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脳科学者が勧める「朝時間」の使い方

2016年12月29日 公開

茂木健一郎(脳科学者)

「午後にやる気が出る」は思い込みに過ぎない!

朝型生活をしたいが、どうしても朝が苦手……という人は多い。しかし、「よく『午後2時くらいからやっと調子が出てくる』という人がいますが、それは思い込みに過ぎない」と茂木氏は指摘する。

「もともと生物は、夜型にはできていません。文明以前はみんな朝起きて夜寝ていたのですから当然でしょう。朝型が苦手だという人は今の生活を変えたくないのではないでしょうか。『自分のスタイルは夜型なんだ』と勝手に決めつけいるというか。
そういう人は、他のことも変えられない、変化を拒む傾向にあるのだと思います。そこのところは、自己点検したほうがいい。
朝型を習慣化するには、やる気が必要なのだと思っているかもしれませんが、習慣にやる気って必要ないんですよ。私は何十年も朝型を続けていますが、朝からやる気まんまんのときなんてほとんどありません。やる気がなくても、習慣になっているからできているだけです。
そもそも、『やる気』って贅沢品なんです。『やる気がわいてきたから、一気に仕事が片づく』なんて、人生の中でそう起こることではないですから。逆に言うと、いつもやる気がある状態だと疲れてしまいます。そうではなく、やる気がなくてもやれるように習慣化することが大事なのです。だから『やる気がでない、調子が乗らない』ということを早起きができない言い訳に使ってほしくないと思います」

 

朝の習慣化のスタートは「たった1分」でOK!

朝型を習慣化させて新しいことを始めたいという人は、まずハードルを下げることから始めるべきだと茂木氏は語る。

「習慣化させるということを難しく考えすぎなのです。たとえば何か勉強するにしても、最低でも30分はやらなければと考える人は多い。でも、5分でも1分でもいいんです。
30分や1時間の単位でものを考えるというのは、学校の授業やビジネスの習慣の中で根づいた考えだと思います。実際には5分で済んでしまうような内容のミーティングに30分間もの時間をとってしまうのは、よくあることです。
その習慣が一人で使える時間のときもくせとして残ってしまっているから『朝の英語は30分はしなきゃ』と、なってしまう。でも英単語を一つ覚えるなら1分でできますよね。1分やれば脳の活動としては十分。1分単位でものを考えると、ハードルが下がりやれることがたくさんあることに気づくでしょう」

 

<『THE21』2016年12月号より>

著者紹介

茂木健一郎(もぎけんいちろう)

脳科学者

脳科学者。ソニーコンピューターサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別研究教授。
1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。
主な著者に『脳とクオリア』(日経サイエンス社)、『脳内現象』(NHKブックス)、『脳と仮想』(新潮社)、『「脳」整理法』(ちくま新書)、『脳を活かす勉強法』(PHP研究所)、『脳と創造性』『脳が変わる生き方』(以上、PHPエディターズ・グループ)などがある。

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