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		<title>PHPオンライン</title>
		<link>https://shuchi.php.co.jp/</link>
		<description>PHP研究所が運営する「悩み、不安、心理」がテーマのWEBメディア。著名人のインタビューや専門家のアドバイスなどから、「無理なく生きる」ヒントを紹介。</description>
		<dc:language>ja</dc:language>
				<copyright>Copyright PHP研究所　All rights reserved.</copyright>
		
				<pubDate>Tue, 03 Nov 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
						
				<item>
			<title>「どうせAIの方が優秀だから」はもったいない　大人こそ“学び”に向き合うべき理由  鈴木寛（東京大学公共政策大学院教授、慶應義塾大学特任教授）白石慶次（株式会社OnLine代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15340</link>
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			<description><![CDATA[『学校では教えてくれない&quot;見えない力&quot;の授業～「大人の非認知能力」～』のパーソナリティをつとめる白石慶次さんは、ゲストにソーシャル・イノベーションに精通した鈴木寛さんを迎え「大人の教育改革」について語り合った。その後のインタビューの模様をお届けする。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="白石慶次さん　鈴木寛さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261015suzukikanshiraisikeiji02.jpg" width="1200" /></p>

<p>人気Podcast番組『学校では教えてくれない&quot;見えない力&quot;の授業～「大人の非認知能力」～』でパーソナリティをつとめる、株式会社OnLine代表の白石慶次さん。同番組に、教育改革やソーシャル・イノベーションに長年取り組み、東京大学や慶應義塾大学で教鞭をとり「すずかん先生」の愛称で知られる鈴木寛教授がゲスト出演しました。テーマは「AI時代、大人は何を学ぶべきか?『大人の教育改革』」です。</p>

<p>収録後、お二人に追加でお話を伺いました。「どうせAIに抜かされるなら、学ぶ意味はあるのか」。そう感じる大人は、何を学べばよいのか。AIにはない力の磨き方や、悩みを「学び」で解きほぐす考え方について聞きました。</p>

<p>※全3回の2回目です</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AI時代に何を学べばいいのか</h2>

<p>――Podcastの中でもありましたが、AIがすごい勢いで台頭するなかで、学び直しが盛んに言われています。ただ、「結局AIに抜かされてしまうのに、学ぶ意味はあるのか」と感じる大人も少なくないのではないでしょうか。そうした人は、何から、どんなものを選んで学んでいけばよいのか、お考えを伺えますか。</p>

<p>【鈴木】AIが何をできるかを考えれば、それ以外はまだ人間の仕事だ、ということなんです。今は第3次AIブームですが、AIが扱える情報としては、視覚情報、聴覚情報、そして言語情報くらいなんですよ。人間には五感があって、最近は6つ目の感覚として内受容感覚があると言われています。頭がズキズキと痛むとか、五臓六腑に響いたとか、これが内受容感覚で、触覚ともちょっと違うんです。嗅覚や触覚、味覚、内受容感覚といったものは、AIでは置き換わりません。例えば料理は、AIでは置き換わらないですよね。</p>

<p>それから身体性が改めて大事になります。スポーツとか演奏とか音楽とか、パフォーマンスアーツは、これからも身体性を伴いますので、非常に重要です。</p>

<p>さらに、AIには欲がないんです。良心もない。欲とか良心は、AIにはないんですよね。それと、直感もないんです。AIは、過去に人間が言語化・記号化して、インターネット空間に置いてある情報については、全部カバーできます。</p>

<p>――すでにデータがあるものですね。</p>

<p>【鈴木】はい。しかし、過去に人間がやったことでも、データがないものがあります。1600年にパリの王宮で出された料理の味は、インターネットに載っていないですよね。徳川家康が食べた鯛の味もわからない。どう頑張ってもAIにはできないんです。いわんや、1700年代にナポレオンが何を感じていたかなどは、AIにもわからない。言葉は残っているかもしれないけれど、心理状況は残っていないので、全然対応できないんですよね。あの時こういうことを思いついた、という直感もそうです。</p>

<p>西田幾多郎という哲学者が良いことを言っていました。人間にとって非常に重要なのは、言葉にならない&quot;純粋経験&quot;と、&quot;歴史的身体&quot;、つまり身体性、そして&quot;行為的直感&quot;、つまり何かをなす中で生まれてくる直感だと。これはまだAIには難しいので、この3つを人間として磨く。純粋経験をもっとする、身体性を意識する。探究をしながら、いろんなことを思いつく。AIが思いつきそうにないことを、いろいろ直感する。それが人間の想像力であり、非連続な知恵です。AIは連続的な知恵は生み出すけれど、非連続な飛躍知は生み出さない。</p>

<p>AIは驚くべき秀才なんだけど、天才じゃないんです。過去にあったことをめちゃくちゃ知っているだけの話なんですよ。だから、思わぬことはしないんです。天才は、やっぱり思わぬことをする。</p>

<p>【白石】普通では想像もできないことをやり続けるのが天才ですよね。</p>

<p>【鈴木】だから、みんな天才を目指せばいいんです。工業社会の頃は、みんな秀才を目指した。要するに、優秀な工場作業員です。しかし今は、いくら秀才を目指してもAIに勝てない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>アンラーンに有効なのは「現代美術」鑑賞</h2>

<p><img alt="白石慶次さん　鈴木寛さん" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261015suzukikanshiraisikeiji03.jpg" /></p>

<p>【鈴木】アンラーンとして、人間がやった方がいいのは、現代美術を見ること。現代美術は、なぜこれに価値があるのかわからないものが多いんです。20世紀最大の現代美術と言われるのが、デュシャンという人の『泉』という作品なんですが、これはトイレの便器を横にして、「泉」と名前をつけただけなんです。作ってすらいない、ただの便器です。そこに「泉」という題をつけただけ。でもこれが20世紀最大の現代美術と言われている。</p>

<p>結局、「えー、なんで?」ということがトリガーになるでしょう。この便器のどこに芸術的価値があるの?と、人間の思考を駆動している。だからコンテンポラリーアートは、特に日本の凝り固まったGDP主義者が見ると、確かに価値が理解できないですよね。でも、本当にGDPや貨幣価値で頭がガチガチになっているので、これを崩すためには、現代アートに触れることです。そういう意味では、現代演劇にも触れた方がいい。僕のルーツは、大学時代、駒場小劇場でオリジナルの演劇をやっていたことにあります。要するに、近代の価値観自体をメタ認知していたんですよね。その頃から、近代的価値観は一つの価値に過ぎないと感じていました。演劇的には、それをパロディにしたり、あるいは近代価値を客観的に見る、つまりメタ認知するというのは、芸術のイロハのイですから。</p>

<p>――先ほどの、現代アートでアンラーンするというお話ですが、触れても意味がわからず、考えすぎてしまう人も多いと思います。それでも大丈夫でしょうか。</p>

<p>【鈴木】考えすぎていいんです。なぜここに美を感じられないんだろう、と。それもいいんです。概念崩壊することが重要。</p>

<p>【白石】ぶっ壊さないといけないですね、価値観を。こびりついているものを壊さないと、新しいものが入ってこない。</p>

<p>【鈴木】それが時々、資本主義においても大成功するわけでしょう。現代芸術の代表的な存在、草間彌生さんの作品はすごく売れていますよね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>学び直しは「人間関係」の改善につながる</h2>

<p>――日本人は学びを揶揄してしまう傾向にあると、Podcastの中でお話しされていましたね。白石さん自身はたくさん学び直しをされたそうですが、学びを続けてみて、何に対して良かったと思えましたか。</p>

<p>【白石】学生の時は、学ぶこと自体の楽しみ方がわからなかったんです。しかし、社会に出てから学ぶと、すぐ仕事に直結する。自分で好きで、主体的、自発的に学んでいるので、使うために学ぶ、アウトプットありきで学ぶじゃないですか。それがすごく楽しかったんでしょうね。</p>

<p>学べば学ぶほど、仕事の成果につながったり、人間関係が改善したりしました。人間関係の築き方なんて、学校では教えてもらえないじゃないですか。社会に出て手探りで学ぶことになる。</p>

<p>簡単に言うと、人が怖い状態のまま社会人になるのか、人に対する恐怖なしに社会人になるのかで、僕は全然違うと思っていて。僕は、残念ながら家庭環境なども影響して前者の状態で社会人になりました。だから、学ぶことで人間関係が良くなったというのが、僕にとっては一番良かったです。本当に人に恵まれて、社会関係資本のおかげでここまで来られたな、という実感があります。ビジネスのための学びというよりも、結局、人間関係に活きてきた実感があります。</p>

<p>――学びが人間関係につながっていくというのは、少し意外な印象です。社会人は、どうしても資格や、ビジネスに生きる学びを重視しがちだと思うんです。</p>

<p>【白石】僕も30歳まではシステムエンジニアをやっていましたので、システム系の資格をたくさん取りました。それも仕事に直結してすごく面白かったですし、仕事の学びをする習慣のおかげで、他の分野の学びもできたかもしれないですね。そういう意味で、資格のための勉強も意味があったなと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>悩みは「学び」で解決できる</h2>

<p>――「はざま」の世代は、職場でどう対応すればよいでしょうか。減点主義で育ち、上には昔の価値観の世代、下には探究型の新世代がいます。PHPオンラインの読者(20代後半〜30代)に多い層です。</p>

<p>【鈴木】自分で探究を始めちゃうことですね。周りに探究の種はいくらでもあるので。従来の、いい学校を出ていい会社に入るという人生設計が完全に崩れているということだけは、さすがにわかっていると思うので、だったらどうしたらいいんだろう、と。</p>

<p>子育てでもいい。子育てなんかまだ解明されていないことの方が多いので。しかも、かつて正解だと思われた解が、今じゃ不正解と言われたりするから、もう無限に学べますよね。</p>

<p>それから、例えば若い人との職場での付き合い方だって、探究していけばいいんです。学問って案外使えるんですよ。日本人が学びを揶揄するという話も、心理学でおおむね説明がつきます。人は、手に入らないリンゴは酸っぱいと思うものなんです。「なんでそんな酸っぱいリンゴを食べるの」と言う人は、おいしいリンゴを取れなかっただけ。かわいそうなんですよ。「じゃあ一緒にもう一回食べてみようよ」と誘えば、「おいしかったね」となることもある。揶揄されている、敵対していると見えてしまうけれど、心理学をある程度学ぶと、どうしてその人がそういう行動をとるのか深い理解が進みます。深い理解が進むと、それに対する手当が変わってくる。</p>

<p>――心理学を学ぶと、人間関係の悩みにも役立つということですね。</p>

<p>【鈴木】はい、人間関係に悩んだら心理学を勉強しましょう。なんで自分はこうなっているの?と。人間関係はいっぱいありますからね。社内の人間関係もあるし、取引先との人間関係もある。そういうのを観察して、理論を基に観察し始めると、面白くなりますよ。</p>

<p>【白石】私も、心理学は学んで損はないなと思います。人間について詳しくなると、もちろん自分についても詳しくなるし、成長のフェーズ、段階によって、どういう課題があるかがわかる。すると「今の自分のこういう悩みって普通のことなんだな」と、重たい悩みが軽く感じられたり、成長の途中なんだな、と出口が見えたりする。出口が見えるというのは、希望じゃないですか。ずっとこの沼にいるわけじゃない。人生なので、いろんな沼にはまる時期はあるけど、ちゃんと出口が用意されている、成長の正常なプロセスなんだなとわかってくると、安心することもできる。そういう意味で、心理学はおすすめです。</p>

<p>【鈴木】心理学は僕の1番のおすすめだけど、2番のおすすめは行動経済学。心理学を加味した経済学。心理学をいきなり学ぶのはハードルが高いと感じる人は、行動経済学から入ってみてもいいかもしれない。</p>

<p>【白石】最近、世の中的に少し流行っていますね、行動経済学。人がどう考えて、どう選ぶのかを客観的に知れて、すごく面白いです。</p>

<p>――私たちのメディアでは悩みを取り扱うことが多いのですが、心理学の専門家に解決策を教えてもらう形はあっても、自分で心理学を学んで解決するという視点は、あまり取り上げてきませんでした。すごく新鮮です。</p>

<p>【鈴木】心理学を学べば、自分の悩みが客観化、メタ化できる。わかれば半分は解決するから。メタ化って大事なんですよ。</p>

<p>――AIに聞けば心理学的な分析もしてくれる時代ですが、それでも自分で心理学や行動経済学を学ぶ意味はあるのでしょうか。</p>

<p>【白石】人間がAIを使って、例えば「今の僕の悩みって心理学的にどう?」と聞いていくと、解析・解説してくれて、めちゃくちゃ使えると思いますよ。間違ったことも言うと思いますけどね。そこは気をつけながらですけど。</p>

<p>【鈴木】AIに置き換えられるとは思わずに、相棒だと思えばいいんです。友達の中にいるじゃないですか、めちゃくちゃ博識な人が。</p>

<p>【白石】別に、心理学の専門家になるために心理学の勉強をするわけではなくて、それこそウェルビーイングを高めていくために、時代の変化に対応していく、そういう柔軟なメンタリティやマインドセットを備えるために、心理学を学ぶ。学ぶというのも、そんなに構えるものじゃなくて、AIと会話するだけでも、心理学の学びになると思うんですよね。そういう柔軟な感じでいいと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 03 Nov 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木寛（東京大学公共政策大学院教授、慶應義塾大学特任教授）白石慶次（株式会社OnLine代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>日本の子どもは世界トップ級の学力なのに、なぜ経済は停滞？ PISA研究が突きつける現実  飯田一史（出版ジャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15326</link>
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			<description><![CDATA[学力が高ければ経済も成長する？ 日本の子どもはPISAで世界トップクラスの成績を収める一方、経済は長く停滞。国際学力調査のスコアとGDP成長率の関係を再検証した研究から、教育改革の前提を問い直す。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="教室" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_classroomLIG.jpg" width="1200" /></p>

<p>OECD（経済協力開発機構）が世界各国の15歳を対象に実施する国際学力調査「PISA」では、読解力や数学的リテラシー、科学的リテラシーを測定しています。2022年の調査で日本は、読解力がOECD加盟国中2位、数学的リテラシーが1位、科学的リテラシーが1位と、いずれも世界トップクラスの成績を収めました。</p>

<p>PISAの結果は教育政策に大きな影響を与え、日本でも順位の低下が教育改革のきっかけとなってきました。しかし、そもそもPISAで高得点を取ることには、どんな意味があるのでしょうか。書籍『「若者の読解力低下」というウソ』より解説します。</p>

<p>※本稿は、飯田一史著『「若者の読解力低下」というウソ』（集英社インターナショナル）より内容を一部抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>PISAスコアで経済成長率は説明できない</h2>

<p>ところで、そもそも、なぜPISAのスコアが高い必要があるのか。</p>

<p>この点も、日本のマスメディアではほとんど問われ、検証されることがない。</p>

<p>とにかく順位やスコアは高いほうがよく、また、高くなければならないという前提になっている。しかし、成績がいいことに何のメリットがあるのか理解もせず、ただ上位をめざすのは危険だろう。</p>

<p>学校教育は、次世代に対する投資である。コストをかけてもリターンがないことに必死になっていたなら、税金のムダだ。子どもにとっても不幸である。</p>

<p>PISAの理論的な根拠は「知識資本論」―国民の認知スキルが、長期的な経済成長の主たる決定要因だ、という仮定にある。</p>

<p>エリック・ハヌシェクとルドガー・ウェスマンは、教育の「量」（教育年数）ではなく、国際学力調査によって測定される認知スキルの「質」、すなわち「知識資本」こそが経済成長のドライバーだと主張した。</p>

<p>彼らは1960年から2000年にかけての50カ国のデータを分析し、各国の長期的な経済成長率のバラつきの約4分の3（約73％）が、労働力の認知スキル（数学・科学のテストスコア）の差異によって説明できると結論づけた。試算によれば、PISAのテストスコアが100ポイント上昇すると、長期的な1人当たりGDPの年平均成長率を約2％ポイント押し上げる効果があるとされた（※1）。</p>

<p>経済成長率が年間2％ポイントもちがうのなら、成長率が鈍化した先進国では、政治的にとりくむべき課題になる。「教育改革にコストをかけても、PISA対策は十分に回収できるものだ」という理屈になる。</p>

<p>ところが、実際にはPISAスコアの高さは将来の経済的繁栄を保証せず、近年の東アジアや高所得国ではその相関が消失しているという指摘がある。</p>

<p>コマツ・ヒカルとジェレミー・ラプリーによる再分析では、ハヌシェクとウェスマンが示した強い相関関係は、1960年から2000年という特定の期間、および東アジアの急速な経済成長（東アジアの奇跡）に強く依存していると指摘されている。1990年から2010年、あるいは1995年から2014年といったより最近の期間に限定して分析を行うと、テストスコアと経済成長の相関関係は劇的に低下し、ほぼゼロになる（※2）。</p>

<p>また、PISA2000のスコアは、その後の2000年から2015年の経済成長を予測できなかった。</p>

<p>PISA2000のスコア（読解、数学、科学）と、その後の経済成長率のあいだには、統計的に有意な正の相関が見られなかった。むしろ、スコアと成長率には「負の相関（スコアが低い国ほど成長率が高い）」が見られたのである（図3-1）。</p>

<p><img alt="図3-1 各国のPISA読解スコア平均点と経済成長率の相関" height="913" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261020Iidaichishi06.jpg" width="1200" /></p>

<p>一般に、発展途上国は先進国よりも高い成長率を示す。そして途上国は、教育システムが整っていないことが多い。ゆえに「PISAのスコアが低い国の成長率が高い」状態になる。「経済成長が先、スコア向上はあと」になりやすい。</p>

<p>しかし、途上国なのか先進国なのかというその国の経済レベルを統制（調べたい要因以外の条件をそろえて、その要因の純粋な効果を見ること）したとしても、PISAスコアが成長を牽引するという証拠は得られなかった。</p>

<p>PISAのスコアが向上した国では、先進国であってもその「前」に経済成長が起きている。経済的繁栄が、次の世代に対する教育投資や家庭環境の改善をもたらす。それがテストスコアを押し上げる。逆にスコアが低下した国でも、スコア低下の「前」に経済的な停滞が起きていた。経済が停滞すると、教育に使えるカネもなくなり、スコアが落ちる。つまり「高いテストスコアが、経済成長をもたらす」わけではない（※3）。順番、因果関係としては逆なのだ、と。</p>

<p>さらにドミニカ・セーチとアーグネシュ・スノマールによる2006年から2019年のデータを対象とした研究でも、「PISAスコアの上昇がGDP成長率にプラスの影響を与える」という仮説は成り立たなかったと検証されている（※4）。</p>

<p>PISAのスコアを、経済成長の先行指標として扱うことがOECDの大前提だった。</p>

<p>しかしその点に対して批判的な研究がいくつもある。とすれば、PISAをもとに教育カリキュラムを大胆に変える政策は、統計的な根拠があやしい。</p>

<p>PISAのスコアが上がっても、経済成長とは何の関係もない。ではなぜPISAへのキャッチアップをつづけなければならないのか。</p>

<p>ただたんに国家の威信をかけて「ほかの国に勝ちたい」以外の動機がないのに子どもを巻き込んで教育改革をしているのなら、バカげている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>（※1）OECD.（2010）. &quot;The High Cost of Low Educational Performance: The Long-run Economic Impact of Improving PISA Outcomes.&quot;<br />
https://www.oecd.org/en/publications/the-high-cost-of-low-educational-performance_9789264077485-en.html</p>

<p>（※2）Komatsu, H., &amp; Rappleye, J.（2017）.&quot;A new global policy regime founded on invalid statistics? Hanushek, Woessmann, PISA, and economic growth.&quot; Comparative Education.<br />
https://www.researchgate.net/publication/315463187_A_new_global_policy_regime_founded_on_invalid_statistics_Hanushek_Woessmann_PISA_and_economic_growth</p>

<p>（※3）Gorur, R., Sellar, S., &amp; Steiner-Khamsi, G.（Eds.）.（2019）.&quot;World Yearbook of Education 2019:Comparative Methodology in the Era of Big Data and Global Networks.&quot; London: Routledge.<br />
https://doi.org/10.4324/9781315147338</p>

<p>（※4）Sz&eacute;csi, D., &amp; Szunom&aacute;r, &Aacute;.（2024）.&quot;PISA score as an inappropriate measure for growth? Empirical evidence from East Asia.&quot; Society and Economy, 46（3）,305-321.<br />
https://www.researchgate.net/publication/378977166_PISA_score_as_an_inappropriate_measure_for_growth_Empirical_evidence_from_East_Asia</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 03 Nov 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[飯田一史（出版ジャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>2026年10月改正「106万円の壁」がなくなった？　知らないと損する「年収の壁」総まとめ  高橋創（税理士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15297</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015297</guid>
			<description><![CDATA[2026年に改定が進んだ「年収の壁」の詳細とは？混同しやすい社会保険の仕組みを税理士の高橋創さんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="お金の悩み" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_okanenayami.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年10月、「106万円の壁」が撤廃される――そんなニュースを目にした人も多いだろう。しかし「壁」と名のつく制度はこれだけではない。2025年の税制改正でも「103万円の壁」が「178万円の壁」に変わるなど、税金と社会保険、それぞれに複数の「壁」が存在し、混同している人も少なくない。「壁がなくなる＝働きやすくなる」と単純に喜んでいいのか。書籍『給与明細から学ぶお金のキホン』（日東書院本社）をもとに、いま知っておきたい「○○の壁」を整理する。</p>

<p>※本稿は、高橋創著『給与明細から学ぶお金のキホン』（日東書院本社）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>そもそも「壁」は1つじゃない</h2>

<p><img alt="社会保険の壁" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013takahashihajime03.jpg" width="1200" /><br />
「社会保険の壁」（『給与明細から学ぶお金のキホン』より）</p>

<p>「○○の壁」とは、パート・アルバイトなどの年収が一定額を超えると、税金や社会保険料の負担が生じたり、扶養から外れたりする年収の境目のことだ。ややこしいのは、これが「社会保険の壁」と「税金の壁」という、まったく別の2種類のしくみに分かれている点にある。</p>

<p>「社会保険の壁」は、扶養している家族の社会保険（健康保険・年金）から外れて自分で保険料を払うかどうかの境目、「税金の壁」は所得税や扶養に関わる控除などに関係する境目を指す。ニュースで話題になっている「106万円の壁」は「社会保険の壁」の一つだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>社会保険の壁は4段階</h2>

<p>社会保険には、年齢や立場によって「180万円」「150万円」「130万円」「106万円」といった基準がある。</p>

<p>「180万円の壁」は60歳以上の人などが対象で、これを超えると社会保険上の扶養から外れ、本人の収入に対して保険料が発生する。「150万円の壁」は19歳以上23歳未満、「130万円の壁」は一般の対象者が同様の境目となる。</p>

<p>そして「106万円の壁」は、一定の条件を満たす短時間労働者が社会保険に加入することになる基準である。</p>

<p>これまでは、①週の勤務時間が20時間以上、②給与が月額8.8万円以上、③2カ月を超えて働く予定がある、④学生ではない、⑤従業員数51人以上の企業で働いている、という条件をすべて満たす場合などに加入対象となっていた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「106万円の壁」撤廃で変わること</h2>

<p><img alt="税金の壁の一覧" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013takahashihajime04.jpg" width="1200" /><br />
税金の壁の一覧（『給与明細から学ぶお金のキホン』より）</p>

<p>2026年10月に撤廃されるのは、これまでの条件のうち、②「給与が月額8.8万円以上」という賃金要件だ。</p>

<p>これにより、週20時間以上働くなど他の条件を満たす人は、月収が8.8万円未満でも社会保険の加入対象となり得る。</p>

<p>つまり撤廃によって、これまで月額賃金の条件によって対象外だった人にも、新たに加入義務が生じる可能性があるということだ。</p>

<p>なお、従業員数の要件も段階的に縮小される。2027年10月からは、これまでの「51人以上」から「36人以上」の企業へと対象が広がる予定だ。その後も対象企業は順次拡大され、2035年10月には企業規模の要件が撤廃される予定となっている。年金制度の見直しを背景に、社会保険の加入対象は今後も広がっていく方向にあることは覚えておきたい。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>税金の壁も、実は変わっている</h2>

<p>社会保険の壁とは別に、税金の壁も見直しが続いている。</p>

<p>税制改正により、「扶養控除・配偶者控除」は123万円から136万円に、「特定親族特別控除」は150万円から159万円に、「配偶者特別控除」は160万円から169万円に、そして所得税を負担することになる壁（かつての「103万円の壁」）は160万円から178万円に、それぞれ引き上げられた。</p>

<p>また、一定の年収を超えたら、いきなり控除がなくなるわけではない。「特定親族特別控除」は197万円以下まで、「配偶者特別控除」は207万円以下まで、収入に応じて段階的に控除を受けられる仕組みが用意されている。</p>

<p>「壁を超えたら一気に負担が増える」というより、「収入に応じて控除額が少しずつ減っていく」という設計に近づいている点は、以前との大きな違いだ。</p>

<p>※扶養控除&hellip;扶養している親族がいる場合に、所得から一定額を差し引ける制度。<br />
※配偶者控除&hellip;一定の所得以下の配偶者がいる場合に、所得から一定額を差し引ける制度。<br />
※特定親族特別控除&hellip;19歳以上23歳未満の親族の所得が一定額を超えても、段階的に控除を受けられる制度。<br />
※配偶者特別控除&hellip;配偶者の所得が一定額を超えて配偶者控除の対象外になっても、段階的に控除を受けられる制度。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>178万円までなら所得税はゼロ</h2>

<p>2026年分の所得税について、パートやアルバイトなどで給与収入だけを得ている場合、年間収入が178万円以下であれば所得税はかからない。これは、給与から「給与所得控除」と「基礎控除」を差し引くと、課税対象となる所得がゼロになるためだ。</p>

<p>以前は所得税がかからない年収の目安が103万円で、これが「103万円の壁」と呼ばれていた。しかし税制改正により、その目安は178万円まで引き上げられている。</p>

<p>基礎控除の額自体も、納税者本人の合計所得金額に応じて段階的に変わる仕組みになっており、所得が低いほど控除額は大きく、高所得になるほど控除額は小さくなる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>結局、何に注意すればいいの？</h2>

<p>社会保険の壁と税金の壁は、それぞれ別のタイミング・別の条件で見直されている。「106万円の壁が撤廃される」というニュースだけを見て安心せず、自分がどの壁の対象になっているのか、年齢、雇用先の従業員数、扶養に入っているかどうかなどを確認しておくことが欠かせない。</p>

<p>最新の制度は法改正によって見直される可能性があるため、働き方を考える際は、その都度情報を確認するようにしよう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 02 Nov 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[高橋創（税理士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>約300年続いた「男子優先」を捨てた英国　日本の皇位継承論議に欠ける視点とは？  山折哲雄（宗教学者、評論家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15288</link>
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			<description><![CDATA[宗教学者で評論家の山折哲雄氏が、エリザベス女王の生涯と英国の王位継承制度の変遷を振り返りながら、日本の皇位継承論議に欠けている視点を問いかける]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="英国は約300年続いた「男子優先」を廃止した" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Buckingham.jpg" width="1200" /></p>

<p>皇族数の減少や皇位継承のあり方をめぐり、議論が続く日本。<br />
一方、同じ立憲君主制を採る英国では、2013年に王位継承法が改正され、男子優先の継承制度や宗教上の制約が見直されました。<br />
その背景には、長い歴史のなかで培われた伝統と、時代の変化に向き合ってきた英国王室の歩みがあります。日本はこの先例から何を学ぶべきなのでしょうか。</p>

<p>宗教学者で評論家の山折哲雄氏が、エリザベス女王の生涯と英国の王位継承制度の変遷を振り返りながら、日本の皇位継承論議に欠けている視点を問いかけます。</p>

<p>※本稿は、山折哲雄著『死の覚悟 日本人らしさとは何か』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>英国に学ぶ「継承」の本質</h2>

<p>戦後80年をふり返るにあたり、天皇・皇族の議論を避けることはできない。<br />
国会では、「皇位継承」にかんする議論が大詰めを迎えていた。「皇族数確保」のため、男系か女系かを含めて、新旧それぞれの立場からの識者たちのおさらいが終盤に入ったようだ。</p>

<p>しかしそれだけで、ほんとうにいいのだろうか。私の目には、ただ議論のための議論を重ねているようにしかみえない。ここでは英国のエリザベス女王の場合をとりあげて、変動きびしい世界のなかでの「王位継承」についてふれてみようと思う。</p>

<p>知られているように、エリザベス女王は2022年9月8日に亡くなった。96歳の高齢になっていた。王の父ジョージ6世が逝去したのは1952年だったから、在位70年という長きにわたっていた。</p>

<p>ジョージ6世が世を去ったとき、エリザベスは王室外交の一環としてケニアに滞在していたが、外務省の要請でただちに帰国する。そのとき彼女はエリザベス女王と署名して返電しているが、外務省と議会はこれを無視、たんに「王女」として対応していた。</p>

<p>ロンドンの空港に着き、一人不安気な表情でタラップを降りる「王女」の姿を、当時のニュース映像でみたときのことが忘れられない。地上にはチャーチル首相以下、黒ずくめの重鎮たちが居並んで出迎えていた。</p>

<p>当時、国王（ジョージ6世）から後継者（エリザベス）への王位継承を定めていたのは、1701年に制定された、「王位継承法」（Act of Settlement）という、何と250年前の法律だった。</p>

<p>国会（国王）と教会のあいだに大きな亀裂が入り、それが全ヨーロッパに広がりはじめた時代である。イングランド王ヘンリー八世の離婚問題でカトリック（バチカン）からの独立、イギリス国教会の成立につづき、それにピューリタン革命が重なった。王の亡命、殺害がつづく。</p>

<p>その結果、この1701年の「王位継承法」では、王は国教会の信徒でなければならず、そのうえ、男子優位という二重のしばりが設けられていた。その250年前のきびしいしばりが、まだ生きていたのだ。エリザベスが王位を継承したときは、まさに屈辱の体験だったといっていいのではないだろうか。</p>

<p>他方イギリスは、世界の7つの海を征服して押しも押されもせぬ大英帝国になっていた。世界中にたくさんの植民地を抱え、アメリカと並ぶ不動の大国への道を進んでいるかにみえた。</p>

<p>ところが第二次世界大戦後、その広大な植民地がインドをはじめ独立し、かつての栄光の時代がみるみる失われ、しぼんでいった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「差別」を廃した英国</h2>

<p>私がサッチャー政権時代に大英図書館のキングス・ライブラリーを歩いていたとき、ビートルズのマッカートニーが書き散らしたノートに、「イエスタデイ」の歌詞が乱暴に書かれていた。<br />
かつて7つの海を支配した栄光の日々を、世界に飛躍するビートルズがかなえている。その誇りの気配が、そこに立ちこめていた。</p>

<p>それがエリザベス女王の先の屈辱の体験と重なる。王室の危機感とオーバーラップする。ダイアナ元妃の「事故死」の記憶まで引き寄せる。ゆらぎはじめた「大英帝国」の屋台骨にはすでに重大な変化が起きていたのだ。</p>

<p>あの1701年に制定されていた旧「王位継承法」がつい最近になって「修正」されていた、ということだ。2013年のことだった。いまから13年前、エリザベス女王死去の9年前、あわただしい動きのなかで進められていた。女王はその「修正法」の成立をみて、はじめて心を安んじてこの世を旅立つことができたのではないだろうか。</p>

<p>この2013年に修正された新「王位継承法」はSuccession to the Crown Actと呼ばれるが、修正のポイントは大きく分けて2つある。</p>

<p>1つ目は、旧法では王位継承者の配偶者はイギリス国教会（聖公会）の信徒にかぎられていたが、これを撤廃、カトリック教徒にも開かれる。宗教差別の廃棄である。</p>

<p>2つ目は、旧法では王位の継承は男子優先だったが、新法ではこれを改め、男女の別なく長子優先とする。つまり男女差別の廃棄である（河島太朗「イギリスにおける2013年王位継承法の制定」『外国の立法 立法情報・翻訳・解説』第258号、2013年、1218ページ参照）。</p>

<p>「君臨すれども統治せず」<br />
この修正法は、女王陛下の政府、つまりHer Majesty&rsquo;s Governmentの下、英連邦王国16カ国によるパース協定を受けて、イギリス議会を通過したのである。</p>

<p>それにくらべてわが国会における「皇位継承」をめぐる審議の現状は、いったいどうなっているのか。<br />
ここはやはり大死一番、沈思黙考し、世界情勢の変化を見定め、後世に恥じることのない結論をみちびき出してほしいと、切に願わずにはいられない。<br />
【初出『週刊現代』2025年6月23日号】</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 02 Nov 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山折哲雄（宗教学者、評論家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>中国のおふくろの味？ すぐに作れて栄養たっぷり「トマトと卵の炒め物」レシピ  リャンズママ</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13096</link>
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			<description><![CDATA[中国の家庭料理の代表「トマトと卵の炒め物」。ピーマンも加えたオリジナルのレシピをご紹介いたします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="トマトと卵の炒め物" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/251027Ryanzumama05.jpg" width="1200" /></p>

<p>中国の家庭料理には、家族の思い出が詰まっています。</p>

<p>私にとっての&quot;おふくろの味&quot;は、ふんわり卵とトマト、そしてピーマンを炒めた三色のおかずです。</p>

<p>中国語では「西紅柿炒鶏蛋（シーホンシー・チャオ・ジーダン）」というのが一般的ですが、うちの家庭ではピーマンが入るので、「三色野菜炒め」と呼んでいました。赤・黄・緑の色合いが食卓を明るくしてくれる、夏の定番料理です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>夏の味を思い出す「トマトと卵」の組み合わせ</h2>

<p>私は中国の東北地方、ロシア国境に近い町で育ちました。冬は平均気温がマイナス20度ほど。トマトもピーマンも凍ってしまうような寒さです。だからこそ、夏に食べるトマトと卵の炒め物は特別でした。</p>

<p>両親は共働きで、私は4人きょうだいのひとり。毎日忙しい中でも、母は「早く作れて栄養のあるおかず」を工夫して出してくれました。</p>

<p>うちでは鶏を飼っていたので、卵は家で採れたもの。ピーマンも安く手に入る食材でした。そんな身近な材料で作るこの炒め物は、手早く作れて、彩りもきれい。母の知恵が詰まった一皿です。</p>

<p>「卵とトマトの炒め物」を誰が発明したのかは定かではありませんが、1940年頃には全国的に人気のメニューになっていたようです。家庭によって、もしくはその時の冷蔵庫の中身次第で食材を変えることもある料理です。我が家ではピーマンを入れています。</p>

<p>この料理でいちばん好きだったのは、トマトの汁がご飯に染みる瞬間です。白いご飯に、赤いトマトの酸味がとても合います。おかずというより、丼のようにして食べるのが好きでした。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>トマトと卵の炒め物</h2>

<p>それでは、基本の作り方をご紹介します。シンプルですが、炒め方ひとつで仕上がりの色も味も変わる奥深い料理です。</p>

<p>・材料（2人分）<br />
トマト：2個（大きめに切る）<br />
卵：3個<br />
ピーマン：3個（縦6等分を目安に）<br />
塩・こしょう・醤油・ごま油：適量</p>

<p>・作り方<br />
1.&nbsp;野菜をあらかじめ切っておく。ピーマンは縦に6等分、トマトは大きめに切る。<br />
<br />
2.&nbsp;卵を溶き、油を熱したフライパンでふんわりと炒め、一度取り出す。細かくほぐしすぎず、大きめに仕上げるのがポイント。<br />
<br />
3.&nbsp;フライパンに少量の油を足し、強火でピーマンをさっと炒める。色が悪くならないよう、火を通しすぎないようにする。<br />
<br />
4.&nbsp;トマトを加えて炒める。水分が出てきたら、卵を戻し入れ、中火で全体を炒め合わせる。トマトの赤、卵の黄、ピーマンの緑が鮮やかに残るよう、炒めすぎないのがポイント。<br />
<br />
5.&nbsp;塩・こしょう・醤油・ごま油で味を調えて完成。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Sat, 31 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[リャンズママ]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>日本の寿司は何位にランクインした？「世界のシーフード料理」ランキングTOP10  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/13035</link>
						<guid isPermaLink="false">0000013035</guid>
			<description><![CDATA[クロアチア発のグルメプラットフォーム「TasteAtlas」が発表した、世界の海鮮料理ランキングを紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="寿司" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sushi.jpg" width="1200" /></p>

<p>食通たちの心を最も惹きつけるシーフード料理とは――。</p>

<p>クロアチア発のグルメデータベース「TasteAtlas」が、世界中の料理評価をもとにした最新ランキング「Best Seafood Dishes of the world」を発表しました。実際に現地で味わった人々のレビューを集計したこのランキングは、世界の食文化の現在地を映す指標として毎年注目されています。今回は、その結果とランキングから見える興味深い傾向を紹介します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>TasteAtlasとは？</h2>

<p>クロアチア発のグルメプラットフォームで、数万種類の伝統料理に対する数十万件の評価を収集し、「料理」「都市」「地域」を対象に評価・ランキングするデータベースです。</p>

<p>TasteAtlas Awards 2024/25で発表された「100 Best Food Cities」（グルメ都市ランキング）は、データベースに登録されている15,478種類の食品に対する477,287件の評価を分析し、算定されています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>世界のシーフード料理ランキングTOP10</h2>

<p><img alt="tasteatlas" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tableset.jpg" width="1200" /></p>

<p>1位 ホタテパルメザンチーズ焼き（ペルー）<br />
ペルーで前菜として親しまれている伝統料理。ホタテにバターやパルメザンチーズをのせ、表面をこんがりと焼き上げます。とろけたチーズの濃厚な味わいと、ホタテの柔らかな食感を楽しめる一品です。<br />
<br />
2位 大トロ握り寿司（日本）<br />
<br />
3位 中トロにぎり寿司（日本）<br />
<br />
4位 ロイムロヒ（フィンランド）<br />
サーモンやニジマスを木の板に固定し、焚き火の熱でじっくり焼き上げるフィンランドの伝統料理。一般的には海塩で味付けし、レモン汁や蜂蜜などで風味を加えます。薪の香りをまとった魚の味わいが特徴です。<br />
<br />
5位 ホタテガイの殻焼き（スペイン）<br />
スペイン・ガリシア地方の伝統料理。殻付きのホタテに、トマトソースや玉ねぎ、ニンニク、パン粉、パセリなどをのせ、オーブンでこんがりと焼き上げます。香ばしいパン粉とホタテの旨みが楽しめる一品です。<br />
<br />
6位 イカのリング揚げ（トルコ）<br />
トルコで親しまれているイカの揚げ物。厚めの輪切りにしたイカを牛乳に浸し、小麦粉や重曹、塩を使った衣をつけて揚げます。タルタルソースに似たソースやレモンを添えて食べるのが一般的です。<br />
<br />
7位 海鮮丼（日本）<br />
<br />
8位 タコス・ゴベルナドール（メキシコ）<br />
エビやチーズ、玉ねぎ、トマト、コリアンダーなどをトルティーヤで包み、鉄板で焼き上げるメキシコ料理。エビの旨みと、とろけたチーズの組み合わせが特徴です。<br />
<br />
9位&nbsp;マグロの赤身の握り（日本）<br />
<br />
10位&nbsp;バタゴール（インドネシア）</p>

<p>魚のすり身を使った揚げ団子で、インドネシアの人気スナック。カマスサワラを使うことが多いものの、マグロやサバ、エビなどが使われることもあります。揚げた団子を一口大に切り、ピーナッツや醤油、チリソース、ライム果汁などを使ったソースをかけていただきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●1位に輝いた「ホタテパルメザンチーズ焼き」</p>

<p>今回1位に輝いたのは、ペルーの伝統料理「ホタテのパルメザンチーズ焼き（Conchitas a la parmesana）」です。殻付きのホタテにパルメザンチーズやバター、調味料を加え、高温で短時間焼き上げる料理です。</p>

<p>特徴は、チーズがとろけて泡立つほど熱々に焼き上げる一方、ホタテには火を通しすぎず、柔らかな食感を残すこと。ライム果汁やウスターソースを加えることもあり、濃厚なチーズの風味と魚介の旨みを楽しめます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●日本からは4品がランクイン</p>

<p>今回のランキングで注目したいのが、日本料理の存在感です。2位の大トロ、3位の中トロに加え、7位には海鮮丼、9位にはマグロの握り寿司がランクイン。TOP10のうち4品を日本料理が占める結果となりました。</p>

<p>なかでも興味深いのは、マグロの握り寿司が3品も選ばれていることです。大トロ、中トロ、マグロの握り寿司がそれぞれ独立した料理として評価されており、マグロの部位による味わいの違いもランキングに表れています。</p>

<p>一方、1位のペルー料理をはじめ、フィンランドの焚き火で焼いた魚や、トルコのイカの揚げ物など、世界各地の多彩な調理法も上位に並びました。</p>

<p>魚介の持ち味を生かした日本料理から、チーズや香辛料を組み合わせた各国の伝統料理まで。世界のシーフード料理の奥深さが感じられるランキングとなっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>※ランキングはTasteAtlas「100 Best Seafood Dishes in the World」（2026年10月15日更新）を参照。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sushi.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 30 Oct 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>日本人は減点主義に偏りすぎ？　「なんとなく生きにくい」状態から抜け出す思考  鈴木寛（東京大学公共政策大学院教授、慶應義塾大学特任教授）,白石慶次（株式会社OnLine代表取締役）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15243</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015243</guid>
			<description><![CDATA[『学校では教えてくれない&quot;見えない力&quot;の授業～「大人の非認知能力」～』のパーソナリティをつとめる白石慶次さんは、ゲストにソーシャル・イノベーションに精通した鈴木寛さんを迎え「大人の教育改革」について語り合った。その後のインタビューの模様をお届けする。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="白石慶次さん　鈴木寛さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261015suzukikanshiraisikeiji01.jpg" width="1200" /></p>

<p>人気Podcast番組『学校では教えてくれない&quot;見えない力&quot;の授業～「大人の非認知能力」～』でパーソナリティをつとめる、株式会社OnLine代表の白石慶次さん。同番組に、教育改革やソーシャル・イノベーションに長年取り組み、東京大学や慶應義塾大学で教鞭をとり「すずかん先生」の愛称で知られる鈴木寛教授がゲスト出演しました。テーマは「AI時代、大人は何を学ぶべきか?『大人の教育改革』」です。</p>

<p>収録にあわせてお時間をいただき、お二人に追加でお話を伺いました。海外から評価される一方で、自信を失っているように見える日本人。その背景にある減点主義と、いま大人が学び直すべきことについて語っていただきました。</p>

<p>※全3回の1回目です</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本人は悪いニュースに慣れてしまい、良い情報に気づけない?</h2>

<p>――収録で印象的だったのが、日本はGDPが落ちていてどことなく暗い空気感が流れているけれど、GDW(Gross Domestic Well-being)など違う視点で見ると日本はすごい、というお話でした。日本人はもっと自信を持っていいと思いました。他に、日本の誇れることや、自信が持てる日本人の資質があれば鈴木先生に伺いたいです。</p>

<p>【鈴木】今、海外からのインバウンドがものすごく増えていますよね。それは、日本という国を海外の人がものすごくリスペクトしてくれている、あるいは憧れてくれているからだと思うんです。</p>

<p>最近は海外で、抹茶が人気になっていますよね。あんな苦いものが、と思うけれども、ヨーロッパの人には、抹茶のお菓子を持っていくのが一番喜ばれる。お寿司ブームに次いで抹茶ブームが来ていて、それがブームに終わることなく、ちゃんと根付いている。だから結局、自信がないのは日本人だけなんだと思うんです。</p>

<p>――国民性なのでしょうか。</p>

<p>【鈴木】外から見ていると、いいものはいっぱいあるし、日本の伝統や文化もある。さらに、これだけ治安が良くて安全です。</p>

<p>イギリス人の友人が、日本に3、4年住んで、英国に帰任したんです。「日本でどう思った?」と聞いたら、「Everything works」と言うんです。全てのことがちゃんと機能していると。僕らからしたら当たり前じゃないですか。電気はつく、水は出る。地下鉄はちゃんと動いているわ、役所だってちゃんとしているし。</p>

<p>【白石】どこもちゃんと機能していますね。ストライキで交通網が止まることもない。</p>

<p>【鈴木】イギリスという文明国ですら、常にワークしないものがあるわけです。この前イギリスに1週間出張したんですが、列車での移動が多かったんです。時刻通りに来た列車は1本もありませんでした。</p>

<p>そういう意味で、日本は本当に素晴らしい国なのに、現在の評価軸の中で自信を失っている。たまたまGDPが上がらなかったというところで。</p>

<p>――2025年のPISAで、日本の15歳が数学・科学・読解力の3分野すべてでOECD加盟国中1位になりました。しかし、このニュースはあまり広く知られていない印象があります。</p>

<p>【鈴木】文部科学省はちゃんと発表しているんですよ。でも日本は、いいニュースはメディアであまり広がらないんですよね。</p>

<p>だけど、これは別にメディアだけが悪いわけではなく、日本人には「悪いニュースを聞くのが好き」という一面があるのではないでしょうか。</p>

<p>【白石】安心するんですかね。自分より不幸な人たちを見たりすると&hellip;。</p>

<p>【鈴木】ちょっと歪んだところがありますよね。前向きな影響を与えるのは、スポーツニュースだけなんです。</p>

<p>【白石】良いニュースで一致団結できるのは、本当にスポーツだけかもしれません。</p>

<p>【鈴木】メディアも悪いニュースを放送すると視聴率が取れるから、結局悪循環になっているんです。悪いニュースばかり見ていると、悪いニュースに慣れる。結局みんなのやる気が削がれていくという、負のスパイラルになっている。これを教育やメディアの力で、どうポジティブスパイラルに変えていくかなんです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>減点主義の入試制度がもたらした影響</h2>

<p>【鈴木】僕は、入試制度が負のスパイラルに加担していると思うんです。大学入試センター試験は、選択肢の重箱の隅をつついて間違いを見つけて、消去法で解くのが必勝法なんですよ。</p>

<p>日本人は大学入試センター試験の受験勉強の影響もあって、小さなミスに気づくんです。しかも消去法で見つけていくんです。</p>

<p>【白石】これがいい、じゃなくて、これはダメだ、と。</p>

<p>【鈴木】「ダメだ、ダメだ」の減点主義です。大学入試センター試験は1000点取れる試験になっていて、そこから何点減点したかという減点ゲームだったんです。小学校の時から18歳まで、減点ゲームを徹底的に磨いてきているんですよね。</p>

<p>【白石】教育されてしまっているんですね。</p>

<p>【鈴木】だから私は、入試を変えないといけないと思ったんです。総合型選抜の探究型入試をもっと取り入れていったら、日本人は変わりますよ。重要な部分に目が行くようになる。探究とはそういうことですから。本質とは何かを探究していくということなんです。</p>

<p>教育の力は大きいと思っていて、日本の国民性を変えることができると私は信じてやっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>減点主義から探究型に変わるためには</h2>

<p><img alt="白石慶次さん　鈴木寛さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261015suzukikanshiraisikeiji03.jpg" width="1200" /></p>

<p>【白石】鈴木先生は、教育現場の先生たちを教えるために全国を回ってらっしゃいますよね。その先生たちに育てられた&quot;Z世代&quot;と言われる若者たちが社会に出始めている。ただ、上に立つ人間たちはまだOSが古いままの、減点主義だと思います。これは今後どうしていったらいいんでしょうか。</p>

<p>【鈴木】大人がアンラーンすることでしょうね。</p>

<p>大人が減点主義から卒業して、大人こそ卒近代※。子どもはもう卒近代しているので、このままでは置いていかれる。</p>

<p>どうしても人間は、自分が言われてきたことを人に言ってしまうんです。自分たちは、ミスを少なくと言われながらで育ってきているから、それを無意識に次の世代に言ってしまう。そこをメタ認知して、自分は今まで言われてきたことをそのまま下の世代に垂れ流しているなと認識して、これを意図的に止めなきゃいけないんです。</p>

<p>【白石】たとえば昔の部活の悪い風習を、俺たちの代で止めるぞ、みたいなことをやっていかないといけないんですね。</p>

<p>【鈴木】「最近の若い奴は」というのは人間の口癖なんですよね。エジプトのピラミッドにもそう書いてあったというくらいで。ただ、この世代間ギャップは、今の時代は特にすごいことになっていると思います。</p>

<p>【白石】本当にそうだと思います。「理解ができない」という声はやっぱり聞きますし、それはそうだろうなと思います。アンラーンですね。</p>

<p>※卒近代：鈴木寛さんの造語。産業革命以来の「工業社会」の価値観や教育のあり方を卒業し、次の時代に移るという考え方。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>違和感は探究の入り口</h2>

<p>――我々大人が世代間の差を感じられたら、ちょっとした違和感をおぼえると思うんです。いきなり大きな行動は難しいと思うんですが、その違和感を次のステップにつなげるには、何から始めればいいでしょうか。</p>

<p>【鈴木】起こっていることは、何らかの真実なんですよね。現象はすでに起こっている。若者の振る舞いがそうです。自分の価値観からすると違和感を抱くんだけど、違和感は探究の入り口なんです。なぜ違うんだろうと、押し付けるのではなく探究してみる。なぜ自分とその若者は価値観が違うのか、行動原理が違うのかを、徹底的に探究する。</p>

<p>探究するにはどうしたらいいかというと、まず聞くこと。「なんでこうするの?」「なんでこうしたの?」「なんでこれがいいの?」と。若者なりの価値観に基づくいろいろな判断を、まずちゃんと理解しなきゃいけないんです。その後ろ側にある行動原理やフィロソフィーまで立ち返る。そうすると、そのフィロソフィーが自分と全然違うということに気がつきますよ。</p>

<p>例えば、今は給料のいい会社なんか選ばれないんです。僕らの世代は、給料がいいということが、会社を選ぶ最重要事項でした。若者が会社を選ぶ基準は、ウェルビーイングなんです。ウェルビーイングでなければ、いかに給料が良くても選ばれません。でも大人側は、会社は稼ぎに来るところなんだから給料が全てだろうと思っている。だから、思い込みをちゃんと見直す。異なるものと遭遇することには必ず新発見があります。</p>

<p>――白石さんの非認知能力のお話の中でも、不快感に触れることが挙げられていました。それに気づくための方法を改めて伺いたいです。</p>

<p>【白石】僕は、自分の正解、正しさをちゃんと疑う力が必要だと思うんです。メタ認知ともいえるのですが、自分が正しい、当たり前だと思っていることが本当に正しいのか、間違っていることもあるよね、と。例えば怠けているように見える若い子を見て、「意欲のない人間だ」と感じた自分の感覚を疑ってみる。</p>

<p>自分の感じ方を否定するのは不都合で不快なんですけども、そこときちんと向き合って、自分が正しいと思っていることが正しいわけじゃない、と受け入れていく姿勢が必要なんです。</p>

<p>――先ほど鈴木先生がお話されていたように、「今時の若者は」の一言で片付けずに、「なぜ」と探究していくことが大事なんですね。</p>

<p>【白石】そのためには、自分の正しさをちゃんと疑える姿勢が必要かなと思いますね。姿勢と、受け入れる力、受容する力ですよね。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261015suzukikanshiraisikeiji01.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 30 Oct 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[鈴木寛（東京大学公共政策大学院教授、慶應義塾大学特任教授）,白石慶次（株式会社OnLine代表取締役）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「これがやりたい」で突っ走れるのは20代まで　Podcast仕掛け人が語る“仕事で突き抜ける条件”  石井玄（Podcast、イベントプロデューサー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15396</link>
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			<description><![CDATA[Podcast、イベントプロデューサー・石井玄さんは、目標を設定するときに一番大切なのは、「ゴールが先、手段は後」だと語る。そんな石井さんが思う仕事で成功を収めるための思考法とは。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="石井玄" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261028ishiihikaru.jpg" width="1200" /></p>

<p>『「自分でやらない」ほうがうまくいく』の著者・石井玄さんは、本の執筆を終えた頃、ポッドキャスト「LuaaZのまだ名前のない会議」に出演。SBI LuaaZ代表の福山和甫さんとの対話のなかで、「人に頼るとはまさにこういうことだ」とスッと腑に落ちた瞬間があったといいます。本書には収録されなかった、予定外に生まれた&quot;幻の８章&quot;をお届けします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>企画の「正義」に、自分の感情を持ち込まない</h2>

<p>仕事をしていると、どうしても「嫌われたくない」「波風を立てたくない」といった余計な感情が邪魔をしてくることがあります。特に若い頃の私は、いわゆる八方美人に立ち回り、周囲の顔色ばかりを気にして仕事をしていました。</p>

<p>しかし、そうした働き方をしていては「本当に良いもの」なんて絶対に作れないと、数々の失敗を重ねる中で痛感しました。うまく行かなかったプロジェクトを振り返ってみると、そこには必ず「自分自身の保身や感情」が介在していました。「こんなことを言ったら相手に嫌がられるのではないか」「ここを指摘するのは気まずい」&mdash;&mdash;。今思えば、そんなものは本当に無駄な感情でしかありません。自分が保身に走ったり感情的になったりした瞬間に、企画の軸がブレて、本質からどんどん逸れていってしまいます。</p>

<p>どんな仕事や企画にも、絶対に達成すべき「ゴール（目的）」が存在します。たとえば「番組を面白くして、一人でも多くの聴き手に届けること」。それだけが、そのプロジェクトにおける唯一無二の「正義」です。そう考えると、ゴールの達成を阻害する要素はすべて「悪」であり、取り除かなければならないノイズに過ぎません。</p>

<p>私がスケジュール管理を徹底したり、時には上司に対して強気に見える姿勢で意見を述べたりするのも、決して自分の強い自我を通したいからではありません。 私個人の都合や感情はどうでもよく、ただ「企画の正義」を最優先にしたいからです。 自分のエゴを捨てて「プロジェクトのゴール」にしっかり軸足を置けば、周囲にどう思われようと、迷わずに正しい一手を打ち続けることができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>裏方としての恐怖と「覚悟」</h2>

<p>ラジオディレクターになりたての頃の私は、とにかく若手のお笑い芸人さんの番組を担当したくて、がむしゃらに仕事に打ち込んでいました。 この業界では、若手芸人が深夜ラジオのパーソナリティに抜擢されるというのは大きなチャンスです。注目されている証拠ですし、自分たちの新しい魅力を発揮して活躍の場を広げる絶好の機会になります。</p>

<p>しかし、もしその番組がたった１年で終わってしまったらどうなるでしょうか。「あの芸人はラジオをやらせてもダメだった」というレッテルを貼られてしまい、その後の彼らの芸人人生やキャリア全体に、取り返しのつかないダメージを与えてしまうことだってあります。芸人さん本人の面白さと番組が終わることは直結しないのですが、直結しているように周りからは見えてしまうからです。</p>

<p>一方で、制作スタッフである私たちは、番組が終わったとしても次の現場へ移動して、また別の人と新しい番組を作ることができます。演者さんの人生を左右するようなリスクを背負わせているのに、自分だけは傷つかない安全な場所に残る。 その構造に対して、私は強烈な違和感と恐怖を覚えました。</p>

<p>裏方である以上、演者さんの人生を丸ごと背負うことなど不可能です。だとしたら、せめて彼らのキャリアが最高の方向に向かうように、誠心誠意、番組を成功させるために全力を尽くすのが筋というものです。「番組を絶対に終わらせない」「パーソナリティを絶対に輝かせる」。そのために一切手を抜きませんし、邪魔になる要因は徹底的に取り除きます。 自分の保身を捨てて、誰かのために背水の陣を敷く。この覚悟こそが、裏方として仕事に向き合う私の原点になっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「最初で負けない」から、常識を超えられる</h2>

<p>企画を立てるとき、多くの人は無意識に「思い込み」の枠を作ってしまいがちです。「この予算では無理だろう」「このゲストにオファーしても受けてくれないはずだ」と、最初から実現できそうな小さな枠の中に思考を収めてしまうのです。 しかし、企画の初期段階で自分から限界を決めて負けてしまっていては、そこから大きな成果が生まれるはずもありません。</p>

<p>目標を設定するときに一番大切なのは、「ゴールが先、手段は後」ということです。かつてサッカーの本田圭佑選手が、日本代表がまだそこまでの実績を残せていない時期に「ワールドカップで優勝する」と宣言して話題になりました。周囲からは笑われたり非難されたりもしましたが、「優勝を目指す」のか「ベスト8を目指す」のかで、日々の練習内容も意識の持ち方もまったく変わってきます。高いゴールを設定するからこそ、人間の脳はそのギャップを埋めようと働き、後から必要な手段がどんどん湧いてくるのです。</p>

<p>以前、24時間の生放送のチャリティラジオ番組でチーフディレクターを務めたときの話です。従来、この番組は「感動的な要素」を軸に構成するのが長年の慣例でしたが、私たちは「お笑いを全面に出した24時間にしたい」と考えました。そのまま上層部に話を持っていけば、当然大反対されます。「リスナーから反発があったらどうするんだ」と言われるのは目に見えていますし、例年通り感動を期待して聴いてくださるリスナーさんの存在も頭をよぎります。 不安やリスクは、もちろんありました。</p>

<p>しかし、例年通り無難にやるのでは、自分が任された意味がないとも思いました。 過去にこの24時間特番を担当した先輩たちに話を聴いて回り、決行できる策を必死に考えました。その方法は至ってシンプルで、「上層部にはそう見えないようにお笑いをメインにした番組づくりをする」というもの。チーム全員でゴールに向かって緻密にリスクヘッジを行い、ブレずにやり切った結果、製作途中では一部の上層部から苦言は呈されましたが、放送後には「近年稀に見る素晴らしい番組だった」と高い評価をいただくことができました。終わってしまえばどうということはありません。</p>

<p>他局のライバル番組を見渡してみても、結果を出しているチームは最初から限界など決めつけません。「ダメ元で世界的スーパースター、例えばブルーノ・マーズにオファーを出してみよう」といった、一見無謀と思えるレベルの「最上解」を大真面目に議論し、実際に動いています。</p>

<p>最初から「無理だからやめておこう」とコストや労力を削る計算ばかりしていては、絶対にそうしたチームには勝てません。 だからこそ企画を立ち上げるときは、誰もが「そんなの無理だ」と思うような一番高いゴールを設定する。 その空白を埋めるために知恵を絞るからこそ、常識をひっくり返すような成果に手が届くと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人の言う通りにした瞬間、企画は死ぬ</h2>

<p>こうした私の考え方や仕事の姿勢は、生まれたときから持っていたわけでもなければ、誰かに教えてもらって身についたものでもありません。 自分自身で壁にぶつかり、体験を通して掴んでいくしかないものだと思っています。だから、私が社員に教えるときも、答えをそのまま与えないようにしています。</p>

<p>上司が「こうしなさい」と指示を出した瞬間に、その企画は指示を出した上司のものになってしまいます。言われた側は「指示通りにやっただけ」となり、うまくいこうが失敗しようが「自分の責任ではない」と思ってしまう。これでは本人の成長にも責任感にもつながりません。</p>

<p>そうならないために、どんなに小さなことでもいいので自分で考えて企画を立てさせ、実行させて、成功も失敗も経験させることが大切です。 私から伝えられることがあるとすれば、「もう少し上のゴールを目指してみたら？」と目標の視座を上げてあげるアドバイスくらいです。 あとは、自分自身がそういう背中を見せ続けて、「自分もやってみよう」と思ってもらうしかないと考えています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>チームでしか到達できない「天井の外側」へ</h2>

<p>自分の欲求や「これがやりたい」というエゴだけで突っ走れる仕事には、必ず年齢的な限界が訪れます。 20代のうちは、がむしゃらに働いて自分の自我や成果欲求を爆発させればいいでしょう。 しかし、個人としてのアイデアや「自分が面白いと思うもの」のストックは、30代には一度出し切ってしまうか、あるいは自分の能力の限界（天井）が見えてくるものだと私は考えています。</p>

<p>そこから先のキャリアでさらに大きな成果を出し、仕事の面白さを更新していくためには、「自分軸」から「他者軸」へとシフトしなければなりません。 自分のためだけに頑張るのをやめて、演者さんのため、一緒に働くスタッフのため、そしてコンテンツを楽しんでくれる聴き手やお客さんのために仕事をする。</p>

<p>イベントが終わったとき、かつては自分自身の達成感や高揚感だけで満足していました。しかし経験を重ねるにつれて、共に走り切ったチームメンバーや演者さんが心から喜んでいる姿を見たときのほうが、遥かに深い感動を覚えるようになったのです。</p>

<p>自分一人を満足させるためのアイデアなど、たかが知れています。 しかし、「このチーム全員を満足させたい」「目の前のお客さんを感動させたい」という思考に切り替わった瞬間、発想の幅は無限に広がっていきます。</p>

<p>自分ひとりでは絶対に辿り着けないゴールへ行くために、人はチームを作り、他者のために力を尽くす。 一人で抱え込むのをやめて、「自分でやらないほうがうまくいく」という構造を受け入れたとき、仕事は本当の意味で面白くなっていくのだと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>いい仕事の根底には「信頼」がある</h2>

<p>自分軸を捨てて「この人やチームのために頑張りたい」と思えるようになるには、いい出会いが必要です。 そして、そうしたいい出会いを引き寄せるために不可欠なのが「信頼」です。</p>

<p>日々の仕事に対して誠実に向き合い、責任とリスクを泥臭く背負い続けてきた積み重ねがあるからこそ、周囲からの信頼が生まれ、素晴らしい仲間やプロジェクトに出会うことができます。</p>

<p>仕事の楽しさを「自分個人の欲求を満たすこと」から、「チームメンバーや周りの人が喜んでくれること」へと広げていくこと。 自分一人を満足させる仕事から、チームやお客さんという多くの人たちを満足させる仕事へ。その信頼のサイクルを回していくことこそが、結果として一人では想像もできなかった大きな成果へと自分を運んでくれるのだと感じています。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261028ishiihikaru.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 30 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[石井玄（Podcast、イベントプロデューサー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ジムに通う必要なし！1日5分の「ストレッチ」と「1階分の階段」で一生動ける体をつくる  森勇磨（産業医・内科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15332</link>
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			<description><![CDATA[体の硬さや筋力低下の原因は加齢ではなく「使っていないこと」。毎日5分のストレッチで血流改善と転倒予防、階段昇降で筋力と心肺機能を鍛えるなど、お金をかけず日常生活で手軽にできる運動習慣を解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「布団 の上で5分」のストレッチ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261015MoriYuuma.jpg" width="1200" /><br />
イラスト：長野美里</p>

<p>「体が硬いのは年齢のせい」「運動しなきゃと思いつつジムに通う気力もない」と諦めていませんか？ 実は、体が硬い理由は加齢のせいではなく、筋肉の「未使用」。特別な器具や時間を使わなくても体は何歳からでも変わり始めます。<br />
本稿では、「5分の布団の上ストレッチ」や、街中の「階段使い」など、わざわざ時間を作らなくても、血流を改善し、筋トレと有酸素運動になる生活習慣をご紹介。お金も特別な準備もかけず、一生動ける体をつくりましょう！</p>

<p>※本稿は、森勇磨著『年金暮らしでもお金をかけずにできる 0円予防医学』（高橋書店）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>1日5分の「ストレッチ」で身体の不調を改善</h2>

<p>【ポイント】<br />
* 体の硬さの主な原因は、加齢ではなく「未使用」。<br />
* 筋肉は何歳からでも、ゆっくり伸ばせば応える。<br />
* 血流を促し、冷え・こり・疲労の軽減に役立つ。<br />
* 柔軟性は「とっさの立て直し」を支え、転倒予防につながる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「体が硬い」は変えられる</h2>

<p>「前屈で手が床に届かない」「何十年も体が硬いまま」―こうした声はめずらしくありません。<br />
ただ、体の硬さは体質というより、「長く使っていない状態」が続いた結果です。</p>

<p>筋肉は使わなければ縮み、動かせば少しずつ伸びます。強い負荷は必要ありません。やさしく、繰り返し刺激することで、年齢に関係なく変化は起こります。<br />
また、やわらかさがあれば、その動きに合わせて姿勢を立て直しやすくなります。<br />
反対に、体が固まっていると動きに追いつけず、そのまま転倒につながりやすくなります。</p>

<p>ストレッチは、転倒のリスクを減らす「体の保険」のような役割も果たしてくれるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ストレッチは「血のめぐり」を整える</h2>

<p>筋肉を伸ばすと、局所の血流が増え、全身の循環も整います。<br />
その結果、冷えやこりがやわらぎ、疲れが抜けやすくなるなど、日常の不調が軽くなることがあります。<br />
ストレッチを「体をやわらかくする運動」と考えるよりも、「体をめぐらせる習慣」と捉えると、続けやすくなります。</p>

<p>ストレッチを続けやすい時間帯としておすすめなのが「朝、布団の上で5分」。<br />
着替えも道具も不要で、習慣にしやすいからです。</p>

<p>次の3つを目安に、気持ちよい範囲で行います。</p>

<p>【1】太もも裏伸ばし<br />
* 仰向けで片足を上げる<br />
* 膝は軽く曲げてもよい<br />
* 15～20秒キープし左右交替<br />
*手が届かない場合は、タオルを使っても構いません</p>

<p>【2】背中の丸め・反らし<br />
* 四つ眩いで背中を丸める&rarr;反らす<br />
* 呼吸に合わせてゆっくり5回</p>

<p>【3】首のストレッチ<br />
* 左右にゆっくり倒して各15秒<br />
* やさしく小さく回す</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>余裕があれば入浴後にも</h2>

<p>筋肉が温まっている入浴後は、体がより伸びやすい状態です。<br />
朝に加えてストレッチを軽く続けると、変化を感じやすくなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「階段」は無料のジム。筋力と心肺が鍛えられる</h2>

<p>【ポイント】<br />
* 階段昇降は、歩行より強い負荷が自然にかかる運動。<br />
* 太もも・お尻・ふくらはぎを同時に使える。<br />
* 心拍数が上がり、心臓と肺にも適度な刺激が加わる。<br />
* 1階分でも十分に意味がある。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「お金も時間も体力もない」そんな人でも</h2>

<p>「体のために運動したほうがいいのは分かっている」<br />
「でも、ジムに通う余裕はないし、正直そこまで気力もない」<br />
この言葉は、診察室で何度も耳にします。</p>

<p>運動の必要性は理解していても、お金、時間、体力、準備―それらを考え始めると、気持ちが後ずさりしてしまうのです。<br />
けれど、運動は必ずしも「新しく始めるもの」である必要はありません。<br />
すでに身近にあり、毎日の生活の中で何度も目にしているもの。それが、階段です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>階段は「歩行より1段格上の動き」</h2>

<p>平地を歩くのと、階段を上る動き。<br />
この2つは似ているようで、体への負荷は大きく違います。<br />
階段を上るとき、体は自分の体重を持ち上げます。<br />
そのため、太ももの前側（大腿四頭筋）、お尻（大殿筋）、ふくらはぎが、歩行よりも強く、はっきりと使われます。</p>

<p>これらは、立ちあがる、歩き出す、階段から踏ん張るといった日常動作の要となる筋肉です。<br />
つまり階段は、「生活に必要な筋肉を、そのままの形で使う運動」なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>筋力トレーニングと有酸素運動を同時に行える</h2>

<p>階段を上ると、自然に呼吸が深くなり、心拍数が上がります。<br />
これは、心臓と肺が「少し頑張る」状態に入ったサインです。<br />
息が切れすぎず、でも何もしないより確実に負荷がかかる。<br />
階段昇降は、筋力トレーニングと有酸素運動を同時に行える、数少ない動きです。</p>

<p>ジムでいえば、筋トレマシンとエアロバイクを同時に使っているようなもの。それが、特別な準備なしでできてしまいます。</p>

<p>なお、「階段を使いましょう」と言われると、「全部階段にしなければならない」と思ってしまう方がいます。<br />
でも、その必要はありません。5階建ての建物なら、最後の1階分だけ階段にする。<br />
駅なら、上りだけ階段で、下りはエスカレーターにする。<br />
それで十分です。<br />
体は、「少し負荷が増えた」という変化に、きちんと反応します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>膝に不安がある人こそ、使い分けが大切</h2>

<p>階段だと膝が不安、という方も少なくありません。<br />
ここで知っておいてほしいのは、膝に強い負担がかかりやすいのは「上り」ではなく「下り」だということです。</p>

<p>上りは筋肉が主体。一方、下りは体重をブレーキで止める動きになり、関節への衝撃が増えます。この使い分けを理解しておけば、安全性と効果の両立がしやすくなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>0円健康メモ：階段は「運動に見えない運動」</h2>

<p>階段の最大の利点は、「運動をしている意識がなくても、体はきちんと鍛えられている」点です。<br />
わざわざ時間を取らなくても、特別な服に着替えなくても、生活の中で自然に取り入れられます。<br />
1階分、30秒。それだけで、太ももとお尻、ふくらはぎ、心臓と肺に、確かな刺激が加わります。</p>

<p>運動を「特別な行事」にしてしまうと、続きません。<br />
でも階段なら、使うかどうかをその場で自分が選べます。<br />
今日はエレベーター。明日は階段で1階分。そのくらいの気軽さでいいのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261015MoriYuuma.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 30 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[森勇磨（産業医・内科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>国歌なのに「敵の血で田畑を染めよう」!? 世界の国歌に込められた意外な事情  KENT ／本間健太郎(パフォーマー)</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15301</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015301</guid>
			<description><![CDATA[「敵の血で田畑を染めよう」――フランス国歌の衝撃的な歌詞。世界の国歌には、平和への願いや国の歴史、時代とともに変わる価値観が刻まれています。230か国の国歌を歌うKENTさんに、意外なエピソードを聞きました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013kent03.jpg" /></p>

<p>「敵の血で田畑を染めよう」&hellip;そんな歌詞が登場する、フランスの国歌。<br />
国歌といえば、国への愛や平和への願いを歌うものかと思いきや、その成り立ちや歌詞をひもとくと、国ごとの歴史や価値観が見えてきます。中央揃えに歌詞を並べるとワイングラスの形になっている国歌もあれば、時代に合わせて言葉が変わった国歌も。<br />
200カ国以上の国歌を歌う「人間国歌ジュークボックス」KENTさんに、知れば誰かに話したくなる、世界の国歌にまつわる意外なエピソードを聞きました。</p>

<p>(取材・文／PHPオンライン編集部)</p>

<h2>歌詞が「ワイン」？スロベニアの平和な国歌</h2>

<p>―KENTさんが特に好きな国歌はありますか？</p>

<p>色々ありますが、スロベニアの国歌は好きですね。自分たちの国だけじゃなく、世界中の人たちの平和を願う歌なんですよ。詩は文字そのものがワイングラスの形を描くように書かれているんです。しかも、タイトルは「祝杯」。最高じゃないですか。ハッピーで大好きなんです。</p>

<p><img alt="" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261031kent.jpg" /></p>

<p>―平和な国歌ですね！</p>

<p>平和で言えば、君が代も素敵な国歌だと思います。</p>

<p>君が代は『古今和歌集』から取った歌で、「私の大好きなあなたが長く生きられますように」という意味なんです。国歌では、「君」を天皇と捉える人もいれば、自分のお父さんやお母さんと捉える人もいる。自分にとって大切な人が長く生きられますように、という歌なんです。</p>

<p>一方で、フランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」は、かなり激しい歌なんですよ。敵の血で田畑を染めよう、みたいな歌詞が出てくるんです。</p>

<p>革命を経験した国は、こういった激しい歌詞が多いんです。圧政者をやっつけろ！ みたいな。</p>

<p>フランスの国歌は戦いに向かう歌なので、サッカーの試合前なんかに流れるとかっこいいですよね。それに比べると、君が代はゆったりとした低音で、なんだか脅しているようにも聞こえる&hellip;というのは冗談ですか(笑)とても平和な歌だなと思います。</p>

<h2>国の事情で国歌は変わる</h2>

<p><img alt="" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013kent02.jpg" /></p>

<p>―国歌には、いろいろな背景があるんですね。</p>

<p>背景といえば、面白いのがマレーシアの国歌です。<br />
マレーシアには、もともと国歌がなかったんですよ。1957年の独立にあたって国歌を作ろうとなったときにペラ州の州歌が採用されたのですが、この歌はもともと19世紀フランスのシャンソン『La Rosalie』であるという説があるんです。いわば、替え歌ですね。</p>

<p>国歌って、フランス革命後からいろんな国で歌われるようになったので、実はそれほど歴史の古いものではないんですよ。なので、国の状況によって変わることもありますし、歌詞が変わることもあるんです。</p>

<p>―歌詞は、どういう事情で変わるんでしょうか？</p>

<p>わかりやすい例でいうと、イギリスの国歌です。以前は「God Save Our Gracious Queen（神よ、慈悲深き女王を守りたまえ）」と歌っていたのが、今は国王に合わせて「God Save Our Gracious King（神よ、慈悲深き国王を守りたまえ）」になっています。君主が女王から国王に変わったことで、歌詞も変わったんですね。</p>

<p>それから、カナダの国歌も変わっています。以前は「All thy sons command(汝の息子たちすべてが命ずる)」という歌詞だったのですが、2018年に「All of us command(我々すべてが命ずる)」に変更されました。「息子たち」だけでなく、性別を問わず誰もが自分たちの国の歌として歌えるように、ということですね。</p>

<p>―ジェンダーの観点から配慮がされていて、時代を感じますね。</p>

<p>国歌って、一度決まったらずっと変わらないものというイメージがあるかもしれませんが、社会や政治の変化を反映して、少しずつ変わっていくこともあるんですよ。</p>

<h2>国歌が歌えない国も</h2>

<p>変わるだけでなく、以前の国歌が使われなくなった国もあります。</p>

<p>僕はアフガニスタンの国歌も大好きなんです。2006年に採用された国歌には、国内のさまざまな民族の名前が入っているんですよ。</p>

<p>ただ、2021年にタリバンが復権してからは、以前の国歌は使われなくなりました。また、現在のアフガニスタンでは、タリバン政権のもとで音楽活動が厳しく制限されています。歌ったり、踊ったり、楽器を演奏したりすることも難しい状況なんです。</p>

<p>―なぜそのような制限がされるのでしょうか。</p>

<p>タリバンの宗教的な解釈では、音楽などの活動はアッラーの意に沿わないとされているんです。</p>

<p>僕はInstagramで、いろんな国の国旗を描きながら国歌を歌う動画も投稿しているんですが、もともとのアフガニスタンの国旗って、すごいんですよ。とても細かくて、芸術的なデザインなんです。描くのに2時間くらいかかりました。</p>

<p>ただ、タリバンが復権してからは、以前とは異なるデザインの、文字が書かれた旗が使われています。国歌も国旗も、政治的な状況によって変わっていくんですよね。</p>

<p>以前、アフガニスタン出身の方と知り合う機会があったんですが、その方が言っていたんです。「みんな普通に音楽もできるし、踊れるし、絵も描ける。でも、そういうことができない国もあるんだから、本当にありがたいことなんだよ」って。</p>

<p>本当に世界にはいろんな国があって、文化も考え方も違うんですよね。そういうことを、僕は国歌を通じて学びました。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013kent03.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 30 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[KENT ／本間健太郎(パフォーマー)]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>2028年度に引き上げ予定　話題の「独身税」こと子ども・子育て支援金って結局なに？  高橋創（税理士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15298</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015298</guid>
			<description><![CDATA[2026年度から、給与明細に新しく登場した「子ども・子育て支援金」。独身税とも言われ様々な議論を呼んでいるが、その正体とは？]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="子ども・子育て支援金" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_kids.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年度から、給与明細に新しく登場した「子ども・子育て支援金」という項目。結婚や子どもの有無にかかわらず国民全体が公平に負担するしくみだが、独身の人や子どものいない世帯には恩恵を感じにくいとして、SNSなどでは「独身税ではないか」と話題になった。書籍『給与明細から学ぶお金のキホン』（日東書院本社）をもとに、この新しい制度を解説する。</p>

<p>※本稿は、高橋創著『給与明細から学ぶお金のキホン』（日東書院本社）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>新しい少子化対策の1つ</h2>

<p><img alt="子育て支援金の項目" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013takahashihajime05.jpg" width="1200" /><br />
給与明細に記載される「子育て支援金」の項目（『給与明細から学ぶお金のキホン』より）</p>

<p>少子化と人口減少が進む中、将来の社会を支える子どもを増やすことが、社会全体の大きな課題となっている。こうした状況を受け、2023年に策定された「こども未来戦略」の一環として、2026年4月から始まったのが「子ども・子育て支援金制度」だ。</p>

<p>妊娠出産への給付や、保育サービスの充実などに充てられる。結婚や出産を望む人が経済的な不安から諦めることのない社会を目指すしくみで、子どもや子育て世帯を社会全体で支える、というのがこの制度の目的だ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>医療保険のしくみを活用</h2>

<p>支援金は「医療保険のしくみ」を通じて、企業とともに幅広い世代で負担する。健康保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料にそれぞれ上乗せする形で徴収されるため、加入している医療保険の種類によって負担のしかたが変わる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>子ども・子育て支援金制度は「独身税」？</h2>

<p><img alt="支援金額推計" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013takahashihajime06.jpg" width="1200" /><br />
加入する医療保険ごとの支援金額推計（『給与明細から学ぶお金のキホン』より）</p>

<p>子ども・子育て支援金は少子化対策のための新しい制度だが、当初は独身者や子どものいない家庭には恩恵が感じにくいとの声もあり、「独身税ではないか？」と話題になった。</p>

<p>支援金は健康保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料に上乗せされ、未婚・既婚・子どもの有無にかかわらず、国民全体で子どもや子育て世帯を支えるしくみだ。</p>

<p>子どもを持たない人にとっては、負担だけが増えるように感じられるかもしれない。しかし、将来の社会を支える次の世代を育てることは、結果的に全ての人を支えることにもつながる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>制度は段階的に実施</h2>

<p><img alt="子ども・子育て支援の例" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013takahashihajime07.jpg" width="1200" /><br />
出生後休業支援給付や児童手当の拡充など、支援金でまかなわれる（『給与明細から学ぶお金のキホン』より）</p>

<p>支援金の負担額のもとになる「支援金率」は、2026年度から段階的に導入され、2028年度に向けて引き上げられる予定だ。（2026年度が0.23％&rarr;2028年度には0.4％（予定））。ただし、支援金は「社会保障の歳出改革」とあわせて実施されるため、支援金の導入による実質的な負担は生じないとされている。</p>

<p>2026年度の支援金額推計（平均月額）は、健保組合が被保険者1人当たり約550円、国民健康保険が1世帯当たり約300円、後期高齢者医療制度が被保険者1人当たり約200円。会社員は健保組合の欄が該当する。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>子ども・子育て支援金は会社と折半</h2>

<p>支援金の額は医療保険制度ごとに定められ、会社員の場合、給与や賞与をもとに支援金額が算出され、基本的に本人と会社が折半して負担する。健康保険料とあわせて徴収されるが、給与明細には「子ども・子育て支援金制度」と個別に記載される場合もあれば、健康保険料に含まれている場合もある。支援金は医療保険のしくみを通じて、企業とともに幅広い世代で負担する。今後、制度や負担額が変わる可能性もあるため、その動向を確認しておこう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 30 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[高橋創（税理士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「悩みが頭から離れない」ときに試してほしい　心を落ち着かせる4つの方法  藤田康男（Smart相談室CEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15256</link>
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			<description><![CDATA[モヤモヤ・イライラが頭から離れず、ずっと悩んでしまうときに効果的な行動とは？Smart相談室CEOの藤田康男さんが、今すぐにでも実践できる心の整え方4選を紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="藤田康男著『悩みの統計学』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_WomanStretch.jpg" width="1200" /></p>

<p>過去の出来事を思い返して辛くなったり、未来を想像してしんどくなったり...今、起こっているわけではないことに頭を悩ませ、モヤモヤした経験があるかもしれません。そうした過去・未来の出来事に心を支配されそうなときは、「今、この瞬間に意識を戻すことが大切」だと、Smart相談室CEOの藤田康男さんはいいます。本稿では、簡単に実践できる心の整え方を見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、藤田康男著『悩みの統計学』(扶桑社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>呼吸トレーニング</h2>

<p>呼吸は、唯一、自分の意思でコントロールできる自律神経の働きです。そのため、呼吸を整えることは、心を整えるもっとも手軽な方法の1つです。</p>

<p>心理学者スティーブン・ポージェスは、「ポリヴェーガル理論」の中で、呼吸と感情の関係を説明しています。この理論では、ゆっくりとした呼吸、長く息を吐くことによって、迷走神経の働きが高まり、副交感神経が優位になるとしています。その結果、心拍数が下がり、身体の緊張が和らぐ、安全感が高まる、不安や恐怖が軽減すると考えられています。つまり、呼吸を変えることで、自律神経を通じて心の状態も変わるのです。</p>

<p>不安や緊張を感じると、人は無意識に呼吸が浅く速くなります。すると交感神経がさらに優位になり、心拍数が上がり、「もっと危険だ」という信号を脳へ送り続けます。反対に、ゆっくり息を吐くと、副交感神経が働き始め、身体は「もう安全だ」と認識するのです。おすすめは、「4秒吸って、6秒から8秒かけて吐く」という呼吸法です。吐く時間を長くすることがポイントです。これを数分続けるだけでも、心拍や緊張感が落ち着いてきます。</p>

<p>「吐く」時間を長くするのには、意味があります。呼吸では「吸う」ときと「吐く」ときで自律神経の働きが異なるのです。息を吸うときは、交感神経がやや優位になり、心拍数が少し上がります。息を吐くときは、副交感神経が優位になり、心拍数が下がります。これが呼吸と自律神経のメカニズムです。</p>

<p>そのため、吐く時間を吸う時間より長くすることで、副交感神経が働きやすくなり、身体がリラックスした状態へ移行しやすくなります。この現象は、生理学で「呼吸性洞性不整脈」として知られています。</p>

<p>できれば、胸ではなくお腹が膨らむように呼吸する「腹式呼吸」を使って「しっかり吸う」よりも「ゆっくり最後まで吐く」ことを意識してみてください。呼吸法は悩みを直接解決するわけではありません。しかし、冷静な判断ができる状態を取り戻すことができます。</p>

<p>感情が落ち着けば、問題の見え方そのものが変わることも少なくありません。「心を落ち着かせよう」と頑張るより、「呼吸を整えよう」と考える方が、はるかに実践しやすいのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>暗算、カウント</h2>

<p>暗算や100から9ずつ引く計算、あるいは100まで数を数えることも有効です。ワーキングメモリを計算に使うことで、不安を繰り返す思考が入り込みにくくなるからです。</p>

<p>これは心理学者アラン・バドリーとグラハム・ヒッチが提供した「ワーキングメモリ理論」を応用しています。この理論では、人間の脳が同時に意識できる情報量には限界があると考えます。</p>

<p>たとえば、不安を考える、暗算をする、これらはどちらもワーキングメモリを使います。そのため、100から9ずつ引く計算を始めると、脳は計算に認知資源を使うため、不安や反すう思考をしにくくなります。つまり、注意を意図的に別の認知課題へ向けることで、不安を弱めるという考え方です。</p>

<p>こうした方法は、悩みそのものを消す魔法ではありません。しかし、「今ここ」に注意を戻すことで、感情の暴走を止めることができます。頭の中だけで悩み続けるよりも、意識の使い方を変えることが心を守ることにつながるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>結界、セーフプレース</h2>

<p>心理療法ではイメージ技法の中に「セーフプレース」と呼ばれる技法があります。これは、自分が安心できる場所を頭の中で具体的にイメージする方法です。心理学者フランシーン・シャピロはEMDR（Eye Movement Desensitization and Reprocessing）という心理療法を開発し、PTSD（心的外傷後ストレス症）をはじめとした、トラウマ、不安症、恐怖症などの治療法として世界中で用いられるようになりました。</p>

<p>EMDRでは、トラウマの記憶に取り組む前に、安心できる場所、落ち着ける風景、心が休まる空間を頭の中にイメージし、必要なときにいつでも戻れる「安全基地（セーフプレース）」として活用します。これが現在広く知られている「セーフプレース技法」です。</p>

<p>海辺、森、温泉、自宅のソファなど、自分が落ち着ける場所ならどこでも構いません。そこにいる風景や音、匂い、空気まで思い浮かべることで、脳は実際に安全な場所へ行ったかのような反応を示します。</p>

<p>また、日本では昔から「結界」という考え方があります。「結界」は、本来「ここから内側は特別な場所である」と境界を設ける考え方です。日本では宗教や伝統文化で古くから使われてきた概念ですが、現代では心理学やセルフケアの文脈でも、「心を守るための心理的な境界線」の比喩として用いられることがあります。</p>

<p>「結界」は、もともと天台宗や真言宗などの仏教や、神道、修験道で発展した考え方です。修行や儀式を行う場所の周囲に境界を設け、邪気を入れない、神聖な空間を保つ、修行に集中する、ことを目的としていました。石や、しめ縄、結界石などがその象徴です。つまり、結界とは「目に見えない境界線」をつくり、内側を守るための仕組みだったのです。</p>

<p>現代では「仕事と私生活を切り替える」「ここは安心できる場所だと決める」といった心理的境界線をつくることは、ストレスを軽減する方法として知られています。お気に入りの椅子に座る、お茶を淹れるなど、自分だけの小さな儀式が、心を守る自分だけの結界になるのです。心は、安心できる場所があるからこそ、再び挑戦する力を取り戻せます。自分の結界、セーフプレースを意識して設定してみましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>行動活性化、転位行動</h2>

<p>心理学者ピーター・M・レウィンソンによって提唱されたのが、「行動活性化」という概念です。これは、「気分がよくなってから行動するのではなく、まず小さく行動することで気分が変わる」という考え方です。たとえば、食器を洗う、散歩をする、洗濯物をたたむ、植物に水をやる、といった小さな行動を行うことで、達成感や自己効力感、気分の改善につながることを示しました。</p>

<p>また、動物行動学では、ストレス下で本来の課題とは別の行動をとることを「転位行動」と呼びます。たとえば動物で言えば、鳥が争いの最中に羽づくろいを始めることなどが挙げられます。人間では、試験勉強を始める前に部屋を掃除する、大事な仕事の前に机を整理する、緊張するとコーヒーを淹れるなどが、「転位行動」として挙げられます。「行動活性化」と「転位行動」は違うものであることを知っておきましょう。</p>

<p>もちろん、こうした行動だけで問題が解決するわけではありません。しかし、心が落ち着けば、本来向き合うべき問題にも冷静に取り組めるようになります。悩みを抱えたときほど、「何を考えるか」ではなく、「今、何をするか」が重要になります。小さな行動は、思考の迷路から抜け出すための確かな出口になるのです。</p>

<p>心理学や社会科学の研究では、「こう考えると気持ちが楽になる」「こう行動するとストレスが軽減される」「この環境では、悩みを抱えやすい」といった傾向が明らかにされています。こうした知見は、悩みへの対処法を考えるうえで、とても重要な手がかりになります。</p>

<p>ただし、研究結果を「これをやれば、必ずこうなる」という万能な法則として受け取ることには注意が必要です。研究によって示される因果関係の強さは、自然科学と社会科学では大きく異なります。</p>

<p>自然科学では、実験室などで条件をコントロールし「原因」と考えられるもの以外の影響を小さくすることができます。そのため、同じ条件を再現すれば、かなり高い確率で同じ結果を得ることができます。</p>

<p>一方、社会科学の研究対象は「人間」です。人間の心理や行動は複雑で、その人が置かれている環境、過去の経験、価値観、人間関係、その日の体調など、さまざまな要因に影響されます。</p>

<p>さらに、社会そのものも絶えず変化しています。そのため、「Ａをすれば、必ずＢになる」という純粋な因果関係を示すことは容易ではありません。たとえば、ある研究で「相談することでストレスが軽減される」という結果が得られたとしても、すべての人が相談すれば必ず楽になるわけではありません。相談する相手との関係性や、相談するタイミング、悩みの内容によって、結果は変わるでしょう。研究結果は、あくまで「うまくいく可能性を高める知識」と捉えるのが適切です。</p>

<p>研究結果に当てはまらない人もいれば、平均的な傾向とはまったく違う方法で悩みに対処する人もいます。むしろ、研究から外れた「外れ値」として生きた方が、その人にとっては幸せなのかもしれません。</p>

<p>大切なのは、研究結果に自分を無理に合わせることではありません。研究は、あなたの人生を決める「正解」ではなく、悩みと向き合うための「地図」のようなもの。地図を参考にしながら、自分に合う道を探していけばいいのです。</p>

<p>ですから、気になる対処法があったら、まずは1つだけ試してみてください。「だまされたと思って、やってみよう」くらいの気持ちで十分です。合わなければやめていい。少しでも楽になったなら、続けてみればいい。</p>

<p>研究結果を絶対視する必要も、疑いすぎる必要もありません。まずは1つ試してみる。そして、自分自身の変化を観察してみる。そんな気軽な気持ちで、これらの対処法を楽しみながら試してみてください。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_WomanStretch.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 30 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[藤田康男（Smart相談室CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「ＮＹ襲撃」 第一章・過去を引きずる者たち【４】 高嶋哲夫  高嶋哲夫（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15400</link>
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			<description><![CDATA[SP・明日香が次に護るのはNY！？　「襲撃」シリーズ第三弾。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ニューヨーク" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NY.jpg" width="1200" /></p>

<p>SP・明日香が次に護るのはNY！？「襲撃」シリーズ第三弾。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>３</h2>

<p>キャビンアテンダントに案内されて、ビジネスクラスまで行った。</p>

<p>窓際にゆったりしたシートが並んでいる。</p>

<p>「ビジネスクラスなんですか。ファーストクラスじゃなくて」</p>

<p>「これでも有り難いわよ。今は、私は一市民なの」</p>

<p>新崎（しんざき）が当然でしょうという顔で言う。</p>

<p>明日香（あすか）が麻衣子（まいこ）を見ると、肩をすくめ背後のシートに目を向けた。私はここ、という意味か。</p>

<p>「でも、前総理の公務です。私たちは公務に同伴する警護官」</p>

<p>新崎は意に介さないという風に振る舞っている。</p>

<p>「窓際に座りなさい。十三時間のフライトよ。私を見てるより、雄大な自然を鑑賞して。世界はつながっている。地球は広いようで狭い。この感覚、日本人には必要なこと。特に若い人には」</p>

<p>新崎はそう言って通路側の椅子に座り込んだ。</p>

<p>「そんな余裕はありません。仕事で行くんです」</p>

<p>「もっとリラックスして。アメリカ旅行を楽しむくらいにね」</p>

<p>「私にとっては初めての外国での仕事です。失敗は許されません」</p>

<p>「分からなくもないけど、私とあなた、世界にとって有用なのは、間違いなくあなたよ。あなたと私は三回りほど違う。これからの社会の未来の貢献度は、あなたの方が断然上」</p>

<p>「そういう考えは先生らしくない」</p>

<p>「でもそれは事実。あなたも心の中では分かっているはず」</p>

<p>明日香は答えられなかった。何を言おうと反論され、言い含められる。</p>

<p>「あなたは窓際の席。私は通路側。トイレに近い方が安心なの」</p>

<p>新崎はふうと息を吐いた。</p>

<p>「話し相手がほしかったのよ。この歳になると、十三時間以上も寝ることは難しいから」</p>

<p>そう言えば、二年以上の付き合いになるが、プライベートなことはほぼ知らない。</p>

<p>「対象者の現在の交友関係、警護に必要なことは知っておくように。しかし、警護対象のプライベートには深く踏み込むな。色んな意味で最後の決断に影響する」</p>

<p>高見沢（たかみざわ）の言葉だ。聞いた時は矛盾に満ちた言葉だと思ったが、今になって、分かる気がする。しかし、エリーゼについては別だ。エリーゼの中には母マリナが生きている。彼女は何があっても、私が護る。</p>

<p>「あなた、アメリカは初めてなの」</p>

<p>「ハワイは一度行った事があります。学生時代に。語学研修です。ふた月滞在しました」</p>

<p>「なるほど。でも大したものね。ふた月でそれだけ聞き取れて、喋れれば」</p>

<p>「商社志望だったので、語学には力を入れていました」</p>

<p>「どうして警察官に」</p>

<p>「色々ありました。最大の理由は、第一志望に落ちたことです」</p>

<p>「警察官は滑り止めか」</p>

<p>「それだけではないんですが――」</p>

<p>明日香は言葉を濁した。</p>

<p>「新崎総理は――いえ、新崎先生はなぜ政治家になったんですか」</p>

<p>「似たようなことよ」</p>

<p>「第一志望に落ちたからですか」</p>

<p>「私の場合は大学。医学部に落ちて、法学部に通った。両親は地方都市のサラリーマンで、三人兄弟。浪人する余裕はなかったの。早く大学を出て、就職するしかなかった」</p>

<p>「就職先が政治家ですか」</p>

<p>「指導教授の友達が政治家だった。頻繁に研究室に来てた。その人の影響かな。でも当選するまでに十二年かかった。議員秘書や、フリーのライターをやりながらね。私はタナボタ議員」</p>

<p>勢いに乗った政党の比例議員だ。比例順位下位に名前があっても、通るときには通る。</p>

<p>明日香は新崎のデスクにあった写真を思い浮かべた。新崎より二回り以上、歳上の男が二人写っていた。たしか、一人は議員バッチを付けていた。</p>

<p>「人の運命なんて、何げないことで決まるのよね」</p>

<p>確かにその通りだ。明日香はここ数年のことを思い浮かべた。人生を変えるべきことが続けて起こった。</p>

<p>「じゃあ、私は寝るから静かにしててね」</p>

<p>新崎はそう言うと目を閉じた。</p>

<p>明日香はぼんやり新崎の顔を見つめていた。威勢のいい言葉とは裏腹に、疲れの滲んだ顔だ。ムリもないと思う。この二年間、新崎にとっては生死の境を駆け抜けてきたのだ。その結果、右目の視力を失い、右半身が麻痺した身体になった。</p>

<p>集中しろ。明日香は自分自身に言い聞かせた。</p>

<p>やがて機内放送が離陸を告げ、飛行機は静かに動き始めた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>機体は高度を保ち、夜と昼の境界を縫うように進んでいく。</p>

<p>成田国際空港を離れてから、時間の感覚はすでに曖昧になっている。</p>

<p>窓の外には、雲の海が広がる。やがてその下に、荒々しい大地の輪郭が浮かび上がる。カムチャツカ半島だ。火山の影が長く伸び、雪をまとった稜線が無言のまま連なっている。</p>

<p>さらに北へ。シベリアの白い風景が続き、やがてそれは暗い森へと変わる。日本上空を出て、ロシアからカナダ、アメリカへ。国境という線は見えない。ただ、大地だけが延々と続いている。</p>

<p>明日香は目を閉じた。眠ろうとするが眠れない。機内の静けさが、かえって思考を際立たせる。過去と、これから向かう場所が、交互に浮かんでは消える。</p>

<p>景色が再び変わった。カナダの湖が光を照り返し、その先に、整然とした人工の光と線が現れる。アメリカ合衆国だ。地球の半分をなぞる距離を、約十三時間のフライトがひとつの軌跡で結ぶ。</p>

<p>それでも少しは眠ったらしい。気が付くと、新崎が明日香の方を見ている。慌てて身体を起こした。</p>

<p>「若いっていいわね。結構ぐっすり眠ってた」</p>

<p>新崎が笑いながら言う。反論は出来なかった。ここ二日間は準備でほとんど眠っていない。疲れには勝てないということか。</p>

<p>やがて、アナウンスが流れ始めた。機体はゆっくりと降下を始める。</p>

<p>窓の外に、複雑に交差した高速道路が続いている。滑走路の光が一直線に並び、その先に影のような機体が動いているのが見える。</p>

<p>タイヤが地面に触れる短い衝撃が伝わる。ワシントン・ダレス国際空港だ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>乗務員に助けられて飛行機を降りると、二人の日本大使館の職員とアメリカ政府の役人が待っていた。</p>

<p>「私は日本大使館の一等書記官の宮本正人（みやもとまさと）です」</p>

<p>年輩の男が新崎の前に来て頭を下げた。</p>

<p>「アメリカのＳＰの方たちは」</p>

<p>「何のことですか」</p>

<p>聞いていないのか。横田はアメリカ入国後は、ホワイトハウスのシークレットサービスも警護に加わると言っていた。</p>

<p>「早く入国手続きを済ませて、車に移動してください」</p>

<p>こんな所で立ち話は出来ない。</p>

<p>宮本に導かれ、特別室で入国手続きを受けると、空港出口に案内された。</p>

<p>明日香は麻衣子が押す車椅子の背後について歩いた。</p>

<p>空港ビルを出ると、黒塗りの大型車が待っている。明日香は辺りを見回し、車を見てわずかに眉をしかめた。</p>

<p>「申し訳ないが、この車は防弾車じゃないですから」</p>

<p>宮本が明日香の横に来て、危惧に応えるように囁く。</p>

<p>「日本の前総理大臣がアメリカで狙われるという発想がないですからね。しかし今回は――」</p>

<p>「十分承知していますが、すべてが国費で運営されているので」</p>

<p>皮肉を込めて言う明日香の言葉を宮本が遮る。</p>

<p>「我々も去年の東京でのテロ事件は驚きました。世界観を変えたと言っていいくらいです。当然、二年前の官邸占拠事件、東京の爆破事件は、アメリカでも大騒ぎでした。何かあればオンタイムで世界に広がる時代ですから」</p>

<p>宮本は言い訳がましく言う。</p>

<p>空港を出るとすぐに、車は市内への専用道路、ⅤＡ-２６７、ダレス・アクセスロードへ向かった。高速道路Ｉ-６６へ入ると、車の流れは少しずつ増え、都市の気配が濃くなっていく。そして、ポトマック川へと出ると、市街地が広がっている。</p>

