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時間を計測しムダをなくす手帳術

2016年01月22日 公開
2023年02月15日 更新

石田淳(ウィルPMインターナショナル社長)

 

習慣化するために意志力は関係ない

 

習慣化を成功させるには、一定のノウハウがあります。

一年後に実現させたい目標があれば、そこに合わせてすべきことをリストアップ。それを短いスパンに切り分け、最終的に「1週間ごとの目標」にします。こ

の小さな目標達成を3カ月間続ければ、そこで取った行動は習慣化します。

この3カ月間は、言わば初動期。行動を定着させるためには工夫が必要な時期です。

ここで有効なのは「プロンプト」。毎日同じ時間・場所で行う行動は定着化しやすいものなので、ジョギングなどはできるだけ場所を一定にすること。毎朝同時刻に起床アラームを鳴らすのも良い方法です。

行動を始める際のハードルを下げることも大事です。たとえば私は、ある勉強を集中的にしていたとき、同じテキストを3冊買い、会社・自宅・鞄の中に常備していました。見たいときにすぐ見られる環境を作ったわけです。

「小さく手をつける」手法にも同じ効果があります。たとえば「英語のヒアリングを毎日20分」という目標が重く感じられるときは、「とりあえずヘッドホンを耳に入れるだけ」「とりあえず一分聴くだけ」という極小の行動をしてみるのです。

すると、1分のつもりが結局20分聴けてしまった、ということは多々あります。

こうして初動の辛さを軽減させると習慣化は実現し、一年後には目標達成ができるでしょう。

 有限な時間に目標や希望を絞り込んで入れ、それをステップ化し、習慣化するまでとことん初動のハードルを下げること。

これにより、スケジューリングは単なる時間管理ではなく、成果や目標や夢につながる「行動計画」となるのです。

 

<『THE21』2016年1月号>

著者紹介

石田淳(いしだ・じゅん)

社団法人行動科学マネジメント研究所所長

アメリカのビジネス界で絶大な成果を上げる行動分析、行動心理学を軸にしたマネジメント手法を、日本人向けに改良し、「行動科学マネジメント」のメソッドとして体系化。意志の力に頼らない再現性の高い方法論として、人材育成や組織活性化に悩む企業にとどまらず、教育、スポーツの現場でも幅広く成果を上げている。
社団法人行動科学マネジメント研究所所長。株式会社ウィルPMインターナショナル社長兼CEO。米国行動分析学会会員。日本行動分析学会会員。
著書に、『教える技術』(かんき出版)、『なぜ一流は「その時間」を作り出せるのか』(青春出版社)、『行動科学マネジメント入門』(ダイヤモンド社)などがある。

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