向き合えたら素敵な話になりそうだな」と思って。</p>

<p>じゃあ、何をきっかけにマスクを外すんだろうと考えた時に、「ラップかもしれない」と思いました。私はヒップホップに詳しいわけではないのですが、同じ中学校にラッパーがいたりして、親しみがあったことから題材にしました。</p>

<p>――沖縄出身のラッパーは多い印象があるのですが、地域の文化と関係しているのでしょうか？</p>

<p>【福木】そうかもしれません。沖縄にはアメリカ文化が根づいていることもあって、ヒップホップに対する親しみが他の地域に比べるとある方なのかもしれません。加えて、ヒップホップには「地元をレペゼンする（代表する、象徴するといった意味）」という文化がありますよね。自分たちのルーツや土地を大切にする感覚が、沖縄の文化を大事にしたいという意識と重なる部分がある。だから沖縄は、歴史的にも文化的にもヒップホップと相性がいい地域なのではないかと感じています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>沖縄の子どもたちの日常を、物語の中にちゃんと残しておきたい</h2>

<p>――『ピーチとチョコレート』そして『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』両作品とも沖縄が舞台になっていますが、沖縄を舞台にしている意味、そして物語への影響を教えてください。</p>

<p>【福木】沖縄で生まれ育ってきたので、何を書いても自然と沖縄の話になる、というのはありますが...（笑）。</p>

<p>子どもの頃、教科書を読んだときに、「全然知らないことが書かれているな」と思うことが多かったんです。例えば教科書には電車や駅が当たり前のように出てきますが、沖縄にはありません。なので私にとって、日本の児童書や小説を読む感覚は、海外文学を読むときの驚きや新鮮さに近いものがありました。</p>

<p>ということは逆に、本土の子どもたちから見ると、沖縄の何気ない暮らしを描くこと自体が、新しい発見になるかもしれないと思ったんです。異文化としての違いの面白さがありつつ、同じ年代として共感できるところもある。その両方を描けるのが、沖縄を舞台にする面白さだと思っています。</p>

<p>さらに、沖縄の子どもたちにとっても、「これは自分のための物語だ」と思える作品がもっとあった方がいい。そういう思いも、強くあります。</p>

<p>――今作では愛ちゃんとかふうの母子が協力して、免許取得にチャレンジするという物語です。免許がないと仕事に就くのも難しいという話は、地域差を感じさせますね。</p>

<p>【福木】私は、2年前に千葉県に引っ越してきたのですが、その際、沖縄で使っていた車を2台手放したんです。「車がなくてやっていけるかな」と思っていたのですが、問題なく生活できてしまって、それがとても驚きでした。同じ国内でも、これほど暮らし方が違うのかと実感しましたし、そうした生活の違いを覗ける面白さも、物語の魅力だと思っています。</p>

<p>――作中には基地や戦闘機の描写が登場します。これは子どもたちに歴史を知ってほしいという意図でしょうか？</p>

<p>【福木】それもありますし、私にとっては基地も戦闘機も生活の一部なんです。本土で電車が走っているのと同じように、沖縄では戦闘機が日常的に飛んでいる。日々起きていることを、あえて物語から排除するのは違うと考えました。</p>

<p>私は、宜野湾市で育ちました。宜野湾市をドーナツで例えると、真ん中の穴の部分に基地がどーんとあって、深夜まで轟音が鳴り響いているんです。こうした風景は、県外の人だけでなく、同じ沖縄の中でも、基地の近くで暮らしていないと実感しにくいものだと思います。だからこそ、その場所で暮らす子どもたちが見ている日常を、物語の中にきちんと残しておきたい。そういう思いで書いています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>子どもを大切にする価値観</h2>

<p><img alt="『女の子がハッピーに生きるための３つのこと』" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428Fukugiharu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>――『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』には、ギャルママの愛（らぶ）ちゃんや、スナックの昭恵ママなど、インパクトのあるキャラが沢山登場していますが、これは沖縄の人らしさが反映されたキャラクターなのでしょうか？</p>

<p>【福木】沖縄っぽさは特に意識しているわけではないのですが、愛ちゃんも昭恵ママも、スナックのみんなも、登場人物たちの根底には「子どもをとても大切にする」という感覚があると思います。</p>

<p>沖縄で子どもを連れて歩いていると、知らない人からよく話しかけられるんです。エレベーターで乗り合わせても、お互い無言でいることの方が珍しくて、「可愛いですね、何ヶ月ですか？」といった声かけが自然に生まれる。おじいちゃんおばあちゃんだけでなく、若い世代も含めて、気軽に声をかけ合う文化があります。</p>

<p>子どもが困っていたら、周りで助けるのが当たり前、子どもは宝という感覚ですね。こうした価値観は、凄惨な戦争の歴史を背景に育まれてきたものなのかもしれません。一方で、貧困や暴力の問題などもあるので、一概に言えるものではないとも思っているのですが。そして、それもまた戦争や基地の問題と根っこで繋がっていると思います。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260501fukugiharu02.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 02 Jun 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>デート中もショート動画を見てしまう　専門家が警告する「スマホ依存」の実態  マルク・ティッヘラー（認知心理学者）, オスカル・デ・ボス（生産性・集中力向上の実務家）,児島修（訳）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14275</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014275</guid>
			<description><![CDATA[スマホを頻繁にチェックしてしまうのは、意志が弱いからではない? 専門家は「スマホは現代の鎮痛剤」と指摘します。スマホ依存が睡眠・人間関係・仕事に与える悪影響と、今すぐ実践できる5つの対策を具体的に紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="スマホ依存" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smartphone_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>気づけばスマホを手に取っている...そんな瞬間、あなたの脳では何が起きているのでしょうか。現代人がスマホに支配されてしまうメカニズムと、今日から使える実践的な対策を、書籍『脳をオフにせよ　仕事も人間関係もうまくいく集中術』より解説します。</p>

<p>※本稿はマルク・ティッヘラー,オスカル・デ・ボス[著],児島修[訳]『脳をオフにせよ　仕事も人間関係もうまくいく集中術』（日経BP）より一部を抜粋・再構成したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スマホは大人のおしゃぶり</h2>

<p>ほかの依存症と同じく、頻繁にスマホをチェックすることは、短期的には快楽を味わえても、長期的には健康に悪影響を及ぼします。他人とのつながりが薄れ、セックスの回数が減り、睡眠が浅くなり、仕事が捗らなくなります。スマホの過度の使用とうつ病を関連付ける研究もあります。こうした副作用があるにもかかわらず、私たちは頻繁にスマホを手に取っているのです。</p>

<p>「スマホを頻繁に使うのは、本質的に一種の鎮痛剤のようなものであり、心の状態を変える方法です」と、様々な依存症の治療を専門とする心理学者のアン・シボンは語っています。</p>

<p>彼女は近年、依存症のために心理学の知見に基づく助けを求める人の数が急増しているのを目の当たりにしてきました。</p>

<p>「現代の人々は、退屈や沈黙などの不快な感情を避けるために、無意識にスマホに手を伸ばします。こうした感情に対処する彼らの能力は、低下しているのです。その結果、私たちは人生につきものの、日常的なつまずきに対して脆くなっています」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スマホ依存を和らげるための5つのコツ</h2>

<p>悪しき人間関係を絶つのが難しいように、スマホとの依存的な関係を絶つのも簡単ではありません。しかし、思い切って実行すれば、楽になれます。役立つヒントをいくつか紹介します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>1. スマホを引き出しに入れておく</p>

<p>私たちは、すぐに手に取れるように、スマホを近くに置いておきがちです。その結果、ついそれを手に取ってしまいます。スマホを物理的に遠くに置けば、誘惑に負けにくくなります。たとえば私は帰宅後、スマホをキッチンテーブルの上に置くことが多いです。仕事中は、デスクの引き出しにしまい込んでいます。必要なときには取り出せますが、すぐには手が届きにくくなると、無意識にスマホに触れることが少なくなります。こうすることで、つい覗きたくなるという強い誘惑に抗いやすくなるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>2. 頻繁に見てしまうアプリを非表示にする</p>

<p>中毒性の高いアプリをホーム画面に表示するのではなく、離れたフォルダーに隠すことも、スマホを使いにくくするための効果的な方法になります。アプリは、できるだけ開くのに手間がかかるようにしましょう。定期的にアプリの場所をランダムに動かして、どこにあるかがわかりにくくするのもいいでしょう。アイコンが視界に入らないようにしておくと、ほかのことをしようとしてついそのアプリを開くといったことがなくなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>3. デートのときはスマホを見ない</p>

<p>デート中にスマホばかり見ているカップルがいます。私は個人的に、そんなことは絶対にしたくありません。ガールフレンドと食事に行くときは、どちらか一方だけが（緊急用に）スマホを持ち、着信音の設定をオンにしてバッグに入れておきましょう。友人と食事に行くときも、全員のスマホを一カ所に集めておくのはいかがでしょうか。途中でスマホを見た人がいたら、その人がすべての飲み物代を支払うというルールを決めてもいいかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>4. デジタル・デトックスを実践する</p>

<p>私は休暇旅行に行くときは、よくネット断ちをします。いわゆるデジタル・デトックスです。そうやって、メールやSNS、ニュース、メッセージなどから解放されます。休暇中なら実施しやすいので、まずは3日間続けてみることをお勧めします。ただし、家族や友人にはデジタル・デトックスをしていることを事前に伝えておきましょう。そうしないと、2日間経ってもあなたから返信がないことを心配して、警察に捜索願が出されてしまうかもしれません。私もこの初歩的なミスを犯したことがあります。ママ、ごめんなさい。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>5. ブロッカーアプリを使う</p>

<p>ふとしたはずみに、ついアクセスしてしまうお気に入りのアプリがある人もいるでしょう。そんなアプリを使うときは、5分のつもりが簡単に20分ほど経ってしまいます。意志の力だけに頼って自分を抑えるのは至難の業です。使いたくないアプリをブロックしてくれる、ブロッカーアプリを使うほうが、ずっと効果的です。ブロッカーアプリを使うと、つい時間を奪われてしまうアプリやサイトに費やす時間を正確に決められます。</p>

<p>たとえば、フェイスブックの利用時間を1日20分に制限できます。20分を過ぎると、フェイスブックは一時的にブロックされます。もちろんブロックは解除できますが、これには手間がかかるので、集中力を妨げられにくくなります。個人的なおすすめは、「Stay Focusd （Chrome）」です。「Waste No Time （Safari）」や「Cold Turkey Blocker（Windows）」なども代表的です。iPhoneユーザーは「設定」の「スクリーンタイム」セクションから、アプリの使用時間を制限するオプションを選択できます。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 02 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[マルク・ティッヘラー（認知心理学者）, オスカル・デ・ボス（生産性・集中力向上の実務家）,児島修（訳）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ケンブリッジ大教授は「大学不要論」をどう考える？ カレッジが存在する意義  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14099</link>
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			<description><![CDATA[飯田教授・小林氏・原田氏の鼎談。「学びが止まる瞬間」をチームで支えるケンブリッジの実践と、シモキタカレッジ6年間の現場から見えてきた、他者との対話が可能性を開く瞬間とは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya08.jpg" width="1200" /><br />
左から篠田真貴子氏、飯田史也教授、原田遼太郎氏、小林亮介氏</p>

<p>2026年4月5日、東京・世田谷区下北沢の居住型教育施設「SHIMOKITA COLLEGE（シモキタカレッジ）」にて開催されたケンブリッジ大学・飯田史也教授の新刊『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』（日経BP）刊行記念イベント。</p>

<p>イベント後半では、飯田教授、HLAB代表の小林亮介氏、HLABでカレッジ運営に携わる原田遼太郎氏、そしてモデレーターの篠田真貴子氏が、「学びにつながるコミュニケーション」をテーマに語り合いました。ケンブリッジの実践と、開業6年目を迎えるSHIMOKITA COLLEGEの現場から見えてきたものとは何か。セッションの模様をレポートします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>いかにケンブリッジの源流に近い形で実践できるか</h2>

<p>【篠田】原田さんは、ここまで飯田先生のお話を聞かれていかがでしたか？HLABで日々見ていることと紐づくところ、あるいは「ここは違うな」と感じたところはありますか。</p>

<p>【原田】HLABではもともと、海外の大学の寮をコンセプトにしながら、日本でどのように実践できるかを模索してきました。文化の違いもありますし、日本では3年生の後半から就職活動が始まるといったシステムの違いもある。そうした環境の中で、いかにケンブリッジの源流に近い形を実践できるか。それは常に問われていることです。</p>

<p>一番大きな違いは「伝統」だと感じています。100年単位で積み重なった歴史から生まれる一貫性のようなものが、ケンブリッジにはある。SHIMOKITA COLLEGEはようやく6年目を迎えたところで、歴史の厚みをひしひしと感じながら、今日のお話を聞いていました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>運営する側も「学ぶ側」でなければならない</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya12.jpg" width="1200" /></p>

<p>【篠田】飯田先生、今の原田さんのお話を聞かれていかがですか。</p>

<p>【飯田】ケンブリッジには恵まれた点がたくさんあって、学生も教員も優秀だったりするわけですが、実は何より大変なのは、運営チームを機能させることなんですよね。</p>

<p>学生は「学ぶつもり」で来ているからいい。でも、教えている人、運営している人自身の学びにもなっていないと学びは回っていかないんです。</p>

<p>企業で「学びの文化を作りたい」という話もよく聞くのですが、プロフェッショナルとして働いている人も、本来は学び続けなければいけない。でもどうしても、サービスを提供する側で終わってしまいがちです。運営する人が学ばなければ、そこにいる人たちも学び続けることはなかなかできない。ケンブリッジはその点にとても気を遣っています。</p>

<p>【篠田】「学びが回る」というお話は、言葉としては理解できるのですが、経験したことがないとイメージしにくい。経験のない私たちにも伝わるように、もう少し具体的に話していただけますか。</p>

<p>【飯田】「学びが回る」とは何かから入ると、かえってわかりにくくなるので、逆に「学びがどこで止まるか」を考えるほうがイメージしやすいと思います。</p>

<p>私は毎年、だいたい10人ほどの学生を担当しているんですが、10人いると必ず、4年間のどこかで誰かの学びが止まるんです。障害はさまざまです。恋愛のこともあれば、これまでとはまったく異なる考え方が求められる場面に出会ってつまずくこともある。たとえば理系の学生が文系的な思考を必要とする科目に直面して、急に壁にぶつかるといったケースです。ケンブリッジはエリートが集まる場所なので、それまでほとんど失敗を経験してこなかった学生が、ちょっとしたきっかけで挫折してしまうことがあるのです。</p>

<p>健康問題、不眠、経済的な悩み、友人関係、恋愛...本当に人それぞれ、どこかにぶつかります。教員は、それら全てを「学びの障害」として捉え、対処しなければならない。私一人では対応できないので、男性だけでなく女性のスーパーバイザーを必ずチームに加えたり、看護師や医師に相談できる体制を整えたり。</p>

<p>そしてケンブリッジで特徴的なのは、牧師さんが必ずチームにいることです。精神的に不調をきたしたり、人間関係がうまくいかなくなったりした時に、最後はコミュニケーションでどう支えるか。本当に手間がかかります。本にはその全てを書き切れなかったんですが、実際にはそういうことが裏側で起きているのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「蓋をされた可能性」が開く瞬間</h2>

<p>【原田】飯田先生のお話を踏まえると、私たちは「コミュニケーションの中で可能性が引き出される瞬間」と「可能性に蓋がされる瞬間」があると捉えています。</p>

<p>たとえば高校生が親元で暮らしていると、「学校に行くのが当たり前」「親が勧める進路を目指すのが当たり前」という前提の中にいます。それが、親元を離れてSHIMOKITA COLLEGEに入ると、身近にいる人たちの属性が一気に変わる。大学生や社会人という、親でも同世代の友人でもない「斜めの関係にある存在」が現れる。</p>

<p>そういう人たちは、その学生の人生の前提を知らないがゆえに、無邪気に「それって自分で決めつけているだけじゃない？」「自分の限界を自分で決めているだけじゃない？」と声をかけてくれる。そこで、それまで蓋をされていたものがあふれ出してくることがある。</p>

<p>日常的なコミュニケーションによって、自分の可能性がどんどん広がって、チャレンジへとつながっていくんです。</p>

<p>【篠田】具体的に、SHIMOKITA COLLEGEでのエピソードがあれば教えていただけますか。</p>

<p>【原田】私自身の話をすると、私はもともと陸上・駅伝を10年間続けてきました。SHIMOKITA COLLEGEに入って、さまざまな経験を持つ人たちと出会い、話すたびに自分の無知を痛感して、少し気後れしてしまうことがありました。</p>

<p>でも、あるとき食堂で一人の学生が話しかけてくれて、「あなたが運営の中で毎日コツコツ取り組んだり、長い目で人の変化を見続けたりできるのは、もしかしたら駅伝を10年間やってきたことによるものかもしれないね」と言ってくれたんです。その一言で、自分がこれまで積み重ねてきた経験の見え方が一気に変わりました。過去の経験を、新しい文脈の中で「経験し直す」ことができたんです。</p>

<p>それをきっかけに、自分はどういうことができる人間なのか、それを日々の運営にどう生かしていくかを考えるようになりました。</p>

<p>【篠田】教える側・運営する側である原田さん自身が学んでいる、という一例でもありましたね。日本の旧来の文脈では「年上が教え、年下が学ぶ」という枠組みに捉えられがちなところを、とても自然に超えていらっしゃるお話だと感じました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大学不要論について</h2>

<p>【会場からの質問】「『頭が良い人は自習できるし、そうでない人に大学は不要だ』という大学不要論についてどうお考えでしょうか。</p>

<p>【飯田】本来、人間にとって「学ぶ」ことは自然な行為です。放っておいても人は学びますし、特に学ぶのが上手な、いわゆる「頭が良い人」にとって、学位を取るためだけなら大学は不要かもしれません。</p>

<p>しかし、それでも大学という場所が必要な理由は、一人では到達できない「学びの加速」にあります。</p>

<p>コツコツと個人で成長するスピードに対し、大学やSHIMOKITA COLLEGEのようなコミュニティに身を置くことで、桁違いの速度で、かつ全く異なる視点から一気に学びが深まる瞬間がある。これは一人では絶対に不可能です。</p>

<p>単なる「学位を与えるだけの機関」であれば大学不要論も一理ありますが、そこでの対話や環境によって成長がグワーッと加速する。その爆発的な成長の場を作ることこそが、我々大学の教員や、このSHIMOKITA COLLEGEが担っている価値なのだと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「学びにつながるコミュニケーション」とは何か</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya09.jpg" width="1200" /></p>

<p>【篠田】最後にあらためて、「学びにつながるコミュニケーション」とはどういうものか、お二人それぞれからお聞きしたいと思います。</p>

<p>【飯田】私にとってはシンプルに「その人を知る」ということだと思っています。</p>

<p>大学では教員と学生の関係は一対多になりがちで、1年生が入ってきても、学生側は教員に話しかけにくいし、こちらも学生が何を考えているかわからず話せない。その壁をどうやって乗り越えて「その人を知る」か。自分の子供のように知るには、どうすればいいか。</p>

<p>実際、真剣に向き合えば、学生を自分の子供以上に深く知ることができる可能性があります。時間的な制約もあるのでバランスは必要ですが、担当する全ての学生が自分の子供のような存在になっていく。それが、ケンブリッジで行われているコミュニケーションです。</p>

<p>他の大学で教えていた時は、ただたくさんいる学生を採点して卒業させる、という話で終わっていた。それと比べると、全ての学生が自分の子供のようになっていくというのが、本当の「学びにつながるコミュニケーション」だと感じています。</p>

<p>【原田】私は、「経験できる領域を広げる」ということだと思っています。自分が直接体験できることには、どうしても限界があります。でも、コミュニケーションを通してその人の人生に触れ、その人を知ることで、自分が体験してこなかったことを「追体験」できる。それがコミュニケーションを通じた学びの、最も象徴的な側面だと感じています。</p>

<p>よく「社会人は何のためにカレッジに住んでいるんですか」と聞かれます。知識を持った社会人が教え、高校生が教わる、という構図に見えてしまうんです。でも、一人ひとりに固有の体験があります。社会人であれ高校生であれ、それぞれがまったく異なる経験をしている。他者とのコミュニケーションを通じて、自分が当事者として関われる領域を広げていく...それが「コミュニケーションを通じた学び」だと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 02 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>毛利元就「三本の矢」も折れるはず？ 今村翔吾さん『戦国武将伝』が示す新解釈  今村翔吾（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14228</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014228</guid>
			<description><![CDATA[直木賞作家・今村翔吾さんの意欲作『戦国武将伝』はどう生まれた？ 『東日本編』、『西日本編』それぞれに収録されたエピソードへのこだわりについて話を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="今村翔吾" height="744" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260430Imamurashougo01.jpg" width="1200" /><br />
（写真撮影：SHIRO KOMATSU）</p>

<p>デビューして以来、刊行される作品が次々と話題となり、吉川英治文学新人賞をはじめとする数々の文学賞を受賞。30代にして直木賞作家となり、今まさに波に乗っている今村翔吾氏。メディアにも多数出演するなど、その活躍は小説だけに留まらない今村氏だが、原点にあるのは「大衆文学」だという。このたび、意欲作「戦国武将伝」が文庫化されるにあたり、歴史小説への思いを伺った。（取材・文：末國善己）</p>

<p>※本稿は、『文蔵』2026年4月号より、内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>歴史小説をショートショートに</h2>

<p><img alt="イクサガミ" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260430Imamurashougo03.jpg" width="1200" /></p>

<p>──今村さんは、Netflixで「イクサガミ」が映像化されて話題を呼び、〈羽州ぼろ鳶組〉シリーズもアニメ化されました。作品の映像化が続いて、環境が変わりましたか。</p>

<p>【今村】変わりました。単純に言うと、今村翔吾原作の作品の空きを求める人が増えました（笑）。映像化の問い合わせがこれまでの5倍くらいに増えているので、そのうちの一つでも二つでも決まって欲しいですね。</p>

<p>直木賞受賞後に宮城谷昌光先生に、「直木賞はとるよりも看板を降ろす方が難しいですよ」というお言葉をいただきました。受賞後は&quot;直木賞作家 今村翔吾&quot;と呼ばれていましたが、映像化が続いたことで直木賞作家の看板が少し下ろせて、『イクサガミ』の今村翔吾と言われるようになりました。</p>

<p>ただ、これは看板の掛け替えに過ぎない。東野圭吾先生を誰も&quot;直木賞作家 東野圭吾&quot;とは呼んでいませんよね。これからも何度か看板を掛け替えないと、「ただの今村翔吾」になれないと分かり、宮城谷先生の言葉の重さを実感しています。</p>

<p><img alt="〈羽州ぼろ鳶組〉シリーズ" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260430Imamurashougo04.jpg" width="1200" /></p>

<p>──『戦国武将伝　東日本編』、『戦国武将伝　西日本編』が文庫化されました。47都道府県から戦国武将一人ずつを選んでショートショート（掌編小説）集を作るというアイデアは、どのように思い付かれたのですか。</p>

<p>【今村】月刊「歴史街道」への連載だったので、一回の枚数が原稿用紙15枚くらいでした。それなら長編の連載より、一回ごとの読切がいいと考えました。僕は筒井康隆先生や星新一先生が好きなのですが、歴史小説にはショートショートがありませんでした。それで挑戦として、歴史小説のショートショートを書いてみようと思ったのが最初です。</p>

<p>──「戦国武将伝」というタイトルや、物語の最後に典拠にした史料を引用するところは、海音寺潮五郎『武将列伝』を思わせます。ただ『武将列伝』はフィクションを排した史伝ですが、今村さんは小説にしています。小説だからこそできることは何だとお考えですか。</p>

<p>【今村】小説だからできることは、読者の方が共感を覚えたり情緒に浸ってもらえることではないでしょうか。僕も海音寺先生の『悪人列伝』などの史伝は全部読んできましたが、こんな武将がいた、こんな人物がいたという知識を得る喜びが大きかったです。それに対して僕は、武将の一生は説明できないけれど、一部を切り取ることで、読者の方にその喜びを感じてもらえたらいいなと思って書きました。</p>

<p>──掌編を書く難しさはありましたか。</p>

<p>【今村】難しさしかなかったです（笑）。ただ、北方謙三先生に、たまに短い小説を書くと文章がよくなる、引き締まると聞かされていたので、いい機会だと思っていました。ショートショートはワンアイデアで勝負する必要があります。どの武将の、どのエピソードを引っ張ってくるのかという材料選びでほぼ9割が決まりますから、そこも難しかったです。</p>

<p>──北条氏政の汁かけ飯、毛利元就の三本の矢などよく知られたエピソードに捻りを加えるのと、あまり知られていないエピソードを掘り起こすのでは、どちらが大変でしたか。</p>

<p>【今村】やはり有名な方が難しかったですね。毛利や北条はよく知られているだけに、もう一歩踏み込んで物語に奥行きを作るとか、ちょっと戯れを入れるとかしなければならないので大変でした。</p>

<p>一方で、よく知られてないエピソードは、題材を見つけてしまえば誰も書いていないので料理はしやすかったです。僕の中で、よく知られていないものを巧く小説にできたと考えているのは、尼子経久の「謀聖の贄」と宇喜多直家の「宇喜多の双弾」ですね。</p>

<p><img alt="『戦国武将伝　東日本編』" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260430Imamurashougo02.jpg" width="1200" /></p>

<p>──連載の時は、次にどの県の武将にするか籖引きで決めていたと聞いたのですが、事前に史料の調査などができないので大変ではなかったですか。</p>

<p>【今村】最後は長野県で締めたかったので、この県だけは抜いてもらいました（笑）。大変でしたが、小中高で歴史小説、歴史の研究書、「歴史読本」などを読んできたので、今回ほどたくさん本を読んでいて良かったと思ったことはないですね。籤である県が決まれば、すぐにそこの出身の武将が何人か思い浮かびます。武将さえ決まれば、何個かエピソードが出てくる状態にはなっていました。ただ、今思えば「誰にもできないことをやっていたな」と感じています。</p>

<p>──各都道府県で取り上げる武将を選んだ基準と、武将を探すのが難しかった都道府県を教えてください。</p>

<p>【今村】僕がデビューした直前の頃から2020年くらいの間は、小説の世界ではマイナーな武将に注目が集まりました。僕は大衆小説家なので、メジャーな武将の方が歴史小説に親しんでもらえると考えています。自分の県の番になったら喜んでもらえる武将、全国的な知名度が高い武将を選びました。その中で最も難しかったのが栃木県の宇都宮国綱、その次が秋田県の矢島満安ですね。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑は出身地なら全員が愛知県なので、秀吉は大阪、家康は東京にするなど意図的に散らしたところもあります。</p>

<p>──武将のどのエピソードを取り上げるのかは、どのように決めたのですか。</p>

<p>【今村】有名な武将であればあるほどエピソードの数は多いので、信長であれば10個くらい思い付いたものを書いて、その中から小説にできそうなのはどれかといった形で選んでいました。</p>

<p>逆に、マイナーな武将はエピソードも少ないので、埼玉県の太田資正を主人公にした「武州を駆けろ」で犬の話を書いたように、最も有名な逸話を持ってくるようにしました。元就の三本の矢や、石田三成の三杯の茶など有名なものは、解釈を変えて読者に楽しんでもらえるようにしています。</p>

<p>──有名なエピソードの解釈を変えるのは、難易度が高いように思えますが。</p>

<p>【今村】誰もが知っているエピソードには胡散臭いものも多くて、そんなに巧くいくかなと自分は思ってしまうんです。毛利元就は三本の矢は折れないと言いますが、吉川元春なら折ってしまいそうじゃないですか（笑）。それで、どんどん矢の数を増やしていく話にしました。石田三成の「四杯目の茶」も、秀吉に四杯目が飲みたいといわれたらどうするのかを考えました。ツッコミを入れる遊び心で書いたので、難しいというより楽しかったです。</p>

<p>──全体を通して読んでみると、家康の「竹千代の値」が青春小説、父の氏康を氏政と兄弟たちが罠にかけようとする「汁かけ飯の戦い」がミステリー、里見義弘の「青に恋して」が恋愛小説になっているなど様々なジャンルがありました。これは、意図的にジャンルを変えようと思われたのですか。</p>

<p>【今村】それぞれがどれだけミステリーになっているか、どれだけ恋愛小説になっているかは分かりませんが、毎回、ひと工夫しようとは考えていました。「義元の影」はホラーのテイストがあり、「十五本の矢」や島津義弘の「怪しく陽気な者たちと」はコメディになっていると思います。</p>

<p>僕は放っておくと書くもの全部が&quot;今村翔吾風&quot;になってしまう。そこは変えるように意識しましたね。今村翔吾風が強い掌編は、武田信玄の「暮天の正将」や上杉謙信の「蒼天の代将」で、僕の中の王道です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>関西人ならではのこだわり</h2>

<p><img alt="『戦国武将伝　西日本編』" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260430Imamurashougo01_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>──今年の大河ドラマ「豊臣兄弟！」が放映されていますが、東日本編から秀吉が顔を覗かせ、西日本編では「大阪府」で主人公になったのを始め、秀吉が登場する作品が増えています。秀吉をどのような人物ととらえられていますか。</p>

<p>【今村】僕は関西人なので、秀吉は好きか嫌いかで言えば、好きですね。秀吉は晩節を汚したといわれているので、大河ドラマもどのように描くか興味はあります。</p>

<p>日本史上でも珍しく出自不明から出世した秀吉という人間の上げ幅は、昭和的価値観かもしれませんが、ロマンを感じますね。令和的に言うなら、たった一人だった秀吉がチームを作って駆け上がった、それは相当なコミュニケーション能力がなければ達成できなかったはずです。その意味でも秀吉は異質です。</p>

<p>──残る三英傑の信長と家康では、どちらがお好きですか。</p>

<p>【今村】それは断然、信長です。なぜなら家康が苦手だから（笑）。言い方を変えると、一番憧れるのが信長で、一番親しみが持てるのが秀吉、一番実力があるのが家康ですね。家康は人物としては一番上だとは思いますが、豊臣贔屓を刷り込まれている関西人としては、家康は実力はあるが好きになれない（笑）。</p>

<p>──そこは大阪出身で豊臣贔屓だった司馬遼太郎の作家としての遺伝子を受け継いでいるのかもしれませんね。</p>

<p>【今村】僕は作家としては池波正太郎先生リスペクトなんですが、精神は司馬遼太郎先生なんです（笑）。最近、読者の方にも「家康嫌いでしょう」「千利休嫌いでしょう」とか言われるのですが、書き手によって違いがあっても、好き嫌いが出てもいいと思っています。小説は歴史上の人物の一面を切り取っているだけなので、僕は家康を憎らしいけど凄い奴と思っています。ほかの作家が違う家康を書いてもいいし、読者がどちらの家康を好きになってもいいと考えています。</p>

<p>──掌編で取り上げた武将の中に、長編にしてみたい人物はいましたか。</p>

<p>【今村】謙信と伊達政宗は書きたいです。政宗は、昨年お亡くなりになった上田秀人先生がお書きになっていますが、作品はそれほど多くありません。謙信の小説も意外と少なく、あってもひねってあるので、正面から書いてみたいです。</p>

<p>僕は家康が尊敬していた信玄も家康っぽくて苦手なので、どちらかと聞かれれば、やはり謙信です。マイナー武将のブームがあって王道が空いているというのがあるので、今後は僕も含め王道に挑戦する作家が増えてくると思います。まずは信長で、この時代に信長を書くという無謀に挑んでみたいです。</p>

<p>──小説に書く信長のイメージはできているのですか。</p>

<p>【今村】ある程度はできています。僕は45歳までに坂本龍馬を書くと言っているのですが、その前に信長ですね。僕はキャリアが長いと思われていますが、まだデビュー9年なんです。そう考えるとデビュー20年になった頃には、大物ばかりを書いて、司馬先生に挑めるようになればいいと思っています。</p>

<p>──有名な歴史上の人物や、大物作家が取り上げた人物を書くのはプレッシャーも大きいのではないですか。</p>

<p>【今村】歴史小説の王道的な人物を書くのにプレッシャーはありますが、これは諸先輩方も同じだったと思うんです。僕は西村寿行先生が「自分は大衆作家なので、この部数を割ったら作家を辞める」とおっしゃっていたのがかっこよくて、多くの方に楽しんでいただきたいという思いが強いです。</p>

<p>売れたいというよりも、読者に喜んでいただきたい、ワクワクしていただきたいという想いが強くなっていて、その期待を裏切れないというプレッシャーの方が大きいですね。</p>

<p>──最後に読者の方にメッセージがありましたらお願いします。</p>

<p>【今村】この本は、文庫になったときに真の価値が出ると思っていました。電車の一駅二駅で一編が読めるので、気軽に読み始めて、気軽に本を閉じて欲しいです。広島に行くときに広島の話を読むなどして楽しんでいただくのが、僕のお勧めです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 01 Jun 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[今村翔吾（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>職場での「言いたいけど言えない」を卒業　空気を壊さずに本音を伝える「翻訳」の技術  黒田悠介（コミュニティ研究家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14263</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014263</guid>
			<description><![CDATA[職場において、言いたいことを飲み込んでしまう場面は多い。しかし建前ばかりではイノベーションは生まれず、組織の成長も望めない。本記事では、相手が受け取りやすくする「本音翻訳」のアプローチを解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="職場で言いたいことをうまく伝える「本音翻訳」のアプローチを解説" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting03G.jpg" width="1200" /></p>

<p>「本当はこう思うけれど、空気を壊したくない」「反対意見を言ったら評価が下がるかも......」。<br />
日常生活において私たちは「建前」という鎧をまといがちです。職場では特にそうでしょう。しかし、建前ばかりの企業にイノベーションは生まれません。では、どうすれば相手の気分を損ねたり、自身の評価を下げることなく本音を伝えることができるでしょうか。ディスカッションパートナーとして3000人ものビジネスパーソンと向き合ってきた黒田悠介氏が、「本音翻訳」で相手が消化しやすい形に言葉を調理する方法を伝授します。</p>

<p>※本稿は、黒田悠介著『自分の本音を言葉にできる。モヤモヤを「伝わる」に整える、言葉のレッスン』（インプレス）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>職場という舞台装置</h2>

<p>月曜日の朝9時。会議室のドアを開けると、すでに何人かが席についています。<br />
「おはようございます」と挨拶を交わしながら、あなたは心の中で別のことを考えています。</p>

<p>「今日の午後のプレゼン、チームで合意したものの本当にこの方向性でいいのだろうか......」<br />
「そういえばこの会議、もっと効率的にできるよなあ......」</p>

<p>でも、こうした本音は、なかなか口に出せません。周りを見渡すと、皆が真剣な表情でプレゼン資料に目を通しています。ここで異を唱えたら「協調性がない」と思われるかもしれない。そんな不安が、あなたの本音に蓋をしてしまいます。<br />
職場で本音を伝えることは、なぜ難しいのでしょうか。そして、どうすれば本音を相手に受け取ってもらえるのでしょうか。</p>

<p>職場は、働く人々が多くの時間を過ごす、独特な力学が作用する空間です。</p>

<p>職場での人間関係を説明する概念として「心理的契約」があります。もともとは組織理論家のクリス・アージリスが提唱し、その後、組織心理学者エドガー・シャインらによって、職場での人間関係を理解するための土台となる考え方として定義・普及してきた考え方です。心理的契約は、給与や労働時間といった書面上の雇用契約とは別に、従業員と組織の間で交わされる暗黙の期待や相互の義務のことです。たとえば「組織は公正な評価をしてくれるはずだ」「従業員は期待以上の貢献をすべきだ」といった、言葉にされない約束事が私たちの行動を規定しています。</p>

<p>この暗黙の了解が、本音を伝える上で大きな心理的障壁となります。なぜなら、空気を読まずに本音を言うことで、この見えない契約に違反してしまうかもしれないからです。</p>

<p>加えて、職場では常に「評価」が行われています。日々の発言や行動の一つひとつが、昇進や処遇、重要な仕事へのアサイン、周囲からの信頼といったキャリアに影響を及ぼす可能性があります。そのため、本音を率直に伝えることにはリスクが伴うと感じ、波風を立てない「無難な建前」を選択しがちになります。</p>

<p>しかし、ここに職場の大きなジレンマがあります。組織の成長にとって、実は本音こそが必要不可欠なのです。なぜなら、建前だけの表面的な合意ばかりでは、イノベーションの創出や、本質的な問題解決は望めないからです。<br />
では、どうすればこのジレンマを乗り越えることができるのでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>本音を伝える「本音翻訳」アプローチ</h2>

<p>職場での本音を円滑に伝えるため、「本音翻訳」というアプローチをご紹介します。</p>

<p>異なる言語を話す人同士が会話をする時に翻訳が必要なように、職場での本音も、そのまま相手に投げつけるだけではうまく伝わりません。むしろ誤解を生んだり、関係を悪化させたりすることさえあります。</p>

<p>そこで必要なのが、心の中にある「生の本音」を、相手が受け取りやすい形に「翻訳」することです。これは決して嘘をつくことではありません。いわば、本音という素材を、相手が消化しやすいように調理するようなものです。同じ内容でも、伝え方次第で相手の受け取り方はガラッと変わるのです。<br />
では、具体的な場面でどう使うのか、見ていきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【１】上司に本音を伝える「建設的な提案」</h2>

<p>ある外資系企業で働く山田さん（仮名）のエピソードをご紹介しましょう。<br />
山田さんは、新しく赴任してきた上司の方針に強い違和感を抱いていました。「効率重視」を掲げる上司は、これまでチームが大切にしてきた顧客との丁寧なコミュニケーションを「無駄」と切り捨てようとしていたのです。山田さんの本音は「このままでは、長期的に見て顧客からの信頼を失ってしまう」というものでした。</p>

<p>しかし、新任の上司に真っ向から異を唱えるのは、キャリアにとってリスクが大きすぎます。そこで山田さんは、「建設的な提案」という本音翻訳を使うことにしました。<br />
具体的には、こんな本音翻訳アプローチです。</p>

<p>まず、上司の価値観を理解し、共感を示すところから始めました。<br />
「部長のおっしゃる通り、業務効率化は私たちの最重要課題だと思います。実際、無駄な作業を削減することで、より価値の高い仕事に時間を使えるようになりますよね」</p>

<p>次に、データと事実を用いて、現状の課題を客観的に提示しました。<br />
「ただ、以前の顧客満足度調査の結果を分析していて気づいたことがあります。実は、私たちのチームが高評価を得ている最大の理由が『丁寧な対応』だったんです。この強みを活かしながら効率化する方法があれば、競合との差別化にもなると思うのですが......」</p>

<p>そして最後に、具体的な代替案を提案しました。<br />
「そこで提案なのですが、まず3カ月間、顧客を『重要度』で分類して、それぞれに最適化したコミュニケーション戦略を試してみるのはいかがでしょうか。重要顧客には従来通り丁寧に、それ以外は効率化する。これならリスクを最小限に抑えながら、データを収集できると思います」</p>

<p>結果、上司は山田さんの提案を前向きに受け入れ、「君の視点は面白い。ぜひ試してみよう」と言ってくれたそうです。</p>

<p>ここでのポイントは、本音を「上司への不満」ではなく、「チームの成功への貢献」として位置づけ直したことです。上司も部下も、結局は「よい成果を出したい」という共通の願いを持っています。その共通点に立って本音翻訳をすれば、すんなりと受け取ってもらえるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【２】同僚に本音を伝える「相談」</h2>

<p>次は、同僚との関係を考えてみましょう。</p>

<p>IT企業でエンジニアとして働く佐藤さん（仮名）は、チームメイトの仕事の進め方に内心イライラしていました。その同僚は優秀なのですが、すべてを一人で抱え込む傾向があり、結果的にプロジェクト全体の進捗が遅れることが頻繁にあったのです。</p>

<p>同僚への本音は、上司とはまた違った難しさがあります。それは「対等な関係」だからこそ、アドバイスや指摘が「上から目線」に聞こえやすいという問題です。「お前に言われたくない」という反発を招きかねません。</p>

<p>そこで有効なのが、「相談」という形をとる本音翻訳アプローチです。人は不思議なもので、「教えてあげる」と言われると身構えますが、「相談がある」と言われると心を開きやすくなります。これは心理学でいう「ベンジャミン・フランクリン効果」で説明できます。人は誰かに親切をする（頼みごとを聞き入れる）と、その相手に対してより好意を抱きやすくなるという心理的な効果を指します。助けたという自身の行動と相手への感情を一致させようと、無意識に心が調整するためとされています。</p>

<p>さて、佐藤さんは、こんなふうに切り出しました。<br />
「ちょっと相談があるんだけど、最近タスクの優先順位付けで悩んでてさ。○○さんはどうやって管理してる？　いつも手際よくこなしているように見えるけど、実は大変だったりする？」<br />
すると同僚は、「実は......」と自分の悩みを打ち明け始めました。「全部自分でやらないと不安で......。でも、正直キャパオーバーになってきたんだ」と。</p>

<p>そこで佐藤さんは、「実は僕も昔、同じ失敗をしたことがあって」と自己開示をしながら、「もしよかったら、今度のプロジェクトで分担方法を一緒に考えてみない？」と提案しました。<br />
重要なのは「あなたが問題だ」ではなく、「あなたと解決したい」というメッセージを伝えることです。同僚という横の関係だからこそ、「共に悩み、共に成長する仲間」という立ち位置が重要なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【３】部下に本音を伝える「成長への期待」</h2>

<p>管理職の方なら、部下への本音の伝え方にも頭を悩ませることでしょう。</p>

<p>金融機関でチームリーダーを務める加藤さん（仮名）は、ある若手社員の仕事の質に課題を感じていました。締め切りは守るものの、成果物のクオリティが期待に届かない。でも「パワハラ」と受け取られることを恐れて、曖昧なフィードバックに終始していました。</p>

<p>現代の職場では、ハラスメントへの意識が高まっています。それ自体は素晴らしいことですが、一方で、必要な指導まで躊躇してしまうフィードバック恐怖症とでも呼ぶべき現象も生まれています。</p>

<p>ここで活用したいのが、「成長への期待」という翻訳です。これは、本音を「現状への不満」としてではなく、「将来への可能性」として伝える方法です。</p>

<p>加藤さんはこんな本音翻訳アプローチを取りました。<br />
まず、部下の強みをしっかりと認めることから始めます。<br />
「○○さんの時間管理能力は本当に素晴らしいと思っています。締め切りを守る意識は、チームの中でもトップクラスです」</p>

<p>次に、成長の可能性を「次のステージ」として提示します。<br />
「そして、○○さんにはもっと成長できるポテンシャルがあると感じているんです。次のステージとして、『質』の部分にもこだわってみませんか」</p>

<p>そして、具体的かつ建設的なアドバイスを提供します。<br />
「たとえば、資料作成では『読み手の視点』をもう少し意識すると、格段にレベルアップすると思います」</p>

<p>最後に、サポートの姿勢を明確に示します。<br />
「もちろん、私もサポートします。週に一度、30分ほど1on1の時間を作って、一緒に成長戦略を考えていきましょう」</p>

<p>この方法の素晴らしさは、部下が「批判された」と感じるのではなく、「期待されている」「投資されている」と感じることです。人は批判されると防御的になりますが、期待されると前向きになれるものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【４】会議で本音を伝える「素朴な疑問」</h2>

<p>最後に、会議での本音の伝え方を考えてみましょう。</p>

<p>会議は職場の中でも特に本音を言いにくい場面です。多くの人の前で発言し、その内容が議事録に残り、後々まで影響を与える可能性がある。だからこそ、皆が当たり障りのない意見に終始しがちです。<br />
しかし、チームの生産性を最も高める要因は「心理的安全性」、つまり本音を言える環境です。では、どうすれば会議で本音を伝えられるでしょうか。</p>

<p>ここで威力を発揮するのが、「素朴な疑問」という本音翻訳です。これは自分の立場を低くすることで、相手が防御的にならずに済む問いかけです。</p>

<p>たとえば、明らかに非現実的な計画が提案された時、「この計画は現実的ではありません」と言うと、会議の空気が凍りつくかもしれません。代わりにこう言い換えてみるのです。<br />
「素朴な疑問なのですが、リソースの観点から実現可能性はどの程度でしょうか？　もし課題があれば、今のうちに対策を考えておいたほうがいいかもしれません」</p>

<p>あるいは、「ちょっと理解が追いついていないかもしれないのですが......」という前置きも効果的です。これも相手のメンツを保ちながら、本質的な問題を指摘する伝え方です。</p>

<p>実は私も、ディスカッションで「素朴な疑問」をよく使います。「素朴な疑問なのですが、この戦略は御社のビジョンの実現にどう寄与するでしょうか？」この一言が、時に経営戦略の根本的な見直しにつながることもあります。もちろん、クライアントが気を悪くすることはありません。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting03G.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 01 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[黒田悠介（コミュニティ研究家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>認知症の薬は飲むべき？　専門医が語る「無理に飲ませない」という選択肢  繁田雅弘（精神科医、認知症専門医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14233</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014233</guid>
			<description><![CDATA[認知症の人、そしてそのご家族に寄り添いながら診療を続けてこられた精神科医で認知症専門医の繁田雅弘氏に、認知症の薬にどう向き合うべきか解説して頂きます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="認知症の薬は飲むべき？" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/190410doctor.jpg" width="1200" /></p>

<p>「私は日本の精神科医のなかでも、かなり長い時間をかけて認知症の人の話を聴いてきた一人ではないかと思います。」<br />
認知症の人、そしてそのご家族に寄り添いながら診療を続けてこられた精神科医で認知症専門医の繁田雅弘氏に、認知症の薬とどう向き合うべきかについて解説して頂きます。</p>

<p>※本稿は、繁田雅弘著『認知症になって幸せな人、不幸せな人』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>より長く「その人らしい生活」を続けられる</h2>

<p>よく「薬の効果」について、質問を受けます。<br />
端的に言うと、進行を遅らせる効果に関しては、薬にまさる治療はありません。リハビリや、認知機能のトレーニングなどのデータは、エビデンスの観点から、量的にも質的にも、薬にはかないません。</p>

<p>一方で「服薬しなければこのように進行すると予想される」と説明できればよいのですが、それは難しいことです。<br />
進行のスピードは、個人によって大きく異なります。また、アルツハイマー型認知症と診断されても、別の認知症の可能性を完全には否定できないことも、説明を難しくしています（診断は100％確実ではないからです）。</p>

<p>わかっているのは、薬での治療を始めても、飲み薬や貼り薬の場合で、うまくいってもスピードを１割遅らせられるかどうか、ということ。<br />
もちろん進行を遅らせることができれば、より長く「その人らしい生活」を続けることができ、新たな不便に直面するまでの期間は長くなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「後悔」は、一つでも減らしたい</h2>

<p>たしかに、本人や家族にとっては効果を実感することが難しいし、「脳に作用する薬」ということで、抵抗やとまどいを示す方も少なくありません。「認知症の人」とみなされる不安もあるでしょう。アルツハイマー型認知症ということは認めても、「薬を飲むほど、私はぼけていない！」と訴える人もいます。</p>

<p>「だめでもともと。副作用が出ない限り、ある意味『サプリ感覚』で、気持ちのためにも飲んでみるのもいいですね」と、ハードルを下げたこともありました。<br />
もちろん、人によっては下痢や食欲の低下、眠気などの副作用がでるので、「いつやめてもいい」「様子を見ながら飲んでみる」ことが大前提です。服用を辞める方も2、3割います。一方で、服薬が体に合っていて、次の診療時には晴れ晴れとした表情で来られる方もいます。そういう方にはぜひ、服用を続けてほしいと思います。</p>

<p>認知症が進むと、本人のとまどいや混乱はもとより、家族が後悔に苛まれる姿をたくさん見てきました。<br />
「もっとなにかできたんじゃないか」と苦しむくらいなら、「やるだけのことはやった」と思えることを一つでも増やしておきたい。</p>

<p>飲み薬は、軽度でも中度でも、高度でもどの段階でも（言い方を変えれば亡くなるまで）、飲むことができます（貼り薬も同様に）。後悔しないように、一度は試しておくことをお勧めします。</p>

<p>一方で最新の治療薬である点滴薬は、進行を遅らせるスピードは２割から４割です。こちらは認知症の一歩手前、グレーゾーンの状態（軽度認知障害）や、軽度アルツハイマー型認知症の人が受けられる治療です。もの忘れはあるものの、日常生活はほぼ自立できているため、点滴薬の治療を受けながら、現役で仕事をされている方もいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「薬を飲まなきゃ！」と叱るのでは、逆効果</h2>

<p>ここで念押ししたいのは、薬は「飲まなくてはいけないもの」ではないということです。<br />
やみくもに「忘れずに薬を飲まなきゃ」と本人をせっついたり、叱ったりするのは、マイナスの影響しかありません。</p>

<p>飲み薬ならば「1割程度遅らせることができる」と記しました。<br />
言い換えれば「9割ほどは進んでいく」ということで、元の病気のスピードが大きく変わるわけではありません。<br />
長い目でみたら、やはり「進行はしてしまう」ということです。</p>

<p>最新の点滴薬に関しても、2週間、あるいは4週間に1回、点滴をするために病院に通う必要があります。そこに家族が同伴しなければならないケースも往々にしてあります。加えて点滴薬には、脳の出血やむくみなどのリスク（副作用）があることも忘れてはいけません。自覚症状が無いため、2、3カ月に一度、MRIで脳を確認する必要もあります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「治療をしない選択」もあります</h2>

<p>治療した場合より進行は早まりますが、「その時間がもったいないから、薬での治療はせずに、自由に暮らそう」という選択肢も、その一方でもちろん私はありだと思います。</p>

<p>「自分が認知症になったら、点滴薬で治療するだろうか？」と考えることもありますが、定年前の現役の間は迷わず治療するでしょう。今は「半現役」になったので、じっくり考えたいところです。通院の時間をとられるぐらいなら、自分の好きに暮らしたいという気持ちもないわけではない。</p>

<p>「効果がその程度なら薬はいらない」と、治療に伴う負担を考えて判断する人もいます。いい意味で「自分自身で考える」ようになってきたのかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「医学」を持ち出し過ぎてはいないか？</h2>

<p>薬での治療は、より症状が軽い段階から始めたほうがよいでしょう。遅いからといって効かなくなるわけではないですが、進行を軽い段階から遅らせることで、その分長く、さまざまな「本人らしい暮らし」ができるでしょう。</p>

<p>しかし私が問題だと思うのは、多くの人の頭から、その「本人らしい暮らし」が飛んでしまっていることです。<br />
「自分らしく」というタイトルで講座を依頼されてお話しすることも多いのですが、講座の最後に、みんなで揃って体操したり脳トレをしたりして、「自分らしい暮らしって、今、言ったばっかりじゃない」と、笑ってしまいます。</p>

<p>家でも、認知症の人は「お薬を忘れずに飲みなさいよ」「夜は何時に寝てるの。そんなに夜更かししていたら体に悪いですよ」と、ガミガミ言われます。<br />
夜更かしをしてまで見たかったテレビが、本人にとってどんな価値があったかなんて、考えていないんです。</p>

<p>全部、「医学」になってしまう。<br />
だから私は「医学を生活より優先しないで」と言いたい。<br />
医学は自分らしい生活をするための、手段のはずです。</p>

<p>なんでその花を育てているのか。<br />
「その花が咲くまで元気でいたいね」というのだったら、多分、意味はある。<br />
だけど、「リハビリ的に『よい』と言われているから、園芸療法をやります」というのは、多分、違う。その人らしくない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「治療をするか、しないか」は、本人に尋ねたい</h2>

<p>私は「薬での治療をするか、しないか」ということにおいても、本人に決めてほしいと思っています。本人が決められなくても、本人の気持ちを十分に踏まえて決めてほしいと思います。<br />
そのためには、本人と病気や薬に対する思いを理解することなく、医学的な理屈を押し付けてはいけません。</p>

<p>私自身、過去には何度も、本人と話をすることなく処方していました。<br />
しかし今は、本人と、家族と一緒に、「本人にとっての薬の価値」について考えたい。本人が自ら必要性を感じて、考えて、治療を受けるかどうかを決断してほしいと思っています。</p>

<p>--------------------------------------------------------------------------<br />
大切なことは、「本人らしい暮らし」を<br />
少しでも長く続けること。<br />
そのために、薬での治療をするか、しないか、<br />
本人が決断してほしい。<br />
--------------------------------------------------------------------------</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/190410doctor.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 01 Jun 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[繁田雅弘（精神科医、認知症専門医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「誰に食わせてもらっている!」夫の要望で仕事を辞めたのに怒鳴られる妻...一つの打開策とは  片田珠美（精神科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12327</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012327</guid>
			<description><![CDATA[世に蔓延するマンウントを取りたがる人、ここでは「誰に食わせてもらっていると思ってるんだ！」と言い放つ人を実例に挙げながら、その対処法について精神科医の片田珠美先生に解説して頂く。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="マウントを取らずにはいられない人" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/pixta_danjyo.jpg" width="1200" /></p>

<p>われわれは他人に対して自分がどの位置にいるのかを無意識のうちに測定しており、折に触れて自身の優位性を誇示する。その根底には、他人を自分より下位に置きたいという欲望が潜んでおり、この欲望は程度の差はあれ誰の胸中にも潜んでいて、それが強い人ほどマウントを取りたがるという。</p>

<p>世に蔓延するマウントを取りたがる人、ここでは「誰に食わせてもらっていると思ってるんだ！」と言い放つ人を実例に挙げながら、その対処法について精神科医の片田珠美先生に解説して頂く。</p>

<p>※本稿は、片田珠美著『マウントを取らずにはいられない人』(PHP新書)を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>たった一度夫の帰宅に気づかずに寝ていただけで</h2>

<p>30代の専業主婦の女性は、ある日の晩、子どもを寝かしつけたまま眠ってしまった。いつもは夫が帰ってくる時間に合わせて、あたたかい夕食を用意しておくのだが、その日は寝てしまったので、夫が帰ってきたのに気づかなかった。</p>

<p>すると、帰宅した夫は寝ている妻を叩き起こし、「何で寝てるんだよ！　いいよな、お前は毎日ヒマで。俺は外で働いてるんだぞ！　誰に食わせてもらっていると思ってるんだ！」と怒鳴りつけた。</p>

<p>妻はその場では言い返さなかった。一日置いてから、「私は家のことをきちんとしているし、ヒマじゃない。仕事を辞めるときも悩んだけど、この子のために決断したんだよ。あなたも、わかってくれていると思ってた」と話した。</p>

<p>それに対して、夫は謝るどころか「俺のせいにするの？　それなら俺は仕事を辞めるから、お前が働いてよ」と言い放った。結婚前は、「君のする仕事を尊敬している」と夫はいつも言っていたはずなのに、なぜこんなに変わってしまったのかと、妻は悲しい気持ちになったという。</p>

<p>この妻の気持ちを理解するには、これまでの経緯を振り返る必要がある。</p>

<p>妻は、20代の頃は仕事に情熱を燃やすバリバリのキャリアウーマンで、大企業に勤める男性と10年近くに及ぶ恋愛の末、結婚した。</p>

<p>1年後、妻が妊娠したことをきっかけに、夫は「子育てに専念してほしいから仕事を辞めてほしい」と頼んだ。妻は、キャリアを捨てることに悩み、何度も夫にその思いを打ち明けたが、子どもの頃に鍵っ子で寂しい思いをしたという夫の生い立ちを聞いて、最後は納得して専業主婦になったそうだ。</p>

<p>それまでは仕事一筋だった妻が、家事や子育ての楽しさに目覚め、毎日手の込んだ料理を作り、家の中を整え、子育ても一生懸命やった。にもかかわらず、自分の頑張りを認めてもらえず、たった一度夫の帰宅に気づかずに寝ていただけで、夫から暴言を吐かれたことによって、妻は自分の存在価値を否定されたように感じた。</p>

<p>さらに、「夫の希望に沿って仕事を辞めたが、それは本当に正しかったのか」「そもそも、この夫と結婚したこと自体が間違いだったのではないか」などと悶々と思い悩み、夜眠れなくなって心療内科を受診した。</p>

<p>この夫は、「子育てに専念してほしいから仕事を辞めてほしい」と妻に頼んだということだが、支配欲求がかなり強そうだ。外で働き稼いでくる夫と、その夫を支える専業主婦の妻という組み合わせが主流だった昭和の時代とは違い、令和の時代の現在は共働きの家庭のほうが多い。</p>

<p>にもかかわらず、夫はバリバリのキャリアウーマンだった妻に仕事を辞めるよう頼んだのだから、何らかの思惑があったのではないかと疑いたくなる。</p>

<p>実際、妻が退職して専業主婦になれば経済的自立が困難になるので、経済力のある妻のように夫に逆らうわけにはいかないだろう。</p>

<p>私の外来に通院中の子持ちの専業主婦からよく聞くのは、「本当は離婚したいけれど、私には経済力がないので、離婚したら子どもに惨めな思いをさせることになる。子どものために我慢しているが、つらい」という言葉である。</p>

<p>たしかに、夫から理不尽な扱いを受けても暴言を吐かれても、専業主婦のほうが共働きの女性よりも我慢するであろうことは容易に想像がつく。その分、夫が妻を支配しやすい素地ができるわけで、この夫がそれを狙っていた可能性も否定できない。　</p>

<p>この夫の支配欲求が如実に表れたように見えるのが、自分が帰宅したことに気づかず寝ていた妻を怒鳴りつけたうえ、妻に謝るどころか、「俺は仕事を辞めるから、お前が働いてよ」と言い放ったエピソードである。</p>

<p>こんな言葉を投げつけたのは、一度キャリアを捨てた妻が退職前と同じように働いて高収入を得るのは無理だと高を括っているからだろう。「できるならやってみろ。今のお前には到底できないだろう」という意味合いも込められているようにさえ聞こえる。</p>

<p>私の読みが正しければ、夫の食わせてやっているマウントはこの先もずっと続くのではないだろうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>実は、妻が稼ぐことを望んでいない？</h2>

<p>ここで取り上げた夫に限らず、妻が稼ぐことを内心では望んでいない夫は相当数いるように見受けられる。たとえば、次のような話を聞いたことがある。</p>

<p>最近でこそ履歴書の送付はインターネットでも可能になったが、以前は郵送に限られていた。当時30代だった妻は出産を機に仕事を辞めていたものの、一人娘が小学校に入学したので、また働きたいと考え、履歴書や企画書などの必要書類を準備した。</p>

<p>そして、朝の出勤時に駅前の郵便ポストに入れてくれるよう夫に軽い気持ちで頼んだ。早朝に駅前のポストに投函してもらったほうが、自分が家事を終えて昼頃に自宅近くのポストに投函するよりも早く到着するのではないかと考えたからだ。</p>

<p>それだけ、応募書類を送った会社への再就職に期するところがあったのだろう。</p>

<p>ところが、待てど暮らせど面接の通知が届かなかった。不安になった妻が会社に問い合わせたところ、書類は締め切りを3週間以上過ぎてから到着したとのことだった。書類が締め切りに間に合わなかった以上、書類審査の対象にならない。だから、次の段階の面接に進めないのは当然だろう。</p>

<p>だが、割り切れない気持ちが強かった妻は、夫に事情を尋ねた。すると、「（投函するのを）忘れていた。ある日カバンに入っていた封筒に気づいて急いでポストに入れた」という言葉が返ってきた。</p>

<p>一見、&quot;出し忘れ&quot;という誰でもしてしまう単純なミスに見えるかもしれない。だが、このような錯誤行為に「意味がある」ことにフロイトは気づいた。</p>

<p>そして、「錯誤行為は2つの意図の衝突によって生じる心的行為である」と述べている（『精神分析入門（上）』）。</p>

<p>錯誤行為は、「2つの相異なった意向が干渉しあう結果」起きるというわけだが、それでは2つの意向とは何か。フロイトによれば、「一方は妨害する意向、他方は妨害を受ける意向」である（同書）。</p>

<p>この夫の&quot;出し忘れ&quot;について分析すれば、「妨害を受ける意向」とは、妻の再就職をサポートしたいという気持ちだろう。子どもにそれほど手がかからなくなったのだから、妻も働くようになれば、その分家計に余裕ができるわけで、妻の再就職を応援したい気持ちがなかったわけではないと考えられる。</p>

<p>だが、同時に「妨害する意向」も夫の胸中に潜んでいた可能性が高い。共働きになれば、妻が家事に費やせる時間が減るので、料理が手抜きになるのではないかとか、洗濯や掃除がおろそかになるのではないかとかいった危惧を夫が抱いたとしても不思議ではない。</p>

<p>さらに、妻が稼ぐようになれば、唯一の稼ぎ手としての自身の優位性が失われ、これまでのように自分が威張っていられなくなって、家事の分担を押しつけられるのではないかと危惧した可能性も否定できない。</p>

<p>とくに夫が高収入の場合、自分の収入だけで家族を十分養えるので、妻に稼いでもらう必要はない。だから、妻がバリバリ稼ぐようになることを、むしろ脅威と感じたり、嫉妬を覚えたりする夫もいる。</p>

<p>妻の面接の前日に飲みに行って帰宅が遅くなる、あるいは面接の直前に電話してきて狼狽させるようなことを言う夫であれば、実は妻に稼いでほしくないと思っている可能性が高い。</p>

<p>少なくとも、自分の収入を上回るほどには稼いでほしくないと考えているのではないだろうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>対処法...とにかく経済力をつける</h2>

<p>夫の食わせてやっているマウントが続き、妻がそれに耐えられなければ、経済力をつけるしかない。夫の収入に依存するしかない状態が続けば、「誰に食わせてもらっていると思ってるんだ！」と夫から暴言を吐かれても、言い返せないからである。</p>

<p>冒頭で紹介した女性はかつてバリバリのキャリアウーマンだったのだから、能力は相当高いはずだ。しかも、最近はどこも人手不足で困っているそうなので、腹を括って再就職のための準備をすべきだろう。</p>

<p>必ずしも正社員にこだわる必要はない。最初はパートやアルバイト、あるいは派遣社員や契約社員でもいい。人手不足の影響で、有能な非正規社員を正規社員に引き上げる動きが加速しているので、ステップアップできる見込みは十分ある。</p>

<p>妻の再就職に対して、夫が文句を言ったり妨害したりするようなことがあれば、夫の暴言を逆手に取って「あなたが『俺は仕事を辞めるから、お前が働いてよ』とおっしゃったので、お言葉通りにしようと思いました。万一あなたが仕事をお辞めになるような事態になっても困らないように、働きます」と言い返せばいい。</p>

<p>とにかく、経済力をつけることだ。そうしなければ、夫からなめられたままで、暴言を吐かれても、黙って耐えるしかない。場合によっては、離婚して女手一つで子どもを育てる覚悟も必要になるかもしれない。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 29 May 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[片田珠美（精神科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>世界の一流は「朝食のメニュー」を固定化する？ 決断疲れを防ぐルーティンの効果  マルク・ティッヘラー（認知心理学者）, オスカル・デ・ボス（生産性・集中力向上の実務家）,児島修（訳）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14274</link>
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			<description><![CDATA[スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグが実践した日々のルーティンの力と、「脳オフにする習慣」について解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="yogurt" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_yogurt.jpg" width="1200" /></p>

<p>毎日の小さな選択が、あなたの思考力を徐々に奪っています。何を食べるか、何を着るか...こうした些細な決断の積み重ねが、本当に大切なことを考えるエネルギーを削り取っているのです。世界のトップリーダーたちが実践してきた「決断を減らす技術」と、脳科学が示すルーティンの効果を、書籍『脳をオフにせよ　仕事も人間関係もうまくいく集中術より解説します。</p>

<p>※本稿はマルク・ティッヘラー,オスカル・デ・ボス[著],児島修[訳]『脳をオフにせよ　仕事も人間関係もうまくいく集中術』（日経BP）より一部を抜粋・再構成したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ルーティンを使って決断疲れと戦う</h2>

<p>人間（正確に言えば、特に男性）は、歩いているときに質問をされると、思わず立ち止まってしまうことが多いのをご存じでしょうか? 私はいつも、これはとても面白い現象だと思っています──特に、自分自身がまさにこれに当てはまるので。質問をされて一時的に脳に大きな負担がかかることで、私たちは足を止めてしまうのです。その質問について深く考える必要があればあるほど、&quot;歩く&quot;といった基本的な行動を取るための脳の余力が減ってしまうのです（※）。</p>

<p>（※これは交通事故が起きたときに、そばを通過する車のドライバーが事故現場を覗こうとして、交通渋滞が起こる原因でもあります。ドライバーたちは、いったい何が起きたのかがとても気になり、窓の外を覗かずにはいられなくなります。目から情報が入ると、脳はそれを処理しなければなりません。そのため、一瞬ペースが落ちてしまうのです。）</p>

<p>思考にはエネルギーが必要です。長く考え続けると疲れてしまい、クリアに考える能力が失われてしまいます。そのため、私たちが1日にできる意識的な意思決定の数には限りがあります。数が多くなればなるほど、良い決定ができなくなります。この現象は「決断疲れ」と呼ばれています。</p>

<p>スーパーのレジ付近で甘いお菓子が売られていることが多いのはそのためです。スーパー側は、レジに来るまでのあいだに「低脂肪ヨーグルトにするか全脂肪ヨーグルトにするか」「今晩はライスにするかパスタにするか」「20種類もあるパスタソースの中でどれが一番いいか」を決めてきた買い物客の脳が疲れ、甘い物の誘惑に弱くなっていることを知っているのです。</p>

<p>だからこそ成功者の多くは、日常的な決定を悩まずに行うことを習慣にしています。スティーブ・ジョブズは毎日同じセーターとジーンズを着ていましたし、バラク・オバマも毎日同じメニューの朝食を食べることで知られています。これは理にかなっています。ジョブズと同じく毎日同じ服を着ていることで有名なフェイスブック（現メタ）の共同創業者マーク・ザッカーバーグは、そのことを次のように説明しています。</p>

<p>「生活はできる限りシンプルにして、フェイスブックに最大限の貢献をするため以外の決断は極力減らしたい。くだらないことやつまらないことにエネルギーを使っていると、自分がすべき仕事をしていないような気がしてしまうんだ（※1）」</p>

<p>脳の観点からは、日常的な事柄について考える時間はできるだけ少なくするのが賢明です。些細なことを考えれば考えるほど、重要なことについて考えるための思考力が減ってしまうからです。だからこそ、ルーティンに価値があるのです。いつものルーティンに従っていれば、余計な頭を使わずにすむため、思考力を温存できます。</p>

<p>ルーティンは分散認知の一形態です。私たちが毎日同じことを繰り返しているとき、脳の前側（前頭前皮質など）は活性化されず、脳の後ろ側がそれを管理しています。この領域は主に大脳基底核細胞で構成されています。この細胞は、ある作業を何回か繰り返すと活性化し、以降は特に注意を払うことなく同じことを行えるようになります。</p>

<p>私たちが靴紐を結びながら他人と話ができるのは、この細胞のおかげなのです。大脳基底核細胞が靴紐を結ぶ作業を引き継ぐことで、私たちが誰かと会話するための脳のスペースを確保できます。熟練のドラマーが4本の手足を使って異なるリズムを刻むことができるのも、同様の理由です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>（※1）Saul, H. &ldquo;Why Mark Zuckerberg Wears the Same Clothes to Work Everyday,&rdquo; Independent, January 26 (2016), https://www.independent.co.uk/news/people/why-mark-zuckerberg-wears-the-same-clothes-to-work-everyday-a6834161.html</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>朝の儀式を確立する</h2>

<p>私にはたくさんのルーティンがありますが、「朝の儀式」と呼ぶべきお決まりの習慣が特に効果的だと感じています。目が覚めたら、まず冷たいシャワーを浴び、着替え、5分間瞑想し、レモンジュースを飲み、朝食をとってから仕事に向かいます。これが私の平日の朝のルーティンです。</p>

<p>前の晩のうちに翌日に何を着るか決めておき、3パターンのシンプルな朝食をローテーションで食べています。1日目はシリアル入り低脂肪ヨーグルト。2日目は野菜オムレツ。3日目はグリーンスムージー（※2）。</p>

<p>前日にグリーンスムージーを飲んでいたら、今日はシリアル入り低脂肪ヨーグルト。迷うことはありません。このシンプルさがとても気に入っています。些細なことをあまり考えずに、この本の執筆のような重要なことに集中できるからです。</p>

<p>私はできる限り、日常的な行動を何も考えずに行えるようにルーティン化しています。いつも決まった時間に昼食をとり、毎月同じ金額を自動的に貯蓄し、決まった曜日にジムに行き、集中したいときはSpotifyで同じプレイリストを聴き、決まった時間にメールをチェックします。こう書くと、何事もきっちりとこなしていく人間のように思えるかもしれませんが、友人たちに言わせれば、私はそれとはまるっきり正反対の人間です。</p>