<p>橋を渡ると、景色が一変する。遠くに白く細い塔、ワシントン記念塔が空を突き刺すように立ち、その向こうには歴史の重みを感じさせる建物群が広がっていた。</p>

<p>町に入ると、道路は一気に整然とした碁盤の目に変わる。政府機関の建物が並び、石造りの重厚な雰囲気を感じる。どこか静かな緊張感が漂っている。</p>

<p>やがて車はＥストリート付近へと滑り込む。その先にあるのは、世界の政治の中心、ホワイトハウスだ。</p>

<p>「何度見ても感動する。アメリカ建国の歴史が刻まれている。自由と平等の象徴」</p>

<p>新崎は言ってから軽いため息をついた。</p>

<p>「首都はどこでも同じ。だけど、理念と現実は大きく違う。あなたもそう思っているんでしょ」</p>

<p>「政治的な発言は控えます」</p>

<p>「そんなに硬くならないで。すべてここだけの話だから」</p>

<p>新崎は言った。</p>

<p>「日本には国会議事堂があります。戦争に遭いながらも今の姿を保っています」</p>

<p>「国会は何を象徴しているのか知ってる？」</p>

<p>新崎は明日香を見ている。明日香は答えることが出来なかった。考えたことすらなかった。</p>

<p>「私も知らない。日本には理念がない。とくに政治的な理念はね。でもそれって、最高に幸せなのかもしれない」</p>

<p>確かに自由とか平等とかを、深く考えたことがない。子どものときから当然のこととして、受け入れている国だ。しかし世界の多くの国は、それらを血と涙の結晶として手に入れている。</p>

<p>「考える必要がないほどに当たり前のモノとして存在している」</p>

<p>新崎が現役の時、静かな夜などは寝るのがもったいないと、度々明日香に一方的に話したことがあった。もっと勉強しろということなのかもしれない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>４</h2>

<p>車はワシントンＤ．Ｃ．の郊外に入っていった。</p>

<p>「道が違う。ホテルに行くんでしょ。何が起こってるの」</p>

<p>突然、明日香が運転手に声を上げる。右手は腰の拳銃を握っている。</p>

<p>「落ち着いて。どうしても行かなければならないところがあるの」</p>

<p>返事をしたのは新崎だった。</p>

<p>「ホテルに直行して」</p>

<p>「私の話を聞きなさい」</p>

<p>「ダメです。何が起こるか分かりません」</p>

<p>明日香はためらいなく、断固とした口調で言う。</p>

<p>「私はもう民間人よ。誰からも制約されません。たとえ、あなたの指示であっても」</p>

<p>新崎が睨（にら）むような目で明日香を見ている。</p>

<p>「私は公務員です。政府から命じられています。先生を警護するようにと」</p>

<p>「私が誰に狙われるというの」</p>

<p>「新崎先生は前日本国総理大臣。新崎先生は要人に違いありません。十分殺害する価値があります」</p>

<p>明日香は言い切った。新崎は毅然とした顔で明日香を見ている。</p>

<p>「ハッキリ言うのね。殺害する価値だなんて。でも、有り難う。変な気持ちだけど、嬉しいわ。私にも価値があると言われると」</p>

<p>「だから自制してください」</p>

<p>「それとこれは話は別」</p>

<p>新崎の口調は今までになく強い決意を感じさせる。思わず、明日香は視線を外した。</p>

<p>車のスピードが落ちた。</p>

<p>「止まらないで」</p>

<p>「どうしろというんです。決めてください」</p>

<p>明日香の声に運転手が泣きそうな声を上げる。</p>

<p>「行けばいいのよ。私の命令」</p>

<p>新崎はポケットから折り畳んだ札を出して明日香に渡した。五ドル紙幣だ。</p>

<p>「裏を見てごらんなさい」</p>

<p>石造りの荘厳な建物だ。中央に座っているのは――。</p>

<p>「リンカーン記念堂よ」</p>

<p>「写真で見たことがあります。リンカーンがイスに座っている像があるんですね。正面にはワシントン記念塔が見える。その間にはプールがあるんですね」</p>

<p>「エイブラハム・リンカーンは奴隷解放のために戦いました。私は自由の象徴だと信じています。ケネディ大統領はそれを平等にまで押し上げた。公民権運動よ」</p>

<p>新崎は自分自身に言い聞かせるように、一語一語ゆっくりと、明日香に話した。このように生き生きと話す新崎は久し振りだ。明日香は腰の拳銃から手を離した。</p>

<p>「自由と平等。人間にとって最も重要な概念だと信じている。でも、日本にはそれらが溢れすぎてる。だから当然だと思ってる。その大切さを認識していない。それを得るために、いかに多くの日本人が死んでいったかには、無頓着。でも現在も、世界にはその欠片さえ持てない人々が多く存在している」</p>

<p>明日香は腹を決め、辺りに視線を向けながら新崎の言葉を聞いていた。</p>

<p>車は記念堂の駐車場に止まった。</p>

<p>麻衣子が新崎の車椅子を押した。明日香は車椅子と並んで歩いた。</p>

<p>リンカーン記念堂は、ワシントンＤ．Ｃ．によくある建物とは少し違い、古代ギリシャの神殿のような形をしている。建物のまわりには大きな柱が三十六本あり、これは当時のアメリカの州の数を表す。</p>

<p>中にはリンカーン大統領の大きな像があり、壁には有名な「人民のための政治」の言葉が刻まれている。</p>

<p>外に出ると、前にはリフレクション・プールという大きな池があり、晴れた日には空やワシントン記念塔がきれいに映る。</p>

<p>「あなた、マリアン・アンダーソンのことは知ってる？」</p>

<p>新崎は銅像に目を向けたまま言った。</p>

<p>「初めて聞く名前です」</p>

<p>新崎は明日香に向き直り、大げさにため息をついた。</p>

<p>「一九三九年に歌手のマリアン・アンダーソンが、自身の肌の色を理由にＤ．Ｃ．にあるＤＡＲコンスティテューション・ホールでのコンサートを拒否される事件が起きた」</p>

<p>「彼女は黒人だったわけですね」</p>

<p>「そう。で、当時の大統領夫人、エレノア・ルーズベルトは急遽マリアンのコンサートをリンカーン記念堂の階段から出来るよう手配したの。その結果、アメリカ全土から実に七万人もの人が押し寄せるコンサートとなったのよ」</p>

<p>新崎は視線を正面に向けた。明日香は新崎から目を逸らせた。新崎の目は涙で潤（うる）んでいるように見える。</p>

<p>「じゃ、マーティン・ルーサー・キングは」</p>

<p>新崎が改まった口調で聞く。</p>

<p>「知っています」</p>

<p>「ホッとする。でも、良く知ってたわね」</p>

<p>「警護官になるときに本を読みました。暗殺された人でしょ」</p>

<p>新崎は明日香を見て、肩をすくめた。</p>

<p>「大丈夫です。〈私には夢がある〉で有名な人ですね。そのくらい知っています」</p>

<p>明日香はわざとらしい笑みを浮かべ、新崎に視線を向けた。</p>

<p>「Freeatlast!Freeatlast!ThankGodAlmighty,wearefreeatlast!最期の一節ですね。ついに自由になった！ついに自由になった！全能の神よ、感謝します、私たちはついに自由になったのです！神への感謝と力強い自由の宣言です。長きにわたる苦難の末に手に入れた自由の喜びと、神への深い感謝が込められた言葉です」</p>

<p>新崎が左手を後ろに回し、明日香の手を軽くつかんだ。</p>

<p>「正面の階段を昇ると足元に〈IHaveaDream〉と彫られた場所がある。多くの人がこの言葉に聞き覚えがあるでしょう。キング牧師が演説で語ったフレーズよ」</p>

<p>一九六三年八月二十八日、キング牧師は「ワシントン大行進」と呼ばれるデモの際に、リンカーン記念堂の正面階段で人種差別に反対する演説を行った。アメリカで最も大規模な政治集会の一つとして知られ、アメリカ公民権の獲得を訴えるワシントン大行進が行われた。それを記念して正面階段には、この文字が刻まれている。</p>

<p>「御覧なさい。あなたは今、キング牧師が見た景色と同じ景色を見ているの」</p>

<p>新崎は視線を正面に向けて自分自身に言い聞かせるように言う。リンカーンとキング牧師――新崎にとっては特別な人なのだろう。</p>

<p>「記念堂前にある階段に印がついているタイルがあるでしょ」</p>

<p>「はい。ありますね」</p>

<p>新崎は自分で車椅子を階段に進めた。明日香は慌てて車椅子の背をつかんだ。足元には確かに言葉が刻まれている。</p>

<p>「ここはキング牧師が演説の時、立っていた場所なのよ」</p>

<p>新崎の感慨深い声がする。</p>

<p>「私をそこに立たせて」</p>

<p>一瞬躊躇（ちゅうちょ）したが、明日香は新崎を支えて車椅子から降ろそうとした。</p>

<p>横を通りかかったスーツ姿の二人の男が新崎を支えた。二人とも三十代前半、一人は日本人だ。</p>

<p>明日香は警棒を抜いて男の頭に突き付けた。</p>

<p>「一撃で頭の骨を砕くことができる。だから動かないで」</p>

<p>明日香は最初英語で、次に日本語で言う。</p>

<p>「あなたは何者。拳銃を持ってるでしょ」</p>

<p>腰のベルトに拳銃が見える。</p>

<p>「シークレットサービスのノブオ・ハヤマです」</p>

<p>流ちょうな日本語で言うと、上げた手をゆっくりと降ろし、身分証を明日香に見せた。確かにシークレットサービスだ。</p>

<p>「ずっとあとを付けてきていた黒い車もシークレットサービスなのね」</p>

<p>「気付いていましたか」</p>

<p>「驚いた。日本人かと思った。日本語がうまいのね」</p>

<p>明日香は答えず言う。</p>

<p>「日系四世です。昭和の初めに三代前の祖父がカリフォルニアに来ました」</p>

<p>「日本にいたことがあるの」</p>

<p>「一度もありません。でも、家ではほとんどが日本語でした。お爺ちゃんが元気でしたから。外では極力英語でした」</p>

<p>「アルフレッド大統領も少しは気にかけてくれているのね。あなたを警護につけてくれるとは」</p>

<p>明日香は皮肉交じりに言う。</p>

<p>「我々はホテルまで追走します。以後はご自由に」</p>

<p>ハヤマは一歩後ろに下がった。</p>

<p>新崎は三十分近く、リンカーン記念堂に滞在して、駐車場に戻った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>「行ってちょうだい」</p>

<p>新崎が運転手に告げた。運転手はチラリと明日香を見て肩をすくめると、車をスタートさせた。新崎は事前に運転手に行き先を知らせているのだ。明日香に告げなかったのは、反対されるのが分かっているからだ。</p>

<p>「勝手なことはやめてください」</p>

<p>明日香は振り向いて思わず声を出した。車がホテルを通りすぎて、通りに入ったのだ。新崎は平気な顔をしてシートに身を沈めている。</p>

<p>「もっと力を抜いてリラックスして。私がここにいるなんてことは誰も知らない」</p>

<p>右手にホワイトハウスが見えてきた。</p>

<p>その前に数十人の団体が見える。老若男女、まさに多様性満点の人たちが手作りのプラカードを持って歩いている。</p>

<p>「デモをやっているグループが二組いるでしょ。大統領への賛成派と反対派。彼らを見てどう思う」</p>

<p>「ある意味、楽しそうですね。天気はいいし、みんなのんびりしています」</p>

<p>明日香は周囲に目を配りながら言う。</p>

<p>「テロリストには見えないでしょ。これがアメリカ、多様性の国なのよ」</p>

<p>車はスピードを落とし、止まった。二組のデモ隊が前を通りすぎていく。</p>

<p>お婆さんが車を覗き込んでくる。</p>

<p>「止まらないで。スピードを上げて」</p>

<p>明日香は鋭い声で言う。</p>

<p>車はホテルのあるジョージタウンに向かった。</p>

<p>ジョージタウンは洗練された静けさを保っていた。石畳に沿って並ぶ低層の建物、控えめな灯り、川から上がってくる風。その一角に宿泊予定のホテルはあった。フォー・シーズンズ・ホテル・ワシントンＤＣだ。ホワイトハウスは車で十五分ほどのところにある。</p>

<p>表通りからわずかに奥まったその位置は、視線を避け、動線を絞るために計算されている。出入口は限られ、裏動線も完全に管理されている。警護にとって、「守りやすいホテル」だった。</p>

<p>ロビーの照明は柔らかい。だがその穏やかさの裏で、見えない緊張が漂っていた。エレベーター前に立つ二人の男は無言で、しかし視線は常にフロア全体に動いている。客の出入りは制限されていた。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 29 Oct 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[高嶋哲夫（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「自分がいないと回らない」は思い込み？　過度な責任感を手放す考え方  原田祐紀（浄土真宗明善寺住職）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15223</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015223</guid>
			<description><![CDATA[つらい出来事への向き合い方と、過度な責任感を手放す大切さを説く内容です。起きた事実は変えられずとも受け止め方は変化し得ること、そして｢自分しかいない｣という思い込みを手放し周囲に任せることで自分を守れると伝えています。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h2><img alt="デスクで頭を抱えながら、パソコンに向かって一人で悩む女性" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NayamiWomanG.jpg" width="1200" /></h2>

<p>｢自分が頑張らないと、すべてが壊れてしまうかもしれない｣そんな強い責任感のもとで、ずっと走り続けてきたあなたへ。大きなショックや悲しみを抱えたままでも、人は少しずつ｢今できること｣を選び直していくことができます。すべてをひとりで抱え込まず、誰かに頼る優しさを自分自身に与えてみませんか。</p>

<p>※本稿は、原田祐紀著『自分らしく生きるための 心を整える習慣 ざわつきをしずめるやさしい仏教の教え』(KADOKAWA)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>悲しい出来事が起きたあとの歩み方</h2>

<p>悲しい出来事が起きたあとには、すぐに歩き出せなかったり、時間を重ねるなかで新しい歩みが見えてきたりすることがあります。<br />
起きたことは変えられません。それでも、出来事の見え方が少しずつ変わっていくこともあります。</p>

<p>同じ出来事であっても、その受け止め方や、立ち直るまでに必要な時間は、人それぞれです。</p>

<p>たとえば病気が見つかったとき、「なぜ私が」という不安や怒りを抱えるのは自然なことです。</p>

<p>その気持ちが消えないままでも、少し落ち着いたときに、今できることへ目を向けられることがあります。</p>

<p>交通事故に遭った後のショックがやわらぐまでには、長い時間がかかることもあります。</p>

<p>そのなかで、いつか｢命が助かった｣と思える日が来るかもしれません。<br />
ミスをしたとき、｢もう終わりだ｣と落ち込むことがあるでしょう。<br />
けれど、｢次に生かそう｣と受け取ることもできます。</p>

<p>大切なのは、前向きに受け取ることではなく、自分の気持ちを置き去りにせず、今できることを探していくことです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>すべてをあなたひとりで背負わなくていい</h2>

<p>｢私がいないと回らない｣という思いは、責任感や誠意のあらわれでもあります。<br />
しかし、思いが強くなりすぎると、自分を追い詰めてしまうことがあります。<br />
大切なのは、すべてをあなたひとりで背負う必要はないと知ることです。</p>

<p>｢自分が頑張らないと職場が回らない｣。そう思って、ここまで踏ん張ってきた人もいるでしょう。しかし、本当にそうでしょうか。もしあなたが休まざるを得なくなっても、多くの場合、周囲が役割を引き受け、歩みは続いていきます。<br />
｢自分がやらなければ｣という思いの奥には、責任感があります。しかし同時に、周囲に任せる機会を失い、結果として、あなた自身の心と体を削ってしまうこともあります。</p>

<p>仏教の教えに照らせば、｢私がいなければ回らない｣という思いの奥には、我や執着が隠れていることがあります。思いが強くなりすぎると、仲間に任せる余裕がなくなっていきます。</p>

<p>私もかつて教員だった頃、この思いにとらわれて働き続け、過労で緊急入院したことがあります。2週間後に戻ってみると、学校は変わらず動いていました。<br />
｢自分が支えなければ｣と背負いすぎているなら、少し肩の力を抜いてみてください。すべてをひとりで背負わなくていいのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NayamiWomanG.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 29 Oct 2026 15:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[原田祐紀（浄土真宗明善寺住職）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>若者と中高年、どちらの「読解力」が優れている？ 国際調査で判明した意外な事実  飯田一史（出版ジャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15323</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015323</guid>
			<description><![CDATA[「最近の若者は読解力がない」は本当か？ OECDの国際成人力調査PIAACでは、日本の若者の読解力は世界トップクラス。16～24歳と55～65歳の比較から見えてきた、日本人の読解力の意外な実態を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="『「若者の読解力低下」というウソ』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_glasses.jpg" width="1200" /></p>

<p>「最近の若者は文章が読めない」「昔に比べて読解力が落ちている」...そんな声を耳にすることは少なくありません。</p>

<p>しかし、OECD（経済協力開発機構）が15歳を対象に実施する国際学力調査「PISA」の2022年調査では、日本はOECD加盟国中2位。世界トップクラスの成績を収めています。</p>

<p>では、成人についてはどうなのでしょうか。若者は中高年と比べて、読解力は高いのでしょうか、それとも低いのでしょうか。</p>

<p>その手がかりとなるのが、成人を対象とした国際調査「PIAAC」です。調査データから浮かび上がった、世代間の読解力をめぐる実態を、書籍『「若者の読解力低下」というウソ』より紹介します。</p>

<p>※本稿は、飯田一史著『「若者の読解力低下」というウソ』（集英社インターナショナル）より内容を一部抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>PISAに似ているPIAAC</h2>

<p>学力低下・読解力低下騒動の歴史に入るまえに、おそらく少なくない読者が気になっているであろう「PISAで測定している15歳の子どもの能力ではなく、日本人の大人、とくに若者の読解力はどうなのか?」ということについて整理しておこう。</p>

<p>大人の読解リテラシーについては、国際成人力調査PIAAC（Programme for the International Assessment of Adult Competencies）でわかる。</p>

<p>PISAは15歳の生徒（学校に通っている層）が対象なのに対し、PIAACは学校に通っていない若者や非就業者を含む16歳以上65歳以下の全成人が対象だ。やはりOECDが中心となって実施している、成人のスキルを測定するための国際比較調査である。</p>

<p>「成人のスキル」（成人力）と言われても、なんのことかと思うだろう。</p>

<p>PIAACで測定する「成人力」は、</p>

<p>・日常生活や職場のさまざまな場面において<br />
・文章や図などで提供された情報を理解し<br />
・それらを活用して課題を解決する</p>

<p>という、実社会での総合的なスキルのことだ。学校教育や職業訓練、生涯学習など、各国の人材育成政策を改善・立案するための客観的なデータを得ることを目的としている。</p>

<p>PISAと似てるな、と思ったかもしれない。そのとおりである。</p>

<p>PISAとPIAACは、ほぼ共通の思想に基づいて設計されている。PIAACの枠組み自体が、先行するPISAから影響を受けている。たとえば両者はともに「読解リテラシー」「数学的リテラシー・数的思考力」「問題解決能力」という共通の領域を測定している。もっとも、同じ組織が年齢を変えて行う調査で、あまりにも違うことをやられても、それもどうかという話だ。</p>

<p>ただ、完全に同じではない。PISAの数学的リテラシーでは一次関数の傾きや図形問題のような、学校で習う数学知識を求める問題が含まれる。一方でPIAACの数的思考力は、基本的には高度な数学の公式を知らなくても解けるようにできているという。</p>

<p>また、PISAの読解リテラシーでは連続した長い文章を読んで情報を統合し、よく考えさせる問題の比率が高い（約60％）。対して、PIAACはウェブサイトや図表などを組み合わせたテキストから必要な情報を素早く見つけ出すような問題の比率が高い。</p>

<p>というわけで、PISAとPIAACは、スコアの直接比較はできないようになっている。</p>

<p>なお、PISAとは異なり、PIAACは調査員が対象者の自宅などを訪問する対面方式で行われる。2011年の第1回調査ではおもにPC（および紙ベース）が使用されたが、2022〜3年の第2回調査では専用のタブレットを用いた方式に移行した。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>日本の若者は世界トップレベルに読解力が高い</h2>

<p><img alt="図1-11 PIACC成人読解リテラシー上位10か国の平均得点（2023年）" height="924" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261020Iidaichishi04.jpg" width="1200" /></p>

<p>そんなPIAACで、日本は読解リテラシー（平均289点）、数的思考力（平均291点）の両分野で、OECD参加国中でトップクラスに高い平均スコアである。フィンランドが1位、日本が2位だ（図1-11）。</p>

<p>日本の成人の約5人に1人が読解力でもっとも高いレベル（レベル4または5）。つまり、トップパフォーマーの割合が非常に高い。</p>

<p>数的思考力でもレベル3以上のスコアを獲得した成人の割合が62.6％。これは他国を大きく引き離している。</p>

<p>ITを活用した問題解決能力がレベル1以下（またはコンピュータの基本操作テスト不合格・経験なし）の層でも、他国の同レベルの層と比較して読解リテラシーと数的思考力のスコアが著しく高いのが日本の特異な傾向だ。</p>

<p>なお、読解リテラシーは16〜24歳の平均は298点、55〜65歳では268点。</p>

<p>若者のほうが中高年より点数が高い。</p>

<p>したがって中高年が「最近の若者は読解力がない」と批判する資格はない。ただし、これはほかの多くの国でもそうだ。</p>

<p>参加国全体で見ても、読解リテラシーや数的思考力、ITを活用した問題解決能力のいずれも、25〜<br />
34歳（30歳前後）の若年・中堅層でピークを迎える。その後は年齢が上がるにつれて下がっていく<br />
（図1-12）。</p>

<p><img alt="図1-12 PIACC読解リテラシー年齢層別の平均得点（2023年）" height="908" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261020Iidaichishi05.jpg" width="1200" /></p>

<p>実は日本人は年をとってもスキル低下がゆるやかだ。高年齢層でも成績が高い。日本の55〜65歳の読解リテラシースコア（平均268点）は、アメリカ、イングランド、アイルランド、イタリア、スペインの16〜24歳の平均スコアを上回っている。また、すべての年齢層でOECD平均より成績がよい。かつ、世代差による成績のバラつきが小さい。これは誇っていいことだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>女性はITスキルがあるのに使う機会がない</h2>

<p>もっとも「日本人の成績は文句のつけどころがなく、パーフェクトだ」とまでは言えない。</p>

<p>日本の成人は、ITを活用した問題解決能力では、若年層は高いスキルがあるものの、高年齢層になるにつれて習熟度が急激に下がる。高年齢層にはコンピュータの使用経験がまったくないひとの割合も多い。</p>

<p>そして日本の労働者は職場で「読む」「書く」スキルはよく使っている一方、「ICTの利用」や複雑な「問題解決」を使用する頻度は相対的に低い。ようするにIT後進国なのだ。</p>

<p>しかも、各種リテラシー領域において高い基礎スキルがあるはずなのに、実際には活用していないこともわかっている。とくに女性は、他国の女性よりもスキルを仕事で使う機会が少なく、宝の持ち腐れになっている。能力があっても、使われていない。</p>

<p>使う場がない。人的リソースの社会的な配置・配分がアンバランスなのだ。これが男女の賃金格差や全体的な生産性低迷の一因だとOECDから指摘されている。</p>

<p>ともあれ、PISAとPIAACの結果を合わせてみるならば、国際的に見れば「日本の子ども・若者の読解力が崩壊している」とはとうてい言えない。中高年も同様だ。むしろ世界でトップレベルに読解力がある国なのだ。</p>

<p>こっけいなことに、それなのにずっと学力低下、読解力崩壊と騒がれ続けている国でもある。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_glasses.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 29 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[飯田一史（出版ジャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>仕事とプライベートは「分けない」方がいい？　世界の一流が実践する3つの習慣  越川慎司（株式会社クロスリバー代表取締役社長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15136</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015136</guid>
			<description><![CDATA[日本では仕事とプライベートを分けることが推奨されがちですが、「世界の一流ほど分けないことを推奨している」と語る、元マイクロソフト業務執行役員の越川慎司さん。仕事とプライベートを結びつけるメリットを紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="越川慎司著『世界の一流は「平日」の夜に何をしているのか』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_elite.jpg" width="1200" />家では仕事のことを忘れ、プライベートを楽しむ。オンとオフにメリハリをつける人も多いと思いますが、マイクロソフトで業務執行役員を務めた経験のある越川慎司さんは、「世界の一流は家庭でも仕事の話をし、オンとオフを明確にしていない」といいます。</p>

<p>なぜ一流ほど仕事とプライベートを分けないのか。その理由と、一流が家で実践している「パフォーマンスを高めるための習慣」について紹介します。</p>

<p>※本稿は、越川慎司著『世界の一流は「平日」の夜に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ワーク・ライフ・ハーモニー」を目指す</h2>

<p>「ワーク・ライフ・ハーモニー」という言葉は、アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスが好んで使っていた表現として知られています。彼は、「仕事で幸せであれば家庭でも良きパパや夫になれ、家庭で幸せを感じていればよりよい従業員になれる」と説いています。</p>

<p>仕事と生活は、一方が上がればもう一方が下がるシーソーのような関係ではありません。両者が良好に機能するときは、相互に影響し合いながら同時に質が高まっていきます。</p>

<p>日本のビジネス書では「仕事とプライベートのオン・オフを明確に分けること」が推奨されがちですが、世界の一流たちはその真逆を主張します。彼らは、オンとオフを分けない人ほど長期的に高いパフォーマンスを発揮できると考えているのです。</p>

<p>日中は仕事に集中し、夜は仕事と直接結びつかない時間を過ごしながらも、その夜の時間が結果として仕事に良い影響を与えていく設計こそが、ワーク・ライフ・ハーモニーの本質です。</p>

<p>具体的に、夜の時間をどう活用すれば調和が生まれるのか、3つの新習慣を解説します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>1日7分の「会話」（家族と仕事のアイデアについて話す）</h2>

<p>日本人は仕事を家庭に持ち込まない傾向にありますが、世界の一流の家庭では仕事の話が日常的に交わされています。結果として、職場の会議室では決して生まれないアイデアが、夜の食卓で自然に形作られていきます。その実践方法は、次のようになります。</p>

<p>①夕食の席で仕事の話を切り出す</p>

<p>②考えているアイデアを伝える</p>

<p>③感想を聞く</p>

<p>所要時間はわずか7分で十分であり、夕食の一部として自然に取り入れることが継続するコツです。</p>

<p>職場の会議室は、発言に対して常に誰かからの評価が伴う場所です。周囲の目を気にして本音を話しにくい雰囲気が漂うため、多くのアイデアが形になる前に消えてしまいます。</p>

<p>対照的に、家庭の食卓には他者からの評価という概念が存在しません。こうした場では、本人が自分の本音を素直に言葉にしやすくなります。家族というプロではない第三者へ気軽にアイデアを話すことで、専門家が見落としていた論点を鮮やかに捉えた指摘を得られる場合もあります。</p>

<p>この習慣を取り入れる際には、心がけるべき点があります。それは、相手に「仕事の悩みを聞いてもらう」のではなく、「アイデアを一緒に考えてもらう」というスタンスで臨むことです。前者の姿勢は相手を疲れさせてしまいますが、後者の姿勢であれば相手も共に思考を楽しむことができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>1日7分の「趣味」（趣味を楽しみながら、仕事のヒントを探す）</h2>

<p>世界の一流は、趣味と仕事の境界線を意識的にあいまいにしています。彼らは趣味の中で仕事に役立つヒントを見つけ、逆に仕事の中で趣味の楽しさを思い出すといった思考の往来を繰り返すことで、双方に相乗効果を生み出します。その実践方法は、次のようになります。</p>

<p>①新しい趣味を1つ考える</p>

<p>②仕事に活かせるか考える</p>

<p>③思いきり楽しむ</p>

<p>多くの人は仕事と趣味を完全に切り離したいと考えがちですが、ここでの狙いは、趣味に没頭している最中にも、重要な気づきを得られる状態に自分を置いておくことです。「これは仕事に活かせるかもしれない」という情報の断片に、敏感に反応できる感度を養っておく必要があります。</p>

<p>例えば料理が趣味であれば、効率的な調理の段取りから業務の進め方のヒントを得られる可能性があります。スポーツ観戦が好きな人なら、試合の攻防からビジネスに通用する戦略や戦術のアイデアが浮かぶかもしれません。</p>

<p>ただし、仕事の成果を得るために趣味に取り組むという順序だけは避けてください。目的が仕事になってしまうと、趣味本来の楽しさが失われてしまうからです。あくまで趣味の新しい楽しみ方として意識する程度の、ゆるやかなスタンスで取り組むことが大切です。</p>

<p>このような意識を持ち続けることで、月曜日の朝に「週末の趣味から価値あるヒントを得た」と実感できる瞬間が、自然と訪れるようになります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>1日20分の「歩く」（歩きながら仕事の構想を整理する）</h2>

<p>アイデアを考える際、多くの人は机に向かいます。そして悩みながら思考を巡らせるものの、何も思いつかない状況に陥りがちです。対照的に、一流と呼ばれる人々の多くは、歩きながら思考を深める習慣を持っています。</p>

<p>例えば、アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、散歩を通じて重要な対話やアイデアの創出を行っていました。また、生物学者のチャールズ・ダーウィンは毎日決まった時間に「サンドウォーク」と呼ばれる自宅敷地内の散歩道を歩きながら、考えを整理していたことが知られています。</p>

<p>その実践方法は、次のようになります。</p>

<p>①夕方の17時から18時の間に20分散歩する</p>

<p>②できれば自然のある場所を選ぶ</p>

<p>③スマホを見ない、音楽も聴かない</p>

<p>この取り組みだけは、7分ではなく、20分で行うことを推奨します。脳科学の研究では、軽い運動が創造性や問題解決能力を向上させることが証明されています。座って考えているときと歩きながら考えているときでは、脳内で活性化する領域が明確に異なります。</p>

<p>ただし、「何かを考えよう」と意気込んで歩くことは、かえって逆効果を招く可能性があります。人間の脳には特定の意図を持たずぼんやりしているときに活動を始める「デフォルトモードネットワーク（DMN）」という回路が存在します。この回路が働くと脳内の情報が整理されるため、結果として創造性が高まります。</p>

<p>何も考えていない瞬間にふとアイデアがひらめく現象は、まさにこの機能による恩恵です。まずは余計な思考を捨てて、ただ歩いてみてください。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_elite.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 29 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[越川慎司（株式会社クロスリバー代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「書きながら血が出てるかと思った」　真空ジェシカ・ガク初のエッセイ本に綴ったM-1の苦い記憶  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15399</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015399</guid>
			<description><![CDATA[お笑い芸人の真空ジェシカ・ガクさんが初のエッセイ本を刊行。出版を記念して行われた記者会見の模様をお届けする。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="真空ジェシカ　ガク" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261028gaku01.jpg" width="1200" /></p>

<p>お笑いコンビ・真空ジェシカのガクさんによる初のエッセイ集『饅頭以外ぜんぶこわい』（新潮社）が10月28日に発売されました。自称「ビビり」のガクさんが、日常のあらゆる「怖いもの」と向き合って書いた一冊です。刊行記念の記者発表会では、締め切りを守れたのは「一回だけ」という執筆の裏側も明かしました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>エッセイは元トンツカタン・お抹茶に読んでほしい</h2>

<p><img alt="真空ジェシカ　ガク" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261028gaku02.jpg" width="1200" /></p>

<p>書籍の出版が決まったときは「売れるわけないだろう。ガクが本を書いて誰が読むんだ」と思ったといいます。相方・川北さんからはまだ反応がないそうで、読んでくれそうかと聞かれると「読まないかも」。それでも「機会があれば。お手すきの際に」と控えめに期待をのぞかせました。</p>

<p>身の回りで読んでほしい人については「お抹茶ですね。元トンツカタンのお抹茶も多分、僕とは全然違うタイプですけど、生きるの下手なタイプだと思うので」と、親しい芸人の名前を挙げました。</p>

<p>『快楽天』でもコラムを連載するガクさんですが、文章を書くのは得意かと聞かれると「得意ではないですね」。『小説新潮』での連載では締め切りをすべて破ってしまったといい、「本当に怒られない締め切りはどれだというのを見極めながら戦いました」と語って、記者たちの笑いを誘いました。</p>

<p>エッセイを書いたことは「お笑いには生きていません」と話すガクさん。</p>

<p>「テレビとかで喋っちゃった話も書いてあるんで、それを丁寧に書くことで、その話は封印、みたいな気持ちで書いた部分もあります。これはもう書いちゃったからテレビではしない、みたいな」</p>

<p>芸人と書き手、二つの仕事でのエピソードの使い分けを明かしてくれました。</p>

<p>本のテーマにちなんで最近怖かったことを聞かれると、「エッチなことはダメですもんね&hellip;」と迷った様子を見せつつ、「最近の話ではないですけど」と前置きして、モグライダー・ともしげさんの名前を挙げました。</p>

<p>「根本的な得体の知れなさを感じたのが、昔、営業先でWi-Fiに名前を登録しなきゃいけなくて。本名じゃなくてもいいですよ、みたいなのに、ともしげさんが『ああそうなんだ』って言いながら、ひらがなで『えじぷと』って何の迷いもなく書いたんですよ。あれ、マジで何だったんだっていう」</p>

<p>ガクさんが目の当たりにした、ともしげさんの「得体の知れなさ」に、会場からは笑いが起きました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ドラマ化するなら監督は今泉力哉さんで、主演は窪塚洋介さん？</h2>

<p>エッセイに収録された、中学時代に学校に居場所がなく、インターネット上で友人を作ってやり取りしていたエピソードには、大きな反響があったといいます。ガクさんは「あんまり話せる機会のない話だったんで。オチのある面白い話じゃなかったんで、そういうのを書けたのは良かったなと思いました」と率直に語ります。</p>

<p>同じように学校に居場所がない学生に向けて、メッセージも残しました。</p>

<p>「今の方がネットが発達して、そういうとこで友達を作りやすいと思うんで、いいなって。いっぱいそういうアプリとかもあるでしょうし。当時は身元を明かさずにやりとりするツールがMSN Messengerしかなかったので、（今は）Discordとかいっぱいあっていいなって。それでいいよって思います」</p>

<p>当時のネット上の友人に本が出たことをどう伝えたいかと問われると、「恥ずかしいですね」と照れつつ、「何してるのか単純に気になります。ちゃんと社会でうまくやれているか、それは知りたいですね」と、青春時代を共にした友人たちへの思いを口にしました。</p>

<p>このエピソードはドラマ化を望む声も上がっているそうで、もし実現するなら、監督は本書に書評を寄せた今泉力哉さんがいいと理想を語りました。キャストを聞かれると「窪塚洋介。窪塚さんにお願いしたいと思います」。ガクさん役が窪塚さんか確かめられると「もちろんそうですよ」と言い切り、記者たちからも笑い声が上がりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「人生の痛みをマゾになって乗り越えよう」という自己啓発を書いてみたい</h2>

<p><img alt="真空ジェシカ　ガク" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261028gaku03.jpg" width="1200" /></p>

<p>終盤、今年のM-1への意気込みを聞かれると、「えーっと&hellip;絶対優勝っしょ」と決め顔を見せたガクさん。</p>

<p>書籍には「M-1がこわい」と題し、昨年のM-1でつかみに失敗したエピソードも書かれています。執筆中は「血が出たかと思いました。書きながら、今血が出てるかと思いながら書いていました。書いてほしいんだろ、と思いながら書きました」と、当時を文章にする苦しみを明かしました。</p>

<p>この一節には周囲もあまり触れてこないそうで、「腫れ物のように扱われているかもしれない」と苦笑い。司会者から「頑張ってください」と声をかけられると、「頑張ってくださいじゃないですよ」とツッコミを入れました。</p>

<p>また新しく本を書くなら、「マゾによる啓発本」を書きたいそうです。</p>

<p>「マゾであれば、大体の人生の試練を、マゾとしてその痛みを喜びに変えるっていうことができるような気がするので、人生の痛みをみんなもマゾになって乗り越えようという自己啓発本を書きたいです」</p>

<p>芸人仲間の吉住さんから「SMについて書いてほしい」と言われたことを受けて、次回作の構想を披露してくれました。</p>

<p>今後の目標を聞かれると、「車の免許を取りたい」。もっと長期的な目標をと司会者に問われると、「結構かかりますよ、車の免許」と返しつつ、「少しずつ髪型を変化させていきたい」と答えました。</p>

<p>「金髪おかっぱのおじいさんなんていないじゃないですか。みんなどこかでやめているところがあると思うんですけど、どこでそれをやめたらいいのか今つかみかねてるんで、少しずつ変化させていきたいなと思っています」</p>

<p>トレードマークの金髪おかっぱヘアをネタに、会場をわかせたガクさん。最後は読者に向けて、こう呼びかけました。</p>

<p>「言いたくてもあんまり言えないネガティブなことを、いっぱい書いてるんで。こういうの別に言ってもいいんだ、みたいなことはあると思うので、そういうのはどんどん言っていってほしいなと思います」</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261028gaku01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 28 Oct 2026 19:35:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「ちょっとしたことでイライラ」はキャパオーバーのサイン?　手放すとラクになる8つのこと  新美たかこ（日本ストレスリーディングケア協会代表理事）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15352</link>
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			<description><![CDATA[気づけばため息をついてしまったり、寝付けなかったり…。ひょっとするとキャパオーバーのサインかも？ストレスケアの専門家、新美たかこさんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="キャパオーバーのサイン" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_kodokukan.jpg" width="1200" /></p>

<p>やることや考えることが山積みの毎日で、頑張りすぎていませんか？お疲れ気味の心をラクにする方法を、ストレスケアの専門家・新美たかこさんが紹介してくれました。</p>

<p>※本稿は、『PHPスペシャル』2026年11月号より内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>1つでも当てはまれば&ldquo;キャパオーバーのサイン&rdquo;</h2>

<p>&bull;ついため息ばかりついてしまう<br />
&bull;ちょっとしたことでイライラする<br />
&bull;SNSを眺めていると、なぜかモヤモヤする<br />
&bull;疲れているはずなのに、なかなか眠れない<br />
&bull;よく寝ても、朝から体がだるい<br />
&bull;胃腸の調子が思わしくない</p>

<p>ここまでの項目に１つでも当てはまるものがあるなら、それはさまざまなものを抱え込み、心がキャパオーバーになっているサインかもしれません。</p>

<p>現代は、ほとんどの女性が外に出て働いている一方で、家事や育児に対する社会的な価値観には、まだまだ古い部分があるのが実情です。つまり、今を生きる女性は、あまりにも多くのタスクを課せられているということ。私たちの心身が疲れているのは、個人の頑張りや力が足りないせいではなく、いわば当然のことなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ストレスの原因を手放して</h2>

<p>物理的なタスクはもちろん、自分でも気づかないうちに抱え込んでいるストレスによって、心を消耗させている人も少なくありません。</p>

<p>ストレスの原因は、考え方であったり習慣であったりとさまざまですが、それらをやめない限り、タスクの１つや２つを一時的に減らしたところで、心身は回復しないでしょう。また、ストレスの積み重ねによってタスクを手放すことに心理的なブレーキがかかり、結果としてキャパオーバーを招いている場合もあります。</p>

<p>もちろん、タスクを減らすことは大切です。でも、「今、キャパオーバーになっているかも」と感じる人は、タスクそのものの数を無理して減らそうとするのではなく、まずはストレスの原因となっているものを取り除く工夫をしてみましょう。</p>

<p>自分の心を疲弊させている原因に気づき、それらを1つずつ手放していく。このシンプルかつ効果的なケアで、キャパオーバーな心をゆるめ、自分らしく軽やかな毎日を取り戻してください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>キャパオーバーになったときに手放したい8つのこと</h2>

<p>ここからは、ストレスの原因になりがちな考え方や習慣をお伝えします。心当たりがあるものから、手放してみましょう。</p>

<p>①「やって当たり前」という思い込み</p>

<p>女性だから、母だから、妻だから、娘だから&hellip;そんな理由で、「これをやって当たり前」と思っていることはないでしょうか。時代が変わっても、昔ながらの役割意識にとらわれている人は、意外に多いもの。物理的なタスクを減らすことに対し、無意識にブレーキをかけているのは、まさにこの思い込みなのです。</p>

<p>思い込みを捨てて、「誰かに頼ってもいい」「無理にやらなくてもいい」と、自分自身に許可を出しましょう。実際、誰かが「やって当たり前」のことなど、ほとんどありません。</p>

<p>②自分を縛るキャラ設定</p>

<p>過度なキャラ設定により、心を消耗させている人は多いです。たとえば、「私はもともとポジティブなタイプだから、嫌なことを言われても平気」などと自分の本音を無視したり、「おとなしい人と思われているから、発言は控えよう」などと周りの期待どおりに動こうとしたり、といった具合です。</p>

<p>過去の自分や周囲の目を気にして動いていると、心は疲弊します。人は、いろいろな面があるからこそおもしろいのです。「今日は新キャラでいく！」くらいの気持ちで、窮屈な設定から抜け出しましょう。</p>

<p>③SNSの垂れ流し</p>

<p>SNSがストレスの温床になりやすいのは、他人の人生や感情が容赦なく画面上に流れ込んできて、「誰かの正解」や「誰かの幸せ」に振り回されてしまうからです。それらはあなたの「正解」や「幸せ」ではありません。</p>

<p>SNSを眺めるたびに落ち込んだり不安になったりするときは、極力見ないようにするのが◎。我慢しすぎて逆にストレスになってしまう場合は、自分の心が癒やされる投稿だけが流れてくる「別アカウント」を作り、情報の入り口を絞っておくのがおすすめです。</p>

<p>④過去の行動に対する後悔</p>

<p>「こうすればよかった」「あんなことをしなければよかった」といった後悔は、心をかなり消耗させます。過去は悔やんだところで変えられず、その思考にゴールはないからです。そもそも、過去を解釈しているのは今の自分なので、無意識のうちに記憶が曖昧になり、「本当の過去(事実)」とはかけ離れている可能性があります。</p>

<p>過去をネガティブなものとして捉えてしまうのは、心がキャパオーバーになっている証拠とも言えます。思考をスパッと断ち切り、今、自分ができていることに意識を向けてください。</p>

<p>⑤未来への過度な心配</p>

<p>心に余裕がないときは、未来に対する心配や不安が大きくなり、ネガティブな未来ばかりを想像してしまいがちです。考えれば考えるほど不安になるという悪循環に陥ってしまった経験がある人も、多いのではないでしょうか。</p>

<p>できる範囲で将来のリスクに備えることは必要ですが、何よりも大事なのは、今のあなたの心です。未来を悪いほうにばかり考え始めたら、別のことをして気持ちを切り替え、考えるのをいったんやめましょう。</p>

<p>⑥ジャンクフードの食べすぎ</p>

<p>食生活の乱れも、心のキャパオーバーにつながります。忙しくて疲れているからと、安くて手間のかからないジャンクフードばかり食べていると体の調子を崩しやすく、その「だるさ」によりストレスが生まれます。その結果、ますます心身が疲弊してしまうのです。</p>

<p>ジャンクフードだけでなく、加工食品も「だるさ」の原因になりやすいので、食事をとるときは、なるべく添加物が少ないものを選ぶことが大切です。</p>

<p>⑦寝る前のスマホ習慣</p>

<p>キャパオーバーになっている心の緊張をほどくためには、良質な睡眠をとることが不可欠です。日中の予定がタスクで埋まっていたとしても、夜はきちんと眠るようにしましょう。</p>

<p>そのためにやめたいのは、寝る前に布団の中でスマホを見る習慣。夜に長時間スマホを見ていると、画面から放たれるブルーライトの影響で自律神経のバランスが乱れ、睡眠の質が下がってしまいます。せめて入眠する30分前には、スマホを手放すようにしてください。</p>

<p>⑧「悪環境」の放置</p>

<p>人間関係や気候、騒音といった「環境による刺激」も、ストレスの原因となります。心に余裕がないときほど、悪い環境の影響を受けやすくなるため、先んじて手を打っておくことが大切です。</p>

<p>自分にとって「悪環境」だと感じるものからは、できる範囲で離れたり、それらの影響を受けない工夫をしたりしてみましょう。しんどい人間関係から距離を置く、雨の日はのんびり過ごす、耳栓などをして騒音から身を守る&hellip;そんな工夫が、あなたの心を守ってくれます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【便秘を改善すれば、心もラクになる!?】</p>

<p>脳と腸は影響を与え合っているため、お腹に便がたまっている状態は、脳にとってもストレスになります。なぜか無性にイライラしたりモヤモヤしたりする場合、便秘が原因となっている可能性も。</p>

<p>発酵食品を積極的に摂るなどして、日頃から腸内環境を整えておくと◎。便通がよくなり脳が元気になれば、自分が今、何を抱え込んでいるのか、何を手放すべきなのかに気づきやすくなります。快便は心をゆるめるための大事な一歩であると、覚えておきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ストレスフリーな心と体になるための優先順位のつけ方</h2>

<p>考え方や習慣、舞い込んでくるタスクの取捨選択で悩んだときの参考にしてください。</p>

<p>①「足す」より「引く」</p>

<p>疲れたり不安になったりすると、私たちは何かを「足す」ことで解決しようと考えがちです。でも、心が疲弊している原因のほとんどは、何かが足りていないからではなく、多くのものを抱え込みすぎているがゆえのキャパオーバー。</p>

<p>大事なのは、「何を引くか」です。まずは自分が抱え込んでいるものを頭の中で整理して、自分にとって不要なものを見極め、上手に引き算するようにしましょう。</p>

<p>②「他人のケア」より「自分のケア」</p>

<p>とくに女性は、自分より他人のことを優先しがちな傾向があります。でも、自分の心が疲れ切った状態では、周りの人を幸せにすることはできません。</p>

<p>また、自分の心の状態が健やかになると見える世界が変わり、他人に対しても、さらに優しい目を向けられるようになります。「やること」と「やめること」を取捨選択する際は、自分のケアにつながることを最優先にしてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心に余白があると人生はもっと輝き出す</h2>

<p>散らかり放題でモノがあふれた部屋に、どれだけ素敵な椅子を置いたとしても、心地よ い空間にはなりません。また、クローゼットが洋服でパンパンだと、新しい洋服を買えず、 本当に着たい服が着られなくなってしまいますよね。</p>

<p>私たちの心も、部屋やクローゼットと同じです。不要なものまで抱え込み、常にキャパオーバーな状態になっていると、素敵なものに気づいたり、新しい幸せを招き入れたりできなくなってしまいます。</p>

<p>私は日々、たくさんの人たちと関わっていますが、共通するのは、余計なものを手放せば手放すほど人生がどんどん好転していっているという点です。本当にやりたいことに注力できるようになって夢が叶ったり、心に余裕ができたことで周りの人に優しくなれて人間関係が円滑になったり&hellip;。その変化は、ストレスケアのアドバイスをした私自身も驚くほどです。</p>

<p>いざ何かをやめるとなると、きっと戸惑うこともあるでしょう。でも、今こそ勇気を出して、あなたの心をキャパオーバーにしているものを手放してみませんか。</p>

<p>心に余白ができると、そこには必ず新しい風が吹き込んできます。そうすれば笑顔も自然と増え、人生を存分に楽しめるようになるはずです。</p>

<p>【新美たかこ（にいみ・たかこ）】<br />
リラクゼーションサロンやホテルのスパ施設での勤務を経て、ストレスケアに特化したセラピストとして独立。25年以上のセラピスト歴を活かし、現在はメディアでの発信や後進の育成にも力を注いでいる。著書に『ためこまない人は美しい』（三笠書房）がある。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_kodokukan.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 28 Oct 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[新美たかこ（日本ストレスリーディングケア協会代表理事）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「報復捜査」 第９回　安東能明  安東能明（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15265</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015265</guid>
			<description><![CDATA[連載小説「報復捜査」 第9回。殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="報復捜査" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" width="1200" /></p>

<p>殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第９回</h2>

<p>５</p>

<p>吉祥寺署に車を停めた。湿った風を受けながら狭い路地を歩いた。目指す店は、古びた雑居ビルがひしめく私道の奥にあった。『酒処 まこと』と染め抜かれた、色褪せた紺の暖簾（のれん）が、暗がりで小さく揺れている。引き戸を開けると、煙草とモツの匂いが一度に来た。</p>

<p>カウンター八席だけの小さな店だ。奥のふたりがけのテーブルに、新井が先に来て待っていた。ホッピーのジョッキが、もう半分ほど空いている。となりに伊場が腰を下ろすと、新井は顎でカウンターの奥を指した。</p>

<p>「なんか頼め」</p>

<p>伊場は焼酎の水割りを頼んだ。</p>

<p>しばらく、ふたりは黙っていた。カウンターでひとり飲んでいる常連らしい男が、チューハイのグラスを傾けている。ここは警官が公務の垢を落とすために使う店ではない。</p>

<p>「例のものは？」</p>

<p>新井は何も言わず、小脇に抱えていたビジネスバッグから、私物の古いタブレットを取り出した。画面の表面には細かな傷が無数に走っている。それを伊場の目の前へと滑らせた。</p>

<p>「本部の連中が回収していった事件現場の映像だ。本来なら、うちの署で保管すべきものだが、公安がまとめて持っていった。その前にバックアップを取っておいた」</p>

<p>新井の声は、いつになく低く、沈んでいた。</p>

<p>「見てみろ」</p>

<p>伊場は運ばれてきた水割りを一口だけ含み、乾いた喉を潤してから、タブレットの再生ボタンを押した。</p>

<p>画面を開くと、薄暗い空の下、雑居ビルの屋上が映っている。カメラの角度は低く、となりのビルから撮ったとおぼしい。画質は粗いが、当日の状況はわかる。</p>

<p>阿久津が端にいる。女児を抱えている。</p>

<p>新井が映像を少し進めた。</p>

<p>小暮が現れた。</p>

<p>ひどく取り乱した顔で、給水塔の方へ走っている。右手に何かを持っている。</p>

<p>伊場は、息が詰まった。</p>

<p>映像の中の小暮は、伊場の方向へ向かいながら、叫んでいる。声は拾えていないが、唇の動きでわかった。撃つな、と言っている。</p>

<p>そして引き金を引いた瞬間。伊場の体が後方へ傾き、小暮が斜めに倒れる。</p>

<p>伊場は画面を止め、指先で静かに巻き戻した。そして、もう一度再生する。</p>

<p>やはり、違和感があった。昨日、屋上で感じたあの胸のつかえが、動画として視覚化されてもなお、消えない。それどころか、映像として客観的に見ることで、その異様さがより際立って感じられた。</p>

<p>「どこがおかしいのか、言葉にはできないんですが......」伊場はつぶやくように言った。「現場の配置、タイミング、すべてが急すぎる。阿久津が人質を取ってから、発砲に至るまでの時間が短すぎる。まるで、説得の余地など最初から与えないと決めていたかのように」</p>

<p>伊場はグラスを持つ手に力が入りすぎているのに気づいて、テーブルに置いた。</p>

<p>新井は、顎に手を当てた。</p>

<p>「同感だ」</p>

<p>低い声だった。</p>

<p>カウンターの男が、新しいチューハイを頼んだ。店の大将が応じる声。</p>

<p>モツ煮が運ばれてきた。厚手の皿に、コンニャクと豆腐と豚モツが煮込まれている。伊場は箸を取ったが、すぐには食べなかった。</p>

<p>新井は新しいホッピーを頼み、中身を足してからぐっと飲んだ。</p>

<p>「曽我副署長が、直接命令を出したな」新井が言う。</p>

<p>「はい」</p>

<p>「本来、現場の発砲許可は署長が出す。副署長には、その権限がない」</p>

<p>「わかっています」</p>

<p>「曽我はあの日、署に残っていた。無線で直接、各班に命令を出した。現場指揮官のおれを飛ばして」</p>

<p>新井は怒りを押し殺すように、顎の手入れされていない無精髭を撫でた。</p>

<p>「小暮の死には、おまえが考えているような『偶然の事故』とは別の理由があるのかもしれない」</p>

<p>「別の理由？」</p>

<p>伊場は新井の目を真っ直ぐに見つめた。新井は声を低くした。</p>

<p>「これは、おれが昔馴染みの新宿署のマル暴から聞いた話だ。表には一切出ていない、完全に伏せられた」</p>

<p>新井は少し間をおいた。</p>

<p>「先月五月九日、土曜日のことだ」</p>

<p>新井はジョッキを置いた。声をさらに落とした。</p>

<p>「阿久津は新宿二丁目の会員制バーで飲んでいた。そこで、ある若い会社員と口論になったらしい。阿久津はかなり酔っていて、その会社員に激しく言いがかりをつけた。脅されたと思った会社員はあわてて店を出て、そのビルの急な階段を下りようとしたんだが、足を滑らせて一番下まで転落した」</p>

<p>伊場は、黙って聞いた。</p>

<p>「会社員は頭を打った。意識不明で運ばれて、一週間後に死んだ」</p>

<p>沈黙。</p>

<p>「それが、阿久津の逃走と、どう関係するんですか」</p>

<p>「死んだ会社員の名前は、飯田祐介（ゆうすけ）。二十六歳。ただの会社員なら、よくある不幸な事故で終わったかもしれない。だがな、その父親の名前を聞いて耳を疑った。父親は、飯田義男（よしお）という男だ」</p>

<p>新井の言葉に、伊場は息を呑んだ。</p>

<p>「飯田義男......警視庁生活安全部の参事官ですか」</p>

<p>「そうだ。ノンキャリ叩き上げの最高位、生安部の重鎮だ。そして、うちの曽我副署長の元上司であり、二十年来の強固な後ろ盾（バック）だ。曽我がここまで異例の出世を遂げられたのは、すべて飯田義男の引き立てがあったからだと言われている。新宿署は阿久津の容疑を傷害致死で固めようとしていたが、証拠不十分で立件を見送らざるを得なかった。参事官の無念と怒りは想像を絶するものだったろう」</p>

<p>新井はグラスを置き、伊場の顔を覗き込んだ。</p>

<p>伊場の頭の中で、何かが像を結びかけている。</p>

<p>「息子が阿久津のせいで死んだ」</p>

<p>「ああ」</p>

<p>「参事官が、曽我副署長にそれを伝えて......」</p>

<p>「言ったかどうか、そこまではわからない。だが、曽我が動いたのは確かだ。阿久津を取り調べ室から逃走させ、屋上で射殺した。故意かどうかを証明するのは難しいが、状況から見れば、そう考えるのが自然だ」</p>

<p>伊場は、目の前が微かに揺れるような感覚を覚えた。</p>

<p>副署長による報復の殺害。</p>

<p>阿久津は、飯田義男の息子を間接的に死なせた。飯田の恨みを晴らすために、曽我が動いた。阿久津を逃走させ、人質事件を起こさせ、発砲命令を出した。小暮はそのとばっちりで死んだ。</p>

<p>それが、真相なのか。</p>

<p>だが。</p>

<p>伊場は自分の内側に、何かが引っかかっているのを感じた。</p>

<p>どこかが、合わない。</p>

<p>何が合わないのか、まだわからない。だが、すんなりとこの説に呑み込まれる気になれなかった。</p>

<p>「それが正しいとすれば、小暮はなぜ屋上に来たんですか。なぜ阿久津を守ろうとしたんですか？」</p>

<p>新井は答えを探る顔つきになった。</p>

<p>「わたしが阿久津の狙いをつけた射線に、偶然小暮が飛び込んでしまった......」伊場が言う。</p>

<p>「形の上では、そういうことになる。小暮は本部の人間だ。なぜだか知らんが、阿久津を必死になってマークしていた。だからあの屋上にも現れた。だが、副署長にとっては、小暮がそこにいること自体が計算外だったはずだ。曽我の目的はあくまで阿久津への復讐だったんだからな」</p>

<p>一警官の出世欲と私的な報復があの惨劇の引き金だったという説明は、普通の刑事であれば誰もが納得する内容だった。</p>

<p>だが。</p>

<p>伊場の心の奥底にある「違和感」は、その解説を拒絶していた。</p>

<p>伊場は拳を握りしめた。新井の言う曽我副署長による私的復讐は、うなずける推論で、現場の状況を説明できているように見える。しかし、もしそれが真実だとしたら、あの取調室の通信回線を前夜のうちにバイパス配線に切り替えるような工作を、副署長が単独でできるだろうか。それに、小暮が前々日に伊場に残した電話の言葉『おれみたいに、ならないでくれ』『絶対に警察を辞めるな』。あの血を吐くような警告の重みと、単なる「復讐の現場に居合わせてしまった不運」という結末が、どうしても結びつかなかった。</p>

<p>「......腑に落ちません」</p>

<p>伊場がつぶやくと、新井はふっと自嘲気味に笑った。</p>

<p>「おまえがそう言うのも無理はない。だけど、これがおれたちのいる組織の現実だ。綺麗事じゃ動かない。上の人間の胸三寸で、現場の命なんていくらでも使い捨てられる」</p>

<p>新井はそれ以上、ホッピーを口にしようとはしなかった。</p>

<p>「課長」</p>

<p>「なんだ」</p>

<p>「小暮は、阿久津の取り調べを通じて、何か大きなものをつかんだと思います。アイテン、という言葉です。同房者の話では、阿久津はそれを切り札にして、これさえあればおまえらなんか一発だ、と公安を脅していたらしい。中身が何なのかは、まだわかりません。小暮はそれを知っていたから、阿久津が死ぬのを阻止しようとした。そんなふうに考えました」</p>

<p>新井の目が動いた。</p>

<p>伊場はそれを知った由来を話し、ナプキンにボールペンでアイテン、と書き込んだ。</p>

<p>「アイテン......」</p>

<p>「ご存知ですか？」</p>

<p>「聞いたことないぞ」</p>

<p>「小暮は、それを組織に報告していません。単独で動いていた。それも腑に落ちないんです。飯田参事官の報復だけが理由なら、小暮の行動の説明がつかない」</p>

<p>新井は、しばらく答えなかった。</p>

<p>「それともうひとつ。小暮は亡くなる一週間前に、川本百合という女と会っています。この名前は聞いたことありますか？」</p>

<p>「そっちも初耳だ。誰から聞いた？」</p>

<p>「小暮の奥さんから」</p>

<p>新井は箸でモツ煮を一切れ口に入れた。</p>

<p>「伊場」</p>

<p>「はい」</p>

<p>「曽我の件は、動きがある。公式に動いている連中がいる。おまえが関わらなくても、そっちで解決されるかもしれない」</p>

<p>「公式に、とは」</p>

<p>「それ以上は言えない。おまえは動き回るな。いま、おまえの動きを見ている者がいる」</p>

<p>伊場が新井の顔を見つめると、新井は目を外した。</p>

<p>それだけで、わかった。新井もまた、何かに挟まれている。曽我の件を動かしている公式の連中が、新井にも圧力をかけている。</p>

<p>伊場は、グラスを傾けた。</p>

<p>新客が入ってきて、路地の風が流れてきた。</p>

<p>どこかが、合わない。</p>

<p>その感覚だけが、胸の中にしこりのように残っていた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>翌朝、白のカッターシャツとスラックスを履き、リネンのジャケットをつかんで部屋を出た。寮の駐車場に停めてある車に乗り、五日市街道を都心に向かった。どんよりとした薄曇りで、車窓から吹き込む梅雨入り前の湿った空気が肌にまとわりつく。環状七号線沿いにある高円寺署の庁舎は、古びてコンクリートの壁は排気ガスで黒ずんでいた。署の裏手に車を停めて、ジャケットを羽織った。正面玄関から入った。</p>

<p>エレベーター横の案内板を見て、四階まで上がる。交通捜査係のプレートがかけられたドアを開けた。室内には事故の現場見取図や、車両のナンバーが書き込まれたホワイトボードが並び、独特の気怠（けだる）い空気が漂っていた。</p>

<p>カウンターの奥で、机の上の書類の山と格闘している若い男がいた。細身の体に合っていない、少し大きめの制服を着た男だ。目が合った。周囲にほかの署員の視線がないことを確認してから、警察手帳を素早く提示した。</p>

<p>男の胸元に、『末次』のネームプレートがある。</p>

<p>「吉祥寺署の伊場といいます。少しだけ、いいですか」</p>

<p>「はあ......うちに何か御用ですか？」</p>

<p>末次は、少し警戒した顔をした。他署の刑事が突然訪ねてくる。何事か、という顔だ。</p>

<p>伊場は声を一段と潜め、カウンター越しに身を乗り出した。</p>

<p>「じつは、こちらの管内で六月一日に起きた、川本百合さんのひき逃げの件で少し伺いたくて来ました。いま、うちで追っている中国系の不法就労ブローカーの件で、川本百合という名前が重要参考人として浮上しましてね」</p>

<p>「ブローカー、ですか？」</p>

<p>「ええ。彼女が亡くなる直前、そのブローカーの周辺者と接触していた形跡があるんです。うちとしては、彼女の交友関係や行動の裏が取れればと思って。こちらの捜査を邪魔するつもりは毛頭ありません。ただ、彼女が事故の直前に誰と会っていたか、そちらの捜査報告書にある遺留品や足取りのデータだけ、少し突合させてもらえませんか。こちらのヤマを崩すわけにはいかないんで、立ち話で構いません」</p>

<p>末次は眼鏡のブリッジを押し上げ、困惑したように周囲の机を見た。課長やほかの係長たちは、打ち合わせをしているのか、席を外している。</p>

<p>「いや、そう言われても、正式な開示手続きを踏んでもらわないと......」</p>

<p>「わかっています。ただ、こちらも時間がなくて。参考人の勾留期限が迫っているんです。川本さんが事故当夜、どこから歩いてきて、どこへ向かおうとしていたか、その概要だけでも教えていただければ、すぐに帰ります。末次さんのご迷惑になるようなことは絶対にしません」</p>

<p>伊場はまっすぐ末次の目を見つめた。</p>

<p>「......ほんとうに、ここだけの話にしてくださいよ。うちの課長に見つかったら大目玉を食らいますから」</p>

<p>「感謝します」</p>

<p>末次は小さくため息をつき、カウンターの下から一冊の厚いファイルを引っ張り出した。</p>

<p>「これ、捜査報告書の概要です。詳細な捜査資料はお見せできませんが、概要の範囲で」</p>

<p>「助かります」</p>

<p>末次がカウンターの上に置かれたファイルを開いた。</p>

<p>「川本百合さん、二十九歳。事件があったのは六月一日の午後八時四十分頃です。現場は高円寺（こうえんじ）南の青梅（おうめ）街道から一本入った生活道路。徒歩で近くにある自宅へ向かう途中でした。雨が激しく降っていて、視界は最悪でした。死因は、激突の衝撃による脳幹損傷。頭部をフロントガラスあるいは街路灯に強打しており、ほぼ即死状態だったようです」</p>

<p>事故現場の住所を頭に刻む。</p>

<p>「目撃者は？」</p>

<p>「それが、ないんです」</p>

<p>末次が肩を落とした。</p>

<p>「住宅街で、しかも大雨でしたからね。近隣の住民が『衝突音らしきものと、車が急加速して走り去る音を聞いた』と証言しているだけです。目撃情報はありません」</p>

<p>末次が説明しながら、ページをめくった。</p>

<p>「被疑車両については、現場周辺の防犯カメラを精査しました。現場に残された塗膜片の分析と合わせて、捜査の範囲を現場から十キロ圏まで広げて、修理工場や車体整備業者にも当たっています」</p>

<p>「進捗は？」</p>

<p>「......難しい状況です」と末次は言った。</p>

<p>その言い方が、少し引っかかった。</p>

<p>難しい状況。それは言葉通りの意味か。</p>

<p>伊場は末次の顔を見た。末次は伊場の目を避けた。</p>

<p>末次のポケットにある携帯が振動した。末次は一度だけ画面を見て、すぐポケットに戻した。</p>

<p>「遺留品や、車両の特徴は何かつかめていないんですか？」</p>

<p>「現在は通過した車両のデータを洗っている最中ですが、対象が多すぎて絞り込みが追いつきません。現場に、加害車両のものと思われるフロントグリルの破片と、わずかな塗膜片が残されていました。それらを元に容疑車両のリストアップを進めています。これを見てください」</p>

<p>末次が指し示した捜査報告書のページには、事件当時に現場周辺を通過した、あるいは事故後に不審な動きを見せた車両や工場のリストがいくつか並んでいた。大半は確認済みとして斜線が引かれている。</p>

<p>そのリストの端に、伊場の目が留まった。</p>

<p align="right">〈つづく〉　　</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 28 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安東能明（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>さっきまで遊んでいたのに「健太郎くんはお祭りには来ちゃダメ」…少年時代のショックが、200ヵ国以上の国歌を歌う男に教えたこと  KENT ／本間健太郎(パフォーマー)</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15302</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015302</guid>
			<description><![CDATA[「健太郎くんはお祭りに来ちゃダメだよ」。友達にそう告げられた少年時代のKENTさん。町内が違うという理由で仲間外れにされた経験は、世界への興味や、国や文化の違いを楽しむ今の活動にどうつながったのでしょうか。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013kent04.jpg" /></p>

<p>「健太郎くんはお祭りに来ちゃダメだよ」<br />
仲良く野球をしていた友達から、そう告げられた少年時代のKENTさん。理由は、町内が違い、子ども会費を払っていなかったからでした。<br />
現在、200カ国以上の国歌を歌う「人間国歌ジュークボックス」として活動するKENTさん。国や文化の違いを知り、楽しむことの大切さを伝えるKENTさんに、世界への興味の原点や、子どもたちに伝えたいことを聞きました。</p>

<p>(取材・文／PHPオンライン編集部)</p>

<h2>運動会で国旗に夢中になる子どもだった</h2>

<p>―200カ国以上の国歌を歌えるとのことですが、子どもの頃から国歌に興味があったんでしょうか？</p>

<p>まず、興味を持ったのは国旗でした。</p>

<p>小学1、2年生の頃、給食に出てきたチーズに、世界の魚の写真が載っていたんです。もともと魚が大好きだったんですが、そのチーズには魚の横に小さな国旗も付いていて。そこから、国旗にも興味を持つようになったんです。</p>

<p>運動会のときも、競技より、飾られている国旗ばかりをずっと見ていました(笑)。種類が多くて、それぞれ違うのがおもしろかったんでしょうね。</p>

<p>後に国歌に興味を持ったんですが、きっかけは『キン肉マン』のアニメです。キャラクターの登場シーンで国歌が流れるのがかっこよくて、少しづつ国歌を覚えるようになりました。</p>

<p>―「国」に興味がある子だったんですね。ちなみに、その頃はどんな夢を持っていましたか？</p>

<p>小学校の卒業文集には「ノーベル賞を取る」と書いていました。友達がテストの裏にガンダムの絵を描いているなか、僕はノーベルの絵を描いていましたね（笑）。</p>

<p>当時使っていた学習ノートに、ノーベルの肖像画やノーベル賞について書かれたページがあって、授業そっちのけで夢中になって読んだのを覚えています。</p>

<p>高校生になると、今度は政治家になりたいと思うようになりました。世界を動かしていく仕事って、すごく面白いだろうなと。大学受験に失敗したことで挫折をしましたが、「国」や「世界」というものへの興味が強かったんだと思います。</p>

<h2>外国語のラジオがいつも流れていたけど&hellip;</h2>

<p><img alt="" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013kent08.jpg" /></p>

<p>―興味を持つポイントが面白いですね。ご家庭の影響もあったのでしょうか。</p>

<p>そうかもしれないです。家では、NHKのラジオ講座でハングルや英語、フランス語などがいつも流れていました。何を言っているのかはわからなかったんですけど、「アンニョンハセヨ」みたいな言葉のリズムは、なんとなく頭に残っていました。</p>

<p>後になって知ったのですが、母はドイツ語を勉強していて、祖父もギリシャ語をはじめ、さまざまな言語を学んでいたそうです。そういった家庭環境が、いろいろな国の国歌に惹かれることにつながっているかもしれません。</p>

<p>ただ、不思議なことに、なぜか僕は英語は全然できなかったんです。中学で英語の授業がはじまって、最初のテストは17点で（笑）。ずっと苦手意識がありました。世界に興味があるものの、語学は別だったんですよね。</p>

<h2>違いを違いとして楽しむことを伝えたい</h2>

<p>―現在、各地の学校で国や国歌についての授業をされているそうですが、授業の中でKENTさんが子どもたちに伝えたいことは何でしょうか？</p>

<p>地球儀や地図には、国境という線が引かれていますよね。でも、本来の地球そのものに、線が引かれているわけではありません。国境という線は、人間の頭の中にしかない線なんです。</p>

<p>僕には、小学生の頃にショックを受けた経験があります。友達と仲良く野球をして遊んでいたんですが、ある日、その友達がお祭りに行くというので、僕も一緒に行こうとしたんです。すると、「健太郎くんは来ちゃダメだよ」と言われて。</p>

<p>理由を聞くと、町内が違って、子ども会費を払っていないからだというんです。</p>

<p>「さっきまで一緒に遊んでいたのに、どうして急に分けられちゃうんだ!?」と衝撃を受けました。</p>

<p>母に「なんであそこの町の子ども会費を払ってくれなかったの？」と聞いて困らせたりして（笑）。もちろん、そういう仕組みだから仕方がないのですが、子どもながらに、大人の事情やさまざまな理由で、人と人との間に線が引かれることがショックだったのかもしれません。</p>

<p>もちろん、国境があることも、国や地域によって文化や考え方が違うことも事実です。でも、その違いを理由に誰かを差別したり、攻撃したりするのではなく、お互いを知って、理解して、楽しみ合うことが大切なんじゃないかと思うんです。</p>

<p>みんなが同じだったら、面白くないじゃないですか。たとえば、どこの街に行っても同じお店ばかりだったら、ちょっとつまらないですよね。その土地ならではのラーメンや郷土料理があるからこそ、旅先での楽しみも生まれると思うんです。</p>

<p>言葉や文化の違いも、それと同じように楽しめたらいい。違いを知ることは、人類にとって大切な学びだと思っています。</p>

<p>今は学校にも、いろいろな国にルーツを持つ子どもたちが増えています。だからこそ、違いを違いとして楽しむことを、子どもたちに伝えていきたいですね。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013kent04.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 28 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[KENT ／本間健太郎(パフォーマー)]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「戦後民主主義」は神話だった？戦後80年を経ても世界から戦争がなくならない理由  山折哲雄（宗教学者、評論家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15287</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015287</guid>
			<description><![CDATA[宗教学者で評論家の山折哲雄氏が、人権宣言の歴史や米同時多発テロ、現代の国際紛争を手がかりに、「戦後民主主義」という神話を問い直し、日本人が平和と人命にどう向き合うべきかを考察する]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「戦後民主主義」は神話だったのか？ " height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_USAflags.jpg" width="1200" /></p>

<p>戦後80年を経た今でも、世界では戦争や紛争が絶えません。<br />
近代化と民主化が進めば民族や宗教の対立は解消されるという戦後の楽観的な見通しも、現実によって揺さぶられています。<br />
人権と自由を守るために戦ってきた西洋の歴史と、戦争放棄を掲げる日本国憲法。その間には、どのような矛盾が横たわっているのでしょうか。</p>

<p>宗教学者で評論家の山折哲雄氏が、人権宣言の歴史や米同時多発テロ、現代の国際紛争を手がかりに、「戦後民主主義」という神話を問い直し、日本人が平和と人命にどう向き合うべきかを考察します。</p>

<p>※本稿は、山折哲雄著『死の覚悟 日本人らしさとは何か』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「人権」を守るために戦う</h2>

<p>久しぶりに飛行機に乗って海を渡る。わが家にもどり、机の前に座った。片隅に置かれた本箱に手を伸ばし、長いあいだほこりをかぶったままの一冊『人権宣言集』（岩波文庫）を手にとった。長旅で気がせいていたためだったのだろう。<br />
編者は高木八尺、末延三次、宮沢俊義――そうそうたるメンバーだ。日本国憲法を守護する神のごとき権威といっていい。</p>

<p>ほこりをかぶったページをゆっくりめくる。目次に目を通す、全体をフカンする、全体の文章のリズムをつかむ。<br />
予想し予感した通りの言葉が返ってきた。この『人権宣言集』は、<br />
「人間の自由と権利を保障するための法律である」<br />
という「宣言」だったからである。</p>

<p>それにつづけていう。まず、第一に「その始祖とすべきものがイギリスの『マグナ・カルタ』である」<br />
と出てくるのだ。先にふれた、ロンドンの大英図書館に大切に保管され祀られていた「宝物」である。その「宣言」の本体がどんな形で出てくるか。<br />
それは、イギリスの「名誉革命」を始祖とし、フランスの「ジロンド革命」、ロシアの「レーニン革命」、アメリカの「独立宣言」をつらねて形成され、今日ではその精神は全世界各国の成文憲法に含まれるようになった...。</p>

<p>通観してまっ先に気づくのは、これらの人権宣言が、ほとんど「平和宣言」になってはいない、ということだった。「人権」と「自由」のために戦いとった「人権宣言」だったからだ。そこには極論すれば、流血を是とする「戦闘宣言」の気配すらが立ちこめている。</p>

<p>あらためて、今日のイスラエル戦争、ウクライナ戦争の過酷な戦場が浮かぶ。情け容赦のない、戦いへの強烈な意志である。</p>

<p>一神教の最終段階、超絶一神教の末路、といってもいい。「王殺し」を不可避とする革命伝説の再来、というほかはないのかもしれない。<br />
私はこの事実を前にして、膝を屈し、頭を垂れる。われわれの頭上には、わが国憲法の第九条――「戦争放棄」の旗が掲げられているからである。</p>

<p>しかし「世界人権宣言」はそれとは明確な一線を画して権威の座をいぜんとして高めつづけている。<br />
ここでふたたび「分断」と「切断」の問題が浮上してくる。「平和」と「戦争」をめぐる二重、三重のジレンマ、トリレンマである。</p>

<p>私たちははたして、この「分断」「切断」の亀裂に耐えていくことができるのか。あのタフな「ビートルズ・ロック」のリズムに乗っていくことができるのか。それとも8月という特別な季節を迎えると、どこからともなく聞こえてくる、ノスタルジックな「反戦フォーク」の歌に身を寄せていくのだろうか。「戦争を知らない僕ら」のそばに...。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「神話と幻想」</h2>

<p>今日の「世界の現状」をみればわかるが、「戦後民主主義」は神話であった、というほかはない。<br />
第二次世界大戦からの80年をふり返ると、まっ先にあらわれるメッセージが、おそらく「戦後民主主義」ではないか。</p>

<p>しかし今日、その戦後民主主義の理想とはまったく異なった世界が広がる。各地域各国で紛争があいつぎ、アメリカによる「関税戦争」にふり回されている。結局われわれは「神話」のなかで生きてきただけだったのではないか。</p>

<p>背景には、戦後この国を覆ってきた、ねじれにねじれたバイアスがあった。欧米モデルの先進国に近づき、近代化と民主化が進めば、民族の紛争や宗教的な葛藤は解決されるという「近代バイアス」と呼ぶしかないものだ。<br />
それが「政教分離」というきわめて微妙に理解された「常識」になっていた。</p>

<p>まず解決すべきは貧困や差別であり、宗教にはふれないことが得策でもあり重要である――。しかしそれは、たんなる知的な錯覚と怠慢にすぎなかった。<br />
私がこのような戦後の見取図を根本的に見直したきっかけは、2001年9月11日の米国同時多発テロだ。</p>

<p>1990年代には、米政治学者サミュエル・ハンチントンが「文明の衝突」を発表し、「西欧対イスラーム」を中心に民族と宗教を主軸にした戦いがはじまると唱えていた。<br />
この意見はかなりの反響を呼んだが、批判も多かった。ソ連が崩壊した直後の時代だった。</p>

<p>同じく米政治学者のフランシス・フクヤマが「歴史の終わり」と呼んだように、世界観をめぐる戦いは終わったと国際社会が幻想していたからだった。</p>

<p>9.11は、現実が文明の衝突論の通りに動いていることをあますことなく暴露していた。けれども日本の政治家や政治学者たちの多くはその重要性を無視した。</p>

<p>政治と宗教のかかわりが議論されるのは、もっぱらオウム真理教や統一教会の問題くらいで、いま日本で世界でどれだけ政治と宗教の問題が深刻化しているか、ほとんど認識されていなかったといっていいだろう。</p>

<p>いまわれわれの身近でも、トランプ大統領のさまざまな政策が非難の的になっている。それに共感しないわけではないが、世界中の戦争を止めるために先頭に立って動いているのも、またトランプ氏ではないか。彼の動き方をみていると、文明の衝突を前提に宗教と政治の動きを直視している、と私は感じる。おそらく今後5年から10年にかけてイスラーム教徒の人間が大幅に増え、紛争もまた増大していくであろうことを見据えている。</p>

<p>それに対して日本はこの間いったい何をしていたのか。どんなことを日本人一般は考えていたのだろうか。</p>

<p>むろんトランプ氏とのあいだで「関税戦争」を戦っていただろう。そして他方では、北朝鮮との「拉致問題」では何もできないでいたではないか。ウクライナでもガザでも捕虜を交換するために当事国がどれだけ努力し、犠牲を払っているか。</p>

<p>この国は人の命よりも経済を重んじているのではないか。<br />
この国は、戦後80年抱きつづけてきた、民主主義の「神話」からいつになったら解き放たれるのだろうか。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_USAflags.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 28 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山折哲雄（宗教学者、評論家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「ふるさと納税がよくわかっていない」という人へ　知らないと損する仕組みと始め方  高橋創（税理士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15296</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015296</guid>
			<description><![CDATA[みんなやってる「ふるさと納税」ってどうしてお得なの？税理士の高橋創さんが詳しく解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ふるさと納税" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_seniormoney.jpg" width="1200" /></p>

<p>返礼品がもらえてお得――そんなイメージで始める人が多い「ふるさと納税」。しかし実際には、「確定申告とワンストップ特例、どっちがいいの？」「控除っていつ返ってくるの？」と、仕組みを正しく理解しないまま利用している人も少なくない。控除には上限額があり、超えてしまえば自己負担が増えてしまうことも。書籍『給与明細から学ぶお金のキホン』（日東書院本社）から、意外と知られていない「ふるさと納税」のしくみを紹介する。</p>

<p>※本稿は、高橋創著『給与明細から学ぶお金のキホン』（日東書院本社）より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ふるさと納税とは？</h2>

<p><img alt="通常の寄付金控除" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013takahashihajime01.jpg" width="1200" /><br />
通常の寄附金控除とふるさと納税の違いを図解（『給与明細から学ぶお金のキホン』より）</p>

<p>ふるさと納税は、都道府県や市区町村に寄附をする制度だ。しかし、普通の寄附とは仕組みが異なる。通常の寄附金控除は「所得税が軽減される」だけなのに対し、ふるさと納税は「寄附金－2,000円（自己負担分）＝税金から控除される金額」という特別な計算式が適用される。</p>

<p>控除は「所得税の還付」と「住民税の減額」の両方でおこなわれ、さらに寄附先の自治体からはお礼として「返礼品」も受け取れる。実質2,000円の自己負担で、税金の控除と返礼品という2つの特典を得られる――これが、ふるさと納税が「お得」といわれる理由の一つだ。</p>

<p><img alt="ふるさと納税のスケジュール" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013takahashihajime02.jpg" width="1200" /><br />
確定申告とワンストップ特例、それぞれのスケジュールを比較（『給与明細から学ぶお金のキホン』より）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>控除の受け方は2パターンある</h2>

<p>ふるさと納税で控除を受けるには、「確定申告」をする方法と、確定申告が不要になる「ワンストップ特例」を利用する方法の2つがある。</p>

<p>確定申告の場合、1年間（1月1日〜12月31日）におこなった寄附をまとめて、翌年2〜3月ごろの確定申告で申告する。この場合、所得税と住民税の両方から控除を受けられるのが確定申告のメリットだ。</p>

<p>一方のワンストップ特例は、確定申告をしなくても控除が受けられる代わりに、寄附のたびに申請書を提出する必要がある。所得税の還付はなく、控除分はすべて翌年の住民税から減額される。年間の寄附先は5自治体までと決められており、医療費控除や住宅ローン減税などで確定申告をする人は利用できない点にも注意したい。申請書の提出期限は翌年1月10日必着だ。</p>

<p>会社員で確定申告の予定がなければワンストップ特例が手軽だが、ほかの控除で確定申告をする場合は、ふるさと納税分もまとめて申告する必要がある。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>控除はいつ受けられるの？&nbsp;</h2>

<p>控除が返ってくるタイミングは確定申告とワンストップ特例で異なる。</p>

<p>確定申告の場合、まず前年度に納めた所得税の一部が4〜5月ごろに還付される。残りの金額は翌年6月以降、住民税から毎月少しずつ差し引かれる形で還元される。一方ワンストップ特例の場合、所得税の還付はなく、控除分はすべて翌年6月以降の住民税から減額される。</p>

<p>つまりどちらの方法でも、控除を実感できるのは寄附した年ではなく翌年になる。この時間差を知らずに「本当に控除されているの？」と不安に思う人も多いだろう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>知らないと損する「上限額」</h2>

<p>ふるさと納税で得をするために、絶対に押さえておきたいのが「控除の上限額」だ。上限額を超えて寄附をすると、超えた分は控除の対象外となり、その分がまるまる自己負担になってしまう。</p>

<p>上限額は年収や家族構成によって変動し、扶養家族や配偶者控除の対象が多いほど低くなる。寄附をする前に、ふるさと納税のシミュレーションができるWebサイトなどで自分の上限額を確認しておけば、安心して制度を活用できる。 「なんとなくお得そう」で終わらせず、仕組みと上限額を押さえてこそ、ふるさと納税は本当の意味で「やって良かった」制度になるだろう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_seniormoney.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 27 Oct 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[高橋創（税理士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>高い肉は不要！“手のひら1つ分”のタンパク質で叶える「筋力低下＆寝たきり予防術」  森勇磨（産業医・内科医）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15329</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015329</guid>
			<description><![CDATA[加齢による食の細まりから陥りやすい「タンパク質不足」を防ぐ健康習慣を解説。卵・大豆・魚缶詰を活用し、毎食「手のひら1つ分」をこまめに摂ることで、お金をかけず手軽に筋肉量と健康を維持する方法を紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="「タンパク質不足」の食生活は筋肉量の低下を招き、転倒や寝たきりのリスクを高めてしまいます" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hizawalkingkoshi.jpg" width="1200" /></p>

<p>年齢を重ねるにつれて食が細くなり、あっさりした炭水化物中心の食事になっていないでしょうか？ 実は、そうした食生活を続けていると「タンパク質不足」に陥り、筋肉量が落ちて将来の転倒や寝たきりのリスクが高まってしまいます。<br />
元気で長生きするために、高価なお肉やサプリメントは必要ありません。安価で消化が良く、毎日の食卓に取り入れやすい「三種の神器（卵・大豆製品・魚缶詰）」を活用すれば、お金をかけずに効率よくタンパク質を補給できます。毎食「手のひら1つ分」から始める、手軽で賢いタンパク質補給術をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、森勇磨著『年金暮らしでもお金をかけずにできる 0円予防医学』（高橋書店）より一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>&ldquo;手のひら1つ分&rdquo;のタンパク質を「毎食こまめ補給」</h2>

<p>【ポイント】<br />
* 炭水化物中心の食事を続けると「タンパク質不足」に陥りやすい。<br />
* 筋肉量が落ちると「転倒」や「寝たきり」につながるリスクが高まる。<br />
* 高価な肉類を毎日食べる必要はない。安価で消化の良い食品で十分。<br />
* 「年金生活の三種の神器」：①卵（完全栄養食） ②大豆製品（使い勝手が良い） ③魚の缶詰（良質な油やカルシウムも摂れる）</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>加齢とともに「食が細くなる」</h2>

<p>「年を重ねると、どうも食が細くなってね...」<br />
「こってりしたお肉は、もう胃が受け付けなくて...」こういったお話をよく伺います。<br />
朝はパンとコーヒーだけ。お昼は簡単におそうめん。夜も、ご飯と漬物、味噌汁があれば十分...。そんな食生活になっていないでしょうか。</p>

<p>たしかに、あっさりしたものは食べやすいですよね。しかし、こうした「炭水化物中心」の食事を続けていると、私たちの体にとって非常に大切なある栄養素が、決定的に不足してしまいます。それが「タンパク質」です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>タンパク質は「命の素」</h2>

<p>タンパク質は、私たちの筋肉、血液、骨、皮膚、髪の毛まで、体すべての材料となる、まさに「命の素」です。<br />
このタンパク質が不足すると、どうなるか。<br />
まず、筋肉がどんどん減っていきます。「サルコペニア」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。加齢による筋肉の衰えのことです。</p>

<p>筋肉が減ると、<br />
* 「よっこいしょ」と立ちあがるのがつらくなる<br />
* 階段で息が切れる<br />
* つまずきやすくなる<br />
* 疲れが抜けにくくなる</p>

<p>といったサインが現れます。これが進むと、将来的に「転倒」や「寝たきり」のリスクが一気に高まってしまうのです。</p>

<p>「でも先生、お肉は高いし、たくさんは食べられません」<br />
このように思われるかもしれません。<br />
ご安心ください。元気で長生きするために、高価なステーキやウナギを毎日食べる必要はまったくありません。<br />
お金をかけず、胃に負担をかけず、賢くタンパク質を摂る方法。それこそが、年金暮らしの健康習慣の「キモ」です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>タンパク質を賢く摂る「三種の神器」</h2>

<p>私が「年金生活の三種の神器」と呼んでいる、安くて、手軽で、栄養価も抜群な「賢いタンパク源」をご紹介します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【賢いタンパク源①】最強の「完全栄養食」 ― 卵</p>

<p>卵は、ビタミンCと食物繊維以外のほぼすべての栄養素を含むことから「完全栄養食」とも呼ばれています。そして何より、価格が比較的安く、毎日の食事に取り入れやすいです。<br />
コレステロールを気にする方もいらっしゃいますが、最近の研究では、健康な人であれば食事から摂るコレステロールは血中コレステロール値にそれほど影響しないことが分かっています。<br />
まずは「1日1個」を目指しましょう。朝、ご飯に生卵をかける。味噌汁に落とし入れる。時間があるときにゆで卵をつくっておく。これだけで、朝のタンパク質はバッチリです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【賢いタンパク源②】日本の伝統食 ― 豆腐・納豆</p>

<p>大豆製品は、日本の食卓を支えてきたすばらしいタンパク源です。<br />
食欲がないときでも、冷奴なら食べられませんか？ご飯に納豆をかけるだけなら、火も使いません。豆腐は湯豆腐にしたり、味噌汁の具にしたりすれば、体を温めながらタンパク質が摂れます。油揚げや厚揚げも、安くて使いやすい「賢いタンパク源」です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【賢いタンパク源③】骨まで丸ごと ― サバ缶・イワシ缶</p>

<p>「魚を焼くのは、煙も出るし後片づけが面倒...」という方。缶詰を使いましょう。<br />
とくにサバやイワシの缶詰（水煮や味噌煮）は、安価でありながら、良質なタンパク質の宝庫です。それだけではありません。青魚に含まれるDHAやEPAという良質な油は、血液をサラサラにしてくれる効果が期待できます。<br />
さらに、缶詰なら骨までやわらかく煮込まれているため、不足しがちなカルシウムも丸ごと摂れます。<br />
そのまま食べてもよし、大根おろしと和えてもよし。常備しておけば、これほど頼りになる「元気の素」はありません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>0円健康メモ：タンパク質は「まとめて」ではなく「こまめに」</h2>

<p>タンパク質は、一度にたくさん摂っても、体が処理しきれずに排出されてしまいます。よく「夜にお肉をドカンと食べた」という方がいますが、それでは効率が悪いのです。<br />
理想は「毎食、手のひら1つ分」タンパク質をプラスすること。</p>

<p>たとえば<br />
* 朝：卵もしくは納豆<br />
* 昼：豆腐もしくはサバ缶<br />
* 夜：鶏むね肉もしくは焼き魚</p>

<p>このように「こまめに」補給することで、筋肉は効率よくつくられ、維持されていきます。</p>

<p>高いサプリメントや健康食品に頼る必要はありません。こうした「賢い食材」を日々の食卓に取り入れることこそが、お金をかけずに「元気で長生き」を実現するいちばんの近道なのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 27 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[森勇磨（産業医・内科医）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>悩みから「一度逃げる」が心を守る　モヤモヤと上手く付き合う方法  藤田康男（Smart相談室CEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15255</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015255</guid>
			<description><![CDATA[「悩みを解決することも大切だが、時には悩みから逃げたっていい」と、Smart相談室CEOの藤田康男さん。悩みから一度距離を置くことの重要性を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="藤田康男著『悩みの統計学』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_woman_drinking.jpg" width="1200" />「早く悩みを解決しないと...」と焦ってしまい、より不安が大きくなった経験はありませんか？もちろん悩みを向き合うことは大切ですが、「時には距離を置く(逃げる)ことも大切」だと、Smart相談室CEOの藤田康男さんはいいます。</p>

<p>「悩みから逃げる」というのは、具体的にどのようなことなのか――ここでは、多くの研究成果を基に、悩みと上手く付き合う方法について紹介します。</p>

<p>※本稿は、藤田康男著『悩みの統計学』(扶桑社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>無理をしないという自己防衛</h2>

<p>心理学者ジェフリー・ヤングは、「自己犠牲スキーマ」という概念を提唱しました。「自己犠牲スキーマ」とは、「自分のことよりも他人を優先しなければならない」という強い思い込みや行動パターンのことです。</p>

<p>自己犠牲スキーマが強い人は、自分より他人を優先する、頼ることに罪悪感を抱く、自分が休むことを許せない、という傾向があります。これは「休むことは甘え」「迷惑をかけてはいけない」という考え方を説明しています。</p>

<p>しかし、自分が倒れてしまうと、周囲にも大きな影響を与えます。飛行機では「酸素マスクはまず自分に装着してください」と案内されます。それは、自分が倒れてしまえば、自分自身が動くこともできませんし、他者を助けることもできなくなるからでしょう。</p>

<p>限界を超えて努力を続けることは、必ずしも適応的な行動ではありません。まずは自分を守ることが、その後の回復につながります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>悩みと適切な距離を取る方法</h2>

<p>悩みと自分を同一視せず、「私は悩んでいる」ではなく、「私は今、悩みという経験をしている」と捉える。こうした考え方は、心理療法の1つであるACT（アクセプタンス＆コミットメント・セラピー）では、「脱フュージョン」として知られています。思考を事実そのものではなく、1つの考えとして眺められるようになると、感情に飲み込まれにくくなります。</p>

<p>具体的には、散歩をする、本を読む、人と話す、自然に触れるなど、悩み以外に注意を向ける時間をつくることも有効です。不思議なことに、悩みから離れている時間ほど、新しい視点が生まれやすくなります。悩みは近づきすぎると全体像が見えません。絵画を鑑賞するときも、一歩下がることで全体が見えるようになります。人生の悩みもまた、少し距離を取ることで見え方が変わるのです。</p>

<p>【「向き合う」と「離れる」のバランスが大切】</p>

<p>すべての悩みに真正面から向き合い続ける必要はありません。時には休み、距離を置き、自分の心を守ることも、心理学では適応的なストレス対処法とされています。</p>

<p>人生には、自分で変えられることと、変えられないことがあります。その見極めができる人ほど、精神的な負担を減らしやすいのです。勇気を出して向き合う日があってもいい。時には休む日があってもいい。その柔軟さこそが、長く自分を支える力になります。</p>

<p>心理学者ラザルスとフォルクマンは、ストレスへの対処法を「問題焦点型コーピング」と「情動焦点型コーピング」の2つに分類しました。問題焦点型コーピングとは「ストレスの原因そのものを解決・改善しようとする対処法」です。「原因を取り除けば、ストレスも減る」という考え方です。</p>

<p>情動焦点型コーピングとは「問題そのものではなく、その問題によって生じた感情を整える対処法」です。必ずしも問題は解決しませんが、「心を落ち着かせることで、ストレスを軽減させる対処法」です。「どちらが正しいか」ではなく、「どちらが今の状況に合っているか」が重要です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>休むことの価値を再認識する</h2>

<p>心理学者テオ・メイマンとミヒール・ムルダーは、「努力―回復モデル」で「休むこと」の価値を説明しています。</p>

<p>仕事や勉強などで努力を続けると、身体、脳、自律神経に負荷が蓄積します。その際、十分な休息を取れば、その負荷は回復します。しかし、回復する前に再び働き続けると、疲労が慢性化し、バーンアウト、睡眠障害、パフォーマンス低下につながると考えます。つまり、疲れること自体は問題ではなく、「回復できないこと」が問題と説いています。</p>

<p>また、心理学者スティーヴン・ホブフォールは、「資源保存理論」で、体力や気力、時間などは人生を支える大切な資源であり、休息はそれらを回復させるための重要な時間としています。心理学者サビーネ・ゾンタークは、「心理的ディタッチメント」という概念の中で、仕事が終わっても、頭の中で仕事を考え続けると、十分に回復されないことを示しました。</p>

<p>「心理的ディタッチメント」とは、仕事や悩みから、物理的だけでなく「心理的にも離れること」を指す概念です。この概念によると、仕事から十分に回復するためには、単に会社を出たりパソコンを閉じたりするだけでは不十分であり、「頭の中でも仕事から離れること」が重要であると示しています。サビーネ・ゾンタークの研究では、心理的ディタッチメントが高い人ほど、疲労が少ない、バーンアウトが少ない、ワークエンゲージメントが高いことが示されています。</p>

<p>個人的な意見ですが、仕事が忙しい人ほど「休む暇があったら進めよう」と考えがちです。しかし疲労が蓄積すると判断力は低下し、同じ作業でもミスが増え、生産性も落ちます。短期的には頑張れても、長期的には効率が悪くなってしまうのです。スポーツ選手が休養日を設けるのも、筋肉が休息中に回復し、より強くなるからです。心も同じで、休むことで回復し、次に進む力を蓄えます。</p>

<p>「休むこと」は前進を止めることではありません。未来の自分に投資するための時間です。十分な休息があるからこそ、人はまた前を向いて歩き始めることができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>環境を変えるという選択肢</h2>

<p>心理学者クルト・レヴィンは、「場の理論」の中で、人の行動は性格だけで決まるのではなく、その人を取り巻く環境との相互作用によって決まると説明しました。つまり「自分が悪い」のではなく、「環境が合っていない」という可能性もあるのです。同じ人でも、職場が変わるだけで能力を発揮できることがありますし、人間関係が変わるだけで心が軽くなることもあります。</p>

<p>また、「自己効力感」の提唱者として知られる心理学者アルバート・バンデューラは、社会的認知理論の中で、人間は、個人、行動、環境がお互いに影響し合うという「三項相互決定論」を展開しました。この理論から説明すると、環境が変われば、考え方も、行動も、変わるということになります。</p>

<p>このように、環境が個人に影響を与えるという研究は複数あります。働き方やウェルビーイング研究でよく引用される発達心理学者ユーリー・ブロンフェンブレンナーの生態学的システム理論では、人は、家族、学校、職場、地域、社会など、さまざまな環境の影響を受けながら発達するとしています。</p>

<p>組織心理学者ロバート・キャプランとロイ・ハリソンは、「人―環境適合理論」で「能力が低いのではなく、環境との相性が悪い」と説きました。これは、同一人物が、会社Aでは成果が出ない、でも、会社Bではトップ社員、という状況が発生することを示唆しています。ここでは、問題は「人」ではなく「環境との適合性」ということになります。</p>

<p>このように、環境と個人の関係性が指摘されているにもかかわらず、個人のみに目を向けて「自分がもっと頑張れば」と考え続ける人は少なくありません。しかし、合わない環境に適応し続けることには限界があります。部署異動、転職、引っ越し、付き合う人を変える、働き方を変える─環境を変えることは、敗北ではなく戦略なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>完璧主義を手放す考え方</h2>

<p>心理学では、不適応的な完璧主義は不安や抑うつ、バーンアウトとの関連があることが数多く報告されています。心理学者ランディ・フロストらが提唱した「多次元的完璧主義モデル」では、完璧主義には適応的な側面と不適応的な側面があり、特に「失敗への過度な懸念」や「自分の行動への慢性的な疑い」が強い人ほど、不安や抑うつ、バーンアウトを経験しやすいことが示されています。</p>

<p>心理学者ポール・ヒューイットとゴードン・フレットが提唱した「多次元的完璧主義モデル」の中では、完璧主義を「自己志向的完璧主義」「他者志向的完璧主義」「社会規定的完璧主義」の3つに分類しました。</p>

<p>この中でも、社会規定的完璧主義は、「周囲から完璧を求められている」と感じることを指し、不安、抑うつ、バーンアウトとの関連が非常に強いことが知られています。これらの理論は、高い目標を持つことを悪いと言っているわけではなく、自分を追い詰めることが悪い影響を及ぼすと言っています。</p>

<p>「失敗してはいけない」と考えるほど、人は挑戦を避けるようになり、「まずは70点でやってみよう」と考えられる人は、小さな成功体験を積み重ね、結果として成長しやすくなります。</p>

<p>また、精神分析家ドナルド・ウィニコットは、「グッドイナフ・マザー（十分に良い母親）」という考え方を提唱しました。子どもの成長に必要なのは完璧な親ではなく、「十分に良い親」であるという考え方です。</p>

