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「会ってみたい」と思われる人のメール・手紙の作法

2015年12月28日 公開

臼井由妃(健康プラザコーワ社長)

手紙やメールは読む相手の立場に立って推敲しよう

 

外見や振る舞い、話し方ばかりが第一印象を決めるわけではない。実際に会う前の段階であるファーストコンタクトも、第一印象を形成する要素として重要だ。手紙やメール、SNSのメッセージによるやり取りでも、相手に配慮した書き方をする必要がある。多角的に活躍する経営者であり、コミュニケーションや手紙に関する著書も人気の臼井由妃氏に、手紙とメール、SNSの作法を教わった。<取材・構成=前田はるみ>

 

忙しい相手に配慮し文章は短く簡潔に

ビジネス目的のメールや手紙は、短く簡潔にまとめることが基本です。これはファーストコンタクトを取る場合も同じです。ビジネスパーソンは皆さん忙しいですから、「貴重な時間を奪われた」と思われるような長いメールや手紙は避けるべきです。

ところが、実際に私宛に届くメールや手紙にも、長いものが見られます。長く書く=丁寧という思い込みがあるようです。
たとえば、はじめて会う人にアポイントの確認メールを送る場合でも、
「お忙しい中お時間を取っていただきありがとうございます。御社には以前よりお世話になっておりまして、○○部の○○さんはお元気でしょうか……」
のように前置きが長いと、何を伝えたいのかわかりづらくなります。
会う前から「この人は話が長くなりそうだ」というマイナスの印象を与えかねません。

メールならば、パソコンでスクロールせずに読める範囲の長さに収めるのが基本です。また、一行があまりに長いと読みづらくなりますから、視線を動かさずに読める長さにするのが、いいでしょう。読みやすさを考慮したメールは好印象を与えます。

メールの長さで気をつけたいのは、相手に合わせることです。相手からの長いメールに合わせる必要はありませんが、短いメールには短く返すのが礼儀です。短いメールに長い文章を返すと、相手はこちらの意図を測りかねて困惑してしまいます。

手紙なら多くても2枚。どうしても長くなる場合は、相手を気遣うひと言が欲しいところです。私も本の読者から長文のお手紙をいただくことがありますが、最後に「このような長いお手紙を書くぶしつけをお許しください。それくらい臼井さんのご著書に感激いたしました」と書かれていると、好感を抱きます。

 

メールの好感度はたった1行で変わる

では、どのように書けば第一印象が良くなるのか、まずはメールから考えてみます。

事前にメールアドレスがわかっている場合を除けば、電話でコンタクトを取ってからメールを送る場合、あるいはホームページに記載されているお問い合わせのアドレスに送る場合などが考えられます。

相手がまず目にするのは「件名」です。日に何通も送られてくるメールの件名を見て、「このメールは重要」「これは後で」と優先順位をつけているはずです。一目でメールの内容がわかる件名であることが重要です。

たとえばアポイントの確認メールなら、「○月○日○時の面談について」と書かれてあれば、念押しのメールだと一目瞭然です。
ところが、確認メールのほぼ8割に「ご連絡」という件名がつけられていて、件名からは中身を判断できません。

また、よく見かける「ありがとうございました」という件名も、件名の役割を果たしているとは言えません。
中身がわかりにくい件名は、相手に手間を取らせる要因です。このように件名のつけ方一つで、相手への印象は良くも悪くも変わります。

本文を書くにあたって大切なことは、「用件を一つに絞る」こと。これがメールの文章を短くする秘訣です。アポイントの確認メールなら、日時と場所の確認と、「当日は○○についてお話しできればと思いますので、よろしくお願いいたします」の一文があれば十分。
仮に伝えたいことがたくさんあったとしても、実際に会って話せばよく、メールで書く必要はありません。

用件だけでは素っ気ない、もう一歩踏み込んで相手に好印象を残したい場合は、「追伸」を一行加えます。「○○様のご紹介なので心強く感じています」とお会いする喜びを伝えたり、初対面の相手と外で待ち合わせる場合は、「ロングヘア、茶色の服で、本を抱えて参ります」と自分の目印を伝えておけば、相手にとっても安心です。

追伸に個人的な趣味について書かれてあるメールを最近はよく見かけます。個性をアピールしたいのだと思いますが、お互いによく知らない段階でプライベートな事柄を書くのは逆効果です。
「人との距離感がつかめない人」と思われてしまいます。このように、好感は一行で盛り上げることもできるし、落とすこともできるのです。

 

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著者紹介

臼井由妃(うすい・ゆき)

ビジネス作家

1958年東京生まれ。33歳で結婚後、病身の夫の後を継ぐ形で専業主婦から経営者に転進。独自のビジネス手法で多額の負債を抱えていた会社を優良企業へと育てる。その手法が様々なメデイアで紹介され、日本テレビ系で放送された「マネーの虎」に出演するなど、好評を博す。また幼少期に吃音を患い対人恐怖症に陥るも克服し、講演活動も積極的に行っている。理学博士号・MBA・行政書士・宅地建物取引士などを短期で取得したことでも知られ、その勉強法や知識の広さには定評がある。ビジネス作家、エッセイスト・講演家としても活躍中。『心が通じる ひと言添える作法』(あさ出版)など、著書多数。

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