<p>私は時々、物事の収拾がつかずにドタバタしてしまうことがあります。だからこそ、ルーティンをつくることでそうした事態に陥るのを避けようとしているのです。あらかじめルールを決めておけば、深く考えずに行動できます。いちいちどうすべきかを考えてから行動に移すよりも、はるかに楽です。考えることは時間と同じく、有限の資源です。それは、今この瞬間に一度しか費やせません。だからこそ、慎重に使うべきなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>（※2）De Leth, R. Oersterk in 6 weken. Netherlands: De Leth Uitgevers, 2019.</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 29 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[マルク・ティッヘラー（認知心理学者）, オスカル・デ・ボス（生産性・集中力向上の実務家）,児島修（訳）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>失恋した学生を教授が支える？ ケンブリッジ大学が800年守り続ける「学びの仕組み」  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14097</link>
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			<description><![CDATA[ケンブリッジ大学・飯田史也教授が語る「学びの本質」。フォーマルディナーに宿る800年の知恵、チームで学生に伴走する仕組み、そしてAIにも代替できない人間同士の学び合いとは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="飯田史也教授" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya02.jpg" width="1200" /><br />
飯田史也教授</p>

<p>2026年4月5日、東京・下北沢の居住型教育施設「SHIMOKITA COLLEGE（シモキタカレッジ）」にて、ケンブリッジ大学・飯田史也教授の新刊『あなたの一生を支える 世界最高峰の学び』（日経BP）の刊行記念イベントが開催されました。</p>

<p>会場となったSHIMOKITA COLLEGEは、登壇者の一人である小林亮介氏が代表を務めるHLABが運営する、日本初のレジデンシャル・カレッジです。高校生・大学生・社会人という異なる世代が寝食を共にし、日常の対話から学び合う「コミュニケーションを通した学び」を実践する場となっています。</p>

<p>本イベントでは、飯田教授、小林氏、そしてモデレーターに篠田真貴子氏を迎え、800年の歴史を持つケンブリッジの知恵と、これからの時代に必要な「学び」のあり方を語り合いました。</p>

<p>本稿では、ケンブリッジの伝統的なフォーマルディナーについて詳細に語られた、セッションの模様をレポートします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ケンブリッジ800年の歴史に「自分が入っていける」という感動</h2>

<p>【飯田】ケンブリッジ大学に入ってまず驚かされたのは、800年という歴史の重みです。800年前は、日本でいうと鎌倉時代。その頃から続く学びの形が、現代に受け継がれていることが驚きでした。</p>

<p>800年の歴史の中で、ニュートン、ダーウィン、ケインズ、マックスウェル......。教科書に登場するような偉人がたくさん生まれた。その歴史の中に自分も入っていけるということが、ケンブリッジのすごいところだと思います。</p>

<p>では、ケンブリッジでは具体的にどのような教育をしているのか。実は特別なことをしているわけではなく、「人と人との関わり合い」でそれぞれの学びを深めているのです。</p>

<p>今日、皆さんに一つだけ覚えて帰っていただきたいことがあります。それは、「学びを一人でやらない」ということです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>フォーマルディナーの「暗黙のルール」</h2>

<p><img alt="ケンブリッジ大学「フォーマルディナー」の様子" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya04.jpg" width="1200" /></p>

<p>【飯田】ケンブリッジでは、大学に一歩入った瞬間から、全員が互いの学びに協力し合う仕組みになっています。中でも重要なのが「フォーマルディナー」です。学生が、大学に入って最初に習うことが、正装をしてホールでみんな一緒にご飯を食べるということなのです。日本流に言うと「同じ釜の飯を食う」に近い発想かもしれません。</p>

<p>同じご飯を食べることでコミュニティが生まれますし、学生は自分は一人ではないということを最初に知ります。そしてこの場で最も重要なのが自己紹介です。全く知らない相手に「自分は何者なのか」を話さなければいけません。</p>

<p>見知らぬ相手と自己紹介を交わし、対話を掘り下げていくことで学びは深まります。相手を知り、自分を知ってもらう。自己紹介をきっかけとして、学びを深めるのがポイントです。</p>

<p>【篠田】 そのディナーには、学びを加速させる具体的な「ルール」があるそうですね。</p>

<p>【飯田】フォーマルディナーは外交の食事会に近い厳格なマナーが存在します。フランス料理でスリープレートのメニューの場合、前菜とメインでお皿が変わる瞬間に、話す相手を変えなければいけないという暗黙のルールがあります。ファイブプレートなら5回変える必要があります。これにより、強制的に未知の相手との関係を強めていくという仕掛けになっているのです。</p>

<p>また、カレッジごとにローカルな仕来りも存在します。ワインを飲む時は時計回りに注がなければいけないとか、蝶ネクタイには黒と白があって......というような、半分ジョークのようなものも。しかしこういった仕来りが、コミュニティに帰属することの特権意識や帰属意識を生んでいるのでしょう。</p>

<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya11.jpg" width="1200" /><br />
フォーマルディナーを体験するワークショップが行われた</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>&nbsp;「学びが止まる瞬間」をチームで支える</h2>

<p><img alt="篠田真貴子氏" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya06.jpg" width="1200" /><br />
篠田真貴子氏</p>

<p>【篠田】具体的に、コミュニケーションはどのように学生のモチベーションを支えているのでしょうか。</p>

<p>【飯田】 ケンブリッジの特徴は、一日の密度が極めて高いことにあります。通常の大学が一日かけて教える内容をわずか半日で終え、午後は徹底的に宿題や読書に充てる。夜まで予定を詰め込み、土日も休むことはありません。教員側も休養を許されておらず、限界まで詰め込む環境です。</p>

<p>この過酷なスケジュールを乗り切るために、教員は学生に付きっきりでアドバイスを行います。学業の相談はもちろん、「部活動をどう予定に組み込むか」といった相談にまで踏み込みます。教員だけでなく先輩たちも加わり、チームで学生に伴走する仕組みができているのです。</p>

<p>例えば、課題にどうしても時間がかかってしまう学生がいたとします。そんな時、「なぜ時間がかかるのか」を教員は考えます。単なる学力不足か、集中力の問題か、あるいは表には出てこない慢性的な寝不足が原因なのか。</p>

<p>本人の口からはなかなか出てこない悩みも、友人に話を聞いたりして、「最近、彼はいつも眠そうだ」といった情報を仕入れたりすることで原因を可視化し、チームで対応にあたります。</p>

<p>以前、8週間の学期の真っ只中に、彼女と別れてしまった学生がいました。本人は何も言いませんが、周囲からは情報が入ってきます。案の定、2週間にわたってパフォーマンスが下がってしまいました。学期の4分の1に相当するこの2週間は、学生にとって非常に大きなロスです。しかし、彼女と別れたらやっぱり勉強なんてできないですよね（笑）。</p>

<p>そんな時は他の教員とも連携し、2週間は大目に見る。その代わり、その後の遅れをどう取り戻すかのバックアッププランを共に立てます。</p>

<p>このように、学生が抱える多様な悩みにチームで対応していく。これこそが、ケンブリッジがコミュニケーションを通じて学びをサポートしている実例です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AIでは代替できない理由</h2>

<p><img alt="飯田史也教授" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya03.jpg" width="1200" /></p>

<p>【会場からの質問】生成AIが浸透している中で、生身の人間が介在する意義とは何でしょうか。</p>

<p>【飯田】AIは今までの教材やツールと比べて格段に進化した学習ツールになることは間違いありません。</p>

<p>ただ、生身の人間を超えられるかというと、まだ相当先だと思います。なぜかというと、教える側と学ぶ側でコミュニケーションのループを作ることが学びを加速させる上で重要なのですが、そのループの相手としてAIは物足りない。</p>

<p>たとえば彼女と別れた学生が目の前にいた時、人間味のある対応をしなければいけません。友達に声をかけて面倒を見てもらうとか、他の先生に「今こういう問題を抱えているから厳しくしないで」と頼むとか、裏でいろんな手配をするわけです。そういった対応は、きっとAIにはできないですよね。</p>

<p>人間と人間との付き合いは、ケンブリッジであろうと他の大学であろうと、根本的に大切な要素です。</p>

<p>最初にお話ししたように、一人で学ばない。周囲を巻き込む。それが学びの本質なのかなと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260410Iidafumiya02.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 29 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>パリの友人宅で感じた心地よさの正体　「飾らない部屋づくり」が教えてくれたこと  小栗きくこ（暮らしのコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14287</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014287</guid>
			<description><![CDATA[部屋は自分がリラックスできることが第一で、見せるものではない。パリ在住の小栗きくこさんが、パリの人々から学んだ部屋づくりについて紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_dryflower.jpg" width="1200" /></p>

<p>パリで暮らす人の家は洗練されていて、まさに映画に出てくるような空間――そんなイメージを持っている方もいると思います。ところが、「実際に家にお邪魔すると、イメージしていた部屋と違っていた」と、20年近くパリで暮らす小栗きくこさんはいいます。</p>

<p>では、パリで暮らす人々は部屋を作る上で、何を大切にしているのか。パリ在住の小栗さんが紹介します。</p>

<p>※本稿は、小栗きくこ著『パリ時間』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>視線が忙しくなる部屋ではなく、落ち着きのある部屋がいい</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="1600" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko04.jpg" width="1200" /><br />
夜の灯りもシンプルで、視線が忙しくなりません。</p>

<p>パリに住む友人の家にはじめて招かれたとき、正直に言って、少し拍子抜けしてしまいました。というのも、洗練されたインテリアや、映画に出てくるような「絵になる部屋」をどこかで想像していたからです。</p>

<p>実際に目にした部屋は、こちらが身構えていたほど「完成された空間」という感じではありませんでした。といっても何もない部屋というわけでもなく、適度に飾られていて、壁や棚のあちこちに住む人の気配が静かに残っています。それでも、なぜか視線が忙しくなることがありません。ただ不思議と、とても落ち着く場所だったのです。</p>

<p>まさにそれは、「飾らない」部屋。「見て、見て」と主張する物が少なく、部屋の空気がどこか静かでした。当時の私は、「飾らない」という言葉を少し勘違いしていたようです。パリの人の家にお邪魔して、「飾らない」とは、何も置かないということではなく、「増やしすぎない」ということに近いのだと気づかされました。</p>

<p>置いた物同士がぶつからないように、自然と距離が取られている。だから部屋には、ちゃんと表情があるのに、ごちゃごちゃしているように見えなかったのです。それはきっと、自分の中の「好き」という感覚を知っているからできることなのだと思いました。好きな物がわかっている人は、たくさん物を並べなくても、どこか満たされていますよね。何かを足して、「それっぽく見せる」よりも、余分な物を置かずに好きな物が息をできる工夫をしている。パリの部屋に、そんな印象を受けました。</p>

<p>私がお邪魔したその家の人は、部屋について積極的に語るわけではありませんでしたが、こちらが尋ねると、どこでその家具や雑貨を見つけ、なぜそれを選んだのかを楽しそうに話してくれました。部屋とは、住む人が自分の心地よさを基準にしている場所。そして、構えなくてもいい場所なのですね。だからなのか、そんな部屋に入ると、自然と肩の力が抜けていきます。</p>

<p>不思議なことに、自分が心地いいと感じる場所を大切にしている人は、その「心地よさ」を何気なく周りにいる人にも手渡しています。「どう？素敵でしょう？」と言葉にしなくても、背伸びせずにいられる空気や、そのままでいいと思える安心感が伝わってきて、こちらの呼吸が少しずつ整っていくという感じです。</p>

<p>それは、言い換えると、その人の持つ「静かな自信」。パリの部屋にあるのは、「華やかさ」というよりも、「静かな自信」のようなものなのかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>部屋は「見せるもの」「ちゃんとすべきもの」ではない</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="1600" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko05.jpg" width="1200" /><br />
部屋は「見せるために整理する」ものでなくてもいい。</p>

<p>パリでは多くの人が、家に人を招くことを楽しんでいます。いわゆる「ホームパーティー」と呼ばれる集まりも、「パーティーのために整えて用意する場」というより、「集まった人たちと一緒に時間を過ごすためのもの」という印象があります。</p>

<p>約束した時間に家を訪ねても、まだ何も準備が始まっておらず、テーブルの上もキッチンもふだんのまま、ということもしばしば。けれど、誰もそれを気にすることはなく、まずはシャンパンを開けて、立ったまま乾杯が始まります。話しながらグラスを傾け、アペロ（軽いおつまみ）を口にし、その流れで家主がキッチンに立ちます。そして料理をしながら、また会話が続いていくのです。</p>

<p>そこでは、「部屋は人に見せるもの」「人が来るから部屋を整えなければいけない」という発想があまり感じられませんでした。もっと言うと、完璧に準備が整ってからゲストを迎えるのではなく、料理をし、その場ができていく過程も含めて、一緒に楽しんでいるようなのです。「部屋」という空間は、誰かに見せるための舞台でも写真に撮るための素材でもなく、まるで「その時間を支える場所」として存在しているようでした。</p>

<p>パリに来て間もない頃、私は「誰かを部屋に招くために、ちゃんと整えなきゃ」と思い込んでいました。けれど、ここで過ごすにつれて、「自分の部屋は、誰のための場所なんだろう」とあらためて考えるようになったのです。</p>

<p>自分の部屋とは、そもそも他人に見せるためのものではないはず。外出先から帰ってきて力を抜くための場所であって、その延長に人を迎える時間がある。だから、自分がリラックスできる空間が一番。少しずつ、そんな感覚へと変わっていきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「暗いな」と感じる空間に、ゆるやかな時間が流れる</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="2135" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko06.jpg" width="1200" /><br />
少し暗いくらいが、ちょうどいい。</p>

<p>日本では、部屋の照明は昼夜問わず、ずっと明るいものですよね。一方、パリでは日本のように天井の照明が空間全体をくっきりと照らしているような部屋はあまり見られません。</p>

<p>パリでは、スタンドライトや小さなランプをいくつか灯し、必要な場所だけにやわらかな光を落とすため、その光のやわらかさが、部屋に落ち着いた空気をもたらします。それは、明るさで部屋を満たすというより、光の居場所を作るような感覚です。夜になると、スタンドの灯りや間接照明だけで過ごしている部屋も珍しくないのですが、私自身、ここに来たばかりの頃は、このような明るさを落とした照明に少し戸惑いました。</p>

<p>でも、しばらくそんな空間に身を置いていると、「暗くて困る」という感覚がなくなり、次第に慣れていったのです。むしろ、目が疲れにくく、時間が少しゆるやかに流れるように感じられました。</p>

<p>実際に、パリの人たちの部屋でテーブルの上に置かれたキャンドルの灯りで食事をしたときのこと。光が少ない分、手元のお皿に視線が移るため、余計な物が目に入ることなく、自分の周りだけがやさしく浮かび上がってくるようでした。照明を明るくしすぎないことで、料理の色や向かい合う人の表情までも不思議と穏やかに見えてくるのです。壁も床もテーブルの上も、何かを置くためではなく、視線を休ませる場所になっています。</p>

<p>あなたも、たまには照明を落として過ごしてみませんか？素敵な発見があるかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>花を飾る瞬間、部屋にふわっと季節が訪れる</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="1600" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko07.jpg" width="1200" /><br />
マルシェでは季節を先取りしたお花が並びます。</p>

<p>その季節に出回り始めた花をマルシェ（市場）で買って、部屋にそっと置くだけで、新しい季節の気配が入り込んできます。「花」という物は増えているのに、不思議と空気が軽くなるこの瞬間、部屋の中が一気に切り替わったように感じられるのです。</p>

<p>何かを足したり引いたりしなくても、窓の外の光や空気の匂いに合わせて、自然と過ごし方が変わっていく。その変化を無理にコントロールしようとしない。私はパリに住んでいて、こんなふうに、「部屋をどう変えるか」よりも、「今の季節をどう受け止めるか」に意識を向けることがあります。</p>

<p>夏時間が終わる頃には、冬の始まりを感じます。時計の針が1時間戻るだけなのに、朝の空気や光の入り方に季節が動いたことを知らされます。1日の始まりが少し静かになり、夜の時間に重さが増していき、1日のリズムがゆっくりと変わっていくようです。</p>

<p>冬から春にかけては、マルシェに鮮やかなミモザが並びます。春から初夏には、ふんわりと香る芍しゃく薬やく。そして夏の終わりから秋にかけては、やわらかな色合いの紫あじさい陽花が花屋に並びます。同じ部屋でも、花が変わるだけで空気が少しずつ移ろい、季節の流れを静かに知らせてくれるように感じます。</p>

<p>こんなふうに、何かを変えなくても、暮らしが先に季節を教えてくれ、それに合わせて部屋の中で過ごす時間も自然と切り替わっていきます。物を動かさなくても、部屋はちゃんと変わっていくのですね。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_dryflower.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 29 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小栗きくこ（暮らしのコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>標高6500mで生死の境に立っても心は折れなかった　写真家・上田優紀さんが決めた生きる意味  上田優紀（ネイチャーフォトグラファー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14298</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014298</guid>
			<description><![CDATA[ネイチャーフォトグラファーの上田優紀さんは、人がなかなか行くことができない風景を写真に収め、届けている。そんな上田さんに撮影や旅への向き合い方を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="撮影：上田優紀" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260519uedayuki04.jpg" width="1200" /><br />
撮影：上田優紀（ボリビア ウユニ塩湖 2016）</p>

<p>ネイチャーフォトグラファーの上田優紀さんは、ヒマラヤや南極、クジラが泳ぐ海中まで、ほとんどの人が足を踏み入れることのできない世界の絶景を撮り続けています。2026年6月には、10年間の活動で撮影した約100点を収録した写真集『ARCA』を出版。その発売を前に、活動への向き合い方や、過酷な旅の中での心持ちをうかがいました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>地球の誕生になぞらえた一冊</h2>

<p><img alt="上田優紀" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260519uedayuki01.jpg" /></p>

<p>――今回新しくフォトエッセイが発売されるということで、まずは見どころをお聞かせいただけますか。</p>

<p>【上田】ネイチャーフォトグラファーとして10年ほど活動してきたんですが、この写真集にはその10年間の全ての写真が入っています。ネイチャーフォトって、山岳写真家は山の専門、動物写真家は動物だけ、水中写真家は海の中、といろんなジャンルがあるんですけど、僕はその全部を撮っているという意味で、世界でも自分一人しかやっていないようなことをしています。</p>

<p>この写真集のタイトルは「ARCA」といって、ラテン語で方舟という意味です。今の人たち、未来の子どもたちに、この地球上にある海から山まで、多くの人が行くことができない風景を伝えられるような写真集になっています。</p>

<p>――10年間ということは、今までのご活動の集大成とも言えるのでしょうか。</p>

<p>【上田】そうですね。27、8歳で独立してこの活動をはじめて、今38なので、ちょうど10年目、11年目ぐらいですね。この10年間で撮ってきた写真と、少しテキストも書いています。</p>

<p>地球の誕生になぞらえて、海から始まって、大地ができて、生物が生まれて、山ができて、宇宙まで行く、というストーリーで構成されています。クジラなど水中の写真から始まり、南極、アイスランド、ウユニ塩湖で40日間テントを張って撮影したもの、希少な動物のセクション、北極のシロクマから南極のペンギン、ゴリラなど。最後は人工衛星のカメラで撮影した宇宙の映像で締めくくっています。</p>

<p>――実在しているとは思えないほどの風景ばかりです。</p>

<p>【上田】そういう風景が、この地球にはまだまだ溢れていて、ほとんどの人がそこに行くことはできない。でも僕はたまたまそこに行ける体を持っているので、行って写真で撮って、行くことができない人、知らずに終わる人たちに、こういう風景が広がっていることを伝えることで、見た人の心が少しでも豊かになればいいなと思いながら活動しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>写真家になるとき、生きる意味を決めた</h2>

<p><img alt="撮影：上田優紀" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260519uedayuki05.jpg" width="1200" /><br />
撮影：上田優紀（カナダ ブリティッシュ・コロンビア 2024）</p>

<p>――なかなか見ることができない風景を見に行く衝動、意欲はどこから来るんですか？</p>

<p>【上田】決めちゃったんです。僕が生きる意味をこれにしようと。この人生で生きている理由を、写真を人に届けて誰かの心を少しでも豊かにすることにしよう、と。写真家になると決めた時に、そう決めてしまったので。</p>

<p>――それを主軸とされているのですね。</p>

<p>【上田】多くの人が会社に行くのと同じような感覚でやっていると思います。命をかけるのが当たり前というか、これのために全部生活している、これが中心の生活なんです。</p>

<p>――動物たちを間近で見る恐怖だったり、自然の中で不安を感じたりすることはありますか？</p>

<p>【上田】動物は怖くないですね。できるだけ彼らとの距離感を守り、ストレスを与えないように。クマの写真もありますが、餌がたくさんある時期に行ったり。表情を見ていると何となくわかるんですよ、イライラしているなとか、距離を詰めてはいけないなとか。言葉は通じないけどコミュニケーションは取れる。それを守っていれば、動物は怖いと思ったことは一回もないです。</p>

<p>ただ、山はコントロールできないところがとても多い。実力として登れる山でも、天気が悪ければ死んでしまう。怖いから、死ぬかもしれないから行かない、ではなく、死なないための最大限のトレーニングと準備をするけど、それでもどうしようもないのが自然。人間が太刀打ちできない時は何もできない。だからこそ美しくもあります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>40日間ウユニ塩湖から帰れなかった</h2>

<p><img alt="撮影：上田優紀" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260519uedayuki03.jpg" width="1200" /><br />
撮影：上田優紀（ボリビア ウユニ塩湖 2016）</p>

<p>――旅は一人で行かれるのですか？</p>

<p>【上田】基本的には一人です。ヒマラヤ登山は山岳ガイドをしてくれるシェルパ族の人と二人だったり、先住民の許可がないと入れない森はガイドと一緒に入りますが。クジラの撮影も船を出してもらう必要があるので、現地の漁師さんにお願いします。でも5、6人でパーティーを組んで行くようなことはありません。</p>

<p>――一人の時間が長いと思うのですが、移動中や宿泊時、どんなことを考えながら旅しているのでしょう？</p>

<p>【上田】雲を見たり、風景を見たり。自然を感じながら旅をします。風の音を聞いたりとか。それが楽しいので。</p>

<p>自然の中に入っていくことは、風景を届けるためにもすごく大切だと思っています。空気がどうだったか、風がどうだったか、香りがどうだったか、そういう要素も伝えなきゃいけないと思っているし、自分自身もそういう自然の中にいることがとても好きなので。難しいことを考えるわけではなく、ただその中で過ごすことが幸せな時間です。</p>

<p>――孤独や寂しさは感じませんか？</p>

<p>【上田】基本的にはないです。ただ、ウユニ塩湖に40日滞在した時はさすがに孤独を感じました。あれは独立してから一番最初の撮影で、自然の中で撮影することがどういうことかもわかっていない頃でした。</p>

<p>40日間誰とも話さないことが20数年の人生にはなかったので。孤独感というか、ここで死んでも誰にも見つからないで終わるんだろうな、という感覚はありましたね。</p>

<p>――ウユニ塩湖の周りには遮るものも何もなさそうですね。</p>

<p>【上田】広いんですよ。秋田県ぐらいはある。観光客が行くのはその端っこなんですが、僕は誰も見たことがないウユニ塩湖を撮るために、もっと真ん中の方に行かないといけないと思って、周囲何十kmも誰もいないような場所でテントを張って撮影していました。食料と水も40日分持ち込んで。</p>

<p>――40日間...極限ですね。</p>

<p>【上田】正直、もう一回やるとなれば嫌ですね(笑)。最初の2週間は雨が降らなくて、ずっと待ちの状態が続いたんですが、ようやく雨が降ってくれて撮影ができました。待ってて良かったと思いました。</p>

<p>というか、40日経つまで帰れなかったんですよ。</p>

<p>ウユニ村で偶然声をかけてきたボリビア人に、塩湖の中心部まで車で送ってもらい、「40日後に迎えに来てくれたらお金を払う」と約束していたんです。</p>

<p>最終日の朝は、「忘れてるかもな、名前しか知らないけど大丈夫かな」とさすがにドキドキしました。でも、暇だったのか、ちゃんと来てくれましたね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>生死にかかわる状況で、どんなことを考えるのか</h2>

<p>――旅のなかで何か予想外のことが起こった時、不安やパニックになることはありませんか？</p>

<p>【上田】不安もパニックもないですね。その状況を受け入れて、どう乗り越えるかが一番大事だと思います。</p>

<p>エベレストを登っている途中で天候が悪くなって、標高6500mでビバーク※せざるを得なくなったことがあります。登れないし下りれないし、救助も来れない。10日間天気が悪ければ死んでいただろうという状況で5日間過ごしました。</p>

<p>そういう時に怖いとかはなくて、どうこなすか、そのために何をしなきゃいけないかを考える。食料を1日これぐらいに抑えよう、体力を使わないために余計なことを考えるのもやめよう。思いつくことを全部やって、それでダメならしょうがない。</p>

<p>――考えることも体力を使うからやめるという発想が新鮮です。</p>

<p>【上田】科学的に正しいかどうかはわかりません。その時そう思っていただけです。考えすぎてメンタルがマイナスになると足が進まなくなる。身体を支えているのはメンタルだし、メンタルを支えているのは身体で、どちらかが前を向いていると意外と足は進んでくれる。だからネガティブなことをあまり考えないようにしている部分はありますね。</p>

<p>――心が折れそうになる瞬間はありますか？</p>

<p>【上田】ほとんどないですね。天気が悪くなって突っ込んだら死ぬと判断して撤退したことは何回もありますが、気持ちが向かないからやめたことは一回もない。山だけじゃなく、何においても。</p>

<p>先ほどお話ししたように、自分の生きる意味は&quot;写真を届けること&quot;で、そこが根っこにあるからずっと前を向いていられる。メンタルを安定させているのは、多分そこだと思います。</p>

<p>※ビバーク＝緊急の露営。予定外の場所での宿泊を余儀なくされること。</p>

<p>（取材・執筆・撮影：PHPオンライン編集部 片平奈々子）</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260519uedayuki04.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 28 May 2026 12:01:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[上田優紀（ネイチャーフォトグラファー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「世界一幸せな国」フィンランドの食卓へ　自然が育む、知られざる美食の世界  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14376</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014376</guid>
			<description><![CDATA[フィンランド政府観光局・Visit Finlandは、公式テイスティング体験「Finland&#039;s Official Tasting Table」の開催を発表。４日間の特別プログラムの内容とは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="フィンランド" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260527visitfinland01.jpg" width="1200" /></p>

<p>国連の「世界幸福度報告書」で9年連続首位に輝いたフィンランド。その幸せの背景には、豊かな自然との深いつながりがあると言われています。</p>

<p>しかしフィンランドには、まだ世界にほとんど知られていない一面があります。それが、「食」の豊かさです。</p>

<p>フィンランド政府観光局・Visit Finlandは2026年5月、史上初となる公式テイスティング体験「Finland&#39;s Official Tasting Table」の開催を発表しました。世界から16名を招き、フィンランドの食文化をその土地の風景ごと体感してもらうという、4日間限定の特別な企画です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>北の大地が育む、純粋な食材たち</h2>

<p><img alt="フィンランド" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260527visitfinland02.jpg" width="1200" /></p>

<p>フィンランドの食文化を語るうえで欠かせないのが、その圧倒的な自然環境です。清澄な湖や広大な森が国土の大部分を占めるこの国では、新鮮な魚介類や野生肉、森で採れるベリー類など、自然の恵みがそのまま食卓に届きます。人工的に整えすぎない、素材本来の味を活かした料理スタイルは、フィンランドならではのものといえるでしょう。</p>

<p>Visit Finlandの国際マーケティング担当シニアディレクター、ヘリ・ヒメネス氏はこう語っています。「フィンランド料理は、自然とのつながりとシンプルさ、そして食材のルーツへの深い敬意に根ざしています」。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「無人島の食卓」と「北極圏のダイニング」</h2>

<p>今回のテイスティング体験の舞台は、フィンランドの沿岸部・群島エリアとラップランドの2か所。海に点在する無人島や、北極圏の大自然の中に食卓が設けられます。風景そのものが料理の一部となるような、没入型のダイニング体験です。</p>

<p>メニューを手がけるのは、いずれもフィンランドを代表するシェフたちです。「沿岸部・群島」を担当するエリック・マンシッカ氏は、2013年の「フィンランド年間最優秀シェフ」受賞者であり、ミシュラン一つ星とグリーンスターの両方を持つ実力派。一方、ラップランドを担当するジョエル・マンニネン氏は、若手シェフの世界大会で銀メダルを獲得したばかりの新星です。地域の食材と風土を知り尽くした二人が、フィンランドの味を一皿に凝縮します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>応募は2026年6月9日まで</h2>

<p>参加希望者は、InstagramまたはTikTokでの動画投稿と、キャンペーンサイト上の応募フォームへのエントリーで応募できます。「なぜ『Have Some Finnish』を体験したいのか」を動画で伝え、ハッシュタグ「#HaveSomeFinnish」をつけて投稿するのが条件です。</p>

<p>応募期間は2026年6月9日（火）17時59分（日本時間）まで。当選者の発表は6月29日を予定しています。</p>

<p>詳細・応募はこちら：HaveSomeFinnish.com</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260527visitfinland01.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 28 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>頑張って働く意味を見失ったら...会社との「ちょうどいい距離感」の見つけ方  佐野創太（退職学（R）研究家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14278</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014278</guid>
			<description><![CDATA[会社のノルマや目標に疲れを感じたとき、どう向き合えばいいか。「会社の目標70％＋自分の目標30％」という発想で、仕事のモチベーションを取り戻す方法を解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_man_bridge.jpg" width="1200" /></p>

<p>会社の目標を懸命に追いかけていたはずなのに、気づいたら「何のために働いているのかわからない」...そう感じたことがある人は、少なくないはずです。目標に押しつぶされずに、仕事に自分らしさを取り戻す考え方があります。書籍『70％で働く　「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』より解説します。</p>

<p>※本稿は佐野創太著『70％で働く　「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』（日経BP）より一部を抜粋・再構成したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「会社の目標」と「自分の目標」を分ける</h2>

<p>目の前には、会社から与えられた目標がある。だけど、その目標と自分が本当に大事にしたいものが、噛み合っていない気がする。</p>

<p>そんなモヤモヤが出てきたらどうするのか。ここでは会社の目標という100％揺らがなそうなものを、70％に差し引いて考えてみます。</p>

<p>相談者のLさんは、営業職として働き続けてきた方で、役員になる話も出ていました。成績もよく、信頼もされていたのですが、あるとき転職を決意されました。</p>

<p>「疲れてしまったんです。売上を上げても、また次の数字が課されて、終わりがない。なんのために頑張ってるのか、だんだんわからなくなって......」</p>

<p>来期に役員になる。それくらい認められていた方でも疲れるのです。けれど、転職先もまた営業会社でした。</p>

<p>「それでよかったんですか?」と尋ねると、返ってきたのはこんな言葉でした。</p>

<p>「ノルマの捉え方を変えたんです。会社の目標とは別に、自分の目標を持つことにしました」</p>

<p>Lさんは、こう続けました。</p>

<p>「月に20人と会うと決めて、そのうち2人と&quot;友だちになる&quot;。これを目標にしたんです」</p>

<p>営業の本来の目的からは少し外れているように思えます。しかし実際には、「友だちになりたい」と思いながらコミュニケーションをとると、関係性を築きやすく、結果として数字もついてきたと言います。</p>

<p>「SNSでつながったり、おすすめの映画を教えあったり。そういう関係のなかで仕事も一緒にやる。そっちのほうが、私には合ってました」</p>

<p>この話を聞いて思ったのは、会社の目標は、あくまで「外から与えられたものにすぎない」ということです。もちろん、会社の目標に沿って働くことは重要です。でも、それだけに振り回されていると、自分の気持ちや人生の方向性を見失います。</p>

<p>そもそもの「会社の目標達成のために頑張る」もおろそかになってしまうことがあります。</p>

<p>そこで大事なのが、「自分なりの目的」を持つことです。</p>

<p>会社の目標を100％従うものという考え方から引いた30％分を、自分の目標にしてみる。そうすると、会社の目標は70％でも、自分の目標も30％できます。自分から設けた目標は、わくわくするゴールテープになります。</p>

<p>順番としてはこうです。</p>

<p>1. 会社の目標を100％ではなく「70％くらいの余白があるもの」と捉え直す<br />
2. 差し引いた30％で自分の目標を考える<br />
3. 会社の目標を達成できてもできなくても、一喜一憂せずに自分の目標のために頑張れる</p>

<p>この順序を意識するだけで、同じ仕事でも「押しつぶされる働き方」から「自分で動ける働き方」に変わります。</p>

<p>自分の目標は、数字や勝ち負け以外の指標でも構いません。</p>

<p>たとえば、次のようなことです。</p>

<p>「誰かの役に立てたか」<br />
「笑顔を引き出せたか」<br />
「心が動いたか」</p>

<p>こうした自分基準の目標は、会社の数字には残らなくても、あなたの人生には確実に残ります。</p>

<p>「会社からの目標は無視しよう」と思うのはもちろん違います。それは20％のやり方です。大事なのは、「会社の目標を踏み台にして、自分の目標を上に積み重ねる」という考え方です。</p>

<p>相談者のMさんは「会社の目標なんてほとんど忘れてるよ。別に目標を達成するために入社したわけじゃないし。僕は、娘の誕生日会に人をいっぱい呼びたくてね。その友だちづくりのために営業してるんだよ」と話していました。</p>

<p>ここまでいかなくとも、きっとあなたのちょうどいい会社の目標との距離感が見つかります。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_man_bridge.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 28 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[佐野創太（退職学（R）研究家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「疲れてから休む」では足りない　脳を効率よく休養させる3つのポイント  名郷根修（株式会社ハイパフォーマンス代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14196</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014196</guid>
			<description><![CDATA[家事や仕事などが終わったご褒美として休憩するは間違い？疲れを回復させるための休養方法を、名郷根修さんが解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="名郷根修著『瞬動力』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smileWoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>疲れているけど、仕事が全部終わってから休もう――急ぎの仕事などがあると、ついつい休養を後回しにしがちですが、必要な時に休まないことで先延ばしが増えることになると、コーチングの情報などを発信し続けている株式会社ハイパフォーマンス代表取締役の名郷根修さんはいいます。</p>

<p>では、どのような休養方法が効果的なのか。本稿では、科学的にも効果が確認されている休養のコツ3選を紹介します。</p>

<p>※本稿は、名郷根修著『瞬動力』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>休養が疲れた脳を回復させる</h2>

<p>瞬動力を高める要素の1つは「休養」です。「休む＝疲れたときに取るもの、がんばったあとのご褒美」と捉えている人も多いのですが、脳科学の視点では、この考え方こそが、先延ばしを生む原因になり得ます。</p>

<p>ここでいう休養とは、夜の睡眠だけを指すのではありません。日中の短いオフタイムや、質の高い休憩も含めた脳の回復行為全般を意味します。本当に大切なのは、疲れ切ってから休むことではなく、脳が動ける状態を保つために休むことです。</p>

<p>休養は、サボりでも甘えでもありません。行動できる脳を維持するための戦略です。「動きが弱まった脳を回復させるために、能動的に休む必要がある」と考えると良いでしょう。</p>

<p>では、なぜ休養が足りないと、動けなくなるのでしょうか？これも脳の集中・判断・着手を担う前頭前野が影響しています。前頭前野は、脳の中でも最もエネルギーを消費する部位です。そして、長時間の集中、判断の連続、情報過多などによって、疲れやすいという特徴があります。</p>

<p>疲労やストレスが重なると、脳は「これ以上無理をさせないほうが良い」と判断し、行動をコントロールする司令塔の働きを一時的に弱めます。その代わりに優位になるのが、不安や回避反応を担当する、より原始的な脳の回路です。</p>

<p>この切り替わりによって、集中できない、判断が鈍る、先延ばしが増える、簡単な作業に逃げたくなる、といった、動けない状態を引き起こします。つまり、休養不足で脳の司令塔がオフになり、動けなくなってしまうのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「動ける脳」を回復させる休養の役割</h2>

<p>休養の大切さは理解してもらえたでしょうか。ただし、ここで言う「休養」は、ゴロゴロすることでも、長時間寝ることでもありません。前頭前野の負荷を下げるために、休養の取り方にもコツがあります。科学的に効果が確認されている3つのポイントを紹介します。</p>

<p>①短時間の完全オフが前頭前野を回復させる</p>

<p>脳は「何もしない時間」に回復します。意識的な課題や判断から解放されたとき、脳は自動的に「情報の整理」「感情のリセット」「疲労回復」というモードに入るのです。3分程度でも良いので、一日の中で脳を完全にオフにする時間をつくってみましょう。</p>

<p>【3分でできる「脳の完全オフ」行動】</p>

<p>・目を閉じて座る</p>

<p>・窓の外をぼんやり眺める</p>

<p>・呼吸だけに意識を向ける</p>

<p>ポイントは、「うまくやろう」としないことです。思考が浮かんでも、追いかけず、ただ呼吸に戻る。それだけで十分です。短時間でも意識的に脳をオフにする時間を挟むことで、前頭前野の負荷が軽減され、再び行動に向かいやすい状態が整います。</p>

<p>②睡眠は「量」と「質」の両輪――脳を再起動する仕組み</p>

<p>睡眠は、最も強力な脳の回復手段です。眠っている間、脳の中では余分な老廃物が除去され、感情が整えられ、実行機能が回復する、といったメンテナンスが行われています。このメンテナンスによって脳の疲労がリセットされ、翌朝スッキリと起きることができるのです。睡眠不足の翌日に先延ばしが増えるのは、脳が怠けているのではなく、睡眠の質が悪くて回復できていないから、と言えます。</p>

<p>睡眠の質を上げるためには、寝る直前まで情報を入れたり、判断や仕事をしたりしないことです。脳をしっかりオフモードに切り替えることが大切です。寝る前についスマホを見てしまう、ベッドに入ると明日の仕事が気になって眠れない......という人も多いと思いますが、それでは脳を完全にオフにすることはできません。寝る前は「スマホを見ない・考え事をしない・判断をしない」を心がけましょう。</p>

<p>どうしてもすぐに寝つけないという人は、スマホを見るのではなく、読書がおすすめです。また、考え事をしてしまうという人は、ネガティブなことではなく、「今日一日の中で感謝したいこと」など、気持ちが穏やかになることに意識を向けましょう。脳にストレスがかからず、リラックスできれば脳が徐々にオフモードに切り替わっていきます。</p>

<p>また、寝不足や疲れの蓄積で、日中眠気に襲われてボーっとする、集中できない、という日もたまにはあると思います。そういうときは、短時間だけ仮眠をとる。パワーナップ(積極的仮眠)が効果的です。</p>

<p>ポイントは寝すぎないこと。長時間寝てしまうと夜の睡眠に影響するので、タイマーをセットして仮眠は20分程度にとどめましょう。また、ベッドに横になると深く眠り込みやすいため、椅子に座ったままなど、本格的な睡眠に入りにくい体勢を選ぶことも大切です。</p>

<p>③「回復する休憩」と「疲れる休憩」は別物</p>

<p>休憩についてはすでに触れましたが、重要なので改めて整理しておきます。</p>

<p>たとえば、長めの会議の合間に「5分休憩しましょう」と言われたら、あなたはどうやって過ごしますか？　おそらく多くの人が、スマホでSNSを見たり、メールをチェックしたり、ネットニュースに目を通したりといった過ごし方をするのではないでしょうか。</p>

<p>これらの行動は一見休憩しているように思えますが、実際は脳の前頭前野を酷使している状態。休憩と言いつつ、脳が回復するような行動にはなっていません。脳が本当に回復するのは、①判断がいらない、②情報が少ない、③目的がない、この3つが揃った時間です。景色を眺めたり、ただぼんやりしたり、呼吸だけに意識を向けるような時間こそが、「動ける脳」を回復させる休養方法といえます。</p>

<p>これら3つのポイントを意識して休養をとることで、集中が戻り、着手が軽くなり、先延ばしが減る、という変化がはっきりと現れます。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smileWoman.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 28 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[名郷根修（株式会社ハイパフォーマンス代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「前の職場では、こんなことしてなかった」前職に固執する嫌な人の攻略法  片田珠美（精神科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12326</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012326</guid>
			<description><![CDATA[世に蔓延するマンウントを取りたがる人、ここでは前職に固執する人を実例に挙げながら、その対処法について精神科医の片田珠美先生に解説して頂く。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="マウントを取らずにはいられない人" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamimanG.jpg" width="1200" /></p>

<p>われわれは他人に対して自分がどの位置にいるのかを無意識のうちに測定しており、折に触れて自身の優位性を誇示する。その根底には、他人を自分より下位に置きたいという欲望が潜んでおり、この欲望は程度の差はあれ誰の胸中にも潜んでいて、それが強い人ほどマウントを取りたがるという。</p>

<p>世に蔓延するマウントを取りたがる人、ここでは前職に固執する人を実例に挙げながら、その対処法について精神科医の片田珠美先生に解説して頂く。</p>

<p>※本稿は、片田珠美著『マウントを取らずにはいられない人』(PHP新書)を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「大学病院では...」強い未練が引き起こす負の連鎖</h2>

<p>総合病院の某診療科の部長に就任した四十代の男性医師は、それまで大学病院に勤務していたことが自慢らしく、「大学病院ではこうやっていた」としきりに言い、大学病院の手法を導入しようとした。</p>

<p>しかし、大学病院のように医師や看護師がたくさんいるわけではないので、うまくいかず、「これまでのやり方でうまく回っていたのに、なぜ大学病院のやり方をわざわざ導入しようとするのか」という不満の声があがるようになった。</p>

<p>それだけではない。この部長は大学病院にいた頃、一般にはほとんど知られていない珍しい病気の研究と臨床に携わっていたようで、部下の医師たちにも「これこれの症状があったら、その病気を疑え」と指示し、チェックリストまで作って渡した。</p>

<p>しかし、この病院は、ごく普通の病院であり、専門病院ではないので、部長が研究対象にしていたような病気の患者はめったに来院しなかった。</p>

<p>すると、部長は「ちゃんと患者を診ているのか」と部下を叱責し、「大学病院には面白い患者がいたが、ここは面白くない」と愚痴をこぼし始めた。</p>

<p>一方、部長の外来に回された初診患者から「多くの検査を受けさせられて大変だった。でも、何の異常もなかった。本当に必要な検査だったんですか」という苦情が病院に寄せられるようになった。</p>

<p>おそらく、部長は自分の研究対象である珍しい病気を疑って患者に検査を受けさせたものの、ほとんどの患者に異常が見つからなかったのだろう。</p>

<p>この部長が大学病院の手法、そしてそこで自分が研究していた珍しい病気に固執するのは、やはり大学病院で研究と臨床を続けたかったという思いが強いからだと考えられる。大学病院に残ることができず、関連病院に出ざるを得なかった彼には、未練が残っていたように見える。</p>

<p>実は、部下の医師の一人が大学病院に残っている同期の医師から聞いた話によれば、この部長は教授から「患者がほんの少ししかいない病気ばかり診ていないで、もっと視野を広げてはどうか」と助言されていたが、聞く耳を持たなかったという。</p>

<p>その結果、不本意ながら関連病院に出されることになったのだとすれば、部長の大学病院に対する未練が相当強くても不思議ではない。</p>

<p>自分がかつて所属していた組織に権威やブランド力がある場合、その組織への未練はどうしても強くなりがちだ。</p>

<p>そのため、必然的に前職マウントを取る人が多くなる。よくあるのは、大企業に勤務していた社員が、出世競争に敗れて出向させられた子会社の中小企業で取る前職マウントである。</p>

<p>「大企業ではこうしていた」「大企業ではこんな杜撰なことはしなかった」などと、しきりに親会社の大企業を持ち出し、子会社の中小企業よりも優れている点を列挙する。</p>

<p>先ほど取り上げた部長が大学病院の手法を導入しようとしたのと同様に、大企業のやり方を押しつけようとすることもあるが、規模も人材も違うので、たいていの場合うまくいかない。</p>

<p>元々関連病院にせよ子会社にせよ、片道切符で出されることが多いのだが、本人だけは往復切符と思っているのか、それとも前職への未練が強すぎるのか、大学病院や大企業の話を持ち出さずにはいられない。とくに、現在の職場への不満が強いほど、前職マウントに拍車がかかるように見受けられる。</p>

<p>もっとも、それを聞いた周囲の胸中に反感や敵意をかき立てると、どうしてもモチベーションの低下を招く。それに嫌気が差して、本人の前職マウントがさらにエスカレートするという負の連鎖につながりかねない。</p>

<p>こうして悪循環に陥ると、強い未練の対象である自分が元いた職場に戻ることは到底叶わなくなる。たとえ関連病院や子会社に渋々勤務することになったとしても、そこで実績を積み上げれば、大学病院や大企業に戻れる可能性も必ずしもゼロではなかっただろう。</p>

<p>だが、前職マウントによってその可能性を自らつぶしてしまい、片道切符が決定的になることもありうる。そうなると、まさに自業自得としかいえない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>定年後、移住後もある前職マウント</h2>

<p>定年後であっても前職マウントを取る人は一定数いる。私が定期的に面談を行っている金融機関の某支店に、定年後再雇用の60代の男性が二人いた。しかも、同じ部署で机を並べていたのだが、マウント合戦が始まった。</p>

<p>「自分のほうが出世していた」「いや、自分のほうが偉かった」などとマウントを取り合って、互いに譲らず、険悪な雰囲気が部署全体に漂うようになった。</p>

<p>面談の際も、一方が「向こうが自慢ばかりして、マウントを取ってくるので、ストレスが溜まる」と訴えれば、もう一方も「あいつは偉そうにしているが、実はそんなに出世していない。口も利きたくない」と訴える始末。</p>

<p>やがて、二人は毎日顔を合わせていたにもかかわらず、話もせず目も合わせない事態になった。そのため支店長が配慮して一人を別の支店に異動させた。異動先の支店で面談した際、彼は「マウントばかり取ってくるあいつの顔を見なくてよくなったので、せいせいしています」と話した。</p>

<p>定年まで無事に勤め上げ、定年後も雇用を継続してもらえたのだから、それまで自分が就いていた役職のことなど忘れて、目の前の仕事に淡々と取り組めばよさそうなものだが、そうはいかないようだ。</p>

<p>給与が大幅に下がったうえ、与えられる仕事が平社員と同じという現実を受け入れられないので、定年前まで自分がどれだけ偉かったかを誇示するのかもしれない。</p>

<p>同様のことは、田舎に移住した定年退職者の間でもあるらしい。</p>

<p>都会で定年まで勤め上げた人が、余生を田舎で静かに過ごそうと移住したはずなのに、移住者同士の間で前職マウントが始まる。外資系企業でバリバリ働いていたとか、大企業で管理職を務めていたとか、互いにマウントを取り合うので、人間関係に疲れ果てるという。</p>

<p>あげくの果てに、一度は移住したものの、マウント合戦に嫌気が差して、都会に舞い戻った知り合いもいる。</p>

<p>この知り合いは、それなりの財産があったので、田舎の家が売れなくても、都会のマンションを購入することができたが、それだけの財力がなかったら、移住先で前職マウントに疲弊しながら余生を過ごすしかなかっただろう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>対処法...「言わせておけばいい」</h2>

<p>前職マウントを取る人はどこにでもいるが、とくに現在の職場で充実感を得られず、承認欲求も満たされていない人に多い印象を受ける。現在の職場で自分の働きが認められ、十分稼げていたら、前の職場を持ち出す必要などないはずだ。</p>

<p>そうではないからこそ、前の職場をしきりに持ち出し、いかにすばらしかったかを強調する。うがった見方をすれば、現在の職場で鬱屈しているがゆえに、前職マウントによって自分を底上げせずにはいられないともいえる。</p>

<p>この辺りの心理を理解したうえで、前職マウントを取る人には「言わせておけばいい」というスタンスで対峙するのが賢明である。</p>

<p>ただし、前の職場の手法を無理矢理導入しようとする相手に対しては、「ここは規模も小さいし人員も少ないので、前にいらっしゃったような立派なところと同じようにやるのは難しいと思います」と伝えるべきだろう。</p>

<p>一人ではなく複数人で、そして前職マウントを取る人がかつて所属していた組織をほめて持ち上げることを忘れずに。</p>

<p>前職マウントに辟易していたら、もう少し覚悟を決めて、「そんなに前の職場がよかったのなら、ずっといらっしゃればよかったのに」と少々意地悪く言ってみてはどうか。</p>

<p>すると、向こうは絶句するはずだ。本人としては、前の職場でずっと働き続けたかったのに、それが叶わず現在の職場に来ざるを得なかったという場合が多いだろうから。</p>

<p>かなり勇気が要るが、それを実際にやった人がいる。例の総合病院の部長の部下の一人だった30代の男性医師は、部長がいつものように前職マウントを始めたとき、「そんなに大学病院がよかったのなら、戻られたらいかがですか」と思わず言ってしまった。</p>

<p>その場では部長は何も言えなかったようだが、しばらくしてから医局で「教授に言いつけて、あいつを飛ばしてやる」と息巻いていたとか。</p>

<p>30代の医師は、そういうことも想定したうえで、以前から開業の準備を進めていた。ほどなくして開業したところ、この医師が総合病院で担当していた患者のほとんどがクリニックに来院してくれて、大盛況らしい。</p>

<p>前職マウントに本気で対抗するには、それなりの力をつけ、十分な準備をしておく必要がある。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 27 May 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[片田珠美（精神科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>47都道府県の代表が競う「本の甲子園」 今村翔吾さん発案の新たな文学賞とは？  「文蔵」編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14308</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014308</guid>
			<description><![CDATA[作家・今村翔吾氏が代表を務める一般社団法人ホンミライと、日本出版販売株式会社、株式会社図書館流通センターが設立した、新たな文学賞「本の甲子園」とは？ ]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「本の甲子園」記者発表にて" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260515Imamurashougo.jpg" width="1200" /><br />
「本の甲子園」記者発表にて</p>

<p>直木賞を受賞した際にはお礼のために全国の書店を回る「まつり旅」を、月刊誌『歴史街道』の連載では、各都道府県で戦国武将を一人ずつ選んで47の掌編小説とした今村翔吾氏。</p>

<p>次の全国規模での挑戦は、「本の甲子園」である。</p>

<p>※本稿は、『文蔵』2026年4月号より、内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>新たな文学賞「本の甲子園」とは？</h2>

<p>昨年の夏、今村翔吾氏がX上で全国の作家に向けて、「（問）現在、お住まいの都道府県を公開されていますか? もしくはしても構わないとお考えですか?」と質問する投稿を行なった。</p>

<p>これこそが「本の甲子園」の第一歩だった。</p>

<p>「本の甲子園」は、今村氏が代表を務める一般社団法人ホンミライと、日本出版販売株式会社、株式会社図書館流通センターが設立した、新たな文学賞。</p>

<p>その目的は、書店と図書館の連携と、作家と地域の結びつきの強化である。</p>

<p>まずは、作家が自分の小説作品を、在住する都道府県の代表とするべくエントリー（2024年10月〜2025年9月に発刊した作品。同期間に最新刊が出たシリーズは第一作をエントリー可能。文庫の場合は文庫オリジナル作品のみ）。</p>

<p>選考するのは選考委員にエントリーした、公共図書館に勤める図書館員で、それぞれの都道府県の地元代表を決定する。</p>

<p>そして、2026年7月から10月にかけて、各都道府県の代表となった作品で、トーナメント戦が行なわれるのである。まさに「甲子園」だ。</p>

<p>しかもその勝敗は、エントリーした図書館員からランダムに選ばれた5名による投票で決まる。「本との出会いは縁である」との考えに基づき、単なる多数決ではない形にしたのだという。</p>

<p>大賞作が決定したら、地元の図書館と書店と作家が連携して、図書館や書店におけるトークイベント、講演会、サイン会、さらには図書館での展示やSNSでの発信などを行なっていく。</p>

<p>「本の甲子園」――。この新しい取り組みが、出版文化の未来を盛り上げることを期待したい。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 27 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[「文蔵」編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「美しさは人と比べるものではない」　パリジェンヌに学ぶ、自分だけの美意識  小栗きくこ（暮らしのコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14284</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014284</guid>
			<description><![CDATA[自分の美しさを誰かと比較する必要はない――長年パリで暮らす小栗きくこさんがパリジェンヌから学んだ美意識について紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_paris01.jpg" width="1200" /></p>

<p>「みんなが着ている流行りの服だから」――服や家具などを選ぶとき、自分の&quot;美意識&quot;よりも流行を意識する。そんな経験をしたことがある人は多いかもしれません。ところが、パリの人々は流行に振り回されず、誰かの基準で考えることは少ないと、暮らしのコンサルタントである小栗きくこさんはいいます。</p>

<p>パリジェンヌのはどんな美意識を持ち、その意識はどのように磨かれていくのか。長年パリに住んでいる小栗さんに紹介していただきます。</p>

<p>※本稿は、小栗きくこ著『パリ時間』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心地よさは、日常の「しっくりくる」の積み重ね</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="1600" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko01.jpg" width="1200" /><br />
眠る前、自分にぴったりの本を開く静かな時間。</p>

<p>パリで暮らすようになって、私は、「美しさ」とは、誰かと比べるものではなく、「毎日の積み重ね」の中にそっと宿るものだということに気づきました。</p>

<p>たとえば、白髪を染めない女性。パリでは、白髪が目立ってきても、あえて染めない女性をよく見かけます。しわも「人生の軌跡」として自然に受け止められていて、鏡の前で「欠点」を探すのではなく、メイクも洋服も、今の自分と向き合いながら「今日はどれが一番しっくりくるかな」と一番合うものを選び取ります。</p>

<p>こうした姿勢は、どこか「物を片付ける」ときのプロセスと似ています。物を片付けるときも、大切なのは「理想像のイメージに合わせること」ではなく、「今の私は何を心地いいと感じている？」と自分の状態を観察することだからです。さらに、パリの人たちは、流行りに振り回されることがほとんどありません。なぜなら、誰かの言葉より自分の感覚を信じているからです。</p>

<p>石畳の多い街だからこそ、無理にヒールを履かないのもそのひとつです。無理をして背伸びをするより、自然体で軽やかに歩けるものを選んでいるのです。その選択には「これでいい」ではなく「これが今の私らしい」という静かな確信があります。そして、こうした「選ぶ姿勢」そのものが、美しさの根っこなのだと思います。</p>

<p>年齢を重ねる美しさも、暮らしの中で生まれる美しさも、特別なことをしなくても自分を大切に扱い、観察し続けることで育まれていく。美しさとは、「今の自分に寄り添う小さな選択の積み重ね」。そんなパリの人たちの美意識は「自分を丁寧に扱うこと」と、どこか通じるものがあると感じています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>芸術が身近にあるから、「美しさを見つけるセンサー」が磨かれる</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="1600" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko02.jpg" width="1200" /><br />
美術館を貸し切って、子供たちの遠足へ。</p>

<p>パリで暮らしていて驚くのは、当たり前のように「美術館」や「映画」が、子供たちの日常に組み込まれていることです。私の娘たちが通っていた小学校では遠足の行き先がルーブル美術館やオルセー美術館だったのですが、遠足当日は私のほうがワクワクしていました。</p>

<p>休館日でさえ、学校のために特別開館する美術館もあり、子供たちは静かな館内でガイドの説明を聞きながら、本物の絵画や彫刻をじっくり鑑賞します。大人でも特別に感じる体験が、「日常」として存在しているのです。</p>

<p>また、パリでは映画鑑賞も遠足として扱われ、作品を観るだけではなく「どこに心が動いた？」とクラスで感想を共有し合う時間が設けられています。鑑賞とは「正解を探すこと」ではなく、「自分が何を感じたかに気づくこと」。その感覚を、子供たちは小さな頃から自然に身につけていくのです。</p>

<p>美術館での遠足には、親参加型のものもあり、私自身も少人数でガイドと巡る美術鑑賞を体験しました。ゆったりとした空間の中で静かに作品と向き合う時間は、大人の私にとっても贅沢そのものでした。子供たちは作品の前で、ただ「きれいだね」「すごいね」と言うだけではなく、立ち止まり、比べ、気づき、また戻ってくる......そんなふうに鑑賞していました。</p>

<p>そして、家に帰って娘と夕食の準備をしながら、「あの絵のどの色が好きだった？」「どうしてあそこに立ち止まっていたの？」と話す時間は、私にとっても新たな気づきをもらえる大切なひととき。子供の視点を借りることで、私自身も、もう一度作品を味わい直すような感覚になりました。</p>

<p>芸術を特別視しない文化で育つ子供たちにとって、「美しさは遠い場所にあるもの」ではなく、「日常の中に見つけるもの」。美術館が身近にあり、心の動くものに素直に立ち止まる経験を重ねることで、「美しさを見つける目」はゆっくり磨かれていくのだと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>街全体に、ちょっとした「暮らしへの美意識」があふれている</h2>

<p><img alt="小栗きくこ著『パリ時間』" height="2135" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260514OguriKikuko03.jpg" width="1200" /><br />
街の中に自然と溶け込むカフェの一角。</p>

<p>パリの建物には小さなバルコニーがついているものが多く、鉄の手すりに花の鉢が並んでいます。通りを歩いていると自然と目線が上に向き、窓辺やバルコニーに揺れる花が、通りの景色をやわらかく彩っています。同時に古い建物の連なりや、広い空、整えられた景観に意識が向くことも。それらが、暮らす人たちのものの見方や感じ方までも育てているように思います。</p>

<p>パリでは、歴史的建造物の周辺だけでなく、街全体が歴史と調和するように設計されていて、ノートルダム大聖堂やエッフェル塔、凱旋門の周辺では建物の高さが制限され、空の広さや街の景観が守られています。「街の美しさを大切にしたい」という想いが、暮らしの背景に静かに息づいているのです。</p>

<p>洗濯物を外に干せないのも景観を乱さないため。地区によっては、建物の外観を守るために、窓枠にアルミやプラスチックなどの素材を使えず、木枠で作ることが義務づけられている場所もあります。さらに、エアコンの室外機を外に設置できない建物も多く、歴史ある街並みを壊さないためのルールが今も受け継がれているのです。</p>

<p>そして、パリのアパルトマンには今も「昔の形」が残されています。1階の入り口が驚くほど大きい建物もあり、かつては馬に乗ったまま出入りしていたと語られることも。こんなふうに「街を美しく保つ」という考え方が、住む人のふだんの暮らしに自然に溶け込んでいて、パリの街並みは、「美しさは作り込むものではなく、受け継いでいくもの」と教えてくれているようです。</p>

<p>この街で暮らしていると、建物だけでなく、人々の装いにもパリらしい美意識がさりげなくにじみ出ていることに気づきます。特に私が好きなのは、幼稚園や学校の先生たちが自分たちのためにおしゃれを楽しんでいる姿です。</p>

<p>たとえば、小さなゴールドのピアスに深い緑のストールを合わせる、淡いベージュのニットにそっと揺れるシルバーのイヤリングを合わせる。控えめだけれど上品な組み合わせに、「自分が心地いいと思うかどうか」で選んでいる、さりげない美意識が垣間見えます。</p>

<p>街の景観を守るルールも人の身だしなみも、「誰かに評価されるための美しさ」ではなく、「自分たちの暮らしをより心地よくするためのもの」。散歩道、色褪せた石壁、同じ高さで連なる屋根......何気ない風景の中の小さな工夫でさえ、自然と美意識の土台を形作っているのだと感じます。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_paris01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 27 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小栗きくこ（暮らしのコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「しんどい」「面倒くさい」の正体を言語化する技術　２つの質問で「解像度」が劇的に上がる  黒田悠介（コミュニティ研究家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14256</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014256</guid>
			<description><![CDATA[「仕事がしんどい」といった曖昧な言葉を、「抽象の階段」を下りることで具体化する方法を解説。さらに「なぜ？」「たとえば？」等の問いで「本質」を抽出する実践的な思考スキルを紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="モヤモヤした気持ちは、明瞭にしていくことで、本音が見えてくるという" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" width="1200" /></p>

<p>「最近、なんだか仕事がしんどい......」。そう感じていても、何がどう「しんどい」のか説明できず、一人で抱え込んでしまうことはありませんか？「しんどい」「ヤバい」といった抽象的な言葉は便利ですが、それはピントの合っていない写真のようなもの。自分の本当の望みや本音を見失わないためには、意識的に「抽象の階段」を下り、言葉の解像度を上げていく必要があります。<br />
本記事では、ディスカッションパートナーとして3000人以上のビジネスパーソンと向き合い、クライアントの「本音」を引き出してきた黒田悠介氏が、感情のモヤモヤを晴らすための「なぜ？」「たとえば？」という具体的な問いかけや、思考の迷子を防ぐ「ズームイン・ズームアウト」の視点を伝授します。</p>

<p>※本稿は、黒田悠介著『自分の本音を言葉にできる。モヤモヤを「伝わる」に整える、言葉のレッスン』（インプレス）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>抽象から具体、曖昧から明瞭へ</h2>

<p>「最近、仕事がしんどくて......」<br />
以前、ある若手マーケターからこんな相談を受けました。彼の表情には確かに疲労の色が見えましたが、この「しんどい」という言葉だけでは、何がどうしんどいのか、伝わってきませんでした。</p>

<p>私は彼に尋ねました。「その『しんどい』について、もう少し具体的に教えてもらえますか？」「どんな時にその『しんどさ』が強くなりますか？」</p>

<p>曖昧で抽象的な言葉を具体化し、明瞭にしていくことで、本音に近づくことができる。先ほどの質問を皮切りにして、彼の言葉は少しずつ具体的になっていきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>抽象の階段を下りていく</h2>

<p>私たちは日常的に「大変」「微妙」「ヤバい」「エモい」といった抽象的な言葉を使います。これらの言葉は確かに便利です。瞬時に大まかな感情や状況を伝えることができますし、相手も「なんとなく」理解してくれます。</p>

<p>しかし、それはまるでピントの合っていないぼやけた写真のようなものです。それでも、「これは人物の写真だな」とか「風景の写真だな」といった大まかな情報は読み取れます。しかし、その人物がどんな表情をしているのか、背景に何が写っているのかといった、大切なディテールはまったくわかりません。</p>

<p>私たちの解像度の低い本音も、これと同じではないでしょうか。先ほどの「仕事がしんどい」という言葉も同様です。その一言の奥には、言語化されていない複雑な感情や状況が絡み合っているはずです。</p>

<p>私たちの手元には「語彙」というレンズがあります。そのレンズを使って、ぼやけた写真のピントを合わせ、細部までくっきりと写し出すこと。これが、言葉の解像度を上げるということです。</p>

<p>言葉の解像度を上げるために、ここで一つ提案したいことがあります。それは、「抽象の階段を下りていく」というイメージをすることです。</p>

<p>想像してみてください。あなたは今、高層ビルの50階にいます。窓から外を見ると、街全体が一望できますが、個々人の表情や店の看板は読み取れません。これが「抽象度の高い」状態です。</p>

<p>次に、階段で少しずつ下りていきます。40階、30階、20階と、下りるたびに街の細部が見えてきます。人々の服装、車の色、街路樹の種類。そして1階に下り立てば、目の前の人の表情まではっきりと見えるようになります。</p>

<p>言葉の解像度を上げるとは、この「抽象の階段」を意識的に下りていく作業なのです。先ほどのマーケターの例で実践してみましょう。</p>

<p>・50階（最上階）：「仕事がしんどい」<br />
・40階：「マーケティングの仕事で疲れている」<br />
・30階：「新商品のプロモーション企画で行き詰まっている」<br />
・20階：「ターゲット層の設定と予算配分で上司と意見が合わない」<br />
・10階：「20代向けにSNS広告を提案したが、上司はテレビCMにこだわっている」<br />
・1階（具体度MAX）：「先週の会議で、TikTokでのバズを狙った企画を1時間かけてプレゼンしたのに、部長は『うちの客層にSNSは合わない』の一言で却下した。入念に準備した企画が世代間の認識の違いで潰されたことが悔しくて、モチベーションが上がらない」</p>

<p>どうでしょうか。最上階の「しんどい」から1階まで下りてくると、彼の本音がくっきりと見えてきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>抽象の階段を下りる：「なぜ？」と「たとえば？」</h2>

<p>抽象の階段を下りるための、シンプルで強力なツールがあります。それが「なぜ？」と「たとえば？」という2つの問いです。この2つの問いは、それぞれ異なる役割を持っています。</p>

<p>「なぜ？」は、思考や感情の背景にある理由や原因を探り、物事の深い層へと下りていくための問いです。表面的な出来事から、その奥にある価値観や欲求といった、あなたの本音の根っこに到達することを助けてくれます。</p>

<p>一方、「たとえば？」は、抽象的な感覚が、現実世界の具体的な出来事として現れている場面を探すための問いです。頭の中にある漠然としたイメージを、実際の「エピソード」や「事実」に結びつけ、輪郭をはっきりさせます。</p>

<p>この2つの問いを組み合わせることで、ぼやけていた本音が、立体的かつ鮮明に見えてくるのです。</p>

<p>たとえば、「最近、人間関係が面倒くさい」という抽象的な言葉から始めてみましょう。</p>

<p>【「なぜ？」で具体化】<br />
・なぜ、面倒くさいと感じるの？&rarr;相手の気持ちを考えすぎて疲れるから<br />
・なぜ、考えすぎてしまうの？&rarr;嫌われたくないから<br />
・なぜ、嫌われることが怖いの？&rarr;一度関係が壊れると修復できないから</p>

<p>【「たとえば？」で具体化】<br />
・たとえば、どんな場面で面倒くさく感じる？&rarr;同僚からの誘いを断れない時<br />
・たとえば、どんな誘い？&rarr;毎週金曜日の飲み会</p>

<p>この2つの問いを通して抽象の階段を下りていくと、「人間関係が面倒くさい」という曖昧な感覚が、「職場の飲み会文化に疲れているが、関係性を壊すことを恐れて断れずにいる」という明確な本音として見えてきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ズームアウトするための問い：「要するに？」「どうしたい？」</h2>

<p>言葉の解像度を上げるための思考法として、カメラのズーム機能のような「ズームイン」と「ズームアウト」という2つの視点の動きを意識することも非常に有効です。</p>

<p>【ズームインで具体化】<br />
「ズームイン」は、ぼやけた全体像から細部へとピントを合わせ、物事を具体的に見ていく動きです。前節で説明した「なぜ？」と「たとえば？」という問いは、このズームインのための最も強力なツールと言えます。<br />
しかし、ズームインして細部ばかりを見つめていると、全体像が意識から外れてしまうことがあります。森の中で1本の木を観察することに夢中になるあまり、森全体の中で自分がどこにいるのかわからなくなってしまうのです。</p>

<p>【ズームアウトで本質へ】<br />
そこで不可欠になるのが、もう一つの動きである「ズームアウト」です。<br />
「ズームアウト」は、目の前の具体的な事象から一度離れ、物事の本質や進むべき方向を捉え直す視点の動きです。このズームアウトを促すための、シンプルで強力な2つの問いがあります。それが「要するに？」「どうしたい？」です。</p>

<p>「要するに？」という問いは、複雑な情報や具体的なエピソードの中から、最も重要な幹となる部分、つまり「本質」を抽出するための問いです。目の前の出来事に感情が揺さぶられている時。この問いは冷静さを取り戻し、問題の核心は何かを考える手助けをしてくれます。<br />
「どうしたい？」という問いは、現状から一度視点を外し、「自分が望んでいること」を明らかにするための問いです。思考の袋小路から抜け出し、本当に取るべき行動が見えてきます。それは、ネガティブな思考をポジティブに変換する問いでもあります。</p>

<p>ここでは2つの例で考えてみましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「要するに？」「どうしたい？」の具体例１</h2>

<p>1つ目は、先ほど例に出した「人間関係が面倒くさい」と感じていた人の例です。「なぜ？」「たとえば？」でズームインした結果、その本音は「職場の飲み会文化に疲れているが、関係性を壊すことを恐れて断れずにいる」ことだとわかりました。ここでズームアウトの問いを使ってみます。</p>

<p>【「要するに？」で本質化】<br />
「要するに、断れないことで、自分の大切な時間と精神的な平穏を犠牲にしている、ということだ」</p>

<p>【「どうしたい？」でポジティブ化】<br />
「職場の人間関係は良好に保ち、飲み会への参加は自分の意思でコントロールできるようになりたい」</p>

<p>「飲み会に行くか、行かないか」という目の前の二択から、「どうすれば自分の意思で参加を決められる良好な関係を築けるか」という、より建設的な視点へと変わりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「要するに？」「どうしたい？」の具体例２</h2>