<p>この「グッドイナフ」という発想は、我々全員にも当てはまるでしょう。仕事でも人生でも、100点を目指して自分を追い詰めるのではなく、「十分に良い」を受け入れることが、心の余裕や持続的な成長につながるのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 27 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[藤田康男（Smart相談室CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「本を読むだけで脳は若返る」　読書をする人ほど能力を発揮できる理由  川島隆太（東北大学教授・医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12962</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012962</guid>
			<description><![CDATA[「読書は良い」その根拠とは? 東北大学教授の川島隆太さんが、読書が脳に与える影響についてわかりやすく解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="読書の効果" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>今や生活に欠かせない存在となったスマホやタブレット。しかし、これらを頻繁に使う子どもほど学力が低く、脳の発達に遅れが見られるという調査結果が報告されています。</p>

<p>一方で、「読書」や「音読」こそが脳を活性化すると東北大学教授の川島隆太さんは語ります。さらに、その効果は子どもに限らず、認知症の改善や創造性の向上など、年齢を問わず期待できるというのです。本稿では、読書が脳に良い理由について書籍『本を読むだけで脳は若返る』より解説します。</p>

<p>※本稿は、川島隆太著『本を読むだけで脳は若返る』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>脳のマッピング研究</h2>

<p>家庭や教育現場では、昔から子どもたちの読書活動が奨励されてきました。これは、おそらく長く子どもたちを教育する中で、読書にいそしんだ子どもは才能を開花しやすいということを経験的に知ったからなのでしょう。特に、学校の先生など、教育実践に携わる方たちはこのことを直感的にわかっていると思います。</p>

<p>では、実際に読書をしているとき、私たちの脳はどのように働いているのでしょうか。私たちの東北大学加齢医学研究所では、MRI（Magnetic Resonance Imaging：磁気共鳴画像）装置などの計測機器を使って、脳の活動量を測るという実験を30年ほど前から行っています。その中で読書にかかわる実験も数多くしています。</p>

<p>このMRIという装置は、簡単に言うと脳の血流量を調べることができるものです。脳の中で活発に動いているところは多くの酸素や栄養を必要とするので、血液の流れる量が多くなります。その血液の流量を計測することで、脳のどこが活性化しているかを捉えることができるというわけです。</p>

<p>また、私たちの研究所で行っている研究は「脳のマッピング研究」と呼ばれるものです。さまざまな「こころ」の活動が、脳のどこで行われているかを、さまざまな機器で計測しながら活動の位置を特定し、脳の機能の秘密に迫っています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>本を読むだけで脳全体が活性化する</h2>

<p><img alt="新聞記事黙読中の脳活動" height="790" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250916Kawashimaryuta06.jpg" width="1200" /></p>

<p>さて、私たちは次のような読書にかかわる実験をしました。</p>

<p>20〜30人の方々にMRI装置に入ってもらい、まず同じように新聞記事を読んでもらいました。黙読です。そして、一人ひとりの脳の状態を計測しました。このような実験では、比較対象も必要です。そこで、被験者の方にお願いして、一点をじっと見つめて何も考えないようにしてもらいました。こうすることで、思考の活動をあまりしていないときと新聞記事を読んだときの差がわかり、どこが活性化したのかを捉えることができます。</p>

<p>データの分析には統計学を用います。同じことをしてもらった被験者たちの7〜8割が共通して脳のどこを使ったかをコンピューターに計算させることで、より確実に使っていた場所を特定していきます。</p>

<p>こうして出した計測実験の結果が上の図1─1です。まず、この図の見方なのですが、わかりやすく言うと、1つの脳を魚の開きのようにパッと開いた形になっていると思ってください。1つの脳の右側と左側をそれぞれの横から眺めたもので、向かって左側は脳を左側から見ていて、右側は脳を右側から見ています。</p>

<p>囲われているところが、黙読で確実に使っていると示された場所です。曖昧な場所には囲みをつけていません。このように表示すると、脳のどの場所にどのような機能があるかが見えてきます。このようにして脳を調べるのが、私たちが用いている主な研究手法です。</p>

<p>この図を見ると、よく活動している場所があるのがわかります。脳の前（額側）の横にあるところです。ここが左半球も右半球もよく働いています。ここは「背外側前頭前野（はいがいそくぜんとうぜんや）」と呼ばれるところで、「思考の脳」と言われることもあります。ものを考えているとき、何かを学んでいるとき、創造をしようとしているとき、この「思考の脳」が働くことが脳科学の分野では知られています。</p>

<p>脳の後ろ（背中側）にも、いくつか働いている場所があります。目立つのは脳の後ろ側から下に回り込んでいくように見える場所です。少し専門的に言うと、後頭葉から側頭葉の下弦にかけての領域になります。後頭葉は主に視覚情報が扱われる領域で、側頭葉の下弦は語彙を含めたさまざまな記憶が格納されている領域であることがわかっています。</p>

<p>ときどき、「言語は左の脳だけを使う」と言う方がいるのですが、それは明らかな間違いで、そのことはこの図を見ると一目でわかるのではないでしょうか。私たちが読書をしているとき、左右の脳は確実に働いています。中でも、前頭前野（背外側前頭前野）後ろの下のほうにある言語を扱う領域が左右とも働きます。さらに、視覚の領域や聴覚の領域にも反応が出ます。つまり、活字を読むと脳が全体的に活動するのです。</p>

<p>この実験結果や類似の実験結果から一つの結論として言えるのは、読書は脳の全身運動になる、ということです。このことを理解するだけでも、読書活動にいそしむ子どもがさまざまな力を伸ばしやすいということが納得できないでしょうか。この「読書＝脳の全身運動」は、大人についても同じことが言えます。</p>

<p>毎日、全身運動している人は、子どもも大人も健康的な身体を維持し、必要な筋力があれば、すぐに鍛え上げることができるものです。野球やサッカー、テニス、バレーボール、ラグビー、陸上などのスポーツをやろうと思ったときも、普段から運動している人のほうがすぐに上手にできるようになるでしょう。</p>

<p>それと同じように、毎日のように脳の全身運動をしている人は、そうでない人と比べて、さまざまな能力が発現しやすい状態になっているのです。脳も他の体の臓器や器官と同じであり、毎日の読書が脳の基礎力を上げてくれるのは、ごく自然なことだと言えます。</p>

<p>ここで少し補足説明をします。右利きの9割の人は、言語を扱う領域が主に大脳の左半球の前後にあります。もちろん右半球も働きます。左右のバランスで見れば、左半球のほうがたくさん使われる性質があるということです。残りの1割の人は、脳の両側が均等に使われます。また、左利きの人は、約半数の人が右側を主に、残りの半数の人が両側を使うことが知られています。</p>

<p>ちなみに、脳科学の研究者が脳の働きを調べる実験をするときは、たいてい右利きの人だけを対象にします。脳の使い方における左右のバランスが9割の人で同じになり、統計処理したときにノイズが少なくなるのです。多くの世の中にある脳科学のデータも、右利きの人のデータが主流になっていると理解しておくと良いと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_1.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 27 Oct 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[川島隆太（東北大学教授・医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>さかなクンに「全部の国歌を覚えます！」と誓い…政治家志望だった青年が200カ国以上歌える「人間国歌ジュークボックス」になるまで  KENT ／本間健太郎(パフォーマー)</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15300</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015300</guid>
			<description><![CDATA[200カ国以上の国歌を歌う「人間国歌ジュークボックス」KENTさん。『キン肉マン』をきっかけに国歌に興味を持ち、さかなクンとの出会いで活動が広がった経緯や、国歌を通じて感じたことを聞きました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013kent05.jpg" /></p>

<p>世界200カ国以上の国歌を歌える「人間国歌ジュークボックス」こと、KENTさん。子どもの頃にアニメ『キン肉マン』をきっかけに国歌に興味を持ち、80か国ほどを覚えた頃、さかなクンとの出会いによって、国歌を歌う活動が大きく動き出したそうです。KENTさんに、国歌との出会いや世界各地での忘れられないエピソード、国歌を通じて感じたことを聞きました。</p>

<p>(取材・文／PHPオンライン編集部)</p>

<h2>さかなクンに「200カ国以上の国歌を覚える」と誓う</h2>

<p>―国歌を覚えるようになったきっかけは何だったのでしょうか？</p>

<p>一応、生まれつき覚えていたということになっています。設定上は。</p>

<p>―設定があるんですか！</p>

<p>冗談はさておき、国歌を覚えたきっかけは、子どもの頃に見ていた『キン肉マン』のアニメです。ウォーズマンが登場するとソ連の国歌が流れて、ロビンマスクが登場するとイギリスの国歌が流れる。それがかっこいいなと思ったのが始まりでした。そこから少しずつ国歌を覚えるようになって、いつの間にか80か国くらい歌えるようになったんです。</p>

<p>―そこからさらに200以上の国歌えるようになるまでは、どのような道のりだったのでしょうか。</p>

<p>実は、きっかけはさかなクンとの出会いでした。</p>

<p>ある飲み会に、さかなクンが遊びに来たんです。夜中の12時だったんですけど、釣ってきた魚をひたすらさばきながら、ずっとテンション高く魚の解説をしてくれるんですよ。それを朝の6時まで、ずっと同じテンションで続けていて。</p>

<p>本当にびっくりしました。その場にいた一人ひとりに魚の絵を描いてくれたりもして。さかなクンって、本当にさかなクンなんですよね（笑）。好きなものを突き詰めた姿にすごく感動して、「今、80か国の国歌を覚えているんですけど、これから全部覚えます！」と、さかなクンに誓ったんです（笑）。</p>

<p>それからは毎年、年賀状で「今、100か国まで来ました」と進捗を報告するようになりました。「いつか僕も学校で授業ができるようになります」と伝えていたんですが、今では実際に学校で授業をするようにもなりました。</p>

<h2>政治家を目指した高校生が芸能の道へ</h2>

<p><img alt="" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013kent07.jpg" /></p>

<p>―そもそも、最初に80か国の国歌を覚えられたこと自体がすごいですよね。</p>

<p>子どものころから「世界」というものへの興味が強かったんです。幼稚園の頃は国旗が好きでしたし、高校生の頃の夢は政治家になることでした。</p>

<p>落合信彦さんという方が、世界の政治家たちについてのルポルタージュを書かれていて、その本が大好きだったんです。世界を動かしていく仕事って、すごく面白いだろうなと、政治に興味を持ちました。</p>

<p>─そこからどのように、国歌ジュークボックスの活動につながったのでしょうか。</p>

<p>政治の世界に行きたいという強い思いで大学を受験したのですが、落ちてしまって。すごくショックを受けました。それで、高校卒業後はしばらく引きこもっていたんです。ただ、その間も政治に関する本を読んだり、新聞を端から端まで全部読んだりしていました。</p>

<p>その後、スーパー歌舞伎への出演をきっかけに社会復帰して、芸能の仕事をするようになりました。オペラやバレエなどの舞台に立ったり、映画会社に10年間勤めたり、農業に携わったりと、さまざまな経験を経て、白Aというパフォーマンス集団に入りました。そこで、世界各地でショーをするようになったんです。</p>

<p>当時はダンスがあまり得意ではなかったので、自分にできることは何だろうと考えました。そこで、ショーの前に国歌を歌ってお客さんを盛り上げることにしたんです。それが、国歌を歌う活動の始まりでした。</p>

<p>―「政治家になりたい」というスタート地点から、ずいぶん波乱万丈な道のりでしたね。</p>

<p>実は最近になって知ったんですけど、祖父も政治家だったそうです。父が幼い頃に亡くなったので、僕は一度も会ったことがないんですが、「これって血だったのかな？」と思いましたね。</p>

<h2>国歌に救われたチェコでの思い出</h2>

<p>―世界中で国歌を歌う中で、心に残っているエピソードはありますか？</p>

<p>いくらでもあります！ まず、国歌を歌うことで、誰とでも仲良くなれるというのは本当にありますね。飛行機で隣に座っていたウクライナ人の女性にウクライナ国歌を歌ったら、すごく喜んでくれて。今でもその方とは交流が続いているんです。</p>

<p>あとは、チェコで道に迷ってしまったときのことも印象に残っています。当時チェコでは英語がほとんど通じず、しかも手元の地図が間違っていて、どうやってもホテルにたどり着けなかったんです。</p>

<p>「どうしよう&hellip;」と思いながら、スーツケースをガラガラ引きずって街を歩き回っていました。もうどうしようもないので、とりあえず観光しながら（笑）。</p>

<p>そうやって街をさまよっていると、ふとタクシーが止まっているのが目に入ったんです。運転手のおじさんに話しかけてみたものの、まったく言葉が通じない。そこで、チェコの国歌を歌ったんですよ。間違った地図を見せながら（笑）。</p>

<p>そうしたら、おじさんが「ホテルに行きたいのか！」と気づいてくれて。なぜわかってくれたのかというと、その国歌の歌詞が「私の家はどこ」という意味だったんです。</p>

<p>―それはすごい！　KENTさんは、歌詞の意味をわかって歌っていたんですか？</p>

<p>それが、当時は歌詞の意味をあまりわかっていなかったんですよ。偶然なんとかなったという感じです（笑）。図らずも、国歌に救われました。</p>

<h2>どんな国の誰であっても、みんな仲良くなれる</h2>

<p><img alt="" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013kent01.jpg" /></p>

<p>―これまでさまざまなパフォーマンスをされてきたKENTさんですが、今度は「六本木アートナイト 2026」に出演されるそうですね。どのようなパフォーマンスを披露されるのでしょうか？</p>

<p>夜通し六本木の会場内を歩いて、出会った方に向けて国歌を歌う予定です。大きな世界地図を持って、「どちらの国から来たんですか？」「行きたい国はありますか？」と質問し、答えた国の国歌を僕が突然歌い出すという(笑)　。</p>

<p>─自分の国の国歌を日本人が歌い出したら、海外の方はかなり驚くでしょうね(笑)。</p>

<p>そうですね。世界の皆さんとの出会いが今から楽しみです。<br />
僕はこれまで世界中でショーをやってましたが、いろんな国でいろんな人と仲良くなれるんです。</p>

<p>どんな国の誰であっても、みんな仲良くなれるというのが、地球の本来の姿なんじゃないかなと僕は思っているんです。六本木という世界中の人が集まる場所でのイベントに参加できることを、とても嬉しく思っています。</p>

<p>─ちなみに、日本人でも、話しかけたら歌ってくださいますか？</p>

<p>もちろんです！ 「六本木アートナイト」は大人向けのイベントというイメージかもしれませんが、今年は17時から始まるので、ご家族でも楽しんでいただけると思います。当日、皆さんと出会えるのを楽しみにしています。<br />
&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013kent05.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 26 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[KENT ／本間健太郎(パフォーマー)]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>理不尽なトラブルに直面したとき「怒りを抱えたまま」進む方法  原田祐紀（浄土真宗明善寺住職）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15222</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015222</guid>
			<description><![CDATA[怒りを消すのではなく、その奥にある｢願い｣や｢守りたいもの｣を見つめ、感情に振り回されず行動を選び直す大切さを提示。突然のアカウント凍結という理不尽な体験を通じ、感情を抱えたまま今できる一歩を踏み出す姿勢を描いています。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="絶望する女性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_depressedwoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>感情を即座に消し去ることは誰にもできません。けれど、怒りを抱えたままでも｢次の行動｣を選び直すことはできます。怒りの奥に隠された自分の思い込みに気づき、理不尽な現実のなかで静かに一歩を踏み出す。人生の予期せぬ困難を軽やかに乗り越えるための、生き方の姿勢について考えます。</p>

<p>※本稿は、原田祐紀著『自分らしく生きるための 心を整える習慣 ざわつきをしずめるやさしい仏教の教え』(KADOKAWA)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>怒らない人ではなく　怒りに振り回されない人</h2>

<p>怒りの背景には、自分の願いや思い込みが隠れていることもあります。<br />
その怒りにとらわれると、心は苦しくなっていきます。<br />
怒りを感じたら立ち止まり、その怒りを見つめ、行動を選ぶ。そのうえで、どう振る舞うのかを考えるのです。</p>

<p>怒らない人は、怒りを感じていないわけではありません。腹が立つことも、イライラすることも当然あるでしょう。</p>

<p>しかし、その感情に振り回されない。なぜなら、怒りの奥にあるものを見ようとしているからです。</p>

<p>仏教では、貪り、怒り、愚かさを｢三毒｣といい、私たちを迷わせ、苦しませる心の働きとして見つめます。</p>

<p>怒りには、自分の内側のとらわれが深く関わっていることがあります。だから、怒りに振り回されない人は、怒りを感じたときに立ち止まるのです。｢いま、私は何に傷つき、何を守ろうとしているのだろう。そこに、自分の思い込みはないだろうか｣と。</p>

<p>感情をすぐに静めることは難しくても、少し時間を置いて、行動を選び直すことはできます。<br />
怒りをなくすのではなく、その感情を抱えたまま、相手を傷つけない道を探していくのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>理不尽にどう向き合うか　そこに生きる姿勢があらわれる</h2>

<p>思いがけず、理不尽な出来事に直面するというのは、誰にでも起こりえます。<br />
大切なのは、そこでどう向き合うか。理不尽な出来事には、すぐに答えを出せなくてもかまいません。<br />
まずはできることから、一歩動いてみるという選択もあります。</p>

<p>写真家として活動していたInstagramのアカウントが、突然凍結されました。フォロワーはその時点で4万5000人。ここまで育てるには、相当な時間を費やしてきました。</p>

<p>異議申し立てをしましたが、却下されました。違反の心当たりもなく、私には理不尽な出来事に思えました。怒りも湧きました。</p>

<p>もちろん、何が起きたかは大きな問題です。しかし、そのあとにどう動くかも大切です。</p>

<p>落ち込んだ気持ちや怒りに心を占められる時間もありました。そうした気持ちを抱えながら、少しずつ、今できることを考え、私は2つのことをしました。1つ目は、新しいアカウントをつくり、活動を再開したことです。2つ目は、運営に相談し、正当な手続きを通して復活の可能性を探ったことです。</p>

<p>嘆く気持ちを抱えながらも、できることから行動に移すことにしました。理不尽な出来事を避けられないとしても、そのなかで何をするのかを、時間をかけて少しずつ選び直すことはできます。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_depressedwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 26 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[原田祐紀（浄土真宗明善寺住職）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「寝る1時間前からスマホは触らない」　忙しい人でも手軽にできる快眠ルーティン4選  越川慎司（株式会社クロスリバー代表取締役社長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15135</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015135</guid>
			<description><![CDATA[多くのトップアスリートを指導してきた睡眠コーチも重要だと指摘する、就寝前のルーティン。なぜルーティンが大切で、どのようなことを心がければよいか。株式会社クロスリバー代表取締役社長の越川慎司さんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="越川慎司著『世界の一流は「平日」の夜に何をしているのか』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sleepingwoman.jpg" width="1200" />「睡眠時間があまり取れていない」――そう感じている人も多いでしょう。その理由として、長時間労働やデジタル機器の使い過ぎなどが挙げられますが、「眠るための準備ができていないことも原因である」と、株式会社クロスリバー代表取締役社長の越川慎司さんはいいます。</p>

<p>睡眠の質を高めるために心がけるべきことは何か。本稿では、就寝前のルーティンの重要性や海外の一流も実践している快眠習慣を紹介します。</p>

<p>※本稿は、越川慎司著『世界の一流は「平日」の夜に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>決まったルーティンがないと脳は眠くならない</h2>

<p>眠るための助走時間が重要であると、数々のトップアスリートを指導してきた睡眠コーチのニック・リトルヘイルズも指摘しています。彼は、全英でベストセラーとなった著書『世界最高のスリープコーチが教える究極の睡眠術』の中で、入眠に適した状態を作るためのルーティンが不可欠であることを説いています。</p>

<p>人間の体温は夜になると自然に下がるため、暖房を強くし過ぎることは生理的な摂理に反します。そのため冬は寝る前に暖房を切り、夏はエアコンを活用して部屋を涼しく保つ工夫が求められます。</p>

<p>また、暗くなると眠気を誘うメラトニンの生成が始まるため、部屋を真っ暗にすることも大切です。毎日同じ環境を整えることで、脳はその環境を眠るための準備段階として正しく認識するようになります。</p>

<p>リトルヘイルズは、90分を1つの単位として眠ることを推奨しています。人間の睡眠サイクルは約90分で構成されるため、眠りに落ちてから90分、180分、270分といった区切りの良いポイントで目覚めると、自然に起きやすくなります。反対に、この周期の途中で目覚めてしまうと、たとえ睡眠時間が長くても疲れが取れません。</p>

<p>この考え方は、クリスティアーノ・ロナウドといったサッカーの超一流選手たちの睡眠指導にも取り入れられています。アスリートたちは起床時間から逆算し、90分の倍数になるように就寝時間を決めています。</p>

<p>決まったルーティンや環境が整っていないと、脳は「いつ眠るモードに入るべきか」を毎晩判断しなければなりません。判断という行為は脳のエネルギーを消費させ、その結果として覚醒度を上げてしまいます。</p>

<p>日本のビジネスパーソンの夜は、残業による帰宅時間の遅れや会食、深夜のテレビ視聴など、日によって過ごし方が大きく異なります。その時々で夜の時間の使い方が変わっては、脳は眠るタイミングを適切に判断できません。睡眠の質を高めるためには、寝る前のルーティンを固定することが求められます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>夜の時間を取り戻すデジタル・サンセットという儀式</h2>

<p>寝る前のルーティンのなかでも欠かせない習慣が、「デジタル・サンセット」です。これは、1日のある時刻を境に、スマートフォンやパソコン、テレビといったデジタル機器の使用を意図的に停止する「デジタルの日没」を意味します。</p>

<p>この概念は近年、シリコンバレーや欧州の経営者の間で急速に広まっています。皮肉なことに、AIや半導体といったデジタルの最前線に立つ人々ほど、夜の時間は意識的にデバイスから距離を置いています。</p>

<p>スマートフォンの普及によって、現代人の夜は静かに侵食されてきました。布団に入る直前までSNSをスクロールし、深夜にメールを確認して、寝つけなければ再びスマホを開くといった行為が常態化しています。気がつけば、夜の貴重な数時間がデジタル機器に占拠されているのです。世界の一流はこうした現状に危機感を抱き、夜の時間を取り戻すための仕組みとして、デジタル・サンセットを実践しています。</p>

<p>スマートフォンを夜遅くまで使い続けることには、科学的な弊害が数多く存在します。デバイスから放たれるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、入眠を妨げます。厚生労働省の生活習慣病予防情報サイト「e-ヘルスネット」においても、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用は睡眠の質を低下させる要因として明記されています。</p>

<p>また、SNSから流れてくる情報は脳にドーパミンを継続的に分泌させ、脳を刺激中毒の状態に陥らせます。仕事のメールやチャットも同様に、就寝前の脳を仕事モードから切り替えさせてくれません。</p>

<p>さらに深刻な問題は、他人のアジェンダに自分の夜が支配されてしまう点です。デジタル機器を見続ける行為は、他人が発信する情報を無防備に受け取り続けることを意味します。SNSの知人の投稿、不安を煽るニュースの見出し、突然届く仕事の依頼などは、いずれも自分が能動的に選んだものではありません。アルゴリズムによって最適化された「他人の都合」が、夜の脳に絶え間なく流れ込んできます。</p>

<p>こうした状態を毎晩繰り返していると、今日という1日の達成感や明日への意欲、そして今現在の思考といった「自分自身の内なる声」を聴く余裕が失われていきます。本来、夜は自分自身と向き合い、自分を取り戻すための時間です。デジタル機器を使い続けることは、その大切な機会を喪失していることに他なりません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>帰宅後の時間が限られている人でもできる快眠習慣</h2>

<p>ここからは弊社が日本企業を対象に実施した、快眠を得るためのルーティンの効果検証実験を紹介します。</p>

<p>日本のビジネスパーソンは長時間労働が常態化しており、夜の自由時間が限られているという実情があります。このような状況下で、海外の一流が実践する習慣を真似することができるのか。短時間かつ最小限の行動であっても、確かな効果を得られるのかを検証しました。</p>

<p>弊社は、製造業やIT、金融、サービス業など20業種815社、計17万3208人に及ぶデータベースを保有しています。今回の検証では、その中から129社428名を対象に選び、12週間にわたる実験を行いました。なお、本検証は参加者の自己申告に基づくものであり、医学的検証や臨床試験ではないため、結果には個人差が生じます。</p>

<p>検証したルーティンは、大きく分けて4つあります。</p>

<p>①就寝1時間前にデジタル機器を手放す</p>

<p>スマホ、パソコン、テレビ等と接触しない時間を設けます。</p>

<p>②寝室にスマホを持ち込まない</p>

<p>スマホはリビングなどで充電します。</p>

<p>③寝る前の7分間に1日を振り返る</p>

<p>今日1日に対する感謝や達成したことをノートに書きます。</p>

<p>④就寝前のルーティンを繰り返す</p>

<p>シャワーを浴びてからストレッチを行うなど、毎日同じ動作を繰り返します。</p>

<p>参加者は、これら4つのルーティンのうち、自身が取り組みやすいものから開始し、12週間継続しました。検証期間中は、週次の自己申告アンケートを通じて、睡眠の質、翌朝の疲労感、午前中の集中力、および仕事への前向きさを測定しました。</p>

<p>12週間が経過した結果、参加者の睡眠の質と仕事のパフォーマンスには、明確な変化が現れました。睡眠の質が改善したと感じた参加者は全体の82％に達し、翌朝の慢性的な疲労感が軽減したと回答した人は74％にのぼりました。また、午前中の集中力が上がったと感じた人は68％で、仕事への前向きさが増したと回答した人は79％を記録しました。</p>

<p>参加者からは、試せばある程度効果が出ることはわかっていたが、ついスマホを見てしまうなど、これまで実践できなかったので、いい機会になったという声が寄せられました。夜にデジタル機器を使わなくなった分、家族との会話が増えたことを喜ぶ声や、翌朝のコンディションが整ったことで心に余裕が生まれ、職場で部下を褒めることができたという変化も報告されています。</p>

<p>日本人も海外の人も脳の基本的な構造は共通しているため、世界の一流が実践して効果を上げている習慣は、私たち日本人にも同様の効果をもたらすと考えられます。今回の実験を通じて、帰宅後の自由時間が少ない日本のビジネスパーソンであっても、提示した習慣をどれか1つ実践するだけで一定の効果を得られることがわかりました。</p>

<p>ぜひ今夜から、紹介した習慣を1つでも試してみてください。意外に早く、その効果を実感できるはずです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_sleepingwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 26 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[越川慎司（株式会社クロスリバー代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>介護施設長に「利用者からのセクハラ」を相談するも...放置された職員の決断  村井真子（社会保険労務士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12981</link>
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			<description><![CDATA[ハラスメント加害をしやすい人には共通する特徴があります。社会保険労務士・村井真子さんが、介護現場で実際に起きている利用者からのハラスメント事例をもとに解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="パワハラをする人" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_shadow.jpg" width="1200" /></p>

<p>ハラスメント加害をしやすい人には、いくつかのタイプがあると社会保険労務士の村井真子さんは指摘します。その一つとして挙げられるのが「自己中心的な考え方をする人」です。本稿では、介護現場で実際に起きた事例を書籍『職場問題ハラスメントのトリセツ』より解説します。</p>

<p>※本稿は、村井真子著『職場問題ハラスメントのトリセツ ~窮地の前に自分を守る、取るべきアクションと相談のポイント』（アルク）より内容を一部抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自己中心的な考え方をする人</h2>

<p>自己中心的な考え方をする人は、チームによる成果であっても自分の貢献度が高いと感じ、一方で成果が出ないと部下の貢献が低いと感じがちです。また、自己反省の態度が薄く、他責的な言動によって周囲のモチベーションを下げることもあります。自分に都合のいい人材をひいきしたり、都合の悪い情報を伝えてくる人材には冷たく応じることもあります。</p>

<p>このような考え方によって、一部の人材に業務負荷をかけたり、自分の都合が優先されるように業務フローを組み替えたりすることもあり、間接的にハラスメントを起こすリスクを抱えています。</p>

<p>[典型的な行動例]<br />
▼&nbsp;自分の怒りや困惑が生じる原因を第三者のせいにする。<br />
▼ 部下の手柄を横取りしたり、失敗を部下に押し付けたりする。<br />
▼ 自分は仕事ができる、会社に必要な人材だと根拠なく思いこんでいる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>部下が相談をしても受け流し、対応をしてくれない上司</h2>

<p>[相談]<br />
私は介護施設で働いています。最近入所したある利用者から、ほぼ毎日、セクハラを受けています。担当を変えてほしいと何度も伝えているのですが、施設長は「トモカちゃんが好きなんだよ。おじいさんなんだし、許してあげたら」と何もしてくれません。</p>

<p>さらに、「それって自分はこんなに好かれてすごいっていう自慢なの？」と変に受け取られ、「あなたの介護に技術があるわけじゃないからね。若いからだから。調子に乗らないでね」とことあるごとに言われて困惑しています。</p>

<p>同僚に相談しても「利用者さんから好かれていいじゃん。施設長のいうことは無視しておけばいいよ」と受け流されてしまい、自分が自意識過剰なのかとだんだん不安になってきました。私はここで働き続けても大丈夫でしょうか。 トモカ（30代・女性）</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>トモカさんは複数拠点を展開する法人経営の介護施設で働いています。特定の利用者（男性）から、日常的に腕や腰を触られたり、抱きしめられるといった身体接触を受けています。介助の場面で触れるのは当然だと理解していますが、そうではないときも触れたがる利用者に対し、トモカさんは嫌悪感を抱いています。</p>

<p>「やめてください」と直接、何度も伝えていますが、利用者も含め周囲からはほほえましいこととして捉えられてしまっています。施設の管理責任者である施設長に相談しても、対応してくれるそぶりがありません。</p>

<p>近年、介護施設におけるハラスメントは社会問題になっています。平成三一年の政府調査では、介護現場で利用者本人からハラスメントを受けたことがあるかの設問に、介護老人福祉施設職員の７割以上が「ある」と答えました（注1）。</p>

<p>ハラスメントを行う利用者には加害意識がないことも少なくありません。高齢者である利用者が行為者になっている場合は、認知症等の病気や疾患によって判断力が低下していることもあります。しかし、いかなる状況であってもハラスメントは許容されるべきものではなく、組織的に対応すべき問題です。</p>

<p>トモカさんは将来に不安を感じて受講したキャリアセミナーで前述の相談を寄せました。</p>

<p>トモカさんは施設長が相談にまともに取り合ってくれず、逆に施設長から責められる状況になっています。同僚もまた、利用者のセクハラや施設長の言動を無視することを助言しており、現在の職場がトモカさんにとって安心安全に働ける環境ではないことが案じられます。</p>

<p>施設長からトモカさんへの言動は適切なものではありません。「若いから」「技術があるわけではない」という言葉はトモカさんの仕事ぶりを否定し、人格をも傷つけるものです。こうした心理的負荷が生じ得る言葉が繰り返されることは、パワハラとして認められる可能性がかなり高いものと考えられます。</p>

<p>また、セクハラを受けていることを知っていながら放置している状態も大きな問題です。施設長は本来、介護施設を運営する法人の責任者と連携しながら、事実確認のための調査や是正措置、加害利用者への注意などの対応を講じるべきでした。</p>

<p>トモカさんからの相談後も特段の対応を取っていないのは、職場環境整備義務違反で債務不履行にあたると言えます。</p>

<p>トモカさんはこうした状況を理解すると、安心した顔で退職を決断しました。まずは、介護施設を統括する運営会社のハラスメント対応窓口に一報する方法もありますが、組織が変わるには時間もかかります。それを待つよりも自分の心身の健康を優先したいというトモカさんの思いは当然のことでした。</p>

<p>このように、法人や事業所として適切に相談を扱わないことは、労働者の流出につながります。トモカさんの相談について、歪んだ受けとめをする施設長の考え方は問題であり、より深刻なハラスメントの温床になりかねないリスクがあります。このような環境で勤務し続けるよりは、離脱を選ぶトモカさんの選択は合理的であるでしょう。</p>

<p>注1：&nbsp;「介護現場におけるハラスメントに関する調査研究報告書」厚生労働省（株式会社三菱総合研究所への委託事業）<br />
https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000947359.pdf</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_shadow.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 26 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[村井真子（社会保険労務士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「紙の教科書こそ最高」という思い込み　デジタル教育批判に欠けた視点  飯田一史（出版ジャーナリスト）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15320</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015320</guid>
			<description><![CDATA[「デジタル教科書は読解力を下げる」は本当か？ PISA2022で日本の読解力はOECD2位に浮上。紙の教科書への回帰を求める声が見落とす、デジタル教育の利点とアクセシビリティの重要性を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="教室" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixabay_classroomG.jpg" width="1200" /></p>

<p>2000年に始まったOECD（経済協力開発機構）の国際学力調査「PISA」。世界各国の15歳を対象に、数学や科学、読解などの能力を測る調査です。2003年の調査で日本の読解力の順位が下がると、「PISAショック」として大きな話題となり、学校教育では読書活動の推進や、文章を読み解いて自分の考えを表現する力の育成が重視されるようになりました。</p>

<p>その後、PISAではパソコンを使った調査が導入され、インターネット上の情報を読み解く力も問われるようになります。こうした変化も背景に、2019年には児童・生徒に1人1台の端末を整備する「GIGAスクール構想」が打ち出され、学校教育のデジタル化が進みました。</p>

<p>では、こうした教育政策の変化によって、日本の子どもの読解力はどうなったのでしょうか。また、近年議論を呼んでいるデジタル教科書への批判は、果たして妥当なのでしょうか。書籍『「若者の読解力低下」というウソ』より解説します。</p>

<p>※本稿は、飯田一史著『「若者の読解力低下」というウソ』（集英社インターナショナル）より内容を一部抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>読解力向上のためにノートPCやタブレットを学校に配布</h2>

<p>読書推進政策は、直接的に読解リテラシーに関係がありそうな感じがするはずだ。</p>

<p>記述・論述や探究学習というアウトプット重視の教育改革も「読んで理解したうえで文章を書けないと、読解リテラシーがあるとは言えない」と考えれば、わりとすんなり理解できるものだろう。</p>

<p>しかし、読解リテラシーとコンピュータにどんな関係があるのか。ピンとこないひとも少なくないかもしれない。</p>

<p>だがPISAでは、2009年調査から印刷したテキストだけでなく電子テキストも扱わせ、2015年以降はデジタルデバイスを用いた回答（コンピュータベースのテスト。CBT）に切り替わった。</p>

<p>PISAでは、テストを受けた子どもたちが、将来、生活および労働でいろいろなタイプの資料（申込書などの各種書類、広告など）を読んで理解し、自分の意見を書くことを想定している。そのときPCの操作ができなければ話にならない。だから学校でも当然それができるようにしてしかるべきだ、というわけだ。</p>

<p>文科省が発行する「初中教育ニュース（初等中等教育局メールマガジン）」第373号（2019年12月<br />
24日配信）に寄せられた「【矢野　文部科学省大臣官房審議官（初中教育担当）特別寄稿】PISA調査2018とGIGAスクール構想」を見てみよう。</p>

<p>矢野和彦審議官（当時）は、事実関係以外の主観的な表現は個人的な見解であり、文科省の方針とは必ずしもイコールではない、と断りながらも、この記事は、おおよそ以下のように理由をまとめている。</p>

<p>PISAでは、2015年調査で初めてPCを使ったテスト（CBT）が導入され、2018年調査で本格的なものになった。</p>

<p>2015年調査は単純にPCを使っただけであり、本や新聞など出所や校正・校閲がしっかりした書きもののなかから「情報を探し出す」「字句の意味を理解する」「統合し、推論を創出する」「内容と形式について熟考する」といった、従来型のPISA型読解リテラシーを問うものだった。</p>

<p>だが、日本の子どもはPCの操作に不慣れであったためにランキングが落ちた。</p>

<p>さらに2018年調査では、オンライン上のブログや投稿文、宣伝サイト、メール文などについて、「質と信ぴょう性を評価したり」「矛盾を見つけ対処したりする」ことも求めた。問題自体もその7割がPC使用型調査のために開発された新規のものとなった（図1-6、1-7）。</p>

<p><img alt="図1-6 PISA 2018年調査「読解力」問題例①" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261020Iidaichishi01.jpg" width="1200" /></p>

<p><img alt="図1-7 PISA 2018年調査「読解力」問題例②" height="1096" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261020Iidaichishi02.jpg" width="1200" /></p>

<p>2015年までとは大きく変化し、フェイクニュースがはびこる時代に対応する「情報活用能力」をも求めるようになった。</p>

<p>ところが、OECD諸国に比して、日本の子どもはゲームをはじめとする遊びにはデジタルデバイスを多く使っている。しかし「宿題をする」「学校の勉強のためにインターネット上のサイトを見る」「関連資料を見つけるために授業後にインターネットを閲覧する」といった学習に使用するひとの割合が非常に少なかった。</p>

<p>かように、日本では子どもに対するPC等の端末整備、活用状況、ネットワーク整備の充実度がOECD各国のなかで非常に低く、デジタルデバイスの活用法が家庭、学校であまり教えられていないがために十分な回答ができなかった。</p>

<p>結果、読解リテラシーのスコアが低く出たというのが調査の「きも」だ。</p>

<p>以上のように矢野は主張した。いまや新たな読解力（従来のPISA型読解リテラシーと情報活用能力のハイブリッド型）が学校教育で求められるようになり、それに応えるのがICTも活用した教育スタイルへの移行を意図するGIGAスクール構想なのだと結論づけている。</p>

<p>こうしたねらいのもと、児童・生徒に1人1台端末を配布するGIGAスクールが導入された。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>デジタル教科書批判が見落としているもの</h2>

<p><img alt="図1-8 PISA読解リテラシーの日本・OECD平均得点" height="912" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261020Iidaichishi03.jpg" width="1200" /></p>

<p>さて、政策変更を実施したあとのPISA2022の結果はどうなったか。</p>

<p>日本の読解リテラシーのランキングはOECD内2位に浮上する。スコアを見ても、OECD平均は下落傾向が続いているが、日本は2022年にV字回復した（図1-8）。</p>

<p>新型コロナウイルス感染症の流行によってGIGAスクール導入は前倒しされ、いまでは小学生でさえプレゼンテーション用のソフトウェアを使って発表する。調べ学習・探究学習のための事典サービスや電子図書館サービスを、1人1台端末で利用する子どもも増えている。学校司書はデジタル、アナログ両面から調べ学習のサポートもしている。</p>

<p>デジタルリテラシーは、読解リテラシーの前提である。</p>

<p>こうした流れもあって、1人1台端末の利用を促したGIGAスクールにつづいて、2024年度から小中学校の英語（小学5年生〜中学3年生）でデジタル教科書が先行的に導入され始め、次期学習指導要領の改訂が見込まれる2030年度から本格的に普及・定着させるロードマップが描かれている。</p>

<p>デジタル教科書とは、紙の教科書の内容をタブレットなどの端末で表示・操作できるデジタルデータの教材だ。</p>

<p>日本のメディアでは「ヨーロッパでは『子どもの集中力や深い読解力を失わせている』という懸念から、デジタル教科書をやめて紙の教科書に回帰している」と報じられ、デジタル教科書批判がマスコミ、教育界、世間のいずれからも噴出している。</p>

<p>しかしPISAを踏まえるならば「15歳時点でPCやタブレットは使いこなせて当たり前。それらを使って学び、さまざまなタスクがこなせて当然」だとOECDは判断していることになる。「デジタル教材を教育現場からなくせ」と言うのであれば、その結果PISAの読解リテラシーのランキングが下がっても文句を言うべきではないのだが、そういう覚悟をもって言っている人間はほとんどいない。</p>

<p>「コンピュータを使った学習では通知が多くて気が散る」「紙の教科書のほうがデジタルのテキストを読むより記憶に残りやすい」「スティーブ・ジョブズは自分の子どもにタブレットをさわらせなかった」「ヨーロッパではデジタル教育から教科書とノートへの回帰が起きている」などといった話を聞いて一知半解のまま「紙とエンピツでの学びこそが最高だ」とアナログ万能論を語るのは誤りである。</p>

<p>もちろん、紙とエンピツで学んだほうが有用な分野もある。通知や関係ないウェブサイトを覗くことで集中力が削がれるなら、通知やWi-Fiを切るなり、アプリの利用制限機能を使うなりすべきだ。</p>

<p>紙がいいのか、デジタルがいいのかを二者択一で考える必要はない。どんなツールにも一長一短がある。ひとによって合う／合わないもある。</p>

<p>私はデジタル教科書が万能だとは思っていない。ただ、日本のデジタル教科書批判論者は、デジタル教科書が持つアクセシビリティの高さを、紙の教科書だけでどうやって実現するのかについてほとんど何も答えられていない。</p>

<p>本のアクセシビリティとは、感覚や身体・学習面などにハンディキャップのあるひとも含め、誰もが読みたいコンテンツに無理なくアクセスし、利用・操作できるようにする考え方と実践のことだ。</p>

<p>デジタル教科書や電子図書館サービスは紙の本よりもアクセシビリティ対応が進んでいる。文字の拡大、音声読み上げ、書き込み・保存機能などがある。</p>

<p>また、電子書籍の音声読み上げ機能（TTS）を用いて文字を目で追いながら同時に耳で音声を聴くことは「マルチ感覚学習」と呼ばれている。これは障害の有無にかかわらず、視覚・聴覚・触覚などを統合することで、内容を理解し、記憶に定着させる効果がある。</p>

<p>日本で「教育現場でのデジタルデバイスの使用制限を打ち出した」と報じられているスウェーデンだが、一方では、生まれつき字を読むのが苦手な特性を持つ発達性ディスレクシアをはじめ、読字に困難がある児童・生徒は、デジタル教科書やCBT（コンピュータベースのテスト）のソフトウェアに標準装備されている読み上げなどの電子的な支援ツールを使用して学習し、また、試験を受けてもいる。</p>

<p>音声読み上げ機能を使わないと、漢字の読み書きに困難があって紙の教材だけでは頭に入ってこないひともいる。さまざまな特性に対応でき、「字を読む」以外にも「聴く」「見る」「さわる」といった複数の方法で学べるアクセシビリティの高い教材の典型がデジタル教科書であり、電子図書館で提供される電子書籍である。</p>

<p>北欧の動向を「紙か、デジタルか」の二者択一で「紙に回帰した」と理解するのは誤りだ。実際にはどちらも推し進め、学習の目的や児童・生徒の特性に合わせて使い分けられる環境づくりにとりくんでいる。にもかかわらず、日本の報道やソーシャルメディア上の議論では、アクセシビリティという観点が抜けた状態で紙の礼賛が横行している。</p>

<p>ひとと場合に応じて、どういうものがふさわしいのかは、うまく組み合わせながら使い分ければいい。いまの日本の法律の建て付けでは、自治体レベルで紙・デジタル・併用のいずれかの教科書を選ぶことになっているが、それだけでは不十分だ。個々人のレベルで選択できるようにしなければならない。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixabay_classroomG.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 26 Oct 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[飯田一史（出版ジャーナリスト）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>【展覧会レポ】「雨穴の変な世界展。」で迷い込んだ奇妙な世界　変なおせち、謎の肉...  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15378</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015378</guid>
			<description><![CDATA[2026年10月23日開幕の「雨穴の変な世界展。」に潜入！ 『変な家』の大型模型や『変な地図』の世界、奇妙なおせち、謎の森まで。雨穴の世界に迷い込む体験型展覧会の見どころをレポート。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="雨穴さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu17.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年10月23日（金）から、東京・天王洲アイルの寺田倉庫 G1ビルで、ホラーミステリー作家・雨穴さん初の大規模展覧会『雨穴の変な世界展。』が開催されています。</p>

<p>本展では、『変な家』『変な絵』『変な地図』などの人気小説をはじめ、Webメディア「オモコロ」で発表した工作や、雨穴さんが手がけた楽曲など、さまざまな作品の世界を体験できます。</p>

<p>今回は、開幕に先駆けて行われたメディア向け内覧会に潜入。その奇妙な世界を歩いてきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>薄暗い商店街の先に、雨穴さんの家が...</h2>

<p><img alt="『雨穴の変な世界展。』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>会場は寺田倉庫 G1ビルの5階。エレベーターを降り、薄暗い商店街を進んでいくと、一軒の家が見えてきました。</p>

<p>なんと、雨穴さんの家です。</p>

<p>玄関をくぐると、そこにはさらに薄暗い空間が広がっていました。</p>

<p><img alt="『雨穴の変な世界展。』「雨穴と栗原の部屋」" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu02.jpg" width="1200" /></p>

<p>最初に現れたのは、どこかで見たことのある部屋。</p>

<p>雨穴さんと知人の設計士・栗原さんが推理を繰り広げる部屋です。作品の中で見ていた光景が、そのまま目の前に広がっています。</p>

<p>さらに『変な家』に登場する「狛江市の一戸建て」。あの不可解な間取りの家が、なんと大型模型として再現されていました。</p>

<p><img alt="『雨穴の変な世界展。』狛江市の一戸建て" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu03.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>11軒の変な家をのぞき見　どの家も何かがおかしい</h2>

<p><img alt="『雨穴の変な世界展。』11軒の家のミニチュア" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu04.jpg" width="1200" /></p>

<p>その先に進むと、今度は『変な家2』の世界が待っていました。</p>

<p>行き先のない廊下、逃げられないアパート、謎の宗教施設...。作中に登場する11軒の家が、精巧なミニチュアとしてずらりと並んでいます。</p>

<p>小説では間取り図を見ながら想像するしかなかった空間も、模型ならさまざまな角度から確認できます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>母娘山トンネルをくぐると、そこは『変な地図』の世界</h2>

<p><img alt="母娘山トンネル" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu06.jpg" width="1200" /></p>

<p>変な家を後にして、さらに奥へ進みます。</p>

<p>すると、目の前に現れたのは「母娘山トンネル」。</p>

<p><img alt="河蒼湖集落歴史記念館" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu07.jpg" width="1200" /></p>

<p>トンネルをくぐり抜けると、小説『変な地図』の舞台・河蒼湖（かそうこ）集落の歴史記念館にたどり着きました。ここには、栗原さんのデスクや、母娘山周辺を立体化した大きなジオラマが鎮座しています。</p>

<p>河蒼湖集落歴史記念館を後にして、次は小説『変な絵』の世界へ。会場には、物語の鍵を握る絵の数々や、作中の空間を再現した展示が並んでいます。</p>

<p><img alt="『変な絵』" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu09.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>突然、ギラギラのステージが！ 雨穴さんとバンド結成!?</h2>

<p><img alt="雨穴なりきりバンドフォトスポット" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu10.jpg" width="1200" /></p>

<p>謎めいた小説の世界を抜けて奥に進むと、何やら不思議な音楽が聞こえてきました。</p>

<p>音のする方へ進んでみると...なんと、そこにはギラギラと輝く音楽ステージが！</p>

<p>こちらは「雨穴なりきりバンドフォトスポット」。</p>

<p>ステージでは2体の雨穴さんが待ち構えており、その間に立てば、雨穴さんたちとバンドを結成したかのような写真が撮れます。</p>

<p>ホラーミステリーだけでなく、独特な楽曲も手がける雨穴さん。そんな一面も楽しめるエリアとなっています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ハッピーおせち本舗」に到着</h2>

<p><img alt="ハッピーおせち本舗" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu11.jpg" width="1200" /></p>

<p>音楽ステージを後にして、さらに奥へ。</p>

<p>今度は「ハッピーおせち本舗」にたどり着きました。</p>

<p>店内に並んでいたのは、お正月に食べるあの「おせち」。ただし、どれも普通のおせちではありません。</p>

<p>ペースト状のおせちに、きらきらと輝くクリスタルおせち...。</p>

<p><img alt="ハッピーおせち本舗" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu13.jpg" width="1200" /></p>

<p>雨穴さんがYouTubeで公開してきた「変なおせち」を実際に目の当たりにすることができます。</p>

<p>しかも、ここには展覧会の来場者限定で楽しめるゲーム『おせちプリンセス』まで！</p>

<p>なんと、おせちの具材たちとの恋愛を楽しめるシミュレーションゲームです。</p>

<p><img alt="おせちプリンセス" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu12.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>雨穴さんの寝室を発見！ベランダには大きな肉が...</h2>

<p><img alt="雨穴さんの寝室" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu14.jpg" width="1200" /></p>

<p>さらに進むと、今度は雨穴さんの寝室が現れました。</p>

<p>ベランダを見てみると...</p>

<p><img alt="雨穴さんの寝室" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu15.jpg" width="1200" /></p>

<p>大きな肉が干されていました...。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>この森の先には一体何が？</h2>

<p><img alt="雨穴の変な世界展。" height="800" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu16.jpg" width="1200" /></p>

<p>雨穴さんの寝室から、さらに奥へ進んでいくと、今度は森の入口が現れます。</p>

<p>ここまで、小説の世界や、音楽ステージ、変なおせちと、さまざまな世界を巡ってきましたが、どうやらまだ終わりではないようです。</p>

<p>森の向こうには、さらに不気味で、奇妙な世界が広がっていました。</p>

<p>ここから先は、ぜひ会場で確かめてみてください...。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>『雨穴の変な世界展。』開催概要<br />
会期：2026年10月23日（金）～2027年1月17日（日）<br />
会場： 寺田倉庫 G1ビル（東京都品川区東品川2-6-4）<br />
開催時間：10:00～19:30（予定、最終入場19:00）<br />
料金：大人2,700円～（券種・来場日によって異なります）<br />
公式サイト：https://uketsu.jp/museum/</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu17.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 23 Oct 2026 15:26:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>雨穴さん、ロックなポーズを次々披露！「舞台を壊さない限りは大丈夫」と撮影指南  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15380</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015380</guid>
			<description><![CDATA[雨穴さんが「雨穴の変な世界展。」の記者会見で、来場者におすすめの撮影ポーズを自ら披露！感情を込めた歌唱ポーズやロックな動きを実演しました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="雨穴さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu21.jpg" width="1200" /></p>

<p>ホラーミステリー作家・雨穴さんが10月22日（木）、東京・天王洲アイルの寺田倉庫 G1ビルで行われた『雨穴の変な世界展。』の記者会見に登壇しました。</p>

<p>23日（金）から開幕する自身初の大規模展覧会について、昔から抱いていた「遊園地を作りたい」という夢を明かしたほか、会見では来場者におすすめの写真撮影ポーズも披露しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>『雨穴の変な世界展。』の展覧会レポートはこちら</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>雨穴、昔からの夢は「遊園地を作りたい」</h2>

<p><img alt="『雨穴の変な世界展。』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu02.jpg" width="1200" /></p>

<p>白い仮面と全身黒ずくめの姿で登場した雨穴さんは、会見の冒頭で「私、今すごく緊張しております。そして同時にすごくワクワクしております」と、率直な心境を明かしました。</p>

<p>続けて「私、普段はYouTubeとか本を書いたりしているんですが、実は昔から遊園地を作りたいなと思っていました」と告白。</p>

<p>今回の展覧会について、制作に携わった株式会社バーグハンバーグバーグや株式会社闇のスタッフらと一緒に作り上げた「テーマパークのような展覧会」と紹介しました。</p>

<p>今回の展覧会について、雨穴さんがまず強調したのは、その広さです。</p>

<p>「まず最初にお伝えしたいのが、この展覧会、とっても広いということです」と話し、「この広い空間の中に、雨穴が普段住んでいる世界をそのまま再現いたしました」と説明しました。</p>

<p>会場には、雨穴さんの小説や動画などに登場する世界を再現したさまざまな空間が広がっています。</p>

<p><img alt="左から、株式会社バーグハンバーグバーグ・長島健祐さん、雨穴さん、株式会社闇・頓花聖太郎さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu24.jpg" width="1200" />左から、株式会社バーグハンバーグバーグ・長島健祐さん、雨穴さん、株式会社闇・頓花聖太郎さん</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ロックなポーズを披露！「壊さない限りは大丈夫」</h2>

<p><img alt="感情を込めて歌っていることを表現したポーズをとる雨穴さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu22.jpg" width="1200" /><br />
感情を込めて歌っていることを表現したポーズ</p>

<p>会見では、展示エリアに設けられたフォトスポットで、おすすめの撮影ポーズを実演する場面もありました。</p>

<p>雨穴さんが立ったのは、「雨穴なりきりバンドフォトスポット」。来場者が雨穴さんのバンドの一員になったような記念撮影を楽しめるステージです。</p>

<p>まず披露したポーズについて、雨穴さんは「感情を込めて歌っているということを、筋肉の張りで表現するというポーズです」と、独特な解説をつきで披露。</p>

<p><img alt="オーソドックスなポーズをとる雨穴さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu25.jpg" width="1200" />オーソドックスなポーズ</p>

<p>さらに、ローリング・ストーンズのような動きも行い、「（舞台を）壊さない限りは大丈夫だと思います」と語りました。</p>

<p><img alt="ロックなポーズをとる雨穴さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu26.jpg" width="1200" />ロックなポーズ</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>公式グッズとの撮影もおすすめ</h2>

<p><img alt="展覧会限定グッズを身につける雨穴さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu23.jpg" width="1200" /><br />
展覧会限定グッズを身につける雨穴さん</p>

<p>会見では、展覧会限定グッズの楽しみ方についても話題が及びました。</p>

<p>関節を動かしてさまざまなポーズを取らせることができる雨穴さんのぬいぐるみについて、雨穴さんは「肩に乗せたりもできます」と紹介。</p>

<p>また、入場前に購入できるカチューシャにも触れ、身に着けて展覧会を巡ってほしいと呼びかけました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>『雨穴の変な世界展。』開催概要<br />
会期：2026年10月23日（金）～2027年1月17日（日）<br />
会場： 寺田倉庫 G1ビル（東京都品川区東品川2-6-4）<br />
開催時間：10:00～19:30（予定、最終入場19:00）<br />
料金：大人2,700円～（券種・来場日によって異なります）<br />
公式サイト：https://uketsu.jp/museum/</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261023Uketsu21.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 23 Oct 2026 15:25:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>西加奈子さんが『きずもの』執筆を通して気づいた「時間をかけて本を読む」意味  西加奈子（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15345</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015345</guid>
			<description><![CDATA[小説家・西加奈子さんが新作『きずもの』を執筆して感じた、この時代に小説を書くことの意味とは？ お話を聞きました。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="西加奈子さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261019Nishikanako03.jpg" width="1200" /></p>

<p>小説家・松川貢（まつかわみつぐ）は、郷里の幼馴染み・田持猛（たもちたける）とゆるやかにSNSで繫がり続けている。運動が得意で人気者だった猛は、貢にとって仰ぎ見る存在。</p>

<p>一方、貢と某写真家のパーティーで出会った遙（はるか）は、ある出来事を機に日本を離れ、カナダ・バンクーバーで生活する親友・万千花（まちか）とルームシェアをしていた。</p>

<p>70年代生まれの貢・猛と、90年代生まれの遙と万千花、異なる時代を生きてきた二組の幼馴染みそれぞれの上に降り積もってきたものとは――。</p>

<p>5年ぶりの長編小説『きずもの』は西さん初の新聞連載小説。依存症について専門家への取材を重ねたことをはじめ、時間をかけ、登場人物たちと向き合い、書きあげた本作について伺った。</p>

<p>（取材・文＝河村道子／撮影＝若木信吾）　</p>

<p>※本稿は、『文蔵』2026年12月号より、内容を抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>世の中の急激な変化に関する違和感</h2>

<p><img alt="『きずもの』" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261019Nishikanako01.jpg" width="1200" /></p>

<p>――本作は新聞連載でしたが、執筆にあたって意識されたことはありますか。</p>

<p>【西】新聞連載が1年以上になることは決まっていたので、それだけ長いものを書くのであれば人の人生を書きたいなと。私は小説を書き始めるとき、「これが書きたい」ではなく、「これが気になっていたんだ」ということが、テーマになることが多いんです。</p>

<p>今作では、ここ10年ほど違和感を抱いていた違法薬物を使用した人への世間からのバッシングでした。著名人だと、逮捕される瞬間が映像で流されるなど、その見せしめ感がずっと気になっており、このバッシングの苛烈さは何だろうと考えたとき、誰かが誰かを罰したい気持ちから来るのではないか、罰することでの快楽を求めてしまってるんじゃないかと思ったんです。</p>

<p>さらにこの十何年、世の中のいろんなことが急速に変わってきた。変わっていくことはもちろん素晴らしいけれど、過去の自分を「こんなの違う」と無きことにするのはどうなんだろうとも思っていて。そうした様々な思いが、一行書いた途端、溢れるように出てきました。</p>

<p>――&quot;松川貢が木下遙に出会ったのは、彼の幼馴染みが、自宅に火をつけようとした夜だった&quot;という一行から、物語は始まります。</p>

<p>【西】この一文が出てきたとき、主人公には幼馴染みがいる、その人は――と物語が広がっていきました。プロットを立てて書いていったというより、貢に寄り添った結果、猛の存在が色濃く出てきて、遙からは万千花という人物が出てきました。</p>

<p>――主要人物はこの4人ですが、貢の妻やその友人、猛の妻や娘たち、遙と万千花が出会うバンクーバーの人々にもスポットが当たる大群像劇です。</p>

<p>【西】『サラバ！』も自分をどこに連れて行ってくれるかわからない小説でしたが、本作はさらに、でした。例えば貢の妻・頼子（よりこ）のことは最後までわからなかったし、頼子の友人も貢と頼子が出会うきっかけを作った人として登場していただけだったんです。でもいつの間にか大切な登場人物になっていって。</p>

<p>執筆中、感じていたのは、すべてのことが凄まじいスピードで進んでいくこの世界で、小説を書くことは、むちゃくちゃ時間がかかるということ。けれど時間と手間をかけるプロセスは、実生活で初めて会った人を知っていく過程とすごく似てるなぁと。</p>

<p>登場人物たちとは毎日一緒にいたので、結果、どうなったかというと、最初は「なんやねん、こいつ」と思っていた貢のことが、嫌えなくなってしまったんです。</p>

<p>一面だけ見れば、簡単に嫌いになることはできるけど、知れば知るほど、人間が多面的であることに気づかされていって。人を知るには時間をかける必要があるということを教えてもらった、自分にとってすごく大切な小説になりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人間関係を築くには時間がかかる</h2>

<p>――貢は、「最近の子」に、&quot;こっち来んなジジイ！&quot;と言われることに過剰に反応してしまうような、時代の風潮に乗れていない人です。</p>

<p>【西】そうですね、反応しすぎて自分を見失うくらいに。「自戒を込めて」ですけど、なぜ失敗するかというと、自分の行動原理を時代に合わせよう、あるいは非難されないようにしようと自分のことばかり意識するからだと思うんです。</p>

<p>対人関係って実はシンプルで、相手のことを尊重し、誠実に人間関係を築くことをスタート地点にすれば、おそらくそんな失敗はしないと思う。今はあまりに皆、時間に追い立てられていて、その時間がない。貢と私が時間をかけて、わかり合えたように、人間関係はゆっくり築いていくもののはず。長い時間が必要なんじゃないのかなと思います。</p>

<p>――貢は憎めない人ですね。</p>

<p>【西】許せない部分も確かにありますが、結局はそう思うようになりました。貢や私、その少し上の世代の実感として、10代の頃、「不良だけど実はいいヤツ」という子がイケてるという認識が大きかった。学校でも運動ができ、ヤンキーの子の方が人気者だった。</p>

<p>一方、一生懸命、勉強をしている子たちの評価は低かった。その辛さを貢に託したんです。たくさん勉強して努力を重ねているのに、周りから「ガリ勉」みたいな扱いをされたらやってられないよね、あなたくらい繊細で世の中への解像度が高かったら、そんな育ち方をしちゃうよね、と。</p>

<p>――&quot;女性であるというだけで、とりあえずその人との情事を思い浮かべてしまう&quot;貢は、ある時期から性欲に翻弄されるようになり、そこで遙とも出会い、ある事件に巻き込まれていきます。</p>

<p>【西】日本で、自分の世代に限ってですが、女性は、性欲自体が穢（けが）らわしいものである、という空気のなかにいた。一方で男性は、性的に奔放なことを誇りにしている人もいて、そんな不均衡さにもずっと違和感を抱いていたんです。それがこの小説を書くなかで結実してきたというか......。</p>

<p>世界がどんどん変化し、表向きはコンプライアンスが重視され、生きやすくなったように思うけど、蓋を開けてみたら、ここ、まだ止まっている、とも思うものもある。そうした変わっていくものと変わらないものを書きたかったのだと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分が使う言葉を再認識する</h2>

<p>――第二部の遙と万千花の話は、まさに変わっていくものと変わらないものの物語です。</p>

<p>【西】2人は幼少期から20代までの時期を共有し、生きてきたソウルメイト。万千花も遙も時代の最先端を突っ走ってきた子たちです。特に万千花はイケてる子で、万千花がイケてる方向に舵を切った結果、バンクーバーという街で、周りの反応や環境に敏感になった。それに対し、遙は「万千花、かっこいい」と思う反面、自分からどんどん離れていく気がして寂しい。</p>

<p>書いていて、どちらの感情もわかる。2人の間には苛烈な愛があり、その感情は2人にしかわからない。昔のようにまったく同じではいられないけれど、この2人が手を取り合い、彼女たちの速度と言葉で、世界を良いものに変えていけたら――という希望を遙と万千花に託していました。</p>

<p>――西さんが3年暮らしたバンクーバーで感じていたことが、2人には流れ込んでいる気がしました。英語圏で暮らす彼女たちが、英語で話しなよとか、日本語で話しなよ、と言い合う場面が印象的です。2人の会話自体は、日本語で書いてあるのに、これは英語で話している、と思うところもありました。</p>

<p>【西】それ、指摘していただいてうれしい。言語から来る距離感ってありますよね。例えば私が子どもを叱るとき、「あかんねん。それ」ではなく、標準語で「ダメだよ。それ」と言った場合、同じことを言っているのに自分と距離ができるんです。</p>

<p>バンクーバーで暮らしていたときも努力して英語で話していたのですが、やっぱり何か、紙が1枚、挟まっているようなもどかしさがあった。それが昨今の、急激に日本に入ってきた言葉、たとえば「シスターフッド」や「搾取」「特権」などにも感じてしまうところがあるんです。</p>

<p>大切な言葉だと思うのですが、どこかまだ英語みたいなイメージがあるんですよね。だからそういう言葉を万千花が言った時、日本語なのに日本語に聞こえないと遙も感じてしまったのだと思います。</p>

<p>「シスターフッド」も「連帯」も、その言葉に馴染んでる人はいいけれど、そうでなければ、自分たちの言葉を使ってもいいんじゃないか、というのも、この小説で書きたかったこと。書きたかったというか、遙が叫ぶようにして著者である私に要請してきました。</p>

<p>――それまでのストーリーが一気に収斂される第三部を読んだとき、以前、西さんが語っていた「自分はたった一人の自分でしかないということを実感する瞬間というのを、手をかえ品をかえ書いてきた」という言葉が響いてきました。</p>

<p>【西】自分の人生しか歩めないですもんね。第三部は、何とか光を見いだせたらという思いで書いていました。冒頭と最後では、最後の方が悲惨になっている登場人物が多いのですが、それでもそれぞれの世界に対する見方が変わり、光を持って終わっているのではないかなと。</p>

<p>――読者の方にこの物語を手渡すとき、どんな言葉を添えたいですか？</p>

<p>【西】ワンクリックで何にでも出会えるこの時代、本を読むのは時間がかかる。でも本を読む速度って実は昔から変わってないんですよね。あなたの時間をとってしまうけれど、私も書くことに時間をかけた。それは人を知っていくプロセスとすごく似ていたので、読んでくださる方も、時間をかけて読んでくださったら、登場人物一人一人と何か対話ができるのではないか、ちょっとずつでいいので彼ら、彼女らを知っていただけたらと思います。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 23 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[西加奈子（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>102歳で逝去・千玄室氏の素顔　山折哲雄が見た、戦友の無念を背負う「覚悟の目」  山折哲雄（宗教学者、評論家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15286</link>
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			<description><![CDATA[宗教学者で評論家の山折哲雄氏が、茶道と死の深い結びつきをたどりながら、千玄室という人物の知られざる姿と、その生涯を貫いた「覚悟」の意味を解説する]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="102歳で亡くなった千玄室氏の「知られざる素顔」" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_ocha.jpg" width="1200" /></p>

<p>2025年8月、102歳でこの世を去った茶道裏千家の千玄室氏。<br />
元特攻隊員であり、文化勲章受章者でもあったその生涯は、華々しい功績だけでは語り尽くせません。<br />
千利休をはじめ、茶の湯の歴史には権力との緊張関係や数々の死が刻まれてきました。その伝統を受け継ぎ、戦友たちの無念を胸に世界各地で平和を訴え続けた千氏。</p>

<p>宗教学者で評論家の山折哲雄氏が、茶道と死の深い結びつきをたどりながら、千玄室という人物の知られざる姿と、その生涯を貫いた「覚悟」の意味を読み解きます。</p>

<p>※本稿は、山折哲雄著『死の覚悟日本人らしさとは何か』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>千玄室の肖像</h2>

<p>2025年8月14日、この列島では102歳になる千玄室さんがこの世を去った。安土・桃山時代の不世出の茶人・千利休の子孫だった。<br />
この人物を、全国の大型メディアはこぞって、<br />
元特攻の生き残り<br />
文化勲章受章者<br />
として報じ、不世出の茶人として悼（いた）んだ。</p>

<p>予想される讃辞ではあった。けれどもこのような言葉は彼の本質を伝えるものではなかった。むしろ見誤らせるものだったといっていい。</p>

<p>ところがまことに信じられないことだが、氏の死去の翌日に、極東のアラスカの地に、米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領がやってきて、会談することになっていたのだ。<br />
イスラエル・パレスチナ戦争とロシア・ウクライナ戦争が過酷無残な殺し合いをやっている真っ最中である。その二人が仁王立ちになり相手の胸ぐらをとり、戦争の停止・捕虜の交換をめぐって談合するのだという。</p>

<p>私はこの日の夜、闇のなかで妄想にふけっていた。この二人の大統領のあいだに割って入り、その談合を平地に安着させることのできる人物がこの国にはいたはずだった、と。<br />
だが、その二人の前で茶を点てる玄室さんの肖像はたちまち消えてしまったのである。</p>

<p>千玄室さんは、先にもふれたが、安土・桃山時代の茶人・千利休の、血と死のあとを継ぐ現代の茶人である。「血と死のあとを継ぐ」とはいささか異様なもののいいようにみえるだろう。<br />
けれども利休を語るにも、玄室を語るにしても、そのことを抜きに茶道の文化と歴史の核を語ることはできない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>死の影がさす「茶の湯」の歴史</h2>

<p>千利休は堺の魚問屋の生まれ。十代で武野紹鷗（じょうおう）に茶の湯を学ぶ。やがて織田信長にその才能を認められ、茶頭となる。<br />
信長が発見した茶礼はかなり異質なものだった。なぜなら彼が愛したものは茶道具だったからだ。</p>

<p>配下の武将たちの歓心を買うため金持ちの商人と談合し、茶道具に一方的な付加価値をつけて、贈与、売買、政治的利用にあてた。<br />
豊臣秀吉という人間の珍品を活用したのもそのせいかもしれない。今日の文化財行政、文化財珍重の伝統もおそらく関係があるだろう。茶道具は貨幣の役割を果たしていたのだ。</p>

<p>見方にもよるが、「茶の湯」の歴史には、なぜか死の影がさしている。しかもそれが尋常な死の影ではない。</p>

<p>まず信長。本能寺で明智光秀によって暗殺されている。「人間五十年、下天のうちをくらぶれば夢幻のごとくなり」と謡って果てた。<br />
次は、いうまでもなく千利休。秀吉によって死を贈られ、切腹して果てた。みずから死ぬことで彼は永遠を獲得したが、「茶の湯」は彼の生命を救えなかった。</p>

<p>山上宗二が次にくる。堺の出で、利休の高弟。信長に仕えたが、のち秀吉に仕えた。天正14（1586）年、秀長の茶会で茶頭をつとめたが、それを最後に高野山にのぼった。のち秀吉の小田原攻めに顔を出すが、秀吉の勘気にふれて斬刑に処された。</p>

<p>同じように古田織部。安土・桃山時代から江戸初期にかけて活躍した武将。信長と秀吉に仕えて参戦したつわもの。のち大坂冬の陣、夏の陣で出処進退を疑われ、自邸での切腹に追いこまれた。</p>

<p>最後に、時代は下るが幕末維新期の大老・井伊直弼である。<br />
安政7（1860）年3月、雪の降る朝、江戸城桜田門外で水戸浪士たちによって暗殺された。今日あまり知られていないが、直弼は水準をはるかにこえる『茶湯一会集』という著作を残していた。茶の湯の極意は、「独座独服」にあるという境地を説いていた。</p>

<p>茶会が果て、招かれた客がすべて去って一人、座にもどる。立ち去った客人たちを思い一人、茶を喫する、という作法のことだ。<br />
このような「独座観念」はそれ以前の伝統の中から刻み出されたものだったが、その伝統をさらに凝縮したようなところが、井伊直弼の文章にはにじみ出ている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>戦友たちの無念を抱えて</h2>

<p>私は若いころは仕事がら外国には出張でよく出たが、その旅の中で、先にふれた千玄室さんの足跡にふれることが多かった。<br />
まず行く先々の国で、裏千家の茶室や庭がつくられ、現地のさまざまな階層の人たちのために文化教室が開かれていた。</p>

<p>2つ目は、世界の各国のリーダーたちがしばしば千さんのもとを訪れ、お茶をのみ、話に耳を傾けていた。並の外交官ではマネのできないことだった。コトバだけではなく、カラダで実践していたのだ。<br />
そんなときの唯一のメッセージが、「一盌（いちわん／一杯のお茶）からピースフルネスを」だった。</p>

<p>私は学生時代から「安保」「ベ平連」の運動にまきこまれたが、東西冷戦時代を経て「ノンポリ」に変身した。<br />
しかし千さんはソ連共産党の動向に目を光らせ、重層的な世界観をもちつづけていた。国連では、共産圏の指導者たちも参加し、氏の点茶の作法を楽しんでいたという。</p>

<p>千利休の生きた時代は乱世だった。同時代者としては能の世阿弥、絵画の雪舟など創造的な人物が輩出された。その3人はみな禅の影響を強く受けていた。<br />
千さんの活動の中にもそれがあった。茶道の根底には禅の修行が横たわり、その美意識が根づいていると考えていた。</p>

<p>思い出すのは十年ほど前のことだ。地元新聞の正月企画で、建仁寺管長の小堀泰巖さん、千さん、私で、鼎談をしたことがあった。<br />
私が先着し、小堀さんとあとに到着した千さんを迎え待つという形になった。<br />
千さんは、庭の細い道を歩き、ゆっくり玄関の土間に入った。そのとたん、いっきに腰を落として土下座の姿になったのだ。頭を土につけ、平蜘蛛（ひらぐも）作法といってもいいような姿勢になっていた。それが茶の湯の作法、日本文化の作法、人間の作法だといわんばかりに。</p>

<p>そんな千さんは「茶聖」の一人だったのかといえば、おそらくそうではないだろう。聖人か俗物俗人かと問われれば、俗物俗人の側に入るだろう。<br />
信長や秀吉と激しくわたり合った先師・千利休の人生をみればおのずからわかるはずだ。茶道具の貨幣価値、つまり文化財価値にめざめ、最大限利用しつづけたつわものたちと、利休は生涯つき合いつづけたからだ。</p>

<p>文化財信仰が、今日この国の茶の湯の世界にもまんえんし、増殖しつづけている。そのことを「現代」で身をもって知りつくしているのもまた千玄室自身だった。<br />
文化財信仰の毒をどうしたら抜くことができるのか。千玄室の目の輝きが晩年にいたるまで猛獣の光に包まれていたのも、そのためだろう。そしてそれは、若くして死んでいった戦友たちの無念の思いをあらわしていた。無念の思いを全部わしづかみにして生きてきた人間のあかしを示すもの、「覚悟」の目だったのではないだろうか。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 23 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山折哲雄（宗教学者、評論家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>悩みを長引かせるほど心身へのダメージが大きくなる　「1日5分」でできる心のケア8選  藤田康男（Smart相談室CEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15253</link>
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			<description><![CDATA[暮らしやすい世の中になる一方で、悩みも多くなっている現代において、どうすれば気分よく過ごすことができるのか――Smart相談室CEOの藤田康男さんが簡単に実践できる心の整え方を紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="藤田康男著『悩みの統計学』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_note.jpg" width="1200" />SNSやAIの発展など、ますます便利な世の中になっていますが、それに伴って「以前より悩みが増えた...」という人も多いのではないでしょうか。加えて、その悩みを解決できずにモヤモヤを抱えたまま暮らしている人もいるかもしれません。</p>

<p>悩みを放置してストレスを感じ続けると、健康へ悪影響を及ぼすことも。そこで本稿では、Smart相談室CEOの藤田康男さんが勧める「すぐにでも実践可能な心のメンテナンス方法8選」を紹介します。</p>

<p>※本稿は、藤田康男著『悩みの統計学』(扶桑社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>今日から実践できる「モヤモヤを洗い流す8の方法」</h2>

<p>研究者たちは、悩みの対処に大切なのは解決ではなく「心の中に溜め込まないこと」だと提言しています。</p>

<p>神経科学者のブルース・マキューエンとピーター・スターリングは「アロスタティック負荷」という概念を提唱しました。「人はストレスを感じること自体よりも、その状態が長く続くことで、脳や身体への負担が蓄積し、健康への悪影響が大きくなる」というものです。</p>

<p>また、心理学者のスーザン・ノーレン＝ホークセマは、「反すう」という概念を示しました。「悩みについて繰り返し考え続けること」により、ストレスが長引き、抑うつになりやすく、不安な状態が悪化する、というものです。</p>

<p>ここでは、1日5分でできる、「モヤモヤを洗い流す8の方法」を紹介します。今日からすぐに実践できる小さな行動ばかりです。自分に合うものを1つでも見つけ、毎日の習慣にするだけで、悩みは少しずつ軽くなっていくはずです。心のメンテナンスも、歯磨きや入浴と同じように、毎日の習慣にしてしまいましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人に話す、大きな紙に書く</h2>

<p>①とにかく誰かに悩みを話す</p>

<p>心理学では、感情を言葉にすることを「情動の言語化」と呼びます。心理学者のマシュー・D・リーバーマンらの研究では、感情を「怒っている」「不安だ」と言葉にするだけで、脳の扁桃体の活動が落ち着き、感情をコントロールする前頭前野の働きが高まることが示されています。感情に名前を付けて言葉にするだけで、脳の扁桃体の活動が落ち着き、不安やストレスが和らぐのです。</p>

<p>また、心理学者のシェルドン・コーエンとトーマス・ウィルズは、「人とのつながり（ソーシャルサポート）があることで、ストレスが心身の健康に及ぼす悪影響を弱める（緩衝する）」というストレス緩衝モデルを提唱しました。話す相手は、家族でも、友人でも、同僚でも、カウンセラーでも構いません。「話せる人が1人いる」という安心感そのものが、心を支えてくれるのです。</p>

<p>もし今、話せる相手が思い浮かばないなら、「誰になら話せそうか」を考えることから始めてみましょう。AIを活用することも1つの手段かもしれません。</p>

<p>②大きな紙に書き出してみる</p>

<p>心理学者のジェームズ・ペネベーカーは、悩みや感情を紙に書き出すことで思考が整理され、ストレスが軽減されることを明らかにしました。頭の中だけでは大きく感じる悩みも、紙の上に書き出すことで、「考え」から「見える課題」へと変わり、冷静に向き合いやすくなるのです。</p>

<p>おすすめは、できるだけ大きな紙を使うことです。A4よりもA3、ノートよりも模造紙くらいの感覚で自由に書いてみましょう。悩みだけでなく、関係する人、出来事、気持ち、心配事を矢印でつなげながら書くと、頭の中が整理されていきます。書き出すことで、「本当の問題は何なのか」「思っていたほど複雑ではなかった」と気づくことも少なくありません。</p>

<p>心理学では、書くことによって感情を整理する方法をエクスプレッシブ・ライティングと呼びます。書くことは、考えることとは違います。見える形にすることで、悩みは「頭の中の敵」から「目の前の課題」へと変わっていくのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>脳に余白を与える</h2>

<p>③3分間、ボーっとする</p>

<p>悩んでいるときほど、人は考え続けます。あえて3分間だけ何もしない時間を作ってみましょう。窓の外を見る、空を眺める、コーヒーを飲む。ただそれだけです。脳には「デフォルト・モード・ネットワーク」という、ぼんやりしているときに働くネットワークがあります。</p>

<p>この時間に脳は情報を整理し、新しい発想や気づきを生み出しています。アイデアが散歩中やお風呂で浮かぶのも、そのためです。忙しい現代では、「何もしない時間」は怠けることではありません。脳に余白を与える大切なメンテナンスなのです。</p>

<p>ただし、「デフォルト・モード・ネットワーク」は万能ではありません。過剰に働くと、ネガティブなことを繰り返し考えてしまい、自己批判が強くなる「反すう」に陥る、ということもあります。長時間に及ぶと、かえってストレスや抑うつを悪化させることがあります。くれぐれも3分間、ちょっと、ボーっとしてみましょう。</p>

<p>④宇宙から自分を見てみる</p>

<p>想像してみてください。自分を部屋の天井から見下ろし、街の上空から見下ろし、日本全体、そして宇宙から眺めてみましょう。心理学では、こうした視点の切り替えを「セルフ・ディスタンシング」と呼びます。</p>

<p>心理学者のイーサン・クロスらの研究では、自分を第三者のように眺めたり、「1年後の自分ならどう考えるだろう」と想像したりするだけでも、感情に飲み込まれにくくなり、問題を冷静に整理できることが示されています。今の悩みを「宇宙から眺めてみる」というイメージも、その実践の1つです。</p>

<p>問題との距離を少し取るだけで、感情的になりすぎず、冷静な判断ができるようになります。「1年後の自分なら、この出来事をどう思うだろう」と考えるのも同じ方法です。悩みの大きさは変えられなくても、自分と悩みの距離は変えられるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>笑顔を心がける</h2>

<p>⑤「ニコッ」としよう。「ま、いっか」と言おう</p>

<p>笑うから気分が良くなることもあります。これは「表情フィードバック仮説」として知られています。この考え方のルーツは古く、19世紀の心理学者ウィリアム・ジェームズとチャールズ・ダーウィンにさかのぼります。</p>

<p>その後、1988年に、心理学者フリッツ・シュトラックらが「ペン実験」により、笑顔に近い表情をした方が、読んだ漫画をより面白いと評価する、という効果を発見しました。口角を少し上げるだけでも、脳は「楽しい」と錯覚し、感情が穏やかになるということです。</p>

<p>また、「ま、いっか」という一言は、完璧主義を和らげる魔法の言葉です。「今すぐ解決できないなら、一度手放そう」という心の切り替えです。深刻な悩みほど、少しだけ力を抜くことが必要です。笑顔と一言が、思考の流れを変えるきっかけになることがあります。</p>

<p>⑥「違う場所」へ行き、物理的に離れる</p>

<p>同じ場所にいると、同じ考えを繰り返しやすくなることもあります。環境心理学では、周囲の環境が感情や思考に大きく影響することが知られていますから、悩みが続くときは、場所を変えてみましょう。それだけで気分が変わるかもしれません。オフィスを出て近くの公園へ行く、カフェに移動する、家の別の部屋へ行く、それだけでも十分です。</p>

<p>景色が変われば、脳への刺激も変わります。煮詰まった会議でも場所を変えると議論が進むかもしれません。悩みから離れられないときは、その場所から離れてみる。場所を変えることが、心を動かす第一歩になります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心を整える作業をルーティン化する</h2>

<p>⑦1日5分間だけ、「今ココ」にいる時間を持つ</p>

<p>私たちの不安の多くは、「過去への後悔」と「未来への心配」から生まれます。一方で、心は「今」にいる時間が意外と少ないものです。だからこそ、1日5分だけでも「今ココ」に集中する時間を予定に入れてみましょう。呼吸に意識を向ける、お茶の香りを感じる、歩く感覚に集中する。それだけで十分です。これは「マインドフルネス」と呼ばれ、多くの研究でストレス軽減や集中力向上の効果が確認されています。</p>

<p>大切なのは、気が向いたらやるのではなく、予定として入れることです。心の健康も、仕事の予定と同じように時間を確保する価値があります。</p>

<p>⑧「モヤモヤ洗い流し作業」を習慣化する</p>

<p>健康心理学者フィリッパ・ラリーらの研究では、新しい行動は毎日繰り返すことで徐々に自動化され、平均66日ほどで習慣として定着することが示されています。</p>

<p>習慣づくりに必要なのは、大きな変化ではありません。1日5分でも続けることが、やがて「特別な努力をしなくても自然にできる行動」へと変わっていくのです。5分間、誰かに話す、紙に書く、散歩する、深呼吸する。そのどれか一つでも構いません。「モヤモヤ洗い流し作業」をしましょう。</p>

<p>重要なのは、「調子が悪くなってから」ではなく、「調子が良い日にも続ける」ことです。心の健康は、予防がもっとも効果的です。毎日の小さな習慣は、確実に心の回復力を育ててくれます。</p>

<p>これらの習慣の本質は、「出す」「客観視する」「騙す」という3つのステップに整理できます。話す・書くことで頭の中から悩みを「出す」。次に、出した自分の悩みと距離を取り「客観視する」。そして最後に、笑顔をつくったり、「ま、いっか」と声に出したり、場所を変えるなどして、脳の働きを上手に利用して自分を「騙す」。</p>

<p>最後の「騙す」は、否定的なものでも現実逃避でもありません。感情に飲み込まれた状態から抜け出し、本来の冷静な自分を取り戻すための工夫です。この3ステップを身につければ、モヤモヤを抱え続ける時間は確実に短くなるでしょう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_note.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 23 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[藤田康男（Smart相談室CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>世代の違いは「面白い」　若い世代との差を楽しめる人が成長し続ける理由  原田祐紀（浄土真宗明善寺住職）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15221</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015221</guid>
			<description><![CDATA[老害とは年齢ではなく変化を拒み過去を絶対視する姿勢であり、誰にでも起こり得る。世代の違いを学びと捉え若い世代の視点を受け入れることで、自身の可能性を広げ繋がれると説く。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="テーブルを囲んで和やかに意見を交わす、若者と年長者" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_dinner.jpg" width="1200" /></p>

<p>人を遠ざけてしまうのは、重ねてきた年齢そのものではなく、｢もう学ぶものはない｣と変化を止めてしまう心かもしれません。若い世代が持つしなやかな感性やアイデアから、素直に刺激を受けるしなやかさ。経験という豊かな糧を持ちながら、世代を超えて心地よい関係を育むための｢学びの姿勢｣について考えます。</p>

<p>※本稿は、原田祐紀著『自分らしく生きるための 心を整える習慣 ざわつきをしずめるやさしい仏教の教え』(KADOKAWA)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢老害｣とは年齢ではなく姿勢の問題</h2>

<p>｢老害｣と聞くと、考え方の違う年配の人を思い浮かべる人もいるでしょう。<br />
老害とは、変化を拒み、自身の過去の成功体験だけを｢唯一の正解｣としてしまう姿勢のこと。<br />
大切なのは、自分の経験だけを絶対視せず、ほかの人の声に耳を傾けることです。</p>

<p>｢老害｣と聞くと、多くの人は、自分の考えを押しつけたり、周囲の声を聞こうとしなかったりする年配の人を思い浮かべるかもしれません。<br />
年齢を重ねるなかで得た経験は、自分を支える大切な軸になります。<br />
ただし、その経験だけを｢唯一の正解｣だと思い込むと、ほかの考えを受け入れにくくなることがあります。</p>

<p>一方で、歳を重ねても学ぶ姿勢を失わず、周囲の声に耳を傾けられる人は、これまでの経験を生かしながら、関わる人たちを支えることもできます。</p>

<p>老害かどうかを分けるのは、年齢ではありません。</p>

<p>問題なのは、学びをやめてしまい、自分だけが正しいと思い込み、相手の考えを受け入れなくなることです。<br />
それは年齢にかかわらず、誰にでも起こりえます。<br />
これは、誰かを裁くための話ではありません。<br />
私たちはどうか。それを問い直す話なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>世代の違いは学びの入口</h2>

<p>異なる世代との出会いや交流は、学びの機会になります。<br />
異なる価値観を、｢自分にはない視点｣として受け取れば、自分の世界は広がります。<br />
｢今の若い人たちはすごい。面白い｣と受け止めてみませんか？<br />
そこから、世代を超えた学びとつながりが生まれます。</p>

<p>人は、自分が育ってきた環境や経験を、当たり前、あるいは普通だと思いやすいものです。しかし世代が変われば、育った環境も考え方も変わるものです。</p>

<p>それゆえに世代の違う相手に違和感を覚え、それを｢最近の若い人は｣といった批判に変えてしまうこともあります。</p>

<p>私が運営するオンライン写真教室には、若い方もたくさん参加してくれています。私は彼らの瞬発力や行動力、斬新なアイデアに、毎回驚かされます。<br />
若い人たちは、私たち年長世代にはないもの、あるいは忘れていたものを持っています。<br />
それを｢軽い｣｢雑だ｣｢わかっていない｣と決めつけてしまえば、自分の学びの機会を失ってしまいます。</p>

<p>一方で、｢新しい視点だな｣と受け取れば、自分の視野は広がります。<br />
違いを受け入れれば、それは自分を広げる機会になります。世代の壁をつくるのか、可能性を広げるのか。それを選ぶのは、私たち年長者自身です。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_dinner.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 23 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[原田祐紀（浄土真宗明善寺住職）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>大人の隠し事は危険？のび太の「いんちき薬」から学ぶ人間関係の極意  横山泰行（富山大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15169</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015169</guid>
			<description><![CDATA[『ドラえもん』のび太の失敗談から｢叱られたほうがラクになる｣心理を解説。隠しごとのストレスから解放されるメカニズムと、親子や大人同士の良好な関係を保つコツを紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="隠し事や後ろめたい気持ちがあり、相手と直視できずに顔を背けている男女。   " height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_fight.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢いっそバレたほうがラク...｣そんな後ろめたい気持ちを抱えた経験はありませんか？夏休みの宿題をズル休みしようと｢いんちき薬｣に頼ったのび太。彼が最後にたどり着いたのは｢叱られたほうがさっぱりする｣という意外な本音でした。後味の悪い関係をすっきり清算する、大人と子どもの処方箋をお届けします。</p>

<p>※本稿は、横山泰行著『ポケット版｢のび太｣が教えてくれたこと』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>のび太も痛感！｢いっそ怒られたほうがラク｣という心理</h2>

<p>ちょっとずるいことをしてしまって後味が悪い思いをしているとき、｢いっそバレてしまったほうがラクになる｣と感じたことはありませんか？</p>

<p>人は、後ろめたいことを背負っている状況に耐えられない生き物なのではないかと思います(もちろん例外もありますが)。</p>

<p>ウソをついているとすぐに顔や態度に現れる人は、もしかしたら心の奥底で、いつかはバレることを望んでいるのかもしれませんね。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>---------<br />
ドラえもんのひみつ道具｢いんちき薬｣にはいくつかの種類がありますが、夏休みの宿題が終わっていないのび太は、学校をズル休みしたくて｢病気ごっこに使う薬｣を出してもらいました。<br />
しかし、この薬を飲んだとたん、熱を出し、大変な重病のようになり、ママが救急車を呼ぼうとする騒動になってしまいます。<br />
さらにのび太は、違う薬を飲んで体がパンパンにふくれてしまったり、｢葬式ごっこの薬｣を飲んで医者から仮死状態と判断されたりして、心配したママはついにぶっ倒れてしまいました。</p>

<p>でも、あくまでいんちき薬なので、のび太は本当は元気です。<br />
｢ほんとにもうあんたたちときたら｣<br />
事実を知ったママから激怒され、のび太とドラえもんは大いに反省することになります。<br />
｢なまけたのが悪かったんだ。悪いことをした時には、しかられたほうがさっぱりする｣<br />
こう言いながら学校に出かける姿を見てドラえもんは、<br />
｢男らしい！がんばってうんとしかられて来いよ｣<br />
とへんな励まし方をして、のび太を送り出しました。<br />
<br />
『小学二年生1971年9月号』小学館<br />
｢いんちき薬｣<br />
---------</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>大人はどう接する？｢後腐れのない関係｣を作るコツ</h2>

<p>自分の悪事がバレて、親から一通り叱られるとほっとする。子どもの頃、私もこんな気持ちになることがありました。叱られ終わった後は日常に戻ることができるけれど、まだ悪事が見つかっていないときは、</p>

<p>｢いつ見つかって怒られるんだろう。どんなふうに怒られるんだろう｣<br />
と気もそぞろで、落ち着くことができませんでした。<br />
あなたにも、そんな思い出があるのではないでしょうか。</p>

<p>子どもが悪さをしたら、とっとと見つけてとっとと叱る。難しく考え込んだりしていないで、きちんと叱って、後腐れなく子どもと接する。これが親にとっても子どもにとっても、気持ちのいい方法なのかもしれません。</p>

<p>大人が子どもに接する場合はこれでもいいとは思いますが、大人が自分と同い年くらいの大人に接する場合は、なかなか難しいものがありますよね。</p>

<p>大人になれば、変なプライドが邪魔をして｢怒られてスッキリ｣とはいきませんし、怒るほうも｢後腐れなく｣がなかなかできません。</p>

<p>隠しておきたい悪事が、浮気だったり犯罪だったりと、｢バレて怒られた｣などという次元では済まないことの可能性も子どもよりあるうえ、大人は子どもと違って隠し方が巧妙ですから、暴く側もそれなりの対応が必要になります。</p>

<p>本人にわからないようにこっそり調べて証拠を突きつけるという、あまり愉快でない方法をとることにもなりかねません。でも、これは一度やってしまったら、関係修復はほとんどできないと思ったほうがいいでしょう。</p>

<p>だから、できれば、こんなことにならないようにしたいところ。<br />
人間ですから悪いこともしますし秘密があって当たり前ですが、せめて、バレたときに｢あーあ、怒られてみっともなかった｣くらいで済む範囲に留めておきたいところですよね。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_fight.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 23 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[横山泰行（富山大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「この人といると疲れる」と感じたら...行動心理学に学ぶ“人間関係の境界線”  ニック・トレントン（行動心理学修士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15233</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015233</guid>
			<description><![CDATA[人間関係やSNSで無理をしすぎないために、自分を守る｢境界線｣の大切さと、適切な距離の取り方を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p dir="ltr"><img alt="談笑する3人の女性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_chatting.jpg" width="1200" /></p>

<p dir="ltr">｢この人と話すと、なぜか疲れる｣｢断りたいのに、嫌われるのが怖くて言えない｣そんな人間関係に悩んでいませんか？自分を守るために大切なのは、相手を変えることではなく、適切な境界線を引くこと。無理をしない人間関係の築き方を紹介します。</p>

<p dir="ltr">※本稿は、ニック･トレントン(著)・林田レジリ浩文(訳)『行動心理学が明らかにした ネガティブ思考を手放す技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p dir="ltr">&nbsp;</p>

<h2 dir="ltr">自分を守るために、人間関係に境界線を</h2>

<p>あなたが、いつもネガティブで愚痴や悪口をあなたに話してくる友人を持っているとしましょう。あなたは何度もそういう話はやめてほしい、と言いますが、相手は聞いてくれません。仕方なく、あなたはその人と距離を置こうとします。</p>

<p>その人に、関係が健全ではないこと、自分にとってとても居心地の悪いものだから距離を置きたい、それを分かってほしい、と伝えました。</p>

<p>相手はあなたの言葉に怒ったり、戸惑ったりしてこんな風に言うかもしれません。<br />
｢よくそんなことが言えるね。良い友達と思っていたのに｣<br />
｢分かった。もうそんなこと言わないから友達でいて</p>

<p>そういった相手の反応は仕方のないことです。あなたはあなたの幸せを考えなければなりません。もちろん、相手にそう言われれば、申し訳ないとあなたが思うのは仕方のないことですが、あなたはあなたの決断を尊重し前を向いていくべきです。</p>

<p>現代のようなデジタル社会では、オンラインでのつき合い方も考えていかねばなりません。特にSNSとの接し方には注意を払う必要があります。すでにSNSはただのWebメディアではなく、現実の一部になっています。有害な人間関係も知らないうちに私たちの世界に入り込んでくるものです。</p>

<p>どんなスタンスでインターネットとつき合うのか、ここでも境界線を決めておくのがいいでしょう。オンラインでもオフラインでも適正な距離感を無視して、こちらににじり寄ってくる人がいるものです。それについて反応したり反論したくなりますが、それはトラップであることも多いので、相手の土俵に乗らず、自分の境界線を保ち続けることを考えましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 dir="ltr">SNSやLINEでも、自分の境界線を守る</h2>

<p>メールやLINEにしても、こちらのことは一切気にかけずに延々と自分の問題を話し続ける人がいます。無視しようとして、だんだんこちらもイライラしてくる。相手に｢さすがにこちらの話も少しは聞いてほしい｣と伝えます。</p>

<p>相手はその言葉に反応し、構えたり、イラッとしたりして返します。<br />
｢あなたも私の悩みを聞いてくれていたじゃない｣<br />
｢自分の話をしたいって勝手よね｣</p>

<p>こういう時こそ、あなたの境界線を考える時です。自分のスタンスと要望を伝えるのです。それで相手が態度を変えない時には、もう一度こちらの考えを伝えるか、時にはその人とは距離を置くことも考えなければなりません。</p>

<p>こういう境界線を設け、それを保っていくのは最初のうちは大変かもしれませんが、この主体的な態度はあなたの心身の健康のためにとても大切なものなのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_chatting.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 22 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ニック・トレントン（行動心理学修士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>スネ夫の自慢話から考える「頭がよくなる習慣」 脳科学で読む『ドラえもん』  横山泰行（富山大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15204</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015204</guid>
			<description><![CDATA[自慢話が多いスネ夫。しかし、その「旅自慢」には脳を鍛えるヒントが隠されていました。ドラえもん研究者が、脳科学の視点からスネ夫の言動を読み解きます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="日本地図" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_trip.jpg" width="1200" /></p>

<p>スネ夫といえば、何かと「自慢話」をするキャラクターとしておなじみです。ところが、その内容を脳科学の視点から見てみると、脳を鍛えるためのヒントが隠されているといいます。</p>

<p>富山大学人間発達科学部名誉教授の横山泰行さんは、スネ夫の「旅自慢」に注目し、そこに脳を活性化させる要素があると読み解きます。書籍『ポケット版「スネ夫」という生きかた』より紹介します。</p>

<p>※本稿は、横山泰行著『ポケット版「スネ夫」という生きかた』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スネ夫のように旅を楽しめば、脳を鍛えることができる！</h2>

<p>スネ夫の数ある自慢話の中でよく見かけるパターンは、「新製品自慢」です。</p>

<p>次いで多いのは、なんといっても家族との「旅自慢」でしょう。九州まで船で旅したり、｢サッポロラーメンを食べたい｣と突然飛行機で北海道へ向かったり！もちろんハワイ、フランスなどの海外にも行き慣れています。SL（蒸気機関車）に乗りに行ったり、ブルートレインでの旅など、鉄道マニアが泣いて喜びそうなエピソードも出てきます。</p>

<p>｢ひんぱんに旅を楽しむライフスタイル｣というのは、庶民にはなかなかマネできることではありませんよね。中でも、私がとてもうらやましく感じた、実に「おいしそうな旅自慢」をご紹介しましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>---------</p>

<p>道端でスネ夫が大きく舌を出し、両手を思いっ切り広げながら、みんなを前に自慢をしています。</p>

<p>｢松たけ山へ行ったんだ。も～、とりほうだいの食べほうだい。土びんむしやら、やき松たけ。松たけめしに、すい物......」と、松たけ三昧の旅を報告しています。</p>

<p>｢とりたてだからさ、香りも舌ざわりもなんともいえないんだ。腹いっぱいたべちゃった」と、食欲が大いに誘われるムードの中で話を展開させました。</p>

<p>みんなはうらやましさのあまり、とても渋い顔をしながら聞いていました。のび太はよだれを１本、ジャイアンに至ってはよだれを3本もだらりと垂らしながら、スネ夫の松たけ話にすっかり魅了されてしまいました。</p>

<p>スネ夫は、ワンパターン化した「きみたちもぜひいくといいよ。いや、高いからむりかな。アハハハ　アハハハ」というイヤミな決めゼリフで、自慢話をガッチリと締めくくりました。</p>

<p>『てんとう虫コミックスドラえもん　第38巻』小学館<br />
第15話目「箱庭で松たけがり」</p>

<p>---------</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>｢香りも舌ざわりもなんともいえない」だなんて、スネ夫は五感に訴えるトークがうまいですね。私だって、おもわずよだれを垂らしてしまいそうです。</p>

<p>実は、「旅が脳を鍛えてくれる」という脳科学の説があります。脳科学者の池谷裕二さんと糸井重里さんの共著『海馬　脳は疲れない』に、こんなくだりがあります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>---------</p>

<p>何も無い環境にいたネズミを刺激的な環境に移すと、数日で海馬（※1・ごく簡単に言うと、海馬は記憶の製造工場）が増えます。逆に刺激のある環境からなにもないところに移すと、ネズミの海馬は数日でダメになります。</p>

<p>海馬にとって一番刺激のあるものは空間の情報です。つまり、旅をするほど海馬に刺激が与えられると推測できます。海馬は「新しい環境はストレスではないんだよ」と自分に伝える役割をするのです。<br />
（糸井重里・池谷裕二『海馬 脳は疲れない』（朝日出版社）より引用）</p>

<p>---------</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>おそらく、スネ夫の脳は多くの旅から多くの刺激を受けて、鍛えられていると思われます。</p>

