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スタートアップ企業が実践する「すごい働き方改革」とは?

2018年10月11日 公開

THE21編集部 <PR> 提供:東京都

「働き方」へのこだわりが企業戦略になる時代に

大手企業の働き方改革がニュースになることは多いが、中小企業のそれが話題になることはあまりない。しかも、それが立ち上げたばかりのスタートアップ企業の場合、「働き方改革よりも目先の仕事が大事だ」となりがちなイメージがある。

だが、実際には、スタートアップだからこそ働き方にこだわり、働きやすい職場を実現している企業も数多く存在する。そこで本記事ではそんな3つの企業を取材し、そのユニークな働き方についてうかがった。

職場を「自己実現のプラットフォーム」に……「株式会社侍」

イノベーション人材を輩出することを目的に、従来の学校型教育に代わる新しい「オンライン教育プラットフォーム」を提供している「株式会社侍」。専属講師によるマンツーマンのプログラミングレッスン「Samurai Engineer」を始めとしたサービスが好評を博している。

オンライン教育プラットフォームを目指していることもあり、代表取締役の木内翔大氏は「会社もまた、社員の自己実現のためのプラットフォーム」と定義している。

「食べるために働く、働きたくないのに働く、という姿勢が好きではありません。労働に割く時間は人生の中で大きな比重を占めます。それならば、仕事自体にその人の自己実現が結びついていたり、人生の幸せに繋がるようなキャリア形成を支援したい」 と木内氏は話す。

また、侍は部長・課長といった役職制度を設けていない。

「当社には役職がありません。部署はありますが、ほとんどの人が部署をまたいだ複数のプロジェクトに属しています。やりたいと思ったプロジェクトに自ら手を上げることで、それがその人の仕事となるのです。
また、出社時間もありませんし、労務管理もほぼしていません。役職や出社制度というのは、階級を分けて管理・評価をすることで、社員のパフォーマンス向上を図るものです。しかし、それぞれの社員にセルフマネジメント力が備わっていれば管理をする必要はない。
仕事で結果を出していて、それを報酬も含めてちゃんと評価してあげる制度を整えれば、従来の管理制度は不要だと思っています」

評価制度もユニークだ。その一つが、「自動昇給制度」だ。

「役職者がいないということは評価する人もいないわけで、ならば『自動的に昇給すればいい』と、毎月1万円ずつ昇給する仕組みにしました。さらに、『自らの昇給は自ら交渉すべき』という発想から、『昇給申請』という制度が生まれました。昇給希望者は申請シートを委員会に提出します。その後フィードバックや面談を通して申請が承諾された場合、翌月給与より反映されるというものです。2018年6月から実装されたこの制度ですが、申請率は28.5%を記録していて約3人に1人の社員は申請をしています。また、平均昇給額率は148%と高水準な昇給実績を出しています。
例を挙げると入社3カ月目の社員が申請をし、150%の昇給を実現したという圧倒的なスピード感で昇給している事例もあります」

同社は、働く場所も自由なら、副業も自由だという。

「たとえば、自社メディアの編集長として活躍してくれている社員は地方にてリモートワークで働いていますし、声優事務所に所属しながら働いている社員もいます。こういう働き方を奨励しているのも、会社は社員もお客様も自己実現できるためのプラットフォームである、という発想からです」

ただし、このレベルの「セルフマネジメント」が誰でも最初からできるとは限らない。

「そこで、メンター制度を導入しています。ミドル級のマネージャーの人たちがメンターとなり、仕事の進め方からキャリア支援まで、なんでも相談に乗るという制度です。どんな人でも、やり方さえきちんと指導すればセルフマネジメント力は身に付きます。社内向けのビジネススキル講座『志事塾』を通じて、どんどん成長していく若手社員の姿を見てきました」

木内氏は、社員が働きたくなる組織作りにおいて最も重要なことがあると言う。

「仕事を通じてスキルを習得できているという実感です。そして、社内だけでなく市場全体の中でも本人のバリューが生まれることではないでしょうか。個人が活きれば、会社も伸びる。成長した社員が侍を辞めてもイキイキと働いてくれているなら僕たちが存在した意味はある、そう思います」

自分の価値を上げるために働く……株式会社ハッシャダイ

同様に自主性を重んじて「流動的な」職場づくりを目指しているのが、人材教育・マッチング事業を手掛ける「株式会社ハッシャダイ」だ。17歳から24歳の大学を卒業していない地方の人へ、東京での体験型インターンを提供する「ヤンキーインターン」というサービスが話題となっている。彼らにプログラミングや営業・ビジネススキルを学ぶためのコースを提供することで、「元ヤン」を含む、多くのいわゆる非大卒者に働く場を提供してきた。取締役の橋本茂人氏は、高卒・中卒の人と大卒の人のポテンシャルの差はまったくないどころか、むしろ高卒・中卒のほうが伸び代が大きいように感じるという。

「もう捨てるものはない!と決意して東京にやってくる子が多いので、やる気が違います。また、大卒の人は一つの選択肢として大手に入って安定した給料をもらって、という固定観念を持っていますが、高卒の子にはそもそもそれがありません。余計な考えに囚われず、素直に頑張ることができるのが彼らの特徴に感じています」