<p>2つ目は、こちらも先述の若手マーケターの例です。彼の悩みは「上司に企画を正当に評価されず、成長機会を奪われているようで悔しい」というものでした。</p>

<p>【「要するに？」で本質化】<br />
「要するに、会社の世代間の認識の差が、自分の成長を阻むボトルネックになっている、ということだ」</p>

<p>【「どうしたい？」でポジティブ化】<br />
「ビジョンに共感しているこの会社で、自分の企画の価値を正しく評価してもらい、マーケターとして成長したい」</p>

<p>個人的な「悔しい」という感情から、「この会社で成長する」という本来の目的に立ち返ることができました。その結果、「部長を感情的に責めるのではなく、客観的なデータを示して、会社のための新しい施策として共に考えてもらうアプローチをしよう」といった、次の一手を考えられるようになるのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 27 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[黒田悠介（コミュニティ研究家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>認知症の親にイライラして自己嫌悪...「2つの心がけ」で穏やかに過ごす方法  繁田雅弘（精神科医、認知症専門医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14232</link>
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			<description><![CDATA[精神科医で認知症専門医の繁田雅弘氏に、家族が認知症と診断され、その症状が見られたときの自らの心の持ちようについて、実際の患者さんの事例を挙げながら、やさしく解説して頂きます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="認知症" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nintisyou.jpg" width="1200" /></p>

<p>認知症という言葉を聞くだけで、胸の奥が重くなる人は少なくないでしょう。自分のもの忘れが気になって不安になる人、家族の変化に戸惑い、「前とは違ってしまった」と心を痛める人もいます。<br />
あるいは、認知症にだけはなりたくない、家族にもなってほしくないと、強く願っている人もいるかもしれません。</p>

<p>本稿では、精神科医で認知症専門医の繁田雅弘氏に、家族が認知症と診断され、その症状が見られたときの自らの心の持ちようについて、実際の患者さんの事例を挙げながら、やさしく解説して頂きます。</p>

<p>※本稿は、繁田雅弘著『認知症になって幸せな人、不幸せな人』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>許せないことは何なのか</h2>

<p>もの忘れは仕方ないことだとわかっていても、どうしても怒鳴ってしまう。<br />
「さっきも同じこと言ってたよね？何度確認したら気が済むの？」「なんで、できないの？ついこの間まではできていたのに！」「だから...、何回同じこと言わせるの？もういい加減にして」「なんでそんな噓つくの？」</p>

<p>声を荒らげてしまった後、うんと後悔する。怒ってもしようがないことを怒り、しょげてしまった親を見て、悲しくなり、自分が心底イヤになる。</p>

<p>親を介護している方のほとんどが、最初にぶつかる壁ではないでしょうか。<br />
イライラして、怒鳴って、自己嫌悪、のループ。皆さん、そうです。頭ではわかっているんですよね。でも、心が追いつかない。<br />
私自身もそうでした。「これくらい、わかるだろう？」「もっと、できるはずだ」。そんな想いから、認知症の母に対して声を荒らげたこともありました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>わかっていてもできないのが親の介護</h2>

<p>しっかりしてほしい？<br />
情けない姿を見たくない？<br />
自分の親に限って...。</p>

<p>自分を育ててくれた親だからこそ、できないことが増えていくこと、変わっていくこと、衰えていくことが、許せない。認めたくない。そんな行き場のない気持ちをぶつけてしまう。そこには、いくつになっても「子どもであるという甘え」もあるのかもしれません。</p>

<p>「わかっていてもできないのが親の介護だ」と皆、いいます。赤の他人なら冷静に対応できても、親だけは難しい。それは、義理の親ともまた別の感情だと。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>叱られて、どんどん小さくなっていく母</h2>

<p>「先日、駅で年老いたお母さんらしき人を叱っている女性を見かけたんです。<br />
私と同じくらいの年齢で、お母さんの歳もたぶん一緒です。なんでできないの！しっかりしてよ！って、大きな声で、すごい形相で怒鳴っていて。叱られているお母さんがどんどん小さくなっていく気がしました。辛くて見ていられなかった。あんな言い方しなくても、って悲しくなりました。...でも、私も同じ言い方をしてるんですよね」</p>

<p>認知症のお母さまと同居する女性が、そうぽつりと言いました。お母さまは教育機関の職につき、長年、人を育ててきた方。娘さんも、公的機関の管理職。ともに「人を育てること」に従事してきた親子でした。</p>

<p>「人を育てることのやりがいを教えてくれたのは母でした。部下を叱るときには、細心の注意を払って叱っているのに。私の母も、私に叱られた後、あの駅のお母さんのような顔をしているのでしょうか。きっと、していますね。怒鳴ってしまった後は、いつも母の顔をちゃんと見られませんから...」</p>

<p>この方は、駅での母娘の姿を見て、これまで自身では向き合えなかったお母さまの「以前みたいにしっかりしたいけれど、どうしようもない」という無力感、情けなさ、みじめさという想いに気づき、共感できたのかもしれません。</p>

<p>認知症を&rdquo;受け入れる&quot;ということは、言い方を変えれば&quot;今の姿でいい&quot;と諦めることでもあります。<br />
はっきり言って、時間はかかります。自分の親だからこそ、です。<br />
少しずつでもいい。せめて怒鳴ってしまった後に、相手の顔と姿を見てあげてください。</p>

<p>--------------------------------------------------------------------------<br />
できないことが増えていく親を、許せない、認めたくない。<br />
それは、親御さんご自身だって同じです。<br />
自分をみじめで情けないと、感じています。<br />
仕方ないことです。<br />
「今の姿でいい」と、<br />
元に戻すことを&quot;諦めて&quot;ください。<br />
--------------------------------------------------------------------------</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「若返る」ことと同じくらい、難しい</h2>

<p>「認知症になったら、もう元には戻れないのでしょうか」<br />
認知症の親をもつ人に、必ずといっていいほど聞かれる言葉です。<br />
わずかな期待を胸にした家族を前に、私ははっきりと「元には戻れないのです」ということを丁寧にお伝えします。<br />
残念ながら、戻りません。</p>

<p>なぜかというと、認知症は老化と分かちがたく結びついているから。<br />
認知症の人を年齢別に見てみると、70代が約1、2割。80代が約3、4割。90代が5割を超えます。</p>

<p>人間、誰でも歳を重ねれば、それまでと同じようにはいかなくなってきます。失敗や、もの忘れも多くなる。老化に抗いつつも、ちょっとずつ心が折れたり、がっかりしていく。病名が付く、付かないは別として、誰しも同じ経験をしているんじゃないでしょうか。</p>

<p>つまり、認知症が「治る」ということは、「若返る」と同じくらい難しいことなのです。<br />
一方で裏を返せば、症状が軽い段階では、正常（老化）と異常（病気）の区別がとても難しいです。「老化」であったとしても、のちに認知症が発症する可能性も否定できません。<br />
その不安は医療の対象ではないという人もいますが、私はその不安も支えられる医療者でありたいと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分の親が「落っこちていく」のが許せない</h2>

<p>ある83歳の女性は、軽度認知障害または軽度のアルツハイマー型認知症と考えられました。十数年前に夫を亡くして一人暮らしをしていましたが、それを心配した管理栄養士である娘さんが、2カ月前にお母さんを呼び寄せて同居をはじめました。ところが事あるごとに、食事や薬、運動と、こまごま指示を出すそうで、女性は疲れた様子を見せていました。</p>

<p>そしてぼそりと、「すみません。娘は娘で一生懸命ですから」と語り、「自分の親が『落っこちていく』のが許せないのでしょうね」と語っていたことが印象的でした。</p>

<p>もの忘れがひどくなったとき、家族は「大変だ、大変だ」と慌ててしまうかもしれません。<br />
でももしかしたら、1年経っても2年経っても、身の回りのことは同じようにできるかもしれない。もの忘れさえ周りがカリカリしなければ、今の暮らしが続けられます。</p>

<p>症状には個人差があるし、病名によっても違います。<br />
アルツハイマー型認知症であれば多くの人の経過はゆるやかです。<br />
ストレスさえかけなければ、残っている能力を発揮できるようになる方もいます。</p>

<p>言い方を変えれば、周りが頑張りすぎると余計な悪化をまねく可能性もあるということ。「おや」と思っても、まずはちょっと様子を見てほしいと思います。</p>

<p>--------------------------------------------------------------------------<br />
残念ながら、<br />
認知症は元には戻りません。<br />
「頑張りすぎない」ことも<br />
一つの尊い選択です。<br />
--------------------------------------------------------------------------</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nintisyou.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 27 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[繁田雅弘（精神科医、認知症専門医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「人生はいつ途絶えるかわからないから」元プロ野球・高沢秀昭さんが還暦で選んだ保育士の道  高沢秀昭（保育士、元プロ野球選手）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14311</link>
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			<description><![CDATA[元プロ野球選手の高沢秀昭さんが球団を退職し志した保育の道。保育士として働く高沢さんに、新しい挑戦との向き合い方を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="高沢秀昭" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260513takasakihideaki.jpg" width="1200" /></p>

<p>元プロ野球選手の高沢秀昭さんは、7年ほど前に球団での仕事を辞め、その後一から勉強をして保育士になりました。年のせいにも、先送りにもしない。「今」が絶好のチャンスだと高沢さんは語ります。（取材・文：若林邦秀）</p>

<p>※本稿は『月刊誌PHP』2026年5月号から一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>61歳で保育の専門学校に入学</h2>

<p>僕は還暦を過ぎたころ、それまで身を置いていた野球界を離れ、保育の道に進むことを決めました。</p>

<p>僕はもともとプロ野球選手をしていて、現役引退後はコーチを務めたのち、球団の野球教室で子供たちに野球を教えていました。中にはキャッチボールがうまくできない子もいますが、それでも捕球できることがある。 「おお、やったね！」と声をかけると、 とてもうれしそうな顔をするんです。子供たちが喜ぶ姿を見るのをいつも楽しみにしていました。</p>

<p>野球教室は10年続けましたが、球団での仕事は一年ごとに契約を更新します。2019年に会社から打診された次の契約は、野球教室の若手コーチの育成でした。子供たちと触れ合う機会が減るのならばと、退職を決めたのです。</p>

<p>次の就職先を考えるにあたって、真っ先に頭に浮かんだのが保育園でした。子供と接することの楽しさが忘れられず、とにかく子供と関わる仕事がしたかった。近所の保育園を飛び込みで訪ねて回り、「何でもやるので、雇ってもらえませんか」とお願いしましたが、保育士の資格がないと難しいと、軒並み断られてしまいます。</p>

<p>そんな中、とある保育園の施設長に「そんなにやる気があるなら、資格を取られたらどうですか」と勧められました。そこで、61歳で保育の専門学校に入学しました。</p>

<p>学校に通って何かを学ぶのは40年以上ぶりのこと。机に向かって勉強するのが新鮮で、毎日わくわくしながら、18、9歳の若者たちと過ごしました。以前、球団で2軍コーチを務めたときに20歳前後の選手と関わっていたので、若い世代との交流に不安はありませんでした。</p>

<p>苦労したのは、ピアノの習得です。専門学校では定期的に試験があり、課題曲を弾けるようにならなければ、単位がもらえません。ピアノは未経験でしたので、楽譜の読み方や指の使い方から学びました。近所のピアノ教室にも通って特訓してもらいましたし、家ではかつて娘が使っていたピアノを弾いてひたすら練習する日々。</p>

<p>また、保育園での実習も経験しましたが、早朝に家を出て、8時間の実務を終えて帰宅後に日誌を書いていると、深夜を回ることもありました。大変でしたが、「乗りかかった船だから、保育士になれるまでやり切ろう」という気合いだけはあったんです。</p>

<p>そうして専門学校の卒業と同時に資格を取得し、63歳で保育士になりました。卒業する前の年に、資格取得を勧めてくれた保育園から内定をもらっていたので、2022年の春からそこで働いています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>悔いなく生きるために</h2>

<p>何事も、まずは一歩踏み出すことが大切な気がします。挑戦してみて、想定外のことが起きたり、思うようにいかなかったりすることもあるでしょう。でも、そのときに軌道修正すればいいんです。</p>

<p>僕自身、実は保育園に就職して2カ月で休職してしまいました。入社してすぐ1歳児の担当になったのですが、子供と接するには、常に前かがみになる必要があります。前傾姿勢を続けるうちに腰を痛めて、椎間板ヘルニアになりました。</p>

<p>すぐに手術を受けましたが、保育士を続けていけるか自信を喪失。仕事に穴を開けるのも申し訳なく思い、一時は退職も考えました。でも施設長が、「せっかく資格を取ったのだから、仕事をやめるのはもったいない」と言ってくださったんです。3ヵ月の休職を経て正社員からパートになり、一日6時間、週4日働いています。</p>

<p>僕は今の職場が好きですが、保育士の資格を生かせる仕事は意外と幅広いんです。学童での放課後児童支援員や、児童養護施設で働く道もある。今後もさまざまな選択肢があると思うと、気が楽になります。</p>

<p>保育園では、お預かりしている大切なお子さんの命を守るという緊張感が常にあります。その責任の重さを感じながら、子供たちの成長に驚く日々です。入園時は首がすわっていない子が、半年も経つとハイハイやつかまり立ちをし始める。言葉を話せなかった一歳児が、僕を見て「じいじ」と言うようになる。一人ひとりの個性や成長の違いを見守るのも、楽しいものです。</p>

<p>みなさんの中には、「今から始めても」と年齢を理由にあきらめたり、あるいは、今始めなくてもとか、もう少し環境が落ち着いたらなど、先送りにしたりする方もいるかもしれません。でも、人生がいつ途絶えるかは予測できませんよね。</p>

<p>僕は13年前に、妻を亡くしました。享年56でした。がんと闘いながら、日に日に衰えていく彼女を前に、人生の残り時間は誰にもわからないと痛感したんです。</p>

<p>以来、何事も思い立ったらすぐ実行しています。グズグズと迷う時間がもったいないし、人生は一度きり。本当にやりたいことに挑戦する絶好のチャンスは、いつも「今」だと思います。これからも一日一日を悔いなく過ごしながら、よりよい人生にしていこうという志を持ち続けたいです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【高沢秀昭（たかざわ・ひであき）】<br />
1958年、北海道生まれ。&rsquo;79年、ロッテオリオンズ（現・千葉ロッテマリーンズ）に入団。&rsquo;92年に現役を引退。翌年からロッテでコーチを務める。2010年、野球教室「マリーンズ・ベースボールアカデミー」でコーチに就任。&rsquo;22年に保育士資格を取得し、横浜市の大豆戸どろんこ保育園で勤務する。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260513takasakihideaki.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 26 May 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[高沢秀昭（保育士、元プロ野球選手）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「孤独は悪いことではない」心が軽くなる人づきあいの考え方  ひきたよしあき（著作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/11923</link>
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			<description><![CDATA[ひとりぼっちになることの恐怖にどう向き合うべき? ひきたよしあきさんが語ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="孤独" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Mansky.jpg" width="1200" /></p>

<p>ひきたよしあきさんは、「ご縁」を意識することで、孤独は次のご縁のための待ち時間と思えるようになったといいます。「ひとりぼっち」も怖くなくなる、人づきあいへの向き合い方をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、月刊誌『PHP』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>孤独は「ご縁」のための待ち時間</h2>

<p>定年退職とコロナ禍が重なった私は、だれに見送られることもなく37年勤めた会社を去りました。自粛が始まったばかりのころで、まだリモートの手段もない。退職に関する書類は郵便で送られてきました。その返信用封筒に社員証を入れて送り返しました。</p>

<p>退職の翌日に、社用携帯は通じなくなりました。メールアドレスも使えなくなりました。自宅から一歩も出られない状態で、会社関連の人脈がプツンと切れた。竜宮城から戻った浦島太郎のような「ひとりぼっち」を味わいました。</p>

<p>肩書きと仕事がなくなると、おもしろいように人が去っていく。「仕事」というかすがいがなくなると、人脈はバラバラと崩れていく。人間関係とは、これほど脆いものなのか。裸一貫、もう一度ゼロから人間関係を築いていく。それを強いられたような思いでした。</p>

<p>仕事でつながった人脈は、驚くほど脆弱である。60歳を過ぎてそれを知った私に新しい視点を与えてくれたのは、古くからの京都の友人でした。京都では「人脈」の代わりに「ご縁」という言葉をよく使います。「せっかくご縁をいただいたんやから」「これも何かのご縁やと思って大切にせな」という感じ。</p>

<p>友人の話では、「『ご縁』は、自分の思惑でつながれるものではない。もっと大きな、人智を超えた何かによって結ばれるもの。だから、人脈はできなかろうが、切れてしまおうが構わない。そんなのは人間が考えても仕方ないこと。『孤独』とか『ひとりぼっち』は、悪いことでも悲しいことでもなく、次の『ご縁』につながるための待ち時間のようなもの」なのだそうです。</p>

<p>会社の人脈が切れ、クヨクヨしていた私はこの言葉に勇気づけられました。ひとりでいることをポジティブに感じられるようになったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「強いひとりぼっち」になれた</h2>

<p>人と人との関係は、人間が考えてつながれるものではない。ご縁で結ばれていくものなのだ。なんておおらかな考え方でしょう。この孤独も、いつか縁とつながる。その根拠のない楽観に当時はずいぶん救われたものです。</p>

<p>37年の会社生活で築いたつながりはなくなった。それにクヨクヨすることなく、むしろゼロベースから大きな縁がくるのを待とうと思った瞬間、少し世界が変わって見えました。会社の決めた道をひた走る人生から、ひとり荒野に立ったことに気づくと、感傷に浸るばかりでなく、冷静に「孤独」の深さを味わえる「強いひとりぼっち」になれる気がしました。</p>

<p>人間関係は、不思議な「ご縁」でつながっている。これを考えるうえで参考になったのは、進化心理学者ロビン・ダンバー氏の「ダンバー数」でした。「人間関係は、3人、6人、9人と3の倍数で増えていく」というものです。</p>

<p>顔と名前と性格がわかる人数は、学校のひとクラス分、36人ほどでしょう。私は、親しい人の名前を36人思い浮かべてみました。驚くことに、「永遠の友達!」のように固定される人は実に少ない。一年前と今とを比べても、親しい人もその距離も変わっています。</p>

<p>ご縁でつながる人間関係は、常に変動する。言い換えれば交換可能です。固定した関係などそもそもなく、常にご縁の力で動いている。人と人は集まり散じる。こう考えると、「ひとりぼっち」が怖くもさみしくもなくなっていったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>孤高の地図を自由に歩く</h2>

<p>少子化、高齢化、ネット社会化、グローバル化。ここ数十年の社会変化によって、「ひとりぼっち」のかたちも大きく変化しています。</p>

<p>コロナ禍で家族全員が家にいる時期があった。あのとき、「温かいと思っていた家族は、結局は孤独な人の集まりだった」と言った人がいました。ひきこもりの中学生が「学校に行っても孤独だけど、オンラインゲームの中にはたくさんの友達がいる」と言いました。</p>

<p>見た目や旧来の価値観で「孤独」や「ひとりぼっち」を定義できない時代です。だから「孤独」の度合いを人と比べることには、全く意味がありません。SNSに投稿されるキラキラ写真を見て「みんな、こんなに楽しそうなのに、私はひとりぼっち」などと考えることに意味はないのです。</p>

<p>「茶道」「華道」「剣道」「柔道」と、いろいろなものを「道」にたとえる傾向のある日本では、つい人と比べて、遅れている、立ち止まったら負けだ、踏みはずしてはいけない、などと考えてしまう。みんなより遅れてしまうことに孤独感を抱いてしまいがちです。</p>

<p>ところが私が訪れたフランスの小学校では、人生を「地図」にたとえていました。ゴールは決まっているのですが、そこに行き着くまで、山を駆け登ろうが、小川のほとりを歩こうが自由。全員、描く地図は違います。つまり全員、ひとりぼっちで、孤独に地図の上を歩むのです。</p>

<p>これは「孤独」ではありません。「孤高」です。しばらく歩くうちに、天からご縁がふってくる。それを得て、また次の道に悠然と進んでいく。私はこれが「孤独」の理想だと信じています。</p>

<p>あなたも自分の地図を歩いてください。きっと空から次のご縁がふってきますよ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【ひきたよしあき】<br />
1960年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、博報堂に入社。2022年に株式会社SmileWordsを設立し、代表取締役に就任。政治、行政、大手企業のスピーチライターとしても活動。『モヤモヤを言葉に変える「言語化」講座』（PHP研究所）など、著書多数。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Mansky.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 26 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ひきたよしあき（著作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ“日記を書くこと”が心を救う？ 『さみしい夜にはペンを持て』著者が語る理由  古賀史健（株式会社バトンズ代表取締役社長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/11778</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011778</guid>
			<description><![CDATA[話題の『さみしい夜にはペンを持て』の著者・古賀史健氏に、本書のねらい、中高生を対象とした理由について話を聞いた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="日記" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_diary.jpg" width="1200" /></p>

<p>『嫌われる勇気』の共著者としても知られる古賀史健氏が、はじめて13歳に向けて書き下ろした「自分を好きになる」書き方の寓話『さみしい夜にはペンを持て』。本書で日記を書くことを推奨した理由とは?&nbsp;古賀氏に話を聞いた。 聞き手：編集部（田口佳歩）</p>

<p>※本稿は、『Voice』2024年2月号より抜粋・編集した内容をお届けします。</p>

<p>【古賀史健（こが・ふみたけ）】<br />
株式会社バトンズ代表取締役社長。1973年生まれ。出版社勤務を経て、1998年フリーランスに。著書に『取材・執筆・推敲』、『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』（以上、共著・岸見一郎）、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』、その他構成に『16歳の教科書』シリーズ、『ゼロ』（堀江貴文著）など約100冊があり、累計1500万部を数える。2014年、ビジネス書ライターの地位向上に寄与したとして「ビジネス書大賞・審査員特別賞」受賞。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「書くこと」で救われてきた</h2>

<p>――本書は、日記を書くことを推奨する本です。なぜ、このテーマで執筆されたのでしょうか。</p>

<p>【古賀】もともとは中高生に本を読むことの楽しさを伝えたいと思っていたんです。でも自分のことをよく振り返ったときに、本を読むこと以上に「書くこと」によって救われてきたことに気付きました。</p>

<p>僕は、何かにムシャクシャしたり嫌なことがあったりしたときは、文章に書き出すことで処理してきました。また、10年以上続けているブログは、執筆を通して頭の整理をしたり、自分が生きている実感を得られたりしている場です。</p>

<p>文章の書き方については、これまで何冊も本を出しました。そこで本書では、そもそも人間にとって書くとはどういうことか、書くとどんな良いことがあるかについて、やはり中高生に伝えたいと考えました。</p>

<p>――本書の内容は高度で、大人が読んでも頷かされる箇所が少なくありませんでした。それでも、とくに届けたいのは中高生なのですね。</p>

<p>【古賀】小学生から中学生、さらに高校生に上がると、他者との人間関係だけでなく「自分とは何か」「なぜ僕は生きているんだろう」など自分との関係に悩み始めますよね。少なくとも僕はそうでした。人生で初めてそんな悩みに直面した人たちに向けて、自分なりにメッセージを送りたいと思ったのです。</p>

<p>ちなみに、大人であれば、一般書を手にとるかどうかは、自分に直接役立つかどうかで判断しがちでしょう。誰もが多かれ少なかれ、自分と向き合うことの重要性は認識していると思うのですが、それでも「日記を書きましょう」と言われたところで、日々の仕事や子育てでそんな余裕はないかもしれない。ならば、お金はなくとも時間はあり、さまざまな悩みを抱えはじめる中高生と、本を通じて向き合いたかったのです。</p>

<p>――反響はいかがですか。</p>

<p>【古賀】有難いことに、中高生からたくさん感想をいただきました。ちょうど今日も、15歳の読者から手書きのハガキが届きました。じつは執筆中にも、原稿を中学生の方に読んでいただき、その感想をもとに何度も書き直したんです。</p>

<p>――古賀さんは、相談相手がいないときには「自分に声をかける」ことが大事で、それが「書くこと」だと書かれていますね。古賀さん自身、普段からご自身に声をかけているのでしょうか。</p>

<p>【古賀】じつは癖として「自分インタビュー」をやっているんです。たとえば、あるスポーツ選手の記者会見がテレビで流れていたら、自分がその場にいたら何を質問するか、その質問を投げかけられたらどう答えるか、瞬時に立場を入れ替えながら考える。その選手が僕には思いつかない答えを話していたら、「この人凄いな」と思ったり。</p>

<p>――じつは私も時々「自分インタビュー」をしています（笑）。</p>

<p>【古賀】そうでしたか（笑）。「自分インタビュー」をすることで、「聞く」「答える」という対話がシミュレーションできますよね。それがきっと、僕にとっては自分が何を考えているかを言語化するための手段になっている気がします。</p>

<p>――本書の構成としても主人公の「タコジロー」と「ヤドカリのおじさん」の対話が中心です。対話形式で執筆した狙いは何でしょうか。</p>

<p>【古賀】たとえば、講演会では最初に登壇者が数十分スピーチして、最後に質疑応答の時間が設けられることが多いですよね。僕も登壇者の側に招かれるのでわかりますが、皆さん、最初のスピーチは退屈そうにされているんですよね（笑）。でも質疑応答の時間になると、打って変わったように真剣に聞いてくれる。</p>

<p>ですから本書も、一人称で語り続けるより、対話を楽しんでもらおうと思い至りました。タコジローやヤドカリのおじさんを身近に感じて、自分もそこに加わってるような感覚で読み進めてもらえれば面白く感じてもらえると考えたんです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「面倒くさい」への対処法</h2>

<p>――本書では「ことばの暴力」について「丁寧に説明するのが面倒くさい」ときに振るってしまうと書かれています。SNSでの誹謗中傷の問題をどう見ていますか。</p>

<p>【古賀】誹謗中傷は「暴力」以外の何物でもありません。しかも、普通の喧嘩ならば相手に殴り返されるかもしれないところ、匿名のアカウントならばその心配もない。安全地帯から他人を傷つけているのです。</p>

<p>残念ながら、そうした「暴力」はSNSという装置があるかぎりは存在するでしょう。だから、攻撃されたときに誰に頼り、どう対処するかという防御の方法をしっかり考え、広めるべきだと思います。</p>

<p>僕が本書に書いた「誰にも言えない自分の気持ちを言葉にして、まずは自分に語りかけてみる」ことも、一つの解決策だと伝えたいですね。</p>

<p>――自分の気持ちと向き合ったり語りかけたりすることは容易なことではないと思いますが、日記を書く以外に方法はありますか。</p>

<p>【古賀】若い人は「若者言葉」を使いますよね。少し前に流行った言葉だと「マジ卍」とか（笑）。</p>

<p>――ありましたね（笑）。明確な意味はなく、喜怒哀楽を表していたように思います。</p>

<p>【古賀】彼らにとっての「若者言葉」は、あらゆる気持ちを表すうえで気軽に使える万能の言葉です。LINEのスタンプも近いかもしれない。既存の言葉では言い表せない微妙な気分を表現してくれる便利な表現方法です。</p>

<p>しかし、その便利さに頼りすぎると、自分の気持ちを考える力が弱くなってしまいます。</p>

<p>ところが面白いことに、若者でも文章を書くときは、「マジ卍」などの言葉はなかなか使いません。つまり、日本語で何かを書くことは、頭を働かせて自分の気持ちと向き合うことでもあるんです。</p>

<p>もちろん、書くことさえ「面倒くさい」と思う人もいるでしょう。その場合は、まずは「若者言葉」を使おうとしたときに立ち止まり、普通の日本語ならばどう表現するか、考えてみてほしいですね。</p>

<p>――いまのお話は「自分を客観的に見つめる」ことの大切さにもつながるように思えます。</p>

<p>【古賀】たとえば、哲学とは「世界とは何か」「なぜ私はここにいるのか」を考える学問ですよね。でも犬や猫は、そんなことを考えて生きていないはずです。「私」という一人称を存在させて思考することは、非常に人間的な営みと言えるのではないでしょうか。そうして自分と向き合うことは、むしろ人として生きる苦しみを引き受けることにもつながるかもしれませんが、僕は人間だけが追求できる楽しみではないか、と考えています。</p>

<p>――「日記」の醍醐味を、最後にあらためて教えていただけますか。</p>

<p>【古賀】日記を書くことは、「心の鏡」をつくる作業に近いかもしれません。たとえば、自分の顔色や髪形は、鏡を見ないとわかりませんよね。それと同じで、自分の心や気持ちだって鏡がないとわからないはず。その鏡が日記であると、僕は思うのです。日記を書いて読み返すと、「自分はこんな人間なんだ」「あのとき、こんなこと考えていたんだな」などとわかりますから。</p>

<p>もちろん、鏡をもたなくても生きることはできます。でも、少なくとも僕は日記をつけることで自分の現在地を知り、次のステップに進みやすくなっているような気がします。自分を見つめ直すために、心を映してくれる鏡をつくる。そのために日記を書くと、これまでと違う発見があるかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 26 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[古賀史健（株式会社バトンズ代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ孤独な人はネットで攻撃的になるのか　嫌がらせがやめられない心理メカニズム  荻上チキ（評論家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14255</link>
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			<description><![CDATA[SNSで誹謗中傷が止まないのはどうしてか。荻上チキさんは孤独が人々の攻撃性を引き出すと語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="孤独　荻上チキ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smartphone_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>さびしさ、悲しさ、不安感、無力感――。孤独は多くの負の感情をもたらします。荻上チキさんの著書『孤独をほぐす』は、孤独とはなにかを丁寧に解きほぐしながら、この社会がいかなる孤独を生み出しているのかをエッセイ形式で読み解いた一冊です。</p>

<p>本稿では同書より、インターネットと孤独の関係について語られた一節を紹介します。</p>

<p>※本稿は、荻上チキ著『孤独をほぐす』(PHP新書)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>孤独は人を攻撃的にする</h2>

<p>SNSはその名の通り、社会的（ソーシャル）な交流（ネットワーキング）を構築・強化するためのサービスです。SNSへのアクセスは、多くの個人情報を委ねる行為でもあります。</p>

<p>閲覧履歴や検索履歴などからあなたの関心事項が学習され、商品の購入や契約の締結へと誘導をします。それまで知りもしなかった商品が無性にほしくなったという経験は、多くの人がしているでしょう。</p>

<p>孤独感は、買い物の意欲を高めたりもします。ほしい物を手に入れたという感覚は、脳に強い報酬を与えてくれます。さびしさを紛らわせるために、つい買い物サイトをめぐってしまったりするのです。</p>

<p>また、ウェブ上は「見せびらかし」で溢れています。広告ということを伏せてPRするようなものも少なくありません。そこから生まれる羨望は、何かしらの消費行動に結びつけられます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>SNSが与える報酬</h2>

<p>孤独という感情は、市場の大いなる標的となっています。企業にとっては、その人がどれだけ孤独であったとしても、アクセスや購買をやめなければ「よい客」に見えるでしょう。</p>

<p>SNSとの接触それ自体もまた、孤独な人に対し、さまざまな報酬を与えてくれます。ただしそれが、個人にとって、あるいは社会にとって、よいことばかりとは限りません。</p>

<p>たとえば、人は「集団から排除されている」という排斥感を抱くと攻撃的になることが知られています。アメリカの学校での銃乱射事件では、犯人の事前行動に、いじめ被害や孤立、失恋などが関与している割合が高いと分析されています。</p>

<p>ネット上で攻撃的な行動を取る「トロール（荒らし）」の研究でも、孤独感の強い人ほどその傾向があると指摘されています。</p>

<p>インターネット上で普段は抑えているような行動を取ることを、オンライン脱抑制と言います。オンライン脱抑制化には、良性的なものと有毒的なものがあります。良性的な脱抑制としては、普段は恥ずかしくてできない人助けをネット上で行なうとか、自己開示をして相手と親密に関わることなどがあります。他方で有毒的な脱抑制としては、他人を攻撃したり、眉をひそめられるような意見をあえて発信したりすることなどがあります。</p>

<p>人を攻撃する場合というのは、決して無差別に行なわれるわけではありません。人が場面によって自分の姿を演じ分けるのは、ネット上での攻撃も同じです。あるサイトではキラキラした姿を見せ、別のサイトでは何かを攻撃してやまない。どのタイミングで、どのサービスを使って攻撃するのかという態度にも、相応の傾向があります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ダークな性格が「活躍」する</h2>

<p>写真共有サイトでは、容貌のいい人がフォロワーを増やしやすく、そのような容姿を持つ人には有利に働きます。一方で、匿名サイトなどでは「顔を出している人」や「名前を出している人」が攻撃されやすい。</p>

<p>では、他者への攻撃を促しやすい効果を持つサイトとはどんなものでしょうか。たとえば誰かをさかんに攻撃するユーザーがすでにおり、他のユーザーから称賛されている。攻撃対象からの報復も見られず、通報しても対応がなされているように思えない。しかもとんでもないことに、サイト管理人などが率先して攻撃を煽っている。そんなサイトは、人の攻撃を助長すると見てよいでしょう。</p>

<p>どのような人が、どのようなネット利用をするのかも重要です。人の性格には、いくつかのダークサイドがあります。よく分析されるのは、ナルシシズム、マキャベリズム（目的のためには手段を選ばない性格）、サイコパシー（共感性の低さ）。それから、サディズム、スパイト（自分で代償を払ってでも相手に損害を与える）、権威主義、不誠実さなどです。</p>

<p>多くの人にとっては躊躇するような行動が、フォロワーに称賛される。そのことで、ダークな性格が増幅され、他人への嫌がらせを続けてしまう。オンラインには、ダークな性格が「活躍」しやすいサイトがあります。他人への攻撃が盛り上がれば、PV数（閲覧数）やインプレッション数（表示回数）が増える。そこは、攻撃者ですら「よい客」としてしまう、ダークステージだと言えます。</p>

<p>イーロン・マスクによる買収後のツイッター（現Ｘ）は、わかりやすいサンプルです。インプレッション数を可視化し、その数に応じて報酬を支払い、差別投稿などを放置し、分極化を加速する仕組み（アルゴリズム）を継続する。目立つために手段を選ばないデジタル・マキャベリストや、他人に苦痛を与えて喜ぶデジタル・サディストにとって、格好のステージでしょう。</p>

<p>孤独な人同士が、オンラインでつながる。このこと自体は、よい面も悪い面もあります。ただし、そこで築かれた集合は、合意形成の主体を持たないため、制御が困難になりがちです。</p>

<p>プラットフォームがダークステージにならないためにどのような対応が必要なのかという議論が、ようやく先進国などで始まったところです。</p>

<p>自分がデジタル・ダークサイドに落ちず、孤独ゆえに攻撃的な振舞いをしてしまわないか。自己の特性と、デジタル環境との相性について語るためにも、さらなる分析言語とネット文化史の共有が必要です。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 26 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[荻上チキ（評論家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>自律神経が整う秘訣　1日1分の「長生き呼吸法」と「睡眠の日」  小林弘幸（順天堂大学医学部特任教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14224</link>
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			<description><![CDATA[良質な睡眠、1日3食の食事、そして1日1分の「長生き呼吸法」で自律神経を整える方法を解説。環境づくりや食事のタイミング、簡単な呼吸エクササイズを通じて、心身のパフォーマンスを最大化する習慣を提案します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="自律神経が整う生活習慣とは？" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_woman_drinking2.jpg" width="1200" /></p>

<p>「しっかり寝たはずなのに、疲れが取れない」「仕事中にイライラや眠気が襲ってくる」......そんな悩みは、毎日のちょっとした習慣で改善できるかもしれません。自律神経を整える鍵は、良質な睡眠、腸を動かす食事、そして意識的な呼吸にあります。医学的視点から考案された、1日1分でできる「長生き呼吸法」や、睡眠負債をリセットする「睡眠の日」の作り方など、今日から実践できる心身のメンテナンス術をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、小林弘幸著『科学的に証明された 自律神経を整える習慣』（アスコム）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>週に1回「睡眠のための日」を作る</h2>

<p>質のいい睡眠とは？ と聞かれて、その中身を科学的、医学的にスラスラ答えられる人はなかなかいないと思います。しかし、目覚めたときにすっきりしていて、「今日はよく眠れた！」と感じる場合は、その日の眠りの質はよかったといえると思います。反対に、「しっかり寝たはずなのに、なんだかまだ眠い」なんていう日は、あまり熟睡できていなかったのでしょう。</p>

<p>質のいい睡眠をとるには、規則正しく睡眠をとることを習慣化していただけるといいでしょう。よい睡眠の確保は、自律神経を整えるためにもっとも大事な要素のひとつですし、何より「気持ちよく眠れた！」という日の活力がどれほど豊かで生き生きとしているかは、みなさんよくご存じでしょう。<br />
そういう日をもっと増やすために、どんな習慣を心がけると助けになるでしょうか。</p>

<p>基本は、「毎日〇時間寝る」「夜△時に寝て朝&times;時に起きる」と決めておくことが大切です。そのとおりにはいかないことも多いと思いますが、眠る際に「枕に向かって誓う」だけで、意識は変わってきます。<br />
そのためには、副交感神経を出せるような、よい眠りのためのスイッチをたくさん作っておきましょう。</p>

<p>たとえば、寝室内にリラックスして眠れるような仕掛けや環境を整えてみるというのはどうでしょうか。リラックスできる音楽、眠りを誘う香り、読むと必ず眠くなる本......。そんな、睡眠のきっかけになるものをつねにそろえておくようにするといいでしょう。</p>

<p>温めたタオルを首に巻き、首の筋肉を温めるのもおすすめです。首には神経や血管が集まっていて、温めると副交感神経が活性化しやすくなります。</p>

<p>忙しくてなかなかまとまった睡眠時間をとれない場合は、せめて週に1回は「睡眠のための日」を作りましょう。睡眠不足のまま仕事や勉強を続けても、やがてパフォーマンスは落ちてしまいます。今日は寝る日と決めたら、昼間は適度に運動をするようにしましょう。運動で生まれるセロトニンは夜寝るためのメラトニンを生成するので、スムーズに眠りにつくことができます。</p>

<p>私の場合、夜は仕事のメールチェックはなるべく控えて、起きてから見るようにしています。交感神経のスイッチが入らないようにすることで、睡眠の質を下げないようにするためです。メールだけでなく、ネットなどでネガティブな情報を、寝る直前まで見ることをやめることも大切です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>食事はやっぱり1日3食</h2>

<p>食事のとり方やタイミングも、自律神経に影響します。</p>

<p>そもそも、私たちはなぜ1日3食なのでしょうか。もっとも、さまざまな説があり、みなさんのなかには1日2食派、1食派の人もいるかもしれませんが、私は自律神経を整える目的なら、1日3食を強くおすすめします。</p>

<p>やはり3食しっかり食べて栄養をチャージすることが大切なのか......と思われがちですが、自律神経のためだけに限れば、そうではありません。第一、消費カロリー以上に摂取してしまうと、当然の話として太ってしまいます。ただでさえ在宅勤務が増えている状況ですから、積極的に運動をしていない限り、消費カロリーはむしろ下がっている可能性があります。</p>

<p>自律神経にいい「1日3食」とは、「3食しっかり食べましょう」というより、「1日に必要な栄養素を取り入れる際、3回に分けて食べましょう」という意味合いだと理解してください。<br />
自律神経を整えるために大切なのは、腸をつねに、一定の勢いで動かしていることだからです。</p>

<p>まずは、朝食は必ずとるようにしましょう。<br />
なぜなら、体が目覚める朝に腸を刺激しないと、副交感神経が下がりすぎてしまうからです。本格的な活動を始める前に適度に食べておくことで、副交感神経を適切な水準に上げておくことができます。</p>

<p>時間がないときは、ヨーグルトとバナナ、あるいは「長生きみそ汁」（赤みそ＋白みそ＋おろし玉ねぎ＋りんご酢のみそ玉に具材を加える）だけでもOK。噛む行為もまた、脳を刺激し、体温を上げて体を目覚めさせます。どうしても食べられない場合は、せめて水や白湯、お茶だけでも体に入れるようにしてください。腸はその重さを感じただけでも動きます。</p>

<p>私たちは空腹になるとイライラしますが、これはいわば自律神経が乱れている状態と考えられます。反対に、おなかがいっぱいになると眠くなり、仕事や勉強の能率が下がってしまいます。これはリラックスのしすぎで、逆の意味で自律神経が乱れてしまっていることになるわけです。毎日適度な量を食べることで、腸が働き、自律神経が整うのです。</p>

<p>そして、寝る3時間前までには夕食を終えるようにしましょう。なぜなら、腸が食べ物を消化するのに3時間程度が必要だからです。睡眠の質を下げないためには寝る3時間前までには夕食をとるのがベストですが、どうしても夕食の時間が遅くなってしまう場合は、なるべく消化のいいものを食べるようにしましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>長生き呼吸法で自律神経を整える</h2>

<p>私たちは、1日で2万回もの呼吸をしています。<br />
呼吸はまさに自律神経によって動いていますから、ほとんどの人は普段、意識すらしていないでしょう。以前は私も呼吸についてなど強く意識したことはありませんでしたが、50代のなかごろに、急に喉頭蓋が腫れ、咳が止まらず、呼吸ができなくなってしまったことがありました。たった数十秒でしたが、大げさではなく死を意識したことで、呼吸の大切さを痛感しました。</p>

<p>呼吸は、交感神経優位だと浅く・速くなります。<br />
もしも1分間で20回を超える呼吸をしているのなら、交感神経が上がりすぎているサインです。取り込んでいる酸素量が不足して、自律神経にも悪影響を与えかねません。</p>

<p>そこで私は、毎日1分程度、意識しながら行なうだけでよい呼吸の習慣ができる「長生き呼吸法」を考案しました。ここではその概要をご紹介しましょう。</p>

<p>自律神経を整える「長生き呼吸法」の基本は、「鼻から3秒吸い、口から6秒吐く」という、「1：2」のリズムです。この呼吸法を覚えたら、次のような動作とともに行ないます。</p>

<p>【1】足を肩幅程度に開き、まっすぐ立つ。肩の力を抜き、両手を脇腹に当てて、肋骨の下を軽くつかむ。<br />
【2】3秒間、鼻から息を吸いながら、上体をそらして両手の力を緩める。<br />
【3】6秒間、口からゆっくり吐きながら、上体を前に倒し、両手で脇腹の肉をおへその側に集め、腸に痛くない範囲で、適度な刺激を与える。<br />
以上で1セットです。1日1分程度でもいいですし、何度やってもOKです。</p>

<p>さらには夜寝る前、副交感神経を優位にして、睡眠の助けになる呼吸法も紹介しておきましょう。</p>

<p>【1】足を肩幅程度に開き、まっすぐ立つ。両手を上に伸ばして手首をクロスさせ、鼻から3秒息を吸う。<br />
【2】 一気に力を抜いて両手を下げ、口から6秒息を吐く。</p>

<p>これを繰り返すことで、全身からほどよく力が抜けます。<br />
睡眠前の習慣に取り入れておくといいでしょう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 26 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小林弘幸（順天堂大学医学部特任教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>作家・皆川博子さん「書くことは、生きていると感じられること」  皆川博子（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/11718</link>
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			<description><![CDATA[一世紀近く本を愛し続けてきたという、作家の皆川博子さん。その半生を聞きました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book.jpg" width="1200" /></p>

<p>幼い頃から本を愛しつづけてきたという、作家の皆川博子さん。40歳で児童文学作家としてデビュー、その後は大人向けの小説へとその活躍の場を広げてこられました。皆川さんの作家としての半生について、お話を聞きました。（取材・文：鈴木裕子）</p>

<p>※本稿は、月刊誌『PHP』2024年1月号より、一部編集・抜粋したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分が一番「生きている」と感じられること</h2>

<p>「作家」という肩書きがつくようになって50年余りになりますが、自分としては作家という意識があまりないのです。好きなことを好きなようにやっていて、それが幸い、いい編集の方がついてくださり、本に仕上げてくださった。だから、ほかに言いようがなくて作家と言っていますけど、書くことは私にとって仕事というよりも、自分が一番「生きている」と感じられることなんです。</p>

<p>気づけば、身のまわりには本がたくさんありました。といっても、私が幼少のころは子供向けの本はそれほど多くなく、家にあったのも大人の本ばかりでしたけれど。</p>

<p>小学校低学年のときによく読んでいたのは、「世界大衆文学全集」や日本の作品を集めた「現代大衆文学全集」。「世界大衆文学全集」は、エドガー・アラン・ポーやアレクサンドル・デュマ・ペール、ヴィクトル・ユーゴーなどの作品も収められていて、デュマの『三銃士』やユーゴーの『九十三年』なども、抄訳ではなく大人が読むものをそのまま読んでおりました。</p>

<p>「現代大衆文学全集」には、吉川英治や国枝史郎、江戸川乱歩など、親に「読んではいけません」と言われるような悪い本もありました（笑）。それらを親の目を盗んで読むうち、物語のおもしろさにすっかり取り憑かれてしまったのです。</p>

<p>ところが、10代に入ると太平洋戦争がひどくなり、疎開した先に本などありません。戦争が終わって東京に帰ってきたら、見渡すかぎり焼け野原。出版社も印刷所も焼けてしまって、本がないどころか、本を刷る紙もない状態でした。ですから、本を読みたくてもなかなか新しいものが出版されない。焼け残った古本を探しては手に入れて読んでいました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>デビューは40歳を過ぎてから、児童文学作家として</h2>

<p>その後、女学校、女子大と進んだ後、結婚して娘ができ、普通の家庭の主婦になりました。女性の生き方として、それが「普通」の時代だったんですね。でも、私はその「普通の主婦」という枠がとても窮屈で、半分死んでいるような心持ちでした。</p>

<p>そんな中でいつも本を読んでいて、そのうち自分でも物語を書くように。34歳のとき、講談社が児童文学賞を募集するという記事に目がとまり、作品を一つ書いて送ってみました。最終選考には残ったものの、結果は佳作。自分には才能がないのだと思い知ったわけですが、それでもぼちぼちと児童向けの作品を書いていました。</p>

<p>娘が高校2年生のとき、交換留学で1年間オーストラリアに行くことになりました。娘が家にいないのはさびしかったのですが、その反面、「母親」「主婦」という枠が外れ、心が解き放たれたように感じたことを今でもよく覚えています。</p>

<p>そこから堰を切ったようにいろいろ書けてしまいまして、42歳のときに『海と十字架』で児童文学作家としてデビューしました。</p>

<p>同じ年に江戸川乱歩賞に応募し、賞は逃したのですが、出版社の目にとまり「大人の小説を書いたらどうか」と言われたんです。大人の小説なんて自分にはとても書けないからとお断りしたのですが、とにかく一作書いてみるようにと言われて小説現代新人賞に応募しました。</p>

<p>案の定、最終候補止まり。やはり自分は子供向けの作品を書いていこうと思っていると、編集の方が「もう一度」と言うのです。では、これが最後と思って書いた『アルカディアの夏』で第20回小説現代新人賞をいただき、今に至ります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>押しつけられた常識に反発する</h2>

<p>思い返すと、弱い立場の人の視線から書いている作品が多いかもしれません。</p>

<p>そのことをはっきり自覚したのは、壬申の乱前後を少年たちの目から描いた『炎のように鳥のように』（1982年）がきっかけでした。</p>

<p>壬申の乱というと、悲劇の王子として大津皇子が一番人気だと思うのですが、私は、一般的にはダメだと言われている草壁皇子のほうに気持ちが入るのです。大津皇子がとてもしっかりした強い少年であるのに対して、草壁皇子はやさしくて気が弱く、自分の意見をなかなか主張できない。私としてはそんな草壁皇子に、どうしても肩入れしてしまって。</p>

<p>皇子たちが逃れた吉野山には、狩りをしながら生きる少年たちがいます。彼らはさらに弱い存在で、だからこそ踏みにじられる者たちの気持ちがわかる。強い者には見えないもの、見落としているものが、弱い者には見えるのではないか。そう思いながら書いていました。</p>

<p>強き者より弱き者のほうに心を寄せてしまうのは、やはり私自身が「窮屈な枠から解き放たれたい」という思いを強く持っているからでしょう。</p>

<p>私が育ったころは、子供が親に口ごたえするのはいけないことで、特に「女の子はおとなしく引っ込んでいなさい」という時代でした。戦後、社会は手のひらを返すように民主主義に一応は変わりましたが、大人たちも民主主義が何か全然わかっていない。「男女同権」も言葉だけで、女性は相変わらず社会的に弱い立場のままでした。</p>

<p>今はどうなのでしょう。性別が足枷になることなく生きられることも増えましたが、まだまだという現実もあるように見えます。上の人たちは「女性も活躍を」などと言いますが、都合のいい労働力にされている部分もあるのではないでしょうか。</p>

<p>幼いころからずっと「普通」の常識を押しつけられたり、女性が弱い立場に置かれていたりすることに、日常生活ではなかなか反発できないので、私はそれを作品の中で押しのけてきました。私は人間の「狂気」をよく書きますが、そうした反発が、時に「狂気」という形であらわれてくるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>物語の中ではどこまでも自由に</h2>

<p>最新作の小説『風配図 WIND ROSE』も、弱い立場の人間の視点で書きました。舞台は12世紀のヨーロッパ、北ドイツを中心とする都市同盟「ハンザ」の黎明期。交易拠点であるバルト海のゴットランド島に暮らす15歳の少女ヘルガに降りかかる苦難や人々の思惑、家父長制の軛や政争などを、彼女を慕う義理の妹やロシアの富商に仕える完全奴隷（ホロープ）の目を通して描いています。</p>

<p>私がハンザという言葉を知ったのは、10代のころ読んだアルチュール・ランボーの詩がきっかけです。小林秀雄が訳した「酩酊船」という詩に出てきて、意味もわからないままに「ハンザの帆走船」という言葉の響きが印象的でした。その『ランボオ詩集』は、戦後何もない中でようやく新たに刊行された一冊で、ずっと手放さずにいたのです。</p>

<p>数年前、ハンザに関する研究書が日本語で立てつづけに出版されて、貪るように読むうちにハンザを素材にした話を書きたくなり、この本ができあがりました。</p>

<p>一般的には、気持ちよく読み終えられる物語が好まれるようです。でも、それではあまりに安易ではないかと、私はむしろ物語をハッピーエンドにはしてきませんでした。たとえば、追い詰められた主人公が精神的に病んでしまったり、自死を選んだりすることも。</p>

<p>けれど最近は、そういう結末もまた安易ではないか、苦しい境遇にあっても生き抜いていく、マイナスからプラスに変えるところまで書かなければならないのではないか、と思うようになりました。</p>

<p>『風配図』でも、当初、ヘルガは早い段階で亡くなる予定だったのですが、生き残り、物語を最後まで引っぱっていってくれます。</p>

<p>話の骨格は史実に基づいていますが、ヘルガをはじめ登場人物の多くは架空の存在。戯曲形式や詩歌の引用なども交えて、自由に書かせてもらいました。だからこそ書けるものがあると思っています。</p>

<p>歌舞伎狂言作者の河竹黙阿弥も、「調べて本当のことを書くのは作者の義務だが、そこに大嘘を混ぜるのは作者の特権だ」と言っています。歴史として語られるのは大きな事件、そして強い人たち。大きな事件の影に隠れた出来事や、強き者に押しつぶされてしまった弱者の声は伝わりません。そこを私は書いていきたい。</p>

<p>今は『風配図』の続編の執筆に没頭しています。これからも力の続くかぎり、「大嘘」をつきつづけていきたいです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【皆川博子（みながわ・ひろこ）】<br />
1930年生まれ。72年、『海と十字架』で作家デビュー。ミステリ、歴史小説、幻想文学など、幅広いジャンルで執筆を続ける。直木賞、吉川英治文学賞など受賞多数。2022年には『インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー』（早川書房）で毎日芸術賞を、24年には『風配図 WIND ROSE』（河出書房新社）で紫式部文学賞を受賞。『ジンタルス&nbsp;RED AMBER 風配図Ⅱ』を「文藝」で連載中。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 25 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[皆川博子（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「誰かが残さなきゃいけない場所」スザンヌさんが熊本の老舗旅館を継ぐ覚悟を決めた理由【後編】  スザンヌ（タレント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14305</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014305</guid>
			<description><![CDATA[タレント・スザンヌさんが、大学2年で起業した古着リメイク事業から、熊本の老舗旅館「龍栄荘」の再生プロジェクトに至るまでを語る。地域の人たちの思いに背中を押された決断、想像を超えた改修、そして女性たちへのメッセージとは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="スザンヌさん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260515suzanne04.jpg" width="1200" /></p>

<p>シングルマザーとして子育てに全力を注ぎ、コロナ禍をきっかけに高校再入学・大学進学という学び直しを経たタレント・スザンヌさん。大学2年で起業し、卒業論文のテーマにもなった「地域創生と旅館再生」は、机上の研究ではなく、現実の挑戦そのものでした。古着リメイク事業から始まり、熊本の老舗旅館「龍栄荘」の再生へ。そして今、女性として、自分の人生を切り開いてきたスザンヌさんが多くの女性たちに伝えたい思いを聞きました。（取材・文／吉澤恵理、写真／スザンヌさんInstagramより）</p>


<p>&nbsp;</p>

<h2>大学2年で起業。古着リメイク事業『Style Reborn』に込めた&ldquo;再生&rdquo;の思い</h2>

<p>卒業論文のテーマは、「地域創生と旅館再生」。</p>

<p>ですが、それは机の上だけの研究ではありませんでした。実は、スザンヌさんが起業したのは、大学2年生の時だったのです。</p>

<p>「大学で学んでいるうちに、やっぱり自分でも何か形にしたいっていう気持ちがどんどん強くなっていったんです。</p>

<p>最初に始めたのは、古着のリメイクを中心としたアパレル事業で、『Style Reborn（スタイルリボーン）』と名づけました。</p>

<p>Rebornには、『再生』という意味があり、一つのものを、その世代だけで終わらせず、次の世代へつないでいきたいっていう思いがありました」</p>

<p>もともとファッションが好きだったことに加え、新しい価値を生み出したいという思いも強かったといいます。</p>

<p>ですが、実際に事業として始めてみると、理想だけでは進まない現実にも直面しました。</p>

<p>「一点ものって、本当に時間も手間もかかるんです。作るのにもすごく時間がかかるし、その一点のために写真を撮ったり、説明を書いたり、全部手作業みたいな感じで&hellip;。</p>

<p>でも、その分を全部価格に反映できるわけじゃない。ビジネスとして成立させる難しさをすごく感じました。好きだけじゃ続けられないんだなっていうのは、すごく勉強になりました」</p>

<p>難しいながらも試行錯誤し、実店舗を持つことを考えるようになりました。</p>

<p>「ネットだけじゃなくて、実際に人が来て、空間ごと楽しめる場所を作りたいなっていう思いがずっとあったんです。そこでアパレルショップとカフェを併設できるような物件を探し始めました」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「旅館をやるつもりは全然なかった」スザンヌさんが熊本の老舗旅館と出会った日</h2>

<p>そんな時に出会ったのが、熊本の老舗旅館「龍栄荘」でした。</p>

<p>「最初は、本当に旅館をやるつもりは全然なかったんです。古民家っぽい雰囲気が素敵だったので、ここでカフェとアパレルができたらいいな&hellip;くらいの感覚でした」</p>

<p>ところが、内覧を進めるうちに、地域の人たちから次々と龍栄荘への思いを聞くようになります。</p>

<p>「ここで結婚式をしたとか、出産をしたとか、『家族の思い出の場所なんです』って話してくださる方が本当に多くて、地域の方たちにとって、すごく大切な場所だったんだなって知ったんです」</p>

<p>さらに、前オーナーから旅館への思いを直接聞いたことで、気持ちは大きく動きました。</p>

<p>「前オーナーさんは、本当は息子さんに継いで欲しかったそうなんです。</p>

<p>でも、息子さんが病気で亡くなられてしまって、旅館を閉めることになったと聞いて&hellip;&hellip;。</p>

<p>これは誰かが残さなきゃいけない場所なんじゃないかって思うようになりました」</p>


<p>&nbsp;</p>

<h2>「待ってたよ」地域の人たちの声が、旅館再生への覚悟を決めさせた</h2>

<p>そして驚いたのは、自分の気持ちより先に旅館再生の話が地域に広がっていたことでした。</p>

<p>「私はまだ、買いますとも言っていない段階だったんですけど、『スザンヌさんが旅館を再生するらしい』っていう噂がもう広がっていて、えーっ！っていう感じでした（笑）」</p>

<p>地域の人たちからは、「この日を待っていた」と握手を求められることもあったそうです。</p>

<p>「『待ってたよ』とか、『本当にありがとう』って言っていただくことも。これは中途半端な気持ちじゃできないなって思いました」</p>

<p>こうして、スザンヌさんが地域の思い出をつなぐ旅館再生の挑戦が始まりました。</p>

<p>ですが、その道のりは決して簡単なものではありませんでした。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>床を剥がしたら土だった&hellip;想像を超えた改修工事と、お金の勉強</h2>

<p>「最初は本当に手探りでした。旅館をやるなんて、自分でも想像していなかったので。旅館業の許可、保健所、消防、改装工事など、初めてのことばかりでした。</p>

<p>床を剥がしたら下が土だったんです。今の基準だと許可されないので、そこにコンクリートを流して、床を作り直して。本当に大工事でした（笑）」</p>

<p>約半年の改修工事、想像以上に費用もかかりました。</p>

<p>しかも当初は、借入をするという発想すらなかったそうです。</p>

<p>「その時は、自分でできる範囲でやろうっていう感覚だったんです。借りるっていう頭が全然なくて。でも今思えば、もっとお金の勉強をしておけばよかったなって思います（笑）」</p>

<p>それでも、地域の大切な場所を残したいという思いが、前に進む力になっていきました。</p>

<p>「KAWACHI BASE -龍栄荘-」として再生してから2年がたった現在、熊本県内だけでなく、東京や名古屋など全国各地から宿泊客が訪れるようになりました。</p>

<p>「ゴールデンウィークには多くの宿泊客でにぎわい、少しずつ地域に根づく場所になってきていることを実感しています。</p>

<p>現在は、旅館に併設する形で、念願だったアパレルショップもスタートしました。</p>

<p>週に1〜2回は現地へ足を運び、宿泊客の皆さんへのあいさつや、スタッフとの打ち合わせを行っています」</p>

<p>外の掃除やゴミ拾いも欠かさないといいます。</p>

<p>「そういう時間もすごく大事だなって思っています。ちゃんと自分の目で見ることを大切にしていきたいです。</p>

<p>今は、スザンヌがやっている旅館だから来てくださる方もいると思います。もちろん、それもありがたいです。</p>

<p>でも、これからは、そこで働く人とか、空気感とか、龍栄荘そのものが好きで、また帰ってきたいって思ってもらえる場所にできたらいいなって思っています」</p>


<p>&nbsp;</p>

<h2>スザンヌさんが女性たちに伝えたい「やりたいと思ったら、一歩踏み出す」ということ</h2>

<p>女性として、自分自身の人生を切り開いてきたスザンヌさんだからこそ、今、多くの女性たちに伝えられる言葉があります。</p>

<p>「私は、その時々で優先順位を決めてきました。子育てを優先する時期、仕事を頑張る時期。全部を完璧にやろうとしなくてもいいと思うんです」</p>

<p>以前の自分は、「資料請求をして満足するタイプだった」と笑います。</p>

<p>「でも、資料請求しているだけじゃ何も変わらないなって思ったんです。やりたいって思ったら、やっぱり一歩踏み出さないと何も始まらない。</p>

<p>行くなら行くしかないし、始めたなら卒業するしかない。とりあえずやってみるってすごく大事なんだなって思いました。</p>

<p>一歩一歩でも、着実に踏み出していくこと。それがすごく大事なんじゃないかなと思います」</p>

<p>子育てをしていると、自分のことは後回しになりがちです。</p>

<p>ですが、子どもが成長していくように、親もまた、新しい挑戦をしていい。</p>

<p>スザンヌさんの歩みは、そんな前向きなメッセージを静かに届けてくれていました。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 25 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[スザンヌ（タレント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ「10時からやる」と決めると失敗するのか?　先延ばし癖に効く締め切り設定  名郷根修（株式会社ハイパフォーマンス代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14195</link>
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			<description><![CDATA[仕事などをする際に開始時間を決めがちですが、実は終了時間を先に決めることが重要とのこと。名郷根修さんが先延ばし癖を克服し、すぐやる人になるコツを紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="名郷根修著『瞬動力』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_schedule.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事や家事、勉強をするときに「今日は10時から始めよう」など、開始時間を決めることが多いと思います。ですが、開始時間よりも「終了時間(締め切り)」を先に決める方が先延ばし癖を克服することに繋がると、株式会社ハイパフォーマンス代表取締役の名郷根修さんはいいます。</p>

<p>本稿では、名郷根さんがオススメする「すぐやる人になるための2つのコツ」を見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、名郷根修著『瞬動力』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>開始時間より終了時間を決める</h2>

<p>先延ばしを防ぐうえで効果的な方法があります。それは、「いつはじめるか」よりも、「いつ終わらせるか」を先に決めることです。その理由をくわしく解説していきましょう。</p>

<p>【「いつまでに完了するか」を決めると、先延ばしは起きにくくなる】</p>

<p>多くの人は仕事や家事に取りかかるとき、「9時からはじめよう」「午前中にとりかかろう」といったように開始時間に意識を向けます。しかし、行動科学の観点では、開始時間だけを決めても、人は思ったほど動けないことがわかっています。むしろ行動が起きるのは、「いつまでに完了させるか(終了時間・締め切り)」を決めたときです。</p>

<p>これは心理学で「締め切り効果」と呼ばれています。締め切りが明確になると、人は行動しやすくなることが多くの研究によって示されています。</p>

<p>【なぜ「締め切り」があると動けるのか？】</p>

<p>その理由は、これまでも解説してきたように、脳が負担の大きさに非常に敏感だからです。締め切りがないタスクは、「どれくらい時間がかかるのか」「どれほどのエネルギーが必要なのか」「終わりが見えない」など、曖昧な状態が続きます。曖昧さは、脳にとって脅威です。扁桃体が不安反応を起こし、「今やらないほうが安全だ」と判断してしまいます。</p>

<p>このため、「はじめたいのに、動けない」「気づいたら後回しになっている」という、先延ばしグセを持つ人が多く存在するのです。これは脳が終わりの見えないタスクを危険視しているためで、この曖昧さを解消すれば、タスクは脅威ではなくなります。</p>

<p>【「いつまでに終わるか」を決めると、不安が消える】</p>

<p>終了時間を先に決めると、脳は「負担が限定されている。これは処理できる」と判断します。これが、締め切り効果の本質です。行動科学の研究では、締め切りをつけることで不安が減り、今やったほうが得であると感じられて行動開始率が高まるということが確認されています。</p>

<p>このとき脳内で起きているのは、不安のブレーキが弱まり、瞬動力を発揮しやすくなるという変化です。つまり、締め切りは脳を動きやすいモードに切り替えるスイッチなのです。</p>

<p>【締め切りがあると、集中力が自然と高まる】</p>

<p>「いつまでに完了するか」を決めることには、もうひとつの強力な効果があります。それは、前頭前野の集中力が自然と高まるということです。仕事は時間が無限にあると、無限に膨張するという性質があります。これは心理学では「パーキンソンの法則」と呼ばれています。</p>

<p>たとえば、分量としては3日間で終わる仕事でも、締め切りを設けないと3日経過しても、5日経過しても、1週間経過しても終わらない、という傾向があります。実際は30分で終わるような内容の会議も、終了時刻を決めておかないとあれもこれもと議題が上がり、1時間を優に超えてしまうこともありえます。</p>

<p>しかし、締め切りが設定されると、脳は「限られた時間で終わらせよう」と動きます。その結果、集中して時間で物事が終わるようにセッティングします。これは「時間的制約による認知焦点化」と呼ばれ、短時間で成果が出る行動パターンとして、多くの研究で支持されています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「未完了リスト」をつくる</h2>

<p>「やらなきゃいけないことは頭にあるのに、なぜか動けない」</p>

<p>「いつも同じタスクを後回しにしてしまう」</p>

<p>そんな人に共通するのが、脳内に未完了のタスクが溜まっているという状態です。心理学ではツァイガルニク効果と呼ばれており、未完了のタスクが脳のワーキングメモリを圧迫し、集中力や行動力を奪うということがわかっています。</p>

<p>つまり、先延ばしは怠けているのではなく、脳の容量がやり残しでいっぱいになって動けなくなっている状態を指します。その解消に有効なのが、未完了リストを活用することです。</p>

<p>【未完了リストのつくり方】</p>

<p>つくり方はシンプルです。頭の中に溜まった未完了のタスクを、一度すべてアウトプットしていきましょう。ポイントは、今すぐやる／やらないに関係なく、頭の中に引っかかっているすべての未完了をアウトプットするという点です。具体的には、次のようなものが該当します。</p>

<p>・返信していないメール</p>

<p>・提出していない資料</p>

<p>・気になっているアイデア</p>

<p>・片づけていない部屋</p>

<p>・読みかけの本</p>

<p>・やらなきゃと思っている細かいこと</p>

<p>・先延ばししている大きなタスク</p>

<p>・保留にしたままのプロジェクト</p>

<p>これらを全部書き出すことで、脳のメモリを解放し、「今やるべきこと」に集中できるようになります。未完了リストの効果として、科学的に次の3つの点が挙げられます。</p>

<p>①未完了を可視化すると、脳が軽くなる(ツァイガルニク効果の逆利用)</p>

<p>人間の脳は未完了を抱えると落ち着かない性質があります。未完了のタスクは、無意識のレベルでずっと脳に負担をかけているのです。これをすべて書き出すことで、情報を頭から外に出すことになり、脳は「覚えておく必要がない」と判断します。その結果、ストレスが減り、行動の集中力が戻ってきます。</p>

<p>②曖昧なタスクが言語化されることで、脳が動きやすくなる</p>

<p>「資料作成」「企画書」「整理する」「準備しておく」など。タスクをこのような大きな言葉で捉えていると、脳が「どうはじめれば良いの？」と混乱します。先延ばしの多くは、タスクが曖昧であることが原因です。未完了リストに書き出すと、曖昧だったタスクが具体的な言葉に変わるため、行動しやすくなります。</p>

<p>③やることの全体像が見えると、小さく分解できる</p>

<p>書き出した後、すぐやる人は大きなタスクを以下のような「最初の一歩」に細分化します。</p>

<p>・「企画書を作る」&rarr;「見出しを3つ書くだけ」</p>

<p>・「部屋を片づける」&rarr;「机の上の紙を10枚だけ捨てる」</p>

<p>細分化することにより、大きく曖昧だったタスクのどこから手をつければ良いかがわかり、行動に移しやすくなります。未完了リストは、「どこから手をつけるべきか」を教えてくれる地図のようなものなのです。</p>

<p>私も普段仕事に取りかかるとき、未完了のタスクが多く、「この仕事をやらなければいけないけど、まだ残っているタスクがあるな......」と気になってしまい、今、目の前にある仕事に集中できなくなります。</p>

<p>そういうとき、未完了リストに書き出していくと「これをやっていないから引っかかっているんだ」と脳の棚卸しができてスッキリするので、とても役立っています。タスクが終わって、ひとつずつリストを消していくときも「未完了タスクがひとつ減った」と自己効力感が上がるので、ぜひ日ごろのタスク整理として試してみてください。</p>

<p>リストをつくるタイミングに、特別な決まりはありません。「気になることがあって今に集中できない」「別の作業をしているときに『まだやっていないな』と頭に浮かぶ」というような状態になったら、それが未完了リストをつくるサインだと考えましょう。</p>

<p>書き出したタスクをすべて終わらせる必要はありません。まずは書き出すだけで十分です。ここでは「いったん、脳のワーキングメモリを動かせる状態にする」ことを優先させましょう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 25 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[名郷根修（株式会社ハイパフォーマンス代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>疲労が溜まらない体をつくるには？ 「心と体がリフレッシュする」休み方  中根一（鍼灸師）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12225</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012225</guid>
			<description><![CDATA[心と体がリフレッシュする休み方について、鍼灸師の中根一さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="息抜き" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_coffeebreak.jpg" width="1200" /></p>

<p>東洋医学では、「陽」が生まれれば、同じだけ「陰」が生まれ、相殺されることを通してバランスのいい状態に落ち着くものと考えています。同様に疲れ（陰）は、日々の活動（陽）の中で生み出され、そして解消されていきます。ですから、疲れることはごく自然なことであり、私たちの体とは切っても切り離せないものなのです。</p>

<p>そこで、本稿では鍼灸師の中根一さんが「疲れにくい体」になるために生活に取り入れたい、誰にでもできる「心と体をリフレッシュさせる休み方」をご紹介します。</p>

<p>※本記事は中根一著『寝てもとれない疲れをとる本』（PHP文庫）の内容を一部抜粋したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「息抜き上手」になろう</h2>

<p>ずっとデスクに向かってパソコンとにらめっこしている時間は、東洋医学的にいうと「滞っている」状態。目が疲れてきて、首や肩がこってきて、頭がボーっとして、だんだん仕事の効率が落ちてきます。このように1つの事柄に集中していると交感神経が優位に働き、体は緊張状態になってしまっているのです。</p>

