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相手が思わず話し出す 「質問」のコツとは?

2016年05月31日 公開
2022年07月19日 更新

西任暁子(ラジオDJ)

自慢や愚痴のウラには「承認欲求」がある

 雑談から安心感が徐々に増していけば、相手の価値観や考え方といった、深い部分を知る対話もできます。

 この段階で必要なのは共感。多くの人が誤解しているのですが、共感と同意は別物です。「私もそう思う」ではなく、「あなたがこう思っているように、私には見える」と理解を示すのが共感です。

「わかってもらう」ことは、人間の根源的なニーズ。これを満たすには、相手の言葉から「なぜこの人はこの話をするのか」と考えることが不可欠です。

 たとえば、雑談で自慢話や愚痴を延々と続ける人は「認めてほしい」と望んでいるのでしょう。内容に耳を傾け、何を認めてほしいのかを考えること。

 部下への不満を語る相手から、「~さんは、部下への愛情を知ってもらいたいのでは?」と推測したのであれば、そのまま質問しましょう。それが間違っていても、相手の感情に目を向けたことで、会話は深まるはずです。

 雑談でこうした関係を築くと、こちらの言葉が驚くほど相手に伝わりやすくなります。上司から部下へのアドバイス、営業から顧客への提案などもスムーズに進むでしょう。そして最終的に、互いに満足できる、実りある結果を生み出せるのです。

 

『THE21』2016年5月号より

 

取材・構成 林加愛

著者紹介

西任暁子(にしと・あきこ)

ラジオDJ

大阪府生まれ、福岡県育ち。慶應義塾大学在学中よりFMラジオのDJとして第一線で活躍。「わかりやすく伝える方法」について探求を重ねてきた。独立後、2012年にU.B.U. ㈱を設立後、話し方の学校の学長として2年半に渡って指導。現在は、人間の創造性を引き出すリーダーのためのコミュニケーションを講演や研修を通して伝授している。近著に『本音に気づく会話術』(ポプラ社)がある。

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