<p>｢うちも子どもの脳を鍛えるために、どんどん旅に連れて行ってやりたいけれど、そんなお金なんて無いわよ！｣という方も多いでしょう。そんな場合は、リアルな旅ではなくて空想の旅（「エア旅」とでも言いましょうか）でも、「脳を鍛えるのに効果的」という説があります。</p>

<p>インターネットやガイドブックなどの情報に接して、「行った気分になる」というのも、少なからず海馬への刺激になるのだとか。ただし、目から（視覚）のみの刺激ですので、リアルに旅をして、五感をフル回転させるほうがよりよいことは、もちろんです。確かに｢香りも舌ざわりもなんともいえない」なんていうスネ夫のセリフは、現地で実際に食べていないと、大人だってなかなか実感をこめては語れないでしょう。</p>

<p>みなさんもぜひ、旅を楽しんでみてください。情報ツウになるというオマケもついてきて一石二鳥です。近場への日帰り旅行でもいいでしょう。</p>

<p>「旅すると、アタマがよくなるらしいよ」とパートナーや家族を誘って出かけてみては、いかがでしょうか!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>（※1）「海馬」大脳辺縁系の一部である海馬体の一部。脳の記憶や空間学習能力に関わっている。哺乳類の中枢神経系の中で、最も研究されている脳領域の一つ。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_trip.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 22 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[横山泰行（富山大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「自分も耐えてきた」被害体験のある人が加害者に...セカンドハラスメントの落とし穴  村井真子（社会保険労務士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12980</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012980</guid>
			<description><![CDATA[過去のハラスメント被害の体験をきっかけに加害者へと変わるケース──本稿では被害者をさらに追い詰める「セカンドハラスメント」の問題を社会保険労務士の村井真子さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="パワハラをする人の特徴" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_zetsubowoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>ハラスメントは人間関係の中から生じ、誰もが被害者にも加害者にもなり得る、と社会保険労務士の村井真子さんは語ります。中には、過去に被害を受けた経験を持つ人が、のちに加害者へと立場を変えてしまうケースも存在します。本稿では、被害者をさらに追い詰める「セカンドハラスメント」の実態について、書籍『職場問題ハラスメントのトリセツ』より解説します。</p>

<p>※本稿は、村井真子著『職場問題ハラスメントのトリセツ ~窮地の前に自分を守る、取るべきアクションと相談のポイント』（アルク）より内容を一部抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>過去に自分が被害者となった経験がある人</h2>

<p>自分が弱者の立場でハラスメント被害を受けた経験がある人は、自分が強者の立場に立ったときに「自分も耐えてきたのだから」とハラスメント行為を行うことがあります。</p>

<p>特に、社会変化によってハラスメントとされる基準が変わったことを受け入れられなかったり、自分がハラスメント被害を受けていた過去の基準でものごとを見ようとすると、相手との間に判断の乖離が生まれます。その乖離がハラスメント加害につながりやすいのです。</p>

<p>また、こうした特徴があるために、ハラスメント被害を相談されても事実を軽視し、被害者の傷を広げる恐れもあります。</p>

<p>[典型的な行動例]<br />
▼「昔はその程度は当たり前だった」「これぐらいは普通」と過去を引き合いに出す。<br />
▼ 権力ある立場につくと過度に威圧的になり、上下関係を強く意識させる言動をとる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>セクハラ被害を訴えてきた人に、セカンドハラスメントをする上司</h2>

<p>[相談]<br />
男性の上司から、ときどきボディタッチを受けています。肩を叩いたり髪の毛にゴミが付いているといって触れてきたときは、自分も自意識過剰かと思いましたが、最近は通りがけにお尻をなでたり、私の胸ポケットからボールペンを取ったり、「おっぱい大きいよね」「彼氏に満足させてもらってるの」「一回だけエッチしよう」など露骨な発言も出てきました。職場のスタッフはこの状況を見ていますが無関心です。</p>

<p>男性が多い職場だからなのかと、他課の女性課長に相談しました。すると課長は「その程度のことはよくあることで、いちいち騒いではいけない」と言って私をたしなめてきました。また、「私もそういうことはあったけど、上司にかわいがられると昇進も早いから、割りきって受け入れたほうが得だよ」とも言われました。もうこの会社は辞めようと思います。 カスミ（20代・女性）</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>カスミさんは中堅製造業の管理部門で働いていて、そこで男性の上司である課長からセクハラを受けていると感じています。業務に必要性のないボディタッチがほぼ毎日に及んでおり、身体的な特徴に言及したり、仕事とは無関係の、プライベートな話をされていることは明らかに業務とは逸脱していると言えます。</p>

<p>しかし、カスミさんが退職を決断したのは、男性上司の言動のみならず、それを許容している職場と女性上司の言動でした。</p>

<p>女性上司が行った行為は「セカンドハラスメント（セカハラ）」と呼ばれるもので、ハラスメント対応の際に十分に留意をすべきことの一つです。</p>

<p>セカンドハラスメントとは、ハラスメント行為の被害を受けた人が、その事実を第三者に相談した際に受ける、二次的なハラスメントのことです。</p>

<p>ハラスメントの被害を打ち明けるとき、被害者は当時の「苦しさ」や「辛さ」を改めて思い出すことになります。社内での改善や何らかの処分を望む場合は、被害の状況と事実を整理して伝える必要があり、精神的な負担が大きくなります。</p>

<p>このような状況にある相談者に対して、相談を受ける側がハラスメントの事実を軽視したり、被害者にも責任があるかのような発言をしたりすると、意図せずとも相談者をさらに深く傷つけることになります。また、理解してもらえない辛さや不満から、カスミさんのように対話の機会を打ち切るケースもよく見られます。</p>

<p>カスミさんが受けてきた男性上司からの行為は不快なものであったと思いますし、業務の適切な範囲からは逸脱しています。きちんと調査がなされれば、事実としてそのような言動があったことを確定させ、それに基づいてハラスメントに対する対策や改善要望を出すことができるケースであったと思います。</p>

<p>しかし、カスミさんの勤務先のように性的な言動に無関心な職場では、そのような言動はしてもいいものと認識されていました。その環境に適応した人だけが昇進できるように最適化されてしまう恐れがあります。女性上司は、自分がされたことをどう咀嚼したかを基準に話を聞くべきではありません。このような行為を許すべきではなく、再発を防ぐためには、自分のことと、目の前の被害については切り離して考えることが必要なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_zetsubowoman.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 22 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[村井真子（社会保険労務士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>読書は紙の本の方が良い？ 心理学者が指摘する「デジタルで読む」問題点  川島隆太（東北大学教授・医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12963</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012963</guid>
			<description><![CDATA[読書の効果は紙の本でも電子書籍でも同じなのか？ 書籍『本を読むだけで脳は若返る』より解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="読書" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_2.jpg" width="1200" /></p>

<p>東北大学の川島隆太教授による実験では、20〜30人の被験者に新聞記事を黙読してもらった結果、読書中には脳の広い領域が同時に働くことが確認されました。前頭前野の言語領域に加え、視覚や聴覚の中枢まで反応が見られ、まさに読書は「脳全体を使う運動」だったのです。</p>

<p>こうした効果は子どもだけでなく、大人にとっても有効で、認知症の予防や創造性の向上など幅広い効果が期待できるといいます。では、読書の効果は紙の本でも電子書籍でも同じなのでしょうか。本稿では、その違いについて書籍『本を読むだけで脳は若返る』より解説します。</p>

<p>※本稿は、川島隆太著『本を読むだけで脳は若返る』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>読書は紙の本が良いのか?</h2>

<p>紙媒体による読書とデジタル機器による読書の違いを調べるという研究もいろいろとあります。近年は、大人の世界だけでなく、子どもの世界でもデジタルコンテンツを扱うことが推奨されていて、教育現場でも電子教科書や電子教材を導入する流れも強まっていますが、果たしてデジタル機器やデジタルコンテンツを使ったほうが良いのでしょうか。</p>

<p>論文を広く調べていくと、読書については心理学的な実験が多くあり、デジタルコンテンツよりも紙媒体による読書のほうが、語彙習得や文章理解力、知識の量、社会への応用度が向上するという研究結果や指摘がたくさん見つかります。全く同じものを読んでも、紙の本とデジタル機器で読んだときでは語彙の習得や文章の理解、応用力の習得が異なり、紙の本で読んだときのほうが明らかに優れているのです。</p>

<p>これらの論文に書かれていることを簡単にまとめると、デジタルコンテンツを使うと、運が良ければ何の影響も生じないが、運が悪いと悪影響が出るということです。つまり、紙媒体で読んだほうが賢明だと解釈できるでしょう。</p>

<p>目的にもよりますが、読書を通してさまざまな知恵や知識を得て、自分の世界観を豊かにしたいと思っているのであれば、紙媒体を選んだほうが良いと言えそうです。少なくとも心理学的な研究ではこのように結論が出ています。</p>

<p>ただ、どうしてデジタル機器によるデジタルコンテンツでは紙媒体と同じような効果が得られないのでしょうか。これはとても興味深いところです。</p>

<p>特におもしろいと思うのは、脳科学の実験では読書中の脳を調べるために、ディスプレーに活字を表示して被験者に読んでもらいます。例えば、MRI装置の中で新聞の記事を表示して被験者に見せたりするのです。これは、デジタル機器で表示した活字を目で追いかけて読むという行為にほかなりませんが、この場合、脳はしっかりと働きます。</p>

<p>紙の上の文字を読むときと、ディスプレーに表示された文字を読むときの脳活動の差を調べたこともあります。脳の活動をもっとも正確に計ることができるのはMRIなのですが、被験者は狭い筒に入ることになるので、装置の中で紙の本を読むのは無理です。</p>

<p>そこで、もう少し簡便な「NIRS（ニルス）」と呼ばれる近赤外線計測などの方法を用います。MRIに比べると正確ではないのですが、こういった被験者の自由度の高い装置で見る限り、紙の文字とディスプレーで表示された文字による脳活動については大きな差が出ませんでした。</p>

<p>それなのに、心理学の分野を中心に、どうして紙の本とデジタルコンテンツでは大きな差が出たという研究結果が数多くあるのでしょうか。</p>

<p>この疑問に対して、多くの心理学者が指摘するのは、ほとんどのデジタル機器がマルチパーパスな設計になっているということです。私も、この指摘には同意します。つまり、読書専用端末もありますが、デジタルコンテンツの書籍データを読む人の多くはスマートフォンやタブレットなどを利用して読むことになります。この汎用端末は、本を読む以外にもさまざまな機能を有していて、インターネットや電話の回線とつながっています。すると、何かに集中しているときに「割り込み」が生じやすくなるのです。</p>

<p>例えば、スマートフォンで読書をしているときに、LINEなどのインスタントメッセンジャーからの通知がポンと入ったら、皆さんの意識はどのように変化するでしょうか。</p>

<p>おそらく多くの方は、メッセージを見てしまうと思います。意志の強い人でも、気が散ってしまい、「メッセージが来たけどあとで読むか」と思ってしまうと思います。いずれにしても、汎用端末でインターネットなどの外部とつながっていると、気が散りやすくなるのです。</p>

<p>この気の散りやすさがさまざまなマイナスの影響を与えているということは、数多くの心理学者たちが、実験結果をもとに、それこそ世の中にコンピューターが出回り始めた1980年代から指摘してきたところです。彼らの声を聞いていると、現代の方々は汎用端末による心理的な影響の強さを過小評価しているように思えてきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>紙の読書の優位性</h2>

<p>私は、読書と脳の研究をしていることから、作家の方と直接お話をする機会をよくいただきます。浅田次郎先生や阿刀田高先生など、高名な作家の先生とお話しできたこともあります。皆さんが一様に強調するのは、紙の読書の優位性です。</p>

<p>その一つは読み返しのしやすさです。小説を読むのが好きな方は経験があるかもしれませんが、「この登場人物はどんな人だったかな?」と思ったときに、紙の本なら手で覚えている狙ったページに瞬時に戻って読み返すことが容易にできます。一方、デジタル機器のコンテンツの場合、スクロールや検索で探すことになります。これが思ったよりもタフな作業で、「操作しているうちにストーリーがわからなくなってしまう」と指摘する作家の方もいました。</p>

<p>また、余白に書き込みをしながら読むという作家の方もいました。そのページを読んだときに何を感じたか、どう理解したのかを書いておき、読み終わったらもう一度余白と関係する本文を読み返すことが読書の本当の愉しみであり、深い理解につながると話されていました。</p>

<p>この余白の書き込みは、一般の方はあまりしないと思いますが、内容の理解の助けになっていると感じます。活字が打たれた紙そのものの余白にパッと手書きでメモをする。それが、人間の心理に特別な作用を及ぼすのかもしれません。</p>

<p>作家の方からこの話を聞いたとき、私は「そんな読み方もあるのか」と感服するだけでしたが、読書が好きな方は試しに余白に自分の感想をメモすることをやってみてはいかがでしょうか。これまでにない読書体験ができるかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_book_2.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 22 Oct 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[川島隆太（東北大学教授・医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「モチベーションが低い」から燃え尽き症候群にならない　石井玄×佐伯ポインティの仕事観  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15309</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015309</guid>
			<description><![CDATA[ラジオ番組をはじめ数々のコンテンツのディレクターをつとめてきた石井玄さん。新刊『「自分でやらない」ほうがうまくいく』の発売を機に、佐伯ポインティさんとのトークイベントが開催。その一部始終をご紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="佐伯ポインティさん　石井玄さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261014ishiihikaru02.jpg" width="1200" /></p>

<p>「オードリーのオールナイトニッポン」をはじめ、ニッポン放送の数々のラジオ番組でディレクターを務めてきた石井玄さん。現在は、自身の会社・株式会社玄石を立ち上げ、ラジオやPodcastなどのプロデュースを手がけています。</p>

<p>9月に刊行された新著『「自分でやらない」ほうがうまくいく』では、チームで動いて大きな成果につなげる仕事哲学や思考法を明かしています。</p>

<p>10月9日には発売記念のトーク＆サイン会が東京・渋谷のHMVで開催され、ゲストにマルチタレントの佐伯ポインティさんが登壇。話しのプロ二人が会場を沸かせたイベントの模様を、少しだけご紹介します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>石井さんにとって仕事は&ldquo;テトリス&rdquo;？</h2>

<p><img alt="石井玄さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261014ishiihikaru01.jpg" width="1200" /></p>

<p>実はこれまでほとんど接点がなかったという二人。ポインティさんは新刊を読んで「石井さんがどういう人なのか伝わってきた」と言い、その印象を「効率厨、シゴデキ、タフガイ、ストイック、現実主義、ドライ」と次々に挙げていきます。</p>

<p>「後半には、石井さんが20代で大きく影響を受けた出来事も書かれていて&hellip;でもネタバレになるんで」と口ごもるポインティさんに、石井さんは「ビジネス書にネタバレとかあるのか？（笑）」。冒頭から会場に笑いが起こります。</p>

<p>さらにポインティさんは、&quot;モチベーション&quot;について書かれた部分が気になったそう。「人生の目的は走馬灯作りで――これちょっとネタバレなんですけど&hellip;」と再びネタバレを口にすると、石井さんが「いいって！（笑）」と即座にツッコミ。息の合ったやりとりに、客席は一気にあたたまりました。</p>

<p>「読むから言わないで、っていう人もいるかもしれないですよ」と食い下がりつつ、ポインティさんは「（石井さんは）すっごいモチベーションがありそうな働きぶりなのに、燃えてないから燃え尽き症候群にはならないと書かれてて。それが不思議なバランスだなと思いました」と率直な感想を口にします。</p>

<p>そこから話題は、仕事のモチベーションへ。モチベーションを持って働くというポインティさんに対し、石井さんは「楽しくない仕事を乗り切るには、モチベーションを切っちゃった方が楽」と言い切ります。やりたいことも、やりたくないこともない&quot;ゼロフラット&quot;な状態だからこそ、淡々と仕事ができるのだそう。</p>

<p>「だからテトリスに見えてるってことですね。好きな形とかがなくて、いっぱい来てるみたいな」とポインティさんがたとえると、石井さんは「そう、バンバンはめてるだけ」とうなずきました。</p>

<p>一方でポインティさんは、「仕事をテトリスだと思っていなくても、この本を読んでテンションが上がったり、励まされたりする人がいると思います。それが不思議ですよ」と投げかけます。</p>

<p>すると石井さんも「Xで、この本を読んで泣いたって人がいるんですよ。意味がわからなくて、編集の人と『泣いたってどういう感想なんですかね』って。優しい本だとも言われるんですけど、厳しく書いたつもりだったんです。どこに優しさがあるんだろう」と首をかしげます。</p>

<p>ポインティさんは、その理由を「石井さんの仕事の仕方の&quot;説明書&quot;みたいな感じがあった」と分析。厳しさの奥にある石井さんの考え方が丁寧に言葉にされていることが、読者に優しく届いているのかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ポインティさんは会社の電話を進んでとっていたものの...</h2>

<p><img alt="佐伯ポインティさん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261014pointy01.jpg" width="1200" /></p>

<p>事前に参加者から募集していた相談にも答えてくれました。</p>

<p>「オフィスで電話対応をしたくない。みんなが聞いていると思うと喋れなくなってしまう」というお悩みには、まず石井さんが、ポインティさんの会社員時代のエピソードを紹介。会社の電話が鳴ると、「株式会社コルクです」ではなく「佐伯です！」と出てしまい、最後まで直せなかったのだとか。</p>

<p>とはいえ、ポインティさん自身は電話を取るのが苦手ではなかったそう。「電話対応って、相手の用件をメモするだけなので、ミスが少ない仕事だと思ってたんです。他の仕事でミスが多すぎて、これは余裕だわと思って」と笑います。</p>

<p>早く取れば職場に貢献できるし、間違えても訂正すればいい。そう思えば「待ってました」という気持ちで取れたのだとか。石井さんも「簡単だって思った方がいいってことですね」と納得の様子でした。</p>

<p>話題は会社での振る舞いへ。「あまり振り返りをしない」というポインティさんは、SNSを見過ぎて仕事の期日を延ばしてしまうこともあり、社長でありながら&quot;ダメ社員&quot;をやっていると、いつもの笑顔で明かします。それでも「風通しだけはいい」と胸を張りました。</p>

<p>一方の石井さんは、ビジネス書を出したことで社員に勝手にプレッシャーを与えているのでは&hellip;と、少し申し訳なさそうな表情を見せます。</p>

<p>これに対し、会社員時代に社長の本やインタビューを読み込んでいたというポインティさんは、こう語ります。</p>

<p>「人間同士だから、なんで石井さんってこういう性格なんだろうとか、こういう言い方やめてほしいなとか、あるじゃないですか。でも、その言い方の奥にはこういう背景があるかもっていうのが、本を出していると分かる。解釈する側が有利なんです」</p>

<p>この言葉に、「社長は本を出した方がいい」と二人の意見が一致しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>デメリットを先に伝えると信頼につながる</h2>

<p><img alt="佐伯ポインティさん　石井玄さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261014ishiihikaru04.jpg" width="1200" /></p>

<p>イベントでは企画のアイデアも募集していました。そのひとつが、「自分の当たり前は他人の不思議ゲーム」。一人で外食できない人や、柔軟剤を入れない人など、自分には当たり前でない価値観を持つ人に話を聞いてみたい、という企画です。</p>

<p>例に挙がった「旅行から帰ったその日に荷解きをする」について、ポインティさんは「してないです」と即答。一方の石井さんは「帰ったらすぐやる。どこに何が入っているか覚えているから一番効率的」と、ここでも効率重視の姿勢を見せます。「効率を披露された！」といじるポインティさんに、「効率って披露できるんだ」と石井さんも思わず笑顔に。</p>

<p>そんな石井さんの趣味は、非効率にも思える山登り。「明日も朝5時から」というから驚きです。そのギャップについて、「あまりに効率的にやってるから、非効率に快感を覚えるんじゃないですか」と自己分析しました。</p>

<p>「自分の当たり前は他人の不思議ゲーム」を、社内の風通しの悪さに悩む別の投稿者の会社でやってみてはどうかと石井さんが提案すると、ポインティさんは「いや、揉めごとが顕在化しちゃいますよ。『あー、だからだ』って」。この絶妙なひと言に、会場は大きな笑いに包まれました。</p>

<p>そこで二人がたどり着いたのは、「初対面のアイスブレイクにぴったり」という結論。「初対面って、相手の偏屈さもめっちゃ許せますからね」とポインティさん。仲良くなってから「あー、だからだ」と気づくと、それが積み重なってしまう。</p>

<p>だからこそ、自分の癖は最初に見せてしまった方がいい。とはいえ、「初対面ほどよく思われたいじゃないですか。そこが難しい」とポインティさんが言うと、石井さんはこの話を自身の企画術に重ねます。</p>

<p>「本でも書いてますけど、企画をプレゼンする時はめちゃくちゃデメリットを話しますもん。それをやっておかないと、途中で絶対頓挫するんで。先に言っておけば、何か起きても『言ってたんでね』ってなる」</p>

<p>ポインティさんも「想定範囲が広い人っていう印象になる。それだから通す人なんだなと思いました」と深くうなずきます。人付き合いも企画も、最初に&quot;想定範囲&quot;を広げておくことが、後々の信頼につながるのかもしれません。</p>

<p><img alt="佐伯ポインティさん　石井玄さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261014ishiihikaru03.jpg" width="1200" /></p>

<p>トークの最後、ポインティさんは「石井さんが『非合理だから好きだったんだ』と話していたパートがめっちゃ良かった」と振り返りました。なぜラジオやポッドキャストに、効率を注ぎ込むほどの熱量があるのか。その理由は、今回の新刊ではあまり書かれていなかったと言います。</p>

<p>石井さんは改めて、「ポッドキャストって非効率じゃないですか。ちょっとやって面白いもの作って解散、みたいなのは無理。何のためにやってるの？っていうのが、多分楽しいんでしょうね」と語ります。</p>

<p>「まだ作りきってないんでしょうね。なんでやってるのか、まだわかってない。だから楽しい」</p>

<p>効率を突き詰める石井さんが、それでも効率では割り切れないものに惹かれ続けている。その素顔がのぞいたところで、イベントは幕を閉じました。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261014ishiihikaru02.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 21 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「報復捜査」 第８回　安東能明  安東能明（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14935</link>
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			<description><![CDATA[連載小説「報復捜査」 第８回。殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="報復捜査" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" width="1200" /></p>

<p>殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第８回</h2>

<p>路地を抜けると、大久保通りの喧騒が戻ってきた。信号待ちの人の波。韓国語の歌がどこかの店から漏れてくる。伊場（いば）はその雑踏の中に立って、少し考えた。</p>

<p>法律の抜け穴を知っている。自分は賢いと信じている。その実、小心者だろう。そういう男が、公安の取り調べで何かを口にした。それが小暮を動かした。小暮は単独で動き始めた。そして、死んだ。</p>

<p>その構造が見えない。</p>

<p>午後二時を過ぎていた。</p>

<p>留置日誌に書かれていた平岡正治（ひらおかまさはる）の住所は、杉並区和田だった。</p>

<p>車に戻り、山手通りを南下した。中野通りに折れて、善福寺川沿いの道を西に走る。昭和の面影が残る静かな路地に入ると、道幅がまた細くなった。平岡の自宅は、その路地の奥にある古い木造アパートだった。二階建てで、一階の端が平岡の部屋だ。駐車できる場所を少し離れたところに見つけて、歩いた。</p>

<p>インターフォンもなかった。</p>

<p>伊場は、ドアをノックした。</p>

<p>しばらくして、扉が開いた。</p>

<p>小柄で横幅がある老人が立っていた。六十を越えてなお、腕だけが異様に太かった。左官職人が長年の仕事で作り上げた体だ。白髪混じりの角刈り、顔は赤黒く、鼻の頭に細かい血管が浮いている。安いジャージ姿で、右手の人差し指が少し曲がっている。</p>

<p>目が鋭かった。伊場を上から下まで一瞥して、すぐ顔を戻した。</p>

<p>「なんですか？」</p>

<p>「警察のものです」</p>

<p>平岡の目が、わずかに細くなった。警察と聞いても、怯えた様子は少しもない。ただ、面倒そうな色が出た。</p>

<p>「もう話すことはありませんよ。留置場から出てきたときに散々聞かれた」</p>

<p>「阿久津行夫と同じ房にいたことについて、少しだけ伺いたいんです。五分でいい」</p>

<p>「また阿久津ですか」</p>

<p>平岡は、鼻から息を吐いた。</p>

<p>「死んだ人間のことを、なんでまだ調べるんです」</p>

<p>「亡くなっていても、調べなければならないことがあります」</p>

<p>平岡はしばらく伊場を眺めていた。</p>

<p>「あんた、寝てないな」</p>

<p>唐突に言った。</p>

<p>「それ、仕事だけが原因じゃないでしょ」</p>

<p>伊場は、答えなかった。</p>

<p>「まあ、入りなさい」</p>

<p>平岡は扉を大きく開けた。</p>

<p>部屋に入ると、古い畳の匂いがした。六畳一間にちゃぶ台と、小さなテレビ。隅に横倒しになった灰皿と、競馬新聞が積んであった。壁際に、黒光りした鏝（こて）が一本、大切そうに立てかけてある。四十年使い込んだ道具の気配があった。</p>

<p>平岡はちゃぶ台の前に腰を下ろした。正座に近い座り方だ。</p>

<p>「阿久津と何日一緒だったんですか？」</p>

<p>「十日くらいですか。わたしが先にいて、あとから来ました」</p>

<p>「どんな男でしたか？」</p>

<p>「最初は気に食わなかった」</p>

<p>平岡は、迷いなく言った。</p>

<p>「インテリ気取りの、ニヤニヤした男でしょ。あいつは。こっちは近所の駐車場でチンピラと揉めて、ちょっと突き飛ばしただけで被害届出されて入ってたのに、同じ房に入ってきた初日から、不起訴になる自信があるって薄笑いで言いおって」</p>

<p>被害者と示（じだん）談が成立して釈放されたのだ。</p>

<p>「駐車場は災難でしたね」</p>

<p>「向こうが悪いんだよ、もともと。何年も何年も、おれのスペースに無断駐車を繰り返して。何度言っても聞かない。だから少し手が出た。それだけのことで十日も留置されて、示談が成立してようやく出られたのが、あの銃撃事件の二日前だからね」</p>

<p>そこで言葉を切って、平岡は低く続けた。</p>

<p>「法律上は問題ない、なんて言葉が好きな人ですよ、ああいうのは。法律を盾にして人を踏み台にするやつがいちばん嫌いです、おれは」</p>

<p>平岡は爪楊枝を取り出して、歯に当てた。</p>

<p>「でも、変わりましたよ」</p>

<p>「どう変わったんですか」</p>

<p>「公安の取り調べが始まってから、様子が変わった。最初は、公安なんてちょろいもんだって言ってました。強がって。ところが、何日かしたら、別人みたいになって」</p>

<p>「別人に？」</p>

<p>「怯えだした」</p>

<p>平岡は、爪楊枝を指先でくるりと回した。</p>

<p>「消灯後に何度も起き上がって、廊下の足音に敏感になって。おれはこいつ、本気でびびっとるんだと思いました。夜中に小声で何か言ってて、最初は聞こえなかったんだけど、ある夜、はっきり聞こえましたよ。警察じゃない、あいつらは、って言ってた。独り言でね」</p>

<p>「あいつらは警察じゃない、という意味ですか」</p>

<p>「たぶんそうです。そのあと、おれは消される、とも言ってた。何度も言ってた」</p>

<p>伊場は、手帳を出そうとして、やめた。</p>

<p>平岡が話してくれているのは、手帳を出せば終わる類の話だと、なんとなく感じた。</p>

<p>「暴れたこともあったと聞いています」</p>

<p>「ありましたよ」と平岡は言った。「射殺される三日前でしたか。夜中に急に大声を出して、看守を呼んで、出せ出せって暴れた。おれが起きてなだめましたよ。落ち着けって。そしたら、阿久津のやつが、おれの腕を掴（つか）んで」</p>

<p>平岡は、窓の方を向いた。</p>

<p>「おれに言ったんです。頼む、外に知らせてくれ、って。何を、とは言わなかった。外に知らせてくれ、それだけ。目が、子供みたいでしたよ。あんな目をする人間だとは思わなかった。最初から嫌いだったけど、あの目だけは、かわいそうだと思いました」</p>

<p>伊場は、平岡の横顔を見た。</p>

<p>この男は根は世話焼きだ、と伊場は思った。口が悪く短気だが、困っているものをほうっておけない。嫌っていた相手の怯えを見て、水を飲めと声をかけるような男だ。</p>

<p>「平岡さん、もうひとつ伺います。阿久津は、公安の取り調べの内容について、何か話していましたか」</p>

<p>平岡の視線が、伊場に戻った。</p>

<p>じっと見た。</p>

<p>「......あんた、それを調べてるのか」</p>

<p>「調べています」</p>

<p>「なんのために？」</p>

<p>伊場は少し考えた。</p>

<p>「友人が死んだからです。その友人が、阿久津の取り調べをしていた公安の刑事でした」</p>

<p>平岡は無言だった。しばらく、爪楊枝をゆっくりと噛んだ。</p>

<p>「友人というのは、屋上で死んだ人？」</p>

<p>「そうです」</p>

<p>「あんたが撃ったのか？」</p>

<p>伊場は、正面から平岡の目を見た。</p>

<p>「そうです」</p>

<p>答えてから、喉が乾いた。こんなにあっさり言えるとは、自分でも思っていなかった。</p>

<p>平岡は、少しのあいだ黙った。</p>

<p>「そうか」</p>

<p>それだけ言って、視線を外した。また爪楊枝を噛んだ。</p>

<p>「話してましたよ、阿久津は」</p>

<p>平岡は、ゆっくりと言い始めた。</p>

<p>「公安の取り調べが始まって、二日目だったと思います。取り調べから帰ってきたとき、阿久津が珍しく機嫌がよくて。また、公安なんてちょろいもんだ、って鼻で笑ってたんです。なにがちょろいんだと訊いたら、こんなことを言いました」</p>

<p>平岡は伊場の目を見た。</p>

<p>「アイテンに手が届きゃ、おまえらなんか一発だ、って。そう言って、鼻で笑ってたそうですよ。それが何なのかは、言いませんでした。ただ、アイテン、アイテンって。よっぽどの切り札のつもりだったんでしょう」</p>

<p>平岡は、ちゃぶ台の競馬新聞を引き寄せると、余白にボールペンを走らせた。太い指で、二文字を書く。</p>

<p>藍天（アイテン）。</p>

<p>「一度だけ、字を書いてみせたことがあるそうです。得意げに、こう書くんだ、って。藍色の藍に、天。中国の言葉で、青空って意味だとか。青空がなんで切り札になるのか、おれにはさっぱりでしたがね」</p>

<p>伊場は、その二文字を目に焼きつけた。</p>

<p>藍天。</p>

<p>初めて見る言葉だった。意味はわからない。だが阿久津は、それを公安をひねり潰せるほどの何かだと信じていた。</p>

<p>その言葉に、小暮が食らいついた。そして、何かの事情があって単独で動いた。その結果が、自らの死......。</p>

<p>「阿久津は、どこでその情報を知ったか言ってましたか？」</p>

<p>「言いませんでしたね。ただ、自分はいろんな場所に顔がある、ってことは言ってました。その顔のどこかから入ってきたんでしょう」</p>

<p>伊場は、少し整理した。</p>

<p>阿久津は広いブローカーネットワークを持っていた。そのどこかで、藍天という言葉を耳にした。中身は分かっていなかったのだろう。それでも、公安を手玉に取れると思い込んだ。その思い込みが、どこで裏返ったのか。</p>

<p>「平岡さん、もうひとつ伺います」</p>

<p>「なんですか」</p>

<p>「阿久津は、射殺される直前、どんな様子でしたか？」</p>

<p>平岡は、しばらく答えなかった。</p>

<p>競馬新聞の山を、視線が通り越した。もっと遠くを見ている目だった。</p>

<p>「前の日の夜、静かだったんですよ」と平岡はようやく言った。「それまでは毎晩ざわついてたのに、急に静かになって。朝ごはんを食べて、何も言わなかった。食い方はきれいでしたよ、あいつは。箸の持ち方が正しくて、音を立てない。それだけは、おれも認めてた」</p>

<p>平岡は、腕を組んだ。</p>

<p>「昼過ぎに連れ出されて、それっきり戻ってこなかった。取り調べに行ったんだと思ってたら、騒ぎになって、あとで射殺されたと聞いて。なんというか......」</p>

<p>平岡は、言葉を探した。</p>

<p>「どこかで覚悟してたんじゃないか、と思った。あの静けさは。長年現場仕事をやってきて、足場が崩れる前の静けさというのを知ってる。あいつは、前の日の夜、もう覚悟してたんじゃないかと。だから静かだった」</p>

<p>伊場は、ちゃぶ台の上の一点を見た。</p>

<p>阿久津は怯えていた。俺は消される、と繰り返していた。そして最終日、静かになった。</p>

<p>その静けさが、何を意味するのか。</p>

<p>絶望か。</p>

<p>諦念（ていねん）か。</p>

<p>それとも、別のものか。</p>

<p>「平岡さん、ありがとうございました」</p>

<p>伊場は腰を上げた。</p>

<p>「あんた、一介の刑事じゃないのか、これは」と平岡が言った。「友人の死を調べてる。だから来た。そういうことだろ」</p>

<p>「そういうことです」</p>

<p>「そうか」</p>

<p>平岡は、立ち上がりはしなかった。ちゃぶ台の前に座ったまま、腕を組んでいる。</p>

<p>「無茶をするなよ」と平岡は言った。</p>

<p>叱っているような口調だったが、声は低かった。</p>

<p>「若い者が命を懸けて守ろうとしたもんがあるんだろ。ちゃんと受け取れ。ただし、死ぬな。死んで解決することなんか、何ひとつない」</p>

<p>伊場は、深く頭を下げた。</p>

<p>平岡の部屋を出ると、梅雨の空気が顔に当たった。</p>

<p>車に戻り、エンジンをかけてから、しばらくそのままにした。</p>

<p>藍天。</p>

<p>阿久津が握っていた、正体の知れない二文字。阿久津がそれを知っていた。小暮がそれを掴んだ。小暮はそれを組織に報告せず、単独で動き始めた。なぜ報告しなかったのか。なぜ単独で動いた。</p>

<p>川本百合。</p>

<p>圭子から聞いたその名前が、また浮かんだ。小暮が五月三十日に密会した女。翌日に高円寺で交通事故に遭って死んだ女。</p>

<p>阿久津と川本百合（かわもとゆり）は、どこかで交わっているのか。</p>

<p>あるいは、川本百合こそが、その藍天の核心に近い場所にいるのか。</p>

<p>伊場の中で、半信半疑だった疑念は確信へと変わりつつあった。単なる考えすぎだ、と打ち消すには材料が揃いすぎている。阿久津の怯えと「消される」というつぶやき。藍天という切り札。そして、川本百合。これだけ並べば、ただの偶然とは思えなくなる。</p>

<p>わからないことばかりだ。それでも、糸口は出てきた。</p>

<p>時計を見ると、午後四時を過ぎていた。</p>

<p>夜には新井と落ち合う約束がある。</p>

<p>伊場は車を出した。善福寺川沿いの道を戻り、中野通りを北上する。夕暮れが近く、空の端がわずかに橙色に染まり始めていた。</p>

<p>藍天。</p>

<p>青空、という意味だと平岡は言った。その名を持つ何かを抱えたまま、不穏な夜が始まろうとしていた。これから飛び込もうとしている闇の深さを思うと、自然と肩のあたりに力がこもってきた。</p>

<p>〈つづく〉</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 21 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安東能明（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ悩みが尽きない？　ついやってしまいがちな「3つのNG習慣」とその手放し方  藤田康男（Smart相談室CEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15251</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015251</guid>
			<description><![CDATA[悩みを抱えているとき、どのようにして心を落ち着かせればよいのか。Smart相談室CEOの藤田康男さんが具体的なエピソードを基に、ケーススタディを紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="藤田康男著『悩みの統計学』" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_mayami01G.jpg" width="1200" />「悩みを解決しようとしているのに、どんどん不安が大きくなった」「他人と比較して苦しくなった」そういった経験をしたことも多いのではないでしょうか？実際、藤田康男さんがCEOを務めるSmart相談室で実施するカウンセラーアンケートでも、半数以上の人が同じような悩みを抱えていることが示されています。</p>

<p>では、そうした悩みを抱えたときに、どのような行動を心がければよいのか。誰もが経験しそうな具体的なケースを例に、心理学・行動科学を踏まえた対処法を紹介します。</p>

<p>※本稿は、藤田康男著『悩みの統計学』(扶桑社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>62.4％が、悩みを「整理する前に解決」しようとしている</h2>

<p>悩みを抱えたとき、多くの人は、「どうすれば解決できるのか」を真っ先に考えます。インターネットで情報を検索したり、経験者の話を聞いたり、すぐに行動を起こそうとしたりすることもあるでしょう。このような状態は決して珍しくありません。カウンセラーアンケートによると相談者の62.4％が、「悩みを十分に整理しないまま解決しようとしている」ことが分かっています。</p>

<p>しかし、対処法を探しているにもかかわらず、かえって迷いや不安が大きくなってしまった経験はないでしょうか。その理由は、対処法が見つからないからではなく「何に悩んでいるのか」が整理できていないまま答えを探しているからかもしれません。</p>

<p>【ケース1】どうすれば上司との関係を変えられるのか</p>

<p>仕事で上司との関係に悩んでいるAさんは、「どうすれば上司との関係を変えられるのか」と、答えを探し始めました。インターネットで情報を集め、本を読み、友人にも相談しましたが、意見がバラバラでかえって混乱してしまいます。</p>

<p>【対処法】「何に悩んでいるのか」を言葉にする</p>

<p>悩みに対処する第一歩は、答えを探すことではありません。そこが鍵です。</p>

<p>まずは、「自分は何に困っているのか」を整理しましょう。たとえば、「上司が嫌だ」という悩みであっても、その中には「ちゃんと評価されていない、評価してもらえるか、という不安」「期待に応えられない焦り」「人前で叱責された悔しさ」など、さまざまな感情が混ざっていることがあります。</p>

<p>これらを1つずつ言葉にしていくことで、問題の輪郭が見えてきます。すると、「上司との面談を増やす」「評価基準を確認する」といった、より現実的な選択肢が見えてくることも少なくありません。</p>

<p>悩みは、急いで答えを出そうとするほど複雑になりがちです。だからこそ、まずは立ち止まり、「私は何に悩んでいるのか」「何が一番つらいのか」を言葉にしてみてください。悩みは整理されることで初めて、解決への道筋が見えてくるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>57.8％が、「やらないこと」を選択できない</h2>

<p>現代は「やるべきこと」が次々と増えていく時代です。仕事でもプライベートでも、目の前には無数の選択肢や依頼が存在します。タスクと言ってもいいかもしれません。そのため、多くの人は「何をやるか」を考える一方で、「何をやらないか」を決めることができません。</p>

<p>しかし、時間や体力、集中力には限界があります。すべてを引き受けようとすると、結果として重要なことに十分な力を注げなくなります。忙しさに追われているのに成果や充実感が得られない場合、その原因は能力不足ではなく「やらないこと」を決められていないことにあるのかもしれません。</p>

<p>【ケース2】依頼された仕事を何でも引き受けていたら、訳が分からなくなった</p>

<p>量が質を担保するという考え方に基づいて、依頼された仕事や頼まれごとをすべて引き受けていたBさん。最初は評価されていましたが、次第に「あの人に頼めばやってくれる」と認識され、さらに多くの仕事が集まるように。その結果、自分が本当にやるべき仕事が見えなくなり、気づけば、何が重要で何が重要でないのか分からなくなってしまいました。</p>

<p>【対処法】TODOリストの上位5つだけを実行しよう</p>

<p>まずは機械的に、TODOリストの上位5つだけを実行することにしましょう。自分の中のルールです。それ以外のタスクは、ひとまず後回しにします。すると、「なぜこの仕事をやっていないのか」といった反応やクレームがくるかもしれません。しかし、その反応こそが優先順位を見直す材料になります。本当に重要なものなのか、それとも緊急そうに見えるだけなのかを判断できるようになるからです。</p>

<p>この作業を繰り返していくと、自分にとって価値の高い仕事と、そうでない仕事が少しずつ見えてきます。私たちは「何をやるか」を決めることばかりに意識を向けがちですが、成果を生み出している人ほど「何をやらないか」を明確にしています。限られた時間を有効に使うためには、必要なことを選ぶのと同じくらい、不要なことを手放す勇気が必要なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>57％が、「他人と比較」している</h2>

<p>半分以上の方の悩みは、「他人との比較」から生まれています。前出の社会的比較によれば、人は社会的な生き物であり、自分の状況を理解するために他人と比較する習性を持っています。人は自分の能力や意見、価値を判断するときに、他人との比較を通じて自己評価を行うのです。</p>

<p>人間は身長や体重のように簡単に測れるものだけでなく、「自分は仕事ができるのか」「年収は高いのか」「幸せなのか」「良い親なのか」といった曖昧な事柄についても評価したいと考えてしまいます。</p>

<p>社会的比較は、上方比較（自分より優れている人と比較すること）と、下方比較（自分より恵まれていない人と比較すること）の2つに分けられます。上方比較は、「自分も頑張ろう」というモチベーションになることがあり、一方で、「自分はダメだ」「なぜ、自分だけ」と劣等感や嫉妬を生みやすい面もあります。下方比較は安心感や優越感を与えますが、成長への意欲を失わせる面もあります。</p>

<p>ポイントは、比較するに当たって、絶対的な基準は存在しないことをきちんと理解しておくことです。それがないから、周囲の人を基準にして自分を判断することになるのです。自分の年収が500万円として、Aさんが400万円なら満足し、700万円なら不満を感じる。つまり、絶対的よりも相対的に評価するのです。比較そのものは自然な行為ではあるのですが、自分を苦しめる原因にもなります。</p>

<p>【ケース3】自分の給料が低い気がする</p>

<p>Cさんは、「自分の給料は低い気がする」と悩んでいます。それは給料の額そのものが問題なのではなく、同じ会社の同僚が昇給した、友人が転職して年収が上がった、SNSで知人の活躍を目にした......そのような情報に触れた瞬間、自分の状況を相対的に評価し始めてしまうのです。</p>

<p>【対処法】何と比較しているかを明確にする</p>

<p>比較によって生じた悩みに対処する第一歩は、自分が何と比較しているのかを明確にすることです。給与であれば、同僚と比べているのか、友人と比べているのか、それとも理想の自分と比べているのか。評価基準、役割、成果、交渉の有無、市場環境、業界動向など、何と比較しているのか確認します。比較対象が見えるだけでも、悩みの正体はかなりはっきりします。</p>

<p>その上で、感情ではなく事実を確認してみましょう。評価基準は同じなのか、役割や責任範囲に違いはないか、成果の差はあるのか、給与交渉をしたかどうか、市場環境や業界動向はどうなっているのか。こうした要素を整理することで、「不公平だ」と感じていたことが、実は異なる条件による結果だったと気づくこともあります。</p>

<p>さらに、具体的な行動につなげることが大切です。スキルを身につける、上司と話し合う、異動を希望する、副業を始める、転職市場を調べる、キャリアパスを変更するなど、取れる選択肢は数多くあります。「不満を我慢する」か「すぐ辞める」かという極端な二択で考えがちですが、現実には、その間にさまざまな選択肢が存在します。</p>

<p>比較によって生まれた感情を否定する必要はありません。ただ、その比較を分析し、行動につなげることができれば、悩みは前進するためのヒントへと変わるのです。社会的比較は人間の本能なので、完全になくすことはできません。</p>

<p>重要なのは「比較しないこと」ではなく、「何と比較しているのか」に気づくことです。「自分は何と比べているのだろうか」 「その比較は妥当なのか」「比較から何を学べるか」「どんな行動につなげられるか」。こうした視点を持つだけで、比較による苦しみは小さくなります。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 21 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[藤田康男（Smart相談室CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>一流は「金曜日」の過ごし方が違う　仕事の質を高める時間の使い方  越川慎司（株式会社クロスリバー代表取締役社長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15134</link>
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			<description><![CDATA[仕事のパフォーマンスを上げるために心がけたいこととは何か？元マイクロソフト業務執行役員の越川慎司さんが、「金曜に意識したい働き方」「平日の夜にしてはいけないこと3選」を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="越川慎司著『世界の一流は「平日」の夜に何をしているのか』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_businessman(1).jpg" width="1200" />現在、株式会社クロスリバーの代表取締役社長を務め、過去にはマイクロソフトで業務執行役員を務めていた越川慎司さん。成果を出す一流のビジネスパーソンと働いてきた中で、「世界の一流ほど、平日の時間の使い方を意識していた」と語ります。本稿では、「金曜日に意識したいこと」「一流が平日の夜にしないこと」について見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、越川慎司著『世界の一流は「平日」の夜に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>金曜日の負担を軽減することで結果につながりやすくなる</h2>

<p>金曜日に、その週の遅れを取り戻そうと残業をする人は少なくありません。しかし、火曜日と水曜日に全力を投じる一流のビジネスパーソンは、金曜日には大きくペースを落としています。彼らは金曜の午前中に残務を処理し、午後は会議を入れない時間に設定して、翌週の準備や週末の計画を整える時間に充てています。</p>

<p>彼らは金曜日の15時頃から週末の予定を立てたり、早めに仕事を切り上げたりすることで、金曜日の夕方から一足先に休日モードへと切り替えます。この早い段階でのスイッチの切り替えが、心身の回復を早めるのです。</p>

<p>一方で、成果を出せない人は金曜日の夜まで残業をして疲弊し、土曜日の朝を強い疲労感とともに迎える傾向があります。金曜日の負担を軽減することが仕事の結果につながりやすい理由は、次の3つの点に整理できます。</p>

<p>【理由①】金曜日で1週間の印象が決まる</p>

<p>1つ目は、心理学者で行動経済学者のダニエル・カーネマンが提唱した「ピークエンドの法則」による心理的影響です。人間は一連の経験を「最も強烈な瞬間」と「終わり方」で記憶し評価するため、1週間の終わり方である金曜日の過ごし方が、週全体の印象を決定づけるのです。</p>

<p>金曜の夜を疲労困憊で終えると、その1週間は「疲れた5日間」として記憶されます。対して、穏やかに1週間を終えることができれば「充実した5日間」として記憶され、週末以降のマインドセットが大きく向上します。金曜日の午後に意識的にペースを落とすべき理由は、この記憶のメカニズムにあります。</p>

<p>【理由②】疲労の持ち越しを防ぐ</p>

<p>2つ目は、身体的な疲労の持ち越しを防ぐためです。金曜日に全ての力を出し切ってしまうと、土日は心身の回復だけで時間が過ぎてしまいます。</p>

<p>その結果、週末を本当の意味でのリフレッシュや次週への備えに充てる余裕が失われ、月曜日の始動が鈍くなることにより、1週間全体のパフォーマンスが低下します。前の週の金曜日に無理をすることが、皮肉にも翌週の成果を下げる悪循環を生み出すのです。</p>

<p>【理由③】思考のスペースを確保する</p>

<p>3つ目は、思考の&rdquo;スペース&rdquo;を確保するためです。金曜日の午後にあえて予定を詰め込まない時間を持つことで、1週間の出来事を振り返り、来週の優先事項を整理する余裕が生まれます。この思考のスペースがあるからこそ、一流のビジネスパーソンは月曜日の朝に「今週取り組むべきビッグロックは何か」ということについて、明確な答えを持って出社できます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>金曜の夕方から休日モードへ切り替える</h2>

<p>金曜日の夕方を軽くして土日のエネルギーを温存し、家族や友人との時間を楽しみながら次週への準備を整える。そうすることで、月曜日を最高の状態でスタートできます。このリズムを1週間の中に組み込んでいるからこそ、ピークゾーンである火曜日と水曜日に最大の成果を出し、1週間全体での生産性を高められるのです。</p>

<p>私自身もこの数年間、金曜午後の過ごし方を工夫してきました。具体的には、金曜の午後に会議を入れず、ノートに1週間の振り返りを書き出し、翌週の優先順位を確定させてから帰宅するようにしています。</p>

<p>この習慣を継続したことで、月曜朝の心理的な負担が明らかに軽くなりました。金曜の夜を「今週もなんとかやり切った」という疲弊感ではなく、「来週が楽しみだ」という前向きな心持ちで迎えられています。</p>

<p>こうした考え方は、ドイツやオランダといった欧州のテクノロジー企業の幹部たちからも、しばしば耳にするものです。ドイツでは、金曜の午後に働き続けている人は「1週間の設計ができていない人」と見なされる傾向にあります。日本では金曜の夜まで会社に残る人が「頑張っている人」として肯定されがちですが、欧州のビジネスシーンでは全く逆の解釈がなされています。</p>

<p>この背景には、仕事の後の時間を指す「ファイアーアーベント」というドイツ独自の文化が存在します。これは「退勤後の夕べ」を意味し、仕事が終わった後の自由な時間をドイツのビジネスパーソンは非常に大切にしています。</p>

<p>とくに金曜の夕方は、1週間で最も重要なファイアーアーベントと位置づけられており、仕事によってその時間が奪われないよう徹底されています。こうした文化的な土壌があるからこそ、金曜の午後を軽くする習慣が社会に根付いているのです。</p>

<p>日本の職場環境において、金曜午後をすべて自分のために使うことは容易ではないかもしれません。しかし、予定を無理に詰め込まないというマインドを持つだけでも、1週間の質は大きく変わります。まずは「金曜の16時以降は新しいタスクを受けない」といった、実行可能な小さなルールを設けることから始めてみてください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>一流が平日の夜に絶対にしないこと</h2>

<p>ここからは世界の一流が平日の夜に「やらないこと」を紹介します。</p>

<p>彼らは自らのコンディションを整え、仕事のパフォーマンスを向上させるために、取り組むべき課題だけでなく、避けるべき行動も明確に定めています。その時々の状況に応じて変化する「やるべきこと」とは異なり、「やらないこと」の基準は常に一定です。この「しない習慣」を毎晩守ることは、コンディションの安定に繋がり、翌朝のパフォーマンスを支える土台となります。</p>

<p>私がマイクロソフトでグローバルのエグゼクティブたちと仕事をしていた際、彼らが夜の行動に関して「しないこと」を語る場面に何度も遭遇しました。お酒を飲み過ぎない、寝室にスマホを持ち込まない、何となく夜を過ごさないといった決まりごとは、彼らにとって義務ではなく、自らのコンディションを守るための能動的な選択でした。</p>

<p>世界の一流が平日の夜に絶対にやらない習慣は、大きく分けて3つあります。</p>

<p>【夜のNG習慣①】寝室にスマホを持ち込む</p>

<p>マイクロソフトのエグゼクティブたちは、寝室をデジタルデバイスから完全に切り離された空間にするべきだと口を揃えていました。スマートフォンが枕元にあると、仕事の連絡に対応してしまったり、目的なく動画を視聴したりしてしまいます。彼らは、端末を寝室の外に置くだけで睡眠の質が向上し、翌朝の思考が明快になることを実体験として理解していました。</p>

<p>【夜のNG習慣②】夜の予定を決めていない</p>

<p>一流のビジネスパーソンは、帰宅前やその日の早い段階で、夜の時間を何に使うかをあらかじめ決めています。帰宅して疲労を感じている状態で意思決定を下すのは困難ですが、事前に「読書か運動をする」と決めておけば、迷わずその通りに行動できるからです。</p>

<p>明確な意図を持たずに夜を迎えると、脳はスマートフォンのスクロールやテレビの視聴といった、安易で受動的な刺激に流されてしまいます。こうした行動は、脳にとって負担が少なくラクではあっても、本来必要な回復には寄与しません。</p>

<p>マイクロソフトでは、多くの社員が意図的にデジタル・デトックスの時間を作っていました。創業者のビル・ゲイツは、「Think Week」と呼ばれる、デジタルデバイスを手放して読書と思考だけに集中する週を年に1、2度設けていました。これは特定の期間での取り組みですが、日常の夜においても、意図を持って過ごすという姿勢は共通しています。</p>

<p>【夜のNG習慣③】翌朝に疲れを持ち越す行動をする</p>

<p>一流の人たちは、翌朝に疲れを残さないことを夜の生活設計における最優先事項に据えています。こうした配慮は単なる健康管理の枠を超え、翌朝を最高のコンディションで迎えるための戦略的な選択といえます。</p>

<p>身体的な負荷を最小限に抑えるために、深酒や遅い時間の食事を徹底して避けます。同時に、脳を興奮させたまま眠りにつかないよう、入眠前の過ごし方にも注意を払っています。</p>

<p>仕事のことを考えながら眠りにつくことも、翌朝に疲れを持ち越す要因になります。未解決の問題や翌日への不安を頭の中で反芻し続けると、体は横になっていても、脳が情報処理を続けてしまいます。この脳が休まらない状態こそが、朝になっても疲労が抜けない原因となります。</p>

<p>就寝前に懸念事項を紙に1行書き出すだけで、脳へ情報を「手放す」というシグナルを送ることが可能です。深く心地よい眠りを得るために、この習慣を取り入れてみることをお勧めします。</p>

<p>「しない習慣」を実践することは、「する習慣」を身につけるよりも難しくありません。今夜からスマートフォンを寝室に持ち込まないと決めるだけで、翌朝の自分に変化が現れます。世界の一流が活力を持って朝を迎えられるのは、意志が強いからではなく、前夜の過ごし方を意識的に設計しているからです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 21 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[越川慎司（株式会社クロスリバー代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「社会は甘くない」 助言のつもりが、若者の挑戦を奪う態度  原田祐紀（浄土真宗明善寺住職）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15220</link>
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			<description><![CDATA[大人が｢社会は甘くない｣と若い人の挑戦を止めるのではなく、安心して帰れる場所を用意して背中を押す大切さと、どんなに小さな行動でも未来を変える第一歩になることを説いた記事。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="考え込む女性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman_2.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢やめておけ｣と足を引っ張る大人になるか、｢やってごらん｣と安心して戻れる場所を作るか。若い世代の挑戦を止めているのは、実は社会の厳しさではなく、身近な大人の一言かもしれません。未来を変えるのは大きな決断ではなく、今日できる｢小さな一歩｣。その理由を紐解きます。</p>

<p>※本稿は、原田祐紀著『自分らしく生きるための 心を整える習慣 ざわつきをしずめるやさしい仏教の教え』(KADOKAWA)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢社会は甘くない｣が若者の挑戦を止めることがある</h2>

<p>若い人の挑戦の芽を、周囲の人がこんな言葉で知らないうちに摘んでしまうことがあります。<br />
大人にできるのは、必要なときには避けるべき危険から守り、若い人が安心して挑戦できるように支えること。そして戻ってこられる場所を用意することです。</p>

<p>｢社会はそんなに甘くない｣</p>

<p>親や教師、上司など、立場のある大人が子どもや若い人を心配してかけるその言葉が、かえって挑戦しようとする気持ちを閉じてしまうことがあります。</p>

<p>思うようにいかないかもしれない。失敗することもあるかもしれない。それでも、その経験から学べることがあります。なぜなら、挑戦したからこそ、見えてくるものもあるからです。</p>

<p>子どもや若い人に必要なのは、安心して戻れる場所です。うまくいかなくても帰ってこられる、失敗しても責められない、傷ついても笑われない場所です。そうした場所があることで、人は社会の厳しさにも向き合いやすくなります。</p>

<p>かけたい言葉は、｢やめておけ｣ではなく、｢やってみたいなら応援するよ｣｢うまくいかなくても帰っておいで｣｢そのときは一緒に考えよう｣です。</p>

<p>そのひと言が、若い人の背中をそっと押します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>小さな行動が未来につながる</h2>

<p>思いを現実につなげていくには、行動が必要になることもあります。<br />
仏教では、さまざまな｢因(タネ)｣と縁が重なって、結果が生じると考えます。<br />
今の小さな行動も、その多くの｢因｣のひとつなのです。</p>

<p>頭のなかで思いを巡らせているだけでは、現実が変わりにくいこともあります。<br />
日々の行動の積み重ねが、未来を形づくっていきます。<br />
｢これでいいのだろうか｣という不安を抱えながらでも、小さく動けることがあります。</p>

<p>だから、ほんの一歩、そっと踏み出してみてください。<br />
行動すると、見える景色や出会う人、得られる情報が変わり、選択肢が増えることもあります。</p>

<p>ここでいう行動は、大きな挑戦でなくてもいいのです。</p>

<p>仕事机の上を拭く。職場の掃除をする。5分だけ作業を進める。一本連絡を入れる。どんなにささやかなことでもいいのです。</p>

<p>未来を動かすきっかけは、あなたの一歩のなかにあります。<br />
今日できる小さな一歩を選んでみてください。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_thinkingwoman_2.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 20 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[原田祐紀（浄土真宗明善寺住職）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>『葉隠』と『曾根崎心中』に共通する「死の覚悟」とは？映画『国宝』に引き継がれた日本の精神  山折哲雄（宗教学者、評論家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15285</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015285</guid>
			<description><![CDATA[宗教学者で評論家の山折哲雄氏が、歴史や文学、芸能を横断しながら、日本人の死生観に深く根づく「覚悟」の意味を解説する]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="日本人の「死の覚悟」は武士道だけではなかった" height="799" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/pixta_zenstone.jpg" width="1200" /></p>

<p>日本人にとって「死の覚悟」とは、どのような意味を持つのでしょうか。<br />
その起源をたどると、武士道や仏教だけでなく、江戸時代の町人文化にも行き着きます。</p>

<p>武士の死生観を伝える『葉隠』と、男女の愛と心中を描いた近松門左衛門の『曾根崎心中』。一見異なる二つの作品には、「死ぬ覚悟」という共通の主題が見えてきます。さらに、その精神は現代の映画『国宝』にも受け継がれています。</p>

<p>宗教学者で評論家の山折哲雄氏が、歴史や文学、芸能を横断しながら、日本人の死生観に深く根づく「覚悟」の意味を読み解きます。</p>

<p>※本稿は、山折哲雄著『死の覚悟 日本人らしさとは何か』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「死の覚悟」の起源</h2>

<p>「死の覚悟」の起源を追っていくと、背景には自然に武士道と仏教の思想が浮かんでくるだろう。</p>

<p>「覚悟」は何よりも仏教の考えと深くかかわる。それに対し「死」は「悟（さとり）」とともに仏教でも重要であるが、武士道の華でもある切腹ともかかわる。<br />
「覚悟」の起源は、平安時代の源平合戦、保元・平治の乱あたりの文献をみればいくらでも出てくるのではないのかとぱっと思った。それが出てこない。「覚悟」という言葉自体は平安時代にいたるところに出てくるが、「死の覚悟」「決死の覚悟」という言葉遣いはほとんどない。</p>

<p>源頼政は平家追討の旗を掲げ、結局、宇治川の合戦で敗れた。平等院に逃げ込んで割腹自殺をとげるわけだが、このときの頼政の死に方は、覚悟の死ではない。ただ、切腹という死の作法はここではじめて出てくる。<br />
従者を一人連れて、平等院の堂内に入って鎧（よろい）を脱ぐ。遺言の歌を一首書く。寂しい、弱々しい和歌だ。「自分はさもない一輪の花として咲いて、活動をしたけれども、哀れな、みじめな死に方をしなければならない。悲しいことだ」、これが遺言の歌の意味である。</p>

<p>覚悟なんて関係ない。それから西をみて、念仏を高声で十遍称え、脇差しを腹に突き立てる。同時に従者が首を討つ。首が転がって宇治川の流れに入っていった──。こういう描写だ。<br />
つまり、武士の死の作法というのは大体、この頼政の切腹で定まったのかもしれない。しかしそれは、のちの武士の「死の覚悟」とは違う光景だった。</p>

<p>「死の覚悟」が言葉としてはっきり記されているのが、鍋島藩士・山本常朝の『葉隠』と、近松門左衛門の浄瑠璃『曾根崎心中』だったのは驚いた。<br />
この二つの作品がつくられた時代は、とにかく戦国の世の血なまぐさい気風が去り、文化が繁栄する平和な社会になっていた。そんな時節にいったいどうして「死の覚悟」が問題になるのか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「葉隠バイアス」と「三島コンプレックス」</h2>

<p>もう半世紀ほど前になるが、書家の寺山旦中氏に「山本常朝の短冊をもっているが、みにきませんか」と誘われ、たずねたことがある。そこには、「浮世から何里あらうか山桜」と書かれていたのである。<br />
丸みを帯びた、柔らかい文字だ。一字一句が小さく、肩ひじを張っていない。ほとんど、たおやめぶりといっていい。</p>

<p>二代藩主・鍋島光茂が死んだとき常朝は殉死しようとしたが、許されなかった。すでに禁令が出ていたからだが、いたし方なく彼はそのまま出家して山中にこもってしまう。やがて弟子の青年武士・田代陣基が訪れ、師の語る言葉を筆録してこの書が成立する。そしてその冒頭に、先に記した一句が弟子・田代陣基のものとともに掲げられたのである。</p>

<p>彼は、武士の田舎住まいを説いていた。万事、江戸風になびいていく風潮を嫌っていた。主君の死にあい、髪を切って僧になり、山中に身を隠したのもそのため、浮世から離れ、いっそ桜の化身になりたい、と。<br />
この書物をなぜ『葉隠』と称したのか、いろいろな説があるが、有力なのが「主君に対する隠し奉公」「陰徳の精神」というものだった。</p>

<p>ところが他方、西行法師の歌にその根拠を求める説があり、私はそのほうに魅力を感じてきた。彼の歌集『山家集』に出てくるが、<br />
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐<br />
葉隠れに散りとどまれる花のみぞ<br />
忍びし人に逢ふ心地する<br />
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐<br />
人里離れた山中で、ふと、路ばたに一輪の花が咲いているのに気づく。それがわが身を隠している風情と重なる。『葉隠』はこの西行の「葉隠れ」に通じているという。</p>

<p>けれどもこの書には全篇にわたって「追腹（おいばら）」「譫言（ざんげん）」「死狂い」といった過激な言葉が並ぶ。「主君に対する忠誠」という主題が顔を出す。それのみか、出家者の生き方を頭から否定して、西行や吉田兼好を批判して、「腰ぬけすくたれ者」と罵倒している。こうして最後に行きついた心境が、次のような「四誓願」だった。</p>

<p>一、武士道に於ておくれ取り申すまじき事<br />
一、主君の御用に立つべき事<br />
一、親に孝行仕（つかまつ）るべき事<br />
一、大慈悲を起し人の為になるべき事</p>

<p>さて、これを何と解するか。まさに武士道と出家道が最後に出会う接点ではないか。<br />
かつて三島由紀夫は『葉隠』精神に心酔して、華々しい自決をとげたが、われわれはまだこのような「三島コンプレックス」、あるいは「葉隠バイアス」の呪縛から解放されていないのではないだろうか。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>愛の物語としての『曾根崎心中』</h2>

<p>面白いのは、この『葉隠』の出現とほとんど同時代の大坂の町人世界で「死の覚悟」の舞台が、堂々と上演されていたということだ。それが先に述べた、近松門左衛門の『曾根崎心中』だった。</p>

<p>これは、当時じっさいにあった事件をドラマ化した人形浄瑠璃である。醬油商の手代・徳兵衛と遊女・お初の二人が、恋を貫いて心中する。これははじめ歌舞伎でとりあげられ、のちに浄瑠璃の庶民劇に仕上げられたもので、日本演劇史上画期的な作品とされてきた。そのきわめつきのせりふがお初の口からほとばしる。</p>

<p>悪人にだまされ、借銭が返せなくなり、もう義理が立たない。この上は徳さま、もう死なねばならぬ、死ぬる覚悟が聞きたい──。</p>

<p>いまわれわれは、「死ぬ覚悟」という言葉を聞くと、まず仏教と武士道を思い描くのではないか。覚悟は「悟り」をめざす境地、それにかかわる死のイメージは切腹を受容する武士道の覚悟──それを合わせて「死ぬ覚悟」が今日までわれわれの社会に生きつづけていた、ということになるのだろう。『曾根崎心中』は、人情が義理を圧倒していく、シェークスピア流の愛の物語でもあったのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『国宝』の「死ぬ（る）覚悟」</h2>

<p>そのほかにも、この江戸時代には、心ある指導層の町人にとって、浄瑠璃写本は倫理的な教科書の役割を果たすようになっていた。</p>

<p>たとえば幕府のお雇い船頭だった高田屋嘉兵衛。蝦夷地との遠隔地貿易や国後、択捉などで北方海路の発見や開発に活躍したが、そのためロシア艦船に捕えられ、カムチャツカ半島に長期間抑留される。しかもその間、日本からもっていった浄瑠璃本を肌身離さず、単独での外交交渉にこぎつけ、みごとな捕虜交換に成功、無事帰国できた。</p>

<p>嘉兵衛の時代から年ほど前に出た伊勢白子浦の船頭・大黒屋光太夫もそうだった。彼は同じようにロシアに漂流し数奇な運命をたどった人間だが、その間浄瑠璃本を身につけて手離さなかったという。</p>

<p>江戸時代といえば、いつも儒教がとりあげられ、倫理の中心であるかのような議論が多い。けれども民間ではそれよりも近松の浄瑠璃本の役割が大きかった。<br />
しかもそれが『曾根崎心中』に登場するお初のような女性のあいだにも浸透していたことに、あらためて胸騒ぎを覚える。</p>

<p>そして令和の2025年に、『国宝』という映画が上映された。あれを私もみて感動したものだが、ハイライトはまさに、喜久雄と俊介が『曾根崎心中』で「死ぬ（る）覚悟」を演じている場面だった。<br />
あの映画の上映時間は大体3時間で、2時間ほど経ったときにハイライトが訪れる。映画の最後は別の踊りで締めくくっているわけだが、3時間は長すぎたか。『曾根崎心中』道行の場面で切っていたら、あの映画はもっと圧縮された芸術性を発揮することができたと思っている。</p>

<p>それにしてもやはり、ニッポン人の「死ぬ覚悟」を知るには、やはり慎重な配慮が必要なようだ。<br />
【初出『週刊現代』2024年10月19日号】</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utility/pixta_zenstone.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 20 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山折哲雄（宗教学者、評論家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>怪しいビジネスにハマる友人とどう接する？のび太流・正しい距離感  横山泰行（富山大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15168</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015168</guid>
			<description><![CDATA[『ドラえもん』のび太の失敗談から｢甘い儲け話｣の落とし穴を解説。実社会に潜む怪しい話の裏側と、自分や友人をトラブルから守る現実的な対処法を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="薄暗く影が落ちる廊下" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_street02.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢楽して儲けたい｣誰もが一度は抱くそんな願望の落とし穴を、『ドラえもん』のび太の失敗談から紐解きます。現実社会に溢れる｢甘い儲け話｣の裏側と、怪しい罠から自分や大切な友人を守るための現実的な対処法を、のび太の教えと共に解説します。</p>

<p>※本稿は、横山泰行著『ポケット版｢のび太｣が教えてくれたこと』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>のび太も痛感！世の中そんなにうまい話はない</h2>

<p>---------<br />
ドラえもんが取り出したひみつ道具｢タヌキさいふ｣にカキの葉を入れると、千円札に早変わり！のび太は大喜びしています！<br />
｢世界中のカキの葉っぱを集めて世界一の金持ちになろう｣<br />
両手両足をバタバタさせて有頂天になっています。そのうえ、しずちゃん、ジャイアン、スネ夫も巻き込もうとしています。<br />
｢しょくんアルバイトしないか？カキの葉集め？葉っぱ一枚に一円......いや十円......いや百円はらう｣<br />
しずちゃんは六枚のカキの葉を集めてきたので特別に千円支払い、のび太は残りのお札を持って、おもちゃ屋さんでレーシングカーのプラモデルを買うことができました。</p>

<p>ところが、しばらくすると、おもちゃ屋さんとしずちゃんから、お札が葉っぱになったと告げられます。<br />
びっくりしてドラえもんに尋ねると、こう説明されました。<br />
｢タヌキさいふは、未来の世界の子どもたちが銀行ごっこに使うんだ。三十分たつともどっちゃう｣<br />
それを聞いたのび太は、<br />
｢けっきょく、苦労しないで金もうけしようなんて考えるのがまちがいなんだ｣<br />
と、ショボンとしてしまいました。<br />
<br />
『てんとう虫コミックス未収録作品スペシャル ドラえもん第16巻』小学館<br />
第2話目｢タヌキさいふ｣<br />
---------</p>

<p>※登場人物｢源静香｣の作中での呼び方について、アニメなどでは｢しずかちゃん｣とすることが多いですが、本書ではマンガでの表記である｢しずちゃん｣を使用しています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「怪しい話」の正しいかわし方</h2>

<p>｢お客様だけに特別にお知らせする、いいお話です！｣</p>

<p>突然、電話がかかってきて、｢うまい儲け話｣とやらを聞かされた経験のある人もいるのでは？でも、本当に美味しい儲け話なら、そもそも他人になんか教えないで、自分がやっているはずでして......。冷静に考えれば、そうですよね？</p>

<p>だから、こういう話は99.99999......％ウソなのですが、とはいっても、｢もしかしたら、もしかするかも！｣と、心がグラッと動いてしまうこともあるかもしれません。</p>

<p>のび太の場合は、反省するだけで済みました。でも、私たちの実社会でウラがありそうな儲け話に乗ってしまうと、取り返しのつかないことになることもあります。<br />
｢倍になって返ってくるはず｣の投資金を全部失ったり、ネットワークビジネスにはまって大事な友人を巻き添えにするなんてことも......。</p>

<p>私たちがこうなってしまうのは、きっと、「できることなら、たくさんのお金がほしい！」と思うことが多いからなのでは？</p>

<p>でも、お金は目的ではなく、人生を豊かに送るための｢手段｣にすぎません。それなのに、お金儲けのためにメチャクチャな人生を送ってしまったら、まさに本末転倒だと思いませんか？</p>

<p>｢美味しい儲け話｣を持ちかけてくる人がいたら、さっきののび太の教えを思い出して冷静になって、思いとどまりましょう。｢本当に儲かるかもよ？｣と思う気持ちも、わからなくはないんですけど......。</p>

<p>電話であれば｢興味ありません｣と言ってすぐに切ってしまえばいいし、道で声をかけられたら、聞こえないそぶりで通り過ぎるくらいしたっていいと思います。</p>

<p>友人がそうした話を持ちかけてきたら、その人とは距離を置いたほうがいいかもしれませんね。その人は今、｢ずるい金儲け病｣にかかっている可能性が大きいので、いくら正論をぶつけても、なかなか聞いてくれないでしょうから。</p>

<p>目が覚めてくれたら、また以前のように仲良くするとして、しばらくは遠ざかっていることをオススメします。自分まで、その病気に感染してしまったら大変ですから。そういう態度をとることで、その友人だって｢自分のやっていることって、もしかしておかしいの？｣と、目が覚めるかもしれませんし。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 20 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[横山泰行（富山大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>自己主張できない人は「ハラスメント加害にあいやすい」　断れない社員が迎えた限界  村井真子（社会保険労務士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12983</link>
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			<description><![CDATA[ハラスメント加害にあいやすい人の特徴とは？ 『職場問題ハラスメントのトリセツ』より解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ハラスメントされやすい人" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_cryingman.jpg" width="1200" /></p>

<p>セクハラ、パワハラ、マタハラ...多様な&quot;ハラスメント&quot;が問題視される現代。その根底には常に人間関係があり、誰もが「加害者にも被害者にもなり得る」と社会保険労務士の村井真子さんは指摘します。なかでも加害を受けやすいタイプの一つが「自己主張が苦手な人」です。</p>

<p>本稿では実際の複数の事例をもとに匿名化・再構成したご相談に基づき、その特徴とリスクを書籍『職場問題ハラスメントのトリセツ』より解説します。</p>

<p>※本稿は、村井真子著『職場問題ハラスメントのトリセツ ~窮地の前に自分を守る、取るべきアクションと相談のポイント』（アルク）より内容を一部抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自己主張が苦手な人</h2>

<p>本稿では、「自己主張が苦手な人」とは自分の意見や感情、拒否の意思を相手に明確に示すことが難しいタイプを指します。こうした人は周囲との衝突を避けたい、嫌われたくない、あるいは慣れない場面で適切な言葉を選べないなどの理由から、自分が不快感を覚えても「嫌だ」と言いづらい傾向があります。</p>

<p>その結果、セクハラやパワハラなど不当な行為を受けても、あいまいな態度しか示せず、相手に「この程度なら許される」と思い込まれてしまう危険があるのです。</p>

<p>また、このタイプの人は業務量や役割分担についても、要求や調整を申し出るのが苦手なため、過剰な負担を引き受けがちです。問題を一人で抱え込むこともあります。すると、ストレスを長期的に蓄積させてしまい、心身の健康を損なうリスクも生じます。この状況を放置すると、被害がエスカレートしたり、周囲に相談しづらくなったりと悪循環に陥りやすくなります。</p>

<p>こうした人を守るため、組織は、自己主張が苦手な人が遠慮なく相談できる窓口を用意し、意に沿わないことは明確に伝えるロールプレイ研修などを開催し、コミュニケーションスキルを強化するサポートが求められます。</p>

<p>[このタイプの特徴]<br />
▼他者との衝突や調整が苦手で、トラブルが生じると「我慢すればいい」と受け入れてしまう。<br />
▼承認欲求が強かったり、周囲の評価を過度に気にしてしまう傾向がある。<br />
▼相手の感情に敏感に反応したり、先回りして負担を背負い込んでしまう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>断れずに引き受け続けた結果、無理をして限界を迎えてしまう若手社員</h2>

<p>[相談]</p>

<p>プロジェクトリーダーになったのをきっかけに、いくつものタスクを任されるようになりました。成長したい気持ちがあったので、上司から「きみにしか頼めないんだ」と言われると、つい引き受けてしまいます。毎日が残業の連続で、プライベートの時間もほとんどありません。</p>

<p>それでも「大変そう」と思われたくなくて、疲れた様子は見せないようにしていたら、さらに仕事を任されるようになってしまいました。最近では、身体的にも精神的にも不調を感じるようになり、ときどき動悸がしたり、朝起きるのが辛いです。</p>

<p>それでも「任せてもらえるだけありがたい」「自分ができないと思われたらチームに迷惑がかかる」と考えてしまい、誰にも言えません。そのせいか、仕事の質も少しずつ落ちている自覚があり、自己嫌悪につながっています。どうすればこの悪循環から抜け出せるのか、正直わからなくなっています。 シュウヤ（30代・男性）</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>シュウヤさんが「仕事が多すぎる」「心身ともに限界を感じる」と思っているなら、まずは、その事実を認識することが大切です。過重労働は、本人にとっても組織にとってもマイナスになる上、放置すると業務品質の低下や健康被害につながる危険があります。「過度な業務量に苦しんでいる」という状態自体が問題のサインであることを認め、対策を検討する必要があります。</p>

<p>業務を「断る」ことに抵抗を感じる場合は、部署の全体スケジュールを基に「この仕事とあの仕事が重なって期限も近いため、どちらを優先すべきか再調整したい」と上司に相談しましょう。部署全体で「誰が、どの仕事を、いつまでに行うのか」を可視化して進捗管理をすると、一人だけが過度に負担を抱え込む状況を防ぎやすくなります。</p>

<p>また、産業医制度を活用することも有効です。企業は従業員の健康を守る責任があり、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに産業医を選任し、労働者の健康管理を行わせなければならないことになっています（労働安全衛生法第13条）。</p>

<p>産業医が「労働者の健康を確保する必要がある」と認めるときは、事業者に対して、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができます。直接上司に相談しにくい場合でも、産業医を通して客観的な助言を得れば、業務軽減や配置転換など改善策を検討しやすくなります。状況によっては社内外の相談窓口も活用し、早期に過重労働やメンタル面の問題を解消しましょう。</p>

<p>シュウヤさんのように、まじめで「失望されたくない」という気持ちが強い人ほど、限界を超えてしまう傾向があります。</p>

<p>しかし、オーバーワークで体調を崩したり、結果的にパフォーマンスが低下すれば、むしろ周囲の期待には応えられなくなります。自分を長期的に活躍させるためにも、適切な自己管理と健康が欠かせないことを認識し、要望への応え方を見直すことが必要です。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 20 Oct 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[村井真子（社会保険労務士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>帰宅後の習慣で差がつく　成果を出す人ほど夜に「書く」「本を読む」理由  越川慎司（株式会社クロスリバー代表取締役社長）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15133</link>
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			<description><![CDATA[「平日の夜の過ごし方が仕事の質を上げる」「一流ほど夜に本を読んでおり、圧倒的な差をつけている」――そう語る株式会社クロスリバー代表取締役社長の越川慎司さんが、世界の一流が実践する帰宅後の習慣を紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="越川慎司著『世界の一流は「平日」の夜に何をしているのか』" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_dokushoW.jpg" width="1200" />「平日の夜の過ごし方を事前に決めている」という人はどれくらいいるでしょう？「仕事終わりで疲れているから、ただ漠然と過ごしている」という方も多いかもしれませんが、株式会社クロスリバー代表取締役社長の越川慎司さんは、「世界の一流ほど、やることを明確にしている」といいます。</p>

<p>帰宅後の過ごし方を明確にすると、どのようなメリットがあるのか。本稿では、一流と呼ばれる人たちが取り入れている夜の習慣を紹介します。</p>

<p>※本稿は、越川慎司著『世界の一流は「平日」の夜に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>世界の一流が夜に行う「自己回復」の習慣</h2>

<p>帰宅後の時間を漠然と過ごす日本人が多い一方で、世界の一流と呼ばれる人々は、1日を最善の形で締めくくるために明確な意図を持って行動しています。</p>

<p>彼らは日々の生活で生じたネガティブな要素をそのまま放置せず、意識的にポジティブなものへと転換しようと努めます。そのための具体的な手法として、その日に自分自身の身に起きた出来事を客観的に「仕分ける」作業を取り入れています。</p>

<p>彼らは、仕事上のモヤモヤや懸念事項を抱えたまま眠ることはありません。就寝前の数分間を使ってそれらを紙などに書き出します。頭の中にある問題を、いったん自分から切り離すのです。「書き出す」という行為は、脳への重要な合図になります。情報を外部へ出力したことを脳に伝えることで、脳はその情報を保持し続ける必要がないと判断し、手放すことができます。</p>

<p>日本のビジネスパーソンは、1日のうちにすべての問題を解決しようとする罠に陥りがちです。残業しながら考えを巡らせ、帰宅後もスマートフォンで調べ物をし、入浴中も頭の中でシミュレーションを繰り返します。しかし、疲れた脳で導き出した答えが、翌朝の澄んだ頭で考えた結論に勝ることはありません。夜に費やした思考の多くは、翌朝に見返すと大した前進がないものです。</p>

<p>書き出す作業を怠り、ストレスを抱えたまま眠ると、脳は睡眠中も情報の処理を継続してしまいます。体は横になって休んでいても、脳が夜通し働いている状態では、適切な休息は得られません。体を休めたはずなのに翌朝に頭が重いという現象は、このように脳を休ませていないことが原因で起こります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「書く」ことで1日を確かなものにする</h2>

<p>「書く」という行動は、1日の出来事を「仕分ける」ためだけでなく、一流の人々が多様な目的を持って取り入れている習慣です。</p>

<p>私は2026年2月にサンフランシスコを訪れ、グローバル企業のバイスプレジデントやシリコンバレーで活躍する起業家など、複数の経営幹部にヒアリングを行いました。その中で、夜に眠る前に必ず行っている習慣があるかを尋ねたところ、最も多く返ってきた回答が「書くこと」でした。</p>

<p>・その日にあったことを書く</p>

<p>・思いついたアイデアを書く</p>

<p>・日記を数行書く</p>

<p>・明日やることを書く</p>

<p>書く内容は人によって異なりますが、その目的を深掘りすると、共通した答えが返ってきました。彼らは「書かなければ、今日という1日が消えてしまう気がする」と口を揃えたのです。</p>

<p>この「書かないと今日が消える」という感覚は、多くの一流に共通していました。多忙を極める彼らの日常では、絶え間なく会議が続き、常に判断を求められ、膨大な情報が流れ込んできます。何も対策を講じなければ、1日の出来事は文字通り流れ去り、記録しないまま眠れば、翌朝には大半の記憶が薄れてしまいます。</p>

<p>しかし、文字にして書き留めておけば、それが「今日の自分」の証として手元に残ります。書くという行為は、今日という日を自分自身のものにするために、1日を手元に留めておく手段なのです。</p>

<p>毎日の習慣にする場合、書く量が多いことは気持ちの上で大きな負担になります。ある起業家は、その日に学んだことを「1行だけ」書く手法を提唱しています。たった1行でも、学んだ内容を言語化するだけで1日に大きな意味が生まれます。</p>

<p>ノートを埋め尽くす必要はなく、自分自身の気づきを1行だけ書き留めることを意識してください。記録する手段は、スマートフォンのメモ機能でも構いません。たとえ書けない日があったとしても、また次の日から書き始めれば習慣は維持できます。</p>

<p>このような気構えで取り組めば、1年後には「365行分の気づき」が手元に残ります。1行も書かなかった人と比較すると、そこには数字では測れないほどの大きな実力差が生じます。</p>

<p>書くという行為は、一度きりの「体験」を、血肉となる「経験」へと変換する手段です。体験したことを書き記すことで、知識やスキルが着実に蓄積されていきます。積み重なった記録は、自分自身の確かな自信へとつながるはずです。帰宅後の習慣として「書く」ことを取り入れるメリットは、想像以上に大きいといえます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>一流ほど「朝」ではなく「夜」に本を読む理由</h2>

<p>かつて私の日課は、朝の7時から読書をすることでした。朝の方が頭は冴えており、多くの知識を吸収できると考えていたからです。しかし、世界の一流と呼ばれる人たちは、夜に読書をする傾向にあります。</p>

<p>彼らが夜に本を開く目的は、単なる知識のインプットに留まりません。読書という時間を、「その日に得た経験」と「新しい情報」を結びつけるために活用しています。具体的には、今日の仕事で直面した課題を解決できる本を、その日の夜に選んで読みます。</p>

<p>このプロセスを経ることで、書かれている内容は抽象的な知識から、今の自分にとって不可欠な情報へと変化します。自分事として捉えながら読むため、翌日の実務に直結する学びとなります。「鉄は熱いうちに打て」という言葉があるように、経験をしたその日のうちに読書することで、記憶や理解の定着率が高まります。</p>

<p>サンフランシスコで話を聞いた米国テック企業の幹部は、本を夜に選ぶ理由を次のように語りました。</p>

<p>「今日の仕事の中で生まれた問いが、読むべき本を決定します。まず問いがあり、その答えを探すために本を開かなければ、知識はすぐに消えてしまうからです」</p>

<p>このように「学ばなければならない」という義務感で机に向かうのではなく、「今日の問いの答えはあるか」という探究心で本を開くとき、読書は自分自身との対話へと進化します。</p>

<p>起業家へのヒアリングでも、「一流と二流の差は頭の良さではなく、今日の経験から何を学ぶかを常に意識しているかどうかの差である」という意見で一致しました。本を読むことで目の前の課題に対する突破口が見つかれば、それは明日への活力になります。解決策が見えず悶々としながら眠りにつくよりも、精神的な充足感ははるかに高まります。</p>

<p>日本のビジネスパーソンには読書家が多く見受けられますが、その多くがインプットの段階で満足してしまっているように感じます。日本の学校教育では、長年「知識は覚えるもの」として教えられてきました。テストのために情報を頭に入れる訓練を重ねた結果、学ぶことが目的化し、実務で活用する視点が欠落しがちです。問題意識を持たずに読書をしても、実際の仕事に役立てなければ宝の持ち腐れとなります。</p>

<p>マイクロソフトの米国本社に勤務していた際、高いパフォーマンスを発揮する同僚たちは、新たに学んだ知識やスキルについて語るときに、必ず「それをどう活用したか」という実践報告を添えていました。彼らは本から得た考え方をプロジェクトで試行し、会議での提案に活かすことを当然の習慣としていました。知識は使うためにあるという意識が、組織全体に深く根付いていたのです。</p>

<p>彼らのもう1つの特徴は、インプットの量に固執しない点にあります。月に5冊の本をただ読む人よりも、月に1冊であってもそこから得た学びを実践する人の方が、半年後の仕事の質において圧倒的な差をつけます。</p>

<p>この「知識を成果に変換する」作業を行うのに最適な時間が、平日の夜です。日中は絶え間なく業務が舞い込み、じっくりと考える余裕を確保できません。だからこそ、静かな夜の時間を使ってインプットを変換する必要があります。具体的には、「今日読んだ情報は、今の仕事のどの部分に当てはまるか」「今週学んだことで、来週から試せることは何か」という問いを自分に投げかけます。</p>

<p>この習慣は、一晩につきわずか5分だけでも効果を発揮します。読んだ内容を実践し、それが成果として表れることで、自分に対する信頼や自己効力感が高まっていきます。夜のわずかな内省と読書の組み合わせが、仕事の質を向上させる好循環を生み出すのです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 19 Oct 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[越川慎司（株式会社クロスリバー代表取締役社長）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>失敗が怖いあなたへ。行動心理学に学ぶ「成長マインドセット」とは？  ニック・トレントン（行動心理学修士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15232</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015232</guid>
			<description><![CDATA[失敗や変化を成長の機会と捉える｢成長マインドセット｣と、変化を避ける｢固定マインドセットの違いを紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="階段を一歩ずつ上っていく男性" height="720" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_stepup.jpg" width="1200" /></p>

<p>失敗したら｢自分には才能がない｣と思ってしまう。変化を前にすると、不安になって一歩を踏み出せない。でも、もし失敗も変化も｢成長のチャンス｣だと考えられたら？人生の可能性を広げる｢成長マインドセット｣の秘密を探ります。</p>

<p>※本稿は、ニック･トレントン(著)・林田レジリ浩文(訳)『行動心理学が明らかにした ネガティブ思考を手放す技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 dir="ltr">失敗や変化を｢成長のチャンス｣に変える</h2>

<p>｢たとえ失敗したとしてもそれが世界の終わりではなく、さらに大きな成功につながる踏み台になるはずだ｣</p>

<p>この視点を取り入れると、どのような状況でも好奇心を持ち、心を開いて物事に当たることができます。また通用しなくなった(たとえ今まではそれで良かったとしても)古い考え方や、時に自分に吐いてきたネガティブな独り言などの自分を新たな挑戦から引きとどめてきたものからも自由になることができるのです。</p>

<p>成長マインドセットには、何かに懸命に取り組む姿勢と、それを忍耐強くこつこつと積み重ねることで、人の能力と知性を伸ばせる、という考え方もあります。</p>

<p>つまり、自分の能力も性質も生まれつき決まっているものではなく、学びと成長によっていかようにも伸ばすことができるということです。｢今日はこうだから、どうせ明日も同じだ｣というわけではないのです。</p>

<p>成長マインドセットを持つ人は、挫折や逆境はまた自分の発達と成長のためのチャンスでもあると認識しています。変化は人生において避けて通れないものだからです。それを前向きに受け止めた人は新しい環境に早く適応でき、新たなスキルを身につけたり、成長したりする可能性が高いでしょう。</p>

<p>また、変化は挑戦の機会でもあります。成長することに意味を見出している人は変化から学び、それによって新たな道を切り拓くこともできるのです。逆に成長マインドセットを持たない人にとっては、変化は脅威であり忌み嫌い避けるべきものです。</p>

<p>変化イコール脅威だと認識する人は、同じ変化を、学びや成長の機会とみることができずに、そこで立ち止まってしまいます。そういう考え方を固定マインドセットといいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 dir="ltr">｢変化は脅威｣から｢成長の機会｣へ</h2>

<p>固定マインドセットの人は言うなれば｢新しいことは学びたいけど、自分がそんなことも知らないとは認めたくない｣という考えを持っています。</p>

<p>ここで例を挙げましょう。テストの成績が良くなかった生徒を思い浮かべてみてください。</p>

<p>固定マインドセットを持っている人は、テストの成果が自分の能力と知能の反映だと思い込み、敗北感に打ちのめされ、そこでやめてしまうかもしれません。</p>

<p>他方、成長マインドセットを持つ生徒は、同じ結果から、新たに学べる機会だと考え、うじうじせずに向上できる部分を見極め、次はどうすればうまくいくかを考えます。</p>

<p>変化に対応するには、リスクを負う覚悟とともに、自分の居心地の良い場所から一歩を踏み出すことも必要です。</p>

<p>新たな物を歓迎し、そのために必要なリスクも受け入れられる人には、新たな生きがいやスキル、そして新たな目標が見つかったりするものです。</p>

<p>結局、変化に対してどういう心構えを持てるのか、それが成長マインドセットと固定マインドセットの分かれ目と言えます。変化は忌み嫌うべきものではなくて、成長のためには不可欠なものだ、という認識を持つことが大切です。その認識が、新たな場所への適応力を高めてくれます。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_stepup.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 19 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ニック・トレントン（行動心理学修士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜスネ夫の夢は叶わなかった？ ドラえもん研究者が考える成功の条件  横山泰行（富山大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15203</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015203</guid>
			<description><![CDATA[デザイナーになる夢を持っていたスネ夫は、なぜその夢を叶えられなかったのか。『ドラえもん』から、成功を引き寄せる「ビッグマウス」の効用を読み解きます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="開花した花" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Growing.jpg" width="1200" /></p>

<p>『ドラえもん』の未来では、スネ夫は会社の社長となり、忙しく仕事をこなしています。一方で、彼が本当に夢見ていたのは「デザイナーになること」でした。</p>

<p>富山大学人間発達科学部名誉教授の横山泰行さんは、スネ夫が夢をかなえられなかった理由を、「ビッグマウス」ではなかったからだと読み解きます。</p>

<p>本稿では、書籍『ポケット版「スネ夫」という生きかた』より、「ビッグマウス」の効用について紹介します。</p>

<p>※本稿は、横山泰行著『ポケット版「スネ夫」という生きかた』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ビッグマウスこそ、成功の秘訣だった!?</h2>

<p>｢ビッグマウス」と聞いて、みなさんは誰を思い浮かべますか？ 古くは「ビッグ発言」で話題を呼んだ田原俊彦さん、亀田兄弟、サッカーの本田圭佑選手などでしょうか。</p>

<p>本田選手が「ビッグマウス」だとして、その発言ばかりを集めたインターネットのサイトがあります。その一部を見てみましょう。</p>

<p>｢サッカーで緊張したことはない｣<br />
｢ボールを持ったら、とりあえず俺を見ておけ」<br />
｢状況に応じてチームのためにエゴを消さないといけないが、理想は90分エゴを出すこと｣<br />
｢欧州スカウトの見る目のなさを感じている｣<br />
｢本田圭佑のストーリーは始まったばかり。今後のストーリーの筋書きは、自分自身で決めることだと思う｣</p>

<p>確かに、これらの発言は「ビッグマウス」なのかもしれませんが、私のような年を重ねた人間から見ると「若いって素晴らしい」と、ほほえましく感じます。</p>

<p>｢ビッグマウスであり続けること｣、すなわち反骨精神やチャレンジ魂を持ち続けることは難しいことだと、体験的にわかっているからです。年をとると誰でも疲れて丸くなってきますからね......。</p>

<p>どうやら日本人は、自信に満ちた人やポジティブな人を、面白おかしくとりあげるような風潮がある気がします。ひょっとして、「私だって言いたい放題、デッカくてかっこいいことを言ってみたい」という抑圧された願いがあるからかもしれません。</p>

<p>実は私は、ビッグマウスな人にこそ成功のヒントがひそんでいるような気がしてなりません。</p>

<p>『ドラえもん』の登場人物の中では｢ビッグマウス＝スネ夫」という先入観があるかもしれませんね。ですが、意外とそうでもありません。どちらかといえば、できそうにないことをいつも約束してしまうのび太のほうが、ビッグマウス体質ではないでしょうか？</p>

<p>とくに、自分の夢について、スネ夫は積極的に明かしていません。｢スネ夫の将来の夢はデザイナーだった｣という事実を、みなさんご存じでしたでしょうか？</p>

<p>スネ夫がジャイアンに恥ずかしそうに夢をカミングアウトするという、めったにお目にかかれないスネ夫的ビッグマウスな場面を紹介しましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>---------</p>

<p>着替えの回数が多く、ママに叱られるのび太。いつものようにドラえもんに助けを求め、「きせかえカメラ」を手に入れます。それは「画用紙に描いた絵を入れて撮影すると、被写体にそのデザイン通りの洋服を着せることができる」というすぐれた機能をもつカメラでした。調子に乗ったのび太は、「きせかえカメラ」を片手に、さっそく町へと飛び出します。</p>

<p>のび太が最初に出会ったのはジャイアンとスネ夫。わざと女の子用のワンピースのデザインをカメラに入れて、ふたりを撮影したところ、彼らはかわいい「女子ファッション」に一瞬にして変身してしまいました。怒ったふたりにボコボコにされたのび太は、カメラまで取り上げられ、泣きながら逃げ帰ります。</p>

<p>一方「きせかえカメラ」を手に入れたふたりは、将来の夢を語り合います。</p>

<p>スネ夫は「デザイナーになろうと思って勉強中なんだ」と、こっそり描きためている洋服のデザイン画を披露しました。</p>

<p>驚いたジャイアンですが、スネ夫に負けじと「ファッションモデルになるのがゆめ｣と打ち明けます。彼らは「ふたりで組んでファッションショーをやらないか」と大いに盛り上がります。</p>

<p>『てんとう虫コミックスドラえもん　第3巻』小学館<br />
第11話目「きせかえカメラ」</p>

<p>---------</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>結局、スネ夫は「会社の社長になって忙しく仕事をこなす」という未来の設定になっており、残念ながらデザイナーになる夢は実現しませんでした。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ビッグマウスな人の成功例</h2>

<p>しかし、現実の世界ではビッグマウスな人の成功例はたくさんあります。</p>

<p>みなさんもよくご存じの方ですと、元水泳選手の北島康介さん。アテネ・北京オリンピックで見事に2大会連続で金メダルを獲得しました。彼のモットーは「有言実行」。大会の前から「金メダルを狙えるところにいる」「目標は金メダル」と公言していたそうです。</p>

<p>このように、「スゴイこと」「大きいこと」を宣言することには、心理的に大きな効果があります。心理学では、これをアファメーション（※1）と言うそうです。</p>

<p>宣言されたことばは、本人や周囲の人間の無意識の中に深くもぐり込み、やがてそれが実現するように、本人や他人の行動にじわじわと影響が出てくるのだそうです。</p>

<p>いわゆる、「思い込み」というものでしょう。もちろん、人により効果の程度は違うと思いますが、面白い現象だと思いませんか。</p>

<p>私は、「ビッグマウス」には「アファメーション」に近い効用があると感じています。</p>

<p>もちろんそれだけではなく、能力を最大限に発揮できるような環境づくりや、本人の努力も重要になってきますが。そうでないと、ただの「大風呂敷を広げる人」で終わってしまいますからね！｢ビッグマウス｣に、環境づくりや本人の努力などの要因が重なれば、鬼に金棒というわけです。</p>

<p>｢もしかすると、スネ夫は恥ずかしがらずに、デザイナーになる夢をもっともっと、語ればよかったのでは......｣と、老婆心（老爺心？）ながらに思います。私は『ドラえもん』のすべてのコミックスを読破しましたが、スネ夫がデザイナーになる夢について語っている場面は、実は4か所しかないのです。</p>

<p>さあ、あなたもスネ夫を反面教師にして（!?）、「ビッグマウス」を始めましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>（※1）「アファメーション」<br />
英語で「宣言・断言affirmation」のこと。動詞のアファーム（affirm）とは「断言する」という意味である。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 19 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[横山泰行（富山大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>立命館の「すごい卒業生」 1.5万人採用の大阪IRを率いるオリックス常務の経歴  西山昭彦（立命館大学客員教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15170</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015170</guid>
			<description><![CDATA[｢目立たない学生｣だった渡辺氏が、就活の挫折や証券営業を経てオリックスへ転職。猛烈な下積みや大型再生案件、失敗談を糧に、現在は総投資額4280億円の大阪IR事業を牽引する、飾らない素顔と歩みを描く。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="渡辺 展希(わたなべ のぶき) オリックス株式会社常務執行役 大阪IR事業管掌、MGM大阪株式会社代表取締役会長" height="740" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260924NishiyamaAkihiko.jpg" width="1200" />渡辺 展希(わたなべ のぶき)<br />
オリックス株式会社常務執行役 大阪IR事業管掌、MGM大阪株式会社代表取締役会長</p>

<p>大学の成功は、卒業生の活躍によって判断できる。オリックスで投資・買収業務に従事し、日本初となるIR(統合型リゾート)を通じて世界に誇る都市・大阪のさらなる飛躍に貢献する卒業生に、現在までの歩みを聞いた。</p>

<p>※本稿は、西山昭彦著『立命館の快進撃』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>飾らない言葉で振り返る青春</h2>

<p>渡辺さんは、大阪市内の中学、高校に通った。自分は普通の学生だった、と強調する。</p>

<p>｢自分でいうのもなんですが、空気のような存在で、いてもいなくてもわからない、あまり目立たない人間でした。中学校では水泳部、高校はサッカー部に入りましたが、高2の夏に辞めて、中学2年生から習っていた日本拳法を継続し、大学卒業まで続けました｣</p>

<p>大学進学のときは、どういう選択をしたのだろうか。</p>

<p>｢産業社会学部は何でもできそうな学部だったので、勉強しやすいと思って受験しました。正直、行きたい大学・学部で、合格したのは産業社会学部だけだったので、進学しました｣</p>

<p>通常、高校生は大学の価値のほか、都会へのあこがれなどが合わさって進路を決めていると思うが、インタビューではそれに触れず、理由を話してくれることが多い。渡辺さんはストレートに進学理由について話し、飾らない人柄がここでもう出ている。</p>

