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世界中に広まった町工場の圧倒的な技術力~有限会社アットモル

<PR>提供:産業交流展2020実行委員会

2018年10月10日 公開

THE21編集部 <PR> 提供:東京都

福生で生まれた「ポンプ」が世界の医療現場に!

2017年度の「東京都経営革新優秀賞」にて「奨励賞」を受賞した有限会社アットモルは、その卓越した技術力で世界中を相手にビジネスを展開する、知る人ぞ知る優良企業だ。その技術に対するこだわりについて、代表取締役の斎藤利徳氏にうかがった。

他社に真似できない「小型かつ高性能」なポンプ

福生市に本社を置く有限会社アットモル。会社の外観は一見、民家のようにすら見える。だが、ここから生み出される製品は世界中で使われており、中でも小型・高性能なプランジャーポンプ(ロッド状のピストンを往復運動させるタイプのポンプ)は、中国やヨーロッパ等の医療機器メーカーからの強いニーズにより、売上の約75%を占める主力製品となっている。代表取締役の斎藤利徳氏は、自社製品の特長についてこう語る。

「当社の製品を一言で言えば『小型ポンプ』ということになるのですが、これは単にポンプを小さくすればいいというものではありません。通常、ポンプを小さくすれば、その分性能も落ちてしまうからです。だから、作り方も普通のポンプとは根本的に変えなくてはならない。具体的には高圧のシステムに精通していないと、小型化したうえで性能を維持することはできないのです」

まさに他社に真似できないオンリーワンの技術だが、そもそもなぜ、こうした小型ポンプの需要が高まっているのだろうか。

「その多くは医療用です。医療現場ではさまざまな分析装置が使用されていますが、そこに我々の製品も用いられています。医療関連の分析は大きく『尿検査』と『血清検査』に分かれますが、比較的量が取れる尿に比べ、血液は採取できる量に限界があります。そのわずかな血液から血清を取り、GOT、GPT、LDH、総蛋白などさまざまな数値を取っていかなくてはならない。そのためには、小型でかつ高性能なポンプが必要になるということです」

圧倒的な精度は「手作業」から生まれる

アットモルの製品の強みは、その超精密研磨技術による、圧倒的な「精度」だ。

「たとえば3.2ミリのプランジャー(ロッド上のピストン)といっても、完全にぴったり3.2ミリで作れるわけではありません。機械には必ず公差というものがあり、通常、プラスマイナス3ミクロンぐらいの幅が出てしまう。それでも十分高精度ですが、我々はそれ以上のものを、具体的にはプラスマイナス1ミクロン以内の製品を作っています。髪の毛がだいたい200ミクロンの太さですから、その200分の1ですね」

このレベルの精度は機械研磨では不可能で、「手作業」でしか実現できないのだという。

「最初は外注しようと考えたのですが、受け手がいないのです。宝石加工の会社ならできるかと頼んでみたら、できないという。意外に思うかもしれませんが、金属というのは実は意外とやわらかいもの。これを研磨するのは粘土を削っていくようなもので、宝石を削るよりもむしろ難しいのです。仕方がないので自分たちでやることにし、研磨紙をどうするか、加工方法をどうするかなど、すべてゼロから開発していきました。

たとえば研磨紙はその粗さによって細かく番号が分かれているのですが、我々は300、400、600、800、1000、2000、4000、5000番などと徐々に細かく研磨していくことで、この精度を実現しています」

社内ベンチャーの経験が技術開発に活かされた

アットモルの技術を支えているのは、長年の経験に裏打ちされた技術力だ。実は斎藤社長は以前、別の会社に勤めており、そこで社内ベンチャーとして事業を立ち上げた。

「日本電子という電子顕微鏡の会社にて、社内ベンチャーとして『日本電子モーレ』という会社を立ち上げ、『超臨界流体クロマトグラフィー』という装置の研究・開発を始めました。クロマトグラフィーとは分析装置の一種で、その中でも超臨界流体(臨界点以上の温度・圧力下においた物質の状態を指し、気体の拡散性と、液体の溶解性を持つ)を扱う装置は、当時、まったく新しい分野でした。

