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なぜ大手企業は「副業」を解禁するのか?

2016年04月01日 公開
2017年10月13日 更新

金子欽致(起業コンサルタント)

自社が「副業禁止」だったら、どうする?

ここまで読んできて、「副業には興味があるけど、うちの会社にもきっと副業規定があるし……」と思っている方も多いと思います。そういう方はまず、今の会社が本当に副業を禁止しているのかどうか、または自分が考えている副業があるなら、その内容が就業規則に抵触するのかどうか、人事部に問い合わせてみることをお勧めします。

もし副業そのものを禁止しているなら、その理由を尋ねてみてください。一般的には「本業がおろそかになるから」「情報が漏洩するから」「会社の信頼を落とすようなリスクがあるから」などが代表的な理由として返ってくるはず。その場合、さらに食い下がり、「これらに抵触しない副業ならいい」ということなのかを探ってみてはどうでしょう。

それでも「ダメだ」と言われたら、どうするか。そのときはそのとき。時代の流れに逆行する古い体質の会社に自分の未来を託すべきかを冷静に考え、副業OKの会社に転職するという選択肢を一考してみるいい機会かもしれません。

 

マイナンバーによる「副業バレ」をどう考えるか?

また、「マイナンバー制度が普及することで、副業が会社にばれるのでは……」と考え、副業に足踏みしている方もいると思います。この点については、私は逆にマイナンバー制度の普及によって優秀な社員が会社から流出することを恐れる企業が、副業を認めるケースも増えていくのではないかと見ています。それでも副業がNGのままであれば、先ほど申したように転職する道も視野に入れればいいのではないかと考えます。

確かに、「今」だけを考えるなら、サラリーマンとして安定した給料をもらうことが、安心をもたらしてくれるかもしれません。しかし、あと10年後、20年後の社会を想定したとき、収入源が1つしかないという未来に安心と希望を感じることができるでしょうか。

そもそも、副業を禁止する会社は、私たちの未来を保証してくれるというのでしょうか。もし将来、信頼しきって尽くしてきた会社が倒産してしまったとして、「人生が台無しになってしまったのは会社のせいだ」と訴えても、失った未来を取り戻すことはできません。結局、どのような未来を選択するかは、会社がうんぬんではなく、すべて自己責任であるということです。

以上はあくまでも私の考えです。人によっては違和感を抱くかもしれませんし、そのまま鵜呑みにする必要も一切ありません。今回の文章が、あなたやあなたの大切な家族にとっての今、そして未来を考えるうえで、なにかしらの題材としていただければ嬉しいです。

著者紹介

金子欽致(かねこ・よしとも)

株式会社ATLUCK代表取締役。

集客プロデューサー、起業コンサルタント。(株)ATLUCK代表取締役。
埼玉県生まれ。慶應義塾大学卒業後、人材開発コンサル会社に入社。上場企業の組織開発と研修講師に従事。会社員時代にうつを発症し苦悩の時期を過ごすが、一念発起しマーケティングとコピーライティングを独自に研究し、独立。売り込みが苦手な人でもできる「マグネット集客法」をSNSで公開し、ネット上で反響を呼ぶ。独立起業を指導した人数は1000名以上。人に役立ち感謝されながら月収100万円を越える「個人ブランド型起業家」が次々誕生。無料で公開する人気の教材「マグネット集客メール講座」のダウンロード件数は2万を突破している。週1回は映画館に通うほどの映画ファン。

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