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これから10年、伸びる業界・沈む業界

2015年04月20日 公開

池上浩一(野村ホールディングス シニア・コミュニケーションズ・オフィサー)、渡邉正裕(ジャーナリスト/MyNewsJapan社長兼編集長)

今後10年は新ビジネスに果敢に挑戦すべき時代

 そんな中、我々の雇用を脅かす可能性があるのが「移民」である。少子高齢化による人口減少の解決の手立ての1つとして移民政策が議論されてきた。国内市場と労働人口の縮小問題を打破できる一方で、日本人の仕事を奪う脅威ともなり得る。

 「図に示した『重力の世界』、日本人の7割はこのエリアに属しています。ここは外国人が取って代わり得る職種です。

 2004年、韓国は単純労働の外国人の受け入れを開始した結果、まさに重力に引き寄せられるように、国内の賃金や労働条件が下落していきました。日本はその轍は踏むべきでなく、国策として日本人の雇用を維持していくべきだと思います。不足分は高齢者の再雇用を促して補充を図っていく。20年後はいよいよ国内の人材では足りなくなるかもしれませんが、移民受け入れはギリギリまで踏みとどまるべきです」(渡邉氏)

 一方、池上氏は積極的に移民を受け入れ、国内経済の浮揚につなげていくべきだと語る。

 「移民問題はオール・オア・ナッシングではありません。移民はエグゼクティブクラスの外国人、専門職と単純労働の一般労働者に分けられます。このうち、エグゼクティブと専門職には積極的に門戸を広くことが国際化を進めます。一方、単純労働者については期間を限定するなど政策的にコントロールしていく必要があります」

 1人当たりのGDPで日本を抜き、世界有数の富裕国となったシンガポールは、外国人や外国企業を呼び込むことでアジアでも突出した経済発展を実現した。「アベノミクスで外国人と外国企業の受け入れが進めば、東京もロンドンやシンガポールのような国際都市になれる」と続ける。

 移民政策の行く末は不透明だが、いずれにしても汗と時間で稼ぐ働き方ではこの先10年の間に振り落とされていくことは必至だ。「与えられた仕事をこなすだけの働き手は生き残れない」というのは両者共通の見解。

 「日本の先行きは明るいと言いましたが、誰もが明るい単純な未来ではありません。新しいビジネスを提案する能力のある人や企業に、明るい未来がやってくる。その明暗が分かれるのがこの10年でしょう」(池上氏)

 「成長するのは既存のビジネスではなく、半分以上は新規事業です。今ない仕事を作ることができる人は大ブレイクする。可能性とリスクが隣り合わせの時代なのです」(渡邉氏)

 これまでと同じやり方では先が見えない時代であるとともに、躍進のタネは多く眠っている現在。それをつかみ取れるかは、まさに今どう動き出すかで決まるだろう。
 

★以下「各業界ごとの分析」については、『THE21』2015年4月号にてお読みください

 

池上浩一(いけがみ・こういち)
野村ホールディングス〔株〕シニア・コミュニケーションズ・オフィサー

1955年生まれ。79年、一橋大学社会学部卒業、野村證券㈱入社。ロンドン大学に留学後、外国人投資家向けのアナリストに。上場企業の資金調達や財務アドバイスを担当。法人開発部長、IR室長などを経て、2006年より現職。11年より名古屋大学客員教授。
著書に、『これからの10年で成長するリーディング業界を予測するルール』(東洋経済新報社)。

渡邉正裕(わたなべ・まさひろ)

ジャーナリスト/MyNewsJapan社長兼編集長

1972年、東京都生まれ。96年、慶應義塾大学総合政策学部卒業、㈱日本経済新聞社入社。記者として多くの記事を手がける。日本IBM㈱のコンサルタントを経て、2004年に、ジャーナリズムに特化したインターネット新聞社「MyNewsJapan」を創業。
著書に、『10年後に食える仕事 食えない仕事』(東洋経済新報社)など。


<掲載誌紹介>

THE21 2015年4月号 いつも評価が高い人VS.なぜか評価が低い人2015年4月号(いつも評価が高い人VS.なぜか評価が低い人)

<読みどころ>
組織に属する以上、誰もが気になるのが「評価」。 人間が人間を評価する以上、そこには必ず「歪み」が生まれます。ただ、それを放置することで、社員がモチベーションを下げてしまったり、間違った努力を繰り返してしまっては、会社・社員ともに不幸になります。
そこで今回、多くの識者への取材を通じ、「会社が評価する人」の条件を探り出してみました。評価する側200人、評価される側200人への緊急アンケートを始め、一部上場著名企業から現役人事マン、コンサルタントなど様々な方から「今、評価される人材の条件」を徹底的に聞き出しています。
皆さんの「正しい努力」につながれば幸いです。

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