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企業同士のコラボ 成功の条件とは?

<PR>提供:産業交流展2020実行委員会

2020年12月22日 公開

柴田陽子

「仲がいい企業と協力した」ことを示すコラボは、ブランドの新たな価値になる

柴田陽子 Yoko Shibata ブランドプロデューサー

神奈川県生まれ。大学卒業後、外食企業に入社し、新規業態開発を担当。その後、化粧品企業での商品開発やサロン業態開発なども経験し、2004年に柴田陽子事務所を設立。コーポレートブランディング、街づくり、店舗プロデュース、商品開発など、多岐にわたるコンサルティング業務を行なう。

コラボとは、ブランドの自己紹介の一種

――ブランドプロデューサーである柴田さんから見て、企業同士のコラボをする意義、メリットには、どのようなことがあると思われますか。

柴田

私がお仕事をさせていただいている「ブランディング」という領域は、ブランドに対してファンを作るということです。ファンを作ることは、まずそのブランドがもつキャラクターを示して、そのキャラクターを好きになってもらい、提案するものを受け入れてもらいやすい土壌を作ること。キャラクター設定について、「可愛い」なのか。「かっこいい」なのか、「親しみやすい」なのか、あるいは「手に取りにくいけれど憧れ」と捉えられたいのか、それぞれのブランドが選ばれるための「ブランドコンセプト」を設定して、世の中に知らしめるわけです。言わば「私はこういう者です」という自己紹介ですね。
そういう意味で、コラボというのは、その自己紹介に情報を追加することになります。自分と仲がいい人と一緒に仕事をして、こういうものを生み出しましたよ、と示すわけですから、ファンであるお客様に対して、そのブランドのより詳しい性格を知らせることになります。「私はこういう性格です」というのも大事な自己紹介ですが、「私はこの人と仲がいいです」「この人のファンです」と言うと、さらにその人がリアルに描き出されますよね。
また、もう一つの大きなメリットは、認知を上げることができるという点です。コラボ相手のファンの人たちで自分たちのブランドを知らない人にも、知ってもらって届けることができる。新たなファンの開拓につながります。
例えば、最近街を歩いていて、Christian Dior(以下、ディオール)と、日本のスポーツメーカーのDESCENT(デサント)がコラボしたスキーウェアを売っているのを見かけました。このとき、「ディオールはデサントが好きなんだ」「デサントはディオールと仲がいいんだ」ということが伝わるわけです。

――ディオールとデサントのコラボとは、意外性がありますね。

柴田

そうなんです。デサントは日本のスポーツメーカーで、その技術の高さやストイックなデザイン、代官山や渋谷にあるコンセプトショップのカッコよさから、私自身もファンです。そんなデサントが、世界のハイブランドであるディオールがコラボしたいと思う相手に認定されたことは、ファンとしても嬉しく思います。一方で、ディオールとしても、テクノロジーがしっかりした日本のモノづくりを味方につけて、スキーウェアをリリースするというのは、とてもいいコラボではないかなと感じました。

――ディオールにとってはデサントのスポーツウェアに関する確かな技術力、デサントにとってはディオールのブランド力と知名度と、お互いにWin-Winになっていますね。コラボとは、足りないところを補い合うというのもメリットになりますか。

柴田

もちろんそうです。自分たちにとってリーチしたいお客様をもっているブランド、自分たちが実現したいことについて力を借りたい相手がコラボ相手になるわけです。
私は、BORDERS at BALCONY (ボーダーズアットバルコニー。以下、ボーダーズ)というアパレルのブランドを長年やっていますが、コラボの依頼をたくさんいただきます。私たちの強みは、30代・40代の上品な大人の客層がファンであることです。その強みを共有したいという依頼が様々あります。
実は今も、あるスポーツメーカーさんと共同で、スニーカーを作ろうとしています。スニーカーは、私たちが単独で作るには、ロットの問題で難しいため、開発にあたってパートナーが必要でした。対してスポーツメーカーさん側としては、男性的なイメージがあるところに、私どものボーダーズの背景にある30代・40代の女性の客層を取り込みたいということで、ニーズが一致します。
過去に、スポーツアパレルで人気のDANSKIN(ダンスキン)さんとコラボをしたこともあります。ダンスキンさんは軽くて丈夫な素材をたくさんお持ちで、それに対してボーダーズには特徴的なデザインがある。ダンスキンさんの素材×ボーダーズのデザインという掛け合わせで、どちらのファンにとっても喜ばれるものとなりました。さらに、それを両社の販路で販売することで、それぞれに今までになかったお客様に届けることができ、ブランドの認知につながったのです。このように、大きなコストをかけることなく、お互いのブランド力や認知度をうまく伸ばすことができる施策が、コラボだと思います。

ファンが離れる!?コラボの持つリスクとは

――良いコラボは非常にブランドの価値をさらに高めることになりますね。ただ、逆に、コラボによってファンが離れてしまうリスクもあると思います。そうならないためにはどうしたらよいでしょうか。

