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人間関係に悩まないための「魔法の言葉」とは?

2015年10月23日 公開

心屋仁之助(心理カウンセラー)

「100点主義」ではいずれ行き詰まる

もちろん、こうした対処によって問題がすべて解決する保証はありません。しかし、すべての人間関係を円滑にしようと思うのは土台無理な話です。悩みやすい人はとかく「100点」を目指しがちですが、ひとりやふたり合わない相手がいても、それが当たり前、と考えることが重要です。

なお、この「100点主義」に生きる人はコミュニケーションだけでなく、働き方も100点主義で捉えがちです。

人間関係に悩むタイプは、いわゆる「デキるビジネスマン」を目指すタイプであることが多いものです。一生懸命働き、サボることに罪悪感を覚え、常に上を目指す、という働き方をする人です。

しかし人間関係と同じく、100点にこだわることは仕事上もマイナスに働きます。なぜなら、常時自分を駆り立てていると、いずれ疲れて、擦り切れてしまうからです。

仕事にも、「100点」はあり得ません。どんなに成果を上げても、常に上には上がいて、新しいハードルを意識しなくてはなりません。ポジションが上がったら上がったで、その報酬に見合う働きをしなくては、という責任感がのしかかります。

「そのプレッシャーに耐えてこそ、デキるビジネスマンになれるのだ」という考え方もありますが、実際のところ、その状態を十年、二十年と続けていくと、いずれ頭打ちになる可能性が高くなります。

 

「仕事優先」をやめたら仕事がうまくいった!?

それは、私自身が長らく仕事をしてきたなかで実感していることです。
大手企業の管理職として働いていたころの私は、まさに「仕事人間」でした。カウンセラーとなってからも、しばらくは「仕事九割・家庭一割」といった調子で働いてきました。

自分の現状、周囲の様子、世間の動向などを見て、悪いところを見つけ、それを解消すべく頑張る。自ら危機感をあおりたてて、前へ前へと進む。その繰り返しでした。

しかし、そのやり方で満足感を得ることはできませんでした。常に「できていないところ」に目を向けているのですから、当然と言えば当然です。結果がある程度出たとしても、やはり幸福感は得られず、ただ疲れるばかりでした。

そのことに気づき、あるときから生き方を改めました。プライベートの時間を何より優先し、妻と語る時間や、ゆっくり休む時間を設けたのです。

すると驚いたことに、そこから急に仕事が上昇気流に乗ったのです。書きたい本が書けて、それが多くの人に読まれ、テレビ出演などの仕事も増えました。仕事にもプライベートにも、幸福感を得られる生活へとシフトできたのです。

 

「ずるい人」「得な人」を目指そう!

これは一見、不思議な出来事です。単なる偶然のようにも思えます。しかし決して偶然ではありません。私のみならず、すべての人に当てはまることなのです。

「デキるビジネスマン」として日々邁進している人は、多かれ少なかれ自分自身を犠牲にしているところがあります。睡眠、食事、休みや遊びといった自分のための時間を削ってでも働こうとする人も多いでしょう。
 しかしこれでは、本当の意味で自分の心を満たすことができません。心を満たさないままで前に進もうとすることは、「流れに逆らう」ことでもあります。

逆に言うと、心を満たすことは、「流れに乗る」ことです。ときには仕事を後回しにして、自分の時間を作る。自分の大切な家族とコミュニケーションをとる。自分が好きなもの、したいことを問い直し、それを我慢せずに勇気をもって実行する。そうして心を満たしていくと、本来の自分自身を輝かせることができます。それが、より良い結果を生むことにもつながるのです。

ですから、ビジネスマンの方々には、働きづめの生活を思い切って少し緩めて、自分のために時間を割くことをお勧めします。なぜなら、本当はプライベートを充実(自分の心を満たす)させるほどに、仕事の成果が上がるからなのです。

目指すイメージは、周囲に「ずるい」と言われる人。周囲が残業していてもさっさと帰る、休日出勤など無理をしない。そんな「得な人」になることです。

それは「嫌われる」ということではありません。自由でマイペースで、満たされた顔をしている人が嫌われることは決してありません。逆に、周囲は「助けたい」という思いを抱きます。人は幸福そうな人と接したいと思うものなので、周囲にとっても幸せなのです。

 

受けた恩をそのつど返す必要はない

こうして「ずるくて得な人」は上昇気流に乗ります。周囲との関係も仕事もうまくいき、さらに満たされた気持ちで生きることができるでしょう。

周囲から受けた親切を、そのつど「返さなければ」と思う必要もありません。それでは「顔色をうかがって頑張る人」に逆戻りしてしまいます。

笑顔で受け取ることでしてくれた相手も幸せになれるのだ、と考えれば良いのです。そうした懐の広さが、周囲にも安心感と喜びを与えます。

この考え方は、先に述べた「母親への罪悪感」の対極に位置するものです。無用な罪悪感を手放したとき、人は人間関係だけでなく、人生そのものをより明るく、自由なものへと変えていけるのです。

 

《『THE21』2015年10月号より》

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著者紹介

心屋仁之助(こころや・じんのすけ)

心理カウンセラー

1964年、兵庫県生まれ。大学卒業後、佐川急便に入社。営業企画部門の管理職を19年間務めたのち退職、心理の世界へ。「自分を好きになる」ためのサポートを行なう「性格リフォーム心理カウンセラー」として、独自手法の“言ってみる”心理カウンセリングや、その手法を広めるためのカウンセリングスクール・セミナー・講演・執筆活動などを行なう。『「心が凹んだとき」に読む本』(王様文庫)など、著書の累計は280万部を超える。4万人の読者をもつメールマガジンを発行。テレビ番組にレギュラー出演するなど、メディアでも活躍中。

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