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		<title>PHPオンライン</title>
		<link>https://shuchi.php.co.jp/</link>
		<description>PHP研究所が運営する「悩み、不安、心理」がテーマのWEBメディア。著名人のインタビューや専門家のアドバイスなどから、「無理なく生きる」ヒントを紹介。</description>
		<dc:language>ja</dc:language>
				<copyright>Copyright PHP研究所　All rights reserved.</copyright>
		
				<pubDate>Wed, 14 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
						
				<item>
			<title>連載小説「報復捜査」 第７回　安東能明  安東能明（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14936</link>
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			<description><![CDATA[連載小説「報復捜査」 第７回。殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="報復捜査" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" width="1200" /></p>

<p>殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第７回</h2>

<p>伊場（いば）は、ひとり、駐車場に立っていた。</p>

<p>線香の煙が、風に流れていく。小暮（こぐれ）は、いまどこにいるのか。そういうことを、ふと考えた。小暮が何かを知っていて、それを守ろうとして、死んだ。その「何か」は、煙のように形をとらないまま、伊場の手の届かないところを漂っていた。</p>

<p>川本百合（かわもとゆり）。</p>

<p>その名前だけが、手の中に残っていた。</p>

<p>寮に戻ったのは、午後七時ちょうどだった。郵便受けに茶封筒が入っていた。差出人はない。清川（きよかわ）からだ。部屋に入って封を切った。</p>

<p>不法就労助長容疑の取調調書に、スーツをきっちり着込んだ阿久津（あくつ）の写真。担当弁護士の名前と事務所の住所、留置期間中の看守日誌、同房者の氏名と簡単な身上まで、Ａ４の紙三枚にわたって綴られていた。最後の一枚の余白に、鉛筆で一言だけ添えてあった。</p>

<p>身辺に気をつけろ</p>

<p>伊場はそれを読んで、しばらく動けなかった。</p>

<p>封筒をテーブルに置き、焼酎をコップに注いで、ストレートで飲んだ。</p>

<p>喉が焼けた。</p>

<p>圭子（けいこ）の声が、耳に残っていた。和（かず）くんの死を無駄にしないで。ほんとうに、あなたが撃ったの。</p>

<p>伊場はコップを握りしめた。</p>

<p>あの言葉は何だったのか。ただの事故で死んだんじゃない。圭子はそう言った。</p>

<p>馬鹿な、と思った。考えすぎだ。夫を失った妻が、その死に意味を求めているだけだ。そう思おうとした。</p>

<p>だが。</p>

<p>小暮の最後の言葉が、よみがえる。おまえのせいじゃない。絶対に警察を辞めるな。</p>

<p>あれは、ただの慰めだったのか。</p>

<p>ふと、別の考えが頭をかすめた。おまえのせいじゃない、というのは、赦（ゆる）しの言葉ではなかったのではないか。おまえは何も知らされていないからそういう意味ではなかったか。</p>

<p>すぐに打ち消した。</p>

<p>都合のいい逃げ道を探しているだけだ。自分の罪を軽くしたくて、ありもしない裏をでっち上げようとしている。そんな卑しい考えだ。</p>

<p>だが、一度浮かんだその考えは、消えなかった。通夜で永島が見せた、あの無念そうな顔がよみがえる。何かを抑え込むような、圭子の思い詰めた目も。葬儀の段取りは、誰かが先回りしていたように手際がよすぎた。新井は、何かを口にしかけて、そのまま飲み込んだ。そのどれもが、ばらばらのようでいて、見えない一点を指している気がした。</p>

<p>伊場は焼酎をもう一口あおった。</p>

<p>わからない。何もわからない。ただ、ひとつだけ確かなことがあった。</p>

<p>このまま警察を辞めて、すべてを忘れて生きていくことは、もう、できそうになかった。</p>

<p>きょうも眠りは浅いだろうと思った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>４</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>告別式は、午前十一時に始まった。</p>

<p>昨日よりも人が多かった。斎場の受付から式場の扉まで、喪服の列が廊下に続いている。線香の煙が、低い天井に溜まっていた。警察関係者と見知らぬ男たち。中学校のときの同級生も五人ほどいる。伊場は末席に立った。</p>

<p>昨夜と同じ公安の面々が、式場の右側の席に固まっている。相良恒一（さがらこういち）が壇に向かって座っている。その横に外事二課長の三宅（みやけ）と第一係の安部（あべ）係長。永島の姿はなかった。</p>

<p>探したが、見つからない。</p>

<p>昨夜、あれだけ深く悲しんでいた男が、なぜきょうは来ていないのか。</p>

<p>式が進んだ。読経の声が低く響く。香の煙が、また立ち上る。圭子は親族席の最前列で、背筋を伸ばして座っていた。泣いていなかった。昨日は泣いていたのに、今日は涙ひとつ見せない。その横顔が、何か遠いものを見ているようで、伊場の胸をざわつかせた。</p>

<p>小暮の父の康広（やすひろ）が、弔辞を読んだ。落ち着いた声だった。だが、声の奥にかすかな震えがあった。元都庁幹部の、どこか世渡り上手そうな顔立ちをした男が、それでも一箇所だけ詰まった。和孝は正直な子でした、という一文を読んだとき。それきり、少し間が空いた。</p>

<p>その一文が、胸に刺さった。</p>

<p>正直な子。</p>

<p>おれみたいに、ならないでくれ。</p>

<p>おまえはいったい、いつから自分が不正直になったと思っていたのか。</p>

<p>出棺になり、参列者が外に出た。霊柩車の前に、小暮の棺が安置される。白い布に包まれた箱が、太陽の下に出てきた。淡い六月の光が、無慈悲に照りつけている。圭子がその箱に手を置いて、しばらく動かなかった。</p>

<p>小暮の母親が肩を震わせ、隣の女性に支えられていた。</p>

<p>伊場はそれを、少し離れたところから見ていた。</p>

<p>近くまで行けなかった。</p>

<p>霊柩車の扉が閉まった。エンジンが静かにかかる。走り出すのを、伊場は最後まで見送った。</p>

<p>火葬場に向かう親族たちの背中が遠ざかっていくのを見て、伊場は歩き出した。</p>

<p>相良と目が合った。</p>

<p>公安部長は、一秒も経たないうちに視線を外した。部下たちに何か一言告げて、駐車場の方へ歩いていく。その背中に、伊場は何も言えなかった。</p>

<p>まだ何も持っていない。</p>

<p>証拠も、確証も、手がかりさえ、何ひとつ。</p>

<p>斎場の駐車場に停めてある車に乗り込んだ。すぐにはエンジンをかけなかった。</p>

<p>圭子の声が、まだ耳に残っていた。和くんの死を無駄にしないで。</p>

<p>昨夜から、その言葉が頭を離れない。打ち消そうとしても、戻ってくる。考えすぎだと思おうとするほど、ばらばらの違和感が、ひとつの方向を指そうとしているように思えてくる。</p>

<p>まだ、半信半疑だった。それでも、確かめずにはいられなかった。確かめて、何もなければそれでいい。ただの事故だったとわかれば、自分は心置きなく辞表を出せる。そう自分に言い聞かせて、伊場は永島の番号を押した。</p>

<p>三回コールして、つながった。</p>

<p>「永島です」</p>

<p>声が、昨夜より小さかった。</p>

<p>「伊場です。きょう、告別式には来ていなかったようなので」</p>

<p>「......すみません。少し、具合が悪くて」</p>

<p>具合が悪い。それは本当かもしれない。だが、それだけではないような気がした。</p>

<p>「少し、訊いてもいいですか」</p>

<p>「......はい」</p>

<p>「阿久津が暴れて逃げたとき、あなたもあの取調室にいたんですか」</p>

<p>一拍、間があった。</p>

<p>「......いました。立会いで。小暮さんと、わたしの二人で」</p>

<p>「逃げられたのは」</p>

<p>「止められませんでした。阿久津が、いきなり小暮さんを突き飛ばして。わたしも飛びかかったんですが、間に合わなくて。ドアの外に出られて、そのまま」</p>

<p>声が、わずかに沈んだ。</p>

<p>「あの場にいたのに、止められなかった。それが、ずっと......」</p>

<p>言葉が途切れた。伊場は、少し待ってから訊いた。</p>

<p>「ふだんから、立会いはあなたが？」</p>

<p>「形のうえでは、わたしや別の若い者が立会いに入っていました。所轄の生安（せいあん）は、はなから外されて。吉祥寺署から上がってきた事案そのものは軽微でしたから、形だけでもと上が判断して、ソトニが丸ごと引き取ったんです。最初のうちは、取調室での調べに、わたしも立ち会いました。やり取りも、聞いています。ただ......」</p>

<p>電話の向こうで、永島の声が一度途切れた。</p>

<p>「途中から、立会いを外されるようになって。きょうはもういい、と。小暮さんが一人で阿久津と向き合う日が、増えていきました。留置から出してもらった阿久津と、取調室で、ふたりきりで。調書も、ろくに取らなくなって。何を聞き出して、どこへ向かっているのか、肝心のところは上にも、わたしにも、いっさい話さなくなりました。立会いのわたしですら、ある時期からは、何も知らされていなかったんです」</p>

<p>「そうでしたか......で、阿久津というのは質の悪いブローカーだったんですか」</p>

<p>「善し悪しはともかく、住居や働き口、携帯電話、銀行口座といった生活基盤を不法に提供すると思われる輩は徹底して挙げる、というスタンスです。スパイやテロリストのような外国人犯罪組織とつるんでいる可能性もありますから。ただ、今回はそこまでのものではないと思います」</p>

<p>「小暮は、保安係から引き継いで、取り調べを始めてから、どんな様子でしたか」</p>

<p>少し間があった。</p>

<p>「最初の一週間は、普通でした。本部で上司に作業の状況を報告しながら、淡々とやってて。......でも、ある時期から変わった」</p>

<p>「五月の月末くらいから」</p>

<p>「でしたね」</p>

<p>「何かきっかけでもありましたか」</p>

<p>「わかりません。ただ、報告の頻度が減って。取り調べの内容を、上やわたしにも話さなくなって。阿久津に何か、変な動きはないかって、留置の係員に直接確認するようになっていたみたいです」</p>

<p>「阿久津の安否を」</p>

<p>「そういう感じでした。阿久津が食事をとっているか、同房者と揉めていないか、夜ちゃんと眠れているか。そういうことを、自分で確かめようとしてたんです。なんか......守ろうとしてるみたいで」</p>

<p>守ろうとしていた。</p>

<p>公安の取り調べ対象である被疑者を、小暮は守ろうとしていた。それはどういうことか。電話が切れた。</p>

<p>しばらくエンジンをかけたまま、駐車場に停まっていた。</p>

<p>小暮は途中から、調べの中身を組織に上げなくなった。報告そのものは続けていた。だが、肝心の読みだけを、上にも立会いにも伏せていた。そのうえで、被疑者の安否を、自分で確かめようとしていた。</p>

<p>なぜ小暮は、つかんだものを組織に上げなかったのか。</p>

<p>考えながら、伊場はあの十四階の冷えた空気を思い出した。誰が誰を売るかわからない、あの場所。情報は、上げれば上げるほど、誰かに握られ、握りつぶされる。そういう世界に小暮はいた。何かをつかんだとき、上に報告することが、かえって身を危うくする。だとすれば、小暮が報告を止めて単独で動いたのも、あの場所の論理では、むしろ筋が通っているのかもしれなかった。</p>

<p>守ろうとしてるみたいで......永島の言葉が、胸に残った。</p>

<p>もし、ただの事故なら。小暮が報告を止めた理由も、被疑者の安否を気にした理由も、ありはしない。だが、現にそれがあった。圭子の言うとおり、小暮は何かを抱えていた。</p>

<p>考えすぎかもしれない。そう思いながらも、伊場の足は、もう動き始めていた。阿久津という男が何者だったのか。それを知らないことには、半信半疑のままどこにも進めない。</p>

<p>行くべきところは決まっていた。伊場は普段着に着替えて、車を出した。大久保へ向かう。</p>

<p>武蔵野市の斎場から青梅（おうめ）街道を東へ走り、環七に入った。平日の昼過ぎ、道は流れていた。中野を過ぎ、山手通りを北上する。新大久保の交差点で折れると、道が急に細くなった。</p>

<p>車一台がようやく通れる幅だ。歩行者が来るたびに速度を落とす。両側の建物が迫ってくる。</p>

<p>道の両側には、小さな店舗が軒を連ねていた。韓国コスメの派手な看板、アイドルグッズを山積みにしたショーウィンドウ、ネパール料理の赤い旗、ミャンマー食材店の手書きの値札。スパイスと揚げ物の香りが、路地に混じり合って流れている。平日の昼前なのに、若い女の子たちの集団が連れ立って歩いていた。日本語と韓国語と、何かもうひとつ、聞き取れない言語が同時に飛び交っている。</p>

<p>早稲田の方角から来たとおぼしき学生風の男が、大きなリュックを背負って自転車を押していた。その横を、買い物袋を両手に提げた中年の外国人女性が追い越した。</p>

<p>どこか、別の国にいるような感覚がある。</p>

<p>新宿から歩いて来られる場所なのに、まったく別の空気が流れている。</p>

<p>ケアサービス施設の向かいに、三階建ての白いタイル張りのビルがある。地番ではここになる。となりのアパートとのあいだの空き地に車を停めた。ビルの外壁は少し煤けているが、それなりに整った造りをしている。一階部分が商業用の造りになっていて、シャッターが半分下りていた。アジアン・リンクというプレートが、扉の横についている。阿久津の会社だ。</p>

<p>インターフォンを押したが、何も聞こえなかった。</p>

<p>雨上がりの路地には、生ぬるい湿気がよどんでいた。どこかで、スパイスを炒める匂いが流れてくる。近くの厨房からだろう。食べ物の匂い、香水の匂い、雨上がりのアスファルトの匂い。すべてが混じり合って、路地の空気を作っている。</p>

<p>この街では、誰もよそ者を気にしない。多国籍の雑踏の中では、どんな顔つきの人間が出入りしても目立たない。外国人も学生も観光客も、みな自分の用事で動いている。阿久津のような男には、都合のいい場所だったのかもしれない。</p>

<p>となりに、小さなネパール料理の食材店があった。店先に香辛料が並んでいて、赤と黄の鮮やかな袋が積み上げられている。六十がらみのネパール系の男が店番をしながら、スマートフォンを見ていた。</p>

<p>伊場は警察手帳を見せた。男は一瞬だけ手帳を見て、それから伊場の顔を見た。</p>

<p>「日本語、大丈夫ですか？」</p>

<p>「大丈夫」と男は答えた。にこりともしなかったが、声は穏やかだった。</p>

<p>「おとなりの事務所のことで、少し聞かせてもらえますか」</p>

<p>「閉まってる」</p>

<p>「知っています。事務所を使っている人のことで」</p>

<p>男は伊場を観察するように見た。それから、ゆっくりと言った。</p>

<p>「スーツの人？背が高くて、眼鏡の？」</p>

<p>「そうです」</p>

<p>「あの人、あまり店には来なかったよ。週に二回か三回くらい。近所の人とはあまり話さない。うちの店に来たこともない。挨拶もしない」</p>

<p>男は少し間を置いた。</p>

<p>「感じが悪かった。こっちを見ない感じ。最初から」</p>

<p>「ほかに何か気づいたことは？」</p>

<p>「来るとき、後ろを気にしてた。いつも。特に最近は」</p>

<p>「最近というのは？」</p>

<p>「二、三ヶ月前から。来るたびに、入り口で一回立ち止まって、振り返って。それから入って」</p>

<p>礼を言って、今度は向かいのビルの方へ歩いた。</p>

<p>二階建ての古い雑居ビルで、一階に韓国系の古着屋が入っている。そのさらに奥の路地を折れたところに、小さな惣菜屋があって、六十代くらいの日本人の女が店の前を掃いていた。</p>

<p>伊場が声をかけると、女はすぐに顔を上げた。</p>

<p>「ああ、あの人ね」</p>

<p>「ご存知ですか」</p>

<p>「名前は知らないけど、スーツの人でしょ。靴がいつもピカピカで。なんか、ここでは浮いてたわよ」</p>

<p>女は箒を持ったまま続けた。</p>

<p>「一度、この前でバイクの人とぶつかりそうになって。大声で怒鳴ってたの、その人が。ここは元々、自転車も人も多いんだから、慣れてないなら入ってくるなって感じだけど。でも、怒鳴り終わったら、すごくあわてて周りを見回してた。怒鳴ったことを後悔してるみたいな感じで。大声を出して自分が目立ったことが、嫌だったのかな」</p>

<p>「目立つことを嫌がっていた？」</p>

<p>「そう見えた。ここは、目立ったからってどうこうされるような場所じゃないんだけど。外国の人も日本の人も、みんな自分の商売で忙しいんだから」</p>

<p>女は、路地の先に目をやった。</p>

<p>「でも、なんかここの雑踏が好きなのかも、あの人。大久保って、誰が何してても誰も気にしないでしょ。そういう街だから」</p>

<p>伊場は、その言葉を頭の中で転がした。</p>

<p>多国籍の人の流れ。監視の目が散漫になる場所。阿久津はこの街の雑踏を、仕事の隠れ蓑にしようとしていたのか。</p>

<p>「最後に来たのはいつ頃ですか？」</p>

<p>「そうねえ。先月の中頃には、もう来なくなってたわ。シャッターが閉まったのはその頃」</p>

<p>逮捕の少し前、という計算が合う。</p>

<p>礼を言って立ち去った。</p>

<p align="right">〈つづく〉</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 14 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安東能明（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>人付き合いが苦手な人が持っている「家族から受けた小さな傷」  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15138</link>
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			<description><![CDATA[人付き合いの苦手意識は、無意識の考え方のクセ「メンタルノイズ」が原因かも。書籍『笑って大往生できる人できない人』からノイズの正体と抜け出す解消法を解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="人付き合いが苦手な人" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_riverwoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>「どうせ自分なんて...」と、つい自分を責めてしまうことはありませんか？</p>

<p>なかなか自己肯定感が上がらない背景には、私たちが無意識のうちに抱えている「心のノイズ（メンタルノイズ）」が潜んでいます。メンタルノイズとは、これまでの人生で無意識に育ててしまった「考え方や解釈のクセ」のこと。胸のあたりがもやもや・ザワザワするとき、まさにこのノイズが作動しています。</p>

<p>人間関係や人付き合いに苦手意識を感じるのも、実はこのノイズが原因かもしれません。</p>

<p>本記事では、書籍『ありのままでラクに生きる練習』より、人付き合いが苦手な人が陥りがちなメンタルノイズの症状と、それを解消するための方法を解説します。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『ありのままでラクに生きる練習』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人付き合いが苦手</h2>

<p>【ノイズの症状あるある】</p>

<p>・人と仲良くなれない、距離感が縮まらず、なかなか打ち解けられない<br />
・人と親密になると、自分から壁をつくって遠ざけてしまう<br />
・人に仕事を任せるのが苦手で、いつも抱え込んでしまう<br />
・誰かと一緒にいて気まずくなることがよくある、沈黙が苦手<br />
・人を信用したいのに、人から裏切られることが多い気がする</p>

<p>人に近づくのが怖かったり、人と親密になると居心地の悪さを感じたり、人と一緒にいるとリラックスできなかったり...。</p>

<p>人とうまく付き合えない人は、ほかの人と適度な距離感をつくるのが、苦手な傾向があります。</p>

<p>どこまで心を開いていいのかわからないから、結局、誰に対しても心を閉じる。<br />
そして、ひとりがラクだからと、ひとりでいることが多くなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「他人が怖い、裏切りノイズ」</h2>

<p>人とうまく付き合えない人にあるのは、「他人が怖い、裏切りノイズ」です。</p>

<p>対人関係が苦手で、人を遠ざけてきたことで、人を見る目が養われずに、普通なら信用しない人を信用して、裏切られやすくなることもあります。逆に、対人関係は問題ないのに人に裏切られやすい人も、このノイズが影響しています。</p>

<p>このノイズが育つきっかけは、些細なことだったりします。</p>

<p>いつも優しい母親が、急に不機嫌になって怖い思いをする（人は信用できない）。大好きだった祖父母が亡くなってしまって悲しい思いをする（人に近づき過ぎると、痛い目を見る）。</p>

<p>そういった対人関係で突然傷つく経験が潜在意識の中に溜まっていき、いつしか「人は信用しないほうがいい」「安易に近づかないほうがいい」&nbsp;というノイズになっていきます。</p>

<p>コミュ障だとか口下手だとか、自分に問題があると思いがちですが、実はそれはあなたが自分を守るためにつくり上げたノイズのせいなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>メンタルノイズを逆に利用する方法</h2>

<p>実は、メンタルノイズには解消する方法と、逆に利用する方法があります。</p>

<p>「他人が怖い、裏切りノイズ」は、普通に生きていると、対人関係に問題が出たり、人から裏切られたりします。この特徴を逆に利用して、パッと見だと「苦手だな...」「あやしいな...」「うさんくさいな...」という人にあえて近づいてみる。この人はいい人だなと思った人とは、あえて一定の距離をとるようにしてください。</p>

<p>普段と逆の行動をすると、ノイズの影響を逆利用でき、人付き合いが苦手でも付き合ってくれる人や、本当に信用できる人と出会えるようになります。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_riverwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 14 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>食後の猛烈な眠気・だるさは「立って軽く動く」だけで変わる  星穂奈美（管理栄養士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15047</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015047</guid>
			<description><![CDATA[夜は眠れないのに、昼食後にやたら眠くなる…多くの人が悩む睡眠の問題をやわらげる食習慣を、管理栄養士の星穂奈美さんが解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="食後の眠気" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tiredwoman_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>倦怠感が取れない、食後にだるくなる、眠れない&hellip;。日々の生活のなかで、こうした体の不調に悩んだことはありませんか？管理栄養士の星穂奈美さんは、著書『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』にて、疲れに負けないための食習慣を丁寧に解説しています。本稿では同書より、不眠や食後の倦怠感といった体のトラブルを防ぐ習慣をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、星穂奈美著『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』(ダイヤモンド社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>不眠解消に乳製品。朝に摂って夜に備える</h2>

<p>【眠りの質を高める工夫】</p>

<p>不眠が続くときは、睡眠ホルモン・メラトニンの生成を助ける栄養素を意識してみましょう。メラトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンからセロトニンを経て夜間に生成されるため、トリプトファンを含む食材（乳製品など）を朝のうちに摂取しておくと効果的です。</p>

<p>また、就寝直前に食事を摂ると胃腸の活発な状態が続いてしまい、睡眠の質を低下させます。夕食は就寝の２、3時間前までに済ませておくことが理想です。</p>

<p>このように栄養と食事のタイミングを整えることが不眠改善の第一歩ですが、慢性的に続く場合には専門医を受診するようにしましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【不眠を解消する3つのポイント】</p>

<p>●睡眠を助ける栄養素</p>

<p>トリプトファンを含む食品として代表的な乳製品（牛乳、チーズ、ヨーグルト）は、神経の興奮を抑えるカルシウムも同時に含んでおり、睡眠の質を高める優良な食材。また、筋緊張を緩めるマグネシウムの摂取もおすすめ</p>

<p>●刺激物の制限</p>

<p>カフェインの摂取を控える</p>

<p>●就寝前のルーティン</p>

<p>就寝前、ルイボスティーやハーブティーなど、リラックス効果のある温かいノンカフェインのお茶を飲むと体温が上がり、その後の体温の降下とともに入眠しやすくなると言われます</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>食後の軽運動をルーティンにして倦怠感を発散する</h2>

<p><img alt="食べ物の消化にかかる時間" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260928hoshihonami.jpg" width="1200" /></p>

<p>【しっかり動いて消化を促す】</p>

<p>食後すぐに横になるのはNGと言われますが、それだけでなく「一度立ち上がって軽く動く」ことが大切です。食事をすると血糖値は30分～1時間かけて上昇し食後約2時間で下がっていきますが、この間に体を動かさずにいると血糖値のピークが高くなり、だるさや眠気を強め、作業効率を下げてしまうのです。</p>

<p>さらに、食べ物の胃内滞留時間の目安から考えると、調理方法にもよりますが、一般的に炭水化物は約２～３時間、たんぱく質はその２倍、脂質は３倍程度かかるため、食後すぐに横になって寝ると消化が不十分なままとなり、胃もたれの原因にもなります。就寝までは最低２時間、できれば３時間空けることが理想です。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tiredwoman_1.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 14 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[星穂奈美（管理栄養士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ「私心なき決断」ができるリーダーの組織は強いのか　日台の歴史に学ぶ  加藤芳久（経営コンサルタント）、片倉佳史（監修）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15238</link>
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			<description><![CDATA[経営コンサルタントの加藤芳久さんが、台湾と日本の歴史的背景を参考に、私心なき決断のできるリーダーシップ論についてひも解く]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="リーダー論" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_teamwork.jpg" width="1200" /></p>

<p>売上、KPI、離職率&mdash;&mdash;数字で組織を管理しようとするほど、組織がうまくいかなくなることがある。経営コンサルタントの加藤芳久さんは、台湾での体験と、現地に実在する「日本人を神として祀る廟」の話を通じて、これからのリーダーに必要な視座を解説していただきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>台湾で受けた親切から芽生えた好奇心</h2>

<p>いまから10年以上前のことです。<br />
当時まだ赤ちゃんだった息子を連れて、家族で台湾を旅行しました。<br />
移動のため電車に乗り、息子を抱っこしたまま立っていると、座っていた台湾人の方がすっと立ち上がりました。そして私に向かって、笑顔で「どうぞ座ってください」とジェスチャーをしてくれたのです。<br />
「親切な人がいるものだな」そのときは、そう思っただけでした。</p>

<p>ところが、電車を乗り換えると、また同じことが起こりました。帰りの電車でも、また席を譲ってくれました。世間話をしていたおばちゃんも、学生服を着た学生も、いまどきのファッションをした若者も、赤ちゃんを抱っこしている私を見ると、ごく自然に席を譲ってくれるのです。</p>

<p>しかも私は、見ず知らずの外国人です。あまりに感動して、後日、台湾人の友人にその話をしました。</p>

<p>すると彼は、こんなことを言ったのです。<br />
「親切にされて、うれしかったでしょ。でもね、こういう思いやりの心を教えてくれたのが日本人なんだよ。僕らは『日本精神があるね』と言って、褒め言葉として使うこともあるんだよ」<br />
私は驚きました。</p>

<p>もちろん、台湾における日本統治の歴史（1895年～1945年）にはさまざまな側面があります。「日本精神」という言葉の受け止め方も、人や世代によって異なるでしょう。<br />
それでも、台湾人の友人から直接聞いたこの言葉は、私の心に強く残りました。<br />
「日本と台湾の間には、どんな歴史があったのだろう」<br />
もっと知りたいと思うようになりました。<br />
それが、私と台湾との長い関わりの原点の一つです。その後、私は台湾を何度も訪れ、10年以上にわたり、日本企業の経営者やリーダーを対象とした台湾研修にも携わってきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>数字だけでは、組織は動かない</h2>

<p>私は組織変革コンサルタントとして、企業の「理念共有」「関係構築」「リーダー育成」を通じて、組織風土を活性化する仕事をしています。<br />
その現場で近年感じるのが、「数字で測れるもの」を重視しすぎてはいないか、ということです。<br />
売上、利益、生産性、KPI、離職率。もちろん、経営に数字は欠かせません。<br />
しかし、数字を細かく管理すればするほど、組織が強くなるとは限りません。<br />
営業部は営業部の数字を追う。製造部は製造部の効率を追う。人事部は人事部のKPIを追う。それぞれが自分の目標達成に懸命になるほど、部署間の壁が厚くなり、会社全体ではうまくいかなくなることがあります。</p>

<p>いわゆる「部分最適」です。<br />
さらに、数字ばかりを評価すると「数字にならない貢献」が見えなくなります。<br />
困っている仲間を助ける。後輩を育てる。部署を越えて調整役を引き受ける。会社の理念を体現する。<br />
こうした行動は、今月の売上には表れにくい。しかし、長期的に強い組織をつくるためには欠かせません。</p>

<p>考えてみれば、台湾の電車で私に席を譲ってくれた人たちも同じです。<br />
席を譲っても給料は上がりません。誰かから評価されるわけでも、KPIに加点されるわけでもありません。</p>

<p>それでも、目の前に困っている人がいたから、すっと立ち上がった。<br />
私はここに、これからの組織づくりのヒントがあると思っています。<br />
「自分にとって得か」ではなく、「相手や全体にとって何がいいか」を考えて行動する。いわば「私心なき決断」です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>20歳の日本人が、なぜ台湾で「神様」になったのか</h2>

<p>台湾でぜひ知ってほしい日本人がいます。<br />
杉浦茂峰という、20歳で亡くなった青年です。<br />
1944年10月、海軍のパイロットだった杉浦氏は、零戦に乗り、台南に来襲した米軍機を迎え撃ちました。その戦闘で杉浦氏の機体は被弾します。</p>

<p>地元に伝わる話では、そのままでは機体が集落に墜落する可能性があったため、集落が大火事になるのを避けて杉浦氏は人の少ない方向へ機体を向け、最後にパラシュートで脱出するも米軍の機銃掃射を浴び戦死したそうです。<br />
もちろん、その瞬間、杉浦氏本人が何を考えていたのかは誰にも分かりません。<br />
しかし、地元の人々は「杉浦氏が自らの命を犠牲にして村を守ってくれた」と受け止めました。</p>

<p>戦争が終わり、台湾に日常が戻り始めたころのことです。<br />
地元では、夜になると軍服を着た男性の姿を見かけたという話が相次いだといいます。不安を感じた住民たちは、この地域で厚く信仰されている朝皇宮の保生大帝に神意を尋ねました。すると、それはこの地で命を落とした日本軍人の魂であると告げられたそうです。</p>

<p>そこで地元の人々は、その魂を大切に祀ることにしました。1971年に戦闘機が墜落した地点に小さな祠が建てられ、その後、1993年には現在の立派な飛虎将軍廟へと建て替えられました。<br />
そして今も、飛虎将軍廟では杉浦茂峰氏を偲ぶ営みが続いています。朝夕には祝詞として『君が代』と『海ゆかば』が流れ、その魂を慰めています。</p>

<p>私たちも台湾研修でこの廟を訪れる際には、『君が代』『海ゆかば』に加えて、参加者全員で『ふるさと』を歌います。<br />
「兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川――」<br />
台湾の地で、故郷を離れて命を落とした20歳の青年を前に、日本から来た私たちが『ふるさと』を歌う。</p>

<p>その時間は、何度経験しても特別なものです。<br />
歌っているうちに、涙をぬぐう参加者もいます。<br />
私自身も、その光景を見るたびに胸が熱くなります。<br />
杉浦茂峰氏は、自分が台湾で神様として祀られることなど、知る由もなかったでしょう。<br />
ましてや、80年以上後に日本からやってきた人たちが、自分の前で『ふるさと』を歌うことなど、想像もしなかったはずです。</p>

<p>それでも、一人の青年の行動は、人々の記憶から消えませんでした。<br />
国を越え、世代を越え、長い年月を越えて、人の想いがつながっていく。<br />
飛虎将軍廟には、そんなことを感じさせる、静かで温かな時間が流れています。<br />
私はこの場所を訪れるたびに思います。<br />
人は、その人が何を言ったか以上に、「誰のために行動したのか」を覚えている。私はここに、リーダーシップの本質を見る思いがします。<br />
人は、リーダーが何を言ったか以上に、苦しいときに「誰のために決断したのか」を覚えているからです。</p>

<p>会社が順調なときなら、誰でも「社員を大切にします」「人が財産です」と言えます。問題は、苦しいときです。<br />
業績が悪化したとき。 大きなトラブルが起きたとき。 自分の立場が危うくなったとき。<br />
自分を守るのか。それとも、社員や組織全体を守ろうとするのか。<br />
そこでリーダーの本質が表れます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『軍服を着た神様』が映し出すもの</h2>

<p>2026年公開のドキュメンタリー映画『軍服を着た神様』は、飛虎将軍廟をはじめ台湾各地の「日本神」を取り上げています。<br />
台湾には、日本人が神として祀られている場所が50カ所以上あるといわれています。<br />
映画では文化人類学者の藤野陽平氏と記録映像作家の遠藤協監督が、足かけ6年にわたって各地を訪ね、日本神が生まれた背景や台湾の民間信仰、戦争の記憶、現在を生きる台湾の人々と日本の子孫との交流を描いています。</p>

<p>重要なのは、これを単純な「台湾は親日だから」という物語にしないことです。<br />
藤野氏も、日本と台湾の関係は近く深い一方、「台湾は親日」という一本槍では説明しきれないと指摘しています。<br />
複雑な歴史があり、異なる文化や信仰がある。それでも、国境や時代を越えて人と人との関係が生まれ、誰かを悼み、その記憶を受け継いでいく。私はそこに「関係性」の力を感じます。</p>

<p>会社も同じではないでしょうか。<br />
組織とは、組織図や人事制度だけでできているのではありません。<br />
「困ったときに助けてもらった」 「あの上司は自分を守ってくれた」 「あの人がいたから頑張れた」<br />
そんな人と人との記憶の積み重ねが、組織風土をつくっていくのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自分の数字」から「私たちの未来」へ</h2>

<p>では、経営者やリーダーは何をすればいいのでしょうか。私は二つあると思います。</p>

<p>一つ目は、メンバーの評価軸に数値による評価ではなく「理念の体現度」を入れることです。機能的な価値ではなく、情緒的な価値を評価することをお勧めしています。例えば、仲間を助けた人、後輩を育てた人、部署を越えて協力した人など、理念を体現した人を認める仕組みをつくるのです。</p>

<p>実際に、私の支援先では評価軸に「情緒的な価値」を入れたことで、組織の雰囲気が変わりました。「暗かった朝礼が明るくなった」、「相手に話しかける量が増えた」「笑顔が増えた」という声が多く挙がるようになりました。</p>

<p>そして二つ目は、経営者やリーダー自身の視座を高め視野を広げることです。<br />
「過去から現在、そして未来へと何を繋いでいくべきなのか？」「私は何を後世に遺すのか？」こうした問いに、生成AIは答えてくれません。</p>

<p>最後に問われるのは、経営者やリーダー自身の「あり方」です。<br />
あの日、台湾の電車で私に席を譲ってくれた人たちも、誰かに命令されたわけではありません。<br />
目の前に困っている人がいたから、すっと笑顔で立ち上がった。<br />
強い組織とは、そんな人がたくさんいる組織なのではないでしょうか。</p>

<p>「組織は人なり」という言葉がありますが、言い換えれば「いい人が、いい組織をつくる」とも言えます。「自分のため」から「みんなのため」と幸せな関係構築を自然と考えられるリーダーがいる会社が本当に強い組織です。<br />
さて、あなたの会社はどんなリーダーを育てていますか？</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 13 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[加藤芳久（経営コンサルタント）、片倉佳史（監修）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>売れない営業がつい聞く“NG質問” トップ営業が絶対に避ける理由  河田真誠 （質問家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15130</link>
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			<description><![CDATA[会議の空転を防ぐ意思決定ルールや営業現場の質問設計を解説。｢誰がどう決めるか｣を明確にし、顧客の｢無意識の負担｣を捉えて未来のイメージを喚起することで、組織と営業の成果を最大化する技術を明かします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="商談する男性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_shodan.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢良いアイデアは出るのに何も決まらない不毛な会議｣や｢一生懸命提案したのに『困ってないです』と断られる営業｣...心当たりはありませんか？実はそれ、質問の投げ方が原因かもしれません。<br />
今回は、ダラダラ会議をシャキッと終わらせる意思決定のルールから、相手の｢欲しい！｣を引き出す営業の秘訣まで、現場で即使えるプロの質問術を分かりやすくお届けします！</p>

<p>※本稿は、河田真誠著『質問の魔力「よい質問」がすべてを解決する』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>不毛な会議を有意義な会議に変える質問</h2>

<p>ある営業戦略会議での話です。<br />
来期の新しい営業戦略について、参加者みんなで意見を出し合っていました。<br />
Aさん｢SNSをもっと使って若い世代にアプローチしましょう｣<br />
Bさん｢いや、既存のお客さんのフォローを強化するほうが効果的でしょ｣<br />
Cさん｢年に4回の紹介キャンペーンで、紹介制度を広げたらどうでしょうか？｣</p>

<p>会議では次々とアイデアが出てきました。<br />
ホワイトボードは様々な提案でいっぱいに。<br />
みんなそれぞれの意見に｢うんうん｣とうなずきながら、よい雰囲気で会議は進みました。</p>

<p>ところがです。会議の最後に、進行役の部長がこう言いました。<br />
｢どれもいい意見ですね。じゃあ、次回の会議でさらに考えましょう｣<br />
会議はその言葉で終了。結局、どのアイデアを進めるのかは決まりませんでした。<br />
そして次の会議でも、デジャブーかと思うくらい同じことが繰り返されました。<br />
会議に出たメンバーの間では、｢結局、会議をやっても意味はないし、何も変わらない｣という空気が広がっていきました。</p>

<p>何でこうなるのか、その理由は決定権者がはっきりしないからです。<br />
組織上は部長が決定者ですが、その部長が自分が決定者であるという意識がなく、会議のための会議になってしまっているわけです。<br />
会議やミーティングをする時、アイデアを出すだけ出して、その後どうなるのかを曖昧にしておくと、参加メンバーのやる気は低下しますし、そもそも何のための会議なのか、ミーティングなのかがわかりません。</p>

<p>そういうことをなくすために、話し合いをする前にこの質問で｢決め方を決めておくこと｣が大切になります。<br />
｢どうやって決める？　誰が決める？｣<br />
意思決定の方法がフワっとしていることは仕事の現場でよく起きています。<br />
採用基準が曖昧で、何となく人がよさそうという基準で採用を決めてしまう。<br />
サービスの導入基準が曖昧で、よい部分だけを見て導入を決めてしまう。</p>

<p>意思決定が曖昧なのは｢目的が言語化されていない｣｢数値目標がない｣｢責任者が明確でない｣｢感情・空気に流されやすい｣｢マイナスな選択肢を検討していない｣などが理由です。</p>

<p>漠然とした意思決定、ぼんやりした目標などをなくすためにも、意思決定の方法を絞り込むことが必要です。<br />
そのために、狭い視点の質問を使うのです。<br />
｢この案件はどうやって決めるか｣｢誰が決めるのか｣を明確にします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>多数決のリスクとは？成果を出す｢決断基準｣のつくり方</h2>

<p>意思決定で気をつけたいことがあります。それは｢多数決｣です。<br />
ついつい周りを意識して多数決で決めましょうとなりがちですが、多数決をすると適切な決定ができない場合があります。</p>

<p>多数決には大きなリスクがあります。<br />
｢一人の天才がいても、残りがダメだと、全体としてダメな選択をする｣<br />
｢多くの場合、大多数はこれまでと変わらない選択をしがち｣<br />
という点です。<br />
決定に関しては、｢うまくいくかどうかはやってみないとわからない。だから、私が責任を取るから、これをやってみよう」と言える人が必要なのです。</p>

<p>決断をする上で、選択の基準を決めることにも質問は活用できます。<br />
決める時に｢何をもってよしとするか｣を決めておくと、アイデアを出すほうもそこが意識できるので、おすすめです。<br />
気をつけないといけないのは多くの会議では｢まずは、すぐにできそうなことをやってみましょう｣となりやすいことです。<br />
時間がかかるけど、重要なことは後回しにされがちなのです。<br />
その結果、本当に必要な行動には至らず、いつも目先の仕事に追われることになる。<br />
でも今は変化が激しく、前例が通用しにくい時代です。<br />
以前であれば｢まだやったことがないこと｣は、時期尚早になりやすかったかもしれませんが、今はむしろ｢まだやっていないこと｣こそ早くやったほうがよい場合がよくあります。<br />
｢まだやっていないこと｣は可能性の塊なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>成果を出す営業マンが使っている必殺の質問術</h2>

<p>これまで数多くの営業職の人の相談にのってきました。相談内容はほぼ｢どうしたら売れるのか？｣についてです。<br />
多くの営業職の人と話してわかったことがあります。それは、売れない営業と売れる営業を分ける質問があるということです。</p>

<p>売れない営業の人がよく使っている質問、それが｢何かお困りごとはありますか？｣でした。<br />
一見するとお客さんのことを考えた適切な言葉のように思えます。でも、｢何かお困りごとはありませんか｣には大きな弱点があります。<br />
それは、｢ありません｣と答えられてしまう可能性があることです。<br />
営業の人から｢何かお困りごとはありませんか？｣と聞かれたら、たいていの相手は｢この人は自分に何かを売り込もうとしているな｣と警戒します。なので｢ありません｣と答えられ、会話がそこで終了してしまう聞き方はNGなのです。</p>

<p>また、相手が困りごとだと認識していないこともあります。そんなものだと思っているなど、困りごと認識をしていない場合も、この質問では回答が得られません。<br />
もし明確な困りごとがあったとしても、すでに対処してしまっていることもあります。</p>

<p>例えば、体のどこかに強い痛みを感じればすぐに病院に行くでしょう。そこまでひどくない痛みであれば市販の薬を買うかもしれません。つまり｢どこか痛いところはないですか？｣という質問をした場合、あればすでに対処しているし、なければ｢ありません｣と回答されてしまいます。<br />
では、成績のよい営業はお客さんに対してどんな質問をしているのでしょうか。それがこの質問です。</p>

<p>｢どんなことに時間や労力を取られていますか？｣<br />
そして、その回答を得たら、続けてこう質問します。<br />
｢それが解決できたら(短縮できたら、少なくできたら)いいと思いませんか？｣</p>

<p>この質問のよいところは、イエスノーでの回答ではなく、何かしらの回答が得られるところです。また、相手が困りごとだと認識していないことでも｢あ、これは困りごとだったんだ｣と認識できる点も魅力です。</p>

<p>さきほどの痛みを聞く場合であれば、｢どんなことに時間や労力を取られていますか？｣という質問に対して、｢買い物に行くのがすごく億劫なんです。買い物に時間がかかっています｣という回答があれば、その裏には病院に行くほどではないかもしれないひざの痛みがあるかもしれません。<br />
この質問をすることで、本人も気づいていない｢悩み｣を発見できるのです。</p>

<p>｢困りごと｣を質問するのではなく、｢日常の負担｣を質問する。すると、本人も意識していなかったようなことが出てくるかもしれません。<br />
｢実は、これに結構時間がかかっていて...｣<br />
｢毎回、これをするのがすごく手間なんです｣<br />
｢無意識の不満｣が言語化されていきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢欲しい｣をつくる！未来をイメージさせる質問の設計術</h2>

<p>そして、もう一歩進めた質問をします。<br />
｢それが解決できたら、どうですか？｣<br />
この質問で、｢変わった後の未来｣をイメージしてもらう。<br />
人は問題を認識し、それが改善された状態をイメージできたときに、｢欲しい｣が生まれます。<br />
僕もこの質問を実は多用しています。</p>

<p>営業の仕事は、言い換えれば｢気づいていない課題｣を言語化する仕事でもあります。<br />
うまくいっている営業は、商品を説明するのがうまいのではなく、相手がまだ気づいていない課題を言語化するのがうまいのです。</p>

<p>｢何に困っていますか？｣では顕在化された問題しか拾えません。<br />
引き出したいのは、例えば｢日常の中にある違和感｣だったり、｢無意識の負担｣だったり、｢習慣化している非効率なこと｣だったりします。<br />
それを引き出すのが、質問の力です。</p>

<p>ここでも重要なのは、｢視点を狭めること｣です。<br />
｢何かお困りごとはありますか？｣という質問は広すぎて抽象的すぎる質問です。<br />
一方で、｢どんなことに時間を取られていますか？｣はテーマが限定されている絞られた質問です。さらに、｢それがなくなったらどうですか？｣という質問で、未来に視点を絞りこみます。</p>

<p>成果を出している営業はこのように｢質問の設計｣がうまいのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_shodan.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 13 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[河田真誠 （質問家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>自分の選択を「正解」と思える人の幸福度が高い理由  堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15110</link>
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			<description><![CDATA[自分で決めたことを後になって悩むより、「自分の選択＝正解」と考えた方がいいと語る、言語学者の堀田秀吾さん。その理由と幸福度を高める習慣を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="堀田秀吾著『心理学×脳科学×行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smilewoman02.jpg" width="1200" />やっぱりあの服、買わない方が良かったかな...そんなふうに「自分の選択は間違っていたかも」と、後になってから悩んだことがあるかもしれません。同じ選択であっても、考え方1つで正解にも不正解にもなるため、「自分の力で選択した行動を正解にすることが大切」と、言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さんはいいます。ここでは、幸福度を上げる4つの習慣を見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、堀田秀吾著『心理学&times;脳科学&times;行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分に都合よく解釈する勇気を持つ</h2>

<p>カリフォルニア大学ロサンゼルス校のテイラーと南メソジスト大学のブラウンは、心の健康と現実認識の関係を分析しました。そして「ポジティブ・イリュージョン（自分にとって都合のよい思い込み）」という考え方を示しました。その具体的な内訳は、以下の3つです。</p>

<p>①自分を平均より少しよく見積もる</p>

<p>②出来事を自分の力でコントロールできると感じる</p>

<p>③未来を実際より明るく予想する</p>

<p>複数の調査からわかったのは、抑うつ症状のない人ほど、この3つの思い込みを強く持っていたということです。逆に、抑うつ状態にある人は、自分の能力や未来をより正確に評価していました。研究者たちはこれを「悲哀の叡智」と呼びました。</p>

<p>正確さと心の健やかさは、両立するとは限りません。むしろ、少しくらい思い込みの強いほうが、日々のストレスから心を守るクッションとして働いていたのです。さらに、ポジティブ・イリュージョンを持つ人ほど、人間関係への満足感が高く、創造的な作業に取り組みやすく、ストレスからの回復も早い傾向があると示されました。</p>

<p>たとえ思うようにいかないことがあったとしても、「うまくいかなかった」と決めつける前に、「こういう解釈もできる」と考えてみてください。まったく同じ出来事でも、悪い面を見て落ち込む見方と、まだ良い面が残っていると考える見方のどちらを選ぶこともできます。</p>

<p>そして、どちらを選ぶかによって、そのあとの気持ちの立ち直り方が変わってきます。悪い面ばかりを見ていると、次に動き出すまでに時間がかかりますが、良い面も見ておくと、気持ちを切り替えて次の行動に移りやすくなるのです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・「こういう解釈もできる」と考えてみる</p>

<p>・悪い面だけでなく、良い面にも目を向ける</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自分で決めた」感覚が幸福度を上げる</h2>

<p>ロチェスター大学のデシとライアンは、人が長く健やかに生きるには、自律性、有能感、関係性という3つの心理的な栄養が欠かせないと述べています。なかでも自律性とは、自分の行動を自分で選んでいるという感覚のことです。</p>

<p>彼らの理論では、たどりつく先が同じでも、自分で決めたと感じられた行動のほうが満足度も持続力も大きく上がるとされています。この考え方に沿えば、運動のように続けにくい習慣であっても、ほかの人から指示されるより、自分で選んだと感じられる形で支えられたほうが長持ちするということになります。</p>

<p>ミシガン大学のイングルハートらは、50カ国以上、30万人を超える国際調査をもとに、長期的な幸福度の変化を追いました。経済の発展、民主化、社会の寛容さといった条件が並ぶなかで、幸福度の伸びとはっきり結びついていたのは、人々が「自分の人生を自分で選べている」と感じている度合いの上昇でした。この感覚だけで、幸福度の変化のおよそ30％が説明できたといいます。この結果は、経済的な豊かさよりも、自分で選んでいるという実感のほうが幸福感にとって強い影響力を持つことを示しています。</p>

<p>朝の小さな選択でかまいません。着る服を選ぶ、休憩のタイミングを選ぶ、メールの文面を考える。そのひとつひとつに「これは私が決めた」と心の中で決裁印を押してみてください。この習慣は、家事や育児のように一見選ぶ余地がなさそうな場面でも応用できます。決められた作業の中にも、順番や進め方など自分で選べる部分は必ず残っています。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・小さな選択にも「これは自分で決めた」と考えてみる</p>

<p>・選択の理由に「私がそうしたかったから」を付け加えてみる</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>選んだ理由を1つだけ覚えておく</h2>

<p>さんざん迷って長い時間をかけて決めたはずなのに、選ばなかったほうの選択肢を未練がましく考えてしまったりします。「もしあっちを選んでいたらどうなっていたんだろう」「自分は選択を間違えたのでは」という声が頭の中で鳴りやまない。考えすぎる人にはかなり覚えのある感覚だと思います。</p>

<p>私たちの心には、決めたあとの自分を助ける働きがもともと備わっています。それを最初に実験で捉えたのは、ミネソタ大学のブレームでした。半世紀以上前に行われ、その後の心理学の土台のひとつになった古典的な研究です。</p>

<p>女子学生225人に、コーヒーメーカーやトースター、ランプといった家庭用品8品の望ましさを8段階で評定してもらい、謝礼としてそのうち2品からひとつを選んで受け取ってもらいました。そしてしばらくしてから、同じ品々をもう一度評定してもらったのです。</p>

<p>すると、甲乙つけがたい2品で迷って選んだ人たちでは、選んだ品の評価が平均0.26点上がり、選ばなかった品の評価は0.66点下がっていました。品物そのものは何ひとつ変わっていません。変わったのは心の中の順位だけです。つまり、迷った末に選んだものほど、決めたあとで心が「ひいき」を始め、あとから好きになっていきやすいのです。</p>

<p>この働きは、認知的不協和の解消と呼ばれています。決めたのに未練がある、という矛盾する気持ちのままでは落ち着きません。そこで心が評価のほうを動かし、つじつまを合わせるのです。</p>

<p>だからこそ、決めたあとの過ごし方が重要です。おすすめは、選んだ理由をひとつだけ言葉にして覚えておくことです。この商品は手入れが楽だから、この会社はアクセスが良かったからなど、完璧な理由でなくてかまいません。理由は1つで十分です。むしろ並べすぎると、あとで一つひとつが再審査の対象になってしまいます。</p>

<p>そして、選ばなかったほうの情報をわざわざ見に行くのをやめましょう。買わなかった商品の情報も、選ばなかった転職先の近況も、もう見なくていいことです。決めたあとの再比較は、心のひいき機能がこつこつ進めている作業をいちいち白紙に戻してしまうからです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・選ばなかったほうの情報はわざわざ見に行かない</p>

<p>・自分の選択に納得するためにも比較をやめる</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分の選択に保険をかけない</h2>

<p>買い物では返品できるお店を選び、旅行はキャンセル料のかからないプランを予約。家具を選ぶときも、習いごとを始めるときも、いつでもやめられることや、あとから変えられるかどうかをまず確かめる。こんなふうに変えられる余地を残しておくと安心できます。ただ、そうした保険こそが、選んだものを好きになる邪魔をしているということが研究からわかっています。</p>

<p>ハーバード大学のギルバートとマサチューセッツ工科大学のエバートは、写真の講座を使った実験を行いました。受講者は、自分で撮影した写真の中からお気に入りを2枚プリントします。そのうち1枚だけを手元に残します。このとき半分の人には「あとで気が変わったらもう1枚と交換できます」と伝え、もう半分には「いちど選んだら交換はできません」と伝えました。</p>

<p>数日たってから満足度をたずねると、交換できないと言われた人たちのほうが、自分の残した1枚を気に入っていて、いつでも取り替えられるはずの人たちは、手元の写真への愛着がなかなか育ちませんでした。</p>

<p>しかも、別の参加者にこの実験の結果を予測してもらうと、交換できるかどうかで気持ちは変わらないと考えたうえで、自分が選ぶなら交換できる条件のほうがよいと答えています。つまり私たちは、自分の満足を下げるほうの選択肢を良かれと思ってわざわざ選びたがるわけです。</p>

<p>人の心には、もう動かせなくなった現実を前向きに受け止め直す働きが備わっています。「これだ」と決めてしまえば、良かった点を探し出し、これでよかったのだと折り合いをつけていくものです。</p>

<p>ところが引き返す道が残っていると、この働きがうまく起動しません。まだ変えられると思っているあいだ、頭は候補どうしの比較と採点をやめることができないのです。写真の実験で起きていたのも、そうした足踏みの状態でした。</p>

<p>迷いやすい人ほど、決めたあとの退路を自分から断つ価値があります。服や家電を買ったら、返品の段取りを調べる前に箱と伝票を片づける。習いごとを決めたら、他の教室の資料は処分する。転職や引っ越しのような大きな決断でも、決めた日を境に求人サイトや物件情報をのぞかないと決めてしまう。こうして見比べる材料を断つことが、選んだものへの愛着を育てる水やりになるのです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・決めたら、比較材料を処分する</p>

<p>・使うつもりのない退路を持ち続けていないか振り返る</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 13 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>初対面で拒絶された私が、人気No.1キャストからCHANELをもらうまで  曽和美佑（YouTuber）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15044</link>
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			<description><![CDATA[ルッキズムの現実を認めつつも、傷ついた記憶の奥にある｢優しさ｣の存在を提示。高校時代のバイト体験や人間関係の葛藤を通じ、見た目を超えて深く愛されるために必要なのは｢人間性｣だと語るエッセイ。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="曽和美佑" height="740" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260917SowaMiyuu.png" width="1200" /></p>

<p>世の中は顔かもしれない―そんなルッキズムの現実を認めつつ、傷ついた記憶の奥にある温かな優しさに光を当てます。高校時代のバイト体験や葛藤を経て、見た目を超えて深く愛されるために必要な｢人間性｣について語る、自分らしく生きるためのエッセイです。</p>

<p>※本稿は、曽和美佑著『世の中、顔か？』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>世の中、顔かもしれないけれど</h2>

<p>正直に言う。世の中は、顔である。<br />
厳密に言うと、顔が影響する場面は、確かに存在する。それは、逃れようのない現実だ。<br />
あなただって無意識のうちに、顔を見て｢いいな｣と判断してしまうことがあるだろう。<br />
だから安易にルッキズムを否定して、反論することなんてできない。</p>

<p>ただ、世の中は顔だけでもない。</p>

<p>問いかけてみてほしい。<br />
あなたはそのままのあなたで、誰かに優しくされたことはなかっただろうか？<br />
正しく評価されたり受け入れられた瞬間が、一度もなかったのだろうか？<br />
そんなことはないと思う。</p>

<p>ありのままの自分に向けられた優しさを受け取った記憶を、決して忘れてはいけない。<br />
傷ついた経験ばかりに気をとられがちだが、かつて誰かがくれた温かい記憶まで、負の感情によって都合よく鈍感になってはいけないのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>嫌われ者の私が、CHANELのリップをもらうまで</h2>

<p>綺麗なお姉さんに拒絶される</p>

<p>書いていいのか迷うけれど、高校生の頃、キャバクラでアルバイトをしていた。キャストとしてではない。ボーイ(裏方)の役割としてだ。</p>

<p>お酒を作ったり、掃除をしたり、待っているお客様の相手をする。たまにヘルプとして卓につくこともあった。</p>

<p>とにかく自由に使えるお金がほしかったし、東京への上京資金も貯めたかった。<br />
ちなみに当時の私はアルバイトを3つ掛け持ちしており、学校が終わるとまず、スーパーかファミレスで働いた。<br />
そして深夜になるとキャバクラに行き、朝の4時まで働く生活をしていた。</p>

<p>夜の街で働き始めた、可愛くもなければ痩せてもいない、ただ元気だけが取り柄の女子高生。<br />
そんな私は、綺麗なキャストのお姉さんたちに、死ぬほど嫌われていた。<br />
肌でも感じ取れるくらい、拒絶されているのが目に見えてわかった。</p>

<p>｢どうせすぐやめる｣と思われていただろうし、｢なんでこんな子がこの店で働いているんだろう｣と疑問に思っていたと思う。<br />
まあ、その感情は正解だ。仕方がない。<br />
ただ、私はお金が必要だっただけなので、嫌われるとか好かれるとか、そんなことを気にしている暇はない。</p>

<p>それに一生懸命働いていたら、いつか好かれる日が必ず来る。それだけは、経験から確信していた。<br />
なぜなら私は、愛される人間性を持ち合わせているから。</p>

<p>いつもそうだった。<br />
中学でも高校でも、入学早々なぜか先輩たちに目をつけられ、嫌われる。</p>

<p>幼少期の環境のせいか、私は｢他人にどう思われるか｣を考えて行動したり、｢こうしたほうがいい｣と空気を読んで立ち回る能力が、決定的に欠けていた。<br />
そのため先輩たちには生意気にうつり、｢なんだこいつ｣と思われてしまう。</p>

<p>先輩だけではない。<br />
体力テストではみんなが友達と一緒に測定を回る中、私は1人で行動した。<br />
みんなが机を引っ付けてお弁当を食べる中、私は1人で食べた。<br />
授業中、鼻水が止まらなければティッシュを鼻に詰めたまま過ごすし、授業が面倒くさくなれば、1人で抜け出して寝たりもしていた。</p>

<p>私がそのままでいることは、｢可哀想｣だとか、｢変わっている｣とか、｢逆にすごい｣という評価につながるということは、高校生になってから知った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>校内の変な奴として有名に</p>

<p>高校時代、途中でやめてしまったけれど、バトントワリング部に所属していた時期がある。</p>

<p>文化祭だったか、全校生徒の前で踊った時のこと。<br />
1人だけ太っていて、｢ブス｣がいるということで、目立っていたらしい。<br />
終わったあと、全く知らない男の先輩たちが、わざわざ私の教室まで｢顔を確認しに｣やってきた。</p>

<p>イケメンや美女がいて、教室に他の生徒が見に来るというシチュエーションは知っている。<br />
しかし、｢ブスが気になって見にくる｣というのは、新しいものだった。</p>

<p>バトントワリング部には、誰が見ても可愛い女の子しかいなかった。<br />
みんなセーラー服のスカートの丈はミニ。足元はルーズソックスを履いて、息を合わせて踊る。</p>

<p>確かにそんな中で、太い足を出してミニスカートで踊っている人がいたら、気になるのかもしれない。おまけに踊ることも、リズムを取ることすらも苦手。<br />
自分には全然合ってないって、わかっていた。<br />
それでもどうしても、あの衣装を着て踊るバトントワリング部の先輩たちに憧れていた。</p>

<p>私も彼女たちになりたかったのだ。</p>

<p>ただそれだけなのに、私は一躍｢校内の変な奴｣として有名になってしまった。<br />
それ以来、学食や校内ですれ違うたび、見ず知らずの男の先輩に絡まれるようになった。</p>

<h2>&nbsp;</h2>

<p>気づけばみんな友達</p>

<p>私が｢変な奴｣ということは、否定しない。<br />
けれど私は｢いい奴｣でもある。</p>

<p>無駄に絡まれるのはたまに困ったが、せっかく私と話すのなら、｢ブス｣だけで終わらせないでほしい。</p>

<p>だから私は絡んできた人たちにへりくだることもなかったし、年上だからと気を遣うこともなかった。対等に、普通に話をしていた。</p>

<p>私は、絡んでくるお前が一緒にいる友達と、何も変わらない。<br />
そうやって接しているうちに、いつの間にか彼らと仲良くなり、気づけばみんな友達になっていた。</p>

<p>こういう経験が、学生時代から何度もあった。<br />
だから、キャバクラのアルバイトで嫌われても、｢大丈夫｣と思えたのだ。<br />
いずれ、好かれるときが来る。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>意地悪してきたお姉さんが</p>

<p>キャバクラでは、慣れない環境の中で朝の4時まで働き続けた。<br />
目的が明確にあれば、お金のためなら、頑張れた。</p>

<p>そうやって、少しずつお客様やキャストのお姉さんたちとコミュニケーションを取るようになった。<br />
すると彼女たちも、私が｢ただのブス｣ではないことがわかったらしい。どんどん仲良くなっていった。</p>

<p>18歳の誕生日のことを、今でもよく覚えている。<br />
深夜０時ぴったりのタイミングで、ケーキが出てきた。<br />
そしてキャストのお姉さんたちが、みんなで盛大に祝ってくれた。</p>

<p>そして出会った頃、私に意地悪してきた人気NO1のお姉さんが、CHANELのリップをくれた。<br />
あれが、私の初めてのCHANELだった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>結局は人間性</p>

<p>やることをちゃんとやっていれば、そしてこの人間性があれば、私は大事にされること、そして愛されることを知っている。</p>

<p>私は、元々人が好きだ。<br />
だから初対面でどれだけ不当な扱いをされたとしても、みんな最後は私のことを好きになると思っている。<br />
最初の扱いをなかったことにするつもりもないけれど。</p>

<p>もし好きにならなかったとしても、それは私とは｢合わなかった｣だけの話。<br />
それは私が他人のことを過度に気にせず、自由に生きられている証明でもある。</p>

<p>結局のところ、長くて深い関係性を築いていくために必要なのは、顔ではなく、圧倒的に人間性なのだ。</p>

<p>そのままの自分を生きたい。<br />
そしてどれだけ傷ついても、自分から人を愛していける人間でいたい。</p>

<p>だって誰かを愛したり、愛されたりするのは、何物にも代え難い、楽しいことだから。<br />
ただ、それだけだ。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 13 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[曽和美佑（YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「スネ夫はただの太鼓持ちではない」 ジャイアンが心を許している理由  横山泰行（富山大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15200</link>
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			<description><![CDATA[お調子者のスネ夫に学ぶ世渡り術！激怒するジャイアンを機嫌よくさせる「ほめ方」とは？書籍『ポケット版「スネ夫」という生きかた』から解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ドラえもんの空き地" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_DoraemonAkiti.jpg" width="1200" /></p>

<p>&quot;お調子者&quot;や&quot;太鼓持ち&quot;といったネガティブなイメージが強い、ドラえもんのスネ夫。しかし富山大学の横山泰行名誉教授によると、あの立ち回りの上手さこそ、厳しい社会をたくましく生き抜くための重要なスキルだといいます。</p>

<p>本稿では、書籍『ポケット版「スネ夫」という生きかた』より、「スネ夫流ホメ方の作法」を分かりやすく解説します。</p>

<p>※本稿は、横山泰行著『ポケット版「スネ夫」という生きかた』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心を許してしまうほど上機嫌になる、スネ夫流ホメ方の作法</h2>

<p>スネ夫のホメ力といえば、激怒するジャイアンをうまくなだめるという「お約束の展開」で、みなさんおなじみのことと思います。スネ夫のことばの力は偉大ですよね。</p>

<p>彼がもし総理大臣になったら、世界平和に貢献しそうな勢いです。</p>

<p>なぜジャイアンは、スネ夫にホメられると気持ちがよくなって心を許すのでしょうか。ちょっと心理学を借りて説明を試みたいと思います。</p>

<p>富山大学で教職に就いていた頃の私の専門は、前半は「学校保健」、後半は「生涯スポーツ」と「ドラえもん学」でした。ですが、心理学の本もよく読みます。教育心理学や社会心理学を知っていると、人生のいろいろな場面で役に立つからです。</p>

<p>たとえば｢なぜ、あの人はこう言ったのか？（行動したのか？）｣という相手の気持ちやリアクションを推察するときに、心理学は強力な武器となります。カンタンな入門書を読むだけでもじゅうぶん楽しめるので、みなさんもぜひ心理学を活用してみてください。</p>

<p>また、スネ夫の言動を分析するのに、心理学はもってこいの学問です。こんな私のスネ夫研究は、世界に類を見ない&quot;偉業&quot;ではないでしょうか!?&nbsp;</p>

<p>余計な前フリはさておき......、心理学をひもとくと、スネ夫のホメ方は直球ストライクで、大変効果的であることがわかります。</p>

<p>その人が大切に思っていること、強い関心をもっていることを心理学の用語では「自我関与」（※1）と呼ぶのですが、「自我関与が大きいほど、ホメられるとうれしく感じる」とされています。</p>

<p>たとえば、スネ夫に歌をホメられたジャイアンが骨抜きになってしまうのは、彼が歌うことが好きで、歌に対して真剣であり、自分の歌を評価されたいからといえます。だから、どんな状況でも「歌」をホメられれば、間違いなくごきげんになってしまう、というわけです。</p>

<p>この考えかたでいくと......。仕事を頑張っている人は仕事の成果を、自分の破天荒さを自慢するような自称・ワイルドな人は行動の1つ1つがワイルドなのをホメると効果的!? ということになります。なんとなくうなずける理論ですよね。</p>

<p>実際に、この理論を実践しているスネ夫のシーンを見てみましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>---------</p>

<p>｢レコード製造機｣で、ジャイアンのレコードを作ってあげたのび太。ジャケットにはジャイアンがかっこよく写った写真まで入っています。大喜びしたジャイアンは、道でレコードを売り始めました。</p>

<p>それに気づいたスネ夫は、しずちゃん（※2）やクラスメートにジャイアンのレコードを買わされないように、回り道することをコッソリすすめて回ります。噂はあっという間に広がり、ジャイアンがいる通りには、ばったりと人通りが無くなってしまいました。</p>

<p>いぶかしく思ったジャイアンは、「とうぶん近よらないほうがいい」とヒソヒソ話しているクラスメートを発見します。</p>

<p>｢やいこらっ｣と怒るジャイアン......。</p>

<p>すると、異変に気付いたスネ夫がすかさずお金を持って現れ、ジャイアンのレコードを買い求めようとします。ほかの仲間たちも集まってきました。</p>

<p>｢レコードだしたんだって。なぜ早くおしえてくれないんだよ｣<br />
｢わるいわるい、このつぎからちゃんとでんわするよ｣</p>

<p>スネ夫のホメことばに急に、上機嫌になるジャイアンでした。</p>

<p>『てんとう虫コミックスドラえもん　第11巻』<br />
小学館第18話目「ジャイアンの心の友」</p>

<p>---------</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>どうでしょう、スネ夫の変わり身の早さは、さすがですね！ここでもまたまた、ホメの高度なテクニックが使われています。</p>

<p>｢レコードだしたんだって。なぜ早くおしえてくれないんだよ｣というスネ夫の問いかけのセリフですが、これは遠回しな形でジャイアンをホメています。</p>

<p>人に質問することで「あなたに興味がありますよ」という気持ちを伝えることができます。誰だって、自分自身のことに興味を持ってもらえたらうれしいですよね。それが、自我関与の大きなこと（強い関心をもっていること）についての問いだったら「なおさらうれしい」というのが、老若男女を問わず、人間に共通した性質なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『渡辺篤史の建もの探訪』にも使われている!?</h2>

<p>自我関与というものがよくわかるテレビ番組があります。</p>

<p>『渡辺篤史の建もの探訪』（テレビ朝日系）をご存じでしょうか。建築作品として評価できるお宅を俳優・渡辺篤史さんが訪れ、紹介していくという番組です。｢いや〜、すばらしい！」とどんな物件からも魅力を引き出してしまう渡辺さんのトークは、「究極のヨイショ芸」と称され、他のタレントからマネされるほど人気です。</p>

<p>この番組で私がいつも注目してしまうのは、渡辺さんよりもむしろ家主さんの表情です。渡辺さんに、間取りや設計、果ては建築の意図などを聞かれて、家主さんは非常によい表情で答えを返されています。</p>

<p>考えてみれば、家などというのは一生に一度、できるかできないかという買い物。運よく家を建てられた人にとっては、とてつもなく大きな自我関与があるはずです。その家について、あれこれ聞かれて、うれしくならないワケがありません。</p>

<p>この番組は、2026年には38周年を迎えるというご長寿番組ですが、長続きしているのも素直に納得できます。</p>

<p>このように、誰かをホメたいときは、相手が大切にしていることやモノについて質問してみてください。ジャイアンに限らず、誰の心も根っこのところでは、けっこう単純なのかもしれませんね！</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>（※1）「自我関与」<br />
ある事柄を自分のもの、あるいは自分に関係があるものとして考えること。その人が大切だと思っているものほど「自我関与が大きい」という。</p>

<p>（※2）登場人物「源静香」の作中での呼び方について、アニメなどでは「しずかちゃん」とすることが多いですが、本書ではマンガでの表記である「しずちゃん」を使用しています。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_DoraemonAkiti.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 12 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[横山泰行（富山大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「捨ててうまくいく人・失敗する人の違い」片づけているのにすっきりしない理由  おさめ ますよ（収納ライター）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12828</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012828</guid>
			<description><![CDATA[捨てているのに片付かないのはなぜか。収納ライターのおさめますよさんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="うまい捨て方" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_messyroom.jpg" width="1200" /></p>

<p>定期的にモノを捨てているはずなのに片づかない......そんなモヤモヤの原因は、上手な「捨て方」を知らないことにあります。収納ライターのおさめ ますよさんが解説してくれます。</p>

<p>※本稿は、『PHPくらしラク～る♪』2024年9月号より内容を抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>場所よりもアイテム整理がうまくいく</h2>

<p>「よし、今日は捨て日だ。物を整理しよう！」と思ったとき、どこから手をつけますか？</p>

<p>「ここをやろう」と場所から入る人が多いのではないでしょうか。私も汚部屋暮らしだった頃は、真っ先に押し入れを整理していました。得体の知れないものが詰まっていそうで、寝ても覚めてもモヤモヤ......。</p>

<p>人は、ふだん気になっている場所から片づけたくなるもの。でもそれが危険なことだと知ったのは、片づけられるようになってからです。</p>

<p>あの頃の私は、押し入れの扉を開け、すき間に突っ込んだ贈答品のタオルの箱などを引っ張り出していました。余白が生まれるとすっきりし、「捨て」に拍車がかかります。途中でアルバムを見つけ、「この写真、懐かしい......」と感傷に浸っているうちにタイムアップ。慌てて入れ戻し、「ちょっとは減ったかな」と満足する自分がいます。</p>

<p>後日、洗面所の収納庫を見て愕然としました。ごちゃごちゃのタオルの束をひとつひとつ見ていくと色褪せたものやループのほどけたものばかり......。</p>

<p>しかも、バスタオルはほんの数枚しかないじゃないですか！押し入れのタオルはすでに処分してしまったので、後の祭りです。</p>

<p>物は、家のあちこちに点在しています。まず家じゅうのタオルを一箇所に集めてから、整理を始めるべきでした。「ここをやろう」より「〇〇〇をやろう」。アイテムで考えると、このような「捨て」による「しくじり」を回避できます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>片づけスイッチ作動中は整理しない</h2>

<p>片づけスイッチが入ったときも、よくしくじりました。捨てる気満々で、いわゆる「捨てハイ」（捨てることで気分が高揚し、幸福感を得る）になっているので、何かと理由を見つけて捨てようとします。捨てるとすっきりし、捨てられる自分を褒めてあげたい気分にも。そんなとき、私の場合は好き嫌いを優先しがちで、物の状態や必要数を冷静に判断できなくなっています。</p>

<p>食器棚にぎゅうぎゅうに詰まった食器を「好みじゃないから」と捨て、後で「お客さまにお出しする羊羹を盛るお皿が足りない！」「スイカ用のガラスのフルーツ皿はどこ？」と大慌て。以来、片づけスイッチが入ったときに整理するのはヤメました。</p>

<p>なかでも使用頻度の低いもの、オフシーズンのものは記憶に乏しく「使っていない」と勘違いし、捨てがちです。一年に数回しか登場しない大皿や花瓶を捨てて後悔したことがあります。</p>

<p>タオルケットや電気毛布も使わないから......と捨てて買い直したことも。寝具や衣類など季節で入れ替えるものは、翌シーズンの始まりではなく、今シーズンの終わりに整理するのがおすすめです。</p>

<p>また、古い雑誌、思い出の品、アルバムなど、買い戻せないものや手に入らないものなども、慎重に判断したいものです。</p>

<p>今から思えば、当時の私は捨てることが目的になっていたのだと思います。すっきりしたい、モヤモヤとさよならしたい......。けれど「捨て」を繰り返しても、部屋は片づかず、一年中物を探していました。靴下の片一方が見つからなかったり、鍵が行方不明で遅刻しそうになったり......。場当たり的に物を捨てても、快適な暮らしは手に入らないのです。</p>

<p>そんな私が片づけられるようになったのは、自分の暮らしに必要な量を知ってから。「要・不要」「使う・使わない」の判断が苦手だったので、「段ボール箱整理法（物をすべて段ボール箱に入れ、使うときに物を取り出す）」を実践するうちに、自然に必要量が判明。結果的に物がごっそり減り、暮らしが回るようになりました。</p>

<p>その成功体験から小さなストレスに敏感になり、物の数を意識する暮らしに。「捨て」による「しくじり」がなくなったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>目的を紙に書いて貼ると失敗しない</h2>

<p>仕事柄、かつての私のように捨ててしくじる人をたくさん見てきました。「捨てたい理由はなんですか？」と質問すると、「家をすっきりさせたい」「物を減らしたい」「モデルルームのような部屋で暮らしたい」という答えが返ってきます。</p>

<p>一方で、上手に捨てる人は「時短料理を叶えたい」「登校準備をしやすく」などと小さな目的を持っています。暮らしの不具合を解するための「捨て」であることがわかります。</p>

<p>「捨て」による「しくじり」を防ぐには、具体的な目的を持つことがひとつのヒントになります。捨てることは手段にすぎず、目的ではありません。</p>

<p>私は今、老親とともに実家の片づけに取り組んでいますが、冒頭の押し入れ整理のように、目的を忘れて寄り道をしてしまうことがあります。</p>

<p>それを防ぐために、作業中は整理する目的を書いた紙を壁に貼っています。たとえば「毎日の着替えをしやすくする」「電気鍋が使いやすい調理台にする」「ヘルパーさんが掃除道具を見つけやすい収納」などなど。</p>

<p>必要なときは、手順も紙に書き出して掲示します。「集める&rarr;分ける&rarr;選ぶ・捨てる&rarr;配置決め&rarr;入れ戻す&rarr;ラベリング」といった具合です。生活しながらの片づけは、作業に充てる時間が限られているので、時間の配分にも役立ちます。</p>

<p>これらの工夫で、必要な物の数を知り、「捨て」によるしくじりを防止。今では、上手な「捨て」が暮らしの助けになることを実感しています。</p>

<p>【おさめ ますよ】<br />
汚部屋出身の収納ライター。雑誌や書籍で片づけ企画を多数担当。現在はシニアの片づけやアルバム整理に取り組んでいる。著書に『ざんねんな収納』（パイ インターナショナル）他。<br />
Instagram @osamemasuyo</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_messyroom.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 12 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[おさめ ますよ（収納ライター）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「ＮＹ襲撃」 第一章・過去を引きずる者たち【２】 高嶋哲夫  高嶋哲夫（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14889</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014889</guid>
			<description><![CDATA[SP・明日香が次に護るのはNY！？　「襲撃」シリーズ第三弾。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ニューヨーク" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NY.jpg" width="1200" /></p>

<p>SP・明日香が次に護るのはNY！？　「襲撃」シリーズ第三弾。</p>

<p>&nbsp;</p>


<p>&nbsp;</p>

<p>ほぼ一年ぶりの警視庁だった。</p>

<p>明日香（あすか）はブラウスの襟首を直した。制服以外で警察関係の建物内で同僚と会うのは久し振りだ。警護官を降りてからずっと制服だった。</p>

<p>捜査一課の前を通りかかったとき、姿勢のいい長身の男が出てきた。</p>

<p>明日香を見て立ち止まった。千葉俊介（ちばしゅんすけ）、捜査一課の課長だ。</p>

<p>「復帰したんだってな。きみが立川の交番勤務の警察官でいるはずはないと思ってた」</p>

<p>「戻ったわけじゃありません。新崎（しんざき）先生の国連での演説に同行を命令されたからです」</p>

<p>「ニューヨークの国連本部でやるやつか」</p>

<p>千葉も知っている。明日香が想像していたのより規模の大きなものなのだ。</p>

<p>「反対なのか」</p>

<p>千葉が聞いた。明日香の表情を読み取ったのか。</p>

<p>「当然です。まだ東京襲撃の生き残りが多くいるはずです。必ず狙っています。アメリカだと何でもありです。アメリカに潜伏している仲間もいるでしょうし」</p>

<p>「だからおまえが呼ばれた。それを復帰と呼ぶんだ」</p>

<p>反論しようとしてやめた。千葉の言葉に間違いはない。</p>

<p>「ジョンというニューヨークの刑事がいただろ。彼からは時々メールが来る。風貌に似合わず律儀な奴だ」</p>

<p>ジョン・ハーパーはニューヨーク市警の刑事だ。ニューヨークで起こった爆破事件で義理の弟を失くし、犯人を追って東京にまで来た。テロ事件の捜査に精通しており、捜査一課の捜査に協力し、大いに千葉たちを助けたのだ。</p>

<p>ジョンは帰国当時、明日香に一日おきに電話をしてきた。空港での出来事を考えると、なぜか気が重くなり、明日香は三度に一度しか出なかった。今はほとんど電話はない。</p>

<p>「何か言ってきているのですか」</p>

<p>「その後の捜査の行方を知りたがっている。どさくさに紛れて行方（ゆくえ）をくらませている者も多いからな」</p>

<p>「その筆頭が山仲明美（やまなかあけみ）です。まだ見つかってはいないんでしょ」</p>

<p>遺体という意味だ。爆発とビルの崩壊、その後の火災がひどかったので、身元不明者がまだ十人近くいると聞いている。</p>

<p>「日本にデータのある者はほとんど特定できた。その他は海外に問い合わせているが、データを十分に持っていない国の方が多い。ＤＮＡデータだ」</p>

<p>「山仲明美のものは、アメリカに送った方が早くはないのですか」</p>

<p>「指紋はＦＢＩに送ったが該当者はいなかった。これもジョンの力を借りている」</p>

<p>「何か分かれば連絡をください。新崎先生を警護するにあたり、重要な情報になります」</p>

<p>「おまえも警護が板についてきたな。さすが高見沢（たかみざわ）が期待してた警護官だ」</p>

<p>「初耳です。高見沢さんが期待してたなんて」</p>

<p>「あいつは言葉と態度が逆だったからな。おまえのことは、しごきがいがあると言っていた」</p>

<p>高見沢と横田（よこた）は友人だと聞いたことがある。高校の先輩後輩で、同じ空手部にいたと聞いている。</p>

<p>十分ほど立ち話をして明日香は警護課に行った。</p>

<p>横田は新崎の渡米予定表を前に一時間ほど説明した。</p>

<p>「予定表はしっかり頭に叩き込んでおくように。危険度は最高レベルだが、警護は最低レベルだ。おまえのことじゃない。政府の認識がだ」</p>

<p>「まさか警護は私一人じゃないでしょうね」</p>

<p>「安心しろ。現在の警護官もついていく。女性だ」</p>

<p>それを安心というのか。横田は本気でそう考えているのか。</p>

<p>「彼女だけですか」</p>

<p>「最高、最強の警護官もついていくだろう。それに、新崎前総理は警護を望んでいない。最初は、おまえだけでいいと言い張っていた」</p>

<p>明日香はそれ以上何も言えなかった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>その日の夜、横田から電話があった。</p>

<p>〈出発は明後日に決まった。国連でのスピーチの前に、ワシントンＤ．Ｃ．での少年兵更生団体・ワールド・セイフティの立ち上げの資金集めパーティーに参加するよう大統領の依頼があった〉</p>

<p>「当然、総理は受けたのですね」</p>

<p>〈明日から新崎前総理の警護についてくれ〉</p>

<p>横田は明日香には答えず聞いてくる。</p>

<p>「特別機は間に合うのですか。それとも民間機ですか」</p>

<p>〈前総理だが今は民間人だ。総理専用機は用意できない〉</p>

<p>当然だという横田の声が返ってくる。</p>

<p>「警備体制は用意できていますか」</p>

<p>〈しなきゃならんだろ。しかし新崎前総理はおまえと二人でも行くつもりだ〉</p>

<p>「もらったファイルの日付をそのまま前倒しにすべきです」</p>

<p>〈成田からケネディ国際空港はそのままだ。変更は、ワシントンＤ．Ｃ．での大統領の夕食会に呼ばれた三日間だけだ〉</p>

<p>「大統領と会うということは、ひょっとしてエリーゼも来るのですか」</p>

<p>〈これは極秘事項だ。まだＮＩＳの暗殺リストにはエリーゼは載っている〉</p>

<p>新崎元総理は暗殺リストには載っていないはずだ。彼女の政治生命はすでに絶たれている。しかし、まだ世界の人々に訴えかける力は残っている。あるいは一年前の報復ということもある。これがいちばん分かり易い。</p>

<p>「資金集めを兼ねた夕食会は、アルフレッド大統領の選挙運動のためですか」</p>

<p>横田は答えない。</p>

<p>しかしエリーゼを招くということは、ＦＢＩの保護プログラムを解消するということだ。エリーゼは現在、十三歳、子どもでさえＮＩＳの暗殺リストに載っているのか。</p>

<p>〈アメリカ出発は明後日。そのつもりで用意すること。明日の午前六時、警備部でミーティングだ。遅れないこと〉</p>

<p>時間厳守と繰り返すと、電話は切れた。</p>

<p>時計を見るとちょうど日付が変わったところだ。五時には出なくてはならない。あと、五時間。明日香はスマホの目覚ましをセットして、目を閉じた。</p>

<p>眠れそうにない。</p>

<p>時計を見ると午前一時。ワシントンＤ．Ｃ．は午後零時、ちょうど昼だ。スーザンはスマホを手に取り、デスクを立とうとしている頃だろう。</p>

<p>明日香はスーザンに電話をした。</p>

<p>〈そろそろかかってくると思ってた〉</p>

<p>「何か知ってるのね」</p>

<p>〈知らないこともない。ある意味、世界の中心に住んでるんだから〉</p>

<p>「そういう言い方、好きじゃない。でも、事実であることは間違いない」</p>

<p>〈でしょ。私はあなたの素直なところは大好き。日本人の美徳ね〉</p>

<p>「でも、日本も変わりつつある。で、知ってることって何なの」</p>

<p>電話が一瞬、沈黙した。</p>

<p>〈新崎さんは何か言ってなかったの〉</p>

<p>「私の百倍は知ってるみたいね。でも教えてくれない」</p>

<p>〈あなたに負担をかけたくないんじゃないの〉</p>

<p>「でもそれじゃ、警護は出来ない」</p>

<p>〈そこをキッチリ警護するのがプロじゃないの。あなた、警護に私情を入れないって、いつも言ってるでしょ〉</p>

<p>その通りだ。明日香はしばらく黙り込んだ。</p>

<p>「出来るだけ教えて。あなたに迷惑がかからない程度に」</p>

<p>再度、沈黙が続いた。</p>

<p>「〈少年兵更生団体ワールド・セイフティ〉の設立に関してでしょ」</p>

<p>明日香は言ってみた。</p>

<p>〈アルフレッド大統領がアメリカ主導の更生団体設立の提案をした〉</p>

<p>スーザンの低い声が返ってくる。</p>

<p>「そして、新崎先生を国連のスピーチに呼んだというわけね」</p>

<p>〈そればかりじゃない〉</p>

<p>「何か続きがあるの」</p>

<p>〈アメリカでは、秋には中間選挙がある。来年は大統領指名選挙の年。一期で下りるはずが、欲が出たのね。もう一期、と言うことになった。彼はある意味、必死。つまり現在、大統領の頭は選挙でいっぱいってこと。あの人、いつも福大統領に悩まされている〉</p>

<p>東京が襲撃されたときには、副大統領の指示を受けたシークレットサービスが大統領を傷付けようとしていた。</p>

<p>「だから国連で会議を企画して、新崎先生を招待したってことね」</p>

<p>〈半分当たってて、半分違っている〉</p>

<p>「日本の前総理が来てもどうってことはない。でも、会議には意味がある」</p>

<p>〈それも同じね。半分は正解〉</p>

<p>明日香は考え込んだ。前の会議でアルフレッド大統領が望んだことは何だ。</p>

<p>「ダメよ。絶対にダメ。エリーゼを引っ張りだそうだなんて」</p>

<p>明日香の声が大きくなった。</p>

<p>〈さすが明日香。アルフレッド大統領はエリーゼを選挙キャンペーンで連れ回るつもり。そのための会議よ〉</p>

<p>何かが起こる。そんな気がした。前宣伝が大きすぎる。</p>

<p>スーザンが続けた。</p>

<p>〈アメリカ人は強い大統領が好きなの。テロリストから虐げられていた少女を救い出して、自国に連れ帰った大統領。白馬の騎士なのよ〉</p>

<p>血にまみれたカッターシャツ、シークレットサービスたちに抱えられて会議場から連れ出される大統領。確かに、テロリストに立ち向かう勇敢な大統領だ。その大統領に救われた少女が大統領に感謝の言葉を述べる。しかし、その背後には――。</p>

<p>「でもあれは、新崎総理が自分の身体を犠牲にして――」</p>

<p>〈そんなことアメリカ国民の誰も思っちゃいない。アメリカファーストよ〉</p>

<p>スーザンの言葉は歯切れがいい。「それもアメリカ流なの」出かかった言葉を呑み込んだ。</p>

<p>「かなりヤバイ。まだＮＩＳの残党は世界中にいるし、アケミはまだ捕まっていない」</p>

<p>〈あの爆発から遺体は発見されなかったのね。ということは、脱出した可能性が高いってこと?〉</p>

<p>「分からない。あれは捜査一課の捜査だから。私は一介の警察官にすぎない」</p>

<p>〈アケミに対しては私も調べてみる。彼女、アメリカのバースカードもパスポートも持ってたんでしょ。それを使って入出国したのなら分かるはず〉</p>

<p>自分自身を納得させるような言い方だった。やはりあの事件はスーザンにとっても、衝撃的だったのだ。</p>

<p>バースカードは、出生証明書カードで、アメリカで生まれた際に発行される出生証明書の簡略版、または登録済みであることを証明するカード形式の書類だ。パスポートの申請や学校への入学手続き、身分証明が必要な際に「出生証明書の原本」の代わり、あるいは補助書類として使われている。</p>

<p>〈それで、こっちに来るのはいつなの。もう、決めているんでしょ〉</p>

<p>「警護は徹底的に隠密（おんみつ）行動にするか、ガチガチに力で守るか。どちらかね」</p>

<p>〈私は隠密行動に賛成。相手は力には力で来る。また、東京のようになる〉</p>

<p>去年の首都襲撃は、二つの組織、イスラム系勢力ＮＩＳと、日本の旧過激派組織赤色戦線によって多くの人が死に、大きく破壊された。</p>

<p>「私もそう思ってる。でも、新崎先生は公式に招待されている。どこまで隠密行動がとれるかどうか」</p>

<p>三十分ほど話して電話を切った。ベッドに入り、目を閉じた。どうせ眠れないことを覚悟しながら。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NY.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 10 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[高嶋哲夫（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>モヤモヤをポストに投函するとソーダがもらえる　ランニングで“心を見つめる”体験イベント  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15275</link>
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			<description><![CDATA[Smart相談室が10月10日の世界メンタルヘルスデーにあわせて、イベント「モヤ晴れRUN ～走って書いて、心スッキリ～」をRe.Ra.Ku PRO 竹橋皇居前店で開催。その全容と初日に行われたトークの模様をお届けする。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="モヤ晴れRUN" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>企業向け相談サービス「Smart相談室」が、10月10日の「世界メンタルヘルスデー」にあわせ、ランニングステーション「Re.Ra.Ku PRO 竹橋皇居前店」とコラボしたイベント「モヤ晴れRUN&nbsp;～走って書いて、心スッキリ～」を2026年10月9日(金)～11日(日)の期間で開催。走りながら心のモヤモヤに目を向け、はがきに書いて手放す。&quot;相談&quot;をもっと気軽なものにしたいという思いから生まれた企画です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>皇居ランのあと、モヤモヤを一枚のはがきに</h2>

<p><img alt="モヤ晴れRUN" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu02.jpg" width="1200" /><br />
皇居ラン終わりの海外からの利用者が、早速スマソウポストに投函。Re.Ra.Ku PRO 竹橋皇居前店には国内外問わず、様々な利用者が訪れる。</p>

<p>昨今、健康維持やメンタルヘルスの改善といった面から注目を集めているランニング。仲間と走るランニングコミュニティのように、人が&quot;集まり打ち解ける場&quot;としても人気が広がりつつあります。</p>

<p>そんなランニングと「相談」を掛け合わせたイベントが、10月10日の「世界メンタルヘルスデー」にあわせて開かれています。</p>

<p>皇居を走り、着替えたら、店頭の「スマソウポスト」にモヤモヤを書いたはがきを投函する。店内や更衣室には自分の気持ちに目を向けるための問いかけが置かれ、走っている間も心の声に気づけるよう工夫されています。投函した人には、オリジナルデザインのソーダ「ソーダんソーダ」がプレゼントされます。</p>

<p>同社広報の宮田さんによると、悩みを話すだけで気持ちが整理される効果は「カタルシス効果」として知られているそう。まずは吐き出してスッキリする体験をしてもらうことが、相談のハードルを下げる一歩になると考えています。</p>

<p>毎年世界メンタルヘルスデーにあわせてイベントを開催している同社ですが、今回ランニングステーションを選んだのは、都市生活に根づいたランニング文化と、ステーション自体がコミュニティとして機能している点に注目したからでした。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>3人に1人が「相談できる先がない」</h2>

<p><img alt="モヤ晴れRUN" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu04.jpg" width="1200" /><br />
店内には、心に目を向けるための問いかけが掲出されている。</p>

<p>背景にあるのは、同社が全国約3000人を対象に行った調査です。直近1年の相談相手を尋ねると、最も多かったのは「相談できる先がない」で38.6%。他人に相談することに抵抗がない人は18%にとどまり、抵抗を感じる理由のトップは「相談しても解決しないと思う」という諦めでした。</p>

<p>また、7割が「相談したかったのにできなかった」経験を持ち、その結果ストレスや不安が増したと答えた人は4割近く。体の不調や無気力につながったという声もありました。一方で、相談への抵抗感が小さい人ほどワークエンゲージメントが高い傾向も見えてきたといいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>調子が悪くなる「前」に話せる場所を</h2>

<p><img alt="藤井康男さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu05.jpg" width="1200" /></p>

<p>Smart相談室代表の藤田康男さんは、かつて事業責任者として、退職者が相次ぐ現場に向き合ってきました。ストレスチェックや産業医面談を重ねても、面談に来る人の多くはすでに不調の真っただ中だったといいます。</p>

<p>「第三者から見て調子が悪いとわかるのは、かなり悪い状態なんです」</p>

<p>不調になった人の多くは「もっと早く言っておけば」と振り返ります。けれど、パートナーとの関係や評価のこと、取引先との関係は、上司にはなかなか打ち明けられないもの。だからこそ同社は、話すネタがなくてもいい、ドタキャンしても構わない、相談内容は会社に伝えない――という場づくりにこだわってきました。</p>

<p>藤田さんが最近気にかけているのは、右肩上がりで計画される組織の成長と、波のある個人のバイオリズムとのずれです。</p>

<p>「成績がよく、頑張ってきた人が突然休んでしまうこともある。組織より自分のほうが上回っていても、調子は崩れるんです」</p>

<p>そのずれとうまく折り合っていける社会、そしてサービスをつくっていきたい。藤田さんはそう語りました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ガチ勢からコミュニティへ　変わるランナーの姿</h2>

<p><img alt="モヤ晴れRUN" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu03.jpg" width="1200" /><br />
左から、江口康二さん、涌井圭介さん、藤田康男さん</p>

<p>後半の鼎談には、藤田さんに加え、元マラソン選手の涌井圭介さんと、ランニングステーション「Re.Ra.Ku PRO」を運営する株式会社メディロム代表取締役CEOの江口康二さんが登壇しました。涌井さんは、Smart相談室のアスリート支援プロジェクトでサポートを受けています。</p>

<p>改めて近年、なぜランニングはここまでの注目を集めているのでしょうか。江口さんによると、ランニングはコロナ禍に「密にならない」アクティビティとして、キャンプなどと並んで広がったそうです。最近目立つのは、若い女性のグループ。仕事帰りに飲みに行く代わりに、一緒に走りに来るといいます。</p>

<p><img alt="江口康二さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu07.jpg" width="1200" /></p>

<p>「走りながらなら周りに聞かれないので、相談し合ったり、悩みを打ち明けたりするのに適しているんです」</p>

<p>江口さん自身も、提携先との内密の話は個室ではなく、皇居の周りを走りながらすることがあるとか。ステーションの利用者も、かつてはタイムを追う&quot;ガチ勢&quot;が中心でしたが、ここ数年はコミュニティでの参加が増えています。江口さんも月に一度、朝8時から誰でも参加できる会を開いているそうです。</p>

<p>涌井さんは、ランニングの魅力を「目標を立てて一つずつクリアしていけること」だと話します。仕事で達成感を得にくい人でも、走れば積み重ねが結果につながる感覚を味わえる、というのです。</p>

<p>藤田さんは、かつては「なんで走るの？」と思っていた一人でした。しかし年齢を重ねごとに血圧が上がり、健康のために走り始めたそう。そのうち気持ちよさを覚え、CEOという立場になりプレッシャーを感じるようになってからは、モヤモヤを解消するために走るようになったといいます。</p>

<p>「付き合い方を変えながら、70歳くらいまで続けられる気がしています」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>体を動かすと、考えがまとまる</h2>

<p><img alt="涌井圭介さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu06.jpg" width="1200" /></p>

<p>涌井さんが心と体のつながりを実感したのは、現役時代のけがでした。気持ちが落ち込んでいると治りが遅く、走れるようになると回復も早まったそうです。走れない時期は、3〜4時間止まらずに歩き続けて自問自答していたといいます。</p>

<p>「止まっていると、考えたくないことまで考えてしまう。空や景色を見ながら歩いていると、気持ちが晴れてくるんです」</p>

<p>藤田さんは、走ることのよさを3つ挙げます。走ったあとは血圧が下がること、体重が落ちること。そしてもう一つは、走り終えると問題が片づいたような気がすることです。</p>

<p>「答えが出たわけではなくても、自分なりに納得できる。メンタルのバランスを整えてくれる気がします」</p>

<p>江口さんも「悩みのない人生はない」としたうえで、軽い運動で血流を上げることが、問題を解決するきっかけになると話しました。</p>

<p>忙しい日常にどう取り入れるかを尋ねられると、藤田さんは「走ろうと思わず、朝起きたら外に出る」と答えました。家の前から歩き出し、気づけば結局走っているのだそう。</p>

<p>涌井さんは、スマートウォッチで自分の成長が見えるようになったことをモチベーションの一つに挙げます。そのうえで、Smart相談室のカウンセリングを体験した実感をこう話しました。</p>

<p>「現役のときにあったら絶対使っていたと思います。走るだけで解消できない部分は、第三者に相談するのが大事なんだなと」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>飲み会とランニング、つながり方の違いは</h2>

<p>質疑応答で、人とつながる場として、お酒の席とランニングはどう違うのかをうかがうと、江口さんは開口一番「覚えているか、覚えていないか」と答えてくれました。</p>

<p>「一緒にスポーツをすると仲良くなるのは、お互いの心拍が上がるからなんです。お酒でも心拍は上がるので盛り上がるのは同じ。でもランニングは体も鍛えられるし、戦友のような感覚になる。何より、話したことを覚えているんですよね」</p>

<p>一緒にジョギングをすると、心拍は120〜140ほどまで上がるそう。部活の仲間と生涯つながっていられるのも、同じ波長を共有したからではないか、と江口さんは話します。最後に「しかもタダですから」と付け加え、笑いを誘いました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【開催期間】2026年10月9日（金）〜10月11日（日）<br />
【開催場所】Re.Ra.Ku PRO 竹橋皇居前店　〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1丁目1-1 パレスサイドビル1F<br />
【体験内容】<br />
①皇居ランで汗を流し、自分と向き合う<br />
②専用のはがきに、自身のモヤモヤ・悩みを書く<br />
③はがきを「スマソウポスト」に投函する<br />
④オリジナルデザインのソーダ「ソーダんソーダ」をゲット</p>

<p>■SNSキャンペーン概要<br />
開催期間中、「#モヤ晴れRUN」のハッシュタグをつけてSNSに投稿いただいた方の中から、抽選でRe.Ra.Ku回数券をプレゼントするキャンペーンを実施します。詳細は、Smart相談室公式X・Instagramにてご案内いたします。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 09 Oct 2026 17:35:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ガンダムから考える「AIと社会の行く先」 人類にとって脅威か、パートナーか？  大賀康史（フライヤーCEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15217</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015217</guid>
			<description><![CDATA[AIは人類の脅威か、それとも共存するパートナーか。ガンダムのニュータイプやドラえもん、日本と西洋の思想の違いから、AI社会の未来を考えます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="大賀康史" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2022/2022A/220705OogaYasushi03.jpg" width="1200" /></p>

<p>ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier（フライヤー）」（https://www.flierinc.com/）。</p>

<p>こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。</p>

<p>今回、紹介するのは『AIはニュータイプの夢を見るか ～人工知能と想像力のあいだ』（三宅陽一郎、青土社）。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AIは全知全能で万能な存在になっていくのか</h2>

<p>あなたはAIを、人を支えるパートナーだと考えているでしょうか。それとも、人類を脅かす存在だと考えているでしょうか。</p>

<p>日本には、鉄腕アトムやドラえもん、ガンダムシリーズのハロのように、AIに人格のようなものを見出し、愛着さえ抱く文化があるとよく言われます。こうしたAI観は海外から見ると独特に映るようですが、その背景には西洋との思想的な違いがあるともいわれます。</p>

<p>一方、西洋では、AIに全知全能の神のような知性を持たせようとする方向で開発が進んでいるように見えます。AIを人類への脅威とみなす傾向も、欧米のほうが強い印象です。</p>

<p>技術が急速に進歩するとき、人間の想像力はしばしばその先を行きます。インターネットがそうだったように、さまざまな要素技術が統合されて形になるまでには時間がかかります。しかし想像力は、それよりも速いスピードで世界の姿を描いていきます。</p>

<p>本書は、コンテンツ論を軸にしながら、AIと社会の行く先という、いままさに人類が頭を悩ませている問いに挑んだ一冊です。そして未来に想像を巡らせるうえで、SFを描くアニメやゲームは格好の題材となります。</p>

<p>著者は数学と物理学を学んだ人工知能の専門家であり、同時にゲームなどのコンテンツ制作にも携わってきた、まさに時代が求める経歴の持ち主です。そんな著者が見通す未来を覗けるのは、本を手に取る人だけの特権かもしれません。ここでは、本書の中から印象的な箇所を紹介していきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AIとニュータイプ</h2>

<p>『機動戦士ガンダム』は皆さん知っていると思います。ここではその本質に迫った考察がなされています。初代ガンダムシリーズは主に地球やその周辺で暮らす人に対して、宇宙の円筒型のコロニーで暮らすスペースノイドと呼ばれる人、特に技術が高度に発展したサイド3と呼ばれるエリアの人々との戦争が描かれています。</p>

<p>そこで登場するのがニュータイプと呼ばれる特定の才能が開花した少数の人々です。ニュータイプ特性の強さは人によって少しずつ違いがあるのですが、主人公のアムロ・レイがその代表で、感性や直観が特に強い人物として描かれます。このニュータイプの特性はガンダムなどの戦闘用兵器（モビルスーツ）の操縦で高度に発揮されやすいため、戦争に利用されやすいという悲しい側面もあります。</p>

<p>著者はなぜニュータイプと呼ばれる人が登場しうるのかについて、洞察を深めています。宇宙世紀になり人が世界を認識するフレームに変化が起きることがポイントです。人の周りの世界が宇宙に変わることが第一の理由で、人間が戦闘用のモビルスーツを操縦することで身体を拡張している感覚になることが第二の理由としてあげられます。それらは拡張されたフレームを人々に提供します。</p>

<p>また、アムロと対峙する敵としてララアという少女が登場し、戦闘中に2人が世界と溶け込み合った感覚を持つ有名なシーンがあります。そこでも新たなフレームによりニュータイプの人々の世界が変容し、人と人が高度にわかりあえるようになる、とするビジョンが描かれているように感じられます。</p>

<p>このあたりは仏教思想で重んじられる身体感覚に近いように感じられます。ニュータイプは運動能力や論理的思考力などの能力が進化したものではなく、感受性や認識の変化が起きるというのも、東洋思想らしいものと言えるかもしれません。観たことのある方はアムロとララアがわかりあうシーンを思い出すと、東洋思想の理想を感じられるように思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>東洋的思想とAI</h2>