<p>｢大学時代も、褒められたようなことはあまりしていません。アルバイトをして、稼いだお金を車や飲み代に使っていました。有志で学園祭にうどん屋を出店したことや、1人旅をしたことが良き思い出です。最後の年はタイに約3週間バックパック旅行をしました｣</p>

<p>1つ驚いたのは、大学時代に自分の車を買ったことだ。しかも親のお金でなく、自費だ。</p>

<p>｢大学時代に車を1回乗り換えました。車の維持コストも全部自分で賄わなければならないので、いろいろアルバイトをしました。ライブハウスのバーテンダー、家庭教師、コンビニエンスストアの店員。建設作業員やゴルフ練習場の球拾いといった屋外での仕事も経験しました｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>就活の苦戦から掴んだ道</h2>

<p>就職活動のときには、大学のキャリアセンターの人たちにお世話になった。</p>

<p>｢大した志もなく、就職試験には落ち続けました。キャリアセンターの方々に『それでは駄目だ。志望動機や自己分析を突き詰めて考え、きちんとアウトプットしないと』と指導をいただきました。当時から立命館は就職支援に力を入れていたので、最大限、恩恵を受けたと思います。ありがたかったですね。当時のキャリアセンターの方々とは今でも交流があります｣</p>

<p>最初に大手証券会社に入ったのは、OBの影響が大きかった。</p>

<p>｢大手証券会社の立命館OBのリクルーターの方から電話がかかってきて、会いに行きました。話を聞いて『この人たちは会社の看板じゃなく、自分の力量で仕事をして成果を出している』と学生ながらに感銘を受け、こういう社会人になれたらいいな、と思いました。そこから証券会社を目指すようになり、入社しました｣</p>

<p>最初の配属は、東京の自由が丘支店だった。そこでいわゆる支店営業を担当した。</p>

<p>｢個人の富裕者の方々、地域の法人に対して資産運用の営業を研修期間も含めて3年ほど担当しました。営業成績はお客様や上司、先輩社員に恵まれたおかげで比較的よく、上位に入っていたと思います。思い出に残るエピソードは、担当のお客さまがある日、支店に高級車で乗り付けて、現金をドーンと私の前に置き、『好きにやっていいよ』といわれたことです。さすがに『それはできません』とお断りしました(笑)｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第2新卒での再出発</h2>

<p>2001年8月、オリックスに転職した。今のような転職自由時代ではないので、何か特別な理由があったに違いない。</p>

<p>｢証券会社で働く中で、M＆A(合併･買収)や公開引受業務など投資銀行の仕事をしたいと思いました。私の入社2年目に、証券会社の投資銀行部門が分社化され、銀行との合弁会社となりました。投資銀行部門への異動希望を出していましたが、分社化されたこともあり、いつ異動希望が叶うかわからない不安がありました。</p>

<p>第2新卒として採用してもらえる投資銀行の仕事があれば、と思い人材紹介会社に登録しました。紹介を受けた会社の1つがオリックスでした。当時はまだ投資ビジネス黎明期で、第2新卒でも構わない、ということで採用してくれました｣</p>

<p>入社当時、同社の投資銀行本部で同じグループに所属するメンバーは10名程度だった。今ではグループの核となる部門へと成長を続けている。</p>

<p>投資銀行本部プリンシパル･インベストメントという部署に所属し、オリックスの自己資金による企業買収と投資後のバリューアップ、最後には売却してイグジット(投資回収)する仕事を担当しました。今では一般的になりましたが、当時は他のPE(プライベート・エクイティ)ファンドも黎明期で、今では有名な外資系PEファンドもまだ日本に参入していませんでした｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢不夜城｣と呼ばれたビルの激闘記</h2>

<p>｢なかなか投資実行するまでの案件に出会えなかったというのが、正直なところです。その間に日系PEファンドとの共同投資案件はありましたが、あとは検討しては見送ったり、入札に負けたり、交渉で折り合わなかったり。大きかったのは、入社4年目に手掛けた大京への出資ですね｣</p>

<p>大京への出資にはプロジェクトメンバーとして参画し、投資後は出向して大変な仕事を担当する。</p>

<p>｢同社の経営企画部の担当課長として出向し、グループ再編を担当しました。マンション管理会社、不動産仲介会社を株式交換で完全子会社化し、逆にリゾート開発・管理など不採算事業を売却しました。グループ全体で余分なコストもかかっていたので、外部のコンサルティングファームを起用して業務改革プロジェクトも行いました｣</p>

<p>スポンサー企業から30歳の若造が担当課長として派遣されてきたので、プロパー社員の方々は｢どれだけ仕事をやれるのか？｣と見定めていたと思われる。その分、今では考えられないほど働いたという。</p>

<p>｢今は御法度ですが、真夜中まで会社で仕事をしていました。それから近くの居酒屋で飲み、2〜3時くらいに帰宅し、8時に起きて9時半にまた出社。買収案件が入ってきたら大体そのようなかたちで、当時オリックスが入居していた世界貿易センタービルは不夜城といわれていました。</p>

<p>大京出向中はオフィスの電気を最後に消し、土日も会社へ行くことが多かったですね。労働時間が長く、たびたび産業医に呼ばれて『また、あなたですか』という反応をされていました。幸い、1度だけ点滴を打ったくらいで大して病気もせず、同じような生活を5年ほど続けていました｣</p>

<p>大京への投資は成功したのだろうか。</p>

<p>｢大京へは総額1000億円以上を投資して、完全子会社化しました。今では、オリックスグループの不動産事業部門で住宅事業を担っていて、成功した事例の1つです｣</p>

<p>あえて、失敗案件を聞いてみた。</p>

<p>｢明らかに失敗したのは、大手不動産会社への投資です。多額の損失を出しました。私たちが投資の契約を締結したすぐ後にリーマン・ショックが起こり当社にとっては最悪のタイミングで、その後は当然、地獄です。</p>

<p>不動産デベロッパーの場合、建物が完成してテナント誘致を行い、不動産としての価値を高めたうえで売却します。ところがまず、建築費が払えない。資金繰りが立ち行かなくなり、会社更生法を申し立てました。</p>

<p>当該の大手不動産会社には、経営企画室次長として私も出向していました。関係会社を売却して従業員のリストラ、給与の1割カットも行いました。土日はマンションのモデルルームに行き、午前中にお客さまのご案内をして午後から本社に戻り、再建計画や裁判所に提出する資料をつくる、という日々でした。</p>

<p>法的整理をするにも費用がかかるので、お金の確保もしなければいけない。債権者集会では、入り口で立って頭を下げながら、債権者の方々を案内、誘導していました。完全な負けはそれぐらいで、事業投資の案件全体では10勝1敗ほどでしょうか｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>渡辺さんが率いる｢MGM大阪｣の全貌</h2>

<p>渡辺さんが管掌している大阪IR(統合型リゾート)は現在、オリックス62年の歴史上最大のプロジェクトである。公表している投資額は4280億円だ。運営企業MGM大阪の代表取締役会長も兼務している。</p>

<p>｢IR事業の立ち上げに100％、専念しています｣</p>

<p>事業規模はとても大きいが、進捗はどうなっているのか。</p>

<p>｢スケジュールに関しては予定通り、2030年秋の開業に向けて進んでいます。懸念は工事費の上昇と人材確保。今回のIR施設は、単一の施設として世界トップレベルの規模です。世界的に有名なシンガポールのマリナーベイ・サンズに匹敵する規模で、最終的に約1万5000人を雇用する予定です｣</p>

<p>夢洲の土地自体は大阪市の所有で、IR整備法(特定複合観光施設区域整備法)に則って進める許認可事業は国内初の試みである。行政との協議・調整は頻繁にあるという。</p>

<p>｢大阪府・市とも連携し協力しあっています。万博の成功後、『次はMGM大阪(大阪IR)』という機運があり、私たちも『頑張ってください』という声をいただきます｣</p>

<p>来場予定数は、どのくらいだろう。</p>

<p>｢初年度はやや控えめに見ており、巡航期に入る開業3年目には来場者約2000万人、海外からの来場者は3割を見込んでいます｣</p>

<p>米国MGMが日本MGMリゾーツという合同会社を国内に設立し、アメリカとのやりとりも多いという。</p>

<p>｢オリックスは日本の金融サービス、彼らはアメリカのゲーミングエンターテインメントの会社なので、業種の違いや考え方、文化の違いはあります。事業のスピード感、1つの事象にどれだけ細部までこだわるかを意識しながら、MGM大阪(大阪IR)の成功に向けて毎日のように話し合っています｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>謙虚さと下積みが作る｢人柄の力｣</h2>

<p>昨今は働き方改革で、かつてのような過酷な労働はできなくなっている。この点については、</p>

<p>｢自分の若い頃のような働き方は望みませんし、自慢話のように語ることもしません。とはいえ、20代から30代前半に下積みでがむしゃらに仕事をした経験が無駄だったかといえば、やはり今に生きているところがあります。</p>

<p>現在は部下の報告を判断する立場で、昔、無我夢中に仕事をしたからこそ、相手の立場や気持ちがわかる部分がある。たとえば報告書や資料を見て『この部分は本当だけど、この部分はちょっとごまかしているな』とか『この数字は不自然でおかしい』とか、自分が多くの下積み経験をしたからこそわかる。彼らの仕事に対して、なるべく担当者目線でコメントをして、気づきを与えるようにしています｣</p>

<p>部下の方に、役員としての渡辺像を聞いてみた。</p>

<p>｢話しやすい雰囲気があります。『これを伝えると怒られるからやめよう』というブレーキがないので、いいことも悪いこともお伝えできます。常務という自覚が、よい意味でも悪い意味でも薄い(笑)。</p>

<p>役員クラスは移動時に車を使いますが、渡辺さんは『電車で行くからいいよ』『歩いていくから大丈夫』とか(笑)。謙虚だな、と感じます｣</p>

<p>その点について、当人に聞いたら、<br />
｢とにかく、偉そうに振る舞えないんですよ。足を組みながら話すとか、やりたくてもできない。偉そうにしている自分が何か滑稽に思えて、『いやお前、学生時代や若手時代ダメ人間だったよな』と、自分にツッコミを入れて笑ってしまうんです。</p>

<p>私、スーツを2着しかもってないんです。昔から専門チェーンのスーツを着て、スーツも靴もワイシャツもポイントカードを使って買っている。上から『渡辺さんも服装を変えないと、働いている人の夢も希望もなくなるよ』といわれて反省するんですが。学生時代好きだった車も20年以上買い換えていません。社会人になって、物欲がなくなってしまいました(笑)｣</p>

<p>激務をこなし地位も高いのに、気取らない性格で、誠実さ、質素さがあふれた方である。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Mon, 19 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[西山昭彦（立命館大学客員教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>認知症の症状も改善！ 記憶力が向上する「音読トレーニング」のすごい効果  川島隆太（東北大学教授・医学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12967</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012967</guid>
			<description><![CDATA[音読が脳に与える影響とは? 認知症の症状改善にも有効な「音読トレーニング」について、東北大学教授の川島隆太さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="認知症" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Psychiatry.jpg" width="1200" /></p>

<p>東北大学の川島隆太教授が行った実験で、20〜30人の被験者が新聞記事を黙読したところ、読書中には左右の脳が働いていることが分かりました。特に、前頭前野（背外側前頭前野）の後方下部にある言語を扱う領域が左右ともに活動し、さらに視覚や聴覚の領域にも反応が見られました。つまり、本を読むことは脳全体を使う行為であり、読書はまさに「脳の全身運動」と言えるのです。</p>

<p>では、音読をした場合には脳にどのような反応が現れるのでしょうか。本稿では、音読が記憶力に与える影響について、書籍『本を読むだけで脳は若返る』より解説します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 id="link_020">音読で脳をトレーニングできないか</h2>

<p><img alt="新聞記事黙読中の脳活動" height="790" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250916Kawashimaryuta06.jpg" width="1200" /></p>

<p>文字を見て読むときと、声に出しながら読むときでは、脳の働きが異なります。この黙読と音読の違いはとても興味深いものがあります。論理的に考えると、黙読は目で文字を見て、その内容を脳の記憶する場所に一時的に蓄えながら意味を理解していきます。音読は、文字を見るだけでなく、それを声に出すという運動の変換も脳の中で行われます。</p>

<p>また、目で見た文字の情報を声に出すことで、再び自分の耳にその情報が入ってきます。同じ一つの情報でも、脳の観点から言えば、目から入ってくる情報、自分の口や喉を動かすときに使う情報、音として再び耳に入ってくる情報があり、二重三重に脳を使います。</p>

<p><img alt="音読中の脳活動" height="691" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250916Kawashimaryuta07.jpg" width="1200" /></p>

<p>実際にMRI装置で文章（新聞記事）を音読してもらったときに測定した脳が図2─4です。黙読したときの脳の状態と比べてみてください。働いている場所は基本的に同じなのですが、より広い場所が活性化しています。つまり、たくさんの大脳を使っていることがわかるのです。</p>

<p>この実験結果を踏まえると、文章を読むとき、黙読するよりも音読したほうが、より多くの人にとって脳の強力な全身運動になるのではないかという仮説が成り立ちます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 id="link_021">2週間後には明らかに記憶力が伸びた</h2>

<p>そこで、成人の方に協力いただき、文章の音読を継続すると脳の全身運動ができるのか、できるとしたらどんな変化が生じるのかという心理学的な実験を行いました。</p>

<p>この実験で被験者に音読していただいたのは、およそ600〜800字の文章です。毎日、その文字数の文章を音読してもらいました。文章の内容は、毎回、被験者にとって初めて読むものが良く、実験の日数分のコンテンツを用意しました。また、毎週末に記憶力のテストも受けてもらいました。</p>

<p>なぜ記憶力のテストを実施したかというと、まず一般的に成人の方は加齢による記憶力の低下を問題視することが多いからです。また、記憶力は脳の加齢によって基本的に衰えていくことがわかっているからです。記憶力の低下は、加齢がもたらす大人の悩みであり、脳の性質の一つであるので、音読の脳トレによって記憶力の変化が生じるかどうかを見ることは、研究として有意義ではないかと考えました。</p>

<p>それまでの理解では、読書活動と記憶力の間には関係がないと考えられてきました。仮に、音読をしたことによって記憶力が改善したとなれば、これは読書活動と記憶力の間に直接的な関係性があると言え、新たな知見の発見になり得ます。</p>

<p>ちなみに、学習したことによって、その学習した内容とは異なる認知力が高まることを「トランスファー（転移）効果」と呼びます。特に、全く異なる認知力に転移が及ぶことは「ファートランスファー（遠い転移）効果」と呼ばれ、脳にかかわる実験ではときどき見られる現象として知られています。このような効果が音読で生じるのかどうか。</p>

<p><img alt="単語記憶テスト" height="824" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250916Kawashimaryuta08.jpg" width="1200" /></p>

<p>記憶力のテストは、ひらがなの単語30個を2分間で記憶するというものです（図2─5）。2分経ったら、紙を裏返して、今記憶した言葉を思い出します。</p>

<p>実験に参加いただいた方の平均年齢は48歳で、音読トレーニングを始める前に記憶できた単語数は平均で10個でした。比較するために、平均年齢37歳のグループにこの記憶力テストをやってもらったところ、平均で12個の単語を覚えることができました。東北大学の大学生や大学院生にもやってもらうと、平均で16個でした。やはり、若い人ほど記憶力が良い傾向がありました。</p>

<p><img alt="単語記憶テストの結果" height="883" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250916Kawashimaryuta09.jpg" width="1200" /></p>

<p>そして、平均年齢48歳のグループのみ単語記憶のテストを毎週末に取り組んでもらったところ、図2─6の結果が出ました。1週間後は変化が見られませんでしたが、2週間後には明らかに記憶力が伸びました。4週間後には平均で14個の単語を覚えることができました。これは平均年齢37歳のグループを超える成績で、10歳以上若い人たちよりも記憶力が良くなったと言えます。</p>

<p>この実験の大きなポイントは、記憶力のトレーニングや単語の学習をしたわけではないのに、音読という、一見すると無関係な活動が脳の認知力を高めたということです。まさにファートランスファー効果です。人は、脳の全身運動となる音読をすることで、脳の機能、少なくとも記憶力を高めることができるのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 id="link_022">認知症の症状も改善した</h2>

<p>実は、私たちは認知症になってしまった高齢の方々の認知機能を改善させるプログラムを開発していて、その実践にも取り組んでいます。</p>

<p>対象者は、アルツハイマー型認知症と診断され、症状の度合いが中度から重度まで進行した方々（介護施設入居者）です。もちろん、症状がある程度進んだ認知症の方に長い文章を読んでもらうことはできませんので、代わりに短い文章の音読や、ひらがなの拾い読みを声に出してやってもらいました。そして、このプログラムを週5日取り組むことを目標にやっていただくようにお願いしました。</p>

<p>結論から言うと、私たちも驚愕したのですが、アルツハイマー型認知症の方の認知機能が向上したのです。症状の進行が止まったという話ではありません。失われていくはずの認知機能が回復したのです。その光景を目の前で見たとき、私たちは驚かずにはいられませんでした。</p>

<p>私たちは、米国でも同様のプログラムを作って実践しました。すると、全く同じ現象が生じました。音読は、脳の認知機能を高める。特定の言語によらず、特定の人種によらず、また健常者だけでなく、アルツハイマー型認知症になってしまった方でも、音読をすると脳の認知機能を向上できるのです。この驚くべき結果については、すでに論文という形で世界に向けて発表しています（2005年、2008年、2015年）。</p>

<p>ちなみに、アルツハイマー型認知症については、最先端の薬を使っても認知機能を上げることができません。落ちていく認知機能を緩やかにするのが最大の効果です。これが今の医学・医療の限界です。しかし、介護の現場などで、介護者が支援しながら脳を使うプログラムを実施すると、薬とは比べものにならないほどの効果が出るのです。それを私たちは証明できたと考えています。</p>

<p>わかりやすい表現をさせてもらえれば、音読はお金のほとんどかからない特効薬です。健常な方も、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_Psychiatry.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 19 Oct 2026 07:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[川島隆太（東北大学教授・医学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「ＮＹ襲撃」 第一章・過去を引きずる者たち【３】 高嶋哲夫  高嶋哲夫（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14888</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014888</guid>
			<description><![CDATA[SP・明日香が次に護るのはNY！？　「襲撃」シリーズ第三弾。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ニューヨーク" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NY.jpg" width="1200" /></p>

<p>SP・明日香が次に護るのはNY！？　「襲撃」シリーズ第三弾。</p>

<p>&nbsp;</p>


<p>&nbsp;</p>

<p>翌朝、明日香（あすか）は始発の電車に乗った。</p>

<p>警護課の会議室には横田（よこた）と千葉（ちば）がいた。おそらく二人とも泊まり込んだのだ。</p>

<p>明日香は受け取った新しい日程表を見た。ギッシリと書かれた分刻みの日程表だ。</p>

<p>「行くのはワシントンＤ．Ｃ．。それも三日間の滞在です。かなり危険です。ニューヨークの国連本部だけにすることは難しいのですか」</p>

<p>明日香はわざと聞いた。</p>

<p>「ホワイトハウスに招待されている。アルフレッド大統領からだ」</p>

<p>横田が見せた招待リストには、明日香も知っているハリウッドの映画スター、世界的歌手、スポーツ選手の名前も載っている。</p>

<p>「凄いですね」</p>

<p>目はペーパーを見つめたままだ。日本からは数人の企業トップの名前がある。</p>

<p>「きみもだ」</p>

<p>「ウソでしょ」</p>

<p>横田が指でさした。確かに明日香の名前だ。警護ではなく、招待リストだ。</p>

<p>顔を上げて横田を見た。</p>

<p>「本当だ。エリーゼがきみを指名したそうだ。一緒でなければ、行きたくないと」</p>

<p>「エリーゼも来るんですか。でも、彼女はＦＢＩの保護プログラムで、里親のところで――」</p>

<p>「もういい。きみもエリーゼが行くと分かっていたから、行く気になったんだろ」</p>

<p>明日香は答えなかった。スーザンが言っていた、サプライズとはやはりこのことだろう。</p>

<p>「喜ばないのか。アメリカ大統領からの夕食の招待だぞ」</p>

<p>「私の仕事は新崎（しんざき）先生の警護です」</p>

<p>そしてエリーゼの、という言葉を呑み込んだ。</p>

<p>「気になることがあれば言ってくれ」</p>

<p>「政府専用機を使うべきでしょうね。ムリならば、すべてを極秘にすべきです。東京であれだけやった組織です。行動スケジュールが漏れると、何が起こるか分かりません」</p>

<p>「あとの方の選択だ。そのことについては伝えたはずだ」</p>

<p>「念のためです。秘密は出来る限り小人数で留めておいた方がいい」</p>

<p>「その方針だ。極秘を優先するので、警護規模は最小限に留める。これは新崎前総理の意向でもある」</p>

<p>現職ではないとしても前総理大臣だ。それなりの準備は必要だろう。その上、新崎は重度の障害者だ。移動にも普段の数倍の時間と人員が必要になる。横田たちはそういう考慮はしているだろうが、あまりに楽観すぎるのではないか。明日香は言葉に出そうとしたが、新崎のことを考えてやめにした。あまりに落ち着き払っていた。それなりの覚悟をしているのだ。</p>

<p>「前総理としても、現在は民間人だ。大っぴらな警護体制は組めない」</p>

<p>「分かっていますが――」</p>

<p>公式な訪問か聞こうとしてやめた。経費は内閣官房費から出ているのだろう。何と言っても、現在は確かに一民間人なのだ。</p>

<p>「すべて決定事項だ。新崎元総理の希望でもある」</p>

<p>「ワシントンＤ．Ｃ．に着いてからのことは」</p>

<p>「お前は警察庁派遣の前総理付きの警護官だ。現地の日本大使館が最大限の便宜（べんぎ）を図ってくれる」</p>

<p>「具体的には――」</p>

<p>「外交官待遇だ。ファーストクラスで、入国で並ばなくてもいい」</p>

<p>「それは当然です。問題は入国ゲートから空港を出るまでです」</p>

<p>「すべてアメリカ側が用意してくれる。今回の国連での演説は、アメリカ大統領の招待と考えていい」</p>

<p>「どういう意味ですか」</p>

<p>明日香は昨夜のスーザンの言葉を考えながら聞いた。</p>

<p>「言葉通りだ」</p>

<p>「ダレス空港への出迎えはアメリカ側が来てくれるのですか」</p>

<p>「西村在米大使が来る。車は日本大使館のを使う」</p>

<p>「防弾仕様車ですか」</p>

<p>「フォードのワンボックス車だ。防弾仕様ではない。銃撃には無力だ。頭に叩き込んでおいてほしい。分かっているだろうが」</p>

<p>新崎が車椅子を使用しているので、車種が限られる。防弾仕様で車椅子が運べる車はそうはない。</p>

<p>「もし、新崎先生を狙っている者がいれば、ハイどうぞと言ってるようなものじゃないですか」</p>

<p>「アメリカのシークレットサービスの車が付いていてくれる」</p>

<p>ジョンのことが頭に浮かんだが、彼はニューヨーク市警の警察官だ。ワシントンＤ．Ｃ．とは関係ない。</p>

<p>「新崎先生が国連でスピーチすることは公表されているんですか」</p>

<p>「アメリカ行きはそこから始まっている。今回の目玉だ」</p>

<p>「襲撃してくれって言っているようなものです」</p>

<p>「彼らには彼らの計算がある。ホワイトハウスのシークレットサービスを総動員すると言っている」</p>

<p>「去年はそのシークレットサービスに問題がありました」</p>

<p>「分かっている。新崎前総理のすべての予定は、直前に知らせることで納得してもらっている」</p>

<p>横田は口では言っているが、難しいことは承知している。シークレットサービスのやり方は、徹底的な事前準備だ。利点も欠点もある。</p>

<p>「飛行機は乗り込んだ時点で知らせる。ワシントンＤ．Ｃ．のダレス空港には彼らが待っている。ワシントンＤ．Ｃ．に三日間、スピーチの二日前にニューヨークに移動する。これは新崎前総理の希望だ」</p>

<p>「ホテルと移動手段は」</p>

<p>「日本大使館とアメリカ側のシークレットサービスが手配してくれる」</p>

<p>「銃は」</p>

<p>「特例措置を要求している。警護官は所持できるように。飛行機の中でも」</p>

<p>簡単そうに言うが、ハードルはかなり高いはずだ。</p>

<p>襲撃してくるとすれば、おそらくニューヨークだ。それも国連の演説中が一番効果的だろう。世界が見ている時に新崎前総理を暗殺する。相手はＮＩＳか赤色戦線か。二つの合同部隊か。明日香は考えを巡らせた。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>ロサンゼルス、午前一時。夜の港は、不気味なほど静かだった。</p>

<p>巨大なコンテナ船が岸壁に横付けされ、無数のコンテナがクレーンでゆっくりと降ろされていく。金属同士が擦れる鈍い音が、深夜の港に響いた。</p>

<p>アメリカ合衆国税関・国境警備局の検査官、マイケル・ハリスは、二人の部下とともにその光景を無言で見つめていた。二十年の経験があるが、今夜の違和感は説明できないものだった。</p>

<p>「このコンテナだ」</p>

<p>彼は番号を指差した。記録上は、ごく普通の工業部品だ。出荷地も経由地も、何の問題もない。ただし個別に見ると、と言うことだ。一連の流れをたどると、自分の経験上、不合理が多すぎる。</p>

<p>クレーンがコンテナを地面に下ろす。移動させようとする作業員に、彼は手を上げて制止した。</p>

<p>「開けてみろ」</p>

<p>作業員に一瞬のためらいが見られたが、頷くとポケットからキーを出した。</p>

<p>ロックが外され、重い扉がゆっくりと軋みながら開いていく。</p>

<p>中には、整然と木箱が積まれている。外見はただの輸送用パッケージだが、固定方法が丁寧すぎる。大したことはないと言えばそうだが、長年の経験から感じる違和感だった。</p>

<p>ハリスはその木箱の一つを躊躇なく開けた。分解された機器部品が収められている。翼のような形状のもの、筒状の部品、多数の精密な電子機器。組み立てると何になる。</p>

<p>「ドローンだ。それもおそらく軍事用。本部に連絡する。コード・ブラックだ。おまえたちは全コンテナの移動を凍結しろ」</p>

<p>ハリスは部下に指示を出すと無線機を取り出した。</p>

<p>その瞬間、ハリスの膝が崩れ落ちた。声を出す間もなく、前のめりに倒れ込んだ。両側に部下の二人も倒れている。</p>

<p>背後にはナイフを持ったミハエルと男が三人、立っている。</p>

<p>アケミは軽いため息をついた。</p>

<p>たかがドローンを三十機運び込むだけで、これほど苦労するとは。アメリカでもっと性能のいいドローンを手に入れることが出来るはずだ。しかしロシアからカナダ、シアトル経由で持ち込んだ。</p>

<p>ドローンと言っても縦横一メートル、積載重量十二キロ、滞空時間五時間ほどの軍事用だ。爆薬とピンクデビルは別ルートで送っているが、見つかれば問題は大きいだろう。ピンクデビルは暗号名だ。</p>

<p>「ドローンとピンクデビルはロシア製でしょ。アメリカ国内で調達出来ないの」</p>

<p>「出来ますが、こっちの方が安いし、何より安全です。また実戦使用が豊富ですから、少々過酷な状況でも機能します」</p>

<p>元ＫＧＢの傭兵のアドバイスだ。アメリカ大陸の横断は、飛行機では難しいのでトラックで行なう。</p>

<p>「カラシニコフと同じというわけね」</p>

<p>「まあ、そうです。故障なし、取扱い簡単。手に入りやすく、足がつかない」</p>

<p>大事なのは、ロシア製のドローンだということ。アメリカ製でもっと高性能なドローンも多くある。</p>

<p>「そろそろ時間です。積み込みの時間厳守、遅れれば取引ノー、と言ってました」</p>

<p>ミハエルが腕時計を見て言う。</p>

<p>アケミは双眼鏡を握りしめた。</p>

<p>港の道路の端からライトが近づいてくる。トラックが三台、コンテナの前に止まった。三台は別ルートを走る。一台がトラブルに巻き込まれても作戦遂行には支障が生じないように。</p>

<p>アケミとミハエルは部下に合図を送り、コンテナから降ろした荷物を積み込む。</p>

<p>「ロサンゼルスからニューヨーク。総距離約五千キロ。徹夜で走れば二日か三日で着きます」</p>

<p>「バカはやめて。ゆっくり行きましょ。途中、ラスベガスに寄ってね。私はギャンブル好きなの」</p>

<p>アケミが笑った。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Sat, 17 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[高嶋哲夫（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ管理職はしんどいのか　「マネジメント」「メンタルケア」増え続ける役割の実態  藤田康男（Smart相談室CEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15248</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015248</guid>
			<description><![CDATA[現在、管理職として働いている人たちは、どのような悩みを抱えながら働いているのか――Smart相談室が実施したカウンセラーアンケートを基に、CEOの藤田康男さんが管理職の悩みを紐解きます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="藤田康男著『悩みの統計学』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizman_stress.jpg" width="1200" />かつては目指すべきだったキャリアの到達点である&quot;管理職&quot;。ところが現在は、多様化する価値観への対応や責任の増加などもあり、単に「昇進＝喜ばしい出来事」ではないと考える人も増えてきています。</p>

<p>そうした状況において「管理職がもっとも孤独になっている」と語る、Smart相談室CEOの藤田康男さん。本稿では、Smart相談室が長年実施しているカウンセラーアンケートを基に、働く人たちが抱えている「管理職に関する悩み」を紐解いていきます。</p>

<p>※本稿は、藤田康男著『悩みの統計学』(扶桑社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「管理職」に関する悩みを抱える社会人は一定数いる</h2>

<p>■24.８％が「管理職になりたくない」と悩んでいる</p>

<p>社会の流れ通りに、管理職を目指したくないと考える人は増えているように思います。カウンセラーアンケートによると、相談者の24.８％が「管理職になりたくない」と悩んでいます。その背景には、「責任は増えるのに報酬が見合わない」「プレイヤー業務とマネジメント業務の両方を担わなければならない」「失敗したときのリスクが大きい」といった現実があります。</p>

<p>かつては昇進こそがキャリアアップの象徴でしたが、現在では専門職として活躍し続けたいと考える人も増えています。独立も1つの選択肢でしょう。特に若い世代は、出世そのものよりも、自分らしい働き方やワークライフバランスを重視する傾向があります。そのため管理職の姿を見て「大変そう」「自分には無理そう」と感じるケースも少なくありません。</p>

<p>Smart相談室のユーザーを調査したところ、ワークエンゲージメントの平均値がもっとも低かったのは中間管理職層でした。そこに谷があります。この結果は、中間管理職が置かれている特殊な立場を象徴しています。</p>

<p>中間管理職は、組織の方針を現場に伝える役割と、現場の声を経営陣に届ける役割の両方を担います。上からの要求と下からの期待の狭間で調整を続けるため、自分自身の裁量感や達成感を得にくい状況に陥りやすいのです。ですが、組織の中の連結ピンは、組織戦略上の要です。</p>

<p>近年は、コンプライアンス対応、人材育成、評価面談、メンタルヘルス対応など、本来業務以外の役割も増加していますが、仕事量が増えても権限は十分に与えられず、成果だけが求められる状況では、仕事への活力や熱意が低下するのも無理はありません。組織の中核を担う中間管理職のエンゲージメント低下は、組織全体の活力低下につながる重要なシグナルと言えるでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>部下のマネジメント・ケアに悩んでいる</h2>

<p>■管理職の39.５％が「若手社員のマネジメント」に悩んでいる</p>

<p>具体的に管理職が抱える悩みの中でもっとも多かったのが、「若手社員のマネジメント」です。カウンセラーアンケートによると39.５％の管理職が、若手社員のマネジメントに悩んでいます。働くことに対する価値観が多様化する中で、従来の指導方法が通用しにくくなっていることが影響していると思われます。</p>

<p>かつては「背中を見て覚える」「厳しく育てる」といった指導スタイルも一般的でした。しかし現在は、個々の価値観やキャリア観を尊重しながら育成することが求められています。少し厳しく指導しただけでハラスメントと受け取られることを恐れ、適切なフィードバックができない管理職も少なくありません。</p>

<p>また、若手社員側も「成長したい人」と「安定を重視する人」が混在しており、一律のマネジメントが難しくなっています。管理職は一人ひとりに合わせた関わり方を求められ、その負担は増す一方なのです。</p>

<p>■管理職の26.７％が「年上部下」に悩んでいる</p>

<p>管理職のマネジメントの課題には、年功序列が弱まり、成果や専門性を重視する組織が増えたことで、年上の部下を持つ管理職が増えたこともあります。カウンセラーアンケートによると26.７％の管理職が、「年上部下」に悩んでいます。</p>

<p>年齢が上の部下に対しては、指導や注意をしづらいと感じる人が多くいます。特に経験年数が長い部下の場合、「自分より詳しいのではないか」「反発されるのではないか」という心理的な遠慮が生まれやすくなります。</p>

<p>一方で、年上部下側も複雑な感情を抱えることが、多々あります。自分より若い上司から評価されることへの抵抗感や、自尊心の揺らぎが生じることもあります。その結果、双方が遠慮し合い、必要なコミュニケーションが不足してしまうのです。</p>

<p>■管理職の32.６％が「部下のメンタルケア」に悩んでいる</p>

<p>近年、メンタルヘルスへの関心が高まっています。この流れの中で、管理職には部下のメンタルヘルスへの配慮が強く求められつつも、その役割に戸惑う管理職も少なくありません。</p>

<p>カウンセラーアンケートによると32.６％の管理職は、「部下のメンタルケア」に悩んでいることが分かりました。この悩みは、部下の不調に気づけないということではなく、不調のサインを見逃してはいけない一方で、どこまで踏み込んでよいのか分からない。相談に乗りたい気持ちはあっても、専門知識がないため適切な対応に自信が持てない。こうした悩みなのです。</p>

<p>特にメンタルヘルスの問題は外見からは判断しにくく、本人も自覚していない場合があります。管理職は業務管理だけでなく、表情や言動の変化にも注意を払いながらチームを見守らなければなりません。本来、メンタルケアは管理職1人で担うべきものではありません。産業保健スタッフや外部相談窓口などの支援体制を整え、組織全体で支える仕組みづくりが必要でしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「マイクロマネジメント」の背景には管理職の不安がある</h2>

<p>カウンセラーアンケートによると20.８％の働く人が、「上司のマイクロマネジメント」に悩んでいます。マイクロマネジメントとは、上司が部下の「仕事の進め方」や「具体的な行動」まで細かく管理・監督するマネジメント手法です。</p>

<p>進捗確認や指示が頻繁になり、部下の裁量や自主性が失われやすくなります。その結果、自律性やモチベーションが低下し、挑戦や創意工夫が生まれにくくなることが指摘されています。一方で、経験の浅い社員への教育や、高い正確性が求められる業務では一定の効果を発揮する場合もあります。</p>

<p>管理職がマイクロマネジメントに陥る背景には、失敗の責任を最終的に管理職が負うという構造があります。特に、1つのミスが大きな損失につながるようなケースでは、管理職は不安を感じやすくなり、その不安こそが過剰な管理を引き起こす要因となっています。管理職の不安がマネジメントスタイルに表れているのです。</p>

<p>■管理職の39.８％が「管理職負荷」を強く感じている</p>

<p>こういった状況を加味すると、カウンセラーアンケートにおいて、管理職の39.８％がマネジメントに強い負荷を感じているという結果も納得できます。現在の組織運営の中で、中間管理職に多くを求めるのには限界がきていることを示しているようにも思います。</p>

<p>多くの管理職は、プレイヤーとして成果を出しながら、部下育成、評価、人材配置、会議運営、コンプライアンス対応まで担っています。役割は増え続けていますが、人員や時間は十分に増えていません。さらに、管理職は孤独な立場でもあります。部下には弱音を見せにくく、上司には成果を求められるため、自分自身の悩みを相談できる相手が少ないのです。その結果、疲労やストレスを抱え込み、バーンアウトに陥ることもあります。</p>

<p>組織が持続的に成長するためには、管理職の負担軽減を個人の努力に任せてはいけません。業務の見直しや権限委譲、相談体制の整備などを通じて、管理職を支える仕組みを構築することが求められています。管理職が元気でなければ、組織もまた元気ではいられないのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bizman_stress.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 16 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[藤田康男（Smart相談室CEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ドラえもんで“もっとも戦略的” スネ夫が10歳で立てていた人生計画  横山泰行（富山大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15202</link>
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			<description><![CDATA[10歳にして人生計画を立てていたスネ夫。その計画性や人間関係の築き方から、社会をたくましく生き抜くためのヒントを読み解きます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ひらめき" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_lightbulb.jpg" width="1200" /></p>

<p>『ドラえもん』のスネ夫といえば、ジャイアンの機嫌を取りながら器用に立ち回る姿から、「お調子者」や「太鼓持ち」という印象を持たれがちです。ところが、富山大学名誉教授の横山泰行さんは、厳しい社会を生き抜くための重要な能力だと指摘します。</p>

<p>さらに原作では、スネ夫がわずか10歳にして自分の将来を見据え、人生計画まで立てていることがわかります。本稿では、書籍『ポケット版「スネ夫」という生きかた』より、意外なほど計画的なスネ夫の生き方を紹介します。</p>

<p>※本稿は、横山泰行著『ポケット版「スネ夫」という生きかた』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スネ夫が10歳にして人生の計画を立てているワケ</h2>

<p>｢スネ夫が、人生を戦略的に生きている｣ということがよくわかるシーンをご紹介しましょう。</p>

<p>なんと、10歳にして人生計画を立てていることが明らかになる場面です。</p>

<p>スネ夫の家に遊びにやってきた、のび太とジャイアン。するとスネ夫は、ふたりに頼みごとを切り出します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>---------</p>

<p>｢河井伊奈子知ってる？となりのクラスの｣とスネ夫。<br />
｢知ってる知ってる!! 学校一の美人とうわさの高い......｣と返すのび太。<br />
｢ぼく、いまにおとなになったら、あの子と結婚したいんだ｣</p>

<p>のび太とジャイアンはスネ夫を笑います。</p>

<p>｢そんなことを考えるのは早すぎるんじゃないか。小学生のくせに｣</p>

<p>スネ夫は真剣な表情でふたりに説きます。</p>

<p>｢わかっていないのは、きみたちのほうだ。すでにあの子に近づこうとしてごきげんとってるライバルが、山のようにいる!! いまからしたしくしておかないと、おとなになってからじゃ手おくれだ。人生には計画性がないとだめなんだよ」</p>

<p>スネ夫はふたりに「チャンスがあったら、それとなく彼女にぼくがいかにすぐれた少年であるかっ<br />
てこと、知らせてほしい」と頼みます。</p>

<p>帰り道。ジャイアンはのび太に｢人生には計画性か。あいつがっちりしてやがる。おれも考えてみるかな」ともらします。</p>

<p>『てんとう虫コミックスドラえもん　第18巻』小学館<br />
第16話目「ガールフレンドカタログ」</p>

<p>---------</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>私が10歳の頃なんて、鼻水をたらして野山を駆け回って遊んでいただけです。将来の結婚相手にまで考えをめぐらせることなんて、到底及びませんでした。ましてや「人生には計画性が必要」という認識なんて、とんとありませんでした。</p>

<p>この記事を読んでくださっている方で、もし10代の方がいらっしゃれば、ぜひスネ夫を素直に見習って、将来について考えてほしいと思います。</p>

<p>｢誰と結婚するか｣だけを真剣に考えるのではなく（笑）、「どんな仕事をして生きていくか」ということを悩んだり、夢を見たりしてほしいと思うのです。若くして将来の夢を決めてしまうのが、必ずしもベストというわけではありませんが、早いうちから考えたほうが理想の職業に近づけるかもしれませんから。</p>

<p>また、自分は何が好きで何が苦手なのかを、ハッキリさせるだけでもよいでしょう。たとえば、｢体育は不得意だけど、数字には強い｣ということに気付くだけでも、大きな発見です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>小さいことをコツコツ積み重ねる</h2>

<p>ここで素晴らしい名言を紹介させてください。アメリカで尊敬を込めて「魔法使い（Wizard）」と呼ばれたイチローさんのことばです。</p>

<p>｢小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています｣</p>

<p>小さいことをコツコツ積み重ねる、というのは確かに根気がいることですね。ですが、たとえ少しずつでも計画的に行えば、とてつもなく大きな夢だってかなえられる確率はうんと高くなりますよ！</p>

<p>経営コンサルタント・小宮一慶さんの著作には、こんなことばもあります。</p>

<p>｢散歩のついでに富士山に登った人はいない｣（『あたりまえのことをバカになってちゃんとやる』（サンマーク出版）より引用）</p>

<p>富士山の頂上に立つ人は、「富士山に登る！」と決めて歩いているからこそ、大変な過程を経て頂上にたどり着けるのです。なんとなく無計画にぶらぶら歩いているうちに、「富士山に登れてしまった」という人は、おそらく一人もいないでしょう。</p>

<p>さあ、アラサーやアラフォー、それ以上の成熟した世代の方々も、今後の人生の計画を立ててみましょう。なんだかワクワクしてきませんか。</p>

<p>｢計画的に生きる｣とは、あなた自身が人生をデザインするということにほかなりません。あなたが人生の「主導権」を握るのです。それは、誰かの指示でイヤイヤ動くのではなく、実は大変クリエイティブな楽しみであるはずです。たとえば、誰にだって｢夏休みの計画をドキドキしながら立てた｣という経験があるでしょう。</p>

<p>大人の場合は「セレブと結婚する」「やさしい人と結婚する」などと婚活に関わる計画を掲げることも、大いにアリではないでしょうか。たとえ、計画倒れに終わったとしても......。</p>

<p>計画をまったく立てない夏休みより、計画を立てていた夏休みのほうが、なんだか楽しかったように思うからです。あなたも、そんな気がしませんか？</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 16 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[横山泰行（富山大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>部下に嫌がられる「上司の共通点」 良かれと思った質問がパワハラに？   河田真誠 （質問家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15131</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015131</guid>
			<description><![CDATA[質問は｢技術｣だけでなく｢心構え｣が重要です。答えの押し付けや誘導･糾弾を行うクイズや尋問を避け、目的を明確にして相手の自発的な考えを引き出す姿勢を持つことが、良好な関係構築につながると紹介。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="上司が部下に問い詰めている様子" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_shikaru.jpg" width="1200" /></p>

<p>良かれと思った質問が、実は相手を追い詰める｢クイズ｣や｢尋問｣になっていませんか？&nbsp;相手の心を閉ざす罠を回避し、自発的なやる気を引き出す｢問いかけの心構え｣を伝授します。</p>

<p>※本稿は、河田真誠著『質問の魔力「よい質問」がすべてを解決する』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>質問のつもりがパワハラに？</h2>

<p>質問の使い方を間違えると、質問のつもりがパワハラになってしまったり、相手から考えを引き出すために質問をしているつもりでまったくそうなっていなかったりと、質問の力を十分に活用できません。</p>

<p>例えば、質問をよくする人は｢面倒な人｣と思われがちです。</p>

<p>僕が｢質問｣を学び始めたころ、実は周りの人にはかなり不評でした。相手に質問をすると、こんな反応がよく返ってきました。<br />
｢何だか、面倒くさい｣｢上から目線な感じが嫌い｣｢あなたのその質問には答えたくない｣</p>

<p>実はこれ、職場や家庭でもよくある話です。<br />
部下の人たちと話をしていると、｢上司が質問ばかりしてきて面倒｣｢指示すればいいのに、わざわざ意見を聞いてくるのがうざい&hellip;｣というのです。<br />
これが｢質問の罠｣です。</p>

<p>質問は技術という話をしましたが、技術だけあればよいわけではありません。<br />
質問においてもう一つ大切なこと、それは誰がどんな気持ちで質問をするのかという部分です。つまり、質問する側の｢心構え｣が肝心なのです。<br />
これらを意識しているかしていないかで、受け取る相手の印象はまったく変わります。</p>

<p>｢面倒｣｢うざい｣という反応が、｢質問してくれて、ありがとう｣に変わっていき、よい関係を築くことができるようになります。</p>

<p>例えば、会社に入社したばかりの人に｢これから何を頑張りたい？｣と質問すれば、頑張りたいことがいろいろ出てくると思います。相手のやる気を引き出すこともできるよい質問です。</p>

<p>では、もうすでに一生懸命頑張っている人に、同じ質問をするとどうでしょう。<br />
｢イヤミなのか？｣｢俺は頑張ってないと言いたいのか？｣と感じる人もいるかもしれないですし、「もっと、頑張らないといけないんだ...」とモチベーションを落とす人もいるかもしれません。</p>

<p>質問には技術だけでなく、心構えも大切なのです。<br />
● 技術(どう質問するか)<br />
●心構え(どんな気持ちで質問するか)<br />
この二つがそろって、初めて｢よい質問｣ができあがります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢指示待ち人間｣を生む恐怖の｢クイズ質問｣とは？</h2>

<p>｢質問が大切｣という考え方は以前に比べ広まってきていますが、それに伴い質問を誤解している人にもよく出会うようになりました。</p>

<p>その一つが｢質問＝クイズ｣と考えてしまっている人です。<br />
僕が質問の話をすると、こんなことを言う人(仮にＡさんとしましょう)がいます。<br />
Aさん｢あー、質問ね！僕も本を読んで、部下との会話でよく使っていますよ｣<br />
でも、よく聞いてみると、その人は部下に対してこんな質問をしていました。<br />
Aさん｢営業のコツって何だと思う？｣<br />
部下&nbsp; ｢僕は、営業のコツはお客さんのメリットを第一に考えることだと思います｣<br />
Aさん｢イヤ、その答えは違うな。君はまだ若くて営業経験も浅いからわからないか<br />
もしれないけど、営業とはそういうものではなくて...｣</p>

<p>部下の答えを聞いたAさんは、相手の答えを否定して、自分の考えを伝えていました。<br />
これは｢質問｣ではありません。｢クイズ｣です。<br />
このやりとりをしていると、部下は自分なりの回答を考えなくなります。なぜなら、いくら考えても、Aさんの意に添わなければその答えを否定されてしまうからです。そして、質問(クイズ)を出したAさんが気に入る答えを探すようになります。</p>

<p>こうなってしまった先には何があるでしょうか。<br />
自分の頭で考えない、指示待ち人間の誕生です。｢部下が自分の頭で考えない｣と嘆いている人の中には、自分でそうさせている人がいるのです。</p>

<p>また、質問をクイズ化する人は｢自分の意見を話したい｣という欲求が強く、その目的でクイズを使っているケースもあります。<br />
質問は、自分が話したい欲求を満たすためのものではありません。その欲求は抑え、質問したら、待つ、そして聞くという姿勢を守ることです。<br />
アドバイスは求められてからする、くらいでよいと思います。</p>

<p>質問をするときに大切なことは｢質問の目的｣を明確にすることです。<br />
よい質問は｢目的につながる質問｣です。</p>

<p>自分の考えを相手に伝えることが目的ではないのです。<br />
本来、質問は安易に答えを出すのではなく、多くの視点から課題を見つめていく行為です。ですから、質問を出す本人が最初から｢答え｣を決めてしまっていたら、それは質問ではありません。<br />
それは｢クイズ｣であって、質問とは別物なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢質問で人を操る｣はNG！誘導ゼロの質問術</h2>

<p>ここで一つクイズです。<br />
質問の力(効果)として間違っているものはどれでしょうか？(ここは質問ではなくクイズです)<br />
①人を動かすことができる。<br />
②人との関係がよくなる。<br />
③自ら考えて行動する人になれる。</p>

<p>答え:①<br />
質問は、人を誘導するためにするのではなく、相手の自発性を引き出すためにするものです。自然と｢動きたくなる｣を引き出すのです。<br />
直接動かすのは、指示や命令になります。</p>

<p>質問は｢自分の考えに誘導するもの｣ではなく｢相手の考えを引き出すもの｣です。<br />
質問をするときについやってしまいがちなのが｢自分の思っている答えに誘導する質問｣です。質問の心構え2の｢質問をクイズ化しない｣もここにつながります。<br />
これをしてしまうと、すぐ相手に見透かされてしまいます。<br />
質問をする目的は、自分でも気づかないような視点を見つけていくことです。でも、質問をする本人がすでに自分なりの答えをもってしまっているケースがあります。そうなると、どうしても自分の答えを正当化したくなってしまい、質問相手の回答を自分の答えに誘導していってしまうことがあります。</p>

<p>これでは本末転倒。自分が思いもつかないような回答を見つけることが質問の目的でもあるのに、自分の答えに誘導してしまっては意味がありません。<br />
僕が、誰かに何かを質問する時には、意識的に答えをもたないようにしています。なので、｢こうなってほしい｣という気持ちもゼロにしています。<br />
あくまでも自分は、ただ質問を投げかけるだけ。</p>

<p>相手が自分で考え、判断し、答えを出していくことを促していくだけです。<br />
答えをコントロールしようとしない。相手の中にあるものを引き出す意識をもつ。それが大切な心構えです。</p>

<p>質問には常に目的があります。<br />
｢なぜこの質問をするのか｣を自分で自覚しながら質問をしていかないと、答えがどんどんズレていきます。目的がズレた質問はしないという心構えが必要です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>質問が｢尋問｣になってない？責める問いを対話に変える秘訣</h2>

<p>｢質問家｣という仕事をしている僕のもとには、よくこんな声が届きます。<br />
｢質問に効果があるなんて嘘だと思う。自分もこれまで仕事で質問を使ってみたけど、まったくうまくいかなかった｣<br />
話をよく聞くと、こういう話をする人がやっているのは｢質問｣ではなく｢尋問｣でした。まるで容疑者を取り調べる刑事のように。</p>

<p>例えば営業会議で、こんなやりとりがあったとします。<br />
｢何で先月は目標を達成できなかったの？｣<br />
｢トラブル対応に時間を取られてしまって...｣<br />
｢そんな言い訳しても仕方ないだろ！｣</p>

<p>ーこれ、質問ではなく尋問です。<br />
●｢誰が悪いのか？｣<br />
●｢何でそんなことをしたのか？｣<br />
●｢これくらいのこともわからないのか？｣<br />
●｢何でできなかったの？｣<br />
●｢普通はこうじゃない？｣</p>

<p>こうした&quot;責める意識&quot;で投げかける言葉は、相手の心を閉ざします。<br />
発している本人は質問のつもりでも、相手には&quot;尋問&quot;として響くのです。<br />
マネージャーをしている人からこんなことを聞いたことがあります。<br />
｢部下からけっこう詰められることがあるんです。私もミスをすることがあるんですが、そういうときに容赦なく尋問されることがあります｣</p>

<p>具体的にこんな詰め方をされるそうです。<br />
｢何で、これってこうなんですか？｣<br />
これは質問の皮を被った尋問です。ミスや誤解を指摘されると、人は防御反応が働き、拒絶してしまうことがあります。<br />
その意見が正しければ正しいほど、相手は苦しくなります。優しさがない質問は、その先で人間関係を崩してしまう恐れがあり、結局は自分自身も損をすることになりかねません。</p>

<p>こんなときは、こう質問してください。<br />
｢◯◯について、どう思われていますか？｣<br />
上司を責める質問ではなく、問題となっている事象についての質問です。<br />
｢何で、日報を書かないといけないんですか？｣と言ってしまうと、上司は責められている気持ちになるかもしれません。</p>

<p>そうではなく｢日報について、どう思っていますか？｣という質問に変えると、話は｢日報がどうか｣になり、人を責めている感じにはなりません。あくまでもテーマの議論をしているように感じます。</p>

<p>ここでの質問の目的は、相手を追い詰めることではありません。相手の中にある｢本当の答え｣を引き出すことなのです。なので、質問を尋問にしないことです。<br />
詰めるつもりがなくても、無意識に尋問になってしまっているケースもあります。なので、｢詰める質問｣になっていないか、そのことを意識する必要があります。</p>

<p>責めるようなニュアンスを消して、｢どう思われていますか？｣と相手に寄り添う質問をしていくことを心掛けたいところです。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 16 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[河田真誠 （質問家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「オーディオブック大賞2026」受賞者が語った“聴く読書”の魅力　『成瀬』など受賞  Moguru編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15242</link>
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			<description><![CDATA[「オーディオブック大賞2026」授賞式が開催。『成瀬は都を駆け抜ける』『52ヘルツのクジラたち』など受賞作品と、宮島未奈さん、町田そのこさんら受賞者のコメントを紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="オーディオブック大賞2026 授賞式" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009Audiobook08.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年10月5日、「オーディオブック大賞2026」の授賞式が開催されました。</p>

<p>国内最大級のオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」が主催する同賞は、オーディオブック市場のさらなる発展と、優れた作品の制作を奨励することを目的としたアワードです。今年は約1200名のユーザーから投票が寄せられ、文芸部門、ビジネス書部門などの受賞作が決定しました。</p>

<p>文芸部門の大賞には宮島未奈さんの『成瀬は都を駆け抜ける』、ビジネス書部門の大賞には橋本之克さんの『世界は行動経済学でできている』が選ばれています。</p>

<p>本稿では、授賞式で語られた受賞者の言葉を紹介します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「聞くことで解決できることを増やす」見据える次の20年</h2>

<p><img alt="久保田裕也さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009Audiobook09.jpg" width="1200" /></p>

<p>冒頭では、株式会社オトバンク代表取締役社長の久保田裕也さんが挨拶しました。</p>

<p>オトバンクは2004年に創業し、2007年からオーディオブックの配信事業を開始。2027年には事業開始から20周年を迎えます。</p>

<p>久保田さんは、かつては主にビジネスパーソンが移動中に利用することの多かったオーディオブックが、スマートフォンやワイヤレスイヤホンの普及に伴い、家事や育児、運動中などさまざまな場面で利用されるようになったと振り返りました。ジャンルもビジネス書だけでなく、文芸やエンターテインメントへと広がっているといいます。</p>

<p>今後については、「これまでの20年は聞ける人を増やすことに注力してきた」としたうえで、「これからの20年は、聞くことで解決できることを増やすフェーズ」と展望を語りました。</p>

<p>学ぶ時間を取りにくいビジネスパーソンや、文字による読書が難しくなったシニア、育児中の人、視覚や識字に困難を抱える人などにも音声を届け、「社会の課題を解決するインフラ」を目指したいと話しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>文芸部門大賞『成瀬は都を駆け抜ける』</h2>

<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009Audiobook02.jpg" width="1200" /></p>

<p>文芸部門の大賞には、宮島未奈さんの『成瀬は都を駆け抜ける』（新潮社）が選ばれました。</p>

<p>宮島さんから寄せられたコメントを、担当編集者の大嶋麻友子さんが代読しました。</p>

<p>シリーズ第1作『成瀬は天下を取りにいく』も「オーディオブック大賞2024」の聴き放題部門大賞を受賞しており、シリーズで再び受賞できたことが嬉しかったという宮島さん。</p>

<p>自身が書いた文章でも、声優の演技やBGM、効果音が加わることで新鮮に感じられるといい、音声という形によって活字になじみのない人にも作品を届けられることへの感謝を伝えました。</p>

<p>『成瀬は都を駆け抜ける』でシリーズは完結しましたが、「何年経っても楽しんでいただける作品になるといいなと思っています」とコメントを締めくくりました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>準大賞『52ヘルツのクジラたち』</h2>

<p><img alt="町田そのこさん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009Audiobook01.jpg" width="1200" /></p>

<p>準大賞には、町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』（中央公論新社）が選ばれました。</p>

<p>町田さんは、子どもの頃から目が悪く、夜になると本を読むことを止められていたため、「どうしたら夜でも本を読めるのか」と考えていたと振り返ります。</p>

<p>さらに自身の育児中にも、夜泣きをする子どもをあやしながら、「こういう時に私に寄り添ってくれる物語はないものか」と感じたことがあったといいます。</p>

<p>そうした経験を振り返りながら、自身の作品がオーディオブックとなったことについて、「誰かの夜の寂しさとか、誰かの夜の孤独に寄り添うものになったんだなと思うと、本当に嬉しい」と語りました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ビジネス書部門大賞『世界は行動経済学でできている』</h2>

<p><img alt="橋本之克さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009Audiobook04.jpg" width="1200" /></p>

<p>ビジネス書部門の大賞には、橋本之克さんの『世界は行動経済学でできている』（アスコム）が選ばれました。</p>

<p>長年、消費者や生活者に向けたコミュニケーションの仕事に携わってきたという橋本さん。人の心をどう動かし、行動につなげていくのかを考え続けてきた自身にとって、「聞く」というコミュニケーションが改めて注目されていることをうれしく感じていると話します。</p>

<p>行動経済学については、心理学と経済学の双方の特徴を持ち、人間の不合理な選択や行動を明らかにする学問だと紹介。その知見は日々の生活や仕事にも生かせるとして、「この本を聞いてくださった方、読んでくださった方の生活や仕事が、より良いものになれば」と期待を寄せました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>準大賞『ゆるストイック』</h2>

<p><img alt="佐藤航陽さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009Audiobook03.jpg" width="1200" /></p>

<p>準大賞には、佐藤航陽さんの『ゆるストイック ── ノイズに邪魔されず1日を積み上げる思考』（ダイヤモンド社）が選ばれました。</p>

<p>佐藤さんから寄せられたコメントを、担当編集者の種岡健さんが代読しました。</p>

<p>本書のもとになったのは、「何をやってもうまくいかなかった」という佐藤さん自身の数年間の経験だったといいます。</p>

<p>試行錯誤を重ねるなかで、「変えられないものは放っておき、自分で変えられることだけにマイペースに淡々と向き合う」という方法にたどり着き、状況が変わっていったと振り返りました。</p>

<p>「特別な才能や強い意志があったわけではありません。今日の一つを積み重ねた日々が、気づけばここまで運んでくれました」とし、ひそかに筋トレや勉強などに取り組んでいる人たちに、オーディオブックとして長く聴いてもらえればとメッセージを寄せました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>audiobook.jp特別賞大賞「集英社OTOコンテンツ」</h2>

<p><img alt="集英社OTOコンテンツ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009Audiobook06.jpg" width="1200" /></p>

<p>オーディオブック文化の発展に寄与し、話題性や新規性を示した作品・取り組みなどを表彰する「audiobook.jp特別賞」。</p>

<p>大賞には、集英社が展開する「集英社OTOコンテンツ」が選ばれました。</p>

<p>「集英社OTOコンテンツ」では、専用Webサイトの開設や「ナツオト」キャンペーンなどを通して、&quot;聴く読書&quot;の認知拡大に取り組んでいます。</p>

<p>授賞式に登壇した集英社の滝口さんは、オーディオブック市場について「まだまだこれから」との認識を示しながら、出版社の役割は「本の面白さを読者に届けること」だと語りました。</p>

<p>その新しい選択肢の一つがオーディオブックだとして、出版社や著者らと協力しながら、今後も市場を広げていきたいと展望を語りました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>準大賞『となりの小さいおじさん』</h2>

<p><img alt="瀬知洋司さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009Audiobook05.jpg" width="1200" /></p>

<p>audiobook.jp特別賞の準大賞には、瀬知洋司さんの『となりの小さいおじさん～大切なことのほぼ9割は手のひらサイズに教わった～』（アルソス）が選ばれました。</p>

<p>瀬知さんは受賞を知った際には「信じられなかった」と振り返り、作品を支持したオーディオブックユーザーへ感謝を伝えました。</p>

<p>さらに、「これが最後にならないように、今後ともいろんな本を書いて、またこの壇上に帰ってこられるように頑張りたい」と、次作への意欲を語りました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>菊池雄星賞『銀河鉄道の父』</h2>

<p><img alt="門井慶喜さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009Audiobook07.jpg" width="1200" /></p>

<p>audiobook.jp公式アンバサダーを務めるメジャーリーガー・菊池雄星投手が選ぶ「菊池雄星賞」には、門井慶喜さんの『銀河鉄道の父』（講談社）が選ばれました。</p>

<p>岩手県花巻市出身の菊池投手にとって、同郷の宮沢賢治は幼い頃から身近な存在だったといいます。本作では賢治の父・政次郎が描かれており、自身も子育てをするなかで、親としてどう子どもと向き合うのかを考えさせられたとコメントしました。</p>

<p>受賞した門井さんは、少年時代に野球をしていた経験を明かしながら、マウンドで一人戦う投手への憧れを語りました。</p>

<p>さらに野球になぞらえ、出版社やオトバンクのスタッフが「バックで守ってくれた」と表現。担当編集者を信じ、一つひとつの文章を書くことに専念したことで作品を完成させられたと振り返り、「次の本でも読者に貢献できるように頑張ります」と今後への意欲を示しました。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 16 Oct 2026 11:30:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[Moguru編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>モノが減れば家事は7割減る　ミニマリストが教える「面倒くさい」をなくす3つのポイント  みしぇる（ゆるミニマリスト、ブロガー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12817</link>
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			<description><![CDATA[がんばらずに日々の家事をこなして生活を快適にするには？ゆるミニマリストのみしぇるさんが教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="がんばらずに家事をこなすコツ" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityLI/pixta_room2LI.jpg" width="1200" /></p>

<p>アメリカ人の夫の転勤により、ハワイやカリフォルニアなど様々な土地で暮らしてきた経験を持つみしえるさん。そんな、みしえるさんは「日本のお母さんは頑張りすぎている！」と。でも、頑張らずに日々の家事をこなすなんてどうしたらいいのでしょう？みしえるさん流の、賢くやめるコツを伺いました。（取材・構成・文：西田めい）</p>

<p>※本稿は、『PHPくらしラク～る♪』2024年8月号より内容を抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心のモヤモヤは、何かを手放すサインです</h2>

<p>家にモノがあふれていた頃、休日は夫や子どもたちがゆったり過ごしているのが目につき、「どうして私だけが、こんなに忙しいの？」とイライラしていることもありました。けれど、試行錯誤するうちに、毎日の家事も楽しい気持ちで回せるようになりました。その一番大きな解決法となったのが「モノを減らすこと」。</p>

<p>モノが多くなるほど家事は煩雑になり、思考もまとまらなくなります。</p>

<p>そこで私は、毎日1つモノを手放す「1日1捨て」を続けました。すると家の中のモノが気持ち良く循環し、不要なモノが溜まりにくい状態に。</p>

<p>さらにノートに、予定だけでなく自分のやりたいことも書き出すことで、目の前のことだけに集中できるようになり、焦りやストレスも手放すことができるようになりました。</p>

<p>色々なことがうまくいかず心がモヤッとするとき、それは何かを手放すサインなのかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●習慣にしたいことは「ハードルを下げて」設定しよう</p>

<p>私が実践している「1日1捨て」は、&quot;捨てるものは1日1つだけ&quot;とすることで、捨てることへの心理的なハードルを下げ、続けやすくする効果があります。物事はスタートするまでが億劫です。ウォーキングだって毎日30分するのはハードルが高くても、1日5分なら気軽に始められます。しかも、一度やり始めると5分では終わらないので、結果的に5分以上できたりすることも。まずはハードルを下げることが大切です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>コレ、やめてみよう「モノを溜めがち」</h2>

<p>【チェック　小さなモヤモヤは改善のチャンス】<br />
こんなストレスを感じたときはモノの量を見直しましょう！</p>

<p>□モノの出し入れがしにくい<br />
□探しものが多い<br />
□掃除がしにくい<br />
□スムーズに動けない</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>＼モノは循環させて、ゆとりある暮らしを／</p>

<p>私は、家事の面倒くささはモノを減らすことで7割解消できると思っています。</p>

<p>例えば、使っていないキッチンツールを減らすだけで、調理中あちこち探さずに必要なモノがパッと手に取れるようになるし、食器も少ないほうが、いちいちどかしたり重ねたりといった手間やストレスがなくなります。</p>

<p>そして使ったモノはすぐに洗ったり元の場所へ戻したりすることで、家の中に気持ちの良い循環が生まれます。</p>

<p>●食材のまとめ買いをやめてスッキリ</p>

<p>私の場合、食材のまとめ買いをすると、冷蔵庫内に何があるかわからなくなりがちでした。そこで買い物はウォーキングをかねて基本的に毎日行くことに。買った食材はエコバッグ2つ分にバランスよく分け、体力づくりのため、あえて腕に負荷をかけながら歩いています。</p>

<p>●狭い場所から「1日1捨て」チャレンジ！</p>

<p>「1日1捨て」は財布やカバンの中など、狭く、限られた場所から始めます。知らず知らずのうちにレシート類、期限切れの割引券やカードなど、使っていないモノを溜め込んでいるはず。紙くず1つでも捨てられれば十分です。続けるうちに、家全体を見回す習慣がついてきます。</p>

<p>●カラフルなものは「隠す収納」にする</p>

<p>取り出しやすさ重視の「見せる収納」は難易度が高く、うまくコツをおさえていないと部屋がゴチャついて見えてしまいます。特に色数が多いカラフルなモノほど散らかって見える要因に。カラフルなモノは隠したほうが部屋がスッキリするのでおすすめです。わが家ではティッシュボックスもフタ付きの籐製のカゴに入れて「隠す収納」にしています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>コレ、やめてみよう「作業を増やしがち」</h2>

<p>【チェック】小さなイライラは改善のチャンス<br />
こんなイライラを感じたときは家事の作業量を見直しましょう！</p>

<p>□自分ばかり家事をしていると感じる<br />
□やることが多くてイライラする<br />
□なかなかやる気になれない家事がある<br />
□古い家電や道具を使っている</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>＼家事ストレスは合理的に解決する／</p>

<p>夫がアメリカ人なので、私たち家族はアメリカに住んでいたことがあります。アメリカでは家事を家族で分担し、便利家電や家事代行サービスを利用している家庭を多く見てきました。</p>

<p>今は日本に住んでいますが、わが家では家事代行サービスを月2回お願いしています。お金はかかりますが、自分1人で頑張るよりも合理的に人や家電に頼める仕組みを作ったことで、ストレスが驚くほど少なくなりました。</p>

<p>●カゴバッグで脱ぎっぱなしを解決</p>

<p>家族がリビングに衣類を脱きっぱなしにしてイライラするという場合は、リビングにカゴバッグを置いて、脱いだらそのカゴへ、というルールを決めます。こうすれば、あとはカゴを洗濯機まで運ぶだけでよくなり、衣類の散乱が解決できます。</p>

<p>●お米にひと工夫で献立は簡略化</p>

<p>忙しい日は晩ごはんの献立を考えるだけでもひと仕事。わが家のお疲れメニューはカレーやシチューなどの煮込み料理です。ただし、ご飯には金芽米、玄米、もち麦、キヌアの4種類をブレンドしていて、お米からも栄養が取れるように工夫しています。</p>

<p>●食器も循環させて気持ちの良いキッチンに</p>

<p>疲れていてもスッキリと整ったキッチンに立つと食事作りのスイッチが入ります。なので、洗い終わった食器類はすぐに定位置に戻し、使いやすいようにしています。今は食洗機を使うようになって、面倒な皿洗いは時短。洗い待ちの食器がシンクに溜まることもなくなりました。洗浄が終われば食洗機からすぐに取り出して片づけることで、モノを循環させています。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>コレ、やめてみよう「やらなくちゃと焦りがち」</h2>

<p>＼可視化しておくと安心できる／</p>

<p>「やるべきこと」をノートや付箋などに書き出して可視化すると、「やらなくちゃ」という焦りを手放せ、落ち着きを取り戻せます。家事も事前にリストを作っておけば、スキマ時間ができたときにサッと動けるように。リストなしで動けるまでは、目につく場所に貼り出しておくのがおすすめです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●自分流でOK！「3分以内の家事リスト」を作ってみよう</p>

<p>＜1分＞<br />
□財布やバッグの中身を出して整理<br />
□玄関の靴を揃える、下駄箱にしまう<br />
□ ダイニングテーブルの上を片づける<br />
□長期間使っていない文房具を処分する<br />
□本を本棚に戻す</p>

<p>＜3分＞<br />
□リモコンなどの小物を片づける<br />
□お菓子などの空き箱を整理する<br />
□子どものプリント類を処分する<br />
□引き出し1つでも整理する<br />
□棚を1段だけでも整える</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●「曜日家事」なら、考えずとも体が動く</p>

<p>1分、3分といった時間区切りで考える方法以外に、曜日ごとに掃除のルーティンリストを作っておくのもおすすめです。曜日のゴロ合わせを取り入れた曜日家事なら、「どこからやろう？」と考えることがなくなり、ハードルも下がります。</p>

<p>＜「曜日家事」のリスト例＞<br />
月曜日は「げ」がつく玄関掃除<br />
火曜日は「火」を使う台所掃除<br />
水曜日は「水」まわりの掃除<br />
木曜日は「木」製品の掃除<br />
金曜日は「金」運アップに良いとされるトイレ掃除</p>

<p>●「やりたいこと」には優先的に取り組む</p>

<p>朝起きたらノートを開き、その日の予定、やるべきことなどをざっくり書き出すようにしています。そこで大切にしているのは、「やりたいこと」もしっかり入れて、それを優先的にやることです。すると、なんとなく気乗りしない「やるべきこと」もぐんとはかどります。</p>

<p>最近は「毎日、新しいことをする」ことに挑戦しています。ともすれば時間はサラサラと過ぎてしまいますが、ささやかでも何か新しいことをすると決めてからは毎日が新鮮で、達成感を味わえています。</p>

<p>＜みしえるさんが始めた「新しいこと」リスト＞<br />
□普段は行かない公園に行く<br />
□いつもと違う道を通る<br />
□新しいレシピに挑戦する<br />
□なつかしい友人に連絡をとる<br />
□新しい本を読む</p>

<p>【みしぇる】<br />
自身のミニマルライフを綴るブログ『「いい気分」のある暮らし』を運営。『1日1つ、手放すだけ。好きなモノとスッキリ暮らす』（マイナビ文庫）など著書多数。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 16 Oct 2026 08:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[みしぇる（ゆるミニマリスト、ブロガー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>新潮ドキュメント賞に『鶏まみれ』　食鳥処理場で見つめた「生き物が食べ物になる」現場  Moguru編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15299</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015299</guid>
			<description><![CDATA[第25回新潮ドキュメント賞に繁延あづささんの『鶏まみれ』。食鳥処理場の現場を記録した理由と、受賞を「思いもしなかった応答」と語ったスピーチを紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013Shigenobuazusa01.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年10月9日、第25回新潮ドキュメント賞の贈呈式が行われました。受賞作は、繁延あづささんの『鶏まみれ』（亜紀書房）です。</p>

<p>本書は、繁延さんが夫と始めた採卵養鶏と、食鳥処理場で働いた約4年間を記録したノンフィクションです。生き物が食べ物へと変わる現場で出会った鶏や働く人々を通して、「殺して食べる」とはどういうことかを問いかけます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「小さくて大きな作品」</h2>

<p><img alt="『鶏まみれ』（亜紀書房）" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013Shinchodokyu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>選考委員を代表して登壇したブレイディみかこさんは、『鶏まみれ』が選考委員全員の支持を集め、選考は早い段階で決着したと明かしました。</p>

<p>ブレイディさんが特に心を動かされたのは、「ニワトリの内臓はなぜ美しい」の章です。繁延さんは、自宅の台所で鶏の内臓の色や形を一つずつ見つめ、なぜこれほど美しいのかと「神に問うように」心の中で叫びます。</p>

<p>ブレイディさんは、日々の暮らしや労働といった身近な場所からも、大きな思想は立ち上がると指摘しました。食鳥処理場で働くなかで、仕事の意味や、現場で働く人々が十分に評価されていない状況にまで思考を広げていく点に、本書の力があると語ります。</p>

<p>さらに本書は、生き物を育て、殺して食べることの厳しさと、その命によって家族の生活が支えられている事実を、切り離さずに描いています。ブレイディさんは、そこに人間が生きることの両義性を見いだしたと語ります。</p>

<p>また、既存のメディアに発表の場を持つ書き手だけでなく、さまざまな生活や労働の現場から声が上がることの重要性にも言及。身近な現場から大きな問いを立ち上げた本書を、「小さくて大きな作品」と評しました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>繁延あづささん「涙が止まらなかった」</h2>

<p><img alt="（左から）小林秀雄賞を受賞した藤原辰史さん、繁延あづささん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013Shigenobuazusa02.jpg" width="1200" /><br />
（左から）小林秀雄賞を受賞した藤原辰史さん、繁延あづささん</p>

<p>受賞スピーチに立った繁延さんは、食鳥処理場で働くときの服装で贈呈式へ出席することも考えたそうです。しかし、娘や処理場で働く人たちから止められ、当日は黒いワンピースを選んだといいます。</p>

<p>食鳥処理場が社会の「黒子」のように人目につかない存在であることから、黒を選んだと説明した繁延さん。「この明るい場所に自分が一人で立つことには、ためらいがありました」と、率直な思いを明かしました。</p>

<p>スピーチでは、ブレイディさんの選評についても振り返りました。</p>

<p>ブレイディさんは、&quot;「身体性を取り戻せ」という流行りのキーワードの「身体性」とは、正味、殺すことであり、食べることであり、生むことであり、死ぬことである&quot;と選評に記しています。</p>

<p>繁延さんは、生き物を育て、殺して食べることを日々の仕事としながらも、それを人に話すことには後ろめたさがあったと告白しました。だからこそ、殺すことを、食べることや生むこと、死ぬことと並べたブレイディさんの言葉に、「救われる思いがした」と語りました。</p>

<p>さらに、「この小さくて大きな作品を推そうと、最初から決めていた」という選評の結びを読み、「涙が止まらなかった」と振り返りました。</p>

<p>繁延さんは、執筆にあたって、見た光景やそのとき感じたことを「わかるところまで書いて、わからないところはそのままに」残したいと考えていました。わからないことを残せば、その先を、読者が引き続き考えられるかもしれない。その思いが、繁延さんの記録する姿勢を支えていたといいます。</p>

<p>一方で、本を世に出せば、どのような反応が返ってくるのかは予測できません。驚かれるのか、無視されるのか、あるいは批判されるのか。繁延さんは、それでも「この本を出すことで起きる、反応を見たかった」と語りました。</p>

<p>「応答をもらいたかったのです。それが、思ってもみなかった応答をいただきました。それが、この賞です」</p>

<p>繁延さんは、選考委員や本に関わった人々への感謝を伝え、受賞スピーチを締めくくりました。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013Shigenobuazusa01.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 15 Oct 2026 17:30:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[Moguru編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>藤原辰史さん『生類の思想』が小林秀雄賞に　選考委員が語った「心を揺さぶる文章」  Moguru編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15293</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015293</guid>
			<description><![CDATA[第25回小林秀雄賞は藤原辰史さんの『生類の思想』に。選評で語られた「言葉を尽くす」姿勢と、藤原さんが明かした執筆の原点を紹介します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="藤原辰史さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/2610130kobayashihideo01.jpg" width="1200" /></p>

<p>2026年10月9日、第25回小林秀雄賞の贈呈式が行われました。受賞作は、藤原辰史さんの『生類の思想　体液をめぐって』（かたばみ書房）です。</p>

<p>本書は、大気・海洋・土壌汚染やアレルギーの増加、免疫の不調、日常化する暴力、子どもの商品化、奪われる睡眠時間など、現代社会が抱える問題を考察したエッセイ・批評集です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「大きな問題」と闘う文章</h2>

<p><img alt="『生類の思想　体液をめぐって』（かたばみ書房）" height="1199" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013Kobayashihideoshou01.jpg" width="1200" /></p>

<p>選考委員を代表して登壇した森田真生さんは、小林秀雄と哲学者・三木清の対話を紹介しました。</p>

<p>学問は日々の生活のなかから生まれ、人はそれぞれ「自分だけがぶつかった特殊な問題」を究めていく――。</p>

<p>森田さんは、藤原さんが「すごく大きな問いと格闘している」からこそ、その文章に心を揺さぶられるのではないかと語りました。</p>

<p>さらに、小林秀雄が哲学者ベルクソンについて論じた評論から、「哲学は、統一から出て来る道であって、統一に達する道ではない」という言葉を引用しました。</p>

<p>森田さんは、胚が細胞分裂を繰り返して一つの生命体を形づくる過程になぞらえ、『生類の思想』についても、さまざまなテーマを寄せ集めたのではなく、「藤原さんの思想の統一が、あふれ出すようにして一つの有機体を形成している」と評価しました。</p>

<p>また、小林秀雄が「論理を尽くす」ことと「言葉を尽くす」ことを区別した文章にも言及しました。使い勝手のよい「ツルツルでピカピカ」の概念に頼るのではなく、「もれる」「たかる」「生類」といった言葉が持つ歴史や力に目を向け、そこから思考を組み立てていると指摘しました。</p>

<p>森田さんは、「大きな問いと闘っていること」「一つの統一から多様な思考が生まれていること」「言葉を尽くして書かれていること」を挙げ、『生類の思想』は小林秀雄賞にふさわしい作品だと選評を結びました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>藤原辰史さん「書く場所を作っていただいた」</h2>

<p><img alt="（左から）藤原辰史さん、新潮ドキュメント賞を受賞した繁延あづささん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261013Shigenobuazusa02.jpg" width="1200" /><br />
（左から）藤原辰史さん、新潮ドキュメント賞を受賞した繁延あづささん</p>

<p>受賞スピーチに立った藤原さんは、選評を読み、「書いてよかった」と感じたと笑顔で語りました。</p>

<p>『生類の思想』には、保育士や小学校教員らが手がける小規模な媒体や、路上生活者を支援する雑誌「ビッグイシュー」などから依頼を受けて執筆した文章も収められています。</p>

<p>藤原さんは、これらの文章について、自分一人の意思で書いたというよりも、依頼者や媒体、そこに集う人々から「書く場所を作っていただいた」と振り返りました。</p>

<p>そして、今回の受賞を機に、文章を書かせてもらっているという事実を、改めて自分自身に言い聞かせていると語りました。</p>

<p>最後に藤原さんは、本書が生まれるきっかけをつくった、かたばみ書房の編集者や、執筆を支えてきた家族への感謝を述べ、スピーチを締めくくりました。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/2610130kobayashihideo01.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 15 Oct 2026 17:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[Moguru編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>完璧を目指して疲れていない？行動心理学に学ぶ完璧主義の手放し方  ニック・トレントン（行動心理学修士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15231</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015231</guid>
			<description><![CDATA[完璧を目指して自分を責めるのではなく、少しずつの成長に目を向ける。完璧主義を手放し、自分らしく前向きに進むためのヒントを紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p dir="ltr"><img alt="窓辺で両手を上げて伸びをする女性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_WomanStretch.jpg" width="1200" /></p>

<p dir="ltr">頑張っているのに、目標に届かないと｢自分はダメだ｣と責めてしまう。そんなことはありませんか？大切なのは、完璧な結果を求めることではなく、少しずつでも前に進むこと。自分を追い込む｢内なる批評家｣と距離を置き、成長に目を向けるための考え方を、オーランドの体験から学んでみましょう。</p>

<p>※本稿は、ニック･トレントン(著)・林田レジリ浩文(訳)『行動心理学が明らかにした ネガティブ思考を手放す技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 dir="ltr">｢成功｣より｢成長｣に目を向ける</h2>

<p>まずは自分に問いかけてみましょう。<br />
｢あなたは自分の大きな目標に届かないたびに自分をひどく責める？いつも自分の内なる批評家と心の中で戦っている？｣</p>

<p>そうであるならそろそろ考え方を変える時がきているかもしれません。でも忘れないでください。大きな目標に向かって努力するのは大切ですが、それが叶わない時に投げやりになって、そこから逃げ出してはならない、ということを。</p>

<p>成長を成功よりも大切にしよう、とまずは考えてみてください。進歩と少しずつの成長に意識を向けることで、内面の批評家を少しの間黙らせ、効率的な実のある人生との向き合い方ができるようになるものです。</p>

<p>自分への期待を、自分を痛めつけるものでなく、もっと自分にやさしく、励ましてくれるものへと変えてみる。そこからはじめてみましょう。</p>

<p>この最初のステップで大切なのは、小さくはじめる、そして１つのことからはじめること。</p>

<p>オーランドという青年はそこで、自分の目標でもある優れたMC(場を取り仕切る人)になることからはじめました。いつも著名なMCを念頭に置いていましたが、それに近づくためには完璧でなくても良い、ただ少しずつ改善していけば良い、と彼は自分に言い聞かせます。結果だけにこだわっていたのを、プロセスにも目を向けるようにしたのです。結果は自分の思い通りに行かないことも多いですが、プロセスなら自分がコントロールできることが格段に増えます。</p>

<p>そして小さなことにこだわる前に、まず大切なことをしっかりしようと決めたのです。彼にとってそれは、会場に来てくれる方たちに温かなおもてなしをするということでした。完璧でなくてはならないという思い込みを手放し、彼はゲストたちに良い思いをしてもらう、そのために自分の力を尽くそうと決めたのです。</p>

<p>もちろん、小さな失敗はありましたが、それが向上を台無しにするものではありません。欠点がありながらも常に改善を目指して、１つひとつの過程を大切にするという態度が結局のところ成功を呼び込みます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2 dir="ltr">｢完璧でなければ｣を手放す</h2>

<p>オーランドのかつての考え方では、少しでも粗が見えるとそれで全体を失敗とみなして意気消沈することがありました。完璧主義では人は疲れますよね。そんな時は、自分がこだわる完璧とは何かをリストにしてみましょう。１つひとつ書き出してみると、どこに自分がこだわっているのかがはっきりします。</p>

<p>オーランドの例では、ごみが1つも落ちていない清潔な空間や、完璧に用意された食事などでした。</p>

<p>そのリストができると、次にこの中のどれをまず手放せるかを考えます。先の例であれば、ちょっとした汚れやごみは勘弁してもらうとか、出来合いの料理を遅れて提供するのも許してもらうことなどかもしれません。そうやって手放した結果がどうなるか、そして自分の心にどんな影響があるかを見てみましょう。</p>

<p>不完全さは、案外思いがけない喜びにつながるもの。ゲストもごみもない場所より、少しの粗があった方が安心するかもしれません。それがリラックスした気楽な雰囲気を作ってくれることも大いにあります。</p>

<p>それに大切なのは完璧を期すあまりに見逃していたことを、余裕をもって眺めるようになれることです。その余裕が、あなたに今までにない楽しみを与えてくれるでしょう。</p>

<p>少しの失敗は仕方ないと考えて、逆に些細なことでもうまくいったことを喜びましょう。完璧よりも向上、ですよ。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_WomanStretch.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 15 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[ニック・トレントン（行動心理学修士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>毎日が楽しい人と退屈な人の違い　のび太に学ぶ「小さな感動」の見つけ方  横山泰行（富山大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15167</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015167</guid>
			<description><![CDATA[『ドラえもん』のび太の姿から学ぶ、日常の幸福度を高める思考法。日常の｢当たり前｣に1.5倍感動し、言葉に出す習慣をつけることで、冷めた毎日をトキメキあふれる豊かな日々へ変えるコツを紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="土管が並ぶ空地" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_DoraemonAkiti.jpg" width="1200" /></p>

<p>同じ一日でも｢最悪｣と思うか｢最高｣と思うかは自分次第です。『ドラえもん』のび太が見せたオーバーなまでの大感激には、日常の幸福度を劇的に高めるヒントが隠されています。日常のささやかな出来事に1.5倍感動し、言葉に出す｢のび太流・感動習慣｣で、毎日に心地よいトキメキを取り戻してみませんか？</p>

<p>※本稿は、横山泰行著『ポケット版｢のび太｣が教えてくれたこと』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>冷めた日常をトキメキへ！のび太流・大感激の極意</h2>

<p>日曜日の朝起きて、窓を開けたら雨が降っていました。<br />
｢ああいやだ、せっかくの休日なのに雨か......｣<br />
あるいは、<br />
｢静かに過ごすには、ちょうどいい一日だな｣<br />
どちらにも感じ取ることができます。</p>

<p>その人の｢感じ方｣一つで、同じ一日が｢いい日｣にも｢悪い日｣にもなるってことです。<br />
でも、どうせだったら、いい日を重ねていきたいですよね。<br />
これは、どんな人でも希望することだと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>---------<br />
のび太は、そのボーッとした性格から、人に親切にしてもらっても、ありがたいと思う心に欠けている部分がありました。<br />
そこでドラえもんは、嬉しいことや悲しいことを、人の何十倍にも感じられるひみつ道具｢カンゲキドリンク｣をのび太に飲ませました。<br />
すると、のび太はとても情緒豊かな人間に大変身。<br />
しずちゃんの家で死んだ金魚の話を聞くと、<br />
｢か、か、かわいそう。ワ～ッ｣<br />
と泣き崩れ、しずちゃんが問題を一つ解くごとに、<br />
｢す、すごい‼しずちゃんは天才だ｣<br />
と大絶賛し、しずちゃんのママがおやつを出してくれると、オーバーにも花火を打ちあげる始末です。<br />
｢しずちゃんにおやつをもらったぞ‼このよろこび‼この感激‼｣<br />
まるで、普段からろくなものを食べていないかのような騒ぎよう。</p>

<p>のび太がそんなことを言っていると知ったママは、｢みっともない‼｣とドラえもんに訴えます。<br />
ドラえもんが探しに行くと、のび太は積み上げられた三本の土管の上に立って両手を高くかかげながら、空に向かって叫んでいました。<br />
｢かがやく太陽、さわやかな風。ああ、生きてるってなんというすばらしいことだろう｣<br />
<br />
『てんとう虫コミックス未収録作品スペシャルドラえもん第17巻』小学館<br />
第2話目｢カンゲキドリンク｣<br />
---------</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢当たり前｣を輝かせる、のび太の感性</h2>

<p>このときののび太は、最高に幸せな時間を過ごしているはず。<br />
太陽が照っているのも風が吹いているのも｢当たり前｣だと思ってしまえば、なんの感動も起きません。</p>

<p>でも、そこに｢かがやき｣や｢さわやかさ｣を発見できたから、それだけで、すべてが自分にとってかけがえのないものであるかのように感じられたのでしょう。</p>

<p>幸せな気分で生きるんだったら、感激屋さんでいるのもアリかもしれませんね。</p>

<p>たとえば、会社の同僚が、出張先のお土産をみんなに配ってくれたとき。そうしたちょっとしたことに対しても、人々の反応はさまざまです。</p>

<p>｢なんだ。よくあるあれか。どうせ、空港で適当に買ってきたんだろ｣<br />
一言よけいなことを言いながら食べる人。<br />
｢あ、嬉しい。これ大好きなんですよ｣<br />
大げさなくらいに喜んで食べる人。<br />
買ってきてくれた人が、どちらの反応を喜ぶかは言うまでもありません。</p>

<p>では、受け取る側はどうでしょう？　不満を述べている自分と感激している自分。<br />
感激している自分のほうがいいに決まっていますよね。</p>

<p>これからは、日々のどんなことにでも、意識的に今までの1.5倍くらい感動してみませんか？<br />
そしてそれを、のび太のように声に出してみませんか？</p>

<p>最初はわざとらしく感じても、感動グセがついてくれば情緒はどんどん豊かになり、本当に心の底から感動できるシーンが増えてくるはずです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_DoraemonAkiti.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 15 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[横山泰行（富山大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>夜のバイトから東映社長へ　立命館「すごい卒業生」が挑むハリウッド進出  西山昭彦（立命館大学客員教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15151</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015151</guid>
			<description><![CDATA[東映社長の吉村氏は立命館大時代、京都の割烹バイトで｢相手の望みを先回りする｣姿勢を習得。ゲリラ的イベント企画や海外展開を推進し、多様な環境で培った柔軟発想で映画業界でのキャリアを築いていった。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="吉村 文雄(よしむら ふみお)東映株式会社代表取締役社長" height="740" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/202600918NishiyamaAkihiko02.jpg" width="1200" /><br />
吉村 文雄(よしむら ふみお)東映株式会社代表取締役社長</p>

<p>私立大学はどのように生き残るべきか。大学の成功度合いは、卒業生の活躍を見ればわかる。日本のエンターテインメント産業を担う東映株式会社の社長に、立命館大学客員教授が学生時代から現在までの歩み、経営課題について聞いた。</p>

<p>※本稿は、西山昭彦著『立命館の快進撃』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【学生時代】｢何をしてほしいか｣に先回りで気づく</h2>

<p>吉村さんは鹿児島に生まれ、テレビ局勤務の父親と映画好きの母親の影響で、小さい頃からテレビや映画が好きだった。加えて、中学からは文武両道の道を歩んだ。</p>

<p>｢中･高、そして大学2年生までずっと卓球部でした。あとは音楽も好きで、実は今も仲間と組んだハードロックバンドでベースを弾いています。</p>

<p>鹿児島中央高校の出身で、当時『県立予備校』と陰口を叩かれるような進学校でした。ほぼ全員大学に行くんですけど、(学力的に)公立で一番上の鶴丸高校と違い、長時間の勉強を強いられる。</p>

<p>朝7時半に始まる『ゼロ時間目』からなんと『8時間目』まであるので、1日9時間も勉強するんです。7月に終業式が終わって夏休みかと思いきや、夏休みも同じスケジュール。</p>

<p>とにかく大学に入るために、入試のカリキュラムを徹底して勉強するから、合格して大学に入ると気が抜けて『もう勉強なんてしたくない』という気持ちになってしまい、留年する人も多かったです｣</p>

<p>立命館の文学部心理学専攻に入学したが、それには明確な志望理由があった。</p>

<p>｢もともと心理学の勉強をしたいというのがあって、受験したのも全部心理学専攻がある大学。フロイト、ユングに興味があって、人間の心理を勉強したいと思って選んだんです。けれども入ってびっくりしたのは、実験やデータ解析など、理系の講義や課題が多いことでした。マウスを使った実験もやりましたね｣</p>

<p>学生時代は、夜のバイトに精を出した。スナック、飲み屋のホールスタッフ、バーテンダー、調理補助まで何でもやっていた。特に印象深かったのは、祇園のとある割烹でのアルバイトだった。</p>

<p>｢とにかくお客さんを相手にする仕事が楽しかった。没頭し過ぎて、学業をおろそかにした面もありました。3年以上勤めましたけど、大将には可愛がっていただいて、『就職するぐらいだったらうちの弟子にならないか』といわれたほどです。</p>

<p>評価されたのは、たぶん『お客さんが次に何をしてほしいと思っているか』に先回りして気づくことができたから。いち早くリアクションするのがいちばんのサービスだと理解していました。そこだけは気をつけてやってきましたね｣</p>

<p>仕事のできる人は、学生バイトでも抜きん出た実績を上げる。この時点から素質、姿勢が普通の人とは違う。店主の才覚やスタッフ、吉村さんたちアルバイトの活躍もあり、その割烹は以後、急成長した。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【東映総合職】自由な発想で挑んだイベント事業</h2>

<p>一般に、エンタメ企業が総合職として社員を採用するときは感性やセンスを第1条件にはせず、将来の幹部候補生として総合的に優秀な人を採るのだろうと想像できる。</p>

<p>しかし、実際に入ったら感性やセンスはものすごく大事な要素となるはずだ。同社ではその点をどのように考えているのだろうか。</p>

<p>｢私たちの2期上までは監督やプロデューサーになる人を別枠で採用していたんです。しかし私たちの一つ上の代から総合職採用になり、どこに配属されるか全くわからないまま入社しました｣</p>

<p>同社では、たとえば経理部から映画製作の部署への異動もままあるという。</p>

<p>吉村さんの場合はイベントの現場にいきなり配属されたわけだが、イベントの企画を行うとき、どのようにアイデアを出し、実現してきたのだろうか。</p>

<p>｢初めてイベントの仕事に触れたのは、東映が当時も今も主力にしているキャラクターショー、ヒーローショーで、百貨店やスーパー、ショッピングモール向けのイベントをパッケージで売るのがメインの仕事でした。</p>

<p>ただ、それ以外のイベントに関しては、かなり自由にいろいろな挑戦をすることができました。当時、いろいろな会社がイベントを企画して、異業種の人たちがイベント業界に参入しており、多種多様な方々とつながりができましたし、仕事のバックボーンが違う人たちと話をするので、新しいアイデアがたくさん出てくる。景気もよかったので、予算もつく。今にしてみると稀有な時代でしたが、思いついたことを即ビジネスにできたんです」</p>

<p>今でいうダイバーシティのメリットを利用して、新アイデア、新基軸を打ち出していったことになる。</p>

<p>｢映画業界はわりと閉じられた世界で、業界内ではお互い仲がいいんですよ。でも外の業界との付き合いは、実はあまり多くない。</p>

<p>一方、私が担当していたイベント事業においては、あらゆる業態の企業がクライアントとなる可能性があります。どの業界の誰とお付き合いしてどんなアイデアをもらおうか、そしてそれをどうやってイベントの企画にまとめ上げようか―そんなことをつねに考えながら仕事をしていました｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>国際展への挑戦─世界を巻き込んだ東映のゲリラ戦略</h2>

<p>その後、30歳で本社に来て、引き続きイベント事業を担当した。そこから国際展覧会事業(海外の美術館、博物館から展示品を借り受けて展覧会を企画し、国内で開催する)の担当を約五年間務めた。</p>

<p>｢展覧会事業はある種『ブランド』が重要視されるので、たとえばルーブル美術館、大英博物館から所蔵品をお借りしようとすると、日本経済新聞社や朝日新聞社、全国ネットのテレビ局の企画でないと、なかなか向こうも相手にしてくれませんでした。</p>

<p>1965年、朝日新聞社がツタンカーメンのマスクを目玉に、東京国立博物館、京都市美術館、福岡県文化会館で『ツタンカーメン展』を開催し、計293万人を動員しました。あの展覧会をもう一度、東映の手で行うのが夢だったんです。</p>

<p>そこでまずは実績づくりのためにカイロ博物館の所蔵品を借り、何度もエジプト展を開催しました。ところが向こうも商売上手で、ツタンカーメン以外のマスクは貸してくれるけれど、ツタンカーメンだけは貸してくれない｣</p>

<p>ツタンカーメン展は実現できなかったが、東映はここで角度を変えて事業を拡大していった。</p>

<p>｢エジプト展は毎回、成功していたんです。このノウハウを1つの柱に、今度は横軸で違う国へ展開を広げていきました。ノルウェーやウクライナ、南米のコロンビアなど当時他社が見向きもしなかった国々の博物館から展示品を借り受けて展覧会を実施しました。ゲリラ戦ですね｣</p>

<p>吉村さんたちはそのために世界各地を飛び回り、新しい国とのビジネスを成功させる。</p>

<p>｢普段ならなかなか行けないような国に何度も行かせてもらいましたし、『本当にこんなものを持ってきていいのか』と思うような展示品もありました。</p>

<p>最後に担当したのはペルーの展覧会だったのですが、当時『ナショナルジオグラフィック』で取り上げられて世界的に話題となった、アンデス山中から発見された氷漬けの少女『フワニータ』のミイラ。顔の表情までよくわかるんです。</p>

<p>本当に借りられるのか不安でしたが、交渉がまとまって貸してくれることになった。そのフワニータをメインに、1999年に『ペルー移民100周年記念 悠久の大インカ展』を開催しました。</p>

<p>現地へ赴き、許可を得て日本に持ち込んだものの、フワニータを長期間国外で展示する初めての事例だったため、万一の事故で溶けてしまうようなことになると大変なことになると思い、肝を冷やしました｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【社長就任】海外改革へハリウッドに挑む東映撮影所の未来</h2>

<p>ここで、あえて同社で吉村さんが昇進を続けた要因を聞いてみた。なかなか答えにくいだろう、と思いつつ。</p>

<p>｢もともと偉くなりたいとか、人の上に立ちたいと思ったことはあまりなくて。キャリアについても、周囲からは『敗戦処理とか、手間のかかることばかりやらされてるね』といわれます。自分ではそんなふうに思ったことはないのですが｣</p>

<p>｢私たちの世界では、ゼロからモノをつくり出せるプロデューサーがいちばん偉いんです。今でもその気質が残っていて、会社のトップは大体クリエイティブな業務に関わった人間が務めていました。畑違いの自分が社長になるなど、考えたこともなかった｣</p>

<p>そんな中、前社長の急逝によりはからずも社長になった。そこで吉村社長は、10年後に海外売上高比率を50％にするというビジョンに添って様々な経営改革に乗り出した。</p>

<p>｢海外展開については、グループ会社に東映アニメーションがあり、世界的なアニメ人気を受けて好業績です。他方で、課題は実写ジャンル。アニメと違い、日本人向けに作られた作品をそのまま海外に広げるのは難しい。この壁をどうやって越えていくか。</p>

<p>長年、国内市場でビジネスが成り立っていた分、グローバル連携に注力してこなかった、という反省があります。人口減の中、どうやって実写作品を世界の人々に観ていただけるコンテンツにするか、いろいろな道を模索しているのが今の段階です。</p>

<p>当社も国際事業部門を新たに独立させ、外部からのキャリア採用の方々も含めて海外担当スタッフを増やしました。もう少し時間がかかりそうですが、そろそろいくつか成功事例を作れるのではないかと期待しています。</p>

<p>その点では、米国のHuluで配信された『SHOGUN 将軍』というドラマの大ヒットは本当に大きいと思います。完全な時代劇でキャストはほぼ日本人、台詞の7、8割が日本語というコンテンツが、アメリカでエミー賞の18部門を受賞するという評価を受けました。</p>

<p>一昨年、ロサンゼルスに出張に行った際には町中に広告の看板があって、皆、『SHOGUN』を知っていました。現地に住んでいる運転手の方も『見た。すごく面白い』と。そこまで浸透しているのか、という感激に加え、時代劇の可能性にも気付かされました。</p>

