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知らないうちに陥っている!? 教育費の大誤解

2016年09月20日 公開

畠中雅子(ファイナンシャルプランナー)

奨学金を背負わせずに大学まで出すのが親の務め

 

「子供の将来のため」という大義名分があるだけに、ついお金をかけてしまいがちな習い事や教育費。だからこそ、間違えば文字どおり、子供にツケを回すことになる。親が陥りがちな勘違いと、教育費プランニングの勘所を、プロにうかがった。

 

幼児教室に通わせるのが子供のため?……×

 近年、習い事はますます早期化し、1歳になる前から幼児教室に通わせるのが常識だと考えている親たちも少なくありません。雇用が不安定な状況が続く中、将来の就職への不安から、「良い会社に入れるためには良い大学へ。そのためには出遅れてはいけない」と「早い者勝ち」の発想になるのでしょう。

 気持ちはわかりますが、これは間違い。教育にかけるお金は「早い者負け」です。子供が小さいうちに教育費をたくさん使ってしまう家庭は、将来のぶんの教育費を前倒しで使っているのです。

 とくに幼児の教育費で怖いのは、年収1,000万円の家庭も、年収500万円の家庭も、同じ使い方ができてしまうこと。たとえば月数千円の幼児教室に通わせることは、そのときには大した負担ではありません。ところが、この教育費の先食いは、年収が低いほど、あとあと響いてきます。貯蓄ができないからです。そして、大学進学の時点で子供に多額の借金(奨学金)を背負わせる結果につながりやすいのです。

 周囲では早期教育が常識だとしても、「うちの家計のサイズでは、今は支出を増やすべきではない」と冷静に判断できるかどうか。「早い者負け」にならないためには我慢が大事です。

 

子供がやりたい習い事だけでいい?……

 子供に習い事をさせる親御さんには、しばしば不思議な発想が見られます。たとえば「学校の授業で泳げないと恥ずかしい思いをすることになるから、スイミングは『基本』として必ず習わせるもの。本当にやらせたい習い事を選ぶのは二つ目から」。こんな親は少なくありません。

 また、習い事に通わせることでママ友ができ、ママ友から別の習い事の話を聞いて「うちの子にもさせよう」と、どんどん習い事の数を増やしてしまうケースもよくあります。結果、毎日習い事の生活になってしまう子もいます。習い事のせいで経済的にも時間的にもゆとりのない生活になってしまい、子供がろくに友達づきあいもできないようでは、どこか間違っていると言わざるを得ません。

 年収500万~600万円くらいまでの世帯なら、習い事は一つ(6,000~7,000円/月)が適正です。そして、一つだけやらせるなら、親がやらせたいものではなく、子供がやりたがるものを選ぶべきでしょう。そうでなければモノになりません。

「たくさん習い事をさせてあげるのが親の義務」という発想は捨てましょう。親の義務は、できる限り子供に借金(奨学金)を背負わせずに、大学まで出してあげることなのです。

 

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著者紹介

畠中雅子(はたなか・まさこ)

ファイナンシャルプランナー

1963年、東京都生まれ。大学時代からフリーライターとしての活動を始め、長女を出産したことをきっかけにマネー分野を専門とするライターになる。長女出産の翌年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。現在は新聞、雑誌、WEBなどに多数の連載やレギュラー執筆を持つとともに、セミナー講師、講演などを行なう。社会人の娘、大学生と高校生の息子を持ち、実体験に基づく的確なアドバイスに定評がある。『サヨナラ お金の不安』(主婦の友社)など、著書多数。

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