<p>SFの世界でもAIは様々な思想が反映されたものになっています。冒頭に触れた鉄腕アトムやドラえもんのように、日本ではAIが人間と対等な存在として描かれることが多くあります。その根底には神道に代表される、いたるところに神を感じる八百万神であり、人間以外のものに魂の存在を認める世界観があります。</p>

<p>一方で、西洋を代表とするキリスト教などの一神教を信仰する国では、神および人間は絶対的な存在と考え、AIは人間にとってのサーヴァントであると位置づけられます。神、人間、AIという縦の序列が常に意識されるのです。そのため、物語においてもその縦の関係を逆転させるような内容が描かれやすく、AIが人間にとっての脅威として感じられやすいのでしょう。</p>

<p>そのような思想を下敷きに、西洋的AIは人間を労働から解放し、人間が豊かさを享受する方向性で開発が進んでいるようです。それに対して東洋、特に日本ではAIによる労働の軽減は重視されていないように見え、AIがある程度自律的な存在としてあり、それと共存するような未来が想像されているようです。この思想の違いは、日本が西洋とは異なる特別なAIの開発拠点になるポテンシャルを示しています。</p>

<p>西洋的なAIにおけるフレームの問題は、元をたどればプラトンやデカルトに由来する、問題を細かくしていくことで解決を図る思想に帰着するように感じられます。西洋ではAIの暴走を恐れ、特定の領域に閉じ込めようとしますが、東洋では自律発展したAIの姿が世界と混ざり合うことで新しい可能性が見出されやすいのかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>未来のAI社会を積極的に想像していくために</h2>

<p>AIによる社会への影響を想像し、今後の世界を占っていくために、本書ではAIのテクノロジーとともに哲学・思想等の人文知を参照しながら、アニメ等のコンテンツで描かれた世界観が展開されていきます。</p>

<p>その多様な世界に触れると、いかに人間の想像力が素晴らしいもので、今にとらわれずに未来を作り出すことができるかがわかります。その理解を深めると、今後の世界のあり方が固定的ではなくなり、我々が様々な世界の中から未来を選んでいく、という可能性にも気づくでしょう。</p>

<p>そもそもAIは人類に対して脅威なのでしょうか。原子力エネルギーのように一定の規制や安全技術があれば、効果的に活用できる可能性のあるものでしょうか。人類に寄り添う新しい存在になり得るものでしょうか。AIという技術の可能性は、それ単独では存在せず、AIを開発する側の思想や世界観が反映されるものなのだとも思います。</p>

<p>今、世界はAIの発展における重要な分岐路にいることは確かでしょう。その際に技術そのものだけでなく、人の想像力の結晶であるSFコンテンツを参照することで、未来への想像を促されるでしょう。現代とこの先の世界への深い洞察を得るために、本書は頼りになる道しるべとなります。ぜひ一読して、AIと共存する世界に想像をめぐらせてはいかがでしょうか。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2022/2022A/220705OogaYasushi03.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 09 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大賀康史（フライヤーCEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>社員が売上目標に疲弊...企業コンサルが社長に聞いた「なぜ売上が必要？」  河田真誠 （質問家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15129</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015129</guid>
			<description><![CDATA[｢売上アップ｣などの手段に囚われた思考から脱却し、本来の目的を捉え直す｢視点を高める質問術｣を解説。実践的な3段階の業務見直しや具体例を通じ、組織のムダを省き成果を最大化するアプローチを明かします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="｢この仕事、本当に必要なのか？｣と自問自答する男性" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_dousuruoffice.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢どうやって売上を伸ばそう？｣｢この作業、早く終わらせなきゃ...｣と、目の前の仕事に追われていませんか？実はその｢目先の手段｣に捉われることこそが、チームの伸び悩む原因です。今回はコンサルの現場で実際に効果のあった、思考を一変させる｢ある質問｣をご紹介します。チームのムダを減らし、成果をガラリと変える秘訣をぜひチェックしてみてください！</p>

<p>※本稿は、河田真誠著『質問の魔力「よい質問」がすべてを解決する』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢どう売上を伸ばすか｣から脱却する質問術</h2>

<p>ある保険会社の営業会議での話です。<br />
どうしたら売上が高まるかについて話し合いが行われていました。理由は、多くの社員が売上目標の高さに苦しんでいたからです。<br />
この会社の社長も会議に同席していました。</p>

<p>売上を高めるのにこんなに苦しんでいるのは何でだろう。そう思い、僕はこんな質問を社長にしました。<br />
｢何で、そんなに売上が必要なのですか？｣<br />
すると、社長からこんな回答がありました。<br />
｢売上が高まれば、やりたいことにも挑戦ができる会社になり、社員がやりがいをもって働くことができるから｣<br />
つまり｢社員にとってやりがいがある会社にしたい｣ということが一番の目標だったのです。</p>

<p>そこで、会議の議題をそこから｢売上が高まる｣から｢売上が高まり、やりがいも上がるにはどうしたらいいか｣に変えました。<br />
このことをきっかけにして、この会社はやりがいや楽しさも仕事の中で求めていこうという考え方にシフトしていきました。その結果、社員が気持ちよく働けるような会社に変化していき、気づけば売上も高まったのです。<br />
これが｢視点を高める質問｣の魔力です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢その仕事、本当に必要？｣3段階の業務見直し術</h2>

<p>企業コンサルの仕事で僕が早い段階で取り組むことがあります。それは｢社員の業務の見直し｣です。<br />
やり方はいつも決まっています。</p>

<p>① 日常的に行っている業務を書き出す。<br />
②それぞれの業務に対し｢本当に必要なのか？｣と質問をする。その仕事は本当に必要なのかどうかを検討する。<br />
③次に｢本当にこれがベストなやり方なのか？｣を質問する。その質問からもっとよいやり方がないかを検討する。自分一人で考えると思い込みの枠を超えないので、チームで考えたり、AIに聞いたりする。</p>

<p>この三段階の質問をするだけで、日常業務が大幅に改善します。<br />
今の自分の仕事に対する視点を高め、ムダをなくすための質問になるのです。<br />
視点を高めるとは、今見ている視点だけでなく、全体を見て、俯瞰して物事を捉えていくことです。<br />
｢どこを目指しているのか？｣<br />
｢何のためにしているのか？｣<br />
｢どうなったら成功と言えるのか？｣など、｢そもそも｣を考え直す質問が視点を高めてくれます。</p>

<p>物事が進むと、手段が目的化してしまい、目的を忘れがちになります。視点が下がってしまうのです。売上を高めることや店舗や社員を増やすことだけに意識が向いていたり、会議をすること自体が目的となっていたり。</p>

<p>定期的に｢そもそも｣を思い出すために、｢そもそも質問｣を視点を高める質問としても活用します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢わかっているつもり｣を壊す素朴な疑問の力</h2>

<p>僕がコンサルをしていたスーパーマーケットでこんなことがありました。<br />
ある社員からこんなことを言われたのです。</p>

<p>｢自分は頭が悪いから、会議で話していることがよくわからない｣<br />
彼女は会議で発言をすることなく、周りからも会議では空気のような存在と思われていました。</p>

<p>そこで、彼女にあるお願いをしました。<br />
それは、会議のときに自分がわからないことがあったら、｢それってどういうことですか？｣と何でも素直に聞いてほしいというお願いでした。</p>

<p>彼女はそれを聞いてくれて、わからないときは素直に質問をしてくれました。<br />
これに対し、当初は周りの人は｢こんなこともわからないのか｣という反応でした。<br />
でも、僕は会議の参加メンバーには｢彼女の質問に対して、聞かれた側はちゃんと説明してあげてください｣とお願いをしました。</p>

<p>すると、あることがわかりました。<br />
それは、聞かれたほうが意外にもちゃんと説明できないことが多かったのです。<br />
この質問のおかげで、｢わかっているようだけど、わかっていなかったこと｣がわかりました。</p>

<p>さらに、会議の中でも彼女が｢それってどういうこと？｣と聞くので、そのたびに、ここまでの話し合いの流れや論点を、都度確認しながらみんなが話すという習慣ができました。<br />
その結果、驚くような変化が起きたのです！</p>

<p>それは、会議がわかりやすく楽しいものになっていったのです。なぜその仕事をするのか、意味や価値を参加メンバー全員で考えるようになり、仕事へのやりがいも高まっていきました。その結果、生産性のとても高い会議を実施することができるようになりました。</p>

<p>彼女の質問こそ、まさに｢視点を高める質問｣です。<br />
あたりまえだと思っていたことに対して、素朴な疑問で、そもそもを問い直すのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢そもそも質問｣が本質を引き出す</h2>

<p>そもそもどういう構造でそれができているか、どういう意味なのかを考える質問を｢そもそも質問｣と僕は呼んでいます(質問の技術です)。<br />
｢そもそも｣を考えると、視点を変えるのはもちろん俯瞰した視点から全体の構造や仕組み、意味を知ることができます。</p>

<p>例えば―<br />
●｢そもそも、仕事とは？｣<br />
●｢そもそも、よい仕事とは？｣<br />
●｢そもそも、お金とは？｣<br />
●｢そもそも、幸せとは？｣</p>

<p>｢そもそも〜とは？｣を立てることで、考えの土台が整います。<br />
何かをスタートするとき、最初にこの｢そもそも〜とは？｣を考えることから始めます。</p>

<p>例えばコンサルの仕事であれば、経営陣と一緒に｢そもそも会社とは？｣｢そもそも社員とは？｣｢そもそも給料とは？｣｢そもそも仕事とは？｣｢そもそも経営とは？｣などを考えます。これで「定義」ができます。</p>

<p>次に｢そもそもよい会社とは？｣｢そもそもよい社員とは？｣｢そもそもよい給料とは？｣などのように｢そもそもよい◯◯とは？｣も考えます。これは評価の基準にもなります。</p>

<p>社内やチーム内での価値観がバラバラだったり、チームがうまく前に進めないのは、ここが曖昧なままだからです。定義をハッキリさせることで、目指す方向や評価の基準も明確になります。そこから仕事はスタートします。</p>

<p>また、この｢とは？｣をしっかりと深めていくと、それが個性にもなっていきます。<br />
｢軸がある｣｢世界観がある｣｢自分をもっている｣という会社(や人)は、この｢とは？｣がはっきりしていて、その会社(人)なりの答えをもっています。</p>

<p>さらに｢とは？｣と合わせて｢なぜ？｣も考えるとより質問の｢質｣が上がっていきます。<br />
｢そもそも、なぜ、この仕事なのか？｣｢そもそも、なぜ、ここにいるのか？｣など。<br />
これは初心や目的を思い出すことにもつながります。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_dousuruoffice.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 09 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[河田真誠 （質問家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「痩せたら着る」は卒業。体型に合うサイズがない世界に泣いたモデルの逆転劇  曽和美佑（YouTuber）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15043</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015043</guid>
			<description><![CDATA[誰かの言葉に振り回されず｢自分軸｣で生きる大切さを届けるエッセイ。日本のファッション業界が抱えるサイズ問題に触れ、｢今の自分のままでお洒落を楽しんでほしい｣と自ら理想の服作りに動いた葛藤と挑戦を綴る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="曽和美佑" height="740" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260917SowaMiyuu03.png" width="1200" /></p>

<p>他人の言葉や評価に振り回されず、｢自分軸｣で心を丁寧に扱う生き方を提案します。日本のファッション業界が抱えるサイズ問題に立ち向かい、今の自分を肯定しながら理想の服作りに挑んだ実体験を公開。｢今の私｣を楽しむことを諦めない人へ贈るエッセイです。</p>

<p>※本稿は、曽和美佑著『世の中、顔か？』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分を大事にする習慣</h2>

<p>他者という脅威と、自分という軸</p>

<p>人は、本質的に孤独な存在だ。あなたはあなた、私は私。<br />
個人として独立した存在であり、意識を完全に共有することはできない。</p>

<p>それでも私たちは、家族や学校、社会の中で人とつながることを学び、共存の中で傷ついたり、悲しんだりする。</p>

<p>そして人生の悩みのほとんどは、人間関係に集約される。<br />
自分という存在は、その人間関係の中で揺れながら形作られていく。</p>

<p>さらに私たちは、身近な人間関係だけでなく、知らない誰かの一言にさえ、心が揺らぐようになってしまっている。<br />
それほどまでに、誰かの言葉は脅威だ。<br />
だからこそ、他人の言葉に振り回されないための自分の軸が必要だ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>自分の機嫌は自分でとる</p>

<p>もし、自分の中に｢軸｣がなかったらどうなるか。<br />
他人の機嫌が自分の存在価値になり、他人の評価が存在意義になる。<br />
誰かに拒絶されたら、自分を全否定してしまう。<br />
そのたびに誰かに癒してもらおうとしても、思った通りに満たされなければ、さらに深く落ち込むだろう。</p>

<p>自分の感情が全て他人よがりになってはいけない。<br />
そして何かあったときは、自分の機嫌は自分でとれたほうがいい。<br />
自己完結できるほうが圧倒的に幸福度は高く、回復も早い。</p>

<p>私たちは本来、唯一無二の存在だ。<br />
では、その｢私｣という存在に、一番優しくできるのは誰か。</p>

<p>最終的には、｢自分｣しかいない。<br />
だから私が、私自身を一番大事にする必要がある。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>自分を丁寧に扱う</p>

<p>自分を雑に扱っていると、社会との関わり方もどこかゆがんでいく。<br />
自分が雑に扱うので、他人からも雑に扱われる。<br />
それに慣れてしまうと、雑な対応に違和感さえ抱かなくなっていく。</p>

<p>自分を丁寧に扱っていると、それが自分の当たり前になる。<br />
他人から雑な対応をされると｢嫌だ｣と感じ、｢これはおかしい｣とはっきり伝えられる。<br />
どこまでは大丈夫で、どこからは嫌なのかの境界線を引くことができる。</p>

<p>これが、自分を大事にするという「態度」だ。<br />
私は私の一番の味方でいる。<br />
その感覚を何度も積み重ねることで、少しずつ、揺るぎない人生の基盤ができていく。</p>

<p>だから私は、痩せて誰かに褒められることで満たされようとは思わない。<br />
誰かと比べることもない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>みんながお洒落を楽しめる社会へ</h2>

<p>『Mサイズが小さい』のは、私のせい？</p>

<p>私は現在、『la farfa』という雑誌(今はWEBのみ)のモデルをしている。<br />
今の自分を否定せず、おしゃれを楽しもう。自分を楽しもう。<br />
そんなメッセージが込められた媒体で、私の大好きな場所だ。</p>

<p>モデルをやっていて痛感することがある。<br />
それは、日本のファッション業界における｢サイズ｣の問題だ。<br />
一度は思ったことがないだろうか。<br />
｢これがMサイズなの？｣と。</p>

<p>日本のファッションブランドは、私たちに合うサイズの洋服を提供しているのではなく、消費者に｢ブランドのサイズに体型を合わせろ｣と言わんばかりに感じることがある。</p>

<p>｢いや、それはあなたが太っているだけでしょ｣という声も聞こえてきそうだが、そんなあなたには想像できるだろうか。</p>

<p>買い物に出かけてどの洋服を見ても自分に合うサイズがないことを知ったときの、このやりきれない気持ちが。<br />
｢あなたは規格外の体型だから、合うサイズはないよ｣と否定されているような気分になる。<br />
『la farfa』では、大きいサイズのブランドを一気に集め、お客様がお買い物を楽しめるイベントを毎年開催している。</p>

<p>しかし、毎年開催しても大きいサイズを展開するブランドは一向に増えない。<br />
来場者の数に対して、供給があっていないように感じる。</p>

<p>私にとって一番辛いのは、誰かが見た目を理由に何かを諦めてしまうことだ。<br />
見た目が理由でできないことなんてない。履いてはいけないスカートなんてない。<br />
｢痩せてから｣｢整形してから｣と今の自分を否定して未来にかけるのではなく、今の自分のままで、楽しんでほしいのだ。　</p>

<p>今のままでも好きな服を着て、お洒落はできる。<br />
そう言い切りたいのに、提供される服がなければ意味がない。</p>

<p>洋服は、ただ身に纏って終わりではない。<br />
お気に入りの服に袖を通した瞬間から、なんだか気持ちがふわっと踊り出す。<br />
何を着るかで、その日の幸福度さえも劇的に変わっていく。</p>

<p>お気に入りの服や化粧を纏うだけで、気持ちが変わるのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>もう、体型のせいで諦めない。</p>

<p>そんな想いから、私はいつもお世話になっているブランド『HONEY MI HONEY』さんにある提案をしてみた。<br />
『HONEY MI HONEY』は、18年続く、ガーリーで大人っぽいブランドだ。<br />
私はありがたいことに、5回もコラボレーションをさせていただいている。　</p>

<p>通常は普通サイズしか展開していないけれど、『la farfa』の読者のために、大きいサイズを作ってコラボレーションしてくれないか、と頼んでみたのだ。</p>

<p>多くのブランドは｢イメージが崩れる｣｢大きいサイズのブランドだと思われたくない｣という理由で、断られる場合も多い。<br />
けれど、『HONEY MI HONEY』社長の箕島さんは、二つ返事で｢やりましょう｣と言ってくれた。</p>

<p>こうやってブランドが協力してくれることは、計り知れない意味があると思う。<br />
そしてコラボレーションの服をお披露目したとき、｢提案してくれてありがとう｣｢すごく嬉しいです｣とお礼のメッセージが何通も届いた。<br />
ないなら作ればいい。<br />
｢まだまだこれから楽しいことがたくさんあるよ｣と伝えたい。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260917SowaMiyuu03.png" />
						
						<pubDate>Fri, 09 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[曽和美佑（YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>最後に「奇跡」が待っていた　蒲郡の繊維産業を追うドキュメンタリー映画『わたのまち、応答セヨ』  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15148</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015148</guid>
			<description><![CDATA[愛知県蒲郡市を舞台にしたドキュメンタリー映画『わたのまち、応答セヨ』が全国のケーブルテレビ局で一斉放送される。昨年、映画館で上映された本作の見どころを改めて紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="わたのまち、応答セヨ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi02.jpg" width="1200" /><br />
写真：(c)Gontents</p>

<p>愛知県蒲郡市の繊維産業を追ったドキュメンタリー映画『わたのまち、応答セヨ』が、10月12日（月・祝）に全国のケーブルテレビ局で一斉放送される。日本ケーブルテレビ連盟の呼びかけに、112社が参加。うち同日に同時放送するのは97社で、視聴可能世帯は2200万に達する。地域発のドキュメンタリーを全国規模で共有する取り組みは、ケーブルテレビ業界で初めてだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>戦後に栄えた繊維の街を描く</h2>

<p><img alt="わたのまち、応答セヨ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi03.jpg" width="1200" /><br />
(c)Gontents</p>

<p>舞台の蒲郡市は、戦後、織れば売れるといわれるほどの好景気に沸いた繊維の街。しかし時代は変わり、最盛期に市内で約1000あった繊維産業の会社は、現在10社ほどになった。</p>

<p>映画づくりは、市から「街の繊維産業に光を当てる映画を作ってほしい」と依頼されたことで始まる。企画・プロデュースは「電波少年」シリーズで知られる土屋敏男さん、監督・撮影・編集は元日本テレビの岩間玄さん。製作は、地元のケーブルテレビ局である三河湾ネットワークが市との間に入る形で進められた。ただ、活気を失った街での撮影は難航したという。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>職人との出会いから、ロンドンへ</h2>

<p><img alt="わたのまち、応答セヨ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi01.jpg" width="1200" /><br />
(c)Gontents</p>

<p>転機は、綿を種から育てて三河木綿を織る、80歳超の職人・鈴木さんとの出会いだった。鈴木さんは、1200年前にこの地へ綿が伝来した歴史にこだわることが自分たちのルーツだと考える人物だ。岩間監督は鈴木さんを追う中で、作品の道筋を見いだしていった。</p>

<p><img alt="わたのまち、応答セヨ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi04.jpg" width="1200" /><br />
(c)Gontents</p>

<p>撮影が進むにつれ、街にも動きが出てきた。繊維業者の石川さんが蒲郡市博物館で江戸時代の三河木綿のデザイン帳を見つけたことから、かつての三河木綿を現代に甦らせる「三河木綿復刻プロジェクト」が始動。市が「東京ガールズコレクション」に作品を発表する施策に関わっていた若手の岡田さんも加わり、物語の舞台は蒲郡からロンドンへと広がっていく。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>終盤に待つ「奇跡」</h2>

<p><img alt="わたのまち、応答セヨ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi05.jpg" width="1200" /><br />
(c)Gontents</p>

<p>本編は99分。語りは岸井ゆきのさんが務める。2025年に全国の劇場で公開された作品で、映画づくりが職人や繊維に関わる人々を動かしていく過程と、日本のモノ作りの本気が海を越えて人々の心をつかむ様子を追う。背景にあるのは、地場産業の衰退や人口減少といった、多くの地方に共通する課題だ。</p>

<p>土屋さんはイッツコム主催の取材会で、「最後にとんでもない奇跡が起きます。それは、そこに集まった人たちの本気が連なった時に現れたものです」と話した。どんな奇跡なのかは、ぜひ本編で確かめてほしい。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【放送概要】<br />
番組名：映画『わたのまち、応答セヨ』<br />
放送日時：2026 年10月12日（月・祝）20:00～ ※伊豆急ケーブルネットワークは 21:00～<br />
放送チャンネル：<br />
[イッツコム] イッツコムチャンネル 10（地デジ 10ch）<br />
[ケーブルテレビ品川] シナガワン TV10 チャンネル 10 しながわ（地デジ 10ch）<br />
[伊豆急ケーブルネットワーク] いるかチャンネル（地デジ 12ch）<br />
ほか上記3社含む全国のケーブルテレビ局97社で10月12日（月・祝）に同時放送。また、全国112社で10月に一斉放送。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi02.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 08 Oct 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ストレスをためこまない人の習慣　のび太に学ぶ「心の整え方」  横山泰行（富山大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15166</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015166</guid>
			<description><![CDATA[日常の｢ムカッ｣を溜め込まず、のび太のように一人で吐き出して即忘れる｢のび太メソッド｣を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="悩む女性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hirou_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>日常の｢ムカッ｣とするマイナス感情、一人で溜め込んでいませんか？無理に飲み込まず、のび太のように一人で大げさに口に出してすぐ手放す｢のび太メソッド｣をご紹介。感情を上手にデトックスして、イライラを引きずらない心の軽さを手に入れましょう。</p>

<p>※本稿は、横山泰行著『ポケット版｢のび太｣が教えてくれたこと』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>のび太に学ぶ！とりあえず言うだけ言ってみよう</h2>

<p>同僚から失礼なことを言われた。<br />
子どもが反抗的な態度を取った。<br />
道路ですれ違った相手に足を踏まれた。<br />
隣に住んでいる人が挨拶を返してくれなかった。</p>

<p>私たちの日常には、思わず｢ムカッ｣とすることが転がっています。<br />
そんなとき、自分の中にわき起こったマイナス感情を、あなたはどう処理していますか？</p>

<p>｢周りを不愉快にしたくないから、イヤな気分は表に出さない｣<br />
と、自分で飲み込んでしまう人が結構いるのですが、それでは気分も滅入るばかり。ここは、のび太流のストレス発散法を試してみてはいかがでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>---------<br />
ある日、のび太は腕を組み、あぐらをかいて、壁に貼ってあるカレンダーを嫌そうに眺めながらつぶやきました。<br />
｢ついに今年もきたか......、ああ｣<br />
そして、ドラえもんに訴えます。<br />
｢ぼくのいちばんきらいな六月！一年をつうじてもっともふゆかいな六月！｣<br />
ドラえもんがその理由を聞くと、のび太は口を尖らせて言い張りました。<br />
｢なぜだって？わかりきったこときくんだな。六月には、国民の祝日が一日もないんだぞ。春休みとも夏休みとも関係ない......、日曜のほか一日も休めないこんなつまらない月があるか！｣<br />
しっかりと両拳を握りしめ、怒った表情で文句を言っています。<br />
しかし、言っても無駄だとわかると、それまでの熱意も失い、両手を枕にし、い<br />
つもの昼寝モードに入ったのです。<br />
｢あああ......、ゆううつ｣<br />
<br />
『てんとう虫コミックスドラえもん第14巻』小学館<br />
第12話目｢ぐうたらの日｣<br />
---------　</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>実践！イライラを即リセットする｢のび太メソッド｣</h2>

<p>このようにのび太には、ほかの人があまり気づかないちょっとしたことを発見しては、大げさにする癖があります。</p>

<p>そして、主張するだけすると、いきなり関心を失ってしまうのです。</p>

<p>まじめに聞いていたほうとしては｢何なんだよ、いったい！｣と言いたくなるかもしれません。</p>

<p>でも、言うだけ言ってみたからこそ、イライラが消えたということです。主張せずに心の中にしまいこんでおいたら、違う形で爆発してしまうかもしれません。</p>

<p>だからあなたも、人を傷つけるようなことでなければ、思いついたことをとりあえず口にしてみてはいかがでしょうか？口にしないでいつまでも心の中でモヤモヤを持ち続けるのではなく、早く吐き出してスッキリしてしまうのです。</p>

<p>このとき、忘れてはならないのは｢言うだけ言ったらイライラがなくなる｣というのび太メソッド。くれぐれも｢言ったらよけいに怒りに火がついた｣とならないように注意してください。</p>

<p>そのためにも、言葉を慎重に選んでいきましょう。</p>

<p>｢あの店員、なんて失礼なの。アッタマ来た。だけど口にしたら気が済んだ。だから、もうおしまい｣<br />
｢悔しいな、部長は全然わかっていない。オレのほうが正しい！でも、言ったら気が済んだ。これ以上は引きずらない｣</p>

<p>これだけで、スッキリ！たとえ一人きりでも、誰も聞いていなくても、口にするだけでイライラから解放されることも。ストレス発散って、けっこう簡単だったりするかもしれませんよ。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hirou_1.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 08 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[横山泰行（富山大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「うまく立ち回る人にイライラする」長男・長女が抑圧しがちな思い  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15139</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015139</guid>
			<description><![CDATA[人に頼れない・他人にイライラする原因は「メンタルノイズ」かも。書籍『ありのままでラクに生きる練習』から、人付き合いを難しくする思考パターンの正体と負の連鎖を断ち切る対処法を解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="人に頼れない・他人にイライラしてしまう人" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NayamiWoman2G.jpg" width="1200" /></p>

<p>自己肯定感が低く、自分を責めてしまう...。その背景には、長年の生活の中で培われた思考のクセである「メンタルノイズ」が存在します。感情がもやもや・ザワザワするときこそ、このノイズが影響を及ぼしているサインです。</p>

<p>他人に甘えられない悩みや、要領よく振る舞う人へのモヤモヤとした苛立ちも、根本を辿ればこのメンタルノイズに起因していることが少なくありません。</p>

<p>本稿では、書籍『ありのままでラクに生きる練習』の知見をもとに、対人関係を難しくさせているメンタルノイズについてご紹介します。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『ありのままでラクに生きる練習』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>うまく人に頼れない、気を遣い過ぎて疲れる</h2>

<p>【ノイズの症状あるある】<br />
・人に頼るのが苦手で、いつも自分だけ残業になってしまう<br />
・簡単に人に助けを求める人や、わがままな人を見ると、イライラする<br />
・人の面倒ばかり見ているのに報われず、いつも自分が損をする<br />
・なにをやっても人に気を遣ってばかりで、自分が楽しめない</p>

<p>分別がある人、いつも大人の対応ができる人がいます。でも、無理してそう振る舞っているのがこのタイプ。</p>

<p>常に人からの評価が気になって、誰からも嫌われたくないので、甘えられないし、わがままも言えないし、誰かに助けを求めることもできません。</p>

<p>自分の思いを抑圧していることが多く、自由奔放に生きている人を見ると苦々しく思うこともあります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ちゃんとしなきゃノイズ」</h2>

<p>うまく人に頼れない人にあるのは、「ちゃんとしなきゃノイズ」です。</p>

<p>大人として、ちゃんと自立しないといけない。</p>

<p>至極まっとうな考え方ですが、自分だけが割を食っていると感じたり、うまく立ち回る人が卑怯で小ずるく見えたり、自由に振る舞う人が子どもっぽく思えたりするのは、ちゃんとしなきゃノイズのせいです。</p>

<p>このノイズは育ってきた環境の影響を強く反映しています。</p>

<p>例えば、弟や妹がいると「お兄ちゃんだから、お姉ちゃんだから」と言われて、子どもなのにしっかりすることを求められる場面が多くなります。両親が共働きで忙しくしていたり、病気で入院していたりしたら、なおさらです。</p>

<p>そうすると「子どもでないほうがいい、自分がちゃんとしなきゃ」という思い込みが強くなり、よく言えば気遣いができる、悪く言えば顔色をうかがう性格が強くなります。 結局、過剰に大人に見られようとしたり、無理していい人でいようとして、自分の子どもっぽい部分を押し殺すことになり、どんどん息苦しくなっていきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>メンタルノイズの解決策</h2>

<p>このノイズがやっかいなのは、周囲が求める以上にちゃんとしてしまうこと。 実際はそこまでしなくてもいいのに、自分の思い込みで「ここまでちゃんとしないと、人に嫌われる」「人に迷惑をかけてはいけない」と、勝手にハードルを上げています。</p>

<p>なので、解決策はできる範囲で、できる場面から、ちゃんとするのをやめて、どれくらいまで人に迷惑をかけても許してもらえるのかをリサーチしてみること。コンビニのレジで、少し愛想を悪くしてみるくらいからはじめてみましょう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 08 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>子育て中に「自由時間を作れる人」の共通点　夫婦で意識したい4つのポイント  堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15109</link>
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			<description><![CDATA[家事・育児をしていると、自分や夫婦の時間を持てずにストレスを抱える。そうした悩みと上手く向き合う方法とは？言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さんが4つのポイントを解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="堀田秀吾著『心理学×脳科学×行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_shopping.jpg" width="1200" />子育てをしていると、自分の時間が持てない――そんなふうに感じている人も多いでしょう。1人で暮らしていた時よりも考えなければならないことが多く、自分でも気づかないうちに疲れ切っているということもあるかもしれません。</p>

<p>家事・育児は考える時間が増えるため、「家庭内の決め事を仕組み化することが大切」と語る、言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さん。ここでは、夫婦で共有したい4つのポイントを紹介します。</p>

<p>※本稿は、堀田秀吾著『心理学&times;脳科学&times;行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>疲れている日の最低ラインを決めておく</h2>

<p>体調が悪い日や子どもの看病で余裕がない日ほど、何を優先すべきかを考える力そのものが落ちています。その状態でやるべきことを1からリストアップしようとすると、時間もエネルギーも余計にかかります。</p>

<p>対策は、あらかじめ「やらないこと」を決めておくことです。たとえば、お風呂に入る、歯を磨く、食器を洗う。この3つができたら十分、それ以外は明日に回してよし、というルールを先に作っておくのです。</p>

<p>こうしてあらかじめ線を引いておく工夫は、実は「立ち直る力」そのものの土台でもあります。ミネソタ大学のマステンは、子どもの発達と回復力を長年研究する中で、困難やストレスに直面してもうまく適応し、立ち直る力（レジリエンス）は特別な才能ではなく、誰もが持っている力だと述べています。日常の中で自分を立て直す小さな工夫を積み重ねた人ほど、危機の場面でも倒れにくいとマステンは述べています。</p>

<p>よく晴れた休日に紙とペンを用意して、自分が体調を崩した日・家族が病気になった日・心が折れた日、それぞれの「やらないこと」を3つずつ書き出しておきましょう。書いておくだけで、いざという日の自分が助かります。パートナーにも共有しておくと、しんどい日に「今日は最低ラインだけで」と一言伝えるだけで相手の理解も得やすくなります。</p>

<p>基準を余裕のある日に決めておく理由は、疲れているときには冷静な判断がしづらいためです。一度決めておけば、体調を崩すたびに1から考え直す必要がなくなり、繰り返し使える安心材料になります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・体調不良・看病・心が折れた日の「最低ライン」を晴れた休日に書いておく</p>

<p>・「これさえできればOK」を家族と共有しておく</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>プライベートの予定を先に入れる</h2>

<p>自分の予定は後回しにされやすいものです。カレンダーは仕事の予定や「やるべきこと」でいっぱいになり、空いているところに自分のための時間を入れようとしても、翌週、また翌週と持ち越されてしまいます。</p>

<p>予定を丁寧に考えようとする人ほど、自分のやりたいことが後回しになってしまう傾向があります。他人との約束は「守らなければ」という意識が働くのに対し、自分ひとりの予定はいくらでも動かせるものとして扱いがちだからです。</p>

<p>ミズーリ大学セントルイス校のマカンは、時間管理に関する調査を行いました。目標を立てる、優先順位を決める、計画を立てる、スケジュールを組む。こうした時間管理のスキルが高い人ほど、仕事の満足度が高く、仕事関連のストレスや体の緊張が低いことがわかりました。</p>

<p>なかでも強く関係していたのが、「自分の時間を自分でコントロールできている」という感覚です。これは、実際にどれだけ自由な時間があるかではなく、自分で選んで時間を確保したという実感があるかどうかが重要なのです。つまり、スケジュールを受け身で埋めるのではなく、自分から先に枠を確保することで、心の安定につながっていくということです。</p>

<p>ここで取り入れたいのが、プライベートの予定を仕事よりも先にカレンダーに入れてしまう方法です。月初の日曜夜に10分だけカレンダーと向き合う時間を取り、今月の楽しみを3つ書き込んでみてください。書き込んだ時点で、その時間は「動かせない予定」として扱います。延期はしてもキャンセルはしない、ということをルール化します。</p>

<p>空いている時間にプライベートを入れるのではなく、プライベートを先に入れて、残った時間で仕事を組み立てるのです。この順序を変えるだけで、自分の予定が後回しにされる状況を防ぎやすくなります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・月初めに「今月の3つの楽しみ」をカレンダーに入れる</p>

<p>・書き込んだ予定は延期してもキャンセルはしない</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「夫婦の取り決め」を見えるようにする</h2>

<p>夫婦の間で負担になっているのは、作業そのものの手間だけではなく、常に何かを気にかけ続けなければならないという「状態」も含まれています。献立の組み立てやゴミ出しの曜日確認など、名もなき家事・育児のうち、パートナーがやっていると認識しているのは実はほんの一部かもしれません。</p>

<p>この負担感は、実際に手を動かしている時間だけを見ていては気づきにくいものです。休憩中や睡眠中にも頭の片隅で気がかりとして残り続けていて、体を休めていても心が休まらない原因の1つになっています。</p>

<p>ハーバード大学のダミンガーは、家事にかかる「頭を使う負担」について研究しました。35組ほどの中流家庭にインタビューを重ねた結果、家事には4つの見えない側面があることがわかりました。</p>

<p>①予測（何が必要になるかを先回りして考える）</p>

<p>②特定（選択肢を調べて絞り込む）</p>

<p>③決定（最終的な判断を下す）</p>

<p>④モニター（決めたことが進んでいるか見守る）</p>

<p>目に見える物理的な家事は、夫婦である程度分担されています。ところが、この4つの見えない家事については、多くが妻に偏っているという事実が明らかになりました。なかでも「予測」と「モニター」は、ほぼすべての家庭で女性が担っていたと報告されています。</p>

<p>これらの作業は目に見えません。だからこそ、実際にどれだけの負担がかかっているかが担っていない側には伝わりにくいのです。この見えにくさこそが、夫婦間のすれ違いの大きな原因になっています。</p>

<p>ここで取り入れたいのが「夫婦の取り決め」を紙やアプリで見えるようにすることです。「保育園の準備」を「服を選ぶ・着替えさせる・連絡帳を書く・水筒を洗う」と分解して書くのがコツです。分解することでこれまで見えなかった工程が明らかになり、パートナーが「自分は何をやっていなかったのか」に気づけます。</p>

<p>月に一度、夫婦で話す時間を作って、「これ、最近どっちがやってる？」と確認してみてください。感情的に責めるより、紙に書き出して淡々と確認するほうが、夫婦間の話し合いも落ち着いて進めやすくなります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・「保育園の準備」など、見えない家事を工程ごとに書き出す</p>

<p>・月に一度、夫婦で分担を見直す時間を作る</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>完璧な親を目指さない</h2>

<p>子育てをしていると、理想と現実のギャップに悩んでしまうことがたびたびあります。手作りのお弁当、寝る前の読み聞かせ、充実した休日の過ごし方。SNSを開けば、まるで親子の理想像ともいえる様子が流れてきます。</p>

<p>こうして理想と現実を比べてしまうこと自体は、誰にでもあることです。問題は、その差を「自分はダメな親だ」という評価に結びつけてしまうことです。</p>

<p>ルーヴァン・カトリック大学のリンらは、ベルギーとポーランドの724人の親を対象に、「完璧な親を目指す気持ち」と「親バーンアウト」の関係を調べました。親バーンアウトとは、子育てに力を注ぎ続けた結果、心身ともに消耗しきってしまい、子どもへの関わり方にも支障が出てしまう状態のことです。</p>

<p>その結果、危険因子は「よい親でありたい」という願いそのものではないとわかりました。本当に危ないのは、間違えたらどうしようと心配し、できなかった自分を責め続ける「不安」の側面です。理想に届かない自分を責め続けることが、燃え尽きにつながっていたのです。</p>

<p>ただし、自分や相手の感情に気づき、理解する力が高い人では、この悪影響が弱まっていました。つまり、理想を持つこと自体は問題ではなく、理想に届かないときに自分とどう向き合うかが結果を左右するのです。</p>

<p>「よい親であるための基準」は、多くの場合、自分自身が育った環境や周囲の期待から作られたものであり、必ずしも今の自分の状況に合っているとは限りません。</p>

<p>うまくいかなかったときは、頭の中の「よい親であるための基準」から項目をひとつ減らしてみてください。基準を減らすことは、子どもへの愛情を減らすことではありません。むしろ、無理のない基準で長く子どもと向き合い続けられることのほうが、子どもにとっても安定した環境になります。</p>

<p>パートナーや友人にも、この「よい親であるための基準」を見せて話してみると、自分だけが背負っていた基準に気づくきっかけになることがあります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・完璧な親を目指さない</p>

<p>・「よい親リスト」から項目をひとつ減らしてみる</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 08 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ソフトバンク最年少26歳本部長！ 立命館「すごい卒業生」の生産性革命  西山昭彦（立命館大学客員教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15150</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015150</guid>
			<description><![CDATA[立命館で学び育った平岡氏は、スタートアップでの成果を上げた後、生成AIの発信が孫正義氏の目に留まり26歳でソフトバンク最年少本部長に就任。AI｢satto｣で人々に心の余白を生む挑戦を追う。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="平岡拓(ひらおか たく)ソフトバンク株式会社satto事業開発本部 本部長" height="740" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260918NishiyamaAkihiko.jpg" width="1200" />平岡 拓(ひらおか たく)ソフトバンク株式会社 satto事業開発本部 本部長</p>

<p>多くの私立大学が定員割れに苦しむなか、忘れてはならないのは｢学生が第一｣という点だ。大学の成功を表す指標の一つは、在校生の成長と、卒業生の活躍である。立命館大学出身のソフトバンク史上最年少の本部長に、自らの生い立ちと学び、就職の経緯、目指す世界像を聞いた。</p>

<p>※本稿は、西山昭彦著『立命館の快進撃』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>立命館一家</h2>

<p>平岡さんは、大企業のソフトバンクに中途入社し、26歳でいきなり本部長に就いた。これは同社で史上初で、大企業ではきわめて稀なケースだ。下に部長、課長などが続く。投資額は巨大で、責任範囲はあまりにも広い。</p>

<p>しかし、本人に気負いはない。日本のAIを伸ばすために、日々情熱を傾けている。AI活用の将来、つまりこれからの日本における産業の盛衰の一端が彼の肩にかかっている、といっても過言ではない。</p>

<p>平岡家は経営者の父のもと、男4人兄弟で、全員が立命館の附属中・高・大に通うというギネス並みの立命館一家だ。</p>

<p>｢長男と3男の私が立命館宇治高校の出身で、次男と4男が立命館高校。全員が立命館大学に入りました。皆、理系の科目が好きで、一番上の兄は理工学部数学科、次男は情報理工学部、私は理工学部の電気電子工学科、末っ子は食マネジメント学部です。</p>

<p>中学時代は、斜に構えた反抗的な生徒だったと思います。特徴的なエピソードでいうと、宿題を提出しない。数学の問題が『解けるとわかっているのに、なぜわざわざ解かないといけないんですか』といいつづける。試験はあえて一夜漬けで臨み、授業中は、友達とNumer0n(ヌメロン)という数字当てゲームで戦っていました｣</p>

<p>この頃から天才肌で、とんがっていた少年だったのだろう。そして、理系の道を歩み出す。</p>

<p>｢私の特徴は第一に、面倒くさがり。だから無駄なことはしたくない。でも、大人に怒られるのは怖い。両者のバランスをずっと探ってきた人生だと思います。その意味では、内部進学なら受験をしなくて済む。成績も悪くなかったので学科も選べて、理工系の学問が好きだから理工学部の電気電子工学科かな、と。</p>

<p>事前の学部案内で、ナノバイオエレクトロニクス研究室を見学させてもらいました。電子回路で血液などに含まれる化学物質を検出し、身体の状態を診てIoT(モノのインターネット)で健康情報を送るという研究をしていて、面白いと思いました｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【大学時代】フィンランド教育の塾で見せた教育者としての一面</h2>

<p>｢ところが、大学時代は学業を単位を取るだけの最低限にとどめ、課外活動が9割。次男が通っていた京都のソーシャルベンチャーが運営する個別指導塾に誘われて、手伝いをしていました。</p>

<p>フィンランドの教育を行う地域に根差した個別指導塾のベンチャーで、コンセプトは『学んだ先が見える塾』。子どもたちに『社会人は大変だけれど、やっぱり面白い』ということが伝わるコミュニティづくりに参加していました。</p>

<p>生徒が5教科を学習する隣で大学生がプロジェクトを進め、社会人が真剣に怒られている、アゴラ(公共広場)的な場所です。</p>

<p>私も先生として入らせてもらい、多くの子どもと接しました。受験がしたいという子もいれば、不登校のわが子に勉強の面白さを教えてあげてほしい、という親御さんもいて、それぞれカスタマイズした授業を行っていました｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【スタートアップに就職】新卒でグローバルマネジメントへ</h2>

<p>｢当時『副業で稼ごう』というのが流行で、FIRE(経済的自立と早期退職)がいわれ始めた時期です。自分はどうするか、FX(外国為替証拠金取引)から動画編集、ブロガー、ウェブ制作、プログラミングまでいろいろ調べて〇&times;式の星取り表を書きました。自分は20代のうちに5億円が欲しい、どの分野なら可能かを検証した結果、すべて無理だとわかった。</p>

<p>そのとき、ちょうどノーコード(プログラミング言語でソースコードを記述せずシステムやサービスをつくれる)という新しい技術が登場し始めたんです。『これだ』と思って飛び込んだのが、ノーコードとの出会いです。</p>

<p>実地で学ぼうと思い、10社ほどに『無給でいいから仕事をさせてください』とDMを送ったら、ある企業から『明日から来ていいよ』といわれました。安いホステルのようなところを借りて2カ月のあいだ毎日、ノーコード開発をしました。そこがそのまま1社目の就職先になります｣</p>

<p>この会社で、桁違いの活躍をすることになる。</p>

<p>｢新規事業を立ち上げました。ノーコードのスクール事業とプラットフォーム事業の2つで、スクールは1期目から単月黒字を達成。私の仕事だけで粗利率80％を超え、利益が数千万円になっていました。それが新卒1年目のことで、私の入社直後の月収は30万円ほど。</p>

<p>スクール事業がうまくいったのでその後、毎月10万円ほど増えて、3カ月後ぐらいには50万円ほどになっていました。ただ、スクール事業ではるかに多い額を稼いでいたので、不満はありましたね。</p>

<p>その後、さらにウズベキスタン人の大学生とロシア人のエンジニアを雇って新事業を立ち上げました。ウズベキスタン人の大学生に学内コミュニティをつくって皆で開発を手伝ってほしい、と。すぐに仲間を集めてくれて、彼らをマネージしました｣</p>

<p>仕事のコミュニケーションは英語でやっていたそうで、会話力はどうだったのだろう。</p>

<p>｢わりと苦労しましたね。中学校の最後に3カ月、オーストラリアへ交換留学に行ったおかげで、日常会話は問題なかった。『英語ができるようになって帰ってきます』と宣言し、必死に勉強しました。</p>

<p>でも、ウズベキスタンとロシアでは英語の発音自体が違いますし、業務上、専門用語が多い。しかも時差があるので、日中に日本人の顧客に対応したあと、夕方6時からウズベキスタン人とロシア人のミーティングが入り、夜中はひたすら作業。在職2年間で、終電より早く帰れたのはクリスマスの日だけでした｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>孫正義氏へのプレゼンテーション</h2>

<p>その後、自らの会社を立ち上げたのち、孫正義さん(ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員)との運命の出会いが起こる。</p>

<p>｢私は当時、『生成AIを使ってどうやって仕事をサボるか』という知見を溜めていました。<br />
前述したベンチャーのような過酷な環境下でこう生き抜いたとか、お客さんの業務を楽にできたとか。その情報をアウトプットするかたちで、『議事録なんてもうつくらなくていいですよ』『お店の予約も生成AIでできます』『会社の問い合わせへの返信なんてAIを使えばすぐ終わりますよ』という発信をしていたんです。それが孫さんの目に留まり、招集が掛かりました。</p>

<p>そこでソフトバンク本社へ単身突撃し、自分が考える事業とビジョンについて、孫さんの前で1時間ほどプレゼンテーションをしました。結果的に認められ、その場で入社を迫られましたが、そのときは自分がつくった会社があるのでお断りしました｣</p>

<p>孫さんの印象については、<br />
｢会う前と後で一変しました。『孫さんはピッチ(プレゼンテーションより短時間でアイデアやプランを伝えること)がつまらなければすぐに打ち切る』と聞いたことがあり、怖い人だと思っていたんです。</p>

<p>私の事業提案は、思い返すといくらでも突っ込みどころがありました。話の9割はしょうもない内容だったと思います。でも孫さんは、1割の面白さを見つけてくれた。よい面を見出して『こうやればいいんじゃない』とアドバイスしてくれる、ポジティブコミュニケーターだったんです｣</p>

<p>そして2024年3月、26歳で入社。すると、いきなり本部長になった。他の本部長は皆、かなり年上だ。いうまでもなく、普通の会社には課長&rarr;部長&rarr;統括部長&rarr;本部長という階段がある。</p>

<p>課長に上がるのが30代ほどで、部長に上がるのが40代ほど。その先に統括部長がいる。それらすべてを通り越しての本部長就任である。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>satto―ホワイトカラーに生産性革命を起こす</h2>

<p>責任者を務めるsattoについては、<br />
「sattoは、誰もが生成AIの便利さを享受できる世界を目指す生成AIエージェントです。最終的な目標は、ホワイトカラーに生産性革命を起こすこと。</p>

<p>生成AIを使いこなせば、理論上は誰がどのぐらい重要な業務をしているか、生産性と利益を上げているか、プロダクティビティを定量化・可視化できます。その可視化ができたら、成果を上げている社員により正確に報いることができる。かつ成果を上げられていない社員を補助し、優秀な社員に育てることができる。結果として日本全体のホワイトカラーの生産性を底上げすることができる。sattoは新規事業であると同時に、壮大な社会実験でもあります。</p>

<p>私の個人的なビジョンは、情報革命でみんなの心に余白をつくること。GDP（国内総生産）の最大化といった話にはあまり興味がなく、ウェルビーイングの最大化に興味があります。</p>

<p>AI技術を敵視する向きもありますが、テクノロジー自体には悪意も善意もない。思い返せば産業革命後、19世紀に職を失った繊維労働者たちが大暴動を起こすラッダイト(機械打ち壊し)運動がありました。既存の職に取って代わる技術への態度は時と場合によって違いますが、結局のところ当時の政府や軍、そして国民が求める方向性に傾いてきたと思うんです。</p>

<p>テクノロジーを社会実装する技術と権限を持った人々が、どちち側にレバーを倒すのか。少なくとも私にとって、テクノロジーのせいで皆の仕事がなくなりました、というのは実現したい世界ではありません。技術のおかげで自分の人生に余白ができ、楽しくなった、という方向性に向かいたい。</p>

<p>面倒な仕事はAIに任せ、余暇や子どもと過ごす時間が増えるとか、過重労働から解放されて健康寿命が延びるとか、ウェルビーイングを上げるためにテクノロジーを社会実装したいと考える人間です。</p>

<p>sattoを活用してサッと仕事を終わらせて早く帰るもよし、AIで多くのタスクをこなして手取りを増やすもよし、本人のプロダクティビティを上げたうえで、それぞれが求めるリターンが設計されたプロダクトにしたい、というのが今考えていることです｣</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 07 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[西山昭彦（立命館大学客員教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「報復捜査」 第６回　安東能明  安東能明（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14934</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014934</guid>
			<description><![CDATA[連載小説「報復捜査」 第６回。殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="報復捜査" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" width="1200" /></p>

<p>殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第６回</h2>

<p>十分ほどで、三階建ての有家族待機宿舎に着いた。結婚以来、小暮（こぐれ）と圭子（けいこ）はここで七年近く暮らしてきた。それなりに高級感のあるアパートの造りだ。</p>

<p>駐車場に車を停め、エントランスで警察手帳を示した。守衛は一瞬、伊場（いば）の顔を見て、それから手帳を見た。少し間があったが、通してくれた。</p>

<p>エレベーターで三階に上がる。三〇五号室。伊場は呼び鈴を押した。</p>

<p>ドアが開いた。</p>

<p>圭子は、昨夜と同じ薄いグレーのカーディガンを着ていた。目が少し腫れている。それ以外は、整っていた。</p>

<p>「どうぞ」</p>

<p>玄関から廊下を抜けてリビングへ入ると、六十代の女性が台所に立っていた。圭子の母親だろう。伊場に向かって、お辞儀をした。</p>

<p>「あの、お買い物に行きますね......」と母親が言った。圭子が小さくうなずいた。母親はエプロンを外して、静かに部屋を出ていった。</p>

<p>四人掛けのダイニングテーブルに、向かい合って座った。何度も招かれて手料理をふるってくれた場所だ。圭子が茶を淹れてくれた。表情を見て、少し気が楽になった。</p>

<p>「昨日は大変でした」</p>

<p>伊場は改まった口調で言った。</p>

<p>「ほんと」</p>

<p>「体は？」</p>

<p>「......大丈夫じゃないけど」</p>

<p>圭子は薄く笑った。瞳の奥に、昨夜からの泣き跡が残っている。</p>

<p>「もうなんて言っていいか、わからない」</p>

<p>「おれも......。お母さんはずっといてくれる？」</p>

<p>「しばらく、いてくれると思う」</p>

<p>大塚の監察医務院で司法解剖が行われている情景を頭に描こうとしたが、できなかった。解剖は午前中に終わり次第、近くにある斎場へ運ばれてくるはずだ。</p>

<p>「斎場にはいつ行く？」</p>

<p>「搬送されたら電話が来る。タクシーですぐ」</p>

<p>「おれもついていこうか？」</p>

<p>職務停止になったことは言わないでおいた。知らされているかもしれないが。</p>

<p>「お母さんがいるから大丈夫」</p>

<p>「わかった。何かあれば遠慮なく言って」</p>

<p>「うん」</p>

<p>見慣れた部屋の風景を目でなぞった。</p>

<p>２ＤＫの間取りは、夫婦ふたりで暮らすには十分な広さがある。リビングには、壁掛けテレビと圭子が選んだキャメルのソファ。外大出身の小暮らしく、背表紙に漢字が並ぶ中国語の専門書が詰まった木製の書棚が置かれていた。窓際には、圭子が大切にしている小さな観葉植物の鉢が並び、窓から差し込む斜光が、磨き上げられたフローリングを淡く照らしていた。伊場がいつも座らされたのは、キッチンが見渡せるこの位置だ。</p>

<p>気詰まりで、つい小暮の最近の胃の具合について訊いていた。</p>

<p>「相変わらず。胃薬は毎食飲んでたし、辛いものは避けてって言っても、聞かないし」</p>

<p>まだ小暮が生きているような口ぶりだが、違和感などなかった。</p>

<p>「あいつ、小さいときから辛いもの好きだったし」</p>

<p>「そう」</p>

<p>「給食で麻婆豆腐が出ると嬉しそうで」</p>

<p>圭子は、小さく笑った。</p>

<p>「そういう話、もっと聞きたかった。最近、ゆっくり話す時間がなくて」</p>

<p>圭子が目にうっすら涙をためて言った。</p>

<p>それきり、ふたりとも黙った。圭子が湯飲みを両手で持って、窓の外を見た。</p>

<p>「......伊場くん、膝はどうなの？」</p>

<p>「古傷だから、付き合っていくしかないよ」</p>

<p>柔道で痛めた膝が季節の変わり目に疼く。</p>

<p>「和くんは、いつも心配してた。伊場は膝が悪いのに張り込みが長いって」</p>

<p>「あいつが言うことか」伊場は言った。「胃薬飲みながら深夜残業してる奴が」</p>

<p>圭子は笑おうとして、でも笑えなかった。</p>

<p>「ごめん。余計なことを」</p>

<p>「いいの。......聞いていたい。そういう話」</p>

<p>しばらく、沈黙があった。階下で単気筒のオートバイの音がして、遠ざかっていった。</p>

<p>圭子は立ち上がり、書棚の前へ行った。背表紙に漢字の並ぶ専門書のあいだから、一枚の写真を抜き取って戻ってきた。色の褪せた、古いものだった。</p>

<p>「これ、和くん、本のあいだにずっと挟んでたの」</p>

<p>受け取って、伊場は言葉を失った。中学の制服を着た少年がふたり、自転車にまたがってこちらを見ている。富士森公園の桜だった。隣で得意げに笑っているのは、まぎれもなく自分だ。撮ったことすら、忘れていた。</p>

<p>「和（かず）くん、たまに言ってた。伊場は昔から、まっすぐで馬鹿正直なやつだって。おれはもう、ああはなれないって」</p>

<p>指先で、写真がかすかに震えた。あの夜の電話と、同じ言葉だった。おれみたいに、ならないでくれ。あれは酔った戯言ではなかったのかもしれない。</p>

<p>圭子は、写真をそっと押し返した。</p>

<p>「持っていて。和くん、きっとそのほうが喜ぶから」</p>

<p>伊場は、それを上着の内ポケットに収めた。</p>

<p>圭子が、湯飲みをテーブルに置いた。</p>

<p>「昨日ね、帰ってきたら、知らない人が三人いたの。公安の人だった」</p>

<p>伊場は黙って聞いた。</p>

<p>「和孝（かずたか）の仕事関係の荷物を調べます、って。わたしの携帯も見せてほしいって。断れる雰囲気じゃなかった。外に出るように言われて、廊下で待ってたんだけど、一時間以上かかった」</p>

<p>夫を亡くして、まだ一日経っていないのに、もう......。</p>

<p>「何か持っていかれた？」</p>

<p>「仕事の書類とか手帳やノートパソコン。スマホや外付けのハードディスク、ＩＣレコーダーとかも。たぶん」</p>

<p>家宅捜索に等しい。遺族の同意を得た任意の捜索とはいえ、無慈悲に思える。</p>

<p>「和くん、一週間くらい前から、様子がおかしかった」圭子は、膝の上で手を組んだ。「いつもは絶対、仕事のことを家に持ち込まなかったでしょ。それが夜中に起きてパソコンを開いたり、何かの音声を聞いたりしてて。声をかけると、すごく驚いて。怯えてたような感じ」</p>

<p>「怯えていたって......何か心当たりはあるの？」</p>

<p>「......直接は訊けないよ。訊いたら、困らせると思って」</p>

<p>「そうか......」</p>

<p>「それと、亡くなる数日前」圭子は記憶をたどるように言った。「夜遅くに、小さな封書を一通、こっそり出しに行ったみたいだった。仕事の書類だと思ってたけど。なんでこんな時間に、って思っただけで、それきり気にしなかった」</p>

<p>伊場は、それを聞き流しかけて、頭の隅に留めた。深夜の封書という一点だけが、妙に座りが悪かった。</p>

<p>圭子は目を伏せた。それから、思い切ったように顔を上げた。</p>

<p>「わたし、和くんの手帳を、一度だけ見た。後ろめたかったけど、心配で。先月の三十日のところに、かわもとゆり、って名前があって。どこかで会う、みたいな書き方で」</p>

<p>テーブルの隅にある新聞チラシに、圭子は川本百合（かわもとゆり）と書いた。</p>

<p>伊場も知らない名前だった。</p>

<p>「和孝には？」</p>

<p>「訊いたら、認めた。その日、会ったって。仕事関係の人だって言ってたけど......雰囲気が、そういう感じじゃなくて」</p>

<p>仕事の相手にしては、引っかかる言い方だった。</p>

<p>「先に謝るけど、ひょっとしてガールフレンドとか？」</p>

<p>和孝は浮気をするような人間ではない。</p>

<p>圭子は唇を引き結んだ。</p>

<p>「それはないよ、絶対」</p>

<p>「仕事でもなくて、この女性は何かな......」</p>

<p>書かれた名前を指でなぞる。</p>

<p>「その人、会った日の二日後、高円寺で交通事故に遭って、亡くなったみたいなの。和くん、すごく無念そうに言ってたから」</p>

<p>伊場は、それを聞いて少し黙った。</p>

<p>五月三十日に密会して、二日後に交通事故で死亡。</p>

<p>小暮は、その前の週から阿久津（あくつ）の取り調べを始めている。</p>

<p>「公安に、そのことは話した？」</p>

<p>「話してない。昨日の人たちは、ほとんど質問もしてこなかったので。でも、何かおかしい」</p>

<p>伊場は返答に困った。</p>

<p>「和孝が信頼していた同僚はたしか......」</p>

<p>「永島（ながしま）さん？」</p>

<p>「そう、そんな名前の。そいつは来た？」</p>

<p>和孝の口から何度か聞いている。</p>

<p>「来なかった」</p>

<p>圭子の母親が帰ってくる足音が、廊下に聞こえた。</p>

<p>伊場は席を立った。</p>

<p>「こんなときに、悪かった」</p>

<p>圭子は、玄関まで伊場を送った。伊場が靴を履き、頭を下げてドアを開けようとしたとき、背後で圭子の声がした。</p>

<p>「伊場くん」</p>

<p>伊場は振り返った。</p>

<p>圭子は廊下に立って、じっと伊場を見ていた。その目に、これまでとは違う、何か思い詰めたような光があった。</p>

<p>「ほんとうに......あなたが撃ったの？」</p>

<p>伊場は息を呑んだ。</p>

<p>心臓が跳ねた。知っているのか。いや、知るはずがない。射手の名は公表されていない。だが圭子の目は、まっすぐに伊場を射抜いていた。</p>

<p>逃げたかった。目をそらしたかった。だが、そらさなかった。それだけはしてはならないと思った。</p>

<p>伊場は圭子の目を見返した。答えられなかった。肯定も否定もできなかった。喉が貼りついたように、声が出ない。</p>

<p>圭子はしばらく伊場を見ていた。それから視線をわずかに落とした。</p>

<p>「......ごめんなさい。変なことを訊いて」</p>

<p>圭子の声が震えた。</p>

<p>「でも、ひとつだけお願いがあるの」</p>

<p>伊場は黙って待った。</p>

<p>「和くんの死を無駄にしないで」</p>

<p>その言葉が、伊場の胸を貫いた。</p>

<p>圭子は顔を上げた。涙をこらえていた。</p>

<p>「和くん、最後に何かを抱えてた。怯えてた。それが何なのか、わたしにはわからない。でも、あの人はただの事故で死んだんじゃない。そんな気がするの。だから......お願い」</p>

<p>伊場は何も言えなかった。</p>

<p>ただ、深く頭を下げた。それだけで精一杯だった。</p>

<p>エレベーターで一階に降り、建物の外に出ると、灰色の空気が体を包んだ。</p>

<p>駐車場の手前で、伊場は足を止めた。</p>

<p>路上に、黒いセダンが停まっていた。リアウィンドウに立つ二本のアンテナと、前席に並ぶ男たちの視線が、捜査車両であることを無言で告げていた。</p>

<p>伊場は視線を外し、車に乗った。バックミラーに映り込むセダンが遠ざかる。</p>

<p>昼は、吉祥寺駅近くの定食屋に入った。カウンターに座り、日替わり定食を頼んだ。食べながら、考えた。</p>

<p>小暮は、阿久津の取り調べ中に何かをつかんだ。そこで川本百合という女の名前が出てきた可能性もある。川本は、六月一日に交通事故で死んでいる。小暮はその二日前、川本と密会している。それだけで、すでに普通ではない。</p>

<p>そして阿久津の逃走。副署長の即座の拳銃承認。マジックミラー越しの監視。副署長命令の強行突入。</p>

<p>ひとつひとつはそれぞれ、説明できなくもない。だが、全部が並ぶと、説明できなくなる。</p>

<p>伊場は、日替わり定食を食べ終えた。味は、ほとんど感じなかった。</p>

<p>午後四時、寮で喪服に着替えた。</p>

<p>阿久津の取り調べ映像のことを、また考えた。屋上での一部始終も含めて、どこかに映像が残っているはずだ。通常、留置施設や取調室には固定カメラがある。事件が起きた屋上や近隣のビルにもカメラがあったかもしれない。ＳＡＴが入る前後で、記録はあるはずだ。それらを見れば、何かわかるかもしれない。</p>

<p>だが、それを手に入れる方法が、いまの伊場にはない。</p>

<p>通夜が行われる斎場は、武蔵野市の外れにあった。</p>

<p>駐車場に車を置いて、伊場は歩いた。式場には、すでに人が集まっていた。制服姿の警察官、背広の男たち、喪服の一般客。線香の煙が漂っている。受付で記帳を済ませ、焼香の列に着く。壇にある遺影に視線を当てる。違和感を覚えた。</p>

<p>順番が来た。抹香（まっこう）を指でつまみ、額に持っていって、炉（ろ）に落とした。遺影の小暮が、こちらを見ている。警視庁に入庁したときの写真だろうか。笑みを浮かべている。見慣れた顔だった。それが遺影になっている。</p>

<p>なぜ。</p>

<p>合掌したまま、目を閉じた。</p>

<p>なぜ、おまえはあの屋上にいた。</p>

<p>問いは、線香の煙とともに、行き場もなく天井へ昇って消えていった。</p>

<p>小暮の両親が弔問客に頭を下げていた。父親の康広（やすひろ）は元都庁の幹部職員で、伊場もよく知っている。紳士然とした顔立ちで、今夜だけはその顔が崩れていた。母親の富子（とみこ）は俯いたまま、親族らしい女性に支えられていた。</p>

<p>「この度は......」</p>

<p>言葉が続かなかった。康広は、伊場の手を両手で握った。それだけで、何も言わなかった。</p>

<p>その横に伊場の父の圭吾（けいご）と母の久子（ひさこ）がいた。八王子から来てくれたのだろう。元警官の父は、相変わらず実直な佇まいだった。</p>

<p>「元気出せよ」</p>

<p>父が言った。それだけだった。母は伊場の腕に触れて、何か言おうとして、やめた。</p>

<p>伊場はうなずいた。</p>

<p>玄関ホールには、焼香を済ませた吉祥寺署の顔がそろっていた。江越（えごし）署長、曽我（そが）副署長、新井（あらい）刑事課長。それから喪服姿の男たちが五人、少し離れたところに固まっている。</p>

<p>端に立つ、五十がらみの痩身の男が目に入った。公安部長の相良恒一（さがらこういち）だった。仕立てのいいダークスーツに黒のネクタイを締め、白髪の混じった髪をきっちりと撫でつけている。眼鏡の奥の目だけが、悲しみの場にそぐわず乾いていた。焼香の列にも加わらず、壇上の遺影をしばらく見つめてから、ゆっくりと会場へ視線を移していく。誰が来て、誰と誰が言葉を交わすかを、ひとりずつ確かめる目だった。そばに、外事二課長や第一係の係長と思われる男がいる。</p>

<p>伊場は刑事部の人間で、本部十四階の公安のフロアには数えるほどしか入ったことがない。だが、あの階を歩くと、肌にまとわりつくような冷たさを感じた。捜査員はすれ違う相手の顔を一瞬で読み取り、すぐに視線を切る。同僚にさえ懐を見せない。誰が誰を売るかわからないからその用心深さが、フロアの空気を凍らせている。いま通夜の席に並ぶ公安の男たちも、悲しみの只中にあってなお、互いの距離を測りあっているように見えた。</p>

<p>その中にひとりだけ、異質な空気を纏う男がいた。まだ二十代とおぼしきその男は、蒼白な顔で唇を噛み締め、何かに縋るような目で壇上の小暮の遺影を見つめている。何度もネクタイを直し、眼鏡を直そうとしては、その動作自体が無意味であることに気づいたかのように立ち尽くしている。</p>

<p>男に寄り添うように、永島さん、と伊場は声をかけた。うなずいた男に、伊場ですと名乗った。永島は、伊場の顔をまじまじと見つめた。</p>

<p>「......現場にいらした？」</p>

<p>とだけ洩らした。</p>

<p>「いました」</p>

<p>永島は目をそらさず、食い入るように伊場を見つめるだけだった。</p>

<p>連絡先を教えてもらえないかと頼むと、永島は仲間に背を向け、手早く名刺に携帯の番号を書き込んで寄こした。永島俊哉とある。鋭い視線を感じて振り向くと、相良がさっと顔をそむけた。</p>

<p>伊場も相良から目を離した。案内があり、全員が席についた。しめやかに通夜が執り行われた。式次第が終わり、人々が外へ流れ始めたとき、伊場は出口近くにいた新井に近づいた。</p>

<p>「新井さん。少しいいですか」</p>

<p>新井は伊場を見て、一瞬だけ何かをためらった。それから、小さくうなずいた。</p>

<p>ふたりは出口の外に出た。夕暮れどきの空気が、線香の煙を薄めていく。</p>

<p>「司法解剖の結果は？」伊場は訊いた。</p>

<p>「銃撃で死亡だ」</p>

<p>「執刀医は？」</p>

<p>「大洲（おおす）先生」</p>

<p>よく知っている。</p>

<p>「困っています」伊場は、声を低くして言った。「昨日、屋上で感じた違和感が、消えなくて」</p>

<p>「どんな？」</p>

<p>「曽我副署長の発砲命令と、その前後のことが、どうしても腑に落ちません。現場指揮は課長が執っていたのに、なぜ副署長が直接命令を？」</p>

<p>新井は、黙っていた。</p>

<p>「事件の映像を見せてもらえませんか。通信ログも含めて」</p>

<p>新井がゆっくりと息を吐いた。</p>

<p>「......じつは、おれも、少し気になることがある」</p>

<p>「どういうことですか？」</p>

<p>「通信ログを調べたら、事件発生時に、曽我副署長から各班への直通指示が入っていた。現場の指揮官を飛び越えた命令だ。しかも、正式な現場指揮の承認ログに、空白がある」</p>

<p>伊場は、黙って聞いた。</p>

<p>「それだけじゃない。前の夜の保守点検で、取調室の通信回線がバイパス配線に切り替えられていた記録が見つかった。本線をバイパスさせて、別の内線に直結させた形跡がある。警報ボタンが鳴らなかったのも、それが原因かもしれない」</p>

<p>伊場は、拳を軽く握った。</p>

<p>前夜の段階で、取調室は警察の通信網から切り離されていた。小暮がいくら警報を押そうが、最初から誰も気づけない仕組みになっていたということか？</p>

<p>「復旧手順は？」</p>

<p>「残っていなかった」</p>

<p>「やっぱり、おかしいじゃないですか。課長、この事件は」</p>

<p>「......伊場」新井の声が、低くなった。「立場をわきまえろ。深入りするな」</p>

<p>新井は、伊場から視線を外した。遠くを見ている。</p>

<p>「映像については......検討してみる。明日の晩、まことに来い」</p>

<p>背後から声がかかった。</p>

<p>「新井」</p>

<p>曽我副署長の声だった。</p>

<p>新井は、伊場を見た。その目に何があったか、伊場には読み切れなかった。</p>

<p>新井は、副署長のほうへ歩いていった。</p>

<p align="right">〈つづく〉</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 07 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安東能明（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>口内炎を悪化させないために“ビタミンより先に摂りたい食材”とは  星穂奈美（管理栄養士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15046</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015046</guid>
			<description><![CDATA[疲れやストレスによって起こる口内炎を未然に防ぐための食習慣について、管理栄養士の星穂奈美さんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="口内炎" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_mirorlady.jpg" width="1200" /></p>

<p>疲れにくい体をつくるには、栄養バランスの取れた食生活はもちろん、今の自分にどのような栄養素が必要かを知っておくことが大切です。管理栄養士の星穂奈美さんは、著書『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』にて、疲れに負けないための食習慣を丁寧に解説しています。本稿では同書より、自分の体の状態を知り、食材から効率よく栄養を摂るためのコツをご紹介します。</p>

<p>※本稿は、星穂奈美著『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』(ダイヤモンド社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>野菜の栄養は丸ごと摂る。普段は捨てる皮はスープに</h2>

<p>【栄養をたっぷり煮出す】</p>

<p>野菜は捨ててしまいがちなところに栄養が詰まっています。例えば大根やニンジンの皮付近はそれぞれビタミンＣ、&beta;カロテンが豊富。ネギの青い部分には&beta;カロテン、ビタミンＫが含まれています。これらを無駄なく使って栄養を取り入れる習慣を身につけましょう。</p>

<p>べジブロスは野菜（vegetable）＋出汁（broth）を組み合わせた言葉で、野菜くずを水からじっくり煮出すことで旨みや栄養成分を抽出したスープ。煮込むことで水溶性のビタミンや食物繊維、カリウム、抗酸化成分などが溶け出します。これをそのままスープとして摂るだけでなく、煮物、カレーなど料理のベースとして使えば、塩分を控えても満足感のある味わいに仕上げることができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【捨ててしまいがちな野菜くずを使ったベジブロスの作り方】<br />
ベジブロスに決まったレシピはありませんが、私はいつも次のように作っています。作り慣れたら、是非いろんな野菜くずの組み合わせを試してみて下さい。</p>

<p>●材料</p>

<p>・野菜くず：300～400g（タマネギの皮やヘタ、ニンジンの皮、大根の皮、ネギの青い部分などを両手に軽く山盛りになるくらい）<br />
・水：1.5～2L<br />
・酒：小さじ1</p>

<p>●作り方</p>

<p>①鍋に水とよく洗った野菜くずを入れ、酒を加える。<br />
②弱火で20～30分、適宜アクを摂りながら煮込む<br />
③火を止めてザルで濾し、透明な出汁に仕上げる</p>

<p>※素早く粗熱をとって清潔な保存容器に入れ、冷蔵で3日を目安に使い切る。冷凍で1ヵ月ほど保存可能<br />
※濃いめにしたいときは野菜くずの量を増やし、煮込み時間を長めにとる<br />
※苦味やアクが強すぎる野菜はベジブロスにはあまり向かない（ゴーヤの皮やワタなど。また、ほうれん草の根本も栄養豊富だがえぐみがあるため、少量入れるのがおすすめ）。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>口内炎にはビタミンの前にまず、たんぱく質</h2>

<p>【疲れ、ストレス、感染、栄養不足等が原因】</p>

<p>口内炎は、口のなかの粘膜に起こる炎症の総称です。長引く場合は、悪化させないように口腔粘膜に刺激を与えない食材や調理法を選ぶことが大切です。</p>

<p>避けたいのは、せんべいやナッツ、ハード系パンなどのかたい食品。熱過ぎる料理、酸味や塩分が強いもの、香辛料やアルコールといった刺激の強いものも控え、なるべく口当たりの良いものを優先しましょう。</p>

<p>また卵、豆腐、白身魚、ひき肉などの柔らかいたんぱく質を積極的に取り入れることもポイントです。たんぱく質を構成するアミノ酸の一つであるグルタミンは、傷ついた口腔粘膜や細胞の主要なエネルギー源となり、その修復において非常に重要な役割を果たします。特に、ストレスや炎症時には体内でのグルタミン需要が高まり不足しやすくなるため、たんぱく質として積極的に補給することが大切です。</p>

<p>なお、粘膜や細胞の修復に関わり、口内炎の回復を助ける栄養素には次のようなものがあります。</p>

<p>①ビタミンB2（レバー、牛乳・乳製品など）<br />
②ビタミンB6（バナナ、カツオ、玄米など）<br />
③ビタミンＣ（イチゴ、ブロッコリー、ジャガイモなど）<br />
④亜鉛（牡蠣、アサリ、牛肉赤身など）<br />
⑤葉酸（ほうれん草、枝豆、ブロッコリーなど）</p>

<p>これらを意識して補給しつつ、もし長引く場合には、自己判断をせず必ず医療機関を受診するようにしましょう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_mirorlady.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 07 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[星穂奈美（管理栄養士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「反対です」と言われてイラッとしたら？ 成果を出す人が考えること  河田真誠 （質問家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15128</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015128</guid>
			<description><![CDATA[成果を阻む感情的な反応や過去の成功体験による思考の固執を防ぐため、自問自答を通じて視点を変える｢質問術｣を解説。反対意見や絶好調の裏にある変化･課題の兆しを察知し、ビジネス成果へ繋げる方法を伝える。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ビジネス会議の風景" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting04G.jpg" width="1200" /></p>

<p>反対意見にイラッとしたり、｢自分のやり方が正しい｣と執着したりしていませんか？実はその思考の固定化こそが、失敗の始まりです。感情的にならず、絶好調の裏にある危機やヒントを察知する秘訣は｢ある質問｣にありました。成果を出す人の視点の変え方を明かします。</p>

<p>※本稿は、河田真誠著『質問の魔力「よい質問」がすべてを解決する』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢反対意見｣からヒットを生む視点の切り替え</h2>

<p>｢その意見はおかしい！｣｢私はその意見に反対です！｣<br />
打ち合わせをしていると、相手がこんな反応をすることがあります。</p>

<p>相手の意見に対して、こちらも感情的に反応してしまうと、そこから言い争いになったりして、打ち合わせが変な方向に向かっていってしまいます。反対意見に感情的に反応するのは避けたいところです。</p>

<p>もし、自分の意見に対して反対意見が出た場合、こちらはどう対応したらよいでしょうか。<br />
｢反対意見のここがおかしい｣という対応ではなく、視点を変えて一度自分の頭の中でこう考えてみてください。</p>

<p>反対意見のよいところはどこだろう？</p>

<p>議論の勝ち負けが大切であれば、この質問は不要かもしれません。でも、議論や打ち合わせをする目的は、たいていの場合は｢よい成果を出すこと、よい結果につなげること｣のはずです。<br />
であれば、反対意見への反応も変えたほうが賢明です。どちらが正しいかではなく、互いのよいところを認めて取り入れていくことが、よい結果につながります。</p>

<p>例えば、トヨタの有名な｢カイゼン｣。これは製造の現場で｢ここが不便｣｢この工程はムダ｣という反対意見や異論を積極的に集め生産性向上につなげる考え方です。<br />
小さな反対意見を丁寧に吸い上げて、それをシステム化したことが成功の要因だったわけです。</p>

<p>スターバックスの人気商品｢フラペチーノ｣は、開発･導入当時、CEOだったハワード･シュルツから反対･懸念の声があがりました。</p>

<p>理由は、｢スターバックスはコーヒーの会社であり、フラペチーノのような甘い飲み物はブランドの本質から外れるのではないか｣というものでした。<br />
でも、社員の提案・テストをきっかけに発売したところ、ご存じのようにブランドを代表する人気商品になりました。</p>

<p>また、ダイソンのサイクロン掃除機も、周囲からの反対意見が多い中、紙パックなし、中のゴミが見えるという画期的なアイデアを採用して大成功を収めました。</p>

<p>当初はサイクロンのように紙パックがない掃除機は売れない、吸い取ったゴミをわざわざ見たい人はいないなどと言われていました。</p>

<p>反対意見や非常識を排除するのではなく、受け止め、そこからヒットした商品はほかにもたくさんあります。</p>

<p>反対意見はいってみればそれまでの｢固定観念｣です。それを突き破ることが大きな成果につながる可能性があるのです。</p>

<p>そのきっかけが、反対意見の吸い上げです。</p>

<p>こうしたときに、｢視点を変える質問｣が使えます。<br />
もし反対意見に感情的になりそうになったら、一息ついて、自分の頭の中でこう自問します。</p>

<p>｢反対意見のよいところはどこだろう？｣｢嫌いの中に好きな部分はないだろうか？｣<br />
よい質問とは｢目的につながる質問｣です。<br />
反対意見の中にある｢よい部分｣を見逃さないためにも、ぜひ｢視点を変える質問｣を活用してください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢俺の時代は...｣と言わないための老害化を防ぐ質問術</h2>

<p>｢成功は失敗の始まり｣という言葉があります。<br />
変化が激しい時代、成功が長く続かないことも多く、うまくいっていると思っていた仕事が、気が付いたら失敗に向かっているなんてこともよくあります。</p>

<p>なぜ「成功は失敗の始まり」なのか？　その理由は、視点の固定化にあります。<br />
人はうまくいっているときは、｢同じやり方を続ければいい｣と思いがちです。そしてうまくいっているので、何か違う新しいことをしようと考えてしまいがちです。<br />
もちろん新しいことに挑戦することが悪いわけではありません。ただ、往々にしてあるのは、新しいことに挑戦し始めると、これまでうまくいっていたことがうまくいかなくなり始めるということです。</p>

<p>原因は明確です。<br />
一見うまくいっているように見えても、実はいろいろなことが変化しています。同じやり方を続けるだけでは通用しなくなっていることが多々あるのです。<br />
成功しているとき、うまくいっているときは油断も生まれやすいタイミングです。<br />
スティーブ･ジョブズが毎日自分に向かって質問を続けたように、うまくいっているときこそ視点を変える質問です。改善のポイントや、ほころびのきっかけをこの質問で見つけていってください。<br />
｢成功しているけど、何か課題は発生していないか？｣</p>

<p>老害と呼ばれる人がいます。老害の人というのは、言いかえれば｢過去の成功体験に縛られている人｣です。<br />
｢俺の時代はこうやるのが常識だった｣｢こうやるべきだ｣<br />
｢べき｣という言葉が出てきたら、その人は｢視点が凝り固まっている｣と判断して間違いありません。僕はそういう人のことを｢べきスト｣と呼んでいます。<br />
もし｢べきスト｣になりたくなければ、視点を変えることです。｢視点を変える質問｣を使えば、硬くなった頭を柔らかくすることにも役立ちます。</p>

<p>うまくいっているときについつい見逃してしまう｢変化の兆し｣や｢課題の発生｣に視点を向けていく。そこで質問の力が大活躍してくれます。</p>

<p>｢目の前のことで何か課題は発生していないか？｣<br />
｢(見える変化、見えない変化ともに)何か変化はないか？｣<br />
｢よりよくするためにできることはないか？｣</p>

<p>例えば、自分の担当する商品の売れ行きがよいとき。<br />
｢売れている！｣と安心している裏で、ライバル社があなたの担当商品を超える販売促進を考えているでしょう。また、ユーザーは徐々にあなたの担当商品に飽き始めていて違う商品に鞍替えしようと思っているかもしれません。</p>

<p>そういった兆しをキャッチし、次の一手を早く打つために、質問を活用するのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting04LIG.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 06 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[河田真誠 （質問家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「まず痩せろ」に反発した私が、自分の意思で5kg落とした理由  曽和美佑（YouTuber）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15042</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015042</guid>
			<description><![CDATA[他人の評価や世間の目に縛られ、比較の中で自分を見失っていませんか？｢人がどう思うか｣を手放し、今の自分を肯定すること。周りに強制された変化ではなく、自分の意思で選ぶ｢自分軸｣の生き方を届ける。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="曽和美佑" height="740" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260917SowaMiyuu01.png" width="1200" /></p>

<p>｢世の中、結局顔なの？｣外見で勝手にレッテルを貼ってくる世間の目。けれど、誰かに言われたからではなく｢自分が変わりたいから変わる｣&mdash;。ルッキズムのモヤモヤを吹き飛ばす、自分軸を取り戻すためのエッセイです。</p>

<p>※本稿は、曽和美佑著『世の中、顔か？』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>無意識のうちに、他者の声が自分の声に</h2>

<p>｢他人の目｣で作られたアイデンティティ</p>

<p>私たち人間は、｢自分｣という存在を他者との関わりの中で初めて認識し、自分を形成していく。周りを見て自分を知ることは、ある意味では、ごく自然なことだ。<br />
しかし、いつの間か私たちはそれを超えて、他者の評価や意見によって自分の存在価値を確認し、証明しようとしている。</p>

<p>｢細いこと｣｢可愛いこと｣｢誰かに選ばれること｣</p>

<p>自分自身の内側から溢れ出るものではなく、他人の視線や評価によって今の自分を作り変える。<br />
それによって、自分のアイデンティティが成り立ってしまっている。</p>

<p>私たちは常に人と比べ、その違いを個性だと思い込む。「自分らしさ」だと認識する。<br />
ついには｢幸せかどうか｣さえも、他人と比較して認識しようとしてしまっている。</p>

<p>あの子はこれを持っている、私は持っていない。<br />
あの子は結婚している、私はしていない。<br />
あの子は旅行に行っている、私は行けていない。<br />
あの子は誰かに愛されている、私は愛されていない。<br />
あの子よりは幸せ、あの子よりは不幸。</p>

<p>誰かと比較しなければ、自分の幸せが何なのかがわからなくなってしまっている。<br />
目に見えてわかる幸せは安心で、見えない幸せは不安。<br />
そういう価値観で生きることで、失われるものがある。<br />
比較することで失われていった、本来感じるはずの幸せや嬉しさは、一体どこにいったのだろう。そんなことには興味も示さない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>自分の軸を持とう</p>

<p>私たちは、もっと｢自分の本質｣を知るべきだと思う。</p>

<p>他人の声で自分を満たそうとすればするほど、本来自分は何が好きで、何が嫌いで、何に傷つき、何が心地いいのかを忘れてしまうから。</p>

<p>他者からの承認を軸に生き、他人と比較して｢私は幸せなんだ｣と錯覚し、誰かに承認されたい、愛されたいと、嘆き続ける。</p>

<p>しかし、断言する。誰かに何かをしてもらうことでしか自分を承認できないのなら、いつまで経っても心が満たされることはないだろう。</p>

<p>自分の軸を持たないと、いつの間にか他者の人生を生きることになる。<br />
自分の軸を持つとは、自分にとって何が幸せで、何が嬉しいのかという基準を、自分自身でしっかり理解することだ。</p>

<p>私たちは、私たち自身の手で自分を満たしていける。<br />
何が好きで、悲しいときはどうすれば回復できるのか。<br />
自分のことをちゃんと知っていたら、誰かからの声や承認など、本当は必要ないのだ。</p>

<p>もし、｢自分は何が好きか｣｢何が楽しいか｣がわからないのであれば、まずは｢心地よくいられる自分｣はどんな自分なのかを探ってみてほしい。</p>

<p>誰かがあなたに｢努力すること｣を求め、それを強要してはいないだろうか。<br />
私は私として、あなたはあなたとして、他者やネットのノイズを介入させず、存在できているだろうか。<br />
一度、携帯の電源を切り、空白の中で考え、自分に改めて問いかけてみてほしい。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「他人の視点」か「自分の視点」か</h2>

<p>｢人がどう思うか｣は自分の問題ではない</p>

<p>昔、とあるアーティストさんの音楽収録に参加したことがある。<br />
ファンなら誰でも応募できるもので、運よく抽選に当たった私は、いつも通りの大好きな格好をして、ドキドキしながら向かった。</p>

<p>けれどその時、そのアーティストさんから、大勢の人の前でこう声をかけられた。<br />
｢目立ちたいからその格好で着たの？｣心底悲しかった。<br />
私はただ、自分が好きな服を着ているだけだったのに。</p>

<p>少し服装が派手なだけで｢目立ちたがり｣に思われるということを、その方は私に教えてくれた。</p>

<p>発信活動を始めてから、私は他にも多くのことを知った。<br />
歯並びが悪いと｢家庭環境が悪い｣と言われること。<br />
太っていると｢自己管理ができていない｣と言われること。<br />
目が一重だと｢可哀想｣と言われ、派手な髪色でミニスカートを履いていると｢自分を持っているね｣と言われること。</p>

<p>なぜ、見た目という断片的な情報が、その人の背景や人格にまで結びついてしまうのか。<br />
全てが疑問だらけだった。</p>

<p>見た目だけでその人を｢こうだ｣と決めつけるその浅はかさを、疑うことはないのだろうか。<br />
けれど、それらはあくまで｢その人の意見｣でしかない。<br />
人がどう思うかなんて、私には変えられないし、そもそも私の問題ではない。<br />
私はいい意味でも悪い意味でも、人の話を聞いていない。もはや、人がどう思うかなんて、どうでもいいのだ。</p>

<p>知らない誰かに何も言われないための努力など、私にはめんどくさい。<br />
私がそのままの姿で生きることは、許されないのか。<br />
私たちは、世間の言う｢可愛い｣にならなくたっていいし、誰かに認められる｢すごい人｣にならなくたっていいのに。<br />
｢私を私として生きさせて｣と願うことは、そんなにわがままなことなのだろうか。</p>

<p>もちろん、痩せたら「可愛い」と言われる機会が増えるのは事実だ。<br />
誰だって、｢綺麗な私を見てみたい｣｢知りたい｣と思うのは自然な欲求だ。<br />
私は、ルッキズム社会に対して問題提起をしながらも、美容文化に積極的に参加している。</p>

<p>容姿を変えるための努力は、決して悪いことなんかじゃない。<br />
私も結婚式前なら、ダイエットだってすると思う。<br />
一昨年、ウェディング雑誌『ゼクシィ』のモデルをした。<br />
撮影前には、体重を５㎏落とした。高校生の頃から70㎏あった体重は、何を言われてもずっと変わらなかったのに。</p>

<p>その仕事が決まってから、毎日1万歩以上歩き、運動した。<br />
周りからどれだけ｢まず痩せろ｣と言われても痩せなかった私は、ウェディングの撮影で新しい自分を見たくなり、体重を減らす努力をした。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>肯定から始まる変化</p>

<p>｢そのままでいい｣と言い続けている人間がダイエットをするなんて、｢矛盾している｣と感じる人もいるかもしれない。</p>

<p>けれど私は、誰かに｢痩せて｣と求められたわけでも、｢結婚式のモデルだから痩せなければならない｣と強要されたわけでもない。<br />
自分の意思で、自分が｢痩せよう｣と思ったから、容姿を変える努力をした。<br />
もちろん、太っている自分だって、十分にいいと思っている。</p>

<p>私にとって、｢そのままでいい｣とは、｢今の自分を変えてはいけない｣という意味ではない。<br />
｢現在の自分の姿を否定したり、自分自身を悪く言ったりしない｣という意味だ。</p>

<p>自分を肯定できるようになると、不思議と物事の見え方がガラリと変わる。<br />
｢否定から始まる変化｣は苦しいが、｢肯定から始まる変化｣はちっとも苦しくない。</p>

<p>体型や顔が変わっても変わらなくても、私自身はそのままである。<br />
大切なのは、｢どちらを選ぶか｣ではなく、｢自分の意思で選べているか｣なのだ。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260917SowaMiyuu01.png" />
						
						<pubDate>Tue, 06 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[曽和美佑（YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>クマの人里出没は「山に餌がないから」だけではない？専門家が語る本当の理由  山﨑晃司（茨城県自然博物館館長　東京農業大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15017</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015017</guid>
			<description><![CDATA[東京農業大学名誉教授の山﨑晃司氏が、クマが人里へ進出するようになった背景をひもとき、人口減少時代に求められる対策を考えます]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="クマの分布域はなぜ人の生活圏へ広がったのか" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bear01.jpg" width="1200" /></p>

<p>なぜクマは山から人の生活圏へと活動範囲を広げ、人身事故が増えるようになったのでしょうか。<br />
その背景には、個体数や分布域の拡大、山の食物不足だけでなく、過疎・高齢化による里山の衰退、放棄農地の増加、狩猟者の減少など、日本社会の大きな変化が複雑に絡み合っています。さらに、人に追われる経験を持たないクマが増えたことも、人とクマの距離を縮めている可能性があります。</p>

<p>東京農業大学名誉教授の山﨑晃司氏が、クマが人里へ進出するようになった背景をひもとき、人口減少時代に求められる対策を考えます。</p>

<p>※本稿は、山﨑晃司・編著『クマに出遭ってしまったら？&nbsp;』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p><img alt="ツキノワグマの捕獲数" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji6.jpg" width="1200" /></p>

<p><img alt="ヒグマの捕獲数" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji7.jpg" width="1200" /></p>

<p>クマによる事故の増加の理由には、クマの分布域が人の生活圏の方向に大きく広がったことがまず挙げられます。さらに、分布域の拡大にともなって個体数も増えている地域が多いものと想像されます。ただし、広大なクマの生息環境の中で、それぞれの個体が利用する場所は、季節や年によって変動していると考えられるため、そうした場所ごとの個体数の変動も見ていく必要があるでしょう。</p>

<p>たとえば東北地方では、特に農作物の収穫期に、農地など人の生活圏に出没するクマが増えているようです。秋の飽食期に、どんぐりなどの堅果類が凶作で、クマの食物が不足することも人の生活圏への出没と人身事故の増加に関係しています。また、農作物などの高栄養で効率よく摂取できる食物の存在を学習したクマが増えてきている可能性も否定できません。</p>

<p>1950年代頃までの日本の森林は、薪炭林としての利用、焼き畑、採草地、精錬などの工業活動の燃料にするといった生活のための強度の利用が行なわれ、禿山や荒れ地の状態でした。その後、国の拡大造林政策などにより、多くがスギやヒノキなど果実を実らせない単純な樹種の森に置き換えられていきました。クマなどの森林性の野生動物にとって、生活の場所としては質の低い環境です。ただし、この状態が1970年代から大きくは変わっていないこと、クマの出没が2000年代から始まったことを考えると、クマにとってくらしにくい環境でも、数十年の時間をかけて分布域を広げ、個体数を増やしてきたと考えたほうが辻褄が合いそうです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>里山の衰退が人とクマの距離を縮めている</h2>

<p><img alt="狩猟免許保持者数（年代別と種別の推移）" height="1729" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914Kumagraph02.jpg" width="1200" /></p>

<p>また近年は、人が住まなくなった消滅集落や、高齢者が半数以上を占め農作業や冠婚葬祭などの社会的な共同生活が難しくなった限界集落が増加しています。ほったらかしになっている放棄農地も増加し、かつて人の生活空間だったところが広葉樹二次林といわれるような森林に戻っていっていることも、クマの分布域の拡大や数の増加に有利に働いているでしょう。</p>

<p>里山から人々が撤退したり、あるいは高齢者しかいなくなった結果、クマを獲ったり追いかけ回したりして人の怖さをクマに学習させてくれていた人たちは、ほとんどいなくなりました。狩猟免許所持者数は1970年代と比べて大きく減少しており、この状況は数値で明確に示されています（上グラフ）。また、公安委員会による銃器所持への規制が年々厳しくなっていることもあり、銃猟の登録者はわな猟の登録者と比べると割合を減らしてきています。</p>

<p>また、比較的簡単に設置できる箱わなでのクマの許可捕獲数が増え、一方で狩猟による捕獲数は大きく減少しました。わなで捕まったクマはその場で捕殺されるため、人への恐れを学習せずに生涯を終えることになります。人に追われた経験のないクマが増え、人は避けるべき存在だ、あるいは集落は近づいてはいけない場所だと認識しているクマも減ってきていると考えられます。</p>

<p>さらには、人の生活圏周辺のクマを減らすために、その地域にかけられる箱わなの内側や外側にたっぷり撒かれた誘引エサが逆に集落や市街地へクマを引き寄せている可能性すらあるといえるでしょう。</p>

<p>こうした背景があって、クマによる人身事故数が増えてきていると考えられます。ただし、原因がわかったとしても解決は容易ではありません。日本全体で続いている人口減少、過疎と高齢化の傾向は人とクマの問題が激甚化している里山部ほど深刻です。もはや、クマの生態学や生理学からのアプローチだけで、人とクマのすみ分けの答えを見つけることは難しく、地域社会をどう再生するのかという大きな視点での取り組みが必要になってきています。</p>

<p>この先、数千万人に減少するかもしれない日本の総人口を前提としたうえでの、困難なかじ取りが求められる現実から目をそらすことはできません。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bear01.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 06 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山﨑晃司（茨城県自然博物館館長　東京農業大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>緑茶と紅茶、体を冷やすのはどっち？　体調に合った「薬膳茶」の作り方  植木もも子（国際中医師、管理栄養士、国際中医薬膳管理師）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12795</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012795</guid>
			<description><![CDATA[植木もも子さんが、薬膳茶のおすすめのレシピを教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="薬膳茶" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tea.jpg" width="1200" /></p>

<p>夏の不調には体のバランスを整える「薬膳茶」で効果的な水分補給がおすすめです。管理栄養士の植木もも子さんが、種類によって様々なお茶の性質とアレンジ方法を教えてくれました。</p>

<p>※本稿は、『PHPくらしラク～る♪』2024年9月号より内容を抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ひと工夫でできる健康維持に最適なお茶</h2>

<p>人間の体は、陰と陽という相反する2つの概念で成り立っており、バランスがどちらかに傾くと体に異変が生じます。たとえば暑がりの人は陽に、冷え性の人は陰に傾いている状態です。「薬膳茶」はこうした偏りを整える働きを担っています。</p>

<p>ご紹介する薬膳茶は、並段飲んでいる緑茶や麦茶などに食材をひとつ加えるだけでできます。陰と陽のバランスを整えるだけでなく、食欲減退や不眠、便秘などの不調改善にも効果が期待できます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>バランスの偏りがわかるセルフチェック</h2>

<p><img alt="バランスの偏りがわかるセルフチェック" height="380" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250818uekimomoko.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>体調や季節に合わせた食材選びのコツ</h2>

<p>●陰陽のバランスは五性で整える</p>

<p>「五性」とは食物がもつ、体を温めたり冷やしたりする性質です。</p>

<p>体質的に陰（冷ます力）が足りない場合は寒性の食材を食べて熱を逃がす、陽（温める力）が足りない場合は熱性の食材を食べて温めます。</p>

<p>【陽が足りない人がとるとよい性質】<br />
熱性&hellip;温める力が強く、冷えを取り除く作用がある。<br />
温性&hellip;穏やかに体を温め、冷えを改善する効果がある。</p>

<p>平性&hellip;冷やすことも温めることもない。</p>

<p>【陰が足りない人がとるとよい性質】<br />
涼性&hellip;穏やかに体を冷やす。熱中症予防にも効果がある。<br />
寒性&hellip;冷やす力が強く、体にこもった熱をとる作用がある。</p>

<p>●症状の改善には五味の作用を意識する</p>

<p>「五味」とは食物の味を5つに分類したものです。便秘気味の場合は排出作用のある苦味のある食材、疲れやすい場合は気・血を補う作用のある甘味のある食材を食べて、症状の改善を促します。</p>

<p>酸味&hellip;汗や咳を止め、下痢を改善。唾液の分泌を促し、食欲を促進する。<br />
苦味&hellip;排出作用を促進し、熱をとる作用がある。<br />
甘味&hellip;気・血を補い、疲労回復効果がある。緊張をほぐし、痛みを和らげる作用がある。<br />
辛味&hellip;発散・発汗作用があり、熱を下げる。血流や水分代謝を促す。<br />
鹹味&hellip;塩味。硬いものを柔らかくする作用や、詰まりを改善して流れをよくする作用がある。</p>

<p>&rarr;便秘気味なときは、苦味のあるコーヒーがおすすめ。疲れやすいときはオレンジなどの甘味があって香りがよいものを</p>

<p>＼旬の食材を積極的に／</p>

<p>旬の食材は、その時期に体が必要とする性質、作用をもっています。たとえば、夏野菜のトマトは体の熱を冷まし、食欲増進作用があり、食欲不振を改善します。旬の食材はおいしいだけでなく、季節由来の不調を改善してくれるスーパーフードなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>いつものお茶にプラスワン 夏の不調を改善</h2>

<p>毎日飲むお茶に1食材お好みの量を加えるだけの薬膳茶で暑い夏もより快適に過ごせます。</p>

<p>【緑茶】<br />
性質：寒性<br />
五味：甘・苦<br />
緑茶には、気分の高まりや苛立ちをリセットしてくれる効果や、体を冷やす作用があります。温かい緑茶は胃腸の負担にならず後味もスッキリ。水出ししてから温めるとカフェインを軽減できます。</p>

<p>＋レモン<br />
性質：涼性<br />
五味：酸・甘<br />
暑い日が続くと、イライラしてしまいがち。体を冷やす作用がある緑茶に疲労回復やストレス解消効果のあるレモンをプラスすれば、一気にリフレッシュタイムにぴったりのさわやかな1杯に。</p>

<p>＋菊花<br />
性質：微寒性<br />
五味：甘・苦<br />
食用の菊の花は、体内の余分な熱を外に出し、頭痛やめまい、目の充血など体の上部に現れるトラブル防止に最適な食材です。おすすめは温かい緑茶に菊花を加える飲み方。胃腸を冷やさずに、さっぱり感を得られます。</p>

<p>＋はちみつ<br />
性質：平性<br />
五味：甘<br />
はちみつは平性でバランスを崩さず、陰（冷ます力）を補う作用があります。また、甘味の作用で気（生命力・元気）を補い疲労感を緩和するので、夏におすすめです。<br />
※ボツリヌス菌による中毒を起こす可能性があるので、1歳未満の子どもには与えてはいけません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【麦茶】<br />
性質：涼性<br />
五味：甘<br />
麦茶は、体にこもった熱を取る働きがあるので、暑気払いにぴったり。カフェインレスで、妊娠中・授乳中の人や乳幼児でも安心して飲めます。ミネラルも豊富に含まれており、汗で失ったミネラル補給にも役立ちます。</p>

<p>＋オレンジ<br />
性質：涼性<br />
五味：甘・酸<br />
オレンジは香りで食欲を促し、胃の消化機能を整える作用があります。また、喉の渇きをうるおす効果も。涼性の麦茶に合わせることで夏バテによる疲労の回復効果が見込まれ、甘酸っぱい味が麦茶と相性抜群です。</p>

<p>＋おろししょうが<br />
性質：温性<br />
五味：辛<br />
発散力のあるしょうがを加えることで、体の熱が外に発散されて、暑気払いに。汗で失われるミネラルは、麦茶で補えるので、一石二鳥です。しょうがの温性は冷房による冷えの解消にも有効的です。</p>

<p>＋ミント<br />
性質：涼性<br />
五味：辛<br />
気の巡りをよくしてくれるのが、さわやかなミント。イライラの鎮静化や顔のほてりに有効で、体を冷やす効果もあるので夏にぴったりです。あえて温かい麦茶に加えてりフレッシュするのも◎。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【紅茶】<br />
性質：温性<br />
五味：苦・甘<br />
紅茶は緑茶を発酵させたもので、発酵することで寒性から温性に変わり、冷え性改善に効果があります。また、殺菌力が高く、利尿作用でむくみを改善したり、精神を安定させたりしてくれる万能茶です。</p>

<p>＋プルーン<br />
性質：平性<br />
五味：甘・酸<br />
紅茶はドライフルーツと相性抜群ですが、そのなかでもプルーンは血を補い、便秘解消にも働きます。ビタミンもたくさん含んでいるので、紅茶に入れて飲むだけで美肌効果も期待大。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【コーヒー】<br />
性質：温性<br />
五味：苦・甘<br />
浅煎りのものは平性〜温性で、酸味が強く苦味はほとんどありません。深煎りにすると温性へと変わり、苦味が加わります。便秘や二日酔いによく効き、気・血の巡りをよくする効果もあるので倦怠感を改善してくれます。</p>