<p>また、ハリウッドの映像制作会社の方々に東映の撮影所のアピールをしたことがきっかけで、東映京都撮影所に海外から問い合わせや企画の提案を数多くいただき、そのうちのいくつかについては、共同で企画を開発中です。世界と仕事をするといろいろ面白いことがある、と痛感しますね｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>立命館を振り返る「行くなら京都だ」</h2>

<p>最後に、立命館に5年間通っていちばん役立っていることを聞いてみた。</p>

<p>｢大学と直接関係があるかはさておき、立命館が京都という土地にあるのは、本当に素晴らしいと思います。京都で5年間大学に通えたことは人生に役立っているし、ある種のバックボーンみたいなものが形成されたと思っています｣</p>

<p>千年の都にはそれだけの歴史と文化的蓄積が詰まっている。私も京都に住んでいたとき、同じことを感じた。東京の友人を見ていても、年齢が上になるほど京都をめざす傾向がある。</p>

<p>もしあなたが東京生まれ･東京育ちで将来、東京で就職したかったら、大学は京都へ通うのも価値があるだろう。そうしないと、他の風土を知らず、同じ視点で一生を過ごすことになる。地域を1つ選ぶとすれば、｢行くなら京都だ｣が筆者の実感である。</p>

<p>｢あとは、立命館という学校の気風ですね。今はおしゃれな感じになりましたけど、私たちの時代は本当にバンカラで、自分もジャージとサンダルで学校に通っていました。政治的な立て看板も山のように立っていましたし、いろんな意味でアグレッシブな学校でした。</p>

<p>関西ではよく同志社と立命館が対比され、野球でもサッカーでも立同戦があって対抗意識が強い。同志社のカラーはハイソな感じで、うちは少し地味だけれど、こういう学校に在籍できたのはよかった。昔ほど学校の特徴には差がないかもしれませんが、校風が色濃く残る時代に10代後半から20代前半の時期を過ごせたのは、今の自分にとって何がしかの根っこになっていると思います｣</p>

<p>たしかに、校風に差がなくなってきているのも事実だ。しかし、大学の挑戦的風土で立命館が抜きん出ていることは、外部からも認められている。背景として、他の都道府県から志望者が集まってくる比率が、大規模大学の中できわめて高いという事実がある。当時の様子はどうだったのだろうか。</p>

<p>｢地方出身者は多かったですね。うちのクラスは中高の附属校出身者が何人かいましたが、あとは全国各地で年齢もバラバラ(笑)。入学してびっくりしたのは、23歳の1年生がいて、おいちゃんって呼ばれていましたから｣</p>

<p>今は年齢面ではそこまで広がりはないが、留学生の多さは特筆され、多彩な環境自体が学びになる。吉村さんはイベント企画時、異業種によるダイバーシティのメリットを語っていたが、大学時代も多様な環境にいたことになる。それがどこかで、発想や行動の広がりにつながっているのかもしれない。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 15 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[西山昭彦（立命館大学客員教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「報復捜査」 第７回　安東能明  安東能明（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14936</link>
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			<description><![CDATA[連載小説「報復捜査」 第７回。殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="報復捜査" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" width="1200" /></p>

<p>殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第７回</h2>

<p>伊場（いば）は、ひとり、駐車場に立っていた。</p>

<p>線香の煙が、風に流れていく。小暮（こぐれ）は、いまどこにいるのか。そういうことを、ふと考えた。小暮が何かを知っていて、それを守ろうとして、死んだ。その「何か」は、煙のように形をとらないまま、伊場の手の届かないところを漂っていた。</p>

<p>川本百合（かわもとゆり）。</p>

<p>その名前だけが、手の中に残っていた。</p>

<p>寮に戻ったのは、午後七時ちょうどだった。郵便受けに茶封筒が入っていた。差出人はない。清川（きよかわ）からだ。部屋に入って封を切った。</p>

<p>不法就労助長容疑の取調調書に、スーツをきっちり着込んだ阿久津（あくつ）の写真。担当弁護士の名前と事務所の住所、留置期間中の看守日誌、同房者の氏名と簡単な身上まで、Ａ４の紙三枚にわたって綴られていた。最後の一枚の余白に、鉛筆で一言だけ添えてあった。</p>

<p>身辺に気をつけろ</p>

<p>伊場はそれを読んで、しばらく動けなかった。</p>

<p>封筒をテーブルに置き、焼酎をコップに注いで、ストレートで飲んだ。</p>

<p>喉が焼けた。</p>

<p>圭子（けいこ）の声が、耳に残っていた。和（かず）くんの死を無駄にしないで。ほんとうに、あなたが撃ったの。</p>

<p>伊場はコップを握りしめた。</p>

<p>あの言葉は何だったのか。ただの事故で死んだんじゃない。圭子はそう言った。</p>

<p>馬鹿な、と思った。考えすぎだ。夫を失った妻が、その死に意味を求めているだけだ。そう思おうとした。</p>

<p>だが。</p>

<p>小暮の最後の言葉が、よみがえる。おまえのせいじゃない。絶対に警察を辞めるな。</p>

<p>あれは、ただの慰めだったのか。</p>

<p>ふと、別の考えが頭をかすめた。おまえのせいじゃない、というのは、赦（ゆる）しの言葉ではなかったのではないか。おまえは何も知らされていないからそういう意味ではなかったか。</p>

<p>すぐに打ち消した。</p>

<p>都合のいい逃げ道を探しているだけだ。自分の罪を軽くしたくて、ありもしない裏をでっち上げようとしている。そんな卑しい考えだ。</p>

<p>だが、一度浮かんだその考えは、消えなかった。通夜で永島が見せた、あの無念そうな顔がよみがえる。何かを抑え込むような、圭子の思い詰めた目も。葬儀の段取りは、誰かが先回りしていたように手際がよすぎた。新井は、何かを口にしかけて、そのまま飲み込んだ。そのどれもが、ばらばらのようでいて、見えない一点を指している気がした。</p>

<p>伊場は焼酎をもう一口あおった。</p>

<p>わからない。何もわからない。ただ、ひとつだけ確かなことがあった。</p>

<p>このまま警察を辞めて、すべてを忘れて生きていくことは、もう、できそうになかった。</p>

<p>きょうも眠りは浅いだろうと思った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>４</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>告別式は、午前十一時に始まった。</p>

<p>昨日よりも人が多かった。斎場の受付から式場の扉まで、喪服の列が廊下に続いている。線香の煙が、低い天井に溜まっていた。警察関係者と見知らぬ男たち。中学校のときの同級生も五人ほどいる。伊場は末席に立った。</p>

<p>昨夜と同じ公安の面々が、式場の右側の席に固まっている。相良恒一（さがらこういち）が壇に向かって座っている。その横に外事二課長の三宅（みやけ）と第一係の安部（あべ）係長。永島の姿はなかった。</p>

<p>探したが、見つからない。</p>

<p>昨夜、あれだけ深く悲しんでいた男が、なぜきょうは来ていないのか。</p>

<p>式が進んだ。読経の声が低く響く。香の煙が、また立ち上る。圭子は親族席の最前列で、背筋を伸ばして座っていた。泣いていなかった。昨日は泣いていたのに、今日は涙ひとつ見せない。その横顔が、何か遠いものを見ているようで、伊場の胸をざわつかせた。</p>

<p>小暮の父の康広（やすひろ）が、弔辞を読んだ。落ち着いた声だった。だが、声の奥にかすかな震えがあった。元都庁幹部の、どこか世渡り上手そうな顔立ちをした男が、それでも一箇所だけ詰まった。和孝は正直な子でした、という一文を読んだとき。それきり、少し間が空いた。</p>

<p>その一文が、胸に刺さった。</p>

<p>正直な子。</p>

<p>おれみたいに、ならないでくれ。</p>

<p>おまえはいったい、いつから自分が不正直になったと思っていたのか。</p>

<p>出棺になり、参列者が外に出た。霊柩車の前に、小暮の棺が安置される。白い布に包まれた箱が、太陽の下に出てきた。淡い六月の光が、無慈悲に照りつけている。圭子がその箱に手を置いて、しばらく動かなかった。</p>

<p>小暮の母親が肩を震わせ、隣の女性に支えられていた。</p>

<p>伊場はそれを、少し離れたところから見ていた。</p>

<p>近くまで行けなかった。</p>

<p>霊柩車の扉が閉まった。エンジンが静かにかかる。走り出すのを、伊場は最後まで見送った。</p>

<p>火葬場に向かう親族たちの背中が遠ざかっていくのを見て、伊場は歩き出した。</p>

<p>相良と目が合った。</p>

<p>公安部長は、一秒も経たないうちに視線を外した。部下たちに何か一言告げて、駐車場の方へ歩いていく。その背中に、伊場は何も言えなかった。</p>

<p>まだ何も持っていない。</p>

<p>証拠も、確証も、手がかりさえ、何ひとつ。</p>

<p>斎場の駐車場に停めてある車に乗り込んだ。すぐにはエンジンをかけなかった。</p>

<p>圭子の声が、まだ耳に残っていた。和くんの死を無駄にしないで。</p>

<p>昨夜から、その言葉が頭を離れない。打ち消そうとしても、戻ってくる。考えすぎだと思おうとするほど、ばらばらの違和感が、ひとつの方向を指そうとしているように思えてくる。</p>

<p>まだ、半信半疑だった。それでも、確かめずにはいられなかった。確かめて、何もなければそれでいい。ただの事故だったとわかれば、自分は心置きなく辞表を出せる。そう自分に言い聞かせて、伊場は永島の番号を押した。</p>

<p>三回コールして、つながった。</p>

<p>「永島です」</p>

<p>声が、昨夜より小さかった。</p>

<p>「伊場です。きょう、告別式には来ていなかったようなので」</p>

<p>「......すみません。少し、具合が悪くて」</p>

<p>具合が悪い。それは本当かもしれない。だが、それだけではないような気がした。</p>

<p>「少し、訊いてもいいですか」</p>

<p>「......はい」</p>

<p>「阿久津が暴れて逃げたとき、あなたもあの取調室にいたんですか」</p>

<p>一拍、間があった。</p>

<p>「......いました。立会いで。小暮さんと、わたしの二人で」</p>

<p>「逃げられたのは」</p>

<p>「止められませんでした。阿久津が、いきなり小暮さんを突き飛ばして。わたしも飛びかかったんですが、間に合わなくて。ドアの外に出られて、そのまま」</p>

<p>声が、わずかに沈んだ。</p>

<p>「あの場にいたのに、止められなかった。それが、ずっと......」</p>

<p>言葉が途切れた。伊場は、少し待ってから訊いた。</p>

<p>「ふだんから、立会いはあなたが？」</p>

<p>「形のうえでは、わたしや別の若い者が立会いに入っていました。所轄の生安（せいあん）は、はなから外されて。吉祥寺署から上がってきた事案そのものは軽微でしたから、形だけでもと上が判断して、ソトニが丸ごと引き取ったんです。最初のうちは、取調室での調べに、わたしも立ち会いました。やり取りも、聞いています。ただ......」</p>

<p>電話の向こうで、永島の声が一度途切れた。</p>

<p>「途中から、立会いを外されるようになって。きょうはもういい、と。小暮さんが一人で阿久津と向き合う日が、増えていきました。留置から出してもらった阿久津と、取調室で、ふたりきりで。調書も、ろくに取らなくなって。何を聞き出して、どこへ向かっているのか、肝心のところは上にも、わたしにも、いっさい話さなくなりました。立会いのわたしですら、ある時期からは、何も知らされていなかったんです」</p>

<p>「そうでしたか......で、阿久津というのは質の悪いブローカーだったんですか」</p>

<p>「善し悪しはともかく、住居や働き口、携帯電話、銀行口座といった生活基盤を不法に提供すると思われる輩は徹底して挙げる、というスタンスです。スパイやテロリストのような外国人犯罪組織とつるんでいる可能性もありますから。ただ、今回はそこまでのものではないと思います」</p>

<p>「小暮は、保安係から引き継いで、取り調べを始めてから、どんな様子でしたか」</p>

<p>少し間があった。</p>

<p>「最初の一週間は、普通でした。本部で上司に作業の状況を報告しながら、淡々とやってて。......でも、ある時期から変わった」</p>

<p>「五月の月末くらいから」</p>

<p>「でしたね」</p>

<p>「何かきっかけでもありましたか」</p>

<p>「わかりません。ただ、報告の頻度が減って。取り調べの内容を、上やわたしにも話さなくなって。阿久津に何か、変な動きはないかって、留置の係員に直接確認するようになっていたみたいです」</p>

<p>「阿久津の安否を」</p>

<p>「そういう感じでした。阿久津が食事をとっているか、同房者と揉めていないか、夜ちゃんと眠れているか。そういうことを、自分で確かめようとしてたんです。なんか......守ろうとしてるみたいで」</p>

<p>守ろうとしていた。</p>

<p>公安の取り調べ対象である被疑者を、小暮は守ろうとしていた。それはどういうことか。電話が切れた。</p>

<p>しばらくエンジンをかけたまま、駐車場に停まっていた。</p>

<p>小暮は途中から、調べの中身を組織に上げなくなった。報告そのものは続けていた。だが、肝心の読みだけを、上にも立会いにも伏せていた。そのうえで、被疑者の安否を、自分で確かめようとしていた。</p>

<p>なぜ小暮は、つかんだものを組織に上げなかったのか。</p>

<p>考えながら、伊場はあの十四階の冷えた空気を思い出した。誰が誰を売るかわからない、あの場所。情報は、上げれば上げるほど、誰かに握られ、握りつぶされる。そういう世界に小暮はいた。何かをつかんだとき、上に報告することが、かえって身を危うくする。だとすれば、小暮が報告を止めて単独で動いたのも、あの場所の論理では、むしろ筋が通っているのかもしれなかった。</p>

<p>守ろうとしてるみたいで......永島の言葉が、胸に残った。</p>

<p>もし、ただの事故なら。小暮が報告を止めた理由も、被疑者の安否を気にした理由も、ありはしない。だが、現にそれがあった。圭子の言うとおり、小暮は何かを抱えていた。</p>

<p>考えすぎかもしれない。そう思いながらも、伊場の足は、もう動き始めていた。阿久津という男が何者だったのか。それを知らないことには、半信半疑のままどこにも進めない。</p>

<p>行くべきところは決まっていた。伊場は普段着に着替えて、車を出した。大久保へ向かう。</p>

<p>武蔵野市の斎場から青梅（おうめ）街道を東へ走り、環七に入った。平日の昼過ぎ、道は流れていた。中野を過ぎ、山手通りを北上する。新大久保の交差点で折れると、道が急に細くなった。</p>

<p>車一台がようやく通れる幅だ。歩行者が来るたびに速度を落とす。両側の建物が迫ってくる。</p>

<p>道の両側には、小さな店舗が軒を連ねていた。韓国コスメの派手な看板、アイドルグッズを山積みにしたショーウィンドウ、ネパール料理の赤い旗、ミャンマー食材店の手書きの値札。スパイスと揚げ物の香りが、路地に混じり合って流れている。平日の昼前なのに、若い女の子たちの集団が連れ立って歩いていた。日本語と韓国語と、何かもうひとつ、聞き取れない言語が同時に飛び交っている。</p>

<p>早稲田の方角から来たとおぼしき学生風の男が、大きなリュックを背負って自転車を押していた。その横を、買い物袋を両手に提げた中年の外国人女性が追い越した。</p>

<p>どこか、別の国にいるような感覚がある。</p>

<p>新宿から歩いて来られる場所なのに、まったく別の空気が流れている。</p>

<p>ケアサービス施設の向かいに、三階建ての白いタイル張りのビルがある。地番ではここになる。となりのアパートとのあいだの空き地に車を停めた。ビルの外壁は少し煤けているが、それなりに整った造りをしている。一階部分が商業用の造りになっていて、シャッターが半分下りていた。アジアン・リンクというプレートが、扉の横についている。阿久津の会社だ。</p>

<p>インターフォンを押したが、何も聞こえなかった。</p>

<p>雨上がりの路地には、生ぬるい湿気がよどんでいた。どこかで、スパイスを炒める匂いが流れてくる。近くの厨房からだろう。食べ物の匂い、香水の匂い、雨上がりのアスファルトの匂い。すべてが混じり合って、路地の空気を作っている。</p>

<p>この街では、誰もよそ者を気にしない。多国籍の雑踏の中では、どんな顔つきの人間が出入りしても目立たない。外国人も学生も観光客も、みな自分の用事で動いている。阿久津のような男には、都合のいい場所だったのかもしれない。</p>

<p>となりに、小さなネパール料理の食材店があった。店先に香辛料が並んでいて、赤と黄の鮮やかな袋が積み上げられている。六十がらみのネパール系の男が店番をしながら、スマートフォンを見ていた。</p>

<p>伊場は警察手帳を見せた。男は一瞬だけ手帳を見て、それから伊場の顔を見た。</p>

<p>「日本語、大丈夫ですか？」</p>

<p>「大丈夫」と男は答えた。にこりともしなかったが、声は穏やかだった。</p>

<p>「おとなりの事務所のことで、少し聞かせてもらえますか」</p>

<p>「閉まってる」</p>

<p>「知っています。事務所を使っている人のことで」</p>

<p>男は伊場を観察するように見た。それから、ゆっくりと言った。</p>

<p>「スーツの人？背が高くて、眼鏡の？」</p>

<p>「そうです」</p>

<p>「あの人、あまり店には来なかったよ。週に二回か三回くらい。近所の人とはあまり話さない。うちの店に来たこともない。挨拶もしない」</p>

<p>男は少し間を置いた。</p>

<p>「感じが悪かった。こっちを見ない感じ。最初から」</p>

<p>「ほかに何か気づいたことは？」</p>

<p>「来るとき、後ろを気にしてた。いつも。特に最近は」</p>

<p>「最近というのは？」</p>

<p>「二、三ヶ月前から。来るたびに、入り口で一回立ち止まって、振り返って。それから入って」</p>

<p>礼を言って、今度は向かいのビルの方へ歩いた。</p>

<p>二階建ての古い雑居ビルで、一階に韓国系の古着屋が入っている。そのさらに奥の路地を折れたところに、小さな惣菜屋があって、六十代くらいの日本人の女が店の前を掃いていた。</p>

<p>伊場が声をかけると、女はすぐに顔を上げた。</p>

<p>「ああ、あの人ね」</p>

<p>「ご存知ですか」</p>

<p>「名前は知らないけど、スーツの人でしょ。靴がいつもピカピカで。なんか、ここでは浮いてたわよ」</p>

<p>女は箒を持ったまま続けた。</p>

<p>「一度、この前でバイクの人とぶつかりそうになって。大声で怒鳴ってたの、その人が。ここは元々、自転車も人も多いんだから、慣れてないなら入ってくるなって感じだけど。でも、怒鳴り終わったら、すごくあわてて周りを見回してた。怒鳴ったことを後悔してるみたいな感じで。大声を出して自分が目立ったことが、嫌だったのかな」</p>

<p>「目立つことを嫌がっていた？」</p>

<p>「そう見えた。ここは、目立ったからってどうこうされるような場所じゃないんだけど。外国の人も日本の人も、みんな自分の商売で忙しいんだから」</p>

<p>女は、路地の先に目をやった。</p>

<p>「でも、なんかここの雑踏が好きなのかも、あの人。大久保って、誰が何してても誰も気にしないでしょ。そういう街だから」</p>

<p>伊場は、その言葉を頭の中で転がした。</p>

<p>多国籍の人の流れ。監視の目が散漫になる場所。阿久津はこの街の雑踏を、仕事の隠れ蓑にしようとしていたのか。</p>

<p>「最後に来たのはいつ頃ですか？」</p>

<p>「そうねえ。先月の中頃には、もう来なくなってたわ。シャッターが閉まったのはその頃」</p>

<p>逮捕の少し前、という計算が合う。</p>

<p>礼を言って立ち去った。</p>

<p align="right">〈つづく〉</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 14 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安東能明（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>人付き合いが苦手な人が持っている「家族から受けた小さな傷」  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15138</link>
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			<description><![CDATA[人付き合いの苦手意識は、無意識の考え方のクセ「メンタルノイズ」が原因かも。書籍『笑って大往生できる人できない人』からノイズの正体と抜け出す解消法を解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="人付き合いが苦手な人" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_riverwoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>「どうせ自分なんて...」と、つい自分を責めてしまうことはありませんか？</p>

<p>なかなか自己肯定感が上がらない背景には、私たちが無意識のうちに抱えている「心のノイズ（メンタルノイズ）」が潜んでいます。メンタルノイズとは、これまでの人生で無意識に育ててしまった「考え方や解釈のクセ」のこと。胸のあたりがもやもや・ザワザワするとき、まさにこのノイズが作動しています。</p>

<p>人間関係や人付き合いに苦手意識を感じるのも、実はこのノイズが原因かもしれません。</p>

<p>本記事では、書籍『ありのままでラクに生きる練習』より、人付き合いが苦手な人が陥りがちなメンタルノイズの症状と、それを解消するための方法を解説します。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『ありのままでラクに生きる練習』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人付き合いが苦手</h2>

<p>【ノイズの症状あるある】</p>

<p>・人と仲良くなれない、距離感が縮まらず、なかなか打ち解けられない<br />
・人と親密になると、自分から壁をつくって遠ざけてしまう<br />
・人に仕事を任せるのが苦手で、いつも抱え込んでしまう<br />
・誰かと一緒にいて気まずくなることがよくある、沈黙が苦手<br />
・人を信用したいのに、人から裏切られることが多い気がする</p>

<p>人に近づくのが怖かったり、人と親密になると居心地の悪さを感じたり、人と一緒にいるとリラックスできなかったり...。</p>

<p>人とうまく付き合えない人は、ほかの人と適度な距離感をつくるのが、苦手な傾向があります。</p>

<p>どこまで心を開いていいのかわからないから、結局、誰に対しても心を閉じる。<br />
そして、ひとりがラクだからと、ひとりでいることが多くなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「他人が怖い、裏切りノイズ」</h2>

<p>人とうまく付き合えない人にあるのは、「他人が怖い、裏切りノイズ」です。</p>

<p>対人関係が苦手で、人を遠ざけてきたことで、人を見る目が養われずに、普通なら信用しない人を信用して、裏切られやすくなることもあります。逆に、対人関係は問題ないのに人に裏切られやすい人も、このノイズが影響しています。</p>

<p>このノイズが育つきっかけは、些細なことだったりします。</p>

<p>いつも優しい母親が、急に不機嫌になって怖い思いをする（人は信用できない）。大好きだった祖父母が亡くなってしまって悲しい思いをする（人に近づき過ぎると、痛い目を見る）。</p>

<p>そういった対人関係で突然傷つく経験が潜在意識の中に溜まっていき、いつしか「人は信用しないほうがいい」「安易に近づかないほうがいい」&nbsp;というノイズになっていきます。</p>

<p>コミュ障だとか口下手だとか、自分に問題があると思いがちですが、実はそれはあなたが自分を守るためにつくり上げたノイズのせいなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>メンタルノイズを逆に利用する方法</h2>

<p>実は、メンタルノイズには解消する方法と、逆に利用する方法があります。</p>

<p>「他人が怖い、裏切りノイズ」は、普通に生きていると、対人関係に問題が出たり、人から裏切られたりします。この特徴を逆に利用して、パッと見だと「苦手だな...」「あやしいな...」「うさんくさいな...」という人にあえて近づいてみる。この人はいい人だなと思った人とは、あえて一定の距離をとるようにしてください。</p>

<p>普段と逆の行動をすると、ノイズの影響を逆利用でき、人付き合いが苦手でも付き合ってくれる人や、本当に信用できる人と出会えるようになります。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_riverwoman.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 14 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>食後の猛烈な眠気・だるさは「立って軽く動く」だけで変わる  星穂奈美（管理栄養士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15047</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015047</guid>
			<description><![CDATA[夜は眠れないのに、昼食後にやたら眠くなる…多くの人が悩む睡眠の問題をやわらげる食習慣を、管理栄養士の星穂奈美さんが解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="食後の眠気" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tiredwoman_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>倦怠感が取れない、食後にだるくなる、眠れない&hellip;。日々の生活のなかで、こうした体の不調に悩んだことはありませんか？管理栄養士の星穂奈美さんは、著書『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』にて、疲れに負けないための食習慣を丁寧に解説しています。本稿では同書より、不眠や食後の倦怠感といった体のトラブルを防ぐ習慣をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、星穂奈美著『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』(ダイヤモンド社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>不眠解消に乳製品。朝に摂って夜に備える</h2>

<p>【眠りの質を高める工夫】</p>

<p>不眠が続くときは、睡眠ホルモン・メラトニンの生成を助ける栄養素を意識してみましょう。メラトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンからセロトニンを経て夜間に生成されるため、トリプトファンを含む食材（乳製品など）を朝のうちに摂取しておくと効果的です。</p>

<p>また、就寝直前に食事を摂ると胃腸の活発な状態が続いてしまい、睡眠の質を低下させます。夕食は就寝の２、3時間前までに済ませておくことが理想です。</p>

<p>このように栄養と食事のタイミングを整えることが不眠改善の第一歩ですが、慢性的に続く場合には専門医を受診するようにしましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【不眠を解消する3つのポイント】</p>

<p>●睡眠を助ける栄養素</p>

<p>トリプトファンを含む食品として代表的な乳製品（牛乳、チーズ、ヨーグルト）は、神経の興奮を抑えるカルシウムも同時に含んでおり、睡眠の質を高める優良な食材。また、筋緊張を緩めるマグネシウムの摂取もおすすめ</p>

<p>●刺激物の制限</p>

<p>カフェインの摂取を控える</p>

<p>●就寝前のルーティン</p>

<p>就寝前、ルイボスティーやハーブティーなど、リラックス効果のある温かいノンカフェインのお茶を飲むと体温が上がり、その後の体温の降下とともに入眠しやすくなると言われます</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>食後の軽運動をルーティンにして倦怠感を発散する</h2>

<p><img alt="食べ物の消化にかかる時間" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260928hoshihonami.jpg" width="1200" /></p>

<p>【しっかり動いて消化を促す】</p>

<p>食後すぐに横になるのはNGと言われますが、それだけでなく「一度立ち上がって軽く動く」ことが大切です。食事をすると血糖値は30分～1時間かけて上昇し食後約2時間で下がっていきますが、この間に体を動かさずにいると血糖値のピークが高くなり、だるさや眠気を強め、作業効率を下げてしまうのです。</p>

<p>さらに、食べ物の胃内滞留時間の目安から考えると、調理方法にもよりますが、一般的に炭水化物は約２～３時間、たんぱく質はその２倍、脂質は３倍程度かかるため、食後すぐに横になって寝ると消化が不十分なままとなり、胃もたれの原因にもなります。就寝までは最低２時間、できれば３時間空けることが理想です。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tiredwoman_1.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 14 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[星穂奈美（管理栄養士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>なぜ「私心なき決断」ができるリーダーの組織は強いのか　日台の歴史に学ぶ  加藤芳久（経営コンサルタント）、片倉佳史（監修）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15238</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015238</guid>
			<description><![CDATA[経営コンサルタントの加藤芳久さんが、台湾と日本の歴史的背景を参考に、私心なき決断のできるリーダーシップ論についてひも解く]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="リーダー論" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_teamwork.jpg" width="1200" /></p>

<p>売上、KPI、離職率&mdash;&mdash;数字で組織を管理しようとするほど、組織がうまくいかなくなることがある。経営コンサルタントの加藤芳久さんは、台湾での体験と、現地に実在する「日本人を神として祀る廟」の話を通じて、これからのリーダーに必要な視座を解説していただきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>台湾で受けた親切から芽生えた好奇心</h2>

<p>いまから10年以上前のことです。<br />
当時まだ赤ちゃんだった息子を連れて、家族で台湾を旅行しました。<br />
移動のため電車に乗り、息子を抱っこしたまま立っていると、座っていた台湾人の方がすっと立ち上がりました。そして私に向かって、笑顔で「どうぞ座ってください」とジェスチャーをしてくれたのです。<br />
「親切な人がいるものだな」そのときは、そう思っただけでした。</p>

<p>ところが、電車を乗り換えると、また同じことが起こりました。帰りの電車でも、また席を譲ってくれました。世間話をしていたおばちゃんも、学生服を着た学生も、いまどきのファッションをした若者も、赤ちゃんを抱っこしている私を見ると、ごく自然に席を譲ってくれるのです。</p>

<p>しかも私は、見ず知らずの外国人です。あまりに感動して、後日、台湾人の友人にその話をしました。</p>

<p>すると彼は、こんなことを言ったのです。<br />
「親切にされて、うれしかったでしょ。でもね、こういう思いやりの心を教えてくれたのが日本人なんだよ。僕らは『日本精神があるね』と言って、褒め言葉として使うこともあるんだよ」<br />
私は驚きました。</p>

<p>もちろん、台湾における日本統治の歴史（1895年～1945年）にはさまざまな側面があります。「日本精神」という言葉の受け止め方も、人や世代によって異なるでしょう。<br />
それでも、台湾人の友人から直接聞いたこの言葉は、私の心に強く残りました。<br />
「日本と台湾の間には、どんな歴史があったのだろう」<br />
もっと知りたいと思うようになりました。<br />
それが、私と台湾との長い関わりの原点の一つです。その後、私は台湾を何度も訪れ、10年以上にわたり、日本企業の経営者やリーダーを対象とした台湾研修にも携わってきました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>数字だけでは、組織は動かない</h2>

<p>私は組織変革コンサルタントとして、企業の「理念共有」「関係構築」「リーダー育成」を通じて、組織風土を活性化する仕事をしています。<br />
その現場で近年感じるのが、「数字で測れるもの」を重視しすぎてはいないか、ということです。<br />
売上、利益、生産性、KPI、離職率。もちろん、経営に数字は欠かせません。<br />
しかし、数字を細かく管理すればするほど、組織が強くなるとは限りません。<br />
営業部は営業部の数字を追う。製造部は製造部の効率を追う。人事部は人事部のKPIを追う。それぞれが自分の目標達成に懸命になるほど、部署間の壁が厚くなり、会社全体ではうまくいかなくなることがあります。</p>

<p>いわゆる「部分最適」です。<br />
さらに、数字ばかりを評価すると「数字にならない貢献」が見えなくなります。<br />
困っている仲間を助ける。後輩を育てる。部署を越えて調整役を引き受ける。会社の理念を体現する。<br />
こうした行動は、今月の売上には表れにくい。しかし、長期的に強い組織をつくるためには欠かせません。</p>

<p>考えてみれば、台湾の電車で私に席を譲ってくれた人たちも同じです。<br />
席を譲っても給料は上がりません。誰かから評価されるわけでも、KPIに加点されるわけでもありません。</p>

<p>それでも、目の前に困っている人がいたから、すっと立ち上がった。<br />
私はここに、これからの組織づくりのヒントがあると思っています。<br />
「自分にとって得か」ではなく、「相手や全体にとって何がいいか」を考えて行動する。いわば「私心なき決断」です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>20歳の日本人が、なぜ台湾で「神様」になったのか</h2>

<p>台湾でぜひ知ってほしい日本人がいます。<br />
杉浦茂峰という、20歳で亡くなった青年です。<br />
1944年10月、海軍のパイロットだった杉浦氏は、零戦に乗り、台南に来襲した米軍機を迎え撃ちました。その戦闘で杉浦氏の機体は被弾します。</p>

<p>地元に伝わる話では、そのままでは機体が集落に墜落する可能性があったため、集落が大火事になるのを避けて杉浦氏は人の少ない方向へ機体を向け、最後にパラシュートで脱出するも米軍の機銃掃射を浴び戦死したそうです。<br />
もちろん、その瞬間、杉浦氏本人が何を考えていたのかは誰にも分かりません。<br />
しかし、地元の人々は「杉浦氏が自らの命を犠牲にして村を守ってくれた」と受け止めました。</p>

<p>戦争が終わり、台湾に日常が戻り始めたころのことです。<br />
地元では、夜になると軍服を着た男性の姿を見かけたという話が相次いだといいます。不安を感じた住民たちは、この地域で厚く信仰されている朝皇宮の保生大帝に神意を尋ねました。すると、それはこの地で命を落とした日本軍人の魂であると告げられたそうです。</p>

<p>そこで地元の人々は、その魂を大切に祀ることにしました。1971年に戦闘機が墜落した地点に小さな祠が建てられ、その後、1993年には現在の立派な飛虎将軍廟へと建て替えられました。<br />
そして今も、飛虎将軍廟では杉浦茂峰氏を偲ぶ営みが続いています。朝夕には祝詞として『君が代』と『海ゆかば』が流れ、その魂を慰めています。</p>

<p>私たちも台湾研修でこの廟を訪れる際には、『君が代』『海ゆかば』に加えて、参加者全員で『ふるさと』を歌います。<br />
「兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川――」<br />
台湾の地で、故郷を離れて命を落とした20歳の青年を前に、日本から来た私たちが『ふるさと』を歌う。</p>

<p>その時間は、何度経験しても特別なものです。<br />
歌っているうちに、涙をぬぐう参加者もいます。<br />
私自身も、その光景を見るたびに胸が熱くなります。<br />
杉浦茂峰氏は、自分が台湾で神様として祀られることなど、知る由もなかったでしょう。<br />
ましてや、80年以上後に日本からやってきた人たちが、自分の前で『ふるさと』を歌うことなど、想像もしなかったはずです。</p>

<p>それでも、一人の青年の行動は、人々の記憶から消えませんでした。<br />
国を越え、世代を越え、長い年月を越えて、人の想いがつながっていく。<br />
飛虎将軍廟には、そんなことを感じさせる、静かで温かな時間が流れています。<br />
私はこの場所を訪れるたびに思います。<br />
人は、その人が何を言ったか以上に、「誰のために行動したのか」を覚えている。私はここに、リーダーシップの本質を見る思いがします。<br />
人は、リーダーが何を言ったか以上に、苦しいときに「誰のために決断したのか」を覚えているからです。</p>

<p>会社が順調なときなら、誰でも「社員を大切にします」「人が財産です」と言えます。問題は、苦しいときです。<br />
業績が悪化したとき。 大きなトラブルが起きたとき。 自分の立場が危うくなったとき。<br />
自分を守るのか。それとも、社員や組織全体を守ろうとするのか。<br />
そこでリーダーの本質が表れます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『軍服を着た神様』が映し出すもの</h2>

<p>2026年公開のドキュメンタリー映画『軍服を着た神様』は、飛虎将軍廟をはじめ台湾各地の「日本神」を取り上げています。<br />
台湾には、日本人が神として祀られている場所が50カ所以上あるといわれています。<br />
映画では文化人類学者の藤野陽平氏と記録映像作家の遠藤協監督が、足かけ6年にわたって各地を訪ね、日本神が生まれた背景や台湾の民間信仰、戦争の記憶、現在を生きる台湾の人々と日本の子孫との交流を描いています。</p>

<p>重要なのは、これを単純な「台湾は親日だから」という物語にしないことです。<br />
藤野氏も、日本と台湾の関係は近く深い一方、「台湾は親日」という一本槍では説明しきれないと指摘しています。<br />
複雑な歴史があり、異なる文化や信仰がある。それでも、国境や時代を越えて人と人との関係が生まれ、誰かを悼み、その記憶を受け継いでいく。私はそこに「関係性」の力を感じます。</p>

<p>会社も同じではないでしょうか。<br />
組織とは、組織図や人事制度だけでできているのではありません。<br />
「困ったときに助けてもらった」 「あの上司は自分を守ってくれた」 「あの人がいたから頑張れた」<br />
そんな人と人との記憶の積み重ねが、組織風土をつくっていくのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自分の数字」から「私たちの未来」へ</h2>

<p>では、経営者やリーダーは何をすればいいのでしょうか。私は二つあると思います。</p>

<p>一つ目は、メンバーの評価軸に数値による評価ではなく「理念の体現度」を入れることです。機能的な価値ではなく、情緒的な価値を評価することをお勧めしています。例えば、仲間を助けた人、後輩を育てた人、部署を越えて協力した人など、理念を体現した人を認める仕組みをつくるのです。</p>

<p>実際に、私の支援先では評価軸に「情緒的な価値」を入れたことで、組織の雰囲気が変わりました。「暗かった朝礼が明るくなった」、「相手に話しかける量が増えた」「笑顔が増えた」という声が多く挙がるようになりました。</p>

<p>そして二つ目は、経営者やリーダー自身の視座を高め視野を広げることです。<br />
「過去から現在、そして未来へと何を繋いでいくべきなのか？」「私は何を後世に遺すのか？」こうした問いに、生成AIは答えてくれません。</p>

<p>最後に問われるのは、経営者やリーダー自身の「あり方」です。<br />
あの日、台湾の電車で私に席を譲ってくれた人たちも、誰かに命令されたわけではありません。<br />
目の前に困っている人がいたから、すっと笑顔で立ち上がった。<br />
強い組織とは、そんな人がたくさんいる組織なのではないでしょうか。</p>

<p>「組織は人なり」という言葉がありますが、言い換えれば「いい人が、いい組織をつくる」とも言えます。「自分のため」から「みんなのため」と幸せな関係構築を自然と考えられるリーダーがいる会社が本当に強い組織です。<br />
さて、あなたの会社はどんなリーダーを育てていますか？</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_teamwork.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 13 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[加藤芳久（経営コンサルタント）、片倉佳史（監修）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>売れない営業がつい聞く“NG質問” トップ営業が絶対に避ける理由  河田真誠 （質問家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15130</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015130</guid>
			<description><![CDATA[会議の空転を防ぐ意思決定ルールや営業現場の質問設計を解説。｢誰がどう決めるか｣を明確にし、顧客の｢無意識の負担｣を捉えて未来のイメージを喚起することで、組織と営業の成果を最大化する技術を明かします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="商談する男性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_shodan.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢良いアイデアは出るのに何も決まらない不毛な会議｣や｢一生懸命提案したのに『困ってないです』と断られる営業｣...心当たりはありませんか？実はそれ、質問の投げ方が原因かもしれません。<br />
今回は、ダラダラ会議をシャキッと終わらせる意思決定のルールから、相手の｢欲しい！｣を引き出す営業の秘訣まで、現場で即使えるプロの質問術を分かりやすくお届けします！</p>

<p>※本稿は、河田真誠著『質問の魔力「よい質問」がすべてを解決する』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>不毛な会議を有意義な会議に変える質問</h2>

<p>ある営業戦略会議での話です。<br />
来期の新しい営業戦略について、参加者みんなで意見を出し合っていました。<br />
Aさん｢SNSをもっと使って若い世代にアプローチしましょう｣<br />
Bさん｢いや、既存のお客さんのフォローを強化するほうが効果的でしょ｣<br />
Cさん｢年に4回の紹介キャンペーンで、紹介制度を広げたらどうでしょうか？｣</p>

<p>会議では次々とアイデアが出てきました。<br />
ホワイトボードは様々な提案でいっぱいに。<br />
みんなそれぞれの意見に｢うんうん｣とうなずきながら、よい雰囲気で会議は進みました。</p>

<p>ところがです。会議の最後に、進行役の部長がこう言いました。<br />
｢どれもいい意見ですね。じゃあ、次回の会議でさらに考えましょう｣<br />
会議はその言葉で終了。結局、どのアイデアを進めるのかは決まりませんでした。<br />
そして次の会議でも、デジャブーかと思うくらい同じことが繰り返されました。<br />
会議に出たメンバーの間では、｢結局、会議をやっても意味はないし、何も変わらない｣という空気が広がっていきました。</p>

<p>何でこうなるのか、その理由は決定権者がはっきりしないからです。<br />
組織上は部長が決定者ですが、その部長が自分が決定者であるという意識がなく、会議のための会議になってしまっているわけです。<br />
会議やミーティングをする時、アイデアを出すだけ出して、その後どうなるのかを曖昧にしておくと、参加メンバーのやる気は低下しますし、そもそも何のための会議なのか、ミーティングなのかがわかりません。</p>

<p>そういうことをなくすために、話し合いをする前にこの質問で｢決め方を決めておくこと｣が大切になります。<br />
｢どうやって決める？　誰が決める？｣<br />
意思決定の方法がフワっとしていることは仕事の現場でよく起きています。<br />
採用基準が曖昧で、何となく人がよさそうという基準で採用を決めてしまう。<br />
サービスの導入基準が曖昧で、よい部分だけを見て導入を決めてしまう。</p>

<p>意思決定が曖昧なのは｢目的が言語化されていない｣｢数値目標がない｣｢責任者が明確でない｣｢感情・空気に流されやすい｣｢マイナスな選択肢を検討していない｣などが理由です。</p>

<p>漠然とした意思決定、ぼんやりした目標などをなくすためにも、意思決定の方法を絞り込むことが必要です。<br />
そのために、狭い視点の質問を使うのです。<br />
｢この案件はどうやって決めるか｣｢誰が決めるのか｣を明確にします。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>多数決のリスクとは？成果を出す｢決断基準｣のつくり方</h2>

<p>意思決定で気をつけたいことがあります。それは｢多数決｣です。<br />
ついつい周りを意識して多数決で決めましょうとなりがちですが、多数決をすると適切な決定ができない場合があります。</p>

<p>多数決には大きなリスクがあります。<br />
｢一人の天才がいても、残りがダメだと、全体としてダメな選択をする｣<br />
｢多くの場合、大多数はこれまでと変わらない選択をしがち｣<br />
という点です。<br />
決定に関しては、｢うまくいくかどうかはやってみないとわからない。だから、私が責任を取るから、これをやってみよう」と言える人が必要なのです。</p>

<p>決断をする上で、選択の基準を決めることにも質問は活用できます。<br />
決める時に｢何をもってよしとするか｣を決めておくと、アイデアを出すほうもそこが意識できるので、おすすめです。<br />
気をつけないといけないのは多くの会議では｢まずは、すぐにできそうなことをやってみましょう｣となりやすいことです。<br />
時間がかかるけど、重要なことは後回しにされがちなのです。<br />
その結果、本当に必要な行動には至らず、いつも目先の仕事に追われることになる。<br />
でも今は変化が激しく、前例が通用しにくい時代です。<br />
以前であれば｢まだやったことがないこと｣は、時期尚早になりやすかったかもしれませんが、今はむしろ｢まだやっていないこと｣こそ早くやったほうがよい場合がよくあります。<br />
｢まだやっていないこと｣は可能性の塊なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>成果を出す営業マンが使っている必殺の質問術</h2>

<p>これまで数多くの営業職の人の相談にのってきました。相談内容はほぼ｢どうしたら売れるのか？｣についてです。<br />
多くの営業職の人と話してわかったことがあります。それは、売れない営業と売れる営業を分ける質問があるということです。</p>

<p>売れない営業の人がよく使っている質問、それが｢何かお困りごとはありますか？｣でした。<br />
一見するとお客さんのことを考えた適切な言葉のように思えます。でも、｢何かお困りごとはありませんか｣には大きな弱点があります。<br />
それは、｢ありません｣と答えられてしまう可能性があることです。<br />
営業の人から｢何かお困りごとはありませんか？｣と聞かれたら、たいていの相手は｢この人は自分に何かを売り込もうとしているな｣と警戒します。なので｢ありません｣と答えられ、会話がそこで終了してしまう聞き方はNGなのです。</p>

<p>また、相手が困りごとだと認識していないこともあります。そんなものだと思っているなど、困りごと認識をしていない場合も、この質問では回答が得られません。<br />
もし明確な困りごとがあったとしても、すでに対処してしまっていることもあります。</p>

<p>例えば、体のどこかに強い痛みを感じればすぐに病院に行くでしょう。そこまでひどくない痛みであれば市販の薬を買うかもしれません。つまり｢どこか痛いところはないですか？｣という質問をした場合、あればすでに対処しているし、なければ｢ありません｣と回答されてしまいます。<br />
では、成績のよい営業はお客さんに対してどんな質問をしているのでしょうか。それがこの質問です。</p>

<p>｢どんなことに時間や労力を取られていますか？｣<br />
そして、その回答を得たら、続けてこう質問します。<br />
｢それが解決できたら(短縮できたら、少なくできたら)いいと思いませんか？｣</p>

<p>この質問のよいところは、イエスノーでの回答ではなく、何かしらの回答が得られるところです。また、相手が困りごとだと認識していないことでも｢あ、これは困りごとだったんだ｣と認識できる点も魅力です。</p>

<p>さきほどの痛みを聞く場合であれば、｢どんなことに時間や労力を取られていますか？｣という質問に対して、｢買い物に行くのがすごく億劫なんです。買い物に時間がかかっています｣という回答があれば、その裏には病院に行くほどではないかもしれないひざの痛みがあるかもしれません。<br />
この質問をすることで、本人も気づいていない｢悩み｣を発見できるのです。</p>

<p>｢困りごと｣を質問するのではなく、｢日常の負担｣を質問する。すると、本人も意識していなかったようなことが出てくるかもしれません。<br />
｢実は、これに結構時間がかかっていて...｣<br />
｢毎回、これをするのがすごく手間なんです｣<br />
｢無意識の不満｣が言語化されていきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢欲しい｣をつくる！未来をイメージさせる質問の設計術</h2>

<p>そして、もう一歩進めた質問をします。<br />
｢それが解決できたら、どうですか？｣<br />
この質問で、｢変わった後の未来｣をイメージしてもらう。<br />
人は問題を認識し、それが改善された状態をイメージできたときに、｢欲しい｣が生まれます。<br />
僕もこの質問を実は多用しています。</p>

<p>営業の仕事は、言い換えれば｢気づいていない課題｣を言語化する仕事でもあります。<br />
うまくいっている営業は、商品を説明するのがうまいのではなく、相手がまだ気づいていない課題を言語化するのがうまいのです。</p>

<p>｢何に困っていますか？｣では顕在化された問題しか拾えません。<br />
引き出したいのは、例えば｢日常の中にある違和感｣だったり、｢無意識の負担｣だったり、｢習慣化している非効率なこと｣だったりします。<br />
それを引き出すのが、質問の力です。</p>

<p>ここでも重要なのは、｢視点を狭めること｣です。<br />
｢何かお困りごとはありますか？｣という質問は広すぎて抽象的すぎる質問です。<br />
一方で、｢どんなことに時間を取られていますか？｣はテーマが限定されている絞られた質問です。さらに、｢それがなくなったらどうですか？｣という質問で、未来に視点を絞りこみます。</p>

<p>成果を出している営業はこのように｢質問の設計｣がうまいのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_shodan.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 13 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[河田真誠 （質問家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>自分の選択を「正解」と思える人の幸福度が高い理由  堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15110</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015110</guid>
			<description><![CDATA[自分で決めたことを後になって悩むより、「自分の選択＝正解」と考えた方がいいと語る、言語学者の堀田秀吾さん。その理由と幸福度を高める習慣を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="堀田秀吾著『心理学×脳科学×行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_smilewoman02.jpg" width="1200" />やっぱりあの服、買わない方が良かったかな...そんなふうに「自分の選択は間違っていたかも」と、後になってから悩んだことがあるかもしれません。同じ選択であっても、考え方1つで正解にも不正解にもなるため、「自分の力で選択した行動を正解にすることが大切」と、言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さんはいいます。ここでは、幸福度を上げる4つの習慣を見ていきましょう。</p>

<p>※本稿は、堀田秀吾著『心理学&times;脳科学&times;行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分に都合よく解釈する勇気を持つ</h2>

<p>カリフォルニア大学ロサンゼルス校のテイラーと南メソジスト大学のブラウンは、心の健康と現実認識の関係を分析しました。そして「ポジティブ・イリュージョン（自分にとって都合のよい思い込み）」という考え方を示しました。その具体的な内訳は、以下の3つです。</p>

<p>①自分を平均より少しよく見積もる</p>

<p>②出来事を自分の力でコントロールできると感じる</p>

<p>③未来を実際より明るく予想する</p>

<p>複数の調査からわかったのは、抑うつ症状のない人ほど、この3つの思い込みを強く持っていたということです。逆に、抑うつ状態にある人は、自分の能力や未来をより正確に評価していました。研究者たちはこれを「悲哀の叡智」と呼びました。</p>

<p>正確さと心の健やかさは、両立するとは限りません。むしろ、少しくらい思い込みの強いほうが、日々のストレスから心を守るクッションとして働いていたのです。さらに、ポジティブ・イリュージョンを持つ人ほど、人間関係への満足感が高く、創造的な作業に取り組みやすく、ストレスからの回復も早い傾向があると示されました。</p>

<p>たとえ思うようにいかないことがあったとしても、「うまくいかなかった」と決めつける前に、「こういう解釈もできる」と考えてみてください。まったく同じ出来事でも、悪い面を見て落ち込む見方と、まだ良い面が残っていると考える見方のどちらを選ぶこともできます。</p>

<p>そして、どちらを選ぶかによって、そのあとの気持ちの立ち直り方が変わってきます。悪い面ばかりを見ていると、次に動き出すまでに時間がかかりますが、良い面も見ておくと、気持ちを切り替えて次の行動に移りやすくなるのです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・「こういう解釈もできる」と考えてみる</p>

<p>・悪い面だけでなく、良い面にも目を向ける</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「自分で決めた」感覚が幸福度を上げる</h2>

<p>ロチェスター大学のデシとライアンは、人が長く健やかに生きるには、自律性、有能感、関係性という3つの心理的な栄養が欠かせないと述べています。なかでも自律性とは、自分の行動を自分で選んでいるという感覚のことです。</p>

<p>彼らの理論では、たどりつく先が同じでも、自分で決めたと感じられた行動のほうが満足度も持続力も大きく上がるとされています。この考え方に沿えば、運動のように続けにくい習慣であっても、ほかの人から指示されるより、自分で選んだと感じられる形で支えられたほうが長持ちするということになります。</p>

<p>ミシガン大学のイングルハートらは、50カ国以上、30万人を超える国際調査をもとに、長期的な幸福度の変化を追いました。経済の発展、民主化、社会の寛容さといった条件が並ぶなかで、幸福度の伸びとはっきり結びついていたのは、人々が「自分の人生を自分で選べている」と感じている度合いの上昇でした。この感覚だけで、幸福度の変化のおよそ30％が説明できたといいます。この結果は、経済的な豊かさよりも、自分で選んでいるという実感のほうが幸福感にとって強い影響力を持つことを示しています。</p>

<p>朝の小さな選択でかまいません。着る服を選ぶ、休憩のタイミングを選ぶ、メールの文面を考える。そのひとつひとつに「これは私が決めた」と心の中で決裁印を押してみてください。この習慣は、家事や育児のように一見選ぶ余地がなさそうな場面でも応用できます。決められた作業の中にも、順番や進め方など自分で選べる部分は必ず残っています。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・小さな選択にも「これは自分で決めた」と考えてみる</p>

<p>・選択の理由に「私がそうしたかったから」を付け加えてみる</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>選んだ理由を1つだけ覚えておく</h2>

<p>さんざん迷って長い時間をかけて決めたはずなのに、選ばなかったほうの選択肢を未練がましく考えてしまったりします。「もしあっちを選んでいたらどうなっていたんだろう」「自分は選択を間違えたのでは」という声が頭の中で鳴りやまない。考えすぎる人にはかなり覚えのある感覚だと思います。</p>

<p>私たちの心には、決めたあとの自分を助ける働きがもともと備わっています。それを最初に実験で捉えたのは、ミネソタ大学のブレームでした。半世紀以上前に行われ、その後の心理学の土台のひとつになった古典的な研究です。</p>

<p>女子学生225人に、コーヒーメーカーやトースター、ランプといった家庭用品8品の望ましさを8段階で評定してもらい、謝礼としてそのうち2品からひとつを選んで受け取ってもらいました。そしてしばらくしてから、同じ品々をもう一度評定してもらったのです。</p>

<p>すると、甲乙つけがたい2品で迷って選んだ人たちでは、選んだ品の評価が平均0.26点上がり、選ばなかった品の評価は0.66点下がっていました。品物そのものは何ひとつ変わっていません。変わったのは心の中の順位だけです。つまり、迷った末に選んだものほど、決めたあとで心が「ひいき」を始め、あとから好きになっていきやすいのです。</p>

<p>この働きは、認知的不協和の解消と呼ばれています。決めたのに未練がある、という矛盾する気持ちのままでは落ち着きません。そこで心が評価のほうを動かし、つじつまを合わせるのです。</p>

<p>だからこそ、決めたあとの過ごし方が重要です。おすすめは、選んだ理由をひとつだけ言葉にして覚えておくことです。この商品は手入れが楽だから、この会社はアクセスが良かったからなど、完璧な理由でなくてかまいません。理由は1つで十分です。むしろ並べすぎると、あとで一つひとつが再審査の対象になってしまいます。</p>

<p>そして、選ばなかったほうの情報をわざわざ見に行くのをやめましょう。買わなかった商品の情報も、選ばなかった転職先の近況も、もう見なくていいことです。決めたあとの再比較は、心のひいき機能がこつこつ進めている作業をいちいち白紙に戻してしまうからです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・選ばなかったほうの情報はわざわざ見に行かない</p>

<p>・自分の選択に納得するためにも比較をやめる</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分の選択に保険をかけない</h2>

<p>買い物では返品できるお店を選び、旅行はキャンセル料のかからないプランを予約。家具を選ぶときも、習いごとを始めるときも、いつでもやめられることや、あとから変えられるかどうかをまず確かめる。こんなふうに変えられる余地を残しておくと安心できます。ただ、そうした保険こそが、選んだものを好きになる邪魔をしているということが研究からわかっています。</p>

<p>ハーバード大学のギルバートとマサチューセッツ工科大学のエバートは、写真の講座を使った実験を行いました。受講者は、自分で撮影した写真の中からお気に入りを2枚プリントします。そのうち1枚だけを手元に残します。このとき半分の人には「あとで気が変わったらもう1枚と交換できます」と伝え、もう半分には「いちど選んだら交換はできません」と伝えました。</p>

<p>数日たってから満足度をたずねると、交換できないと言われた人たちのほうが、自分の残した1枚を気に入っていて、いつでも取り替えられるはずの人たちは、手元の写真への愛着がなかなか育ちませんでした。</p>

<p>しかも、別の参加者にこの実験の結果を予測してもらうと、交換できるかどうかで気持ちは変わらないと考えたうえで、自分が選ぶなら交換できる条件のほうがよいと答えています。つまり私たちは、自分の満足を下げるほうの選択肢を良かれと思ってわざわざ選びたがるわけです。</p>

<p>人の心には、もう動かせなくなった現実を前向きに受け止め直す働きが備わっています。「これだ」と決めてしまえば、良かった点を探し出し、これでよかったのだと折り合いをつけていくものです。</p>

<p>ところが引き返す道が残っていると、この働きがうまく起動しません。まだ変えられると思っているあいだ、頭は候補どうしの比較と採点をやめることができないのです。写真の実験で起きていたのも、そうした足踏みの状態でした。</p>

<p>迷いやすい人ほど、決めたあとの退路を自分から断つ価値があります。服や家電を買ったら、返品の段取りを調べる前に箱と伝票を片づける。習いごとを決めたら、他の教室の資料は処分する。転職や引っ越しのような大きな決断でも、決めた日を境に求人サイトや物件情報をのぞかないと決めてしまう。こうして見比べる材料を断つことが、選んだものへの愛着を育てる水やりになるのです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・決めたら、比較材料を処分する</p>

<p>・使うつもりのない退路を持ち続けていないか振り返る</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 13 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>初対面で拒絶された私が、人気No.1キャストからCHANELをもらうまで  曽和美佑（YouTuber）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15044</link>
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			<description><![CDATA[ルッキズムの現実を認めつつも、傷ついた記憶の奥にある｢優しさ｣の存在を提示。高校時代のバイト体験や人間関係の葛藤を通じ、見た目を超えて深く愛されるために必要なのは｢人間性｣だと語るエッセイ。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="曽和美佑" height="740" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260917SowaMiyuu.png" width="1200" /></p>

<p>世の中は顔かもしれない―そんなルッキズムの現実を認めつつ、傷ついた記憶の奥にある温かな優しさに光を当てます。高校時代のバイト体験や葛藤を経て、見た目を超えて深く愛されるために必要な｢人間性｣について語る、自分らしく生きるためのエッセイです。</p>

<p>※本稿は、曽和美佑著『世の中、顔か？』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>世の中、顔かもしれないけれど</h2>

<p>正直に言う。世の中は、顔である。<br />
厳密に言うと、顔が影響する場面は、確かに存在する。それは、逃れようのない現実だ。<br />
あなただって無意識のうちに、顔を見て｢いいな｣と判断してしまうことがあるだろう。<br />
だから安易にルッキズムを否定して、反論することなんてできない。</p>

<p>ただ、世の中は顔だけでもない。</p>

<p>問いかけてみてほしい。<br />
あなたはそのままのあなたで、誰かに優しくされたことはなかっただろうか？<br />
正しく評価されたり受け入れられた瞬間が、一度もなかったのだろうか？<br />
そんなことはないと思う。</p>

<p>ありのままの自分に向けられた優しさを受け取った記憶を、決して忘れてはいけない。<br />
傷ついた経験ばかりに気をとられがちだが、かつて誰かがくれた温かい記憶まで、負の感情によって都合よく鈍感になってはいけないのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>嫌われ者の私が、CHANELのリップをもらうまで</h2>

<p>綺麗なお姉さんに拒絶される</p>

<p>書いていいのか迷うけれど、高校生の頃、キャバクラでアルバイトをしていた。キャストとしてではない。ボーイ(裏方)の役割としてだ。</p>

<p>お酒を作ったり、掃除をしたり、待っているお客様の相手をする。たまにヘルプとして卓につくこともあった。</p>

<p>とにかく自由に使えるお金がほしかったし、東京への上京資金も貯めたかった。<br />
ちなみに当時の私はアルバイトを3つ掛け持ちしており、学校が終わるとまず、スーパーかファミレスで働いた。<br />
そして深夜になるとキャバクラに行き、朝の4時まで働く生活をしていた。</p>

<p>夜の街で働き始めた、可愛くもなければ痩せてもいない、ただ元気だけが取り柄の女子高生。<br />
そんな私は、綺麗なキャストのお姉さんたちに、死ぬほど嫌われていた。<br />
肌でも感じ取れるくらい、拒絶されているのが目に見えてわかった。</p>

<p>｢どうせすぐやめる｣と思われていただろうし、｢なんでこんな子がこの店で働いているんだろう｣と疑問に思っていたと思う。<br />
まあ、その感情は正解だ。仕方がない。<br />
ただ、私はお金が必要だっただけなので、嫌われるとか好かれるとか、そんなことを気にしている暇はない。</p>

<p>それに一生懸命働いていたら、いつか好かれる日が必ず来る。それだけは、経験から確信していた。<br />
なぜなら私は、愛される人間性を持ち合わせているから。</p>

<p>いつもそうだった。<br />
中学でも高校でも、入学早々なぜか先輩たちに目をつけられ、嫌われる。</p>

<p>幼少期の環境のせいか、私は｢他人にどう思われるか｣を考えて行動したり、｢こうしたほうがいい｣と空気を読んで立ち回る能力が、決定的に欠けていた。<br />
そのため先輩たちには生意気にうつり、｢なんだこいつ｣と思われてしまう。</p>

<p>先輩だけではない。<br />
体力テストではみんなが友達と一緒に測定を回る中、私は1人で行動した。<br />
みんなが机を引っ付けてお弁当を食べる中、私は1人で食べた。<br />
授業中、鼻水が止まらなければティッシュを鼻に詰めたまま過ごすし、授業が面倒くさくなれば、1人で抜け出して寝たりもしていた。</p>

<p>私がそのままでいることは、｢可哀想｣だとか、｢変わっている｣とか、｢逆にすごい｣という評価につながるということは、高校生になってから知った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>校内の変な奴として有名に</p>

<p>高校時代、途中でやめてしまったけれど、バトントワリング部に所属していた時期がある。</p>

<p>文化祭だったか、全校生徒の前で踊った時のこと。<br />
1人だけ太っていて、｢ブス｣がいるということで、目立っていたらしい。<br />
終わったあと、全く知らない男の先輩たちが、わざわざ私の教室まで｢顔を確認しに｣やってきた。</p>

<p>イケメンや美女がいて、教室に他の生徒が見に来るというシチュエーションは知っている。<br />
しかし、｢ブスが気になって見にくる｣というのは、新しいものだった。</p>

<p>バトントワリング部には、誰が見ても可愛い女の子しかいなかった。<br />
みんなセーラー服のスカートの丈はミニ。足元はルーズソックスを履いて、息を合わせて踊る。</p>

<p>確かにそんな中で、太い足を出してミニスカートで踊っている人がいたら、気になるのかもしれない。おまけに踊ることも、リズムを取ることすらも苦手。<br />
自分には全然合ってないって、わかっていた。<br />
それでもどうしても、あの衣装を着て踊るバトントワリング部の先輩たちに憧れていた。</p>

<p>私も彼女たちになりたかったのだ。</p>

<p>ただそれだけなのに、私は一躍｢校内の変な奴｣として有名になってしまった。<br />
それ以来、学食や校内ですれ違うたび、見ず知らずの男の先輩に絡まれるようになった。</p>

<h2>&nbsp;</h2>

<p>気づけばみんな友達</p>

<p>私が｢変な奴｣ということは、否定しない。<br />
けれど私は｢いい奴｣でもある。</p>

<p>無駄に絡まれるのはたまに困ったが、せっかく私と話すのなら、｢ブス｣だけで終わらせないでほしい。</p>

<p>だから私は絡んできた人たちにへりくだることもなかったし、年上だからと気を遣うこともなかった。対等に、普通に話をしていた。</p>

<p>私は、絡んでくるお前が一緒にいる友達と、何も変わらない。<br />
そうやって接しているうちに、いつの間にか彼らと仲良くなり、気づけばみんな友達になっていた。</p>

<p>こういう経験が、学生時代から何度もあった。<br />
だから、キャバクラのアルバイトで嫌われても、｢大丈夫｣と思えたのだ。<br />
いずれ、好かれるときが来る。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>意地悪してきたお姉さんが</p>

<p>キャバクラでは、慣れない環境の中で朝の4時まで働き続けた。<br />
目的が明確にあれば、お金のためなら、頑張れた。</p>

<p>そうやって、少しずつお客様やキャストのお姉さんたちとコミュニケーションを取るようになった。<br />
すると彼女たちも、私が｢ただのブス｣ではないことがわかったらしい。どんどん仲良くなっていった。</p>

<p>18歳の誕生日のことを、今でもよく覚えている。<br />
深夜０時ぴったりのタイミングで、ケーキが出てきた。<br />
そしてキャストのお姉さんたちが、みんなで盛大に祝ってくれた。</p>

<p>そして出会った頃、私に意地悪してきた人気NO1のお姉さんが、CHANELのリップをくれた。<br />
あれが、私の初めてのCHANELだった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>結局は人間性</p>

<p>やることをちゃんとやっていれば、そしてこの人間性があれば、私は大事にされること、そして愛されることを知っている。</p>

<p>私は、元々人が好きだ。<br />
だから初対面でどれだけ不当な扱いをされたとしても、みんな最後は私のことを好きになると思っている。<br />
最初の扱いをなかったことにするつもりもないけれど。</p>

<p>もし好きにならなかったとしても、それは私とは｢合わなかった｣だけの話。<br />
それは私が他人のことを過度に気にせず、自由に生きられている証明でもある。</p>

<p>結局のところ、長くて深い関係性を築いていくために必要なのは、顔ではなく、圧倒的に人間性なのだ。</p>

<p>そのままの自分を生きたい。<br />
そしてどれだけ傷ついても、自分から人を愛していける人間でいたい。</p>

<p>だって誰かを愛したり、愛されたりするのは、何物にも代え難い、楽しいことだから。<br />
ただ、それだけだ。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 13 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[曽和美佑（YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「スネ夫はただの太鼓持ちではない」 ジャイアンが心を許している理由  横山泰行（富山大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15200</link>
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			<description><![CDATA[お調子者のスネ夫に学ぶ世渡り術！激怒するジャイアンを機嫌よくさせる「ほめ方」とは？書籍『ポケット版「スネ夫」という生きかた』から解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ドラえもんの空き地" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_DoraemonAkiti.jpg" width="1200" /></p>

<p>&quot;お調子者&quot;や&quot;太鼓持ち&quot;といったネガティブなイメージが強い、ドラえもんのスネ夫。しかし富山大学の横山泰行名誉教授によると、あの立ち回りの上手さこそ、厳しい社会をたくましく生き抜くための重要なスキルだといいます。</p>

<p>本稿では、書籍『ポケット版「スネ夫」という生きかた』より、「スネ夫流ホメ方の作法」を分かりやすく解説します。</p>

<p>※本稿は、横山泰行著『ポケット版「スネ夫」という生きかた』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>心を許してしまうほど上機嫌になる、スネ夫流ホメ方の作法</h2>

<p>スネ夫のホメ力といえば、激怒するジャイアンをうまくなだめるという「お約束の展開」で、みなさんおなじみのことと思います。スネ夫のことばの力は偉大ですよね。</p>

<p>彼がもし総理大臣になったら、世界平和に貢献しそうな勢いです。</p>

<p>なぜジャイアンは、スネ夫にホメられると気持ちがよくなって心を許すのでしょうか。ちょっと心理学を借りて説明を試みたいと思います。</p>

<p>富山大学で教職に就いていた頃の私の専門は、前半は「学校保健」、後半は「生涯スポーツ」と「ドラえもん学」でした。ですが、心理学の本もよく読みます。教育心理学や社会心理学を知っていると、人生のいろいろな場面で役に立つからです。</p>

<p>たとえば｢なぜ、あの人はこう言ったのか？（行動したのか？）｣という相手の気持ちやリアクションを推察するときに、心理学は強力な武器となります。カンタンな入門書を読むだけでもじゅうぶん楽しめるので、みなさんもぜひ心理学を活用してみてください。</p>

<p>また、スネ夫の言動を分析するのに、心理学はもってこいの学問です。こんな私のスネ夫研究は、世界に類を見ない&quot;偉業&quot;ではないでしょうか!?&nbsp;</p>

<p>余計な前フリはさておき......、心理学をひもとくと、スネ夫のホメ方は直球ストライクで、大変効果的であることがわかります。</p>

<p>その人が大切に思っていること、強い関心をもっていることを心理学の用語では「自我関与」（※1）と呼ぶのですが、「自我関与が大きいほど、ホメられるとうれしく感じる」とされています。</p>

<p>たとえば、スネ夫に歌をホメられたジャイアンが骨抜きになってしまうのは、彼が歌うことが好きで、歌に対して真剣であり、自分の歌を評価されたいからといえます。だから、どんな状況でも「歌」をホメられれば、間違いなくごきげんになってしまう、というわけです。</p>

<p>この考えかたでいくと......。仕事を頑張っている人は仕事の成果を、自分の破天荒さを自慢するような自称・ワイルドな人は行動の1つ1つがワイルドなのをホメると効果的!? ということになります。なんとなくうなずける理論ですよね。</p>

<p>実際に、この理論を実践しているスネ夫のシーンを見てみましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>---------</p>

<p>｢レコード製造機｣で、ジャイアンのレコードを作ってあげたのび太。ジャケットにはジャイアンがかっこよく写った写真まで入っています。大喜びしたジャイアンは、道でレコードを売り始めました。</p>

<p>それに気づいたスネ夫は、しずちゃん（※2）やクラスメートにジャイアンのレコードを買わされないように、回り道することをコッソリすすめて回ります。噂はあっという間に広がり、ジャイアンがいる通りには、ばったりと人通りが無くなってしまいました。</p>

<p>いぶかしく思ったジャイアンは、「とうぶん近よらないほうがいい」とヒソヒソ話しているクラスメートを発見します。</p>

<p>｢やいこらっ｣と怒るジャイアン......。</p>

<p>すると、異変に気付いたスネ夫がすかさずお金を持って現れ、ジャイアンのレコードを買い求めようとします。ほかの仲間たちも集まってきました。</p>

<p>｢レコードだしたんだって。なぜ早くおしえてくれないんだよ｣<br />
｢わるいわるい、このつぎからちゃんとでんわするよ｣</p>

<p>スネ夫のホメことばに急に、上機嫌になるジャイアンでした。</p>

<p>『てんとう虫コミックスドラえもん　第11巻』<br />
小学館第18話目「ジャイアンの心の友」</p>

<p>---------</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>どうでしょう、スネ夫の変わり身の早さは、さすがですね！ここでもまたまた、ホメの高度なテクニックが使われています。</p>

<p>｢レコードだしたんだって。なぜ早くおしえてくれないんだよ｣というスネ夫の問いかけのセリフですが、これは遠回しな形でジャイアンをホメています。</p>

<p>人に質問することで「あなたに興味がありますよ」という気持ちを伝えることができます。誰だって、自分自身のことに興味を持ってもらえたらうれしいですよね。それが、自我関与の大きなこと（強い関心をもっていること）についての問いだったら「なおさらうれしい」というのが、老若男女を問わず、人間に共通した性質なのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>『渡辺篤史の建もの探訪』にも使われている!?</h2>

<p>自我関与というものがよくわかるテレビ番組があります。</p>

<p>『渡辺篤史の建もの探訪』（テレビ朝日系）をご存じでしょうか。建築作品として評価できるお宅を俳優・渡辺篤史さんが訪れ、紹介していくという番組です。｢いや〜、すばらしい！」とどんな物件からも魅力を引き出してしまう渡辺さんのトークは、「究極のヨイショ芸」と称され、他のタレントからマネされるほど人気です。</p>

<p>この番組で私がいつも注目してしまうのは、渡辺さんよりもむしろ家主さんの表情です。渡辺さんに、間取りや設計、果ては建築の意図などを聞かれて、家主さんは非常によい表情で答えを返されています。</p>

<p>考えてみれば、家などというのは一生に一度、できるかできないかという買い物。運よく家を建てられた人にとっては、とてつもなく大きな自我関与があるはずです。その家について、あれこれ聞かれて、うれしくならないワケがありません。</p>

<p>この番組は、2026年には38周年を迎えるというご長寿番組ですが、長続きしているのも素直に納得できます。</p>

<p>このように、誰かをホメたいときは、相手が大切にしていることやモノについて質問してみてください。ジャイアンに限らず、誰の心も根っこのところでは、けっこう単純なのかもしれませんね！</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>（※1）「自我関与」<br />
ある事柄を自分のもの、あるいは自分に関係があるものとして考えること。その人が大切だと思っているものほど「自我関与が大きい」という。</p>

<p>（※2）登場人物「源静香」の作中での呼び方について、アニメなどでは「しずかちゃん」とすることが多いですが、本書ではマンガでの表記である「しずちゃん」を使用しています。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_DoraemonAkiti.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 12 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[横山泰行（富山大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「捨ててうまくいく人・失敗する人の違い」片づけているのにすっきりしない理由  おさめ ますよ（収納ライター）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12828</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012828</guid>
			<description><![CDATA[捨てているのに片付かないのはなぜか。収納ライターのおさめますよさんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="うまい捨て方" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_messyroom.jpg" width="1200" /></p>

<p>定期的にモノを捨てているはずなのに片づかない......そんなモヤモヤの原因は、上手な「捨て方」を知らないことにあります。収納ライターのおさめ ますよさんが解説してくれます。</p>

<p>※本稿は、『PHPくらしラク～る♪』2024年9月号より内容を抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>場所よりもアイテム整理がうまくいく</h2>

<p>「よし、今日は捨て日だ。物を整理しよう！」と思ったとき、どこから手をつけますか？</p>

<p>「ここをやろう」と場所から入る人が多いのではないでしょうか。私も汚部屋暮らしだった頃は、真っ先に押し入れを整理していました。得体の知れないものが詰まっていそうで、寝ても覚めてもモヤモヤ......。</p>

<p>人は、ふだん気になっている場所から片づけたくなるもの。でもそれが危険なことだと知ったのは、片づけられるようになってからです。</p>

<p>あの頃の私は、押し入れの扉を開け、すき間に突っ込んだ贈答品のタオルの箱などを引っ張り出していました。余白が生まれるとすっきりし、「捨て」に拍車がかかります。途中でアルバムを見つけ、「この写真、懐かしい......」と感傷に浸っているうちにタイムアップ。慌てて入れ戻し、「ちょっとは減ったかな」と満足する自分がいます。</p>

<p>後日、洗面所の収納庫を見て愕然としました。ごちゃごちゃのタオルの束をひとつひとつ見ていくと色褪せたものやループのほどけたものばかり......。</p>

<p>しかも、バスタオルはほんの数枚しかないじゃないですか！押し入れのタオルはすでに処分してしまったので、後の祭りです。</p>

<p>物は、家のあちこちに点在しています。まず家じゅうのタオルを一箇所に集めてから、整理を始めるべきでした。「ここをやろう」より「〇〇〇をやろう」。アイテムで考えると、このような「捨て」による「しくじり」を回避できます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>片づけスイッチ作動中は整理しない</h2>

<p>片づけスイッチが入ったときも、よくしくじりました。捨てる気満々で、いわゆる「捨てハイ」（捨てることで気分が高揚し、幸福感を得る）になっているので、何かと理由を見つけて捨てようとします。捨てるとすっきりし、捨てられる自分を褒めてあげたい気分にも。そんなとき、私の場合は好き嫌いを優先しがちで、物の状態や必要数を冷静に判断できなくなっています。</p>

<p>食器棚にぎゅうぎゅうに詰まった食器を「好みじゃないから」と捨て、後で「お客さまにお出しする羊羹を盛るお皿が足りない！」「スイカ用のガラスのフルーツ皿はどこ？」と大慌て。以来、片づけスイッチが入ったときに整理するのはヤメました。</p>

<p>なかでも使用頻度の低いもの、オフシーズンのものは記憶に乏しく「使っていない」と勘違いし、捨てがちです。一年に数回しか登場しない大皿や花瓶を捨てて後悔したことがあります。</p>

<p>タオルケットや電気毛布も使わないから......と捨てて買い直したことも。寝具や衣類など季節で入れ替えるものは、翌シーズンの始まりではなく、今シーズンの終わりに整理するのがおすすめです。</p>

<p>また、古い雑誌、思い出の品、アルバムなど、買い戻せないものや手に入らないものなども、慎重に判断したいものです。</p>

<p>今から思えば、当時の私は捨てることが目的になっていたのだと思います。すっきりしたい、モヤモヤとさよならしたい......。けれど「捨て」を繰り返しても、部屋は片づかず、一年中物を探していました。靴下の片一方が見つからなかったり、鍵が行方不明で遅刻しそうになったり......。場当たり的に物を捨てても、快適な暮らしは手に入らないのです。</p>

<p>そんな私が片づけられるようになったのは、自分の暮らしに必要な量を知ってから。「要・不要」「使う・使わない」の判断が苦手だったので、「段ボール箱整理法（物をすべて段ボール箱に入れ、使うときに物を取り出す）」を実践するうちに、自然に必要量が判明。結果的に物がごっそり減り、暮らしが回るようになりました。</p>

<p>その成功体験から小さなストレスに敏感になり、物の数を意識する暮らしに。「捨て」による「しくじり」がなくなったのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>目的を紙に書いて貼ると失敗しない</h2>

<p>仕事柄、かつての私のように捨ててしくじる人をたくさん見てきました。「捨てたい理由はなんですか？」と質問すると、「家をすっきりさせたい」「物を減らしたい」「モデルルームのような部屋で暮らしたい」という答えが返ってきます。</p>

<p>一方で、上手に捨てる人は「時短料理を叶えたい」「登校準備をしやすく」などと小さな目的を持っています。暮らしの不具合を解するための「捨て」であることがわかります。</p>

<p>「捨て」による「しくじり」を防ぐには、具体的な目的を持つことがひとつのヒントになります。捨てることは手段にすぎず、目的ではありません。</p>

<p>私は今、老親とともに実家の片づけに取り組んでいますが、冒頭の押し入れ整理のように、目的を忘れて寄り道をしてしまうことがあります。</p>

<p>それを防ぐために、作業中は整理する目的を書いた紙を壁に貼っています。たとえば「毎日の着替えをしやすくする」「電気鍋が使いやすい調理台にする」「ヘルパーさんが掃除道具を見つけやすい収納」などなど。</p>

<p>必要なときは、手順も紙に書き出して掲示します。「集める&rarr;分ける&rarr;選ぶ・捨てる&rarr;配置決め&rarr;入れ戻す&rarr;ラベリング」といった具合です。生活しながらの片づけは、作業に充てる時間が限られているので、時間の配分にも役立ちます。</p>

<p>これらの工夫で、必要な物の数を知り、「捨て」によるしくじりを防止。今では、上手な「捨て」が暮らしの助けになることを実感しています。</p>

<p>【おさめ ますよ】<br />
汚部屋出身の収納ライター。雑誌や書籍で片づけ企画を多数担当。現在はシニアの片づけやアルバム整理に取り組んでいる。著書に『ざんねんな収納』（パイ インターナショナル）他。<br />
Instagram @osamemasuyo</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_messyroom.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 12 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[おさめ ますよ（収納ライター）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「ＮＹ襲撃」 第一章・過去を引きずる者たち【２】 高嶋哲夫  高嶋哲夫（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14889</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014889</guid>
			<description><![CDATA[SP・明日香が次に護るのはNY！？　「襲撃」シリーズ第三弾。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ニューヨーク" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NY.jpg" width="1200" /></p>

<p>SP・明日香が次に護るのはNY！？　「襲撃」シリーズ第三弾。</p>

<p>&nbsp;</p>


<p>&nbsp;</p>

<p>ほぼ一年ぶりの警視庁だった。</p>

<p>明日香（あすか）はブラウスの襟首を直した。制服以外で警察関係の建物内で同僚と会うのは久し振りだ。警護官を降りてからずっと制服だった。</p>

<p>捜査一課の前を通りかかったとき、姿勢のいい長身の男が出てきた。</p>

<p>明日香を見て立ち止まった。千葉俊介（ちばしゅんすけ）、捜査一課の課長だ。</p>

<p>「復帰したんだってな。きみが立川の交番勤務の警察官でいるはずはないと思ってた」</p>

<p>「戻ったわけじゃありません。新崎（しんざき）先生の国連での演説に同行を命令されたからです」</p>

<p>「ニューヨークの国連本部でやるやつか」</p>

<p>千葉も知っている。明日香が想像していたのより規模の大きなものなのだ。</p>

<p>「反対なのか」</p>

<p>千葉が聞いた。明日香の表情を読み取ったのか。</p>

<p>「当然です。まだ東京襲撃の生き残りが多くいるはずです。必ず狙っています。アメリカだと何でもありです。アメリカに潜伏している仲間もいるでしょうし」</p>

<p>「だからおまえが呼ばれた。それを復帰と呼ぶんだ」</p>

<p>反論しようとしてやめた。千葉の言葉に間違いはない。</p>

<p>「ジョンというニューヨークの刑事がいただろ。彼からは時々メールが来る。風貌に似合わず律儀な奴だ」</p>

<p>ジョン・ハーパーはニューヨーク市警の刑事だ。ニューヨークで起こった爆破事件で義理の弟を失くし、犯人を追って東京にまで来た。テロ事件の捜査に精通しており、捜査一課の捜査に協力し、大いに千葉たちを助けたのだ。</p>

<p>ジョンは帰国当時、明日香に一日おきに電話をしてきた。空港での出来事を考えると、なぜか気が重くなり、明日香は三度に一度しか出なかった。今はほとんど電話はない。</p>

<p>「何か言ってきているのですか」</p>

<p>「その後の捜査の行方を知りたがっている。どさくさに紛れて行方（ゆくえ）をくらませている者も多いからな」</p>

<p>「その筆頭が山仲明美（やまなかあけみ）です。まだ見つかってはいないんでしょ」</p>

<p>遺体という意味だ。爆発とビルの崩壊、その後の火災がひどかったので、身元不明者がまだ十人近くいると聞いている。</p>

<p>「日本にデータのある者はほとんど特定できた。その他は海外に問い合わせているが、データを十分に持っていない国の方が多い。ＤＮＡデータだ」</p>

<p>「山仲明美のものは、アメリカに送った方が早くはないのですか」</p>

<p>「指紋はＦＢＩに送ったが該当者はいなかった。これもジョンの力を借りている」</p>

<p>「何か分かれば連絡をください。新崎先生を警護するにあたり、重要な情報になります」</p>

<p>「おまえも警護が板についてきたな。さすが高見沢（たかみざわ）が期待してた警護官だ」</p>

<p>「初耳です。高見沢さんが期待してたなんて」</p>

<p>「あいつは言葉と態度が逆だったからな。おまえのことは、しごきがいがあると言っていた」</p>

<p>高見沢と横田（よこた）は友人だと聞いたことがある。高校の先輩後輩で、同じ空手部にいたと聞いている。</p>

<p>十分ほど立ち話をして明日香は警護課に行った。</p>

<p>横田は新崎の渡米予定表を前に一時間ほど説明した。</p>

<p>「予定表はしっかり頭に叩き込んでおくように。危険度は最高レベルだが、警護は最低レベルだ。おまえのことじゃない。政府の認識がだ」</p>

<p>「まさか警護は私一人じゃないでしょうね」</p>

<p>「安心しろ。現在の警護官もついていく。女性だ」</p>

<p>それを安心というのか。横田は本気でそう考えているのか。</p>

<p>「彼女だけですか」</p>

<p>「最高、最強の警護官もついていくだろう。それに、新崎前総理は警護を望んでいない。最初は、おまえだけでいいと言い張っていた」</p>

<p>明日香はそれ以上何も言えなかった。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>その日の夜、横田から電話があった。</p>

<p>〈出発は明後日に決まった。国連でのスピーチの前に、ワシントンＤ．Ｃ．での少年兵更生団体・ワールド・セイフティの立ち上げの資金集めパーティーに参加するよう大統領の依頼があった〉</p>

<p>「当然、総理は受けたのですね」</p>

<p>〈明日から新崎前総理の警護についてくれ〉</p>

<p>横田は明日香には答えず聞いてくる。</p>

<p>「特別機は間に合うのですか。それとも民間機ですか」</p>

<p>〈前総理だが今は民間人だ。総理専用機は用意できない〉</p>

<p>当然だという横田の声が返ってくる。</p>

<p>「警備体制は用意できていますか」</p>

<p>〈しなきゃならんだろ。しかし新崎前総理はおまえと二人でも行くつもりだ〉</p>

<p>「もらったファイルの日付をそのまま前倒しにすべきです」</p>

<p>〈成田からケネディ国際空港はそのままだ。変更は、ワシントンＤ．Ｃ．での大統領の夕食会に呼ばれた三日間だけだ〉</p>

<p>「大統領と会うということは、ひょっとしてエリーゼも来るのですか」</p>

<p>〈これは極秘事項だ。まだＮＩＳの暗殺リストにはエリーゼは載っている〉</p>

<p>新崎元総理は暗殺リストには載っていないはずだ。彼女の政治生命はすでに絶たれている。しかし、まだ世界の人々に訴えかける力は残っている。あるいは一年前の報復ということもある。これがいちばん分かり易い。</p>

<p>「資金集めを兼ねた夕食会は、アルフレッド大統領の選挙運動のためですか」</p>

<p>横田は答えない。</p>

<p>しかしエリーゼを招くということは、ＦＢＩの保護プログラムを解消するということだ。エリーゼは現在、十三歳、子どもでさえＮＩＳの暗殺リストに載っているのか。</p>

<p>〈アメリカ出発は明後日。そのつもりで用意すること。明日の午前六時、警備部でミーティングだ。遅れないこと〉</p>

<p>時間厳守と繰り返すと、電話は切れた。</p>

<p>時計を見るとちょうど日付が変わったところだ。五時には出なくてはならない。あと、五時間。明日香はスマホの目覚ましをセットして、目を閉じた。</p>

<p>眠れそうにない。</p>

<p>時計を見ると午前一時。ワシントンＤ．Ｃ．は午後零時、ちょうど昼だ。スーザンはスマホを手に取り、デスクを立とうとしている頃だろう。</p>

<p>明日香はスーザンに電話をした。</p>

<p>〈そろそろかかってくると思ってた〉</p>

<p>「何か知ってるのね」</p>

<p>〈知らないこともない。ある意味、世界の中心に住んでるんだから〉</p>

<p>「そういう言い方、好きじゃない。でも、事実であることは間違いない」</p>

<p>〈でしょ。私はあなたの素直なところは大好き。日本人の美徳ね〉</p>

<p>「でも、日本も変わりつつある。で、知ってることって何なの」</p>

<p>電話が一瞬、沈黙した。</p>

<p>〈新崎さんは何か言ってなかったの〉</p>

<p>「私の百倍は知ってるみたいね。でも教えてくれない」</p>

<p>〈あなたに負担をかけたくないんじゃないの〉</p>

<p>「でもそれじゃ、警護は出来ない」</p>

<p>〈そこをキッチリ警護するのがプロじゃないの。あなた、警護に私情を入れないって、いつも言ってるでしょ〉</p>

<p>その通りだ。明日香はしばらく黙り込んだ。</p>

<p>「出来るだけ教えて。あなたに迷惑がかからない程度に」</p>

<p>再度、沈黙が続いた。</p>

<p>「〈少年兵更生団体ワールド・セイフティ〉の設立に関してでしょ」</p>

<p>明日香は言ってみた。</p>

<p>〈アルフレッド大統領がアメリカ主導の更生団体設立の提案をした〉</p>

<p>スーザンの低い声が返ってくる。</p>

<p>「そして、新崎先生を国連のスピーチに呼んだというわけね」</p>

<p>〈そればかりじゃない〉</p>

<p>「何か続きがあるの」</p>

<p>〈アメリカでは、秋には中間選挙がある。来年は大統領指名選挙の年。一期で下りるはずが、欲が出たのね。もう一期、と言うことになった。彼はある意味、必死。つまり現在、大統領の頭は選挙でいっぱいってこと。あの人、いつも福大統領に悩まされている〉</p>

<p>東京が襲撃されたときには、副大統領の指示を受けたシークレットサービスが大統領を傷付けようとしていた。</p>

<p>「だから国連で会議を企画して、新崎先生を招待したってことね」</p>

<p>〈半分当たってて、半分違っている〉</p>

<p>「日本の前総理が来てもどうってことはない。でも、会議には意味がある」</p>

<p>〈それも同じね。半分は正解〉</p>

<p>明日香は考え込んだ。前の会議でアルフレッド大統領が望んだことは何だ。</p>

<p>「ダメよ。絶対にダメ。エリーゼを引っ張りだそうだなんて」</p>

<p>明日香の声が大きくなった。</p>

<p>〈さすが明日香。アルフレッド大統領はエリーゼを選挙キャンペーンで連れ回るつもり。そのための会議よ〉</p>

<p>何かが起こる。そんな気がした。前宣伝が大きすぎる。</p>

<p>スーザンが続けた。</p>

<p>〈アメリカ人は強い大統領が好きなの。テロリストから虐げられていた少女を救い出して、自国に連れ帰った大統領。白馬の騎士なのよ〉</p>

<p>血にまみれたカッターシャツ、シークレットサービスたちに抱えられて会議場から連れ出される大統領。確かに、テロリストに立ち向かう勇敢な大統領だ。その大統領に救われた少女が大統領に感謝の言葉を述べる。しかし、その背後には――。</p>

<p>「でもあれは、新崎総理が自分の身体を犠牲にして――」</p>

<p>〈そんなことアメリカ国民の誰も思っちゃいない。アメリカファーストよ〉</p>

<p>スーザンの言葉は歯切れがいい。「それもアメリカ流なの」出かかった言葉を呑み込んだ。</p>

<p>「かなりヤバイ。まだＮＩＳの残党は世界中にいるし、アケミはまだ捕まっていない」</p>

<p>〈あの爆発から遺体は発見されなかったのね。ということは、脱出した可能性が高いってこと?〉</p>

<p>「分からない。あれは捜査一課の捜査だから。私は一介の警察官にすぎない」</p>

<p>〈アケミに対しては私も調べてみる。彼女、アメリカのバースカードもパスポートも持ってたんでしょ。それを使って入出国したのなら分かるはず〉</p>

<p>自分自身を納得させるような言い方だった。やはりあの事件はスーザンにとっても、衝撃的だったのだ。</p>

<p>バースカードは、出生証明書カードで、アメリカで生まれた際に発行される出生証明書の簡略版、または登録済みであることを証明するカード形式の書類だ。パスポートの申請や学校への入学手続き、身分証明が必要な際に「出生証明書の原本」の代わり、あるいは補助書類として使われている。</p>

<p>〈それで、こっちに来るのはいつなの。もう、決めているんでしょ〉</p>

<p>「警護は徹底的に隠密（おんみつ）行動にするか、ガチガチに力で守るか。どちらかね」</p>

<p>〈私は隠密行動に賛成。相手は力には力で来る。また、東京のようになる〉</p>

<p>去年の首都襲撃は、二つの組織、イスラム系勢力ＮＩＳと、日本の旧過激派組織赤色戦線によって多くの人が死に、大きく破壊された。</p>

<p>「私もそう思ってる。でも、新崎先生は公式に招待されている。どこまで隠密行動がとれるかどうか」</p>

<p>三十分ほど話して電話を切った。ベッドに入り、目を閉じた。どうせ眠れないことを覚悟しながら。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NY.jpg" />
						
						<pubDate>Sat, 10 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[高嶋哲夫（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>モヤモヤをポストに投函するとソーダがもらえる　ランニングで“心を見つめる”体験イベント  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15275</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015275</guid>
			<description><![CDATA[Smart相談室が10月10日の世界メンタルヘルスデーにあわせて、イベント「モヤ晴れRUN ～走って書いて、心スッキリ～」をRe.Ra.Ku PRO 竹橋皇居前店で開催。その全容と初日に行われたトークの模様をお届けする。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="モヤ晴れRUN" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>企業向け相談サービス「Smart相談室」が、10月10日の「世界メンタルヘルスデー」にあわせ、ランニングステーション「Re.Ra.Ku PRO 竹橋皇居前店」とコラボしたイベント「モヤ晴れRUN&nbsp;～走って書いて、心スッキリ～」を2026年10月9日(金)～11日(日)の期間で開催。走りながら心のモヤモヤに目を向け、はがきに書いて手放す。&quot;相談&quot;をもっと気軽なものにしたいという思いから生まれた企画です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>皇居ランのあと、モヤモヤを一枚のはがきに</h2>

<p><img alt="モヤ晴れRUN" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu02.jpg" width="1200" /><br />
皇居ラン終わりの海外からの利用者が、早速スマソウポストに投函。Re.Ra.Ku PRO 竹橋皇居前店には国内外問わず、様々な利用者が訪れる。</p>

<p>昨今、健康維持やメンタルヘルスの改善といった面から注目を集めているランニング。仲間と走るランニングコミュニティのように、人が&quot;集まり打ち解ける場&quot;としても人気が広がりつつあります。</p>

<p>そんなランニングと「相談」を掛け合わせたイベントが、10月10日の「世界メンタルヘルスデー」にあわせて開かれています。</p>

<p>皇居を走り、着替えたら、店頭の「スマソウポスト」にモヤモヤを書いたはがきを投函する。店内や更衣室には自分の気持ちに目を向けるための問いかけが置かれ、走っている間も心の声に気づけるよう工夫されています。投函した人には、オリジナルデザインのソーダ「ソーダんソーダ」がプレゼントされます。</p>

<p>同社広報の宮田さんによると、悩みを話すだけで気持ちが整理される効果は「カタルシス効果」として知られているそう。まずは吐き出してスッキリする体験をしてもらうことが、相談のハードルを下げる一歩になると考えています。</p>

<p>毎年世界メンタルヘルスデーにあわせてイベントを開催している同社ですが、今回ランニングステーションを選んだのは、都市生活に根づいたランニング文化と、ステーション自体がコミュニティとして機能している点に注目したからでした。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>3人に1人が「相談できる先がない」</h2>

<p><img alt="モヤ晴れRUN" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu04.jpg" width="1200" /><br />
店内には、心に目を向けるための問いかけが掲出されている。</p>

<p>背景にあるのは、同社が全国約3000人を対象に行った調査です。直近1年の相談相手を尋ねると、最も多かったのは「相談できる先がない」で38.6%。他人に相談することに抵抗がない人は18%にとどまり、抵抗を感じる理由のトップは「相談しても解決しないと思う」という諦めでした。</p>

<p>また、7割が「相談したかったのにできなかった」経験を持ち、その結果ストレスや不安が増したと答えた人は4割近く。体の不調や無気力につながったという声もありました。一方で、相談への抵抗感が小さい人ほどワークエンゲージメントが高い傾向も見えてきたといいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>調子が悪くなる「前」に話せる場所を</h2>

<p><img alt="藤井康男さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu05.jpg" width="1200" /></p>

<p>Smart相談室代表の藤田康男さんは、かつて事業責任者として、退職者が相次ぐ現場に向き合ってきました。ストレスチェックや産業医面談を重ねても、面談に来る人の多くはすでに不調の真っただ中だったといいます。</p>

<p>「第三者から見て調子が悪いとわかるのは、かなり悪い状態なんです」</p>

<p>不調になった人の多くは「もっと早く言っておけば」と振り返ります。けれど、パートナーとの関係や評価のこと、取引先との関係は、上司にはなかなか打ち明けられないもの。だからこそ同社は、話すネタがなくてもいい、ドタキャンしても構わない、相談内容は会社に伝えない――という場づくりにこだわってきました。</p>

<p>藤田さんが最近気にかけているのは、右肩上がりで計画される組織の成長と、波のある個人のバイオリズムとのずれです。</p>

<p>「成績がよく、頑張ってきた人が突然休んでしまうこともある。組織より自分のほうが上回っていても、調子は崩れるんです」</p>

<p>そのずれとうまく折り合っていける社会、そしてサービスをつくっていきたい。藤田さんはそう語りました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ガチ勢からコミュニティへ　変わるランナーの姿</h2>

<p><img alt="モヤ晴れRUN" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu03.jpg" width="1200" /><br />
左から、江口康二さん、涌井圭介さん、藤田康男さん</p>

<p>後半の鼎談には、藤田さんに加え、元マラソン選手の涌井圭介さんと、ランニングステーション「Re.Ra.Ku PRO」を運営する株式会社メディロム代表取締役CEOの江口康二さんが登壇しました。涌井さんは、Smart相談室のアスリート支援プロジェクトでサポートを受けています。</p>

<p>改めて近年、なぜランニングはここまでの注目を集めているのでしょうか。江口さんによると、ランニングはコロナ禍に「密にならない」アクティビティとして、キャンプなどと並んで広がったそうです。最近目立つのは、若い女性のグループ。仕事帰りに飲みに行く代わりに、一緒に走りに来るといいます。</p>

<p><img alt="江口康二さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu07.jpg" width="1200" /></p>

<p>「走りながらなら周りに聞かれないので、相談し合ったり、悩みを打ち明けたりするのに適しているんです」</p>

<p>江口さん自身も、提携先との内密の話は個室ではなく、皇居の周りを走りながらすることがあるとか。ステーションの利用者も、かつてはタイムを追う&quot;ガチ勢&quot;が中心でしたが、ここ数年はコミュニティでの参加が増えています。江口さんも月に一度、朝8時から誰でも参加できる会を開いているそうです。</p>

<p>涌井さんは、ランニングの魅力を「目標を立てて一つずつクリアしていけること」だと話します。仕事で達成感を得にくい人でも、走れば積み重ねが結果につながる感覚を味わえる、というのです。</p>

<p>藤田さんは、かつては「なんで走るの？」と思っていた一人でした。しかし年齢を重ねごとに血圧が上がり、健康のために走り始めたそう。そのうち気持ちよさを覚え、CEOという立場になりプレッシャーを感じるようになってからは、モヤモヤを解消するために走るようになったといいます。</p>

<p>「付き合い方を変えながら、70歳くらいまで続けられる気がしています」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>体を動かすと、考えがまとまる</h2>

<p><img alt="涌井圭介さん" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu06.jpg" width="1200" /></p>

<p>涌井さんが心と体のつながりを実感したのは、現役時代のけがでした。気持ちが落ち込んでいると治りが遅く、走れるようになると回復も早まったそうです。走れない時期は、3〜4時間止まらずに歩き続けて自問自答していたといいます。</p>

<p>「止まっていると、考えたくないことまで考えてしまう。空や景色を見ながら歩いていると、気持ちが晴れてくるんです」</p>

<p>藤田さんは、走ることのよさを3つ挙げます。走ったあとは血圧が下がること、体重が落ちること。そしてもう一つは、走り終えると問題が片づいたような気がすることです。</p>

<p>「答えが出たわけではなくても、自分なりに納得できる。メンタルのバランスを整えてくれる気がします」</p>

<p>江口さんも「悩みのない人生はない」としたうえで、軽い運動で血流を上げることが、問題を解決するきっかけになると話しました。</p>

<p>忙しい日常にどう取り入れるかを尋ねられると、藤田さんは「走ろうと思わず、朝起きたら外に出る」と答えました。家の前から歩き出し、気づけば結局走っているのだそう。</p>

<p>涌井さんは、スマートウォッチで自分の成長が見えるようになったことをモチベーションの一つに挙げます。そのうえで、Smart相談室のカウンセリングを体験した実感をこう話しました。</p>

<p>「現役のときにあったら絶対使っていたと思います。走るだけで解消できない部分は、第三者に相談するのが大事なんだなと」</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>飲み会とランニング、つながり方の違いは</h2>

<p>質疑応答で、人とつながる場として、お酒の席とランニングはどう違うのかをうかがうと、江口さんは開口一番「覚えているか、覚えていないか」と答えてくれました。</p>

<p>「一緒にスポーツをすると仲良くなるのは、お互いの心拍が上がるからなんです。お酒でも心拍は上がるので盛り上がるのは同じ。でもランニングは体も鍛えられるし、戦友のような感覚になる。何より、話したことを覚えているんですよね」</p>

