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脳科学者が勧める「朝時間」の使い方



2016年12月29日 公開

茂木健一郎(脳科学者)

毎日、朝イチでコンビニに行く理由とは?

このように朝からトップスピードの茂木氏。真似したいと思う人は多いかもしれないが、それにはまず、まず早起きをしなければならない。早起きのコツを尋ねたところ、「朝、すっきり目覚めるためには、外光を浴びることが重要」だという。

「なぜ私が起きたらすぐにコンビニまで行くのかいうと、戸外の太陽の光を浴びるためです。これには科学的根拠があります。
朝、太陽の光を浴びると網膜から光が入り視神経が刺激を受ける。その刺激が脳内の視床下部の視交叉上核に伝わります。それによって、脳の覚醒を促すホルモンであるセロトニンが放出され、朝になると目が覚めて、夜になると眠くなるといった生体リズムが整えられていきます。
こうした周期的に繰り返される生体リズムをサーカディアン・リズムと呼びます。この生体リズムの基本となる体内時計が視床下部の視交叉上核にあります。そのため、この部分が朝目覚めて夜眠るといった覚醒や睡眠のリズムをつくっているというわけです。
『朝起きられない』という人は、話を聞いてみるとほとんどの人が部屋を暗くしたまま起きている。これは良くないですね。まずは朝起きたら、部屋の明かりをつけるか外光を浴びる。できれば太陽の光がいいです。理由は太陽光の波長が脳の覚醒スイッチを入れるのに効果があるからです。
脳は環境の変化に非常に敏感。朝、目を覚ましても部屋の中にいると、『これはまだ休んでいてもいいのかな』という判断をしてしまいます。反対に、外に出ると『もう朝だ。目を覚まさなきゃ』と脳が判断するので自然に目覚められるのです」

 

睡眠サイクルを利用すれば目覚まし時計は不要!

茂木氏は朝目覚めるとき、目覚まし時計が鳴る前に起きることができるという。

「毎朝、目覚ましが鳴る前に自然に起きる習慣が身についていますから、目覚まし時計は保険のためにセットするだけです。
それから、朝起きる時間をとくには決めていません。なぜかというと、1.5時間ごとにノンレム睡眠からレム睡眠に切り替わる睡眠サイクルを利用して起きているからです。1.5時間×4だと六時間。それくらいを目安にして、眠りが浅いレム睡眠のときに目が覚めるように調整して寝ています」

朝、すっきり目覚めるためには朝だけでなく、前の晩の過ごし方が大事になってくる。

「夜は朝ほど真剣に計画を立てない方がいいですね。できれば、あまり予定を入れずリラックスして過ごし、ベッドに入ってからはあっさり寝てしまうことをお勧めします。
 私の場合はリラックスするために、お気に入りのアメリカやイギリスのコメディ番組を見ています。脳は新しいことをやろうとすると、目が冴えてしまうので、以前に観たことのある番組にしているのです。すると五分くらいで眠くなるので、眠くなったなと思ったら電源を切って眠りにつきます」

 

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「午後にやる気が出る」は思い込みに過ぎない! >



著者紹介

茂木健一郎(もぎけんいちろう)

脳科学者

脳科学者。ソニーコンピューターサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別研究教授。
1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。
主な著者に『脳とクオリア』(日経サイエンス社)、『脳内現象』(NHKブックス)、『脳と仮想』(新潮社)、『「脳」整理法』(ちくま新書)、『脳を活かす勉強法』(PHP研究所)、『脳と創造性』『脳が変わる生き方』(以上、PHPエディターズ・グループ)などがある。

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