<p>＋ココア<br />
性質：平性<br />
五味：苦・甘<br />
疲れがひどいときの最強コンビが、コーヒーとココア。ともに覚醒作用があり、ココアは気を補い、動悸や疲労、眠気解消の働きがあります。夏の疲れを一気に吹き飛ばしてくれる飲み物です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ちょっと変わり種のお茶もプラスワンで簡単薬膳茶に！</h2>

<p>【カモミールティー】<br />
性質：涼性、五味：甘・苦<br />
<br />
＋レーズン<br />
性質：平性、五味：甘・酸<br />
夏は寝苦しく慢性的な睡眠不足に陥りがち。そんなときには、鎮静効果のあるカルシウムたっぷりのレーズンをプラスして。カモミールは不眠に効果のあるハーブなので、相乗効果で安眠間違いなし。</p>

<p>【ミントティー】<br />
性質：涼性、五味：辛<br />
<br />
＋スイカ<br />
性質：寒性、五味：甘<br />
スイカは、9割が水分です。体内の熱を冷まし、喉の渇きを解消します。ミントとの味のバランスもGOOD。熱中症の予防や運動後の水分補給にもおすすめしたい薬膳茶です。</p>

<p>【ローズティー】<br />
性質：温性、五味：甘・微苦<br />
<br />
＋ナツメ<br />
性質：微温性、五味：甘<br />
ナツメは気と血を補う効果があるので、婦人科系の悩みに効くローズティーとの掛け合わせは最適解。貧血の軽減や月経痛を和らげてくれる効果があります。</p>

<p>【ジャスミン茶】<br />
性質：涼性・平性、五味：甘・辛<br />
<br />
＋牛乳<br />
性質：平性、五味：甘<br />
ジャスミンの香りをアロマとして楽しみ、消化吸収がよく胃の粘膜を守ってくれる牛乳をプラスして飲むと、癒やし効果が期待できます。胃の機能が復活することで、気・血が充実し、美肌効果も。</p>

<p>※注意事項<br />
・夏場はお茶や茶葉が腐りやすいので、作り置きはおすすめしません。保存する場合は、直射日光を避けた涼しい場所に置いたり冷蔵庫に入れるなどし、早めに飲みきるようにしましょう。<br />
・冷たいお茶やカフェインの取りすぎはNGです！胃腸に負担がかかります。</p>

<p>【植木もも子（うえき・ももこ）】<br />
国際中医師、管理栄養士、国際中医薬膳管理師。「おいしく、賢く、楽しく、健康に」をモットーに、体と心を癒やす日々のレシピを雑誌や書籍、テレビなどに提供している。昔からお茶が大好きで、とくに中国茶への詣が深い。著書に「お茶でかんたん飲む薬膳」（家の光協会）などがある。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tea.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 06 Oct 2026 08:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[植木もも子（国際中医師、管理栄養士、国際中医薬膳管理師）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>暑い日の料理に「魚焼きグリル」がうってつけな理由　簡単レシピ6選  武蔵裕子（料理研究家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12733</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012733</guid>
			<description><![CDATA[暑い日は、キッチンにいる時間を少しでも減らすために時短料理がおすすめ。料理研究家の武蔵裕子さんが魚焼きグリルを使ったレシピを紹介]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ハンバーグ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_steak.jpg" width="1200" /></p>

<p>鍋やフライパンからの蒸気や、熱気がこもったキッチンで調理するのはつらいですよね。そんなときは、コンロについている魚焼きグリルにお任せ！</p>

<p>魚焼きグリルは点火から20秒ほどで300℃以上にも達する高温調理器具。焼き上がりまでも速く、時短に。長時間加熱すると素材の水分が抜けて硬くなりがちな肉も、魚焼きグリルなら、表面はカリッと、中はふっくら焼き上がります。魚だけじゃもったいない、肉も野菜もおいしくなる魚焼きグリルを活用しましょう！</p>

<p>※本稿は、『PHPくらしラク～る♪』2024年8月号より内容を抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>＜はじめに、チェック＞あなたの家の魚焼きグリルは両面焼き？水は必要？</h2>

<p>魚焼きグリルはバーナーが上下にある両面焼きと、上のみにある片面焼きの2種類に分けられます。両面焼きは一気に高温になるので、予熱不要。片面焼きは強火で約2分予熱しておきます。受け皿に水が必要かどうかもチェック。水が必要な場合は必ず水を入れてから使用しましょう。</p>

<p>※コンロに付属している魚焼きグリルで、焼き網を使用したレシピを紹介しています。コンロの取扱説明書などを読み、正しく使いましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>魚焼きグリルってこんなに優秀！</h2>

<p>●高温調理<br />
魚焼きグリルの最高温度は、片面焼きで300～350&deg;C、両面焼きなら400&deg;C。点火後すぐに高温に達します。</p>

<p>●時短<br />
予熱も調理も、他の調理器具に比べて短時間。骨付き肉や鶏もも肉の塊も15分あれば焼き上がります。両面焼きなら10分ほどで完成。</p>

<p>●ほったらかし<br />
素材を並べて焼くだけ。両面焼きなら焼き上がりまでほったらかしでOK。火加減の調整もほとんど必要ありません。ただし、加熱中はコンロから離れないようにしましょう。焼きすぎ防止にタイマーをセットしておけば安心です。</p>

<p>●おいしい<br />
高温調理だから、短時間で調理でき、素材のうまみが凝縮。野菜なら程よく水分が抜け、自然な甘さが際立ちます。肉や魚は表面こんがり、中はふっくらジューシーに。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>魚焼きグリルでおいしさアップ！</h2>

<p>フライパンやトースターなどで作るより、断然おいしい！高温調理だから、ふっくらジューシーに仕上がります。</p>

<p>●皮はパリッと身はジューシー鶏もも肉の塩焼き</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>鶏もも肉...1枚（250～300g）<br />
塩...小さじ1/2<br />
粗びき黒こしょう...適量<br />
レモン...適量</p>

<p>作り方</p>

<p>①鶏肉はところどころフォークで刺し、塩をよくすり込み、粗びき黒こしょうを多めにふる。<br />
②皮を下にして置き、片面グリルの場合は強火で7〜8分、返して4〜5分（両面グリルなら強火で10～12分）焼く。<br />
③食べやすい大きさに切って皿に盛り、お好みでレモンを搾っていただく。</p>

<p>＜やってみて！＞味付けいらず。うまみ凝縮！グリル野菜</p>

<p>メイン食材を並べた隙間に、玉ねぎやれんこん、長いもやグリーンアスパラガス、エリンギなどの野菜やきのこも並べてください。魚焼きグリルで作るグリル野菜は、高温で焼き上げるのでうまみや甘みがギュッと凝縮され、絶品です。鶏もも肉の塩焼きやハンバーグの付け合わせにも。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●ふっくら肉汁あふれるハンバーグ</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>合いびき肉...200g<br />
塩...小さじ1<br />
こしょう...少々<br />
玉ねぎ...1/4個<br />
溶き卵...1/2個分<br />
パン粉...1/2カップ弱<br />
牛乳...大さじ2<br />
A<br />
トマトケチャップ...大さじ2<br />
中濃ソース...大さじ2</p>

<p>作り方</p>

<p>①玉ねぎはみじん切りにする。パン粉は牛乳で湿らせておく。<br />
②合いびき肉に塩、こしょうを入れ、粘りが出るまでよく混ぜる。溶き卵を加え、①の玉ねぎとパン粉も一緒に加え、よく混ぜ合わせる。2等分にして1.5～2cm厚さの円形にする。<br />
③片面グリルの場合は、強火で1分30秒予熱して、グリルにアルミホイルを敷いて②をのせ、強火で片面5分、返して5分焼く（両面グリルなら予熱なし、強火で8分）。混ぜ合わせたAをかけていただく。<br />
※アルミホイルにたまった脂は発火の恐れがあるため、ペーパータオルでときどき取り除きながら焼きましょう。</p>

<p>＜上手に使いこなすためのルール①＞アルミホイルはバーナーに接触させない</p>

<p>アルミホイルは焦げすぎを防いだり、網から落ちそうな小さな食材を焼くときのお皿にしたり、包み焼きにしたり、魚焼きグリル調理には欠かせません。ただ、バーナーに触れると引火する恐れがあるので、食材にかぶせるときや、包むときにはバーナーに触れないよう十分に注意しましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>骨付き肉は魚焼きグリルにおまかせ</h2>

<p>火の通りが気になる骨付き肉も、まんべんなく焼き上がる。漬け込む食材をかえれば、メニューの幅が広がります。</p>

<p>●甘辛+ほろ苦さがクセになるマーマレードスペアリブ</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>スペアリブ...6本<br />
<br />
A<br />
マーマレード...大さじ3<br />
酒...1/4カップ<br />
しょうゆ...1/4カップ<br />
（手羽先や手羽元、鶏もも肉、を漬け込んで焼いてもおいしい）</p>

<p>作り方</p>

<p>①Aをポリ袋に入れて混ぜ合わせ、スペアリブを加えて30分ほど清け込む。<br />
②片面焼きの場合は強火で1分30秒予熱する。グリルの奥の方から大きなスペアリブを並べ、手前には小さなスペアリブを並べて、強火で5～6分焼き、返して5～6分焼く（両面グリルなら予熱なし、強火で8～9分）。途中、表面に焦げめがついたら、アルミホイルを平らにかぶせる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●香ばしくてスパイシー手羽先名古屋風</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>鶏手羽先...6本<br />
<br />
A<br />
しょうゆ...大さじ1/2<br />
酒...大さじ1/2<br />
しょうが汁...小さじ1<br />
ごま油...大さじ1<br />
<br />
小麦粉...大さじ1<br />
粗びき黒こしょう...適量<br />
ガーリックパウダー...適量<br />
白いりごま...適量<br />
<br />
B<br />
しょうゆ...大さじ2と1/2<br />
はちみつ...大さじ1</p>

<p>作り方</p>

<p>①鶏手羽先は両面に切り込みを入れる。ポリ袋にAと鶏手羽先を入れ、手でもみ込みながら混ぜて、約10分おく。Bはボウルなどに入れて混ぜておく。<br />
②鶏手羽先に小麦粉をまぶしつける。<br />
③片面焼きの場合は強火で1分30秒予熱する。グリルに鶏手羽先を並べて強火で5分焼き、返して3分焼く（両面焼きの場合は予熱なし、強火で7〜8分）。<br />
④焼き上がったら①のBを絡め、粗びき黒こしょう、ガーリックパウダー、白いりごまをたっぷりまぶす。</p>

<p>＜上手に使いこなすためのルール②＞火の通りにくいものは奥、長細い食材は両サイド</p>

<p>骨付き肉など、火の通りにくいものは高温になる奥の方に並べます。また、サンマなどの長細いものは両サイドに。バーナーの下に食材を並べると効率よく調理ができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>簡単！ヘルシー！グリルフライ</h2>

<p>揚げ油の準備や片づけが不要。揚げないのにサクサク食感。ラクしておいしいグリルフライに挑戦！</p>

<p>●サクッとプリッとうまみが広がるえびのフライもどき</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>えび（中～大）...6尾<br />
小麦粉...1/2カップ<br />
溶き卵...1個分<br />
パン粉...2/3カップ<br />
サラダ油...大さじ2<br />
塩、こしょう...少々</p>

<p>作り方</p>

<p>①えびは尾の1節を残して殻をむき、背わたを取る。塩、こしょうを軽くふる。パン粉にサラダ油を加え、よく混ぜ合わせておく。<br />
②えびに小麦粉、溶き卵、①のパン粉を順につけて、グリルにアルミホイルを敷いて並べる。<br />
③片面グリルの場合は強火で2分30秒、返して2分焼く（両面グリルなら強火で3分30秒～4分）。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●薄くても食べごたえあり薄切りカツサンド</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>豚肉（しょうが焼き用）...4枚<br />
パン粉...2/3カップ<br />
サラダ油...大さじ2<br />
塩、こしょう...少々<br />
食パン（8枚切り）...4枚<br />
バター...適量<br />
キャベツのせん切り...適量<br />
ソース（お好みのもの）...適量<br />
<br />
＜MEMO＞食パンを両面グリルで焼くとき、グリル専用トレーに並べて焼くときれいな焼き色になります。グリル専用トレーがない場合はアルミホイルでもOK。</p>

<p>作り方</p>

<p>①パン粉はサラダ油をふりかけて、よく混ぜ合わせておく。豚肉の両面に塩、こしょうを軽くふり、パン粉をまぶしつける。グリルに並べて片面グリルの場合は強火で2分、返して2分焼く（両面グリルなら強火で3分）。<br />
②食パンもグリルに並べ片面グリルの場合は強火で1分～1分20秒、返して40～50秒焼く（両面グリルなら強火で1分～1分30秒）。パンにバターを塗り、①とせん切りキャベツをのせ、ソースをかけてもう1枚でサンドし、ラップでしっかり包んで少しおいてなじませてから切り分ける。</p>

<p>＜上手に使いこなすためのルール③＞耐熱容器ではなく、必ず直火用容器を使う</p>

<p>最近はグリル専用トレーなどが豊富に販売されています。庫内を汚さず、おいしく仕上がることから、使っている人も多いかもしれません。皆災用スキレット、直火用容器であれば魚焼きグリルで使うことができます。ふた付きであれば、蒸し料理も作れます。耐熱容器は使用できないので要注意です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【武蔵裕子（むさし・ゆうこ）】<br />
双子の男の子と両親の3世代の食事を切り盛りするなかで生まれた家庭料理が大人気。雑誌や書籍、企業のメニュー開発など多方面で活躍中。「超定番12食材でおいしさ無限 250レシピ」（新星出版社）など著書多数。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_steak.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 05 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[武蔵裕子（料理研究家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>本音を言えない人ほど、幼少期にしていた「家族への気遣い」  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15141</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015141</guid>
			<description><![CDATA[本音が言えず周りに気を使ってしまう原因は、無意識の思考ブレーキ「メンタルノイズ」かも。書籍『ありのままでラクに生きる練習』から、言いたいことが言えない心の仕組みと自分らしく生きる解決策を解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="言いたいことが言えない人" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" width="1200" /></p>

<p>「自分の意見を伝えると嫌われるかもしれない」「本当の気持ちを言葉にできない」。</p>

<p>そうした生きづらさを引き起こす根本には、知らず知らずのうちに定着した「メンタルノイズ（考え方や解釈のクセ）」が関係しています。</p>

<p>自分の本音を押し殺してしまうのは、この思考のクセがブレーキをかけているサインです。</p>

<p>本稿では、書籍『ありのままでラクに生きる練習』の解説をもとに、思いを口にできない人が抱えているメンタルノイズについて解説します。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『ありのままでラクに生きる練習』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>言いたいことが言えない</h2>

<p>【ノイズの症状あるある】<br />
・今日は肉が食べたかったのに、反対されるのが怖くて言い出せない<br />
・自分の欲求を出して自由に生きている人を見ると、イライラ、もやもやする<br />
・手伝ってほしかったけど、結局遅くまでひとりで残業する<br />
・「やりたい人は挙手して」と言われても、手を挙げられない<br />
・自分がなにをやりたいのかわからなくなっている</p>

<p>言いたいことが言えなかったり、すぐに遠慮してしまう人っていますよね。それで本人が納得していればいいけれど、あとから「言っとけばよかった」とか、「断らなきゃよかった」と後悔するようだと、悩みのタネになります。</p>

<p>自分の主張ができなくなると、なにを望んでいるのか自分でもわからなくなることがあります。それが行き過ぎると、やりたいことが見つからない、やりたいことがわからないという悩みにまで発展してしまいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「他人ファーストノイズ」</h2>

<p>言いたいことが言えない人にあるのは、「他人ファーストノイズ」です。</p>

<p>自分を後回しにして他人優先で考える。 そんなノイズは、家族に気を遣う環境で育つとつくられます。</p>

<p>多くの一般家庭ならどこでも、子どもの要望すべてには応えられないものです。</p>

<p>子どもだって、お父さんとお母さんとのやりとりの中で、「自分の家がお金持ちなのかどうか」「お父さんやお母さんは忙しい人なのかどうか」くらいはなんとなく察知します。そして、子どもなりに気を遣うようになり、「自分が欲しいものを欲しいと言わないほうがいい」と思い込みます。</p>

<p>特に気を遣うのが長男や長女、そして兄弟が多い家庭のお兄ちゃん、お姉ちゃんたち。 「お兄ちゃんなんだから」「お姉ちゃんなんだから」などと日々言われ続けると、自分の欲求を言えなくなって、そのクセが大人になっても続くのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>まずは「自分のイヤ」に気づくこと</h2>

<p>メンタルノイズは、無自覚に、自動的に働きます。</p>

<p>だから、自分で気づいて「やめよう」という意識を持つのが、クリアの第一歩。</p>

<p>「他人ファーストノイズ」のやめ方は、いきなり自己中心的になれと言っても難しいので、まずは「自分のイヤ」「本当はやりたくない」に気づくようにしましょう。</p>

<p>そして、もしやめられそうなら少しずつやめてみる。やめられそうもないことは、「自分はイヤだけどやっている」と自覚する。</p>

<p>最初から全部を変えようとせず、少しずつがポイントです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 05 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>スマホを見るたびに疲弊していく　SNS時代に「自分軸」を守る方法  堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15108</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015108</guid>
			<description><![CDATA[多くの人が持っており、今ではなくてはならないものになっているスマホ。悩みの種にもなっているスマホ・SNSといかに向き合うべきか。言語学者の堀田秀吾さんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="堀田秀吾著『心理学×脳科学×行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_SNS.jpg" width="1200" />「自分の投稿に全然&quot;いいね&quot;が付かない」「既読になっているのに返信が来ない」――スマホやSNSを使うのが当たり前な世の中になり、悩みの種が増えたという人もいるのではないでしょうか？</p>

<p>生活を便利にするスマホですが、使い方によっては心を病んでしまうことも。そこで本稿では、言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さんに他人軸に振り回されない方法を紹介していただきます。</p>

<p>※本稿は、堀田秀吾著『心理学&times;脳科学&times;行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スマホをテーブルの上に置かない</h2>

<p>テキサス大学オースティン校のウォードらは、約800人の大学生を対象に、スマホの置き場所が頭の働きにどう影響するかを調べました。参加者は「机の上」「ポケットや鞄の中」「別室」の3つにスマホを置き分け、注意の持続力や作業記憶を測る課題に取り組みました。</p>

<p>結果、机の上に置いたグループの成績が最も低く、別室に置いたグループが最も高い成績を出しました。別室グループは机の上グループに比べて、作業記憶を測る課題のスコアがおよそ10％高かったのです。</p>

<p>さらに、参加者の多くが「スマホがあっても気にならなかった」と答えていたにもかかわらず、実際の成績にはきっちり差が出ていました。つまり、本人の自覚と実際の脳の働きは一致していなかったということです。</p>

<p>ウォードらはこの現象を「ブレインドレイン（脳資源の流出）」と呼んでいます。スマホの画面を見ていなくても、視界にあるだけで、注意の一部がその存在を意識しない状態を保つために使われ、目の前の作業や会話に使えるはずのエネルギーが減ってしまうという説明です。</p>

<p>この働きは意識して止めることが難しく、本人が気をつけようと思っても防ぎきれません。だからこそ、意志の力で対処するのではなく、そもそも視界に入れないという対処のほうが確実なのです。</p>

<p>対策としては、鞄の中にしまうだけでは効果が限定的なため、最も効果が高いのは別室に置くことです。大切な人や家族との食卓ではいったんスマホを別の部屋に置く時間を作ってみてください。これだけで、相手の表情や声の小さな変化にも気づきやすくなります。視界から完全に外してしまえば、余計な処理をする必要がなくなり、その分の余力を会話に回せるようになります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・食事や会話をするとき、スマホを別の部屋に置く</p>

<p>・別室が難しい場合は鞄の中にしまう</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>SNSに反応する基準を先に決める</h2>

<p>「返信すべきか」「いいねだけでいいか」「既読のまま流してもいいか」。そんな小さな迷いが1日に何十回も積み重なると、1回ごとは数秒の判断でも、確実に脳を疲れさせていきます。</p>

<p>トンデゥックタン大学のディールらの研究では、SNSを強迫的に利用すること、「いいね」や返信、投稿の確認などを止められない状態が「SNS疲労」と定義される精神的消耗状態をもたらすことが示されています。</p>

<p>さらに「取り残されることへの恐怖（FOMO: Fear Of Missing Out）」も、強迫的な使用を介してこの疲労感を増幅させる要因となることが明らかになりました。何気なく開いたSNSがやがて脳が対応しきれない量のやりとりに変わり、最終的には不安や気分の落ち込みへとつながりかねないのです。この不安があると、通知が来ていなくても自分からアプリを開いて確認しに行くようになり、使用時間そのものが増えていきます。</p>

<p>おすすめしたいのが、スマホを開く前に反応するかどうかのルールを決めておくことです。たとえば「家族や親しい友人の投稿にはいいねを押す、仕事関係にはコメントだけ、見知らぬアカウントには反応しない」。こうして一度ルールを決めてしまえば、目の前の投稿は「対象か、対象外か」を確認するだけになります。</p>

<p>ルールを決めることに罪悪感を覚える方もいるかもしれませんが、毎回もやもやしながら反応を返すより、自分なりの基準を持って淡々と関わるほうが相手にとっても誠実です。すべての投稿に同じ熱量で反応する必要はありません。反応する相手を絞ることは、冷たさではなく、限られた時間とエネルギーを大切な人に振り向けるための工夫です。</p>

<p>「みんなに同じように反応しないと、感じが悪いと思われるのではないか」。そう考えて義理で反応したりしますが、その義理の反応は、相手にもどこか伝わっているものです。心のこもっていない反応より、基準に沿って絞った反応のほうが、結果として誠実に映ります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・相手を3層（家族・親しい友人／仕事関係／面識なし）に分ける</p>

<p>・「いいねを押す」「コメントだけする」「反応しない」の3つに決める</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「断り方」を決めておく</h2>

<p>アリゾナ州立大学のチャルディーニは、人が承諾してしまう典型的なパターンを整理しました。なかでも、「返報性」と呼ばれる働きが強く関わっているとしています。これは相手から何かを差し出されると、こちらも何か返さないと落ち着かなくなる感覚のことです。</p>

<p>この感覚は誘いの場面でほぼ自動的に働きます。誘ってくれた相手の気持ちに応えなければと感じた瞬間、こちらの気持ちはすでに承諾する方向に傾いています。</p>

<p>この働きは意識的に止めようとしても止めにくいという特徴があります。相手の誘いに悪気がなくても、受け取った側は「断ると申し訳ない」という気持ちを自動的に感じてしまうのです。この現象は、相手が親しい間柄であるほど強く働く傾向があり、断りにくさは相手への好意の裏返しでもあります。</p>

<p>口ぐせにしておきたいのが「ちょっと予定を見て、あとで連絡しますね」の一言です。これを言えるようにしておけば、その場で答える必要がなくなります。落ち着いてから判断できるので、時間をおいたほうが自分の本当の気持ちがわかりやすくなります。やっぱり行きたいと思えば返事をすればいいし、無理だと感じたら典型的な断りの文を1つ送るだけです。</p>

<p>「予定を見て連絡する」という一言は、断りの言葉ではなく、判断を先に延ばすための言葉です。この違いのおかげで、相手に対して失礼な印象を与えることなく、自分の時間を確保できます。断ることに慣れていくと、相手との関係もかえって長続きしやすくなります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・その場で「行く・行かない」を決めようとしない</p>

<p>・返事に困ったら「ちょっと予定を見て、あとで連絡しますね」と伝える</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>他人と比較しない</h2>

<p>同級生が家を買った、結婚した、出世した。SNSを開くたび誰かの晴れやかな出来事が目に入り、おめでとうと思う気持ちに嘘はないのに、画面を閉じたあと自分の毎日が見劣りして感じられたりします。</p>

<p>これは心理学でいう「上方比較」です。自分より条件がよいと感じる相手と比べることで、自分の状況を実際より低く評価してしまう現象のことです。</p>

<p>「おめでとう」という気持ちと、「自分はどうなのだろう」という気持ちが同時に湧いてくるのは、決して珍しいことではありません。両方の気持ちを持つこと自体は、何もおかしなことではないのです。</p>

<p>トレド大学のヴォーゲルらの調査では、SNSを使う時間そのものより、自分より上だと感じる人と見比べてしまうことのほうが、自尊心の低さと結びついていました。</p>

<p>実験でも、いいねやコメントが多く集まっているページを見たグループは、ほんの数分、他人の人気ぶりを眺めただけで、直後の自尊心が下がっていました。使用時間の長さよりも、何を見て何と比較したかのほうが、気分への影響を大きく左右していたということです。</p>

<p>この調査ではさらに、比較の対象が身近な知人であるほど影響が大きくなる傾向も示されています。まったく縁のない有名人よりも、同級生や同僚のような身近な存在との比較のほうが堪えるのです。これは、そういう人のほうが「自分と同じ条件で人生を歩んでいるはず」という前提があるために、差を感じやすくなるからだと考えられています。</p>

<p>他人と比べてしまいそうになったら、手帳やスマホのメモに、昨日より進んだことを1つだけ書いてみてください。資料が1ページ進んだ、子どもを怒らずに寝かせられた。そのくらいの小ささで十分です。１週間続けて読み返すと、変化がないように見えていた毎日が、実際には少しずつ進んでいたとわかります。</p>

<p>比較の対象を他人から自分自身に変えるだけで、同じ出来事でも受け止め方が変わってきます。他人という基準は自分でコントロールできませんが、昨日の自分という基準であれば、常に手の届くところにあります。誰かの晴れやかな投稿を見て気持ちが沈んだときほど、この習慣が助けになります。比較するなら過去の自分と。他人軸に振り回されても心の平穏は訪れません。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・「昨日より進んだこと」をひとつだけメモに書く</p>

<p>・1週間分をまとめて読み返してみる</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_SNS.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 05 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「場を盛り上げて、帰宅後ぐったり」自分を削って他人に尽くす人の心理  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15143</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015143</guid>
			<description><![CDATA[他人の顔色が気になり無理に気を使って疲れていませんか？原因は無意識の「メンタルノイズ」かも。書籍『ありのままでラクに生きる練習』から解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="夕焼けをバックにスマホを見る女性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_SunsetWoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>周囲に気を使いすぎて帰宅後にどっと疲れてしまったり、相手の顔色や評価が頭から離れなくなったりしていませんか？ このような人間関係での消耗は、無意識に形成された思考のクセ「メンタルノイズ」が働いているために起こります。</p>

<p>本記事では、書籍『ありのままでラクに生きる練習』より、他人の目が気になりやすい繊細な人が抱えがちなメンタルノイズの正体について紐解きます。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『ありのままでラクに生きる練習』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人の評価が気になって仕方ない、繊細さん</h2>

<p>【ノイズの症状あるある】<br />
・誰かに言われた一言が気になって、相手の気持ちを想像して不安になる<br />
・自分の一挙手一投足で、怒らせたかも、嫌われたかもと被害妄想をする<br />
・どう思われるか気になり過ぎてSNSに投稿できない<br />
・その場は楽しいのに、後になって心配事が湧いてくることが多い<br />
・場を盛り上げようとして頑張るけど、ひとりになるとぐったり疲れる</p>

<p>人に喜んでもらえるのはうれしいもの。でも、そのことばっかり考えて、相手の顔色が気になって仕方がなくなる、自分を犠牲にしてまで他人を喜ばせてしまうのがこのタイプ。</p>

<p>少しでも暗い表情をしたり、けげんな顔をしたりすると、「どうしたのかな？」「なんか気にすること言ったかな？」と気になる。しかも、そういうちょっとした表情やしぐさを見逃さない。ほかの人といるだけで、どんどん疲れてしまいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「おもてなしノイズ」</h2>

<p>人の評価が気になる人にあるのは、「おもてなしノイズ」です。</p>

<p>このノイズは、サービス精神旺盛な家族のいる環境で育つとつくられます。</p>

<p>地元の祭りがあると、仕事を休んででも参加するお父さん。<br />
家に誰かが遊びに来ると、食べきれないくらいのごちそうをつくるお母さん。<br />
夏休みに親戚の子どもが遊びに来るとなると、いつも以上に気合いが入るお母さん。</p>

<p>「人のためになることをしなさい」「人に喜んでもらうとお金が儲かるんだよ」と、親に教えられると「人を喜ばせるのはいいことだな」と子どもは思い込みます。</p>

<p>でも、祭りから帰ってきたお父さんが疲れた顔をしていたり、お客さんが帰った後にお母さんがしんどそうな顔をしていたりすると、子どもは 「自分はがまんしてでも喜ばせたほうがいいんだ」と勘違いしてしまいます。</p>

<p>喜ばせることに自己犠牲があると、「喜ばせなければいけないんだ」という義務感になります。「自分も楽しいし相手も楽しい」と、「自分はたいへんだけど相手は楽しい」は大違い。</p>

<p>「おもてなしノイズ」にやられると、まわりは喜んでくれても、いつか自分が疲れ果てて燃え尽きます。そうならないために、自分の喜びと人の喜びの関係性を逆転させないといけません。</p>

<p>自分は楽しくないけど人が喜ぶことは少しずつやめて、自分も楽しくて人も喜んでくれることの比重を、できるところから増やしていけるといいですね。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_SunsetWoman.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 02 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>管理栄養士が教える　腸内環境を整える“食物繊維以外”の食材とは  星穂奈美（管理栄養士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15045</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015045</guid>
			<description><![CDATA[腸内環境を整える食習慣の見直し方法を管理栄養士の星穂奈美さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="腸内環境を整える" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_saba.jpg" width="1200" /></p>

<p>腸内環境の乱れは、便秘や下痢につながるだけでなく、免疫機能や精神面にまで悪影響を及ぼすとされています。管理栄養士の星穂奈美さんは、著書『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』にて、疲れを感じやすい&quot;オトナ女子&quot;に向けて、すぐにできる食生活の見直し方法を解説しています。本稿では同書より、腸内環境を整えるために役立つ食材をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、星穂奈美著『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』(ダイヤモンド社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>蕎麦や青魚も有効！手軽に摂れる腸活食材</h2>

<p>【魚の油も腸に良い】</p>

<p>腸内環境を整えるのは食物繊維だけではありません。</p>

<p>例えばレジスタントプロテイン。小腸で消化されにくい難消化性（レジスタント）のたんぱく質で、加熱しても性質が変わりにくく、小腸で腸内細菌の活動を助ける働きがあります。食品で言うと大豆や蕎麦、高野豆腐などに含まれます。</p>

<p>また、EPA（エイコサペンタエン酸）やDHA（ドコサヘキサエン酸）といった魚の油に含まれるn－3系脂肪酸も、食物繊維ではありませんが腸内細菌のバランスを整える働きがあるとされており、プレバイオティクス(※1)に似た作用を持つと考えられています。<br />
※1：善玉菌のエサとなる成分のこと</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【腸の働きを助ける注目成分】</p>

<p>● レジスタントプロテイン</p>

<p>消化されにくいたんぱく質。大腸で腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やすプレバイオティクス効果があると期待されている<br />
例: 大豆製品（豆腐、高野豆腐）、蕎麦、麹を使用した発酵食品</p>

<p>● n-3系脂肪酸（EPA・DHA）</p>

<p>体内でほとんど合成できないため「必須脂肪酸」と呼ばれる。腸内の炎症を抑えて善玉菌が棲みやすい環境を整えるとされている<br />
例: 青魚（サバ、イワシ、サンマ、アジ）、マグロ<br />
※参考文献「Bannenberg G, Serhan CN. Specialized pro-resolving lipid mediators in the inflammatory response: An update. Biochim Biophys Acta 1801: 1260-1273 2010.」</p>

<p>● レジスタントスターチ（難消化性でんぷん）</p>

<p>分解されずに大腸まで届くため、食物繊維として扱われることも多い。大腸で発酵し、善玉菌を増やす。短鎖脂肪酸の産生にも働く<br />
例：冷やご飯、未熟バナナ</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「砂糖&rarr;オリゴ糖」の置き換えで、こまめに腸活</h2>

<p>【善玉菌のエサになるオリゴ糖】</p>

<p>オリゴ糖は主に、腸内で発酵しやすい性質を持つ難消化性糖質です（一部除く）。小腸で吸収されずに大腸まで届き、善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌のエサとなって腸内細菌のバランスを改善する効果が期待されます(※2)。</p>

<p>また、糖として吸収されにくいというこの特徴は、血糖値が気になる人にはうれしいポイント。砂糖が小腸で吸収され、血糖値が上昇しやすいのに比べ、オリゴ糖はそのリスクが低くなると言われています。</p>

<p>オリゴ糖にはいくつかの種類があり、性質が異なります。砂糖代わりにオリゴ糖シロップや粉末を使うとき、どのオリゴ糖を主成分にしているか注目してみるとよいでしょう。</p>

<p>※2：多く摂るほど効果が高まるわけではなく、また、過剰に摂取すると下痢や腹部膨満感などの消化器症状を引き起こすことがある。成人では一般的に１日5g程度の摂取が推奨されている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【オリゴ糖の主な種類と働き】</p>

<p>①ガラクトオリゴ糖：熱や酸に強いので加工食品に使われやすいのが特徴。ビフィズス菌を増やす働きがあります。母乳や牛乳にも含まれています。</p>

<p>②フラクトオリゴ糖：ビフィズス菌や乳酸菌のエサに。ゴボウやバナナ、タマネギなどに含まれています。</p>

<p>③イソマルトオリゴ糖：ハチミツや発酵食品に含まれ、腸のなかで善玉菌の活動をサポートします。</p>

<p>④ミルクオリゴ糖：牛乳から作られる成分で、ビフィズス菌のエサとなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>どれも腸内環境を整えるために役立つ成分です。身近な食べ物から取り入れていきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【オリゴ糖を取り入れるコツ】</p>

<p>オリゴ糖の良いところ</p>

<p>▶ 善玉菌のエサになり腸内環境改善<br />
▶ 便通を整え、便秘予防に役立つ<br />
▶ 血糖値の上昇を抑える効果も期待<br />
▶ 甘味料として使いやすく、毎日の食生活に取り入れやすい</p>

<p>&nbsp;</p>


	
	<p>1.コーヒーの砂糖をオリゴ糖に代える</p>

	<p>コーヒーや紅茶、飲み物に加えてみる。砂糖の代わりとしてオリゴ糖を使うことで、甘味を感じつつ腸内環境のサポートが可能（砂糖よりは甘味が控えめのため、苦手な人でも取り入れやすい）</p>
	
	
	<p>2.ヨーグルトなど善玉菌と一緒に摂る</p>

	<p>オリゴ糖は善玉菌のエサになるため、ヨーグルトや乳酸菌飲料との組み合わせがgood。朝食やおやつとして「ヨーグルト＋オリゴ糖」を習慣化してみる</p>
	
	
	<p>3.オリゴ糖を使用している食品を摂る</p>

	<p>ビスケットやチョコレート、飲料など、オリゴ糖入りの市販のお菓子を選ぶと自然な摂取ができる。お菓子を選ぶときは「オリゴ糖入り」をチェック！</p>
	
	
	<p>4.毎日の料理にプラスする</p>

	<p>シロップタイプのオリゴ糖を料理の隠し味として少しずつ使用してみる。毎日少量を続けることが大切。摂り過ぎるとお腹が緩くなるので注意</p>
	

]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 02 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[星穂奈美（管理栄養士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「人は旅立つときを選ぶ」医師が3000人を看取って感じた“いのちの不思議”  小笠原文雄（医学博士／浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15060</link>
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			<description><![CDATA[医師・僧侶の小笠原文雄さんは、約3000人の患者を看取った経験から、「人は旅立つときを選ぶ」という実感を得たといいます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_magichour.jpg" width="1200" /></p>

<p>医師であり僧侶でもある小笠原文雄さんは、約3000人を看取った経験から「人は旅立つときを選ぶ」と考えるようになったといいます。</p>

<p>患者の家族が孤独死を恐れて入院を希望することは少なくありませんが、小笠原さんは、旅立つ「タイミングは、患者さん本人に任せればいい」と語ります。</p>

<p>書籍『笑って大往生できる人できない人』より、小笠原さんが「いのちの不思議さ」について語った一節をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、小笠原文雄著『笑って大往生できる人できない人』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「人は旅立つときを選ぶ」といういのちの不思議さ</h2>

<p>40代の清水麻衣子さんは、末期の乳がん患者で余命3カ月と宣告され、苦しくて夜も眠れない状態。</p>

<p>夫の雅之さんは仕事で帰りが遅く、一人息子の健太郎さんは受験生で、誰も清水さんのお世話ができない状況です。清水さんには「家に帰りたい」という気持ちはあるものの、家族に迷惑がかかると心配していました。</p>

<p>そこで、とりあえず退院をし、家で1泊してダメだと思ったら病院に戻る形を取ることにしました。</p>

<p>退院する頃に、私は清水さんの家まで診察に行き、室内の空気（酸素濃度21 ％）より濃度の高い酸素を吸入させる「酸素療法」の酸素の量を、清水さんの状態に合わせて調整しました。そして薬を投与してから、清水さんの家を後にしました。</p>

<p>その翌日、清水さんの表情は少し明るくなっていました。病院とは違って、ぐっすり眠れたのだそうです。「もう一日、家にいてもいいですか？」と清水さんは言いました。</p>

<p>こうして清水さんが家で過ごし始めて3カ月がたつと、酸素療法が不要になりました。</p>

<p>4カ月目に入った頃、「入院します」と清水さんが言い始めました。健太郎さんが受験を迎えるので、自分の存在が勉強の邪魔になると考えたのです。</p>

<p>そんな清水さんに、私はゆっくりと問いかけました。</p>

<p>「う～ん、気持ちはわかるけど、病院に戻ったら息子さんは心配しないかなぁ？」</p>

<p>しばらくの間、清水さんは考え込んでいました。そして顔を上げて、きっぱりと言いました。</p>

<p>「私、やっぱり家にいます」</p>

<p>残念ながら、健太郎さんは浪人することになりましたが、「来年も見届けたいです」と清水さんは力強く話してくれました。</p>

<p>翌年、健太郎さんは大学に合格しました。清水さんと私は、喜びの握手を交わしました。</p>

<p>健太郎さんは下宿するために家を出て、夫の雅之さんは相変わらず仕事で多忙なので、清水さんは一人で過ごしました。テレビを見たり、料理をしたり、訪問看護師やヘルパーとおしゃべりをしたりしていたようです。</p>

<p>退院してから1年9カ月後に、清水さんは寝たきりになりました。大学が夏休みに入り、健太郎さんが帰ってきた日の夜、雅之さんがトイレのついでに清水さんの様子を見に行くと、穏やかな表情で旅立っていました。</p>

<p>家族がそろい、最後の晩餐を楽しんだ夜に清らかに旅立つ。このことに、雅之さんも健太郎さんも驚いていました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「病院は安心、家は心配」は本当？</h2>

<p>「在宅医療だと、家族が介護しなければならない」<br />
「在宅医療よりも入院のほうが安心」<br />
「在宅医療で、孤独死させたくない」</p>

<p>このように思い込んでいる人がたくさんいます。実際の介護はヘルパーに任せて、家族の手は必要がないということを、多くの人は知りません。</p>

<p>そして、「病院は安心、家は心配」だと家族が言って、患者さんを入院させようとすることがありますが、本当にそうでしょうか。</p>

<p>確かに、病院には医師や看護師など、大勢の人がいます。しかし、その人たちは仕事に追われていて、すべての患者さんに目を配ることは難しいのです。大勢の人がいても孤独、それが病院の実情ではないでしょうか。</p>

<p>孤独死は、一人で死ぬことではありません。人とのつながりがなくなって、心が孤独になって死ぬことです。たとえ一人でいるときに亡くなったとしても、本人の願いがかなったのならば大往生です。</p>

<p>患者さんが一人でいるときに亡くなると、「死に目に会えなかった」「一人で死なせてしまった」と悔やむ人がいます。しかし、考えてみてください。</p>

<p>本人は、死ぬところを見られたくなかったかもしれません。また、家族の泣く姿を見たくなかったかもしれません。ですから、悔やむことはありません。</p>

<p>タイミングは、患者さん本人に任せればいいと思います。　</p>

<p>ただ、不思議なことに、一人暮らしでも誰かがいるときに亡くなる人が多いのです。一人暮らしの患者さん（136人）のデータでは、8割の人が、ヘルパーなり、看護師なり、離れて暮らしている家族なり、誰かといるときに亡くなられています。</p>

<p><img alt="小笠原内科における独居患者死亡時、見送る人の有無" height="796" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260915Ogasawarabunyu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>また、「一人のときに死にたい」といつも言っていた人が4人いましたが、全員一人のときに亡くなられていました。</p>

<p>こうしたことから「いのちの不思議さ」に触れる機会を得られ、「人は旅立つときを選ぶ」と考えるようになりました。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 02 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小笠原文雄（医学博士／浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「ＮＹ襲撃」  第一章・過去を引きずる者たち【１】 高嶋哲夫  高嶋哲夫（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14890</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014890</guid>
			<description><![CDATA[SP・明日香が次に護るのはNY！？ 「襲撃」シリーズ第三弾。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ニューヨーク" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NY.jpg" width="1200" /></p>

<p>SP・明日香が次に護るのはNY！？　「襲撃」シリーズ第三弾。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第一章　過去を引きずる者たち</h2>

<p>明日香（あすか）は土手を上った。</p>

<p>ワンボックスカーの所に行くと、黒いスーツの大柄な女性が降りてきて、後部に回った。彼女が現在ついている警護官だ。名前はたしか花田麻衣子（はなだまいこ）。</p>

<p>後部ハッチが開き車椅子が降りてくる。乗っているのは、ブルーのコートを着た白髪の女性。前総理の新崎百合子（しんざきゆりこ）だ。一昨年と去年、明日香は新崎の警護官だった。</p>

<p>「少し二人にしてくれる」</p>

<p>新崎が言うと、花田は無言で車の助手席に入って行った。</p>

<p>明日香は新崎に言われるまま、車椅子を押して土手を歩いた。</p>

<p>「身体はいかがですか」</p>

<p>「政治家にとって、頭さえしっかりしていれば問題ないと信じていたけど、完全に間違っていた。政治家は頭より、体力ね。新しい発見。現役時代は気付いてなかったけど」</p>

<p>「新崎総理、いえ新崎先生はどちらも人並み外れていました」</p>

<p>新崎は退任してから、明日香に総理、前総理と呼ぶことを禁じている。</p>

<p>「田舎に住んでると、口だけは達者になるのね。逆だと思ってたけど」</p>

<p>明日香はそれ以上言うのはやめにした。</p>

<p>「いいところね」</p>

<p>「日本は広いです。もっと東京以外、地方にも目を向けるべきです」</p>

<p>「世界はもっと広い。あなたには、そっちにも目を向けてほしい」</p>

<p>明日香は何と答えていいか分からなかった。今の生活は気に入っている。いや、気に入っていると思い込もうとしているのか。だが一年前は眠れなかった夜も、今では睡眠導入剤なしですごしている。</p>

<p>「ところで、そんな話をしに来たわけじゃないと思います。横田（よこた）さんの話でしたら、お断りします」</p>

<p>新崎のかすかなため息が聞こえた。</p>

<p>「今度、国連に招かれている。テロ関係の会議で基調演説をすることになっている」</p>

<p>「断わるべきです。危険すぎます」</p>

<p>思わず出た言葉だった。テロという言葉には過剰反応する。</p>

<p>「だからあなたに会いに来た。私と一緒に行ってほしい」</p>

<p>明日香は新崎の背後に目を向けた。</p>

<p>花田が立っている。しかしそれでは遠すぎる。何かの時に反応できない。対象者の盾にならなければならないのだ。</p>

<p>総理退職者には最低一人のＳＰが付くことになっている。しかし、日本では一般人に戻るとともに、ＳＰを辞退する元総理も多い。外国では考えられないことだ。スーザンの父、チェス前大統領には三人のＳＰが付いている。国のシークレットサービスが二人と、個別に雇った一人だ。何かと世界と国内を騒がした大統領だった。スーザンにはゴルフ相手だと言っているらしいが、身の危険を感じているのだろう。</p>

<p>「大統領を辞めても命を狙われるような、アクドイことを色々やったのね」</p>

<p>スーザンは言うが、どの大統領も例外なく、国益の名のもとに一般道徳から外れたことをやっている。スケールが大きすぎて、表には出せないことだ。総理付きの警護官になって、ここ数年間の間に学んだことだ。</p>

<p>「海外となると女性のＳＰもいた方がいいということになった。花田麻衣子さんとは別にね。コレはお願いではなくて、辞令だと思ってちょうだい」</p>

<p>「命令ということですね」</p>

<p>新崎は答えず、静かな川面を見ている。</p>

<p>「あまりに危険すぎます。中止とまではいかなくても、もう少し後ではどうですか」</p>

<p>「アルフレッド大統領の強い願いなの。このチャンスを逃したら、もう声はかからない」</p>

<p>新崎はそう言うと、明日香を見ている。</p>

<p>「アルフレッド大統領は次の大統領選に出るんですね」</p>

<p>新崎は答えない。明日香はもう一度聞き直した。</p>

<p>「アルフレッド大統領は八十一歳です。就任時にも一期で後任に譲ると断言していました。本気で再選を目指しているんですか」</p>

<p>「大統領のイスはよほど座り心地がいいんでしょうね」</p>

<p>新崎が総理の時代にはまず聞くことのなかった言葉だ。</p>

<p>明日香が戸惑っていると、新崎の表情が変わった。</p>

<p>「権力というのは血と肉になるの。自分自身の身体の一部になるのよ。決して手放せない。手放すと自分が自分でなくなる。だから必死で守ろうとする」</p>

<p>「新崎先生もそうでしたか」</p>

<p>言葉にして後悔したが、新崎は何でもないという顔をしてる。</p>

<p>「私はそうなる前に政界を引退した。いえ、せざるを得なかった」</p>

<p>そう言うとわずかに首をかしげ、残された左腕を水平に上げた。</p>

<p>「私が今、何をしているか分かる」</p>

<p>「分かりません」</p>

<p>「万歳をしてるの。右手は見えないし、左手も肩から上には上がらない。左目でウインクをすると暗闇の中。私の二年三か月の総理就任の結果」</p>

<p>明日香は無言で頷いた。</p>

<p>「いつからですか」</p>

<p>「あなた、立川に住んでるんでしょ。立川署の裏手だと聞いている。そんなに遠くじゃない。一緒に永田町に来てちょうだい」</p>

<p>「今からですか」</p>

<p>「一緒にだからそうなるわね。でも、その恰好じゃね」</p>

<p>新崎は一度帰って着替えてくるように言った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>二年前、新崎百合子は、日本初の女性総理大臣に就任した。強い意志とリーダーシップを持ち、総理官邸がテロリストに占拠された危機も乗り越えている。その際、警護官として彼女を支えたのが夏目（なつめ）明日香だった。二人は幾度もの危機を共にし、深い信頼関係で結ばれていった。その時、新崎はテロの恐ろしさと残忍さを知った。以後、世界に向けてテロの撲滅に力を尽くしている。</p>

<p>一年前、新崎は日本主導でＧ７各国に呼びかけ、「テロ撲滅世界会議」を開催した。会議ではサプライズとして、中東のテログループ、ネクスト・イスラミック・ステイト、ＮＩＳから脱出した親子がスピーカーとして招かれた。これを阻止しようと、ＮＩＳのテロリストと日本の過激組織、赤色戦線の残党が東京で連続爆破事件を起こし、多くの死傷者が出る大惨事となった。さらに、会議に出席していたアメリカ大統領も標的となり、命を落としそうになった。大統領の命を救ったのが新崎だ。</p>

<p>その結果、新崎は右目の視力、右手、右足を失った。また、スピーカーとして招かれた親子のうち母親のマリナは命を落とし、残されたエリーゼが代わってスピーチを行った。彼女はその後アメリカに亡命し、ＦＢＩの保護プログラムのもと、里親のもとで暮らしている。</p>

<p>この会議を契機として、世界の政治テロは半減したものの、完全な根絶には至っていない。新崎は総理を辞任し、政界から引退した。現在は逗子に居を移し、少年兵の更生を目的とした施設「ワールド・セイフティ」の設立に尽力している。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>昔、新崎から一本の映像を見せられたことがある。</p>

<p>砂混じりの風が、低いフェンスを鳴らしていた。北東シリアの収容施設は、もともと子どもたちの一時的な場所として造られたはずだったが、終わりの見えない滞留の場となっていた。粗い布で仕切られたテントに、行き場のない子どもたちが肩を寄せ合うように暮らしている。</p>

<p>五分ほどの映像だったが、新崎は涙を流していた。それを隠すために、わざと声高に世界の不条理を訴えた。</p>

<p>「子どもたちの多くは、戦闘そのものに関わったわけではない。だが、暴力と恐怖の中で育ち、極端な思想に触れてきた時間は短くない。言葉や行動の端々にその影が残ることもあるし、逆に、ほとんど何も語らない子もいる」</p>

<p>施設では、限られた資源の中で教育や心理ケアが試みられている。テントの一角に設けられた簡素な教室では、アルファベットや算数を教える声が風にかき消されそうになりながら続いている。別の区画では、支援員が子どもと向き合い、絵を描かせたり、静かに話を聞いたりしている。言葉にできない記憶を、少しずつ外へ出すための時間だ。</p>

<p>「だが現実は厳しい。食料や医療は不足し、警備も万全とは言えない。もちろん教師もね。施設の外に出れば社会は彼らを簡単には受け入れない。家族を失い、帰る場所そのものがない子も多い。家族を傷付け、殺した子どもさえいるんだからね。それでも、変化はある。最初は視線さえ合わせることが出来なかった子が、ふと笑う。名前を書けなかった子が、ゆっくりと文字をなぞる。そうした小さな変化が、この場所の唯一の希望」</p>

<p>そこは完全な救いの場ではない。だが、暴力と憎しみの連鎖を断ち切るための、ぎりぎりの境界線でもある。その内側で、子どもたちはまだ、自分の人生を取り戻そうとしている。新崎の働きで日本企業が施設の支援金を送る組織が作られた。それが「少年兵更生団体ワールド・セイフティ」の資金となっている。</p>

<p>こうした新崎の地道な積み上げが、「テロ撲滅世界会議」の開催、マリナ・エゾトワのスピーチにつながったのだろう。新崎はこうした施設の必要性を世界に訴えている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>２</h2>

<p>車は総理官邸のロータリーに入って行った。</p>

<p>ドアの前には明日香の前上司である横田が立っていた。彼は警護課の課長だ。</p>

<p>明日香は車の横に立ち、辺りを見回した。一年ぶりの官邸だった。</p>

<p>バンの後部ドアが上がり、車椅子が出てくる。</p>

<p>明日香は車椅子を押して官邸に入った。その後にＳＰの麻衣子が続く。</p>

<p>「あとで俺の部屋に来てくれ」</p>

<p>横田が小声で言う。</p>

<p>「今でいいわよ。私は総理と会わなきゃならないから」</p>

<p>新崎が明日香と横田に向かって言う。身体と目が不自由になって、耳が良くなったと笑いながら言ったと聞いたことがある。</p>

<p>麻衣子が明日香に目配せをして車椅子の背後に来た。</p>

<p>明日香は横田について、官邸のＳＰ控室に行った。懐かしさと共にある種の苦しさを覚える。いつも心の外に排除しようとしているモノだ。</p>

<p>「警護なんて技術以上に覚悟の問題だ。躊躇なく対象の弾避けになれるか」上司の高見沢の言葉だ。「ためらうな、躊躇（ちゅうちょ）するな」高見沢は繰り返した。</p>

<p>しかし今は、「躊躇なく銃の引き金が引けるか」と言う言葉が重くのしかかっている。明日香はそれに対する答えが怖かった。</p>

<p>「懐かしいか。立川の交番勤務が好きだと言っているそうだが」</p>

<p>明日香は答えられなかった。自分でも本音かどうかわからない。だがこの一年、銃に手をかけることはなかった。</p>

<p>横田はテーブルにファイルを置いた。目は見ろと言っている。</p>

<p>開くと写真と英文の書類が入っている。</p>

<p>「殺害予告だ。アメリカと日本に同時に来た」</p>

<p>「プリンセスのですか」</p>

<p>思わず出た言葉だ。プリンセスは新崎総理の符牒だ。現在の公式の立場は、新崎前総理で、エンカと呼ばれている。何かの折りには、演歌を歌い出すことから付いた。</p>

<p>「新崎前総理だ。本人は大騒ぎしなくてもいいというが、最善を尽くすべきだ」</p>

<p>横田は明日香を見ている。反応を観察しているのだ。</p>

<p>「信頼性は高いのですか」</p>

<p>「今までの総理にはなかったことだ。退任後、それもアメリカまで行って、狙われるってことは」</p>

<p>それだけ影響力が強かったということです。明日香はその言葉を呑み込んだ。</p>

<p>「失敗はできない。しかし初めての経験なのでデータはない、ということですね」</p>

<p>「まあ、そういうところだ。本人はお前が来てくれれば問題ないと言っている」</p>

<p>明日香の脳裏には様々な顔が浮かんでいる。去年の首都襲撃はアラブの過激派と、元赤色戦線の生き残りが中心だった。アケミという女性がまだ見つかっていない。</p>

<p>イスラム過激派に資金提供を打ち切った国も多い。新崎が狙われる理由には事欠かない。</p>

<p>「横田課長は行かれるんですか」</p>

<p>「現役総理の警護が優先される」</p>

<p>行かないということだ。新崎はすでに過去の人なのだ。</p>

<p>「私は渡米を中止すべきだと思います。まだ捜査一課の捜査は続いています。山仲明美や大塚浩二の遺体も見つかっていません。これだけ探しても特定できないとなると――」</p>

<p>明日香は言葉を止めた。逃亡した可能性もある。東京中が混乱していた。横田もその可能性は十分考慮しているはずだ。</p>

<p>「新崎先生はイスラム過激派からも敵と見なされています」</p>

<p>「おまえは本気で渡米を中止できると思っているのか」</p>

<p>「一応、言っただけです。アルフレッド大統領の意向と聞いています。新崎先生もテロ集団に弱みは見せないでしょう」</p>

<p>「情報は入っているんだな。ルートは色々あるだろうから」</p>

<p>明日香には池田が定期的に、警視庁の様子を知らせてきた。彼は捜査一課の若手刑事だ。捜査二課の富川も興味のありそうな情報をかってに知らせてくる。彼とは警察学校で同期だった。</p>

<p>「スーザンはどうしてる」</p>

<p>横田が思いついたように聞いてきた。必ず聞いてくると思っていた。かなり知りたいはずだ。</p>

<p>「月に何度か話しています。話すのは季節についてとお互いの現在の仕事、私は交番勤務についてだけです」</p>

<p>「新崎元総理の国連演説については」</p>

<p>「私は初めて聞きました。彼女は知っているはずですが、私を気遣って話には出さなかったのでしょう」</p>

<p>「アメリカ側の対応も分かれば聞いてみてほしい」</p>

<p>明日香は頷くしかなかった。スピーチについて聞くと当然、エリーゼの話も出てくる。</p>

<p>「出発はいつですか」</p>

<p>「来週だ。あまり時間がない。今夜、よく読んでおいてくれ」</p>

<p>横田はファイルを手渡した。「ニューヨーク国連スピーチ警備計画」のタイトルがついている。</p>

<p>「これから警視庁に戻る。一緒に来てくれ。新崎前総理の了解は取ってある」</p>

<p>明日香の返事を待たずに立ち上がり、歩き始めている。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NY.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 01 Oct 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[高嶋哲夫（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>クマとの“共存“とは？専門家が説く「人間とクマの正しいすみ分け」  山﨑晃司、小池伸介</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15010</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015010</guid>
			<description><![CDATA[クマによる市街地への侵入を防ぎつつ、その生息地を守るには、具体的にどのような対策が必要なのか？東京農業大学名誉教授の山﨑晃司氏とツキノワグマ研究者で東京農工大学大学院農学研究院教授の小池伸介氏が解説します]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="管理強化エリアのイメージ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji5.jpg" width="1200" /></p>

<p>クマとの「共存」とは、人間とクマが同じ場所で暮らすことではありません。人身被害を防ぎながらクマの地域個体群を守るには、人間の生活圏とクマの生息域を明確に分け、その間に適切な緩衝地帯を設ける「ゾーニング管理」が重要です。</p>

<p>では、市街地への侵入を防ぎつつ、クマの生息地を守るには、具体的にどのような対策が必要なのでしょうか。<br />
ツキノワグマ研究者で東京農工大学大学院農学研究院教授の小池伸介氏が、環境整備や個体数管理、追い払いによる学習など、人間とクマの適切な距離を取り戻すための考え方を解説します。</p>

<p>※本稿は、山﨑晃司・編著『クマに出遭ってしまったら？&nbsp;』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人間とクマのすみ分けをはかる</h2>

<p>クマと人間が同じ場所で生活することはできません。クマとの共存を実現するためには、地域のクマの生息状況や生息環境、人間活動などをふまえて、クマがすむエリアと人間がくらすエリアを空間的にはっきりと分けることが必要です。人間の生活圏からクマを取りのぞき、クマと人間との距離を引き離すため、地域を区分するのです。</p>

<p>地域を区分することをゾーニングといい、各エリアのそれぞれの目的のもとでさまざまな施策を実施していくことをゾーニング管理といいます。環境省のクマ類特定計画ガイドラインでは、地域を「排除エリア」「管理強化エリア」「緩衝地帯」「コア生息地」の4つに分けています。実際のクマ管理では、人間が活動するエリアでの人身被害および農林水産被害などのトラブルをできる限り減らしつつ、クマの地域個体群を保護していくことを目的にゾーニング管理を行なっていくこととなります。</p>

<p>【排除エリア】<br />
排除エリアとは、市街地や農耕地など、人間の活動が優先される地域です。排除エリアに侵入したクマは捕獲するなどして速やかに排除を行ないます。一方で、農作物などクマを引き寄せるものの管理、農耕地などへの電気柵の設置といった被害を防ぐ対策がとられます。また、市街地の内部にまでクマが入ってくるのを防ぐため、森林からのびる林や河川敷などの緑地の樹木を伐採したり、草木や雑草、やぶを定期的に刈払いしたりして、クマが身をひそめられる場所をなくす対策も重要です。</p>

<p>【管理強化エリア】<br />
管理強化エリアとは、排除エリアにとなりあう地域です。排除エリアへクマが侵入するのを防がなくてはなりません。排除エリアでの出没や被害の発生前であっても、捕獲などの対策を積極的に行なうことで、排除エリアで人間とクマの対立が起こらないようにすることが目標です。</p>

<p>【緩衝地帯】<br />
緩衝地帯とは、クマの生息地のうち、後述するコア生息地を除いた地域です。人間の生活エリアとクマの生息地の中間にあたります。目標数に向けてクマの個体数を管理するとき、まずは管理強化エリアでの捕獲を行ないますが、緩衝地帯でも捕獲を行なうことができます。</p>

<p>【コア生息地】<br />
コア生息地とは、地域個体群といってその地域にくらすクマの集団が安定的に命をつないでいけるように守っていくエリアです。行政区域にとらわれず、都道府県の枠を越えて確保していくことが重要となります。たとえば、国指定鳥獣保護区特別保護地区や自然公園法に基づく国立公園など自然公園の特別保護地区および第一種特別地域等をコア生息地としています。大量出没がみられるようになった2000年代より前からクマが生息していたなど、昔からのクマの生息地と考えられる地域をコア生息地として確保することが望ましいでしょう。なお、地域個体群を安定的に保ち続けるのに必要なクマの個体数は、緩衝地帯とコア生息地の両方で確保することとなります。</p>

<p>【POINT】<br />
▼人間がくらすエリアとクマのすむエリアをはっきり分けることが、共存につながる。<br />
▼クマの地域個体群を守るには、都道府県の垣根を越えた取り組みが重要。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>クマにとって居心地がよくない環境をつくる</h2>

<p>クマがくらすコア生息地、緩衝地帯を取り囲むように管理強化エリアを設けることで、人間のすぐとなりにクマが日常的に存在することのないようにします。クマのくらすエリアと人間の生活エリアを完全に隔てられればよいのですが、現代においてそれは現実的ではありません。管理強化エリアをどのように設け、どのような方法で保っていくかが、ゾーニング管理に欠かせないポイントです。</p>

<p>管理強化エリアにクマがいない状況をつくりだすには、そのエリアをクマにとって生息しにくい場所にすることがポイントです。樹木を伐採し、雑草などの下草を定期的に刈払いし、クマの隠れ場となるやぶや背の低い草木も刈り取って見通しのよい森にするといった方法が考えられるでしょう。森を人工的に管理すれば、日頃から手入れを行なうために頻繁に人が行き来することになり、クマにとってはますます居心地のよくない場所となることが期待できます。そして、大切なのは、その状態を保ち続けることです。どういった体制や制度で、森の管理を続けていくかを検討する必要があるでしょう。</p>

<p>【POINT】<br />
▼見通しをよくし、クマが隠れられない森にする。<br />
▼森を人工的に管理し、人が頻繁に行き来する状況をつくる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>クマに危険な場所だと学習させる</h2>

<p>クマにとって居心地のよくない生息環境を用意するのと同時に、実際のクマの出没や被害発生前であっても、管理強化エリアでは積極的な捕獲を行なうことで、排除エリア周辺に生息するクマの数をできる限り低密度にする必要があります。いつ発生するかわからない出没や被害を未然に防ぐことがこの地域での捕獲の目的です。</p>

<p>わなを集中的に設置するなどして、一気にクマを捕獲していくことも選択肢となるでしょう。たとえば、最初の数年間は箱わなを使って集落周辺のクマを徹底的に捕獲し、密度を限りなく下げて、分布を山側に押しやるようなイメージです。</p>

<p>しかし、いつまでもわなに頼り続けるだけでは、効率的な管理強化エリアの維持にはつながりません。クマの空白地帯ができれば、また別のクマが入ってきます。食物で誘引するわなでは、管理強化エリアへとクマを引き寄せ続けることになります。延々と捕獲をくり返すだけでは、コア生息地のクマを獲り尽くすまで終わりはありません。また、わなで捕獲しても、その個体がいなくなるだけで、ほかのクマは何も学習しないでしょう。そのため、クマの個体数が減ってきたら、わなで捕らえる方法ではなく、たとえば積雪期に足跡を追う猟や訓練されたイヌを使って追いかける方法に切り替えるなど、捕獲方法もあわせて検討する必要があります。追いかけられて逃げる経験をし、「管理強化エリアは危険だ」と学習することで、クマと人間との間の緊張関係を再構築できる可能性があるのです。</p>

<p>クマにとって生息しにくい環境づくりやわなによる個体数管理をハード面の対策とすると、銃やイヌを使った追い払いは、人間や管理強化エリアへのクマの警戒心を高めるためのソフト面の対策ともいえます。両面からのアプローチで管理強化エリアを確実なものにしていくことができるでしょう。</p>

<p>【POINT】<br />
▼積極的な捕獲でクマの個体数を調整する。<br />
▼イヌを使った銃猟などで管理強化エリアは危険だと学習させる。</p>

<p>［執筆者］<br />
小池伸介（こいけ・しんすけ）<br />
ツキノワグマ研究者／東京農工大学大学院農学研究院教授<br />
1979年、名古屋市生まれ。東京農工大学大学院連合農学研究科修了。博士（農学）。専門は生態学。主な研究対象は、森林生態系における生物間相互作用、ツキノワグマの生物学など。現在は、東京都奥多摩、栃木県、群馬県の足尾・日光山地、神奈川県丹沢山地などでツキノワグマの生態や森林での生き物同士の関係を研究。著書に『クマは都心に現れるのか？』（扶桑社）、『クマが樹に登ると』（東海大学出版会）など。2024年よりNGO日本クマネットワークの代表も務める。</p>

<p>［編者］<br />
山﨑晃司（やまざき・こうじ）<br />
茨城県自然博物館館長　東京農業大学名誉教授<br />
1961年東京都調布市出身。 森林動物生態学が専門。東京農工大学連合大学院博士（農学）。ザンビア国立公園局野生動物調査官、東京都高尾自然科学博物館学芸員、茨城県自然博物館首席学芸員、東京農業大学地域環境科学部教授を経て、茨城県自然博物館館長。元日本クマネットワーク代表、元International Association for Bear Research and Management 理事、IUCNクマ専門家委員会委員、東京都自然環境保全審議会鳥獣部会長、千葉県環境審議会鳥獣部会長、環境省鳥獣保護管理プランナーなどを務める。著書に『日本のクマ』（東京大学出版会・共編著）、『ツキノワグマ　すぐそこにいる野生動物』（東京大学出版会）、『ムーン・ベアも月を見ている』（フライの雑誌社）、『クマとともに』（東京大学出版会・共著）など。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji5.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 01 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山﨑晃司、小池伸介]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「報復捜査」 第５回　安東能明  安東能明（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14930</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014930</guid>
			<description><![CDATA[連載小説「報復捜査」 第５回。殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="報復捜査" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" /></p>

<p>殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第５回</h2>

<p>３</p>

<p>目が覚めたとき、天井が白かった。</p>

<p>寮の天井だ、と伊場（いば）はすぐに気づいた。それだけの余裕はあった。問題は、その先だった。昨夜横になったはずが、いつ眠ったのか覚えがない。夢は見なかった。夢も見られないほど深く落ちていたのか、それとも夢を見たが忘れたのか。</p>

<p>時計を見ると、午前六時四十分だった。</p>

<p>伊場は起き上がり、シャワーを浴びた。湯を頭から被りながら、昨日の監察の問答を反芻（はんすう）した。抑揚（よくよう）のない垣内（かきうち）の声が蘇る。問い続けたのは伊場の行動と判断だけで、小暮（こぐれ）の側の不可解さには、一度も触れなかった。なぜ単独取調だったのか。なぜ警報ボタンが鳴らなかったのか。なぜ公安の刑事が拳銃を持っていたのか。それらはすべて、問答の外に置かれたままだった。</p>

<p>シャワーを止める。</p>

<p>湿気を吸って重くなったグレーのコットンＴシャツに、黒の綿パンツを履いた。</p>

<p>きょうから一週間、職務停止となる。</p>

<p>一階の食堂は、午前六時半に開く。</p>

<p>伊場が降りると、すでに数人が席についていた。吉祥寺署の同僚も何人かいる。テレビが朝のニュースを流している。音量は絞られていたが、昨日の事件の映像が流れているのが見えた。伊場は視線を逸らした。</p>

<p>盆に定食を載せて、端の席に座った。白飯、味噌汁、焼き鮭。どれも味がするのかどうか、わからなかった。噛んで飲み込む。</p>

<p>ふと、視線を感じた。</p>

<p>斜め向かいの席に、清川（きよかわ）がいた。伊場と目が合った瞬間、清川はすっと視線を外し、味噌汁に目を落とした。</p>

<p>その素振りが、引っかかった。</p>

<p>昨夜の霊安室の廊下でも同じだった。清川は何か知っているような感じで言いかけて、やめていた。</p>

<p>伊場は盆を持って立ち上がり、清川の隣の席に移った。</p>

<p>「清川」</p>

<p>つとめて小声で言った。清川は顔を上げず、箸を持ったまま固まった。</p>

<p>「昨夜は、すまなかった。急に訊いたりして」</p>

<p>「いえ、昨日は大変でしたね」</p>

<p>どこか他人ごとのように聞こえる。</p>

<p>「あまりニュースになっていないな」</p>

<p>「箝口令（かんこうれい）が出てますから」</p>

<p>それはそうだろう。</p>

<p>「おまえ、現場では屋上にいたか？」</p>

<p>「いえ、一階の警戒でした」</p>

<p>「銃撃は見てないか？」</p>

<p>「見てません。どうだったんですか？」</p>

<p>「驚いたよ、おれも」</p>

<p>言葉を濁した。</p>

<p>現場で起きたことを知る人間は少ないようだ。</p>

<p>「きょうは宿直だったな？」</p>

<p>伊場が話題を変えると、ようやく清川は目を合わせた。</p>

<p>「そうでした。忘れてました」</p>

<p>「その調子でいけよ。今晩は平穏だ」</p>

<p>清川はまんざらでもないという顔でうなずいた。</p>

<p>「でな、阿久津（あくつ）の件、最初は生安の取り調べだったろ」つい、伊場は口にしていた。「実際どこまで立件できる案件だった？」</p>

<p>「不法就労助長としては普通に悪質ですよ。中国人留学生を〝二十八時間超え〟で回してた。深夜帯も入ってたし」</p>

<p>「留学生も立件？」</p>

<p>「ケース次第です。ただ今回は、学生よりブローカーの阿久津が本丸でした」</p>

<p>「店側は？」</p>

<p>「店主は〝留学生とは知らなかった〟〝掛け持ちは知らなかった&rdquo;で押し通してました」</p>

<p>「それで通るのか？」</p>

<p>「在留カード確認義務があるんで、完全には無理ですね。ただ、二十八時間超えを認識してたか、となると別です」</p>

<p>「実際は知ってた？」</p>

<p>清川は苦笑した。</p>

<p>「夜中まで働かせて、知らないわけないでしょう」</p>

<p>「つまり、そこまで大事件じゃない」</p>

<p>「ええ。店主も学生も、たぶん書類送検で終わりだったはずです。阿久津にしたって、せいぜい罰金刑だったでしょう。普通なら、こんな大騒ぎになるような件じゃない。阿久津が死んで、この件は処分保留で終わりです」</p>

<p>「摘発のきっかけは？」</p>

<p>「同業者のタレコミです。匿名で」</p>

<p>伊場は腕を組んだ。</p>

<p>「そんな軽微な案件に、どうして小暮」伊場は言葉を改めた。「ソトニが首を突っ込んできた？」</p>

<p>「公安って事大主義ですから、放っておけなかったんですよ」</p>

<p>「そんな程度か......」</p>

<p>「決まってるじゃないですか」</p>

<p>「調書を見たいな」</p>

<p>清川が一瞬、食堂を見回した。誰も、こちらを見ていない。</p>

<p>「いいですけど、うちの分だけですよ。外事のはないです」</p>

<p>「いいよ。できたら、留置人名簿と接見簿、それと看守日誌も」</p>

<p>「そんなもの見て、どうするんですか？」</p>

<p>「こっちはこれから一週間やることがない。それを見てせいぜい暇をつぶすさ」</p>

<p>清川が肩をすくめてうなずいた。</p>

<p>飯は、半分ほど残した。</p>

<p>午前九時過ぎ、伊場は官舎を出た。ふだんどおり、バスと徒歩で、九時半には吉祥寺署の裏口に立っていた。空は低く、雲が厚い。雨はまだ落ちていないが、遠からず来るだろう。半袖では少し肌寒かった。</p>

<p>警務課に電話を入れ、入船（いりふね）を呼び出した。入船は拳銃担当だ。相手はすぐ出た。</p>

<p>「伊場です。いま、署の裏口にいます。ちょっとだけ、来てもらえませんか。昨日の件で、ひとつだけ確認させてください」</p>

<p>電話の向こうで、入船が短く答えた。すぐ行きます。それだけだった。</p>

<p>三分後、裏口の扉が開いた。</p>

<p>入船光男（みつお）。三十代前半、警務課の拳銃管理担当。几帳面な男で、書類仕事が得意だという印象がある。顔色は悪かった。ファイルを携えている。</p>

<p>「伊場さん、職務停止中でしょう。自宅に戻ってください」</p>

<p>声が固い。言葉に気持ちがない。</p>

<p>「二分でいいから聞いてよ」</p>

<p>「困ります」</p>

<p>「小暮に拳銃を回したのは、あなたか」</p>

<p>入船の喉が動いた。周囲をうかがう目に、隠しきれない怯えがある。</p>

<p>「......小暮さんが警務課に来たのは、阿久津が逃げた直後です。通常の一時貸与の手続きを踏む時間なんて、ありませんでした。でも、これを見てください」</p>

<p>入船が差し出した貸与簿の承認欄に、曽我厚志（そがあつし）のサインが、掠れたボールペンで殴り書きされていた。</p>

<p>「副署長の直決です。署長の決裁は後回しでいい、おれが全責任を持つ、と。副署長が、直接そう指示されたんです」</p>

<p>「本部への照会も、上位者の複数承認も飛ばして、ですか」</p>

<p>「......非常時でした。被疑者が逃げて、人質を取った。一刻を争う、と。わたしは、拒めませんでした」</p>

<p>伊場はじっと書類を見た。拳銃の一時貸与は、通常、厳格な手続きを要する。本部への照会、上位者の複数承認、理由の明示。それが、副署長の一筆で完結している。</p>

<p>「小暮は、なんと言って申し出たんですか」</p>

<p>「......『被疑者を逃がしたのはわたしの責任です。現場に急行します。拳銃を貸与してください』と言ったそうです。副署長から直接聞きました」</p>

<p>急行、という言葉が耳に残った。</p>

<p>責任を取りに行く。それが、小暮の言い分だったのか。</p>

<p>「曽我副署長は小暮の事案について、気にかけていたんですか？」</p>

<p>入船の表情が、わずかに揺れた。言いたくない、という気配だった。伊場は黙って待った。</p>

<p>「......これは、わたしが直接見たわけじゃないですが」</p>

<p>「聞かせてください」</p>

<p>「阿久津の取り調べ中、何度か隣室に来てモニターを見ていたという話は聞きました」</p>

<p>伊場は、すぐには答えなかった。</p>

<p>副署長が、公安の取り調べを見ていた......。</p>

<p>「副署長がそう言ったんですか？」</p>

<p>「それは......」</p>

<p>入船は、首を横に振った。言い過ぎた、という顔だった。</p>

<p>「すみません。これ以上は。ほんとに、帰ってください」</p>

<p>入船は顔を強ばらせたまま、裏口の扉を押して中に入った。扉が閉まる寸前、一度だけ振り返って、何か言いたそうな目をした。しかし、言葉は出なかった。扉が閉まり、金属のラッチが噛む音がした。</p>

<p>伊場は、しばらくその場に立っていた。</p>

<p>副署長が取り調べを覗いていた。それは何を意味するのか。曽我は公安畑の人間ではないはずだ。それでも、逃走前から、阿久津の取り調べに関心を持っていた。公安の小暮が何を引き出しているか、確かめようとしていた。それとも、小暮を監視していた？</p>

<p>考えながら歩き出した。</p>

<p>吉祥寺署は五日市（いつかいち）街道ぞいにある武蔵野八幡宮の西隣にある。署から阿久津が逃走したと思われるルートをたどった。八幡宮交差点から吉祥寺通りを駅方向へ進んだ。コンビニとホテルに挟まれた路地を西にとる。五十メートルほどで四階建ての雑居ビルに行き着いた。一階には無機質なコインランドリーと、看板の剥（は）げかかった雀荘が入っている。排気ガスと湿気で黒ずんだコンクリート造の壁には、消費者金融や塾のポスターが隙間なく貼られていた。</p>

<p>二十四時間前、この薄汚れたビルの屋上で、小暮は死んだ。</p>

<p>吉祥寺通りの喧騒から離れて、沈んだ空気が流れている。錆（さ）びた非常階段が剥（む）き出しになったビル群の隙間で、六月の重い空がどんよりと濁っていた。</p>

<p>入口に貼られた立ち入り禁止のテープを見つめた。中には入らなかった。入る理由もない。ただ、ここに来ずにはいられなかった。</p>

<p>見上げると、屋上のフェンスが見えた。あの場所に、阿久津がいた。人質の女児がいた。小暮もいた。自分も。</p>

<p>伊場は、目を閉じた。</p>

<p>屋上のことを、また思い出した。小暮が射線上に現れた。「撃つな」と叫んだ。それから、銃を構えた。あの銃口が、自分に向いていた。本気だと思った。だから、撃った。</p>

<p>だが、本当に本気だったのか。</p>

<p>考えかけて、伊場は首を振った。考えたところで、何になる。撃ったのは自分だ。小暮は死んだ。それが、すべてだ。確かめる術（すべ）はもうない。</p>

<p>携帯を取り出しかけて、伊場は止まった。</p>

<p>昨日、自分は小暮を撃った。その手応えが、まだ右手のどこかに残っている気がした。圭子（けいこ）に、連絡しなければ。そう思いはした。だが、できなかった。どんな顔をして、何を言えばいいのか。あなたの夫を撃ったのはおれです。そう言うべきなのか。言えるはずがなかった。指が画面の上で止まったまま、動かなかった。</p>

<p>そのとき、携帯が震えた。</p>

<p>画面に「小暮圭子」と表示された。</p>

<p>伊場は息を止めた。</p>

<p>着信音が鳴り続ける。手のひらの中で、携帯が震え続ける。出るべきか。出て、何を言う。出ないという選択も頭をよぎった。だが、それはあまりに卑怯（ひきょう）だった。</p>

<p>三度目の震えで、伊場はこわごわ画面に触れた。</p>

<p>「......もしもし」</p>

<p>声がかすれた。</p>

<p>「伊場くん」</p>

<p>圭子の声は、思ったより落ち着いていた。それがかえって、伊場の胸を締めつけた。</p>

<p>「あの......会って話したいの。きょう、これから来てもらえる？」</p>

<p>伊場はすぐに答えられなかった。</p>

<p>心臓が激しく打っていた。会う。圭子と。夫を撃った男が、その妻と向き合う。耐えられるのか。</p>

<p>だが、断ることもできなかった。</p>

<p>「......わかりました」と、どうにか声を絞り出した。「これから行きます」</p>

<p>電話を切ったあとも、しばらく動けなかった。手のひらに汗がにじんでいた。</p>

<p>署に戻る道すがら、増井の携帯に電話をかけた。強行犯係の同僚だ。幸い、増井は署にいた。</p>

<p>「悪い、頼みがある。捜査用車の鍵を、裏口まで持ってきてくれないか」</p>

<p>電話の向こうで、増井が息を吐いた。</p>

<p>「伊場さん、職務停止中でしょ」</p>

<p>「私用だから」</p>

<p>「捜査車両は困りますよ。上に知れたら」</p>

<p>「黙っといてくれ」</p>

<p>また沈黙。それから、増井が「まったく」と言った。</p>

<p>十分後、裏口に増井（ますい）が現れた。迷惑この上ない、という顔で鍵を差し出した。</p>

<p>「無茶しないでくださいよ」</p>

<p>「ありがとう」</p>

<p>伊場は鍵を受け取り、管理札を見て、該当する車種を探した。シルバーのシルフィを見つけた。ガソリン残量を確かめてから署を出た。</p>

<p>武蔵野市西久保（にしくぼ）にある西窪（にしくぼ）住宅に住んでいる。車ならすぐだ。</p>

<p align="right">〈つづく〉</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 30 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安東能明（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「目覚めが悪い」「頭が重い」は水分不足のサイン?　1日を気持ちよく始める4つの習慣  堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15107</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015107</guid>
			<description><![CDATA[朝がつらいと感じている人たちは、朝にたくさんの小さな選択を強いられているから――そう語る言語学者の堀田秀吾が、朝の悩みを減らすための4つの習慣を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="堀田秀吾著『心理学×脳科学×行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamibedW.jpg" width="1200" />「今日は何を着ていくか」「今日やるべきことは何か」――こうした一つひとつの小さな選択が積み重なって悩みとなり、朝一番の充電満タンな脳を疲れさせてしまいます。「朝から何だかつらい...」と感じている人は、現在の習慣を見直すことが大切かもしれません。本稿では、言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さんに「朝の負担を減らす4つの習慣」を紹介していただきます。</p>

<p>※本稿は、堀田秀吾著『心理学&times;脳科学&times;行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>寝る前に明日必要なものを机に並べておく</h2>

<p>寝る前の5分間、明日やることの段取りを先回りして考えてみてください。明日着る服、午前中のスケジュール、移動ルート、持ち物のチェック......こういったことを夜のうちに済ませておくだけで、翌朝をスッキリとした状態で迎えることができます。なぜなら、朝の悩みの9割は「目覚めた直後に押し寄せる無数の細かい選択」だからです。</p>

<p>人の選ぶ力には限りがあり、選べば選ぶほど脳は疲れていきます。朝の脳はいわば充電が満タンの状態です。その貴重なリソースを着る服や朝ごはんの選択に使ってしまうのはもったいないことです。</p>

<p>コンスタンツ大学のゴルウィッツァーは、「人が目標を達成できないのは意志が弱いからではなく、いつ・どこで・どう動くかを前もって決めていないからだ」と指摘しました。「明日の朝7時に起きたらすぐにこの服を着る」というふうに、行動の引き金と動作をセットで決めておく。これを「イフ・ゼン・プランニング（実行意図）」と呼びます。</p>

<p>ゴルウィッツァーとシェフィールド大学のシーランが94件の研究データを統合した分析では、イフ・ゼン・プランニングをしたグループと、ただ目標を立てただけのグループを比べたところ、目標達成率に中程度から大きい範囲の差が現れました。つまり、漠然と「早起きしよう」と思っているだけの人より、前夜に動作まで決めた人のほうが実際に行動に移せる確率が一段と高くなるのです。</p>

<p>服を選ぶ、持ち物を準備する、予定を確認する......こうした単純な選択であれば、多少疲れた脳でも十分にこなせます。</p>

<p>たとえば、明日必要なものを机の上にひとまとめにしておくだけでも、翌朝の「探す」という動作がひとつ消えます。こうした前夜のわずかな先回りが、朝の貴重な脳の資源を本当に大切なことのために残しておいてくれるのです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・前夜5分で明日の準備を完了させる</p>

<p>・「もし○○なら△△する」と行動のきっかけを決めておく</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>起き抜けにコップ1杯の水を飲む</h2>

<p>朝、目は覚めているのに頭も気分もどんよりと重い。仕事のことを考えるだけで気が滅入る。そんな朝のしんどさの原因は、性格でも寝不足でもなく、もしかしたら「水分不足」にあるかもしれません。</p>

<p>眠っている数時間、私たちは水を一滴も飲んでいません。それでいて呼吸や汗で水分は出ていく一方です。つまり起き抜けの体は、1日のうちで一番水分が減っているタイミングです。コーヒーで無理やり頭を叩き起こす前に、まず見直したいのは水なのです。</p>

<p>コネチカット大学のアームストロングらは、脱水することで何が起こるのかを確かめています。健康な若い女性25人に、8時間がかりの実験へ3回参加してもらいました。運動で汗をかいて水分を軽く減らす日、運動に加えて利尿剤を使う日、そして十分に水分をとる日を設定し、水分の条件だけを入れ替えて、気分や集中の変化を細かく測り比べました。</p>

<p>ただし「脱水」といっても減った量は体重の1.36％ほどです。ふらつくほどの脱水ではなく、忙しい日常の中では気づかないうちに起こりうる程度の目減りです。</p>

<p>その程度の脱水でも目に見える変化がありました。水分が減った日には活気が落ち、疲労感が増し、気分の乱れが全体として大きくなりました。さらに目の前の課題は実際より難しく感じられ、集中はしにくくなり、頭痛の訴えも増えました。</p>

<p>一方で、計算や記憶といった認知テストの成績そのものはほとんど落ちませんでした。つまり能力はまだ残っているのに、気分が先に低下したのです。</p>

<p>起きたらまずコップ1杯の水を飲むのを朝の習慣にしましょう。歯を磨く前でも、カーテンを開ける前でもかまいません。とにかく「起きる」という行為の直後に、水を飲むという動作をセットにしてしまうのがコツです。</p>

<p>冷たい水がつらい季節は白湯でかまいません。コーヒーはそのあとでいいのです。量も厳密でなくて大丈夫で、まず1杯、飲めるならもう半分ほど。家族の分までついでに注いでおけば、朝の食卓の支度がひとつ片づきますし、飲みながら窓の外を眺める数十秒は、そのまま小さな深呼吸の時間にもなります。</p>

<p>逆に、コップを用意する一手間を惜しむと、忙しい朝では簡単に抜け落ちてしまう習慣でもあります。前夜のうちに、水を注ぐコップを用意しておく。それだけで、翌朝の行動はほとんど自動的に決まります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・前の晩に水を置く場所を決めておく</p>

<p>・コーヒーは水を飲んだあとに回す</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>SNSは朝開かない</h2>

<p>目覚ましが鳴り、半分眠ったままスマホに手を伸ばす。SNSを開けば誰かの自慢話や炎上、見知らぬ人の不幸などが脈絡なく一気に飛び込んできます。数分後にスマホを置いたとき、なぜか心が少し重くなってしまっている......よくある光景ですが、科学的に見ると朝の過ごし方としては最悪の部類に入るルーティンです。</p>

<p>SNSは無数の小さな判断と感情を一気に呼び起こす装置です。情報量も膨大です。流れてくる情報の一つひとつに脳は無意識に反応し、その繰り返しで判断力は少しずつ削られていきます。</p>

<p>ペンシルベニア大学のハントらは、学部生143人を２つのグループに分けて3週間の実験を行いました。一方のグループには、フェイスブック・インスタグラム・スナップチャットの利用を1日10分ずつ、合計30分以内に制限してもらいました。</p>

<p>3週間後に心の状態を測定したところ、SNSを30分に制限したグループでは、孤独感と抑うつの度合いが統計的に明らかな低下を見せました。特にもともと抑うつ傾向の高かった人ほど改善幅が大きく、SNSを見ない時間を作ることが心の健康に結びついたのです。</p>

<p>朝のSNSがやっかいなのは、自分で選んだ感情ではなく、一方的に差し出された感情で1日を始めてしまうことです。対策としては、意志の力より物理的な仕組みが有効です。アプリをホーム画面の目立たない場所に移す、起きてから身支度が終わるまでスマホを別の部屋に置いておく。これだけでもSNS を開きたくなる衝動は大きく弱まります。</p>

<p>代わりに、窓を開けて空気を入れ替えたり、白湯を1杯飲んだり、家族の顔を見て一言交わす。そうやって自分自身の感覚で1日を始める時間をほんの少しだけ確保するのです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・スマホを枕元に置いて寝ない</p>

<p>・SNSアプリをホーム画面の1枚目から外す</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>服・食事・通勤経路を固定する</h2>

<p>スティーブ・ジョブズが毎日同じ黒のタートルネックを着ていたのは有名な話です。マーク・ザッカーバーグも灰色のTシャツばかりで会議に出てきます。彼らはおしゃれに無関心だったわけではなく、創造性のために頭の容量を空けておく戦略をとっていたのです。</p>

<p>自己制御力には限界があると、長らく考えられてきました。ミネソタ大学のヴォースらは、たくさんの選択をさせられたグループと、ただ商品を眺めるだけのグループを比べる実験を4回くりかえしました。</p>

<p>色・香り・デザイン・組み合わせなどを次々に選ばされたグループは、その後の我慢比べの課題でも難しい計算問題でも、目に見えて成績が落ちました。氷水に手を浸ける耐久時間が短くなり、課題の途中であきらめる人も増えたのです。「決断疲れ」と呼ばれる現象です。</p>

<p>ここで大事なのは、服や朝食を固定することが「考えるのをやめる」ことではないという点です。むしろ、朝一番の限られた意志の力をどこに使うかを選び直しているのです。</p>

<p>服選びに使うはずだった判断力を仕事の優先順位づけや子どもへの声かけに回す。同じ量の意志の力でも、使い道を変えるだけで1日の中身は変わってきます。固定するという行為は、選ばないことではなく、選ぶ場所を変えることだと考えてみてください。</p>

<p>例を使って考えてみましょう。毎日選んでいるものをあらかじめ「仕組み」として決めてしまいます。ここでは特に効果が出やすい服・朝食・通勤ルートの3つで具体的に見ていきましょう。</p>

<p>・服：平日の服を3パターンに固定し、考えなくても身支度ができる仕組みをつくります。月曜はベーシックなシャツにパンツ、火曜はセットアップというようにパターン化しておきます。おしゃれを楽しむ時間は、週末に集約させればいいのです。</p>

<p>・朝食：メニューをあらかじめ2択程度に絞り込み、毎朝「何を食べるか」考える時間自体をなくしましょう。オートミールとヨーグルト、トーストと卵焼きなどと固定化すれば、冷蔵庫の前で立ち尽くす時間がなくなります。</p>

<p>・通勤ルート：駅までのルートを1本に固定します。「今日はどのルートにしようか」「ホームのどの位置に並ぼうか」という判断そのものをゼロにするのです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・平日の服、朝食、通勤ルートを固定する</p>

<p>・毎日選んでいるものを仕組み化する</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamibedW.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 30 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「淡々としていると言われる」芸人仲間をホームパーティーに招く安藤なつさんの人間関係の秘密  安藤なつ（メイプル超合金）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15033</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015033</guid>
			<description><![CDATA[頻繁に芸人仲間・友人を自宅に招いて料理を振舞うという、メイプル超合金の安藤なつさん。人間関係を良好に築くための秘訣をうかがった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="安藤なつ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260904andonatsu03.jpg" width="1200" /></p>

<p>メイプル超合金のツッコミ担当・安藤なつさん。近年は、介護に関する著書でも話題を集めています。実は無類の料理好きで、芸人仲間に手料理を振る舞うこともしばしばだそうです。そんな安藤さんが、自由な発想のオリジナルレシピを詰め込んだ初のレシピ本『安藤なつの奔放ごはん』を刊行しました。<br />
ホームパーティーをよく開く安藤さんの周りには、自然と人が集まってくるようです。今回は、安藤さんが普段の人間関係で意識していることをお聞きしました。<br />
※全3回の後編です</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>無理に人間関係を続けない</h2>

<p>――安藤さんは人との距離の取り方がお上手に見えますが、その距離感が難しいケースもたくさんある気がします。</p>

<p>【安藤】大人はみんな我慢して付き合っているんですかね。自分が子供なのかもしれないですけど&hellip;。</p>

<p>でも、嫌なことはしなくてもよくないですか？無理に一緒にいる必要はないし、相手が変わっちゃったって思ってしまうのも多分違うし。変わることなんか常じゃないですか、人間なんだし。だから修正する必要もないし、「変わったね」とか「それ違うよ」って指摘することでもないじゃないですか。なら、自分が一歩引けば良くないですか。</p>

<p>――無理に相手を変えさせようとかしないということですね。</p>

<p>【安藤】そうですね。だって変わらないですし。こっちの考えてることが理想なだけで、向こうにとっては関係ないじゃないですか。だったら一緒にいる必要はない。</p>

<p>――その人間関係の築き方は元々できていたのでしょうか？</p>

<p>【安藤】かつては来る人拒まずだったんですけど、ある時それは疲れるなと気づいて。</p>

<p>「あの人、性格悪いよ」みたいな噂話ってよく回ってくるじゃないですか。中には本当に悪い人もいるんですけど、大抵はその人と合わないだけなんだと思います。仲がいいから、性格も合うと感じる。それってストレスフリーですよね。結局、合うか合わないかなんです。その瞬間、ウマが合ってたらいいんじゃないかなと。人間関係を無理に継続させる必要はないと思います。</p>

<p>――人が変わっていくことを&quot;当たり前&quot;だと感じていらっしゃるんですね。</p>

<p>【安藤】相手から見たら、こちらが変わったと思われてる可能性も全然ありますよね。それに、その時々の調子や環境もあります。無理して合わせる必要はないかなと。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>悩みを打ち明けてくれる人を邪険にしない</h2>

<p><img alt="安藤なつ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260904andonatsu04.jpg" width="1200" /></p>

<p>――安藤さんには、困っている人を助けているというイメージがあります。もしかしてホームパーティーを開いてご飯を振舞ったり、一緒に食べたりすることは、そうした人への手当てのような意味があったりするのでしょうか。</p>

<p>【安藤】そう見えてるんですね。あまり深く考えたことがなかったです。でも、「悩んでます」って相談してきた人を邪険にはしないですね。話聞こうかって。</p>

<p>悩みを打ち明けてくれたり、本人の口から出てきたことは大事にしたいです。でも、言ってこなかったことを「なんかあったんでしょ」みたいに深追いするようなことはしないです。なんか、悩みって自分の中である程度消化しないと、言葉として出てこないじゃないですか。</p>

<p>――たしかに、覚悟がないと言えないですね。</p>

<p>【安藤】言えないですよね。本人が覚悟できてない状態で他人がいじくるところではないと思ってるんで。言ってきてくれたたことに関しては聞きます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>安藤さんの「淡々とした雰囲気」は意識して？</h2>

<p>――悩んでそうな人に、安藤さんから好奇心だけで聞くようなことはしないんですね。一方で、安藤さんにいつ来てもいいよっていう雰囲気が出ているからこそ、言えるのだと思います。</p>

<p>【安藤】淡々としてるってよく言われるんです。仮に、病気になっちゃってと言われても「ああ、そうなんだ、何の？」っていうぐらい、感情が平坦。</p>

<p>――確かに。覚悟を決めて聞いた時に必要以上のリアクションされると、あ、言わなきゃよかったって思うことってありますよね。そのお話しの仕方や、雰囲気がもしかしたら話しやすいことに繋がっているのかもしれません。</p>

<p>【安藤】なんですかね、それで楽になればいいですよね。話してくれてるなかで、相手が勝手に整理してくれていればいいなと。</p>

<p>――淡々としてる雰囲気や、必要以上にリアクションを取ったりしないのは意識されてることなんでしょうか？</p>

<p>【安藤】意識してるところもあります。例えば、街で暴れてる人がワーッ！て来て、こっちもワーッ！てなったらもう終わりじゃないですか。悩んでいる人に対しても同じですね。落ち着いて受け止めるように。</p>

<p>――反対に、そんな安藤さんがもし悩んでしまった時はどうされているんですか？</p>

<p>【安藤】一人になりますね。友人関係で悩んだ時は、関係のない別の友人と会ったりもします。でも、割と一人でボーっとした時間を過ごします。それこそ料理をしてみたりとか。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260904andonatsu03.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 30 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安藤なつ（メイプル超合金）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>中2から毎年、新人賞に応募　真門浩平さんが明かす“ミステリ作家への道”  真門浩平（作家）　</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15122</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015122</guid>
			<description><![CDATA[ミステリ作家・真門浩平さんに、最新刊『終着駅で待ち合わせ』執筆の経緯についてお話を聞きました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ミステリー小説" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_glasses.jpg" width="1200" /></p>

<p>2022年、大学4年生のときに「第19回ミステリーズ！新人賞」を受賞し、ミステリ作家としての道を歩み始めた真門浩平（まもん・こうへい）氏。短編ミステリの新人賞である同賞に初めて応募したのは中学2年生のとき。以来、毎年、同賞に応募し続けてきた。</p>

<p>受賞作を含む短編集『ぼくらは回収しない』が注目を集め、大学院修了後の現在は兼業作家として執筆活動にいそしんでいる。最新刊『終着駅で待ち合わせ』は、自身、3冊目の単行本となるノンシリーズの短編集だ。その執筆の背景を訊ねた。（取材・文＝「文蔵」編集部）</p>

<p>※本稿は、『文蔵』2026年10月号より、内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分が見た夢にミステリとの親和性を求めて</h2>

<p>――最新刊は5話を収録した独立短編集ですね。1話目の「各停十三駅分の帰り道」は電車を舞台にしたお話でしたが、なぜ電車の乗り換えを題材にした謎にしようと思われたんですか。</p>

<p>【真門】モデルとなった京王井の頭線は、大学生のときによく使っていて、乗っているときに思いついたんです。各停電車が急行電車のために駅での待ち合わせをすることがありますが、急行電車に乗っていたある乗客が、わざわざそこで降りて各停に乗り換えて、その先の急行が停（と）まる駅で降りたとしたら不思議だなと。謎としてはすごく地味なのが逆に新鮮かなと思ったんです。</p>

<p>――この一話を執筆したのは、デビューされたあとですか。</p>

<p>【真門】この一話目だけ、5年ほど前、大学生のころに原型のアイデアを思いついていて、それを大幅に書き換えたという感じですね。物語にイヤホンの音漏（も）れが関わってきますが、その音漏れを実際に聞いたりしたわけではありません。</p>

<p>ただ、イヤホンコードをバッグやネックウォーマーに巻いたりしている場面を描いていますが、そのシーンは自分が以前、そんなことをしていることがあって、謎解きの手がかりとして使ってみました。</p>

<p>キャラクターにモデルはいませんが、書き直すにあたってキャラクターの造形を変えたり、この話に合う表現を改めて追求してみたりしました。</p>

<p>――小説誌に掲載された作品もありますが、収録順は執筆順と同じでしょうか。</p>

<p>【真門】『ぼくらは回収しない』を出したあと、次の本について編集者からその作品の中の一篇に出てくる高校生二人を登場させた連作短編にするといいのでは、と言われました。そこで、「写真には写らない」を書いたのですが、この二人の話で変化をつけながら何作も書くのは難しいと思って、連作短編ではない形でまとめることにしたんです。</p>

<p>まず「写真には写らない」、次に、「各停十三駅分の帰り道」を書きました。その後に「非運の死」、「天森町は今日も雨」という順番でした。そこで編集者から「人が殺されていないミステリが続いているので、今度は殺人を書いてみましょうか」と提案されたんです。</p>

<p>それで執筆したのが「夢落ち」です。夢を題材にしたミステリを書こうというのが第一にあって、「殺人事件がいいですね」と言われたのを念頭に置きつつ、物語そのものよりは謎解きの部分を重視して書き上げました。</p>

<p>――なぜ、夢を題材にしようと思ったのでしょうか。</p>

<p>【真門】頻繁ではないですが、自分が夢を見たとき、覚えていた夢に対しては何かしら説明がつくことが多くて面白いなと。あるとき、鼻をかんでも鼻詰まりが治らないという夢を見ました。</p>

<p>そのときは現実において、実際に自分の鼻が詰まっていたんですね。だから夢の中でいくら鼻をかんだつもりになっても、現実の鼻詰まりが解消されず、夢の中でも治らなかったのでは、と思いました。</p>

<p>この出来事を作品に直接使ったわけではないですが、一見不思議だけど妙に筋が通っていることもある「夢」というものに惹（ひ）かれたのです。</p>

<p>――意外な展開が繰り広げられるといえば「非運の死」という一篇は、1月2日に地震が起きて、ある事件が起こります。能登の地震を意識して書かれましたか？</p>

<p>【真門】能登の地震の後に書いたものですが、意識はしていません。2年前の年末にプロットを作りましたが、ふだんは別の場所で暮らしている主人公が実家に戻り、家族が集まっている状況と、おみくじを引くシーンを描くという都合上この日を設定したのです。</p>

<p>「非運の死」は、一番時間がかかった作品。もともと陰謀論を題材にしたものを書きたいと思っていて、プロット自体は1、2カ月でまとめて一旦書き上げたのですが、1年ほどそのまま置いてから、読み返してかなり細かく書き直しました。</p>

<p>――作品では主人公の妹は宗教関係に、母親は陰謀論にハマってしまいます。真門さんは陰謀論に関心があったということですが、身近に信じる人がいたなど、何かきっかけがあったのでしょうか。</p>

<p>【真門】とくにそういうことはなく、ただ「陰謀論」を信じる人に興味があったんです。</p>

<p>自分は信じないけれど、信じる人が自分とは違う人間と思うのではなく、そうした人たちには何かしら「陰謀論」に納得してしまう心理があり、自分自身も実は近いものを持っているのかもしれないなと思い、ネットの記事を読んだり、どんな人が陰謀論を信じてこの世界に陥ってしまうのか、といったことをSNSで調べたりしました。</p>

<p>物事に対して「何か裏があるのでは」と疑う姿勢は、ミステリにも通じるところがあるので、題材にしてみたいと思ったんです。</p>

<p>――この作品は家族の話でもありますが、真門さん自身にはきょうだいはいますか。</p>

<p>【真門】兄がいます。家族をモデルにしたことはないですが、不思議ときょうだいが出てくる短編が多いですね。</p>

<p>中学生のころ、小説を書いて投稿していることは家族に隠していたのですが、「ミステリーズ！新人賞」に応募した際、出版社から選考結果の手紙が来てバレてしまいました。今では毎回家族にも作品を読んでもらっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>中学2年生から新人賞に応募していた</h2>

