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デフレ時代のマインドのままではお金を増やすことはできない

2015年08月21日 公開

松本 大(マネックス証券代表取締役社長CEO)

「世界の動きを見る目」を投資を通じて手に入れよう!

「日銀による金融緩和で株価が上昇」、「デフレからインフレへと局面が変わった」。

 それはわかっていても、具体的に何か行動を起こすわけでもなし、自分のお金はずっと銀行に寝かせたまま……。そんな人は多いのではないだろうか。

 アベノミクスによって状況が変わった今、あるべきお金との付き合い方とはどういうものか?
 松本大氏にうかがった。

 

お金の流れは今までとは確実に変わった

 お金の不安がまったくないというサラリーマンはほとんどいないだろう。老後の生活費や住宅ローン、子供の教育費など、不安は次々とのしかかってくる。なぜ私たちは、「お金」というと、こうしたネガティブなことを頭に浮かべてしまうのか。松本大氏は、「過去25年間続いたデフレが日本人の心理に与えた影響はやはり大きい」と話す。

「デフレとは、要するに、お金が増えないということ。その中で長く過ごしてきた人がお金にポジティブな考えを持ちにくいのは当然だろうと思います。

 しかし、日本経済がデフレ期からインフレ期に移ってきていることで、サラリーマンとお金との付き合い方に大きな変化が起こる可能性があることは意識しておくべきでしょう。

 トマ・ピケティが『21世紀の資本』の中で『r(資本収益率)>g(経済成長率)』という式を唱えていますね。これが意味するのは、『国や企業の成長よりも、資本の成長が上回る』ということ。つまり、給料の伸びよりも、株や不動産などの資産が生み出す利益のほうが大きいということです。これは、インフレ期には、とくに顕著に現われます。これからは、株や不動産をはじめとするインフレ資産を持つほうがトクだと言えるでしょう。

 何しろ、国がインフレ政策を取り、日銀が量的・質的金融緩和を推し進めているのですから、株価が上がるのは当たり前です。この変化に乗るか、それとも見過ごすかによって、個人のお金が増えるかどうかに大きな差がつくのです」

 

まずは1万円ずつ10個の投信からでOK

 だが、頭ではそう理解できても、インフレ資産を買う第一歩を踏み出せない人は多い。それは、「もし失敗して、お金が減ったらどうしよう……」と考えるからだろう。

「そんな人に私が提案したいのは、まずは1万円ずつ10個の投資信託を買ってみること。種類はいろいろありますが、とりあえず、自分で考えて10個を選んでください。10万円なら、飲みに行く回数を減らせば、サラリーマンにでも出せる金額でしょう。それに、1万円の投資信託を10個では、失敗したとしても、逆にうまくいったとしても、大した金額にはなりません。そんな損益よりも、非常に大きなものが得られます。

 大事なのは、月に1回でもいいから、買ったあとの値動きを見ること。自分の頭で考えて10個を選んだときには、なんらかの仮説を立てたはずです。その仮説どおりになったか、ならなかったかを検証するのです。そうすることで、世界の経済や政治を見る目が養われます。

 経済や政治だけではありません。最近、欧州の農薬メーカーの株価が軒並み下がっています。これは欧州が冷夏だから。涼しくて害虫が発生しないので、農薬が売れないのです。欧州株で運用する投資信託を買っていれば、送られてくる運用レポートにそんなことも書いてあります。日本にいて『今年も暑いなあ』と思っているだけでは絶対に見えない世界が見えるのです。

 ですから、まずは勉強だと思って10万円を使ってみてほしい。すると、若手社員でも、1年後には自分の会社の上司や役員よりもはるかに世界のことに詳しくなっているかもしれません。その結果、仕事の成果が上がれば、収入も増える。

 最初から投資で稼ごうと考えるより、まずは自分を磨くことから入ったほうが、お金との付き合いはうまくいくはずです」

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著者紹介

松本 大(まつもと・おおき)

マネックス証券〔株〕代表取締役会長CEO

1963年、埼玉県生まれ。87年、東京大学法学部卒業後、ソロモン・ブラザーズを経て、ゴールドマン・サックスに勤務。94年、30歳で同社最年少ゼネラル・パートナーに就任。99年、ソニー〔株〕との共同出資でマネックス証券〔株〕を設立。2015年11月より現職。現在、事業持株会社であり、個人向けを中心とするオンライン証券子会社を日本・米国・香港に有するグローバルなオンライン金融グループであるマネックスグループ〔株〕およびマネックス証券〔株〕両社のCEOを務める。

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