柴田

ブランドの信頼がどこにあるかを見極めて、その信頼を裏切らないように、パートナー企業や仕上がるものを決めていくのが大事です。イメージアップのために行なうわけなので、既存のファンががっかりするような内容ではなく、両者のファンがよりそのブランドを好きになるようなコラボである必要があります。
例えば、有名シェフがコンビニとコラボで商品開発をするとします。そのシェフは自分がカウンターに立ってお客様一人ひとりに料理をふるまってきたので、料理の技術や誠実な仕事がそのままブランド力と言えます。ところが、コンビニでその名前を冠した商品を売るとなると、多くの人に知ってもらう機会にはなるわけですが、その商品を通じてその人の積み上げてきた技術力や誠実な仕事ぶりが損なわれないかどうか、というのが、リスクになってくるわけです。
多くの人に知っていただけて、お店で料理を出すよりはるかに大きい収入が得られるコラボなら、それをきっかけに別のビジネスを展開することもできます。でも、そのシェフ自身のブランド戦略として、その道を選ばないという選択肢もあるのです。

――ファン層の問題もありますね。本来のブランディングと違う層に広がるのが良い場合もあれば、ブランドの良さがブレてしまうというリスクもあります。

柴田

あるブランドとコラボすると、同じジャンルの他のブランドとはコラボができなくなる、ということもあります。私自身、あるコラボのお話をいただいたとき、同じジャンルでそことは別のブランドと仕事をしたいと思っていたために、その話はお断りしたということがありました。このような見極めのセンスも必要になります。

――見極めにあたって一番重要なことは何でしょうか。

柴田

信頼はどこにあるのかをきちんと見極めて、コラボすることでその信頼が損なわれないような施策を併用することです。損なわれる恐れがある場合はやらないのも選択肢です。

両者がWin-Winになる絵を描く

――こちらからコラボを持ちかける場合、何をすべきですか。

柴田

繰り返しになりますが、自分たちのファンはどういう人たちなのか、強みは何なのか、逆に補いたいところや伸びしろはどこなのか、という自己分析がまずは必要です。それに加えて、相手に対してメリット、デメリットを具体的に提示できるように、事前に分析しすることです。「私たちのこういういいところと、御社のこういういいところが組み合わさったら、意外性やニュース性が高く、こんな新しいお客様がついたり、より深くブランドを好きになってもらえます」と、両者がWin-Winになる絵をきちんと描いてから話を進めることが大事だと思います。

――では、実際に進めるにあたって重要になるのはどのようなことでしょうか。

柴田

文化や作り方、プロジェクトの進め方も全然違う相手と一緒に商品を作るのですから、意外なところに落とし穴が……という可能性も。そうならないように、社内でやるよりも細かく、その都度意思確認しながら、齟齬がないように進めないといけません。
ボーダーズでも、あるブランドとコラボした際に、相手方がよかれと思って大きなポスターを作ってくださったんです。でも、私たちは日本人モデルを使わずにブランドを訴求してきたので、日本人モデルを使ったポスターは合わないということに。
このように、ブランドを管理している人はそうした細部まで細かくこだわっていますので、「よかれと思って」は伝わらないのです。相手がどう判断するかはわからないので、それを欠かしてはいけないし、それに間に合わなくなるようなスケジュールで進めてもいけないと思います。

――お互いのブランドに対する理解や愛、尊敬は不可欠ですね。

柴田

もちろんです。それらがベースにあったうえで、相手の同意を得ながら進めなければなりません。確認や許可は不可欠になります。

ますます広がるコラボの可能性

――今後、企業のコラボはどうなっていくと思われますか。

柴田

コラボと言っても色々ありますよね。デザイナーとブランドというコラボもあるし、メーカーとメーカーもあるし、片方がBtoCのブランドを持っていて、片方がBtoBの技術力を持っている……というコラボもあります。この3つ目のケースでは、BtoBの方の会社のメリットは何かと言うと、社員が喜んだり、「あのブランドとコラボした自分たちの会社はすごい」と思えたり、それをきっかけにいい人材が集まるということもあるかもしれません。なので、コラボ相手はブランド対ブランドというだけでなく、色んな組み合わせがあると思います。
例えば、ファッションアイテムはコラボがどんどん進んでます。メンズファッションにおいては、ストーリーやウンチクなどが購買の決め手になる場合も多いものです。ある会社の技術と、あるブランドのデザインの掛け算で生まれた新しい時計……なんて、そのストーリーもポイントになるでしょう。
そういった意味では、プロデュースというのも一種のコラボです。以前は、外部のプロデューサーを使うということに対して、いい話と思わない経営者の方も多かったですが、今は積極的に「●●プロデュースの商品です」と発信する時代になっていますよね。こういうのももっと盛んになると思います。

――老舗企業があえて若いデザイナーさんを起用する、といった例も耳にします。

柴田

老舗企業のコラボは、いい事例になるケースが多いのではないかと思います。老舗に対しては、このままでいいと考えているのか、それとも変わりたいと思っているのか、というのは、なかなか昔ながらの本店の店頭を見ていてもわかりません。自分たちの意欲、姿勢、向かいたい方向を示すためにコラボという手段は有効でしょう。
これからは、「誰と友達なのか」「誰を好きなのか」「誰を尊敬しているのか」という見えないものが、ファンを作る要因になったり、より深い絆を作るために大切なことになるので、ファッションだけでなくもっと広がっていくと思います。
自分たちのどこが好かれていて、どこが伸びしろなのかを理解したうえで、足りない部分を信頼できる相手に補ってもらい、補い合うという形でものを作るということが、ますます増えていくのではないでしょうか。

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2021年1月20日(水)~2月19日(金)オンライン開催

今年で23回目となる「産業交流展」は、初となるオンラインでの開催をいたします。
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