<p>――ミステリの新人賞に初めて応募したのはいつですか。</p>

<p>【真門】中学2年生です。当時、自分が中学生であることをメタ的に扱ったトリックを思いついて、中学生であるうちに投稿しないと使えなくなると思ったことが応募のきっかけです。その作品は落ちてしまったのですが、中学生特有の過剰な自信があったので、続ければ受賞できるんじゃないかと思ったんですね。</p>

<p>それから毎年応募するようになって、そう簡単じゃないとだんだん現実がわかってくるのですけど（笑）。自分の作品を客観的に見られるようになってきたころに、やっと受賞できました。</p>

<p>――「ミステリ」との最初の出合いを教えてください。</p>

<p>【真門】小学3年生のとき、学校の図書室で出会ったはやみねかおる先生の作品ですね。その影響で、実際にミステリを書いてみたりしました。そしてひと通り子供向けの小説を読み終わったあと、東野圭吾先生や米澤穂信先生の作品に出合いました。大人向けのミステリの世界への橋渡しをしてもらった気がします。</p>

<p>中学生のときにいわゆる「新本格ミステリ」にハマりました。予想を裏切られる驚きと、解決へと導くロジックの面白さに感動し、このジャンルを書いていきたいと思うようになりました。</p>

<p>――ミステリーズ！新人賞を受賞した翌年の2023年、新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」に応募し、見事に選ばれて『バイバイ、サンタクロース　麻坂（まさか）家の双子探偵』が刊行されました。</p>

<p>【真門】応募した時期は「カッパ・ツー」の方が先で、同時に選考が進んでいました。自分の好きな新本格ミステリの面白さを詰め込んだ作品です。</p>

<p>――この作品は麻耶雄嵩（まや・ゆたか）さんの影響を受けておられる気がしましたが。</p>

<p>【真門】中学生のときによく麻耶さんの作品を読んでおり、本格ミステリにのめり込むきっかけとなった作家さんなので、影響を受けていると思います。当時から使っていた「真門浩平」というペンネームは、本屋で自分の本を麻耶さんの近くに並べたくて、五十音順で「まやゆたか」に一番近いということで決めたものなんです。</p>

<p>――今はお仕事をされながら書かれていますが、執筆の状況はいかがでしょうか。</p>

<p>【真門】平日は仕事があるので、週末を小説の時間にあてています。もともとトリックなどを思いつくペースが速い方ではないと思うので、忙しさのために執筆が進まない、という感じはあまりしないですね。</p>

<p>――今後の予定が決まっていたら教えていただけないでしょうか。また、これから書きたい作品についても教えていただけますか。</p>

<p>【真門】光文社の雑誌「ジャーロ」の9月号に短編を掲載させていただく予定です。記憶力を競う「メモリースポーツ」を題材にしたミステリで、ロジックにこだわった一作になりました。その先は特に決まっていませんが、頭脳競技を題材にし、似た方向性で書けるのではと考え中です。</p>

<p>ミステリの知的な面白さを軸に、読者を楽しませられる新鮮な作品を書けたら良いなと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_glasses.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 29 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[真門浩平（作家）　]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>夏井いつきさんが教える　“凡人”から“才能アリ”の句にステップアップするための発想法  夏井いつき（俳人）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15071</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015071</guid>
			<description><![CDATA[俳句の先生、夏井いつきさんが俳句を投稿する「投句」について解説。お題から句を作成する際、迷ったら使える連想ゲーム発想法を教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="夏井いつき" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2024/2024A/241217natsuiitsuki.jpg" width="1200" /><br />
写真：御厨慎一郎</p>

<p>テレビ番組「プレバト!!」でおなじみの俳句の先生、夏井いつきさんは、俳句を雑誌やコンテストなどに投稿する「投句」をすれば俳句人生をさらに楽しめるようになると語ります。</p>

<p>新著『夏井いつきの世界一わかりやすい投句の授業』では、同シリーズで俳句を学習してきた編集者・秘英知（ぴーえいち）さんが夏井さんから投句の極意を学んでいきます。</p>

<p>本稿では、「連想ゲーム発想法」で兼題（お題）の季語から俳句のタネを作る方法を紹介します。</p>

<p>※本稿は、夏井いつき著『夏井いつきの世界一わかりやすい投句の授業』（PHP研究所）から一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>※夏井いつきさんのラジオ「夏井いつきの一句一遊」（南海放送）では、月曜日&rarr;火曜日&rarr;水曜日&rarr;金曜日の順で、紹介する俳句のレベルが上がっていく仕組みになっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ステップ１ 季語から連想する単語を書く</h2>

<p>秘：夏井先生、今回は「連想ゲーム発想法」なるもので、兼題の季語から俳句のタネを作る方法を学ぶということでしたが&hellip;？</p>

<p>夏井：そうだよ。具体的に、どうやって季語にあうフレーズを考えるのか、一緒にやってみよう。この方法を知ると、前回ちょっと話した言葉の距離感というのがどんなものなのか、ぐっとイメージしやすくなるはず。連想ゲーム発想法は、メモ用紙とペンが必要なんだけど、持っている？書けるものなら、なんでもいいよ。</p>

<p>秘：両方とも、そろっています！</p>

<p>夏井：準備OK。それじゃあ、メモ用紙の真ん中あたりに兼題の季語を書いてみて。今回なら「苗床」だね。</p>

<p>秘：真ん中ですね。このあたりに「苗床」っと。</p>

<p><img alt="『夏井いつきの世界一わかりやすい投句の授業』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260911natsuiitsuki03.jpg" width="1200" /></p>

<p>夏井：書けたら、ここから連想ゲームっぽくなるんだけど、「苗床といえば、○○○」みたいな感じで、調べたり、思いついたり、イメージしたりしたことを、真ん中の「苗床」から線を引っぱって、放射線状にどんどん書きだしていってほしいんです。</p>

<p>秘：それで連想ゲーム発想法という名前なんですね。夏井先生、その苗床からの連想というのは、たとえば「植物」「畑」「土」みたいなことでいいんですか？</p>

<p>夏井：それでOK。歳時記や辞書、インターネットなどで調べた情報や、苗床をイメージして頭に浮かんだことを、単語レベルでいいので、ざーっと書きだしていくだけでいいよ。そのときに、できれば、書きだす単語は季語を避けることを意識してみるといいかな。あとで俳句を作るときに、「季重なり」（一句のなかに季語が複数入っていること）になっちゃうからね。</p>

<p>秘：私、季語の知識がないので、知らないうちに入っちゃうかもしれません&hellip;。</p>

<p>夏井：あくまで、できればでOK。まずは思いつくままに手を動かしてみよう。最初のうちは、季語かどうかを気にしすぎると言葉が出てこなくなるからね。季重なりになっているかどうかは、あとでチェックすればいいんだし。</p>

<p>秘：わかりました！それじゃあ「ポット」「トレイ」「水」。</p>

<p>夏井：そうそう、いい感じ。</p>

<p><img alt="『夏井いつきの世界一わかりやすい投句の授業』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260911natsuiitsuki02.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ステップ2&nbsp;「一周目」から連想をつなげる</h2>

<p>夏井：ステップ１で季語から連想する単語をざーっと書きだしたら、それを「一周目」と呼ぶことにしよう。この一周目は使わないから置いておく。</p>

<p>秘：えっ、せっかく書いたのに使わないんですか!?</p>

<p>夏井：一周目に出てくる単語は、類想ワードばかりだからね。秘英知さんが、ほんの数分で見つけたことは、だれでもすぐに思いつく（笑）。</p>

<p>秘：火曜日レベルの凡人の句になっちゃうわけですね&hellip;。</p>

<p>夏井：そうだね。パッと思いつくことなんて、みんなほとんど同じ。そこから俳句のタネを作ろうとすると、どうしても類想になる。だから、せっかく書いたんだけど、あえてそこは使わずに、一周目の単語からさらに線をのばして、もう一周、連想をひろげてみよう。</p>

<p>秘：「二周目」を書くということですか？</p>

<p>夏井：その通り。たとえば、一周目に出てきた「水」という単語から、さらに外へ線をのばして、そこから連想をひろげることはできる？</p>

<p>秘：えっ、水で&hellip;。</p>

<p>夏井：いったん苗床のことは考えずに、水から連想するだけでいいよ。</p>

<p>秘：水&hellip;たとえば、ペットボトル、水道、トイレ、バケツ、ホース、じょうろ。</p>

<p>夏井：いろいろ出てくるね！そんな感じでOK。「水」から線をのばして、「ペットボトル」「水道」「トイレ」「バケツ」「ホース」「じょうろ」と書こう。</p>

<p>秘：はい！&hellip;今、「じょうろ」と書いていて思い出したんですが、子どものころ、祖父が使っていた農業用の金属製の大きなじょうろがあこがれでした。私は象のかたちの小さなおもちゃのじょうろしか持っていなかったので、祖父のピカピカ輝く銀色のじょうろがかっこよくて、うらやましくて。</p>

<p>夏井：すてきなエピソードだね。「じょうろ」からさらに線をのばして、「金属製」「象」「銀色」とでも書いておこうか。これは「三周目」だね。</p>

<p>秘：手を動かしたら、いろいろ浮かんできますね。</p>

<p><img alt="『夏井いつきの世界一わかりやすい投句の授業』" height="1839" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260911natsuiitsuki01.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ステップ３ 単語を一つ選んでフレーズを作る</h2>

<p>夏井：次に、今、書きだした二周目、三周目の単語のなかから、よりオリジナリティーやリアリティーのありそうなものを選んで十二音のフレーズにしていくんだけど、どの単語がいいと思う？</p>

<p>秘：えっ、どれですかね&hellip;。</p>

<p>夏井：たとえば、さっきの「じょうろ」には三周目まであるし、秘英知さんの思い出もつまっていそうだよね。これなら苗床のイメージに引っぱられずに、純粋にじょうろのことだけを具体的にイメージできるんじゃない？</p>

<p>秘：そうですね。ほかの単語よりは語れることがありそうです。</p>

<p>夏井：それじゃあ、今回は「じょうろ」にしようか。単語を一つ選んだら、そこから発想をはじめて、十二音のフレーズにまとめてみよう。</p>

<p>秘：まとめてみようと、急にいわれましても&hellip;（汗）。</p>

<p>夏井：苗床のことは考えず、じょうろのことだけを具体的に描写してみて。たとえば、さっき語ってくれたみたいに、素材とか、かたちとか、色とか。一つの方法として「5W1H」で考えると発想がひろがりやすいよ。</p>

<p>------------<br />
【発想をひろげる問い 5W1H】<br />
いつ（when）：時間<br />
どこで（where）：場所<br />
だれが（who）：人物<br />
なにを（what）：内容<br />
なぜ（why）：目的<br />
どのように（how）：手段<br />
------------</p>

<p>秘：わ、わかりました。ちょっと考えたいので、休憩をもらっていいですか？</p>

<p>夏井：もちろん！まとまったら教えてね。</p>

<p>──20分後──</p>

<p>秘：お待たせしました。うまくできたか自信はないですが&hellip;一句できました。夏井先生が「苗床のイメージに引っぱられずに」といっていたので、農業用のかっこいいじょうろじゃなくて、子ども用のかわいいほうと取り合わせてみました。</p>

<p>・苗床やじょうろの象の赤き鼻</p>

<p>夏井：おっ、うまくまとめたね！リアルに描写できているよ。どんなじょうろか、みんなが同じものを思い描けるのがいい。</p>

<p>秘：私、小さいころ、赤い象の鼻の部分を持って、振りまわしていたんです（笑）</p>

<p>夏井：かわいいね（笑）。きっと、子どもがお手伝いをしたくて自分のじょうろを持ってきたのかなとか、一生懸命おもちゃのじょうろで畑に水をやるのかなとか、想像がひろがっていくよ。秘英知さん、これなら水曜日レベルです！</p>

<p>秘：えええっ！水曜日！才能アリ！うれしいです！</p>

<p>夏井：こんなふうに、季語を真ん中に置いて、まるで連想ゲームみたいに言葉をつなげながらたどっていくと、季語とリンクしつつ、でも、多くの人が思いつく類想ワードから距離を置くことができるんです。「水」以外の、ほかの一周目の単語でも同じようにやってみると、また別の角度から、いろいろなフレーズを作れると思うよ。</p>

<p>秘：これなら、兼題として先に季語が決まっていても、無理なく季語にあうフレーズを考えられそうです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2024/2024A/241217natsuiitsuki.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 29 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[夏井いつき（俳人）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>認知症を怖がらなくていい？ 医師が語る「最期まで穏やかに生きる」考え方  小笠原文雄（医学博士／浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15059</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015059</guid>
			<description><![CDATA[医師の小笠原文雄さんは「認知症を特別に怖がる必要はない」と語ります。それはなぜしょうか？]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="介護" height="744" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/kaigoimg201805.jpg" width="1200" /></p>

<p>「認知症になったら家族に迷惑をかけるのではないか」「自分が自分でなくなってしまうのではないか」...そんな不安を抱く人は少なくありません。</p>

<p>しかし、医師であり僧侶でもある小笠原文雄さんは、「認知症を特別に怖がる必要はない」と語ります。なぜ、そう考えるのでしょうか。書籍『笑って大往生できる人できない人』より、小笠原さんが認知症について語った一節を紹介します。</p>

<p>※本稿は、小笠原文雄著『笑って大往生できる人できない人』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>認知症になっても施設に入らず自宅で過ごせる</h2>

<p>「認知症になったら、人生おしまい」<br />
「何もわからなくなって、自分が自分じゃなくなるのは怖い」<br />
「家族に迷惑をかけるくらいなら、死んだほうがマシだ」</p>

<p>このように、認知症を否定的に捉えている人は多いのではないでしょうか。また、認知症を防ごうとして、&quot;予防効果のある&quot;とうたわれている食品や健康法を熱心に取り入れるケースもあるといいます。</p>

<p>どうやら、認知症に対する知識が少ないために、不安ばかりが募っているようです。</p>

<p>最初に強調しておきたいのは、医療・看護・介護の3点セットで支えれば、認知症になってからも家族や周囲の人に迷惑をかけることもなく、施設に入る必要もなく、自分の家で暮らせる人が多いことです。</p>

<p>認知症で徘徊したり、暴言を吐いたり、暴力を振るったりするような、周りの人を困らせてしまう症状が現れるのは、1割程度です。</p>

<p>こうした症状で、最も多いのが徘徊です。徘徊には「車や電車にひかれるから危険」というイメージがありますが、実際は違います。私が見た例では、認知症の女性が道路脇にしゃがみこんで、車が走る様子をじっと眺めていました。その表情から、「車は危ないから近づかないでおこう」と思っていることが伝わってきました。認知症でも、人間にとって根源的な防衛本能が働くのでしょう。徘徊は散歩やハイキングだと思い、見守ってほしいものです。</p>

<p>まれなケースとして、踏切や駅構内に入った認知症の患者さんが、列車にはねられることがあります。2007年に、91歳の男性が、徘徊中に列車にはねられて死亡した事故がありました。</p>

<p>この事故で、鉄道会社は遺族に損害賠償を求めました。私は社長の携帯に「日本では認知症の人にも家で暮らしてもらおうとしているのに、裁判を起こすとは何事だ。取り下げてほしい」とメールしました。</p>

<p>結局、2016年に、「妻と長男は監督義務者に当たらず、賠償責任はない」と最高裁判所が結論づけ、鉄道会社の敗訴が確定しました。</p>

<p>「認知症患者の鉄道事故は、家族の責任なのか」が問われた裁判なので、大きく報道されましたが、徘徊して鉄道事故を起こすケースは極めて少数です。そして、最高裁判所の判決からもわかるように、「家族だけに責任を負わせない」「無理を強いない」というのが、現実的な考え方になっています。</p>

<p>ですから、認知症を特別に怖がる必要はありません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分らしさはいつまでも残る</h2>

<p>不安が強い患者さんに、私は「どうせ不安になるなら、訪問看護師さんのふあん（ファン）になってください」と伝えています。すると、患者さんはニコッと笑います。笑ったり、誰かのファンになったりすれば、その人に会えただけで心が暖かくなるので、不安など吹き飛んでしまうのです。　</p>

<p>また、暴言や暴力といった症状は、ストレスや不安などで引き起こされます。認知症になるとストレスや不安を言葉でうまく表現できなくなるため、症状として現れてくるのです。ですから、病院や施設など新しい環境ではなく、住み慣れた家で過ごしたほうが、認知症の症状は抑えられます。</p>

<p>認知症になったからといって、人生が終わりではありません。人が変わったかのように暴れたり、何もわからなくなったりするのではなく、好きという感情や喜び、そして自分らしさは、いつまでも残ります。</p>

<p>そして「ある程度のリスクは、まあ仕方ない」という考えを家族や近隣住民など周囲の人が共有すれば、案外、無事に過ごせるものなのです。さらに大事なこととして、効くか効かないかわからないような認知症の薬を飲ませることが暴力のリスクになり得ることも知っておいてほしいですね。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/kaigoimg201805.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 29 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小笠原文雄（医学博士／浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「心配事の9割は起こらない」 それでも悩んでしまう人への“3つの対処法”  堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15106</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015106</guid>
			<description><![CDATA[何をするにしても心配事の尽きない人が悩みを減らす方法とは何か――言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さんが、仕組み化による悩みを減らす方法を3つ紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="堀田秀吾著『心理学×脳科学×行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman.jpg" width="1200" />スマートフォン1つで無数の情報を得ることができる現代。あまりにも情報量や選択肢が多く、性格に関係なく誰もが悩みやすい時代になってきていると、言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さんはいいます。</p>

<p>堀田さんいわく、「気合い」だけで悩みを減らすのは難しく、仕組み化することが大切とのこと。そこで本稿では、悩みを減らす3つの方法を紹介します。</p>

<p>※本稿は、堀田秀吾著『心理学&times;脳科学&times;行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ちゃんと選びたい」をやめる</h2>

<p>ネット通販で商品ひとつを購入するのに、何10個ものレビューを読み比べて1時間以上スクロールを続ける人がいます。一方で、目についた最初の商品をぱっとカートに入れ、そのまま満足して購入を終える人も。実は、同じ買い物でも、両者の脳の疲れ方はまったく異なるのです。</p>

<p>スワースモア大学のシュワルツらは、前者のような人をマキシマイザー（最大化を目指す人）、後者をサティスファイサー（満足できれば手を打つ人）と呼び、この2つのタイプを比較する大規模な調査を行いました。参加者およそ1700名に、買い物や進路選択の場面でどう振る舞うかを質問し、人生満足度・抑うつ傾向・後悔のしやすさを点数化したのです。</p>

<p>結果、マキシマイザー傾向が強い人ほど、人生満足度や幸福感が低く、抑うつや後悔の点数が高かったのです。マキシマイザー傾向が強い人は、買ったあとに「もっと安い店があったかも」「別の色のほうが似合ったかも」と考え込んでしまったり、プレゼントを贈るときも相手の反応を何度も思い返してしまったり、そういった日々の意思決定がそのまま心の重荷に変わっていくことがわかりました。</p>

<p>マキシマイザーは選ぶ前にすべての選択肢を吟味しようとし、選んだあとも「もっといい選択肢があったはず」と振り返り続けます。1回の決断のために脳が稼働する時間がサティスファイサーよりはるかに長く、「ちゃんと選びたい」という真面目さが自分を疲れさせているのです。</p>

<p>これはマキシマイザーが悪いのではありません。仕事の精度を高めたり家族の安全を守ったりするうえでその慎重さは強みになります。ただ気をつけたいのは、「今日の靴下の色」や「どのカフェに入るか」といった人生を左右しない小さな選択にまで同じエネルギーを注いでしまうことです。</p>

<p>おすすめしたいのは、自分の中で「ここは80 点で十分」と決めるラインをいくつか引いておくことです。すべての判断を100点にしようとすると、脳はどの場面でも同じだけの力を使ってしまい、本当に踏ん張るべき場面のときに息切れしてしまいます。</p>

<p>日用品や昼ごはんは満足できればそれでいいと手を打つ。一方で、子どもの進学先や住まいなど大事な決断にはじっくり時間をかける。全部に本気を出すのではなく、本気を出す場所をあらかじめ決めておくのです。すべての場面で全力投球をやめるだけで、悩みは軽くなっていきます。</p>

<p>【覚えておきたいこと】</p>

<p>・「80点で十分」というラインを決める</p>

<p>・決断にかける時間の長さと満足度は比例しない</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心配ごとをメモして振り返る</h2>

<p>もしも明日のプレゼンで頭が真っ白になったら。もしも子どもの体調が悪化したら。こうした「もし」がひとつ浮かぶと、そこにまた次の「もし」がつながり、気づけば起きてもいない出来事の続きを何パターンも思い描いてしまいます。</p>

<p>あらゆる可能性を考えておけばいざというとき慌てずに済みます。ところが実際には、想像の中の最悪のシナリオはどんどん枝分かれし、当初の心配とは関係のないところまで広がっていって、頭の中はまだ起きていない出来事でいっぱいになっています。実際に、心配ごとはどれくらいの確率で当たるのかを調べた研究があります。</p>

<p>ペンシルベニア州立大学のラフレニエールとニューマンは、全般性不安症と診断された29人を対象に調査を行いました（全般性不安症：心配ごとが次から次へと浮かんで止まらなくなり、日常生活に支障が出るほどになった状態のこと）。</p>

<p>参加者は10日間、通知が届くたびにいま頭にある心配ごとを記録しました。そして毎晩それを見直し、その心配ごとが現実になったかどうかを30日間かけて確かめたのです。</p>

<p>集計してみると、記録されたうち実際に起こったものは1割弱でした。心配ごとの97％は現実にならなかったのです。いちばん多かったのは的中0の人で、29人中7人は記録した心配ごとがひとつも実現しませんでした。しかも実際に起こった心配ごとについても、約79％は思っていたより良い結果だったと本人が認めています。</p>

<p>この研究からは希望の持てる発見も出てきました。心配ごとが外れた割合の高かった人ほど、治療のあとの症状の改善が大きかったのです。自分の心配ごとが外れていく様子を何度も目撃すること自体に、不安をほどく力があるのでしょう。頭の中で「きっと大丈夫」と唱えるより、外れた記録という動かぬ証拠を集めるほうが、心にはよほど効きます。</p>

<p>何か心配なことが出てきたら、手帳やスマホに日付と一緒に1行だけメモしておきましょう。金曜の報告会で失敗しそう、子どもの熱が長引きそうなど、何が、いつ、どうなりそうかまで具体的にしておくと、あとで白黒をつけやすくなります。</p>

<p>そして数日たったら、その横に「全く起こらなかった」「大したことなかった」のように実際はどうなったかを書き足すのです。このメモが、自分の不安を和らげる専用データになっていきます。</p>

<p>【覚えておきたいこと】</p>

<p>・心配ごとが外れた記録が次の不安を和げる</p>

<p>・「もし」が浮かんだら1行だけメモをする</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>3つの仕組みで悩みをなくす</h2>

<p>私たちの脳は1日に使える容量が限られていて、選びすぎると疲れ、真面目すぎても疲れ、家事や育児でも消耗してしまいます。では、どうすれば脳の働きに余白を取り戻せるのでしょうか？</p>

<p>私がおすすめするのは「たった3つの仕組み」です。減らす、自動にする、回復する。これだけ覚えていれば、今日から生活の整え方が変わります。</p>

<p>①減らす</p>

<p>1つめの「減らす」は、決めごとそのものを少なくする工夫です。仕事で着る服を決めておく、食事のメニューを曜日ごとに固定する、SNSの通知をオフにする。こんなふうに選択肢を減らすだけで脳の負担は軽くなります。</p>

<p>「減らす」と聞くと、我慢や節約のようなイメージを持つかもしれませんが、ここでいう「減らす」はむしろ逆です。どうでもいい場面での決めごとを減らすことで、本当に大切な場面に使えるエネルギーを確保する、いわば「配分の工夫」です。</p>

<p>②自動にする</p>

<p>2つめの「自動にする」は、繰り返しの行動を考えずにできる状態にする工夫です。習慣化の最大の利点は、あまり考えないで行動できるようになることです。ということは、習慣を増やしていけば、それだけいちいち脳を働かせずに済むのです。</p>

<p>テキサスA&amp;M大学のウッドらの研究では、私たちの日常の行動の4割強が習慣的な行動であるとのこと。コンスタンツ大学のゴルウィッツァーが提唱した「イフ・ゼン・プランニング（もしXが起きたらＹをすると前もって決めておく方法）」は、大規模なメタ分析でも運動・勉強・健康行動の達成率に高い効果があることが示されています。</p>

<p>③回復する</p>

<p>3つめの「回復する」は、消耗した脳を意識的に休ませる工夫です。ミシガン大学のバーマンらが行った実験では、街なかを50分歩いた場合に比べて、植物園を50分歩いた後の注意力テストの成績はおよそ20％向上しました。緑の中を歩くだけで脳のメモリに空きができるのです。</p>

<p>お風呂、深呼吸、好きな音楽、ぼんやりする時間など、自分なりの回復法を持っておくことが、ベストな状態で明日を迎えることにつながります。</p>

<p>【覚えておきたいこと】</p>

<p>・悩みを気合いで乗り切ろうとしない</p>

<p>・毎回1から考え直さない</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 28 Sep 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>もしクマに襲われたら？専門家が教える「うつ伏せ防御姿勢」と急所の守り方  山﨑晃司、石垣佑樹</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15001</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015001</guid>
			<description><![CDATA[クマの生態に詳しい山﨑晃司氏と整形外科専門医の石垣佑樹氏が、クマによる外傷の特徴を踏まえ、万一の攻撃から身を守るために知っておきたい防御法を解説する]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="うつ伏せによる防御姿勢" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji3.jpg" width="1200" /><br />
イラスト＝瀬川尚志</p>

<p>突然クマに襲われたとき、命を守るために何をすべきなのでしょうか。<br />
クマによる攻撃では、頭部や顔面、頸部などに致命的なけがを負う危険があります。そこで重症化を防ぐ手段の一つと考えられているのが、うつ伏せになり、腕で頭や首を守る「防御姿勢」です。</p>

<p>実際、秋田県で2023年度に発生した人身被害では、この姿勢をとった7例はいずれも重症には至りませんでした。整形外科専門医の石垣佑樹氏が、クマによる外傷の特徴を踏まえ、万一の攻撃から身を守るために知っておきたい防御法を解説します。</p>

<p>※本稿は、山﨑晃司・編著『クマに出遭ってしまったら？&nbsp;』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>少しでも重症化を防ぐには</h2>

<p>突然、クマと出遭ってしまったとき、どうすれば少しでも重症化を防ぐことができるでしょうか。2023年度の秋田県で起きた70例のうち、うつ伏せによる防御姿勢をとった症例は７例ありました。うつ伏せによる防御姿勢とは、うつ伏せになり、顔を伏せ、腕全体で頭や首を守る姿勢です（上図）。致命傷・重症となりやすい頭部や顔面、頸部、体幹部腹側などを守ることができ、7例のいずれも重症のけがを負うことはありませんでした。</p>

<p>防御姿勢をとれた症例数が全体の10％と少なく、一つの症例で防御姿勢をとった場合ととらなかった場合での重症化の違いを比較することもできませんが、防御姿勢をとることで重症化を防ぐ可能性を示す重要な結果といえるでしょう。</p>

<p>クマから攻撃されたとき、まず守らなければならないのは、頭部や顔面、頸部（下図）、体幹部腹側といった命や重要な機能に直結する部位です。クマによる外傷で頭部や顔面、頸部にキズが集中するのは、クマが攻撃するときに立ち上がり、人の顔面や頭頸部が標的になりやすいためだと考えられています。うつ伏せになれば、頭部・顔面・頸部への攻撃を減らせる可能性があります。</p>

<p>秋田県の、クマから受けたキズによる死亡例を調べた過去の研究では、殴打をともなう爪によるキズが致命的であり、牙によるキズは死因に直結していなかったと報告されています。クマの一撃は交通事故で受けるキズに匹敵するエネルギーがあるとされていますが、立ったままの姿勢でクマから殴られると、頭部や顔面、頸部に致命傷を負ってしまうことになります。具体的には頭部・顔面では脳出血や気脳症など、頸部では頸動静脈損傷、気管損傷、頸椎骨折、頸髄損傷などが想定されますが、いずれも致命的なけがです。</p>

<p>病院到着までの時間が短ければ救命可能な場合もあるかもしれませんが、山間部などで救助がすぐに行なえず、搬送まで長時間を要するなど、救命が困難な場合も考えられます。とにかくうつ伏せになって殴打を防ぐことが重要だといえるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>とにかく頭、顔、首を守る</h2>

<p><img alt="頭部の断面" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji4.jpg" width="1200" /></p>

<p>クマによる外傷では、頭部・顔面・頸部・体幹部腹側以外に腕のけがも多く挙げられます。2023年度の秋田県で起きた70例でも54.3％と半数以上が上肢にけがを負っていました。過去の報告でも、クマから身を守ろうとして受けたキズとして、前腕を引き裂かれたキズや咬まれたキズが多かったとされていますが、秋田県の70例でも同じように手や腕で攻撃を防ごうとしていた可能性が考えられます。</p>

<p>腕のけがで想定されるのは、骨折、血管損傷、神経損傷、皮膚損傷などです。動物に咬まれ汚染されたキズではあるものの、状況やキズの程度によりますが、適切な治療を行なうことで命を救い、さらには腕を失わずに治療することも十分に期待でき、障害を残さない治癒を目指すことも可能といえます。うつ伏せによる防御姿勢によって腕にはキズを負ってしまいますが、重大なけがやのちの障害につながる場所へのキズを防ぐ価値はあるといえるでしょう。</p>

<p>至近距離でクマに出遭ったとき、冷静に判断する時間はほとんどないかもしれません。うつ伏せによる防御姿勢をとるなど、理想どおりに行動できるとは限らないでしょう。また、防御姿勢をとったからといって必ずしも重症化を防げるとも限りません。しかし、自分の体で守らなければいけないところを把握しておくことは重要です。いざというときには、まず頭部、顔面、頸部を守ってください。</p>

<p>クマによる外傷は、医療において特殊な症例といえます。身体的な治療だけではなく、精神的な治療、治療後の社会復帰など、単なる「命には別状なし」では表現しきれません。うつ伏せによる防御姿勢が、クマによる被害の減少、重症化予防につながることを願います。</p>

<p>【POINT】<br />
▼ツキノワグマに襲われた人のけがは、顔、頭、腕に多い。<br />
▼皮膚や筋肉だけでなく、神経や血管が傷つく重傷を負い、障害が残ることも少なくない。<br />
▼精神的なキズも重く、社会生活から遠ざかってしまうこともある。<br />
▼重症化を防ぐためには、うつ伏せによる防御姿勢をとることが有効といえる。</p>

<p>［執筆者］<br />
石垣佑樹（いしがき・ゆうき）<br />
秋田大学大学院医学系研究科 整形外科学講座 医員<br />
2020年、秋田大学医学部医学科卒業。同年、大曲厚生医療センターにて初期研修。秋田労災病院、北秋田市民病院を経て、2024年より秋田大学医学部附属病院整形外科に勤務。専門は膝関節、スポーツ整形。日本専門医機構認定整形外科専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター。</p>

<p>［編者］<br />
山﨑晃司（やまざき・こうじ）<br />
茨城県自然博物館館長　東京農業大学名誉教授<br />
1961年東京都調布市出身。 森林動物生態学が専門。東京農工大学連合大学院博士（農学）。ザンビア国立公園局野生動物調査官、東京都高尾自然科学博物館学芸員、茨城県自然博物館首席学芸員、東京農業大学地域環境科学部教授を経て、茨城県自然博物館館長。元日本クマネットワーク代表、元International Association for Bear Research and Management 理事、IUCNクマ専門家委員会委員、東京都自然環境保全審議会鳥獣部会長、千葉県環境審議会鳥獣部会長、環境省鳥獣保護管理プランナーなどを務める。著書に『日本のクマ』（東京大学出版会・共編著）、『ツキノワグマ　すぐそこにいる野生動物』（東京大学出版会）、『ムーン・ベアも月を見ている』（フライの雑誌社）、『クマとともに』（東京大学出版会・共著）など。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji3.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 28 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山﨑晃司、石垣佑樹]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>AIが人間を超えてもなぜ将棋は面白いのか？ 谷川浩司が語る「人間が指す意味」  谷川浩司（棋士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14997</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014997</guid>
			<description><![CDATA[谷川浩司十七世名人が、電王戦から現在のAI研究までを振り返りながら、AIが変えた将棋の学び方と楽しみ方、そして「最善手」がわかる時代だからこそ際立つ、人間同士が戦うことの価値を解説する]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="AIが人間を超えても、なぜ将棋は面白いのか" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_ryoushirikigaku.jpg" width="1200" /></p>

<p>AIが人間を超えたとき、棋士が将棋を指す意味は失われてしまうのか――。<br />
将棋界は、他の分野に先駆けてこの問いと向き合ってきました。しかし、AIの進化は人間の将棋を過去のものにするどころか、評価値によって観戦の間口を広げ、棋士の迷いや決断、逆転のドラマをより鮮明にしました。</p>

<p>谷川浩司十七世名人が、電王戦から現在のAI研究までを振り返りながら、AIが変えた将棋の学び方と楽しみ方、そして「最善手」がわかる時代だからこそ際立つ、人間同士が戦うことの価値を考えます。</p>

<p>※本稿は、谷川浩司著『名人論 稀代の天才たちはいかに戦ったか&nbsp;』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AIと名人</h2>

<p>将棋界にとって、AIの登場は大きな転換点であった。それは単純に「人間が機械に負けた」という出来事ではない。将棋というゲームの見え方、学び方、観戦の仕方、そして名人という存在の意味までをも変えた出来事であった。</p>

<p>この問題を考える時、まず思い出すのはチェス界の歴史である。1997年5月、チェス世界王者ガルリ・カスパロフは、IBMのスーパーコンピューター「ディープ・ブルー」に敗れた。現役世界王者が公式条件下でコンピューターに負けた初めての歴史的事件である。</p>

<p>その場を去るカスパロフの姿は、どこか憮然としていた。しかも彼は敗北を容易には認めなかった。後に「人間の介入があったのではないか」と疑念を語り、「人間の直観は一瞬で1億の局面を読む」と、人間の思考の価値を必死に主張していた。</p>

<p>今になって思えば、カスパロフの戸惑いは理解できる。当時はまだ「機械が深く思考し、人間を超える」という実感は社会になかった。さらに重要なのは、もし機械が世界王者を超えるなら、王者という存在の価値そのものが揺らぐのではないかという恐れである。</p>

<p>将棋界もまた、同じ問いに直面することになる。「AIが人間を超えた時、人間の将棋の価値はどこに残るのか」─これは将棋界にとって、かなり根の深い問いであった。</p>

<p>もっとも、当初は将棋の方がチェスより長く人間優位が続くと考えられていた。<br />
チェスは駒を取れば盤上から消えるが、将棋は持ち駒として再利用できる。この違いは決定的で、あり得る局面数はチェスの10の120乗に対し、将棋は10の220乗ともいわれる。ゼロが100個違う、文字通り天文学的な差である。</p>

<p>そのため、将棋ではトップ棋士がコンピューターに負ける日は遠いと思われていた。実際、21世紀初頭の将棋ソフトはアマチュア有段者程度の実力に過ぎなかった。しかし状況は急変する。探索速度の向上、評価関数の洗練、そして何より「ディープラーニング」の登場である。</p>

<p>それまでの将棋ソフトは、人間が細かな評価基準を教え込んでいた。しかしディープラーニングでは違う。ソフト自身が膨大な棋譜を学び、勝敗を分析し、自ら強くなっていく。人間が「考え方」を教える時代から、AIが自分で「学ぶ」時代へ変わったのである。</p>

<p>その変化を社会に印象づけたのが、2012年から始まった「電王戦」であった。<br />
第1回では、引退後の米長邦雄永世棋聖がコンピューターと対戦した。米長先生は定跡外の戦法で奮戦したが、敗れた。翌2013年、第2回電王戦では現役棋士5人がソフトと戦い、結果は1勝3敗1持将棋。ついに、盤上勝負で現役棋士がコンピューターに敗れたのである。2014年もプロ側は敗北した。</p>

<p>もっとも、2015年には事前に対戦するソフトを貸し出すことで棋士側も相手を研究できるようになり、プロ側が勝ち越した。しかし、それは一時的な抵抗であった。ソフトの進化速度は人間の想像を超えていた。</p>

<p>決定的だったのは2017年である。当時の佐藤天彦名人と将棋ソフト「Ponanza」との二番勝負が行われ、結果はPonanzaの2連勝だった。しかも相手は名人なのである。<br />
名人とは、長い歴史の中で最も強い棋士に与えられる称号であり、将棋界の頂点である。その名人が完敗したという事実は、「人間の方が強い時代」の終わりを意味していた。</p>

<p>ここまで来ると、もはや「人間がAIに勝てるか」が問題ではなくなった。問題はむしろ、「AIに勝てなくなった後、人間の将棋をどう見るか」であった。<br />
当初、将棋界には悲観論もあった。人間がAIに負けるのなら、将棋人気は衰えるのではないか。AIが最善手がわかるなら、人間同士の勝負に価値はなくなるのではないか。</p>

<p>だが、結果は逆であった。むしろ将棋人気は高まったのである。その最大の理由は、AIによる「評価値」の導入であった。</p>

<p>現在の将棋中継では、局面ごとに「どちらが何パーセント有利か」がリアルタイムで示される。さらに最善手候補まで表示される。<br />
以前なら、終盤でも「どちらが良いか」は高段者にしかわからなかった。解説者ですら、「もう勝負は決まった」と断言することには慎重であった。しかしAIは、その曖昧さを数値化した。これにより、将棋を詳しく知らない人でも観戦が楽しめるようになった。一手で評価値が急落すれば、「何か大きな失敗があった」と直感的にわかる。</p>

<p>たとえば終盤で99パーセント優勢だった局面が、一手で逆転することもある。視聴者は評価値を見ながら、棋士の苦悩や焦り、逆転の瞬間を共有する。<br />
藤井聡太五冠（当時）が渡辺明棋王に挑戦した2023年の第48期棋王戦第三局は名局だったが双方1分将棋の中、藤井さんとしては本当に珍しく11手の即詰みを逃して敗れた。評価値は大逆転し、藤井さんの「はあぁー」という深いため息がマイクに乗った。</p>

<p>駒の並べ方がわかるぐらいのアマチュアの方にも、「藤井さんが何か重大なミスを犯した」ことは伝わる。これは対局者にとっては残酷なことでもあるが、同時に、人間の将棋の魅力を際立たせてもいる。スポーツの世界などでは、逆転負けで消沈しているチームの表情をこれでもかというほど中継画像は映し出す。それを見た視聴者は、悔しさを深く共有する。将棋にもそういう対局者の感情を共有する時代がようやく訪れたことを、むしろ歓迎すべきなのだろう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>理解不能になったAI同士の将棋</h2>

<p>AI同士の将棋は、もはや人間が理解できない領域に入っている。一見意味不明な手、流れを無視したような指し方、盤面の反対側へ突然飛ぶような発想。<br />
プロが見ても善悪がわからない局面が増えている。率直に言えば、AI同士の将棋は深すぎて楽しめない。</p>

<p>しかし、人間同士の将棋は違う。失敗がある。迷いがある。感情の揺れがある。長考、ため息、決断、逆転─。観戦する側は、棋士の人間性も含めて勝負を見ているのである。だからこそ、AIが最善手を示せるようになっても、人間の将棋は価値を失わなかった。むしろ、「完全ではない人間」が戦うからこそ面白い、ということが明確になったのである。</p>

<p>今やトップ棋士の研究にAIは不可欠である。若い棋士ほどAIを自在に使いこなし、新手や定跡研究を進めている。指定局面から何十局もAI同士を戦わせ、結果を分析することも珍しくない。<br />
一方で、私は今でも盤に駒を並べる。画面を見るだけではわからない感覚が、盤上にはあるからだ。</p>

<p>AIの示す手は、あくまでAI同士が最善を尽くす世界の結論である。人間にとって本当に指せる手かどうかは別問題である。だから結局、自分で考え、自分の将棋観と照らし合わせる必要がある。AIの答えを鵜吞みにするのではなく、自分なりに咀嚼する。その過程こそ、人間の研究なのである。<br />
AIは最善手を示せる。しかし、その場で決断し、責任を負うのは人間である。勝負の重圧の中で迷い、それでも次の一手を指す。その結果に責任を持つ。</p>

<p>将棋界は、他の分野より少し早くAI時代を経験した。その経験が示しているのは、AIが人間を超えても、人間の営みが消えるわけではないということである。むしろ逆かもしれない。AIが強くなるほど、人間が考え、迷い、失敗し、立ち上がることの意味が、以前よりくっきり見えるようになった。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 28 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[谷川浩司（棋士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>スウェーデンで独り暮らしする日本人に聞いた　全員に共通していた「早寝早起き」の理由  久山葉子（翻訳家、エッセイスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14960</link>
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			<description><![CDATA[スウェーデンでは子供や同居の家族がいなくても、仕事を定時に切り上げて自分の時間を大切にする習慣が根付いているという。現地在住の久山葉子さんに詳しく教えてもらった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="朝の習慣" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_window.jpg" width="1200" /></p>

<p>ほとんどのビジネスパーソンが定時に帰るというスウェーデン。子供や家族がいる人だけでなく、独り暮らしであったとしても時間がきたらすぐに退勤する人が多いといいます。<br />
スウェーデン在住の久山葉子さんは、著書『スウェーデン人はなぜ朝の３時間で仕事が片づくのか』の中で、現地でのインタビューをもとにスウェーデンの働き方・生き方を語っています。スウェーデンの人々は仕事が終わったあと、どのような時間を過ごしているのでしょうか。同書より、現地の人のプライベートな時間の使い方について紹介します。</p>

<p>※本稿は、久山葉子著『スウェーデン人はなぜ朝の3時間で仕事が片づくのか』（PHPビジネス新書）より一部を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>家族がいなくても定時に帰る&hellip;&nbsp;独り暮らしが多いが、孤独ではない</h2>

<p>早く帰るのは子供や家族がいる人だけではない。独り暮らしだからこそ、仕事以外に重要な人生のミッションがあるのだ。</p>

<p>それは「孤独にならない」こと。</p>

<p>特に定年退職したあとの孤独は、世界中で問題になっている。</p>

<p>人間は群れで生き延びてきた動物だ。かつては群れから追い出されることは死を意味した。だからこそ進化の過程で、脳が「人と一緒にいる時に幸せを感じる」ようになっている。</p>

<p>強固な人間関係がある人は、早期死亡や慢性疾患のリスクが50％も低い。逆に言うと、孤独な人はアルコール依存やタバコを１日15本吸うのに匹敵するリスクを抱えているという。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>近しい人間関係に満足している</h2>

<p>意外かもしれないが、子育て先進国スウェーデンはヨーロッパでも群を抜いて独り暮らし世帯が多い国でもある。</p>

<p>2024年の統計では世帯の41％が単独世帯で、ヨーロッパの平均27.5％（2011年）よりもかなり高い（日本も単独世帯率が高く、2023年に34％）。</p>

<p>大学進学を機に若者の大半が実家を出ること、高齢になっても子供と同居することがないのも一因かもしれない。離婚した人（ご存じのとおり離婚率は高い）、パートナーが遠いところに住んでいる人、誰かとずっと一緒にいるのがしんどいから独り暮らしを選ぶ人もいる。</p>

<p>独り暮らしだからといって残業をするわけではないし、した場合は後日早く帰るというのも変わらない。「早く帰っても寂しいだけ」というわけではないのだ。</p>

<p>独り暮らしでも孤独ではないというのは数字にも表れていて、スウェーデン人は近しい人間関係に満足しているという調査結果がある。10点満点で8.5、EUの平均は7.9だ。</p>

<p>そして97％のスウェーデン人が「困った時に助けてくれる人がいる」と感じている。</p>

<p>独り暮らしでも友達がいるから寂しくないし、頼れる人がいる。</p>

<p>そんな状況をつくるために、どんな時間の使い方をしているのだろう。スウェーデンで長く暮らす日本人に、どんなふうに独り暮らしを楽しむようになったかを尋ねてみた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>夜は料理や音楽を楽しむ</h2>

<p>ケース①</p>

<p>パートナーがヨーロッパの別の国に住んでいるので、普段は独り暮らしの後藤豊さん。</p>

<p>ここ13年スウェーデンに住んで、ヨーテボリの名門シャルメシュ工科大学で研究職に就いているが、自宅でゆっくりするのが上手になった自覚があるという。</p>

<p>平日の夜や週末は大好きな料理が気分転換で、友達を家に呼ぶことも多い。音楽は聴くのも自分で演奏するのも好きだし、定期的なランニングも欠かせない。朝は５時半頃に起きて、22時半には布団に入る。「この生活を10年以上続けているから、満足しているんだと思います」と笑う。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>ケース②</p>

<p>オーグレン英里子さんは、20年前にスウェーデンに来てから大学で出版を学び、スウェーデン人でもなかなか就職できない人気の出版業界で正社員として働いている。作家エージェントのロイヤリティマネージャーという仕事柄、どうしても残業が多くなる時期もあるが、他のスウェーデン人同様、残業した分は別の日に早く帰る。</p>

<p>最近離婚して、今は独り暮らしを満喫中。離婚しても名字を変えなくてよかったのが、正社員として働く身としては本当に楽でありがたかったという。普段は定時に帰っているが、仕事が終わったから帰るのではなく、これ以上やっても能率が悪くて意味がないから帰る。周りの独り暮らしの友人も同じ考えだ。</p>

<p>英里子さんの周りでは退社後にヨガなどの習い事やジム、スポーツをやっている人も多い。17時半や19時など、夕方からのクラスがほとんどで、退社してそのまま向かえるようになっている。出版業界の仲間たちは、映像化作品チェックのためにも、ネットフリックスなどサブスク系のサービスでドラマや映画を観ている人が多いという。</p>

<p>現地の会社で働くのは楽しいことばかりではない。全員ネイティブのスウェーデン人同僚の中で奮闘する日々だ。仕事のストレスに負けないよう、冬でも４時に起きて、週に数度は朝暗いうちから運動をする。そのために夜は21時にはベッドに入り、18時以降はSNSを見ないなど、自分で設けたルールを守っている。</p>

<p>休みの日は、趣味のグループで定期的に集まったり、日本人だけで心おきなく日本語を話すために集まったり。お酒を飲みながらのスポーツ観戦も盛んだ。独り暮らしでも男女とも大きなテレビやソファを置いていて、自宅で集まれる環境が整っている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>地方ではアウトドアを満喫</h2>

<p>ケース③</p>

<p>スウェーデン国立スペース物理研究所で上級研究員を務める山内正敏さんは、北極圏のキルナという町に暮らして36年になる。研究界というのは世界的にブラックな職場で、スウェーデンの統計でも、残業時間が一番多い業界は大学だ。</p>

<p>山内さんも、「研究者というのは世界的に、昼でも夜でも思いついた時に仕事してしまう傾向がある」と言う。</p>

<p>そんな山内さん自身は７時間勤務の契約にしているので、普段は16時前のバスで帰宅し、自宅で30分～１時間ほど仕事をして、毎日21時には寝るという。</p>

<p>都市部に比べると娯楽が少なくて退屈なのでは&hellip;&hellip;というのは杞憂で、小さな町の良さは自然が近いこと。山内さんは身体を動かすのが大好きで、京都で大学生だった頃は鴨川沿いを走るのが趣味だった。</p>

<p>スウェーデンに来てからはヴァーサロペット（毎年３月に開催される世界最古で最大規模のクロスカントリースキー大会）にも出場していた。41歳でギランバレー症候群という難病を患ってからは、歩行器を押しながら夏は10キロ歩く。</p>

<p>肺に酸素が入ると血がしっかり流れ、頭も冴えるし、調子が格段に良くなる。仕事でものすごく疲れた日には、逆に運動しないと眠れないくらいだと言う。</p>

<p>キルナの人々は仕事後に夕方から気軽にクロスカントリースキーを楽しんでいる。あとはフロアボールだったりバドミントンだったり、山内さんの周りで趣味を持たない人は１人もいない。</p>

<p>去年の夏、私も家族で山内さんのお宅にお邪魔させていただいたが、魚屋から仕入れたというノルウェーの魚の燻製２種類、トナカイの生肉の燻製とマリネなど、北極圏らしい名物をいくつもご馳走してもらった。デザートにはオーブンで焼いたブルーベリーケーキも。この町でも、普段から同僚や友人と集まるのは自宅だそうだ。<br />
<br />
<br />
３人の生活を覗かせてもらうと、「残業をなるべくせずに能率を上げる」「友人との時間」「運動」「早寝早起き」といった共通項が見えてくる。どれも人生を長く健康で楽しむために欠かせない要素だ。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 28 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[久山葉子（翻訳家、エッセイスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>歩くとなぜいいか？ 医学博士が教える「脳を若返らせる」メカニズム  大島清（京都大学名誉教授,医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14983</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014983</guid>
			<description><![CDATA[歩くことで脳が若返る？医学博士・大島清氏の著書より、足と脳が直結している理由や、二足歩行の刺激が脳を活性化させるメカニズムを解説。年齢に関わらず脳を若々しく保ち、覇気を取り戻す歩行の秘訣を紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ウォーキング" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_walking.jpg" width="1200" /></p>

<p>血管の若返りや代謝アップなど、足腰を動かして歩くことには多くの健康効果があります。全身の筋肉の約7割が集まる足を刺激することは、病気予防の基本です。</p>

<p>さらに、歩くことの効果は身体だけにとどまりません。実は「脳」を活性化させるスイッチでもあるのです。本記事では、医学博士・大島清さんの著書『歩くとなぜいいか』より、歩行が脳を若返らせるメカニズムを解説します。</p>

<p>※本稿は、大島清著『歩くとなぜいいか』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>歩く趣味で体も脳もグングン若返る</h2>

<p>歩く趣味は足腰を鍛えるだけでなく、脳も若返らせるという効果がある。</p>

<p>ここでは、歩くとなぜ脳が若返るのかを書いておこう。</p>

<p>一言で言えば、人間の足と脳は直結しているからだ。わたしたちは二本足で歩く。人類の祖先がすでに砂漠化していたアフリカの北東部で二足歩行を始めたのは、今から400万年以上も前のことだ。</p>

<p>チンパンジーよりも賢いボノボというサルが、餌を求めるために四足歩行ではラチがあかぬと、二本足で森から森へ移動したのが、人類化への起源とされる。</p>

<p>もちろん人類は突然この世に出現したわけではない。サルの進化の系統から分かれて人類として進化を遂げるのだが、両方の遠い先祖が同じだったということを端的に表す証がある。哺乳類の中でサルと人間だけがこの世の中をカラー画像で見ているのだ。サルと人間以外の哺乳動物は白黒画像の世界で生きている。</p>

<p>総天然色で世の中を見、さらに直立二本足歩行を身につけて人類の脳は飛躍的に進化する。</p>

<p>全体重を二本の足で支えるため、足には大きくて強い筋肉が必要だった。しかも二本足歩行は、四本足に比べてはるかにバランスをとりづらい。わたしたちの祖先は、不安定な二本の足でバランスをとりながら、歩き回り、走り回って獲物をとらなければならなかったのだ。</p>

<p>二本足歩行をするようになって、はるかに複雑な動きをする大小の筋肉を正確に動かすため、おびただしい数の神経が動員されるようになった。こうした体中の筋肉を動かす神経の束が集まっているところが脳だ。</p>

<p>とくに足には大腿筋という大きな筋肉がある。歩くことによって足の大きな筋肉が動けば神経組織を通じて大きな刺激が脳に届く。脳が刺激されれば活発に活動する。脳が活発に活動する状態を「若々しく脳が動いている」というのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>脳が若いか年老いているかは、必ずしも年齢とは関係がない</h2>

<p>こう考えてみると、脳が若いか年老いているかは、必ずしも年齢とは関係がないことがわかるだろう。</p>

<p>年齢が若くてもあまり歩かず、脳に伝わる刺激が乏しければ、脳は活発に動かない。覇気がない若者たちは、「脳年齢」は見た目よりはるかに老いている。</p>

<p>逆に年齢は高くても、好奇心をもって歩き回っていれば、「脳年齢」は見た目よりずっと若いはずだ。しかも、今まで歩いていない人でも歩き始めれば、脳はふたたび活発に活動を始める。つまり脳が若返るのだ。</p>

<p>歩けば脳は若返る。そう信じて歩き続けてほしい。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_walking.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 26 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大島清（京都大学名誉教授,医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「報復捜査」 第４回　安東能明  安東能明（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14912</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014912</guid>
			<description><![CDATA[連載小説「報復捜査」 第４回。殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!? ]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="報復捜査" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" width="1200" /></p>

<p>殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第４回</h2>

<p>霞が関にある警視庁本部、その二階の取調室は、冷房が効きすぎていた。六月の夕方の熱気から来た伊場には、冷気が肌に刺さるように感じられた。窓はない。蛍光灯だけが白く照っている。机を挟んで、垣内と山口が向かいに座った。これは任意の聴取のはずだった。だが、その部屋の構造も三人の配置も、どこから見ても取調室だった。</p>

<p>垣内が自動音声のように、無機質な声を発した。</p>

<p>「それでは始めます。伊場恵介巡査部長。本日、午後一時五十分過ぎ、吉祥寺本町二丁目の雑居ビル屋上において、警視庁公安部外事二課第一係所属、小暮和孝巡査部長に対して発砲し、死亡させた。これは事実ですか？」</p>

<p>しばらく迷った。</p>

<p>「もう一度訊きます」</p>

<p>垣内が同じことを繰り返した。</p>

<p>観念した。逃げる術はないと思った。自分が撃ったのに間違いなかった。</p>

<p>「......はい」</p>

<p>「発砲した際、あなたはどこに位置していましたか？」</p>

<p>「給水塔があって、犯人を正面から見える位置に」</p>

<p>「給水塔のどちら側ですか？」</p>

<p>「......東側だったと思います」</p>

<p>「阿久津容疑者とは、どれくらい離れていましたか？」</p>

<p>「十五メートルくらい」</p>

<p>「給水塔の陰から飛び出したのはなぜですか？」</p>

<p>「受令機から副署長の発砲許可命令が入ったので」</p>

<p>「命令が入ったのは何時ですか？」</p>

<p>「正確な時刻は確認していません」</p>

<p>「なぜ確認しなかったのですか？」</p>

<p>「緊急事態です。時刻を確認する余裕などありません」</p>

<p>垣内がペンを走らせた。右隣の男が手元の資料に何かを書き込んでいる。左の男は、ただ伊場を見ていた。</p>

<p>「あなたが給水塔の陰から出た時点で、阿久津被疑者の状況は？」</p>

<p>「女児を左腕で抱えて、右手の包丁を握っていました」</p>

<p>「女児に危険が迫っていると判断しましたか？」</p>

<p>「はい」</p>

<p>「その判断の根拠は？」</p>

<p>「包丁が首筋に押しつけられていたし、女児が悲鳴を上げた」</p>

<p>「悲鳴を聞いたのは、小暮巡査部長が射線上に現れる前ですか、後ですか？」</p>

<p>「たぶん......前です」</p>

<p>「つまり、小暮巡査部長が現れた時点では、女児への危険はすでに確認済みだったわけですね？」</p>

<p>「そうかもしれないです」</p>

<p>「であれば、なぜ小暮巡査部長に向けて発砲したのですか？あなたの任務は阿久津被疑者の制圧ではなかったのですか？」</p>

<p>伊場は、一拍置いた。</p>

<p>「だから、小暮がわたしに銃口を向けたからとっさに撃った」</p>

<p>「小暮巡査部長があなたを撃つ意図を持っていたと判断した根拠は？」</p>

<p>そんなことまで、と伊場は思った。</p>

<p>「銃口がわたしに向いてたし、引き金に指がかかっていたはずです」</p>

<p>「あなたは興奮状態にありましたか？」</p>

<p>「......あったかもしれません」</p>

<p>「あったかもしれない、とは。あったのですか、なかったのですか？」</p>

<p>「興奮していました」</p>

<p>「興奮状態にあった場合、状況の認識が正確でない可能性があります。その点は認めますか？」</p>

<p>「......否定しませんが」</p>

<p>「小暮巡査部長の銃口がはっきりとあなたに向いていたと断言できますか？距離は十メートル前後、興奮状態での判断です」</p>

<p>「銃口はわたしに向いていました」</p>

<p>垣内は表情を変えず、ペンを走らせ続けた。</p>

<p>「小暮巡査部長が先に銃を向けましたか、あなたが先ですか」</p>

<p>「小暮が先です」</p>

<p>「断言できますか？」</p>

<p>「できます」</p>

<p>「発砲する前に、警告しましたか？」</p>

<p>「しません」</p>

<p>できるわけがなかった。</p>

<p>「なぜ警告しなかったのですか？」</p>

<p>「時間がありませんでした」</p>

<p>「警告する時間がなかったと判断した根拠は？」</p>

<p>見えない火で、じりじりと炙られているように感じる。</p>

<p>「ですから、小暮は引き金に指がかかっていました。対応しなければ撃たれると判断しました」</p>

<p>「その判断は、訓練に基づくものですか？」</p>

<p>「訓練？」</p>

<p>訊き返したが、応答はない。</p>

<p>「訓練て言えばそうかもしれないけど」</p>

<p>「訓練では、警告が困難な状況下での発砲についてどのように指導されていますか？」</p>

<p>「脅威が明白で即応が必要な場合、警告なしの発砲が許可されています」</p>

<p>「小暮巡査部長は同僚の警察官です。それでも脅威と判断しましたか？」</p>

<p>「銃口を向けられていました。相手が小暮であっても、脅威と判断せざるを得ませんでした」</p>

<p>「小暮巡査部長とは面識がありましたか？」</p>

<p>「小学校時代からの親友です」</p>

<p>垣内の目が、わずかに動いた。</p>

<p>「それは今回の判断に影響しましたか？」</p>

<p>「判断とか......わかりません。体が先に動きました」</p>

<p>「体が先に動いた、とは？」</p>

<p>「反射的に引き金を引いただけですから」</p>

<p>「反射的に、ということは、意識的な判断ではなかったということですか？」</p>

<p>「訓練での動作が出たかもしれないです」</p>

<p>「その訓練は、同僚の警察官に銃口を向けることを想定したものですか？」</p>

<p>伊場は呆れた。そんな訓練など誰ひとりとして受けたことはない。答えようがなかった。</p>

<p>「一般に脅威に対する対応として訓練されているだけです」</p>

<p>左に座る山口が、初めて口を開いた。</p>

<p>「伊場巡査部長。小暮巡査部長が発砲する意図を持っていたと、いまも確信していますか？」</p>

<p>伊場は、少し間を置いた。</p>

<p>「......そう思います」</p>

<p>「迷いがありますか？」</p>

<p>「確かめる術（すべ）はありません」</p>

<p>「確かめる術がないということは、確信が持てないということではありませんか？」</p>

<p>真綿で首を絞められているような感覚だった。</p>

<p>「瞬間の判断で、脅威と認識しました」</p>

<p>「瞬間の判断が正しかったかどうか、いまのあなたはどう思っていますか？」</p>

<p>伊場は答えなかった。</p>

<p>「伊場巡査部長」</p>

<p>「......わかりません」</p>

<p>山口が、無言でペンを走らせた。</p>

<p>「最後に確認します」と垣内が言った。「小暮巡査部長への発砲は、自己防衛のためであったと認識していますか？」</p>

<p>「そう認識しています」</p>

<p>「間違いありませんか？」</p>

<p>「間違いありません」</p>

<p>垣内は書類を揃えた。</p>

<p>「伊場巡査部長。本日より一週間、職務停止を命じます」</p>

<p>「......わかりました」</p>

<p>「拳銃は引き続き返納のまま保管します」</p>

<p>「はい」</p>

<p>「何かご不明な点は」</p>

<p>「ありません」</p>

<p>垣内は事務的にうなずいた。それで、終わった。</p>

<p>問答のあいだじゅう、垣内は一度も、小暮がなぜ屋上に現れたかを訊かなかった。公安の刑事がどうして拳銃を持っていたかも。なぜ立会いを形だけにして、ひとりで抱えたのかを訊かなかった。伊場の行動と判断、そして責任だけを問い続けた。まるで、はじめからそこだけを問うと決めていたかのようだった。自分が属している組織の冷徹さを肌で感じた。</p>

<p>本部を出ると、生ぬるい夜気が肌を包んだ。午後七時を過ぎていた。新宿で地下鉄丸ノ内線を使い、中央線に乗り換えた。事件は大きく報道されているはずだが、チェックする気は起きなかった。吉祥寺駅で降りる。タクシーを拾った。下連雀にある待機寮に着いたのは午後八時を回っていた。比較的新しい警察官専用宿舎だ。守衛のチェックを受け、エレベーターで四階に上がった。フローリングの１Ｋ、玄関脇にＩＨコンロとミニ冷蔵庫、ユニットバスがあるだけの狭い居室だ。いま建物全体は静かだった。</p>

<p>冷蔵庫を開けると中はほとんど空で、奥に冷凍ピザが一枚あった。コンロで焼き目をつけ、水を一杯飲んだ。焼けたピザを皿に乗せて食卓に座り、食べた。味はしなかった。噛んで飲み込む。食べ終わると戸棚から焼酎の瓶を出して、グラスに氷を入れながら、小暮のことを思った。</p>

<p>ふたりとも、八王子の出身だった。伊場は駅に近い子安町（こやすまち）の一軒家で、小暮は富士森公園のそばで育った。市立三小から六中と、九年間ずっと同じ学校に通った。放課後はふたりして八王子じゅうを自転車で乗り回した。高校は別だが、伊場は日大法学部へ進んで警察官になり、小暮は東京外大を出て公安に入った。伊場の父親は地域課の警官で、三人兄弟の末っ子として育った。ひとりっ子の小暮は、都庁の幹部職員だった父親に大事に育てられた。育ちも進んだ道も、よく似ているが、どこか違った。それでも、ずっと親友だった。</p>

<p>グラスの氷が、音を立てた。</p>

<p>一昨日の深夜、電話の向こうで聞いたのと同じ音だった。小暮は、ひとりで飲んでいた。</p>

<p>伊場はグラスを置いた。</p>

<p>おれは、小暮を撃った。</p>

<p>その事実だけが、岩のように胸の上にのしかかっていた。小学校からの親友だった。九年間、同じ学校に通った。八王子じゅうを自転車で走り回った。その小暮の首を、自分の弾が貫いた。</p>

<p>手のひらを見た。引き金を引いた右手だ。引き金の固い抵抗も、弾ける反動も、まだそこに残っている気がした。あれが、小暮の命を奪った。</p>

<p>小暮は「おまえのせいじゃない」と言った。だが、そんな言葉を真に受けられるはずがなかった。撃ったのはおれだ。ほかの誰でもない。瀕死（ひんし）の親友が、最後の力でおれを赦そうとしただけだ。あいつは、そういう男だった。死ぬ間際まで人を気遣う。だからこそ、あの言葉はよけいにつらかった。</p>

<p>涙は、出なかった。悲しみが、まだ形になっていなかった。胸の奥に巨大な空白がある。そこに詰まっていたはずの何かが、すべて抜け落ちていた。</p>

<p>警察を辞めよう。</p>

<p>ふいに、そう思った。</p>

<p>おれに、警察官でいる資格はない。同僚を、それも親友をこの手で撃ち殺した男が、これからものうのうと警察手帳を持ち続けるなど、できるはずがない。職務停止が明けたら、辞表を出そう。それしかない。</p>

<p>立てこもり犯を制圧できなかった。人質の子どもは助かったが、それはおれの手柄ではない。おれはただ、親友を撃った。それだけだ。</p>

<p>生まれてこのかた、これほど深く落ちたことはなかった。何も考えられなかった。考えようとするそばから、屋上のあの一瞬に引き戻される。小暮が射線上に現れる。撃つな、と叫ぶ。銃を構える。そして――おれが引き金を引く。</p>

<p>時計を見ると、午後十時を過ぎていた。テレビをつけてニュース番組にチャンネルを合わせた。梅雨入りの天気予報と合わせたようにクールビズの風景や夏の快眠グッズが長々と流れている。終わりかけに「吉祥寺立てこもり事件の続報です」とアナウンサーが口にした。「犯人と警察官一名が死亡、人質の女児は無事救出されました。詳細は調査中とのことです」</p>

<p>それだけで、ＣＭになった。</p>

<p>射手が誰かは一切公表されていないようだった。だが、その事実も、いまの伊場には何の慰めにもならなかった。公表されようがされまいが、撃ったのは自分だ。それは変わらない。</p>

<p>伊場は焼酎をあおった。酔いは、いっこうに回ってこなかった。</p>

<p>辞めるしかない。</p>

<p>もう一度、そう思った。それだけが、いまの伊場に残された唯一のけじめの取り方に思えた。</p>

<p>横になった。眠れないとわかっていたが、目を閉じた。暗闇の中で、小暮の声が聞こえた。</p>

<p>「おれみたいに、ならないでくれ」</p>

<p>その言葉の意味さえ、いまは考える気力がなかった。ただ、胸の上の岩が、少しも軽くならないまま、夜が更けていった。</p>

<p>〈つづく〉</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 25 Sep 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安東能明（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>世間のイメージとは違う？ 介護業界20年の安藤なつさんが感じている「現場のリアルな手応え」  安藤なつ（メイプル超合金）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15032</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015032</guid>
			<description><![CDATA[介護の現場に20年いた経験を持つメイプル超合金の安藤なつさん。&quot;きつい&quot;と思われがちの介護職について、ご自身の考えを教えていただいた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="安藤なつ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260904andonatsu06.jpg" width="1200" /></p>

<p>お笑いコンビ・メイプル超合金のツッコミ担当として活躍する安藤なつさん。無類の料理好きとして知られる安藤さんが、自由な発想が光る初のレシピ本『安藤なつの奔放ごはん』を上梓しました。実は介護の現場に20年以上携わっており、介護に関する著書でも注目を集めています。<br />
&quot;きつい&quot;というイメージが先行しがちな介護ですが、安藤さんは、大変なことも楽しいことも他の仕事と変わらないと語ります。今回は、介護を中心に安藤さんの考えをうかがいました。<br />
※全3回の中編です</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>長年の関係でも、合わなくなったら離れてみる</h2>

<p>――自由な発想な料理も印象的ですが、安藤さんの発信を拝見していると、人間関係に対しても押し付けが少なく寛容な印象があります。</p>

<p>【安藤】そうなんですね。自分のことはあまり見えないので、自覚はなかったですが&hellip;。</p>

<p>――相手を尊重しながら関係を築かれているように見えます。人づきあいの中で、何か意識されてることはありますか。</p>

<p>【安藤】長年一緒にいても今は疲れる相手になってしまったなら、別に一緒にいる必要はないと思っています。</p>

<p>だから、自分が余裕があって、向こうにも余裕があって、そういう時が来たらまた会えばいいんです。無理してこの関係続けようとするのが一番しんどいじゃないですか。</p>

<p>いろんな背景があると思うんですよ。仕事仲間で、ここでいざこざになるとめんどくさいから仲良くしとこうみたいな。それ、一番ストレスじゃないですか。そうやって壊れていくので、別に今はいいやって思うことの方が多いです。なんとかなるっちゃなるんで。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>介護を通じて人と向き合うことにストレスは感じない</h2>

<p>――安藤さんは長年介護の現場にもいらっしゃり、今もその発信を続けていると思います。利用者の方とのコミュニケーションを通しても、そうした人間関係の受け止め方が身についたりしたのでしょうか？</p>

<p>【安藤】そこはまた少し違うんですよね。介護は仕事なので、仕事として利用者さんとお付き合いをしてきました。だから、この人は何考えてるんだろう、何を求めてるんだろうということは積極的に考える必要があるんです。</p>

<p>友達のように対等ではないですよね。利用者さんと職員の立場なので。利用者さんが健やかに過ごせるためにどんなアプローチがふさわしいか、常に試行錯誤していました。</p>

<p>――仕事としてでも、利用者さんにあわせて「こういう方だから、こうやって接していこう」と考えながら接することに、ストレスのようなものが生まれたりはしませんでしたか？</p>

<p>【安藤】それも料理と共通しているのですが、実験のような感覚なんです。アプローチの仕方を変えて、正解に気づけて、向こうも喜んでくれたら嬉しい。だから、ストレスになったことはそんなにないですね。</p>

<p>どうしても、介護業界にはあまり良いイメージがないじゃないですか。離職率も高いし。でもその離職の理由は、利用者さんとのコミュニケーションではなくて、職員同士のコミュニケーション不足が多いんですよね。</p>

<p>介護業務の内容ではなくて、やっぱりお給料だったり、人間関係で辞められてる方が圧倒的多数だと思います。利用者さんに対して嫌だという人は、本当に少ないんじゃないかと思います。</p>

<p>もちろん、重度の認知症の方だったり、手に負えない方もいると思うんです。例えば、暴れる方がいて、その方に殴られてしまった時にカバーし合える同僚がいたらやっぱり違うじゃないですか。現場の環境が整っていなくて、ケアに向き合えないことが大変なんだと思います。</p>

<p>――負担が一人に偏ったり、そういうアンバランスが離職につながったりするんですよね。</p>

<p>【安藤】「私がやってあげるから」っていうスタンスの職員がいるとだいぶ崩れるんですよね。職員同士の尊重も必要なんです。難しいことではあるんですけど。</p>

<p>――介護＝大変というイメージは根深いですが、安藤さんは家族介護が大変とおっしゃられていましたよね。</p>

<p>【安藤】はい。そこが一緒くたになっているんですが、介護職と家族介護の二つは全く別物なんです。</p>

<p>家族で看るとなると24時間体制じゃないですか。各々仕事や生活をこなさなきゃならないので、余裕がない。</p>

<p>更に、できてたことができなくなっていく身内の様は、精神的にもつらいと思うんです。切り離しができない。だからこそ、家族介護はめちゃくちゃ大変だと思っています。なので、専門職の人を頼ってほしいなと常々思っているんです。</p>

<p>どんな仕事でも大変な瞬間ってあるじゃないですか。残業が続いたり、失敗したり、締め切り間に合わないなど。大変と思う瞬間は、介護であってもさほど変わらないと思います。</p>

<p>――やはり、賃金の問題なのかもしれませんね。被介護者も増えていく一方ではあるので、そこは改善されていくと良いのですが。</p>

<p>【安藤】そうですね。お金の問題はやっぱり改善されていくべきだと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>介護について揉める前に、どう話し合っておくべきか</h2>

<p><img alt="安藤なつ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260904andonatsu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>――高齢者がいるご家庭では、介護施設に預けるかどうかで意見が割れることもあると思います。家族でどんなことを話し合っておくべきだと思いますか？</p>

<p>【安藤】ご家族が認知症になる前に話しておくのが、一番理想ですね。遺産はどうするのかとか、介護施設にお世話になる場合に、施設の費用は親御さんのでちゃんと賄ってほしいなどというのは、お子さんは今後の生活があるわけだし、ちゃんと話し合った方がいいかなって思うんです。</p>

<p>介護費用がどれくらいになるかは、認知症のレベルや介護度にもよりますね。要支援１、２は一番軽いんですけど、そこから要介護1から５まであり、5は寝たきりの方ですね。それに応じて、使える介護サービスの量が増えていくんですね。</p>

<p>――やはり、お金のことが一番揉めてしまうんですよね。</p>

<p>【安藤】結局お金かよって思うけど、結局お金ですよね。だって生活があるんで。そこを認知症になる前に話し合っておいた方がいいかなと思いますね。</p>

<p>もちろん、話し合えるご家庭かどうかで変わってきてしまうんですが。親子の関係性があんま良くないとか、縁を切ってることもあり得ますし、いろんなパターンがあると思うんです。</p>

<p>関係性によっては、話し合う時に「お金目当てか」ってなる可能性もあるので難しいですよね。でも、究極を言えば面倒を見なくてもいいですからね。中には、縁を切ったんで親の面倒は見ませんっていう人もいるじゃないですか。</p>

<p>でも、ご家族の関係がある程度良好で、いずれ介護が発生するのが目に見えているのであれば、親御さんが住んでいる地域包括センターにまずは相談してみると良いと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>認知症の家族と&ldquo;一緒に住まない選択&rdquo;をすること</h2>

<p>――実際に認知症の方を施設に預けてみると、家族関係が改善したり、よく施設に会いに来るようになることもあるそうですね。</p>

<p>【安藤】余裕ができたからじゃないですかね。最近、X（旧Twitter）で孫が認知症のおじいちゃん/おばあちゃんを看ているなかで、怒鳴り散らかしてるような映像がよく流れてきます。そういうのを見ると、いやもう施設に入れてあげてよと思うんです。</p>

<p>そのお孫さんは、認知症の家族に対して明らかにストレスが溜まっているじゃないですか。ご本人もそれで怒鳴り散らかされて絶対にしんどいですよね。だからこそ、一緒に住まない選択をしてほしいですね。</p>

<p>――さきほどの人間関係の保ち方に似てますね。</p>

<p>【安藤】確かにそうですね。距離を取ること。</p>

<p>大変な思いをするくらいなら、第三者に助けを求めることも必要だと思います。ただ、日本人の特性かわかんないですけど、助けてって言えない人も多い印象です。でも、言いづらくて溜めて爆発するぐらいだったら、助けてもらった方が絶対にいいと思うんです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260904andonatsu06.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 25 Sep 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安藤なつ（メイプル超合金）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「弱みを見せる上司」がなぜ強い？部下の信頼を生む4つ目の報連相  ⻆谷建耀知（株式会社わかさ生活　創業者 代表取締役社長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14979</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014979</guid>
			<description><![CDATA[完璧さではなく本音や背景を上司から共有し、人を安心させることが信頼の鍵。さらに従来の｢報連相｣に｢確認｣を加えた4点セットを意識することで認識のズレを防ぎ、相談しやすい組織を作れると解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="オフィスで上司が部下に優しく話しかけている様子" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_feedback.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢部下に弱みを見せたらナメられる｣は大きな誤解です。なぜあの人のチームはいつも楽しそうに成果を出し、トラブルも未然に防げるのか。その理由は｢完璧なリーダーシップ｣ではなく、上司からの｢本音の共有｣と｢4つ目の報連相｣にありました。部下が勝手に育ち、信頼が集まる｢愛される上司｣の対話術を明かします。</p>

<p>※本稿は、⻆谷建耀知著『｢変わりたい｣けど、｢変われない自分｣から抜け出すための行動の仕組み化』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>愛される上司の秘訣</h2>

<p>上司になると、部下には自分の弱みを見せたくないという感情が生まれてしまいがちです。</p>

<p>こちらのほうが立場は上なのだから、しっかりしていなければいけない。迷っている姿を見せてはいけない。わからないと言ってはいけない。｢迷っている姿を見せたら、部下に頼りないと思われるのではないか｣</p>

<p>そう考えてしまう人も少なくありません。ですが私は、それはとてももったいないことだと思っています。</p>

<p>仕事をしていると、｢ちゃんと報連相をしなさい｣と言われます。報告、連絡、相談は社会人として大切なことですし、私もその通りだと思います。ただ、多くの職場では、それは部下が上司に対して行うものだと考えられています。</p>

<p>私は、本来そういうものではないと思っています。大切なのは、相手を安心させるための情報共有です。ですから、実は報連相は、上司から部下に対しても必要なのです。</p>

<p>私がこれまでたくさんの人たちと仕事をしてきた中で感じるのは、部下が不安になる原因の多くは情報不足だということです。なぜこの仕事をやるのか。なぜ方針が変わり、なぜその判断をしたのか。それがわからないと、人は不安になります。逆に背景がわかると安心します。たとえ大変な仕事だったとしても、｢なるほど、そういう理由なら頑張ろう｣と思えるのです。</p>

<p>ところが上司になると、自分の考えを説明しなくなる人がいます。立場が上だから説明しなくても汲くみ取ってくれるだろうと思ってしまうのかもしれません。</p>

<p>ですが、実は部下が本当に知りたいのは結果ではありません。その結果に至るまでのプロセスです。なぜそう判断したのか。何を心配しているのか。何に悩んでいるのか。そうした背景を知ることで、はじめて上司の考えを理解できるのです。</p>

<p>例えば、｢正直、この件は私も迷っている｣｢私も最初はよくわからなかった｣｢今回は判断を間違えたかもしれない｣。そんな言葉を上司が口にすると、｢部下から信頼されなくなるのでは｣と思う人もいるかもしれません。ですが私は逆だと思っています。そういう言葉を言える上司のほうが信頼されます。</p>

<p>なぜなら、人は完璧な人に安心するのではなく、本音を見せてくれる人に安心するからです。逆に、何を考えているのかわからない人の下では、本音が出なくなります。失敗を隠すようになりますし、相談も遅れます。そして組織全体が、｢弱みを見せてはいけない場所｣になってしまうのです。</p>

<p>私は、優秀な上司とはなんでもできる人ではないと思っています。わからないと言える人です。助けてほしいと言える人です。間違いを認められる人です。そして、自分から情報を共有できる人です。</p>

<p>組織の空気は、日々のコミュニケーションの積み重ねでつくられます。立派な理念やスローガンよりも、｢何を考えているのかを伝える｣｢困った時に相談する｣｢途中経過を共有する｣といった日常のやり取りのほうが、ずっと大切だと思っています。</p>

<p>だからこそ、部下に求める前に、まず上司から伝えるべきだと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>報連相は3点セットではなく4点セット</h2>

<p>そして、もう1つ、これは上司、部下にかかわらず、報連相に関することで、大切なことがあります。<br />
私は、報告・連絡・相談の3つだけでは足りないと思っています。</p>

<p>4つ目の必要な行動。それが｢確認｣です。多くの人は、｢伝えたから大丈夫｣と思っています。</p>

<p>でも実際には、相手がどう受け取ったかまではわかりません。こちらは伝えたつもりでも、相手は違う意味で理解していることがあります。</p>

<p>｢わかりました｣と返事をしていても、本当に同じ認識になっているとは限らないのです。同じ言葉を聞いても、人によって受け取り方は違います。伝えたつもりでも、意図がズレてしまうことはよくあるのです。だからこそ、私は、最後に確認を入れるようにしています。</p>

<p>｢つまり、○○だということなんだけど、理解できていますか?｣<br />
｢では具体的にこのように進めるということで大丈夫?｣</p>

<p>そう聞くだけで、お互いの認識のズレはかなり減ります。仕事で起きるミスの多くは、能力不足ではなく、認識のズレです。報告も連絡も相談もした。それでもうまくいかない。そんな時は、最後の確認が抜けていることが少なくありません。</p>

<p>確認とは相手を疑うことではありません。同じ方向を向くための作業です。その一手間があるだけで、認識のズレは減り、相手も安心できます。</p>

<p>私は、こうした小さな確認の積み重ねが、仕事をスムーズにし、なんでも相談できる組織をつくると考えています。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_feedback.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 25 Sep 2026 17:27:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[⻆谷建耀知（株式会社わかさ生活　創業者 代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>夏井いつきさんが解説　俳句を投稿するときに初心者がぶつかる兼題の「壁」  夏井いつき（俳人）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15070</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015070</guid>
			<description><![CDATA[俳句の先生、夏井いつきさんが俳句を投稿する「投句」について解説。投句において初心者がぶつかる壁について教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="夏井いつき" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2024/2024A/241217natsuiitsuki.jpg" width="1200" /><br />
写真：御厨慎一郎、イラスト：伊藤ハムスター</p>

<p>作った俳句を雑誌やコンテストなどに投稿する「投句」。これが習慣になれば、俳句を作ることが日常となり、俳句のある人生をさらに楽しめるようになる――。そう語るのは、テレビ番組「プレバト!!」でおなじみの俳句の先生、夏井いつきさんです。</p>

<p>新著『夏井いつきの世界一わかりやすい投句の授業』では、同シリーズで俳句を学習してきた編集者・秘英知（ぴーえいち）さんが夏井さんから投句の極意を学んでいきます。</p>

<p>本稿では、兼題（お題）が季語だったとき、初心者がぶつかる壁とその乗り越え方をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、夏井いつき著『夏井いつきの世界一わかりやすい投句の授業』（PHP研究所）から一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>※夏井いつきさんのラジオ「夏井いつきの一句一遊」（南海放送）では、月曜日&rarr;火曜日&rarr;水曜日&rarr;金曜日の順で、紹介する俳句のレベルが上がっていく仕組みになっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>どっちの技で作ればいい？</h2>

<p><img alt="夏井いつき" height="1983" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260911natsuiitsuki04.jpg" width="1200" /></p>

<p>夏井：秘英知さん、前回、俳句の作り方で質問があるといっていたよね？</p>

<p>秘：そうなんです。俳句を作るときに、ちょっと迷ったことがありまして&hellip;。</p>

<p>夏井：なになに？</p>

<p>秘：俳句には「取り合わせ」と「一物仕立て」の二つの技がありますよね。今回みたいに季語が兼題になっているときは、どっちの技を使えばいいのかなと&hellip;。</p>

<p>夏井：一句のなかに兼題の季語が入ってさえいれば、どっちでもOKだよ。</p>

<p>秘：そうですよね。お題が季語の「苗床」だったので、季語のことだけで一句作る一物仕立てにしなきゃいけないのかと、ふと不安になったもので&hellip;。</p>

<p>夏井：やりやすいほうで大丈夫。ただ、最初のうちは、取り合わせのほうが作りやすいかな。秘英知さんは、今回、三句とも、取り合わせの基本の型「十二音日記」を使って作ってくれていたよね。日記を書くみたいに十二音のフレーズを作って、それに季語をくっつける型。まずは、これでいいんです。</p>

<p>・苗床やロマンスカーの通過駅<br />
・苗床や赤字だらけのゲラの束<br />
・苗床やインクの切れた赤いペン</p>

<p>秘：よかった（ホッ）。</p>

<p>夏井：この前、秘英知さんは「植物を育てた経験がほとんどないので、苗床のことをうまくイメージできないまま俳句を作った」なんていっていたと思うけど、基本の型をちゃんと使えているからこそ、季語のことがあまりわかっていなくても、最低限、火曜日が確保できたわけです。</p>

<p>秘：私、型に助けてもらっていたんですね。</p>

<p>夏井：そう。初投句の人は、兼題だけ出されて「はい、俳句を作ってください」といわれても、うまいとかへた以前に、どうしたらいいのかわからなくて、一句も作れないんです。しかも、「苗床」みたいにマイナーな季語だと余計にね。だから、初投句の秘英知さんが型の力を借りたのは、いい選択だったと思うよ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「十二音日記」俳句の作り方</h2>

<p>取り合わせの、もっとも基本の型です。たくさん作って、ぜひマスターしてみてください。初投句のときに悩んだら、秘英知さんのように、この基本の型で作ってみるのがおすすめです。</p>

<p><img alt="夏井いつき" height="2447" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260911natsuiitsuki05.jpg" width="1200" /></p>

<p>【手順】<br />
ステップ①　五音か七音の言葉、もしくは五音か七音になりそうな言葉を探す<br />
ステップ②　①の言葉を「五音＋七音」か「七音＋五音」の十二音（俳句のタネ）にふくらませる<br />
ステップ③　②の十二音の気分にあう五音の季語と取り合わせる<br />
<br />
【ポイント】<br />
・十二音のフレーズは、意味がひと続きになっている<br />
・十二音のフレーズには季語を入れない<br />
・季語と十二音のフレーズには、直接的な関連はない<br />
・季語と十二音のフレーズのあいだに意味の切れがある</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>初投句の人が直面する壁</h2>

<p>秘：夏井先生、その取り合わせの基本の型の作り方について、もう一つ、気になったことがあるんです。</p>

<p>夏井：おっ、積極的だね。どんなことが気になったの？</p>

<p>秘：十二音日記俳句では、十二音のフレーズを先に作って、あとから、そのフレーズの気分にあう季語を選びますよね。こんな順番で。</p>

<p>①十二音のフレーズ&rarr;②季語</p>

<p>夏井：そうだね。私は十二音のフレーズのことを「俳句のタネ」と呼んでいて、初心者の人には「まず五音か七音になりそうな言葉を自分のまわりで見つけて、それを十二音にふくらませてみよう」と伝えています。</p>

<p>秘：私も、そう教えていただきました。</p>

<p>夏井：十二音のフレーズから考える方法は、俳句経験０の人が最初の一句を作るのに最適なんです。身近にある十二音を探して、最後に季語をちょこんとくっつければいいだけだからね。十二音の気分にあわせて季語を自由に選べるから、俳句に対するハードルが一気に下がるんです。</p>

<p>秘：その十二音のフレーズを使おうとしたんですが、「苗床」みたいに季語が兼題になっていると、②の季語のほうが先に決まっているじゃないですか。そうなると、これまでと作る順番が逆になるので、どうすればいいのかわからなくなったんです&hellip;。</p>

<p>夏井：兼題の壁に、どーんとぶつかったんだね。これまで、一生懸命、十二音のフレーズを集めていたのに、先に兼題として季語が決まっていると、突然、目の前に大きな山があらわれたみたいに感じて戸惑ったわけだ。</p>

<p>秘：そうなんです（泣）！「あれ？今までと作る順番が逆だ」と思いながら、どうしたらいいのかわからなくて、手帳にストックしていた十二音のフレーズを引っぱりだしてきて、強引に「苗床や」をくっつけて投句しました&hellip;。</p>

<p>夏井：それって、初投句の人の多くが通る道なんだよね〜。秘英知さんは、初心者の人あるあるを次々に経験してくれる。初心者のとてもいいお手本だよ！</p>

<p>秘：ほめられているんでしょうか&hellip;。</p>

<p>夏井：ほめてる、ほめてる（笑）！</p>

<p>秘：それじゃあ、私みたいに十二音のフレーズから作っていた初心者は、季語が兼題になっているときは、どうすればいいんですか？</p>

<p>夏井：季語が先に決まっているわけだから、答えはとってもシンプル！兼題になっている季語のことを先に調べて、そこから季語にあう十二音のフレーズを取り合わせればいいんです。</p>

<p>秘：季語にあうフレーズ&hellip;!?</p>

<p>夏井：困惑しているね（笑）。大丈夫、一緒に考えていこう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>調べたことを俳句に活かそう</h2>

<p>夏井：秘英知さんは、兼題「苗床」について調べたのはよかったんだけど、俳句を作るときに、その情報をまったく活かさなかったでしょ。調べただけで、それと取り合わせた十二音のフレーズとの接点については考えなかった。</p>

<p>秘：そうですね&hellip;。手帳にストックしていた十二音のフレーズに、とりあえず「苗床や」をくっつけただけなので&hellip;。</p>

<p>夏井：取り合わせという技は、一見、関連のなさそうな言葉をパズルみたいに合体させて俳句を作る方法だから、今回、秘英知さんがやったみたいに、もともとストックしていたフレーズに兼題の季語を取り合わせるだけで、うまくいくこともあるんです。場合によっては、うっかりホームランを打つこともね。</p>

<p>秘：そんなことがあるんですか&hellip;!?</p>

<p>夏井：火曜日レベルの初心者の人が急に金曜日に読まれて、本人がいちばん驚くということがたまにね（笑）。それが取り合わせのおもしろさではあるんだけど、偶然うまくいっただけ。目を閉じてバットを振ったら、たまたまボールがバットの芯にあたって飛んでいったみたいなものだから、結果が続かないんです。</p>

<p>秘：私はボールを見ずにバットを振っていたわけですね&hellip;。夏井先生、その「取り合わせがうまくいく」っていうのは、どういう状態なんですか？</p>

<p>夏井：ひと言でいうと、季語とそれ以外のフレーズに、つかず離れずのほどよい距離感がある状態です。ちょっと抽象的でわかりにくいと思うけど、あとで話が出てくるはずだから、今はわからなくて大丈夫。この言葉の距離感をつかめるようになってくると、一気に水曜日以上になれるんだよね〜。</p>

<p>秘：水曜日以上に！と、とりあえず、私みたいに、ストックしていたフレーズに兼題の季語を強引にくっつけても、うまくいく確率が低いということですね。</p>

<p>夏井：そうだね。ちゃんとボール（季語のことね）を見て、ボールとの距離感を考えながらバットを振ることが大切！それが季語にあうフレーズを考えるということです。意図して季語とそれ以外のフレーズを取り合わせたほうが、うまくいく確率がぐんと上がるからね。</p>

<p>秘：でも、ちゃんとボールを見て、距離感を考えながらって、どうすれば&hellip;。</p>

<p>夏井：まずは、兼題の季語について調べながら、自分の外から情報を仕入れること。自分の頭だけで俳句のタネを作ろうとすると、己の脳以上のものは生まれないし、だんだん同じような句ばかりになるんです。だけど、季語を通して、自分の外からも情報を集めるようにすると、思いがけないアイデアや発想がぽろっと出てくるんだよね。</p>

<p>秘：その話、編集者が本の企画を考えるときと似ているかもしれません。頭でこねくりまわして考えていると、どこかで見たことのあるような企画ばかりになって、どんどん苦しくなるんです。だから、人に会ったり、はじめての場所にいったりして、自分のなかになんとか新しい風を送りこむようにしています。</p>

<p>夏井：まさに同じだね！俳句も、そうやって、自分の外から情報を集めながら作るほうが、絶対におもしろいものが生まれると私は思っているよ。だから、今後、秘英知さんにトライしてほしいのは、兼題の季語から情報を仕入れながら俳句のタネを考えること。これまでみたいに、ストックしていたフレーズに兼題の季語を取り合わせるのも一つの方法だけど、別のやり方も覚えていこう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 25 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[夏井いつき（俳人）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「姑を介護したくない」悩む嫁に医師が勧めた“意外な距離の取り方”  小笠原文雄（医学博士／浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15058</link>
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			<description><![CDATA[不仲な家族の介護をどうしたらいいのか？ 医師・僧侶の小笠原文雄さんは「無理に仲直りする必要はない」と語ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_rougo1.jpg" width="1200" /></p>

<p>不仲な家族に介護が必要になったとき、あるいは自分が介護される立場になったとき、家族との関係にどう向き合えばいいのでしょうか。</p>

<p>医師であり僧侶でもある小笠原文雄さんは、無理に仲直りする必要はないと語ります。「家族だから」「子どもだから」と介護を強いることが、必ずしも本人にとって満足のいく最期につながるとは限らないからです。書籍『笑って大往生できる人できない人』より、一節を紹介します。</p>

<p>※本稿は、小笠原文雄著『笑って大往生できる人できない人』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>息子の嫁に介護されたくない、姑を介護したくない</h2>

<p>「私、息子の嫁と仲が悪いんです。介護されるのは嫌だわ」</p>

<p>在宅医療を受けていた井上芳子さんは、私にこのように話しました。隣町に長男夫婦が住んでいますが、めったに会うことはありません。ですから、私は井上さんに伝えました。</p>

<p>「来てもらわなくてもいいんじゃない？ 気が合わない人に来てもらっても心は暖かくならないよ。それに、訪問看護師さんやヘルパーさんが来てくれるから心配いらないよ」</p>

<p>そう話した1カ月後、井上さんはほぼ寝たきりになりました。</p>

<p>そして長男の妻である幸恵さんが小笠原内科にやって来て、私に切り出しました。</p>

<p>「先生、義母を入院させてもらえませんか？」<br />
「どうして入院してほしいの？」<br />
「私が介護しなかったら、寝たきりの姑を放置したといううわさが流れて、これから先、肩身が狭くなってしまいます。だからといって、介護はしたくありません」</p>

<p>ここで、それぞれの意向を整理しておきましょう。</p>

<p>○井上さん　最期まで家にいたい、嫁には介護されたくない<br />
○幸恵さん（長男の妻）　姑を介護したくない、うわさの的になりたくない、姑を入院させたい<br />
○俊介さん（長男）　「一人暮らしをしたい」という母親の願いはかなえてあげたいが孤独死させたくない、妻の気持ちはわかる、母親を入院させたい</p>

<p>まず私は、幸恵さんに、ゆっくりと穏やかな口調で伝えました。</p>

<p>「変なうわさが流れるのは嫌だよねぇ...。あなたは井上さんの家まで車で行くことはできるよね？ 家の前に車があれば、近所の人はあなたが介護に来ていると思うんじゃないかな。実際の介護はヘルパーさんに任せて、あなたはこそっと安否確認だけしたら、隣の部屋で本でも読んでいればいいんじゃない？」</p>

<p>すると、幸恵さんは目を丸くして、帰っていきました。私の返事が、思いがけない内容だったのかもしれません。</p>

<p>数日後、私は隣町の長男夫婦の家に行って、俊介さんに伝えました。</p>

<p>「孤独死っていうのは、一人でいるときに死ぬことじゃないよ。心が孤独になって、その中で死ぬことだからね。だから、たとえ一人でいるときに亡くなったとしても、本人の願いがかなったなら、それは大往生だよ」</p>

<p>在宅医療について説明すると、俊介さんの表情は少し和らぎました。そのタイミングで、私に同行したTHP（トータルヘルスプランナー）が提案しました。</p>

<p>「そんなに心配なら、一人になる時間が長くなるときにだけ、身の回りの世話をしてくれる自費ヘルパーを頼んだらどうですか？ それほどお金はかかりませんよ」</p>

<p>やっと俊介さんはうなずきました。</p>

<p>数カ月後、訪問看護師が来ているときに井上さんは旅立ちました。自費ヘルパーには4万円ほどしかかかりませんでした。こうして、井上さんと俊介さん、幸恵さんの全員の願いがかなう、「希望死・満足死・納得死」が実現しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>仲の悪い家族と無理に仲直りをしなくていい</h2>

<p>井上さんの場合に限らず、家庭にはそれぞれの歴史があり、それぞれの事情があります。家族みんなが元気な頃には気にせずに済んでいた問題が、介護などで表面化することも珍しくありません。</p>

<p>そのときに仲直りをしようとしたり、家族としての役割を押しつけたり、我慢を強いたりすると、全員がストレスを抱えることになります。</p>

<p>家族だからといって、急に仲よくなれません。仲が悪いのならば、それをそのまま受け入れてから、全員の願いがかなうように折り合いをつけましょう。自分の希望も相手の希望も尊重する態度は、わがままではないのです。</p>

<p>不思議なことに、大往生を目にした家族は皆さん仲直りしていました。</p>

<p>「家族だから」「子どもだから」という固定観念で、入院や家族による介護を強いたために、誰も納得できないまま最期を迎えるケースは、残念ながら少なくありません。現在はいろいろな家族の形、そしてさまざまな介護の選択肢があることを、ぜひ知ってほしいと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 25 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小笠原文雄（医学博士／浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「仕事がつまらない」原因は？ 転職前に試したい7つの行動  ⻆谷建耀知（株式会社わかさ生活　創業者 代表取締役社長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14980</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014980</guid>
			<description><![CDATA[｢仕事がつまらない｣と辞める前に、仕事への向き合い方を振り返る重要性を説く記事。自分で考え、深掘りし、進化させる｢7つの視点｣を意識することで、今の仕事の面白さに気づき景色が変わると解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="転職の選択肢・ターニングポイントを象徴する、多方向を指す矢印のイラスト" height="742" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_turningpoint.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢この仕事、自分に向いてないかも...｣そう感じて転職サイトを開いたことはありませんか?仕事がつまらない原因は、本当に｢その仕事｣のせいでしょうか。実は、転職という大きな決断をする前に｢ある7つの視点｣で向き合い方を少し変えるだけで、見慣れた日常がガラリと面白くなるかもしれません。後悔しないキャリアを選ぶために、いま一度立ち止まって確かめたい｢自分の行動｣を解説します。</p>

<p>※本稿は、⻆谷建耀知著『｢変わりたい｣けど、｢変われない自分｣から抜け出すための行動の仕組み化』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>その転職、本当に解決策ですか？</h2>

<p>仕事をしていると、｢この仕事は自分に向いていないのではないか｣と思うことがあります。</p>

<p>▼仕事がつまらない<br />
▼やっている仕事に意味があるのかわからない<br />
▼上司の言っている言葉が納得できない<br />
▼毎日同じことの繰り返しで、やりがいも感じられない</p>

<p>そんな気持ちになったことがある人もいるでしょう。もちろん、本当に自分に合わない仕事もあります。また、どんな職場にも、気が合う人もいれば、そうでない人もいます。</p>

<p>仕事そのものは嫌いではないのに、特定の人との関係が原因でつらく感じることもあるでしょう。私は、仕事がつらいと感じること自体を否定したいわけではありませんし、転職することが悪いとは思いません。それも１つの選択です。</p>

<p>ただ私は、その決断をする前に一度だけ自分自身に問いかけてみてほしいことがあります。それは、｢この仕事ときちんと向き合ってきただろうか｣ということです。</p>

<p>少し厳しく聞こえるかもしれませんが、仕事がつまらない原因は、必ずしも仕事そのものにあるとは限らないと思っています。仕事との向き合い方に原因があることも少なくないからです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>仕事の景色が変わる｢7つの視点｣</h2>

<p>私が仕事に対して大事にしている７つのことがあります。</p>

<p>▼好きになること<br />
▼気づくこと<br />
▼常に考えること<br />
▼深掘りすること<br />
▼継続すること<br />
▼共有すること<br />
▼進化させること</p>

<p>1つずつ説明していきます。</p>

<p>▼好きになること<br />
これは、最初から好きな仕事を探すという意味ではありません。目の前の仕事の中に、少しでも面白いところを見つけようとすることです。</p>

<p>▼気づくこと<br />
ただ作業をこなすのではなく、｢なぜこうなっているのだろう｣｢ここはもっと良くできないだろうか｣と、小さな違和感や発見を拾うことです。</p>

<p>▼常に考えること<br />
これは、ずっと机に向かって考え続けるという意味ではありません。<br />
これまでにもお話ししたように、頭のどこかで気にかけ続けることです。<br />
気にしているから、日常の中でヒントに気づけるのです。</p>

<p>▼深掘りすること<br />
今やっていることはなぜ必要なのか。誰のための仕事なのか。どこに価値があるのか。そこまで掘っていたでしょうか。<br />
表面上の作業に見えていたものの意味が変わってきます。</p>

<p>▼継続すること<br />
根性で耐え続けることではありません。<br />
続けられる形をつくり、少しずつ積み重ねていくことです。<br />
続けるからこそ、最初は見えなかった面白さが見えてくることがあります。</p>

<p>▼共有すること<br />
いろいろなことを自分1人で抱え込んではいなかったでしょうか。<br />
気づいたこと、考えたこと、困っていることを周りと共有する。すると、自分では見えていなかった視点が加わり、仕事の見え方が広がります。</p>

<p>▼進化させること<br />
昨日と同じやり方をただ繰り返していませんか?&nbsp;<br />
小さくてもいいから、もっと良くできるところを探す。<br />
仕事の仕方を少しずつ変えていくことで、自分自身も変わっていくのです。</p>

<p>もし今、仕事がつまらないと感じているなら、一度この7つを振り返ってみてください。</p>

<p>私はこの仕事を好きになろうとしただろうか。ただ言われたことをやるだけで終わらず、仕事をしていて生まれる改善点や違和感を見つけようとしていただろうか。お客さんは何を求めているのか、普段から気にしていただろうか。なぜこの仕事が必要かを、深掘りできていただろうか。</p>

<p>続けられるような、自分なりのやり方を見つけようとしただろうか。自分の意見や悩みごとを、周りの人と共有できていただろうか。少しでも良くしようと工夫しただろうか。</p>

<p>このような問いへの答えがもし｢まだ十分ではなかった｣なら、仕事そのものではなく、向き合い方を変えることで景色が変わるかもしれません。</p>

<p>私は、人は興味があることを面白いと感じるのだと思っています。そして興味は、考えることで生まれます。考えるから気づき、気づくから深掘りする。深掘りするから興味がわき、興味がわくから続けられ、続けることでさらに考えが深まります。</p>

<p>最初から面白い仕事ばかりではありません。むしろ最初は、どんな仕事もその楽しさがよくわからないものです。</p>

<p>だからこそ私は、｢仕事がつまらない｣と感じた時ほど、自分がまだ見えていない部分があるのではないかと考えるようにしています。繰り返しますが、本当に合わない仕事、会社というのはあるので、転職するなと言いたいわけではありません。</p>

