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脳のストレスを「溜めない」 8つの方法

2016年06月29日 公開

有田秀穂(医学博士)

ストレスへの自覚がなくなると危ない!

 脳はストレスを感じると、2段階の反応を示します。

 第1段階では、ストレス状態を脱しようと身体が反応します。脳内の危機管理を司る「ノルアドレナリン神経」が働き、交感神経が高まります。具体的には、危機に対処するために血圧が上がるなど覚醒状態となるのですが、一方で、パニック・不快・不安感を感じます。これは身体にとって自然なことであり、この段階で、ストレスに対処すればあまり問題ありません。

 しかし、この段階で長くストレスにさらされ続けると、第2段階である脳がフリージングした状態に移ります。

 脳がストレスへの抵抗を止めているため、ストレスに対する自覚はありません。しかし、脳の視床下部の「ストレス中枢」が興奮し始め、見えないところでストレスが蓄積されていくのです。すると、脳の下垂体を介して副腎皮質という部分からストレスホルモン、別名コルチゾールと呼ばれるものが分泌されます。

 コルチゾールは、免疫力の低下や高血圧を招き、さらには肥満・糖尿病を発症させることがわかっています。そこで、ストレスにさらされる前にハッピーホルモン・セロトニンを十分に分泌させ、仕事の後に癒し物質であるオキシトシンを分泌させる生活が重要になります。セロトニンの分泌を促す3つのキーワード

 セロトニン分泌を促す3つのキーワードは、「太陽光」「リズム運動」「グルーミング」です。一番簡単なのは、太陽の光を浴びること。誰にでもできるシンプルなストレス解消法なので、ぜひ朝の習慣にしたいものです。

 続いて「リズム運動」。一定のリズムに合わせた運動のことで、ウォーキングやジョギングはもとより、よく噛んで食べる、意識して呼吸する、歌うことも含みます。ストレス解消に必要なのはあくまで、疲れた脳を活性化させセロトニンを分泌させることなので、この程度の運動量でも十分です。

 もう一つ欠かせないのが「グルーミング」。スキンシップや他者との交流のことです。これにより、セロトニンの働きを助ける「オキシトシン」が分泌され、視床下部のストレス中枢を鎮静化します。

 次のページから、この3つを応用したストレス解消法をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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著者紹介

有田秀穂(ありた・ひでほ)

医学博士

1948年、東京生まれ。セロトニンDojo代表。東京大学医学部卒業、医師免許取得。東海大学病院、米国ニューヨーク州立大学留学などを経て、東邦大学医学部統合生理学にて、坐禅とセロトニン神経・前頭前野について研究。同大学にて教授を務めたのち、名誉教授に。『脳からストレスを消す技術』 (サンマーク出版)ほか著書多数。

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