世界でもこの分野の開発をしていたのは日本電子とアメリカのHPくらいで、研究は困難を極めましたが、結果的にHPよりもずっと優れた性能を引き出すことに成功しました。

大手研究機関での採用も決まり、軌道に乗るかと思ったのですが、その直後にバブルが崩壊。企業にこのような装置を導入する余力がなくなってしまいました。つまり、市場そのものが消えてしまった。結果、会社もいったん整理することになったのです」

本社に戻るという選択肢もあったが、斎藤氏が選んだのは「独立」という道だった。

「実は日本電子は『日本電子学校』などと呼ばれるくらい、会社を辞めて独立する人が多い会社。私もどうせなら新しいことを始めたい、と独立したわけです。

そんな中、やはり会社を辞めて独立していたOBから、小型高性能ポンプ開発の話が来たのです。他社が開発に苦労しており、もし、我々が開発できるのならぜひ採用したいとの話でした。それが開発を始めたきっかけです」

超臨界流体クロマトグラフィーの開発はビジネスとしては成功しなかったが、小型高性能ポンプの開発には当時の経験が大いに役立ったという。

「先ほど述べたように1ミクロン以下の公差で製品を作ろうとすると、問題になってくるのが温度です。いわゆる熱膨張で、朝と昼とでは平気で1ミクロンぐらい変わってきてしまう。ただ、日本電子は元々顕微鏡の会社ですから、これらに対応するノウハウがありました。

また、いくら正確に研磨したところで、コーティングをしないとすぐに表面がガタガタになってしまう。最終的には窒化クロムを使ったコーティング方法を編み出したのですが、それでも普通のコーティングの方法ではすぐにはがれてしまう。ここでも、日本電子時代の経験が活きました」

約8年かけて世界中に口コミが浸透

斎藤氏の話からわかるのは、「技術の世界はすぐに結果が出るわけではない」ということだ。それは、販売についても同じだ。

「最初はヨーロッパ市場を狙っていました。商社を通じて売り込んでもらい、雑誌広告も打ったりしたのですが、最初の3年間はまったく反応がありませんでした。そろそろ店じまいか、というときにやっと注文が来始めたのですが、後発であったこともあり、それほどの量ではありませんでした」

ただ、その後、徐々に評判が広まっていったという。

「普通、このタイプのポンプはある程度時間が経つと、オーバーホールして消耗品を取り換える必要があるのですが、当社の製品はそれが一切不要。ある意味『売りっぱなし』のようなもので、ユーザー側からしてみれば、メンテナンス不要で長く使えるわけです。

ただ、それは実際にしばらく使ってみないとわからないことです。8年くらいたってやっと、この製品は高いけれど性能が良く、しかもずっと使い続けられると評判になってきた。すると、ヨーロッパとアメリカは情報がつながっていますから、アメリカからも直接問い合わせが来るようになってきました」

成長をさらに加速させたのが、中国市場の拡大だった。

「日本も同じですが、経済的に豊かになってきた人が次に気にし始めるのは『健康』です。中国の富裕層に対し、日本のような健康保険制度を導入していこうという動きもあり、市場が一気に拡大し始めたのです。しかも、中国の富裕層は中流まで入れれば3億人はいるとも言われますから、規模がケタ外れに大きい。中国のケミカルメーカーで2、3番手くらいの大企業が当社の製品を採用したのですが、最初は年間数百台だったのが、一時は5000台にまでなり、注文に対応しきれなくなったほどです」

「結果を焦らない」姿勢が技術開発には不可欠

こうした技術開発と世界規模での評価により、2017年度の経営革新優秀賞の奨励賞を受賞。産業交流展への出展も大いに役立っていると語る斎藤氏だが、「結果を焦らないほうがいい」ともアドバイスする。

「今回奨励賞をもらったことは、信頼度の向上という意味でも非常に大きいと思っています。また、産業交流展には以前から出展しており、すでにいくつかのビジネスが進んでいます。

ただ、こういう分野は何しろ時間がかかります。とくに医療分野はものすごく慎重で、技術の評価に2~3年、ユーザー評価に1~2年と、5年くらいして初めてものになるという案件が多い。しかも、そもそも開発にも3年間くらいはかかるわけで、結局、一つのことを始めてから軌道に乗るまでは8年はかかるということです。

最近の会社は1、2年で結果を出させようとするところが多いですが、これでは安心して開発はできません。そこはぜひ、多くの人に理解しておいてほしいと思います」

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