<p>ですが、今していることが、気づいていないだけで、もしかしたらものすごくあなたに合った仕事かもしれないのです。それを逃さないためにも、日々の仕事を嫌いになる前に、自分の普段の行動について立ち止まって考えてみても、よいのではないでしょうか。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_turningpoint.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 25 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[⻆谷建耀知（株式会社わかさ生活　創業者 代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>中村哲を描いた『炎と水』が本田靖春ノンフィクション賞　類書多数でも光った取材力  Moguru編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15173</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015173</guid>
			<description><![CDATA[中村哲さんを描いた『炎と水』が第48回本田靖春ノンフィクション賞を受賞。山岡淳一郎さんが制作秘話と編集者への思いを語りました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260924Yamanakajyunichiro01.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年9月18日に、第48回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」の贈呈式が行われ、山岡淳一郎さんの『炎と水　中村哲と名もなき人たちの旅』（集英社）が表彰されました。<br />
<br />
本作が描くのは、パキスタンやアフガニスタンで医療活動に取り組み、のちに用水路建設などにも力を注いだ医師・中村哲さんです。<br />
<br />
中村さん自身の著作や関連書が数多く刊行されてきたなか、山岡さんは本人だけではなく、その人生に深く関わった人々への取材を重ね、他とは違う&quot;中村哲さんの姿&quot;を浮かび上がらせました。<br />
<br />
贈呈式では、選考委員を代表して魚住昭さんが選評を述べ、続いて山岡さんが本作が生まれるまでの過程や、制作を支えた編集者への思いを語りました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>魚住昭さん「真の献身というのはこういうことなのか」</h2>

<p><img alt="『炎と水　中村哲と名もなき人たちの旅』（集英社）" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260924Yamanakajyunichiro02.jpg" width="1200" /></p>

<p>選考委員の魚住昭さんは受賞作について、「山岡さんの取材はベテランらしく行き届いていて、文章によどみがない」と評価しました。<br />
<br />
とりわけ印象に残ったのが、本書のプロローグだったといいます。天空へ一本の水の道がくっきりと伸びていくシーンは、ため息をつきたくなるほど鮮やかな書きぶりだったと称賛しました。<br />
<br />
魚住さんにとっても、中村哲さんは忘れられない存在だったといいます。<br />
<br />
2001年9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生した後、魚住さんはアフガニスタンとの国境に近いパキスタンの都市・ペシャワールを訪れました。<br />
<br />
現地では反米感情が高まり、日本人にも危険が及ぶ可能性があると聞かされていたため、緊張しながら取材を始めたといいます。ところが、実際に街で出会った人々はとても親切でした。<br />
<br />
その理由を教えてくれたのが、偶然乗ったタクシーの運転手でした。運転手は、中村さんが病院をつくり、貧しい人々を診療しているため、ペシャワールの人々は日本人に好意を抱いていると話したといいます。<br />
<br />
魚住さんは『炎と水』について、中村さん本人だけでなく、その周囲に集まった同志たちの目を通して、中村哲という人物を鮮やかに描いた作品だと評価しました。<br />
<br />
何のためにこんなことをやっているのかと問われた中村さんが、「私はバカやけんな」と答え、たばこの煙を吐き出す場面も、その姿が目の前に浮かぶようだったと語りました。<br />
<br />
「この本を読み終えて、真の献身というのはこういうことだったのだなと、改めて思いました」<br />
<br />
また、魚住さんは、本書の成立を支えた編集者の存在にも触れました。<br />
<br />
「ノンフィクションの名作や秀作は、作者一人の力では決して生まれません。この作品では、編集者の役割の大きさも教えてもらいました」<br />
<br />
魚住さんは、「優れた本を作ってくださってありがとうございました」と謝意を表し、選評を締めくくりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>山岡淳一郎さん「人間・中村哲を書きたい」</h2>

<p><img alt="左から山岡淳一郎さん、内藤健さん" height="868" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260925Kodansha02.jpg" width="1200" /><br />
左から山岡淳一郎さん、講談社科学出版賞を受賞した内藤健さん</p>

<p>山岡さんは、『炎と水』の企画を実現するまでには苦労があったと振り返りました。<br />
<br />
中村哲さんは、パキスタンでハンセン病の治療に携わった時期から、アフガニスタンで用水路建設に取り組んだ晩年まで、自らの活動を数多くの著書に残しています。そのため山岡さんが出版社に企画を持ち込んでも、「類書が多い」と難色を示されることがあったといいます。<br />
<br />
それでも山岡さんには、これまでとは異なる光を当て、「人間・中村哲」を書きたいという思いがありました。その企画を受け止めたのが、集英社の編集者・武田和子さんでした。<br />
<br />
武田さんは、中村さん自身による著書は数多くあっても、書き手が取材を重ね、一人の人間として中村哲を描いた本はないのではないかと考え、企画を後押ししました。<br />
<br />
そんな武田さんの言葉は、本書の書き出しにも大きな影響を与えているといいます。<br />
<br />
山岡さんが最初に書いたのは、中村さんが2019年12月4日、ジャララバードで襲撃された場面でした。衝撃的な場面から始めることで、読者を物語へ引き込もうと考えたためです。<br />
<br />
しかし、原稿を読んだ武田さんは、「2019年の12月4日、山岡さん、この場にいなかったでしょ？」と問いかけました。そして襲撃場面を再構成した文章よりも、山岡さんがアフガニスタンから送っていた、旅日記のような取材報告の方が心に響くと伝えたそうです。<br />
<br />
こうして生まれたのが、「アフガニスタンは渓谷の国である。国土のほとんどを峻険で巨大な山々が占め、その雪嶺から溶け出した清流は、山間に渓谷を刻んで平原へと下る」というプロローグです。山岡さんは、本書全体の核となるものを、この冒頭の数行に込めるつもりで書いたと振り返りました。<br />
<br />
武田さんは、本書の完成を見届けることなく、2025年の早春に亡くなりました。山岡さんは「武田さんがご存命のうちに、この本を上梓したかった」と心残りを語ります。<br />
<br />
そのうえで、本書の制作に伴走した編集者をはじめ、取材や執筆を支えた人々に感謝を述べ、最後に「この賞を励みとして、これからさらに一層精進していきたい」と、今後の執筆への決意を述べました。</p>

<p><img alt="左から山岡淳一郎さん、内藤健さん" height="828" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260925Kodansha01.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260924Yamanakajyunichiro01.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 24 Sep 2026 19:45:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[Moguru編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「先祖は小豆で全財産を失った」150年後、子孫の著書『アズキの起源』が科学出版賞に  Moguru編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15171</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015171</guid>
			<description><![CDATA[第42回講談社科学出版賞を受賞した内藤健さんの『アズキの起源』。アズキの日本起源を解き明かした研究と、内藤家とアズキの&quot;因縁&quot;を紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="内藤健さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260925Naitoken01.jpg" width="1200" /><br />
あずき色の装いで登壇した内藤健さん</p>

<p>2026年9月18日に、第42回講談社科学出版賞の贈呈式が開催され、内藤健さんの『アズキの起源』（東京書籍）が表彰されました。</p>

<p>講談社科学出版賞は、出版社を問わず、一般向けに刊行された優れた科学書に贈られる賞です。『アズキの起源』は、これまで大陸から伝わったと考えられてきたアズキが、実は縄文時代の日本で誕生したことを明らかにした研究の経緯を記した作品です。</p>

<p>贈呈式では、選考委員を代表して藤嶋昭さんが選評を述べ、内藤さんが受賞の喜びを語りました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>縄文人が育てたアズキは、次第に大きく赤くなった</h2>

<p><img alt="『アズキの起源』（東京書籍）" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260925Naitoken02.jpg" width="1200" /></p>

<p>選考委員の藤嶋昭さんは、現在のアズキの祖先にあたる「ヤブツルアズキ」について紹介しました。<br />
<br />
ヤブツルアズキは、現在のアズキよりも粒が小さく、茶色っぽい色をしています。また、さやが熟すとはじけて、中の種が飛び散る性質があります。<br />
<br />
日本では、縄文時代の遺跡からアズキの種が見つかっています。人々が長い時間をかけて育てていくなかで、アズキの粒は次第に大きくなり、さやもはじけにくくなっていきました。色も、現在よく見られる赤いアズキへと変化していったと考えられています。<br />
<br />
内藤さんらは、さまざまなアズキの遺伝情報を調べることで、こうした変化の歴史や、アズキが縄文時代の日本で育てられるようになったことを明らかにしました。<br />
<br />
日本で生まれた作物は非常に少なく、アズキはクリやワサビと並ぶ数少ない日本固有の作物の一つです。赤飯やおしるこ、あんパンなどに使われ、今も私たちの食生活に深く根づいています。<br />
<br />
その研究の経緯を記した本書について、藤嶋さんは「本当に素晴らしい本ですから、ぜひ皆さん読んでみてください」と呼びかけ、選評を締めくくりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>内藤健さん「珍しいこともあるもんやな」</h2>

<p><img alt="左から山岡淳一郎さん、内藤健さん" height="828" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260925Kodansha01.jpg" width="1200" /><br />
左から「本田靖春ノンフィクション賞」を受賞した山岡淳一郎さん、内藤健さん</p>

<p>続いて登壇した内藤さんは、第一声で「やったー！」と喜びを爆発させました。<br />
<br />
最終候補の5作品に選ばれた時点で「えっ、アズキの本がいけるん？」と驚いたという内藤さん。受賞の報せを受けた際も、すぐに喜ぶというよりは「最初はポカーンとして、『珍しいこともあるもんやな』と思った」と、当時の率直な心境を明かしました。<br />
<br />
「アズキという、すごいマニアックなものを扱った本を科学出版賞に選んでいただいて、審査員の皆様には本当に感謝しております」と感謝を述べました。<br />
<br />
さらに、内藤さんは、自身の家系とアズキの因縁についても紹介しました。<br />
<br />
内藤家はかつて江戸で指折りの旗本だったものの、「アズキの先物取引」に手を出して全財産を失い、刀まで売却して滋賀県へ移り住んだ歴史を持っています。それから150年の時を経て、その子孫がアズキの研究者になっていたのです。<br />
<br />
さらに驚くべきことに、和菓子屋「虎屋」の社員が内藤さんのルーツを遡って調べたところ、戦国時代の先祖・内藤正成が初陣を飾った合戦が「小豆坂の戦い」であったことまで発覚。<br />
<br />
内藤さん自身も「怖っ！」と感じたという偶然の連続に、会場からは驚きの声があがりました。<br />
<br />
最後に「アズキが日本生まれの作物であることを意識しながら、これからも食べていただければ」と語り、スピーチを締めくくりました。</p>

<p><img alt="左から山岡淳一郎さん、内藤健さん" height="868" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260925Kodansha02.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260925Naitoken01.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 24 Sep 2026 19:30:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[Moguru編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「ＮＹ襲撃」 プロローグ　高嶋哲夫  高嶋哲夫（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14887</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014887</guid>
			<description><![CDATA[SP・明日香が次に護るのはNY！？　「襲撃」シリーズ第三弾。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ニューヨーク" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NY.jpg" width="1200" /></p>

<p>SP・明日香が次に護るのはNY！？　「襲撃」シリーズ第三弾。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>プロローグ</h2>

<p>夕暮れの光が、焼けた土壁に鈍く貼りついていた。</p>

<p>スーダン、地図から切り取られたようなダルフールの小さな村は、静まり返っている。家々は半分崩れ、残った壁には無数の銃弾の痕（あと）が刻まれている。屋根は落ち、梁（はり）はむき出しのまま空を指している。そこに暮らしがあった痕跡は、もう形を保っていない。数年前、戦火を逃れてきた難民が数十人やってきて、住み着いた村だ。連絡が取れなくなって、一週間がすぎている。国連の連絡事務所から様子を見てくるようにと、地区の難民代表であるアーメドに指示があったのだ。</p>

<p>この村には、確かに人がいた。朝があり、食事があり、眠りがあり、明日があった。貧しいながらも家族の生活があった。そのすべてが、ある瞬間に断ち切られた。音が沈黙に変わり、風が止まり、人の気配が消えた。世界から切り離されたような場所で、時間だけがすぎていく。</p>

<p>熱をたっぷり含んだ空気が村中に淀んでいる。突然恐怖が全身を包み、アーメドの足が動かなくなった。恐れるな、アッラーが付いている。</p>

<p>アーメドは意を決して一軒の家に近づいていった。思わず息を止める。強烈な臭いが家の中から流れてきたのだ。</p>

<p>「腐臭だ。何なんだよここは」</p>

<p>アーメドは口元を抑えた。かろうじて吐き気を抑えたのだ。顔を背けるようにして家の中に入った。</p>

<p>薄闇に目が慣れてくると、テーブルに皿が散らばっているのが見えてくる。上げそうになった声を呑み込んだ。皿の黒い染みが形を変えたのだ。と、思うと四方に散っていく。ハエだ。その他には――何もない。音も、人の息づかいも、気配も、すべて消えている。</p>

<p>全身が硬直するのを感じた。床には人が倒れている。一人、二人、三人......子どもを含めて計五人の男女が倒れていた。その他に壁際のベッドに数人。鼻と口周りが黒ずんでいるのは、血を流したのか。しかしそれはすでに固まっている。顔を近づけると、血は床に広範囲に流れている。目を見開いたままの遺体もある。見たところ、外傷はない。</p>

<p>「近づくな。伝染病かもしれないだろ」</p>

<p>入り口に立つ男が叫ぶように言う。</p>

<p>「死後、十日というところか。それにしても、腐敗がかなり進んでいる。これをどうしろというんだ」</p>

<p>「伝染病だとしたら、早くここから出た方がいい」</p>

<p>「他の家も調べるんだ。遺体には触るんじゃないぞ」</p>

<p>アーメドの言葉で部下たちは家を出て行った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>三十分後にはアーメドたち五人は広場に集まっていた。</p>

<p>「難民五十九人が全滅なのか」</p>

<p>誰も否定しないということはそうなのだ。</p>

<p>「燃やした方がいい。政府は何もしてくれない。我々を追い出す口実にするだけだ」</p>

<p>「マズいだろ。なんで死んだか調べる必要がある。五十九人全員だぞ」</p>

<p>小屋は全部で五軒。それぞれに十人以上が住んでいた。</p>

<p>「全員が血を吐いていた。外傷はなし。伝染病だろう。俺は国の病院で見たことがある。エボラかラッサ熱か。いずれにしても致死率の高い感染症だ」</p>

<p>コロナ禍が頭をよぎった。あの時も一家全滅という家が多くあった。しかしこれほどひどくはなかった</p>

<p>「放っておくとすぐにこの辺り一帯に広がるぞ」</p>

<p>「そうだ政府に知られると、俺たちはこの国にいられない」</p>

<p>アーメドは懸命に考えを巡らせた。現在祖国は内乱で虐殺が続いている。国に送り返されるということは、死を意味している。政府に知られる前に何とかしなければ。</p>

<p>「ガソリンはあるか。車に積んでるだろ」</p>

<p>「あれは帰り用だ。村を探せ。車があるのだからガソリンもあるだろう」</p>

<p>それから十分もたたない間にガソリンの入ったポリタンクを三缶見つけた。</p>

<p>「死体を集めろ」</p>

<p>「バカ、死にたいのか。絶対に触るな。俺は感染したくないね」</p>

<p>結局、各家に火を付けることになった。</p>

<p>二時間後には、サバンナの中に黒い灰になった家の焼け跡があるだけだった。遺体はその中だ。</p>

<p>遠くから動物の鳴き声が聞こえてくる。この場所からは、人の痕跡は消し去ったはずだ。沈黙がすべてを覆っている。夕日がさらに低くなり、影が長く伸びる。焼け残った柱が、何かを訴えるように地面に影を落とす。熱のせいか、灰がわずかに舞い上がる。人の魂が最後の主張をしているようだった。</p>

<p>アーメドたちは逃げるように車の方に走った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>低いエアコンの音が聞こえる。スーダンの首都ハルツームのホテルの一室だった。女一人と五人の男がテーブルに置かれたパソコンの画面を見ていた。</p>

<p>「これはドローンから見た風景です」</p>

<p>ミハエルはアケミにディスプレイを向けた。鮮明な画面の中央に一本道路が通っている。スーダンとリビアの国境をまたぐ道路だ。</p>

<p>「現在、時速九十キロです」</p>

<p>「何キロまで出るの」</p>

<p>「百五十キロです」</p>

<p>「出してみて」</p>

<p>アケミの言葉でミハエルがコントローラーを操作する。風景の流れがさらに速くなる。</p>

<p>「音は聞こえるの」</p>

<p>ミハエルの操作で、パソコンからエンジン音と風を切る音が聞こえてくる。</p>

<p>「見えているのはここから二十キロ南の景色です」</p>

<p>「目の前の風景みたいね」</p>

<p>「おっしゃられたように、実戦形式にセットしています。五キロのＣ４爆弾をドローンに積めばビル一つを吹き飛ばせます」</p>

<p>「操縦は難しいの」</p>

<p>「初めはね。でも慣れれば小学生にも出来ますよ」</p>

<p>「じゃ、何が難しいの」</p>

<p>「あえて言えば、精神ですかね。何としても、やってやろうという強い心です。なんせ、自分の意思で数十人、あるいはそれ以上の命が消え、助かっても手足が吹っ飛ぶのがほとんどです」</p>

<p>ミハエルは平然とした表情で言う。</p>

<p>「あんたにも同じ責任があるってことよ。売るのと買うのとは一体なのよ。つまり同じ責任ということ」</p>

<p>アケミはディスプレイを見つめている。</p>

<p>「高度を下げて」</p>

<p>大地が見る間に近づき、衝突寸前に高度が上がる。</p>

<p>「時速は百五十キロです。積載最高重量十二キロ。飛行距離は百キロです。一機千ドル」</p>

<p>「まさに貧者の戦闘機ね」</p>

<p>「言葉が悪いですよ。大量生産で価格破壊です。これでビル一つが破壊できるんですから」</p>

<p>「やってみてよ」</p>

<p>ミハエルの動きが止まり、アケミの顔を見た。</p>

<p>「ビルならいくらでもあるでしょ」</p>

<p>アケミがコントローラーを覗き込んでいる。</p>

<p>「破壊できると、破壊したとでは天地ほどの違いがあるの。出来ないのであれば、この取引はゼロ」</p>

<p>ミハエルはまだ迷っている。</p>

<p>アケミが腕を伸ばしてコントローラーのレバーを引いた。ドローンは急激に高度を落としていく。</p>

<p>「ドッカーン」</p>

<p>アケミが呟く。</p>

<p>「何人の人が犠牲になったかしら。数十人、数百人。今の時間だときっとあとの方ね」</p>

<p>「ここらで戻しましょう」</p>

<p>「あれは何なの」</p>

<p>一本道の正面から一台のトラックが向かってくる。積載量二十五トンの大型トレーラーだ。</p>

<p>「おそらく、ガソリンを積んでいるのでしょう」</p>

<p>「アレで試して」</p>

<p>ミハエルは再度アケミを見た。アケミは画面をのぞき込んだままだ。</p>

<p>「急いで。通りすぎるでしょ」</p>

<p>ミハエルはアケミにコントローラーを渡そうとした。</p>

<p>「あなた、やってみて。私は見てる方が好きなの」</p>

<p>ミハエルはディスプレイを見たままだ。</p>

<p>「早くしてよ。出来ないの。じゃ、大したことないんだ」</p>

<p>有無を言わせない言い方だった。</p>

<p>高度が下がり、ディスプレイの中の風景が急速に近づく。</p>

<p>突然画面が消え、ノイズのみに変わる。</p>

<p>「衝突し、爆発しました」</p>

<p>ミハエルの顔は蒼白になり、声は震えている。</p>

<p>「成果は分からないのね」</p>

<p>「カメラも一緒に吹き飛びますから。明日のニュースか新聞を見てください」</p>

<p>「あんなことでニュースに出るの」</p>

<p>「テロリストの仕業としてね。ドローンの破片は残りますから」</p>

<p>「ドローンで足が付くことはないの」</p>

<p>「ロシア製のものです。盗まれたドローンが反ロシア勢力に使われたと宣伝しておきます」</p>

<p>「でも目標到達率は二十パーセントなんでしょ。大抵は撃ち落とされる」</p>

<p>「それは戦地の場合です。飛んでくるのを敵が待ち構えている。だから撃ち落とせるんです。迎撃体制のない所では、自爆確率はほぼ百パーセントです」</p>

<p>アケミは考え込んでいる。</p>

<p>「色々やりにくくなってる。数年前はもっと単純だった。爆弾、自爆テロ。無差別銃撃。航空機やトラックの暴走もあった」</p>

<p>アケミのスマホが鳴り出した。</p>

<p>〈スーダンの結果が出ました。タブレットに写真を送りました〉</p>

<p>アケミはタブレットを操作した。ディスプレイには燃え尽きた難民キャンプが写っている。</p>

<p>〈難民五十九人、全員が死亡しました〉</p>

<p>「致死率百パーセントか。痕跡は」</p>

<p>〈保健省がウイルスと宣言しています。早期発見で、未然に流行を防いだと〉</p>

<p>「何も爆弾だけが大量殺害兵器ではないわけだ」</p>

<p>〈インフラ、建物、すべて元のままでした。まさに、貧者の核兵器です〉</p>

<p>「新しい情報が入り次第、報告して」</p>

<p>アケミはスマホを切った。</p>

<p>「コロナ禍では全世界で約五百万人の人が死んだ。あれも、中国武漢の市場から始まったと言われているが、確定された事実じゃない。結局、ＷＨＯも曖昧にしたまま放っておかれている」</p>

<p>ミハエルが言い訳のように言って続ける。</p>

<p>「難民五十九人が不明のウイルスにより死亡が確認された。そのため、焼却によつて、伝染を阻止した」</p>

<p>「何でもアリの国よ。世界から忘れられた国家。世界は新たな戦争に突入した」</p>

<p>「明日にでも人を派遣して、何も残らないようにしておきます」</p>

<p>「その必要もないでしょ。難民が数十名死んだからって、誰が調査なんてするの。我々が何もしなくても、彼ら自身がやってくれる」</p>

<p>アケミが笑みを浮かべてミハエルを見た。</p>

<p>「いいことを教えましょうか。現在、行なわれている戦争、ウクライナでは十四万人、ロシアでは三十二万人が死んでいる。イスラエルはガザで七万五千人を殺している。イランでは、千九百人の人が死んだ。これらの殺し合いで誰か罰を受けた？歴史はどう捉えるでしょうね。どう、少しは気が楽になったかしら」</p>

<p>ミハエルは答えない。</p>

<p>「ほとんどマスコミには上がっていません。反政府勢力の殺戮（さつりく）ですか。日常茶飯事ですがね。すべては闇の中。すでに燃やされて何も残ってはいません」</p>

<p>「世界は混沌に満ちていると言うことね。それが政治というものなんじゃないの。我々にとっては好都合でもある」</p>

<p>「入国には税関を通らなければなりません」</p>

<p>ミハエルが話題を変えるように言う。</p>

<p>「私には強力な守護神がついている」</p>

<p>アケミはかすかに笑みを浮かべた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>ホワイトハウスの奥、扉を閉ざしたアメリカ合衆国大統領執務室、オーバル・オフィスは、名のとおりゆったりした楕円の空間だ。</p>

<p>壁には歴代大統領の肖像が並び、窓からはホワイトハウス中庭の芝生が見える。</p>

<p>部屋の中央には、英国から贈られたレゾリュート・デスクが置かれ、使い込まれた木肌が長い時間の重みを物語っていた。</p>

<p>足元の絨毯には大統領章、アメリカンイーグルが織り込まれ、そこに立つ者の力を無言で示している。暖炉の上には初代大統領ジョージ・ワシントンの肖像が掲げられ、部屋全体に歴史と権力の気配を醸し出していた。外の喧騒はここには届かない。しかし、机の上に積まれた書類の一枚一枚が、世界の動きを決める場所であることを厳かに告げていた。</p>

<p>アルフレッド大統領は立ち止まり息を吐いた。デスクの背後の星条旗と共和党の旗が自分を見つめているような錯覚に陥ったのだ。</p>

<p>一年前は次期大統領候補は、自分に間違いないと言われていた。ニュー・イスラミック・ステイト、ＮＩＳに狙われ、母親を殺害された娘を日本から連れてダレス国際空港に降り立った時は、マスコミ、国民は私のことを強い大統領として褒めたたえた。それがどうだ。一年もたたない間に、そんなことは忘れ去られている。「アメリカ合衆国建国以来の八十代大統領」「二期の終わりには八十六歳」と、歳のことばかり耳に入ってくる。国民は常に次の話題を求めているのだ。</p>

<p>あの娘、エリーゼ・エゾトワと言ったか。ＦＢＩ保護プログラムでこの国のどこかで暮らしているはずだ。</p>

<p>来月には、国連で日本の前総理がスピーチする。彼女は現在、政界を引退して、「ワールド・セイフティ」を立ち上げた。国連で、彼女とエリーゼと一緒にマスコミの前に出れば、もう一度強い大統領として国民に印象付けられる。</p>

<p>「あの少女は今どこで暮らしている。去年、日本から連れ帰った、母親の代わりに世界に向けてスピーチをした子どもだ」</p>

<p>大統領は秘書に聞いた。</p>

<p>「直ちに調べさせます」</p>

<p>秘書は一礼して出て行った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>多摩川の流れがゆったりと広がり、川幅は河原を入れて二百メートルほど、流れも穏やかになる。両岸の土手は高く整えられ、その上には真っ直ぐな遊歩道が続く。</p>

<p>草地の河川敷には風が渡り、空は広い。朝も夕も、光はやわらかく水面に反射し、のどかな風景が続く。</p>

<p>明日香（あすか）はその土手を走っていた。足音と呼吸だけが響き、頭の中を空白にすることが出来る。視線の先には、住宅と点在するビルが並ぶ。都会ではあるが、どこか別の場所のようだった。</p>

<p>明日香は立ち止まった。職業柄というか、何か違和感を覚えたのだ。</p>

<p>土手の下の河原に数人の子どもたちがいる。五人の高校生の中に一人の小柄な少年が座っている。いや、正座させられているのか。</p>

<p>明日香は斜面を駆け下りて彼らの前に行った。</p>

<p>「あんたたち、何やってるのよ」</p>

<p>高校生たちの目が明日香に集中する。</p>

<p>オレンジ色の上下のジャージ姿。髪は薄茶に染めている。ピンクのサングラスをかけていた。一度はやってみたかった配色だ。二十九歳にしては、チョット、イヤかなり派手目だ。</p>

<p>「練習だよ、練習。空手のね」</p>

<p>中でいちばん身体の大きな高校生が言う。百八十センチ以上、九十キロはある。足元で座っている少年は、その高校生の半分くらいに見える。</p>

<p>「弱い者いじめは、男の中でも最低の奴がやるものよ」</p>

<p>「最低かどうか、確かめてみるか、おばさん」</p>

<p>体格のいい高校生が近づいてくる。腕を伸ばし、明日香の胸元をつかもうとした。その腕を軽く突き上げ、足を払うと、高校生は転がっていた。一瞬、空気が変わった。次の瞬間、いちばん背の高い高校生が、明日香の肩に手をかけた。</p>

<p>気が付くと高校生は明日香の横に倒れていた。周りの高校生たちが唖然（あぜん）とした顔で明日香を見ている。</p>

<p>「このババァ、出しゃばるな」</p>

<p>声と共に高校生の足が伸びる。空手の蹴り技だ。明日香はその足首をつかんで引き倒した。</p>

<p>高校生たちの顔色が完全に変わり、動きが止まった。高見沢（たかみざわ）に教わった関節技だ。「力で勝とうとは思うな。女は男に比べ力は弱い。人の身体を研究しろ」合気道、太極拳、古武道の一部になるのか。多くの武道を科学的に取り入れた総合逮捕術と高見沢は呼んでいた。</p>

<p>明日香は正座させられていた少年の腕を支えて立ち上がらせた。</p>

<p>「あんたら、自分たちのやってることが分かってるの」</p>

<p>「俺たちが何をしてるって言うんだ。練習付けてやってるんだ」</p>

<p>少年の顔を見ると、口元が切れて血が滲んでいる。目の下にも殴られた痕がある。</p>

<p>「こういうの、いじめって言うんじゃないの。怪我してるみたいだから暴行か。あんた、彼らにお金取られてないの」</p>

<p>「五千円」</p>

<p>「それだけ」</p>

<p>「今までのを入れると全部で二十万円くらい」</p>

<p>少年が低い声で言う。</p>

<p>「呆れたね。大人顔負けの強盗だ。未成年だろうから二、三年少年院に入って、出てきた時には少年院帰りのレッテルね。家族は近所の評判になって、父親は会社をやめなきゃならない。兄弟は学校にも行けないよ。町にもいられなくなる」</p>

<p>「こいつのどこが怪我してるんだ」</p>

<p>茶髪の高校生が言うが、声が震えている。</p>

<p>「目の下が内出血してる。明日になれば腫れ上がるよ。ズボンが破れて、膝から血が出てるし。どんな稽古をしてたの」</p>

<p>「勝手にコケて打ったんだよ。運動部だとこのくらい日常だ」</p>

<p>「おばんが出しゃばるなよ。コレは俺たちの問題なんだから」</p>

<p>「日本の問題ね、いじめというのは。いや、今は世界の問題か」</p>

<p>スマホが鳴り始めた。</p>

<p>「ちょっと待って、うるさい電話だから」</p>

<p>明日香は画面を見て、通話のスクロールした。</p>

<p>〈昨日の話だが、結論が聞きたい〉</p>

<p>「やはりお断りします。新崎（しんざき）先生もあのお身体でそんな無理はしない方がいいと思います」</p>

<p>明日香は少年たちを睨（にら）みながら話した。今一番求めているのは、心の安らぎだ。</p>

<p>〈一度言い出したら聞く耳を持たないお方だ。おまえがいちばんよく知ってるだろ〉</p>

<p>少年たちは目くばせをしていたが、一斉に逃げ出した。</p>

<p>「申し訳ありません。電話を切ります」</p>

<p>追いかけようとして土手の方を見ると、黒塗りの大型ワンボックスカーが止まっている。</p>

<p>明日香は残された少年にむき直った。</p>

<p>「あんたも身体を鍛えなよ。でもチョット無理か。何かやられたら警察に行くことね。警察はそのためにあるんだから」</p>

<p>そう言って肩を叩いて、帰るように合図した。</p>

<p>夏目（なつめ）明日香、二十九歳。二年前、女性初の総理、新崎百合子（ゆりこ）付きのＳＰになった。その時、官邸がテロリストに占拠され、上司の高見沢と、総理を護ってテロリストと戦った。高見沢は殉職したが、明日香は新崎総理を護り抜いた。その時以来、新崎と明日香は、総理と警護官という関係以上に強く結びついている。</p>

<p>さらに翌年、新崎が日本で開催した「テロ撲滅世界会議」がＮＩＳと赤色戦線に襲われたときには、マリアとエリーゼ親子を守って戦った。激しい戦闘と命を護ることの重みで、精神的にも追い詰められた。現在は立川の交番勤務をしている。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NY.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 24 Sep 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[高嶋哲夫（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>キャリアの悩みを相談すべきは家族？コンサルタント？ 専門家が教える最適解  難波猛（マンパワーグループ株式会社 シニアコンサルタント）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15137</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015137</guid>
			<description><![CDATA[管理職研修・キャリア開発のエキスパートである難波猛さんが、キャリア形成の観点から「上司に相談するとコスパが良い」と言える背景を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="キャリアの悩み" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_OchicomuBizman.jpg" width="1200" /></p>

<p>キャリアに迷ったとき、相談相手として真っ先に「直属の上司」を思い浮かべる人は、意外と少ないかもしれません。しかし、社内で新しい仕事に挑戦したり、希望するキャリアに近づいたりするうえで、上司は最も大きな力を持つ存在の一人です。友人や家族に悩みを打ち明けるだけでは変わらなかった状況が、上司とのわずかな対話によって動き出すこともあります。<br />
キャリア形成の観点から、なぜ「上司との対話」がコスパ・タイパに優れた選択肢なのか、マンパワーグループ株式会社のシニアコンサルタントで、管理職研修・キャリア開発のエキスパートである難波猛氏に話を聞きました。</p>

<p>※本稿は、難波猛著『ボスマネジメント 「成果を出している人」が上司と話していること』（アスコム）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>キャリアの悩みを「友人・家族・外部プロ」だけに相談していませんか？</h2>

<p>キャリアについて悩んだとき、あなたは誰に相談するでしょうか。</p>

<p>身近なところでは、信頼できる友人や知人、同じ職場で働いている同僚、何でも話せる家族といったところでしょうか。最近では、プロのキャリアコンサルタントやコーチに相談する人も増えています。自分を理解してくれている人たちの客観的な意見や利害関係のない第三者へ相談することは、たしかに価値があります。</p>

<p>しかし、あなたのキャリアに現実的な影響を与えることができる人は誰かといえば、ほかでもない、目の前にいる上司です。あなたのキャリアをデザインするうえで、上司ほど有効な相談相手はいません。</p>

<p>具体的にポジションを用意してくれたり、予算を確保してくれたり、他部署を巻き込んでくれたりと、本人の代わりに組織を動かすことができるポジションにいるからです。</p>

<p>ここを理解せずに、感情的な理由で上司との対話を避けるのは、ビジネスパーソンとして合理的ではありません。</p>

<p>上司はポジションパワーを持ち、組織全体の情報や経営方針をあなた以上に把握しています。あなたのキャリアの実現に必要な材料を持っているのに、相談リストから上司を外す理由はどこにもありません。</p>

<p>事前に方向性や問題を明らかにするために、友人、知人や家族、キャリアコンサルタントと話すことは有効ですが、特に組織内キャリアを継続する場合、相談するべき相手は上司です。</p>

<p>あなたが会社員であるメリットを最大限に活かそうと考えるなら、対話を通じて上司をサポーターにすることは重要です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>会社は出世競争の場ではなく「自分を高める舞台装置」</h2>

<p>近年注目されているキャリア理論に、「プロティアン・キャリア（変幻自在なキャリア）」があります。ダグラス・Ｔ・ホール氏（ボストン大学名誉教授）が提唱し、日本では田中研之輔氏（法政大学キャリアデザイン学部教授）が「プロティアン・キャリア協会」の活動などを通じて世に広めていて、私自身も協会のアンバサダーを務めています。</p>

<p>プロティアン・キャリアでは、会社組織を「出世の階段を上るだけの場所」ではなく、「自分が求める経験を積み、才能を発揮するための場所」と捉えています。</p>

<p>会社という舞台装置を使えば、個人では到底できないスケールのチャレンジが可能になります。企業が持つ看板、ブランド、制度、ネットワーク、予算、人材&hellip;。これらがそろった舞台をゼロから一人でつくるのは、たいへん困難です。</p>

<p>「会社に使われる」のではなく、「会社の仕組みや環境を主体的に使いこなす」という視点を持つと、あなたはこれらの舞台装置を通じて、自分のやりたいことを実現できる立場にあることが理解できるのではないでしょうか。</p>

<p>私も、プロティアン・キャリアの理論を実践しながら、会社という舞台装置を最大限に活用してきました。</p>

<p>そして、その最大のパートナーかつサポーターは上司です。</p>

<p>上司に対して「書籍を通じて発信をしていきたい」「人事領域の有識者とセミナーを開催したい」「社外向けの活動を増やして、会社にもリターンを返したい」こうした思いを上司に伝えたことで、予算がつき、機会が生まれ、実際に書籍の出版や、数百名から数千名が集まるセミナーに登壇、民間企業だけでなく政府機関や大学など、多様なプロフェッショナルと仕事をする機会につながっていきました。</p>

<p>もちろん、すべてが順調に進んだわけではありません。組織には優先順位や予算枠があります。それでも、友人や知人に話すだけでは実現しないようなことが、上司を通すことで形になっていったのは事実です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>上司との対話が「コスパ・タイパ最強」と言える理由</h2>

<p>キャリアをつくっていく&quot;実行力&quot;という意味で、上司との対話ほど、コスパ（コストパフォーマンス）とタイパ（タイムパフォーマンス）に優れた方法はありません。</p>

<p>コスパの観点では、業務上の挑戦として相談すれば、個人負担ではなく、会社の予算や制度を使うことができます。成果につながれば、あなたの評価が高まり収入が増えるだけでなく、結果として上司の評価にもプラスに働きます。</p>

<p>タイパの観点では、プライベートの時間を削る必要がありません。上司と長時間を過ごす必要があるわけでもなければ、サービス残業でやる気を示すことが前提になるわけでもありません（最近は、サービス残業はむしろマイナスに評価されます）。</p>

<p>キャリアを形成するために取り組むべきことは、会社側で設定されている上司との面談の時間を活用することです。１on１やキャリア面談、中間面談、期初面談などが各社で用意されていると思います。制度がないまたは頻度が少ない場合は、自分から対話を打診しましょう。</p>

<p>たとえば、１日８時間、週５日勤務だとして毎月9600分の業務時間中に30分間、１on１で上司としっかり話す。そのたった30分が、これから先の10年、20年を大きく変える可能性を秘めています。「長く生き、長く働く時代」に、これほどコスパ、タイパの優れたキャリア自律の手段は、多くありません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>10分のチャットで「転職サイトを眺める無駄時間」を消した若手社員</h2>

<p>IT業界で勤務する若手社員・Dさんの例です。</p>

<p>Dさんはあるプロジェクトでミスをした後、「評価が下がっている気がする」「この会社にいても大丈夫だろうか」という漠然とした不安を抱えていました。明確な指摘があったわけではありませんが、リモートワーク中心で上司の反応が見えず、気づけば転職サイトを眺める時間が増えていきました。</p>

<p>ある日、思い切って上司にチャットで相談しました。</p>

<p>「どこかでお時間をいただけますか？　10分くらいでいいのですが」<br />
「もちろん。今日の午後なら時間はあるから話して」<br />
「プロジェクトが終わってから次の仕事がなかなか始まらなくて、やっぱりこの間のミスの印象が悪かったのでしょうか」<br />
「ミスは誰にでもあることだから気にする必要はないよ。期待していた役割はきちんと果たしていたからね。そろそろ次の案件が稼働しそうだけど、今後挑戦したい分野や技術領域があれば教えてくれる？　機会があればアサインするよ」</p>

<p>ごく短時間のやりとりでしたが、それだけで、Ｄさんの中にあった不安や疑心暗鬼はほぼ消えたといいます。それからＤさんは、エントリーしかけていた転職サイトを閉じたそうです。</p>

<p>この対話がなければ、Ｄさんは必要のない転職活動に何カ月も時間とエネルギーを使っていたかもしれません。上司の考えていることが分からないまま、毎日「これでいいのかな」と不安を抱えながら過ごすのはストレスだからです。</p>

<p>上司との定期的かつ継続的な対話は、キャリアの遠回りを避けるための手段であり、自分の職業人生を&quot;成り行き任せ&quot;にしないための、最も合理的でコスパ・タイパに優れた習慣です。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 24 Sep 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[難波猛（マンパワーグループ株式会社 シニアコンサルタント）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「嫌なことは避けられない」　不快な感情を受け入れると気持ちが楽になる理由  鈴木祐（サイエンスジャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15015</link>
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			<description><![CDATA[「不快や辛いなどの感情は降伏する(受け入れる)方が良い」と語る、サイエンスジャーナリストの鈴木祐さん。その理由を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="鈴木祐著『最高の状態 無』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Mansky.jpg" width="1200" /></p>

<p>辛い状況に陥ったときに「こんなの全然辛くない」と自分の感情に蓋をして、何とかその状況を乗り切ろうとしたことがあるかもしれません。ところが、「そうした感情に抵抗するのではなく、現実を積極的に受け入れる(降伏する)方が苦しみから逃れられる」と、サイエンスジャーナリストの鈴木祐さんは語ります。</p>

<p>なぜ、ネガティブな感情を受け入れるべきなのか――その理由と降伏するスキルを伸ばす方法をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、鈴木祐著『最高の状態 無』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>苦しみ＝痛み&times;抵抗</h2>

<p>2014年、ブリティッシュコロンビア大学などのチームが、興味深い実験を行いました。これは健康な女性を対象にしたテストで、チームは全員に高負荷のサイクルトレーニングを指示。その際に、半分の参加者にだけ「不快な感情をできるだけ受け入れるようにしてください」とアドバイスしました。</p>

<p>トレーニング中の辛さに、「この痛みがなくなれば良いのに」と願ったり、「思ったよりも苦しくない」と自分を偽ったりするのではなく、「運動の不快感は避けられないものだ」と認め、ネガティブな感情を迎え入れさせたのです。</p>

<p>その結果、不快を受け入れた参加者は「苦しみ」の認知が大きく変わり、運動の辛さに抵抗したグループと比べて主観的な辛さが55％も低下したといいます。疲れて動けなくなるまでの時間は15％増加しました。この結果をもとに、チームは「不快を受け入れること」の効果を強調しています。</p>

<p>抵抗が苦しみを生む事例は、日常にいくらでも存在します。たとえば、山に登れば誰でも足や背中の痛みを経験しますが、「苦しみ」まで抱く人はほとんどいません。登山者はみな、「この困難を選んだのは自分だ」という認識があり、山歩きの痛みに抵抗しないからです。</p>

<p>一方で、誰かに登山を強制されたら事態は変わり、「なぜ自分がこんな辛い目に......」といった現状否定の思考が頭をめぐり始めるでしょう。多くの人が陥りやすい「抵抗」の典型例には、次のようなものがあります。</p>

<p>・怒り狂う</p>

<p>自己イメージの崩壊や失敗の恥を認められず、否定の感情が外部への怒りに変わるパターンです。他者からの批判に過度に攻撃的になり、周囲に怒鳴り散らしたり、嘲笑したりする人の存在には誰でも心当たりがあるでしょう。</p>

<p>・引きこもる</p>

<p>自身の恥ずかしい姿を知る相手との関係を避け、自分の部屋に引きこもるタイプの抵抗です。しかし、いくら外部との関わりを絶っても、今度は脳に浮かぶ他者のイメージに悩まされるため、いつまでも問題は解決されません。</p>

<p>・見栄を張る</p>

<p>心の中のネガティブ感情を見せたくないあまり、他人に過去の成功を自慢したり、金や権力を誇示したりといった反応を見せるのもありがちな抵抗の例です。</p>

<p>・頑張り過ぎる</p>

<p>「自分は無価値だ」や「私は何もできない」という感覚を押さえつけるために、限界を超えたハードワークを続けるパターンです。このタイプの人は、成果を上げても内面が焦りと疲労に支配されており、周囲からは成功者に見えても本人は充実感を得られません。</p>

<p>・刺激に頼る</p>

<p>脳内のネガティブ思考から逃げようとして、酒やタバコなどの嗜好品に依存したり、ジャンクフードで気持ちを紛らわせたり、激しい運動で気分を高めたりと、何らかの刺激でごまかそうとするのも抵抗の一種です。その結果、アルコール依存、過食、拒食、燃え尽き症候群などにはまりやすくなります。</p>

<p>どのパターンでも、不幸を紛らわせる効果は長続きしません。それどころか、事態の悪化を招きます。いずれの抵抗も、現実から目を背け続けている点は変わらず、本質的な問題が解決されないからです。この苦しみのメカニズムを、仏教研究者のシンゼン・ヤングは次の式で表しました。</p>

<p>「苦しみ＝痛み&times;抵抗」</p>

<p>私たちが人生で出くわす&quot;1の矢&quot;(痛み)は誰にも避けられません。そこに「現実への抵抗」という行為が加わることで、&quot;2の矢&quot;(苦しみ)が生まれます。現実に対して積極的に「降伏」する。これが、私たちが取れる対策です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>メタファーで抵抗のメカニズムを理解する</h2>

<p>降伏のスキルを伸ばすのに最も手軽なのは、メタファーを使う方法です。「たとえ話」を使って、抵抗が痛みを増大させる仕組みをイメージでつかみます。</p>

<p>・弾丸のメタファー</p>

<p>「辛い感情や思考」を、弾丸のようなものと考えてください。仕事に失敗したとき、愛する人を失ったとき、未来の不安に襲われたときなど、感情の弾丸は私たちの心臓めがけて瞬時に発射されます。このとき、あなたがレンガの壁を作って弾丸を防ごうとしたらどうなるでしょうか？</p>

<p>1発目の弾丸でレンガは壊れ、最初の一撃は避けられても、2発目、3発目の弾丸には無防備になります。それでは鉄の壁で弾丸を跳ね返せば良いのかというと、これもまたうまくいきません。弾丸の直撃こそまぬがれるものの、次の弾丸を避けるためには壁の陰に隠れ続けねばならず、ただ防戦するだけの人生に陥ってしまうからです。これでは生きる喜びそのものが失われてしまいます。</p>

<p>しかしここで、壁ではなく海に向けて弾を発射したらどうでしょうか？水を貫いた弾丸はゆっくりエネルギーを失い、やがて海底に沈んで何の影響も及ぼさなくなります。弾丸の痛みは無効化され、それ以上の苦しみも発生しません。</p>

<p>・庭掃除のメタファー</p>

<p>いくらきれいに庭を掃除しても、時間が経てば再び落ち葉や泥で汚れます。「ずっときれいなままだったら良いのに」などと考えても庭は汚れたままです。</p>

<p>あなたの精神も同じようなもの。いくら一時的にすっきりしても、何もしなければやがて思考や感情のゴミが溜まり続けていきます。いくら汚れを批判しても状況は変わりません。ただ掃除を続けるしかありません。</p>

<p>・地図作りのメタファー</p>

<p>あなたは地図の制作者です。地図をつくる人は、その地域の地形や街路を念入りに調べますが、決して批判をはさみません。「この川がもっと右に曲がっていたら良いのに」などと叫びながら地図を作る人はいないでしょう。</p>

<p>ところが私たちの精神については、多くの人が、「間違った地図作り」と同じことをしています。与えられた情報をただ観察すれば良いのに、自分の理想の地形を思い描いて文句を言うのです。役に立つ地図を作るように、ただ情報を正しく観察するのが大事です。</p>

<p>以上のメタファーは、人によって、しっくりくるものが違います。自分が好きなものを選んで、定期的に思い浮かべてみてください。それだけでも、「降伏」の考え方が少しずつ脳に染み込んでいくでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>科学者の視点で抵抗を分析する</h2>

<p>頭で降伏の考え方を押さえたところで、肉体でも詳しい感覚を学んでおきましょう。取り上げるのは心理学者のクリスティン・ネフが開発した「アイスキューブ・チャレンジ」です。具体的には、次のステップで実践してください。</p>

<p>①氷を持つ</p>

<p>冷凍庫から氷を1つか2つ取り出して手のひらに持ちます。そのまま手を握り、氷を3分間持ち続けましょう。</p>

<p>②思考の抵抗に気づく</p>

<p>だいたい1分もすると「少しずつ痛くなってきた」「こんなことをして何になる？」といった思考が浮かび上がってきます。まずは、その思考の存在に意識を向けてみてください。どんどん氷を手放したくなってくるでしょうか？手が痛んだら氷を放すしかないと思うかもしれませんが、私たちには別の選択肢もあります。</p>

<p>「氷を放したい」という思考は、いまの瞬間だけ浮かんだ脳内のフレーズにすぎません。そのため、「そのまま放っておいて何の行動もしない」というチョイスもあり得ます。まずは、あなたの内面に浮かぶ「思考の抵抗」を、ただ観察してみましょう。</p>

<p>③身体の抵抗に気づく</p>

<p>続いて、氷の痛みがもたらす身体的な感覚に意識を向けていきます。手のひらはどれぐらい冷たいのか？具体的に手のひらのどの部分が冷たいのか？そもそも「冷たい」とはどのような感覚なのか？ジンジンする感じなのか？ヒリヒリするのか？単に「痛い」や「冷たい」などの感想で済ませず、自分の身体に何が起こっているかを観察してみましょう。</p>

<p>④感情の抵抗に気づく</p>

<p>さらに氷を持ち続けながら、今度は感情の変化に目を向けていきます。恐怖、焦り、不安などのネガティブな感情が出てきていないかをチェックしてみましょう。いままでのステップと同じように、ネガティブな感情を、単なる心の動きとして観察してください。</p>

<p>⑤氷を解放する</p>

<p>以上のステップを行って2分が過ぎたら、氷を手放してください。最後に、このエクササイズでどんなことに気づいたかをチェックしましょう。</p>

<p>・氷を握っているあいだに、脳内に浮かぶ抵抗の感覚に気づけただろうか？</p>

<p>・その抵抗に、どんな対処をしたくなっただろうか？</p>

<p>・抵抗したい感情をそのままにして氷を握り続けることは可能だっただろうか？</p>

<p>以上の質問について考えてみてください。</p>

<p>「アイスキューブ・チャレンジ」のポイントは、氷がもたらす痛みに対して、自分の脳がどのような反応を起こすのかを観察することです。反応のパターンは人によって異なり、激しい不安がわく人、なぜか怒りの感情を抱く人、「こんなことに意味があるのか？」と困惑する人など、「抵抗」のバリエーションはさまざまです。</p>

<p>ここで最も大事なのは、あなたの内面にわく「抵抗」の反応を、科学者のような態度で観察することです。優秀な科学者は、「この電気抵抗は良いことか？それとも悪いことか？」などと主観的な判断をしません。電気の流れをただ冷静に見つめ続け、どのような条件で抵抗率が上がるのかを見極めます。</p>

<p>あなたも自分が科学者になったつもりで、ただ自己がどのような「抵抗」を起こすかを眺めてみてください。いったんこの感覚が身につけば、失敗、別れ、病気、不安、自己批判といった人生のあらゆる痛みに応用できるようになります。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 24 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木祐（サイエンスジャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「先延ばし」は悪くない　研究で見えた、脳の性質を活かして仕事を捗らせるコツ  久山葉子（翻訳家、エッセイスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14959</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014959</guid>
			<description><![CDATA[スウェーデンに暮らす久山葉子さんは、著書で現地の効率的な働き方を紹介している。そんな久山さんが、仕事に集中するためのコツを教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="先延ばしグセ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_confusing.jpg" width="1200" /></p>

<p>面倒な作業をつい先送りにしてしまう「先延ばし癖」に悩む人は少なくありません。<br />
スウェーデンに住む久山葉子さんは、著書『スウェーデン人はなぜ朝の３時間で仕事が片づくのか』の中で、研究結果をもとに&quot;脳には切り替え時間が必要&quot;だと語っています。その切り替え時間とはどのようなものなのか。効率を上げる習慣について同書より紹介します。</p>

<p>※本稿は、久山葉子著『スウェーデン人はなぜ朝の3時間で仕事が片づくのか』（PHPビジネス新書）より一部を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>脳には〈切り替え時間〉が必要</h2>

<p>スウェーデンでは2000年ごろに『時間に関する10の思索』（1999年、未邦訳）という本が65万部の大ベストセラーになった。人口が日本の13分の１だということを考えると、社会現象と言ってもいいだろう。</p>

<p>著者のボーディル・イェンソン教授は1942年生まれの物理学者で、彼女が提唱した〈切り替え時間〉の概念も、スウェーデン人の人生の考え方に大きな影響を与えた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>１分で集中できる人はいない</h2>

<p>切り替え時間とは、何かの作業に手をつけるまでに必要な時間のことだ。</p>

<p>たとえば工場では、機械を稼働して実際に製品をつくり始める前に色々な準備や設定が必要だ。人間の脳もそれと同じで、この作業をしようと思った瞬間に集中して取り組めるわけではない。</p>

<p>最近は一歩も動かずにパソコンの前で色々な作業ができる便利な時代になった。</p>

<p>かといって、オンラインミーティングで仲間と活発にアイデアを交わし、「良いミーティングだったな」と充実感を覚えた１分後に、同じパソコンの画面でまったく別のプロジェクトのプレゼンをつくる作業に没頭できているかというと、それは無理だろう。</p>

<p>ミーティングの余韻がまだ残っていて、脳が新しい作業に注目を向け、集中するまでには時間がかかる。そのため、プレゼンのファイルは開いたものの、関係のない情報を検索したり、メールの返信をしたりしてしまう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>なぜ難しい作業を後回しにしてしまうのか</h2>

<p>イェンソン教授は作業の種類を４つに分類している。</p>

<p>①簡単で楽しいもの</p>

<p>②難しくて楽しいもの</p>

<p>③簡単で退屈なもの</p>

<p>④難しくて退屈なもの</p>

<p>今日のやることリストにこの４種類があったら、普通はまず①に手をつけ、その次に②か③、そして④はやらないままになることが多いのではないだろうか。</p>

<p>楽しいか退屈かよりも、急を要するか要しないかという要素で決める人もいるかもしれない。その場合でも、①簡単で急ぎのもの ②難しくて急ぎのもの ③簡単で急ぎではないもの ④難しくて急ぎではないもの の順で手をつけていくことになり、長期的には④が一番大事だったとしても、永遠にたどり着かないのが現実だ。</p>

<p>イェンソン教授はその先延ばし現象を、〈切り替え時間〉の長さが原因だと指摘する。</p>

<p>簡単で楽しい仕事（①）の場合、作業を始める時の〈切り替え時間〉はほぼゼロだ。</p>

<p>しかし難しくて退屈な仕事（④）となると、切り替えにすごく時間がかかることを脳が無意識にわかっていて、なかなか手がつけられない。しかしそれは「長い〈切り替え時間〉を非生産的な時間だと見ているところに問題がある」とイェンソン教授は指摘する。</p>

<p>ではどうすればいいのかというと、次の2点が重要だという。</p>

<p>・ 「先延ばしをしている」と自分を責めずに、〈切り替え時間〉の存在を受け入れる</p>

<p>・ あらかじめ〈切り替え時間〉をプランニングに入れておく</p>

<p>前者は日本で言う〈段取り８分、仕事2分〉の概念に近いかもしれない。プランニングをする時はつい、「純粋に作業にかかる時間」だけを計算してしまうが、そうすると計画どおり進まずに、ストレスを抱えることになる。</p>

<p>自分はどの作業にどれだけの〈切り替え時間〉が必要なのかを考え、プランニングに反映させていこう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>チャットやメールの通知音を切る理由</h2>

<p>イェンソン教授の本がスウェーデン人の時間のバイブルになったちょうど20年後、今度は『スマホ脳』がベストセラーになった。そこでは〈切り替え時間〉のことがより科学的に説明されている。</p>

<p>ひとつの作業から別の作業に意識を移すにも、〈切り替え時間〉が必要になる。</p>

<p>たとえば集中して作業をしている最中に、メールの着信音が鳴ったとする。スマホを手に取り、何のメールなのか確認すると、社内の全員に向けたニュースレターだった。返信すらしなくていい。さっそく元の作業に戻る――その間３秒。</p>

<p>しかし脳は〈注意残余〉といって、メールを確認するという作業に残ったままの状態になっている。そこから再び元の作業に100％集中するまでには何分もかかってしまうのだ。</p>

<p>作業を切り替えて集中するには、その都度〈切り替え時間〉が必要になる。そういうムダな〈切り替え時間〉を極力減らすために、チャットやメールの通知音は切って、チェックするのは90分に1度と決めるなど、対策が必要だ。</p>

<p>オフィスで作業中に人に話しかけられて、また作業に戻るときも時間のロスが大きい。独りになれる場所で作業できないのかも検討に値するだろう。</p>

<p>私自身も１日あるいは1週間のうちの〈切り替え時間〉をなるべく少なくするために、プランニングする時点であれこれ違った作業や予定を入れずに、1つのことに集中できるようにしている。なるべく作業をひとつずつ終わらせることで、〈切り替え時間〉を最小限に抑えたいところだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>作業に合わせて場所を変える</h2>

<p>切り替えに時間がかかるのは重々承知だが、それでも１日に複数の作業をしなければいけないこともある。前の作業を出て、新しい作業に入りやすくするためには、環境を変えるのも良い手だ。</p>

<p>『スマホ脳』のハンセン先生は、毎朝カフェに行ってブレインストーミングをするという話はすでに書いた。</p>

<p>彼は独り暮らしなので、家にいても邪魔が入るわけではない。しかし静かすぎるよりもカフェの適度な雑音が集中しやすいそうだ。そういう人は一定数いるらしく、カフェの雑音を流してくれるYouTube の動画や音楽配信サービスもある。</p>

<p>音楽を聴きながら仕事をするのが好きなら、アップビートな曲がクリエイティビティに必要な「発散的思考」を促進してくれるという実験結果もある。</p>

<p>あまり実用的ではないかもしれないが、今まで聞いた中で一番印象深かった仕事場所は、スウェーデンの若手人気ミステリ作家で、犯罪学の准教授でもあるクリストファー・カールソンが「ミステリの執筆が一番はかどる」と言っていた場所だ。</p>

<p>それはなんと、病院の救急病棟の待合室。次々と急患が運びこまれる独特の雰囲気に、執筆テンションが上がるのだという。しかし毎日待合室でパソコンを叩いているうちに、さすがに怪しまれ、追い出されてしまった。</p>

<p>できる範囲で仕事環境にバラエティをつけ、自分にとって最適な環境をみつけよう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_confusing.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 24 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[久山葉子（翻訳家、エッセイスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>クマが出没する「危険な時間帯」とは？専門家が教える正しい対策【解説】  山﨑晃司（茨城県自然博物館館長　東京農業大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15000</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015000</guid>
			<description><![CDATA[東京農業大学名誉教授の山﨑晃司氏が、クマとの遭遇リスクを下げる行動と、最新の忌避対策を科学的な視点から解説する]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="テントにクマ撃退スプレーを予防的に撒くのはNG" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji2.jpg" width="1200" />テントにクマ撃退スプレーを予防的に撒くのはＮＧ（イラスト＝瀬川尚志）</p>

<p>クマとの遭遇を避けるには、鈴や撃退スプレーなどの装備だけに頼るのではなく、クマの行動を知り、出遭いにくい状況をつくることが重要です。<br />
特に注意したいのが、活動が活発になる朝夕の薄暗い時間帯や、ランニングなどでクマに急接近してしまうケースです。一方、ネット上などで紹介される「クマよけ」には、効果が十分に検証されていないものも少なくありません。</p>

<p>東京農業大学名誉教授の山﨑晃司氏が、クマとの遭遇リスクを下げる行動と、最新の忌避対策を科学的な視点から解説します。</p>

<p>※本稿は、山﨑晃司・編著『クマに出遭ってしまったら？&nbsp;』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>薄暗い時間帯を避ける</h2>

<p>クマは通常、朝夕の薄暗い時間帯に活動が活発になる昼行性です。クマの出没が心配される地域や時期には、日の出前後や日没前後のウォーキングやジョギング、イヌの散歩などは控えたほうがよいでしょう。<br />
動画サイトで飼いイヌがクマを撃退するＡＩ生成動画がやたらと増えた時期がありましたが、実際は特殊な訓練を受けたイヌでなければ、クマを追い払うことはできません。むしろ、興奮したクマを飼い主のところに引き連れて戻ってきてしまうこともあるので大変危険です。</p>

<p>【POINT】<br />
▼クマが出没する可能性がある地域では、薄暗い時間帯の外での活動を控える。<br />
▼一般的な飼いイヌがクマを追い払うことはできない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>クマに逃げる時間を与える</h2>

<p>クマは基本的に人を避ける動物ですが、クマが逃げるための時間的な余裕を与えないスピードでの接近は、クマの防御的攻撃を誘発してしまいます。2025年の北海道の羅臼岳登山道ヒグマ人身事故や、本書では詳細を紹介していませんが、2008年8月に東京都の多摩山地で登山トレーニングのためにランニングをしている最中に、親子グマの間に入ってしまい襲われた登山家の人身事故などがこのパターンにあてはまります。</p>

<p>野山を駆けるトレイルランや、マウンテンバイクで急斜面を下るダウンヒルなどでクマに出遭うようなことがあれば、クマには逃げる時間がありません。大人数でのレースであればクマは近づかないとも考えられますが、単独でのトレーニングなどの活動はクマとの遭遇リスクを増大させる危険があります。</p>

<p>【POINT】<br />
▼クマに人から逃げる時間的な余裕がないと、追い詰められて攻撃に転じる危険がある。<br />
▼ランニングや山中でのレースは、クマに逃げる時間を与える間もなく接近してしまう可能性があるので注意が必要。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>クマをよせつけない新たな試み</h2>

<p>個人のアイデアとして、クマの優れた嗅覚を逆手にとって蚊取り線香などのにおいを発するものを身につけたり、空のペットボトルをぺこぺこ鳴らしたりする対策がネット情報などで報告されています。また、携帯用の高周波を発する音響装置なども市販されるようになりました。ただし、一定条件でくり返し効果を検証する、あるいは対照試験を並行して比較するなど、きちんとした実験を行なって統計的に評価した製品はまだないようです。</p>

<p>クマがいやがるにおいや音については、まだ十分には解明されていません。クマは刺激物に興味を示す動物で、スギやヒノキといった針葉樹に含まれるテルペンなどの芳香性物質に引き寄せられたり、シュウ酸カルシウムを多量に含むマムシグサ科の植物の根や茎を好んで食べたりもします。ペンキなどの有機溶剤、クレオソートなどの防腐剤も大好きで、ペンキ缶をかじって体をこすりつけたり、道標や木道をかじり削ったりすることもあるほどです。したがって、刺激性のある物質は逆にクマを呼び寄せる可能性も高いといえるでしょう。</p>

<p>クマ撃退スプレーも、予防的にテントの周りに撒く人がいるようですが、スプレーの効果はクマの粘膜部に直接噴霧した場合の&ldquo;痛み&rdquo;であり、単に撒いてしまうとかえってクマの好奇心を誘うかもしれません。<br />
音についても高い周波数を発するクマよけ製品が販売されていますが、どの程度の効果があるのかは不明です。子グマを除き、クマはほとんど音声を発しないので、音声がどのようにコミュニケーションに影響しているのかもよくわかっていません。</p>

<p>アフリカゾウなどは、人が聞こえる範囲（約20Hz）よりも下の低周波域を使って長距離コミュニケーションをとっていることが知られています。もしも、クマにもそのような音声コミュニケーションがあり、個体同士で危険な存在を伝達するチャンネルが存在するのであれば、そうした音声を人工的に再現することでクマよけが可能になるかもしれません。クマの可聴域に関する研究はこれからの課題となっています。</p>

<p>個人で利用できるクマ情報についても触れておきましょう。近年の深刻なクマ出没にともない、多くの自治体はクマの出没情報をウェブサイトで公開しています。たとえば東京都の「TOKYOくまっぷ」や、秋田県の「クマダス」などがあります。また、自然公園を管理するビジターセンターやインフォメーションセンターなどでは、管轄内のクマの出没情報をマッピングして掲示したりもしています。このような情報を事前に手に入れることにより、クマと出遭う可能性を低減することができるので、ぜひ利用しましょう。</p>

<p>このほかにもクマを遠ざけるためのさまざまな試みがなされています。再現性のある効果が実証されれば、大きな商機にもなります。そのため、さまざまな企業が商品開発に取り組んでいるほか、鉄道各社やNEXCO各社などの交通機関の管理者も忌避剤の開発や、クマの存在を検出するためのシステムづくりに挑戦しています。</p>

<p>【POINT】<br />
▼クマ撃退スプレーを予防的に撒くのは意味がなく、かえってクマを引き寄せてしまう危険もある。<br />
▼自治体や自然公園の管理者などが発信しているクマの出没情報を事前にチェックする。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 23 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山﨑晃司（茨城県自然博物館館長　東京農業大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>藤井聡太に11連敗した伊藤匠はなぜ勝てたのか？ 谷川浩司が語る「1勝」の価値  谷川浩司（棋士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14996</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014996</guid>
			<description><![CDATA[谷川浩司十七世名人が、藤井さんの強さの本質とは何か、そして、たった「1勝」が棋士の心理と勝負の景色をどう変えるのかを解説する]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="それでも伊藤匠はなぜ勝てたのか" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/pixta_Desert.jpg" width="1200" /></p>

<p>八冠独占という前人未到の偉業を成し遂げた藤井聡太さん。<br />
その圧倒的な強さを支えているのは、才能だけではなく、「将棋を究めたい」という飽くなき探究心と日々の積み重ねだと谷川浩司十七世名人は見ます。</p>

<p>しかし、絶対的に思えた藤井時代にも変化が訪れます。その一角を崩したのが、初対局から11連敗を喫しながら叡王を奪取した伊藤匠さんでした。藤井さんの強さの本質とは何か。そして、たった「1勝」が棋士の心理と勝負の景色をどう変えるのか、解説していただきます。</p>

<p>※本稿は、谷川浩司著『名人論 稀代の天才たちはいかに戦ったか&nbsp;』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「将棋を究めたい」という情熱</h2>

<p>藤井聡太さんの八冠独占は、もちろん歴史的偉業である。将棋界の内側にいる者の感覚から言えば、それは「衝撃」でもあった。</p>

<p>タイトルが一人に集中する時代というのは、他の棋士が弱いから起こるとは言い切れないと私は思う。むしろ上位棋士全員が強い。その強い者たちが、順番に挑み、研究し、工夫し、それでもその一人だけには届かない。そういう時代ではないかと思う。戦後にそういう時代を築いたのは大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生善治九段の3人だった。</p>

<p>一つのタイトルを防衛し続けるだけでも難しい。タイトルごとに形式は違い、番勝負の長さも違う。相手も違えば、準備の仕方も変わる。そのすべてを同時に抱え込みながら勝ち続けるというのは、単純な実力比較では語れない。体力、研究、適応力、精神力─そのすべてが最高水準で嚙み合わなければ不可能である。</p>

<p>羽生善治さんが七冠を独占した時代もそうだったが、こういう偉業を成し遂げた第一人者がいる時代には、近い世代のトップ棋士たちの心に独特の重さが生まれる。誰も口にはしなくても、「この人の時代がずっと続くのではないか」という空気が漂うのである。実際、一人にタイトルが集中すると、周囲はただ負けたという以上の感覚を持つ。自分たちがどれほど工夫しても、時代の流れそのものが一方向に傾いていくように感じられるからだ。</p>

<p>藤井さんは、きらびやかな才能だけで勝っている人ではない。むしろ、日々の積み重ねを愚直に続けられるという、もう一つ別の才能を持っている。勝ち負けやタイトルの数だけを追っているようには見えない。もっと深いところで、「将棋の真理」に近づこうとしているように見える。その姿勢が、結果として、周囲の棋士たちに「自分たちはどこまで将棋に向き合えているのか」を突きつけているかのようにも見える。</p>

<p>全冠制覇後の時代というのは、他の棋士が弱い時代ではなく、強い者がひしめき合いながら、今一歩、届かなくなる時代だと私は思う。だが、これも誰かが一角を崩せば時代の空気も変わる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>一角を切り崩した伊藤匠</h2>

<p>藤井さんの八冠独占の時代は、2023年10月11日から始まり、24年6月20日に終わった。伊藤匠さんが、叡王戦において3勝2敗で藤井さんから叡王のタイトルを奪取したのだ。八冠の時期は8カ月余。羽生善治さんの七冠（当時はこれが全冠だった）の時期は5カ月余だったので、全冠保持は藤井さんの方が少し長かった。それでも二人とも1年には達しなかったところに、将棋界のすべてのタイトルを保持し続けることの難しさが現れているように思う。</p>

<p>伊藤さんはさらに2025年10月28日、山梨県甲府市の常磐ホテルで行われた第73期王座戦五番勝負第五局で藤井さんに勝ち、シリーズ成績を3勝2敗として王座を奪取した。これにより、伊藤さんは叡王・王座の二冠となった。</p>

<p>私は、現在の将棋界で藤井さんの終盤力に最も対抗できるのは、伊藤さんだと思っている。もちろん、終盤の正確さ、読みの速さに優れた棋士はほかにもいる。だが、藤井さんを相手にした時、終盤で「何かが起きる」匂いを最も濃く持っているのは伊藤さんのように見える。</p>

<p>藤井さんは、めったなことでは逆転負けしない。勝勢になれば、そのまま押し切るのが常である。ところが伊藤さんとの番勝負では、藤井さんが良い将棋を逆転される場面が実際にあった。番勝負は、すべてを完璧に勝つことが難しい。どこかで一局、「流れを変える勝ち」が必要だ。その一局をつくれるのが、今の伊藤さんのように思える。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>1勝が壁を壊す</h2>

<p>ここで強調しておきたいのは、伊藤さんは、藤井さんに初対局から11連敗をしていたことである。苦手な相手はどの棋士にもいるとは思うが、特定の棋士に11連敗となると、いくら藤井さんが相手とはいえ、伊藤さんは相当こたえたはずだ。<br />
しかし、2024年の叡王戦第二局で伊藤さんは藤井さんに初勝利を上げた。すると、何かがふっきれたように第三局も勝ち、第四局は落としたものの、最終第五局に勝ってタイトルを奪取した。</p>

<p>その後は2025年の王座戦五番勝負で両者がぶつかり、伊藤さんは第一局、第四局を落としたものの残り三局を勝ち、藤井さんから王座を獲得した。その後、二人の対局は2026年の朝日杯将棋オープン戦決勝での対局で、これは藤井さんが勝っているが、伊藤さんが11連敗後の両者の対戦では、ほぼ互角の成績が続いている。</p>

<p>叡王戦第二局の対藤井戦初勝利で、伊藤さんの見ている景色が大きく変わった。植え込まれつつあった「この人には勝てない」という意識が、ようやく消えたのだろうと思う。いったん心理的な壁が崩れると、将棋の指し手も一気に変わることがある。実力の話であると同時に、感覚の話でもある。相手が絶対者に見えているうちは、自分の読みのどこかに遠慮が混ざる。<br />
だが、1度でも勝てば、その遠慮が消える。藤井さん相手にそれが起きたということ自体、伊藤さんの実力の高さを示している。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/pixta_Desert.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 23 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[谷川浩司（棋士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>長谷川あかりさん、レシピのアイデアは「怒り」から？ “自由な料理”が生まれる理由  長谷川あかり</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15086</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015086</guid>
			<description><![CDATA[料理研究家・長谷川あかりさんにインタビュー。『「あたらしい」きほんの料理』に込めた発想と、レシピづくりの裏側を聞きました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="長谷川あかりさん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910Hasegawaakari01.jpg" width="1200" /></p>

<p>「第13回 料理レシピ本大賞 in Japan」の料理部門に入賞した『長谷川あかりの「あたらしい」きほんの料理』。から揚げや肉じゃが、ハンバーグなど、おなじみの家庭料理を、長谷川あかりさんならではの視点で捉え直した一冊です。</p>

<p>本稿では、「きほんの料理」をどのようにアップデートしたのか、そしてレシピのアイデアはどこから生まれるのか、その発想の裏側を聞きました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>目指す「味のゴール」は変えず、そこへたどり着く道を変える</h2>

<p><img alt="" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910Hasegawaakari02.jpg" width="1200" /></p>

<p>――入賞おめでとうございます！</p>

<p>【長谷川】ありがとうございます！ 連載を書籍化したものなので、この本はじっくり時間をかけて作ることができました。編集さんがすごく細やかに管理してくださって、レシピのかぶりがないか、こういうレシピが足りていないんじゃないか、と全体のバランスを見ながら進めることができたんです。</p>

<p>デザイナーさんやスタイリストさん、カメラマンさんとも、連載を重ねるなかでどんどん仲良くなっていって。チームワークで今回の入賞につながったのかな、と感じています。</p>

<p>――本書には定番の家庭料理が多く掲載されています。そうした「定番」を新しく捉え直すことに、難しさはありませんでしたか？</p>

<p>【長谷川】編集さんがかなり自由にやらせてくださって、アクロバティックなことも受け入れてくださったので、楽しかったですね。</p>

<p>――一般的な作り方からすると、「そんな方法があるんだ」と驚くような工程もあります。こうした作り方は、どのように生まれているのでしょうか？</p>

<p>【長谷川】アクロバティックにするために、アクロバティックにしているわけではないんです。</p>

<p>作り方を変えた結果、想定していた味より下振れしてしまったら、あまり意味がないと思っています。「ただ楽になったけれど、それなりに味も落ちたよね」となってしまったら、わざわざ変える意味がない。</p>

<p>だから、目指している味は変えずに、そこへたどり着くまでの「道を変える」という感覚なんです。</p>

<p>例えば、道に詳しい人が「細い路地やヘンな裏道だけど、大通りを行くより渋滞がなくて早く着くよ」と教えてくれることがあるじゃないですか。それと似ていて、ゴールにたどり着くために合理的に考えた結果、その方法になった。そういう意味でのアクロバティックさはあるかもしれません。</p>

<p>――から揚げなどは「こんなに工程を省いていいんだ」と驚く一方で、肉野菜炒めに入れるもやしのひげは取るなど、一見すると省けそうな手間をあえて残しています。省く工程と残す工程には、どんな基準がありますか？</p>

<p>【長谷川】私の中には、「絶対にこのレベルまではおいしくあってほしい」という基準があります。それに、作り終わったときに「これだったら別に買ってきてもよかったな」とは思いたくないんです。手間をかけるなら、少なくともその手間以上のおいしさになってほしい。</p>

<p>もやしのひげを取るのは時間もかかるし、面倒ですよね。でも、取るだけで味のクオリティが上がるんです。それなら、かけた手間に見合うかな、と。もちろん、これは本当に私の独断と偏見なんですけど（笑）。</p>

<p>「ここまでアップデートしているのに、もやしのひげは取るんかい」と思われるかもしれません。でも私にとっては、「かけた手間に対して、どれだけのパフォーマンスが返ってくるか」がすごく大事なんです。</p>

<p>もやしについては、よく言われます。「もやしのひげは取るんだ」って（笑）。</p>

<p><img alt="「鶏のから揚げ」（長谷川あかりの「あたらしい」きほんの料理より）" height="967" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910Hasegawaakari03.jpg" width="1200" /><br />
「鶏のから揚げ」（『長谷川あかりの「あたらしい」きほんの料理』より　撮影／大森忠明）</p>

<p>――本書に掲載されているレシピの中で、特によく作るお気に入りの料理はありますか？</p>

<p>【長谷川】やっぱり、表紙の2色のから揚げは一番作っているかもしれません。本当に楽なので。</p>

<p>夏は豚肉の冷しゃぶがすごく人気ですし、これからの季節だったら豚汁もめちゃくちゃ作ります。でも、一つ選ぶなら、から揚げかな。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>レシピのアイデアは「疑問と怒り」から生まれる</h2>

<p>――長谷川さんのレシピには、意外な食材の組み合わせや、これまであまり見たことのない工程も多いですよね。</p>

<p>【長谷川】私が理想とするものは、すべての「中庸」にあってほしいんです。何かを全部否定したくもないし、かといって全部を肯定するのもしっくりこない。だから、新しい中庸を作りたい、という気持ちがあります。</p>

<p>中庸にあるものって、見る人の年齢や家族構成、これまで食べてきたものによって、見え方がすごく変わると思うんです。</p>

<p>私の料理も、「意外な組み合わせ」と言われることもあれば、「塩だけで味を決める」ことに注目されることもあるし、「変な味」と捉えられることもある。私の料理に対するイメージって、意外と一つではない気がしています。</p>

<p>――そうしたレシピのインスピレーションは、どこから来ているのでしょうか？</p>

<p>【長谷川】インスピレーションというよりは、「こうあってほしい」という願いに近いかもしれません。「面白くしてやろう」とか、「ここは絶対に簡単にしよう」と思って作ることは、あまりないんです。</p>

<p>むしろ、私の文句みたいなものから始まることが多くて（笑）。「なんでこれをこうしなきゃいけないんだろう」とか、「もっとかわいくできる気がする」とか。「この彩り、別にいらないかも」「この&quot;意思なき具材&quot;はいらないかも」「一回取り出さなくても、よけておけばいけるかも」...とか。</p>

<p>そういう疑問に近いものが、レシピにつながることは多いですね。</p>

<p>――「もっとこうできるのでは？」という疑問が出発点なんですね。</p>

<p>【長谷川】そうですね。疑問とか、怒りとか（笑）。「なんで？」みたいな気持ちは、常にあるかもしれないです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「私はこれを選びます」と言えることが、料理の自由につながる</h2>

<p><img alt="火を使わない「ビビンバ」（長谷川あかりの「あたらしい」きほんの料理より）" height="903" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910Hasegawaakari04.jpg" width="1200" />「ビビンバ」（『長谷川あかりの「あたらしい」きほんの料理』より　撮影／大森忠明）</p>

<p>――長谷川さんの料理には、「料理はこうでなければいけない」という固定観念に縛られない自由さを感じます。どうしてそのようなスタンスで料理を作れるのでしょうか？</p>

<p>【長谷川】「自分と他人は違う」と、はっきり認識できるようになったことが大きいかもしれません。</p>

<p>私の料理って、万人受けするものではないと思っているんです。だから、こんなにいろいろな人に作ってもらえていることが、自分ではちょっと不思議なくらいで。</p>

<p>もちろん、できるだけ多くの人においしいと思ってもらえるようには考えています。でも、私自身が好きだと思う味をかなり頑固に曲げていないので、合わない方は絶対にいると思うんです。</p>

<p>でも、私の料理が口に合わないからといって、その人が悪いわけでは絶対にないですよね。逆に、すごく好きだからどうということでもない。味覚や食の好みって、人によって相当違いますから。</p>

<p>それはご飯だけではなくて、すべてのことに対してそう思えるようになりました。</p>

<p>「私はこれが好き」と「あの人はセンスがいい／悪い」は、本来まったく別の話なんですよね。自分の『好き』を正しさに変えて誰かをジャッジしてしまうと、誰かの好みも、そしていつか好みが変わるかもしれない自分自身も、許せなくなってしまうような気がします。それぞれ違っていいと思えるほうが、きっと心地いいはず...。</p>

<p>私自身にもそういう経験があったので、自己と他者が分けられていないと、少し苦しくなることもあるんじゃないかなと。</p>

<p>そこが分かれてからは、「私はこれがすごく好き。でも、合わない人もいると思う。ごめん」という気持ちで作れるようになりました。自分と他人は違うんだと理解してから、自由になったのかもしれないですね。</p>

<p>この本も「きほんの料理」という名前がついていますけど、どこまでいっても「私が思う、私のきほんの料理」なんです。編集さんから「このメニューは入れた方がいいんじゃないですか」と言われても、私としては「私はそれを&quot;きほんの料理&quot;とは認めない」「これはきほんから外したい」というものも結構ありました。</p>

<p>すごく自由だけど、同時に「私はこれを選択します」と大きな声で言っている本なんです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>他人のレシピだから出会える「知らなかったおいしさ」</h2>

<p><img alt="" height="910" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910Hasegawaakari05.jpg" width="1200" />「豚しゃぶ鍋」（『長谷川あかりの「あたらしい」きほんの料理』より　撮影／大森忠明）</p>

<p>――自分では普段作らないような味でも、長谷川さんのレシピを作ってみて初めて、「こういうおいしさもあるんだ」と気づくことがあります。</p>

<p>【長谷川】海外で初めて食べる料理って、食べたことがないから最初は理解が追いつかなくて、「まずくはないけど、おいしいのかもまだよく分からない」みたいなことがあるじゃないですか。でも、それが意外とだんだん癖になっていったりしますよね。</p>

<p>私の料理にも、そういう立ち位置のものは結構あると思っています。この本に載っているものは、比較的丸いというか、万人受けするほうだとは思いますけど。</p>

<p>でも、今おっしゃってくださったように、海外で新しい料理を食べて新しい味を知るように、誰かのレシピを通して、それまで知らなかった味に出会うことってあると思うんです。</p>

<p>そうなると、「他者のレシピを借りる」意味って、すごくあるじゃないですか。私のレシピも、そんなふうになれたらいいなと思っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>(取材・執筆：PHPオンライン編集部 小林実央)</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910Hasegawaakari01.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 22 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[長谷川あかり]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「おひとりさまは大往生できる」約3000人を看取った医師がそう語る理由  小笠原文雄（医学博士／浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15057</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015057</guid>
			<description><![CDATA[一人暮らしで孤独死を恐れる人は少なくありません。しかし、医師の小笠原文雄さんは「おひとりさまのほうが大往生できる」と語ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hearts.jpg" width="1200" /></p>

<p>一人暮らしをする人が増えるなか、「最期をひとりで迎えること」に不安を感じる人も少なくありません。しかし、医師であり僧侶でもある小笠原文雄さんは、「おひとりさまのほうが大往生できる！」と語ります。なぜ、ひとりで暮らす人のほうが穏やかな最期を迎えやすいのでしょうか。書籍『笑って大往生できる人できない人』より、その理由を紹介します。</p>

<p>※本稿は、小笠原文雄著『笑って大往生できる人できない人』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>これからの人生で「今」が一番若い</h2>

<p>人生は一度きりです。そして、これからの人生の中で、今が一番若いのです。ですから、やりたいことを思う存分やりましょう。好きなものを食べて、好きなことをして、好きなことを言って、朗らかに笑って毎日を過ごせば、免疫細胞が活性化して免疫力が上がります。</p>

<p>世間体や家族の都合よりも自分の本心を優先させるほうが、心も体も元気になり、結果としてみんなが「よかった」と思うことが多いのです。</p>

<p>それなのに、多くの人が古くさい家族観や医療観に縛られたままではないでしょうか。</p>

<p>「子どもに迷惑をかけてはいけない」<br />
「介護は家族がするものだ」<br />
「高齢になってからでも、病気であれば入院して徹底的に治療すべきだ」<br />
「孤独死だと、変なうわさが立ちそう」</p>

<p>こうした世間体や思い込みのために我慢をして、知らず知らずのうちにご高齢の方が免疫力を下げていることも少なくありません。</p>

<p>まず、介護保険制度のおかげで、介護ヘルパーや訪問入浴、デイサービスなど、プロの人たちに少ない負担で、身体的なケアを頼めるようになりました。寝たきりになって介護が必要になったとしても、家族に迷惑はかかりません。</p>

<p>そして、老後のお金については、家賃の高いマンションに住んでいたり、高級食材を買い続けたりしない限り、病気で在宅医療になったとしても、たいていの場合は国民年金でまかなえます。</p>

<p>一人暮らしの患者さんでも、本人が希望すれば最期まで家にいられます。同居の場合も同じように、家族は何もしなくていいのです。介護離職が社会問題になっていますが、家族の介護のために仕事を辞めたり、若い人が勉強や友だちづき合いを制限したりする必要はありません。</p>

<p>このことが患者さんの家族になかなか理解してもらえなくて、私は2時間以上かけて説明するときもありました。</p>

<p>家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に作られたのが、介護保険制度です。「救いの神」ともいえるこの制度を使って、しっかりと介護サービスを受けることが大事です。</p>

<p>患者さんの中には、「病気の私は家族にとって邪魔な存在」「病人は家にいるよりも病院にいたほうがいい」と思い込んでいる方がいます。</p>

<p>本人が病院にいたいのならば別ですが、多くの場合、本心では家で過ごすことを望んでいます。家族についても、帰りたがって苦しんでいる様子を見ると、安心できないのではないでしょうか。</p>

<p>繰り返しますが、たとえ寝たきりになっても介護のプロに任せれば、身体的なケアはほとんど行ってくれます。ですから、笑顔で、安心して家で過ごしてください。</p>

<p>また、病院で在宅医療を勧められると、「医師に見捨てられた」「治療を放棄した」とショックを受ける方もいますが、これは間違いです。在宅医療を勧めるのは、とてもよい医師なのです。病院でも取れなかった苦しみが、家に帰ったら消えて、患者さんが笑顔に変わることを知っている医師だから、家に帰ることを提案しているのです。</p>

<p>病院は、病気と闘う場所です。つまり、救命救急医療・高度医療・感染隔離医療を行う場所です。当然、医師や看護師には緊張感があり、患者さんはストレスがたまります。このような空間にいることに疲れたのならば、病院から離れて、自分の家で過ごしましょう。むしろ、退院を許可しない医師のほうがよくないのです。</p>

<p>孤独死については、一人でいるときに死ぬことではありません。医師や看護師のいる病院で死んでも、心が孤独であれば孤独死。それがわからない人がいるのが残念です。たとえ一人でいるときに亡くなったとしても、自分らしく暮らせていたのならば大往生なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「おひとりさま」のほうが大往生できる！</h2>

<p>私は日本在宅ホスピス協会の会長として、日本各地や海外で講演を行ってきました。この活動の中で、社会学者の上野千鶴子さんとの共著『上野千鶴子が聞く　小笠原先生、ひとりで家で死ねますか？』（朝日新聞出版）を2013年に刊行しました。</p>

<p>あれから約13年がたち、一人暮らしの人口はさらに増えました。</p>

<p>65歳以上だと男性の7人に1人、女性の5人に1人が一人暮らしです。</p>

<p>「高齢者の一人暮らしは不安だ」<br />
「病気になると一人では暮らせない」<br />
「家で、たった一人で亡くなるのは寂しい」</p>

<p>世間一般ではこのように思われているようですが、本当のところはどうなのでしょうか。</p>

<p>小笠原内科では、これまでに一人暮らしの患者さん、いわゆる「おひとりさま」を156人、家で看取ることにより多くのことを教えてもらいました。</p>

<p>その経験でいうと、住み慣れた自分の家ならば、何がどこにあるかをすでに知っているので、一人でも最期まで生活ができます。勝手のわからない病院よりも、安心です。</p>

<p>それに、ヘルパーに来てもらえば、食事やトイレにも困りません。寝たきりになれば、ベッドの脇にタッチパネル式テレビ電話を取りつけるといいでしょう。</p>

<p>ですから、離れて暮らす家族の手を借りなくても、困らずに一人で暮らしていけるのです。</p>

<p>また、最期は家族に看取ってほしい人もいれば、「誰もいないときに死にたい」と一人で静かにあの世へと旅立つことを望む人もいます。決して一人が寂しいとは限りません。</p>

<p>なにより、家だと誰にも邪魔をされず、気ままに過ごせます。朝からビールを飲めるし、タバコを吸えます。仕事も旅行もできるし、ペットと暮らすこともできます。</p>

<p>好きなところで、好きなことだけをやって朗らかに過ごす一人暮らしだから、大往生を迎えられるのでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hearts.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 22 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小笠原文雄（医学博士／浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜクマは人を怖がらなくなった？「アーバンベア」急増の背景【専門家が解説】  山﨑晃司、山中正実</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14998</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014998</guid>
			<description><![CDATA[クマの生態に詳しい山﨑晃司氏と山中正実氏が、知床で現れた「新世代ベアーズ」から近年の市街地出没までをたどり、人慣れグマが生まれるメカニズムと、その危険性を解説します]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="体重300kg を超える知床のヒグマ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260914Bear03.jpg" width="1200" /><br />
体重300kgを超える知床のヒグマのオス成獣 時に400kgに達するものも見られる（写真:山中正実）</p>

<p>近年、住宅地や市街地にまで姿を現すクマが相次ぎ、「アーバンベア」が深刻な社会問題となっています。なぜ本来、人を避けるはずの野生のクマが、人間を怖がらなくなったのでしょうか。その背景には、クマの保護政策や人間活動の変化、さらには人間の食物を覚えた「餌付けグマ」の存在など、複数の要因が考えられます。</p>

<p>北海道大学大学院客員研究員の山中正実氏が、知床で現れた「新世代ベアーズ」から近年の市街地出没までをたどり、人慣れグマが生まれるメカニズムと、その危険性を解説します。</p>

<p>※本稿は、山﨑晃司・編著『クマに出遭ってしまったら？&nbsp;』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人を怖がらないクマ</h2>

<p><img alt="人目を気にしない新世代型のヒグマと近づきすぎるカメラマンたち" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260914Bear02.jpg" width="1200" />人目を気にしない新世代型のヒグマと近づきすぎるカメラマンたち</p>

<p>人や人の活動、人家や自動車などに慣れてしまったクマはしばしば「人慣れグマ」と呼ばれます。かつてそのようなクマは日本ではめずらしかったのですが、1990年代後半から北海道斜里町内の知床国立公園の西側で、道路沿いや遊歩道など公園利用者が多い場所でも人目を気にせずに歩き回るヒグマが目立つようになり、社会的に知られるようになりました。</p>

<p>知床国立公園では1982年に国指定鳥獣保護区がほぼ園内全域に拡大したことをきっかけに、国立公園の西半分を占める斜里町の猟友会が「春グマ駆除」を自粛しはじめました。春グマ駆除とは、1966年に北海道庁が始めた制度で、被害発生の有無にかかわらず、もっともクマを捕獲しやすい残雪期に山に入って無制限にヒグマを捕獲するものでした。当時は国立公園内や鳥獣保護区でも普通に行なわれていたもので、効果は大きく、北海道各地でヒグマは数を減らしていきました。</p>

<p>春グマ駆除は東北や北陸の雪の多い地域でも行なわれていました。春季以外でも、国立公園や保護区でさえ、クマがいればすぐに捕殺するというのが当時は全国的に普通だったのです。しかし、1980年代に入ると環境保護の考え方がしだいに世間に広まり、国立公園などの保護区では「目撃したら駆除」という風潮は衰えていきました。知床では、知床財団の前身の組織である「自然トピアしれとこ管理財団」が1988年に発足し、追い払いなど殺さない対策を中心にすえるようになりました。そして、1990年には北海道全体でも春グマ駆除制度が廃止されました。</p>

<p>こうして知床では1980年代から特に国立公園内でヒグマを積極的に捕獲することが少なくなっていきました。それから十数年を経て、国立公園内で人目を気にしないヒグマが見られはじめたのです。十数年は野生のヒグマのほぼ1世代にあたる期間であり、人に追い回されていたクマたちから新しい世代へと入れ替わったと考えられます。これらのクマは「新世代ベアーズ」（写真）と呼ばれ、マスコミなどでも報道されるようになりました。</p>

<p>1990年代後半には同じような現象が、本州の尾瀬国立公園の尾瀬ヶ原、上信越高原国立公園の軽井沢、北海道の大雪山国立公園などでも見られるようになりました。いずれも無差別にクマを捕殺していた時代が終わって十数年を経て現れたできごとでした。</p>

<p>実は、このような現象は、北米などクマ類が生息する海外の国立公園では古くから知られていたことでした。保護されれば、人を怖がったり避けたりしなくなるのはクマに限らず野生動物に共通することです。豊富に生息する野生動物を観察できるのが海外の著名な国立公園では大きな魅力の一つです。保護制度が充実していくにつれ、国内の保護区でも同様の現象が見られはじめたのです。</p>

<p>典型的な新世代ベアーズは人の存在自体に慣れてしまったクマですが、人慣れグマにはもう一つの典型があります。人間の食物に味をしめて人や人里に近づく「餌付けグマ」とも呼ばれるクマです。このタイプの人慣れグマは、積極的に人に近づき、あるいは攻撃して食物を得ようとするので極めて危険です。北米の国立公園ではかつてクマへの餌付けが公然と行なわれていましたが、1970年代以降は餌付けや食物・生ゴミの不適切な管理が厳格に規制されるようになりました。</p>

<p>知床国立公園で見られはじめた新世代ベアーズは、人間の食物に関係なく単に人の存在に慣れたものでしたが、人間の食物に餌付いたクマの問題は国内でも各地で古くから知られていました。</p>

<p>【POINT】<br />
▼人や人の活動に慣れてしまった人慣れグマが存在する。<br />
▼餌付けグマは、攻撃して人間の食物を奪おうとするのでとても危険。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>アーバンベアが社会問題に</h2>

<p>2000年代に入ると本州でのツキノワグマの大量出没が報じられるようになり、集落やその周辺にたびたび出没することが問題になりはじめました。2010年の長野県松本市市街地や2012年の長野市のJR長野駅付近へのクマの侵入事件など、2010年代以降は人口の多い都市の市街地内でもクマが目撃されるようになります。</p>

<p>北海道では2010年代中頃から、札幌市街地近郊でのヒグマ出没が目立ちはじめ、2010年代末から2020年代初頭には札幌市、旭川市、帯広市などの市街地への侵入が見られるようになりました。中でも2021年6月の札幌市東区市街地への侵入と4人の負傷事故は全国的に大きな話題となりました。</p>

<p>ちょうどその頃、酪農学園大学教授の佐藤喜和氏が『アーバン・ベア　となりのヒグマと向き合う』（東京大学出版会、2021）を出版しました。そして、2023年、2025年には東北・北海道を中心にクマの出没が激増し、全国規模で社会問題化したのです。人里に侵入するクマへの社会的な注目はますます高まり、「アーバンベア」という言葉は2023年の第40回「『現代用語の基礎知識』選ユーキャン新語・流行語大賞」にて、トップ10入りするに至りました。</p>

<p>2000年代以降のクマの人里への出没は、集落や都市周辺も含む個体数の増加や、里山での人間活動の減少、積極的な捕獲をあまりしなくなったことによる新世代型のクマの増加に加え、人間の食物を覚えて執着する「餌付けグマ」の問題が複雑に絡み合って作用したものと推察されます。</p>

<p>【POINT】<br />
▼人の生活圏に出没するクマが増えている。<br />
▼長野市や札幌市など人口の多い市街地でもクマが目撃されている。</p>

<p>［執筆者］<br />
山中正実（やまなか・まさみ）<br />
北海道大学大学院獣医学研究院野生動物学教室 客員研究員<br />
1959年生まれ。山口県周南市出身。北海道大学でヒグマ研究グループに所属し、知床をはじめ北海道内各地でヒグマや海獣類の生態調査を行なう。1987年以来、知床の自然環境の保全管理にあたる知床財団の設立から関わり、統括研究員・事務局長として同財団の中枢を担った。また、知床世界自然遺産の登録にいたる活動を主導した。2012年から2018年には、知床博物館館長としても勤務。博士（人間科学）。</p>

<p>［編者］<br />
山﨑晃司（やまざき・こうじ）<br />
茨城県自然博物館館長　東京農業大学名誉教授<br />
1961年東京都調布市出身。 森林動物生態学が専門。東京農工大学連合大学院博士（農学）。ザンビア国立公園局野生動物調査官、東京都高尾自然科学博物館学芸員、茨城県自然博物館首席学芸員、東京農業大学地域環境科学部教授を経て、茨城県自然博物館館長。元日本クマネットワーク代表、元International Association for Bear Research and Management 理事、IUCNクマ専門家委員会委員、東京都自然環境保全審議会鳥獣部会長、千葉県環境審議会鳥獣部会長、環境省鳥獣保護管理プランナーなどを務める。著書に『日本のクマ』（東京大学出版会・共編著）、『ツキノワグマ　すぐそこにいる野生動物』（東京大学出版会）、『ムーン・ベアも月を見ている』（フライの雑誌社）、『クマとともに』（東京大学出版会・共著）など。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 21 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山﨑晃司、山中正実]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>信頼される人は何が違う？ 人との距離が縮まる“たった1つの口癖”  ⻆谷建耀知（株式会社わかさ生活　創業者 代表取締役社長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14977</link>
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			<description><![CDATA[人と会社を成長させる信頼構築と対話の共通点は｢言葉の渡し方｣である。名前を呼び合い距離を縮める信頼術と、否定で終わらせず最後に＋0.1の希望を残すフィードバック術で、挑戦できる関係を作ると解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="会議室で資料を見ながら笑顔で話し合う5人の社員" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmtg4.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢なぜかあの人の前では本音が言える｣人や組織が伸びる秘密は、卓越したスキルではなく｢言葉の渡し方｣にありました。距離を爆速で縮める信頼術と、挑戦意欲を引き出すフィードバック術。明日からの対話が劇的に変わる、2つの極意を明かします。</p>

<p>※本稿は、⻆谷建耀知著『｢変わりたい｣けど、｢変われない自分｣から抜け出すための行動の仕組み化』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>すぐにわかる信頼のバロメーターとは</h2>

<p>人との関係が深まるきっかけはなんだと思いますか？</p>

<p>仕事ができることかもしれません。話が上手なことかもしれません。もちろん、それらも大切です。ですが、私は長年たくさんの人と接してきて、人との距離を縮める一番簡単で、一番効果のある方法は別にあると思っています。</p>

<p>それは、相手の名前を呼ぶことです。私は、人の名前と顔を覚えることには少し自信があります。特別な訓練をしたわけではありません。</p>

<p>ただ、人とのつながりを大切にしたいと思っていたので、できるだけ相手の名前を覚えるためにも、意識的に相手の名前を呼ぶようにしただけです。</p>

<p>｢〇〇さん、おはようございます｣<br />
｢〇〇さん、この前のあれはどうでしたか｣<br />
｢〇〇さん、また来てくれたんですね｣</p>

<p>こんなふうに、会話の最初に、相手の名前を呼ぶことを仕組み化しました。すると、ある時から変化が起きました。お客さんが私のことを｢ケンちゃん｣と呼ぶようになったのです。最初は何気ない変化でした。ですが今振り返ると、あれが大きな転機だったと思います。</p>

<p>｢ケンちゃん、ちょっと聞いて｣<br />
｢ケンちゃん、この前ね｣</p>

<p>そうやって気軽に声をかけてもらえるようになり、お客さんとの距離が一気に近くなりました。食事に呼ばれることもありましたし、商品とは関係のない相談を受けることも増えました。</p>

<p>私はその時、人との距離は、相手の名前を覚えた時に縮まるのではない。お互いが名前で呼び合えるようになった時に縮まるのだと気づいたのです。</p>

<p>こちらが一方的に相手の名前を呼ぶだけでは十分ではありません。相手にも自分の名前を覚えてもらい、名前で呼んでもらう。そこまでいってはじめて、本当の意味での関係がはじまるのだと思います。</p>

<p>人は、自分の名前を呼ばれると嬉しいものです。自分を認識してくれていると感じますし、大切にされているとも感じます。</p>

<p>心理学では｢ネームコーリング効果｣と呼ばれていますが、私は難しい理論を知らなかった頃から、その力を実感していました。逆に、名前を覚えていないと、どこか他人行儀な関係のままです。</p>

<p>顔は知っているし、何度も会っているけど名前が出てこない。そんな相手っていますよね。もちろん、それで関係が悪くなるわけではありません。</p>

<p>しかし、名前で呼び合える関係と比べると、どうしても距離は縮まりにくいのです。私はコミュニケーションが苦手な人ほど、まずは名前を意識するといいと考えています。</p>

<p>話し上手になる必要はないですし、面白い話ができなくても構いません。まずは相手の名前を覚え、そして名前で呼ぶ。そして、自分で話す時に、最初は｢○○さん、⻆谷です｣と自分の名前を入れて声をかける。この2つを意識するだけでも、人との関係は驚くほど変わります。</p>

<p>実は、これは会社も同じです。今の会社｢わかさ生活｣という社名を決める時も、相談をした人たちからは｢⻆谷製薬｣のような名前やかっこいい横文字の社名案をもらいましたが、私が大切にしたのは覚えやすさでした。</p>

<p>どれだけ良い商品があっても、どれだけ良い会社でも、名前を覚えてもらえなければ存在しないのと同じです。だからこそ私は、｢わかさ生活｣という覚えやすい名前を選びました。</p>

<p>そして、社名を覚えてもらうために、ラジオの時報広告を出したり、京都の地下鉄でアナウンスを流したりもしました。目的は、名前を覚えてもらうことただ1つでした。</p>

<p>個人にしろ会社にしろ、信頼を得るためには、名前を知ってもらうという小さなところからはじまると考えています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>部下の声を引き出す｢否定ゼロ｣の対話術</h2>

<p>なぜあの会議では誰も発言しなくなるのか。なぜあの上司の前では意見が出なくなるのか。私は、このような活発な対話が生まれない原因の多くは｢ダメ出しの仕方｣にあると思っています。</p>

<p>もちろん、仕事ですから、相手の意見や提案に対してマイナスのことを言わなければならない場面はあります。｢それは難しい｣｢このままではうまくいかない｣｢ここは直したほうがいい｣。そう伝えること自体は悪いことではありません。</p>

<p>問題は、マイナスだけで終わってしまうことです。人は否定されると黙ります。</p>

<p>特に、一生懸命考えて出した意見や、勇気を出して提案したことを真っ向から否定されると、｢もう言うのはやめよう｣と思ってしまいます。すると、その場は静かなものになります。それでは有意義な対話などできるはずもありません。</p>

<p>私は、マイナスのことを伝える時、プラス0.1を探すようにしています。0.1の良いところを伝える。</p>

<p>10褒める必要はありません。無理に良いところを探して、お世辞を言う必要もありません。</p>

<p>ですが、どんな提案にも、どんな仕事にも、どんな人にも、0.1くらいは良いところがあるものです。｢着眼点は面白いね｣｢最初の部分はよく考えられているね｣｢その発想はなかったな｣といった、本当に小さなことでいいのです。</p>

