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今、話題の「マインドフルネス」とは?

2016年06月20日 公開

石川善樹(予防医学研究者)

リラックス&集中力を取り戻す「集中瞑想」

 マインドフルネスは瞑想を中心としたトレーニングなのですが、一口に瞑想と言ってもいろいろなやり方があります。そのうち、私が勧めているのは「集中瞑想」と「観察瞑想」です。

 まずは「集中瞑想」から始めましょう。これは、何かの対象物に集中する瞑想のこと。心をリラックスさせる効果があるのです。

 とくに、ストレスが溜まったときに行なうのが効果的です。会社でするなら、誰もいない会議室などの静かな環境を整えましょう。手順としては「調身」「調息」「調心」の3段階があります。

 1番目の「調身」とは、背筋を伸ばして、姿勢を整えることです。イスに座っても、座禅をしてもかまいません。ポイントは、背筋を伸ばしたら、1度肩を落とすこと。この動作なしに背筋を伸ばそうとすると、緊張して肩が上がりがちになります。イスに座るなら、両足を床につけて、両手を軽く握って太ももの上に置きます。目は閉じても半眼でもOK。半眼の場合は、1メートル先をぼんやり見ると、心が安定します。

 続く「調息」とは、深呼吸をして、呼吸を整えることです。深呼吸というと「吸う」ことを意識しがちですが、重要なのは「吐く」こと。人は息を吸うときではなく、吐くときにリラックスするからです。鼻から五秒ほど息を吸ったら、鼻からでも口からでも良いので、10~15秒ほどかけてゆっくり息を吐き出しましょう。

 すると、血液中に二酸化炭素が行き渡り、気分や感情の昂たかぶりを抑えるセロトニンが脳内に分泌されます。これを2~3分するだけでも、心がゆったり落ち着いてきます。

「調身」「調息」が済んだら準備完了。「調心」を行ない、心を整えます。目の前に置いてあるものなど、1つの対象に注意を集中させるのです。最初は自分の呼吸に注意を向けるのが、1番やりやすいでしょう。呼吸の数を「1つ」「2つ」と数えると、呼吸に注意が向きやすくなります。

 しばらくすると意識が他のことに行きがちですが、気づいたら、再び集中する対象に注意を戻してください。

 こうして集中瞑想をすることで、脳を疲弊させる「判断」作業をいったん停止できます。だから、非常にリラックスできるのです。

 また、怒りや恐怖の感情を司る脳の扁桃体を縮小させるという研究もあり、感情が暴走しなくなり、イライラしなくなるのです。

 加えて、意思決定や集中力などを司る脳の「前頭前皮質」を活性化できます。すると、対象にしっかり注意を向けられるようになり、余計な情報に惑わされなくなります。

 また、リカバリー能力も高まるので、混乱したとしても、すぐに平常の精神状態に戻れるのです。

 慣れると短時間でも効果を実感できますが、はじめのうちは5分くらいはしたほうが良いでしょう。

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「観察瞑想」で自分の感情を客観視 >

著者紹介

石川善樹(いしかわ・よしき)

予防医学研究者

1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業後、米国ハーバード大学公衆衛生大学院修了。自治医科大学で博士(医学)取得。専門は行動科学、計算創造学、計算社会科学など。著書に『疲れない脳をつくる生活習慣』(ダイヤモンド社)、『最後のダイエット』『友達の数で寿命は決まる』(ともにマガジンハウス)、『健康学習のすすめ』(日本ヘルスサイエンスセンター)など。

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