ハッシャダイが目指す「流動的な職場」というのは、具体的にどのような職場なのか

「まず、それぞれの社員には固定された席がありません。『場所の固定は階級の固定』だと思っているからです。必要なときに必要な人のところに行って仕事をする。常にみんながオフィス中を動き回っているようなイメージです。
また、役職も作っていません。代わりに名刺には自己紹介を入れています。「everyday 白シャツ」「日本一の下足番」なんて、自分で勝手に決めています」

仕事はプロジェクト単位で進んでいくというが、どのように管理をしているのだろうか。

「スラックというコミュニケーションツールを使っていますが、そもそも日々社内でリアルなコミュニケーションを取っているので、管理上の問題はあまり感じませんね。
また、目標管理については、OKRという目標の立て方をしています。こういう形になりたいというオブジェクト(目的)とキーリザルト(それに紐づく要素)を決め、それを達成できたかどうかで判断します。たとえば人事なら、目的は『ハッシャダイを愛される会社にすること』として、そのためのキーリザルトが『採用人数を増やす』とか『リーチ数を上げる』となるわけです。そして、それを実現するための方法はあくまで自分で考えます」

実現できるよう促すポイントは、目標の見せ方だと言う。

「最終目標を数字ではなく具体的な言葉で見せて、イメージが湧くようにする。
『数字を何億達成しろ!そのために○件営業する』という方向ではなく、『この商品で人々を幸せにしたい→だから今年の目標はこう設定する→結果1億やろう』と言われたらきっと頑張り方が変わると思うんです」

ハッシャダイの社員が、それぞれの数字を達成し続けているという成果がすべての答えだ。

もう一つ、ハッシャダイのユニークな点が、その休暇制度だ。土日ではなく、基本「日月休み」にしている。

「世の中と同じ日に休むと、どこも混むし料金も高い。ならばむしろ空いているタイミングで休めばいいと考えたからです。また、祝日を休みにしないかわりに、その分を別の日にまとめて取れるようにしています。
ただ、そもそもの考え方は、いつ休みを取っても、会社に来なくても自由、ということです。また、基本的に副業も自由です。将来、何かの夢があって今は勉強のためにという理由でうちの会社で働いている人もいます。
今は一つの会社に縛りつけておくことは難しい時代です。むしろ、ハッシャダイで働くことによって、本人の価値が上がるような会社にしたいと思っています」

職場を「一人一人の人生を豊かにする場」に……READYFOR株式会社

信頼関係を基盤として、ひとりひとりが安心して健康的にエネルギー高く働き続けられることが何よりも大事だということを、自身の身を持って体験し、施策に活かしている会社もある。それが日本初・日本最大級のクラウドファンディングサービス「Readyfor」を運営する「READYFOR株式会社」だ。

社長の米良はるか氏は昨年、がんによる闘病で仕事から半年間離れたことがきっかけで、会社というものに対して新しい視点が育ったという。

「人生=仕事ではなく、『人生の最も大切な時間を過ごす場=仕事』という視点です。だからこそ、誰と、どんな環境で働くかが本当に大切で、会社を一人一人の人生を豊かにするような空間にしなくてはならないと決意したのです」

そういった職場づくりを促進する仕組みの一つが、ピアボーナスを送り合えるシステム『Unipos』(通称:れでぃぽす)だ。ピアボーナスとは『Peer(仲間) + Bonus(賞与)』を一つにした言葉で、従業員同士が互いの『感謝の気持ち』を送り合い、それが賃金に反映されるという仕組み。具体的には週一人当たり400ポイントが割り振られ、感謝したいことがあった際に、感謝メッセージとともにポイントを送り合う。

この制度の反響は大きく、導入から10日間で3万ものポイントのやり取りが行なわれた。長文のメッセージを添える人が多く、それも社員のやる気につながっている。また、マネージャーからは見えていなかったようなメンバーの動きを可視化することもできるようになった。

さらに、「社食」制度も始めた。デリバリーで食事を取り、できたての温かい食事を低価格で提供している。

「ランチをとりながらミーティングする機会などが増え、他部署との交流が盛んになりました」

他にも社内で体操の時間を設けたり、社内交流イベントとして運動会を実施するなど、まさに「健康経営」を意識した施策も続々導入しているという。

これら3社の事例から、いくつかの共通点が見えてくる。

中でも最も大きなものは「社員の自主性を引き出す」ことの重要性だ。会社は「仕事をさせる場所」ではなく、「自己実現の機会を提供する場所」という信念の元、なるべく自主的に働き方を選ぶことができる仕組みを整えることが、社員のやる気を引き出している。

さらに、コミュニケーションの活性化を図ることの重要性もまた強調しておきたい。社食の導入や「ピアボーナス」などはもちろんだが、「席をなくす」などの施策も、より多くの人との交流を促すという効果もある。

硬直化した組織ほど、ぜひこうした「働き方改革」を一部でも導入してみてほしい。それがきっと、硬直した組織に一石を投じることになるはずだ。

産業交流展2018 では、「つなげるチカラ、つながるミライ」をテーマに、優れた技術や製品、サービス、斬新なアイディアやノウハウを持った先進的中小企業が集結します。多様な人や企業のチカラを、自社の技術やサービスとつなぎ、出会いや交流を通じて、革新的な価値の創出を目指す中小企業のミライをつくるチャンスを提供します。

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