<p>そして私が大事だと思っているのは、その0.1を最後に伝えることです。人は最後に聞いた言葉の印象が残りやすいからです。</p>

<p>｢ここはダメだね。でも、この視点は面白い｣<br />
｢今回は難しい。でも、挑戦したことは良かったと思う｣</p>

<p>同じ内容でも、最後に何を残すかで相手の受け取り方は大きく変わります。相手に気を遣っているわけでも、相手を甘やかしているわけでもありません。私は、人に成長してほしいからこそ、そうしています。仕事でも人生でも、挑戦しなければ前に進めません。</p>

<p>しかし、人は何度も否定されると挑戦しなくなり、意見を言わなくなり、考えることをやめてしまいます。ですから私は、改善点を伝える時ほど、その人が次も挑戦したくなる言葉を残したいと考えています。人を動かすのは、強い言葉だけではありません。</p>

<p>｢またやってみよう｣と思える小さなプラス0.1の希望なのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 21 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[⻆谷建耀知（株式会社わかさ生活　創業者 代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「歩く趣味」を始めたら、日常が豊かになった　足元に咲く小さな花、鳥の声...  大島清（京都大学名誉教授,医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14945</link>
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			<description><![CDATA[「歩くこと」を趣味にすると日常はどう変わる？医学博士・大島清氏の著書より、足元の草花や鳥の声に気づき、新しい趣味や学びが広がっていく魅力を解説。心と人生を豊かにする「歩く趣味」の効能を紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ウォーキング" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityLI/pixta_greenLI.jpg" width="1200" /></p>

<p>「歩くことが健康にいい」のはよく知られた事実です。全身の筋肉の約7割が集まる足腰を動かす習慣は、代謝の維持だけでなく、血管年齢の若返りや病気予防にも直結します。</p>

<p>しかし、歩く魅力は健康効果だけではありません。「歩くこと」自体を趣味にすると、いつもの風景や日常が驚くほど豊かに変わるかもしれません。本記事では、医学博士・大島清さんの著書『歩くとなぜいいか』より、歩くことが心や人生にもたらす変化について解説します。</p>

<p>※本稿は、大島清著『歩くとなぜいいか』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「歩く趣味」から、ほかの趣味がどんどん生まれる</h2>

<p>歩くことが好きになると、それを基本にいろいろな趣味が増えてくる。だから無趣味でつまらないという人には、とりあえず歩くことを勧めている。</p>

<p>趣味で歩いているうちに、いろいろな趣味が自然に増えてくるのだ。わたしのことを言えば、趣味で歩いているうちにまず植物が好きになった。</p>

<p>歩いていると、道ばたに咲く小さな花を見つける。この花は何だろうと気になる。すると植物図鑑がほしくなる。図鑑を買うと今度はそこに載っている花を探したくなる。こうして、少しずつ花の名前を覚えていった。</p>

<p>花の名前が少しずつわかるようになると、今度は季節の移ろいに敏感になる。フキノトウを見つけると、少しくらい寒くても「春が来た」と嬉しくなるし、3月も終わりのころになると、タチツボスミレが薄紫の群落をつくるのを楽しみに待つようになる。</p>

<p>日本はスミレ王国と言われるほどその種類は多く、50種を超えているという。花の形が大工道具の&quot;墨入れ&quot;に似ているのでスミレとなったという由来も何やら楽しい。</p>

<p>タチツボスミレは群生するのでよく目立つが、似た名前のツボスミレは花も小さく、半日陰になったような場所でひっそり咲くので目立たない。この花を偶然見つけると、それだけでとてもいいことがあったように思える。</p>

<p>名前を知らなければ野草と見過ごしてしまう小さな草花も、名前を知るといとおしくなる。</p>

<p>日本の植物界の父といわれる牧野富太郎博士の言葉に「雑草という名の植物はない」というのがある。たしかにその通りで、一つ一つの小さな花にも名前があり、名前の数だけ命がある。</p>

<p>歩いているとそんなことも実感できるようになる。そして来年もその場所で花をつけられるように自然の環境を守ってあげたくなる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>バードウォッチング、自然環境への問題意識...</h2>

<p>鳥も同じだ。鳴き声は聞こえても、わざわざその鳥を見にいこうとは思わなかった。ところが歩く趣味を続けているうちに、バードウォッチングが趣味という人たちと友だちになった。</p>

<p>言ってみればこれも必然で、遅かれ早かれこういう人たちと友だちになる機会があるとは思っていた。「鳥は見ようと思えば見える」という極意のような心構えを教わり、ついでにもっと実用的な双眼鏡の使い方なども教わって、今ではバードウォッチングも趣味の一つになっている。</p>

<p>バードウォッチングが趣味に加わると、鳥の棲む森のことが気になる。木や鳥を知って森を見ないわけにはいかない。</p>

<p>しかしわたしの住む古都・鎌倉もたびたび開発ラッシュに襲われていて、自然が破壊されている。歩いているとこんなことにも無関心ではいられなくなる。無関心ではいられなくなると、いろいろな人に話を聞きに出かける。図書館で資料を調べる。</p>

<p>すると、鎌倉市の樹林地帯はもっとも多かったときの半分にまで減少しているなどということがわかってしまう。鎌倉の市民たちがさまざまな形で自然環境を守る運動を展開していることも知る。</p>

<p>わたしもその仲間に入れてもらい、森や野鳥や草花の&quot;代弁者&quot;となって、無用な開発に一石を投じる活動をするようになる。</p>

<p>ここまでくると、もう趣味とは言えない。だが、楽しく歩く趣味を続けるためにはこういうところもおろそかにはできない。</p>

<p>歩きながら考えると趣味は広がり、その向こう側にある社会問題も見えてくるのである。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityLI/pixta_greenLI.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 21 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大島清（京都大学名誉教授,医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>毎日500円でやり繰りしていた中学生　フライドポテトだけの食生活が招いた「想定外の死」  飯野守男（鳥取大学医学部法医学分野教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15116</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015116</guid>
			<description><![CDATA[長年、司法解剖の現場に立つ飯野守男教授が、日常に潜む危険が死を招いた事例を紹介してくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="中学生" height="840" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/115603163px.jpg" width="1200" /></p>

<p>夜間の救急病院を受診し「便秘」と診断された少女は、なぜ翌朝に命を落としたのか。最新の死後CTでも見抜けない「エアコン部品」の誤飲や、貧困ゆえにフライドポテトを食べ続けた少年の孤独な死。日常に潜む危険が死を招いた3つの事例を紹介する。</p>

<p>※本稿は飯野守男著『法医学教授が教えている死体の授業』（飛鳥新社）より一部を抜粋・編集したものです。<br />
※写真はイメージです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>Case.1「便秘で死ぬ」</h2>

<p>「お腹が痛い」「吐きたい」と訴えて、深夜に救急病院を受診した小学校低学年の女の子。すぐにCT撮影し、直腸にたくさん便が詰まっていたことから医師は「原因は便秘」と診断します。緊急性が高いケースではないため、そのまま痛み止めだけ行って入院させ、翌日に処置をしましょうという話で落ち着いたのですが、翌朝早くに女児は死亡。医療ミスが疑われて解剖にもち込まれました。</p>

<p>まだ小学生だった女児の痛ましい事例です。</p>

<p>解剖で小腸と大腸を切り開いたところ、大量の硬い便が出てきました。便秘という診断自体は正しかったといえます。</p>

<p>ただ、CT写真をみると、大量の便詰まりによる腸閉塞が起きていたであろうことがわかりました。</p>

<p>肛門の出口付近には相当に硬い便が大量にあり、それが排便を妨げていたのでしょう。死体検案書に記した死因は「便秘による宿便性腸閉塞」、つまり便が腸内に長期滞留したため、腸管が塞がって消化物やガスが腸を通過できない腸閉塞の一種です。</p>

<p>突然の愛娘の死を前に、ご両親が深い悲しみに暮れるのは当然です。死の直後にご遺族は、「病院側が適切な医療行為をしていれば娘は助かったはずだ」と主張して、民事裁判を起こすと話されていましたが、その後の続報が聞こえてこなかったことを考えると示談になったのかもしれません。</p>

<p>では、少女を救える分岐点はどこだったのか。</p>

<p>便秘に対する適切な医療行為、この場合は摘便していれば防げた死だったはずです。摘便とは、医療従事者が指を使って、肛門付近に詰まっている便を直接取り除くケアのこと。指を入れて、硬い便をビュッと取るだけの簡単な処置ですから、便秘と診断した時点で医師が指示すればすぐにできたはずです。</p>

<p>それをしなかった理由は、おそらく深夜の受診だったからではないでしょうか。</p>

<p>深夜の救急医療の基本は、「よほど重症でない限りは朝までもたせる」です。翌朝になれば専門医が出勤する。それならば、積極的な治療はせずに安静にさせてしのごう。</p>

<p>深夜の当直医師がそう考えてしまうのも無理はありません。</p>

<p>しかし、「よくある便秘だから」と甘くみた判断ミスが、悲劇を招くこともあることを医療従事者は心しておくべきでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>Case.2「誤飲で死ぬ」</h2>

<p>知的障害をもつ40代男性の事例です。</p>

<p>男性はショートステイでいつもの施設に出かけ、帰宅したその日の夜に突然発熱します。嘔吐の症状もあり、便も黒くなっていることから、ただごとではないと判断した父親が救急車を呼びますが、わずか１時間半後に男性は病院で亡くなりました。</p>

<p>知的障害をもつ中年男性が急死。死にいたるまでの時間が非常に短かったこと、また男性には知的障害があったため、死因の背景が一切不明だったことから、解剖となりました。</p>

<p>解剖前に男性の死体をCT撮影したところ、胃の中に層状のなにかが重なっているのがみえました。CT検査では、あまりみない内容物です。さらに小腸をみると、なんらかのゴロゴロと大きな内容物がある。消化途中の食べ物にしては、通常よりもかなり大きいようだ。ただし、ほかにCTでわかる異常は発見されませんでした。</p>

<p>そこで実際に胃を開くと、ぎっしりと層状に重なるように詰まっていたものの正体は通常の食べ物（主に野菜や果物）だったことが判明します。普通でなかったのは、どの食べ物もほとんど噛まれた跡がなかったこと。つまり男性はそしゃくせず、食卓に出されたままの状態で飲み込むクセがあったことがここでわかりました。</p>

<p>とはいえ、胃と小腸の内容物はすべて「噛まれなかった食べ物」であり、「食べてはいけない物」はやはり見当たりません。</p>

<p>さらに解剖を続行していくと、小腸の一部が赤く腫れ上がっている異常がみつかりました。その部分を切り開いたところ、数センチほどのプラスチック製の物体を発見。</p>

<p>その時点ではそれが何かはわかりませんでしたが、おそらく死の原因を引き起こしたものです。しかし、その物体はCTには写っていませんでした。</p>

<p>結局は切り開かなければわからないことがある</p>

<p>では、死亡した男性は、その小さなプラスチック製品をどこで、なぜ飲み込んだのか。警察が調べた結果、小腸から発見されたプラスチック製品は、その形状からエアコンのルーバーらしきことがわかりました。</p>

<p>ルーバーはエアコンの吹出口についている、風向きを調整する部品です。とはいえ、誤飲してしまう小さなサイズのルーバーですから、室内用のエアコンではなく、車のエアコンのルーバーだろうと推測。<br />
死亡した男性が死の直前に車に乗る機会があったのかを調べたところ、ショートステイの送迎に使われているマイクロバスに乗っていたことがわかりました。</p>

<p>そして、男性が座った席の真上にある天井のエアコンのルーバーがなくなっていた。おそらくは重度知的障害をもつ男性が移動中に外し、飲み込んでしまったのだと考えられます。</p>

<p>最終的に男性の死因は、「異物誤飲に基づく腸閉塞に起因する吐物誤嚥による窒息死」と判断しました。</p>

<p>誤飲した異物（ルーバー）が小腸を塞ぎ、そのあとに食べた物が通過できない状態になった。その結果、胃に食べ物がパンパンに詰まり、出口を求めて嘔吐しようとするも吐物が気管に詰まり、窒息死となってしまったのでしょう。</p>

<p>CTでルーバーの存在が検出できなかったのは、プラスチック製品はそもそも写りにくい性質があるからです。入れ歯と同じく、プラスチック製品はＸ線をとおしやすいため、CTでスキャンしてもそもそもほとんど写りません。</p>

<p>とくに、食べ物と混ざった状態だとほぼ境目が区別できない。</p>

<p>昨今日本では、死後CTスキャン（Ai）が有用なツールとして知られていますが、「死後CTスキャンさえできれば、解剖はしなくていい」と考えてしまうのは短絡的です。</p>

<p>Aiは非常に有用なツールですが、CTに写らない材質も少なくありません。法的に十分な証拠を探し出すためには、やはり解剖は必要不可欠な作業です。このことは大学で解剖医を目指す学生たちにも、普段から注意喚起しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>Case.3「３食フライドポテトで死ぬ」</h2>

<p>「嘔吐が止まらない」と訴える中学生の男子が病院へかけ込みました。お腹の調子が悪いのだろうとの判断から整腸剤を処方され、帰宅しましたがその直後に少年は死亡。解剖によって判明した死因は、「ハンバーガーチェーン店のフライドポテト」によるものでした。</p>

<p>子どもの死は原因がなにであっても痛ましいものですが、とりわけ個人的に印象に残っているのが「ハンバーガーチェーン店のポテトが原因で死にいたった少年」のケースです。</p>

<p>嘔吐で病院にかけ込み、整腸剤を処方されたけれども、死亡してしまった中学生男子。若く既往歴もない少年の突然死の原因を明らかにするため、解剖を行ったところ、衝撃的な事実が明らかになりました。</p>

<p>少年の死体を解剖して胃を切り開いたところ、まず胃全体が異常に大きくなっていました。さらに拡大した胃が腸を圧迫し、骨盤の狭い空間に小腸の一部がググッと入り込んだ結果、小腸が壊死して黒く変色していたのです。</p>

<p>小腸は通常、食べ物を消化して通過させるトンネルのような役割を果たす器官ですが、この腸が穴にはまり込んだ結果、トンネルが狭くなり、食べたものが通過できなくなります。食欲低下、お腹の張り、吐き気、嘔吐などの症状を引き起こすこの状態は医学的に「腸閉塞」と呼ばれています。</p>

<p>では、なぜ少年は腸閉塞を起こしてしまったのか？</p>

<p>原因は生前の彼の家庭環境にありました。</p>

<p>少年は父子家庭の一人っ子であり、毎日の食事は父親から渡される500円で、すべて賄っていたことが死後明らかになりました。</p>

<p>「500円で調理の必要がなく、たくさん食べられてお腹が膨らむものを」と考えて思い浮かんだのが、子どもでも気軽に立ち寄れるハンバーガーチェーン店のフライドポテトだったのでしょう。</p>

<p>毎食フライドポテトだけの食生活、そして少年の腰椎は人より１個多かった</p>

<p>少年は、ほぼ毎日、油の多いフライドポテトだけを食べ続け、腸閉塞を起こして苦しみながら死にいたりました。栄養バランスが極端に偏った生活が原因だったことは間違いありませんが、もうひとつ不確定ながらも、この少年固有の事情もありました。</p>

<p>人間の腰椎（腰あたりにある背骨）は通常、５個あります。ところが、CTで腹部を撮影したところ、少年には６個の腰椎がありました。</p>

<p>まれに腰椎が６個ある人はいますが、骨が１本多いということは、腹部のスペースが標準より広い可能性があったと考えられます。</p>

<p>要するに、普通の人よりもお腹がちょっと広い。けれども、小腸の長さは標準だったため、消化の悪いフライドポテトの過剰摂取で胃にガスがたまって膨らみ、余っている腹部の空間に小腸の端が入り込んで壊死した可能性もあります。</p>

<p>CTと解剖だけでは、食生活と腰椎の因果関係を明言することまではできませんでしたが、私はおそらく無関係ではなかっただろうと考えています。</p>

<p>死亡診断書に病名の「腸閉塞」としか書くことはできませんでしたが、背景には１人親家庭の貧困や、福祉制度の取りこぼしが関係していることは明らかです。</p>

<p>少年に手を差し伸べられる大人が１人でも身近にいれば、と心から残念に思わずにはいられない解剖でした。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/115603163px.jpg" />
						
						<pubDate>Sun, 20 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[飯野守男（鳥取大学医学部法医学分野教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>会社を辞めた恐怖で描いた「異質な絵」　あてもなく行った北海道で作家が取り戻したもの（連載「描き屑の瞬き」第4話）  いのうえまりこ（画家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15048</link>
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			<description><![CDATA[画家・いのうえまりこさんの連載「描き屑の瞬き」では、その時々に抱いたあれこれをアルコールインクアートとエッセイで綴ります。今回は、いのうえさんが会社を辞めて北海道へ向かったときのお話。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="描き屑の瞬き" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260908inouemariko01.jpg" width="1200" /></p>

<p>会社を辞めると決断したあの日、押し寄せてきたのは恐怖だった――。アルコールインクアートで抽象画を描く画家のいのうえまりこさんは、2年前まで会社員として働いていました。迷いながらも退職願を出し、その後向かった先は北海道。<br />
「描き屑の瞬き（かきくずのまたたき）」は、いのうえさんが日常のなかで心に留まった景色や感情を、絵とエッセイで綴る連載です。第4話となる今回は、夏真っ盛りの8月に見舞われたまさかのトラブルをきっかけに、会社を辞めたあの頃を振り返っていただきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>立ち止まった夏の日</h2>

<p><img alt="いのうえまりこ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260908inouemariko02.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年の夏。<br />
朝起きて自転車に乗ろうとしたら、タイヤがパンクしていた日があった。<br />
ひとまず自転車を使わずに出かけて、家に帰ってきたその夜。今度は冷蔵庫がまったく冷えなくなっていた。<br />
ネットで調べて、自分でできそうなことを一通り試してみた。朝になって冷凍庫を開けると、ドロドロに溶けたアイスが、そのまま残っていた。</p>

<p>家から少し足を延ばしたところに電気屋やリサイクルショップが何軒かある。新しい冷蔵庫を探しに行きたい。でも、自転車は使えない。この暑さの中を徒歩で動き回る気にもなれない。</p>

<p>脳みそもパンクしてフリーズした。<br />
すべてが嫌になってとりあえず寝た。<br />
一日中、布団の中で過ごした。<br />
そんな8月の夜中にこの記事を書いている。</p>

<p>ちょうど2年前、これ以上にフリーズしていた時期があった。<br />
2024年8月末、会社を辞めた。<br />
ずっと迷い続けていたけれど、いよいよ今がその時だと思える瞬間が来て、決断した。</p>

<p>次に何をするかも決めず、転職先も探さないまま辞めた。本当はひとまず転職でもよかったかもしれない。でも、ずっと会社員をやってきた自分の生き方に、少しずつ疑問を持ち始めていた。</p>

<p>仕事が好きで、頑張れていた時期も何年もあった。任されることも増えていった。管理職にもなった。経済的にも、大きな不満はなかった。</p>

<p>外から見れば、きっと順調だったのだと思う。けれどその分、心がどこか別のところに持っていかれるような感覚が、少しずつ増えていった。</p>

<p>管理職になってからは、自分の仕事だけでなく、周りの人を育てることも求められるようになった。人を評価する必要も出てきた。仕事が終わってからも、会社のことを考える時間が増えていった。</p>

<p>みんな頑張っているから。<br />
休日も関係なく、会社のために動いてほしい。<br />
もっと会社への思いを持ってほしい。</p>

<p>そんな話が役員や他の管理職の人との会議で出るたびに、私は少しずつ言葉をなくしていった。そこまで会社に気持ちを預けることが、どうしてもできなかった。ここにいても、もうこれ以上どう進めばいいのかわからなくなっていた。</p>

<p>そんな日々の中、関わっていたプロジェクトが唐突に終わりを迎えた。仕事を抱えている最中だと、途中で投げ出す罪悪感が勝って、辞めることはできないと思う。だから、今しかないと思った。</p>

<p>ほとんど突然の決断だった。<br />
とても怖かった。</p>

<p>会社を辞めて、いったん立ち止まって考えよう。そう思っていたのに、いざその時が来ると、未知のものへの恐怖でいっぱいだった。<br />
それでも、ひとつだけ心に決めていたことがあった。<br />
北海道に行くことだった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「何もしないための場所」へと向かった</h2>

<p>会社を辞める数年前、近所に住んでいた友人が、転職を機に職場の近くへ引っ越していった。会う機会が減って、元気にしているかなと思いSNSを覗いてみたら、そこには、広大な大地や牛の写真があった。</p>

<p>仕事はどうしたんだろうという疑問より先に、その景色たちに心を持ってかれていた。<br />
後から聞くと、新しい仕事はどうやら合わなかったらしい。すぐに辞めて、次の仕事を決めないまま、同じく仕事を辞めた人の紹介で北海道の農園に身を寄せることになったという。</p>

<p>稚内から車で一時間ほどの、天塩という町にある農園。北海道の中でも北の方にある、初めて聞く名前の場所だった。<br />
その日々が、淡々とSNSに載っていた。<br />
とても美しい景色と時間が流れていた。</p>

<p>私もいつか、ここへ行こう。<br />
その時から、密かにそう決めていた。</p>

<p><img alt="いのうえまりこ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260908inouemariko03.jpg" width="1200" /></p>

<p>2023年の年末から、私はまったく絵が描けなくなっていた。SNSへの絵の投稿も止まったまま。仕事への悩みが私生活にまで影響して、身動きが取れなくなっていた。<br />
辞めると決めて、実際に動き始めたそのあと、少しだけ息ができるようになった。</p>

<p>やっと、ぽろっと絵を描いた。<br />
今までの私は、アルコールインクの鮮やかさを生かした、力強い絵を描くことが多かった。<br />
そのとき描いた絵は、どこかおぼろげで、頼りなくもみえた。それでも、そのときの私にできる精一杯で、前に進むための一歩のような絵だった。</p>

<p><img alt="いのうえまりこ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260908inouemariko04.jpg" width="1200" /><br />
タイトル「漂う船に乗る」</p>

<p>そして、北海道へ行った。<br />
その時間を経て、私は展示やワークショップなど、絵の活動を少しずつ再開していくことになる。</p>

<p>あれから私は一度ならず、たびたび北海道を訪れている。北海道で重ねてきた時間については、これから少しずつ書いていけたらと思う。<br />
山と海と、牛たちと暮らす日々。<br />
東京での暮らしと比べれば、不便で何もない。<br />
その「何もなさ」が、必要だった。<br />
何もしない。何も決めない。ただそこにいる。</p>

<p><img alt="いのうえまりこ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260908inouemariko05.jpg" width="1200" /></p>

<p>まる一日以上止まっていた冷蔵庫が、今はなぜか動き始めている。</p>

<p>いろいろ調べていたら、中身を詰めすぎると冷えにくくなることがあり、7割くらいに整えるといい、と書いてあった。もともとそんなに詰めているつもりはなかった。</p>

<p>これが原因かはわからないけれど、ほとんど使っていない調味料や冷凍したまま食べていないものを捨てた。ドロドロになっていたアイスは、いつの間にかサクサクになっていた。<br />
<br />
いろんなものを詰め込みすぎている。<br />
そのことにも気づかない。<br />
もしかしたらまた止まってしまって、今度こそ動かなくなるかもしれない。<br />
その時はその時でタイヤを新しくした自転車で、次の冷蔵庫を買いにいけばいい。</p>

<p>あれからまる2年。<br />
止まったり動いたりしながら<br />
この暮らしを続けられるところまで<br />
続けていこうと思う。</p>

<p><img alt="いのうえまりこ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260908inouemariko06.jpg" width="1200" /><br />
今回使用した画材：アルコールインク、オイルパステル</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260908inouemariko01.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 19 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[いのうえまりこ（画家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「報復捜査」 第３回　安東能明  安東能明（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14913</link>
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			<description><![CDATA[連載小説「報復捜査」 第３回。殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!? ]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="報復捜査" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" width="1200" /></p>

<p>殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第３回</h2>

<p>２</p>

<p>現場から病院まで、どうやって運ばれたのか、伊場は覚えていない。</p>

<p>規制線の外で空を見上げ、目を閉じた。次に像を結んだとき、伊場は車の後部座席にいた。誰かが腕を取り、押し込んだのだろう。記憶のあいだに、抜けた穴がいくつもあった。サイレンが鳴っている。自分の乗る車のものか、前を走る救急車のものか、判然としない。窓の外を景色が滑り、六月の午後の光がまぶしかった。隣に誰かがいて、何か話しかけられた気もするが、声は届かなかった。</p>

<p>右手に、まだ感触が残っていた。引き金を引いたときの固い抵抗も、弾けるような反動も、手のひらに染みついた銃の重さも、まだ消えていない。その拳銃をいつ手放したのかも、覚えていない。屋上で撃った直後、誰かが肩を抱え、手から何かを取り上げた。気づくと、腰のホルスターは空だった。あとで聞けば、現場で規定どおりに押収されたという。証拠品として差押えられたその手続きを、伊場は何ひとつ覚えていなかった。自分の撃った銃がいま、どこにあるのかも。</p>

<p>病院の玄関に着いたとき、伊場は車から転げ出るようにして走り出していた。廊下に入ると消毒液の匂いが鼻を突いた。天井に白い蛍光灯が長く続いている。靴が床を叩く音だけが、やたらと大きく聞こえた。救急隊員たちの背中を追って角を曲がると、ストレッチャーが見えた。首はガーゼに覆われ、点滴のチューブが伸び、酸素マスクが口を覆っている。白いワイシャツが、赤く染まっていた。</p>

<p>「小暮！」</p>

<p>声が、廊下に響いた。女性看護師が伊場の前に立ちふさがった。</p>

<p>「手術前です。お待ちいただかないと」</p>

<p>「一分でいい。三十秒でいい」</p>

<p>看護師は一瞬、伊場の目を見た。それから半歩、脇に退いた。</p>

<p>小暮は目を閉じていた。顔色が蝋（ろう）のように白い。酸素マスクの下で、胸がかすかに動いている。首に当てられたガーゼは、すでに赤く滲んでいた。</p>

<p>「小暮」</p>

<p>伊場は、ストレッチャーの縁に手をあてた。自分の手が震えているのに、そのとき気づいた。</p>

<p>「小暮、聞こえるか」</p>

<p>まつ毛が、ゆっくり動いた。瞼（まぶた）が薄く開いた。焦点が合っていない目がゆっくり動いて、伊場を探した。そして、止まった。</p>

<p>「......おまえのせいじゃない」</p>

<p>声は、ほとんど空気だった。唇が動いて音が漏れるだけのような声だったが、伊場には聞こえた。</p>

<p>「絶対に......警察を辞めるな」</p>

<p>それだけだった。目が、また閉じた。手術室の扉が開き、医師たちがストレッチャーを引き取った。分厚い扉が音もなく閉まり、手術中の表示灯が赤く点った。</p>

<p>伊場は、壁に手をついた。</p>

<p>足が、崩れそうになった。</p>

<p>新井が廊下のベンチに伊場を引き寄せ、隣に腰を下ろした。何も言わなかった。ふたりで、赤い表示灯を見続けた。</p>

<p>それから十分ほど経った頃、廊下の奥から足音が聞こえた。</p>

<p>小暮圭子（けいこ）だった。</p>

<p>制服の女性警官に付き添われて、半ば走るようにして来た。三十代の初め、細面のおとなしそうな女で、小暮とは十年近い付き合いになる。伊場も小暮の自宅に幾度となく上がり込んで、圭子の手料理を馳走になってきた。その女がいま、顔面を蒼白にして、廊下に立っていた。手術室の扉と表示灯を見た瞬間、圭子の顔からすべての表情が抜け落ちた。</p>

<p>「......和（かず）くんは」</p>

<p>声が、震えていた。</p>

<p>「手術中です」と新井が答えた。「ここで待ちましょう」</p>

<p>圭子は頷いたのか頷かなかったのか、わからなかった。ただ、ベンチに腰を下ろした。伊場の隣に、新井を挟んで座った。それから一言も話さなかった。話せる状態ではなかった。視線は手術室の扉に固定されたまま、ときおり、唇だけが小さく動いた。何かを呟いているのか、それとも呼吸を整えようとしているのか、伊場には判別できなかった。</p>

<p>三人で、赤い表示灯を見続けた。</p>

<p>廊下には、いつの間にか人が増えていた。制服の警官や背広の男、署から来た同僚の刑事たちが立っている。誰かが何か話しかけてきたが、内容が届かなかった。耳の奥で、ずっと高い音が鳴り続けている。</p>

<p>おまえのせいじゃない。手術室の前で、小暮はそう言い残した。なぜ、いま、それを言ったのか。撃ったのは自分の弾だ。あいつの首を貫いたのは、ほかの誰でもない。</p>

<p>屋上の場面が、繰り返し蘇る。射線上に現れた小暮は、蒼白の顔で、目を血走らせていた。その銃口が、伊場に向いた。本気で撃つつもりだと思った。だから、撃った。本当に本気だったのか。いまとなっては、確かめる術がない。</p>

<p>午後四時二十二分、手術室の扉が開いた。マスクをずらした外科医が出てきて、伊場の目を見た。何も言わなかった。その目が、すべてを語っていた。外科医は新井に近づき、低い声で短く告げた。新井の背中が、一瞬こわばった。</p>

<p>それだけで、わかった。</p>

<p>圭子も、わかったのだろう。外科医の顔を見た瞬間、両手を膝の上で固く握り合わせた。それから、声もなく俯いた。</p>

<p>新井が振り返った。</p>

<p>「伊場」</p>

<p>名前を呼ばれた。それだけだった。それ以上は、何も要らなかった。</p>

<p>涙は出なかった。悲しみは、まだ形をとっていない。ただ、体の真ん中が、洞のように虚ろだった。</p>

<p>吉祥寺署の霊安室は、地下にあった。エレベーターを降りると空気が変わった。冷たく、湿っている。六月とは別の季節の匂いがした。</p>

<p>小暮は白いシーツに覆われて横たわっていた。顔だけが出ていて、首元には白い包帯が巻かれている。目は閉じていた。表情は、穏やかに見えた。</p>

<p>圭子が小暮の顔を見た瞬間、肩が震えた。膝が折れそうになるのを、伊場は横から支えた。圭子は小暮の頬に指先を触れて、声を上げて泣き出した。か細い、しかし深いところから絞り出されるような声だった。</p>

<p>伊場は圭子の肩に手を添えたまま、小暮の顔を見ていた。</p>

<p>一昨日の電話を思い出した。グラスの氷が鳴った。小暮は酔っぱらって昔話をしていた。馬鹿正直だと思ったよ、と笑っていた。昨夜の様子を圭子に訊きたかった。だが、いまは訊けない。圭子が泣き止む気配はなかった。伊場は黙って、圭子を支え続けた。</p>

<p>ふと、思った。圭子の夫の命を奪った自分が、こうして傍（かたわ）らにいる。圭子が事情を知ったら、どう思うか。その考えを向こうに押しやった。</p>

<p>どれくらい時間が経ったか。やがて新井が霊安室に顔を出して、明日の手配が整ったと告げた。午前中は大塚の監察医務院で司法解剖後、小暮の住んでいる西窪（にしくぼ）住宅近くにある葬儀場で通夜を行うという。圭子は「司法解剖も？」と言いかけて、それ以上は言葉にならなかった。新井は警察として出来る限りのことをしたいと説明した。その言葉に嘘はないのだろう。だが、伊場の胸には引っかかるものがあった。</p>

<p>手際が、よすぎる。</p>

<p>事件が起きたのはきょうの昼過ぎだ。小暮が死んでから、まだ数時間しか経っていない。それなのに、通夜の葬儀場まで押さえてある。司法解剖は仕方ないが遺体の搬送も整っている。どれほど段取りがよい組織でも、ここまで早いのはおかしい。いや、すべてはマニュアルどおりに進んでいるということか。</p>

<p>伊場はその考えを、胸の奥に押し込んだ。いまは、それを口にする状況ではなかった。</p>

<p>圭子は女性警官に付き添われて自宅へ送られていった。扉が閉まる直前、圭子はもう一度小暮の顔を振り返って見た。それから、静かに廊下へ出ていった。</p>

<p>霊安室を出た廊下で、伊場は清川を見つけた。三十歳で、生活安全課の防犯係に所属している。きょうの事件でも現場にいた。宿直当番でいつも顔を合わせる男だ。一階の壁際に立って、そわそわした様子でスマートフォンを見ていた。</p>

<p>「清川（きよかわ）」</p>

<p>声をかけると、清川は顔を上げた。</p>

<p>「小暮が拳銃を持っていた経緯を、知ってるか」</p>

<p>清川の表情が、わずかに変わった。目が、泳いだ。</p>

<p>「それは......」</p>

<p>「誰かが貸与したはずだ。手続きがあるだろ。何か聞いてるか」</p>

<p>「伊場さん、おれには......」</p>

<p>「知ってるのか、知らないのか」</p>

<p>怒鳴り声になった。</p>

<p>「......ほんとに知らないです。おれは」</p>

<p>口調は否定していた。だが、目が違うことを言っていた。伊場がさらに踏み込もうとしたとき、廊下の奥から複数の足音が聞こえた。</p>

<p>振り返ると、ふたりの背広姿の男が歩いてくる。先頭に立つのは五十代、痩せて背が高く、顔の彫りが深い。顔全体には細かい皺が刻まれているが、感情を置いてきたような目をしていた。後ろに半歩引いた男は、四十代の初め、がっちりした体格で、表情がない。伊場の位置と足元を、素早く一度だけ確認した。どちらも、動きに迷いがなかった。先頭の男が伊場の目を見た。</p>

<p>「伊場恵介巡査部長ですね」</p>

<p>「そうです」</p>

<p>「監察の垣内（かきうち）です。こちらは山口（やまぐち）。本部まで同行をお願いします」</p>

<p>「いますぐですか？」</p>

<p>「はい」</p>

<p>声に抑揚がない。感情を乗せない訓練を受けた人間の声だ、と伊場は思った。清川が、背後で息を吞んだのが聞こえた気がした。</p>

<p align="right">〈つづく〉</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 18 Sep 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安東能明（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「お風呂は道路より危ない」入浴死は交通事故の7倍　一人の女性の溺死が残した謎  飯野守男（鳥取大学医学部法医学分野教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15115</link>
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			<description><![CDATA[風呂での事故死は交通事故の7倍にのぼる。顔が浸からない浴槽でなぜ溺死したのか。法医解剖医の飯野守男さんが80代女性の不可解な死の真相を明かす。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="お風呂での死亡事故" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_furo.jpg" width="1200" /></p>

<p>入浴中の事故死は年間約1万9000人と交通事故の7倍にのぼる。その多くを占める高齢者の死亡のなかには、一見すると説明がつかないケースもある。風呂で発見された80代女性は、顔が浸からない水位の浴槽でなぜ溺死したのか。法医解剖医が死体検案で見抜いた驚きの真相と、日本が抱える解剖制度の歪みを明かす。</p>

<p>※本稿は飯野守男著『法医学教授が教えている死体の授業』（飛鳥新社）より一部を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「風呂で死ぬ」</h2>

<p>日本の入浴関連の事故死は推定年間1万9000人。</p>

<p>これは交通事故で亡くなる人の約７倍にも上ります。風呂で死ぬ人のほうが多いということ。そして入浴関連の事故死でとくに多いのが65歳以上の高齢者です。</p>

<p>私が死体検案をした80代の独居女性もその１人でした。しかし、入浴関連事故死にしては不可解な点が多すぎたのです。</p>

<p>「１人暮らしの母がお風呂で死んでいた。だが、亡くなった原因が溺死のようで溺死でないかもしれない」</p>

<p>私が解剖を担当する鳥取県では、警察が取り扱う死体は年間約1000体あり、そのうちの実に約100体、つまり10分の１が入浴中の死亡事故によるものです。県内の交通事故による死亡が年間17、18件しかないことを考えると、圧倒的に「道路よりも自宅の風呂のほうが命の危険がある」のが現実です。</p>

<p>自宅の浴室で遺体となって発見された80代女性もその１人でした。発見者は近所に住む女性の娘さんで「病院の日だから迎えに来た」ところ、全裸で湯船に浸かったまま死んでいる母親を発見。当初の死因はよくある溺死かと思われましたが、溺死にしては不思議な点があったため、私のもとへ運び込まれてきたのです。</p>

<p>発見時、女性は浴槽内で湯船に浸かったままの状態でした。お湯の設定温度は43℃が保たれており、状況を整理すると女性は死後２日間、全裸で43℃の湯船に浸かっていたと考えられます。</p>

<p>湯船の設定温度が高いことから、まずは熱中症が疑われました。熱中症になると、尿の色が濃くなります。高体温によって筋肉が壊され、筋肉を構成するミオグロビンというタンパク質が血液中に大量放出されて、その色素が尿を赤くするためです。</p>

<p>この女性の場合、すでに警察が膀胱に溜まった尿を採取しており、熱中症の所見があることが明らかになっていました。尿の採取は具体的には、尿道にカテーテルを入れて直接尿を外に出します。それが難しいときは、CT画像で膀胱の位置を確認し、下腹部の真上から採取用の長い針をスポッと突き刺して尿を採取します。</p>

<p>ちなみに尿の採取は異状死を調べる際の基本であり、どのような死因であろうとも基本的には全例採取します。なぜなら、薬物の影響は必ず尿の状態に現れるため、犯罪事件の証拠につながるケースも多数あるからです。</p>

<p>80代女性の話に戻しましょう。</p>

<p>お風呂で熱中症を起こして意識を失い、溺死するケースは決してめずらしいものではありません。通常であれば、法医学教室への死体検案や解剖に回されることもないでしょう。</p>

<p>しかし、この場合は遺族が「この状況で溺死はおかしい。母の死の原因をきちんと調べてくれ」と警察に訴え、警察側も犯罪の線はほぼ考えられないため、司法解剖まではいたらないが、死後CT撮影でわかることがあるかもしれないと考え、私のもとへ死体検案として運び込まれたのです。</p>

<p>なぜ遺族が不審に思ったのか。</p>

<p>それは、発見時の湯船の水位が、女性の顔よりもずいぶんと下だったからです。熱中症で仮に意識を失ったのだとしても、顔はお湯に浸かりようがないのだから、溺れ死ぬわけがない。だが警察の調べによると、鼻や口から泡が出てきたことから所見は溺死である。</p>

<p>「溺れようがないほど低い水位の風呂で、母はなぜ溺死したのか？」</p>

<p>遺族からのこの疑問に、警察は答えられなかった。だからこそ、本事案は死体検案に回ってきたのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>死亡診断書の死因は&ldquo;4段階で表記する&rdquo;</h2>

<p>そのような前提を踏まえて死体検案を行ったところ、死因はやはり「溺死」で間違いありませんでした。CTをみると肺や気管に水が入っており、肉眼でもそれを確認しました。外傷も一切なし。心臓血の採血もしましたが、異常はありません。であれば、溺死であるとの結論にいたるのが妥当です。</p>

<p>ちなみに、「死因は溺死である」と述べましたが、死因はそもそも１種類とは限りません。死亡診断書には「死因」の欄がア・イ・ウ・エの順に４段階あることは、一般にあまり知られていないのではないでしょうか。</p>

<p>謎の溺死を遂げた80代女性の場合私は下図のように死因欄を記しました。</p>

<p><img alt="死亡診断書" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260916iinomorio.jpg" width="1200" /></p>

<p>死因の欄が４段階あるのは、死にいたるプロセスをわかりやすく共有するため。死亡の原因を、下からエ&rarr;ウ&rarr;イ&rarr;アの順に記します。</p>

<p>この女性の場合は、入浴中に体温が上昇し熱中症となり（エ）、意識障害を引き起こし（ウ）、顔面が水没したあと水を吸い込んで気道が塞がったため（イ）、窒息（ア）によって死にいたった、となります。</p>

<p>死因欄の書き方は診断した医師によって異なるため、ウとエになにも書かず、「ア&nbsp;窒息」「イ&nbsp;溺水」と簡潔にすませる場合や、さらに簡単に「ア&nbsp;溺死」と書く法医解剖医もいるでしょう。</p>

<p>さて、死因は明らかになりましたが、溺死にいたった理由はこの時点では不明です。発見した家族によると「顔はまったく湯船に浸かっていなかった」そうですが、その証言が正しいことはCT診断でも明らかになりました。つまり、死後に体勢を崩して湯船に顔を沈めたわけでもない。</p>

<p>では、なにを疑うべきか？</p>

<p>女性が亡くなった浴室を含まえた自宅の状況、そして発見されるまでに２日間の時間があったことを加味した結果、私としては「溺死したあとに湯船の水位が下がった」との見解に行き着きました。</p>

<p>80代女性が長年暮らしていた自宅は、家屋同様に浴室の設備も古いものだったそうです。発見されるまでの２日間に、お湯の温度は保たれたまま、けれども浴槽の底にある栓から少量ずつお湯が流れ出していたのだと考えられます。お湯ですから、蒸発によっても少しずつ失われていくでしょう。</p>

<p>流れ出る量はごくわずかずつでも、48時間が経てば水位は徐々に下がります。発見時に水面が顔より５cmほど下の位置だったのは、そのためだと推測できます。おそらく、死亡直後に発見されていれば、顔が湯船に浸かった状態のままで死因の特定はたやすかったでしょう。</p>

<p>若者であれば入浴中に熱中症でクラッとした症状が現れても、すぐに「熱い」と判断してお風呂から上がることができます。けれども、高齢者は「熱い」と意識しても体の動きが意識に追いつかないことが多々あります。</p>

<p>以上の見解を私から警察に口頭で伝え、遺族には警察から説明してもらいました。納得してもらえたかどうかまではわかりませんが、筋がとおっていることは理解していただけたのではないでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本では一般人がどれだけ望んでも、遺体の解剖をしてもらえないのが現実</h2>

<p>今回の一件は80代女性の遺族が警察に訴え、かつ警察も納得できない点があったからこそ死体検案にいたりましたが、日本は望めば誰もが解剖してもらえる国ではありません。海外の人には驚かれるのですが、日本では家族の希望で解剖できる制度が存在しないからです。遺族がどれだけ希望しても、「お金ならいくらでも払う」と訴えても、制度上不可能です。</p>

<p>その死が不審なものであるかどうか、最終的に判断するのは警察です。</p>

<p>警察が医師から話を聞き、不審な点は見当たらないと判断すれば、解剖は行われません。患者さんのCT検査をしてくれる病院はいくらでもありますが、通常の病院で死者のCT撮影は行えません。仮に遺体をもち込んだとしても、十中八九、病院側が拒否するでしょう。</p>

<p>今回の80代女性が解剖にもち込まれたのは、「なぜ低い水位の風呂で溺死するのか？」という遺族の主張に説得力があり、警察もそれに答えられなかったからです。</p>

<p>このような場面でこそ死因の謎を解くプロフェッショナルとして、法医解剖医が必要とされるのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 18 Sep 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[飯野守男（鳥取大学医学部法医学分野教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「木漏れ日」は季語？　夏井いつきさんが語る“季語を調べるときに気をつけたいこと”  夏井いつき（俳人）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15068</link>
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			<description><![CDATA[俳句の先生、夏井いつきさんが俳句を投稿する「投句」について解説。季語を調べるときの注意点を教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="夏井いつき" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2024/2024A/241217natsuiitsuki.jpg" width="1200" /><br />
写真：御厨慎一郎</p>

<p>作った俳句を投稿することを「投句」といいます。投句が習慣になれば、俳句を作ることが日常となり、俳句のある人生をさらに楽しめるようになる――。そう語るのは、テレビ番組「プレバト!!」でおなじみの俳句の先生、夏井いつきさんです。</p>

<p>新著『夏井いつきの世界一わかりやすい投句の授業』では、同シリーズで俳句を学習してきた編集者・秘英知（ぴーえいち）さんが夏井さんから投句の極意を学んでいきます。</p>

<p>本稿では、「苗床」という兼題（お題）に沿って、秘英知さんが投句した句をもとに、季語との向き合い方を考えます。</p>

<p>※本稿は、夏井いつき著『夏井いつきの世界一わかりやすい投句の授業』（PHP研究所）から一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>※夏井いつきさんのラジオ「夏井いつきの一句一遊」（南海放送）では、月曜日&rarr;火曜日&rarr;水曜日&rarr;金曜日の順で、紹介する俳句のレベルが上がっていく仕組みになっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>歳時記と辞書をひいてみよう</h2>

<p>夏井：それじゃあ、秘英知さんが、はじめて投句してくれた句を振り返ってみようか。</p>

<p>秘：ちょっと恥ずかしいのですが&hellip;次の三句を投句して、最初のロマンスカーの句を火曜日に読んでいただきました。</p>

<p>・苗床やロマンスカーの通過駅（火曜日）<br />
・苗床や赤字だらけのゲラの束<br />
・苗床やインクの切れた赤いペン</p>

<p>夏井：そうそう、この三句だったね。はじめて兼題と向きあってみて、どうだった？正直、今回の兼題「苗床」、かなりのクセモノだったでしょ。</p>

<p>秘：苦戦しました（汗）。そもそも、苗床がなんなのか、まったくわからないところからはじまりまして&hellip;。「苗」とあるので、植物に関係する季語かなと予想して、とりあえず歳時記で調べたんですが、私の歳時記に苗床はのっていなかったんです。それで、一応、辞書でも調べてみたら、そこには「植物の種をまいて、苗を育てるために作られた場所《季春》」とありました。《季春》とあるあたりから、「多分、春の季語なんじゃないかな」と考えたのですが&hellip;。</p>

<p>夏井：知らない言葉に出合ったら、とりあえず歳時記や辞書をひいてみる。その姿勢、すばらしい！秘英知さんの予想通り、今回の兼題「苗床」は春の季語でした。</p>

<p>秘：やっぱり（ホッ）！なんで私の歳時記にはのっていなかったんですか？</p>

<p>夏井：実は、「苗床」は、ちょっとマイナーな季語なんです。だから、秘英知さんが使っているコンパクトな歳時記にはのっていなかったんだね。歳時記の種類や大きさによって、収録されている季語は変わってくるからね。今日は、私の大きい歳時記を貸してあげよう。よいしょ。ドスン！</p>

<p>秘：ありがとうございます。&hellip;重っ！（歳時記をひきながら）あっ、春の季語として、ちゃんと「苗床」のっていますね。</p>

<p>夏井：あったでしょ。今回の兼題「苗床」みたいに、もし季語らしきものが兼題になっていて、でも自分の持っている歳時記にのっていないときは、図書館で大きな歳時記をひいてみるといいよ。</p>

<p>秘：図書館ですか&hellip;。たしかに、そうするのがいいのはわかるんですが、バタバタしていて、なかなかいけないタイミングもあるじゃないですか。忙しいときは、スマホやパソコンで検索するのもありですか？</p>

<p>夏井：スマホやパソコンは手軽に調べられて便利なんだけどね。でも、インターネットで季語を調べるのには注意が必要なんです。</p>

<p>秘：えっ！そうなんですか&hellip;。実は今回、辞書に書いてある説明だけじゃ不安だったので、ネットでも調べてみたんです。「苗床　季語」って検索したら、「苗床は春の季語です」と出てきたので、ホッとしたんですが&hellip;。</p>

<p>夏井：その情報は正しかったけど、インターネットの季語の情報には、堂々と間違いが書かれていることがあるんです。たとえば、「長靴」は季語じゃないんだけど、「長靴　季語」と検索すると、「梅雨の時期にはくので夏の季語」と出てきたり、そうかと思えば「雪国の必需品なので冬の季語」なんて情報も出てきたりする。</p>

<p>秘：夏と冬じゃ真逆ですね&hellip;。そもそも季語でもないのに。</p>

<p>夏井：ほかには、「ランドセル」も季語じゃないんだけど、「新しいランドセルを背負って歩く子どもの姿は、春の象徴的な光景」なんて、あたかも春の季語であるかのように紹介されていることがある。これじゃあ、初心者の人はわからないよね。</p>

<p>秘：だまされる自信があります&hellip;（汗）。</p>

<p>夏井：それから、「『卵』は春の季語」とか「『木漏れ日』は夏の季語」なんていう情報も検索すると出てくるんだけど、これらも間違い！</p>

<p>秘：「木漏れ日」は季語っぽいですが、違うんですね。</p>

<p>夏井：季語じゃないんだよね。言葉や季語を正しく理解するために、まずは、信頼できる歳時記や辞書で調べる癖をつけるようにしよう。そうやって、ちゃんと調べたうえで、インターネットを使って確認したり、さらに深掘りしたりするのはOK。</p>

<p>秘：ネットを使うのがNGなわけではないんですね。</p>

<p>夏井：もちろん！使い方次第です。だから、兼題がある場合、特に、それが季語の場合は、今回、秘英知さんがやってくれたように、</p>

<p>①歳時記で調べる<br />
②辞書で調べる<br />
③インターネットなどで調べる</p>

<p>の順番で調べるのをおすすめするよ。</p>

<p>秘：まず基本をおさえたうえで、それから応用ですね。</p>

<p>夏井：その通り。「一句一遊」で25年間ずっと「兼題や季語について、ちゃんと調べてから投句してね」っていいつづけているんだけど、まったく調べていないと思われる人が必ず一定数いるんです。なかには、兼題を完全に無視して自由に投句してくる人もいるんだよね。</p>

<p>秘：完全無視！そういう句は、どうなるんですか？</p>

<p>夏井：どんなにいい句だったとしても、ルールを無視しているわけだから、月曜日、つまり才能ナシへ直行！兼題をちゃんとおさえること、それが知らない言葉だったら調べること、その二つができてはじめてスタートラインに立てるんです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>インターネットをうまく使おう</h2>

<p>秘：でも、夏井先生、私、植物を育てた経験がほとんどないので、歳時記や辞書の説明を読んでも苗床のことをうまくイメージできなかったんです&hellip;。</p>

<p>夏井：そうか、秘英知さんは、植物にはくわしくないんだ。それじゃあ、歳時記や辞書の文字情報を読んだだけでは、なかなかイメージしにくかったよね。</p>

<p>秘：はい&hellip;。歳時記や辞書の説明は、一応、理解はできるんですけど、苗床がどんなかたちで、どう使うのか、どこにあるのか、といったことが、まったく&hellip;。</p>

<p>夏井：そんなふうに、なかなかイメージしにくい季語の場合は、インターネットで画像を調べたり、YouTubeで動画を検索したりするといいよ。俳句の題材を求めて出かけることを「吟行」というので、私は勝手に「インターネット吟行」とか「YouTube吟行」なんて呼んでいます。</p>

<p>秘：そういう方法もあるんですね！</p>

<p>夏井：もちろん、実際に季語の現場にいって、生身のからだで五感を使って体験するのがベストだよ。それに勝るものはないので、大前提として季語の現場に立つことは大切にしてね。ただ、現実問題、難しいときもあるはず。たとえば、地方のお祭りや行事に関する季語が兼題として出されるときがあるんだけど、それを現地まで見にいくのは、なかなか難しいことが多いと思うんだよね。</p>

<p>秘：たしかに、いけるならいってみたいですけど、気軽には&hellip;。</p>

<p>夏井：そんなときこそYouTubeが役に立つんです。歳時記や辞書の文字情報だけより、現地の雰囲気や参加者の表情、使われている道具、お祭りの独特のかけ声なんかがわかって、ぐっとイメージしやすくなるはず。試しに、今回の兼題「苗床」も検索してみたら、いろいろ出てくるんじゃない？</p>

<p>秘：調べてみます。「苗床」で検索っと&hellip;いろいろ出てきました！苗床って、こんな感じなんですね。そういえば、私の母方の祖父母は専業農家だったんですが、こんなふうにポットやトレイに土を入れて、そこに野菜の種をまいて、ある程度の大きさになるまで苗を育てていた記憶があります。</p>

<p>夏井：なんと！知らないと思っていた苗床を、実は意識せずに見ていたんだ。</p>

<p>秘：どうやら、そうみたいです。</p>

<p>夏井：季語を調べるなかで、忘れていた過去の記憶が急によみがえったり、今まで認識すらしていなかったものが突然「あのことか！」とわかったりすることが結構あるんだよね。これも季語の力なんです。</p>

<p>秘：へぇ〜。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 18 Sep 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[夏井いつき（俳人）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「失敗が怖い」を解消！ わかさ生活創業者が語る“上司を共犯にする”仕事術  ⻆谷建耀知（株式会社わかさ生活　創業者 代表取締役社長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14975</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014975</guid>
			<description><![CDATA[失敗を恐れて行動できない人へ。仕事は｢コンティニューし放題｣のゲームです。AI時代だからこそ、完璧な正解を探すより未完成で動くことが重要。上司を共犯にし、お笑い芸人のネタ磨きのように企画を育てる思考法を解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="オフィスで上司に相談する部下" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talking.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢失敗が怖くて動けない｣｢否定されるのが嫌で企画を抱え込んでしまう｣という人へ。 仕事は一度のミスでゲームオーバーにはなりません。本気で成果を出したいなら、1人で悩む時間を捨てて｢未完成のまま｣外に出すのが一番の近道です。上司を共犯にし、周りの反応を見ながらアイデアを磨き上げていく実践マインドをお届けします。</p>

<p>※本稿は、⻆谷建耀知著『｢変わりたい｣けど、｢変われない自分｣から抜け出すための行動の仕組み化』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AIが教えてくれない｢あなたのつまずきどころ｣の探し方</h2>

<p>失敗するのが怖い。誰しもがそう思うでしょう。新しい仕事を任された時。はじめての営業に行く時。企画を提案する時。転職を考える時。</p>

<p>私たちは挑戦の前で、ついネガティブな結果を想像してしまいます。</p>

<p>失敗したらどうしよう。恥をかいたらどうしよう。評価が下がったらどうしよう。そのような気持ちが働くため、行動する前に、できるだけ失敗しない方法を探します。</p>

<p>今はAIがあります。聞けばそれなりの答えが返ってきます。営業のコツも教えてくれますし、プレゼンの方法も教えてくれます。成功事例も簡単に調べられます。そのため多くの人は、｢なるべく失敗しない方法」を探そうとします。</p>

<p>しかし私は、それが一番コスパが悪いと思っています。なぜなら、AIにもわからないことがあるからです。それは、あなたが実際に行動を起こした時に、どういったところであなたがつまずくのかということです。</p>

<p>例えばAIに営業のコツを尋ねると、｢営業では顧客視点が大切です｣といったことを教えてくれます。確かに間違いではありません。しかし実際にお客さんの前に立つと、別の問題が出てきます。売り込みたくなってしまう。断られると焦る。沈黙が怖い。相手の話を聞くより、自分の話をしてしまう。どんなにAIや本で勉強しても、実際にはこうしたことが起きるのです。</p>

<p>そして、その時はじめて気づきます。｢ああ、自分にはこんなクセがあったのか｣と。そのため私は、挑戦する前に完璧な正解を探そうとすることに、あまり意味を感じません。どれだけ本を読んでも、どれだけ成功事例を調べても、最後は自分でやってみるしかないからです。</p>

<p>もちろん、失敗は気持ちのいいものではありません。できれば避けたい。私だってそうです。ですが、多くの人は失敗の大きさを実際以上に大きく考えています。</p>

<p>冷静に考えてみてください。仕事で失敗したからといって、明日から露頭に迷うでしょうか。懐が空になるでしょうか。人生が終わるでしょうか。ほとんどの場合、そんなことはありません。</p>

<p>経営者の財布が痛むだけです。もちろん反省は必要ですし、改善も必要です。しかし、それはゲームオーバーではありません。</p>

<p>私はよく、｢失敗する勇気を持ったほうがいい｣と言います。失敗しない人になれと言いたいのではありません。失敗を歓迎しろと言いたいわけでもありません。</p>

<p>ただ、失敗を恐れるあまり動けなくなるのは、あまりにももったいないと思うのです。</p>

<p>子どもの頃に遊んだゲームを思い出してみてください。敵にやられても、また最初からやり直せました。前回より少しうまくなっていました。失敗した場所がわかっているので、次は違うやり方を試せました。</p>

<p>仕事も同じです。一度の失敗で終わることは、ほとんどありません。やり直すことができます。相談することもできます。周りの力を借りることもできます。会社に大きな損害を与えるかもしれないという場合は、胃が痛いかもしれません。</p>

<p>そんな時は、｢上司を共犯｣にしましょう。もちろん、本当に責任を押し付けろという意味ではありません。やってみた結果、「こういう問題が出たのですが、どう思いますか」と相談してみる。</p>

<p>すると、自分では思いつかなかった視点をもらえることがあります。解決策が見つかることもあります。責任も一緒に被ってくれるはずです。挑戦とは、1人で戦うことではありません。</p>

<p>前の項目で、｢まず小さく動こう｣とお話ししました。しかし、小さく動くことさえ、足がすくむ思いをすることがあるでしょう。だからこそ、この項目でお伝えしたいことは1つです。仕事は、コンティニューし放題のゲームです。</p>

<p>思っているほど失敗は怖くありません。失敗したらやり直せばいい。うまくいかなければ別の方法を試し、困ったら周りに相談すればいい。そう考えると、仕事というのは実はとても面白いものです。新しいことに挑戦できる。今まで知らなかった自分の可能性を見つけられる。いろいろな人と出会える。できなかったことができるようになる。</p>

<p>しかも、一度失敗したからといってゲームオーバーにはならない。コンティニューしながら何度でも前に進めるのです。こんなに楽しいゲームは、なかなかありません。挑戦する勇気とは、失敗しない自信を持つことではありません。｢失敗しても、またやればいい｣そう思えることです。</p>

<p>そして、その一歩先には、思っている以上に面白い景色が広がっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>否定されるのが怖くて話せないあなたへ</h2>

<p>｢もう少しまとまってから話そう｣企画でも、アイデアでも、やってみたいことでも、そう考える人は少なくないのではないでしょうか。</p>

<p>まだ完成していない。もう少し考えたい。もっと良い形にしてから見せたい。中途半端な状態で話すのは格好悪いし、否定されるのも嫌。そんな気持ちはよくわかります。</p>

<p>しかし、その考えはとてももったいないことです。なぜなら、アイデアは頭の中では育たないからです。</p>

<p>私は、何か思いついたらできるだけ早く人に話すようにしています。社内でも社外でも関係ありません。｢こんなことをやってみたい｣｢こんな企画はどうだろう｣と口に出してみるのです。すると、必ず反応が返ってきます。</p>

<p>｢それは面白いですね｣という反応もあれば、｢それは難しいんじゃないですか｣という反応もあります。時には、自分では思いつかなかった視点を教えてもらうこともあります。そうすると、企画が一段階進化するのです。</p>

<p>1人で考えていると、自分の知識や経験の範囲からなかなか抜け出すことができません。しかし、人に話すと、自分とは違う経験や知識が加わります。また、反応からこの企画の現状での評価もわかります。ですから、人に話せば話すほど、企画がレベルアップしていくのです。</p>

<p>私はこの感覚を、お笑い芸人さんのネタづくりに近いと思っています。テレビで見る漫才やコントは、最初から完成していたわけではありません。ライブハウスや劇場で何度も披露し、お客さんの反応を見ながら少しずつ磨かれていきます。</p>

<p>笑いが起きたところは残し、反応が悪かったところは変える。その作業を何度も繰り返した結果として、私たちがＴＶなどで知る完成形があります。</p>

<p>仕事も同じ。企画書の前で腕を組みながら考え続けるより、一度人前に出してみたほうが早いことがあります。もちろん、最初から完成度を高くする必要はありません。</p>

<p>むしろ未完成だからこそ、人に見せる価値があるのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talking.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 18 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[⻆谷建耀知（株式会社わかさ生活　創業者 代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜか生きづらい...その正体とは？　心を縛る「18の悪法」の見つけ方  鈴木祐（サイエンスジャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15014</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015014</guid>
			<description><![CDATA[過去の経験によって無意識に自分を苦しめてしまう――そんな状況から抜け出す方法をサイエンスジャーナリストの鈴木祐さんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="鈴木祐著『最高の状態 無』" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamibedW.jpg" width="1200" /></p>

<p>幼少期のトラウマからだれも信用できなくなったり、友人に笑われた記憶から塞ぎこんでしまったり...そうした経験が無意識に自分を縛る「悪法」となり、不必要な苦しみに悩まされることがあると、サイエンスジャーナリストの鈴木祐さんはいいます。</p>

<p>本稿では、「スキーマセラピー」で分類されている「18の悪法」の内容や、自分を苦しめる思考や行動の見つけ方について見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、鈴木祐著『最高の状態 無』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>苦しみを左右する18の悪法</h2>

<p><img alt="鈴木祐著『最高の状態 無』" height="865" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260901saikonojotai05.jpg" width="1200" /></p>

<p>コロンビア大学の心理学者ジェフリー・ヤング博士は、人間が精神を病んでしまうのは、私たちが人生で脳に溜め込んだ思考・感情・行動のパターンが機能不全を起こすからだと主張し、この発想をもとに「スキーマセラピー」という心理療法を作り上げました。「スキーマセラピー」では、&quot;悪法&quot;のパターンを18種類に分類します。普段のあなたに当てはまりそうなものがないか考えてください。</p>

<p>①放棄：家族・友人・恋人など親密な人たちに、どうしても全幅の信頼をおけず、「どうせ私は、最後はひとりになるのだ」といった感覚につきまとわれる悪法。</p>

<p>②不信：「他人はこちらを騙すはずだ」「人は私に嘘をついたり、利用したりしてくるはずだ」といったように、他者への不信を常に抱き続ける悪法。</p>

<p>③剥奪：「自分が求める感情的なサポートを得られない」という感覚をもたらす悪法。</p>

<p>④欠陥：「自分には何か根本的な問題がある」「私は劣っている」という信念をもたらす悪法。</p>

<p>⑤孤立：「自分は周囲に溶け込めない」「みんな私のことを変だと思っている」という感覚を与える悪法。</p>

<p>⑥無能：「私は日常の問題に対処できない」「自分が生きていくには他人が必要だ」といった感覚を生み出す悪法。</p>

<p>⑦脆弱：「何か悪いことが起こるのではないか」という恐怖を生み出す悪法。</p>

<p>⑧未分：他者のニーズや感情にばかり目が行き、自らのことがおろそかになってしまう悪法。</p>

<p>⑨失敗：自分の中に、「私は仲間よりも失敗している」「自分の能力にまったく自信が持てない」といった感覚を生む悪法。</p>

<p>⑩尊大：自分は他の人よりも優秀だと信じ、特別な権利を得る資格があると感じる悪法。</p>

<p>⑪放縦：「集中力を維持するのが難しく、すぐ別のことに意識が向いてしまう」人に多く、飲酒や過食などの自滅的な行為がやめられないといった悪法。</p>

<p>⑫服従：自分の意見を言うのが苦手で、怒りや悲しみを抱いても表に出さない悪法。</p>

<p>⑬犠牲：「頼まれたことは断れない」「他人より自分を優先するのは利己的だ」といった感覚を生む悪法。</p>

<p>⑭承認：他人からの注目を過度に重んじる悪法。</p>

<p>⑮悲観：人生の否定的な側面にばかり目を向け、ポジティブな側面を無視する悪法。</p>

<p>⑯抑制：「感情を表現するのは恥ずかしい」といった感情や行動を抑えつけてしまう悪法。</p>

<p>⑰完璧：「批判を避けるために高い基準を設定し、それを満たす努力をしなければならない」という感覚をもたらす悪法。</p>

<p>⑱懲罰：「過ちを犯した人は厳しく罰せられるべきだ」という信念を生み出す悪法。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>まずは「悪法スコア」で仮説を立てる</h2>

<p><img alt="鈴木祐著『最高の状態 無』" height="2081" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260901saikonojotai06.jpg" width="1200" /></p>

<p>どの悪法に苦しめられるかは、幼少期の環境や現在までに味わってきた体験の数で決まります。その多くは運に左右されるため、あなたの意思ではどうにもできません。私たちにできるのは、自分の思考と感情がどの悪法に左右されているのかを見極め、対処することだけです。</p>

<p>いったい、あなたはどんな悪法に悩まされているのか？それをあぶり出すため、いくつか実験をしてみましょう。</p>

<p>まず取り組むべきは「悪法スコア」です。あなたを悩ます悪法を大ざっぱに推測し、仮説を立てましょう。悪法1～18と照らし合わせ、いつもの自分の行動や心理に当てはまりそうなものはどれかを考え、採点してください。「完全に当てはまる」なら100点、「まったく当てはまらない」なら0点です。この時点では仮説を立てるのが目的なので、主観で採点してかまいません。</p>

<p>右の列の「トリガー」には、それぞれの悪法があなたの中で発動しそうな状況や場面を考えて書き込みます。「ネットで批判されたとき」や「大勢の中で発言しなければならないとき」など、過去にネガティブな感情を抱いた体験を書いてください。すべてを書き終えると、あなたを悩ませる思考や感情の傾向がわかり、なんとなく重苦しさから解放されたような気分になるはずです。</p>

<p>ただし、「トリガー」を考える際、暴力、離婚、いじめなど、耐えられないレベルの体験をお持ちの場合は、専門医の指導を受けつつ、事前に「セーフプレイスワーク」と「ソーシャルサポートワーク」で心理的な結界を張っておきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「悪法日誌」で推測する</h2>

<p><img alt="鈴木祐著『最高の状態 無』" height="2086" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260901saikonojotai07.jpg" width="1200" /></p>

<p>・トリガー</p>

<p>あなたがネガティブな感情を抱いたときの原因や状況を書き込みます。「給料が減った」のような大きなストレスはもちろん、「カフェで店員が怒られていた」といったささいなことでも、嫌だと思った出来事なら何を書き込んでもかまいません。</p>

<p>・感情</p>

<p>「トリガー」に対して抱いた感情を記入します。」「不快」「不安」など、その出来事によって味わった感情をすべてリストアップしてください。</p>

<p>・思考／イメージ</p>

<p>「トリガー」に対して頭に浮かんだ思考やイメージを記入します。「なぜ自分ばかり辛い目に遭うのか」といった思考や、「病気にかかった自分」のようなイメージなど、頭に浮かんだものを自由に記録しましょう。</p>

<p>最初のうちは「思考とイメージ」をうまく捉えられず、何も考えずに反射的に行動したようにしか思えないかもしれません。そんなときは、とりあえず次の「身体の反応」と「対処行動」だけを記録しつつ、「トリガーのあとで頭の中に特定の思考かイメージが浮かばなかっただろうか？」と考えてください。</p>

<p>・身体反応</p>

<p>「トリガー」に対して発生した生理的な変化を記入します。「腹が縮むような緊張感」といったように、肉体の変化を思い出して書き込んでください。</p>

<p>・対処行動</p>

<p>「トリガー」に対してあなたがとった対処行動を記入します。「その場はあやまってやり過ごした」など、具体的な行動を書いてください。</p>

<p>・想定される悪法</p>

<p>「トリガー」から「身体反応」までの書き込みを振り返り、「このような感情・思考・行動をもたらした悪法は何だろう？」と考えて、思いついた答えを記入します。最初のうちは自信がなくてもかまいません。当てはまりそうな悪法をいくつかピックアップしてみてください。</p>

<p>・悪法の起源</p>

<p>先に想定した悪法が、あなたの頭にインストールされた理由を記入します。「子どものころに弟の世話ばかりさせられたから」といったように、思い当たる理由を自由に書き出しましょう。</p>

<p>・悪法の機能</p>

<p>上記の「悪法の期限」で想定した悪法が、過去の自分にどのように役立っていたのかを考えて記入します。「親戚が喧嘩ばかりしていたので、徹底的に良い人になって身を守ろうとしたのかもしれない」といったように、過去の人生で悪法が果たした機能を考えてみましょう。</p>

<p>・現実思考</p>

<p>先ほど記入した「思考／イメージ」に対して、「より現実的な思考とイメージはどのようなものか？」を考えて記入します。あなたの思考やイメージを、推測に基づかない正しい内容に書き換えてください。</p>

<p>【例：会話で失言をして友人に嫌われた】</p>

<p>「実際に友人がどこまで嫌がったかはわからないし、少なくとも完全に嫌われたとは考えにくい」</p>

<p>ここでありがちな間違いが、悪法を強引にポジティブに変換してしまうパターンです。友人への失言を「彼は何も気にしていないはずだ」とねじ曲げるのは逃避です。必ず現実にあり得るレベルの思考にとどめてください。</p>

<p>・代理行動</p>

<p>ここまでの作業をもとに、「より現実にもとづいた効果的な行動は何だろう？」と考え、「代理行動」を記入します。たとえば、あなたが「上司に仕事のミスを罵倒されて耐えた」という状況では、次の行動が考えられるでしょう。</p>

<p>「ミスをしっかり謝って再発を防ぐ解決策を提示する。もし上司が人格まで否定してきたら、その場を立ち去っても良いし、相手の非礼に抗議をしても良い」</p>

<p>「そんな理想の行動を取れるだろうか？」と思う人もいるでしょうが、代理行動を実行できるかどうかは問題になりません。このステップの真価は、あなたの脳に「別の現実もあり得るのだ」という事実を教え込むところにあります。頭の奥から「これが唯一の真実だ」とささやく悪法に、他にも無数の可能性が存在することを教え込むのです。</p>

<p>悪法日誌の書き方は以上です。記録を取るタイミングは「ネガティブな感情を抱いた直後」でも「ネガティブな感情を抱いた日の夜」でもかまいません。これといって書くことがなければ、「1年前に起きた忘れられない嫌な体験」を対象にするのも有効です。</p>

<p>今後、何かネガティブな感情に襲われたり、周囲を不幸にする行動を取ったりしたときは、「私はいま悪法に動かされていないか？」「悪法に従う以外の反応はできないか？」と考えてみてください。その繰り返しにより、あなたは少しずつ自己について学んでいきます。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 18 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木祐（サイエンスジャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>聴覚障害を持つ探偵を描いた『名探偵の君へ』　九能式尚さんが新潮ミステリー大賞優秀賞  Moguru編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15111</link>
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			<description><![CDATA[新潮ミステリー大賞優秀賞『名探偵の君へ』。九能式尚さんが語った執筆への思いと、湊かなえさんによる選評を紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="『名探偵の君へ』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260914Shinchomystery03.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年9月14日、第12回新潮ミステリー大賞の授賞式が行われました。優秀賞を受賞したのは、九能式尚さんの『名探偵の君へ』です。</p>

<p>本作は、応募時には『彼女の終幕』の題でしたが、数回にわたる改稿を経て、『名探偵の君へ』と改題されました。</p>

<p>物語の中心となるのは、名探偵・斑猫雪羽の遺児で、聴覚障害を抱える斑猫キリカ。ミステリ作家志望の岩崎理人とともに、怪しげな実験に参加するため孤島へ渡ったことから惨劇に巻き込まれていきます。エラリー・クイーンが生んだ聾の名探偵ドルリー・レーンへのオマージュを織り込んだ、本格ミステリです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>湊かなえさん「作者の放つ熱いエネルギー」に引き込まれた</h2>

<p><img alt="新潮ミステリー大賞" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260914Shinchomystery01.jpg" width="1200" /></p>

<p>選考委員を代表して登壇した湊かなえさんは、まず新潮ミステリー大賞には応募枚数の上限が設けられていないことに触れました。</p>

<p>これまで長大な応募作を読むことには不安があったという湊さん。その体験を、「薄められすぎたカルピスを大量に飲み干さなければならないようなもの」とユーモアを交えて表現しました。</p>

<p>そんななか、最終候補作として届いた『彼女の終幕』は、400字詰め原稿用紙換算で1300枚弱。湊さんの著書『告白』のおよそ3倍にあたる分量だったといいます。</p>

<p>「当然、読むのも一番後にしました」と振り返った湊さんですが、いざ読み始めると、わずか3日で読了したそうです。</p>

<p>舞台は、絶海の孤島にある研究施設。ある音楽を聴くと眠りに落ちる催眠術が仕掛けられるなか、聴覚障害を抱える探偵だけがその影響を受けない――。クローズド・サークルという舞台設定や、こうしたミステリならではの仕掛けに加え、湊さんを物語へと引き込んだのが、「作者の放つ熱いエネルギー」でした。</p>

<p>湊さんは、そのエネルギーを「九能式さんの愛と怒り」だと表現します。</p>

<p>「愛」とは、エラリー・クイーンが生んだ名探偵ドルリー・レーンに捧げられた、本格ミステリへの深い愛。そして「怒り」とは、聴覚障害を持つ人々に対する社会の不理解への怒りではないかと語りました。</p>

<p>『彼女の終幕』はその後、改稿を重ね、原稿用紙約900枚まで削られました。</p>

<p>湊さん自身も、推敲で最も重視しているのは「削ること」だといいます。一文一文が本当に物語に必要なのかを考えながら手を入れる一方で、「それでも、一度書いた文章を削ることを惜しく思います」と、作家としての思いも明かしました。</p>

<p>だからこそ、大幅な改稿をやり遂げた九能式さんを称え、「まずは2作目、そして5年、10年とパワフルなご活躍を期待しております」と今後への期待を寄せ、選評を締めくくりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>九能式尚さん「一つの壁を越えられたような気がしています」</h2>

<p>続いて登壇した九能式さんは、『名探偵の君へ』は「私にとっても非常に思い入れの深い作品」と語ります。</p>

<p>主人公の斑猫キリカは、九能式さん自身と同じく聴覚に障害を抱えています。自身の障害について文章にすることは決して簡単なことではなく、執筆中には「何度も壁にぶつかって傷を負った」と振り返りました。</p>

<p>「それでも書かずにいられなかったのは、当事者の立場から障害を持つ者の現実を描くことで、できることがあると信じていたからです」</p>

<p>そして、作品が刊行されたことについて「一つの壁を越えられたような気がしています」と語りました。</p>

<p>最後には、受賞を一つの到達点ではなく作家としての出発点と捉え、「これからはプロの作家として面白い物語を書き続けていくことで、皆様にお返しをしたい」と今後への決意を示しました。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 17 Sep 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[Moguru編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「彩りなんか知らんし、茶色くてよくない？」メイプル超合金・安藤なつさんの料理を楽しむ掟  安藤なつ（メイプル超合金）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14994</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014994</guid>
			<description><![CDATA[初のレシピ本『安藤なつの奔放ごはん』を出版した安藤なつさんに、自炊の楽しみ方をうかがった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="安藤なつ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260904andonatsu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>お笑いコンビ・メイプル超合金のツッコミ担当として活躍し、介護に関する著書でも話題を集める安藤なつさん。芸人仲間にも手料理を振る舞うほどの料理好きとしても知られる安藤さんが、斬新で型破りなアイデアを詰め込んだ初のレシピ本『安藤なつの奔放ごはん』を刊行します。<br />
そんな自由な発想の料理たちは、どうやって生まれているのでしょうか。料理の時間が本当に楽しいと語る安藤さんにお話をうかがいました。<br />
※全3回の前編です</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>夜中、急に料理がしたくなる</h2>

<p>――『安藤なつの奔放ごはん』では自由な発想でありながら、一目見ただけでおいしそうって思えるような料理がいくつも掲載されていますね。安藤さんは、レシピを考えるときに香りや食感など、何を一番大切にしていますか？</p>

<p>【安藤】自分の中で料理って、夜中、急に作りたくなるものなんですよ。「あ、あれが冷蔵庫に入っていたから、これができるんじゃ」みたいな。科学実験に近い感じです。</p>

<p>「こういうものを作ろう」というより、「結果的にこんな料理ができあがった」の方が多いですね。もちろん完成形のイメージが先にあって、そこから逆算して食材は何が必要で、こんな工程があって、家にある調味料でどこまでいけるのか、どんだけデカいのができるのかって考えながら作ります。ワクワクする実験の感覚を大切にしていますかね。その時間が、本当に楽しいんです。</p>

<p>――では、家にある食材は常に潤っているのでしょうか。</p>

<p>【安藤】そうですね。母が畑をやっていて、季節ごとの野菜がもらえるので。ナスが今何本あるな、そろそろ痛むな、じゃあ何か作ろうかなって。</p>

<p>それに、買いだめしがちな方だとも思います。袋麺も好きで常備しているので、ラーメンのスープの粉を使って焼きそばにしてみよう、とか。</p>

<p>――日頃お忙しいかと思うのですが、自炊は続けられているのでしょうか？</p>

<p>【安藤】自炊していますね。冬場だと、野菜を入れたいろんな味付けの鍋とか。野菜いっぱい摂りたいじゃないですか。手軽ですし、なんでも入れられる。</p>

<p>――忙しい時でもお鍋を作ったり、何かしら料理をされてるのですね。</p>

<p>【安藤】料理がストレス解消法なのかもしれないです。</p>

<p>「暇だな、作ろう」じゃなくて、「忙しくてもう疲れた。でもなんか作ろう」みたいな。それが気持ちの切り替えにもなっている気がします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>料理も「自分が楽しければいい」</h2>

<p><img alt="安藤なつ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260904andonatsu02.jpg" width="1200" /></p>

<p>――安藤さんのように自炊がストレス発散になったり、楽しく作れることってすごくいいなと思うんですが、一方で自炊のハードルが高い方や、苦手意識が強い方もいると思います。そのような方々が楽しんで料理するために何かアドバイスはありませんか？</p>

<p>【安藤】食に興味あるかないかでだいぶ変わるとは思うんですけど、かっこつけなくていいし、別に失敗してもいいじゃないですか。</p>

<p>私も、全然失敗しますよ。失敗して、例えば「あれが固まらなかったのなんでだろう」って考えて、これねって分かった時にめっちゃ気持ちがいいんですよね。</p>

<p>きっと自炊することに抵抗がある方は、Instagramとかでキラキラした綺麗な料理を見すぎているんじゃないでしょうか。</p>

<p>――綺麗なレシピ動画、たくさんありますよね。</p>

<p>【安藤】キラキラご飯を見て、このレベルは到底無理だって二の足踏んでるんだったら、いや別に、あそこまでたどり着く必要なくない？ていうか、自分が楽しければ良くない？って思います。</p>

<p>私はそんな感じですね。彩りなんか知らんし、茶色くてよくない？っていう。自分がいいと思えばそれでいいんだから、料理が少しでも楽しいって思えそうだったらやってみるといいかもしれないですね。</p>

<p>――まずはやってみて、楽しさを感じてみる。</p>

<p>【安藤】実験、楽しいですよ。料理は娯楽や趣味に近いんです。</p>

<p>ご家族がいたり、働いていて時間がない方もいらっしゃると思うんですけど、もし自分時間を作れるのなら料理をおすすめします。料理に時間を使うということは、贅沢なことな気がしていて。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>実験的な料理も無理は禁物</h2>

<p>――超実験的にやってみたらうまくいった、もしくは失敗した料理で、何か覚えてるものはありますか？</p>

<p>【安藤】挑戦してみて、違ったなと思った料理はありますね。</p>

<p>先日、家でホームパーティーをしたんですよ。友人がタコスパーティーしたいと言うので、プルドポークやチリコンカンなんかも作って、みんなでトルティーヤに挟みながら食べたんです。で、その友人も料理する人で、桃がお家にあったから桃カレーを作ってきてくれたんです。それがめちゃくちゃ美味しくて。本人にレシピを聞いても、もうわかんないって言われて。</p>

<p>それなら、余ったチリコンカンでカレーを作ってみようと思い立ちました。で、後日作ったんですけど、めちゃくちゃまずくて(笑)。完成したものは完成したものとして食べればいいんだなって思いました。無理しちゃダメ。チリコンカンはチリコンカンで美味しかったのに。</p>

<p>――深追いして失敗した。</p>

<p>【安藤】深追いですね。もうチリコンカンだけで良かったです。</p>

<p>なんだか寂しかったです。悔しかったのもあります。あの桃カレーがうますぎて。</p>

<p>――今お話しされてたように、安藤さんはお仲間とホームパーティーすることも多いのでしょうか。</p>

<p>【安藤】はい、けっこうホームパーティーはしますね。</p>

<p>――その時のレシピは、メンバーの好みに合わせて考えたりもするのでしょうか。</p>

<p>【安藤】食べられないものは誘う時に聞くことが多いですね。仲のいい人だったら、食べられないもの、苦手なものが何かというのはある程度把握しています。辛いものが苦手だから、じゃあ辛くないメニューにしようとか。で、実家からの野菜がいっぱいあるから、それで何かしようとか。最近は、野菜パーティーしましたよ。</p>

<p>――野菜パーティー、楽しそうですね。</p>

<p>【安藤】空心菜がいっぱいあったんで、空心菜の炒め物とか、ナスと鶏肉とオクラのオイスターソース炒めを作って、みんなで食べました。美味しかったです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 17 Sep 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安藤なつ（メイプル超合金）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>平子雄一展『HUMAN AND NATURE』レポ「自分だけの物語」ワークショップを体験してみた  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15119</link>
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			<description><![CDATA[東京ミッドタウン日比谷で開催されている平子雄一展『HUMAN AND NATURE』。イベントとして開催された「ものがたりをつくる」ワークショップの様子をレポートします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="平子雄一『HUMAN AND NATURE』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914HirakoYuuichi01.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年9月5日（土）より、東京ミッドタウン日比谷ホールで、平子雄一氏の展覧会『HUMAN AND NATURE』が開催されています。平子雄一氏は「植物や自然と人間の共存」をテーマに絵画や彫刻などを制作されている現代美術作家で、韓国や台湾、イギリス、アメリカなど世界中で活躍されています。<br />
9月12日（土）、イベントの一環としてワークショップが行なわれました。PHPオンライン編集部がワークショップを体験、その様子をリポートします。</p>

<p>（取材・撮影／PHPオンライン編集部・次重浩子）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>テーマは「ものがたりをつくる」</h2>

<p><img alt="平子雄一『HUMAN AND NATURE』を開催中の東京ミッドタウン日比谷" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914HirakoYuuichi02.jpg" width="1200" /></p>

<p>この展覧会は、東京ミッドタウン日比谷の「BASEQ」が「東京ミッドタウン日比谷 ホール」にリニューアルされ、こけら落としとして開催されている記念イベントです。</p>

<p>東京ミッドタウン日比谷に向かってみると、あります、あります！正面入口前に平子さんの作品によく登場する「人のような身体に植物の頭部を持つモチーフ」のオブジェが！どーんと設置されています。顔が描かれていないので表情はわかりませんが、なんともいえずかわいいです。</p>

<p><img alt="生ドーナツ専門店「I’m donut？」とコラボ。平子雄一氏が描き下ろしたオリジナルデザインの限定ボックス" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914HirakoYuuichi09.jpg" width="1200" />生ドーナツ専門店「I&rsquo;m donut？」とコラボ。平子雄一氏が描き下ろしたオリジナルデザインの限定ボックスで数量限定にてドーナツも販売</p>

<p>作品が展示される「ホール」は6階ですが、ワークショップは9階で開催されるとのこと。さっそく会場へ向かいます。</p>

<p>今回のワークショップのテーマは「ものがたりをつくる」。まずは参加者に厚紙でつくられた白紙の絵本のようなものが手渡されます。ページ数は、表紙・裏表紙を除けば8ページ。制限時間は2時間です。絵にはまったく自信がない私ですが、大丈夫かな...？</p>

<p>「まずは展覧会を一緒に観に行っていただきます。いろいろなモチーフがありますので、&ldquo;これは&rdquo;と思うものを選んでいただいて、それを使って自分なりにお話を拡げていってください」と平子さん。参加者のみなさんと6階の展覧会場へ移動します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人間は自然とどう付き合っていくのか</h2>

<p><img alt="平子雄一『HUMAN AND NATURE』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914HirakoYuuichi03.jpg" width="1199" /><br />
会場の中央に置かれた集合作品</p>

<p>平子さんの作品は、本や車、木や花、犬、猫、野菜、果物、花瓶、カバンなど、生物・無生物を問わず、さまざまなアイテムがいっしょくたになってひとつの作品を形成しています。色合いが鮮やかで、フォルムがころんとしていて一つひとつがかわいらしいです。気になったものをスマートフォンで写真に収めていくのですが、どのアイテムを絵本に採用するか、めちゃくちゃ迷いますね...。</p>

<p>そこへ本展の企画・監修をされた美術評論家の秋元雄史さんが登場。「平子さんの作品は、あらかじめストーリーを設定してあるわけではないので、自由に物語を組み立てられると思います。悪夢でもいいし、ハッピーな夢でもいい。できるだけ妄想をふくらませてください」とのこと。</p>

<p><img alt="平子雄一『HUMAN AND NATURE』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914HirakoYuuichi05.jpg" width="1200" /></p>

<p>参加者たちは平子さんや秋元さんにお話を伺いながら、展示会場を見て回ります。会場の中央に置かれた、ひときわ目をひく集合作品は、木材として加工された厚さ2cmの桐の板を貼り合わせ、チェーンソーで彫刻したのだそうです。</p>

<p>展覧会のタイトル『HUMAN AND NATURE』に込めた意味を平子さんに伺ってみると、「自然に対して、人はまず人間ありきでしか考えられないですよね。人間は自然とどう付き合っていくのか。利用するのか、守っていくのか。そういうことに思いを馳せられるような展覧会にしたかったのです」とおっしゃっていました。<br />
木をそのまま彫刻するのではなく、人間が利用するために加工された木材をあえて使用されているところに、テーマが内包されているのを感じますね。</p>

<p><img alt="平子雄一さん（左）と秋元雄史さん（右）" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914HirakoYuuichi04.jpg" width="1200" />平子雄一さん（左）と秋元雄史さん（右）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>無理にストーリーを作ろうとしなくてもいい</h2>

<p><img alt="平子雄一『HUMAN AND NATURE』ワークショップ参加者の方の作品" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914HirakoYuuichi06.jpg" width="1200" /><br />
ワークショップ参加者の方の作品</p>

<p>20分ほど観覧したあと、いよいよ9階のワークショップ会場へ戻り、絵本制作をスタート。しかし作品鑑賞に心を奪われてしまったので、ストーリーがなにも浮かびません！！</p>

<p>「無理にストーリーを作ろうとしなくてもいいんですよ。たとえば1ページ目に本を3冊書く。次のページは4冊、次は5冊と増やす。色も変えていく。3ページ目はモノトーンにする。次のページで本は消えている...そんな構成でも、見た人はなんとなくストーリーを想像するでしょ？」と平子さんにアドバイスをいただきました。ストーリーはまったく浮かばないけど、撮った写真を見ながら、かぼちゃや猫を無心で白いページに描いていきます。</p>

<p>作品の画像を見ながらスケッチしていると「この木の表面、けっこうぼこぼこしてたんだ」など、初見では気づかなかった細かい部分に目が行くようになってきました。また「この猫はどうしてこんな表情なんだ？」「この人に違うポーズをさせてみたい」とストーリー的な発想も湧き出てきました。</p>

<p>制作に与えられた時間は1時間30分ほど。みなさん黙々と絵本作成を進めています。「そういえば、大人になってから絵を描く機会ってほとんどないな」などと思いながら、ひたすら白い紙に向かって色を重ねていくと「無」になって心が洗われるようです。こういうひとときもいいですね。</p>

<p>イベント終了の時間が近づき、席が近い人同士で作品を披露し合います。「これを題材にしたんですか。おもしろいです」「ちゃんとストーリーになってますね。お上手！」と感想が行き交っていました。<br />
あらかじめストーリーを作ってから作業を始めた方、「とにかく思いつきで描きました」という方、モチーフを色鮮やかにページいっぱいに描いている方、ほとんどモノトーンでマンガのように構成されている方などいろんな方がいて、作品もそれぞれです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>思考してもらう「装置」としての作品</h2>

<p><img alt="会場内に置かれたオリジナルピンボール" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914HirakoYuuichi08.jpg" width="1200" />会場内に置かれたピンボール。ボールとしてはじくカプセルにはオリジナルフィギュアが入っている。秋元さんが挑戦！</p>

<p>平子さんは、どうしてこのようなワークショップを開催しようと思われたのでしょうか？</p>

<p>平子：「みなさんと作品との距離を近づけたかったんです。観るだけじゃなくて踏み込んでほしかった。『ものがたりをつくる』を課題にした理由は、ストーリーを自分で作り出すと『自分のもの』になるから。</p>

<p>実際にやってみておもしろかったですね。今後の私自身の制作を考えるうえでも『伝えて終わり』じゃだめなんだなと感じました。作品に触れていただいて、みなさんが何を心に秘めて持って帰るのかも大事だと思ったんです。単純な感動だけじゃなく、感情をゆさぶられたり、思考してもらう『装置』としての作品を作っていきたいと思いました」</p>

<p>和気あいあいとした雰囲気のなか、ワークショップは終了。<br />
現代アートというと「何を表現しているのだろう」と受け身になりがちですが、作品を自分の物語に登場するアイテムとして取り込むのは新鮮な体験でした。『HUMAN AND NATURE』展は10月18日（日）まで。「自分なら物語をどう作るかな？」と考えながら鑑賞してみるのもおもしろいかもしれません。</p>

<p><img alt="平子雄一『HUMAN AND NATURE』ワークショップの様子" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914HirakoYuuichi07.jpg" width="1200" /></p>

<p>『HUMAN AND NATURE』<br />
【会期】2026年9月5日(土)～10月18日(日)※会期中、休館日なし<br />
【開催時間】11:00~20:00(最終入館 19:30)<br />
【会場】東京ミッドタウン日比谷 6階 ホール<br />
【住所】東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷<br />
【入場料】<br />
オンライン券:一般 2,000円/大学生・専門学生1,500円/中高生1,000円/小学生以下無料<br />
当日券:一般2,200円/大学生・専門学生1,600円/中高生1,100円/小学生以下無料<br />
※障がい者手帳をお持ちの方は、一般 1,500円/大学生・専門学生1,200円/中高生800円/小学生以下無料<br />
その介助者（1名まで）は無料。（当日券のみ）<br />
【公式サイト】https://www.hibiya.tokyo-midtown.com/humanandnature.yuichihirako/</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914HirakoYuuichi01.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 17 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>頑張りすぎな人へ。無理せず「ラク」を追求する自分ファーストのすすめ  和田秀樹（精神科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15037</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015037</guid>
			<description><![CDATA[他人や自分への無理強いをやめ、得意なことから取り組む｢自分ファースト｣な生き方を提案。苦労を美徳とせず家事代行や上手な手抜きを活用し、ラクを追求することが、心と家庭の余裕を生む近道だと解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="家事と育児に疲れた母" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility2/pixta_kosodate.jpg" width="1200" /></p>

<p>好きなものを後回しにする食育も、頑張りすぎて自分を追い込む毎日も、根っこは同じ｢無理強い｣かもしれません。精神科医・和田秀樹氏は、他人にも自分にも無理をさせない｢自分ファースト｣の姿勢こそが、ごきげんに過ごすコツだと語ります。本記事では、真面目な人ほど知ってほしい｢ラクを追求する｣考え方を紹介します。</p>

<p>※本稿は、和田秀樹著『落ち込まない　考えすぎない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>他人にも自分にも無理強いをしない</h2>

<p>｢好きなものから食べる｣人と｢好きなものは最後に食べる｣人がいます。</p>

<p>近年、盛んに行われている食育では、子どもの偏食をなくす方法として｢嫌いなものから食べさせる｣という手法が推奨されることがあるようですが、私は疑問を感じています。</p>

<p>この手法の意図は｢嫌いなものを我慢して食べれば、好きなものがご褒美になる｣というところにあるようです。</p>

<p>最後にご褒美があるとしても、食事が少なからず苦痛を伴うものになっていますし、最初の段階に苦痛があれば、食欲も減退するのではないでしょうか。こんなことを繰り返しても、嫌いなものはいつまでたっても嫌いなままです。</p>

<p>無理やり偏食させていないだけで、食事自体が苦痛になり、食への関心がなくなってしまったら本末転倒です。</p>

<p>私は、むしろ好きなものから食べさせたほうが食育効果は上がると考えています。</p>

<p>家庭で、自家製お子様ランチを作って食べさせるとします。</p>

<p>ほとんどの子どもは、好きなものから手をつけていくでしょう。好きなもの、美味しいものを食べれば、食欲も増し、ごきげんになります。ごきげんで食べるから、次に食べるものも美味しく感じられ、食がどんどん進みます。</p>

<p>そうしてどんどん食べ進めるうちに、あまり好きではないものがお皿に残ります。お皿に盛られた料理を全部食べてようやくお腹がいっぱいになるくらいの量にしておけば、食欲旺盛な子どもなら食べるほかはありません。</p>

<p>それでも子どもの手が止まってしまうなら、親がするべきは無理に食べさせることではなく、子どもが自分から食べられるように仕向けることです。</p>

<p>調理法の工夫もその一つでしょう。あるいは、子どもの好きなキャラクターが描かれているお皿を使って｢全部食べたらキティちゃんに会えるよ｣といった具合に子どもをその気にさせる、という手もあります。そして全部食べたら褒めてあげます。これも大事です。</p>

<p>工夫しても、子どもが食べたがらないなら、無理強いせず、次の機会に持ち越します。うまくいかないときは、一度退却して、別の手を考えてみるのです。</p>

<p>私のお勧めとして、こんな手法もあります。</p>

<p>食べ初めに、｢好きなものはどれ？｣と尋ねて、いちばん好きなものを食べさせます。食べ終わったら｢次に好きなのは？｣と尋ねてそれを食べさせる。これを繰り返していくと、最後の一つ以外はみんな好きなもの。美味しく食べられるというわけです。そして、最後の一つくらいは食べなくていい、押しつけないほうがいいと割り切るのです。</p>

<p>苦手なことを無理に克服しようとすると、かえって苦痛が増してしまうことがあります。大切なのは、｢苦手なことをなくす｣ではなく、それとの向き合い方を変えることです。</p>

<p>好きなものから食べることで食欲が増し、結果として苦手なものも口にするようになるように、大人も好きなことや得意なことから始め、小さな成功体験を積み重ねることで、苦手なことへの抵抗感を減らすことができます。</p>

<p>無理強いせず、自分に合ったペースで向き合うことで、｢少しずつできることが増えていく｣という実感が生まれ、自信につながります。そうして、気づけば以前よりも前に進めているのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>好きなこと、得意なことから始める</h2>

<p>好きなことや得意なことに磨きをかけ、さらにレベルアップすれば、ごきげんになれるし、自分自身の財産にもなります。</p>

<p>｢好きなこと・得意なことを優先する｣のは甘えでもわがままでもありません。仕事が立て込んで山積みになっているとき、｢どこから手をつけたらいいのかわからない｣と迷うなら、好きなことや得意なことから着手しましょう。好きなことや得意なことをやるときは、ワクワクした気分になり、スムーズで効率的にものごとを運ぶことができます。力まずにやれるので、実力以上の力を発揮できることもあります。</p>

<p>滑り出しがうまくいけば、その勢いで、後回しにしたことにも手をつけやすくなります。こうすることで結果的に仕事全体を早く、正確に終わらせられるのです。仮に残ったことがあったとしても、それは嫌いなものなので、そんなにクオリティが期待できないものだったのだと自分にいい聞かせられます。</p>

<p>人が何かを行っているとき、楽しくやるほうが、脳の前頭前野の血流が増えることが、解明されています。また、その後の思考力や単純記憶力がアップすることもわかっています。楽しくやれれば、その先に控えていることにも、モチベーションアップや効率アップが期待でき、高い成果を上げられるというシナジー効果も期待できるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢ラク｣は買ってでもする</h2>

<p>｢若いときの苦労は買ってでもせよ｣ということわざがあります。海外にも｢若い時の重労働は老いての平穏｣という意味の言葉があるようです。</p>

<p>この言葉のように、若い頃の苦労が将来役に立つことは多々あります。若い頃のほうが吸収力があるので、経験から学びやすいともいえます。</p>

<p>しかし、このことわざを｢苦労は美徳｣ととらえるのは拡大解釈にすぎると私は思います。</p>

<p>同じ目標に向かうのに、難しい方法とラクな方法があったら、どちらを選ぶのが近道でしょうか？どちらの方法をとったほうが能率が上がるでしょうか？</p>

<p>答えは明白です。｢ラク｣をしたほうが近道で、能率アップにつながります。</p>

<p>｢苦労は美徳｣という考え方が、自分に我慢を強いて、追い詰めていることに、人はなかなか気づけません。さらに自分だけではなく、他人も追い詰めてしまうのです。</p>

<p>｢自分に厳しく、他人に優しく｣という人がいます。立派な心がけです。</p>

<p>ところが、そういう人であっても、夫婦や家族などの身近な人に対しては｢自分が我慢したのだから、あなたも我慢しなさいよ｣と思いがちです。そして、それが夫婦や親子のもめごとのタネになってしまいます。</p>

<p>この手のもめごとでよくあるのが、家事育児分担を巡る夫婦間の争いです。</p>

<p>昨今、共働きはごく普通のこと。家事も育児も夫婦で協力しなければ、とてもこなせるものではありません。しかし、まだまだ多くの家庭で、妻側の負担のほうがかなり大きいという現実があります。</p>

<p>妻と夫それぞれの家事育児に従事する時間割合を、他国と比べるとわかりますが、欧米諸国からは「日本は夫が家事育児をしない国」と見られています。</p>

<p>少々古いデータにはなりますが、2012年に33カ国を対象に実施された｢家族と性役割に関する意識調査｣によれば、18歳未満の子どもがいる家庭における男女の週間平均の家事育児の時間は、男性が12時間、女性が57時間となっています。男性の平均時間は調査を実施した33カ国の中では、最低の数字です。</p>

<p>これには、男性の労働時間が長いことも関係していると思われますが、女性もフルタイムで働いているなら条件は同じです。かくして共働き家庭では女性は夫に｢もう少し家事や育児に参加してよ｣となるし、男性は｢仕事で精一杯なのに&hellip;｣となるのでしょう。</p>

<p>私は、家事育児分担でもめるくらいなら、ハウスキーパーを頼んでもいいのではないかと思います。確かに高額かもしれませんが、夫婦で働いているのなら、検討してみてもよいと思います。</p>

<p>欧米諸国では、中流家庭でも、ハウスキーパーを雇う家庭は珍しくありません。仕事が忙しい時期に限って依頼する。掃除だけなど一部の家事についてのみ依頼する。ベビーシッターやお年寄りの話し相手などに特化したヘルパーを依頼するなどさまざまなケースがあります。</p>

<p>近年、ハウスキーパーの派遣会社や家事代行業者も増えていますが、まだそうした業者を利用するのは、贅沢のように思われがちです。そのお金はマイホーム資金に回したいと考える人もいるでしょう。しかし、そうして節約して手に入れたマイホームに住みながら、夫婦間がギスギスしてしまうのでは、本末転倒という気がしないでもありません。</p>

<p>ものは考えようです。ハウスキーパーを雇うのは、夫婦が働きながら家庭生活を成り立たせていくための必要経費。家庭円満という配当を得る投資と考えてみてはどうでしょうか。</p>

<p>家事育児が体力的・精神的にラクになれば、気持ちに余裕ができ、家事育児も楽しく感じられます。親がごきげんになれば、子どもだってごきげんになれます。</p>

<p>ハウスキーパーを雇う余裕がないなら手抜きすればよいのです。手抜きという言葉には、よくないことというイメージがありますが、手抜きは創造的な行為です。</p>

<p>手抜きには、上手なやり方を考える必要があります。ここまでなら手を抜いてOKという目標に到達しなければなりません。手抜きしつつ、目標を達成するにはどうしたらよいか。そうしたことを考えるのは建設的で創造的な行為です。</p>

<p>手抜きをして、円満な家庭生活を成り立たせる。夫婦が家事育児と仕事を両立させるという目標が達成されればよいのです。</p>

<p>｢手抜きをOKにすると、その分、配偶者がズボラになるだけ。結局、自分の負担は減らないのでは&hellip;｣と心配になるなら、まずは、お試しで実行してみればいいと思います。</p>