<p>そんなときは、体だけでなく、仕事の環境にも東洋医学的なお手入れを考えてあげましょう。</p>

<p>まずは意識を深呼吸に集中させて、深く吸い込みます。次にゆっくりと息を吐くと、横隔膜が刺激されて、セロトニン神経というリラックス系の神経が刺激されます。</p>

<p>セロトニン神経の影響を受けている筋肉は、顔、首、肩、背中、腰、太腿、ふくらはぎ......いわゆる「こる」エリア全体に及びます。その広い範囲の筋肉が、深呼吸によって息を抜くだけで、ゆるんでいくのです。</p>

<p>また、動作ではなく、通常の「息抜き」、つまり効果的なひと休みも、体への大事なアプローチ。</p>

<p>このとき気をつけてほしいポイントは、「仕事をしながら息抜き」はできないという点です。</p>

<p>「毎日、コーヒーを飲みながらデスクワークをしています」という方も多いでしょうが、「ながら」では息抜きにも気分転換にもなりません。</p>

<p>たとえばデスクから離れてビルの屋上で一服、初めて訪れるお店でランチ、少し奮発してアイスクリームでおやつタイムなど、「いつもとは違う」ことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。</p>

<p>こんな、日常の中の小さな冒険が、ウキウキ感となって、心と体をリフレッシュさせてくれるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ちゃんとするけど、頑張らない」がベスト</h2>

<p>「でも、息抜きばっかりしないで、ちゃんと頑張らないと......」</p>

<p>こんなふうに思う方もいるかもしれませんね。そんな方にお伝えしたいのは、「ちゃんとするけれど、頑張らない」という考え方です。</p>

<p>「頑張る」とは、「耐え忍んで、努力し続ける」という意味です。自分に無理を強い続けるということですから、じつは、あまりうれしい言葉ではないのです。無理するのではなく、「（いい意味での）いい加減」「ちょうどいい加減」を目指しましょう。</p>

<p>それでいえば、私自身の働き方は、私にとって、とても「いい加減」です。お休みは月に2日で、それ以外の日は毎朝8時に鍼療所を開け、昼休みをとらずに夜の8時過ぎまで仕事をします。これだけ聞くと、完全に「休息不足」のように思えるかもしれません。でも、1日の中でちょこちょこと「息抜き」をして、疲れを溜め込まないようにしているのです。</p>

<p>朝は6時に起きて、静かな音楽を聴きながら30分間のストレッチで始まり、7時からはお気に入りのカフェ・テラスでさわやかな朝の空気を満喫したり、SNSをチェックしたりします。でも、これをルーティンにしてしまうとワクワクしなくなるので、自転車に乗って京都の神社仏閣巡りやパン屋さん巡りをする日もあるのです。</p>

<p>仕事中もまとまった休憩時間はとりませんが、鍼療の合間にストレッチをしたり、シュークリームやプリンを食べたりと、その時々の「やりたいこと」は柔軟に取り入れます。こうした「息抜きの時間」を欠かさないから、疲れが溜まらないのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ちょうどいい休憩も、人それぞれ</h2>

<p>なお、休み方についても、ごくごく短時間の息抜きを回数多く設けたほうがいい人、10分くらいずつがいい人、まとめて休みをとるべき人など、どんな息抜きに「フィールグッド」を感じるかも、人によってまちまちです。</p>

<p>ですからやはり、自分が「フィールグッド」を感じる息抜きの仕方を知ることが大切。まずは色々試してみて、自分にとってちょうどいい休憩のとり方を見つけてみてはいかがでしょうか。</p>

<p>「休み方に工夫をこらすくらいなら、仕事を頑張ったほうがいいのでは」と思った方!</p>

<p>頑張る姿勢は大切ですが、そのせいで能率が落ちてしまっているならば会社にとっては損失ですよね? 息抜きはするけれど、手は抜かない。上手なひと休みの時間は、パフォーマンスを上げるための必要経費だと心得ましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_coffeebreak.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 25 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中根一（鍼灸師）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>友人関係の上限は150人?　研究結果から考える「本当の友達」の正体  荻上チキ（評論家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14254</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014254</guid>
			<description><![CDATA[本当の友達とはどんな存在なのか。荻上チキさんが研究結果をもとにして友達とはどんな存在をさすのかを語ってくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="荻上チキ　孤独" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_friends.jpg" width="1200" /></p>

<p>さびしさ、悲しさ、不安感、無力感――。孤独は多くの負の感情をもたらします。荻上チキさんの著書『孤独をほぐす』は、孤独とはなにかを丁寧に解きほぐしながら、この社会がいかなる孤独を生み出しているのかをエッセイ形式で読み解いた一冊です。</p>

<p>「本当の友達がいない」と感じ、孤独を覚える人は少なくないでしょう。そもそも、本当の友達とは何なのでしょうか。同書より、友人関係について語られた一節を紹介します。</p>

<p>※本稿は、荻上チキ著『孤独をほぐす』(PHP新書)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「本当の友達」よりも「それなりのつながり」を</h2>

<p>自分には「本当の友達」がいない。そう感じたことはありませんか？　私は長い間、そんな気持ちに振り回されてきました。</p>

<p>では、本当の友達とはなんでしょうか。私は若いころは、「二人きりで徹夜でカラオケしても、一秒も気まずくならない人」と設定していました。なかなかにハードルが高いですよね。</p>

<p>他方でそれ以外の友人は、「冠付きの友達」だと区別していました。ゲーム友達、音楽友達、勉強友達、クラスの友達、部活の友達、習い事の友達。こうした「○○友達」は、部分的な一致でつながっているけれど、「本当の友達」ではない。自分には、冠付きの友達はいるけど、本当の友達はいないのだ。</p>

<p>ある程度の年齢ともなれば、さすがにこの考えは偏っていると思うようになりました。特定の人だけに関係を集中させること、理想の関係のみを求めることには、脆弱性もあります。親友との仲違い、恋人との別れ、家族との死別などによって、一挙に孤独感が高まり、そのさびしさに耳を傾けてくれる人が浮かばないという状況を想像してください。一点集中の関係だけを作るのでなく、関係を分散しながらも温めること。精神的健康にも、いざというときの支えとしても、大事な考えです。</p>

<p>あるべき友人のハードルを上げてしまうと、個別の関係の満足度は下がり、幸福度も下がってしまう。「それなりのつながり」を否定的に位置付けてしまうことで、つながりを太くしたり、経験を増やすという機会を逸してしまうことにもなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>友人関係の上限は150人？</h2>

<p>友人関係についての研究の中で、非常に広く知られていてかつユニークなのが、「ダンバー数」という考えです。これは、イギリスの人類学者であるロビン・ダンバーが発見したもので、いろいろな部族や集団を研究した結果、人が築く友人関係の数の上限は150人前後で一致していた、というものです。ダンバーの研究は、訳書『なぜ私たちは友だちをつくるのか』（吉嶺英美訳、青土社、2021）にもまとまっています。</p>

<p>人類が進化・生存する過程では、徒党や集団を組むことが必要でした。しかし人類全員の顔を覚えることは到底できません。安定的に関係を保てる、信頼し合える相手。その数は、文化や時代が違えど大きくは変わらず、150人程度なのであるというのが、ダンバーの指摘です。</p>

<p>ダンバーは「友達」を、頼み事ができ、躊躇なく助けたいと思い、共に過ごす時間を積極的に作りたい相手だと言います。具体的には、クリスマスカードを贈ったり、結婚式に招待したり、「午前3時に香港空港の出発ロビーで偶然出くわしても、ためらうことなく声をかけ、一緒のテーブルで話せる相手」だと。</p>

<p>自分にはそんな友達は150人もいない、と思う人も少なくないでしょう。私もそう思います。しかしダンバーは、いや、一般的にはいるのだと豪語します（本当かよ）。フェイスブックの友達やＸ（旧ツイッター）の相互フォロー、LINEや電話帳の登録数など、「それなりのつながり」もカウントすれば、それくらいはいくのかもしれません。また、ダンバーの「友達」の定義には、家族や親族も含まれます。良好な関係の家族や親類がいると、友人の総数が減るというデータもあります。</p>

<p>ダンバーは、友人関係にはグラデーションがあるとも言います。150人の「ただの友達」、50人の「良好な友達」、そこからさらに、15人、5人、1.5人という数字を持ち出します。</p>

<p>15人はシンパシー・グループと名付けられ、親しい友達のことを指します。日常的に共に過ごしたり、一緒に出かけたりする層です。5人はサポート・クリークと名付けられ、「泣きたいときに肩を貸してくれる」ような親友たちを指します。</p>

<p>1.5人は、恋人や永遠の大親友です。統計上は、男性には1人、女性には2人、特別な友人がいることが多く、それをならした数字が1.5となります。築ける関係性に上限があるのは、脳のキャパシティーと他人のために使える時間が、いずれも有限であるためだと言います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>友人の数と質</h2>

<p>ダンバー数という考えは、人々の思索を刺激してきました。150が上限というわけではないと疑義を唱える研究もありますが、とにかく覚えやすいこともあって、あちこちのビジネス記事で見る数字になりました。</p>

<p>たとえば会社や部署の規模は150までがいいとか、関係性には上限があるので意識的に「断捨離」したほうがいいとか。また、自分にとっての150人を考えるワークなどもあるようです。極端なものや飛躍した解釈もありますが、それだけ幅広い層に刺さったのでしょう。</p>

<p>具体的な数字については、宿命論的に捉えないほうがいいでしょう。ダンバー以外の研究では、人が築く人間関係は150よりも多く、デジタルメディアによってマネジメントの形が変わっているとの指摘もされています。また、アメリカの哲学者、エリザベス・ブレイクは、恋愛相手は仕事や友情よりも優先されるべきという「恋愛伴侶規範」が、友人ネットワークの切断につながると警鐘を鳴らしています。</p>

<p>あくまで友人の数の話を続けましたが、もちろん質の話はまた別です。家族や恋人を含む友人は、疎遠になることも、破綻することもあります。逆に、似たような境遇になったり、偶然再会したり、共通の趣味があることがわかったりして距離が縮まり、関係が濃くなることもあります。</p>

<p>とはいえ、です。進学、交際、婚姻、失業、離婚、引っ越し、新たなサークルへの参加。いろんなタイミングで人とのつながりは変化します。そうした「継ぎ目」に当たる時期には、ふと親密なコミュニケーションが不足する。また、身近に有害な人がいたり、多忙や疲労で余裕がないと、満足に人と関われないという場面にも直面する。</p>

<p>そんなとき、果たして自分にとっての、「頭数に入る友人」はどんな人達なのか。ダンバー数をヒントに、振り返ってみるのもいいかもしれません。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_friends.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 22 May 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[荻上チキ（評論家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>かつての&quot;おバカ&quot;キャラは演出？ 本気？ スザンヌさんが高校に再入学した本当の理由【中編】  スザンヌ（タレント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14304</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014304</guid>
			<description><![CDATA[タレント・スザンヌさんが、コロナ禍をきっかけに高校へ再入学し、日本経済大学へ進学した日々を語る。20歳下の同級生から受けた刺激、卒業論文「地域創生と旅館再生」、息子と同じ年に迎えた卒業式の感動。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260515suzanne02.jpg" width="1200" /></p>

<p>シングルマザーとして子育てに全力を注いできたタレント・スザンヌさん。子どもの成長とともに芽生えた「自分の人生」への思いは、コロナ禍をきっかけに大きく動き出します。息子の一言で始まった高校への再入学、1年半での卒業、そして日本経済大学経営学部への進学。20歳下の同級生たちと机を並べた4年間で、スザンヌさんは何を学び、何を得たのでしょうか。卒業論文のテーマ「地域創生と旅館再生」につながる学び直しの日々を聞きました。（取材・文／吉澤恵理、写真／スザンヌさんInstagramより）</p>


<p>&nbsp;</p>

<h2>「ママも一緒に勉強すればいいじゃん」息子の一言が、高校再入学のきっかけに</h2>

<p>子育てに全力を注いできたスザンヌさんが、再び学ぶことを決意したきっかけは、コロナ禍でした。</p>

<p>当時、息子さんは小学1年生。コロナ禍の自宅待機が続き、自宅で勉強をする時間が増えていました。</p>

<p>「『お母さんがお子さんに勉強を教えてください』みたいな感じになったんです。</p>

<p>でも、私は勉強をちゃんとしてきていなかったので、どうやって教えたらいいんだろうって戸惑いました」</p>

<p>そんな時、息子さんから思いがけない一言があったといいます。</p>

<p>「『ママも一緒に勉強すればいいじゃん』って言われたんです。あ、そっかって思って、それが、高校への再入学につながりました」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>17歳で通った高校に再入学。1年半で卒業し、大学進学を決断</h2>

<p>再入学したのは、自身が17歳の頃に通っていた高校でした。</p>

<p>「ちょうどコロナ禍で、週に1回行かなきゃいけない授業も、リモートで受けられるタイミングだったんです。それなら私もできるかなって思いました。</p>

<p>当時取っていた単位を半分くらい残してくれていたので、足りない単位を取っていく形で、1年半で卒業できたんです」</p>

<p>家族のサポートもあり、無事に高校卒業。多くの人は「ここで一区切り」と考えるかもしれません。</p>

<p>ですが、スザンヌさんは、さらに大学進学という大きな挑戦を決断します。</p>

<p>「高校で頑張って勉強したおかげで、推薦をいただけたんです。</p>

<p>大学に行くかは、本当にすごく悩みました。でも、せっかく勉強できるチャンスが来てるし、このタイミングを逃したくないなって思ったんです」</p>

<p>コロナ禍を機に多くの大学でリモート授業が導入されたことも幸いしました。</p>

<p>「全部対面だったら難しかったと思うんです。でも、リモートで取れる授業もあったので、それなら挑戦したいって思いました」</p>

<p>日本経済大学 経営学部に見事合格。嬉しさの反面、大学生活が始まった当初は、不安もありました。</p>

<p>「年齢もみんな20歳くらい違うし、芸能活動もしていたので、浮いちゃうかなとか、どう思われるかなって不安はありました」</p>


<p>&nbsp;</p>

<h2>スザンヌが大学生活で気づいた&ldquo;学び直し&rdquo;の意味</h2>

<p>ですが、実際に通い始めると、周囲の学生たちは一人の学生として接してくれたそうです。</p>

<p>「最初は『あ、スザンヌさんだ！』みたいなのはありましたけど、だんだん普通に『おはようー』って感じになって。学食も普通に行っていましたし、みんな自然に接してくれました」</p>

<p>そんな大学生活について話していると、話題はかつてのおバカキャラへ。</p>

<p>『クイズ！ヘキサゴンII』時代は、おバカタレントブームの中心的存在として活躍していました。当時を知る世代からすると、「あれは演出もあったのでは？」と思う人も少なくありません。</p>

<p>するとスザンヌさんは、笑いながらこう答えました。</p>

<p>「みなさんに『あれは演出ですよね？』って言われるんですけど、あれは本当に普通にわからなかったんです（笑）。ナチュラルおバカでした」</p>

<p>そう笑いながらも、続けてこんな本音も明かします。</p>

<p>「でも、やっぱり私は勉強してこなかったんだなっていうのは、高校、大学に行ってすごく思いました」</p>

<p>だからこそ、学び直しへの思いは強かったといいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AIビジネス、フリースクール&hellip;20歳下の同級生たちから受けた刺激</h2>

<p>ゼミも、大学生活の大きな学びのひとつでした。</p>

<p>「特に印象に残っているのが、起業ゼミで、起業したい人向けに、会社の作り方とか、どうやって始めるかとか、本当に一から教えてくれるゼミだったんです。</p>

<p>同級生たちの存在も刺激になりました。AIビジネスをやりたい子とか、カメラマンのフリースクールを作りたい子とか、本当にみんなしっかりした夢を持っていて」</p>

<p>新鮮な驚きの連続だったといいます。</p>

<p>「普段、仕事以外で20歳くらい下の子たちと接することってほとんどないじゃないですか。でも、本当にしっかりしているんです。</p>

<p>Z世代とか、ゆとり世代とか言われることもあるけど、自分たちがそう言われていることもちゃんと知っていて、それを逆手に取って新しいビジネスをしたいって考えている子もいて。刺激をたくさんもらいました」</p>

<p>一方で、大学生活は想像以上に厳しいものでした。</p>

<p>「高校では、ここからここまで勉強してくださいって決まっていますが、大学は、自分で学びたいことを選んで、自分で授業を組んでいくので、全部自分次第なんですよね」</p>

<p>また、同級生と同じ感覚で時間割を組んでしまったことで、かなり苦労したといいます。</p>

<p>「みんなは3〜4年生で就活するから、1〜2年生で授業をたくさん入れていたんですよね。</p>

<p>私も同じように授業をとってしまって&hellip;もう少し余裕をもったスケジュールにもできたのかもと後になって思いました」</p>


<p>&nbsp;</p>

<h2>「なんで大学行くって言っちゃったんだろう」息子と同じ年に卒業式を迎えて</h2>

<p>仕事のスケジュール、子どもの体調不良、レポート提出――すべてが重なった時期もあり、弱音を吐いたことも。</p>

<p>「子どもが熱を出して、仕事も忙しくて、レポートも締切で。なんで大学行くって言っちゃったんだろうって本気で思いました（笑）」</p>

<p>それでも、やり抜いて4年間で卒業、卒論も書きました。</p>

<p>「卒業論文では、自身が実際に取り組んでいた『地域創生と旅館再生』についてまとめました。</p>

<p>卒論では、今やっている旅館再生ビジネスについて書かせてもらいました。起業して1年目、2年目でどう変化したかとか、地域との関わりとか、自分が実際に経験していることを書けたので、すごく意味のある卒論になりました」</p>

<p>息子さんの小学校卒業と大学卒業が同じ年に重なったことも、スザンヌさんにとって忘れられない出来事だったといいます。</p>

<p>「息子に『卒業おめでとう、頑張ったね』って伝えていたら、『ママも卒業したんでしょう、おめでとう』って言ってくれて」</p>

<p>その言葉に、これまでの努力が報われたような気持ちになったそうです。</p>

<p>「ちゃんと見てくれていたんだなって思って、すごく嬉しかったですね。</p>

<p>子どもの成長を支えるために始めた学び直しでしたが、まさか自分が、子どもと同じタイミングで卒業式を迎えるなんて思っていなかったので、不思議な気持ちでした。でも、本当に挑戦して良かったなって思います」</p>

<p>後編では、起業と旅館再生への挑戦に続きます。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 22 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[スザンヌ（タレント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>感情の「解像度」を上げると何が変わるのか　ストレスに強くなる“言葉のラベリング”  黒田悠介（コミュニティ研究家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14251</link>
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			<description><![CDATA[「うまく言葉にできない」もどかしさの正体は語彙の解像度不足にあります。ウィトゲンシュタインの哲学や最新の脳科学から、感情を細分化することの重要性を説き、心を守り豊かにする言葉の力をひも解きます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="黒田悠介氏は、語彙を増やし、感情粒度を高めることの重要性を説きます" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_man_outside.jpg" width="1200" /></p>

<p>素晴らしい映画を観た後や、心が揺れ動いた瞬間、「すごかった」「ヤバい」といったありきたりな言葉しか出てこず、もどかしい思いをしたことはないでしょうか？私たちが持つ語彙の量は、自分の本音を映し出す「カメラの画素数」のようなもの。語彙が乏しければ、自分の本当の願いや苦しさを正しく見極めることができなくなってしまいます。本記事では、ディスカッションパートナーとして3000人以上のビジネスパーソンと向き合い、クライアントの「本音」を引き出してきた黒田悠介氏が、人生の質を高めるため、語彙力を磨き、感情の「解像度」を高めることの重要性を語ります。</p>

<p>※本稿は、黒田悠介著『自分の本音を言葉にできる。モヤモヤを「伝わる」に整える、言葉のレッスン』（インプレス）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分の中にある語彙が解像度を決めている</h2>

<p>素晴らしい映画を観た後、その感動を誰かに伝えようとしても、言葉に詰まってしまう。「とにかく、すごかったんだよ」「めっちゃ、感動した」――そんなありきたりな表現しか出てこなくて、もどかしい思いをした経験、誰にでもあるのではないでしょうか。</p>

<p>実は、この「うまく言葉にできない」という現象には、理由があります。それは、私たちが持っている語彙の量と質が、そのまま思考や感情、そして本音の「解像度」を決めているということです。解像度が低いままだと、自分の本音を自分自身で細かく見分けることができず、当然ながら、本音を育てたり相手に伝えたりすることもできません。私たちは自分の本音を、ぼんやりとしたシルエットのまま抱えているにすぎないのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>写真の画素数と言葉の関係</h2>

<p>デジタルカメラで撮った写真を思い浮かべてみてください。100万画素のカメラで撮った写真と、5000万画素のカメラで撮った写真。遠くから見れば、どちらも同じような風景に見えるかもしれません。でも、拡大してみると違いは歴然です。低画素の写真はすぐにモザイク状になってしまいますが、高画素の写真は細部まで鮮明に映し出されています。</p>

<p>私たちの語彙も、まさにこの「画素数」のようなものだと考えることができます。語彙が少ないということは、低画素のカメラで世界を撮影しているようなもの。大まかな輪郭は捉えられても、微細な部分は見えないし、表現することもできません。</p>

<p>たとえば、「疲れた」という言葉一つとっても、実はその中には無数のバリエーションが隠れています。「くたびれた」「へとへとだ」「消耗した」「燃え尽きた」「気力が萎えた」「やる気が枯渇した」。それぞれ微妙にニュアンスが違いますよね。体が疲れているのか、心が疲れているのか、それとも両方なのか。一時的なものか、慢性的なものか。語彙という「画素」が増えれば増えるほど、自分の状態をより精密に捉え、本音を表現することができるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ウィトゲンシュタインが見抜いた言葉の限界</h2>

<p>20世紀の哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインは、「私の言語の限界が私の世界の限界を意味する」という言葉を残しました。これは、一体どういう意味でしょうか。</p>

<p>彼は、私たちが物事を考えたり、世界を認識したりする時、必ず「言葉」という道具を使っていると考えました。つまり、私たちが持っている言葉の範囲が、そのまま私たちが思考したり、認識したりできる世界の範囲になる、ということです。</p>

<p>たとえば、ある複雑な感情を抱いていても、その感情を表現する言葉を知らなければ、その感情は「なんだかよくわからないモヤモヤしたもの」としてしか認識できません。しかし、たとえば「アンビバレンス（相反する感情を同時に抱くこと）」という言葉を知れば、その瞬間に「モヤモヤ」の正体が明らかになるかもしれません。</p>

<p>言葉は、私たちの内なる世界に輪郭を与える道具です。使える言葉が多ければ多いほど、私たちは自分の世界をより細かく、より深く理解できるようになります。逆に言えば、語彙が乏しければ、私たちの世界もまた、大雑把でぼんやりとしたものになってしまうのです。</p>

<p>このウィトゲンシュタインの考えは、生物学者ヤーコプ・フォン・ユクスキュルが提唱した「環世界（かんせかい）」という概念と接続すると、さらに深く理解できます。</p>

<p>ユクスキュルは、すべての生物が客観的に同じ世界を生きているのではなく、それぞれの生物が持つ知覚の仕組みによって、独自の世界を生きていると考えました。これが「環世界」です。</p>

<p>有名なのが、マダニの例です。ユクスキュルによれば、マダニの環世界は、1.哺乳類の皮膚から発せられる酪酸の匂い、2.哺乳類の体温、3.哺乳類の毛という、たった3つの要素で構成されています。彼らにとって、美しい花の色も、鳥のさえずりも、私たちが認識している世界のほとんどは存在しません。彼らは彼ら専用の世界（環世界）を生きているのです。</p>

<p>私たち人間にこの考えを当てはめてみましょう。人間は生物としては同じ知覚器官を持っています。しかし、私たちにはもう一つの強力な「環世界」の構成要素があります。それが「言葉」です。</p>

<p>同じ景色を見ていても、「エモい」という言葉しか知らなければ、その世界の解像度は低いままでしょう。しかし、「郷愁を誘う」「哀愁が漂う」「荘厳だ」「絢爛だ」といった言葉を知っていれば、同じ景色から何倍も豊かな意味や感情を汲み取ることができるでしょう。</p>

<p>つまり、語彙の豊かさは、私たち人間にとっての「知覚器官の豊かさ」に等しい。ウィトゲンシュタインの言う「言語の限界」とは、人間にとっての「環世界の限界」と言えるでしょう。新しい言葉を一つ学ぶことは、自分の環世界を広げるようなものです。それによって、今まで見えていなかった世界の側面が見えるようになるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>感情粒度という視点</h2>

<p>神経科学者・心理学者のリサ・フェルドマン・バレットは「感情粒度（emotional granularity）」という概念を提唱しています。これは、自分の感情をどれだけ細かく区別して認識できるかという能力のことです。</p>

<p>バレットによれば、私たちの心は感情を体験するさいに、それぞれ異なる「粒度」を持っています。</p>

<p>感情粒度が粗い（低い）人は、様々な感情を大きな塊として捉えます。ネガティブな感情が湧き上がってきた時、そのすべてを「嫌な感じ」「ムカつく」「最悪」といった、ごく少数の言葉でまとめてしまいます。</p>

<p>一方で感情粒度が細かい（高い）人は、同じネガティブな状況でも、その感情の機微を豊かに識別できます。「上司に企画を否定されて、自分の努力を軽視されたように感じて失望した」「友人の成功を素直に喜べず、嫉妬している自分が情けない」「期待していた役割を与えられず、キャリアの先行きが不安だ」といった具合に、感情のグラデーションを的確な言葉で捉えることができます。</p>

<p>そして、ここからが非常に興味深い点です。数々の研究によって、感情粒度が高い人ほど、ストレスへの対処がうまく、衝動的な行動に走ることが少なく、精神的にも肉体的にも健康であることが示されています。なぜでしょうか。</p>

<p>感情粒度が高いというのは、自分の感情をより正確に捉え、整理し、「これは怒りというよりも疲労感に近い苛立ちだ」「これは寂しさと悔しさが混ざった感情だ」といった具合に、細かく名前をつけられている状態を指します。心理学では、このように感情に名前を与えることを「ラベリング（感情の言語化）」と呼びます。自分の感情に対してこのラベリングを精度高く行えることが、私たちに2つの大きな力をもたらしてくれるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ラベリングの力その１　感情の「見える化」</h2>

<p>第1に、感情の「見える化」による自己理解の深化です。問題の正体を正確に把握できれば、適切な対処法も見つけやすくなります。「なんかムカつく」という漠然とした不快感のままでは、どう対処していいかわからず、ただ感情に振り回されてしまいます。しかし、その正体が「プライドを傷つけられて悔しい」だとわかれば、「どうすればこのプライドを健全な形で回復できるだろう？」と、次の一手を具体的に考えることができます。「期待を裏切られて失望した」のであれば、「そもそも自分の期待値は適切だっただろうか？」と、状況を客観的に見直すきっかけになるかもしれません。</p>

<p>感情の輪郭がはっきりすることで、私たちは感情に振り回される状態から抜け出し、それを冷静にどう扱うかを考えられるようになるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ラベリングの力その２　感情の「沈静化」</h2>

<p>第2に、感情の「鎮静化」による心のコントロールです。言葉にすることで感情の波に飲み込まれるのではなく、その波を乗りこなすことができるというわけです。<br />
私たちの脳には、危険を察知すると警報を鳴らす「扁桃体（へんとうたい）」という部分があります。これは、いわば「感情の火災報知器」です。一方、理性や思考を司る「前頭前野（ぜんとうぜんや）」は、その警報が本当に火事なのか、それとも誤作動しただけなのかを冷静に判断する「司令塔」の役割を果たします。</p>

<p>カッとしたり、不安に襲われたりした時、私たちの脳内ではまず「火災報知器（扁桃体）」がけたたましく鳴り響きます。この時、私たちは感情の渦に飲み込まれ、冷静な判断が難しくなります。</p>

<p>しかし、ここで「私は今、〇〇と感じている」と自分の感情に具体的な名前をつける（ラベリングする）と、脳の活動の主役が「火災報知器」から「司令塔（前頭前野）」へと移るそうです。言葉を探し、特定するという知的作業が、脳の感情的な反応を抑え、理性的な分析を促すスイッチの役割を果たすのです。</p>

<p>たとえば、誰かの心ない一言に傷ついたとします。言葉にしないままだと、「ムカつく！」という火災報知器の音だけが頭に鳴り響き、衝動的に反論したり、一日中そのことばかり考えてしまったりするかもしれません。しかし、一度立ち止まって「あの言葉で、私は見下されたように感じて、とても悔しいんだな」と自分の感情を言語化できたならどうでしょう。司令塔が働き始め、「悔しいのは当然だ。でも、相手に悪意はなかったのかもしれない。今は冷静になろう」と、感情の勢いを弱め、冷静に考える余力が生まれるのです。</p>

<p>語彙が増え、感情粒度が高まるということは、単に表現が豊かになるだけではありません。それは、自分の心の動きをより深く理解し、より賢く付き合っていくためのスキルなのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 22 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[黒田悠介（コミュニティ研究家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>プロが教える「相手に好かれる聴き方」　会話が止まりそうになったらどうする？  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14070</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014070</guid>
			<description><![CDATA[相手の言葉をそのまま繰り返す「ミミッキング」や、姿勢・声のトーンを合わせる「ミラーリング」など、今日から使える会話をつなぐ実践テクニックを紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="会話" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_kaiwa.jpg" width="1200" /></p>

<p>何を返せばいいか迷って、会話がぎこちなくなってしまう...そんな場面で、じつはとてもシンプルな解決策があります。特別な話術も、気の利いたひと言も必要ありません。相手の言葉や仕草をそっとマネするだけで、会話は自然につながっていきます。その方法について、書籍『聴く技術　あなたの会話が今日から変わる』より解説します。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『聴く技術　あなたの会話が今日から変わる』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>マネするだけで会話がつながる</h2>

<p>次の何の変哲もない会話、あなたならどう返すでしょうか。</p>

<p>「最近、メガネを変えたんだよね」</p>

<p>「 」</p>

<p>回答は無数にあります。「気づいてたよ! いいよね」と返す人もいれば、「そういえば! どこで買ったの?」と聞く人もいるでしょう。</p>

<p>ふつうに会話が続くのなら問題ないですが、困るのは、どう返そうかパッと出てこないとき。そんなときは「ミミッキング」を使いましょう。気の利いた返しを考えたり、必死に話題を広げたりしなくても、会話をつなげるテクニックです。しかも、相手があなたに好感さえ覚えてくれる、一石二鳥の返しです。例えばこうなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>「最近、メガネを変えたんだよね」<br />
「そうなんだ、メガネ変えたんだ」<br />
「ちょっと老眼が始まっちゃってさ......」</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>「昨日、田舎の母から電話があったんですよ」<br />
「そうなんですね。お母さんから電話ですか」<br />
「うちの母は週末になると、よく電話をかけてくるんですけど......」</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>ミミッキングはミミック（模倣）するということ。話し手が使った言葉をそのまま拾って使うことで、相手はあなたが「自分の話を聴いてくれている」と安心して、話を続けることができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>話が止まりそうなら5W1Hでつなぐ</h2>

<p>相手があまり積極的に話さないタイプの場合は、「ミミッキング」＋「5W1H」で会話をつなぎましょう。</p>

<p>「最近、メガネを変えたんだよね」<br />
「そうなんだ、メガネ変えたんだ。どうして変えたの？」</p>

<p>ポイントは相手に話してもらうこと。ここで話を盛り上げようと「私も変えようと思っててさ」などと自分の話をするケースもあると思いますが、安心して相手に話してもらうには「ミミッキング」＋「5W1H」が向いています。</p>

<p>それと1つ注意点。相手の話がひと区切りつくタイミングで使うこと。話の続きがあるのに、いちいちミミッキングされると、かえって話しにくくなってしまいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ミラーリング」&nbsp;相手に好かれる聴き方</h2>

<p>・相手の姿勢や仕草をマネする</p>

<p>相手に安心感を与える方法としては、「ミラーリング効果」を利用する方法もあります。</p>

<p>ミラーリング効果とは、自分と相手が同じような表情や動作をするときに、好意や信頼感がアップする効果です。会話しているときに簡単にできるのは、表情や仕草、姿勢を見たままマネること。</p>

<p>例えばこんなことです。</p>

<p>相手がお茶を飲んだら自分も飲む。相手が前かがみで話していたら、自分も前かがみになって聴く。相手が両手をテーブルの上に置いていたら、自分も両手をテーブルの上に置く。相手が首をかしげたら、自分も首をかしげる......。</p>

<p>相手の姿勢や仕草を、そのままマネするだけで、相手に安心感を与えられます。</p>

<p>人の話を聴くときは笑顔でという話もありますが、表情をつくるのはなかなか難しいものです。それよりは、姿勢や仕草を合わせるほうがはるかに簡単です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>・声のトーンや話のリズムを合わせる</p>

<p>姿勢や仕草をマネるよりは少し難しいですが、声のトーンや話すスピード、リズムを合わせることも効果的です。相手が物静かなトーンで話しているなら、自分も静かに話す。</p>

<p>相手がゆっくり話しているなら、自分も同じくらいのスピードで話す。要するに、呼吸を合わせるといった具合です。聴く技術が身についていないと、どうしても頭が「どう話そう」「何を話そう」でいっぱいになってしまいます。そうすると相手を観察する余裕もなくなり、話をちゃんと聴けないし、自分のペースやトーンで話してしまいがちです。</p>

<p>営業で商品を売らなければならないときなど、要注意です。資料に書いてあることを懸命に話しているのに、何となく相手が退屈そうなとき、不安になりますよね。余計に焦ってしまうかもしれませんが、一度相手の話し方に目と耳を傾けてみてください。ちょっと話すスピードを落としたり、トーンを落としたりするだけで、ガラリと空気が変わることがあります。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_kaiwa.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 22 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>他人の評価で揺らがない「自分にとっての幸せの基準」の持ち方  ジョン・キム（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12229</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012229</guid>
			<description><![CDATA[幸せに生きるためのヒントを、作家のジョン・キム氏さんが語ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="幸せの基準" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityLI/pixta_greenLI.jpg" width="1200" /></p>

<p>頑張って生きているのに、なんだか心が満たされない。それは、もしかしたら自然体でいられていないからかもしれません。この記事では、内面と外面が一致した穏やかな生き方、そして自分だけの幸せの基準を見つけるヒントを書籍『媚びない人生』より紹介します。</p>

<p>※本稿は、ジョン・キム著『媚びない人生』（PHP文庫）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自然体とは、内面と外面が一致している状態</h2>

<p>自然体で生きていく境地とはどのようなものか。一言でいえば、穏やかである。静かな海のようなイメージが広がり、何が起きても揺るがない。いつでも平常心でいられる。あらゆるものを受け入れ、包み込める包容力を手に入れられる。たとえ驚くようなことが起きても、起きたものをきちんと見て、それに対してどう対処すればよいのかがわかる。</p>

<p>乱れない、ぶれない感情を手に入れることができる。縛られない、とらわれない、こだわらない。素直な気持ちで人に接することができる。他者の評判ではなく、自分の直感で相手を評価できる。</p>

<p>感情的な乱れは、基本的にはなくなる。瞬間的にあったとしても、元に戻す修正能力が発達する。だから、すべての瞬間に幸せを感じられる。</p>

<p>実際、私は自然体の大切さに気づいた小学校時代から、自分が幸せではないと感じた瞬間は一度もない。もちろん本当の意味で悩み、苦しんだことも間違いなくたくさんあったが、一切覚えていない。そういうことは、忘れてしまうのである。</p>

<p>成人して以降は、あらゆる場面で幸せを感じるようになった。今、どれほど自分が幸運で、恵まれていて、幸せなのか、常に感じながら生きてきた。本当である。</p>

<p>実はもともとの自然体の自分と、今の自分との間にギャップがあることに、高校時代や大学時代に気づく若者たちもいる。そして彼らは、そのギャップを社会に出てからますます強く感じることになる。社会では、学校以上にありのままに過ごすことは許されないからだ。</p>

<p>社会では、相手がいる。会社や所属する組織がある。査定があって、給料がある。ここで家族ができたりすれば、もはや自然体の自分など意識していられなくなる。ますます演じる自分に慣れてしまう。不自然さが当たり前になっていく。</p>

<p>しかし、実のところ、不自然でいることは、社会の中では自然なことでもある。多くの人が不自然を当たり前に受け入れているので、ギャップを感じながらも、なんとなく生きてしまうことになる。内面と外面が一致しないまま過ごせてしまうのだ。</p>

<p>逆にいえば、自然体でいること、内面と外面を一致させるためには、たいへんな努力が必要になるということである。社会で生きながら自然体でいることは、本当はすごく難しいこと、意識的に努力しなければならないことなのだ。</p>

<p>だからこそ、そのためにはどうすればいいか、を考える必要がある。私がたどり着いた最終的な結論は、強さがなければいけない、ということだった。内面的な強さ、すなわち感情、思考、言葉、行動の4つの力である。そしてこの強さを身につけていくためにも、大切な認識がある。忍耐が求められるということだ。</p>

<p>それを理解しながら、時間をかけて内面的な成熟、強さを培っていくことである。自分に力がないうちは、自然体とは違う反応をしてしまう。本当はそうは思っていないことに相づちを打ってしまったり、上司に媚びた言葉を使ってしまったりする。</p>

<p>しかし、内面的な強さが生まれれば、そういう行動はなくなっていく。相手を包み込むような行動ができるようになるし、未来に怯えることもなくなる。ペルソナのかりそめの人生の持つニセモノの穏やかさではない、本当の穏やかさを手に入れることができる。</p>

<p>まず今、やるべきことは、実は内面と外面が離れていること、ギャップがあることを認識することである。そして、それを一致させるために、もっといえば、子どものとき、生まれたときの自然体としての自分に戻すために、自分は何をすべきかを考え、その取り組みを進めることである。</p>

<p>自然体になるのは、簡単ではない。時間がかかるかもしれない。しかし、それを成し遂げられたなら、そこから本当の自分の人生を始められる。社会によって乱された自分を、本当の自分に戻すのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>幸せの絶対的な基準を持つ</h2>

<p>なぜ、自然体で生きていくことが必要なのか。もちろん、穏やかで、幸せな人生を手に入れることができるから、であるが、ではなぜそんなことが可能になるのか。自分の世界に向かえば向かうほど、純度の高い自分の人生を生きていくことができるからである。</p>

<p>世の中に貢献し、生きがいを見つけたい、と語る人は少なくない。しかしその前に、自分に与えられた人生というものについて、しっかり自分と向き合い、いかに成熟したものにできるか、という問いかけが先に来ると私は考えている。そうでなければ、社会に何かを提供することなど、果たしてできるだろうか。</p>

<p>相手への喜びや社会への貢献はもちろん大切である。私自身、自分が接する人たちすべてにポジティブなエネルギーを与えたいと思っているし、金銭的な価値に左右されないやりがいを今の仕事には感じている。</p>

<p>しかし、前提条件としてなければならないのは、自分自身が幸せをしっかり享受できていなければいけない、ということだ。そうでなければ、自分が提供するものに対して、必ず対価を求めてしまうようになる。自分自身が、圧倒的な幸せを感じていれば、そんなことはなくなる。</p>

<p>だからこそ重要なのが、自分自身で幸せの絶対的な基準を確立させることだ。若い人の中には、たくさんの資産を持つことが幸せだと考えている人も少なくない。</p>

<p>では1億円の資産を持つ人と、100億円の資産を持つ人では、どちらが幸せだろうか。人気企業に勤める人と、超人気企業に勤める人では、どちらが幸せだろうか。</p>

<p>1億円の資産の人は、ある人から見れば幸せに見える。しかし、彼は100億円の資産の人を前にすれば、果たしてどうだろう。一流企業も同じだ。実は、きりがないのである。金銭やモノによる価値基準は、極めて相対的なものなのだ。</p>

<p>実際、巨額の資産を持ちながら幸せを感じられない人は少なくない。しかも、社会的な基準はどんどん変化していくのだ。こうしたものを幸せの基準として持ってしまうと、常に社会に振り回され、自分で完結できない。</p>

<p>それこそ、家族が一緒にいて、ご飯を食べることだけでも十分幸せだと思う人は、もしかすると、１億円の資産を持つ人よりも、人気企業に勤める人よりも幸せかもしれない。余計な欲を持つこと、誰かが設定した基準を意識してしまうことだけで、幸せは遠ざかっていくことも多いのだ。幸せの基準を自分で設定できる人こそ、自分で幸せをコントロールできる人なのである。</p>

<p>だが、それは基準を下げれば幸せになれる、ということではない。生まれてから経済成長を経験していない今の若い人たちには、自己防衛として幸福のスタンダードを下げていくことを得意としている人もいるが、それは自分の将来の可能性に対して失礼なことである。</p>

<p>むしろ、幸せの基準は上げるべきだ。それは難しいことではない。幸せの基準の再設定は自分の中で完結できるのだから。それこそ、純度の高い自分の人生を生きていく、人生を成熟させていく、ということだ。問われるのは、自分自身、なのである。</p>

<p>実のところ、生きていく上での最大の喜びは、自分自身の成長実感に他ならない。これは多くの社会人が納得するところだと思う。そしてこれは、社会の中での成功とか、お金持ちとか、そういう次元を超えたものだ。このことに早く気づけた人は強い。そして自分をより成熟した状態に持っていくことこそが、すなわち大きな幸福感を生むのだ。</p>

<p>だからこそ、まずは自分の未熟さを理解しないといけない。その未熟な自分が、成熟に向かうことを実感できたとき、大きな喜びを感じることができるのだ。</p>

<p>人間として自分を深め、知識や教養を得、人生の意味について深く理解をし、自分自身について知ろうとし、他者についてより深く理解する感性を得、思考力や行動力を手に入れていく。こうした実感こそ、大きな幸せなのである。</p>

<p>必要なことは、何より自身の成長を意識することだ。未熟から成長に向かうプロセスこそ、生きる意味だと気づくことである。これを懸命に続けられた人生こそ、素晴らしい人生だと私は思っている。本当の幸せは、この過程にこそ潜んでいる。</p>

<p>実は薄っぺらな物欲の満足や、基準が社会にある自己顕示欲の充足、さらには本来の自分が願ってもいなかった自己実現に、幸せが潜んでいるわけではないのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 22 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ジョン・キム（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>87歳・田村セツコさんのひとり暮らし　「さびしくて悲しい気持ちになったら...」  田村セツコ（イラストレーター）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/11978</link>
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			<description><![CDATA[イラストレーターの田村セツコさんは長年ひとり暮らしをしています。田村さんが実践する「今」を心から楽しむひとり暮らしを紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="孤独" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Clover.jpg" width="1200" /></p>

<p>イラストレーターとして活躍を続ける田村セツコさん。長年ひとり暮らしの田村さんは、親しい人が亡くなる悲しみや、ひとりの不安をやわらげる方法があると語ります。（取材・文：鈴木裕子、写真：関暁）</p>

<p>※本稿は、月刊誌『PHP』2024年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>みんな「さびしさ」を持っている</h2>

<p>父と母と子供四人の六人家族。いつもにぎやかで笑い声が絶えない、まさに絵に描いたような温かな家庭で育ちました。でも、人間って勝手なものですね。私は幸せいっぱい、胸いっぱいな毎日を満喫していながら、「屋根裏部屋で暮らす絵描きさん」にあこがれていました。絵を描くことが好きだったので、パリの貧しい画学生のイメージですね（笑）。生意気にも、ひとりぼっちで貧乏暮らしをしてみたかったんです。</p>

<p>高校卒業後、親元を離れて都内のアパートで生活を始めたのですが、すぐに「孤独というのは、なるほどこういうことか」と気がつきました。夕食時になると、窓の外からにぎやかな食器の音や人の声がして、スープのいい香りがただよってくるのに、私は「おいしいね」と言葉を交わす相手もなく、ひとりぼっちでごはんを食べている。さびしさが本当に身にしみました。</p>

<p>でも、大好きなフランスの雑誌のページをめくっていると、そこに登場する著名な人たちが「人生のテーマは何ですか?」という質問に対して、「孤独です」と答えていたんです。それらを読んで、孤独を感じている自分は哀れでもなんでもない、ごく「まとも」なんだと安心したんです。</p>

<p>考えてみたら、子供のころに読んだ物語の主人公のほとんどは、ひとりぼっち。『赤毛のアン』も『家なき子』も孤児なんです。でも、彼女たちは日々空想し、冒険しながらだんだん幸せになっていく。それを考えると、孤独は悪いことでもみじめなことでもなく、むしろ人間を強く、豊かにしてくれるものなんだと気づきました。</p>

<p>もちろん、孤独はさびしい。でも、私たちはこの世に生まれたとき、すでに広い世間にひとりで放り出されたんです。だから、心細くて「ふんぎゃ、ふんぎゃ」と泣いたんですよね。ですから、さびしいとか孤独感を持つのは当たり前のこと、生きている証拠だと私は思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>亡くなった人は自分の応援団</h2>

<p>私は両親やきょうだい、友人など亡くなった人たちの名前を紙に書いてキッチンに貼り、朝起きたときに「おはようございます」と順番にあいさつします。「お父さん、お母さん、おはようございます」というように一人ずつ、小さな声で。名前を呼んだときにその人の顔が浮かぶので、にっこり。それだけで楽しい気分になります。</p>

<p>実はそのとなりにVIP席というのもあって（笑）、尊敬するサン＝テグジュペリなどのお名前も。私は勝手に、みなさんを自分の「応援団」だと思い、「今日は講演会。行ってきまーす」「がんばって!」なんて会話をします。すると、元気がわいてくるんですよ。孤独を感じている方は、だまされたと思ってやってみてください。本当に励まされ、勇気が出ますよ。</p>

<p>もう一つ、私には毎朝やっていることがあります。それは、ラッキーだと思うことを発見し、確認すること。「今日も目が覚めた、目が見える、耳が聞こえる、立って歩ける......わあ、ラッキー!」って。そんなのラッキーでもなんでもなくて当たり前のこと、と思われるかもしれませんね。</p>

<p>でも、たとえば触って熱い、冷たいと感じるといったことは、何億円かけて研究しても、ロボットで完全に再現するのはむずかしいのだそうです。それほど私たちの体は高機能、高性能なんですね。そのことを改めて発見、確認して、感謝する。すると、毎日新鮮なことの連続で、「さびしい」なんて嘆いている暇もなくなります。</p>

<p>発見と言えば先日、鏡台の引き出しの中に昔使っていたメントール系の軟膏を見つけました。それをおでことこめかみにちょこっと塗ったら、スースーして気持ちがいい。以来、これも朝のルーティンに。名づけて「スースー健康法」。気持ちがちょっと沈んだときにも効果的ですよ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「今」を心から楽しむひとり暮らし</h2>

<p>それでも、さびしくて悲しい気持ちになることはありますよね。私は猫のいない生活をしたことがなかったんです。ところが先日、一緒に暮らしていた猫が家出をしてしまったので、現在は正真正銘のひとり暮らし。「あら私、ひとりぼっちだわ」と感じることもあります。そういうとき、つい家に閉じこもってしまいがちですけど、私はあえて外出するようにしているんです。</p>

<p>ある日の夕暮れ、六本木の高層ビルに行って最上階から下を見ると、星の数ほど家があって灯りがともり、キラキラ輝いていました。こんなにたくさんの人がいて、いろいろな思いで暮らしているんだなと思ったら、胸がいっぱいになってしまって。</p>

<p>そして、この中にはきっと、ひとりぼっちでお茶を飲んでいたりして、今の私と同じようにさびしい気持ちでいる人がいるはず。バスや電車に乗ったりしても、いろいろな人がいますよね。</p>

<p>外に出れば、そんなふうに世の中を俯瞰できて、「ひとりなのは自分だけじゃない」「みんな孤独を味わっている」と気づきます。そういえば、「ひとりでいてもひとりじゃない。一緒にいても一緒じゃない」という言葉を聞いたことがあります。人間の心って、実に不思議な面があるんですね。</p>

<p>人生も後半に入ると、将来に不安を感じて、より孤独感がつのるかもしれません。でも、先のことを考えたところで、思う通りになるとは限りません。だったら、孤独とうまくつき合い、毎日発見、感謝して「今」を楽しんでみてはいかがでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 21 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[田村セツコ（イラストレーター）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>自律神経と「腸」の意外な関係 朝1杯の水と腸もみが“美肌”に効く？  小林弘幸（順天堂大学医学部特任教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14222</link>
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			<description><![CDATA[自律神経と深く関わる「腸」を整える習慣を提案。朝の1杯の水や「腸もみ」などのケアから、ヨーグルトやチョコなど美肌におすすめの食べ物を解説。腸内環境の改善がQOL向上と心身の若返りへ影響することを紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="自律神経と腸、美肌の関係とは？" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_mirorlady.jpg" width="1200" /></p>

<p>年齢を重ねるごとに感じる、疲れやすさや肌の衰え。そんな心身のアラームを解決する鍵は、私たちの生命活動を支える「自律神経」にありました。だからこそ着目したいのが、自律神経のシステムに深く関与する「腸」の存在です。朝起きてすぐに飲むコップ1杯の水や、1日3分の「腸もみ」など、誰でも今日から始められるシンプルな習慣が、あなたの肌と体を劇的に変えるかもしれません。その驚きの秘密を探ります。</p>

<p>※本稿は、小林弘幸著『科学的に証明された 自律神経を整える習慣』（アスコム）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>腸内環境が整うと自律神経も整う？</h2>

<p>自律神経を整えられれば、多くの症状が緩和され、生き生きと楽しく、しかも若々しく生きていける。<br />
では、何をすれば自律神経が効率よく整うのか、気になりますよね。<br />
私が強くおすすめしたいのは、「腸を整える」生活習慣です。<br />
腸が整えば、自律神経も整うといっていいくらいです。</p>

<p>腸と脳は位置的にもけっこう離れているのに、なぜ？ と思われる方もいらっしゃるかもしれません。<br />
ところが、じつは「脳」と「腸」は強く連携しているネットワークです。<br />
自律神経によって腸の動きがコントロールされているという意味でもそうなのですが、自律神経のシステム自体が整うかどうかに、腸の動きが深く関連しているからです。</p>

<p>私はよく自律神経を整える第一歩として、「朝起きたら、食事の前にまずコップ1杯の水を飲む」ことをおすすめしています。<br />
わかりやすい効果は、便秘の解消です。便秘は女性だけでなく、男性高齢者にも悩んでいる方が少なくありません。朝の水は、腸を刺激して「蠕動（ぜんどう）運動」を促してくれます。</p>

<p>1杯の水は、便秘解消以外の作用ももたらします。腸は副交感神経の支配下にあるため、腸を刺激することは副交感神経を刺激することにもなるからです。</p>

<p>腸の動きが鈍るのは副交感神経が低下しているからなので、朝に水を1杯飲むことは、腸を刺激して動きを活発にするだけでなく、起床後の交感神経が高まるタイミングで副交感神経が低下しすぎないようにする効果も期待できます。</p>

<p>冷水が苦手なら白湯や常温水でもOK。朝だけでなく、1日を通じて合計1.5リットル程度の水を毎日飲むように心がけるといいでしょう。</p>

<p>1週間も続ければ、多くの方が効果を実感できると思います。そして、改善するのは便通だけではないことにも気づくでしょう。頭痛が和らいだ、疲れがとれた、体が冷えにくくなった......などなど。そう、すべて自律神経が整ったための効果です。</p>

<p>そして、便秘の改善は腸の動きをさらに活発にしてくれます。<br />
自律神経と血流には強い関係がありますが、よい血液を送り出すために働いているのは腸です。<br />
腸がよければ全身の状態もよくなると考えてみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>便秘による不調が生活の質を低下させる</h2>

<p>アメリカの研究データによると、慢性便秘症に悩む患者は、そうではない人よりもQOL（生活の質）が相対的に低く、日常活動性の障害率や労働生産性の低下率も格段に高くなっています。<br />
毎日不快な症状を抱えていることで自律神経も乱れてしまい、人生のパフォーマンスそのものが低下してしまっていると考えられます。</p>

<p>便は毎日出るのが理想ですが、2〜3日に1回でも大丈夫です。ただし、3日以上出ない状況が続くなら便秘です。</p>

<p>私の所属している順天堂大学医学部附属順天堂医院では、日本で初めての「便秘外来」を開設しています。便秘に悩む患者さんは非常に多く、受診までには年単位でお待ちいただかなければならない状況が続いています。患者さんの中心層は、女性は20〜30代、男性は50代以上です。</p>

<p>そこで、ここでは私たちが多くの患者さんに共通してアドバイスしている内容を3点、簡単にまとめてみました。<br />
まずは自分に合っていそうなもの、やりやすそうなものから始めてみるといいでしょう。</p>

<p>まずは、「腸もみ」です。<br />
便秘は便が腸に滞留してしまっている症状ですから、体の上から直接刺激して、腸の機能を上げてみましょう。</p>

<p>腸もみは1回3分、朝晩の2回だけで結構です。食事の直後を避け、腸の四隅を刺激します。<br />
次に、併せて行ないたいのが「腸活ストレッチ」です。本来なら排泄機能が高まるはずの朝の時間帯に、ひねりを入れた運動や腰を回すといった、腸に刺激を与えるストレッチをします。<br />
なお、これらの運動は、呼吸法と一緒に効能に行なうとさらに効果的です。</p>

<p>そして、最後は便を出しやすくする食品をとること。効果的なのは、オリーブオイルなどのオイル類です。毎朝起きたあと、スプーン1杯程度をめどにとってみましょう。オイル単体でとるのが苦手な方は、サラダにかければ食物繊維も一緒にとれて一石二鳥です。</p>

<p>また、私のおすすめは「はちみつとオリーブオイルをかけた焼きりんご」。<br />
りんごは水溶性食物繊維のペクチンが豊富ですし、加熱することで、りんごの皮に含まれるペクチンの量と吸収率がさらにアップします。<br />
気になる方は、ぜひレシピを検索してみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>美容におすすめはヨーグルトとチョコレート</h2>

<p>自律神経が乱れると起こる症状のひとつに、「肌荒れ」があります。年齢を重ねて副交感神経が低下してくると、肌のターンオーバーが遅れてシミが目立つようになってしまうだけでなく、髪のパサつきも進んでしまいます。</p>

<p>そこで自律神経を整えれば、おのずと肌も整い「美肌」への変化が期待できるわけですが、腸を整えることこそ、その最大の近道だといってもいいでしょう。</p>

<p>腸内に腸内細菌がいるように、肌にも菌が常時存在し（常在菌）、肌の状態に影響を与えているという研究があります。その数、250種以上ともいわれています。</p>

<p>また、腸内に善玉菌と悪玉菌が存在するように、肌にある菌にも、「美肌菌」とでも呼ぶべき善玉菌と、悪玉菌に相当するものがあると考えられています。善玉菌には悪玉菌を抑える「表皮ブドウ球菌」や、乾燥から肌を守ってくれる「サーモフィルス菌」が、悪玉菌には炎症やかゆみのもとにもなる「黄色ブドウ球菌」などが存在するほか、日和見菌もあります。</p>

<p>肌もやはり、善玉菌が悪玉菌よりも優勢であればよい影響があります。腸内に腸内フローラがあるように、肌にもいわば「肌フローラ」があるわけです。<br />
腸内フローラが改善されれば直接的に肌フローラもよくなるのかどうかについては、まだわからないことが多く、今後の研究課題となっています。</p>

<p>ただし、腸が健康であれば、少なくともよい血液が体中に行きわたるようになります。美肌のためには血の巡りが欠かせませんから、その意味では直結しているわけです。</p>

<p>肌の乾燥を防いでくれるサーモフィルス菌は乳酸菌の一種で、ヨーグルトなどにも含まれている菌です。つまり、腸内環境を整えるためにヨーグルトを食べることは、肌の改善にも貢献してくれるということです。</p>

<p>ヨーグルトと同様、自分に合う質のいいサプリメントを見つけることもいいでしょう。私は栄養素の補給にサプリメントを使いすぎることには否定的ですが、乳酸菌は例外です。そして、もちろん食物繊維も同時にとるようにしましょう。</p>

<p>さらにおすすめの食べ物は、チョコレートです。カカオポリフェノールの抗酸化作用がシミの予防に効き、またカカオプロテインが肌のターンオーバーを促進すると考えられています。<br />
チョコレートはナッツと並ぶ「完全栄養食」です。<br />
食べすぎは禁物ですが、自律神経を整える成分が豊富なので、カカオ含有量の高いチョコレートを間食に取り入れるのもおすすめです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 21 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小林弘幸（順天堂大学医学部特任教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「ネットサーフィンがやめられない」原因は前頭前野の疲れかも　スマホ依存を防ぐ5つのコツ  名郷根修（株式会社ハイパフォーマンス代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14194</link>
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			<description><![CDATA[なぜ人はネットサーフィンをやめられないのか――ついついスマホを触ってしまう脳の特性やスマホとの向き合い方を名郷根修さんが解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="名郷根修著『瞬動力』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smartphone.jpg" width="1200" /></p>

<p>生活する上でなくてはならない物になっているスマホ。「SNSを見ていたら数時間経っていた...」という経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。</p>

<p>ついついスマホを触ってしまうのは、その人の意志が弱いからではなく、脳の特性であると語る株式会社ハイパフォーマンス代表取締役の名郷根修さん。本稿では、名郷根さんにスマホと上手く付き合うコツについて紹介していただきます。</p>

<p>※本稿は、名郷根修著『瞬動力』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ネットサーフィンにはまらない仕組みづくり</h2>

<p>まずは、現代人の多くが手放せないインターネットとのつき合い方について。仕事でもプライベートでも、今やネットなしの生活というのは考えられない時代です。そんな中で陥りがちなのがネットサーフィン。SNSやネットニュース、動画サービスなどを利用しているうちに、気づけば何時間も経っていた、という経験は、誰でも身に覚えがあることでしょう。</p>

<p>一度ネットサーフィンをはじめるとなかなかやめられないのは、脳の特性が大きく影響しています。ひとつずつ解説していきましょう。</p>

<p>【次の1回がやめられないドーパミン回路】</p>

<p>SNSやニュースサイト、動画サービスは、スクロールするたびに「おもしろい投稿」「つまらない投稿」「気になるタイトル」「たまに『おっ』と思う情報」など、「当たりハズレのある報酬」が流れていきます。</p>

<p>脳は、この「たまに当たる」仕組みにとても弱く、報酬系の伝達物質であるドーパミンが出やすくなります。特に「次こそ、もっとおもしろいものが見つかるかも」という予測が、ドーパミンを強く出させます。</p>

<p>その結果、「あと1回だけスクロール」「もう1本だけ動画を見る」が止まらなくなります。これはギャンブルで覚える興奮と同じで、一度習慣になってしまった人にとってはなかなかやめられないものです。</p>

<p>【スマホが「やめる力」を奮っていく】</p>

<p>理性や判断をつかさどる脳の前頭前野は、「そろそろやめよう」「本来やるべきことに戻ろう」とブレーキをかける役割を持っています。ところが、スマホで次々と新しい情報をチェックしていると、「続けるか、区切るか」という小さな判断と、「目の前の情報を読むか、スキップするか」という選択を、無意識のうちに何度もくり返すことになります。</p>

<p>すると前頭前野が疲れてしまい、「やめる判断」より「流される選択」が強くなるのです。それが「やめないといけないのにやめられない」という状況を生み出しています。</p>

<p>【新しい情報への本能的な弱さ】</p>

<p>人間の脳は、もともと危険やチャンスをいち早く察知するために新しい情報に強く反応するようにできています。これは、生存のために備わった大切な機能です。「最新」「トレンド」「いま話題」といったワードや、SNSの赤い通知バッジや新着マーク、リアルタイム更新の表示などは、まさにこの本能を刺激します。</p>

<p>感情と警戒反応をつかさどる扁桃体が反応し、「見逃したら損をするかもしれない」という無意識の不安が生まれ、その不安を消すために、ついタップしてしまう。これも、ネットサーフィンをやめづらい大きな理由です。</p>

<p>【終わりがない設計が脳をハマらせる】</p>

<p>区切りがない設計もネットサービスの特徴です。SNSも動画サービスも、スクロール、自動再生、次のおすすめ表示などの機能が備わっており、コンテンツが途切れることなく流れていきます。つまり、「ここで終わり」という明確な区切りがありません。</p>

<p>脳は本来、区切りがある行動は終わらせやすく、区切りが曖昧な行動は続けやすいという性質を持っています。その結果、少しだけのつもりが、気づけば想定より長い時間が過ぎている――そんなことが起こります。</p>

<p>このように、ついネットサーフィンにはまってしまうのは、あなたの意志が弱いからではありません。脳の仕組みとサービス側の設計がピタリとかみ合い、離れづらい状態がつくられているのです。このため、本稿では「我慢してやめる」のではなく、「そもそも、はまりにくい状態をつくる」アプローチを実践していきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スマホとのつき合いを見直す5つのバリア</h2>

<p>スマホをつい触ってしまうのは、あなたの意志が弱いからではありません。スマホが「脳が楽しいと感じる回路」と「注意のクセ」を刺激するように設計されています。つまり、ひきつけられてしまうのは、ある意味で自然なことです。であれば、対策も「我慢する」という意志に頼るのではなく、仕組みで行うのが正解です。</p>

<p>①物理的に届かない場所に置く(距離バリア)</p>

<p>スマホを見ないもっとも有効な方法が、これです。</p>

<p>実は、スマホは目の前にあるだけで脳に影響を与えます。視界に入るだけで扁桃体が反応し、前頭前野にも負荷がかかり、無意識のうちに「少し触れて気分転換しよう」という選択肢が浮かびやすくなるのです。机の上やポケットの中など、手を伸ばせば届く範囲にあるだけで、その誘惑はぐっと強まります。</p>

<p>行動科学の研究でも「物理的な距離を離すだけで衝動的な行動は大きく減る」と報告されています。おすすめとして、作業中にスマホは「手の届かない場所」に置きましょう。</p>

<p>②スマホを誘惑の少ないモードにする(通知バリア)</p>

<p>通知は、脳の「新しい情報に反応する本能」を強く刺激します。画面に表示が出るだけで、「今すぐ確認したほうが良いかもしれない」という感覚が生まれ、注意がそちらへ引き寄せられます。</p>

<p>だからこそ対策は、とてもシンプルです。「目に入らない状態をつくる」ことです。アプリの通知やロック画面の表示は、原則オフにする。仕事に直接関係のないアプリはフォルダにまとめるか、ホーム画面から外して視界に入らないようにします。</p>

<p>さらに、メールやメッセージは1日のうちチェックする時間を決めます。通知が減るだけで、脳は余計な判断をしなくて済むようになります。その結果、集中力は自然と回復します。</p>

<p>③アプリを開きにくい状態にする(アクセスバリア)</p>

<p>行動は「簡単さ」に大きく左右されます。ワンタップで開ける環境にある限り、無意識のうちに手が伸びてしまうのは自然なことです。このため、アクセスにひと手間を加えます。</p>

<p>・SNSやニュースアプリは2ページ目以降に配置する。</p>

<p>・スマホからSNS、YouTubeなどのアプリをアンインストール。パソコンでしか閲覧できないようにする。</p>

<p>・パスコードを少し複雑にする。</p>

<p>④代わりの行動を最初に決めておく(置き換えバリア)</p>

<p>禁煙のために煙草の代わりにガムを噛む、休肝日をつくるためビールの代わりに炭酸水を飲む、といった具合に、行動科学では、やめたい行動をなくすために「別の行動に置き換える」ことが効果的だとされています。</p>

<p>同じ考え方をスマホにも活用します。スマホに手が伸びそうになったら、あらかじめ決めておいた行動を行うのです。たとえば、</p>

<p>・5秒ルールを取り入れる。</p>

<p>・深呼吸を1回する。</p>

<p>・姿勢を正す、肩を回す。</p>

<p>・タイマーで5分だけ作業する。</p>

<p>こうした置き換え行動をひとつ決めておくだけで衝動が弱まります。</p>

<p>⑤ネットを見る時間を「枠」で決める(行動バリア)</p>

<p>私は、情報収集が必要な仕事柄、ネットを見る時間はゼロにはできません。大切なのは、「見るか・見ないか」ではなく、「どう管理するか」です。そこで意識しているのは、枠で時間を管理することです。たとえば、</p>

<p>・情報収集は「1日合計◯分まで」と上限を決める。</p>

<p>・ニュースチェックは朝と夕方の決まった時間帯に行う。</p>

<p>・15分後を知らせるように、スマホのタイマー機能をかけておく。</p>

<p>このように、使う時間を先に決めてしまいます。枠があるだけで、脳は自然にここまでと区切りをつけやすくなります。その結果、ダラダラと続く時間が減り、情報収集も目的ある行動へと変わっていきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「未来の自分にプラスになるか？」という視点を持つ</h2>

<p>ネット上には膨大な情報があふれています。それ自体が悪いわけではありません。問題は、「すべてを拾おう」としてしまうことです。これが脳を最も疲れさせます。</p>

<p>そこで私は、情報に触れるときにひとつの問いを持つようにしています。「これは、未来の自分にプラスになるだろうか？」この問いを挟むだけで、情報との距離が自然と整います。たとえば、</p>

<p>・ブックマークは「具体的な行動につながりそうなもの」を選ぶ。</p>

<p>・SNSのフォローは「見たあとに前向きな気持ちになる人」にする。</p>

<p>・スクロールを始める前に、「何を探しているのか？」を一度確認する。</p>

<p>情報をすべて遠ざける必要はありません。選ぶ意識を持つだけです。この基準があるだけで、ダラダラと流される時間は大きく減ります。不要なノイズが減ると脳のメモリに余白が生まれ、本当に必要な情報が入りやすくなります。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smartphone.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 21 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[名郷根修（株式会社ハイパフォーマンス代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title> スザンヌさんはなぜ熊本に？ 「東京にいる未来が想像できなかった」シングルマザーの決断【前編】  スザンヌ（タレント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14303</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014303</guid>
			<description><![CDATA[タレント・スザンヌさんが、シングルマザーとして歩んだ子育ての日々を語る。東京を離れ熊本に戻った決断、初めての育児の戸惑い、毎朝泣いていた息子との時間。子どもの成長とともに芽生えた、新たな挑戦への思いとは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="スザンヌさん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260515suzanne01.jpg" width="1200" /></p>

<p>2007年、フジテレビ系『クイズ！ヘキサゴンII』で&ldquo;天然キャラ&rdquo;として大ブレイクし、お茶の間の人気者となったスザンヌさん。その後、結婚、出産、離婚を経て、現在は熊本を拠点にタレント活動を続けながらアパレル事業や旅館経営にも挑戦しています。今年、息子さんは中学校に入学しました。決して順風満帆ではなかったシングルマザーとしての子育ての日々、そして子離れとともに芽生えた新たな挑戦への思いを聞きました。（取材・文／吉澤恵理、写真／スザンヌさんInstagramより）</p>


<p>&nbsp;</p>

<h2>24歳で母に。「結婚や出産がなくても、どこかで違う道に進んでいた」</h2>

<p>大ブレイク後、芸能活動が多忙を極めるなかでの結婚と出産。当時について聞くと、「結婚や出産への不安はなかった」と振り返ります。</p>

<p>「24歳くらいだったと思うんですけど、結婚して子どもを持つことが夢でもあったので、このタイミングが自分にとってはベストなんじゃないかなって思っていました」</p>

<p>近年はSNSなどでも、「キャリアか、出産か」という議論が話題になりますが、迷いはなかったと当時を振り返ります。</p>

<p>「当時は、ずっと同じ働き方を続ける未来は想像していなかったですね。</p>

<p>体力的にも精神的にも、ずっとあの忙しい状態を続けていくのは難しかったと思うんです。</p>

<p>結婚や出産がなかったとしても、どこかで違う道に進んでいた気がします」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「赤ちゃんって、もっと寝てくれるイメージだったんですよ」初めての育児で気づいたこと</h2>

<p>しかし、結婚して母になってみると、実際の子育ては想像以上に大変でした。</p>

<p>「赤ちゃんって、もっと寝てくれるイメージだったんですよ。でも本当に全然寝なくて。置いたら泣くし、ずっと抱っこで。『聞いてたのと違う！』って思いました（笑）」</p>

<p>夜中もほとんど眠れない日々。ちょうど北京オリンピックの年で、赤ちゃんを抱っこしながら夜通しテレビを見ていたといいます。</p>

<p>「本当に夜中もずっと起きていたので、あんなにオリンピックを見た年はなかったですね」</p>

<p>初めての育児。眠れない日々。慣れない子育てへの不安。支えになったのが、お母さんでした。</p>

<p>「母が夜まで仕事をしていたんですけど、疲れてるはずなのに、帰ってきてから私の話を聞いてくれました。話すだけでもすごく気持ちが楽になったんです。</p>

<p>今振り返ると、母は本当に大変だったと思います。でも、その時に母が自分の小さい頃の話をしてくれたり、一緒にご飯を食べたり、そういう時間にすごく救われていました」</p>