<p>一緒にジョギングをすると、心拍は120〜140ほどまで上がるそう。部活の仲間と生涯つながっていられるのも、同じ波長を共有したからではないか、と江口さんは話します。最後に「しかもタダですから」と付け加え、笑いを誘いました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【開催期間】2026年10月9日（金）〜10月11日（日）<br />
【開催場所】Re.Ra.Ku PRO 竹橋皇居前店　〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1丁目1-1 パレスサイドビル1F<br />
【体験内容】<br />
①皇居ランで汗を流し、自分と向き合う<br />
②専用のはがきに、自身のモヤモヤ・悩みを書く<br />
③はがきを「スマソウポスト」に投函する<br />
④オリジナルデザインのソーダ「ソーダんソーダ」をゲット</p>

<p>■SNSキャンペーン概要<br />
開催期間中、「#モヤ晴れRUN」のハッシュタグをつけてSNSに投稿いただいた方の中から、抽選でRe.Ra.Ku回数券をプレゼントするキャンペーンを実施します。詳細は、Smart相談室公式X・Instagramにてご案内いたします。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261009smartsodanshitsu01.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 09 Oct 2026 17:35:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ガンダムから考える「AIと社会の行く先」 人類にとって脅威か、パートナーか？  大賀康史（フライヤーCEO）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15217</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015217</guid>
			<description><![CDATA[AIは人類の脅威か、それとも共存するパートナーか。ガンダムのニュータイプやドラえもん、日本と西洋の思想の違いから、AI社会の未来を考えます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="大賀康史" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2022/2022A/220705OogaYasushi03.jpg" width="1200" /></p>

<p>ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier（フライヤー）」（https://www.flierinc.com/）。</p>

<p>こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。</p>

<p>今回、紹介するのは『AIはニュータイプの夢を見るか ～人工知能と想像力のあいだ』（三宅陽一郎、青土社）。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AIは全知全能で万能な存在になっていくのか</h2>

<p>あなたはAIを、人を支えるパートナーだと考えているでしょうか。それとも、人類を脅かす存在だと考えているでしょうか。</p>

<p>日本には、鉄腕アトムやドラえもん、ガンダムシリーズのハロのように、AIに人格のようなものを見出し、愛着さえ抱く文化があるとよく言われます。こうしたAI観は海外から見ると独特に映るようですが、その背景には西洋との思想的な違いがあるともいわれます。</p>

<p>一方、西洋では、AIに全知全能の神のような知性を持たせようとする方向で開発が進んでいるように見えます。AIを人類への脅威とみなす傾向も、欧米のほうが強い印象です。</p>

<p>技術が急速に進歩するとき、人間の想像力はしばしばその先を行きます。インターネットがそうだったように、さまざまな要素技術が統合されて形になるまでには時間がかかります。しかし想像力は、それよりも速いスピードで世界の姿を描いていきます。</p>

<p>本書は、コンテンツ論を軸にしながら、AIと社会の行く先という、いままさに人類が頭を悩ませている問いに挑んだ一冊です。そして未来に想像を巡らせるうえで、SFを描くアニメやゲームは格好の題材となります。</p>

<p>著者は数学と物理学を学んだ人工知能の専門家であり、同時にゲームなどのコンテンツ制作にも携わってきた、まさに時代が求める経歴の持ち主です。そんな著者が見通す未来を覗けるのは、本を手に取る人だけの特権かもしれません。ここでは、本書の中から印象的な箇所を紹介していきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>AIとニュータイプ</h2>

<p>『機動戦士ガンダム』は皆さん知っていると思います。ここではその本質に迫った考察がなされています。初代ガンダムシリーズは主に地球やその周辺で暮らす人に対して、宇宙の円筒型のコロニーで暮らすスペースノイドと呼ばれる人、特に技術が高度に発展したサイド3と呼ばれるエリアの人々との戦争が描かれています。</p>

<p>そこで登場するのがニュータイプと呼ばれる特定の才能が開花した少数の人々です。ニュータイプ特性の強さは人によって少しずつ違いがあるのですが、主人公のアムロ・レイがその代表で、感性や直観が特に強い人物として描かれます。このニュータイプの特性はガンダムなどの戦闘用兵器（モビルスーツ）の操縦で高度に発揮されやすいため、戦争に利用されやすいという悲しい側面もあります。</p>

<p>著者はなぜニュータイプと呼ばれる人が登場しうるのかについて、洞察を深めています。宇宙世紀になり人が世界を認識するフレームに変化が起きることがポイントです。人の周りの世界が宇宙に変わることが第一の理由で、人間が戦闘用のモビルスーツを操縦することで身体を拡張している感覚になることが第二の理由としてあげられます。それらは拡張されたフレームを人々に提供します。</p>

<p>また、アムロと対峙する敵としてララアという少女が登場し、戦闘中に2人が世界と溶け込み合った感覚を持つ有名なシーンがあります。そこでも新たなフレームによりニュータイプの人々の世界が変容し、人と人が高度にわかりあえるようになる、とするビジョンが描かれているように感じられます。</p>

<p>このあたりは仏教思想で重んじられる身体感覚に近いように感じられます。ニュータイプは運動能力や論理的思考力などの能力が進化したものではなく、感受性や認識の変化が起きるというのも、東洋思想らしいものと言えるかもしれません。観たことのある方はアムロとララアがわかりあうシーンを思い出すと、東洋思想の理想を感じられるように思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>東洋的思想とAI</h2>

<p>SFの世界でもAIは様々な思想が反映されたものになっています。冒頭に触れた鉄腕アトムやドラえもんのように、日本ではAIが人間と対等な存在として描かれることが多くあります。その根底には神道に代表される、いたるところに神を感じる八百万神であり、人間以外のものに魂の存在を認める世界観があります。</p>

<p>一方で、西洋を代表とするキリスト教などの一神教を信仰する国では、神および人間は絶対的な存在と考え、AIは人間にとってのサーヴァントであると位置づけられます。神、人間、AIという縦の序列が常に意識されるのです。そのため、物語においてもその縦の関係を逆転させるような内容が描かれやすく、AIが人間にとっての脅威として感じられやすいのでしょう。</p>

<p>そのような思想を下敷きに、西洋的AIは人間を労働から解放し、人間が豊かさを享受する方向性で開発が進んでいるようです。それに対して東洋、特に日本ではAIによる労働の軽減は重視されていないように見え、AIがある程度自律的な存在としてあり、それと共存するような未来が想像されているようです。この思想の違いは、日本が西洋とは異なる特別なAIの開発拠点になるポテンシャルを示しています。</p>

<p>西洋的なAIにおけるフレームの問題は、元をたどればプラトンやデカルトに由来する、問題を細かくしていくことで解決を図る思想に帰着するように感じられます。西洋ではAIの暴走を恐れ、特定の領域に閉じ込めようとしますが、東洋では自律発展したAIの姿が世界と混ざり合うことで新しい可能性が見出されやすいのかもしれません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>未来のAI社会を積極的に想像していくために</h2>

<p>AIによる社会への影響を想像し、今後の世界を占っていくために、本書ではAIのテクノロジーとともに哲学・思想等の人文知を参照しながら、アニメ等のコンテンツで描かれた世界観が展開されていきます。</p>

<p>その多様な世界に触れると、いかに人間の想像力が素晴らしいもので、今にとらわれずに未来を作り出すことができるかがわかります。その理解を深めると、今後の世界のあり方が固定的ではなくなり、我々が様々な世界の中から未来を選んでいく、という可能性にも気づくでしょう。</p>

<p>そもそもAIは人類に対して脅威なのでしょうか。原子力エネルギーのように一定の規制や安全技術があれば、効果的に活用できる可能性のあるものでしょうか。人類に寄り添う新しい存在になり得るものでしょうか。AIという技術の可能性は、それ単独では存在せず、AIを開発する側の思想や世界観が反映されるものなのだとも思います。</p>

<p>今、世界はAIの発展における重要な分岐路にいることは確かでしょう。その際に技術そのものだけでなく、人の想像力の結晶であるSFコンテンツを参照することで、未来への想像を促されるでしょう。現代とこの先の世界への深い洞察を得るために、本書は頼りになる道しるべとなります。ぜひ一読して、AIと共存する世界に想像をめぐらせてはいかがでしょうか。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2022/2022A/220705OogaYasushi03.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 09 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[大賀康史（フライヤーCEO）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>社員が売上目標に疲弊...企業コンサルが社長に聞いた「なぜ売上が必要？」  河田真誠 （質問家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15129</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015129</guid>
			<description><![CDATA[｢売上アップ｣などの手段に囚われた思考から脱却し、本来の目的を捉え直す｢視点を高める質問術｣を解説。実践的な3段階の業務見直しや具体例を通じ、組織のムダを省き成果を最大化するアプローチを明かします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="｢この仕事、本当に必要なのか？｣と自問自答する男性" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_dousuruoffice.jpg" width="1200" /></p>

<p>｢どうやって売上を伸ばそう？｣｢この作業、早く終わらせなきゃ...｣と、目の前の仕事に追われていませんか？実はその｢目先の手段｣に捉われることこそが、チームの伸び悩む原因です。今回はコンサルの現場で実際に効果のあった、思考を一変させる｢ある質問｣をご紹介します。チームのムダを減らし、成果をガラリと変える秘訣をぜひチェックしてみてください！</p>

<p>※本稿は、河田真誠著『質問の魔力「よい質問」がすべてを解決する』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢どう売上を伸ばすか｣から脱却する質問術</h2>

<p>ある保険会社の営業会議での話です。<br />
どうしたら売上が高まるかについて話し合いが行われていました。理由は、多くの社員が売上目標の高さに苦しんでいたからです。<br />
この会社の社長も会議に同席していました。</p>

<p>売上を高めるのにこんなに苦しんでいるのは何でだろう。そう思い、僕はこんな質問を社長にしました。<br />
｢何で、そんなに売上が必要なのですか？｣<br />
すると、社長からこんな回答がありました。<br />
｢売上が高まれば、やりたいことにも挑戦ができる会社になり、社員がやりがいをもって働くことができるから｣<br />
つまり｢社員にとってやりがいがある会社にしたい｣ということが一番の目標だったのです。</p>

<p>そこで、会議の議題をそこから｢売上が高まる｣から｢売上が高まり、やりがいも上がるにはどうしたらいいか｣に変えました。<br />
このことをきっかけにして、この会社はやりがいや楽しさも仕事の中で求めていこうという考え方にシフトしていきました。その結果、社員が気持ちよく働けるような会社に変化していき、気づけば売上も高まったのです。<br />
これが｢視点を高める質問｣の魔力です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢その仕事、本当に必要？｣3段階の業務見直し術</h2>

<p>企業コンサルの仕事で僕が早い段階で取り組むことがあります。それは｢社員の業務の見直し｣です。<br />
やり方はいつも決まっています。</p>

<p>① 日常的に行っている業務を書き出す。<br />
②それぞれの業務に対し｢本当に必要なのか？｣と質問をする。その仕事は本当に必要なのかどうかを検討する。<br />
③次に｢本当にこれがベストなやり方なのか？｣を質問する。その質問からもっとよいやり方がないかを検討する。自分一人で考えると思い込みの枠を超えないので、チームで考えたり、AIに聞いたりする。</p>

<p>この三段階の質問をするだけで、日常業務が大幅に改善します。<br />
今の自分の仕事に対する視点を高め、ムダをなくすための質問になるのです。<br />
視点を高めるとは、今見ている視点だけでなく、全体を見て、俯瞰して物事を捉えていくことです。<br />
｢どこを目指しているのか？｣<br />
｢何のためにしているのか？｣<br />
｢どうなったら成功と言えるのか？｣など、｢そもそも｣を考え直す質問が視点を高めてくれます。</p>

<p>物事が進むと、手段が目的化してしまい、目的を忘れがちになります。視点が下がってしまうのです。売上を高めることや店舗や社員を増やすことだけに意識が向いていたり、会議をすること自体が目的となっていたり。</p>

<p>定期的に｢そもそも｣を思い出すために、｢そもそも質問｣を視点を高める質問としても活用します。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢わかっているつもり｣を壊す素朴な疑問の力</h2>

<p>僕がコンサルをしていたスーパーマーケットでこんなことがありました。<br />
ある社員からこんなことを言われたのです。</p>

<p>｢自分は頭が悪いから、会議で話していることがよくわからない｣<br />
彼女は会議で発言をすることなく、周りからも会議では空気のような存在と思われていました。</p>

<p>そこで、彼女にあるお願いをしました。<br />
それは、会議のときに自分がわからないことがあったら、｢それってどういうことですか？｣と何でも素直に聞いてほしいというお願いでした。</p>

<p>彼女はそれを聞いてくれて、わからないときは素直に質問をしてくれました。<br />
これに対し、当初は周りの人は｢こんなこともわからないのか｣という反応でした。<br />
でも、僕は会議の参加メンバーには｢彼女の質問に対して、聞かれた側はちゃんと説明してあげてください｣とお願いをしました。</p>

<p>すると、あることがわかりました。<br />
それは、聞かれたほうが意外にもちゃんと説明できないことが多かったのです。<br />
この質問のおかげで、｢わかっているようだけど、わかっていなかったこと｣がわかりました。</p>

<p>さらに、会議の中でも彼女が｢それってどういうこと？｣と聞くので、そのたびに、ここまでの話し合いの流れや論点を、都度確認しながらみんなが話すという習慣ができました。<br />
その結果、驚くような変化が起きたのです！</p>

<p>それは、会議がわかりやすく楽しいものになっていったのです。なぜその仕事をするのか、意味や価値を参加メンバー全員で考えるようになり、仕事へのやりがいも高まっていきました。その結果、生産性のとても高い会議を実施することができるようになりました。</p>

<p>彼女の質問こそ、まさに｢視点を高める質問｣です。<br />
あたりまえだと思っていたことに対して、素朴な疑問で、そもそもを問い直すのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢そもそも質問｣が本質を引き出す</h2>

<p>そもそもどういう構造でそれができているか、どういう意味なのかを考える質問を｢そもそも質問｣と僕は呼んでいます(質問の技術です)。<br />
｢そもそも｣を考えると、視点を変えるのはもちろん俯瞰した視点から全体の構造や仕組み、意味を知ることができます。</p>

<p>例えば―<br />
●｢そもそも、仕事とは？｣<br />
●｢そもそも、よい仕事とは？｣<br />
●｢そもそも、お金とは？｣<br />
●｢そもそも、幸せとは？｣</p>

<p>｢そもそも〜とは？｣を立てることで、考えの土台が整います。<br />
何かをスタートするとき、最初にこの｢そもそも〜とは？｣を考えることから始めます。</p>

<p>例えばコンサルの仕事であれば、経営陣と一緒に｢そもそも会社とは？｣｢そもそも社員とは？｣｢そもそも給料とは？｣｢そもそも仕事とは？｣｢そもそも経営とは？｣などを考えます。これで「定義」ができます。</p>

<p>次に｢そもそもよい会社とは？｣｢そもそもよい社員とは？｣｢そもそもよい給料とは？｣などのように｢そもそもよい◯◯とは？｣も考えます。これは評価の基準にもなります。</p>

<p>社内やチーム内での価値観がバラバラだったり、チームがうまく前に進めないのは、ここが曖昧なままだからです。定義をハッキリさせることで、目指す方向や評価の基準も明確になります。そこから仕事はスタートします。</p>

<p>また、この｢とは？｣をしっかりと深めていくと、それが個性にもなっていきます。<br />
｢軸がある｣｢世界観がある｣｢自分をもっている｣という会社(や人)は、この｢とは？｣がはっきりしていて、その会社(人)なりの答えをもっています。</p>

<p>さらに｢とは？｣と合わせて｢なぜ？｣も考えるとより質問の｢質｣が上がっていきます。<br />
｢そもそも、なぜ、この仕事なのか？｣｢そもそも、なぜ、ここにいるのか？｣など。<br />
これは初心や目的を思い出すことにもつながります。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 09 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[河田真誠 （質問家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「痩せたら着る」は卒業。体型に合うサイズがない世界に泣いたモデルの逆転劇  曽和美佑（YouTuber）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15043</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015043</guid>
			<description><![CDATA[誰かの言葉に振り回されず｢自分軸｣で生きる大切さを届けるエッセイ。日本のファッション業界が抱えるサイズ問題に触れ、｢今の自分のままでお洒落を楽しんでほしい｣と自ら理想の服作りに動いた葛藤と挑戦を綴る。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="曽和美佑" height="740" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260917SowaMiyuu03.png" width="1200" /></p>

<p>他人の言葉や評価に振り回されず、｢自分軸｣で心を丁寧に扱う生き方を提案します。日本のファッション業界が抱えるサイズ問題に立ち向かい、今の自分を肯定しながら理想の服作りに挑んだ実体験を公開。｢今の私｣を楽しむことを諦めない人へ贈るエッセイです。</p>

<p>※本稿は、曽和美佑著『世の中、顔か？』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>自分を大事にする習慣</h2>

<p>他者という脅威と、自分という軸</p>

<p>人は、本質的に孤独な存在だ。あなたはあなた、私は私。<br />
個人として独立した存在であり、意識を完全に共有することはできない。</p>

<p>それでも私たちは、家族や学校、社会の中で人とつながることを学び、共存の中で傷ついたり、悲しんだりする。</p>

<p>そして人生の悩みのほとんどは、人間関係に集約される。<br />
自分という存在は、その人間関係の中で揺れながら形作られていく。</p>

<p>さらに私たちは、身近な人間関係だけでなく、知らない誰かの一言にさえ、心が揺らぐようになってしまっている。<br />
それほどまでに、誰かの言葉は脅威だ。<br />
だからこそ、他人の言葉に振り回されないための自分の軸が必要だ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>自分の機嫌は自分でとる</p>

<p>もし、自分の中に｢軸｣がなかったらどうなるか。<br />
他人の機嫌が自分の存在価値になり、他人の評価が存在意義になる。<br />
誰かに拒絶されたら、自分を全否定してしまう。<br />
そのたびに誰かに癒してもらおうとしても、思った通りに満たされなければ、さらに深く落ち込むだろう。</p>

<p>自分の感情が全て他人よがりになってはいけない。<br />
そして何かあったときは、自分の機嫌は自分でとれたほうがいい。<br />
自己完結できるほうが圧倒的に幸福度は高く、回復も早い。</p>

<p>私たちは本来、唯一無二の存在だ。<br />
では、その｢私｣という存在に、一番優しくできるのは誰か。</p>

<p>最終的には、｢自分｣しかいない。<br />
だから私が、私自身を一番大事にする必要がある。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>自分を丁寧に扱う</p>

<p>自分を雑に扱っていると、社会との関わり方もどこかゆがんでいく。<br />
自分が雑に扱うので、他人からも雑に扱われる。<br />
それに慣れてしまうと、雑な対応に違和感さえ抱かなくなっていく。</p>

<p>自分を丁寧に扱っていると、それが自分の当たり前になる。<br />
他人から雑な対応をされると｢嫌だ｣と感じ、｢これはおかしい｣とはっきり伝えられる。<br />
どこまでは大丈夫で、どこからは嫌なのかの境界線を引くことができる。</p>

<p>これが、自分を大事にするという「態度」だ。<br />
私は私の一番の味方でいる。<br />
その感覚を何度も積み重ねることで、少しずつ、揺るぎない人生の基盤ができていく。</p>

<p>だから私は、痩せて誰かに褒められることで満たされようとは思わない。<br />
誰かと比べることもない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>みんながお洒落を楽しめる社会へ</h2>

<p>『Mサイズが小さい』のは、私のせい？</p>

<p>私は現在、『la farfa』という雑誌(今はWEBのみ)のモデルをしている。<br />
今の自分を否定せず、おしゃれを楽しもう。自分を楽しもう。<br />
そんなメッセージが込められた媒体で、私の大好きな場所だ。</p>

<p>モデルをやっていて痛感することがある。<br />
それは、日本のファッション業界における｢サイズ｣の問題だ。<br />
一度は思ったことがないだろうか。<br />
｢これがMサイズなの？｣と。</p>

<p>日本のファッションブランドは、私たちに合うサイズの洋服を提供しているのではなく、消費者に｢ブランドのサイズに体型を合わせろ｣と言わんばかりに感じることがある。</p>

<p>｢いや、それはあなたが太っているだけでしょ｣という声も聞こえてきそうだが、そんなあなたには想像できるだろうか。</p>

<p>買い物に出かけてどの洋服を見ても自分に合うサイズがないことを知ったときの、このやりきれない気持ちが。<br />
｢あなたは規格外の体型だから、合うサイズはないよ｣と否定されているような気分になる。<br />
『la farfa』では、大きいサイズのブランドを一気に集め、お客様がお買い物を楽しめるイベントを毎年開催している。</p>

<p>しかし、毎年開催しても大きいサイズを展開するブランドは一向に増えない。<br />
来場者の数に対して、供給があっていないように感じる。</p>

<p>私にとって一番辛いのは、誰かが見た目を理由に何かを諦めてしまうことだ。<br />
見た目が理由でできないことなんてない。履いてはいけないスカートなんてない。<br />
｢痩せてから｣｢整形してから｣と今の自分を否定して未来にかけるのではなく、今の自分のままで、楽しんでほしいのだ。　</p>

<p>今のままでも好きな服を着て、お洒落はできる。<br />
そう言い切りたいのに、提供される服がなければ意味がない。</p>

<p>洋服は、ただ身に纏って終わりではない。<br />
お気に入りの服に袖を通した瞬間から、なんだか気持ちがふわっと踊り出す。<br />
何を着るかで、その日の幸福度さえも劇的に変わっていく。</p>

<p>お気に入りの服や化粧を纏うだけで、気持ちが変わるのだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>もう、体型のせいで諦めない。</p>

<p>そんな想いから、私はいつもお世話になっているブランド『HONEY MI HONEY』さんにある提案をしてみた。<br />
『HONEY MI HONEY』は、18年続く、ガーリーで大人っぽいブランドだ。<br />
私はありがたいことに、5回もコラボレーションをさせていただいている。　</p>

<p>通常は普通サイズしか展開していないけれど、『la farfa』の読者のために、大きいサイズを作ってコラボレーションしてくれないか、と頼んでみたのだ。</p>

<p>多くのブランドは｢イメージが崩れる｣｢大きいサイズのブランドだと思われたくない｣という理由で、断られる場合も多い。<br />
けれど、『HONEY MI HONEY』社長の箕島さんは、二つ返事で｢やりましょう｣と言ってくれた。</p>

<p>こうやってブランドが協力してくれることは、計り知れない意味があると思う。<br />
そしてコラボレーションの服をお披露目したとき、｢提案してくれてありがとう｣｢すごく嬉しいです｣とお礼のメッセージが何通も届いた。<br />
ないなら作ればいい。<br />
｢まだまだこれから楽しいことがたくさんあるよ｣と伝えたい。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260917SowaMiyuu03.png" />
						
						<pubDate>Fri, 09 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[曽和美佑（YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>最後に「奇跡」が待っていた　蒲郡の繊維産業を追うドキュメンタリー映画『わたのまち、応答セヨ』  PHPオンライン編集部</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15148</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015148</guid>
			<description><![CDATA[愛知県蒲郡市を舞台にしたドキュメンタリー映画『わたのまち、応答セヨ』が全国のケーブルテレビ局で一斉放送される。昨年、映画館で上映された本作の見どころを改めて紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="わたのまち、応答セヨ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi02.jpg" width="1200" /><br />
写真：(c)Gontents</p>

<p>愛知県蒲郡市の繊維産業を追ったドキュメンタリー映画『わたのまち、応答セヨ』が、10月12日（月・祝）に全国のケーブルテレビ局で一斉放送される。日本ケーブルテレビ連盟の呼びかけに、112社が参加。うち同日に同時放送するのは97社で、視聴可能世帯は2200万に達する。地域発のドキュメンタリーを全国規模で共有する取り組みは、ケーブルテレビ業界で初めてだ。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>戦後に栄えた繊維の街を描く</h2>

<p><img alt="わたのまち、応答セヨ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi03.jpg" width="1200" /><br />
(c)Gontents</p>

<p>舞台の蒲郡市は、戦後、織れば売れるといわれるほどの好景気に沸いた繊維の街。しかし時代は変わり、最盛期に市内で約1000あった繊維産業の会社は、現在10社ほどになった。</p>

<p>映画づくりは、市から「街の繊維産業に光を当てる映画を作ってほしい」と依頼されたことで始まる。企画・プロデュースは「電波少年」シリーズで知られる土屋敏男さん、監督・撮影・編集は元日本テレビの岩間玄さん。製作は、地元のケーブルテレビ局である三河湾ネットワークが市との間に入る形で進められた。ただ、活気を失った街での撮影は難航したという。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>職人との出会いから、ロンドンへ</h2>

<p><img alt="わたのまち、応答セヨ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi01.jpg" width="1200" /><br />
(c)Gontents</p>

<p>転機は、綿を種から育てて三河木綿を織る、80歳超の職人・鈴木さんとの出会いだった。鈴木さんは、1200年前にこの地へ綿が伝来した歴史にこだわることが自分たちのルーツだと考える人物だ。岩間監督は鈴木さんを追う中で、作品の道筋を見いだしていった。</p>

<p><img alt="わたのまち、応答セヨ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi04.jpg" width="1200" /><br />
(c)Gontents</p>

<p>撮影が進むにつれ、街にも動きが出てきた。繊維業者の石川さんが蒲郡市博物館で江戸時代の三河木綿のデザイン帳を見つけたことから、かつての三河木綿を現代に甦らせる「三河木綿復刻プロジェクト」が始動。市が「東京ガールズコレクション」に作品を発表する施策に関わっていた若手の岡田さんも加わり、物語の舞台は蒲郡からロンドンへと広がっていく。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>終盤に待つ「奇跡」</h2>

<p><img alt="わたのまち、応答セヨ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi05.jpg" width="1200" /><br />
(c)Gontents</p>

<p>本編は99分。語りは岸井ゆきのさんが務める。2025年に全国の劇場で公開された作品で、映画づくりが職人や繊維に関わる人々を動かしていく過程と、日本のモノ作りの本気が海を越えて人々の心をつかむ様子を追う。背景にあるのは、地場産業の衰退や人口減少といった、多くの地方に共通する課題だ。</p>

<p>土屋さんはイッツコム主催の取材会で、「最後にとんでもない奇跡が起きます。それは、そこに集まった人たちの本気が連なった時に現れたものです」と話した。どんな奇跡なのかは、ぜひ本編で確かめてほしい。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【放送概要】<br />
番組名：映画『わたのまち、応答セヨ』<br />
放送日時：2026 年10月12日（月・祝）20:00～ ※伊豆急ケーブルネットワークは 21:00～<br />
放送チャンネル：<br />
[イッツコム] イッツコムチャンネル 10（地デジ 10ch）<br />
[ケーブルテレビ品川] シナガワン TV10 チャンネル 10 しながわ（地デジ 10ch）<br />
[伊豆急ケーブルネットワーク] いるかチャンネル（地デジ 12ch）<br />
ほか上記3社含む全国のケーブルテレビ局97社で10月12日（月・祝）に同時放送。また、全国112社で10月に一斉放送。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/261005watanomachi02.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 08 Oct 2026 18:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[PHPオンライン編集部]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ストレスをためこまない人の習慣　のび太に学ぶ「心の整え方」  横山泰行（富山大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15166</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015166</guid>
			<description><![CDATA[日常の｢ムカッ｣を溜め込まず、のび太のように一人で吐き出して即忘れる｢のび太メソッド｣を解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="悩む女性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hirou_1.jpg" width="1200" /></p>

<p>日常の｢ムカッ｣とするマイナス感情、一人で溜め込んでいませんか？無理に飲み込まず、のび太のように一人で大げさに口に出してすぐ手放す｢のび太メソッド｣をご紹介。感情を上手にデトックスして、イライラを引きずらない心の軽さを手に入れましょう。</p>

<p>※本稿は、横山泰行著『ポケット版｢のび太｣が教えてくれたこと』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>のび太に学ぶ！とりあえず言うだけ言ってみよう</h2>

<p>同僚から失礼なことを言われた。<br />
子どもが反抗的な態度を取った。<br />
道路ですれ違った相手に足を踏まれた。<br />
隣に住んでいる人が挨拶を返してくれなかった。</p>

<p>私たちの日常には、思わず｢ムカッ｣とすることが転がっています。<br />
そんなとき、自分の中にわき起こったマイナス感情を、あなたはどう処理していますか？</p>

<p>｢周りを不愉快にしたくないから、イヤな気分は表に出さない｣<br />
と、自分で飲み込んでしまう人が結構いるのですが、それでは気分も滅入るばかり。ここは、のび太流のストレス発散法を試してみてはいかがでしょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>---------<br />
ある日、のび太は腕を組み、あぐらをかいて、壁に貼ってあるカレンダーを嫌そうに眺めながらつぶやきました。<br />
｢ついに今年もきたか......、ああ｣<br />
そして、ドラえもんに訴えます。<br />
｢ぼくのいちばんきらいな六月！一年をつうじてもっともふゆかいな六月！｣<br />
ドラえもんがその理由を聞くと、のび太は口を尖らせて言い張りました。<br />
｢なぜだって？わかりきったこときくんだな。六月には、国民の祝日が一日もないんだぞ。春休みとも夏休みとも関係ない......、日曜のほか一日も休めないこんなつまらない月があるか！｣<br />
しっかりと両拳を握りしめ、怒った表情で文句を言っています。<br />
しかし、言っても無駄だとわかると、それまでの熱意も失い、両手を枕にし、い<br />
つもの昼寝モードに入ったのです。<br />
｢あああ......、ゆううつ｣<br />
<br />
『てんとう虫コミックスドラえもん第14巻』小学館<br />
第12話目｢ぐうたらの日｣<br />
---------　</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>実践！イライラを即リセットする｢のび太メソッド｣</h2>

<p>このようにのび太には、ほかの人があまり気づかないちょっとしたことを発見しては、大げさにする癖があります。</p>

<p>そして、主張するだけすると、いきなり関心を失ってしまうのです。</p>

<p>まじめに聞いていたほうとしては｢何なんだよ、いったい！｣と言いたくなるかもしれません。</p>

<p>でも、言うだけ言ってみたからこそ、イライラが消えたということです。主張せずに心の中にしまいこんでおいたら、違う形で爆発してしまうかもしれません。</p>

<p>だからあなたも、人を傷つけるようなことでなければ、思いついたことをとりあえず口にしてみてはいかがでしょうか？口にしないでいつまでも心の中でモヤモヤを持ち続けるのではなく、早く吐き出してスッキリしてしまうのです。</p>

<p>このとき、忘れてはならないのは｢言うだけ言ったらイライラがなくなる｣というのび太メソッド。くれぐれも｢言ったらよけいに怒りに火がついた｣とならないように注意してください。</p>

<p>そのためにも、言葉を慎重に選んでいきましょう。</p>

<p>｢あの店員、なんて失礼なの。アッタマ来た。だけど口にしたら気が済んだ。だから、もうおしまい｣<br />
｢悔しいな、部長は全然わかっていない。オレのほうが正しい！でも、言ったら気が済んだ。これ以上は引きずらない｣</p>

<p>これだけで、スッキリ！たとえ一人きりでも、誰も聞いていなくても、口にするだけでイライラから解放されることも。ストレス発散って、けっこう簡単だったりするかもしれませんよ。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_hirou_1.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 08 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[横山泰行（富山大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「うまく立ち回る人にイライラする」長男・長女が抑圧しがちな思い  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15139</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015139</guid>
			<description><![CDATA[人に頼れない・他人にイライラする原因は「メンタルノイズ」かも。書籍『ありのままでラクに生きる練習』から、人付き合いを難しくする思考パターンの正体と負の連鎖を断ち切る対処法を解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="人に頼れない・他人にイライラしてしまう人" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NayamiWoman2G.jpg" width="1200" /></p>

<p>自己肯定感が低く、自分を責めてしまう...。その背景には、長年の生活の中で培われた思考のクセである「メンタルノイズ」が存在します。感情がもやもや・ザワザワするときこそ、このノイズが影響を及ぼしているサインです。</p>

<p>他人に甘えられない悩みや、要領よく振る舞う人へのモヤモヤとした苛立ちも、根本を辿ればこのメンタルノイズに起因していることが少なくありません。</p>

<p>本稿では、書籍『ありのままでラクに生きる練習』の知見をもとに、対人関係を難しくさせているメンタルノイズについてご紹介します。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『ありのままでラクに生きる練習』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>うまく人に頼れない、気を遣い過ぎて疲れる</h2>

<p>【ノイズの症状あるある】<br />
・人に頼るのが苦手で、いつも自分だけ残業になってしまう<br />
・簡単に人に助けを求める人や、わがままな人を見ると、イライラする<br />
・人の面倒ばかり見ているのに報われず、いつも自分が損をする<br />
・なにをやっても人に気を遣ってばかりで、自分が楽しめない</p>

<p>分別がある人、いつも大人の対応ができる人がいます。でも、無理してそう振る舞っているのがこのタイプ。</p>

<p>常に人からの評価が気になって、誰からも嫌われたくないので、甘えられないし、わがままも言えないし、誰かに助けを求めることもできません。</p>

<p>自分の思いを抑圧していることが多く、自由奔放に生きている人を見ると苦々しく思うこともあります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「ちゃんとしなきゃノイズ」</h2>

<p>うまく人に頼れない人にあるのは、「ちゃんとしなきゃノイズ」です。</p>

<p>大人として、ちゃんと自立しないといけない。</p>

<p>至極まっとうな考え方ですが、自分だけが割を食っていると感じたり、うまく立ち回る人が卑怯で小ずるく見えたり、自由に振る舞う人が子どもっぽく思えたりするのは、ちゃんとしなきゃノイズのせいです。</p>

<p>このノイズは育ってきた環境の影響を強く反映しています。</p>

<p>例えば、弟や妹がいると「お兄ちゃんだから、お姉ちゃんだから」と言われて、子どもなのにしっかりすることを求められる場面が多くなります。両親が共働きで忙しくしていたり、病気で入院していたりしたら、なおさらです。</p>

<p>そうすると「子どもでないほうがいい、自分がちゃんとしなきゃ」という思い込みが強くなり、よく言えば気遣いができる、悪く言えば顔色をうかがう性格が強くなります。 結局、過剰に大人に見られようとしたり、無理していい人でいようとして、自分の子どもっぽい部分を押し殺すことになり、どんどん息苦しくなっていきます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>メンタルノイズの解決策</h2>

<p>このノイズがやっかいなのは、周囲が求める以上にちゃんとしてしまうこと。 実際はそこまでしなくてもいいのに、自分の思い込みで「ここまでちゃんとしないと、人に嫌われる」「人に迷惑をかけてはいけない」と、勝手にハードルを上げています。</p>

<p>なので、解決策はできる範囲で、できる場面から、ちゃんとするのをやめて、どれくらいまで人に迷惑をかけても許してもらえるのかをリサーチしてみること。コンビニのレジで、少し愛想を悪くしてみるくらいからはじめてみましょう。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 08 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>子育て中に「自由時間を作れる人」の共通点　夫婦で意識したい4つのポイント  堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15109</link>
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			<description><![CDATA[家事・育児をしていると、自分や夫婦の時間を持てずにストレスを抱える。そうした悩みと上手く向き合う方法とは？言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さんが4つのポイントを解説。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="堀田秀吾著『心理学×脳科学×行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_shopping.jpg" width="1200" />子育てをしていると、自分の時間が持てない――そんなふうに感じている人も多いでしょう。1人で暮らしていた時よりも考えなければならないことが多く、自分でも気づかないうちに疲れ切っているということもあるかもしれません。</p>

<p>家事・育児は考える時間が増えるため、「家庭内の決め事を仕組み化することが大切」と語る、言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さん。ここでは、夫婦で共有したい4つのポイントを紹介します。</p>

<p>※本稿は、堀田秀吾著『心理学&times;脳科学&times;行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>疲れている日の最低ラインを決めておく</h2>

<p>体調が悪い日や子どもの看病で余裕がない日ほど、何を優先すべきかを考える力そのものが落ちています。その状態でやるべきことを1からリストアップしようとすると、時間もエネルギーも余計にかかります。</p>

<p>対策は、あらかじめ「やらないこと」を決めておくことです。たとえば、お風呂に入る、歯を磨く、食器を洗う。この3つができたら十分、それ以外は明日に回してよし、というルールを先に作っておくのです。</p>

<p>こうしてあらかじめ線を引いておく工夫は、実は「立ち直る力」そのものの土台でもあります。ミネソタ大学のマステンは、子どもの発達と回復力を長年研究する中で、困難やストレスに直面してもうまく適応し、立ち直る力（レジリエンス）は特別な才能ではなく、誰もが持っている力だと述べています。日常の中で自分を立て直す小さな工夫を積み重ねた人ほど、危機の場面でも倒れにくいとマステンは述べています。</p>

<p>よく晴れた休日に紙とペンを用意して、自分が体調を崩した日・家族が病気になった日・心が折れた日、それぞれの「やらないこと」を3つずつ書き出しておきましょう。書いておくだけで、いざという日の自分が助かります。パートナーにも共有しておくと、しんどい日に「今日は最低ラインだけで」と一言伝えるだけで相手の理解も得やすくなります。</p>

<p>基準を余裕のある日に決めておく理由は、疲れているときには冷静な判断がしづらいためです。一度決めておけば、体調を崩すたびに1から考え直す必要がなくなり、繰り返し使える安心材料になります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・体調不良・看病・心が折れた日の「最低ライン」を晴れた休日に書いておく</p>

<p>・「これさえできればOK」を家族と共有しておく</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>プライベートの予定を先に入れる</h2>

<p>自分の予定は後回しにされやすいものです。カレンダーは仕事の予定や「やるべきこと」でいっぱいになり、空いているところに自分のための時間を入れようとしても、翌週、また翌週と持ち越されてしまいます。</p>

<p>予定を丁寧に考えようとする人ほど、自分のやりたいことが後回しになってしまう傾向があります。他人との約束は「守らなければ」という意識が働くのに対し、自分ひとりの予定はいくらでも動かせるものとして扱いがちだからです。</p>

<p>ミズーリ大学セントルイス校のマカンは、時間管理に関する調査を行いました。目標を立てる、優先順位を決める、計画を立てる、スケジュールを組む。こうした時間管理のスキルが高い人ほど、仕事の満足度が高く、仕事関連のストレスや体の緊張が低いことがわかりました。</p>

<p>なかでも強く関係していたのが、「自分の時間を自分でコントロールできている」という感覚です。これは、実際にどれだけ自由な時間があるかではなく、自分で選んで時間を確保したという実感があるかどうかが重要なのです。つまり、スケジュールを受け身で埋めるのではなく、自分から先に枠を確保することで、心の安定につながっていくということです。</p>

<p>ここで取り入れたいのが、プライベートの予定を仕事よりも先にカレンダーに入れてしまう方法です。月初の日曜夜に10分だけカレンダーと向き合う時間を取り、今月の楽しみを3つ書き込んでみてください。書き込んだ時点で、その時間は「動かせない予定」として扱います。延期はしてもキャンセルはしない、ということをルール化します。</p>

<p>空いている時間にプライベートを入れるのではなく、プライベートを先に入れて、残った時間で仕事を組み立てるのです。この順序を変えるだけで、自分の予定が後回しにされる状況を防ぎやすくなります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・月初めに「今月の3つの楽しみ」をカレンダーに入れる</p>

<p>・書き込んだ予定は延期してもキャンセルはしない</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「夫婦の取り決め」を見えるようにする</h2>

<p>夫婦の間で負担になっているのは、作業そのものの手間だけではなく、常に何かを気にかけ続けなければならないという「状態」も含まれています。献立の組み立てやゴミ出しの曜日確認など、名もなき家事・育児のうち、パートナーがやっていると認識しているのは実はほんの一部かもしれません。</p>

<p>この負担感は、実際に手を動かしている時間だけを見ていては気づきにくいものです。休憩中や睡眠中にも頭の片隅で気がかりとして残り続けていて、体を休めていても心が休まらない原因の1つになっています。</p>

<p>ハーバード大学のダミンガーは、家事にかかる「頭を使う負担」について研究しました。35組ほどの中流家庭にインタビューを重ねた結果、家事には4つの見えない側面があることがわかりました。</p>

<p>①予測（何が必要になるかを先回りして考える）</p>

<p>②特定（選択肢を調べて絞り込む）</p>

<p>③決定（最終的な判断を下す）</p>

<p>④モニター（決めたことが進んでいるか見守る）</p>

<p>目に見える物理的な家事は、夫婦である程度分担されています。ところが、この4つの見えない家事については、多くが妻に偏っているという事実が明らかになりました。なかでも「予測」と「モニター」は、ほぼすべての家庭で女性が担っていたと報告されています。</p>

<p>これらの作業は目に見えません。だからこそ、実際にどれだけの負担がかかっているかが担っていない側には伝わりにくいのです。この見えにくさこそが、夫婦間のすれ違いの大きな原因になっています。</p>

<p>ここで取り入れたいのが「夫婦の取り決め」を紙やアプリで見えるようにすることです。「保育園の準備」を「服を選ぶ・着替えさせる・連絡帳を書く・水筒を洗う」と分解して書くのがコツです。分解することでこれまで見えなかった工程が明らかになり、パートナーが「自分は何をやっていなかったのか」に気づけます。</p>

<p>月に一度、夫婦で話す時間を作って、「これ、最近どっちがやってる？」と確認してみてください。感情的に責めるより、紙に書き出して淡々と確認するほうが、夫婦間の話し合いも落ち着いて進めやすくなります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・「保育園の準備」など、見えない家事を工程ごとに書き出す</p>

<p>・月に一度、夫婦で分担を見直す時間を作る</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>完璧な親を目指さない</h2>

<p>子育てをしていると、理想と現実のギャップに悩んでしまうことがたびたびあります。手作りのお弁当、寝る前の読み聞かせ、充実した休日の過ごし方。SNSを開けば、まるで親子の理想像ともいえる様子が流れてきます。</p>

<p>こうして理想と現実を比べてしまうこと自体は、誰にでもあることです。問題は、その差を「自分はダメな親だ」という評価に結びつけてしまうことです。</p>

<p>ルーヴァン・カトリック大学のリンらは、ベルギーとポーランドの724人の親を対象に、「完璧な親を目指す気持ち」と「親バーンアウト」の関係を調べました。親バーンアウトとは、子育てに力を注ぎ続けた結果、心身ともに消耗しきってしまい、子どもへの関わり方にも支障が出てしまう状態のことです。</p>

<p>その結果、危険因子は「よい親でありたい」という願いそのものではないとわかりました。本当に危ないのは、間違えたらどうしようと心配し、できなかった自分を責め続ける「不安」の側面です。理想に届かない自分を責め続けることが、燃え尽きにつながっていたのです。</p>

<p>ただし、自分や相手の感情に気づき、理解する力が高い人では、この悪影響が弱まっていました。つまり、理想を持つこと自体は問題ではなく、理想に届かないときに自分とどう向き合うかが結果を左右するのです。</p>

<p>「よい親であるための基準」は、多くの場合、自分自身が育った環境や周囲の期待から作られたものであり、必ずしも今の自分の状況に合っているとは限りません。</p>

<p>うまくいかなかったときは、頭の中の「よい親であるための基準」から項目をひとつ減らしてみてください。基準を減らすことは、子どもへの愛情を減らすことではありません。むしろ、無理のない基準で長く子どもと向き合い続けられることのほうが、子どもにとっても安定した環境になります。</p>

<p>パートナーや友人にも、この「よい親であるための基準」を見せて話してみると、自分だけが背負っていた基準に気づくきっかけになることがあります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・完璧な親を目指さない</p>

<p>・「よい親リスト」から項目をひとつ減らしてみる</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 08 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>ソフトバンク最年少26歳本部長！ 立命館「すごい卒業生」の生産性革命  西山昭彦（立命館大学客員教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15150</link>
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			<description><![CDATA[立命館で学び育った平岡氏は、スタートアップでの成果を上げた後、生成AIの発信が孫正義氏の目に留まり26歳でソフトバンク最年少本部長に就任。AI｢satto｣で人々に心の余白を生む挑戦を追う。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="平岡拓(ひらおか たく)ソフトバンク株式会社satto事業開発本部 本部長" height="740" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260918NishiyamaAkihiko.jpg" width="1200" />平岡 拓(ひらおか たく)ソフトバンク株式会社 satto事業開発本部 本部長</p>

<p>多くの私立大学が定員割れに苦しむなか、忘れてはならないのは｢学生が第一｣という点だ。大学の成功を表す指標の一つは、在校生の成長と、卒業生の活躍である。立命館大学出身のソフトバンク史上最年少の本部長に、自らの生い立ちと学び、就職の経緯、目指す世界像を聞いた。</p>

<p>※本稿は、西山昭彦著『立命館の快進撃』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>立命館一家</h2>

<p>平岡さんは、大企業のソフトバンクに中途入社し、26歳でいきなり本部長に就いた。これは同社で史上初で、大企業ではきわめて稀なケースだ。下に部長、課長などが続く。投資額は巨大で、責任範囲はあまりにも広い。</p>

<p>しかし、本人に気負いはない。日本のAIを伸ばすために、日々情熱を傾けている。AI活用の将来、つまりこれからの日本における産業の盛衰の一端が彼の肩にかかっている、といっても過言ではない。</p>

<p>平岡家は経営者の父のもと、男4人兄弟で、全員が立命館の附属中・高・大に通うというギネス並みの立命館一家だ。</p>

<p>｢長男と3男の私が立命館宇治高校の出身で、次男と4男が立命館高校。全員が立命館大学に入りました。皆、理系の科目が好きで、一番上の兄は理工学部数学科、次男は情報理工学部、私は理工学部の電気電子工学科、末っ子は食マネジメント学部です。</p>

<p>中学時代は、斜に構えた反抗的な生徒だったと思います。特徴的なエピソードでいうと、宿題を提出しない。数学の問題が『解けるとわかっているのに、なぜわざわざ解かないといけないんですか』といいつづける。試験はあえて一夜漬けで臨み、授業中は、友達とNumer0n(ヌメロン)という数字当てゲームで戦っていました｣</p>

<p>この頃から天才肌で、とんがっていた少年だったのだろう。そして、理系の道を歩み出す。</p>

<p>｢私の特徴は第一に、面倒くさがり。だから無駄なことはしたくない。でも、大人に怒られるのは怖い。両者のバランスをずっと探ってきた人生だと思います。その意味では、内部進学なら受験をしなくて済む。成績も悪くなかったので学科も選べて、理工系の学問が好きだから理工学部の電気電子工学科かな、と。</p>

<p>事前の学部案内で、ナノバイオエレクトロニクス研究室を見学させてもらいました。電子回路で血液などに含まれる化学物質を検出し、身体の状態を診てIoT(モノのインターネット)で健康情報を送るという研究をしていて、面白いと思いました｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【大学時代】フィンランド教育の塾で見せた教育者としての一面</h2>

<p>｢ところが、大学時代は学業を単位を取るだけの最低限にとどめ、課外活動が9割。次男が通っていた京都のソーシャルベンチャーが運営する個別指導塾に誘われて、手伝いをしていました。</p>

<p>フィンランドの教育を行う地域に根差した個別指導塾のベンチャーで、コンセプトは『学んだ先が見える塾』。子どもたちに『社会人は大変だけれど、やっぱり面白い』ということが伝わるコミュニティづくりに参加していました。</p>

<p>生徒が5教科を学習する隣で大学生がプロジェクトを進め、社会人が真剣に怒られている、アゴラ(公共広場)的な場所です。</p>

<p>私も先生として入らせてもらい、多くの子どもと接しました。受験がしたいという子もいれば、不登校のわが子に勉強の面白さを教えてあげてほしい、という親御さんもいて、それぞれカスタマイズした授業を行っていました｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>【スタートアップに就職】新卒でグローバルマネジメントへ</h2>

<p>｢当時『副業で稼ごう』というのが流行で、FIRE(経済的自立と早期退職)がいわれ始めた時期です。自分はどうするか、FX(外国為替証拠金取引)から動画編集、ブロガー、ウェブ制作、プログラミングまでいろいろ調べて〇&times;式の星取り表を書きました。自分は20代のうちに5億円が欲しい、どの分野なら可能かを検証した結果、すべて無理だとわかった。</p>

<p>そのとき、ちょうどノーコード(プログラミング言語でソースコードを記述せずシステムやサービスをつくれる)という新しい技術が登場し始めたんです。『これだ』と思って飛び込んだのが、ノーコードとの出会いです。</p>

<p>実地で学ぼうと思い、10社ほどに『無給でいいから仕事をさせてください』とDMを送ったら、ある企業から『明日から来ていいよ』といわれました。安いホステルのようなところを借りて2カ月のあいだ毎日、ノーコード開発をしました。そこがそのまま1社目の就職先になります｣</p>

<p>この会社で、桁違いの活躍をすることになる。</p>

<p>｢新規事業を立ち上げました。ノーコードのスクール事業とプラットフォーム事業の2つで、スクールは1期目から単月黒字を達成。私の仕事だけで粗利率80％を超え、利益が数千万円になっていました。それが新卒1年目のことで、私の入社直後の月収は30万円ほど。</p>

<p>スクール事業がうまくいったのでその後、毎月10万円ほど増えて、3カ月後ぐらいには50万円ほどになっていました。ただ、スクール事業ではるかに多い額を稼いでいたので、不満はありましたね。</p>

<p>その後、さらにウズベキスタン人の大学生とロシア人のエンジニアを雇って新事業を立ち上げました。ウズベキスタン人の大学生に学内コミュニティをつくって皆で開発を手伝ってほしい、と。すぐに仲間を集めてくれて、彼らをマネージしました｣</p>

<p>仕事のコミュニケーションは英語でやっていたそうで、会話力はどうだったのだろう。</p>

<p>｢わりと苦労しましたね。中学校の最後に3カ月、オーストラリアへ交換留学に行ったおかげで、日常会話は問題なかった。『英語ができるようになって帰ってきます』と宣言し、必死に勉強しました。</p>

<p>でも、ウズベキスタンとロシアでは英語の発音自体が違いますし、業務上、専門用語が多い。しかも時差があるので、日中に日本人の顧客に対応したあと、夕方6時からウズベキスタン人とロシア人のミーティングが入り、夜中はひたすら作業。在職2年間で、終電より早く帰れたのはクリスマスの日だけでした｣</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>孫正義氏へのプレゼンテーション</h2>

<p>その後、自らの会社を立ち上げたのち、孫正義さん(ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員)との運命の出会いが起こる。</p>

<p>｢私は当時、『生成AIを使ってどうやって仕事をサボるか』という知見を溜めていました。<br />
前述したベンチャーのような過酷な環境下でこう生き抜いたとか、お客さんの業務を楽にできたとか。その情報をアウトプットするかたちで、『議事録なんてもうつくらなくていいですよ』『お店の予約も生成AIでできます』『会社の問い合わせへの返信なんてAIを使えばすぐ終わりますよ』という発信をしていたんです。それが孫さんの目に留まり、招集が掛かりました。</p>

<p>そこでソフトバンク本社へ単身突撃し、自分が考える事業とビジョンについて、孫さんの前で1時間ほどプレゼンテーションをしました。結果的に認められ、その場で入社を迫られましたが、そのときは自分がつくった会社があるのでお断りしました｣</p>

<p>孫さんの印象については、<br />
｢会う前と後で一変しました。『孫さんはピッチ(プレゼンテーションより短時間でアイデアやプランを伝えること)がつまらなければすぐに打ち切る』と聞いたことがあり、怖い人だと思っていたんです。</p>

<p>私の事業提案は、思い返すといくらでも突っ込みどころがありました。話の9割はしょうもない内容だったと思います。でも孫さんは、1割の面白さを見つけてくれた。よい面を見出して『こうやればいいんじゃない』とアドバイスしてくれる、ポジティブコミュニケーターだったんです｣</p>

<p>そして2024年3月、26歳で入社。すると、いきなり本部長になった。他の本部長は皆、かなり年上だ。いうまでもなく、普通の会社には課長&rarr;部長&rarr;統括部長&rarr;本部長という階段がある。</p>

<p>課長に上がるのが30代ほどで、部長に上がるのが40代ほど。その先に統括部長がいる。それらすべてを通り越しての本部長就任である。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>satto―ホワイトカラーに生産性革命を起こす</h2>

<p>責任者を務めるsattoについては、<br />
「sattoは、誰もが生成AIの便利さを享受できる世界を目指す生成AIエージェントです。最終的な目標は、ホワイトカラーに生産性革命を起こすこと。</p>

<p>生成AIを使いこなせば、理論上は誰がどのぐらい重要な業務をしているか、生産性と利益を上げているか、プロダクティビティを定量化・可視化できます。その可視化ができたら、成果を上げている社員により正確に報いることができる。かつ成果を上げられていない社員を補助し、優秀な社員に育てることができる。結果として日本全体のホワイトカラーの生産性を底上げすることができる。sattoは新規事業であると同時に、壮大な社会実験でもあります。</p>

<p>私の個人的なビジョンは、情報革命でみんなの心に余白をつくること。GDP（国内総生産）の最大化といった話にはあまり興味がなく、ウェルビーイングの最大化に興味があります。</p>

<p>AI技術を敵視する向きもありますが、テクノロジー自体には悪意も善意もない。思い返せば産業革命後、19世紀に職を失った繊維労働者たちが大暴動を起こすラッダイト(機械打ち壊し)運動がありました。既存の職に取って代わる技術への態度は時と場合によって違いますが、結局のところ当時の政府や軍、そして国民が求める方向性に傾いてきたと思うんです。</p>

<p>テクノロジーを社会実装する技術と権限を持った人々が、どちち側にレバーを倒すのか。少なくとも私にとって、テクノロジーのせいで皆の仕事がなくなりました、というのは実現したい世界ではありません。技術のおかげで自分の人生に余白ができ、楽しくなった、という方向性に向かいたい。</p>

<p>面倒な仕事はAIに任せ、余暇や子どもと過ごす時間が増えるとか、過重労働から解放されて健康寿命が延びるとか、ウェルビーイングを上げるためにテクノロジーを社会実装したいと考える人間です。</p>

<p>sattoを活用してサッと仕事を終わらせて早く帰るもよし、AIで多くのタスクをこなして手取りを増やすもよし、本人のプロダクティビティを上げたうえで、それぞれが求めるリターンが設計されたプロダクトにしたい、というのが今考えていることです｣</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Wed, 07 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[西山昭彦（立命館大学客員教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「報復捜査」 第６回　安東能明  安東能明（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14934</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014934</guid>
			<description><![CDATA[連載小説「報復捜査」 第６回。殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="報復捜査" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" width="1200" /></p>

<p>殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第６回</h2>

<p>十分ほどで、三階建ての有家族待機宿舎に着いた。結婚以来、小暮（こぐれ）と圭子（けいこ）はここで七年近く暮らしてきた。それなりに高級感のあるアパートの造りだ。</p>

<p>駐車場に車を停め、エントランスで警察手帳を示した。守衛は一瞬、伊場（いば）の顔を見て、それから手帳を見た。少し間があったが、通してくれた。</p>

<p>エレベーターで三階に上がる。三〇五号室。伊場は呼び鈴を押した。</p>

<p>ドアが開いた。</p>

<p>圭子は、昨夜と同じ薄いグレーのカーディガンを着ていた。目が少し腫れている。それ以外は、整っていた。</p>

<p>「どうぞ」</p>

<p>玄関から廊下を抜けてリビングへ入ると、六十代の女性が台所に立っていた。圭子の母親だろう。伊場に向かって、お辞儀をした。</p>

<p>「あの、お買い物に行きますね......」と母親が言った。圭子が小さくうなずいた。母親はエプロンを外して、静かに部屋を出ていった。</p>

<p>四人掛けのダイニングテーブルに、向かい合って座った。何度も招かれて手料理をふるってくれた場所だ。圭子が茶を淹れてくれた。表情を見て、少し気が楽になった。</p>

<p>「昨日は大変でした」</p>

<p>伊場は改まった口調で言った。</p>

<p>「ほんと」</p>

<p>「体は？」</p>

<p>「......大丈夫じゃないけど」</p>

<p>圭子は薄く笑った。瞳の奥に、昨夜からの泣き跡が残っている。</p>

<p>「もうなんて言っていいか、わからない」</p>

<p>「おれも......。お母さんはずっといてくれる？」</p>

<p>「しばらく、いてくれると思う」</p>

<p>大塚の監察医務院で司法解剖が行われている情景を頭に描こうとしたが、できなかった。解剖は午前中に終わり次第、近くにある斎場へ運ばれてくるはずだ。</p>

<p>「斎場にはいつ行く？」</p>

<p>「搬送されたら電話が来る。タクシーですぐ」</p>

<p>「おれもついていこうか？」</p>

<p>職務停止になったことは言わないでおいた。知らされているかもしれないが。</p>

<p>「お母さんがいるから大丈夫」</p>

<p>「わかった。何かあれば遠慮なく言って」</p>

<p>「うん」</p>

<p>見慣れた部屋の風景を目でなぞった。</p>

<p>２ＤＫの間取りは、夫婦ふたりで暮らすには十分な広さがある。リビングには、壁掛けテレビと圭子が選んだキャメルのソファ。外大出身の小暮らしく、背表紙に漢字が並ぶ中国語の専門書が詰まった木製の書棚が置かれていた。窓際には、圭子が大切にしている小さな観葉植物の鉢が並び、窓から差し込む斜光が、磨き上げられたフローリングを淡く照らしていた。伊場がいつも座らされたのは、キッチンが見渡せるこの位置だ。</p>

<p>気詰まりで、つい小暮の最近の胃の具合について訊いていた。</p>

<p>「相変わらず。胃薬は毎食飲んでたし、辛いものは避けてって言っても、聞かないし」</p>

<p>まだ小暮が生きているような口ぶりだが、違和感などなかった。</p>

<p>「あいつ、小さいときから辛いもの好きだったし」</p>

<p>「そう」</p>

<p>「給食で麻婆豆腐が出ると嬉しそうで」</p>

<p>圭子は、小さく笑った。</p>

<p>「そういう話、もっと聞きたかった。最近、ゆっくり話す時間がなくて」</p>

<p>圭子が目にうっすら涙をためて言った。</p>

<p>それきり、ふたりとも黙った。圭子が湯飲みを両手で持って、窓の外を見た。</p>

<p>「......伊場くん、膝はどうなの？」</p>

<p>「古傷だから、付き合っていくしかないよ」</p>

<p>柔道で痛めた膝が季節の変わり目に疼く。</p>

<p>「和くんは、いつも心配してた。伊場は膝が悪いのに張り込みが長いって」</p>

<p>「あいつが言うことか」伊場は言った。「胃薬飲みながら深夜残業してる奴が」</p>

<p>圭子は笑おうとして、でも笑えなかった。</p>

<p>「ごめん。余計なことを」</p>

<p>「いいの。......聞いていたい。そういう話」</p>

<p>しばらく、沈黙があった。階下で単気筒のオートバイの音がして、遠ざかっていった。</p>

<p>圭子は立ち上がり、書棚の前へ行った。背表紙に漢字の並ぶ専門書のあいだから、一枚の写真を抜き取って戻ってきた。色の褪せた、古いものだった。</p>

<p>「これ、和くん、本のあいだにずっと挟んでたの」</p>

<p>受け取って、伊場は言葉を失った。中学の制服を着た少年がふたり、自転車にまたがってこちらを見ている。富士森公園の桜だった。隣で得意げに笑っているのは、まぎれもなく自分だ。撮ったことすら、忘れていた。</p>

<p>「和（かず）くん、たまに言ってた。伊場は昔から、まっすぐで馬鹿正直なやつだって。おれはもう、ああはなれないって」</p>

<p>指先で、写真がかすかに震えた。あの夜の電話と、同じ言葉だった。おれみたいに、ならないでくれ。あれは酔った戯言ではなかったのかもしれない。</p>

<p>圭子は、写真をそっと押し返した。</p>

<p>「持っていて。和くん、きっとそのほうが喜ぶから」</p>

<p>伊場は、それを上着の内ポケットに収めた。</p>

<p>圭子が、湯飲みをテーブルに置いた。</p>

<p>「昨日ね、帰ってきたら、知らない人が三人いたの。公安の人だった」</p>

<p>伊場は黙って聞いた。</p>

<p>「和孝（かずたか）の仕事関係の荷物を調べます、って。わたしの携帯も見せてほしいって。断れる雰囲気じゃなかった。外に出るように言われて、廊下で待ってたんだけど、一時間以上かかった」</p>

<p>夫を亡くして、まだ一日経っていないのに、もう......。</p>

<p>「何か持っていかれた？」</p>

<p>「仕事の書類とか手帳やノートパソコン。スマホや外付けのハードディスク、ＩＣレコーダーとかも。たぶん」</p>

<p>家宅捜索に等しい。遺族の同意を得た任意の捜索とはいえ、無慈悲に思える。</p>

<p>「和くん、一週間くらい前から、様子がおかしかった」圭子は、膝の上で手を組んだ。「いつもは絶対、仕事のことを家に持ち込まなかったでしょ。それが夜中に起きてパソコンを開いたり、何かの音声を聞いたりしてて。声をかけると、すごく驚いて。怯えてたような感じ」</p>

<p>「怯えていたって......何か心当たりはあるの？」</p>

<p>「......直接は訊けないよ。訊いたら、困らせると思って」</p>

<p>「そうか......」</p>

<p>「それと、亡くなる数日前」圭子は記憶をたどるように言った。「夜遅くに、小さな封書を一通、こっそり出しに行ったみたいだった。仕事の書類だと思ってたけど。なんでこんな時間に、って思っただけで、それきり気にしなかった」</p>

<p>伊場は、それを聞き流しかけて、頭の隅に留めた。深夜の封書という一点だけが、妙に座りが悪かった。</p>

<p>圭子は目を伏せた。それから、思い切ったように顔を上げた。</p>

<p>「わたし、和くんの手帳を、一度だけ見た。後ろめたかったけど、心配で。先月の三十日のところに、かわもとゆり、って名前があって。どこかで会う、みたいな書き方で」</p>

<p>テーブルの隅にある新聞チラシに、圭子は川本百合（かわもとゆり）と書いた。</p>

<p>伊場も知らない名前だった。</p>

<p>「和孝には？」</p>

<p>「訊いたら、認めた。その日、会ったって。仕事関係の人だって言ってたけど......雰囲気が、そういう感じじゃなくて」</p>

<p>仕事の相手にしては、引っかかる言い方だった。</p>

<p>「先に謝るけど、ひょっとしてガールフレンドとか？」</p>

<p>和孝は浮気をするような人間ではない。</p>

<p>圭子は唇を引き結んだ。</p>

<p>「それはないよ、絶対」</p>

<p>「仕事でもなくて、この女性は何かな......」</p>

<p>書かれた名前を指でなぞる。</p>

<p>「その人、会った日の二日後、高円寺で交通事故に遭って、亡くなったみたいなの。和くん、すごく無念そうに言ってたから」</p>

<p>伊場は、それを聞いて少し黙った。</p>

<p>五月三十日に密会して、二日後に交通事故で死亡。</p>

<p>小暮は、その前の週から阿久津（あくつ）の取り調べを始めている。</p>

<p>「公安に、そのことは話した？」</p>

<p>「話してない。昨日の人たちは、ほとんど質問もしてこなかったので。でも、何かおかしい」</p>

<p>伊場は返答に困った。</p>

<p>「和孝が信頼していた同僚はたしか......」</p>

<p>「永島（ながしま）さん？」</p>

<p>「そう、そんな名前の。そいつは来た？」</p>

<p>和孝の口から何度か聞いている。</p>

<p>「来なかった」</p>

<p>圭子の母親が帰ってくる足音が、廊下に聞こえた。</p>

<p>伊場は席を立った。</p>

<p>「こんなときに、悪かった」</p>

<p>圭子は、玄関まで伊場を送った。伊場が靴を履き、頭を下げてドアを開けようとしたとき、背後で圭子の声がした。</p>

<p>「伊場くん」</p>

<p>伊場は振り返った。</p>

<p>圭子は廊下に立って、じっと伊場を見ていた。その目に、これまでとは違う、何か思い詰めたような光があった。</p>

<p>「ほんとうに......あなたが撃ったの？」</p>

<p>伊場は息を呑んだ。</p>

<p>心臓が跳ねた。知っているのか。いや、知るはずがない。射手の名は公表されていない。だが圭子の目は、まっすぐに伊場を射抜いていた。</p>

<p>逃げたかった。目をそらしたかった。だが、そらさなかった。それだけはしてはならないと思った。</p>

<p>伊場は圭子の目を見返した。答えられなかった。肯定も否定もできなかった。喉が貼りついたように、声が出ない。</p>

<p>圭子はしばらく伊場を見ていた。それから視線をわずかに落とした。</p>

<p>「......ごめんなさい。変なことを訊いて」</p>

<p>圭子の声が震えた。</p>

<p>「でも、ひとつだけお願いがあるの」</p>

<p>伊場は黙って待った。</p>

<p>「和くんの死を無駄にしないで」</p>

<p>その言葉が、伊場の胸を貫いた。</p>

<p>圭子は顔を上げた。涙をこらえていた。</p>

<p>「和くん、最後に何かを抱えてた。怯えてた。それが何なのか、わたしにはわからない。でも、あの人はただの事故で死んだんじゃない。そんな気がするの。だから......お願い」</p>

<p>伊場は何も言えなかった。</p>

<p>ただ、深く頭を下げた。それだけで精一杯だった。</p>

<p>エレベーターで一階に降り、建物の外に出ると、灰色の空気が体を包んだ。</p>

<p>駐車場の手前で、伊場は足を止めた。</p>

<p>路上に、黒いセダンが停まっていた。リアウィンドウに立つ二本のアンテナと、前席に並ぶ男たちの視線が、捜査車両であることを無言で告げていた。</p>

<p>伊場は視線を外し、車に乗った。バックミラーに映り込むセダンが遠ざかる。</p>

<p>昼は、吉祥寺駅近くの定食屋に入った。カウンターに座り、日替わり定食を頼んだ。食べながら、考えた。</p>

<p>小暮は、阿久津の取り調べ中に何かをつかんだ。そこで川本百合という女の名前が出てきた可能性もある。川本は、六月一日に交通事故で死んでいる。小暮はその二日前、川本と密会している。それだけで、すでに普通ではない。</p>

<p>そして阿久津の逃走。副署長の即座の拳銃承認。マジックミラー越しの監視。副署長命令の強行突入。</p>

<p>ひとつひとつはそれぞれ、説明できなくもない。だが、全部が並ぶと、説明できなくなる。</p>

<p>伊場は、日替わり定食を食べ終えた。味は、ほとんど感じなかった。</p>

<p>午後四時、寮で喪服に着替えた。</p>

<p>阿久津の取り調べ映像のことを、また考えた。屋上での一部始終も含めて、どこかに映像が残っているはずだ。通常、留置施設や取調室には固定カメラがある。事件が起きた屋上や近隣のビルにもカメラがあったかもしれない。ＳＡＴが入る前後で、記録はあるはずだ。それらを見れば、何かわかるかもしれない。</p>

<p>だが、それを手に入れる方法が、いまの伊場にはない。</p>

<p>通夜が行われる斎場は、武蔵野市の外れにあった。</p>

<p>駐車場に車を置いて、伊場は歩いた。式場には、すでに人が集まっていた。制服姿の警察官、背広の男たち、喪服の一般客。線香の煙が漂っている。受付で記帳を済ませ、焼香の列に着く。壇にある遺影に視線を当てる。違和感を覚えた。</p>

<p>順番が来た。抹香（まっこう）を指でつまみ、額に持っていって、炉（ろ）に落とした。遺影の小暮が、こちらを見ている。警視庁に入庁したときの写真だろうか。笑みを浮かべている。見慣れた顔だった。それが遺影になっている。</p>

<p>なぜ。</p>

<p>合掌したまま、目を閉じた。</p>

<p>なぜ、おまえはあの屋上にいた。</p>

<p>問いは、線香の煙とともに、行き場もなく天井へ昇って消えていった。</p>

<p>小暮の両親が弔問客に頭を下げていた。父親の康広（やすひろ）は元都庁の幹部職員で、伊場もよく知っている。紳士然とした顔立ちで、今夜だけはその顔が崩れていた。母親の富子（とみこ）は俯いたまま、親族らしい女性に支えられていた。</p>

<p>「この度は......」</p>

<p>言葉が続かなかった。康広は、伊場の手を両手で握った。それだけで、何も言わなかった。</p>

<p>その横に伊場の父の圭吾（けいご）と母の久子（ひさこ）がいた。八王子から来てくれたのだろう。元警官の父は、相変わらず実直な佇まいだった。</p>

<p>「元気出せよ」</p>

<p>父が言った。それだけだった。母は伊場の腕に触れて、何か言おうとして、やめた。</p>

<p>伊場はうなずいた。</p>

<p>玄関ホールには、焼香を済ませた吉祥寺署の顔がそろっていた。江越（えごし）署長、曽我（そが）副署長、新井（あらい）刑事課長。それから喪服姿の男たちが五人、少し離れたところに固まっている。</p>

<p>端に立つ、五十がらみの痩身の男が目に入った。公安部長の相良恒一（さがらこういち）だった。仕立てのいいダークスーツに黒のネクタイを締め、白髪の混じった髪をきっちりと撫でつけている。眼鏡の奥の目だけが、悲しみの場にそぐわず乾いていた。焼香の列にも加わらず、壇上の遺影をしばらく見つめてから、ゆっくりと会場へ視線を移していく。誰が来て、誰と誰が言葉を交わすかを、ひとりずつ確かめる目だった。そばに、外事二課長や第一係の係長と思われる男がいる。</p>

<p>伊場は刑事部の人間で、本部十四階の公安のフロアには数えるほどしか入ったことがない。だが、あの階を歩くと、肌にまとわりつくような冷たさを感じた。捜査員はすれ違う相手の顔を一瞬で読み取り、すぐに視線を切る。同僚にさえ懐を見せない。誰が誰を売るかわからないからその用心深さが、フロアの空気を凍らせている。いま通夜の席に並ぶ公安の男たちも、悲しみの只中にあってなお、互いの距離を測りあっているように見えた。</p>

<p>その中にひとりだけ、異質な空気を纏う男がいた。まだ二十代とおぼしきその男は、蒼白な顔で唇を噛み締め、何かに縋るような目で壇上の小暮の遺影を見つめている。何度もネクタイを直し、眼鏡を直そうとしては、その動作自体が無意味であることに気づいたかのように立ち尽くしている。</p>

<p>男に寄り添うように、永島さん、と伊場は声をかけた。うなずいた男に、伊場ですと名乗った。永島は、伊場の顔をまじまじと見つめた。</p>

<p>「......現場にいらした？」</p>

<p>とだけ洩らした。</p>

<p>「いました」</p>

<p>永島は目をそらさず、食い入るように伊場を見つめるだけだった。</p>

<p>連絡先を教えてもらえないかと頼むと、永島は仲間に背を向け、手早く名刺に携帯の番号を書き込んで寄こした。永島俊哉とある。鋭い視線を感じて振り向くと、相良がさっと顔をそむけた。</p>

<p>伊場も相良から目を離した。案内があり、全員が席についた。しめやかに通夜が執り行われた。式次第が終わり、人々が外へ流れ始めたとき、伊場は出口近くにいた新井に近づいた。</p>

<p>「新井さん。少しいいですか」</p>

<p>新井は伊場を見て、一瞬だけ何かをためらった。それから、小さくうなずいた。</p>

<p>ふたりは出口の外に出た。夕暮れどきの空気が、線香の煙を薄めていく。</p>

<p>「司法解剖の結果は？」伊場は訊いた。</p>

<p>「銃撃で死亡だ」</p>

<p>「執刀医は？」</p>

<p>「大洲（おおす）先生」</p>

<p>よく知っている。</p>

<p>「困っています」伊場は、声を低くして言った。「昨日、屋上で感じた違和感が、消えなくて」</p>

<p>「どんな？」</p>

<p>「曽我副署長の発砲命令と、その前後のことが、どうしても腑に落ちません。現場指揮は課長が執っていたのに、なぜ副署長が直接命令を？」</p>

<p>新井は、黙っていた。</p>

<p>「事件の映像を見せてもらえませんか。通信ログも含めて」</p>

<p>新井がゆっくりと息を吐いた。</p>

<p>「......じつは、おれも、少し気になることがある」</p>

<p>「どういうことですか？」</p>

<p>「通信ログを調べたら、事件発生時に、曽我副署長から各班への直通指示が入っていた。現場の指揮官を飛び越えた命令だ。しかも、正式な現場指揮の承認ログに、空白がある」</p>

<p>伊場は、黙って聞いた。</p>

<p>「それだけじゃない。前の夜の保守点検で、取調室の通信回線がバイパス配線に切り替えられていた記録が見つかった。本線をバイパスさせて、別の内線に直結させた形跡がある。警報ボタンが鳴らなかったのも、それが原因かもしれない」</p>

<p>伊場は、拳を軽く握った。</p>

<p>前夜の段階で、取調室は警察の通信網から切り離されていた。小暮がいくら警報を押そうが、最初から誰も気づけない仕組みになっていたということか？</p>

<p>「復旧手順は？」</p>

<p>「残っていなかった」</p>

<p>「やっぱり、おかしいじゃないですか。課長、この事件は」</p>

<p>「......伊場」新井の声が、低くなった。「立場をわきまえろ。深入りするな」</p>

<p>新井は、伊場から視線を外した。遠くを見ている。</p>

<p>「映像については......検討してみる。明日の晩、まことに来い」</p>

<p>背後から声がかかった。</p>

<p>「新井」</p>

<p>曽我副署長の声だった。</p>

<p>新井は、伊場を見た。その目に何があったか、伊場には読み切れなかった。</p>

<p>新井は、副署長のほうへ歩いていった。</p>

<p align="right">〈つづく〉</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 07 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安東能明（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>口内炎を悪化させないために“ビタミンより先に摂りたい食材”とは  星穂奈美（管理栄養士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15046</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015046</guid>
			<description><![CDATA[疲れやストレスによって起こる口内炎を未然に防ぐための食習慣について、管理栄養士の星穂奈美さんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="口内炎" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_mirorlady.jpg" width="1200" /></p>

<p>疲れにくい体をつくるには、栄養バランスの取れた食生活はもちろん、今の自分にどのような栄養素が必要かを知っておくことが大切です。管理栄養士の星穂奈美さんは、著書『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』にて、疲れに負けないための食習慣を丁寧に解説しています。本稿では同書より、自分の体の状態を知り、食材から効率よく栄養を摂るためのコツをご紹介します。</p>

<p>※本稿は、星穂奈美著『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』(ダイヤモンド社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>野菜の栄養は丸ごと摂る。普段は捨てる皮はスープに</h2>

<p>【栄養をたっぷり煮出す】</p>

<p>野菜は捨ててしまいがちなところに栄養が詰まっています。例えば大根やニンジンの皮付近はそれぞれビタミンＣ、&beta;カロテンが豊富。ネギの青い部分には&beta;カロテン、ビタミンＫが含まれています。これらを無駄なく使って栄養を取り入れる習慣を身につけましょう。</p>

<p>べジブロスは野菜（vegetable）＋出汁（broth）を組み合わせた言葉で、野菜くずを水からじっくり煮出すことで旨みや栄養成分を抽出したスープ。煮込むことで水溶性のビタミンや食物繊維、カリウム、抗酸化成分などが溶け出します。これをそのままスープとして摂るだけでなく、煮物、カレーなど料理のベースとして使えば、塩分を控えても満足感のある味わいに仕上げることができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【捨ててしまいがちな野菜くずを使ったベジブロスの作り方】<br />
ベジブロスに決まったレシピはありませんが、私はいつも次のように作っています。作り慣れたら、是非いろんな野菜くずの組み合わせを試してみて下さい。</p>

<p>●材料</p>

<p>・野菜くず：300～400g（タマネギの皮やヘタ、ニンジンの皮、大根の皮、ネギの青い部分などを両手に軽く山盛りになるくらい）<br />
・水：1.5～2L<br />
・酒：小さじ1</p>

<p>●作り方</p>

<p>①鍋に水とよく洗った野菜くずを入れ、酒を加える。<br />
②弱火で20～30分、適宜アクを摂りながら煮込む<br />
③火を止めてザルで濾し、透明な出汁に仕上げる</p>

<p>※素早く粗熱をとって清潔な保存容器に入れ、冷蔵で3日を目安に使い切る。冷凍で1ヵ月ほど保存可能<br />
※濃いめにしたいときは野菜くずの量を増やし、煮込み時間を長めにとる<br />
※苦味やアクが強すぎる野菜はベジブロスにはあまり向かない（ゴーヤの皮やワタなど。また、ほうれん草の根本も栄養豊富だがえぐみがあるため、少量入れるのがおすすめ）。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>口内炎にはビタミンの前にまず、たんぱく質</h2>

<p>【疲れ、ストレス、感染、栄養不足等が原因】</p>

<p>口内炎は、口のなかの粘膜に起こる炎症の総称です。長引く場合は、悪化させないように口腔粘膜に刺激を与えない食材や調理法を選ぶことが大切です。</p>

<p>避けたいのは、せんべいやナッツ、ハード系パンなどのかたい食品。熱過ぎる料理、酸味や塩分が強いもの、香辛料やアルコールといった刺激の強いものも控え、なるべく口当たりの良いものを優先しましょう。</p>

<p>また卵、豆腐、白身魚、ひき肉などの柔らかいたんぱく質を積極的に取り入れることもポイントです。たんぱく質を構成するアミノ酸の一つであるグルタミンは、傷ついた口腔粘膜や細胞の主要なエネルギー源となり、その修復において非常に重要な役割を果たします。特に、ストレスや炎症時には体内でのグルタミン需要が高まり不足しやすくなるため、たんぱく質として積極的に補給することが大切です。</p>

<p>なお、粘膜や細胞の修復に関わり、口内炎の回復を助ける栄養素には次のようなものがあります。</p>

<p>①ビタミンB2（レバー、牛乳・乳製品など）<br />
②ビタミンB6（バナナ、カツオ、玄米など）<br />
③ビタミンＣ（イチゴ、ブロッコリー、ジャガイモなど）<br />
④亜鉛（牡蠣、アサリ、牛肉赤身など）<br />
⑤葉酸（ほうれん草、枝豆、ブロッコリーなど）</p>

<p>これらを意識して補給しつつ、もし長引く場合には、自己判断をせず必ず医療機関を受診するようにしましょう。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_mirorlady.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 07 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[星穂奈美（管理栄養士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「反対です」と言われてイラッとしたら？ 成果を出す人が考えること  河田真誠 （質問家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15128</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015128</guid>
			<description><![CDATA[成果を阻む感情的な反応や過去の成功体験による思考の固執を防ぐため、自問自答を通じて視点を変える｢質問術｣を解説。反対意見や絶好調の裏にある変化･課題の兆しを察知し、ビジネス成果へ繋げる方法を伝える。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ビジネス会議の風景" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting04G.jpg" width="1200" /></p>

<p>反対意見にイラッとしたり、｢自分のやり方が正しい｣と執着したりしていませんか？実はその思考の固定化こそが、失敗の始まりです。感情的にならず、絶好調の裏にある危機やヒントを察知する秘訣は｢ある質問｣にありました。成果を出す人の視点の変え方を明かします。</p>

<p>※本稿は、河田真誠著『質問の魔力「よい質問」がすべてを解決する』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢反対意見｣からヒットを生む視点の切り替え</h2>

<p>｢その意見はおかしい！｣｢私はその意見に反対です！｣<br />
打ち合わせをしていると、相手がこんな反応をすることがあります。</p>

<p>相手の意見に対して、こちらも感情的に反応してしまうと、そこから言い争いになったりして、打ち合わせが変な方向に向かっていってしまいます。反対意見に感情的に反応するのは避けたいところです。</p>

<p>もし、自分の意見に対して反対意見が出た場合、こちらはどう対応したらよいでしょうか。<br />
｢反対意見のここがおかしい｣という対応ではなく、視点を変えて一度自分の頭の中でこう考えてみてください。</p>

<p>反対意見のよいところはどこだろう？</p>

<p>議論の勝ち負けが大切であれば、この質問は不要かもしれません。でも、議論や打ち合わせをする目的は、たいていの場合は｢よい成果を出すこと、よい結果につなげること｣のはずです。<br />
であれば、反対意見への反応も変えたほうが賢明です。どちらが正しいかではなく、互いのよいところを認めて取り入れていくことが、よい結果につながります。</p>

<p>例えば、トヨタの有名な｢カイゼン｣。これは製造の現場で｢ここが不便｣｢この工程はムダ｣という反対意見や異論を積極的に集め生産性向上につなげる考え方です。<br />
小さな反対意見を丁寧に吸い上げて、それをシステム化したことが成功の要因だったわけです。</p>

<p>スターバックスの人気商品｢フラペチーノ｣は、開発･導入当時、CEOだったハワード･シュルツから反対･懸念の声があがりました。</p>

<p>理由は、｢スターバックスはコーヒーの会社であり、フラペチーノのような甘い飲み物はブランドの本質から外れるのではないか｣というものでした。<br />
でも、社員の提案・テストをきっかけに発売したところ、ご存じのようにブランドを代表する人気商品になりました。</p>

<p>また、ダイソンのサイクロン掃除機も、周囲からの反対意見が多い中、紙パックなし、中のゴミが見えるという画期的なアイデアを採用して大成功を収めました。</p>

<p>当初はサイクロンのように紙パックがない掃除機は売れない、吸い取ったゴミをわざわざ見たい人はいないなどと言われていました。</p>

<p>反対意見や非常識を排除するのではなく、受け止め、そこからヒットした商品はほかにもたくさんあります。</p>

<p>反対意見はいってみればそれまでの｢固定観念｣です。それを突き破ることが大きな成果につながる可能性があるのです。</p>

<p>そのきっかけが、反対意見の吸い上げです。</p>

<p>こうしたときに、｢視点を変える質問｣が使えます。<br />
もし反対意見に感情的になりそうになったら、一息ついて、自分の頭の中でこう自問します。</p>

<p>｢反対意見のよいところはどこだろう？｣｢嫌いの中に好きな部分はないだろうか？｣<br />
よい質問とは｢目的につながる質問｣です。<br />
反対意見の中にある｢よい部分｣を見逃さないためにも、ぜひ｢視点を変える質問｣を活用してください。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>｢俺の時代は...｣と言わないための老害化を防ぐ質問術</h2>

<p>｢成功は失敗の始まり｣という言葉があります。<br />
変化が激しい時代、成功が長く続かないことも多く、うまくいっていると思っていた仕事が、気が付いたら失敗に向かっているなんてこともよくあります。</p>

<p>なぜ「成功は失敗の始まり」なのか？　その理由は、視点の固定化にあります。<br />
人はうまくいっているときは、｢同じやり方を続ければいい｣と思いがちです。そしてうまくいっているので、何か違う新しいことをしようと考えてしまいがちです。<br />
もちろん新しいことに挑戦することが悪いわけではありません。ただ、往々にしてあるのは、新しいことに挑戦し始めると、これまでうまくいっていたことがうまくいかなくなり始めるということです。</p>

<p>原因は明確です。<br />
一見うまくいっているように見えても、実はいろいろなことが変化しています。同じやり方を続けるだけでは通用しなくなっていることが多々あるのです。<br />
成功しているとき、うまくいっているときは油断も生まれやすいタイミングです。<br />
スティーブ･ジョブズが毎日自分に向かって質問を続けたように、うまくいっているときこそ視点を変える質問です。改善のポイントや、ほころびのきっかけをこの質問で見つけていってください。<br />
｢成功しているけど、何か課題は発生していないか？｣</p>

<p>老害と呼ばれる人がいます。老害の人というのは、言いかえれば｢過去の成功体験に縛られている人｣です。<br />
｢俺の時代はこうやるのが常識だった｣｢こうやるべきだ｣<br />
｢べき｣という言葉が出てきたら、その人は｢視点が凝り固まっている｣と判断して間違いありません。僕はそういう人のことを｢べきスト｣と呼んでいます。<br />
もし｢べきスト｣になりたくなければ、視点を変えることです。｢視点を変える質問｣を使えば、硬くなった頭を柔らかくすることにも役立ちます。</p>

<p>うまくいっているときについつい見逃してしまう｢変化の兆し｣や｢課題の発生｣に視点を向けていく。そこで質問の力が大活躍してくれます。</p>

<p>｢目の前のことで何か課題は発生していないか？｣<br />
｢(見える変化、見えない変化ともに)何か変化はないか？｣<br />
｢よりよくするためにできることはないか？｣</p>

<p>例えば、自分の担当する商品の売れ行きがよいとき。<br />
｢売れている！｣と安心している裏で、ライバル社があなたの担当商品を超える販売促進を考えているでしょう。また、ユーザーは徐々にあなたの担当商品に飽き始めていて違う商品に鞍替えしようと思っているかもしれません。</p>

<p>そういった兆しをキャッチし、次の一手を早く打つために、質問を活用するのです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_meeting04LIG.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 06 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[河田真誠 （質問家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「まず痩せろ」に反発した私が、自分の意思で5kg落とした理由  曽和美佑（YouTuber）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15042</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015042</guid>
			<description><![CDATA[他人の評価や世間の目に縛られ、比較の中で自分を見失っていませんか？｢人がどう思うか｣を手放し、今の自分を肯定すること。周りに強制された変化ではなく、自分の意思で選ぶ｢自分軸｣の生き方を届ける。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="曽和美佑" height="740" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260917SowaMiyuu01.png" width="1200" /></p>

<p>｢世の中、結局顔なの？｣外見で勝手にレッテルを貼ってくる世間の目。けれど、誰かに言われたからではなく｢自分が変わりたいから変わる｣&mdash;。ルッキズムのモヤモヤを吹き飛ばす、自分軸を取り戻すためのエッセイです。</p>

<p>※本稿は、曽和美佑著『世の中、顔か？』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>無意識のうちに、他者の声が自分の声に</h2>

<p>｢他人の目｣で作られたアイデンティティ</p>

<p>私たち人間は、｢自分｣という存在を他者との関わりの中で初めて認識し、自分を形成していく。周りを見て自分を知ることは、ある意味では、ごく自然なことだ。<br />
しかし、いつの間か私たちはそれを超えて、他者の評価や意見によって自分の存在価値を確認し、証明しようとしている。</p>

<p>｢細いこと｣｢可愛いこと｣｢誰かに選ばれること｣</p>

<p>自分自身の内側から溢れ出るものではなく、他人の視線や評価によって今の自分を作り変える。<br />
それによって、自分のアイデンティティが成り立ってしまっている。</p>

<p>私たちは常に人と比べ、その違いを個性だと思い込む。「自分らしさ」だと認識する。<br />
ついには｢幸せかどうか｣さえも、他人と比較して認識しようとしてしまっている。</p>

<p>あの子はこれを持っている、私は持っていない。<br />
あの子は結婚している、私はしていない。<br />
あの子は旅行に行っている、私は行けていない。<br />
あの子は誰かに愛されている、私は愛されていない。<br />
あの子よりは幸せ、あの子よりは不幸。</p>

<p>誰かと比較しなければ、自分の幸せが何なのかがわからなくなってしまっている。<br />
目に見えてわかる幸せは安心で、見えない幸せは不安。<br />
そういう価値観で生きることで、失われるものがある。<br />
比較することで失われていった、本来感じるはずの幸せや嬉しさは、一体どこにいったのだろう。そんなことには興味も示さない。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>自分の軸を持とう</p>

<p>私たちは、もっと｢自分の本質｣を知るべきだと思う。</p>

<p>他人の声で自分を満たそうとすればするほど、本来自分は何が好きで、何が嫌いで、何に傷つき、何が心地いいのかを忘れてしまうから。</p>

<p>他者からの承認を軸に生き、他人と比較して｢私は幸せなんだ｣と錯覚し、誰かに承認されたい、愛されたいと、嘆き続ける。</p>

<p>しかし、断言する。誰かに何かをしてもらうことでしか自分を承認できないのなら、いつまで経っても心が満たされることはないだろう。</p>

<p>自分の軸を持たないと、いつの間にか他者の人生を生きることになる。<br />
自分の軸を持つとは、自分にとって何が幸せで、何が嬉しいのかという基準を、自分自身でしっかり理解することだ。</p>

<p>私たちは、私たち自身の手で自分を満たしていける。<br />
何が好きで、悲しいときはどうすれば回復できるのか。<br />
自分のことをちゃんと知っていたら、誰かからの声や承認など、本当は必要ないのだ。</p>

<p>もし、｢自分は何が好きか｣｢何が楽しいか｣がわからないのであれば、まずは｢心地よくいられる自分｣はどんな自分なのかを探ってみてほしい。</p>

<p>誰かがあなたに｢努力すること｣を求め、それを強要してはいないだろうか。<br />
私は私として、あなたはあなたとして、他者やネットのノイズを介入させず、存在できているだろうか。<br />
一度、携帯の電源を切り、空白の中で考え、自分に改めて問いかけてみてほしい。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「他人の視点」か「自分の視点」か</h2>

<p>｢人がどう思うか｣は自分の問題ではない</p>

<p>昔、とあるアーティストさんの音楽収録に参加したことがある。<br />
ファンなら誰でも応募できるもので、運よく抽選に当たった私は、いつも通りの大好きな格好をして、ドキドキしながら向かった。</p>

<p>けれどその時、そのアーティストさんから、大勢の人の前でこう声をかけられた。<br />
｢目立ちたいからその格好で着たの？｣心底悲しかった。<br />
私はただ、自分が好きな服を着ているだけだったのに。</p>

<p>少し服装が派手なだけで｢目立ちたがり｣に思われるということを、その方は私に教えてくれた。</p>

<p>発信活動を始めてから、私は他にも多くのことを知った。<br />
歯並びが悪いと｢家庭環境が悪い｣と言われること。<br />
太っていると｢自己管理ができていない｣と言われること。<br />
目が一重だと｢可哀想｣と言われ、派手な髪色でミニスカートを履いていると｢自分を持っているね｣と言われること。</p>

<p>なぜ、見た目という断片的な情報が、その人の背景や人格にまで結びついてしまうのか。<br />
全てが疑問だらけだった。</p>

<p>見た目だけでその人を｢こうだ｣と決めつけるその浅はかさを、疑うことはないのだろうか。<br />
けれど、それらはあくまで｢その人の意見｣でしかない。<br />
人がどう思うかなんて、私には変えられないし、そもそも私の問題ではない。<br />
私はいい意味でも悪い意味でも、人の話を聞いていない。もはや、人がどう思うかなんて、どうでもいいのだ。</p>

<p>知らない誰かに何も言われないための努力など、私にはめんどくさい。<br />
私がそのままの姿で生きることは、許されないのか。<br />
私たちは、世間の言う｢可愛い｣にならなくたっていいし、誰かに認められる｢すごい人｣にならなくたっていいのに。<br />
｢私を私として生きさせて｣と願うことは、そんなにわがままなことなのだろうか。</p>

<p>もちろん、痩せたら「可愛い」と言われる機会が増えるのは事実だ。<br />
誰だって、｢綺麗な私を見てみたい｣｢知りたい｣と思うのは自然な欲求だ。<br />
私は、ルッキズム社会に対して問題提起をしながらも、美容文化に積極的に参加している。</p>

<p>容姿を変えるための努力は、決して悪いことなんかじゃない。<br />
私も結婚式前なら、ダイエットだってすると思う。<br />
一昨年、ウェディング雑誌『ゼクシィ』のモデルをした。<br />
撮影前には、体重を５㎏落とした。高校生の頃から70㎏あった体重は、何を言われてもずっと変わらなかったのに。</p>

<p>その仕事が決まってから、毎日1万歩以上歩き、運動した。<br />
周りからどれだけ｢まず痩せろ｣と言われても痩せなかった私は、ウェディングの撮影で新しい自分を見たくなり、体重を減らす努力をした。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>肯定から始まる変化</p>

<p>｢そのままでいい｣と言い続けている人間がダイエットをするなんて、｢矛盾している｣と感じる人もいるかもしれない。</p>

<p>けれど私は、誰かに｢痩せて｣と求められたわけでも、｢結婚式のモデルだから痩せなければならない｣と強要されたわけでもない。<br />
自分の意思で、自分が｢痩せよう｣と思ったから、容姿を変える努力をした。<br />
もちろん、太っている自分だって、十分にいいと思っている。</p>

<p>私にとって、｢そのままでいい｣とは、｢今の自分を変えてはいけない｣という意味ではない。<br />
｢現在の自分の姿を否定したり、自分自身を悪く言ったりしない｣という意味だ。</p>

<p>自分を肯定できるようになると、不思議と物事の見え方がガラリと変わる。<br />
｢否定から始まる変化｣は苦しいが、｢肯定から始まる変化｣はちっとも苦しくない。</p>

<p>体型や顔が変わっても変わらなくても、私自身はそのままである。<br />
大切なのは、｢どちらを選ぶか｣ではなく、｢自分の意思で選べているか｣なのだ。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 06 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[曽和美佑（YouTuber）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>クマの人里出没は「山に餌がないから」だけではない？専門家が語る本当の理由  山﨑晃司（茨城県自然博物館館長　東京農業大学名誉教授）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15017</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015017</guid>
			<description><![CDATA[東京農業大学名誉教授の山﨑晃司氏が、クマが人里へ進出するようになった背景をひもとき、人口減少時代に求められる対策を考えます]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="クマの分布域はなぜ人の生活圏へ広がったのか" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bear01.jpg" width="1200" /></p>

<p>なぜクマは山から人の生活圏へと活動範囲を広げ、人身事故が増えるようになったのでしょうか。<br />
その背景には、個体数や分布域の拡大、山の食物不足だけでなく、過疎・高齢化による里山の衰退、放棄農地の増加、狩猟者の減少など、日本社会の大きな変化が複雑に絡み合っています。さらに、人に追われる経験を持たないクマが増えたことも、人とクマの距離を縮めている可能性があります。</p>

<p>東京農業大学名誉教授の山﨑晃司氏が、クマが人里へ進出するようになった背景をひもとき、人口減少時代に求められる対策を考えます。</p>

<p>※本稿は、山﨑晃司・編著『クマに出遭ってしまったら？&nbsp;』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p><img alt="ツキノワグマの捕獲数" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji6.jpg" width="1200" /></p>

<p><img alt="ヒグマの捕獲数" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji7.jpg" width="1200" /></p>

<p>クマによる事故の増加の理由には、クマの分布域が人の生活圏の方向に大きく広がったことがまず挙げられます。さらに、分布域の拡大にともなって個体数も増えている地域が多いものと想像されます。ただし、広大なクマの生息環境の中で、それぞれの個体が利用する場所は、季節や年によって変動していると考えられるため、そうした場所ごとの個体数の変動も見ていく必要があるでしょう。</p>

<p>たとえば東北地方では、特に農作物の収穫期に、農地など人の生活圏に出没するクマが増えているようです。秋の飽食期に、どんぐりなどの堅果類が凶作で、クマの食物が不足することも人の生活圏への出没と人身事故の増加に関係しています。また、農作物などの高栄養で効率よく摂取できる食物の存在を学習したクマが増えてきている可能性も否定できません。</p>

<p>1950年代頃までの日本の森林は、薪炭林としての利用、焼き畑、採草地、精錬などの工業活動の燃料にするといった生活のための強度の利用が行なわれ、禿山や荒れ地の状態でした。その後、国の拡大造林政策などにより、多くがスギやヒノキなど果実を実らせない単純な樹種の森に置き換えられていきました。クマなどの森林性の野生動物にとって、生活の場所としては質の低い環境です。ただし、この状態が1970年代から大きくは変わっていないこと、クマの出没が2000年代から始まったことを考えると、クマにとってくらしにくい環境でも、数十年の時間をかけて分布域を広げ、個体数を増やしてきたと考えたほうが辻褄が合いそうです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>里山の衰退が人とクマの距離を縮めている</h2>

<p><img alt="狩猟免許保持者数（年代別と種別の推移）" height="1729" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260914Kumagraph02.jpg" width="1200" /></p>

<p>また近年は、人が住まなくなった消滅集落や、高齢者が半数以上を占め農作業や冠婚葬祭などの社会的な共同生活が難しくなった限界集落が増加しています。ほったらかしになっている放棄農地も増加し、かつて人の生活空間だったところが広葉樹二次林といわれるような森林に戻っていっていることも、クマの分布域の拡大や数の増加に有利に働いているでしょう。</p>

<p>里山から人々が撤退したり、あるいは高齢者しかいなくなった結果、クマを獲ったり追いかけ回したりして人の怖さをクマに学習させてくれていた人たちは、ほとんどいなくなりました。狩猟免許所持者数は1970年代と比べて大きく減少しており、この状況は数値で明確に示されています（上グラフ）。また、公安委員会による銃器所持への規制が年々厳しくなっていることもあり、銃猟の登録者はわな猟の登録者と比べると割合を減らしてきています。</p>

<p>また、比較的簡単に設置できる箱わなでのクマの許可捕獲数が増え、一方で狩猟による捕獲数は大きく減少しました。わなで捕まったクマはその場で捕殺されるため、人への恐れを学習せずに生涯を終えることになります。人に追われた経験のないクマが増え、人は避けるべき存在だ、あるいは集落は近づいてはいけない場所だと認識しているクマも減ってきていると考えられます。</p>

<p>さらには、人の生活圏周辺のクマを減らすために、その地域にかけられる箱わなの内側や外側にたっぷり撒かれた誘引エサが逆に集落や市街地へクマを引き寄せている可能性すらあるといえるでしょう。</p>

<p>こうした背景があって、クマによる人身事故数が増えてきていると考えられます。ただし、原因がわかったとしても解決は容易ではありません。日本全体で続いている人口減少、過疎と高齢化の傾向は人とクマの問題が激甚化している里山部ほど深刻です。もはや、クマの生態学や生理学からのアプローチだけで、人とクマのすみ分けの答えを見つけることは難しく、地域社会をどう再生するのかという大きな視点での取り組みが必要になってきています。</p>