<p>それで、心配が現実になったら、そのときは、夫婦関係についてあらためて見つめ直し、話し合うときなのだと考えてはどうでしょうか。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 17 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[和田秀樹（精神科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>藤井聡太はデビュー直後から何が違ったか？ 谷川浩司が語る「29連勝」異次元の衝撃  谷川浩司（棋士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14995</link>
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			<description><![CDATA[谷川浩司十七世名人が、藤井聡太さんがいかにして将棋界の空気を変え、「時代の中心」となる存在へ駆け上がっていったのかを解説する]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="名人「戦国時代」の後で" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_forest1.jpg" width="1200" /></p>

<p>14歳2カ月でプロ入りし、デビューから前人未到の29連勝――。<br />
藤井聡太さんの登場は、「有望な若手が現れた」という言葉だけでは捉えきれない衝撃を将棋界にもたらしました。</p>

<p>本稿では、谷川浩司十七世名人が、羽生善治三冠らを破った「炎の七番勝負」や、驚異的な連勝を重ねたデビュー当時を回想。終盤力や形勢判断、勝ち方の多彩さなど、早くから際立っていた強さをひも解きながら、藤井さんがいかにして将棋界の空気を変え、「時代の中心」となる存在へ駆け上がっていったのかを振り返ります。</p>

<p>※本稿は、谷川浩司著『名人論 稀代の天才たちはいかに戦ったか&nbsp;』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>名人「戦国時代」の後で</h2>

<p>藤井聡太さんが現れた時、最初に抱いたのは「とてつもなく強い若手が出てきた」という驚きだった。だが、その認識はほどなく消えた。これは単に有望な新星の登場ではない。将棋界の空気そのものを書き換えてしまう出来事なのではないか。そう感じるようになったのだ。</p>

<p>将棋の世界には、時代ごとに「この人が中心だ」と誰もが認める棋士がいる。しかし通常、その位置に至るまでにはいくつかの段階がある。若手の有望株として注目され、タイトル戦の挑戦者になり、タイトルを取り、そこから第一人者へと近づいていく。ところが藤井さんの場合、その階段の上り方があまりに急だった。いや、急だったというより、階段そのものをいくつも飛ばしてしまったと言った方が近い。</p>

<p>藤井さんが四段としてデビューしたのは、2016年10月1日である。14歳2カ月でのプロ入りは史上最年少だった。この時点ですでに特別な存在ではあったが、それでも普通なら、ここから数年をかけてタイトル戦線へ入っていくはずだった。ところが藤井さんは、こちらが時代の変化をゆっくり受け止める暇を与えなかった。</p>

<p>まずは加藤一二三九段との公式戦第1戦に勝ち、そのまま連勝街道を走り出した。連勝は5連勝、7連勝と積み重なり、やがて松本佳介七段と近藤正和七段が持っていたデビュー以来10連勝という記録を超えるに至った。</p>

<p>しかも、その凄さは単なる連勝記録の更新だけではなかった。私が最も衝撃を受けたのは「勝ち方」の多彩さだった。終盤での精度、形勢判断の冷静さ、苦しい局面でも相手に決め手を与えず、わずかな逆転の芽を逃さないその鮮やかさ、華やかな戦績の背後に、きわめて実務的で、冷徹な強さがあった。</p>

<p>藤井さんがデビューして半年後の2017年春、将棋界は藤井さんが「ただの強い新四段ではない」ことを知った。というのもABEMAテレビが「藤井聡太四段　炎の七番勝負」という企画で、3月12日の増田康宏四段を皮切りに、3月19日永瀬拓矢六段、3月26日齋藤慎太郎六段、4月2日中村太地六段、4月9日深浦康市九段、4月16日佐藤康光九段、4月23日羽生善治三冠を相手に計七番勝負を組んだのだ。若手強豪が相手に選ばれたのはわかるが、佐藤康光、羽生善治の名人経験者二人がこの七番勝負の依頼を引き受けたというところが凄い。二人とも、デビュー後間もない藤井さんの抜きん出た才能を見抜いていたからだろう。</p>

<p>将棋界、そしてファンが大いに注目したこの七番勝負の結果は、藤井聡太四段の6勝1敗で終わった。</p>

<p>藤井四段が敗れたのは、後に数多くタイトル戦を戦うことになる永瀬拓矢六段だけで、佐藤康光さん、羽生善治さんの二人にも勝ってしまった。この七番勝負は持ち時間1~2時間の非公式戦だが、将棋界に激震が走ったことは間違いない。<br />
私も、藤井さんが勝ち越すこともあるかもしれないとは思っていたが、羽生さん、佐藤さんに勝ってこの結果になるとは正直に言って驚いた。</p>

<p>しかも、この「炎の七番勝負」が終わった時点でも、藤井四段のデビュー以来の連勝は続いていた。平藤眞吾七段に勝ち14連勝となり、連勝は止まる気配がないまま澤田真吾六段に勝って20連勝に達した。この頃からはもう将棋界のニュースを超えて、新聞、テレビ、ネットともに1勝を重ねるごとに社会的ニュースとして報じるようになった。</p>

<p>2017年6月26日には増田康宏四段から29連勝目を上げて、神谷広志八段の持つ連勝記録を更新した。この神谷八段の28連勝自体がとんでもない記録であり、破る者など現れないだろうと言われていた記録だった。<br />
藤井四段の快進撃を阻止したのは、佐々木勇気五段（現八段）だ。佐々木勇気五段が序盤から主導権を取り、藤井さんの反撃を許しながらも最後は攻め切った相掛かりの熱戦だった。</p>

<p>将棋界では、新しいプロ棋士として新四段がデビューし、いきなり際立った好成績を収めると、「有望な若手」とみなして棋士たちはその情報を共有する。だが、藤井さんの場合、共有するまでの時間が異様に短かった。2017年春の時点で、将棋界においては「いずれトップに来る才能」どころか「もうすぐ将棋界の中心になる才能」と感じる存在になっていたように思う。藤井さんは、まさに突然、将棋界の空気を変えたのだ。</p>

<p>アマもプロも参加する詰将棋解答選手権大会に藤井さんが12歳にして優勝、3連覇を続けていたことも大きく取り上げられた。これは棋士の中でも最終盤の力が桁違いに強いことを示していた。<br />
詰将棋作家でもある私は、彼がつくる詰将棋の魅力も知っており、いずれは私のように詰将棋作品集を世に出すはずだと思っている。</p>

<p>強い若手が出てきた、というだけなら、将棋界はこれまでに何度も経験してきた。しかし藤井さんの場合は違った。「この人がどこまで行くのか」を見守るのではなく、「この人がいることで、自分たちの立ち位置、未来そのものが変わってしまう」と周囲に感じさせたのだ。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 17 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[谷川浩司（棋士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>1日4時間以上集中すると翌日に疲れが残る?　午前中3時間に勝負をかけるスウェーデンの働き方  久山葉子（翻訳家、エッセイスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14901</link>
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			<description><![CDATA[労働生産性で世界5位を誇るスウェーデン。現地在住の久山葉子さんが、スウェーデンのビジネスマンは&quot;どのようなスケジュールで仕事を進めるのか&quot;を教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ミーティング" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizmtg2.jpg" width="1200" /></p>

<p>幸福度の高いスウェーデンでは、どのように時間をつかい、仕事とプライベートのバランスを保っているのでしょうか。大半のビジネスパーソンが17時に退勤できるのは、午前中の時間の使い方に秘密があるといいます。</p>

<p>スウェーデン在住の久山葉子さんは、著書『スウェーデン人はなぜ朝の３時間で仕事が片づくのか』の中で、現地でのインタビューをもとにスウェーデンの働き方・生き方を語っています。本稿では同書より、午前中の時間の使い方と、残業が非効率的である理由についてご紹介します。</p>

<p>※本稿は、久山葉子著『スウェーデン人はなぜ朝の3時間で仕事が片づくのか』（PHPビジネス新書）より一部を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>〈単調な作業〉を午後に取っておく&hellip;ランチを食べなくても、昼過ぎは脳が働かない</h2>

<p>ストローニ博士の説明では、人間の脳は12時間に１度眠くなるというリズムになっている。夜遅くに眠気をもよおすのはもちろんだが、昼にも脳が休憩を求めてくるというのだ。</p>

<p>私もランチ後に睡魔に襲われるというのにはおおいに覚えがあるが、それは血糖値スパイクのせいだと思っていた。しかしランチを食べなくても、昼過ぎに脳の活動が下がることが判明している。つまり、ランチ直後に頭を使う作業は非効率なのだ。</p>

<p>自宅で働く人なら、脳が休憩を求めるその時間帯に昼寝をしたり、夕食の下準備といった家事をすませることもできる。オフィスで働いている人はそうはいかないが、形式的なメールの返信、単純な事務作業など、頭を使わなくてもできる作業をするという手がある。</p>

<p>ポイントは、クリエイティブで集中できる朝の貴重な時間をそういう簡単な作業に使ってしまわずに、あえて午後まで取っておくことだ。</p>

<p>ランチ後は散歩に時間を使うのも理にかなっている。身体を動かすことで認知機能が上がるし、血糖値が早く下がって眠気も緩和できる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「黄昏時の奇跡」&hellip;夕方に再び戻ってくる集中力</h2>

<p>では、朝を逃すと集中したり、クリエイティブな作業をしたりはできないのか。安心してほしい。集中力は15～16時頃にまた戻ってくる。</p>

<p>そこでやり残した仕事をピンポイントで進めることができる。たいていの職業の人なら、15～17時の２時間が「黄昏時の奇跡」。集中して仕事を進められるだろう。</p>

<p>ただ、残業しがちな人というのは、その集中力のまま定時後も作業を進めたいのかもしれない。</p>

<p>実際私も、翻訳をしていると15時くらいから調子が出てきて、夕食をつくる時間になっても中断したくないのが本音だ。</p>

<p>しかしスウェーデンの夕食は17時、ということは16時にはつくり始めなければいけない。そこで、昼過ぎに脳が休憩している時間帯に夕食の下準備をしておいて、集中力がみなぎる夕方は16時半まで、夫が夕食をつくる日は17時まで仕事をしている。とにかく貴重な15～17時を有効活用できるよう計画しているのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>だからこそ朝時間が大事</h2>

<p>出社して働くスウェーデン人はいくら集中力がのっていても、16～17時には仕事を切り上げて退社する。それがなぜかというと「人生で一番大事なのは仕事ではない」からだ。</p>

<p>仕事より大事なことが色々あって夕方以降は忙しい。だからこそ、午前中のクリエイティブの波と集中モードをがっつり活用して、できるだけ昼前には大事な仕事をすませておく。</p>

<p>逆に、昼過ぎは仕事がはかどらないもの。私自身もこれまで、「なぜ午前中と同じパフォーマンスを出せないのか」と自分を責めていたが、それが実に正常な脳のあり方なのだと理解し、その事実を受け入れて、計画を立てられるようになった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>４時間以上集中すると、翌日の生産性が低下&hellip;〈残業をしない〉科学的メリット</h2>

<p>肝心なのが、「残業をしないこと」だ。やりすぎると、翌日に響くことが証明されている。</p>

<p>49人のウィーン医科大学の学生に勉強時間や疲労度を報告してもらった2023年の研究で、１日に4時間以上集中した場合、夜ちゃんと寝ても疲れが翌日に残ってしまい、翌日のパフォーマンスに負担がかかるという結果が出ている。</p>

<p>午前中に3時間、夕方に1時間集中的に仕事をしたら、あとは帰るスウェーデン人（おそらくオーストリア人も？）の働き方がいかに理にかなっているか、私もこの研究結果を読んで驚いてしまった。スウェーデン在住日本人の多くも、「残業しても能率が下がるだけ」と言っていたが、それは本当に正しかったのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>脳をだまして「締め切りの奇跡」を起こせ</h2>

<p>〈パーキンソンの法則〉のことも覚えておくとよいだろう。</p>

<p>1955年にイギリスの歴史学者シリル・ノースコート・パーキンソンが「仕事の量は、完成までに与えられた時間をすべて使おうとするかのように膨張していく」と語ったのが名前の由来だ。</p>

<p>人間の脳は、その作業に与えられた時間をすべて使おうとするものらしい。そこには完璧主義や先延ばし、疲労や退屈といった様々な心理が関わっている。</p>

<p>ある仕事をどうしても１日でやらなければならないとすると、優先順位をしっかりつけて、一番大事なことから手をつけ、時間内にできることをやって提出するだろう。クオリティは100％ではないかもしれないが、わかりやすく20／80の法則にのっとれば、普段の20％の時間で80％の成果を出せた実感がある。</p>

<p>同じ仕事を今週中にやればいいとなると、最初はなかなかエンジンもかからないし、こだわったり丁寧にやったりして、最後には100％のクオリティになるかもしれないが、５倍の時間がかかる。ということは1日あたりの成果は20％ということになる。</p>

<p>私自身も覚えがある。翻訳の締め切りが何カ月も先だと思っているとまったく進まないが、逆に「やばい！ あと４週間しかない！」と焦ると奇跡的に締め切りに間に合う。今までの人生で何度、「締め切りの奇跡」が起きたか知れない。</p>

<p>残業に話を戻すと、「まあ、今日は20時までやってもいいか」と思えば20時までかかる。「17時に絶対に帰る！」と思えば間に合わせることができるかもしれないし、少し残っても翌日早めに来れば間に合うかもしれない。</p>

<p>脳は締め切りに合わせる。だからこそ、仕事を始める前に「今日は絶対に○時に帰る」、そう自分に宣言しよう。そうすれば脳がおのずとその締め切りに合わせてくれるだろう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 17 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[久山葉子（翻訳家、エッセイスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>司法解剖の費用は誰が払う？　最も現場が難航するのは交通事故だった  飯野守男（鳥取大学医学部法医学分野教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15114</link>
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			<description><![CDATA[司法解剖の費用は誰が負担し、いくら支払われるのか。長年、最前線に立つ飯野守男教授に解説していただく。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="司法解剖の実態" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_question.jpg" width="1200" /></p>

<p>司法解剖の費用は誰が負担し、いくら支払われるのか。その知られざる仕組みを探りながら、解剖結果が事件の結論を大きく左右する実態に迫る。また、交通事故の解剖は手間がかかることから、通常とは異なる費用の扱いがあるという。事例とともに、法医学の現場から見えるお金と真実の関係を紐解く。</p>

<p>※本稿は飯野守男著『法医学教授が教えている死体の授業』（飛鳥新社）より一部を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>死体の「解剖料」はどこから、いくら払われるのか？</h2>

<p>司法解剖の費用は誰が負担しているのか知っていますか？</p>

<p>司法解剖の目的は、死因を究明し、犯罪捜査に役立てるためです。そのため費用は公費負担となっており、警察庁の予算から各県警を通じて、解剖を行う大学医学部法医学教室へと支払われています。遺族が解剖費用を負担する必要はありません。</p>

<p>警察庁の取り決めで、司法解剖においては、１体につき１時間あたり、9360円の解剖費（解剖謝金）が法医解剖医個人に支払われます。さらに解剖結果を鑑定書にまとめると、別途、約５万円の鑑定書料が法医解剖医に支払われます。</p>

<p>解剖に要する時間が２時間、３時間と長引けば解剖費も比例して増額しますが、長くかかっても、支払われるのは５時間分、すなわち4万6800円までと上限額が決まっています。ちなみに、公費で負担されるとあって鑑定書の様式も「400字詰め原稿用紙が８枚以上」と定められており、字数もきっちりとカウントされます。</p>

<p>ただし、交通事故の死体の解剖料は例外で時間の上限がありません。なぜなら、交通事故の解剖はとんでもなく労力がかかるため、５、６時間以上かかることもめずらしくないからです。</p>

<p>交通事故の場合、目撃者があり搬送先の病院で死因が診断されることが多いため、解剖が行われることはほとんどありません。しかしひき逃げが疑われる場合は事件として解剖に回ってきます。</p>

<p>ひき逃げされた死体の特徴は、とにかく外傷が多いこと。</p>

<p>皮膚は裂け、骨があちこちで折れ、体のさまざまな部位に打撲傷ができるため、それらをくまなく調べ、最終的にどのような姿勢でどんな車両に轢かれたのか、そして死因となった傷はどれかを検証するのに、どうしても時間を要します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>何度も車にひかれた場合、誰が罪に問われるのか</h2>

<p>ただでさえ解剖に労力がかかるひき逃げ事件ですが、最も大変なのは被害者が複数台の車に時間差でひかれてしまったケースです。</p>

<p>たとえば、深夜にＡさんという人物が道路で車にひかれたとします。Ａさんは道路に倒れ込み、ひいた車はそのまま逃げてしまいました。その後、なにも知らない２台目、３台目の車がさらに時間差で、すでに路上に倒れているＡさんをひいてしまい、翌朝には傷だらけの死体として発見されることになった&hellip;。</p>

<p>この場合、罪に問われるのは１台目のドライバーだけでしょうか？<br />
それとも２台目、３台目のドライバーにも責任はあると思いますか？</p>

<p>このような事件の場合、重要なポイントは「いつまでＡさんが生きていたか」です。</p>

<p>１台目の車にひかれて即死していたのであれば、２台目の車はＡさんの死体をひいたことになります。法律では死体を車でひいてしまっても、罪には問われません。</p>

<p>では、１台目にひかれたあともＡさんは生きていて、２台目の車にひかれたことが原因で亡くなったのであれば？その場合は２台目のドライバーも罪に問われてしまいます。複数台にひかれた被害者の解剖では、外傷部分の出血量からそのあたりを正しく見極めなければなりません。</p>

<p>１台目の車にひかれた時点で心臓が破裂するなどして停止したのであれば、その後２台目、３台目にひかれたとしても、傷口から出血は起きません。心臓のポンプ機能が停止すると、全身に血液が送り出されなくなるからです。この理屈は、元栓が閉められた水道の蛇口を開けても水が出ないのと同じです。</p>

<p>一方で、１台目にひかれたあと全身にまだ血が流れている状態で２台目にひかれた場合は出血が確認できます。これは「まだ生きている証拠」で、法医学的にこれを生活反応と呼びます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>解剖が最も大変なのは「めった刺し」事件</h2>

<p>解剖の大変さでいえば、交通事故よりも場合によっては傷が多いことがある、いわゆる「めった刺し」事件も負けてはいません。</p>

<p>俗に「めった刺し」と呼ばれる状態は、加害者がナイフなどの刃物で何度も執拗（しつよう）に被害者を刺しています。ほとんどが負の感情が暴発しての凶行であるため、傷口も多く、深く、ランダムです。時には、全身に100カ所以上の切り傷がつけられている死体もあります。</p>

<p>めった刺し事件の被害者を解剖する際に、法医解剖医はすべての外傷に番号をつけ、それらの深さと長さを測り、皮膚の下のどんな筋肉が損傷し、さらにその下の臓器や血管が何ミリ切れているかまでひとつひとつ調べます。</p>

<p>100カ所の傷があっても、どの順番で切られていったかはおおよそわかります。</p>

<p>最初につけられた傷は、まだ心臓がきちんと動いているため出血量が多い。けれども、心停止したあとにつけられた傷からは、出血がありません。心臓が止まったあとに刺されても、ただ皮膚が切れて傷ができるだけで出血しないからです。</p>

<p>めった刺し事件の場合、相手が動かなくなってからも執拗に刺し続ける加害者が多いため、出血がない傷も多数みられます。</p>

<p>このような大小の傷をひとつひとつ比較しながら、最終的にどの傷が致命傷だったのかを法医解剖医は鑑定書に記す必要があります。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_question.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 16 Sep 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[飯野守男（鳥取大学医学部法医学分野教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ大人がぬいぐるみを持ち歩く？ 10～30代女性に広がる「ぬい活」、セガ フェイブが語る人気の理由  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15007</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015007</guid>
			<description><![CDATA[近年、おもちゃ業界で「キダルト」市場が盛り上がっています。「TOKYOおもちゃショー2026」で編集部が注目したのは、子どもだけでなく大人が持ち歩いて楽しめるぬいぐるみ。セガ フェイブに、その人気の背景を聞きました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="きゃらマロ" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260831nuigurumi03.jpg" /></p>

<p>近年のおもちゃのトレンドとして、大人が楽しめるおもちゃ・「キダルト」ジャンルが盛り上がっているのをご存じでしょうか。</p>

<p>先日開催された「TOKYOおもちゃショー」でも、懐かしのキャラクターをモチーフにした商品など、大人も楽しめるおもちゃが数多く並んでいました。会場を歩いていると、「おもちゃはもう、子どもだけのものではないのだ」と実感させられます。</p>

<p>そんななか、編集部が特に印象に残ったのが、セガ フェイブのブースです。</p>

<p>「アンパンマン プリちぃビーンズ」シリーズをはじめ、数多くのぬいぐるみ商品を手掛けるセガ フェイブ。この日のブースには、子ども向けの商品だけでなく、大人が身につけたり、持ち歩いたりしながら楽しめるぬいぐるみも数多く展示されていました。</p>

<p>なぜセガ フェイブは今、「大人に向けたぬいぐるみ」に力を入れているのでしょうか？　その背景やこだわりについて、CPプロモーション部の芦久保健一さんにお話を伺いました。</p>

<h2>メイン層は10代～30代女性</h2>

<p>―今日、ブースを見させていただいて、人気のキャラクターと食べ物モチーフを掛け合わせたしたぬいぐるみが多いなと思いました。これはトレンドを取り入れているのでしょうか？</p>

<p>そうですね。たとえば、この「Kawaii YumYum MART」シリーズは、サンリオの人気キャラクターとアメリカンダイナーを掛け合わせた商品です。ハンバーガーやパンケーキ、ポテト、ドリンクなど、アメリカンダイナーをイメージしたキャラクターたちが楽しめます。</p>

<p><img alt="KAWAII YAMYAM MART" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260831nuigurumi02.jpg" /></p>

<p>また、こちらの「きゃらマロ」シリーズは、スイーツのような見た目のディズニーキャラクターと、串に挿さったユニークなフォルムが特徴です。今、原宿系クリエイター・しなこさんの「グミマシュマロ棒」が話題になるなど、串型スイーツが話題になる中、トレンドにマッチした商品になっています。</p>

<p><img alt="きゃらマロ" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260831nuigurumi06.jpg" /></p>

<p>ぬいぐるみって、かわいいものを飾りたい、持ち運びたいというニーズがあると思うんですが、その中でも、かわいいキャラクターがかわいい食べ物になりきっている姿は、「かわいい」と「かわいい」の融合ということで、非常に魅力的ですよね。</p>

<p>―どのくらいの年齢層をターゲットにしているのでしょうか？</p>

<p>例えば「きゃらマロ」でしたら、10代から30代くらいの女性がメイン層です。</p>

<p>昔のように、ぬいぐるみで遊ぶ子どもたちというよりは、もう少し上の年代の方をターゲットにしています。</p>

<p>―今、ぬいぐるみは若い方にもよく売れているのでしょうか？</p>

<p>そうですね。ぬいぐるみの販売数や市場規模は、年々増え続けています。</p>

<p>弊社では年間で約1300万体のぬいぐるみを作っています。都民の数に迫る勢いですね。(笑)</p>

<p>その理由のひとつとして、もともとぬいぐるみは「家で遊ぶもの」だったのが、今は「外に持ち運ぶもの」になってきたことがあると思います。</p>

<p>例えばバッグにつけたり、旅行先にぬいぐるみを連れて行って「ぬい撮り」をしたり。そうした市場が拡大したことで、ぬいぐるみ自体の市場も非常に大きくなっています。</p>

<p>―「ぬい活」を応援するというか、ぬいぐるみを持ち運んだり、楽しんだりしやすくするグッズも結構見受けられました。</p>

<p>まさにそうですね。持ち運びやすくするだけでなく、持ち運んだ先で「こんなふうに楽しめますよ」と、さまざまな使い方を提案しています。</p>

<p><img alt="アクぬい" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260831nuigurumi05.jpg" /></p>

<p>例えば「アクぬいcollection」は、「アクスタ」と「ぬいぐるみ」を組み合わせた商品です。普段は、マスコット背面の凸パーツをアクリル製の台座に差し込んでディスプレイできます。</p>

<p>さらに、自立用のスティックをそのまま「ぬい撮り棒」として使えるため、家では飾って楽しみ、外出先ではぬい撮りを楽しむなど、シーンに合わせて活用できます。</p>

<p><img alt="アクぬい" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260831nuigurumi04.jpg" /></p>

<p>「きゃらマロ」は串から外して指につけられるので、ディズニーリゾートなどに一緒にお出かけする、といった楽しみ方もできます。</p>

<h2>大人たちのぬいぐるみブームの背景は？</h2>

<p><img alt="セガフェイブ担当" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260831nuigurumi08.jpg" /></p>

<p>―ちなみに、「ぬい活」はいつ頃から流行していたのでしょうか？</p>

<p>イメージとしては、コロナ禍のあとでしょうか。いつもは家でかわいがっていたぬいぐるみを、外にも持ち運ぼう、という流れが広がっていったように感じます。</p>

<p>本格的に「ぬい活」という言葉が取り上げられて浸透したのは、2025年の「新語・流行語大賞」にノミネートされたことも大きかったと思います。</p>

<p>―大人たちのぬいぐるみブームの背景には、何があると考えていますか？</p>

<p>直接的な答えになるかわかりませんが、やっぱり「推し活」があると思います。</p>

<p>自分の好きなキャラクターを推す。その「推し」とずっと一緒にいたい、という気持ちが形になって、ぬいぐるみを外にも連れて行くという楽しみ方に広がっているのかな、という気はしますね。</p>

<p>―ちなみにですが、セガフェイブさんで今イチオシのぬいぐるみは&hellip;</p>

<p>8月に発売したばかりということもあって、「きゃらマロ」シリーズですね。今日も本当にたくさんの方がこのブースを見て、盛り上がってくださっています。</p>

<p>ボールチェーンがついているので、バッグなどにつけることもできますし、指につけていると、こんなおじさんの手でも「かわいい」と言ってもらえるんですよ（笑）。</p>

<h2>ぬいぐるみは、大人の生活を彩るもの</h2>

<p><img alt="セガフェイブ　ぬいぐるみ" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260831nuigurumi01.jpg" /></p>

<p>「子どものもの」というイメージを超えて、大人の日常にもすっかり定着しつつあるぬいぐるみ。お気に入りのキャラクターを「推し」として身近に置くだけでなく、一緒に出かけたり、写真を撮ったり、SNSでシェアしたりと、その楽しみ方はますます広がっています。</p>

<p>今回の取材を通して感じたのは、「ぬいぐるみとどう過ごすか」という楽しみ方が大きく広がっているということ。飾る、持ち歩く、撮影するといった、大人ならではの楽しみ方に寄り添う商品が次々と生まれています。</p>

<p>子どもが遊ぶものだった「おもちゃ」は、いまや大人の「好き」を楽しむためのアイテムにもなっています。これからおもちゃメーカーがどんな新しい遊び方を提案してくれるのか、ますます目が離せません。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260831nuigurumi03.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 16 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>女性は50代から要注意！ 加齢による「腰曲がり」を防ぐ方法  大島清（京都大学名誉教授,医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14944</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014944</guid>
			<description><![CDATA[カルシウムを摂るだけでは骨は太くならない？医学博士・大島清氏の著書より、骨粗鬆症を防ぎ骨密度を高めるメカニズムを解説。1日1万歩のウォーキングで大地を踏みしめ、一生歩ける強い骨をつくるヒントを紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ウォーキング" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hizawalkingkoshi.jpg" width="1200" /></p>

<p>40代以降は筋肉の衰えとともに基礎代謝が低下し、太りやすくなります。健康と代謝を保つには、全身の筋肉の約7割が集まる足腰を鍛えるため、「1日1万歩」を目安に歩くことが大切です。</p>

<p>実は歩くことの効果は、筋肉や代謝の維持だけではありません。丈夫な「骨」をつくり、骨粗鬆症を防ぐためにも歩行運動が不可欠なのです。</p>

<p>本記事では、医学博士・大島清さんによる書籍『歩くとなぜいいか』より、一生歩ける強い骨をつくるヒントをご紹介します。</p>

<p>※本稿は、大島清著『歩くとなぜいいか』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>歩くと「骨」がじょうぶになる</h2>

<p>腰が曲がったおじいさんはあまり見かけないが、腰が曲がったおばあさんはよく見かける。腰が曲がるのは骨粗鬆症が原因なのだが、これは主に2つの要因によると考えられている。</p>

<p>第一は女性の方が骨粗鬆症になりやすいという点、第二は女性の方が男性より若い年齢で骨粗鬆症になりやすいという点だ。男性が骨粗鬆症を心配しなければならないのは70代後半といわれている。平均寿命が尽きるころだ。一方女性はすでに50代前半で腰が曲がる心配をしなくてはならなくなる。</p>

<p>いずれも女性ホルモンが影響しているのだが、とりわけ女性は意識して骨をじょうぶに保つようにする必要がある。</p>

<p>こんなふうに書くと、それなら男性は骨のことは心配しなくていいのかと思われるかもしれない。しかしそんなことはない。</p>

<p>骨をもろくするのは骨粗鬆症ばかりではない。運動不足、タバコの吸いすぎ、過度の飲酒なども骨を細くする原因と考えられている。</p>

<p>筋肉と同じように、骨も鍛えなくては強くならないのだ。無重力の宇宙空間に長くいると、宇宙飛行士の骨密度が減少してしまうということもよく知られるようになった。</p>

<p>歩かないと、骨も弱くなる。</p>

<p>骨密度を高め、骨粗鬆症を防ぐためには骨の成分であるカルシウムを摂る必要がある。女性も男性もホルモン分泌が少なくなると、骨からカルシウムが溶け出してしまう。これが骨を弱くする原因なのだが、カルシウムを摂るだけではうまく骨に吸収されない。</p>

<p>カルシウムの吸収を助けるビタミンＤと、ビタミンＤの働きを強める太陽の光が必要になる。それともう一つ、運動が欠かせないのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>アメリカで行われた調査からわかったこと</h2>

<p>更年期を過ぎた女性を対象にしたアメリカの調査がある。</p>

<p>この女性たちにカルシウムとビタミンＤを十分に摂ってもらいながら週3回、1日あたり1時間程度のウォーキングなどの運動をしてもらう。これを1年から2年かけて行い、その前後で骨密度を測定するという調査だ。</p>

<p>調査終了後の骨密度は明らかに向上したとされているが、その後追跡調査をしたところ、運動をやめてしまった人はカルシウムとビタミンＤを摂り続けていても、わずか1年で元の骨密度に戻ってしまったと報告されている。</p>

<p>このことからも、骨粗鬆症を予防し、骨密度を高めておくためには、カルシウムとビタミンＤの摂取だけではなく、運動が欠かせないということがよくわかる。</p>

<p>今はカルシウム飲料や各種ビタミンが出回っており、清涼飲料水の感覚でカルシウムを補給することができる。</p>

<p>ごくごくっと飲むとそれだけでなんとなくカルシウムが補給されたような気分になる。しかしこれだけではカルシウムが体の中を素通りしていくに過ぎないのだ。</p>

<p>大地を踏みしめて歩くという行為がなければ、カルシウムは吸収されない。寝ころんでテレビを見ながらカルシウムを補給しても、骨は太くならないということを肝に銘じておきたい。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hizawalkingkoshi.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 16 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大島清（京都大学名誉教授,医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>『プレバト!!』水彩画の野村重存さんが教える「立体的に描くための明暗のつけ方」  野村重存（画家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12872</link>
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			<description><![CDATA[画家の野村重存さんが教える「立体的に描くための明暗のつけ方」とは？]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="野村重存" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250423Nomurashigeari0.jpg" width="1200" /><br />
写真：小池彩子</p>

<p>テレビ番組「プレバト!!」（MBS/TBS系）の水彩画コーナーで大人気の絵の先生・野村重存さんは、「絵のセンスや才能がない」と思っている超初心者、さらにその前段階の初心者未満の人でも、「必ず上手な絵を描くことができる!」と語ります。</p>

<p>本稿では絵の超初心者・Iさんが、&quot;立体的な絵を描くための明暗のつけ方&quot;について教えてもらいました。</p>

<p>※本稿は、野村重存著『野村重存の世界一わかりやすい絵の授業』（PHP研究所）から一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>明暗のいちばんのポイント</h2>

<p>野村：それでは、突然ですが、テーブルの上に1個の「卵」が横向きに置かれている様子を想像してみてください。</p>

<p>I：横向きの卵......ですか?</p>

<p>野村：明暗の描き方を説明するのに、いちばんわかりやすい題材なんです。もし、その卵に真上から光があたるとしたら、Iさんなら、どこを暗くしますか?</p>

<p>I：うーん......。まるいものに真上から光があたるので、卵の下半分を濃く描くといいんじゃないですか......（チラッ）。</p>

<p>野村：今、自信がなさそうな目で私の顔を見ましたね（笑）。たしかに卵の下半分を濃く描くんですが、それだけじゃ立体感は出ないんです。卵を描くので、ちょっと待ってくださいね。サラサラサラ。</p>

<p><img alt="" height="1190" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250822Nomurashigeari01.jpg" width="1200" /></p>

<p>I：うわっ、すごい!</p>

<p>野村：こんなふうに、正しい明暗の表現ができると、立体感が出て本物の卵みたいに見えるんです。さて、この卵、下半分は、すべて同じ暗さでしょうか?</p>

<p>I：違いますね。真ん中よりも少し下が暗くなっていて、それより下は逆に少しだけ明るくなっているように見えるのですが。</p>

<p>野村：その通り。</p>

<p>I：でも、なんで真ん中よりも下のほうが明るいんですか?</p>

<p>野村：明暗の仕組みがわかると納得できると思いますよ。卵の上半分は光があたっているから明るい。これは、わかりますよね。大切なのは、下半分です。実は、下半分には、卵を置いているテーブルにあたった光が反射するんです。これを「反射光」といいます。</p>

<p>I：なるほど、光が反射するのか! だから、下半分にも薄く明るいところができるんですね。</p>

<p>野村：一方、テーブルに反射した光が届かない真ん中のすぐ下あたりは暗くなる。これを「明暗の黄金法則」として丸暗記してください。</p>

<p>I：黄金法則!　でも、野村先生、今、私の目の前にある実物のりんごの明暗は、その法則通りになっていない気がするんですが......。</p>

<p>野村：実物が法則通りに見えないことはよくあるんです。明暗の表現は、「こうやって描けばリアルに見える」という代表的なテクニック。丸暗記がいちばんです!</p>

<p>I：見たそのままを描こうとせず、法則を覚えて、それを使って描くことがリアルな絵につながるのかぁ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>リアルさが半減する斜線</h2>

<p><img alt="" height="810" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250822Nomurashigeari02.jpg" width="1200" /></p>

<p>野村：それでは、黄金法則を知ったところで、実際に明暗を描いてみましょう。法則通りに斜線を入れていってください。よーい、スタート!</p>

<p>I：まずは、真ん中より少し下のところを濃くして......と。サッサッサッ。</p>

<p>野村：えんぴつをねかせ気味にして、もっと弱い筆圧で斜線を重ねていきましょう。</p>

<p>I：野村先生、斜線は全部同じ方向でいいですか?&nbsp;</p>

<p>野村：ときどき傾きを変えたり、横向きに線を入れたりして、パターン化しないことが大切です。そのとき注意したいのは、斜線と斜線が「ひとつながり」にならないようにすることです。</p>

<p>I：ひとつながり?</p>

<p>野村：たとえば、今、Iさんが斜線を入れたところを見てください。上の図の右のように、下から上に向かって隣の斜線、隣の斜線へと進んでいくときに「返し」のあとが見えるでしょう? そうなると、いかにもあわてて描いた雑な感じが出て、リアルさが半減します。図の左のように斜線を重ねて、あいまいな「面」にするイメージで描いてみてください。</p>

<p>I：面にするイメージですね! サッサッサッ。</p>

<p>野村：そう、うまいですね。明暗の表現のもう1つのポイントは、下の図の左のように真ん中から上半分にも少し斜線をのばすことです。</p>

<p><img alt="" height="812" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250822Nomurashigeari03.jpg" width="1200" /></p>

<p>I：そういえば、さっきの卵のお手本も、そうなっていましたね。光があたっている上半分にも少し斜線をのばすのは、なんでですか?</p>

<p>野村：りんごの「まるみ」を表現できるからです。斜線が下半分だけに集中すると、図の右のように明暗の境目がくっきりできてしまい、不自然になるんですね。</p>

<p>I：なるほど。それじゃあ、上半分にも少しだけ斜線をのばして......と。</p>

<p>野村：ほら、まるみが出ましたね。</p>

<p>I：本当だ! どんどん立体感が出てきて、こりゃ楽しい!</p>

<p>野村：ちなみに、まるみのないカクカクしたものの場合は、下の図のように、りんごとは反対に、あえて明暗の境目をつくります。こんなふうに、角の境目のところで明暗をくっきりさせることでカクカク感が出るんですね。</p>

<p>I：明暗の表現って、奥が深いんですね。</p>

<p><img alt="" height="1190" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250822Nomurashigeari04.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250423Nomurashigeari0.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 16 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[野村重存（画家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>AIで作業を減らしても「多忙感」が消えない理由　7つ当てはまったら危険信号  菅原洋平（作業療法士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15072</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015072</guid>
			<description><![CDATA[脳の仕組みを活かして、「多忙感」から抜け出す方法を菅原洋平さんが解説してくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="多忙感" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tiredwoman_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事や家事などをこなす中で、「忙しい」と感じている人は多いはず。でもその「多忙感」は、もしかしたら自らが作り出しているのかもしれません。作業療法士の菅原洋平さんが、多忙感から抜け出す方法を教えてくれました。</p>

<p>※本稿は、『PHPスペシャル』2026年10月号より内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>脳に必要なのは「余白」</h2>

<p>近年、急速にAIが進化して生活に浸透したこともあり、仕事も家事も劇的に効率化されたと言われています。それにもかかわらず、「忙しいという感覚」から、なかなか解放されない――。あなたは、そんなふうに感じていませんか？</p>

<p>じつは今、多くの人が同じ違和感を抱えています。前より「多忙」ではない、もしくはやることがそんなに変わっていないはずなのに忙しいと感じる状態＝「多忙感」に陥ってしまっているのです。</p>

<p>その原因は、脳という臓器の仕組みにあります。「メールが届けば確認する」「通知が鳴ればスマホを見る」「誰かに呼ばれたら対応する」といったことから、「脳とは刺激に反応する臓器」だと、私たちは思いがちです。</p>

<p>しかし、脳は本来、「予測する臓器」です。脳は過去の経験をもとに、「次はこうなるだろう」と先の展開を予測し、それに必要な準備を整えていきます。つまり、脳が本来の力を発揮するには、「予測する間」が必要なのです。</p>

<p>ところが現代人は、「効率化」の名のもとに、その時間を削り続けています。たとえば料理をするときも、食材を眺めながら「どんなふうに作ろうか」と考えるより前に、AIにレシピを提案させ、その指示に従いながら作ったりすることが増えたのではないでしょうか。こうなると脳は、予測する間もなく目の前の情報に反応するだけになってしまいます。</p>

<p>そもそも反応というのは、予想外の出来事への緊急対応。いきなり敵に襲われるのと同じですから、無意識のうちに心拍や血圧が上がって、余計なエネルギーを使うことになってしまうのです。</p>

<p>時間を節約しているはずなのに、なぜか疲れる、焦りを感じる。その背景には、効率化のせいで脳が予測する余白を失い、ひたすら反応ばかりしているという実態があります。</p>

<p>これこそが、やることが多いという物理的な「多忙」とは別の忙しいという感覚――すなわち「多忙感」の正体なのです。</p>

<p>【「忙しさ」には２種類ある！】<br />
・多忙&hellip;実際にやることが多い状態<br />
・多忙感&hellip;実際の業務量や時間の制約以上に、「忙しい」「疲れる」「時間に追われている」と感じてしまう状態</p>

<p>&rarr;「多忙感」に陥っていると、やることを減らしたり、効率的に作業をこなしたりしても、「頭の中の忙しさ」は残り続けます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分の状態をチェック！</h2>

<p>まずは、あなたの「多忙感」のレベルを確認してみましょう。以下の中で、当てはまると思う項目にチェックを入れ、数えてみてください。</p>

<p>□「いつも時間に追われている」と思う<br />
□メールに返事を出して数秒後に、メールをチェックすることがある<br />
□メッセージやメールの通知が来たら、即反応する<br />
□やるべきことがわかっているのに、ついボーッとしてしまうことがある<br />
□タスクを片づけても「やりきった感」がない<br />
□休んでいると罪悪感にとらわれる<br />
□仕事の用語や相手の名前を思い出せないことがある<br />
□予定を詰め込みすぎて、１日の終わりにぐったりしている<br />
□会議や打ち合わせのあと、頭をうまく切り替えられない<br />
□休んでいたわけではないのに、「今日は何もしていなかった」と感じることがある</p>

<p>・0もしくは１つ～２つ<br />
今のところ、「多忙感」の症状は出ていないようです。少し気をつければ、今後もこの状態をキープできるでしょう。</p>

<p>・３つ～４つ<br />
「多忙感」の兆候が出始めています。このレベルならリセットもしやすいので、早めに対処することが大切です。</p>

<p>・５つ～６つ<br />
脳にかなりの負荷がかかり、「多忙感」が定着し始めています。ここで立て直さないと、心身に悪影響を及ぼす危険性があります。</p>

<p>・７つ以上<br />
すでに深刻な「多忙感」に陥っている可能性大。最後で紹介している「多忙感」から抜け出す方法を、すぐに実践してください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>多忙感の３大症状</h2>

<p>「多忙感」は段階を経て強まり、最終段階まで進むと、記憶力や集中力、時間感覚などを司る脳の機能が低下し、次のような症状が現れます。</p>

<p>多忙感がもたらす症状①　物忘れ<br />
一時的に記憶を保持してすぐに取り出す「ワーキングメモリ」の働きが低下し、さっきまで考えていたことや、やろうとしていたことを思い出せなくなります。「何をしようとしていたんだっけ？」という場面が増えたら要注意です。</p>

<p>多忙感がもたらす症状②　ボーッとする<br />
会議や会話の最中なのに話が頭に入らない、資料を読んでいても内容がなかなか理解できないなど、集中力が阻害された状態です。集中しているつもりが、気づくと別のことを考えている場合も。</p>

<p>多忙感がもたらす症状③　あっという間に時間が過ぎる<br />
時間を管理する脳内の時間細胞がうまく働かなくなり、時間感覚が狂ってしまいます。少し作業したつもりが、気づけば数時間経っていることも。それが、「いくら時間があっても足りない」という焦りにつながります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【予兆に気づこう】<br />
無自覚のうちに生まれ、気づけば上に挙げたような症状が現れるのが「多忙感」の怖いところ。次のことを無意識にしていたら、「多忙感」の初期段階です。体からのサインに敏感になって、最終段階に進まないように早めの対処を心がけましょう。</p>

<p>・会話中にアクセサリーや髪を触る<br />
・指を鳴らす<br />
・机を指で叩く<br />
・座っているときに靴をコツコツ鳴らす<br />
・貧乏ゆすりをする<br />
・スマホなどの操作中に息を止める<br />
・食事以外で上下の歯が噛み合う<br />
・口が開いて口呼吸になる<br />
・瞬きが減り、目が疲れる</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>多忙感を生む2大要因</h2>

<p>「多忙感」が生まれるのは、脳の予測が邪魔されて、ひたすら反応に追われてしまうから。その大きな要因となっているのが、「脳疲労」と「外乱」です。</p>

<p>①脳疲労：エネルギーの消耗</p>

<p>脳が使えるエネルギーは限られています。そのため、大量の情報に触れ続け、複数のことを同時にこなし、判断作業を何度も続けて行なっていれば、すぐにキャパオーバーに。こうして「脳疲労」に陥った脳は、同じ量のタスクでも重たく感じ、うまく処理できなくなります。本来行なうべき予測もうまくできず、「多忙感」へとつながります。</p>

<p>②外乱：注意力を奪う刺激</p>

<p>メールやチャット、SNSの通知など、こちらが意図しないタイミングで脳の注意を奪いにくるのが「外乱」です。こうした刺激が入るたびに脳は反応しなければならず、やっていた作業に対する予測の流れも途切れてしまいます。もともと脳疲労が起きているところにこうした外乱が押し寄せれば、脳はさらにエネルギーを消耗し、予測する余裕をますます失うことになるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>多忙感から抜け出す方法</h2>

<p>脳の仕組みを活かして忙しさから解放されるための方法を覚えておきましょう。</p>

<p>ここまでお話ししてきたように、私たち現代人は、表面的な効率化を優先するあまり、「予測する臓器」である脳の働きを無意識のうちに邪魔しています。そして、次々と押し寄せる刺激に反応し続けることで、強い「多忙感」に悩まされているのです。</p>

<p>「多忙感」から抜け出すために大切なのは、「反応モード」から本来の「予測モード」へと脳を戻していくことです。脳に予測する余裕を与え、脳の予測を邪魔するものを減らし、脳の予測をうまくあと押しする工夫をしましょう。</p>

<p>そうして脳が本来の働きを取り戻せば、「多忙感」は自然と解消されていくはずです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●通知設定をオフにする</p>

<p>メールやチャットの受信を知らせる通知機能は、脳にとっては予測していない刺激以外の何物でもなく、そのたびに反応を強いられることになります。</p>

<p>通知設定の中でも、とくに通知音はオフにして、必要なときに自分の意思でチェックする癖をつけましょう。たったこれだけでも脳が刺激に振り回されにくくなり、「多忙感」の軽減につながります。</p>

<p>●「どうやってやろうかな」とつぶやく</p>

<p>脳が予測するのは、「何をやるか」ではなく、「どうやってやるか」です。そのため、何かをやろうとするときは、「どうやってやろうかな」と口にしてみてください。その言葉があと押しとなり、脳は、どのように行動するかを勝手にイメージし始めます。さっきまで漠然としていたタスクが、実行可能な小さなタスクへと変わるでしょう。</p>

<p>予定を書く場合も簡単でいいので、「買うものをリストアップする」「参加者名簿をエクセルにまとめる」など、「どんなふうにやるか」までを書いておくのがおすすめです。</p>

<p>●やるべきことに少しだけ手をつける</p>

<p>脳は、4つ以上のタスクは覚えられないと言われています。「やらなきゃ」と思っているだけでも、脳はそれをやるべきタスクの１つとしてカウントしてしまうため、すぐに容量がいっぱいに。</p>

<p>脳の容量を空けるために、ほんの少しでいいので「やらなきゃ」と思っている作業に手をつけてみましょう。たとえば「企画書を書く」という仕事なら、資料を開く、タイトルだけ決めるなどしてみてください。それだけで脳がスッキリして脳内で予測が進みます。すぐにできない場合は、いつするか決めればタスクを脳から外せます。</p>

<p>●脳の予測タイムを挟む</p>

<p>一気にまとめてやってしまおうと思って同じ作業をやり続けることも、脳の予測する間を奪ってしまいます。15分ごとを目安に「ちょっと疲れたな」「飽きてきたな」と感じたら、一度作業から離れ、少し歩いたり、ファイリングなどの単純作業をしたりしてみましょう。</p>

<p>脳はその間に予測を進めてくれるので、戻ったあとの作業がぐっとラクになるはずです。</p>

<p>●15分間、1つの作業に没頭する</p>

<p>「今日はこれをやる」と決めたら、15分でいいのでテレビやスマホ、ゲーム機など注意が向くものを一切排除した環境で、決めた１つの作業だけを行なうようにしてみてください。難しければ、10分、5分だけでもいいです。</p>

<p>そうすることで、脳が慣れきってしまった「反応モード」から解放され、本来の「予測モード」に戻りやすくなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【多忙感だけでなく充足感を手に入れよう】</p>

<p>時間やタスクに振り回される「多忙感」の対極にあるのは、「自分がやりたいことを思うようにやれている」という「充足感」です。次々と反応するだけの毎日では「多忙感」が積み重なるだけですが、やることが多くて物理的には忙しくても、自分で考え、自分で選び、自分の意思で行動できているとき、人はそれほど疲れません。だからこそ大事なのは、脳を本来の使い方に戻し、自分はこうすると決めて動くこと。</p>

<p>「朝起きたらカーテンを開けて、気持ちよく伸びをする」など、やろうと決めたことから１日を始めるだけでも、「充足感」を感じやすくなりますよ。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 15 Sep 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[菅原洋平（作業療法士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>異動が多いとキャリア構築は難しい? 自信をつけるためには（働く女性のための相談室）  藤井雅子</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12839</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012839</guid>
			<description><![CDATA[月刊誌『PHPスペシャル』の連載「働く女性のための相談室」より。キャリア構築に悩むという女性に公認心理師の藤井雅子さんがアドバイスします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>月刊誌『PHPスペシャル』での連載「働く女性のための相談室」に寄せられた、仕事で自信が持てずモヤモヤを抱える方からのお悩み。公認心理師の藤井雅子さんがアドバイスします。</p>

<p>※本記事は月刊誌『PHPスペシャル』2024年8月号より抜粋・編集したものです<br />
※記事内の写真はすべてイメージです</p>

<p>【回答者・藤井雅子（ふじい・まさこ）】<br />
公認心理師。女性のためのカウンセリングルーム「メンタルエステココロの部屋」主宰。感情のコントロール、コミュニケーション、アダルトチルドレンのサポートがライフワーク。著書に「ココロを軽くする考え方のレシピ」(清流出版)などがある。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>Ｑ　【相談】自信がもてないのは、異動のせい？</h2>

<p>新卒で入社してから10年で、すでに4つの部署を経験しています。同じ部署に3年以上在籍したことがありません。「やっと慣れてきた」と思ったら異動辞令が出て、次の場所へ移るというサイクルを繰り返しているせいか、何事にもプロとしての自信がもてない状況で、毎日モヤモヤ。異動経験が少なく、特定のスキルを深めている他の同僚たちが羨ましいです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>A　【回答】自信をつけるために、専門性よりも必要なこと</h2>

<p>入社して10年となれば、たしかにそろそろ何かしらのスキルを身につけていてもいい頃合いではあるので、現状に対して焦りを感じるのも無理はないかと思います。</p>

<p>組織によっては、定期的な異動で組織内のさまざまな業務を体験させることもありますが、それでも10年で4回の異動はやや多い印象ですね。</p>

<p>ここで質問です。</p>

<p>あなたは、仕事に何を求めていますか。専門性を磨いてキャリアアップしていきたいのか、安定性を求めているのか、まずは自問自答しましょう。</p>

<p>次に、異動に関するモヤモヤを上司や人事に相談されたことはありますか。</p>

<p>また、深めたいと思っているスキルやキャリアが今、具体的にありますか。</p>

<p>最後に、自信がもてないのは、本当に異動のせいでしょうか。</p>

<p>もしまだ上司や人事に相談されたことがないなら、ぜひ勇気を出して相談してみましょう。定期面談のときでもかまいません。その際、あなたの希望を聞かれるでしょうから、そのためにも自分が何を望んでいるかを掘り下げておきましょう。</p>

<p>今回私がいちばん気になったのは、自信がもてない原因が異動や職場環境など、自分の外にあるかのようにおっしゃっていることです。</p>

<p>自信をもつために必要なのは、専門性よりも、「自分の傾向をよく知り、やりたいことや適性に合った納得のいく働き方をすること」だと私は考えています。</p>

<p>今まで4つの部署を経験されたのですから、自分の得意不得意、好き嫌いはだいぶわかったことでしょう。また、業務の幅が広がったことで適応力は磨かれたはずで、今後の自己アピールに大いに活用できるのではと思います。</p>

<p>これは、自分にとっての幸せを考えるいい機会です。安定第一ならオフの時間の充実、キャリアアップしたいなら勉強など、自分のために自ら動いていきましょう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman_1.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 15 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[藤井雅子]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ネガティブな感情を長引かせない　「脳に安心感を与える」今日からのセルフケア5選  鈴木祐（サイエンスジャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15013</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015013</guid>
			<description><![CDATA[仕事のプレッシャーや人間関係のトラブルといった日々のストレスを軽減させる方法を、サイエンスジャーナリストの鈴木祐さんが紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="鈴木祐著『最高の状態 無』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_memo.jpg" width="1200" /></p>

<p>仕事のプレッシャーや人間関係のトラブル、環境の変化――日常生活の中で感じるストレスは人それぞれですが、少しでも苦しみを軽減させる方法を知っていると気持ちが楽になるでしょう。本稿では、鈴木祐さんの著書『最高の状態 無』より、心理療法や認知行動療法などで使われている「簡単に実践可能なセルフケア」を紹介します。</p>

<p>※本稿は、鈴木祐著『最高の状態 無』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>セッティングを整える</h2>

<p>セッティング(物理的、社会的、文化的な環境の状態＝周囲の環境)を整える具体的な手法は、「避難所を作る」「グラウンディング」の2つです。まずは「避難所を作る」から見ていきましょう。</p>

<p>【避難所を作る】</p>

<p>セッティングの調整に取り組むに当たっては、自分の部屋の改善が第一歩です。室内の整頓、観葉植物の導入、好きな家具の導入など、あなたが快適に思えるような部屋作りは、いずれも脳に安心感を与える働きを持ちます。</p>

<p>ただし、どんなに自分の部屋を整えても、自分のコントロールが及ばない職場や学校などはどうにもなりません。そんなケースに備えて、ここでは脳内に自分だけの「避難所」を作る手法を紹介します。</p>

<p>あなたが心から安心感を抱ける環境を頭の中に用意し、必要に応じて逃げ込めるようにしておくのです。</p>

<p>・セーフプレイスワーク</p>

<p>セーフプレイスワークは心理療法で使われる技法で、不安や神経症に悩む人によく使われます。具体的なやり方を見てみましょう。</p>

<p>①落ち着ける環境でゆったりと座って目を閉じる。</p>

<p>②「私にとって心から安心できる場所や状況はどのようなものだろう？」と考え、何らかのイメージが頭に浮かぶのを待つ。そのイメージは、あなたが以前に行ったことのある場所かもしれない。いつか訪れたいと夢見る場所かもしれない。映画で見かけた場所かもしれない。</p>

<p>③思い浮かべた場所を観察し、さらに細かい部分を意識する。もし建物があるなら、どのような形でどのような素材が使われているのか？もし花畑のようなイメージを浮かべたなら、どのような色彩が広がっているのか？他に何か気づくことはあるか？できるだけ細かく想像するほど、安心感は上がりやすくなる。</p>

<p>④あなたのイメージの中に発生している音、または静寂に意識を向ける。遠くでどんな音が聞こえるか？近くの音は？耳をすますと聞こえてくる音は？こちらもできるだけ細かくイメージする。</p>

<p>⑤肌の感覚に焦点を当てる。足裏に感じる地面の硬さ。周囲の温度・湿度。空気の動き。あなたが触れることができるすべてをクリアに思い描いていく。</p>

<p>⑥最後に、思い描いたイメージに点数をつける。「全く安心感がない」なら0点で、「心からの安心感がある」なら100点。最終的に80点以上のイメージが生まれるまで、何度か同じワークを続ける。</p>

<p>この技法で重要なのは、イメージを積極的に思い描いてはいけない点です。「これは南国のイメージだから、こんな植物が生えているだろう」などと理屈で想像を広げるのではなく、「自分にとって安全な場所とは？」という疑問に対して、「セーフプレイス」の情景が自然と内側にわき上がるのを待ちましょう。</p>

<p>もしここで良いイメージが出てこなくても問題ありません。何度も繰り返すたびに、少しずつ適切な「セーフプレイス」が浮かぶようになります。完成した「セーフプレイス」は、ぜひ日常のストレスに対して使ってください。職場や学校で嫌な感情が昂ったとき、寝る前に急な不安に襲われたときなどは、静かに目を閉じて脳内に「セーフプレイス」を立ち上げ、しばらくイメージの中に留まりましょう。</p>

<p>私たちが体験する世界は、そもそも大半が脳内イメージで作られています。そのため、私たちの脳は現実のデータと想像のデータをうまく区別できず、頭の中で組み立てた映像もリアルなものとして取り扱います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>脳を安心させる「ソーシャルサポートワーク」</h2>

<p><img alt="鈴木祐著『最高の状態 無』" height="1511" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260901saikonojotai03.jpg" width="1200" /></p>

<p>こちらも認知行動療法でおなじみのテクニックです。他者とのつながりの感覚を増やして、脳に安心感を与えるために使います。人類は常にグループの中で生きてきたため、社会からの孤立には慢性的なストレスを感じます。逆に、信頼できる他者さえいれば、大きな安心感を覚えるように進化しました。</p>

<p>ブリガム・ヤング大学など148の先行研究をまとめた調査では、孤独感はタバコや運動不足よりも身体に悪いと報告されています。そこで「ソーシャルサポートワーク」では、改めて社会との関係性を確かめるエクササイズを行います。</p>

<p>①ネットワークリストの作成</p>

<p>まずは自分の社会的ネットワークに存在する人を、思いつくだけリストアップします。次の例を参考にしてください。</p>

<p>・親しい人：親しい友人、家族、同僚など</p>

<p>・顔見知りの人：たまに挨拶する隣人、いつものコンビニの店員、よくすれ違う人など</p>

<p>・あこがれの人：自分が理想とする人、尊敬する過去の偉人、好きな映画や本の架空のキャラなど</p>

<p>・助けになりそうな人：主治医、かつての恩師、法律相談所、ネットのコミュニティなど</p>

<p>リストができたら、各人物について「私はこの人にどれぐらい親密さを感じるだろうか？」と考え、親しみを感じる人やキャラクターを最低でも15人ほど図のようにサークルに書き込みます。親しみが大きい人ほど円の内側にドットを打ちましょう。</p>

<p>②ソーシャルサポート分析</p>

<p>記入を終えたサークルを見ながら、次の質問について考えてみてください。</p>

<p>・この中でどの人物ともっと時間を過ごしたいだろうか？</p>

<p>・親密な人と接触する時間を増やすために、何ができるか？</p>

<p>・いまの悩みや困りごとを相談できる人はいるだろうか？もしいない場合は、専門の組織や機関、自助グループに相談はできないだろうか？</p>

<p>「ソーシャルサポートワーク」は以上です。書いた紙は常に持ち歩き、ネガティブな感情がわいたときに見返してください。</p>

<p>この作業を行うと、たいていの人は「私は社会の中で生きている」「いざというときに頼れる存在がいる」という事実に改めて気づき、直後からストレス反応が低下します。これからの人生で新たなソーシャルサポートが現れたら、随時リストに加えていくと良いでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>苦しみの減少を試みる「グラウンディング」</h2>

<p><img alt="鈴木祐著『最高の状態 無』" height="881" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260901saikonojotai04.jpg" width="1200" /></p>

<p>「グラウンディング」は心理療法の世界で使われるテクニックで、&quot;現在&quot;に心を引き戻すノウハウの総称です。</p>

<p>私たちが苦しみをこじらせるのは、脳が「自己」を起点に未来または過去へとイメージを広げるせいで、ネガティブな感情が増すのが大きな原因。人類の悩みが尽きないのは、あなたの意識が&quot;現在&quot;からそれてしまうからです。</p>

<p>そこで「グラウンディング」では、未来と過去に向かった意識を&quot;現在&quot;に引き戻すことで、苦しみの減少を試みます。&quot;現在&quot;は未来の不安と過去の失敗が存在しない安全地帯であり、目の前の世界から振り落とされなければ、それ以上の災いは起きようがありません。いわば、&quot;現在&quot;を結界に使うのです。</p>

<p>それでは、代表的な「グラウンディング」の手法を紹介しましょう。自分の中にネガティブな感覚がわいてきたら、次のテクニックをいくつか試してください。</p>

<p>・自己解説法</p>

<p>自分の名前、年齢、いまいる場所、いましていること、次に何をするつもりかを口に出して説明する手法です。「私の名前は◯◯、40歳。いまはオフィスにいて、プレゼンの資料を作っている。このあとは、いつものカフェでランチを食べて......」といった具合に、いまの状況を淡々と実況しましょう。すぐに意識が現在に向き、数分もすれば気持ちが楽になるはずです。</p>

<p>・54321法</p>

<p>五感を駆使して行うグラウンディングです。急な不安に襲われたり気持ちがふさいだりしてしまったら、次のステップで&quot;現在&quot;に復帰しましょう。</p>

<p>①いま目に見えるものを5つピックアップする。「カーペットのシミの色」や「壁の傷」など、まわりを見渡して、普段は気づかないものを選ぶ。</p>

<p>②触覚で感じられるものを4つピックアップする。服の肌触り、テーブルの表面の滑らかさなどに意識を向ける。</p>

<p>③耳で聞くことができるものを3つピックアップする。外を走る車のエンジン音、鳥のさえずりなど、普段は気づかないものを選ぶ。</p>

<p>④鼻で嗅ぐことができるものを2つピックアップする。室内の香り、調理中の食べ物の匂いなどを意識的に味わう。</p>

<p>⑤最後に、いま味わうことができるものを1つピックアップする。飲み物を口にしたり、ガムを噛んでみたりと、舌の上に起きる感覚を味わってみる。</p>

<p>途中で意識がそれても、慌てず五感に戻る作業を繰り返しましょう。意識を戻す度に脳は安心感を覚え、ストレス反応が下がります。</p>

<p>・暗算法</p>

<p>頭の中だけで100から7ずつ引き算を行い、0になるまで繰り返します。できるだけスピーディに計算を続けてください。暗算は脳の負荷が高い行為なので、何度も続けるうちに頭の中が計算に占有され、自然と未来や過去から意識をそらしやすくなります。</p>

<p>以上のテクニックは、何か嫌なことがあったときの応急処置としても使えますし、感情コントロールの手法としても効果的です。1日10〜15分を目安に行ってください。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_memo.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 15 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木祐（サイエンスジャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>中国のお弁当文化から見える“気楽な子育て”「手作りせず、買えばいい」  中島恵（フリージャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14987</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014987</guid>
			<description><![CDATA[お弁当は手作りしなくてもいい？祖父母らの力も借りる中国の子育てから、日本とは異なるお弁当事情や子育て観を紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="中国の餃子" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260831Nakajimakei03.jpg" width="1200" /><br />
中国の餃子</p>

<p>日本では、子どものお弁当は「手作りするもの」という意識が根強くあります。一方、中国では祖父母や家事代行サービスなど周囲の力を借りながら子育てをする家庭も多く、お弁当も「必要なら買えばいい」と考えるなど、日本とは異なる子育て観が見えてきます。本稿では、ジャーナリスト・中島恵さんの著書『中国の回鍋肉にキャベツは使わない』をもとに、中国のお弁当事情や子育てをめぐる考え方をご紹介します。</p>

<p>※本稿は中島恵著『中国の回鍋肉にキャベツは使わない』（ウェッジ）より一部を抜粋・再構成したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>中国に「お母さんの味はとくにない」</h2>

<p>故郷の味は誰にとっても懐かしく、かけがえのないものだ。世界中で移民受け入れに関する問題が発生しているが、海外で暮らしている人の中には、子どもの頃に食べた料理が忘れられないという人は多いだろう。</p>

<p>それをまた食べることができた張さんは幸せだと思うが、中には政治問題などで二度と故郷に帰らない（または帰れない）人もいる。</p>

<p>私は在日中国人にインタビューする際、ときどき「故郷の料理で何を思い出しますか？」という質問をする。たいていその地方の名物料理を教えてくれるが、「お母さんの味は何？」と聞くと、「うーん...」と考え込む人が少なくない。</p>

<p>日本で街頭インタビューしたら、「肉じゃが」「卵焼き」「カレーライス」「ハンバーグ」「みそ汁」などが上位になりそうだが、中国ではどうだろう。</p>

<p>もしあるとすれば「水餃」（水餃子）くらいではないだろうか。しかし、水餃子をあまり食べない地域もあるので、日本人にとっての「みそ汁」のような絶対的な家庭料理は中国には存在しないといってもいい。</p>

<p>「お母さんの味」をすぐに挙げられないのには、ほかにも理由がある。中国では夫婦共働きが多く、とくに都市部では母親が毎晩料理を作らない家庭が多いのだ。統計があるわけではないが、そういう話をよく聞く。</p>

<p>だから、北京や上海などの30～40代の人と話していると、「とくにない」という回答がけっこう多い。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>子育ては祖父母やお手伝いさんが担う</h2>

<p><img alt="中国の家庭のキッチン" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260831Nakajimakei01.jpg" width="1200" /><br />
中国の家庭のキッチン</p>

<p>夫婦共働き家庭で、子育ては誰がするのかというと、祖父母やお手伝いさんだ。中国人にとって祖父母の存在はとても大きい。日本では、基本的に子育ては夫婦でするもので、祖父母はあくまでも「たまにサポートする」程度の存在だ。もし近所に住んでいたら「毎日幼稚園のお迎えに行くのは祖母」という人もいるかもしれないが、できるだけ頼らないようにするという日本人が多いのではないだろうか。</p>

<p>だが、中国の場合は祖父母が子どもを育てているといっても言いすぎではないくらい出番が多い。</p>

<p>中国には日本の「保育園」のようなものはなく、行政のサポートも少ない。そのため、祖父母が手伝わなければ子どもを育てられない。少子化が著しくなってからは、</p>

<p>従来以上に子どもを大事にする中国人が増えたので、ますます家族総出で子育てを行うという風潮が広がった。</p>

<p>以前、北京に住む中国人から次のような話を聞いた。その中国人が春節に帰省しようと、故郷の河北省行きの長距離バスに乗ろうとしたところ、バス停に並んでいたのは、北京に住む子どもの家から自宅に帰る祖父母だらけだった、というのだ。春節には子どもや孫も帰ってくるが、一足先に祖父母だけ自宅に戻るところだったのだ。</p>

<p>ふだん、それくらい長期にわたって自宅を離れ、息子や娘の家で孫の世話をしているということだろう。</p>

<p>事情により祖父母が手伝えないという人はお手伝いさんを雇う（祖父母もいるのにお手伝いさんを雇う家庭も珍しくない）。都市部の中間層以上の家庭では当たり前で、住み込みもあるし、通いのお手伝いさんも多い。それを「贅沢だ」という風潮は一切ない。</p>

<p>そのため、もしかしたら、大人になって思い出す故郷の味は「お母さんの味」ではなく「お手伝いさんの味」という可能性もある。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>中国式のお弁当作りは無理をしない</h2>

<p>それに、日本人は母親が手作りすることにこだわったり、「手作りしなくちゃ」という強迫観念に捉われたりしがちだが、中国では、そういうところは全然こだわらない。</p>

<p>「無理して作らなくても、別に買ってくればいいんじゃない？ その方がおいしいでしょう？」。そう合理的に考えるので、母親が毎朝5時に起きてお弁当を作る日本人の母親の苦労はなかなか中国人には伝わらない。そういう意味では、中国人のお母さんはとても楽だ。</p>

<p>それに、そもそも、中国ではお弁当を持っていかなければならないというシチュエーション自体あまりない。</p>

<p>幼稚園ではお昼ご飯が出るところが多いし、公立の小中学校は給食が出たり、学食があったりする。高校も学食が設置されているところが多い。中国人は「温かいもの」を好むので、冷めたお弁当は嫌がられる。以前、取材した上海の高校では、午前11時半くらいに、業者が「温かいお弁当」を各教室の前まで運んでいた。</p>

<p>日本でも昔は持参したお弁当を学校のストーブで温めた、なんていう時代があったが、日本人は「冷たいお弁当」にあまり抵抗がない。</p>

<p>だが、中国人はできるだけ温かい食べ物を食べたいので、学校にも食堂が設置されており、企業でも中規模以上の会社なら食堂がある。</p>

<p>私は中国のいくつかの学校の食堂や企業の社員食堂、工場の食堂に行って食べたことがある。たいていは数種類のおかずから2品か3品選び、ご飯、スープがつく。</p>

<p>お弁当を持参するのは、中小企業で、会社に食堂がなく、近所にもレストランがない人や節約したい人などに限られる。だが、中国でも「お弁当派」が増えた時期があった。コロナ禍のときだ。</p>

<p>食堂が閉鎖されたことも関係あるが、健康に注意する人が急に増え、野菜中心のお弁当を作って会社に持参するようになった。</p>

<p>私の友人もお弁当を作って会社に持っていっていたが、その友人によると、中国人は日本人のように彩りとか品数をまったく気にせず、1～2種類の炒め物とご飯だけというシンプルなお弁当が多いそうだ。</p>

<p>お弁当の中が水餃子だけ、ということもある。水餃子は皮（炭水化物）と肉や野菜などの具（タンパク質）の組み合わせなので、それだけで完成度が高い食事なのだ。そんなお弁当を、ランチ前になると会社の電子レンジで温める。そのため、休憩室の電子レンジの前に行列ができる...なんていう日本ではあまり見られない光景もあるそうだ。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260831Nakajimakei03.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 15 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中島恵（フリージャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>早朝に必ず運動、17時には退勤　生産性が世界5位のスウェーデンの朝習慣  久山葉子（翻訳家、エッセイスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14899</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014899</guid>
			<description><![CDATA[労働生産性で世界5位を誇るスウェーデン。現地在住の久山葉子さんが、スウェーデンのビジネスマンの朝の過ごし方を教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="運動習慣" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_running_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>労働生産性で世界5位を誇るスウェーデンでは、17時には仕事を終え、家族や趣味の時間を楽しむのが一般的だといいます。なぜ短い労働時間で成果を出せるのでしょうか。スウェーデン在住の久山葉子さんは、著書『スウェーデン人はなぜ朝の３時間で仕事が片づくのか』にて、現地でのインタビューをもとにスウェーデンの働き方・生き方を解説しています。本稿では同書より、ワークライフバランスのカギとなる朝の習慣についての一節をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、久山葉子著『スウェーデン人はなぜ朝の3時間で仕事が片づくのか』（PHPビジネス新書）より一部を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>定時退社は朝が９割</h2>

<p>スウェーデンの一般的なオフィスの出社時間は朝８時。それどころか８時より早く来て、16時～16時半くらいに仕事を終える人もいる。</p>

<p>なぜこんなに朝型なのだろうか。実は、朝型生活の一番の目的は「早く出社すること」ではない。肝心なのは、「早く退社する」ことだ。</p>

<p>17時頃に保育園に迎えに行くと、「迎えに来るのが遅すぎる」と娘に泣かれた。その時間帯には園全体でも3～4人しか子供が残っていない。実際、夕食は17時という家庭が多い。</p>

<p>保育園のお迎えはもちろん、子供が大きくなってくると親は夕方から習い事の送迎係となり、子供が2、3人いたりするとやれ今日はサッカーだ、明日はダンスだと、夫婦で手分けして送迎や夕食づくりをこなすことになる。</p>

<p>じつは、この「予定」こそが、朝型生活に切り替えるキーポイントなのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>IT系でも、「７時出社、16時退社」</h2>

<p>夜型なイメージのIT系だが、ダニエルさんは普段７時に出社して16時に退社する。子供のペースで自然にそうなったという。</p>

<p>保育園時代は子供が朝早く起きたし、小学校に上がってからはサッカーの練習が17時からなのでそれまでに送っていかなければいけない。そのためには16時には職場を出なければいけない。</p>

<p>会社の定時は８時だが、16時に帰るために7時に出社している。単純明快に、理由はそれだけ。</p>

<p>夕方に予定が入っていると、その時間に退社せざるを得ない。人間は締め切りがあるとそれを目指す。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>子供がいない人も、残業しない理由</h2>

<p>生活の予定が一番融通の利かない「子供のいる人」のペースに合わせて、社会全体が自然と朝型になっているわけだが、では子供がいない人は長く働くのかというとそうではない。</p>

<p>子供がもう大きい人や独り暮らしの人も朝早く来ているし、定には帰っていく。</p>

<p>独り暮らしでも、自分のプライベートを最優先する点は同じだ。あくまで自分の人生があったうえで仕事をして、仕事は仕事と割り切っている。</p>

<p>子供が高校生になった経理の智子さんも、だからといって好きなだけ残業するわけではない。もちろん職種柄、残業のある時期もあるが、後日早く帰ることで清算する。</p>

<p>そして普段は「毎日気分良く働くために、定時まで働かない！」と語る。定時より10分でも早く終わらせられれば、「今日の私、うまくやった！」とハッピーな気分で職場を出られるという。</p>

<p>スウェーデンでは週40時間労働が標準だが、吉澤さんの会社のように週に37.5時間の会社も出てきている。そうすると社員は生真面目に今までより2.5時間早く帰る。これが「仕事が終わるまで帰らない」というスタンスのままだと、せっかく2.5時間短くなっても、実労働時間に変化は生じない。</p>

<p>仕事が終わるまで帰らないというスタンスが当たり前になっていると、「気分良く働くために残業しない」とか「自分の人生があったうえで、仕事は仕事と割り切る」と言われても、ピンとこないかもしれない。</p>

<p>しかし、夕方からは今日の〈第２幕〉が控えていると考えれば、何をしたいだろうか。仕事はあくまで〈第１幕〉だと捉えてみよう。</p>

<p>仕事とプライベートの線引きがしやすくなるのではないだろうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>朝から運動&hellip;１日をベストな自分で過ごすために</h2>

<p>スウェーデンの朝の通勤風景で特徴的なのは、運動している人が多いことだ。</p>

<p>スニーカーを履き速足で歩く人、自転車に乗る人、ジムで汗を流す人など、通勤時間あるいは仕事前の時間を運動に充てている人が目につく。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>集中力と記憶力、クリエイティビティがアップ</h2>

<p>運動は脳の認知機能に良い効果を与え、集中力、記憶力、クリエイティビティを上げる効果がある。さらに、ストレスホルモンのレベルも下げてくれる。</p>

<p>その効果を仕事の生産性につなげたいなら、仕事後に運動するのではなく、仕事前にしなければ意味がない。朝から運動するのは、ベストな自分になり、その日のパフォーマンスと生産性を上げるためだ。</p>

<p>夜に運動しても同じ効果は得られるが、時間的にそのまま寝るだけだとせっかくの効果を活用できないということになる。ただし、運動は定期的に続けることで認知機能やメンタルが強化されていくので、夜でも運動することには意味がある。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>時間をかけずに運動を採り入れる方法</h2>

<p>スウェーデン第2の都市ヨーテボリに住むマッティンさんは自転車通勤を8年続けている。</p>

<p>家から会社までは11キロで、自転車でもバスでも通勤時間はそれほど変わらない。そこで、通勤しながらトレーニングを兼ねようと思い、競技用バイクを全速力で漕いで会社に向かう。毎朝25分、毎夕25分でいい運動になる。かなり汗をかくが、会社にシャワーがあるので大丈夫。そのおかげで雨や雪の日にも自転車通勤ができる。</p>

<p>シャワーを浴びてすっきりして、仕事着に着替えて仕事開始。会社には毎朝ランニングして出勤する女性もいたという。通勤時間を運動に充ててしまえば、それ以外の時間から運動時間を捻出する必要がない。</p>

<p>会社に到着したらエレベーターは使わずに、７階のオフィスまで階段で上がる。医療機器の会社なので取締役に医師もいるが、「エレベーターは使っちゃダメ！」と言うそうだ。日常の中にある運動の機会を逃さずに活用する――忙しい大人には特にそれが大切だ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>会社側も「運動は仕事の一部」として支援</h2>

<p>スウェーデンの大人も、自分の運動不足はよく認識している。だからこそ、意識的に運動する時間を確保する。そのおかげで、仕事の生産性も上がる。最近では会社も「運動も仕事の一部」「社員への投資」と位置づけるようになった。</p>

<p>智子さんが働いた会社にはトレーニングマシンやシャワーがあったので、外のジムに行く必要はなかったという。現在はオフィスを建て替え中で、社員へのアンケートで新しいオフィスに望むことを聞いたところ、第1位は「ジム」だった。社長も「何しに会社に来るんだ」と笑っていたそうだ。</p>

<p>また、これまで働いた４社のうち２社に「健康ケア時間」と呼ばれる制度があり、勤務時間中に運動に使っていい時間が設けられている。会社にもよるが、１週間に１～２時間程度だという。その時間を利用して、社内外のジムに通ったり、ジョギングに出ることができる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>運動に会社が実費を出してくれる</h2>

<p>社内に運動できるスペースを設けていない会社も、外部のジムやプールの年会費など、健康促進につながるアクティビティの料金を会社の経費で落とすことができるようになっている。いったん自分で立て替えて、レシートを会社に出せばお金を返してもらえるシステムだ。</p>

<p>この制度は会社に導入義務があるわけではないが、国も奨励していて、会社が税金を控除できるようになっている。その結果、スウェーデンの雇用主の85％が導入している。</p>

<p>社員１人が使える金額の上限は会社によって異なるが、会社側は１人あたり年間5000sek（8万5000円）まで税金を控除できる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>朝から運動するために、早く寝る</h2>

<p>都市圏では朝６時半くらいから走っている人やジムに行く服装の人を見かける。</p>

<p>身体を動かすことで頭がすっきりした状態で仕事を開始、昼間は仕事に集中、夕方以降のんびりして、夜も早く寝る。そんな１日のリズムになっている。仕事前に運動するためには、当然、前日夜ふかしせずに早く寝なければいけない。スウェーデン人が、独り暮らしであっても定時に帰っていく理由がわかってきただろうか&hellip;？</p>
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						<pubDate>Mon, 14 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[久山葉子（翻訳家、エッセイスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>自分の頭で考えていない人ほど「こうあるべき」に縛られる　心がラクになる思考の切り替え方  和田秀樹（精神科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15036</link>
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			<description><![CDATA[在宅介護やコレステロール説など｢こうあるべき｣という常識の縛りをほどき、自分なりの問い直しや｢こんなもんだ｣と受け入れる柔軟さを持つことで、不安から解放され主体的に生きる術を説く。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="窓を開けて光と風を浴び、笑顔を見せる女性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_WomanStretch.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢親の世話は子が見るべき｣｢コレステロールは下げるべき」&mdash;そんな世間の当たり前に縛られていませんか？常識の盲信は心身を壊す原因に。｢こうあるべき｣を手放し、｢自分はどうしたいか｣で選択する心を軽くする思考法を精神科医・和田秀樹氏が解説します。</p>

<p>※本稿は、和田秀樹著『落ち込まない　考えすぎない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢こうあるべき｣と思うのは、自分の頭で考えていないから</h2>

<p>｢1＋1＝2｣ほとんどの人は、これが当たり前と考えます。しかし、当たり前でない人もいるのです。</p>

<p>発明家として知られるトーマス・エジソンは、｢粘土一つと粘土一つをくっつけたら、大きい粘土一つになるじゃないか｣と教師に食ってかかったそうです。天才的発明家となる人は、目のつけどころが違います。</p>

<p>このように、「当たり前」に疑問を持つことができる人を活かし育てる土壌が、日本には十分にあるでしょうか。</p>

<p>日本の義務教育では、先生のいうことを素直に覚え、素直に行動することが求められます。いわば｢刷り込みの教育｣です。</p>

<p>義務教育の段階では、基礎的な知識を効率よく学ぶためにこの手法が有効なこともあります。しかし、高等教育では、そのあり方を転換すべきではないでしょうか。</p>

<p>つまり、それまで刷り込まれた価値観を疑い、自分なりの仮説を立て、納得できる答えを導き出す力を養うことに重点を置くべきなのです。知識や情報を疑い、新しい発想でものごとを生み出す力を育むことが、個人にとっても社会全体にとっても有益だからです。</p>

<p>実際、多くの欧米諸国では、そのような教育が行われています。ある課題について、教師が｢これはこういうことだ｣と教えるのではなく、生徒一人ひとりに｢どう考えるか？｣を問い、ディベートさせるのです。</p>

<p>こうした環境で育った人たちは、会話の中で次のようなやり取りをよくします。</p>

<p>｢自分の意見はこうだ｣<br />
｢君はそう言うけれど、そうとも限らない｣<br />
｢一般的にはこう考えられているが、例外もある｣</p>

<p>辟易することもありますが、こうしたやり取りを通じて、議論は深まり、建設的な結論が導かれることも事実です。根底にあるのは、既成概念を疑う姿勢であり、常識に縛られず、新しい価値を生み出そうとするスピリットなのです。</p>

<p>一方、日本の高校や大学では、依然として｢刷り込み型の教育｣が主流です。そのため、｢こうあるべき思考｣が根づきやすい土壌ができてしまいます。</p>

<p>その影響は、社会にも広がります。指示待ち人間が増え、自分の頭で思考し判断するよりも、親や上司、組織などの｢権威ある存在｣の意見に依存する傾向が強まります。その結果、｢こうあるべき｣という考え方に固執しがちになるのです。</p>

<p>例えば、男女平等が憲法で定められていても、｢男はこうあるべき｣｢女はこうあるべき｣という価値観をいまだに引きずる人が少なくありません。官庁や企業でも、縦社会の文化が色濃く残り、組織や権力者の言うことを疑わずに受け入れる人が重宝される傾向があります。</p>

<p>こうした社会では、｢こうあるべき｣に従って行動したほうが、摩擦を避けられ、安心して過ごせるというメリットがあります。しかし、その代償として、個人の自由な思考や主体性が損なわれてしまいます。</p>

<p>さらに問題なのは、この｢こうあるべき思考｣が、個人の悩みや不安を生む原因になることです。</p>

<p>人は、自分自身の中にも｢こうあるべき｣という理想を作り、それに縛られることがあります。｢もっと仕事ができるべき｣｢もっと社交的であるべき｣｢もっと完璧であるべき｣といった思い込みが、必要以上に自分を苦しめるのです。｢こうあるべき｣の呪縛から抜け出し、不安や悩みのループを断ち切るために、まず大切なのは、｢本当にそれは正しいのか？｣と自分に問いかける習慣を持つことです。</p>

<p>｢こうあるべき｣という思考が浮かんだとき、それが単なる思い込みなのか、それとも本当に自分にとって必要な考え方なのかを冷静に見極めることが大切です。</p>

<p>次に、｢こうあるべき｣ではなく｢自分はどうしたいのか？｣を意識することです。｢こうあるべき｣とは｢世間ではこうするのが普通｣｢上司がこう言った｣といった外部の基準です。しかし、自分自身が本当に望むことに焦点を当てることで、主体的な選択ができるようになり、不安に振り回されなくなります。</p>

<p>また、｢こうあるべき｣ではなく｢こうしてもいい｣という発想も重要です。ものごとには一つの正解だけがあるわけではなく、複数の選択肢があると考えると、悩みや不安が次に踏み出すエネルギーになります。</p>

<p>｢こうしなければならない｣という思考を少し緩めて｢こうしてみてもいい｣と考えられるようになることが、自由で前向きな生き方につながるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢世間の正解｣に従うと、心も体も壊れていく</h2>

<p>私が長年取り組んでいる老年医療の現場でも、｢親の面倒は子が見るべき｣という考えから、在宅介護を望まれるご家族が多く見受けられます。親の愛情や家族の絆に重きを置き、｢子どもが介護をする｣のが理想とされ、世間的にも求められます。</p>

<p>しかし、自宅での介護では、子どもは自分の時間や生活をある程度、犠牲にする必要がどうしてもあります。仕事を辞める人も少なくありません。心身へのストレス、疲労も並大抵ではありません。</p>

<p>そうしたことから、介護者がうつになったり、親を虐待する事態も起こったりしています。私も、親の介護をしている人から｢親への愛情が持てなくなった｣｢親を憎むようになってしまった｣などの相談を受けることがあります。</p>

<p>介護施設での虐待が報道されることがありますが、実は表に出にくいだけで、在宅介護の場での虐待はより深刻なのです。</p>

<p>そのような現実を知ってもらいたいという動機から、私は2012年、映画監督として『｢わたし｣の人生～我が命のタンゴ』という映画を撮りました。その映画について雑誌のインタビューを受けたとき、私は｢最後まで在宅介護をがんばって、感動して終わる映画ではありません｣と答えました。</p>

<p>医療の世界でも｢当たり前の常識｣とされていることが、健康を損ないかねない｢危険な常識｣であることがままあります。</p>

<p>例えば｢コレステロール値｣についてです。コレステロール、特に肉類などの動物性食品に多く含まれるLDLコレステロールは、日本では｢悪玉コレステロール｣と呼ばれ、生活習慣病を引き起こす元凶と考えられています。</p>

<p>そのため、とりわけ中高年の方たちはとかくLDLコレステロール値を下げることに躍起になるのですが、健康上どれほどの意味があるかは疑問です。下手をすると病気になりやすい体になるリスクがあるのです。</p>

<p>LDLコレステロールは、肝臓で作られる細胞膜やホルモンの材料となるコレステロールを全身に運ぶという重要な役目があります。</p>

<p>LDLコレステロールが不足すると、生命や健康を維持するための体内の機能にさまざまな支障が生じます。特に免疫機能への悪影響は大きく、がんの発症リスクが高まったり、細菌やウイルスによる感染症にかかりやすくなったりします。</p>

<p>実際、コレステロール値が高い人のほうが、がんによる死亡率が低いことが、ハワイでの研究からも明らかにされています。</p>

<p>また、1970年代から1990年頃にかけて｢コレステロール値は高いほうがいい｣という説を唱える故柴田博先生という医学博士が主導して、東京都小金井市で70歳以上の高齢者を対象に行われた追跡調査では｢コレステロール値が高いほうが総死亡率が低い｣ことが実証されました。</p>

<p>しかし、日本の医学界はこれを無視して、アメリカから移入された｢コレステロール値は低いほうがよい｣という説を固持し続けたのです。</p>

<p>2008年以降、健康診断において実質義務化されたメタボ健診で、コレステロール値が高い結果が出た人には、積極的にコレステロール値を下げる指導や、薬剤による治療が行われてきました。</p>

<p>こうした経緯から｢健康のためにはコレステロール値を低くしなければならない｣がいつしか常識として浸透したのです。</p>

<p>もっとも、近年では｢コレステロールは体に悪い｣｢メタボは寿命を縮める｣という従来説を覆す調査・研究結果が次々と公表され、総コレステロールの基準値も、2023年4月に、それまでの150～219か142～248に変更されています。</p>

<p>それでもなお、古い常識にこだわる医師や一般の人々の間で、相変わらずコレステロール値を下げることに執心する人が多いのが実情です。</p>

<p>｢こうあるべき｣という常識によって、疑う力が削がれ、弾力的な考え方ができなくなることは多いのです。こうした常識に縛られたままだと、私たちは現実とのギャップに悩み続け、不安を増大させることになります。</p>

<p>まず大切なのは、｢それは本当に自分にとって必要な考え方なのか？｣と問い直すことです。｢○○すべき｣と感じたとき、その考えが｢自分にとって本当に役に立つのか？｣を見極める習慣を持つことで、不安を減らし、より前向きな選択ができるようになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢こうあるべき」を手放して「こんなもんだ」思考にシフトする</h2>

<p>また、｢こうあるべき｣ではなく、｢こうしてもいい｣という発想を持つことも重要です。｢こうしなければならない｣と思い込むと、選択肢が狭まり、不安や悩みが増幅します。しかし、｢これも一つの選択肢だ｣と考えれば、プレッシャーから解放され、建設的にものごとを考えられるようになります。</p>

<p>｢こうあるべき｣から生まれる不安や悩みは、視点を変えるだけで軽減することができます。常識にとらわれるのではなく、｢自分にとって何が最適か？｣を考える習慣を持つことが不安を減らし、より自由で前向きな人生を生きるための第一歩になるのです。</p>

<p>｢当たり前｣｢こうあるべき｣という理想と現実とのギャップについてお話ししましたが、このようギャップは、あなたの日常でも感じることがあるのではないでしょうか。</p>

<p>さまざまな｢当たり前｣｢こうあるべき｣をマイ・ルールのように自分に課している方は少なくないと思います。ですが、自分の中にあるマイ・ルールは、実際にその通りに実行されているでしょうか？｢こうあるべき｣は達成されているでしょうか？</p>

<p>おそらく多くの方の場合、現実の自分との間に、ギャップを感じているのではないでしょうか。そして｢自分はこんなこともできないのか｣｢自分はなんてダメなんだろう｣と、劣等感や自己嫌悪を感じる人もいるでしょう。</p>

<p>森田療法では、このように理想と現実とのギャップに悩むことを｢思想の矛盾｣と呼んでいます。</p>

<p>｢当たり前｣｢こうあるべき｣という考えや理想と、現実の自分の間にギャップが生じるのは、むしろそのほうが当たり前です。世の中はすべてが理想通りに成り立っているものではありません。どんな人にも、理想通りにいかないことがあって当然なのです。</p>

<p>問題は、「当たり前」「こうあるべき」に、どこまでもこだわる必要があるのかどうかです。</p>

<p>例えば、以下のような｢当たり前｣｢こうあるべき｣があります。<br />
｢上司は部下の模範だ。仕事は完璧にこなすべきだ｣<br />
｢上司の期待には応えるべきだ｣<br />
｢休日は親子の会話を大切にして、家族サービスに努めるべきだ｣<br />
｢家族の健康のためにも、食事作りは手を抜くべきではない｣<br />
これらを貫き続けることは困難ですし、現実には思い描いた結果にならないことも多々あります。</p>

<p>上司といえども当然ミスもすれば失敗もします。ミスや失敗をごまかそうとすれば、かえって信頼を失うでしょう。失敗したら、失敗を繰り返さないためにどうすべきかを示すことこそ大事です。</p>

<p>また、上司の期待に応えなければと身構えると、かえって力を発揮できないことは少なくありません。力みすぎずに仕事に臨んだほうがうまくいくことは多いのです。</p>

<p>休日は親子の会話といっても、子どもがゲームに夢中になっていたり、友達と遊びに出掛けてしまったりすることもあるでしょう。子どもにもやりたいことがあるのです。自分自身も平日の仕事の疲れを、休日に回復させたいでしょう。そんな状態で家族サービスに努めて、本当に家族のためになるかは疑問です。</p>

<p>また、たまに食事の準備で手抜きをしても、それが家族の健康を損なうことに直結するわけではありません。それに健康作りは家族一人ひとりの仕事でもあるのです。誰か1人だけが、責任を負う必要はありません。</p>

<p>自分を高めるための目標として｢こうあるべき｣を掲げるのは、それはそれで意味のあることです。しかし、理想通りにいかないことで｢自分は情けない｣とか｢自分は未熟だ｣｢ダメな人間だ｣などと悩むのは建設的ではありません。</p>

<p>自分を高めていくには、まずは現実を受け止める。そこから、｢少しずつ理想に近づけるといいな｣という気持ちで、できることをできる範囲でやっていけばよいのです。</p>

<p>そして、うまくいかなかったときは｢こんなもんだ｣｢そういうこともあるさ｣と自分を肯定することです。</p>

<p>｢こうあるべき｣をもっと柔軟に受け止めることで、臨機応変に、自由にものごとを考える余裕ができます。そうした自由な発想こそが、よりよい自分を作る成長のチャンスを与えてくれるものとなるのです。</p>
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						<pubDate>Mon, 14 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[和田秀樹（精神科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>がんと戦いながら63歳で名人に挑戦　谷川浩司が語る大山康晴「不屈の強さ」  谷川浩司（棋士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14976</link>
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			<description><![CDATA[十七世名人の谷川浩司氏が、大山康晴十五世名人の驚異的な足跡を振り返るとともに、自らの攻める望みを断ち切った「６七金」に込められた「大山将棋」の真髄を語ります。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="50～60代でもタイトル戦に登場" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/yakusugi.jpg" width="1200" /></p>

<p>50代で生涯最多の勝ち星を挙げ、がんとの闘病を経た63歳で名人に挑戦――。</p>

<p>大山康晴十五世名人は、棋士として異例ともいえる長い全盛期を築きました。その強さは晩年になっても衰えず、68歳で谷川浩司十七世名人と戦った最後の対局でも鮮烈な一手を残します。本稿では谷川氏が、60代までトップ棋士であり続けた大山十五世名人の驚異的な足跡を振り返るとともに、自らの攻める望みを断ち切った「6七金」に込められた、相手に何もさせずに勝つ「大山将棋」の真髄を語ります。</p>

<p>※本稿は、谷川浩司著『名人論 稀代の天才たちはいかに戦ったか&nbsp;』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>50～60代でもタイトル戦に登場</h2>

<p>大山康晴先生が晩年の50代、60代でもタイトル戦で活躍したことも特筆に値する。</p>

<p>中原誠十段から十段位を奪取したのは、50歳の時だった。その後も51~54歳にかけて棋聖位を7連覇した。さらに56~59歳まで王将位を奪取、防衛した。60歳の直前までタイトルを持っていたのだ。</p>

<p>なにしろ大山先生の生涯における年代別勝敗数を調べると、20代が141勝71敗、30代が293勝129敗、40代が304勝146敗、50代が404勝234敗、60代が203勝185敗となっており、50代で最多の勝数を上げている。</p>

<p>現在の将棋界における通算タイトル獲得期数は羽生善治九段が99期でトップ、大山先生は80期で2位だが、1962年までは将棋のタイトルは名人、九段、王将、王位の4つであり、現在の半分の数だったことを考えると、大山先生の80期は燦然と輝く記録であることは間違いない。</p>

<p>そして、60代になっても大山先生はトップ棋士であり続けた。1986年の第44期名人戦では誰もが予想しなかったことが起きた。</p>

<p>前年、がんの手術のために大山先生は1年間休場した。A級順位戦に復帰した大山先生に対する将棋界の関心は、引き続きがんとの戦いを続けていた大山先生が、まずはA級に残留できるかどうかだったように思う。</p>

<p>しかし、大方の予想を完全に覆し、大山先生は11人で戦ったA級順位戦を6勝4敗と勝ち越した。この年のA級順位戦は7勝以上がおらず、3人でのプレーオフとなった。そして大山先生は、プレーオフで加藤一二三九段、米長邦雄十段・棋聖に勝ち、63歳にして名人に挑戦している。結果は1勝4敗で中原誠名人に敗れるが、これは将棋界が実力制名人戦になって以来の歴史上最高齢の名人挑戦だった。その後も、南芳一棋王に0勝3敗で敗れるも、66歳11カ月で棋王位の挑戦者になっている。</p>

<p>最近では、2023年、羽生善治九段が52歳3カ月で王将位に挑戦し、藤井聡太王将に2勝4敗で敗退した例はあるが、50代でのタイトル戦出場は稀だ。さらに60代でのタイトル挑戦者は、大山先生以前にも以降にもいない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>真髄を見た最後の対局の「6七金」</h2>

<p>大山将棋の真髄を見たのが、私との最後の対局で指された「6七金」だったと思っている。</p>

<p>1991年3月2日、第50期A級順位戦最終局。場所は東京・将棋会館だった。大山康晴先生は68歳、私は29歳で、当時は竜王、王位、王座、棋聖の4冠を持っていた。</p>

<p>大山先生はこの対局の四カ月ほど前、国立がんセンターに入院して手術を受け、肋骨1本と肝臓の半分を切除していた。2度目の大きな手術だった。体調が万全でないことは誰もが知っていた。それでも順位戦の終盤に復調し、高橋道雄九段、米長邦雄九段を破って、最終局まで名人挑戦の可能性を残していた。</p>

<p>その日の午前中だったと思う。大山先生は観戦記者の方に目をやりながら、独り言のようにつぶやいた。<br />
「手術で肝臓を半分切って隙間が空いているから、横になると肝臓が動いて自分でもそれがわかるんですよ」<br />
それを聞いた私は「すごい状態の人と対局するんだ」と恐ろしくなったことを覚えている。</p>

<p>この一局で大山先生は向かい飛車を採用された。私は居飛車穴熊に組み、固さを主張する展開になった。ところが、中盤から大山先生の指し回しが実に手厚かった。こちらが攻めの糸口を探しても、急所を外される。受けているようでいて、少しずつこちらの手段を消していく。攻め駒を攻めるだけでなく、攻めそのものが成立しにくい形に持っていく。大山将棋の特徴が、盤上にそのまま現れていた。そして終盤に現れたのが、大山先生勝勢の局面でさらに自陣の防御を手厚くする「6七金」だった。</p>

<p>この局面で、私はまだ何か攻めの形をつくりたいという気持ちがあった。私の竜は敵陣深く7九におり、敵玉の近くにも手がかりがある。穴熊側としては、たとえ苦しくても、どこかで駒を補充し、何とか一手違いに持っていけないかどうかを考えていた。攻め合いに持ち込めれば、穴熊の遠さが生きる可能性もある。</p>

<p>ところが、大山先生はそこで攻め合いに出なかった。守りを強化する6七に金を打たれたのである。実に大山先生らしい手だった。</p>

<p>ただ受けるだけなら、ほかにも手はあったかもしれない。しかし「6七金」は、こちらのさまざまな期待を一手で打ち砕く手だった。簡単に言えば、単に1カ所を補強しただけではなく、局面全体を「もう攻めが続かない形」に変えてしまったのである。</p>

<p>将棋には、相手玉に迫る派手な決め手がある。一手で詰み筋を生じさせる手、駒を切って寄せに出る手─そうした手は見た目にもわかりやすい。</p>

<p>しかし大山先生の「6七金」は、それとは違い、こちらの望みを絶つ手であり、相手に何もさせない手だった。大山先生側は、5筋、4筋にと金をつくっていけばよい。攻めを急がなくても勝ちになる。受けた瞬間に、勝ち方まで決まっているような一手だった。</p>

<p>最後の対局で、受けの深さをあらためて教えられた。攻めを受けるとは、単に守ることではない。相手の狙いを読み、その根を断ち、局面の主導権を静かに握ることである。<br />
「6七金」は、そのことを一手で示していた。私はあの一手を、「最晩年に見せていただいた大山将棋の真髄」だと受け止めている。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 14 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[谷川浩司（棋士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>医師が勧める、認知症予防に効果的な「腸内環境を整えるスープ」  長尾和宏（医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12847</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012847</guid>
			<description><![CDATA[認知症予防のために食事で意識すべきポイントとは？ 医学博士の長尾和宏さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="認知症予防に効果のある食事" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_vegetable.jpg" width="1200" /></p>

<p>認知症は「脳の糖尿病」とも言われ、脳の細胞がエネルギー源であるブドウ糖をうまく利用できなくなった状態です。これは、ブドウ糖を細胞内に取り込む役割を持つインスリンがうまく働かず、インスリン抵抗性が高まっているということを示しています。</p>

<p>日本人は遺伝的にインスリンを分泌する膵臓の&beta;細胞の機能が弱いことに加え、食生活の欧米化による高脂肪食の増加で、インスリン抵抗性が高まりやすいと、医師の長尾和宏さんは語ります。糖尿病を原因とする認知症予防のために意識すべきこととは? 書籍『歩く人はボケない 町医者30年の結論』よりご紹介します。</p>

<p>※本稿は長尾和宏著『歩く人はボケない 町医者30年の結論』（PHP新書）より一部抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>欧米食を控えて、腸内環境を整える</h2>

<p>私は、時々、患者さんに便の写真を撮ってきてもらっていました。便の性状で、腸の状態がだいたい想像できるからです。「こんなうんこが出ました」と便そのものを持ってくる患者さんもいましたが、持ってこられても困りますので、「写真でいいですよ」とお願いしていました。</p>

<p>私は、兵庫県の田舎育ちですが、小学校時代には時々草むらで野糞をしている大人を見かけました。動物の便も見ましたが、人間の便も見ました。うんこの模型のような太い立派な便でした。外国旅行に行ったときに外国人の便も見てきました。アメリカでは便を流さない人もいるのか、よく便器に便が残っていました。</p>

<p>アメリカ人は日本人より体は大きいのに、意外にも水に浮く形のはっきりしない細切れの便でした。脂肪を多く摂るので、水に便や脂肪が浮いていました。これは、腸内細菌叢（そう）の状態が悪い証拠です。</p>

<p>東京医科歯科大学（当時。現・東京科学大学）で寄生虫学の教授をされていた藤田紘一郎さんは、『できる男はウンコがデカい』（宝島社新書）という本を書いていますが、本当にその通りだろうと思います。健康で仕事をバリバリやっている人には、おそらく便秘の人は少ないはずです。1日1回は太い便を出しているのではないかと思われます。</p>

<p>健康で元気な人の便は、水に浮かぶような便や、細切れの便ではなく、太くて長くて水にしっかり沈みます。食物繊維の摂取量と便の体積は相関していると言われます。</p>

<p>30年ほど前、私は大阪大学の消化器内科で研究に従事していました。そのとき、世界的に有名な医学誌『Gastroenterology』に、世界の人種別に、便の重さ、体積などを調べた興味深い論文が掲載されていました。その中で、日本人の便の体積は世界最大という内容でした。</p>