<p>&nbsp;</p>

<h2>離婚を経て選んだ「熊本で子育てする」という決断</h2>

<p>その後、離婚。シングルマザーとして息子さんを育てていくことになります。</p>

<p>東京に残るのか、それとも熊本に戻るのか――。</p>

<p>周囲からは、「仕事を考えたら東京の方がいい」という声も少なくなかったそうです。</p>

<p>ですが、スザンヌさんの中には、強い思いがありました。</p>

<p>「子どもと二人で東京で生活している未来が、どうしても想像できなかったんです」</p>

<p>東京で暮らせば、仕事は続けやすいかもしれない。でも、その分、子どもを預ける時間も長くなる。</p>

<p>「やっぱり、親や兄弟、友人達がいる熊本で育てたいなって思いました。何かあった時に頼れる人が近くにいる安心感って、本当に大きいと思ったんです。</p>

<p>事務所に『熊本に住みながら、仕事の時に東京へ通う形でもいいですか』と相談すると、『それでもいいよ』と言ってもらえて、熊本に帰る決断ができました」</p>

<p>さらに、自身が育った環境も、大きな理由のひとつでした。</p>

<p>「私は熊本の公立の小学校、中学校で育ったので、子どもにも受験よりも、もっと自然の中でのびのび育ってほしいなって思ったんです」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>毎朝泣いていた息子。教室まで送る日々を支えた友達の言葉</h2>

<p>実際、息子さんは熊本でのびのび成長していきました。ですが、小学校低学年の頃は、毎朝学校へ行くのを嫌がった時期も。</p>

<p>「本当に毎朝泣いてました。理由は、『ママと一緒にいたい』という（笑）。玄関まで送ると帰ってきちゃうので、教室まで一緒に行っていました。</p>

<p>当時は、『このままで大丈夫なのかな』と不安になりましたね。</p>

<p>でも、教室に行くと、女の子のお友達が、『わかるよ、ママがいいよね。でも頑張ろう』って手を引いてくれて。本当に助けられていました」</p>

<p>それでも、子どもは少しずつ成長していきます。</p>

<p>高学年になる頃には、ランドセルを玄関に置いた瞬間に遊びに飛び出していくほど元気になったそうです。</p>

<p>「今度は逆に、『いつ帰ってくるんだろう』っていう感じでした（笑）」</p>

<p>その姿を見て、嬉しさと同時に、少し寂しさも感じるようになりました。</p>

<p>「ずっと二人で生活してきたので、子どもが友達の世界を広げていくと、嬉しいんだけど、ちょっと寂しい気持ちもあって」</p>


<p>&nbsp;</p>

<h2>「このエネルギーをどこに向けたらいいんだろう」子離れと、自分の人生</h2>

<p>子ども中心で走り続けた日々ですが、子どもが成長するにつれ、自分自身の人生についても考えるようになっていきました。</p>

<p>「子どもはどんどん友達の世界が広がっていく。でも私は、ずっと子育てに全力を注いできたので、このエネルギーをどこに向けたらいいんだろうって思うようになったんです」</p>

<p>その思いが、高校への再入学、大学進学、そして起業へとつながっていきます。</p>

<p>「子どもの成長を応援したい。でも、自分も子離れしていかなきゃいけない。だから私も、新しいことを学んで、やりがいを見つけたいと思いました」</p>

<p>母として必死に駆け抜けてきた時間は、終わりではありませんでした。子どもの成長とともに、スザンヌさん自身もまた、新しい人生を歩み始めることになります。</p>

<p>中編では、高校への再入学、大学進学、そして卒業論文「地域創生と旅館再生」へと続く学び直しの日々について聞きました。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260515suzanne01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 20 May 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[スザンヌ（タレント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>第72回江戸川乱歩賞は『天使の負託―エンジェル・バレット―』が受賞！ 箕輪尊文さんが喜び語る  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14323</link>
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			<description><![CDATA[第72回江戸川乱歩賞の受賞作が箕輪尊文氏の『天使の負託――エンジェル・バレット――』に決定。5月20日講談社にて行われた受賞作発表会見の様子をレポートします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="貫井徳郎さん、箕輪尊文さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260520ranpo01.jpg" width="1200" /><br />
左から、貫井徳郎さん、箕輪尊文さん</p>

<p>日本推理作家協会主催の「第72回江戸川乱歩賞」選考会が5月18日（月）に開催され、応募総数465編の中から、箕輪尊文（みのわ・たかふみ）氏の『天使の負託――エンジェル・バレット――』が受賞作に選ばれました。</p>

<p>これを受け、5月20日（水）、受賞作の発表会見が行われました。昭和32年度の仁木悦子氏『猫は知っていた』から、昨年度の野宮有氏『殺し屋の営業術』まで、数多くの大型新人と傑作を世に送り出してきた本賞。今回の受賞作の概要と、会見の模様を速報でお届けします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>激戦を制した受賞作</h2>

<p>今年で72回目を迎える江戸川乱歩賞は、書き下ろし長編ミステリー小説を公募するもので、今回は465編の作品が寄せられました。</p>

<p>厳正な予備選考を経て最終候補に残ったのは、卯上笹生氏の『贖罪に手を汚す』、桑原なつみ氏の『家族毒』、平野尚紀氏の『Monju』、そして箕輪尊文氏の『天使の負託――エンジェル・バレット――』の4作品。18日の選考会での熱議の末、箕輪氏の作品が栄冠を手にしました。</p>

<p>選考委員を務めた日本推理作家協会代表理事の貫井徳郎氏は、「選考委員5人の評価は当初ばらついたものの、議論を重ねる中で受賞作は『天使の負託――エンジェル・バレット――』と意見が一致した」と選考の経緯を語りました。</p>

<p>特に高く評価されたのは、描写のリアリティです。貫井氏は「自衛官はまず洗濯やアイロンがけを徹底的に仕込まれるなど、知らない世界が非常に面白く描かれていた」と述べ、「本当に自衛隊に入って書いたのではないかと思ったほど」と絶賛しました。箕輪氏の過去作と比べても「格段に腕が上がっている」と力強く評価しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>10年越しの受賞</h2>

<p><img alt="箕輪尊文さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260520ranpo02.jpg" width="1200" /></p>

<p>1993年生まれ、東京都出身の箕輪氏は会社員。東京工業大学大学院に在学中から執筆活動を続けてきました。</p>

<p>江戸川乱歩賞への初応募は第63回。第65回・第67回で候補入りを果たしながらも受賞には届かず、今回の第72回でついに悲願を成し遂げました。</p>

<p>会見で箕輪氏は、「約10年間、江戸川乱歩賞学校で&quot;小説とは何か&quot;、&quot;ミステリーとは何か&quot;を考えてきた感覚だった」と、長い年月を振り返りました。</p>

<p>落選を重ねながらも書き続けた理由については、「毎年落選してがっくりもしたけれど、それでも&quot;何か書けることはないか&quot;と考え続けることが楽しかった」と、創作への真摯な姿勢をのぞかせました。</p>

<p>作品の着想源として箕輪氏が挙げたのは、2017年の南スーダンにおける自衛隊のPKO活動です。派遣の実態を調べるなかで、自衛官たちが懸命に任務に取り組んでいる姿とともに、「単純にはいかない部分」もあると感じたといいます。</p>

<p>今後の作家活動については、「これからが試練だと、身が引き締まる思いです」と決意をにじませました。</p>

<p>受賞作は9月頃に講談社より刊行予定です。選考経過と講評は、6月22日発売の『小説現代』7月号に掲載されます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「天使の負託――エンジェル・バレット――」あらすじ</h2>

<p>平和維持活動（PKO）で起きたある出来事から逃れるように、ピザ配達員をしている元自衛官・本庄恵梨香。彼女がピザを届けた女子高生が、胸を撃ち抜かれた死体として発見される。その手に握られていたのは、恵梨香が東エリトリアに PKO で派遣された時に受章した「国連メダル」だった。殺人事件の重要参考人となってしまった恵梨香は、自分の力で事件の真相を探り始める。</p>

<p>一方、恵梨香の元同僚であり、同じく過去の悪夢に苛まれる、もう一人の元自衛官・野島武。彼の元には姉をホストクラブ「エンジェル・バレット」に奪われたという地下アイドル・南川杏子が現れる。杏子から、「人を殺せるクスリ」の調達を強要される野島。戸惑いながらも杏子との交流を深めていくが――。</p>

<p>何かから逃げるように生きてきた恵梨香と野島。謎めいた女子高生殺人事件は、二人が隠蔽した過去と繋がっていた。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260520ranpo01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 20 May 2026 15:48:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>仕事でミスをしてしまった...失敗で落ち込んだ心の立て直し方  ジョン・キム（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12228</link>
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			<description><![CDATA[仕事でミスをしてしまったり、努力が報われなかったり...そんな状況に陥ったときに心がけたいことを、作家のジョン・キムさんが語ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="就職活動" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_woman_looftop.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事でミスをしてしまったり、努力が報われなかったり...ネガティブ思考に陥ってしまったときに、思い出したい考え方とは?&nbsp;書籍『媚びない人生』より紹介します。</p>

<p>※本稿は、ジョン・キム著『媚びない人生』（PHP文庫）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>起きてしまったミスは、肯定的に捉える</h2>

<p>会社に入って早々、遅刻をしてしまった。先輩に言われていたことを、失念してしまった。取引先に対しておかしな対応をしてしまった......。社会人になって、自分のしでかしたミスにショックを受けた人も少なくないかもしれない。</p>

<p>しかし、ミスは誰でも起こす可能性があるもの、と考えるべきだ。もちろん起きてほしくはないが、起きてしまうミスもある。むしろ大事なことは、ミスを起こした後の対応である。</p>

<p>例えば、遅刻をしてしまった。理由は様々にあるかもしれないが、起きてしまったことや、それに対して上司や先輩が持った感情を変えることはできない。それは、コントロールできないのである。</p>

<p>だからこそ、自分がコントロールできる部分について、さてこれから何ができるか、と切り替えられるようにならないといけない。そうでなければ自分自身だけでなく、周りにもさらに迷惑をかけてしまうのだ。もちろんミスは反省するが、問われるのは、そこからの未来志向のアクションなのである。</p>

<p>私であれば、こう考える。ミスしなければ、学べないことがある、と捉えるのだ。ミスをして叱られたり、周りから白い目で見られたりすると、人間というのはとても危機感が高まるものである。感覚も鋭くなり、ミスをした自分をそこで改めて確認できる。</p>

<p>ある意味では、逆にミスをして恥ずかしい思いをして、叱られてよかったと思う自分にしていくには、どうすればいいのか、と発想を切り替えるのである。そういう意識を持つと、ミスをしても、ある意味喜べてしまう。それを次につなげられる人間になれるからである。</p>

<p>ミスを悔やんだり、くよくよしていても仕方がない。問われるのは、それを自己成長にどう生かしていくか、なのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>すぐに結果が出ることなど、大した挑戦ではない</h2>

<p>じわじわと時間をかけてネガティブな感情に襲われることもある。しかも、それがなかなか晴れてくれない。例えば、一生懸命、努力しているのに、なかなか結果が出ないようなときがそうである。</p>

<p>若いときには、そういうことも多いが、行動と結果にはタイムラグが必ず存在する、ということを思い出してほしい。とりわけ大きな挑戦にこそ、タイムラグはある。実のところ、今日努力して明日結果が出る、などという挑戦は、大した挑戦ではないのだ。</p>

<p>実は後から考えてみると、懸命な努力が結果を出す、まさに目の前に来ていたときでも、挑んでいる最中は、永遠に真っ暗なトンネルが続いている気がしているものである。これは、多くの偉人たちが、やはり自伝で語っていることでもある。</p>

<p>もし、一生懸命に努力しているのに結果が出ないと感じたときは、今こそ踏ん張るときだと思うことだ。もうギリギリのところまで来ているということを、自分に言い聞かせながらやっていくことである。</p>

<p>そして、努力してもなかなか結果が出ないときほど、努力すればするほど、最終的に得る結果は大きくなると信じることである。それがわかれば、努力し続けることで結果が出ないことは、喜ぶべきものであり、不安になったり、挫折感を覚えたりするものではないことにも気づけるのである。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>決意に基づいた選択は、常に正しい</h2>

<p>何かの選択を迫られたとき、大いなる悩みを持つのは若い時代である。経験も少ない。知識も少ない。そんな中で、自ら選択をしなければならない。</p>

<p>こういうとき、誰かの知見にすがる、という考え方の人もいる。しかし、私はそれは勧めないし、自分自身もしてこなかった。大切な選択は自分で決めることである。たとえ、それがネガティブな結果に終わっても、である。そうでなければ、いつまで経っても自分で何も決められない。経験を積むこともできない。成長も成熟も、おぼつかないのである。</p>

<p>私自身は、自分の人生の中で考えたときに、何が本当に正しい選択なのか、20代後半にはっきりと気づくことができた。それは、その選択が生み出す結果に対して責任を負う決意に基づくのであれば、その選択はその時点で常に正しい、ということである。</p>

<p>自分の外にあるものを自分の中に内在化していく際には、必ず自分でそのプロセスを吟味し、納得した上で消化することが必要だ。その検証プロセスなしに受け入れることによって発生するすべての物事の結果については、自分がすべて責任を負う必要がある。受動的に受け入れることが、結果に対する責任回避の言い訳にはならないのだ。</p>

<p>選択の結果に対する全責任を自分で負うという決意が伴わない選択は、常に不完全で、正しいとは言えない。「自己の感情」「思考」「言葉」「行動」に対するすべての権利も義務も自分にあると考えよう。</p>

<p>安易に周りに合わせたりしない、時にはみんなを敵に回すことになっても、自分が正しいと思うこと、心から信じていることを考え、行動することだ。その思考や言動の結果は、明日の成長した成熟した自分を創り上げるための学習材料と捉えることである。</p>

<p>もとより結果というのは、自己完結的なものではない。それは自分の選択や行動が、自分ではどうしようもできない無数の外部要素と組み合わされたものである。よって、結果を完全に統制することはできない。しかし、結果から学び、次なる自己成長につなげることはできる。たとえ、それが周りから失敗といわれるものであったとしても。</p>

<p>短期的な失敗は、実は長期的な成功のための土台、ステップになるのだ。</p>

<p>選択する瞬間においては、はっきりと割り切る気持ちを持つためにも、さらには迷いを一切なくすためにも、その選択によってもたらされる結果に対しては、誰かではなく自身が全責任を取ることを意識することである。</p>

<p>こうした選択は、実はとても心地よい、楽しいものになる。結果は、楽しみに待てばいいのである。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_woman_looftop.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 20 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ジョン・キム（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>疲れやすい原因になる「帰宅後の過ごし方」　ベストな入浴のタイミングは?  中根一（鍼灸師）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12224</link>
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			<description><![CDATA[「疲れにくい体」になるための「帰宅後の過ごし方」とは? 鍼灸師の中根一さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="疲れにくい体" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_glasslandwoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>東洋医学では、「陽」が生まれれば、同じだけ「陰」が生まれ、相殺されることを通してバランスのいい状態に落ち着くものと考えています。同様に疲れ（陰）は、日々の活動（陽）の中で生み出され、そして解消されていきます。ですから、疲れることはごく自然なことであり、私たちの体とは切っても切り離せないものなのです。</p>

<p>そこで、本稿では鍼灸師の中根一さんが「疲れにくい体」になるために生活に取り入れたい、誰にでもできる「帰宅後の過ごし方」をご紹介します。</p>

<p>※本記事は中根一著『寝てもとれない疲れをとる本』（PHP文庫）の内容を一部抜粋したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「入浴」と「食事」の順番が疲労度を決める</h2>

<p>仕事などで外出した日、帰宅してから寝るまでの間の時間をあなたはどのように過ごしていますか?</p>

<p>趣味や勉強、家族団らん、翌日の準備......など、色々なことをすると思いますが、多くの方に共通するのが、</p>

<p>・食事<br />
・入浴</p>

<p>だと思います。</p>

<p>入浴は体温、血流、自律神経、心理面など様々な観点から効果を求めることができるので、毎日の疲労回復にはいい習慣ですね。</p>

<p>もともと元気な人はこれまで通りの入浴習慣でよいのですが、「疲れやすい人」「疲れきってしまった人」や自律神経が過緊張な人は、この食事と入浴の順番を意識していただくだけで、疲れの溜まり方、抜け方が変化します。</p>

<p>ぜひ一度試していただきたい順番は「入浴&rarr;食事&rarr;就寝」です。これは、東洋医学はもちろん、自律神経の働き方から見ても正しい順番といえます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「食事&rarr;入浴&rarr;就寝」で、疲れやすくなっていく!?</h2>

<p>東洋医学では、「昼は筋肉を働かせ、夜は内臓を働かせる」というのが、基本的な考え方です。交感神経を働かせる「活動系の時間」と、副交感神経を働かせる「休息系の時間」を昼夜でバランスよく切り替えて、「陰陽のバランス」をとっているのです。</p>

<p>食事をとると、内臓が働き始め、体は消化・吸収をするためのモードに切り替わります。消化・吸収がスムーズに行なわれるのは、副交感神経が働いているときです。</p>

<p>睡眠に入る前には血流量が一時的に上がりますが、これは心拍数が速くなっているのではなく、副交感神経の働きによって血管が拡張している「休息モード」のサインなのです。</p>

<p>一方、お風呂に入ると、上がった体温を下げるために心拍が速くなり、体の表面に血流を多く循環させます。心拍が速くなるのは、交感神経が働いているときです。脈が速くなっている状態は「活動モード」ですので、温かいという感覚によって気持ちはリラックスしているけれど、体は頑張って血流を循環させているというわけなのです。</p>

<p>つまり、「食事＝副交感神経モード」「入浴＝交感神経モード」「就寝＝副交感神経モード」となります。</p>

<p>そして、体の陰陽バランス（＝自律神経）の切り替えがシンプルなほど、体はスムーズに休息モードに入ることができるので、「入浴」&rarr;「食事」&rarr;「就寝」という流れのほうが、効率のいい回復ができるのです。</p>

<p>都内で某製薬会社に勤務をしているＣさんは、寝る前に食事をすると太ってしまうと聞いたため、会社から帰るとすぐに食事をとり、その後入浴、就寝という生活をしていたそうです。しかし、起床したときには胃がムカムカし、慢性的な疲労感を抱えていました。</p>

<p>そんなCさんに対して私がしたアドバイスが、「毎日を、温泉旅行にしましょう」でした。</p>

<p>私たちは温泉旅行に行けば、誰に教えられたわけでもなく本能的に夕食前に入浴します（もったいないから、寝る前にも入浴しちゃいますけど）。つまり、「帰宅（到着）&rarr;入浴&rarr;夕食&rarr;就寝」という、皆さんが温泉旅行でする流れを自宅でも取り入れましょう、とお伝えしたのです。</p>

<p>「夕食が遅くなるとますます消化不良になるのでは?」</p>

<p>と心配になる方もいるかもしれませんが、それは献立と量次第。ステーキやトンカツなど、消化に時間のかかるものを食べれば胃もたれしてしまうかもしれませんが、内臓を労わった軽めのメニューにすれば問題ありません。</p>

<p>実際にCさんにも入浴&rarr;夕食の順番にしていただき、献立を「1杯の味噌おじや」から始めてもらいました。すると、胃のむかつきが軽くなったのはもちろん、疲労も溜まりにくくなったといいます。</p>

<p>入浴のタイミングは、それぞれの家庭によって違いますが、今ほど日常が気忙しくなかった頃は、多くの家庭では、夕方頃に入浴し、そしてその後に夕食でした。</p>

<p>内科医だった私の祖父も、野球の阪神―巨人戦を観ながら夕涼みをして1杯。軽く夕食をとってから就寝していたものです。90歳まで現役を続け、96歳で逝去するまで医学書を読み続けた、滋養上手な人でした。</p>

<p>ちなみに、温泉の作用は、湯の効果・効能だけではありません。「心地いいシチュエーション（＝あなたがどう感じるか）」もまた、重要な癒やしの効果です。ゆったり余裕のある時間の過ごし方にこそ、疲れない生活のヒントがあるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_glasslandwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 20 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中根一（鍼灸師）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>上村愛子さんが振り返る現役時代　「メダルには届かなくても、一片の悔いもない」  上村愛子（元フリースタイルスキー女子モーグル日本代表）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/11717</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011717</guid>
			<description><![CDATA[元フリースタイルスキー女子モーグル日本代表の上村愛子さんが、オリンピックで金メダルを獲得できなくても]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="上村愛子" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_ski.jpg" width="1200" /></p>

<p>元フリースタイルスキー女子モーグル日本代表の上村愛子さん。5回のオリンピックでメダルには届かなくても、心から「やりきった」と思えた理由とは? お話を聞きました。（取材・文：鈴木裕子）</p>

<p>※本稿は、月刊誌『PHP』2024年1月号より、一部編集・抜粋したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>一片の悔いもない</h2>

<p>現役を引退して、今年で10年になります。当時、取材を受けるたびに「一片の悔いもない」と答えていましたが、今振り返ってみても、その言葉に嘘はありません。</p>

<p>スキーを始めたのは3歳のとき。両親が長野でペンションを経営しようと引っ越した先がスキー場に近かったこともあって、自然と滑るようになりました。性格的にのめり込むタイプなのか、滑ることが楽しくて夢中になって、暗くなるまでずっと滑っていたことを覚えています。</p>

<p>小学生のころからアルペンスキーを続けていましたが、中学2年生のときに家族で旅行に行ったカナダで、フリースタイルスキーのモーグルの世界大会を見たことをきっかけに、モーグルに転向しました。単純に「かっこいい!」と思ったんです。</p>

<p>当時、日本ではモーグルをやっている人は少なく、同世代の子はあまりいませんでした。そんな中で、4年後の長野オリンピックに出場する選手を探している、長野の子を強化したいということで、スキー連盟の方から声をかけていただきました。</p>

<p>いきなりトップの選手たちと一緒に練習をさせてもらい、競技会にもどんどん連れていってもらうという、最高に恵まれた環境の中で、モーグル選手としての日々が始まりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>毎日一つひとつ進歩していく</h2>

<p>モーグルとは「コブ（凹凸）」のことで、コブが深い斜面を、ターンや空中でのエア演技をしながら滑っていく競技です。スピードが求められるアルペンスキーとの違いに最初はとまどいましたが、「このコブを越える」という目標が目の前にあるので、昨日越えられなかったコブが今日は越えられた、明日はあのコブも越えられるはず......と一つひとつ進歩していく自分が実感できるのがうれしかったですね。</p>

<p>また、リフトに乗っている人が、コブをビュンビュン越えて滑っていく子供を見たら、「すごい!」と思うだろうなって、半分目立ちたい気持ちもあって（笑）、どんどんハマっていきました。</p>

<p>モーグル競技自体、自分に向いていたのだと思います。国内だけでなく海外の大会でも上位に入賞できるようになり、1998年の長野オリンピックに出場できることが決まったときは、自分でもびっくりしました。そして、自分自身はもちろん周りの人たちの期待も上回る7位入賞という結果を出すことができたのです。</p>

<p>ただ、それまでは単純に「楽しい、おもしろい」という気持ちで滑っていたのが、周囲の期待が大きくなるにつれ、プレッシャーを感じるようになりました。なかなか思うような結果を出すことができない時期が続いて苦しんだこともありました。</p>

<p>でも、「ダメかもしれないけど、がんばろう」という気持ちになったことは一度もありません。「いつかは金メダルを」という強い思いでいました。オリンピックでメダルに届かなくても、4年後にまたチャレンジできるという状況を前向きにとらえ、自分を信じて「次もきっと出場する」と。修正点を見つけて、それを一つひとつクリアして練習に励んでいました。</p>

<p>そうやって20年間、モーグルという競技を続けてこられたのは、若いころは「次はメダルを獲れる」という若さゆえの自信がありましたし、何よりも競技を続けるほどにモーグルの奥深さを知ったからです。</p>

<p>モーグルは採点競技なので、たんに上手に滑ることができればいい、技が決まればいい、というものではありません。それを審査員がどう評価するかが重要なのです。競技を続けていくうちに、技の見せどころがだんだん理解できるようになり、審査員からいい評価をもらうにはどうすればいいのかを考えるようになりました。</p>

<p>モーグルは場所やコースによって雪質やコースの固さが変わりますし、毎回滑るたびに天気や気温も変わります。そういう状況の中で、いかに納得のいく滑りをし、なおかつ高い評価を得るにはどうすればいいのか。</p>

<p>そのためのトレーニングの仕方、食事、メンタル面のコントロールなど、パズルのピースを一つひとつ集めてつなぎ合わせていく感覚が、とてもおもしろかった。</p>

<p>それが、モーグルをやめなかった大きな理由だったのではないかと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心から「やりきった」と思えた</h2>

<p>私は、5回もオリンピックに出場しながら、結局、どの色のメダルも獲ることはできませんでした。多くの人は「オリンピックに出たら、メダルを獲れないと地獄なんじゃないか」なんて思うかもしれません。</p>

<p>でも、最後となったソチオリンピックが終わったときは、心から「やりきった」「ここまでがんばってきてよかった」と思えたのです。とてもすがすがしい気持ちでした。</p>

<p>ソチの次のオリンピックとなると、私は38歳。その年齢での出場は叶わないだろうなと思っていました。体力的にむずかしいということもありましたし、若い選手がどんどん出てきて、審査員も彼らが見せてくれる新しい技に期待している。たとえ自分がベストを尽くしても、必ずしもいい評価は得られないかもしれないという思いがありました。</p>

<p>だから、「ソチが最後、今度こそ金メダルを獲りにいく」と意気込み、自分でもこれ以上はできないと思うくらいの準備を積み重ねることができました。</p>

<p>競技当日は、自分のすべてをかけ、納得のいく滑りができました。だから、負け惜しみでも何でもなく、「やりきった」と思えたのです。結果は4位で、あと一歩というところでまたしてもメダルには手が届きませんでしたが、自分で考え、自分の体と心を作り、技を作ってきて「ようやく最後にオリンピックで戦える選手になれた」という喜びが大きかったのだと思います。</p>

<p>現在は、直接モーグルに関わる機会は少ないのですが、オリンピックの際には解説のお仕事をいただいたりしています。新しい技を次々と生み出す若い選手たちの演技を見るのは大好きで、モーグルのワールドカップが開かれると、テレビの衛星放送にかぶりつきで昼夜逆転の生活が続きます。</p>

<p>また、スキー競技をしていた人が集まって「雪を守りたい」と立ち上げた、一般財団法人冬季産業再生機構のアンバサダーとして活動をしています。昨年は、その一環として『ゆきゆきだいすき』という絵本の作画を担当させていただきました。</p>

<p>引退後は東京で暮らしていたのですが、コロナ禍をきっかけに長野の山に行く機会を増やしました。リフトを使わず自力で登って、自然のままの地形を滑るバックカントリースキーを楽しんでいます。また、現役時代から好きだった写真を再開し、すばらしい雪山の景色に出会った驚きを撮影して、SNSで発信したりしています。</p>

<p>私はやはり、スキーを履いて滑ることがいちばん好きで、どんな形であってもスキーや雪に関わっていたいんでしょうね。スキーや雪に嫌な思い出がまったくなくて、「一生好き!」と思えるのも、あきらめずにモーグルにチャレンジし続けたからこそなのだと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【上村愛子（うえむら・あいこ）】<br />
元フリースタイルスキー女子モーグル日本代表。1979年、兵庫県生まれ。3歳からスキーを始める。&#39;94年にアルペンスキーからモーグルに転向し、&#39;98年から2014年まで、オリンピックで5大会連続入賞。&#39;08年、ワールドカップ年間総合優勝、&#39;09年世界選手権優勝。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 20 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[上村愛子（元フリースタイルスキー女子モーグル日本代表）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>人間関係が良くなる人の共通点　「自己開示」と「自己呈示」を使い分ける技術  荻上チキ（評論家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14253</link>
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			<description><![CDATA[荻上チキさんは、方言を理由に小学生の頃いじめに遭ったという。それから自己開示が苦手にってしまったと話す。自己開示や自己呈示はどんな役割を果たすのか。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="荻上チキ　自己開示" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_kaiwa.jpg" width="1200" /></p>

<p>さびしさ、悲しさ、不安感、無力感――。孤独は多くの負の感情をもたらします。荻上チキさんの著書『孤独をほぐす』は、孤独とはなにかを丁寧に解きほぐしながら、この社会がいかなる孤独を生み出しているのかをエッセイ形式で読み解いた一冊です。</p>

<p>同書より、自己開示と自己呈示について書かれた一節を紹介します。</p>

<p>※本稿は、荻上チキ著『孤独をほぐす』(PHP新書)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自己開示と自己呈示</h2>

<p>私は兵庫県で生まれて、小学生のときに埼玉県に引っ越しました。関西圏から関東圏への引っ越し。友人も、土地勘も、一から作り直す必要のあるイベントでした。</p>

<p>小学校に転入するにあたり、母は私に「絶対にいじめに遭うから、関西弁をしゃべらないようにしなさい」と言いました。私はそれに従い、初日の自己紹介から、「標準語」とされる言葉を用いるよう努めました。それでも、イントネーションなどをすべて変えることは困難でした。</p>

<p>ある日、私は上級生らに、校舎の裏に呼び出されました。「関西弁しゃべってみろよ」と言われた私は戸惑い、「そんなこと言われても、何ゆうてええかわからんわ」と答えました。上級生たちはその姿を見てギャハギャハ笑い、満足げに去っていきました。この経験はなかなかにショックでした。母の言った通り、関西弁はいじめのターゲットになるんだ！　そう思い、より懸命に、埼玉での言葉遣いを覚えていきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自己開示ができなくなった</h2>

<p>そのころから私へのいじめが始まり、「人前で、自分の言葉で話してはいけないんだ」「感情を見せたり、隙を見せたりしてはいけないんだ」という思考を、強固に身につけていきました。</p>

<p>大人になってからも、私は「自己開示が苦手な人」として過ごしました。自己開示は、自分の感情や考え、悩みや個人的な情報を、自発的に相手に明らかにする行為です。自己開示には「返報性」があり、悩みや秘密を打ち明けられると、人は相手に親しみを覚えつつ、自分も相手に自己開示を返したくなります。</p>

<p>自己開示と区別されるのが、自己呈示です。自己呈示は、特定の印象を他人に与えるために行動や態度を調整する行為です。人にはそれぞれ、「他人にこう見られるようにしよう／こう見られないようにしよう」といった思考があります。人は多かれ少なかれ、自分の見られ方をコントロールするという印象管理を行なっています。「社会的に望ましい」とされる態度をとるのも、印象管理の一つです。</p>

<p>子どものころの私が行なったのは、「いじめられないために、他の埼玉県民と変わりない自分を演じる」というものでした。つまり、円滑に生活するために、コミュニケーションを計算していたのです。しかし、兵庫訛りを抑え、埼玉訛りへと変えることは、ある意味で「同化」を前提とした適応のようでした。</p>

<p>印象管理は、社会で生きる、すなわち群れの中で孤立しないために必要なものではあります。しかしそれが、本人が望まないものであったり、不当なものである場合もあります。</p>

<p>大人になり、ときどき関西弁の人と話すと、自分も言葉が戻ることがあります。そんなとき、不思議と相手と打ち解けやすい気がします。関東に出てから、関西弁は私にとって、家族としか使わない言葉でした。そんな言葉を用いる相手に、より強い親しみを持つのかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分を閉ざすと人間関係を築きにくい</h2>

<p>自己開示と自己呈示は、対称的なようでもありますが、そうとも限りません。</p>

<p>たとえば誰かと仲良くなろうとしている場面を考えてみましょう。最初のうちはよく見られようと思ったり、有害な影響を与えないように抑制したりするでしょう。会話や付き合いが続く中、共通の趣味が見つかったり、あるいはノリや生活リズムが合うことがわかり、より一層仲良くなる。そのときに、互いに自己開示をするようになったりする。</p>

<p>このとき自己呈示は、自己開示できる相手と出会うための大事な手続きだったと言えるでしょう。最初からグイグイこられたり、よく知らない段階で無遠慮なことを言われると、仲良くなれなかったということもあるでしょう。自己呈示がうまくいったからこそ、もっと深く知りたい、長く一緒に過ごしたいと思うこともあるでしょう。</p>

<p>ここで私自身の話に戻ります。「他人に隙を見せないようにしよう」という態度は、自己防衛のために必要な戦略ではありましたが、自己開示を避けることで、他人と深い関わりを築きにくい状況が続きました。</p>

<p>ある時期から私は、うつ病の経験やいじめの経験を、ラジオや書籍などでオープンにしました。すると同じような境遇の人から、「実は私も」と話しかけられることが増えました。そのころから、人間味がある、話しかけやすくなった、という反応をもらうことも増えました。</p>

<p>また、身近な友人も増えました。それまでは自分の中に、高い「友人要件」や「友人規範」がありました。たとえば、「二人きりでカラオケに行けて、何でも話せて、困ったらいつでも助け合う相手」といった具合です。こうした価値観に基づき、「本当の親友」と「そうでない人たち」というざっくりとした関係意識を持ってしまうことで、むしろ対人関係を狭めることにつながってしまっていました。</p>

<p>自己開示もまた、印象管理の上で重要な行為です。「この人は、自分に腹を割って話してくれている」と相手に思ってもらえると、好印象を招きます。自己開示と自己呈示は、性質が異なるものですが、他人と関わる方略の違いなのだ、という視点も必要です。自己呈示が直ちに欺瞞（ぎまん）で、自己開示が常にいいこととは限りません。</p>

<p>自己開示にもダークサイドがあります。開示された情報をもとに弱みにつけ込む人もいます。噂を広げる人もいます。恋愛詐欺のように、「あなただけには本音を話せる」などと自己開示を装って他人を騙す人もいます。そんな有害さから距離をとることも必要です。</p>

<p>もし、自己開示が苦手という人がいたら、まずは「その防衛策が、これまで必要だったのだね」と認めるのがいいと思います。その上で、いずれ自己開示もできる間柄を築くため、自分が何を望み、どのように印象管理を行なってきたのか、振り返るといいでしょう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 19 May 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[荻上チキ（評論家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>あんなことしなければ...医師が教える「消えない後悔が解消する」3つの質問  築山節（医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/11677</link>
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			<description><![CDATA[人間抱きがちな「後悔や悔い」の感情。後悔を解消するために必要な&quot;5つの対策と3つの質問&quot;について、医学博士の築山節さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="後悔" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamibizwoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>誰しもが抱いている「後悔や悔い」の感情。いつまでも過去の失敗を悔いて、前に進めない人もいるかもしれません。なかなか消えない後悔を解消するためには?&nbsp;医学博士の築山節さんが解説します。</p>

<p>※本稿は、月刊誌『PHP』2024年1月号より、一部編集・抜粋したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>後悔には2種類ある</h2>

<p>後悔や悔いは、「あんなことしなければよかった」「あれをしておけばよかった」と過去にとらわれている苦痛を伴った認知的な思考で、怒り、不安、恐怖、悲しみなどのネガティブな感情の中でも、もっとも経験することの多い感情といわれています。過去の失敗を振り返り、改善点を探ろうと論理的に考えている「反省」とは、この点で観点が大きく異なります。</p>

<p>後悔には2種類あります。</p>

<p>一つは、「～しなければよかった」というような、してしまったことについての後悔です（経験による後悔）。</p>

<p>これは自分の意思決定によって生じた悪い結果を、実際とは異なるよい結果を想像して、「もし......だったら」と考えて生じるネガティブな感情であり、感情的衝撃も大きいといえます。</p>

<p>もう一つは、未来の状況について「～という行動を取ったら、～のような後悔をするだろう」といった未来の失敗を回避しようとする後悔です（予期的後悔）。</p>

<p>予期的後悔は、後悔の量が最小化するように意思決定に働きかけます。すなわち予期的後悔は、リスクを回避する選択につながります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>5つの対策と3つの質問</h2>

<p>これらの後悔は、後知恵バイアス（注：バイアス＝認知の歪みや偏り）といわれることがあります。何らかの出来事や物事の結果について、最初から予見できたのにそうしなかったのではないかと考えてしまうところがあるからです。後知恵バイアスに陥らないための対策を5つあげておきましょう。</p>

<p>①物事がうまくいくかいかないかには、自分たちではどうにもできない「運」の要素が含まれています。誰もコントロールできない要素なので割り切りましょう。</p>

<p>②物事の結果よりも、そのプロセスに目を向けるようにしましょう。偶然の結果よりも、期待どおりのプロセスを経たかどうかのほうが重要です。</p>

<p>③うまくいくかどうかを確率で考えると、客観的な評価がしやすくなります。</p>

<p>④失敗につながる要素が残っているという前提で改善を積み重ねていきましょう。</p>

<p>⑤他者の評価は、しょせん他者の評価です。成功に向けて自ら努力することのほうが大切です。</p>

<p>こうした対策に加えて、後悔を解消するために、私は自分自身に対して、次の3つの質問をするようにしています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>❶いつも考え尽つくしてきたか?</p>

<p>どんな事柄であっても、当然ゴール地点をイメージしています。そして、始まりと途中のプロセスが重要なので、これらについて重点的に考えます。うまくいくかどうか、客観的、確率的要素はどうかを考え、最後に、うまくいくために必要なものは、すべて揃っているかも考えます。</p>

<p>❷考えの幅が狭せまくなっていないか?</p>

<p>年齢とともに、行動半径は狭くなり、行動自体も減少しているので、情報量が少なくなっていることは認めなければなりません。しかし、その一方で考える時間は長くなっています。意識して情報を集め、脳活動を高めていこうと努めています。</p>

<p>❸考えることが億劫になっていないか?</p>

<p>もし、そうだとすれば、気がつかないうちに疲労が蓄積している可能性があります。まずは生活リズムを崩さないことが大切です。毎朝の起床時間を1時間以上ずらさないこと。そして、適度な睡眠時間を確保することです。</p>

<p>また、ボーッとしている時間を作るようにしましょう。一日の中では、考えがまとまらない時間も必要なのです。ただ、そのときも、考えていたことは一時的にでも記録しておく習慣を持っておくといいでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>一人で迷わず、周りに聞いてみる</h2>

<p>悔いのない生き方をするために大切なこととして、今でも思い出すのが、社会人一年目のときに出会った上司の助言です。当時医師になったばかりの私は、臨床の現場で瞬時に的確な判断ができず、後になって悔やむことが多くありました。</p>

<p>あるとき、チームの上司に、「なかなか的確な判断ができず、先輩方には、いつもご迷惑ばかりおかけしています」と伝えたところ、その先生は次のようにおっしゃいました。</p>

<p>「臨床の現場は、みんなで患者さんの治療をしていく場所だから、判断に迷うことがあったら、一人で悩まないで、周りに聞いてみることだよ。経験を積み重ねていくうちに、相談のできる、的確な意見をもらえる先生に、たくさん出会うだろう。すると、今悩んでいることの解決策も見つかるはずだ。大切なのは、自分のわかっているところと、わからないところをまとめておくことだ」</p>

<p>その先生のおっしゃるとおり、医師としての経験が増えるにしたがって、多くの先生に出会うことができ、多くの情報、助言が得られました。ときには主張が異なることもありましたが、討議を重ねる中で、よりよい結論に至ったことも多くありました。本や文献を読んでも理解できないとき、疑問点が解決できないときには、筆者の先生を訪問して教えていただいたり、手術を見せていただいたりもしました。</p>

<p>お互いの意見がまとまらないときには、相違点も記録していました。このようにして、わからないこと、疑問の残ったことは考え続けるようにしていました。いつでも自分の意見が言えるように、自分の意思決定ができるように、常に情報を集めて、整理しておくことが大切です。</p>

<p>とはいえ、ときには自分で決められないこともあります。そんなときは、結論を性急に求めず、答えのない不確実さや不思議さ、懐疑の中に置かれていても、自分の考えを深めていく、「耐える力」が自分自身を鍛える意味でも大切です。</p>

<p>私は、このようにして臨床の場面では後悔することが少なくなりました。後悔を経験する場面は、自分には知識がないと自覚させられる場面でもあります。そして、感情のコントロールを鍛えられる機会でもあります。大切で貴重な機会と考えて、正確に理解する習慣を持ちましょう。</p>

<p>理性の中枢である大脳の前頭葉が、安定的に活動できるように、先に述べた「生活リズムの安定」に加えて、以下の2つを心がけることをおすすめします。</p>

<p>①ネガティブな感情が生じる、後悔する場面に直面してしまったときには、その後に適度な運動をする時間を作ること。運動は、感情のコントロールに有効です。理性的な判断ができるように、10分間歩いてみましょう。気持ちの落ち着きを感じることができると思います。</p>

<p>②体が不健康な状態では、脳も理性的に正しく活動できません。自分の体の状態を知るために、健康診断は毎年必ず受けるようにしましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【築山節（つきやま・たかし）】<br />
医学博士。1950年、愛知県生まれ。北品川クリニック・予防医学センター所長。日本大学大学院医学系研究科修了。公益財団法人河野臨床医学研究所附属第三北品川病院長、同研究所理事長を経て現職。『脳をフリーズさせない8つの方法』（三笠書房）など著書多数。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamibizwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 19 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[築山節（医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「不満はないのにモヤモヤする」人生の満足度を下げる“本音喪失”  黒田悠介（コミュニティ研究家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14250</link>
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			<description><![CDATA[本音を抑圧し続けることで生じる、人生への満足度低下や組織の停滞といった「見えないコスト」を解説。心理学の「認知的不協和」や「集団思考」を軸に、本音を取り戻すことがもたらすメリットをひも解きます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="不満はないのにモヤモヤするのは、「本音喪失のコスト」が原因？" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman_2.jpg" width="1200" /></p>

<p>「仕事は順調で私生活も悪くない。でも、何かが違う気がする」――そんな正体不明のモヤモヤを抱えてはいないでしょうか？それは、あなたが無意識に支払い続けている「本音喪失のコスト」が原因かもしれません。対話によって3000人ものクライアントの思考整理を手伝ってきた黒田悠介氏は、「本音を言えない状態が続くと、さまざまな場面で影響が出てくる」と語ります。本音と行動のズレが引き起こす「認知的不協和」とは？組織の創造性を奪う「集団思考」の正体、そしてSNS時代の&ldquo;つながっているのに孤独&rdquo;な現象まで、本音を言えない社会の歪みを浮き彫りにします。</p>

<p>※本稿は、黒田悠介著『自分の本音を言葉にできる。モヤモヤを「伝わる」に整える、言葉のレッスン』（インプレス）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>本音喪失の見えないコスト・個人レベル：人生の満足度を下げるモヤモヤが晴れない</h2>

<p>「最近なんだか楽しくない」「頑張っているはずなのに充実感がない」。こんな感覚を持つ人が増えているように思います。私はディスカッションパートナーとして活動する中、多くの方と壁打ちを行ってきましたが、こうした「なんとなくのモヤモヤ」を抱えている方が本当に多いのです。</p>

<p>このモヤモヤの正体は何でしょうか。私は、それが「自分との対話不足」から来ていると考えています。本音を押し殺し続けていると、自分が本当は何を感じ、何を求めているのかが、だんだんぼやけてくるのです。</p>

<p>仕事は順調、家族も円満、SNSでも充実した日々を発信している。でも、夜寝る前にふと「これでいいのかな」と思ってしまう。何が不満というわけじゃないけど、何かが違う気がする。そんな不満を語るクライアントもいました。</p>

<p>この「何かが違う」という感覚は、本音と行動のズレから生まれるものです。これは、心理学者のレオン・フェスティンガーが提唱した「認知的不協和」という概念で説明できます。認知的不協和とは、人が自分の中に矛盾する2つの認知（たとえば「本心で信じていること」と「実際の行動」）を抱えた時に生じる、居心地の悪い心理状態のことです。そして、人はこの不快感を解消するために、無意識に自分の行動を正当化したり、考え方をねじ曲げたりしようとします。</p>

<p>今回のケースで言えば、「本当はこう感じている」という本音と、「円満な毎日を送っている」という行動の間にズレが生じています。この不快な「モヤモヤ」を解消するため、私たちは無意識に「仕事が順調なのだから、これが幸せなはずだ」「SNS で『いいね』がつくのだから、今の自分で間違いない」などと、行動のほうを正当化しようとします。しかし、心の奥底にある本音は消えないため、根本的な不協和はくすぶり続け、原因不明の「モヤモヤ」として居座り続けるのです。</p>

<p>それは病気と診断されることはないけれど、人生の満足度を確実に下げていきます。<br />
興味深いのは、このモヤモヤを解消しようとして、新しい趣味を始めたり、資格を取ったり、転職したりする人が多いことです。でも、根本的な問題である「本音との向き合い方」を変えない限り、場所や活動を変えても、またモヤモヤは戻ってきてしまうのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>本音喪失の見えないコスト・企業レベル：イノベーションの機会損失</h2>

<p>次に、本音の喪失が職場に与える変化を見てみましょう。本音が言えない職場は、一見すると問題なく回っているように見えます。会議は時間通りに終わり、大きな衝突もなく、議事録には「全会一致で承認」といった言葉が並ぶかもしれません。しかし、その静けさの裏で、企業は見えない大きなコストを支払い続けているのです。</p>

<p>そのコストとは「イノベーションの機会損失」です。発言するのはいつも同じ役職者、若手は上司の意向を察して同調意見を述べるだけ。こうした無難な会議では、本来なら生まれたはずの画期的なアイデアや、問題を解決する斬新な提案が、日の目を見ることなく消えていきます。なぜなら、イノベーションの多くは、まだ整理されていない「なんとなくの違和感」や、「空気を読まない」異質な本音から生まれるからです。しかし、「結論から話そう」という効率化フィルターや、「反対されるのが怖い」という同調化フィルターが、そうした貴重な声が表明されるのを阻んでしまうのです。</p>

<p>実際、多くのイノベーションは「ちょっと変わった意見」から始まります。Airbnbも最初は「他人の家に泊まるなんて」と言われ、Uberも「知らない人の車に乗るなんて」と批判されました。しかし、彼らが同調圧力に屈せず本音を信じ続けたからこそ、今の成功があるのです。</p>

<p>異質な意見を排除し、集団の調和を過度に優先してしまう現象を、心理学者のアーヴィング・ジャニスは「集団思考（グループシンク）」と名付けました。集団の結束を守りたいという思いが強すぎると、メンバーは無意識のうちに反対意見を自己検閲し、全員が同じ考えであるかのように振る舞い始めます。本音を言えない職場は、まさにこの集団思考に陥りやすく、組織全体が思考停止状態になってしまう危険をはらんでいるのです。本音を出せない会議の静けさは、思考が停止しているサインなのかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>本音喪失の見えないコスト・社会レベル：つながっているのに孤独な時代</h2>

<p>そして、社会全体で見た時に最も気になるのが、「つながりの質」の変化です。SNSで何百人とつながり、LINEグループもたくさんある。しかし、その数の多さとは裏腹に、「本当に信頼できる人がいない」という孤独感を抱える人が増えています。この背景には、SNSという舞台で常に「最適化された自分」を演じなければならない状況があります。私たちは「充実した日常」や「ポジティブな自分」を演出し、いいね！の数で評価される世界に生きています。こうしたつながりは、本当の自分同士の結びつきではなく、互いの「仮面」を鑑賞し合うような関係に近いのかもしれません。不安や弱さといった本音はこの舞台の台本にはありません。結果として、誰とつながっていても素の自分は孤独なままなのです。</p>

<p>近年は、こうした「演技を求められるつながり」とは対照的な、興味深い動きも生まれています。たとえば、「もくもく会」という、ただ集まって各自が黙々と作業するだけのイベントが人気です。そこでは、何か面白いことを話したり、気の利いた相槌を打ったりする必要はありません。ただ同じ空間に存在し、互いの気配を感じるだけでいいのです。これは、常に最高の自分を演じることを求める「最適化フィルター」から解放されたいという、現代人の切実な願いの表れと言えるかもしれません。</p>

<p>また、特定の趣味や関心でつながるコミュニティも活発になっています。不特定多数の人が見るSNSとは異なり、参加者が限定された小さなコミュニティでは、「空気を読む」べき範囲が限定され、同調圧力も比較的弱まります。そのため、より安心してそのテーマに関する本音を共有できるのです。これらは、失われた「つながりの質」を、新しい形で取り戻そうとする希望ある動きと言えるでしょう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman_2.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 19 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[黒田悠介（コミュニティ研究家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>好かれる人がやっている「話の聴き方」　すぐに使える便利なフレーズ  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14067</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014067</guid>
			<description><![CDATA[相談相手を好きになる理由はカタルシス効果にあります。聴く技術が信頼関係を生む仕組みと、心理的安全性を高める一言の力を解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="話の聴き方" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talking.jpg" width="1200" /></p>

<p>誰かに悩みを打ち明けたとき、ふと相手への親しみが深まった経験はないでしょうか。あるいは、ただ話を聞いてもらっただけなのに、不思議と気持ちが楽になったことは？　じつは「聴く」という行為には、人間関係を自然と近づける力が備わっています。そのメカニズムについて、書籍『聴く技術　あなたの会話が今日から変わる』より解説します。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『聴く技術　あなたの会話が今日から変わる』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>相談相手を好きになるのはどうして?</h2>

<p>「聴く技術」には、人に好かれやすくなるメリットもあります。</p>

<p>「カタルシス効果」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。簡単にいうと、悲しみや怒りなど、モヤモヤした感情を吐き出すことですっきりする効果です。</p>

<p>カタルシスは「心の浄化」とも表現されます。かの有名な心理学者・精神科医のフロイトはカタルシス効果を精神分析療法の中で活用していたことで知られています。</p>

<p>あなたも何か嫌なことがあったときに、誰かに話すことでモヤモヤが晴れた経験はないでしょうか。私のようなカウンセラーも、相手の心のモヤモヤを解消するために、相談者にカタルシスを得てもらいます。そのために話を聴くのです。</p>

<p>カタルシス効果は、あなたが話を聴く側になることで、ふだんの仕事や人間関係にも活かすことができます。</p>

<p>仕事でもプライベートでも、まず大切なのは信頼関係です。信頼がなければ、人に仕事をお願いすることも、誰かに好意を抱くこともありません。</p>

<p>もし誰かがあなたとの会話でカタルシスを感じたとしたら、信頼関係を非常に築きやすくなります。なかなか言えなかった悩みや不満を打ち明けることで、グッと心の距離が縮まるわけです。</p>

<p>恋や仕事の相談相手を、いつの間にか好きになっていた、というのも同じです。でもちょっと待ってください。</p>

<p>そもそも、親しくもない相手に何でも打ち明けてもらうことは難しいのではないかと思いますよね?</p>

<p>その通りです。だから聴く技術が役に立つのです。</p>

<p>こちらからアクションできるのは「聴く」こと。カウンセラーも、聴く技術を使って信頼関係を築いていきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>いかに心理的なハードルを下げられるか</h2>

<p>聴き手の役割は、相手を受け入れる、認めることから始まります。</p>

<p>それが、相手の心を開くことになり、話しやすい雰囲気をつくることになります。</p>

<p>最近、企業の組織論の中で「心理的安全性」が重要視されています。</p>

<p>心理的安全性とは、組織行動学を研究するエドモンドソンが提唱した心理学用語で、ほかの人が自分の発言を否定したり、拒絶したりしないと安心できることです。心理的安全性を高めるとは、要するに躊躇せず何でも言える状態にすることと言えます。</p>

<p>これは組織のマネジメントに限らず、会話においても同じく大切です。受容とは、相手が何を言っても受け止めて、自分の価値観や考え方とは関係なく、丸ごと認めて理解すること。そうして発言の心理的ハードルを下げ、会話の心理的安全性を高めることが、聴く技術なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>すぐ使える「受容」の一言</h2>

<p>ここで1つ、すぐに使える便利な聴き方を紹介しましょう。</p>

<p>それは、「そうだよね」「そうですよね」「そっか」といった一言を返すこと。これは受容・共感・自己一致でいうと、受容を示す便利なフレーズです。</p>

<p>例えば上司と部下の面談で、部下が、「どうしても自分で仕事を抱えるクセがあって&hellip;&hellip;。よくないとわかっているんですが」などと告白したら、まず一言めは、「そうだよね」と返します。</p>

<p>「どこに原因があるのかな」とか「自分だったらこうする」などと話したくなるかもしれませんが、その前に「そうだよね」と受容する。これだけで相手の心理的なハードルはずいぶん下がります。</p>

<p>雑談の場面で、例えば同僚から、「あのクライアント、あまり好きじゃないんだよね」といったネガティブな反応があっても、まずは、「そっか」と一言入れる。「なんで？」と深掘りしたり、「そういうのは仕事ではよくないよ」と意見したり、「こういうところが嫌だよね」と話を合わせたりしたくなるかもしれません。でも、まずは受容です。</p>

<p>何を言おうかとあれこれ考えるまでもなく「そうか」でいいのです。</p>

<p>私もカウンセリングの技術を身につけるまでは、教えたり、意見したり、反論したりしてしまうタイプでした。まっさらな状態で素直に聴くということは、意識しないとなかなかできないことなのです。</p>

<p>しかし、誰が相手でも、どんな話でも、まず「そうだね」と受容するようになったら、相手がさらによどみなく話してくれるし、言い合いになることもないし、本音が出てきて関係が深まることも多々ありました。</p>

<p>「そうですよね」「そうか」は、「なるほど」とも「そうなんですか？」とも違います。自分の解釈も感情も一切挟まない、素直に聴ける便利なフレーズです。</p>

<p>不思議なもので、実際に使ってみると会話がスムーズになるだけでなく、相手に対するいらだちや不満や疑問も薄らいでいって、自分の気持ちもらくになります。相手の印象も変わっていきます。</p>

<p>フラットに、素直に聴く。これがこの本の聴く技術の本質です。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 19 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「エロで売るな」小籔千豊に叱られた大塚澪の初著書　辿り着いた”怒られ上手”の極意  小籔千豊（お笑いタレント）、大塚澪（お笑いタレント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14293</link>
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			<description><![CDATA[自分は「怒られ体質」と語る吉本新喜劇の女優・大塚澪さん。先輩の小籔千豊さんとともに、「怒られる体験」について語る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="大塚澪さん（左）と、小籔千豊さん（右）" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202605OtsukaKoyabu1.jpg" width="1200" /></p>

<p>オペラが歌える吉本芸人――大塚澪（おおつかれい）さんは、スラっとした長身と人目を惹く美貌を持ち、音楽学校出身で特技はオペラという、お嬢様的なプロフィールでありながら、実は、吉本新喜劇の舞台に立つ芸人さんである。<br />
その大塚さんがこのたび本を出版した。タイトルは『ゾンビメンタル:どんなにヘコんでもすぐに復活する人の思考法』（東洋経済新報社）。テレビでの共演が多く、大塚さんが敬愛する大先輩・小籔千豊（かずとよ）さんとともにお話を伺った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「エロオペラ」をやったら、「そんなの今すぐやめ！」と叱られた</h2>

<p>――まずは、この本の内容について教えていただけますか？</p>

<p>【大塚】吉本興業の社内で「出版チャレンジ」という企画がありまして、30人ぐらいがプレゼンを行なった結果1位をいただき、出版に至ることができた本です。ですので、めっちゃ気合が入っています！</p>

<p>私は子供の時からすごく人に怒られやすい体質なんです。<br />
だからこの本には、私がたくさん怒られてきたなかで学んだ、「人に喜ばれる怒られ方」や、人から怒られることをポジティブに捉える方法などを書いています。<br />
つまり、アンガーマネージメントの逆、「アンガー&ldquo;され&rdquo;マネージメント」。怒りのダメージを最小限にしてプラスに転換する究極の方法を、心を全裸にして書きました！</p>

<p>――吉本の芸人さんに怒られたことで印象に残っていることはありますか？</p>

<p>【大塚】吉本に私と似たような特技を持った子が新人で入ってきたときに、「私が最初にやってたのに...！」とうじうじしていた時期があったんです。それを見た島田珠代姉さんに「そんな特技、くれたれ！」って言われたことです。「あげてしまって、残ったところにその人の本来の価値が生まれるから、何にもなくなった時に何ができるかを考えなさい。それは誰にも盗めないものだから、そこをまず磨くのが大事なんじゃない？」って言っていただいたのが、すごい印象に残ってます。</p>

<p>――小籔さんには怒られたことありますか？</p>

<p>【大塚】吉本に入った当初、「エロオペラ」と謳って、オペラと下ネタを融合させたネタをやっていたんですが、小籔兄さんに「そんなの今すぐやめ！」と叱っていただきました。</p>

<p>【小籔】テレビのネタ見せ番組でね。なにか一発当てて世に出たいという考え方は僕もいいと思うんですよ。でも、エロい方向で認識されたら、どこの番組に出てもエロいこと要望されるぞと。この子がそれを望んでるならいいですけど、きっとこの子は何もわからんとやってる。だったらやめるべきちゃうかなと思って。</p>

<p>【大塚】言われたときはちょっと反発してたんですけど、よくよく考えたらそんなに得することはないなって。だからもう真面目になります。そのエロキャラを払拭するためにあるのがこの本です！</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>忘れられない「無限サザエ」事件</h2>

<p><img alt="談笑する大塚澪さん（左）と小籔千豊さん（右）" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202605OtsukaKoyabu02.jpg" width="1200" /></p>

<p>――「怒られノート」をつけているそうですが、どうしてそんなノートをつけるようになったんですか？</p>

<p>【大塚】芸人になって１年目ぐらいの頃なんですけど、腹が立ったとか、感情が動いた瞬間がお笑いネタになりやすい、っていう話を聞いたんです。それで、ネタ作りのためにノートをつけ出したんですが、怒られた話ばっかりになっちゃったんですよね。</p>

<p>でも、どんな状況だったか、とか、どうして怒られたんだろう？とか書いていくと、意外と怒られている意味がわかってきたんです。この人はこれとこれが言いたかっただけで、この言葉は必要なかったよね、みたいな。そうするとイヤな感情をひきずらなくて済むようになるし、自分の態度も改善できるんです。</p>

<p>この本に書いてあるのは、地方営業の夜、居酒屋さんでの宴会のエピソードでして...。<br />
大皿の料理を取り分けるのは一番後輩である私の仕事なんですが、その時サザエが不人気で、私は、大御所の先輩のお皿に、よそ見をしている隙を見て、次から次へと乗っけていったんです。それがバレまして...。「誰や無限サザエやっているやつ！」って怒られました。</p>

<p>私はサザエが得意ではなくて、でも先輩に「食べろ」って言われたから、鼻つまんでお酒で流し込むっていう、超失礼なことをやっちゃったんですよね。そうしたら、「大塚、それロケでもやるんか？ひとりでも不快に思う可能性があるなら、その行動はするな」とちゃんと怒られました。</p>

<p>【小籔】嫌いなもん全然食べんでええし。店もサザエもよろこんでへん。</p>

<p>【大塚】ですよね（笑）。「すべての人に失礼やろ！」と言われました。お店の人にも、サザエの注文をしてくれた吉本の先輩にも、料理を作ってくれた人にも失礼でした。「まわりの人の気持ちを考えて行動するべき」ということがよくわかったので、以後は自分の行動に気をつけるようにしています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>寛平師匠に言われたこと</h2>

<p>――この本の企画のきっかけとして、間寛平さんから怒られた経験があるそうですが？</p>

<p>【大塚】吉本に入って間もない20代前半の頃は、まだまだ未熟で気性が荒く、悔しい気持ちや怒りの感情をそのまま言葉にしてしまっていました。そんな私に対して、「自分を支えてくれている人に、なんで感謝できへんの？」「その態度はもったいない。あんた損するわ」と真正面から注意してくださったのが寛平師匠です。私のような若手座員のことも、寛平師匠はちゃんと見てくださっていたんです。</p>

<p>本来だったら、「もういや。顔も見たくないわ」って思っちゃうかもしれないんですけど、私はもっと寛平師匠とお近づきになりたいし、「なんで怒られたのか知りたい」ってその時は思ったんですよね。出版チャレンジの企画のときに、そのエピソードを思い出してこの本の企画ができあがっていったんです。</p>

<p>【小籔】大塚ちゃんは見た目ほわんとしてるから勘違いされがちなんですけど、ガッツがあるし、先輩からバチンと怒られたときも、しゅんとなったり、うろたえたりする人が多いなか、あまり動じてないというか、ちゃんと色々考えてんねやろうなと思ってたので、この本を出すとなったときも、とくに驚かなかったですね。</p>

<p>世の中にはいい人ばっかりじゃなくて変な人もおるしな。なんかむしゃくしゃするから、誰かを避雷針のようにして、ストレスの捌け口にして怒ったりする人っていうのは確実におるので。<br />
その人の言うことは別に聞かなくていいんですけど。この先にも変な人と会う可能性はあるわけじゃないですか。だから、怒られてイヤな思いをしたことを全くなかったことにするっていうのは、また同じ問題を自分で起こしてしまうから損かなと思う。</p>

<p>そういう意味で、防御のためにも、怒られたときの対処法を覚えておいて、そういうタイプの人の前では、こういう態度をとらない、というふうに工夫していったらいいのかなと思います。</p>

<p>僕はあまり人に怒られるタイプじゃないんで、大塚ちゃんのほうがたくさん怒られてきて、「怒られるプロフェッショナル」ですから、この本を読んで、大塚ちゃんのテクニックをぜひ役立ててくれる人がいたらいいなと思います。</p>

<p>【大塚】ありがとうございます！</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 18 May 2026 16:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小籔千豊（お笑いタレント）、大塚澪（お笑いタレント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>30代から急増する“睡眠負債”の解消法　自律神経のカギは「朝食、サウナ、露天風呂」  小林弘幸（順天堂大学医学部特任教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14220</link>
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			<description><![CDATA[自律神経のスイッチを司る「時計遺伝子」を整える方法を解説。規則的な睡眠・食事に加え、入浴やサウナの活用が効果的。負の感情の伝染を防ぎ、自分も周囲も健やかになるための生活術を紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="自律神経の乱れは、睡眠の不調を招きます" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sleepyman_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>「寝ても疲れがとれない」「最近ずっとイライラしている」......体内の「時計遺伝子」が狂っていると、そのような不調を訴えることがあります。この遺伝子は交感神経と副交感神経のオン・オフを司っているため、リズムが乱れると、自律神経の乱れを招いてしまうのです。では、時計遺伝子を正しく働かせ、自律神経のバランスを整えるにはどうしたらいいのでしょうか。本記事では、朝の習慣やバスタイムを活用する生活術を伝授します。</p>

<p>※本稿は、小林弘幸著『科学的に証明された 自律神経を整える習慣』（アスコム）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「時計遺伝子」が自律神経のスイッチを切り替える</h2>

<p>みなさんは「時計遺伝子」という言葉を聞いたことがありますか？私たちは、地球の自転に合わせて約24時間周期で、生体リズムを調節する時計を生まれながらに体のなかに持っています。</p>

<p>内臓や細胞の「時」を制する時計遺伝子の子機とでもいうべき体内時計が体中にあり、代表的なものだと腹時計があります。この体中にある時計が正しくリズムを刻むことで、体の機能や健康が保たれ、逆に針がずれると病気になることがわかってきています。</p>

<p>このとても大切な遺伝子と密接に関わっているのが、自律神経です。</p>

<p>人間の体内では、昼間に交感神経が優位になって体温や血圧を上げたり、夜に副交感神経が優位になって睡眠に導いたりする働きが、日々行なわれています。<br />
では、朝になったら休眠モードだった交感神経が勝手に起きだして、行動しやすい体に変えてくれるのかというと、答えは否です。<br />
交感神経と副交感神経、このふたつのスイッチをオン・オフしているのが、数多くある体内時計を司る時計遺伝子なのです。</p>

<p>時計遺伝子が正常に働かないとどうなってしまうかというと、寝る時間になっても副交感神経がなかなか優位にならず、睡眠時間が少なくなり体調を崩す原因となります。とくに大型連休がある5月や8月、イベントの多い年末年始は、生活パターンが乱れやすくなるため注意が必要です。</p>

<p>時計遺伝子を正常に働かせるポイントは、次のふたつです。</p>

<p>ひとつは、毎日決まった時間帯にきちんと起床することです。深夜に帰宅し、仮に午前3時に寝たとしても、午前8時には起床し、朝日を浴びるようにしてみてください。徹夜をしたらそのまま起きていましょう。1時間半程度なら昼寝の時間をとってもいいのですが、夜までぐっすり寝るのは避けてください。</p>

<p>ふたつめは、1日3食の食事です。ダラダラと食べ続けるのは時計遺伝子の働きを乱す引き金になりますから、朝食、昼食、夕食のリズムを整えることが大切です。とくに、朝食はもっとも重要です。簡単なものでもいいので、毎朝きちんととるようにしましょう。</p>

<p>時計遺伝子のリズムがよくなれば、自律神経のバランスも整っていきます。<br />
ただし、無理をするのはよくありません。<br />
すべてを一気に変えるのではなく、まずはできることから始めてみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>睡眠不足は治療効果を半減させる</h2>

<p>もっともわかりやすい自律神経失調症の症状のひとつは、睡眠の不調です。</p>

<p>日中とは違い、夜には副交感神経が優位になるはずなのに、そうならない。すると、なかなか寝つけない、ぐっすり眠れない、睡眠のリズムが乱れる......といった悩みを抱えることになります。睡眠不足が続き、休日でも疲れがとれるどころか、かえって眠りのリズムを崩してしまい、より疲れた感覚で月曜日を迎えてしまうこともあります。<br />
こうした負の連鎖は、「睡眠負債」とも呼ばれています。</p>

<p>ところで、睡眠の不調を訴える人の多くは、ある程度年齢を重ねた人たちです。子どもの多くはスイッチが切れたように長時間眠りますし、10代、20代のころから不眠で悩む人はあまり見かけません。この原因も、自律神経が関係しています。</p>

<p>副交感神経は男性は30代、女性は40代から下がる傾向にあります。<br />
つまり、その年代になっても副交感神経をなるべく下げないようにすれば、睡眠も改善され、どんどん「睡眠貯金」ができるはずなのです。</p>

<p>どんなにそのほかの方法で自律神経を整えようとがんばっていても、睡眠を充分に満たせていなければ、たちまち不調になります。なぜなら、睡眠不足は副交感神経を抑えてしまうからです。</p>

<p>副交感神経が充分に上がらないまま再び朝を迎え、仕事や学校に出かければ、やるべきことが山積みでさらに交感神経が刺激されます。徹夜明けにハイテンションになるのは、交感神経が優位になっているからです。</p>

<p>「いまは忙しい時期だから仕方ない」とか「睡眠時間を削ってでもがんばるしかない」なんて考えていると、そのうちどうやっても副交感神経が上がらなくなってしまいます。これこそ、深刻な自律神経失調症を招く典型的なパターンです。</p>

<p>もっとおそろしい話もあります。睡眠不足などで自律神経が乱れた状態だと、医学的治療を受けても効果が半減してしまうこともあるのです。<br />
肩こりや腰痛などの理由で鍼治療を受けた場合でも、自律神経が乱れている人は、そうではない人の半分程度しか効果が表れません。</p>

<p>眠れないほど忙しい、という考え方は、つい睡眠不足を正当化してしまいます。でも、その結果自律神経が乱れれば、体の回復もままならず、脳に血流も行き届かず、結局、仕事でもよいパフォーマンスができなくなってしまうのです。<br />
睡眠は自律神経を整える基本だと考えるようにしましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>よく入浴する人は、要介護認定になるリスクが少ない</h2>

<p>入浴はお湯につかることでリラックスし、副交感神経を活性化しやすくする作用もありますし、反対にぐっすり眠ったあとの体をシャキッとさせて、交感神経を活性化していく切り替えのきっかけとして使うこともできます。<br />
つまり、バスタイムを効果的に使うことで、自律神経を整えることができるということです。</p>

<p>まず、寝起きでシャワーを浴びるときの方法から。<br />
初めはぬるめのお湯で体を慣らしましょう。38度くらいが目安です。慣れてきたら、自分にとっての適温（例として40度くらい）までお湯の温度を上げます。なぜこうするかというと、いきなり適温を浴びてしまうと、急に交感神経が刺激されてしまうからです。</p>

<p>そして、仕上げがポイントです。温水と冷水を3〜4回交互に浴びて、最後は冷水で終わります。こうすると、頭も体も引き締まります。</p>

<p>大きな浴場のある温泉やスーパー銭湯は、私も大好きです。自律神経を整えるという名目で、たまには出かけてみるのはいかがでしょうか。</p>

<p>まずおすすめは、ジェットバスです。勢いよく出てくる気泡は、破裂するときに超音波を発します。これにマッサージの効果があり、血流をよくしてくれます。</p>

<p>そして、サウナもいいでしょう。サウナのように非常に強い温かさがある場所にいると、交感神経と副交感神経が互いに連携をとり合って体温調節を行なうようになります。そうすることで、体温調節機能、すなわち自律神経がしっかりと働くようになるのです。</p>