<p>この先、数千万人に減少するかもしれない日本の総人口を前提としたうえでの、困難なかじ取りが求められる現実から目をそらすことはできません。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_bear01.jpg" />
						
						<pubDate>Tue, 06 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山﨑晃司（茨城県自然博物館館長　東京農業大学名誉教授）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>緑茶と紅茶、体を冷やすのはどっち？　体調に合った「薬膳茶」の作り方  植木もも子（国際中医師、管理栄養士、国際中医薬膳管理師）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12795</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012795</guid>
			<description><![CDATA[植木もも子さんが、薬膳茶のおすすめのレシピを教えてくれた。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="薬膳茶" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_tea.jpg" width="1200" /></p>

<p>夏の不調には体のバランスを整える「薬膳茶」で効果的な水分補給がおすすめです。管理栄養士の植木もも子さんが、種類によって様々なお茶の性質とアレンジ方法を教えてくれました。</p>

<p>※本稿は、『PHPくらしラク～る♪』2024年9月号より内容を抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ひと工夫でできる健康維持に最適なお茶</h2>

<p>人間の体は、陰と陽という相反する2つの概念で成り立っており、バランスがどちらかに傾くと体に異変が生じます。たとえば暑がりの人は陽に、冷え性の人は陰に傾いている状態です。「薬膳茶」はこうした偏りを整える働きを担っています。</p>

<p>ご紹介する薬膳茶は、並段飲んでいる緑茶や麦茶などに食材をひとつ加えるだけでできます。陰と陽のバランスを整えるだけでなく、食欲減退や不眠、便秘などの不調改善にも効果が期待できます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>バランスの偏りがわかるセルフチェック</h2>

<p><img alt="バランスの偏りがわかるセルフチェック" height="380" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2025/2025A/250818uekimomoko.jpg" width="1200" /></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>体調や季節に合わせた食材選びのコツ</h2>

<p>●陰陽のバランスは五性で整える</p>

<p>「五性」とは食物がもつ、体を温めたり冷やしたりする性質です。</p>

<p>体質的に陰（冷ます力）が足りない場合は寒性の食材を食べて熱を逃がす、陽（温める力）が足りない場合は熱性の食材を食べて温めます。</p>

<p>【陽が足りない人がとるとよい性質】<br />
熱性&hellip;温める力が強く、冷えを取り除く作用がある。<br />
温性&hellip;穏やかに体を温め、冷えを改善する効果がある。</p>

<p>平性&hellip;冷やすことも温めることもない。</p>

<p>【陰が足りない人がとるとよい性質】<br />
涼性&hellip;穏やかに体を冷やす。熱中症予防にも効果がある。<br />
寒性&hellip;冷やす力が強く、体にこもった熱をとる作用がある。</p>

<p>●症状の改善には五味の作用を意識する</p>

<p>「五味」とは食物の味を5つに分類したものです。便秘気味の場合は排出作用のある苦味のある食材、疲れやすい場合は気・血を補う作用のある甘味のある食材を食べて、症状の改善を促します。</p>

<p>酸味&hellip;汗や咳を止め、下痢を改善。唾液の分泌を促し、食欲を促進する。<br />
苦味&hellip;排出作用を促進し、熱をとる作用がある。<br />
甘味&hellip;気・血を補い、疲労回復効果がある。緊張をほぐし、痛みを和らげる作用がある。<br />
辛味&hellip;発散・発汗作用があり、熱を下げる。血流や水分代謝を促す。<br />
鹹味&hellip;塩味。硬いものを柔らかくする作用や、詰まりを改善して流れをよくする作用がある。</p>

<p>&rarr;便秘気味なときは、苦味のあるコーヒーがおすすめ。疲れやすいときはオレンジなどの甘味があって香りがよいものを</p>

<p>＼旬の食材を積極的に／</p>

<p>旬の食材は、その時期に体が必要とする性質、作用をもっています。たとえば、夏野菜のトマトは体の熱を冷まし、食欲増進作用があり、食欲不振を改善します。旬の食材はおいしいだけでなく、季節由来の不調を改善してくれるスーパーフードなのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>いつものお茶にプラスワン 夏の不調を改善</h2>

<p>毎日飲むお茶に1食材お好みの量を加えるだけの薬膳茶で暑い夏もより快適に過ごせます。</p>

<p>【緑茶】<br />
性質：寒性<br />
五味：甘・苦<br />
緑茶には、気分の高まりや苛立ちをリセットしてくれる効果や、体を冷やす作用があります。温かい緑茶は胃腸の負担にならず後味もスッキリ。水出ししてから温めるとカフェインを軽減できます。</p>

<p>＋レモン<br />
性質：涼性<br />
五味：酸・甘<br />
暑い日が続くと、イライラしてしまいがち。体を冷やす作用がある緑茶に疲労回復やストレス解消効果のあるレモンをプラスすれば、一気にリフレッシュタイムにぴったりのさわやかな1杯に。</p>

<p>＋菊花<br />
性質：微寒性<br />
五味：甘・苦<br />
食用の菊の花は、体内の余分な熱を外に出し、頭痛やめまい、目の充血など体の上部に現れるトラブル防止に最適な食材です。おすすめは温かい緑茶に菊花を加える飲み方。胃腸を冷やさずに、さっぱり感を得られます。</p>

<p>＋はちみつ<br />
性質：平性<br />
五味：甘<br />
はちみつは平性でバランスを崩さず、陰（冷ます力）を補う作用があります。また、甘味の作用で気（生命力・元気）を補い疲労感を緩和するので、夏におすすめです。<br />
※ボツリヌス菌による中毒を起こす可能性があるので、1歳未満の子どもには与えてはいけません。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【麦茶】<br />
性質：涼性<br />
五味：甘<br />
麦茶は、体にこもった熱を取る働きがあるので、暑気払いにぴったり。カフェインレスで、妊娠中・授乳中の人や乳幼児でも安心して飲めます。ミネラルも豊富に含まれており、汗で失ったミネラル補給にも役立ちます。</p>

<p>＋オレンジ<br />
性質：涼性<br />
五味：甘・酸<br />
オレンジは香りで食欲を促し、胃の消化機能を整える作用があります。また、喉の渇きをうるおす効果も。涼性の麦茶に合わせることで夏バテによる疲労の回復効果が見込まれ、甘酸っぱい味が麦茶と相性抜群です。</p>

<p>＋おろししょうが<br />
性質：温性<br />
五味：辛<br />
発散力のあるしょうがを加えることで、体の熱が外に発散されて、暑気払いに。汗で失われるミネラルは、麦茶で補えるので、一石二鳥です。しょうがの温性は冷房による冷えの解消にも有効的です。</p>

<p>＋ミント<br />
性質：涼性<br />
五味：辛<br />
気の巡りをよくしてくれるのが、さわやかなミント。イライラの鎮静化や顔のほてりに有効で、体を冷やす効果もあるので夏にぴったりです。あえて温かい麦茶に加えてりフレッシュするのも◎。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【紅茶】<br />
性質：温性<br />
五味：苦・甘<br />
紅茶は緑茶を発酵させたもので、発酵することで寒性から温性に変わり、冷え性改善に効果があります。また、殺菌力が高く、利尿作用でむくみを改善したり、精神を安定させたりしてくれる万能茶です。</p>

<p>＋プルーン<br />
性質：平性<br />
五味：甘・酸<br />
紅茶はドライフルーツと相性抜群ですが、そのなかでもプルーンは血を補い、便秘解消にも働きます。ビタミンもたくさん含んでいるので、紅茶に入れて飲むだけで美肌効果も期待大。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【コーヒー】<br />
性質：温性<br />
五味：苦・甘<br />
浅煎りのものは平性〜温性で、酸味が強く苦味はほとんどありません。深煎りにすると温性へと変わり、苦味が加わります。便秘や二日酔いによく効き、気・血の巡りをよくする効果もあるので倦怠感を改善してくれます。</p>

<p>＋ココア<br />
性質：平性<br />
五味：苦・甘<br />
疲れがひどいときの最強コンビが、コーヒーとココア。ともに覚醒作用があり、ココアは気を補い、動悸や疲労、眠気解消の働きがあります。夏の疲れを一気に吹き飛ばしてくれる飲み物です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>ちょっと変わり種のお茶もプラスワンで簡単薬膳茶に！</h2>

<p>【カモミールティー】<br />
性質：涼性、五味：甘・苦<br />
<br />
＋レーズン<br />
性質：平性、五味：甘・酸<br />
夏は寝苦しく慢性的な睡眠不足に陥りがち。そんなときには、鎮静効果のあるカルシウムたっぷりのレーズンをプラスして。カモミールは不眠に効果のあるハーブなので、相乗効果で安眠間違いなし。</p>

<p>【ミントティー】<br />
性質：涼性、五味：辛<br />
<br />
＋スイカ<br />
性質：寒性、五味：甘<br />
スイカは、9割が水分です。体内の熱を冷まし、喉の渇きを解消します。ミントとの味のバランスもGOOD。熱中症の予防や運動後の水分補給にもおすすめしたい薬膳茶です。</p>

<p>【ローズティー】<br />
性質：温性、五味：甘・微苦<br />
<br />
＋ナツメ<br />
性質：微温性、五味：甘<br />
ナツメは気と血を補う効果があるので、婦人科系の悩みに効くローズティーとの掛け合わせは最適解。貧血の軽減や月経痛を和らげてくれる効果があります。</p>

<p>【ジャスミン茶】<br />
性質：涼性・平性、五味：甘・辛<br />
<br />
＋牛乳<br />
性質：平性、五味：甘<br />
ジャスミンの香りをアロマとして楽しみ、消化吸収がよく胃の粘膜を守ってくれる牛乳をプラスして飲むと、癒やし効果が期待できます。胃の機能が復活することで、気・血が充実し、美肌効果も。</p>

<p>※注意事項<br />
・夏場はお茶や茶葉が腐りやすいので、作り置きはおすすめしません。保存する場合は、直射日光を避けた涼しい場所に置いたり冷蔵庫に入れるなどし、早めに飲みきるようにしましょう。<br />
・冷たいお茶やカフェインの取りすぎはNGです！胃腸に負担がかかります。</p>

<p>【植木もも子（うえき・ももこ）】<br />
国際中医師、管理栄養士、国際中医薬膳管理師。「おいしく、賢く、楽しく、健康に」をモットーに、体と心を癒やす日々のレシピを雑誌や書籍、テレビなどに提供している。昔からお茶が大好きで、とくに中国茶への詣が深い。著書に「お茶でかんたん飲む薬膳」（家の光協会）などがある。</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Tue, 06 Oct 2026 08:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[植木もも子（国際中医師、管理栄養士、国際中医薬膳管理師）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>暑い日の料理に「魚焼きグリル」がうってつけな理由　簡単レシピ6選  武蔵裕子（料理研究家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/12733</link>
						<guid isPermaLink="false">0000012733</guid>
			<description><![CDATA[暑い日は、キッチンにいる時間を少しでも減らすために時短料理がおすすめ。料理研究家の武蔵裕子さんが魚焼きグリルを使ったレシピを紹介]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ハンバーグ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_steak.jpg" width="1200" /></p>

<p>鍋やフライパンからの蒸気や、熱気がこもったキッチンで調理するのはつらいですよね。そんなときは、コンロについている魚焼きグリルにお任せ！</p>

<p>魚焼きグリルは点火から20秒ほどで300℃以上にも達する高温調理器具。焼き上がりまでも速く、時短に。長時間加熱すると素材の水分が抜けて硬くなりがちな肉も、魚焼きグリルなら、表面はカリッと、中はふっくら焼き上がります。魚だけじゃもったいない、肉も野菜もおいしくなる魚焼きグリルを活用しましょう！</p>

<p>※本稿は、『PHPくらしラク～る♪』2024年8月号より内容を抜粋・編集したものです</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>＜はじめに、チェック＞あなたの家の魚焼きグリルは両面焼き？水は必要？</h2>

<p>魚焼きグリルはバーナーが上下にある両面焼きと、上のみにある片面焼きの2種類に分けられます。両面焼きは一気に高温になるので、予熱不要。片面焼きは強火で約2分予熱しておきます。受け皿に水が必要かどうかもチェック。水が必要な場合は必ず水を入れてから使用しましょう。</p>

<p>※コンロに付属している魚焼きグリルで、焼き網を使用したレシピを紹介しています。コンロの取扱説明書などを読み、正しく使いましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>魚焼きグリルってこんなに優秀！</h2>

<p>●高温調理<br />
魚焼きグリルの最高温度は、片面焼きで300～350&deg;C、両面焼きなら400&deg;C。点火後すぐに高温に達します。</p>

<p>●時短<br />
予熱も調理も、他の調理器具に比べて短時間。骨付き肉や鶏もも肉の塊も15分あれば焼き上がります。両面焼きなら10分ほどで完成。</p>

<p>●ほったらかし<br />
素材を並べて焼くだけ。両面焼きなら焼き上がりまでほったらかしでOK。火加減の調整もほとんど必要ありません。ただし、加熱中はコンロから離れないようにしましょう。焼きすぎ防止にタイマーをセットしておけば安心です。</p>

<p>●おいしい<br />
高温調理だから、短時間で調理でき、素材のうまみが凝縮。野菜なら程よく水分が抜け、自然な甘さが際立ちます。肉や魚は表面こんがり、中はふっくらジューシーに。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>魚焼きグリルでおいしさアップ！</h2>

<p>フライパンやトースターなどで作るより、断然おいしい！高温調理だから、ふっくらジューシーに仕上がります。</p>

<p>●皮はパリッと身はジューシー鶏もも肉の塩焼き</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>鶏もも肉...1枚（250～300g）<br />
塩...小さじ1/2<br />
粗びき黒こしょう...適量<br />
レモン...適量</p>

<p>作り方</p>

<p>①鶏肉はところどころフォークで刺し、塩をよくすり込み、粗びき黒こしょうを多めにふる。<br />
②皮を下にして置き、片面グリルの場合は強火で7〜8分、返して4〜5分（両面グリルなら強火で10～12分）焼く。<br />
③食べやすい大きさに切って皿に盛り、お好みでレモンを搾っていただく。</p>

<p>＜やってみて！＞味付けいらず。うまみ凝縮！グリル野菜</p>

<p>メイン食材を並べた隙間に、玉ねぎやれんこん、長いもやグリーンアスパラガス、エリンギなどの野菜やきのこも並べてください。魚焼きグリルで作るグリル野菜は、高温で焼き上げるのでうまみや甘みがギュッと凝縮され、絶品です。鶏もも肉の塩焼きやハンバーグの付け合わせにも。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●ふっくら肉汁あふれるハンバーグ</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>合いびき肉...200g<br />
塩...小さじ1<br />
こしょう...少々<br />
玉ねぎ...1/4個<br />
溶き卵...1/2個分<br />
パン粉...1/2カップ弱<br />
牛乳...大さじ2<br />
A<br />
トマトケチャップ...大さじ2<br />
中濃ソース...大さじ2</p>

<p>作り方</p>

<p>①玉ねぎはみじん切りにする。パン粉は牛乳で湿らせておく。<br />
②合いびき肉に塩、こしょうを入れ、粘りが出るまでよく混ぜる。溶き卵を加え、①の玉ねぎとパン粉も一緒に加え、よく混ぜ合わせる。2等分にして1.5～2cm厚さの円形にする。<br />
③片面グリルの場合は、強火で1分30秒予熱して、グリルにアルミホイルを敷いて②をのせ、強火で片面5分、返して5分焼く（両面グリルなら予熱なし、強火で8分）。混ぜ合わせたAをかけていただく。<br />
※アルミホイルにたまった脂は発火の恐れがあるため、ペーパータオルでときどき取り除きながら焼きましょう。</p>

<p>＜上手に使いこなすためのルール①＞アルミホイルはバーナーに接触させない</p>

<p>アルミホイルは焦げすぎを防いだり、網から落ちそうな小さな食材を焼くときのお皿にしたり、包み焼きにしたり、魚焼きグリル調理には欠かせません。ただ、バーナーに触れると引火する恐れがあるので、食材にかぶせるときや、包むときにはバーナーに触れないよう十分に注意しましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>骨付き肉は魚焼きグリルにおまかせ</h2>

<p>火の通りが気になる骨付き肉も、まんべんなく焼き上がる。漬け込む食材をかえれば、メニューの幅が広がります。</p>

<p>●甘辛+ほろ苦さがクセになるマーマレードスペアリブ</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>スペアリブ...6本<br />
<br />
A<br />
マーマレード...大さじ3<br />
酒...1/4カップ<br />
しょうゆ...1/4カップ<br />
（手羽先や手羽元、鶏もも肉、を漬け込んで焼いてもおいしい）</p>

<p>作り方</p>

<p>①Aをポリ袋に入れて混ぜ合わせ、スペアリブを加えて30分ほど清け込む。<br />
②片面焼きの場合は強火で1分30秒予熱する。グリルの奥の方から大きなスペアリブを並べ、手前には小さなスペアリブを並べて、強火で5～6分焼き、返して5～6分焼く（両面グリルなら予熱なし、強火で8～9分）。途中、表面に焦げめがついたら、アルミホイルを平らにかぶせる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●香ばしくてスパイシー手羽先名古屋風</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>鶏手羽先...6本<br />
<br />
A<br />
しょうゆ...大さじ1/2<br />
酒...大さじ1/2<br />
しょうが汁...小さじ1<br />
ごま油...大さじ1<br />
<br />
小麦粉...大さじ1<br />
粗びき黒こしょう...適量<br />
ガーリックパウダー...適量<br />
白いりごま...適量<br />
<br />
B<br />
しょうゆ...大さじ2と1/2<br />
はちみつ...大さじ1</p>

<p>作り方</p>

<p>①鶏手羽先は両面に切り込みを入れる。ポリ袋にAと鶏手羽先を入れ、手でもみ込みながら混ぜて、約10分おく。Bはボウルなどに入れて混ぜておく。<br />
②鶏手羽先に小麦粉をまぶしつける。<br />
③片面焼きの場合は強火で1分30秒予熱する。グリルに鶏手羽先を並べて強火で5分焼き、返して3分焼く（両面焼きの場合は予熱なし、強火で7〜8分）。<br />
④焼き上がったら①のBを絡め、粗びき黒こしょう、ガーリックパウダー、白いりごまをたっぷりまぶす。</p>

<p>＜上手に使いこなすためのルール②＞火の通りにくいものは奥、長細い食材は両サイド</p>

<p>骨付き肉など、火の通りにくいものは高温になる奥の方に並べます。また、サンマなどの長細いものは両サイドに。バーナーの下に食材を並べると効率よく調理ができます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>簡単！ヘルシー！グリルフライ</h2>

<p>揚げ油の準備や片づけが不要。揚げないのにサクサク食感。ラクしておいしいグリルフライに挑戦！</p>

<p>●サクッとプリッとうまみが広がるえびのフライもどき</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>えび（中～大）...6尾<br />
小麦粉...1/2カップ<br />
溶き卵...1個分<br />
パン粉...2/3カップ<br />
サラダ油...大さじ2<br />
塩、こしょう...少々</p>

<p>作り方</p>

<p>①えびは尾の1節を残して殻をむき、背わたを取る。塩、こしょうを軽くふる。パン粉にサラダ油を加え、よく混ぜ合わせておく。<br />
②えびに小麦粉、溶き卵、①のパン粉を順につけて、グリルにアルミホイルを敷いて並べる。<br />
③片面グリルの場合は強火で2分30秒、返して2分焼く（両面グリルなら強火で3分30秒～4分）。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>●薄くても食べごたえあり薄切りカツサンド</p>

<p>材料（2人分）</p>

<p>豚肉（しょうが焼き用）...4枚<br />
パン粉...2/3カップ<br />
サラダ油...大さじ2<br />
塩、こしょう...少々<br />
食パン（8枚切り）...4枚<br />
バター...適量<br />
キャベツのせん切り...適量<br />
ソース（お好みのもの）...適量<br />
<br />
＜MEMO＞食パンを両面グリルで焼くとき、グリル専用トレーに並べて焼くときれいな焼き色になります。グリル専用トレーがない場合はアルミホイルでもOK。</p>

<p>作り方</p>

<p>①パン粉はサラダ油をふりかけて、よく混ぜ合わせておく。豚肉の両面に塩、こしょうを軽くふり、パン粉をまぶしつける。グリルに並べて片面グリルの場合は強火で2分、返して2分焼く（両面グリルなら強火で3分）。<br />
②食パンもグリルに並べ片面グリルの場合は強火で1分～1分20秒、返して40～50秒焼く（両面グリルなら強火で1分～1分30秒）。パンにバターを塗り、①とせん切りキャベツをのせ、ソースをかけてもう1枚でサンドし、ラップでしっかり包んで少しおいてなじませてから切り分ける。</p>

<p>＜上手に使いこなすためのルール③＞耐熱容器ではなく、必ず直火用容器を使う</p>

<p>最近はグリル専用トレーなどが豊富に販売されています。庫内を汚さず、おいしく仕上がることから、使っている人も多いかもしれません。皆災用スキレット、直火用容器であれば魚焼きグリルで使うことができます。ふた付きであれば、蒸し料理も作れます。耐熱容器は使用できないので要注意です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【武蔵裕子（むさし・ゆうこ）】<br />
双子の男の子と両親の3世代の食事を切り盛りするなかで生まれた家庭料理が大人気。雑誌や書籍、企業のメニュー開発など多方面で活躍中。「超定番12食材でおいしさ無限 250レシピ」（新星出版社）など著書多数。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_steak.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 05 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[武蔵裕子（料理研究家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>本音を言えない人ほど、幼少期にしていた「家族への気遣い」  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15141</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015141</guid>
			<description><![CDATA[本音が言えず周りに気を使ってしまう原因は、無意識の思考ブレーキ「メンタルノイズ」かも。書籍『ありのままでラクに生きる練習』から、言いたいことが言えない心の仕組みと自分らしく生きる解決策を解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="言いたいことが言えない人" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" width="1200" /></p>

<p>「自分の意見を伝えると嫌われるかもしれない」「本当の気持ちを言葉にできない」。</p>

<p>そうした生きづらさを引き起こす根本には、知らず知らずのうちに定着した「メンタルノイズ（考え方や解釈のクセ）」が関係しています。</p>

<p>自分の本音を押し殺してしまうのは、この思考のクセがブレーキをかけているサインです。</p>

<p>本稿では、書籍『ありのままでラクに生きる練習』の解説をもとに、思いを口にできない人が抱えているメンタルノイズについて解説します。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『ありのままでラクに生きる練習』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>言いたいことが言えない</h2>

<p>【ノイズの症状あるある】<br />
・今日は肉が食べたかったのに、反対されるのが怖くて言い出せない<br />
・自分の欲求を出して自由に生きている人を見ると、イライラ、もやもやする<br />
・手伝ってほしかったけど、結局遅くまでひとりで残業する<br />
・「やりたい人は挙手して」と言われても、手を挙げられない<br />
・自分がなにをやりたいのかわからなくなっている</p>

<p>言いたいことが言えなかったり、すぐに遠慮してしまう人っていますよね。それで本人が納得していればいいけれど、あとから「言っとけばよかった」とか、「断らなきゃよかった」と後悔するようだと、悩みのタネになります。</p>

<p>自分の主張ができなくなると、なにを望んでいるのか自分でもわからなくなることがあります。それが行き過ぎると、やりたいことが見つからない、やりたいことがわからないという悩みにまで発展してしまいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「他人ファーストノイズ」</h2>

<p>言いたいことが言えない人にあるのは、「他人ファーストノイズ」です。</p>

<p>自分を後回しにして他人優先で考える。 そんなノイズは、家族に気を遣う環境で育つとつくられます。</p>

<p>多くの一般家庭ならどこでも、子どもの要望すべてには応えられないものです。</p>

<p>子どもだって、お父さんとお母さんとのやりとりの中で、「自分の家がお金持ちなのかどうか」「お父さんやお母さんは忙しい人なのかどうか」くらいはなんとなく察知します。そして、子どもなりに気を遣うようになり、「自分が欲しいものを欲しいと言わないほうがいい」と思い込みます。</p>

<p>特に気を遣うのが長男や長女、そして兄弟が多い家庭のお兄ちゃん、お姉ちゃんたち。 「お兄ちゃんなんだから」「お姉ちゃんなんだから」などと日々言われ続けると、自分の欲求を言えなくなって、そのクセが大人になっても続くのです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>まずは「自分のイヤ」に気づくこと</h2>

<p>メンタルノイズは、無自覚に、自動的に働きます。</p>

<p>だから、自分で気づいて「やめよう」という意識を持つのが、クリアの第一歩。</p>

<p>「他人ファーストノイズ」のやめ方は、いきなり自己中心的になれと言っても難しいので、まずは「自分のイヤ」「本当はやりたくない」に気づくようにしましょう。</p>

<p>そして、もしやめられそうなら少しずつやめてみる。やめられそうもないことは、「自分はイヤだけどやっている」と自覚する。</p>

<p>最初から全部を変えようとせず、少しずつがポイントです。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_talkingman.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 05 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>スマホを見るたびに疲弊していく　SNS時代に「自分軸」を守る方法  堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15108</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015108</guid>
			<description><![CDATA[多くの人が持っており、今ではなくてはならないものになっているスマホ。悩みの種にもなっているスマホ・SNSといかに向き合うべきか。言語学者の堀田秀吾さんが解説する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="堀田秀吾著『心理学×脳科学×行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_SNS.jpg" width="1200" />「自分の投稿に全然&quot;いいね&quot;が付かない」「既読になっているのに返信が来ない」――スマホやSNSを使うのが当たり前な世の中になり、悩みの種が増えたという人もいるのではないでしょうか？</p>

<p>生活を便利にするスマホですが、使い方によっては心を病んでしまうことも。そこで本稿では、言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さんに他人軸に振り回されない方法を紹介していただきます。</p>

<p>※本稿は、堀田秀吾著『心理学&times;脳科学&times;行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>スマホをテーブルの上に置かない</h2>

<p>テキサス大学オースティン校のウォードらは、約800人の大学生を対象に、スマホの置き場所が頭の働きにどう影響するかを調べました。参加者は「机の上」「ポケットや鞄の中」「別室」の3つにスマホを置き分け、注意の持続力や作業記憶を測る課題に取り組みました。</p>

<p>結果、机の上に置いたグループの成績が最も低く、別室に置いたグループが最も高い成績を出しました。別室グループは机の上グループに比べて、作業記憶を測る課題のスコアがおよそ10％高かったのです。</p>

<p>さらに、参加者の多くが「スマホがあっても気にならなかった」と答えていたにもかかわらず、実際の成績にはきっちり差が出ていました。つまり、本人の自覚と実際の脳の働きは一致していなかったということです。</p>

<p>ウォードらはこの現象を「ブレインドレイン（脳資源の流出）」と呼んでいます。スマホの画面を見ていなくても、視界にあるだけで、注意の一部がその存在を意識しない状態を保つために使われ、目の前の作業や会話に使えるはずのエネルギーが減ってしまうという説明です。</p>

<p>この働きは意識して止めることが難しく、本人が気をつけようと思っても防ぎきれません。だからこそ、意志の力で対処するのではなく、そもそも視界に入れないという対処のほうが確実なのです。</p>

<p>対策としては、鞄の中にしまうだけでは効果が限定的なため、最も効果が高いのは別室に置くことです。大切な人や家族との食卓ではいったんスマホを別の部屋に置く時間を作ってみてください。これだけで、相手の表情や声の小さな変化にも気づきやすくなります。視界から完全に外してしまえば、余計な処理をする必要がなくなり、その分の余力を会話に回せるようになります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・食事や会話をするとき、スマホを別の部屋に置く</p>

<p>・別室が難しい場合は鞄の中にしまう</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>SNSに反応する基準を先に決める</h2>

<p>「返信すべきか」「いいねだけでいいか」「既読のまま流してもいいか」。そんな小さな迷いが1日に何十回も積み重なると、1回ごとは数秒の判断でも、確実に脳を疲れさせていきます。</p>

<p>トンデゥックタン大学のディールらの研究では、SNSを強迫的に利用すること、「いいね」や返信、投稿の確認などを止められない状態が「SNS疲労」と定義される精神的消耗状態をもたらすことが示されています。</p>

<p>さらに「取り残されることへの恐怖（FOMO: Fear Of Missing Out）」も、強迫的な使用を介してこの疲労感を増幅させる要因となることが明らかになりました。何気なく開いたSNSがやがて脳が対応しきれない量のやりとりに変わり、最終的には不安や気分の落ち込みへとつながりかねないのです。この不安があると、通知が来ていなくても自分からアプリを開いて確認しに行くようになり、使用時間そのものが増えていきます。</p>

<p>おすすめしたいのが、スマホを開く前に反応するかどうかのルールを決めておくことです。たとえば「家族や親しい友人の投稿にはいいねを押す、仕事関係にはコメントだけ、見知らぬアカウントには反応しない」。こうして一度ルールを決めてしまえば、目の前の投稿は「対象か、対象外か」を確認するだけになります。</p>

<p>ルールを決めることに罪悪感を覚える方もいるかもしれませんが、毎回もやもやしながら反応を返すより、自分なりの基準を持って淡々と関わるほうが相手にとっても誠実です。すべての投稿に同じ熱量で反応する必要はありません。反応する相手を絞ることは、冷たさではなく、限られた時間とエネルギーを大切な人に振り向けるための工夫です。</p>

<p>「みんなに同じように反応しないと、感じが悪いと思われるのではないか」。そう考えて義理で反応したりしますが、その義理の反応は、相手にもどこか伝わっているものです。心のこもっていない反応より、基準に沿って絞った反応のほうが、結果として誠実に映ります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・相手を3層（家族・親しい友人／仕事関係／面識なし）に分ける</p>

<p>・「いいねを押す」「コメントだけする」「反応しない」の3つに決める</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「断り方」を決めておく</h2>

<p>アリゾナ州立大学のチャルディーニは、人が承諾してしまう典型的なパターンを整理しました。なかでも、「返報性」と呼ばれる働きが強く関わっているとしています。これは相手から何かを差し出されると、こちらも何か返さないと落ち着かなくなる感覚のことです。</p>

<p>この感覚は誘いの場面でほぼ自動的に働きます。誘ってくれた相手の気持ちに応えなければと感じた瞬間、こちらの気持ちはすでに承諾する方向に傾いています。</p>

<p>この働きは意識的に止めようとしても止めにくいという特徴があります。相手の誘いに悪気がなくても、受け取った側は「断ると申し訳ない」という気持ちを自動的に感じてしまうのです。この現象は、相手が親しい間柄であるほど強く働く傾向があり、断りにくさは相手への好意の裏返しでもあります。</p>

<p>口ぐせにしておきたいのが「ちょっと予定を見て、あとで連絡しますね」の一言です。これを言えるようにしておけば、その場で答える必要がなくなります。落ち着いてから判断できるので、時間をおいたほうが自分の本当の気持ちがわかりやすくなります。やっぱり行きたいと思えば返事をすればいいし、無理だと感じたら典型的な断りの文を1つ送るだけです。</p>

<p>「予定を見て連絡する」という一言は、断りの言葉ではなく、判断を先に延ばすための言葉です。この違いのおかげで、相手に対して失礼な印象を与えることなく、自分の時間を確保できます。断ることに慣れていくと、相手との関係もかえって長続きしやすくなります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・その場で「行く・行かない」を決めようとしない</p>

<p>・返事に困ったら「ちょっと予定を見て、あとで連絡しますね」と伝える</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>他人と比較しない</h2>

<p>同級生が家を買った、結婚した、出世した。SNSを開くたび誰かの晴れやかな出来事が目に入り、おめでとうと思う気持ちに嘘はないのに、画面を閉じたあと自分の毎日が見劣りして感じられたりします。</p>

<p>これは心理学でいう「上方比較」です。自分より条件がよいと感じる相手と比べることで、自分の状況を実際より低く評価してしまう現象のことです。</p>

<p>「おめでとう」という気持ちと、「自分はどうなのだろう」という気持ちが同時に湧いてくるのは、決して珍しいことではありません。両方の気持ちを持つこと自体は、何もおかしなことではないのです。</p>

<p>トレド大学のヴォーゲルらの調査では、SNSを使う時間そのものより、自分より上だと感じる人と見比べてしまうことのほうが、自尊心の低さと結びついていました。</p>

<p>実験でも、いいねやコメントが多く集まっているページを見たグループは、ほんの数分、他人の人気ぶりを眺めただけで、直後の自尊心が下がっていました。使用時間の長さよりも、何を見て何と比較したかのほうが、気分への影響を大きく左右していたということです。</p>

<p>この調査ではさらに、比較の対象が身近な知人であるほど影響が大きくなる傾向も示されています。まったく縁のない有名人よりも、同級生や同僚のような身近な存在との比較のほうが堪えるのです。これは、そういう人のほうが「自分と同じ条件で人生を歩んでいるはず」という前提があるために、差を感じやすくなるからだと考えられています。</p>

<p>他人と比べてしまいそうになったら、手帳やスマホのメモに、昨日より進んだことを1つだけ書いてみてください。資料が1ページ進んだ、子どもを怒らずに寝かせられた。そのくらいの小ささで十分です。１週間続けて読み返すと、変化がないように見えていた毎日が、実際には少しずつ進んでいたとわかります。</p>

<p>比較の対象を他人から自分自身に変えるだけで、同じ出来事でも受け止め方が変わってきます。他人という基準は自分でコントロールできませんが、昨日の自分という基準であれば、常に手の届くところにあります。誰かの晴れやかな投稿を見て気持ちが沈んだときほど、この習慣が助けになります。比較するなら過去の自分と。他人軸に振り回されても心の平穏は訪れません。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・「昨日より進んだこと」をひとつだけメモに書く</p>

<p>・1週間分をまとめて読み返してみる</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_SNS.jpg" />
						
						<pubDate>Mon, 05 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「場を盛り上げて、帰宅後ぐったり」自分を削って他人に尽くす人の心理  山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15143</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015143</guid>
			<description><![CDATA[他人の顔色が気になり無理に気を使って疲れていませんか？原因は無意識の「メンタルノイズ」かも。書籍『ありのままでラクに生きる練習』から解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="夕焼けをバックにスマホを見る女性" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_SunsetWoman.jpg" width="1200" /></p>

<p>周囲に気を使いすぎて帰宅後にどっと疲れてしまったり、相手の顔色や評価が頭から離れなくなったりしていませんか？ このような人間関係での消耗は、無意識に形成された思考のクセ「メンタルノイズ」が働いているために起こります。</p>

<p>本記事では、書籍『ありのままでラクに生きる練習』より、他人の目が気になりやすい繊細な人が抱えがちなメンタルノイズの正体について紐解きます。</p>

<p>※本稿は、山根洋士著『ありのままでラクに生きる練習』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人の評価が気になって仕方ない、繊細さん</h2>

<p>【ノイズの症状あるある】<br />
・誰かに言われた一言が気になって、相手の気持ちを想像して不安になる<br />
・自分の一挙手一投足で、怒らせたかも、嫌われたかもと被害妄想をする<br />
・どう思われるか気になり過ぎてSNSに投稿できない<br />
・その場は楽しいのに、後になって心配事が湧いてくることが多い<br />
・場を盛り上げようとして頑張るけど、ひとりになるとぐったり疲れる</p>

<p>人に喜んでもらえるのはうれしいもの。でも、そのことばっかり考えて、相手の顔色が気になって仕方がなくなる、自分を犠牲にしてまで他人を喜ばせてしまうのがこのタイプ。</p>

<p>少しでも暗い表情をしたり、けげんな顔をしたりすると、「どうしたのかな？」「なんか気にすること言ったかな？」と気になる。しかも、そういうちょっとした表情やしぐさを見逃さない。ほかの人といるだけで、どんどん疲れてしまいます。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「おもてなしノイズ」</h2>

<p>人の評価が気になる人にあるのは、「おもてなしノイズ」です。</p>

<p>このノイズは、サービス精神旺盛な家族のいる環境で育つとつくられます。</p>

<p>地元の祭りがあると、仕事を休んででも参加するお父さん。<br />
家に誰かが遊びに来ると、食べきれないくらいのごちそうをつくるお母さん。<br />
夏休みに親戚の子どもが遊びに来るとなると、いつも以上に気合いが入るお母さん。</p>

<p>「人のためになることをしなさい」「人に喜んでもらうとお金が儲かるんだよ」と、親に教えられると「人を喜ばせるのはいいことだな」と子どもは思い込みます。</p>

<p>でも、祭りから帰ってきたお父さんが疲れた顔をしていたり、お客さんが帰った後にお母さんがしんどそうな顔をしていたりすると、子どもは 「自分はがまんしてでも喜ばせたほうがいいんだ」と勘違いしてしまいます。</p>

<p>喜ばせることに自己犠牲があると、「喜ばせなければいけないんだ」という義務感になります。「自分も楽しいし相手も楽しい」と、「自分はたいへんだけど相手は楽しい」は大違い。</p>

<p>「おもてなしノイズ」にやられると、まわりは喜んでくれても、いつか自分が疲れ果てて燃え尽きます。そうならないために、自分の喜びと人の喜びの関係性を逆転させないといけません。</p>

<p>自分は楽しくないけど人が喜ぶことは少しずつやめて、自分も楽しくて人も喜んでくれることの比重を、できるところから増やしていけるといいですね。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_SunsetWoman.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 02 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山根洋士（「メンタルノイズ」カウンセラー）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>管理栄養士が教える　腸内環境を整える“食物繊維以外”の食材とは  星穂奈美（管理栄養士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15045</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015045</guid>
			<description><![CDATA[腸内環境を整える食習慣の見直し方法を管理栄養士の星穂奈美さんが解説します。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="腸内環境を整える" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_saba.jpg" width="1200" /></p>

<p>腸内環境の乱れは、便秘や下痢につながるだけでなく、免疫機能や精神面にまで悪影響を及ぼすとされています。管理栄養士の星穂奈美さんは、著書『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』にて、疲れを感じやすい&quot;オトナ女子&quot;に向けて、すぐにできる食生活の見直し方法を解説しています。本稿では同書より、腸内環境を整えるために役立つ食材をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、星穂奈美著『疲れやすいオトナ女子を救う　あなたの食習慣を変える100の提案』(ダイヤモンド社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>蕎麦や青魚も有効！手軽に摂れる腸活食材</h2>

<p>【魚の油も腸に良い】</p>

<p>腸内環境を整えるのは食物繊維だけではありません。</p>

<p>例えばレジスタントプロテイン。小腸で消化されにくい難消化性（レジスタント）のたんぱく質で、加熱しても性質が変わりにくく、小腸で腸内細菌の活動を助ける働きがあります。食品で言うと大豆や蕎麦、高野豆腐などに含まれます。</p>

<p>また、EPA（エイコサペンタエン酸）やDHA（ドコサヘキサエン酸）といった魚の油に含まれるn－3系脂肪酸も、食物繊維ではありませんが腸内細菌のバランスを整える働きがあるとされており、プレバイオティクス(※1)に似た作用を持つと考えられています。<br />
※1：善玉菌のエサとなる成分のこと</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【腸の働きを助ける注目成分】</p>

<p>● レジスタントプロテイン</p>

<p>消化されにくいたんぱく質。大腸で腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やすプレバイオティクス効果があると期待されている<br />
例: 大豆製品（豆腐、高野豆腐）、蕎麦、麹を使用した発酵食品</p>

<p>● n-3系脂肪酸（EPA・DHA）</p>

<p>体内でほとんど合成できないため「必須脂肪酸」と呼ばれる。腸内の炎症を抑えて善玉菌が棲みやすい環境を整えるとされている<br />
例: 青魚（サバ、イワシ、サンマ、アジ）、マグロ<br />
※参考文献「Bannenberg G, Serhan CN. Specialized pro-resolving lipid mediators in the inflammatory response: An update. Biochim Biophys Acta 1801: 1260-1273 2010.」</p>

<p>● レジスタントスターチ（難消化性でんぷん）</p>

<p>分解されずに大腸まで届くため、食物繊維として扱われることも多い。大腸で発酵し、善玉菌を増やす。短鎖脂肪酸の産生にも働く<br />
例：冷やご飯、未熟バナナ</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「砂糖&rarr;オリゴ糖」の置き換えで、こまめに腸活</h2>

<p>【善玉菌のエサになるオリゴ糖】</p>

<p>オリゴ糖は主に、腸内で発酵しやすい性質を持つ難消化性糖質です（一部除く）。小腸で吸収されずに大腸まで届き、善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌のエサとなって腸内細菌のバランスを改善する効果が期待されます(※2)。</p>

<p>また、糖として吸収されにくいというこの特徴は、血糖値が気になる人にはうれしいポイント。砂糖が小腸で吸収され、血糖値が上昇しやすいのに比べ、オリゴ糖はそのリスクが低くなると言われています。</p>

<p>オリゴ糖にはいくつかの種類があり、性質が異なります。砂糖代わりにオリゴ糖シロップや粉末を使うとき、どのオリゴ糖を主成分にしているか注目してみるとよいでしょう。</p>

<p>※2：多く摂るほど効果が高まるわけではなく、また、過剰に摂取すると下痢や腹部膨満感などの消化器症状を引き起こすことがある。成人では一般的に１日5g程度の摂取が推奨されている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【オリゴ糖の主な種類と働き】</p>

<p>①ガラクトオリゴ糖：熱や酸に強いので加工食品に使われやすいのが特徴。ビフィズス菌を増やす働きがあります。母乳や牛乳にも含まれています。</p>

<p>②フラクトオリゴ糖：ビフィズス菌や乳酸菌のエサに。ゴボウやバナナ、タマネギなどに含まれています。</p>

<p>③イソマルトオリゴ糖：ハチミツや発酵食品に含まれ、腸のなかで善玉菌の活動をサポートします。</p>

<p>④ミルクオリゴ糖：牛乳から作られる成分で、ビフィズス菌のエサとなります。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>どれも腸内環境を整えるために役立つ成分です。身近な食べ物から取り入れていきましょう。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>【オリゴ糖を取り入れるコツ】</p>

<p>オリゴ糖の良いところ</p>

<p>▶ 善玉菌のエサになり腸内環境改善<br />
▶ 便通を整え、便秘予防に役立つ<br />
▶ 血糖値の上昇を抑える効果も期待<br />
▶ 甘味料として使いやすく、毎日の食生活に取り入れやすい</p>

<p>&nbsp;</p>


	
	<p>1.コーヒーの砂糖をオリゴ糖に代える</p>

	<p>コーヒーや紅茶、飲み物に加えてみる。砂糖の代わりとしてオリゴ糖を使うことで、甘味を感じつつ腸内環境のサポートが可能（砂糖よりは甘味が控えめのため、苦手な人でも取り入れやすい）</p>
	
	
	<p>2.ヨーグルトなど善玉菌と一緒に摂る</p>

	<p>オリゴ糖は善玉菌のエサになるため、ヨーグルトや乳酸菌飲料との組み合わせがgood。朝食やおやつとして「ヨーグルト＋オリゴ糖」を習慣化してみる</p>
	
	
	<p>3.オリゴ糖を使用している食品を摂る</p>

	<p>ビスケットやチョコレート、飲料など、オリゴ糖入りの市販のお菓子を選ぶと自然な摂取ができる。お菓子を選ぶときは「オリゴ糖入り」をチェック！</p>
	
	
	<p>4.毎日の料理にプラスする</p>

	<p>シロップタイプのオリゴ糖を料理の隠し味として少しずつ使用してみる。毎日少量を続けることが大切。摂り過ぎるとお腹が緩くなるので注意</p>
	

]]></content:encoded>
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						<pubDate>Fri, 02 Oct 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[星穂奈美（管理栄養士）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「人は旅立つときを選ぶ」医師が3000人を看取って感じた“いのちの不思議”  小笠原文雄（医学博士／浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15060</link>
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			<description><![CDATA[医師・僧侶の小笠原文雄さんは、約3000人の患者を看取った経験から、「人は旅立つときを選ぶ」という実感を得たといいます。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_magichour.jpg" width="1200" /></p>

<p>医師であり僧侶でもある小笠原文雄さんは、約3000人を看取った経験から「人は旅立つときを選ぶ」と考えるようになったといいます。</p>

<p>患者の家族が孤独死を恐れて入院を希望することは少なくありませんが、小笠原さんは、旅立つ「タイミングは、患者さん本人に任せればいい」と語ります。</p>

<p>書籍『笑って大往生できる人できない人』より、小笠原さんが「いのちの不思議さ」について語った一節をご紹介します。</p>

<p>※本稿は、小笠原文雄著『笑って大往生できる人できない人』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「人は旅立つときを選ぶ」といういのちの不思議さ</h2>

<p>40代の清水麻衣子さんは、末期の乳がん患者で余命3カ月と宣告され、苦しくて夜も眠れない状態。</p>

<p>夫の雅之さんは仕事で帰りが遅く、一人息子の健太郎さんは受験生で、誰も清水さんのお世話ができない状況です。清水さんには「家に帰りたい」という気持ちはあるものの、家族に迷惑がかかると心配していました。</p>

<p>そこで、とりあえず退院をし、家で1泊してダメだと思ったら病院に戻る形を取ることにしました。</p>

<p>退院する頃に、私は清水さんの家まで診察に行き、室内の空気（酸素濃度21 ％）より濃度の高い酸素を吸入させる「酸素療法」の酸素の量を、清水さんの状態に合わせて調整しました。そして薬を投与してから、清水さんの家を後にしました。</p>

<p>その翌日、清水さんの表情は少し明るくなっていました。病院とは違って、ぐっすり眠れたのだそうです。「もう一日、家にいてもいいですか？」と清水さんは言いました。</p>

<p>こうして清水さんが家で過ごし始めて3カ月がたつと、酸素療法が不要になりました。</p>

<p>4カ月目に入った頃、「入院します」と清水さんが言い始めました。健太郎さんが受験を迎えるので、自分の存在が勉強の邪魔になると考えたのです。</p>

<p>そんな清水さんに、私はゆっくりと問いかけました。</p>

<p>「う～ん、気持ちはわかるけど、病院に戻ったら息子さんは心配しないかなぁ？」</p>

<p>しばらくの間、清水さんは考え込んでいました。そして顔を上げて、きっぱりと言いました。</p>

<p>「私、やっぱり家にいます」</p>

<p>残念ながら、健太郎さんは浪人することになりましたが、「来年も見届けたいです」と清水さんは力強く話してくれました。</p>

<p>翌年、健太郎さんは大学に合格しました。清水さんと私は、喜びの握手を交わしました。</p>

<p>健太郎さんは下宿するために家を出て、夫の雅之さんは相変わらず仕事で多忙なので、清水さんは一人で過ごしました。テレビを見たり、料理をしたり、訪問看護師やヘルパーとおしゃべりをしたりしていたようです。</p>

<p>退院してから1年9カ月後に、清水さんは寝たきりになりました。大学が夏休みに入り、健太郎さんが帰ってきた日の夜、雅之さんがトイレのついでに清水さんの様子を見に行くと、穏やかな表情で旅立っていました。</p>

<p>家族がそろい、最後の晩餐を楽しんだ夜に清らかに旅立つ。このことに、雅之さんも健太郎さんも驚いていました。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>「病院は安心、家は心配」は本当？</h2>

<p>「在宅医療だと、家族が介護しなければならない」<br />
「在宅医療よりも入院のほうが安心」<br />
「在宅医療で、孤独死させたくない」</p>

<p>このように思い込んでいる人がたくさんいます。実際の介護はヘルパーに任せて、家族の手は必要がないということを、多くの人は知りません。</p>

<p>そして、「病院は安心、家は心配」だと家族が言って、患者さんを入院させようとすることがありますが、本当にそうでしょうか。</p>

<p>確かに、病院には医師や看護師など、大勢の人がいます。しかし、その人たちは仕事に追われていて、すべての患者さんに目を配ることは難しいのです。大勢の人がいても孤独、それが病院の実情ではないでしょうか。</p>

<p>孤独死は、一人で死ぬことではありません。人とのつながりがなくなって、心が孤独になって死ぬことです。たとえ一人でいるときに亡くなったとしても、本人の願いがかなったのならば大往生です。</p>

<p>患者さんが一人でいるときに亡くなると、「死に目に会えなかった」「一人で死なせてしまった」と悔やむ人がいます。しかし、考えてみてください。</p>

<p>本人は、死ぬところを見られたくなかったかもしれません。また、家族の泣く姿を見たくなかったかもしれません。ですから、悔やむことはありません。</p>

<p>タイミングは、患者さん本人に任せればいいと思います。　</p>

<p>ただ、不思議なことに、一人暮らしでも誰かがいるときに亡くなる人が多いのです。一人暮らしの患者さん（136人）のデータでは、8割の人が、ヘルパーなり、看護師なり、離れて暮らしている家族なり、誰かといるときに亡くなられています。</p>

<p><img alt="小笠原内科における独居患者死亡時、見送る人の有無" height="796" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260915Ogasawarabunyu01.jpg" width="1200" /></p>

<p>また、「一人のときに死にたい」といつも言っていた人が4人いましたが、全員一人のときに亡くなられていました。</p>

<p>こうしたことから「いのちの不思議さ」に触れる機会を得られ、「人は旅立つときを選ぶ」と考えるようになりました。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_magichour.jpg" />
						
						<pubDate>Fri, 02 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[小笠原文雄（医学博士／浄土真宗大谷派聖徳山伝法寺住職）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「ＮＹ襲撃」  第一章・過去を引きずる者たち【１】 高嶋哲夫  高嶋哲夫（作家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14890</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014890</guid>
			<description><![CDATA[SP・明日香が次に護るのはNY！？ 「襲撃」シリーズ第三弾。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="ニューヨーク" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_NY.jpg" width="1200" /></p>

<p>SP・明日香が次に護るのはNY！？　「襲撃」シリーズ第三弾。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第一章　過去を引きずる者たち</h2>

<p>明日香（あすか）は土手を上った。</p>

<p>ワンボックスカーの所に行くと、黒いスーツの大柄な女性が降りてきて、後部に回った。彼女が現在ついている警護官だ。名前はたしか花田麻衣子（はなだまいこ）。</p>

<p>後部ハッチが開き車椅子が降りてくる。乗っているのは、ブルーのコートを着た白髪の女性。前総理の新崎百合子（しんざきゆりこ）だ。一昨年と去年、明日香は新崎の警護官だった。</p>

<p>「少し二人にしてくれる」</p>

<p>新崎が言うと、花田は無言で車の助手席に入って行った。</p>

<p>明日香は新崎に言われるまま、車椅子を押して土手を歩いた。</p>

<p>「身体はいかがですか」</p>

<p>「政治家にとって、頭さえしっかりしていれば問題ないと信じていたけど、完全に間違っていた。政治家は頭より、体力ね。新しい発見。現役時代は気付いてなかったけど」</p>

<p>「新崎総理、いえ新崎先生はどちらも人並み外れていました」</p>

<p>新崎は退任してから、明日香に総理、前総理と呼ぶことを禁じている。</p>

<p>「田舎に住んでると、口だけは達者になるのね。逆だと思ってたけど」</p>

<p>明日香はそれ以上言うのはやめにした。</p>

<p>「いいところね」</p>

<p>「日本は広いです。もっと東京以外、地方にも目を向けるべきです」</p>

<p>「世界はもっと広い。あなたには、そっちにも目を向けてほしい」</p>

<p>明日香は何と答えていいか分からなかった。今の生活は気に入っている。いや、気に入っていると思い込もうとしているのか。だが一年前は眠れなかった夜も、今では睡眠導入剤なしですごしている。</p>

<p>「ところで、そんな話をしに来たわけじゃないと思います。横田（よこた）さんの話でしたら、お断りします」</p>

<p>新崎のかすかなため息が聞こえた。</p>

<p>「今度、国連に招かれている。テロ関係の会議で基調演説をすることになっている」</p>

<p>「断わるべきです。危険すぎます」</p>

<p>思わず出た言葉だった。テロという言葉には過剰反応する。</p>

<p>「だからあなたに会いに来た。私と一緒に行ってほしい」</p>

<p>明日香は新崎の背後に目を向けた。</p>

<p>花田が立っている。しかしそれでは遠すぎる。何かの時に反応できない。対象者の盾にならなければならないのだ。</p>

<p>総理退職者には最低一人のＳＰが付くことになっている。しかし、日本では一般人に戻るとともに、ＳＰを辞退する元総理も多い。外国では考えられないことだ。スーザンの父、チェス前大統領には三人のＳＰが付いている。国のシークレットサービスが二人と、個別に雇った一人だ。何かと世界と国内を騒がした大統領だった。スーザンにはゴルフ相手だと言っているらしいが、身の危険を感じているのだろう。</p>

<p>「大統領を辞めても命を狙われるような、アクドイことを色々やったのね」</p>

<p>スーザンは言うが、どの大統領も例外なく、国益の名のもとに一般道徳から外れたことをやっている。スケールが大きすぎて、表には出せないことだ。総理付きの警護官になって、ここ数年間の間に学んだことだ。</p>

<p>「海外となると女性のＳＰもいた方がいいということになった。花田麻衣子さんとは別にね。コレはお願いではなくて、辞令だと思ってちょうだい」</p>

<p>「命令ということですね」</p>

<p>新崎は答えず、静かな川面を見ている。</p>

<p>「あまりに危険すぎます。中止とまではいかなくても、もう少し後ではどうですか」</p>

<p>「アルフレッド大統領の強い願いなの。このチャンスを逃したら、もう声はかからない」</p>

<p>新崎はそう言うと、明日香を見ている。</p>

<p>「アルフレッド大統領は次の大統領選に出るんですね」</p>

<p>新崎は答えない。明日香はもう一度聞き直した。</p>

<p>「アルフレッド大統領は八十一歳です。就任時にも一期で後任に譲ると断言していました。本気で再選を目指しているんですか」</p>

<p>「大統領のイスはよほど座り心地がいいんでしょうね」</p>

<p>新崎が総理の時代にはまず聞くことのなかった言葉だ。</p>

<p>明日香が戸惑っていると、新崎の表情が変わった。</p>

<p>「権力というのは血と肉になるの。自分自身の身体の一部になるのよ。決して手放せない。手放すと自分が自分でなくなる。だから必死で守ろうとする」</p>

<p>「新崎先生もそうでしたか」</p>

<p>言葉にして後悔したが、新崎は何でもないという顔をしてる。</p>

<p>「私はそうなる前に政界を引退した。いえ、せざるを得なかった」</p>

<p>そう言うとわずかに首をかしげ、残された左腕を水平に上げた。</p>

<p>「私が今、何をしているか分かる」</p>

<p>「分かりません」</p>

<p>「万歳をしてるの。右手は見えないし、左手も肩から上には上がらない。左目でウインクをすると暗闇の中。私の二年三か月の総理就任の結果」</p>

<p>明日香は無言で頷いた。</p>

<p>「いつからですか」</p>

<p>「あなた、立川に住んでるんでしょ。立川署の裏手だと聞いている。そんなに遠くじゃない。一緒に永田町に来てちょうだい」</p>

<p>「今からですか」</p>

<p>「一緒にだからそうなるわね。でも、その恰好じゃね」</p>

<p>新崎は一度帰って着替えてくるように言った。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>二年前、新崎百合子は、日本初の女性総理大臣に就任した。強い意志とリーダーシップを持ち、総理官邸がテロリストに占拠された危機も乗り越えている。その際、警護官として彼女を支えたのが夏目（なつめ）明日香だった。二人は幾度もの危機を共にし、深い信頼関係で結ばれていった。その時、新崎はテロの恐ろしさと残忍さを知った。以後、世界に向けてテロの撲滅に力を尽くしている。</p>

<p>一年前、新崎は日本主導でＧ７各国に呼びかけ、「テロ撲滅世界会議」を開催した。会議ではサプライズとして、中東のテログループ、ネクスト・イスラミック・ステイト、ＮＩＳから脱出した親子がスピーカーとして招かれた。これを阻止しようと、ＮＩＳのテロリストと日本の過激組織、赤色戦線の残党が東京で連続爆破事件を起こし、多くの死傷者が出る大惨事となった。さらに、会議に出席していたアメリカ大統領も標的となり、命を落としそうになった。大統領の命を救ったのが新崎だ。</p>

<p>その結果、新崎は右目の視力、右手、右足を失った。また、スピーカーとして招かれた親子のうち母親のマリナは命を落とし、残されたエリーゼが代わってスピーチを行った。彼女はその後アメリカに亡命し、ＦＢＩの保護プログラムのもと、里親のもとで暮らしている。</p>

<p>この会議を契機として、世界の政治テロは半減したものの、完全な根絶には至っていない。新崎は総理を辞任し、政界から引退した。現在は逗子に居を移し、少年兵の更生を目的とした施設「ワールド・セイフティ」の設立に尽力している。</p>

<p>&nbsp;</p>

<p>昔、新崎から一本の映像を見せられたことがある。</p>

<p>砂混じりの風が、低いフェンスを鳴らしていた。北東シリアの収容施設は、もともと子どもたちの一時的な場所として造られたはずだったが、終わりの見えない滞留の場となっていた。粗い布で仕切られたテントに、行き場のない子どもたちが肩を寄せ合うように暮らしている。</p>

<p>五分ほどの映像だったが、新崎は涙を流していた。それを隠すために、わざと声高に世界の不条理を訴えた。</p>

<p>「子どもたちの多くは、戦闘そのものに関わったわけではない。だが、暴力と恐怖の中で育ち、極端な思想に触れてきた時間は短くない。言葉や行動の端々にその影が残ることもあるし、逆に、ほとんど何も語らない子もいる」</p>

<p>施設では、限られた資源の中で教育や心理ケアが試みられている。テントの一角に設けられた簡素な教室では、アルファベットや算数を教える声が風にかき消されそうになりながら続いている。別の区画では、支援員が子どもと向き合い、絵を描かせたり、静かに話を聞いたりしている。言葉にできない記憶を、少しずつ外へ出すための時間だ。</p>

<p>「だが現実は厳しい。食料や医療は不足し、警備も万全とは言えない。もちろん教師もね。施設の外に出れば社会は彼らを簡単には受け入れない。家族を失い、帰る場所そのものがない子も多い。家族を傷付け、殺した子どもさえいるんだからね。それでも、変化はある。最初は視線さえ合わせることが出来なかった子が、ふと笑う。名前を書けなかった子が、ゆっくりと文字をなぞる。そうした小さな変化が、この場所の唯一の希望」</p>

<p>そこは完全な救いの場ではない。だが、暴力と憎しみの連鎖を断ち切るための、ぎりぎりの境界線でもある。その内側で、子どもたちはまだ、自分の人生を取り戻そうとしている。新崎の働きで日本企業が施設の支援金を送る組織が作られた。それが「少年兵更生団体ワールド・セイフティ」の資金となっている。</p>

<p>こうした新崎の地道な積み上げが、「テロ撲滅世界会議」の開催、マリナ・エゾトワのスピーチにつながったのだろう。新崎はこうした施設の必要性を世界に訴えている。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>２</h2>

<p>車は総理官邸のロータリーに入って行った。</p>

<p>ドアの前には明日香の前上司である横田が立っていた。彼は警護課の課長だ。</p>

<p>明日香は車の横に立ち、辺りを見回した。一年ぶりの官邸だった。</p>

<p>バンの後部ドアが上がり、車椅子が出てくる。</p>

<p>明日香は車椅子を押して官邸に入った。その後にＳＰの麻衣子が続く。</p>

<p>「あとで俺の部屋に来てくれ」</p>

<p>横田が小声で言う。</p>

<p>「今でいいわよ。私は総理と会わなきゃならないから」</p>

<p>新崎が明日香と横田に向かって言う。身体と目が不自由になって、耳が良くなったと笑いながら言ったと聞いたことがある。</p>

<p>麻衣子が明日香に目配せをして車椅子の背後に来た。</p>

<p>明日香は横田について、官邸のＳＰ控室に行った。懐かしさと共にある種の苦しさを覚える。いつも心の外に排除しようとしているモノだ。</p>

<p>「警護なんて技術以上に覚悟の問題だ。躊躇なく対象の弾避けになれるか」上司の高見沢の言葉だ。「ためらうな、躊躇（ちゅうちょ）するな」高見沢は繰り返した。</p>

<p>しかし今は、「躊躇なく銃の引き金が引けるか」と言う言葉が重くのしかかっている。明日香はそれに対する答えが怖かった。</p>

<p>「懐かしいか。立川の交番勤務が好きだと言っているそうだが」</p>

<p>明日香は答えられなかった。自分でも本音かどうかわからない。だがこの一年、銃に手をかけることはなかった。</p>

<p>横田はテーブルにファイルを置いた。目は見ろと言っている。</p>

<p>開くと写真と英文の書類が入っている。</p>

<p>「殺害予告だ。アメリカと日本に同時に来た」</p>

<p>「プリンセスのですか」</p>

<p>思わず出た言葉だ。プリンセスは新崎総理の符牒だ。現在の公式の立場は、新崎前総理で、エンカと呼ばれている。何かの折りには、演歌を歌い出すことから付いた。</p>

<p>「新崎前総理だ。本人は大騒ぎしなくてもいいというが、最善を尽くすべきだ」</p>

<p>横田は明日香を見ている。反応を観察しているのだ。</p>

<p>「信頼性は高いのですか」</p>

<p>「今までの総理にはなかったことだ。退任後、それもアメリカまで行って、狙われるってことは」</p>

<p>それだけ影響力が強かったということです。明日香はその言葉を呑み込んだ。</p>

<p>「失敗はできない。しかし初めての経験なのでデータはない、ということですね」</p>

<p>「まあ、そういうところだ。本人はお前が来てくれれば問題ないと言っている」</p>

<p>明日香の脳裏には様々な顔が浮かんでいる。去年の首都襲撃はアラブの過激派と、元赤色戦線の生き残りが中心だった。アケミという女性がまだ見つかっていない。</p>

<p>イスラム過激派に資金提供を打ち切った国も多い。新崎が狙われる理由には事欠かない。</p>

<p>「横田課長は行かれるんですか」</p>

<p>「現役総理の警護が優先される」</p>

<p>行かないということだ。新崎はすでに過去の人なのだ。</p>

<p>「私は渡米を中止すべきだと思います。まだ捜査一課の捜査は続いています。山仲明美や大塚浩二の遺体も見つかっていません。これだけ探しても特定できないとなると――」</p>

<p>明日香は言葉を止めた。逃亡した可能性もある。東京中が混乱していた。横田もその可能性は十分考慮しているはずだ。</p>

<p>「新崎先生はイスラム過激派からも敵と見なされています」</p>

<p>「おまえは本気で渡米を中止できると思っているのか」</p>

<p>「一応、言っただけです。アルフレッド大統領の意向と聞いています。新崎先生もテロ集団に弱みは見せないでしょう」</p>

<p>「情報は入っているんだな。ルートは色々あるだろうから」</p>

<p>明日香には池田が定期的に、警視庁の様子を知らせてきた。彼は捜査一課の若手刑事だ。捜査二課の富川も興味のありそうな情報をかってに知らせてくる。彼とは警察学校で同期だった。</p>

<p>「スーザンはどうしてる」</p>

<p>横田が思いついたように聞いてきた。必ず聞いてくると思っていた。かなり知りたいはずだ。</p>

<p>「月に何度か話しています。話すのは季節についてとお互いの現在の仕事、私は交番勤務についてだけです」</p>

<p>「新崎元総理の国連演説については」</p>

<p>「私は初めて聞きました。彼女は知っているはずですが、私を気遣って話には出さなかったのでしょう」</p>

<p>「アメリカ側の対応も分かれば聞いてみてほしい」</p>

<p>明日香は頷くしかなかった。スピーチについて聞くと当然、エリーゼの話も出てくる。</p>

<p>「出発はいつですか」</p>

<p>「来週だ。あまり時間がない。今夜、よく読んでおいてくれ」</p>

<p>横田はファイルを手渡した。「ニューヨーク国連スピーチ警備計画」のタイトルがついている。</p>

<p>「これから警視庁に戻る。一緒に来てくれ。新崎前総理の了解は取ってある」</p>

<p>明日香の返事を待たずに立ち上がり、歩き始めている。</p>

<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
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						<pubDate>Thu, 01 Oct 2026 19:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[高嶋哲夫（作家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>クマとの“共存“とは？専門家が説く「人間とクマの正しいすみ分け」  山﨑晃司、小池伸介</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15010</link>
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			<description><![CDATA[クマによる市街地への侵入を防ぎつつ、その生息地を守るには、具体的にどのような対策が必要なのか？東京農業大学名誉教授の山﨑晃司氏とツキノワグマ研究者で東京農工大学大学院農学研究院教授の小池伸介氏が解説します]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="管理強化エリアのイメージ" height="741" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji5.jpg" width="1200" /></p>

<p>クマとの「共存」とは、人間とクマが同じ場所で暮らすことではありません。人身被害を防ぎながらクマの地域個体群を守るには、人間の生活圏とクマの生息域を明確に分け、その間に適切な緩衝地帯を設ける「ゾーニング管理」が重要です。</p>

<p>では、市街地への侵入を防ぎつつ、クマの生息地を守るには、具体的にどのような対策が必要なのでしょうか。<br />
ツキノワグマ研究者で東京農工大学大学院農学研究院教授の小池伸介氏が、環境整備や個体数管理、追い払いによる学習など、人間とクマの適切な距離を取り戻すための考え方を解説します。</p>

<p>※本稿は、山﨑晃司・編著『クマに出遭ってしまったら？&nbsp;』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>人間とクマのすみ分けをはかる</h2>

<p>クマと人間が同じ場所で生活することはできません。クマとの共存を実現するためには、地域のクマの生息状況や生息環境、人間活動などをふまえて、クマがすむエリアと人間がくらすエリアを空間的にはっきりと分けることが必要です。人間の生活圏からクマを取りのぞき、クマと人間との距離を引き離すため、地域を区分するのです。</p>

<p>地域を区分することをゾーニングといい、各エリアのそれぞれの目的のもとでさまざまな施策を実施していくことをゾーニング管理といいます。環境省のクマ類特定計画ガイドラインでは、地域を「排除エリア」「管理強化エリア」「緩衝地帯」「コア生息地」の4つに分けています。実際のクマ管理では、人間が活動するエリアでの人身被害および農林水産被害などのトラブルをできる限り減らしつつ、クマの地域個体群を保護していくことを目的にゾーニング管理を行なっていくこととなります。</p>

<p>【排除エリア】<br />
排除エリアとは、市街地や農耕地など、人間の活動が優先される地域です。排除エリアに侵入したクマは捕獲するなどして速やかに排除を行ないます。一方で、農作物などクマを引き寄せるものの管理、農耕地などへの電気柵の設置といった被害を防ぐ対策がとられます。また、市街地の内部にまでクマが入ってくるのを防ぐため、森林からのびる林や河川敷などの緑地の樹木を伐採したり、草木や雑草、やぶを定期的に刈払いしたりして、クマが身をひそめられる場所をなくす対策も重要です。</p>

<p>【管理強化エリア】<br />
管理強化エリアとは、排除エリアにとなりあう地域です。排除エリアへクマが侵入するのを防がなくてはなりません。排除エリアでの出没や被害の発生前であっても、捕獲などの対策を積極的に行なうことで、排除エリアで人間とクマの対立が起こらないようにすることが目標です。</p>

<p>【緩衝地帯】<br />
緩衝地帯とは、クマの生息地のうち、後述するコア生息地を除いた地域です。人間の生活エリアとクマの生息地の中間にあたります。目標数に向けてクマの個体数を管理するとき、まずは管理強化エリアでの捕獲を行ないますが、緩衝地帯でも捕獲を行なうことができます。</p>

<p>【コア生息地】<br />
コア生息地とは、地域個体群といってその地域にくらすクマの集団が安定的に命をつないでいけるように守っていくエリアです。行政区域にとらわれず、都道府県の枠を越えて確保していくことが重要となります。たとえば、国指定鳥獣保護区特別保護地区や自然公園法に基づく国立公園など自然公園の特別保護地区および第一種特別地域等をコア生息地としています。大量出没がみられるようになった2000年代より前からクマが生息していたなど、昔からのクマの生息地と考えられる地域をコア生息地として確保することが望ましいでしょう。なお、地域個体群を安定的に保ち続けるのに必要なクマの個体数は、緩衝地帯とコア生息地の両方で確保することとなります。</p>

<p>【POINT】<br />
▼人間がくらすエリアとクマのすむエリアをはっきり分けることが、共存につながる。<br />
▼クマの地域個体群を守るには、都道府県の垣根を越えた取り組みが重要。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>クマにとって居心地がよくない環境をつくる</h2>

<p>クマがくらすコア生息地、緩衝地帯を取り囲むように管理強化エリアを設けることで、人間のすぐとなりにクマが日常的に存在することのないようにします。クマのくらすエリアと人間の生活エリアを完全に隔てられればよいのですが、現代においてそれは現実的ではありません。管理強化エリアをどのように設け、どのような方法で保っていくかが、ゾーニング管理に欠かせないポイントです。</p>

<p>管理強化エリアにクマがいない状況をつくりだすには、そのエリアをクマにとって生息しにくい場所にすることがポイントです。樹木を伐採し、雑草などの下草を定期的に刈払いし、クマの隠れ場となるやぶや背の低い草木も刈り取って見通しのよい森にするといった方法が考えられるでしょう。森を人工的に管理すれば、日頃から手入れを行なうために頻繁に人が行き来することになり、クマにとってはますます居心地のよくない場所となることが期待できます。そして、大切なのは、その状態を保ち続けることです。どういった体制や制度で、森の管理を続けていくかを検討する必要があるでしょう。</p>

<p>【POINT】<br />
▼見通しをよくし、クマが隠れられない森にする。<br />
▼森を人工的に管理し、人が頻繁に行き来する状況をつくる。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>クマに危険な場所だと学習させる</h2>

<p>クマにとって居心地のよくない生息環境を用意するのと同時に、実際のクマの出没や被害発生前であっても、管理強化エリアでは積極的な捕獲を行なうことで、排除エリア周辺に生息するクマの数をできる限り低密度にする必要があります。いつ発生するかわからない出没や被害を未然に防ぐことがこの地域での捕獲の目的です。</p>

<p>わなを集中的に設置するなどして、一気にクマを捕獲していくことも選択肢となるでしょう。たとえば、最初の数年間は箱わなを使って集落周辺のクマを徹底的に捕獲し、密度を限りなく下げて、分布を山側に押しやるようなイメージです。</p>

<p>しかし、いつまでもわなに頼り続けるだけでは、効率的な管理強化エリアの維持にはつながりません。クマの空白地帯ができれば、また別のクマが入ってきます。食物で誘引するわなでは、管理強化エリアへとクマを引き寄せ続けることになります。延々と捕獲をくり返すだけでは、コア生息地のクマを獲り尽くすまで終わりはありません。また、わなで捕獲しても、その個体がいなくなるだけで、ほかのクマは何も学習しないでしょう。そのため、クマの個体数が減ってきたら、わなで捕らえる方法ではなく、たとえば積雪期に足跡を追う猟や訓練されたイヌを使って追いかける方法に切り替えるなど、捕獲方法もあわせて検討する必要があります。追いかけられて逃げる経験をし、「管理強化エリアは危険だ」と学習することで、クマと人間との間の緊張関係を再構築できる可能性があるのです。</p>

<p>クマにとって生息しにくい環境づくりやわなによる個体数管理をハード面の対策とすると、銃やイヌを使った追い払いは、人間や管理強化エリアへのクマの警戒心を高めるためのソフト面の対策ともいえます。両面からのアプローチで管理強化エリアを確実なものにしていくことができるでしょう。</p>

<p>【POINT】<br />
▼積極的な捕獲でクマの個体数を調整する。<br />
▼イヌを使った銃猟などで管理強化エリアは危険だと学習させる。</p>

<p>［執筆者］<br />
小池伸介（こいけ・しんすけ）<br />
ツキノワグマ研究者／東京農工大学大学院農学研究院教授<br />
1979年、名古屋市生まれ。東京農工大学大学院連合農学研究科修了。博士（農学）。専門は生態学。主な研究対象は、森林生態系における生物間相互作用、ツキノワグマの生物学など。現在は、東京都奥多摩、栃木県、群馬県の足尾・日光山地、神奈川県丹沢山地などでツキノワグマの生態や森林での生き物同士の関係を研究。著書に『クマは都心に現れるのか？』（扶桑社）、『クマが樹に登ると』（東海大学出版会）など。2024年よりNGO日本クマネットワークの代表も務める。</p>

<p>［編者］<br />
山﨑晃司（やまざき・こうじ）<br />
茨城県自然博物館館長　東京農業大学名誉教授<br />
1961年東京都調布市出身。 森林動物生態学が専門。東京農工大学連合大学院博士（農学）。ザンビア国立公園局野生動物調査官、東京都高尾自然科学博物館学芸員、茨城県自然博物館首席学芸員、東京農業大学地域環境科学部教授を経て、茨城県自然博物館館長。元日本クマネットワーク代表、元International Association for Bear Research and Management 理事、IUCNクマ専門家委員会委員、東京都自然環境保全審議会鳥獣部会長、千葉県環境審議会鳥獣部会長、環境省鳥獣保護管理プランナーなどを務める。著書に『日本のクマ』（東京大学出版会・共編著）、『ツキノワグマ　すぐそこにいる野生動物』（東京大学出版会）、『ムーン・ベアも月を見ている』（フライの雑誌社）、『クマとともに』（東京大学出版会・共著）など。</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/20260829yamazakikouji5.jpg" />
						
						<pubDate>Thu, 01 Oct 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[山﨑晃司、小池伸介]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>連載小説「報復捜査」 第５回　安東能明  安東能明（小説家）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/14930</link>
						<guid isPermaLink="false">0000014930</guid>
			<description><![CDATA[連載小説「報復捜査」 第５回。殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="報復捜査" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" /></p>

<p>殉職した公安部の刑事が追いかけていた事件に隠された真実とは!?</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>第５回</h2>

<p>３</p>

<p>目が覚めたとき、天井が白かった。</p>

<p>寮の天井だ、と伊場（いば）はすぐに気づいた。それだけの余裕はあった。問題は、その先だった。昨夜横になったはずが、いつ眠ったのか覚えがない。夢は見なかった。夢も見られないほど深く落ちていたのか、それとも夢を見たが忘れたのか。</p>

<p>時計を見ると、午前六時四十分だった。</p>

<p>伊場は起き上がり、シャワーを浴びた。湯を頭から被りながら、昨日の監察の問答を反芻（はんすう）した。抑揚（よくよう）のない垣内（かきうち）の声が蘇る。問い続けたのは伊場の行動と判断だけで、小暮（こぐれ）の側の不可解さには、一度も触れなかった。なぜ単独取調だったのか。なぜ警報ボタンが鳴らなかったのか。なぜ公安の刑事が拳銃を持っていたのか。それらはすべて、問答の外に置かれたままだった。</p>

<p>シャワーを止める。</p>

<p>湿気を吸って重くなったグレーのコットンＴシャツに、黒の綿パンツを履いた。</p>

<p>きょうから一週間、職務停止となる。</p>

<p>一階の食堂は、午前六時半に開く。</p>

<p>伊場が降りると、すでに数人が席についていた。吉祥寺署の同僚も何人かいる。テレビが朝のニュースを流している。音量は絞られていたが、昨日の事件の映像が流れているのが見えた。伊場は視線を逸らした。</p>

<p>盆に定食を載せて、端の席に座った。白飯、味噌汁、焼き鮭。どれも味がするのかどうか、わからなかった。噛んで飲み込む。</p>

<p>ふと、視線を感じた。</p>

<p>斜め向かいの席に、清川（きよかわ）がいた。伊場と目が合った瞬間、清川はすっと視線を外し、味噌汁に目を落とした。</p>

<p>その素振りが、引っかかった。</p>

<p>昨夜の霊安室の廊下でも同じだった。清川は何か知っているような感じで言いかけて、やめていた。</p>

<p>伊場は盆を持って立ち上がり、清川の隣の席に移った。</p>

<p>「清川」</p>

<p>つとめて小声で言った。清川は顔を上げず、箸を持ったまま固まった。</p>

<p>「昨夜は、すまなかった。急に訊いたりして」</p>

<p>「いえ、昨日は大変でしたね」</p>

<p>どこか他人ごとのように聞こえる。</p>

<p>「あまりニュースになっていないな」</p>

<p>「箝口令（かんこうれい）が出てますから」</p>

<p>それはそうだろう。</p>

<p>「おまえ、現場では屋上にいたか？」</p>

<p>「いえ、一階の警戒でした」</p>

<p>「銃撃は見てないか？」</p>

<p>「見てません。どうだったんですか？」</p>

<p>「驚いたよ、おれも」</p>

<p>言葉を濁した。</p>

<p>現場で起きたことを知る人間は少ないようだ。</p>

<p>「きょうは宿直だったな？」</p>

<p>伊場が話題を変えると、ようやく清川は目を合わせた。</p>

<p>「そうでした。忘れてました」</p>

<p>「その調子でいけよ。今晩は平穏だ」</p>

<p>清川はまんざらでもないという顔でうなずいた。</p>

<p>「でな、阿久津（あくつ）の件、最初は生安の取り調べだったろ」つい、伊場は口にしていた。「実際どこまで立件できる案件だった？」</p>

<p>「不法就労助長としては普通に悪質ですよ。中国人留学生を〝二十八時間超え〟で回してた。深夜帯も入ってたし」</p>

<p>「留学生も立件？」</p>

<p>「ケース次第です。ただ今回は、学生よりブローカーの阿久津が本丸でした」</p>

<p>「店側は？」</p>

<p>「店主は〝留学生とは知らなかった〟〝掛け持ちは知らなかった&rdquo;で押し通してました」</p>

<p>「それで通るのか？」</p>

<p>「在留カード確認義務があるんで、完全には無理ですね。ただ、二十八時間超えを認識してたか、となると別です」</p>

<p>「実際は知ってた？」</p>

<p>清川は苦笑した。</p>

<p>「夜中まで働かせて、知らないわけないでしょう」</p>

<p>「つまり、そこまで大事件じゃない」</p>

<p>「ええ。店主も学生も、たぶん書類送検で終わりだったはずです。阿久津にしたって、せいぜい罰金刑だったでしょう。普通なら、こんな大騒ぎになるような件じゃない。阿久津が死んで、この件は処分保留で終わりです」</p>

<p>「摘発のきっかけは？」</p>

<p>「同業者のタレコミです。匿名で」</p>

<p>伊場は腕を組んだ。</p>

<p>「そんな軽微な案件に、どうして小暮」伊場は言葉を改めた。「ソトニが首を突っ込んできた？」</p>

<p>「公安って事大主義ですから、放っておけなかったんですよ」</p>

<p>「そんな程度か......」</p>

<p>「決まってるじゃないですか」</p>

<p>「調書を見たいな」</p>

<p>清川が一瞬、食堂を見回した。誰も、こちらを見ていない。</p>

<p>「いいですけど、うちの分だけですよ。外事のはないです」</p>

<p>「いいよ。できたら、留置人名簿と接見簿、それと看守日誌も」</p>

<p>「そんなもの見て、どうするんですか？」</p>

<p>「こっちはこれから一週間やることがない。それを見てせいぜい暇をつぶすさ」</p>

<p>清川が肩をすくめてうなずいた。</p>

<p>飯は、半分ほど残した。</p>

<p>午前九時過ぎ、伊場は官舎を出た。ふだんどおり、バスと徒歩で、九時半には吉祥寺署の裏口に立っていた。空は低く、雲が厚い。雨はまだ落ちていないが、遠からず来るだろう。半袖では少し肌寒かった。</p>

<p>警務課に電話を入れ、入船（いりふね）を呼び出した。入船は拳銃担当だ。相手はすぐ出た。</p>

<p>「伊場です。いま、署の裏口にいます。ちょっとだけ、来てもらえませんか。昨日の件で、ひとつだけ確認させてください」</p>

<p>電話の向こうで、入船が短く答えた。すぐ行きます。それだけだった。</p>

<p>三分後、裏口の扉が開いた。</p>

<p>入船光男（みつお）。三十代前半、警務課の拳銃管理担当。几帳面な男で、書類仕事が得意だという印象がある。顔色は悪かった。ファイルを携えている。</p>

<p>「伊場さん、職務停止中でしょう。自宅に戻ってください」</p>

<p>声が固い。言葉に気持ちがない。</p>

<p>「二分でいいから聞いてよ」</p>

<p>「困ります」</p>

<p>「小暮に拳銃を回したのは、あなたか」</p>

<p>入船の喉が動いた。周囲をうかがう目に、隠しきれない怯えがある。</p>

<p>「......小暮さんが警務課に来たのは、阿久津が逃げた直後です。通常の一時貸与の手続きを踏む時間なんて、ありませんでした。でも、これを見てください」</p>

<p>入船が差し出した貸与簿の承認欄に、曽我厚志（そがあつし）のサインが、掠れたボールペンで殴り書きされていた。</p>

<p>「副署長の直決です。署長の決裁は後回しでいい、おれが全責任を持つ、と。副署長が、直接そう指示されたんです」</p>

<p>「本部への照会も、上位者の複数承認も飛ばして、ですか」</p>

<p>「......非常時でした。被疑者が逃げて、人質を取った。一刻を争う、と。わたしは、拒めませんでした」</p>

<p>伊場はじっと書類を見た。拳銃の一時貸与は、通常、厳格な手続きを要する。本部への照会、上位者の複数承認、理由の明示。それが、副署長の一筆で完結している。</p>

<p>「小暮は、なんと言って申し出たんですか」</p>

<p>「......『被疑者を逃がしたのはわたしの責任です。現場に急行します。拳銃を貸与してください』と言ったそうです。副署長から直接聞きました」</p>

<p>急行、という言葉が耳に残った。</p>

<p>責任を取りに行く。それが、小暮の言い分だったのか。</p>

<p>「曽我副署長は小暮の事案について、気にかけていたんですか？」</p>

<p>入船の表情が、わずかに揺れた。言いたくない、という気配だった。伊場は黙って待った。</p>

<p>「......これは、わたしが直接見たわけじゃないですが」</p>

<p>「聞かせてください」</p>

<p>「阿久津の取り調べ中、何度か隣室に来てモニターを見ていたという話は聞きました」</p>

<p>伊場は、すぐには答えなかった。</p>

<p>副署長が、公安の取り調べを見ていた......。</p>

<p>「副署長がそう言ったんですか？」</p>

<p>「それは......」</p>

<p>入船は、首を横に振った。言い過ぎた、という顔だった。</p>

<p>「すみません。これ以上は。ほんとに、帰ってください」</p>

<p>入船は顔を強ばらせたまま、裏口の扉を押して中に入った。扉が閉まる寸前、一度だけ振り返って、何か言いたそうな目をした。しかし、言葉は出なかった。扉が閉まり、金属のラッチが噛む音がした。</p>

<p>伊場は、しばらくその場に立っていた。</p>

<p>副署長が取り調べを覗いていた。それは何を意味するのか。曽我は公安畑の人間ではないはずだ。それでも、逃走前から、阿久津の取り調べに関心を持っていた。公安の小暮が何を引き出しているか、確かめようとしていた。それとも、小暮を監視していた？</p>

<p>考えながら歩き出した。</p>

<p>吉祥寺署は五日市（いつかいち）街道ぞいにある武蔵野八幡宮の西隣にある。署から阿久津が逃走したと思われるルートをたどった。八幡宮交差点から吉祥寺通りを駅方向へ進んだ。コンビニとホテルに挟まれた路地を西にとる。五十メートルほどで四階建ての雑居ビルに行き着いた。一階には無機質なコインランドリーと、看板の剥（は）げかかった雀荘が入っている。排気ガスと湿気で黒ずんだコンクリート造の壁には、消費者金融や塾のポスターが隙間なく貼られていた。</p>

<p>二十四時間前、この薄汚れたビルの屋上で、小暮は死んだ。</p>

<p>吉祥寺通りの喧騒から離れて、沈んだ空気が流れている。錆（さ）びた非常階段が剥（む）き出しになったビル群の隙間で、六月の重い空がどんよりと濁っていた。</p>

<p>入口に貼られた立ち入り禁止のテープを見つめた。中には入らなかった。入る理由もない。ただ、ここに来ずにはいられなかった。</p>

<p>見上げると、屋上のフェンスが見えた。あの場所に、阿久津がいた。人質の女児がいた。小暮もいた。自分も。</p>

<p>伊場は、目を閉じた。</p>

<p>屋上のことを、また思い出した。小暮が射線上に現れた。「撃つな」と叫んだ。それから、銃を構えた。あの銃口が、自分に向いていた。本気だと思った。だから、撃った。</p>

<p>だが、本当に本気だったのか。</p>

<p>考えかけて、伊場は首を振った。考えたところで、何になる。撃ったのは自分だ。小暮は死んだ。それが、すべてだ。確かめる術（すべ）はもうない。</p>

<p>携帯を取り出しかけて、伊場は止まった。</p>

<p>昨日、自分は小暮を撃った。その手応えが、まだ右手のどこかに残っている気がした。圭子（けいこ）に、連絡しなければ。そう思いはした。だが、できなかった。どんな顔をして、何を言えばいいのか。あなたの夫を撃ったのはおれです。そう言うべきなのか。言えるはずがなかった。指が画面の上で止まったまま、動かなかった。</p>

<p>そのとき、携帯が震えた。</p>

<p>画面に「小暮圭子」と表示された。</p>

<p>伊場は息を止めた。</p>

<p>着信音が鳴り続ける。手のひらの中で、携帯が震え続ける。出るべきか。出て、何を言う。出ないという選択も頭をよぎった。だが、それはあまりに卑怯（ひきょう）だった。</p>

<p>三度目の震えで、伊場はこわごわ画面に触れた。</p>

<p>「......もしもし」</p>

<p>声がかすれた。</p>

<p>「伊場くん」</p>

<p>圭子の声は、思ったより落ち着いていた。それがかえって、伊場の胸を締めつけた。</p>

<p>「あの......会って話したいの。きょう、これから来てもらえる？」</p>

<p>伊場はすぐに答えられなかった。</p>

<p>心臓が激しく打っていた。会う。圭子と。夫を撃った男が、その妻と向き合う。耐えられるのか。</p>

<p>だが、断ることもできなかった。</p>

<p>「......わかりました」と、どうにか声を絞り出した。「これから行きます」</p>

<p>電話を切ったあとも、しばらく動けなかった。手のひらに汗がにじんでいた。</p>

<p>署に戻る道すがら、増井の携帯に電話をかけた。強行犯係の同僚だ。幸い、増井は署にいた。</p>

<p>「悪い、頼みがある。捜査用車の鍵を、裏口まで持ってきてくれないか」</p>

<p>電話の向こうで、増井が息を吐いた。</p>

<p>「伊場さん、職務停止中でしょ」</p>

<p>「私用だから」</p>

<p>「捜査車両は困りますよ。上に知れたら」</p>

<p>「黙っといてくれ」</p>

<p>また沈黙。それから、増井が「まったく」と言った。</p>

<p>十分後、裏口に増井（ますい）が現れた。迷惑この上ない、という顔で鍵を差し出した。</p>

<p>「無茶しないでくださいよ」</p>

<p>「ありがとう」</p>

<p>伊場は鍵を受け取り、管理札を見て、該当する車種を探した。シルバーのシルフィを見つけた。ガソリン残量を確かめてから署を出た。</p>

<p>武蔵野市西久保（にしくぼ）にある西窪（にしくぼ）住宅に住んでいる。車ならすぐだ。</p>

<p align="right">〈つづく〉</p>
]]></content:encoded>
												<enclosure url="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/2026/2026A/260824Houfukusousa01.jpg" />
						
						<pubDate>Wed, 30 Sep 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[安東能明（小説家）]]></dc:creator>			
		</item>
				<item>
			<title>「目覚めが悪い」「頭が重い」は水分不足のサイン?　1日を気持ちよく始める4つの習慣  堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）</title>
			<link>https://shuchi.php.co.jp/article/15107</link>
						<guid isPermaLink="false">0000015107</guid>
			<description><![CDATA[朝がつらいと感じている人たちは、朝にたくさんの小さな選択を強いられているから――そう語る言語学者の堀田秀吾が、朝の悩みを減らすための4つの習慣を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img alt="堀田秀吾著『心理学×脳科学×行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』" height="743" src="https://shuchi.php.co.jp/userfiles/images/utilityG/pixta_nayamibedW.jpg" width="1200" />「今日は何を着ていくか」「今日やるべきことは何か」――こうした一つひとつの小さな選択が積み重なって悩みとなり、朝一番の充電満タンな脳を疲れさせてしまいます。「朝から何だかつらい...」と感じている人は、現在の習慣を見直すことが大切かもしれません。本稿では、言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さんに「朝の負担を減らす4つの習慣」を紹介していただきます。</p>

<p>※本稿は、堀田秀吾著『心理学&times;脳科学&times;行動経済学で科学的に証明された 悩まない人の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>寝る前に明日必要なものを机に並べておく</h2>

<p>寝る前の5分間、明日やることの段取りを先回りして考えてみてください。明日着る服、午前中のスケジュール、移動ルート、持ち物のチェック......こういったことを夜のうちに済ませておくだけで、翌朝をスッキリとした状態で迎えることができます。なぜなら、朝の悩みの9割は「目覚めた直後に押し寄せる無数の細かい選択」だからです。</p>

<p>人の選ぶ力には限りがあり、選べば選ぶほど脳は疲れていきます。朝の脳はいわば充電が満タンの状態です。その貴重なリソースを着る服や朝ごはんの選択に使ってしまうのはもったいないことです。</p>

<p>コンスタンツ大学のゴルウィッツァーは、「人が目標を達成できないのは意志が弱いからではなく、いつ・どこで・どう動くかを前もって決めていないからだ」と指摘しました。「明日の朝7時に起きたらすぐにこの服を着る」というふうに、行動の引き金と動作をセットで決めておく。これを「イフ・ゼン・プランニング（実行意図）」と呼びます。</p>

<p>ゴルウィッツァーとシェフィールド大学のシーランが94件の研究データを統合した分析では、イフ・ゼン・プランニングをしたグループと、ただ目標を立てただけのグループを比べたところ、目標達成率に中程度から大きい範囲の差が現れました。つまり、漠然と「早起きしよう」と思っているだけの人より、前夜に動作まで決めた人のほうが実際に行動に移せる確率が一段と高くなるのです。</p>

<p>服を選ぶ、持ち物を準備する、予定を確認する......こうした単純な選択であれば、多少疲れた脳でも十分にこなせます。</p>

<p>たとえば、明日必要なものを机の上にひとまとめにしておくだけでも、翌朝の「探す」という動作がひとつ消えます。こうした前夜のわずかな先回りが、朝の貴重な脳の資源を本当に大切なことのために残しておいてくれるのです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・前夜5分で明日の準備を完了させる</p>

<p>・「もし○○なら△△する」と行動のきっかけを決めておく</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>起き抜けにコップ1杯の水を飲む</h2>

<p>朝、目は覚めているのに頭も気分もどんよりと重い。仕事のことを考えるだけで気が滅入る。そんな朝のしんどさの原因は、性格でも寝不足でもなく、もしかしたら「水分不足」にあるかもしれません。</p>

<p>眠っている数時間、私たちは水を一滴も飲んでいません。それでいて呼吸や汗で水分は出ていく一方です。つまり起き抜けの体は、1日のうちで一番水分が減っているタイミングです。コーヒーで無理やり頭を叩き起こす前に、まず見直したいのは水なのです。</p>

<p>コネチカット大学のアームストロングらは、脱水することで何が起こるのかを確かめています。健康な若い女性25人に、8時間がかりの実験へ3回参加してもらいました。運動で汗をかいて水分を軽く減らす日、運動に加えて利尿剤を使う日、そして十分に水分をとる日を設定し、水分の条件だけを入れ替えて、気分や集中の変化を細かく測り比べました。</p>

<p>ただし「脱水」といっても減った量は体重の1.36％ほどです。ふらつくほどの脱水ではなく、忙しい日常の中では気づかないうちに起こりうる程度の目減りです。</p>

<p>その程度の脱水でも目に見える変化がありました。水分が減った日には活気が落ち、疲労感が増し、気分の乱れが全体として大きくなりました。さらに目の前の課題は実際より難しく感じられ、集中はしにくくなり、頭痛の訴えも増えました。</p>

<p>一方で、計算や記憶といった認知テストの成績そのものはほとんど落ちませんでした。つまり能力はまだ残っているのに、気分が先に低下したのです。</p>

<p>起きたらまずコップ1杯の水を飲むのを朝の習慣にしましょう。歯を磨く前でも、カーテンを開ける前でもかまいません。とにかく「起きる」という行為の直後に、水を飲むという動作をセットにしてしまうのがコツです。</p>

<p>冷たい水がつらい季節は白湯でかまいません。コーヒーはそのあとでいいのです。量も厳密でなくて大丈夫で、まず1杯、飲めるならもう半分ほど。家族の分までついでに注いでおけば、朝の食卓の支度がひとつ片づきますし、飲みながら窓の外を眺める数十秒は、そのまま小さな深呼吸の時間にもなります。</p>

<p>逆に、コップを用意する一手間を惜しむと、忙しい朝では簡単に抜け落ちてしまう習慣でもあります。前夜のうちに、水を注ぐコップを用意しておく。それだけで、翌朝の行動はほとんど自動的に決まります。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・前の晩に水を置く場所を決めておく</p>

<p>・コーヒーは水を飲んだあとに回す</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>SNSは朝開かない</h2>

<p>目覚ましが鳴り、半分眠ったままスマホに手を伸ばす。SNSを開けば誰かの自慢話や炎上、見知らぬ人の不幸などが脈絡なく一気に飛び込んできます。数分後にスマホを置いたとき、なぜか心が少し重くなってしまっている......よくある光景ですが、科学的に見ると朝の過ごし方としては最悪の部類に入るルーティンです。</p>

<p>SNSは無数の小さな判断と感情を一気に呼び起こす装置です。情報量も膨大です。流れてくる情報の一つひとつに脳は無意識に反応し、その繰り返しで判断力は少しずつ削られていきます。</p>

<p>ペンシルベニア大学のハントらは、学部生143人を２つのグループに分けて3週間の実験を行いました。一方のグループには、フェイスブック・インスタグラム・スナップチャットの利用を1日10分ずつ、合計30分以内に制限してもらいました。</p>

<p>3週間後に心の状態を測定したところ、SNSを30分に制限したグループでは、孤独感と抑うつの度合いが統計的に明らかな低下を見せました。特にもともと抑うつ傾向の高かった人ほど改善幅が大きく、SNSを見ない時間を作ることが心の健康に結びついたのです。</p>

<p>朝のSNSがやっかいなのは、自分で選んだ感情ではなく、一方的に差し出された感情で1日を始めてしまうことです。対策としては、意志の力より物理的な仕組みが有効です。アプリをホーム画面の目立たない場所に移す、起きてから身支度が終わるまでスマホを別の部屋に置いておく。これだけでもSNS を開きたくなる衝動は大きく弱まります。</p>

<p>代わりに、窓を開けて空気を入れ替えたり、白湯を1杯飲んだり、家族の顔を見て一言交わす。そうやって自分自身の感覚で1日を始める時間をほんの少しだけ確保するのです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・スマホを枕元に置いて寝ない</p>

<p>・SNSアプリをホーム画面の1枚目から外す</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>服・食事・通勤経路を固定する</h2>

<p>スティーブ・ジョブズが毎日同じ黒のタートルネックを着ていたのは有名な話です。マーク・ザッカーバーグも灰色のTシャツばかりで会議に出てきます。彼らはおしゃれに無関心だったわけではなく、創造性のために頭の容量を空けておく戦略をとっていたのです。</p>

<p>自己制御力には限界があると、長らく考えられてきました。ミネソタ大学のヴォースらは、たくさんの選択をさせられたグループと、ただ商品を眺めるだけのグループを比べる実験を4回くりかえしました。</p>

<p>色・香り・デザイン・組み合わせなどを次々に選ばされたグループは、その後の我慢比べの課題でも難しい計算問題でも、目に見えて成績が落ちました。氷水に手を浸ける耐久時間が短くなり、課題の途中であきらめる人も増えたのです。「決断疲れ」と呼ばれる現象です。</p>

<p>ここで大事なのは、服や朝食を固定することが「考えるのをやめる」ことではないという点です。むしろ、朝一番の限られた意志の力をどこに使うかを選び直しているのです。</p>

<p>服選びに使うはずだった判断力を仕事の優先順位づけや子どもへの声かけに回す。同じ量の意志の力でも、使い道を変えるだけで1日の中身は変わってきます。固定するという行為は、選ばないことではなく、選ぶ場所を変えることだと考えてみてください。</p>

<p>例を使って考えてみましょう。毎日選んでいるものをあらかじめ「仕組み」として決めてしまいます。ここでは特に効果が出やすい服・朝食・通勤ルートの3つで具体的に見ていきましょう。</p>

<p>・服：平日の服を3パターンに固定し、考えなくても身支度ができる仕組みをつくります。月曜はベーシックなシャツにパンツ、火曜はセットアップというようにパターン化しておきます。おしゃれを楽しむ時間は、週末に集約させればいいのです。</p>

<p>・朝食：メニューをあらかじめ2択程度に絞り込み、毎朝「何を食べるか」考える時間自体をなくしましょう。オートミールとヨーグルト、トーストと卵焼きなどと固定化すれば、冷蔵庫の前で立ち尽くす時間がなくなります。</p>

<p>・通勤ルート：駅までのルートを1本に固定します。「今日はどのルートにしようか」「ホームのどの位置に並ぼうか」という判断そのものをゼロにするのです。</p>

<p>【今日すぐできること】</p>

<p>・平日の服、朝食、通勤ルートを固定する</p>

<p>・毎日選んでいるものを仕組み化する</p>
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						<pubDate>Wed, 30 Sep 2026 11:50:00 +0900</pubDate>
			<dc:creator><![CDATA[堀田秀吾（明治大学教授、言語学博士）]]></dc:creator>			
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