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マイルドヤンキーが上昇志向を持つ職場とは?

2016年06月24日 公開

神田昌典(経営コンサルタント)×若山陽一(UTグループ社長兼CEO)

なぜ、マイルドヤンキーが上昇志向を持つのか?

神田 上を目指してあくせくした生活を送るのではなく、地元に住み続けて、小学・中学時代から知っている仲間たちや家族との時間を大切にし、地元に骨を埋めようという人たちを、「マイルドヤンキー」と呼ぶことがあります。
UTさんに入られた方の多くは、もともとこういうタイプの方が多かったのではないでしょうか。彼らは仕事を「生活するための手段」と割り切る傾向がありますが、UTさんでは、そうした方々がやる気を出して、高い学習意欲を持って仕事に取り組んでいる。それはいったいなぜなのでしょうか。

若山 いくつかの要素が重なっているかと思いますが、「自分の未来が描ける仕組み」を用意しているのが大きいのではないかと思います。学歴に関係なく執行役員に昇進できる道が開かれていたり、「One UTプロジェクト」という、他の仕事の基礎を学んでキャリアチェンジができるシステムがあったりというのは、他の派遣会社にはあまりない特徴ですからね。

神田 しかも、それが手の届かない目標ではない。リアリティのある将来を見せてあげれば、自然とモチベーションは上がるというわけですね。

若山 それにも増して大きいのは、「学習する楽しさを知った」ことではないかと思います。学校の勉強が嫌いで、勉強しないで育った人は、学習の楽しさを知りません。でも、仕事の場で丁寧に教えてもらって学ぶことで、できることが増えたり、小さな成功体験を得られると、学ぶことが楽しくなってきます。
また、弊社で特徴的なことの一つに「チーム派遣」があります。これは企業にマネージャーを含めチーム単位で派遣を行なうというものですが、社員にとって大きなメリットがあるのです。派遣の仕事ではなかなか身につける機会がない、チームで働く能力やマネージャーとして人を動かす能力を磨くことができるからです。これもまた、新たなキャリアにつながります。

 

地元で働くチャンスをいかに作るか?

神田 マネージャーさんたちが講義を受ける姿を見て、私は、中国の大学で講義をしたときのことを思い出しました。講義や授業の際、日本人の学生は後ろのほうから座っていくのに対して、中国人の学生は教室にいち早く来て、前に座るんです。UTさんの社員も同じでした。

若山 それは心強いですね。

神田 ただ、中国人の生徒たちは、決して上昇志向だけで動いているのではない。自分の家庭のことも、とても大事にしている。この光景を見て、思ったのです。マイルドヤンキーが上昇志向に目覚めると、地元と家族を大切にしながらも、会社での自分の役割を考え、責任を持って仕事に取り組むようになる。これは人間として理想的な形だと思うのです。

若山 確かに、弊社に入ってくる20代くらいの社員にはとくに、こうした「地元志向」の人が多いように感じます。ただ地方だと、仕事の数に限りがあり、その人が持っているスキルに合う仕事がなかなか見つからない。
だからUTでは、一つだけでなく複数の技能を身につけたり、マネージャーとしての能力を磨くことでキャリアの幅を広げる機会を設けているのです。そうすれば、地元で働き続けることができるチャンスがぐっと広がるというわけです。

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著者紹介

神田昌典(かんだ・まさのり)

経営コンサルタント・作家

上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済部に勤務。戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍後、1998年、経営コンサルタントとして独立。コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設(現在は「次世代ビジネス実践会」へと発展)。日本最大級の読書会『リード・フォー・アクション』主宰。
主な著書に『2022―これから10年、活躍できる人の条件』(PHPビジネス新書)など。

若山陽一(わかやま・よういち)

UTグループ社長兼CEO

17歳のとき、バイク事故で肝臓破裂、4日間の意識不明を超えて一命を取りとめたことで、
命は有限であることを実感し、起業を決意。「仕事を創ることが仕事」をポリシーに1995
年にUTグループを創業。2003年、製造派遣業界で初めての上場を果たす。その後、
旧GWG買収を機に、GWGのコンプライアンス違反が見つかり倒産の危機に。同時に、
個人でも37億円の負債を抱え、自己破産の危機に陥るも、不屈の精神によって全額返済。
趣味で始めた登山では、世界の名峰8山登頂後、2015年、エベレスト登頂を目指すも、
ネパール大地震の影響でやむなく下山。ネパール登山がきっかけとなり、世界中に仕事
を創ることを決意。途上国支援の一環として、ネパールで高品質なイチゴの生産による
雇用創出を始める。座右の銘は「想いが行動を変え、行動が現実を変える」。

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