<p>そして、最強のリラックス入浴法は、やはり露天風呂です。<br />
景色や空を眺めながらの入浴は、単に入浴の効果を得るだけではなく、最高のリラックス状態を生み出し、副交感神経への助けになります。自然を感じられる時間は、自律神経を整える観点からはいい効果しかありません。</p>

<p>そもそも入浴の習慣は、元気で長生きするという観点からもおすすめです。</p>

<p>千葉大学の研究によれば、高齢者のうち、週に7回（つまり毎日）以上入浴する人は、週に0〜2回の人に比べ、要介護認定になるリスクが約3割も少ないそうです。なぜなら、よく入浴をする人は血流がよく、心臓や血管がいい状態に保たれているからです。</p>

<p>忙しい人ほどつい億劫になりがちな入浴ですが、自律神経を整え、元気で長生きするためだと考えれば、多少無理してでも習慣づけていくのがよいでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自律神経の乱れは伝染する</h2>

<p>「何をやってもうまくいかない」「なんで自分ばかりがこんな目に」......。ときにこんな気持ちに陥ってしまうことはありませんか？</p>

<p>私もかつて、イライラしたら引きずってしまい、怒ったままの毎日を送っていました。そういうときはたいてい何をやってもうまくいかないもので、次から次へとイライラすることが起こり、不満をためていく日々でした。<br />
そういう私と接しなければならなかった周りの人々にも私の怒りが伝染して、場の雰囲気がピリピリしてしまうことも少なくなかったかもしれません。</p>

<p>負の感情は連鎖する、ということは研究によっても明らかにされていますが、負の感情＝ストレスですから、他人の影響によって自分の交感神経が高まってしまうことは充分に考えられます。</p>

<p>たとえば、不平不満ばかりをいう人や、つねにイライラしている人がいる職場を想像してみてください。それだけでストレスを感じるはずです。<br />
自分の感情の乱れが、誰かの自律神経を乱してしまうことにもなるのです。</p>

<p>私の場合は、自律神経の研究を始め、その過程でいったん立ち止まる勇気を持って「自分をじっくり見直す」ことにたどりついたことで、変わることができました。</p>

<p>いまでは、当時の私を知っているスタッフから「先生、本当に穏やかになりましたね」と声をかけてもらうことも多くなりました。また、一緒に働いているスタッフたちは笑顔がとても多く、職場もつねにポジティブな雰囲気を保つことができています。</p>

<p>その理由のひとつは、私自身が自律神経の乱れを整える術を身につけられたことで、周りも負の感情の影響を受けなくなったことが挙げられると思います。</p>

<p>自律神経は、これまでも説明してきたとおり、些細なことで簡単に乱れます。<br />
そしてその乱れは、周りにも影響を与えます。</p>

<p>ですが反対に、自分自身が自律神経を整える術を身につければ、周りにもいい影響を与えることができます。<br />
だからこそ、イライラしたり、怒りっぽくなっている方は、まずは勇気を持って自分自身をじっくり見直していただき、自律神経を整える術を身につけてください。<br />
整ってくれば、必ずいい方向に、自分も周りも変わっていけるはずです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sleepyman_1.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 18 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小林弘幸（順天堂大学医学部特任教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「考えすぎ」で疲弊した心を落ち着かせる5つの習慣  チェイス・ヒル</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14218</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014218</guid>
			<description><![CDATA[ぐるぐる負の思考のループが止まらないとき、頭と心の状態はどうなっているのか。チェイス・ヒル氏が「考えすぎない人」に変わるための知見を紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="考えすぎ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_ungryman.jpg" width="1200" /></p>

<p>「不安が頭から離れない」「将来が心配で眠れない」「人にどう思われたか気になる」......。ぐるぐるぐるぐる「負の思考ループ」が止まらないという問題は性格ではなく止められるとチェイス・ヒル氏は言います。同氏による世界的ベストセラー『「考えすぎてしまう」が一瞬で消える法』によると、その原因はすべて頭の中のひとりごと、または心のノイズなようだ。秒で「考えすぎない人」に変わるための知見を同書の著者に教えてもらった。</p>

<p>※本稿は『「考えすぎてしまう」が一瞬で消える法』（SBクリエイティブ）を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>認知の歪み</h2>

<p>考えすぎ、心配、ネガティブ思考には共通点があります。それは、すべて頭の中のひとりごと、または心のノイズ（メンタルノイズ）だということです。心の内外の平穏をおびやかす思考です。</p>

<p>科学的な理由はともあれ、時間を経て脳に植えつけられたメンタルノイズなのです。ほとんどの場合、コントロール不可能（少なくとも自分ではそう感じる）で、どこからともなく現れます。</p>

<p>しかし、頭の中のひとりごとや思考は、いいことでもあります。たとえば、計画立案、学習、分析など、生産性を向上させるために使えます。問題になるのは、思考をオフに切り替えられない、ぐっすり眠れなくなった、ネガティブな気持ちが強くなったといった場合です。</p>

<p>その内容や特定する方法を振り返ってみましょう。</p>

<p>・繰り返し訪れるネガティブ思考や続く不安。<br />
・過去の経験または恐れにまつわるイメージや「動画」を頭の中で再生する。あるいは繰り返し思い浮かべる。<br />
・過去について思い悩んだり、不確実な未知なるものを恐れたりして、今この瞬間から注意が逸れる。<br />
・こなすべきタスクなど、あまりに多くのことについて脳が考え続けているため、今目の前で展開されている会話に集中できない。<br />
・人にどう思われているかが常に気になり、完璧を目指そうとする。だが頭の中のひとりごとのせいで目標を達成できないため、完璧にやり遂げてもじゅうぶんだという気がしない。<br />
・無意識の思考または空想。未来を恐れ、変えられないことについて考えすぎるせいで、あらゆる状況を過剰に分析し、わからないことについてストレスを抱えている。</p>

<p>こうした思考パターンは不健全で、この思考の影響を受けている人は、１日のうち90％の時間は疲れ果てていると感じます。</p>

<p>このSTEPでは、自分の脳を整理し、この種の脳内のひとりごとをオフに切り替える方法について説明します。脳を再起動する方法がわかれば、夜にしっかり休み、リラックスしたいときには心の静けさを感じられるようになるはずです。</p>

<p>メンタルノイズを断ち切る優れた方法のひとつは、忍耐を覚え、学び、集中力を養う練習をすることです。本稿で紹介する他の手法と同じく、一晩でできるようにはなりません。ですが、実践すればするほど、頭の中の静けさを保てるようになります。やがて、スイッチのように簡単に思考をオンまたはオフできるようになるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心を落ち着ける</h2>

<p>心を落ち着けることは、意思、一貫性、忍耐を必要とする特別なスキルです。心を静めることが有益だとされるのは、自分の中で平穏を保つことが多くの利点につながるからです。心の平穏を見つけられたなら、あらゆる状況や環境において、自分の外側でも平穏を見つけやすくなります。</p>

<p>心の平穏と静かな頭の中を保つ目的は、考えるのをやめることではなく、脳が設けた障壁を乗り越えることです。心の平穏を見つけて頭の中を落ち着けるためのコツを５つ紹介します。</p>

<p>１　思考がもたらすメンタルノイズに耳を傾け、観察する</p>

<p>ラベルをつけずに、思考を観察しましょう。「もっとできる人間だったらよかったのに」「自分を傷つけたい」などの望んでいない考えや不愉快な考えが頭に浮かんでも、それを判断したり、「いい」「悪い」「怖い」「恐ろしい」などのネガティブなラベルをつけたりしないでください。ただ認識して、存在を認めます。押しのけたり避けたりしないでください。その思考がどこからきたのか考えるのではなく、そこにあることを受け入れます。そうすると、その思考の影響力は弱まり、自分自身と悩みをコントロールできるようになります。</p>

<p>２　意識的に自分の考えを疑う</p>

<p>この手法は、認知行動療法に基づいています。多くの心理学者がこのメソッドを信頼しているのは、思考をコントロールしたり方向を変えたりして、思考との関わり方において新たなパターンや習慣を形作ることができるからです。思考を疑うことでコントロールを取り戻せます。</p>

<p>まず、思考について自分に問いかけましょう。「私は優れた人間ではない」と考えているなら、この思考はどこから生じたのだろうと問うてみます。あなたは短絡的に考えていませんか？　この思考にはどのような認知の歪みがありますか？</p>

<p>次に、ポジティブな面を見つけます。「私は、実は優れた人間だ」と思える出来事が起きたことはありますか？　それはどのような出来事でしたか？</p>

<p>思考の根本原因を見つけると、コントロールを取り戻せます。その思考を事実と置き換えることができるからです。</p>

<p>３　意図的に呼吸に集中する</p>

<p>心配、不安、考えすぎの「トリガー」を感じるときは、きちんと呼吸できていません。目を閉じて、呼吸がどこからやってくるのか探ってみてください。お腹、胸、それとも鼻でしょうか。次に、呼吸を変えることなく呼吸を意識します。どこから呼吸が生まれているのか、自分がどのように呼吸しているのかがわかったら、次は深く長く息を吸い込むことに集中します。５秒間息を吸い込み、３秒間息を止めて、５〜７秒間息を吐きます。気持ちが落ち着くまでこれを繰り返し、通常の呼吸に戻ってから、目を開けます。</p>

<p>４　リラックスして意欲が湧き、気持ちが落ち着く音楽を再生する</p>

<p>音楽は最高の癒しのひとつです。歌手に共感したら、その歌手はあなたのお気に入りのアーティストになります。その歌手が自分にとって意義のあることを歌っているとわかるので、さらにリラックスできます。インストゥルメンタルが好きな方は、楽器のリズムと音に注意を払ってください。目を閉じて、これまでは気づかなかった背景の音に集中してみましょう。楽器の名前を当て、旋律を記憶します。</p>

<p>５　定期的に運動する</p>

<p>毎日運動していると、先に紹介した「幸福」物質が放出されます。ドーパミンが放出されれば、脳はより多くのセロトニンを生成できるようになり、幸せを感じやすくなります。幸せを感じていると、さほどストレスがたまらず、思考が手に負えなくなることや力が入りすぎることはありません。体を動かすことで、頭の中でひとりごとを言ったり考えすぎたりするためのエネルギーを枯渇させるのです。</p>

<p>常に考えすぎたり、心配しすぎたり、ネガティブに考えたりしていると、頭の中のひとりごとは悪化し、手の打ちようがないように感じます。次のセクションでは、脳を再起動する方法について紹介します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>脳を再起動する</h2>

<p>ネガティブ思考、心配、考えすぎを乗り越える最良の方法は、脳をリセットすることです。まず変化を受け入れ、恐れを乗り越えなければなりません。でも、どうしたらそんなことができるでしょうか？</p>

<p>この再起動プロセスについては、すでに大方を説明しました。と言っても、これまでに紹介した手法の目的は、考えすぎパターンを止めることのみでした。このプロセスには他にもメリットがあります。現代社会で処理しなければならない大量の情報に悩まされている脳を助けてくれるのです。</p>

<p>私たちは日々、SNS、テクノロジー、そして大量の新しい情報を解釈し、やりとりしています。今から紹介する、脳を再起動する方法について読んだら、脳をリセットするという目的を念頭に置いて考えてみてください。</p>

<p>１　マルチタスクをやめる</p>

<p>マルチタスクが有益な場合もありますが、これは脳が働きすぎてしまう理由のひとつでもあります。一度にあまりにもたくさんのことに集中したり、考えたり、実行したりしようとすると、脳は次から次へと焦点を切り替えることになります。この種の思考は、一度に複数のことをこなす能力を弱めます。</p>

<p>掃除機をかけ、カウンターを拭いて、その後もう一度床をはいたりモップがけをしたりしていませんか？こんなにいろいろなことをすると、すごく疲れるはずです。それなのによく考えれば、まだ洗濯をしていないし、洗い終えていない食器があるし、ほとんど何もしていなかったような気持ちになります。これがマルチタスクの悪影響です。マルチタスクを行っていると集中力の持続時間が短くなり、気が散ります。これは「モンキーマインド」や「スクイレルエフェクト（リス効果）」と呼ばれています。マルチタスクをやめるには、一度にひとつのことだけに集中し、そのタスクが終わるまでは次のタスクに移らないようにしましょう。</p>

<p>２　一度にひとつのことだけに集中する</p>

<p>認知心理学者、ダニエル・Ｊ・レヴィティンの『スッキリ脳：情報過多の時代にまともに思考する』（未邦訳）は、計画的な没頭を提唱しています。計画的な没頭とは、やるべきことやタスクを30〜50分以内のタイムスロットに分割し、それ以外のことはしないというものです。</p>

<p>人間の脳には、タスク・ポジティブ・ネットワークとタスク・ネガティブ・ネットワークという２つの集中モードがあるとレヴィティンは書いています。タスク・ポジティブ・ネットワークとは、外の世界や、テレビ、会話、スマートフォンなどのまわりの環境に気を散らすことなくタスクを完了する能力です。</p>

<p>タスク・ネガティブ・ネットワークとは、脳が活発に夢想したり想像したりしていて、手元のタスクに集中していない状態です。つまり、やるべきことに取り組んでいる間も、せわしなく他のことを考えているのです。このタスク・ネガティブ・ネットワークから、創造性やひらめきが芽生えます。人間には「注意（アテンション）フィルター」が備わっていて、これが２つのモードを切り替えています。そのおかげで私たちの脳は整理された状態を保ち、現在のモードに集中し、取りかかっているタスクを完了できます。</p>

<p>３　「注意フィルター」</p>

<p>レヴィティンの助言をまとめると、特に集中力と注意力を必要とするタスクに取り組んでいる場合、創造的な生産性を高めたいなら、ソーシャルタスクにあてる時間を別途設定しなければならない、ということです。</p>

<p>つまり、ステータスアップデート、Ｘ、テキストメッセージ、財布を置き忘れた場所、口論になったパートナーや友人と仲直りする方法などについて考える時間と場所を常に確保します。1日のうちのどこかでソーシャルに焦点を当てる時間をとれば、気が散りにくくなり、より多くをこなすことができます。これは、ひとつのことだけに集中して脳を再起動するための優れた方法です。</p>

<p>タスク・ネガティブ・ネットワーク（空想、心ここにあらず、深い思考）の時間とは、自然の中の散歩、音楽鑑賞、アロマを楽しむバスタイムなどです。こうしたことを行っているときに、心のおもむくままに思考をさまよわせると、脳がリセットされ、今取り組んでいることについて一味違う、より健全な視点を得ることができます。</p>
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						<pubDate>Mon, 18 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[チェイス・ヒル]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「始めるまでに時間がかかる」を解決する&quot;5秒ルール&quot;　今すぐ動けるシンプルな習慣  名郷根修（株式会社ハイパフォーマンス代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14193</link>
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			<description><![CDATA[新しいチャレンジをする時に変化を求めないのが脳の特性。その特性を踏まえた上で先延ばし癖を克服する方法を、株式会社ハイパフォーマンス代表取締役の名郷根修さんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="名郷根修著『瞬動力』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_writing_woman.jpg" width="1200" /></p>

<p>「失敗したらどうしよう」「新しいことをするのは不安」こうした&quot;やらない理由&quot;を考えて物事を先延ばししてしまうのは脳の自然な反応だと、株式会社ハイパフォーマンス代表取締役の名郷根修さんはいいます。</p>

<p>では、どうすれば脳の特性に左右されず、すぐやる人になることができるのか――本稿では、先延ばし癖を克服する方法やコツについて紹介します。</p>

<p>※本稿は、名郷根修著『瞬動力』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>考える前に動く「5秒ルール」</h2>

<p>人間の脳は、新しい行動を起こそうとするときに不安やリスクを評価しはじめます。その過程で、「今日はやめておこうかな」「失敗したらどうしよう」「今じゃなくても良いか」といった&quot;やらなくて良い理由&quot;が浮かびやすくなるのです。</p>

<p>やる気がないから、意志が弱いからというわけではなく、これは扁桃体の働きによるものです。「不安」「面倒くささ」「失敗のリスク」を大きく見積り、生存本能によって「今の状態から動かない・変化しない」という選択をしようとします。脳の自然な防御反応が起こった結果、やらない理由を思い浮かべて留まろうとするのです。</p>

<p>そこで提案したいのが、&quot;言い訳探し&quot;が本格的に動き出す前に、先に体を動かしてしまおうということ。その猶予時間を5秒に設定して動き出す「5秒ルール」を実践してみましょう。</p>

<p>「5秒ルール」は、アメリカのメル・ロビンス氏が提唱している「やろうと思ったら、5秒以内に動き出す」ためのシンプルなテクニックです。著書『5秒ルール』は全米でミリオンセラーとなり、日本でも話題になりました。</p>

<p>やり方は簡単です。「やろう」と思ったら、すぐに心の中で「5・4・3・2・1」とカウントダウンし、「ゼロ」になったら、考える前に体を動かす。これにより、</p>

<p>・5秒以上迷って延ばしモードに入る前に、行動をスタートできる</p>

<p>・カウントダウンに意識を集中させることで、不安や雑念を一時的に遮断できる</p>

<p>・「やる気が出たら動く」のではなく、「ゼロになったら動く」という合図で体を動かせる</p>

<p>つまり、気分に左右されずに動ける状態を、自分でつくれるのです。「ゼロ」カウントのときに取る行動は、「立ち上がる」「(本のページなどを)開く」「手を伸ばす」など、ごく小さな動作でOKです。「考える時間」が長くなるほど、行動より先延ばしする理由のほうが強くなってしまいます。先延ばしグセが抜けない人は、考える前に小さな動きを先に起こし、「動いてから考える」ほうに切り替えてみましょう。</p>

<p>「5秒ルール」は道具を用意する必要もなく、今からでもすぐに実践することができます。仕事に限らず、「朝起きられない」「帰宅後、ついダラダラ過ごしてしまう」「部屋の片づけ」「ストレッチを習慣にしたい」など、あらゆる場面で使えるので、日常のさまざまなシーンでぜひ試してみてください。小さな動作をきっかけに、&quot;動けばスイッチが入る&quot;という脳の特性によって、留まらずに行動に移せるようになります。</p>

<p>【5秒ルールのケーススタディ：5秒で布団から足を出すだけで、朝習慣が定着】</p>

<p>朝が苦手で、目覚ましが鳴ってもつい二度寝をくり返してしまう30代の男性。この方には「目覚ましが鳴ったら、5秒ルールで&quot;片足を布団の外に出す&quot;」という簡単な動作を提案してみました。</p>

<p>すると、&quot;布団の外に足を出す&quot;という物理的動作がスイッチとなり、起き上がる&rarr;カーテンを開ける&rarr;洗面所に向かう、という行動が自然に続くようになり、二度寝をしなくなりました。</p>

<p>ご本人は、「気合いでは起きられなかったけど、5秒ルールで足だけ出すならできた。そこから流れが変わりました」と話していました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>5秒ルールを実行するための3つのコツ</h2>

<p>5秒ルールの効果や活用方法は理解してもらえたでしょうか。「そうは言っても、&quot;考える前に動く&quot;はむずかしい......」と思われる方も多いと思います。5秒ルールを実行するにあたっては、ぜひ3つのコツを覚えておいてください。これを押えれば、驚くほど動きやすくなります。</p>

<p>①&quot;やること&quot;ではなく&quot;動き&quot;だけ決めておく</p>

<p>最初に決めるのは行動内容ではなく、「5秒以内にやる動きをひとつだけ決めておく」これだけでOKです。行動が重くなるのは「何をするか」を考えるから。一方、小さな動作だけなら、ほとんど考えずに動くことができます。</p>

<p>・パソコン作業&rarr;「5秒以内にパソコンを開く」</p>

<p>・読書&rarr;「本を手に取る」</p>

<p>・運動&rarr;「靴を履く」</p>

<p>・片づけ&rarr;「立ち上がる」</p>

<p>②カウントダウンを「自動の号令」にする</p>

<p>5秒ルールの本質は、「カウントダウンで意識の流れを遮断する」ことにあります。新しい行動を起こそうとすると、脳の中では「今日はやめておこう」「失敗したらどうしよう」といったセルフトークがはじまりやすくなります。この内的対話が長引くほど、行動は遠のいていきます。</p>

<p>そこで、5・4・3・2・1と数える。意識がカウントに集中することで、不安や言い訳のループが一時的に途切れます。その隙に体を動かすことで、計画や実行を担う前頭前野が働きやすい状態に切り替わっていきます。</p>

<p>③&quot;5秒でできる一歩&quot;に行動を細かくカットする</p>

<p>「資料をつくる」「勉強する」「片づけをする」......やろうと思っているのに動けないのは、行動のハードルが高すぎる証拠です。行動を「5秒でできる最初の一歩」に切り分けるだけで、脳は一気に動きやすくなります。</p>

<p>・資料作成&rarr;「前回の資料をひとつ開く」</p>

<p>・英語の勉強&rarr;「テキストを机に置く」</p>

<p>・片づけ&rarr;「ゴミをひとつ捨てる」</p>

<p>といったように、「考える前に動く」が自然に起こるような小さな動きを設定しましょう。この3つのコツを組み合わせれば、先延ばししがちな人でも、脳が自動的に「動くモード」に切り替わるようになります。「考える前に動く」は、本人のやる気や性格に関係なく、仕組みで実行できるのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 18 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[名郷根修（株式会社ハイパフォーマンス代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ソロ活ブームはなぜ起きたのか？　おひとりさま時代に必要な「心のケア」  荻上チキ（評論家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14252</link>
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			<description><![CDATA[荻上チキさんは、ソロ活ブームは自愛への嘲笑に対するカウンターだと語る。単身世帯が増える昨今、セルフケアの形とは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="荻上チキ　孤独" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smilewoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>さびしさ、悲しさ、不安感、無力感――。孤独は多くの負の感情をもたらします。荻上チキさんの著書『孤独をほぐす』は、孤独とはなにかを丁寧に解きほぐしながら、この社会がいかなる孤独を生み出しているのかをエッセイ形式で読み解いた一冊です。</p>

<p>同書より、単身世帯が増える昨今、どうやってセルフケアをしていくのかを綴った一節を紹介します。</p>

<p>※本稿は、荻上チキ著『孤独をほぐす』(PHP新書)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>私たちはどうセルフケアするか</h2>

<p>現代の日本では、単身世帯が増えています。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2040年代には、単身世帯の割合がおよそ40パーセントに達するとされています。</p>

<p>背景の一つは、高齢世帯の増加です。長い人生の中で、死別や離別などを経験し、人はいつか、またひとりになる。だからこそ「おひとりさま」への備えが必要であるとして、多くの提言がなされています。</p>

<p>もう一つは、未婚率の上昇です。昨今、婚姻制度を利用せず、同居・同棲を行なわない人の割合が増えています。非婚化社会の背景には、雇用状況の変化などの経済的要因や、デート文化の後退といった文化的要因などが指摘されていますが、いずれにしても「ソロ状態でいること」が、すでにスタンダードになっていると言えそうです。</p>

<p>友情婚やシェアハウスなど、恋愛や結婚以外のつながりで生活を支え合おうとする動きもありますが、その動きはまだ全体の一部。ソロ化は変わらず、大きな潮流です。</p>

<p>そんな社会では、長大なひとり時間を健康に過ごすための知識、方法、気構えなどが必要となっています。すなわち、「私たちはどうセルフケアするか」という問題です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ソロ活」がもたらした変化</h2>

<p>身の回りでも2010年代後半ごろから、セルフケアをめぐるいくつもの動きがありました。</p>

<p>ご飯を食べたこと。出勤したこと。生きていること。なんでも「えらい」と肯定してくれるペンギンのキャラクター「コウペンちゃん」が大ヒット。私の部屋も、コウペンちゃんのぬいぐるみでいっぱいになりました。</p>

<p>性暴力にノーを突きつける「#MeToo」ムーブメント以降、「自分の身体は自分のもの」「性的同意」「バウンダリー（他人との境界）」「ノー・ミーンズ・ノー（同意のない性行為は性暴力である）」など、自己領域の尊さが訴えられてきました。</p>

<p>ひとりカラオケやひとり焼肉、ひとりキャンプにひとりピクニックなど、ソロ活領域の開拓が社会的ムーブメントになりました。ソロ活ブームは、「集団でするもの」「男性がするもの」とされていた活動を、個人でもできる、性別や年齢問わずできる、というカウンター（対抗）的側面を含んでもいました。</p>

<p>今、日本ではじわりじわりと、「ご自愛文化」が広がっているように思います。それも、単に個人での「ご自愛」で終わるのではありません。</p>

<p>たとえばジェーン・スーと堀井美香のポッドキャスト「OVER THE SUN」で提唱されているように、自愛には多分に、「互助会」的な側面があります。このポッドキャストはもともと「相談は踊る」「生活は踊る」という、人生相談＆暮らし情報を届けるラジオ番組から出発しています。生活を改善しながら、自愛と慈愛を重ね、支え合う個人という姿が見えてきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>男性にも広がるセルフケア</h2>

<p>ご自愛文化は、さまざまな年代や性別にまで広がっています。美容メディア「VoCE」で連載されていた漫画『僕はメイクしてみることにした』は、アラフォー独身男性である主人公が、スキンケアやメイクにはまっていく過程を描いた作品です。鏡に映る自分を好きになることが大事なセルフケアなのだと発見していくというストーリーですが、私も読後にまんまと、フェイスクリームを買ってしまいました。</p>

<p>『賭博破戒録カイジ』のスピンオフ作品『１日外出録ハンチョウ』では、街中にあるちょっとしたグルメやレジャーなどを楽しむ中年男性たちの姿が描かれます。こちらもウェブ連載されているため、しばしばバズることがあるのですが、第77話にあたる「食叫」というエピソードは、大きな反響を呼びました。</p>

<p>このエピソードはとてもシンプルです。男性3人で、おしゃれなカフェのテラス席で、リコッタパンケーキを食べるというもの。なんとなく敬遠していた店舗に入り、甘いものをシェアしながら食べる。そのことに、そこはかとない開放感を覚えるというエピソードは、いかに「ご自愛」のレパートリーがジェンダーレス化されてきたかを物語っています。</p>

<p>このエピソードの肝は、「おじさんのセルフケア」が笑われると恐れていたものの、周囲の客もみなパンケーキに夢中で、誰も中年男性たちのことを気にしていないことです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自虐や自己卑下でつながっていた前時代</h2>

<p>2007年、「スイーツ（笑）」という言葉が、ネット上での流行語として話題となっていました。これは、洋菓子などを「スイーツ」と呼びかえるトレンドを楽しんでいるように見える女性に対して、蔑称的に用いられるネットスラングでした。</p>

<p>このころ、合わせて嘲笑されていたのは、「自分らしさを演出」「ガールズトーク」「がんばった自分へのご褒美」「自分磨き」「女子会」といった言葉たちでした。このころまさに、ご自愛や互助の文化はジェンダー化され、匿名掲示板などでネガティブな意味付けをされていました。</p>

<p>このころのネット作法は、さげすみ、嫉み、自虐や自己卑下によってこそ互いがつながるというものでした。そこで増強された呪詛は、批判者本人にとっても、セルフケアや互助の軽視につながっていたように思います。</p>

<p>自愛を嗤う空気におもねり、自意識がセルフケアを妨げる。そのムードは、デフレ不況とも結びつき、セルフネグレクト（自分自身を放棄すること）を加速させる要因にもなっていました。自分のために時間やお金を使うなど、無駄で幼い振舞いだ。そんなさげすみがはびこっていたのです。</p>

<p>今、ご自愛文化が再評価されているのは、社会的にも重要なことです。ソロ活ブームの拡大は、こうした嘲笑ムードが溢れた前時代へのカウンターという側面がありました。</p>

<p>ただし、いくつもの注意が必要です。たとえば、互助の背景に、公助の脆弱性がありはしないか。ご自愛の仕方が、「市場でお金を使う」という方法に偏っていないか。誰もが自愛を簡単にできるわけではないという背景や事情を軽んじていないか、などです。</p>

<p>ご自愛文化とどう付き合うか。その意識的な問いかけが、ますます重要性をおびています。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 15 May 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[荻上チキ（評論家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「休日なのに疲れる」のはなぜ？　4タイプ別・おすすめの休み方  鈴木潤士（休日コンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14265</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014265</guid>
			<description><![CDATA[休日コンサルタントの鈴木潤士さんが、それぞれのタイプに合った休み方を紹介してくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="休み方" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_oceanlady.jpg" width="1200" /></p>

<p>みなさんは普段、休日をどのように過ごしていますか?　自分の性格やライフスタイルに合わせて、休日の中身を見直しましょう。休日コンサルタントの鈴木潤士さんが解説してくれます。（取材・文：三井カナ）</p>

<p>※本稿は、『PHPスペシャル』2026年6月号より内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分らしい休みをデザインしよう</h2>

<p>休日は本来、自分の好きなように過ごせばいいものです。しかし近年はSNSの影響で、プライベートの時間の過ごし方まで他人と比べてしまい、疲弊している人が多くいます。</p>

<p>誰かの「映える」休日を見て、これではいけないと思ったり、人から「いいね」と思われたくて、本当は面倒なのに無理をしてSNS用の写真を撮ったり......。そのような自分に合わない休み方をしていては、心身ともに休まりません。</p>

<p>スッキリとした気持ちで休み明けを迎え、毎日を楽しく生きていくためには、休日を自分らしく過ごすことが大切です。つまり、「自分の休日は自分でデザインする」ということ。次の4つのポイントを意識することが、休日をうまくデザインするカギとなります。</p>

<p>①休日タイプ......「自分らしさ」のベース（診断とタイプ別のアドバイスは下記を参照してください）</p>

<p>②体験の強度......意味のある休日だったか</p>

<p>③体験の賞味期限......終わったあとも印象に残り、「またこんなふうに過ごしたい」という気持ちが続いているか</p>

<p>④期待値......「これくらい満足するだろう」という事前の 予測を、実際の休日が上回ったか</p>

<p>まずは①を把握したあとで、②③④を意識しながら、過去の休み方の傾向を振り返ってみましょう。そして、自分が本当に求めている休日の過ごし方について考え、できる範囲で実践してみてください。意識を少し変えるだけでも、休みの満足度が格段に上がります。</p>

<p>一言で休日と言っても、趣味を満喫したい人、自分を磨きたい人、人と交流したい人、のんびりしたい人など、人によってニーズはさまざま。休日を自分らしく過ごせば、それぞれのニーズが満たされるのは言うまでもありません。</p>

<p>また、きちんと疲れが取れると気持ちも前向きになり、予想外の出会いや発見を受け入れやすくなります。よりよい休日は、人生全体の豊かさにつながっていくのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>休日がもたらす3つの効果</h2>

<p>休日のデザインを始める前に、まずはすべての人に共通する「休日を取ることで得られる効果」と、その効果の高め方についてご紹介します。</p>

<p>①用事と「心の距離」を取れる</p>

<p>仕事や家事、育児、介護などの「すべきこと」から離れて、「自分」と「用事」を切り分ける時間を持つことが、心の休息につながります。完全に離れるのが難しい場合は、可能な範囲でスマホをオフにする、時間を決めて一人になる、いつもと違う場所に行くなどの工夫をしてみましょう。</p>

<p>②体が休まる</p>

<p>のんびり過ごすにしても活動的に過ごすにしても、人間の体は「したいこと」をしている時間にこそ、リラックスできます。好きなことで一日を埋められるのは、休日ならでは。大いに満喫し、体を休めましょう。とはいえ、活動的に動きすぎた場合は、少し長めに睡眠時間を取るように心がけると◎。</p>

<p>③自己肯定感が高まる</p>

<p>平日と比べると休日のほうが、どう過ごすかを自分でコントロールしやすいはずです。自分が「やりたい」と思ったことを計画して、実際に行動に移すという成功体験を重ねることで、前向きな意欲が湧き、自己肯定感が高まります。</p>

<p>ここまでにお伝えした「休日タイプ&times;体験の強度&times;体験の賞味期限&times;期待値」の考え方をもとに、「こんな休日を過ごしてみたい」という自分の希望を洗い出してみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>あなたに合った休み方は?　休日タイプ診断</h2>

<p>ここからは、自分の休日タイプについて見ていきましょう。当てはまった項目が一番多いのが、今のあなたのタイプです。環境やライフステージによって変化する場合があるので、定期的に診断し、休日を振り返ることが大切です。</p>

<p>【Aタイプ】</p>

<p>□参加しなければならない行事が多い<br />
□休日は家族サービスをしたい<br />
□与えられた役割は果たすほうだ<br />
□人の役に立つのが好き<br />
□周囲が楽しそうだと満足する</p>

<p>【Bタイプ】</p>

<p>□休日の計画は事前に立てたい<br />
□休日の内容は自分で決めたい<br />
□理由のない外出は苦手<br />
□「自分磨き」が好き<br />
□ムダなく時間を使いたい</p>

<p>【Cタイプ】</p>

<p>□予定は「誘われて」決まりがち<br />
□予定がない日は家にいることが多い<br />
□特定の「やりたいこと」がない<br />
□喜びは人と共有したい<br />
□人と会うと楽しい</p>

<p>【Dタイプ】</p>

<p>□休日の計画を立てても、変更することが多い<br />
□なんとなく休日が終わりがち<br />
□目的もなく出かけることがある<br />
□「偶然」と聞くとワクワクする<br />
□散歩が好き</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>＜タイプ別＞おすすめの休日の過ごし方</h2>

<p>Aタイプ：頼られるのが好きな使命応答型</p>

<p>人から頼られ、喜ばれることで充実感を覚えるタイプです。地域のイベントや子供の学校行事などで与えられた役割を果たし、「貢献欲」が満たされると、休日の満足度が上がります。予定のない休日は、心を許せる友達や家族とゆっくりおしゃべりをして、愚痴を聞いてあげるのも一案です。</p>

<p>ちなみに、育児や介護などで忙しくしていて、今だけこのタイプに当てはまるという可能性もあります。役割を全うすることに疲れてしまっている場合は、自由な時間ができたら何をしたいか、今から考えておきましょう。未来が楽しみになり、それが心の休息にもつながります。</p>

<p>Bタイプ：自分らしく成長したい自律型</p>

<p>目的意識が明確で、目標に向けて自ら積極的に動くことが得意なあなたは、「休みをどう過ごすか」を事前にきちんと計画してから、当日を迎えたいと思っています。成長意欲が高く、勉強や自己研け ん鑽さ んにも熱心なタイプです。</p>

<p>休日の満足度を高めるポイントは、「自分で決めたかどうか」。予定通りに行動し、その結果に納得できたら、「良い休日だった」と思えるでしょう。反面、予定を詰め込みすぎて「思ったように動けなかった」とガッカリしやすい傾向があります。そうならないために、休日にやりたいことを明確にしつつ、予定を取捨選択しておくと◎。</p>

<p>Cタイプ：誘われたら行く関係同調型</p>

<p>自分からはあまり動かず、人からの誘いを待って行動するタイプです。あなたが誘いに乗るのは、「役に立ちたい」からではなく、「一緒に楽しみたい」から。飲み会やライブなどで時間を共有し、「楽しかったね！」と感想を伝え合えるかどうかが、休日の満足度の決め手となります。</p>

<p>一方で、「誘われたことを一緒に楽しむ」という流れに慣れてしまい、常に「誘われ待ち」をしているため、誰からも連絡のない休日の満足度は下がりがちに。特にやりたいことがなくても、前に楽しかった体験があればその再体験を提案するなど、時には「誘う側」になってみるのがおすすめです。</p>

<p>Dタイプ：「偶然」にロマンを感じる気まぐれ型</p>

<p>予定を決めずにふらりと出かけ、あとは動きながら気の向くままに考える......。あなたはそんな休日スタイルを理想としているのではないでしょうか。流れに任せて動いた先で、綺き麗れいな風景に出合ったり、思わぬ発見をしたりというような、予想外の出来事が増えるほど、休日の満足度は上がります。</p>

<p>弱点は、「偶然」を求めるがゆえに、当たりはずれが大きいこと。何も起こらなくてがっかりすることも少なくありません。細かい計画は立てなくていいので、行く場所など、「計画の入り口」だけでも決めておくと◎。これなら自由度を下げずに、満足度だけを上げられます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>最新!　国内外の休日事例</h2>

<p>個人はもちろん、会社や国によっても休み方はさまざまです。休日の計画を立てる際のヒントが見つかるかもしれません。</p>

<p>●堂々とできる「ずる休み」（国内）</p>

<p>大阪府にある株式会社ハルでは、有給休暇とは別に、月１回を限度として休みを取れる「ずる休み休暇制度」を設けています。大人も子供も、特別な理由や予定がなくても休んでいいのです。</p>

<p>●休み方改革を県が推進！（国内）</p>

<p>2023年から愛知県が主導している休み方改革では、県内企業の休暇制度の充実を後押ししつつ、教育機関とも連携を取り、親と子が平日に休める「ラーケーション（ラーニング＋バケーション）の日」を実現。土日や祝日の混雑を回避しつつ楽しむ体験を子供の学びにつなげるという趣旨で生まれました。ほかの自治体でも、導入事例が増えているそうです。</p>

<p>●オセロ方式で長期休みを増やす（国内）</p>

<p>「ホワイト企業大賞」を受賞した、岐阜県にある未来工業株式会社の休暇制度です。「オセロ休暇」は、火曜または木曜が祝日の場合、土日と祝日に挟まれた月曜または金曜が休日になるというもの。自分の会社にこの制度がない場合も、休日を取得する際の基準として、ぜひ参考にしてみてください。</p>

<p>●「短く濃く」休む（アメリカ）</p>

<p>アメリカは「休んで遅れをとっても自己責任」という競争社会。そのため、休暇中も仕事用のパソコンやスマホを開く人が多数派です。また、長期休暇が取りづらいぶん、休日は近場を旅行するなどして「短く濃く」楽しむ傾向があります。</p>

<p>一方で、国民の休日・サンクスギビングデー（感謝祭）には、遠方の家族も実家に集合。「家族と過ごす」というのは、アメリカでは特に多く見られる休み方です。</p>

<p>●「何もしない贅沢」を満喫（フランス）</p>

<p>フランスには、休日に「つながらない権利」があり、仕事用のパソコンやスマホをオフにして休みを過ごすのが一般的です。数週間にわたる年に一度のバカンス中は予定を詰め込まず、「何もしない贅沢」を満喫する人が多いのだとか。</p>

<p>休みを大事にする文化が浸透していて、８月には会社も行政機関も一斉に休業。社会単位で休暇制度が整えられた「お休み先進国」と言えるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>＼休み明けが憂うつなあなたへ／</p>

<p>休みの最終日になると、「休みが終わってしまう」と寂しくなり、翌日を迎えるのが憂うつに......。そんな気分を払拭するヒントは、先にお話しした「賞味期限」にあります。「あの週末は楽しかった」と、いつまでも思い出すような休みが、「賞味期限が長い休み」です。</p>

<p>そのような休みを思い出すときに伴うのは、「またあんなふうに過ごしたい」という気持ち。賞味期限の長かった休みを参考に、未来の休日の計画を立ててみましょう。自分にとって満足度の高い休日を繰り返すことで、「楽しい休日は何度でもやってくる」と安心でき、ポジティブな気持ちで平日を過ごすことができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【鈴木潤士（すずき・じゅんじ）】<br />
株式会社休日デザイン研究所代表取締役。「QOL・休みをカガクする」をミッションに、消費者の休みに対するマインドや行動データをもとにした企業・自治体へのマーケティング支援や休み方研修を行ない、メディアや講演を通じて、「休み方」に関する知見を発信している。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 15 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木潤士（休日コンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ「考えすぎ」が止まらないのか　心配事と決別する方法  チェイス・ヒル</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14204</link>
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			<description><![CDATA[考えすぎてしまう原因は「認知の歪み」にあるとチェイス・ヒルさんは話す。その正体と、心配と決別する方法を教えてもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="考えすぎ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_zetsubowoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>夜、布団に入ったのに眠れず、その日の出来事について思い悩むことがありますか？自分の選択はどれもこれも間違っていたんじゃないかと、しょっちゅう後悔していますか？仕事、友人関係、人生のすべてが手に負えないと感じますか？</p>

<p>ぐるぐるぐるぐる「負の思考ループ」が止まらないという問題は性格ではなく止められるとチェイス・ヒル氏は言います。</p>

<p>同氏による世界的ベストセラー『「考えすぎてしまう」が一瞬で消える法』によると、その原因は認知の歪みだといいます。秒で「考えすぎない人」に変わるための知見を同書の著者に教えてもらいました。</p>

<p>※本稿は『「考えすぎてしまう」が一瞬で消える法』（SBクリエイティブ）を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>認知の歪み</h2>

<p>まず、認知の歪みについて紹介し、認知の歪みを頭から消し去ることはなぜ難しいのかについて説明します。それから脳内の歪みを正す手法を実践します。</p>

<p>認知の歪みとは、恐怖や不安をコントロールするために私たちが利用する長期的な習慣や誤った思い込みによってもたらされた、不合理な思考パターンです。</p>

<p>ですがこれは、気持ちを楽にしたいがゆえに作られた、不合理で不要な「安心毛布」または「安全網」なのだということを認識すべきです。認知の歪みの例を次に紹介します。</p>

<p>●全か無か思考（0か100か思考）</p>

<p>白黒思考です。その中間や妥協は存在しません。<br />
「誰かに『あなたは成功しない』と言われた。絶対そのとおりだ」</p>

<p>●一般化のしすぎ</p>

<p>ひとつの結果があらゆる結果に当てはまると考えます。<br />
「あの仕事に就くことができなかった。私はダメ人間で、もう二度と仕事にありつけない」</p>

<p>●ネガティブにのみ考え、ポジティブ思考を避ける</p>

<p>ある状況においてポジティブな面を見ようとせず、ネガティブな面だけに焦点を当てることです。<br />
「最後の問いだけ間違えてしまった。私はものすごくバカに違いない」</p>

<p>●ある出来事でのポジティブな面には意味がないと言い訳する</p>

<p>いいことが起きて、それを目にしたとしても、言い訳をします。<br />
「雇用主の前ではかなりうまく自分をアピールできたけれど、たまたまあちらの機嫌がよかっただけだろう。だから、この職に就くことはできないはずだ」</p>

<p>●誤ったネガティブな予測をする</p>

<p>根拠もないのに、将来起きることを予測します。<br />
「絶対に悪いことが起きると確信している」</p>

<p>●最悪を予期する</p>

<p>結果について大袈裟に考えすぎたり、何か恐ろしいことが起きるはずだと自分に言い聞かせたりします。<br />
「電車が遅れている。きっと故障したんだ。何もかも遅れてしまう。予定に間に合わないから、クビになるだろう」</p>

<p>●「べき」思考と「べきでない」思考</p>

<p>自分の考える「すべきこと」と「すべきでないこと」が思いどおりにいかないとき、自分を責めます。<br />
「何が起きるか把握しておくべきだった。私は何ひとつうまくやれない」</p>

<p>●失敗に基づいて自分にレッテルを貼る</p>

<p>何かを間違えたから、あるいは自分や他の人をがっかりさせたため、こう考えます。<br />
「私は二度目のチャンスには値しない。いつもこうなるのだから。私は恥ずべき存在だ」</p>

<p>●コントロールできない物事の責任が自分にあると思い込む</p>

<p>「祖母の花瓶が割れたのは私のせいだ。息子をしっかり見ていなかったし、注意していなかったのだから」</p>

<p>過剰に心配することをやめるのは、なぜこれほど難しいのでしょうか？こうした認知の歪みがあることにまったく気づいていないのかもしれません。</p>

<p>多くの人が、過剰な心配や病が生じるずっと前からこのような考え方をしています。心配することで問題を解決したり将来的な問題を阻止したりできると思い込んでいるのです。</p>

<p>しかし、心配しても何の解決にもなりません。唯一の解決策は、効果的なスキルを身につけてネガティブ思考を回避することです。心配するのをやめることは何より重要です。</p>

<p>なぜならそれは「心配することは役に立つ」という考えを捨てることだからです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心配と決別する方法</h2>

<p>心配事があると、ますます夜眠れなくなり、免疫力が低下し、PTSDになる確率が高まり、若くして命を落とす危険が増すことが証明されています。それでも人間は、人生で起きる特定の物事はコントロールできないのだという単純な事実を受け入れられないものです。</p>

<p>だから、自分が下したありとあらゆる選択や意思決定をむし返すか、コントロールできないことが受け入れがたいと感じます。</p>

<p>さらに、完璧主義者や「コントロールフリーク」になって、気分をよくしようとします。</p>

<p>しかし、何もかもをコントロールしたり完璧にしようとしたりすることで、気分はよくなるでしょうか？答えが「いいえ」なら、自分の脳をポジティブにコントロールする方法を学びましょう。</p>

<p>●「心配タイム」を設定する</p>

<p>心配していい時間を設定しておけば、心配が生まれたとしても、今は考えるひまがないけれど後で時間を作って問題に対処するのだと自分に言い聞かせることができます。</p>

<p>この「心配タイム」は、夜に布団に入る直前や、夕食を作るときなどの忙しい時間帯に設定しないようにしてください。また、１時間以上はとりましょう。そうすれば、たっぷり時間を使ってすべての悩みに対処し、効果的な解決策を考えつくことができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心配タイムにすべき２つのこと</h2>

<p>「心配タイム」は瞑想やリラックスする呼吸法で締めくくるとよいでしょう。</p>

<p>①思考を認識する</p>

<p>日中に心配事が生まれて、それが頭から離れないなら、紙に書き出して認識しましょう。その思考を避けたりどこかへ追いやったりしないでください。そんなことをしても、ますます頭から離れなくなり存在感が増すだけです。悩みはどこにも行かないのだということを受け入れ、前に進みます。<br />
悩みについてあまり考えすぎないでください。そこに存在していることをただ認識します。「心配タイム」になったら、日中に書いたメモを見て、まずその心配事について考えましょう。</p>

<p>②書き出す</p>

<p>日記をつけます。この手法が効果的なのは、忙しい日に心配事について考えようとしても、ほとんどの場合、論理的または合理的にとらえられないためです。<br />
日記に心配事を書くと、気持ちを発散できるだけでなく、自分の思考パターンを確認することもできます。それから、ネガティブな思考を抜き出してポジティブな思考と入れ替えます。<br />
また、書くことで悩みを包括的にとらえ、次に何をすべきかについて、よりよい知見を得られます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>マインドフルネスを実践する</h2>

<p>マインドフルネスとは、意識的に今この瞬間に存在することです。赤い色（でも他の色でも）を見て、この部屋に赤いものはいくつあるか数えることです。何かを飲んだり食べたりしているなら、その何かの味、舌触り、におい、外見に完全に集中することです。</p>

<p>心配事が生まれても、それを細かく分析したり、判断したり、不安になったりしないでください。この心配事は思考にすぎず、それ以上でもそれ以下でもないのだと理解します。</p>

<p>この思考についてとるべき行動はなく、感じるべき感情はなく、すべきことはひとつもありません。ただ思考がそこにあることについて、マインドフルになりましょう。</p>

<p>これが難しいなら、専門家の助けを得るか、このプロセスについて詳しく説明している動画をインターネットで探してください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>エクササイズ</h2>

<p>あらゆる研究で、メンタルヘルスの病は胃腸に起因する可能性があると示されています。<br />
身体にいい健康的なものを食べると、より多くのエネルギーを得られます。より多くのエネルギーを得ると、ワークアウトやエクササイズなど、このエネルギーを発散するための生産的な方法を見つけられます。</p>

<p>マインドフルなジョギングをしたり、リラックスできるヨガのクラスに通ったり、自宅でエクササイズをしたりしましょう。ルームランナーなどでのランニング、スクワット、腕立て伏せを試してみましょう。ボクシングのクラスに申し込んだり、スポーツチームに参加したりするのも良策です。</p>

<p>また、血の巡りがよくなり心拍数が上がれば、心配事に割くことができる精神的エネルギーが減り、夜はよく眠れるようになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分がコントロールできないことを覚えておく</h2>

<p>この手法がもっともうまくいくのは、セラピストやガイダンスカウンセラーの助けを得たときです。<br />
何らかの理由があって自分だけで試してみたいときは、何をコントロールできるかを確認し、コントロールできないことを手放してください。</p>

<p>たとえば、誰かの行動はコントロールできませんが、誰かの言動に対する自分の反応やそれについてどう考えるかはコントロールできます。</p>

<p>誰かと向き合うときは、これがほとんどの状況に当てはまるのだということを理解しましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>恐れを評価する</h2>

<p>心配があまりに大きくなったら、一旦立ち止まって根本原因を見つけましょう。ほとんどの場合、心配は何かが起きるに違いないという恐怖から生まれます。恐れは、まだ認識していない心配から芽生えるものです。</p>

<p>「私は未来を予測しているのだろうか？　次に起こることを自分が処理できないかもしれないと考えているのだろうか？」と自分に問いかけてみます。</p>

<p>往々にして、私たちはコントロールを握って状況に対処するという自分自身の能力を過小評価しています。</p>

<p>ときには恐怖に直面し、自分の考えに疑念を抱き、起こることをそのまま受け入れなければなりません。とはいえ、状況は予想していたほどひどくない場合が多いのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>瞑想を練習する</h2>

<p>瞑想は、とても効果的なリラックス法のひとつです。リラックスしているとき、脳はたやすく緊張をほぐし、シャットダウンできるようになります。</p>

<p>多くの瞑想は呼吸に焦点を当てています。瞑想を通じて、どうやって効果的に呼吸するか、どこから息を吸って吐くかを学ぶと、外出時にどのように呼吸しているかをしっかり認識できるようになります。<br />
瞑想はただちに悩みを和らげてくれるわけではありませんが、徐々に心の安らぎを感じられるようになります。</p>

<p>気持ちを落ち着けるための応急処置にはならないものの、長期的には脳をトレーニングしてストレスの多い状況にうまく対処できるようになる、効果的な解決策です。</p>

<p>脳がおだやかだと、心は幸せで落ち着きます。心がおだやかだと、生活もおだやかになるものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ポジティブなひとりごとを心がける</h2>

<p>脳がしつこく心配事をうったえるのは、これまでストレスの多い物事を乗り越えてきたにもかかわらず、あなたが自分自身を信頼していないことを意味します。</p>

<p>パニックになったらこのように考えましょう。</p>

<p>「私はこれよりずっと厳しくひどい状況を乗り越えてきた。だから、今直面していることにしっかり対処できる」</p>

<p>疑念に満ちた思考を、健全な言葉に置き換えてみて、すばやく「今、ここ」での安心を得ましょう。<br />
もしも「できるかどうかわからない」と考えているなら、「必ずできるとわかっている」という考えに置き換えましょう。</p>

<p>「相手に偏見を持たれなければいいけれど」と考えているなら、「私には自信がある」や「私は柔軟だ」に置き換えましょう。</p>

<p>自分自身に言い聞かせるポジティブな言葉は、たとえ心から信じていなかったとしても、より頻繁にそう考えるようにすれば、脳はそれを信じるようになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心配を事実と置き換える</h2>

<p>過去や未来について悩んでいるなら、自分にあるのは今この瞬間だけなのだということを思い出してください。昨日はコントロールできないし、明日を予測することもできません。心配や恐れを事実と置き換えると、落ち着いて今この瞬間に存在できます。</p>

<p>多くの場合、私たちはコントロールできないことがらについて心配したり、未来を予測しようとしたり、今起きていることについてあまりに多くのストレスを感じたりしています。</p>

<p>会議に出席していて、自分は成功できないだろうと考え始めたら、自分にこう言い聞かせます。</p>

<p>「私を見て。今のところうまくやっている。もし失敗したらやり直せるし、必ずやり直す」</p>

<p>ポジティブ思考を徹底し、心配を事実に置き換えると悩みは減り、いずれ意識しなくてもポジティブに考えられるようになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「もし」に意味はないが、「どうすれば」には意味がある</h2>

<p>「もし家が燃えてしまったらどうしよう？」「もし何か忘れていたらどうしよう？」と考えることがあります。</p>

<p>その代わりに、「家が燃えてしまったらどうすればいいだろう？」「何か忘れていたらどうすればいいだろう？」と考えましょう。</p>

<p>「もし」を「どうすれば」に置き換えると、どのような変化が生まれるかわかりますか？「もし」の心配事は大袈裟で、不合理で、非論理的なことがほとんどです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>未知を受け入れる</h2>

<p>私たちは誰でも未知に直面します。そのせいで、コントロールできない物事にストレスを感じることがあります。なぜなら、何が起きるかわからないからです。あまりに多くの人が「ありとあらゆることを知って、ありとあらゆる計画を立てなければならない」と考えています。</p>

<p>ただその場に存在するという作戦を立ててみましょう。予想外の出来事はつきものなのだから、最善を祈り、それ以上は期待しないようにしましょう。</p>

<p>このSTEPの内容をまとめると、心配は恐怖につながり、恐怖は不安につながります。不安になると論理的に考えられなくなり、頭が心配事でいっぱいになって、コントロール不可能な思考のスパイラルへと追いやられます。</p>

<p>心配しすぎる脳を乗り越えるために紹介した効果的な手法を使えば、不安が減ったことに気づくはずです。</p>

<p>悩みに対処し、心配を完全にやめるには、やる気、時間、忍耐、そしてたくさんの練習が必要です。一晩でできるようになるわけではありませんが、脳のトレーニングに専念し続ければ、この悪夢のトンネルの反対側から光が差し込みます。</p>

<p>脳で何が起きているのかを説明する科学的研究や調査にかかわらず、健康的な習慣を身につけてネガティブなパターンと距離を置くと、脳は成長します。やがて、脳内に新しい神経のつながりが生まれて、心配を引き起こす状況を直感的かつ建設的に処理できるようになるのです。</p>
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						<pubDate>Fri, 15 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[チェイス・ヒル]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>その「わあ、楽しい！」は本当ですか?　“人を喜ばす症候群”を抱えた人の特徴  加藤諦三（早稲田大学名誉教授、ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12263</link>
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			<description><![CDATA[病気やケガ、自然災害、介護や人間関係、お金のこと、常に私たちの中にある不安や悩み。早稲田大学名誉教授の加藤諦三氏は、それらが私たちの本当の感情を無効にしてしまうことがあるという。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman_2.jpg" width="1200" /></p>

<p>病気やケガ、自然災害、介護や人間関係、お金のこと、常に私たちの中にある不安や悩み。早稲田大学名誉教授の加藤諦三氏は、それらが私たちの本当の感情を無効にしてしまうことがあるという。</p>

<p>※本稿は、加藤諦三著『不安をしずめる心理学』(PHP文庫)を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>本当の感情を無効化する</h2>

<p>無意識にこそ、自分の本当の感情があります。</p>

<p>本当の感情とは自発的な感情です。「寂しいから、あの人を好きになる」というような感情ではありません。</p>

<p>人を好きになるのは寂しいからではなくて、自発的に人を好きになり、また自発的に人を嫌いになるのです。</p>

<p>本来、人にはこの自発的な感情があります。ところが、この本当の感情に気がついていない場合があります。</p>

<p>本当の感情とは、自身が意識している自分の感情とは違います。我々は、「自分が意識している自分＝本当の自分」と思っていますが、そんなことはありません。</p>

<p>「自分が意識している自分」というのは、実は本当の感情を偽っている自分であるという場合が多いのです。</p>

<p>では、何が自分自身の本当の感情を無効にしているかというと、それはやはり不安なのです。</p>

<p>不安の範囲は深く広いので、我々の本当の感情はどんどん無効化されてしまいます。そうやって我々は本当の感情ではない、偽りの感情で生き始めるのです。</p>

<p>さらに不安によって、自分自身の本当の感情、願望、考えが打ち消されていくと、思いやりや親しさといった類の感情が失われていきます。</p>

<p>そうして自分を失って生きることの問題は、「人は自分をどう思っているか？」を絶えず気にするようになることです。また、それによって人との関係が断たれます。誰ともつながっていないという感情は、人間にとって耐え難い恐怖です。</p>

<p>本当ではない感情で生き始めると、「人が自分をどう思っているか？」を気にするようになる点について、もっと考えていきましょう。</p>

<p>例えば、いい人を演じすぎて疲れる場合があります。「こんなことをやったら悪く思われないか」、あるいは「こんなことを主張したら『あいつは、出しゃばり』と思われるのではないか」ということが気になるのです。</p>

<p>これは日常的な不安です。相手に悪い印象を持たれることが怖いのです。</p>

<p>このように「こんなことをやったら、出しゃばりと思われないか」という場合もあれば、本当はやってみたいことがあるにもかかわらず、「失敗して笑われるのではないか」と思ってできないという不安もあります。</p>

<p>失敗という体験そのものを恐れている人はほとんどいません。失敗した自分が、人からどう見られるかを考えた時に、人は失敗することに不安を抱くのです。</p>

<p>失敗するという体験自体ではなく、失敗した自分を人がどう思うかが、不安の原点といってもいいでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「人を喜ばす症候群」は、深刻な劣等感から</h2>

<p>会社では、こんなことをしたら上司に嫌われるのではないか、と思って無理をする場合があります。</p>

<p>過労死というのは、昔は世界で日本にしかありませんでした。ですから、欧米では過労死という言葉は「karoshi」という表記で使われているようです。</p>

<p>先日、フィリピンのメディアから、「どうしても過労死が理解できない」という趣旨で取材を受けました。彼らの質問の中に「死ぬまで働くくらいなら、辞めればいいではないか」というものがありました。</p>

<p>これも結局は、上司や同僚に嫌われるのではないかという不安が背景にあります。</p>

<p>周囲の人からダメな人間と思われる、自分の価値を否定されるということは、人間にとってものすごく怖いことです。</p>

<p>不安な人は自我が確立されていません。「他者への逃避」といいますが、自我価値の獲得を他者に逃げてしまうのです。</p>

<p>自分で自分の自我が確認できるか、できないかという点は重要です。「他者への逃避」というのは、心に砦がないことなので、自身のアイデンティティーを他者の承認に求めます。</p>

<p>ですから、人から感謝されたり受け入れてもらったりすると安心したり、喜んだり、満足したりするのです。</p>

<p>深刻な劣等感を抱えているのが、「人を喜ばす症候群」の大きな心理的特徴です。</p>

<p>不安な人は、誰とも心がつながっていません。自己疎外されて、他者へと逃避します。</p>

<p>「自分でない自分になる」「自発的感情の喪失」ということの結果として、「他人に嫌われたくない」「人に好印象を与えたい」という思いが、いわば現代のペストとしてはびこるようになるのです。</p>

<p>自分で自我を確立できない人は、自我の確認のために他人を喜ばすしか方法がありません。</p>

<p>だから本当に思っていることを言わずに、相手に好かれようとして、楽しくもないのに「わあ、楽しい！」などと言うのです。</p>

<p>その一方で、心の中では「こんなことをしたら」、あるいは「こんなことを言ったら相手との関係は終わりになるのではないか」といつもびくびくと怯えています。たとえ相手が見捨てなくても、その人は見捨てられるという不安に怯えている。</p>

<p>その結果、こうした不安から自分を守るために必死になります。いい人と思われたいから謝るのですが、自分の感情を偽って謝るたびに憎しみが湧いてきてしまう。</p>

<p>自分の心が萎えている時に、相づちを打ってしまう人がいるでしょう。つい「そうよねー」などと言ってしまいます。そうしているうちに相手に対して憎しみを持つようになってしまうのです。</p>

<p>生きるエネルギーがないと、こうなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>空気を読みすぎる人</h2>

<p>「自分の価値が他人に頼れば頼るほど、自分を卑しめる機会が増える。」（Nathan Leites, Depression and Masochism, W.W.Norton &amp; Company, Inc. 1979,p.95）</p>

<p>アイデンティティーが未確立であり、劣等感が深刻であるのが、「人を喜ばす症候群」の心理的特徴です。</p>

<p>不安を感じている人は、「自分の生き方は、いまどこかおかしい」というメッセージを受け取っています。ところが、送られてきたメッセージに気づこうとしない人が多いのです。</p>

<p>リンカーンは「万人に気に入られようとすれば自分の力が弱まることを知っていた。」と言います（『ベストを引き出す││人を育てる12のポイント』アラン・Ｌ・マクギニス〈著〉、加藤諦三〈訳〉、日本実業出版社、220頁）。</p>

<p>そして、慢性的なうつ病に苦しんだアメリカ大統領リンカーンはこうも言いました。</p>

<p>「ほとんどの人は自分が幸せになろうと決心するだけ幸せになれる。」（AlanLoy McGinnis, The Power of Optimism, Harper &amp; Row Publishers, 1990, p.57）。</p>

<p>自分の価値を信じられれば、別に人に気に入られなくたって構いません。</p>

<p>不安な人は、相手に気に入られようと自己主張を避けます。自己主張がないわけではありません。自分の欲求を犠牲にしているのです。</p>

<p>「古くから、奴隷、罪人、社会的追放者は、受動的な黙従にみせかけて、背後に自分の本当の感情をかくして彼らは自分の恨みを非常にうまくかくしてきたので、表面的には、自分たちの運命にまったく満足しているように見える。満足の仮面は彼らの生きていく手段なのである。」</p>

<p>（『偏見の心理　上巻』Ｇ・Ｗ・オルポート〈著〉、原谷達夫・野村昭〈共訳〉、培風館、127頁）</p>

<p>自己主張を避ける人は、生き延びるためにひたすら相手に迎合して、相手の言いなりになります。日本には社会的奴隷はいませんが、いまなお心理的奴隷はたくさんいます。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman_2.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 15 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[加藤諦三（早稲田大学名誉教授、ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「有季定型」をどう生かすか? 夏井いつきさんが唸った、千原ジュニアさんの句集に収めた17音  千原ジュニア(芸人),夏井いつき(俳人)</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14096</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014096</guid>
			<description><![CDATA[千原ジュニアさんの句集『啓戴』完成を記念した会見の内容をレポート。師・夏井いつきさんが絶賛する季語の扱い方や、俳句がジュニアさんの日常にもたらした変化に迫る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="清水麻椰,千原ジュニア,夏井いつき" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260409chiharajunior01.jpg" width="1200" /></p>

<p>人気番組『プレバト！！』の俳句査定初登場から12年。永世名人・千原ジュニアさんの『句集手花火』がついに完成しました。2023年2月の放送で句集発売を目指す企画がスタートして3年。ついに掲載される50句の査定が完了したことを記念し、千原ジュニアさん、夏井いつきさん、アナウンサーの清水麻椰さんが記者からのインタビューに答えてくれました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「大喜利」から「真剣勝負」へ</h2>

<p><img alt="清水麻椰,千原ジュニア,夏井いつき" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260409chiharajunior03.jpg" width="1200" /></p>

<p>芸人として第一線を走り続けるジュニアさんですが、自身の句集出版や、故郷・京都府福知山市に句碑が建てられた現状に「我ながらどこに向かってるんだ」と驚いているご様子。12年前に始まった俳句との歩みを、こう振り返ります。</p>

<p>「最初はバラエティのオファーとして、大喜利のお題を解く感覚でした。でも、途中で『これは違うぞ、真剣に向き合わないととんでもないことになる』と気づいたんです。</p>

<p>僕は普通の人が大学を出るまでに学ぶ時間をほとんど通ってこなかったので、その余っていたホワイトボードが少しずつ埋まっていく感覚がありました」（ジュニアさん）</p>

<p>俳句を始めて日常に変化はあったか問われると「まさか52歳になって、自分がお花を愛でるようになるとは思わなかった」と話し、場を和ませました。</p>

<p>かつては「プレッシャーバトル（プレバト）」の重圧につまずき、楽しかった俳句が苦痛に感じた時期もあったと言います。しかし、50句を詠み終えた今は「のびのびと楽しく詠めていた、あの頃の自分に戻れた」と、晴れやかな表情を見せました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「最初はひどいもんだった」夏井いつき先生が感じた成長ぶり</h2>

<p><img alt="夏井いつき" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260409chiharajunior02.jpg" width="1200" /></p>

<p>師である夏井いつき先生は、ジュニアさんの成長を「一番切り替えが早かった」と評します。</p>

<p>「最初の一句目は大層ひどいもんでした。滝の写真に対するお題で『蛇口を閉めたか考える』という、ただのネタにしか過ぎないようなものでしたから。</p>

<p>そこから、俳句に何を求められているのかを理解するスピードが一番早かったんじゃないかと思います。</p>

<p>一時期は言いたいことを17音に詰め込みすぎる時期もありましたが、言葉の質量を理解してからは一気に伸びました。最終的に、季語を大切にする『有季定型』の王道を選び取ってくれたことは、私にとってささやかな驚きであり、喜びでもありました」（夏井さん）</p>

<p>夏井先生は「真面目に勉強する人が大好き」と語り、ジュニアさんを「大好きな教え子の一人」として、梅沢富美男さんに続く二人目の句集完成を心から祝福しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>俳句をはじめてライフスタイルにも変化が...</h2>

<p>自身の芸風を「リズムや動きではなく、どちらかと言えば『言葉の芸人』」と語るジュニアさん。「知らない言葉を知っていく楽しみ、喜びがある」と明かしてくれ、俳句を続けてこられた必然性も感じさせます。</p>

<p>また、12年前に俳句を始めて、ライフスタイルも変わったと話します。</p>

<p>「長い芸能生活、手ぶらでやってきたんです。それが、歳時記を持ち歩くためにカバンを購入したんです。さすがに歳時記を素手で持っているのはどうかと思いますから（笑）。</p>

<p>自分の芸にどう影響しているかは分かりませんが、ポロッと出るワードに、今まで使っていなかった言葉が混ざるようにはなりましたね」（ジュニアさん）</p>

<p>共演者の中で一目置いている存在について問われると、FUJIWARA・藤本敏史さんをあげました。</p>

<p>「フジモンはリズムの芸人なのに言葉を操れるようになり、お笑いの欲が広がっている。ただ、人間としては非常に間違っている」とジュニアさんらしい毒舌で笑いを誘う場面もありました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>句集タイトル「手花火」に込めた想い</h2>

<p><img alt="千原ジュニア" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260409chiharajunior04.jpg" width="1200" /></p>

<p>句集のタイトルにもなった「手花火」という句には、ジュニアさんの特別な思いが込められています。</p>

<p>「自分の中で冒険した句で、許されるのかなと思っていたら、そこを評価していただけた。皆さんからも一番感想をいただいた思い出深い句なので、（句集のタイトルは）これに決めました」（ジュニアさん）</p>

<p>また、数ある査定の中でも俳句にのめり込んだ理由を問われると、夏井先生への絶対的な信頼を口にしました。</p>

<p>「正直、他ジャンルでは『俺の方がええやん』と思って辞めたこともあったんです（笑） 先生の添削に関してはそれがない。絶対に先生の言う通り。ぐうの音も出ないほど、添削していただいたやつがめちゃくちゃ良いんです」（ジュニアさん）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>17音の中で季語が発揮する力を理解している</h2>

<p>50句という大きな区切りを迎えましたが、今後の展望について問われると、夏井先生は「ここから先が長く続いていく」と期待を寄せました。</p>

<p>「お二人（ジュニアさんと梅沢さん）には、もっと多くの句をまとめて、ぜひ俳人として俳句界にデビューしていただきたい。その時は、私が前書きを書かせていただきます」（夏井さん）</p>

<p>ジュニアさんも「またゼロから50句と言われれば、非常にやりがいがあります」と、さらなる挑戦に意欲を見せました。</p>

<p>また、「ジュニアさんの句の素晴らしさや感性の良さはどこにあるのか」と問われた際、夏井先生はジュニアさんが永世名人の座を掴み取った核心について、「骨法（こっぽう）」という言葉を用いてこう分析しました。</p>

<p>「ジュニアさんは、俳句の基本的な骨法、つまり何が一番大事かというのを本当に押さえてくださっています。季語を大切にする立ち位置から、自由律や無季の俳句まで幅は広いですが、ジュニアさん自身は、季語というものが17音の中でいかに大きな力を持っているかを理解されています。それをうまく使いこなした時に、10倍、20倍の効果が発揮できるということを分かっているのが、一番の大きな特徴かと思います」（夏井さん）</p>

<p>さらに、先に句集を完成させた梅沢富美男さんについても触れ、「期せずしてですが、梅沢のおっちゃんも同じ方向なんですね。この同じ方向の2人が1人目、2人目になったのは、やはり俳句というものを一番理解してくださった結果ではないかなと思っています」と、本質を突いた二人の歩みを称えました。</p>

