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日米のカリスマが明かす「時間管理術」とは?

2016年03月27日 公開

神田昌典×ポール・R・シーリィ

目標を小さな一歩にブレイクダウンする

シーリィ 内面の恐れを解決してくれるアプリなど存在しませんからね。では、「今すぐ」行動を起こすには、どうするか。私がお勧めするのは「ソリューションフォーカス」というアプローチです。
まず、自分がやるべき課題に対して、ゴールを10として、今、自分がどの段階にいるかを考えます。その結果、たとえばまだ「2」の位置にいるとしましょう。そこでまず重要なのは、「まだ2なのか」と落ち込むのではなく、「もう2に到達している」と考えることです。そのうえで、そのステップを一つ上がるためにはどうすればいいかを考えるのです。
つまり、ステップを小さく分けることで、最初の一歩を踏み出しやすくする。そうして一歩ずつ小さなステップを踏み出していくと、徐々に解決のための方法が見えてくるのです。とくに、どの専門家も明確な答えを持っていないような状況では、これが最速で答えに到達するアプローチとなります。

神田 これはすごく重要な指摘ですね。今までは、未来がある程度予測可能だったからこそ、まず予測をし、そこに至るまでのプロセスをコントロールすることで、目標をいち早く達成できた。つまり、ガントチャートを詳細に記載すればするほど、仕事は速くなった。
ところが、最近はガントチャートを作っても、途端に予測しなかったことが起こり、作り直しを余儀なくされる。その作業に時間を取られ、それでも予定どおりに仕事を終わらせようと時間に追われ、ついには心の病にも陥る。今、日本のビジネス界で起こっている問題の多くが、ここに帰結するように思います。

シーリィ ええ。それに対し、まずは一歩だけと考えれば、ゆとりを持って、柔軟に問題に取りかかることができるのです。

 

「仕事の渋滞」はなぜ起こるのか?

神田 先日、「渋滞学」で著名な東京大学の西成活裕教授に、「仕事の渋滞」の話をうかがいました。車の渋滞が、適切な車間距離を取っていないために起こるように、仕事もあまりにギリギリで進めるとかえって渋滞してしまう。アポとアポとの間に少なくとも15分、理想は30分のゆとりタイムを置くべきだ、というお話でした。ただ、実際には多くの組織で、こうした渋滞が起きています。

シーリィ この仕事の渋滞は、人から人へのコミュニケーションの際に発生していると思います。たとえば、ほんの数行で十分なのに、相手は数十ページにわたるレポートが必要だと思い込み、情報がなかなか上がってこない。そうした小さな齟齬が積み重なり、やがて大きなタイムロスにつながるのです。ここで必要なのは、チーム内のあるべきコミュニケーションの形を決めることでしょう。

神田 確かに、戦略や業務改善について議論する会社は多くても、メンバー同士がどうコミュニケーションを取るべきかについて、ちゃんと話し合っている会社は少ない。タイムマネジメントは個人のテクニックの問題だと思われがちですが、実は組織のコミュニケーションの問題のほうが大きい、ということですね。

シーリィ なぜ、話し合いが行なわれないかと言えば、これも「恐れ」のためです。本当は、「仕事の受け渡しの際はこうしてほしい」「この情報はこのタイミングで伝えてほしい」などの要望があったとしても、「断わられる」「バカだと思われる」ことを恐れ、口に出すのをためらってしまうのです。

ツールが導入されるほど、仕事が滞るというジレンマ >

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著者紹介

神田昌典(かんだ・まさのり)

経営コンサルタント・作家

上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済部に勤務。戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍後、1998年、経営コンサルタントとして独立。コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設(現在は「次世代ビジネス実践会」へと発展)。日本最大級の読書会『リード・フォー・アクション』主宰。
主な著書に『2022―これから10年、活躍できる人の条件』(PHPビジネス新書)など。

ポール・R・シーリィ(Paul R . Scheele)

フォトリーディング開発者

米国ラーニング・ストラテジーズ社の共同設立者。フォトリーディング・ホール・マインド・システムの開発者。1975年より人材開発の研究を始める。ミネソタ大学理工学部にて生物学の学士号を取得。セント・トーマス大学院人文学部で学習と人間開発に関する修士号取得。アンティオキア大学の博士課程で、リーダーシップと変革について学ぶ。神経言語プログラミング(NLP)、加速学習における世界的権威。脳科学に関する深い造詣と、科学的根拠に基づいた彼の教育法は、人間の高い可能性を秘めた潜在能力を引き出すことで有名。著書に『The Photoreading Whole Mind System』(邦訳・『あなたもいままでの10倍速く本が読める』)など。

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