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今、知っておきたい憲法の論点~伊藤真(弁護士)&内山奈月(AKB48)

2015年12月20日 公開

「THE21」2016年1月号掲載

次代を70年先取りしていた「第13条」

──憲法に対する関心が高まっている昨今ですが、これから問題になる、あるいは社会関心が高まりそうなトピックとして、お二人が注目されているのはどんな点でしょう。

伊藤 まずは、今話した13条。この条文は、人はみな違うからこそ大切にされるべきだし、価値があると言っています。最近は企業がダイバーシティ(多様性)の推進を謳うことが多くなっていますし、安倍さんも成長戦略の一つに挙げられていますね。でも、「多様性を尊重する社会のほうが柔軟で変化に対応でき、より強いんだ」ということを憲法は70年前から言っているんです。それが13条の文言「すべて国民は、個人として尊重される」です。ビジネスパーソンのみなさんには特にそれを知ってほしいなと思います。
もう一つは、一人1票の実現です。

内山 伊藤先生は「1票の格差」の問題で裁判にも関わっていらっしゃるんですよね。

伊藤 そうなんです。11月25日に、昨年12月の衆院選の無効を求めた訴訟の最高裁判決が出るんですが(※編集部注:対談収録日は11月9日)。1票の価値が違うというのは、14条の平等権の問題でもあるけれども、それ以上に民主主義の問題でもある。一票の重みに差がある現状では、少ない有権者から議員の多くが選ばれている=少数派が国会議員の多数を選んでいる、ということになる。それは民主主義とはいえない。
1票の重みが2倍以内ならいい、といった意見も聞かれますが、たとえば男性は1票、女性は0.6票ですと言ったら「ふざけるな」という話でしょう。 あるいは、年収一千万未満の人は0.6票です、と言ったらどう思いますか?

内山 おかしいと思います。

伊藤 おかしいですよね。それと同じことだと思うんです。民主主義である以上は、どこに住んでいようと一人1票を実現しなければいけないんです。

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著者紹介

伊藤真(いとう・まこと)

弁護士/伊藤塾塾長/日弁連憲法問題対策本部副本部長

1958年、東京都生まれ。81年、東京大学法学部在学中に司法試験に合格。82年、大学卒業後、司法修習を経て弁護士登録。95年、「伊藤真の司法試験塾(現 伊藤塾)」を設立。2009年、「一人一票実現国民会議」の発起人となり活動している。日本国憲法の理念を伝える伝道師として、講演・執筆活動を精力的に行なう。著書は多数あり、中でも『伊藤真 試験対策講座』シリーズ(弘文堂)は、法律を勉強する多くの人に広く読まれている。

内山奈月(うちやま・なつき)

アイドル

1995年、神奈川県生まれ。人気アイドルグループAKB48のメンバー。愛称なっきー。2012年5月、AKB48第14期研究生オーディションに合格。13年6月日本武道館における研究生コンサートで日本国憲法を暗唱して話題となる。同年8月に昇格しAKB48Team4に所属。14年4月にAKB48TeamBに異動。慶應義塾大学経済学部に入学。同年6月後の第6回AKB48選抜総選挙で63位に入り初のランクイン。15年6月の第7階総選挙では39位。

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