<p>（取材・執筆・撮影：PHPオンライン編集部 片平奈々子）</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260409chiharajunior01.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 15 May 2026 05:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[千原ジュニア(芸人),夏井いつき(俳人)]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ「本音」を飲み込んでしまうのか　同調とタイパを手放して自分の言葉を取り戻すコツ  黒田悠介（コミュニティ研究家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14249</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014249</guid>
			<description><![CDATA[なぜ「本音」を言えずに飲み込んでしまうのか。そこには現代社会特有の「効率化」「最適化」「同調化」という3つのフィルターがありました。心理学の知見を交えつつ、自分自身の感性を取り戻すヒントを提示します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="つい「本音」を飲み込んでしまう３つのフィルターとは？" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting04LIG.jpg" width="1200" /></p>

<p>会議の席で意見がまとまりかけると、違和感があっても「いいと思います」と答えてしまう――そんな経験はありませんか。なぜ我々は言葉を「飲み込んで」しまうのでしょうか。ディスカッションパートナーとして3000人以上のビジネスパーソンと向き合い、クライアントの「本音」を引き出してきた黒田悠介氏によると、気づかぬうちに本音が「ろ過」されてしまっているのでは......？とのこと。<br />
本記事では、自分でも気づかないうちに本音を取り除いてしまう「3つのフィルター」の正体をひも解き、自分なりの視点を取り戻す方法を探ります。</p>

<p>※本稿は、黒田悠介著『自分の本音を言葉にできる。モヤモヤを「伝わる」に整える、言葉のレッスン』（インプレス）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>本音を濾過する３つのフィルター</h2>

<p>朝のコーヒーを淹れる時、私は豆を挽き、お湯を注ぎ、フィルターを通して一杯のコーヒーを抽出します。コーヒーのフィルターには、すっきりとした味わいになるペーパー、豆の油分まで楽しめるステンレス、まろやかな口当たりになるネルなど、様々な種類があります。どのフィルターを選ぶかで、同じ豆でも驚くほど風味が変わる。素晴らしい道具です。</p>

<p>しかし、もし私たちの心から湧き出る「本音」も、知らないうちに強力なフィルターで濾過されているとしたら、どうでしょうか。そのフィルターがあまりに強力なものだったら、本音の持つ豊かな風味が取り除かれてしまいます。</p>

<p>私がこれまでたくさんの方々と対話を重ねる中で見えてきたのは、現代社会には私たちの本音を濾過する「3つのフィルター」が存在するということです。それは「効率化」「最適化」「同調化」という、一見すると現代を生き抜くために必要不可欠に思える価値観から生まれたフィルターなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【１】効率化フィルター：タイパ至上主義が奪う言葉の熟成</h2>

<p>「結論から言うと」「要点は3つです」「1分でわかる」。現代のコミュニケーションは、こうした効率性を求める言葉で溢れています。タイムパフォーマンス、略して「タイパ」という言葉が日常的に使われるようになり、動画は倍速で視聴され、効率よく知識の断片だけを手にいれようとする「ファスト教養」への関心も高まっています。私たちは時間あたりの情報摂取量を最大化することに躍起になっているようです。</p>

<p>確かに、限られた時間の中で多くのことを成し遂げなければならない現代において、効率化は生存戦略として理にかなっています。しかし、この効率化がフィルターとなってはいないでしょうか。</p>

<p>先日、ある方とのディスカッションでこんな話を聞きました。「会議で何か違和感があるんですけど、その違和感をうまく言葉にできないんです。だから結局、黙ってしまった」。</p>

<p>彼の中には確かに何かが芽生えていた。しかし、それはまだ「モヤモヤ」とした感覚の塊で、「結論」や「三つの要点」にまとめられるようなものではありませんでした。短時間の会議でタイパが重視されれば、このようにして本音は押さえ込まれてしまうのです。</p>

<p>本音はワインに似ています。ワインが熟成に時間を必要とするように、本音もまた、じっくりと醸成される時間を必要とするからです。「なんとなく違和感がある」という小さな種が、時間をかけて「ああ、私が本当に言いたかったのはこういうことだったんだ」という明確な形になるまでには、効率を度外視した一見無駄な時間が必要なのです。</p>

<p>しかし、現代社会はこの熟成期間を「非効率」として切り捨ててしまいます。チャットツールではメッセージへの即レスが期待され、会議では発言の順番が回ってきたらすぐに意見を述べなければならない。この圧力の中で、私たちの本音は、まだ形になっていないうちにフィルタリングされ、抽出後のコーヒーかすのように廃棄されてしまうのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【２】最適化フィルター：常に最高の自分を演じてしまう疲労</h2>

<p>日頃、SNSのプロフィール欄を見ていると、「有名企業でマーケティング」「自由な働き方を実践中」「ポジティブ思考」といった、キラキラした自己紹介が並んでいることに気づきます。リンクトインを開けば、誰もが「情熱的で結果を出すプロフェッショナル」として自己をブランディングしている。私も人のことは言えませんが......。</p>

<p>これが「最適化フィルター」です。私たちは、SNS のアルゴリズムや社会からの期待といった「他者の目」を常に意識し、そこから評価されるであろう姿に自分を合わせようとします。そして、現代社会で評価される「最適」な姿とは、多くの場合「常にポジティブで成功している、最高の自分」なのです。私たちは、その理想像を演じることを求められ、またそれに慣れてしまいました。</p>

<p>ある起業家の女性は、こう打ち明けてくれました。「インスタグラムでは成功している人間として振る舞っているけど、実際は不安でいっぱい。でも、その不安を表に出したら、クライアントからの信頼を失うかもしれない」。不安、迷い、時には後悔といった彼女の本音は、「最適化された自分」というパッケージには収まらないノイズとして、フィルターで除去されてしまうのです。</p>

<p>社会学者のアーヴィング・ゴフマンは、人間の社会的行動を「演技」として捉える「ドラマツルギー」という概念を提唱しました。私たちは皆、社会という舞台で何らかの役を演じている。しかし現代は、その演技があまりにも高度化し、24時間365日続くようになってしまいました。</p>

<p>最適化フィルターは、私たちから「失敗する権利」「弱さを見せる自由」「未完成である勇気」を奪います。常に最高のパフォーマンスを要求されることで、私たちは自分の不完全な部分、つまり最も人間らしい部分を隠すことに慣れてしまうのです。</p>

<p>こうした最適化フィルターは現代社会で戦うための鎧でもあります。それは確かに周囲からの高い評価や承認をもたらすかもしれません。しかし同時に、本当の自分との間に深い断絶を生み出します。鎧が重くなればなるほど、その中にいる生身の自分の声は、外に届きにくくなっていくのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【３】同調化フィルター：炎上を恐れて選ぶ事前降伏</h2>

<p>「炎上しそう」「空気を読まなきゃ」。私たちの発言を制限する、もう一つの強力なフィルターが「同調化」です。<br />
インターネットの登場により、私たちの発言は瞬時に拡散され、時には予期せぬ批判の嵐に晒される可能性を持つようになりました。いわゆる「炎上」への恐怖は、私たちを過度に慎重にさせ、結果として「最も安全な意見」「誰も傷つけない発言」だけを選ぶようになってしまいました。</p>

<p>これは、意見を持つことを放棄して降伏しているようなものです。自分の意見を表明して議論する前に、すでに白旗を揚げてしまう。ある会社員の方は「会議で本当は違う提案をしたいけど、反対されるのが怖くて、結局みんなに合わせてしまう」と話してくれたことがあります。</p>

<p>社会心理学者のソロモン・アッシュが1950年代に行った有名な実験があります。実験室に集められた8人のグループに、2枚のカードを見せるのです。1枚目には1本の線、2枚目には長さの異なる3本の線が描かれている。課題は簡単で、「1枚目の線と同じ長さの線はどれか」を答えるだけ。答えは誰が見ても明らかであるように設計されています。</p>

<p>ところが、この実験には仕掛けがありました。8人のうち7人は「サクラ」で、わざと間違った答えを言うよう指示されていたのです。本当の被験者はたった1人。その1人が、7人全員が明らかに間違った答えを自信満々に言うのを聞いた後で、自分の答えを言わなければならない。</p>

<p>驚くべきことに、被験者の約3分の1が、自分の目で見た明白な事実を否定し、集団の誤った答えに同調してしまったのです。実験後のインタビューで、彼らの多くは「自分の目がおかしいのかと思った」「みんなと違うことを言うのが怖かった」と語りました。<br />
この70年前の実験室で起きたことが、今、SNS 時代の私たちの日常で、より巧妙な形で再現されているのではないでしょうか。</p>

<p>違いは、現代の「サクラ」が特定の誰かではなく、アルゴリズムによって増幅された「多数派の声」だということです。</p>

<p>X（旧ツイッター）のタイムラインを見れば「正しい意見」が何かがわかり、それに合わせることで炎上リスクを回避できるわけです。しかし、その過程で私たちは「自分は本当はどう思うのか？」という最も基本的な問いを、すっかり忘れてしまう。</p>

<p>同調化フィルターが特に問題なのは、それが創造性やイノベーションの芽も摘んでしまうことです。新しいアイデアは、しばしば「常識外れ」「前例がない」ものから生まれます。しかし、同調化の圧力が強い環境では、そうした異質な意見は最初から口に出されることすらありません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>３つのフィルターを外していく</h2>

<p>これら3つのフィルター（効率化、最適化、同調化）は、それぞれ独立して機能しているわけではありません。むしろ、互いに強化し合いながら、私たちの本音を幾重にも濾過していきます。</p>

<p>効率を求められるからじっくり考える時間がなく、最適化された型通りの答えを用意したり、同調したりしてやり過ごしたりしてしまう。このプロセスを経て出てくる言葉は、もはや本音とは呼べません。強力な濾過装置を通したコーヒーのように、豊かな風味の消えた無味無臭で無個性な水のようなものです。</p>

<p>しかし、希望もあります。フィルターの存在を認識すれば、それを意識的に外すこともできるはずです。効率化のフィルターを外して「熟成期間」を取り戻し、最適化のフィルターを外して「不完全な自分」を受け入れ、同調化のフィルターを外して「自分だけの視点」を大切にすることが大事なのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting04LIG.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 14 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[黒田悠介（コミュニティ研究家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>メモを取るならスマホより「手書き」　作業療法士が教える、記憶に残りやすい4つのノート術  菅原洋平（作業療法士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14172</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014172</guid>
			<description><![CDATA[なぜパソコンでメモを取るより、手書きした方が記憶に残りやすいのか――作業療法士の菅原洋平さんがその理由とノート術を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="菅原洋平著『仕事が速い人があたりまえにやっていること』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_memo.jpg" width="1200" /></p>

<p>パソコンで仕事をすることが多い人は、メモを取るときもパソコンに入力している人が多いでしょう。でも実は、デジタルよりも「紙に手書き」の方が記憶に残りやすく、書いた内容を忘れにくくなると、作業療法士の菅原洋平さんはいいます。</p>

<p>なぜ手書きの方が記憶に残りやすくなるのか――本稿では、その理由と記憶に残りやすくなるノート・メモ術を紹介します。</p>

<p>※本稿は、菅原洋平著『仕事が速い人があたりまえにやっていること』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ノートやメモは「紙」がいいこれだけの理由</h2>

<p>『仕事が速い人があたりまえにやっていること』の制作にあたり、事前に100名からとった「要領のよさ」アンケートで、予想外に多かったのが「ノート・メモに関する失敗談」。たとえば、次のような例です。</p>

<p>・ノートをきれいに書くことが目的になってしまい、ほとんど見返すことなく、結局、教科書を丸暗記していた</p>

<p>・打ち合わせ中にとにかくメモしていたら文字だらけになり、「なにが重要なのか」がわからないノートになってしまった</p>

<p>・そもそもノートに書いたことを忘れていた。後から「なんだ、こんなとこに書いてあったじゃん......」</p>

<p>要領のよさを左右し、仕事が速い人になるノート・メモ術。ここでぜひ、今日から使えるノウハウを身につけておきましょう！</p>

<p>...と、その前に改めてお伝えしたいことがあります。それは「紙に書くことの重要性」です。紙に文字を書くことで、そのときの出来事を「物語」として記憶しやすくなります（これを「エピソード記憶」といいます）。</p>

<p>たとえば、「2月のスケジュール」という文字を紙に書いて読むと、節分や雪、寒さ、年度予算の消化方法、本年度の締めくくりなど2月と関連するものが過去に体験した記憶とともに連想されやすくなります。</p>

<p>一方で、デジタルに入力した「2月のスケジュール」という文字を読むと、それはただのアイコンのようなもので、紙ほど記憶の関連づけは行われません。「この後、実際にスケジュールが書いてあるんだろうな」と感じる程度です。</p>

<p>これは「旅行の記録」をイメージしてもらうと、よりわかりやすいと思います。旅日記をつけたことがある人は、日記を読み返したときに「あのとき、面白い人に会ったな」「あのラーメン、おいしかったな」といった感じで、そのときの情景を鮮明に思い出せた経験が多いのではないでしょうか。「エピソード記憶」として覚えることで、丸暗記の「単純記憶」よりも忘れにくくなります。</p>

<p>たとえば、人と会話をしたエピソード記憶では、そのときの相手の笑顔を見てうれしい感情を体験したり、その人の行動を観察したり性格を推察したり......実にさまざまな感覚、感情、思考がほかの記憶と結びついて記憶されます。こうした結びつきが多彩であるほど、思い出すときの手掛かりも豊富になり、忘れにくくなるのです。</p>

<p>最近は、スマートフォンやタブレットなどをノート代わりに使っている人も多いですが、紙は思考を整理したいとき、判断が求められるときはもちろん、特に「忘れっぽい」人にはおすすめです！</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>忘れにくくなる「自分の言葉」変換術</h2>

<p>先ほど、紙に書くことで記憶に定着しやすくなることをお話ししましたが、さらに忘れにくくする方法を4つ紹介しましょう！</p>

<p>＜①「自分の言葉」に直して書く＞</p>

<p>講師の発言に対して「手書きでメモ」と「パソコンでメモ」した場合の比較実験では、明らかな違いが確認されています。手書きの場合は、講師の発言とは異なる「自分の言葉」でメモされました。一方でパソコンの場合は、セリフどおりにメモされました。</p>

<p>これは、タイピング作業による脳への負担が大きく、言葉を変換している余裕がないからだと考えられています。一見、パソコンでタイピングするほうが脳への負担が少なそうに感じるかもしれません。</p>

<p>しかし実験をしてみると、手書きでメモをしながらの雑談はできますが、タイピングをしながらの雑談はかなり難しく、しゃべろうとするとタイピングの手が止まってしまいます。タイピング作業は、実は紙に書くよりも脳への負担が大きいのです。</p>

<p>そして、「自分の言葉」に変換するほうが記憶に残りやすく、その後のテストの成績がよくなる、という実験結果もあります。この実験では、教科書を熟読しただけのグループよりも、その内容について自由作文を書いたグループのほうがテストの結果が高得点になっています。「インプットよりアウトプットのほうが記憶に残りやすい」という点と、「自分の言葉に変換したことで、エピソード記憶化された」という点が要因だと考えられています。</p>

<p>「自分の言葉に変換する」と聞いて、難しく感じた人もいるかもしれませんが、とても簡単です。例を1つ紹介しましょう。</p>

<p>健康経営のセミナーを聴いているなかで、講師が「日本では1980年代から高齢化が始まり、2000年から働く人口が減っています。2020年には65歳以上は全体の30％になりました。これからの企業は従業員の健康寿命を延ばし、長く働ける環境をつくることが必要です」と話していたとします。</p>

<p>このとき、「高齢化は80年代から。働く人口が減っているので個々の働き手としての寿命を延ばす秘策を考える」というように、話した内容をそのまま書くのではなく、要約してメモをする。これを意識するだけで、自然と「自分の言葉」で表現でき、記憶に残りやすくなります。</p>

<p>＜②「頭の中のつぶやきごと」を書く＞</p>

<p>「自分の言葉」でメモするときは、「独り言(モノローグ)」もメモしておきましょう。「やっぱりここ重要」「これも忘れそう！」と感じたことを書き込んでおくのです。すると、そう感じたときの心理状態も記憶に付与されるため、エピソード記憶化させ、その情報をより忘れにくくなります。</p>

<p>＜③「記憶に残るタイトル」を付ける＞</p>

<p>ノートやメモを書くとき、後から見たときになんの情報なのかを瞬時にわかるようにするため、ページの最初にタイトルを入れている人は多いと思います。このタイトルも、「自分の言葉」にするのがおすすめ。</p>

<p>たとえば、「データサイエンスの基礎」について勉強するときは、そのままのタイトルより、自分でつけたタイトルのほうがエピソード記憶化されやすくなります。「データオタク入門」「もう、その根拠は？と言わせない！」というイメージです。会議のメモなら「みんなで新商品を届けるぞ！会議」のようにすると、書くのが楽しくなり、より強いエピソード記憶になりそうですね。</p>

<p>＜④ページの隅に「保留箱」欄をつくる＞</p>

<p>これは大きめのノートを使っている人に有効な方法です。すぐ必要でない情報やなんとなく書いておきたいことが頭に浮かんだら、ページの隅に「保留箱」のスペースを用意して書き入れましょう。これだけで、ノートに書く情報がスッキリと整理されます。</p>

<p>ノートという空間の中で、手を「保留箱」まで移動して書く動作は、「保留箱までテクテク歩いて情報を置いた」というエピソードになって脳に残ります。そのおかげで、その情報がふいに必要になったときも、脳が自動的に「あの情報は保留箱に入れたな！」と反応して探し出してくれます。</p>

<p>あれこれ書きすぎて、後から見返したら「なんじゃこりゃ......」。そんな経験がある人にもおすすめの方法です！</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_memo.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 14 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[菅原洋平（作業療法士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>医師が中高年に勧める「歩く」健康法　理想の歩行距離はどれぐらい？  長尾和宏（医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12241</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012241</guid>
			<description><![CDATA[健康に良い「歩行」。どれぐらいの距離を、どの程度のスピードで歩くのが効果的なのでしょうか? 医師の長尾和宏さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="歩く" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_WalkingShoes.jpg" width="1200" /></p>

<p>「健康のために歩くのは良いことだけど、大変そう...」そんな風に思っていませんか? 医師の長尾和宏さんは「たった1分、自分が気持ちいいペースで歩くだけでいい」と語ります。今日から、無理なく始められる歩行習慣について書籍『歩く人はボケない 町医者30年の結論』よりご紹介します。</p>

<p>※本稿は長尾和宏著『歩く人はボケない 町医者30年の結論』（PHP新書）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>歩行は、全身の筋肉トレーニングになる</h2>

<p>歩くことは足だけの運動のように思うかもしれませんが、ひねりが入った全身運動そのものです。全身の筋肉を使いながら体を左右にひねらないと前に進めません。無意識のうちに体を左右にひねり、それに伴って、左右の腕も交互に前後に動かしているはずです。</p>

<p>少し速く歩こうと思えば、左右の腕を勢いよく前後に動かし、体をしっかりひねらないと速く前に進めません。ロボットのように体を正対したまま、足だけ前に出してもうまく進めません。歩行には左右の腕の動きと骨盤のひねりを必ず伴います。足腰だけでなく、全身運動であることを意識してください。実は、頭を支えるために首の周囲の筋肉も使います。歩くことは、全身の筋肉のトレーニングになるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>歩行は、習慣化が大切</h2>

<p>歩くことが習慣化されていない人は、雨が降っただけで、「雨に濡れるのが嫌だから、外出はやめよう」と思い、歩かなくなります。</p>

<p>一方、歩くことが習慣化されている人は、「傘を差して出かけよう」「アーケードの中を歩こう」などと考えて、雨が降っても外出します。歩く習慣ができてしまえば、どんなときでも工夫して歩くようになります。歩く習慣がある人とない人では、結果的に歩く距離も、歩く時間も、そして人生もまったく違ってくるのです。</p>

<p>道はずっと平坦とは限らず、坂道や階段に行き当たることもあります。もしも階段に出合ったら、絶好の筋トレの機会と受け止めて、階段を上り下りするといいでしょう。</p>

<p>筋肉は鍛えなければ増えることはありません。ハードな筋トレをする必要はありませんが、特に中高年は筋肉を意図的に動かさないと衰えます。筋肉量が減ることが老化そのものであり、フレイルにもつながります。しかし筋肉を動かせば、筋肉量を維持できます。もしもそこに階段があれば、絶好の筋トレの機会だと思いましょう。</p>

<p>駅やビルでは、エスカレーターやエレベーターを使う人が多いですが、もし余裕があれば階段を使いましょう。外出するときは少し早めに出ると、余裕を持って駅で乗り換える際には階段を歩く時間ができます。</p>

<p>急いで上り下りする必要はなく、人のあまり通らないスペースを使って、自分のペースでゆっくり上り下りすればよいのです。適度な負荷は筋肉にプラスです。トレーニングジムのウォーキングマシンは平らなところでも充分効果がありますが、もしも余裕があれば少し傾斜をつけて歩くのもいいでしょう。</p>

<p>日常生活では階段を歩くだけでも立派な筋トレになります。街中でも、駅でも、会社でも、自宅でも、階段のある場所はたくさんあります。世の中、トレーニング場だらけです。東京の地下鉄のホームは「これでもか」というくらい深いところにありますから、階段をうまく利用しながら筋トレするのもいいでしょう。</p>

<p>ただし、雨で床が濡れていたら注意してください。バランスよく足を着かないと、転倒してしまいます。階段を降りるときにコケる人は少なくありません。膝の悪い人はみな「階段を降りるときがつらい」「降りるときが怖い」と言います。降りるときはゆっくりと降りてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>1日1万歩歩かなくてもいい</h2>

<p>「1日1万歩が目標」などとよく言われますが、1万歩歩くためには、1時間や2時間ほどもかかります。</p>

<p>「1時間も時間をとれません。そんな時間はありませんよ」と言う人はよくいます。</p>

<p>私がお勧めしているのは、1日20分です。20分というのは、「数字で目安を示してほしい」と言われるので、目安として示しているだけです。20分にこだわる必要はまったくなく、10分でも構いません。「スキマ時間があればこまめに歩く」という習慣があれば、何分でも大丈夫です。5分でも、3分でも、1分でもいいんです。</p>

<p>「1分でもいいですよ」と言うと、今度は「そんなに短い時間でいいんですか?」と必ず聞き返されます。1分という時間は、短いように思われていますが、けっこう長いです。</p>

<p>1分あればかなりのことができます。2024年のパリオリンピックの男子競泳自由形100メートル決勝で、金メダリストのタイムは、46秒40でした。</p>

<p>試しに1分間歩いてみるとわかります。1分間の歩行でも、かなりの距離を進めます。だいたい80メートルくらい歩けると言われています。ですから、1分は決して短い時間ではありません。それが積み重なれば、かなりの歩行距離になるはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分が気持ちいいと思うスピードで歩けばいい</h2>

<p>早歩きを勧められることがありますが、歩くスピードはあまり気にする必要はありません。自分が気持ちいいと思う速度で歩けばいいだけです。</p>

<p>気持ちいいと思うスピードで歩こうとすると、自然にある程度のスピードになっているはずです。なぜかと言うと、人間にとって遅く歩くことはけっこう難しいからです。</p>

<p>もしも「100メートルを20分かけて歩いてください」と言われたら、かなりつらいでしょう。1分半くらいで歩ける距離を20分もかけて歩くのはむしろ苦痛です。</p>

<p>歩くスピードは気にせず、心地よいスピードで、楽しく歩きましょう。</p>

<p>慢性心不全や狭心症など心臓に持病がある人は、早歩きで心拍数が上がると危険です。心拍数が140を超えると不整脈や狭心症の可能性が高まります。心拍数は110以下に保つくらいのつもりで歩いてください。</p>

<p>ただし、いちいち心拍数を測りながら歩く必要はありません。一つの目安として、鼻歌が歌える程度、あるいは、隣の人と会話ができる程度であれば、心拍数は110を超えていないはずです。</p>

<p>心地よいと思えるスピードで、無理のない程度に歩いてみてください。疲れてきたら、ペースを落とすか、休みを入れましょう。つらくなったら、やめてください。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_WalkingShoes.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 14 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[長尾和宏（医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「先延ばしする人」と「すぐやる人」の違いは目標の大きさにあった  名郷根修（株式会社ハイパフォーマンス代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14192</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014192</guid>
			<description><![CDATA[目標を設定しても先延ばししてしまうのはなぜか。株式会社ハイパフォーマンス代表取締役の名郷根修さんが、目標を細分化する効果を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="名郷根修著『瞬動力』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_writing_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>目標を設定したけど、いつもなかなか続けられない――そんな状況に落ち込んでしまい、目標を達成せずに終わってしまった、もしくはズルズル先延ばしした経験をしたことはないでしょうか。</p>

<p>コーチングの情報などを発信し続けている株式会社ハイパフォーマンス代表取締役の名郷根修さんいわく、その原因は「設定した目標が大きすぎるのかもしれない」とのこと。本稿では、すぐやる人が実践する「目標の細分化」のメリットや効果について解説します。</p>

<p>※本稿は、名郷根修著『瞬動力』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>目標を細分化する3つのメリット</h2>

<p>すぐやる人は目標を細分化している、と言われても、なぜそこまで細かくする必要があるのか、ピンと来ない方も多いと思います。ここでは脳の仕組みや認知科学の観点から見た「細分化のメリット」を3つ、解説していきましょう。</p>

<p>①不安が減り、「脳が動きやすいサイズ」になる</p>

<p>大きくて抽象的な目標ほど、「どこから手をつけたら良いかわからない」「失敗したくない」という不安や抵抗感を呼び起こします。見通しの立たない課題は、脳にとって未知であり、不確実なものだからです。</p>

<p>こうしたときに関与するのが、不安や恐怖に反応する扁桃体です。扁桃体は、危険の兆候を察知し、私たちを守ろうとする役割を担っています。不確定なことや新しい挑戦に直面すると、「今は動かないほうが安全だ」とブレーキをかける。それは怠けているからではなく、生存本能に根ざした自然な反応なのです。</p>

<p>しかし、この防御反応が強く働きすぎると、必要な一歩まで止めてしまう。その結果として生まれるのが、先延ばしです。</p>

<p>一方で、目標を「今日やるのは、この10分だけ」「最初の一歩は、タイトルを3つ書くだけ」というように小さく分解すると、「これくらいならできそうだ」という感覚が生まれます。すると脳は、その課題を対処できるものとして受け止めます。不安や抵抗感は和らぎ、ブレーキをかけていた扁桃体の働きも落ち着いていきます。その結果、計画や判断をつかさどる前頭前野がスムーズに働きはじめるのです。</p>

<p>②「できた」が増えて、自己効力感が上がる</p>

<p>目標を細分化することで、一つひとつが達成しやすくなり、「小さな成功体験」を積み重ねることができます。「今日は10分だけやると決めた&rarr;本当に10分できた！」「タイトルを3つ書くと決めた&rarr;3つ書けた！」、このような、小さな「できた！」の積み重ねが、「自分はやればできる」という自己効力感を育てます。</p>

<p>自己効力感の研究では、この「できた！」という感覚によって「行動の継続」「困難な場面でもあきらめにくくなる」「新しい挑戦への前向きさ」につながることが示されています。逆に、細分化されていない大きすぎる目標ばかり立てると、達成がむずかしくなり、「また守れなかった」「やっぱり続けられない」という自己否定の材料を増やすことにつながります。</p>

<p>③行動が自動化しやすくなり、習慣に変わる</p>

<p>目標を細分化するもうひとつの重要な効果は、行動が「条件反射」に近づき、習慣として定着しやすくなるという点です。</p>

<p>たとえば、「毎朝7時30分になったら、机に座って10分だけ勉強する」「このカフェに来たら、最初の5分は資料作成をする」のように、「いつ・どこで・何をどれくらいするか」まで落とし込まれた小さな目標は、脳にとって&quot;処理パターン&quot;として記憶されやすい形になっています。</p>

<p>これをくり返すことで、「やるぞ！」と気合いを入れてから取りかかるような「意識してがんばる行動」から、朝起きたら顔を洗って歯を磨くように「気づいたらいつもやっている行動」へと切り替わっていきます。その結果、毎回「やる気」や「気合い」といった不確定なものに頼る必要がなく、疲れているときでも条件がそろえば自然と動きはじめられるという「すぐやる習慣」の土台ができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日々のタスクから&ldquo;細分化する候補&rdquo;を探す</h2>

<p>日々のタスクは大小さまざまありますが、それらすべてを細分化する必要はありません。あらゆるタスクを細分化しようとすると、今度は細分化すること自体が作業になってしまいます。「サッと手をつけられるタスクは、そのままやる」、「見ただけで気が重くなる／いつも先延ばしするタスクは、細分化してからやる」というメリハリをつけることをおすすめします。</p>

<p>日々のToDoの中での細分化する・しないの見極めについて、次の通りにまとめました。1〜3のどれかに当てはまるなら、それは日々のタスクの細分化候補です。</p>

<p>①見るたびに気が重くなるタスク</p>

<p>例：「提案書を作成」「資料をまとめる」「確定申告」など&rarr;曖昧で大きくて、脳が脅威として感じやすいもの。</p>

<p>②「1時間以上かかりそう」と感じるタスク</p>

<p>例：「プレゼン資料を作る」「企画書を書く」「動画を1本撮る」など&rarr;手間や工程が多いもの。</p>

<p>③何日もToDoに居座っているタスク</p>

<p>例：毎日リストに書いては消えずに残っているもの&rarr;「ずっと気になってはいるが、そのままでは動き出せない構造になっている」というサイン。</p>

<p>基本ルールとして、そのタスクが「終わるまで」ではなく、「最初の5〜15分でできること」に分けるのがポイントです。</p>

<p>例：タスクが「提案書を作成する」の場合</p>

<p>「何ページもある提案書を完成させること」を目標にしてしまうと、重くて手が止まりやすくなります。この場合、以下のような小さなタスクに分けます。</p>

<p>・過去の似た提案書を3つフォルダから探す</p>

<p>・今回の提案書の&quot;目的&quot;を3行だけ書く</p>

<p>・見出し候補を5つメモに書き出す</p>

<p>・1枚目の&quot;表紙スライド&quot;だけラフをつくる</p>

<p>こうすることで、「提案書を作成する」という大きなタスクを脳が動きやすいミニサイズにできます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「小さな一歩」が脳に効く理由―ベビーステップ理論</h2>

<p>目標を細分化すると、行動に移しやすくなり、やがて習慣へと変わっていきます。このことについて、もう少し脳科学の観点から掘り下げていくと、ごく小さな一歩からはじめる「ベビーステップ理論」に当てはめて考えることができます。</p>

<p>ここでいう「ベビーステップ理論」とは、行動を極端に小さく分解し、一歩だけやることで脳の抵抗を下げ、やる気と習慣化を引き出す考え方です。重要なのは、「大きな目標」ではなく、「今すぐできる小さな一歩」に落とし込むこと。この小ささこそが、脳と心理のメカニズムに合致し、初動を生み出す鍵になります。</p>

<p>【なぜ小さな一歩が脳に効くのか？】</p>

<p>①扁桃体の「脅威アラーム」を刺激しない</p>

<p>脳は「大変そうだ」「失敗するかもしれない」と感じると、不安や恐怖をつかさどる扁桃体が反応します。その結果、私たちは無意識のうちに回避行動、つまり先延ばしを選びやすくなります。「本を書こう」「完璧を目指そう」といった大きな目標は、脳にとって不確実性が高く、脅威として認識されやすいのです。</p>

<p>「1行だけ書く」「5分だけやる」と負荷を小さくすると、脳はそれを安全で処理可能な行動として受け止めます。すると扁桃体の過剰な反応が抑えられ、行動へのハードルは下がります。</p>

<p>②側坐核を「小さな成功」で点火する</p>

<p>やる気は行動の前にあるのではなく、行動の後に生まれます。脳内では、「行動する&rarr;できたと感じる&rarr;ドーパミンが分泌される&rarr;もう少し続けたくなる」という回路が働きます。このドーパミンの分泌に深く関わっているのが、やる気や達成感に関係する脳の部位である「側坐核」です。</p>

<p>細分化された小さな行動は達成感を生みやすく、側坐核を刺激しやすくなります。その結果、脳は「もう一歩進みたい」という状態に入ります。多くの人は「やる気があるから動ける」と考えますが、脳の仕組みは逆です。動くから、やる気が生まれる。これが、科学的に見た正しい順番なのです。</p>

<p>③小さな成功体験が自己効力感を高める</p>

<p>くり返しになりますが、自己効力感は「できた」という小さな成功体験の積み重ねで育ちます。「1行進んだ」「今日も5分できた」という経験を重ねることで、脳は「自分は続けられる」と学習し、思考と行動のモードそのものが変わっていきます。</p>

<p>④習慣の回路は「小さな一歩」で強化される</p>

<p>習慣は、脳の「基底核」が関わる自動化の回路によって形成されます。一度この回路ができると、私たちはほとんど意識しなくても行動できるようになります。ベビーステップは、この自動化の回路を回しやすくします。これら①〜④をふまえて、自動化の回路をつくるための「習慣ループ」をご紹介します。</p>

<p>・きっかけ：決まった時間・場所・合図</p>

<p>・行動：1行だけ、5分だけ</p>

<p>・報酬：終わった安心感・チェックをつける達成感</p>

<p>この「習慣ループ」をくり返すことで、行動は少しずつ自動化されていきます。小さな行動ほど失敗しにくく、失敗しにくいからこそ、回数を重ねることができます。そして回数が増えるほど、神経回路が強化され、行動は当たり前へと変わっていきます。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_writing_1.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 13 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[名郷根修（株式会社ハイパフォーマンス代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>昇進が不調の引き金に？「自律神経失調症」は30代からが要注意  小林弘幸（順天堂大学医学部特任教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14217</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014217</guid>
			<description><![CDATA[不眠やイライラ、肩こりは、自律神経が乱れているサインかも？自律神経失調症は、ストレスや加齢、環境変化によって誰もが陥る可能性があります。体調不良を招く仕組みを解説し、身体に現れるサインを見逃さず、適切にケアする重要性を説きます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="頭痛などの体調不良は自律神経が乱れているサインかもしれません" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_zutsuu.jpg" width="1200" /></p>

<p>「なんとなく体が重い」「最近イライラしがち」......その不調、実は自律神経が乱れているサインかもしれません。職場での昇進や環境の変化、仕事への責任感など、一見ポジティブな要素が、自分でも気づかないうちにストレスとなり、自律神経のバランスを狂わせる原因となることも。アスリートや著名人の事例を交え、深刻な病につながる前に知っておきたい自律神経の仕組みと、心身が発するサインの正体を解説します。</p>

<p>※本稿は、小林弘幸著『科学的に証明された 自律神経を整える習慣』（アスコム）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自律神経を乱す大きな原因は「ストレス」「不規則な生活習慣」「加齢」の３つ</h2>

<p>自律神経（正確には自律神経系）は、「交感神経（系）」と「交感神経（系）」に分けられます。自律神経の乱れによって引き起こされる代表的な症状のひとつに「自律神経失調症」が挙げられますが、失調とは、アクティブな状態で高まる交感神経と、リラックスした状態で高まる副交感神経の「バランスが崩れること」だと思われがちです。</p>

<p>交感神経が優位なときには副交感神経が優位ではなくなり、反対に副交感神経が優位なときには交感神経が優位ではなくなる、と捉えても間違いではありませんが、実際は、どちらかがつねに大きく優位でいるかのような、スイッチングをしているかのような動きをしているわけではありません。</p>

<p>自律神経が整った、体がもっともよい状態は、交感神経も副交感神経も、両方高いレベルで活動していることが重要です。<br />
つまり、優位といっても、「少しだけ優位」といった程度なのです。</p>

<p>症状が現れてしまうくらい自律神経が失調している状況の多くは、本来、両方高いレベルで活動しているべき交感神経と副交感神経のうち、交感神経のレベルだけが異常に高く、副交感神経のレベルが異常に低い状況が起きてしまっているケースです。</p>

<p>反対に、副交感神経が異常に高く交感神経が異常に低いケースはうつ病の傾向にあり、両方のレベルが下がっている場合は何もする気が起きないような状態になります。</p>

<p>かつての私や、ニュースなどで漏れ聞く著名人の方々の症例、そして、慢性的に体に不調を抱えていらっしゃる方々も、おそらくはどちらかの、あるいは両方の神経が低レベルなのだと考えられます。</p>

<p>なぜそうなってしまうのでしょうか。<br />
原因はさまざまですが、ここではまず、代表的な「大物」の原因を3つ挙げておきましょう。<br />
それは、<br />
●ストレス<br />
●不規則な生活習慣<br />
●加齢<br />
です。</p>

<p>ストレスは、言い換えればつねに興奮状態にある状況であり、過剰に交感神経を優位にしてしまいます。<br />
不規則な生活習慣も同じで、睡眠不足や生活リズムの乱れが、本来、副交感神経が優位になるはずの時間を短くしてしまいます。</p>

<p>そして、誰も避けられないのが、ずばり「加齢」です。個人差はありますが、男性は30代、女性は40代に差しかかったあたりから、いわゆる「体力の衰え」を自覚することが多くなります。</p>

<p>振り返れば、私も最初の不調を感じたのは、30代でした。データをとってみると、男性は30代、女性は40代から、副交感神経だけが急に低下する時期があります。反面、交感神経はそこまで急激な低下が見られません。</p>

<p>つまりは、副交感神経をなるべく下げないようにすれば、健康でいられるはずなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>昇進に伴って体調を崩してしまう例が少なくない</h2>

<p>職場での昇進は、基本的におめでたく、喜ばしいことのはずです。<br />
肩書きも立派なものになり、責任感も生まれます。もちろん、お給料もよくなるでしょう。何より、それまでの仕事ぶりが認められたことは素直にうれしいですし、部下や後輩を指導することを誇らしく感じる瞬間が多々あるはずです。</p>

<p>ところが、です。おめでたいはずの昇進に伴って、体調を崩してしまう例が、じつは少なくないのです。</p>

<p>疲れやすくなった、なんとなく体が重い、睡眠が浅い、すぐにイライラしてしまう......、こんな状態が、散発的に起きるようになります。そうなると、昇進を喜ぶどころか、むしろ、もとの気楽な立場に戻してほしいと思ってしまうこともあるでしょう。</p>

<p>自分だけではありません。配偶者やパートナーがこのような状態になってしまえば、プライベートにもよくない影響が及んでしまうかもしれません。</p>

<p>日本は、ほかの先進国に比べて、「指導的地位（一定の管理職、役員など）」に占める女性の割合が少ない国です。そこで、官民をあげて女性比率を30％まで引き上げようと目標を掲げていますが、残念ながらなかなかうまくいっていないようです。</p>

<p>最近では、とくに若い世代の方々は、そもそも出世なんてしたくない、管理職にはなりたくないと考える人が増えていると聞きます。責任が増える、ストレスが増す、そして女性の場合では、仕事と家庭の両立が難しくなる、などの理由が挙がるようです。</p>

<p>自律神経の面からこの状況を考えると、昇進する、管理する立場になる、というのは、社会人としての自分にとって、大きな環境の変化そのものです。そして、変化は自律神経を乱す大きな原因のひとつになりえます。</p>

<p>ということは、結果的に、出世や昇進が自律神経失調症の原因となってしまった、という状況は、案外簡単に成立してしまうことになります。私たちもそうした患者さんを診ることは少なくありません。</p>

<p>変化に伴うストレスは、悪い面だけでなく、適切でさえあれば、自分を人間として成長させてくれるスパイスにもなります。<br />
あらかじめその点をわかっていて、自律神経の整え方を知っていれば、昇進に伴う変化を、いい形にだけ生かして自分を伸ばしていけることでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>がんばっている人ほど要注意？急に体が動かなくなることも</h2>

<p>最近、芸能人やスポーツ選手といった有名人が、「休養のためしばらく活動を休止します」といった発表を行なって、私たちを驚かせることが増えたと思いませんか？</p>

<p>「急にどうしたんだろう？あんなにキラキラ輝きながら活躍していたのに」<br />
「元気そうに見えたのに、じつは体調が悪かったのかな」<br />
そんな感想が、SNSやネットニュースを飛び交います。<br />
そんなときに目にするキーワードが、「自律神経失調症」です。</p>

<p>自律神経とは、私たちの生命活動を支えてくれている大切な「自動運転」のシステムで、いちいち命令を出さなくても意識とは無関係に働いています。<br />
心臓が全身に血液を送ったり、食べたものが胃腸で消化・吸収されたりするのも、すべて自律神経の働きのおかげです。</p>

<p>ところが、このシステムが壊れると、思わぬ現象が起きることもあります。<br />
普段、みなさんの前で元気な姿を見せている著名人の方々のなかにも、不規則な生活が続いたり、緊張やプレッシャーにさらされる日々が続いたりすることで、自律神経を乱されるケースがあります。</p>

<p>めまいや吐き気が続くといった症状や、歌手の方で声が出なくなってしまったという深刻な症例もあります。</p>

<p>日米のプロ野球で活躍し、いまも現役を続けている川崎宗則選手は、元気で明るいキャラクターでも知られています。そんな川崎選手が2018年、自ら申し出て当時所属していたチームを退団した理由もまた、自律神経の不調でした。頭痛や体の痛みが続き、体が動かなくなってしまったといいます。</p>

<p>芸能人やアスリートのみなさんは、ファンの方々に元気で活躍している姿を見せることを使命に感じ、日々努力を続けられている方が多いのだと思いますが、じつはがんばっている人ほど自分に厳しく、自身の体調不良に気づかないことも少なくありません。また、著名人に限らずとも、「弱音を吐かない」ことを美学とする日本の文化はいい面もたくさんありますが、それで体を壊してしまっては元も子もありません。</p>

<p>長く続けてきた仕事や活動でも、いつの間にか自律神経のバランスを崩してしまうことは多々あります。<br />
「自律神経失調症」は、誰もがかかる可能性のある病気なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>肩こりや便秘、不安やイライラは、自律神経からのサインかも</h2>

<p>自律神経が乱れてしまうと、どのような症状が起こるのでしょうか。<br />
ここまで見てきた著名人や私自身の例だけでもいくつか具体的な症状がありましたが、実際はそれだけではありません。<br />
というより、あれもこれも、「えっ！こんなものまで!?」といいたくなるくらい、じつにさまざまな症状が、自律神経の乱れによって起きる「自律神経失調症」の範疇だと考えられるのです。</p>

<p>「病院に行くほどではないけど、なんだか最近調子悪いな」といった慢性的な不調については、まずは自律神経を疑ったほうがよさそうです。</p>

<p>自律神経が乱れると、体には、大きく分けてふたつの「よくないこと」が起こります。<br />
ひとつは「血管の収縮」。血液の流れが悪くなり、いわゆる「ドロドロ」の血液になりやすくなります。<br />
ひとつは「脳と内臓のダメージ」です。これらは自律神経を逆説的にコントロールしていますから、当然といえば当然ですよね。</p>

<p>その結果、どのような症状が起きるのでしょうか。<br />
症状は、「精神的」な不調と、「身体的」な不調に分けられます。</p>

<p>【精神的不調】<br />
不安、不眠、情緒不安定、イライラ、集中力の低下など</p>

<p>【身体的不調】頭痛、動悸、息切れ、めまい、肩こり、便秘、肌荒れ、疲れやすくなる、倦怠感、冷え、息苦しい、手足のしびれなど</p>

<p>これらすべてが、自律神経の不調から来ていると考えられます。<br />
まあこの程度なら我慢できるかも...というのはよくない考え方です。これらの症状は、自律神経がうまく働かなくなっているサインだと考えてください。アラームが鳴っているのにそのまま放置しておけば、もっと深刻な症状を招く恐れが高くなります。</p>

<p>動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞など、生死に直結する危険な病気につながる場合もあります。まずは自律神経からのサインをしっかりと認識しましょう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_zutsuu.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 13 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小林弘幸（順天堂大学医学部特任教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ人の話をじっくり聴くのは苦痛？ 原因となる「ファスト過ぎる生活」  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14068</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014068</guid>
			<description><![CDATA[脳の処理速度の仕組みや、ファスト化する生活が聴く力を低下させる理由を解説。真面目な人が持ちやすい5つのメンタルノイズが、会話にどんな影響を与えるかも紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="相談" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" width="1200" /></p>

<p>相手の話を聴いているつもりが、気づけば頭の中で全然別のことを考えていた...そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。実はこれ、意志の弱さや不真面目さのせいではなく、脳の構造と現代の生活習慣に原因があるかもしれません。「聴けない理由」の意外な正体について、書籍『聴く技術　あなたの会話が今日から変わる』より解説します。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『聴く技術　あなたの会話が今日から変わる』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>話を聴いているとき、脳はヒマ？</h2>

<p>そもそも人の脳は、相手が話すスピードよりも速く情報を処理してしまいます。例えば、資料が配られて、プレゼンテーションを聴く場面をイメージしてみてください。相手が資料に沿って話すよりも速く、どんどん先に資料をめくって読んでしまうことがあります。途中からは「もう、だいたいわかった」と相手が話し終わるのを待つだけ。</p>

<p>人が話すスピードと脳が処理するスピードにはズレがあるのです。</p>

<p>すると脳は、あまった処理能力で別のことを考え始めます。プレゼンを聴くときであれば、「その提案を採用しようか」とか「何と言って断ろうか」、あるいは「このあとの会議どうしようかな」なんてことを考えてしまうかもしれません。</p>

<p>悪気があるとかではなく、脳に余力があるだけなのです。加えて最近は、「聴きたいことだけ聴く」スタイルに慣れてしまっていますから、なおさら、じっくり聴くのが苦手になります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ファスト過ぎる生活が話を聴けなくする</h2>

<p>「シークバーのない動画なんて見られない」というコメントを見て、そういう時代になったんだなぁと実感しました。</p>

<p>シークバーとは、ユーチューブ動画などの画面下に表示される、再生箇所を示す機能です。バーをタップすれば好きなところだけ再生できます。</p>

<p>動画は2倍速で視聴する人も多いといいますし、一時は映画を短縮した「ファスト映画」が問題にもなりました。本は要約サイトや解説動画が人気ですし、歌もイントロがどんどん短くなっているそうです。膨大な情報の海を生き抜くためには、こうした効率化やファスト化が理にかなっているし、不可欠だと思います。</p>

<p>ただ、対人コミュニケーションは別ではないでしょうか?</p>

<p>確かに人の話を聴いていると「要点だけ話してくれ」「結論を早く」と思うことはありますが、それは情報を得るためであって、人間関係を築く目的ではありません。</p>

<p>一部の言葉だけをとらえて「もうわかった」と解釈してしまうと、つい口を挟んだり、意見したくなったりして、ちゃんと聴けない原因になります。話を聴けない人、自分の話ばかりする人にならないように、気をつけなければいけません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>会話を邪魔するメンタルノイズ</h2>

<p>聴けない人の特徴として紹介したいのが「真面目な人」。真面目な人は、相手の話を真剣に受け止めようとするあまり、逆に聴けない自分をつくりがちなところがあります。原因は、「メンタルノイズ」。</p>

<p>メンタルノイズとは、簡単に説明すると、あなたの言葉や行動に無意識に影響を与える心のクセです（拙著『「自己肯定感低めの人」のための本』で詳しく紹介しています）。</p>

<p>メンタルノイズにはいろいろな種類がありますが、真面目な人には、コミュニケーションを妨げるノイズを持っている方が多いのです。代表的なメンタルノイズは5つ。</p>

<p>①完璧主義ノイズ<br />
②タイムイズマネーノイズ<br />
③おもてなしノイズ<br />
④ドＭノイズ<br />
⑤ちゃんとしなきゃノイズ</p>

<p>それぞれのノイズが会話にどんな影響を与えるか紹介すると、どんな些細なことにも完璧を求めるところがある「完璧主義ノイズ」があると、たわいない会話でも堅苦しくなりがち。相手もかまえてしまって、言葉を発することに慎重になってしまいます。</p>

<p>自分を急かすところがある「タイムイズマネーノイズ」があると、会話も急ぎがち。急かされた相手は自分のリズムで話しづらくなってしまいます。</p>

<p>人を喜ばすのはいいことだと刷り込まれている「おもてなしノイズ」があると、いつでもリアクションが大げさになりがち。大げさなリアクションには会話を盛り上げる効果もありますが、相手が求めていないときは逆効果になります。</p>

<p>努力するのは当たり前と刷り込まれている「ドＭノイズ」があると、会話にも力が入り過ぎて質問が多くなりがち。それだけでも相手は話すのが面倒になります。さらに「ドＭノイズ」は、自分だけでなく、相手にも努力を強要するところがあります。話を聴いてほしいだけだったのに、努力を求められると、話しているほうは責められている気分になると思います。</p>

<p>人は強くないといけないと刷り込まれている「ちゃんとしなきゃノイズ」があると、「ドＭノイズ」と同じように、自分だけでなく相手にも、ちゃんとすることを求めがち。そのため、余計なアドバイスが多くなります。</p>

<p>いずれのメンタルノイズも、上手な聴き手になるには妨げとなるノイズです。しかも、真面目な人のノイズは心のクセとして強く刻まれている傾向があります。相手のためと思っての行為かもしれませんが、相手が話しづらくなっていることを覚えておきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 13 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>うつ病のリンカーンが奴隷解放を実現できた理由　“信じる価値”への献身  加藤諦三（早稲田大学名誉教授、ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12266</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012266</guid>
			<description><![CDATA[病気やケガ、自然災害、介護や人間関係、お金のこと、常に私たちの中にある不安や悩み。その積極的解決の一つ「信じる価値への献身」について早稲田大学名誉教授の加藤諦三氏に解説して頂く。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_window.jpg" width="1200" /></p>

<p>病気やケガ、自然災害、介護や人間関係、お金のこと、常に私たちの中にある不安や悩み。その積極的解決の一つ「信じる価値への献身」について早稲田大学名誉教授の加藤諦三氏に解説して頂く。</p>

<p>※本稿は、加藤諦三著『不安をしずめる心理学』(PHP文庫)を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>不安に打ち勝った人の心理</h2>

<p>不安の積極的解決の一つは、「信じる価値への献身」です。自分が信じている価値があれば、不安と向き合った時、その不安を乗り越えていくことができるということです。</p>

<p>第二次世界大戦時の戦場における兵士の研究があります。それを見ると、戦闘に直面した兵士は、我々が日常生活で持つ不安よりも、はるかに強い不安にさらされています。</p>

<p>しかし注目すべき点は、そうした強い不安にさらされる状況において、その不安に打ち勝った人と、そうでない人がいるという事実です。</p>

<p>では、両者の何が違ったのでしょう。さまざまな調査を見ると、「怯え」「不安」に勝った人は、きちんとした目標を持っていました。</p>

<p>戦場では命の危険に直面します。その危険に怯えるのは、人間の心理として当然です。</p>

<p>そうした心理に打ち勝つために何が大切かというと、「自分は祖国を守るのだ」「自分の家族を守るのだ」「自分は戦うことで自由を守るのだ」、あるいは「自分は国の独立を守るのだ」など、何かをしっかりと信じることです。</p>

<p>他人から押し付けられたのではなく、自身が信じている目標を持っていた場合は、戦闘で怯えることはありませんでした。</p>

<p>不安に打ち勝つために、もう一つ大切なことは、目標を持つと同時に、社会的結びつきがきちんとあることです。例えば、「国にいる家族を守る」「自分の生まれたこの地域を守る」など、そうした社会的結びつきを、きちんと持っていることです。</p>

<p>社会的結びつきがない。言い換えれば、心の触れ合う人もいない、自分が命をかけて守る故郷もないという場合には、戦場という究極的な状況において、その不安を乗り越えるのは、人間にはやはり無理だろうと思います。</p>

<p>ロロ・メイは、アドラーを評価して次のように述べています。</p>

<p>「人間の仲間に属していると意識しているその個人だけが、不安なしに人生を生きぬくことができる。」（『不安の人間学』ロロ・メイ〈著〉、小野泰博〈訳〉、誠信書房、１０８頁）</p>

<p>ロロ・メイは、アドラーがフロイトの見落とした社会的かかわり合いを強調した点を評価しています。</p>

<p>「またそれゆえに劣等感は社会的結びつきを確認し、増大することによってのみ建設的に克服できるものである、アドラーの主張である。」（同『不安の人間学』１０６頁）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>守るべきもの、信じるもののために</h2>

<p>「女は弱し、されど母は強し」という言葉があります。「女は弱し」といいますが、女性の場合でも恋人がいて、その恋人のために頑張るとなったらそれは強いですよね。「されど母は強し」というのは、もちろん子どもがいるからです。</p>

<p>つまり、人は子どものため、恋人のためというように、守るものや、守るべき対象、目標がきちんとある場合には不安と対決できます。反対に、それがない場合、不安の苦しみに耐えられません。</p>

<p>「信じる価値への献身」で、私がよく思い出すのはアメリカ大統領だったリンカーンです。リンカーンは一八六一年に大統領になって、奴隷解放をした人物です。</p>

<p>ところがこのリンカーンは、重度のうつ病だった時期があるという。若い頃、友人たちが「彼の周りに刃物を置いておくと自殺してしまうかもしれないから危ない」と心配し、刃物を取り除くようにしていたほどだったそうです。</p>

<p>では、そのリンカーンが、なぜ奴隷解放をできたのかといえば、やはり信じる価値の実現なのです。奴隷解放をやらなくてはならないと信じたこと。それによって彼は、もっとも困難な南北戦争の時期にも絶望せずに、何とかして奴隷解放を実現させようという機会を探せたのです。</p>

<p>リンカーンのこんな手紙が残っています。</p>

<p>「お母さんが死んで、もう私は生きる力がない」という手紙をある少女からもらった時に、「必ずもう一度、幸せになる」との返事の手紙を書いています。</p>

<p>普通、うつ病になると後ろ向きの発言をするものですが、彼は「必ずもう一度、幸せになる」と言いました。これが信じる力です。そして最後に「自分の決心に応じて、人間は幸福になれる」と言っています。自分が望んだだけ、決意しただけ、決心しただけ、人間は幸せになれると言っているのです。</p>

<p>こうしたエピソードを見ても、私は、幸せになるためにもっとも重要なことは、「誰がなんと言おうと、私は私自身になる」という決心であると固く信じています。</p>

<p>このように「信じる価値への献身」は、うつ病すら治してしまいます。うつ病について詳しくは触れませんが、信じる力には、とてつもない力があるということは知っておいてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ガンジーの&quot;自分に対する尊厳&quot;</h2>

<p>インド独立の父、ガンジーは中流家庭の出身ですが、子どもの頃は極度の恥ずかしがり屋だったといいます。いじめられて、石をぶつけられるような弱い子どもでした。</p>

<p>その恥ずかしがり屋が、うつ病のリンカーンと同じように、人格の再構成をして、インド独立の父にまでなったのです。</p>

<p>「『シャイで億劫がり屋だった』ガンジーが偉大な建国の父に変わったのも、決意であろう。」（John McCain, Mark Salter, Character Is Destiny, Random House Publishing Group, 2005, p.10）</p>

<p>ガンジーを偉大な建国の父に変えたのは、ヒンズー教への宗教的献身です。</p>

<p>しっかりとした目的を持つことが大きな力となるのです。</p>

<p>ガンジーは虚栄心を自分に対する尊厳と同様に、すべての人の尊厳に対する敬意に置き換えました。シャイで億劫がり屋のエネルギーを、まず自尊に、次にすべての人の命に対する尊敬に置き換えたのです。</p>

<p>虚栄心の反対は自尊の感情、自らを敬う心です。人は自分を尊敬できないから、虚栄心が強くなります。なぜそうなるかというと、生きる目的を見つけられないからです。</p>

<p>虚栄心は捨てようとして、捨てられるものではありません。ですから捨てようとするよりも、信じられるものを探すべきです。</p>

<p>それはガンジーのようにヒンズー教でもいいし、仏教でも、キリスト教でも、もちろん宗教以外でもかまいません。自分が信じられる人や、何か信じられるものを探し、それを足がかりにして虚栄心を捨てるのです。</p>

<p>虚栄心がなぜ問題かというと、ストレスを生み出し、私たちの内なる力を破壊するからです。虚栄心の強い人は不眠症、あるいはうつ病や自律神経失調症になるかもしれません。とにかく虚栄心は生きることをつらくします。</p>

<p>アドラーやベラン・ウルフがいうように神経症は虚栄心が原因です。神経症者は生きる目的を間違えています。自分の生きるエネルギーの使い方を間違えているのです。</p>

<p>私たちが、ガンジーから学ぶべきことは、私たちの中に眠っている大いなる力を知るということです。心の中に眠っている潜在的可能性は、十分に発揮される機会を待っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人生を切り拓く最良の手段</h2>

<p>リンカーンやガンジーという名前を出すと、何か特別な人のことと思うかもしれませんが、決してそうではありません。</p>

<p>例えば、目が不自由で、さまざまな困難がありましたが、それを乗り越えて幸せをつかんだという人がいます。ある講義の後で、その方から手紙をもらいました。</p>

<p>そこには「私の心はいま、歓喜に満ちています」と書いてありました。「目が不自由だからこそ、分かることがある」ということが書いてあったのです。</p>

<p>その人は数学が好きで、朝五時に起きて数学の勉強をして、ビジネスパーソンとして会社に勤めています。</p>

<p>この方の信じる価値への献身は、ガンジーと同じ種類のものです。いま、あなたの隣にいるであろうあの人も、ガンジーも、リンカーンも、信じる価値への献身は、みんな同じように持てるものなのです。</p>

<p>逆に信じる価値がない、または歪んでいるのは、本当に不幸な状態です。それは心に大きな傷を負っているのに等しい。</p>

<p>「自分自身である」ことが、不安を乗り越えるための最良の手段です。そのためには、自分が信じられる価値を見つけることが大切です。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 12 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[加藤諦三（早稲田大学名誉教授、ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>コロナ禍に球児へ贈ったキーホルダー　阪神の選手たちと集めた「甲子園の土」  金沢健児さん（グラウンドキーパー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12212</link>
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			<description><![CDATA[プロ野球、高校野球、その熱戦の舞台を支える裏方の方々の物語です。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="高校野球" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/pixta_baseball.jpg" width="1200" /></p>

<p>語り継がれる名試合、観客を沸かせるプレー。その「舞台」を支える裏方の活躍があります。（取材・文　キムラミワコ）</p>

<p>※本稿は、月刊誌『PHP』2024年4月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「神整備」と称賛される仕事</h2>

<p>阪神タイガースの本拠地であり、高校球児がその土を踏ふむことを目標とする「野球の聖地」として名高い兵庫県の阪神甲子園球場。今から100年前の大正時代、人力で土を運び込み、牛にローラーを引かせてならし、グラウンドが完成した。</p>

<p>内野全域が土の球場は、プロ野球12球団の本拠地で甲子園だけ。取材のあと、球音も歓声も聞こえない土のグラウンドに立った瞬間、荘厳な空気に圧倒された。</p>

<p>グラウンドに迎え入れてくれたのは、阪神園芸の金沢健児さん。甲子園の土を管理し、整備するグラウンドキーパーだ。</p>

<p>「全部の土を入れ替えた記録はないので、100年前の土も現役で活躍しているはず。オフシーズンはグラウンドを耕耘機で耕し、土を新しくする大事な時期です」</p>

<p>下層で固まった土を掘り返す、畑仕事のような作業だという。土を攪拌して空気に触れさせることで、黒土と砂のバランスを改良し、雨が降ったあとタイミングを見計らって天日と風で土を乾かし、グラウンドを固める。水はけのいいグラウンドに仕上がるかどうかは、この作業で決まるのだ。</p>

<p>金沢さん率いる阪神園芸の甲子園球場チームは、雨で泥沼になったグラウンドを数時間で回復させ、試合中もこまめに土を補修しコンディションを保つなど、その高い技術とスピーディーな作業が、野球を愛する人々から「神整備」と称賛されている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>野球に携わる仕事がしたい</h2>

<p>金沢さんは1967年、神戸市で生まれた。人生初めての「甲子園」の記憶は4歳のとき。高校生の叔父が兵庫県大会に出場し、母と応援に行った。</p>

<p>「もう一人の叔父が阪神タイガースファンで、試合をよく見に行っていました。母子家庭だったので、叔父たちがかわいがってくれて。その影響で野球を始めました」</p>

<p>金沢さんと甲子園との縁が生まれたのは、小学校4年生のころ。母が甲子園球場の職員として働くことになったのだ。母の仕事が終わるのを待ちながら野球観戦するのが楽しみだった。</p>

<p>甲子園では球団職員や阪神タイガースの選手から「健ちゃん」と呼ばれ、当時現役だった藤田平さんや掛布雅之さんらとキャッチボールをすることもあった。</p>

<p>「甲子園出場も夢でしたし、自分はプロになれると思っていました。でも、中学のときにケガをして野球をやめたんです」</p>

<p>野球ができない悔しさを抱えながらスタンドでグラウンドをながめていると、「よかったら高校野球の時期にアルバイトにおいで」と声をかけてくれた人がいた。</p>

<p>甲子園のグラウンド整備の礎を築いた〈伝説のキーパー〉、藤本治一郎さんだ。藤本さんはその高いプロ意識から、後輩キーパーだけでなく選手をも叱り、一目置かれる存在だった。</p>

<p>「藤本さんはいつもやさしく見守ってくれる存在でしたが、大人たちが怖がっているのは子供ながらにわかりましたよ。当時の得点板は手動式。スコアボード裏で、熟練のグラウンドキーパーが書いた得点板を表に返すことが私の役目でした」</p>

<p>ほどなくスコアボードは電光式になり、高校生になった金沢さんはグラウンドで整備の手伝いをするように。しかし、学校生活が忙しくなり、次第に甲子園から足が遠のいた。卒業後は商業高校での学びを生かせるOA機器の販売会社に就職。</p>

<p>野球やグラウンド整備とはまったく関係のない仕事だったが、社会人としての基礎や組織の中で客観的に物事を捉える判断力を身につけた。一般企業で勤めた経験はのちに金沢さんの強みとなる。</p>

<p>社会人2年目のころ、母が入院することになった。重篤ではなかったが、残業が続いて1度しかお見舞いに行けず、やりきれない思いが募った。</p>

<p>そんな折、阪神園芸でグラウンドキーパーを募集していると母から聞く。甲子園と金沢さんの縁が再びつながるときがきた。</p>

<p>「やはり野球に携わりたいという気持ちが大きくて、甲子園で働くと決めました」</p>

<p>金沢さんは阪神園芸株式会社に転職。20歳のときだった。</p>

<p>慣れ親しんだ甲子園での仕事だったが、甘くはなかった。寡黙で職人気質な先輩キーパーたちのもとでは、見よう見まねで仕事を覚える必要があった。そのうえ、先輩の思い通りにできなかったら怒鳴られる。</p>

<p>「とにかく言われたことをやり続けました。物事の道理がつかめたら、あとは自分で試して学んでいくしかありません。できることを増やし、怒られる数を減らすことがモチベーションでしたね」</p>

<p>金沢さんが入社したとき、藤本さんはすでに定年退職していた。その技を受け継いだのが、藤本さんの娘婿の辻啓之介さんだ。</p>

<p>誰もが絶望するような荒れ果てたグラウンドを最短で回復させたり、ゴルフ場で芝を整備する機械を甲子園仕様にアレンジしたりと、新しいことを次々に編み出す辻さんの仕事ぶりに、金沢さんは驚くばかり。技だけでなく、仕事への気構えも教わった。</p>

<p>「仕事に慣れて気が緩んできたころ、グラウンドにムラを作ってしまい、『これでケガしてレギュラーを奪われたら選手は終わりなんやぞ』と怒鳴られました」</p>

<p>わずかな土の乱れが、勝敗の行方や選手の人生を左右するのだと痛感した。</p>

<p>辻さんのもとで経験を積んだ金沢さんは、近隣の球場のグラウンド整備も任せられるようになった。</p>

<p>「グリーンスタジアム神戸（現・ほっともっとフィールド神戸）を担当したとき、オリックスの現役選手だった福良淳一さんが『今日のグラウンド最高やん』と笑顔で言ってくれたんです。</p>

<p>このひと言で自分の整備はまちがっていないと確信が持てました。自分の中では100点の整備でも、選手がプレーしづらかったらダメですから」</p>

<p>プライベートでは1994年12月に結婚。その翌月、阪神・淡路大震災が起こった。金沢さんは急いで一人暮らしの母のもとへ向かうも、実家は倒壊して燃えていた。母の姿はなく、どこかに避難していることを祈りながら探しまわった。</p>

<p>「一週間くらい経ってようやく鎮火し、実家の焼け跡に行くと骨があって......。母でしかありえないと思いました」</p>

<p>悲しみは決して消えることはない。でも、母との思い出がつまった甲子園での仕事が、大きな支えになったのではないだろうか。金沢さんは仕事に打ち込んだ。そして、辻さんの跡を継いでチーフになる意欲も次第に高まっていった。</p>

<p>「振り返ると、そこが人生の転換期になりました。甲子園の整備でたくさんの人に喜んでもらえ、守るべき家族もいる。おかげで今は毎日を笑って過ごせています」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>職人頼みではないチームづくりへ</h2>

<p>2001年、阪神タイガースの和田豊さん（現・二軍監督）が現役引退のスピーチで阪神園芸に感謝の気持ちを贈ってくれたことで、グラウンド整備の仕事は「甲子園を支える裏方」として注目されるようになった。</p>

<p>そんななか、辻さんが予定より早く現場を離れ、金沢さんは突然チーフを任されることになった。36歳のときだ。</p>

<p>チーフになって特に力を入れたのが、個々の技を極める職人の集団から脱却し、互いに協力し合えるチームづくり。後継者も一人ではなく、複数人を考えている。</p>

<p>「グラウンド整備は、雨の降り方や太陽の出方などいろいろな条件に左右されますから、マニュアルなんてありません。感覚だけが頼り。だから経験が大事なんです。</p>

<p>今は中堅が若手を指導し、メンバーそれぞれの得意分野を生かしてうまく機能しています。整備のチームワークを高めることが、野球界全体のレベルアップにつながるという気持ちでやっています」</p>

<p>今なお野球ファンの心に刻まれている「神整備」が、2017年のセ・リーグのクライマックスシリーズ、阪神タイガース対横浜DeNAベイスターズの第2戦だ。</p>

<p>降り続く雨でグラウンドの状態が悪いなか、日程の都合で試合開催が決定。金沢さん率いるチームは、懸命の整備でプレーボールにこぎつけ、プレー中も選手が違和感を訴えればすぐさまグラウンドに土を補充するなど、ケガ人を出さずに試合の完遂を実現させた。</p>

<p>阪神園芸の整備とチームの奮闘を称える声がSNSに飛び交った。その後も数々の熱戦の裏で、チーム一丸の整備が繰り広げられた。</p>

<p>2020年、コロナ禍で甲子園は閉鎖となった。だが、土も芝も生き物。金沢さんのチームは交代で球場に通って整備し、選手がいつでも戻ってこられるようにグラウンドを守り続けた。</p>

<p>しかし、春夏ともに高校野球中止が決定。やりきれない気持ちのなか、阪神タイガースの矢野燿大監督（当時）から「甲子園への道を断たれた球児たちへ、甲子園の土をつめたキーホルダーを贈りたい」と相談を受けた。</p>

<p>「私たちが整備している土が球児たちへのエールになるならと、協力は惜しみませんでした。阪神の選手たちも、高校時代に戻ったようにそれぞれの甲子園の思い出を熱く語り合いながら、みんなで土を集めたんです。グラウンドキーパー人生で、もっとも印象的な日でした」</p>

<p>子供時代の甲子園への強いあこがれが、多くの野球人の原点になっているのだ。昨年、高校野球はコロナ禍前の運営に戻り、阪神タイガースは日本一に輝いた。</p>

<p>金沢さんは今年、57歳（※当時）。甲子園のさらなる100年に向けて、歴代のキーパーたちの蓄積されたノウハウを継承しなければいけない年齢だ。</p>

<p>引退までにやりとげたいことを聞くと、金沢さんは笑いながら「夢」の話をしてくれた。</p>

<p>「雨が降ると整備が大変なので称賛してもらえてうれしいですが、本当に大変ですよ。だから『1年、雨で試合中止はなし』が夢なんです」</p>

<p>天気を操ることはできない。でも、天気を予測して対策はできるし、雨上がりのグラウンドを回復させることもできる。整備でスムーズな試合を実現させられるという意味では、その夢はとっくに実現しているのかもしれない。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 12 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[金沢健児さん（グラウンドキーパー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>相手の心を閉ざす「NGな言葉」とは？ 相談を受けたときに注意すべき発言  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14069</link>
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			<description><![CDATA[上手な聴き手になる技術を解説。「わかる」が禁句な理由や、人それぞれ異なる「言葉マップ」の存在を知ることで、信頼関係を築く聴き方の本質が見えてきます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="相談" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_chatting.jpg" width="1200" /></p>

<p>「聴く」という行為は、誰もが毎日おこなっているにもかかわらず、意外と難しいものです。相手が心を開いてくれる距離感を保ちながら、信頼関係を育てるにはどうすればよいのでしょうか。カウンセラーが実践する「聴く技術」のエッセンスについて、書籍『聴く技術　あなたの会話が今日から変わる』より解説します。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『聴く技術　あなたの会話が今日から変わる』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>3つの聴く技術</h2>

