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「プログラミング必須時代」の人材育成を担う

2016年04月25日 公開

真子就有(div代表)

 

実務で使わなくても「コードくらい書けないと」という時代に

とにかく手を動かし、わからないことが出てくれば、すぐにメンター(講師)に質問をして解決する。

 

 ――最初の受講生はどのようにして集められたのですか?

真子 僕がFacebookでつながっている人たちや、その周辺の人たちです。最初は僕が自分で教えていましたから、あまり素養がない人が来るととても教えきれないので、50名の応募があった中から25名だけを選抜して教えました。かなりスパルタで教えたのですが、それが逆に人気になりましたね。1期生はかなり優秀で、グーグルに入社したり、起業して経営者になったりしている人がかなりいます。

 ――最初から有料だったのですか?

真子 そうです。学生5万円、社会人10万円でスタートしました。今も、少し上がりましたが、それほど変わっていません(取材時点で、1カ月間教室に通う通常コースは、学生6万4,000円、社会人12万8,000円〈ともに税抜き〉。期間中は、毎日11~23時の間、教室利用も質問もし放題)。

 ――事業を拡大していくに当たっては、メンターを増やしていかなくてはなりませんよね。どうやってメンターを集めているのですか?

真子 最初は、1期生の中でもとくに優秀な人に「さらに高いレベルまで僕が教えるから、受講生を教えるのを手伝ってよ」と声をかけました。そこから、卒業生にメンターになってもらうというサイクルができています。

 他社さんだと、エンジニアが足りないから教育需要が高まっているのに、教えられるエンジニアも足りないので需要を満たせない、という矛盾を抱えている場合が多いのですが、当社ではうまくいっていて、現在、約70名のメンターがいます。

 ただ、優秀な人でも、いきなり最高の教育を提供することはできません。そこで、メンターとしての教育を施しています。まずメンターになるためのテストをして選抜し、メンターになってからも週次でテストをして技術力を高めてもらううえに、行動規範も教えています。

 ――優秀な卒業生なら、メンターになるよりも、他の会社に就職したり起業したりしそうなものですが。

真子 卒業はしても「エンジニアとしてはまだまだだな」と感じている人が、教えながらさらに技術力を高めるために、メンターになっているのです。たとえば週次のテストにしても、TECH::CAMPで教えている内容の10倍くらいレベルが高いものなので、当社にいると成長できるわけです。

「PROTOTYPE LAUNCH」という、メンターがオリジナルサービスを作って発表するイベントも行なっていて、これもメンターにとってのやりがいになっています。ここで出されたうちの2案は、当社で事業化するための準備を進めています。

 ――起業や今後のキャリアのための修行の場として、御社のメンターを務められるわけですね。

真子 そうです。Win-Winな関係になっているということですね。

 ――受講生のほうは、どのようにして集められているのですか?

真子 広告など、一般的なウェブのマーケティングはしっかりとやりつつ、卒業の紹介で来られた受講生には受講料を割引きする仕組みを取り入れました。現在、平均して月に200~300名の受講者が来られて、そのうち3割以上が卒業生の紹介です。

 この仕組みがうまく機能するためには、満足度を高く保つことが大事です。当社は最高の環境を提供するように心がけているので、98%超という高い満足度が実現できている。満足度は当社のKPI(重要経営指数)です。

 ――受講生のうち、社会人と学生の割合は6:4程度だということですが、社会人の方は個人として受講されるのですか?

真子 現状では個人が多いですね。

 法人契約は今年から最も力を入れていきたいところです。すでに大手IT人材企業の内定者100名の研修を行ないましたが、これはこれまでにないユニークな内容のものです。100名全員がプログラミング未経験者で、その全員が2カ月でオリジナルのサービスを作るというもの。従来もITの研修はされていたのですが、講義形式のもので効果が上がらなかったので、「もっと実践的なものを」ということで当社のサービスに興味を持っていただきました。

 ――本当に全員できたのですか?

真子 できました。

 ――エンジニアとして採用が決まった内定者ですか?

真子 IT事業で採用されていますが、エンジニアになる方たちではありません。エンジニアに対してディレクションをする職種の方たちです。自分でコードを書く仕事をするわけではなくても、自分でサービスを作れるくらいにはなるべきだ、という時代になってきたということですね。

 ――個人で受講される社会人の方は、どういう動機で来られるのですか?

真子 「自分でサービスを作れるようになりたい」という方が多いです。ただ、「作れるようになりたいですか?」と聞けば、「はい」と答える方が多いんですよ(笑)。特徴的なのは、「エンジニアになりたい」という方は2割程度で、ほとんどは「エンジニアになりたいわけではないけれども、今後の仕事に活かしたい」という方だということ。これから新しいことをやろうとすれば、絶対にITが関わってくるでしょう。そのときに技術のことが表面的にしかわかっていないとまずいということで、本気で学びに来る方が多くいらっしゃいます。

 ――それは、独立・起業を志向されている方たちなのでしょうか? あるいは、勤めている会社の中で新しいことがしたい、という方でしょうか?

真子 勤めている会社で技術を活かしたいという方のほうが多いです。ただ、今すぐではないにしても、将来的に何か自分でやりたいという方は多いですね。

 ――学生の方については、受講の動機はどういうものが多いのでしょうか?

真子 社会人とあまり変わりません。自分でサービスを作りたいという方、IT系の企業や職種に就職される方が多いです。

 ――「Webアプリケーションコース」と「iPhoneアプリコース」の2つを設けられていますね。この2つにした理由はなんですか?

真子 はじめは、Ruby on Railsというフレームワークを使う「Webアプリケーションコース」だけで始めました。フレームワークというのは、短い期間で簡単にサービスを開発できるようにするための枠組みのようなものです。フレームワークの中でもRuby on Railsは世界的に人気があるもので、数多くのサービスの開発に利用されています。また、Ruby on Railsを学ぶことで得られる知識は汎用性が高い。今も、こちらのコースのほうが、人気があります。

「iPhoneアプリコース」は、「Webアプリケーションコース」を始めてから半年後に公開しました。iPhoneアプリを作るにはアップル独特の仕組みを覚えなければならないので汎用性はあまりないのですが、ニーズがあるので設けたものです。

 ――AndroidアプリもRuby on Railsというもので作れるのでしょうか?

真子 それはできません。Androidについては、今後、コースを設けたいと思っています。

 ――さらにコースが増えていくのですね。

真子 そうです。プログラミング以外では、すでにデザインコースを設けています。画像加工やポスター制作から始めて、ウェブサービスのUI(ユーザーインターフェイス)などを学びます。これもTECH::CAMPと同じく、質問し放題で、フィードバックがすぐにもらえます。

 ――「就活TECH::CAMP」というサービスもされていますね。これはどういうものでしょうか?

真子 プログラミングができる学生と企業とをマッチングさせるもので、去年の夏から試験的に始めました。「良い人がいたら紹介してください」と企業の方に言われることが多かったのと、TECH::CAMPの卒業生に声をかけられる仕組みを作ったことが、サービス開始のきっかけです。

 

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著者紹介

真子就有(まこ・ゆきなり)

〔株〕div代表取締役

1989年、福岡県生まれ。青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科に在学中にエンジニアとして複数のITベンチャーに勤務し、2012年に〔株〕we-b(現〔株〕div)を起業、複数のサービスリリースを経験する。14年、「サービスを生み出す人を増やしたい」という想いのもと、TECH::CAMPを始める。TECH::CAMPはこれまでに2,000人以上の卒業生を輩出。15年、『フォーブス』誌「注目のUnder30起業家10人」に選出。

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