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医学博士が教える「脳科学的」第一印象UP法

2015年12月14日 公開

吉田たかよし(医学博士)

ポイントは「システム1」のコントロールにあり!

 

 一瞬で相手を判断する第一印象は、極めて高度な認知活動だと言える。当然、そこには脳の性質が深く関わっている。それを理解すれば、第一印象のコントロールにも役立てられるだろう。脳科学の知見を、医学博士の吉田たかよし氏に教えていただいた。

 

第一印象とはそもそも「危険回避」のためのもの

 人間の脳の認知機能には、大雑把に言って2つのシステムがあります。物事を直観的に判断する「システム1」と、論理的に考える「システム2」です。

 いわゆる第一印象というのは、システム1によって直観的に人を判断するもの。ですから、第一印象を良くしたいなら、脳の認知機能のうち、システム1についてよく知って、利用することが大事だということになります。

 システム1の強みは「速い」ということです。そのぶん、間違えることもあるのですが、判断はとにかく迅速。なぜ速さが重要なのかと言えば、自然界に生きる動物にとって、瞬時の判断が生死を分けることになるからです。太古から生き残るために使ってきた機能がシステム1なのです。

 たとえば、森の中を歩いていて、不意に長くてニョロニョロしたモノが視界に入ったら、とりあえず跳び退きます。「どうしたの?」と聞けば、「ヘビが出てきたから避けた」と本人は言うでしょう。

 しかし実際には、ヘビが出てきたと判断したから跳び退いたのではありません。長くてニョロニョロしたモノを見た瞬間に、とりあえず回避行動を取っています。これがシステム1のスピードです。あとで、「ヘビが出てきたから回避した」と、システム2を使って、自分の行動を論理立てているのです。

 慌てて跳び退くので、「実はヘビではなくて木のツルだった」という間違いも起こります。でも、その間違いは「なんだ」ですむ。「ツルだと思ったらヘビだった」というほうがはるかに危険なので、瞬間的に回避行動を取るべきなのです。

 つまり、システム1の働きは、間違っていてもいいから、瞬時に危険を察知すること。人の第一印象についても、システム1は同様に働きます。瞬時に「悪い人」かどうかを見分けているわけです。

 当然、ヘビの場合と同じく、「悪い人だと思ったら、実は良い人だった」という間違いはあります。でもそれは、あとになってシステム2で判断することです。

 脳科学的には、第一印象はあくまで危険回避のための判断。だます人、危害を加える人を排除するためのものです。その意味では、無理に好かれる必要はなく、×をつけられなければいい、ということですね。

 

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著者紹介

吉田たかよし(よしだ・たかよし)

医学博士

1964年、京都府生まれ。灘中学校・高等学校、東京大学工学部を卒業後、89 年にNHKに入局。個性派アナウンサーとして『ひるどき日本列島』や野球実況などを担当。NHKを退職後、東京大学大学院医学博士課程修了。本郷赤門前クリニックを開設して院長を務め、受験生を専門に扱う。現在は脳医学や自律神経機能の学習への応用研究に取り組む。著書多数。

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