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中小企業の挑戦が、世界をより良いものに変えていく

2019年10月10日 公開

植松 努(植松電機 代表取締役社長)

(写真撮影:津田明生子)

産業交流展にて開催!
「町工場社長×JAXA」特別対談直前インタビュー

地方都市にある社員数わずか20名の会社が、国内外の最先端の研究者たちと共同で研究を行ない、世界に類を見ないロケットを飛ばしている。まさに「挑戦する中小企業」の象徴ともいえるのが、北海道・赤平市にある植松電機だ。同社の植松社長は「中小企業だからこそできることは数多くある」という。クリエイティビティにあふれた同社の秘密と、同じ中小企業へのメッセージをうかがった。

植松努
株式会社植松電機 代表取締役社長

1966年、北海道芦別市生まれ。北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)理事。幼少の頃より紙飛行機が好きで、大学では流体力学を学び、卒業後に入った会社では航空機設計も手がけた。現在は植松電機にてロケット開発、宇宙空間と同じ無重力状態を作り出す微小重力の実験、小型の人工衛星開発、アメリカ民間宇宙開発企業との共同事業、これら4つの宇宙開発を軸に各研究を進める。その一方で、全国各地の講演やモデルロケット教室を通じて、年間1万人以上の子供に〝夢をあきらめないことの大切さ"を訴えている。著書に『「どうせ無理」と思っている君へ』(PHP研究所)など。

失敗を恐れていては新しいものは作れない

北海道の地方都市に、突然、高いやぐらのような建物が現れる。世界にも3台しかない「微少重力実験塔」だ。この場所で世界にも類を見ない「プラスチック」を燃料とするロケットが開発されている。規格外の挑戦を続ける植松社長の目に、今の中小企業はどう映るのか。
「中小企業に限った話ではありませんが、今の人は失敗を恐れすぎている気がします。ただ、それでは新しいものなど生まれません」
新しいことをやれば、当然、失敗もある。その結果を検証し、改善を繰り返すことでしか、新しいものは生み出せない。
「ただ、日本では失敗をするとすぐ『反省しろ』という話になります。以前私がロケットの打ち上げに失敗した際、その再発防止策を話していたら、記者から『反省の色が見えない』と問い詰められたことがあります。反省の色とは何色なのか私にはわかりませんが(笑)、本当に大事なのは再発防止策のはずです」

今は、技術力よりも「組み合わせ」で差がつく

ロケットで知られる植松電機だが、植松社長いわく「ロケットで儲けようとは思っていない」。
むしろ、同社を支えているのはオリジナル製品の数々だ。中でも産業用マグネットは市場をほぼ独占。そんな話を聞くと、「うちにはそんな技術力がないから」と思われそうだが……。
「最近、各地の会社が作った素晴らしい部品が並ぶ展示会に行ったのですが、『どうやって作ったのですか』と聞くと、皆、あるドイツのメーカーの工作機械で作ったのだという。その機械、うちの会社にもあるんですよ。つまり、それさえあれば誰でも作れるのです。
弊社のロケット部品の多くは、ホームセンターでも買えるような汎用品です。つまり、もう技術力が差をつける時代ではないのです。大事なのはそれらを組み合わせ、誰も真似のできない『対抗不能』な製品を生み出すことなのです」

「誰もやらない」「儲からない」がチャンス

そのヒントは、「難しくて誰もやらない」「儲からないから誰もやらない」ことにある。
「簡単にできて、かつ儲かることだったら、誰もが参入してくる。すると結局、競争が激しくなり、体力のない中小企業は大手企業に太刀打ちできません。
『難しいこと』『儲からないこと』は誰もやらない。ライバルがいないから、確実に勝てます」
特に時代の転換期においては、「小さい」ことが価値となる。
「かつて地球を支配した恐竜は急激な環境変化に対応できず滅び、変化に対応できた小型の哺乳類が生き残りました。
今、人口減少時代に入ったにもかかわらず、多くの企業が売上至上主義から脱却できていません。こうした時代の変化には、本来、小回りの利く中小企業のほうが対応しやすいのです」

小学生が一番「ロケット作り」が上手!?

年齢を重ねると、どうしても発想力が失われていくように感じられる。植松社長によれば、それもまた「失敗を恐れる心」から生まれているという。
「私は全国で子供たち向けに『ロケット教室』を開催しているのですが、一番早く完成させるのはいつも小学生で、年齢が上がるにつれてスピードが落ちるのです。小学生は疑問点があってもとにかくやってみるのに対し、中学生以上になると失敗が怖くなり、途中で思考がフリーズしてしまうのです。
でも、誰だって最初は子供でした。そのときの気持ちで失敗を恐れずに挑戦すれば、年齢は関係ありません。
また、経営者としては、社員に自由にやらせることと、失敗を責めないことが大事です」
植松電機は社長の強力なリーダーシップで引っ張っている印象があるが、決してそんなことはないという。
「実は弊社には修学旅行生だけでも年間1万5000人が来社し、私が案内しています。実はこれ、赤平市の人口より多い(笑)。それでも大丈夫なのは、自分が口を出さなくても会社が回るようになっているからです。
むしろ、トップが一方的に引っ張っているような会社は、その人がいなくなったら何もできなくなってしまいますよ」

ロケットで世界中を移動!?

幼い頃から航空機やロケットに興味があったという植松社長。今後、どのようなビジョンを描いているのだろうか。
「ロケットが今後、飛行機のように移動手段となる時代が来るかもしれません。ロケットなら日本とアメリカ間を4時間で結べます。
そんな移動用のロケットにも挑戦してみたいですね。
また、最近は『はやぶさ2』の成功もあり、惑星探査への関心が高まっています。そうした分野にもぜひ、挑戦していきたいと思っています。
私は『どうせ無理』という言葉が大嫌いです。中小企業だって、いや、中小企業だからこそ、大きな夢を実現できる時代が来ています。ぜひ一緒に、そんな時代を作っていきたいです」

【特別講演開催決定】11月15日(金)13:00~14:30
― 町工場社長 ×JAXA 対談 ―
「不可能と言われた夢を叶える」絶対条件とは

※14:00からは植松氏のみ講演予定。

植松 努 氏
株式会社植松電機 代表取締役

吉川 真 氏
「はやぶさ2」ミッションマネージャ

ロケットの打ち上げ開発に取り組み、国内外から注目を浴びている植松努氏と「はやぶさ2」ミッションマネージャ吉川真氏による特別対談!宇宙開発プロジェクトには町工場のような中小企業の部品が不可欠。中小企業の持つ実力と可能性についてトークセッションを行ないます。

その他にも豪華講演が続々!(入場無料)

  • 【11月13日(水)13:00-14:30】
  • 松本 晃氏(元カルビー会長兼CEO)
  • Change,or Die! 変化に対応せよ(仮題)
  • 【11月13日(水)15:00-16:00】
  • 山口 周氏(独立研究者・著作家)
  • 「ニュータイプ」の中小企業になるために
  • 【11月14日(木)13:00-14:00】
  • 宮内純枝氏(SkyDrive取締役)
  • 日本発 空飛ぶクルマのある未来
  • 【11月15日(金)15:00-16:00】
  • 楠木 建氏(一橋大学大学院教授)
  • クオリティ企業の条件 ほか

産業交流展2019 では、「つなげるチカラ、つながるミライ」をテーマに、優れた技術や製品、サービス、斬新なアイディアやノウハウを持った先進的中小企業が集結します。多様な人や企業のチカラを、自社の技術やサービスとつなぎ、出会いや交流を通じて、革新的な価値の創出を目指す中小企業のミライをつくるチャンスを提供します。

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