<p>上手な聴き手になるには、聴く技術が必要です。その技術を持ち合わせているのが、どんな相談者のどんな内容の話でも聴き続けられるカウンセラーです。</p>

<p>聴く技術を整理すると、次の3つになります。</p>

<p>①安心して話してもらえる信頼関係をつくる聴き方（受容・共感）<br />
②本音を話してもらう聴き方（自己一致）<br />
③聴き疲れしない方法</p>

<p>最初に、「安心して話してもらえる信頼関係をつくる聴き方」から始めましょう。</p>

<p>会話において、話し手と聴き手の距離感はとても大切です。距離とは、心の距離。相手が心を開いてくれるところまで近寄らないと話してもらえないし、相手の心に踏み込み過ぎると、逆に心を閉ざして話してもらえなくなります。</p>

<p>上手な聴き手になろうとすると、相手のことをもっと理解したいと近づきたくなりますが、上手な聴き手は、近づき過ぎず、離れ過ぎない、ほどよい距離感を保つことを心がけています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「わかる〜」はわかっていない</h2>

<p>「どうしたんですか? 元気ないですね」<br />
「ええ、ペットが病気になっちゃって本当につらいんです。こんなに落ち込むとは思いませんでした」<br />
「ああ、わかります、わかります」<br />
「もしも元気にならなかったら......とか考えてしまって」<br />
「わかりますよ。私も昔、飼っていたインコが......」</p>

<p>この会話、特におかしなところはないように思えます。でも、もしかすると、ちょっと嫌だなと感じた人もいるのではないでしょうか。</p>

<p>「わかるよ」というのは、相手に寄り添うつもりでつい言ってしまいがちな言葉で話す。しかし実は「わかる」は禁句。なぜなら、わかるわけがないからです。</p>

<p>長年の友達など親しい人が相手ならまだしも、信頼関係をつくる段階では特に危険。あっという間に心のシャッターを閉ざされるかもしれません。</p>

<p>相手は心の中で「そんな簡単にわかってほしくない」「私の何がわかるのか」と思ってしまうかもしれません。</p>

<p>さらに「私も昔......」なんて自分の話を始めるのは最悪です。聴いていない人、自分の話をしたがる人、という印象を与えてしまいます。</p>

<p>受容と共感のためには、「そうなんですね」「つらいですね」などが無難です。相手の言っていることを、そのまま受け止めればいいのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人にはそれぞれ「言葉マップ」がある</h2>

<p>相手の話と似たような体験を自分もしたことがあると、「本当にわかる」と思うかもしれません。でもそれが、知識や経験の罠。正確には、自分なりに想像がつく、というレベルではないでしょうか。</p>

<p>ここで質問です。</p>

<p>あなたは、「ペット」という言葉を聞いたら、どんなことが頭に浮かんできますか? 自分で飼っている犬や猫の姿でしょうか。それとも、ペットと遊んだ思い出? あるいは、ペットを題材にした映画や漫画が思いつくかもしれません。</p>

<p>このように、1つの言葉から連想されるイメージは、人それぞれです。</p>

<p>相手の頭に浮かんでいることと、自分の頭に浮かんでいることは異なります。どんなに親しい間柄でも、同じ環境で生活している人同士でも、完全に一致することはないでしょう。年齢も性別も、生まれたところや育ったところも、好きなことや嫌いなこともすべて同じという人はいないのですから、そう考えるほうが自然です。</p>

<p>あなたとまったく同じ人生を歩んできた人など、いませんよね。</p>

<p>私たちの頭の中には、生まれてからの経験をもとに、膨大な言葉と、それに連なるイメージが蓄積されています。それを「言葉マップ」といいます。</p>

<p>そして会話のときは、相手の言葉を、その言葉マップからピックアップしてイメージしています。つまり、相手の言葉を自分なりに翻訳して理解しているということです。</p>

<p>それなのに、次のような合いの手を安易に使ってしまいます。</p>

<p>「あなたの気持ちはよくわかります」<br />
「言いたいことはわかります」</p>

<p>私たちは、さも相手のことを理解しているといった言葉を返すことがありますが、間違って解釈している可能性は十分にあります。</p>

<p>言葉マップがそれぞれ異なるのに、相手が話していることを100％理解できていると思っているのが、そもそも間違いなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>相手のことを「わかっているつもり」にならない</h2>

<p>わかっているつもりの会話で問題が起きやすいのが親しい関係です。</p>

<p>付き合いが長くなればなるほど、相手のことを知っていると思い込んでしまいます。最後まで話さなくてもわかるからと会話をさえぎることもあります。</p>

<p>あなたは、あなたの大切な人（恋人や子どもなど）の好きなことと嫌いなこと、したいこととしたくないことを100％言い当てられますか? 難しいと思います。私も自分の子どものことを100％理解するのは無理です。</p>

<p>聴き手は、相手のことを100％理解できないことを自覚した上で聴くのが大前提。<br />
わざわざ「わかる」という言葉を使ってリスクを冒す必要はないでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 11 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>意外と簡単！ 季節の梅の効能と味を楽しむ「梅シロップレシピ」  福光佳奈子,一般社団法人Raise</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12248</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012248</guid>
			<description><![CDATA[季節の食べ物を食べると健やかになると言われます。春に旬を迎える梅について『今年からは手作り派　やさしい梅しごと』著者の福光佳奈子さんにお聞きました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="梅の実" height="1200" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_umenomi.jpg" width="1800" /></p>

<p>季節の食べ物を食べると健やかになると言われます。そこで、そろそろ旬を迎える梅について『今年からは手作り派　やさしい梅しごと』著者の福光佳奈子さんに伺います。</p>

<p>桜と並んで春を告げる花として知られる梅。寒さの残る春空に凜と咲く梅は、花で私たちの目を楽しませてくれるだけでなく、その実は梅干しや梅酒など食べる楽しみも与えてくれます。古くから日本文化に深く根ざしている梅。万葉集では桜よりも多く梅の歌が詠まれています。当時の貴族たちにとっては梅こそが春の花、風雅の象徴だったのかもしれません。</p>

<p>ですが梅は日本固有の植物ではありません。日本には奈良時代に中国から漢方薬として伝わってきたと言われています。中国最古の薬物書にも梅の効能が説かれていました。日本でも、梅は、古くから「医者いらず」と称されるほど健康効果に優れた食材として親しまれてきました。そんな梅が与える健康効果をいくつがご紹介します。（聞き手・文／一般社団法人Raise）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>梅が含む「クエン酸」が持つ回復効果と免疫効果</h2>

<p><img alt="梅の実" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_umenomi2.jpg" width="1200" /></p>

<p>まずは、疲労回復。梅に含まれるクエン酸は、体内の乳酸を分解し、エネルギー代謝を助ける働きがあります。これにより、運動後や仕事の疲れを軽減し、体の回復を早める効果が期待されます。</p>

<p>また、殺菌作用や胃腸の働きを整える効果もあるため、これから暑くなるとおこりやすい夏バテや食欲不振にも効果的です。梅干し一粒を毎日の習慣にすることで、内側からの元気をサポートしてくれます。</p>

<p>免疫力を高める効果でも注目されています。特に梅に含まれるクエン酸は体内の活性酸素を抑える抗酸化作用があり、細胞の老化を防いでくれます。また、菌の増殖を抑え、殺菌、除菌効果も。また、植物性の乳酸菌が腸内環境を整えてくれるため、下痢にも便秘にも効果的といわれています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>梅の香りの主成分「ベンズアルデヒド」</h2>

<p>食べることによる健康効果だけではありません。梅にはリラックス効果もあります。梅の香りの主成分のひとつが「ベンズアルデヒド」。これは杏仁のような甘くほろ苦い香りを持ち、アロマテラピーの世界でも注目されている成分です。ベンズアルデヒドには、神経を鎮めてリラックスさせる効果があるとされ、不安や緊張をやわらげ、気分を落ち着かせる働きがあります。</p>

<p>他にも沢山の効果がみられる梅ですが、梅酒や梅干し、梅シロップにはそれぞれ塩分、糖分、アルコールも多く含まれていますから、食べ過ぎ、飲み過ぎには注意してください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>意外と簡単！梅シロップ</h2>

<p><img alt="梅シロップ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_umenomi3.jpg" width="1200" /></p>

<p>保存性の高さと独特の酸味は、日本の食文化に欠かせない存在となっていますが、最近は自宅で梅を漬け込む人は少なくなってきました。「やり方が分からない」「手間がかかりそう」という印象が強く、作ったことがないという方も増えています。でも実際は難しい工程はほとんどなく、手間もそれほどかかりません。梅干しはジッパー付きの保存袋があれば作れますし、梅酒や梅シロップも巨大なビンが絶対にいるというわけでもありません。</p>

<p>今日は中でも梅シロップについてお伝えします。「梅しごと」のなかでも比較的時間がかからず早くに完成するのが梅シロップです。蒸し暑い日に梅シロップの炭酸水割りを飲むのは格別です。梅シロップの作り方はいろいろとあるのですが、早く仕上げたい場合は生の梅ではなく、一度冷凍庫で凍らせた冷凍梅を使います。冷凍することで梅の繊維が崩れるため、梅のエキスが抽出しやすくなるからです。そのため、生の梅と比べると早くに仕上がるようになります。また、冷凍梅を使うことで腐敗リスクが低くなるというメリットがあります。</p>

<p>暑くなる時期に向けて漬け込む梅シロップは、作り方によっては腐らせてしまうこともあるのです。しかし、以下の点に注意すればリスクを軽減できます。</p>

<h3>水気をしっかりとる</h3>

<p>梅や容器を洗ったときに水気が残ったままだと腐敗しやすくなります。しっかりと水気を拭き取って使うようにしてください。</p>

<h3>2Lサイズ以上の大粒の梅を使う</h3>

<p>市販の梅の実にもサイズがあります。梅のエキスがしっかりと取れるよう、梅シロップを作る時は2L以上の大きな物を選ぶようにしてください。</p>

<h3>砂糖でつねにコーティング</h3>

<p>梅がしっかりと砂糖でコーティングされていないと腐敗しやすくなります。梅がしっかりと砂糖で覆われるように、1日に2～3回、容器を揺するようにしましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>基本の梅シロップの作り方</h2>

<p>早く梅シロップを飲みたい！という方にぴったりのレシピを紹介します。</p>

<p>【材料】</p>

<p>・梅　500グラム</p>

<p>・氷砂糖　400グラム</p>

<p>・容器　1.5リットル以上のものがオススメ</p>

<p>材料はたったこの2つだけです。まずは梅を洗ってへたを取ります。その後、梅をジッパー付きの保存袋に入れて24時間冷凍庫で寝かせます。最近は冷凍した梅を「冷凍梅」として販売するオンラインショップもあるので、この工程も面倒！という方は生の梅ではなく初めから「冷凍梅」を用意する方法も。また、冷凍梅は冷凍の状態のままならば1年くらいは保存が利きます。梅の時期だけでなく、1年を通して好きな時に梅シロップ作りを楽しめます。</p>

<p>続いてビンの準備です。キッチンペーパーにホワイトリカーをしみ込ませ、容器の内側をまんべんなく拭きます。もっと手軽にしたいという人はホワイトリカーの代わりにアルコールスプレーを使っても大丈夫。いずれも菜箸でビンの内側を拭き上げるイメージでやってみてください。続いて、冷凍梅と氷砂糖がビンの中で交互になるように入れたら仕込みは完成です。</p>

<p>あとは風通しの良い日の当たらないところに置いて、1日に2～3回ビンを揺するだけです。漬け込み始めて2～3週間、梅がしおれてきたら完成です。しおれた梅を清潔な菜箸などを使って引き上げ、できたシロップは冷蔵庫で保存してください。</p>

<p>自分で作った梅シロップで夏バテ知らずの体になって暑い夏を乗り切りましょう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_umenomi.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 11 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[福光佳奈子,一般社団法人Raise]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>認知症リスクにも影響する「睡眠の質」を高めるには? 日中のウォーキングの効果  長尾和宏（医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12247</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012247</guid>
			<description><![CDATA[認知症予防にもつながる「日中のウォーキング」の効果について、医師の長尾和宏さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="認知症予防" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_middleMan.jpg" width="1200" /></p>

<p>睡眠は心身の健康維持に不可欠なものです。医師の長尾和宏さんは「良質な睡眠は、認知症のリスク低減にも効果がある」と語ります。本稿では、睡眠の質を高めるために重要な「日中の歩行の効果」について書籍『歩く人はボケない 町医者30年の結論』より解説します。</p>

<p>※本稿は長尾和宏著『歩く人はボケない 町医者30年の結論』（PHP新書）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自然な眠りのために、歩行が重要</h2>

<p>睡眠には周期があり、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類が繰り返されています。</p>

<p>レム睡眠は、目を閉じていても眼球が素早く動いている状態です。体は休息していますが、脳は活発に活動しています。夢を見るのはレム睡眠のときです。一般的に、レム睡眠は「浅い眠り」と言われています。</p>

<p>一方、ノンレム睡眠時には脳の活動も低下しています。ノンレム睡眠は「深い眠り」であり、成長ホルモンが分泌されていると考えられています。</p>

<p>レム睡眠とノンレム睡眠がワンセットで、若い人は計90分くらいと言われています。この90分くらいの周期が一晩に数回、繰り返されます。入眠するとまずノンレム睡眠に入ります。最初に訪れるノンレム睡眠のときが一番深い眠りに達します。</p>

<p>数十分後には眠りが浅くなり、短いレム睡眠に移行します。このワンサイクルが約90分と言われています。この周期を一晩に数回繰り返すそうですが、2回目、3回目の周期ではノンレム睡眠は1回目のノンレム睡眠より浅くなってきます。</p>

<p>1回目が一番深い眠りにまで行き、2回目は1回目ほど深い眠りまで行かず、3回目は2回目ほど深い眠りにはならず、明け方になってくると、浅い眠りのレム睡眠の時間が長くなってきて、ほどなく目が覚めます。</p>

<p>このように一定の睡眠リズムを保った睡眠が「良質な睡眠」と言われています。睡眠時間の長短がよく議論されますが、あくまで量より質です。睡眠時間はかなり個人差があります。しかし6時間以下や10時間以上など極端な睡眠時間はよくない、と言われています。</p>

<p>ところが、睡眠薬を飲んだ場合は、良好な睡眠リズムが得られません。つまり自然な眠りとはかなり異なっているということです。</p>

<p>睡眠薬を常用している人は、認知症発症リスクが高くなる可能性が示唆されています。認知症のリスクを下げるためには、睡眠薬を使わない自然な眠りが大切です。すでに長く服用されている方は減薬や断薬を考えたほうがいいと思います。</p>

<p>自然な入眠には、心地よい疲労が必要です。昼間に適度に歩くことで心地よく疲労し、睡眠の質が改善され、認知症リスクが減ります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>太陽の光を浴びて、体内時計を整える</h2>

<p><img alt="松果体" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250424Nagaokazuhiro01.jpg" width="1200" /></p>

<p>脳には松果体という部位があります。大きさはグリーンピースくらいの小さな臓器で睡眠に関連しています。松果体は、メラトニンという睡眠ホルモンを作る部位です。認知症といえば海馬ばかりが注目されがちですが、認知症は睡眠障害であるという視点からみれば、松果体の働きもとても重要です。</p>

<p>一日のリズムとして、活動時間帯の昼間には眠くならずに、夜に眠くなるために、睡眠ホルモンのメラトニンは主に夜に分泌されます。そのためには太陽の光が重要です。</p>

<p>人間の体内時計は約25時間周期とされ、自然界の24時間周期とは1時間ズレています。毎日、1時間ずつ時差が生じています。それをリセットするのが、朝一番の太陽光です。ですから、まったく光が入らない独房に閉じ込められると、毎日1時間ずつズレていき、2週間後には昼夜が逆転してしまいます。</p>

<p>ですから、朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びることが重要です。こうした体内リズムは時間医学という分野で研究が進んでいます。</p>

<p>太陽光を浴びると脳内でセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれているものです。</p>

<p>わかりやすく言えば、太陽の光を浴びると、それだけで幸せな気分になるということです。私は、太陽の光をたくさん浴びて幸せそうな顔貌を「セロトニン顔」と呼んでいます。</p>

<p>セロトニンは、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料になります。朝から日中にかけて脳内にセロトニンがたくさん分泌されると、夜にメラトニンが分泌されやすくなります。朝7時に太陽の光を浴びれば、その15時間後の夜10時くらいには、睡眠ホルモンが出てきて、自然に眠たくなります。</p>

<p>朝、太陽の光を浴びながらの散歩は気持ちがいいものです。その結果、睡眠の質が高まり、認知症のリスクは減少します。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_middleMan.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 11 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[長尾和宏（医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>都会の窪地は楽しい！ 「ブラタモリ」でもおなじみ東京スリバチ学会はなぜ生まれた？  望月大作</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/11708</link>
						<guid isPermaLink="false">0000011708</guid>
			<description><![CDATA[東京スリバチ学会会長の皆川典久さん。なぜ都会の窪地に注目したのでしょう？ そしてその魅力とは？]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="皆川典久" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2024/2024A/241227mochidukidaisaku.jpg" width="1200" /></p>

<p>世の中にはたくさんの名言や迷言、奇跡のような出来事が存在します。でもそれだけではありません。誰かの何かきっかけになる言葉だったり行動は十人十色存在していて、それは飾らない何気ない言葉や行動だったりもします。誰がどんな言葉や出来事できっかけをもらったのか、些細なことから大きな出来事までさまざまな分野で活躍されている皆さんに伺いたいと考え、実際に伺ってきました。</p>

<p>第2回としてお話を伺ったのは、東京スリバチ学会会長として『ブラタモリ』にも多数出演されている皆川典久さんです。皆川さんは大手ゼネコン会社に勤められていて、さまざまな建築物の設計にも携わられています。</p>

<p>皆川さんといえば、やはり「街歩き」のイメージがあるのですが、最近知った興味深い皆川さんの能力があって、それはどんな場所にいても「北」がどっちにあるのか瞬時に判断できることなんです。かなり前に『探偵ナイトスクープ』でも取り上げられていた能力を皆川さんも持っていて衝撃を受けたのでした。</p>

<p>もうご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ある言葉から皆川さんの人生は変貌を遂げました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>青山通りから一本入れば情緒あふれる「すり鉢状の窪地」</h2>

<p>皆川さんはそもそも街歩きをされていました。そしてあるとき「スリバチ」という名称を思いつき、それを街歩きで見つけたすり鉢状の窪地のことをそう命名しました。東京を歩いてみるとたくさんの坂や谷があり、地形マニアとしても知られるタモリさんはその中でも坂に着目して坂道学会と自称されています。皆川さんの場合は坂ではなく、凸凹地形に着目して、そこを「スリバチ」と名付けました。</p>

<p>その「スリバチ」について皆川さんは、例えば都心の青山通りから一本裏に入った黒鍬谷（薬研坂）のように、単純にくぼ地なだけではなくて、くぼ地の底には表通りとは一味違う下町風情の全く異なる街並みがすぐ側にあることが驚きだったんだそうです。</p>

<p>表通りとは隔絶された街が「スリバチ」の中にあったのは体験的に非常に面白く、それが直感的に「スリバチ」という言葉を思いつくきっかけになりました。そして皆川さんが「スリバチ」と名付けたことが、不思議な縁を手繰り寄せていくことになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スリバチの高低差を楽しんでいたら、気がつけばタモリさんがいた</h2>

<p>スリバチ学会を2003年に数人に友人で立ち上げた皆川さんは、今では至るところで再開発されている東京の中で、そんな開発から取り残された街に面白さを見出して始めたのが東京スリバチ学会の初期の活動だったそうです。</p>

<p>東京都内を歩くと奥行きが200mや300mの小さなくぼ地がたくさんあります。そんな小さなくぼ地をなぞるような高低差を楽しむ活動が東京スリバチ学会の活動です。しかし、東京スリバチ学会が立ち上がった2003年といえば、まだSNSは影も形もないころでした。</p>

<p>最初に「スリバチ」という言葉に食いついたのは、現「東京スリバチ学会」副会長で慶應義塾大学教授の石川初さんでした。皆川さん曰く、『会長が思いついた一番のスリバチポエムは「スリバチ」という言葉だ』と石川さんからは言われたそうです。</p>

<p>当時、参加者をどう集めていたのか。皆川さんによるとブログで発信をされていたとのことです。単純に街歩きと書くと集まるかどうかわからない。でも「東京スリバチ学会の街歩き」として募集をかけると、その言葉の物珍しさも手伝って見ず知らずの方々が集まってきたそうです。</p>

<p>そしてその集まってきたなかに例えば出版関係のリサーチをされている方だったり、「タモリ倶楽部」のリサーチをやっているような、ネタ集めをやっている方々が紛れ込んでいたことが、後につながっていきます。</p>

<p>皆川さんがタモリさんと最初に出会った番組は「タモリ倶楽部」でした。ネタや情報を集めている人が「東京スリバチ学会」のブログを読んで皆川さんに声を掛けたことがきっかけでした。「東京スリバチ学会」のブログでは街歩きの募集の他に、その街歩きについてのレポート記事も定期的にアップしていました。街歩きの募集、街歩きのレポート記事のサイクルでコンテンツが増えれば増えるほど、徐々に参加者も増加していきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>NHK「ブラタモリ」誕生の影にスリバチあり？</h2>

<p>皆川さんは「ブラタモリ」には何度もゲストとして登場しています。皆川さんや「東京スリバチ学会」のことを「ブラタモリ」で初めて知った方も多いんじゃないでしょうか。</p>

<p>そんな「ブラタモリ」にはひとつ興味深いエピソードがあります。番組が始まる前に皆川さんにタモリさんと始める新番組に関しての相談があったそうです。そこで皆川さんがスタッフに話したのが「ブラタモリ」の元になるようなアイデアだったそうです。</p>

<p>もし皆川さんが「あ、スリバチ」と「東京スリバチ学会」なる団体・企画を立ち上げなければ、「ブラタモリ」は存在しなかったかも知れません。そう考えると「スリバチ」という言葉の発明は非常に大きな意味を持っていると言わざるを得ません。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2024/2024A/241227mochidukidaisaku.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 08 May 2026 19:15:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[望月大作]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>混ざりあわなかった赤と青　描くことに“目的地”はあるのか（連載「描き屑の瞬き」第1話）  いのうえまりこ（画家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14200</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014200</guid>
			<description><![CDATA[画家・いのうえまりこさんの連載「描き屑の瞬き」では、いのうえさんがその時々に抱いたあれこれを絵とエッセイで綴ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="いのうえまりこ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428inouemariko02.jpg" width="1200" /></p>

<p>アルコールインクアートは、インクと無水エタノールを紙に垂らし、ドライヤーなどの風や紙の傾きでインクを広げていく抽象的なアートです。</p>

<p>画家のいのうえまりこさんは、アルコールインクを主な画材に、自分の内側にあるものと向き合いながら作品を描いています。</p>

<p>本連載「描き屑の瞬き(かきくずのまたたき)」では、いのうえさんがその時々に抱いたあれこれを、絵とエッセイで綴ります。描くことで、言葉にならないものがすくい上げられることがある。その表現に触れて、あなた自身の何かと重なったり、ふっと心が軽くなる時間になれば幸いです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>描くことと生きることのあいだ</h2>

<p><img alt="いのうえまりこ,アルコールインクアート" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428inouemariko07.jpg" width="1200" /></p>

<p>答えの出ない問いをよく考えている。</p>

<p>言葉にしようとするとうまくまとまらなくて、<br />
まとめた瞬間に真意はペラペラになりそうで。<br />
どこかで誰かが言っているであろう、ありふれた言葉になってしまいそう。</p>

<p>この連載の話をいただいたときも、とてもとても嬉しかった。ずっとやってみたかったことのひとつだった。</p>

<p>なのにやっぱり筆は進まない。</p>

<p>やってみたいという欲求と、<br />
やりたくないという怖さが、同時にいる。</p>

<p>絵を描くときもそう。<br />
描きたいと、描きたくないが、いつも隣にいる。</p>

<p>絵具を紙の上に落とす。<br />
にじんでは広がる。<br />
また新しい色を、ぽたぽたと、落とす。</p>

<p>その繰り返し。</p>

<p>きれいだと思う瞬間と、<br />
うまくいってないと思う瞬間が、同時にある。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>アルコールインクをメイン画材として、普段私は絵を描いている。</p>

<p>もともと会社員として働いていたけれど、コロナ禍で時間ができたことをきっかけに、挫折していた絵をもう一度描き始めた。</p>

<p>インクを紙の上に垂らし風を当てると、色はにじみ、思いがけない方向へ広がっていく。</p>

<p>どこに流れるのか、どんな形になるのか。<br />
そのときになってみないとわからない。</p>

<p>その&quot;わからなさ&quot;が好きだった。</p>

<p>決めなくてよかった。<br />
ただ色は広がっていった。</p>

<p>ときどきアート体験の場を開いている。<br />
そこで出会う作品は、どれも美しくて本当に感動する。そのままの自由な絵で、誰一人欠くことなく、全て完璧だと思っている。</p>

<p>けれど、この連載にあたり編集の方と対談をしながら絵を描くなかで、<br />
自分の活動について話をしていたそのとき、</p>

<p>ぽろっと言葉が落ちた。</p>

<p>「数年続けているけれど、私、別にうまくなってはいないよね」</p>

<p>誰かにかけていた言葉とは違う声だった。</p>

<p>そのとき描いていた絵は、赤と青が混ざらないまま、紙の上に置かれていた。</p>

<p><img alt="いのうえまりこ,アルコールインクアート" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428inouemariko03.jpg" width="1200" /></p>

<p>かつて絵を学んでいたころ、作品に75点とつけられた記憶がある。</p>

<p>悪くもなければ、特別でもない。</p>

<p>曖昧な数字をみたその瞬間が、今でも映像として脳内に焼きついている。</p>

<p>うまいか下手か。届いているか、足りないか。</p>

<p>気づくと、どこかにたどり着くために描いている自分がいた。</p>

<p>描く行為は、かつての私にとっては道しるべで、ただ歩いていられればそれでよかったのに。</p>

<p>赤と青は、混ざらなかった。</p>

<p>隔たりがあることは、最初よくないものにも見えた。<br />
対極にある感情が、まとまらないまま自分の中に放置されているようだった。</p>

<p>けれど。</p>

<p>それを改めて眺めたとき、色たちは、ただそこに在るだけだった。</p>

<p>境界は争っているようには見えなかった。</p>

<p>どちらも自分の色をやめていない。<br />
それが美しいと、その時の私は思った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p><img alt="いのうえまりこ,アルコールインクアート" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428inouemariko05.jpg" width="1200" /></p>

<p>対談の最後に、編集の方がこんな話をしてくれた。</p>

<p>昔、水面を探しに海や沼へと行ったことがある、と。<br />
紙の上で色がにじんでは移ろいゆく様子が、それに少し似ていたのだという。<br />
ずっと見ていられる時間だった、と。</p>

<p>水面の表情に同じ瞬間はなく、本当は、刻一刻と変わっていて。<br />
同じように見えても、少しずつ違っていて。</p>

<p>縛られていると思っていた考えも、ふと、ほどけていくかもしれない。</p>

<p>変わらないと思っていた波間に、<br />
ふと、自分だけの光がきらりと見えることがあるかもしれない。</p>

<p>でも、その光は次の瞬間にはもう消えているかもしれない。</p>

<p>広がっては消えていく波紋。<br />
重なり続ける揺らぎ。</p>

<p>ただそれを眺めている時間。</p>

<p>答えを持たないまま、キラキラと揺れている。</p>

<p>その景色たちを、ここにそっと置いていこうと思う。</p>

<p><img alt="いのうえまりこ,アルコールインクアート" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428inouemariko04.jpg" width="1200" /></p>

<p>これからここで描くもの、<br />
紡いでいく言葉が、<br />
そんな時間になっていけばと思う。</p>

<p><img alt="いのうえまりこ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428inouemariko01.jpg" width="1200" /></p>

<p>今回使用した画材：アルコールインク</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260428inouemariko02.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 08 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[いのうえまりこ（画家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>脳は「口ぐせ」に左右される　同じ失敗を繰り返す人が、すぐ封印すべき「思考を狭めるNG言葉」  菅原洋平（作業療法士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14171</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014171</guid>
			<description><![CDATA[失敗などをした時についつい出てしまう口ぐせが、さらなる失敗に繋がることがある。作業療法士の菅原洋平さんが「今すぐ止めたい口ぐせ」を紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="菅原洋平著『仕事が速い人があたりまえにやっていること』" height="720" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_ThinkingMan.jpg" width="1200" /></p>

<p>「いつも同じミスをしてしまう」「間違えてばっかり」――仕事などでミスをしたときに、こんな言葉を口にしていませんか？こうしたマイナスな口ぐせが、同じ失敗を繰り返す原因になることがあると、作業療法士の菅原洋平さんはいいます。</p>

<p>本稿では、言葉が脳に与える影響や同じ失敗をしないように気を付けたいことを見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、菅原洋平著『仕事が速い人があたりまえにやっていること』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「口ぐせ」が最強の修正力をつくる</h2>

<p>「失敗は成功のもと」ということわざは、「なにが間違っていたのかを調べて次に生かしていけば、必ず成功する」という意味です。素晴らしい人生訓ですが、実はこれ、脳科学的にも裏づけられています。</p>

<p>なぜなら、脳には、行動した結果、得られた感覚に基づいて次の行動を修正する「フィードバック誤差修正」という仕組みがあるからです。</p>

<p>作業をすればするほど上達していくのは、この仕組みのおかげ。つまり、「同じ失敗を繰り返す」という要領の悪さは、「脳へのフィードバック機能が正しく働いていないから」といえます。これを防ぐには、自分では気づかずに埋もれている「感覚」を発見する必要があります。</p>

<p>たとえば、同じ失敗をしがちな人でも、「プレゼンを周囲から褒められ、目頭が熱くなった」「大きな契約を受注できて興奮し、『自分ってすごい！』と思えた」など、ポジティブな出来事による感覚はなにかしらあるはずです。こうした感覚が一度掘り起こされれば、「その感覚に基づいて行動を修正してみよう」と脳内で自動的にセットされます。</p>

<p>感覚が埋もれてしまう原因の代表例は「口ぐせ」です。「いつも○○」「○○ばっかり」こんな言葉を使っていませんか？</p>

<p>たとえば、「いつも眠れない」と言うと、完全に睡眠をとっていないことになりますが、実際にはそんなことはあり得ません。しかし「いつも」と言ったことで、眠れた日の感覚が埋もれてしまいます。埋もれてしまえばその感覚は忘れてしまい、忘れてしまえば、自分はそうだと決めつけてしまいます。</p>

<p>一部のことを全部のように決めつけてしまう口ぐせをやめて、代わりに「あのときはうまくいった」とつぶやいてみましょう。脳内では、うまくいったときの感覚に焦点が当てられて、違う結果になるための行動記憶を読み出すことができます。</p>

<p>私たちが使う言葉は、記憶の「検索ワード」のようなもの。「あのときはうまくいった」とつぶやいたとき、脳内では「あのとき」の行動記憶が検索されます。グーグルなどの検索エンジンを使うと、関連するページを探し出してくれますよね。あれと同じイメージです。</p>

<p>なので、脳という検索エンジンの中にポジティブな行動記憶を入れておけば、検索するときもポジティブな記憶がヒットし、その記憶に基づいた行動(＝うまくいったときの行動)を自動的にとってくれる、というわけです。</p>

<p>普段から「いつも」と「ばっかり」という言葉を使わないようにしてみるだけで、脳のセンサーが働き始め、「うまくいったときの感覚」を掘り当ててくれます。あとは、脳の修正力に任せるだけ！</p>

<p>ほかにも、こんな言葉を口ぐせにしていませんか？ もしこの中に、「言っちゃってる......」というものがあれば、今日から使用禁止です！</p>

<p>【NG口ぐせ集】</p>

<p>・絶対〇〇：絶対失敗する、絶対忘れる、絶対眠れない</p>

<p>・また〇〇：またやっちゃった、また怒られた、また遅刻した</p>

<p>・昔から〇〇：昔から要領が悪い、昔からミスが多い、昔からこうだ</p>

<p>・必ず〇〇：必ず怒らせる、必ず忘れ物をする、必ず嫌われる</p>

<p>・〇〇ばっかり：トラブルばっかり、悪いことばっかり、負けてばっかり</p>

<p>・〇〇だけ：自分だけ損をしている、あの人だけ得をしている</p>

<p>・全然〇〇：全然ダメ、全然うまくいかない、全然思いどおりにならない</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「同じ間違いをしちゃう」には前兆がある！</h2>

<p>トラブルの初期段階には、なんらかの「生理的な前兆」があります。前兆を察知できれば、「いま自分は、失敗を繰り返しやすい状態にある」とセンサーが働き、同じような失敗を防ぐことができます。</p>

<p>みなさん、こんな経験ありませんか？</p>

<p>仕事が忙しくてやることが山積みな時期に限って、なぜか帰宅後に「その日にやらなくてもいい片づけや掃除」をしてしまう。机の上の書類の整理、散らばった洗濯物の片づけ、部屋の隅に置いてあるホコリを被った段ボールの整理などなど。普段はやらずにいるのに、なぜか気になってやり始めてしまう.......。そして、寝不足で翌日のパフォーマンスが上がらず、おきまりの「またやってしまった......」。</p>

<p>このような、通常のテンションと違うときは、同じ失敗を繰り返してしまいがち。日中の忙しさで交感神経が優位になり、その結果として高まった心拍などの生理的な状態に、行動を合わせてしまっているからです。ほかにも、</p>

<p>・予定より早く作業が終わったとき</p>

<p>・売り上げが予想を超えてよかったとき</p>

<p>・突然誰かに褒められたとき</p>

<p>このような「予期せぬ報酬」を得たときも、ドーパミンが脳にあふれ出し、高い心拍数に合わせて私たちの視野は狭くなり、そのテンションで作業に手をつけるようになってしまいます。こうした状況のときは、体が発するサインに注意を向けることが大切。脳には、意識が向けられている感覚が増幅される機能が備わっています。</p>

<p>自分の体のサインを見つけて、その生理現象をよく観察する。すると、脳に到達する段階で感覚は増幅されて、脳内では、「いま、自分の体に起こっていること」が明瞭に再現されます。その結果、「この状態のときの自分はマズい」と気づくことで、最適な行動に修正することができるようになる。それが、あなたを「仕事が速い人」に近づけます。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 08 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[菅原洋平（作業療法士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>35歳から職務経歴書の書き方が変わる？　子育て後の就職・転職をスムーズにする「書類の作り方」  山本しのぶ,一般社団法人Raise</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12238</link>
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			<description><![CDATA[子育てが一段落したあとの「もう一度働きたい」には壁がある？ スムーズなキャリア形成のための書類づくりの方法を専門家にお聞きします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="山本しのぶ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/250227thinkingwoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>子育てが一段落してくると、「もう一度働きたい」「キャリアを見直したい」と考える女性は少なくありません。しかし、現実には多くの壁が立ちはだかり、不安や戸惑いを抱える方も多いです。35歳からの転職・再就職を成功させるカギについて『アラフォー女性のための次こそ成功させる転職マニュアル　30代・40代からでも正社員になれる！』（つた書房）の著者、キャリアコンサルタントの山本しのぶさんに聞きました。（聞き手・文／一般社団法人Raise）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>転職市場は35歳までと言われるけれど&hellip;</h2>

<p>転職や再就職を希望する女性たちからよくある相談が「この年齢でも正社員になれますか？」というものです。「転職できるのは35歳まで」「40代というだけで書類選考が通らない」「若い人を採用したがる企業が多い」といった情報が出回っているため、不安に感じる人が多いのです。特に、ブランクがある場合や未経験職種へのチャレンジでは、年齢がネックになるのでは？と、気にされる方も。しかし、年齢＝不利ということでもありません。</p>

<p>例えば、40代ならではの落ち着きや責任感、柔軟なコミュニケーション力、家庭や地域で培ったマネジメントスキルなどは、多くの企業にとって貴重な人材要素です。また、近年では「女性の再就職支援」に力を入れる企業も増えつつあります。求人情報をよく読んで、マッチする会社に応募すれば、正社員も夢ではありません。これまでの経験を言語化し、「今の自分にできること」「組織にどう貢献できるか」を具体的に示すことで、書類通過率や面接での評価を上げていくことができます。私のところに来る相談者の中にも実際、職務経歴書の書き方を工夫して、内定を取れた人がいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>書類選考で落ちてしまう残念な書類</h2>

<p>何社出しても書類選考で落とされてしまうという女性の方がいました。提出している書類を拝見すると、パソコンでダウンロードできる職務経歴書のひな形を使って作成したものでした。フォーマットに沿って職務経歴が年代順に書かれており、一見すると何も悪いところはないように見えます。20代の転職ならば、この書式と内容でもある程度は書類を通過したと思うのですが、35歳以上の転職では、残念ながらアピール不足でした。採用担当者の目に「魅力的な人材」とは見えなかったのだと思います。しかし、私が提案したいくつかのポイントを改善すると、書類通過率が格段にアップしました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>35歳からの職務経歴書の書き方のコツ</h2>

<p>子どもが小さいうちは時間の融通も利くパートでいこうと考えて生きてきた人の中には、長く働くうちにリーダー的な役割をしていたということもあるはずです。そういう時はパートであっても職務経歴書にその経験を書き、アピールポイントにしていきます。また、キャリアは仕事だけではありません。子育てや地域活動で培った調整力、忍耐力、対人スキルなどは、職場で十分に活かせる力です。自信を持って、それらの「見えにくい経験」を職務経歴書に落とし込み、面接で伝えていきましょう。</p>

<p>また、35歳以上の転職、再就職の場合は古い経歴から順番に並べるよりも、新しい経歴から並べることをオススメします。35歳以上の人の場合、新卒採用された時の情報は15年近く前のもののはず。昔の情報よりも、直近の情報が冒頭にある方が採用担当者へのアピールになるからです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>履歴書の書式もポイント</h2>

<p>職務経歴書の書き方の工夫の他に、履歴書の選び方にもポイントがあります。皆さんがよく手にするのは恐らく、ネット上で手に入るひな形や、市販の履歴書などだと思います。この履歴書の書式には、大きく分けて2つのタイプがあります。学歴や職歴を書く欄が広くとってあるものと、狭くなっているものです。学歴が多い人や、職務経験が豊富な場合は広めのフォーマットを選ぶと良いのですが、それほど書くことがない人の場合、スペースが広めにあるものを選んでしまうと空白が多くなります。まずは自分の学歴、職務経歴をノートなどに書き出してみましょう。全体の分量を把握し、どのくらいのスペースが必要かを考えて、内容のボリュームに合ったひな形を選ぶようにしてください。</p>

<p>また、履歴書の職歴には書かなければいけない情報と、書かなくても良い情報があるのをご存じでしょうか。契約社員や派遣社員など「社員」とつく雇用形態で働いたものは職歴に必ず書かなくてはいけません。一方で、パートやアルバイトとして働いた経験の記載は任意です。ですが、社員として働いていた時からかなり時間がたっているとブランクが長いと思われるため、パートでも職歴に記載した方がいい場合もあります。</p>

<p>35歳からの転職・再就職活動は、確かに簡単なものではありません。しかし「人生100年時代」と言われる今、30代、40代はまだまだ可能性に満ちた世代です。これまでの経験を土台に、自分の価値を再確認し、無理のないペースでステップを踏んでいけば、自分らしい働き方を実現することができます。焦らず、諦めず、一歩ずつ。あなたの未来は、きっとあなた次第で変えていけます。<br />
&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/250227thinkingwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 07 May 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山本しのぶ,一般社団法人Raise]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>故郷にも住む場所にもとらわれない　75歳の実業家が貫いてきた「身軽さ」という哲学  中野善壽（実業家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14189</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014189</guid>
			<description><![CDATA[実業家の中野善壽さんは、旅行を一切計画しないという。流れに身を任せることの利点とは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="中野善壽" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingBizman.jpg" width="1200" /></p>

<p>旅の計画を立てるのに時間をかけすぎていませんか。あるいは、生まれ育った場所や、今いる環境への漠然とした義務感に縛られていませんか。</p>

<p>実業家・中野善壽さんの旅の流儀は「計画を一切しないこと」。130の国と地域を訪れてきた中野さんは、ホテルも決めずに降り立った街で、カフェの店員に宿を頼む。それが最高の旅になると言います。</p>

<p>そしてその自由さは、旅だけにとどまりません。「ふるさとへの執着」「今いる場所へのこだわり」など、私たちが当たり前だと思い込んでいるものを一度疑ってみることで、思いのほか身軽になれることを教えてくれます。</p>

<p>※本稿は『ぜんぶ、すてれば』（ディスカヴァー・トゥエンティワン）を一部抜粋・編集したものです。<br />
※同書は2020年に発売した書籍を携書化したもので、内容やプロフィールは発刊当時のものとなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>旅は計画ゼロで。偶然の出会いが最高のガイド。</h2>

<p>これまで訪れた国と地域は130ほど。プライベートでも海外旅行は好きです。やっぱり、自分が知らない土地、知らない文化に触れることは、心を自由にしてくれます。若い人には旅をおすすめしたいです。</p>

<p>僕なりの旅の流儀を一つ挙げるとしたら、「計画を一切しないこと」。とりあえず飛行機から降りて街に出たら、感じのよさそうなカフェに入って「このへんでいいレストラン知らない？」と店の人に聞く。</p>

<p>「高いレストランがいいの？」と聞かれたら、「あまり高過ぎるのはダメ。でも、そこそこおいしくて雰囲気がいい店がいい」と希望を言えば、だいたい教えてくれます。</p>

<p>そして行ってみたレストランが気に入ったら、「このへんで一番おすすめのホテルを教えて」と聞く。</p>

<p>センスのいい料理やインテリアを提供しているレストランで働く人は、だいたい、いいホテルを知っているんです。ホテルの名前を教えてくれたら「そこにする。今日泊まりたいから、悪いけど、予約してくれない？」とチップを添えて。次の日のランチもその調子で、行き当たりばったりの旅が面白いんです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ふるさとに縛られるのも、幻想でしかない。</h2>

<p>日本人がなかなか捨てきれないものの一つに、「ふるさと」があります。生まれた土地とそこに紐づいた地縁。「跡取り」として土地や家を受け継ぐプレッシャーに悩んでいる人も少なくないでしょう。とらわれる必要はない、と僕は思います。</p>

<p>そもそも&quot;土着&quot;という考え方がなぜ生まれたのか。歴史を紐解くと、それが時の為政者の施策でしかなかったことがわかります。</p>

<p>例えば、江戸時代の徳川幕府による土地政策。各地の生産性を維持し、江戸への必要外の流入を防ぐために土地を与え、寺などに地域の分所的役割を作ったのです。個人が土地にこだわるようになったきっかけは、人の管理と生産管理の一環でしかなかったのかもしれません。</p>

<p>「そんなものか」と思いませんか。</p>

<p>もちろん、こだわることで得られるものもあるでしょう。けれど、もしかしたら失っているものも大きいかもしれない。例えば、土地に縛られなければ外国だってどこだっていつでも飛び立てるんですから。</p>

<p>伝統工芸のような精緻なものづくりには継承が必須になるけれど、それも「その土地じゃないと絶対ダメ」ということはないはず。</p>

<p>捨てちゃいけないものなんてない。それくらいの気持ちで、一度、すべての「当たり前」を疑ってみることをおすすめします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>今いる場所を捨てる。いつでもゼロから始める。</h2>

<p>住む土地にこだわらない。移住先の選択さえ、なりゆきで決めてしまう。そんな価値観に至った源流をたどると、子ども時代に転地を繰り返した経験が大きいように思います。</p>

<p>1944年生まれの僕は、家庭の事情で祖父母に育てられました。本籍は東京ですが、生まれは青森県八戸市鮫町です。小学校の頃に一度転校し、中学生の頃に再び青森へ。同級生の津軽弁がまったくわからず、一人になってしまったような心細さを感じたことを覚えています。</p>

<p>その後、大学は千葉に進んだので、また大移動。東京で就職してからも、香港、ニューヨーク、パリと、世界の都市で働く経験があったからか、見ず知らずの土地に行くことにはなんの抵抗もありません。</p>

<p>一つの場所で固定した人間関係を築くような町内会的な発想は皆無。「モンゴル遊牧民族的」な生き方とも言うべきか。どうせ新しいことをやるなら、今いる場所でやるよりも、新しい場所で始めたい。だって、今いる場所で始めたら、ここでやってきたことに影響されるじゃないですか。</p>

<p>いつでもゼロから出発できる。そのほうがずっといい結果を生めると信じることができれば、どこへだって行けると思います。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingBizman.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 07 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中野善壽（実業家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>簡単に立体的な絵を描く方法は? 野村重存さんの「世界一わかりやすい絵の授業」  野村重存（画家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12233</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012233</guid>
			<description><![CDATA[画家の野村重存さんが教える「立体的な絵の描き方」とは？]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="野村重存" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250423Nomurashigeari0.jpg" width="1200" /><br />
写真：小池彩子</p>

<p>テレビ番組「プレバト!!」（MBS/TBS系）の水彩画コーナーで大人気の絵の先生・野村重存さんは、「絵のセンスや才能がない」と思っている超初心者、さらにその前段階の初心者未満の人でも、「必ず上手な絵を描くことができる!」と語ります。</p>

<p>前回の記事では、絵を描くときの最初のステップ「型取り」について教えてもらいました。型取りの基本は、軽く、薄く、何本もの「直線」でものの輪郭を描くこと。本稿では、りんごを型取りした絵をもとに&quot;立体的な絵を描く方法&quot;について教えてもらいました。生徒役は、絵を描くことにコンプレックスを抱いている超初心者のIさんです。</p>

<p>※本稿は、野村重存著『野村重存の世界一わかりやすい絵の授業』（PHP研究所）から一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>こう描けば立体的に見える!</h2>

<p>野村：それじゃあ、Iさんが型取りした絵をもとに、実際に整えていきましょう。</p>

<p>I：よーし、実物のりんごに近づけていくぞ〜! えーっと、こんなところに角はないから、ここはまるく描いちゃおう。</p>

<p>野村：おっと、ストップ! そこ、曲線で描いちゃいます?</p>

<p>I：えっ、実物のりんごに近づけていくんだから、曲線で描くんじゃ......。</p>

<p>野村：残念! 曲線で一筆書きのように描くと、どうなりますか?</p>

<p>I：......あっ、曲線で描くと、りんごのまるいながらも、いびつでゴツゴツした感じが表現できないと、この前、習いましたね（汗）。</p>

<p>野村：思い出してくれましたか。</p>

<p>I：ということは、この整える工程でも、型取りのときと同じように「直線」で描いていくんですか?</p>

<p>野村：その通り! 型取りのときよりも短い「直線」で、軽〜く、薄〜く、何本も直線を描きながら角を削っていきます。そのとき、一気に整えずに、少しずつなめらかにしていきましょう。</p>

<p>I：サッサッサッ。本当に地道ですね。野村先生、下のような感じになりましたが。</p>

<p><img alt="Iがかたちを整えたあと" height="1114" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250423Nomurashigeari04.jpg" width="1200" /></p>

<p>野村：そう、そんな感じです。とてもいいですね！</p>

<p>I：ありがとうございます! 大人になると、ほめられることがないので、うれしいです（照）。</p>

<p>野村：少しずつ、少しずつ角を削っていってなめらかになったら、最後に必要のないはみでた線を消しゴムで消すと、りんごの輪郭は完成です。</p>

<p><img alt="Iが描いたりんごの輪郭" height="601" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250423Nomurashigeari05.jpg" width="1200" /></p>

<p>I：やった〜! 輪郭が完成しました。角を削る前と削ったあとを下に並べましたが、まったく違いますね。角を少しずつ削って整える工程って、彫刻みたいで、とてもおもしろかったです。</p>

<p>野村：まさに彫刻と同じです。彫刻は、ゴツゴツした多面体の素材の角を少しずつ削っていって、なめらかにしていきますからね。</p>

<p>I：野村先生、多面体というのは......?</p>

<p>野村：立方体や直方体など、4つ以上の平面で囲まれた立体のことですね。絵や彫刻などの美術の世界ではよく使われる言葉で、ものを平面ではなく立体としてとらえるときにイメージする図形です。......あっ! 多面体といえば、ちょっと待っててください。私も描きます。サラサラサラ。</p>

<p>I：野村先生のお手本ですか！</p>

<p>野村：はい。型取りをしたあとに削って整えたのが、下です。</p>

<p><img alt="野村先生のお手本" height="1125" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250423Nomurashigeari06.jpg" width="1200" /></p>

<p>I：うわぁ!! 一気に実物のりんごに近づいた! あれっ、輪郭だけじゃなくて、りんごの前側にも、なにか線が描いてありますね......。</p>

<p>野村：そうなんです。これは、りんごの表面のまるみを出すための線ですね。りんごを平面ではなく立体としてとらえて、表面があることを意識しながら、縦や横の直線を薄く描きくわえました。</p>

<p>I：この線があることで、一気にりんごが立体的に見えますね。</p>

<p>野村：粗い木彫りのりんごみたいに見えるでしょう?</p>

<p>I：はい、見えます! 考えてみると、リアルな絵って、平面的ではなく立体的ですもんね。これまで輪郭をとらえるのに一生懸命で、りんごにまるみのある立体感があるのを忘れていました......。というか、今、はじめて立体だと意識しました（汗）。</p>

<p>野村：まずは、きちんと輪郭のかたちを描くことが大切なので、大丈夫ですよ。</p>

<p>I：この表面の線は、どうやって描けば......?</p>

<p>野村：ものを多面体としてとらえて描くのは、いきなりは難しいんです。多面体の感覚をつかむには、習うより慣れよ。特に、Iさんのような初心者は、お手本をなぞって練習するのが、いちばんの近道です。なぞるうちに、「こうやって描けば立体的に見える」という感覚をつかめるようになりますから。</p>

<p>I：わかりました。さっきの野村先生のお手本を、今、少しなぞってもいいですか?</p>

<p>野村：どうぞ、どうぞ。</p>

<p>I：お手本をコピーしてっと。それじゃあ、なぞります。......あ、少しずれた。</p>

<p>野村：一気にスーッと線を引くと、線がずれたり、それたりしやすいんです。「ゆっくり、ゆっくり」「とぎれ、とぎれ」がコツです。</p>

<p>I：つい、急いで、なぞってしまいます......。</p>

<p>野村：あせらずにいきましょう。お手本の線がどんなふうに描かれているか、じっくり観察しながらなぞると、上達がグンと早くなりますから。</p>

<p>I：何度もなぞって練習しますね。表面の線も！</p>

<p>野村：がんばりましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250423Nomurashigeari0.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 07 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[野村重存（画家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>不安があっても生きていける　“社交不安症”の男性が交流会で手にした小さな自信  広岡清伸（精神科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14128</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014128</guid>
			<description><![CDATA[人の視線が怖い「社交不安症」を抱えていた多田(仮名)さんが、グループセッションに参加して得た新たな気づきとは。精神科医の広岡清伸さんが、多田さんが笑顔を取り戻した軌跡を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="広岡清伸著『ごめんなさい、もうこれ以上頑張れません』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_depressedman.jpg" width="1200" /></p>

<p>大学時代のアルバイトで「社交不安症」となり、人の視線が怖くなった多田晋平(仮名)さん。精神科専門医の広岡清伸さんが勧めたグループセッションへ参加したところ、ある気づきを得て少しずつ自信を持つようになったそうです。</p>

<p>本稿では、多田さんが社会の中で生きる方法を見つけたプロセスや、広岡さんが社会不安症で悩む人に伝えたいことを紹介します。</p>

<p>※本稿は、広岡清伸著『ごめんなさい、もうこれ以上頑張れません』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>※本記事は特定の治療法を推奨するものではありません。実際の治療・服薬に関するご判断は、必ず主治医または専門医にご相談ください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>失敗してもいい。みんな同じだから</h2>

<p>多田さんがアルバイトを再開してから2カ月後、わたしが提案したのは、同じ悩みを抱える人たちの集まりに参加することでした。ひとりで移動できるようになった多田さんが、本格的に社会の中で生活していくには、これまで避けていた集団の中でコミュニケーションをとれるようになることです。</p>

<p>要するに、脅威となっていた他人の視線をいかに克服できるか。バイトを通じて、最低限のことはできるようになりましたが、さらに多くの人数と一緒に過ごすことに慣れてほしかったのです。多田さんにとって最終課題といってもいいものでした。</p>

<p>広岡「アルバイトには慣れてきましたか？」</p>

<p>多田「倉庫の仕事は問題なくできるようになってきたと思います」</p>

<p>広岡「そろそろ、多くの人と接することにも慣れるようにしていきましょう。社交不安症の方を対象にした少人数のグループセッションに参加してみませんか。参加者は5〜6人くらいです。みんな似たような不安を抱えている人ばかりで、定期的に集まっているんですよ」</p>

<p>多田「......いろいろな人と話すということですよね」</p>

<p>広岡「そうですね。本格的に社会の中で生活していくには必要なことですからね」</p>

<p>多田「怖くないですか？」</p>

<p>広岡「不安があっても行動する。多田さんがこれまでできてきたことですよね。だったら、できます。それに、多田さんと同じような悩みを抱えている人たちですから」</p>

<p>多田「少し安心しました。けど、怖いですね」</p>

<p>セッション初日。部屋の前で立ち尽くしている多田さんを見たわたしは、心配になって声をかけました。</p>

<p>広岡「多田さん、どうされましたか？」</p>

<p>多田「あっ、先生。ドアの向こうから聞こえてくる声が、自分に向けられた嘲笑のように感じられてきて......中に入れなくなりました」</p>

<p>広岡「昔のことを思い出してしまいましたね。でも、じっと聞いてみてください。聞こえてくる笑い声は、多田さんに向けられたものではありませんよ。そもそも、多田さんは、ここにいるじゃないですか」</p>

<p>多田「そうですよね」</p>

<p>広岡「ほら、ドアを開けて。みんな多田さんのことを待っていますから」</p>

<p>意を決してドアを開けた多田さんを待っていたのは、多田さんを歓迎する拍手でした。後でスタッフから聞いた話だと、初日の多田さんは緊張気味で、言葉少なだったといいます。</p>

<p>セッションのテーマは毎回少しずつ違いますが、目的は共通しています。「不安の中でも話してみる」「人の前で失敗しても大丈夫だと体験する」ことです。</p>

<p>初日、かなり緊張していた多田さんは、「入口の前で、もう帰ろうかと思いました」と笑いながら振り返っていました。それでも、部屋を見回すと、同じように表情の固い人たちが座っていたそうです。その光景を見た瞬間、「自分だけじゃないんだ」と感じ、少し肩の力が抜けたといいます。</p>

<p>自己紹介と近況報告を済ませると、司会を務める心理士が、「無理に話さなくても大丈夫です」と伝えてくれました。多田さんは、順番が近づくにつれて手のひらが汗で濡れ、心臓の音が耳の奥で響いたと話していました。しかし、いざ自分の番になると、「倉庫で働いています。まだ緊張しますが、少しずつ慣れてきました」と短く言葉を出せました。</p>

<p>「その瞬間、周りがうなずいてくれたんです。それが意外で、うれしかった」と、多田さんは話していました。誰も笑わず、誰も否定せず、ただ静かに聞いてくれていた。それだけのことが、多田さんの中では大きな出来事だったそうです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>安心できる場所での成功体験が、社会に戻るための大きな力になる</h2>

<p>2回目のセッションは、「最近、不安を感じた場面」をテーマに話し合いました。ある参加者が、「バスの中で人の視線が気になって途中で降りてしまった」と語ると、他の人たちも共感するようにうなずいていました。多田さんは、「同じようなことが自分にもある」と思いながら、その話を聞いていたといいます。</p>

<p>そのセッションの中で、司会の心理士からこういう提案がありました。</p>

<p>「次回は、&quot;不安を感じる場面でどう行動するか&quot;を少しだけ練習してみましょう」</p>

<p>いわゆるロールプレイ(場面練習)です。多田さんは一瞬ためらいましたが、「やってみよう」と思えたそうです。その理由をこう語っています。</p>

<p>「ここでは失敗してもいい、と思えたんです。みんな同じだから」</p>

<p>3回目のセッションの日。多田さんは、「職場で主任に声をかけられた場面」を再現することにしました。「少し人前で話す練習にもなる」と考えたからです。</p>

<p>彼は立ち上がり、少し視線を下げたまま、「あの、次の箱はどこに運びますか」とつぶやくように言いました。その声はかすかに震えていましたが、心理士が「はい、いまのすごく自然ですよ」と穏やかに答えると、周囲からも拍手が起こりました。</p>

<p>多田さんは顔を赤らめながらも、「本当に、あれでよかったんですか」と笑いました。その話を後から聞いたわたしは、多田さんに「完璧じゃなくていいんです。&quot;震えながらもできた&quot;という経験が最も大切なんですよ」と伝えました。</p>

<p>後日の外来で、わたしと多田さんは、こんな話をしました。</p>

<p>多田「グループセッションに行く前は、正直、怖かったです。初対面の人ばかりで、また注目されるんじゃないかと思ったらドキドキしてきて」</p>

<p>広岡「行ってみて、どうでしたか？」</p>

<p>多田「みんな同じように緊張していて、少し安心しました。話している途中で手が震えていた人もいましたけど、誰も笑わない。自分も少し話せたんです」</p>

<p>広岡「それは大きいですね。安心できる場所での成功体験は、社会に戻るための橋渡しになります」</p>

<p>多田「はい。倉庫の仕事よりも、人との距離が近くて、最初は苦しかったけど......だんだん、そこに慣れていく感じがしました」</p>

<p>広岡「不安を完全になくすことより、不安を感じたまま人と関われること。そこが次のステップです」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人と関わることは恐怖だけではない</h2>

<p>わたしは、このグループセッションを、「現実社会の縮図」だと感じています。社交不安症の方は、日常の人間関係において、「失敗＝評価の低下」と捉えがちです。しかし、グループの中では、失敗しても笑われず、むしろ共感が返ってきます。この「安全な失敗体験」が、脳の中で&quot;人との関わり＝危険&quot;ではないという新しい学習を促していくのです。</p>

<p>多田さんは、4回目のセッションで、他の参加者の話を聞いて涙ぐんだと話していました。</p>

<p>ある女性が、「わたしはいつも人と比べて、自分を責めてしまう」と語ったとき、多田さんは自分の心にも同じ痛みを感じたそうです。「自分だけじゃなかったんだと思いました」と静かに言いました。その気づきが、多田さんにとって大きな転機になりました。</p>

<p>セッションの終盤では、参加者全員が「これから挑戦したいこと」を一言ずつ話す時間がありました。多田さんは少し迷いながら、次のように口にしたといいます。</p>

<p>「もう一度、接客の仕事をやってみたい気がします。いますぐじゃなくても、いつか」</p>

<p>その言葉に、他の参加者たちが拍手を送りました。「その拍手が、ものすごく優しかった」と多田さんは語っていました。ひと通りのセッションが終わった後、多田さんが診察室を訪れてくれました。</p>

<p>広岡「セッションではみんなと話せるようになりましたか？」</p>

<p>多田「全員というわけではありませんが、わたしと同じ症状だった人がいて......電車に乗れなかったとか、みんなの視線が怖かったとか......」</p>

<p>広岡「その人だけでなく、セッションに参加している人たちは、それぞれに苦しいときがありましたからね。でも、少しずつですが、みんな回復してきています。多田さんも、もう少しですからね。不安を抱えながらも、他の人と共に時間を過ごす。これは、社会の中で生きる力を取り戻す第一歩です。グループセッションはゴールではなく、&quot;社会生活のリハーサル&quot;です」</p>

<p>多田「(静かにうなずきながら)あの場所で、もう少し話してみたいと思いました。それから先生、プログラムに参加して気づいたことがひとつあるのですが」</p>

<p>広岡「それは？」</p>

<p>多田「人と関わるって、必ずしも恐怖だけではないということです」</p>

<p>広岡「いいことに気づきましたね。それに気づけたら、多田さんはもう大丈夫ですよ」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>不安とは、心が生きている証</h2>

<p>多田さんはいまも定期的にクリニックを訪れていますが、社交不安症の症状が現れることはほとんどありません。それどころか、視線にさらされる恐怖におびえていた頃とは、まったく異なる自信に満ち溢れた顔をしています。</p>

<p>社交不安症や広場恐怖症の人は、他者の視線に傷つきやすく、沈黙の時間が長いものです。しかし、その沈黙は敗北ではありません。そこには、言葉にできない思いや、人間としての繊細な感受性が潜んでいます。</p>

<p>不安とは、心が生きている証です。それを完全に消してしまえば、わたしたちは何かを感じることも、恐れることもできなくなります。多田さんが歩んだ回復の道は、&quot;恐れのない自分になる&quot;ことではなく、&quot;恐れと共に生きられる自分になる&quot;ことでした。</p>

<p>あるとき多田さんは、わたしに言いました。</p>

<p>「電車の中でも、もう大丈夫です。不安はありますが、世界が少し優しく見えます」</p>

<p>恐怖を抱えながらも社会の中に戻るその姿は、人間が不条理の中でなお生きようとする証です。沈黙の奥にあるのは、平常という名の静かな光です。そして、わたしたちは、その光を見失わない限り、何度でも人の中へ歩み出すことができると、わたしは信じています。</p>
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						<pubDate>Wed, 06 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[広岡清伸（精神科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>動脈硬化を予防するには?　医師が推奨する「血管を強くする運動」  伊賀瀬道也（愛媛大学医学系研究科教授、抗加齢予防医療センター長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12250</link>
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			<description><![CDATA[動脈硬化を防ぐために効果的な運動について、医師の伊賀瀬道也さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ウォーキング" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_walking2.jpg" width="1200" /></p>

<p>血管の健康は全身の健康に深く関わっています。しかし、加齢による血管の老化などが原因となり、動脈硬化が引き起こされてしまうことも。これを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?本稿では、書籍『百歳まで歩ける人の習慣』より、大血管を元気に保つために効果的な運動について解説します。</p>

<p>※本稿は、伊賀瀬道也著『百歳まで歩ける人の習慣　脚力と血管力を強くする』（PHP新書）を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大血管を元気に保つ</h2>

<p>■血管は内膜、中膜、外膜の3層からなる</p>

<p>イギリスの医師トマス・シデナムの「人は血管とともに老いる」という言葉に象徴されるように、私たちの体の老化に最も大きな役割をもつのが血管です。ポンプとしての心臓が血液を送り出す量は、1回の収縮で約60〜80 cc前後ですが、この血液は秒速1.0メートル弱のスピードで大動脈に勢いよく飛び出していきます。</p>

<p>体の末梢まで進むと、毛細血管では秒速約1ミリメートル前後までスピードが落ちて、体の臓器に酸素などの栄養分を与えます。この役割を終えると、今度は静脈となって心臓に向かってもどってきます。</p>

<p>こうして、血液は1分弱で体のなかを循環します。この行程のなかで、大動脈から毛細血管までさまざまな大きさの血管が働いて、血液の成分を運んでいるのです。とくに、大動脈は高い圧に耐えながら、心臓から送り出される血液を全身に運びますので、構造も強くできています。</p>

<p>大動脈は、通常の動脈と同様に、内膜、中膜、外膜の3層構造になっていますが、内径は非常に大きく、胸部大動脈で約3センチメートル、腹部大動脈で約2センチメートルもあります。ちなみに、頸動脈で約1センチメートル程度です。</p>

<p>どの大きさの動脈でも、基本は、血液に接する内膜は1層の内皮細胞と、それを支える結合組織からなります。</p>

<p>昔は、内膜（内皮細胞）の機能についてあまりわかっていませんでした。でも、現在では、内皮細胞が正常に働いていれば、血液は血管内で凝固せず、血管内腔も適度な大きさに保たれることがわかっています。</p>

<p>中膜は、収縮ができる平滑筋細胞と、しなやかさを保つための弾性線維などからなり、血管は収縮と拡張をくりかえしながら血液を流すことで酸素や栄養素を運ぶことができます。通常は弾力性があり、しなやかですが、加齢による老化やさまざまな危険因子によって、厚く硬くなっていくのが動脈硬化です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>■動脈硬化になる危険因子を取り除こう</p>

<p>動脈硬化にはいくつかの種類があります。大動脈などの比較的太めの動脈に粥腫（じゅくしゅ／アテローム）ができるのが「粥状動脈硬化」です。内膜に血液中の悪玉コレステロールなどがもとになって粥腫ができ、その粥腫が時間をかけて増殖し、複雑な形態に隆起したプラークという病変をつくります。</p>

<p>プラークによって血管が狭くなることで、運動などをする際に、心臓に栄養を運ぶ冠動脈は酸素を十分に運べないため狭心症が起こります。</p>

<p>さらに、急激に血圧が上がるなどのなんらかのきっかけがあると、プラークが破綻（破裂）します。そこに血栓ができると、瞬時に血管が詰まり、心臓に栄養がいかなくなって心筋梗塞を引き起こします。</p>

<p>一方で、脳や腎臓のなかの比較的細い動脈が動脈硬化を起こした場合を「細動脈硬化」と呼びます。おもに加齢や高血圧が原因で起こります。たとえば、脳の血管で細動脈硬化が進行すると、脳の血管が破裂して脳出血を起こす可能性があります。</p>

<p>そのほかに、動脈の中膜にカルシウムがたまって硬くなる、「中膜硬化」（メンケルベルグ型硬化）というタイプの動脈硬化もあります。これらの動脈硬化は加齢以外に、喫煙、高コレステロール、高血圧、肥満、運動不足など、多くの危険因子が重なることによって発症しやすくなります。</p>

<p>まずは、健康な体を保つための&quot;1丁目1番地&quot;は、大血管を元気に保つことだと考えられます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大血管を強くする運動</h2>

<p>■有酸素運動では血糖や脂肪が酸素と一緒に使われる</p>

<p>大血管を元気にする有酸素運動として「歩く」以外にはどんなものがあるでしょうか。</p>

<p>たとえば、軽いサイクリング、水泳、エアロビクス、ダンスエクササイズなど、長時間継続して行える運動をやるといいでしょう。そのほか、各種球技も適しています。</p>

<p>有酸素運動は、比較的、運動強度の低い運動です。指標となる運動の単位に、「メッツ（METs）」があります。メッツとは、身体活動量を表すための単位です。</p>

<p>◉座っている状態......1メッツ<br />
◉立っている状態......2メッツ<br />
◉普通歩行......3メッツ<br />
◉速歩き......4メッツ</p>

<p>有酸素運動の範囲としては、おおむね4メッツあたりまでです。消費カロリーが気になる人もいるかもしれないので、おおまかな計算式をあげておきましょう。</p>

<p>消費エネルギー（キロカロリー）=メッツ数&times;実施時間&times;体重&times;1.05</p>

<p>たとえば、体重60キログラムの人が、普通歩行1時間をした場合のカロリー消費は、</p>

<p>3（メッツ）&times;1（時間）&times;60（kg）&times;1.05=189キロカロリーになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>■有酸素運動は中性脂肪や体脂肪の減少が期待できる</p>

<p>有酸素運動と無酸素運動のちがいについては、厚生労働省「e&ndash;ヘルスネット」から引用しておきましょう。</p>

<p>「負荷の比較的軽い（運動強度の小さい）運動は、筋肉を動かすエネルギーとして血糖や脂肪が酸素と一緒に使われることからエアロビクス（有酸素性運動）と呼ばれます。</p>

<p>一方、短距離走のように短時間で強い負荷がかかる（運動強度の大きい）運動の場合は、筋肉を動かすエネルギー源として酸素が使われないため無酸素性運動と呼ばれます。運動中に呼吸をしているかどうかという意味ではありません。</p>

<p>有酸素性運動は脂肪を燃料とするので、血中のLDL（悪玉）コレステロール・中性脂肪や体脂肪の減少が期待出来ますから、冠動脈疾患や高血圧などに効果があります。また運動そのものの効果として心肺機能の改善や骨粗鬆症の予防などが期待出来ます。</p>

<p>（中略）</p>

<p>通常の運動やスポーツは無酸素性運動と有酸素性運動が組み合わさっており、例えばジョギングよりもウォーキングの方が運動強度の小さい分、有酸素性運動の割合が高くなっています。この差が無酸素性運動の際に出る乳酸（疲労の原因物質）の違い≒疲労感の違いとなります。</p>

<p>有酸素性運動を継続して20分頃からエネルギー源が体脂肪に切り替わりますので、脂肪の減少を目的とする場合は長い時間継続出来る有酸素性運動が多いエクササイズを選ぶことが効果的です」</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 06 May 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[伊賀瀬道也（愛媛大学医学系研究科教授、抗加齢予防医療センター長）]]></dc:creator>			
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