<p>ところが今は食生活の欧米化が進んで、良い便を出す日本人は減っているのでしょう。日本人の腸内フローラの乱れはさまざまな現代病につながると考えられています。</p>

<p>慶應義塾大学発のバイオベンチャーは山形県鶴岡市に糞便バンク（腸内細菌叢バンク）を作っています。そこには、健康で良い便を出す人の便が畜便されています。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が豊富な腸内フローラがある便がいい便です。そんな人の便を提供してもらい、培養し液体化させて、潰瘍性大腸炎などの腸の難病の人の腸内に噴霧します。便移植で腸内フローラを改善させようとする試みです。</p>

<p>食生活の欧米化によって、日本人の腸内環境は悪化していますが、実はそれが認知症の増加と関連しています。太くて長い便を出す人は認知症になりにくいと考えます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>認知症予防のためには野菜も重要</h2>

<p>便秘の改善のためには食物繊維の多い野菜を摂ることが重要ですが、認知症予防のためにも野菜を摂ることは重要です。ただ、生野菜は嵩が大きくなるので、たくさん食べることはできません。そこで野菜スープがお勧めです。</p>

<p>スープにする場合は、野菜の端のほうの捨てられる部分を活用することもできます。野菜の捨てられてしまう部分にもたくさんのミネラルや微量元素が含まれています。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ケイ素、亜鉛など、さまざまな電解質やミネラルです。煮込めば、それらがスープの中に溶け出します。</p>

<p>またボーン、つまり骨付きの肉をスープに入れるのもお勧めです。豚肉でも鶏肉でもいいのですが、肉の骨髄が出るエキスがいいでしょう。最近は魚肉ソーセージを入れたスープも人気です。食物繊維と同時にタンパク質を摂取できます。スープを作る鍋も圧力鍋ないしフッ素（テフロン）加工でない鉄鍋がお勧めです。フッ素の健康障害を懸念しているからです。</p>

<p>さらに日本の伝統食である味噌汁に野菜をタップリ入れてもいいです。味噌などの発酵食品や納豆などのネバネバ食品は腸活に必須です。具だくさんの味噌汁にすれば、それはもはや副食ではなく主食になります。ダイエット食としても最適です。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 14 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[長尾和宏（医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「断れない...」から卒業！無理せずNOと言える自分軸の作り方  和田秀樹（精神科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15035</link>
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			<description><![CDATA[他人に合わせすぎて疲れてしまう｢いい人｣を脱する鍵は、自分軸で考えることです。本書では｢私は｣を主語にする｢Iメッセージ｣の活用や、頼まれごとの見極め方など、｢NO｣と言える自分になるヒントを解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="はっきりと断る女性" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/pixta_NO.jpg" width="1200" /></p>

<p>頼まれると断れない、頼まれてもいないのに引き受けて後悔してしまう―。そんな｢いい人｣をやめられずに疲れていませんか？ 精神科医･和田秀樹氏は、他人軸から｢自分軸｣へと発想を切り替えることが心を軽くする第一歩だと語ります。本記事では、｢Iメッセージ｣を活用して角を立てずに｢NO｣を伝える方法や、自分も相手も尊重する人間関係のコツを解説します。</p>

<p>※本稿は、和田秀樹著『落ち込まない　考えすぎない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢NO｣と言える人になる</h2>

<p>1989年に、『｢NO｣と言える日本』というタイトルの本が出版され大ベストセラーとなりました。作家の石原慎太郎氏と当時ソニー会長の座にあった盛田昭夫氏による共同執筆の著作です。</p>

<p>日米貿易摩擦の真っ只中で、経済、外交、文化に至るさまざまなシーンにおいてアメリカ社会に批判的な目を向け、日本政府の自己主張のなさに言及し、日本人は、自分の意見や権利をより主張し、｢NO｣と言うことも必要だと論じています。</p>

<p>本書が幅広い読者の反響を呼んだのは、このタイトルに帰するところも大きいといえるでしょう。｢NOと言え○○｣が流行語となり、1989年の流行語大賞特別部門・語録賞を受賞したことがそれを物語っています。</p>

<p>ただ、これほどのベストセラーになり、流行語にもなったときから、約40年の歳月を経た今、日本人が｢NO｣と言えるようになったかというと、そうでもないというのが現実です。</p>

<p>日常生活でも、周りに気を配り、｢相手はどう思うか｣｢相手は自分に何を期待しているか｣を考えて悩んでしまう。そんなふうに他人軸で考えて、心がへとへとになってしまっている人がたくさんいます。</p>

<p>例えば、いつも何かと目をかけてくれる職場の先輩に｢この作家のSF小説、すごく面白いから読んでみたら？｣と言われ、その本を借りたDさん。</p>

<p>しかしDさんは、SF小説を読み慣れていないせいか、面白さがよくわからないまま読み終えて本を返しました。感想を求められ｢面白かったです｣と言ってしまったので、先輩はDさんが気に入ってくれたものと思い込み、次々とSF小説を貸してくれるようになりました。</p>

<p>｢今さらSF小説は読まないんですとも言えないし、読みたくもない本を読むのもつらい。あんなこと言わなきゃよかった｣と後悔しても、後の祭りです。</p>

<p>この手の経験をしたことがある人は少なくないと思います。もしも、心あたりがあるなら、私がお勧めしたいのは、｢自分軸で生きる｣ことです。これは｢私はどう思うか｣｢私は何をしたいか｣を軸にして判断する生き方です。</p>

<p>これまでずっと他人の期待を軸にしてきたなら、いきなり自分軸といわれてもあまりよくわからないかもしれません。</p>

<p>もしそうなら、｢私は｣｢私が｣を主語にして、心の中にあることを頭の中で言葉にしてみることから始めてみてください。｢私はこう思う｣｢私はこうしたい｣と｢私｣を主語にして、考えてみるのです。</p>

<p>先の例でいえば、好きでもないSF小説を｢読んでみたら？｣と勧められたら、｢私はSF小説は苦手なんです｣。あるいは、毎日一緒にランチに行く同僚は、行くのはいつも和食の店ばかり。そこで、｢私はイタリアンが好きだな｣。周りが残業していて帰りづらい雰囲気でも｢私は今日は早く帰りたい｣。そう考えてみるのです。</p>

<p>最初のうちは、うまく言葉にならないかもしれません。しかし、自分の本当の気持ちにフォーカスを当てる習慣ができると、自分軸のありかが次第に見えてきます。自分軸が明確になれば、次第に｢NO｣と言えるように変わっていけるのです。</p>

<p>いつも自分の感情や気持ちを抑えてきた人にとって｢NO｣と言うのは勇気がいることです。しかし、素直に｢NO｣と言えることも、大事なコミュニケーション能力です。本当の意味でのよいコミュニケーションをするために｢NO｣と言えることが不可欠といっても過言ではありません。</p>

<p>立場の上下に関係なく、我慢できないこと、納得できないことなど、思っていることを相手に素直に伝えられてこそのグッド･コミュニケーションなのです。もちろん｢NO｣を言うためには、表現にそれなりの配慮や工夫が必要です。つい相手を否定したり、非難したりする言葉が出てくるかもしれませんが、それも相手軸での言葉です。｢あなたは○○だ｣と相手軸で考えている自分に気づいたら｢私は｣と自分軸に戻してみてください。</p>

<p>｢私は｣を主語にして伝える方法を｢Iメッセージ｣と言います。こうすることで、表現はやわらかくなり、お互いを尊重しながら、自分の気持ちを伝えられるようになります。</p>

<p>｢私は、昨日も残業して、あまり眠れていないんです｣<br />
｢私は、イタリアンが好きなので、今日はそっちにしてみない？｣<br />
｢私は、SF小説が苦手なんです。でも、勧めてくれて私は嬉しかったです｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢断れない自分｣から抜け出す方法</h2>

<p>こんなふうに自分軸で伝える練習をしてみると、やわらかく自分の気持ちを伝えられます。相手を否定も非難もしていません。こうすることで相手を尊重しつつ、自分も尊重してもらえるようになるのです。</p>

<p>頼まれると、つい引き受けてしまう。でも後で後悔したり、苦しくなったりしてしまう。そんなことが多い人も、先ほどお話しした要領で｢NO｣と言えるようになれば、｢頼まれたら断れない｣悩みから解放されるはず&hellip;なのですが、これが一筋縄ではいかないものです。</p>

<p>やりたくないことでも、忙しくて手が回らなくても、｢つい、助けてあげたくなる｣心理、これが前述した社会間接互恵性というものです。</p>

<p>人から頼まれるということは、自分が信頼されているからだと考えると、悪い気はしません。｢ここはやっぱり期待に応えたほうがいいのかな｣そんなふうに思って引き受けることもあるでしょう。</p>

<p>しかし、ここでも自分軸で考えてみることが大事なことに変わりはありません。自分軸で考えて｢面倒だけれど、私は助けてあげたい｣という気持ちが浮かび上がってきたなら、引き受けます。</p>

<p>自分軸で｢私はその余裕がない｣｢私は助けてあげる必要はないと感じる｣という答えが出てきたなら、やめればよいのです。</p>

<p>さらに考えたいのは｢助けてあげたい｣｢信頼に応えたい｣という気持ちに従うことが、実際に相手のためになっているのかどうかです。</p>

<p>本人がやり遂げてこそ意味のあることなのに｢ちょっとやってできなかった｣｢面倒だから代わりにやってほしい｣くらいの考えで頼ってきたのだとしたら、単に利用されているだけですし、相手のためになるともいえません。</p>

<p>人に頼られると、自尊心が満たされて、嬉しい気持ちになるのは人の自然な心理ですが、冷静に判断しなければなりません。頼まれごとを、無条件に何でも引き受けていると、まるで雑用係のように、どんどん仕事を押しつけられることにもなりかねません。</p>

<p>仕事上の頼まれごとは、慎重に考える必要があります。</p>

<p>まずは、断ることで将来生じる状況を予想して判断することです。</p>

<p>例えば、日頃からお世話になっている人からの頼みを断ると良好な関係にヒビが入るかもしれません。そう感じるなら、すべてを引き受けるのは無理でも、その一部を引き受けることを相談したり、別の形で協力できる方法を検討してみたりするというのも一つの手です。</p>

<p>次に、緊急度・重要度を考慮して優先順位をつけることも大切です。</p>

<p>急ぎの仕事があるときに依頼されたら、その仕事が終わるまで待ってもらえるかどうかをまずは尋ねましょう。それでもOKなら引き受けるとよいでしょう。あるいは現在取り組んでいる仕事をいったん休止しても大丈夫なら、引き受けてもいいでしょう。</p>

<p>いずれの場合も、自分ならいつまでに仕上げられるのかを見積もり、そのうえで相手と交渉するといいのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 11 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[和田秀樹（精神科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>私大消滅の危機をどう突破する？ 立命館が明かす「宇宙を目指す」という戦略  西山昭彦（立命館大学客員教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14969</link>
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			<description><![CDATA[立命館大学は2028年、日本初となる宇宙特化型の｢大学院宇宙地球フロンティア研究科(仮称)｣を開設予定。東大の中須賀真一教授を研究科長に迎え、理・工・経営を網羅する人材育成と起業支援を目指す。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="立命館の快進撃" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260825NishiyamaAkihiko04.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年、財務省が公表した｢私立大学250〜400校程度削減資料｣。ただでさえ私立大学の半分弱が定員割れの現状にあって、大学はどうすれば生存できるのか。理系人材確保が社会の課題になる中、立命館大学が発表した｢国内最大級の宇宙系大学院｣の狙いを、責任者へのインタビューから浮き彫りにする。</p>

<p>※本稿は、西山昭彦著『立命館の快進撃』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>国内最大級の宇宙系大学院</h2>

<p>2026年3月23日、立命館大学は、2028年4月開設予定の｢大学院宇宙地球フロンティア研究科(仮称)｣の設置構想を発表した。記者会見には多数の記者が参加し、TVや新聞で報道されるなど、広報担当が驚くほどの反響だった。</p>

<p>世界の宇宙ビジネス市場は、2035年に向けて約3倍規模へと成長が見込まれ、衛星やロケットといった基盤技術に加え、衛星データを活用した新サービス領域が拡大する。宇宙産業は構造変革の真っただ中にある。国内では市場拡大に対応する専門人材の育成が追い付かず、深刻な人材不足が顕在化している。</p>

<p>この状況下、立命館大学は宇宙分野の教育研究基盤を強化すべく、新たな大学院教育の整備に踏み出した。大学では、これまで宇宙地球探査研究センター(ESEC)を中心とした研究推進、宇宙マネジメントに関わる教育プログラムなどを通じて、宇宙探査・衛星データ活用・宇宙ビジネスなど多領域にまたがる次世代研究の基盤整備を進めてきた。</p>

<p>本研究科では、宇宙と地球のフロンティア領域を対象に、理学・工学・マネジメントを横断する教育を実施する。国内最大級の宇宙に関する高度専門人材育成を行う大学院として、未来の宇宙探査・開発を担う高度専門人材の育成を目指す。</p>

<p>新学科の研究科長には、東京大学から｢宇宙ベンチャーの父｣と呼ばれる宇宙工学分野の第一人者である中須賀真一教授が就任する予定である。この大学院の責任者に、就任の思いを聞いてみた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大学にできるスタートアップの環境づくり</h2>

<p>【西山】今度立ち上げる宇宙地球フロンティア研究科のような大学院は、他にもあるのでしょうか。</p>

<p>【中須賀】全体として宇宙に特化した研究科は、日本の中ではありません。他大学の場合、理学系あるいは工学系の学科の中に宇宙という名前のついた専攻があり、東京大学であれば航空宇宙工学専攻。研究科自体が宇宙専門というのは、日本初のケースです。</p>

<p>背景として今、大きな宇宙産業が生まれつつあります。以前は、東大の航空宇宙工学専攻から56人が社会に出ても、実際に宇宙業界に就職できるのは10名ほどでした。しかし現在、宇宙業界はベンチャーも含めて人材が不足している。このコースの修士100名が宇宙分野で活躍する土台ができつつある今だからこそ、宇宙に特化した学科が求められているのです。</p>

<p>【西山】本学科は学問横断型、PBL(Project Based Learning＝課題解決型学習)、シミュレーションなど多くのセールスポイントがあります。1つ挙げるとしたら何でしょうか。</p>

<p>【中須賀】とくに重視するのは、プロジェクトベースの教育・研究ですね。机上の学問はもちろん大事ですが、学習・研究とシミュレーションである程度の成果を出したうえで、自分たちでプロジェクトを立ち上げ、理論や知識を現場に適用して問題解決を図る。これをやっていくと、大きな学びにつながります。この実践を、新研究科の大事な要素として入れていきたいと考えています。</p>

<p>【西山】担当する教員にも、プロジェクト推進の専門性が必要になりますね。</p>

<p>【中須賀】ESECには、すでにプロジェクトの流れを経験した先生方がたくさんおられます。私自身、東京大学で超小型衛星のプロジェクトを民間企業・スタートアップと連携して長年、行ってきました。世界初の1㎏衛星からスタートして16機を打ち上げるという宇宙開発を実践してきたので、現場を踏まえたアドバイスが可能です。</p>

<p>【西山】宇宙のスタートアップについて、研究する能力と起業して会社を経営する能力は違うと思います。そのあたりはどう身につくものでしょうか。</p>

<p>【中須賀】大事なご指摘ですね。大学にできるのはまず環境づくりです。研究ができる人は多く、プロジェクトもだいたいの人は回せるようになる。面白いのは、その中で時々マネジメント、起業に向いた人がポッと出てきます。</p>

<p>そうした人たちに対し、東大ではアントレプレナー道場の先生を紹介して、起業や仕事の進め方を教えてもらうようにしました。</p>

<p>もう1つ重要なのは、企業・スタートアップの人と日常的にプロジェクトに取り組むうちに、就職や起業のハードルやリスクが思ったほど高くはない、という意識が身につくことです。社会人とコミュニケーションを取り、慣れや当たり前の感覚をつくっていくことが大事です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>はったりや大きな話ができる人</h2>

<p>【西山】スタートアップに向いている人材というのはわかりますか。</p>

<p>【中須賀】わかりますね。一言でいえば、はったりというか、大きな話ができる人。真面目なタイプは、技術や製品ができるところまでしか将来の夢を語れない。さらに延長して、実現性は疑わしくても『自分にはこういう世界がつくれます』と罪悪感なしにいえる人(笑)。そういうタイプが向いていますね。</p>

<p>【西山】宇宙関連だけではなく、非宇宙の分野でも活躍する人材を生み出す、とされています。たとえばどういう分野になりますか。</p>

<p>【中須賀】宇宙に関する仕事には、大きなプロジェクトを回す能力が求められます。考えるべきファクターが無数にある状態で人やモノ、予算をマネジメントして問題解決をしなければいけない。コンサルタントが顧客企業の課題を発見し、社員を動かして解決するのと同じで、エンジニアリングや建設の仕事にも当てはまるでしょう。この研究科で得た経験は、多くの業界で生きると思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>立命館は職員がすごい</h2>

<p>【西山】立命館に4月に初めて来られてから、学内の人と接触されていますが、フレッシュな感覚で感じる大学の強みは何でしょうか。</p>

<p>【中須賀】まず、職員の人の動きがすごい。たとえば東大では企業、政府にロビイングを行うのは教員で、事務の人はまったく出てこない。ところが立命館では逆に、職員の仕事として行われている。本当にびっくりしました。事務というより、もう経営ですね。</p>

<p>私はそれが大学本来の姿だと思っていて、獲得した資金を使って運営するのはまさにアドミニストレーション(運営・管理)側の仕事です。立命館は大学本来の役割分担がうまくできているように感じます。</p>

<p>それから私の研究科でいうと皆さん、非常に前向きで明るい。このマインドはすごく大事です。新しいものをつくる気概に満ちた方々が周りにいるのはたいへん気持ちがよく、｢やってやろう」という気持ちになります。</p>

<p>【西山】研究科の10年後のイメージはどんなものでしょうか。</p>

<p>【中須賀】日本が注目するプロジェクトが、立命館で絶えず起こり続けている状態を実現したいと思います。</p>

<p>月とその先の火星をめぐる事業や地球周辺の衛星利用について、立命館がプロジェクトを主導するかたちでも、JAXA(宇宙航空研究開発機構)や企業のプロジェクトに参加するかたちでもよい。とにかく『立命館は日本における本格的な宇宙プロジェクトの場である』というレピュテーションを得ることです。</p>

<p>その状況を見れば、自分もやりたいと思う学生が続々と立命館大学に入ってくる。目立ったプロジェクトが動いていること自体が、大きな原動力になると思います。　</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 11 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[西山昭彦（立命館大学客員教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>市場で魚を買ったら“アワビ”が無料に!? 　釜山で驚いた海鮮市場の気前の良さ  矢巻美穂（カメラマン）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14951</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014951</guid>
			<description><![CDATA[カメラマンの矢巻美穂さんが、釜山に訪れたら食べてほしいオススメグルメを紹介してくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="矢巻美穂" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho14.jpg" width="1200" /><br />
写真：肉厚のテジクッパは必食！（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>国内外の旅行の雑誌やWEB媒体を中心に活動するカメラマン・矢巻美穂さん。7月に出版した『はじめて旅する釜山』(辰巳出版)は、韓国第2の都市・釜山の魅力を、現地取材による豊富な写真とともに紹介した一冊です。</p>

<p>今回はグルメにまつわる話を中心にお聞きしました。魚市場でまさかのアワビが無料でついてきたり、屋台がカラフルでとてもかわいかったり&hellip;現地でしか味わえないリアルな驚きがつまっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>本場でこそ味わいたい、テジクッパ・ナッコプセ・ミルミョン</h2>

<p><img alt="矢巻美穂" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho13.jpg" width="1200" /></p>

<p>――釜山のグルメで、知っておいてほしいことはありますか?</p>

<p>釜山には、釜山で食べるべきものがたくさんあります。名物は多彩な海鮮料理、そしてテジクッパ、ミルミョンなどの釜山発祥の料理があります。これらはソウルでももちろん食べられますが、やはり発祥の地でぜひ食べてほしいです。なんて言うんでしょう、美味しさが全然違うような気がします。特にテジクッパは、ソウルで食べるのとは全然違う気がします。肉がやわらかく、そして豚肉の量がまず違う。やはりソウルフードなので、作る方も食べる方も思い入れがあるというか。</p>

<p>海鮮料理の中でもナッコプセは本当におすすめ。日本でもちらほらとお目にかかるようになりましたが、これはやっぱり現地で食べないと。ナッコプセは、タコ、ホルモン、エビの甘辛鍋で、具だくさんでしかも安いのでおすすめです。</p>

<p>ミルミョンは一見すると冷麺なのですが、麺が小麦粉なのでどんな人でも食べやすい。スープは薬膳が入ったものも多いので、冷麺とはひと味もふた味も違います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>メイン一品で野菜たっぷりのおかずが&rdquo;全部サービス&rdquo;</h2>

<p>――印象的な韓国の食文化はありますか?</p>

<p><img alt="カンジャンケジャン店のパンチャン" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho15.jpg" width="1200" /><br />
カンジャンケジャン店でのパンチャン（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>韓国の食文化で印象的なのは、やっぱり数多くのおかずのパンチャンですね。メイン食材を頼むと、たくさんのおかずが出てきます。美味しくて気に入ればおかわりも自由です。これは本当に楽しいと思います。日本でもこのシステムを取り入れてほしいと思うこともありますが、そういった文化はないので、韓国に行ったらこのありがたい文化を存分に楽しんでいます。</p>

<p><img alt="パンチャン" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho16_1.jpg" width="1200" /><br />
海鮮店でのパンチャン（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>海外旅行に行くと野菜不足になることもありますが、韓国ではその心配は全くないんです。パンチャンはいろんなおかずが出てきますが、一番多いのが野菜。サンチュやエゴマの葉、ナムル。キムチも白菜だけじゃなくて白キムチ、コッチョリ、カクテキ、ムジョリム、トンチミなど実に多彩です。これが全部サービスなんて！　本当に素晴らしい文化です。</p>

<p>――本の中で紹介されていたヌタウナギが気になりました。実際に食べてみていかがでしたか?</p>

<p><img alt="ヌタウナギ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho17.jpg" width="1200" /><br />
コリっとした食感が楽しいヌタウナギ（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>見た目の怖さからは全く想像できないほど、繊細で美味しい魚です。どこのお店でも味付けは塩味、ヤンニョム味が選べます。ヤンニョムは味が強いので、まずは塩味で素材そのものの味を確認してみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>魚を買ったらまさかのアワビが無料に</h2>

<p>――釜山ならではの海鮮料理のおすすめは?</p>

<p>刺身とナッコプセです。日本人は海外で生の魚を食べるのはちょっと抵抗があると思うんです。衛生的な部分や鮮度など、大丈夫かなって。でも釜山の大きな魚市場は生きたまま水槽からあげてすぐに目の前で調理してくれるので、鮮度は抜群です。たとえば、日本では昆布締めの鯛などを水分を極限まで抜いて熟成させてねっとりとした旨みを味わうような食べ方がある一方で、元気な魚をすぐ食べるものやっぱり美味しいなと。自分の目で見て「これ！」と、魚を決められるのも楽しいので、まずはお刺身を味わってほしいかなと。</p>

<p><img alt="海鮮料理" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho18.jpg" width="1200" /><br />
予算5000円の海鮮料理（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>それからその骨や頭などを使って、ヘムルタンという辛いスープというか鍋を作ってくれます。日本のあら汁みたいなものですね。辛いけど、これも一緒にぜひ食べてほしいです。あとは価格が安いことも魅力の一つです。</p>

<p>また、すごいのはおまけです。魚市場で魚を買うと、おまけでたくさんの魚介類をサービスしてくれます。その筆頭はなんとアワビ！　日本では高級食材ですが、サービスでアワビを一人１個とかつけてくれます。</p>

<p>ナッコプセは、先ほどお話したとおり、タコ、ホルモン、エビの甘辛鍋です。汁気がほとんどないので、鍋の中にはこの具材だけがどーんとあって、迫力満点です。日本でこれだけのタコを入れたら、倍以上の金額はしそうです。だからとってもお得だなと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>歩いているだけで楽しい、釜山の市場めぐり</h2>

<p>――釜山には数多くの市場がありますが、それぞれにどんな個性がありますか?</p>

<p><img alt="チャガルチ魚市場" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho19.jpg" width="1200" /><br />
広大なチャガルチ魚市場（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>釜山の三大市場と言われるのは、チャガルチ市場、国際市場、富平カントン市場です。それに加えて、釜田市場がメインの市場だと思います。</p>

<p>チャガルチ市場は韓国最大の魚市場です。店舗数300の巨大な屋内ビルと、屋外の露天エリアに分かれています。ここは歩いているだけでもとっても楽しいです。</p>

<p>国際市場は、衣類、雑貨、お土産、ローカルグルメなど約1200もの店舗がひしめき合う伝統市場です。富平カントン市場は食の市場で、市場めしや屋台、食べ歩きなども楽しめます。この３つは近いので、全て歩いて移動できます。</p>

<p>釜田市場は西面にあり、釜山の最大規模の総合伝統市場です。海鮮、野菜や果物、高麗人参などが安く買える場所で、釜山の台所なんて言われています。釜田市場は戦後のイメージをそのまま感じられる場所もあり、ノスタルジーな雰囲気があります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>カラフルな色合いがかわいい釜山の屋台街</h2>

<p>――本の中で「屋台に行きたい!」というコーナーがありましたが、釜山の屋台文化はどんな魅力がありますか?</p>

<p><img alt="西面ロッテ裏屋台" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho20.jpg" width="1200" /><br />
西面ロッテ裏屋台（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>とにかく、かわいい！　日本でも博多などには屋台がありますが、それとは全く異なるあの色合い、小さなテントなどはレゴブロックみたいというか、とってもかわいいんです。西面ロッテ裏はブルーに赤のライン、BIFF広場横はオレンジに黒のストライプで統一されています。</p>

<p>ひと目見たら「かわいい！」「寄っていきたい！」と思うはず。</p>

<p>ただ、夜の屋台はそんなに格別に安いということではないです。だいたい、タコの塩茹でや肉料理などのメイン料理は15000〜20000ウォン（１ウォン＝約0.1円／2026年８月現在）くらいで、それに酒代がかかる感じ。地元の料理店や居酒屋の方が安かったりするんですけど、やっぱりこの雰囲気は一度味わってみたいですよね。</p>

<p>BIFF広場から国際市場へ続く道にも昼間は白の小さなテントの屋台がたくさんでます。これはビビンタンミョンを売る店で、椅子がとっても小さくて低いんです。これもとっても気になります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>コーヒーは麦茶味!? 　韓国カフェ文化のリアル</h2>

<p>――本の中で「釜山はカフェ天国」と紹介されていましたが、日本ではあまり知られていない魅力ではないでしょうか?</p>

<p><img alt="カフェ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho21.jpg" width="1200" /><br />
元病院をリノベしたおしゃれなカフェ（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>カフェはめちゃくちゃあります。田浦カフェ通りという通りが有名ですが、実はこの通りにはカフェと名がついているから、どこのガイドブックも大きく取り上げられているのですが、どの通りにもカフェがたくさんあります。だから散策でちょっと歩き疲れてもすぐ休憩できます。</p>

<p>特徴は、これは釜山に限らず韓国全体的にそうなのですが、コーヒーがすごく薄いこと。基本はアメリカーノなんです。なので、何杯でも飲めそうな感じ。麦茶っぽいというか、これも慣れてくると美味しくて、これこれ！という感じになります。</p>

<p>――釜山のおすすめのお土産はありますか?</p>

<p>韓国海苔はとっても美味しいと思います。釜山の空港がある金海地区などに加工場があり、なんていうのかな、肉厚で鮮度が良い感じがします。韓国海苔ってごま油がついているでしょう。だから古いものだと酸化しているかなって気になることもあるんですけど、どこで食べても美味しかったし、価格もソウルより安いと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>釜山旅行の目的は、ズバリ「食」</h2>

<p>――最後に、釜山に行ったら必食のグルメは？</p>

<p>釜山を訪れる最大の目的は、ズバリ「食」です。これは釜山在住のガイドさんが言っていたので間違いないかと（笑）。お客さんの約9割が美味しいグルメを求めてくるんですって。まず、到着したらすぐにテジクッパを食べてください。そしてその肉のやわらかさとボリュームに驚いてください。そして名物のナッコプセ、ミルミョンのふたつは必食です。まずこの3つを食べたら、ゆっくりとお刺身などの海鮮料理を味わってください。これを食べたら、きっとまたすぐに釜山に戻ってきたくなるはず。多彩な釜山のグルメ旅を思う存分楽しんでください！</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho14.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 11 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[矢巻美穂（カメラマン）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ持ち家は負債なのか？ 『金持ち父さん』が教える“お金持ちになる人”の考え方  大賀康史（フライヤーCEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15034</link>
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			<description><![CDATA[『金持ち父さんのお金の教科書』から学ぶ、&quot;お金持ちになる人”の考え方。フライヤーCEO・大賀康史氏が解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="大賀康史（フライヤーCEO）" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2022/2022A/220705OogaYasushi03.jpg" width="1200" /></p>

<p>ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier（フライヤー）」（https://www.flierinc.com/）。こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。</p>

<p>今回、紹介するのは『金持ち父さんのお金の教科書　――親から子に伝える一生お金に困らない考え方』（ロバート・キヨサキ著、岩下慶一訳、筑摩書房）。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>金持ち父さんシリーズはファイナンシャル教育の基盤</h2>

<p><img alt="『金持ち父さんのお金の教科書　――親から子に伝える一生お金に困らない考え方』（ロバート・キヨサキ著、岩下慶一訳、筑摩書房）" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260904Oogayasushi01.jpg" width="1200" /></p>

<p>「金持ち父さん」シリーズは、世界累計6600万部というビジネス書屈指のロングセラーです。本書『金持ち父さんのお金の教科書』はその最新作であり、シリーズの集大成にあたる作品です。</p>

<p>起点にあるのは、代表作『金持ち父さん 貧乏父さん』と『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』（ともにロバート・キヨサキ著）。私も学生時代に読み、資産と負債の新たな視点が得られたことで資産形成の見え方が変わったことを今でも覚えています。</p>

<p>シリーズが投資家だけでなく、起業を志す人、収入が増えて資産形成を考え始めた人にまで届いてきたのは、扱っているのが投資テクニックではなく「稼ぎ方の選択肢」そのものだからでしょう。給与所得だけでは資産が積み上がりにくくなった今、そのメッセージはむしろ切実さを増しています。著者は最新作で何を伝えようとしたのでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>キャッシュフロー・クワドラント</h2>

<p>人は主な収入源によって4つの区分（クワドラント）に分かれるといいます。この区分はその人の感情・性格・指針の面でも異なる特性を示しているそうです。一つずつここで紹介します。</p>

<p>Eクワドラント（従業員）：主には会社や政府からの給与で生活をしていて、安全・安定した仕事、福利厚生、昇給などが主な関心事です。堅実でリスクの低い安定した収入の仕事を求める傾向がある人々となります。</p>

<p>Sクワドラント（自営業）：主に自分が持っている中小企業あるいは個人事業の収入で生活しています。時間給やコミッションが収入の中心となります。自分の時間が主な収益源になる人とも言えます。</p>

<p>Bクワドラント（大規模ビジネスのオーナー）：Sクワドラントとの違いは、オーナーが参加しようとしまいと稼働が続くシステム（会社）の所有者であることです。仕事では他の人々の時間とお金を活用しています。</p>

<p>Iクワドラント（投資家）：投資による利益や配当が主な収入源の人を指します。投資収益率にこだわり、自分のお金を最大限に働かせることが、重要な指標となる人々です。</p>

<p>4つのクワドラントを見通してみて、おそらくEクワドラントに所属している人が多いとは思いますが、資産運用をしている人は部分的にでもIクワドラントも兼ねることができています。</p>

<p>著者によるといわゆる富裕層になるためにはBクワドラントかIクワドラントになることが必要で、Iクワドラントの活動は人生のできるだけ早い時期から意識した方が良いといいます。また、BクワドラントとIクワドラントは、勤労所得以上に大きな不労所得が得られることも特徴です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>本当の資産と負債の意味</h2>

<p>著者が定める資産とは「君のポケットにお金を入れてくれるもの」のことを指します。つまり資産を保有することで収入が増えるものになるので、株式・債券・収益不動産などが該当します。なお、収益不動産でもローンの金利・諸経費・税金などを差し引いて利益が出るなら資産と言えますが、運営を誤って赤字となれば負債になるといいます。言い換えれば、「君のポケットからお金が出ていってしまうもの」であれば、それは負債だと考える、ということです。</p>

<p>ここが金持ち父さんシリーズで著者が語る最も強いメッセージであり、一般的な資産と負債という言葉の理解とは異なる部分です。この部分に関しては次の章でも具体的に補足していきます。</p>

<p>今の家計を見ると、給与などで得られる収入が、税金、住宅や車のローンの支払いで差し引かれ、残額を生活費に回してなんとかやりくりをしている状態かもしれません。むしろそれが多数派です。</p>

<p>一方で、富裕層は全く別のお金の流れになります。資産が主な収入を生み、余剰の収入はまた資産に投資をされていくというサイクルがあります。その状態に至ると収入よりも資産の方に意識が向くようになるそうです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>家は資産なのか</h2>

<p>何が資産で何が負債かを深く理解するために、具体的な例として持ち家は資産なのか、というテーマについて深ぼっていきましょう。</p>

<p>貧乏父さんの代表的な言葉として、「家は資産であり、最大の投資でもある」という一文が紹介されます。ただ、金持ち父さんによると持ち家は負債だというのです。意外と思う人も多いはずです。</p>

<p>一般的な会計の知識からは、持ち家は売却すればお金が入るので資産と考えられます。また、住宅ローン残高を上回る売却価値があれば借入を返済してもお金が残るので、ますます資産だとも感じられます。</p>

<p>ただ、著者のいう資産の定義である、「ポケットにお金を入れてくれるもの」かどうかを吟味してみましょう。持ち家はローンの金利支払いや固定資産税や修繕などの維持費がかかるものなので、持っているだけではお金が出ていくものです。</p>

<p>特に米国などでは収入が上がるとさらに良い家に引っ越して、住宅ローンを増やす傾向があって、さらに出ていくお金が増えていきます。車はより負債の色が強く、持っているだけでも売却価値が下がりますし、ローンで買えば金利もかかります。ガソリン代や保守費用などの維持費も高く、著者の定義に従うと「ポケットからお金が出ていく」負債の代表格だと言えるでしょう。</p>

<p>人生の喜びだと思われている持ち家や車の購入が、負債を増やすことだというメッセージは初めて聞くと驚きすらあります。日常の支出が多いと稼いでくれる資産に投資する余力が作れない、という点が金持ち父さんへの道を難しくします。相当な余裕がなければ、豪華な家や車は資産形成の天敵にもなってしまうのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>金持ち父さんをより広くとらえてみる</h2>

<p>ここまでの紹介でも、金持ち父さんになるための道はどのようなものなのかは、少し感触がつかめたのではないでしょうか。</p>

<p>そうは言っても、お金を稼ぐことが人生の目的ではない、という人もたくさんいるでしょう。もう少し視野を広げるならば、『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』（ビル・パーキンス著）も併せて読みたい一冊です。</p>

<p>それによると、人生の目的は思い出作りであって、同じお金だったとしても比較的若い時期に使った方が豊かな思い出につながりやすいので、40代ごろからうまくお金を使っていった方が良い、といいます。特に晩年になると体調面の不調から旅行や食事の楽しみが減り、お金を使っても若い頃よりは充実感が得られにくいものだそうです。</p>

<p>みごとに「金持ち父さんシリーズ」と対比になるような主張ですね。裕福になりたいのであれば金持ち父さんの主張を信じることが近道でしょう。ただ、それ一辺倒だと人生が豊かになったとは言えず、うまくお金を使っていくことも大事なことです。この絶妙なバランス感覚を持つことができれば、人生がより充実するはずです。</p>

<p>世界で代表的なビジネス書と言われる「金持ち父さんシリーズ」を読むと、富裕層の考え方を知ることができますし、資産運用のイメージが膨らむことは間違いなさそうです。生きていくにはお金は必要ですし、資産形成について理解を深めることは決して無駄にはなりません。金持ち父さんシリーズに触れたことがない人も、以前読み内容を忘れている人も、ぜひ本書を読んで人生の豊かさについて理解を深めてみてはいかがでしょうか。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2022/2022A/220705OogaYasushi03.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 11 Sep 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大賀康史（フライヤーCEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>同じ出来事でも「苦しむ人」と「苦しまない人」がいるのはなぜ？　脳が作る物語の正体  鈴木祐（サイエンスジャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15012</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015012</guid>
			<description><![CDATA[「苦しむかどうかは、メンタルの強さ・弱さに関係しない」――そう語るサイエンスジャーナリストの鈴木祐さんが、人が苦しみを感じるメカニズムを解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="鈴木祐著『最高の状態 無』" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NayamiWoman2G.jpg" width="1200" /></p>

<p>嫌なことがあったときに自分だけ落ち込んでいるけれど、友人は全く気にした素振りを見せていない――そうした状況になると、「私はメンタルが弱いのかな...」とさらに落ち込んでしまいがちですが、サイエンスジャーナリストの鈴木祐さんは「メンタルの強さのせいではない」といいます。</p>

<p>では、なぜ同じ出来事が起きても苦しむ人・苦しまない人がいるのか。本稿では、脳の性質について紹介します。</p>

<p>※本稿は、鈴木祐著『最高の状態 無』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ヒトの脳は0.1秒でストーリーを生み出す</h2>

<p>「ヒトの脳は物語の製造機である」</p>

<p>こんな見解を、神経科学の分野でよく耳にするようになりました。旧来の発想とは異なり、私たちの脳は物語を生み出すために生まれた器官だという考え方です。昔ながらの見解では、私たちは3つのステップで&quot;世界&quot;を体験すると考えられてきました。</p>

<p>①周囲の映像や音声を目や耳などの感覚器官が受け取る</p>

<p>②インプットされた情報が脳の高次エリアに届けられる</p>

<p>③すべての情報を脳が処理したあとで、最終的な判断を行う</p>

<p>たとえば、あなたがリンゴを目にする場合、まずその映像を眼球がカメラのように撮影します。この画像が脳の高次機能に送られ、そこで初めて「リンゴ」の映像として処理されると考えられていました。</p>

<p>ところが、後の研究により、この発想では説明できない現象が多いことがわかってきました。代表的なのはテニス選手のケースです。一般的なプロのサーブ速度は平均で時速190キロを超え、トップクラスともなれば時速200キロを記録することもあります。</p>

<p>ここで問題なのが、人間の脳が目で見たものを処理するには思ったよりも長い時間が必要であるという点です。複数の実験によれば、目から入った光が網膜で電気信号に変わり、脳内でイメージに構成されるまでにかかる時間は約0.1秒。どんなに動体視力が良くてもこの数値は変わりません。0.1秒という時間をテニスで考えると、「相手がサーブを打った」とプレーヤーが認識した時点で、ボールはすでに5メートル近く進んだ計算になります。</p>

<p>視覚処理と現実の時間にこれほどズレがあるにもかかわらず、プロプレーヤーが高速サーブを打ち返せるのはなぜでしょうか？この疑問を解くために生まれたのが、「脳＝物語の製造機」というアイデアです。この考え方においては、私たちは次の3ステップで&quot;現実&quot;を体験することになります。</p>

<p>①周囲の状況がどう展開するか、脳が事前に物語を作る</p>

<p>②感覚器官が受け取った情報を脳の物語と比べる</p>

<p>③脳の物語が間違っていたところのみ修正し、&quot;現実&quot;を作る</p>

<p>テニスの例で言えば、相手がボールをトスアップした瞬間から、脳は次々に物語を作り始めます。過去に相手が打ったサーブと同じスピードの球が来る、ボールの上昇スピードがいつもより速いので相手はミスをする、手首が右向きなのでボールはコートの右隅に届く――。こういった物語をもとに、脳は事前に&quot;現実&quot;をシミュレートし、プレーヤーはその予測にもとづいて実際のボールより速く身体を動かすことができます。この能力がなければ、私たちは向かってくるボールや車を避けられず、安心して表を歩くこともできません。</p>

<p>このような思考を&quot;物語&quot;と呼ぶことに、違和感を抱く人もいるでしょう。そもそも&quot;物語&quot;と呼ばれるものには、「特定の物事の因果関係を説明したもの」という共通点があります。その点で、「相手選手のトスアップから生まれた無数の予測」もまた、物語の原初形態と言えます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>私たちは脳が作ったシミュレーション世界を生きている</h2>

<p>人間の脳が物語の製造機になったのは、日常の活動に使うリソースを節約するためです。</p>

<p>たとえば、原始時代の祖先たちが猛獣に襲われるような場面では、本当に必要なのは「猛獣の動き」に関する判断材料のみでした。それ以外の「いつものサバンナの光景」や「遠くに見える鳥の動き」といったデータは無視して、猛獣の挙動だけを処理しなければ、素早く反応できません。</p>

<p>これは現代の私たちも同様です。日々の細かな感覚情報をすべて処理していては、脳のキャパシティがいくらあっても足りません。つまり人類は、高度なストーリーテリング能力のおかげで、多くの危機を乗り越えて現代まで進化できたのです。</p>

<p>さらに、近年の神経科学の進展のおかげで、脳が瞬時に物語を作り上げるメカニズムもわかってきました。</p>

<p>たとえば、あなたが出勤のため玄関のドアノブに手をかけたとしましょう。この瞬間、脳の島皮質という高次領域が「扉の向こうにはいつもの景色があるだろう」「ドアは普段どおりに開き、私は駅に向かうだろう」などの物語を無数に作り出します。</p>

<p>このデータはいったん目と目の間に位置する視床という場所へ転送されます。続いて実際にドアを開くと、目や耳から入った情報が視床に送られ、ここで物語データとの比較が行われます。現実世界から得られた情報と、脳が作った物語を照らし合わせ、間違いがないかをチェックするためです。</p>

<p>もし物語が現実の情報と同じなら、あなたの脳は外界から取り込んだ情報を使わず、最初に高次領域が生んだ物語をそのまま採用します。つまり、目や耳から入ったデータはほとんど使われず、脳が作った「扉を開いても普段どおりの日常が続く」というシミュレーションを、あなたは&quot;現実&quot;として体験するのです。</p>

<p>一方で、「扉を開けたら巨大な犬がいた」というように、脳が作った物語とは異なる現実が広がっていた場合は、間違った情報だけが高次領域に送り返されます。つまり、このケースでは「巨大な犬」のデータのみが高次領域にフィードバックされ、この情報をもとに脳は「この犬は危険だ」「こちらに向かってくるかもしれない」といった新しい物語を展開します。そして、以降も新たな物語が延々と連鎖し続けます。</p>

<p>以上のことをもとに、現代の神経科学者や心理学者は、私たちが知覚する&quot;現実&quot;の大半は、脳が生んだ物語で構成された&quot;世界のシミュレーション&quot;であるとみなしています。あなたがどれだけ世界をリアルに感じたとしても、その&quot;現実&quot;の構築に使われた外界のデータは、ごくわずかなのです。</p>

<p>古代ギリシアの哲学者プラトンは、「人の目に映る現実の世界は真実の影に過ぎない」と述べました。彼が言うように、私たちは決して現実をありのままに体験しているわけではありません。VRゴーグルさながらに、脳が作り出したシミュレーション世界を生き続けているのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>苦しむかどうかはメンタルの強さによらない</h2>

<p>脳のストーリーテリング機能がやっかいなのは、私たちの生存を守ると同時に、トラブルを引き起こすことも多いからです。</p>

<p>たとえば、初対面の人と会ったとき、脳はすぐに過去の記憶を引き出し、「母親に似ているから良い人だろう」というような判断を1000分の1秒で下します。判断材料に使われるのは、子どものころから吸収してきたすべての体験です。</p>

<p>「初めて会う人には挨拶をするものだ」「赤信号では止まらなければならない」「お金はレジで払うものだ」......。</p>

<p>過去に得た知識と情報は、脳内に個別の物語として蓄積され、その一部は、あなたの行動を導く&quot;法律&quot;のような働きをします。いわば特定の物語が強制力を持った状態です。周囲の状況が変わるたびに、私たちの脳は複数のストーリーから適した物語を選び、その内容に沿って次の行動を決めます。</p>

<p>もしこの機能がなければ、初対面の人と会うたびに「この人には挨拶をすべきか？」などと考えねばなりませんし、信号を見るたびに「赤信号は渡るべきかどうか？」と迷ってしまいます。</p>

<p>脳内の物語機能を40年にわたって研究してきたハーバード大学のクリス・アージリスも、「人は常に自分が口で言うことに準じて行動するわけではなく、自分が採用した物語の通りに行動する」と述べています。私たちが日常をスムーズに過ごせるのは、脳に備わった物語サーチエンジンのおかげです。</p>

<p>しかし、ここで問題があります。「食べ物を粗末にしない」といった物語なら特に害はありませんが、ときに私たちは「肥満は怠け者の証拠だ」などの歪んだ内容を行動の規範として採用することがあります。これらの物語のままに動けば、トラブルになりかねません。</p>

<p>さらに、歪んだ物語は自分自身にも害を与えます。</p>

<p>たとえば、友人が急にそっけない態度をとってきたとしましょう。このとき、脳はすぐに現状を説明してくれる物語を探し始めます。その結果、「忙しい人は態度が冷たくなりやすいものだ」という無難な物語がピックアップされれば、日を改めて連絡しようと思うだけで済みます。</p>

<p>しかし、ここで脳が「私は愛されない人間だからだ」という歪んだ物語を取り出せば、話は別です。あなたの中には「嫌われたのではないか」「何か悪いことをしたのでは」などの思いが浮かび、いつまでも頭をめぐり続けます。</p>

<p>つまり、同じようなトラブルでも、苦しむ人と苦しまない人がいるのは、メンタルの強さによるものではありません。脳内に作られた独自の&quot;ストーリーライン&quot;の問題なのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NayamiWoman2G.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 10 Sep 2026 17:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木祐（サイエンスジャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>リュウジ「どんな弁当でも恥ずかしくない世の中に」“簡単でいい”を貫いた本が料理レシピ本大賞  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15083</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015083</guid>
			<description><![CDATA[第13回料理レシピ本大賞が発表。大賞を受賞したリュウジさん、小嶋ルミさん、有働由美子さんらが、受賞の喜びや本に込めた思いを語りました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="第13回 料理レシピ本大賞　受賞発表会" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910recipebon06.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年度「第13回料理レシピ本大賞 in Japan」の受賞作品発表会が開催されました。今年は44社から101作品がエントリー。料理部門の大賞にはリュウジさんの『リュウジ式 生きるための弁当』、お菓子部門の大賞には小嶋ルミさんの『せっかく作るなら、一生ものの、おいしいお菓子　決定版』が選ばれました。</p>

<p>会場では受賞者が喜びを語ったほか、同賞のアンバサダーを務める天野ひろゆきさんも登壇。本稿では全受賞作と、会場で語られたコメントを紹介します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第13回料理レシピ本大賞 in Japan　受賞作品　</h2>

<p>■料理部門：大賞<br />
『リュウジ式 生きるための弁当』リュウジ（ライツ社）<br />
<br />
■料理部門：準大賞<br />
『世界一美味しくて健康的なズボラ飯　えっ、全レシピ塩分2.5g脂質20g以下!?』はらぺこグリズリー（KADOKAWA）<br />
<br />
■料理部門：入賞<br />
『長谷川あかりの「あたらしい」きほんの料理』長谷川あかり（オレンジページ）<br />
<br />
■料理部門：入賞<br />
『ズボラなせいろ蒸し』らむ（ワニブックス）<br />
<br />
■料理部門：入賞<br />
『一汁三菜おぼん献立』Hideka（ワン・パブリッシング）<br />
<br />
■お菓子部門：大賞<br />
『せっかく作るなら、一生ものの、おいしいお菓子　決定版』小嶋ルミ（KADOKAWA）<br />
<br />
■こどもの本賞<br />
『ぜ～んぶひとりでできちゃう！ 小学生のお料理ブック』新谷友里江（家の光協会）<br />
<br />
■コミック賞<br />
『季節が好きなわたしとマダム』にいざかにいこ（KADOKAWA）<br />
<br />
■プロの選んだレシピ賞<br />
『最小限の材料でおいしく作る９のこつ』ウー・ウェン（大和書房）<br />
<br />
■ニュースなレシピ賞<br />
『女将 有働由美子のおつまみレシピ帖』有働由美子（ワニブックス）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>リュウジさん「やっぱり僕の根幹は料理なんだ」</h2>

<p><img alt="リュウジさん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910recipebon01.jpg" width="1200" /></p>

<p>料理部門の大賞を受賞したのは、リュウジさんの『リュウジ式 生きるための弁当』。リュウジさんにとって、料理部門の大賞受賞は今回が3度目です。YouTubeなどで幅広く活動しているリュウジさんですが、自身の本質は「料理研究家」だと語ります。</p>

<p>「このレシピ本大賞をいただくと、本当に僕はレシピで評価していただいているんだなと、改めて実感します。炎上とか、誰々と喧嘩しているとか、そういうことばかりニュースになるんですけど、この大賞をいただいたり、レシピ本を出して皆さんに買っていただいたりすることで、『やっぱり僕の根幹は料理なんだ』と思い出させてもらうというか」</p>

<p>リュウジさんが初めて料理レシピ本大賞で受賞したのは、2018年の第5回。初のレシピ集『お手軽食材で失敗知らず！ やみつきバズレシピ』が料理部門に入賞しました。当時について「僕、家で泣きましたからね」と振り返り、「本当に皆様ありがとうございます」と感謝を伝えました。</p>

<p>今回大賞を受賞したのは、当初は「絶対出さない」と考えていたという弁当のレシピ本です。</p>

<p>「僕、弁当を作るのがめちゃくちゃ嫌いだったんです。当初、弁当本は絶対出さないと言っていたんですけど、僕もサラリーマンをやっていたので、サラリーマンの時にどんな弁当だったら持っていけたかなというのを考えながら作りました」</p>

<p>そうして完成したのが、とても簡単に作れる弁当を提案する一冊でした。</p>

<p>「皆さんにも、あまり気取らず、気張らず、簡単なお弁当を楽しんでいただいて、『こんな弁当でも恥ずかしくない』という世の中にしたいなと思っています」</p>

<p>天野ひろゆきさんも、リュウジさんの本を読み、印象に残ったという「手抜き」「ズボラ」という言葉について触れました。</p>

<p>「リュウジくんの本の中に、『手抜きとかズボラって言葉が僕はあんまり好きじゃない』と書かれていたんです。確かに考えてみると、料理だけが簡単に、効率よくやると『手抜き』と言われてしまう。普通、会社だったら効率を上げることはすごく褒められる。そういう部分もあるなと考えさせられました」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>小嶋ルミさん「こんな日が来るとは思ってもみませんでした」</h2>

<p><img alt="小嶋ルミさん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910recipebon02.jpg" width="1200" /></p>

<p>お菓子部門の大賞には、洋菓子店「オーブン・ミトン」のオーナーパティシエ、小嶋ルミさんの『せっかく作るなら、一生ものの、おいしいお菓子　決定版』が選ばれました。同書は、長年研究してきたお菓子作りのコツを、初心者にもわかりやすく解説した一冊です。</p>

<p>受賞を家族に報告したところ、「ママ、生きててよかったね」と言われたという小嶋さん。</p>

<p>「私は40年ぐらいパティシエをやっているんですけれども、賞とはまったく無縁のものだと思っておりまして、こんな日が来るとは思ってもみませんでした。皆さんのおかげです」</p>

<p>これまで15冊ほどの本を刊行してきたという小嶋さん。本書では、これまで発表してきたレシピを改めて見直し、改善を重ねたといいます。</p>

<p>「初めての方にもおいしくお菓子が作れるように、ポイントをたくさん入れて、わかりやすく作っていくことに専念しました。せっかく作るなら、皆さんもこの『一生もののおいしいお菓子』の本で、お菓子を作っていただきたいと思います」と読者へ呼びかけました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>有働由美子さん「レシピ本から一番ふさわしくない私が出てきましたが」</h2>

<p><img alt="有働由美子さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910recipebon03.jpg" width="1200" /></p>

<p>「ニュースなレシピ賞」を受賞したのは、有働由美子さんの『女将 有働由美子のおつまみレシピ帖』です。</p>

<p>同書は、有働さんが女将となってゲストに手料理を振る舞うMBSの番組『おしゃべり小料理ゆみこ』から生まれた公式レシピ本。番組は2023年7月にスタートし、書籍には番組で紹介された約2年分のレシピなどが収録されています。</p>

<p>有働さんは「レシピ本から一番ふさわしくない私が出てきましたが、こんな賞をいただいてありがとうございます」と切り出しました。</p>

<p>「ちょうど3年前にMBS毎日放送で『おしゃべり小料理ゆみこ』という番組が始まって、芸能界の方やスポーツ界の方に来ていただきながら、その方に合ったお料理を出しているうちに、レシピ本までできてしまいまして。本当にうれしいです」</p>

<p>この日は番組と同じく女将姿で登壇。「なかなかこういう好感度の高い発表会に来させていただくことがないので、今日は女将の衣装の中でも正装で参りました」と会場を沸かせ、「これからも精進して女将を務めていきたいと思います」と語りました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>有働由美子さんの「なすの重ね焼き」を実食</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910recipebon04.jpg" width="1200" /></p>

<p>会場では、『女将 有働由美子のおつまみレシピ帖』に掲載されている「なすの重ね焼き」を、天野さんが試食する場面もありました。</p>

<p>有働さんは試食を前に、「この食リポで何を言ってくださるかで、あと何千部売れるかが決まりますので、よろしくお願いします」とプレッシャーをかけます。</p>

<p>これに天野さんは「なんでこっちがプレッシャー感じないといけないんですか！」と返しながら、料理を一口。</p>

<p>「めちゃくちゃうまい！やっぱりナスと油の相性はいいんですけど、豚の脂がナスに入っているんです。すごくおいしいですね。豚バラがパリパリになっているところもおいしい」</p>

<p>そして「さまざまな人生を重ねてきた有働さんの味。『有働の重ね焼き』と名付けさせていただきたい」と命名。有働さんはすかさず「いえいえ、シンプルな人生でございます」と返し、会場の笑いを誘いました。</p>

<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910recipebon05.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260910recipebon06.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 10 Sep 2026 13:35:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>東京は「世界屈指の中華料理都市」？ 中国でもマイナーな地方料理が揃う理由  中島恵（フリージャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14986</link>
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			<description><![CDATA[世界でも屈指の中華料理都市・東京。中国各地の本格料理から珍しい貴州料理まで、その奥深い中華料理店事情を紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="四川省重慶が発祥といわれる酸菜魚。白身魚と漬物 （酸菜）を唐辛子、花椒などで煮込んだ料理。酸味とコ クのあるスープが特徴。" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260827Nakajimakei05.jpg" width="1200" /><br />
四川省重慶が発祥といわれる酸菜魚。白身魚と漬物（酸菜）を唐辛子、花椒などで煮込んだ料理。酸味とコクのあるスープが特徴。</p>

<p>世界各地に中華料理店はありますが、その中でも東京は、中国各地の料理を味わえる店の豊富さとレベルの高さで際立っているといいます。定番の四川料理や広東料理だけでなく、中国でもマイナーな貴州料理を楽しめる店も。本稿では、ジャーナリスト・中島恵さんの著書『中国の回鍋肉にキャベツは使わない』をもとに、東京の中華料理店事情をご紹介します。</p>

<p>※本稿は中島恵著『中国の回鍋肉にキャベツは使わない』（ウェッジ）より一部を抜粋・再構成したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「東京の中華料理のほうがレベルが高く、断然美味しい」</h2>

<p>東京では今、日本人が想像する以上に中国各地の地方料理が食べられる環境が整っている。中国八大料理どころか、各省・自治区すべての料理が食べられるといっても差し支えない。</p>

<p>人口14億人の中国にいると食べる機会があまりないのに、中国の10分の1以下の人口の日本、とくに人口約1400万人の東京都で、中国のさまざまな地方料理を堪能できる。考えてみると、ものすごい時代になったものだ。</p>

<p>なぜそれが可能かというと、東京都には在日中国人が集住しているからだ。日本人の食べ物に対する探究心が強いことも関係していると思う。</p>

<p>法務省の統計によると、東京都には全在日中国人（約93万人、2025年末）の3分の1近くの約30万5000人が住んでいる。埼玉県、神奈川県、千葉県など関東近郊を合わせれば、関東近郊に全体の3分の2が住む。</p>

<p>ここで、中国のさまざまな地方からやってきた人々が「自分の出身地の料理が懐かしいから食べたい」「自分の省の料理店を開きたい」と考える。また、「これまで中国で食べたことがなかった〇〇省の料理を食べてみたい」という気持ちになる。「まだ行ったことがない省の出身の中国人から食事に誘われる」という機会もけっこうある。</p>

<p>あらゆる地方出身の中国人が多いため、東京という狭い土地の中で彼らの需要と供給がマッチしているのだ。</p>

<p>アメリカには日本の3倍以上の中国人が住んでいるが、アメリカ在住の中国人に聞けば、そこまでの需要と供給はないのではないかという。</p>

<p>アメリカの場合、主要都市の一つひとつが離れており、中国人は日本の東京近郊のように集住していない。また、アメリカ人の食べ物に対する関心度が日本ほど高くないという点も背景にあるかもしれないという。以前ニューヨークに住んでいた中国人は「東京の中華料理のほうがレベルが高く、断然美味しい」と話していた。</p>

<p>カナダのバンクーバーは以前「ホンクーバー」という別名で呼ばれるくらい香港人が多く、「本場と同じ広東料理が食べられる」と評判になったが、広東料理以外、中国各地の地方料理も食べられるというほどではないようだ。現地在住の中国人の歴史が浅く、出身地のバラエティがまだ日本ほど豊富ではないともいえるだろう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>中国でもマイナーな貴州料理</h2>

<p>日本で台頭している中華として、思い浮かぶ料理はいくつかある。一つ目は貴州料理だ。</p>

<p>中国の内陸部、西南部に位置する貴州省は中国で比較的影が薄い存在。甘粛省、雲南省などと並んで「中国で最も貧しい省」と言われている。貴州省には「天に三日の晴天なし、地に三里の平地なし」という言い伝えがある。雨が多くて平地が少ない一方で、山地が多く、標高が高い地形だ。</p>

<p>その貴州省で全国的に知名度が高いものといえば、貴州茅台（マオタイ）酒やアジア最大の滝といわれる黄果樹瀑布、ミャオ族、プイ族など少数民族が多いことだろう。人口の4割が少数民族と言われ、私が省都の貴陽に行ったときには、町中で「頭だけ」あるいは「上半身だけ」民族の飾りをつけて歩いている人をかなり見かけた。地方に行けば、全身民族衣装に身を包んだ人もまだ多い。</p>

<p>そんな貴州省の料理は、中国でもめったに食べる機会はない。北京や上海の街を歩いていて、貴州料理店の看板はほとんど見かけない。ただ、近年ではショッピングセンターのレストランフロア（日本の百貨店のレストランフロアのような感じ）に貴州料理店が少しずつ入るようになった。</p>

<p>私も貴州省以外では北京のショッピングセンターで食べたことがあり、店員は少数民族の衣装を着ていた。話さなかったので、本当に少数民族の出身者なのかは不明だが、北京のような全国各地から人が集まっている大都会で少数民族を見かけることは少ないので、店に入っただけでちょっとした旅行気分が味わえる。</p>

<p>日本人が東京で沖縄料理店に行き、沖縄のかりゆしウエアを着ている店員を見たり、沖縄のお酒を飲んだりして、プチ沖縄旅行気分に浸るのと少しだけ似ている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本に存在する貴州料理店</h2>

<p>そんな貴州料理の有名店が東京にある。</p>

<p>店名は「貴州火鍋」。店の前を通ったことがあるが、残念ながら開店時間よりだいぶ早くて入れなかった。</p>

<p>飲食店予約サイトや個人のSNSなどで紹介されている記事を見ると、店名の通り、貴州省名物の火鍋を中心に、珍しい貴州料理を出していて、中国人だけでなく日本人の間でもファンが増えている。貴州料理といえば、ほぼこの店の独壇場といってもいいようだ。</p>

<p>店のサイトによると、店主は貴州省遵義（ズンイー）市の出身。遵義市といえば、貴州名物の酸スワンタンユー湯魚の発祥の地だ。私が貴陽に滞在していたときも、ほとんど毎晩、夕食のときに円卓に出てきたのがこの酸湯魚だった。</p>

<p>酸っぱくて辛いスープに川魚や野菜がたくさん入っている。寒い時期に食べたら身体が温まるし、夏の暑い時期にビール片手に食べるのもいい。これらを東京で手軽に味わえるという。</p>

<p>私は高田馬場にある「成都姑娘」で酸菜魚を食べた。貴州省、雲南省、四川省は似た料理もあるので、成都がある四川省でも食べる習慣がある。</p>

<p>ところで、遵義は中国では有名なところだ。人口は約740万人。ここは1935年、中国共産党が「遵義会議」を開いたという歴史的な場所。この会議で毛沢東が中央政治局常務委員に選出され、軍での指導権が高まったといわれている。</p>

<p>そういう歴史的な場所だからか、上海市や山東省青島市など、あちこちに遵義路という名の道ストリート路がある。中国の住所は、たとえば上海市なら上海市〇〇区〇〇路という表記が一般的で、〇〇区は市の下に該当し、その下の〇〇路は町の名前だ。東京都千代田区大手町、みたいな感じ。そこに使われているので、馴染みがある。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260827Nakajimakei05.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 10 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[中島恵（フリージャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>中高年が「1日1万歩」を目指すべき理由　動脈硬化予防につながる仕組み  大島清（京都大学名誉教授,医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14942</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014942</guid>
			<description><![CDATA[ウォーキングで血管年齢が若返る？医学博士・大島清氏の著書より、動脈硬化を防ぐ仕組みや血液がサラサラになるメカニズムを解説。1日1万歩の歩行で体中の脂肪を燃焼し、血管の健康を守るポイントを紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ウォーキングする人" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_WalkingShoes.jpg" width="1200" /></p>

<p>40代を過ぎると筋肉が衰え、基礎代謝の低下から「太りやすい体」へと変化していきます。健康維持には、全身の筋肉の7割が集まる足腰をしっかり動かし、1日1万歩を目安に歩く習慣が欠かせません。</p>

<p>実は、歩くことの効果は脂肪燃焼だけでなく、命に関わる「血管年齢」の若返りにも直結しています。</p>

<p>本記事では、医学博士・大島清さんによる書籍『歩くとなぜいいか』より、動脈硬化を防ぐ仕組みや、ウォーキングが血液をサラサラにするメカニズムについて解説します。</p>

<p>※本稿は、大島清著『歩くとなぜいいか』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>血管年齢が大きな関心を集めている</h2>

<p>「血管年齢」という言葉をよく聞くようになった。「この前計ってもらったら、血管年齢が若いのでほっとした」などという会話を耳にする。</p>

<p>動脈の弾力性を計る計測器があって、これで血管年齢が若いとか、高いとかがわかるようになっている。歳とともに動脈の弾力性は失われるが、これを差し引いて病的な動脈硬化が見られるかどうかが簡単に計測できるのだ。</p>

<p>血圧を計るような感覚で、血管の中の様子をチェックできるのだから、すばらしいアイディアだと思う。高田晴子先生という鈴鹿医療科学大学の教授（医学博士）が提唱し、メーカーと装置を共同開発して定着してきたのが「血管年齢」だが、いかにも現代らしさを表した言葉だと感心する。</p>

<p>血管年齢を問題にしなければならないほど、自分の年齢以上に動脈硬化が進んでいる人が増えてきているということなのだろう。</p>

<p>動脈硬化はそのまま放っておくと高血圧になり、心臓に大きな負担をかけることになる。また、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしたりする。</p>

<p>日本人の病気による死亡原因のワースト3は「がん」「心臓病」「脳卒中」だが、3つのうち2つまでが動脈硬化が原因となって引き起こす病気となっているのだ。</p>

<p>血管年齢が大きな関心を集めているのはこんな理由があるからだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>歩くと「血管年齢」がグングン若くなる</h2>

<p>では、血管年齢を上げる怖い動脈硬化はどうして起こるのだろう。喫煙、肥満、糖尿病、ストレスなど、いろいろな原因が考えられているが、中でも大きいのは、脂肪や、脂肪の一種であるコレステロールが溜まる高脂血症とされている。</p>

<p>過剰に摂りすぎた脂肪の一部は血液に溶け、これが血管の壁に貼りついて、血管を細くしてしまうのだ。</p>

<p>心臓で動脈硬化が起これば、狭心症や心筋梗塞を引き起こし、脳の血管が詰まれば脳梗塞や脳溢血を引き起こす。</p>

<p>血管年齢が実際の年齢より高いというのは、命に関わるこうした病気を引き起こす可能性が高いということを意味する。</p>

<p>腹の周りに溜まる脂肪はまだ愛嬌があるが、血液に溶け出した脂肪は悪魔のような悪さをする。だからせっせと歩いて脂肪を燃やし、血管年齢を若く保つことが大切だ。歩けば血液中の脂肪が消費され、血液がさらさらになるのだ。</p>

<p>しかし腹の周りの脂肪も一部は血液に溶けて体のあちこちを移動する。蓄えられた脂肪は血液を通して体を循環していると考えてもいい。だから、腹の周りの脂肪を残して、血液だけがさらさらになるということではない。</p>

<p>歩くことにより、体全体に蓄えられている脂肪が血液を通して均一に燃焼するということなのだ。</p>

<p>ウォーキングの成果が表れてベルトの穴が一つ減ったとしても、腹だけがやせたのではない。体中の脂肪が減った結果がベルトの穴一つに表れていると考えていいだろう。</p>

<p>きちんと歩いていれば、血液も含めて目に見えないところで成果が上がっているのである。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_WalkingShoes.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 10 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大島清（京都大学名誉教授,医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>リアルな木を描くには？ 『プレバト!!』水彩画の野村重存さんが教える「2つの極意」  野村重存（画家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12873</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012873</guid>
			<description><![CDATA[画家の野村重存さんが教える「リアルな木を描くための２つの極意」とは？]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="野村重存" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250423Nomurashigeari0.jpg" width="1200" /><br />
写真：小池彩子</p>

<p>テレビ番組「プレバト!!」（MBS/TBS系）の水彩画コーナーで大人気の絵の先生・野村重存さんは、「絵のセンスや才能がない」と思っている超初心者、さらにその前段階の初心者未満の人でも、「必ず上手な絵を描くことができる!」と語ります。</p>

<p>本稿では絵の超初心者・Iさんが、&quot;リアルな木を描く極意&quot;について教えてもらいました。</p>

<p>※本稿は、野村重存著『野村重存の世界一わかりやすい絵の授業』（PHP研究所）から一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>実物を見なくても絵は描ける</h2>

<p>野村：今日からは、「木」に挑戦していきましょう。木が描けたら、さらに絵を描くことが楽しくなりますよ。</p>

<p>I：ちなみに、なんで木なんですか?</p>

<p>野村：なんといっても、身近な存在だからです。観葉植物や庭の木、街路樹、公園の緑など、家のなかにも、外にも、ありとあらゆるところに木はありますからね。</p>

<p>I：たしかに、木を見ない日はないくらい身近ですね。</p>

<p>野村：しかも、木が描けると応用がきくんです。木が描けたら、森が描けます。森が描けたら、山も描けます。すると、風景が描けます。逆に、木の枝と同じ要領で、1枚の葉の葉脈が描けたりもします。</p>

<p>I：なるほど。応用の範囲が、とても広そうです。......外に出かけて観察しなくていいんですか?</p>

<p>野村：いいところに気がつきましたね。今回は、特定のモデルは設けません。モデルに似せることより、描き方を身につけることに集中するためです。</p>

<p>I：えっ!? リアルな絵って、なにも見なくても描けるんですか?</p>

<p>野村：はい。リアルな絵を描くコツは、描き方を知ること。実物を見なくても、「こうやって描けばリアルな木に見える」という描き方を知って、その手順通りに描けば、だれでも描けるんです。</p>

<p>I：なにも見ずに絵を描けたら、かっこいいですね。あこがれます。</p>

<p>野村：特定のモデルを設けずに描く練習は、「対象物をよく見て描かないといけない」という思いこみをリセットするのにも役立ちます。今回は、実物の木ではなく、Iさんのイメージする木を描いてもらいます。</p>

<p>I：私のイメージする木でいいんですね。それじゃあ、遠慮なく描いてみます。サッサッサッ。下のような感じになりました。</p>

<p><img alt="木の絵" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250822Nomurashigeari05.jpg" width="1200" /></p>

<p>野村：あぁ〜、木ですね......（これまで教えてきたことは、なんだったんだろう......）。</p>

<p>I：野村先生、ちょっと顔色が悪いような......?</p>

<p>野村：だ、大丈夫ですよ！　ここからは全部のびしろです（笑）。Iさんのイメージする木って、ひょっとすると、こんな感じですか?　ちょっとお待ちください。サラサラサラ。下の図です。</p>

<p><img alt="野村先生の木の絵" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250822Nomurashigeari06.jpg" width="1200" /></p>

<p>I：うわぁ!! まさに、こんな木です！</p>

<p>野村：それじゃあ、ここに少しずつ近づいていきましょう!</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>リアルな木を描く極意1</h2>

<p>野村：Iさんの描いた木と、私の描いた木、この2つの違いって、なんだと思いますか?</p>

<p>I：なにがって、もう次元が違いすぎて......。</p>

<p>野村：そういうことではなくて、そもそも木をとらえるポイントが違うんです。そこが変わると、木を描くのが一気にうまくなりますよ。</p>

<p>I：木をとらえるポイントですか......。</p>

<p>野村：はい。2つの点で大きく違っているんです。ポイントの1つ目は「葉」のとらえ方です。Iさんの木は、葉の部分が、半円を次々につないだ一筆書きみたいになっていますよね。パターン化すると、絵がリアルに見えなくなるんです。</p>

<p>I：木の絵は、小さいころからもう何十年も、これでずっとしのいできたので、それが出ちゃいましたね......。</p>

<p>野村：そのぐるりとつながった線が、つくりもののような、なにかの記号のような感じに見えてしまうんです。実際には、こんな木は存在しませんよね。</p>

<p>I：はい。実際の木は、たくさんの小さな葉の集まりですね......。</p>

<p>野村：その通り。木は自然のものなので、下の図のように、不規則で、「とぎれ、とぎれ」のランダムな線になるはず。これが木を描くときの1つ目のポイントです。</p>

<p><img alt="葉" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250822Nomurashigeari07.jpg" width="1200" /></p>

<p>I：なるほど。ひとつなぎではなく、「とぎれ、とぎれ」に......。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>リアルな木を描く極意2</h2>

<p>野村：ポイントの2つ目は「枝」のとらえ方です。そもそもIさんの木は幹だけで、枝がまったくないですよね。</p>

<p>I：あっ、本当だ......。</p>

<p>野村：実際の木は、幹だけでなく、もちろん枝もあって、それが縦にも横にも手前にも奥にものびています。このポイントを意識しないと、絵が平面的になって、これまたつくりものみたいに見えてしまうんです。</p>

<p>I：たしかに、実際の木の枝って、四方八方にのびていて、かなり複雑ですよね。</p>

<p>野村：Iさん、少しずつ木の構造に意識が向いてきましたね。今、大きな一歩をふみだしましたよ。</p>

<p>I：えっ、どういうことですか?</p>

<p>野村：リアルな木を描く極意に、ぐっと近づいたということです。木がどんな構造になっているかを理解できると、複雑な葉の部分の描き方がわかるんです。木には、まず幹があって、そこから放射状に枝がのびていますよね。</p>

<p>I：そうですね。</p>

<p>野村：その枝から、さらに細い枝がのびて、その先に葉がこんもり茂っています。</p>

<p>I：はい、わかります。</p>

<p>野村：つまり、「枝＋葉の茂り」という、ひとかたまりの房がたくさん集まって、1本の木の葉の部分になっているわけです。さっき私が描いた木の絵も、そんな描き方になっているので、もう一度、見てみてください。</p>

<p>I：そう言われると、野村先生の木の葉の部分は、もこもこした房がいくつも集まっているような......。</p>

<p>野村：そんなふうに、木の葉の部分は、もこもこした房の集合体だとわかったら、木を描く極意はつかめています。「枝＋葉の茂り」のひとかたまりの房をたくさん描いていけば、木の葉の部分が描けてしまうんです。</p>

<p>I：なるほど！　そうやって構造を分解して考えると、複雑に思える木の葉の部分も描けそうな気がしてきました。</p>

<p><img alt="枝" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250822Nomurashigeari08.jpg" width="1200" /></p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250423Nomurashigeari0.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 10 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[野村重存（画家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>空でお釈迦様が一回転するドローンショー?　雑多な市場もリゾートも楽しめる釜山が面白い  矢巻美穂（カメラマン）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14949</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014949</guid>
			<description><![CDATA[カメラマンの矢巻美穂さんが、韓国第二の都市・釜山の観光スポットを紹介してくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ブルーラインパーク スカイカプセル" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho07.jpg" width="1200" /><br />
写真：海を走るブルーラインパークのスカイカプセル（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>国内外の旅行の雑誌やWEB媒体を中心に活動するカメラマン・矢巻美穂さん。7月に出版した『はじめて旅する釜山』(辰巳出版)は、韓国第2の都市・釜山の魅力を、現地取材による豊富な写真とともに紹介した一冊です。今回は観光や街の魅力、そして現地で出会った人々についてお聞きしました。大きな荷物を抱えていると、必ず誰かが手を差し伸べてくれたそうです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>曇り空との闘い、会心の一枚を求めて何日も通った甘川文化村</h2>

<p>――甘川文化村は、本の巻頭に使われるほど象徴的な場所ですね。実際に訪れてみていかがでしたか?</p>

<p><img alt="甘川文化村" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho02.jpg" width="1200" /><br />
上空から見る甘川文化村（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>はじめて写真を見た時に衝撃を受けて、釜山では必ず行きたい場所でした。ここは韓国政府の都市再生プロジェクトで、芸術家と住民が協力して作り上げた街です。カラフルに塗られた家の壁や屋根、階段などが日本にはないのでとても面白かったです。</p>

<p>取材中は天気が悪く、何度もこの街に通いました。曇り空ではなかなかこの色合いを伝えられないので、この色彩をどうしても伝えたいと何日も通い、ようやく会心の一枚が撮影できました。</p>

<p><img alt="矢巻美穂" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho01.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>毎週テーマが変わる無料ドローンショー</h2>

<p>――広安里は、ビル群とビーチが同居する不思議な景色が印象的でした。</p>

<p><img alt="広安里ビーチ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho03.jpg" width="1200" /><br />
ビルと浜辺のコントラストが面白い広安里ビーチ（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>ビーチとビルが立ち並ぶ不思議な写真になっていますが、実際に歩いてみると海・海・海という感じです。確かにビルはたくさんあるのですが、ビーチは1.5kmと広いので圧迫感はなく、とても開放的な街です。</p>

<p><img alt="ドローンショー" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho04.jpg" width="1200" /><br />
桁違いのスケールの驚くドローンショー（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>広安里ビーチでは、毎週土曜日の夜に無料のドローンショーが開催されます。ビーチに座ってくつろぎながらショーを見ることができます。このショーがすごいのは、毎週ショーの内容が変更すること。滞在中２度見ましたが、１度目は韓国の世界遺産がテーマで、その翌週はスパイダーマンでした。空いっぱいに広がるお釈迦様が一回転したりするんですよ。「うわー、すごいなー」と、大きな歓声が上がりました。このドローンショーは曜日があえば、ぜひ見てほしいです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ここは本当に韓国?　まるでハワイのようなビーチリゾート</h2>

<p>――海雲台は、韓国屈指のビーチリゾートとして紹介されていました。実際に訪れてみていかがでしたか?</p>

<p>海雲台も広安里同様に、ビーチを中心とした街です。ビーチには遊歩道もあるので、海を見ながらのんびりしたり、散歩したり。ここが本当に韓国なの？　実はハワイなんじゃない？　なんて思うほどです。</p>

<p><img alt="海雲台ビーチ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho05.jpg" width="1200" /><br />
海雲台ビーチの遊歩道（撮影：矢巻美穂）</p>

<p><img alt="海雲台ビーチ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho06.jpg" width="1200" /><br />
海雲台の開放的なビーチの様子（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>海雲台には今大人気の海岸を走る２つの列車のブルーラインパークがあります。これは本当にかわいいし、ぜひ乗ってほしいのですが、大人気でなかなかチケットが取れないんですよ。本には、もしかしたらチケットがとれるかもという方法を書いてあるので、ぜひ参考にしてみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ごちゃごちゃした路地の先に海が広がる、釜山の中心地</h2>

<p>――釜山の観光の中心でもある、チャガルチ・南浦エリアの印象はいかがでしたか？</p>

<p>ここがやはり、釜山の中心だと思います。今、釜山は革新的に街が変わってきています。もしかしたら、以前に釜山を旅したことがある人は、甘川文化村や海雲台のかわいらしさや雰囲気に驚くかもしれません。思わず写真を撮りたくなる写真映えするスポットがたくさんあります。一方で、このチャガルチ周辺はかつての面影を色濃く残している地域だと思います。</p>

<p><img alt="チャガルチ市場" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho08.jpg" width="1200" /><br />
チャガルチ市場の場外（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>チャガルチ魚市場周辺には昔ながらの外で魚介を売る屋台があり、ノスタルジーを感じます。また、このエリアにはチャガルチ魚市場、国際市場、富平カントン市場と３つの市場があり、アジアの雑多な雰囲気が満載です。でも他のアジアの国と違うのが、圧迫感や閉塞感を感じないこと。これはアジアのごちゃごちゃとした雑踏のすぐそばに海があるからだと思います。ごちゃごちゃした路地裏を抜けると、海が広がっている。こんな街、他にないと思います。私は釜山の魅力を一番感じるこのエリアが大好きです。</p>

<p><img alt="冷凍施設のない魚屋" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho09.jpg" width="1200" /><br />
冷凍施設のない魚屋（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>世界遺産の古都・慶州、海の神社とカニの街・機張</h2>

<p>――釜山から足を延ばせるおすすめのスポットはありますか?</p>

<p>釜山に旅行に来られる方のほとんどの目当ては多彩なグルメだと思います。美味しいものを食べるという目的ですね。海のリゾートや市場もあるので、2泊3日なら特に外に出かけなくても十分楽しめますが、実は少し足を延ばせば、世界遺産のある古都「慶州」や海の神社とカニの街、「機張」にも行けます。慶州は釜山駅から鉄道で約30分、機張へは海雲台からバスでアクセスできます。</p>

<p><img alt="仏国寺" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho10.jpg" width="1200" /><br />
世界遺産の仏国寺（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大荷物の私を助けてくれる確率、まさかの100%</h2>

<p>――取材の中で、釜山の方々の気質について印象的だった話はありますか?</p>

<p>みんなとても優しかったと思います。なんていうんでしょう、みなさんニコニコしてた。歓迎してくれる雰囲気を感じました。例えば言葉が通じなくても、なんとかコミュニケーションを取るように努めてくれたりとか。</p>

<p><img alt="鮮魚店の店主" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho11.jpg" width="1200" /><br />
広安里ビーチ近くの鮮魚店の店主（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>あと私が機材など大きな荷物を持っているので、いろんな人が手伝ってくれました。長い取材になるので、初日の移動はカメラ機材を15kg背負い、スーツケースは30kgと、とにかく重くデカい荷物に。その重さに苦労していると、どこからともなくやってきてサッと手伝ってくれる。階段に差し掛かると、必ず誰かが助けてくれました。確率でいうと本当に100%。年上の人に敬意を払う文化がある韓国ですから、あのおばさん大きな荷物を持って大変そうだ、と思われたのかも。とにかく、みなさん本当に優しくて、本当にありがたかったです。</p>

<p>そんな優しくてニコニコな雰囲気をこの本でも伝えられたらと、みなさんの笑顔を写真に収めました。</p>

<p><img alt="国際市場の屋台の店主" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho12.jpg" width="1200" /><br />
国際市場の屋台の店主（撮影：矢巻美穂）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>グーグルマップが使えない!　現地アプリとQRコードで乗り切る</h2>

<p>――はじめて釜山を訪れる方に、事前に知っておいてほしい実用的な情報はありますか?</p>

<p>本でも書きましたが、グーグルマップが日本のように使えないことですかね。地図は表記されるのですが、そこに建物の情報がなかったり、アクセスが調べられなかったりします。なので、現地のアプリを入れておくのがおすすめです。</p>

<p>そこで現地の方がよく使用しているのが、ネイバーマップかカカオマップです。ネイバーマップは乗り換え案内が細かくて、乗車する電車の何号車の扉の番号まで教えてくれます。でも少々厄介なことがあって、検索がちょっと調べにくいんです。もちろん日本語対応はしていますが、ちょっと検索にコツがいるんですね。韓国のアプリの調べ方は、正式名称を正しく入れるのではなく、主要の文字をいくつか入れるとプルダウン表示されるので、その中から選ぶという方式なんです。これが結構難しくて、ネイバーの検索の仕方をAIで調べるというのも&quot;あるある&quot;なんです。</p>

<p>この本はそんな私の体験から、施設やお店、エリアに全てQRコードを入れました。これを読み込めば、簡単に目的地を検索できます。これは我ながら、なかなか良いなと（笑）。便利に使っていただけると思います。</p>

<p>――最後に、旅行者へメッセージをお願いします。</p>

<p>釜山はエリアによってたくさんの顔を持っている街だと思います。チャガルチ・南浦には雑多で楽しい市場が広がり、広安里や海雲台は海のリゾートを満喫、甘川文化村では色彩豊かなかわいいフォトジェニックな街並みが楽しめる。少し足を延ばせば、世界遺産もある。行く場所によってその印象がガラリと変わる。そんな街、なかなかないと思います。</p>

<p>一度に色々な雰囲気が楽しめて、そのうえ食べ物が美味しい。日本各地から直行便もあり、東京からは約2時間で到着します。</p>

<p>今、円安が進行していて、なかなか海外旅行に行くにはどうかなと思っている人も多いと思います。これまで両替していた感覚とは違う。例えば、タイでは今1万円を両替すると2100バーツです。え、ちょっと前までは3000バーツくらいだったよねと。台湾も同じような変動です。</p>

<p>でも、韓国は違う。なぜなら日本も円安が進行していますが、韓国も世界的にウォン安なんです。円安、ウォン安なのでそこは相殺というか。10年前とほぼ両替する金額に変動がないんです。これはもう、韓国に行くひとつのきっかけになるのではと。しかも、チップ文化もないし、消費税もない。かなり旅がしやすいと思います。</p>

<p>しかも、料理にはたくさんのパンチャンがついて、ひとつのメインを頼めばたくさんのおかずでテーブルがいっぱいになります。料理単品の価格は日本とそれほど変わりませんが、たくさんのサービスで結果お得な印象を感じます。</p>

<p>こんな観点からも、韓国、さらにソウルよりも物価が安い釜山は、今断然注目の都市だと思います。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260828yamakimiho07.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 09 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[矢巻美穂（カメラマン）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「報復捜査」 第２回　安東能明  安東能明（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14914</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014914</guid>
			<description><![CDATA[連載小説「報復捜査」 第2回。殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!? ]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="報復捜査" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" width="1200" /></p>

<p>殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第２回</h2>

<p>屋上へ出ると、灼けた陽射しが叩きつけてきた。伊場は給水塔の陰に身を寄せ、銃を構えた。グリップが汗で滑り、何度も握り直す。訓練のときより、銃が重い。受令機に、周囲のビルへ展開したＳＡＴの報告が断続的に入る。南側も東側も配置を終えたという。狙撃手からは、照準確保の声が届いた。</p>

<p>視界の先、ビルの端のフェンスを背に、阿久津が立っている。左腕で女児を抱え、右手の包丁を首筋に当てている。女児は泣き疲れたのか、ぐったりと身を預けていた。</p>

<p>ここからなら頭部を狙える。阿久津まで、およそ十五メートル。照準も取れた。伊場は片手で銃を構えた。指の腹が引き金に触れる。手が震えた。汗がグリップを伝う。深呼吸をひとつ。落ち着け。だが鼓動は速いままで、耳の奥に細い鳴りが立っている。訓練の標的は、段ボールの的だった。いま照準の中にいるのは、息をして、汗をかいている人間だ。</p>

<p>「阿久津さん！落ち着いてください！」</p>

<p>拡声器越しの新井の声が、屋上に響く。新井は出入口の近くで、両手を広げていた。</p>

<p>「お子さんを放してください。そうすれば、あなたの話を聞きます」</p>

<p>阿久津が、裏返った声で叫んだ。</p>

<p>「うるせえ！近づくな！近づいたら、このガキをぶっ殺す！」</p>

<p>包丁が首筋に食い込む。女児が、小さく悲鳴を上げた。伊場は引き金に指をかけたまま、動けない。命令は、まだ出ていない。</p>

<p>受令機が淡々と刻む。</p>

<p>『各班、状況報告』</p>

<p>『ＳＡＴ一班、南側ビル屋上、配置完了』</p>

<p>『ＳＡＴ二班、東側ビル六階、配置完了』</p>

<p>『狙撃手、照準確保。いつでも撃てます』</p>

<p>いくつもの銃口が、阿久津の一点へ集まっている。伊場は屋上を見回した。刑事課の面々が、各所に散っている。その中に、小暮の姿はない。取り調べ中に被疑者を逃がしたのなら、まっさきに現場へ呼ばれ、責めを負う立場のはずだ。なのに、どこにもいない。</p>

<p>新井が、もう一度声を投げる。</p>

<p>「阿久津さん、何が不満なんですか。話してください」</p>

<p>「おれは何もしてねえ！なのに、なんで捕まるんだ！」</p>

<p>「不法就労助長罪です。あなたは中国人留学生を――」</p>

<p>「そんなもん、みんなやってる！なんでおれだけなんだ！」</p>

<p>声が、うわずっていく。</p>

<p>「それに、あいつらが――」</p>

<p>言葉が、途中で切れた。阿久津の顔が、何かに追いつかれたように歪む。</p>

<p>あいつら。</p>

<p>この男は、ただの不法就労のブローカーではない。別の何かに追い詰められている。だから公安が動き、小暮が単独でこの男と向き合っていた。</p>

<p>「阿久津さん、誰があなたを追い詰めているんですか」新井が声を和らげる。「話してください。わたしたちが守ります」</p>

<p>「うそだ！」阿久津が叫んだ。「おまえらも、あいつらの仲間だ！おれを殺す気だろ！」</p>

<p>「そんなことはしません。わたしたちは警察です。市民を守るのが仕事です」</p>

<p>「警察？笑わせるな！」</p>

<p>阿久津の目に、底の見えない光が差した。</p>

<p>「警察が、一番信用できねえんだよ！」</p>

<p>声が裏返った。その一言だけ、ほかの叫びと手触りが違った。怒りではなく、怯えの底から押し出された響きだった。伊場は照準の先のその顔を見つめた。額に汗が浮き、目は落ちくぼみ、喉が小刻みに動いている。この男はただの不法就労のブローカーではない。何かに追われている。その何かに、公安が、小暮が触れていた。だが、いま手の中にあるのは銃だけだった。</p>

<p>女児が、また泣き出した。喉の奥から、もう声とも言えない細い音が漏れる。伊場は照準を保った。グリップを握り直す。汗が指の間を滑った。</p>

<p>午後一時四十五分。</p>

<p>膠着（こうちやく）が続いた。新井は声の調子を変えずに、条件を並べていく。</p>

<p>「弁護士を呼びましょう。あなたの話を、ちゃんと聞いてくれる人です」</p>

<p>阿久津は首を振った。</p>

<p>「飲み物を用意します。喉が渇いているでしょう」</p>

<p>阿久津の目が、一瞬だけ揺れた。が、すぐに歪んだ。</p>

<p>「いらねえ！どうせ毒でも入ってるんだろ！」</p>

<p>「そんなことはしません」</p>

<p>「うそつけ！」</p>

<p>言葉が往復するだけで、何も動かない。時間だけが、屋上の熱の中で溶けていく。女児の泣き声は途切れ途切れになり、やがて疲れ果てて掠れた。伊場のワイシャツは、背中まで濡れていた。銃を持つ手の感覚が、汗で遠くなっていく。</p>

<p>無線が入った。</p>

<p>『全隊、強行突入準備』</p>

<p>伊場は受令機を押さえた。聞き違いではない。交渉はまだ途中だ。膠着はしているが、女児は生きている。突入する局面ではない。</p>

<p>『副署長命令。阿久津を制圧する。発砲を許可する』</p>

<p>曽我（そが）。署に残っているはずの男の名が、なぜ現場の指揮系統を飛び越えて流れてくるのか。伊場は新井を見た。新井の顔から、交渉していたときの落ち着きが消えていた。眉の間に皺が寄り、唇が薄く開いて、言いかけた何かが止まる。指揮官が初めて見せた表情だった。</p>

<p>『撃て』</p>

<p>命令が、耳の奥で硬い音を立てた。</p>

<p>伊場の身体が、先に動いた。給水塔の陰から飛び出し、両足を開いて銃を構える。照準を阿久津の頭部へ。息を整えようとして、整わない。引き金に、指の腹が触れる。</p>

<p>照準の先へ、横から人影が割り込んだ。</p>

<p>小暮だった。汗で濡れたワイシャツが胸に張りつき、髪が額に乱れかかっている。右手に拳銃を提げていた。公安の刑事が現場に銃を持ち込むことはない。貸与には署長決裁がいる。誰がこの男に銃を握らせたのか――その問いが像を結ぶより早く、血走った目が伊場をまっすぐにとらえた。</p>

<p>「撃つな！」喉の奥から絞り出す声だった。「伊場、撃つな！」</p>

<p>「小暮、下がれ！」新井が叫ぶ。「射線上だ！」</p>

<p>小暮は動かない。阿久津でも女児でもなく、伊場だけを見ている。一昨日の深夜、受話器の向こうで沈んでいったあの声が、いまの目に重なった。おれみたいに、ならないでくれ。</p>

<p>阿久津が、包丁を女児の喉に押し当てた。皮膚がへこむ。短い悲鳴が裂けて、途切れた。</p>

<p>猶予は、もうなかった。伊場の指が引き金を絞り込む。乾いた銃声がひとつ、屋上の熱気を打った。</p>

<p>撃った。</p>

<p>その手応えが腕に残るより早く、小暮が銃を持ち上げた。銃口が伊場の胸の高さで止まる。</p>

<p>「やめろ！伊場、やめるんだ！」</p>

<p>手が震えていた。それでも指は引き金にかかっている。本気か。本気でおれを撃つのか。問いただす一秒もなかった。考えるより先に、訓練で身体に刻まれた動作が伊場を押し出した。脅威を排除しろ。生き延びろ。これは小暮だ、親友だ――その声を、別の声が踏み潰す。撃たれる。</p>

<p>照準を合わせた覚えはない。気づいたとき、銃声はもう鳴り終えていた。</p>

<p>小暮の首から血が噴いた。白いワイシャツに、赤がほどけるように広がっていく。膝が折れ、上体が斜め後ろへ傾いで、ゆっくりと屋上に沈んだ。ほとんど同時に、周囲のビルから銃声が連なった。阿久津の身体が弾かれて吹き飛び、包丁が陽光を撥ね返して宙を舞う。</p>

<p>女児が、放り出されるように転がり出た。刑事のひとりが駆け寄って抱き上げる。大丈夫だ、もう大丈夫だ――その声だけが、やけに遠くで優しかった。規制線の向こうから、母親が転がるように駆け込んできた。受け取った我が子を、声にならない声で抱きすくめる。女児の泣き声が、その肩のあたりで、ようやくほどけていった。</p>

<p>伊場は動けなかった。銃を握ったまま、倒れた小暮を見ている。流れ出た血が陽射しを受けて、黒く照り返していた。</p>

<p>おれが撃った。</p>

<p>親友を、おれが撃った。</p>

<p>受令機が、事務的に状況を刻んでいく。</p>

<p>『人質、確保』</p>

<p>『容疑者、制圧』</p>

<p>『負傷者あり。小暮刑事。至急、救急車を』</p>

<p>負傷者、という言葉が、小暮の名と結びつくのに間があった。指の力が抜け、銃が手から滑り落ちる。金属が屋上を打つ音が、やけに大きく響いた。膝が屈み、伊場はその場に沈んだ。</p>

<p>誰かが、肩を掴む。</p>

<p>「伊場！しっかりしろ！」</p>

<p>新井の声が、水の底から届くように遠い。伊場は小暮だけを見ていた。倒れたまま、小暮の目がこちらを向いている。唇がかすかに動いた。言葉の形を作ろうとして、声にならない。血だけが流れ続ける。</p>

<p>救急隊が、屋上を走ってきた。オレンジ色が小暮を囲み、担架に乗せ、胸を押し始める。手のひらが規則正しく上下する。それでも、押し当てたガーゼが、見る間に赤を吸っていった。伊場は膝をついたまま、それを見送ることしかできなかった。</p>

<p>現場が動き出す。阿久津の身体に、白い布がかけられた。血痕の縁にチョークの線が引かれ、カメラのシャッターが連続して鳴る。すべてが手順どおりに、淡々と進んでいく。その手順の輪から、伊場ひとりが外れていた。話しかけてくる声があった。意味が、像を結ばない。耳鳴りの向こうで、世界が薄い膜越しに動いていた。</p>

<p>午後二時五分。事件は終わった。誰かが、そう告げた気がした。</p>

<p>屋上の床に、ふたつの血だまりが滲んで、ひとつに溶けかけていた。小暮の血と、阿久津の血が、陽に灼かれて境目を失っていく。</p>

<p>新井が、腕に手をかけた。</p>

<p>「立てるか」</p>

<p>伊場は首を振った。膝に力が戻らない。</p>

<p>「無理するな。救急車を――」</p>

<p>「いえ」声が掠れた。「大丈夫です」</p>

<p>大丈夫なものは、何ひとつなかった。それでも、ほかに言える言葉がなかった。伊場はゆっくりと立ち上がった。膝が笑い、踏み出した一歩が床を探る。それでも、立てた。</p>

<p>出口へ歩く。手すりを頼りに、階段を一段ずつ降りる。背後から足音がついてきたが、振り返らなかった。ビルを出ると、規制線の外で、野次馬の視線が一斉に刺さった。その圧を、皮膚は感じても、心は受け取らない。</p>

<p>親友を撃った。その一行だけが、胸の中で繰り返し書き直されていく。</p>

<p>伊場は空を見上げた。六月の青が、容赦なく晴れ渡っている。まぶしさに目を閉じると、暗がりの奥で、あの夜の声が戻ってきた。</p>

<p>おれみたいに、ならないでくれ。</p>

<p>その言葉が何を指していたのか。閉じた目の裏に、答えの形をなさない暗がりだけが、深く沈んでいた。</p>

<p align="right">〈つづく〉</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 09 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安東能明（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>約30分間で血圧に影響も？ 医師が勧める「脊椎ストレッチウォーキング」  長尾和宏（医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12846</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012846</guid>
			<description><![CDATA[医師の長尾和宏さんが、歩く効果が高まる「脊椎ストレッチウォーキング」の方法を解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="walking" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_walking2.jpg" width="1200" /></p>

<p>認知症や軽度認知障害（MCI）の方でも、継続的な運動によって認知機能の回復が期待でき、特に有酸素運動と食事療法を組み合わせることで、計画性や段取りといった実行機能の改善に効果があることが、デューク大学の研究で示されています。このため、医師の長尾和宏さんは認知症予防のためにウォーキングを勧めています。本稿では、「脊椎ストレッチウォーキング」の方法を書籍『歩く人はボケない 町医者30年の結論』よりご紹介します。</p>

<p>※本稿は長尾和宏著『歩く人はボケない 町医者30年の結論』（PHP新書）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>筋肉は脳にメッセージを送っている</h2>

<p>歩行と脳が深く関係していることはあまり知られていません。</p>

<p>一般的には、歩行と脳は別のものとして捉えられています。医療分野でも、脳は脳外科、神経内科、精神内科と細分化され、歩行を運動と捉えるならば整形外科が担当するといった形で、とにかく細かく分けられてしまっています。歩行と脳機能の両者を一体で診てくれるような診療科はありません。</p>

<p>まず歩行と脳の関係を知ってください。脳が筋肉に命令を出すことによって歩くことができるという一方的な関係だけではなく、歩くことによって筋肉から脳や腎臓などにミオカインと呼ばれる「メッセージ物質」が送られています。脳が筋肉からのメッセージを受け取るという、双方向の関係にあります。</p>

<p>メッセージ物質とは、細胞から分泌されるサイトカインと呼ばれるホルモンと同じような物質です。かつて『NHKスペシャル』で運動について取り上げられたときに、「メッセージ物質」という言葉が使われました。</p>

<p>おそらくNHKによる造語だと思われますが、サイトカインという言葉では視聴者に伝わりにくいので、わかりやすくメッセージ物質と言い換えたのでしょう。メッセージ物質という言葉の通り、細胞や組織や臓器から発せられるさまざまなメッセージを伝える物質です。</p>

<p>歩行で筋肉に負荷がかかると、筋肉からメッセージ物質が出され血流に乗って脳に届きます。脳と筋肉は盛んに会話しています。仮に脳を親分、筋肉を子分にたとえるならば、親分が子分に「こうやって動いてくれ」と命令を出します。子分はその通りに動きますが、子分の側からも親分に対して「親分も頑張ってください」という応援メッセージのようなものを送ります。</p>

<p>そうすると、親分は「よっしゃ、もうちょっと頑張るわ」といった形で、いっそう頑張るというような感じをイメージします。要は適度な歩行により、脳と筋肉が励まし合うような関係性が構築されます。</p>

<p>臓器と臓器の会話を「臓器相関」と呼びますが、筋肉と脳、骨と脳も会話をしながら生体は良好に保持されます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>胸を張って歩くと、歩く効果が高まる</h2>

<p><img alt="脊椎ストレッチwalking" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250820nagaokazuhiro01.jpg" width="1200" /></p>

<p>歩行習慣が身につくまでは、時間も、速度も、気にせずに歩いてください。そして歩行の習慣がついたら、次は姿勢を気にしてください。</p>

<p>背筋を伸ばし、胸を張り、肘を少し曲げて引くのを意識しながら歩いてみましょう。</p>

<p>「脊椎ストレッチウォーキング」をお勧めします。これも胸を張って歩く方法の一つですが、胸を張るというよりも、背筋により意識を置いた歩き方です。パリコレクションのモデルさんになったようなつもりで、背筋を伸ばして歩きます。</p>

<p>この脊髄ストレッチウォーキングのポイント①は、下腹を下から持ち上げるようにして歩くこと。ポイント②は、頭頂部をひもで引き上げられたようなイメージで、背筋をしっかり伸ばし、軽く胸を張ること。</p>

<p>ポイント③は、膝を軽く伸ばし、足先を引き上げ、かかとから着地し、着地したかかとの上に素早く腰を乗せていくことです。</p>

<p>20年前、兵庫県尼崎市医師会が主催して、武庫川の河川敷を市民たちと脊椎ストレッチウォーキングをするというイベントがあり、医師として出務しました。約30分間の自由ウォーキングの前後の血圧を測定してみると、全員が歩行前より10〜20くらい下がっていました。「歩行だけで血圧がこんなに下がるのか」と驚きました。</p>

<p>ウォーキングで副交感神経が優位になり、リラックス状態になったために血圧が低下したと思われます。</p>

<p>人間は年齢とともに少しずつ前屈みになってきます。60代で少し前屈みになり、70代でさらに前に曲がり、80代ではさらに曲がってきます。シルエットクイズのように、立ち姿を見ただけで、その方が何歳くらいか誰でもだいたいわかりますよね。</p>

<p>背筋を伸ばしながらの歩行は、姿勢年齢を若く保つことになります。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_walking2.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 09 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[長尾和宏（医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				
	</channel>
</rss>
