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40代でも間に合う!キャリアに役立つ「資格」とは

2016年10月19日 公開
2023年05月16日 更新

高島徹治(資格コンサルタント)

高島氏が40代ビジネスマンに勧める資格10

難易度……☆が多いほど難しい
社内役立ち度、独立・転職役立ち度……☆が多いほど役立つ

行政書士
難易度 ☆☆
社内役立ち度 ☆☆☆
独立・転職役立ち度 ☆☆☆

許認可を求めて官公署へ提出する書類の作成を行なえる資格。広範な法律分野をカバーできるので、企業内の総務部や法務部で役立つほか、独立する場合も、得意分野に応じた仕事領域を設定できる。逆に言えば、明確な「自分らしさ」が出せないと厳しい。大手事務所がすでに抱え込んでいる分野も多く、新たな分野を創出するアイデア力が必要。

1級知的財産管理技能士
難易度 ☆☆☆
社内役立ち度 ☆☆☆
独立・転職役立ち度 ☆☆

知的財産権を取り扱う「弁理士」は難関で合格者が少ないため、人材不足対策として設けられた資格。ニーズの高い分野なので社内の特許関連部署で重宝され、転職にも有利。ただし1級を取るには2級合格+1年以上の実務経験が必要。弁理士事務所で働きながら目指す、といった形が取れなければ、1級合格は難しい。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
難易度 ☆☆
社内役立ち度 ☆☆
独立・転職役立ち度 ☆☆

資産運用の専門知識を問う資格。お金はあらゆる人にとっての関心事なのでニーズは高いが、社内の評価に結びつけるなら、1級もしくは同レベルを求められる「CFP」の取得が必要。独立する場合は生保や損保の代理店になるケースが多いが、完全なフリーなら、書籍を執筆できる文章力など、+αの能力も備えていることが望ましい。

社会保険労務士
難易度 ☆☆☆
社内役立ち度 ☆☆☆
独立・転職役立ち度 ☆☆

社会保険労務士は、労働関連法令に関する書類作成、および労務管理に関するコンサルティングを行なう仕事。税理士、中小企業診断士と並んで、「40代向けの三大資格」のひとつ。難易度の高い税理士と違い、2年ほど頑張れば取得可能。ただし合格者は毎年約3~4,000人おり、独立すれば激しい競争になるのは必至。

中小企業診断士
難易度 ☆☆
社内役立ち度 ☆☆☆
独立・転職役立ち度 ☆☆

元来は、公共機関が中小企業の経営診断を行なう際の資格だが、現在は民間の有資格者が大多数。普段の業務と重なる試験科目が多いため誰でもトライしやすく、経営戦略立案など、社内で活用できる場も多い。社労士と違って業務独占資格ではないため書類作成代行はできないが、労務問題のコンサルティングは行なうことができる。

TOEIC(R)860点
難易度 ☆☆
社内役立ち度 ☆☆☆
独立・転職役立ち度 ☆☆

多くの企業が英語力の物差しとしている資格。社内のポジションアップや転職に役立てるなら、通常高スコアとされる860点以上を狙いたい。ただし試験内容はビジネス英語力の正確な反映とは言い切れず、高スコアでも実務能力に直結しなければ評価されない。仕事内容に合わせて、現場で使える英語を磨く努力が必要。

介護福祉士
難易度 ☆
社内役立ち度 ☆
独立・転職役立ち度 ☆☆☆

高齢社会における介護職のニーズは高い。ホームヘルパーより専門性が高い「介護福祉士」に関しては、行政も将来の介護事業の中心を担わせるべく働きかけている。現在のところその試みはまだ途上で、低収入という問題もあるが、この資格を出発点に介護事業所やケアマネジャー事務所を開く、といった道も考えられる。

宅地建物取引士(宅建士)
難易度 ☆☆
社内役立ち度 ☆☆☆
独立・転職役立ち度 ☆☆

年一回の試験に19万人が集う超人気資格。不動産業界で働く人なら「持っていて当然」だが、建築・建設・金融等の不動産関連業界では付加価値として比較的高く評価される。とはいえ合格者が膨大にいるので、全体的に希少価値は低め。マンション管理士等、別の関連資格も取得すれば、より差別化を図れる。

第一種衛生管理者
難易度 ☆
社内役立ち度 ☆☆
独立・転職役立ち度 ☆

「労働安全衛生法」に基づいて職場を管理する衛生管理者は、50人以上の事業所に1人、200人以上なら2人置かなくてはならない。そのせいか、「会社の命令で」など消極的な理由で受験する人が多いが、その中であえて積極的に「スペシャリスト」を目指すのがおすすめ。一定のニーズが常にあり、知識量が多いほど重宝される。

証券アナリスト
難易度 ☆☆
社内役立ち度 ☆☆
独立・転職役立ち度 ☆☆

証券会社のファンドマネジャーや個人の投資コンサルタントとしての道も広がる、金融マンにとって魅力的な資格。その半面、ネックとなるのは「時間」。受験前には8か月間の通信教育講座の修了が必須。第一次、第二次を合わせると16カ月を費やすことに。合格後、検定会員に登録するにはさらに3年の実務経験が必要となる。

 

《『THE21』2016年10月号より》

著者紹介

高島徹治(たかしま・てつじ)

資格コンサルタント

1937年、東京都生まれ。早稲田大学中退後、週刊誌記者、編集プロダクション社長を経て、53歳の頃から資格にチャレンジ。社会保険労務士、中小企業診断士等90を超える資格を取得。現在は資格コンサルタント・能力開発コンサルタントとして活動、講演やテレビ出演等でも活躍。『40歳からは「この資格」をとりなさい』(中公新書ラクレ)をはじめ、著書多数。

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